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●入玉大作戦 俺はこの棋書を買って変わった。むしろこの棋書しか持っていない。入玉マジオススメ。25歳/男性 精子で汚して買いなおした ガチでおもしろい ●詰めと必至のハンドブック 「必至」と「必死」はどちらが正しいのか?C2棋士達が徹底討論。25歳/男性 ●3間飛車の極意 まったく役に立たなかった。16歳/会社員 中飛車から3間への変化を書いて欲しい。てっちw ●カードキャプターさくら全12巻 この本をよんで本当の四間飛車のさばきかたがわかりました。序盤中盤だけでなく終盤も強くなったかんじがします。飛車一枚は強くなったと思います。目から鱗がおちました。7歳/幼女 ●撲殺天使ドクロちゃん これで将棋の本質が見えたような気がしました。 力戦将棋での手の作り方や世の中の非情さがわかったような気がします。この本のおかげで彼女がムキムキになるわ言うことなし! ●羽生田の頭脳 全ての野球ファンを魅了した強肩外野手の本。25歳/無職 ●右四間で攻めツボ押す本 疲れた体に痛キモチイイ。贈り物にもどうぞ。53歳/童貞 ●まじかる将棋入門 将棋入門者だけでな有段者にも是非よんでもらいたい一冊。いままでただの将棋の駒だったのがまるで生きているかのような錯覚を感じることでしょう。もうこれなしでは将棋をさせない! ●サクラ大戦1~4 特に3と4!! 私はこれをプレイして将棋が強くなり大会も優勝できました!順位戦もA級になりました!!! コクリコエンディングを見ると角1枚は強くなれます!!!! ●棋書コレクターkureの棋書ミシュラン! 本だけはやたら持ってるkureのコレクションを紹介してみます。(レビューはしません) 羽生の頭脳全10冊、光速の寄せ全5冊、羽生の法則5冊、戦いの絶対感覚(羽生、佐藤、森内、谷川)、読みの技法、渡辺明四間飛車破り急戦編、渡辺明四間飛車破り居飛車穴熊編、渡辺明の居飛車対振り飛車1~2、将棋は歩から全3巻、雁木伝説、雁木でガンガン、将棋戦法小辞典、青野最新棒銀戦法、将棋基本戦法振り飛車編、高田流新感覚振り飛車破り、藤井システム、杉本流四間飛車の定跡、東大将棋四間飛車道場右四間飛車、三浦流右四間の極意、右四間で攻めつぶす本、奇襲虎の巻、奇襲大全、奇襲将棋ウォーズ、超急戦殺しのテクニック、B級戦法の達人プラス、筋違い角と相振り飛車、右玉伝説、飯島流引き角戦法、勝つための受け、手筋の裏ワザ、将棋ひと目の端攻め、定跡外伝、金言玉言新角言、Zの法則、入玉大作戦、最強の駒落ち、定跡なんかフッとばせ、1手3手必至問題集、3手詰ハンドブック、5手詰ハンドブック、羽生の将棋実戦「詰め&必死」200、消えた戦法の謎、これが最前線だ、最前線物語、最新戦法の話、谷川浩司の本筋を見極める、上達するヒント、将棋新理論、泥沼流振り飛車破り、谷川vs羽生100番勝負、棋聖天野宗歩手合集、ねんどろいど初音ミク 以上計・・・何冊かは面倒くさいので数えてません。ちゃんと読んだのはこの中の2、3割くらいか。 (一部、本棚に収まってないものや売却したものもあり) おまけ:手品の本いろいろ マジックをはじめてみたい初心者にオススメの書籍はコレだ! ⇒1,2,3 カードマジック入門事典(東京堂出版) 仕掛けのない普通のトランプを使った比較的簡単なカードマジックを数十種類紹介! ちょっとコンパとか宴会で手品やりたいな、ってんなら「ウケる!モテる!トランプマジック」とかいった 感じのタイトルの本をかうより、コレを買え! 一生モノ。 基礎からはじめるコインマジック(東京堂出版) 普段からトランプ持ち歩くのはアレだし・・・。なら日常から持ち歩く硬貨を使ったマジックを覚えよう。 コインマジックの名伯楽、二川滋夫氏が季刊ザ・マジックで連載していた初心者向け講座をまとめたもの。 本当に基礎の基礎から学べます。 ロベルトジョビーのカードカレッジ1~4巻(東京堂出版) 上の入門事典はカードマジックのテクニック解説が簡素。基礎テクニックからみっちり身に付けたいなら、 間違いなくこの本。本書が今後、カードマジックテクニックバイブルの世界標準となることは間違いない。 様々な基本テクニックの講習からそれらを使ったマジックをありえないくらい丁寧に解説。 基本的に仕掛けのない普通のトランプ、硬貨でできますよ~。 ●さくらほぇ~の棋書 これは囲碁の本じゃない?これはまんが?いいえちがいますこれはすべて将棋の本です!
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ヨロシク! 初めまして! 楽しかったことは 何から何まで書き残していきます コメントなども大歓迎ですので 気軽に絡んでください^^ ご意見待ってます
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懐かしき友の近況 昔のうちのともだちのブログを見てびっくりーー! なんって、やぁこがでぇきよった上に結婚……! 知らなかった! そやかてもう5年くらい会ってなかったよってに!! ひえー。最初にやった頃ってまや高校生やったんでっせ彼タレ。 いやいや、年月が流れるんは早いなあ。 せやけど音信不通になっても、ブログだけぇ見とるうちってなんやねんかしら(笑)。 いやせやけど、RSS登録しとるよってに勝手ぇにひらって来ちゃおんでっせうちのPCが。 うちが、とちゃう(って、言い訳w)。 お祝いコメント入れやうかやらなんやらうしよかなー。 http //bongha.blog.fc2.com/ http //gregorio87.fruitblog.net/ http //freddy.meblog.biz/ ポトフってサラダ 昨日の晩御飯は、ポトフを作ったんや。 毎度はじゃがいも、人参、玉なぎ、ウインナーでぇ作るちうワケやが、 昨日は豚バラのスライスにちびっと下味をつけて、一緒によしてみたんや。 やわらかくてめっちゃ美味しく出攻めて来よったさかい大満足や。 つけやわせには水菜って大根ってトマトのサラダを出してん。 ドレッシングはきょうびはまっとる手ぇ作りごまドレッシングや。 ごまをすって、そこに砂糖ってポン酢ってマヨネーズっ てごま油を加えて作るちうワケやが、これがほんまにうまいや。 きょうびサラダを出す時は毎回このドレッシングを作ってしまいますわ。 http //earlina.exblog.jp/ http //yaplog.jp/awusttin/ http //lizabeth.jugem.jp/
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かこけいにてきますか【登録タグ 2019年 Omoi VOCALOID か 初音ミク 山下RIRI 曲 曲か 殿堂入り】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:Omoi 作曲:Omoi 編曲:Omoi 絵:山下RIRI 動画:山下RIRI 唄:初音ミク 曲紹介 告発の歌です。 曲名:『過去形にできますか』(かこけいにできますか) 2人組音楽ユニット Omoi の27作目。 Omoiの3rdアルバム『ナイトコンフェッション』収録曲。 歌詞 (YouTube本人投稿動画説明欄より転載) どちらかと言えば 君には感謝してる それでもやっぱり 心の奥の方で いいでしょう?