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ぜんぶ太兎の為だもの 「太兎~!太兎~!! 太兎………どこにいるの」 いきなりあんな場所に連れてこられて…あんなこと言われて あの場所にいた全員で殺し合いをしろなんて… 「まさか太兎も殺さなきゃいけないの!そんなのできない!!」 ………でも生き残れるのは………たった一人だけ……… 「いったいどうすればいいのよ!!」 太兎が殺されるなんて嫌だ!でも、助けにいくにもどこにいるか…… 「……太兎……」 生き残れるのがたったの一人。でもきっと太兎の事だし人を殺したりなんかしない。 もしも太兎の力が元のまんまなら、まだ希望がある。 でも、私の魔力もこの首輪でほとんど封じ込まれている。 そんなことができるなら、きっと太兎も、普通の人間としてこの場所にいるに違いない。 どうすれば………… 太兎が生き延びて他の連中に殺されないようにするには…… 太兎が死ぬよりも早く、他が死んでいくのを待つ? それとも、探し回って見つけ出して、太兎を私が助ければいいの!? 駄目よ!そんなんじゃ時間がない! もっとよく考えて!考え抜かないと! その場でずっと考えた。 こんなにも長い時間を生きてきたから、すぐに考えが浮かんでもよかったのに… それでも思いつかず、焦りは酷くなっていく。 そして……… ………あっ……… 私ってば馬鹿ね 「……………………………フフッ……………………………………フフフ、ハハッ!…アハハハハハハ!!!」 なんだ!………簡単じゃない! 「要は太兎が最後の一人になればいいんじゃない!!」 深く考える必要なんかなかったんだ! 太兎は人を殺さない。なら代わりに私が殺す!! そうすれば、結果的に太兎に危害を加える奴は減っていく! そして残りが私と太兎だけになったら、私が死ねばいい!! 「これでいいじゃない!!」 考え付くといても立ってもいられなくなった。 そしてその時、遠くから一人の子供がやってきた。 小学生ぐらいの男の子みたいだけど、しょうがないよね 太兎の為なんだもの!! 「みんな~!」 やっぱり返事なんて返ってこなかった 聞こえたものといえば、風で擦れる木々のざわめきと、自分の声の山彦だけだった。 そういえばさっき、女の人の笑い声が聞こえたけど……大丈夫なのかな…… 「ジャイアン…ドラえもん…のび太…静香ちゃん……」 「ママ………」 う~ん、ダメだダメだ!こんな時に皆に頼るなんて! ここは僕一人でなんとかしないと そして ガサッ!! 「う、うわぁ~!!誰!!?」 振り向いた方には誰もいなかった。 「…気のせいか…」 ………でも………すぐ後ろに……… 「………えっ!?」 鉈を構えた女の人が……笑いながら… 「あ、ああ!うわ、あぁ!!」 ギヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!! そして鉈は振り下ろされた。 「アハハッ!魔力が使えないから心配だったけど! 案外こういうのも使えるものね!」 「待っててね!太兎! 私がみんな!一人残らず!!」 殺してあげるから!!! 【H-5 港町沿い 1日目 深夜】 【サイトヒメア@いつか天魔の黒ウサギ】 【状態】健康・魔力は九割がた使用不能 【装備】鉈@ひぐらしのなく頃に解 【道具】支給品一式 【思考】1、太兎を優勝させる 2、太兎の為に参加者全員を殺す 基本 太兎の為なら死んでもいい 相手が誰でも襲う 【骨川スネ夫】@ドラえもん [残り69人]
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「時代とは常に進歩するものだが、随分と進んだか。」 誰が参加していようと大して意味はないが、 タブレットには興味があって試しに使うギース。 彼の生きた時代的にもタブレットは存在していたが、 ギースのいた時代からすれば非常に進歩したものだ。 「懐かしい名前があるな。」 ホワイトとカイン・R・ハインライン。 前者は武器商人で過去に精神支配を仕掛けられたことがある。 通用することはなかったので、正直大した敵とは思っていないが、 この場ではどのような足掻きを見せるかが少しだけ楽しみだ。 後者は妻であるメアリーの弟、つまるところ義弟になる。 幼いころからどこかのファミリーに拾われていたとは聞く。 奴もストリートファイトで腕を鳴らしていた身、 この場ではそれなりの実力者ではあるだろう。 (だが何故だ?) ロック・ハワード。 息子の名前があるではないか。 彼の知るロックはまだ七歳の少年。 ホワイトのような敵対関係を築くこともなければ、 カインのような期待ができる可能性もないのだ。 (あれから成長したとでもいうのか?) 死後ロックがどうなったかは知る由もない。 テリーが引き取った、と考えておくのが妥当か。 タワーの落下時、自分に手を伸ばそうとした男だ。 慙愧に堪えなくなって引き取ったとしてもおかしくはない。 (もっとも、此処で生き残れる可能性はないだろうが。) 此処では理不尽に誰かが死んでいくのが目に見える。 若造であるロックが生き残れる可能性は恐らく低い。 ギース亡きサウスタウンでは恐らく牙を抜かれた腑抜け共の巣窟。 そんな場所で鍛えても、自分はおろかカインにすら勝てやしない。 餓えた狼と餓えなかった狼では、確実にくぐった修羅場が違うのだ。 仮に師があのテリーだとしても、復讐を終えた男では強さも違う。 成長しようとも蹂躙される側の認識しか持てなかった。 「まあいい。弱者は死ぬ……それだけだ。 違うのであれば、巡り合うだろう。」 タブレットを閉じてギースは動き出す。 何処か息子との再会を楽しみにしながら。 ◇ ◇ ◇ 「これはまずいことになりマシタ……」 「まずいって次元じゃあ、ないよね。」 二人の敵から逃げることに成功したエレンと侑。 名簿を確認して、顔色が余りよくない状態で互いを見やる。 誰もいないという考えはなかった。悪辣な催しをしてきた相手が、 自分たちに影響のない参加者だけに留めるとは思えないぐらいは。 だがそれでも。一割の参加者が見知った間柄の存在だという事実。 覚悟していたが、それを上回る嫌がらせな名簿にエレンも衝撃を隠せない。 自身らを含めスクールアイドル同好会は五人、刀使は七人の大所帯だ。 (藤原美奈都についてはどこかで聞いたような気はするが、思い出せないので除外) (まずいのはそこだけじゃないんデス、ゆんゆん───) 加えてエレンには一番の問題である十条姫和の存在がある、 大荒魂と融合したことで彼女は通常の状態とは言えない。 殺し合いの場で暴走したら、いくら仲間でも擁護しきれるものではない。 特に、刀使を知らない侑達のことを考えれば、その存在がより危険なものになる。 (とは言え、私が御刀を持ってないようにひよよんも持ってるかどうか……) なんて希望的観測を持ったが、それはそれで自衛手段が危うくなる。 先ほどの白スーツの男は高性能なこの木刀もあれど、エレンの流派故に戦いが成立した。 御刀なしで相手と戦うのは余りいい状況とは言い難いし、悩みの種筆頭だ。 自我を保ってても、暴走してても彼女を探さなければならないものの、 同時に制御できるか怪しい彼女を、侑の傍に置くというのもまた難しい。 (暴走してないことを願うしかありまセン。) 広いフィールドで彼女個人を探すのは容易ではないし、 万が一暴走してた場合に御刀もなしに止めることもまた容易ではない。 彼女が万全の状態での暴走が起きてれば、刀使を集めたところで勝てるかも怪しかった。 勝てないと分かってるからこそ、彼女は隠世へ向かおうとしたのだから。 万全の状態なら、勝てる勝算があるとしても一つだけ。 (かなみん……) 空気も読まず勝負を持ちかけた可奈美ぐらいだ。 姫和が事実上自殺するつもりだったのに、言うことが御前試合の再戦。 一体何がしたいのか分からず、今でも不快感の方が上回る。 可奈美に何か考えがあって言ったのかは未だに分からないが、 少なくともこの場では彼女も万全かどうかの問題が付きまとう。 既に前途多難とかで済ませられるような道ではない。 「エレンさん、大丈夫?」 険しい顔で考え込む彼女に、 心配そうに侑が顔色を窺う。 「っと、考え事してマシタ。 まずはゆんゆんの仲間を探しましょう!」 「え、でもエレンさんにも知り合いが……」 「no problem! かなみんや薫達も、きっと大丈夫デース!」 白スーツのような危険な参加者は他にもいるはず。 であれば、やはり一般人の保護を優先するべきだ。 御刀はないにしても、自分のように刀は手にする機会はある。 刀使の能力は行使できずとも、培った剣術が消えるわけではない。 先の怪物を考えると過信は禁物だが、刀使が市民を捨て置くことこそ論外だ。 特に名簿にはしにがみや吸血鬼なんて物騒な名前もあるのでは、 目の届かない場所へ置いていく方が不安になる。 「刀使と言うのは皆逞しいですから、 ゆんゆんは気にしないでください───」 「ほう、では見せてもらおうか。」 「!」 言葉が耳に届くと同時に、 曲がり角から地面を裂きながら迫る、文字通りの烈風。 彼女の持つ黒那岐丸を振るえば、それに近しい物が飛んでいく。 互いの攻撃が相殺することで、大事には至らない。 「ゆんゆんは下がって!」 先程と違って問答無用で攻撃を仕掛ける相手。 加えて相手からは不気味だった白スーツとは別の威圧感。 一人だというのに、先の二人よりも厄介に見えてくる。 「ロック・ハワードの名前に覚えはないか?」 「随分な挨拶をしておいて聞くことじゃありまセンね。 私達が出会ったのは、胡散臭い白スーツの人と怪物だけデスけど。」 答える理由はなかったが、 出し渋っていても意味のない情報なので勿体ぶらずに答える。 すると一瞬の沈黙ののち、ギースは鼻で笑う。 「白スーツか……あの男、女子二人に逃げられたのか。哀れだな。」 他にもいるのかもしれないが、 彼がその二つのワードで誰かをおおよそ察する。 見たところ片方は悪くないが、片方は論外の弱者。 それを逃すようでは、あの男は前と変わらぬ器らしい。 奴ではたとえギース亡き後も支配することはできないと確信を持てた。 「あの人の仲間……?」 「奴は歯牙に欠ける価値もない弱者だ。 このギース・ハワードと同列に扱うな。」 同類かどうかと言えば事実だが、 支配者の器にすらなれない奴と一緒は心外だ。 天敵たるクラウザーあたりならまだ別だが。 「もっとも、貴様等にとっては敵の一言で済むだろうな。」 エレンは得物を強く握りしめる。 刀使とは荒魂を祓う巫女の役割を持つ。 だから、本来人と戦うことはあり得ないことだ。 刀使同士で争うというのも何度かあって気分はよくないが、 もはや刀使ですらない相手にその技術を振るう必要がある。 戦う相手が、紛れもない悪であることが唯一の救いと言うべきか。 「後ろの小娘。」 「え、私?」 「雑魚は早々に失せろ。巻き添えになりたければ別だが。」 気遣いでなければ、フェアに戦いたいわけでもない。 ただ単に目障りなだけで威圧的な眼差しを向けられ侑は距離を取る。 単純な怪力を持った怪物とは違う。 今のような破壊力のある攻撃が飛ぶ戦場。 多少離れた程度では無事でいられる保障はない。 だが此処で離れるということは、自分一人で動くことになる。 参加者の四人(怪物を人に入れていいか不明だが)と出会って、 エレン以外が殺し合いに肯定的な連中で構成された現在。 離れることができるか不安に思うなという方が無理な話だ。 「ゆんゆん。流石に今回は離れた方がいいデス。」 見たところ支給品の類は装備していない。 となれば先の烈風は、生身で行う特殊な力。 一筋縄ではいかないし流れ弾の危険がより伴う。 「エレンさんも気を付けて!」 自分がいれば寧ろ彼女は余計に流れ弾を受けてしまう。 速やかに離れて邪魔をしない方が一番いいことは分かる。 「何かあっても逃げられる場所を確保してくださいネー!」 「……分かった!」 万が一自分が負けた場合、 彼女だけでも逃げられるようにしておくことは大事だ。 返事が返ってくるときに躊躇いがあったのは不安に思うが、 今は目の前の敵を相手にしなければならない。 「別れの挨拶は済ませたか?」 「ジョークとしてはセンスがないデスね。」 「ジョークに聞こえるか……フッ。DIE YOBBO!(弱者は死ね!)」 ダッシュからの跳躍。 素早い身のこなしだが、迅移で見てきたものと比べればまだまだ遅い。 黒那岐丸で迎え撃とうとするが、 「疾風拳!」 「!」 三発の青い気が放たれ、流星群の如く襲い掛かる。 相手の姿も見えない状況で防御行動は愚策。 サイドステップで射線から外れ、 「烈風拳!」 再び大地を砕く斬撃が襲う。 同じことをすればいいと思ったがそうはいかない。 (速い!) 烈風拳は二種類存在している。 ダブル烈風拳のような派生ではなく、射程を犠牲にした素早い烈風拳が。 咄嗟の判断で黒那岐丸を地面に突き立てることで射線を両断して直撃は防ぐ。 だが、いくら優れた武器でも面積の狭さは否めず、少なからず衝撃が襲い軽くのけ反る。 「too easy!(容易いな!)」 すかさず手に力をためたまま高速で迫るギース。 彼を知るのであれば、邪影拳の構えであることがわかる。 このタイミングであれば距離を取る選択肢がほぼ一択だ。 避けようにも、周囲は烈風拳によって抉れた地面で足場が悪く、 続けざまの一撃を防ぐことができない可能性の方が高い。 「YES! too easy!(そのとおり! 簡単すぎます!)」 迫るギースへエレンは距離を取らず、寧ろ蹴りに入る。 予期せぬ行動にギースも咄嗟にブレーキをかけたが、 僅かに胴に蹴りを叩き込まれてしまう。 「ヌゥ!」 ブレーキをかけたお陰で威力は多少ましだが、 少なからず洗練された蹴りにギースでも顔をしかめる。 怯まず足を掴もうとするも、寸前に足を引っ込めて距離を取られた。 「……なるほど。総合格闘術に近しい剣術。 確か、タイシャリュウと言う名前だったか?」 「随分詳しいみたいデスね。」 タイ捨流は剣術と同時に、 暗器、体術、関節技も含めた特殊な剣術。 最悪得物がなくてもある程度の戦闘は可能だ。 「日本の文化は気に入ってるのでな。 もっとも、祖国アメリカこそが至上のものだが。」 「同じアメリカ人の血を引く者同士、 日本について語らいたいのに残念デスね!」 何とかして武器は回収したい。 確かにエレンは格闘技にも優れた刀使だ。 しかし格闘技に関してはギースの方が上手と感じていた。 