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「ねえ、お姉ちゃん。好きな人の写真を携帯の待ち受けにして、三週間隠し通せたら恋が叶うっていうおまじないの噂知ってる?」 「へえ、そんなのあるんだ。でもさ、そんなことで恋が叶うわけないのに、どうしてやろうと思うのかしら。それよりも、もっと現実味のあることをすればいいのに。仲良くするとか、告白するとか」 「お姉ちゃんは夢がないなあ。素敵な話じゃない。告白なんてする勇気がないから、待ち受けの画面にしてこっそり、恋が実りますようにってお祈りしてるんだよ」 「はいはい、私は夢がないわよ。にしても、三週間隠し通すなんて、部屋の押入れにでも入れてたら簡単なんじゃないの?」 「そんなのじゃ、恋は叶わないよ。いつものように使いながら、隠さないといけないんだよ」 「いや、だからどっちにしても叶わないって……。まあ、いいわ……」 それにしても、待ち受け画面を三週間隠せたら恋が実る、か……。 休み時間、こなたの教室の前に来た。 扉を開けようとして、しかし足が竦む。 一度深呼吸をする。胸に手を当て、緊張を和らげる。 大丈夫だ。大丈夫だ。 よし、と呟いてから扉を開けた。 「こなた、ちょっといい?」 「何? かがみ」 こなたはつかさとみゆきと話していたようだ。 移動はしないでこちらを向く。 「時間があるなら、来てくれない?」 私はこなたを屋上に連れて行った。 「それで、私に何か用?」 「え?」 落ち着け、私。昨日何度も練習したじゃない。何も恥ずかしがることはないんだ。 「あ、えー、と……。その、ちょ、ちょっと写メ撮らせてくれない?」 「え? どうして?」 どうしてだなんて、言えるわけがない。 だから、怪しまれないような言い訳も考えてきた。 「え、えと、私の友達に、こなたの話をしたら、顔を見たいって言い出して……」 これで、私は頼まれてやっているだけの人になれる。 「別に私に言ってくれれば実物を見せるんだけど。……この学校の人だよね」 まさか、ここまで聞いてくるとは思ってなかった。 でも、私だってここで嘘とばれるわけにはいかない。 嘘に嘘を重ねていく。 「い、いや、そうじゃなくて……む、昔の友達なのよ」 「ふ~ん。それで、どんなポーズになればいいの?」 「え?」 「だから、格好とか表情とか、そんなの。第一印象って大事じゃん」 そうか、こなたは疑っていないのか、私のことを。 そのでっち上げた友達に、会いたいと思ってるのか。 少し罪悪感を覚えた。こなた、ごめん。本当に、ごめん。 「か、可愛い表情がいいと思うわよ」 無意識のうちにそんなことが口から漏れていた。 何気なく大変なことを言ってしまった。 恥ずかしさに苛まれる。 いや、よく考えたら、これは私が望んでいるものではなくて、私の友達が望んでいるものだ。 私が私の意思で要求するのなら恥ずかしいけど、これは違う。あくまで私の友達の欲求だ。 「可愛い表情? う~ん、どんなだろ」 こなたは目を細めて頬に指を当て、考え始めた。 その姿に、一種の愛おしさのようなものを感じた。 私が望んだ、可愛いこなたそのものだ。 思わずカメラのシャッターを切った。 バシャッっという機会音に気づいたこなたが目を見開く。 「かがみ? 何勝手に撮ってるのさ~。まだ考えてる途中だったのに」 「ご、ごめん。じゃ、じゃあね。ありがと」 急いで屋上を飛び出した。 心臓が激しく脈打っている。走ってきたせいだ。 トイレの中で、撮った写真を確認する。 繭尻を下げて困ったように考え込むこなた。 ようやく、こなたの写真が手に入った。 胸が熱くなってくる。なんとも言えない気分になる。 待ち受け画面を変える。 あと三週間。 あの日から二日が経過した。まだまだ先は長い。 宿題をしていると、つかさが話しかけてきた。 「お姉ちゃん、明日こなちゃんが家に来るんだけど、いいよね」 どきりとした。一瞬体が動かなくなった。 「こ、こなたが? 何かあるの?」 あまりにもびっくりしたので、取り乱してしまった。恥ずかしい。 「うん。私がこなちゃんから借りてた漫画を取りに来るんだって」 「ふーん、べ、別にいいけど。わざわざその為に来るの? つかさが学校ででも渡せばいいのに」 「なんか、早く返して欲しいんだって」 そうか、こなたが家に来るのか。 こなたが。 明日。 待ち遠しいな。 「お姉ちゃんどうしたの? にやにやして」 「え? な、なんでもないわよ。気にしないで」 危なかった。表情が顔に出てしまっていた。落ち着け、私。ポーカーフェイスだ。 ベッドに入る。携帯をそっと開けた。 こなたの困った顔。 込み上げてくる何かを抑えるようにため息をつく。 忘れようと思って携帯を閉じる。 何やってるんだろうな、私は。 もやもやした思いを胸に秘めたまま、眠りに落ちた。 朝。 家の中ですることもないので、勉強を始めた。 つかさが起きてきてしばらく経ったころ、不意に携帯電話が鳴り始めた。 非通知だった。誰だろう。 「もしもし?」 「あ、かがみ。今かがみん家に行ってるんだけど、家にいるの?」 こなただった。 「な、なんだこなただったの。私はいるけど、どうしたのよ。つかさに漫画を返してもらうだけでしょ」 「いや、ちょっと確認しただけ。じゃあね」 確認しただけって、どういうことかしら。 また宿題見せてなんて言ってくるんじゃないでしょうね。 ため息を吐きつつ、携帯電話を机の上に置く。 宿題をやっているか確かめる。 昨日のうちに宿題は全て終わらしていたはずだ。 思ったとおり、全部出来ていた。 机の上に置いておく。 時計を眺める。途端に秒針の動きが鈍くなった。 こんなに一秒は遅かったのだろうか。 ピンポーン 玄関のチャイムが鳴る。秒針は四週もしていなかった。 もうこなたが来たらしい。一体どれくらいの近場から電話をしてきたのかと思いながら、急いでつかさと玄関に向かう。 「おはよー、つかさ、かがみ」 「おはよう、こなちゃん」 「こなた、おはよう」 こなたは軽めの格好だった。二学期が始まったとはいえまだまだ暑い。 それにしても、こなたはファッションというものには興味が無いのだろうか。 こんなだから彼氏も出来ないんだ。少し気を使えば顔も可愛いし、簡単に出来ると思うのに。 いや、それは困る。こなたに彼氏が出来るなんて……。 あれ、私は何を考えてるんだろう。こなたは大切な親友なんだから、恋を応援するのは当たり前だ。 「とりあえず上がって」 こなたを部屋へと先導することで思考を振り払う。 三人で勉強部屋に行く。 「はいこなちゃん、これ。ありがとう。面白かったよ」 つかさがこなたに二冊の漫画を渡した。 「いや~、布教活動の一種だからね。お礼なんていいよ」 「その割には早く返してもらいたいがるのね」 いつもの調子で、こなたにつっこむ。そう、いつも通りだ。 「ちょっと次の布教先を見つけたからね」 こなたもいつも通りさらりと受け流す。 「かがみも読みたかったら貸してあげるよ。ひよりんの後になるけど」 「いや、私はいいわよ……」 「あ、そうだ。返してもらったってひよりんに言っておかないと。ちょっと携帯の充電器貸して」 「え? そういえばあんたさっき公衆電話からかけてきてたけど、充電してなかったの?」 「全然使ってなかったからね。気づいたら充電が切れてたってことよくあるじゃない」 「普通ならないわよ」 ため息をつく。携帯電話が携帯電話としての機能を全く生かせていない。 あ、でも、普段使ってないってことは、私達以外とはあまり付き合いがないってことか。よかった。 よかった? なんで? 最近自分のことが分からなくなってくる。天井を見上げて気持ちを落ち着ける。 少し整理しよう。 「あ、ここに携帯あるじゃん。ちょっと貸して」 「え?」 こなたが私の机に目を向けている。 携帯を机の上に置いたままにしていたことを思い出した。 やばい、どうしよう……。 「ま、待って!」 「え、どうしたのかがみ。怪しいメールでもあるのかな~」 こなたは逆に興味津々といった感じで携帯を手に持った。 待って待って待って! おしまいだ。何もかも。 まだ見ていないこの後の様子が鮮明に浮かび上がる。 そしてそれは現実になった。 「どれどれ。……えっ?」 「どうしたのこなちゃん。あれ、これって、もしかして……」」 やめて、それ以上言わないで。こなたには知られたくないから。お願い。 やめてやめてやめてやめて。 テーブルの前に座ったまま体は動かない。 ただ、何も聞こえないように、必死で耳を塞いだ。 体が小刻みに震える。 「どういうこと? つかさ」 「えっと、あの……」 言葉は塞いだ手を突き破って耳に入ってくる。 「携帯の待ち受け画面をね……」 もう耐えられなかった。聞きたくない。ここにいたら、嫌でも耳に入ってしまう。 自分でやった事実だから、逃れようがない。 「好きな人の写真にしたら……」 全てを聞いてしまった。聞きたくなかったのに、知られたくなかったのに。 「やめてぇぇぇぇぇ!」 気づいたら、部屋を飛び出していた。 家を出て、走り続けた。どこまでも。現実から逃げられるまで。 でも、何処まで行っても、体は震えたままだ。 もう、終わりだな。 公園があった。 ベンチに座る。 必死に忘れようとしているのに、あの出来事が何度も蘇ってくる。 つかさは、攻められない。 あの状況なら、本当のことを言うしかない。それに、結局実践したのは私だ。 あんなこと、しなければ良かった。 何の意味もないのに。 でも、もしかしたらという淡い希望もあった。それは思い込みでしかなかったのだけど、私にはこんなことしか出来なかったんだ。 告白なんて、そんなに簡単に出来ない。だからこそ、こんな夢物語的なものを信じてしまった。いや、信じるほかなかったんだ。 だって、どうしようもないから。思いは強くても、行動には移せないから。そんな勇気無かったから。 ああ、どうしたらいいんだろう。 元々叶うわけないと分かってたはずだ。それなのに、万が一に賭けてしまった。 そのせいで、恋が叶うこともなくなった。その上友達としての関係もおかしくなってしまった。 私、こなたに嫌われたかな。 そこまで、考えて、ようやく心のもやもやが晴れた気がする。 そうか、私、こなたのことが――。 同性に好かれているなんて知ったら、いくらこなたでも引くに決まってる。 こんなのは普通じゃないから。 友達だったのに、いつからだろう。こんな風に思いだしたのは。 ベンチの背もたれに思いっきり背中を預けた。 ぼんやりと空を見つめ続けた。 雲ひとつ無い青い空。恨めしいほどに私とは全然違う。 真っ白になった頭の中、モザイクが薄れていくように何かの映像が広がっていく。 こなた……。 こなたの姿がいくつもいくつも現れては消えていく。 チョココロネを食べるこなた。 目を細めて思案するこなた。 アニメについて語るこなた。 嬉しそうに笑うこなた。 それは、心の奥底に隠した思い出の写真。 こんなにも沢山の写真を持っているのに、どうして私は携帯でこなたを撮ろうとしたんだろう。 こんな気持ちなんて、誰にも気づかれないように胸の中だけで抑えていたらよかったんだ。 こなたはいつまでも子供のように純粋だ。 自分の好きなことならどこまでも追い続け、自分の気持ちに嘘をつかないで、思ったとおりに行動する。 周りの目なんて一切気にしていない。 私にはないものを、こなたは持っている。 だからかな……。 空は何処までも突き抜けていく青。 どうしてこんなに晴れてるんだろう。雨でも降ってくれたほうがいいのに。 もう、今までの日常は帰ってこない。 これから、こなたとどう接すればいいんだろう。 そもそも、話しかけてくれないかも。 心にぽっかりと大きな穴が開いたような、そんな気がした。 空が、どんどんぼんやりとしたものに変わっていく。 自然と涙がこぼれていた。 ああ、私、泣いてるんだ。 こんな公園で、みっともないなあ。 でも、全然止まらないよ……。 パシャ 「かがみ、そんなに泣いて、かがみらしくないよ」 「え……?」 滲んでよく見えない目を凝らして、前を見る。 確かに、そこに、いる。 「こ……なた……?」 急いで服で涙を拭う。 こなたがいた。目の前に。 どうして? どうしてここにいるの? こなたは携帯をいじっていた。 「……何、してるの?」 「え? ……内緒、だよ」 こなたは私に笑いかけると、携帯をしまって隣に座った。 「……こなた、どうして、来てくれたの?」 「どうしてって、心配だからに決まってるじゃん」 「でも、あんなの見て、軽蔑したでしょ……」 「なんで? あれが、かがみの本当の気持ちなんでしょ。乙女チックで、おまじないも信じちゃうかがみんは可愛いなあ」 「な……」 顔が火照っていくのが自分でも分かる。 「かがみ、顔真っ赤だね~」 「い、いや、こ、これは……」 「私は、嬉しかったよ」 思わずこなたの方を向いた。 それを見たこなたは、小さく微笑んだ。 「かがみの気持ちが分かったから。同じだなって……」 「……え?」 同じ? それってどういう……。 「かがみ」 こなたが私の膝の上に寝そべった。 「泣いちゃってるかがみも可愛いよね。レアものだし」 そう言ってこなたは、自分の携帯を開いて見せてきた。 ああ、そうか。同じって、こういうことなんだ。 嬉しかったし、ほっとした。 私は軽蔑されても嫌われてもいなかったんだ。 心の穴が塞がっていく感じがする。 胸が熱くなってきた。 押さえ込んでいた涙がまた流れ出してくる。今度はいくら拭っても止まらなかった。 「あんたは、三週間隠し通したりしないの?」 「え~? だって、そんなに待たなくても、もう叶ってるよ、おまじない」 「こなた……」 そっと、こなたの顔に手を置く。 こなたが、その手にじゃれついてきた。 よかった。本当に、よかった。 感情がどうしようもなく溢れてくる。 これからはずっとこなたと一緒だ。絶対に。 言葉に出来ない思いに悩むことも無い。 自然と笑みがこぼれてくる。 自分の願いが叶ったことと、こなたの幸せそうな顔。 膝の上のこなたを、全身で優しく包み込んだ。 見上げると、雲ひとつない青空が広がっていた。 終 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-16 11 52 05) 泣きそう… -- 名無しさん (2021-01-07 04 12 20) とてもロマンチックで私もこんなロマンチックな事が起こって欲しいなぁと思いました(^_^;) -- 中西久子 (2014-01-09 17 41 45) 下のコメントの人気に嫉妬ww -- 名無しさん (2012-10-06 22 32 57) 一番下のコメント凄い感動 -- かがみんラブ (2012-09-23 22 38 49) いい話だった あと、誠死ね -- 名無しさん (2010-08-12 18 29 02) 一番下のコメントで泣いた -- 名無しさん (2010-01-28 23 45 55) つかさ「」 -- 名無しさん (2009-06-27 14 00 49) むしろ、下のコメントにちょっぴり感動した。 -- 名無し (2009-06-24 11 49 52) かがみもこなたも、お互いが心の中の待ち受けを3週間以上設定していたのかもしれませんね。 これからの二人は、何も悩むことなく、きっと幸せでいれる、そう信じてます。 -- 名無しさん (2008-12-18 11 44 26)
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元銀バッジまりさの末路 上 39KB 虐待 悲劇 理不尽 差別・格差 誤解・妬み 飾り 同族殺し 共食い 野良ゆ 赤子・子供 ゲス れいぱー 都会 現代 ぺにまむ anko436「れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!」の外伝です。 ・『ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!』の外伝です。 他の作品にも関わりがあるのでそちらを見ていただいた方がよくわかると思います。 ・なので一応現代設定です。 ・外伝なのに本編より長いのは気にしてはいけない。 ・俺設定あり。 ・一応『ふたば系ゆっくりいじめ 447 おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね!』とも関わりがあります。 天然あき ある公園に一匹の帽子に傷のあるまりさがいた。 そのまりさは心底イラついていた。 すっきり相手のれいむに逃げられてしまったからだ。 このまりさは心底ゲスだった。 純情なフリをして優しそうなお兄さんに買ってもらい、ゆっくりしていたのだ。 このまりさは人間の前でだけ狡猾な典型的なゲスタイプで、このタイプに騙されてしまう飼い主やゆっくりショップは多い。 金バッジならまだしも銀バッジ程度ならゆっくりでも純粋を演じて獲得が可能だからだ。 そうしてまんまと優しいお兄さんに買われたまりさは飼いゆっくりとして飼い主のいない所でゆっくりと好き勝手し始めた。 飼いゆっくりには手を出さず、野良のゆっくりと行きずりのすっきりや虐殺を行った。 にんっしんし、追ってきたすっきり相手のありすとれいむを家に侵入した悪いゆっくりと騙り、 子供共々飼い主に拷問で苦しめて殺させて信用を得たりしていた。 まりさは自分が選ばれたゆっくりだと思っていた。 つがいのありす達は自分とは違う劣った存在だと思い込んだのだ。 だから、自分に助けを求め、恨み言を吐き、子の助命を嘆願したつがいの目の前で御馳走を食べたり、子供をすっきり殺したり 食べたり出来たのだ。 だが、そんな日々も簡単に崩壊した。 何度も繰り返せば調子に乗り、やり方も注意力もおざなりになる。 散歩途中に出会ったれいむとすっきりし、子供を殺すところを飼い主に見られてしまったのだ。 飼い主は何も知らず家に帰って来たまりさから瞬く間に銀バッジを奪い、保健所へ連れていこうとした。 まりさの帽子が少し破れているのはバッジを無理矢理取ったからだ。 身の危険を感じたまりさは必死に逃亡し、今に至る。 もうお家には戻れない。 「それもこれもれいむがおとなしくしなないのがいけないんだぜ!!」 自分の非道を棚に上げてまりさは文句を言う。 実際はれいむが死のうが死ななかろうが飼い主に一部始終を見られたのだから末路は決まったようなものだっただが…。 まりさは選ばれたゆっくりだという自負があった。 一度選ばれたのだからまた選ばれるのは当然と考えていた。 実際はそんな簡単な話ではないが…。 「ゆう…おなかがすいたんだぜ…」 一度とは言え飼いゆっくりを経験したまりさには舌が肥えてそこらへんの雑草やゴミを食べる事が出来なかった。 ならば人間がいない今、食えるものなど限られていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゆっほゆっほ!これできょうもおちびちゃんたちがゆっくりできるよ!」 公園の前を一匹のまりさが跳ねていく。 それを木陰に隠れて見つめるのは傷有りまりさ。 ゆっくりと後をつけていく。 「ゆっくりかえってきたよ!」 「ゆっくりおかえりまりさ!!」 「「「ゆっきゅりおきゃえりなしゃいおちょうしゃん!!」」」 そしてまりさがダンボールで出来たおうちに入っていくのを見届ける。 ただ傷有りのまりさはそれを何をするでもなく見ていた。 「む~ちゃむ~ちゃちあわしぇ~!!」の声を聞きながらまりさはずっとおうちを見続けていた。 翌日。 「それじゃあいってくるよ!!」 「ゆっくりいってらっしゃい!!」 まりさがおうちから出て狩りへと向かう。 それを見送るれいむ。 傷有りまりさのお眼鏡でも中々の美ゆっくりだ。 リボンが少し破れているのが難だが…。 それはさておき、まりさが跳ねていくのを見届けて、傷有りまりさは行動を起こした。 「おちびちゃんたち、きょうもゆっくりしようね!」 「ゆう、まりしゃはゆっくちちゅるよ!!」 「「れいみゅみょゆっくちちゅるよ!!」」 れいむ達がおうちに戻るのを見計らって、傷有りまりさはまりさの後を追った。 「おはなさん!ゆっくりまりさにたべられてね!!」 公園の緑地帯に生えた野花を口で器用にちぎっていくまりさ。 街に住んでいながら野草を食うのに抵抗がないタイプのようだ。 その様子を見ながら傷有りまりさは辺りに誰もいないのを確認し、口に石を幾つか入れてまりさに近寄っていった。 そして、 「ゆっくりしていってね!!」 大声で叫んだ。 するとまりさはこちらを向いて…、 「ゆっくり…」 答えようとした。 だが傷有りまりさはまりさが答えるよりも速く口から石を吐き出した。 ちょうどまりさの顔の中央に石が命中する。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 突然の激痛にまりさは混乱する。 その隙を傷有りまりさは逃さなかった。 瞬く間に口に入れた石を吐き出す。 今度は目に当たり、まりさの左目が潰れる。 「ゆびい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!? どうじでごんなごどずぶの゛お゛お゛お゛お゛!!?」 まりさには何が起きたかよくわからなかった。 初めて会ったまりさにいきなりゆっくりさせらなくされたのだ。 「まりさなにもわるいごどじでないのに゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 いきなりの理不尽にまりさは思わず叫ぶ。 しかし、 「うるさいんだぜ!! クズはさっさとまりさにおぼうしをわたしてさっさとしぬんだぜ!!!」 返ってきた答えはあまりにも酷いものだった。 傷有りまりさはまりさの帽子を奪い取り、更に口に含んだ石を加重にして体当たりする。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?いぢゃいよお゛お゛お゛お゛お゛!!やめでね!!ゆっぐりじようよ!!」 「まりさにたべられるしかなのうのないあまあまがしやべるんじゃないぜ!!」 傷有りまりさはそのまま何度も何度もまりさを踏み付ける。 最初の一撃で戦意を奪われたまりさはまともな反撃も出来ずに、 「もっちょ…ゆっぐりじだがっだ…」 そのまま息絶えた。 傷有りまりさはそのまま死んだまりさの帽子を被り、自分の帽子をまりさの成れの果てに被せた。 辺りに誰もいないのは確認済みだ。 例え他のゆっくりがまりさの叫び声を聞いてやって来ても人間を騙せる程度の知 能と口八丁を持つ傷有りまりさなら騙し通してしまえる程度の自信はあった。 これで傷有りまりさとまりさは入れ代わってしまった。(傷有りまりさはこれから便宜上ゲスまりさとする。) 「む~しゃむ~しゃそれなり~…」 ゲスまりさはまりさを食べて腹ごしらえする。 栄養豊富だった飼いゆっくりとはいえ、一日何も食わないのは流石に堪えたよう だ。 舌の肥えたゲスまりさが何とかして食えるもの…それがゆっくりだった。 何とか腹を満たす事の出来たゲスまりさはかつてまりさだったものを帽子に詰め込んでいく。 そうして、ゲスまりさはまるで何事もなかったかのように跳ねて行った。 傷付いた帽子はもういらない。 もしかしたら元飼い主が捜しに来るかもしれない。 だがここに帽子があれば、元飼い主も死んだと勘違いしてくれるかもしれない。 そのような理由で主に捨てられた帽子だけがそこに残っていた。 「ただいまなんだぜ!!」 「「「おきゃえりなしゃいおとうしゃん!!」」」 「おかえりなさ…まりさなの?」 帽子をパンパンにしてれいむ達のいるおうちに入ってくるゲスまりさ。 元気に答える赤れいむ二匹に赤まりさ一匹。 目の前にいるのが父親ではない事に気づいていない。 それに対し、少し違和感を感じるれいむ。 「なにいってるんだぜ? まりさはまりさにきまってるんだぜ!!」 呼吸するかのようにさも当然に嘘をつくゲスまりさ。 「ゆうう…でもなんかちがうきがするよ…」 れいむは何だか釈然としない表情を浮かべていた。 「きっとおちびちゃんのせわでつかれてるんだぜ!! きょうはごちそうだからこれをたべてゆっくりすればだいじょうぶなんだぜ!!」 そう言って帽子かられいむにとって愛するつがいの成れの果てを出す。 「ゆ…ゆああああああ!!? あみゃあみゃだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 子まりさが歓喜の叫びを上げる。 同族殺しはゆっくりできない為、発覚すれば殺されるのがわかっているので中々 野生のゆっくりは甘味をとる事が出来ないのだ。 中身が甘味だと知らないゆっくりも多い。 だから「れいみゅはたべぼのじゃないようう!!?」等という台詞をはけるのだ。 「にんげんがすてたのをひろったんだぜ!!」 あまりにもあっさりと嘘をつくゲスまりさ。 成れの果てを出す時も帽子を口にくわえていた(触れているから装着していたの と同じ判断とされた)からまだバレていない。 「ゆゆゆううううう!!? すごいよまりさ!とってもゆっくしてるよおおおおおおッ!!!」 完膚なきままにぐちゃぐちゃにされたつがいの成れの果てだとれいむも気付かず目を輝かせる。 まりさに対する違和感も忘却の彼方だ。 「いちゃじゃきまーしゅ!!」 「む~ちゃむ~ちゃ…ち、ちちあわしぇええええ!!?」 「うみぇ!きょれめっちゃうみぇえ!!」 「とってもおいしくてゆっくりできるよおおおおおお!!!」 皆夢中になって父親であり夫であったものを食っている。 そのあまりの醜態にまりさは自然と笑みが零れてしまう。 やはりこいつ等は馬鹿だと…。 「ゆっゆゆ~…おにゃきゃいっぴゃいだよ…」 「れいみゅ…ねみゅきゅなっちぇきちゃよ…」 人間を遥かに越える単純な身体と知能を持つゆっくりは食べた後すぐ眠くなって しまう。 「ゆふああ…そうだね、きょうははやいけどす~やす~やしようね…。まりさ…とじまりをおねがいするよ…」 親れいむが大口を開けて欠伸をする。 後始末はゲスまりさに任せてさっさと眠りにつく身勝手な親れいむ。 まあいい、どうせ短い付き合いだ。 ゲスまりさは軽蔑の感情を顔に一切出さずゆっくり達が眠りにつくのを待った。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゆんせ!ゆんせ!」 「すぴ~…ゆぴ~…」 「…とってもゆっくりしてるよぉ…」 ゲスまりさがとじまりの何処から持ってきたレンガを積み重ねていく。 確かにこれをしておけば猫や捕食種に襲われる危険性はなくなる。 だが、それは逆にここから逃げる事も難しくなるという事だ。 完全な成体であるまりさですら一苦労なのだかられいむや赤ゆっくりにレンガを動かせるわけがない。 「ゆっふっふっふ…これでじゅんびがととのったんだぜ…」 ゲスまりさはほくそ笑む。 今まで下らない家族ごっこをしてきたがそれも終わりだ。 「れいみゅ…あきゃあしゃんみちゃいなおきゃあしゃんになりゅよ…」 他のゆっくりは全く起きる気配はない。 ゲスまりさはゆっくりと元の帽子の持ち主が使っていた木の棒を口にくわえて、 「まりさすぺしゃるをたっぷりあじわうんだぜ!」 そのまま親れいむのあんよに突き刺した。 「ゆんぎょああああああああああああああああッ!!!?」 突然の激痛に雄叫びを上げる親れいむ。 「ゆ…どうちちゃのおきゃあしゃん…?」 「そんなおおぎょえだしゅなんちぇゆっきゅりしちぇにゃいよ…」 「…ゆっきゅちちちぇね…」 その叫びに目を覚ます三匹。 「いぢゃあ゛い゛い゛い゛!!! れいむのぎれいなあんよがいぢゃい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 だがありすは子供の声にも気付けず痛みにのたうつ。 「ゆ、ゆううううう!!? おきゃあしゃんのきりぇいにゃあんよがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「おちょうしゃん、はやきゅおかあしゃんをたしゅけちぇね!!?」 やっと親れいむの様子がただ事ではないと理解した赤ゆっくり達は父親だとと思 い込んでいるゲスまりさに助けを求める。 だが、 「うるさいんだぜ!!」 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 親れいむを突き刺した木の棒で赤ゆっくりまりさを突き刺した。 「おちょうしゃんなにしゅるにょおおッ!!?」 「ゆっきゅりできにゃいよお!!」 「まりさのごはんはゆっくりだまるんだぜえ゛!!」 続いて非難してくる赤れいむ二匹にも突き刺す。 「ゆぴいいいいいいいいちゃいよおおおおおッ!!!」 「おとうしゃん、どぼぢでごんなごどずぶのおおおおおおッ!!!?」 「まりさ…どうじで…がわいいおちび…ちゃんに…ごんなごど…」 愛するつがいの凶行に訳がわからない親れいむ。 「ぷ…ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」 すると突然笑い出すゲスまりさ。 「ゆ…?」 それに驚くどころか呆気に取られるれいむ。 「まだきづかないなんてとんだあんこのうなんだぜ!!まりさはおまえのかぞくのくずのまりさとはちがうんだぜ!!」 そう言ってもみあげを使って帽子を取る。 途端、れいむ一家の顔が蒼白していく。 「ゆああああああああおとうしゃんじゃないいいいいい!!?」 「どうちちぇちらないまりしゃがおちょうしゃんのおびょうしかびゅっちぇるの おおおおおお!!?」 「おちょうしゃんをどきょへやっちゃのきょのおおおお!!?」 「おまえらのおとうさんならまりさがゆっくりできなくさせたんだぜ!!かんしゃするんだぜ!」 ゲスまりさは誇らしげに言う。 「ゆ…ゆ…ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!ごろじでやる゛う゛う゛う゛う゛う゛!!! ばりざをゆっぐぢでぎなぐじだげずはごろじでやぶう゛う゛う゛う゛!!!」 「うるさいってなんどいえばわかるんだぜ!!」 「ゆぎゅう゛う゛!!?」 激昂する親れいむを体当たり一撃で黙らせるまりさ。 いくら怒ろうにも親れいむの身体は最初の一撃でに負ってしまって いた。 「おまえらだってどうるいなんだぜ!! じぶんのかぞくをたべて“しあわせ~”とかいってたんだぜ!!」 その言葉にれいむ一家全員が硬直する。 そして一拍おいた後、 「ゆげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」 いきなり中身を吐き出しはじめた。 自分が家族であるれいむを食した事をようやく理解したのである。 だが嘔吐というの結構な労力がいる。 これでただでさえ出来ない抵抗が更に出来なくなってしまった。 「ようやくきづいたんだぜ!まったくどしがたいあんこのうなんだぜ!!」 ゲラゲラと笑い続けるゲスまりさ。 それを睨み付ける事しか出来ない親れいむ。 「きょろちちぇやりゅうううううううう!!!」 一匹の赤まりさが怒りに身を任せて体当たりしてくる。 だが赤ゆっくり程度の体当たり等大したダメージにもなりはしない。 簡単に体当たりし返す。 「ゆぎゅあ゛あ゛!!?」 「まりしゃあ゛あ゛あ゛!!?」 「きょろちちぇやりゅううううう!!?」 赤まりさが簡単にやり返された事に今度は赤れいむが体当たりしようとする。 しかしゲスまりさは不敵に笑い、 「いいのかだぜ? なかみがでたらゆっくりできなくなるのぜ!」 そう告げた。 そこでやっと自分の身体が危険な状態である事を思い出す。 「ゆ…ゆぐぅ…」 悔し涙を流しながら黙り込むれいむ一家。 それを見てゲスまりさは更に気分をよくする。 今まりさはこの場では神に等しい、と思い悦に浸る。 そして、 「まりさはおなかがすいたんだぜ。 だからおまんじゅうをゆっくりたべるんだぜ」 「ゆ、おまんじゅうしゃん!?どきょ、まりしゃもたべりゅ!」 まりさの宣言に目を輝かせて辺りを見る赤まりさ。 所詮は赤ゆっくり。 甘いものの欲求が全てを忘れ去らせてしまった。 だが、 「いただきますなんだぜ!!」 「ゆぴゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 その期待もゲスまりさに身体の三分の一をかじり取られる事で激痛に塗り潰され た。 「まりしゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」 赤れいむが妹である赤まりさの悲惨な姿に思わず絶叫する。 「いぴゃいよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 「ごろぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!! ぐぶはごぼじべやぶう゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「どぼぢでぎょんなぎょちょちゅるのおおおおお!!?」 れいむ一家がそれぞれの絶叫を上げる。 しかしとうのゲスまりさは…、 「む~しゃむ~しゃ~ちょとしあわせ~♪ やっぱりたべるならあかちゃんにかぎるんだぜ♪」 と美味しそうに赤まりさの身体を食べていた。 そしてそのまま二口、三口と赤まりさをゆっくりゆっくりと食していく。 一口で殺さないのは苦しめて甘さを上げる為である。 「おちびじゃん!!じっがりじべえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」 親れいむの悲鳴が響く。 赤れいむ二匹は隅の方でガタガタ震えている。 「もっちょ…ゆっぎゅり…しちゃ…「む~しゃむ~しゃしあわせ~」」 最期の一言すら言う事も出来ず赤まりさはゲスまりさの栄養になったのだった…。 「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛れいみゅのきゃわいいいみょうちょぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「やじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛れいみゅおうちきゃえりゅう゛う゛う゛う゛う゛ う゛!!?」 「おちびちゃんが…ゆっぐりしてだまりさにぞっぐりだったかわいいおぢびじゃんが…」 家族が一日にして二匹も減ったショックに親れいむは呆然としており、赤れいむは泣き叫んでいた。 「うるさいんだぜ。 ゴミはちゃんとかたづけとくんだぜ」 そう言ってゲスまりさは赤まりさの帽子を赤れいむの近くに放り投げる。 