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田上芳彦 田上 芳彦(たがみ よしひこ)は、駿台予備学校英語科講師。山梨県甲府市出身。 東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業。NEC海外グループに5年半勤務後、駿台の講師となる。東大進学塾エミールの講師も務める。ウィズダム英和辞典(三省堂)編集委員。 エミールでも、高卒生対象でも、英文法のみを担当する。現役生では主に高1、高2スーパーα英語を担当。 3号館の理系(演習コースを除く)と市谷校舎、千葉校に出講。 講習会では、2013年度まで千葉大英語を独占(2014年度からは秋澤秀司)。 山口紹は、千葉大英語は今(2015年)でも研究は続けているため、千葉大英語の質問をするなら絶対に田上先生だと請け負った。 授業スタイルは好き嫌いがはっきり分かれるので要注意。 また、センター英語演習の初回の授業で「センター英語演習という真っ先に切られそうな授業」という。 講習会で早くテキストを終えたときは単語テストを実施する。理科系にまつわる単語テストの時、過去にradio activityをラジオ体操と書いた人が居たらしい。 全国模試では文法問題の作問を担当している。師の作った問題は難しいと評判。 斎藤資晴によれば、「入試英語の歴史オタク」。その指摘に違わず、「くじら構文」の初出の歴史について、授業中に語ったことがある。 大島保彦は「田上くんは、面白いことを言う前になると必ず噛み噛みになるんだよ」と仰っていた。 2015年に出版した著書に「読むための英文法」がある。これは、師の近年の授業方針の一つである「単純な文法問題だけでなく、読解に生かせる文法を学ぶ」という事をテーマに「読解に使える文法事項」をまとめたものである。構想から完成までに15年を費やしているそうで、大島師も推薦する良書である。 出版の1ヶ月前の授業では、「私は3月20日に駿台文庫から文法の参考書を出版します。書店で見かけたらまずは手にとってパラパラと見てください。それで気に入ったらそのままレジに持って行って下さい。もし買わない時は他の参考書よりも目立つように戻して下さい。」と宣伝していた。
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高橋和浩 人物 通常授業のほか、特設単科、オンデマンド・サテネットなども担当。季節講習も多くの講座を担当する(2013年度の冬期・直前講習はオンデマンド・サテネットのみで、担当する生講座はなし) 独特な解法が人気を博しており、多数講座を開講していても、締め切る講座も少なからずある。 派手な服装(ゾウやキリンのプリントなど珍しい柄のシャツ)と「〜☆ZE」という口癖(本人は「〜(です)ね」と言っているが、滑舌が悪いためそうは聞こえない)が特徴。 一問解き終わると「は~い、どうでしょう・・・」と言う。 プライベートでは早口かつ滑舌があまりよくないので、質問に行っても(親切に対応してくれるが)何を言っているのか分からないときがある。 2013年度通常授業をもって、駿台講師を退任。その後については退任理由も含めて現在もなお不明。 それに伴い多数担当していたオンデマンド・サテネットなどの映像授業は削除された。そのため現在は森下寛之、小倉正舟、笠原邦彦各師が映像講座を担当している。 授業 いたって真面目。初学者にもわかりやすいように色チョーク、図などを多用し、丁寧に授業を進める。文章はあまり用いず、図による解説がほとんど。なので、受講する際には口頭説明や自分で副文をフォローしないと、あとからノートを見返して困るかもしれない。 まずは基本事項の確認、そして解法の道筋・注意点をまとめた『POINT』を示した後問題を解いていく。 駿台講師にしては珍しく、解き方重視の授業をする。そのため、物理学的な解説はほぼ皆無である。 微積分も使うが彼独特の解法がある。なお、微積分に関してはしっかりとフォローが入る。 その一例に、波のグラフを3次元で考えるという一般人には理解し難いエスパー級の説明もすることが挙げられる。
