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GENRE TITLE ARTIST bpm notes ROCK パーフェクトイーター BEMANI Sound Team "PON" feat.かなたん 175 1060 攻略・コメント 名前 コメント
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26 :名無しさん@ピンキー :2007/08/19(日) 00 52 17 ID v911SeCs 「かがみ~遊ぼうよ~もう勉強疲れたよ~」 「頑張った奴だけが言っていい台詞だぞ、それは。あんたは人の写してばっかでしょうが」 「みんなも疲れてるって~。ねぇつかさ?」 「ん~…ちょっと喉は渇いてきたかなぁ」 「かがみぃ、可愛い妹もお疲れモードだよ~?みゆきさんはどーう?」 「ガス抜きは確かに必要だと思いますよ、根をつめても逆効果になりますし」 「みんなこう言ってるじゃーん、3対1でかがみの負けー」 「んぐぐ……っとにもう、二人とも甘いんだから。麦茶でいいわね!?遊びじゃなくて休憩だからね!」 ねこだいすき 77 :名無しさん@ピンキー :2007/08/19(日) 10 36 02 ID c5PDTDtO SS職人 こなた:住人に乗せられ、徐々に家庭の内情を暴露しているのに気づいていない そうじろう:本職のほうで行き詰まると気分転換に書きにくる みゆき:もっぱら非エロ路線。一度だけガチエロに挑戦したが、えらく濃密な作品になり以後自重 絵師 ひより:匿名なので自重しないw 住人 かがみ:初代スレからの古参、感想やネタ振りで参加する熱心な住人 つかさ:感想を書きたいが、スレの流れが早すぎていつもタイミングを逃す ひかげ:ここでおなかいっぱいにすれば散財が減るかなと考え、お姉ちゃん(ひなた)に必死で勧めている パティ:ローカルルールの「801禁止」が、内心悔しくてしかたがないw ゆい:ダンナがいなくてさびしーんだよー、少しぐらいいいじゃんかよー 78 :名無しさん@ピンキー :2007/08/19(日) 10 46 48 ID z0Lvhf9R ≫77 そうじろうは住人に「プロデビューしろ」とか言われてるんだなw 131 :名無しさん@ピンキー :2007/08/19(日) 22 39 23 ID gd9p0aeP らき☆すた最終回「風流」 高校卒業後、こなたは隠遁したと言って、全ての就職話を断っていた。 そして、ある秋雨の降る日、自転車に乗った少女が庭先に立つ。 かがみ「来てくれるんでしょうね。頼むよ……つかさも待ってる」 数日後、JR秋葉原駅前――― さあさあ 銭まくど 銭まくど! 銭まくさかい風流せい 仕事忘れて風流せい かぶき者泉こなた様のかぶきおさめや! 一無庵ちょころね斎と名を変えてこの秋葉原とはおさらばじゃ―――っ! 二度とないこの日を風流せんかい そーれ! ゆたか「こなたお姉ちゃんといると、毎日が風流みたい」 ゆい「変なコだよね」 ゆたか「そうなの、変な人なの。でも大好き!」 以後、平成の世を駆け抜けた希代の快活少女泉こなたは、柊家で捨扶持を与えられ 嘯月吟歌(しょうげつぎんか)愛するゆたかと共に悠々の歳月を送り、 柊家に移ってからは二度とかぶくことはなかったという。 没年は平成三十一年(2019)六月四日とあるから、アニメ最終回以降十二年も生きたことになる。 完 139 :泉こなたのゲームの話をしよう :2007/08/19(日) 23 46 35 ID 3FbLZDG2 その1 こ:「かがみん、ロ○サガとかやったことある?」 か:「あ~、やったことあるわよ。3とかで、本編そっちのけで、トレード やり続けたり、サラを主人公にして、コマンダーバトルでやってたのにラスボス戦で サラが抜けちゃってコマンダーバトルが出来なくてラスボス倒せずに泣く泣くやり直したり。 あと、2も結構やったな~。1は敵の多さに断念して、リメイク版でやったけどね。」 こ:「2でさ、今使えるクラスの仲間を皇帝にして、陣形だけ手に入れたらル○ン高原 送りにするのはデフォだよね~。」 か:「あ~!やったやった!あとは初盤でシティシーフのイベントを何回も 起こしてお金貯めたりとかね。」 こ:「それでさ、2で『触手』って攻撃あるじゃん。」 か:「あったわね。確か異様に攻撃力あったような・・・・」 こ:「そうそう。だからさ、エロゲーとかでさ、触手ものとかがあっても、ロマ○ガ2のトラウマで イマイチ、こういうシチュエーションに燃え(萌え)ないんだよね・・・・・」 か:「あ~・・・まあ、解らなくもないわね・・・・」 140 :泉こなたのゲームの話をしよう :2007/08/19(日) 23 47 07 ID 3FbLZDG2 その2 か:「あんたは、パズルゲームとかもやるの?」 こ:「うん、ぷよ○よとかは割りとやるよ~。『通』が一番好きでやりこんでたんだけど、 『通モード』ならノーコンでクリアもしたことあるよ~」 か:「うわっ!凄いじゃない!あんた本当にゲームなら何でも出来るのね・・・。連鎖とか どれくらい出来るの?」 こ:「ん~、調子が良ければ10連鎖くらい?」 か:「へぇ~、やるじゃない。どうやって連鎖組んでるの?階段積み?」 こ:「いや~・・・こうね、適当に、かつ、程よく色が固まるように右端に・・・・」 か:「って!単なるフィーリング連鎖じゃないの!」 141 :泉こなたのゲームの話をしよう :2007/08/19(日) 23 47 43 ID 3FbLZDG2 その3 こ:「MOT○ER2で、昔のデータを久しぶりやって『カッコイイモノ』と 『すきなこんだて』を見てみると当時何が好きだったのか解って小学校の卒業文集を 見てる気分になるよね~。」 か:「そうね~。私は昔のデータでも『すきなこんだて』はアイスクリームだったけど・・・。」 こ:「なんか、かがみんらしいね。それでさ、そのデータに『すきなこんだて』に『う○こ』 とか入れてあってさ、今思うと凄いくだらないのに、小さいころはこんなことで 爆笑してたんだろうなぁ・・・なんて思っちゃって、ちょっと自己嫌悪になっちゃったんだけどね・・・・。」 か:「それはたぶん、あんたぐらいだけだと思うわ・・・・」 142 :泉こなたのゲームの話をしよう :2007/08/19(日) 23 48 29 ID 3FbLZDG2 その4 SFC版「風来のシレン(フェイの最終問題)」をプレイ中のこなた。 地下一階 剛剣マンジカブラを拾った。 (おおっ、これはしょっぱなから幸先がいいなぁ・・・・) 地下三階 風魔の盾を拾った。 (初盤から最強セット・・・うまく行けばクリアできるかも・・・) その後も・・・ 妖剣かまいたちを拾った。 ドラゴンキラーを拾った。 地雷ナバリの盾を拾った。 山彦の盾を拾った。 ドラゴンシールドを拾った。 皮の盾を拾った。 (おおっ!使える装備ばかり!こりゃ~今回ツイてるな~) 地下三十階 持ち物 剛剣マンジカブラE 風魔の盾E 妖剣かまいたち ドラゴンキラー 地雷ナバリの盾 山彦の盾 ドラゴンシールド 皮の盾 (なんでこう、合成できる武器が沢山あるときに限って合成の壷が出てこないかな~!?) (ちなみに、こなたはそのあと36階にてニシキーンの攻撃によりあっさりと撃沈しました。) おしまい 193 :ぶーわ@小ネタ :2007/08/20(月) 07 18 13 ID Z5cTwESp 「いくよっ、コナタロス」 「待ってましたぁっ! ……変身っ!」 『Otaku Form』 「私っ、参上っ! 私は最初っから、クライマックスだよぉっ!!」 「私の嘘を安っぽく解釈しないでよねっ」 「こ、こんな時に何を……」 「私の嘘は、嘘のための嘘なんだから……でも、私が泳げるのは、嘘じゃない」 「えっ?」 「いっ、いいからボタン押しなさいよっ! ア、アンタのためじゃないんだからねっ!」 『Tundere Form』 「アンタ……私に釣られてみる?」 「化ける? 化ける……」 「ちょwまww それらめぇっ」 「泣けるよっ!」 