「まりしゃああああああああ!!?」 赤れいむは赤まりさの形見となった帽子へ駆け寄る。 それを見ながらゲスまりさは、 「はやくそのきたないおぼうしをたべるんだぜ」 と告げる。 「「ゆ?」」 ゲスまりさの言葉を理解できない赤れいむ二匹。 ゲスまりさは舌打ちしてもう一度告げた。 「はやくそのぼうしをむ~しゃむ~しゃするんだぜ!!」 「ゆゆ、できりゅわけないでしょおおおおおおおお!!?」 「きょれはきゃわいいれいみゅのいみょうとのおびょうしだよ!! ぞんにゃのでぎりゅわけないでしょおおおお!!!」 当然拒否の叫びをする。 だが、 「たべないならまりさがおまえたちをむ~しゃむ~しゃするんだぜ!!」 ゲスまりさは有無を言わせずに告げた。 「ゆ…ゆぅ…」 流石にさっき自分の家族を食われたばかりでその言葉が本気である事はゆっくりしていたゆっくりの餡子脳でもわかった。 「ゆ…ゆうぅ…」 死にたくない…けれども家族の形見を食べたくない…。 「はやくするんだぜ!! そのきたないおぼうしをたべるか!まりさにたべられるかどっちがいいんだぜ!?」 だがゲスまりさは食わなければ殺すと告げている。 元より選択の余地などなかった。 「ゆっきゅり…む~しゃむ~しゃちゅるよ…」 そう言って帽子を食べ始める赤れいむ。 「ごみぇんね…まりしゃ…」 泣きながら最愛の家族を食べていく。 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!! こいつらじぶんのかぞくのたいせつなおかざりをたべてるんだぜ!!どうしようもないクズなんだぜ!!」 かつて自分の子供ですっきりしたり食い殺した事を完全に棚に上げて嘲笑うゲスまりさ。 「ゆ、ゆうううう…」 屈辱の涙を流しながらも赤れいむは帽子を食べつづける。 その姿を嘲笑うゲスまりさ。 「ゆ、ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 すると突然叫び声を上げて親れいむがゲスまりさにタックルした。 「ゆがあ゛あ゛!!?」 まさかあんよに穴が開いた状態でそんな抵抗してくるとは夢にも思わなかったゲスまりさはそのまま体当たりされて転がる。 「おちびちゃんたちいまだよ!!はやぐにげるんだよ!!」 親れいむは逃げるように促す。 「ゆ、ゆうう…でみょおきゃあしゃんは…?」 「いいからはやくにげるんだよ!! あのまりさはゆっくりしてるおかあさんがやっつけるよ!!」 「ゆ、ゆう…」 「しっかりするんだよ!!しんじゃったまりさのぶんまでいきるんだよ!!」 迷う赤れいむに親れいむは叫んで行動を促す。 「ゆ、ゆううう!!にげりゅよ!」 「まっちぇおにぇえちゃん!」 赤れいむが跳ねて出入口に向かう。 「おちびちゃん…げんきでね…」 赤れいむ二匹を逃がす為に親れいむはゲスまりさに立ち塞がる。 ゲスまりさはというと…、 「ぷ、ぷくくく…ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」 転がった姿勢のまま馬鹿笑いしだす。 「ゆうう、なにがおかしいの!!!?」 いきなりの馬鹿笑いに驚き戸惑う親れいむ。 それはゲスまりさが答えるよりも早くわかった。 「れんがしゃんゆっきゅりどいちぇね!」 「れいみゅのじゃまをちゅるなんちぇゆっきゅりちちぇにゃいよ!!」 「ゆゆゆううううう!!?」 親れいむは気付いた。 眠る時はいつもレンガで塞いでいた事を…。 それは外からの外敵の侵入を防ぐのに役に立ったが同時に中から外への脱出を困難にする事でもあった。 赤れいむ二匹にレンガを動かすことは出来ない。 親れいむも今の状況では出来ない。 そもそも親れいむは完全に忘れているが赤れいむ二匹も決して軽くはない怪我を負っているという事を…。 ゲスまりさとつがいのまりさが入れ代わっているのを気付けなかった時点で詰んでいたのだった。 「まさかここまであんこのうだとはおもわなかったんだぜ!」 「ゆ、ゆうううう!! かわいいちびちゃんはれいむがまもるよ!!」 もはやゲスまりさを倒す以外に道はないと親れいむは判断する。 だがさっきの自分を省みない不意打ちの際に今までとは比ではない量の餡子を撒 き散らしてしまった。 ゆっくりだから気にもならないが周囲には甘ったるいニオイが充満していた。 「どいちぇねれんぎゃしゃあああああん!!?」 「れいみゅがゆっきゅりできにゃいよおおおおおお!!?」 涙を流しながら絶叫する赤れいむ二匹。 体当たりしても無駄な事を内心理解しているのだろう。 それの盾になる形で前にいる親れいむ。 「おちびちゃんたちは…れいむがまもるよ…!!」 「ゲラゲラゲラ…これだからのらはばかでいやになるんだぜ!!」 ゲスまりさはその親れいむの姿を嘲笑う。 そして、 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりの代名詞とも言える言葉を放つ。 そうすれば必然的に、 「ゆっくりしていってね!!」 「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」」 言葉を返してしまうのが哀れなゆっくりの性だった。 その隙をゲスまりさは見逃さなかった。 さっきのお返しと言わんばかりに親れいむに体当たりする。 「ゆぎゃあ゛あ゛!!?」 不意打ちとなった一撃を受けた親れいむは先程のゲスまりさのように転がっていく。 その結果、 「ぷぎゅ!!?」 ぶちゅり、と音を立てて赤れいむ一匹が親れいむの下敷きになって潰れた。 「おねえちゃんぎゃちゅびゅれちゃっだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「ゆ…ゆゆゆ!!?」 残った最後の子供である赤れいむの叫びで何が起きたか親れいむは理解してしまった。 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!! おちびちゃんをまもるんじゃなかったのかだぜゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 自分が殺した…そんな現実から逃避する為に親れいむは怒りをまりさにぶつけようとする。 だが、 「こんどはきかないんだぜ!!」 「ゆぎゅあ゛あ゛!!?」 元々の状態でぶつかり合えば親れいむがゲスまりさに勝てる訳がない。 簡単に体当たりで吹っ飛ばされる。 「おきゃあしゃああああああん!!?」 赤れいむが親れいむに駆け寄る。 「お…ちびちゃ…にげ…」 「ちっきゃりちちぇよおきゃあじゃん!? いっちょにゆっぎゅりじようよお゛お゛!!!」 逃げるように促す親と、親を心配する子。 窮地になると家族ですらあっさり見捨てるゆっくりという種では珍しく強い絆を持っているようだ。 だが、そんなものはゲスまりさの前には何の意味もなかった。 「ゆうう、うごいたらおなかがへったんだぜ。はらごしらえをするんだぜ」 「ゆ!?きゅ、きゅるにゃきょのきゅじゅああああああ!!?」 赤れいむは逃げる。 動揺した頭は親れいむの口の中に避難するという選択肢すら浮かばず、狭いおうちの中を跳ね回る。 しかし、赤ゆっくりが成体から逃げられる訳がなかった。 「やじゃあ゛あ゛!!?れいみゅはゆっきゅりしゅりゅにょお゛お゛お゛!!ごんなどごべじびだぶないいい!!?」 跳ね回る赤れいむ。そのすぐ背後に迫ったゲスまりさ。 ゲスまりさの舌の届く位置まで追い付かれた赤れいむにもう逃げる術はなかった。 「いただきますだぜ!!」 最初から赤ゆっくり全て食うつもりだったゲスまりさは舌を器用に使って一息に赤れいむを口に入れ、よく噛んだ。 「ゆぎいぃッ!!!?」 断末魔ともとれる叫びを上げ、赤れいむの声は完全に途絶えた。 最初の一噛みで死ねたのはむしろ幸運と言えよう。 「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おぢびじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!?」 最後の一匹も食われてしまい絶望する親れいむ…いやもう子供はいないのだからただのれいむだ。 「む~しゃむ~しゃそれなり~♪」 口の周りを餡子で汚しながらも幸せそうな顔をするゲスまりさ。 れいむの目からでもとてもゆっくりしている事がわかる。 どうしておちびちゃんたちがゆっくりできなくなったのにこんなゲスがゆっくりしてるの…? れいむは憎かった…。 家族を殺したゲスまりさを…。 何も出来ない自分を…。 だがれいむはただゲスまりさを憎悪を込めた眼差しで睨みつけるしか出来なかった。 「はらごしらえがおわったらつぎはうんどうしたくなってきたぜ」 ゲスまりさは邪悪な笑みを浮かべてれいむを見ながら舌なめずりをする。 途端にいきり立つゲスまりさのぺにぺに。 それでれいむにはまりさが何をしようとしているのか理解出来た。 一瞬にしてれいむの顔が恐怖に染まる。 「い、いや…こないで…」 れいむは歯をガチガチ鳴らし、はいずりながら逃げようとする。 だが今のれいむの状態ではゲスまりさから逃げることも、出入口を塞ぐレンガを どかす事も出来ない。 「かおはいまいちだけどまりさはかんだいだからがまんしてやるんだぜ!」 「ごっぢぐるな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……!!!?」 れいむの悲痛な叫びが響いたのだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ゲスまりさは跳ねていく。 用のなくなったおうちを捨てて。 れいむは結局あの後、ゲスまりさのすっきり用ゆっくり兼食料製造機としての生涯を送った。 最後の方には虚ろな瞳で「まりざぁ…おちびじゃん……おねぇぢゃ…おにいざ……」と譫言を呟き続けて子供の作りすぎで黒ずんでいった。 栄養を十二分に手に入れたゲスまりさは次なる獲物を探して跳ねていく。 人間に会えばどうなるかわからない。 ゆっくりを虐めるのを楽しむ人間がいる事をゲスまりさは知っている。 ゲスまりさの元飼い主もその一人だった。 飼いゆっくりは可愛がるが野良には容赦しない。そんなタイプだった。 だから人間に飼ってもらうにはゆっくり見極めなければならない。 捨てられた時点で希望は皆無だというのに…。 ゲスまりさは浅ましくまだ飼いゆっくりとしての生活へ舞い戻る事を諦めていな かった…。 『ゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~♪』 すると何処かの家から耳障りな雑音が聞こえた。 「ゆうう、ゆっくりできないぜ…」 どうやら同じゆっくりからしてもあまり上手ではないらしい。 だがおうたを歌うゆっくりは野良の割合が高い。 おうたを好むのはれいむ種が多く、れいむ種はまりさ種よりも戦闘力は低い。 それに飼いゆっくりだったらおうたは歌わないようにさせるか、人間からでも聞 けるものに矯正するかのどちらかだ。 つまりはこのゆっくりは勝手に人間の家に入ったゲスだとゲスまりさは判断した。 これはチャンスだ。 そうゲスまりさは考えた。 人間のおうちを勝手に占領するゲスなゆっくりをやっつけて人間に恩を売ればも しかしたら飼いゆっくりになれるかもしれない。いや、そうに決まってる!! 実際はゲスまりさも薄汚い野良なので、同じような駆除対象でしかないのだがゲ スまりさは自分と野良ゆっくりに隔絶したものと無意識下に考えている為気付きもしない。 まあこれはゲスまりさだけではなく元飼いゆっくりに多い傾向ではあるが。 それはさておき、ゲスまりさは誰にも気付かれないようにゆっくりと野良ゆっくりのいる人間の家の敷地に近付いていく。 そこには予想通りバッジのないれいむ一家がそこにいた。 バッジが無い、これでゲスまりさが益々チャンスと判断した。 あれをゆっくりできなくしてゆっくりしてやろう。 ゲスまりさはそう結論して近付いていく。 「そろーりそろーり…」 ゲスまりさはゆっくりと近付いて行く。 声を出して雑草を倒しながら進んで行く。 ここまでして気付かないのはゆっくり位なものだ。 そして、 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりでは回避しようのない不意打ちを始めた。 「ゆっくりしてい…ゆげぇえ!!?」 ゲスまりさは親らしきれいむの返答を聞かず体当たりする。 「ゆぎゅう゛ぁ!!? な゛にずぶのぼぉッ!!?」 口から餡子を吐き出して非難する親れいむを無視して口に入れてある石を重みにした身体でゲスまりさは体当たりする。 「やめちぇね!おきゃあしゃんいちゃぎゃっちぇるよ!!」 「おきゃあしゃんをいじみぇるにゃあ゛あ゛!!!」 「うるさいんだぜ!!」 ゲスまりさは難無く赤ゆっくり四匹を弾き飛ばして、親れいむに攻撃を続ける。 「ちゃっちゃとしぬんだぜ!!」 「ゆぎいい゛い゛い゛!!?」 出鼻をくじかれた親れいむは反撃も出来ずただ嬲られていく。 赤ゆっくり達は最初のゲスまりさの攻撃で完全に萎縮してしまい何も出来ない。 「はやきゅきょいくちょじじい!!!」 「おきゃあしゃんをたじゅけりょおおおおおお!!!」 ただ赤ゆっくり達が勝手に奴隷と思い込んでいた人間に来るように催促するだけだった。 当ゆっくり達は気付いていないが今日がもし平日だったら男は仕事で家にいない かもしれないのにまるでいるのが当然のように扱っていた。 まぁ今回は男がいたからよかったが…。 「ばかなれいむはゆっくりしぬんだぜ!!」 「ゆぴいッ!!?」 「やめちぇね!おきゃあしゃんいちゃぎゃっちぇりゅよ!!?」 「どうちちぇぎょんなきょちょずるこぼお゛お゛!!?」 ゲスまりさは答えず体当たりを繰り返す。 すると、 「ゆうう!!じじい!はやきゅおきゃあしゃんをたちゅけりょおお!!!」 赤ゆっくりの一匹がゲスまりさの背後の誰かに向けて叫んだ。 やっと人間が来た! ゲスまりさはそう確信して人間の方へ向き直る。何処と無くゆっくりさせてくれそうな雰囲気をしていた。 そして、 「おにいさん!まりさはこのにんげんさんたちにめいわくをかけるわるいゲスなゆっくりをせいっさいしてるんだよ!!」 と高らかに宣言したのだった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「っちい!つかえないじじいだったんだぜ!!」 ゲスまりさは舌打ちしながら不満そうな顔を隠しもしない。 ゲスまりさは自分があのクズのれいむ一家を懲らしめて、その恩で男のペットに なろうとしたのだ。 しかし、男はそれを丁重に断り、人参を渡す事で帰ってもらう事にしたのだ。 野良ゆっくりに対してならば破格の扱いなのだがゲスまりさはそれでも不服だった。 ゲスまりさの目的は飼いゆっくりになる事。 帽子も野良のものに変わっており、人間からも同じ飼いゆっくりからも元飼いゆっくりであるとはわからない。 飼い主にしてやろうとしたのに男はまりさの要求を拒否しやがったんだぜ!! 下手に出てればいい気になってるんじゃないぜ!! みたいな事を考えていた。 与えられた人参等にまりさは騙されはしない。 とかも考えててもいたが結局それで引き下がったし、下手に出てたら調子に乗ったのはゲスまりさの方であった。 むしろ普通ならばすぐにれいむ一家共々潰されるのがオチだ。 庭でしか飼わず、外に出すつもりがない場合は飼いゆっくりにわざわざバッジを付けない飼い主もいる。 その場合はさっきのゲスまりさが行った行動は殺されてもおかしくなかっただろう。 それを無傷で尚且つ野良では滅多に手に入らない人参をまるごと数本手に入れら れたのだから結果としてはかなりいい方なのだがゲスまりさは不満足だった。 「あのじじいはみるめがないんだぜ!! こんどあったらもっとおやさいをよこしてもらうんだぜ!!」 ゲスまりさはあの家の主であった男を都合よく食い物をくれる人間と判断したようだ。 ゆっくりは一度相手を見下せばその見下された相手はどんどんそのゆっくりの中で下位となっていく。 見下せば見下す程相手に対して強気になるのがゆっくりだった。 それは飼いゆっくりであろうと変わらなかった。 それがゲスまりさにとってどんな災いになるかも知らずに…。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― とりあえずゲスまりさはゆっくりできる場所を探して跳ねていく。 食糧は手に入れた。あとは住居だけだ。 すると、 「ゆ…ゆぅ…」 一匹のやつれながらも気品らしきものがある美ありすが倒れていた。 カチューシャにはバッジを無理矢理外したような跡がある。 ゲスまりさは間違いなくあれは元飼いゆっくりだと確信した。 おそらく捨てられて食うものを得られず衰弱して倒れたのだろう。 「……………」 別段不思議でもないゲスまりさが飼いゆっくりの時にもよく見た光景。 それなのにまりさは何故かありすから目が離せなかった。 「たず…げで…」 ゲスまりさに気付いたありすは助けを求める。 いつものゲスまりさなら見捨てるか殺してむ~しゃむ~しゃするかのどちらかだ。 だが、何を感じたのかゲスまりさは持っている人参を分け与え始めた。 食べやすいよう一度ゲスまりさがかみ砕いて渡す。 「ゆ…ゆゆ、ありがとう…まりさはゆっくりできるまりさだね!!」 何とか会話出来るまで回復したありすはゲスまりさにお礼を言う。 「……………」 だがゲスまりさはそっぽを向いてしまう。 何だか照れ臭かったのだ。 「ゆうう?まりさどうしたの?」 「な、なんでもないんだぜ!!」 ゲスまりさの行動に首(?)を傾げるありす。 「そ、それじゃまりさはいくんだぜ!!」 「ゆ、ちょっとまって! いっしょにとかいはにゆっくりしましょ!!」 去ろうとしたゲスまりさをありすは呼び止める。 ゲスまりさがありすの方を見ると、ありすは屈託のない笑みを浮かべていた。 それを見ただけで顔が真っ赤になるゲスまりさ。 ゲスまりさは感じた。 ゆっくりできないんだけどゆっくりできる不思議な感覚を。 今まで感じた事のない感覚にゲスまりさは戸惑っていた。 「…ゆ、わかったんだぜ…」 ゲスまりさはその感情の正体がよくわからないながらもその感情に従う事にした のだった。 その感情が恋だと気付くのにゲスまりさはもう少し時間がかかりそうだった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あれから数日が経過した。 三以上数えられないゆっくりからすればたくさんの日が過ぎたのだ。 「おちびちゃんたち、きょうはおさんぽにいくんだぜ!」 「おしゃんぽ!おしゃんぽ!」 「とっちぇもときゃいはにぇ!」 野良生活にすっかり慣れたゲスまりさにはあのありすとの間に二匹の子まりさと 子ありすの子供が出来ていた。 あの後台風の直撃を経験し、公衆便所へ逃げ込んだがそこへやって来たゆっくり 出来ない人間から逃げて二匹は互いに愛し合うようになった。 所謂吊橋理論というやつだ。 ゆっくりの馴れ初め等誰も聞きたくないから割愛するとして、ゲスまりさはこうして初めて可愛いと思える我が子を手に入れた。 野良ゆっくりは生存競争が激しく、三日かそこらで子供を産む個体も多い。 のんびり子供を産めるのはゆっくりできる森や山のゆっくり、もしくは飼いゆっくり位だ。 ゲスまりさに子供は結構いたが大体がゲスまりさ自身の手で殺されているからい ないも同然だ。 ゲスまりさは可愛い可愛いおちびちゃん二匹を見るだけで頬が緩んでくる。 ゲスまりさは初めて幸福というものを感じたのだった。 いつしかゲスまりさの中での目的が“かいゆっくりになる”から“ありすとおち びちゃんたちとゆっくりする”に変わっていた。 「おきゃあしゃん、ありぇにゃに~?」 「あれはね、“おといれ”っていってにんげんさんがうんうんとしーしーをするばしょよ!」 「おとうしゃんおとうしゃん! まりしゃきれいなおはなしゃんみちゅけちゃよ!!」 「ゆゆう、さすがまりさのおちびちゃんなんだぜ!!」 先日の台風で公園に住むゆっくりの数は激減して餌にも余裕が出来、家族でのんびり散歩できた。 公園をぴょんぴょんと跳ねていくゲスまりさ一家。 すると、 「おちょうしゃん、あしょこににゃんだきゃゆっきゅりできにゃいのぎゃいりゅよ!」 子まりさがゆっくりできない何かを見つけた。 それは一匹の成体れいむに二匹の子ゆっくり位のはげまんじゅうだった。 何故かおかざりが頭ではなく顎の部分につけられているから気付きにくかったがはげまんじゅうがれいむ種である事がわかった。 「ゆゆう、いなかものなれいむね…」 「ゆっきゅちできにゃいよぉ…」 ありすと子ありすが不満げな顔をしている。 それを見たゲスまりさは、 「おとうさんにまかせておくんだぜ!! あのゆっくりできないゆっくりどもをせいっさいしてくるんだぜ!!」 家族の前で良いところを見せたいゲスまりさはありす達にそう告げて跳ねていく。 相手はボロボロの成体とはげまんじゅう。 「ゆっくりしていってね!!」で不意を打つ必要すらなかった。 「ゆっくりしねえ!!」 ゲスまりさが叫びながら体当たりをする。 「ゆぶぐえッ!!!?」 傷だらけの成体れいむがゲスまりさの体当たりで転がっていく。 「おきゃあしゃあ゛あ゛あ゛あ゛ん!!?」 「ひょほひへほんにゃひょほしゅふのほおおおおおお!!?」 転がっていく成体れいむを見ながらはげまんじゅう二匹がゲスまりさを非難する。 「ププ、ゆっきゅりできにゃいきゅじゅがなにきゃちゃべっちぇりゅよ」 「いなきゃもにょにょくちぇににゃまいきにぇ!」 一番大きい成体れいむがあのザマだった為、相手が弱いとわかると途端に強気になるのは人間もゆっくりも同じだ。 「よひゅもおひゃあ゛じゃんをお゛お゛お゛お゛!!!」 はげまんじゅうがゲスまりさに体当たりを仕掛ける。だが貧弱な子ゆっくりの体 当たりなどゲスまりさの前には意味がなかった。 「きだないクズがまりさにざわるんじゃないぜ!!」 ゲスまりさは逆にはげまんじゅうを弾き飛ばし、上からのしかかる。 汚らわしいものに触れられたと思いブチ切れたゲスまりさははげまんじゅうを綺麗に半分だけ踏み潰す。 身体の半分が無くなった事によりはげまんじゅは苦しむが、ゆっくりは中身を三分の一以上失えば死に、脳の部分の役割を持つ中枢餡を破壊されれば死ぬので綺麗に半分潰されたはげまんじゅうは、即死には至れず、致命傷の中で無駄な苦しみを味わう事になった。 「ゆ、ゆひぃ…いひゃいほぉ…ゆっひゅひぃ…」 顔のある前面の方だけが動いて気持ち悪い。 「どうひへ…へいひゅは…ほんな…へに…」 目が苦しみから逃れようとせわしなく動き、ある一点の方向を向いたまま、動かなくなった。 ゲスまりさは目障りだとばかりにそのはげまんじゅうを完全に潰すと生き残っているもう一匹のはげまんじゅうへ意識を向ける。 「ゆひぃ!!?」 今まで呆然としていたはげまんじゅうも、自身に危険が迫っている事に気付き、 恐怖に顔が引き攣る。 しかし、 「おちびじゃんは…れいむがまもるよ…!!!」 「おきゃあしゃん!?」 転がした筈のれいむが戻って来てゲスまりさに立ち塞がる。 親の愛情は強しとでも言うべきかもしれない。 ボロボロの身体ではげまんじゅうを守る姿は憐れでありながらも何処か美しさがあった。 命に代えても子供を守ろうとする覚悟は高潔でもあった。 「おちびちゃんをいじ「うるさいんだぜ!!」ゆぴぃ!!?」 しかし現実の力の差の前にはそんなものは意味がなかった。 「ゆっくり!できない!くずは!いきてる!だけ!むだ!なんだぜ!! だから!!ゆっくり!!しないで!!さっさと!!しぬんだぜ!!」 「ゆぎぃ!?くびぃ!?ひびぃ!?」 何回もの踏み付けるかのような体当たりにれいむは餡子を吐き出す。 傷口からも溢れていく餡子がゲスまりさの体当たりでポンプのようになって飛び散る。 「ゆ…ゆひぃ…」 れいむの餡子を半分出した時点でゲスまりさは体当たりを止め、はげまんじゅう へ向き直る。 「や、やじゃ…ちにちゃきゅにゃい…」 はげまんじゅうはゲスまりさに完全に萎縮してしまった。 「にげ…ちぇ…おちびちゃん…」 れいむが死に体でありながらも逃げるように促す。 「ゆ、ゆわああああああああん!!!」 はげまんじゅうは涙を流して逃げ出す。 だが所詮赤ゆっくりの逃げ足などたかが知れている。 「ゆっくりできないくじゅはいきでるだけむだなんだじぇ!!」 するとはげまんじゅうが逃げた先に赤まりさが立ち塞がり体当たりで弾き飛ばす 。 「ゆげえ!!?」 はげまんじゅうは回避行動も取れず転がってしまう。 「まじゃおわりじゃにゃいじぇ!!」 赤まりさははげまんじゅうの後を追い、何度も体当たりを仕掛ける。 「ゆぎい!!?いぢゃい゛い゛い゛い゛い゛!!!」 泣き叫ぶはげまんじゅう。 「ぷきゅきゅ、きたないなきごえね」 「まりしゃおねえしゃんやっちゃえ~♪」 嘲笑う声は聞こえても助けようとする声はしない。 「ゆ、ゆひぃ…」 それでもはげまんじゅうは必死に逃げる。 「そろそろ死ぬんだぜ!」 しかしそんなはげまんじゅうの努力を嘲笑うかのようにゲスまりさがはげまんじ ゅうにのしかかる。 その結果、ついにはげまんじゅうの皮が破れて餡子が漏れ出す。 迫り来る死の予感にはげまんじゅうは戦慄する。 そして、 「おきゃあしゃんたぶべッ!!?」 親に助けを求めようとして、ゲスまりさに跡形もなく潰されたのだった。 「お…ちびちゃん…」 れいむはただただ呆然と呟くだけだ。 それに対して歓喜の声を上げるゲスまりさ一家。 「さすがありすのだ~りんのまりさね!とってもとかいはよ!!」 「ゆゆ~ん。てれるんだぜありす♪ そういうありすもかわいいんだぜ♪」 「おちょうしゃんもおきゃあしゃんもとちぇみょゆっきゅりちちぇるね!」 「とっちぇもときゃいはにぇ!」 互いにゆっくりできないやつを倒した喜びを分かち合う。 その時、ゲスまりさが近付いてくる足音に気付いた。 ゲスまりさが振り向いて反射的に、 「ゆ?なんのようなんだぜ!! いまとりこみちゅうなんだぜ! さっさとどっかいかないとゆっくりできなくさせるんだぜ!」 と威嚇した。 ゲスまりさが叫んだ先にはかつてゲスまりさに人参を捧げた男がこっちに向けて歩いて来ていた。 男の方は数日の間に野良として適応し、薄汚れたまりさとかつて庭に勝手に住み着いたれいむ一家の親れいむを殺したまりさが同じゆっくりだとは気付かなかった。 だが変な所で頭の回るゲスまりさは男があの時人参を捧げた男だと言い切った時点で気付いた。 だから人間の強さを知っているゲスまりさでも強気な態度を崩さずにいる事が出来たのだ。 そして、その声に反応したれいむも男に意識を向けた。 次の瞬間、 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」 突然の大絶叫を上げて、目を見開いたまま親れいむは二度と動く事は無くなった。 ゲスまりさ一家もそれに対してビックリする。 ゲスまりさ達が一体何なのかとれいむの方を見ると既にれいむは息絶えていた。 これ以上なく顔を恐怖に歪めて…。 『いったいなんなんだぜ?』 ゲスまりさはれいむが急に叫んだ意味が理解できなかった。 あの叫び声は台風の日にトイレに逃げ込んだ時に現れたゆっくりできない人間に 殺されていったゆっくりが上げた叫び声と似ていた。 と、考えている内に男は踵を返して公園から出ていこうとする。 男が逃げようとしている。 そう判断したゲスまりさは再び男からゆっくり出来る何かをもらわなければなら ないと考えていた。 「ちょっとまつんだぜ!!」 だから咄嗟にゲスまりさは男を呼び止めた。 「何だい?」と呟きながら男が親まりさの方へ振り向く。 ゲスまりさは完全にこの男を見くびっていた。 かつて弱っちい赤ゆっくり四匹の言われるままだった男…ゲスまりさが散々罵倒したのに何もしないでただ人参をよこしていた男…。 下と一度見なしたらとことん下と見なすゆっくりという種の特徴。 その本質は他のゆっくりに比べて頭の回るゲスまりさもその本能だけは消せなかった。 かつてゲスまりさは誓った。 今度会ったらもっとおやさいをよこさせてやろうと。 もはやゲスまりさの中ではこの男から野菜を貰う事が確定していた。 『そうだ、ぜっせいのびゆっくりのありすとてんかいっぴんのかわいさをもつお ちびちゃんをみたぶんもはらってもらうんだぜ!!』 と決めたゲスまりさはむかつく笑みを浮かべて…、 「さっききれいなありすとかわいいおちびちゃんをみてたんだぜ!!かんしょうりょうをようきゅうするんだぜ!!」 と言い放った。 これには思わず男も渋い顔をする。 しかしゲスまりさは気にせず宣言する。 「ぜっせいのびゆっくりのありすときゅうきょくのかわいさのおちびちゃんをみたんだからとうぜんなんだぜ!! でもまりさはかんだいだからいちまんえんでゆるしてやるんだぜ!!」 「ゆゆう!!ぜっせいのびゆっくりだなんててれるわまりさ!!」 「「きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇー!!」」 ありすとかわいいおちびちゃんが答える。 「……………!?」 男の身体が強張る。 「ゆ?どうしたんだぜ? はやくよこさないとまりさがじきじきにゆっくりできなくさせてやるんだぜ!」 男がよくわからない行動をするのにゲスまりさは疑問に思った。 だが、 「きっとありすとおちびちゃんたちのかわいさにみとれちゃったのね!!」 ありすの一言で納得してしまった。 もしかしたらこれが最後のチャンスであったかもしれなかったのに…。 「ゆ、そうなのかだぜ!! なかなかみどころのあるじじいなんだぜ!!」 いくら頭が回ろうとも所詮はゆっくり。 一度見下した相手は痛い目に遭わなければ見直さないのだ。 「ゆぅ~、しょうがないわね。 とかいはなありすがさーびすしてあげるわ。 さぁ、おちびちゃんもいっしょにいいましょう!!」 勘違いして勝手に話を進めているありす達。 だが男はそれに反応しない。 そして、 「かわいくってごめんね~♪」 「「きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ~!!」」 親ありすと子ゆっくり二匹はそう言いながらウインクした。 「ゆううう!!?さすがありすなんだぜ!!さーびすおうせいなんだぜ!!ありすはせかいいちのきりょうよしなんだぜ!! はやくくそじじいはいちおくちょうまんえんはらうんだぜ!!」 男は調子に乗ったゲスまりさの言葉にも反応しなかった。 ただ…、 「ゆゆう!!?」 目から大粒の涙を流していた。 そして…、 「……謝らなくって…いいんだよ……」 こうして…ゲスまりさは大切な家族を失う事になったっだった……。 続く あとがき おかしい…何でこんなに長くなってるんだ…? 本来はさっさと殺して終わらせる筈だったのに無駄に長くなってる…。 個人的には出てくるゆっくりは全てしっかり殺したいから長くなってしまっているのか…? と、いうわけで申し訳ありませんが長すぎるので上と下に分けて作らせていただきました。 どうか御了承ください。 それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。 ところで、天然お兄さんは虐待人間と愛護人間どっちに該当させればいいんだろうか? 過去に作ったSS ふたば系ゆっくりいじめ 293 おかざりがないとゆっくりできないよ! ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!! ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!! ふたば系ゆっくりいじめ 397 大好きだよ ふたば系ゆっくりいじめ 447 おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね! トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 最後が面白かった(小並感) -- 2018-12-04 00 05 25 奴だ! -- 2016-08-30 16 57 14 あれー、最後のセリフどこかで聞いたような(棒 -- 2014-04-23 19 22 24 またお前かwwwこいつはやばいww -- 2013-05-10 16 26 24 The ゲスの称号を持つゲスまりさには嘔吐が出るくらい醜い死に様がお似合いだね☆ -- 2013-04-09 20 44 47 オイ……やべぇよ…やべぇよ…この鬼意惨は… -- 2012-10-13 17 04 43 ゲスは死ね!「 -- 2012-02-24 11 34 14 リンクしているのがいいねwww このクズの死に様に期待 -- 2011-10-10 22 00 20 ゆっくり駆除してくれた所までは良いゆっくりだったのに人間を見下すからこうなるんだ糞饅頭が。 -- 2011-03-25 12 34 52 こいつが来るとはwwww イラつくけどすげーおもしろいwwwww -- 2011-02-27 20 18 20 散々同族殺ししておいて恋とか家族持つとかゲスのクセきめぇんだよ。 あと、最後の文章見たことあったと思ったら、 お ま え か! -- 2010-11-25 08 52 43 またお前かw -- 2010-09-17 10 01 19 ま た お 前 か ! ! ! -- 2010-09-11 14 52 17 久々に驚いたわ!!まさにあんたかってかんじ!! -- 2010-09-11 00 44 57 おまえか! -- 2010-07-30 18 33 04 奴か… -- 2010-07-17 23 48 19 最後の人間の台詞で噴いたw あ・ん・た・か! -- 2010-07-13 01 05 19
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1810.html