別の世界であればルガール・バーンシュタインが真似るように、 ギースの格闘技のセンスと言うのは、相当なものになる。 得物もなし優勝を目論む行動からして、 相当な自信があってのことが伺える。 同じ土俵で立つには、余りにも危険だ。 「これが必要か?」 視線に気づき背後の木刀を手に取る。 軽く一瞥した後、 「欲しければくれてやる。」 投げ飛ばされてそれを手に取る。 何の苦労もなく、隙を突かれるわけでもなく。 ただ先程の状態に戻るだけだ。 「どういうつもりデスか?」 「あろうとなかろうと同じだ。貴様では私を倒せん。」 「油断大敵って言葉が日本にはあるんデスよ!」 数歩踏み込んでからの袈裟斬り。 「こういうのは余裕と言うものだ!」 黒那岐丸が振り下ろされたと同時に左腕で受け止める。 勢いが付く前ではそれほどの威力は持たず多少の打撲程度だ。 タイ捨流は此処から前蹴りや蹴り上げによる不意打ち、 足踏みによる妨害などが主で、ギースもそれを熟知しており警戒するが、 「ハッ!」 次にやったのは蹴り上げでも胴蹴りでもなく、左足からの回し蹴り。 エレンは琉球空手の使い手でもあり、それが戦術に組み込まれている。 タイ捨流を知ってれば知っているほどに虚をつくことができる技。 当然ギースも理解があるがゆえに、予想はしていなかった。 「惰弱!」 だがその隙を上回る反応速度で足を掴まれる。 己の身一つを武器にテリー達に立ちはだかった強敵だ。 これぐらいの超反応があるからこそ恐ろしいのが、 悪夢としてさえ姿を見せる程の男ギース・ハワード。 「その程度のフェイク、対応できないと『油断』したか?」 「しま───」 続けざまに右腕も掴まれ、真上へと投げ飛ばされる。 「ハァァァァァ───」 両手へ気をため込み、青いオーラを纏わせる。 落下するエレンへ行うのは、ギースの大技が一つ─── 「羅 生 門 ! !」 オーラと共に双掌打を叩き込む。 「ガハッ───!!」 写シがない状態で受けていい攻撃ではない 生身の人間の掌打とは思えないような威力で、 大きくエレンは地面を跳ねながら吹き飛ばされる。 (本当に、あれは人間なんデスか!?) 荒魂や刀使なら分かるが、 相手は同じ人間であるはず。 一体どこにこんな力があると言うのか。 「流石に無視できないダメージデスね……」 咄嗟に黒那岐丸を挟んだお陰で、 ギリギリ致命傷の回避には成功した。 それを杖代わりにしながらすぐに立ち上がる。 「雷轟烈風拳!!」 だが既に追撃が迫っていた。 遠く離れたところからの電撃を纏った烈風拳。 今までと段違いの攻撃速度にガードすら間に合わない。 「~~~ッ!!」 見た目通りの電撃を受けたようなダメージに声も出ない。 だが見た目よりかは威力はないらしく、何とか立ち上がる。 「すぐに立ち上がれるとは、見上げた精神だな!」 迫りながらの回し蹴り。 エレンに対する意趣返しにも感じる蹴りだが、 先ほどのキレのある蹴りで返す余裕はなく、転がる形で何とかしのぐ。 「見下した表情でよく言いマスね……!」 「疾風拳!」 再び飛び交う複数の弾丸。 袈裟斬りでなんとか全弾払うも、 目の前には両手を掲げながら構えるギースの姿。 ギース・ハワードの代名詞が一つ、レイジングストームの構え。 「もう一つ貴様の欠点を教えてやろう。 人殺しを躊躇するヤツに勝ちなどない。それだけだ!」 先の攻撃を防いだ時のやり取りでギースは察していた。 木刀の威力は自分が抑えたのもあるが、それを差し引いても威力は低く、 代わりに蹴りについては非常に洗練されたものだった。 殺意と言うものが感じられず、それが決定的な差に繋がる。 当然、唯我独尊なこの男には躊躇など存在していない。 「Raging───」 迎撃は間に合わない。 バックステップで距離を取っても避けきれない。 せめて急所だけでも防ぐため両腕を顔面にクロスさせつつ距離を取る。 「What?」 が、何故か攻撃が続かない。 両腕はそのままにギースを見やると、 彼は先程の構えを解いて振り返っている。 エレンには次の一撃を防ぎきれる自信はないし、 ギースもまた警戒するに値しない場面。 問題は、彼の背後より漂う殺気の存在。 「ヘー、じゃああたしなら適任ってわけか。」 「……ほう。」 背後に立っていた相手の眼差しに笑みを浮かべる。 少なくとも上っ面だけではない、自分と同じ側にいる類だと。 同じ土俵の『殺しに慣れた人間』の存在。 ───時間は遡り。 (どうするか考えないと!) ある程度離れた場所で、侑は適当な家屋でデイバックを開ける。 エレンや敵との遭遇に放送と確認する暇がなく、ようやく手を付けた。 自分には戦える力はない。だが何かしらのサポートは出来る可能性を探す。 誰かが困ったり悩んだとき、それに寄り添ってサポートする……それが、 スクールアイドル同好会における高咲侑のポジションになる。 武器での援護は絶対に無理だが、彼女の為になるものがあると願う。 デイバックをひっくり返し、中のものを畳の上へと放り出す。 「ってこれ何?」 基本支給品以外の中で、 明らかに使用用途が不明に見える謎のアイテム。 手に収まる程度の小さいサイズの機械に見えなくもない。 (璃奈ちゃんが好きそうなイメージがあるかも。) どことなくメカっぽいところは、 機械に強い彼女が付けてるイメージがある。 付属の説明書を片手にそれを見やりながら、 額に装備するものだと分かり試しに装備すると、 「───だー!!」 「!?」 そう遠くない場所から、誰かの絶叫に強く反応してしまう。 「死んだー!!」 隠れ家から出てからやってきた放送から、 タブレットを使って名前を見て叫ぶレオーネ。 彼女の世界からすれば随分ハイテクなものだが、 帝具と言うオーバーテクノロジーの影響か、そこまでは困らない。 とは言え使い慣れてないので、他の人よりは時間がかかっているが。 だが開いてみればエスデスと言う此処が地獄と確約する四文字の並び。 こんな場所で同名の人物がいるわけがない。間違いなくあのドS将軍一択。 何で一番勘弁してほしい奴がこの場にいるのかと思わず叫んでしまう。 「一人だけ最初から帝具あるとかずるじゃん! 出来レース!」 ライオネルがあったところで勝てないだろうに、 それすらないとかただの虐殺でしかないではないか。 制限? あの将軍にそんなものあってないようなものだ。 たとえデモンズエキスが使えない状態だったとしても乗り越えれる。 奥の手がなければ自分で作ってしまうような将軍なのだから、 制限されたところでそれを超越するのが目に見えている。 ディメーンやメフィス達は出来レースでもしたいとしか思えない。 これに勝てる参加者が果たしてこの場にどれだけいるのか。 アカメであってもギリギリ勝てただけで二度目があるかも怪しい。 「……で、なんでアカメまでいるわけ。」 先ほどまと変わり、冷酷さを見せる表情に切り替わる。 死者によるクソみたいな場所と思ってみれば、アカメが居合わせるのはなぜか。 ナジェンダなら分からなくはない。スサノオの奥の手で余命僅かなのだから。 だがアカメは奥の手のダメージはあれども、致命的なレベルではないはず。 易々と死ぬ筈はなく、どうやらこの場は自分が思ってるものとは違うことを察する。 死人以外も巻き込まれてると考えた方が自然かもしれない。 オネストと言った連中がいないのもその裏付けになる。 「まあ元からボコボコにする予定だったけど、 戦う必要もない親友巻き込んだこと、高くつくの覚悟しときな。」 冷ややかな目で空へと呟く。 どうせ何処かで聞いていることはわかる。 予定変更。ナイトレイド延長戦の開始だ。 今一度、殺し屋として仕事をするとしよう。 将軍にだけは会いたくないが、無辜の民を捨て置けば大臣共と同じだ。 あんな連中と同類になんて、文字通り死んでもごめんである。 (で、あいつはどうするんだか。) プロシュートの言う身内はいないようだが、どうするのだろうか。 別段乗り気ではなかったので、協力関係は結べそうではある。 一応エスデスとかヤバめの敵はちゃんと教えておいたので、 把握はしてるだろう。 「すみません!」 「ん?」 声に反応して振り向く。 息を切らし、壁に手を当てながら侑がそこに立つ。 行動すべてにおいて、普通の庶民の類だとすぐに察した。 無警戒に武装もなしに声をかけてくる。どうみても殺し合いの経験がない人物。 見るからに温室育ちだが、富裕層みたいな薄汚れた雰囲気も感じられない。 箱入り娘か何かの類と感じる。 「助けてもらえませんか! エレンさんが……仲間が戦ってるんです!」 普通だったら問答無用で助けに行くを選ぶ。 こういう人の為に戦ってきたのがナイトレイド。 だが、どうしても気になってしまう。 「切羽詰まってるところ悪いんだけどさ、 どうしてそんなに無防備でいるわけ?」 「え?」 いくら武器が使えない人でも自衛のために持つものだ。 飾りとは言うが、ある程度のけん制と言うのは大事だろう。 見ればデイバックすら背負ってないのでは、余計に無防備。 この場で他人を信用するにしたって、何もないのは逆に警戒してしまう。 「あたしが善人に見える?」 人畜無害を装いながら裏では悪逆の限りを尽くす連中を何人も見てきた。 タツミを連れ帰った時に出会った一家なんて、まさにそれである。 温厚そうな家族を装って、一家揃って鬼畜の所業をする畜生の極みだ。 だから警戒心は解かず、冷徹に相手を見やる。 「これの効果でちょっと。」 申し訳なさそうな表情で額を指す。 彼女には正直あまり似合うとは言えない、 緑の宝玉みたいな装飾品がつけられてる。 「へー、これねぇ……ってこれ帝具じゃん!」 余り見てなかったので気付かなかったが、 嘗てアカメとタツミの二人が回収した帝具だ。 「確かそれ心も読めるんだっけか。いやーそりゃバレるわ。」 五視万能スペクテッド。 四十八の帝具が一つで視力に関する能力を持つ。 洞視で心を読めば敵か味方の判断もつくし、 助けを呼ぶに値する人材だってこともわかる。 当然敵ではないと確信すれば無警戒に近づいたって問題がない。 「ごめんなさい。急いでて心を勝手に読んじゃって。」 「いや、こっちも警戒してたしお互い様だよ。 で、時間ないんでしょ。道案内……って無理か。」 恐らく遠視で自分を探して移動してきたのだろう。 息を切らしていたということは相当無茶なペースで。 いくらアイドルとの練習に付き合ってると言えども、 常人の体力では限界と言うものがある。 道案内を任せるだけの体力はないだろうし、 そも、戦地へ彼女を連れ戻すのは普通に酷だ。 「流石にその状態じゃ無防備すぎるし、 支給品とか置いてきた場所まで連れて行くよ!」 「わ、ちょ!」 返事を待たず、息を切らす彼女を肩に担いでレオーネは走り出す。 スラム街で逞しく生きてきた彼女だ。ライオネルなしでも人一人ぐらいは快速で運べる。 侑が此処までくるよりもずっと速い速度で元居た場所まで戻り、 即座に救援に向かって、見つけることは容易いことだった。 派手に戦闘をしているのであれば、常人の耳でも普通に気づく。 「えーっとユウって子に助け求められたけど味方は……決まってるか。」 レオーネにはわかる。 エスデス程かどうかは分からないが、 こいつも相当な人間を殺した箔があるオーラを纏う。 どちらが彼女の味方かについては、答えるまでもない。 「こっち側の人間だな。」 「ああそうさ。あんたみたいな奴相手に手を汚すのがあたし達の仕事だ。」 ライオネルは相変わらず見つからないままだが、 支給品の中に紛れ込んでいた、雷光のような模様の目立つ籠手を装備する。 格闘技がメインであるレオーネにとって素手で殴るよりも効果的な代物だ。 籠手をぶつけ合わせ、甲高い音を響かせる。 「そっちのお嬢ちゃん。あの子武器なかったから早めに迎えに行きな。因みにあっちの方角。」 「後は、お任せしマスね……thank you!」 他人に任せるわけにはいかないと思うも、 傷の状態を考えればどうあがいても足手まといだ。 素直に退くことだけを考えてその場を後にする。 「さあて、やってやるとすっか!」 「フン。You can not escape from death(貴様には死あるのみだ。)」 異種格闘技の次は、 血にまみれた餓狼と獅子による獣同士の戦いが始まる。 【D-3とD-2の境界線/一日目/深夜】 【古波蔵エレン@刀使ノ巫女】 [状態]:ダメージ(大)、手足の痺れ、頭部出血 [装備]:神木・黒那岐丸@Re:CREATORS [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2(確認済み) [思考・状況] 基本:殺し合いに乗るつもりはありまセーン。 1:今は退くしかありまセンね……ッ。 2:薫や可奈美達が心配デスが、特に不安なのは姫和デスね。 3:ゆんゆんはどこでショウか。 [備考] ※参戦時期はアニメ版21話、可奈美が融合した十条姫和との戦闘開始直後です ※御刀がないので写シ等の能力は使えません 【D-3 北部/一日目/深夜】 【レオーネ@アカメが斬る!】 [状態]:健康、静かな怒り [装備]:ホープナックル@グランブルーファンタジー [道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(確認済み、ライオネルなし) [思考・状況] 基本方針:メフィス達、覚悟できてんだろね。 1:民の為にもう一度戦いますかね。まあやることドブさらいだけど。 2:アカメを探……さなくても大丈夫だよね。親友を信じろって。 3:帝具なしでエスデスとかは会いたくねーな! あっても会いたくねーな! 4:優勝するしかなくなったらどうしよ。 [備考] ※参戦時期は死亡後(アニメ版意識ですが漫画版でも問題ないです) ただ漫画版であればライオネルと少し融合してるため状態表が変わります。 【ギース・ハワード@餓狼伝説シリーズ】 [状態]:ダメージ(小) [装備]: [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~3(確認済み) [思考・状態] 基本:殺し合いに乗り優勝する。あわよくば主催すら越えて最強を示す 1:次の相手は『こちら側』の人間か。 2:カインにはそれなりの期待 3:ロックは少し程度は期待。 4:ホワイトはどうでもいい。 [備考] ※参戦時期はリアルバウト餓狼伝説での死亡後です。 【D-2の境界線/一日目/深夜】 【高咲侑@ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会】 [状態]:疲労(中) [装備]:五視万能スペクテッド@アカメが斬る! [道具]:なし [思考・状況] 基本:みんなの事が心配。 