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鈴木美枝は正義 ありがとーーーん!!!
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前ページ次ページゼロの社長 「さて…ルイズを預けたは良いものの、寝床を確保せねばならないか。」 ルイズを医務室に預けた海馬は、学園をうろうろしていた。 とはいっても、勝手に建物の中をうろうろしているわけにも行かず、警備員がいる以上学院の外に出ることも駄目。 (ふむ、モンスター召喚のほか、これについて色々と調べておきたい事はあるが、ここでまたやたらに騒ぎを起こすわけにもいかん。 しかたがないが、それは後に回すとして…) ドンッ などと考えていると、後ろから何かにぶつかられた。 「あいたぁ…うわ、洗濯物がっ!」 「ぬぅ、人にぶつかっておいて先に洗濯物の心配とは…」 海馬が振り返ると、そこには凄い量の洗濯物が散乱し、それを拾っているメイド服の少女がいた。 少女は海馬の声を聞き、しまったという顔をしながら慌てて立ち上がり頭を下げた。 「もっ申し訳ございません、前がよく見えなくて。失礼しました、ミスタ…あれ?」 そこで少女は海馬のほうを見たが、少女にとって海馬は見覚えの無い相手だった。 だが、出で立ちや全身からあふれ出る威圧感。そして何よりその眼差しから、貴族に間違いないだろうと判断した。 見覚えの無い相手だろうと貴族は貴族。 平民である自分が貴族に不快な思いをさせた。 その事に恐怖した少女は必死に謝罪をした。 「申し訳ございません!平民風情が貴族の方にとんだ失礼を!どうかお許しください!」 目に涙をため海馬に許しを請う少女。 「何を勘違いしているかしらんが、俺は貴族などではない。確かに貴様の不注意ではあるが、そこまで気にするような事ではない。」 「貴族じゃない?え?だって…」 確かに良く見ると、羽織っているのはマントっぽくはあるが実際はコートである。 「それでも、すみませんでした。でも…あれ?おかしいなぁ、私、この学院の人の顔は大体覚えているのですが…。」 「知らなくても無理は無い。俺は昨日ここに呼びだされた、使い魔だからな。」 「使い魔!?え?だってあなたは人間で…」 と、少女が言い終わる前に、海馬は左腕のルーンを少女に見せた。 「あっ!もしかして。ミス・ヴァリエールが平民の使い魔を召喚したって言う噂をさっき耳にしたのですが、あなたが?」 「そうだ。俺の名は海馬瀬人。今はルイズの使い魔をしている。」 「あ、申し遅れました。私はシエスタ。この学院でメイドとして働かせて頂いてます。」 礼儀正しく頭を下げるシエスタ。 「ところで、瀬人さんはどうしてこんなところへ?もう時間も遅いですし、ミス・ヴァリエールのところに戻られたほうが…。 それに、さっきなんか凄い音がして、何でもドラゴンが学生寮につっこんだとかで、大騒ぎになっていましたよ。」 「ふむ…そのドラゴンが突っ込んだ部屋というのが、ルイズの、つまり俺もいた部屋でな。 ルイズは気絶してしまったので医務室に運んだは良いものの、あの半壊した部屋に戻るわけにも行かず、どうしたものかと思ってな。」 もっとも、部屋を壊したドラゴンを呼び出したのは他ならぬ海馬であるのだが、もちろん口にはしない。 「ええっ!?良くご無事でしたね?…あっ、そう言うことでしたら…少し待っていただけますか?」 そういうとシエスタは、ぱぱっと落ちている洗濯物を拾い上げ桶に詰めこみ、持ち上げた。 「よいしょっと…。瀬人さん、もしよろしければ、私の部屋にいらっしゃいませんか? ちょっと狭いですけれど、外で寝るよりはましかと思うんですが?」 「ふむ…寝所を貸してもらえるのは願っても無いが、迷惑ではないか?」 「大丈夫ですっ。それに、困ったときはお互い様ですよ。それじゃあ、私はまずこれをおいてきますので、少し待ってていただけますか?」 そういってよたよたと重い洗濯物を持って行こうとするシエスタ。 流石に量が多すぎるのか、見るからに危なっかしい。 これでは先ほどのように誰かとまたぶつかりかねない。 海馬は無言でシエスタから桶を奪い取った。 「えっと、瀬人さん?何を…」 「困ったときはお互い様なのだろう?それで?これはどこへ運べば良いんだ?」 「そんなだめですっ!これは私の仕事ですし、貴族の使い魔さんにそんなことをさせるわけには…」 「勘違いするな。俺は早く寝床に就きたいだけだ。」 シエスタに目を合わせず、先へどんどん進もうとする海馬。 「あぁっ!そっちじゃないです。…すみません、じゃあお願いします。」 洗濯物を片付けた後、海馬はシエスタの部屋へと招かれた。 その後どちらがベットで寝るかで一悶着があったりするのだが、結局シエスタがベットで、海馬は毛布だけを受け取り床で寝ることになった。 翌朝、海馬は何かカチャカチャという音で目がさめた。 「ぬ…?朝か…?」 「あっ、起こしちゃいましたか?」 シエスタは朝食の用意をしていたようだ。 「瀬人さんの分もいっしょに作っちゃったので、よろしければ食べてください。」 小さな机の上には、二人ぶんの朝食が用意されていた。 海馬は椅子を引き腰掛ける。 その向かいにシエスタが座る。 「大した物じゃないですが…お口に合えば良いんですけど。」 「わざわざすまないな。頂くとしよう。…ほぉ、これは。」 そういえば、これが海馬がハルキゲニアに来て最初の食事となる。 一口口に入れただけで海馬は感嘆の声を上げる。 「あの…口に合いませんか?普段どおりのものしか作れなくて…」 「いや、なかなかの味だ。そんなに謙遜する事は無い。」 (食事の姿もなんていうか…あれ?こういう時どう表現するんだっけ? 整ってる…?ん~なんか違うなぁ。あぁ!あれだ!) 「ふつくしぃ」 「?あまりじろじろ見られるのは、愉快ではないのだが…?」 「はえっ!?あっ、すみません。」 気づかないうちに、シエスタは海馬のことを見つめていたようである。 慌ててごまかすように朝食を取るシエスタ。 「うむ、なかなかの味だったぞ。礼を言う。」 「いえいえ、お粗末さまでした。」 そういって食器を片付けるシエスタ。 「しかし、起床の時間が早いのだな。まだ日が登ってそうたってなさそうだが?」 「私たちはまず、貴族の方々の朝食の時間までに、食堂でその準備などをしなくてはなりませんから。 ですから、普段からこのぐらいの時間に起きているんですよ。 …って、まっずーい!急がないとお仕事に遅刻しちゃいます!」 空模様を見て時間を察すると、シエスタは慌てだした。 「まだ時間はありますけれど、もう少ししたら貴族の方々の朝食の時間なんです。 」 「ふむ、そうか。仕事ならば邪魔してはまずいな。 それにルイズの様子も見ておかなければならないしな。 世話になった。この借りは必ず返させてもらう。」 「そんな、借りだなんて思わないで下さい。困った事があったら、いつでも言ってくださいね。」 「ならばシエスタ。貴様が困ったことがあれば、俺にも声をかけろ。 できる限り力になってやる。」 「はいっ、ありがとうございます。瀬人さん。」 シエスタの部屋を後にし、海馬はルイズが眠る医務室へと向かった。 医務室の扉をノックしてみたものの、中からは返事が無いため、勝手に入ることにした。 そのとき、廊下の向こうから見覚えのある顔がこちらに向かってきているのに気が付いた。 コルベールである。 コルベールは海馬の姿を確認すると、こちらへ駆け寄ってきた。 「瀬人君。ミス・ヴァリエールの容態はどうなんだい?」 「いや、俺も今ここに来たばかりだ。ノックをしたが返事がないのでな。」 「そうか。いや、ミス・ヴァリエールに部屋の修理ことについて連絡してくるようにと、オールド・オスマンに命じられてね。 しかし大変だったね。君は、怪我は無いのかい?」 「問題ない。とりあえずルイズの様子を見に行く。」 そう言うと医務室にずんずんと入っていく海馬。 ベットの上にはぶつぶつと寝言を言いながら寝ているルイズがいた。 「うにゅ~…もう食べられない…」 「…みたところ重症というわけではなさそうだね。」 「そのようだな。」 そう言うと海馬は気持ちよさそうに寝ているルイズの頭をガシッ!っと鷲づかみにし、そのまま数度シェイクした。 「うぼあっ!?なっ!なにごと!?」 予期しない謎の攻撃に慌てて目を醒ますルイズ。 「目はさめたか?」 「ちょっ…瀬人君。元気そうに見えても一応怪我人なのだから、あまり無茶な起こし方は…」 「醒めるに決まってるでしょう!!!!ああああんたはご主人様を何だと思って…って、ミスタ・コルベール!?」 「おはようございます。ミス・ヴァリエール。」 怒りを海馬にぶつけようとしたとき、ルイズは海馬以外に意外な人物が部屋にいる事に気が付いた。 よく見るとここは自分の部屋ではない。 そうだ、医務室だ。なぜ自分はこんなところに? などと考えているうちにコルベールから口を開いた。 「昨日のドラゴン騒ぎで気絶した君を、彼がここまで運んだんだそうだ。 しかし災難だったね。ドラゴンに部屋に突っ込まれるなんて。」 そうだ、昨日! ルイズは昨日の惨劇(主にルイズの部屋が)の事を思い出した。 「なにぶん急なことでしたが、あなたの部屋の修理は今日中には終わるとのことです。 体調に問題がなければ安心して授業を受けなさい。それじゃ、お大事にね。」 用件を伝えるとコルベールは医務室から退室しようとする。 「あっ、ミスタ・コルベール!お聞きしたい事が…」 「うん?なんだい?」 「あのドラゴンは…その…」 「あぁ、確かに不思議な話だね。この付近にはドラゴンが生息しているような場所は無いのに、一体どこから現れたのか。 そもそも目撃者は君と君の使い魔である瀬人君。そして飛び出す瞬間に部屋に入ったというミス・ツェルプストーの3人だけだ。 もしかすると、いまだ発見されていない新種のドラゴンかもしれない! そう考えたらわくわくしないかい?」 教師と言うより、未知の生物に心躍らせる少年のような笑顔の禿げたおっさんがそこにいた。 コルベールはドラゴンそのものに興味を抱いているようで、事件そのものの不審点には気がついていないようだった。 「それでは、ミス・ヴァリエール。お大事に。」 そういうとコルベールは医務室から去っていった。 「……なんかややこしい事になっちゃっているような気がするわ。」 「ふむ…それで、これからどうする?」 「とりあえず着替えて朝食に行くわ。制服の代えは大丈夫かしら…」 「そうではない。俺がどうすると聞いたのは、俺の力の事だ。」 的外れな解答を返すルイズに呆れながら、海馬は自分の左腕のデュエルディスクを指差しながら尋ねた。 「うん、そうね。正直このままでもいいような気がするわ。」 「と、言うと?」 「そのままの意味よ。結果的にばれなかった物を、わざわざ公表する事も無いでしょ?」 「ふむ…意外だな。珍しい力を持った使い魔として表沙汰にすれば、自分の評判につながるとでも言い出すかと思っていたのだが。」 「確かに、そうしたいって少しは思ったわ。でも、ものには限度がある。」 「強力すぎる力は、安易に晒すものではないと?」 「ええ。ミスタ・コルベールの話を聞いている間に少し考えたの。 あんたは無作為にあのドラゴンを召喚したわ。 そしてあの時あんたは言った。 『モンスター、魔法、罠の3種類のカードを組み合わせた40枚のカードのデッキを これに装着し、知恵と勇気をもって戦う、それがデュエルだ!』 つまり、40枚のカードがそこにはセットされている。 40種類の、私たちには未知の『魔法』をあなたは使えるといって差し支えないはずよ。」 このルイズの洞察力に、そして何よりも、未知の事を自らの常識の殻で否定せず受け入れる柔軟な思考力に海馬は素直に感心した。 「ふむ、なかなかの洞察力だ。」 「あんたの力はまだ未知だけど、故に下手に知られればアカデミーなんかにつれていかれちゃう可能性だって否定できない。 だから今はこのまま。無理してばらさなくてもいいと思うの。」 「ふっ、なるほど。見た目などよりは意外とモノを考えられるようだな。」 微笑を浮かべて医務室を後にしようとする海馬。 心なしかその表情は満足げだ。 「ちょっと!見た目よりとは何よ!見た目よりとはーっ!」 「朝食の時間に遅刻するぞ、ルイズ。」 「話を変えるんじゃないわよ!」 廊下をにぎやかにしながら、珍しい使い魔とその主人は、医務室から去っていった。 前ページ次ページゼロの社長
