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中学校に通う「エロゲに興味がある以外はごく一般的な女の子」である高坂桐乃。ある日、 帰宅途中に尿意を催し公園の公衆トイレ目指し急いでいた桐乃は、途中でベンチに座ったつなぎ姿の男性を見かけたが、トイレを探すので忙しいので無視した。 桐乃はようやくトイレを見つけると、急いでトイレの個室へ駆け込んだ。 その時、桐乃があまりにも急いでいたからかそれとも辺りがすっかり暗くなっていたからか彼女はそれに気付かずに奈落に自ら足を踏み入れたのである。 何しろ桐乃は、個室の鍵を掛けパンツを下ろし、さあ用を足そうかという段階になってやっと異常に気付いた程である。 そこには既に先客が居た、正確には収納されていたというべきだろうか。 それは、初めには桐乃のおしりを撫でる様にぬめりとした感触を桐乃に与えた。 通常ならばウォシュレットの誤動作かと思う所だろうが、ここは公園の公衆トイレである。 舞浜の某テーマパークならいざ知らず、帰宅途中にある公園にそんな物が備えられているはずもない。 もしかしたら、ここで異常を認識しすぐさま逃走すればまだ逃れられたかも知れない、この時の桐乃はおもらしをする寸前に見つけたトイレに安心し切っていたのである。 突然の感触に驚き便器の中を桐乃が覗き込むとその先客と目が合った、はたしてそれが目なのかどうかは分からないがとにかくその何かを見てしまった。 あまりの恐怖に「ひぃっ」と桐乃は喉を引きつる様にして僅かに声を漏らすのが精一杯だった。 それは生き物に例えるとタコに似ていた、赤い色をしヌメリと粘液で光る触手が数え切れないほど伸びておりその先端は男性器のそれに似て亀頭の様な形をしていた。 桐乃がそれを見た瞬間にはそれは触手を桐乃の足に絡ませ足の自由は奪われていた。 すると今度は、背後にあるタンクからも蓋を押し上げて別の触手が桐乃の手の自由も奪い、体中に巻き付いて仰向けに釣り上げる状態で桐乃の体を固定した。 体の自由を奪われ身の危険を感じ、桐乃が助けを呼ぼうと口を開いた瞬間に待ち構えていた触手が口へと押し込まれる。 桐乃の悲痛の叫びは「うぐぅ」だとか「んぐ」と言ったうめき声にしかならなかった。 最も、暗くなった薄気味悪い公園のトイレの前をたまたま人が通りかかる可能性など皆無に等しいが、それでも桐乃は呻き声を洩らしていた。 「うぐぅぅぅぅぅあ゛んんん……ひぃう……ジュル」 周りの残っていた触手が服の隙間やスカートの下から服を破く様に引っ張る。 スカートとセーラー服はあっという間に破かれてボロ切れと化し、触手はブラとパンツも引っ張りブラは千切れパンツは伸びきって割れ目に食い込んでから千切れた。 「やめで……ぶぁううぅぅうぃぁ」 上半身を覆っていた触手は露になった胸や乳首に巻く付いた。それと同時に口に挿入されていた触手が外に出る。 「ぷはっ……けほっけほっ……うぅ」 下半身のパンツを破った触手も新たに現れた穴に狙い済ましたかの様に侵入を開始する。 「や、やめてよ!そこだけはっ……はぐっ……ひい!……あああん」 触手から出る粘液で多少入りやすくなっているとはいえ、まだ何人たりとも進入を許した事のない秘部にゴツイ形をした触手が無理やり入ってくる。 「いぃぃいいいたぁぃ……いたいよぉ……あが……ぎぎぎぎ」 膣に無理やり突き込まれた触手によって結合部から血が滴り落ちる。 「あたしの初めて……がっ……こんなのに……奪われる……なんて……ひどっ……いぃ」 破瓜の痛みに精神を破壊され、触手という異物に処女を奪われてしまった事に自らの不幸を信じる事が出来ずこれは夢だと思い込もうしたのもつかの間。 更にお尻の穴にまで触手の魔の手は伸び、今まで開いた事がない程の大きさに肛門を広げながらも奥へ奥へと侵入してくる。 「お、お尻の穴……だ、だめぇ……さ、裂けちゃう……あぁぁぁっ……お腹の中這いずり回って気持ち悪いよぉ」 直腸にまで入り込んだ触手に嫌悪していると膣に入り込んだ触手が更に子宮の入り口を執拗に叩く。 「ひうっ……ああぁん……だめっ……それ以上……はいらなひぃぃぃ」 桐乃叫びも空しく触手は先端から更に細い触手を伸ばして子宮の中にまで入り込んだ。 「ひぃぃやぁあ……やめ、やめてよぉ……ぉ、おご」 体の中心部にまで進入され痛みと気持ち悪さに意識が飛びそうになる。 「えへ……あへ……うぅぅぅ……あっあっ……あぅ……」 体の感覚が薄れ意識が白くなりかけた瞬間。 これまで奥へ奥へと侵入してきた触手が出し入れされ、激しいピストン運動を始め意識は嫌がおうにも現実に引き戻される。 「はっはぅひぃ……あぁああぁぁあん……らめええええっ」 膣を刺すような痛みと肛門と腸を犯され触手が中で擦れ合う様な感覚が痛みから快感へと変って行った。 「うあぁぁぅ……ひんっ……そんな激しくしないでぇ……あああっ」 どうやら触手の出す粘液が腸から吸収され、それが麻薬の様に働いているのかも知れない。 痛みから開放されると胸や乳首を蹂躙している触手の感覚もより鋭敏に感じ取れる様になった。 「あっあっあうぅぅっ……乳首吸っちゃダメぇぇぇ……そんなに引っ張ったら伸びちゃうぅぅぅぅぁ」 反応の良くなった桐乃を察知したのか、更に触手の蹂躙は桐乃の下腹部にあるクリトリスと尿道にまで及んだ。 「あああんっ……やめてぇ……そこは……あ、あ、あひっ、うっうっ……い、いっちゃう……イっちゃうよぉ」 これまで以上の快感に桐乃はとうとう理性を失ってしまった。 「はっはっはぅ……もっと触手ぅ……からだじゅう……きもぢぃよぉ」 「あっぁっひぃ……も、もうっ、いっイっちゃうっ、イっちゃうよぉぉぉおおぉぉぉお」 一際大きく痙攣し触手を締め付ける様にして桐乃は達してしまった。 同時に触手の方も肉壁に搾り取られる様に大量の白い粘液を桐乃の膣に放出した。 胸や体に巻きついてたいた触手からも白い液体を桐乃の体に放出し白濁液で桐乃の体を汚す。 子宮と腸の奥に出された液体は桐乃のお腹を膨らませませてまるで妊娠したかの様な大きさまで膨れた。 「ひっ、あぁぁあああぁっ……な、なんか出てるよぉぉ……うぅまだ出てる……」 中々止まらないその射精に中に入りきらなかった液体が結合部から零れて白濁した粘液を滴り落とす。 一頻り射精し終わった触手はボトリと膣とアナルから引き抜かれ。腹を満たしていた液体があふれ出し流れ出た血と交じり合って床に水溜りを作った。 「あぁぁぁぅ……ひぃぃ……ふぅぅぅ」 人生でこれまで感じた事の無い快感に桐乃は放心状態になり意識を失った。 「朝だよっ起きてーなのっ!早く起きないと魔法をお見舞いしちゃうよーっ」 萌え声で恐ろしい事を囁く目覚ましボイスが鳴り響く、その音で桐乃はここが自室のベッドだと気付いた。 そう、あれは全部夢だったのだ。そう理解するのに更に15秒ほど要した。 淫夢にしては性質が悪過ぎる、きっと昨日深夜までやっていたエロゲ「ドキッ!はじめての触手!妹編」の所為だ。 それにしても体を這いずり回る触手の感覚がやけにリアルだった様な……。 うなされ過ぎたのか衣服も乱れているし、何故かショーツもぐっしょりと濡れていた事に焦るが、お漏らしと違ってべっとりとした感触がした。 エッチな夢を見て自慰をしたという事実にあのカリビアンコムと同じレベルになった気がしてショックだった。 もし朝あいつと出くわしたら蹴りの一つでも入れてやろうと思った。
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286349444/30-35 「ねぇ、“先輩”?」 「んぁ? 家に来る前にどっか寄ってくか?」 ふと、何の気も無しに呼んでみた。 返ってくるのも気の無い返事で――面白くないな、と。 そう。 ……面白くない。 「どうかしたか?」 左にあるその顔を見上げると、相変わらずの気の抜けた顔。 どこにでもあるぼーっとしたというか、のんびりとしたというか、面倒臭そうというか……。 私が声を掛けたのに、私はその声に応える事無く……その顔を見上げるのみ。 「おーい?」 学校からの帰り道。 同じ学校の制服を着ての、帰り道。 いつもの面子での“遊び”でもなければ、私がこの人の妹に呼ばれたわけでもない。 この春から始まった“先輩”と“後輩”という関係。 そして、私の“趣味”と一緒に居てくれる関係。 でも。 「先輩」 「だから、なんだよ?」 この男は、その“関係”にすら、もう慣れてしまっている。 ……面白くない。 あの驚いた顔は何処に行った? ……はぁ。 視線を前に戻し、小さくため息。 「いや、何で溜息吐かれてんの俺?」 「気にしないで」 「普通気にするからな? 顔見られながら溜息吐かれたら気にするからな?」 「そう」 今度はどう呼ぼうか? 兄さん、は多分そう驚かないだろう。 前にも呼んだし。 もっとこう、意表を突いたモノが良い。 何と呼べば……。 「なぁ、俺の話聞いてるか?」 「聞いてるわ」 「そーかい。……はぁ」 また、見上げる。 困った顔。でも――――。 「なぁ、黒猫?」 「なにかしら?」 その目が、また私に向く。 眠たそうというか、面倒臭そうというか。 「ガッコか家の方で、何かあったか?」 「そうね――学校の方、かしら?」 ――この人はやっぱり、入り込んでくるのね。 どうしてこう、お人好しで、お節介焼きなのかしら? はぁ。 「どうしたんだ?」 「別に……少し、退屈してるだけよ」 「学校に刺激を求めてどうする……」 あら、そうかしら? 「刺激だけじゃないかもしれないでしょう? それに、学生としてその発言はどうかと思うわ」 「へぇへぇ。学校に楽しみ、ねぇ」 楽しみ楽しみ、と。 その声が小さく呟く。 ちょっと違うのだけれど、でもそう間違いでもない。 退屈、なのだ。 この人がこの――私が一緒に居る――この現状に馴染んでしまっている事が。 先輩と後輩。 しかも2学年も離れているこの“現実”にはありえない関係に馴染んでいる事が。 「部活の方じゃ、ないよな?」 「ええ。私の趣味、の方かしら?」 別に、部活に不満があるわけじゃない。 というか、現状にある意味満足――すらしている。 そう言えば、この人はどんな顔をするのかしら? 「そっか」 私からこうやって相談……とも言えないような事を持ちかけても、当たり前のように悩んでる馬鹿な人。 何でこの人は、こんなに馬鹿なんだろうか? はぁ。 「兄さん」 「んー?」 この人の家まであと半分。 通い慣れた――と思う帰り道を歩きながら、小さく笑う。 少し、楽しい。 ……退屈じゃない、時間。 きっとこの人は私が“何に”退屈しているかなんて、気付いてないんだろう。 そして、きっと気付かないんだろう――と、また笑ってしまう。 声に出さないように気をつけて。 私が楽しんでいる事を、この人に気付かれないように。 「退屈だわ」 「――よく考えたらなぁ」 「どうかしたのかしら?」 「お前が退屈だったとしよう」 「ええ」 そこで一呼吸。 「お前の退屈の解消法なんか俺が思いつくはず無いだろ!?」 「でしょうね」 だって、私とあなたは別人なんだから。 まったく。 「やっと気付いたの? 相変わらず馬鹿ね」 「ひでぇ」 「良い退屈しのぎになったわ」 「……お前、本当に後輩か?」 「あら、私が同い年か年上に見えるのかしら?」 見えねぇよ、と小さな呟きが耳を擽る。 ああ、楽しい。 「ったく、可愛げのねぇ後輩だな」 「まったく、面白味の欠片もない先輩ね」 「そこまで言うか!?」 クス、と小さく……本当に小さくだが、声に出して笑ってしまった。 「先輩を笑うもんじゃねぇぞー」 「う、煩いわね」 まったく。 この人は私の――この“ありえない関係”をどう思っているのだろう? こんな漫画かアニメ、ゲームの中のような関係を……どう思ってるのかしら? はぁ。 「お前も目上の人を敬わない奴だな」 「敬われるほど殊勝な人でもないでしょうに」 「さらっと酷い事言ったよな、今? な?」 「そんな事ないわ」 ええ、そんな事無い。 これでも尊敬――とまではいかないけれど、それなりに……ねぇ? ココロの中で誰かに呟き……顔を落として、苦笑してしまう。 だって、ねぇ? 自分で言っておいて、自分で否定してどうするのか。 だいたい、ココロからそんな事思いもしていないというのに。 尊敬はしていない。 でも、多分……頼りには、している。 「ねぇ、兄さん?」 「んあ?」 ふむ。 「これでも頼りにしてるのよ?」 「へぇへぇ」 あら、全然信じてくれてない。 「疑り深いのね」 「お前らのどこを信じろと?」 「信じてくれればいいじゃない」 それじゃ、痛い目見るのは俺だけなんだよなぁ、と。 そうね。 でも――それでも“私たち”は貴方を頼ってしまうのよ。 何度か頼ってしまったから、癖でもついてしまったかしら? 「困ったものだわ」 「困るのは俺の方だっての」 いいえ、私よ。 私の方なのよ? 本当に判ってないのね、このお馬鹿は。 「はぁ」 「溜息ばかり吐いてると、幸福が逃げるわよ?」 「わーってるよ」 クス、とまた笑ってしまう。 楽しいと、思ってしまう。 面白いと、思ってしまう。 学校には無い、皆で居る時にも無い、この人の家に居る時にも無い。 この人と“二人”の時の――。 「笑うなよ」 「はいはい」 退屈なんてどこにも無い時間。 そう言えば、何で面白くないなんて思ったのか……ああ。 「ねぇ、京介」 「…………はい?」 あら、面白い顔。 「相変わらず変な顔ね、兄さん」 少し、熱い。 うん――少し、だけ。頬が熱い。 「ん? いま」 「どうしたの、兄さん?」 「へ、あ……あれ?」 ふふ。 「どうかしたのかしら、この兄は」 「あー、いや、なんでもない」 そう。 トクン、と少しだけ高鳴るココロが心地良い。 この人の驚いた顔が、 照れた顔が、 悩んだ顔が、 ……ココロを揺らす。 「帰ったら何すっかなぁ」 「そうね……」 まぁ、二人でする事と言ったら――ほとんど決まっているのだけれど。 奥手と言うか、人並だというか。 結局私も人の子か――と。 「とりあえず、格ゲーで貴方を凹ますわ」 「とりあえずで凹まされるのか、俺は」 「ええ、良かったわね兄さん」 「良くねぇよっ」 ふふ。 「うは、Sだ。ドSが居る」 失礼な。 「私が虐めるのは、兄さんだけよ?」 「良い事言ってるつもりだろうけど、それ余計に最悪だからな!?」 また、小さく笑う。 笑ってしまう。 ああ―――― ――――この人と一緒に居ると、楽しいな。
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616 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 12 16 09.39 ID fbet85u1O 京介「入るぞー」コンコン 京介「この前やっとけって言われたゲーム終わったぞ。今回のは設定やらが複雑過ぎて――」 桐乃「はぁぁぁっ!?」 京介「と、突然どうした!?」 桐乃「あんたのせいで上書きしちゃったじゃない! ここのデータもうすぐ空ちゃんがレイプされる場面だった奴なのよ!?」 京介「レイプって……お前なあ……」 桐乃「この責任どうやって取ってくれんの!? ねえ、どうしてくれんの!?」 京介「わ、悪かったよ。もう一度やり直せばいいだろ?」 桐乃「もう一度やり直せですって……? わかってない! あんたは全然、これっぽっちもわかってない! いい? あたしはね、この√で可愛い可愛い空ちゃんがレイプされることを知っちゃってるの!」 京介「そ、そうなのか……まあ、いいんじゃねえの? その方がショックは少なくて済むだろ」 桐乃「そういう見方もあるかもね。 けどねっ、その未来を知ってるからこそ、空ちゃんをそんな目に遭わせる選択肢を選ぶのはもうどうしようもなく苦痛なのよ!」 京介「じゃあ俺がそこまでやってやるからさ。それで勘弁してくれよ」 桐乃「はぁ!? 信じらんない! エロゲは自分でやってこそでしょうが!!」 京介「俺にどうしろと……」 617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 12 20 57.68 ID fbet85u1O 桐乃「責任……責任取りなさい」 京介「だからそれを訊いてるんだって……」 桐乃「それくらい自分で考えられないの? これだから馬鹿は嫌なのよ。 そのちっさい脳みそフルに使ってよ~く考えてみなさいよ、ふんっ!」 京介「……チッ」 桐乃「それだけ? 痛いとこ突かれたからってだんまり? 芸がないのよ、あんた。言い返すなりしてみたら?」 京介「お前が――」 桐乃「何よ、聞こえなーい」 京介「お前が急かすから俺はやりたくもないエロゲーを徹夜でやって、その上で更にわざわざ妹さまのご機嫌取りまでやりにきたのによ! 信じらんないだ? そりゃあこっちの台詞だ! 自分のミスを棚に上げて喧嘩売りやがって!」 桐乃「な、何よ……あんたはシスコンなんだからそんなの当然でしょ……?」 京介「ああ、そうかいそうかい。俺が悪かった。 終わり。シスコン終了。はい、さようなら。お疲れ様でした、俺」 桐乃「何ひとりで完結させてんのよ! キモッ! 意味わかんないんだけど!」 