1:みんな無事かな……エレンさんやレオーネさんも。 2:今は二人が戻ってくるのを待つ。 3:レオーネさんもエレンさんも、愛さんみたいな…… 4:帝具……オーバーテクノロジーすぎない? [備考] ※参戦時期は少なくともアニメ版五話以降ですが、 具体的なのは後続の書き手にお任せします。 ※デイバックや基本支給品、ランダム支給品(×0~2)は、 侑が待機してる屋敷の中に放り出されてる状態です。 【五視万能スペクテッド@アカメが斬る!】 元々は首切りザンクが所持していた帝具。 額に付ける巨大な瞳で、五つの視界に関する能力を有している。 心が読める洞視、霧でも夜でも関係なく遠くにいる相手が見える遠視、 筋肉の動きから動きを見通す未来視、服の上から中を確認できる透視、 唯一相手にかけるタイプとして幻覚を見せる幻視の能力を有している。 帝具には相性がある為相性次第では疲労や使用を受け付けなくするが、 侑は第一印象は悪くなかったので遠視、洞視は使用可能でそれなりの適性がある。 (ブラート曰く帝具とは、第一印象で相性が大体わかる模様) また帝具は適性があれども精神や体力の摩耗が激し同時に使うのは厳しい。 【ホープナックル@グランブルーファンタジー】 眩き生命の奔流を表したかのように光り輝くその拳は、何度でも果てなき栄光へと挑む運命にある。 何度ままならぬ現実に地を叩くことになったとしても、不屈を貫いた先に使い手は真なる希望を掴むことだろう。 とされる、ゲーム上ではSSRフェザー解放武器の格闘(ゲーム上では主に籠手やかぎ爪に該当)武器。 光属性を強化する天光の攻刃のスキルがあるかどうかは後続の書き手にお任せします。 (第二スキルライト・ブロウについては再現が難しいと思われるので除外してますが、再現可能ならどうぞ) 因みにレオーネはディバインゲートコラボの際光属性にされましたが、 これが適応されるかどうかも後続の書き手にお任せします。 003:揺るぎない決意 投下順 005:君の『おたすけ』に救われて ハイテンション・エクスプローション 古波蔵エレン 039:死中の閃き 惡の華 ギース・ハワード 036:ナイトレイドを斬る 彼等双方 暗殺稼業 レオーネ ハイテンション・エクスプローション 高咲侑 039:死中の閃き
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がくえんゆーとぴあ まなびストレート!レビュー (ジャンル:学園コメディ) レビュー作成日:2007/03/28 評価 点数の判定基準の意味はこちら ストーリー キャラクター 声優 グラフィック 13点 16点 23点 23点 合計75/100点 感想 ストーリー キャラクター 声優 グラフィック 合計 14点 19点 23点 23点 79点 グラフィックに、最初違和感を感じた。絵がそのまま動いたという感じです。 第1話の完成度が、他のアニメとは比べ物にならない程高いです。 たった30分間で、このお話を端的に表しています。 このアニメは、大人になって感じる学生時代の良かった部分が描かれていると思います。 学生時代って、後から思うと はっきり言って楽だし、楽しい事ばかりでした。 ただ、現在進行形で学生の人は、このアニメ見ても楽しめるんでしょうか? 学校生活は楽しいぜ!っていうお話なんですが、学生時代にそんな気持ち持ってる人って少ないと思う。 ストーリー キャラクター 声優 グラフィック 合計 16点 18点 23点 23点 80点 まず、グラフィック。まるで絵が動いてる。これが、アニメーションかなぁと思う。 折角アニメなんだから、黒い画面に文章だけで伝える演出より、 映像で時間の経過を伝えて欲しかったなぁ、と感じました。 実際、映像だけで表現してる部分もあるのに、この部分だけ何故? いやー。何だかんだいって、擬似学生生活をかなり満喫できました。 ちょっと、ギャグを強くしすぎてるなぁ(笑)と思う部分もあるけど。 ストーリー キャラクター 声優 グラフィック 合計 10点 10点 22点 23点 65点 テーマ自体は 今の時代にとっても合ってると思う。 全体的に見て パッとしたものは何も無いが、 1つ1つじっくり見ていくと 面白い要素はある。 最終回が終わっても 「まなび」という存在が分からなかったのが痛い。 ミカン目線だから と言われればそれまでだけど 「まっすぐGO!」と、 どんな状況でも前向きなのには、特別な理由が必要だと感じた。 公式サイト
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原曲・童謡 作詞・まどみちお、作曲・團伊玖磨 【登録タグ 幼児向け楽曲 童謡】 カバーした声優 林原めぐみ
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【バレン夕イン企画】 「なん…だと…!?」 お風呂上り、体重計が示した数値を見て私は愕然とした。 増えている。 前回見たときよりも明らかに増えている。誤差で済まされる範囲ではない。 目の錯覚かと思って20回ほど量りなおしたが結果は同じ。 増えている。 増加している。 上昇傾向にある。 つまり… 太 っ た 。 なんということだ…絶望した!変に燃費のいい自分の体に絶望した! などと真実を受け止めきれずにこんな → OTZ 格好で固まっていると、 こちらに跳ねてくる丸いのがひとつ。 「おねえさん!おふろあがったの?」 ウチで飼っているゆっくりれいむだ。 いいな、あんたは。悩みなさそうで。 「おふろあがりに…さあ!おたべなさい!」 そう言ってれいむは腹…だか顎だか、とにかくそのあたりをこちらにずずいと突き出してきた。 …そういえばここんとこずっと言われるがまま食べてたっけ。 この子、けっこう飽きないおいしい味してるし、「おいしい」って言うと得意げな顔で 「ゆふふふ」なんて笑うもんだから、それがかわいくて毎日のように…つまり… お ま え か 。 原 因 は 。 れいむはさっきの体勢のまま「たべてもいいのよ?」と言った視線をちらちらこっちに向けている。 「あー…その、れいむさんや。今日はいいわ、うん」 「ゆ?どうして?」 理由?ははっ、言えるか。 「そこはまぁ乙女の秘密ってことで…とにかく今日はいいから!提供、御馳走、一切無用!」 「ゆぅぅ~ん…えんりょしなくてもいいよ?」 ゆんゆん言いながらたべてたべてと擦り寄ってくる。ああもう、かわいいなこやつめ、フハハ。 しかし私の脳裏にはさっきの数字が焼きついて離れない。食べるわけにはいかない。 「こうなったら、いじでもたべさせるよ!じつりょくこうしだよ!」 なにがれいむをそこまでさせるのか、大見得を切った。 「実力行使って…何するつもりよ?」 頭だけで動きもゆっくりなれいむにはたして何が出来ると言うのか… そう思っていると、れいむは30°くらいまでうつ伏せに頭をかたむけ、リボンをこちらに突き出してきた。 「ふぁんぐ!」 れいむのその叫びとともに、リボンの中から一口サイズの饅頭が10個くらい飛び出し… 「…って嘘ぉ!?」 飛び出した饅頭は自由自在に宙を舞い、様々な角度から私の口目掛けて飛来する。 「何この能力!?」 この子らの大抵の理不尽には慣れたと思っていたが、甘かった。(饅頭だけに) 私は四方八方から飛来するプチ饅頭を必死でよける。 …この饅頭、よく見ると何か粉のようなもの(小麦粉かなにかだ)を噴出しながら飛んでいるらしく、 床がどんどん白く染まっていく。 掃除するの私だぞ。ちくしょう。 「うわっ!?」 …などと余計なことを考えていると、いつのまにか足元に潜り込んでいた白玉を踏んづけてしまった。 (白玉!そういうのもあるのか…) などと考えるヒマも無く私は盛大にずっこけた。饅頭が下に先回りしてクッション代わりになったおかげで どこも痛くはならなかったが、 「もふ…」 私の口には饅頭ひとつ、すっぽりと。 れいむは仰向けに倒れている私の胸の上にぴょいと飛び乗り、得意げな笑みを浮かべる。 「ゆふふふ…………さあ、おたべなさい!」 わかりましたよ。食べりゃあいいんでしょ、食べりゃ。 観念して饅頭をもそもそ食べながら、頭を動かして壁にかけてあるカレンダーを見た。 (2月か…) まだ寒いけどダイエット、がんばろう。 明日から。 ―End― 書いた人:えーきさまはヤマカワイイ バレン『タ』イン?作者当て?なんのことです? ふぁんぐ吹いたwww -- 名無しさん (2009-05-29 15 02 56) 孤独のグルメパロワロタw -- 名無しさん (2009-06-04 11 49 27) 今更ながらタイトルの意味を理解した、ふぁんぐが出る訳だ(笑) -- 名無しさん (2010-05-25 14 15 59) 名前 コメント
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ゆんだむ、第4部であります。 ほんとはここで終わらすつもりだったのに、また途中が長くなりすぎ、 つづくことになってしまった…。でも、次こそ最終回です。 という訳で、4部になっても、まだゆんだむは出て来ません…。 でも、虐待は結構やってるので、むっきゅり許してね! はじめ、誰一人としてぱちゅりーの言っている事が、さっぱり分からなかった。 ぱちゅりーは尚も、重大な事態に瀕した群れの長として、 重大な決断を下したことの余韻に浸るかのように、深刻な顔で夜空を見上げたまま、 動かず、それ以上言葉を継ごうとも、しなかった。 他の皆はと言えば、怪訝な表情をして、ぱちゅりーを見つめていることしか、できない。 そのうち、群れの間に、沈黙と共に、妙な空気が流れ始める。 その気まずい沈黙に耐え切れなくなった一匹のれいむが、口を開こうとした。 が、同時にありすが、ハッと気が付いた。最初にぱちゅりーと同行していた、 あのありすである。 「まっ、まさか…おさ!アレをつかうの……?」 「ゆゆ?ありす、なにかしってるの…?しってるなら、ゆっくりしないで さっさとれいむにおしえてね!」 にわかに、皆の注目を浴びるありす。 群れのゆっくり達は、尚ももったいぶる様子のぱちゅりーに痺れを切らし、 ありすに詰め寄ろうとする。 しかし、その時いよいよ、皆に全てを明かすべく、ぱちゅりーが前へ進み出た。 「むきゅっ!みんな、むっきゅりきいてね!…そうよ、ありす、そのとおりなのよ。 ぱちゅりーたちは、『きみつぶんしょ』をつかって『ゆんだむ』をつくり、そして…」 その後にぱちゅりーの口から発せられた言葉は、群れの全員を、一匹残らず驚愕させるに、 十分だった。 「にんげんさんたちを…たおすのよ……!」 ざわ… ざわ… ざわ… 「ゆゆうっ!?にんげんさんたちを、たおす…!?」 たちまち、しわぶき一つない沈黙に支配されていた会議場は、 騒然となり、ゆっくり達はてんでに、勝手に取沙汰を始め、となりの者と、 「おさのいってることはほんとうなの?」「そんなばかな…」などと、 がやがやしゃべり始めた。 「むきゅっ!みんなしずかに!おちついて!むっきゅりきいてね!」 ぱちゅりーは両おさげを上げて、皆を制した。てんでな取沙汰がやみ、 再び場が静かになったとみて、また話し始めた。 「みんな、すぐにはしんじられないのは、わかるわ。だけどね、これからぱちゅがはなすことは、 まぎれもない、むっきゅりしんじつなのよ」 「ぱちゅたちは、このあいだのおしごとでなんでもやまにいったとき、この『きみつぶんしょ』を、 みつけたのよ」 そう言うと、ぱちゅりーは帽子の中から取り出した絵本を、皆に見えるように、掲げて持った。 「これは、ほんらいとてもむっきゅりできない、おそろしいものだから、みんなには ないしょにしてたんだけど…。」 「こうなってしまっては、もうこのちからをつかうしかない…。 あるいは、これをつかうことで、ぱちゅりーたちは、みんなえいえんにむっきゅりすることに、 なってしまうかもしれない。だけど、にんげんさんをたおしてむっきゅりむらをもとどおりの とてもむっきゅりしたむっきゅりぷれいすにもどすには、もう、これしかないのよ…!」 そこまで聞いても、実際の所、全員に目に見えるような、かんばしい反応があった、 という訳ではなかった。むしろ、いきなりぱちゅりー種以外にはあまり馴染みも、興味も無い 『きみつぶんしょ』と称する本を見せられても、一体そんな物でなにがどうなって 人間さんを倒せるのか、全く分からなかったのである。 「おさ…。いったい、なにをいってるのぜ?ばかなのぜ?しぬのぜ? そんなものでなぐったって、にんげんさんをたおせるわけが、ないにきまってるのぜ?」 皆が当然思っているであろうことを、ぱちゅりーの近くにいたまりさが、口に出した。 「むきゅ…それは、もちろんそうね。だって、これは、ごほんであって、ぶきではないんだもの。 ただ、このごほんにかいてあるとおりに、つくれば…そのときこそ、 にんげんさんだってたおすことのできる、ぶきがむっきゅりかんっせいするのよ…!」 再び、ゆっくり達が騒然となる。ぱちゅりーの言わんとする所は伝わったようだが、 それでも皆が口々に言い立てる言葉は、まだどれも、懐疑的なものばかりだった。 そんな中で、先ほどありすに諌められてから、ずっとむっつりと黙っているままだった 棟梁まりさが、ずい、と一歩前に出た。皆思わずしゃべるのをやめ、そちらを注目する。 棟梁まりさが顔を上げ、口を開いた。その目には、何かの決意の光のようなものが見えた。 「まりささまは、えどっこだから……おさのいうむずかしいはなしは、まりささまには、 よくわからないんでぇい……。 だけど、ほんとうに……ほんとうに、そのおさのいうぶきってやろうをつくれば、 にんげんさんを…けったくそわりぃにんげんさんやろうどもを、ぶったおすことができるんでぇい……?」 「ええ…そのとおりよ、とうりょう。そしてそのためには、どうしても、 とうりょうのむっきゅりしたちからが、ひつようだわ。 いつもぱちゅたちの、むっきゅりしたおうちをつくってくれたように…。 とうりょうのちからがあれば、にんげんさんをたおすぶきを、つくることがむっきゅりできるわ」 「………」 棟梁まりさは、無言で、帽子から金槌を取り出し、握り締めた。 その感触が、人間に受けた痛みを、潰された子供の無念を、あらためて甦らせるかのように、 まりさには感じられた。 