びょーん 「変身っ」 『Balsamico Form』 「私の強さに、貴方が泣いたっ。涙は、これで拭いてねっ」 「……変身」 『Ten-nen Form』 「倒してもよろしいでしょうか? 答えはまったく聞いておりません。ばーん☆」 「こいつ頭おかしいんじゃねぇのかっ!?」 「最後いきますよ? いいですか?」 「だ、駄目だっ!」 「答えは聞いておりません」 195 :ぶーわ@小ネタおまけ(ネタバレ注意) :2007/08/20(月) 09 18 25 ID Z5cTwESp 「降臨、満を持して……うちの刃ん前に、平伏しぃ」 「ちょw何で入れんのさっ」 「教養の差、っちうやっちゃで~」 「へ? か、かがみっ。どういう意味?」 「アンタがヴァカってこと!」 「知ってるッスか? そういうのを諦めが悪いって言うんスよ」 「うん……最後までクライマックスって事だよねっ!」 196 :名無しさん@ピンキー :2007/08/20(月) 09 23 43 ID rbmcaeAo こなた「もうやってらんなーい」 かがみ「あんた明日から期末テストでしょうが、忘れたの?」 こなた「そんなの最初っから覚えてねえ。さっきはへこんだが、こっちの戦い(ゲーム)のほうが面白そうだぜ」 こなた「ていうか、私はこういうの(ゲーム)がやりたくて来たんだよ。テストなんて関係ねえ!」 かがみ「…はぁ…馬鹿か…」 こなた「言っとくが俺は、最初からクライマックスだぜ!」 197 :ぶーわ@小ネタ :2007/08/20(月) 09 32 48 ID Z5cTwESp 「泣けるよっ!」 「私に釣られてみる?」 「答えは聞いてませんけど」 「あぁーもう、こうなったらヤケクソでクライマックスだよっ!!」 198 :名無しさん@ピンキー :2007/08/20(月) 09 35 16 ID 8JwXou3d それは私がゲームの合間にトイレに行くために下に降りた時のことだった。 パチン!・・・パチン! 父・そうじろうの書斎から何かを切り離す音が聞こえた。多分プラモをつくっているのだろう。 ガンプラかな?ってか現実逃避か? それからしばらくして・・・ 夕飯を作るために下に降りた時、甲高い音が鳴っていた。 キュイイイイイン! モーター音?プラモ作ってるんじゃなかったの?! 少し気になったので書斎を覗くことにした。 「おとうさん、何して・・・うおっ!」 おとうさんの手には全長160ミリくらいの車の模型―――10年位前に大ブームになった「ミニ四駆」のボディが握られていた。 まー、私も小学校低学年の時にクラスの男子と一緒になってやっていたけどさ・・・ 「こなたか・・・いや、ちょっと懐かしくなってさ」 と、照れくさそうにおとうさんが言ってるが、アンタ、私の手伝ってただけじゃん! でも・・・確かに懐かしい。 「うん、懐かしいね~それってマグナムだよね?」 「ああ、サイクロンマグナムだ。ちゃんとレブチューンにしてあるぞ。」 「こだわってるね~で、小説の方はどう?」 「なあ、こなたよ・・・その事については黙っとくわけにはいかないか?口をつぐむわけにはいかないか?」 進んでないみたいだ。だからやっているのだろう・・・・ご丁寧にシャーシを缶に固定して慣らしまでしている。 それはそうと、夕飯を作らなくては! 「じゃあ、夕飯作るから、あまり夢中になりすぎないようにね~」 「ああ・・・」 ここまでしかできなかった・・・誰か続きたの・・・・ム・・・(ガクッ) 199 :名無しさん@ピンキー :2007/08/20(月) 09 36 53 ID m1l3EENc こなた「お前の望みを言え。どんな願いも叶えてやろー」 みなみ「わ、わたしの望みは……む、胸が(ごにょごにょ)」 こなた「待ってましたー!」 神SS書き降臨 こなた「契約完了っ(くぱっ)」 陵太郎「イマジンは”胸を大きくしたい”っていう望みを”胸を揉みまくる”って解釈して…」 272 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 02 52 36 ID HYUPOxlT ……誰も言ってないみたいなんで、とりあえず俺だけでも。 そうじろうさん誕生日おめでとう(既に翌日になってるけど)。 273 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 03 10 05 ID 468jj8Fs ≫272は間違いなくこなた本人 そう君おめでとう 275 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 05 17 19 ID Po6MZBZB ≫273 そういうあなたはかなたさん そうじろう叔父さんおめでとうございます 276 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 06 27 24 ID IgjbfaH/ ≫275 そんなあなたはゆい姉さん? 泉先生おめでとうございます 277 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 07 41 13 ID dX9oxWwW ≫276 そんなあなたは担当さん? 兄がお世話になってます。 そうじろう兄さん、おめでとう。 ……こなたちゃんはもう仕方ないとしても、くれぐれもゆたかには変な趣味を吹き込まないでね? 280 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 07 54 54 ID 3nPLbDEG ≫277 そんなあなたはゆたかちゃんのお父さんですか? こなちゃんのお父さん。お誕生日おめでとうございます。 つバルサミコ酢 284 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 10 44 47 ID 3VQkNoyp ≫280 そんなあなたはつかさね? こなたのお父さん、お誕生日おめでとうございます。 新作に期待しています。執筆頑張ってください。 285 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 10 50 03 ID ud+MQY7d ≫284 そんなあなたはかがみさんですね? 泉さんのお父様 お誕生日おめでとう御座います いつも泉さんにはお世話になっています これからも泉さんのお友達として、よろしくお願いします 286 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 11 03 37 ID wUFHTICa ≫285 そんなあなたはみゆきさんだよね? いやぁ、こんな年にもなって恥ずかしいけどねぇ、お父さん誕生日おめでとう けどもう私にぺたぺたひっついてくるのやめて欲しいな ちょ、だからと言ってゆーちゃんに手をだしたらゆい姉さんにやられちゃうよ? あ、それとお母さんはどんな祝い方してくれたの? 287 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 12 05 43 ID +QpwKIoP ≫286 そんなあなたはこなたお姉ちゃんだよね? おじさん、お誕生日おめでとうございます ご迷惑をおかけするかもしれませんが、あと二年間よろしくお願いします 288 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 12 22 50 ID kjEO5SBs いやぁ、みんなありがとう。 この年になるとな、さすがに年取っても嬉しくないよなーとか思ってたんだが、 やっぱりこうやって祝ってもらえると、なんていうか、恥ずかしいもんだな。うん。 まあ、あれだ。正直言うと、年齢のことだけじゃないんだけどな。 ほら、俺の誕生日って、かなたの命日に近いだろ?(※) だから、俺の誕生日が近づくってことより、かなたの命日が近づくってほうが重くってな、 正直、あんまり来てほしいもんじゃなかったんだよ。 今じゃ、あいつとの思い出を笑って話せるようになったけど、それでもやっぱり……な。 