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★★★ 世の中には二つのモノがある それは私にとって価値のあるモノと、価値があるかもしれないモノだ ★★★ バスケットの中のサンドイッチは、全て君のものだ。 少なくともティシューはそのつもりだったし、シェフの二人もそのつもりで作った。 だからたとえサンドされてるものに君が苦手なものがあっても残しても構わない。 「お好きなだけどうぞ」 と言われて君はバスケットを開けた。白いパンに柔らかそうな野菜とハムや卵焼きなどが挟まれている。 だが全て君のものと言っても、朝食を食べてからさほど時間が経っていない、あまり多くは食べれない。 多くてもせいぜい二つ、それ以上だと食べ過ぎだろう、君はちょっとだけ食べてバスケットを閉めた。 街へと向かう道は切り開かれていて、通り抜ける風が気持ちいい。 「この道はご主人様が切り開いたものらしいです」 らしい、と言うことはティシューはその現場を見ていないと言うことである。 せっかくティシューが振ってくれた話題に、君は詳しく聞いてみることにした。 そもそもこの島の町は、男爵がこの島に住むようになってから大きくなった町であった。 元々男爵はこの島の生まれではなく、トワレヤ諸島郡の北にある大陸の人間である。 しかし、自由気ままである男爵は、その好奇心が故に天山大剣を追いかける際に、その航路上に館を置いた。 そして、世界中を飛び回る際、身寄りのない子供を拉致してきては館でメイドとして飼うようになった。 君は驚いて声を上げた、拉致!?飼う!? 「はい」 とティシューの淀みない返事、聞き間違いじゃなかった。 「私たちは全てご主人様の所有物です。他の者の事は判りかねますが、少なくともご主人様に私は救われました」 見上げた忠誠心である、男爵のことを語るティシューの声は明らかに誇らしげだった。 過去に一体何があったのだろう。 話を戻すと、元々はこの島の上空が天山大剣の通り道であったが故に館を置き、子供を保護しているということだ。 ちなみにメイドをさせているのは男爵の趣味である。可愛いは正義。 もちろん保護した子供は女の子だけではないので安心してほしい、別の館にいるというだけである。 「機会があれば他の館に行くことがあるかもしれません」 基本的にティシュー達メイドは島から出ることはあまりない、彼女自身よそのメイドに会ったことはないらしい。 「メルやセッティエームは定期的に大陸に渡っているのですけれど」 何をしに?と聞くと、ディーラーです、と即答。相変わらず打てば響くほどよい回答をする。 でぃーらー?君はますます判らなくなった。 ディーラーというと販売者という意味である、あの二人が一体何を売るの?と聞いてみた。 売るのではなくトランプゲームでの親を行うことをティシューは説明した。ディーラーってそっちのことか。 君はメルとセッティエームの事を思い出す。十に届くかどうかと言った年齢のあの二人だったが、務まるのだろうか。 「すごいですよ」 務まるらしい、君は二人の年齢を訪ねてみる。 「メルが八つでセッティエームが九つです」 十に届いていなかった。 ところで、遊戯室に行ったのであれば、遊技台があったことに気づいただろうか。 メルやセッティエームに見とれて、ビリヤード台や作りかけのパズルのみに気を取られていただろうか? それだけではなく、縄跳びやダーツのセットもあった、遊戯室の名は伊達じゃないということだろう。 遊技台とはカジノでトランプゲームをするときに使用する台のことである。 半円状のテーブルで、直線の所に親が位置し、五名ほどの子を相手にする台だ。 ちなみにルーレットやスロットマシーンもあったりする。 また今度遊戯室に行ったときに頼んでみたらいいだろう、遊びたい盛りのあの二人なら喜んで遊んでくれるはずだ。 遊技台、トランプゲームと聞いて、君はラスベガスのカジノを思い浮かべる。 何か賭けたりするのと君が聞くと、しばしの沈黙。かっぽりかっぽり馬の蹄の音だけが聞こえてきた。 「あまりおすすめはしませんが、それを望まれるのでしたら、あの二人ならば喜んでお応えするでしょう」 何か賭けたいなら付き合ってくれるかもよ、と言うことだった。 「ただ、身体的にも精神的にも極力負担の無いように行うのが最良だと存じます」 ギャンブルは身を滅ぼす、そのことは君の先駆者が身をもって証明しているはずだ。 人間誰も勝ったときの話しかしない、数カ月に一度たかだか数万勝った程度でこれまでの数年で数十万と費やしていることを見ないふり。 ギャンブルは身を滅ぼす、そのことは君の先駆者が身をもって証明しているはずだ。 ティシューはそのことを言いたかったのだ、君は肝に銘ずることにする。 話がそれた、メイド達がこの世界で何をしているのかを説明し出すと時間がいくつあっても不足する。 町へ行く一時間足らずでは、これくらいの話が関の山だった。 森を抜けると、町があった。君が暮らす近代日本のような舗装された道路ではない。 だが、木造石造の建物がいくつも存在し、市もあった。 さすがにトワレヤ諸島の一つの島でしかないここは、町としては小規模である。 だが、この町が出来た理由がこの島に男爵がいたから、それだけが理由であることを考えればそれはかなりすごいことでもある。 高台から町を見下ろす、この丘の上からでも人々が市場を歩いているのが見えた。 大人も子供も活気にあふれている。 男爵の庇護のもと成り立っているこの町には、君の世界で言う警察などと言った自警組織をメイドのOGが勤めている。 基本的にメイドは三十路を越えるまでには伴侶を見つけて館を出る。 館を出た後は町で暮らす、メイドであるときに身につけた生活能力は、まさに良妻賢母に相応しいものと言えるだろう。 また、館には男爵と勝負を望む冒険者達も訪れるが、それらは大抵メイドが撃退する。 そもそも男爵は館をほとんど留守にしているからであり、メイド達は館を護ることが義務であるからだ。 そんな経緯で撃退された冒険者達は、尻尾を巻いて逃げるか、リベンジを果たすために町に居座るか、そのどちらかである。 町に存在する施設は、冒険者ギルドは当然として、鍛冶屋と八百屋、肉屋に雑貨屋に貸本屋、大きなところでは学校も存在する。 基本的には物々交換だが、金銀銅貨も多少使われる。もちろん描かれる人物は男爵の横顔である。 金銭的な価値は、銅貨が100円、銀貨が1000円、金貨が10000円程度、とまぁわかりやすく区切られている。 銅貨以下のおつりは無いので、使用するときは「銅貨一枚分で」といった買い方をする。 それでも基本は物々交換ではあるのだけれども。 君はティシューにお金の詰まった袋を手渡された。結構ずしっとしていて数が入っているようだったが、全部銅貨だった。 君のお小遣いのつもりでティシューは渡したのだが、実はこのお金、ティシューの自腹だったりする。それを知らない君はそのまま受け取ってしまう。 丘から降りると町の入り口の門があった。門と言ってもそれほど上等なものではなく、柵と言った方がしっくり来るような簡単なものだ。 頭上の見張り台にティシューは声をかける。 「ごめんください」 声をかけられた見張り人はすこぶるびっくりしたようで、「ふぇぁ!」なんて声が頭上から聞こえた。 居眠りをしていたらしい、仕事しろ。 もっともティシューが今いるこの入り口は、男爵の館直通故に、外からここに来る人間と言ったらメイドしかいないのだ。 暇をもてあますものしょうがないと言える。 見張りの女は身を乗り出して声をかける、コレは珍しい人が来た、反物でも切れたかな? 庭で野菜を栽培をしているベルウッドが採れた物を売りに来るのは毎日のことではあるが、 被服室の長であるティシューが町に来るのはあまりない。 洋裁に必要な布は部下であるメイド達に買いに行かせるか、まとめて仕入れるかをするからだ。 それ故に珍しいのだが、ティシューは丁寧にそれを否定する、布は十分確保してあります、今回は別の件です。 すると見張りの女は君を見る、ほほう、と目を細める、君の位置からは彼の表情は見えなかった。 「あなたより珍しい客人ですね」 「えぇ、その通りです。通ってもよろしいですか?」 メイドの通行を拒否する理由などどこを探してもあるはずがない、一も二もなく彼女は了承した。 門を通過しながら君は振り返る、見張り台の女がなおも君たちを見ていた。君の見ているのに気付いて手を振ってきたので、君は律儀に振り返した。 「元メイドです」 知り合い?と訪ねた君にティシューはそう応える。 なるほど、さっき話したメイドのOGというわけである。 「メイドを引退したと言っても、そのころの能力や経験を活かし、あのように町の治安維持に尽力したりしている者が多いです」 門から少し中に入ったところで建物がある、ティシューはそこに馬を預けた、コレよりは徒歩。 「少々歩きますが。お疲れになりましたら仰ってくださいね」 馬から降りてティシューは優雅に一礼。 君は差し出された手にバスケット渡し、するりと馬から降ろされた。 『次の話へ』
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梓「師匠・・・」 律唯「ぬおおお!」 進「普段パソコンの作業が多い分、指にくるものだな」 さわ子「パソコン・・ さわ子「DTM。」 進「ええ。生業としています」 律「えーっ!じゃあプロなんじゃん!スゲーわけだよ。」 澪「わわわわ・・・」 律「何で唯教えてくれなかったんだよ!」 唯「だって、お父さんいつもあんまり家にいなくて」 進「はて?じゃあ君はこの世界のわた・・・いや、私の職業を今まで知らなかったと?」 唯「うん」 唯「だから前に突然演奏してくれた時、お父さんの知らなかった所が見れて・・!」 唯「本当に嬉しかったんだ。」 むむ。 職業に加えて気になることがもう一つある。 進「憂。」 憂「うん?」 進「この家は母親が・・・いや、お母さんはどこに行った」 憂「お母さん出張って言ってたよ、聞かされてなかったの?」 進「むむ」 Tシャツでジーパンという有象無象にはとても見せられない格好でソファに座っていた私は立ち上がり部屋に戻って パソコンを開く。メールの受信フォルダをひたすら見る。見る見る。むー。一応音楽の仕事は請けているようだ。 しかし名前は一向に明かしていないスタイルを取っているらしく一部では少し有名な様子も窺える。 何なんだこれは本当に私のやってきた事か?私が今まで築き上げてきたものすべてはこの世界では通用しない。 平沢進など誰も知らないのだ。私は・・ 進「何も持たないただの平沢進だ」 秋山もことぶきも田井中も中野も皆普通に生きている、普通に。ただただ目立つ事無く我々が出会う事も無く。 今の私には受け入れるしか無いのだ、現状に流されていくのだ。誰も知らない平沢進として世界の端を。 唯「」 進「む、その歌は?」 唯「ししょう知らないの?」 