あまりにも南の島のまりさ 36KB 自滅 飼いゆ 自然界 現代 独自設定 うんしー ぺにまむ 自然界タグなのに基本室内です… 作:神奈子さまの一信徒 どこかで見たことのあるお話のパロディです。 『あまりにも南の島のまりさ』 ここは、とある南の果てにある島。 ここには観測基地が一つあるほかは、建物もなく、観測員以外の人間も住んでいなかった。 そんな環境にゆっくりたちはいた。彼らはこの島の観測員たちに飼われているのである。 秋 北半球なら初春にあたるこの季節、観測基地の外気温は−10℃に近づくことが多くなった。 もうしばらくすれば平均気温ですら−10℃に届かない冬が来る。 南極大陸近傍に位置するとある島、その観測基地の内陸側に位置する建物、それがゆっく りたちのいる飼育棟だった。飼育棟の広さはそれなりなのだが、雑多な荷物や観測機器が 所狭しと並べられている中で、ゆっくりたちが実際に生活しているスペースは、せいぜい 小さめのコンビニ程度だった。 飼育員は今日も朝の体操と朝礼の後、ゆっくりたちにエサを与えるべく、飼育棟にやって きた。通路の片側は、一定の規格の木箱が所狭しと重ねられ、木箱は本棚のようにその中 身を通路側へと向けていた。食料品、飲料水、衣料品、生活雑貨、文庫本など雑多な品揃 えの露店が並んでいるみたいだ。観測隊員によってアメ横と呼ばれる光景である。 飼育員はそこから、市販のゆっくりフードをとり、さらに調理場から分けてもらった残飯 を混ぜ、水と一緒に持っていく。 「ゆゆ!?お兄さんが来たよ!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 飼育員が姿を見せると、ゆっくりたちは一斉に挨拶した。 「おう!今日もゆっくりして行けよ!」 そう言って食事と水をプラスチックの容器に空ける。 「ゆゆ~!!れいむはおみずさんじゃなくてじゅーすさんが飲みたいよ!!お兄さん、ゆ っくりしないでじゅーすさん持って来てよ!」 成体れいむがもみあげをぴこぴこと上下させながら催促する。 「ジュースは昨日ので終わっちまったよ。」 「ゆゆ!?じゃあお兄さんはゆっくりしないでじゅーすさんを買って来てね!!」 このれいむはここがどこだか、まったく分かっていないようだった。おそらく、食べ物が もらえてゆっくりできれば、もう後はどうでもいいのだろう。 「南極に店はねーよ。ジュースは、いや何もどこにも売っていない。次の観測船が内地か ら来るまで、ジュースは飲めないよ。我慢するんだな。」 飼育員は嘘をついた。本当は少しだけジュースは残っているのだ。しかし、これはゆっく りたちの身に何かあったときのための治療用であり、今飲ませるわけには行かなかった。 そもそも、ジュースがなくなった原因は、このゆっくりたちが勝手に飼育スペースから出 てジュースを盗み飲みしたせいだった。その頃はまだ、今の観測隊が基地に到着したばか りであり、廊下は今以上に雑多な荷物にあふれていたのである。 結局、今目の前にいるれいむたちにオレンジジュース1ダース近くが飲まれてしまい、飼 育員がそのことに気づいたのは、雪上飛行機からの荷物の積み下ろしが終わった後だった。 「ゆ!!おにいさんはびゅーてぃほーなれいむがゆっくりできなくてもいいの!!!」 そう言うとれいむはぷくーっと膨れ上がって飼育員を威嚇した。このれいむは子供たちの 面倒見はいいものの、一番の厄介者でもあった。 飼育員は優しくその頬を潰し、空気を抜いてやる。 「ぶぴっ!ぶぴぴっ!!ぶぼぼぼぼぼっぴ!!!」 ひどい音がした。 「うわっ!唾飛ばすなよきったねええな。」 いつまでもれいむにかまっているわけにはいかないので、他のゆっくりたちにもエサをや っていく。 「おにいさんありがとう!!!」 「ありがちょー!おにーちゃん!!!」 「おう!ゆっくり食えよ!!」 基本的にここにいるゆっくりたちは、厳選な餡統の審査によって選抜されたゆっくりだっ た。金バッジ保持個体、または金バッジを両親に持つ子ゆっくりの中から、さらに我慢強 い個体のみが選ばれ、ここに連れてこられたのだ。 ゆっくりの構成は、りーだーのまりさ、そしてさっきのれいむ、二匹のこどもである子ま りさと子れいむ、そしてありすとちぇんの六匹である。 彼らは、ここ南極でゆっくりが非常食として飼育可能かどうか、その実験生物として持ち 込まれたのだ。 ただし、彼らが直接食べられることはない。あくまで彼らは実験要員であり、そのために わざわざ優秀な個体を選んで持ってきた。ここで生活し、繁殖していくことができるかど うか、そのコストはいくらぐらいか、彼らを通じて、この閉鎖的で極限の環境下にある観 測隊員の精神的なケアは期待できるかどうか。 それらの情報を集めるための、実験要員なのだ。もっとも、実験といっても、毎日行うわ けではなく、定期的に糖度や弾力性、健康状態がチェックされる他は、ほとんど自由に生 活させられていた。時折、暇をもてあました観測隊員が遊びに来るぐらいである。 「おにいさん!今日もごはんさんありがとう!おかげでまりさはゆっくりできるよ!!」 ここのりーだーであるまりさだ。言葉遣いだけでなく、人の言いつけも良く守り、この飼 育スペースの掃除もやってくれる優秀な個体である。帽子はピンと張っており、体も丈夫 だった。もしペットショップで販売すれば万冊が飛んでいくことになるだろう。 この観測基地でもっとも人気者のゆっくりだ。 「おうおはようまりさ!!」 そう言ってまりさの頬をすーりすーりしてやる飼育員。 「ゆゆ!すーりすーり…ゆゆ、しあわせ~!!!」 飼育員にはこのまりさたちが可愛くて仕方なかった。時折、わがままを言うれいむを見る と、なんでこいつが選ばれたんだろうと思うこともあったが、みんなでゆっくりしている 姿を見ると、どいつもこいつも可愛い、そんな気持ちになるのだった。 「むーしゃむーしゃしあわせ~!!!」 ゆっくりたちが食事している間に、うんうんを回収する。うんうんの糖度や水分含有量も ゆっくりたちの健康状態を知る、貴重なデータだ。 ここにゆっくりたちが来て半月以上が経とうとしていた。 その頃、観測基地への補給物資、観測隊の交代要員などを積んだ観測船は、既に南極大陸 沿岸まで来ていたが、悪天候に阻まれ、連絡用の雪上飛行機を飛ばすことができないでい た。観測船は海氷に何度も突入を試みたが、例年よりも氷の張り出しが早く、そして厚か った。なかなか補給が届かない観測基地では、一部の物資に使用制限がついた。 その日、飼育員はゆっくりたちの飾りを洗濯してやった。壊さないよう一つ一つ手もみで 洗い、乾燥させる。さすが選抜されたゆっくりだけあってか、お飾りを洗濯のために外す ということには抵抗がなかった。きれいになったお帽子をまりさに被せてやる。 「ゆゆ!ありがとうおにいさん!!きれーなおぼうしさんはとってもゆっくりできるよ~ !!!ゆふふ~なんだかいいにおいだよ~!!!」 他のゆっくりやこどもたちにもお飾りをつけてやる。 「ゆふふ!れいむのおりぼんさんはわんだほぉゥ!だよ!」 「ゆゆー!!まりちゃのおぼうちぴかぴかじゃよ!!!」 「ありすのかちゅーしゃさん、ますますとかいはだわ!ありがとうおにいさん!!」 喜ぶゆっくりたちを一匹ずつすーりすーりなーでなーでしてやる。 「おにーちゃん!おにーちゃん!まりちゃにまたおうたさん教えてほしいんだじぇ!!」 子まりさはゆっくりたちの中でも特に飼育員に懐いていた。 「よ~し、じゃあ今日は一緒に『さん・せばすてぃあん』を歌おうな!」 「ゆ~!『さん・せばすてぃあん』はまりちゃたちのあんせむなんだじぇ!!」 飼育員が笑顔で子まりさと一緒に歌おうとしたとき、建物に呼び出しのベルが鳴った。 観測隊員集合の合図である。この時間は南極大学の時間だった。南極大学とは、観測 員が交代で自分の専門分野の話をする勉強会のことである。南極観測隊の伝統行事で あり、今日のテーマはは南極の湖沼に生息するコケ坊主と呼ばれる植物集合体につい てであった。 「ごめんなまりさ!お兄さん、集まらなきゃいけないんだ!!」 「ゆ~゛…いっちょにあんせむ…」 「また今度、な。」 飼育員は子まりさの頭を軽く撫でてやった。子まりさが機嫌を直したのを確認すると、 会議室へと急いだ。 観測船の到着予定日から二週間以上が過ぎても、観測船は依然として分厚い海氷に覆 われた沖合いの海にいた。このままでは冬が来て次第に氷が厚くなり、観測船の出力、 氷砕能力では本土へ帰還できなくなる可能性すらある。 だが、いつになっても天候は好転することがなく、観測船は地上の隊員たちを収容す ることができなかった。船に積んである食糧、水は有限ではない。 船長は決断に迫られていた。 観測隊員の交代、物資の補給を行わずに撤収するか否かを。 その日、観測基地では何時間も会議が続いた。 観測船が基地に接近できない以上、連絡用の雪上飛行機を何回か往復させて、観測員 だけでも収容するか、もしくはそれが悪天候により不可能な場合、観測隊員は次の南 極探検が行われるまで、観測基地に篭城することになる。 重苦しい雰囲気の中、今後の天候の予測、飛行機以外の移動手段、他国の基地への救 援要請、食糧や燃料の備蓄量などについて報告・議論が展開された。 結局、観測船は更に一週間、海氷の突破を試みることになったものの、観測隊員には いつでも基地を離れられるよう、私物や機材の整理が通達された。 「観測基地を放棄する。雪上飛行機にて地上の隊員たちを回収せよ。」 放棄命令が出たのは、その翌々日のことだった。突破の目途が立たない海氷、久々に 訪れた好天下に、甲板上に露天繋留してあるDHC-2軽輸送機でもって観測隊員だけを 観測船に退避させることにしたのだ。 数時間後、飼育員は観測隊長に呼び出された。 「観測基地を放棄し、DHC-2にて観測船に撤収することが決まった。ゆっくりは連れて 行けない。」 天候の回復は一時的なものであり、DHC-2軽輸送機は観測船−基地間を二往復するのが 精一杯と予想された。そして、小さな雪上飛行機二往復で回収できるのは、観測隊員 だけだった。かさばる私物や、高価だが大きな実験機器でさえも基地に残すよう指示 が出た。飼育員は必死に抗議し、そして絶望した。 飼育員がゆっくりたちのために動くことができる時間は限られていた。彼はゆっくりの 飼育・観察を主な任務としていたが、限られた人数しか滞在することができない南極基 地では、他にも施設の管理や、屋外観測の補助、内地との通信業務など、彼がこなさな ければならない仕事は多々あったのである。そして、今、雪上飛行機が飛び立つまでに それらの仕事の後始末をし、自身の荷造りをしなければならなかった。 飼育員は全員にゆっくり用の防寒服を着せた。基地が一時放棄となれば、凍結防止用の 暖房を除けば、ほとんどの電源は切られてしまう。ここにいれば外気温に曝されること はないだろうが、それでも節約のために暖房は最低限の温度に設定され、今までのよう に快適な環境でゆっくりするというわけにもいかないだろう。 「ゆゆ!!おにいさんこれ苦しいよ!!!」 れいむが急いで防寒服を着させられ苦情を言う。 「ごめんな…本当にごめんな!絶対にこれを脱ぐなよ!!二度とゆっくりできなくなる からな!!」 「ゆ?お兄さん?」 ゆっくりたちは飼育員の様子にただならぬものを感じたが、今はただ何も分からず混乱 していた。 次に飼育員は急いで、運べる限りのエサを、ゆっくりの飼育施設の余剰スペースに放り 込んでいった。 ゆっくりのエサは全てパックされており、その大半は密閉性を重視して缶詰が占めてい た。どうひいきめに見ても、ゆっくりに独力で開けられるものではない。 しかし、基地で飼われているゆっくりの実質的なりーだーであるまりさは、道具の扱い を小さな頃からしっかりと教育されたエリートだった。 「ゆゆ!?どーしたのお兄さん?ゆわ!お空飛んでるみた~い!!」 飼育員は慌しくまりさを抱きかかえ、ゆっくりのエサが陳列されている通路に連れて行 った。 「ゆ!?ごはんさんがいっぱいだよ!!これだけごはんさんがあればとってもゆっくり できるよ!!」 「まりさ、よく聞いてくれ。これからお前たちは越冬しなければならないんだ。」 「ゆ!?まだこんなにぽ~かぽ~かだよ?」 「もうすぐ寒くなる。暗い冬が来る。お兄さんはお前たちを助けてやれない…お前がこ こからエサをとって、みんなにくわせてやるんだ。」 「ゆゆ!?なんだかゆっくりできないじたいの気がするよ!!」 飼育員は泣きそうになるのを必死にこらえ、話し続ける。その心底では、正直に今の状 況を言えない自分の弱さを、そして予測できなかった不運を呪い続けていた。 だが、観測隊はおまえたちを見捨てるんだ、と言って状況が何か良くなるのか? 「まりさ、カッターは使えるか?」 飼育員は「アメ横」の木箱から毛布を手当たり次第に取り出し、ゆっくりの飼育スペー スに放り込んでいく。 「まりさはかったーさんは使えるよ!」 「さすがだな!栓抜きは?缶切りはどうだ!?」 飼育員は次に木箱を組み替え、ゆっくりのエサが入った木箱を下段に移していく。 自力でエサが取れるようにするためだ。 「せんぬきさんとかんきりさんはむずかしいよ!でもゆっくりすれば使えるよ!!」 「よし!蛇口はひねれるか?」 飼育員はさらに人間用の食料や飲料水を木箱ごと下段へと移し変える。 「ゆゆ~…じゃぐちさんはゆっくりできないよ…」 いくらまりさが優秀でも、手のないゆっくりでは蛇口を自在に使うことは困難だった。 「う~ん、そうだな、蛇口はさすがに難しいな。」 飼育員はまりさをウォータークーラーの前に連れてきた。そして、水が出る部分にゴ ムホースをつなぎ、ペダルを踏めば、床に置いたプラスチック容器に水が出るように 即席の改造をした。 「まりさ、そこに乗ってみろ。」 「ゆ?」 まりさは言われたとおりにペダルに乗る。 「ゆゆ!!おみずさんが出てきたよ!!」 「越冬中、水はそうやって飲むんだ。もし、この機械が動かなかったら、あそこに水 の入ったペットボトルがあるからカッターで切り裂け。理解したか?」 「ゆゆう~!!おぼえなきゃいけないことがたくさんあるよ!でもゆっくりりかいし たよ!!」 「お前は本当にいい子だな。とてもゆっくりしてるよ…」 「?おにいさん…?」 まりさは気づいた、飼育員の声が微かに震えていることに。 その時、ベルが鳴り、基地内に放送が入る。 「基地放棄10分前、基地放棄10分前、観測隊員は食堂に集合せよ。観測隊員は荷物を もって食堂に集合せよ。」 「まりさ!俺はでかける。長い狩りだ!いつ帰ってこれるか分からない。次にここに 人間が帰ってくるまで頑張って越冬しろよ!お前がみんなを守るんだ!」 「ゆゆ!?やだよ!まりさ、おにいさんと一緒にいたいよ!みんなで一緒にゆっくり したいよ!」 飼育員はもう泣いていることを隠そうとはしなかった。隠せなかった。 「人間の群れのりーだーの命令だ。頑張って…ゆっくりしろ…ごめんよ、絶対生き延 びていくれ!」 飼育員はそう言うとまりさを降ろし、食堂へと向かった。 「おにいさん!!」 「?」 「ゆっくりいってらっしゃい!!」 飼育員はそのときのまりさの顔を一生忘れることはなかった。 観測船に到着後、飼育員は何度も、もう一度だけ軽輸送機を飛ばしてくれるよう船長 に懇願した。数日でいいから、天候の回復を待ってほしい、そしてゆっくりたちを助 けたいと。だが、観測船のまわりは既に氷が厚く張り始めており、観測船は外国の最 新鋭氷砕船に救援を依頼していた。最早、観測船独力で氷の海から脱出できる状況で はなくなっており、船長や観測隊の判断で予定を変えることはできなかった。 翌日、悪天候の中、外国の氷砕船が観測船の救援活動を開始しても、飼育員はなお、 船長に、観測隊長に食い下がった。しかし、一等航海士に、船長や隊長も氷砕船や政 府に対して、何度も観測隊交代要員を上陸させるために、そして置いてきたゆっくり を助けるために交渉したがダメだったのだ、と聞かされた。 飼育員は今更ながら、辛いのが自分だけではないことを悟り、もうそれ以上フライト の強行を意見具申することはなかった。 こうして、人間は観測基地を去り、南極の冬の中にゆっくりたちは取り残されること となった。 観測隊が基地を去ったその日、ゆっくりたちに危機感はなかった。 何やら慌しいことがあったが、また明日になれば、おにいさんがエサを持ってきてく れる、たっぷりすーりすーりしてくれる、と。 翌日、静まり返った基地の中で、誰もエサを持ってきてくれなかった。誰もうんうん を掃除してくれなかった。誰もすーりすーりしてくれなかった。 「ゆゆ…おにいさんとすーりすーりしたいよぉ…」 「ゆえええん…きょうこそおにいちゃんとまりちゃのあんせむうたいたいんだじぇ ~…」 「どぼじでれいむにごばんざんもっでぎでぐれないのおおおおおおお゛!!」 「おなかすいたよ~分かるね~?」 「うんうんをおそうじしてくれないなんて、とかいはじゃないわああああ゛!!!」 そしてなんだか寒い。 「ぶるぶる…ぶるぶる…なんだかさむいのじぇ…」 「れいみゅはさむくちぇゆっくちできにゃいよ~!!!」 「ゆゆ~!!寒いよ!ふゆさんが来たんだよ!!ままとすーりすーりしてあったま るよ!!」 暖房のレベルがいつもの18℃前後から、10℃ぐらいにまで落とされたのだ。 基地に来て以来、室内ではぬくぬくとした環境で育ってきた彼らはゆっくりできな かった。 「こんなところにたくさんもーふさんがあるよ~!分かるよ~!!」 ちぇんが見つけたのは、昨日、飼育員が必死に持ち出した毛布だった。 ゆっくりたちはそれを寝床に持ち込んで、保温を図る。 「もうふさんぬーくぬーくでとかいはだわ~!!!」 「ゆゆ~れいむはきゅーとににどねするよ…すーやすーや…」 ここで、まりさは昨日のお兄さんの言葉をゆっくり思い出した。 越冬は本当なんだと。 「みんなきいてね!!まりさたちはこれからえっとうするんだよ!!」 まりさはみんなに説明した。人間さんは群れ全員で長い長い狩りに出かけてしまった こと、まりさたちはその間えっとうしなければならないこと、食糧と水はお兄さんが たくさん用意してくれたこと。 「ゆっくりりかいしたよ!!」 「「りかいちたよ!!」」 「れいむはこどもたちのために早速狩りに行くよ!!!」 そう言うとれいむは飼育員が飼育スペースにおいていってくれた箱から、スナック菓 子やら缶詰やらを持ってきた。 「ゆふう…かりはいのちがけだったよ!!だいしぜんのめぐみにかんしゃしてゆっく りむーしゃむーしゃしてね!!!」 「みゃみゃすごーい!!」 「さすがまりちゃのみゃみゃなのじぇ!!」 子まりさと子れいむは大喜びでお菓子や缶詰にかじりつく。 「ゆぎぎ?これあじしゃんしないよ!!ゆっくりできないよ!!」 「いじゃい!!いじゃいんだじぇえええ!!!」 いつも飼育員がパッケージや缶から取り出してから与えていたので、食べ物が中にそ の入っているということが理解できないようだ。子まりさの方は歯が何本か欠けてし まっていた。 「ゆゆ!?おちびちゃん泣かないで!!!」 事態に気づいたまりさが慌てて子まりさのもとへ跳ねていく。 「ごはんさんはふくろさんや、かんさんに入ってるんだよ!!ふくろさんやかんさん に入っているからいつでもむーしゃむーしゃしあわせーができるんだよ!!!」 まりさは子まりさをなだめると、舌を器用に使って、帽子の中に入っていたカッター でスナック菓子の袋を切り開いた。しかし、缶きりで缶を開けるのには苦戦した。 まりさはいくら道具を使う訓練を受けているとはいえ、そもそも人間の缶詰はゆっく りには開けにくい構造なのである。 「ゆふ~……かんきりさんはゆっくりできないよ…」 結局、まりさが缶詰を開けたのは、一時間後のことだった。 「ゆゆ!やっと開いたよ!!みんなでゆっくり食べようね!!」 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~!!」 「うっめ!これめっちゃうっめ!!!」 「ゆゆ!ふたさんにもごはんさんついてるよ!もっちゃいないからぺーろぺーろする よ!!」 子まりさがふたについた残りをぺーろぺーろする。 「ゆぴぴっ!?」 そして、フタの端で舌を切ってしまった。 「ゆんやああああああ゛!!!いじゃいよおおお゛!!!」 「ゆゆ!?おちびちゃんだいじょうぶ!?ゆっくりしてね!!」 そこへれいむがお菓子の袋をくわえて現れる。 「ずーりずーり…まりさ、このふくろさんも開けて欲しいよ!ゆっくりしないで開けて ね!あいするあいするれいむがおなかすかしてるんだよ!!!」 「ゆゆ!?ちょ、ちょっとまってね!ゆっくりまってね!!」 その後、まりさは怪我した子まりさの面倒を見、れいむの食べたがるお菓子の袋を開け、 部屋の掃除を指揮しなければならなかった。飼育員がいなくなったことで、ゆっくりの 中では飛びぬけて優秀なまりさに一度に負担が集中したのである。 食事の後、部屋を掃除したものの、うんうんはなくならなかった。 うんうん用の容器の中には、こどもたちの豆粒のようなうんうんが、まりさたちの一口 饅頭のようなうんうんが、そしてれいむの大魔神のようなうんうんが中央に覇王の如く 君臨していた。 「どぼじでうんうんざんいなぐならないのおおおおお゛!?」 今まで巣の外にうんうんを運んでいたのは飼育員である。その飼育員がいなくなった以 上、うんうんを指定の場所に集めてもなくならないのは当たり前である。そして、しー しーをするしーしー砂を取り替える者も誰もいなかった。 「ゆええええんん!!ぐじゃいよおおおお゛!!!」 「うんうんばっがりじゃゆっぐりでぎないんだじぇええええ!!!」 こどもたちはぴーぴー泣いてしまった。その横でれいむはどうしていいか分からずおろ おろしている。 「もう自分たちでうんうんとしーしーを捨てるしかないよ~!分かるね~?」 まりさたちは協議の結果、飼育スペースから少し歩いたところにある、ごはんさんなど が置いていない場所−それは観測隊の資料室だった−をうんうん置き場にし、毎日、う んうんやしーしーが染みこんだ砂をそこへ捨てに行くことにした。 「うんうんはきたないけど、おちびちゃんのためならしかたないよ!」 「よごれしごとを積極的にやるのもとかいはね!!」 れいむがうんうんを、ありすがしーしーの入ったプラスチックケースを口にくわえて運 び、うんうん置き場の奥に中身を捨ててくる。そして、そこへまりさがしーしー用の砂 を補充した。野生や野良の個体ならば、巣の外で済ますか、巣の中に乾燥するまで放置 することで排泄物に対応しているのだが、優秀なゆっくりであるばかりに、まりさたち にはうんうん、しーしーが巣の中にあることが許せなかったのである。 「ゆっくりぷれいすがきれーになったんだよ!分かるよ~!!!」 「ゆゆ!この調子ならえっとうもきっと大丈夫だよ!!」 自分の世話をお兄さんに頼らずに完遂しただけで士気が上がる。いくら優秀でも所詮は 飼いゆっくりということなのだろう。 「ゆ~…おにいちゃんにすーりすーりちてほしいんだじぇ…」 「おにゃかいっぱいになったらすーりすーりしちゃいよおおお!!」 毎日、お兄さんにたっぷりすーりすーりしてもらっていたゆっくりたちには耐えられ なかったのだろう。子まりさと子れいむは寂しさのあまり泣き出してしまった。 「おちびちゃん!大丈夫だよ!!ぱぱとすーりすーりしようね!!」 「ままもおちびちゃんとすーりすーりするよ!!」 「ありすともすーりすーりしましょうね!!」 「みんないっしょならさびしくないね!!分かるよ~!!」 みんなですーりすーりをする。ゆっくりたちが心からゆっくりできる瞬間だ。 このとき、このゆっくりたちは自分たちならこの「えっとう」を乗り切ることができる という自信にあふれていた。 「ゆゆゆ!みんなですーりすーりすればあったきゃいんだじぇ!!」 「ゆゆ~!れいみゅはぜんぜんさびしくないよ~!!」 人間さんがいなくなってからなんだか寒い。 その思いもあって、ことあるごとにすーりすーりして互いの体を温め合った。 それから新しい赤ゆが生まれるまで、大して時間はかからなかった。 冬 南極の冬は暗い。 太陽の光が建物の中まで差し込んでくる時間はほとんどなくなった。 証明のほとんどない観測基地の中で、ゆっくりたちは陰鬱な気分に悩まされながらも、 まだゆっくりしていた。 観測基地から人間がいなくなって約一ヶ月、まりさは焦っていた。 あれだけたくさんあった食糧が随分減っているように思えたからだ。 実際のところ、減っているのは巣の近くの木箱だけで、通路に出ればまだまだ餌は豊富 にあった。しかし、優秀と入っても、野性を経験したことのない飼育用ゆっくりである。 初めての越冬、それも終わりの見えない状況で、不安に駆られたとしても、無理なから ぬことである。 「ゆゆ!!みんな食べすぎだよ!!!今はえっとうしてるんだよ!おなか一杯食べてた ら春になる前にごはんさんがなくなって、みんな永遠にゆっくりしちゃうんだよ!! これからは一日三食にして、ごはんさんをせーぶするよ!!」 ある日、まりさは皆にそう呼びかけた。 飼育員がいなくなったことで、自分たちの面倒を自分で見なければならなくなった代わ りに、自分たちの好きなときに好きなだけ食べられるようになった。ゆっくりすること が何よりも大切なゆっくりたちにとって、その喜びは大きく、今まで一日三食だったと ころを、四食、五食と食べたこともあった。特にれいむの暴飲暴食ぶりは凄まじく、赤 ちゃんを身ごもっているからと、主にお菓子を食い散らかしていた。 こんなにたくさん食べなくてもゆっくりできる。 それよりも、えっとうのためにまだまだ「しっそけんやく」するべきだ。 そうまりさは主張した。 「ゆゆ!!れいみゅはごはんしゃんいっぱいたべちゃいよ!!」 「ありすはおちびちゃんたちにおなかいっぱい食べさせたいわ!」 ありすとちぇんの間には、二匹の赤ちぇんが産まれていた。 「でもえっとうに失敗するとえいえんにゆっくりしちゃうよ!分かるよ~!!」 異論を持つゆっくりもいたが、最後には皆納得した。 そもそも食糧減少に対して彼らの責任が占める割合は比較的低い。 「なにい゛っでる゛の゛お゛おおおおお!?にんぷはたくさんたべなきゃいけないん だよおおおおお゛!!!たりないこがうまれてぎぢゃっだらどうずるのおおお゛!?」 おなかを大きくしたれいむを除いては… れいむはこの頃、観測基地のゆっくりの中でもっとも大きく成長していた。成体サイ ズの比喩として、よくサッカーボールぐらいと言われるが、れいむは最早、ビーチバ レーのビニールボールぐらいの大きさだった。 ハロウィン用のお化けかぼちゃにでもなりたいのだろうか? 「げんぎなあがちゃんがうまれないどゆっぐりでぎないでじょおおおおおおおお!? れいむはだぐざんだべなぎゃいげないんだよ!!!にんぷさんはずどれずたまるんだ よ!!ぢゃんどまわりをきづがっゆっぐりかんがえでね!!!ゆぶぶぶ、ぎゃわいぐ でごめんでぇ!!!」 このれいむ、飼育員がいた頃は、わがままを言うことはあったものの、まりさや飼育員 の言うことはちゃんと聞くゆっくりだった。しかし、自分を止められるものがいなくな り、餌の心配をする必要がない(れいむはそう認識している)環境下で、次第にげずとみ なされても仕方のないような言動が増えてきてしまったのだ。 おそらく、にんっしんっしたことにより、餡子内のほるもんバランスが変化し、群れよ りも自身とその子供を優先するようになったのだろうか? 「ゆゆ!!怒らないでね!れいむ!ゆっくりできないよ!!やせいのゆっくりはまりさ たちみたいにいいもの食べてないってお兄さんが言ってたよ!!だかられいむもそんな に食べなくてもきっと元気なおちびちゃんを産めるよ!!ゆっくりりかい…」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおお゛!!!れいむはにんげんさんにえらばれだゆ っくりなんだよおおおおお!!!やせいのゆっぐりなんがどいっじょにじないでね!!」 れいむは顔を膨らませてぷくーっをする。だが、それは怖いというより不気味だった。 「ゆえええええん!!みゃみゃのぷくーっはゆっぐりでぎないいいいいい゛!!!」 思わず子まりさが泣き出す。 「どぼじでぞんなごどゆうのおおおお゛!!!ままはびーなずなんだよおおお゛!!!」 話が変な方向に逸れそうなので、思わずまりさが咳払いをする。 「ゆっふん!!とにかく!!だめなものはだめだよ!!無事えっとうするためだよ!! ゆっくりりかいしてね!!」 懲りずに喚きたてるれいむをまりさはそれ以上相手にしなかった。そして、まりさの管理 によってそれ以降、ゆっくりたちの食事は三食に制限された。それでも、普段、飼育員が 与えていた食事に比べて量は大して変わらなかったのだが。 「ゆぶぶぶ…これじゃあしあわせーってできないよ…」 あっという間に自分の分を平らげて、寂しそうに餌を入れるプラスチック容器を見つめる れいむ。しかし、食事制限に不満を持っていたのは、この太ったれいむだけではなかった。 「ゆゆ…おなかいっぱいになれないんだじぇ…」 「これじゃあゆっくちできないよ…」 子れいむと子まりさはずっと母親のれいむと一緒に食事していたため、一日に何回もごは んさんを食べることに慣れっこになってしまっていたのだ。 夜中、子れいむは空腹によって目が覚めてしまった。 「ゆゆ…おなかすいたよ…」 なんとか我慢して眠ってしまおうとするが、空腹を意識すればするほど眠れなくなる。 「ゆゆ…もうがまんできにゃいよ…」 子れいむはこっそりと起き上がり、毛布から抜け出した。途端にあったまっていた体が 冷たくしっとりした夜の空気によって冷やされる。 「しゃむいけどがまんするよ…そろ~りそろ~り…」 子れいむは餌が蓄えてある通路に向かった。しかし、 「ゆゆ!!なんじぇぱぱがごはんさんのところでねてるおおおお!!」 まりさは誰かが空腹に耐え切れず、ごはんさんをこっそり食べてしまうのを防ぐために、 通路で眠っていたのである。 「むーにゃ…むーにゃ…すーや…すーや…」 鼻ちょうちんを膨らませながら眠るまりさ。 子れいむは何とか、その防御壁をすり抜けて、餌にたどり着こうとした。だが、まりさ が通路の中央付近で眠っているために、それは難しかった。おそらく、どこを通っても まりさに触れるか、毛布を踏んでしまうため、起きてしまうだろう。 「そろーりそろーり…」 それでも餌への接近を試みる子れいむ。 「…んん!…」 「!!!」 まりさは寝返りをうっただけだったが、子れいむは思わず飛び退き、通路の入り口まで 全速で撤退してしまった。 「ゆゆ…おなかすいててゆっくりできないのに…」 子れいむのおなかは容赦なく空腹の悲鳴をあげ続けている。 子れいむは決心した。 よし、お外にごはんさんを取りに行こうと! 観測基地は厳重にロックされていたが、ゆっくりのために、飼育棟から外へ出られる小さ な出入り口があった。これは、夏に外で飼育員と遊んだときに、ゆっくりの要望で飼育員 が作ってあげたものだった。猫用の出入り口のようなもので、ドアを何重にも取り付ける ことで外気の侵入を阻んでいる。 この出口は建物の影、南極の冷たい風を完全に遮断できる位置にある。さらに、そのすぐ 近くに発電機があるため、そこから発せられる熱によって、この出口が完全に雪に塞がれ てしまうことはなかった。 子れいむは真っ暗な通路を、触覚のみを頼りに進んでいた。 「ゆぎゃあ!!…ゆゆ~ん…まっくらでどあさんみえないよ…」 子れいむがなんとか出口から外に飛び出したとき、子れいむを迎えたのは−20℃近い寒 気だった。 「にゃにきょれえええええええええええええええええええ!!ざむびいいいいい!!! ゆっぐちでぎなびいいいいいい!!!」 子れいむは歯をがちがちと鳴らし、縮こまって寒さに対抗しようとした。しかし、無駄 なあがきだった。空から降っているのか、地面から巻き上げられているのかも分からない 雪の欠片が途切れることなく子れいむの防寒服を打つ。 「じゃむび…がちがち…じゃ…がちがち…」 南極は寒いというイメージがあるが、それと同時に極めて乾燥した場所である。 気象庁のホームページに記載されている基地の湿度を見ると、60~80%といった数字が 並んでおり、湿度が高いように感じられる。しかし、湿度には相対湿度と絶対湿度があ り、我々が普段目にするのは相対湿度である。 「相対湿度」はある気温(温度)の空気の飽和水蒸気量を100%としたとき、何%の水蒸気が 含まれているかを示したものであり、「絶対湿度」は空気1kg中に含まれている水蒸気の量 のことで「g/kg」という単位で表される。 南極は地球上でも最も絶対湿度の低い地域の一つなのだ。 子れいむは防寒服によって守られているものの、その寒さが体温を、その乾燥した空気 が水分を容赦なく奪っていく。子れいむ自慢のおはだは既にがさがさになり始めていた。 子れいむが外出したことがあるのは、まだ生まれたばかりの頃だ。そのときは季節は夏 であり、南極の周縁部にあたるこの観測基地では、気温が氷点下を上回ることも珍しく はなかった。そんな日は、飼育員はゆっくりたちを散歩に連れて行ってくれたり、観測 隊員お手製の即席露天風呂に入れてくれたりしたものだった。 子れいむの記憶にある「お外」とはその頃のものだったのである。 今は冬、日照時間はほんの数時間しかなく、日によっては秒速20メートル以上のブリザ ードが吹き荒れることもあった。 冬の南極といっても生命の影が皆無なわけではない。分厚い氷の下には不凍液を体内に 持った魚が海を泳いでおり、湖の底には藻類が、零下数十度の氷原にはコウテイペンギ ンが次の世代を育んでいた。 しかし、いずれもゆっくりが自力で獲得できる餌とは到底思えないものばかりであった。 「ゆぎぎぎぎぎぎ!!!かじぇしゃんはゆっぎぎでぎないいいいい゛!!!」 子れいむは知らなかったが、北東風が吹き始めていた。 この観測基地では、ブリザードは必ず北東風と共にやってくる。危険な兆候であった。 「ゆぎぃいいいいい!!!れいむは…ごはんさん…ひゃぶうううう!!!」 このときの子れいむの執念はゆっくりにしてみれば恐るべきものであった。這い回る ように移動し、なんとか建物の影に置かれている、雪上すぃーを見つけ出す。 「ど、ど、ど、どぼじっでででですぃーーーーーがゆぎさんのながにうばでででるのお おおお゛!!!」 ゆっくり得意の叫び声も寒さでうまく言うことができなかった。防寒服から微かに露出 している目や口の周辺はかさかさに乾燥し、氷が張り付き始めていた。 雪上すぃーは飼育員が南極の雪上移動用に作ってくれた特別仕様のすぃーである。まり さ、れいむ、ちぇん、ありすの4台が用意されており、それらは重心の移動によって操 作するタイプと、あにゃるにハンドルを差し込んで尻の動きで操作するタイプの2つに 分かれていた。飼育員お気に入りのまりさ専用機「ふぉるねうす」はもちろん、あにゃ るハンドル型である。 子れいむは一生懸命、積雪の中から雪上すぃーを掘り起こそうとした。 「すぃーざんゆっぐちじないででてきでね!!ゆんしょ!ゆんしょ!ひゃぶぶぶぶいい い!!!」 心なしか辺りが暗くなり、風が強くなってきたような気がする。子れいむは作業を急い だ。 「ゆう~…なんとかゆぎさんをどかじだよ!!ゆゆん!!ゆぎ!?」 