実はな、昨日、かなたが夢に出てきてな。叱られたんだよ。 ……ん?ああいや、こなたの育て方については置いといてだな(汗) いつまでも思ってくれるのは嬉しいけれど、もう少し自分の幸せも考えろ、ってさ。 今でも十分幸せにやってるつもりなんだが、って言ったら、再婚しないのか、って言われてな。 こなたも手がかからないぐらい大きくなったし、今さら再婚するのもなんだしなあ。 それに……俺の嫁さんはやっぱりかなただけだ、って思うしな。 いや、未練じゃないぞ。かなたの事は、今じゃいい思い出だって思ってる。 失ったことを悲しむんじゃなくて、短い間でも一緒に居られたことを喜ぼう……ってな。 あ、そこ、笑うなよ。真剣なんだぞ俺。 商売柄、マジになると台詞がクサくなってしまうんだって。 あー……まあ、なんか長くなったから、無理矢理まとめるけどさ。 なんだかんだ言って、俺は楽しくやってるよ、って言ったら、かなたのやつ、いい顔で笑ってたよ。 人間なんて長生きしたって百年だ。それぐらい、待っててくれるってさ。 今度は双子で生まれようか、とか言ってな。 ……あれ、俺なんで誕生日に死ぬ話してんだ? まあいいか、門松は冥土の旅の一里塚、っていうしな。 え、なんで門松なのかって?……ああ、ありがとうみゆきちゃん。説明よろしく。 とにかく、みんなありがとう!今日は無礼講だ、じゃんじゃん食べて飲んでってくれ! ……こら、こなた、だからって酒に手を伸ばすんじゃないっw (※)独自設定スマソorz 293 :みゆき :2007/08/21(火) 13 29 04 ID ud+MQY7d ≫288 門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし 禅僧一休宗純和尚の歌ですね あ、ちなみに一里塚というのは 江戸時代、全国の諸街道で、一里、つまり約四キロごとに設けた里程標のことです 一休和尚は、正月に猫も杓子もおめでたいおめでたいと この世の無常を知らずにはしゃぎ回る、その愚かさというものを知らしめようと 自ら墓場へと赴き髑髏を拾い、竹の先に括り付け 元日より家々の門口にそれを差し出して 「このとおり、このとおり、ご用心ご用心」と触れ回られたといいます。 これは、元旦というのはお目出度いものではあるが それも「白骨」への道中であるという悲しき事実 そのことを改めて、自分の不都合な実相を見つめずに 酔って浮かれ「忘年」することなく 日々与えられた業を果たしていきなさいという意味が込められています。 ……あ、すみません門松の意味でしたよね 話がずれてしまって申し訳ありません ここで言う門松は、髑髏を括りつけた竹のことで 世の真を改め見るための目印のことを指しています あ、それから、この時の一休和尚の心を博多聖福寺の仙崖和(ry 294 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 14 24 40 ID kjEO5SBs ……み、みゆきちゃん、ありがとう。もういいよ(苦笑) 誕生日との繋がりがわかりにくいから、ちょっと補足しとくな。 昔は「数え年」だったから、実際の誕生日にかかわらず、みんなまとめて元旦に年を取ったんだ。 つまり、門松の立つ元旦というのは、誕生日でもあったわけさ。 元の意味はみゆきちゃんの言うとおりなんだけど、 年を一つ取る=冥土が近くなる、って意味もあるわけなんだよな。 冥土には、かなたがいるんだよなぁ…… ……冥土のかなた……メイドの、かなた………… 295 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 14 34 24 ID +QpwKIoP ちょっと、お父さんストーップ! みんなのいる前で妄想始めないでよ… …でも私ってお母さんの生き写しみたいなんだよね? ってことは私がメイド服着ればお母さんがメイド服着てるように見えるのかな? 305 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 18 45 59 ID 468jj8Fs 「それにしてもほんと仲良かったんだね、お父さんとお母さんは。 喧嘩とかはしなかったの?」 「ん?そりゃあ喧嘩位したことあるさ。 その中でも、そうだな……ひとつだけいまだに印象に残ってて後悔してることがあるな」 「へぇ……意外だな~。どんな事だったの?」 「俺たちが中学に上がった頃だったかな。 小学生の時はかなたは俺のことを『そうちゃん』って呼んでたんだ。 でもな、やっぱり思春期にもなってくるとちゃん付けは恥ずかしくってなぁ」 「お~、お父さんにも人並みの羞恥心が」 「失礼だなぁ、こなた。お父さんはこう見えて結構繊細なんだぞ。 それでな、俺はかなたに『ガキじゃないんだしちゃんづけは止めてくれ、じゃないと絶交だぞ!』 なんて言っちゃったんだよな。 大声で泣くわけじゃなくて、じっと我慢するように俯いて肩を震わせてたかなたの姿が 今でも思い出せるよ……」 「そうなんだ……」 「ああ、あのとき妙な意地を張らなければ…… かなたは俺のことを『そうちゃん♪』と王道幼馴染的呼称を続けてくれてたはずなのになぁってな…… ああ!昔の頃の俺の馬鹿!!」 「あなたは本当に最低の屑だ」 309 :名無しさん@ピンキー :2007/08/21(火) 19 54 13 ID kjEO5SBs ≫295 「さすがはお父さんの娘、察しがいいな~」 そう言いながら、お父さんが取り出してきたのは、一着のメイド服。 茶色を基調としたシックな色合いが、『さすが、コスプレ用とは一味違う!』って感じ。 「これはな、かなたが英国風カフェでバイトしてた時の制服なんだ」 「お母さん、そんなことしてたんだ……って、メイド喫茶じゃないの?」 「あの頃はメイド喫茶なんてなかったって。この服だって、きちんとした仕立ての本物だぞ?」 「うわぁ……確かにこれ、ものすごくいい生地だよ」 いつの間に来たのか、つかさが裏地を確かめながらつぶやいてる。 さすが、第二志望が服飾学科なだけはあるね。ちょっと見直した(けど、なんかくやしい)。 「……どうだ、こなた。着てみないか?」 いかにも『目いっぱいタイミング見計いました』って感じで、お父さんが言った。 「ちょ、こんなところで娘にコスプレさせますか、おとーさん」 「いいじゃないかー、誕生日のプレゼントだと思って、頼むよこなた~」 思いっきりの、猫なで声。……てか、万年筆だけじゃご不満ですか? 庭に出した大きなテーブルの向こう側、集まってくれたみんなが、ニヨニヨしながらこちらを見てる。 あのー、なぜに私たちは、こんなところで親子漫才をやってるのでしょーか? 「う~ん……」 まあ、メイド服なら、コスプレ喫茶で何度も着たことがあるし、着こなしもそれなりに自信はあっちゃったりするんだけど。 ……ただ、この服が入ってた箱が……その…… 『呪いのメイド服』 って、どゆことですかー!? 「いや、それは"のろい"じゃなくて"まじない"って読むんだよ」 「確かに、漢字は同じよね」 ふむ、という顔をして、かがみ。 「泉さんには、とってもお似合いそうですね」 「お姉ちゃん、着てみてよー」 みゆきさんとゆーちゃんが、ツープラトンで後押し。……うぅっ、『歩く萌え要素』が、ダブルでおねだりですか。 若干スレ違いなロールプレイになってしまったんで、 無理矢理SS路線に戻してみたけど、続きが出てこないorz 投げっぱなしなSSはダメだってわかってるんだけど……