コチラの世界の常識など分かるはずもない 進「ああ」 唯「」 進「何だかずいぶん古臭いメロディーだ」 進「すごくアレンジしたい」 唯「おお~それもいいねえ」 進「で、曲名は?」 唯「それがよく分からないんだよね~」 唯「たぶんCMかなんかで覚えちゃったんだとおもうー」 しかし何度聞いてもこの子の歌が私とは全く違う「女の子」の歌い方だった事に驚く。 たかだかアニメソングだとなめていたがなかなか歌の芯はしっかりしている事にも驚いた。 アニメの中だけでは勿体無いと思う。 唯「放課後ティータイムのプロデューサーが決定しました!」 律「なんじゃっとー!!!!」 澪「って、けっこう予想できてるがなあ」 梓「先輩、ワクワクしてるじゃないですか。」 澪「!」 律「素直じゃないやつぅ」 律「私らの師匠って言ったらこの人しかいないよねー!」 進「断る」 一同「えっ」 進「唯、どういう事だ?」 唯「ごめんなさいししょう!!」 まさかこの年になって音自体には全く興味がもてない女子高生のお守りを? 進「私好みのニューハーフらが相手なら話は別だが一向に華が期待できないし」 澪「にゅ・・・」 進「おっとすまない何でもないからね」 唯「あっ 師匠、実は・・・さわちゃんはっおとこのひとなんだよっ」 進「信憑性に欠ける発言は」 律「これが昔の写真だじぇー」 進「アリだな」 梓「(変なひとだ・・)」 唯「ね?だから・・」 私は平沢進だ。何も持たないただの平沢進。 進「それでも私は君達を背負いきれない」 一同「」 進「嫌う嫌われるで話が済むならそれでいい。私の事を嫌い憎み恨み勝手にしなさい。」 進「私は現在の地位を築き上げるまでとても140文字以内じゃ語れない体験をしてきたその地位は今ではもう無いがね。 進「しかしここでも平沢として生きなければならないのだ。ハッキリ言うと私は自分のお世話で手一杯なので。」 空気が凍てつくのを肌で感じ取れた。きっと彼女達にこんな事言っても何一つ分からないんだよな結局。 しかしそれでいい。拒否の材料に私の今までの人生を乗せるつもりも無い。深く語る必要も無い。 それでも生きるしかない、その取捨選択で私は正しい方を選んだつもりだ。彼女達の音楽は知らない 私は己のための音楽を選んだのだ、決して人を育てるためではなく自身の音楽を守るために。それともう一つ。 唯「どうして?」 進「人の音楽まで育ててる余裕が無いのだ。」 進「私がもっと名の知れた者だったら唯も私の職業を知れていただろう」 進「私は音楽だけではなく家族も大事にするべきと考えた」 進「今の私は抱えるものが多すぎてすべてを選べないんだよ」 進「だから唯が胸を張って平沢進の名前が出せる日まで、私のレクチャーは待っててくれるか。」 唯「どうして・・」 なんと建前ばかりの言葉だろう。まあいい。 子供が泣く姿なんて久しぶりに目の当たりにしたかもしれない。 見る機会があっても目を伏せていたからな。しかし今は娘を泣かせた親という事で私は悪者になるのではないか 律「二人とも帰っちゃったな・・」 澪「唯が泣くなんて、よっぽど悲しかったんだろうな」 梓「悲しかったんでしょうか?」 律「どういう事だ」 紬「お父様は家族第一に考えた事を言ってたから、ね」 澪「感動して?そうかな」 梓「(私には断る材料で利用しているように見えました)」 律「んー唯もまだまだ分かんない所あるしなー。」 梓「単純な優しい言葉でも友達と親では重みが違うんですね」 紬「私達にはどうする事にもできない問題がそこにはあるから」 梓「にしても、唯のお父さん急にこうなったんですよね?憂も不思議だって言ってました。」 律「唯はずっと喜んでるけどなあ、お父さんがいる、って」 律「元から家にいるのは少ない夫婦だったんだろう?」 澪「デートの外出ばかりらしくておアツイっていうイメージだったが」 梓「いくらラブラブでも子供を放りっぱなしっていうのはちょっと問題があると思います」 澪「P-MODELなんて全然知らなかったしなあ謎の多い父親だと思うぞ」 紬「私は知ってたけれど」 律「えっ何で言わなかったんだよ」 紬「お父様ってアニメにも精通してらっしゃるのねーと思って」 紬「それアニメキャラのユニットですよねって言い辛いじゃない?次はYMOも出たし余計にね」 梓「アニメキャラのユニットなんですか?」 紬「そう、しかもアニメの登場人物が平沢・ことぶき・秋山・藤井なの。一つ惜しい!」 律「惜しくて悪かったな」 梓「the pillowsとかいうのもアニメのキャラなんですか?」 紬「もちろん、電気グルーヴっていうのも聞き覚えはあるような・・」 紬「しかも、主人公は本当にお父様そっくりなの。」 紬「本当にアニメの世界から出てきた人だと思ったわ。余程好きそうだしコスプレだと思うけど。」 律「確かに黒い服ばかり着てるなー。相当シックな色調が好きな人なんだーって」 紬「まあマニアックなアニメだし一般の人は知らないでしょう。ますます謎なお父様!」 梓「・・」 こうしていると自分が人並みの幸せを手に入れた錯覚に陥る。ソファで寝転がっていると夕飯の匂いが漂い 「ご飯できたよー」と娘がソファに寝転がっている私のそばまでズンズンと歩いてくるから はいはいと立ち上がり食卓によちよち歩いていく。私は平沢進だぞまったく。 でその途中に私が机の角に足の小指をぶつけた所を見ていた唯が笑う。私は痛がる。二人とも笑う。まったく。 本当に私が結婚して娘がいたならこういう生活を送っていたのだろうか?不思議なものだ。 私はこの世界の平沢進を嫌だと思う。名を知られていられず仕事に対し努力を欠いてるように見えるからである。 しかしその代償で彼が手に入れたものは妻だったのだろう。欠いたすべての時間は恐らくそれに注がれていた。 彼はただ愛情を求めることに集中しすぎていたように見える。与えることは一切しなかった。子供だと私は思う。 だからこそ唯も憂も愛されることなく半ば共依存して今まで生きてきたんだろう。 この子達は少しかわいそうだと思った。 進「コラやめなさい」 唯「おとうさーん」 進「仕事に集中できないし暑苦しいので離れなさい」 憂「おとうさんオフロ入ったよー」 進「分かった」 架空の存在だった私の分身とのやりとりが日々愛しい、少しだけだが。 同情心だけではない家族としての温かみも感じ始めていた。 進「それでも戻らねばならぬ日は来るのだ、恐らくは。」 進「しかしあの歌は・・」 …… 進「君は中野テルヲの・・」 梓「中野梓と言います。憂は?」 進「図書館に行くと言って出て行ったぞ。唯は修学旅行でいないし楽に動けるだろうから私が勧めた」 一人だと作業しやすい事が第一なので。 梓「少しお話ししたいのでお時間を頂いてもよろしいですか」 むむ私に?と指を自分に指すと目の前の小さな少女は小さく頷く。またこれ中野とは似ても似つかないなあと改めて思う。 いやそれ言ったら私も大概だ、あの姉妹に私のDNAの欠片も感じていないのだが。 進「さて何やら?まあ上がりなさい」 梓「ありがとうございます、では失礼します。」 進「・・・と、いうわけだ。」 進「違和感を感じてくれてありがとう。これでようやく理解者が出来た」 梓「いまいち信じられません」 梓「私達がアニメの世界の登場人物だなんて」 進「私のほうが信じられない」 梓「だって私の世界なら平沢さんこそがアニメの登場人物なんです、これでは鏡の世界です」 進「うん?」 梓「反転してるじゃないですか。この世界で平沢さんはアニメ、あっちでは人間」 梓「そして私達はこの世界で人間、あっちではアニメ」 進「むむ」 梓「・・でも信じるしかない物がここに」 進「これは一体、P-MODEL解凍の時のメンバー・・の絵?」 梓「好評のアニメなんです。メンバーがちょこちょこ変わったりして」 進「ははー、この世界のどこかに藤井ヤスチカも存在するのか」 3
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480 :名無しさん :2006/04/29(土) 11 49 05 怖いネタと言うか、怖かった仕草なんだけど・・・ ちょっと前の笑金でますおかが修学旅行(?)のネタやったとき。 ネタが終わったとき奇声(嬉しい悲鳴?)をあげたやつがいた。 それを聞いた途端、増田がそいつの方を無表情で見た。 そして暗転。 ネタは全然怖くなかったが、増田が客のほう見たとき、 ちょっと怖かった 485 :名無しさん :2006/04/29(土) 21 54 00 480 それに関すること笑金スレかどっかで見た そのとき増田は客の奇声に本気で腹立ててたらしい 819 :名無しさん:2009/09/27(日) 14 07 24 笑神降臨でますだおかだがやってた漫才。もしも相方が死んだらみたいなテーマで、 「ブレーキランプ五回点滅…死・に・ま・し・たのサイン」とか言っててちょっとブラックだった 他にも色々怖いこと言ってた気がするけど思い出せないや 二期はキンコメ出るし楽しみ。何か怖いことやらないかな
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いつしか千尋の両足からは緊張の糸が切れたのか力が抜けていて、最初の頃よりもその全貌を見せていた。 神乃木は親指で微かにいじっていた突起物を、本格的に親指に当て、ぐりりと弄んだ。 「いっ、あ、あはあぁぁあぁっ!!」 がくがくと身体を震わせ、千尋の嬌声が部屋中に響き渡る。 「はあはあ……は、ぁ…」 とろけてしまいそうなほど潤んだ瞳で、千尋は目の前にいる彼に甘い吐息を掛ける。喘ぎの混じったその息は、神乃木の事をまるで求めているかのようである。 「う……荘龍さん…」 神乃木はゆっくりと千尋の膣内から指を引き抜いた。粘液が神乃木の指にまとわりつき、てらてらと淡く光に反射していた。 先ほどと変わらずくたりとした格好のまま、それでも千尋はこれ以上に無いくらい頬を高潮させて、神乃木の事を愛しそうに、そして妖艶に見詰めてきている。 その表情に、高まる鼓動が抑えきれない。そうなってしまうと、理性よりも身体が動き始めてしまった。 神乃木は千尋の唇に、今一度己の唇を重ねる。 「ん………」 熱い。 顔だけでなく、千尋が、唇も、頬も、手も、指先も……全てが熱い。 漏れる声すら、神乃木を求めているとしか思えない。 そっと、影が離れる。 「………千尋…」 神乃木は千尋の事を呼ぶ。そしてそのまま、横たわっている身体に覆い被さった。神乃木はモノを取り出すと、濡れそぼり、ひくひくと震えている千尋の聖域へとあてがった。 「ふ、うく…っ…」 部分的にこすれ、千尋はうめき声を上げる。その声も、妖艶に感じられるほどだ。 (…早く……千尋の膣内へ…) 高ぶる感情に身を任せ、神乃木はあてがったモノを内部へと進入させ始めた。 にじゅりっ、ぐじゅっ、ぷちゅんっ……卑猥な音は続く。 「あっあっ、くふぅんっ…あう、っは…あはああぁぁぁっ」 断続的に響く千尋の甘い声。 