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さて、どうしたものかね 俺は結局昼近くまでかがみと二人で飲んでいた お互い破天荒な友人関係を持っているもの同士、弾む話もあったからな しかし、普段そういう抑制させる立場に立っている俺達 かがみと二人になり、久しぶりにそれから開放されたためか 酔いによる睡眠欲に敗北を喫し、次に目が覚めたときにはばっちりきっかりと 俺もかがみも二日酔いになっていた 「痛い~、頭がガンガンする、視界が歪む~」 ほぼ同時に起きた俺達は起きて早々、似たようなうめきを発した 惨状の部屋でぶっ倒れてた俺達は、何とか立ち上がり顔でも洗おうとして 涼宮とつかさが居ないことに気がついた 「あんた達やっと起きたわね!」 俺が虚ろな目であたりを見渡していると、部屋の外から涼宮がエプロン姿で顔を出して 威勢のいい声で俺達に声をかけた というか大声をだすな、頭の中でノートルダムの鐘が鳴り響くだろうが まぁ当然だが、涼宮は俺の懇願に耳を傾けることなどなかった 「あにいってんのよ、情けないわねそれでも男?」 いっそ殺してくれ、そんな情けない思考に惑わされながらも よろよろと涼宮の横を通って台所に向かった 「おはよー」 こめかみを押さえてのそのそと前進する俺達につかさは元気に挨拶をしてきた なぜこの二人はこんなに元気なのか、それに答えるのは簡単だ なぜなら、既にこの交友関係を作り、こいつらと付き合い始めてから10年近く経つからな つかさは前から子供体質で少量の酒で時間的に寝ちまったんだろうし 涼宮が二日酔いをしたところなんて見たことが無い、まだ未成年のはずなんだけどな 「つかさ美味しそうなの食べてるじゃない、どうしたの?」 かがみが、昨日二人で飲んだときの話題になった四分の一の人物に声をかける 確かにつかさはテーブルに座って、スクランブルエッグやら狐色のトーストやらを食べていた 「私が作ったのよ」 そういって涼宮が後ろからずんずんと俺達を押しのけて台所に舞い戻ってきた 足元のふらつく俺はそれだけで吹っ飛びそうになった 涼宮はそんな俺の様子に目をくれずに食器棚から二つのコップを取り出して 冷えたお茶を入れて俺とかがみによこしてきた 俺は一瞬戸惑ったものの、それを飲み干した 若干生き返った気がするな、確か二日酔いってのは血中アルコールが水分と共に無くなって 脱水症状のようなことになるため起きる現象と聞いたことがある 涼宮に頼んでもういっぱい飲むと、ずいぶん頭がすっきりした気がする かがみも幾分顔色がよくなったように見える 俺はとりあえずテーブルについて一息つくことにした ため息のように盛大に肺に入っている空気をそとに押し出す カチャ、と俺の前につかさが食べてるものと同じものが置かれた 「それはあんたの分、かがみの分もあるわよ」 涼宮はそういって空いてる席にもう一つ皿を置いた 材料は考えるまでも無く我が家にあったものだろうが、俺は何も言わずに ただ、さんきゅと一言礼を言って食べ始めた 突然だが料理ってのは単純なものほど難しいと聞く 単純ゆえにごまかしが聞かないのが理由だそうだ 複雑なものはそれぞれの味が混ざるため、多少のミスはごまかせる だから和食なら玉子焼きを焼ければ一人前だそうだ そして、俺の目の前に並ぶのはトーストとスクランブルエッグというやはり単純なものだ コレは和食ではないが、どこの料理であれ卵料理というのは難しいらしい 俺はめったに見ない涼宮の料理の腕前をぞんぶんに、文字通り味わっていた 「ご馳走様」 そういって俺は食器を持って流しに置きに行く そこでふと気がついた、涼宮は朝食くったのだろうか すると俺の言葉を聞いた涼宮は眉をひそめて時計を指差した 「…昼食は食ったのか?」 涼宮の行動の意味を理解した俺は、訂正しつつ聞きなおす 「あんた達の分だけ作ると思う?むしろあんた達の分がついでよ」 実を言うとなんとなくいつもと違う涼宮の行動にどこかしら対応に困っていた俺だが この台詞で俺は一気に脱力した 「ご馳走様、ハルヒあんたこんなに料理上手だっけ?」 少し遅れてかがみがそんなことを言い出した ついでにつかさは俺達より早く食べ始めていたのにもかかわらず まだチマチマと食べている、両手にトーストを持って端から齧ってくその姿は さながらリスやハムスターなどの小動物を思い起こさせた そういや、その手の動物もトンと見なくなったもんだな いまや野生の動物というと=昔で言う絶滅危惧種となるからな そういや、みなみのところは犬を飼ってるとか言ってたな ふむ、こんなことを考えていると実家のシャミセンに会いたくなってきたな あいつもそろそろ年だからな、いきなり居なくなったりしたら寂しいもんがあるし 妹に最近連絡とって無いな、こんどの短期のバイトが終わったら顔でも出しに行くかな っと話が脱線しまくってるな、俺が動物思考をめぐらせてる間に かがみと涼宮の間でもなにやらやり取りがあったらしく こんど涼宮が洋食を教える代わりにかがみに和食を教えてもらうらしい 同じ方向で違うジャンルが得意なもの同士で教えあいというわけか 二人はしばらく料理談義に華を咲かせていた 俺にはそんなに夢中になる趣味なんて無いに等しいからな そういった感覚がわからないんだが、……多少羨ましいかもしれないな 鈍さも抜けて頭が上手く回り始めた俺はコーヒーを入れて 壁にもたれながら二人の様子を眺めていた ギュッと水を絞った雑巾で車を拭く 先日の土砂降りの中の走行で雨の跡が残ってしまっている それを俺は雑巾で磨いていく 「こんなもんか」 久方ぶりに天気もよく、もうすぐ夕暮れ時だというのに辺りは結構明るかった 俺はバケツの中の汚れた水をその辺にまいて、ガレージを閉めて帰った 階段を上っていくと、水平線の向こうにゆっくり沈んでいく太陽が見えた カメラかなんかでその瞬間を捕まえておきたかったが いかんせん俺はそんなものを持ってないし、仮に持っていたとしても 家にとりに行き、ここに戻ってきたときには既にそれは別の景色なのだ 俺は残りの段を一個飛ばしにのぼって、目的の階についた ガチャ、と扉を開く そこには先ほどまでの喧騒は嘘のような静寂が ただ、ぽつねんと存在しているだけだった 柊姉妹は料理談義に華を一しきり咲かせた後に帰宅した 涼宮は多分向かいの自宅に戻ったのだろうと思う まぁ家に友人がいるなか、それを放置して洗車するような輩でもないんでね俺は 風呂場にバケツを置いて、腕時計で時間を見るとそろそろ数少ない娯楽形の番組が 放送する時間帯になる、普段そういうのを見る性質じゃないんだが いま俺の身体を包んでいる虚無感を誤魔化すにはいいだろうと いまだにアルコール臭残る部屋でコーヒーをすすりながら、身を乗り出して電源を入れる 人によってはこのご時世に不謹慎だとか思う奴もいるのだろうけど 戦時に宝塚歌劇団が重宝されて、あちらこちらに遠征したように こんなときでも、こんなときだからこそ人には気の休まるときが必要なのだと思っている あれだ、何の本だったか東北からの遠征軍の兵士に 雪国の芝居を見せたら、偽物の雪に感動して泣き出したという戦中の話もあったじゃないか 俺はいつのまにかよくわからない方向へ飛んでいった思考に 訳もわからぬままうなずいて、コーヒーを飲んだ …たまには豆を挽いた、インスタントじゃないコーヒーでも飲んでみたいもんだ 若干そこに固まってた砂糖の所為で中身が減るにつれて甘みがじわじわ増してくコーヒーを飲みつつ 俺は実にもならない番組をしばらくの間眺めていた 朝、昨日に引き続いてのいい天気で 窓から差し込む朝日に照らされて、俺は心地よく目を覚ますことが出来た いやはや、起きて早々ノイズ音が鼓膜を刺激する朝から久方ぶりに開放されて 俺としては万々歳だな、丸一日たってアルコールのにおいもきれいさっぱり消えてしまったし 清々しいとは今のような状況を指すに違いない 寝ている間に固まった関節を一本一本鳴らしながらほぐしていきながら俺はそんな風に考えていた やっぱり寝起きは背骨や首が良くなるものだ 上体を後ろにそらせるとぽきぽきと軽快な音を立てて骨がなる この身体の関節がなる現象をキャビテーションというらしい なんでも骨と骨の間の液体に気泡ができてそれが潰れる際にポキッと音がするらしい まぁ、どうでもいいんだけどなそんなこと 俺はベットから降りて、ぐしゃぐしゃになったシーツを適当に伸ばしてから 机の上に乗っている携帯と財布をポケットに突っ込んでバイトに向かう バイトへはバイクでいつも向かっている 朝の張り詰めた空気の中を誰もいない道を一人で走る 風を感じるには自転車が一番の乗り物というが、バイクだってなかなかのもんだ こうやってフルフェイスのシールドを開けっ放しにして 泥臭い湿った空気を肺にいっぱいに入れると最高の気分になれるね 俺は若干アクセルを開けながら目的地に向かった 俺がやってるバイトは大抵、結構稼げる短期系だ 一,二ヶ月やってその金で次の一ヶ月間は無職みたいな感じだ 涼宮は意外に普通の時給制のバイトやらなんやらを毎月きちんとやってるらしい ここだけ見ると俺のほうがダメ人間に見えてくるから不思議だ しかも涼宮はふだんの性格をバイト先ではおくびにもださんというから驚きだ 一度茶化しにバイト先に顔を出したときは顎が外れるかと思ったな まぁ、バイトが終わって帰ってきた涼宮に本当に外されかけたためもう行かんがな 「おや、なにをしてるんですか?こんな所で油を売ってる暇があるようには思えませんがね」 何だお前は、俺は今現場の状況を考えて最善の手を打つための思考をまとめていたところだ お前こそ俺に話しかけてる暇があったら動いたらどうだ?古泉よ 「いえ、僕のノルマは既に終わったもんでしてね、それであなたの最善の手というのはなんですか?」 お前を追っ払って持ち場につくってのが一番だな わかったらとっとと散れ、ってか終わったなら帰れ目障りだ 俺はシッシッと払いような仕草をして古泉を追っ払うと 足早にそこから去って、持ち場に戻った 昼をちょいとばかし過ぎた頃に俺は自分の仕事を片付け終わり 終わった奴から順に解散という効率の良いやり方をしている仕事場から 現場のチーフ等に声をかけてその場を去る ベルトのところに通してある鍵を外してくるくる回しながら近くにおいてある 自分の単車のところに向かうと、なぜかとうにあがったはずの古泉がいた 一体なんだというのだろうかこいつは、美をつけてもなんら違和感ない顔立ちを 柔和な笑みで彩りながら俺に声をかけてきた 「そろそろ終わる頃だと思いましてね、どうです?この後一杯」 古泉はただでさえ細いその瞳をより一層細めながら 飲むジェスチャーをして俺に問いかけてきた、が悪いな古泉 先日、涼宮やら柊姉妹やら複数名が俺の家に押しかけて やっとこさアルコールが抜けきったばかりなのだよ 久々に男同士でってのも悪くは無いが、ウイスキーとか大量に飲んじまってな しばらくはやめときたいんだよ …それに今月は電気,ガス共に支払いの紙が届くのが恐ろしいくらいでな 本当にゆとりが無いんだよ、俺の財布には必要経費を除くと 諭吉があと一枚しか残ってないのが現状でね、あと二週間どうやりくりするかで大変なのだ 当然お前とどこかで飲み交わすような現金はありゃしないのさ 俺は若干自嘲めいたため息をついて古泉に肩をすくめて見せた 「そうですか…では今日は僕がご馳走しましょう、この間の負け金を払ってませんしね」 そういうと古泉は俺のバイクの近くに止めてあった小さめのバイクにまたがった お前が50ってのもなかなか意外だよな、オメガ50だっけか その外見で法廷速度30は情けないだろうよ それに俺がお前の提案に乗るとは一言もいってないわけだが 何でお前はもう話がまとまったかのようにバイクのエンジンを吹かしているんだ? 「おや、ではこのまま帰ってしまうんですか?飲まなくても一食分浮くのでは?」 俺は古泉から、先日俺がこなたに言われたばかりの 答えの出ていることをあえて聞いている意地の悪い何かが出てるのが見えた やれやれだ、頭を振ってため息をつきつつ古泉にきいた 「で、どこに連れてってくれるんだ?前回のお前の負け分を考えればそれなりの場所なんだろうな?」
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やろう、ぶっころしてやる! ◆U85ZpF.SRY 放送が終わってからそれなりに時間が経過したことだ。もうそろそろこのコテージを離れてもいいだろう。 流石はガイバーといったところだろうか、欠損した指もそれなりに再生してきていることだしな。 放送で呼ばれたのはまた五人だったか。次も五人だったら主催者の仕込みを疑う必要があったりするんじゃないだろうかね。 呼ばれたのはいずれも知らぬ名ばかり。草壁メイとかいうのは恐らくあのオッサンの娘だろうか。 娘をこんな場に呼ぶ時点で大概だが、それが死んでも微動だにしないのはやはり大ボスたる由縁ってとこか。 まあ俺に言われる筋合いはないかもしれないけどよ。 禁止エリアでは何故かあんまり意味の無い海が指定されてたのが気に成ったが……まあ今の所は考えたとこでどうなるとも思えなかった。 どうせくじ引きかコンピューターのランダムなんちゃらとかで決めたんだろうよ。保留だ保留。 放送に関する考察もそこそこにして、コテージを出て、入り口でどこへ向かうか思案していた俺は…… まさかの、知り合いを除いて出来れば一番会いたくない奴と再開することになったのだった。 「てめぇ……!」 「ほう」 紫一色の肌、RPGのドラゴンなどを彷彿とさせる頭部。 その異形は俺が以前に殺されかけた、あの蛇野郎に間違いなかった。 「殺したと思っていたが……生きていたのか。随分頑丈に出来ているようだな」 蛇野郎の黄色い目玉が細まる。恐らくそれが戦闘開始の、音の無いゴングだったに違いなかった。 「このッ!!」 咄嗟にヘッドビームを放ったはいいが、思わぬ所での思わぬ奴との再会が動揺を呼んだのか光線の起動は蛇野郎の身体をそれる。 「ふん」 おまけにお返しの目ビームを貰ってしまう始末だ。なんとか掠っただけに済んだし、焦りが先行してメガ・スマッシャーをいきなりぶっ放そうとしなかっただけ幾ばくかマシだろうか。 「ほう、貴様は遊園地の時の餓鬼ではないか」 「てめぇこそ、口先だけの蛇野郎じゃねえか」 些細な口先合戦移行しつつ俺は間合いをはかり始める。もちろん、格闘技の経験が皆無なわけだからつかずはなれずの距離を取るしかなかったが。 「なんだと?」 「お前は俺すら殺せてないだろう? だが俺はもう二人殺しているんだ。