少しだけ吐き出すくらい 面白みには欠けるけど 真面目すぎることにはもう飽きたから もとはと言えば 顔だけ まあまあで 他には大した事もない そのくせに なんとも気にくわない笑顔を タイミング良く向けてくる ズルいよ悪いのは君だ 具体的には 放課後のチャイムで飛び出してく 君が好きでした 5秒後慌てて傘を取りに帰ってくる 君が好きでした 牛乳飲んでる人を笑わせる 好きな君でした どんな時だって笑顔が絶えない 好きな君でした その日も 曇りで ポツリ ポツリと 冷たい小雨が止まない夕方で いいでしょう、これくらい傘を差さずに 気にしない気にしないフリ 駆け足になる放課後 本当は嫌な予感はしてました 周りの空気で何となく知ってました それでも神様は残酷すぎました 帰り道で見てしまいました 君の隣もう一つの傘を 手を振らないで! もう届かないこと 分かっちゃって 息が詰まりました それ以外どうすることもできなくって ただ 一人泣きました 君に笑顔で手を振り返した後 泣いた一人でした 少しだけ夢を見てた分 泣いた一人でした 放課後のチャイムが 好きだった 日々が好きでした 雨降りの日にはちょっと期待してしまう 日々が好きでした いつだってくだらない君が 好きな日々でした どうしてか笑顔が絶えない 好きな日々でした あんなに気に入ってた歌が 少し聴くだけで 胸を締め付ける こんなの知りたくなかった事だよ 傘を差すのも手遅れ 悔しいけれど 適当に見えてたまに優しい 君が好きでした テスト前「隕石来ないかな?」が口癖な 君が好きでした 誰かを見つめてた横顔も 好きな君でした とにかく1から100まで 好きな君でした 昔の話だよ?って笑えたら 過去形でいいですか 思い出の写真ぜんぶ綺麗に消したなら 過去形でいいですか 何年の時が過ぎたら 過去形でいいですか なんてことを歌ったなら 過去形にできますか あーあ コメント なんでこの神曲があんまり伸びていなくて知名度もそこそこなのかが全く理解できない -- Hina@crew (2021-05-28 07 24 00) Omoi感はんぱない最高な曲です!!だいすき!!!!! -- hatunemiku (2021-06-16 21 20 28) バンド感好きすぎる!君が飛び降りるならばにかんけいしてるとか推すしかないでしょ -- なりあさ (2021-06-18 21 35 24) 泣く、 -- 名無しさん (2022-01-25 15 11 56) 神曲すぎる…!✨ -- あおみかん (2024-01-16 14 33 20) 名前 コメント
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あなたは今どこで何をしていますか ◆9n1Os0Si9I 「なら私と一緒に星を見に行かない?」 始まりはその言葉からだった。 たったそれだけだったはずの言葉が、何気ない会話が私たちにとっての始まりの言葉だったんだ。 ◇ ◇ ◇ 「……あれ?ここ……は?」 背中にかかる柔らかい感触から椅子に座っているらしい。 周りには大量の椅子、そして前に大きいスクリーンらしきもの。 そこから推測するには 「映画館……ね」 彼女はその椅子から立つ。 彼女は近くに置いてあったリュックを持ち中身を確認し始める。 まず見つけたのは 「これは……当たりね」 彼女は中からIMIウージーを取り出す。 そしてそのまま中を探る。 他に、IMIウージーのマガジンが5つを発見した。 「これは……携帯電話ね」 そして携帯電話を開く。 【ユッキーが小さい男の子と行動してる!大丈夫なのかな?早く合流してあげなきゃ!】 どう見ても自分の日記、雪輝日記だった。 付属についていた説明書を見つけた、情報量が少なくなってる代わりに壊れても消滅ようだ。 支給品はもうないようなので次は名簿を開く。 まず目に入ったのは天野雪輝ことユッキー。 自分の恋人にして一番大切な人。 ずっと共闘してきた、時には私を助けてくれた。 次に戦場マルコ、こいつは死んだはずだ……。 「なんで生きているの?」 そこであの男の言葉を思い出す。 『……そして、死者を蘇らせたい者』 つまり、死者をよみがえらせることができるということだ。 他にも来栖圭悟、美神愛、雨流みねねの名前も見つかった。 「よし、じゃあ行かないと……」 彼女は立ちあがる。 「ユッキー……待っててね、今由乃が行くから」 彼女は行動し始める。 彼女を今動かしているものは、 天野雪輝への愛、ただそれだけだった。 【D-5映画館内部/一日目/深夜】 【我妻由乃@未来日記】 [状態]:健康 [装備]:雪輝日記@未来日記 、IMIウージー(32/32) [道具]:基本支給品、IMIウージーマガジン(5) [思考・状況] 基本行動方針:ユッキーと合流する。ユッキーを殺そうとするやつは容赦しない。 1:ユッキーと合流する。 2:一緒に行動している少年はユッキーと合流後殺すか判断する。 3:ユッキーを守るためなら利用できるものは利用する。 ※参戦時期は不明ですが天野雪輝と参加時期が近いです。(少なくとも雨流みねねの死亡後) 【IMIウージー@現実】 イスラエルのIMI社(現 IWI社)製の短機関銃である。 イスラエル初の国産兵器として1951年に陸軍中佐ウジール・ガルが完成させ 1953年に量産開始。1956年の第二次中東戦争で活躍した。 オールスチール製で重い(3,570g)ため撲殺にも使える可能性アリ。 【雪輝日記@未来日記】 2ndと呼ばれる我妻由乃が所有する日記。 これが壊れても我妻由乃は死亡しない。 天野雪輝の未来の行動・状況が記される携帯電話型「未来日記」。 天野雪輝の事が10分毎に表示される。 雪輝の「無差別日記」と合わせることで雪輝の未来の完全予知が可能となる。 爆炎と砲火の中で 投下順 403 Forbidden 爆炎と砲火の中で 時系列順 403 Forbidden GAME START 我妻由乃 未来日記 見ない日記 意味ない日記
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―― 土曜日! 唯「うっわぁー……すごい人の数だねぇ」 憂「うん、前来た時よりも混んでるよね」 律「それじゃ行きますかー。てきとーに見てまわろーぜ」 紬「そうねー」 澪「みんなはぐれないようにな」 唯(うぅっ……心臓がバックンバックンいってるよぉ……それにさっきから眩暈が……) 唯(やっぱまだ人の多いとこ駄目なのかなぁ) 憂「お姉ちゃん、手繋ご?」 唯「う……うん……そうだね」 唯(憂の手を握ってるからギリギリ落ち着いていられるけど……どうしよう……) 私達はこうしてしばらくの間色んな夜店を見て回った。 その間も私の眩暈と動悸はどんどん酷さを増していってる。 ずっと誤魔化してたけど……さすがにもう限界かも…… いや、誘った手前こんなとこでみんなに迷惑なんてかけれないよ! 律「唯、どうした?なんか顔色悪いぞ?」 紬「唯ちゃん、やっぱりまだ身体の方がよくなってないんじゃないの?」 唯「へへっ、そんなことないってばぁ。人がいっぱいいる場所来るの久しぶりだからね、ちょっと疲れちゃったみたいなんだ」 律「少し休むかー?」 唯「うん、私そこのベンチで少し休んでるからみんなは遊んできてよ。しばらくじっとしてれば良くなると思うし」 憂「あの、心配なので私もお姉ちゃんについてますね」 澪「私もついてるよ。2人を放っておくなんてできないし」 唯「憂も澪ちゃんも私に気を使わなくていいから楽しんできなよ。みんな気に病みすぎだって」 憂「そこまで言うなら……でも何かあったらすぐ連絡してね?」 唯「うん、いっておいで」 紬「悪いわね唯ちゃん。出来るだけ早く戻ってくるからね」 唯「うん」 こうして私はベンチに座って気分を落ち着かせ……ようとしたけどやっぱり無理だよ…… 眩暈はますます酷くなって、まるで洗濯機に放り込まれて散々回された後のように視界がグルグルと回って止まらない……とにかくマトモにいられない状態だ。 唯(少しでも人の少ない場所に行こう……ここじゃ休まらないよ。りっちゃん達には後で連絡しとこっと) そう思ってここを離れようとして立ち上がった瞬間、私の中で何かの糸が切れたような感じがして、その直後意識が途絶えてしまう。 憂「お姉ちゃーん、ジュース買ってきたよー」 憂「ってあれ!?お姉ちゃんがいない!?」 澪「どうしたんだ憂ちゃん」 憂「お姉ちゃんが……お姉ちゃんがいないんです!確かにここにいるって言ったのに!」 律「近くにいないのか?」 紬「駄目ね……人が多すぎてこれじゃ区別がつかないかも」 律「とにかくみんなで手分けして唯を探すぞ!見つけたらすぐに電話するようにな」 数十分後 憂「お姉ちゃーん、どこー?いたら返事してー?」ウロウロ 憂「……」キョロキョロ 憂「駄目だぁ……見つからないよぅ……どこ行っちゃったのかなお姉ちゃん」 純「あれ?憂?」 憂「あっ、純ちゃん?」 純「やっぱり憂だ。お祭り来てたんだ。誰か探してるみたいだけどどうしたの?」 