粘液にまみれぬめりを伴っている肉壁が、神乃木のモノを狭いながらも受け入れ、官能を刺激する締め付けを送る。太く、血液もそこに集まってしまった今の神乃木のモノでは、進めるのが困難である。 だが、神乃木は半ば強引に千尋の最奥までモノを突き進めた。 ずくんっ! 何かを突き破るような感覚。それと同時に皮膜が裂かれ、痛みに赤い涙を流したものが、千尋の白い太股の間から流れ出した。 処女喪失。 千尋の妖艶さに、神乃木はすっかり千尋がこうした行為をした事が無い事を忘れてしまっていた。だが今となってはアフターカーニバル…後の祭りだ。 「う、うぅっ……!」 千尋の方はと言うと、やはり喪失の痛みに顔をしかめていた。痺れた思考には、今は快楽と痛みしか浮かばない。だが、やがてそれも快楽に押し潰される。 「やうっ……んんっ、あ……うくぅっ……」 息が詰まりそうな苦しさを確かに感じているはずなのに、千尋にはそれ以上の快楽しか頭に残らなかった。 白くしなやかな腕が、神乃木の首に巻きつく。そのまま離さぬようにと、千尋はしっかりと神乃木に抱きついてくる。 下半身はすでに、雄と雌の絡みつきによる滴り落ちる雫が寝床にしみわたり、軋む寝床の音と互いの性器の接触による淫猥な音で、満ち溢れていた。 「かは…ぅ…んんっ…」 (もっともっと高まらせて…そして、膣内に……) 思ったのはどちらの方であろうか。 目の前の男が動くたび、千尋には堪えがたいほどの快楽が走った。 目の前の女が喘ぐたび、神乃木には気の遠くなりそうな締めつけが起こった。 快楽に任せて千尋は腰をいつの間にやら揺らし、神乃木の動きに合わせてくる。淫らに開いた肢体は、快楽の揺れにびくびくと震え、その快楽を逃さないように決して閉じようとはしない。 神乃木は激しい動きに揺れ動く乳房に舌を這わせ、艶やかな桜色をしたその先端を口に含み、舌先でざらりと刺激を与える。 「いっ、ああんっ!」 生温かい舌の体温。 決して堅くないものの、決して柔らかくも無い、まるで軟骨のような堅さの舌。 その舌が、千尋の乳首の窪みまで舐め回す。 「ふぅっ、うんっ……ぁっ…」 目を閉じ、まるで苦痛に耐えるかのような表情をする千尋。 だが神乃木には分かっている。 これは千尋にとって決して苦痛ではないと言う事を。 それが証拠に、美しい裸体にはいつしか、上がった体温のためか透明な汗の雫がじんわりと浮かび上がっていた。 神乃木は唇を千尋の胸から離すと、じっと千尋の表情を見詰めた。 千尋の息は荒い。 「はっ、は…ぁ……ぁぁっ」 いやいやと首を横に振り、襲い来る快楽に飲み込まれすぎまいとする千尋。だが、その行為とは裏腹に、胎内も、肢体も何もかもが快楽に溺れ、蜜で潤った雌の花は、今か今かと実を結ぶ時期を求めているかのよう。 神乃木の肉棒も、もはや膣にその熱いたけをたっぷり注ぎこみたいと要求している。 神乃木の痺れた理性では、その本能を抑えきれない。 「中、膣に…出すぞ……っ!!」 その言葉の意味を、理性が止められるはずも無く。 千尋の返事も待たずに、神乃木はたぎった欲望を自身のモノから千尋の膣へと勢い良く放出した。 「い…ぁ、ひぃんっ!」 びゅるっ、ぐぢゅっ、ぢゅぱっ!! どぷどぷと弾け跳ぶような勢いで、『彼』の先端から出た精液が彼女の膣内を犯す。 千尋の腰が、注がれる液の脈動に合わせてがくがくと震える。 そんな彼女の腰を、神乃木は手で引き寄せて自分の腰に、モノに打ち付けさせる。決して彼女がたったの一滴もこの欲望を取りこぼさないように。 「あう、ああぁっ」 虚ろな瞳で、自身の秘部に目を向ける千尋。 今こうしている間にも、千尋の膣に叩き込まれた精液中の精子が、結びつく事が出来るのであればとまるで野獣のごとく、(時期的に危険日周辺であれば)千尋の最奥にたたずんでいるであろう卵子を探しているだろう。 そして卵子を見つけ、その中に入ろうと必死に外壁を突き破ろうとする精子。まるで処女膜を突き破ろうとする肉棒のごとく。 何とも淫猥な想像である。 だが、これだけしても先ほどから高揚した鼓動は落ち着きを取り戻せない。それどころか、更に性器が硬く熱くなっていく。 (クッ…こりゃあ、最高の『器』だぜ) そんな器と出会えたことに歓喜し、神乃木は再び千尋の腰をつかみかかる。 「きゃっ…あ、んっ。荘竜、さぁんっ……!」 その荒々しさに、千尋は先ほどの慈愛の表情から妖艶な、そして淫猥な表情へと変わっていく。 堕天使、と言う言葉がぴったりだった。 パンッ、パンッ、パンッ! 先ほどよりももっと荒く、もっと性急に神乃木は腰を打ち付ける。耐え切れず接合部分からは精液がぐちょぐちょと流れ出てきた。 その液体が、女性器の窪みを伝い、やがて菊門にまでたどり着く。 「あンっ、あ、つい……っ、ふ、はぁああっ!」 千尋は目を閉じ、体をこわばらせる。その様子を見て、神乃木が腰の動作を止めた。 「何だ千尋、感じてんのか? しかも後ろの穴で」 「っっっ!」 神乃木からの言葉に、千尋は赤面する。 「そんなに後ろで感じてるんなら……っ!!」 一気に接合部分からぬ゙ぶっと自身を引き抜いた。たまらず、そこからは白濁色のゲル状のものが溢れてくる。 そして、千尋の腰に当てていた手を、神乃木は動かして千尋を仰向けからうつぶせにさせる。 「ちょっ、荘龍さんっ!!」 静止の言葉も聴かず、神乃木は棚から避妊具を取り出すとパチンと装着した。そしてそのまま不浄の穴に性器をあてがう。 避妊具特有のぬめりに、千尋の臀部がぴくりと痙攣する。 「だ、駄目……そんな…」 いやいやと顔を振る千尋を見ないふりをし、神乃木はその穴に性器の先端をうずめる。 息が詰まりそうな圧迫感と異物感。 「いっ、いやぁっ……そんな所、無理……あぅんっ!!」 必死に身をよじらせて逃げようとするのを、神乃木は腰に当てていた手でがっちりとつかみ、逃がさない。 (やっ……お、お尻に、荘龍さんが……あぁっ) その背徳感。たかだか前の穴から後ろへと変わっただけでも、ここまで感じ方が変わるものなのか、と思った。 <スレにて連載中>
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登録日:2022/06/08 Wed 23 02 57 更新日:2022/06/22 Wed 15 36 44NEW! 所要時間:約 6 分で読めるバイ ▽タグ一覧 MtG TCG エルドラージ クリーチャー ゼンディカー ドローン ネタカード ハヤバイ ヤバイ 再生 戦乱のゼンディカー 欠色 無色 珍訳 翻訳 言語 迷訳 黒 ヤバイ。ハヤバイはヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。 ハヤバイはヤバイ。 まず名前がわからない。もうわけわからないなんてもんじゃない。超わけわからない。 わけわからないとかっても 「ぐるぐる(*1)とかふにゃふにゃ(*2)とかぼんやり(*3)くらい?」 とか、もう、そういうレベルじゃない。 何しろハヤバイ。スゲェ!なんか考えるとっかかりとかないの。形容とか説明とかを超越してる。カタカナ4文字だしインパクト超でかい。 しかも速く這うらしい。ヤバイよ、ハヤバイだよ。 だって普通は速く這うとか強調しないじゃん。だって自分の相棒がカサカサ動く虫みたいな怪物だったら困るじゃん。しかも名前のわりに速攻もないとか困るっしょ。 ファンタジーの世界で、炎や稲妻の魔法やドラゴンでカッコよく勝負を決めたいのに、出せるクリーチャーが巨大ゴキブリの親戚みたいのしかないとか泣くっしょ。 だからドラゴンとかウィザードは這いまわって攻撃しない。話のわかるヤツだ。 けどハヤバイはヤバイ。そんなの気にしない。蹂躙しまくり。戦闘になったら小型クリーチャーを跳ね飛ばして致命傷を負っても再生するくらい強い。ヤバすぎ。 這うっていったけど、もしかしたら違う意味かもしんない。でも違う意味って事にすると 「じゃあ、ハヤバイのバイってナニよ?」 って事になるし、それは誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。 あと超前のめり。ブロック不可。再生があっても壁役に使えない。ヤバイ。攻めっ気強すぎ。対戦相手の大型クリーチャーが攻撃してきたら時間稼ぐ暇もなく死ぬ。怖い。 それに超色がない。超無色。それなのに黒マナが要る。欠色とか平気で出てくる。欠色て。ニュースでも欠食児童なんて言わねぇよ、最近。 なんつってもハヤバイはワードパワーが凄い。意味合いとか不明だし。 うちらなんて和訳とかたかだか英語の授業で出てきただけで上手くできないから辞書ひいたり、前後の文脈に合わせたり、当てずっぽうで答えたりするのに、 ハヤバイは全然平気。ハヤバイをハヤバイのまま扱ってる。凄い。ヤバイ。 とにかく貴様ら、ハヤバイのヤバさをもっと知るべきだと思います。 そんなヤバイハヤバイをこの世に送り出した翻訳チームとか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。 《ハヤバイ/Skitterskin》は、マジック:ザ・ギャザリングのカードのひとつである。 性能 ハヤバイ/Skitterskin (3)(黒) クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi) ドローン(Drone) 欠色(このカードは無色である。) ハヤバイではブロックできない。 (1)(黒):ハヤバイを再生する。あなたが他の無色のクリーチャーをコントロールしているときにのみ起動できる。 4/3 戦乱のゼンディカー・エキスパンションに登場したアンコモンのクリーチャー。 同ブロックにおいてエルドラージであるクリーチャーはすべて無色であり、ハヤバイも欠色の能力により無色となっている。 4マナでP/Tが4/3あり、さらに再生も使えるため戦闘では有利を取りやすく、破壊やダメージによる除去にも耐性を持つが、ブロッカーとして使うことはできない。 環境での活躍 構築環境で幅を利かせるほどではなかったが、リミテッドでは4マナ4/3の悪くないマナレシオに加え、再生でアドバンテージ損を防げる頼れるアタッカー。 他の無色のクリーチャーを展開して再生を構えながら攻め立てるのが理想の動きなので、欠色持ちやエルドラージ・末裔クリーチャー・トークンを生成できるカードを集めておきたい。 とくに《空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner》はカード1枚から無色のクリーチャーを2体展開でき、本体が飛行持ちで気軽に攻撃できるため好相性である。 ハヤバイは普通に使うぶんには本体を唱えるにも能力の起動にも黒マナが1点出ればよいので、他の色の欠色カードを採用しやすいのも美点。 翻訳考察 実際のところハヤバイをヤバイカードたらしめているのは、ひとえに日本語版のカード名によるものである。 