「もし…ほんとうに、そのぶきで、にんげんさんをたおすことができて、 そのために、まりささまのちからがいる、ってえんなら…。 まりささまは、たとええいえんにゆっくりすることになっちまっても、 そいつをかんっせいさせてみせるんでぇい…!ぜってぇに………!」 そう言って、一時は止まっていた悔し涙を再び流しながら、棟梁まりさは金槌を掲げた。 棟梁のその姿が、最後の決め手となったか。 「そうだね…どっちにしろ、おやまにもいけない、むらにいてもにんげんさんがくる… それならもう、おさのいうぶきにかけるしか、ないもんね…」 「ゆゆっ!それなら、まりさはおさにさんっせいするのぜ!」 「れいむもだよ!」 「ちぇんもわかったんだねーわかるよー」 「ちちちちちちーんぽ!」 ついに、群れの取るべき道は、決まった。 皆、僅かながらも新たな希望を得て、にわかに沸き立ち、口々に勇ましい言葉や仕草で、 互いを鼓舞し始めた。 ぱちゅりーは、満足げな笑顔を浮かべ、皆のその様子を、眺め回した。 しかし、すぐに厳しい表情に戻り、また声を張った。 「むきゅっ!みんな、ゆんはいそげ、よ!とにかくもう、じかんがないわ。 はやく、こうどうにうつらないと…。まずは、そうね…」 しかし、皆が希望に沸き立っている中でも、例のありすだけは、浮かない顔をしていた。 幾分心配性であるらしく、ありすは思いついた心配事を、たまらずぱちゅりーに話していた。 「で、でも、おさ…。そんなにすごいものつくるには、すごくじかんがかかるんじゃないの? あしたにんげんさんがくるまでに、かんっせいできるの…?」 「むきゅう…そうね…。さすがにひとばんでは、むずかしいかもしれないわね。 ぱちゅたちはゆっくりであって、じぇばんにではないんだし…。 だけど、もうこれしかほうほうはないのよ、ありす。ゆんだむがかんっせいするまでは、 どこかにかくしておいて……それまでは、なんとかたえるしか、ないわ……」 「ゆ、ゆうぅ…そうね…。またぎせいがでちゃうかもしれないのは、ゆっくりできないけど…。 ありすたちには、もうそれしかないのよね……。」 ありすを元気づけるように、その頭をぽんぽんと叩くと、ぱちゅりーは皆に向き直り、指示を飛ばした。 「さあ、まずは、ゆんだむをかくしておく『かくのうこ』さんをつくるのと、 ゆんだむをつくる『ぶっし』さんを、たくっさんあつめなくちゃならないわ! れいむとみょんたちは、むらからすこしはなれたところに、ざっそうさんをとりのぞいて、 『かくのうこ』さんをつくってね!にんげんさんにみつからないように、つうろさんでつないじゃだめよ! ちぇんとまりさたちは、これからなんでもやまにいって、つかえそうなものを、かたっぱしから あつめてきてね!だんぼーるさん、てつのぶひんさん、なんでもいいわ。 もうくらいけど、よるでもよくみえる、ちぇんたちをせんとうにたてれば、むっきゅりだいじょうぶよ。 それじゃ、みんないそいでね!ぱちゅたちのめいうんは、じかんとのしょうぶよ…!むっきゅりしていかないでね!!!」 ――翌日。 昨日話していた通り、磯野と中島は、学校が終わり、家へ帰るとすぐ、 各々の準備をして、ゆっくり達がいるこの雑草空き地へ、再びやって来たのだった。 「うわっ…中島、なんだよそれ!すげー大荷物じゃんか」 磯野が驚いた通り、中島はその背に、アルプス山脈でも縦断せんばかりの大きなバックパックを 背負い、しかも中には何やら、パンパンに荷物を詰め込んで来ていた。 「そーゆーお前は、バットだけか磯野?ゆ虐をナメるなよ!!ゆ虐ってのはな、こう、 様々な器具を用いて、厳かに行うもんなんだぜ?」 「いや、知らんけど……」 二人はうきうきと、楽しげにそんなことを言い交わしながら、 深い雑草をかき分けて進んだ。広大な草の森とはいえ、道に迷う程ではない。 昨日で大体当たりをつけておいた方へ向かうと、容易く再び、 ゆっくり達の村へ出る事が出来た。 「あれ…」 村の様子を見回し、磯野は少々間の抜けた声を出した。 そこには、期待していたゆっくり達の姿が、一匹も見えなかったからである。 「いねーじゃん、あいつら…。やっぱ、どっか逃げちまったんじゃ?」 もしそうだったなら、せっかくの楽しみが、水の泡になる。 磯野は、不満そうに口をとがらせた。 「はっは、磯野、安心しろって…。ほれ、見えねぇのか? そこらじゅうにあるだろ、連中の、『ゆっくりしたおうち』が…。 大方、そん中に閉じ篭って、ぶるぶる震えてやがんだろーさ」 言われて見てみれば、村のそこかしこに、シートや毛布を被ったダンボールが 鎮座している。 「なるほど、そーゆーことか…。でも、ほんとにこん中に入ってやがんのかなぁ。 ちょっと見てみていいか?中島」 「ははは、なんでいちいち俺に許可取るんだよ?好きにしろって、磯野」 中島は笑いながら言うと、背負ってきたリュックをよっこらせと降ろし、 中をゴソゴソやり始めた。既にゆ虐上級者の中島は、 まずはどの玩具で楽しんでやろうかと、至福の妄想に浸りつつ、 物色しようというのだろう。 磯野は、手近にあったダンボールに近づくと、かけられてあったブルーシートを がばっとめくり上げ、中を覗いてみた。そして、あまりにも容易く、 目的の『モノ』を見出した。 「ゆあああああああああああ!!!!」 「きたああああああ!にんげんさんだあああああ!」 「きょわいよおぉぉぉ!!」 「ゆっくちできにゃぃぃぃぃ!ゆっくちしたいぃぃ!ゆっくちさせちぇぇぇぇぇ!!」 すかさず、まるで磯野を大歓迎するかのような、大騒ぎが始まる。 狭いダンボールの箱の中で、一瞬で確認出来たこの一家の家族構成は、 れいむとまりさの成体の両親に、これまたれいむとまりさが一匹ずつの小さな子供、 という、ゆっくりの一家としてごくごくポピュラーな、ありふれたパターンであった。 一晩を経て再び見たゆっくりというナマモノは、思った以上に滑稽で、哀れで、また、 なんとも言えないイラツキとムカツキを誘うシロモノだった。 磯野は思わず箱の中へ手を伸ばすと、少しでも奥へ、奥へと逃げ込もうとする ゆっくりどもの恐怖の叫びを尻目に、まず両親のおさげともみあげをむんずと掴まえ、 箱の中から外へと引きずり出した。 「いだだだだだだだだだだ!!!」 「はなぜええええええ!でいぶのかわいいもみあげさんがぁぁぁぁぁ!!」 そして、そのまま地面の上へ投げ転がす。二匹の成体ゆっくりは、無様な悲鳴を上げながら、 ぼいん、ぼいん、とゴムボールのように跳ねながら、転がった。 「おきゃあしゃあああん!おちょおしゃあああん!!ゆっくちぃ!ゆっくちいぃぃぃ!!」 「どぼぢでじょんなごちょじゅるにょおおお!?」 その様子を見て、絶望的な悲鳴を上げる赤ゆっくり達。 磯野はそれを背中で聞き流しながら、まずは、中島に教えられた挨拶を試してみることにした。 「ゆっくりしていってね」 「ゆ…ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 即座に同じ挨拶を返しておきながら、すぐに泣き喚きながら抗議して来た。 「ゆううう!?おまえみたいなクソジジイと、ゆっくりできるわけないでしょおおお!? なにいっでるのおおお!!??」 「ゆううう!だ、だめだよれいむ!おさから、なるべくにんげんさんをしげきしたり、 ちょうはつしたりするようなことはいっちゃだめだって、いわれてるでしょおお…!?」 磯野にしろ、昨日で虐待は経験したものの、ゆっくりにあしざまに罵られるのは、 これが初めてである。こんな無力で下等な存在にけなされた事に、 慣れているはずもない磯野は、すぐに心が怒りと暴力衝動に満たされ、ビキィと音を立てるのを聞いた。 「ああ~ん?おめー今何つったんだ?コラ」 衝動的にれいむのもみ上げを掴み、持ち上げた。れいむの全餡重がもみあげの付け根にかかり、 するどい痛みに襲われ、れいむは掴まれていない方のもみ上げをピッコピッコと振り立て、 喚き散らした。 「いだいいいい!!れいむのかわいいもみあげさんちぎれぢゃううううう!!! はなぜええ!はなじでえええ!!」 「かわいいもみあげさん、ねえ……」 磯野は、もう一方のもみ上げも掴んだ。両方のもみ上げで支える形になり、痛みは多少和らいだものの、 相変わらず煩く喚く事をやめようとはしない。 「こんなうざったいもみ上げさんは…こうだな!」 そして、ふん!とばかりに、磯野は両手に掴んだもみ上げを、左右に同時に引っ張った。 ブチブチブチィッ!!! 「ゆっ…ゆぎゃあああああああああああああああああああ!!!!」 あえなく、れいむのもみ上げは、片方根元から引き千切れ、握った磯野の手から、だらりと垂れ下がった。 「ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 再び片もみでぶら下げられるれいむだったが、今度は喚き散らすこともなく、 白目を剥き、泡を吹いて「ゆ゛っ…ゆ゛っ…」と細く鳴くだけになった。 磯野はそんなれいむを地面に放り出した。もみ上げの千切れ口から餡子を撒き散らしながら ごろごろと転がり、仰向けになって倒れた。 「れいむううううう!ゆっくりいいい!なおってね!れいむのもみあげさんゆっくりはえてきてね! かってにはえてきていいよ!!」 まりさが間抜けな事をほざきながられいむに駆け寄り、れいむの傷口をぺーろぺーろと舐め立てていた。 「…」 その姿に、すっきり発散したはずの、ビキィ感情がたちまち甦る。磯野は片足を振り被った。 ドゴオォ!!!! 「ぶぐっ…」 磯野の全力タイガーショットがれいむの横腹を抉り、れいむは大量の餡子を吐き出し、 それは放物線を描きながら、雑草の壁を遥かに越え、彼方へと吹き飛ばされていった。 「れいむうう!!れいむうううううううううう!!!」 「おがあぢゃああああああああ!!」 「ゆんやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 残された3匹の家族はそれを為す術もなく、ただ見送るしかなく、れいむが吹き飛ばされていった 方向へ向かって、涙を流し、小便を漏らして、いつまでも泣き叫んでいる事しか出来なかった。 「ありゃっ、ちょっと力入りすぎちゃった…もうちょっと遊びたかったのに… 飛ばしすぎちまったなあ…………。ま、いいか。いちいち探しに行くのもめんどくせーし」 そして今度こそすっきりすると、まりさ達がぎゃーぎゃーとうるさいのに眉をしかめながら、 周りを見回した。 「あれ?中島どこ行ったのかな…」 中島が背負ってきた巨大なリュックはそこにあったが、持ち主の姿が見えなかった。 「ゆぶぅ!!」 磯野は戯れに、泣き喚いていたまりさを蹴飛ばすと、ぶらぶらとゆっくり村を散策しながら 中島の姿を探し始めた。 とはいえ、人間にとっては大して広くもない、ゆっくりの村である。 中島はすぐに見つかった。中島は手に何かを持ち、しきりとゆっくりハウスのブルーシートを めくり上げて中を覗いて、中のゆっくり達に悲鳴を上げさせては、またシートを下げ、 別のハウスで同じようにシートをめくる、ということを繰り返していた。 「中島ー、なにやってんだー?遊ばねーのかー?」 「おー、磯野ー。いやー、なかなか、条件に合うのがみっかんなくてよぉ…」 見れば中島は、右手に錐のような物を持ち、尻ポケットにチャッカマンを差し込んでいた。 「どれどれ、今度はどうかな…おっ!」 中島の表情が輝いた。磯野も釣られて、ダンボールの中を覗き込む。 「ゆううううううううう!!やべでええええええ!ごっぢごないでねええええ!」 「ぷっくうううう…!」 中にいたのは、相も変わらず芸の無い、れいむとまりさの番である。 しかし少々特殊だったのは、れいむの額のあたりからは、植物の茎のようなものが生え出し、 その茎には、これまた植物が付ける実のように、小さなゆっくりが実り、ぶら下がっていたのである。 その実ゆっくり達は、どうやら生まれる寸前まで成長しているらしく、 しきりに自分から体を揺らして動きながら、恐慌をきたしている親達をよそに、 何の不安も警戒も感じていない、ただ希望と、これから始まる自分達の最高にゆっくりした人生への 期待だけが輝く、つぶらな瞳を二人の初めて見る人間に向け、 「ゆっ?おにいしゃんだあれ?」「ゆっくちできりゅ?」「ゆっくちちちぇっちぇにぇ!」 などと、か細い声をかけてくるのだった。 「うわっ…気持ち悪っ。なんだよこれ!?」 「ま、ゆっくりの妊娠状態の一種、ってとこかな…2体のゆっくりが、交尾… ま、ゆっくり用語だと、『すっきりー』っていうんだけどな。それやると、 デコからこんな風に、子供が生えてくんだよ。ま、繁殖方法は、もうひとつあるんだけどな… 俺のお目当ては、こっちってことで」 中島は簡単に説明すると、尻ポッケからチャッカマンを抜き出して点火し、 手に持っていた錐の先端を、炎で炙り始めた。 「なるほど…その熱した錐で、この実みてーなちびゆっくりどもを、 たっぷり喜ばせてやろうっていう趣向かね?」 「まーな…この虐待には、古来からの歴史と伝統があってなぁ。ゆ虐四天神の一柱が考案したと言われる、 伝説のゆ虐技なんだぜ!!」 「はァ…いや、それは知らんけどな…」 「よし…こんなもんかな?」 程よく熱くなったとみて、中島は、細く煙を立てる錐の先端を、実ゆっくりへ近づけていった。 「ゆっ!ゆっくちちちぇっちぇね!」 お友達が来たとでも思ったのか、まだ世界で何一つ学習してはいない餡子脳を持つ実ゆっくりは、 見慣れない不吉で鋭利な金属を見ても、きゃっきゃっと騒ぎながらはしゃぐだけである。 「ゆううう!?お、おちびちゃんたち!あれは、なんだかへんだよ!ゆっくりできないよ! なかよくしちゃだめえええ!!」 頭から子供の茎を生やしたれいむは、間近に迫った人間の恐怖に震えつつも、 必死に警告を伝える。父まりさは少しでも人間をビビらせよう、追い払おうと、 体をぷくーと膨らませて健気に威嚇を試みていたが、効果など皆無なのは言わずもがな、 しかし近づいてくるいかにもゆっくり出来ない物体にあえて飛び掛ったり、 子供達の身代わりになろうという気にはなれないらしく、泣きながら膨らみ続けているだけであった。 錐の先端が、同じく茎の先端になっていた実ゆのすぐ目の前まで達した。 実ゆは、じゃれ合いでもしようとしたのか、あるいは美味しそうな食べ物にでも見えたのか、 全く無警戒に、無邪気に、目の前の煙を立てる金属に、ぱくり、とかみついてしまった。 ジュッ… 「ゆ゛っ…!?」 たちまち、実ゆっくりの、脆く柔らかい唇が、熱された金属に焼き付き、張り付いた。 