憂「それが……軽音部のみなさんとお姉ちゃんと来てたんだけど、お姉ちゃんとはぐれちゃって……」 純「えぇっ!?唯先輩来てたの!?こんな人が一杯の場所に来てはぐれるなんてマズいって!」 憂「私が目を離したせいだよね……やっぱり」 純「今そんなん言ってる場合じゃないでしょ。私も手伝うからさ、出来るだけ急いで見つけなきゃ!」 憂「分かった……ありがとう純ちゃん」 数十分後 純「どう憂、見つかった?」 憂「だめ……どこにもいないよぅ……どうしよう……」 prrr 憂「あっ、電話だ……紬さんからだ」 憂「もしもし?」 紬「憂ちゃん?唯ちゃん見つかったわ、すぐ祭本部の救護所へ来て!」 憂「本当ですか!?」 紬「ええ、他のみんなにも連絡しておくからなるべく早くきてね」 憂「はいっ!」 憂「純ちゃん、お姉ちゃん見つかったよ。お祭りの本部にある救護所だって」 純「それならすぐに行くよ!」 憂「うん!」 救護所 意識を無くした私が次に目を覚ましたのは見慣れないテントの中だった。 突然倒れた私を誰かが運んでくれたのかな……はっ!そうだ、みんなは!? 紬「気がついた?唯ちゃん」 唯「あっ……ムギちゃん、私……」 紬「唯ちゃんがいなくなったって聞いてね、みんなで手分けして探してたの。それでね、もしかしてって思ってここに来てみたら唯ちゃんが運び込まれてて寝てたから……」 唯「そっかぁー」 紬「他のみんなにも電話したからすぐに来てくれると思うわ」 それからしばらくしない内にみんなやってきた。 みんな一様に心配そうな表情をしていた、そりゃそうだよね。 憂「お姉ちゃん……大丈夫?」 唯「憂、みんな……ごめんね、せっかくのお祭りだったのに」 紬「いいのよ、唯ちゃんが無事だったのならそれで、ね」 澪「とにかく大事にならなくてよかったよ……」 律「そうだな……とにかくあんまり無理はするなよ唯。お前に何かあったら一番悲しむのは憂ちゃんなんだからさ」 唯「うん……」 憂「ねえお姉ちゃん」 唯「何?憂」 憂「お姉ちゃんはいなくなったりしないよね?いなくならないよね?」 唯「え?」 憂「私、もう嫌だよ……ヒック……ごれ以上……大事な人を……うぅっ……亡ぐずなんで、絶対嫌だよぉ……グスッ」 今まで私の前では気丈に振舞い続けていた憂が、今目の前で涙を流している。 きっと今の私のこの姿と1年前のあずにゃんの姿がダブって見えたのかも。 さっき「笑顔でいて欲しい」なんて願ったのに私のミスでいきなり泣かせちゃった……お姉ちゃん失格かなぁ、私 唯「いなくならないよ絶対に。ごめん、ごめんね憂」 私は憂を自分の方へ抱き寄せそっと頭を撫でた、とにかく憂を安心させたかったから。 その甲斐あってか、さっきまで目に見える程だった憂の全身の震えは収まり、何とか落ち着きを取り戻したようだ。 憂「グスッ……そう、だよね……私こそ……変なこと、聞いちゃったね……ヒック」 唯「はぁ……何で私こんな身体になっちゃったんだろ」 律(唯の奴、高校時代の頃とは別人のようになってる……どうしても考えがネガティブ方向に向かうようになってるな……) 紬(こんな時、梓ちゃんがいてくれてたら……ううん、ダメダメ!生きてる私達がちゃんと唯ちゃんを支えてあげていかなきゃ) その夜、私は部屋でビデオを見ていた。 高校生の頃からつい1年前までの間撮った思い出のビデオ映像を毎晩寝る前に見るのが日課になっている。 梓『唯先輩、憂、何を探しているんですか?』 唯『えっとね、四葉のクローバーだよっ。これを持ってるとね……えっと、なんだっけ……』 憂『願いが叶うんだよ。なんでもね。そういう昔話があるんだ』 梓『へぇー、それで何をお願いするんですか?』 唯『それはもちろん――』 唯『――あずにゃんといつまでも一緒に幸せでいられますようにって』 私の頭の中から毎日少しずつあずにゃんと過ごした記憶が無くなっていく。 その思い出の日々をいつまでも忘れないように、こうやって映像を見て補っている。 そして映像は私の高校生活最後の年、大学入試直前に撮った場面に変わった。 場所は家の裏山にある神社、そっか、あの時確か「受験に合格できますように」って願掛けする為に行ったんだよね。 梓『唯先輩、大学受験頑張ってくださいね!』 唯『もっちろん!私にまっかせなさい!あずにゃんも来年からの軽音部の部長、頑張ってね』 梓『はいっ!』 唯『それじゃお願いしよっかー』 梓『そうですね、先輩、お賽銭は用意できてますか?』 唯『うん!それじゃいくよー』 懐かしいなぁー、映像の中にいるあずにゃんはとっても元気だ。 またこんな日々が戻ってきてくれたらどんなにいいか…… ビデオを見終わった私の耳にふと音が聞こえてくる。 窓の外と屋根の上からだ。 まさかと思って窓から外を見ると雨が降り出していた。 唯「いよいよ梅雨入り、かぁ……」 唯「なんだか懐かしくなってきたし、明日になったら憂と裏山の神社に行ってみよっかな」 翌日 この日は日曜日の休日、昨夜から降り始めた雨は今もまだ降り続いている。 そんな中、私と憂は2人で裏山の神社へ行くことにした。 わざわざ雨の中、こんな場所まで来るなんて普段はありえないんだけど、昨日ビデオを見た時から何故か妙な予感がしてそれを確かめる為にここまで来た。 憂「やっぱり雨だからかな、誰もいないね」 唯「そうだねー」 今私の視線の先には木で出来た古ぼけた小さな社がある。 所々木材が腐食していて、もう何年も放置されてるんじゃないかって思わせるような佇まいを見せている。 唯「なんだろ……なんかさっきから変な胸騒ぎがする……あそこに何かあるのかな?もしかして」 何かに導かれるようにして私は社の扉の前に立つ。 そして目の前にある埃の被った扉を両手でゆっくりと開ける。 立て付けの悪い扉は積もった埃を撒き散らしながら軋んだ音を出してゆっくりと開いていく。 真っ暗な室内を目を凝らしてよく覗きこんでみたけど、そこは何も無いただの空間だった。 唯「はぁ……そりゃそうだよね。こんなとこに何かあるわけないよね。やっぱ私の気にし過ぎだったかな」 私はそう呟いて開けた扉をまた閉める。 そして後ろを振り向き社から離れると憂がやってきた。 憂「お姉ちゃん、どうしたの?」 唯「あ、うん、何でもないよ」 憂「それなら別にいいけど……」 唯「それより雨強くなってきたね。そろそろ帰ろっか」 憂「そうだね、そろそろお昼ご飯の支度をしなきゃいけないし」 唯「いこっか」 そう言って私達姉妹は境内に背中を向けて帰ろうとしていた……が、その時背筋に電気のような物が走った。 唯「……!?」 憂「!?お姉ちゃん、どうかしたの?」 唯(な、何この感覚……なんか懐かしいようなこの感じ……) 突然足を止めてそう思っている私の背後で木の軋む音がした。 そう、あの社の扉が開く音だ。 2人の視線は音のあった方へと自然に向いてしまう。 唯「扉が……開いてる?あれ自動ドアだったのかなぁ」 憂「そんなワケないよ流石に……って……お、お姉ちゃん!あ、あれ!!」 唯「どうしたの憂?……えっ!?」 憂「う、嘘……だよね?」 憂が指し示した方向を見た私は我が目を疑って、まるで一瞬時間が停止したような衝撃を受ける。 扉の前に付いている5段程度の小さい階段、そこにいつの間に現れたのか1人の女の子が体育座りで座っていた。 赤いキャミソール、白いスカート……そして特徴的な長い黒髪のツインテール……間違いないよ、忘れる筈がないその見慣れた姿。 憂「あ、あずさ……ちゃん?」 唯「あずにゃん……なの?」 憂「本当に……本当に帰ってきてくれたんだ……梓ちゃん」 私達は雨に濡れるのもお構いなしに大急ぎであずにゃんの元へと駆け寄った。 憂「梓ちゃん!」 憂がそう呼びかけるとあさっての方向を向いていたあずにゃんの視線が私達姉妹の方へ向いた。 だけどその顔は何か鳩が豆鉄砲を食らったような、そんな表情だった。 唯「あずにゃん!本当にあずにゃんなの!?」 私も嬉しすぎて半ば錯乱状態でそう話しかける、だけどあずにゃんの反応はあまりにも予想外なものだった。 梓「あなた達……誰?」 唯憂「え……?」 憂「あ、梓ちゃん、何言ってるの?」 梓「あずさ?それ……私の名前?あなた達は……一体誰なんですか?」 あずにゃんは唖然とした表情でそう答えた。 あまりに予想外の反応に私は戸惑ったけど、とにかく今はこの状況を教えてあげないといけないのかも。 唯「覚えてないの?ほら、私は唯だよ。同じ高校で同じ部活だったし今迄ずっと一緒に住んでたじゃん」 梓「ゆ……い……?」 唯「そうそう、平沢唯だよ。そして、この子は私の妹であずにゃんのお友達の憂だよ」 憂「梓ちゃん、本当に私達のこと、覚えてないの?」 梓「わからない……それに、一体ここは何処なの……?」 ――雨の季節、約束通りあずにゃんは私達の元へと帰ってきてくれた。 だけど……あずにゃんは全ての記憶を失っていた―― 3