子れいむはすぃーハンドルを口で持ち上げようとしてバランスを崩し、歯を何本か折っ てしまった。 「ゆぴいいいいいい!!!」 思わずしーしーをもらし、痛みに辺りをのたうち回る。しかし、南極の冷気はれいむの 漏らしたしーしーを凍らせてしまい、れいむは刺すような冷たさに、さらにのた打ち回 った。 「ゆぎいい!れいむの!れいむのべにべにがじべだいよおおおおおおお!!!」 だが、のた打ち回ったところで氷が解けるわけではない。 「じべだいいいい゛!!!べにべにがじべだぐでゆっぐじでぎないいいいいい゛!!!」 結局、子れいむはしばらくして泣き止んだが、それは刺すような冷たさが消えたからでは なく、子れいむのぺにぺにの感覚がなくなったからであった。 「ゆぎいいい…おなか…じゅいだよ…じゃぶいよ…」 ここに来て空腹を思い出し、なんとか雪上すぃーに乗る子れいむ。子れいむが掘り出した のは、ありす専用機「あらけす」だった。 ハンドルを防寒服の上からあにゃるに軽く差し込み、ゆんっと踏ん張ってグリップを固定 する。 子れいむに行くあてはなかった。ただ、お外に出れば何かしら食べ物にありつける。その 程度の考えしかなかったのである。 子れいむは盗んだすぃーで走り出した。 「ゆぎぎぎぎ!!ざぶびいいいいいい゛!!!」 雪の中を疾走するすぃー。 風を切って走ることで体感気温は更に下がり、子れいむの皮の弾力性は次第に失われてき た。そしてあにゃるに差し込んだハンドルから伝わる振動、 「んほほお!!!んほほほおおおおおおいいい゛!!!」 子れいむは寒さに震えながら、ぺにぺにをいきり立たせ、ノリノリで氷原を疾走していっ た。しかし、次第に視界は真っ白になっていき、横殴りの氷雪が強くなっていく。 「んほほほほ!んほ!やっほぅぅいいいいいい!!!」 何も考えずにすぃーを走らせる子れいむ、しかし次の瞬間、子れいむは宙に浮いていた。 「!?」 すぃーが新雪の下に隠れていたヒドゥンクレバス、氷の割れ目に引っかかったのである。 べし 「ゆべしっ!!!」 子れいむは顔面から雪に叩きつけられ、前歯は全てへしおれ、四散した。そして、いき り立ったままだったぺにぺには半分に叩き折られた。 「ゆい゛はrんぎあgはwばんフォアpjs8hgpわえぱのwじgないうんpgwな!!!!」 擦りむけた防寒服から、きれいに半分におれたぺにぺにの残りが顔を出していた。感覚 がなくなっていたぺにぺにに痛みだけが戻ってきた。 「ゆぴいいいいいいいいいい!!!れいぶのないすぺにがああああああああ゛!!!」 防寒服が破れたことで急激に体温が奪われる。辺りは地吹雪が吹き荒れ、もう一キロ先 は真っ白で何も見えない状況だった。 「ゆぎ…ゆぎいいい…しーしー…したくなってきたよ…」 一気に体温を奪われたせいか、子れいむは尿意を催した。 「しーしーするよ…」 へし折れたぺにぺにからあらぬ方向へしーしーが飛んでいく。しかし、しーしーは空中 に飛び出た瞬間凍っていき、最後にはぺにぺにから横に伸びるしーしーステッキが出来 上がった。 「どぼじでじーじーざんくっづいでるのおおお゛!!ゆっぐりでぎないよおおお゛!!」 凍ったしーしーを伝って、ぺにぺにから体の方へと冷たい痛みが浸透してくる。れいむ は溜まらずぺにぺにや尻をぶりぶりと振り回し、しーしーステッキを離そうとする。 「ゆぴぴぴ!!!しーしーさんはなれてね!!!れいむのぺにぺにがちべたいよ!!!」 次第にぺにぺにから感覚のなくなった部分が広がっていくように感じ、子れいむは恐怖 した。 「もうやじゃああああ゛!!!おぶじがえるうううう゛!!!」 しーしーステッキに邪魔されながらなんとか、すぃーに向けて跳ねる子れいむ。 しかし、着地の瞬間、しーしーステッキがへし折れ、ぺにぺにも一緒に付け根からなくな ってしまった。 「ゆぎゃああああああ゛!!!もうあがじゃんのおがおがみれないいいいい゛!!!」 もっとも痛みはなかった。もう子れいむの凍傷は下腹部へと少しずつ広がっていた。あ んよが動かなくなるのも時間の問題だろう。 だが、子れいむは最後の力を振り絞ってすぃーに飛び乗ろうとした。しかし、すぃーに 乗った瞬間、地面が消えた。 すぃーは辛うじてヒドゥンクレバスに引っかかっていたのだが、子れいむが乗ったことで ついに落下してしまったのである。 「ゆぴいいい!!!れいぶおじょらどんでべっ!!!」 子れいむは何度も氷の壁に叩きつけられ、最後には数十メートル下の冷たい氷塊の床に 叩きつけられた。 「ゆびゃ!!!」 吹雪で凍っていたもみあげは割れて四散し、両目は飛び出して破裂した。顔の半分は落 ちた衝撃で飛び散り、真っ青な雪の床に黒いペンキを一滴垂らしたかのようだった。 「ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛…」 ほんの数分だけ痙攣が続き、そして止んだ。 餡子の中まで氷が発達し、子れいむは悲惨な死に顔のまま、腐ることも、吹き飛ばされ ることもなく、雪の下に保存された。 「おじびじゃああああああん!!!がえっでぎでえええええ!!!」 その頃、観測基地ではまりさや子まりさが泣き叫んでいた。 起きたら子れいむがおらず、れいむに、空腹に耐えかねてごはんさんを取りに行ったか らではないかと告げられたからだ。しかし、翌日になっても子れいむが帰ってくること はなかった。 外ではブリザードが吹き荒れ、ゆっくりできない風の音や、建物の軋む音が室内に響い てくる。 「まりさがごはんさんをせつやくするなんていうからだよ!!!このゆっくり殺し!」 れいむは怒りに任せてまりさに体当たりをした。 「ゆびゃああああ゛!!!」 まりさは壁にしたたかに壁に叩きつけられた。 実はれいむは子れいむが寝床を抜け出したとき、起きていたのである。そして、その様 子から食べるものを探しに行くのだと見て取った。れいむが寝たふりをしていたのは、 自分では盗み食いをしに行くつもりがなく、うまくまりさの監視をくぐって子れいむが 餌をとってきた場合、一緒に食べるためである。 そして、子れいむは帰ってこなかった。 「このゆっくり殺し!!!食べ物とおじびちゃんとどっちがだいじなの!!!くず!!」 れいむはまりさの上に乗り、何度も飛び跳ねる。 「ゆべ!ごべんなざ!ゆがああ!!!やべで!!じんっじゃう!!やべで!!!」 れいむの肥満体を何度も叩きつけられ、自慢のお帽子はぐちょぐちょに潰され、まりさ餡 子をかなり吐いてしまった。 「ゆふ~、れいむはえんじぇるだから、これぐらいでかんべんしてあげるよ!わかっだら さっさとごはんさんもっできでね!!せつやくなんてしないよ!!!いっぱいたべでゆっ ぐりずるよ!!!」 「ゆ…ゆっぐりりがいじだよ…」 なまじ頭がいいばかりに、子れいむを失った責任感に打ちのめされたまりさは、もう二度 とれいむに逆らうことができなくなった。 毎日、れいむは餌を好き放題に食い散らかし、食事の用意・後片付け・うんうんしーしー の掃除はまりさの仕事として固定された。 ちぇんとありすは、れいむの様子に嫌気が差し、今は使われていない観測隊員の部屋の一 つに引っ越した。 「ぢょどおおおおお゛!!!まだう゛ん゛う゛ん゛がそうじされていないよおおお゛!! はやぐそうじしなよ!!!おぢびちゃんがまたえいえんにゆっぐりじちゃうでしょおおお おおおおおお゛!?」 れいむがまりさを怒鳴り散らさないのはすっきりの時だけだった。 まりさは醜く太ったれいむとすっきりなどしたくなかったが、れいむは赤ちゃんを増やす ためにすっきりを強要し、もうまりさはれいむに何一つ逆らう気力はなくなっていた。 「ぱぱ~!元気出して!ゆっくりして!!」 子まりさだけがまりさを慰めたが、何もしてあげることができなかった。 「おとうさんは…ゆっくり…してるよ…」 ガラスのような無機質な瞳は何も見ていなかった。 つづけーね 神奈子さまの一信徒です。 次はどんな生態系を書こうかなと考えながら、昨夜の雪を見てむしゃくしゃして書きました。 短編SSにしようと思ったら二話完結となりそうです。 勢いで書いた結果がこれだよ。 お暇つぶしとなれば幸いです。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る まさに、れいむ種は不幸の現況になるのは ほぼ確定なんだなぁ -- 2012-08-27 00 12 05 おお!めっちゃおもしれえ!!続きが楽しみ♪ -- 2011-11-14 07 56 53 でいぶは本当に最悪だな… まりさが可哀想だ -- 2010-11-15 18 23 33
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5日目 Navi 今日もすがすがしい朝がやってきました 村の広場の真ん中に食べかけのまま息絶えている すないろさん の遺体が発見されました… Navi 村人の皆様、今日もがんばってください Navi 昼の部スタートです 2 (ゾンビ部屋) マリノス そこ噛むんだ 1 (なび村) カルシファー こりゃ参ったね! 2 (ゾンビ部屋) マリノス カルシファーさんでもういいかな xへむx あとはグレーで殴り合いって事ですかあ? xへむx あ 1 (なび村) bansyakukuma うーむ・・・ 1 (なび村) Kasparora あれ、すなさん狼じゃなかった 1 (なび村) xへむx ランダムにw 1 (なび村) bansyakukuma もしもワドさんが真なら全員グレー 1 (なび村) カルシファー Kaspさんへ、kumaさん怪しいと言ったのは占いを偽と見てるわけではないですが まだ占い確定と言える段階にきてなかったので、とりあえずkumaさんはグレー扱いと見てました。 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁですよね 2 (ゾンビ部屋) あおまりん 狩さんいなかったら最終日かー 1 (なび村) Kasparora くまさんーあおまりんさんか、へむさん単独残りとみるべきか 1 (なび村) bansyakukuma あおさんが真ならカルさんと私は村人。へむさんとkasさんがグレーですね 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx いらはーい 1 (なび村) カルシファー そうなるねー 2 (ゾンビ部屋) すないろ 仮説は唱えられずw 1 (なび村) Kasparora あおまりんさん真ならカルさん〇だからなぁ 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁまちがってるので 2 (ゾンビ部屋) すないろ いいですw 2 (ゾンビ部屋) マリノス さぁ此処で仮説をどうぞ! 2 (ゾンビ部屋) アレガ ☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイラッシャーイ 1 (なび村) bansyakukuma あおさんが偽なら、吊り数少ないし、カルさんを初日に囲ったというのもあり 2 (ゾンビ部屋) マリノス できれば 生きてる時にやると 1 (なび村) xへむx でもどっちの占いが真なのかの材料は無いんだから結局全員グレーでしょ 2 (ゾンビ部屋) あおまりん 仮説気になる 2 (ゾンビ部屋) マリノス 自分の思考が落とせて 1 (なび村) bansyakukuma そうですね 2 (ゾンビ部屋) マリノス よいのですけどね! 2 (ゾンビ部屋) すないろ ねーw 2 (ゾンビ部屋) すないろ 仮にへむさんが狼だったらワドルディさんが狼であることをしっててあおまりんさんが真だということがわかっておりその時点で白確定したわけになるんですよね 1 (なび村) bansyakukuma 殴り合いです 2 (ゾンビ部屋) すないろ 一応これが 2 (ゾンビ部屋) すないろ よかったんですけどw 1 (なび村) カルシファー うーんw 2 (ゾンビ部屋) すないろ いえなかったんでw 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁいいかなーw 2 (ゾンビ部屋) マリノス ほほう 2 (ゾンビ部屋) すないろ んままちがってるんでいいですw 2 (ゾンビ部屋) あおまりん なるほどー 1 (なび村) カルシファー Kaspさんはあおまりんさん○で見てるんですよね 1 (なび村) Kasparora 僕はあおまりんさん真占いで見てます 2 (ゾンビ部屋) マリノス 狼仮定の話も別にいいと思いますよ 1 (なび村) bansyakukuma あおさんが真ならば、選ぶ範囲は狭くなりますが 1 (なび村) bansyakukuma 確定はしてないのよね 1 (なび村) bansyakukuma 誰が怪しいか・・・ 1 (なび村) カルシファー 自分が不利になるのにも関わらず、それ言うんですね 2 (ゾンビ部屋) マリノス その発言してたら 僕ならすないろさんを白決め打ちするかな! 1 (なび村) xへむx でもあおまりん偽なら思うツボですよね 1 (なび村) カルシファー ま・・まぁね! 1 (なび村) Kasparora あおまりんさんからは疑う点が見えないけど 1 (なび村) bansyakukuma そうだね。もしあおさん偽ならカルさんか私を囲ってる感じ 2 (ゾンビ部屋) マリノス 決め打ち理由→①狼はそもそも白を知っている 2 (ゾンビ部屋) あおまりん すないろさんは白っぽかったです 1 (なび村) bansyakukuma ワドさんの霊媒占い、慣れてないのもあるかもしれませんが 2 (ゾンビ部屋) マリノス ②2wなので対抗●は確定 2 (ゾンビ部屋) マリノス なので ちょっと慣れていない村人!とすないろさんの色を決め打ちます 2 (ゾンビ部屋) マリノス 初心者騙りだったら激おこぷんぷんまるです Navi 5分経過(後2分) 1 (なび村) カルシファー やばい、分からんw 1 (なび村) bansyakukuma ん・・・ 1 (なび村) bansyakukuma どーしよ 1 (なび村) Kasparora カルさんとあおまりんさん真で見てるので 1 (なび村) bansyakukuma あおまりんさん真なら私も村人よ 2 (ゾンビ部屋) マリノス つまり 単純に狼側の視点が抜けてる村にみえますに 1 (なび村) カルシファー へむさん的には誰吊りたいんです? 1 (なび村) Kasparora なので、僕視点だとへむさん一択ですがw 1 (なび村) xへむx 晩酌さんですねえ 2 (ゾンビ部屋) あおまりん Kasparさん疑ったのに真で見てくれてる。いい人だ。 1 (なび村) bansyakukuma んー 1 (なび村) カルシファー ふーむ 2 (ゾンビ部屋) マリノス うわああクマが吊られるー 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ 狼予想としては カルシさんかへむさんがあやしいかな Navi あと1分 1 (なび村) bansyakukuma 吊られたら村負けちゃう 1 (なび村) bansyakukuma どーしよ 2 (ゾンビ部屋) マリノス ひらめくクマー 1 (なび村) bansyakukuma あおさん真の可能性にかけて 2 (ゾンビ部屋) マリノス 頑張れクマー 2 (ゾンビ部屋) アレガ (´(ェ)`) 1 (なび村) bansyakukuma へむさんいきます 1 (なび村) Kasparora ん~くまさん残りでも 1 (なび村) Kasparora 村勝ちになりそうだしw 1 (なび村) xへむx 外れたらカルさんかな 1 (なび村) カルシファー Kaspさんの可能性もあるよ? 2 (ゾンビ部屋) マリノス 誰を吊りたいか確認してるのは 1 (なび村) カルシファー あおさん真で見るのなら 2 (ゾンビ部屋) マリノス ビビってる狼なんじゃないですか?とでもいうクマー 1 (なび村) bansyakukuma んん。そうなんだよね 1 (なび村) xへむx どっちもあおさんが白打ちしたって事で Navi 20秒前 1 (なび村) bansyakukuma どっちか決めないとやばい 1 (なび村) bansyakukuma へむさんいく! 2 (ゾンビ部屋) マリノス 1wは心細いですよね!とかいうクマー Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 2 (ゾンビ部屋) マリノス あら あおまりんさん真でみたか 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート Navi 投票は私に直Tellでお願いします 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 5日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- 3 (GREEN) bansyakukuma うわーん、こわいよ~ 3 (GREEN) あおまりん b 2 (ゾンビ部屋) マリノス そっちも十分にあるけど 3 (GREEN) bansyakukuma ドキドキ 2 (ゾンビ部屋) マリノス 薄そうな気がするクマー (T) xへむx > 晩酌さん吊り (T) bansyakukuma > へむさんで!お願いいいい! 2 (ゾンビ部屋) あおまりん dottiga 2 (ゾンビ部屋) あおまりん どっちが真かわかるあたしは何も言えない 2 (ゾンビ部屋) マリノス そんな時は 2 (ゾンビ部屋) マリノス 私は真ですよ 2 (ゾンビ部屋) マリノス だからグレーを吊るのが正しいですよ 2 (ゾンビ部屋) マリノス って主張するときっと いいとおもいます! 2 (ゾンビ部屋) マリノス ゾンビ部屋でもね (T) Kasparora > へむさんでお願いします。 2 (ゾンビ部屋) すないろ さーてもう1個のほうもないとまけたときそっちかーってなるのでー・・・ 2 (ゾンビ部屋) あおまりん あたしは真ですよ!グレー吊りしましょ!← 2 (ゾンビ部屋) マリノス はっはっは (T) カルシファー > bansyakukumaさんでお願いしますー bansyakukuma2 xへむx2 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx あたしは真でs(ry 2 (ゾンビ部屋) すないろ いやー 2 (ゾンビ部屋) すないろ あるいみ噛まれて正解かも?w 2 (ゾンビ部屋) あおまりん 霊界でも対抗ですねーww 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx う? 2 (ゾンビ部屋) すないろ んや 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx バチバチバチ Navi 投票同数の説明を忘れていました! 2 (ゾンビ部屋) すないろ 落とせなかったのは残念ですけど Navi 投票が同数だった場合、3分間の延長議論の後、再投票をお願いいたします 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁ 2 (ゾンビ部屋) すないろ まちがってるかもしれませんので!w Navi 再投票は1日に3回までとなり、これで決着が付かない場合、 Navi Navi子が蘇って村を支配します 2 (ゾンビ部屋) あおまりん まさかの同数? Navi 逆らうことはできません 2 (ゾンビ部屋) すないろ でしょうね Navi 税金は1.75倍です カルシファー ヒィ Navi お菓子と天丼は全て没収です Kasparora え・・w Navi すなわち、全ての陣営の負けになります 2 (ゾンビ部屋) すないろ ミクさんがしんじゃうw xワドルディx Σ 2 (ゾンビ部屋) アレガ 税金ヒドイ(ノД`)シクシク 2 (ゾンビ部屋) あおまりん 書こうとしたら噛まれってありますよねー Kasparora 同票なんてそんな・・w Navi と、いうことで 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁ Navi 投票同数が出ました 3分間の延長議論の後、再投票をお願いいたします 2 (ゾンビ部屋) すないろ よくあることです Navi 議論スタートです 3 (GREEN) Navi こちらの会話一時ストップです 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 2 (ゾンビ部屋) すないろ あおまりん真でみてたけど 1 (なび村) bansyakukuma よし、話しあいましょう。よかった 1 (なび村) xへむx 村人って吊られてもどっちかというと平気って立場な気がするんだけど 2 (ゾンビ部屋) すないろ ワド真だとなにが考えられるかなーと 2 (ゾンビ部屋) すないろ まずー 1 (なび村) bansyakukuma 村人吊られたら狼勝っちゃうじゃない 1 (なび村) カルシファー さーて誰を指定しました? 1 (なび村) bansyakukuma 今日が最終日ですよ? 2 (ゾンビ部屋) すないろ へむさんが白になるんですよねー 1 (なび村) カルシファー 今日 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ ワドルさんが霊媒co1のわたしを占ったのはかなりあやしく見える行動だが 狼はふつう怪しまれないように行動するので狼の行動原則からははずれているw ここはむずかしいところ 1 (なび村) xへむx 私が晩酌さんを指定してからの私吊りにもって行く流れがちょっと強引じゃないかと思うんだけど 1 (なび村) カルシファー そうそうw 1 (なび村) bansyakukuma 私は宣言通りへむさん 1 (なび村) Kasparora へむさん指定です 1 (なび村) カルシファー だよねぇw 1 (なび村) カルシファー 私kumaさんw 1 (なび村) xへむx 私はカルさんでも晩酌さんでもよかったのよ 1 (なび村) bansyakukuma あおさん真の可能性は考えないの? 2 (ゾンビ部屋) すないろ そうするとワド真になるわけだー 1 (なび村) カルシファー へむさんがkaspさんから疑われてるのにも関わらず、晩酌熊さんを吊ろうとしてたのはちょっとおかしい。 1 (なび村) xへむx 指定の理由が偽目でみてるあおさん理由だったから 1 (なび村) カルシファー 熊さんは4日目、kaspさん吊りたいと言ってたけど、最終日になってへむさんに変更。 kaspさんがへむさん吊りたいってのに乗っかったかのように見える。 2 (ゾンビ部屋) すないろ でそうすると 2 (ゾンビ部屋) アレガ 玄人すぎるオオカミかもねw 1 (なび村) カルシファー kaspさんは自分が不利になるにも関わらず、あおまりんさん真で押したのは村人度UP 1 (なび村) bansyakukuma もしもあおさんが偽なら、初日囲いでカルさんいきそうだけど 1 (なび村) カルシファー こんな感じだね 2 (ゾンビ部屋) あおまりん へむさん、よかったのよって村吊れれば勝てる狼みたいな発言を 1 (なび村) bansyakukuma へむさんも、やけに私に矛先向けてくるので 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁ 1 (なび村) カルシファー へむさんの立場ならkaspさん吊りたいんじゃない? 1 (なび村) bansyakukuma うたがっちゃいました 1 (なび村) カルシファー って私は思った Navi あと1分 1 (なび村) bansyakukuma 囲いならカルさんだってあるじゃない 2 (ゾンビ部屋) すないろ 私と勝負してくれても 1 (なび村) xへむx 偽ってバレた時に最初から囲ってたら釣られるからワンクッション置いたって考えたけど? 1 (なび村) Kasparora カルさんは引き分けで確認したってことかw 1 (なび村) カルシファー あるよ 2 (ゾンビ部屋) すないろ よかったじゃないのよ! 1 (なび村) カルシファー だから 1 (なび村) カルシファー こうやって村人アピールさ! 1 (なび村) bansyakukuma 村人アピール難しい;; 1 (なび村) bansyakukuma しているつもりだけど疑われてるなぁ Navi 20秒前 2 (ゾンビ部屋) すないろ といってもおそいし思考が停止しつつあったのでワド真だとあおまりんの囲いかー 1 (なび村) カルシファー まぁそれは人の主観だからねー 1 (なび村) bansyakukuma そうだね 1 (なび村) xへむx 主観しかないと思ってるんだけどw 1 (なび村) カルシファー ですねw Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 2 (ゾンビ部屋) すないろ ばんしゃくさんと?カルシファーどっちかかー 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 2 (ゾンビ部屋) あおまりん あたしは真です(2回目 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート Navi 投票は私に直Tellでお願いします 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 2 (ゾンビ部屋) マリノス 囲うならいつか? 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx わたs(ry 2 (ゾンビ部屋) すないろ 最初 3 (GREEN) bansyakukuma だめっぽいww皆鋭すぎだわ! (T) xへむx > 晩酌さーん 2 (ゾンビ部屋) すないろ か余裕もたせて次の日だねー 3 (GREEN) あおまりん >< (T) bansyakukuma > へむさんで。。お願いしまっす! (T) カルシファー > でも正直分からないんですよねぇw 3 (GREEN) あおまりん b 2 (ゾンビ部屋) すないろ したらばんしゃくまさんが怪しいか (T) カルシファー > あ、ひとりごとの先間違えました、すいませんorz 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁカルシファーさんも十分あやしいけどもー・・ 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ いつかでうかぶ そういえば流行語大賞の一つに いまでしょ 選ばれましたねw (T) カルシファー > bansyakukumaさんでお願いしまーす 2 (ゾンビ部屋) すないろ wwww 2 (ゾンビ部屋) すないろ 期待してたの?w 2 (ゾンビ部屋) マリノス か、、、艦これえらばれようぜ 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx 大賞つとかダメだと思うの 2 (ゾンビ部屋) すないろ なのDHESH 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx 4つw 3 (GREEN) bansyakukuma ジタバタ 2 (ゾンビ部屋) すないろ そういや 3 (GREEN) bansyakukuma 吊らないで、お願いー>< Navi あと1分 2 (ゾンビ部屋) すないろ 比叡改Ⅱがおねぇさまより上で吹いた 2 (ゾンビ部屋) すないろ 同じだったかどうかはおぼえていない Navi 20秒前 (T) Kasparora > へむさんでお願いします bansyakukuma2 xへむx2 Navi 投票同数が出ました 3分間の延長議論の後、再投票をお願いいたします Navi 議論スタートです 3 (GREEN) Navi こちらの会話一時ストップです 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 2 (ゾンビ部屋) すないろ 分かれるねーw 1 (なび村) xへむx ぶ Navi 本日最後の議論となります 2 (ゾンビ部屋) あおまりん また同数w 1 (なび村) bansyakukuma うはぁ 1 (なび村) カルシファー (ノ∀`)アチャー 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx えぇぇぇw 1 (なび村) xへむx 晩酌さんいれたよ 1 (なび村) bansyakukuma さっきと同じなのかな? 1 (なび村) カルシファー っぽいねー 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ すさまじい最終日決戦 2 (ゾンビ部屋) すないろ いい戦いですねw 1 (なび村) Kasparora えーw 2 (ゾンビ部屋) あおまりん 殴り合い楽しそうだなぁ。。 1 (なび村) xへむx 天丼が取られる村にガクガク 2 (ゾンビ部屋) すないろ ねー 1 (なび村) bansyakukuma これでカルさんかkasさんが狼だったら笑うしかない 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁあの場にいたら 1 (なび村) カルシファー HAHAHA 2 (ゾンビ部屋) すないろ 胃が痛いですねw 1 (なび村) bansyakukuma やだ、狼? 1 (なび村) カルシファー でも実際言うと 1 (なび村) xへむx え、俺視点はカルさん狼だってあるんだってばw 1 (なび村) カルシファー 自信がないな 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ w 2 (ゾンビ部屋) あおまりん ですよねw 村よりで見られてても痛いですねw 1 (なび村) Kasparora カルさん狼なんてそんなw 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁ 1 (なび村) bansyakukuma うーん。へむさんと私に誘導されてる感もないわけではない 2 (ゾンビ部屋) すないろ カルさん狼をなくはないんだよねー 1 (なび村) bansyakukuma でもそうなると 1 (なび村) Kasparora 天変地異でも起こらない限りw 1 (なび村) bansyakukuma どっちなんだよ! 1 (なび村) Kasparora くま→へむ 2 (ゾンビ部屋) すないろ ただし 1 (なび村) Kasparora 僕→へむ Navi あと1分 1 (なび村) カルシファー そこで二人ともこっち疑うのかw 1 (なび村) bansyakukuma kasさんはどうしてそこまでカルさんを村人として見てるの? 2 (ゾンビ部屋) すないろ あおまりんさんが真じゃない場合ね 1 (なび村) bansyakukuma あー。そういうことか 2 (ゾンビ部屋) あおまりん あたし偽だと全員グレーですからねー 2 (ゾンビ部屋) すないろ うんだね 1 (なび村) Kasparora カルさんに選択権があるわけで Navi 20秒前 1 (なび村) bansyakukuma 確かに 1 (なび村) カルシファー イヤァァァ 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁその路線がある以上捨てきれないのよなー 1 (なび村) カルシファー 参ったなぁ 1 (なび村) xへむx カルさん目もあるけど私は最後まで晩酌さんにしておこう 2 (ゾンビ部屋) すないろ 引き分けそうw 2 (ゾンビ部屋) マリノス あれ 今って 誰と誰で 2 (ゾンビ部屋) あおまりん 誰かしら票変えないとー。 1 (なび村) bansyakukuma 私はやっぱりへむさんかな 2 (ゾンビ部屋) すないろ えっとね 2 (ゾンビ部屋) マリノス 票分かれてるんだっけ 1 (なび村) カルシファー 私はもうすべて言ったんだけど Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート Navi 投票は私に直Tellでお願いします 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 2 (ゾンビ部屋) すないろ へむさんとばんしゃくさんで票吾 2 (ゾンビ部屋) あおまりん へむさんとbansyakukumaさんです Navi これが本日最後の投票となります 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁ 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ 同数が2回つづいたということは狼は票をずらせない立ち位置にいるということかな (T) xへむx > 晩酌さん 2 (ゾンビ部屋) マリノス そそ 2 (ゾンビ部屋) マリノス あんま見てなかったけど 投票されてる人だろうね 2 (ゾンビ部屋) すないろ そういうことだね 3 (GREEN) bansyakukuma 引き分けか。kasさんが私に入れるか。カルさんが変えてくれるか 3 (GREEN) bansyakukuma ドキドキ 2 (ゾンビ部屋) すないろ どっちかだとおもうよ 3 (GREEN) あおまりん b 2 (ゾンビ部屋) マリノス あら カルシファーさん違ったの!? 2 (ゾンビ部屋) すないろ へむさんかばんしゃくさんか (T) Kasparora > へむさんでお願いします (T) bansyakukuma > へむさんで!今度こそお願いしまっす!! 2 (ゾンビ部屋) アレガ ずらしちゃえば勝ちのような気もするかな? 