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明日からは新しい月だ。カレンダーを忘れずにめくる。 宿題の確認をして、教科書の入れ忘れは……うん、大丈夫。 かがみはいつもの様に明日の用意をしていた。 「こなたの事だから、宿題やってないだろうな」 ひとつため息をつく。こなたは勉強が出来ない訳ではないのに、まずやろうとしない。 明日もまた写すようであれば、少しきつめに叱るべきだろうか。そんな事を考えながら眠りについた。 ――いつもの日常が続くと思って―― 「……ん」 窓からの朝日で目が覚める。時計をみようとして、身を起こした。 「あれ?」 何かがおかしい。寝ぼけ眼で辺りをみまわし――違和感の原因に気づいた。 「……無い」 ぺたぺたと自分の頭を触る。あるはずのものが、自慢の髪の毛が無い。 そんなバカな、と机の上に置いてあった鏡をのぞき込む。 鏡にはやはりベリーショートになったかがみが映り込んでいた。 以前こなたが「印象薄っ」だのと言っていたような気がするが、 「うっ、否定出来ない……」 自分でも地味だと思う。 しばらく鏡とにらめっこしていた時だった。コンコン、とノックの音と共に、 「きょうちゃん、おはよう。」 つかさが部屋に入ってきた。 (きょうちゃん?) 確か、つかさの考えたかがみのあだ名だ。以前にこなたが冗談で呼んでいたが、 つかさがかがみの事をそう呼ぶことはない。 「……おはよう、つかさ」 努めて違和感の無いように、挨拶をする。 「あれ、起きてる?」 つかさは珍しいものを見たように目を丸くしていた。 (いつもはつかさの方が寝ぼすけなんだけどなあ) かがみはそんな事を考えつつ、つかさを見る。 優しい瞳に可愛らしく結ばれたリボン。 かがみの知るつかさと変わりない様に見える。しかし、確実に何かが違うと感じていた。 「どうしたの? 私の顔に何かついてる?」 「え。い、いや、何でもない」 「変なきょうちゃん」 つかさは訝しげにかがみを見ている。一つため息をつき、かがみに説教し始めた。 「今日はちゃんと朝ご飯食べてよね。いつもギリギリまで寝てるんだから」 「……」 いったいどうなっているのか。それより『私』はどれだけだらしないのか。 「もう、きょうちゃんったら。たまにはお姉ちゃんの言う事聞いてよね」 ショックを受け黙り込んでいるかがみを、つかさは拗ねていると勘違いした様だ。 (お、お姉ちゃん!? つかさが……) あまりのショックに声が出なかったのは幸いだった。何とか叫びたいのを抑え、深呼吸をする。 そして確認の為、今度は声に出して言う。 「えーと……お姉ちゃん?」 疑問系になってしまったが、信じられないのだから仕方が無い。 だがつかさの反応は、かがみの想像を越えていた。 「き、きょうちゃんが、私の事を『お姉ちゃん』って言った……」 「え?」 「きょうちゃんが壊れたーっ」 光速でつかさは走って行ってしまった。 「…………わ、私って一体どういう奴だよ」 取り残されたかがみは、そう呟くしか無かった。 「はあ……」 結局あの後、自分の部屋を掃除したり、こうなった原因が何か考えていたりしたせいで、 いつもの『かがみ』と同じように朝ご飯を食べ損ねてしまった。 夢だと思いたかったのだが、残されたのは掃除で疲れた体と、ご飯を食べ損ねて切ないお腹だった。 とりあえず『かがみ』はだらしないようだった。そこここにマンガが散らかっていたのだ。 「冗談でもうれしかったんだけどな……」 横でつかさが呟いている。冗談という事で誤魔化したが、妹である『かがみ』は姉のつかさを呼び捨てにしているようだ。 そんな風に色々考えていたら、いつの間にか学校に着いてしまっていた。 「きょうちゃん、大丈夫? 今日は元気が無いよ」 「あ、うん。ありがとう、つかさ。何でも無いよ」 つかさに心配させないようにそう言ってみせるが、やはり双子の姉妹であるつかさには隠しきれない。 「気分が悪いなら保健室行こうか?」 「いや、本当に大丈夫よ」 かがみはつかさに精一杯のほほえみを向けた。 「ならいいけど……」 未だ納得はしていないものの、つかさは先に歩きだした。 「つかささん、かがみさん、おはようございます」 そのとき前からみゆきが丁寧な挨拶をし、こちらに向かってきた。 「ゆきちゃん、おはよう」 「おはよう、みゆき」 こちらも挨拶を交わす。そして油断無くみゆきを見た。 見た目は、普段のみゆきが三つ編みにしているだけの変化であった。 ――と思ったのだが、 「キャッ」 突然、みゆきが何も無い所で転んでしまった。転んだ表紙にメガネがすっ飛んでいく。 「ちょっと、みゆき。大丈夫?」 かがみは驚き、みゆきに駆け寄る。そんなかがみとは対照的に、つかさはゆっくりとメガネを拾いに行った。 「もう、ゆきちゃんったら」 つかさが慌てていないのを見ると、どうもいつものことらしい。 「ごめんなさい、またやってしまいました……あら」 「ぐぼぁっ」 みゆきは今度は自分自身の足に引っかかり、転んだ。ついでにかがみにエルボードロップの一撃を加えた。 これはたまらない。あまりの痛みにかがみはお腹を押さえ悶えた。空腹にコレはキツい。 「うぐぅ……」 「あらあら、ごめんなさい」 ゆったりとした性格のみゆきではあるが、いくらなんでもコレは無いだろう。 みゆきの母のゆかりをも越えている。 「やっぱりきょうちゃん調子悪いんでしょ?」 メガネを拾ったつかさが駆け寄り、かがみの手を取った。 「あー……うん、そうかも」 そうしておいた方がよさそうだ。しかし毎日こんなやりとりをしているのだろうか。とても気になった。 かがみは素直につかさの手を取り、立ち上がった。 「じゃあ私もう行くね」 かがみはつかさとみゆきに手を振り、自分の教室に走っていった。 傍にいるのは、これ以上は耐えられそうになかった。 「おはよう、かがみ」 「おはよう、かがみちゃん」 教室に入ると、みさおとあやのが挨拶をしてきた。みさおは元気よく手を振っている。 呼び捨てにされて、少し恥ずかしい。 「……おはよう、日下部、峰岸」 かがみは思わず気のない挨拶を返してしまう。自分の知らない二人であるのが明白だからだ。 「何だ? 今日のかがみは他人行儀だなー。どしたの?」 「え、あ、何でもないよ。みさおは宿題やったの?」 必死で誤魔化す。名前で呼び合う仲らしいが、呼ばれる以上に言うのは照れる。 「何だ、また写すのか……」 「かがみちゃん。みさちゃんの写すばかりじゃダメだよ」 (……日下部のを写すって) 目の前がクラクラする。見た目が変わらないのに、みさおはやけにしっかりしている。 何だかとても負けた気分になった。 「いや、ちゃんとやったよ……」 かがみは鞄から教科書を引き出そうとした。 たしかにかがみは宿題をやった。だがそれはかがみであり、『かがみ』ではない。 「…………」 無い。 それどころか教科書自体が無い。 自分の机を覗くと、教科書が詰まっていた。さらに引き出すと、課題のプリントが無惨な姿で現れた。 プリントを必死に伸ばしながら、あまりの現実にかがみは思わず泣きたくなった。 「あー、やっちゃったか。かがみ、私のを写すか?」 「いや、待て。すぐやるから」 涙目になりながらもみさおの提案を拒否し、ペンを手に取る。写すのだけは避けたかったのだ。 猛スピードで課題をこなす。幸いにも内容は同じだった。 「どうだっ!」 みさおに出来たプリントを突きつけた。 「おおっ」 みさおとあやのが一緒にプリントわのぞき込んでいる。 「すごい、ちゃんと出来てるぞ……」 「あら、このままじゃかがみちゃんに負けちゃうかな」 「……」 誉めてるのか貶されているのかわからない。だが、あやのが『かがみ』と同レベルであるほうがショックだった。 「うーん。今日のかがみ、やっぱ変だな。熱あるんじゃないか?」 挙げ句の果てにそんな事まで言われてしまう。 そして、そっとみさおがかがみの額に手を当てた。 「……熱はないかな。でも顔色が悪いな。大丈夫か?」 すぐ目の前で、みさおが心配そうにかがみを見つめている。 「そうね、ちょっと保健室で休ませてもらおうかな……」 これ以上心配をかけるわけにはいかない。それにかがみ自身がかなりまいっていたのだ。 「ごめん、あとよろしくね」 そのままかがみは保健室へと向かって行った。 「うーん……」 みさおがかがみのプリントを見ながら唸っている。 「みさちゃん、どうしたの?」 「いや、かがみの字じゃ無いなあって思ったんだけど……」 「え? あ、そういえばさっきのかがみちゃんは左利きだったわ」 「でも目の前で書いてたよなあ……あとでつかさにも聞いてみるか」 「……失礼します」 始業のチャイムが鳴り響く中、かがみは一人保健室の扉を開いた。 「あれ? 誰もいないのか」 かがみは周りを見回すが、先生も生徒もいない。