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※ゆっくりいじめ小ネタ189 新製品 ゆっくりいじめ小ネタ453 新製品 その2 の設定を使わせていただいています。 厨ゆっくり注意 今、俺は自宅へと全力疾走していた。 腕にはゆっくりショップ印の買い物袋を抱えている。 そっくりれいむ。 新製品をチェックするために訪れたゆっくりショップ。 ついなんとなしに立ち寄った捕食種コーナーで、俺はこいつを見つけた。 100%人工の饅頭。 それだけならば、ただ買わずに通り過ぎただろう。 だが、なんとなく手に取った説明書にはこう書かれていた。 ※飾りをゆっくりの物と取り替えると、生きながら腐るゆっくりが生まれる場合があります。 絶対にやらないでください。 超見てみてぇ。 早速そっくりれいむを買い、家へと猛ダッシュ。 生きながら腐るって。一体どうなるのだろう。すごいワクワクする。 久しぶりに感じたこの胸の高鳴り。 さぁれいむ。 お前に命を吹き込んでやるよ。その結果どうなるかは知ったことではないが。 黒い悦びを胸に、俺は走り続けていた。 そっくりれいむで遊ぼう! 「―――で、お兄さんはそのれいむをかってきたと」 「そうですその通り!ヒャア我慢できねぇ実験だ!」 流れる汗を拭き取り、爽やかに答える。 明らかにゆうかが冷めた目をしているのに気づいたのは2日後だった。 「今回はゲストをお呼びしています!カモンおりん!」 「じゃじゃーん!」 ゆっくりおりんを呼ぶ。 別にゲストとはいっても同居しているのだが。 「さぁおりん、ゆっくりの死体を操る君ならわかると思う。 このそっくりれいむは、100%人間の手で作られた饅頭だ。ゆっくりではない」 テンションをそのままに、俺は喋りだす。 おりんはいつもと違う俺の様子に戸惑っているようだ。 「ゆっくりは母から産まれる、それは当然だ。 母の胎内、あるいは茎に揺られ、この世に生まれてきた事を実感するのだ。 この世全てからの祝福、母の愛情に包まれてゆっくりは誕生する」 更にボルテージを上げ、真っ赤な嘘を並べ立てる。 そんな平和に生れ落ちることの出来るゆっくりなんて一握りしかいないっての。 「だがこのそっくりれいむは違った! このれいむに母も無く、祝福も愛情も無い! 産まれてすらいない!人間の手で製造されたのだ!」 既にゆうかは居ない。 どうやら呆れてどこかに行ってしまった様だ。 おりんひとりを相手に、俺は演説の真似事を続ける。 「何と酷い事か!このれいむは冷たい工場の中で、餌として組み立てられた! このれいむとゆっくりに何の違いがある!?小麦粉の肌、飴の歯、白玉の目! 全て同じではないか!何故れいむがこのような仕打ちを受けねばならないのだ!」 明らかにおりんは引いてる。 だが気づかない。イケイケモードとなった俺は止められない。 「だから俺はれいむに魂を吹き込む! れいむは食べられるためのお饅頭ではなく、ひとつの生命としてこの世を生きるのだ!」 本当は生きながら腐るという地獄を味わってほしいんだけどね。 「だからさおりん、君のゾンビ饅頭から飾りを貰い受けたいんだけど。いいよね?」 「い、いいよ!おやすいごようだよお兄さん!」 ようやく素の状態になった俺に安堵するおりん。 そっくりれいむ用のリボンをくれることも快諾してくれた。 「死体のことならあたいにおまかせ!ゆっくりれいむならよりどりみどりだよ!さぁ!こっちにおいで!」 おりんが指を鳴らすと、ぞろぞろとゾンビ饅頭たちがやってきた。 「ユ゛・・・・・・ユ゛ックリジデイッデネ・・・・・・」 「ユ・・・・・・ユヒ・・・・・・」 「ユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッ」 「カユ゛・・・・・・ウマ゛・・・・・・」 明らかに死んでいるとわかるゆっくり達。 片方の眼球が無いものや、腐り始めているものもいる。 「あー、じゃあこのゾンビれいむのリボン貰うぞ」 「ユ゛ッ!レイム゛ノ゛オ゛リボンガエジデネ!」 別に死体のゆっくりの飾りを使う必要はない。 ただなんとなく死体の方が相性がいいかなー、と思っただけだ。 「さぁそっくりれいむ!!お前はこのおリボン(死臭付き)で新たな生を手に入れるのだ!!」 れいむにリボンを装着する。 さぁ、何が起きるんだ。 「・・・・・・ゅ・・・・・・ゅっ・・・・・・ゆ・・・・・・ゆっ・・・・・・」 動き始めたそっくりれいむ。 おお、いきなり動くとは。後2つ~3つくらい飾りを変えて試すつもりだったのだが。 「ゆっくりしていってね!」 定番の台詞。どうやらそっくりれいむに魂が吹き込まれたようだ。 「やぁれいむ。ゆっくりしてるかな?」 「ゆゆ!れいむはゆっくりしてるよ!」 どこからどう見ても普通のゆっくりだ。ちゃんと腐っていくのだろうか? 「おりん、こいつ操ってみろ。多分出来るぞ」 「あいあいガッテンだよ、お兄さん!」 むむむ、と念を込めてれいむを見つめるおりん。 釣られるようにれいむの身体が動き始める。 「ゆゆ!?れいむのからだがかってにうごくよ!!」 「お兄さん、ほんとにできたよ!」 そりゃそうだろう。なんたってこいつは元々ただの饅頭なのだから。 言ってみれば生きながら死んでいる。いや、死にながら生きてるのか? 「はーいそうとわかったらもう用無しですよーれいむちゃん」 「ゆっ!おそらをとんでるみたい!」 れいむを抱き上げ、透明な箱に入れる。 万一勝手にどこかに行って腐られたら困るからね。 「おにいさん!れいむをここからだしてね!じゃないとおこるよ!ぷくぅ!」 「はいはーいじゃあそこで腐っていってねー」 とりあえず放置する。 一体何日で腐ったりするのだろうか。ちょっと楽しみ。 「さあおりん、もう行こうか。3時のおやつでも食おうぜ」 「あたい、お兄さんに揚げまんじゅうつくってあげるよ!」 「ユ゛ッ!オマ゛ンジュウ!」 「ワ゛ーイ゛ヤッダー」 「ユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッ」 ゾンビ饅頭どもをぞろぞろ引き連れ、俺とおりんは部屋を後にする。 「ゆ゛うううううう!!れ゛いむ゛も゛お゛まんじゅうだべだいいいいいいいいいいい!!」 部屋の中にはれいむだけが取り残されていった。 1日後。れいむの様子を見るべく部屋を訪れる。 「ゆっ!おにいさん、れいむをここからだしてね!れいむおなかすいたよ!」 ぷりぷりと膨れながら威嚇してくるれいむ。その様は普通のゆっくりと変わらない。 当然無視する。俺が見たいのは生きながら腐る饅頭なんだ。今のお前なんかと話す事はない。 「ゆうううぅぅ!!おにいざん、れいむだじでよおおおおお!!!」 さっさと部屋を出る。 一体変化が訪れるのはいつごろやら。 「おながずいだあああああああああああああああ!!!」 2日後。 「ゆううううう・・・・・・おにいざん、おながへっだよおおおおおおお・・・・・・」 元気がないが空腹によるものだろう。 ゆっくりが生きていくうえで必要な食料は少ない。大食いなのはゆっくりが必要以上に強欲なためだ。 ゆっくりは本来エコなナマモノなのだ。だから1ヶ月程度の長い絶食にも耐えられる。 まぁ普通に生きているこいつに興味はない。さっさと腐れよ。 そうでなければお前に命を吹き込んだ意味はないんだからな。 「だじでええええ・・・・・・おうぢがえる・・・・・・」 3日後。ようやく変化が現れた。 「ゆ゛・・・・・・おにいざん・・・・・・だじで・・・・・・」 少々様子がおかしい。 舌をべろんと出し、口からはだらだらと涎を流し続けている。 眼は焦点を失い、こちらを見ていない。 だがまだ意識があるな。それに外見に異常は見当たらない。 腐食は内部から始まったのだろうか?今れいむの体内はどうなっているのだろう。 箱の中にゆっくりフードを入れ、部屋を後にする。 ようやく楽しくなってきた。もっともっと面白くなれよ、れいむ。 「ゆ゛・・・・・・うめ゛・・・・・・めっちゃうめ゛・・・・・・」 部屋にはクチャクチャと、れいむの咀嚼する音だけが響いていた。 4日後。 「ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・」 完璧に壊れたな、こりゃあ。 今にも飛び出そうなほどに開かれた両目は白く濁り、口からは涎と共に呻きのような声が絶えず漏れ出ている。 ゆっくりフードを与えてみる。反応はない。 「ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・」 見れば、れいむの頬に黒いシミのようなものが浮かんでいる。カビだ。 れいむの内部を蹂躙したであろうカビは、とうとうれいむの外側にまで及ぼうとしている。 眼を凝らせば少しずつカビが広がっていくのがわかる。異常なスピードといえた。 今日はこのままれいむを観察しよう。 このカビがれいむを覆い尽くすところを見てみたい。 おそらくだが、多分まだれいむは生きているはずだ。生きながら腐る。俺はこれが見たかったんだよ。 「ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・」 そして5日後。そこにはカビ饅頭があった。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 もうれいむは動かない。