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ソロで限界突破できますか? 難易度はともかく、基本的にはほとんどがソロでクリアが可能です。 難しいものやPT必須の物もあるため、一概に全て「楽にクリア可能」という訳ではないようです。 以下、概略 限界突破1【限界への挑戦】 3種類のアイテムを集めるだけのため、獣使いや召喚士などのペットジョブ系やソロが強いとされているジョブならば集めることは可能。 もちろん、ジュノでシャウトするなりサチコ記載でお手伝いを呼ぶもよし。 ガルレージュ要塞のボムがいる場所は、アルタナの神兵エリアからソロで移動ができる。 移動ルートは ガルレージュ要塞[S] → ソロムグ原野[S] → 禁断の口(ソロムグ原野) →ソロムグ原野 → ガルレージュ要塞 でボムのいる魔防門奥に到達できる。 限界突破2【すべての高い山に登れ】 2012年3月27日のバージョンアップでアイテム取得のための「???」が常時表示になりましたが、 以前とはことなり、「???」を調べなくてもモンスターが「???」の周辺に徘徊してる形になっています。 このモンスターは見破り能力をもち、なおかつ狭い通路上で徘徊している方になっており、 例えば、デストリアキャップ(ヴァナコレ3の特典アイテム)を使用し、からまれるのを覚悟で戦闘不能とリレイズを繰り返すゾンビアタック方式で 「???」まで近づき、隙をついてを調べるいう方法で対応は可能です。 限界突破3【風の行方は】 前準備さえしっかりしておけば、特に問題なくクリアは可能。 旧来ではオズトロヤ城が難関といわれたが、昨今のハッピーパワーでエーススプリンターや移動速度UPアイテムを駆使すると比較的簡単に到達する事が出来る。 限界突破4【天かける雲のごとく】 獣神印章はジュノ港区にいるNPCで他の印章と交換できるため、取得は容易であるためクリア可能。 限界突破5【星の輝きを手に】【不滅】【海路の果てに】【力と覚悟】【祝福のフィナーレ】【グリモアを継ぐもの】 もともとソロで挑戦するクエストの為、対策や準備、あとは運も味方につければクリアは可能。 クエストを行う為の通称【証取り】もソロで行えるが、根気を伴う場合もある。 限界突破6【人体強化の術!】 印章は交換で対応可能。メリットポイントも昨今のレベル上げ方式ならすぐにたまる。 限界突破7【続・人体強化の術!】 上記と同じ 限界突破8【真・人体強化の術!】 上記と同じ 限界突破9【東方の秘術!】 上記と同じ 限界突破10【最後の試練!】 前クエストのアイテム集めはドロップアイテムは楽表示相手以上からの為、根気次第。 その後のクエスト戦闘は、現状(2012年3月末日でも)ソロでのクリアはほぼ不可能。 シャウトやサチコなどで人を集めるなりして対応していきましょう。 また、2012年3月27日付けのバージョンアップで弱体アイテムの効果が変更されました。 使用すると「テラー」状態となり攻撃を繰り出さなくなります。 制限時間までに複数人が弱体アイテムを「順番に使用」していくことで、テラー状態を維持できるために容易に攻略できる形となりました。 ただし、制限時間との勝負になります。
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――自宅 今私達姉妹はあずにゃんを連れて私の家へ戻ってきている。 唯「本当に何も覚えてないの?」 梓「はい、それに自分の名前も分からないです……」 唯「えっとね、君の名前は中野梓ちゃんで、私の後輩で、憂の友達なんだよ」 梓「私が、ですか?」 憂「そうだよ?」 梓「うーん……」 唯「何か証拠になる物なかったかな……あ、そうだ!」 何かを思いついた私は押し入れの中から1冊のアルバムを取り出してそれを見せてみることにした。 ちなみに中身は私の小学生からの記念写真集、当然高校の軽音部時代の写真も一杯入ってる、これなら思い出してくれるはず! 梓「これ、確かに私ですね……それと一緒に写ってるこの人たちは誰なんですか?」 唯「えっとね……その人達は私達と同じ軽音部のみんなだよ。私の同級生の友達なのです!」 梓「軽音部?私、音楽やってたってことですか?」 唯「そだよー、私と一緒にギターやってたんだ。放課後ティータイムって名前のバンドでね」 唯「証拠ならあるよ。ほら、部屋の隅に2本のギターが飾ってあるよね?梓ちゃんのギターは赤い方のだから」 私は部屋の隅の壁に立てかけてある2つのギターを指さす。 1つはいつも私が使ってるギー太……といっても最近ワケあって触ってないんだけどね。 もう1つの赤いギター、それはあずにゃんの形見のギターであるむったんだ。 梓「実感は正直あんまりありませんけど、こうして私が写真に写ってるってことは私がバンドやってたって話は本当みたいですね」 梓「それに一緒に写っている人達は唯さんの同級生ってことはですよ、それって私の先輩にあたる人達てことですよね」 唯「そだよー」 梓「あと話は変わりますが他の写真も見てみた感じ……私と唯さんがツーショットで写っている写真が多いですよね。私達、何か特別な関係か何かだったんですか?」 唯「うっ……そ、それは」 梓「どうしました?」 唯「……まあいっか、どうせ言わなきゃいけないんだし。えっとね、私とあずに……梓ちゃんはその――」 梓「その?」 唯「……恋人同士だったんだ」 梓「え!?恋人同士って、私達女性ですよ!?」 唯「うん、そうなんだけどさ……とにかく私達、恋人同士だったんだ。信じてもらえないかもしれないけどね」 梓「訳が分かりませんよ、もう……」 憂「あっ!そ、そうだ!それよりも梓ちゃん濡れたままだよ。風邪引くといけないから着替えないと」 唯「そ、そうだね!ここのクローゼットの中の服、梓ちゃんの物がそのまましまってあるからさ」 梓「そのまま?それに私の服がこの家に?」 憂「へ?そ、そう!ええと、と……とにかく早く着替えて、ね?それとお姉ちゃん、ちょっとこっちへ……」 唯「どったの憂?」 憂「いいから早く、ちょっと話があるんだ」 唯「う、うん……それじゃ梓ちゃん、ごゆっくりー」 梓「……??」 ―――――― ―――― ―― 私は憂に促されて隣の部屋に連れてこられ憂の手によってドアがしっかりと閉められる。 きっとあずにゃんに聞かれたくない話なんだろう、憂が何を言いたいのかは私にも大体わかる。 憂「お姉ちゃん、これからの事なんだけどね。梓ちゃんの事、他の人達にはどう報告するの?」 唯「いきなりこんな話してもみんな冗談だと思って信じてくれないよぉ」 憂「でも、梅雨が来たら梓ちゃんが戻ってくるって話みんな知ってるからそうとも言えないかもしれないよ?」 唯「そうだね、とにかく日を選んでみんなに話してみるね。みんなだってあずにゃんに会いたいかもだし」 憂「分かった。あとそれとね、今の梓ちゃん何も覚えてないみたいだよね。私の事もお姉ちゃんの事も、軽音部の皆さんの事も。そして自分が一度死んでしまったことも」 唯「どうしてなんだろう……憂は何か心当たりある?」 憂「私にだってそんなの分かんないよぅ!」 唯「……私との今までのこと、全部忘れちゃったんだよね」 憂「……多分、ね」 唯「ならさ、記憶がないならまた今日から好きになってもらえればいいんだよ!憂の事も私の事もね」 憂「うん、そうだよね!」 唯「あと考えたんだけど、あずにゃんには自分が死んじゃった事をさ、内緒にしておこう?」 憂「それがいいかもね、混乱させちゃいけないし」 唯「じゃ、戻ろっか」 憂「うん」 梓(壁にいっぱい写真が飾ってあるけど……どれも私が写ってる。やっぱり私はあの人達の知り合いなんだ) 梓「あ……鏡台の上に指輪……さっき唯さんが付けてたのと同じ物だ」 梓「ちょっと付けてみようかな」 梓「……ぴったりだ。