2 (ゾンビ部屋) すないろ なくはないw 2 (ゾンビ部屋) すないろ かな? 2 (ゾンビ部屋) すないろ へむ へむ ばんしゃく ばんしゃくで分かれてるなら? 2 (ゾンビ部屋) マリノス 狼が自分に入ってたら 2 (ゾンビ部屋) マリノス ずらせないべさ (T) カルシファー > ってかkaspさん的にはへむさんなのかしら・・・ 2 (ゾンビ部屋) すないろ カルシファー ヘム ばんしゃく ばんしゃくならばんしゃくさんは吊れるはずだし Navi あと1分 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ もし狼に2票きてるなら ずらしたら狼だけ2票になって狼負ける 2 (ゾンビ部屋) すないろ うむ Navi 20秒前 (T) カルシファー > へむさんでお願いします! bansyakukuma1 xへむx3 Navi さよなら xへむxさん …あなたの勇姿は忘れない Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ ここまで接戦になるとは思わなかったw Navi 役職の方は私にTellお願いします 2 (ゾンビ部屋) すないろ さて 2 (ゾンビ部屋) xへむx アァーw 3 (GREEN) bansyakukuma キャー!! 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx いらはーい 2 (ゾンビ部屋) すないろ どーなるかなー 2 (ゾンビ部屋) あおまりん おっ変えたか 3 (GREEN) bansyakukuma やったよ!やったよーー!! (T) カルシファー > こりゃ叩かれそうだーwww 2 (ゾンビ部屋) アレガ ああなるほどー 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ いらっしゃい 2 (ゾンビ部屋) すないろ ナイスファイトー 2 (ゾンビ部屋) xへむx ちょっとねえ、材料がなさすぎるよw 3 (GREEN) あおまりん ☆(^^)/☆ 2 (ゾンビ部屋) すないろ いやー村人でしたね!へむさん! 2 (ゾンビ部屋) xへむx これ墓地は答えわかるのかな? 2 (ゾンビ部屋) すないろ すいません疑ったりしてー 2 (ゾンビ部屋) すないろ いえわかりませんよっとw (T) bansyakukuma > 狼です。プリンが美味しそうなカルシファーさんをいただきます! 2 (ゾンビ部屋) あおまりん 今悩んでますよー (T) カルシファー > Naviこ勝利を阻止しただけよしとしよう。そうしよう (T) > bansyakukuma えびばでぷっちん! 2 (ゾンビ部屋) マリノス え あおまりんさん悩むんですか! (T) bansyakukuma > ぷっちーん☆ 2 (ゾンビ部屋) すないろ まぁあおまりんさん偽だったので致し方なしですなー狼がうまかったです 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 2 (ゾンビ部屋) xへむx あれ?そこは確定なの? 2 (ゾンビ部屋) すないろ いえ? Navi 今日もすがすがしい朝がやってきました 村の広場の真ん中に食べかけのまま息絶えている カルシファーさん の遺体が発見されました… 2 (ゾンビ部屋) すないろ 推測です 2 (ゾンビ部屋) マリノス 確定しましょう カルシファー あふんw Navi そして身を守るすべの無くなった Kasparoraさん は狼に食べられてしまいました… Navi 人狼勝利 Fin 1 (なび村) bansyakukuma [ワーイ] 2 (ゾンビ部屋) マリノス クマだったか― Navi ズーン 2 (ゾンビ部屋) あおまりん いえぁ! 2 (ゾンビ部屋) xへむx あー 2 (ゾンビ部屋) すないろ いやーですよねー 1 (なび村) bansyakukuma わーい! 2 (ゾンビ部屋) Shlomit あいやー 1 (なび村) ナイトコスモ おつ 1 (なび村) bansyakukuma お疲れ様でした~ 1 (なび村) カルシファー |||orz 2 (ゾンビ部屋) xへむx あってんじゃーん 1 (なび村) あおまりん お疲れ様ですー! 2 (ゾンビ部屋) Shlomit おつかれさまでっす 1 (なび村) xワドルディx お疲れ様でしたー 1 (なび村) ナイトコスモ すさまじい接戦でした 1 (なび村) xへむx あってんじゃーん Navi それでは役職発表です! 2 (ゾンビ部屋) すないろ いやうん 1 (なび村) bansyakukuma カルさんもへむさんも鋭すぎます Navi 人狼 bansyakukuma あおまりん Navi 占い師 xワドルディx Navi 霊媒師 ナイトコスモ Navi 狩人 Shlomit Navi 以上でした! 2 (ゾンビ部屋) すないろ いやー路線捨てなくて良かったーw 1 (なび村) カルシファー くー 2 (ゾンビ部屋) アレガ おつーん 1 (なび村) マリノス 騙されたクマー 1 (なび村) bansyakukuma やっぱりShさん狩人だったのね 2 (ゾンビ部屋) すないろ うん 2 (ゾンビ部屋) Shlomit 初手吊られ狩人ですw 2 (ゾンビ部屋) すないろ てか 1 (なび村) あおまりん やっぱ狩だったのかShlomitさん 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx えーw 1 (なび村) カルシファー やっぱなぁ 1 (なび村) すないろ てかね 2 (ゾンビ部屋) xへむx 捨てなくてってがっつり疑われた私は村人ですがw 2 (ゾンビ部屋) Shlomit CO間に合わんかた 2 (ゾンビ部屋) xワドルディx 完全に疑われてましたがw 1 (なび村) すないろ いやじゃぁできたから 1 (なび村) すないろ あこれやっちゃったかなーとw 1 (なび村) マリノス あおまりんークロシファー路線だったクマー 2 (ゾンビ部屋) ナイトコスモ 狩人と潜伏狼は似ているから 難しい Navi このような感じで進んでいきます! 1 (なび村) bansyakukuma ほほー 1 (なび村) カルシファー ないわwww 2 (ゾンビ部屋) マリノス 狩りと狐ですよw 1 (なび村) bansyakukuma よかったクマー 1 (なび村) カルシファー どんだけ私疑うのよw xワドルディx 難しいです>< 1 (なび村) マリノス 発言が。。。 2 (ゾンビ部屋) Shlomit じゃあで言って、自分で「あ、あかんやつや」ってなってました Navi 最初は話しにくいかもしれないですが 1 (なび村) xへむx あおまりん偽なら晩酌さんが強いかなーって感じで押してたけどw 1 (なび村) マリノス 村に見えないクマー 1 (なび村) すないろ いや 1 (なび村) すないろ こっちがあかんやつやこれ!とおもったw Navi なれるととても面白いゲームですよ! 1 (なび村) マリノス クマーは ただいろがみえなかたった 1 (なび村) あおまりん へむさんその通りです 1 (なび村) Kasparora あおまりん偽なのか、あれで…w 1 (なび村) xへむx 指定してからの反撃が強すぎてどんどん黒くなったw 1 (なび村) マリノス あれは 露骨に偽クマー 1 (なび村) bansyakukuma えへへ。やばいと思った自分でも 1 (なび村) マリノス 初めにわかるレベルクマー 1 (なび村) bansyakukuma 吊られると思ってたクマー 1 (なび村) すないろ いやー 1 (なび村) カルシファー まぁ、kaspさん説得できなかった自分の責任だなぁ 1 (なび村) すないろ やっぱりうちまちがってたw 1 (なび村) bansyakukuma kasさんに感謝。乗っかっちゃってごめんね 1 (なび村) xへむx 晩酌さんを白打ちしたのって占いロラ決まってからだたしね 1 (なび村) すないろ すいませんワド真でみれなかったので一回死にますw 1 (なび村) あおまりん ナイトさん噛めなかったら身内切りする予定でしたー 1 (なび村) bansyakukuma 霊媒さん噛めなかったら身内切りの予定でした 1 (なび村) マリノス ロラ決まってたら白打ちする必要性すらないクマー 囲いに見えるクマー 1 (なび村) すないろ テヘペロ 1 (なび村) bansyakukuma そうなの? 1 (なび村) カルシファー まぁあれです 1 (なび村) カルシファー 占いは真狼なので 1 (なび村) マリノス あそこの霊媒噛みがギャンブル勝ちですよー 1 (なび村) マリノス 狩りいてGJで吊り縄増えるから 1 (なび村) bansyakukuma shさんが狩りっぽかったしね 2 (ゾンビ部屋) Shlomit !? 1 (なび村) ナイトコスモ 10人以下の時は 4ターンしかないので グレー狭めるために釣り対象の時に狩人coもありかも 占いローラーするなら2日目からになりますし 占いも長生きしにくい 1 (なび村) マリノス どうしようもなくなるのよー 1 (なび村) カルシファー 狼が霊媒占うって行為をするかってところもあるかな 1 (なび村) xへむx 敗因は狩人吊りでしょw 1 (なび村) マリノス 出荷よー 1 (なび村) すないろ いやー 1 (なび村) すないろ 狩人つりは致し方なし 1 (なび村) あおまりん 狂いないと難しいなー。 1 (なび村) カルシファー そこは分からないですしねw 1 (なび村) xへむx あれこそなんの材料もないグレランなんだしw 1 (なび村) すないろ あとミスリーしてましたすいませんw 1 (なび村) xへむx ついてなかったw 1 (なび村) カルシファー いやいや 1 (なび村) bansyakukuma なるほど>ナイトさん 1 (なび村) すないろ へむさんおもいっきり疑ってたーもうねー 1 (なび村) カルシファー すなさんの考えは 1 (なび村) すないろ もうねー 1 (なび村) すないろ サーせん 1 (なび村) カルシファー どう考えてるか分かったのでありがたかったですよw 1 (なび村) Kasparora ん~最後はへむさんが票ずらした感じ? 1 (なび村) xへむx いやいや 1 (なび村) bansyakukuma カルさんじゃない? 1 (なび村) カルシファー だね 1 (なび村) カルシファー なび子勝利などさせるものか! 1 (なび村) すないろ いやうん 1 (なび村) ナイトコスモ でも初日勝負に出て狩人指定はいかんかったかw 1 (なび村) すないろ それもわからなかったので 1 (なび村) カルシファー ってのは冗談で 3 (GREEN) bansyakukuma お疲れ様でした。楽しかったです~ 1 (なび村) すないろ 後の祭りかと 3 (GREEN) bansyakukuma こっち抜けますね 1 (なび村) Kasparora ナビ子勝利はダメなのかw 3 (GREEN) あおまりん こちらこそー! 3 (GREEN) bansyakukuma また同陣営になったらよろしくです! 1 (なび村) ナイトコスモ 一番目立たないようにしている人を選んでみた 1 (なび村) すないろ いやー口惜しい 3 (GREEN) bansyakukuma では~ 1 (なび村) カルシファー まぁワドルディさん吊ったとき 1 (なび村) カルシファー 霊媒噛んだから 1 (なび村) xへむx すないろさんからの攻撃が私の黒さを見せたのはまぬがれまいw 1 (なび村) xへむx リザしてやらんw 1 (なび村) カルシファー ●見せたくないのかなぁって考えもあったんですよ 1 (なび村) すないろ だってだって 1 (なび村) すないろ 内役見えてるようにみたんだもん! xワドルディxはすないろをぷしゅっと突いた 1 (なび村) すないろ みえたんだん! xワドルディx これでもか!これでもか! 1 (なび村) すないろ しかたないよ! 2 (ゾンビ部屋) Shlomit 様子を少し見るようにして護衛対象考えてたら・・・w 1 (なび村) すないろ ワド真でどーしてもみれなかったんだもん! xワドルディx ぷんすす!w 1 (なび村) カルシファー ww 1 (なび村) マリノス 慣れたら見えますよ 1 (なび村) bansyakukuma あそこで霊媒噛めなかったら、あおさん偽確定ですからね 2 (ゾンビ部屋) Shlomit 発言しつつ考えられるようにならなー 1 (なび村) すないろ なんでそこにいくかなーとかー 1 (なび村) マリノス ニセ確定しなくても吊りますよ 1 (なび村) xへむx 狼二人いて話し合いできるのに 1 (なび村) すないろ いや 1 (なび村) xへむx あんな初心者臭い方を騙りにださないでしょ 1 (なび村) すないろ ワド真は完全には捨ててなかったよ 1 (なび村) すないろ ケド薄いカナーとか 1 (なび村) マリノス ってなんか投げやり発言になりつつあるのは 1 (なび村) すないろ 自論だったので 1 (なび村) マリノス クマに騙されたからだクマー 1 (なび村) カルシファー まぁそこらへんは色んな人の主観かなー 1 (なび村) マリノス おのれクマー 1 (なび村) あおまりん あたしも十分初心者ですよーw 1 (なび村) すないろ ばんしゃくさんがねー 1 (なび村) bansyakukuma え。私、ちゃんと自分でも怪しいって自覚しているよ 1 (なび村) すないろ 見えなかったといったほうがいい 1 (なび村) すないろ しくしく 1 (なび村) xワドルディx あうー>< 1 (なび村) bansyakukuma だからあおまりんさんに騙ってもらったのです 1 (なび村) xへむx あそこまで噛み付かなかったら 1 (なび村) カルシファー 人任せにするなんて 1 (なび村) カルシファー だらしない! 1 (なび村) xへむx 途中でカルさんに替えて早く決着ついてたかもw 1 (なび村) すないろ へむさんごめんよー 1 (なび村) カルシファー www 1 (なび村) すないろ ワドさんもごめんよー 1 (なび村) bansyakukuma だって、私占い師で出たら、真でも怪しまれるんですもの 1 (なび村) すないろ しくしく 1 (なび村) bansyakukuma なるほど。カルさんにもっと誘導すればよかったか 1 (なび村) xワドルディx いいよーw[ワーイ] 1 (なび村) xへむx そうだね 1 (なび村) カルシファー それはその時によりけりじゃない?>kumaさん 1 (なび村) マリノス 良し 1 (なび村) Kasparora 2回戦w 1 (なび村) xへむx でも途中でいった理由でかるさんはあんまり疑ってなかった 1 (なび村) xワドルディx 次占いの人になったらちゃんとグレーの人にしよ 1 (なび村) カルシファー ですね! 1 (なび村) すないろ うー 1 (なび村) すないろ うー 1 (なび村) すないろ うー 1 (なび村) ナイトコスモ こっちは人数すくないから2回戦もよいかも 1 (なび村) xへむx どっちが真かもわからんのに黒にされる原因もつくらんだろ、と 1 (なび村) すないろ うーー 1 (なび村) カルシファー そうやって覚えていけばいいんです!だって最初なんて分からないもんです! 1 (なび村) xワドルディx がばるーー 1 (なび村) bansyakukuma カルさんはkasさんに信頼されてたから、誘導しにくかった 1 (なび村) すないろ がっくし 1 (なび村) xへむx ところで 1 (なび村) すないろ ばんしゃくさん別に私ぬかなきゃストレートにかってたんじゃー 1 (なび村) すないろ みえてなかんですし( 1 (なび村) xへむx 吊り投票とか役職の投票って 1 (なび村) xへむx 数揃ったら即にならんのかねw 1 (なび村) bansyakukuma へむさんとカルさんに疑われてたから、どっちか噛んだら怪しまれると思ってw>すなさん 1 (なび村) すないろ wwww 1 (なび村) すないろ まぁいいんですけど 1 (なび村) カルシファー 私噛んでよ!最終日残るの嫌だったよ! 1 (なび村) Navi 村人的にはすぐ進めたいのはわかりますが 1 (なび村) bansyakukuma 噛まなくてもあやしまれましたがw 1 (なび村) ナイトコスモ 初心者村とは思えないすさまじい勝負展開w 1 (なび村) すないろ しくしく 1 (なび村) Navi その間も狼は作戦会議の時間でもありますので 1 (なび村) Navi 時間はきっちりなのです! 1 (なび村) すないろ いやうん 1 (なび村) すないろ ワド真でみれなかったので 1 (なび村) xへむx 吊り投票の間も狼の会話は有りか 1 (なび村) すないろ 未熟物なのです 1 (なび村) カルシファー 狼からしたら全然時間足りないよねぇ 1 (なび村) bansyakukuma 狼チャットで一人でオロオロしてました 1 (なび村) xへむx www 1 (なび村) カルシファー ログを見て笑いましょう 1 (なび村) すないろ ありがとう吊っちゃった狩人様ー! 1 (なび村) xへむx 残された狼が不安でいっぱいなのは基本じゃないかとw 1 (なび村) bansyakukuma 確実に笑われる>< 1 (なび村) xへむx しかも疑われてるしw 1 (なび村) bansyakukuma ねー。吊られるー!とか一人で騒いでる私の姿をお楽しみに 1 (なび村) カルシファー 村人の皆様、ささやかな抵抗で笑いましょう 1 (なび村) すないろ ばんしゃくさんの狼らしいとこは最終日以外なかったのだー 1 (なび村) カルシファー おおいに笑いましょう 1 (なび村) すないろ で途中からあれ?って 1 (なび村) bansyakukuma まじで?わぁい 1 (なび村) すないろ なんせ 1 (なび村) マリノス クマに騙されるとか一生の不覚クマー 1 (なび村) すないろ あおまりん真目でしたからねww 1 (なび村) xへむx 晩酌さんを指定した時に言ったけど晩酌さんあの時点で別に怪しくなかったしねw 1 (なび村) すないろ テヘペロ 1 (なび村) bansyakukuma 次村陣営でも吊られる可能性大でこわい 1 (なび村) マリノス え 1 (なび村) bansyakukuma いい熊ですから 1 (なび村) すないろ それはーしないw 1 (なび村) マリノス 初日は吊るシファー だよ? 1 (なび村) bansyakukuma やさしくしてね! 1 (なび村) すないろ wwww 1 (なび村) bansyakukuma ですよね 1 (なび村) カルシファー やめてね? 1 (なび村) あおまりん カルさんww 1 (なび村) カルシファー ヾ( 3ノシ ヾ)ノシ イヤダイヤダー 1 (なび村) xへむx この手のゲームでメタ要素はだめでしょーw 1 (なび村) すないろ てか 1 (なび村) bansyakukuma はい 1 (なび村) xへむx まあ初心者臭いなんていうのもロールプレイできてないわけだがw 1 (なび村) すないろ もうちょっと単純だといいんですけどw 1 (なび村) すないろ 複雑すぎぃ 1 (なび村) カルシファー まぁどうしてもメタは入っちゃいますけどねw 1 (なび村) カルシファー 言わない方がいいかもですねー 1 (なび村) xへむx そんなん俺の姿を見てよ 1 (なび村) xへむx 神様やん 1 (なび村) すないろ いや 1 (なび村) xへむx 狼なわけないじゃん 1 (なび村) すないろ おもいっきし 1 (なび村) カルシファー 神々しかった 1 (なび村) すないろ 怪しいw 1 (なび村) カルシファー 赤いですしね・・・ 1 (なび村) すないろ んー視点が抜けてたのが 1 (なび村) すないろ どーしてもきになっちゃってさw 1 (なび村) xワドルディx じゃ、じゃああたい天使! 1 (なび村) すないろ 内役わかってるかなーとか 1 (なび村) すないろ おもったんだよねー 1 (なび村) xへむx ちなみに 1 (なび村) マリノス やぁおかみさん 1 (なび村) マリノス ここじゃねぇw 1 (なび村) xへむx 最初にkasさんに疑われたのに云々 1 (なび村) xへむx 割とスルーしてたwww 1 (なび村) すないろ www 1 (なび村) すないろ いや 1 (なび村) すないろ ワド真じゃ 1 (なび村) カルシファー なるるw 1 (なび村) すないろ みれなかったのだw 1 (なび村) xへむx だから後で言われてそうだっけ?ぐらいな感じでw 1 (なび村) カルシファー まぁそんなもんですよw 1 (なび村) すないろ 一応真狼ー狼はあったけどw 1 (なび村) カルシファー 私から見たらそう見えただけw 1 (なび村) すないろ でもグレーはいかないと! 1 (なび村) xへむx タイピングしてるとこもあるし全文を余裕もって読めてないのよね 1 (なび村) カルシファー ですねー 1 (なび村) すないろ 2人もでてるかなー!なんてねw 1 (なび村) xへむx あの時点で怪しいとかいわれても全員なんとなくじゃん 1 (なび村) xへむx 理由なんてないし 1 (なび村) すないろ うちはあったよ?w 1 (なび村) すないろ だってあおまりん視点○ついてないもんw 1 (なび村) すないろ 白確定はしてなかったわけですw 1 (なび村) xへむx 確定って言ったっけ 1 (なび村) すないろ いってましたねw 1 (なび村) xへむx 確定?って聞いた覚えならあるけど 人狼勝利 配役 人狼 bansyakukuma あおまりん 占い師 xワドルディx 霊媒師 ナイトコスモ 狩人 Shlomit 4日目へ 2013年12月7日全ログへ
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アナル表現有り しなないゆっくりがいます 一応元ネタあり 初投稿になります あれ?ゆっくりが妙に賢い・・・ まりさの馬鹿 「む~しゃ、む~しゃ!!しあわせぇぇぇぇ!!!!!」 とあるまりさは人間の畑に忍び込んで、野菜を食べていた。 とても幸せそうな笑顔だった。 だが幸せになれないのは野菜を育てていたお兄さんだった。 「またゆっくりかよ・・・・・・もう勘弁してくれよ・・・・・・」 趣味で作っていたとはいえ、何度も何度も畑に入っては野菜を食べられてはたまったものではない。 また今度もゆっくりを踏みつぶそうかと足を上げたその時、お兄さんはとあることを思い出した。 ゆっくりは思い込みが強いという事を。 ならば思いこみをさせればもう畑によりつかなくなるのではないかと思い、お兄さんは行動を起こした。 「だいこんさ~ん、まりさにた・・ゆぴぃぃぃぃぃ!!!!」 まりさは突然の痛みに悲鳴を上げた。振り返るとおしりの穴にお兄さんが指を突っ込んでいたのだ。 いわゆるカンチョーというやつだ まりさはケツを貫かれた痛みに悶絶していたが、痛みが引いたのかお兄さんの方を向いて 「なにするのおにいさん!!!まりさはごはんをたべていただけなのに!!!!」 またいうか・・・・とお兄さんはため息をつくが、気を取り直してまりさに魔法の言葉を言う さてさてうまくいくかな 「まりさ、今おにいさんはお前に三日殺しという幻想郷につたわるサンボという格闘技の裏ワザをかけた。 おまえは三日後のかけられた同じ時間に・・・・・永遠にゆっくりすることになる」 空白の時が流れた・・・・・ 空白の均衡をまりさが先に破った 「・・・おにいさん。うそはいけないよ・・・・。おしりになにかいれられたていどでゆっくりが」 「残念だがこれは事実だ。数年前にもおまえみたいなゆっくりにかけたらそいつはああなった。 というとお兄さんは大根の生えている土を指差した。 「この土はな、死んだゆっくりでできている。いわば死んだゆっくりの墓場だ。 ここにいる奴らの共通点はただ一つ。三日殺しをくらった奴らだ。 食らえば全身から餡子を吐きだし、永遠にゆっくりする。 ゆっくり理解したか?」 再び空白の時が流れた。 この均衡を再びまりさが破った。 「どぼじでぞんなごどをするのぉぉぉぉぉ!!!!!ばりざはなにぼばるいごとをじでないのにぃぃぃ!!! いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!じにだぐないぃぃぃぃ!!!!!」 まりさは絶叫した。 「まりさ、おまえはたった三日で死ぬ。おまえたちゆっくりにはとてもありがたい三日間なんだぞ!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!どうゆうごどがぜづめいじろぐぞじじいぃぃぃぃぃ!!!」 お兄さんはまりさにゆっくりと説明することにした。 なぜありがたい三日なのか。 説明するためにお兄さんはまりさを片手に移動を始めた。 まずお兄さんは都合良く他の畑に入ろうとしているゆっくりの近くへまりさと一緒に来た。 もちろん見つからないようにだ。 「いいか、あそこにゆっくりがいるだろ?」 「ぞれがどおじだんだぜぇぇぇぇぇぇ!!!!ごのゆっぐりごろじぃぃぃぃぃぃ!!!!」 「あのゆっくりはこれから永遠にゆっくりすることになる」 「うぞゆうんじゃないゆっぐりごろじがぁぁぁぁぁぁ!!!あんばにゆっぐりじでいるゆっぐりが えいえんにゆっぐりずるばずないんだぜぇぇぇぇぇぇ!!!!」 数分後 「おい五平!!またゆっくりが入っているぞ!!!」 「おいまたかよ・・・・・、ったくやってられないぜ・・・・」 そういうと五平と言われた男は侵入したゆっくりに近づいてきた。 「ゆ!!かとうなごみくず!!わざわざまりささまをこんなつちくさいところにいかせてなにもざいあくかんは ないのかだぜ!!!まいにちまりささまのごうていのまえにごはんをおくしかのうがないごみくずは おわびにまりささまのあんよをぺーろぺーろするん・・・・ゆびぃ!!!」 「あ~~~~、うっせ!!!」 畑に入ったまりさは五平のもっていた鍬によって一瞬にして永遠にゆっくりすることになった。 おとこは何もなかったのように畑に戻って仕事に戻った。 「どぼじでゆっぐりじでいだばりざをごろずのぉぉぉぉぉ!!!!」 一連の流れを見たまりさは叫んだ。 「どうして?そんなの簡単だ。あれがおまえの本来の姿だ」 「ぞんなごどないよぉぉぉ!!!!うぞゆうなまりざごろじぃぃぃぃ!!!!」 「わかってないなぁ。おまえは畑に入った瞬間から永遠にゆっくりする運命だったんだよ。 それを俺が温情で三日の猶予を与えたんだぞ。ついでだ、お前にゆっくりのたどるべき運命を見せてやる。」 そう言ってまりさを家へ連れて行きビデオを見せた。 見せたビデオはさまざまなゆっくりが自然の猛威や同族による殺ゆっくり、自分の業によって自滅していくもの をまとめたビデオだった。 なかには人間に逆らってゆっくりできなくなったゆっくりの虐待ムービーまであった。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!やべでよぉぉぉぉぉぉ!!!そのでいぶば いいおがあざんなんだよぉぉぉぉ!!!!どぼじでいじべるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「おねえざぁぁっぁぁぁん!!!!!!やざじいみょんぼいじべないでぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「やべろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!ぞのぢぇんはながまおぼいのいいぢぇんだよぉぉぉぉ!!!! どぼじでだべじゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」 ビデオが終わった後、まりさは肩で息をしていた。 あたりには甘ったるい液体が流れていた、おそらく涙と汗だろう。 お兄さんはまりさを森の入口まで運んでやった。 最後に男は言った。 「三日後、お前はどうあがこうが死ぬ。この三日はお前にとっての懺悔の時間だ。 むれに帰ったら、畑にちかづいたらどうなるか群れののゆっくりに教えてやるんだな」 お兄さんの計画はこうだ。 思い込みが強いのならただのカンチョーで本当に三日後に死ぬだろう。 その様を他のゆっくり達にみせ、人間の恐ろしさを教育してやる、というものだった。 森から帰ってきたお兄さんはうまくいっている事を豊作の神にお祈りした。 翌日、まりさは群れにかえってからため込んでいた食糧を食べていた。 ゆうぅ、まりさはもうすぐしんじゃうんだ。死んじゃうんならすきかってやっていいよね まりさは完全に自堕落になっていた。 そうやってお腹一杯になるまでご飯をたべてから今までの楽しかった思い出を振り返って ひとつ思い出したことがあった。 「ゆ・・そういえばゆきさんをみたことがなかったよ・・・・ しぬまえにみたいなぁ・・・・・・」 ゆっくりは冬の間ひたすら巣に籠って冬眠するため、雪を見ることになるゆっくりは たいがい越冬に失敗したゆっくりだ。 まりさはいままで噂に聞いたことしかなかった雪を無性に見たくなったのだ。 昼ごろ、まりさは残った食糧を帽子の中に入れ、群れのみんなに別れを告げることを決意した。 一番の親友のれいむには今までの経緯を話してから旅立とうと決めていた。 だが、れいむに経緯をはなしたら 「まりさのばか!!!!にんげんさんのいっていることははったりだよ!!! そんなこともしらないの!!!ばかなの?しぬの?」 と怒らせてしまった。 だがまりさはそんなれいむにごめんねと言うと、そのまま旅立っていった。 れいむは最後までまりさを馬鹿呼ばわりしていた。 まりさはいままで雪を見たことがなかったため、死ぬ前に雪がみたかった 群の知恵袋であったパチュリーが「雪が見たいならこの道をまっすぐ行きなさい」と教えてくれた。 まりさは教えてもらった道をそのまま進むことにした。 道中、まりさはゆっくりできなくなるキノコをたくさん集めた。 死の恐怖から一刻も早く解放されたいという思いからいつの間にかかき集め始めていたのだ。 三日後にはまりさは永遠にゆっくりしちゃうんだ・・・・・ このきのこさんよりもゆっくりできない苦しさを味わうのかな・・・・・・・ その前にこのきのこをたべて永遠にゆっくりしたほうが楽になるのかな・・・・・ と考えてきのこを食べようとした。 このきのこさんをたべれば・・・・このゆっくりできない気持ちから・・・・解放されるよ。 でも・・・・でも・・・まりさは・・・・・・じにだぐない!!!!!!! まりさはキノコをたべるのをやめて、帽子の中にしまった。 捨てきれない辺り、まだ諦めきってはいないのだろう。 それから歩くこと3時間・・・・・ 「おきゃあしゃ~~~ん、どこ~~~?おきゃあしゃ~~~~ん!!!!!!」 一匹の赤れいむが親を探して泣いていた。親とはぐれたのだろう。 そう思いまりさは赤れいむに話しかけた。 「そこのあかちゃん、どうしちゃったの?」 「おかあしゃんがいにゃの~~~!!!!うわ~~~~~ん!!!!!」 「おねえちゃんはこれからこのみちをまっすぐいくよ・・・・・とちゅうまでいっしょにいく? おかあさんがみつかるまでひとりでいたら・・・・あぶないよ」 まりさは親切心から赤まりさに申し出た。 「あぶにゃいのこわくちぇやだぁぁぁぁぁぁ!!!!!! おねえちゃんといっちょにくきゅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」 赤まりさはまりさの申し出を受け入れ、一緒に行動することになった。 道中、まりさはいろんなゆっくりにあった。 親をれみりゃに食べられたり、動物に襲われたり、落盤などの事故で失って途方に暮れていた 赤まりさと子まりさ。親に捨てられたゆっくり。 みなまりさについてくるかと聞いたらついてくると答えた。 気づいたときにはまりさを先頭に赤ゆっくり・子ゆっくりの行列ができていた。 目指すは北、死ぬ前に雪さんをみるよ・・・・・ それから、まりさはきのこさんを食べて死ぬよ・・・・ まりさはそう考えていた。 二日後の朝 まりさは雪が降る大地に立っていた。 まりさの願いが神様にでも通じたのか、何十年に一度の異常気象が幻想郷を包み、 その異常気象が雪を降らせていたのだ。 ここまでまりさ一行は道にある食べ物を食べつつ進んでいった。 不平不満があったもののおかあさんを見つけてくれると勝手に思い込んだ子ゆっくりたちは 渋々まりさについていき、奇跡的にも誰一匹犠牲を出すことなく目的地にたどり着いた。 まりさは辺り一面に広がる雪に感動した。 死ぬまえにとてもゆっくりできる光景がみえたよ まりさはもう思い残すことはないよ、と 一方、赤ゆっくりと子ゆっくりは寒いと文句をいうものと初めて見る雪に興奮しているもののの半々だった。 「ゆう~~、まりさおねえちゃん!!!ここはゆっくりできないしさむいよ!!ゆっくりごはんをもってきてね!!」 「ゆわ~~、しろしろさん!!ゆっくりしていってね!!!」 まりさは雪を見れた感動の余韻に浸り、今なら楽になれると考え、ずっと帽子の中に入れていた 自決用のキノコを取り出し、食べようとしたが 「ゆ!!まりさおねあちゃん!!それはゆっくりできないキノコさんだよ!! はやくすててね!!」 賢い子ゆっくりに気づかれた 「ゆっくりとめないでね!!まりさはゆっくりできないきのこさんをたべていきるくるしさから かいほうされるんだよ!!!!」 とまりさは言うと子ゆっくりは 『どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ!!』 と叫んだ。 いままで苦楽を共にしたまりさが死ぬと言い出すのだから当然といえば当然だ。 だがまりさの方も早くこの苦しみから解放されたいという願望から口調がだんだん苛立ってきた。 「まりさははやくえいえんにゆっくりしたいんだよ!!ゆっくりじゃましないでね!!」 もちろんそんなことを許さない子ゆっくり達も 「だめだよ!!えいえんにゆっくりしちゃうなんていけないことなんだよ!!」 と必死にまりさのキノコを奪うなどして止めにかかる。 こんな問答が30分程延々と続き、ここでまりさの堪忍袋が切れた 「ゆぎゃぁぁ!!!ばやぐ!!ばやぐばりざをゆっぐりざぜでぇぇ!!」 そういうと、子ゆっくりたちは突如狂ったかのように叫んだまりさに驚いて静かになった。 「いい!!まりさははやくえいえんにゆっくりしてゆっくりしたいの!!! ”いきさつ”をせつめいするからじゃましないでね!!」 とここでここまでの経緯を赤裸々に語りだした。 特にお兄さんの三日殺しを受けた辺りから見せられたゆっくり関係の話、ビデオを これでもかというくらいに誇張しながら語りだした。 まだ純真な赤ゆっくりや、知識がまだ足りない子ゆっくりにはどれだけの衝撃だっただろうか。 どのゆっくりも涙としーしーを流しながらまりさの話を聞いていた。 話初めて1時間、ようやくまりさは話終えた。 まりさは非常にすっきりした顔になっていた。 いままでの苦労を全てぶちまけて、自分の邪魔をするゆっくり達に説明したことで もう邪魔しないだろうと考えたからだ。 話を聞いていたゆっくり達は全員涙を流しながら俯いていた。 中にはあまりの話に否定するために騒いだゆっくりもいたが、 まりさが根気よく教えていやいや理解した。 さて、ようやく永遠にゆっくりできるとまりさは近くに転がっていた毒キノコを食べようとしたが 「おねえちゃんのばか・・・・」 一匹の子ゆっくりが喋った。 どこか重みを感じる一言に、まりさはハッと子ゆっくりを振り返った。 「おねえちゃんのばか!!どぼじでつらいげんじつをびんなにじゃべっちゃうのぉぉ!!」 と叫んだ。 「おねえぢゃんのぜいでもうゆっぐりでぎなぐなっぢゃっだよぉぉぉ!!! おねえぢゃんのぜいだよ!!もうなにをやっだっでえいえいんにゆっぐりじじゃうぎょうふに びぐびぐじじゃうんよぉぉぉぉ!!!」 そう、まりさの話は子ゆっくりや赤ゆっくりの精神に深い傷を残す程深かった。あまりにも深かった。 もう少し成熟していればある程度は聞き流せただろうが、 親しかった者から突き付けられた現実は幼い精神力しか持たないゆっくり達には深すぎたのだ。 「おねえじゃんのばが!!でいぶはいぎるぎょうぶがらがいぼうざれるね!!!」 というと、辺りに転がっていた毒キノコを食べて死んだ。 これに続くように、他の赤ゆっくりや子ゆっくりは我先に毒キノコを食べ、死んでいった。 残ったのはまりさ一匹だけだった。 まりさはちびっこ達を死に追いやった自分の行動に深く後悔したが、 同時に自分の行動を邪魔するゆっくりがいなくなったことに喜んだ。 これで心おきなく永遠にゆっくりできるよ・・・ そう思い食いかけのキノコを食べようと口を開けたその時、偶然死んだゆっくりと目があった。 何も語りかけてこない筈の目が、まりさを恐怖に陥れた。 なんでまりさをみてるの・・ねえ、なんでみてるの!!そんな怖い顔でまりさを見ないで!! そんな絶望に染まりきった顔でまりさを見ないで!!!! こわい・・こわいよ・・やっぱり死ぬのはこわいよ!!! まりさは恐怖からキノコを置いてそのままいずこかへ走り去っていた。 死んだゆっくりたちは死してなおまりさを見つめていた。 まりさが走り去ったのはお兄さんに三日殺しをかけられてから73時間経過した頃だった。 所変わってお兄さんの家 「やっぱ思い込みが強いといっても限度があるか・・・」 お兄さんは野菜にかぶりついているゆっくり達を見ながらそう呟いた。 「やっぱり即潰すしかないかなぁ」 お兄さんは鍬を構え、ゆっくり達に近づいて行った。 それから、お兄さんの畑には黒色の肥料が混じるようになった。 このSSに感想をつける