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伊藤和夫の著書。 英単語、文法、和訳など英語学習のすべてについて伊藤和夫が生徒二人の質問に答える形で書かれている。 伊藤師の英語に対する根本的な考えを理解することができる。 ただし、時代にそぐわない部分もあり、半分くらいは師の死後にかかれている。よって単純に師の考えを反映しているわけではないので注意
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53 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/06/03(土) 02 49 59 ID +eT8KhQA 里村・春香がいなくなって数ヶ月、幹也の生活は完全に固定していた。 学校が終わると、図書室に行くことなく、喫茶店グリムへと向かう。 部活動が終わるくらいの時間までは、グリムで、マッド・ハンターやヤマネと過ごす。 そして、二人を置いて、家へと帰る。 ヤマネは先に帰る幹也を恨みがましい目で見つめたが、無理矢理に引き止めようとはしなかった。 代わりに、 「お兄ちゃんっ、明日、明日も来てねっ! 絶対だよっ!」 と約束の言葉を投げかけるのだった。 幹也はその言葉に頷きつつも、内心ではどうでもよかった。 学校は嫌いではない。勉強もそこそこで、話し相手もいて、平穏な日々。 ただし、退屈だった。 家族は嫌いではなかった。父がいて、母がいて、妹がいて。平和な一軒家。 ただし、退屈だった。 狂気倶楽部は嫌いではなかった。マッド・ハンターやヤマネ、時にはその外の少女との異常な付き合い。 ただし、退屈だった。 面白いことがないから退屈なのではない。 退屈だと思うから退屈なのだと、幹也は自覚していた。 ヤマネを抱くことに楽しさを感じることもなければ、首を絞めるのに背徳感もない。 ただただ、退屈だった。 だから、 「――兄さん、明日暇ですか?」 と、家で妹に言われたとき、幹也は迷わず「暇だよ」と答えた。 頭の中ではヤマネとの約束を憶えていたが、どうでもよかった。 退屈だったのだ。 その結果、どんなことになろうが、構いはしなかった。 54 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/06/03(土) 03 07 24 ID +eT8KhQA 妹。 その姿を見るたびに、最近の幹也はヤマネのことを思い浮かべる。 勿論ヤマネと妹は似てもつかない。 妹は物静かで口数が少なく、ほとんどの時間を鴉色の制服で過ごしている。 髪の色は幹也と同じ黒で、膨らむことなく真っ直ぐに伸びている。 背は幹也の肩に並ぶくらいだが、全体的に細く、大人びた感があった。とても中学生には見えない。 同じく鴉色のプリーツスカートには皺一つない。丁寧で几帳面だな、と幹也は思う。 学校帰りに買い物に行く時でさえ、制服を着ているのだから。 もっとも、幹也とて、同じく制服を着ているのだから妹に何を言えるはずもない。 「どれがいいですか?」 幹也の隣に立つ妹が小さく言う。ぴったりと横に寄り添い、腕をくっつけるようにして立っている。 いつものことなので幹也は気にしない。ウィンドウに並ぶケーキの山を見定める。 母親の誕生日ケーキだった。 ――プレゼントは既に買っているので、みんなで食べるケーキを買いたい。兄さんも好きなケーキを。 そう妹に頼まれたのだった。 好きなケーキ、と言われても、幹也にはぴんとこない。好きなものも嫌いなものもないからだ。 「――これは?」 適当なチーズケーキを指差して幹也が言うと、その手を掴んで、ぐい、と妹は降ろした。 「指差してはいけません」 そのまま、指を差さないように、ぎゅ、と腕を掴んで離さなかった。 幹也は仕方なく、目線だけでケーキを見て、 「あのロールケーキは?」 「それがすきなのですか?」 「好きでも嫌いでもないよ」 正直にそう言うと、妹は少しだけ頬を膨らませた。 