呻き声を上げることすらない。 カビはれいむの全身を覆い、れいむの顔面は真っ黒のグズグズになっている。 正直、ここまで凄まじくなるとは思っていなかった。まだあのゾンビ饅頭の方がマシだ。 「おーい、おりん。来てくれ」 「よんだかい、お兄さん?」 おりんを呼ぶ。流石にもうどう見ても死んでいるが一応おりんに死亡確認してもらう。 「お兄さん、このれいむまだいきてるよ」 「マジで!?」 驚いた。こんななりになってもまだ生きているのか。 まぁこんな状態では生きていても死んでいても変わらないだろうが。 どうせなので動かそう。 「じゃあおりん。こいつ操ってくれないか?」 「がってんだよ、お兄さん!」 むむむ、と念を込めてカビ饅頭を見つめるおりん。 とうに壊れたはずの精神を強制的に黄泉還され、腐れいむは覚醒する。 「ユ゛ユ゛!ユ゛ッグリジデイッデネ!」 がらがらに皺枯れたおぞましい声で挨拶をする腐れいむ。 予想以上にキモイ。 「やぁれいむ。ゆっくりしてる?」 「ユ゛ッ!ナ゛ンダガゼナガガガユ゛イヨ゛!」 俺の言葉を無視し、箱に身体を擦り付ける腐れいむ。 ぬちょぬちょと腐汁が飛び、背中がぐちゃりと崩れた。中からどす黒く水っぽい何かが垂れてくる。 やばい。何でこんなの蘇らしたんだろう。少し後悔した。 「ユ"ア゛ア゛!!ガユ゛イヨ゛!!ガユイ゛ヨ゛!!」 己の公開解体ショーを見せ付ける腐れいむ。 ちょっとした精神的ブラクラに眩暈を覚える。 「あのーれいむさん、俺の話を・・・・・・」 「ユ゛ブゲロ゛ロ゛ロ゛ロ゛ロ゛ロ゛!!!!」 いきなり吐いた。 背中から垂れてるものと同じ黒い粘液状の何かを大量にぶちまける。箱越しからでも伝わる腐臭。 これは酷い。 やっぱりこれは罰なのか。使用上の注意に真っ向から反逆した罰なのか。 ゆっくりの腐乱死体程度、飯を食いながらでも見れると思っていたのに。予想以上に気持ち悪い。こっちまで吐きそう。 たかがゆっくりと侮った結果がこれだよ。 「おりん、こいつ黙らしてくんね?」 「ごめんお兄さん、それはむりだね」 どうやら腐れいむは元々生きていたために、おりんのコントロールを離れて勝手に動き回っているらしい。 こいつを止めるには物理的に破壊する必要があるんだとか。 だがこんな気持ち悪いモノに触る気は俺には毛頭ない。それはおりんも一緒らしかった。 どうしよう。ほんの遊び心だったはずなのに、何でこんなことになってるんだ。 やっぱりメーカーの言うことは素直に聞くべきだったのだ。 「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう・・・・・・あ」 思いついた。別に俺が触る必要はないじゃないか。 こいつは(今となっては、多分)ゆっくりなんだし、ゆっくりの問題はゆっくりで解決してもらおう。 ぶっちゃけた話、コンポストにでも捨てよう。 よしそれがいい。そうと決まれば早速、腐れいむをコンポスト送りにするために行動を起こす。 こいつを蘇らせようと考えた数分前の自分を恨みつつ、箱を持つ。 箱の中では腐れいむが「おそらをとんでるみたい」と聞き取れなくもない音と一緒に腐汁を吐き散らしていた。 やべ、すんげー臭い。本格的に気持ち悪くなってきた。泣きそう。 ダッシュでコンポストのある台所まで移動する。 途中ゆうかとすれ違ったが、腐臭に思いっきり顔をしかめ俺を睨んでいた。本当にスイマセン。 コンポストの前に立ち、蓋を開ける。 中にはゆっくりまりさが一匹か。 「やあまりさ!ずっと一人で寂しい思いをしてきた君にお友達をあげよう!」 「ゆっ!?ほんと!?ありが―――」 ほぼ涙目で宣言する俺。 まりさの言うことなんぞいちいち聞かずに、腐れいむを投下する。 あとでこの箱洗わないといけないな。 「ゆぎゃあああああああああああああああああああ!!!!ばげものおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「ユ゛ッ!!レ゛イム゛バゲモノジャナ゛イヨ゛!!」 絶叫するまりさ。そりゃそうだろうな。 空から腐乱死体が落ちてきて、しかもそれが動き出したなら誰だって驚く。 「じゃあ、まりさ。今日からそいつと一緒に暮らせよ。頑張ってね~」 「ゆ゛ぁっ!?まっでえええええええええええおにいざああああああああああああああん!!!」 「レ゛イム゛マ゛リザドイ゛ッジョー」 コンポストの蓋を閉める。 まだ中からまりさの絶叫が響いてくるが無視。いやあよかった。まりさも良い友達に恵まれたようだ。 本当に仲良く暮らすか共食いするかはまりさに決めてもらうとしよう。 それにしても酷い目にあった。 れいむに地獄を見せるつもりが、逆にこっちが痛い目を見てしまった。 やはり取扱説明書は偉大なものなんだなと再認識する。 大体おりんのゾンビ饅頭すら定期的に捨てさせているグロ耐性のない俺にはきついものだったのだ。 好奇心は猫をも殺す。全く以ってその通りだ。下手な好奇心なんかは持つものじゃない。 ―――もう二度とこんな事しないよ。 その思いを胸に、俺は台所を後にした。 それから一週間後。 俺はまたゆっくりショップにいた。 目の前には新商品のゆっくりの移植用パーツ、「おめめ」。 注意書きにはこう書かれている。 ※3つ以上付けると見た目がキモくなります。 超見てみてぇ。 前回の実験こそアレな結果で終わったが、今度は成功するはずだ。 百々目鬼ゆっくり。結構じゃないか。非常に面白そうだ。 そうと決まれば膳は急げ。「おめめ」を20セットほど買い、家へと直行する。 久しぶり(たった一週間だが)に感じたこの胸の高鳴り。 今度の実験体は誰がいいだろう? れいむかまりさかありすか。ぱちゅりーもいいかもしれない。 目が2個以上あるという感覚は一体どんなものなのだろう。きっと楽しくなる。 黒い悦びを胸に、俺は走り続けていた。 ―――ちなみに全くの余談だが。あのまりさと腐れいむの間に子供が出来たらしい。 その子供の見るもおぞましい姿に卒倒することになるのだが、それはまた別のお話。 おわり ――――― 新製品シリーズのそっくりれいむの説明を見た瞬間ついカッとして書きたくなった。 反省している。 あとグロ耐性のない俺にゾンビ描写とか不可能なのも思い知った。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/797.html
前 翌日、青年の休暇も終わり、今日から再び仕事に行くことになった。 家を建てるくらいの金があるんだから仕事なんて辞めればと思うかもしれないが、青年は仕事にやりがいを感じているので、辞めようとは思わなかった。 しかし、今日からも一家の虐待を止めるつもりは全くない。青年が仕事に出ている最中も、しっかりと恐怖を味わってもらうつもりだ。 具体的にいえば、昨日したことを全部していくということだ。 青年は朝のうちに虐待の準備をすべて済ますと、「れいむ、仕事に行ってくるからな!!」と家を出て行った。 「おがあざああん!!! おながずいだよおおおぉぉぉぉ!!!!」 「ごはんぢょうだいいいぃぃぃ――――!!!」 注射を打たれ、空腹で目が回ってきた子ゆっくりが、両親に泣きわめく。 胃液分泌薬と一緒に栄養剤も言っているので、一日の必要栄養的には何ら問題はない。 しかし、昨日今日と連続して口から物を通していない一家は、食の満足感が全くない。 その一家の目の前では、れいむの映像が延々と流れていた。 『れいむ、今日はハンバーグだぞ!!』 『ゆー!! れいむ、はんばーぐだいすきだよ!!』 『ほら、熱いから気をつけろよ』 『ぱ~く!! ゆゆゆゆゆゆゆっ!!! あじゅいよおおおぉぉ!!!』 『だから言わんこっちゃない!! ほれ、水だ』 『おにいさん、ありがとう!! ごーくごーく、すっきり♪』 『よくフーフーしてから食えよ』 『ふーふーふー……むーしゃむーしゃ、しあわせ~♪♪』 『うまいか、れいむ?』 『おいしいよ、おにいさん!!』 「れぇぇぇいぃぃぃむぅぅぅのぉぉぉぐぅぅぅぜぇぇぇにぃぃぃぃぃぃぃ――――!!!」 「ざっざとぞのごはんをまりざだぢによごぜえええぇぇぇぇ―――――!!!」 「おがあざんにざからうなんで、どがいはのすることじゃないわあああぁぁぁぁ――――!!!」 「でいぶはざっざとじねえええぇぇぇぇぇ――――!!!」 そんな空腹で我を忘れる一家に、映像のれいむはひとこと、 『しあわせ~~~~♪♪♪』 「ゆぎゃああぁぁぁぁぁ―――――!!!!」 「まりざをむじずるなああぁぁぁぁぁ――――!!!」 「でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜにいいいいいぃぃぃぃぃ――――!!!!」 しばらくれいむの食事風景が流れていたが、一時間もすると、今度は映像が切り替わる。 青年『どうだ、うちのれいむは?』 野良まりさ1『ゆゆっ!! こんなきれいなれいむ、みたことがないよ!!』 野良ちぇん『わかるよー!! とってもいいにおいがするよー!!』 野良まりさ2『ま、まりさとゆ、ゆっくりしていかないか?』 野良ぱちゅりー『むきゅう。うらやましいわ』 野良ありす『ま、まあ、ありすにはかなわないけど、まあまあきれいね!!』 れいむ『ゆー……れいむ、きれいなんかじゃないよ』 野良まりさ2『なにいってるんだぜ!! きれいだぜ!!」 野良ちぇん『わかるよー!! きれいだよー!!』 