てめえに言われた覚悟なんかとっくに完了済みだし、年季も実力も今いっても栓ないことだぜ」 へっ、と蛇野郎を嘲るように決めてみたはいいが我ながら貧相なセリフに思える。実際蛇野郎にも鼻で笑われ返された。 「ふん、俺も既に一人殺したがな……貴様が殺した数を誇るために戦っているのなら、たかが一人二人殺ったぐらいで図に乗るものではない」 「生憎俺はそんな競争をやってるわけじゃねえよ。殺したつもりでいい気になってるお前を笑ったまでだ」 「なるほどな。そうか、これは実に……」 あくまで見下すような顔つきは変わらず、しかし一瞬だけ蛇野郎が俺に向ける視線の色がよどんだように見えたのは気の所為ではあるまい。 だから俺は反射的に後ろに飛んだ。 「興味深いぞッ!!」 さっきまで俺が立っていた地面は蛇野郎のツメで抉られていた。 ガイバーの身体だからこの程度では大したダメージじゃないだろうが、ガイバーとしての急所……確かコントロールメタルがそうだったな、に喰らったらタダじゃ済まない。 「俺はお前に興味はない、とっとと死んでくれ!」 「出来ない相談だな。断る」 俺は再度ヘッドビームを放ち、蛇野郎の方も目からのビームを放つ。二つの攻撃は相討ちになり、空中で爆発を起こして俺達の視界を一部遮った。 俺はその瞬間を逃さず蛇野郎に接近する。奴も同じことを考えて接近したのか、一気に距離が詰まった。 「高周波……」 「させん!」 肘から刃を出して接近戦に持ちこもうとするが、構えて攻撃に移る前に蛇野郎の尻尾が旋回して俺の足を払った。 「ボディーブロー!」 「ぐおっ!」 体勢を崩した俺はさらに一撃を喰らって後方に飛んだ。 ……やはりこの蛇野郎相手に、今の俺で接近戦を挑むのは些か早計だったかもしれない。 だからといって遠距離で戦ったとして、あっちにも遠距離攻撃があるのだからジリ貧になるだけだ。 (……早速、あの銃の出番ってわけか) 追撃に飛んできた弾をかわしつつ俺は例の銃を取り出し、構えようとする。 「……っ!」 だが、攻撃の相手をしながらのためか腕が焦って思うようにいかない。おまけに普通に銃を扱うのとは違い自分に銃口を向けねばならないからそれも当然なのだ。 考えが浅かった、やるにしても構える練習ぐらいするべきだったじゃないか……! 「しまった!」 当然そのもたつきを奴が見逃すはずもなく、目ビームで銃がはじき飛ばされてしまう。 あっちに出の早い攻撃があることも考慮すべきだったぜ……! 「その銃で何をしようとしたか知らんが、それで終わりということはあるまい?」 「……この野郎」 恨めしい目で睨んだところで状況が好転するはずがない。 こうなったらイチかバチか、メガ・スマッシャーで場を切り開くのみだ。 当たらなかったとしても相手の目を眩ますぐらいは出来るからその隙に離脱すればいい。 「まだ俺は詰んでねぇってんだ……メガ・スマッシャー!!」 距離を離したのが幸いだった。 いきなり胸を開いて発射口をむきだした。この切り札は奴にも見せてない……行ける。いや、行ってくれ! 数秒をラグをおいて飛び出した太い光線は野郎に向かって一直線に進み、その姿を捉え…… 「だから貴様は青二才の糞餓鬼だと言うのだ」 「馬鹿な!?」 いつの間に、消えやがった。 蛇野郎は照準先から既に姿を消し、それどころか軌道を大きく離れ俺の斜め前……つまり俺目掛けて飛躍していたのだ。 体勢を立て直そうにも俺の身体は現在進行系でメガ・スマッシャーの反動にからめとられている。 何か、何か手立ては……! 「ドリル・アタァァァァァック!!!」 「ぬわああああああ!!!」 そのあがきも敵わず、奴の尾が高速回転しメガ・スマッシャーを放ち終えた俺の身体を抉った。 吹き飛ばされた俺は何とか斃れずには済んだものの、思うように起き上がれない コントロールメタルを狙われ無かったのは幸いだったがダメージは思った以上にでかかった。 じりじりと蛇野郎が接近してくる。……だけどよ、このまま終わってたまるかってんだ……! 「ヘッド……ビーム……!」 「ぬっ?」 決死の覚悟で放った一撃は、しかしまたもあさっての方向へ消えていった。 ……こんな間抜けな終わりかたって、ありかよ……! 「まだ動ける気概があったか。殺人を手がけた甲斐はあったようだったな?」 「……知るかよ」 俺は適当に答える。このまま言葉攻めでいたぶるつもりか? 殺すならさっさとやればいいものを。 だが蛇野郎は不気味な笑みをはりつけたまま、俺に次撃を加えることなく離れていく。 どういうつもりだ? まさかまた俺を殺したつもりにでもなってるっていうのか? 「俺を殺さないのかよ……」 「興味深いと言っただろう。それにドリルアタックをまともに喰らってまだ動ける者など、俺は始めて見た」 蛇野郎は以前俺に背を向けたまま離れてゆく。今なら不意打ちが出来るはずだが、ヘッドビームを放つ気力も殆ど残ってはいない。 それに奴とて俺が何を考えてるなど予想済み、だからこそのあの余裕なんだろうよ。 「考えてみれば俺一人で残りの40人近くを屠るのも骨だ。それに今までに死んだ連中が少ないことを見ると、ここには思った以上に無駄なあがきを目論む者が多いということだしな」 「何が言いたい……?」 「貴様のように……他の参加者を殺そうとする奴をわざわざ始末して、俺の負担を増やす必要が無いということだ。 だから今は貴様を殺さん」 ちらりと顔をこちらに向けて、蛇野郎はさらに言葉を続けた。 「俺はこれから東へ向かう。お前が俺と同じように考えようとするなら、そこで休むか別の進路を取るがよい。 それでもなおかかってくるというのならそれも歓迎するがな」 それで話を切り、奴はずんずんと姿を小さくしてゆく。その後姿に向けて、俺は自然と口を開いていた。 「待ちやがれ……」 「何だ。まだ戦り足りぬとでも言うのか?」 「違う。東に……俺が出会った、雨蜘蛛とかいう奴がいる…… そいつは殺し合いに乗り気ってわけじゃねえが、不意打ちも出来て拷問も出来る、俺より実力は数段も上な野郎だ」 はあ、俺は何を言ってるんだろうか。今しがた襲撃して、返り討ちになったばかりの奴に情報提供だなんてフロイト先生じゃなくても爆笑だっぜ。 「あいつは……自分が生き残るためなら何でもするタイプだ。多分……今は殺す必要の無い人間のはずだ……」 「ふむ? どういう心変わりかは知らんが、まあいい。そいつの話を詳しく聞かせろ」 俺は向き直った蛇野郎に雨蜘蛛のおっさんの外見や人なりに腕の程、彼に出会って別れた経緯に至るまで詳しい話を聞かせる。 ちなみにわざわざ雨蜘蛛のおっさんのことを話したのは、仮に二人で潰しあうことになって依頼を受けて貰ったおっさんが死んでも困るし、そうでなくても蛇野郎相手なら消耗は避けられないだろうと判断したからだ。 あいつの提案に乗り気になったってのもある……がな。 「そうか。情報提供、感謝しておこう。……そう言えば貴様の名前を聞いてなかったな」 「キョン……だ」 そうか、と一言呟いて蛇野郎は再び背を向ける。 「あがく連中を消しきったらまた会おう。その時はこの四天王・ナーガが直々に地獄へ送ってやる」 「そいつは……どうも」 どこまでも尊大な視線を俺が受け取ると、今度こそナーガは東の方に歩みさりそのままこちらを降りかえることはなかった。 一命は一応だが、取りとめた。 ああ、それにしても。 「……ちくしょう……」 何て無様な状況だろうか。雨蜘蛛のおっさんに、ナーガという蛇野郎に、俺は成す術も無かった。 ガイバーの力を持ってしても本物の二人には俺あんんて赤子同然だったってわけさ。 それで負けただけならまだしも、媚びを売るようなことまでするハメになるとは、本当になんてザマだ。 ……いや、今はまだなりふりかまってる場合じゃないか。 俺はもう、どんなことをしてでも、どこまで堕ちてでも、日常を取り戻さなければならないのだからな。 それでもこの屈辱が、悔しさが消えるわけではないのだ。今の俺にだってある程度のプライドぐらいあるさ。 だからあの蛇野郎は、皆殺しを目論む殺人鬼以外の連中が消えた後で……俺が絶対に倒す、倒して見せる……! 【I-3 コテージ付近/一日目・昼過ぎ】 【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱 【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、左手薬指・小指・右手小指欠損(ほぼ再生)、0号ガイバー状態、 返り血に塗れている、精神的に不安定、強い決意 【持ち物】デイパック(支給品一式入り)、 SDカード@現実、 大キナ物カラ小サナ物マデ銃(残り9回)@ケロロ軍曹、タムタムの木の種@キン肉マン 【思考】 1:コテージで休みダメージを回復する 2:ナーガとは別方向に進み参加者を殺す(マーダーは後回し) 3:強くなりたい 4:午後6時に、採掘場で古泉と合流。 5:妹やハルヒ達の記憶は長門に消してもらう 6:博物館方向にいる人物を警戒 7:ナーガは後で自分で倒す 【ナーガ@モンスターファーム~円盤石の秘密~】 【状態】小ダメージ 【持ち物】 デイパック、基本セット 【思考】 0:砂ぼうず(名前は知らない)を優先的に、殺す。 1:コテージを適当に周ってから東へ進む 2:参加者を皆殺しにする(ホリィ、ゲンキたちの仲間を優先) 3:雨蜘蛛や、キョンなどのマーダーを殺すのは後回し。適当に対主催優先殺しの話を持ちかけるが、 通じるようでなければ殺す。(執着はしない) 4:キョンを襲撃する前に見た、飛んで行った影が気になる。 5:最終的には主催も気に食わないので殺す ※ホリィがガイア石を持ったまま参戦していると考えています ※雨蜘蛛の身体的特徴、人柄、実力の情報を入手しました。 時系列順で読む Back 舞い降りたWho are you? Next Sand Mission 投下順で読む Back それが俺のジャスティス Next Sand Mission 走り続けてこそ人生 キョン Devil May Cry~Z.G.Kyonは悪魔なのか?~ 蛇男症候群 ナーガ 逃れられぬ蛇の視線
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「何って、今更。わかんないの?」 チームおちんちんの若旦那・舞様は私の顔を掴んで左右に振った。何て乱暴な!・・・最高です。 「なっきぃを通じて、ベリキューが心も体も一心同体になる、そんな素敵な会だって聞いてるけど?」 佐紀ちゃんが妙に優しい手つきで、私の髪を撫でながら微笑む。 「な、何だってー!聞いてない!私そんな話了承した覚えない!」 「それだけじゃないよ。なっきぃの、やーらしぃー妄想を、みんなで実現させてあげる会パートⅡでもあるの。ケッケッケ」 「なっ・・・」 みんなチェシャ猫みたいな不気味な笑みを浮かべて、私の顔を覗き込んだり、体に触れてきたりする。 「知らなかったなぁ。なっきぃって、そんなキャラだったんだ?やらしぃのうwwwやらしいのぅwwwww」 「ギュフゥ・・・」 「あら、千奈美さんたら。なっきぃはことばぜめよりも、にくたいてきくつうにこうふんなさるのよ。」 「へー!いいこと聞いちゃったもんにー!じゃあちな猫が痒いとこも痒くないとこも引っかいてあげる!」 「ち、ちしゃとぉおおおおおお」 いたずらっ子モードの千聖は、肩を少しすくめてクフフと無邪気な笑い声を漏らした。そんな千聖を「ねぇねぇ、」と梨沙子が突っついて、私に見えるような位置で内緒話を始めた。 あの2人はまずい。普段はのんびり大人しめなコンビだけれど、一度いたずらっ子魂に火がつくと、誰よりもヤンチャになってしまう。お互いのごりっぱなおっぱいをくっつけ合って、私の顔を見ながらなにやら悪巧みをしている様子だ。 「さて、と!それじゃ、そろそろ始めますか!」 よく通る佐紀ちゃんの声が、打ちっぱなしの部屋に響く。 「まあ、この人数一気にじゃ、餌にありつけない個体も出てくるだろうし、順番こでね」 え、餌って私のことか!個体って、動物園か!突っ込みポイントはいっぱいあるのに、みんなは黙ってうんうんうなずいている。 「黒チームのみんなは、いろいろ準備とかあると思うし、先に私たちでいいかな?なっきぃ、どう?」 「よくない!どっちもよくない!さっさとこの手かせを外し・・・・」 ギャーギャーわめく私の前髪を、舞ちゃんがギュッと引っ張った。 「あのね、キャップはどっちが先がいいのか聞いただけだよ。やめてほしいかどうかなんて聞いてないんだよ、なっきぃ?わかるかな?」 「ギュフゥ・・・」 さすが、殺戮ピエロ。獲物を前に、わくわくを隠せないライオン、と言ったところだろうか。舞ちゃんは千聖を独占しているときはいつも幸せそうな顔をしてるけど、そういうのとはまた違う、本能的な笑顔。ゾッとしてキュンとする。 「・・・ピ、ピンクの、皆様が、先でいいで、す」 「そう、いい子。最初からそうやって素直に答えればいいんだよ。ちしゃと、ゆっくり可愛がってあげてね?」 「えぇ、ウフフ」 私を挟んで、2人は指を絡ませあってイチャイチャしている。く・・・狂っとる。 おっぱい暴発寸前の子犬顔美少女と、泣く子も黙るブリザード・アイの貧・・・超スレンダー子悪魔おちんちん美少女。まるで妖精みたいなちさまいコンビは、ついこないだまでは私のきゃわゆい妹分だったはずなのに。 「なっきぃ失礼しまーす!」 「うわっ!」 とっても複雑な気持ちでそのやりとりに見入っていると、いきなり椅子がひっくり返された。目の前にももちゃんの股間。 「ウフフ」 「ヒー!!!」 それは拷問のように、ゆっくり近づいてくる。 