「それではだめです。好きなものを選んでください」 「好きなの、ね……」 幹也は悩み、すべてのケーキを見る。好きなものも嫌いなものもない。 が、一つだけ、ピンと来るものがあった。 55 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/06/03(土) 03 08 07 ID +eT8KhQA ごくありきたりな、生クリームのイチゴケーキ。 けれど、その上には、お菓子で出来たウサギが乗っていた。 妹に話していないものの――『五月生まれの三月ウサギ』として、興味が沸いた。 「これ。これにしよう。これがいい」 「これですね」 幹也の視線を正確に読んで、妹は店員にケーキ名を告げる。 すぐに、箱に入れたケーキを手渡された。 妹は、幹也に片手を絡ませたまま、器用に残った手で財布からお金を取り出そうとした。 そして、それよりも早く、 「はい、どうぞ」 「ありがとうございましたー!」 幹也が、ポケットから千円札を取り出して、店員に渡した。 お釣りを受け取る幹也を、妹は、微かに嬉しそうな、怒ったような、どちらともつかない顔で見ている。 「……兄さんはずるいです」 「みんなずるいのさ」 妹の言葉の意味がわからなかったが、幹也は適当にそう答え、絡ませていない方の手でケーキを受け取った。 頭を下げる店員から目を離し、踵を返す。 そして。 「――――――――――」 鏡張りの向こう、店の外に。 手首にラッピング用のリボンをまき、栗色の髪の毛で、フリルのついた白いワンピースを着て、裸足の少女がいた。 少女は――ヤマネは。 泣きそうな、それでいて笑い出しそうな、不思議な表情で、幹也と、手を絡める妹を見ていた。 56 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/06/03(土) 03 28 22 ID +eT8KhQA ヤマネとはっきりと目があった。 泣き笑いを浮かべ、口元をへらへらとゆがめるヤマネと、はっきりと目があうのを幹也は感じていた。 幹也は考える。明日も来てね、と約束して、来なかった自分を探して、街をさ迷うヤマネの姿を。 いつもの格好で、裸足のまま、街をうろつくヤマネの姿を。 そして思うのだ。 幹也が約束を破ったのは、これが始めてではない。いつもは、約束を破って、家に帰っていた。 けれど、今日はたまたま――妹と、町に出た。大人びて、幹也と似ていない妹と。 そして、たまたまではなく、いつものようにヤマネは街をさ迷って、幹也の姿を見かけた。 そして、ヤマネは、仲が良さそうに手を組み、ケーキを買う幹也と妹を見て、こう思ったに違いない。 ――いつも、あの子と一緒にいるんだ、と。 幹也と妹が店から出ても、ヤマネは一歩も動かなかった。 へらへらと笑っている。 へらへらと、壊れたかのように笑っている。 その姿を妹は不審げに見ている。幹也は、真顔で見つめている。 笑ったまま、ヤマネは言った。 「お兄ちゃんっ! ヤマネのこと、好きっ?」 妹が不審げな顔を深める。 幹也は、感情を込めずに、あっさりと答える。 「ああ、好きだよ」 その言葉を聞いて、ヤマネは、へらへら笑いではない、満面の笑みを浮かべた。 「そっかっ! じゃあ、お兄ちゃんっ、また明日ねっ!」 言って、笑ったまま、どこかへ去っていった。 裸足で去っていく姿から、幹也はあっさりと視線を外し、言う。 「帰ろうか」 「兄さん」 歩き出そうとした幹也の腕を掴んだまま、妹は不審げな表情のままに、尋ねた。 「今の人は知り合いですか?」 幹也は、平然としたまま、あっさりと答えた。 「知らない子だよ」 その日は、それだけで終わった。 そして、全てが終わり始めたことに、幹也はまだ気づいていなかった。 (続)