英語版のカード名"Skitterskin"は普通の辞書に載っているような単語ではなく複合語と考えられるのだが、いかにして「ハヤバイ」というヤバイ名前になったのかがよくわからない。 それでもいくつかの筋道は考えられるので、考察の一助として掲載しておきたい。 Skitter説 英単語の"skitter"だけで「速やかに進む、走る」という意味があるので、そこから「速這い」になったという説。 戦乱のゼンディカー以前でカード名に含まれる"skitter"の語は「走り回る」と訳されることが多かった。 それだけなら前例を踏襲して訳せばよいと思われるのだが、そこにハヤバイの虫のような姿を加味して「速這い」とした、という説である。 しかし、この場合"skin"の部分がカード名にまったく反映されていないという難点がある。 Skitter - skin説 では"skitter"と"skin"の組み合わせである、とするとどうだろうか。 "skin"は名詞としては皮膚や表面、他動詞としては皮を剥ぐ、すり傷をつける、ひどい目に遭わせるといった意味がある。 また、自動詞としては"skin over"の使い方で「皮で覆う」、"skin through"の使い方で「(狭い所を)すり抜ける」、などの意味がある。 このうち「(狭い所を)すり抜ける」の意味を採用し、虫が這うイメージも加えてハヤバイになった、と考えることができなくもない。 Skitters - kin説 もうひとつ、"skitters"と"kin"の組み合わせである可能性についても述べておきたい。 "skitters"についてはskitterの三人称単数、"kin"は血縁や親族といった意味がある。 MTGのカード名では"kin"は「血族」と訳されることが多いのだが、ここでは虫の這うイメージと重ね合わせて朋輩(ほうばい)のような語句を選んだとする考え方である。 以上、いくつか説を出してみたが、どの説にしろ決め手に欠けるというのが正直なところである。 ハヤバイはなぜハヤバイなのかはやっぱりわからない。ヤバイ。 珍訳仲間 じつはハヤバイ以前にも、珍妙な日本語の名前を持つカードが存在する。 その偉大な(?)先達こそが、ギルド門侵犯・エキスパンション初出のクリーチャー、《シュラバザメ/Shambleshark》である。 ただしシュラバザメの場合、どのようにして英語の"Shambleshark"から日本語の「シュラバザメ」になったのか、という点は解明されている。 "Shambleshark"を"shamble"と"shark"に区切った場合、「よろよろ歩く」と「サメ」の意味になる。 ところが"shamble"の代わりに"shambles"とすると「流血の場面もしくは大混乱の場面、すなわち修羅場」という意味にとることができ、日本語カード名ではこちらを採用しているのだ。 また、シュラバザメはサメとカニとが合体した姿をしているため、シュモクザメやタラバガニともかけているネーミングだと解釈できるのである。 一方でハヤバイは珍訳の精神性(?)を引き継ぎつつも命名の経緯は明らかではなく、なんかもうエルドラージの異質さがそのまんま名前に顕れたかのようなヤバさを感じさせる。凄い。ヤバイ。 追記・修正は、ハヤバイのヤバイ命名の謎を解明してからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] >ドラゴンとかウィザードは這いまわって攻撃しない 竜亀「せやろか」首席議長ヴァニファール「せやろか」 -- 名無しさん (2022-06-09 00 16 35) 宇宙ヤバイコピペで草 -- 名無しさん (2022-06-09 00 23 16) 翻訳考察の部分は独自研究とか主観に該当するんじゃないの -- 名無しさん (2022-06-09 00 29 23) ↑3 甲鱗様もワームっていうニュルニュルしたドラゴンだからな。恐らく5ch当たりのコピペ改変なんだろうけど。 -- 名無しさん (2022-06-09 00 32 34) とぐろ巻きブリキクサリヘビも先輩かな -- 名無しさん (2022-06-09 00 38 29) シュラバザメはむしろ名訳まである -- 名無しさん (2022-06-09 01 08 07) ワームとぐろエンジンとか定型だけで訳した結果変な響きになるのもあるけどハヤバイは異次元すぎる -- 名無しさん (2022-06-09 01 09 43) 当時の公式HPで四コマ漫画のオチに使われてた記憶。それも天丼で。 -- 名無しさん (2022-06-09 08 42 54) 裂け目翼の雲間を泳ぐもの「オレみたいな直訳よりいいじゃん」 -- 名無しさん (2022-06-10 06 20 54) 名前 コメント
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投下直前に規制され投下できなかったネタ投下。 最近ダークエロが続いたらエロなし爽やかネタをやりたくなってしまいました。 エロなしごめんなさいの鷹遼です。 遼子メイドCM「食べちゃうもん」から出来た鷹藤話ですw カメラ カメラ カメラ by103さん 投稿日2011/12/13(火) もうすぐ冬になる。 透き通り冷たく冴える風が吹く中、オレンジ色の夕日が照らす時間はほんの束の間で、空はあっという間に濃紺一色に染め上げられる。 その空の下、張りこみ帰りの鷹藤が自動販売機で自分と相棒の缶コーヒーを買っていた。 硬貨を自動販売機に入れながら鷹藤は大きなくしゃみをした。 「やべえ。薄着だったかな」 鷹藤は寒さに身をすくませ、早く暖かな車内に入ろうと小走りで自分の車に戻った。 車のドアを開けた瞬間、強い光で眼を打たれた。 「うわっ」 驚いて助手席の相棒に眼を遣る。相棒――-鳴海遼子がコンパクトカメラをこちらに向けて構えていた。 カメラの下からのぞく彼女の口元は楽しげな笑みを浮かべている。 「なんだよいきなり!コーヒー落とすところだったぜ」 口を尖らせながら鷹藤は車に乗り込みドアを閉めると、ドリンクホルダーに缶コーヒーを置いた。 「あんたそんなの持ってたっけ?」 この数カ月間、相棒と行動を共にしていたがこうして写真を撮られるのは初めてのことだった。 「ネットで買ったカメラが昨日届いたの。使い方憶えようと思って持ってきてたんだけど仕事中は出せな かったから、今から試し撮りしようと思って」 悪戯っぽく首を傾げて遼子が照れ笑いをした。 「あっそ。今度から撮るときは断ってからにしろよな。でもあんたカメラなんか買って何撮る気だよ」 不機嫌そうに答えながら、鷹藤は遼子の笑顔で心臓が高鳴っていた。 数カ月間共に働き、何度も二人で修羅場をくぐり事件を追い続けているうちに、最初は空気が読めない面倒 な女と思っていた遼子を鷹藤はただの相棒と見られなくなり始めていた。 「何って、二人の想い出作りに…」 「誰とだよ。あんた彼氏いないだろうが」 ほのかな期待を抱きつつ鷹藤は聞いた。 「史郎ちゃんとヨリが戻った時の為に今から備えているのよ。」 「遠山さんなら美鈴さんと…」 鷹藤が半笑いで答える。 「男と女の間は何があるかわからないでしょ!美鈴さんとうまくいかなくなって、史郎ちゃんがバーで飲んだ くれるようになるのよ。で、その時に私のことを思い出して電話してくれたら、私が史郎ちゃんを優しく慰め て、 そしてそれをきっかけにして二人は…」 遼子はあくまで現実から眼を逸らし、自分の妄想の中で想像力の翼を無限に広げるつもりのようだ。 遠山はいま美鈴と付き合っているはずだし、遼子の事を完全にストーカー扱いしているのを鷹藤も良く知っている。 途中から遼子の妄想を聞くのが馬鹿らしくなった鷹藤は、相棒の手にあるコンパクトカメラを取った。 「ちょっと貸してみろって」 「壊さないでよ」 「俺を誰だと思ってんだよ。あんたよりはカメラの扱いに慣れてるって」 鷹藤はコンパクトカメラを構えた。 カメラの背面部分は大きな液晶画面になっており、眼をつけてファインダーをのぞく必要が無い初心者向けの 機種だった。 「あんたも雑誌記者なら、カメラぐらいもうちょっといいものにすればいいだろ」 「だって安いし、彼氏と撮る写真ならこれくらいでいいと思ったのよ」 いきなりカメラを遼子に向けて鷹藤がシャッターボタンを押した。 むくれ顔の相棒が液晶画面に大写しになる。 「ちょっといきなり撮ることないでしょ!」 「おあいこだろ」 鷹藤が画面で写り具合を確認してみると、安物のカメラの割に意外と悪くなかった。 「へえ。いいじゃん」 「モデルがいいのよ」 遼子がふざけてい言った。 「かもな」 液晶画面に映る遼子を見つめながら、鷹藤は思わず本音を言ってしまった。 「えっ?」 驚いた遼子が鷹藤を見る。 「あ、いや、その…あれだ、このカメラのモデルがな、この機種の中で一番いいモデルなんだよ。仕事で使える かチェックしたいから、あんたちょっとモデルになってくれよ」 遼子が驚いて眼を瞬かせた。 誰が聞いてもわかりやすい嘘。苦し紛れの口からでまかせだ。 鷹藤の全身から汗が吹き出し、カメラが手から滑り落ちそうになっている。 「ほんっとカメラが好きねえ。カメラばっかり見てるから彼女が出来ないのよ」 遼子が自分の事は棚に上げて呆れたように言う。 「ま、まあな。プロだから仕事道具には詳しくないとさ」 実は今日初めて知った機種だったが、どうにか誤魔化せたらしい。鷹藤は胸を撫で下ろしていた。 「私に使い方を教えてくれるなら、しばらくそのカメラ好きにいじっていいわよ」 遼子が缶コーヒーを開け、口をつけた。 「おいしい。鷹藤君ありがとう」 遼子の口元が緩んだ。缶コーヒーにつけられた遼子の桃色の唇を見ながら、鷹藤はまたシャッターを押していた。 「えっ?」 「好きにいじっていいんだろ。ちょっとあんたをモデル代わりにして撮らせてくれよ」 「どうして私なのよ」 「ここにあんたしかいないからに決まってるだろ」 またシャッターを押す。遼子の困り顔が液晶画面に映る。 いつも困らされている相棒の困り顔を見るのが楽しかった。 見なれた遼子の顔も、静止画となると眼や唇といったパーツの魅力が際立って見える。 普段は妄想やら自分の理想やら他人への的外れな恨みを語る遼子の唇が、写真の中だと艶めかしく見えていた。 「そういやあんた、お菓子持ってなかった?」 「あるけど…」 「ちょっと食べてみろよ」 「なんでよ」 「写真撮るから。かわいく撮れそうな気がするんだよな。上手く撮れたら遠山さんに見せたらいいだろ。 もしかしたら惚れ直してくれるかもしれないぜ」 またしても口からでまかせだ。可愛く撮れたとしても、自分の写真を見せつけるような女など遠山も願い下げだろう。 単に鷹藤の為だけの写真だ。 自分に振り向かない相手を、せめて写真の中だけでも自分のものに、自分好みのものにして置いておきたかった。 「し、史郎ちゃんが…。そうね。じゃあ…」 遼子はかばんをゴソゴソと探ると、黄色いパッケージのお菓子を取り出した。 