どうして?これも私の物だったの?」 がらがら 唯「あっ、梓ちゃん着替え終わったんだねー」 梓「ええ、なんか不思議ですね、どの服も私の体にピッタリのサイズなんですよ」 憂「そりゃあ全部梓ちゃんの服だからね、ピッタリ合ってて当然だよ」 唯「わーい!梓ちゃんやっぱりその服お似合いだよー!」ぎゅーっ 私は昔を思い出したかのように条件反射的にあずにゃんに飛びついていた。 いきなり抱きつかれたあずにゃんはすごく困惑した顔で私を見つめている。 梓「にゃあっ!い、いきなり何なんですかっ!」 唯「あっ、ごめんねーついつい可愛くって抱きついちゃったっ!」 憂「お姉ちゃん梓ちゃんとスキンシップするの好きだったからね」 憂(記憶がなくても反応は昔のまんまだ……本能だよねこれって……) 梓「は、はぁ……(何だろう……変わった人だなぁ……けどあんまり嫌な感じがしない、かも)」 梓「とりあえず離れてくれませんか?」 唯「うーん、やっぱり私にはあずにゃん分がないとつらいよぉー」 梓「……意味がわかりません、ああ、そうだ、話は変わるんですけど」 唯「何かな?」 梓「さっき、私何であんな森の中の神社なんかにいたんですか?傘も持たないで1人で」 梓「それにどうして記憶まで無くしてるんですか?」 唯憂(ギクッ!!) 唯「んー、それはね、あ、あれだよ!(どうしようどうしようどうしよう!!)」 憂「散歩してたんだよ、私達3人でね」 唯(憂ナイス!) 梓「……散歩、ですか?あんな雨の中でですか?」 憂「ほ、ほら、あそこ自然がいっぱいある場所だから雨になると雨の時しか顔を出さない動物や虫がいるんだよ!だからそれの観察にわざわざ来てたんだよ」 梓「……」 唯(うわっ、そうきたか……) 唯「うん!そうなんだよ!それでね、途中で梓ちゃんが具合悪くなってあそこでお昼寝してたんだよ。そんで起きた時には今迄の記憶が全部飛んじゃってたんだ」 梓「うーん、そうなんですか?」 唯「うん!そういうことですっ!」 梓「それじゃあ私、記憶がなくなる前はここに住んでたんですよね?」 唯「そだよー」 憂「うんうん、この家でお姉ちゃんと梓ちゃんは2人で住んでたんだよ?」 梓「私は……中野梓。あなたの後輩であり憂の友達……」 唯「うんうん!」 梓「1つ聞いていいですか?」 唯「何かな何かな?」 梓「この部屋、すっごい散らかってるんですけど……私ってこんなだらしない人間だったんですか?」 そう言われて周りを見渡すとゴミやら服やら色んな小物やらが無造作に散乱していた。 そういや前に憂が掃除してくれた時から結構日が経ってるもんね。 あずにゃんがいなくなってからの私ってこんな自堕落な生活してたんだ…… 憂「あ……こ、これはね!梓ちゃんはとても几帳面で綺麗好きな子だよ?ただ最近病気がちで寝込んでることが多かったからさ、あんまり掃除が行き届いてなかったんだよ」 梓「……そんなもんなんですか……それにしても酷いですよね、これは……」 あずにゃんに色々と説明をしている内にあっという間に日が暮れてしまった。 そしてその夜―― あずにゃんは今日1日色々あって疲れたようで早々に床に就いて今はぐっすり熟睡中。 そんな寝室の隣で私と憂は余っていた缶ビール一献傾けながら会話をしている最中だ。 憂「今日は色々ありすぎた1日だったよね」 唯「そうだよねぇ。それにしてもホントにあずにゃんが戻ってきてくれるなんてね」 憂「実際に起きてみると本当に信じられないよ、これ夢なんじゃないかなって思っちゃったりするんだ」 唯「だよねー、まさか幽霊……な訳ないよね?」 憂「まさか……ちゃんと足付いてたし生きてる人間の感触がしたよ」 憂「梓ちゃんは今どこに?」 唯「私のベッドに寝かせてあげてるよ。元々あずにゃんと2人で寝るために用意したダブルベッドだし丁度いいからねぇ」 憂「そうなんだ、それじゃあ私もそろそろ寝るね、なんか眠くなってきちゃった」 唯「それじゃそろそろ寝よっか」 憂「おやすみお姉ちゃん」 唯「おやすみ憂」 ―― 寝室のベッドの上ではあずにゃんが気持ちよさそうな寝息を立てて熟睡している。 あずにゃんが亡くなってからはその広さを持て余していたダブルサイズのベッドだったけど、今はその広さを持て余す事無く機能していた。 唯「……あずにゃん、ぐっすり寝てるね」 梓「Zzz……」 唯「可愛い寝顔だなぁ……またこうやってあずにゃんの顔が見れるなんて私何て言ったらいいか……」 私は起こさないようにそっとあずにゃんの頬を触ってみた。 柔らかい肌の感触がして、手に体温の温かみが伝わってくる。 唯「間違いない、ちゃんと生きてる。あずにゃんは幽霊なんかじゃない、ちゃんと今生きている人間だよ」 唯「そっくりさんでもないし、この私が間違える訳ないもん」 ――出来るなら……もう1度、あの子に会いたい。 1度でいいから会って、話がしたい―― 私はあの時確かにこう願った。 まさか本当に願いが叶うなんてね、正直びっくりかも。 ただし今迄過ごしてきた記憶は全部無くなっちゃってたけど…… でもそんな事はもうどうでもいい、今はただ帰ってきてくれた事を神様に感謝しないとね。 翌日 憂「お姉ちゃん、朝ごはんできたよ」 唯「うーん、おはよーういー……って、何か背中がヒンヤリするよぉ」 憂「お姉ちゃん何で床で寝てたの?」 唯「そっか……昨日あのまま床で横になってそのまま寝ちゃってたんだ」 居間 憂「梓ちゃん、お姉ちゃん起こしてきたよ」 梓「ありがとう憂」 唯(あ、あれ??) 唯(昨日あれだけ散らかってた部屋が綺麗になってるし、あずにゃんがキッチンでお料理してる……) 梓「おはようございます唯先輩」 唯「あっ……お、おはよう、梓ちゃん」 唯「今さ、唯先輩って呼んでくれたよね……?」 梓「ええ、私達高校の先輩後輩の関係だったんですよね。ならこう呼ぶのが一番いいかなって。それに「さん」付けだとすごく違和感感じるんですよ、不思議な位に」 唯(ああ、記憶が戻ったわけじゃなかったんだ) 唯(でもなんか昔を思い出すなぁー) 梓「どうしました?」 唯「あっ!ううん、なんでもないよー」 梓「そうですか。それと唯先輩、部屋綺麗に掃除しておきましたから、もう散らかしちゃダメですよ」 唯「う、うん」 唯(この感じ、記憶がなくてもやっぱりあずにゃんはあずにゃんだなぁ) 梓「さ、朝ごはんの用意もできましたし、食べましょうか」 唯憂「うん!」 唯「梓ちゃんの手料理久しぶりだねぇー」 憂「そうだよねー」 梓「久しぶり……?」 唯憂「あ……」 梓「なんか変な感じ……」 唯「あっ!ああ、この服?そうだよね、私がスーツ着てるって合わないもんね!」 梓「いえ、そうじゃなくて……あなた達姉妹が」 憂「え?」 梓「なにか隠してませんか?私に内緒で」 唯憂「そんなことないよ!」 やばい、どう見てもあずにゃんは私達を疑ってるよ! とにかくなんとかしてこの場を乗り切らないと!って思ってたその時、玄関のチャイムが鳴った。 助かったぁー、誰か知らないけどありがとうお客さん。 梓「こんな朝早くにお客さんかな?私ちょっといってきますね」 唯「あっ!待って!」 本当は既に死んじゃってる筈のあずにゃんを他の誰かに会わせるのは非常にまずいと思い、咄嗟に呼び止める。 しかし僅かに間に合わなくて私が呼び止める声とドアを開ける音が見事にハモって聞こえてきてしまった。 梓「はーい、どちら様ですか?」 純「おはよーございまーす唯先輩!憂こっちに来てますかー?って何だ梓か」 純「……あれ」 純「って、えええええええ!!?」 梓「??」 純(何これ……寝不足のせいで私まだ寝ぼけてるのかな……梓の幻覚が見えるよ、しかも声付きで) 憂「あっ!純ちゃんおはよう」 純「う……憂!!ちょっとこれ、どういうこと!?なんで梓が」 憂「ごめんね純ちゃん、ちょっと話せば長くなるから後でいいかな?」 純「う……うん」 梓「あの、あなた私の事知ってるんですか?」 純「え?どうしちゃったの梓、その言葉遣いなんか変だよ?」 唯「あのね梓ちゃん、その子は梓ちゃんと憂の同級生で友達の純ちゃんだよ」 梓「私の同級生?友達?」 純「な……何なのこれ、さっぱり状況が理解できないんですけど」 憂「それは後でゆっくり説明するからとりあえず行こ?」 純「う、うん」 憂「それじゃお姉ちゃん、梓ちゃん、いってきまーす」 唯梓「いってらっしゃーい」 唯「さて、憂も行っちゃったし私もそろそろ行くね」 梓「はい」 唯「そうだ、梓ちゃんはまだ外に出ない方がいいんじゃないかな。ほら、また具合悪くなったりすると困るし」 梓「そうですね。それなら今日は外出はしないでおきますね」 唯「うん、お留守番お願いね!それじゃ行ってきます!」 梓「いってらっしゃい唯先輩」 梅雨時にしては珍しく晴れ間がのぞいていて強めの日差しが照りつける中、私はあずにゃんに見送られ自転車にまたがって会社へと向かった。 自転車のペダルを漕ぐ速さが今日はいつもより速い。 あずにゃんに「いってらっしゃい」と見送られて出発する、これは1年前迄なら何でもなかった普通の日常。 一度は壊れたそんな日常がまたこうやって戻ってきた喜びで、この時の私の心は躍っていた。 4