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29 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/05/30(火) 02 17 43 ID W56qDLe3 狂気倶楽部とは、つまるところ「ごっこ遊び」である。 誰が言い出したのか、誰が作り出したのかすらはっきりしない。 ただ、その『始まり方』だけははっきりと伝わっている。なぜならば経緯を記した地下図書室にあるからだ。 元々喫茶店「グリム」は少し変わった喫茶店であり、古いアンティークと雰囲気が合わさって ゴスロリ少女が集まる、通向けの喫茶店だった。 そのうちに、集まる少女の誰かが言った。 『ごっこ遊びをしましょう』 集まる少女の誰かが賛同した。 『本名を隠して、「お話し」の名前を借りて。ごっこ遊びをしましょう』 集まる少年の誰かが賛同した。 『キャラクターをなぞらえて。二つ名をつけて。楽しい楽しいごっこ遊びをしましょう』 集まる少女と少年が賛同した。 『私はアリス』 『あたしは赤頭巾』 『僕はピーターパン』 『わたくしはシンデレラ』 こうして、童話と元にした、『ごっこ遊び』が始まった。 始めは他愛のない、あだ名の付けあいのようなものだった。 けれども、ゆっくりと、それは変質していった。 本名も何も知らない、喫茶店だけで通じるあだ名。 それは選民意識を伴い、やがては、『ごっこ遊び』から『物語』へと変わる。 異端な登場人物。真似、ではなく、本物になっていた。 初代シンデレラは親友の目を抉って自殺した。 初代アリスは、その存在を特別なところへと押し上げた。 初代ピーターパンは、永遠を求めるあまりに発狂した。 初代赤頭巾は、親戚に地下室に閉じ込められて堕ちてしまった。 そうして。 その名は受け継がれ。二代目たちは、最初から異端なものたちで構成され。 名前を受け継ぎ、二つ名をつけられる彼女ら、彼らは、いつしかこう呼ばれた。 喫茶店に来るだけで、名前を受け継がれない「観客」たちから、こう呼ばれたのだ。 ――「狂気倶楽部」と。 30 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/05/30(火) 02 30 06 ID W56qDLe3 そして今、三代目「三月ウサギ」こと、『五月生まれの三月ウサギ』須藤幹也は優雅にコーヒーを飲んでいる。 彼の本名を、この場にいる人間は誰も知らない。 幹也も、今この場にいる二人の本名を知らなかった。 あくまでもこの場だけの付き合い。死ぬまでの暇つぶし。 虚無的で刹那的な空間を、そしてそこにいる異常な、この場ではあるいみ通常な少女たちを気に入っていた。 居心地がいい、とすら思った。久しく飽きることはない。そう感じた。 「お兄ちゃんっ! 今日はもうご本読まないの?」 膝の上に座る、ヤマネ――何代目かは知らない――『眠らないヤマネ』は、顔を上げて幹也にそう問いかけた。 ぴちゃぴちゃと猫のように舐めていたホットミルクが、いつの間にか空になっていた。 逆しまになった瞳を見つめて、幹也は答える。 「本は飽きたよ。一日一冊で十分だ。たまにはヤマネが読めばいいじゃないか」 「やーだよ。ヤマネは、お兄ちゃんに読んで欲しいんだもんっ!」 言って、コップを机に置き、ヤマネは再び反転した。 猫がそうするように、幹也の膝の上で丸くなった どこが『眠らない』だ、と幹也は思う。二つ名をつけるのは一代前の人間か、あるいは『名づけ親』と呼ばれる倶楽部仲間で、本人の意思ではない。 回りがそう感じたからこそつける名前が二つ名だ。 眠らない――活発に動き続ける、ということだろう。 死ねば動かなくなるかな。そう思いながら、幹也はヤマネの頭をなでた。 「今日も今日も今日とて仲がよさそうだね。いやはやいやはや妬けてしまうよ」 呆れるように、からかうようにマッド・ハンターが言う。『首刈り』という物騒な二つ名を持つ少女だ。 もっとも、幹也は彼女をそう恐れてはいない。マッド・ハンターの趣味は、大抵同年代の少女へと向いているからだ。 幹也にとってはお喋りで面倒な相手でしかない。 それでも構うのは、やはり暇だからだろう。 「焼けるっていうのは、二枚舌でも焼けるのか」 「いやいやいや。残念ながら私の下は一枚だもの。