「キュフ、やめる、キュフ、ケロ、・・・キュフゥ・・・」 ああ、神様仏様。早貴は悪い子でした。罰が当たったのですね。これは連日連夜、エロいことばっか考えて、パソコンのモニターに映る“あなたは18歳以上ですか?”のYESボタンをクリックしまくった報いなのでしょう。 「ウフフ、早貴さん、こういうのはいかがかしら」 「千聖、もっとこう、××に××××」 「ああああああ」 ふんわり白天使の梨沙子と、にっこり褐色天使の千聖が、その手にものすごくよく動く棒状の何かを持って、じりじり近づいてきた。そ、そんな、あんたたち、そげなもんどこで手に入れたん!?さすがのおなっきぃもまだそこまではっ・・・ 「なっきぃ、どう?×××?」 「あはは、××が×××だねー!うける!」 「ひぎぃ!」 乙女の柔らかい無数の手が、私の体を縦横無尽に這い回る。雅様や舞様は、的確に急所を突いてきたり(武術的な意味で)して、私は二つの意味で地獄に堕とされかかっていた。 おまけに黒チームは高みの見物とばかりに、周りからヤジを飛ばしてきたりする。 なんだっけ、こういうAV、あった気がする。レズ・・・レズごうも・・・ 「なっきぃ。」 その時、みんなの後ろで微笑を浮かべていた佐紀ちゃんが、そっと歩み寄ってきた。示し合わせたかのように、みんなが道を開ける。 「さ・・・佐紀ちゃん、何持って・・・グエッ」 ちしゃりしゃのとはまた違う、円盤状の何かを手にした佐紀ちゃんは、いきなり私のおなかに馬乗りになった。小柄な佐紀ちゃんとはいえ、これはなかなかキツイ。 「私ね、なっきぃのために、がんばって作ってきちゃった。新作。」 「え?え?何?・・・うひゃ!」 いきなり、背後から目をふさがれた。 「大人しくしてなさい、なっきぃ。」 雅ちゃんの冷たい声と、手。震え上がりながらもその感触に酔いしれていると、今度は顎を強く掴まれた。反射的に開いた唇に、何か異質な感触を覚える。 「・・・!?辛っ!何これ、辛っ!何か舌痺れっ」 「みや、もういいよん。」 「あーい」 軽快なやり取りの後、唐突に視界に光が戻る。スプーンを持って満足げに笑う佐紀ちゃんと目が合う。 「な、何今の・・・」 「知りたい?それはぁ・・・・佐紀の新作、ジャングル豚キムチチャーハンでーす!」 うっわぁ!と憐れみのような恐怖のような声が回りから響き渡る。 「うっそ、何入れたの佐紀ちゃん!めっちゃ舌痺れてるんだけど!」 「えー、何か、赤みが足りなかったからぁ、ケチャップとかよくわからん赤い粉末とか」 「ひどい!味見は!?」 「するわけないじゃん怖いもん」 「ションナ!」 何て、何てひどいことを!私は口の中に残るえぐえぐした後味と戦いながら、なみだ目で佐紀ちゃんを睨みつけた。 「お気に召さなかったの?」 「あ、あたりまえでしょ!もう!」 「ウフフ、じゃあ次の一品いこうか、はい、キャップ♪」 律儀にウエイトレス風カチューシャをつけたももちゃんが、佐紀ちゃんの手の上で水平に保たれたジャングル豚キムチチャーハンのお皿を取り替えた。 「ちょ、まだあるの!?もういいって!」 「はぁ?いいかどうかはなっきぃが決めるんじゃないから」 「す、すみません、舞様」 この余興の間に、ピンクチームの集うコロニーに移動してきていた舞ちゃ・・いえいえ、舞様は、どこから持ってきたのか、王様の座る椅子みたいなのにふんぞり返って、唇を片側だけ吊り上げて笑っていた。 よくみれば傍らに千聖を侍らせて、片手で顎の下を撫でながら、背後から回した手ではたわわに実ったちさπをむにゅむにゅ揉みしだいている。 「アン、ウフフ」 「ちしゃとはかわいいでしゅね。なっきぃも見習うべきだと思うなぁ。・・・ちしゃと、いつものやるでしゅ」 「はい、舞さん」 千聖はにっこり笑って、舞ちゃんの足元にひざまずき、そこからにょきにょきチャンピョンしている物体に唇を・・・ 「らめえええええええ!」 “はぎわらまい、しょうがくいちねんせいでしゅ” あぁ・・・7年前、舌ったらずにはにかんで自己紹介をしていた美少女が、こんなに立派なおちんちん伯爵に成長してしまうとは、一体誰が想像できたでしょうか。素晴ら・・・由々しき事態ですよ、これは! 「もう、なっきぃ、舞ちゃんの方ばっか見てないで?今からもっといい物食べさせてあげるんだから」 鼻息も荒くその光景に見入っていると、強引に頭を掴まれて、佐紀ちゃんの方へ向き直らされた。 「次はねー、ふっふっふ。」 なんだか、醤油のいい香りがする。和食?それなら、奇をてらわなければいくら佐紀ちゃんとはいえ、大丈夫なんじゃないか。 そんな風に考えながら、差し出された深めのお皿を見た私は、瞬時に絶望を覚えた。 「こ、れ、は」 「エントリーナンバー002、ジャングル海鮮ドーン!でーす!」 自分の体から、血の気が引いていくのがわかる。 かかか海鮮丼って、あんた、佐紀コック長に生もの扱わせたらアカンやろが!! 「大体なんなのそれ!緑色のソースかかってるんだけど!」 「これ?これはわさびと柚子胡椒と青汁と・・・あれ、そういえばお刺身冷蔵庫に入れておいたっけ。千奈美ぃ?」 「無理ー!まだ死にたくないー!!!」 「コラッおとなしくしろ!」 火事場の馬鹿力というやつだろうか、私はせまりくる佐紀ちゃんの手から逃れようと、ものすごい勢いで体を捻った。 そんな滑稽なバトルをずっと繰り広げていると、だんだんダレて来ていた黒チームから、一際大きな影がニュッと現れ、ずんずんと私のほうへ近づいてきた。 「うーもう我慢できん!なかさきちゃん!!!」 「え・・・何!何が!」 「キャプテンとなかさきちゃんのちたいで、ついにこんなになってしまったの!」 「ぎゃあああああ!」 もう、アレだ。受話器とか言ってる場合じゃない。もはやバナナボート。サーブボード。抱き枕。 友理奈ちゃんが「よっこいしょ」と持ち上げているそれは、下手をすれば私の身長より大きい・・・・ 「じゃ、いくよ、なかさきちゃん。」 「はぁ!?いや、無理無理無理無理無理無理」 「なっきぃ、上のお口は佐紀のジャングル海鮮丼で塞いであ・げ・る」 「無理いいいいい!!誰か、お助けをーーーーー!!!!」 「・・・貴さん、早貴さん」 「う・・うぅ・・・は、入らないよぅ・・・」 「早貴さん?どうなさったの?」 「・・・・はっ!」 体を強い力で揺すられて、気が付くと、心配そうな顔をした千聖が私を見下ろしていた。 「こ、ここは?おちんちんは?」 「おち・・・まあ、何をおっしゃるの、早貴さんたら。」 千聖は顔を真っ赤にして、涙目でオロオロし出した。・・・そう、そうだよね、お嬢様の千聖はこうじゃないと。 「ここはホテルで、今はコンサートツアーの最中よ、早貴さん」 「そっ・・・か、・・・夢、だったのか・・・・・ギュフゥ・・・」 いくらベリキューニーマスターの私とはいえ、あそこまですさまじいシチュエーションでは気持ちよくなれない。エスカレートする私の妄想に、理性がストップをかけたのかもしれない。私には、まだおちんちん的な妄想は無理なようです、はい。 でも、ここまで私を恐怖のどん底に陥れたんだから、友理奈ちゃんには文句のひとつも言ってやりたい気分だ。理不尽なのはわかってるけど! 「キュフフ・・・」 「あ、あの、早貴さん?どんな夢を見ていらしたのかしら?何か、千聖がにょきにょきちゃんぴょんとか・・・」 「ああ!なんでもないの、ゆ、夢ってさ、まゃくりゃくがなくてしりめつゅるぇちゅだよにぇ!」 「え?え?めちゅれちゅ??」 私の顔を覗き込んでくる、あまりにも純粋な瞳。あわてた私はちさ舞美ばりのカミカミで、さらに千聖を困惑させてしまった。 「・・・ごめんごめん、寝起きでボケッとしてるだけだから。」 「そうですか。・・・・あの、それでは、私少しだけ御暇させていただいていいかしら?」 「おいとま?」 時計を見ると、23時半。 変な時間に寝て、変な時間に起きたらしい。うなされる私に付き添っていたせいで、誰かとの約束を反故にさせてしまったのかもしれない。 「いいよ。夜遅いから、静かにね。」 「はい、ありがとうございます。」 「・・・・ちなみに、どちらまで?」 いそいそと準備を始める背中に声をかけると、千聖は困ったような顔で笑いながら、「・・・えりかさんのところへ」と答えた。 「千聖ぉ」 「あの、大丈夫ですから!そんな、すぐ、えと・・・30分ぐらいで戻ります。」 「30分もイチャイチャギシギシ」 「違うの、もう、違うんです。早貴さんの、意地悪!」 千聖はおぼつかない足取りでドアを開けると、よたよたと逃げていってしまった。 まったく、えりこちゃんてば!今日もまた、千聖にやらしーことを教えるつもりなんだろう。たとえば・・・・あ、ヤバイ、ちょっとムラムラしてきた。 「んー・・・・」 夢の中では友理奈ちゃんにブチ壊しにされたとはいえ、それ以外のところでは十分興奮させていただいたから、十分下ごしらえ(?)はできている。今日は、うめちさなきニーだな。 「キュフ、キュフ、キュフフン♪」 30分とか言ってたけど、多分1時間は戻ってこないだろう。こうなったら、私もじっくり楽しませてもらおうっと。 数時間後、一向に戻ってこない千聖を待ちわびた私が、件の夢についてしたためた随筆を間違えて舞ちゃんに送りつけ、えげつない脅しをかけられたことは、また別のお話。 前へ TOP コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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あんず 南の島でmaimaiやってます 概要 最近の行動
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ぽんず 2007年度大学入学者によるインカレサークル。KQKでは青野、小山田、小鍋、芹澤が所属しており、サークル名の「ぽんず」を決めたのも芹澤である。 2007年に第16回高校生オープンを主催。2009年のEQIDENにも参加しており、翌日には第11回1年生オブザイヤーを開催した。
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緋乃江戌人@世界忍者国様からのご依頼品 /*/ 薔薇という花は、愛を示す花である。 幾たびの品種改良を経ても、変わらずに威風堂々と咲き誇る、花の女王だ。 ここは天領。冬という生命の終わりを象徴するような白い季節に染まった冬の園、その中にある冬薔薇園の前だ。 その名の示すとおり、様々な色の薔薇が、計算された配置で白いキャンバスを彩る、絢爛な空間が目の前に広がっている。 「凄い……。こんなところ、今までに来た事ないよ」 戌人が思わず感嘆の声を漏らした。眼鏡の裏の瞳は瞬きを忘れて正面、色とりどりの薔薇に注がれている。 その隣ではあやめが目をくりくりさせてあちこちを見ていた。すらっとした艶やかな白い足が、半ズボンから伸びている。 「さむいね」 やはり寒かったのか、あやめは白い息を吐きながら笑った。冬の園にはあまり似つかわない、太陽のような微笑だ。 言葉を受け、戌人が自分の上着をあやめへ差し出す。足元まで覆うほどのロングコートだ。この男が羽織るとどうにも暗殺者かエリートに見えなくもない、そんな代物。 「大丈夫?」 「いいよ。それ着ると可愛い格好見れないし」 あやめはとてとてと新雪に足跡を付けながら戌人の正面に立つと、ふふーんと大胆なポーズをとった。いわゆるセクシーポーズというやつである。 雪で反射する太陽が作り出す白銀の光が、そのスレンダーな肢体をくっきりと映し出していた。 「似合う?」 「似合う。凄く。なんて褒めようか迷って言葉が見つからないくらい」 「よし。これで良狼を撃沈だ」 戌人が微かに憂いを帯びた微笑を浮かべる。どうやらまだ自分は彼の視野に入っていないらしい。分かっていた気もするが、やはり男として寂しいものがあるのは確かだった。 そんな彼のこともお構いなしに、あやめはステップを踏むように戌人の背後に回ると、その無防備な背中を叩いた。 「よし、デートしよう」 「え!?」 突然の宣言に、戌人は慌てて辺りを見渡す。『しよう』というのは通常誰かに対して使う言葉だ。他に誰かいるのだろうか。 白く雪化粧した薔薇の園の前には自分と、目の前の彼女しかいない。 ……と、いうことは、自分のことを言っているのか。 「ぼ、僕と?」 「デートでよんだくせに。いこっ」 「……うん! そうだね!」 行こうと一声かけ、戌人は彼女のすぐ傍を、寄り添うように歩く。 触れそうで触れない左手が震えている、気がした。鼓動が下手糞なダンスを踊り始める。一言で言うとドキドキであった。 リードした割には、隣を歩くあやめのほうがずんずんと、元気よく薔薇園へ突撃して行く。 それについて、地面に積もった雪の生み出す目映い光の門を抜けた先は、薔薇園の名に相応しく、見渡す限り一面薔薇の世界だった。 寒さで花弁が縮こまってこそいるが、その姿は流石に花の女王。雪の白を利用して、自らをさらに美しく見せているかのようだ。 あやめがわぁと、女の子の様な感動の声を上げる。どうしようかと散々悩んだ結果、空気を読まずに一応突っ込むが、男の子である。男の子のはずである。 「凄い、綺麗だね……」 「うん……うん」 あやめがこくこくと何度も頷く。まるでそれ以外の言葉が見当たらないようだが、まさにその通りの景色である。 「綺麗。雪と薔薇は似合うね」 目をぱちぱちとしながらあやめは呟く。そして急に、何か思いついたように小首を傾げ、頭の上にハテナマークを浮かべた。 「雪と薔薇と君は更に似合ってると思うよ。