かと思うと、唇はすぐにどろりと溶けだし、実ゆっくりの、生えかけの白い小さい歯を露出させた。 「っ…!!!っ…!!!」 全く、予想などしていようはずもなかった激甚な痛みと苦しみに襲い掛かられ、 実ゆの未熟な精神は混乱に支配され、ただ反射的に痛みから逃れようと、体を錐から離そうとした。 ベリィッ…と、実ゆの口は錐の先端から剥がれたが、それで更なる激しい痛みが、 実ゆの小さく未成熟な餡子脳を切り刻むように苛み、実ゆは先程の希望に満ちた、 愛らしくもあった表情を、グロテスクな苦悶の表情にひき歪め、苦しみにのた打ち回った。 のた打ち回ったと言っても、頭頂部を茎に繋がれた、実ゆっくりである。 地面を転げ回って痛みを紛らわす事も出来ず、ただ不恰好で滑稽な振り子のように、 上を繋がれたまま、ぷるんぷるんと右に左に揺れていただけだったのだが。 やがて、その運動が茎と頭の繋ぎ目を徐々に傷つけ、脆くしてゆき、 実ゆっくりはぺちゃっ、と下に落ち、餡子を飛び散らせて絶命した。 「おちびちゃああああああん!!ゆっくりしてええ!!ゆっくりいいいいい!! ゆあああああああああ!!!れいむのゆっくりしたおちびぢゃんがあああああああ!!!!」 当然の如く、親れいむの悲痛な絶叫が響いたが、これまた当然の如く、中島は容赦などしなかった。 さすがに、目の前で起きた惨劇、さらに茎を通じて姉妹の恐怖と苦しみが伝達したか、 「えぴぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」「ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」などと、 別の実ゆ達も、恐怖の涙と小便を漏らしながら騒ぎ始めたが、 中島はその様子を満足げに眺めながらも、再び錐を繰り出し、実ゆの小さな目玉をアマギり、 その脆い皮に幾度となく尖った熱い先端を突き刺し、えぐった。 「ゆふっ…ゆふふふふ…おちびちゃん…れいむのかわいいおちびちゃん……ゆっくりしていってね…………」 数分後。 そこには、最愛の、もうすぐ生まれてきて一緒にゆっくりした時間を過ごすはずだった おちびちゃん達への、度重なる殺戮を見せ付けられ、 精神を崩壊させ、現実から逃避して幻想の子供達にぶつぶつと話しかけるだけになったれいむと、 既にぷくーすることもやめ、全ての希望も活力も喪ってしまったかのように、 帽子に顔を隠すようにうなだれ、何も言わず、全く動かなくなってしまったまりさ、そして、 穴だらけの、小さな饅頭の残骸が、転がっているだけだった。 「なるほど…そーゆー遊び方も、あるって訳か~。勉強になるよ、中島~」 「ふっ、まあ、これくらいは、基本中の基本ってとこだけどな。 ゆ虐はイマジネーションの世界だぜ、磯野。自らのイメージを増大出来る者だけが、 真に楽しむことができるのさ」 そして、少年達はその言葉通りに、中島が持ち込んだ様々な器具、道具も用い、 工夫と趣向を凝らして、ゆっくり達への虐待を楽しんだ。 足をガスバーナーで焼き、動けなくしたゆっくりに小便をぶちまけた。 成体まりさの大きな帽子の中に、持ち主のまりさの目の前で、うんこをした。 (これをしたのは中島だったが、その時はさすがに磯野も引いた) 胎生出産間近のゆっくりを見つければ、一人がそのゆっくりを固定し、もう一人が バットを構え、勢い良く産まれ出てきた赤ゆっくりを盛大にジャストミートして餡子の花火を散らせた。 エアガンのアサルトライフルで、逃げ回るゆっくりの群れを撃ちまくり、蜂の巣にして殺した。 飾りを奪い、燃やし、髪の毛を全て引き抜き、ハゲ饅頭と化したゆっくりを大いに嘲笑った。 家ごと燃やし、一家を丸ごと焼き殺した。 「は~、今日も殺ったな~。殺った殺った。大満足♪」 前日の宴が終わった後と同じように、満ち足りた仕草で伸びをする中島。 「でもちょっと、殺りすぎちまったかもな?半分くらいまで減っちまったんじゃね?こいつら」 そう言いながら、辺りに散乱する、様々な死因のゆっくりどもの死骸を眺め回す磯野。 「いやいや、そんなには逝ってないって。せいぜい、3分の1ってとこだろ。 まだ、手ぇつけてない家も沢山あるしな…。それにどーせ、ちょっと減りすぎちまったら、 2,3ヶ月ほっときゃいーんだ。こいつら、結構簡単に増えるからな。 そんくらい経ちゃ、すっかり元通りさ」 「そうなのか。う~ん、便利なやつら」 「さ~て、んじゃ、今日はそろそろ帰っかぁ。俺は明日も来るけど、磯野はどうする?」 「ああ、来る来る」 「クックック、お前もすっかり目覚めちまったな。まあ、無理もねーけど」 「あれ?中島、荷物は?」 「ああ、置いてくわー。どーせこんなとこゆっくりしかいねーし、いちいち持って帰んのめんどいし」 辺りは、またとっぷりと日が暮れかかり、薄暗くなり始めていた。 人間達が、どうやら完全にいなくなった、とみるや、無事に生き残った家々のゆっくり達が、 恐る恐る、のそのそと這い出て来る。 そして、目の前に広がる惨劇の現場に息を呑み、そのまま立ち尽くした。 あらゆる手段で痛めつけられ、虐殺された、仲間達の死体、死体、死体…。 こんな状況にぶつかってのゆっくりの反応など、ぎゃーぎゃーとうるさく泣き喚いて、 辺りを駆け回るのが相場と決まっているが、さすがにこの光景はあまりにもショッキング過ぎたのか、 喚き声などは聞こえず、弱々しい、すすり泣くようなうめき声に混じって、時々 「ゆっくりできないぃ…」と、小さく情けない声が聞こえてくるだけだった。 長ぱちゅりーは、全く傷を負う事もなく、生きていた。 しかしその顔には、大勢の仲間を苦しめられ、失った痛みと、群れそのものへの存亡に対する 焦慮の色が濃く、到底むっきゅりするどころではなかった。 (もう、じかんがないわ…。あしたまでに…あしたまでに、なんとかゆんだむをかんっせいさせないと、 ぱちゅたちは…) しかし、群れのゆっくり達は、怒りと悲しみを復讐心に変え、人間さんを倒す武器を作る前に、 もっと陰鬱で、残酷な作業を、こなさねばならなかった。即ち、殺された仲間達… それに、お飾りや髪の毛などを失い、ゆっくりできないゆっくりになってしまった仲間達をも、 心を鬼にして、処分しなければならないのである。 それが、いくらのんきな饅頭生物といえど、群れを存続させて行く為に果たされねばならない 義務であり、その責は、長であるぱちゅりーにあった。 ぱちゅりーは、目を閉じた。そして、ゆっくりにしては驚くべき決断力と切り替えの早さでもって、 決然とした表情で声を張り、群れ全体へ、激を飛ばした。 (にんげんさんたち…むっきゅり…むっきゅりおぼえててね…! あした、ゆんだむがかんっせいしたら…そしたら…………!) つづく
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『とあるゲスまりさのゆん生』 33KB anko4329 野良夫婦と金バッジ夫婦の野良まりさ視点+αです 善良なゆっくりが死にます ゲスが相変わらず酷い目に会います とあるゲスまりさのゆん生 「ゆっくちしちぇいっちぇね!」 父はまりさ。母はぱちゅりー。妹はぱちゅりーの4ゆん家族の長女として一匹のまりさが産まれた 父は教育熱心で厳しいが優しさを併せ持ち公園のゆっくり達の長を務めている 母は思慮深く母性あふれる存在だった 妹は賢く素直で優しい性格のゆっくりだった しかし長女まりさは… 「いもうちょのくしぇににゃまいきなのじぇ!」 「ゆびぇええええええん!」 また今日もまりさが妹を虐めている。理由は「お前ばかり甘やかされている」だった 両親としてもそのつもりはないのだろうが、ぱちゅりーはゆっくりの中でも虚弱体質と言わざるを得ないため、ついつい食後の運動や飛び跳ねるための訓練を甘くされがちになってしまう それが気に入らずまりさは執拗に妹を虐めるようになってしまった 「まりさ!またなの!?いい加減にしなさい!!」 「また妹をいじめてたのかぜ!もう許さないのぜ!」 今日もまた父まりさの折檻が始まる。何度も折檻用の小枝で叩かれるが子まりさは一向に謝ろうとしない 「いぢゃいぃいいいいいいいい!にゃにしゅるのじぇくしょおやあああああああ!!」 「止めて欲しければ早く妹とお母さんに謝るのぜ!!」 「いやなのじぇ!まりちゃはなにもわるいこちょはしちぇにゃいのじぇ!」 「このくそちび!まだいうのかぜ!」 (また長の所のまりさだよ…) (お父さんもお母さんもゆうっしゅうなゆっくりなのに何であの子だけ…) 子まりさの素行の悪さは群れでもかなり有名だった為誰も庇おうとはしなかったが、それを見かねたほいくえんの保母れいむが長の元へとやって来た 「長、おちびちゃんの言い分も聞いてあげなきゃダメだよ。頭ごなしに怒るのはゆっくり出来てないよ?」 「ゆ、ゆぅ…わかったのぜ。おちび、何で妹をいじめるのぜ?」 「あいちゅばかりいちゅもあみゃあみゃをたべちぇるのじぇ!」 「それはぱちゅりーがおちびみたいに元気じゃなくて病気だからなのぜ。ゆっくりにあまあまはお薬なのぜ」 「にゃんであいちゅはあきかんしゃんをひろわにゃいのじぇ!」 「ぱちゅりーは重いものを持てないのぜ。でもおちびは元気な体を持つ健康なゆっくりなのぜ。この公園さんに住むゆっくりはゴミ拾いをしないと人間さんに制裁されるのぜ」 「それにお父さんだって怒りたくて怒ってるわけじゃないのぜ。おちびに立派なゆっくりになって欲しいから厳しくしてるのぜ。それだけは分かって欲しいのぜ」 父は思いをまりさにぶつけた。それを聞いた子まりさは父にしがみついた 「おちょうしゃ…ごめんなしゃい!まりちゃがわりゅいこだったのじぇ!これからはいいゆっくりになるのじぇ!」 「おちび…分かってくれて嬉しいのぜ!」 固く抱き合う長と子まりさ。しかし子まりさの胸中は… (このくしょおや…かならずこにょうらみははらすのじぇ!) それから2ヵ月後。まりさは親の言うことを聞き真面目に公園に住むゆっくりの勤めを果たしている 「おとうさん、あきかんさんとゴミさんをひろってきたのぜ!」 元気に父に報告するまりさ。口にくわえた袋の中には空き缶やゴミが沢山入っていた 「おちびは毎日よく頑張ってくれるのぜ。今日はもういいのぜ。お外で友だちと遊んでくるといいのぜ」 「わかったのぜ!」 このやりとりだけ聞いていれば真面目になったと思うかもしれないが、同年代のゆっくりの前では暴君と化していた 「このうすのろ!おまえのいもうとをころされたくなかったらさっさとあまあまをもってくるのぜ!」 「ちぇんのおうちにはあまあまはないんだよー!わかってねー!!」 「うそはいけないのぜ?おとうさんがくばったひじょうようのあまあまがあるのぜ?あれをもってくるのぜ!」 「やめてね!あれがないとびょうきやけがのときにかぞくがこまるんだよー!!」 非常用のあまあまとは公園に住むゆっくりがぺーろぺーろで治せない大怪我を負った時や病気で動けなくなったときの為に配布している物だった 非常時以外は食べてはいけないという決まりがありもしそれを破ってしまえば二度と配布されることは無い 「そんなのしらないのぜ!はやくもってこないとおまえのいもうとがいたいおもいをするのぜ!」 そう言うと赤ちぇんの尻尾をグイグイと引っ張り始め尻尾の根元からはチョコがにじみ出ていた 「ゆぎゃあああああ!いぢゃいよぉおおおお!わがらないよぉおおおおお!」 余りの痛がり方に姉ちぇんは観念したのかまりさの要求を聞くことにした 「やめでぇえええええ!わがっだよ!もっでぐるがらいもうとをはなじでぇええ!」 「わかればいいのぜ!もしこのことをだれかにいったらわかってるのぜ?」 「ゆぐぅ…!」 この脅しは決してハッタリではない。実際にある子れいむも同じ事をされ親に言いつけてそれを聞いた親が長に直談判したが長はまったく聞く耳を持たず門前払いされてしまった そしてそれを見たまりさはその子れいむを群れの子供たちが見ている目の前でお下げを食いちぎりお飾りをビリビリに破き両目を潰して殺してしまった 当然子れいむの惨状を見た大人たちは大騒ぎとなったがその際にまりさは 『にんげんさんがやったのぜ…まりさはなんどもやめてっておねがいしたのに……』と嘘をついた 実際に群れの子供たちが人間に殺される事があったので皆納得してしまっていた 「まりさ…もってきたんだねーはやくいもうとをかえしてねー…」 「おそいのぜ!なにやってたのぜ!このうすのろ!ばつとしてこいつのしっぽをいっぽんひっこぬくのぜ!」 「やめでぇえええええ!わがらないよぉおおおお!!」 まりさは赤ちぇんの尻尾を一本咥えるとそのまま引き千切ってしまった 「ゆぎゃああああああああ!!いぢゃい!!わがらないよぉおおおおおおおおおおお!!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ちぇんのいもうとがぁあああああ!?なんで!?どぼぢで!?」 「さっさともってこないからこうなるのぜ!」 暴君まりさは今日も暴虐の限りを尽くしていた… ある日のこと。スーツ姿の男性が長まりさの元を訪れていた 『やぁまりさ。今日も頑張ってるね』 「しやくしょのおにいさんこんちには。きょうはなんのごようですか?」 『今日は君の子供たちの様子を見に来たんだよ。そろそろバッジ試験を受けさせようと思ってね。あの子達のどちらかが将来この公園の長になるんだからね』 「わかりました。おちびちゃんたちをつれてきますのでしばらくおまちください」 10分後、長は子まりさと子ぱちゅりーを連れてきた 「おにいさんゆっくりしていってね!」「むっきゅりしていってくださいね!」 『うんうん。元気があっていいね。それじゃちょっとバッジ試験の前に質問したいことがあるから長は席を外してくれるかな?子供たちだけで話がしたいんでね』 「わかりました。おちびちゃんたち、おにいさんにめいわくかけちゃだめだよ?」 「「ゆっくりわかったよ!!」」 『それじゃ最初の質問。ゆっくり出来るご飯があるよ。どうする?』 「ぜんぶまりさのもn…みんなでたべるよ!」「かぞくやおともだち、みんなでいっしょにたべるわ」 『君たちにとって人間ってなに?』 「まりさのどr…おともだちだよ!」「いっしょにむっきゅりしたいわ」 『君たちの友達がケガをしちゃったよ?今君はオレンジジュース…あまあまを持ってる。さぁどうする?』 「あまあまはまりさのもn…あまあまでたすけてあげるよ!」「たすけてあげるわ。おともだちがいないとむっきゅりできないもの」 『よく分かったよありがとう』 よく見ると市役所のお兄さんは少し疲れたような表情だ。