ゆっくり考えるにはよかったが、いいのだろうか。 「まあ、天原先生が桜庭先生になってるかもしれないからいいか……」 寂しさを紛らわす為に呟いたが、思わず想像してしまった。 おしとやかなひかると、ガラの悪いふゆき。 「あー……」 微妙にヘコみながら、かがみは手近なベッドのカーテンを引き、腰掛けた。 今はベッドの軋む音だけが聞こえる。 ――寂しい。 知っているけど知らない家族、知らない友達、そして知らない『自分』。 ただ一人、知らない世界に取り残された。その事実がかがみを蝕む。 鼻の奥がツンと痛くなる。 思い切り泣いてしまいたい。でも泣いたところで何の解決にもならない。 それでも思わず涙が滲んだ。 その時、新たに人が入ってきた。 「……失礼しまーす」 かがみはとっさに袖で涙を拭い、その女生徒を見た。 180cmはあるだろうか、すらりとした長身で、群青の髪色をしている。 かがみと似たような短髪であるが、どこかで見た事があるような人だと感じた。 調子が悪いのか俯いていて、前髪で隠れた表情は窺えない。 「保健の先生は、今いないわよ」 もし調子が悪いのなら保健の先生を呼んだ方がいいだろう。 そう思い声を掛けたのだが、その生徒は顔を上げ、こちらをじっと見つめていた。 思わずかがみもまじまじと見返してしまう。 眠そうな目元と、左目下にある泣きボクロ。 ――もしかして。 そう思うのと同時だった。 「よっ。地味かがみん」 「誰が地味だっ!」 相手の言葉に反射的に突っ込んでしまう。 間違いないだろう。彼女はこなただ。 「えーと……こなた、よね?」 思わず疑問系になってしまう。かがみのよく知るこなただとは思うのだが、やはり自信が無い。 「やっぱりかがみだよね。よかったー」 こなたは立派になった胸をなで下ろしている。思わず、意識しない様にしていた、 真っ平らになった自分の胸と比べてしまった。 「よく私だとわかったわね」 気を取り直してこなたに訪ねる。一人でない事が、かがみに力を与えていた。 「だって私を見て誰だかわからなかったでしょ。『こっち』の人ならすぐわかるだろうしさ」 「あ、なるほど」 話しながらこちらに来たこなたは、かがみの隣に座った。いつもはそばにあるこなたの顔がやけに遠い。 「いやー。さっき黒井先生と会ったんだけどさ……」 こなたがため息をついた。相当ショックだったのが見て取れる。 「『泉さん、おはようございます』って、すっごく丁寧な挨拶でさ……お淑やかだったんだよネ」 「へー」 「何て言うのかな。えーと『立てば爆薬、座ればボンタン、歩く姿はラフレシア』だっけ」 「一つも合ってねーよ」 正しくは『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』である。 いつものやりとりに、かがみの気持ちが和らいだ。 「いやー、まさかあんな先生が見られるなんてねー。驚きすぎて思わず保健室に来ちゃったよ」 こなたは苦笑している。せっかくなので、かがみも『あんな先生』を想像してみた。 ――脳が拒否している。確かに普段のななこからは想像出来ない。 「かがみはどうして保健室に来たの?」 「……まあ、あんたと似たような理由よ」 かがみは思わずはぐらかした。こなたはありがたいことに、「ふーん」と一言で流してくれた。 「でも、かがみがいてくれてよかった。聞いて欲しい事があるんだ」 真剣な面もちでこなたが見つめている。かがみは無言で頷いた。 「これが夢じゃ無いって……私だけの夢じゃ無いんだって、確かめたいんだ」 こなたが瞳を閉じ、何かに思いを馳せている。そしてゆっくりと目を開き、話し始めた。 「んー」 こなたが薄目を開けると爽やかな朝日が目に入った。 「……眩しい」 まだ起きるには早い。昨日は遅くまでネトゲーをやっていたのだ。寝返りをうち、もう少し眠ろうと思った時だった。 ジリリリリリリリ…… 「うわっ、ちょっ、うるさいっ!」 がしっ。時計を掴みベルを止める。チラリと時計を見ると、やはりまだ起きるには早い時間だった。 「何でこんな時間に鳴るかなあ……ん?」 寝ぼけ眼で見回す。すっきりと整頓された部屋が目の前に広がっていた。 「うわああっ!? パソコンが無いっ」 大切なのはそこでは無い気がするが、やはり朝起きて最初にするべき物が無いのは重要である。 「えーと……」 自分の叫び声で、頭がはっきりとしてきた。 よく見れば、いつもの自分と同じ所の方が少ない。 こなたは胡座をかき、もう一度周りを見回した。ついでに気になる胸もつついてみる。 ポヨンポヨン。……虚しい。 「……誰だ私」 パソコンはおろか、マンガの一冊もない。整頓された本棚には、陸上関連の本と、父そうじろうの本が並んでいた。 ベッドから降り、立ち上がってみた。視界がとても高い。すべてを見下ろす形になった。 「うーん、爽快だねー」 ポリポリと頭をかき、髪の毛も無い事に気づいた。 ペタペタペタ。 「うわ、アホ毛も無い」 しばらく悩んだ後、全身像を確かめるため、洗面台へと向かおうとした。 扉を開くと、味噌汁の香りがする。まさかこんな早くから、そうじろうが何かを作るとは思えなかった。 ――何故か胸がドキドキする。 早足で台所へ向かう。知らないけど、とても懐かしい感覚。それを確かめたかった。 台所に誰かが立っていた。長い青髪を括り、味噌汁の味を見ている。 「うん、おいしい」 不思議な気分だった。写真の中でしか見た事が無かった人が、今そこにいた。 「……お母さん」 無意識に呟いていた。そこにいるのは間違いなくこなたの母、かなたであった。 こなたの声にかなたが振り向く。鈴の鳴るような声で、 「おはよう、こなた」 そう返してくれた。 「あら、まだ着替えてないのね。早く着替えていらっしゃい」 「あ……う、うん」 呆然とかなたにみとれていたこなたであったが、そう言われ、部屋へと引き返した。 ついでに洗面台で顔を洗い、全身を確かめた。 「お父さんにそっくりなんだなあ……」 いつものこなたはかなたに似ている。今のこなたは、背丈も髪型もそうじろう似だ。 深呼吸をして、今の状況を確かめる。 ――夢、なのだろうか。 自分の頬をつねってみる。 「痛い、よね」 ヒリヒリ痛む頬を押さえ呟いた。夢ではないようだった。 「……考えても仕方ないか」 まずは着替えて、かなたと話がしたかった。こなたは部屋へと戻っていった。 「いただきます」 両手を合わせ、お辞儀をする。向かいにかなたが座り、同じようにしていた。 目の前には立派な朝ご飯が並んでいた。 「いやー、朝からすごいなあ」 まずは、前日の残りであろう肉じゃがをつついてみる。味がしっかり染みていて、とてもおいしい。 「これが、お母さんの味かあ」 思わず感動してしまう。昨日の夕食がカップメンだったから一層そう思うのかもしれない。 「あらあら、今日はどうしたのかしら?」 かなたが不思議そうにこちらを見ている。 「いや、だって本当においしいもん」 涙を目の端に浮かべながら、こなたはご飯をかきこんだ。 「……何だか、今日のこなたはそう君みたいね」 「うぇ、そ、そうかな?」 思わず噛んでしまった。やはりかなたにはわかるのだろうか。 こちらの『こなた』は真面目で、オタクのかけらも見られなかったから、母親似なのだろう。 一方いつものこなたは、そうじろうの影響でかなりのオタクだ。間違いなく父に似ている。 つまり今のこなたは、『見た目も中身もそうじろう似』である。ある意味危険である。 「本当に……そう君が帰ってきたみたいね」 かなたは懐かしそうにこちらを見ていた。 「え……」 こなたは、その言葉の意味を理解出来なかった。否、理解したくなかった。 「? こなた、どうしたの?」 こなたの箸を動かす手が止まっていた。 「あ……うん、何でも、無いよ」 焼き魚をほぐし、ご飯に乗せ、一緒に口に運ぶ。そしてしっかりと噛みしめた。 「お父さんは、まだ寝てるの?」 微かな期待を込め、かなたに聞く。少ししょっぱい魚に涙が滲んだ。 「こなた……お父さんは、もう」 ――やっぱり、そうなんだ。 「うん、わかってたよ。どうしてかな……思うようにはいかないんだね」 母がいる喜びよりも、いるはずの父がいない悲しみの方が強かった。 こなたが俯くと、涙がテーブルに落ちた。 「こなた……」 かなたがこなたの方に来て、そっと抱いてくれた。 「うう……」 こなたはかなたの胸の中、泣いた。 コメントフォーム 名前 コメント なんだよこの下↓の文章は…。コメントを書いてくれよ。 -- ワンブリッジ (2008-10-23 03 18 11) 松本洋は〜♪子供っ!松本智司は〜♪ノータリンっ♪千葉市立こてはし中学校出身だよ♪♪ -- さしみ (2008-10-23 03 16 32) 続き〜…続きを読みたいよ〜…続き〜… ↑ ということを、これから毎晩枕元で囁いてきます。ええ、続きを書いてもらえるその日まで(ニヤリ GJ!! -- にゃあ (2008-10-22 03 16 21) 入れ替わっている(であろう)「向こう側の」こなたとかがみの 反応とかも見てみたいですね -- 名無しさん (2008-05-05 22 11 21) 続き気になる! -- 名無しさん (2008-02-14 10 39 09) 続きと結末が気になります。GJ!! -- 名無しさん (2007-12-03 07 12 14)