京介「じゃあな」バタンッ 桐乃「…………」ビクッ 618 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 12 24 43.71 ID fbet85u1O 桐乃「…………」カチッ 桐乃「あー……」カチッカチッ 桐乃「何よ何よ何なのよ、あいつぅ!」 桐乃「あたしに対してあの態度はありえないんだけど!?」 桐乃「……そりゃあたしもちょっとは……」 桐乃「でも超ムカつく……!」ガタッ 桐乃「…………」スタスタスタ 桐乃「調子に乗ってんじゃないわよ――ッ!!」ドンッ ドゴンッ!! 桐乃「ひぃっ……」 桐乃「……もうっ、何よぉ……」 619 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 12 29 35.59 ID fbet85u1O 桐乃(昨日は頭に血が上ってたからあれだったけど、やっぱあたしも悪かったよね……) 桐乃「…………」 桐乃「よしっ! あいつも謝ると思うし、そしたらあたしも謝ろう……!」 桐乃「……でももうすぐ朝ごはんなのに、起きてる気配がないわね」 桐乃「しょうがないっ! この可愛い妹さんが特別に起こしてやろうじゃないの!」 桐乃「あれ……いない……」 621 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 12 37 35.92 ID fbet85u1O 桐乃(今日は早くに出て行ったって……) 桐乃(何? まさかあたしのこと避けてんの?) 桐乃(ダメだ。朝からずっと思考がループしてる……) 桐乃「……もうすぐあいつが帰ってくる時間か……」 ただいまー…… 桐乃(――来た!!)ガバッ 桐乃(どうしよう……なんて言えば……) 京介「ただい……あれ? お袋は買い物か?」 桐乃「う、うん。おかえり!」 桐乃(やっばー……今の超不自然だったよね……) 京介「はあ、喉渇いた……」スタスタ 桐乃「え……?」 623 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 12 43 46.80 ID fbet85u1O 桐乃(もしかして無視……されてる……?) 桐乃(……きっと勘違いよね、うん!) 桐乃「ちょ、ちょっとあんた……」 京介「……寝るか」 桐乃「待ちなさいよ! 大体寝るって今何時だと思ってんの?」 京介「…………」クルッ 桐乃(振り向いた……!) 桐乃「そ、そういえばあんたさ、あたしに何か言いたいことがあるんじゃないの?」 京介「……テレビ」 桐乃「へ?」 京介「消しとくか」ピッ 桐乃「……あっ! ちょっと!」ガシッ 625 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 12 51 56.53 ID fbet85u1O 京介「……チッ」パシッ 桐乃「あ、ごめん……! じゃない!」 京介「…………」 桐乃(兄貴のこんな顔みたことない……無関心な……。 それに、さっき手を掴んだ時の嫌そうな表情も……) 桐乃「な……何で?」 京介「…………」 桐乃「何か言いなさいよ」 京介「…………」クルッ 桐乃「――口を開くまでいかせないから!」サッ 京介「……はあ」 桐乃「ほら!」 京介「……お前」 桐乃「……?」 京介「邪魔」グイッ 桐乃「きゃっ……って、待って……!」 626 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 13 00 24.37 ID fbet85u1O 桐乃(あの後は部屋の前まで付いていったけど、結局最後まで無視され続けて……) 桐乃「……何そんなに怒ってんのよ」 桐乃「いつもの……そう、いつものことじゃない……」 桐乃「…………」 桐乃(調子に乗ってたのはあたしの方かも……) 桐乃「いやいやっ!」 桐乃(でもこのままじゃ人生相談もできなくなるし……) 桐乃「な、仲直りしてあげてもいいのよ!?」 桐乃「…………」 桐乃「うう……」 ドゴンッ!! 桐乃「っ!?」 桐乃「い、一体何……?」 桐乃「あ……寝てるんだった……」 630 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 13 20 17.01 ID fbet85u1O 佳乃「あら、京介。今日は箸が進んでないわねえ」 京介「ああ……誰かさんのお陰でな……」 大介「母さんや桐乃に移されては困る。今日は早めに休むんだな」 京介「風邪じゃないけど、そうするよ……」 桐乃「あ、風邪薬飲んだ方が!」 京介「…………」 佳乃「桐乃ったら、心配しすぎよ」 桐乃(お父さんとお母さんの前でも……) 京介「おい」 桐乃「……え? あたし?」 京介「食うか?」 桐乃「ブリ……た、食べる食べる!!」 佳乃「優しいのねー、お兄ちゃん」 京介「残飯処理だよ。ごちそうさま」 桐乃「…………」 633 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 13 30 00.81 ID fbet85u1O 桐乃(残飯処理……) 桐乃(だけど、ちょっと嬉しいかも) 桐乃(普通に話してくれたしね、にひひ!) 桐乃「あいつもちょっとは許してくれだったことだもんね……ここからちょっとずつ仲直りしていこう……」 桐乃(あ、多分あいつ戻ってきた……お風呂が空いたのは訊かなくてもわかってるけど……!)ガチャ 桐乃「……あ、お風呂空いた?」 京介「…………」スタスタスタ 桐乃「ね、ねえ……」 京介「…………」ガチャパタンッ 桐乃「…………」 桐乃「そう……だよね……」 637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 13 38 42.08 ID fbet85u1O 桐乃「……………………」 桐乃「……ううっ」 桐乃「あーもう……!」 桐乃(兄貴が冷たいなんて、誰にも相談できないし……) 桐乃(いや、あれは冷たいなんてものじゃない。私に関心が――ない) 桐乃「……嫌だ」 桐乃「…………」 桐乃「あああああっ! 段っ々イライラしてきたあ!」 ドゴンッ! ドゴンッ! 桐乃「ごっ……ごめんなさいっ……!」 916 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 07 53 51.03 ID +ItIHITkO 桐乃(兄貴に無視されて今日で二日目……) 桐乃(ううん、そんなの今日で終わりよ! 普段とは違うけど、なんか調子出てきたわ!) 桐乃「……あいつ、まだ行ってないよね?」 桐乃(これだけ早起きしたんだから大丈夫よね……) 桐乃「…………」 桐乃(隣からの音が聞こえるように無音でエロゲでもしてよう) 桐乃「……あ」カチッ 桐乃(今、兄貴が寝返り打った! ベットが軋む音が聞こえた!) 桐乃(これだけ聴覚が敏感になってるなら、絶対大丈夫よね!)カチッカチッ 桐乃「…………」 桐乃「……、まだかなぁ」 918 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 08 03 27.14 ID +ItIHITkO ミシシッ…… 桐乃「あ!」 桐乃(……足音も聞こえるし、うん。起きたっぽい!) 桐乃(どーしよー……緊張するな……) 桐乃(落ち着けあたし! ただ挨拶するだけなんだし!) 桐乃「…………」ガチャ 桐乃「…………」ソワソワ 京介「…………」ガチャ 桐乃「あっ……ふぁあ、あんたも今起きたとこ? おっ、おはよ!」 京介「…………」 桐乃「……相変わらず冴えない顔してるわね。もっとシャキッとしなさいよ! って、寝起きじゃしょうがないかー……あはは……」 京介「…………」スタスタ 桐乃「か、顔洗いに行くんだよね? 私も一緒に……いい?」トテテ 京介「…………」スタスタ 桐乃「…………」トテテ 919 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 08 15 07.41 ID +ItIHITkO 京介「…………」シャコシャコ 桐乃「…………」シャコシャコペッ 桐乃(何も言わないけど、別に邪魔者扱いされてないわけだし……)ゴロゴロゴロペッ 京介「ふ……」 桐乃(っ……!?) 京介「ふぁ~あ……」シャコシャコ 桐乃(な、なんだ欠伸か……何か言うのかと思った……) 佳乃「あら、二人とも今日は早いのね」 京介「ん、おはよう……」 佳乃「はい、おはよう。二人して並んで歯磨きなんてあんた達どうしちゃたの?」 桐乃「……あ、あたしら兄妹は仲いいんだからこれくらい当たり前よ!」 桐乃(らしくないこと言っちゃった……でも、これなら反応してくれるはず……) 兄貴「こいつが割り込んできたんだ。俺に嫌がらせをしたいんだろうよ」 桐乃「ち、違……」 佳乃「ふふっ、そうなの」 920 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 08 32 13.14 ID +ItIHITkO 桐乃(朝食でも相変わらず無視……お父さんとお母さんに話題振って兄貴にも喋らせようとしたけど、全然ダメだったし……) 桐乃(でも誰かが間に入れば、兄貴も無関心ではいられないみたいね) 桐乃「これからどうしよう……」 あやせ「桐乃、どうしたの?」 桐乃「あやせ……別になんでもないよ!」 桐乃(あやせに話したらややこしいことになりそうだし、悟られないようにしないと) あやせ「本当に?」 桐乃「本当よ。ただ今日の仕事のことを考えてただけ」 あやせ「そっか。そういえば、昨日桐乃のお兄さんとメールしたの」 桐乃「なんでっ!?」 あやせ「な、なんでって……なんとなくだよ? あの時もそうだったけど、桐乃のお兄さんって面白いこと言うよね」 桐乃「う、うん……」 桐乃(なんであやせと……それに昨日は眠いって……) 桐乃(あ、あたしとは話してくれないくせに!!) 桐乃「……あ、それで今日の仕事のことなんだけどさ」 923 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 08 49 11.54 ID +ItIHITkO 桐乃「いつもより数倍疲れた気がする……」 桐乃(頭の中、兄貴のことばっかで………) 桐乃「……なんか馬鹿馬鹿しくなってきた」 桐乃「大体っ、なんであたしがあいつとの関係修復に必死になってるわけ!?」 桐乃「ふざけんなっ! このっ! このっ! 死ね!」ゴッゴッ 桐乃「はぁはぁ……一人じゃ傾かないわよね……」 桐乃(実際二人でも傾かないわよ、電柱なんて。アニメの見過ぎね) 桐乃「あー……黒猫と沙織にメールして週末は秋葉で気晴らしでも……」 桐乃「……メール?」 桐乃「そうよ! これよ!」 桐乃「メールなら……!」 924 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 09 27 03.99 ID +ItIHITkO 桐乃「ただいまー」 桐乃「…………」 桐乃「…………」スタスタ 桐乃「……ね、ねぇ」コンコン 桐乃「今、帰ってきた……それだけ……」 桐乃「…………」 桐乃(相変わらず無視か……) 桐乃(こんなことでめげてないでメールよ、メール!) 925 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 09 44 44.15 ID +ItIHITkO 桐乃「さて……」 桐乃(しかしどうしたものかしら……) 桐乃(メールって言ってもどんな文章を送ればいいか) 桐乃「う~ん、ここは顔文字をいっぱい使ってフランクに!」 桐乃「……シカトされてる相手にそれはないか」 桐乃(癪だけど、やっぱり謝らなきゃね!) 桐乃(あたしが大人になってやらないと) 桐乃「……………………」 To 兄貴 題 一昨日は…… text ごめんね。 あのあとよく考えてみたら、悪いのはあたしだった。反省したの。 そしたら無視されて、もっともっと反省した。 ごめんなさい。 また人生相談にも乗ってもらいたいし、よかったら許してほしいです。 926 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 09 53 26.18 ID +ItIHITkO 桐乃「……できた!」 桐乃「見直ししてたら終わらない気がするし、早く送っちゃおう」 桐乃「……いけっ!」 桐乃「よし……メールなんだから、返信はなくてもちゃんと見てくれるはず」 桐乃(でも返信があった方がそりゃあ嬉しいけど……) 桐乃「まだかなまだか……あれ? も、もう返信が……!」 × センター 題 送信エラー ユーザーが見つかりません。 User Unknown 宛先 京介 件名 一昨日は…… 桐乃「…………」 桐乃「う……うう……」 927 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 10 03 25.55 ID +ItIHITkO 桐乃「そっか……だから、あやせとメールしたんだ……」 桐乃「…………」 桐乃「……あはっ!」 桐乃「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」 ドゴッ!! 桐乃「…………」 桐乃「ヤバイ……泣きそう……」 桐乃「……ううん! これくらいされても当然だもん!」 桐乃(あやせから……いや、沙織からあいつのアドレス教えてもらおう) 桐乃「うん、そうしよう」 桐乃「泣くなあたし……!」 929 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 10 14 59.72 ID +ItIHITkO 桐乃(沙織には色々訊かれたけど、なんとか誤魔化してアドレスをゲットできたわ) 桐乃「…………」 桐乃「……にひひ」 桐乃(なんか超嬉しいんだけどっ!)ゴロゴロ 桐乃「っと、早く送らなきゃ。件名には桐乃って入れなきゃね」 桐乃「……、よしっ! 完璧だわ!」 桐乃(あとはこのボタンを押すだけ……でもまた……) 桐乃(それはなくても、メールを開いてすらもらえなかったら?) 桐乃「……なんか緊張で胸が苦しい」 桐乃「そっ、送信……ッ!」 桐乃「ふー……」 桐乃(……隣の部屋で携帯が鳴ってるのが聞こえる!!) 桐乃(見てくれるかな……お願いだから見てよ、見てよね……!) 931 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 10 20 18.21 ID +ItIHITkO 桐乃「…………」 桐乃「…………」カパッ 桐乃「…………」パタン 桐乃「きてない……」 桐乃「…………」カパッ 桐乃「…………」パタン 桐乃「……そんな早く返信できるはずないしね」 桐乃「…………」カパッ 桐乃「…………」パタン 桐乃「……ううう……」 桐乃「…………」カパッ 桐乃「…………」パタン 桐乃「こない……」 桐乃「…………」カパッ 桐乃「…………」パタン 934 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 10 32 00.94 ID +ItIHITkO 桐乃「……もしかしたら」 桐乃(もう寝てる……?) 桐乃(寝てて気付かないだけとか……) 桐乃(それなら返信や反応が逢っても明日になるのか……) 桐乃「…………」 桐乃「……待てない」 桐乃「ほ、本当に寝てるのかな……?」 桐乃「…………」スタスタピトッ 桐乃(こうやって耳を澄ましても、何も聞こえない……) 桐乃「…………」 桐乃「あ、兄貴……」コンコン ドゴンッ!! 桐乃「わっ!?」ドテッ 桐乃「…………」 937 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 10 42 24.89 ID +ItIHITkO 桐乃(……そうだ! 大声出さなくても、こうやって壁に両手を当てて)ピトッ 桐乃「……お、おーい」 桐乃「起きてる……? いや、起こしちゃった……?」 桐乃「メール!」 桐乃「読んで……!」 桐乃「本当はちゃんと、直接謝りたいけど……ほら、色々と難しいから……」 桐乃「ごめんなさい」 桐乃「許して……兄貴……」 桐乃「…………」 コンコンッ! 桐乃「――!?」 940 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 10 59 24.13 ID +ItIHITkO 桐乃(い、今の空耳じゃないよね!?) 桐乃(あっちも壁ノックしてくれた……!) 桐乃(やっ……やったぁ……!)ピョンッ 桐乃(やったよ、メルル! あたしついにやったんだ!) 桐乃(やった……けど、ここからどうしたら……) 桐乃「と、とりあえず……」コンコン コンコンッ! 桐乃「っうう……はぁ……」コンコンッ コンコンッ! 桐乃「……に、にひひひ」コンコンッ ドゴンッ!! 桐乃「ひゃあっ――!?」 944 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 11 04 10.86 ID +ItIHITkO 桐乃「なっ、何今の……!?」 桐乃「もしかしてあたしの妄想……?」 桐乃「ううんっ、そんなわけないっ!」コンコンッ 桐乃「…………」 桐乃「…………」コンコンッ 桐乃「…………」コン 桐乃「……ドンドンでもいいからノックしてよぉ……」 桐乃「うう……頭痛い……」 桐乃「……………………」ピトッ 桐乃「おやすみ、兄貴……」 945 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 11 21 05.14 ID +ItIHITkO 京介「…………」 京介「くっ……」 京介「なんだよあれ……」 京介「くぅ……」 京介「そんな馬鹿な……!」 京介「俺の妹がこんなに可愛いわけがない!!」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ O 。 桐乃「いきなり可愛いってあんた……はっ! なんだ夢だったのか……」 桐乃「…………」 桐乃「もう一回寝てみよう……」 947 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 11 30 12.91 ID +ItIHITkO 桐乃「……うーん、朝だぁ……」 桐乃(昨日のあれはなんだったんだろ……) 桐乃(またコンコンしてみようかな……でもまた反応が無かったら嫌だし……) 桐乃「また夜にやってみよう!」ガチャ 京介「…………」 桐乃「あ……」 京介「…………」 桐乃「ごめんなさいっ!!」 京介「…………」スタスタスタ 桐乃(やっぱり昨日のことは夢……?) 桐乃「兄貴……」 京介「…………」プルプル 桐乃「ん……?」 桐乃(後ろ姿だったからよくわからないけど……笑ってた……?) 桐乃(気のせいだよね)