そして… 『長、居るかい?』 「ここにいます。おちびちゃんたちはどうでしたか?」 『ぱちゅりーは問題ないよ。だけどまりさが駄目だね。あの子はゲス化している。もう手遅れだよ』 「そ、そんなはずはありません!あのこもむかしはやんちゃでしたけどいまはゆっくりとしたいいこにそだってます!!」 『そうは思えないけどねぇ…ま、バッジ試験を受けさせるのはぱちゅりーだけだよ。まりさの方はあれじゃ銀バッジ試験すら怪しい』 「わかりました…ぱちゅりーのおちびちゃんはおにいさんにおまかせします。ところでまりさのぱちゅりーはいまどうなってますか?」 『うん、プラチナバッジ試験を合格したよ。君のときよりもいい成績でね。明日ここに帰ってくるよ』 「そうですか!よかったぁ…」 野良にバッジ試験というと妙な話かもしれないが、この公園に住むゆっくりは皆市の飼いゆっくりという立場である その中でも長になるには金~プラチナレベルの優秀さを要求される(長まりさはプラチナバッジ 住民たちは銅~銀である) 当然長の子であるまりさにも金バッジクラスの優秀さが要求されるが今まで見てきたとおりのゲスっぷりでは銀すら怪しい 市役所のお兄さんは職場へと戻っていった…が、物陰に隠れて子まりさがお兄さんと長の会話を盗み聞きしていた (そろそろますいのぜ…【けいかく】をじっこうにうつすときなのぜ!) 「おとうさん、おにいさんとのおはなしはおわったの?」 「終わったのぜ。ところで何の用なのぜ?」 「まりさはもうすぐおとなになるしかりをおしえてほしいんだよ!」 「おちび…分かったのぜ!」 (お兄さんはああ言ったけどまりさのおちびは立派なゆっくりになってるのぜ!きっとお兄さんも分かってくれるのぜ!) 狩りとは街に住むゆっくりの狩りとはゴミ捨て場荒らしの事だが、公園ゆっくりの狩りと言うのは公園の周辺に居るねずみやゴキブリ等の人間が存在を嫌がる類の虫を狩ることである 狩りは主にまりさ・みょん・ちぇんの役目だ 「それじゃ早速狩りに行くのぜ!ちゃんと付いてくるのぜ?」 「ゆっくりわかったよ!」 5分ほどで公園の入り口までたどり着いた。この公園の入り口は道路に面しており車の交通量が非常に多く子供が近づくのを禁止している場所である 「よく聞くのぜ。ここはにんげんさんのすぃーがとても多いから気をつけないとぺしゃんこにされちゃうのぜ!」 「ぺしゃんこかぁ…こんなかんじになるの?」 子まりさはそう言い放つと長まりさを体当たりで道路へと突き飛ばした。完全に油断し無防備な状態だった為子供の体当たりにしてはかなりの距離を飛ばされてしまった 「おちび!何をするのぜ!」 「くそおやはそこでしぬのぜ!」 「えっ…ゆぎっ!?」 タイミング良くやってきた車によって長まりさは道路に餡子の染みとなった 「やったのぜ!まりさをゆっくりさせないゲスをせいっさいしたのぜ!!!」 その場でぴょんぴょん跳ねて喜ぶまりさだった 子まりさは第一の目標である父殺しを達成した。しかし喜んではいられない。周りのゆっくりに怪しまれないようにせねばならない 「ゆんやあああああああ!おとうさんが!おとうさんがぁ!」 わざとらしく大声で泣きながらまりさが公園のゆっくり長屋を跳ね回る 「ゆっ?どうしたの?長に何かあったの?」 まりさの泣き声を聞いたほいくえんの保母れいむが尋ねる。その内容は信じがたいものだった 「ゆっぐ…おとうさんがにんげんさんのすぃーにつぶされちゃったのぜ…あのときまりさがかりをおしえてほしいなんていわなきゃ…ゆわぁああああああん!!」 群れの大人達が現場まで足を運ぶとそこには確かに長だった餡子の塊が道路にへばりついていた 「おさ…なんでこんなことに!?」 「まりさ、あなた見てたんでしょ?何があったの?道路に出るなんて余程の事がないとありえないわ」 ありすに尋ねられたまりさは申し訳なさそうに答えた 「まりさのおぼうしがとばされちゃってどうろにとびだしちゃったんだ。そうしたらおとうさんがたすけてくれたんだけどかわりにおとうさんが…」 「そうだったの…長はあなたのお父さんであることを選んだのね。もう泣いちゃ駄目よ。これからはあなたが明日帰ってくるぱちゅりーを支えてあげないといけないんだからね」 「ゆっくりわかったのぜ!まりさがおかあさんといもうとをたすけるのぜ!」 「それでこそ長の子供だわ!皆も協力してあげましょうね!!」 「「「ゆっくりわかったよ!!」」」 (ばかなやつらなのぜ…あとはあのくそばばあといもうとをころしてやるだけなのぜ!) 翌日。プラチナバッジを取得して帰ってきたぱちゅりーに夫の死が告げられた 「まりさ…どうしてこんな事に」 「おかあさん…まりさがわるかったのぜ。まりさがかぜにとばされたぼうしをおいかけなきゃあんなことには…!」 まりさは泣きながらぱちゅりーに事の顛末を話した 「おちびちゃんが悪いんじゃないわ。ゆっくりしてない風さんが悪いのよ…妹のぱちゅりーは知ってるの?」 「ぱちゅりーはしけんさんをうけるためににんげんさんのところにいってるのぜ」 「あなたはどうして試験を受けなかったの?」 「しやくしょのおにいさんがまりさはあとでうけるっていってたのぜ」 「…そう。分かったわ」 その日の夕方市役所の青年がぱちゅりーを訪ねていた 『今回は残念なことになっちゃったねぱちゅりー』 「はい…ですがまりさのおちびちゃんがいてくれますしぱちぇはだいじょうぶです」 『そのまりさのおちびちゃんだけど、ゲス化の兆候があったんだよね…ま、とりあえず君の言うことを信じてみるよ』 「ゲス!?あのこが!?」 『いやいや、もしかしたら僕の思いすごしかもしれないし気にしないで』 (あの子がゲス…?いいえ人間さんだって間違えることはあるはずよ。あの子が見せてくれた涙を私は信じるわ。ぱちぇはお母さんだもの…) それから時は経ちまりさは成体に成長した (そろそろばばあを殺す準備に入るのぜ…あのクソ妹が人間の飼いゆっくりになったのは計算外だったけど仕方ないのぜ) まりさは未だ親殺しを諦めてはいなかった 妹は金バッジを取得したその日に飼いゆっくりとなり今はプラチナバッジを取る為に勉強を続けているのだという 「まりさ?どうしたの?体の具合でも悪いの?」 「ゆっ?なんでもないのぜ!」 「そう。なら良いんだけど…あなたももうそろそろ番を見つけないといけない時期なんだけど大丈夫なの?」 「だ、大丈夫なんだぜ!」(本当はまだ全然なのぜ…このままじゃ怪しまれるし仕方ないから見つけに行くのぜ…!) 「そう、それじゃぱちぇに会わせてくれないかしら?将来私の孫を産むゆうっしゅうなゆっくりだと尚良いわ」 「今すぐなのかぜ!?」 「今すぐよ」 「わ、分かったのぜ今連れてくるのぜ!」(仕方ないのぜ。こうなったらあのありすを連れてくるのぜ。あいつは馬鹿だからまりさの言うことならすぐに聞くのぜ!) まりさは家を飛び出すと件のありすの下へ走っていった 「ありす!ゆっくりしていってね!」 「まりさ、ゆっくり、して、いてね」 「ありす、今日はありすに大事なお話があるのぜ!」 「だいじ、な、おはなし? なあに?」 「まりさとずっと一緒にゆっくりして欲しいのぜ!」 (本当はこんな馬鹿じゃなくてもっと美ゆっくりがよかったのぜ…でも仕方ないのぜ!) 実はこのありすは産まれが若干特殊だった。母親の胎内に居たときに人間の子供の手で母親の腹部を圧迫され無理矢理出産させられた その所為で中枢餡を圧迫され知能と言語機能に障害が出てしまったのだ そんな境遇の為か子供たちからも大人たちからも馬鹿にされていた。まりさだけは何かに使えるという打算があった為に色々と世話を焼いていた 「ありす、で、いいの? ありす、ほかの、みんなと、ちがて、ばかだよ? きと、まりさの、めいわく、なるよ?」 「そんなの関係ないのぜ!まりさはありすが大好きなのぜ!言いたい奴には言わせてやればいいのぜ!」 「あ、ありがと、まりさ、ありすも、まりさの、こと、だいすき、だよ いしょ、に、ゆくり、しようね」 「ありがとうなのぜありす!さっそくお母さんに報告に行くのぜ!」 「わかた おさの、ところに、いこうね」 ありすを伴い早速ぱちゅりーに報告するために家へと戻った 「お母さん!このありすがまりさのお嫁さんなのぜ!」 「…え?そのありすが?」 若干落胆したような声をだしてしまうぱちゅりー。仕方がないと言えば仕方がない。群れのお荷物とでも言うべきありすが自分の子の番となると言われれば親として当然の反応だ 「おさ、ありす、まりさと、ゆくり、しちゃ、だめ、なの?」 「そ、そんな事は無いわ!まりさが良いならぱちぇが口出しすることじゃないわ」 「あ、ありがと、おさ、ありす、まりさの、おくさん、だから、がんばる、ね」 「大丈夫なのぜ!まりさも頑張るのぜ!」 それからまりさとありすは仲良く暮らしていた ありすは仕事に疲れて帰ってきたまりさを笑顔で迎え、ご飯の準備をし、寝床の準備をし、妻として申し分ない働きを見せていた まりさも公園ゆっくりの仕事に精を出し沢山の給料(ゆっくりフード・それなり味)を稼いでいた その様子を見た長は己を恥じるばかりだった (ぱちぇは自分が恥ずかしいわ…あんなにいいお嫁さんを悪く思っちゃうなんて…あの子ならきっといいお母さんになれるわね) 「ありす、むっきゅりしてるかしら?」 「おさ、じゃなかた、おかあさん、なぁに?」 「まりさは優しくしてくれてるかしら?」 「うん、まりさ、とても、やさしい、よ きのう、は、おはな、を、おみやげ、もて、きてくれた」 「そう…とても仲がいいようで安心したわ。それで、おちびちゃんは…その…いつくらいかしら?」 ぱちゅりーはもじもじしがなら聞いた。流石に母親として気になるところなのだろう 「おちび、ちゃん? まりさ、まだ、はやい、て、いてる」 「そう…ぱちぇももう歳だからそろそろ孫の顔が見たいと思ったんだけど仕方がないわね。あなたたちに任せるわ」 「うん、それ、じゃ、ありす、ごはんの、ようい、あるから」 「分かったわ。ごめんなさいねお邪魔しちゃって」 (おかあさん、なんか、さびしそう、まりさ、おちびちゃん、おねがい、してみようか、な) 「ゆっくりただいまなのぜ!今日もたくっさん貰えたのぜ!」 まりさが公園ゆっくりの勤めから帰ってきた。今日も沢山ゆっくりフードがもらえたようだ 「おかえり、まりさ、きょうはね、だいじな、おはなし、あるんだ、きいて、くれる?」 「大事なお話?なんなのぜ?」 「ありす、まりさの、おちびちゃん、ほしいよ。おかあさんも、おちびちゃん、みたい、いてた」 「…そうなのかぜ」(はじめてのすっきりがこの馬鹿は嫌なのぜ…でも仕方ないのぜ。ババアに怪しまれるわけにはいかないのぜ) しばらく考え込んだまりさは… 「分かったのぜ。おちびちゃんを作るのぜ!お母さんをあんっしんさせてあげるのぜ!」 「うん、それで、すきり、て、なに、するの? ありす、よく、わからない」 「大丈夫なのぜ。まりさが教えてあげるのぜ。何も心配しなくていいのぜ?」 『すっきりー!』『す、きり』 まりさは驚いた。初めてのすっきりの快感に。これがすっきりなのか!もっと早く体験しておくんだった!と後悔する程に 「はぁ…はぁ…さいっこうだったのぜぇ…!」 「ありす、おかあさん、なたん、だね」 額に生えた茎を満足げに眺めるありす。その表情は素晴らしくゆっくりしている 父親でああるまりさはと言うと (あんなに気持ちいいなんて知らなかったのぜ!もっとすっきりしたいのぜ…!) 「ありす?もういっかいすっきりする気はないのかぜ?」 「なん、で? おちび、ちゃん、できた、よ?」 「たくっさんすっきりすればたくっさんおちびが出来るのぜ?」 「たく、さん?」 「そうなのぜ!きっとお母さんも喜ぶのぜ!」 「わか、た、もと、すきり、する」 「それじゃ今夜は寝かせないのぜぇえええええ!」 まりさはありすで思う存分すっきりし眠りについた。それがまりさのゆん生最初の間違いとなった事に気づかずに… 「まりさ?ちょっとむっきゅりしすぎじゃないの?もうお昼よ?早く起きてお仕事に行かな…何これ!?何なの?どういうことなの!?」 昼になっても起きてこないまりさを心配し長が様子を見に来た そこで長が見たものは無数の茎を生やし黒ずんだ死体となったありすとその横でグースカ眠るまりさの姿だった 「まりさ!起きなさい!これは何なの!?起きなさい!!」 「ゆぅ…何なのぜ…すーぱーすーやすやたいむを邪魔しないで欲しいのぜ…」 「これはどういう事なの!?何でありすが永遠にゆっくりしちゃってるの!?説明しなさい!!」 「な、何なのぜぇえええええええ!?」 (すっきりのしすぎだったのかぜ!?まずいのぜ!このままじゃゆっくり殺しで制裁されるのぜ…!) 「れ、れいぱーの仕業なのぜ!許せないのぜれいぱーめ!!まりさがせいっさいしてやるのぜ!! それじゃまりさはれいぱーを探しに行くのぜ!!」 苦し紛れで何とか場を取り繕おうとするまりさ。しかし長はまりさの嘘を即座に見破る 「嘘をお言いなさい。れいぱーの仕業ならまりさのおちびちゃんは居ないはずよ?だけどこの茎にはまりさのおちびちゃんの死体もくっついてるわ。これをどう説明する気なの?」 「ゆ…ぐ!」 「皆来て頂戴!ゆっくり殺しがいるわ!!せいっさいよ!!まりさがありすをすっきりのし過ぎで殺したわ!」 例え我が子だろうと掟破りのゆっくりには容赦なく制裁の命令を下せるほどには冷徹さを持っていたようだ 長の声を聞きすぐに見事な体格のちぇんとみょんが現れた 「ゆっくり殺しはせいっさいだよ!わかれよー!!」「まらああああああああああ!!」 「情けは一切無用よ!なるべく苦しめて殺しなさい!!」 「逃げるのぜ!まりさはこんな所で死んでいいゆっくりじゃないのぜ!」 「待ちなさい!ちぇん!みょん!逃がしてはダメよ!!」 「わかったよー!」「ちんぽおおおおおおおおおお!!」 (まずいのぜ…!確かここにゴミ集め用のすぃーが…あったのぜ!) まりさはもしもの時のために物陰に隠しておいたゴミ収集用のすぃーに乗って公園を脱出した 「長、ごめんねー…すぃーを使われたらちぇんでも追いつけないよ、わかってねー…」 「いーんぽ…」 「いいわ。ご苦労さま。ぱちぇはありすをお墓に埋めてあげるわ。このままじゃ可哀想だもの…」 「ちぇんも手伝うねー…長一人じゃ穴を掘るもの大変だよー…」「びっぐまらぺにす!」 「ありがとう、ちぇん・みょん。