焼けてしまったら困る」 「焼けて静かになった方が世界のためだ」 「君の世界はどうか知らないが、私の世界はこれで幸せだよ」 マッド・ハンターは、満足げにそう言って、手にしていた本を机の上に投げ置いた。 しおりも何もはさまっていない。読み終えたのか、続きを読む気がないのか。 恐らくは後者だろう、と幹也は思う。 31 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/05/30(火) 02 45 04 ID W56qDLe3 無視して、ヤマネの頭をなでながら思考に戻る。 今日の暇つぶし的な思考は、先ほど読んだ本についてだ。 少女が片方を毒殺し、毒殺することで独りになり、最後には誰もいなくなる話。 出来の悪いマザーグースか何かのように思えた。これを作った奴はそうとうにひねくれているに違いないと幹也は思う この本は、書店に流通している本ではない。 喫茶店「グリム」の地下の「図書室」に存在する本。 それらは全て、過去の「狂気倶楽部」のメンバーが書いたものだ。 基本的に著者は乗っていない。文体でこの本とこの本は同じ人が書いたな、と思うくらいだ。 本は、誰かに見せるための本ではなかった。 ただ、暗い嫌い自分の内面を吐露しただけの、怨念のような本だった。 それを、幹也は、何を気負うこともなく毎日読んでいた。 学校から還って、寝るまでの時間を、幹也はここですごす。 居心地がいいのでも、合いたい人間がいるのでもない。 一番『マシ』な秘密基地だから、とでもいうかのような理由だった。 「ヤマネは本は好きかな?」 幹也の問いに、ヤマネは丸まったまま即答する。 「お兄ちゃんの方が好きだよっ!」 それは嬉しいことだ、と幹也は思う。 たとえ出会った瞬間に「お兄ちゃんっぽいからお兄ちゃんっ!」と言われ、それ以降依存するかのように つねにべったりと甘えられているとしても、好意を向けられていることは嬉しかった。 好意を向けられれば、少なくとも暇つぶしはできるから。 依存と調教。ヤマネと幹也は歪な関係であり―― 32 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/05/30(火) 02 45 54 ID W56qDLe3 「今日も、今日も、今日とて君はやるのかな?」 マッド・ハンターの楽しそうな声。 「まあね――どうせ、暇だし」 幹也は答え、ヤマネの頭をなでていた手を、おなかの下へと回す。ヤマネの小さな身体を抱きかけるように。 「うぃ? お兄ちゃん?」 ヤマネの不思議そうな声。嫌悪はにじみ出ていない。 幹也は片手でヤマネを持ち上げる。満足に食事をしていないのか、酷く軽かった。 持ち上げて、机の上からコップをどかし、広くなった机にヤマネの身体を置いた。 丸いヤマネの瞳が、幹也を見上げている。 「うぃ、お兄ちゃんやるのっ?」 「暇だしね」 「いつものようにいつものごとく、見させてもらおうかな」 そう。 狂気倶楽部においては、歪こそが正常である。 『元ネタ』が共通しているせいか、ヤマネとマッド・ハンターと幹也は、比較的話す機会があった。 ヤマネが依存し。 幹也が壊し。 マッド・ハンターが薄く微笑みながらソレを見る。 異常な光景が通常に行われる場所。それが狂気倶楽部の集い場だった。 そして、幹也は、いつもの如く、 「――それじゃあ、暇つぶしだ」 机に押し倒した、小さなヤマネの細い首に、手をかけた。 (続)
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雲孝夫は東京大学卒。駿台予備学校、河合塾、SEG、大数ゼミ講師である。 駿台には、2015年度より出講開始。2015年度はお茶の水東大理系のZS1と市谷SA~SDのXS1を担当。 数3範囲、極限や微積分の授業を担当することが多い。 河合塾では、ハイパー東大理類クラスのみ授業を10年以上担当。 なお、講習は、SEGと駿台でしか授業を持っていない。 人物 雲幸一郎の弟。 学生時代の専攻は整数論、指導教官は伊原康隆。 板書の字は大きめで綺麗だが、手書きの配布プリントは読みにくさに定評あり。 