遼子が最近よく食べているお気に入りのチョコビスケットだ。 「いっただっきまーす」 遼子が大きく口を開けた。 「違うな」 鷹藤がすぐに制した。 「何がよ」 「『食べちゃうもん』って言ってみろって」 「はぁ?気持ち悪い事いわないでよ!」 遼子が声を上げる。 「大口開けて食べてるところなんて、色気ねえんだって。食べちゃうもん、だと口も閉じられるし口角も上がるだろ。 食い物のコマーシャル用写真撮る時、モデルにそうやって指示するんだよ」 今日3度目の口から出まかせだった。 カメラマンの鷹藤にそう言われてその辺の知識に自信がない遼子は首をかしげつつも納得したようだった。 「じゃあ言うわよ。食べちゃうぞ」 遼子がはにかみながら言った。 その固い感じもまた胸をときめかせるものだったが、鷹藤は相棒の間違いを瞬時に訂正した。 「食べちゃうもん、だよ。あとな、ここのラインがきれいに見えるようにもうちょっとこっち側向いてくれよ」 遼子の頬に手を伸ばし、鷹藤は角度を調整した。 意識は遼子の頬に触れる指先へと集中していく。あまりにも柔らかで吸いつくような感触の肌だった。 「鷹藤君…」 たかだかチョコを食べる写真を撮るのに、本格的なポーズの指示が出るので遼子も眼を白黒させている。 「遠山さんに見せられる写真欲しくないのかよ」 「う…。じゃあやるわよ。食べちゃうもん」 少し首をかしげ、恥じらいながら言った遼子は美しかった。 鷹藤が息を飲む。 大人の色気と清らかな乙女が同居した微笑みは鷹藤の呼吸が止まりかけるほど魅力的だった。 カメラマンとしてあるまじきことながら、鷹藤はシャッターを押すのを忘れていた。 「ちょっと!せっかく人がポーズ取ったのに、なんで撮らないのよ」 遼子がむくれた表情を浮かべ、遼子を見つめたまま固まる鷹藤を睨んだ。 「あ、ああ悪い」 正気に戻った鷹藤がまたカメラを構える。 可愛らしくむくれた遼子の横顔を捉えた。 鷹藤の頬が緩む。 そしてシャッターを押した。 「何で今の顔撮るのよ!もう!」 遼子が更にむくれる。 「悪かったって。じゃ、もう一回『食べちゃうもん』よろしく」 どうしてシャッターを押しているか言えるはずもない鷹藤が必死で誤魔化そうとする。 その必死さが遼子の猜疑心を煽ったのか、遼子が鷹藤に不審の眼を向けた。 「さっきから鷹藤君、何か変よ。わかったわ…。私の変な写真ばかりとって、編集部で笑いものにしようっていうのね」 「違うって!」 「もうカメラ返してよ」 遼子がカメラを取ろうとして鷹藤の腕を掴んだ。 「まだ撮り終わってないから、もうちょっと貸してくれよ」 鷹藤も取られまいと腕を伸ばし抵抗する。 「きゃあ!」 バランスを崩した遼子が鷹藤の膝の上に倒れ込んだ。 遼子が持っていたビスケットの箱が宙を舞い、中身が運転席にばらまかれた。 太股の上に倒れ込む遼子の温もりがデニム越しに鷹藤に伝わった。 鷹藤の心臓が耳奥まで鼓動が響くほど強く拍動する。 「ん、もう~!」 遼子が鷹藤の膝から顔を上げた。 二人の眼が合う。鷹藤の瞳の奥に何かを感じたのか、遼子は動きを止めた。 鷹藤の手が吸い寄せられるように動くと、遼子の頬をそっと包んだ。 次へ
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第漆幕 「READY STEADY GO」 華墨のここ二戦における敗因・・・それは俺のマスターとしての至らなさと、華墨自身の「猪突猛進なゴリ押し」スタイルにある 華墨は実戦経験がまだまだ足りない・・・にも関わらず、その身体能力でもって勝ちを続けてしまった事が、自身の弱点を見えにくくし、ひいては慢心さえ生んでいた 弱点を改良していき、より良い戦術を開発しなければ、勝利し続ける事は出来ない 例えば、俺はあの「シルヴィア」について殆ど何も知らないが、公式武装主義者が勝ち続けるには、多分ゴリ押しだけじゃ駄目なのだろうという事くらいは判る 別に俺は公式武装主義者になろうとしている訳ではない が、目下の所その「公式武装」もまともに扱えているのかどうか怪しい華墨に、山の様なカスタムパーツを託すというのは・・・かなり無理がある気がしてもいた 取敢えずは、今迄の華墨の戦闘データを見てみて、どういう戦術が良くて、どういうのが不味いのか、何が得意で何が不得手なのかを検証してみる事。今はそれが第一だろう (とは言ってもな・・・) 自慢じゃないが俺は戦術だとか戦略だとか、頭が要りそうな事はほとほと苦手だった (ええい、だからってやらない訳にはいかないだろう!華墨はこういうの、もっとやらない「たち」なんだから) それもまた、「二人で闘う」ことの一つの有り方だろう (まず注目すべきなのは華墨の「ゆらぎ」の賜物、この超抜の運動能力だろうな) 今迄華墨は、「ストラーフ(ニビルではない)」「マオチャオ」「ハウリン」「ジルダリア(?)」「サイフォス」と闘った事があるが、その運動能力・・・というか脚力は、ほぼ「ストラーフ」のパワードスーツと大差無いレベルに見えた その脚力が叩き出す瞬間速度は、全身に鎧を纏っていてもマオチャオやハウリンのそれを越える かなりの練習が必要だと思うが、半端な高度を飛んでいる相手になら補助装備無しで空中戦を挑む事すら可能だろう ただし、回避が下手糞というか、速度に頼って見え透いた突込みをし過ぎる所から、多分同じ相手とやると相当な高確率で敗れるだろうし、明らかにこういうタイプに強いであろう「エルギール」に勝利する事は不可能だろう (多分もうちょっと跳躍とダッシュを織り交ぜたトリッキーな動きをした方が良いんだろうなぁ・・・) 例えば、初めてヌルと闘った時に見せたあの壁蹴りの様な・・・だ 武器は今の所、「紅緒」に付属していた標準装備は一応全て使ってみたが、太刀が合っているだろう どのみち、運動能力を全面に押し出した戦いをするなら大き過ぎる武器は邪魔になる可能性が高い かといって、ナイフコンバットさせるには、密着戦のセンスが未知数だ。そもそも「紅緒」は、比較的大型の白兵武器を振り回すタイプなのだから、剣を手放させてもあまり良い事は無いように思える だが、太刀を主力に闘う限り、あの「エルギール」の「魔女の剣」は重大な壁になるだろう・・・あの剣は、太刀より遥かに間合いが広く、加えて長い武器を絡め取るのに向いている・・・ (もう少し強力な飛び道具があればアウトレンジから一方的に攻撃出来るんだがな・・・装甲が薄いから白兵戦相手じゃ強そうだが弾幕には弱そうだ) 結局華墨にとって最も攻略しなければならない第一の難敵があの魔女、エルギールである事は明白だった 「うぅ~むむむむむ・・・」 俺は頭を抱えて部屋でごろごろ転がるのだった 「・・・暇だな」 私はベランダで頬杖をつき、甲羅干ししている「ヴェートーベン君」をつついていた マスターが色々考え始めたのは良いが、どうもそういう作業に慣れて居ないのか、知恵熱が出る寸前の様だった かといって私は私で、普段は一人で色々考え込む癖に、いざ戦闘の事になると、何も考えずに突っ込んでしまえば良いと思っている(実際今でもそうだが)ものだから、結局マスターが考える事になってしまった様だ 少しずつ等身大の自分が見えて来たが、どうも私は、自己存在についてあれこれ悩む事と、何も考えずに体を動かす事が好きな様だ 「・・・また一人でバトルスペースに行こうかな・・・」 呟きつつ振り返る。そこでばっちりボナパルト君と目が合ってしまった 「・・・」 なんかまた激しく片目をぐるぐる動かしつつ片目はしっかり私を見ている・・・だから体の隅の方だけ色変えんな!気色悪い 「えぇいっ!相変らずでかい面してっ!言って置くが私はお前に負けた訳ではないのだからな!其処の所はっきり・・・うをっ!!」 またしても私の顔の横を凄まじい速度で通り過ぎるボナパルト君の舌・・・おのれ、爬虫類め・・・馬鹿にしくさって! その時、部屋のインターフォンが鳴る。同時に、これまた凄まじい勢いで駆け出すマスター 「はいはいっ!はいはいっ!!待ってましたっっ!!」 宅配されて来たものは・・・なんとも大掛かりな機械だった。結構な額を支払っているマスター 「へへっ・・・ようやく来たぜ」 「マスター、それは一体何だ?」 ごそごそと説明書を取り出してパソコンと繋ぎ始めるマスター 「所謂トレーニングマシンってやつさ。二個前の機種だから結構安く買い叩けたぜ・・・おっけい!多分コレで動く筈」 『ふいいいいぃぃぃ』とか間の抜けた唸りを上げながら起動するトレーニングマシン。無骨なアクセスポッドが大袈裟な蒸気を上げて開く・・・なんか微妙に入りたくねー 「さぁ華墨?カモ~ン」 渋々・・・という顔だけしてポッドインする。入ってみれば槙縞玩具店のアクセスポッドと大差無いな 『実際のリーグで使われてるのと殆ど同じステージが幾つか入ってるっぽいな・・・取敢えずこの「ゴーストタウン」とかいってみるか』 画面を切り替える度に『ぶひいいいん』とか一々音がする仕様を何とかして欲しい 切り替わった世界、出現するダミー神姫 「ふっ!」 機械に対する不満は幾つかあったが、こうやってバトルが出来る事自体には不満は無い・・・むしろ望む所だ 『んじゃぁ俺ちょっと出てくるから、その間に「慣らし」やっといてくれ』 「応!」とだけ応えて、私は手近のダミー神姫との殺陣に没頭し始めた 俺が帰って来た時、華墨は新しい相手と闘い始めた所の様だった。それを邪魔しない程度に、「買って来たモノ」をサイドボードに放り込む 新しい相手は「アーンヴァル」か・・・華墨が今迄闘った事がなく、そしてもし「エルギール」を下したら、その後最も大きな課題になるであろう神姫だ 上空から距離を保ったまま強烈な砲撃を繰り返すアーンヴァルに、華墨は大いに攻めあぐねている様だった 丁度良い 「華墨!今からサイドボードを送るから、巧い事ソイツでなんとかしてみろ。いくぜ!?」 さぁ行け、モデルPHCハンドガン「ヴズルイフ」!!華墨の可能性を俺に示せェェ!! たかだかボタンを一個押すだけに無駄に気合いを込めて、華墨の左手に大型リボルバーを転送する しっかり握り締める華墨、そして 『おおおおおおおおおおおおおおォォォオ!!』 ハンドガンを握り締め、傾いたビルの壁面を駆け上がる華墨。そうだ、それだ!お前にもし魂があるなら・・・ 跳躍する華墨。無論、実際に「飛んで」いるアーンヴァルに、翼無き身では届く筈も無い だが今の華墨には俺が与えたもう一つの剣がある・・・!やってみろ、華墨・・・お前の力を 「お前の力を見せてみろおおおおおぉぉぉォォ!!」 天使は、堕ちながらバーチャルの空気に溶けて消えて行った・・・ 神姫が人と同じ心を持ち、その身に燃える魂が有るならば・・・華墨のその魂の名は「闘志」に他ならないだろう 多分華墨は、良くも悪くも「武装神姫」を体現しているのだ プログラムされたものでありながら、ひとのそれと実質は変わり無い感情。機械の体に、熱い魂。 多分俺が抱え、悩んだあの葛藤すらも含めて、神姫は神姫足り得、華墨を「俺の神姫」として扱うならば、その全てを飲み込んでやらなきゃならない・・・ 人でもあり、機械でもある。玩具であり、パートナーでもある その、一見背反するもの全てがブレずに、ひとつの形として存在しているのが 「武装神姫」・・・人工の戦女神達なのだ 非常に軽いブレーキ音が槙縞玩具店の表に響く 待ち兼ねていた様に、皆川彰人は店の前に立っていた 「おかえりなさい西さん。大会はいかがでした?」 エレカのドアから電気盲導犬。それに引かれて女性が一人 「ええ・・・なかなか良かったようです。この子もかなりの刺激を受けたようですし・・・」 その女性の後から 堂々とした仕草で蒼い鎧姿がゆっくりと降りて来る 「有り難い・・・助かりました、奥様」 「もう、奥様はよしてと言っているでしょう?」 身長15センチの筈が、圧倒的に大きく見える威厳を備えた「サイフォス」 狗の頭部の様にカスタムした兜を脇に抱え、濃紺のマントを羽織った金髪の神姫・・・ 「おかえり・・・『クイントス』・・・」 それが槙縞ランキングの女王「クイントス」帰還の際のやり取りだった 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