それじゃいきましょう…」 (あの時ぱちぇがおちびちゃんを見たいなんて言わなきゃこんな事には…ごめんなさいありす…) まりさの凶行は瞬く間に公園のゆっくりに知れ渡りまりさの姿を見つけ次第制裁するようにとの命令が出た 公園から逃げ出したまりさは街を彷徨い歩いていた。公園から外に出たことのないまりさにとって初めての人間のテリトリーである 人間の恐ろしさを十分に理解しているため人間の目を避けながらの移動となるため邪魔なすぃーはゴミ捨て場に捨ててきた 「これからどうするのぜ…おうちも食べ物もないのぜ…」 溜め込んだゆっくりフードは全て家においてきてしまった。街の中ならゴミ捨て場荒しと言う方法もあるが人間の逆鱗に触れれば簡単に殺されてしまう まりさは完全に手詰まりとなってしまった そんなこの世の終わりのような表情をしていたまりさに声をかけるゆっくりがいた 「まりさ、ゆっくりしていってね! どうしたの?全然ゆっくりしてないけど何かあったの?」 お飾りのリボンは所々解れ、肌には煤や油や泥がこびり付いたいかにも野良と言った感じのれいむだった (なんなのぜこのきちゃないれいむは…まぁいいのぜ。こんなのでも利用出来る奴は利用してやるのぜ!) 「ゲスに追いかけられて大変だったのぜ…持ってたご飯は全部ゲスに取られちゃって散々なのぜ…」 「それはゆっくり出来なかったね…れいむのおうちに来る?あそこならあんっぜんだよ!ごはんも少しなら余裕があるよ!」 「それは助かるのぜ!でもれいむの家族は大丈夫なのかぜ?」 「大丈夫だよ。お父さんもお母さんももう永遠にゆっくりしちゃったからね…」 「それは大変だったのぜ…」(好都合なのぜ!こいつを利用して力を蓄えるのぜ!) 2匹はその日から力を合わせて生きていくことにした。れいむは善意からまりさを助け、まりさは打算でれいむの協力を受け入れた まりさの野良生活も二ヶ月が過ぎた。最初はゴミ捨て場の生ゴミを吐き出しそうになっていたが何とか食べられるようになり野良としての貫禄が出てきたようにも見える しかしまりさは未だに公園ゆっくりへの復讐を忘れてはいなかった (そろそろ頃合なのぜ…) 「れいむ、話があるんだぜ」 「何まりさ?」 「れいむのおちびちゃんが欲しいのぜ!まりさも街の狩りに慣れたしたくっさん取れるようになったからもうあんっしんなのぜ!」 「まりさ…うれしいよぉ!ゆっくりしたおちびちゃんを育てようね!!」 「わかったのぜ!」 『『すっきりー!!』』 れいむの下腹が膨れ上がった。胎生妊娠のようだ 「おちびちゃん…ゆっくりしてね!」 「れいむ、お話があるのぜ。おちびが生まれると家が狭くなるのぜ。だからお引越しするのぜ!」 「それは良いけどおうちのアテはあるの?」 「まりさにお任せなのぜ!!」 (今こそ計画を実行に移すときなのぜ!!) それから三日間まりさとれいむは新居を目指して歩き続けた。まりさはともかくれいむは体内に子供を抱えた状態の為、頻繁に休憩を取らなければりゅうっざんになる可能性があるので一日で歩ける距離が三日もかかってしまった 「ゆぅ…ゆぅ……まりさ、まだなの…?」 「もう少しなのぜ…でもれいむが心配だしちょっと休憩するのぜ…あそこの人間さんのおうちでちょっとだけ休憩させてもらうのぜ…!」 「ゆっ!?駄目だよ!人間さんのおうちに勝手に入ったら制裁されちゃうよ!!」 「大丈夫なのぜ、ちょっとまりさが様子を見てくるのぜ!」 3分後まりさが戻ってきた。どうやら人間はいないようだ 「人間さんが帰ってきたら謝って許してもらうのぜ。人間さんだって謝るゆっくりを無理に潰したりはしないはずなのぜ。それに何かあったられいむはまりさが守るのぜ!!」 「まりさ…ありがとう!」 (これで準備完了なのぜ!あとは人間が帰ってくるのを待つだけなのぜ!!) 実はこの家、もともとまりさが目星をつけていた家だった この家の人間はゆっくりを飼っている。わざわざゆっくりを飼うような人間だ。少なくとも危害は加えられないだろうし、上手く交渉すればしばらくは住処に困らないだろう 順調に事が運べば飼いゆっくりになる事だって夢では無い そして適当な嘘で人間を騙しあの公園のゆっくりを一斉駆除で一気に葬る。全ては計画の内だった 1時間後。家の住人が帰宅しまりさ達を発見した 『ゆっくり…?僕の家で何をしてるんだい?』 何とも穏やかな表情の青年だった。まりさは即座に行動に出た 「人間さんのゆっくりプレイスに入ったことは謝ります!でもれいむが妊娠してて動けないんです!!」 れいむもそれに続いた。もっともれいむの場合はまりさのような打算は全く無く子供を守るためのものだった 「おちびちゃんがうまれるまででいいのでここにおいてくだざい!」 2匹のあまりに必死な態度に少し驚きつつ 『あぁれいむ。君はお腹に子供がいるんだからそんなことしちゃダメだって。生まれるまでなんて言わず自由に動けるようになるまで置いてあげるよ』 この言葉を聞きまりさは内心ほくそ笑んだ (かかったのぜ!これで飼いゆっくりになれるチャンスを掴んだのぜ!) 何とか人間の家に入り込めたまりさとれいむ。この家に居たのもやはりまりさとれいむだった 2匹とも金色のぴかぴか光るものをお飾りにつけていてとてもゆっくりとしていた 2匹はれいむのお腹の子供に興味津々と言った感じでれいむに話しかけていた (これはひょっとして…上手くいけばもっと凄いことになるのぜ!) 深夜、あのまりさとれいむの言い争う声が聞こえてきた。聞き耳を立てて内容を盗み聞きしたところ子供を作る作らないでもめていたようだった まりさは番のれいむに気づかれないようにあのまりさとれいむの部屋に近づきれいむに声をかけた 「まりさがれいむのお願いを叶えてあげるのぜ」 この誘惑にれいむはあっさりとはまってしまいまりさとすっきりを行なった 翌日うすのろのまりさと汚らしい元番のれいむがゆんやーゆんやー騒いだが無視してやった。全ては偉大なる計画のためだ その日の昼、れいむが人間の置いていった食事を引っ張り出してきた。とにかく先ずは子供を始末させねば話にならない せっかく美ゆっくりのすっきり奴隷を見つけたのに妊娠されていては面倒だ そう思ったまりさはれいむの分の食事も全て食べてしまった。こうすれば茎を折らざるを得なくなり中絶は完了する…筈だった 中々茎を折らないれいむとす何度もすっきりを行なったが一向に折ろうとせず 「おぢびちゃん…おかあさんが……ぜったい…うんであげるからね……」 とうとう衰弱死してしまった 「まりさ様のすっきりどれいのくせに逆らうからこうなるのぜ!」 この時点で逃げていれば状況は好転したのかもしれない もっともこの家は全ておうち宣言用強化ガラスとなっており破ることは出来ないし、鍵を開けようにも胴付でもない限り不可能だ 「ふわぁ…すっきりしたら眠くなったのぜ!」 まりさはそのまま寝入ってしまった。これにより退路は完全に絶たれたことになる これがまりさのゆん生最大の間違いとなった まりさが目を覚ますと既に夕方になっていた。隣の元番のれいむが入れられている部屋からはうすのろまりさとれいむと子供の楽しそうな声が聞こえてくる 「ちっ…あのうすのろ、まりさのれいむを寝取るとはいい度胸なのぜ!あとでせいっさいしてやるのぜ!」 悪態をつくまりさ。だがその前に腹ごしらえだ。丁度目の前には誰が置いたのかわからないがかなりの大きさの饅頭がおいてある 「これでも食べて力をためるのぜ! ゆっくりいただきます!! うっめ!まじうっめ!まじぱねぇ!!」 あっと言う間にれいむだったモノが形を失っていく。丁度半分くらい食べ終わったところで人間がまりさの部屋に入ってきて何か訳の分からないことを言っている 『まりさ、何を食べている?』 「ゆゆっ?おまんじゅうなのぜ!あの役立たずなら死んだからおまんじゅうとして食べてあげてるのぜ!」 『どういう事だ!』 「あの馬鹿れいむは茎を折れば助かるのに『おちびちゃんは殺せないよぉ!』とか馬鹿な事を言って死んだのぜ!馬鹿にはお似合いの最後だったのぜ!」 「そうか。分かった」 顔色一つ変えず人間は部屋から出て行った。何と言う礼儀知らずな奴だ! 人間が戻ってきた デザートでも持ってきたのかと思ったが持ってきたのは何だかゆっくりしていない形のキラキラ光る薄い板だった 『君達ゆっくりの間じゃゆっくり殺しは制裁の対象なんだってね?この近くに公園があるからそこのゆっくりに制裁してもらおうじゃないか』 何を言ってる?自分は飼いゆっくり。選ばれた存在に何を言っているんだこの人間は!? しかし人間は何も言わずあんよをまりさの顔面に叩き込んだ 「ゆぎぃ!?まりさのぷりちーふぇいすがぁ!?」 『それじゃ大人しくなったところで公園のゆっくりに制裁してもらいやすいようちょっと身だしなみを整えようか。髪の毛を剃るよ』 そう言うと人間は妙な形のキラキラした板でまりさの髪の毛を切り始めた ジョキジョキと嫌な音を立てて髪の毛がどんどん切られていく。抵抗を試みたが体が凄まじい力で締め付けられておりまったく歯が立たない さらには頭に水をかけられ妙な形の道具を頭に当てて髪の毛をさらに細かく切り落とし始めた。切れ味が悪いのか何度も皮を剃られ激痛が走る あれからどのくらい経ったのか。鏡を見せられたまりさは言葉を失ってしまった 太陽のようにきらめく金髪が全てなくなっており身の前には眼から涙を流す醜い禿げ饅頭が転がっているだけだった 『それじゃ明日までこの箱の中に入っててね。明日公園のゆっくりに君を引き渡すから』 「やめろぉおおおおおおお!までぃざにこんなことしていいとおもってんのかぁああああ!!」 『うるさいよ。早く箱の中にはいってね』 そう言うと人間はゆっくりしていない箱の中にまりさを詰め込んだ。箱の中にはゆっくりの死臭が充満しておりまったくゆっくり出来なかった 結局一晩中「ここから出せ」と喚き続けたが結局人間が現れる事は無く朝が来てしまった あんよと頬は一晩中流し続けた涙でずぶ濡れになっていた 『おはようまりさ。それじゃ公園へ行こうか』 「い゛や゛だぁあああああああああ!!」 人間は自分が入った透明な箱を持ち上げ公園へと向かったが公園に近づくにつれまりさの暴れ方がひどくなっていく (この景色は見覚えがあるのぜ…?まさか!) 「いやなのぜぇえええええ!あそこには行きたくないのぜぇえええええええええ!!」 『コラコラ、大人しくしないと落としちゃうぞ?』 必死に抵抗を試みたが箱はビクともせず、やがて生まれ故郷である公園へと戻ってしまった 『ゆっくりしていってね!ここの群れの長は誰かな?ちょっと話があるんだけど」』 「ぱちぇがここの長です。なにか御用ですお兄さん?」 『実はこのまりさを制裁して欲しくてね。僕の家に子供が生まれるまで置いてくれって上がりこんで自分の番を裏切った挙句僕の飼いゆだったれいむを殺したんだ』 長はじっと箱の中のハゲ饅頭を見つめた。お飾りは無事なためすぐにハゲ饅頭が何者なのか分かったようだ 「まりさ…!そんな……」 『知ってるのかい?』 「この子は昔出ていったぱちぇの子供のまりさです。まさかこんなことが…」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!!ここからだせ!だれかまりさを助けろ!!」 『それじゃコイツの制裁を任せて良いかな?』 「はい、子供のやったことの責任をとるのは親の勤めですので…」 「いやだいやだいやだ!!誰か!誰でもいい!!まりさを助けろ!!!」 「くそじじい!!」 (誰もお前なんか助けないのぜ。お前はそこで死ぬのぜ) 「ありす!!」 (まりさ、どうし、て、ありす、ころ、したの?) 「れいむ!!」 (まりさ…信じてたのに…) 「誰でもいい!誰か助けろぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 その後側近ちぇんとみょんに制裁を受け、人間の手であんよを焼かれ身動きが取れなくなってしまい公園ゆっくりのすっきり奴隷として生きていくことを強いられてしまった 中でも尻尾が一本しか無いちぇんは毎日のようにハゲまりさを犯しに来た 「お姉ちゃんの仇だよー!わかれよー!!」等と言っていたので何の事か尋ねてみたらかつてあまあまを持ってこさせたちぇんの妹だと告白された あの後あまあまを持ち出した罪と自分の尻尾が1本無くなった事で両親から制裁を受け永遠にゆっくりしてしまったのだという だがまりさにはそんな事はどうでもよかった。いつ死ねるのか?それだけしか考えられなくなっていた ある日体に異常が発生し「ようやく死ねる」と思ったがあの人間がやってきてすぐに自分を治してしまった その為か最初はレイプだけだったのがやがて肉体的苦痛を伴う過激なプレイになったり棒で殴られたりとエスカレートしてしまった 「んほぉおおおお…おさぁ…はやくぅ…はやくすっきりしたいのぉおおお…」 「もうげんっかいみたいね。良いわ、欲望が収まるまで思う存分すっきりしなさい」 今日もまたすっきり目的のゆっくりがやって来た。今日最初の客は性欲を抑えきれなくなり半れいぱー化したありすだった 最初は「嫌だ」「止めろ」と抵抗していたが受け入れてしまえば事は早く終わると学習したため何の抵抗も見せなくなった それがれいぱーには気に入らないのかぺにぺにを出し入れしながら口にくわえた木の枝で後頭部を刺し始めた 「ゆぎゃぁああああああ!いだいぃいいい!!」 「んほぉ!しまりがよくなったわぁ!さいっこうよぉ!!」 「ありす、あまりやりすぎないようにね。お兄さんに手間をかけさせてはいけないわ」 長に嗜められ興が削がれたと言った感じにありすが返事をした 「んもぉ…わかってるわよぉ…さぁ!そろそろふぃにっしゅよぉ!」 「は…やく…おわれ……」 「んほおおおおおおお!すっきりぃいいいいいいいいいいいいいい!!」 「す…っき…り………」 本来なら妊娠するはずなのだが度重なるすっきりの所為で体の機能が壊れてしまい妊娠できない体になってしまった もっとも長にしてみれば好都合でしかなかった。毎回赤ゆを潰す度に激しい抵抗をしていたので手間が省けて大助かりだった 「はぁ…はぁ…さいっこうだったわぁ…またおねがいねぇまりさぁ…」 「もうくるな…しねぇ……」 「ありす、ちょっとやりすぎよ?皆のモノなんだからもっと大事に扱ってくれなきゃ」 「だって仕方ないわよ。そいつのまむまむって最近締りが悪いんだもの。アレくらいしなきゃガバガバで全然すっきりできないわ」 すっきりを終えて正気を取り戻したありすは長に早速クレームを出した 「むきゅ。わかったわ、お兄さんに見てもらいましょう。お兄さんなら何とか出来るわ」 「お願いね長。それじゃありすは仕事に戻るわ」 「むっきゅり頑張ってねありす」 ありすを見送ると長は飛び散った体液を拭き取り始めた。