れいむ『ゆー……』 青年『ははは、うちのれいむは恥ずかしがり屋さんだから、そんなに綺麗綺麗言ってやるな。まだ子供なんだぞ。それに髪についてはあんまり触れてやるな。世の中には髪の毛のない恥ずかしいゆっくりだっているんだぞ』 野良まりさ1『ゆゆっ!? かみのないゆっくりなんているの?』 青年『それがいるんだよ。今度見せてやるよ。爆笑間違いなしだぞ。腹がよじれない様にしっかり腹筋鍛えておけよ、腹筋ないけど……』 野良ぱちぇ『むきゅ!! きょうみぶかいわ!!』 野良まりさ1『はやくみたいよ!!』 野良ありす『かみのけがないなんて、ほんといなかものね!!』 野良ちぇん『わかるよー!! おおわらいするよー!!』 野良まりさ2『みんなでゆっくりばかにしてやろうぜ!!』 「ゆがあああぁぁぁぁぁぁぁ――――――!!! ありずだっで、ぎれいながみがあっだのにいいいいいぃぃぃぃぃ―――――!!!!」 「ありずはいながものじゃないわあああぁぁぁぁぁぁぁ――――!!!!」 「じじいのぜいだあああぁぁぁぁぁ―――――!!!」 「でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜにいいいいいぃぃぃぃぃ――――!!!!」 怒りで目を見開き、映像に向かって罵倒しまくる一家。眼がとても充血している。 しかし、それが悪かった。 あまりに大きな声を上げすぎたせいで、段ボールの中にいる、奴を目覚めさせてしまった。 「う~♪ なんかうるさいんだど~♪ れみりゃをおこすのはだれだど~♪」 「れ、れみりゃだああぁぁぁ―――――!!!」 「ここはどこだど~♪ れみりゃはおなかがすいたど~♪」 「ゆぎいいぃぃぃ――――!!! たずげでええぇぇぇ――――!!!」 「あ、おかしをみつけたど~~♪ たべちゃうど~~♪」 「いやああぁぁぁ!!! ありずをだべないでえええぇぇ!!! おがあさん、だずげでえええぇぇぇぇ!!!!」 「いやあああぁぁぁぁ!!! ありすのごどもがあああぁぁぁぁ―――――!!!!」 「うるさいど~♪ れみりゃはこれをたべるんだど~~♪ さっさとはこからでるんだど~~♪ おかしのくせになまいきだど~~♪」 「ゆぎいいぃぃぃぃ――――!!! いだいよおおおおぉぉぉ――――!!! にぎりじめないでえええぇぇぇぇ――――!!!」 「さっさとはこからでるんだど~~♪ なんででないんだど~~♪ れみりゃはおなかがすいたから、さっさとでるんだど~~~♪」 「いだいいだいいだいいだいいだいいだい…………!!!!」 「もういいど~~♪ そっちのおかしをたべるど~~♪」 「ゆぎゃあああぁぁぁ――――!!! まりざのどころにごないでええぇぇぇ―――!!!」 「だめだど~~♪ たべちゃうど~~♪」 「いぎゃいいぎゃい!!!! おどうざああああんんん――――!!!」 「やめでえええええええぇぇぇぇぇ!!! まりざのこどもがああぁぁぁぁぁ――――!!!」 「こっちのおかしもはこからでないんだど~~♪ もういいど~~♪ つぎはそっじのでっかいはこにするど~~~♪」 「ま、まりさはおとなだから、うまくないんだぜ!!!」 「れみりゃはおっきいほうがいいど~~♪」 「ゆぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――!!!!!」 れみりゃはおかしが箱から出ないと気付いては、箱を行ったり来たりしている。 いつ自分が食べられるのではないかと、一家は気が気じゃない。 部屋の中は、一家の鳴き声と叫び声で充満していた。 隣では再び場面が変わり、れいむが大口を開けて、桃を一口で食べている映像が流れているが、一家にとってはそんなことを気にしていられる状況ではなかった。 夕方、青年は職場から帰ってくると、虐待部屋に行くことなく、れいむとゆっくり食事を取り、遊び、風呂に入ってゆっくりしていた。 ようやく部屋に行ったのは、れいむが寝付いた夜中であった。 部屋に入ると、昨日と同様、ゆっくりゃと一家の鳴き声が青年を迎えてくれた。 「うああああぁあああぁぁぁぁん!!! れみりゃはおながずいだど~~!! おがじのぐせになまいぎだど~~!! ぷっでぃ~んだべだいど~~~!!!」 「いだいよおおぉぉぉ―――!!! なんでまりさだげ、ごんなにながいのおおぉぉぉ―――!!! はやぐあっぢにいっでよおおぉぉぉ――――!!!」 見たところ一家は誰一人かけていないようだ。 しかし、ゆっくりゃを含めた全員が全員、疲労を全身で表わしている。うむ、満足満足。 青年は昨日同様、れみりゃの後ろから麻酔を打ち込み、れみりゃを眠らせた。 れみりゃは知能があれなので、今日の出来事など一晩経てばすっかり忘れているから、明日もまた一家相手に頑張ってくれるだろう。 今日はたまたま一家の大声で間が覚めたが、例え一家が騒がなくても、この麻酔は半日くらいの効果なので、遅くても明日の正午には起きだしてくる。 そんなれみりゃが栄養不足で死なないように、一家同様栄養剤を打って、段ボールの中に寝かせてやった。 「おじさあああんんん―――――――!!!! もうゆるじでええええぇぇぇぇ――――!!!!」 れみりゃを段ボールに片づけた青年に、父まりさが懇願する。 母ありすと子ゆっくりは、れみりゃの脅威からやっと解放されるや、ばったりを倒れた。体力的なこともあるが、それ以上に神経をすり減らしすぎたのだろう。 さすがに父まりさは一家の大黒柱だけあって、体力は随一のようだ。 「ふむ、なら『まりさは愚図です。ハゲです。れいむ、ごめんなさい』って1000回言ってみな。そしたら考えてやらんこともない」 「ゆっ!? まりざはぐずでもはげでもないよ!! それになんでぐずのれいむにごめんなさいなんていわなきゃならないの!!」 「ま、言わないなら言わないで構わんよ。明日もれみりゃに食べられない様に頑張ってな」 「ゆうううぅぅぅぅ――――!!! なんでええええぇぇぇぇ――――!!! まりざだぢなんにもわるいごとじでないのにいいぃぃぃぃ――――!!!」 「……お前、じつはそこに居たいんじゃないか?」 自分で自分の首を絞めるまりさを見ていると、本当はそこに居たいんじゃないかと思えてくる。 まあ、例え1000回言ったとしても、「考えたけど、やっぱり駄目」とか言って、出すつもりはさらさらなかったのだが…… あれだけの恐怖を味わってもこんなセリフが出るくらいだ、少なくとも二週間は持つだろう。 「おねがいでずううぅぅぅぅ――――!!! だずげでええぇぇぇ―――!!!」と五月蠅いまりさを尻目に、青年は部屋を出て鍵を閉めると、床についた。 あれから一週間が経過した。 青年は毎日職場に行く前に、一家に栄養剤と空腹剤の注射を打っては、ビデオを回していった。 最初の三日ほどは、相も変わらず、ビデオ相手にさんざん罵声をまき散らし、昼ごろに目を覚ましたゆっくりゃに脅え震え痛い思いをする毎日。 しかし、さすがに四日も過ぎると、一家の様子が変わってきた。というのも、敵がゆっくりゃだけじゃなくなってきたのだ。 いい加減同じことを三日もすると、一家の神経も限界まですり減らしすぎたのか、一匹の子まりさが、まりさ種特有のスキルを発揮した。 「まりざよりあっぢのありずのほうがおいじいよおおぉぉぉ―――!!! だがら、まりざだけはだべないでええぇぇぇぇ―――!!!」 子まりさの裏切り行為である。 これを聞いて、今まで鉄の結束を誇っていた一家がガタガタに揺れた。 「なんでぞんなごどいうのおおぉぉぉぉ――――!!!」 「そんなごどいうわるいいもうどは、れみりゃにゆっぐりだべられろ!!!」 最初は一匹の子まりさの裏切りだった。 しかし、それをきっかけに、他のまりさ種も「あっちの~のほうが…」と裏切り、それに対抗するように「ばかな~はゆっくりしね!!」と反抗する。 精神が摩耗しきった一家には、既に鉄の結束はなく、最初はなんとか止めようとしていた両親も、「おかあさんからたべられてね!!」という子供の言葉に遂に切れて、家族は見事バラバラになった。 今まではゆっくりゃだけが敵だった。捕まっても、家族全員で「がんばってね!! たえてね!!」と励ましあっていた。 しかし、今では家族全員が敵同士になる始末。 これで全員が同じ箱に入れられていれば、皆殺しで終わっただろう。 しかし、一家は分断された箱の中。ゆっくりゃ以外接触することは出来ない。 ゆっくりゃに誰かが捕まれば「ゆっくりたべられてね!!」と、家族全員からの大合唱。 一旦れみりゃに捕まってしまえば、部屋中の全員が敵。一家に休まる時間など皆無だった。 同じことを延々と繰り返し二週間。一家の肉体と精神は、すでに極限状態まで達していた。 一家の唯一の共同作業は、誰かを罵倒するときだけ。 しかも、最近は自分たちがれいむより愚図なのではないかと思うようになっていた。 毎日、美味しいものもを食べては日々綺麗になっていくれいむに比べ、自分はこの二週間何も口にせずに、しかも毎日体力と神経をすり減らしたことで、もちもちだった皮も、今ではすっかり瑞々しさを失っていた。 家族との結束があれば、全員でれいむを罵倒し、多数決の理論でプライドを保っていられただろう。ブスのグループが綺麗な女の子を妬んで、全員で悪口を言うようなものだ。 しかし、いざ一人になると、そんなれいむと今の自分を比べ、今のれいむが綺麗で幸せであることをいやでも認めざるを得ない。