……何を考えてるの?」 「薔薇って雪に強いの?」 素朴な、とても素朴な疑問だった。 戌人が顔を赤くしながら発した、歯が浮くような台詞を華麗にスルーするには、あまりにも素朴な疑問だった。もしかするとある種の才能なのかもしれない。 「うーん、どうだろう。……多分、冬に強いように品種改良とかされているのかもしれないね」 流石に本心としては無念だが、この台詞を言い直すような真似は到底出来ない。戌人は素早く思考を切り替えて辺りを見渡した。係員がいれば話は早いのだが、生憎近くにそれらしい人影はひとつも見えない。宰相府が気でも遣っているのだろうかとも思うが、どこかで監視されているという線も否めなく、そう思うと何ともいえない感覚があった。 「そうかあ。でも凄い数だね」 「数えたらどれくらい時間かかるかなあ……」 「丸一日、かかりそうだね……。数えてみる?」 「ううん。奥に冒険にいこう」 あやめが面白い冗談を聞いたように笑って首を横に振る。 本心、それでも別にかまわないと思わなくもなかったのだが……。それを心の内に仕舞い、戌人もつられて微笑む。 彼が行こうと言うと、あやめはその腕を取って歩き出した。 突然の事に戌人の頭の中が、辺りと同じく真っ白に染まる。心臓が大きく脈を打ち出した。気づかれただろうか? 兎に角、深呼吸。引っ張られている歩調を徐々に合わせ、いつものそれに切り替えていく。 「君の名前の茨城、も、元々薔薇から来ているよね」 「そうなの? 茨城って薔薇なんだ」 頭の中を切り替えるために戌人がうんちくを繰り出す。再び頭の上にハテナマークを浮かべながら、あやめは聞き返した。 「薔薇のとげから来てるんだよ……ショックだった?」 常陸国風土記の、茨城郡条に記された故事のことだ。 知ってか知らずか、あやめはがーんという顔をしている。すぐ脇、手を触れない位置にいたさっきよりも近くで見るそのあどけない表情に、戌人は自分の顔が熱くなっていくのを感じた。 「そうかあ。さすがお父さん……」 「お父さん?」 あやめは何故か周囲を見て、小さく頷く。その口元には微かに苦笑を浮かべていた。 「……そっか、凄いお父さんなんだね」 あまり触れないほうがよさそうだ。そう感じた戌人も微かに苦笑いを浮かべ、話題を切り替えるべく辺りを見渡す。 腕に纏わり付かれた感触ですっかり忘れていたが、ここは冬の園の薔薇園だ。見渡す限り、薔薇と雪が覆っている。 「薔薇は高嶺の花だし、まさしく君は茨の城のお姫様ってところだね」 戌人の言葉にあやめが微笑む。 見上げるようなその表情に、落ち着き始めた心臓が再び大きく、一度だけ鼓動を刻んだ。なんたる迂闊。 「うーん。小さい頃は木登りしかしてないかも。あ。喧嘩もか。一番強かったなあ」 「元気なのは、良いことだよ。僕は素敵だと思う。子供の頃の君に小さいうちに会ってみたかったな」 再びあやめは笑い、戌人の腕から離れ、くるくると白い雪舞台を踏みしめながら彼の正面に躍り出る。その場でくるりと一回転して、両手を広げて空気を感じながら空を見上げた。 「小さいとき? どうかなあ。かわいくなかったから」 あやめは遠い目をしながら、昔の記憶に浸り始める。 空では寒さとは対照的に青空が広がり、灰色を帯びた雲が足早に流れていた。 「お兄ちゃんが欲しかったなあ」 白い吐息を微かに吐き出しながら、ぼそりとあやめが呟く。 「お兄ちゃんかぁ……お姉さんはいるんだっけ?」 「うん。お姉さんばっかり」 あやめは苦笑して、またその場で踊るように一回転した。 「それは欲しくなるね。僕はお兄さんばかりだから、逆にお姉さんが欲しかったよ」 「末っ子?」 「うん、三男。君も?」 「僕は4番目」あやめが首を振りながら答える。「でも、一緒だね?」 「うん、一緒だね」戌人が微笑む。「なんだか、嬉しいな」 「うん」 今度はあやめがつられて微笑む番だった。あやめは微笑を浮かべ、再び戌人の隣まで来ると、やはりその手に、絡まるようにしがみついた。 ぎこちなく微笑む戌人。二度目にもなれば流石に若干慣れはする、が、やはりすぐ傍に温もりを感じるというのは何とも気恥ずかしいものがある。 「男の子の兄弟いたら、絶対楽しいと思うんだ」 歩きながら、隣の戌人を上目遣いに見上げながらあやめが言う。その表情は今がまさにその時であるようにも見えた。 「うーん、喧嘩は上が強いから、逆らえなかったし、年も中途半端に離れてたからそんなに遊んでもらえなかったけれどね。……でも、良い兄貴達だった。楽しかったと、思う」 「そうなんだ。そうかぁ」 まるで自分のことのように微笑み、頷きながら、あやめが視線を前に戻す。 そこには赤や黄色の薔薇が咲く花壇に挟まれた、白く輝く空間があった。 「あ。白薔薇だ」空いている手でその輝きを指差す。「見て、真っ白……」 「わぁ……雪より、白く見えるよ……。綺麗だね……」 白薔薇は、その花弁に微かに積もった雪とともに、日光を一身に浴びて銀色に輝いている。 まるで小さな太陽がそこにあるようだった。 あやめが感嘆の声を漏らしながら、ぱたぱたと駆け出す。 背が低い白薔薇たちを見下ろしながら振り返り、戌人へ笑顔を向けた。 「絵になる光景だね。薔薇、似合ってるよ」にっこり笑顔を返して。 「うん。上出来。んー」 期待したとおりの言葉に、あやめは笑顔のまま、無造作に戌人の正面へ近寄ると、んー、としながらその顔を見上げた。 「どうしたの?」 微笑みながら、戌人が膝に手を当てて中腰になり、顔を寄せる。と、その頬の両側が優しく引っ張られた。 「なんか、出来すぎてる」手を離し、じと目であやめが見上げる。「人気はでそうだけど、僕は好きになれないな」 「僕は人気はいらない。ただ、君に好かれたいよ」その瞳を至近距離から、正面から、真っ直ぐに見つめながら戌人が言う。「君だけに」 「んー。あやしい。なんでだろ?」 あやめが微笑みながら首をかしげた。戌人も困ったように微笑むと、あやめの身体を抱き寄せた。 抱きしめて改めて気づくが、彼女の身体は力を込めれば折れてしまうのではないかというほど、華奢である。優しく、包み込むように、戌人は抱きしめる手に微かな力を込めた。 ドクンドクンと心臓が脈打ち、背中に回している両手が微かに震えている。見えないが、顔もおそらくは紅潮していることだろう。せめて紅潮だけは悟られないようにと、あやめの頭を自らの胸に埋めた。 「ただ、君が好きで、君に好かれたいだけなのに」 「……やっぱり思うんだけど、この辺手馴れてるからじゃない?」 あやめの声がいつもの調子で聞こえる。見えないが、おそらく苦笑していることだろう。 「……これでも内心、ドキドキなんだよ? 心臓の音、聞こえない? 誰かをこうして抱き締めるのだって、初めてだ」 返事はなかった。代わりに、胸板に耳をそばだてられているような気がして、急に恥ずかしさが増した気がした。 「口でしか言ってこなかったから、行動で、示してみた…んだけど……駄目?」 抱きしめる両手の力が微かに緩んだ瞬間、あやめはするりとそこから抜け出すと、再び白薔薇が咲く花壇の前まで離れた。 白薔薇と雪の放つ銀光を背負い、あやめが笑う。彼女の足元の雪が溶けるんじゃないかと思うような笑顔だ。 「だめ。もっとがんばって。お兄ちゃん?」 舌を出しながらそう言い、両手を広げて華麗にターンしてみせると、肩越しに戌人へ笑いかけた。 「いこ?」 「……うん」 何度目だろうか。戌人はつられるように微笑を返し、先に歩き出したその背中を追って、自分もゆっくり歩き出した。 純潔の意味を持つ、白い薔薇が風に揺れる。 まるでそれは、この奔放な茨姫のようでもあった。 /*/ 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) 作中の台詞ではないですが、雪と薔薇とあやめがとても良く合ってる素敵な文章だなと思いました。書いてくださってどうも有り難うございました。 -- 緋乃江戌人@世界忍者国 (2008-02-20 12 56 26) 名前 コメント ご発注元:緋乃江戌人@世界忍者国様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one namber=150 type=54 space=30 no= 製作:影法師@ながみ藩国 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one namber=156 type=54 space=60 no= 引渡し日:2008/2/20 counter: - yesterday: -
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勘弁記 山本周五郎 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)周藤《すどう》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)[#8字下げ] ------------------------------------------------------- [#8字下げ]一[#「一」は中見出し] 「どこまでつれてゆくんだ」「なにもうそこだよ」「おなじことばかり云っているが、もうやがて仕置場ではないか」「仕置場が恐ろしいわけでもないだろう」印東弥五兵衛はにたりと笑い、まるい肥えた肩をすくめながら空を仰いだ。「それより見ろ、いい月だぞ」 周藤《すどう》新六郎はにがにがしげに唇を歪《ゆが》めた、つまらぬ事を面白そうに持ってまわるのが弥五兵衛の癖である。着物の衿が曲っているのを注意するのにも、いろいろ遠まわしに仄《ほの》めかしたあげく「いって鏡をみろ」というような風だった。新六郎のほうは単純で直截《ちょくせつ》で、いつもけじめのはっきりしたことを好んでいた。衿が曲っていれば「衿が曲っているぞ」と云うだけである。弥五兵衛にしたがえばしかしそれはきょく[#「きょく」に傍点]が無さすぎるという、それでは却って相手に恥をかかせる場合もある、やはり自分のようにするのが「人情の機微」に触れているというのだった。……まいつき十五日に、馬廻り番の若ざむらいたち十人ばかりで、まわりもちで武道の話をする集りがあった、その夜も楯岡《たておか》市之進の家で十時ころまで話した帰りに、面白いものをみせるからぜひとさそいだした。興もなかったがあまり熱心にすすめるので、云うなりについて来ると、城下を出はずれ、旭川の堤にのぼってずんずん川上のほうへゆく、もうすぐだと云うばかりでなにも説明しない、そのようすがいつもの思わせぶりにみえるので、新六郎はしだいにばかばかしくなりだした。……秋十月のしずかな夜で、ちょうど頭上へ昇った月が川波にきらきらと光を投げていた、そのあたりは両岸とも荒地や叢林《そうりん》がつづいていた、ひっそりと眠ったように黝《くろ》ずんだ森がみえ、早くも裸になった梢の枝を寒々と月に照らされている楢《なら》の林がみえた。深い藪の奥のほうでなにかに驚いた寝鳥がけたたましく叫び、ばさばさと羽ばたきをしてすぐにまた鎮まった。 「おい此処だ、しずかにして呉れ」弥五兵衛がそう云って足をとめた。堤の右は川、左がわに枯れた草原があり、そのさきに赭土《あかつち》のかなり高い崖がのびている。「そう見まわしたって此処に何もあるわけじゃない、みせるというのは是だよ」弥五兵衛はそっと自分のさしている大剣の柄へ手をやった。「是は貴公も知っているとおり夏のはじめに求めた粟田口の新刀だ、みんなの鑑定ですがた[#「すがた」に傍点]はよいが斬れ味はわるかろうと云われたあれだ」「印東、――ためし斬りか」「そう云うだろうと思ったから黙ってつれて来たんだ、しかし相手は乞食だ、いやまあ聞けよ、半月ばかりまえからおれは食事をはこんでやっている、乞食非人とおちぶれては生きていても世のためにはならぬ、云ってみれば穀潰《ごくつぶ》しだ、それを半月おれは養ってやった、つまり今夜あるがためさ、見ていて呉れ」「待て印東、それは乱暴だ、印東」 呼びとめたけれど、弥五兵衛はもう大股に草原をあるいていった。月をいっぱいに浴びた赭土の崖の一部に、入口を枯草でかこまれた洞穴がみえている。弥五兵衛はその洞穴へ近よっていって声をかけた。「これ奥州とやら、もう寝たのか」洞のなかでなにか答える声がした。「出てまいれ、月見もどりだ、酒肴《しゅこう》の残りを持って来てやったぞ」 もういちど答える声がした、そして穴の中から乞食が出て来た。新六郎は堤からおりて草原の中に立っていた、弥五兵衛は紙に包んだものを乞食に与え、ちら[#「ちら」に傍点]とこっちへふりかえった。そして乞食が貰ったものを押戴いたとき、かれはちょっと身をひくような恰好をした。えい[#「えい」に傍点]という叫びが聞え、白刃がきらっと月光を截った、なかなか的確な一刀だった、乞食のからだは薙《な》ぎ倒された草のように右へよろめいた、しかしそれは斬られたのではなかった、右へよろめいたと見た次の刹那に、乞食はすっと立ち直っていたし、どうしたものか、氷のようにするどく光る大剣を抜いて、青眼に構えていた。新六郎はあっ[#「あっ」に傍点]と思った、弥五兵衛のおどろきはそれ以上だったに違いない。かれは逆上したようすで、絶叫しながらむにむさんに斬りこんだ、まるで桁違いの腕である。――これはあべこべに斬られる。そう思ったので、新六郎は大きく声をかけながら二人の間へ割ってはいった。