次にすっきりしにくるゆっくりとメンテナンスに来てくれるお兄さんの為に何時も綺麗にするのは長の仕事となっていた 「くそ…ばばあ……まりさ…を…ころせ………」 まりさがまた長に何か言っている。何時もの事だが 「嫌よ。あなたは自分の父親を殺し、番を殺し、他人の番を殺すどうしようもないゲスだわ。何でぱちぇがそんなゲスの言うことを聴かなきゃいけないの?」 「う…るさい…まりさをゆっくりさせないゲスはしねぇ…!」 「お断りよ。あなたはそこで今まで自分がやったことを死ぬまで反省なさい」 (何で…何でこうなったのぜ?どこで間違えたのぜ?まりさはただゆっくりしたかっただけなのぜ…) ある雪の日の事。その日は大規模な寒波により凄まじい寒さが公園ゆっくりの住処であるゆっくり長屋に襲いかかった 「寒い…寒いのぜ…誰か毛布さんを持ってくるのぜ…あとご飯も持ってくるのぜ……」 何度呟いても返事をするものはいない 人間ですら移動が困難になる大雪の中外に出るなどゆっくりにとっては死亡フラグ以外の何物でもない 唯一の肉親である長ぱちゅりーですら引き取りを拒否した どのみち度重なるすっきりと暴行でもうまりさは中枢餡に障害が発生し余命幾ばくもない状況だった。それ以上に夫を殺したゲスを家に入れるつもりなど全くなかった 「あ゛んで…な゛んでごんあごどにぃ…」 (今まで好き勝手に生きてきたバチがあたったのぜ。自業自得って奴なのぜ) 「どごだぁ?!どごにいるくそじじい!!」 (あり、す、おちび、ちゃんうみ、たかた。なん、で、まりさ) 「なんでいぎでるのぜぇえええええ!?ぐるなぁ!までぃざにぢがよるなぁ!!」 (まりさ…なんでれいむとおちびちゃんを殺したの?) 「ゆがぁああああああああああああ!!!だまれだまれだまれだまれだまれ!!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 雪が止み太陽の光によって雪が溶けたのはそれから1週間後のことだった ハゲ饅頭まりさの様子を見に来た長がハゲ饅頭の死体を見つけた 「むきゅぅ…流石にあの寒さでは死んだようね。カチカチに凍ってるわ…それにしてもこの表情を見る限り最後の最後まで悔い改めるということをしなかったようね。馬鹿な子だわ…」 まりさのその表情は何かに対してわめき散らしてたように見える。だが当の本ゆんが死んでしまっていては内容を知ることはできない まりさの死体は群れのうんうん捨て場に捨てられ人間の収拾車によってうんうんと一緒に回収されその行方はもう誰にもわからない… 後書きの様なもの 蛇足かもしれませんが書きたくなったので書きました。ただそれだけの代物です 過去作 anko4214 処刑ゆん anko4218 餌付け anko4230 少女の目覚め anko4239 おかあさんのけっかい anko4250 本当にいいのか? anko4275 素直すぎるが故に anko4279 のうかりんとまりさ anko4289 放し飼い anko4301 俺とれいむとお袋 anko4321 傷だらけのまりさ anko4329 野良夫婦と金バッジ夫婦
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「悪い子は加工場に連れていかれちゃうぞ〜〜〜〜〜♪」 「ゆゆーー!! までぃさはいいこですうーーー!!!」 最近の飼いゆっくりをしつける方法として一番効率がいいものはこれである。 加工場=怖い・ゆっくりできない と言う事が頭にあるゆっくり達において、この方法はかなり効果がある。 おかげで、今の飼いゆっくりはどれもがかなり礼儀正しく・また知性がある。 最近では、生まれたてのゆっくり達に加工場を見学させるツアーも好評であり、アニキ!!ツアーズでは終日予約で一杯である。 「やめでえーー!! れいむはわるいこじゃないーーー!!」 「さっさとまでぃさのゆっくりぷれいすにかえじでーー!!!」 「とがいはなありずにえずえむはにあわなぃーーー!!!」 それぞれ叫び声をあげながら食欲をそそる餡製品に加工されてゆくゆっくり達をみて、生まれたばかりのゆっくり達は強烈なトラウマを植え付けられるというわけだ。 この飼育方法は、アリサ=マンガトゾイドと言う女性に寄って考案されたらしいが、生憎彼女の記録は残っていない。 「ゆゆゆ!! れいむりかいしたよ!! いいこにするよ!!」 そして、ここにも一匹のれいむが同様の方法でしつけられていた。 このゆっくりは、元は野良だったが、生まれて間もない頃家族からはぐれ、お腹が空いていたところを運良く飼い主に拾われてそのまま飼いゆっくりになった。 少し遅れての加工場見学だったが、それでも餡子の奥までしっかりと記憶してくれたようだ。 事実、このれいむは実直なほどに飼い主の言葉を守り、そして純粋なゆっくりであった。 二月もすると、元から飼いゆっくりであったかのような振る舞いを見せていた。 それは、男が不自由なく世話をしてくれたお陰で、栄養が存分に取れたことも原因の一つであるが。 「おにいさん!! きょうは、れいむおさんぽにいってくるよ!!」 この日、れいむは珍しく外に出てみる事にし、飼い主に相談してみた。 昨日、飼い主と一緒に見たテレビで、運動不足は成人病の原因と聞かされたれいむが、たまには運動をと思ったからである。 「そうか。気をつけてな」 「ゆゆ!! いってきま〜〜す♪」 男は玄関を開けてやり、快くれいむを見送った。 「ゆゆゆ!! ここはゆっくりできようだ、じょ!!!!!」 家の中に入ってこようとする、野良のまりさ一家を粉砕した後、飼い主は静かにドアを閉めた。 「ゆんゆんゆゆ〜〜♪ ゆんゆにゅゆ〜〜〜♪ な〜いてば〜かりいる〜〜まりさちゃん〜〜♪」 家を出発した後、れいむは歩道か完備された道をずっと進んでいた。 人間がすれ違ってゆくが、れいむのリボンとお凸につけられた飼いゆっくりの印の為に何のアクションも起さない。 「むっぎゅーーーー!! ぱっぢぇは、かいゆっぐりなのよーーー!! うっだえでやるはぁーー!!」 双方に、熟柿で模様をつけた野良ゆっくりがお兄さんに虐められているのを横目に、れいむは歩行者天国へと足を踏み入れた。 「ゆっさいせん〜〜〜ちょ〜をだいね♪ ゆっさいせ〜〜ん♪」 「おかねちょ〜〜だい♪」 「れいむたちかわいいでしょ♪」 多くの売れない芸人が芸を披露している中で、ゆっくりれいむ一家も自慢の歌を披露していた。 「ゆゆ? おにいさん!! れいむたちのおうたすてきでしょ?」 「おっかねちょ〜〜だい♪」 「ちょ〜だい♪」 男は、その声を無視して、空っぽのままの空き缶を投げ捨て、れいむ達の場所を占有すると人々の注目を引くように、 大声で声を出した。 「さぁ!! おにいさんのとっくべっつしょ〜〜〜がはっじまっるよ〜〜〜♪」 この男、露天でゆっくりの中身を羊羹化して売っている露天商である。 しかし、男の作る羊羹は一品で、何時も加工場の上位商品と同等の値段で買われてゆく。 何度か加工場に誘われたが、男はこの商売方法に信念があるらしく、ずっと断り続けている。 今回も、男が宣言しただけで、既に黒山の人だかりだ出来ていた。 「ゆがっぁーーー!! でぃぶのめんごいあがじゃんがーーーー!!!」 「おねえじゃーーん!!!!」 鮮やかな手つきで、表面だけに傷を負わせ、同時にゆっくりに並々ならない恐怖心を与えてゆく男。 最前列では、何人もの人間が惜しみない拍手を送っている。 過密すぎる人ごみは危ないので、れいむはそこを避けて先へ進んでいった。 「とかいはなおうちをつくるのよ!!」 少し行くと、一匹のありすが古びたダンボールに体を入れてなにやら叫んでいた。 「ゆゆ? ありす? いったいどうしたの?」 その様子が気になったれいむは、おそるおそる声をかけてみる。 「ゆゆゆ? なかなかとかいてきなれいむね!! ありすは、このわんけ〜〜〜のまんしょんにひっこしてきたところよ!!」 「ゆゆ〜〜〜……(こいつばかだ)」 真の都会派であるれいむは、思ったことを口に出さずに、うわべだけの同意をしてそのまま立ち去った。 「ゆゆ? まぁ、ありすのつぎにとかいはだったけど、おつきあいもおぼえないと、とかいはとはいえないわ!!」 気を取り直しておうちに戻ったありすに、一人のお姉さんが近づいてゆく。 「こんにちは。ここはありすのおうちなの?」 「ゆゆ!! そうよ!! とかいてきなわんえるでんきーよ!!」 パァっと言う擬音が聞こえてきそうなほどに眩しいありすの返事に、お姉さんはうんうんと頷いた後に、ダンボールを閉じて黒の粘着テープで縛っていった。 「ゆぐ? ゆゆ??」 「そこ、ダンボールの集積場だから、明日になったらゴミ回収車が回収してくれるわ♪」 僅かにあいている手持ち部分から中にいるありすにそれだけを告げ、お姉さんは去っていった。 「まっでーーー!! まっぐらよーー!! ありずのおうちがごみじゃないわーーー!!」 僅かに光が差し込む中、これからありすは死ぬまで狭いこの中で過ごす事だろう。 ちなみに、回収は二週間後であるが、運良く事前に餌にありつけていたありすは生き延びる事が出来た。 「ゆゆ〜〜ん♪ たっだいま〜〜♪」 散歩を終え、れいむが帰ってきた頃には、既に日が傾いていた。 「お帰り!! さんぽは楽しかったかい?」 「ゆゆ!! とってもたのしかったよ!! ゆっくりできたよ!!」 男に抱きかかえられ、れいむは満面の笑みで散歩中の出来事を話してゆく。 「そうかい。それはよかったな〜〜。……ところでれいむしってるか?」 「ゆゆ?」 「何の苦労もしてないゆっくりから餡製品を作ると、すばらしく美味しい味になるんだよ♪」 もう直ぐ年末。だれでもちょっとした贅沢はしてみたいものである。
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登録日:2009/07/31 (金) 23 48 20 更新日:2021/06/08 Tue 22 21 34 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 CIRCUS OP詐欺 PS2 アニメ エロゲー ゲーム 名作? 地雷 宮﨑なぎさ 最終試験くじら CIRCUSより2004年12月23日に発売された18禁恋愛アドベンチャーゲーム。 関連商品として本編発売に先行して発売された「最終試験くじら Progressive」、 本編リメイクのPS2版「最終試験くじら Alive」とFD「最終試験くじら~Departures~」がある。 もしコレが売れなかったら会社名を「D.C.(ダ・カーポ)」に変えていたというある意味社運を賭けた作品。 結果、かなり売れた事で会社名を変える事は無くなった。 だが、内容はかなり混沌としている。 滅茶苦茶な世界観に回収されない伏線、難解なストーリーから初見で全てを理解する事はほぼ不可能。 そのため、よく地雷扱いされる作品。 ただ、裏の設定等を読みきれば名作に化けるとは思われる。 音楽の評価はかなり高く、特にOPの「ディアノイア」は神曲として名高い。 漫画・小説・アニメ化もされているが、黒歴史扱いされている。というか、原作ですら語りきれていないので、結果は… あらすじ 旅芸団・久遠寺一座の一員である久遠寺睦は、今回の巡業地であるくじらが空を飛んでいる不思議な街・阿武市へやってきた。 そこで睦は様々な出会いをすることになる。 登場人物 PC・PS2/アニメ 久遠寺睦 声:豊永利行(アニメ) 主人公。久遠寺一座の花形『睦姫』を演じる。 くじらの少女 声:かがみありす/あおきさやか くじらのみえる公園にいる謎の少女。 今作のキーパーソン。 御影仁菜 声:榊原ゆい 突然宙に浮く特異体質をしている。料理部員なのだが、常人がとても食べられないような酸っぱい味付けが好みなため、謎の料理を振る舞う。 榛原胡桃 声:成瀬未亜 新聞部部長。メガネ巨乳。 彼女のルートは何故かラピュタを彷彿とさせる展開に。ついでに世界が滅亡する。 茂木優佳 声:海原エレナ/氷青 双子の姉のお嬢様。イタズラが大好き。 茂木美佳 声:海原エレナ/氷青 双子の妹で男勝り。ルートによっては睦を殴り飛ばす。 夢前春香 声:神村ひな/佐藤美佳子 睦の義妹。パニクると体からぬいぐるみを出す。 神楽香具耶 声:シィーナ・コウ/生天目仁美 宇宙人。存在そのものがギャグで一番ストーリーから遠い存在。いらない子。 アニメでは食べられかけた。 名雲さえ 声:あおきさやか 今作の真ヒロイン。 佐倉ゆん 声:天南ねね/水橋かおり 胡桃の親友。ゆんゆん。チャイナ娘。 Alive以降の追加ヒロイン 声はPS2版のみ 本並曜子 声:伊月ゆい 身長:162cm 体重:42kg 風紀委員長だけどは割とアバウト。 皆川成美 声:ミルノ純 身長:170cm 体重:49kg 臨時講師。 ??? 声:あおきさやか くじらの少女と対を成す今作のキーパーソン。 アニメは5分×12話という短さ。この時点で既に黒歴史臭がするが、内容はかなり酷い。 突然夏になったりギャグになったりラピュタになったりとやりたい放題。 ゲーム既プレイ者でも は? となった。 黒歴史なのは言うまでもない。 だが、ED「遠い夏空」の評価はかなり高く、こちらも神曲として名高い。 OVAも存在する。 追記、修正よろしく。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] タイトルしか知らなかったんだが、そんなにアレなのかこれ -- 名無しさん (2014-04-07 02 20 33) 漫画版読んだが、わけがわからなかった。ダ・カーポシリーズが好きだからこれもやってみようかなと思ったんだけど…。 -- 名無しさん (2015-02-24 15 10 32) 俺はこれいまだに愛してるレベルで好きなんだけどなー…まあ人にホイホイ薦められるかっつーとアレなのは認めるけど。 -- 名無しさん (2015-10-27 09 15 28) タイトルだけだとめだかボックスの「黒神くじら」のスピンオフ作品だと思った。最終試験くだりが西尾作品であり添え -- 名無しさん (2017-03-08 22 16 01) タイトルというなら、クジラが恒例のラスボスなせいで、STGプレイヤーには、何かとダライアスシリーズを絡めてネタにされる存在でね…… -- GREAT THING (2021-06-07 08 01 13) 名前 コメント