内心では今の自分とれいむを比べ、どちらが上であるかなど、頭の弱いゆっくりでも分かっているのだ。 さらには、今や敵である家族に「おまえたちは、れいむいかだよ!!」と親がれいむと子ゆっくりを比較すれば、子ゆっくりたちも「れいむのほうがかわいかったよ!!」と、姉妹とれいむを比べる始末。 一家のアイデンティティもプライドも、この時すでに崩壊した。 しかし、一家は狂えない。狂えればどんなに楽か分からない。しかし、狂えない。 毎日昼になれば、ゆっくりゃによる痛みが全身を襲うのだ。 狂いたくても、痛みが一家を否応なく現実に引きもどす。 毎日、死にも等しい恐怖と痛みを味わい、しかも愚図のれいむより愚図な自分。 もはや、生きている価値があるのだろうか? 一家はそんな哲学的なことまで考えるようになった。 そんな日々が、薬が無くなる二週間後まで続けられた。 一月後、青年はその様子を見て、そろそろ潮時かと考える。 一家の今の状況を見て、青年の溜飲も完全に下がっていた。 これはれいむの為というより、れいむを馬鹿にされたことに腹が立った青年の自己満足に過ぎない。 青年はゆっくりと一家に話しかける。 「れいむはあんなに幸せなのに、そのれいむより上の存在であるお前らは、なんでこんなに苦しい思いをしているか分かるか?」 「……わからないよ」 「なんだ、もう言い返さないのか? 自分たちのほうがれいむより幸せだよ、とか。まあ、そんな気力ももう無いんだろうな。なら、教えてやるよ」 「お前たちのほうが、れいむより下の存在で愚図だった、というだけだよ」 「……………」 一家は何も言わない。 言うだけの気力もないが、それ以上に、そんなこと二週間目の時点で分かっていた。 「俺はな、お前らがれいむにしてきたことを、そのままお前らにしてやっただけなんだよ。こういうのを因果応報っていうんだ。よく覚えておけよ」 「……………」 「ホントは薬が無くなった時点で殺そうかと思ってたんだが、なんか今のお前ら見てたら、殺す気もなくなったわ。もう出してやるよ」 「……ころしてよ」 「殺してほしいのか?」 「うん……いきてても、もうかぞくいっしょにいられないよ。いきてるほうがつらいよ」 父まりさの言葉を、他も一家にも聞き返す。 母ありすも子ゆっくりたちもそろって、「……ころしてよ」と、気力を振り絞って答えた。 これが家族最後の共同作業であった。 「……いいだろう。まあ、最後の情けだ。痛みも感じる間もなく、一瞬で殺してやるよ」 「ありがとう、おじさん……」 こんな目に合わせた張本人にありがとうとはな…… 確かにこんな廃人一歩手前では、例え生かしてもすぐに死んでしまうだろう。死んだほうがどれだけ楽か分からない。 青年は最初に持ってきた木箱の中に一家を入れていく。 殺してやるとは言ったが、ここで殺すと餡子やクリームが飛び散るので、さすがにここではしたくない。 青年は一家の入った箱を担ぐと、部屋のドアを開けて、箱を出し、鍵を閉めた。 麻酔を打たれているとはいえ、ゆっくりゃがいるので気を抜くわけにはいかない。 今はれいむは、居間で昼寝をしているはずだ。素早く一家を外に運び、ひと思いに潰して帰ってこよう。 青年は廊下を歩き、玄関まで箱を運んだ。 しかし、神が最後にいたずらをしたのだろうか? 箱を担いでいて前の見えない青年が、玄関の段差に躓いて盛大に転んでしまった。 「痛ってえええぇぇぇぇ――――!!!」 青年が持っていた木箱が投げ出され、大音量を上げて破壊される。 箱詰めの一家は、玄関に投げ出された。 玄関は防音加工していないので、そんな音に目が覚めたのだろう。 「おにいさんん!!!! けがしたのおぉぉ!? いまのすごいおとどうしたのぉ!?」 れいむが青年の叫びと箱の破壊音で目を覚まし、青年が怪我をしたのでは? と、急いで玄関に駆けつけてきたのだ。 「れいむ、来ちゃだめだ!!!」 青年はれいむにここに来るなと、大声で叫ぶ。 しかし、自分の大好きな青年の一大事かもと、れいむは青年の言葉を初めて無視して、玄関に走った。 青年がしまった!! と思っても、後も祭り。 合わせたくなかったれいむと一家が、玄関で邂逅してしまった!! 一家は玄関の一段下から、廊下のれいむを見上げていた。 あれが本当にあの愚図のれいむだろうか? 昨日見た時より、また一段と美しくなっている。 一家は最後まで気づかなかったが、一家が見ていたのはビデオの映像。しかも、一週間前に撮影したものだ。 一家からすれば、たった一日でさらに綺麗になったと思っても不思議ではない。 父まりさは死ぬ前に声をかけようと思った。 傲慢なまりさだが、自分があんな目にあって初めて理解出来た。自分は、あんなに酷いこと、ずっとれいむにしてきたのだ。 母ありすも声を掛けたかった。 なんであんな綺麗で都会派なれいむを苛めてたんだろう。むしろ、あんな子が自分から生まれてきたなんて誇らしいじゃないか。実に都会派じゃないか。 「れ、れいむ……その……まりさ、いままでれいむのこと……」 「れいむのこといじめてごめんね」 まりさはそう言おうと思った。 しかし、まりさの後半の言葉は、れいむの言葉によってかき消された。 「ゆゆっ!! かみのないゆっくりがいるよ!! おにいさん、ほんとうにいたんだね!!」 「れ、れいむ!?」 「かみのないゆっくりさん、ゆっくりしていってね!! れいむとおともだちになってね!!」 れいむは家族に向かって、まるで初めて会ったかのような対応を示す。 これには、一家ばかりか青年も驚いた。 「なあ、れいむ。あれが誰だか分からないのか?」 「ゆっ? おにいさん。れいむ、はじめてあったよ!!」 「は、初めてって……本当に分からないのか?」 「ゆー……そんなこといわれても、わからないよ」 通常、ゆっくりは髪飾りで個体を識別する。 これは実験結果からも明らかで、リボンや帽子をしていれば、例えどんなに顔が変わってもゆっくりには分かるし、逆に無ければ、例え家族ですら個体識別が出来なくなる。 確かに今の一家は青年によって髪は剃られているが、しっかりと帽子やカチューシャはしているのだ。判別できないはずがない。 「れ、れいむ、まりさはれいむのおとうさんだよ!!」 「ありすはおかあさんよ!!」 一家はれいむがなぜ自分たちを知らないのかが分からなく、大声で呼びかける。 しかし、れいむは首をかしげ、考え込んでいる。 「れいむにおとうさんもおかあさんもいないよ。れいむのおとうさんとおかあさんは、れいむがちいさいころにしんじゃったんだよ。ゆっくりうそをつかないでね!!」 「うそじゃないよ!! まりさがれいむのおとうさんだよ!!」 「うそつきはどろぼうのはじまりだって、おにいさんがおしえてくれたよ!! そんなうそをつくゆっくりとは、ゆっくりできないよ!! ぷんぷん!!」 れいむは嘘つきとは一緒にいられないとばかりに、プリプリ怒っている。 青年が怪我をしていないことを確認すると、頬を膨らませて、来た廊下を戻っていった。 青年はそんな光景を見て、なんとなく状況が理解出来た。 れいむは、青年との生活をするようになって、過去の辛く悲しい生活を忘れ去っていたのだ。 人間でも、虐待を受けた子供が自己を防衛するため、虐待時の記憶を忘れたり、脳の奥底に記憶を封印したりすることが稀にある。 おそらくれいむは、自己を保つために、虐待時に記憶の部分に、自分の都合のいい記憶を改ざんしたのだろう。 自分には家族がいない、家族はすべて殺された、やさしい青年に助けられた、というように…… 「……れ、れいむ」 まりさが、れいむの後ろ姿を見て小さく洩らす。 まりさに限らず、一家全員がその光景を呆然と眺めていた。 今まで散々苦しい目にあった。 初めはれいむがご飯を食べているのを、全員で罵倒した。 れいむが綺麗になっていくのを、全員で貶した。 しかし、徐々に自分がれいむより下なんだと理解していくようになった。 なんで自分はれいむにあんな酷いことをしていたのか、考えるようになった。 れいむと偶然再会した。チャンスだった。 れいむに謝ろうと思った。 しかし、れいむはそんな一家のことなど、すでに頭の片隅にもなかった。 一家は最初から最後まで、一人相撲を取っていたのに、たった今気がついた。 「ゅゅ……ゆゆゆ…………ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ――――――――!!!!」 まりさは玄関で笑った。笑い続けた。 釣られるように、ありすや子ゆっくりも、乾いた笑い声を上げていく。 青年はそんな一家を外に出し、少し離れた場所に連れていくと、足を高くあげ、踏みつぶしてやった。 一家は最後の最後まで、狂ったように笑い続けていた。 終わり ちょっと最後が弱かったかな。 坊主の人、もしこれを読んで怒ってたらごめんね。 作者も、高校球児だったので、小学校の時からずっと坊主でした。 坊主なら頭じょりじょりは誰でもやられた経験があるはず。 ちなみに作中のビデオテープは3時間テープを3倍で撮ったもの。 終わればそれを自動で巻き戻し、最初から繰り変えすような仕様です。 だからテープは変える必要がないよ。 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 このSSに感想を付ける