「お待ち下さい、危い、印東かたなをひけ」 [#8字下げ]二[#「二」は中見出し] 年は二十七か八であろう、鬢髪《びんはつ》ものび、ながい労苦で肉もおちているが、眼つき唇もとに凛とした気質がみえるし、月光にうつしだされた肩のあたりも、つづれこそまとっているがどこか昂然たるものを持っていた。「わたくしは松野金五郎、父は金右衛門と申しました」かれはさっきの無反《むぞり》の直刀を仕込んだ竹杖をかかえ、洞穴の下の枯草のなかに腰をおろして、月を見あげるようにしながら語りだした。新六郎はかれと向きあって坐り、弥五兵衛はそのうしろへさがったところにいた、そしてまだときどき苦しそうに深い息をついては生つばをのんだ。「父は大和のくに高取藩士で、七百石の徒士組《かちぐみ》ばんがしらを勤めておりましたが、いまから六年まえ、ある事情から組下の者のために闇討ちを仕掛けられ、抜き合せは致しましたものの、ついに斬り伏せられてしまいました、以来わたくしはそのかたきを求めて諸国をめぐってあるき、ごらんのとおり」かれは袖をかえして苦笑した。「乞食《こつじき》非人の境涯にまでおちぶれました。しかしその甲斐あって、ようやく当のかたきのいどころをつきとめることができたのです。かたきは御当藩にいたのです」 「かたきが岡山藩に」弥五兵衛が身をのりだした、「してその、その者の姓名はなんと云います」 「いや待て、それを伺うまえに」新六郎はさえぎって訊いた。「おたずね申すが、御尊父がお討たれなすった事情というのはどのようなものですか」「それは申上げられません」ふと眼をそらす表情を、新六郎はじっと見まもりながら、「しかし伺わなければならぬ」とたたみかけて訊いた、「こうして無理にお身の上をうちあけて頂くからは、われわれとしても武道のてまえ聞き捨てにはならぬ、しかし御尊父のお討たれなすった事情によっては、はなはだ申しにくいがお力添えはなりかねます、だからぜひその事情は聞かして頂かなくてはならぬと思います」 「――申しにくい事なのです」金五郎は口ごもりながら、いかにも云いにくそうに答えた。「しかし、さよう、やはり申上げるのが本当でしょう。――実は、その者はわたくしの妹に恋慕して、再三ならず文をつけ、また酒のうえでしょうが路上で無礼なふるまいを致しました、それで父が面罵《めんば》したのです、言葉はどうあったか知りません。しかし父は少くとも他人に聞かれる場所を避けるだけの思遣《おもいや》りは忘れませんでした。それが原因でした、――申上げたくなかったのは、そういうかんばしからぬ事情だったからです」「それで充分です」新六郎はうなずいて云った。「その者の姓名をお聞かせ下さい」「旧主家にいるときは飯沼外記之介といいました、御当藩では楯岡市之進と申しております」「――楯岡市之進」弥五兵衛がおどろきの声をあげた、新六郎はそれを抑えつけた。「相違ありませんか」「当人をしかと見届けています、たしかに間違いはありません」新六郎はちょっと考えるようすだったが、すぐに向き直ってはっきりと云った。「よくわかりました、及ばずながら御本望を達するようお力添えを致しましょう。しかしなお数日お待ち下さい、晴れて勝負のできるようにはからいたいと思いますから」 「お話し申したうえは万事おさしずどおりに致します、よろしくおたのみ申します」 「では今宵はこれで」そう云って新六郎は弥五兵衛をうながして立った、「いずれ明日にもまたお眼にかかりにまいります」 松野金五郎は堤の上まで送って来た、月はいよいよ冴え、霜でもおりるのか、空気はひどく冷えてきた。新六郎は黙って、大股にずんずんあるいてゆく、弥五兵衛はその肩をみながらうしろからとぼとぼついていったが、やがていかにも困惑したような調子で云った。「とんだ事になった、ばかな真似をしたものだから、……済まぬ」けれど新六郎には聞えなかったものか、なにも云わずにあるいていた。……かれは楯岡市之進のことを考えていたのである。此処へ来るまえ、今宵は市之進の家で例月の集りがあったばかりである。その顔も話す声つきもまざまざと印象に新しい、いやそればかりではない、市之進はかれにとって妹婿だった、おのれの妹さだ[#「さだ」に傍点]が市之進に嫁してもう半年になる。――そういう男とは思えなかった。新六郎はいくたびもおなじことを呟きつづけた。 [#8字下げ]三[#「三」は中見出し] 楯岡市之進は三年前藩主池田光政にみいだされて岡山藩へ仕官した。じきじきのお取立てではあるし、槍術にすぐれた腕をもっていたし、そして性格のまるい、謙譲な人づきあいのよい質だったから、上のおぼしめしも家中の評判もよかった。新六郎の家へは弥五兵衛がはじめにつれて来た、そして毎月の集りに加わるようになってから、人を介して妹のさだ[#「さだ」に傍点]に結婚を求めてきたのである。はじめは一応ことわった、家柄も血統もよくわからぬ他国から来た者に、妹をやる気にはなれなかったのである、けれど老職の池田玄蕃があいだに立ったのでついに婚約を承知し、それから半年ほどしてこの四月に祝言をしたのであった。――そうだ、そうかもしれない。新六郎は家にかえり、寝所にはいってからも考えつづけていた。そういう過去の失敗があったからこそ、楯岡市之進の性格は今日のようにまるくなり、謙譲になったのかもしれない。あれだけ槍術にすぐれていながら、少しもそれを表面にあらわさず、出頭の身でいてつねにへりくだった態度を忘れない、そういう挙措《きょそ》の裏には高取藩での大きな過誤があり、それを胆に銘じて立ち直ろうとする努力が今日のかれをなしているのだ。――だから、もし現在のすがたが偽りのものでないとすれば、むしろかれはよろこんで松野金五郎と勝負するにちがいない。金五郎という男もかなり腕がたつ、市之進の槍は定評がある、勝負がどちらのものになるかわからない、けれど討たれるにしろ返り討ちにするにしろ、これで市之進はさっぱりと過去のあやまちを清算することができるのだ。――かれもさぞさばさばすることだろう。そこまで考えて新六郎も気持がおちついた、そしてその翌る日、食事をしまってから紙屋町すじにある楯岡の屋敷をおとずれた。 ゆうべの月夜につづくからりと晴れたさわやかな午前だった、案内された客間には、あるじ市之進のほか印東弥五兵衛がいた、ふたりはこわだかになにか話していた、新六郎がはいってゆくと弥五兵衛がにやっとふり向き、「やあ、もう来る頃だと思っていたよ」かれはそう云って少し座をゆずった。「どうぞこちらへ、どうぞ」「早朝から失敬します」会釈《えしゃく》して座につくと、新六郎は弥五兵衛をかえりみた。「それではもう話はしたのだな」「うん話した、みんな話したよ」「おぼえがあるのか、楯岡」市之進はさすがにおもぶせな顔つきだった。ちょっと眼を伏せて、しかしわるびれずにうなずいた。「若気のあやまちだった、そう申すほかに一言もない」「それでいい、それ以上なにも聞く要はないよ、そしてむろん、そう云うからには覚悟はきまっているだろうな」「いやそいつはもういいんだ」弥五兵衛がそばから口を挿んだ、「そのことならもうきまりがついたよ」「――きまりがついた」「是をみて呉れ」そういって弥五兵衛が長い竹杖をそこへさしだした、ひと眼みて新六郎にはその竹杖がなんであるかわかった、かれは手を伸ばしてとり、ぐっとひき抜いてみた。まさしく、それは昨夜の乞食が持っていたあの無反の直刀であった。「どうしたのだ、これはどういう意味だ」「おれが斬ったんだ」弥五兵衛はずばりと云った、「事のおこりはおれだ、おれがためし斬りをしようとしたためにあんな事になった、楯岡は朋友だし、貴公とはまた義理の兄弟になる、おれのつまらぬいたずらからこんな事になっては両方に申しわけがない。だから、――おれはあれから引返して斬ったんだ」そう云って弥五兵衛はおのれの大剣を手にとり、二人の前へさしだしながら大きく笑って云った、「やっぱり粟田口の新刀はよく斬れるよ、みせたいくらいだった」新六郎はきっと眼をあげた。「印東、貴公どうして斬った」「――え」「尋常に名乗って斬れる相手ではない、どのようにして斬ったか聞こう」 「それは、いやそれは、まさにそうだ」弥五兵衛はちょっとどもった、「かれはたしかにおれより上を遣う、だがおれたちと話し合ったあとで安心していたらしい、『かたきの手引きをするから一緒にゆこう』とこえをかけたら、かれは慌てて洞穴《ほらあな》から這いだして来た、そこをやった」「騙《だま》し討ちだな」さっと新六郎の顔が蒼くなった。 [#8字下げ]四[#「四」は中見出し] 騙し討ちだなというひと言は弥五兵衛をびっくりさせたらしい、弥五兵衛だけではなく市之進もはっ[#「はっ」に傍点]としたように眼のいろを変えた。新六郎はその二人の顔をしかと見て、かれらと自分の考えかたの隔りの大きさを知った、もはや言葉ではどうしようもない、言葉でかれらを説服することはできないと思った。「印東、貴公はおれが、松野金五郎に力添えをすると約束したのを知っているはずだ、松野はおれたちを武士と信じてすべてをうらあけて呉れた、いいか、この二つの点にしかと念を押して置くぞ」「どうしようというのだ周藤」市之進がさぐるようなこわねで訊いた、その眼をひたと見かえし、竹杖の刀を左手に持って新六郎は座を立った、「この刀はおれが預ってゆく、おれがどうしようと考えているかはそれで推察がつくだろう、――だが妹の縁につながる貴公と、命のやりとりをするようになろうとは思いがけなかったよ」 云い捨てて足ばやにその部屋を出た、玄関で弥五兵衛が追いついて来た。 「待て、周藤、貴公ほんとうに楯岡を斬るつもりなのか」 「勝ち負けはわからぬ」草履をはきながら新六郎は答えた、「おれは刀の持主に約したことをこの刀に果たさせるだけだ」 「だがそれはおれの面目をつぶすことにもなるぞ」 「面目だと――」ほとんど叫ぶように云って、新六郎は射ぬくように弥五兵衛を見た。「きさまにどんな面目があるんだ、印東。恥を知れ、この刀で斬るのは市之進ひとりではないぞ」 「……」「よく考えて覚悟をしておけ」そして新六郎はそこを出た。 かれはその足で池田玄蕃の屋敷をたずねた。怒りのために身も心も震えていた、言葉ではどう云いようもない、最も清浄なものが最も穢《けが》れた土足でふみにじられた、そのやりきれない汚辱感が血にしみこみ全身をかけまわっている感じである。かれは玄蕃に御しゅくんへのめどおりのかなうようにたのんだ。「どうした、なにかできたのか」「仔細《しさい》は御前でなくては申し述べられません、なるべく早くおめどおりのかなうようお計いを願います」「だが理由が知れなくては計いかねるぞ、いったどうしたというのだ」たしかに、仔細もわからず目通りが願えるものではない、新六郎はやはり事情を語らなければならなかった。聞き終った玄蕃はひどく当惑したようすで、ながいこと黙って考えていた。「そうか、仔細はそれでわかった、そともとが望むなら拝謁の儀を願ってみよう」「なにぶんおたのみ申します」「一両日うちに返辞をやるから」 そう聞いて新六郎は玄蕃の屋敷を辞した。そして家へ帰ってみると妹のさだ[#「さだ」に傍点]が来ていた。――どうして、ちょっと戸惑いをしたがすぐに察しはついた。市之進になにか云い含められたか、それとも自分の思案でか、いずれにせよ執成《とりな》すつもりで来たにちがいない、そう思ったので言葉もかけず居間へはいった。妹はあとを追うようにして来た「なんの用があって来た」かれは叱りつけるように云った、さだ[#「さだ」に傍点]はしずかにそこに坐って兄を見あげた。「わたくし去られて戻りました」えっと云って新六郎は妹を見なおした、まったく思懸けない返辞だったのである、そしてそう聞いたときすぐ、――これがおれの返辞だ。という市之進の顔が見えるように思えた。いまこそ正体がわかった、謙譲の裏に隠されていたもの、人にとりいることの巧みさ、弥五兵衛の陋劣《ろうれつ》な行為にもさして驚かなかった態度、それこそまさに松野金右衛門を闇討ちにしたかれの性根だ。過去のあやまちから、正しい人間に立ち直ったとみたのは誤りである、かれはやはり卑劣で醜悪なのだ、ただそれを隠していたにすぎなかったのだ。 「おまえは楯岡へ嫁したからだではないか」新六郎は妹をねめつけながら云った、「おのれにあやまちのないかぎり去られるということはない、なぜ戻った」「死ぬはずでございました」さだ[#「さだ」に傍点]はつつましく答えた。「でもわたくし、身ひとつではございませんので、それで戻りました」「身ごもっているのか」はいと云って俯向《うつむ》くさだ[#「さだ」に傍点]の頬に、かすかな羞《はじら》いの色がうごいた。新六郎はきりきりと胸が痛むように感じた、けれどすぐに心はきまった。「よし、死んではならぬ、その子は兄がひきうけた、丈夫に産みおとして育てるのが、これからのおまえの生涯のつとめだ、めめしい心では末とげぬぞ」さだ[#「さだ」に傍点]は黙って両手をついた。しかしその柔かな肩のどこやらに、母となるべきおんなのかたい決意が表白されていた。 [#8字下げ]五[#「五」は中見出し] 次ぎの日、玄蕃から迎えの便が来た、すぐ登城のできるように麻裃《あさがみしも》に支度を正していった、玄蕃はかれを自分の居間へとおした。「考え直してみないか」老人はなだめるような口調で云った、「そともとの義理を重んずる気持はよくわかる。しかしここはひとつゆきがかりの感情をぬきにして考えてみたい。――松野なにがしの孝心はまことにあっぱれであるし、非業の死もいたましいには相違ないが、印東のしたことも悪意ではない、おなじ家中の朋友のためを思ってした、その結果が道にはずれたことになったので、動機はやはり酌量すべきものがあると思う。