問題のパターンに合わせて解法を覚えることよりも、本質を抑えて、どんな問題でも同じような手順で解く方法を教える。(例えば、数列の漸化式や、極限分野) 50分授業の駿台では、問題解説で手一杯となるため、他予備校で行う基本事項の教科書とは違った視点からの解説にあまり時間を掛けていない。 兄同様、θを(スィータ)と発音する。 記号の使い方、読み方は海外に倣っているようであり、≒を「≈」と書いたり、f(x)の第一次導関数f´(x)を「エフ プライム エックス」と読んだりする。なお、第二次の場合は「エフ ダブル プライム」 質問対応は非常に丁寧である。一緒になって考えてくれる。 教科書、参考書等々の批判の際も、非常にやんわりとした言い方である。 かつて大島保彦は、「雲君(=雲幸一郎)の弟さんは人格者だよ~。」と仰っていた。 授業 授業はほんわかした関西弁で進められる。喋りが上手く、授業に引き込まれる。 「ノート取らなくてええからな~、まずは見ててくれ~」と、問題の大まかな方針や、公式の図形的イメージを前でやってみせた後で、ノート用に丁寧に板書し直すことが多く、とても分かりやすい。 パターン毎の解法暗記ではなく、根本原理の理解を重視する。 極限分野の授業では、主要項を重視する話から、最終的にテイラー展開まで解説する。 テイラー展開は、易しい問題の場合、使うのに適さない場合もあるが、難問であるほどあっさり解決して、師の解説を聞くと感動する。また、1次近似、2次近似への理解も深まる。 問題を深く理解するため、微分方程式について解説することもある。 バームクーヘン分割や傘型分割はあまり好きではなく、テクニックに頼らずとも、まっとうにやれば確実に解けることを強調する。 一問一問を深く解説するときは、テキストの一部の問題をプリント配布で済ませることがある。プリントを読めば、理解できる生徒には、数学的に深い話が聞けるので好まれる。 紹介する別解の中には、他の講師の解説や、参考書では中々目にしない、独特なものもある。特に、求積分野ではアクロバティックな解法を見せることがある。 煩雑な積分計算でも、その場で暗算で計算し、テキストや授業メモはほとんど見ない。 前期テキストを解説するときは、「基本の確認」→「例題」→「テキストの問題」という流れで進むことが多い。他の講師がテキストの問題を解きながら重要なことを確認するのに対して、まず重要事項を確認してからテキストの問題に入る、という感じ。 師の良さは、基本事項を教科書とは違った視点から再構成することで出てくるので、授業の担当時間数が少ない駿台では、その良さが出づらい。 各分野を詳しくまとめる時には、練習問題をその場で出すことが多い。 生徒を当てることがあるが、難しいことは聞かない。答えられなくても、丁寧な解説で、フォローしてくれる。 兄の雲幸一郎は毎月大学への数学に連載しているが、師は、最近は時々しか記事を書いていない様子。 大数ゼミでは、長年数Ⅲの授業を担当している。 面積や体積の求積問題では、他の講師がやらないような、近似を駆使した別解を紹介することがある。 一通り解説したあと、その問題から、何を学んだのか、どの考え方が他の問題に応用できるのかを再確認する。 類題が作れるようになって初めてその問題をモノにしたと言える、という話をすることがある。 講習 東大理系数学(夏期・冬期) 東大文系数学(夏期・冬期) 医系数学(夏期・冬期) スーパー数学完成Ⅲ(冬期) 完答を目指すセンター数学ⅠAⅡB(冬期) 数学FAⅡ(直前Ⅰ期)