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1281447547/9-15 4巻4章 桐乃視点 桐乃出発前 朝、朝食を終えたあたしは部屋で荷物の再確認をしていた。あと数時間後には空の上、いよいよ渡米といった次第だ。 「よっし、忘れ物無しと。あとは出発するだけね」 ほとんどのものはあっちで暮らすことになる寮へ既に送っているから、小さなキャリーケースの中身はちょっとした着替えと化粧品、あとさっき仕舞ったノーパソくらい。 昨日もお母さんと何度も確認したから大丈夫だよね。 ケースを閉めて、「ふう」と一息つく。 時計を見ると、もういつも学校へ行く時間は過ぎていた。出発までにはまだ時間がある。 「今くらいだったら大丈夫よね」 机に置いていた携帯を掴み、履歴画面から番号を呼び出し発信ボタンをプッシュする。 プルルルッ……プルルッガチャ、とツーコールで相手が出た。 『もしもし?』 「はよーん、あたし」 『あなただっていうのは着信画面を見れば分かるわよ』 陰鬱そうな声で憎まれ口をたたいてくる相手はあたしのオタ友の黒いの。正式なハンドルネームはププッ、千葉(チバ)の堕天使黒猫。 「朝っぱら陰気くさい声出してんね、あんた」 『私はあなたたちと違って闇の眷属なの、太陽の輝きに体を慣らすにはそれ相応の時間という贄が必要なのよ』 「あいっかわらず、意味不明な邪鬼眼発言してるし~」 『フッ、あなたには理解出来ないものが世の中には無数にあるのよ。あなたはなんだか朝っぱらからとても元気があって羨ましいことだけど、正直その無駄に大きな声を抑えたらどうなの? 電話越しでも暑苦しいわ』 「うっさい、このクソ猫」 ったくもぅ、ああ言えばこう言うな~コイツは。 『――ところで、こんな時間から私に何の用なの?』 「ん? たいした用ってほどでもないんだけどサー。あっ、時間だいじょぶだった?」 『既に電話をかけてから言う辺りがあなたらしいわね。ふぅ、まあいいわ。時間なら少しは大丈夫よ、今登校中だから。あなたもそうなのではないの?』 「あ~まぁ、そんな感じ」 『歯切れが悪いわね』 「ど、どーだっていいでしょ!」 感がいいやつ。バレないように気をつけなきゃね。さっさと用件だけ言って切ろう。 あたしは続けて話を切り出す。 「えーっと、電話かけたのはさ、あたしの学校の友達にあやせって子がいるんだけど、その子がプレゼントしてくれた『EXモード』のメルルちゃん、あんたたちが選んでくれたんだって?」 『なんのことかしら?』 「すっとぼけても無駄だよ。あやせと兄貴が証言してんだから、いい加減認めな。犯人はお前だっ!」 『どこぞの小学生探偵みたいな物言いね』 「あたしあのアニメ好きじゃないんだよねぇ~、いい加減話長いし推理も安直だし」 『自分でネタを振っておいてその言い草、アニメのファンだったら間違いなく刺し殺すわよ? タイトルは『マル顔モデル(笑)殺人事件』といったところかしら』 むっか~、こいつまたあたしのことを―― 「またマル顔って言ったわねクソ猫ぶっコロすわよ!」 『あらあら、電話越しにどうやるのかしら? あなたにそんな死の呪文を唱えるだけの魔力があるとは思えないのだけれど』 「フンッ、邪鬼眼厨二病の末期患者には言われたくないんですケド~、ベーっだ」 『邪、邪気眼厨二病ですってぇぇ~。フ、フフフ……。アニメのファンがあなたに手を下す前に私が葬ってあげてもいいのよ?』 「うっさい! いいから犯人はお前だっ!」 『……あなたそれを言いたいダケなんじゃないの?』 黒いのは最後にはあきれ声になってた。 はん、あきれるのはこっちだっつうの。ほんとこいつと話すとストレスたまるよねぇ。 前もちょっとのつもりだったのが二時間もしゃべてて疲れちゃったし、遊ぶ約束したときだってあたしがず~っと前から待ってるのに、待ち合わせ時間から三分も遅れてやって来たしさぁ。 そんときにあたしがマスケラのトレカ買ってたらなんかニヤニヤしながら偉そうに解説しだしちゃって、結局家に帰ったの門限ギリで怒られそうになったしィ! ――って、こんなどうでもいい話をしてる場合じゃなかった。会話脱線させないでよね。 「とーにーかーく、あんたがあやせのプレゼントに一枚噛んでんのは分かってんの」 『ふ、ふん。別に私は何もしてないわ。あなたのお友達がプレゼントしたものなのだし、その子に感謝してあげなさい。それと何をプレゼントすればいいか私たちに泣きついてきたおせっかい焼きのあなたのお兄さんにもね』 「うん、それはもう言ったよ。んで、兄貴にあんたらに『お礼言っといて』って言ったら『自分で言え』って言うから、だから……その」 うぐ、なんであたしがこいつにこんな恥ずかしいこと……っ。でも、ちゃんと言わなきゃ。今じゃないと次話すのはちょっとの間時間置くことになっちゃってまたタイミング逃しちゃうし。 「だから……。い、一応……あんたにも感謝……してる……から」 『…………そ、そう……』 「…………」 『…………』 黒いのはお礼を素直に受け取ったみたいだ。けど、その後お互いにしばし黙って二の句がつげなかった。 な、なんで黙っちゃってんのよ、何かしゃべりなさいよぉぉ、あんた!? 結局出たのは、 「ふん!」『フン!』 鼻息のタイミングまでいっしょ。うっえ! ウザ。 あたしが「あ~その~」と次の言葉を考えてると、黒猫が話を始めた。 『そういえば、お兄さんとはあれからどうなったの? 少しは仲良く出来るようになったのかしら?』 「べ、別にどうもしないっての。兄貴と――ってなんであんた、あいつのこと『兄さん』とか言ってんのよ! 何? 変な弱みでも握られてるワケ?」 『あら、前にも言わなかったかしら。あなたのお兄さんから『大好き』って言われたのよ』 「何が『大好きって言われたから~』よっ! バ――ッカじゃん? うげ、吐きそう。マジきしょいからやめてっ!」 ほんとな~にが『兄さん』よ、兄貴のバカもデレデレと鼻のばしちゃって何も言わないしさー。あたしへのあてつけか何かのつもり? あ――っ、キモキモキモ。 『言われなくてもあと少しすればやめるわ』 「なにそれ、どーゆーこと?」 『ふふっそのうち分かるわ』 クソ猫のやつはなにやら楽しげに笑いそれ以上理由を言おうとしなかった。 チッ。はいはいあたしにはど~~~でもいいことだしぃ。勝手にしてちょうだい。 『私のことより、あなたはどうなの? 秋葉原であなたのお祝いを兼ねて、仲直りの段取りまでした私や沙織の苦労はちゃんと報われたのかしら。まさかまたケンカしたとかは無いわよね?』 「だからどうもしないって、あーだけど今日――」 中略 「――で、買いに行かせたゲームしてた。うひひ、新作ゲームを速攻出来るってやっぱ超良いよねぇ」 『…………』 「なに黙っちゃってんのあんた?」 『えーと……、つまりあなたは今日発売の妹モノ18禁ゲームの深夜販売に、お兄さんを秋葉原までパシらせたと』 「うん、そだよ」 『そして、終電に間に合わなくなったお兄さんは、なんとかして帰って来て?』 「チョ~汗かいてた。ぜぇぜぇ息切らしてんのキモかったーw」 そういやチャリンコ借りてきたって言ってたっけかな。よく深夜に借りれたな、あれは謎だわ。 『その後は徹夜であなたの部屋であなたと並んでそのエロゲーをプレイしていたと』 「あのバカ、エンディングで『何が悲しいんだこいつら?』とか言ってくれちゃってんの。なめてるよね、エロゲーは文学だっつの!」 『…………はぁ』 「ちょ、なんでそこでため息つくのよ!?」 『いえ、少し眩暈がしただけよ、気にしないでちょうだい』 なに? 貧血でも起こした? これだから引きオタは体力ないってんだよね。 『……っふ、でも納得がいったわ。あなたが朝から上機嫌になるわけね。その様子だと、さぞ楽しかったのかしらね?』 黒いのがなにやら嘲弄するような声で聞いてきた。 「む、何が言いたいワケ?」 『何も。仲直りが上手くいったようで安心したのよ。良かったわね、とても楽しい一時を過ごせて』 「な、何意味不明なこと言ってんのさあんた! あたしはただあいつに買いに行かせたゲームが面白かったってだけで――」 『この前見せた私の作品の続編に、良いインスピレーションを与えてくれたわ』 「ちょ、ちょっと! 変なこと考えてんじゃないでしょうーねっ! それにまたあんなの描いたらコロすかんね、マジで!」 『マル顔モデル(笑)殺人事件』 「犯人はお前だっ!」 ほんっと変な想像するのやめてよね、あたしが――な、なんで兄貴なんかにブラコンツンデレしなきゃいけないワケ!? むしろあっちの方がシスコン確定であたしのパンツくんかくんかしそうだってのよ。 『いい加減飽きたわ。そろそろ学校に着くからこの辺にさせてもらおうかしら』 「ふん、あっそ」 『それじゃ失礼するわ』 「あ、ねえ――」 『なあに?』 あたしは電話を切ろうとするこいつについ呼びかけてた。 ――――ん~と、えっと……、 「何でもない、じゃあねクソ猫!」 『?』 電話を切って、ため息一つ。 「はぁ~」 元気でいなさいよ、このクソ猫。あたしは少しの間、通話の切れた携帯画面を見続けていた。 「さーってと、次はぐるぐる眼鏡、ぐるぐる眼鏡~っと」 沙織の着信履歴からリダイヤルする。数コールしてすぐにつながった。 『お~きりりん氏、珍しいですな、こんな朝にかけてくるとは』 「ちょっとね~、あっ今大丈夫だった?」 『大丈夫でござるぞ、きりりん氏からの電話なら、拙者はたとえお見合いの最中でも出るでござる』 お見合いって――、あんたほんとどこのお嬢様よ? それに色々と顔が広いよね、去年のコミケだって色んな人と話してたし、アキバのことだってたくさん知ってるし。 まぁそんなことは今はいいや。あたしは会話を続けた。 「――ってわけで、あんたにも一応お礼言っとかなきゃってこと。あんがとね」 『いえいえ、お礼など不要ですぞ。きりりん氏のご学友の為、ひいては京介氏やきりりん氏の為なら、拙者一肌だろうが二肌だろうが脱ぐ所存』 「プッ、なにそれ。あんた相変わらずだね、そのしゃべり方。マジキモいからそろそろ『拙者』から『麿』にでも直したら? あっ同じか、あはは」 他でもこんなしゃべり方してんのかな。初めて会ったときは『何こいつ』って思ったけど、今は全然平気? むしろこいつの柔らかい雰囲気やしゃべりであたしや黒いのはずいぶん助かってる。 本心から笑ってくれてるのが分かるから、あたしらもつい安心してズケズケ言っちゃうんだよね。 きっと次のセリフもそんな感じで笑ってくれるんだろう。 『ハッハッハー照れるでござるなぁ』 ほらね。 『――ところで、きりりん氏は今日はやけに上機嫌のご様子ですな、何か良いことでもありましたか?』 「べっつに~。あっ、今日発売の『おにぱん』一ルートクリアしたよ」 『ほう、話題になっていた新作ですな。むう、しかし今はまだ朝――ということは秋葉原での深夜販売に行かれたので?』 「あたしじゃなくて兄貴が行ったんだけどね」 『ほうほう、京介氏が。少々雨も降っていたようですし、さぞや大変だったでしょう。それにしてもきりりん氏と京介氏はますます仲良しさんですなぁ』 「何がますますよっ! この牛郵ビン底! てか聞いてよ『おにぱん』のエンディングでさぁ」 ――で話が盛り上がっちゃって、さっき黒いのに話したみたいなこと聞かせると、 『ほうほうほう! 京介氏と一緒に――これはこれは。ふっふっふ』 沙織のやつ、なんか不敵な笑いかたして電話の向こうでお決まりのωな口にしてるみたいだけど、またなんかおかしなことを言う気じゃないでしょーね。 「な、なによ?」 『いえいえ別に。ただあれですなぁ~拙者はビビビッと何かしら美しくも妖しい電波をキャッチしましたぞ』 「ちょ、やめてよっ! うえ~っ、吐き気がしてくるっての!」 『またまたテレなくともいいではないですか。京介氏はきりりん氏の為に終電が出た後も諦めず雨の中エロゲーを抱えて三十二キロを走破。 かたやきりりん氏は京介氏が必ず帰ってくると信じて待つ、実に美しい兄妹愛、聞いていて微笑ましくも羨ましくなってくるでござるよ』 「だあぁぁぁ――っ! 違うつってんでしょ、ざっけんなぐるぐる眼鏡! あたしはゲームしたかったから待ってたの! あ、兄貴のこと待ってたとかそんなんあるわけないでしょ! キモいんだよキモキモキモ!」 たくっ、な、ん、でっ黒いのといい沙織といい、こう変なこと言ってくるかな――。兄貴といっしょにただゲームしてただけじゃんか……。 「とにかく、言うこと言ったしもう切るからね!」 『はい、きりりん氏。また近々遊びましょうぞ』 「――それじゃね」 ピッと通話を切る。 最後の沙織の言葉に返事をしなかったことがチクリと胸を刺した。 「近々は無理なんだ、沙織。あたしは今日これからアメリカへ行っちゃうから……」 胸に手を置いてひとつ深呼吸をする。 ごめん、何も言わなくて。でも、どうしてもやりたかったことだから――、あたし行ってくるよ。 沙織や黒いのの他に、あたしが両親以外のほとんどに、留学することを言っていないのにはワケがある。 留学プログラムへ参加するという選択はとても厳しい選択でもある。優秀な選手たちが集まってくるんだもん。その中じゃあたしなんてほとんど通用しないだろうから。 だから、あたしは一つ自分に『縛り』をかけた。 〝あっちで一勝するまでは、誰とも連絡を取らない〟 とてもつらいし、みんなに黙って行っちゃうのは後ろめたいけど、頑張って早く一勝すればまた話せるようになる。それがきっと励みになるから。 だから――それまでは……、黒いの、沙織、あやせ、加奈子やランちんたち、他にもいっぱい……。 それまではみんな……、ゴメンね。あたし絶対頑張ってくるから、待ってて! 「桐乃~、そろそろ出るわよ。支度出来てるー?」 階下からお母さんの声がした。いつの間にかもう空港へ出発する時間になっていたみたいだ。 ちょっとだけ話すつもりが、結局話し込んじゃったな。 「大丈夫、今降りてくからっ」 部屋のドアを開けてお母さんに返事をする。 「ホラホラお父さん、いつまでブツブツ言ってんの? 車出す準備してよね」 一階からは、お母さんがお父さんに催促する声が小さく響いていた。 お父さん。ごめんね、わがまま言って。それと、午前中仕事休んで送ってくれてありがとね。 あたしはキャリーケースを持って部屋を出た。 途中、兄貴の部屋の前で立ち止まる。そっとドアを開けて部屋の中を見渡すが兄貴はいない。 友達の家へ泊まりにいってることにしてるから、最後の人生相談が終わったあと、両親が起きてくる前に朝早く出かけていった。その姿を窓から見送った。眠そうに口に手を当ててたな。 「ゴメンね、徹夜させちゃって。あと……、ありがと」 誰もいない部屋に言葉を投げかけたが、もちろん返事は返ってこない。 ……………………。 「桐乃ー」 お母さんがもう一度あたしを呼んだ。 階段の方を向き、「今行くー」と声をかける。もう時間だ、行かなくちゃ。 ドアを掴んで閉める前に、あたしはもう一度部屋に向き直ってそこにいない相手へ声をかけた。 「それじゃ、兄貴。行ってくっから!」 あたしの大切なもの――よろしくねっ! 部屋のドアを静かに閉め、あたしは一階へと降りていった。 おし! いっちょ頑張ってくるかな!