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D型鋼機D-40 グレリーナ・コックピット。 クーガの大声はスピーカー越しにミナの鼓膜に大打撃を与えていた。 「あー耳がキンキンする、もっと音量下げて喋ろう?」 からかいがいがあって中々に可愛いものだとミナは思う。 名誉騎士と聞いてどんな奴が来るのかと思っていたのだが、思いのほかまとも、いや、ある種抜けている奴で面白い。 それがクーガへのミナの評価であった。 「あのな―――」 クーガが言葉を続けようとしたその時、レーダーが音を鳴らす。 さきほどまでの軽い空気と違う、重たい空気が一気に流れる。 妖魔の反応だ。 「数は24、獣種の群だ、目的地についたみたいだな。」 「把握、打ち合わせ通りに落としてくれればいいよ。」 「了解、でも本当にこれでやるのか?フライトユニットもなしに・・・。」 ミナは深呼吸する。 ここからはミスが許されない。 心を冷たく細く保つ。 今から赴くのはその気構えが必要な戦場だ。 「問題ない、あたしのグレリーナに不可能は無いからね。」 ミナはそうただ強い力をこめて言い放った。 種別によるが大体において妖魔達は耳と鼻がいい。 2000m程度ならばその鼻と耳で敵が来たのを察知してしまう。 だが圧倒的な戦力差を覆すためには寝首をかく奇襲しか手は無かった。 ゆえにこの殲滅戦にて発案されたのは高度10000mからの鋼機の投下による奇襲。 だが、これをフライトユニットも無くパラシュートのみでこれを行うのは非常識な事であった。 当然ながら鋼機は十数tの重さを誇る。 これによる重力の加速をパラシュートだけで落としきるのはかなりの早い段階でパラシュートを散開しなければ機体を無事に地上に降ろすことは出来ない。 安全確保の為には最低でも900m、搭乗者の安全性を最大限吟味するならば1200mの時点で散開するのが望ましい。 だが、これでは妖魔に気づかれてしまい、奇襲は成功しない事になってしまう。 よって外付けのフライトユニットを使いもっと降下した所でブースターの逆噴射による減速をかけるのだが、フライトユニットは使い捨てのものであり、 シャドウミラージュでのストックも少なく今回は未使用という事になった。 この話を聞いたとき、クーガとセイムはグレイルにいくらなんでも、 無茶だミナの身を案じて抗議したのだが、ミナが自分からいけると言い出したのとカタリナも可能だといったゆえにパラシュートのみで行く事になった。 高度700mでのパラシュート散開により減速を行い、減速、着地後、即座に奇襲、20数体と予測される妖魔を倒す。 これがこの作戦の内容だった。 つまりはミナはこれから理論上は可能というレベルのウルトラCに望む事になる。 暗闇に包まれた夜であるが故に着地の難易度をさらにあげていた。 空が雲に覆われておらず月灯りがあるのが、不幸中の幸いと言った所だ。 もし常識的な考えをする人間がこれを見たならばこんな事をする人間は自殺志願者だといわれてもおかしくは無い。 高度10000mまで降下した輸送機は鋼機、後部のハッチを開く。 グレリーナ内のミナに通信が入る。 「ミナ、いけるな。」 確認するようにクーガは言った。 「誰に聞いている。」 ミナの声色が棘棘しくなっているようにクーガは感じた。 これから行う事に集中しているのだろう。 何か景気付けの文句の一つでも言っておこうと思っていたのだが、今は、その集中を乱さないよう余計な事は言わない方がいいとクーガは判断した。 「あと降下まで30秒だ。」 「了解。」 深呼吸をする音。 先ほどまで話していた、人をおちょくったような気質が今の彼女からは感じられない。 いや、むしろこれが本来、ミナの姿なのかもしれないなとクーガは思った。 「カウント、10・・・・・・9・・・・・8・・・・・・7・・・・・・6・・・・・・」 クーガは静かにカウントを読む。 「5・・・・・・4・・・・・・3・・・・・・2・・・・・・1。」 「じゃあ、行って来る。」 ミナの乗った真紅の鋼機グレリーナはハッチから飛び出した。 機体にはその真紅を覆うように紺色の摩擦軽減用のコートが被せられている。 全長13mの機影は大地に向けて重力による加速を始める。 高度…8000…5000…4000…3000 機体は順調に加速していき、鋼機としては軽量とはいえ12tほどの重量を誇るそれはすぐさま最高速度まで達する。 真紅の機体を覆う紺色のコートは暗闇に溶け込みすぐに暗闇の中に溶けて言った。 クーガは機器から送られてくる情報だけでグレリーナの降下状況を追う。 高度…2000…1700…1500…1200…1000 残り1000を切った。 クーガは息を呑む。 ここからがグレリーナに乗るミナの真価が問われる所である。 失敗すれば機体ごとその反動で破壊され死亡するのは免れないだろう。 たった1度のチャンス。 高度…900…800…700…650… 「おい!!」 クーガが大声で叫んだ。 予定では安全性を鑑みて高度700の時点でパラシュートを展開する予定だったからだ。 だが、なんのグレリーナは何の挙動も起こさない。 クーガの背筋に嫌な悪寒が走る。 確かに、可能性としては700mでの散開では着地までに妖魔に気づかれる可能性がある理想を言うならば、もっと低い地点での着地が望ましい。 だが、それはあまりにも危険、否、命を投げ出すような行為だ。 地上まで残り500mを切ったがグレリーナは何の挙動も起こさず降下していく。 ・・・480・・・450・・・400・・・380・・・ この瞬間、グレリーナは背部のパラシュートユニットを展開した。 グレリーナは大地に向けて減速を始める。 だが最高速度に達したその機体には減速しきるまでの時間が足りないのは明白だった。 ・・・300・・・250・・・200・・・ クーガはモニターでグレリーナの降下速度を確認する…。 減速しきれてない・・・。 速度の安全領域に達するにはやはり距離が足りないのだ。 この速度のまま大地に着地すれば機体はその反動で破壊されるだろう。 ・・・150・・・100・・・50・・・20・・・10・・・ そしてグレリーナは大地に衝突した・・・。 それと同時に大きな土煙を起こす。 その場で眠っていた妖魔達はその音で覚醒した。 妖魔の群たちの前に大きな音が鳴り響くと同時に砂煙が上がった。 眠っていた妖魔達は目を覚まし、何事かとその音の聞こえた方を向いた。 獣種と呼ばれる妖魔は鼻が利く、ゆえに何が近くに来たのかを即座に理解した。 金属が熱を帯びた独特の匂い。 妖魔達もよく知る匂いだ。 そう妖魔達が目的としていたものがそこにいるのだ。 自分たちに歯向かう為に下等生物が作り上げた忌々しい兵器。 砂埃が消え、その姿が妖魔達の眼前に現れはじめる。 そこには紅蓮のように紅い一の鋼が月夜の光を浴びて立っている。 その姿はあまりに妖しげでかつ美しかった。 その戦場から東方の崖の上に一人の男がいた。 男は黒いフードと道化のような仮面を被っている。 その男はこれから起こる事を観察するように見ていた。 砂埃の中から現れた紅蓮のシルエットを見て黒いフードの男はそう呟く。 「なるほど、この戦場にシャドウミラージュが切ってきたカードは彼女でしたか・・・。出来れば閃刃の方を拝みたかったのですが、これはこれで興味深い。ミナ・ザ・マリオネッター、噂に名高きその妙技とくと拝見させて頂こう・・・。」 その光景にクーガ・ラグナグは心底、驚嘆する。 グレリーナの特性も勿論だが、それ以上にミナの操縦技術にだ。 本来ならば大破しているグレリーナがそこにいる筈だった。 だが、ミナはグレリーナが大地に着地する瞬間に足、膝、腰、肩、肘、手と次々と衝撃を受けるポイント変え、着地時に受ける衝撃を受け流したのだ。 これを人間がやるのならばまだ理解はできるのだが、鋼機でやったという事は脅威的な事であった。 無論、これは通常の鋼機には不可能な事だろう。 それを可能にするには度を超えた柔軟性が必要だ、そして、それこそがあのグレリーナの機体特性なのだろう。 真紅の機体を視認した妖魔達は威嚇するように大きく吼える。 彼らに油断は無い。 おそらくはかの妖魔グラスを倒したほどの実力を持つのだから・・・。 ゆえに全力で殺しにかかる。 24の妖魔、48の瞳が真紅の機体に襲いかかろうとしたその時、その真紅は右手を空にかざした。 その瞬間だった、妖魔達の内の二体が全身から血しぶきをあげて倒れたのだ。 妖魔達は血しぶきをあげて倒れた同胞を見る。 それは輪切りにされ数多の肉片に変えられていた。 妖魔達には何が起こったか理解できていない。 目の前の敵は攻撃するような素振りすら見せなかったのだ。 たかだか手を上にあげただけ。 それだけだった。 妖魔達は即座に理解する、それが目の前の敵の攻撃なのだと・・・。 だが、何故・・・。 いや、考えるな。 この数、この量、戦況は圧倒的に有利ではないか。 妖魔達は己を激する。 グレリーナは今度は左腕を横になぎ払うように動かす。 それと同時にまた同胞たちが2、3と体から血飛沫をあげて倒れていく。 だが、その攻撃で妖魔達は確信した。 眼前の敵は一度の攻撃で己ら全てを倒すような攻撃を使う事はないと・・・。 ならば問題ない。 24の我々の内、たかだか4の同胞がやられただけだ、ならば我々の量がモノを言う。 そして殺された同胞の分まで奴をえぐり殺してやればいい。 そうして妖魔達はいっせいに襲いかかる。 それを感知してグレリーナは両腕妖魔の方に向けた。 また、何かをするつもりなのだろう。 だが、構うな敵は恐らくはかのグラス公を殺したモノ。 元より、被害を受けず倒せる等と思ってはいない。 