むろん、これが事の起るまえなら云うことはない、しかし当の松野なにがしが死んでしまった今、血縁でもないそこもとが代って仇討をするというのはゆきすぎではないか。印東をも斬ると云ったそうだが、いまさら二人を斬ったところで松野の命がとりかえせるものではない、このうえまた二人の命を失うということは、悲惨の上に悲惨をかさねるだけではないのか」 黙って答えない新六郎の拳が、袴の上でかすかにふるえていた。 「考え直してみい周藤、世の中には武道一点を押しとおすだけで済まぬ場合もある、このうえふたり死者をだすことはないぞ」 「……では」と新六郎は忿《いきどお》りを抑えた声でたずねた。「おめどおりの事は願えませぬか」 「わしは考え直して呉れと申しておる」 「その余地はございません」かれはきっぱりと云った、「申上げるまでもないと存じますが、人の命はまさしき道の上にあってこそ尊いのです。このような不法無道を見のがしてどこに正しき道がありましょう、大切なのは生きることではなく、どう生きるかにあると信じます。わたくしはかれらを斬ります」 「やっぱりそうか」やっぱりと玄蕃は溜息をついた、そしてかれのほうは見ずに、独り言をつぶやくような調子で云った。「云いだしたら肯《き》くまい、だがよくよく勘弁するように申せ、……殿はそう御意なされた、おめどおりには及ばぬと思う」 「お上が、お上がそう仰せられましたか」はじめて新六郎は手をおろした、「かたじけのう存じます、そのお言葉はおゆるしの御意と承わります、勘弁とは篤と道を勘考し弁える意味。かならず、仰せにそむかぬよう仕ります」 「検視役のお沙汰はないから」 「承知仕りました」 玄蕃の屋敷を辞した新六郎は、家へ帰るとすぐ二通の書状をしたためた。松野金五郎の討たれた場所を指定し、七つ刻(午後四時)までに来いという文言である。それを楯岡と印東へ持たせてやると、家扶をまねいて身のまわりの始末をした。妹さだ[#「さだ」に傍点]「は前の日すでに親族へ預けてあった、自分にまんいちの事があったあと、家士たちの困らぬようにして置けばそれで思遺すことはなかったのである。しかし、それから一刻ほど経ったとき、楯岡と印東から書面を突き返して来た。――こちらは指定の場所へ出向く必要をみとめない。かような書面を受け取る理由もない。両方ともそういう意味の手紙がつけてあった。おそらく二人で相談の結果したことであろう、新六郎はちょっと考えていたが、それを纒《まと》めて池田玄蕃のもとへ届けさせた。こうなればこっちから乗りこんでゆくよりほかに手段はない、かれは心をきめてすぐに身仕度をした。 印東弥五兵衛の家は城の大手、西大寺町の中の辻さがりにあった。玄関に立って案内を乞うと、家士が出て来て主人《あるじ》は留守だと答えた。「留守というのはたしかか」「ご不審なればあがってお検め下さい」「出先はいずれだ」「楯岡さまへと申し遺されました」それならたしかだ、そう思ってそこを出ると、壕端へ出て北へ向った。楯岡の家は上の町にある、少しまえから吹きだした北風がようやく強くなり、乾いた道からしきりに砂塵を巻きあげていた。かれはその風を押切るようにまっすぐにあるいていった。 [#8字下げ]六[#「六」は中見出し] 楯岡の家は門を左右にひらき、玄関まできよ[#「きよ」に傍点]砂が撒いてあった。かれは門前で立ちどまり、襷《たすき》をかけ汗止めをし、袴の股立をとって、左手に竹杖の刀をひっさげながら大股に玄関へ近よっていった。声をかけたが返辞はなかった、二度、三度、それでも出て来る者さえなかった。かれは草履をぬいで式台へあがった、それを待っていたように、正面の杉戸があいて楯岡市之進があらわれた。すっかり身仕度をして鞘《さや》をはらった半槍をかいこんでいた。 「来たか出すぎ者」叫んで槍をとりなおす、新六郎は竹杖の刀を抜いた。「大和のくに高取藩士、松野金五郎に代って亡き父子の怨《うらみ》をはらす、勝負」勝負と叫んだかれは、自分の胸板を槍へぶっつけるような態度で、ずかずかと市之進のほうへあゆみ寄った。法も術も捨てた態度だった、まるであけっぱなしだった、さあこの胸のまん中を突けといわんばかりである、市之進は思わずうしろへさがった、その刹那に新六郎は杉戸の一枚を蹴倒した。ぱりっというはげしい音をたてて杉戸が倒れるとたんに、かれはつぶての如く次の部屋へとびこんだ。 そこには印東弥五兵衛がいた、市之進が杉戸口からさそいとむところを、脇から斬ってとる構えだったのである。だから、いきなり杉戸を蹴倒されたとき、弥五兵衛は裏の裏を掻《か》かれてかっ[#「かっ」に傍点]と逆上し、とびこんで来た新六郎へ夢中で斬りつけた、むろん届くわけがない、空を打ってのめり、畳へ割りつけた。そのとき新六郎はもう市之進を縁先まで追いつめていた。……屋敷のなかはひっそりとして、一瞬すべてのものが音をひそめた。市之進は手槍を中段にとり、庭を背にして立っている、新六郎は刀を青眼につけ、相手の眼をひた[#「ひた」に傍点]と見ながら、ぐいぐいと真向に進んでゆく、弥五兵衛などに眼もくれなかった。絶叫がおこり、市之進が突っこんだ、新六郎はよけもせず、そのまま踏込んで上段から斬りおろした。市之進の槍は新六郎の着衣を貫き、新六郎の刀は市之進の真向を割っていた。弥五兵衛はそのとき新六郎のうしろへ迫っていた、そして市之進が槍を突っこむのと同時にうしろから新六郎の左胴へ斬りつけた。その太刀は少しさがったけれど、まさに腰骨の上へはいった。胴へはいったら致命だったに相違ない、腰だったので骨へ達しただけだった。新六郎はうん[#「うん」に傍点]とも云わずふり返り、「きさまは、いつもうしろからだな」と叫んだ、弥五兵衛は二の太刀をふりあげたが斬りこめなかった、新六郎の腰はたちまち血に染まってゆく、しかし平然たる顔でぐいぐいと進んで来た。弥五兵衛は蒼白になり、右へまわりこもうとした。その刹那に新六郎がとびこんだ、飛鳥のようなすばやさだった、あっ[#「あっ」に傍点]と弥五兵衛が夢中で刀を振ったが、新六郎のうちこんだ太刀は、かれの首の根をなかば以上も斬り放していた。 ――斬った。そう思った。そして倒れている市之進と弥五兵衛の姿を見かえして、かれはぐたりとそこへ膝をついてしまった、はじめて腰の傷がきいて来たのだ。しかし、かれが崩折れたとき、庭のほうで人の声が聞えた。「傷をしたようすだ、いってみてやれ」聞きおぼえのある声だった、かれははっとして眼をあげた、狭い庭のさきが高野槇《こうやまき》の生垣になっている、そこに馬上の武士がこちらを見ていた。――殿だ。しのび姿で、笠を深くさげているが、それは御主君光政公にまぎれもなかった、新六郎は平伏した、そこへ庭の木戸から玄蕃がはいって来た、それを追うように光政のよびかける声が聞えた。 「傷が治ったら、二人の髪を持って高取へ届けさせるがよい、戻るまで閉門を申付けるぞ」 平伏した新六郎の眼から、はらはらと涙がこぼれ落ちた。――戻るまで開門。そのひと言に慈悲のすべてが籠っている。やはり御しゅくんは自分のした事をおわかり下すった、新六郎は面もあげ得ずくくと噎《むせ》びあげた。玄蕃が近寄って来る。「やったな、やったな」という声が感動にふるえていた。 底本:「士道小説集」実業之日本社 1972(昭和47)年7月1日 初版発行 1978(昭和53)年5月10日 新装第二八刷発行(通算13版) 底本の親本:「夏草戦記」八雲書店 1945(昭和20)年3月 初出:「夏草戦記」八雲書店 1945(昭和20)年3月 入力:特定非営利活動法人はるかぜ
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Catch a cold , My dear. 譲二 ともかーく、せっかくだからー。 シローに悩み相談でもしてもらおー。 どうかなシローさん? 士朗 どうぞ、何でもお話ください。しろーに解決できるかは別としても(笑) クロノ よ~し この後 オレサマもちょっと相談してみるかな 士朗 しろーにですか(笑) りりあ クロノ「体が・・・半透明になるんです・・・」 譲二 じゃあ、スメバミヤコでたまたま一緒になったしろーさんに。 「最近、俺、変なんだ……」 時期は青雨の後で。 士朗 「どうしたんですか? じょーじさん。なんか、じょーじさんらしくないですよ?」 譲二 「四六時中、あいつの事が頭から離れなくて」 士朗 「あいつ?」 譲二 「胸がドキドキして、頭がぼーっとするんだ…… これは、一体なんなんだ? 俺、アレかな? なんかやばい病気にでもかかっちゃったのかな?」 士朗 「はあ、かぜ、じゃあないんですか?」 譲二 「やっぱり!? 風邪なんてはじめてひいたよ! そうか、これが風邪だったのかぁ」 士朗 「でも、かぜだと、胸がどきどき、は、しないですね」 クロノ いや、風邪は肺から来ますからねぇ 来る可能性もw 譲二 「この熱っぽい頭。そして、早い鼓動。これが、風邪というものなのか!」 士朗 「でも、じょーじさん、かぜを引いたにしては、元気すぎますよ」 譲二 「やはりなぁ……ああ、風邪ってのは、こうやって目の前にいっつもあいつの顔が出てくる事を言うのか……」 莠世 /ふと浮かぶ、あいつの涙、笑顔、そして・・・ 譲二 「すごい症状なんだな。風邪ってのは恐ろしい……」 がたがた。 士朗 「じょーじさーん、きいてますかー?」 譲二 「はい! 聞いてマス聞いてます! だから、折檻はやめて!」 士朗 「いや、折檻はしないですけど……幻覚に、幻聴まで聞こえてるみたいですね。 病院へ行ったらどうですか? だいぶひどいかぜみたいですよ、じょーじさん」 譲二 「ふっ、ここいらの病院は全部出入り禁止くらっているから無理なのです。 お前一生健康パスポートというものまで発行されている始末だから」 そこには『こいつは絶対病気なんてなりませんから病院は不要です』って書いてある。 「だから、病院へはいけないんだ!」 ううう。なきはじめる。 士朗 「そ、そんな……ひどいです。病院が出入り禁止だなんて。 いままで病気になってなかっただけで、いつかはなるかもしれなかったのに……」 譲二 「だよねぇ。酷いよねえ。世知辛い世の中になったもんだよ」 士朗 「でも、困りました。病院へいけないとなると、どうやって風邪を治しましょう?」 譲二 「ふっ、こういう場合はアレです! 人によいとおじいちゃんが言ってた!」 士朗 「おおー! どうするんですか!?」 譲二 「じー」 ごほごほ。なんかわざとらしくせきをする。 「ごほごほ」 士朗 「……なにをしてるんですか?」 譲二 「うつった?」 士朗 「えーと、あー、うつってないと思います」 おでこ触ったり、のどに手を当てたりしてから。 譲二 「なんと! と、という事は、これは風邪ではないということか!?」ががーん 士朗 「ええ!? そうなんですか!?」 ががーん! 莠世 (・・・あかん。この二人に会話させたらいつまで経っても終わらない(笑)) 譲二 「という事は、この病は一体なんだというのだ!? この頭がぼーっとして、いつもあいつの事を思い浮かべ、胸がキュンと締め付けられるような!」 ユィ 「鯉?」 士朗 「鯉、鯉の病?」 譲二 「こ、故意! そ、そうだったのかー!」 士朗 「ど、どうだったんですかー!?」 譲二 「わかった! わかったよシロー! この病の原因が!」 士朗 「おおー! わかったんですか!!」 譲二 「そう! 恋! つまり俺は、世界最強の不治の病にかかっていたのだ! この胸の締め付けも! この熱の正体もそれで説明がつく!」 士朗 「ええー!?」 譲二 「そうか、俺は、あいつに恋をしていたんだ!」 士朗 「大変じゃないですか!?」 譲二 「ああ、大変だ!」 士朗 「大変です!!」 譲二 「大変だ!」 士朗 「大変……って、なにがでしょう?」 譲二 「ああ、俺は今から、この病を解消するために、この気持ちを打ち明けてこようと思うんだ!」 士朗 「それはいいことです!」 譲二 「そうでもしないと、このままでは倒れてしまう! では、今からあいつへ気持ちを打ち明けてくる!」 士朗 「いってらっしゃいです! がんばってください!!」 譲二 「ああ! 行ってくるぜ!」 だだだだだだ。彼は走っていった。 士朗 「……あいつって、誰のことなんだろう?」 クロノ おっと 次の相談者かな? 譲二 そして、戻ってくる。 とぼとぼ。 クロノ お 戻ってきた 譲二 隣に座るジョージ。 「……」 士朗 「あ、じょーじさん。どうでした!?」 譲二 「うん。告白してきた……」 士朗 「で! で!」 譲二 「そしたら……」 士朗 「うんうん!」 譲二 と、白い紙袋を取り出す。 士朗 「?」 譲二 「……風邪だって」 袋を開けて、薬を飲む。 士朗 「……かぜ、だったんですか」 譲二 「はっくしょーん! うん。あいつ(医者)にそういわれた」 士朗 「よ、よかったじゃないですか。お医者さんにみてもらえて」 譲二 「熱が59度もあるって。びっくりされちった」 士朗 「ね、熱が59度!?」 莠世 じゃあそこへー 「ん? 譲二と・・・えーと?」 そういえば、しろーさんの事知らないや(笑 士朗 ん? ゆぜさん、しろーのこと、知ってますよ。 とりっどさんと対峙したとき、一緒にいましたから。 莠世 顔見ただけで、名前までは知らないよ? 士朗 ああ、そうでした。 譲二 「ぐで~」 風邪でぐでっとしてる。 士朗 「じょーじさん、大丈夫ですか? おうちまで運びますよ」 譲二 「はっはー。大丈夫大丈夫。数字を見るまでは大丈夫……」 莠世 「どうしたんだ? 顔が真っ赤だぞ?」 