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1290468634/618-630 http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1291723688/183-187 618 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 13 25 31 ID l5kypx4/ お仕置き 「死ねっ! 変態!」 げしっ! 「痛ッテェなオイ!」 休日の昼下がり、洗面所から自室に戻ろうとしたところ、これからシャワーでも浴びるのか着替えを持った桐乃とばったり出くわした。 その時に着替えを落としたもんだから、親切心で教えてやったというのに、返ってきたのは罵声と蹴りである。 「お前が着替え落としたのを教えただけだろうが!?」 「うっさい! アンタがあたしの下着をエロい目で見た事が問題なの!」 見てねーっつーの、どんだけ自意識過剰なんだよ。 「だからって蹴る事はないだろう」 「ふんっ、蹴られて当然でしょ」 こんな理不尽が許されて良いのだろうか、いや良くない。 今日こそはビシッと言って兄の威厳を取り戻さねば。 しかしどう言ったものか……そうだ。 「いいか桐乃……お前がそういうつもりなら、こっちにも考えがあるぞ」 「はあ? どうするっての?」 俺はククク、と悪役っぽい笑みを浮かべながら、 「今度お前が俺を蹴ったら、キスしてやるからな!」 な、と固まる桐乃。 「ほ、本気で言ってるワケ!?」 「ああ本気だとも! 男に二言はない!」 じりじりとにじり寄る俺、後ずさる桐乃。 こうやって脅しをかけておけば、そうそう手出しは出来まい。 「それが嫌なら今後はもう少し大人しく――」 「バカッ! 寄るな変態!」 げしっ! 「あっ……」 蹴りやがったコイツ。少しは後先考えろよ。 しかしこの展開は予想外だ、どうしたものか……。 俺が逡巡していると、 「ふ、ふん、どーせ口だけなんでしょ? アンタにそんな度胸あるワケないし」 コ、コイツ……! 「ぷくく。なーにがキスしてやるからな、よ。あたしがそんな脅しに屈するとでも思ったワケ? 超甘々なんですケド」 だあああ! 言わせておけば! もう我慢ならん! 「男に二言はない、とか笑っちゃ、んむっ!?」 俺は桐乃の背中に手を回して、唇を塞いでやった。 暴れるかと思ったが、驚きのあまり硬直しているのか抵抗らしい抵抗はない。 しばらくして唇を離す。 「…………」 あれ? 妙に大人しいなコイツ。てっきりビンタでもされるのかと思ったが。 予想に反して俯いたまま動かない桐乃、よく見ると顔が赤いような……。 ヤベ、なんだこの状況。勢いでキスまでしてしまったが、今更ながら恥ずかしくなってきた。 「こ、これに懲りたら態度を改めるんだな」 いたたまれずにそそくさと立ち去ろうとする俺。すると、 げしっ ……また蹴りやがったコイツ。 おそるおそる振り向くと、桐乃は真っ赤になってそっぽを向いている。 「……別に、懲りてないし」 俺はもう一度桐乃の唇を塞いだ。 その後も桐乃はちょくちょく俺を蹴ってくる。 ただし、部屋で二人きりの時だけだが。 625 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 15 34 38 ID BuuSAN2Q [2/6] なんか 618みたら続きっぽいネタが浮かんでしまった。 書いて良いものかどうかw 628 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 16 15 13 ID BuuSAN2Q [3/6] 前置き。 終わらせてません。 続きは需要がありそうだったらどっちか、書くつもり。いやもしかしたらどっちも書く羽目になるかもしれないがw 先に 618さんにあやまっておく( 629 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 16 15 53 ID BuuSAN2Q [4/6] 「お兄さん。桐乃の事で相談があります。」 そう言われた瞬間、俺はどきっとしてしまった。もしかして俺が桐乃に不可抗力とはいえ手を出してしまった事がばr 「あの、もしかして今忙しかったですか?」 「そんな事はない。お前の呼び出しなら直ぐにいくさ」(キリッ 即答だった。今でも愛しいこのラブリーマイエンジェルあやせたんにこんな事を言われて、着いて行かない訳がないじゃないか。 「…お兄さん、何時もそんな感じなんですか?」 「ふ、安心しろあやせ。俺がおかしくなるのはお前の前だけさ。」 「通報しました」 ビー 辺り一帯に防犯ブザーの音が鳴り響く。 ※「これは防犯ブザー!?不審sy・・・なんだまたあの子達か。通常業務に戻ろう」 ※二人には聞こえてません悪しからず。 「おーけーおーけー。落ち着こうあやせ。謝るからその物騒なものをとめてくれ。」 「はぁ…まったく。だからお兄さんと会う時はこれが欠かせないんです。」 と言いつつ止めてくれるあやせたん ありがてー ・・・いやそもそもそう軽々しく鳴らさないでくれってのが正しいのか? 「で、なんだ?相談ってのは。」 「はい、桐乃の事ですけど、最近なんだかぼーっとしてる事が多くてどこか上の空って感じで。それで何かお兄さんに心当たりないかなーっと。」 「…」 やばい心当たりしかない。あいつにキスしてしまったせいで、あいつその事を思い出して… 「い、いやあ~こ、こころあたりないでおじゃるよ~あ、あやせ氏~」 「嘘ですよね。目線も泳いでるし言葉遣いも変ですよ?まさか!? ついに桐乃に手を出し!?」 「えーあーいやあのですねあやせさん?そのとりあえずそのえっと・・・」 「言いましたよね?桐乃に手を出したら・・・って」 あ、終わった、きっと俺は加奈子と同じ場所に埋められる。我が生涯に悔いしかねぇ。 「…あの、そんなに怖がられると傷つくんですけど。」 「いや、だって・・・なぁ?」 「だってじゃありません!とりあえず事情を説明してください!通報するのはそれまで待ってあげますから!」 あ、やっぱされるんだ通報。でも逃げても状況悪化するだけだよなー仕方ない と俺は決心して桐乃にキスをした状況を説明した。 630 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 16 16 19 ID BuuSAN2Q [5/6] その説明を聞いたあやせはしばらくぶつぶつと独り言のようにつぶやき出し 「…思ってた以上に酷いシチュエーションじゃないですかこの変態!」 俺にあやせのハイキックが炸裂する。あ、やっぱあやせは白か そんな事を考えながら倒れた俺。 「くぅ・・・今回ばかりは否定できねぇ・・・そのなんだ・・・ん?あやせ?」 そこで俺は気づくあやせの様子がおかしなことに。 「・・・お、お兄さん。わ、私も思いっきり蹴ったんですよ?なら・・・」 「・・・は?それってどういう・・・」 瞬間俺は頭の中が真っ白になった。何を言ってるんだこいつは。ラブタッチのやりすぎで頭がおかしくなったのか? 「だ、だから私も思いっきり蹴ったって言ってるんです!!」 「・・・」 えっとその、つまりはそういうこと・・・なのか?あやせはその、桐乃に俺が言った事を踏まえた上で俺を蹴ってきた。 で、その罰を与えてくれ・・・そういうこと・・・なのか? いやだがまて。あやせに手を出すってことはその、色々裏切る事に・・・それにその、これは罠の可能性も・・・! もしくは、こいつは自分が俺の相手をするから桐乃にはもう手を出すなと遠まわしに・・・いやでも・・・ってあやせがなんだか泣きそうな感じに!? 「・・・やっぱり私じゃ駄目なんですか?私・・・ずっと前からお兄さんの事・・・」 ここまで言わせるなんて俺はなんて情けないんだ。そうだよな。 でも…あやせと桐乃二人共を選ぶなんていけない事だろう。 俺はどっちを選ぶべきなんだ・・・? 1、「すまん、あやせ。桐乃に悪いから、やっぱり俺はお前にはそんな事は出来ない」 2、「そこまで追い詰めて、すまなかったあやせ。ごめんな。」 3、桐乃!あやせ!お前達は俺の翼で天使だ! 俺の選んだ選択肢は… 続く 183 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 00 40 20 ID Nm1KyY0u [1/5] 前スレの629-630です 一応続き ただいちゃいちゃ分はあんまりない。でも修羅場成分もあまりない。 いちゃいちゃは気が向いた人が書いてくれるとありがたい。 自分では気が向いたら書くかも。 184 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 00 40 49 ID Nm1KyY0u [2/5] 「…あやせもだったんだ…だからあいつをほかの子と合わせたくなかったのに…」 あたしは今、ジャングルジムの陰から兄貴とあやせが話してるのを見ている。 あやせが兄貴を呼び出してる事を盗ty……いや、偶々耳にしたからだ。 あの二人が会うならここだろう、と先回りして様子を見ていた。 兄貴…どうするのかな… 正直に言ってここ最近は割りと素直に甘えてると思う、だから前みたいに勘違いされてないと思う。 だから私を選んでくれるだろうっていう自信がない事もない。でも…相手はあのあやせだ。兄貴の好みにあやせががっちり嵌ってるのは事実。 だから…もしかしたら… と考えてると… ----------------------------------------------------------- 1、「すまん、あやせ。桐乃に悪いから、やっぱり俺はお前にはそんな事は出来ない」 2、「そこまで追い詰めて、すまなかったあやせ。ごめんな。」 ニア 3、桐乃!あやせ!お前達は俺の翼で天使だ! ぴろりーん …いや、違うな自分を偽るな!俺は、俺は二人とも大好きなんだぁぁぁぁぁ 「お兄さ…ん?」 あやせが今にも泣き出しそうな顔をしている。直ぐに抱きしめてやりたい・・・だけど、うん。先にあいつも呼び出してきちんと納得させた上のほうが良いだろう。 よし、そうと決まれば。 「あやせ、ちょっと待ってくれ。今桐乃を呼び出す。」 少し前までは知らなかった桐乃の電話番号。…家族だってのにな…そのダイヤルを押す。 <め~るめるめるめるめるめるめ 「は?」 何故か周囲に鳴り響く桐乃の着信音おい、まさか… ------------------------------------------------------------ 電話? 「Σちょ、マナーモードにしてなかった!?バレて無い?バレて無いよね!?」 様子を伺うとあやせがこっちを見てる ・・・あれ?兄貴h ------------------------------------------------------------ 185 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 00 41 49 ID Nm1KyY0u [3/5] 「…そこで何してんだ?お前」 そう俺はこの不審者極まりない我が妹君に声をかける。 「べ、別に。ちょちょっとジャングルジムで遊びたくなっただけだし。」 …どういう理由だよ。ほんとこいつ突発事態によえーな・・・ 「まぁいい、ちょっとこっちに来てくれ。桐乃。」 「…分かった。」 ------------------------------------------------------------ 「という訳で、結論から言うと俺は桐乃にもキスをするし、あやせにもキスをする。」 「はぁ!?ちょ、あんたそれって!?」 「良く聞こえなかったんですけどもう一度良いですか?」 あ、あはははこうなるよなー ってかあやせさんやっぱり光彩消えてるし、桐乃は今にも爆発しそうだ。 だが怯んではいられない。こいつ等の為にも、おれ自身のためにも! 「俺にはどちらかを選ぶなんて出来ないし、二人とも同じくらい大切だ。だから、二人共を大事にしたい。そういうことだ。」 「言うなれば桐乃、あやせ、お前達は二人とも俺の天使だ!翼だぁぁぁぁーーーー!!」 「…」「…」 二人ともすっかりだまっちまった。やっぱりこの選択肢は駄目だったか!?このままBADEND!? 「この馬鹿兄貴!!」 「この変態!」 あ、すっげーコンビネーションあやせのハイキックと桐乃のローキック・・・ 「ぐふぉ!?」 錐揉みしながら吹き飛ぶ俺。天使のお迎えが来たぜ…… 186 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 00 42 12 ID Nm1KyY0u [4/5] 「…ってぇ…ん?」 なんだか二人して顔を真っ赤にして目を瞑っている。…ふっ、望むところだ…でも今度からはちょっと条件を変えよう。この調子じゃ俺の体が持たない さて、所で二人のうちどちらからキスをするべきなんだろうか。桐乃か?あやせか? なんだかいやな予感がするぜ。ん~いやここは公平にさっき保留したからな、あやせからだ。 「…あやせ…」 「…お兄さ…んっ」 横から桐乃の殺気が飛んでくるが今は気にせずあやせの味を楽しむ。 桐乃と同じで良い香りがするけどでも違う香りなんだな… 「ふぅ。ごめんなあやせ。待たせちまって。」 「べ、別に…そんな…」 っとうっとりとした様子で返してくるあやせまじ天使。この表情が見られたって段階で俺にはもうこの選択に悔いは無いね! 一度撫でてやって今度は桐乃に向かい合う。 「桐乃、分かってくれよ。あやせは待たされてたんだから、別に…」 「分かってる。でも、やっぱりムカツク。責任取ってよね。」 「…あぁ」 今度は桐乃にキスをする。横のあやせから殺気が飛んでくるが(ry 「ふぅ、そのなんだ。俺が言うのもなんだが、お前らこれで良かったのか?」 「本音で言えばムカツク。兄貴は独り占めしたかったし。でも、あたしもあやせの事大事だし。」 「…桐乃…その、良くないことだってのは分かっています。でも、お兄さんは私も桐乃も同じくらい大切なんですよね?なら、もう良いんです。私も、桐乃もお兄さんも大好きですから。」 「そっか、あーそのなんだ。ありがと・・・よ。 あ、ただ一つ頼む あんな勢いで蹴られたら俺の体がもたん。もっと別のことにできないか?」 「「なっ!?べ、別のことってま、まさか・・・!?」」 見事に二人ではもりやがった。何だ?こいつら一体何を まぁいっか。 「さて、この季節外は寒いし、どっか中に入ろうぜ。」 そう言って俺は二人の愛しの天使を抱き寄せた。 ちなみにこの後、何かを勘違いしてたらしい二人に全力で蹴られたりしたが…まぁしっかりキスをしてやったよ。 今後どうなるかは、まぁまた別の機会があったら。 それまで俺が生きてたらだけど。 187 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 00 43 17 ID Nm1KyY0u [5/5] 以上です いちゃいちゃがすくない? 外でそんないちゃいちゃ出来る訳ないだろ!! どうしてこうなった>皆が3を望むから・・・