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190 :177の続き [sage] :2006/06/25(日) 22 39 19 ID OwitErRI ――そして、半年後。 街へと消えていったはずの幹也は、今、喫茶店「グリム」地下の図書室にいる。 机の上でぐったりと放心している少女――グリムに覆いかぶさるようにして。 そこにいるのは、ヤマネではない。 机の反対側にはマッド・ハンター。胸の中にはグリム。 かつて幹也の傍にいたヤマネは、此処にはいなかった。 「ふむ、ふむ、ふぅむ! それにしても君は本当にどうしてここにいるのかな?」 行為が終わったのを見計らって、マッド・ハンターが口を挟んだ。 その声は、いつもと変わらない嬉々としたものだ。ヤマネがいたころから。あるいはその前から。 そして、これから先も変わらないであろう笑顔に向かって、幹也は答える。 「退屈になったから。それだけだよ」 簡潔な答えに、マッド・ハンターはあは、あはは、あはははと笑い、 「君はいつもそれだよね。退屈、退屈、退屈! ――その退屈を紛らせてくれたヤマネはどうしたのかな?」 確信的な、あるいは核心的な言葉を聞いて、幹也は微笑んで答える。 「君が知らないわけないだろ。ニュース見たよ。 『少年少女謎の失踪』。『殺人カップル』『少年死亡説』、他には何があったっけ」 「『悲惨な事件の生き残り・須藤冬華の賢明なリハビリ』。 ニュースに出たおかげで、三月ウサギ君の正体を知ったのよね」 「ここで名前を呼ばないのは嬉しいけどね。で、どういうことなんだよ」 なにがかな? とマッド・ハンターはとぼける。 とぼけた顔は笑っている。解っていて、彼女は笑っているのだ。 そのことを悟っている幹也は、ため息と共に言う。 「どうして――死んだはずのヤマネが、失踪扱いになってるんだよ」 その言葉に、マッド・ハンターはこの上ない笑みを浮かべた。
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63 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/06/05(月) 02 23 08 ID HVNZGBN/ 翌日。幹也は学校が終わると同時に、喫茶店「グリム」へと向かった。 ヤマネが「明日」と言ったからではない。 単純に、退屈だったからだ。退屈だったからこそ、いつものようにグリムへ行き、地下の狂気倶楽部へと向かった。 いつものように、そこには二人の少女がいた。 マッド・ハンターと、ヤマネだ。 幹也は唄いながら十三階段を降り終え、二人に挨拶した。 「おはよう」 「ん、ん、ん? おはようと言った所でもう夕方よ」 「授業中退屈で寝てたんだよ――おはようヤマネ」 言葉を向けられると、ヤマネの顔に、満面の笑みが浮かんだ。 脳が蕩けたかのような笑顔を浮かべながらヤマネが言う。 「おはよっ、お兄ちゃんっ! 今日はなにするっ!?」 にこやかに挨拶をするヤマネに笑いかけ、幹也はいつもの指定席に座る。 長机の一番奥の椅子に。 いつもと違う事があるとすれば――幹也が本をとるよりも早く、その膝の上に、ヤマネが乗ってきたことだ。 まるで、昨日の分も甘えるとでも言うかのように、ヤマネは全身で幹也にすりよる。 臭いをつける猫に似ていた。 ヤマネが、二つ名の通りに『ヤマネ』ならば、今ごろ幹也は穴だらけになっていただろう。 「今日はずいぶんと甘えるね」 幹也もそう感じたのか、言いながら栗色の髪の毛を撫でる。 撫でられたヤマネは気持ち良さそうに微笑み、言う。 「――お兄ちゃんっ、昨日のコって誰かなっ!?」 64 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/06/05(月) 02 32 12 ID HVNZGBN/ 唐突なその問いに、幹也の手が止ま――らなかった。 まったく動揺することなく、頭をなでながら、幹也は言う。 「妹だよ」 「妹?」 逆に、ヤマネの動きが止まった。 その答えをまったく予想していなかったのか、瞳はきょとんとしていた。 何を言っているのかわからない、そういう顔だ。 家族がいないとでも思っていたのだろうか――そう思いながら、幹也は言う。 「妹。家族だよ」 「仲」惚けたまま、ヤマネは問う。「良いのかなっ?」 見ての通りだよ、と幹也が応えると、ヤマネは「そっかぁ。えへへ」と、笑った。 楽しそうに、笑った。 楽しそうに笑う場面ではないというのに。安堵の笑みなら分かる。幹也を取られないという安堵ならば。 けれども、ヤマネの笑いは違った。 どこか被虐的な――自嘲じみた、歪に楽しそうな笑みだった。 