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近年多発するゆっくりによる田畑の被害。 それを一掃、または予防するために様々な対策を話し合う事になった、今日はその会議の一回目である。 では、今日は山之辺さんの対策について話してもらいます。それではどうぞ。 うちは主に芋を作ってるんです、味は上々で良く美食家が揃うと言われている紅魔館から、直接仕入れに来てもらったりもしているんです。 そんなわけで、コレまでも小動物に食われるということは多々ありました。 でも初めてゆっくりに畑が襲われてから考え抜いた末、毎年こうして利用しているんです。 朝露が乾き始めた頃、何時ものように畑に向かっていた彼が見たのは自分の畑の上で騒いでいるゆっくり達だった。 農道で区切られている畑の一つ、それがゆっくり達によって無残に食い荒らされていた。 近く程に目を背けたくなる。 かじられた芋がそこらじゅうに散乱していた。 「おじさんどうしたの?ここはゆっくりたちのおうちだよ♪」 さらっと、更に癪に障るようなことを言うゆっくり、どうやら魔理沙種のようだ。 彼は、注意深く辺りを見回した。 ゆっくり魔理沙が一匹、霊夢が三匹、れみりゃとちぇんが一匹ずつ。 楽しそうに芋を食べているそれらを見ていると、沸々と怒りを覚えた彼だったが、口調だけは穏やかにゆっくり に話しかけた。 「君達はどこから来たのかな?」 「もりからきたの」 霊夢種の一匹が答える。 「もりにはこわいおじさんがいるからにげてきたの」 もう一匹の霊夢種だ。どうやら加工場職員の事を言っているらしい。 ずっと森で暮らしていたから、人里のことがよく判らなかったのだろう。 「ここはおじさんの畑なんだよ」 「はたけってなぁに?」 「畑って言うのは、野菜とかを育ててる場所だよ」 「おじさんがそだててたの?」 「そうだよ」 三人目の霊夢種と魔理沙種が交互に答える、どうやらこの群れのリーダー格はこの二人なのだろう。 「おいもおいしかったよ、またつくってね!!!」 「まりさも、またいっぱいたべてあげるよ!!!」 また食べ始めるゆっくり達、いまいち理解できていないらしい。 「あのね、畑って言うのは……」 「ここはまだ、おいもあるから、おじさんもゆっくりしていいよ」 「いや、畑の野菜は売るために作ってるんだよ。ただじゃないんだよ」 「おいしいおいしい! おじさんもっとつくってね」 「うめ、これめっちゃうめぇ! おじさん、はやくつくっておうちにもってきてね」 「これを売ってお金にしないと、おじさんもゆっくりできないんだよ」 「おかねっなに、ゆっくりできるの?」 「食べ物とかを手に入れたりするのに、必要なものなんだよ」 「じゃあいらないよ。もうゆっくりできてるもん。ねー♪」 「ねー♪」 その二匹の言葉でタガが外れた彼は、リーダー格の霊夢種を杭で打ちつけた。 「ゆ゛ーー」 突如、ガクガクと痙攣して絶叫をあげる。 まわりのゆっくり達も、やっと何が起こったのか理解したようだ。 「おじざん。ゆるじでー」 「おながずいだんですー」 「れいむをだずけであげてー」 必死で懇願するゆっくりと、必死に杭を抜こうとする、れみりゃ種。 それを見捨てて、逃げるゆっくり魔理沙の姿が目に入った。 「ゆっくりしんでね」 それだけ言い残して、農道を勢いよく去って行く。 彼もすぐに、残っているゆっくりに、ここにいろとだけ言い残し、急いで追いかける。 「ゆっくりしてってね!!!」 時折振り返ってはそういって挑発する。 たしかに、普通のゆっくりよりも大分はやく動けるようだ。 だが、彼は慌てずに誘導するように追いかけていく。 「ゆっくりしで……!?」 多少ずるがしこいが、やはりゆっくりだ。 これだけあからさまに、誘導しても気付かずに勝手に罠にかかってくれた。 獲物が通ると、即座に縄で縛って吊し上げるモノだ。 「ゆゆ!」 意地悪狸でも捕まえたかのように、彼は腰にさしてあった鎌を持ち近づく。 魔理沙も、これから自分がどうなるか想像がつくらしい。 「れっ、れいむがここをおうちにしようっていったんだよ! わるいのはれいむだよ!」 嘘を並べて何とか逃げようとする魔理沙、しかし既に鎌は振り下ろされた後だった。 「ゆー! ……ゆ?」 おかしい、何時まで経っても痛みは来ない。 不思議になった魔理沙が目を開けると、切られた縄と、それを掴んでいる男が目に映った。 「森で大変だったんだろ。お手伝いをしてくれるんだったら、家においてもいいよ」 優しく語り掛ける、先ほどの殺気が嘘のようだ。 「わっ、わかったよ。おてつだいするよ」 そういう魔理沙を連れて畑に戻ると、杭を抜いてもらった霊夢が看病されていた。 「れいむ、ぶじだったの?」 「うん。ゆっくりしてればなおるよ」 「よかったね」 きちんと急所は外せたらしい、穴が開いているようだが、じきに塞がるだろう。 どうやら、ショックで魔理沙が逃げ出したことも覚えていないようだ。 「じゃあ君達、ここはおじさんの畑だから、勝手に住んじゃいけないよ。でも、きちんとお手伝いするって約束し てくれたら、家に住まわせてあげるよ」 「するする、やくそくするよ」 「もうかってにたべないから、ゆるしてね」 素直に頷いたゆっくり達を、家に連れて帰った。 とりあえず、庭の木の下を自由に使わせてやることにして、今日は休ませた。 明日からお手伝いしてもらうよとだけ告げて、彼も中に入っていく。 翌日から、ゆっくりたちは一生懸命お手伝いをした。 ちょうど、秋の収穫時だった為、ゆっくり達に収穫させて、彼が運ぶと言う構図が出来上がっていた。 もっとも、あの霊夢と魔理沙は時々盗んで食べていたようだが。 今まで一人でやっていた作業を分担してやることが出来た為、収穫も早々に終えることが出来た。 しかし、辺りが雪に覆われ始めた時、未だ庭で生活している事に、あの二匹が文句を言ってきた。 「おじさんだけあったかいへやのなかでずるいよ。まりさたちもはいるよ♪」 「れいむたちがてつだったから、おかねいっぱいになってゆっくりできるんだよ♪」 図々しく上がりこんでくる、連れられて入ってきたほかの種類は端の方で寄り添って暖を取っているというのに、 二匹は堂々と火鉢にあたってきた。 「あったかいね」 「ひがでてるもんね」 「あのまきをくべるともっとあったかくなるかな」 「もっとゆっくりできるね!」 「おいおい、蒔きも高いんだから無駄には使えないんだよ。ダメダメ」 「だってさ」 「おおこわいこわい。まりさたちがてつだわなかったら、こんなにかえなかったのにね」 「「ねー」」 いっそ、ここで加工場に売り飛ばしてもよかったが、彼は他の利用法があったので、渋を薪をくべた。 「あったかいね」 「こんどから、もっともっとまきをいれてね」 それから暫く経ったある日、珍しく彼は朝早くから台所に立っていた。 「おじさん、おへやあったかくするね♪」 「まきはいれられるから、おじさんはそこで、ごはんつくってってね」 そんな図々しい言葉を聞いても彼はそうかい、とだけいって流した。 余程、今作っているものが大切なのだろう。 「さぁ、できたよ。かぼちゃを大量ににたんだ」 大きな鍋に大量に入ったかぼちゃ、綺麗に一口大になっているそれは、ゆっくり達にはご馳走に見えた。 「おいしそー」 「うめっ!めっちゃうめー」 「うめー! おじさん、これうまいから、まいにちつくってね!!!」 「おかねいっぱいあるから、まいにちつくれるね!!!」 彼は、何も言わずに終始ニコニコとそれを見ていたが、粗方食べ終わった頃に、ようやく一言だけ喋った。 「この頃、あまり跳ね回っていなかっただろ、実は昨日、運動する装置を買ってきたんだ」 「やるやる」 「れいむもやるー」 「よしよし、じゃあちょっと体を縛るよ」 ゆっくりをしたから四方に縛っていく、縛り終えると、ちょうどスイカを縛っているような状態になった。 その調子で次々と全員を縛っていく。 縛り終えたところで、今度は魔理沙を、取っての着いた四角い箱に入れていく。 「さいしょは魔理沙からだね」 「はやくうごかしてね」 「言われなくても」 言うが早いか彼はものすごい勢いで取っ手を回し始める。 連動するように、魔理沙がはいった箱もすごい勢いで回る。 「ゆゆ!」 中身がかき回される感覚、そんな奇妙な感覚に魔理沙は何も言えない。 「よし、次」 たっぷり十分は回しただろうか、箱から出された魔理沙は口から戻さないように、直ぐに口を塞がれていた。 その後も、れみりゃをのぞく全員が同じように回された。 彼はその様子を満足そうに見ると、一人で食事を済ませ眠ってしまった。 翌日、彼はそのゆっくり達を荷車に載せ、街までやってきた。 まず、ゆっくりれみりゃをセリにかけて大金を手に入れ、次にこれまた高値でゆっくり達を売りさばいた。 何がなんだか分からないままに、売られていくゆっくり達。 離れるのがいやで必死に近づこうとするが、縛られてしまっている状態ではまったくの無力だった。 あえなく散り散りになるゆっくり達。 魔理沙を買い取ったのは、永遠亭のイナバだった。 「はやくこの縄を解いてね。はやくといてね」 「……気持ち悪い」 「おおこわいこわい」 へらへらと喋りかけるゆっくりを見て呟くイナバ、その後、彼女は永遠亭に着くまで一言も口を開かなかった 「ただいま帰りました。師匠、言われたものを買ってきましたよ」 「ありがとうウドンゲ。じゃあ、先に姫様のお部屋に運んでおいて頂戴」 「はい」 だれもいない部屋に放置された魔理沙、しかし今までも家とは比べ物にならない位暖かいこの部屋は、魔理沙にとって居心地がよかった。 魔理沙は勝手にここを自分の部屋にした。 