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《彼方(かなた)からの詠唱(えいしょう)》 通常魔法 ゲームから除外されている魔法カード1枚を選択し、自分のカードとして使用する。
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「…♪」 私の部屋には猫がいる。飼い猫じゃなくて、ついてきた猫がいる。 そして私はその猫を知っている。そう…この猫は…。 「お母さん、おはよー」 「おはよう、こなた」 この猫は私のお母さん。泉かなた。 理由あって今は猫になってこの家に住み着いている。 お母さんは窓際で伸びをしていた。すっかり猫だなぁ…萌え♪ 「…萌え?」 「いやいや、こっちの話」 それにしても、かがみたちに紹介したらすごい驚いてたなぁ。 つかさに到っては相当な慌てぶり。驚くのも無理ないよね。 「それにしてもこなた、今日は珍しくしっかり起きれたじゃない」 「…まぁ、嬉しかったからね…」 「?」 「お母さんが帰ってきて…すごく嬉しかった…お母さんは猫になっちゃったけど、傍にいてくれるだけでいいの。それがすごく嬉しい」 「…こなた…」 「だからね、ずっと傍にいて欲しいな」 「私も、ずっと傍にいたい。こなたのもとに、そして…そう君のもとに」 そんなしみじみした会話を進めている私とお母さん。 だけどそのムードは次の瞬間完全に崩されることになる…。 「おぉー、こなた。写真撮りにきたぞ~」 空気読まずに入ってきたこの男。私の父、泉そうじろう。 何でまたカメラなんか持って…いや、カメラを持っているだけならまだしも、いつぞやの運動会の如き完全装備で。 「お父さん…わざわざ家の中でその重装備は一体…」 「決まってるだろう!折角かなたが帰ってきたんだ、ツーショットを撮らない手はないじゃないか♪」 「いや、あの…」 私がまごついていると、次の瞬間私の隣にいたお母さんがお父さんに飛びついた。 「そ~う~く~ん…?」 「いででででででで!わかった、わかった!悪かったから引っ掻かないでくれ!スマン!この通りだ!」 …猫になったお母さんは、なんか強い。って、私ミラじゃねえしww 顔を引っかかれたお父さんはひたすらお母さんに土下座。 私はそんなお父さんの姿をみて心の中で呟いてみた。 「…勝ったな」 …気を取り直して家族で食事。今日の食事当番は私。 みんな大好き特製オムレツを焼いてあげよう。 「「「「いただきまーす!」」」」 食卓を囲んでお父さん、私、ゆーちゃん、そしてお母さん。 賑やかな食事が始まった。…だけど事件はいきなり起こった。 「……」 「どうしたんですか、かなたさん」 ゆーちゃんがお母さんに訊いてみる。お母さんの様子がおかしい。 と、次の瞬間お母さんは飛び上がると… 「…ぅにゃっ!!」 と大きくジャンプして何かをつかみ取った。 「……!?」 「お、お母さん…?」 「ごめんなさいね、今目の前を蚊が飛んでたから…」 思い出した…猫は目の前の動くものに反応するんだっけ。 お母さんがいるから蚊取り線香はいらないかもね。なんて便利なお人…いや、猫か…。 まぁ、あれだけ大きな動きをしてもテーブルの上の食事が滅茶苦茶になっていない辺り、お母さんはしっかり者だな、と思う。 それに比べてお父さん、蚊を追いかけるのに必死になってサラダのお皿はひっくり返すわパンは宙を舞うわ。それだけならまだしも、熱いスープをお母さんに引っ掛けてしまい… 「そう君…いい加減にしないと、引っ掻くわよ?」 「さんざん引っ掻いてから言わないでくれよぉ…」 あーぁ、相変わらずなんだから…。 私とゆーちゃんはただ呆然としてるだけだった。 私にはお母さんがいる。 理由あって猫になっちゃったけど、お母さんがいる。 私よりさらにちょっぴり小さくて、猫耳と尻尾と肉球のついたお母さん。 でも、こんな姿になってもお母さんはたった一人、私の大切なお母さん。 だから、そんなお母さんが傍にいてくれる、ただそれだけで私は幸せだ。
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所属 他己紹介 きーちゃん、食べたい -- ねこかなた (2013-12-11 22 11 22) 名前 コメント
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こんな感じであったら便利かなーっと いらなかったら削除yr とりあえず一例を KOTOKO KOTOKO 曲名 原作 ブランド DAM JOY DAM曲番 JOY曲番 Imaginary affair こなたよりかなたまで F C FC01 × ○ 947017
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「ところでゆーちゃん」 「?」 「そのペンダント、たまにもってくるけど一体何が入ってるの?」 「…これ、私の大切な宝物なんだ」 「宝物…?」 ――1年前… 私は病院のベッドの上に寝ていました。 私が苦しそうな顔をする度、こなたお姉ちゃんやおじさん、ゆいお姉ちゃんが励ましてくれましたが…。 もう、私に残された時間は少なくなっていました。 ねえ……なんで私が死ななきゃいけないの…?嫌だよ…まだ私、みんなと別れたくないのに…。 「こなたお姉ちゃん……私………」 「……」 「お姉ちゃん…みたいに…強く……なりた…い……」 ……あぁ…だんだん意識が遠のいていく… …私、死んじゃうんだね……さよなら……こなたお姉ちゃん…。 さよなら……みなみちゃん…さよなら、みんな……。 「………かちゃん、ゆたかちゃん…」 暗闇の中で誰かが呼ばれた気がして……私が目を開けると、一筋の光の中に女の人が立っていました。 「…だ、誰……」 「ビックリさせてごめんなさいね、私は泉かなた…」 「かなた…さん?それじゃぁ、こなたお姉ちゃんのお母さん?」 「ええ。それよりゆたかちゃん、どうしてここにきちゃったの?」 「…私は……」 私はかなたさんに、ここまでの経緯を話しました。 「そうだったの……」 「私、まだ生きたかった…まだ死にたくなかったのに……」 「そうね…でも、ここへくるのはまだ早いんじゃないかしら?」 「え……?」 「ほら、あなたの後ろに光の道が見えるでしょ?ゆたかちゃんはもう一度生きるチャンスを与えられたのよ」 「待ってください…!それって、一体……」 ふと目が覚めると、私は手術台の上に寝ていました…。 これは一体……私のお腹には穴が開いていて、そこに覗いていたのは、機械の塊…。 そして、腕を動かす度に聞こえる微かなモーターの音。 いったい、何があったのか…まだ何がなんだかわからない私のもとに、一人の女の人が歩いてきました。 「…気がついた?小早川さん」 見覚えのある姿と、聞き覚えのある声。そう…この人は……。 「天原先生、私…どうなっちゃったんですか?突然目の前にかなたさんが現れて目が覚めたら私は機械でっ、あうあう…」 私はパニック状態になってしまい、何を言っているのかわからないような状況になっていました…。 