「家族かぁ! いいなぁ、いいねっ! お兄ちゃんも、ヤマネの家族だよねっ、だってお兄ちゃんだもんっ!」 楽しそうに笑ったままヤマネは言う。 幹也は「そうだね」と適当に頷き、ヤマネの軽い体を机の上に置く。 退屈だった。 妹もヤマネもどうでもよかった。退屈を潰せるのならば。 いつものように――幹也は、ヤマネの首に手をかける。 「うふ、ふふふっ、うふふふふっ! あは、あはっ! お兄ちゃん、楽しいねっ!」 ヤマネは笑っている。 いつもとはどこか違う、歯車が一つ壊れたような笑み。 幹也は構わない。歯車が壊れても遊べることには変わりない。 歪な、歪な今までとは違う歪さの二人。 その二人を見ながら、マッド・ハンターはひと言も発さず、楽しそうに笑ってみている。 65 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/06/05(月) 02 39 15 ID HVNZGBN/ 結局、その日は、いつもよりも早く帰ることになった。 ヤマネの反応が、いまいち面白くなかったからだ。常に笑っているだけでは、壊しがいがない。 反応を返してくれるからこそ、退屈しのぎになるのだ。 そう考えながら、幹也は一人、家へと帰る。 ごく普通の一般家庭の中に、普通の子供として帰る。 肌に少女の臭いが残るだけだ。家族は情事としてしか見ないだろう。 まさか首を絞め、異常な交わりをしているとは、少しも思わないだろう。 「雨に――唄えば――雨に――唄えば――」 ワン・フレーズを繰り返しながら幹也は歩く。 頭の中には、もうヤマネのことはない。あるのは、里村・春香のことだ。 図書室から飛び降り自殺をした春香のことを考える。 今もなお考えるのは――死んだ瞬間、春香のことが好きだったからだと、幹也はなんとなく考えている。 一瞬だけ退屈がまぎれるような――人を好きになれるような――幸せだと感じるような―― 不思議な感覚が、『あの一瞬』にはあった。 人にとっては異常とも思える思考と記憶にたゆたいながら、幹也は家へと帰る。 「雨に、唄えば――」 唄いながら扉を開け、家へと入る幹也は気づかない。 ――電柱の陰に隠れるように少女がいる。ワンピースをきて、栗色の髪の毛をした少女が。裸足のまま、じっと、幹也が入っていった家を見ている。 ヤマネに、後をつけられ、家を知られたことに、幹也は気づかない。 幹也の家を知り、幹也の部屋に電気がついたことを確認したヤマネは、楽しそうに笑いながらその場を去っていく。 ヤマネの頭にある考えは、一つだけだ。 ――お兄ちゃんは、ヤマネだけのものなの。 (続)
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【種別】 技 【初出】 Ⅷ 【登場巻数】 Ⅷ 【解説】 詳細は「ふしだらブロッカー」の項で。
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名前 POSITION ポジション行動一覧 ATK 60 ATK 30 ATK 10 <> <> <> LEADER SP DEF SP ATK 【】 <> DEF 60 DEF 30 DEF 10 【】 【】 【】 ポジション行動詳細 POSITION 行動 詳細 ATK 60 <> ● ATK 30 <> ● ATK 10 <> ● SP ATK <> ● SP DEF 【】 ● DEF 60 【】 ● DEF 30 【】 ● DEF 10 【】 ● LEADER - ● PARAMATER 項目 梅 王 帝 神 その他 COS Style HP ~ ~ ~ ~ Class MP ~ ~ ~ ~ Type ATK ~ ~ ~ ~ 世界観 Horizon DEF ~ ~ ~ ~ 学年 MAG ~ ~ ~ ~ 性別 MGR ~ ~ ~ ~ 種族 INV ~ ~ ~ ~ 出身地 所属世界 GENESIS 火 所属国 水 教譜 風 役職 土 襲名 襲名者 表現 速度 原作者による解説(公式Twitterより) 雑感 テンプレートです 関連項目