残りの距離約30歩。 我々がそれだけの距離を走破し奴に我らの中の1個体が牙が突き刺させばいい。 だから、どのような攻撃を仕掛けてこようと――― 残り20歩。 この戦いは我らの勝利だ! 残り10歩。 その間合いに入り込んだ瞬間、グレリーナーは前に突き出した両腕を後ろに引き上げた。 妖魔達はその瞬間、自らの体に何かがまとわりつく感覚を覚える。 だが、構わない。 今何かされようとも攻めきれば―― 残り5歩。 そしてグレリーナは手を握り締めるように閉じた。 その瞬間、15の妖魔達は次々と、血飛沫を上げて倒れていった。 生き残った妖魔達はその一瞬で自らの同胞が一斉に倒れていくのにパニックを起こした。 そう何が起こったのかわからない。 何故あれだけの動作で我々の仲間たちが死ぬ、殺される、蹂躙される。 いくら人間達のあの鋼の鎧を用いたところで、1:1で闘っても我々のが分がいいのがほとんどなのだ。 どれほど強くてもこれだけの数でたった一人の人間などに敗れる事などはありえない。 これは人間側のみならず妖魔側としても周知の事実であった。 ならば目の前にいるのは何だ。 体が震える。 刃を体につき立てられたわけでもない、矢で射たれたわけでもない、火器で体を貫かれたわけでもない。 ならばこの震えはなんだ? ただあの腕を振り上げるだけで仲間たちは次々と息絶えていく。 何故だという疑問が妖魔達を支配する。 そしてその疑問が恐怖と化している。 また、その真紅がその腕を振り上げた時に2の同胞が倒れる。 そしてその敵はまだその場所に降り立ってから一歩たりとも動いていない。 次々と転がり落ちる同胞の肉片。 辺り中に妖魔の血の匂いが充満し、それと同時に肉が焼け焦げた匂いがする。 それと同時に妖魔達の目は一つの事に気づく。 さきほどは暗闇に隠れて見えていなかったが匂いを得る事で気づいた、血にぬれた赤いラインが宙を舞っているのだ。 血の付いたラインはその身に付いた血を焼き蒸発させている。 その妖魔はその眼と鼻で無数のライン出所を追う。 グレリーナはまた腕を振り上げる。 ゆるやかにしなやかに妖艶に・・・。 妖魔達の視線がそこに集まる。 そして妖魔達がそのラインの全てがグレリーナの指先から出ていることに気づいた時。 既にその妖魔の体には複数のラインが絡みついており。 そのラインはグレリーナが手を握り締めた腕を後ろに引くと同時に妖魔の体を切り落とした。 この間、グレリーナが大地に降り立ってから2分32秒の出来事であった。 それは圧倒的な光景だった。 たった一機の鋼機の前に24の妖魔の妖魔が数多の肉片と化して転がっている。 もはやこれは驚異的な戦果というようなレベルすら超越してしまっているような光景だった。 輸送機で空からその一様を見ていたクーガはその結末に固唾で息を呑む。 恐らくはあの赤いライン、言い換えるならば鋼線のようなものを扱いグレリーナは闘ったのだろう。 グレリーナが行ったのは自分が先の戦いにてスラッシュゲイルで行ったワイヤークローを使った戦闘法の応用のようなものだ。 応用といえば楽だが、その実やった事のレベルがまったく違う。 ワイヤーギミックは通常鋼機の両腕に搭載されるものであるが、この機体は違う。 グレリーナは両手の五指から出る鋼線を自在に操ったのだ。 そもそもワイヤークローは攻撃用の中距離武器であり、クロー部分を対象に射出し突き刺すといったような兵装だ。 だが、グレリーナのワイヤーは根本から違うのだろう。 妖魔の体毛は硬く、並大抵の火器では貫けないようになっている。 つまりはワイヤーを妖魔の体に巻きつけて引いた所で、妖魔の体を、ああも簡単に切断する事はできない。 カメラ越しに測定される膨大な熱量から察するに、ワイヤー部分に高熱を持たせる事によってその熱で切断するという仕組みになっていたのだろう。 理屈はわかるが、それを操るという事は生半可な事では無い。 そしてそれを扱うために徹底的な軽量化と柔軟性への追及、それを行われた機体があのグレリーナだろう。 そして何よりも驚異的なのはあれを操縦したミナだった。 一見、ミナは圧倒的な機体性能と操縦技術で妖魔達を倒したように見えるが、実際の所それだけでは無い。 むしろそれだけならば今頃彼女は妖魔達にその体に牙をつきたてられていただろう。 だが、そうなる事は無かった。 これは何故か? 言うだけならば簡単だ。 彼女は戦場を操作し、妖魔達をもまるでマリオネットのように操ったのだ。 全てはその戦いにおける演出とでもいうべきか。 グレリーナが大地に着地してからその地点から動いていない。 そう、自分から妖魔達の方へと向かい攻撃したということは無いのだ。 つまるところ、こういう事だ。 まず、射程内の妖魔数体を高熱ワイヤーにて斬殺し、注意を己に引きつけた。 そして、自分に突撃してくるように仕向ける。 ここで重要なのが一見怒涛の攻めを行っていたように見えた彼女は実際は守りの布陣をしいたという事だ。 そう、つまりは彼女は自身を囮とし、鋼線による結界とでもいうべき網に妖魔達を誘いこんだのだ。 おそらくは紅という目立つカラーリングを採用しているのも機体自身を囮として注目を引きつけ、その武器であるワイヤーの存在から注意、逸らす為のものなのだろう。 そうして、あとは網に引っかかってしまえばあとは容易いものだった。 引っかかった鋼線を巧みに操り妖魔達の肉体を切断、解体。 あとはその光景に戦意を失った妖魔達を倒すだけでいい。 これがこの戦いの全貌だった。 「おーい、聞こえてる?クーガっち。」 その一声でクーガはミナから通信が入っていたのに気づく。 「なんだ?ミナ。」 「なんだもこうだも無いよ、早くあたしを迎えに来い。」 「了解した。」 クーガは輸送機の機体を地上に向ける。 「あと、3分以内のノルマをやったからね、約束守れよなー。」 「えーと、今か?」 少し困ったようにクーガは告げた。 「んー、疲れたから、帰り道でいいよー。」 「わかったよ。」 何を聞かれるのか、それを考えるだけでクーガはお先真っ暗な状況を思い描き、これから待ち受ける未来に向けてため息をついた。 戦場から東方の崖の上。 黒いフードを被った髑髏仮面(スカルマスク)の男はその始終を見て考察する。 目の前で広がっているのはたった一機の鋼機にその体を切断された妖魔たちの群れの残骸。 これは、そう普通ならばありえない光景、ありえない勝利、ありえない偉業。 だが、それを可能にするモノを髑髏仮面は知っていた。 「つまらんものを使う。」 髑髏仮面はそう、ため息をつく。 つまらない。 こんなものを見たかったのでは無い。 その声には期待を裏切られたとでもいうような響きがあった。 「――そうかな?」 そういって後ろから髑髏仮面に語りかける男がいた。 風貌は黒髪の長髪に黒眼、細身で白いシャツの上に茶色の皮製のジャンパーを羽織っている。 髑髏仮面はその男を見て驚いた後、即座に身構え、腰にある刀剣に手をかけた。 一触即発とでもいったような空気が回りに流れる。 「あれは覚悟があるから使っているんだ、そしてそれが何を意味するかも知っている。つまらんものと吐き捨てる程、安いものでは無いんだよ、まったく。」 「神出鬼没とは聞いていたが、まさか、こんな所で会うことになるとは思ってはいなかったよ、グレイル・レイスター。」 「人を驚かせるのが好きでね―――というのは冗談で実のところあいつらがちょっと心配になって見に来たんだが、お前を見つけた時は驚いたよ。しかし、その仮面は何だ?道化傀儡の真似事か?柄でもない。」 グレリーナが輸送機に収容されるのを見送りつつグレイルは言った。 「答える義務は無いですね。それよりも王国鋼騎士の最高位『天聖騎士』に名を連ねる男がなんのようですか?」 「そうだな……お前を捕らえに来たというとどうする?」 グレイルが静かに、それでいて威圧するように言った。 「これは、これは怖い、王国最強を自他ともに認められるあなたにかかれば、私など、あなたに相打ちをしかけるのが精一杯でしょう。」 「ほう、相打ちね…ガキが言うじゃないか…。」 その時、髑髏仮面の腰にあった通信機の音が鳴った。 《――今どこにいる?》 無線から声が聞こえてくる。 その声はボイスチェンジャーで変換された機械的な声になっていた。 「呼んでるみたいだな、出なくていいのか?」 髑髏仮面は嘲笑するような声をあげた後―― 「そうですね、それではおさらばです、また会いましょう。」 刀剣の帯を引っ張っりあげ、深々とお辞儀し、崖から飛び降りた。 「何を!!」 グレイルは追う。 当然ながら200mはあるだろう高さから飛び降りれば普通の人間ならば死んでしまう。 だが、髑髏仮面は違った大地に向かって降下したかと思うとその途中で静止したのだ。 地面に落ちるのでもなく、崖に何かを引っ掛けてぶらさがっているのでもなく、そう文字通り空中に浮いていた。 それと同時に大きな何かのエンジンが駆動する音が鳴り響くのをグレイルは聞いた。 「さあ、さあ、さあ、おいで、おいで、我が死神よ。」 今まで何も無かった筈の空間に少しずつ黒く着色がされていく…それは少しずつ大きな人型を模りだし――鋼機と化す。 それはまるで最初からそこにいたかのように存在していた。 全長は14mぐらいだろうか…全身を覆う黒色の重装甲が特徴で威圧感を放つ、武装は見える限りには両腰にある大型の刀のみに見えた。 それはかつてグレイルが古代史の物語で読んだムシャといわれる存在を連想させる。 そして、その黒い鋼機の右の手のひらには髑髏仮面が立っていた。 「これは………まさか…ステルスシステムか!!」 グレイルは驚きの声をあげる。 最近、王国の鋼機技術局で新考案されたリアルタイムで光学処理を鋼機に施すステルスシステムだが多くのディールダインの使用が必要とされまだ研究があまり進んでいなかった。 そう、だからおかしいのだ。 そのようなシステムを搭載している鋼機がD型以外にある事自体が…。 だが、心当たりがある。 そう、それはつまりはあの組織の――― 「覚えておくといい、グレイル・レイスター!これがDシリーズを超える究極の鋼機DD(ダブルディー)シリーズだ!!」 髑髏仮面はグレイルに指差しそう言い放ち、黒い機体と共に去っていく。 その姿を眺め、もの哀しい感傷に浸った後、グレイルは静かに呟いた。 「まだ続けるつもりなのか…あの日の復讐を…。」 【3話 エピローグに続く。】 ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