「落ち着いて、小早川さん!…全部説明してあげるから…」 「サイボーグ……?」 「ええ、今のあなたは機械仕掛けの体を持っている…脳以外はね」 「…それで、お腹の中に機械が……」 「実はあなたの脳にも少し手を入れさせてもらったの。腐っちゃうといけないから…」 「え?それは…」 すると天原先生は、大きなモニターのスイッチを入れました。 「これを見て。…あなたの脳はナノマシンを使って結晶化されているの。そのおかげで小さくなってるけど、思考能力や記憶には問題ないから安心して」 「はぁ……」 「それと、今のあなたの身体は急場しのぎだから、とりあえずは充電式よ」 充電式……。そうか、ご飯を食べることは出来ないんだ……。 ちなみに、再改造すれば動力炉は取り付けてもらえるということなので、それまでは我慢するかな…。 「これでよし、っと」 そう言って天原先生がお腹のハッチを閉じます。 「さぁ、歩いてみて」 「あ…はい……」 私はベッドから起きると、その足を一歩、二歩と進めていきます。 できたての機械の身体だから早く慣れなくっちゃ……。 三歩、四歩……。 「アッー!!」 ―ドンガラガッシャーン! いたた…転んでしまいました。…あれ?痛い……? そうか…機械の身体でも痛みを感じるように出来てるんだね…。 気を取り直して、もう一度……。 こうして、1週間という調整期間を経て、私もようやくこの身体に慣れてきた頃、天原先生が訊いてきました。 「ところで、古い身体の方はどうするの?」 「え……?」 「ほら、脳だけとったからそのままの形で残ってるでしょ?このまま置いといたら腐っちゃうかもしれないし」 「…じゃあ…処分はそちらにお任せします…ただ…」 「ただ?」 「古い身体を焼いたあとに…その灰を少し、私に分けてもらえませんか?」 「どうして?」 「……生きてるって証として、持っていたいんです。私が、小早川ゆたかという人間が生きている証明として……」 「…わかったわ」 こうして、今まで過ごしてきた私の身体は焼却処分されることになりました。 すっかり冷えきった生身の身体。今までの「私」、本当におつかれさま……。 そして、これから生活を送る機械仕掛けの「私」…どうかよろしくね。 ―――1年後 「そうだったんだ、この中にはゆーちゃんの生きてる証が入ってるんだね」 「まぁ、古い身体を焼いたあとの灰なんだけど…これを持っていると安心できるって言うか…」 「安心できる?」 「うん、だからずっと……大切にしてるんだ」 私はペンダントを大事に持っています。中にあるのは、私という人間が生きている証。 そう、私が生きてることを教えてくれる…大切な…宝物だから……。
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金曜日、陵桜学園での昼休み。 いつもどおり三人で集まって弁当を広げる。 「みゆきは、なんでこの学校受けたの? みゆきの成績なら、都内の進学校でも選び放題じゃない」 「陵桜は、母の母校なんですよ。それで私も行ってみたくて」 「中学の担任に、もっと上の学校受けろとか言われなかった?」 「言われましたし、迷いもしましたけど、一定レベル以上ならどこも変わりませんから。学力の向上は、入学後の勉強次第でどうにでもなりますし」 「ゆきちゃん、えらいなぁ。私だったら、とてもそんなふうには考えられないよ」 「つかさは、ここに入るのもギリギリだったし、入学後もさっぱりよね」 「あう~」 たわいのない話が続く。 しかし、かがみは何か違和感を感じていた。 なんか変だ。何かが足りない。 そんなもどかしい感じが沸き起こってくるのだが、その正体がさっぱりつかめない。 そんなかがみの隣で、つかさはときどき首をかしげていた。 「つかささん、どうかしましたか?」 「ううん、なんでもないよ」 つかさは首をふったが、その表情はさえないままだった。 その日は、何事もなく終わり、それぞれつつがなく帰宅した。 翌日、土曜日。 柊家は、両親が旅行、まつりが朝から遊びに出ていて、昼食は、いのり、かがみ、つかさの三人だった。 つかさは、ごはんを口に運びながら、ときどき首をかしげていた。 「つかさ、どうしたの?」 つかさは、かがみの顔を見て、しばらく間をおいてから口を開いた。 「お姉ちゃん。なんか最近、変な感じしない? なんか物足りないような……」 「つかさもか。実は私も最近、妙にむずむずした感じで落ち着かないのよね。なんか足りないような気がして」 「お姉ちゃんもそうなんだ」 「なんか嫌な感じよね」 そんな双子のシンクロ具合を見て、いのりが、 「占いでもしてみる? 私もたまにはやらないと腕がなまるし」 かがみとつかさは、同時にうなずいた。 昼食が終わって、三人は神社の奥殿にやってきた。 普段は、母のみきといのり以外には中に入れない。この神社の秘中の秘でもあった。 「さきに言っとくけど、この部屋の中のことは口外無用だからね」 いのりの念押しに、かがみとつかさは神妙にうなずいた。 扉にかかっている南京錠を開けて、中に入る。 中は意外に広く、正面には大きな祭壇があった。そして、壁一面に呪符がびっしり貼られている。そのどれもが、真新しく見えた。まったくといっていいほど劣化してない。 「ここって建て替えたの?」 かがみの問いに、いのりは、 「昔のままよ。新築同然なのは、壁にびっしり貼ってある御先祖様の呪符のおかげだって言われてるけどね。あとついでに言っとくけど、呪符の効力を一時停止しないと、柊家の血筋以外の者は攻撃されるからね」 「ええっ!」 つかさの顔がひきつった。 「罰当たりな泥棒がここに忍び込んで心臓発作で死んだなんて記録が明治以降だけでも5件ぐらいはあるし」 つかさが青ざめる。 いのりは、水をためた桶を祭壇の前においた。 御幣を手に祝詞を唱える。桶の水がたちまち煙をあげて蒸発した。 祝詞を唱え終わり、御幣を下ろす。 「さて、何が出るかしらね?」 水煙の中に、立体ホログラム映像のごとく、何かが浮かび上がってきた。 青い長い髪の小柄な女の子。頭のてっぺんに飛び出たアホ毛が特徴的だ。 それを見て、かがみとつかさが同時に叫んだ。 「こなた!!」 「こなちゃん!!」 二人の頭の中を走馬灯のごとく記憶が駆け巡った。こなたが存在していた過去の記憶がよみがえり、存在してない過去と二重写しになって、頭の中を混乱させた。 頭痛がして、二人は頭を抱えた。 そんな二人を見ながら、いのりは、 「ああ、思い出した。こなたちゃんね。いきなり消えちゃうなんて、何があったのかしら」 いのりは、再び祝詞を唱えた。 水煙の中の映像が変化していく。こなたの姿がどんどん小さくなっていき消えて、どこかの病院の映像に切り替わった。 産婦人科病院。医者が何かを書いている。映像が拡大されていくと、それはカルテだった。 文字は判然としないが、読み取れる部分だけを拾っていくと、 ──泉かなた ──人工妊娠中絶 ──母体の生命にかかる危険を防止するため 「「……」」 それを見たかがみとつかさは絶句していた。 「こなたちゃんのお母さんって、体が弱かったんだっけ? なるほど、ありえたかもしれない歴史が現実になっちゃったわけか」 いのりは、一人で納得していた。 「どういうことよ……?」 「過去の歴史ってね、確定されてるもんじゃないのよ。常に揺れ動いてるし、結構頻繁に変わったりもしてる。でも、普通は誰もそれに気づかない。記録も記憶も塗りかえられちゃうから──っていうのは、死んだおばあちゃんの受け売りだけどね」 かがみは、信じられないといった表情だった。 「まっ、私も御伽噺かと思ってたけど、実例に遭遇するとはね」 「こなちゃんを救う方法はないの? いのりお姉ちゃん」 つかさが泣きそうな顔でそう訴えた。 「ないわけじゃないけど」 いのりは、あっさりそう答えた。 かがみとつかさが、身を乗り出した。まさに、いのりを押し倒さんばかりに。 「二人とも落ち着いて」 いのりは、二人の肩に手をかけ、押し戻した。 「過去が変わったなら、もう一回変えてやればいいのよ。柊家の秘伝中の秘伝だけど、やってみる?」 二人は神妙な顔でうなずいた。 