「あら、今年はなかなか大きいわね」 「そうですねー。それじゃあ頂きましょうか」 突然入ってきた二人の女性に縄を解かれる。 「ここは、まりさのへやだよ!かってにはいっちゃだめだよ!!」 「あらあら、うふふ」 「ことしは、特にふてぶてしいですね。」 言いながら帽子を取り払う。 「おおこわいこわい。ゆっくりかえしてね」 「……面白くなりそうね永淋」 「はやくでていってね、それとゆっくりできないから、ごはんももってきてね」 「えい♪」 「ゆ?」 突然、体に包丁を入れられる魔理沙。 余りにも突然だったので、一瞬呆気にとられた、が。 「い゛い゛い゛いだいー」 直ぐに、激烈な痛みが襲い出した。 それを意にかけずに、更に包丁を進める輝夜。 右の頬にグルッと円を描いたそれは、反対側にも同じように円を描いた。 「いだいよ。おばさんなにするの!」 この期に及んで神経を逆撫で摺る様な事を言う魔理沙、今までの癖なのだろうが自分の首を絞めることになった。 「へぇー、本当に今年のは面白いわねぇ」 スプーンに持ち替えて頬から中身を掻き出していく、反対側も同様だ。 「!!!!い゛い゛い゛い゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛い゛い゛い゛い゛い゛」 もはや余裕も何もない、気を失うまで、想像を絶する痛みにただ耐えるだけだ。 しかもそれも簡単には叶わない。 既に、魔理沙種の体の構造を調べ終えている永淋の指示で、生命に関係の無い箇所から掻き出されているのだから。 「ゆ゛ゆ゛ぐり゛じだだい゛よ゛ーー!」 「おお怖い怖い。永淋見てよこの顔」 「確かに見るだけで不快感が増しますねー」 二人はこれから数十分間この作業を続けた。 今年は、研究の成果か出し終える直前までゆっくりの意識があったようだ。 「うどんげー終わったわー。夕食のテーブルに運んで頂戴」 「はい師匠。うわぁ、今年は特に美味しそうですね」 通常、食事の用意はイナバ達がやるのだが、この作業は別であった。 わざわざ回りくどい方法で、絶叫と共に餡子をとりだすこの方法は、永遠を生きる蓬莱人のみが理解できる方法なのだろう。 或いは、これで一年を知っているのかもしれない。 今日は冬至の日、そして彼が売っていたゆっくりはこう書かれていたのだから。 ~今年も販売!! 冬至かぼちゃ。 冬まで保存したかぼちゃと、同じく腐らずに保存されている ゆっくりの生餡で作った特製です。冬を乗り切る栄養がたっぷり付きますよ~ 以上です、そういって彼は発表をやめた。 「ありがとうございました。さて、今の意見ですが、時期は限られていますがこの時期には殆どの人が作るので需要は大量に見込むことが出来ます。 それでは、第一回ゆっくり畑荒らし対策会議を終わります。今回の議題の解答は次回までに考えておいて下さい」
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前 翌日、青年の休暇も終わり、今日から再び仕事に行くことになった。 家を建てるくらいの金があるんだから仕事なんて辞めればと思うかもしれないが、青年は仕事にやりがいを感じているので、辞めようとは思わなかった。 しかし、今日からも一家の虐待を止めるつもりは全くない。青年が仕事に出ている最中も、しっかりと恐怖を味わってもらうつもりだ。 具体的にいえば、昨日したことを全部していくということだ。 青年は朝のうちに虐待の準備をすべて済ますと、「れいむ、仕事に行ってくるからな!!」と家を出て行った。 「おがあざああん!!! おながずいだよおおおぉぉぉぉ!!!!」 「ごはんぢょうだいいいぃぃぃ――――!!!」 注射を打たれ、空腹で目が回ってきた子ゆっくりが、両親に泣きわめく。 胃液分泌薬と一緒に栄養剤も言っているので、一日の必要栄養的には何ら問題はない。 しかし、昨日今日と連続して口から物を通していない一家は、食の満足感が全くない。 その一家の目の前では、れいむの映像が延々と流れていた。 『れいむ、今日はハンバーグだぞ!!』 『ゆー!! れいむ、はんばーぐだいすきだよ!!』 『ほら、熱いから気をつけろよ』 『ぱ~く!! ゆゆゆゆゆゆゆっ!!! あじゅいよおおおぉぉ!!!』 『だから言わんこっちゃない!! ほれ、水だ』 『おにいさん、ありがとう!! ごーくごーく、すっきり♪』 『よくフーフーしてから食えよ』 『ふーふーふー……むーしゃむーしゃ、しあわせ~♪♪』 『うまいか、れいむ?』 『おいしいよ、おにいさん!!』 「れぇぇぇいぃぃぃむぅぅぅのぉぉぉぐぅぅぅぜぇぇぇにぃぃぃぃぃぃぃ――――!!!」 「ざっざとぞのごはんをまりざだぢによごぜえええぇぇぇぇ―――――!!!」 「おがあざんにざからうなんで、どがいはのすることじゃないわあああぁぁぁぁ――――!!!」 「でいぶはざっざとじねえええぇぇぇぇぇ――――!!!」 そんな空腹で我を忘れる一家に、映像のれいむはひとこと、 『しあわせ~~~~♪♪♪』 「ゆぎゃああぁぁぁぁぁ―――――!!!!」 「まりざをむじずるなああぁぁぁぁぁ――――!!!」 「でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜにいいいいいぃぃぃぃぃ――――!!!!」 しばらくれいむの食事風景が流れていたが、一時間もすると、今度は映像が切り替わる。 青年『どうだ、うちのれいむは?』 野良まりさ1『ゆゆっ!! こんなきれいなれいむ、みたことがないよ!!』 野良ちぇん『わかるよー!! とってもいいにおいがするよー!!』 野良まりさ2『ま、まりさとゆ、ゆっくりしていかないか?』 野良ぱちゅりー『むきゅう。うらやましいわ』 野良ありす『ま、まあ、ありすにはかなわないけど、まあまあきれいね!!』 れいむ『ゆー……れいむ、きれいなんかじゃないよ』 野良まりさ2『なにいってるんだぜ!! きれいだぜ!!」 野良ちぇん『わかるよー!! きれいだよー!!』 れいむ『ゆー……』 青年『ははは、うちのれいむは恥ずかしがり屋さんだから、そんなに綺麗綺麗言ってやるな。まだ子供なんだぞ。それに髪についてはあんまり触れてやるな。世の中には髪の毛のない恥ずかしいゆっくりだっているんだぞ』 野良まりさ1『ゆゆっ!? かみのないゆっくりなんているの?』 青年『それがいるんだよ。今度見せてやるよ。爆笑間違いなしだぞ。腹がよじれない様にしっかり腹筋鍛えておけよ、腹筋ないけど……』 野良ぱちぇ『むきゅ!! きょうみぶかいわ!!』 野良まりさ1『はやくみたいよ!!』 野良ありす『かみのけがないなんて、ほんといなかものね!!』 野良ちぇん『わかるよー!! おおわらいするよー!!』 野良まりさ2『みんなでゆっくりばかにしてやろうぜ!!』 「ゆがあああぁぁぁぁぁぁぁ――――――!!! ありずだっで、ぎれいながみがあっだのにいいいいいぃぃぃぃぃ―――――!!!!」 「ありずはいながものじゃないわあああぁぁぁぁぁぁぁ――――!!!!」 「じじいのぜいだあああぁぁぁぁぁ―――――!!!」 「でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜにいいいいいぃぃぃぃぃ――――!!!!」 怒りで目を見開き、映像に向かって罵倒しまくる一家。眼がとても充血している。 しかし、それが悪かった。 あまりに大きな声を上げすぎたせいで、段ボールの中にいる、奴を目覚めさせてしまった。 「う~♪ なんかうるさいんだど~♪ れみりゃをおこすのはだれだど~♪」 「れ、れみりゃだああぁぁぁ―――――!!!」 「ここはどこだど~♪ れみりゃはおなかがすいたど~♪」 「ゆぎいいぃぃぃ――――!!! たずげでええぇぇぇ――――!!!」 「あ、おかしをみつけたど~~♪ たべちゃうど~~♪」 「いやああぁぁぁ!!! ありずをだべないでえええぇぇ!!! おがあさん、だずげでえええぇぇぇぇ!!!!」 「いやあああぁぁぁぁ!!! ありすのごどもがあああぁぁぁぁ―――――!!!!」 「うるさいど~♪ れみりゃはこれをたべるんだど~~♪ さっさとはこからでるんだど~~♪ おかしのくせになまいきだど~~♪」 「ゆぎいいぃぃぃぃ――――!!! いだいよおおおおぉぉぉ――――!!! にぎりじめないでえええぇぇぇぇ――――!!!」 「さっさとはこからでるんだど~~♪ なんででないんだど~~♪ れみりゃはおなかがすいたから、さっさとでるんだど~~~♪」 「いだいいだいいだいいだいいだいいだい…………!!!!」 「もういいど~~♪ そっちのおかしをたべるど~~♪」 「ゆぎゃあああぁぁぁ――――!!! まりざのどころにごないでええぇぇぇ―――!!!」 「だめだど~~♪ たべちゃうど~~♪」 「いぎゃいいぎゃい!!!! おどうざああああんんん――――!!!」 「やめでえええええええぇぇぇぇぇ!!! まりざのこどもがああぁぁぁぁぁ――――!!!」 「こっちのおかしもはこからでないんだど~~♪ もういいど~~♪ つぎはそっじのでっかいはこにするど~~~♪」 「ま、まりさはおとなだから、うまくないんだぜ!!!」 「れみりゃはおっきいほうがいいど~~♪」 「ゆぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――!!!!!」 れみりゃはおかしが箱から出ないと気付いては、箱を行ったり来たりしている。 