士朗 「あ、えーと、お嬢さん、じょーじさんのおしりあいですか!?」 莠世 「ああ、不幸にも、な。 貴方は確か、あの男と?」 士朗 「ええ、屍士朗といいます」 譲二 「いかん! よるなゆぜ! 今俺は、風邪というものをひいているらしい!」 莠世 「風邪か。お前が珍しいな。」 譲二 「風邪を初体験中なんだ!」 士朗 「って、そんな場合じゃなかった! じょーじさん、熱が59度もあるらしいんです!」 莠世 「59度!?」 譲二 「頭からとある人物が離れなくて、胸が締め付けられるように痛くて、ぼーっとするんだ! だから、今はよるなー!」 だだだっと逃げる。部屋の隅へ。 士朗 「ほら、こんな感じで大変なんです!」 莠世 「ば、馬鹿!この脳みそ揮発生物!! そんな熱で動き回る奴が居るか!!!」 隅に逃げた譲二を追う。 譲二 「薬を飲めば平気だから! だから、今はダメなのだ! お父さんによると、この風邪がうつってしまうから! よるでないー!」 なぜかくわえている体温計が、ゆぜが近づくにつれて、60、61と上がっていく。 「ほら! お前が来たから余計に熱が上がってきたじゃないか!」 じりじりとさがる。 莠世 「それはお前が動き回るからだろうが!! 薬飲んだだけで治る熱か!! とっとと暖かい寝間着に着替えて、大人しくしてろ!! 馬鹿!!」 譲二 「初体験だからよくわからん! ともかく、お前があたまから離れなくて、近くに寄られると、余計に熱が出るのだ!」 士朗 /どんどんあがっていく体温は、80度を超え始めている。 譲二 「だから、よる……ぴぽー!!」 頭から湯気が出て、ぶっ倒れる。 士朗 /そして、100度に達した! 莠世 「うわあ~~~!?」 いきなり、湯気を出して倒れた譲二をみて、びっくりする。 譲二 ぴくぴく。 莠世 おそるおそる、体に触れてみて・・・ 「あつ!? ちょっと、今何度なんだ!? こ、氷で冷やさないと!?」 おろおろするゆぜ。 が、キッと表情を引き締め。上に来ていたコートをキチンと着込み・・・ 譲二 でも、風邪が酷いというほどの熱ではない。 実際は、別の慣れない熱だから(笑 士朗 ですねえ(笑) 莠世 てっきり、本当に100度突破したかと思ったじゃないか(笑 士朗 いえいえ、体温計は100度突破してますよ。 莠世 が、体の方は平気? 譲二 数字的には平気。実際は健康体だしっ!(笑 士朗 だいたい、どうやったらじょーじさんが風邪になるんですか(笑) 譲二 でも熱はあるよ(笑 士朗 そう、熱はありますよ。お熱なんですよ(笑) 莠世 じゃあ・・・ 「なんなんだ?一体。」 ハテナマークを一杯浮かべる。 譲二 「はっ!」 復活! 莠世 「とりあえず、コレをどうにかしないと・・・」 倒れた譲二を助け起こそうと、ゆぜがしゃがみ込んだとき、 譲二 しまったー! もうしばらく倒れていてば、ゆぜに膝枕とかしてもらえたかもしれなかったかもしれないのに! 莠世 いきなり譲二が目を覚ました。 莠世 でも復活! 「ふぅ。死ぬかと思ったぜ」 額の汗をぬぐって。 莠世 「大丈夫か・・・?」 とても心配そうな声音で聞く。 譲二 「ふぅ、薬が効いたようだ、さすがだなあの薬!」 ちなみに正露丸。 莠世 「よかったな。でも、風邪は飲んだだけじゃ治らないぞ? 暖かくしてよく寝ないと・・・」 いつになく優しいのは、相手が病人だから。 譲二 「……? なんだ? 心配してくれてるのか?」 莠世 「・・・当たり前だろう? 病気知らずのお前が、まさか風邪を引くなんて、心配するに決まってる。」 譲二 「あーんしんしろって。もう直ったから!」 親指立てて。 莠世 「馬鹿。お前がいくら丈夫でも、そうすぐに風邪が治るものか。 いいから、今日はとっとと休め。」 譲二 「俺も驚いたよ。風邪っていうのは、頭の中で一人の人間がただひたすらにリフレインされ続けるものなんだな」 仰々しいジェスチャーを入れて。 莠世 「・・・幻覚まで見たのか?随分と重症だな」 譲二 「そいつの事ばかり思い浮かんで、胸が締め付けられて、それでいて、頭がぼーっとするんだ。 大変な風邪だったよ」 莠世 「どれ?」 っと、譲二の額と、ゆぜの額に手を当てて、熱を測る。 譲二 「!!?」 んぼっ! と赤くなって、ちょっと後ずさる。 「!? ? !!!!?」 莠世 「うわ!? スゴい熱いぞ!? ホラ見ろ、まだ治って無いじゃないか!!」 譲二 「ま、待て。風邪が治ってない。よるな! おかしい! なんでだ!?」 莠世 「なんで後退るんだ! そんなフラフラしてるのをほうっておけるか!!」 譲二 「い、いや、ほら、移すと悪いから! たぶん! 俺もわけがわからん!」 おろりおろり。 珍しくおろおろするジョージ。これが、風邪の効果というものか(笑 莠世 「私ならお前と違って、キチンと手洗いうがいをしている!!そうめったに風邪なんか引かない! それより、初めて風邪引いたのなら、経験者の言うことは聞け!!」 譲二 「そ、そうか……確かに、風邪は初体験……経験者の言う事は聞いておいたほうがいいな」 納得する。 莠世 と、思いっきり譲二の腕を掴んで・・・ずんずんずんと、スメバミヤコへ引っぱっていく。 譲二 素直についてく。 莠世 それとも、ゆぜのうちの方が近いかな? 譲二 「しかし、風邪ってのは、こんなに辛いものなのか……ゆぜが近くにいると思うと……胸の動悸がとまらん……」 莠世 「風邪を甘く見るな。下手にこじらすと後が大変なんだ。最初のうちに短期間で治そうとするのが肝心だ!!」 譲二 「そうか……それは大変だ。なにせ初経験だからなぁ…… さっきで直ったと思うんだが、どうにも、また熱が上がってくる」 莠世 いつも、子供扱いする譲二に、ちょっとだけ教えれることがあって、嬉しいと思ってる 譲二 「うん」 子供みたいに素直についてくる。ちなみに、咳はしない。 莠世 「ホラ見ろ、風邪薬は症状を抑えるだけだ。根本的に治すには、体を休めろ。」 といって、スメバミヤコに入る。たしか、ここに宿取ってるんですよね。譲二。 譲二 そうなのかな? いや、しらね(笑 バーの上にアパートがあるならそう。 まあ、近くに住んでるんでしょうからあながち間違ってない? あとで確認しましょう。 莠世 そこに住んで無いなら、ゆぜの家に連れて行くよ? 士朗 ジョージさんがスメバミヤコに住んでると、スメバミヤコが繁盛しないような気がします。 譲二 まったくだ(笑 とりあえず、莠世の家で、これなら間違ってても安全(笑 莠世 じゃあ、とりあえず。ゆぜの家に連れてきた。で、自分のベットを貸す。 譲二 別の意味では不安だけど(笑 莠世 まあ、その方面での危険には疎いので(笑 譲二 まったくもう。ジョージが狼だったらもう大変だぜ(笑 莠世 「ほら、とりあえずここで休め。」 譲二 「はーい」 風邪という事なので、素直にベットに入る……素直にベットに入る。とても珍しい姿だな。 莠世 ベットに放り込むと、一階におりて、いろいろな準備をする まずは、着替え。とりあえず、母の最も大きいラフなシャツを引っ張り出す。 あと、フリーサイズのズボン。タオル。 それを持って二階に上がる。 譲二 「……そーかー。風邪って、一人の事があたまからはなれなくなって…… そいつの事ばっかり考えて……思い浮かんで、それで胸が締め付けられて、 頭がぼーっとするものなのか~」 ぼそぼそと、風邪の諸症状を言いながら、そのまま、眠りに落ちていく。 莠世 「譲二。とりあえず、うちにある服の中で、何とか着れそうなのを持ってきた、 良く汗を拭いて、コレに着替えろ。濡れたままだと、余計に風邪が酷くなる。」 譲二 「……風邪って、大変だなぁ……」 莠世 「辛いだろうが、自分でやってもらえるか? 私はその間に氷枕を用意してくる。」 譲二 「すかー」 すでに寝ているジョージ。 莠世 「・・・しょうがない。」 とりあえず、着替えを置いて、再び階下へ。 氷枕とそれを包むタオル。を持って行く。 テキパキと頭の下に枕をセッティングしたり、お湯で固く絞ったぬれタオルで額とかを拭いたりしてやる。 譲二 むう、寝ている時に莠世の名を呼ぶのはすでにやったのだよなぁ。 でも、もう一回やるぞ(笑 「……ゆ……ぜ……」 ぼそりと、一言 莠世 で、出来ることを全てやり終えて・・・最後にぽつり 譲二 おっと、私の発言はいらないかな?(笑 莠世 「馬鹿・・・こんなに酷くなるまで、放っておく奴がいるか」 憎まれ口を叩くも、その顔は不安そうで、哀しげに瞳がに揺れる。 譲二 「くーすー」 安定した呼吸で、眠るジョージ。 莠世 「私じゃあ、頼りにならないかもしれない。・・・でも、こういう時くらい」 眠る横顔は、いつもと違いおちゃらけた雰囲気はない ・・・でも、それでも。 譲二 「すー」 莠世 「早く治せ、疫病神。じゃないと私も張り合いがない」 憎まれ口を叩くも、返らぬ返事に。もの悲しさを覚える。 最後に、そっとぬれタオルを額に置き、そのまま、手を胸元にやる。 譲二 「す~す~」 莠世 そこには、外からみえないが、十字架のペンダントが・・・大切な贈り物があった。 そして、しばらく寝顔を見守った後、無言で部屋を出た。 譲二 明日には、元気なジョージが見れるだろう。 いつもの、飄々とした、あの譲二が。 莠世 そして、扉の前で 「・・・馬鹿」 零れた言葉を拾う者は、居ない。 ◆ ◆ ◆ 譲二 綺麗にまとまったぁ! 莠世 まとまった!! 譲二 次の日には、風邪が治って普通のジョージに戻ってるから! 莠世 いつものやりとり再開w ・・・本当は、最後にキスしていこうかと思ったんだけど(笑 譲二 シチュエーション的にあってもおかしくなかったですな(笑 莠世 でも、あの青雨のシーンで、「何だったんだ、アレは?」って言っちゃう子ですよ? まだ自分からキスできるわけ、ないじゃな~い(笑 譲二 あはははは、ですねえ(笑 やっぱりジョージはいつもの方がいい。危険危険。 莠世 うんうん。ゆぜも譲二はいつもの飄々として、おちゃらけた態度じゃないと張り合いがない(笑 譲二 やっぱり、気持ちに気づくのは最終回とか、最終章とかでいいっす。 莠世 でも、今回のことで、初めて譲二の役に立てたなーって思えたので良かったw 今まで、何となく守られたりしたから。 譲二 普通の風邪でよかったなあ。 変な演出はいらなかった。ゆぜの好意に甘える形のがよかった。 士朗 しろーがいらなかったですねえ。 莠世 本当はしろーさんに運ぶの手伝って貰おうと思ったのに(笑 譲二 大丈夫です、ゆぜが出てくる前の 「……風邪だって」 でひと段落着いてますから。 士朗 なるほど。 譲二 予定じゃあれで終わりだったので(笑 士朗 そうだったのですか(笑) 莠世 あはははははw 私が乱入したからのびたのでしたーw 譲二 一応あそこで一つのオチはついてますから。 士朗 確かにあれ以降、私、ほとんどしゃべってませんしねえ(笑) 莠世 いつものドタバタ追走劇。 いつもと異なるのは、譲二がかなり余裕が無くて、ゆぜが本気で心配していたことw 譲二 しかし、風邪ねたをやってしまった。 となると、性格がまともになるは、酒を飲んだ時、かな?(笑 莠世 酒飲んだくらいでまともになるんですか? 譲二 それがネックなのよね~。 莠世 むしろ、ゆぜに飲ませた方が(笑 「・・・なんで、お前が3人もいるんだ? 分裂でもしたのか?」 譲二 そうそう。 士朗 そっちのほうがよさそうですねえ。 譲二 だから、風邪で熱でやられて、性格がまともになるほうがいいかなっと思って。 莠世 つまり、余裕がないとああいう風に素直になるのか。 譲二 風邪(?)初体験でしたから。そりゃ不安になります。 莠世 でも、やっぱり物足りないんだよね(笑) 苦しそうな様子とかも見るのはいやだし 譲二 ぎゃーぎゃー言い合ったほうが安心できるね。 莠世 できますねーw あと、いつもいつも離れない~というのも良いけど。 譲二 うん。 莠世 普段は普通にしてて、ふとした仕草とかで思い出して、真っ赤になるというのも捨てがたいw 譲二 確かに!ええい、うらやましい! 士朗 ちきしょー、ラブに米りやがって!(笑) 譲二 私もそういう子を! 恋する人側をー!! 莠世 優希ちゃんでやってるやんw 譲二 ぶっちゃけ優希がさぁ、やってるけどさぁ!(笑 士朗 じょーじさんも恋する側じゃないですか(笑) 譲二 今日だけだから! あの症状は(笑 ジョージはやっぱり飄々としてるのがいいと思うのよ。 莠世 じゃあ、ちょっと実験。 お酒をジュースと間違えて飲んでしまいました。 「甘い・・・」 譲二 また止まらなくなるぞー(笑 莠世 あーそうか(笑) じゃあ、このネタはまた次の時にでも(笑 譲二 「……おいゆぜ、それ、アルコールはいってないか?」 莠世 「・・・ほえ?」 既に出来上がった顔 譲二 「あーやっぱり。これカルーアミルクだ」 士朗 とかいって、反応してるじゃないですか!(笑) 譲二 はっはっは(笑 莠世 あはははははw 士朗 ああ、夜が明けちゃいますよ!(笑) ほらほら、とっときなさい!ぽっけにないないしなさい! 譲二 ういうい! 鉄の意志でやめるのだー! 良かった止めてくれる人がいてくれて! 莠世 うい。やめましょう(笑) 譲二 3d6 意思判定 ダイス 譲二 - 3D6 = [2,6,3] = 11 譲二 うむ、鉄の意志で止められた。 莠世 あははははは(笑 次回に取っときましょう(笑) 譲二 とっときましょう。 士朗 うんうん、このままだと、私も気になって眠れなかったですからね!(笑) 譲二 では、また今日! 士朗 ええ、また今日、会いましょう!