いのりは、祭壇から和紙でつづられた本を取り出した。 ぱらぱらとめくる。 「あった、あった。『時渡り』の術」 いのりは、御幣を二人に向けると、祝詞を唱えた。 すると、二人を青白い火花が包み込み、そして、消えた。 「あっ、成功しちゃった」 祖母の話では、本当に必要とされるときにしか成功しないから、めったに成功するもんじゃないってことだったのだが。 あまりにあっさり成功しちゃったため、いのりはしばし呆気にとられていた。 青白い火花が収まり、再び目を開けると、そこは変わらぬ奥殿であった。 しかし、いのりの姿が見えない。 「いのりお姉ちゃん?」 つかさが呼びかけに答える者はいない。 かがみは外に出るべく扉を開けようとしたが動かない。 「移動先ぐらいちゃんと考えてよね、もう」 かがみは、いのりへの文句を口にしつつ、扉を押したり引いたりしてみるが頑として動かない。 「体当たりで破るしかないかしらね」 かがみが助走をつけるべく構えたところで、唐突に扉が開いた。 扉を開けて現れた人物は、 「あら? 『時渡り』のお客様かしら?」 若き日の柊みきだった。見た目は全然変わらないが。 「お母さん」 つかさの言葉に、みきは目を丸くした。 自宅の居間。 かがみたちの現在と変わるところは特にないが、しかし、そこは間違いなく過去だった。みきの腕に幼いまつりが抱かれていることが、そのことを証明している。 とりあえず年月日を確認したところ、泉かなたの妊娠推定時期のおよそ一ヶ月前だった。まつりの年齢は2歳ぐらいのはずだ。 「いのりお姉ちゃんは?」 つかさの問いに、みきが答える。 「学校行ってるわよ」 時計の針がさす時刻を信じる限りでは、確かに小学校に行ってる時間帯だ。 「ただおさんは、外に出てるわ」 みきがお茶を入れて、二人に差し出した。 「生まれてもいない孫の将来の姿を見るというのも、乙なものだね」 そう言ったのは、かがみやつかさにとっては、写真でしか見たことのない祖母だった。柊家につらなる者の常で、見た目は若い。 「「……」」 かがみとつかさはどう反応してよいものか分からず、無言のままだった。 「まずは、お話を聞かせてくれるかしら?」 みきに促されて、かがみが事情を整理して話した。 それを聞き終わったみきは、 「そう。将来のいのりは、ちゃんとやってるのね」 感慨深げにそう言った。 そして、 「とりあえず、その泉さんのお宅に行かないことには話が始まらないわね」 みきは椅子から立ち上がると、 「お母さん。私は、これから二人を連れていきますので、まつりをお願いします」 「分かったよ」 祖母に抱かれたまつりはみきに手を伸ばしたが、みきがその頭に手を置き、 「ちょっと出かけてくるから、お留守番しててね」 「あーい」 泉家の邸宅も、現在となんら変わるところはなかった。新築まもないというところだけを除けば。 インターフォンを鳴らすと、中からかなたが出てきた。 「すみません。わたくし、柊みきと申します。突然で申し訳ありませんが、込み入ったお話がありまして」 かなたは、みきの隣にいるかがみとつかさをちらりと見てから、 「どうぞ、中へ」 かがみは、家の中をちらちらと見回した。 「そうじろうさんは?」 「夫なら、今日は原稿を届けに東京に出ています。帰りは夕方でしょう」 それは都合がよい。これから話すことは、泉そうじろうには聞かせられない話だから。 居間のテーブルを四人で囲んだ。 「お構いなく」 みきはそう言ったが、かなたは人数分のお茶を出した。 「すみません」 一息ついてから、かがみが事情を話した。 ひととおり話を聞き終わったあと、かなたはたずねた。 「かがみちゃんが知るこなたは、どんなふうに育っていたかしら?」 かがみは、言いづらそうにしつつも、ありのままを話した。 「フフフ。そうよね。そう君だけで育てたら、そうなっちゃうわよね」 かなたは、微笑んだ。そして、 「こなたは幸せそうかしら?」 「ええ、まあ、人生を謳歌していたかと……」 かなたは、ますます微笑んだ。 「あっ、あの……」 つかさが言いかけたのを、かなたが止めた。 「分かってるわよ、つかさちゃん。こなたはちゃんと生まれるわ」 「ありがとうございます」 かがみは頭を下げた。 「お礼をしなきゃならないのは私の方よ、かがみちゃん。こなたのことを教えてくれてありがとう」 それで話は終わった。 「それでは、私たちはこれで失礼させていただきます」 「もう少しお話をお聞きしたかったですけど」 「未来のことを知りすぎると、また歴史が変わってしまう可能性がありますので」 みきは、きっぱりとそう言った。そして、付け加える。 「あと今日のお話は、旦那さんには……」 「ええ、分かっております。夫には内緒にしておきます」 三人はあらためてお礼を述べて泉家宅をあとにした。 柊家に戻ると、みきは二人を連れて奥殿に入った。 二人を元の時間に帰さなければならない。 「いのりが帰ってくる前にすませちゃわないとね」 まつりはまだ幼いから未来から来たかがみやつかさのことを覚えていることはないだろうけど、いのりが二人に会ってしまったら、いろいろとややこしいことになりかねない。 「お母さん、ありがとう」 「別にたいしたことはしてないわよ。これからあなたたちを元の時間に戻すから、年月日と時刻を教えて」 かがみが答えると、 「多少の誤差もあるから30分ぐらいは余裕を見た方がいいわね」 みきは御幣を二人に向け祝詞を唱えた。 二人を青白い火花が包み込み、そして、消えた。 いのりがそこで待っていたのは、ほんの30分ほどだった。 ふと気配を感じて振り向くと、唐突に青白い火花が飛び散った。 そして、その中から現れたのは、かがみとつかさにほかならない。 「お帰りなさい」 「こなちゃんは!?」 つかさが前のめりに、いのりに問い詰めたが、 「そんなのわかんないわよ。携帯でもかけてみれば?」 かがみは携帯を取り出し、電話帳を開いた。 消えていたこなたの番号が復活している。間違いない。こなたはこの世界に確かにいる。 「もしもし、こなた。あんた、どこにいるの? ん、こっちに向かってるって? ああ、そうだったわね、今日は遊ぶ約束してたもんね。余計なとこによらないでさっさと来なさいよ、じゃあ」 かがみは、携帯を閉じるとほっとしたように胸をなでおろした。 「よかったよぉ」 つかさが泣きそうな顔でそう言った。 「二人とも、こなたちゃんが来る前にさっさと家に戻んなさい」 「うん」 足早に去っていく二人の背中に御幣を向けて、いのりは小さく祝詞を唱えた。 特定の記憶を消し去る『事忘れ』の術。 『時渡り』の術は秘伝中の秘伝であるから、『時渡り』をした者からは関係する記憶を消しておくこと──御先祖様が残した本には、そう書いてあった。 二人の記憶からは、過去に行って帰ってきたことはもちろん、こなたの消失騒動自体も消え去ったはずだ。 二人にとっては、こなたがいる普通に普通の日常が普通に続いている。ただ、それだけのはず。 週明け、月曜日、陵桜学園での昼休み。 いつもどおり三人で集まって弁当を広げる。 こなたは、黙々とチョココロネを食べながら、しきりに首をかしげていた。 「こなちゃん、どうしたの?」 つかさが問う。 「いや、なんかこう、何か忘れているような感じがしてね。DVDの限定版は予約したはずだし、忘れてることなんてないはずなんだけど」 「宿題とかじゃないでしょうね?」 かがみがそう突っ込むが、 「いやいや、最近は宿題も出てないし、大丈夫だよ。でも、なんか忘れてるというか、足りないというか、変な感じなんだよね」 こなたは、かがみとつかさを見回した。 いつもどおりの三人での昼食。何もおかしいところはないはずなのに、何かが変だ。 コメント・感想フォーム 名前 コメント 次はみゆきさんか! 面白かったです -- 名無しさん (2012-01-08 18 58 51)
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バトルアスリーテス大運動会 ReSTART! 色 出演者 備考 黄色 明星かなた(声:諸星すみれ) 水色 エヴァ・ガレンシュタイン(声:石川由依) 緑色 シェリイ・ウォン(声:富田美憂)