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20 : ◆y8MRojr2/6 [sage saga]:2011/05/05(木) 15 33 30.51 ID ZXWROuMw0 「暇だなぁ~、珠希…」 「おひまですね、おにぃちゃん…」 今、俺と珠希は、テーブルに肘をつきながらひたすらボーっとしている。 今日は黒猫がバイトで日向も遊びに出かけるということで、黒猫が家に帰るまでの間、珠希の面倒を見るように頼まれた。 そしてさっきまでは珠希に本を読んでやったり、二人でDVDを見たり、珠希画伯のお絵描きを堪能したりしていたのだが、そのうちにやることもなくなってしまったのだ。 小雨が降ってるから公園とかに遊びに行くわけにもいかないし、完全に『詰んだ』状態ってわけ。 「なんか面白い番組やってねえかな…」 俺は思わず一人ごとを呟きながら、誰も見ていない夕方のニュースが流れているテレビのチャンネルを変えて……「うっ!?」……………慌ててすぐにまたニュースに戻した。 理由は簡単。多分ドラマの再放送か何かだろうが、チャンネルを変えた直後……画面いっぱいに男女のキスシーンが映ったからだ。 別にベッドシーン中のキスではなかったが、これを物心ついたばかりの小さい女の子と一緒に見るのは何となく気まずい。 その子が今みたいに彼女の妹だった場合は特にな。 「…おにぃちゃん。“ちゅー”をすると、いいきもちになるんですか?」 「!?た、珠希!?」 …そして、その子から突然こんなことを聞かれると更に気まずい。現にこの時の俺は完全に不意をつかれてかなり焦っていた。 この質問、要するに『キスすると気持ちイイんですか?』ってことだろ!?なんつーこと言い出すんだこいつは! この手の質問って実親も返事に困るレベルなんじゃねーの? 何にせよ、ここは慎重にならねえとな。 俺の返答次第によっては珠希の将来に何かしらの悪影響が出てきちまうかもしれないし、ちょっとでも間違えると俺が黒猫に激怒されかねんし……… 「おにぃちゃん、おしえてください!」 「え、えーっとな! “ちゅー”ってのは、べ、別にいい気持ちになるってわけじゃ……………」 「でも…ねぇさまとおにぃちゃんは、いっつも“ちゅー”するとき、とってもきもちよさそうにしてますよ?」 …あん? 「なっ………お、お前まさか…俺たちの見てたのか!?」 「はい!」 おいおい…そんな屈託のない笑顔で返されちまったら、こっちだって何も言えねえじゃねえか………orz やっぱりあれか?この間、黒猫の部屋でした時に見られたのか?マジかよ!珠希はずっとアニメに夢中だと思ってたのに!……………って、待てよ!? 珠希に見られてるってこたぁ、恐らく日向にも……………あー!恥ずかしい!!俺らのキスを目撃してる時のあいつのニヤけ顔が目に浮かんでくる!!! 「おにぃちゃん…?」 一人で焦って一人で動揺する俺を見て、珠希はいかにも不思議そうな表情を向けてきた。 まあそりゃねえ……話し相手が急に真っ赤になって汗かいて黙り込んじまったらねえ………。 こいつにしてみたら何も変なことを聞いている自覚もないんだろうしな。こっちとしては結構ドキドキものなんだけどよ…。 とにかくいずれにせよ、下手に軽くスルーして日向にでも回答権を移されると、俺が100%あいつにおちょくられることは目に見えている。 だから俺は珠希の質問に何らかの答えを出さなければならないだろう。 …もういい。こうなりゃヤケだ。こうなったら正直に且つ穏便に、この子に真実を伝えてやろう。 「あ~オホン!あの~…そうだなぁ………す、好きな人とするとその………き、気持ちいい…かもな?」 「へえ~。じゃあやっぱり“ちゅー”するといいきもちになるんですね!!」 珠希は俺が言葉を切るたびにフムフムと興味津々な様子で頷きながら聞いていたが、最終的にはまたあの純粋な笑顔に戻った。 どうやらひとまずはこの説明で納得してくれた…らしい。 いやいや、俺は決して嘘は言ってないぞ?確かにもう少しやわらかい言い方も出来たような気がするけど…。 でもさ、わざわざ黒猫の名前出されてんのに変なことは言えねえよ。 何かの拍子に妹から『おにぃちゃんはねぇさまの“ちゅー”がきもちよくないって…』とか言われたらきっとあいつもショックだろうし。 俺だったら嫌だね。桐乃から『黒いのから聞いたケド、あんたってキスも満足に出来ないワケ?』とか言われたらさ。 まあとにかく、これでこの話は終わりだ。終わり終わり。 それにしても暇だなぁ~。でもこのままボーッとしてても珠希だってつまんねーだろうし…。 黒猫でも日向でも、早く誰か帰ってこねえかなぁ~………………………… 「じゃあおにぃちゃん、わたしにも“ちゅー”してください!」 「えええええ!?」 !?ちょっ…まてまてまてまて!!! 「な、何でそうなるんだ!?」 「だって…そんなにきもちいいなら、わたしも“ちゅー”してみたいです!」 「ダ、ダメだって!今言ったばっかだろ!?こういうのはちゃんと好きな人と…」 「?わたし、おにぃちゃんのことだいすきですよ!」 「いや、俺が言ってるのはそういう『好き』じゃなくて!!!」 黒猫ぉ…俺はお前の妹に対する教育方法に少々疑問を感じてきたぞ!? こ、こういうデリケートな感情はちゃんと家庭で………って、普通はわざわざ幼稚園児にそんなこと教えねえか…。 それにしても、姉ちゃんと付き合ってるのにその妹からキスをせがまれる、ってどこの昼ドラだよ?これって一歩間違えればNTRなんじゃ? もちろん珠希はそんな気があるわけじゃないんだろうけど………まあ、そんなのは今どうだっていいことだ。 どっちにせよ、俺が珠希に“ちゅー”は完全にアウトだろ!そんなの犯罪だって!絶対なんかの法律に引っかかるって! 「あのなぁ珠希、悪いけどお前とそういうことは…」 「ええっ!?…おにぃちゃんは、わたしのこときらいなんですか………?」 「へ…?」 「わ、わたしのことがきらいだから、わたしと“ちゅー”するのいやなんですか……?」 「い、いやっ!別にお前のことが嫌いなわけじゃ!だ、だから泣くなよ!?なっ?」 珠希は悲しそうに俯いて、今にも目から涙がこぼれてしまいそうだ。 俺にそこまで落ち度はないはずなのに、この凄まじいまでの罪悪感はなんでだろう? つまり珠希が言ってるのは、 『“ちゅー”は好きな人とするもの』→『“ちゅー”してくれない』=『嫌い?』 っていう話だよな…。 違うんだ珠希!“ちゅー”はLikeじゃなくてLoveの相手とするものなんだ!!そして、俺のLoveの相手はお前の姉ちゃんなんだよ!!! …なんて言ってもわかってもらえねえんだろうし………。 「グスン…」 「ち、違う!嫌いなわけないだろ!?俺はお前のこと大好きだぞ!?」 「ほんとう…ですか?」 「ああもちろん!俺はお前が大好きだ!!だ、だからもう泣くのはやめてくれ!!!」 「…はい! えへへ……わたしも、おにぃちゃんのことだいすきです!」 言っちゃった。でもしょうがないだろ? このまま珠希を号泣させるのも嫌だったし……べ、別に『大好き』ってのも嘘ついてるわけじゃないしさ…。 でも勘違いすんなよ!?もちろんLikeの意味でだぞ!? そしてふと珠希の方を見ると………俺は思わずハッとした。 なんと珠希は、すでに典型的な、まさに『キス顔』といった表情を作っていたのだ。 いつもはパッチリな瞳が静かに閉じられ、ほんのりと頬を紅潮させながら、小さくて形の整った唇をめいいっぱい前に突き出している。 いや何ていうかその……実に愛らしいじゃないか。 黒猫をミニマム化したようなその姿は、まるで天使のようだ。 …って、んなこと考えてる場合じゃねえだろ!!! これってアレ…だよな?待ってるんだよな? いやいや待て待て。俺には黒猫という、いや五更瑠璃というれっきとした彼女がいるんだ。 あいつは俺のことを信じてくれてるのに、他の子と、しかもあいつの妹とキスするなんて! つーか落ち着け俺。これはそういうこと以前の問題だ。まず他人ん家の幼稚園児にキスするなんて有り得ねえだろうが。 …だが、きっと俺がここで断ったら珠希は泣く。それはこいつを預かってる身として大いに困る! 俺のせいで、というより、こんなことでこいつに泣いてほしくなんかねえ! ふ、触れるだけだったら………?ちょっと触れるか触れないかってレベルならいいんじゃねーのか…? しかし………そんな形でこいつのファーストキスを奪っていいのか?いや、いいわけないだろ!!そんなの社会的に変態だ!!! でも珠希はずっとあのままで待ってるし……………どうすんの!?どうすんだよ、俺!? 俺の頭が混乱してきたその時――。 「ふぅ…今日はなかなか疲れたわね………」 「あっ!ねぇさまだ!」 「く、黒猫!」 ようやくバイトから救世主(メシア)が帰ってきてくれた。 ガチャッというドアを開く音が聞こえたと同時に、珠希は『キス顔』をいつもの輝くような笑顔にして嬉しそうに玄関に走っていく。 た、助かったぁ~…。 俺はホッとしながら珠希の後に続いて黒猫を出迎えた。 「ねぇさま!おかえりなさい!」 「ただいま。私がいない間、先輩に迷惑をかけたりかけられたりしなかった?」 「はい!」 「『迷惑かけられたり』ってなんだよ!? …でも黒猫、このタイミングでお前が帰ってきてくれて、俺はホントに嬉しいぜ………」 「な、なによ急に…。それより先輩、今日はウチで夕飯を食べていかない?」 「えっ?いいのか?」 「ええ。私は構わないわ。妹の世話もしてもらったし………どうかしら?」 「食べる食べる!是非ご馳走にならせてくれ!」 「決まりね。それじゃあ仕度するまでの間…また珠希の相手をお願いできるかしら?」 「ああ、お安い御用だ。お前の手料理楽しみにしてるぜ!」 「ふふふ……大いに期待して待っていることね?」 よっしゃあ!今日は五更家の食卓か!日曜日にわざわざ留守番した甲斐があったぜ!!!…いや、どうせ他に予定なかったけどさ。 まあとにかく、今日は黒猫の手料理が食べられるんだ。 突如として舞い込んできた彼女からの夕飯の誘いに、この時の俺はとても上機嫌だった。 「よーし珠希!夕飯出来るまで何して遊ぶ?」 「じゃあ……さっきのつづき!おにぃちゃん、“ちゅー”してください!」 「う゛っ!?」 …上機嫌だったからこそ、こういう油断が生まれたのかもしれん………。 呆気にとられて声を失った俺の背後から、ゆっくりと堕天聖の足音が近付いてくる。 「『さっきの続き』ですって…?先輩は私がいない間、一体その子と何をしていたのかしら………?」 「ま、待ってくれ黒猫!誤解だ!!とりあえず包丁持ったままこっち来るのはやめてくれ!!!」 「おにぃちゃん、“ちゅー”はまだですか?」 「珠希!頼むから今だけは黙っててくれ!!!」 「こ、このっ……夕飯の準備は後回しよ!こうなったら…先にたっぷりと“ちゅー”について聞かせて頂戴!!!」 「いやぁ゛~!!俺は無実だぁ゛~!!!」 「ねぇさま…?おにぃちゃん…?」 …この後、誤解が解けるまで夕飯はオアズケ状態になりました……………。 (終わり) (おまけ…ねぇさま流・事態の収束方法) 黒猫「い、いいこと?よく聞きなさい。あの人の唇にはすでに私の呪いがかけられているの。 そして残念ながらあなた程度の魔力では私の呪いを上書きすることは出来ない、つまり手痛い呪い返しを喰らうことになるわ。それが嫌なら諦めることね…。 あ、あと、他の男の子に頼むのもダメよ!?我々は闇の一族なのだから、安易に下界の雄と契りを交わすとその場で灰に………」 珠希「そうなんですか………」 京介(いいのか珠希?その説明で本当に納得なのか?)