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―― 3月1日 2年1組 放課後 梓『』ぼー 純『梓、私そろそろジャズ研いくね。先輩達に挨拶しなきゃいけないから。梓も軽音部行かなくていいの?』 憂『梓ちゃんずっとあの調子だよね』 純『心ここにあらずって奴か』 憂『梓ちゃん、お姉ちゃんの事ずっと考えてるんだよね?』 梓『なっ……!そっ、そんなんじゃないもん!!』 純『そうムキになって否定するって事は、図星だったみたいだね』 梓『わ、私は別に……っ!』 憂『私も純ちゃんもずっと気が付いてたんだよ?梓ちゃんがお姉ちゃんのこと好きなんだって。お姉ちゃんは気が付いてないみたいだったけど』 純『早くいってあげなよ唯先輩のとこへさ。今日逃したらもう当分会えないんだよ?』 憂『そうだよ。梓ちゃんとお姉ちゃんはお似合いだと思うし、お姉ちゃんもきっと梓ちゃんを受け入れてくれるから。妹の私が保証するから絶対に大丈夫、うまくいくよ!』 梓『でもさ、考えてもみてよ。私も唯先輩も女の子だよ?だからそんなのって――』 純『だーーっ!!いつまでウジウジしてんのさもう!そんなの関係ないでしょ。男と女なんて生物学上の区別でしかないんだって!唯先輩が好き、それだけの理由があれば十分なんだって』 梓『そんなもんなのかな……』 純『もしここで何もいえなかったらさ、あんたこの先ずっと後悔するよ。そんなの嫌でしょ?』 梓『うん……』 憂『梓ちゃんがお姉ちゃんを取りにいかないんなら、私がお姉ちゃんを貰っちゃおうかなぁ……』 梓『そ、そんなぁ!』 憂『ふふっ、冗談だよ冗談。私とお姉ちゃんは姉妹だもん。いくら何でもそんな関係にはならないって』 梓『もうっ!憂までそんなことをっ』 純『じゃあさ、口で言うのが苦手なら、手紙に書いて渡すってどう?これなら平気だよね』 梓『それいいね!ナイスアイディア純!』 純『へっへー。いざという時に頼りになるのがこの私、感謝しなさいよあずにゃん』 梓『全く、少し褒めるとすぐ調子に乗るんだから……』 純のアイディアで私は先輩方に手紙を書いて部室で4人全員に直接手渡した。 けど、唯先輩への手紙の内容、これって告白というより普通の感謝の手紙なだけなような…… 部室では先輩方がわざわざ私のために曲を披露してくれた。 そして帰り、下駄箱で突然唯先輩が1枚の色紙を手渡してきた。 唯『実は私達からあずにゃんへもう1つプレゼントがあるのです!』 梓『え?さっき歌ってくれたあの曲だけじゃなかったんですか?』 律『あれとは別にな。ま、所謂突発企画なんだけどさ』 澪『梓も私達に手紙を書いてきてくれたんだし、お返しになるかなって』 唯『はい、どうぞ!あずにゃん』 梓『え!?これ……寄せ書きの色紙……ですよね』 紬『ええ、私達も梓ちゃんに何か形に残る物を残したくてね』 梓『ありがとうございます!私、この色紙大事にしますから!』 その色紙の真ん中には一際目立つ大きさで唯先輩からのメッセージが書いてあった。 まるで他の3人の先輩達が唯先輩に場所を譲るように……そんな風にも見える。 【ありがとう、あずにゃんの隣は居心地がよかったよ ゆい】 放課後の帰り道、唯先輩とこうやって一緒に帰るのも今日で最後。 そう考えるとすごく寂しい気持ちになってくる。 結局何も進展しなかった……親身になってアドバイスしてくれた憂と純には申し訳ない気持ちで一杯だ。 唯『それじゃあずにゃん、私こっちだから』 梓『はい、さようなら唯先輩』 唯『ねえあずにゃん』 梓『はい?』 唯『私達……また、会えるよね?』 梓『え、ええ……』 唯『そうだよね!それじゃあずにゃん、また会おうね、元気でね!バイバーイ!』 梓『唯先輩もお元気で!憂がいなくてもちゃんと1人暮らしやってくださいね』 横断歩道を渡って段々小さくなっていく唯先輩の背中を見守る私。 ここでふと気が付く、さっき貰った色紙にペンが挟まってたんだ。 このペンは覚えてる、前に一緒に勉強した時に唯先輩が使っていたペンだ。 あの時、すぐに追いかければ返せたのに…… でも……私は行かなかった。 だって、持っていればもう一度唯先輩に会える。 返したいって電話をすれば、また先輩に会えるから。 夏休み、唯先輩がこっちに帰省してると聞いて電話をしようとした。 けど、その一歩が中々でない。 単純にペンを返しますって言うだけなのに。 でも……その勇気が出ない。 何でもないただの電話なら何も気にしないでかけれるのに、意識すればする程決心が鈍くなる。 そう悩んでいるうちに、あっという間に秋になってしまった。 そんなある日…… prrr 唯『あっ、あずにゃん?お久しぶりぶりーっ!元気してた?』 梓『お久しぶりです唯先輩。なんか相変わらずみたいですね先輩は』 驚いた。まさか唯先輩の方から電話をくれるなんて思わなかった。 唯『それでね、お願いなんだけど今から会えないかな?』 梓『どうしたんですか急に』 唯『えっとね、卒業式の日に渡した寄せ書きの色紙覚えてる?』 梓『ええ』 唯『実はあの寄せ書きにペン挟んだまま渡しちゃってて……突然でなんだけど返して欲しいんだ』 唯先輩に会える、会えるんだ…… もしかしたらこのペンは幸福を呼ぶペンなのかもしれない。 こうしてペンを返すため、すぐに待ち合わせの為に学校の正門前に行った。 私が来てすぐに唯先輩が現れた。 梓『すいません、大事なペンを』 唯『ううん、いや……いいんだよ別にさ。それよりありがとね?』 梓『あっ……はい……』 唯『……本当に久しぶりだよね。元気だった?』 梓『はい……』 唯『そっかー』 唯梓『……』 久しぶりにあったからなのか、緊張して声が出ない。 何か言いたいんだけど、頭の中が真っ白でどうしたらいいか分からない。 高校の頃みたいに抱きついてきてくれればまだ話題を作り出せそうなんだけど、抱きついてはこなかった。 やっぱ大学に行って大人になっちゃったのかなぁ。 とにかく今は気まずい空気になってた、この状況をどうにかしなきゃいけない…… 梓『それじゃあ……私行きますね』 私は踵を返して帰ろうとしてしまう。 こんなんじゃダメだ私は……! あんなに会いたかったくせに、このまま帰っちゃうの? 本当にそれでいいの? 唯『あっ!ちょっ……ちょっと待って!』 唯『あ、あのね!今度の日曜空いてないかな?』 梓『え?』 唯『その……遊びに行かない?今回は2人でさ』 びっくりした。まさか唯先輩の方から誘ってくれるだなんて。 内心とても嬉しかった。でも唯先輩に気取られたくなかったから私は振り向く事をしないで、唯先輩に見られないようにこっそり微笑んだんだ。 梓『……勿論いいですよ』 ―― 日曜日 この日、私達は2人でお出かけをした。 途中で喫茶店に入るとまるでダムが決壊したみたいに、唯先輩はしゃべり続けた。 大学のこと、部活のこと、そして私の事が好きだったことも。 私はあんまり話せなかったけど、すごく幸せだった。 あなたの隣にいられる、それだけでいいんだから。 ずーっとこの時間が続けばいいのに。 途中、唯先輩が通りの隅にある雑貨屋さんに行こうって言い出した。 中に入って最初に目に付いたのは一対の指輪。 この時私は、この指輪を唯先輩と二人で分け合ってる姿を妄想してニヤけ顔をひたすら我慢してた。 欲しいなあこれ。でもちょっと高い……私の今月のお小遣いじゃ買えないなぁ…… 唯『ペアの指輪だねぇ。いいねーこれ!