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女性生主杯の三戦目の一連の騒動のまとめ。 アレムを出会い厨扱い ↓ ルール無視で09で対戦しよう発言 ↓ アレムは関東オフ勢と聞き出会おうとする発言も ↓ とげにゃんどこいるのでとげを掘ろうとする発言 ↓ 遅延で勝利宣言。(ここは相手が悪い) ↓ シルチケアピール ↓ 相手がパーティを変えると疑い始めた。 ↓ 10分も完全に技とかアイテムとか変えてるとしか思えんとキレ始めた。 ↓ 中途半端なやつが嫌いだからね発言 ↓ 馬鹿男子大学生のくせに発言 ↓ 運営にチクっていいよ ↓ はーいこちらもユキノオーで守って29分お菓子食べますわーと問題発言も ↓ 名前をディスりはじめる。 ↓ どうせ坊ちゃんなんだろと発言。もはやおっさんである ↓ 暇人で夏休みで誰も構ってくれないヤツだろ発言 ↓ ヒロアキの顔までブサイク発言 ↓ 悔しかったら親ぶん殴って名前変えてこいや発言 ↓ 5分で殺すと殺人予告する ↓ ★家族がいるなら初手降参しろと脅す。 ↓ さらに通報やめてと悪行を推奨する。 ↓ 相手が選ばないならこちらが選ばない発言によりカンニングの不正行為の疑いがある ↓ れい軽を使って相手を棄権させる。 ↓ 相手泣いたとかwwwwww発言し、さらに塩を塗る。 ↓ これだから売名出会い厨はksなんだよ発言 ↓ 波乱の中試合が始まるが相手が初手降参する。 ↓ どや;) (タイムシフトで見たときも同じコメントするw) ↓ 相手はひらがな3つで表すと ゆとり 発言 (とげ曰く れいかを4文字で表すと おっさん) ↓ 本当の話、ここまで勝ち残ったことは二人倒したってことなので、 棄権することはその二人に失礼だろと喧嘩を売る。 ↓ どうせ19歳ぐれぇのガキだろ発言。 ↓ あれで社会人とかできまーせんと発言。 ↓ 女性って拘りでくくると あれがレするらしい。意味不明発言 ↓ そこで声とか顔を特定してほしくないらしいますます意味不明である。 ↓ 運営の人に迷惑かけたくない発言するが一戦目に注意されているにも関わらず また問題を起こしているので矛盾している。 ↓ アレムの枠見てるけどこいつはダメな上に相手するなとディスる アレムの枠でコメント書くとBANされるかられい軽を呼びもどす。 ↓ マイク持ってるのにマイク持ってないとリスナーを騙す発言も ↓ 相手の枠に行くなとれい軽をさらに煽る。 ↓ 相手のコミュが大きいと感じたのはれいかがぶるってしまったためである ↓ 後にアレムが謝罪することにより事は表面上終わった しかし4戦目で大会運営により相手の選択したパーティを晒すコメントがあったので不正行為が見られた。
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「あ、ありすのおにーさんはおにーさんだけよ!あんたなんて、おことわりよっ!?」 「おいおい、だからお前の飼い主はお前らなんていらないって言ってるって・・・」 「そんなのうそよっ!!!?」 ありすは今までのゆん生で一番大きな声で叫んだ。 あの優しいお兄さんがそんなこと言う訳がない。 ありすの大好きなお兄さんがありすを見捨てるはずがない。 「いやいや、嘘じゃないんだよなぁ。何せ・・・」 誰に話しかけるでもなく、あらぬ方向を向いてつぶやいた男はおもむろにお面を取り、地面に落とした。 その表情は溢れんばかりの悪意を孕み、赤ゆっくりなら見ただけで泣き出しそうなほど邪悪に歪んでいる。 しかし、ありすは彼の表情よりも顔立ちに気を取られていた。 「当の本人がそう言ってるんだからなぁ」 「お、おにーさん・・・?」 お面の下にはありすのよく知る、ありすの大好きな、ありすの家族の顔があった。 「おにーさん、どうちて・・・?」 「決まってるだろ? お前とチビ共を虐待するためさ」 「そ、そんなのうそよっ・・・!?」 予想外の事態に混乱し、状況の飲み込めないありすは右往左往しながらも男性の言葉を否定する。 しかし、彼女の目の前にいるのは確かにありすの飼い主の男性だった。 今まで見たこともないほどに邪悪な表情をしているが、どこからどう見ても見間違えるはずがない。 「で、でもぉ・・・ありすとおにーさんはかぞくなのよ!」 「家族に裏切られるのって辛いだろ?」 「それに・・・おにーさんが、ありすのおちびちゃんにひどいこと・・・」 「残念ながら俺がしたんだよ。なかなか面白かったよ」 一生懸命決して多くない語彙で男性から今の状況を否定する言葉を引き出そうとするありす。 が、男性の口から出てくる言葉に彼女の望むものはひとつとしてなかった。 「でも、おにーさんはつかまってるって・・・」 「そんなもん嘘に決まってるだろ? そもそもお前に言ったことの大半は嘘だよ、バーカ」 「ゆぐぅ・・・」 そろそろ言葉を思いつかなくなってきたらしく、ありすは俯いてしまった。 「なあ、チビ共。お前らからもこいつに何か言ってやってくれよ?」 「「「「・・・・・・」」」」 「なんだ、お前らもまったく状況が理解出来てないのか」 口を半開きにして呆然と自分を見つめる赤ありす達の姿を見て、男性はため息をついた。 が、すぐに気を取り直すと、再びありすの方を向く。 「ありす」 「ゆゆっ!?な、なあに、おにーさん?」 「お前・・・俺のペットにはなりたくないって言ってたよな?」 先ほどまでとは打って変わって、彼は柔和な笑みを浮かべている。 「ちがうわよ!ありすはおにーさんのぺっとだからおにーさんの・・・ゆぅ?」 「つまり俺のペットにはなりたくないんだよな。 それじゃ、そこでせいぜいのたれ死んでね」 「どほぢぢぇしょんなごぢょいうのおおおお!?」 今の彼の温厚な笑みは、先ほどとは打って変わってかつてのありすの大好きなお兄さんの笑顔そのもの。 それとじっと見つめていると、昔に戻ったかのような錯覚すら覚えそうになる。 「そりゃ、お前のことが大嫌いだからだ」 しかし、錯覚は錯覚に過ぎなかった。 優しい笑顔は徐々に悪意に染まって行き、攻撃的な恐ろしい笑みへと変貌してゆく。 ありすはその光景を見つめながら「器用なことが出来るもんだなぁ」と見当はずれなことを考えてしまった。 「本当にありすって奴らはよぉ・・・救いようのないクソレイパーばっかりなんだよ、わかるか?」 「あ、ありすは・・・ちがうわよ!?」 「猫被ってるだけだろ?薄皮一枚はげばすっきりの事しか考えてないクソレイパーだよ」 そんな事を口にしながら顔をしかめる男性。 彼の暗い輝きを放つ瞳の奥に、ありすは彼の悪意の根源を垣間見た。 それは・・・怒りだった。 「どうちでぞんなごどいうのおおお!?あでぃずなにもぢでないよおおお!?」 「ごちゃごちゃ五月蝿いんだよ!俺のまりさをレイプしたクソレイパーのガキが!!」 「ゆぐっ!?」 「みゃみゃああああああ!?」 「「「ふぁひゃー」」」 彼が叫び終えるのと同時に強い衝撃を受けてありすは宙を舞った。 宙を舞いながら、痛みと悲しみのせいで止まらない涙でぼやけた視界の向こうに男性の笑顔を見た。 ありすに蹴りを浴びせたと思われる右足を前に突き出した不自然な体勢で笑っていた。 「俺のまりさを犯し殺したクソッタレのガキなんだよ、お前は!」 「ゆぐぅ・・・いぢゃ、いぃ・・・」 「確かにお前が犯し殺した訳じゃない。でもな、そんなもん知ったこっちゃないんだよ!」 しかし、彼はありすを見ていなかった。 ありすの向こう側に全てのありす種の存在を見出し、彼女達を憎悪の眼差しで睨んでいた。 あくまでも狂気を孕んだ笑顔のままで。 「あの日までは俺もどこか対岸の火事のように思ってた・・・でもな、それが間違いだったんだよ」 「みゃmy・・・ゆびぃ!?」 「お、おぢびぢゃあああああん!!?」 ありすに向かって、いや世界中のありすに向かって語りかける男性は母の元に駆け寄ろうとした4つ目のありすを踏み潰した。 が、彼は彼女を潰した事に何の感慨も持っていないらしく、叫ぶありすのことなどお構いなしに語り続ける。 おかげで、ありすはようやく目の前の現実を受け入れることが出来た。 「ゆぐぅ・・・ゆっぐりりかいぢだわ・・・」 「何を?」 「おにー・・・ざんが、ゆっぐぢできだいひどだってごとよ!」 「ぶっぶー、不正解」 両手で大きなバツ印を作りながら、男は長女赤ありすに大きな足を叩きつける。 もっとも、彼自身は軽く踏んだ程度のつもりなのだが、彼女にとっては必殺の一撃以外の何者でもないだろう。 押し潰された長女赤ありすのカスタードが四方八方に飛び散った。 「おぢびぢゃああああああん!?」 「可哀想だよな。無能な馬鹿親が間違った理解をしたせいでこんな目に遭うなんて・・・」 「「おひぇーはーん」」 「お前のガキ共がどうなるかは俺の気分しだいだって事・・・理解出来たか?」 今度はピザのように薄く伸ばされた三女赤ありすの頭上に男性の足が掲げられている。 その行動の意図する所は流石にありすでも簡単に理解出来た。 勿論、彼女の力ではこの事態を打開するのは不可能であると言うことも。 「分かるよな? ありす種ってのは存在しているだけで恥ずかしいんだよ」 「・・・・・・・・・」 「そうか、分からないか。じゃあ、仕方ないな」 三女の真上にある男性の足がわずかに動く。 「や、やめでね!?ゆっぐりりがいぢだわ!りがいぢだがら、やべてね!?」 「じゃあ、言ってみろよ? 何を理解したんだ?」 「あ、あでぃずだぢは・・・いぎでるだけでゆっぐぢでぎないいながものよぉ・・・!」 これ以上子ども達を死なせないためにも、彼女は男性を下手に刺激しないようにその屈辱的な言葉を口にした。 プライドと子どもの命、どちらが大事かを見誤るほどありすは愚かではない。 全身をわなわなと震わせ、目にいっぱいの涙を溜めて、口をへの字に曲げて・・・それでもありすは子どもを優先した。 「はい、正解」 「お、おねがいよぉ・・・あぢずのおぢびぢゃ・・・」 「と言う訳で死ね」 「ゆぴぃ!?」 しかし、男性のありすに対する悪意の、憎悪の根深さを完全に見誤ってしまっていた。 もし人間ならば容易に想像出来たことだが、ありすにはそれを想像することが出来なかった。 憎い相手を、いつか裏切りの絶望を与えるためだけに慈しむという行為を可能にするほどの妄執を。 「どほぢでぞんなのごどずるのおおおおお!?」 「自分で言ったろ? 生きているだけでゆっくり出来ない田舎者だって」 「ゆひぇーん」 ありすの子どもは薄皮の次女赤ありすただ一匹。 そして今、男性の足が彼女の頭上に大きな影を作った。 彼女だけでも救いたい一心で痛む体を引きずってゆっくりと這いずるありす。 「焦るなよ。こいつは治療すれば元気になる見込みがあるし、生かしてやってもいいんだ」 「ゆゆっ!?ほ、ほんとうに・・・っ?」 「ああ、本当さ。もうお前の子どもはこいつ1匹しかいないしな」 「いっぴき・・・?ま、まりさの、まりさのおぢびぢゃ・・・」 一瞬、体を傾けて考えるような仕草をするありす。 その直後に目先の問題に気を取られて重要なことを忘れていたことに気づいた。 苦痛と屈辱と疲れきっていた表情が驚愕によってわずかに活力を取り戻す。 「ああ、あいつらならとっくに潰したよ。もういらないし」 「ど、どほぢでぇ!?あのごだちは!ありぢゅぢゃないでぢょぉ!?」 「ありすが親ってだけで同罪なんだよ」 そう呟くとポケットから子まりさ達のものと思しき帽子を取り出し、無造作に放り投げる。 破れ、ほころび、汚れ、解れた小さな山高帽はツヤのない安っぽい黒い布切れに成り果てていたが、間違いなく子ども達のものだった。 まりさ種の子どもなら生かしてもらえるかも知れない、そんな儚い期待は抱くと同時に打ち砕かれた。 「・・・・・・お、おに゛ぃざん・・・」 「何だ?」 「・・・おぢびぢゃ、だげは・・・ゆっぐぢざせであげで、ねぇ・・・!」 彼の憎悪がもはや常軌を逸していることを理解したありすは泣きながら笑う。 全てに絶望しきった果ての諦めの境地だった。 それでも無駄だろうと半ば諦めながらも最後の1匹になった子どものために命乞いをした。 「言われなくてもそのつもりさ」 「ゆっ・・・ゆっぐぢ、ありが・・・」 その一言で十分だとありすは思った。 その一言で彼が本当は優しい人なのだと信じることが出来た。 その一言で自分の子どもの無事を確信できた。 散々酷い目に遭わされ、裏切られたにもかかわらず。 「ただし・・・最低のクソレイパーとして、な」 「ゆぅ・・・ゆゆっ!?」 「お前の母親みたいなクソレイパーにしてやる、って言ったんだよ」 男性はまくし立てるように喋り続けた。 まりさを殺したありすやその子どもだけじゃもはや満たされない、と。 ただありす種を片っ端から潰すだけじゃ気がすまない、と。 ありすの子孫を命ある限り苦しめ、欺き、偽りの希望にすがりつかせて最後には絶望させてやる、と。 産まれたその瞬間にそれを後悔するするくらいの絶望をカスタードに刻み付けてやる、と。 「や、やめでぇ・・・おねがいよぉ・・・ありずのおぢびぢゃんを、でいばーにぢないでぇ!?」 「言っただろ? お前らを苦しめるのが俺の目的なんだよ。 死んだくらいでゆっくりできると思うなよ」 「お、おねがい、ぢまずぅ・・・おちびぢゃ、んをとかいはのゆっぐぢぃ・・・ゆぶぅ?!」 必死に懇願しながらありすは再び最後の1匹になってしまった我が子の元へと這いずっていく。 なんとか彼女を守ろうと、混乱と恐怖のあまりに言葉も発せず怯える彼女を慰めようと。 しかし、またしても男性に蹴り飛ばされ、ささやかな望みが叶うことは無かった。 「ゆ゛っ・・・お゛にぃ、ざぁん。ひ゛とづだけ、ゆっぐぢ・・・おぢえでねぇ」 「何だ?」 「あ゛ぢずのまま゛は・・・ほんどうに、れい・・・ゆびぃ!?」 「クソレイパーのガキでもちょっとはマシだと思ったんだがな・・・所詮クズだな」 2度蹴り飛ばされ、かなりの量のカスタードを漏らしたありすにもはや動く力も残されていない。 そんな彼女が見出した最後の希望が男性の軽蔑に満ちた眼差しによってかき消された。 「ありすのままはほんとうにれいぱーだったの?」 結局、ありすがその言葉を言い終える前に男性は次女赤ありすを捕まえて立ち去ってしまった。 「ゆっぐ・・・ゆ゛びぃ・・・」 男性の徐々に小さくなって行く背中を見つめながら、ありすは呻いた。 もはや痛みすらも感じない体で、何とか男性に追いつこうと底部に力を込めた。 けれど、一歩も動くことが出来なかった。 「おぢびぢゃ、ごべんでぇ・・・」 ありすは謝った。 自分のせいで、もっとも忌むべき存在にされてしまう我が子に。 自分の無力で守れなかった小さな命に。 自分の子どもだったばかりに理不尽な憎しみに巻き込まれた子ども達に。 「まりぢゃぁ・・・ごべんねぇ・・・」 ありすは謝った。 自分のつがいになったせいで不幸に巻き込まれたまりさに。 もっとも、ありすに彼女の末路を知る術などないのだが。 「みゃみ゛ゃ、ごべんなさぃ・・・」 ありすは謝った。 男性に言われるがままに嫌悪してしまった母に。 果たして彼女がレイパーだったのか、真偽は定かではないが。 それでも謝らずにはいられなかった。 「お゛にぃさぁ・・・ごべ、ん・・・」 ありすは謝った。 理由は分からないけれど、飼い主の男性に。 最後の最後に酷い裏切りを受け、本来憎むべきはずの彼に。 その言葉を最後にありすは二度と動かなくなった。 家に帰った男は次女赤まりさの皮の厚みを戻す作業を行いながら、一人考え込んでいた。 あのありすの表情を、絶望を見たことで多少は大事なものを奪われた憎しみから解放された。 もう、この赤ありすを叩き潰して、唯一生き残っている親まりさも処分して、新しいゆっくりでも飼おうかと。 「おい、れいぱー」 「ゆえーん、ありしゅれいぴゃーぢゃ・・・」 「うるさい」 皮の厚みを取り戻したことで何とか喋れるようになった彼女にでこピンを食らわした。 痛みからいっそう激しく泣き喚き始めるが、彼は気にも留めずに思案を続ける。 しかし、今の自分はきっと普通にゆっくりを飼っても満たされることはないだろう、と。 ありすの子ども達を嬲ったときの、曰く形容しがたい暗い快感。 ありすを絶望させていくときに感じた得体の知れない幸福感。 それらが、彼を捕えて放さなかった。 「そうだな・・・せっかくだからありすに言った事を本当にやってみようか?」 「ちょうどレイパーと可哀想な被害者も居る事だしな」 ありすやその子どもだけじゃ満たされない。 ただ片っ端から潰すだけじゃつまらない。 ありすの子孫が苦しみ、欺かれ、偽りの希望にすがりついて最後には絶望する様をもっと見たい。 産まれたその瞬間にそれを後悔するするくらいの絶望をカスタードに刻み付けてみたい。 治療を終えた男性はいつか哀れな被害者になる黒帽子を被った饅頭の元に食事を持っていった。 →ありす虐待エンドレス1へ ‐‐‐あとがき‐‐‐ ありす虐待といえば今や引退してしまったあのお方 彼の作品は本当に素晴らしかった 落として落として更に落として、もはやそこより下はないと思えるところで更に落とす 最後には肯定の言葉をもって突き落としたりと、一片の尊厳すらも残さない驚愕の虐待でしたね 氏の影響がこの作品の随所にも見られます(悲しいほど劣化してるけどな!) というか、ビデオネタのことを思い出したのがすでに70kbほど書き終えてからと言う・・・ ああ言うガチ虐待を書ける人が妬ま羨ましい byゆっくりボールマン このSSに感想をつける
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『都会の自然公園 子ありすの選択 後編』 35KB いじめ 観察 自業自得 仲違い 追放 群れ 飼いゆ 野良ゆ 子ゆ 自然界 独自設定 リハビリ 所変わってここは例の自然公園の深部。 ゆっくりたちのテリトリー内である。 「……というわけなんだよ」 「…………………」 「…………………」 今ここでは、群れの主だったゆっくりたちに、女が今までの経緯を説明しているところであった。 子ありすと女を取り囲むようにして、黙って話を聞いているゆっくりたち。 ゆっくりたちは今でこそ大人しいが、初めは突如群れへとやってきた人間の女と、追放されたはずの子ありすを見て群れは騒然となった。 まさか本当に子ありすが人間を引き連れて復讐にきたのか?と勘ぐったからである。 だが勿論そんな事実はなく、怯えながら様子を窺うゆっくりたちに対して、自分がまったく敵意がないことを女が丁寧に説明し、今に至るのである。 「………てなわけで私はコイツをつれて戻ってきたわけだ。 はい説明お終い。 何か質問は?」 「…………………」 「…………………」 話を終えた女はゆっくりたちを見回す。 それに対して難しい顔で沈黙する長ぱちゅりーを含めた群れの面々。 だがやがて、意を決したという風に長ぱちゅりーが女に意見した。 「にんげんさんのいいたいことはわかったわ!でもいぜんのやくそくでは……」 「ああ、わかってる。私とて以前君たちと交わした約束を忘れたわけではないよ」 長ぱちゅりーの言いたいことを瞬時に察し、手で制する女。 彼女の言っているのは、仮親ぱちゅりーと仮親ありすとが以前子ありすを預かる際に女とした約束のことだ。 その約束とは、 その1 女は赤ありすをこの群れへ押し付ける代わりに、養育費として仮親ぱちゅりーと仮親ありすににあまあまを贈る。 その2 赤ありすおよび群れの他のゆっくりには、赤ありすの一切の素性をばらしてはならない。 その3 赤ありすは最初から最後までこの群れの一員として差別なく育てること。 その4 ただし赤ありすをほかのゆっくりと比べて特別扱いする必要はまったくなく、 また将来何らかの悪事や違反を犯した場合は、群れの掟にしたがって処理してしまって一向にかまわない。 その5 その1の提案を受け入れ、あまあまを手に入れた後に、その2~その4までの約束をどれか一つでも違反した場合女は、仮親ぱちゅりーと仮親ありすを制裁する。 以上の五つである。 今、仮親ぱちゅりーが女に対して言いたかったのは約束その4のことだ。 以前子ありすは、人間と接触するという重大な群れの掟違反をやらかし、それによって群れを永久追放となっている。 これは約束その4の『子ありすが何らかの悪事や違反を犯した場合は群れの掟にしたがって処理してしまって一向にかまわない』というルールに沿った行動であり、 仮親ぱちゅりーには何の非もないことだ。 にもかかわらず、女はその子ありすを連れ戻し、再びこの群れに住ませろと言う。 これはではどうにも話が違うのではないか?ということだだろう。 はっきりいって仮親のぱちゅりーと仮親ありすは、もう子ありすの面倒を見るのはごめんだった。 はじめのうちこそ子ありすは聞き分けがよかったのだが、時が経つにつれ、 だんだん自分本位な行動や言動が増えていき、最近ではまったくというほど言うことを聞かなくなっていた。 そして挙句の果てが例の掟違反である。 さらに、いなくなったらいなくなったで、子ありすは長の子であったにもかかわらず永久追放をくらうほどの罪を犯したということで、 仮親ぱちゅりーと仮親ありすはその能力が疑われ、最近ではいささか肩身の狭い思いまでしていたのだ。 とんだ疫病神だった。 それが子ありすを預かっていた仮親ぱちゅりーと仮親ありすの心境である。 そんなわけで、以前女から貰った大量のあまあまは確かに大変に貴重なものではあったが、正直もうこれ以上の負担は勘弁して欲しかった。 自分たちの本当の子ではない上に、言うことも聞かず、さらには掟を平然と破るようなゆっくりである。 おまけに女の話によれば、あの子ありすは実はれいぱーの子だと言うではないか(前回は女からそこまでの説明はなかった)。 そのような危険な爆弾を手元においておきたくはないのだ。 だがしかし相手は恐れ多くも人間である。 その要求をおいそれと無下にすることはできない。 だからこそ仮親ぱちゅりーは以前の交わしたルールを持ち出し、やんわりと拒否しようとしたのだ。 「にんげんさん、その、いいにくいのだけれど……」 「そんなにかしこまらなくてもいいよ。 無茶を言ってるのはこっちの方だって理解してるつもりさ」 オドオドと何かを言いかける仮親ぱちゅりーを再び手で制し、安心させるように言う女。 「私とて、無条件で再びこの子ありすを群れに受け入れろ、などという無茶を言う気はさらさらないさ。 どうだろう、子ありすを預けるにあたってまた新たな条件を提示しようと思ってるんだけど、 その条件を聞くだけ聞いてもらえないだろうか? もちろん、聞いた後に嫌ならば断ってもらって全然かまわない」 「………ゆう、そういうことなら」 やや歯切れの悪い返事をする仮親ぱちゅりー。 仮親ぱちゅりーにしてみれば、どのような条件を提示されたとしても、子ありすを再び引き取る気はなかったが、 頭ごなしに却下するというのも心証が悪い。 ここは話だけでもとりあえず聞いておいて、その上で断るという判断がベストだろう。 「うん、ありがとね。 それじゃ条件その一。 子ありすをこの群れに置くことの条件として、私は前回の三倍のあまあまを君たちに譲渡する」 「ゆゆ!さっ、さんばい!そんなにあまあまを!」 目玉を飛び出さんくらいに驚く長ぱちゅりー。 「そっ、三倍。 迷惑かけたのはこっちだからね。これくらいは当然さ。 つまりこれは、ぱちゅりーたち個ゆに対する謝礼というよりも、群れ全体に対する迷惑料と思ってもらいたい」 ざわ…ざわ…。 「ゆゆ!あまあまだって!」 「れいむたちも、もらえるのかな?」 「とうぜんなのぜ!あのおねいさんは、むれぜんたいにたいするめいわくりょうっていってるのぜ!」 「おさたちだけ、いぜんにもあまあまもらってたんだね!ずるいよ!」 「でもそのおかげで、こんかいみんなにもあまあまがもらえるなら、ゆるしてあげてもいいんじゃないかしら?」 女のセリフを聞き、にわかにざわめきだす群れのゆっくりたち。 今までは単なる傍観者でしかなかったが、女の言葉によりあまあまのおこぼれを得られる可能性が出てきたのだから当然だ。 「ぱっ、ぱちゅりー!」 仮親ありすが、不安そうに仮親ありすを見つめている。 「ゆうう、でも………」 そして仮親ぱちゅりーにも迷いが生じていた。 野良ゆっくりにとって、あまあまは非常に貴重な物資である。 入手できる機会があるのならば、ぜひとも入手しておくべきものだ。 しかもそれが前回得た量の三倍! これだけの量となれば、女が言うように今回の失態に対するお詫びということで群れの全ての家族に分配することも十分可能である。 そうなれば仮親ぱちゅりーたちが失った信頼を取り戻した上にお釣りがくるほどだ。 だがその提案を受け入れる代償として、制御不能の子ありすの存在が付きまとうのだ。 掟を破るようなゆっくりは、基本的に改心するようなことがないことを仮親ぱちゅりーは知っている。 だからこその永久追放。 あの子ありすはきっとまた同じようなことするだろう。 前回は大事に至らなかったが、この先ずっとそんな幸運が続くとは限らない。 今ここで子ありすを受け入れるようなことになれば、それは群れを崩壊させる元凶を放置することと同義なのだ。 仮親ぱちゅりーとしてはできればこの提案は断りたかった。 あまあまなら、以前女に貰ったものがまだ半分以上も残っている。 単純に子ありすの被害とあまあまを天秤にかけた場合、子ありすの負担のほうが仮親ぱちゅりーにとっては大きいのだ。 だが、事はそう単純ではない。 もしここで断れば、あまあまが貰えるかもしれないと思っている群れのゆっくり全てを敵に回すことになりかねないからだ。 そんなことになれば一気に身の破滅である。 それだけは避けなければならない。 となれば必然的に結論は………。 クッ!何てことだ!女は話を聞いてから決めろと言いながら、結局のところ話を聞いたら最後、 もう受け入れる以外の選択肢がないじゃないか! はじめから全て計算ずくのことだったのだ。 これが人間……。 恐ろしい。 やはりゆっくりは人間には勝てないのだ……。 「あれ、何だか顔色が悪いねぱちゅりー君」 「………ゆう」 「実は私は今、君の考えてることが手に取るようにわかる。 だから言っておくと、私の狙いは直接君を困らすことじゃないんだよ。 だから話の続きをしよう。 条件その二だ。 群れに置いてくれさえくれれば、子のありすの処遇については全て群れのゆっくりに一任する。 はい、以上。条件終わり」 「…………ゆへ?」 女の言葉に、今度は目を丸くして驚く仮親ぱちゅりー。 「どっ、どいういうこと? いちにんって?」 「どうもこうも、言葉通りの意味さ。 あっ、一任って言葉の意味がわからない? すっかりまかせるってことなだけど」 「それは、わかるけど」 戸惑い気味の仮親ぱちゅりー。 仮親ぱちゅりーが困惑するのも無理はなかった。 てっきりこの後には、子ありすへの攻撃や差別を禁止するなどの条件が提示されると思っていたからだ。 だってそうでなければ、理屈に合わない。 仮にも重大な罪を犯したゆっくりを群れに再び戻すのだ。 子ありすを保護するための、何らかの条件を付属させておかなければあっというまに子ありすは群れから孤立し、迫害されてしまうのは目に見えている。 本人はまるで気づいてなかったようだが、罪を犯す以前でさえ子ありすは協調性がなく、 鈍臭ささゆえに同年代の子ゆっくり仲間からもハブられていたのだ。 その上今回明らかになったれいぱーの子という事実が加わればこれはもう確実だろう。 そんなことを、人間さんが理解してないはずがないのだ。 仮親ぱちゅりーは人間の狙いが一体なんなのかまるで理解できなかった。 一体何故こんな無意味なことをするのか? この子ありすのことが大事ではあるが、事情があるから群れに預けるというわけじゃないのか? 「何か、どうもいらんことで悩んでるみたいだね。 まあ、この状況に対して疑問に感じたり悩んだりできるって時点で、これは君が相当頭がいいってことではあるんだがね。 君の疑問の答えになるかどうかはわからないが一つ言っておくと、この群れに戻りたいというのは、 別に私の意向ではなく、子ありす自身の意思だということだ。 子ありすが元いた森に帰せ帰せ言うから仕方なく群れに戻るだけの手助けをしているだけで、その後のことは一切興味がないということさ(嘘だけど♪)。 頭のいい君ならこれだけ言えばわかるんじゃないか?」 「むきゅ!」 わかる!わかるぞ!そういうことか! つまりこの人間は子ありすのことを大して大事に思っていないのだ。 だからこそ、こんなゆるい条件で群れに戻すと言っているのだ。 では何故その大して大事に思っていない子ありすに対して、これだけの労力を割くのかという謎は以前として残るが、 しかし自分にとってそんなことはどうでもいいことだ。 「むきゅ!にんげんさん!かくにんするけど、ぱちぇたちにいちにんするってことは、 あのこがどのようなめにあっても、にんげんさんは、いっさいかんよしなっいってことよね?」 「ああ、そういうことだね。 極端な話、私が帰ったその次の日に、子ありすが不幸な事故で死んでいたとしてもまったく問題ないってことだね」 「ゆっくりりかいしたわ! それじゃあこのじょうけん、うけいれることにするわ!」 「おっ、交渉成立だね。 それじゃあ………おい、起きろって終わったぞ」 「ゆごおおおおZzzz……!ゆがああああZzzz……!ゆびいいいいZzzz……! ゆ、ゆん?はなしはおわったのかしら?」 子ありすはいびきをかきながらのん気に昼寝をしていた。 いや、確かにはじめのほうは起きてはいたのだが、女と仮親ぱちゅりーが難しい話をしているうちに退屈になって寝てしまったのだ。 仮にも自身の運命を決める重要な交渉中であるにもかかわらず、居眠りをするというこの圧倒的なまでの余裕の態度をとるのは、 子ありすは自分が群れに帰れると確信していたからだ。 何故ならば、自分と仮親ぱちゅりー、仮親ありすとは『ゆっくりとしての絆』で固く結ばれているからだ。 仮親ぱちゅりーが自分の群れの復帰を断るはずがないのだ。 「ゆゆ!ありすよ!かえってきたのよおおおおおおおおおお!さびしかったでしょおおおおおおお! もうどこにもいかないわああああああああああ! すっき………いや、すりすりしましょおおおおおおおおおおおおお!」 昼寝から目覚めた子ありすは、周りを囲んでいるゆっくり集団から目ざとく仮親ありすを見つけると、 ぽよんぽよんと軽快に近づいていく。 それは、離れ離れになっていた親と子の感動の再会(子ありすにとっては)だ! だが次の瞬間。 「ゆふん!」 「ゆべえええええええ!」 真正面から予想外のタックルをくらい、吹き飛ばされる子ありす。 「ちかづかないでちょうだい!けがわらしい!」 「ゆ?え?な、なんで?」 吹き飛ばされた子ありすは痛みよりも困惑のほうが強かった。 なぜ自分がこんな目に会うのか? どうして自分に体当たりするなんてマネをするのか? 「ゆあああああああああああああ!どうしてこんなことするのおおおおおおおおおお! こんなのかていないぼうりょくだよおおおおおおおおおおおお!」 