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1273071103/848-853 俺があやせと最後に顔を会わせてから、5日間ほど経った。 偶然にも(むしろ運命?)3日間ほど立て続けに顔を会わせた俺とあやせだったが……まるきり良いことなんてなかったね。 だってよぅ……この3日間での出来事から得られたのって、この俺こと高坂京介があやせに嫌われてるっていう事実だけだぜッ!? いや、まあ、その、ねぇ? 確かに悪いのは俺ですよ? セクハラ紛いな発言とかしたし、ってか実際セクハラ発言もしましたけどっ! セクハラもしちゃいましたけどっ!! ……話が逸れたな。 まあ、それはともかく、だ。 なんとなく不思議な3日間から数日経った今日、桐乃に相談を持ちかけられた。 ……どうでもいいんだが、これは桐乃曰く“相談”ではなく“愚痴”みたいなものらしい。 桐乃が言うには、「……最近、あやせの様子がちょっとヘン」なんだと。 へぇ…………って、その件は俺も身に覚えがあるぞ? 数日前に会ったとき、確かにあやせの挙動ヘンだったし。 もしかすると、いや、もしかしなくても、そのことと関係してるんじゃねぇかな。 ……しかしまあ、だからと言ってそれをどうしろと言うのか。 「それが愚痴なら、俺がどうこうするような話じゃないだろ?」 俺がそう言うと、桐乃はジト目で睨んできた。 「べっつにぃ~? 初めからアンタなんかに期待してないしぃ~?」 “なんかに”ってのは余計だ! ああもう期待するだけ無駄だっつーのはわかってっけどもう少し敬ってくれたってバチは当たらないと思うんだよね俺はッ!! ……なんにせよ。 桐乃も多少は戸惑っているらしかった。(たぶん、多少どころかかなりだと思うが) 聞くところによるとあやせは、桐乃が話しかけても返事が曖昧だったり、ふとした時にぽけーっと上の空だったりするらしい。 ふむぅ……。 聞けば聞くほど、先日の状況と被っているように思える。 つーか、桐乃大好きなあやせが、桐乃を蔑ろにする光景なんてちょっと想像できないなぁ……。 まあ、あのあやせのことだ。 大切な親友を傷付けるような悪意ある行動を取ったりはしないだろう。 ……それなら何故? うーん……。 ……これは憶測だが、無難なところで、悩み事とか抱えてるんじゃないだろうか? 俺の知る限り、あやせの性格なら悩み事があっても、桐乃には心配をかけまいと隠し通すと思うんだよな。 ……もしかすると、隠そうとした結果がこうして裏目に出てるのかもしれんし。 ふと思ったんだが、そこらへんの思考は桐乃と似通ってるよな。 これが類友ってやつか? だが、まあ……自分で憶測を挙げといてアレなんだが、全く別な理由ってのも多いにあり得ると思う。 あんな大人びたナリだから忘れそうになるけど、あやせたちはまだ中学生で、多感なお年頃ってやつなんだよな。 だから、えーと……。 ……それは、つまり…………。 腕を組んで真剣に考え込んでしまう俺。 そんな俺を見て、桐乃は不機嫌そうに眉をひそめた。 「……なんか、心当たりとかあるわけ?」 ……何でそんな目で俺を睨むんですかねぇ? もう慣れたけどさ。 「いや……特にないな」 俺は素直にそう答え、外人風に肩を竦めた。 「……あっそ」 どこか投げやりに言い捨てて、桐乃は部屋を出ていった。 聞いてきたのはお前だってのになんだその態度はっ!? というツッコミは心の中で済ませた。 口にしたら確実に痛い目見るからな……。 そんな毎度恒例な理不尽っぷりに、俺はため息を漏らした。 ……桐乃の愚痴に付き合うわけじゃないが、俺もあやせの挙動には引っ掛かるものを感じていた。 何か挙動不審というか……ともかく、あやせの行動に首を傾げていたわけで。 ……。 …………いや……待てよ? もしかすると俺は、その全容を知ってる(かもしれない)人物に一人心当たりがあるやもしれん。 そう、それは―― 『……え、あやせちゃん?』 底抜けに天然体質な俺の幼馴染みだった。 なぜかあやせと仲の良い麻奈実なら、桐乃にできないような相談とか受けてるかもしれない、と踏んだ俺ってちょっと賢くね? と、まあそれはどうでもいいのだが。 俺は、桐乃が部屋を出ていってからすぐに麻奈実に電話をかけていた。 「ああ。 なんか、うちの妹が心配しててな」 『ああ~、そっか。 桐乃ちゃんと仲良しなんだもんね、あやせちゃん』 ぽんっ、と手を叩いた仕草をする麻奈実、を想像した俺。 ベタなあいつのことだから本当にやってる気がする。 「それで、まあ、何か聞いてないか? あやせから」 と、軽いトーンで尋ねたのだが、 『ふぇっ!? えっ、えぇ~と、そのぉ……』 麻奈実からは、なんとなく気まずそうな反応が返ってきた。 ……そんな答えづらいような質問か? これ。 「なんか聞いてるんだな? 麻奈実」 思わず追及しちまった。 ……さっきは桐乃を言い訳にしたけど、やっぱり気になってんのな、俺も。 それから一頻り“うぅ……”とか“これ言っちゃっていいのかなぁ……”とか呟いていた麻奈実が、ややトーンを落とした声で、 『……直接ね、会った方が良いと思うよ、わたしは』 ………………え。 ……………………“俺が”? 「……んと、桐乃とあやせが、だよな?」 『…………』 麻奈実は答えずに、黙り込んでしまった。 主語のない麻奈実の言葉に、俺は頭にいっぱいの?マークを浮かべながら、何やら得体の知れない緊張感に襲われていた。 「え、ま、麻奈実? どうしたってんだ、答えてくれよ……」 『………………』 たっぷり20秒くらい口を閉ざした麻奈実は、一言短くこう告げた。 『明日の17時に、交番近くのあの公園で』 ――ブツン。 一方的に電話を切られた。 ………………やばい。 なんか知らんけどっ、なんか知らんけどヤバ気な雰囲気だぞこれっ! 一体全体どうしてこんな流れになったっ!? い、今さら混乱してもしょうがないんだけど。 いやでもやっぱり混乱するよなこの状況っ!? …………麻奈実は、あいつは、最後になんて言った? ――明日の17時に、交番近くのあの公園で。 つまり、あやせとの会合のためによく訪れるあの公園、だよな? これは、俺が行くべきなのか……? 桐乃が行くべきなんじゃ、いや、でも……??? ……わっかんねー。 どうすりゃいいんだ、マジで……。 こんなとき自分の頭の悪さにとことん嫌気が差す。 俺は、麻奈実にどんな答えを求められてんだ? 正直なところ全くわからん……。 はぁぁぁぁぁぁぁぁ……。 俺は、麻奈実の残した意味深な言葉のせいで、一晩中頭を抱える羽目になった。 (続く)
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1299681223/676-685 「あ、あの、は……はじめまして」 「ああ」 私は今、息子の恋人を目の前にして、困惑している。 「き、京介。この娘さんは、お前の…こ、恋人か?」 「ああ、そう言ったろう親父」 「き、君。まさか苗字は五更……か?」 「あ…は、はい……そうです……」 「なんだ、瑠璃のこと知ってんのか?」 ふむ………… …………。 困ったことになった。 清楚なワンピースを着た、綺麗な黒髪の、儚げな雰囲気のお嬢さん。 顔を耳まで真っ赤にし、もじもじしているその仕草に、見覚えがあった。 「いや、瑠璃さんのお母さんと面識があってな」 面識がある、どころの話ではないがな。 私は瑠璃の顔を見ながらふと―――少しだけ、昔を懐かしむ。 「君は、お母さんにそっくりなのだな」 本当は瑠璃とも面識はあるのだが、それはまだ彼女が幼かった頃だ。 彼女自身が覚えていなくとも仕方あるまい。 ◇ ◇ ◇ あくる日、私は久々にある家を訪ねた。 ここに来るのは、本当に何年ぶりだろうか。 昔を懐かしむ想いと同時に、心が締め付けられる。 こんな感覚になったのは本当に久しぶりだ。 ピンポーン 「はい、どちら様で―――っ!?」 「…………。」 彼女はあっけにとられた表情で硬直する。 想定外の事態に陥った時、体が動かなくなる癖は、今も変わらないらしい。 私は、懐かしい彼女の泣きボクロをつい見つめてしまう。 「……ひ、久しぶりね。大介」 「ああ、本当にな」 少し引きつった表情を浮かべながら、それでも少し嬉しそうに頬を赤らめる千夜子。 私は久しく忘れていた、胸の高鳴りを覚えた。 そう、彼女の名前は五更千夜子。 京介が連れてきた恋人の、母親であった。 「……とつぜん、どうしたの?」 「上がってもいいか?」 「え………えぇ…」 「……お邪魔します」 なぜだろう、私の言葉に彼女は少し寂しそうな表情をしている。 私はそんな彼女を見て、申し訳ない気持ちに溢れていた。 しかし、自分の感情を悟られぬよう、しかめ面を作り玄関に踏み入る。 「ふふっ、変わらないわね……」 見透かすような視線。 黒い髪、白い肌、細い体。 何もかもが懐かしく、私の心の隅の何かを刺激した。 ◇ ◇ ◇ 「俺の子どものことは、覚えているか?」 「……あら、誰との子どものことかしら?」 嫌味ったらしいその口調すら懐かしく、私は微笑を漏らしてしまう。 「佳乃との子どものことだ」 「…………」 この顔は、覚えているという顔だ。 しかし、思い出したくないのだろう。 無表情を装いながら、そっと下唇を噛む。 「今日、お前に話をしたいのは、上の子…京介のことだ」 「………ふん」 無神経にも程があるわ。 そう言いたげな表情をしているが、私はそのまま話を続ける。 「その京介が昨日、恋人を連れてきた」 「………あら、よかったじゃない」 「彼女の名は『瑠璃』」 「―――っ!?」 「…………そう……俺たちの子だ」 …………。 私たちの間を、冷たい沈黙が流れる。 彼女も想定外の展開に戸惑っているようであった。 それはそうであろう。 不倫をし、妻帯者との間にもうけた娘。 その男と別れた後、女手一つで娘を育て上げた。 そして、娘にできた恋人が……別れた男の息子なのだ。 つまり、京介と瑠璃は兄妹、ということになる。 つらい決断ではあるが、このまま放置するわけにはいかない。 「京介と瑠璃を、別れさせたい」 「………」 「それが今日、ここに来た理由だ」 彼女は伏せた顔をすっと上げ、私をまっすぐ見つめた。 ……この状態になったときの千夜子は少しやっかいである。 そんなことを、私はたった今思い出している。 「ずいぶんと都合のいい話ね」 「………そうだな」 …………。 そうすんなりことが進むはずがない。 私がそう思いかけていたところに、彼女が口を開いた。 「契約には………」 「…………ん?」 「……契約には、見返りが必要でしょう?」 私はすぐには彼女の話の意図が分からなかった。 そんな私の顔を覗き込み、ニヤっと笑う彼女。 そして………身に着けていた服を、すべて脱ぎ捨てた。 ◇ ◇ ◇ 「んっ………ぷはぁ…はむんっ……はぁ、レロ」 彼女は今、私の下半身にむしゃぶりついていた。 まるで、おあずけを喰らった猫が餌を食べるかのように。 黒く長い、綺麗な髪。 スレンダーな体。 透き通るような白い肌。 艶かしい表情。 そして泣きボクロ。 瑠璃を見たとき、昔の彼女を思い出して懐かしく思ったが、 今でも彼女の魅力はそのまま……むしろ艶やかさを増していた。 きっと瑠璃も、大人になったらこうなるのであろう。 「…んはぁ……ほら、あなたも舐めなさい………」 「ああ……」 私は彼女と逆向きになり、彼女の下半身を舐め始める。 「……んぁっ……はぁ、こんなの………久しぶり…んっ」 彼女は腰をくねらせながら、私に押し付けてくる。 私たちはたっぷりとお互いの体を堪能した。 まるで、会わなかった数年間の埋め合わせをするように。 「あぁんっ………ん……はぁ、はぁ、はぁ」 彼女の秘所もすっかりほぐれ、私もすっかり準備ができた頃であった。 彼女は私に向き直り、私の目を見つめた。 「…お願い。お願いだから、入れて」 涙を溜め、懇願する彼女。 もちろん、断る道理はない。 「はあぁんっ!」 昔よりもキツくなったのではなかろうか。 子どもを産んでなお、緩まることのないその体。 もしや、私と別れてから……他の男を作らなかったとでも言うのだろうか。 「二人も産んだというのに……くっ……すごい締め付けだな」 「あぁんっ……さ、三人よ……んはぁっ…」 「やはり、私の後にも男が………?」 「え、ち、違うのよ………うぅん…あぁっ」 私は腰を振り続けながら、彼女の言葉に耳を傾ける。 「はぁ…はぁんっ……あなたが出て行く前に………んっ……さ、三人目がいたの」 「………そ…そうか」 私は、心の底からすまない気持ちでいっぱいになっていた。 そして、昔の若く愚かだった自分を呪った。 「……すまなかった……」 「あやまらないで……お願い……あやまらないで……あぁん」 私は愛おしさでいっぱいになりながら、腰を激しく打ちつける。 私はなぜ、彼女のもとから去ってしまったのだろうか。 「そばにいて…あぁ…あぁっ………お願い、どこにもいかないで……」 「………うっ……くっ」 彼女の締め付けが激しくなってきている。 私は込みあがってくる射精感を押し込めるのに必死になり始めた。 「もう……もうわがまま言わないから…んんぁっ……欲しがらないから……だから……」 ああ、そうだ。そうだった。 彼女はあの時、初めて私にわがままを言ったのだったな。 『あなたとの家庭を築きたいの』 今考えてみれば、当然の話ではないか。 子供を二人も産み、実は三人目もお腹の中にいる。 それなのに、伴侶である男は別の家庭を持っている。 わがままでもない、当然の願い。 しかし、私たちの間には一つの取り決めがあった。 『俺の家庭を壊すようなことをしたら、別れる』 そう、私は怖かったのだ。自分の家庭が壊れてしまうことが。 壊しているのは、自分自身だったというのに。 「……すまない……あぁ」 「…あやまっちゃダメ……お願い……そばに、そばに……っ」 「分かった。再び……はぁ……お前を愛そう」 私がそう告げると、彼女の締め付けはこれ以上ないほどキツくなった。 「千夜子……俺はもうっ!」 「大介、い、いく…いっちゃう―――!」 ドクン ドクン ドクン 私は千夜子の中に、精を吐き出した。 ふと、彼女の顔を見ると――― 彼女は、笑いながら泣いていた。 ◇ ◇ ◇ 「とにかく、瑠璃には京介くんと別れるように仕向けてみるわ」 「すまないな…」 「だから謝らないでって」 私は着衣を直し、彼女の家を後にしようとしていた。 「あの頃みたいに、もうわがままは言わないから。 だから、たまにはうちに来て頂戴ね」 「ああ、分かった」 彼女との間に流れる空気は、あの頃のものに戻ったようだ。 「もう一つ……」 「…ん?なんだ」 「……今度来るときは……その、『ただいま』って言って頂戴」 「あぁ、そうする」 私は彼女と口付けを交わすと、その家を後にした。 ◇ ◇ ◇ その後、京介は瑠璃と破局したようだ。 何があったかは知らないが、千夜子がうまく計らってくれたらしい。 そして、京介は別の女の子を恋人として連れてきた。 「は、はじめまして!」 「ああ」 私は今、息子の恋人を目の前にして、困惑している。 「き、京介。この娘さんは、お前の…こ、恋人か?」 「ああ、そう言ったろう親父」 「き、君。まさか苗字は新垣……か?」 「はい、そうです……けど」 「なんだ、あやせのこと知ってんのか?」 ふむ………… …………。 困ったことになった。 おわり