いつ自分が食べられるのではないかと、一家は気が気じゃない。 部屋の中は、一家の鳴き声と叫び声で充満していた。 隣では再び場面が変わり、れいむが大口を開けて、桃を一口で食べている映像が流れているが、一家にとってはそんなことを気にしていられる状況ではなかった。 夕方、青年は職場から帰ってくると、虐待部屋に行くことなく、れいむとゆっくり食事を取り、遊び、風呂に入ってゆっくりしていた。 ようやく部屋に行ったのは、れいむが寝付いた夜中であった。 部屋に入ると、昨日と同様、ゆっくりゃと一家の鳴き声が青年を迎えてくれた。 「うああああぁあああぁぁぁぁん!!! れみりゃはおながずいだど~~!! おがじのぐせになまいぎだど~~!! ぷっでぃ~んだべだいど~~~!!!」 「いだいよおおぉぉぉ―――!!! なんでまりさだげ、ごんなにながいのおおぉぉぉ―――!!! はやぐあっぢにいっでよおおぉぉぉ――――!!!」 見たところ一家は誰一人かけていないようだ。 しかし、ゆっくりゃを含めた全員が全員、疲労を全身で表わしている。うむ、満足満足。 青年は昨日同様、れみりゃの後ろから麻酔を打ち込み、れみりゃを眠らせた。 れみりゃは知能があれなので、今日の出来事など一晩経てばすっかり忘れているから、明日もまた一家相手に頑張ってくれるだろう。 今日はたまたま一家の大声で間が覚めたが、例え一家が騒がなくても、この麻酔は半日くらいの効果なので、遅くても明日の正午には起きだしてくる。 そんなれみりゃが栄養不足で死なないように、一家同様栄養剤を打って、段ボールの中に寝かせてやった。 「おじさあああんんん―――――――!!!! もうゆるじでええええぇぇぇぇ――――!!!!」 れみりゃを段ボールに片づけた青年に、父まりさが懇願する。 母ありすと子ゆっくりは、れみりゃの脅威からやっと解放されるや、ばったりを倒れた。体力的なこともあるが、それ以上に神経をすり減らしすぎたのだろう。 さすがに父まりさは一家の大黒柱だけあって、体力は随一のようだ。 「ふむ、なら『まりさは愚図です。ハゲです。れいむ、ごめんなさい』って1000回言ってみな。そしたら考えてやらんこともない」 「ゆっ!? まりざはぐずでもはげでもないよ!! それになんでぐずのれいむにごめんなさいなんていわなきゃならないの!!」 「ま、言わないなら言わないで構わんよ。明日もれみりゃに食べられない様に頑張ってな」 「ゆうううぅぅぅぅ――――!!! なんでええええぇぇぇぇ――――!!! まりざだぢなんにもわるいごとじでないのにいいぃぃぃぃ――――!!!」 「……お前、じつはそこに居たいんじゃないか?」 自分で自分の首を絞めるまりさを見ていると、本当はそこに居たいんじゃないかと思えてくる。 まあ、例え1000回言ったとしても、「考えたけど、やっぱり駄目」とか言って、出すつもりはさらさらなかったのだが…… あれだけの恐怖を味わってもこんなセリフが出るくらいだ、少なくとも二週間は持つだろう。 「おねがいでずううぅぅぅぅ――――!!! だずげでええぇぇぇ―――!!!」と五月蠅いまりさを尻目に、青年は部屋を出て鍵を閉めると、床についた。 あれから一週間が経過した。 青年は毎日職場に行く前に、一家に栄養剤と空腹剤の注射を打っては、ビデオを回していった。 最初の三日ほどは、相も変わらず、ビデオ相手にさんざん罵声をまき散らし、昼ごろに目を覚ましたゆっくりゃに脅え震え痛い思いをする毎日。 しかし、さすがに四日も過ぎると、一家の様子が変わってきた。というのも、敵がゆっくりゃだけじゃなくなってきたのだ。 いい加減同じことを三日もすると、一家の神経も限界まですり減らしすぎたのか、一匹の子まりさが、まりさ種特有のスキルを発揮した。 「まりざよりあっぢのありずのほうがおいじいよおおぉぉぉ―――!!! だがら、まりざだけはだべないでええぇぇぇぇ―――!!!」 子まりさの裏切り行為である。 これを聞いて、今まで鉄の結束を誇っていた一家がガタガタに揺れた。 「なんでぞんなごどいうのおおぉぉぉぉ――――!!!」 「そんなごどいうわるいいもうどは、れみりゃにゆっぐりだべられろ!!!」 最初は一匹の子まりさの裏切りだった。 しかし、それをきっかけに、他のまりさ種も「あっちの~のほうが…」と裏切り、それに対抗するように「ばかな~はゆっくりしね!!」と反抗する。 精神が摩耗しきった一家には、既に鉄の結束はなく、最初はなんとか止めようとしていた両親も、「おかあさんからたべられてね!!」という子供の言葉に遂に切れて、家族は見事バラバラになった。 今まではゆっくりゃだけが敵だった。捕まっても、家族全員で「がんばってね!! たえてね!!」と励ましあっていた。 しかし、今では家族全員が敵同士になる始末。 これで全員が同じ箱に入れられていれば、皆殺しで終わっただろう。 しかし、一家は分断された箱の中。ゆっくりゃ以外接触することは出来ない。 ゆっくりゃに誰かが捕まれば「ゆっくりたべられてね!!」と、家族全員からの大合唱。 一旦れみりゃに捕まってしまえば、部屋中の全員が敵。一家に休まる時間など皆無だった。 同じことを延々と繰り返し二週間。一家の肉体と精神は、すでに極限状態まで達していた。 一家の唯一の共同作業は、誰かを罵倒するときだけ。 しかも、最近は自分たちがれいむより愚図なのではないかと思うようになっていた。 毎日、美味しいものもを食べては日々綺麗になっていくれいむに比べ、自分はこの二週間何も口にせずに、しかも毎日体力と神経をすり減らしたことで、もちもちだった皮も、今ではすっかり瑞々しさを失っていた。 家族との結束があれば、全員でれいむを罵倒し、多数決の理論でプライドを保っていられただろう。ブスのグループが綺麗な女の子を妬んで、全員で悪口を言うようなものだ。 しかし、いざ一人になると、そんなれいむと今の自分を比べ、今のれいむが綺麗で幸せであることをいやでも認めざるを得ない。内心では今の自分とれいむを比べ、どちらが上であるかなど、頭の弱いゆっくりでも分かっているのだ。 さらには、今や敵である家族に「おまえたちは、れいむいかだよ!!」と親がれいむと子ゆっくりを比較すれば、子ゆっくりたちも「れいむのほうがかわいかったよ!!」と、姉妹とれいむを比べる始末。 一家のアイデンティティもプライドも、この時すでに崩壊した。 しかし、一家は狂えない。狂えればどんなに楽か分からない。しかし、狂えない。 毎日昼になれば、ゆっくりゃによる痛みが全身を襲うのだ。 狂いたくても、痛みが一家を否応なく現実に引きもどす。 毎日、死にも等しい恐怖と痛みを味わい、しかも愚図のれいむより愚図な自分。 もはや、生きている価値があるのだろうか? 一家はそんな哲学的なことまで考えるようになった。 そんな日々が、薬が無くなる二週間後まで続けられた。 一月後、青年はその様子を見て、そろそろ潮時かと考える。 一家の今の状況を見て、青年の溜飲も完全に下がっていた。 これはれいむの為というより、れいむを馬鹿にされたことに腹が立った青年の自己満足に過ぎない。 青年はゆっくりと一家に話しかける。 「れいむはあんなに幸せなのに、そのれいむより上の存在であるお前らは、なんでこんなに苦しい思いをしているか分かるか?」 「……わからないよ」 「なんだ、もう言い返さないのか? 自分たちのほうがれいむより幸せだよ、とか。まあ、そんな気力ももう無いんだろうな。なら、教えてやるよ」 「お前たちのほうが、れいむより下の存在で愚図だった、というだけだよ」 「……………」 一家は何も言わない。 言うだけの気力もないが、それ以上に、そんなこと二週間目の時点で分かっていた。 「俺はな、お前らがれいむにしてきたことを、そのままお前らにしてやっただけなんだよ。こういうのを因果応報っていうんだ。よく覚えておけよ」 「……………」 「ホントは薬が無くなった時点で殺そうかと思ってたんだが、なんか今のお前ら見てたら、殺す気もなくなったわ。もう出してやるよ」 「……ころしてよ」 「殺してほしいのか?」 「うん……いきてても、もうかぞくいっしょにいられないよ。いきてるほうがつらいよ」 父まりさの言葉を、他も一家にも聞き返す。 母ありすも子ゆっくりたちもそろって、「……ころしてよ」と、気力を振り絞って答えた。 これが家族最後の共同作業であった。 「……いいだろう。まあ、最後の情けだ。痛みも感じる間もなく、一瞬で殺してやるよ」 「ありがとう、おじさん……」 こんな目に合わせた張本人にありがとうとはな…… 確かにこんな廃人一歩手前では、例え生かしてもすぐに死んでしまうだろう。死んだほうがどれだけ楽か分からない。 青年は最初に持ってきた木箱の中に一家を入れていく。 殺してやるとは言ったが、ここで殺すと餡子やクリームが飛び散るので、さすがにここではしたくない。 青年は一家の入った箱を担ぐと、部屋のドアを開けて、箱を出し、鍵を閉めた。 麻酔を打たれているとはいえ、ゆっくりゃがいるので気を抜くわけにはいかない。 今はれいむは、居間で昼寝をしているはずだ。素早く一家を外に運び、ひと思いに潰して帰ってこよう。 青年は廊下を歩き、玄関まで箱を運んだ。 しかし、神が最後にいたずらをしたのだろうか? 箱を担いでいて前の見えない青年が、玄関の段差に躓いて盛大に転んでしまった。 「痛ってえええぇぇぇぇ――――!!!」 青年が持っていた木箱が投げ出され、大音量を上げて破壊される。 