「だまりなさい!」 「ゆぴぃ!」 グズる子ありすに、仮親ぱちゅりーの一喝が飛ぶ。 「あなたじぶんのたちばがわかってるのかしら? ほんらいなら、えいきゅうついほうになったゆっくりが、このむれにあしをふみいれるなんて、あってはならないことなのよ! それを、にんげんさんがたのむから、とくべつにあまあまとひきかえに、このむれにおいていいことにしたの! でもだからといって、いままでのことがなかったことになったわけじゃない! あなたがいままでにしてきたのつみや、げんどうは、きえたわけじゃないの! あなたがむれをでるときにたしかにいったはずよ、もうおやでもこでもないって! わたしたちは、もはやなんのかかわりあいもないゆっくりなのよ! わかったら、きやすくちかよらないで!このうすぎたないれいぱーのこが!」 「ゆっ、え?」 子ありすはわからない。 仮親ぱちゅりーの言っていることの意味が。 だが焦る事はない。 慌てなくてもすぐに理解することになるのだ。 そう、すぐにだ。 「それじゃ、話は決まったみたいだし私はもう行くよ」 女が殺伐とした雰囲気にまるで似合わないような軽い口調で言う。 「あまあまはそこに置いてある袋の中に入ってる。 適当に押し込んできたから、実際には三倍以上の量が入ってるけど気にしなくていいからね」 「むきゅ!ありがとね、にんげんさん!」 「いや、いいよいいよ。 無茶を言ったのはこっちのほうだからね。 まあ、あえて要望を言うのなら、あの子ありすをできる範囲でなるべく殺さないようにしてくれってことね。 もちろんこれは条件に入ってないから、無視してしまって一向にかまわないけど」 「ゆっくりりかいしたわ!」 それじゃあと手を上げ、森を去っていく女。 「にんげんさん!あまあまありがとねー!」 「はなしのわかる、いいおねいさんだったみょん!」 「うすぎたない、れいぱーのことはおおちがいね!」 「わかるよー!ちゃんとるーるをまもってれば、にんげんさんはゆっくりのみかたなんだねー!」 「そうね!だからこそ、さいていげんのるーるすらまもれないくずは、きびしくあつかうひつようがあるわね!」 女の後姿に礼を言う群れのゆっくりたち。 ただ一匹、子ありすのみが何が何だかわからないという表情で佇んでいた。 そして数日後。 「ゆひぃ!ゆひぃ!いだい!いだいよおおおおおおおお!」 そこにはズタボロの姿になりながら、公園内の森をさまよっている子ありすの姿があった。 餌場をあらしたとして、他のゆっくり集団からリンチを受けたのだ。 体当たりにより体中がボコボコに膨れ上がり、そこかしこにうんうんがこびりついている。 そんな見るも無残な姿だった。 子ありすがこんな惨めなことになっているのは、群れの長でもある仮親ぱちゅりーのある宣言のせいであった。 それは数日前の女が森を去った直後の話である。 仮親ぱちゅりーは群れの全ゆっくりの前である宣言をしたのだ。 「むきゅ!それじゃあ、にんげんさんのやくそくどおり、このゆっくりをむれにうけいれることにするわ! でもさっきもいったとおり、それでこのゆっくりのつみがきえたわけじゃない! だからそとではなく、もりのおくについほうすることにするわ!」 この宣言のおかげで今の子ありすは、群れの一員であって、一員ではないという不思議な地位に所属することになる。 つまり仮親ぱちゅりーは、子ありすがこの群れに住むにあたって一定の制限をもうけたのだ。 その条件とは森の奥底にある決められた場所から一切出てはならないというものである。 もし出ているところを見つかったら、即制裁の対象となる。 その森の奥底とは、それこそ昼でも日が当たらないような薄暗い暗黒地帯。 さらに周りにあるのは背の高い木ばかりで、餌となるようなものが何もなく、とてもゆっくりが住めるような環境の場所ではなかった。 こんなゆっくりできない場所に押し込められて、とかいはな子ありすが我慢できるはずもない。 憤怒を感じた子ありすは、初日早々からさっそくルールを破り群れへとその姿を現したのだった。 ぶっちゃけた話、己の置かれた状況がまるでわかっちゃいなかったのだ。 だが軽い気持ちで行動したその時の子ありすは理解してなかった。 今までとは何もかもが違うということに。 「まったくしつれいしちゃうわ!いくらおやとはいえ、とかいはなありすに、こんなしうちをするなんて!これはこうぎにいかないとね!」 顔を膨らませながらも、堂々と我が物顔で森を闊歩する子ありす。 向かう先は両親のいるおうち、つまりは自身が本来住むべきおうちだ。 するとそこへ。 「ゆ!」 「ゆゆ!」 「あら?」 複数で遊んでいる子ゆっくり集団に遭遇した。 のん気に追いかけっこなどをしている。 そういえばだいぶ前にもこんな光景に遭遇したことがあった気がする。 まったく相変わらずとかいはじゃない連中だ。 進歩がないというか、成長しないというか……。 まあ、いい。 今はあんな連中にかまっている暇などない。 子ありすはそのままにそこを素通りしようとした。 今までならそれでよかっただろう。 だが今回は違った。 「ゆああああああああああああ!れいぱーだあああああああああああ! れいぱーがでたよおおおおおおおおおおおおお!」 「かこめ!かこめ!」 「れいぱーを、やっつけるのじぇえぇぇぇ!」 「えっ?ちょ、ちょっとなに?」 突如として奇声を上げながら自分の周りを囲み始める子ゆっくりたち。 中には木の棒を口に咥えて武装しているゆっくりもいる。 明らかにじゃれて遊ぶ範囲を超えている殺気の込め方だった。 「なっ、なんなのあなたたちは! とかいはなありすにむかって、こんなことゆるされないわよ!」 「だまれええええええええええええ!」 「やっちゃえ!やっちゃえ!」 「まえまえから、ねくらで、きもちわるいやつだとおもってたんだよ!」 「ちね!れいぱーはゆっくりちね!」 ドン!ドガ!バギ!グサ! 「ゆぴぎゃああああああああああああああああああああ!」 四方八方から一斉に襲い掛かってくる子ゆっくりたちの攻撃をまともに受け、悲鳴を上げる子ありす。 襲っている連中には一切の遠慮というものがなかった。 それは仮にも同属を襲っているとはとても思えない、まるで外的を排除するような非情な扱いだった。 「やめでええええええええええ!どじでこんなことするのおおおおおおおおおおおおおお!」 「そっちこそ、くずのぶんざいで、れいむたちのぷれいすにはいってこないでね!」 「ここはゆっくりした、ゆっくりたちのぷれいすだみょん!おまえのようなくずれいぱーのいばしょはないみょん!」 「おきてをやぶった、れいぱーのこなんかに、ゆんけんはないんだぜえええええええ!」 理不尽を訴えるありすの叫びを無視し、子ゆっくりたちのリンチはやむどころか、激しさを増す一方だった。 このままでは死んでしまう。 うっすらとそんな思考が子ありすの思考をよぎったその時。 「なにやってるの!」 突然後方から声がかけられた。 その声に反応してか一旦リンチを中断し、一斉に振り返る子ゆっくりたち。 そこには一匹の成体れいむがいた。 どうやら子ゆっくりたちの尋常じゃない様子に気づき、声をかけたようだ。 ああ、これで助かったと、子ありすは思った。 そりゃそうだ、こんな理不尽なことが許されるはずがない。 自分はとかいはで、長の子で、この群れの未来を担う特別なゆっくりだ。 それが駄ゆっくりなんかに、集団リンチにあっているなんて異常な事態が許容されるはずがない。 これからあの子ゆっくりたちは叱られ、せいっさいされるのだ、ざまあみろ。 さあ早く!そいつらをせいさいしろおおおおおおおおおおおおおおお! 「ゆう!だめでしょ、そんなにぜんりょくでやっちゃ! しんじゃうじゃないの!」 「ゆうう!」 「ごめんなさい……」 成体れいむに叱られ、しゅんとうなだれる子ゆっくりたち。 みな悪戯を見つかったときのような、バツの悪そうな顔をしている。 「ゆん!わかればいいんだよ! そいつはいちおう、にんげんさんからのようぼうで、ながくいきさせるようにってはなしだからね! せいっさいするときは、てかげんして、ながくくるしめるようにしないとだめだよ! わかったね!」 「「「「ゆっくりりかいしたよ」」」」 「……………ゆへ?」 成体れいむの注意に元気良く返事する子ゆっくりたち。 それとは対称的にすっきょとんな声を出す子ありす。 おっ、おかしい! なんだこれは、なんで、なんで? 「なんであいつらをせいっさいしないのおおおおおおおおおお!あいつらはありすをいじめてたのよおおおおおおおおおおおおおお!」 次の瞬間、子ありすの疑問は口から叫びとなって溢れ出ていた。 自分は何も悪いことしてないのにリンチを受けた。 だというのに、一方的な加害者である子ゆっくりたちに何の御咎めなしとは一体どうゆうことだ? 群れの掟でも、意味なく他ゆっくりを攻撃したゆっくりはせいっさいされると決まっているはずだ。 「おかしいでしょおおおおおおおお!どじでなのおおおおおおおおおおおおおお! こんなのへんだよおおおおおおおおお!おきてやぶりだよおおおおおおおおおおお!」 「あ゛あ゛ぁん!なんかいったかくずが!」 「ゆひぃ!」 大声で不満を訴える子ありすだったが、苛立たしげな声を上げながらギロリと睨む成体れいむに恐怖しすくみ上ってしまう。 「おまえみたいなくずに、むれのおきてがてきようされるとでもおもってるの? だいたい、このぷれいすにはいっちゃいけないっておきてをやぶったのはそっちでしょ! みのほどをわきまえてね!」 ドン! 「ゆばらばああああああああああ!」 成体れいむの体当たりに吹っ飛ばされる子ありす。 「ゆゆー!だめだよ!そんなつよくたいあたりしちゃ! てかげん!てかげん!」 子ゆっくりたちの一匹が、成体れいむの行動を見て揶揄するように言った。 「おっと、そうだったよ!れいむ、しっぱいしちゃったね! おちびちゃんたちのこと、つよくいえないや!」 「「「「「ゆはははははははははは!」」」」」 成体れいむがおどけた口調で言うと、それにつられて和気あいあいと楽しいそうに笑う一同。 その様子をただ呆然と見つめる子ありす。 ここにいたってようやく子ありすも気づきはじめていた。 何か、取り返しのつかないような最悪な事態が自分の周りで発生してるということに。 今までは常識と疑ってなかったゆっくりのルールが自身に向けられたとき、それがいかに残酷で無慈悲なものであるかということに。 しかしこんなものはまだ序の口だった。 子ありすにとっての地獄はこれからが本番だった。 それからというもの、子ありすに対する苛烈なイジメ、リンチは止むどころか、毎日のように続けられていた。 あるときは体当たりで顔の形が変わるまで押しつぶされ、あるときは木の枝で串刺しにされ、あるときは髪の毛を引きちぎられ、 あるときはうんうんやしーしーを無理やり体になすりつけられた。 とにかく群れの領域内にいる子ありを見かけた群れの全ゆっくりが、問答無用に襲い掛かってくるのだ。 こんなもの回避できるはずもない。 それならば、わざわざ群れの領域内に入らなければよいではないかと思うかもしれないが、そうもいかない事情があった。 何しろ子ありすが押し込められいる深部領域には、ゆっくりの餌となるようなものが何もないのだ。 また人間が去った後に群れの全家庭に配られたらしいあまあまも、当然のごとく子ありすには配給されなかった。 必然、生きるために子ありすは群れの領域内に餌を探しにこなければならないわけで、そのたびに他ゆっくりに見つかっては、 制裁されるということを繰り返していたのだ。 そしてそれは数日経過した今でも当たり前のように続いている。 「ゆゆ!れいぱーだ!くずれいぱーがいるよおおおお!」 「なんていやしいすがたなの!」 「きっとむれのみんなをれいぷしようと、ねらってるんだわ!」 「そのうえ、にんげんさんにさからって、このむれをほうかいさせようとしたんだって!」 「ゆるせないね!そーれ、せいっさいだああああああああああああ!」 「ゆぴいいいいい!やべでええええええ!ありすれいぱじゃないいいいいいいいいいいいいいい!」 餌を求めて群れ内をふらついていた子ありすは、再びゆっくりの集団に見つかってしまう。 ついさっきまでリンチされていたのとはまた別のグループだ。 「もうやだああああああああ!もうやべでええええええええええ!おうちかえるうううううううううう!」 当に精神と肉体の限界を超えていた子ありすは、これから自身に加えらえるであろう、激しい制裁に恐怖し脱兎のごとく逃げ出した。 もう餌がどうとか言っている場合ではなかった。 これ以上は本当に命が危ない。 なによりもう痛いのは絶対にいやだ。 「ゆゆ!れいぱーがにげるよ!」 「ざまあないのぜえええええ!」 「ゆぷぷ!みてあのまぬけなすがた!」 「むれのおきてをやぶったれいぱーにおにあいのまつろね!」 ケラケラと笑うゆっくりたち。 「あああああああ!みないで!そんなめでありすをみないでええええええええ!」 逃げている最中に後ろから突き刺さるゆっくりたちの侮辱、嘲り、軽蔑の視線。 それは以前は自分があちら側のゆっくりに対してしていたもの。 いいや、違う。 それよりももっと深い、なにか別の不の感情が込められている。 徐々にではあるが、群れの何かが悪いほうに変わりつつある。 このままでは何か取り返しのつかない事態になりかねないような、そんな暗い予感。 皮肉なことに、群れを取り巻く小さな変化に一番初めに気づいたのは群れから迫害されている子ありすだった。 だがしかしそれは今はどうでもよいことだ。 気づいたところで、子ありすには流れを変えることなどできやしないのだから。 それに子ありすは知る由もないことだが、実際はこの変化ですら数ある変化の事象のうちの一つに過ぎないのだから。 「はぁはぁはぁはぁ!」 ここは子ありすに唯一与えられた薄暗いエリア。 そこにあるおうち内で荒い息を吐きながら、ブルブルと子ありすは震えていた。 おうちといってもダンボールのおうちなどという上等なものではない。 それは単なる「穴」であった。 それも子ありすがギリギリ入れるかぐらいの大きさの粗末なもので、人間がスコップを使えば約二秒で完成するだろう。 雨風を完全防げるだけ、以前閉じ込めれたことがある透明の箱のほうが何倍もマシかもしれない。 そもそも仮親からの教育を今まで無視してきた子ありすには、棒を使っておうちを拡張するという発想がないのだ。 だから今はギリギリ入ることができるおうちも、成長して成体ゆっくりになれば詰まって入れなくなるだろう。 まあそれまで生きられたの話だが。 「ゆうううううううう!」 そんな穴ぼこに顔を埋めながら、子ありすは一匹泣いていた。 もういやだ。 ここでいい。 誰にも会いたくない。 とかいはじゃなくてもいい。 飼いゆっくりじゃなくてもいい。 特別じゃなくていい。 れいぱーでもいい。 何だっていい。 だから痛いのはいやだ。 群れのゆっくりたちの視線にさらされるのは絶対にいやだ。 何よりも群れのゆっくりをたちの自分を追い立てる時のあの嬉しそうな声、あの汚物でも見るかの目線、あのにやにやした表情。 本当に同じゆっくりなのか? とても信じられない。 あのゆっくりたちは自分をいじめているとき、最高にゆっくりしているのだ。 それこそ、あまあまを食べたときよりも、おちびちゃんが生まれたときよりも、すっきりしたときよりもだ! これがゆっくり。 恐ろしい。 自分はあんなゆっくりたちとは違う。 だからもう会わない。 ここにいる。 ここから一歩だって出るものか。 それなら文句ないだろう。 あんな思いをするくらいなら、それこそ死んだほうがましだ。 そうだ、周りに生えてる苦い草だって食べようと思えば食べれるはずだ。 自分はここで一匹で生きていくんだ。 子ありすは誓った。 もう二度と群れのゆっくりたちとは関わらないことを。 そして次の日。 もう子ありすは、群れへ向かうことはなかった。 これにより一連の騒動は幕を閉じ、群れは平和になるはずだった。 だが………。 数日後。 子ありすはおうちの中でうずくまったまま寝ていた。 一日の大半を体力の消耗を防ぐために寝て過ごし、日が暮れた頃にのっそりと起きだし、おうちの周りの苦い草を無理やり口に入れる。 そしてまたおうちに戻ると、そのまま寝る。 これがここ数日の子ありすの行動パターンだ。 こんな単調な生活だが、今までのことを思えばそれなりゆっくりできていた。 なにも特別なことは起きないが、誰から攻められることもない穏やかな生活。 最近ではそれも悪くないと思い始めていた。 思えばなぜ自分はあれ程にまでとかいはや、特別であることにこだわっていたのだろうか? いや、今となってはどうでもいいことか。 ゆっくりしよう。 ここで、ずっと。 一匹で。 ……。 「ぷーちゅ!ぷーちゅ!」 「つっ!」 痛っ! なんだ? 痛いぞ! 体に何か刺さってる!? 突然感じた鋭い痛みに、うっすらと目を開ける子ありす。 するとそこには。 「ゆっきゃきゃ!やっとくじゅがめをさましたのじぇええええ!」 邪悪な笑みを浮かべた子まりちゃがいた。 子まりさは、爪楊枝のような細く先が鋭い棒で、寝ている子ありすを突き刺していたのだ。 「ゆっ、なっ、なんなの!」 まるで予期せぬ展開に思わず声を荒げる子ありす。 なっ、なんなんだこのチビまりさは! 何でありすにこんなことを! 見に覚えのない怒りに子まりちゃを睨みつけ、文句を言おうとした瞬間。 「ぎゃぴいいいいいい!れいぱーがこうふんしてるのじぇええええええ! れいぷされるのじぇえええええ!たちゅけるのじぇえええええええええ!」 「なっ!」 突然大声で騒ぎ始める子まりちゃ。 そして、 「ゆゆ!そこまでよ!」 「れいぱーめ!おとなしくしろ!」 「とうとう、ほんしょうをあらわしたみょん!」 ドグチャ! 「ゆがばがああああああ!」 同時に子ありすの左右から鋭い痛みが走った。 子ありすは左右から成体ゆっくりに挟まれるように体当たりされ、押さえつけられたのだった。 ふと気づくと、いつの間にか子ありすは群れの面々に囲まれている。 いや違う。 始めから子ありすが寝ている間に囲んでいたのだ。 ただでさえ薄暗い森の上のに、今は日が沈んでいるために気づかなかったのだ。 流石に群れの全ゆっくりが集結しているということはなかったが、それでも結構な数のゆっくりがいる。 なんなんだ、コイツらは一体何しにきやがった。 「こいつにまちがいないのじぇええええ!きょうのひる、まりちゃれいぷされそうになったのじぇええええ! いまだって、まりちゃをみたとたん、こうふんして、れいぷしようとしてきたのじぇえええええ! こわかったのじぇええええええええ!だからはやく、せいっちゃいするのじぇええええええええ!」 ピョンピョンと小賢しく跳ねながら大声で主張する子まりちゃ。 その主張に頷く群れの面々。 「むきゅ!どうやらおちびちゃんのいうとおりだったみたいね!」 「こんなちいさなおちびちゃんを、れいぷしようとするだなんて!」 「さいてのくずだね!」 「こんなやつ、いまのばつじゃかるすぎるよ!もっと!もっと!いためつけてやらないと!」 「そうだ!そうだ!」 「はやく!はやくぅ!れいむもうまちきれないよぉ!もっともっーと!せいっさいしてねえええええええええ!」 「なっ、なっ!?」 何を言っているんだコイツらは? れいぷ?何のことだ?大体なんだこのチビまりさは?知らないぞ? 第一、昨日自分はずっとここにいたのだ。 そんなことできるはずがない。 自分は何もしてない! そもそもありすはもうお前らとは係わり合いになる気はないんだ! どうして放っておいてくれないんだ! 「はなせええええええええええ!ふざけるなあああああああああ! ありすはなんにもしてないでしょおおおおおおおおおおお! なんなのこのいいがかりわああああああああああああ! かえれ!さっさとありすのまえからいなくなれええええええええええ!」 「ゆわわ!なんだこいつ!あばれるな!」 「くっ、おとなしくするみょん!」 左右を成体ゆっくりに押さえつけられているにも関わらず、凄まじい剣幕でもがく子ありす。 体格差があるはずの左右の成体ゆっくりを、ふりほどかんばかりの勢いだ。 その尋常を超えた迫力は、周囲を囲み、絶対的優位な立場にあるはずの群れのゆっくりたちさえ怯ませた。 「おまえかああああああああああ!ありすのじゃまをするやつわあああああああああああああ!」 「ゆぎゃぴいいいいいいい!」 ギロリと子まりちゃを睨みつける子ありす。ビビる子まりちゃ。 子ありすは本当にこの子まりちゃのこと知らなかった。 いやまあ確かに今までに群れ内ですれ違ったことくらいわあるかもしれないし、 ひょっとしたら連日子ありすをリンチしていたグループのなかに、コイツがいたのかもわからない。 だが所詮それだけの関係だ。 個人的に何か深い関わり合いにあったわけでもないし、当然れいぷしようとしたことなどあろうはずもない。 妄想と思い込みが多い子ありすだが、これだけは確定して言えることであった。 「なにぼっさっとしてるのじぇええええ!まりちゃさまがぴんちなのじぇええええええええ! さっさとあのれいぱーをせいっさいするのじぇえええええ!」 「ゆゆ!そうだったよ!みんな!おちびちゃんをたすけるよ!」 「「「「ゆおおおおおおおお!」」」」 子まりちゃの声に正気になった群れのゆっくりたちは、今だもがいている子ありすに向かって殺到したのであった。 そして………。 「……………ゆっ…が」 ぼろ雑巾のようにズタボロになった子ありすが小さくうめき声を上げる。 あまりに激しく、そして長時間のリンチを受けたために、最早ゆっくりとしての原型を留めていないくらその体は変形している。 ここまでのダメージを負った以上、中のクリームもただではすまないだろう。 こうなってしまったら、次に目覚めたとき、それが今までの子ありすの人格を維持しているかどうかすら怪しいものだ。 大体今生きていること事態がもう奇跡みたいなものである。 「ゆっきゃきゃきゃきゃ!れいぱーのぶんじゃいで、このまりちゃちゃまにさからうから、こういうめにあうのじぇええええええ! そーれ!ぷーちゅ!ぷーちゅ!」 ぐったりとした子ありすの周りを陽気に飛び跳ねながら、口に咥えた子枝を子ありすに突き刺す子まりちゃ。 しかし、これ以上ないくらい痛めつけれ、既に意識を失っている子ありすはその刺激にはまったく反応しなかった。 「ちっ!つまんないのじぇ!もういいのじぇ!」 そしてまったく反応しない子ありすに興を削がれたのか、ポイと子枝を投げ捨てその場から一歩下がる子まりちゃ。 壊れたオモチャに興味はないということだろう。 「むきゅ!どうやら、ひがいにあったおちびちゃんのきもすんだみたいね! それじゃきこえてるかどうかわからないけど、こんかいのざいじょうをよみあげるわ! ありす!あなたはもりのおくに、ついほうしょぶんになっているにもかかわらず、まいにちのように、 むれにやってきてほかのゆっくりにめいわくをかけた! そればかりか、こんなにもむくで、ちいさいおちびちゃんをむれいやりれいぷしようとした! これはもうゆるされるものではないわ! よってばつをついかすることにする!このはんけつにいぎのあるものはいるかしら?」 「いぎなしだよ!」 「もんだいないみょん!」 「とうぜんのことだよね!」 「れいぱーをこのまま、のばなしにしておくわけにはいかないもんね!」 次々に賛同の声が上がる。 「むきゅ!どうやらまんじょういっちのようね! それでは、れいぱーありすには、このばからうごけないように、じめんにぬいつけのけいをしっこうするわ! これは、ゆっくりにたくさんのぼうをつきさし、みうごきがとれないようにしたじょうたいにして、まいにちうんうんをくわせ、 ながくくるしめるという、だいだいふういんされてきた、ひ、ゆんどうてきなけい! ぱちぇとしては、なるべくやりたくはなかったのだけど、でもしかたないわね!」 ふぅ、と溜息をつくと、残念そうな口調と態度で仮親ぱちゅりーが言う。 だが何故かそれらの動作は、上から取ってつけたようにわざとらしかった。 そしてそれは周りにいるゆっくりたちも同様であった。 群れのゆっくりたちはみな神妙な顔を装ってはいたが、それらは顔に無理やり貼り付けたようにわざとらしかった。 「ゆぷぷ……」 「くく……」 みな隠しきれていなかった。 愉悦の表情を。 僅かにニヤつく口元を。 これは罪に対する正当な罰であって、決していじめではない。 本当ならこんなこと誰も望んでおらず、その行為に対して愉楽を感じるなどということは断じてありえない。 子ありすが群れにやってこなくなった数日の間に、ストレスを発散する対象がいなくてイライラしてたなんてことはないし、 子まりちゃの不確かな証言に先導され、つい我慢できなくなって皆でイジメに押しかけたなんて事実は存在しない。 これから子ありすに執行される刑に興奮なんてしてないし、期待の視線を向けてなんていない。 何故なら自分たちは正しいゆっくりだから。 自分たちは正義を執行している。 だから、これから行なわれる行為はしかたのないことなのである。 しかたない、しかたないよね、そうそうしょうがない、ほんとうはこんなことしたくないけどしょうない、 ほんとうはいやなんだけどね、まったくもってやむをえない、やむなしよね、どうしょうもない、こまったこまった、 きがすすまないんだけどねぇ、めいわくしてるのはこっちなんだよ、いやだけどこころをおににするよ、……………。 口々にしょうがないと呟きながら、じりじりと子ありすに迫っていく群れのゆっくりたち。 「…………ゆ」 その時今まで意識を失っていた子ありすは、うっすらと目を開けた。 ぼやけた視線に飛び込んできたのは、満面の笑みを浮かべながら自分に迫ってくるゆっくりたち。 どいつもこいつもみな例外なく笑っている。 すごい!みんなすごくゆっくりしている! 物凄くとかいはだ!なんだ、やればできるじゃないか! 独特なとかいはなおーらを感じる!そしてゆっくりとしての絆を感じる! いまここに、ありすを中心として群れが一つの絆で繋がっているのだ! 風…なんだろう吹いてきてる確実に、着実に、ありすのほうに! ゆふふふふふ! やはりありすは特別なゆっくりだった。 だってこんなにも、みんなをゆっくりさせることができるんだから。 ザシュ! 「がっ!」 何かが自分の体を貫いた気がするが気にしない。 だってありすは特別なゆっくりなのだから。 グサ! 「ゆぶが!」 ああ、なんだかじゃまだなぁ。 せっかくみんなとゆっくりしているというのに、何かが邪魔をしている。 ズボ! 「ぶべべ!」 痛い痛い、どうしたことか、体中がすごく痛い。 片方の目も何だか見えなくなったぞ。 みんな笑ってゆっくりしているのに何でだろう? グミョ! 「あががが!」 苦しい!やめてくれ!何だかよくわからないけどやめてくれ! ああ辛い。 ありすがこんなに辛いのに、何でみんなそんな笑顔なんだ! ネチャ! 「まがぶがあああ!」 待て!もうよせ!やめろ!笑うな!ゆっくりするな! そのニヤニヤをやめろって言ってるんだよ!ああ、痛い!ごめんなさい! すいません!ゆっくじ!ゆっくりしたいの! 死んじゃう!いや、死にたい!いっそ永遠にゆっくりしたい! おかしい!何かがおかしい! 助けて!誰か助けて!たすけておかあさん! 「むきゅ!それじゃこれがさいごのいっぽんね!」 子ありすが最後に見た光景。 それは、仮親ぱちゅりーが子ありすの残った片目を棒で貫く瞬間だった。 ザシュ! 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 深く、薄暗い森の奥で子ありすの悲鳴が木霊した。 おしまい ナナシ
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『まりさ、ゆっくりしていってね!!! 下』 24KB いじめ 制裁 これにて完結。拙文ですが、ゆっくりしていってね… 「んっほぉおおおお!きもぢいいわああああ!」 「ゆっひいい!たまらないんだぜええええ!」 「やめでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!れいむずっぎり゛じだぐないよぉお゛お゛お゛お゛お゛!」 そこには、あのゲス2匹にれいぽぅされる母れいむの姿があった。 2匹は全身からぬらぬら光る粘液を分泌させ、執拗に体ごと母れいむにこすり付けている。 「こ…これって…」 「やだやだやだぁああ!あがぢゃんづぐりだぐないいいい!」 「ゆぁ~ん!?やかましいのぜえ!あのまりさがわるいのぜえ!?」 「そうよぉ!うらむならあのげすをうらみなさい!んっほおお!」 2匹が同時にすっきりー!するために、この方法をとったのだろう。 しかし、醜く、また赤く紅潮した顔で全身から粘液を出しているその姿は、形容しがたいものであった。 対して母れいむはれいぽぅの恐怖からか身動きが取れないようだが、全身で嫌悪感を表現している。 望まぬすっきりー!であるが故か、粘液の分泌も見られない。それが逆に、さらなる苦痛を母れいむに与えていた。 しばし呆然としていたまりさだが、はっと我に返り、動き出す。 「ゆぅうううー!」 『ドンッ!』 「ゆべぇええ!?」 「ゆぅううっ!」 『ドスッ!』 「ゆひい!?」 すっきりー!に集中していた2匹は、自分よりも体の小さい子まりさの、全力の体当たりを食らい転がってゆく。 「おかあさん!ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!」 「あ、ありがとうおちびちゃん…ゆぐっ…」 「な…なんでこんな『ボグッ!』」 命に別状はないようだが、それでも受けたダメージは大きいようで、息も絶え絶えの母れいむ。 必死で母れいむを気遣う子まりさに、突然鈍い衝撃が走り、壁に激突する。 顔をあげた先にあったのは、2匹の憤怒の表情であった。 「やってくれたのぜ…このげすゆっくり!」 「せっかくわたしたちがにんっしんさせてあげようとしたのに、なんてことをするのかしら!?」 「れいむはにんっしんなんてしたくないよ!」 「だまるのぜ!そんなゆっくりできないできそこないのかわりに、 まりささまとありすのおちびをつくってあげようとしたのに…」 「そうよ!おやこそろってなんていなかものなのかしら!」 「「せいっさいだよ!」」 「ゆ、ゆぅうっ!」 2匹が逆切れし、母れいむと子まりさを制裁しようとする。 子まりさも、最近狩りで使うようになった長い枝を帽子から取り出し、身構える。その時だ。 「むきゅ!なんだかさわがしいわ!これはなんのさわぎなの!?」 「なにをしてるみょん!」 「「「「お、おさ!」」」」 たまたま母れいむの家を訪問した長ぱちゅりーと側近のみょんが、家の中の騒ぎを聞きつけて飛び込んでくる。 ついに、他人に知られてしまった。しかしもう親れいむももう被害を受けている今、誰にもそれを隠す必要はない。 長は、騒がしいことには気づいたようだが、何が起こったまでは把握できていないようだ。 ならば、早くこの2匹の悪行を長に報告しよう。そうすれば長による断罪が始まる。しかし… 「だれかせつめいしてちょうだい!」 「ゆ…ゆわぁああああああん!おさぁ!こわがっだんだぜええええ!」 「あのまりさが、まりさがあああ!とかいはじゃないのよおお!」 ゲス2匹は突然泣き出し、長ぱちゅりーに泣きつく。 「あのまりさが、じぶんのおかあさんをれいぽぅしてたんだぜ!」 「わたしたち、とってもこわかったわ!それでもゆうきをだしてなんとかとめたの!」 「そしたらまりさたちをえいえんにゆっくりさせてやるとかいってあのえだでぷーすぷーすしようとして…」 「ゆ、ゆうう!?まりさそんなことしないよ!」 『ぽいっ』 「そ、そうだよ!れいむのかわいいおちびちゃんはそんなことしないよ!」 「むきゅう…こんがらがってきたわ…」 ゲス2匹の狂言に、慌てて咥えていた枝を捨て、身の潔白を訴える子まりさ。 母れいむも子まりさを必死で庇う。 長ぱちゅりーは食い違う両者の証言に混乱している。 「ひどいことをされていたのはれいむでしょう?」 「そうだよ!おかあさんがまりさとありすにれいぽぅされてたんだよ!」 「そのれいむがおちびちゃんがわるくないっていってるのだったら…」 「おさ!そんなのあのれいむがじぶんのおちびをかばっているだけなのぜ!」 「そうよ!…それともおさ、あんなゆっくりしてないゆっくりのいうことをしんじるつもりなの!?」 「むきゅ!?」 「そうだぜ!あんなののいうことをしんじるなんて、おさはどうにかしてるのぜ!」 「おさ!まりさそんなこと…」 「むきゅう、まりさ、すこしだまるのよ。」 ゲス2匹の言葉を聞き、はっとした表情になる長ぱちゅりー、 そして子まりさの言葉を遮り、しばし考え込む。そして導き出した結論は 「みょん、れいむのおちびちゃんをせいっさいしなさい。」 「ゆっくりりかいしたみょん。」 子まりさへの断罪であった。 〝ゆっくりしてないゆっくり〟これが決定打となった。 その場の状況や、両者の証言を全てすっ飛ばし、子まりさが悪と決めつけるには十分すぎる理由であった。 〝ゆっくりしてないゆっくり〟これは普通ゆっくりの世界において、何においても悪なのだ。 「なんでえええ!?ぱちゅりいいいい!?」 「むきゅ…れいむ、おちびちゃんがかわいいのはわかるわ…それでもね、わるいことをしたら ちゃんとせいっさいされないといけないのよ?わかってちょうだい。」 「やだやだやだあああ!おちびちゃんなんにもしてないのにいいい!」 「むきゅ!?まりさ!ありす!れいむをおさえるのをてつだってちょうだい!」 「ゆっくりりかいしたぜ!」 「ゆっくりりかいしたわ!」 暴れる親れいむを必死で押さえつける長ぱちゅりーとゲス2匹。 「みょん。おねがいね。」 「やめでええええ!おぢびじゃあああああん!」 「れいむ、しっかりみておくのよ。おやとしてのぎむだわ。」 「ゆ、ゆわぁあ…やめてよぉ…こわいよぉお…」 「ころしはしないみょん。さぁ、いくみょん。」 『バァン!』 「ゆぶえっ!」 未だかつて味わったことのない激痛が子まりさを襲う。 ゲス2匹による暴行も、所詮は子ゆっくりのもの。しかもある程度手加減していたのだ。 しかし、これは大人の、しかも長の側近を務めるほどのみょんの一撃だ。威力は桁違いである。 一撃打ち据えられるごとに体中の餡子が震える。そして、何度も何度も木の枝で打ち据えられた。 「ゆぼぉっ!」 『びちゃびちゃ』 「そのくらいでいいわ、みょん。」 ついに餡子を吐き出してしまう子まりさ。それを見た長ぱちゅりーは頃合いと判断し、みょんを制止する。 子まりさは打ち据えられながらも、その目は一つ所を見つめていた。 それはゲス2匹のいる場所。 2匹は子まりさを卑しく、満面の笑みで見つめながら、母れいむに向かって腰をヘコヘコと動かしれいぽぅの真似事をしている。 