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1301391825/113-123 八月二十日 家に帰って、妹達に晩御飯を用意して、自室に入るまで。 なんだか夢のようにふわふわしていた。 「まだ……熱い気がする」 先輩に直に触れられた部分。太ももに、尻に、首筋に……唇に。 残滓が残っている。 目を閉じれば、あまりにも生々しくよみがえるその感覚に、 いそいそと布団をしいて寝転がる。甘い疼きがじくじくと火傷のように 身体を炙り、頭の中から唯一つのこと以外は締め出されていく。 「は……ぁ、先輩……」 口に出して呼んでみる。もっと強く感じたいという思いが膨れ上がって、 さらに集中する。思い出すのは、服の上から抱きしめられた感触。 お腹のあたりに腕を回して、そこから上へ。自分の腕で、その動きを トレースする。 「んっ……」 《オーバーライド》 触覚を 上書き して、脳内で先輩の腕に置換する。 先輩は、やさしくもいやらしい動きで私の胸を撫で回し、服とブラの上から 正確に一番弱い部分を見つけ出し、やわやわと、執拗にこねくり回した。 「や……ぁ、せんぱ、い、そこは……ちく、ふ、ぅんんっ!」 本当、ひどい人。優しげに笑いながらケダモノみたいな目をして、 まるで手を緩めてくれない。私の頭の中で何度も火花がはじけ、上り詰めていく。 追い詰められていく。 これもまた、呪い。 彼にかけた最大級の呪いが、私に逆流して身も心も蝕んでいる。 先輩が私のことしか考えられなくなる以上に。 私が先輩のことしか考えられない。 もっと触って欲しかった。 もっと先輩を、刻み付けて欲しかった。 「あれだけ蕩けさせておきながら、お預けだなんて…… 手で慰めることは出来ても、キスは一人では出来ないのよ、先輩」 恋人の部屋のベッドの上で。覆いかぶさるようにのしかかられて。 てっきり、大事なものを捧げることになるのだと思っていたのに。 一つ一つ、色々なことを経験したいですって? 全く、素に戻っ……否、温情を出して肉の身体の主である『瑠璃』の感情を 表に出したのが間違いだった。 この狂おしいほど身を焦がす愛欲の炎を、たった一人でどうしろと言うのか。 一つ一つとは、いつ経験させてくれると言うのか。 「そう……発言には、責任を取ってもらおうかしら。四六時中、私の身体を まさぐってもらって、この疼きを収めてもらわないと」 次に会った時は、私から迫ってあげる。今日とは逆に、先輩に馬乗りになって…… けがらわしい股間の、に、肉棒をいじって。そう、あの男の好きそうなシチュがあったわね。 足の裏ではさむようにしごきたててやったら、どんな顔をするかしら? ああ、でもお昼過ぎから日が暮れるまでキスし続けるようなケダモノが、その程度で 参るかしら? しごく為に脚を開いた私の股間を視姦して、襲い掛かってくるかも。 そうしたら、今度こそ奪われてしまうかしら。 私には想像もつかないような変態行為に及ぶに違いないわ。 全身を舐めまわしてみたり、匂いをかいでみたり……でもきっと、 一番大事なものを奪う時には、やさしく…… 「せんぱい……きょ、きょうすけ……」 先輩の『真名』を口にしただけで、心臓が締め付けられるように痛む。 先輩も、今頃私のことを考えてくれているだろうか。私は先輩の想像の中で、 どんなことをしているだろう? 高圧的に振舞っているだろうか。それとも先輩の大好きなエロゲーのヒロインのように しおらしく、なすがままになっているだろうか。 とたんに心の中に鉛玉を落とされたように、高揚していた気分が盛り下がっていく。 「ふぅ……すっかり萎えてしまったわ」 身体を起こしても、もう熱さが感じられない。汗ばんだ身体に服が張り付いて、 不快ですらあった。 「あの男の貧相な想像力で私の尊厳を貶められてはたまったものではないわね。 ……釘を刺しておかないと」 とぅるるるる。 とぅるるるる。 とぅるるるる。 『おう、く、黒猫。どうした?』 「声が上ずっているわよ」 『そりゃあ……そうだろ。彼女からの初の電話だからな』 ! そうだった。勢いに任せて電話したけれど、そうなるんだ。 『んで? どうした?』 「そ、その……いえ、特に用事は無いのだけれど」 『あ、もしかして声を聞きたくなったって奴? 可愛いこといってくれるな、黒猫』 「そ、そんなんじゃないわ。ただ……先輩が……」 『俺が?』 「私を使って不埒な妄想をしているのではないかと思って、釘を刺そうとしただけよ」 『おまっ……なんちゅうことをいいだすんだよ!』 「先輩にも分かる言葉で言ってあげましょうか? 私を、お、オナニーのネタにするのは 止めて頂戴。不快よ」 『え、ええー……黒猫さーん?』 「ええ、許さないわ。私というものがありながら妄想相手にだなんて断じて許可しないから」 一度言葉を発してしまうと、なかなか止まらない。 「大方、今日私にした変態行為の数々を反芻しているところだったのでしょうけれど。 お生憎さまね。あなたごときの貧相な想像力では私の『本体』の行動を予測することなどできはしない」 『へへっ』 「なによ。何を笑っているの」 『それってつまり、アレだろ? オナニーを我慢して、黒猫に直接いっぱいぶっ掛けて欲しいって ことだろ?』 「なっ……ぶ、ぶっか、ぶっかけって、なにを、」 やっぱり、先輩は私の想像を超えた変態だった。 『いや、まさか彼女にして最初にヤキモチを焼いた相手が俺の妄想とはな。そういうとこ 可愛いと思うぜ、黒猫』 「ち、ちがっ、そんなんじゃ」 『はいはい。……つってもなー。俺もお年頃なわけだし? 何日もオナニーできなかったらしんどいしなあ』 「何を言い出すのよ……」 『黒猫には自分で言ったことの責任を取ってもらわないとな、って話だよ』 「こ、今度は何をさせるつもりよ」 『黒猫、明日はヒマか?』 「え? ええ、空いているわよ」 『そか。だったらさ、お前の家行っていいか? 俺だって妄想じゃなくてお前に直に触れたいからな』 「は、はい……あ、でも妹達が」 『ああ、そうだったな。……なんだったら妹に仲睦まじい所を』 「やめて!」 本当、想像以上の変態だわ。妹達の前で、だなんて…… 「あ、あああ、あなたという人は天を貫かんばかりの変態ね。私を露出狂にでもしたいのかしら?」 『わ、わかった、俺が悪かった。……じゃあ妹さんたちに隠れて、こっそりしようぜ』 「本当にしょうがないエロガキね。ま、まあ? 私の魅力に屈服している証拠なのだから、特別に 赦してあげるけど」 『そうそう、そういうこと。で、明日行っても良いのか?』 「……うん……お布団しいて、待ってるから」 『ゴクッ……そ、そうか。じゃあ……今日と同じくらい、昼ごろに行くから』 「……じゃあ、明日」 八月二十一日 「ああ、もう! もうすぐ先輩が来るっていうのに! あんたら、何処に隠れ、て……」 「高坂君、いらっしゃい!」 「おにぃちゃん、いらっしゃい!」 「おう、久しぶりだな、お前ら。元気にしてたか?」 昨日の黒猫のお誘いどおり昼過ぎに来た俺を迎え入れてくれたのは、 いとしの彼女ではなく、その妹二人だった。 当の黒猫は、サーチライトのような眼光で何かを探しながら奥の部屋からあわただしく 出てきたところだ。 「おう、黒猫。約束どおり来たぜ。相変わらず姉妹仲がよさそうだな」 「~~~~~!」 顔を真っ赤にした黒猫が大股で俺に近づいて、手をとって歩き出した。 「やーいやーい、ルリ姉顔真っ赤!」 「わーいわーい、おねぇちゃんかおまっか!」 下の妹のなんだかよく分かってないけどはしゃいだ様子が可愛かった。 「い、今のは忘れて頂戴」 部屋に入った後、赤くなった顔を背けて……でも手は離さないで、黒猫が言った。 「さすがのお前も家族の前ではあのキャラは引っ込めるのな」 と思ったら勢いよくこっちを振り向いた。 「だ、だから! 忘れてと」 「いーや忘れねえ。折角彼女になったのによ、妹相手には普通に接するのに 俺は作ったキャラしか知らないなんて、それこそ嫌だね」 結構前から、俺に対する黒猫の口調が変わってきていた。あの穏やかな感じ、 ああいう黒猫を、もっと知りたい。もっと見ていたい。 「う、その……それは。だって今更、恥ずかしくって……」 「何が恥ずかしいもんかよ。妹思いの優しいお姉ちゃんじゃねえか。 それでも隠すって言うんなら、そうだな……」 「な、なによ……」 ……適当に言っちまったが、どうする? 黒猫が適度に嫌がって、 素の表情を見せてくれそうなのがいいな。お、いい事思いついた。 「……俺が勝手に想像するぜ。萌えキャラお姉ちゃんの瑠璃ちゃん……いや、 ルリルリを!」 「瑠璃だからってそのあだ名やめろ! ……ハッ!」 ああ、そっちに触れてしまったか。正直あのアニメは、俺は見ていない。 だがスパロボとかに出ているし、そういう名前の人気キャラがいると言うことは知っている。 その程度のもんだ。 「へへっ、思ったとおり素を出したな。4月の頃、俺がマスケラ終了したって」 「終わってなど居ない!」 おおう、ちょっとつっつきすぎたか。黒猫がフーフー言ってるぞ。……まさに猫って感じで これはこれで可愛いけど、わざわざ会いに来て怒らせるのも嫌だし、フォローを入れないとな。 「悪い悪い。でもさ、こうやって素を出し合える関係になっていきたいんだよ」 「まったく……発言者が先輩じゃなかったら呪殺しているところよ」 「そこまで!?」 こいつのマスケラ好きも相当なもんだな。呪い殺すほどかよ! 「当たり前でしょう。で、私の対応のことだけれど。……まあ部分的には、出来ると思うわ」 「ぶ、部分的?」 「そうよ。物心付いてからこっち、今まで私が『夜魔の女王』として接しなかったのは家族のみ。 ……先輩は私に親扱いや妹扱いされたいの?」 いや、マスケラ始まる前は『夜魔の女王』存在しねーだろ……って言っちゃだめなんだろうな。 で、家族以外にどう素になっていいか分からない、って事か。 逆に俺が妹に……桐乃に接するように黒猫に接することも出来そうにないのは確かだ。 「いや、でもお前最近俺に対する口調がちょっと変わってきてただろ。ああいう感じでだな」 「それは……意識してやるのは恥ずかしいから……」 「そか。まあ、これから時間はあるんだし、だんだんと慣らしていこうぜ」 「うん……そうね」 そうそう、これだよ。この柔らかい笑顔。黒猫を彼女にして本当に良かったと思わせてくれるぜ。 「じゃあいい雰囲気になった所で布団の上に行こうか」 「いい雰囲気を台無しにしたわよ!?」 そう言いながらも、つないだ手は離さないし、俺が手を引いたまま布団のほうに歩き出したら しっかり手を握り返して付いてきてくれる。 「きょ、今日は一体どんな変態行為に及ぶつもりなのかしら」 「おいおい、人をエロゲーの調教師みたいに言うなよ」 「度し難いエロゲ脳ね先輩は」 「おいおい褒めるなよ。じゃ、とりあえず脱ごうか」 そう言って俺自ら脱ぎ始める。こういうのは自分も相手に合わせてやるのが基本だとエロ本にも 書いてあるからな。 「ちょ、ちょっと! 何をいきなり脱ぎ始めてるのよ」 上とズボンまで脱いだ所で黒猫に呼び止められた。 「え? だって、そのために誘ったんだろ?」 「いや、それは……そうなのだけど。妹達もいるのに……」 「大丈夫だって。上の子は聡い感じがするし、俺たちがガチでヤってれば空気読んでくれるって。たぶん」 「でも、そんな……」 「じゃあ、ふすまから黒猫の姿が見えないように俺が抱っこしてやるからさ」 「先輩必死すぎる……」 ああ必死だとも。彼女の家でエロエロできるチャンスに俺のハートはメルトダウン寸前だ。 「なあ……駄目かな?」 「本当に仕方のないエロガキね。……本当に、抱っこしてくれる?」 気にするのそこかよ! 本当に可愛い奴だぜ。 「するする。絶対するから」 「じゃあ……少し、向こう向いてて」 「お、おう」 こ、これは! まさにエロゲでよくあるシチュ! するする、と衣擦れの音がして、きぃ、と……これは多分、服をハンガーにかける音か? うーん、やっぱあの衣装大事に着てるんだな。お行儀がいいぜ。 その後もごそごそと脱衣の音がするのを聞きながら俺もボルテージを上げていった。 途中、「んっ」という吐息が聞こえたのはなんだったんだろう。すげー色っぽかったけど。 「も、もういいわよ」 振り向くと、掛け布団で身体を隠した黒猫がこちらを見上げていた。 隠し切れずにちらちらと見える肩がエロい。 「ゴクッ……じゃ、じゃあ行くぞ……黒猫」 「は、はいっ」 といってもどうしたものか。肉のカーテンならぬ掛け布団のカーテンをまとった黒猫は ほぼ全身をガードしている。 「とりあえず俺も黒猫の入ってる布団に入りたいんだけど」 「ど、どうぞ」 おずおずと左手を上げて、俺の入る場所を作ってくれる。 「あ、じゃあお邪魔します」 そういってさりげなく俺もパンツを脱ぐ。既にスーパーサイヤな状態だ。 「…………!」 黒猫は顔を伏せながらも目を見開いてガン見している。さすがに照れるんで、 そそくさと布団の中の黒猫の隣に座った。どうやら体育すわりしていたようで、 この期に及んでまだ乳は見えない。その代わりに滑らかな背中が丸見えだ。 エロ本知識によれば、最初は肩を触るとかキスとかで緊張をほぐすらしい。 さもありなん。 「黒猫って肌綺麗だよなあ」 「あ、ありがとう」 顔を赤くして布団に顔をうずめるようにうつむいている黒猫の背中を、つつっと 指で撫でる。 「ひゃんっ! ちょ、ちょっといきなり何を」 「だから肌が綺麗だなって」 びくんと跳ねながらも、こっちを見つめてくるだけで布団を放そうとはしない。 これならもうちょっと大胆にいってもよさそうだな。 今度は背中を通り越して、抱き寄せるよう腕を回して胸に触れた。 何気に初めて触れる黒猫のおっぱいは、しっとりと汗に濡れていて尻とも違う 柔らかい触感だ。 「やっ……ん……」 震えるものの、嫌がったり抵抗したりはしない。これは燃えるな…… 俺は身体を寄せて、横から黒猫を抱く格好になった。 