あずにゃんはこの指輪を私とおそろで付けたいのかな?』 梓『なっ!べ、別にそんなんじゃないです』 全く、この人は人の心を読む能力でもあるんだろうか。 私の心を見透かされたような気分がして、ついつい否定してしまう。 だけど唯先輩はその指輪を本当に買ってきてしまった。 指輪は綺麗に左手の薬指に収まった……ていうか何で左手の薬指!?これじゃまるで…… でも、この指輪をつけてると、どこにいても唯先輩がいつも隣にいてくれてるような……そんな気分になる。 そんな楽しい時間もあっという間に過ぎてしまい、とうとうお別れの時間がきてしまった。 もう真冬かって思う位身を切るような寒い夜、でも今日が終わったらまたしばらく唯先輩に会えなくなる……その方が私には辛い。 梓『ねえ唯先輩』 唯『なあに?あずにゃん』 梓『……寒いですね』 唯『そだねぇ……あっ、そうだ!』 唯先輩とポケットの中で繋いだ手、とても暖かくて寒い夜だというのを忘れてしまう程だ。 本音を言えば別れたくない。「行かないで」と我侭を言いたい、けどそれはダメだ。 梓『あの、また会えますか?』 唯『ごめんね、明日の朝イチの電車で東京に戻らなきゃいけないんだ』 明日になれば唯先輩はまた東京に戻ってしまう。 気持ちを伝えられるのは今だけで、次はいつになるのか分からないんだ。 だから私は考えた。指輪だけじゃなくて他にも何か先輩と繋がれそうなものを。 そうだ、手紙だ!手紙をだせばいいんだ、メールではなく手紙を。 梓『そうですか……なら、手紙を出します!メールより手紙の方が、より唯先輩が近くにいるように感じられそうなので』 唯『うん!それなら私も手紙出すよ!』 こうして、私達の遠距離恋愛が始まった。 唯先輩は休みになるとよく会いに来てくれて、私も受験勉強の合間を縫ってよく東京まで会いに行ってた。 それからしばらくして春になった。 私は大学受験に合格して、4月からは唯先輩と同じ大学に進学が決まってた。 そんなある日、一通の手紙が届いた。 ~~~~ あずにゃんへ のっぴきならない事情で、これから先、あずにゃんへ手紙を送ることが出来なくなるかもしれません。 もう会う事も話す事も出来ないかも。 いきなりでごめんね……さようなら、元気でね。 平沢 唯 ~~~~ たった3行の手紙、でもその3行の文章に私はショックを受けた。 本当にこれ唯先輩本人が書いた手紙なの!?実はイタズラで他の人が書いた手紙なんじゃないの!? この手紙とほぼ同時に、憂からある事実を聞かされた。 唯先輩が大学を辞めた……と。 何があったんだろう……私、何か先輩の気に障ることしちゃったのかな……いや、それで大学を辞めちゃうなんて考えられない。 何かは分からないけど、今の唯先輩は他の誰にも話せない深い悩みを抱えてるんだ。 居てもたってもいられなくなった私は、上京する前日、こっちに戻ってきている唯先輩に会いに行った。 梓『唯先輩、すいません突然押しかけて』 唯『あずにゃん、いきなりどうしたの?』 梓『この前の手紙の中身が気になって直接会って話を聞きたくて。その……迷惑でしたか?』 唯『うっ……』 目の前にいる唯先輩は、私が知っている先輩とはまるで別人のようだった。 目の生気は無くなっていて、髪の毛もボサボサ、顔色も悪い……明らかに普通じゃない、あのいつも明るくて元気だった先輩がこうなるなんて、一体どうしちゃったんだろう。 梓『いきなり先輩が大学辞めてこっちに戻ってきたって話聞かされてびっくりしましたよ。何かあったんですか?』 唯『その……うん、いろいろ計画があったからね。だからさ……もう会えないんだよ』 梓『どうして急にそんな……何か話しにくい事情でもあるんですか?話してくださいお願いします!私、先輩の力になりたいんです』 唯『いつかまた会えるといいね。また軽音部のみんなで集まってお茶したりとかさー。その頃にはもうお互い結婚しちゃってたりなんかしてー、えへへ』 唯『……幸せになってもらいたいんだよ、あずにゃんにはね』 梓『何で急にそんなこと――』 どうしてそんな事言うんですか。 私の幸せは、あなたの隣にいられる事なのに…… ずーっとあなたの隣で一緒にいたい、ただそれだけなのに…… 唯『――じゃ、私これからちょっと用事があるから!!』 梓『ちょっ!待ってください唯先輩!そんなんじゃ私……』 何も理由も言わず、あなたは行ってしまった。 本当に私達は、これで終わりになっちゃうのかな、こんなあっけなく終わっちゃっていいのかな。 梓『どうして何も言ってくれないですか……こんなのって……こんなの絶対おかしいよ……あんまりだよ』 梓『私、嫌ですよ……ゆい……せんぱい……どうして……ヒック……ぐすっ……』 梓『うわああぁぁぁあん!!』 14
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海! 海まで出てきた私達だけど、正直今日は天気も曇っててちょっと肌寒いから海にどっぷり入るのはやめていた。 なのでみんなそれぞれ波打ち際で遊んでたり貝を拾ってたり砂浜に寝転んだりしてゆったりしている。 律「おーい、梓、ちょっとこっちこっち」 梓「どうかしました?」 律「そこにいる澪にな、ちょっとこの伝言を伝えてきてくれ」 梓「え?」 律「耳貸してみ?ほらほらー」 梓「は、はぁ……」 ―― 梓「澪せんぱーい」 澪「ん?どうした?梓」 梓「律先輩から伝言があるんですけど……」 澪「律から?」 梓「はい、えっと……フジツボの話をきry」 澪「ひいぃぃぃぃぃぃっ!!」 梓「ええっ!?」 梓(一体何が起きたんだろう……) ―― 澪「りいいぃぃつううぅぅぅっ!!」 律「え!?い、いや……その……こ、これは若気の至りっつー奴でー……」 澪「問答無用!」ズガーン 律「すいませんでした……ってか梓!律先輩からってのが余計だー!」 梓「ぷっ!ぷははっ」 律「なあかぁのおぉぉぉっ!」グリグリ 梓「あはははっ、もう、やめてくださいよっ、ぷぷっ」 私はこの時、りっちゃんとあずにゃんがじゃれ合ってるのを、少し離れた場所でムギちゃんと一緒に砂浜でくつろぎながら見ていた。 あんまり激しめな運動はできないから今はこうしているしかないけど、ただこうやって見ているだけでも何か楽しい。 紬「楽しそうよねぇ、りっちゃんも梓ちゃんも……それに何だかんだで澪ちゃんもかなり楽しそうだし」 唯「そうだね、やっぱりみんな嬉しいんだよ。あずにゃんと喋ったり遊んだり出来ることがね」 紬「それは唯ちゃんもでしょ?」 唯「えへへっ、まあねー」 紬「私ね、知ってたんだ、高校生の頃から唯ちゃんはずっと梓ちゃんの事見てたの」 唯「え?」 紬「人は、1人の人をこんなに真っ直ぐに好きになれるんだって、唯ちゃんを見てて感動したの。そして梓ちゃんが一度いなくなった後でも唯ちゃんはその気持ちを変えようとはしなかった」 唯「……うん」 紬「だからわざわざ言う必要も今更ないとは思うけど……これからも梓ちゃんを大切にしてあげてね?梓ちゃんを幸せにしてあげられるのは唯ちゃんだけなんだから」 唯「私は元々そのつもりだったよ。今までしてあげられなかった分、もし本当に雨の季節が終わってあずにゃんがいなくなっちゃう日が来ても、私はその時までずっとあずにゃんの傍にい続けるよ」 紬「ふふっ……もう完全に元通りの唯ちゃんね」 私とムギちゃんが2人で話していると、空からぽつぽつと雨粒が降ってきた。 天気があんまりよくないと思ってたから降ってきそうな予感はしてたけど、傘も合羽も持ってきてないのですぐに別荘に戻ることにした。 そういえば海に来て雨に降られるの、今年が初めてだな……梅雨時に来たっていうのもあるけど。 律「だーっ!こんな日にいきなり降ってくるなんて空気読め雨ーっ!」 紬「まあ今日は元々降りそうな空だったからしょうがないわよねぇ」 梓「そうですね、それよりこれからどうします?」 澪「うーん、流石に夕食にはまだ早いしなぁ……」 唯「それならいい考えがあります!」 梓「なんですか?」 唯「練習しようよ練習!せっかくスタジオあるんだし!」 梓「それいいですね!賛成です!」 澪「合宿に来たわけじゃないのに練習、か……だからみんなわざわざ楽器持ってきてたんだな」 律「そういう澪だってちゃっかり自分のベース持ってきてるじゃんか」 澪「う、うるさい!」 すたじお! 