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これは今から少しだけ昔のお話。 ――出会い―― 戦争があった。 光と闇の大戦みたいな大袈裟なんと違て、もっとちっこいやつ。 けど、いくらちっこくても確かにあれは戦争やった。 そのせいでおとんとおかんが、亡うなった。俺と、幼い弟を残して。 ホンマずっこいわ。 たかだか10歳の俺にここまで背負わせてどないせいっちゅーねん。 戦争かて、そうや。 言い出しっぺの国王は、どっかでぬくぬく生きとるんやで?不条理にもほどがあるわ。 「あーうー」 あ、アカン。弟が腹空かしとる。 ………なんかあったっけ…。 ………って、あるわけないよな。 その辺、全部焼け野原やもん。 ………ごめんなぁ、ふがいない兄貴で…。 「うー?きゃっv」 ………なんで笑うねん。 ………って、言うとる場合ちゃうわな。 ………でも…アカン、めっちゃ怠いわ………。 「う?」 スマンの、弟。ちょい寝かせてぇな。お兄ちゃん疲れたわ…。 …………。 ……あれ?なんやろ? ………なんか、えぇ匂いがする………。 「おぎゃあぁぁ!あぁぁぁ!」 ………!?弟が泣いとる! 「だぁぁ!泣くな泣くな!」 ついでに知らん男の声もする。 「誰じゃ!俺の弟に手ぇ出すんは!」 俺は跳び起きた。 「あ?」 と、同時に固まった。 「おぅ、起きたか少年。もう少し待ったら飯食わせてやるぞ」 見ると、見知らぬ男が弟を抱えとった。 「しっかし、お前さんの連れのガキは元気だな…危うく竃に落ちるとこだったぞ」 …どうやら彼は弟を助けたらしい。 …いやいや、それよか… 「アンタ…誰?」 「お、よーし、野菜の煮物が出来上がったぞ、少年」 …ヒトの話聞いとるんか? 「アンタ、誰?」 俺は野菜の煮物を受け取りつつもう一度言うた。ちなみに、弟は哺乳瓶を吸っている。 「俺の名はデデデだ」 「でで…で?」 なんだか舌を噛みそうな名前やった。 「呼びにくいだろ?」 彼はケタケタと笑ろた。 「好きなように呼ぶがいいさ。まぁ、『兄貴』とか『兄ィ』が1番多かったかな」 「………」 俺は周囲を見回した。見ると何人かの子供がその場にはおった。 みんなボンヤリしとったり半泣きやったりしとるから、多分戦争孤児の連中やと思う。 デデ…いてっ、舌噛んでもうた、もう兄ィでええわ。兄ィは俺の弟を始め、何人かの赤ん坊を抱えて、順繰りに哺乳瓶を吸わせとった。 背中にはやっぱり赤ん坊のワドルディ族を背負いながら、兄ィは豪快に笑いつつ孤児たちに飯を配っとった。 兄ィの作った煮物は物凄く旨かった。 晩飯の片付けは孤児の連中皆でやった。 兄ィは「ありがとな」と言いながら数人の赤ん坊の世話をしとった。 その日から、俺達と兄ィの生活が始まった。 この…岩場に作られた俺達の『アジト』には14人(俺と弟含む)の戦争孤児がおって、うち半分はまだ赤ん坊やった。 兄ィの背負っとるワドルディは、兄ィいわく「俺の息子」らしい。多分どっかで拾ったんやと思う。 よく兄ィは俺達に 「お前らの親は死んじまったかもしんねぇが、だからってお前らが死ぬことはないんだ。むしろ生きろ。だってよぉ、お前らが生きてりゃ、お前らの親だって、お前らの中で生きてるってことになるじゃねぇか」 と、口癖みたいにこう言うた。 あくまで『親の死』という事実は受け止めさせた上で、俺達に『生きよう』って気持ちを持たせる兄ィは凄いな、と思うた。 兄ィは毎日どっかから食い物を調達しとった。 多分その食い物は盗品だろうと、皆分かっとったけど、誰も兄ィを咎めんかった。そうでもせんと生きてけん時代やったからや。 兄ィには不思議な力があった。 まるで見えとるみたいに少し先の事を予測するんや。 夕立が来た日でも、俺らは兄ィのおかげでずぶ濡れにならずに済んだりした。 せやけど、俺らの『アジト』での暮らしは長続きせんかった。 あれは、酷い嵐の日やった。 俺らは協力しながらアジトの掃除とか赤ん坊とかの世話をしとった。 兄ィは出掛けとった。多分また食い物を調達しに行っとったんやと思う。 そんな兄ィがいきなり息を切らして帰ってきたんや。 「兄ィ。どないしましたん?」 「………逃げろ、お前ら………今すぐに、だ!」 兄ィは叫んだ。 「え?」 俺は正直驚いた。 「あ…兄ィ…何言うて…」 そう言うて、俺が兄ィにつかみ掛かった。その時や。 ―――…ピィンッ――― なんや乾いた音がして、1つの映像が見えた。 場所は…アジトん中やな。何故か荒れとるけど。 中央におるんは…兄ィや。ワドルディ抱えて…傷だらけで泣いとる。 ワドルディはわけも分からず兄ィをジッと見つめとるな…。 で、兄ィの周囲におるんは…俺ら? え? なんや、これ。 俺らが… 俺らが死んどる…! 俺は兄ィから手を放して叫んだ。 「あ…兄ィ…なんや?なんなんや!さっきの映像!」 すると、兄ィは心底驚いた顔をした。 「お前…見えたのか…?」 俺は頷いた。 「あれは…未来予想図だ…」 兄ィは静かに言うた。 「…未来…?」 「俺は少し先の事を予測することができる。…あの映像が見えるんだ。…だから…」 兄ィは俺の肩に手を置いた。 兄ィは俺よりでっかいから片膝をついて。 「あんな未来は変えなきゃなんねぇ。なんとしても、だ」 「………」 俺は黙って他の連中の元へと向かった。 連中は…そろそろ遠くにいる親戚の元に向かおうとしとったらしいから、あまり揉め事はなかった。 兄ィは麻袋に食料を分けて詰め込み、俺達に配った。 「達者でな」 兄ィはそう言うて笑うた。 そして、弟を抱える俺にワドルディを背負わせた。 「食料、多めに入れたからな。悪ぃが…こいつのこと…頼む」 「分ぁった」 俺は頷いた。 俺達の暮らしはそこで終わりを迎えた。 「ちょっとポピー」 アジトを出てから数分後、俺は呼び止められた。 「なんや、チィとマァか」 「あたしの名前はチックよ。いい加減覚えてよね」 …ふたつも年下なのにしっかりした生意気な奴や。 「でもってコイツはマンビーズ。…ちゃんと覚えてよ?」 「発音しにくいだけでちゃんと覚えとるわ」 俺はそう言ってから二人を見た。 「で、なんや?」 「あたしたち、行くアテがないの」 チックはマジマジと俺を見た。 「…付いてっちゃ…ダメ?」 「………俺も行くアテなんかないで?」 「だからよ。3人で暮らす場所見つけましょ」 …そーゆーことか。 俺はフイッとそっぽを向いた。 「勝手にせぇ」 「やったぁ!マンビーズ、行こ行こ!アンタの探す『幸せの国』を見つけにさ!」 「…幸せの国?」 俺はチックに聞いた。 「うん。マンビーズの探す場所」 「ふーん…」 と、俺が生返事を返したその時や。 「君達…お家のヒトは?」 いきなり大人に声をかけられた。鎧を着とるから、お国の兵隊さんやろう。 「えっと…あたしたち、こ…」 じ。と言いかけたチックを遮るように俺は答えた。 「遠くの国に住む親戚の家まで向かっているんです。親はここから山ふたつ越えた地に住んでますからここにはいません」 と、思いっきり嘘をついた。 「そうか」 兵士は納得したように頷いて 「ならさっさとこの国を出た方がいい」 と言うた。 「どうしてですか?」 俺が聞くと彼は 「国王の政策でね、孤児を殺すことになってしまったんだ」 「………へ?」 思わず頓狂な声を出してもうた。 いやいや、せやかて…。 「そりゃ反対意見もあったけどね…。王の命令には逆らえない逆らったら殺される」 まぁ近いうちに革命が起こると思うけどね、と兵士は苦笑しながら言うた。 「だから早めに国を出た方がいいよ」 兵士はそう言って去ってった。 「………ポピー…」 チックが俺を見た。 「…なんや?」 「デデさん…分かってたのかな?さっきの話」 多分そうやろ、と俺は答えて歩き始めた。早く国を出なアカンからや。 幸いにも俺らは無事にその国を脱出することができた。 そして国を出て、3日が過ぎた。 雨がよぉ降る日やった。 俺らは洞窟で雨宿りをしとった。幸いにも、計算して食っとった食い物はまだ2週間分くらいは残っとった。 「雨、よく降るね」 チックが言うた。 「…せやな」 俺は弟のマンビーズはワドルディのお守りをしとった。 そんな時やった。 ドォォォォ…ン… 遠くで低い爆音がした。 「…なんや!?」 外に飛び出すと3日前まで俺らがおった国が火の海になっとった。 「…かくめい…」 マンビーズがポツリと言うた。 あぁ、これが争いなんや。 赤々と燃える炎は醜くも美しく、そして怖かった。 その火が消えるまで、さらに3日かかった。 怖いもの見たさに行ってみれば、そこには文字通り『なんもなかった』 「…こんな世界ってないよね」 チックがポツリと呟いた。 「あっていいわけないよ。争いは…何も生み出さないじゃない」 彼女は泣いとった。 「………あ」 短くマンビーズが言うた。 「…あ…そこ…」 「あン?」 俺が見るとそこには… 「…兄ィ?」 兄ィが傷だらけで転がっとった。 「兄ィ!!!」 「と…とにかく手当てしないと!」 駆け寄って兄ィを見る。 傷だらけで、尚且つ瀕死ってとこや。 「多分…デデさんは革命のこと分かってた。だからあたしらを逃がして、そして…」 自分は革命に巻き込まれた…っつーことか。 と、その時、また俺に例の『映像』が見えた。 でも、今度のは何かが違う。 兄ィが…血まみれの子供を抱えとる。 ――もしさ…王様が兄貴みたいな奴だったら…俺ら…こんな死に方しなかったかなぁ?…もっと幸せになれたかなぁ?―― そう言い残して子供は絶命。聞こえるのは兄ィの叫び声。 …これは…兄ィの過去? 「…そや…」 俺は息も絶え絶えな兄ィに向かって言うた。 「兄ィ…王様になろ…」 俺は泣いとった。 「俺…そーゆー国やないと…もう嫌や…。こんな…血で血を洗うような国は…やめにしよ…」 兄ィは答えない。もう息も絶え絶えやからしゃーないっつったらしゃーない。 「のぉ…兄ィ…」 ………。 「フフッ…」 「あン?どーしたブロス、ニヤニヤしやがって…」 「いえ、ちょっと昔を思い出しましてね」 俺は今を生きている。 「大王様…いえ…兄ィ」 「…何だ?」 「これからも…よろしゅう」 「…こちらこそ、な。ポピー」 彼の傍、彼の隣で。 俺はこれからも歩き続ける――― <FIN> ポピデデですよ、ポピデデ。 『追憶』と微妙に繋がってます。
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トムソーヤ島いかだ アトラクション:Tom Sawyer Island Rafts ウォルト・ディズニーが大好きだった小説の世界観を持つトムソーヤ島へ渡るための交通手段となるアトラクション。日没になると運営終了する。 ディズニーランド 名前:トムソーヤ島いかだ 原題:Tom Sawyer Island Rafts オープン:1956年6月16日 所属:フロンティアランド マジック・キングダム 名前:トムソーヤ島いかだ 原題:Tom Sawyer Island Rafts オープン:1973年5月20日 所属:フロンティアランド 東京ディズニーランド 名前:トムソーヤ島いかだ 原題:Tom Sawyer Island Rafts オープン:1983年4月15日 所要時間:約3分 定員:55名 所属:ウエスタンランド 「トムソーヤ島」に渡るための唯一の交通手段となるアトラクション。 いかだの名前はトム・ソーヤ、ハック・フィン、ベッキー・サッチャー、インジャン・ジョーの4種類。