決して、長ぱちゅりーや側近みょんからは見えないように注意を払いながら。 本当に少しだけだが、ぽつり、と子まりさは心の中で、己が身を苛む灯火が灯るのを感じた。 「それじゃあみんないきましょう。まりさ、あなたをおかあさんからひきはなすことまではしないわ… でも、つぎにこんなことがあったらついっほうもしかたがないとおもいなさい。」 「そうだみょん。れいむもなにかあったらえんりょなくだれかにいうみょん。」 「ゆっへっへ…じゃあせいっさいのつづきはまりさたちが…」 「むきゅう。だめよ、まりさとありすもかえるのよ。」 2匹は続けて子まりさを制裁しようとするが、長ぱちゅりーに止められ、仕方なく家を出ようとする。 その時、何か思い出したかのように急いで子まりさに駆け寄ると、ひそひそと耳打ちをする。 「まりさがちゃんときてればこんなことにならなかったのにねぇ…」 「あしたもあそこにいるのぜ…こなかったらつぎこそにんっしんさせるのぜぇ…?ゆひひひひ…」 その言葉をうつむいて聞く子まりさ。 先程心に灯った灯火が、音もなくかき消えてゆくのを感じていた。 そして、家の中には子まりさと母れいむだけが残った。 「ゆぐ…ごべんねえおがあざん…」 「おちびちゃんはわるくないよ…ゆ!もしかしておぼうしも…」 「……」 『コクリ』 「ぐすっ…こんなときまりさがいてくれたら…」 「ゆ、ゆええええ…」 「ゆわぁああああん…」 母子は、だれにも頼ることのできない絶望に打ちひしがれ、ただただ泣き続けた。 どうして帽子がゆっくりしてないだけでこんな仕打ちを受けるのか? 子まりさが何か悪いことをしたのか? それとも、母れいむが何か悪いことをしたのか? その答えを見つけることはできない。 しいて言うならば、〝ゆっくりに産まれた〟これに尽きる。 身も心も知能も、脆く弱く儚い。 善悪だって、お飾りひとつでいとも簡単に決められてしまう。それがゆっくり。 そんな存在は、ゆっくりしていると言えるのだろうか?なぜ人はこんなゆっくりをゆっくりと呼ぶのだろう? それでもこの場で唯一、ゆっくりしている、と言えるのは、この母子の間に結ばれた親子の絆のみであろうか。 「ゆぅ、ゆっくりいってきます…」 「おちびちゃん、どこにいくの…?」 「み、みんなのところだよ…」 「あのまりさとありすのところじゃ、ないよね…?」 「ち、ちがうよ!とにかくゆっくりいってきます!」 母れいむの言葉を振り切り、家を飛び出す子まりさ。 今朝は、いつもに増して食が細かった母れいむ。昨日の出来事で心身が弱っているのは明らかだった。 そして、行くところなんて決まっている。あの2匹のところだ。 子まりさはまた食料を集め、あの洞窟へと向かう。 「ゆ!ようやくきたのぜ!」 「おそいじゃない!またれいぽぅしにいってあげてもいいのよぉ~?」 いつものように子まりさの持ってきた食料を平らげる2匹。 そして今日もまた虐めが始まるかと思ったが、少し違うようだ。 「ついてくるのぜ。」 「ゆ…?」 今日は洞窟ではない、別の場所で虐めを行うようだ。 2匹に連れられ、後をついていく子まりさ。 すると、だんだんと景色が見覚えのあるものに変わっていくのがわかる。 「ついたのぜ!」 そこは、奇しくも父まりさとの思い出の、あの崖だった。 「こ、ここは…」 「ゆぁあ?きたことあるのぜ?」 「な、ないよ…はじめてきたよ。」 ここが父まりさとの思い出の場所であることなど、口が裂けてもいえない。 もし言えば、2匹はうんうんやしーしーをまき散らすなどして、嬉々としてこの場所を、思い出を、穢すだろうから。 「きのうのかえりにみつけたのぜ!」 「きょうはここでたのしくあそぶわよぉおお!」 最も、言わなかったとして、穢されるのがましになるだけだ。 「さぁ、そこのはしっこにたちなさい!」 「ゆぅ…」 「はやくするのぜ!」 2匹の指示通り、崖の端に立たされる子まりさ。 (よくここから、おとうさんととおくをながめたっけ…) 父まりさとの思い出に浸る子まりさ。 『ドンッ』 いきなり突き飛ばされた。 流石に突き飛ばされるとまでは想像していなかった子まりさは、頭が真っ白になる。 そして、子まりさの足元から地面が消える直前… 『ガシィ!』 2匹に両端からあんよをつかまれる。 つかまれていなかったら。確実に落ちて永遠にゆっくりしていたことだろう。 そして2匹は子まりさを崖から逆さづりにする。 「ぶ~らぶ~らなのぜ~♪」 「とってもとかいはねえ~♪」 「ゆわぁああああ!こわいよおおおおおおお!」 眼前に広がるのは遠く離れた地面。 もしこの2匹が子まりさを離せば、確実に落ちるだろう。 その時、一陣の風が吹き抜けた。 「ゆ、ゆんやぁああああああああああああ!」 いつもは嫌な気持ちを吹き飛ばしてくれる爽やかな風も、今は恐怖を助長することしかしない。 そして… 『ふわり』 「ゆ…?ゆぁあああ!まりさのおぼうしいいいいいいいいいいいいいい!」 風に吹かれて、子まりさの帽子が崖下へと落ちていった、 どんどん遠ざかり、小さくなっていく帽子。 「ゆがらぁあああっ!」 『ブォンッ!』 「ゆひっ!?」 「どがいばっ!?」 何処にそんな力があったのか、あの状況から無理矢理体を起こし、2匹を振り払う。 そして、駆けだす。2匹の怒号と罵声と笑い声を背に浴びながら。 子まりさは今、崖下に来ていた。 探せども探せども、落ちた帽子は見つからない。 辺りも薄暗くなり、危険な時間帯になってきたが、構わず帽子を探し続ける。 そんな子まりさの思いが天に届いたのか、帽子が見つかった。まさに奇跡だ。 「ゆわぁ…まりさのおぼうし…おかえりなさい!」 帽子をかぶるまりさ。さぁ、家に帰ろう。そう思った時、ふと、何者かの声が聞こえた。 「うー。」 思わず辺りを見渡す子まりさ。初めて聞く声ではあるが、本能がその声は危険だと警告を発する。 手近に落ちていた長い木の枝を咥え、辺りを見渡す。 「うっぅー。おいしそうだどー。」 何処から声が聞こえてくるか子まりさは確信する。真上だ。見上げると、そこには 「いただきますだどー。」 「れ、れみりゃだああああああ!」 捕食種、ゆっくりれみりゃが飛んでいた。 まりさはその場に固まってしまう。そして今までのゆん生の走馬灯がまりさの餡子脳を駆け巡る。 (おとうさん、おかあさん、ごめんね…) 頭をよぎるのはかつての記憶。 おねしょした時、母れいむがやさしくおしめを取り換えてくれた時のこと。 父まりさと追いかけっこをした時、こけて泣きわめく自分を見て、おろおろする父まりさの顔。 親子3匹で、くっついて眠った夜。 思い出のあの崖で、父まりさから狩りの仕方や、野宿の仕方、そして戦いの仕方を教わった事… 戦いの仕方…戦いの仕方…!? 「ゆぅうっ!」 「うーっ!」 『ゴォッ!』 思わずその場から飛び退く子まりさ。 その脇を、れみりゃがものすごい勢いで通り過ぎていく。 れみりゃが起こした風が、子まりさの頬を乱暴に撫でる。 「ゆっ!」 そして、れみりゃに向かって枝を構える。 ゆっくりの攻撃は、基本的に直線だ。その為、相手に向かって枝を突きつけるように構えるだけで、 十分有効な戦法となりうる。 「うぅううー…やりにくいんだどぉー…」 事実れみりゃは攻めあぐねている。 どこから攻めようとしても、自分の方をあの枝が向いている。 しかし、れみりゃも伊達に捕食種ではない。 「うっうー!」 子まりさの周りを、円を描くように飛ぶれみりゃ。 次第に子まりさはその動きについていけなくなる。そして、ついにれみりゃが子まりさの背を捉える。 「ううう!」 『ドガッ!』 「ゆーっ!?」 れみりゃの攻撃は子まりさを掠めただけだったが、それでもバランスを崩すことはできたようだ。 そして、ゆっくりにとって一番反応しにくい、真上からとどめを刺そうとする。 しかし、子まりさは諦めてはいなかった。父まりさの教えがよみがえる。 敵の姿が見えなくても、声の聞こえる方向に武器を向けること。そして、絶対に諦めないこと。 「うううううー!しねぇっ!」 「ゆぅううー!」 れみりゃの声が真上から聞こえる。 それに反応し、子まりさは枝を強く噛みしめ、あおむけになった。 『ずぶっ』「う…うー。もっと…ゆっくり…」『どさっ』 そして、奇跡はまた起こった。れみりゃは自ら枝に刺さりに行ってしまったのだ。 子まりさの枝はれみりゃの中枢餡を的確にとらえ、れみりゃは力なく地面に落ちる。 一撃で、れみりゃは絶命していた。 「ゆはっ、ゆはっ、ゆはっ…」 何とか死線を乗り越えた子まりさ。 最初はれみりゃとの戦いの余韻が残っていたが、時間がたつと、それも冷めてきたようで 「ゆ、ゆひいいいいいいいい!」 出来る限り後ずさり、れみりゃの死体から距離を置く。 今更になって、恐怖が襲ってきたのだ。 「ゆゆぅ、しかたないよ…」 そう、仕方ない。 同族殺しは禁忌とはいえ、それは捕食種以外での話。 通常種は捕食種の餌でしかなく、互いに決して相容れない存在。それは子まりさにも分かっていることだ。 しかし、相容れない存在とは言え、姿形が似通っているのもまた事実。 枝を咥えていた子まりさの口に今も残る生々しい感触は、捕食種だから仕方ない、で片づけられるものでもなかった それを理解するのに、子まりさの心ははまだ幼すぎたのだ。 必死で、自分を正当化する子まりさ。 やらなかったらやられていた。だから仕方ない。 ああするしかなかった。だから仕方ない。 先に仕掛けてきたのは相手の方だ。だから仕方ない。 やられたら、やりかえす。そうだ、そうなんだ。 自分を正当化し続けた末に、ようやくれみりゃを殺した感覚もましになってきた頃、子まりさはあることに気が付く。 そう、先に仕掛けてきたのは相手。やられたら、やりかえせばいいんだ。 その考えに思い至った子まりさの目の光は何処までも昏く、澱んでいた。 子まりさは、自分の心の中に再び灯火が灯る音を確かに聞いた。 そしてそれは炎となり、激しく燃え上がるのを感じていた。 (くらくなってきたよ…きょうはもうおそとでねるよ。) 子まりさはれみりゃの死体に近づくと、枝を引き抜く。 そして、その枝を帽子にしまい、捕食種に見つからないように茂みに身を隠し、眠りについた。 時は昼頃。場所はあの洞窟。普段なら子まりさが食料を持ってやってくるような時間帯なのだが、 未だ子まりさの姿は見えない。 ゲス2匹は痺れを切らし、また制裁と称し母れいむをれいぽぅしにいこうか…そんなことを話していた。 「ゆぁあ~おっそいのぜぇ!」 「ありすたちがこわくなったのかしらぁ?」 「ゆひひひ!それならこんどこそにんっしんさせてやるのぜ!」 「んっほぉおおおお!」 「それじゃあさっそ『ドスッ!』」 「な、なにが『ドムッ!』」 と、不意に2匹の体に衝撃が走る。訳も分からず転がる2匹。 そして事態を理解するよりも早く、2匹のあんよに焼けたような激痛が走る。 「ゆんやぁあああああ!いたいのぜええ!?」 「と、と、と、とかいはじゃないわああああ!?」 2匹のあんよには、真一文字に大きな切り傷ができており、そこから餡子が漏れ出していた。 もうこの2匹は傷が癒えるまで移動することはできないだろう。 「ゆっ。まりさはきょうもちゃんときたよ。」 それを為したのは子まりさだった。 「ゆぎぃいい!なにをしてるんだぜ!」 「これはもしかして、まりさのしわざなのかしらぁあ!?」 「……」 子まりさは答えない。無言でゲス子ありすに近づくと、その頭からカチューシャを奪い取る。 「な、なにをしてるのこのげす!ありすのおかざりをかえしなさい!」 「ゆっ。」 『ベキャッ』 「…ゆ?」 「ゆっゆっゆっ。」 『ベキッベキベキッ』 「ゆ、ゆわああああああああああ!ありすのおかざりがああああああ!」 ゲス子ありすのカチューシャを執拗に踏みつける。 それが2つに割れても、4つに割れても、6つに、8つに割れてもひたすら踏みつける。 やがて、カチューシャが粉々に砕け、原形をとどめなくなった時点でようやくそれは終わった。 「あ、あぁ…ありすのゆっくりしたおかざりがぁ…」 「なにやってるのぜええええ!せいっさいしてやるからはやくここにくるのぜええええ!」 「…ゆんっ。」 『ぱしっ』 「…ゆ?」 次はゲスまりさの番だ。淡々と帽子を頭から払い落す。 「ゆっ。ゆゆゆっ。」 『ぶちっぶちっぶちっ』 「な、ななななにやってるのぜええ!?」 「ゆんっ。」 『ぶちっ』 「や、やめるのぜえええええええ!」 「ゆんゆんゆん。」 『ぶちぶちぶち。』 ゲス子まりさの帽子もカチューシャ同様ばらばらに引き裂く。 やがて、すべての破片がこま切れと呼べるくらい小さくなった頃、子まりさはそれらを口に運ぶ。 「むーしゃむーしゃ。」 「おねがいでずうううう!やめでえええええ!!」 「むーしゃむーしゃ、さいあくー。」 『ごくん』 「ゆあああああああああああ!」 ゲス子まりさの目の前で、咀嚼する様を見せつける子まりさ。 そして、それを飲み下す音までを、しっかりとゲス子まりさに伝えた。 「ゆ、ゆぐっ…どぼじでごんなごどに…」 「なんでぇえ…ありすなんにもしでないのにいいい…」 「まりさ、ありす。」 「ゆがぁっ!?」 「なんなの!?このげす!」 「いまから、まりさとありすであそぶよ。がんばってね。」 「「…ゆぅ?」」 子まりさはそれだけ告げると、帽子の中から木の枝を取り出した。 「ぷーすぷーす。」 『ずぶっ』 「ゆっひいいいいいい!」 「ぬーきぬーき。」 『ずぶぶ…』 「ひぃいいいいいん!」 「ぷーすぷーす。」 『ずぶっ』 「ゆがばああああああああ!」 ゲス子ありすの体に、何度も枝をつきたて、抜き、またつきたてる。 木の枝は当然自然のものだ。人工物のように滑らかな形状をしているはずもなく、 いたるところに突起やささくれが見られる。 それらが、体内をかき混ぜる。その激痛はいかほどのものなのだろうか。 「…ゆっ!」 『ゴガッゴンッゴグッ』 「ゆっびぃえええええええ!」 「す~りす~り。」 『ゴリゴリッ』 「ぎゃぁああああああああああ!」 次は、枝で歯を砕く。何度も、何度も砕く。 そして、あらかた砕き終わった後、歯の根元、神経が集中しているであろう場所を、 枝で執拗に削り取る。 ゲス子ありすは、もはやゆっくりらしからぬ悲鳴をあげている。 「ありすはあきたよ。つぎはまりさにするよ。」 『ずぶぶ…』 「ゆぎ…いぃいいい…」 「ぷーすぷー『こつん』…ゆ。」 「ゆ、ゆぴぃっ!」 ゲス子ありすの体内にゆっくり、ゆっくりと枝を差し込んでゆくと、 やがて何かにぶつかる感じがあった。そう、中枢餡だ。 子まりさは、枝の先端を中枢餡から逸らすと、枝の側面で中枢餡を削り始める。 「ごーりごーりするよ。」 『ごりっごりっ』 「hすhfdぁうgだふぁ!?」 「ごーりごーり。」 『ごりごりっ』 「しklfjぉyfぃ!」 中枢餡を傷つけられ、まともに言葉もしゃべれなくなったゲス子ありす。 枝を通じて子まりさに、ゲス子ありすの命を削る感覚が確かに伝わってくる。 しかし、子まりさは止めない。 いつしか、子まりさは一つの言葉だけを繰り返していた。 「しかたない、しかたない…」 『ごりごりごり』 「sんヴj…いうhヴsdhvmヴぁ…」 「しかたない、しかたない…」 『ごりごりごり』 「……」 ただひたすら、ゲス子ありすが事切れたのにも気づかず中枢餡を削り続ける。 そして枝を引き抜いたかと思うと、ゲス子ありすの死体を枝で何度も何度も切りつける。 やがて、我にかえったときにはぐちゃぐちゃの饅頭がそこにあるだけだった。 「つぎはまりさであそぶよ…」 「ゆっひぃ!ごべんなざいなんでもじまずが『ドスッ』ゆぎゃああああ!まりざのおめめがあああ!」 「ぐーりぐーりするよ。」 『ぐりぐり』 「ゆばばばばばばぁ!」 ゲス子まりさの謝罪など全く意に介さず、その右目に枝をつきたてる。 つきたてた後は、枝を回し、かき混ぜる。 そして、勢いよく枝を引き抜いたかと思えば 「ゆっ!」 『ドスッ。ぐりぐり』 「ゆんやあああああああ!」 次は左目に枝をつきたてる。そしてかき混ぜる。 そして枝を引き抜いたとき、ゲス子まりさの世界は、闇に包まれていた。 「ごべんなざい、ごべんなざい、ごべんなざい…」 「……」 『ブチュッ』 「ゆひゃあああ!」ごべんなざいごべんなざい!」 「……」 『プチッ』 「ゆるじでえええ!もうゆるじでよぉおおおお!あやまっだでじょおおお!? だがらはやぐまりざざまをゆるぜえええええええ!」 謝罪をし、ただひたすら助けを請うゲス子まりさの体に、少しだけ枝を刺す。 枝を刺されるたび、ビクリと震え、さらに大きな声で助けを請う。 しかし、子まりさは絶対に助ける気などなかった。 長い時間をかけた後、ゲス子ありすと同じ場所に送るのだ。 「ゆっ!」 『ドスゥッ!』 「ゆぎゃあああああああああああああん!いぢゃいよおおおおお!」 「ゆゆゆ…」 『ぐりぐりぐり』 「ゆっぼぼぼぼぼぼ?!」 今度は体に枝を深々とつきたて、かき混ぜる。そして抜く。そしてつきたてまたかき混ぜる。 決して中枢餡を傷つけたりはしない。 どのくらいの時間それを繰り返しただろうか、ゲス子まりさはもう息も絶え絶えだ。 「ゆひぃい…じにだぐない、じにだぐないよぉおお…」 「ゆっ。」 『ずぶぶ…こつん』 「ゆびゃあああ!?」 ゲス子ありすの時と同じように、中枢餡に枝の先端が触れる。だが、今度は先端を逸らしたりしない。 下手に傷つけるとしゃべれなくなることが分かったから。 子まりさは、ゲス子まりさは死の間際まで徹底的に怖がらせようと思っていた。 「まりさ…」 「ゆ、ゆひぃっ!?」 「このえだをね…もうちょっとだけぷーすぷーすしたらね、まりさはしんじゃうんだよ。」 「や…やだやだやだあ!しにたくないんだぜええええええ!」 「しにたくない…?」 「ごべんなざい!ゆるじでえええええええ!」 「……」 じゃあ何に謝っているのか、ゲス子まりさにそれを尋ねようとしたが、止めた。無駄だ。 子まりさは返事の代わりとして 「まりさ…えいえんに、ゆっくりしていってね!!!」 『ズグッ!』 「も…ぢょ…ゆっぐり…しだか…だ…」 思いっきり枝を押し込んだ。 ゲス子まりさの断末魔を聞いた子まりさは、目を閉じて、大きく息を吸い込み…ふぅ、と吐いた。 そして次に子まりさが目を開いたとき…その目には、何の光も宿っていなかった。 底が見えないほどの暗闇が、その目の中にあった。 子まりさの足は、自然とあの場所へ向かっていた。 子まりさは、父まりさとの思い出の崖に立っていた。 父まりさとの思い出がよみがえる。が、それだけだった。何も、感じなくなっていた。 崖の端に立ち、遠くを見渡す。その時、さぁ、と風が吹き抜けた。 子まりさは目を閉じ、風に吹かれていた。風に吹かれていると、全てが赦されるような、そんな気持ちになる。 つ、と子まりさの頬を涙が伝う。涙の訳は子まりさにもわからない。そして、その涙を振り払うことはしない。 しばらく、子まりさはそのまま風に吹かれていた。やがて、子まりさは… 崖 か ら 身 を 投 げ | 『ぐしゃ』 後に残ったのは、子まりさだったもの。その時、また風が吹き抜ける。 子まりさの帽子は風に乗り、高く、高く高く舞い上がる。 そして風に運ばれ、やがて川に落ちた。 川に落ちて、沈んでいった。 そして子まりさは、いなくなった。 子まりさが群れからいなくなって数日経った。あれからいろいろあった。 あのゲス2匹がいなくなったと、群れでは小さな騒ぎが起きた。 2匹の死体は洞窟で発見されたが、誰も元々それがゆっくりとは分からず、群れのゆっくりの食料となった。 子まりさもいなくなったが、それに関して騒いだのは母れいむだけで、他のゆっくりは全く関心を払わなかった。 そして今、母れいむは 「ゆぅう~ん!きもちいいよぉ~!まりさぁ~!」 「ゆふぅう!れいむのまむまむ、さいっこうなのぜ!」 家で、新たな夫であるまりさと交わっていた。 「「すっきりー!」」 母れいむのお腹がポッコリと膨らむ。新たな命の誕生だ。 「ゆわぁ…おちびちゃんゆっくりうまれてきてね…」 「まりさとれいむのおちびちゃんなのぜ。ゆっくりしてるにきまってるのぜ!」 子まりさが、2日も続けて帰ってこないことに違和感を覚え探し回った母れいむは、その中でこのまりさと出会う。 群れの誰もが、れいむの子供がゆっくりしてないことを知っており手を貸さなかったが、このまりさだけは別だった。 れいむと一緒になって子まりさを探してくれたのだ。 そして、2匹で探し回った結果、まりさがある結論を導き出した。 「きっと、れいむのおちびちゃんはひとりだちしたのぜ!」 「ゆ、ゆぅうう!?」 あの子が…と母れいむは最初こそ仰天したが、よくよく考えたら自分で狩りもできるくらいに成長していたのだ。 独り立ちしたっておかしくない、そう母れいむは確信した。 実際は、親に何も告げずに独り立ちするなど、ゆっくりの世界においても普通有り得ないのだが、 そこは自分の都合のいい解釈をする餡子脳。あっさりとそう結論付け、子まりさ捜索は打ち切られた。 そしてそのまま2匹は夫婦となり、こうして子作りをするに至ったのだ。 母れいむは、夫を失った悲しみを新たなまりさで埋め、子供は立派に独り立ちした…何も心配することはない。 そう思うと、体に元気が湧いてきた。そして何日かですっかり体調も戻り、子作りできるほどに快復した。 「ゆっゆっゆっ。」 母れいむは身重の体を引きずり、家の外に出る。太陽の柔らかな光が母れいむの体に降り注ぐ。 そして空を見上げ、高らかに言い放つ。今はもういない子まりさに届くようにと願いを込めて。 「まりさ、ゆっくりしていってね!!!」 完 紅玉あきの過去の拙作達 anko2610 禁句 anko2624 最強の人間 anko2667 ぐるぐるわーるど anko2668 ぐるぐるわーるど before anko2699 ゆんやモンドは永遠の輝き anko2707 紅玉は月下に舞う 誤字修正版 anko2810 ドスまりさが あらわれた! anko2856 おこた でっけぇ! anko2873 お山の大将 anko2874 お山の大将 dream anko2875 おうたのはこ anko2883 ひじりしんどろーむ anko2888 廃教室の怪 anko2909 いつまでも続けばいいな anko2914 奪・ゆっくり
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※俺設定注意 ゆっくりいじめ系1894 楽園~まりさの場合(3)?から連続したSSです。続編を読むにあたって、当SSをご覧になる必要はありませんが、見た方が楽しめるかも知れません。 presented by [498] 「ありす、ゆ虐は好きかい?」 「ええ、だいすきよ。」 複数のモニターに映し出されたゆっくりの親子を眺める一人と一匹、一週間程前にあの惨劇を演出した男とゆっくりありすである。 この男、数年前に人間だった頃の名前を捨て、今は『虐待 鬼畏惨』と名乗っている。隣に鎮座するありすは今から二週間程前にこの鬼畏惨の下へ『楽園入り』したありすだ。 このありすは群でも評判の『とかいは』なありすだった。子守をすれば子は直ぐ笑い、知識は老ぱちゅりーの次に豊富で、身嗜みにはいつも気を遣い、群の勤めで得ていた俸給は一匹でゆっくり家族2世帯分はあった。 だがこのありすは『ゆっくりする』という事を知らなかった、体験した事がなかったのだ。生まれて直ぐに群の『えーさいきょーいく』コースの放り込まれ、そこで『とかいは』の何たるかを徹底的に叩き込まれた。結果は先にも述べた通りだ、ありすは名実共に『とかいは』になる事が出来たが、その生に充足する事は無かった。 そんなある日の事、ありすに『楽園入り』の吉報が届いた。ドスが宣言し、周囲が祝福する中、ありすは満面の笑みを浮かべ、醒めていた。 どうせ何処へ行っても変わりはしない、精々面倒な仕事が無くなるくらいだ……この頃のありすは生きるという事にさえ倦怠感を感じるようになっていた。 ありすが辿り着いたその日、『楽園』では鬼威惨による『優秀なゆっくりを論破し貶めながら破壊する』といった嗜好の虐待が繰り広げられていた。 理知的だったゆっくりがアイデンティティを否定され、理性を破壊され、みっともなく命乞いをしながら無残に殺されていく様を透明なケースの中で見ていたありす。その心は、迫った死の恐怖より、初めて見る世界への高揚感で満たされていた。 「にんげんさんっ!」 「ん、どうした?慌てなくても次は君の…」 「それ!なんていうの?」 「……これかい?これはアルコールランプといって主に…」 「そうじゃなくてっ、にんげんさんが『やってること』!」 「『やってる事』ぉ?……そうだな、これはね、 『ゆっくり虐待』 っていうんだよ。」 『ゆっくりぎゃくたい』……はじめて聞く言葉だが何故かしっくりくる。それに良い、とても良い…!これは最高の表現方法だ……っ!これこそが自分の求めていた『ゆっくりする』という事なんだ!! 「変な事を聞くありすだね、それがどうしたんだい?」 「わたしも……『ゆっくりぎゃくたい』がしたいのっ!!」 「…………………」 「…………………」 「……なん……だと………?」 我が耳を疑う鬼畏惨。それもその筈だ、結構な時間をゆっくり虐待に費やしてきたが…自分から同族を虐待したいなんて言い出すゆっくりは見た事が無かった、ゲスでもそんなこと言った奴は居ない。 ありすは初めて見つけたこの強烈な価値観を覆そうとは思えなかった。 両親から学ぶはずの『ゆっくりする』という、あたり前の事を、ありすは人間の男を通じて知ったのだ。 奇妙な事だが……虐待を働き、ゆっくりを殺す『虐待お兄さん』が、ありすの心をまっすぐにしてくれたのだ。 もう、醒めた目つきはしていない…彼女の心には、さわやかな風が吹いた……。 鬼畏惨はありすを『"こちら側"に引き込まない』という態度をとっていたが… ドスが変化をもたらさず、ゆっくり達もそれを教授するしか能の無い、ありすの住む環境では、ありすの気持ちを止める事はできない…。 彼女の中に、生きるための目的が見えたのだ… こうして『ゆっくりありす』は、クイーンありすに憧れるよりも…… 『虐待お兄さん』に、憧れるようになったのだ! 時は現在へ戻る。 「ところでおにいさん、なんであのこれいむはびょうじゃくなの?なにかしたんでしょ?」 「ああ、気づいたか。そうだ、あの子れいむには生まれる前から細工がしてあるんだ。」 「うまれるまえ?でもまりさにとうよしたのはそくしんざいとジュースだけでしょ?ほかはみてないけど……」 「ふむ、ならこれは覚えているかい?」 鬼畏惨は親指大のブロック菓子を取り出した。まりさがれいむの子を身篭った際、栄養剤として与えた物である。 「…なるほどね、で、どくでもしこんだの?」 「いや、だがまぁ似たようなもんだ。これはゆっくりの細胞を時間経過と共に破壊していくウィルスが入っているんだ。」 その名を『YUKKURI-DIE』 実験レポートを提出する事を条件に八意永琳から譲り受けた、対ゆっくり広域殺戮用細菌兵器。例によってゆっくりの遺伝情報のみに反応するという安心設計だ。 この『YUKKURI-DIE』は、特殊な装置を用いてゆっくりの遺伝情報を与える事で変異する。変異したウィルスは、宿主の体に刻まれているゆっくりの遺伝情報がおよそ5%まで合致する場合に、その細胞を破壊していく。感染経路は要検証だが、論理的には空気感染も可能。 ゲスによる人里への被害や、レイパーによるゆっくりの異常発生を防ぐのが主な開発目的である。 ちなみに今回変異させるのに使ったのは、摘出したれいむの陰茎だ。 「……と、言う訳さ、今のところれいむには『YUKKURI-DIE』の症状は現れてないみたいだね。」 「そうだったの…あら、そろそろ『おつとめ』のじかんね。」 「ん、もうそんな時間か。じゃあ僕はまりさを迎えに行ってくるから、ありすは先に行って待機しててくれ。」 「ええ、わかったわ。」 「わかってると思うが、『とかいは』に振舞うのを忘れずにな。」 そう言うと男はゆっくり一家が暮している部屋へ向かった。 「きょうもおつとめにいってくるよ!」 「いってらっしゃい、まりさ。ゆっくりがんばってきてね!」 「「す〜りす〜り♪」」 部屋に入ると、まりさが家族全員に出勤前のすーりすーりをしているところだった。 鬼畏惨の心臓が早鐘を打つ。嗚呼、今すぐこいつ等を切り、刺し、打ち、抉り、炙り、削り、剥ぎ、溶かし、潰したい!そんな感情を必死に押し殺す、強く握った拳には血が滲んでいた。 「ゆゆ、おにいさん、ゆっくりおはよう!」 「ん、おはよう、まりさ。今日もお勤めご苦労様。」 「かぞくのためだからね、とうぜんだよ!ゆっへん!」 「黙れ駄饅。」 「ゆうっ!?いまゆっくりできないこといわなかった!?」 「ははっ、きのせいだよ、僕がそんな事言う訳無いじゃないか。」 「ゆっ、それもそうだね、うたがってごめんね!」 「いいんだよ、それじゃあ行こうか ありすが待ってるよ。」 季節は秋。窓の外に紅葉を仰ぐ事が出来る部屋の真ん中で、ありすはクッションに身を沈め、まりさが来るのを待っていた。 憂鬱だ。必要な事とは理解しているが、あんなヌケサクをこれから数時間もの間相手にすると思うと在りもしない胃がキリキリと痛んでくる…しかもその後は『あのこたち』の調教もしなければならない……だが全ては唯一瞬、あのカタルシスを味わう為だ…文句は口に出すまい。 ありすが待機してから数分、部屋のベルが鳴り、ドアから鬼畏惨と抱えられたまりさが現れた。 その場に降ろしてもらい、ありすの下へ跳ねてくるまりさ。ありすも先程まで作っていた渋面を捨て、実に『とかいは』な笑みを湛え、まりさを迎える。 「あらこんにちは、まりさ、ゆっくりしていってね。」 「ゆ!きょうもゆっくりしていくよ、ありす♪」 と、まりさも笑顔で返す。これから夜になるまでまりさはここで過ごす事になる、それが鬼畏惨がまりさに与えた「おつとめ」だった。 最初は部屋の中央で待つありすを見て泣き叫んでいたまりさだったが、鬼畏惨が『このありすは本来は都会派だ』『あの時はたまたまレイパー化しただけだ』と言い、当のありすも、あの時と違ってとてもゆっくりとした佇まいだったので、まりさはその言葉を信じ、受け入れたのだ。これはまりさが『楽園』に来るまで、悪意や敵意、嘘といった事と無縁の環境で育った為である。 まりさにとって『おつとめ』とは、『よるまでありすのあいてをする』事だった。性的な意味ではない、これでもゆっくりは一部を除いて人間以上の貞操観念を持っており、愛した相手以外との『すっきりー』は苦痛以外の何物でもないのだ。その点、ありすはあの日以来レイパー化する事も無く、『おつとめ』の間はありすとのゆっくりとした時間を満喫していた。 今日で『おつとめ』も一週間、すっかりありすに心を開いたまりさを見て満足げな鬼畏惨。 「もう十分だな、よし。」 「…おにいさん、もうすぐなのねへぇ……?」 三脚にビデオカメラを取り付ける鬼畏惨と、それを見てにちゃあ、と汚い笑みを浮かべるありす。 「ゆ?おにいさん、それなあに?」 「これかい?これは君達がゆっくりとしている様子を他のゆっくりにも見て貰う為の道具さ、素敵だろ?」 「ゆゆぅ!?そんなのはずかしいよぉ///」 「だいじょうぶよ、まりさ。わたしたちのゆっくりとしたすがたをみて、ほかのこたちにもゆっくりしてもらいましょう?」 「んゆ…ありすがそういうなら……」 「ん、じゃあとりあえず朝の食事の風景から撮ろうか。まりさ、今日はなにが良い?」 「ゆ!まりさ『はにーとーすと』がいい!」 「じゃあわたしもおなじで。ふふっ、まりさとおそろいね。」 「ゆぅん///」 まりさの食事は三食全て『おつとめ』の時間に与えられていた。最初にまりさが好みそうな物を鬼畏惨が用意し、次の日からまりさに選ばせる、といった具合だ。まりさは初めて人間の甘味を口にしたとき、涙を流しながら『こんなすばらしいあまあまをもらえるまりさはきっととくべつなそんざいなんだとおもいました』と訳の分からない感想を口にする程感動していた。 「わかった、たっぷり甘くするから楽しみにしててね」 「ゆうん!そんなこといわれたらゆっくりまてないよぉ♪はやくもってきてね♪」 「はいはい黙れよ」 「……ゆ?いまなにかいt」 「何も言ってないよ。」 それから撮影を開始する鬼畏惨。朝の食事の風景から、その後まりさとありすがゆっくりと過ごす様子を撮影する。二回目の食事を持っていくときにテープを交換し、回収したテープは管制室へ持ち帰り早速編集作業に取り掛かる。 「しかし自分でそう仕向けたとはいえ、一家揃って思い通りに動いてくれる……姉妹達の仲があんなに良くなったのは予想外だったな、だが嬉しい誤算だ。まあ概ね…計算通り……っ!」 ぶつぶつと独り言を呟きながら編集途中のテープをそのままにモニタへ目を移す鬼畏惨。親子部屋では丁度姉妹達が昼食を終え、11匹固まって眠りに就いたところだった。 さてさて、あの饅頭共にはいつ種明かししてやろうか……邪な笑みを浮かべながらそんな事を考えていると、親子部屋を映したモニタから大音量の怒声が聞こえてきた。 『な に を し て い る の っ !』 一家の音声を余すとこなく拾う為、カメラにはそれぞれ指向性マイクを付けていた。そのそれぞれが拾った怒声がサラウンドで鬼畏惨の耳を襲う。 椅子から転げ落ちそうになるのを何とか持ち堪え、慌ててモニタを確認する鬼畏惨。モニタの向こうでは、寝床から這いながら、まりさがありすに犯されたとき以上の凄まじい形相で姉妹達を睨み付けるれいむの姿があった。 そこからの鬼畏惨の行動は速かった。編集途中のテープを上着のポケットに入れ、透明な箱を持ち、まりさとありすが居る『おつとめ』の部屋に乱入し、目を白黒させるまりさを透明な箱に押し込み、ありすに『行くぞ虐待者、ストレスの貯蔵は十分か?』と告げ、箱を抱えて親子部屋へと駆けて行った。 ありすは鬼畏惨の意図を理解し、これから起こる事を想像して絶頂しそうになりながら主の後を追う。 親子部屋のドアの前、抱えた透明な箱の中で、まりさがぷくー、と膨らんで怒りをあらわにしている。 「おにいさん!いきなりなにするの!せっかくありすとゆっくりしてたのにっ!」 「はあ、はあ、はあ……」 「はあはあいってないでありすのとこにかえしてね!そしてゆっくりあやまってね!ぷんぷんっ!」 「はあ、はあ……は、はははっ、そうかそうか、おまえはゆっくりしてたのか!」 「ゆ?あたりまえでしょ!?わかったらはやくもどしてね!いくらおにいさんでもゆるさないよ!ぷくー!」 「ぐっ…ぐふっ……えふっ、えふっ…!」 「ゆ、ゆゆ?どうしたの?おにいさん、なにかへんなかんじがするよ?」 「ふふふ、いやなに、次は僕の番だと思ってね……」 「ゆ?」 バンッ! 開け放たれるドア、そして 「次は僕がゆっくりする番だ。」 return to main story...⇒