梓「うわぁ……広いスタジオですねぇ……設備もいいし」 澪「まあな……前にもここでこうやって練習したことあったし」 律「ほらー、早く始めるぞー!準備準備!」 梓「律先輩、はりきってますね」 澪「あいつにしても唯にしてもさ、今まで何度も合宿きてて自分から練習しようなんて言い出すの初めてなんだよ」 梓「そうだったんですか……まあ何となくわかりますけど」 澪「いつもは練習なんて一番嫌がるクセにな。大体私か梓にうるさく言われてしぶしぶ始めるのがお約束なんだ」 梓「なんか先輩達らしいですね」 澪「そうだな……」 唯「ほらほら澪ちゃんにあずにゃん!準備準備ー」 澪「ふふっ、それじゃやるか梓」 梓「はいです!」 あずにゃんのギターは本来とまではいかなかったけどかなり上達していた。 暇さえあれば家で私とギターを弾いてるからっていうのもあるけど、やっぱりあずにゃんの体に染み付いてる才能の所以なのかもね。 練習も終わった頃には雨も上がってたのでみんなで露天風呂へ入り、その後少しお茶を飲んだ後それぞれ寝室へ向かっておやすみの時間になった。 だけど私は寝付けなかった、久しぶりにみんなで騒いで体が興奮気味だったから…… なので少し夜風に当たろうと別荘のすぐ真正面の砂浜で座り込んでぼーっと夜空を見上げていた、ただ何をするでもなく。 どれくらい経ったんだろう、背後に人の気配を感じた。 梓「せーんぱいっ♪」 唯「おっ、あずにゃーん」 梓「どうしたんですか?こんなとこで」 唯「ちょっと寝付けなくてね、あずにゃんもそう?」 梓「ええ、なんか楽しすぎてちょっと興奮気味で……」 唯「それじゃちょいとお話しよっか」 梓「そうしましょうか」 ―― 私とあずにゃんは砂浜に寝転んで空を見ている。 さっきまで雨が降っていたのが嘘のように視界には満天の星空が広がっていた。 梓「綺麗ですよね……こうやって明かりのない場所で見る星空がこんなに輝いて見えるなんて思いもしませんでした」 唯「うん……」 この時、雨の季節が終わったらあずにゃんは、その星空の中の星の1つに行ってしまうんじゃないか、と一瞬想像してしまった。 だけどすぐに頭の中身を切り替えた。そんなの考えるより前に今のこの現状を楽しまなきゃ、そう思えたから。 梓「ねえ唯先輩」 唯「何?あずにゃん」 梓「私思ったんです。もしこのまま……このまま記憶が戻らなくても別にそれでいいんじゃないかって」 唯「え?」 梓「唯先輩も軽音部の先輩達も憂や純のこともみんな好きです。このまま皆さんと楽しく過ごせられれば、それでいいんです」 梓「そして、あなたとずっと一緒に、ずっと恋人でいられれば他にはもう何もいらないんです」 唯「そっか……ねぇ、あずにゃん……」 梓「どうかしましたか?唯先輩」 唯「その……ちゅーしていいかな?」 梓「……」 唯「やっぱり嫌?」 梓「……いいえ」 そう呟くとあずにゃんは私の方に顔を寄せてきて目を瞑る。 私もそれに応えるように顔を近づける。 唯「それじゃあ……いくね」 梓「……はい」 私はあずにゃんと唇を合わせ、しばらくの間その体勢のままでいた。 唇を離した後も私達の顔は間近で向かい合って互いに見つめあっている状態だ。 そこでのあずにゃんの顔は何やら怪訝な、何か疑問を感じているような表情だった。 唯「どうしたの?嫌だったの?」 梓「いえ……別にそうではないんですが……なんか、不思議な気分です」 唯「どんな?」 梓「初めてのキスみたいな感覚がしたんです」 唯「記憶がないんだもん。そりゃそうだねー」 梓「ふふっ」 それからの私は、前にも増してあらゆることに精が出るようになっていた。 仕事の方も前にも増して順調で上手く行き過ぎてるくらいだ。 それから時は流れ、7月に入っていた。 唯「澪ちゃん、この書類の整理終わったから確認のハンコくださいっ!」 澪「ああ、助かるよ唯。最近ホント仕事に精が出てるみたいだな」 唯「そんなことないよー。あっ、まだ残ってる書類あったんだっけ。すぐ持ってくるからそれも確認お願いね」 澪(……まるで別人のように見違えたな今の唯は。いや、これが元々の唯なんだけどさ……) TV「――丁度勢力が同じぐらいなんですよね。したがってこの前線の活動も活発になっています。という事は今年の梅雨は長引く恐れがあるんですね。で、この前線の下では特に激しく雨が降る可能性が……」 唯「おおっ!梅雨が長引くんだ!」 私は小さくガッツポーズをとり、澪ちゃんはそんな私をにこやかな顔で見つめている。 日本中探しても梅雨が長引いてこんなに喜んでいるのは多分私くらいなものだろう。 澪(本当に嬉しそうだな唯。まあ私達全員そうなんだけどさ……) その頃、唯の家―― 梓「今日の夕食は何にしようかな……うーん、そうだ!焼肉でいいかな」 梓「確かホットプレート押入れの奥にしまってあったよね。えっと……」 ホットプレートを探すため押し入れの中を物色し始めた私は、押し入れの奥の方で固く封をされているダンボール箱を見つけた。 表と裏、両方をガッチリとガムテープで固定されたそのダンボールはまるで中を見ることを拒絶するかのようにも見えた。 梓「なんだろうこれ……引越ししてきた時に出すの忘れてた荷物なのかな。唯先輩ならありえるかもね」 最初はそう思っていたけど、よく見るとダンボールの側面に「AZUSA」と太いマジックで書かれているのが見える。 梓「私の名前が書いてあるし、これ私の私物なのかな……」 梓「うーん、気になるなぁ。記憶がなくなる前の私、何を入れたんだろ」 箱を覆っているガムテープに手を伸ばそうとしたその時、玄関のベルが鳴りそちらへ注意が向く。 憂「こんにちは梓ちゃん」 梓「いらっしゃい憂。さ、あがってあがって」 憂「お邪魔しまーす」 梓「ちょっと探し物してて散らかっちゃってるけどごめんね」 憂「何を探してたの?」 梓「ホットプレートなんだけどね。それで押入れの中を探してたらこの箱が出てきたんだ」 憂「AZUSAって書いてあるね。何だろうこれ……梓ちゃんの物なのかな」 梓「憂も知らないの?この箱の中身」 憂「うん……お姉ちゃんと梓ちゃんがここへ引越ししてくる時、私も手伝ってあげたんだけど、その時はこんな箱なかったよ」 憂「――そうだ、開けてみようよ!」 梓「いいのかな、勝手に開けちゃって……」 憂「もしもこれがお姉ちゃんが片付けた箱だったとしても、梓ちゃんが中身を見たんならお姉ちゃんは何も言わないと思うよ。多分中身は梓ちゃんの物だし」 梓「……それじゃ開けてみよっか」 固く封をされていたガムテープを端からゆっくりと剥がしていき、上面を広げてみる。 中からは私が色々な人と写った写真の山が出てきた。 その更に下、箱の底の方から1冊の本が姿を現す。表紙には「Azusa s Diary」と書かれている。 表紙をそのまま読む限りだと、どうやら私の日記帳のようだ。 梓「Azusa……これ私の日記帳だ……」 憂「何でこんな場所にあったのかな……」 梓「分からないよ。でも記憶が無くなる前の私は何か理由があってこんな人目に付かない場所にしまっておいたんだと思う」 そう言って日記帳の表紙をめくろうとした時、外の方から雨水が地面と屋根を叩く音が聞こえてきた。 その雨音はあっと言う間に激しくなり外は雷混じりの土砂降りの荒れ模様となってしまう。 梓「今朝の天気予報だと今日は確率10%って言ってたから唯先輩雨具持っていかなかったんだっけ……どうしよう、今から迎えに行っても多分間に合わないし……」 憂「丁度この時間、お姉ちゃんが帰ってくる時間だよね。大丈夫かな……ただですらあんな身体だし……」 私達2人が途方に暮れていると、外から大きな物音がした。 なにか金属混じりの重い物が倒れるような……そんな音が。 憂「な、何今の音!?」 梓「庭の方だよ!行ってみよう!」 縁側の戸を勢いよく開けて外を見ると、雨の中びしょ濡れになった唯先輩が庭の中で気を失って倒れていた。 その傍らに自転車が倒れているのを見る限り、ここまで走りこんできて自転車に乗った状態で気を失って転倒してしまったんだろう。 憂「お姉ちゃん!!」 梓「唯先輩!大丈夫ですか!先輩っ!!」 私は傘もささずに庭に飛び出し唯先輩を抱き起こす。 梓「唯先輩!しっかりしてくださいっ!!」 憂「私タオル取ってくるね!梓ちゃんはお姉ちゃんを家の中に入れてあげて」 梓「分かった!」 8