腕のリーチに余裕が出来て、黒猫のおっぱいを思う存分触れるようになる。 表面だけを撫で回すように優しく揉んでやると、直接見ずともはっきりと分かる 突起の感触がある。 小さくて、その周りがすべすべしているソレは、明らかに…… 「ち、乳首たってる……」 「い、言わないで……」 テンパって思わず口にしてしまって、黒猫がさらに赤くなる。 エロ本知識によればここはさらに敏感な部分だ。そっと触れないと痛いらしいな。 とりあえず、突起の周りのすべすべした部分をつつーっと撫でてみた。 「は、ん、くぅ、ん……」 ぷるぷると身を震わせ布団で声を抑える様子は、俺のSな心をビンビン刺激してくれる。 「さ、黒猫。約束どおり入り口から見えないように抱っこしてやるからな」 体育座りしたままの黒猫に身体を向けて胡坐をかいた俺は、膝の裏と背中に腕をまわして ひょいと持ち上げた。そのままの向きと姿勢で、黒猫を膝の上に載せる。 必然、俺のリボルケインが黒猫の脚の間に収まる形だ。 「こ、こここ股間に熱いものが当たっているのだけれど」 「そりゃそうだ……可愛い彼女のこんな姿見たら、こうなって当然だろ?」 我ながら恥ずかしいこと言ってるな。とりあえず約束どおり、入り口に背を向ける。 布団もあるので、多分入り口から黒猫の姿は見えないはずだ。 「さて……」 冷静を装ってはみたが、黒猫の太ももの温かさと……文字にするのもはばかられる、 ぬるりとして柔らかくもあたたかい、あれの感触でもう暴発寸前だ。 「黒猫。……胸、見せてくれよ」 「は、恥ずかしい……」 とか言いつつも、おずおずと胸を覆っている手をどかせてくれる。俺も思わず生唾を飲んだぜ。 と言うか、制服や白のワンピース姿から想像していたよりもずっと『ある』。少なくとも 平らという感じはしなかった。 「さ、触るぞ……」 返事は無い。胸の上辺りまで既に桜色に染まっていて、俺はなんとなくそこから触れた。 黒猫の熱いため息にこちらも息を呑みつつ、触れた手を下へおろしていく。 小さくな膨らみの頂で自己主張しているピンク色のそれを食い入るように見ながら、 そっと指の腹で転がしてやる。背中の時よりもさらに激しく全身が震えた。特に脚が 強く反応したもんだから、はさまれている俺のリヴァイアサンも肉の大津波に飲み込まれる。 「く、黒猫、そのまま、両脚で強くはさんでみてくれ……」 「で、でも、そんなことしたら擦れて……あんっ!」 きゅ、と二本の指であくまでも優しく乳首をはさんだ。 「ああ、まさに擦り合わせようってことだ。な、頼むよ、黒猫……」 「もう……予想の斜め上を行くんだから……」 リクエストどおり、脚を軽く交差させるようにして俺の大海獣をホールドする黒猫。 「うお……すげえ、気持ちいい……」 黒猫のそこは既に熱く潤んでいて……なんだか俺のものに絡み付いてきているような気さえする。 しかし、初体験の前に素股とは……ついに俺も、黒猫の、その……お、おま…… ああもう、考えるだけで緊張するぜ。とにかく一番大事な所に触れたのか。 尻に顔をうずめた時よりドキドキしてきやがった。 「黒猫、このまま寝かすぞ……」 こすり付けるのには抱っこの体勢は少し疲れる。はさまれたままに俺は黒猫を押し倒し、 布団に寝かせる体勢にした。さらに黒猫を回転させ、横ではなく普通に仰向けにして 正面から向き合う。 回転の時のぬるりとした刺激で射精しそうになったのは秘密だ。 黒猫の両脚を抱えるようにして、腰を動かす。 「あ、ああっんっ」 先の部分が太ももに挟まれるときと飛び出す時に、くちゅ、と粘ついた音がして 一番強く擦れる。や、やばい……気持ちよすぎる。黒猫の声もどんどんエロくなって、 もう完璧にあえぎ声だった。 「ど、どうだ、黒猫。気持ちいいか?」 次の瞬間に射精してしまいそうなのを紛らわすため、黒猫に話を振ってみる。 「あっ、ん、きもち、いいっ! そこ、こすれるのっ」 こんな時だけ凄く素直な黒猫が可愛すぎて逆効果だった。 「そ、そっか。なら、もっと強く擦ってやるからな!」 「ああっ! せ、せんぱ、わたし、もっ、もうっ」 さらに強く押し付けてやると、黒猫の形がなんとなく分かってくる。ぴっちりと閉じた ぷにぷにの肉ヒダ、そしてここにも、硬く自己主張する突起がある。 その突起を突くように、俺のエクスカリバーを角度調整して、突く。 「く、あ……出すぞ、黒猫っ! ううっ!」 「あ、はあああああぁっ!」 ああ、黒猫はイく時の声も綺麗だ……なんて莫迦なことを頭のどこかで思いながら…… ちょうど突いた感覚が最後の引き金になったか、第一射は黒猫の一番敏感な部分にぶちまけた。 太ももにはさまれながらも跳ね上がったソレは、黒猫の腹といわず胸といわず、白い肌に さらに白いシミを描いた。 気持ちよすぎるぜ……やっぱ一人でやるのとは違う。刺激がどうのとかではなくて。 俺は虚脱感から口を開くことも出来ずに、ぼけーっと黒猫の顔を見つめていた。 黒猫はというと、うす笑いのような惚けているだけのような表情で、空ろな目をして 天井に視線を向けている。赤くなった頬がかわいらしいが、これが……これが、 「黒猫のイキ顔……え、エロい……!」 思わず声に出してつぶやいてしまったが、黒猫は反応しなかった。 射精して早々に最高のオカズを見つけてしまった俺のレヴィアタンはいきなり回復し、 完全に脱力している黒猫の胸にしゃぶりついた。 「ふぇ? ひゃ、ちょっと、先輩っ」 さすがに気を取り直したか、黒猫が何か言っているが、かまわずに乳首を舌で舐り倒した。 「や……ぁ、せんぱ、い、そこは……ちく、ふ、ぅんんっ!」 思ったけど、こいつは乳首弱いのかな? 普通に舐めてるだけで凄い反応する。 舐めてないほうの乳首も、指でつまんでもみくちゃにする。 「ふあ、ぁむぅぅぅぅぅっ」 一際高い声を上げた、と思った瞬間、くぐもったものに変化する。黒猫がとっさに 両手で口をふさいだからだ。 まあ、家に妹がいるんだし、当たり前だよな。しかし口をふさがれると、余計に いやらしいことをしているって気分が出てきて、我慢できなくなってきたぜ。 「な、黒猫……今度は、俺のを……舐めてくれないか」 「そ、そんなの、恥ずかしくって無理……」 そんな可愛く照れられたらますますやりたくなってくる。 俺は仰向けになったままの黒猫をそのままに、両膝を黒猫の腋の下あたりにつく ように身体を持ってきた。つまり黒猫の眼前に俺のものがある格好だ。 「なあ、黒猫。頼むよ……」 両手で口をふさいだままの姿勢で、顔を真っ赤にして俺のを目を見開いて凝視する黒猫。 なんだかたまらない征服感を感じて、じりじりと黒猫の顔に近づけてみる。 「う、うん。分かった……」 おずおずと、といった感じで、黒猫が手をどけ、口を半開きにして、顔を近づけていく。 その光景だけで俺はもう限界に達しそうになった。 ちろり、と舌先で撫でられただけで、腰がどうしようもなく震える。 「うおぉっ」 「ご、ごめんなさい、痛かったの?」 あわてたように黒猫が聞いてくる。 「い、いや。すげー気持ちよくて驚いただけだ。もっとしてくれよ」 照れたように目を伏せると、今度は先端にキスしてきた。 寝そべったままの姿勢で俺のグローランサーに舌を這わせる黒猫の図がたまらなく淫靡で…… 今度デジタルビデオカメラを買おうと、俺はひそかに決意を固めていた。 「ちゅ……ふ、んぅ……れぇろっ……」 舐め続けるうちにだんだんとうっとりしたような表情になってきて、舐め方にも熱が入ってきた。 何時の間にやら、さっきの射精で中にまだ残っていた分の精液も吸いだされているところだ。 「う゛、んむっ……ぢゅ、ちゅっ」 苦そうに、しかし悩ましげに眉をひそめて頬をへこませ、ストローのように吸いだしていく。 だが…… 「く、黒猫、それ、やばいっ……」 今度は俺がひいひい言う番だった。あまりの気持ちよさに、目の前がちかちかする。 こらえようも無く、今まさにちゅーちゅー吸っている黒猫の口の中にぶちまける。 無意識的に黒猫の顔を固定して、俺は全部を黒猫の口内に射精していた。 射精の衝撃から我に返った時、最初に見たものは…… 「ん、く……こく、こくん……」 心なしか陶酔したように目を細めて、しゃぶったまま口を離さずに精液を少しずつ 飲み下していく黒猫だった。さらに残った分まで搾り出そうというのか、促すように ちろちろと舌先で鈴口をくすぐりながら、吸いだすのも忘れては居ない。 「くうっ、おおおっ……」 参ったな。告白した時も見惚れたってのに。可愛すぎるぞ、黒猫。 射精を終えて感じるこの『終わったあと』のきまずさも、黒猫とならむしろ心地よい沈黙だった。 ティッシュで黒猫の腹と胸に飛び散った精液をぬぐうと、黒猫と一緒に裸のまま布団で添い寝した。 「ふあぁ……」 因みに黒猫は俺の腕枕で寝てる。腕枕なんてしたら腕痺れるだろ、と常々思っていたが、 こいつの頭が小さいからか、それとも載せ方が上手いのか……心地いいくらいの重みだった。 「ん……眠いの?」 「ああ。なんかこう、黒猫を腕の中に抱いてたら、気持ちよくってさ」 「……そうね。先輩の腕枕、あたたかくって気持ちいい……」 「このまま昼寝するか」 「うん……」 そして俺たちは、このまま……上の妹が 「あーっ! ルリ姉と高坂君が素っ裸で抱き合って寝てるー!」 といって乱入してくるまで、幸せな惰眠をむさぼるのだった。
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1273071103/431-440 俺たちが沙織の自宅を訪れてから、数日後 いつものように黒猫が俺の部屋に遊びに来ていた 幸いというか、桐乃はモデルの仕事で遅くなるらしい それはそれで心配なのだが、あの妹様のことだ、大概のことは大丈夫だろう それに今回はあやせと一緒だって嬉しそうに言ってたしね そういえば、セットで来るはずの沙織が今日は居ない まあ、あいつも忙しそうだしな 黒猫はパンツが見えそうな体育すわりで、 俺の枕を抱きかかえながら、じっと俺のほうを見ていた 「どうした?浮かない顔をして」 やっぱりこいつがいつもの元気が無いのは、ちょっと寂しい だから、俺なりに気を使ったつもりだった 黒猫は、何かを言いかけて、それから、一旦言葉を飲み込んだ 「ん、どうしたんだよ?気になるじゃんか」 こいつ、いざって言うときに、引っ込み思案になるんだもんな もしかしたら、何か頼みたいことがあるのかもしれないな 幸いにして、こいつは桐乃と違って常識はある まあ、多少妄想と現実の区別がつかなくなることがあるが、 それでも、無茶は言わないだろう 「なんだ、言ってみ、五更?」 俺は出来るだけ優しく言ってみた 黒猫は一瞬表情を明るく晴らしたあと、 またふさぎこむような表情をしてしまった まいったな こういう空気は正直苦手だ それに、もし何か頼みたいことがあるのなら、 ほかならぬ黒猫の頼みだ いつも桐乃のよき友人(裏)として、 あいつを助けてくれてるんだから、 こういうときくらいは俺だって、妹の友人は助けてやりたい 体育座りのまま、黒猫は言った 「先輩、胸を揉んで頂戴」 ・・・ 前言撤回 こいつも、普通じゃねぇ! いや、たしかにお前はかわいいよ? 可愛い後輩から、おっぱいを揉んでくれ、っていわれたら、 普通、理性が吹っ飛ぶだろ? でも、黒猫は、桐乃の、なにより、俺の大切な友人だ そんなことは出来ない だから、なんでそんな突飛なことを言い出すのか、聞いてみた 「あなた、この間、沙織の家に遊びに行ったときに、終始鼻の下を伸ばしていたわよね? 私とこの部屋で二人でこのベッドに横になって、 私があなたの妹と同じ位、貴方のことが好きだって、なけなしの勇気を振り絞って伝えても、 貴方は私を見てくれない。 それなのに・・・ それなのに、あのぐるぐる眼鏡が眼鏡を外したら巨乳美人だったからって・・・」 って、ええ!? 俺のせいっすか? つーか、お前、俺の嫁かよ! 「だからっ! だから、せめて私も、もうちょっと貴方好みの女になりたいの! ・・・ねぇ・・・ダメ?」 小さく、俺を見る黒猫を、俺は抱きしめたくなった こいつは、そんなにも、俺のことを好きなのか 好きだから、こんな無茶まで・・・ だとしたら、断ったら男が廃る そうだよ、黒猫の奴が俺を誘ってるんじゃん ダメな理由なんて何処にも無いじゃねーか だいたい、昨今の女性誌や少女マンガなんてセックスの宝庫だ 繋がったまま街中をあるいちゃったりとか 正直、俺ら健全な高校生には思いつかないよな そういう黒猫は、普通の漫画や少女マンガだけじゃなくて、おそらくそっち系の書籍や、 それこそ18禁ゲームに手を出しているオタクゲーマーだ だから、多少基準がずれてても問題は無い だいたい、桐乃の買ってくる女子向け雑誌だって、 最低、年に一回は「セックスで綺麗になる」特集とかやってるもんな いいよね、ちょっとくらい ベッドに小さく座る黒猫の横に、俺は腰を下ろした 黒猫が耳まで真っ赤にしている 愛らしいな、と、思った 愛おしいな、と、思った そんな彼女の耳に、指先を伸ばす 「ひゃん!」 黒猫が突飛な悲鳴を上げる 「あ・・・悪い」 「ごめんなさい・・・」 消え入りそうな声で、そう応える黒猫が愛おしくて、つい、彼女を俺のベッドに押し倒してしまった 黒猫の胸元に、顔を埋める 小さな胸が、俺の吐息を受けて、激しく脈打つ 制服のシャツの上から、黒猫の乳房を頬で愛撫する 快感に強調させられた乳首の感触が、ブラジャー越しに伝わってくる その場所に、シャツの上からキスをする その度に、黒猫が甘い息を漏らす なんども、なんども、繰り返し、彼女の乳首を責め立てる その度に、エロティックな匂いが俺の部屋に立ち込める 彼女は冷たい手を俺の頬に当て、自分の顔の前に持ってくる 白い頬を紅潮させて、黒猫は言う 「ねえ、お願い・・・ 貴方の指で触れて頂戴。 貴方の唇でキスを頂戴。 貴方の身体で私をとろけさせて頂戴」 黒猫の呪いの言葉に、俺も意識が朦朧としてきた。 俺のベッドの上で、制服を脱ぎ散らかし、裸体をさらけ出し、お互いの体温を直に感じあう瞬間 暖かくて、愛おしくて、幸せを感じる瞬間 男の俺の身体と違って、儚くて、壊れそうで、だから、守りたくって 「瑠璃、 お前の身体の全てに触れるよ お前の身体の何処にでもキスをするよ だから、俺たちは一つになろう」 俺の言葉に黒猫は涙を流していた 触れ合う、二人の身体 暖かいそれは、二人にとって、初めての、そしてこれから何度も繰り返される時間だった ことが終わり、俺の腕の中で、小さく寝息を立てる黒猫 ホントにこいつは仔猫のようだ 満足そうに笑顔を浮べているところといい 本当に、愛おしい さて 解決しなければならない問題がある それは今、俺の部屋で悪鬼のごとき形相で俺を凝視している桐乃の事だ