箱詰めの一家は、玄関に投げ出された。 玄関は防音加工していないので、そんな音に目が覚めたのだろう。 「おにいさんん!!!! けがしたのおぉぉ!? いまのすごいおとどうしたのぉ!?」 れいむが青年の叫びと箱の破壊音で目を覚まし、青年が怪我をしたのでは? と、急いで玄関に駆けつけてきたのだ。 「れいむ、来ちゃだめだ!!!」 青年はれいむにここに来るなと、大声で叫ぶ。 しかし、自分の大好きな青年の一大事かもと、れいむは青年の言葉を初めて無視して、玄関に走った。 青年がしまった!! と思っても、後も祭り。 合わせたくなかったれいむと一家が、玄関で邂逅してしまった!! 一家は玄関の一段下から、廊下のれいむを見上げていた。 あれが本当にあの愚図のれいむだろうか? 昨日見た時より、また一段と美しくなっている。 一家は最後まで気づかなかったが、一家が見ていたのはビデオの映像。しかも、一週間前に撮影したものだ。 一家からすれば、たった一日でさらに綺麗になったと思っても不思議ではない。 父まりさは死ぬ前に声をかけようと思った。 傲慢なまりさだが、自分があんな目にあって初めて理解出来た。自分は、あんなに酷いこと、ずっとれいむにしてきたのだ。 母ありすも声を掛けたかった。 なんであんな綺麗で都会派なれいむを苛めてたんだろう。むしろ、あんな子が自分から生まれてきたなんて誇らしいじゃないか。実に都会派じゃないか。 「れ、れいむ……その……まりさ、いままでれいむのこと……」 「れいむのこといじめてごめんね」 まりさはそう言おうと思った。 しかし、まりさの後半の言葉は、れいむの言葉によってかき消された。 「ゆゆっ!! かみのないゆっくりがいるよ!! おにいさん、ほんとうにいたんだね!!」 「れ、れいむ!?」 「かみのないゆっくりさん、ゆっくりしていってね!! れいむとおともだちになってね!!」 れいむは家族に向かって、まるで初めて会ったかのような対応を示す。 これには、一家ばかりか青年も驚いた。 「なあ、れいむ。あれが誰だか分からないのか?」 「ゆっ? おにいさん。れいむ、はじめてあったよ!!」 「は、初めてって……本当に分からないのか?」 「ゆー……そんなこといわれても、わからないよ」 通常、ゆっくりは髪飾りで個体を識別する。 これは実験結果からも明らかで、リボンや帽子をしていれば、例えどんなに顔が変わってもゆっくりには分かるし、逆に無ければ、例え家族ですら個体識別が出来なくなる。 確かに今の一家は青年によって髪は剃られているが、しっかりと帽子やカチューシャはしているのだ。判別できないはずがない。 「れ、れいむ、まりさはれいむのおとうさんだよ!!」 「ありすはおかあさんよ!!」 一家はれいむがなぜ自分たちを知らないのかが分からなく、大声で呼びかける。 しかし、れいむは首をかしげ、考え込んでいる。 「れいむにおとうさんもおかあさんもいないよ。れいむのおとうさんとおかあさんは、れいむがちいさいころにしんじゃったんだよ。ゆっくりうそをつかないでね!!」 「うそじゃないよ!! まりさがれいむのおとうさんだよ!!」 「うそつきはどろぼうのはじまりだって、おにいさんがおしえてくれたよ!! そんなうそをつくゆっくりとは、ゆっくりできないよ!! ぷんぷん!!」 れいむは嘘つきとは一緒にいられないとばかりに、プリプリ怒っている。 青年が怪我をしていないことを確認すると、頬を膨らませて、来た廊下を戻っていった。 青年はそんな光景を見て、なんとなく状況が理解出来た。 れいむは、青年との生活をするようになって、過去の辛く悲しい生活を忘れ去っていたのだ。 人間でも、虐待を受けた子供が自己を防衛するため、虐待時の記憶を忘れたり、脳の奥底に記憶を封印したりすることが稀にある。 おそらくれいむは、自己を保つために、虐待時に記憶の部分に、自分の都合のいい記憶を改ざんしたのだろう。 自分には家族がいない、家族はすべて殺された、やさしい青年に助けられた、というように…… 「……れ、れいむ」 まりさが、れいむの後ろ姿を見て小さく洩らす。 まりさに限らず、一家全員がその光景を呆然と眺めていた。 今まで散々苦しい目にあった。 初めはれいむがご飯を食べているのを、全員で罵倒した。 れいむが綺麗になっていくのを、全員で貶した。 しかし、徐々に自分がれいむより下なんだと理解していくようになった。 なんで自分はれいむにあんな酷いことをしていたのか、考えるようになった。 れいむと偶然再会した。チャンスだった。 れいむに謝ろうと思った。 しかし、れいむはそんな一家のことなど、すでに頭の片隅にもなかった。 一家は最初から最後まで、一人相撲を取っていたのに、たった今気がついた。 「ゅゅ……ゆゆゆ…………ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ――――――――!!!!」 まりさは玄関で笑った。笑い続けた。 釣られるように、ありすや子ゆっくりも、乾いた笑い声を上げていく。 青年はそんな一家を外に出し、少し離れた場所に連れていくと、足を高くあげ、踏みつぶしてやった。 一家は最後の最後まで、狂ったように笑い続けていた。 終わり ちょっと最後が弱かったかな。 坊主の人、もしこれを読んで怒ってたらごめんね。 作者も、高校球児だったので、小学校の時からずっと坊主でした。 坊主なら頭じょりじょりは誰でもやられた経験があるはず。 ちなみに作中のビデオテープは3時間テープを3倍で撮ったもの。 終わればそれを自動で巻き戻し、最初から繰り変えすような仕様です。 だからテープは変える必要がないよ。 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 このSSに感想を付ける
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※ゆっくりいじめ小ネタ189 新製品 ゆっくりいじめ小ネタ453 新製品 その2 の設定を使わせていただいています。 厨ゆっくり注意 今、俺は自宅へと全力疾走していた。 腕にはゆっくりショップ印の買い物袋を抱えている。 そっくりれいむ。 新製品をチェックするために訪れたゆっくりショップ。 ついなんとなしに立ち寄った捕食種コーナーで、俺はこいつを見つけた。 100%人工の饅頭。 それだけならば、ただ買わずに通り過ぎただろう。 だが、なんとなく手に取った説明書にはこう書かれていた。 ※飾りをゆっくりの物と取り替えると、生きながら腐るゆっくりが生まれる場合があります。 絶対にやらないでください。 超見てみてぇ。 早速そっくりれいむを買い、家へと猛ダッシュ。 生きながら腐るって。一体どうなるのだろう。すごいワクワクする。 久しぶりに感じたこの胸の高鳴り。 さぁれいむ。 お前に命を吹き込んでやるよ。その結果どうなるかは知ったことではないが。 黒い悦びを胸に、俺は走り続けていた。 そっくりれいむで遊ぼう! 「―――で、お兄さんはそのれいむをかってきたと」 「そうですその通り!ヒャア我慢できねぇ実験だ!」 流れる汗を拭き取り、爽やかに答える。 明らかにゆうかが冷めた目をしているのに気づいたのは2日後だった。 「今回はゲストをお呼びしています!カモンおりん!」 「じゃじゃーん!」 ゆっくりおりんを呼ぶ。 別にゲストとはいっても同居しているのだが。 「さぁおりん、ゆっくりの死体を操る君ならわかると思う。 このそっくりれいむは、100%人間の手で作られた饅頭だ。ゆっくりではない」 テンションをそのままに、俺は喋りだす。 おりんはいつもと違う俺の様子に戸惑っているようだ。 「ゆっくりは母から産まれる、それは当然だ。 母の胎内、あるいは茎に揺られ、この世に生まれてきた事を実感するのだ。 この世全てからの祝福、母の愛情に包まれてゆっくりは誕生する」 更にボルテージを上げ、真っ赤な嘘を並べ立てる。 そんな平和に生れ落ちることの出来るゆっくりなんて一握りしかいないっての。 「だがこのそっくりれいむは違った! このれいむに母も無く、祝福も愛情も無い! 産まれてすらいない!人間の手で製造されたのだ!」 既にゆうかは居ない。 どうやら呆れてどこかに行ってしまった様だ。 おりんひとりを相手に、俺は演説の真似事を続ける。 「何と酷い事か!このれいむは冷たい工場の中で、餌として組み立てられた! このれいむとゆっくりに何の違いがある!?小麦粉の肌、飴の歯、白玉の目! 全て同じではないか!何故れいむがこのような仕打ちを受けねばならないのだ!」 明らかにおりんは引いてる。 だが気づかない。イケイケモードとなった俺は止められない。 「だから俺はれいむに魂を吹き込む! れいむは食べられるためのお饅頭ではなく、ひとつの生命としてこの世を生きるのだ!」 本当は生きながら腐るという地獄を味わってほしいんだけどね。 「だからさおりん、君のゾンビ饅頭から飾りを貰い受けたいんだけど。いいよね?」 「い、いいよ!おやすいごようだよお兄さん!」 ようやく素の状態になった俺に安堵するおりん。 そっくりれいむ用のリボンをくれることも快諾してくれた。 「死体のことならあたいにおまかせ!ゆっくりれいむならよりどりみどりだよ!さぁ!こっちにおいで!」 おりんが指を鳴らすと、ぞろぞろとゾンビ饅頭たちがやってきた。 「ユ゛・・・・・・ユ゛ックリジデイッデネ・・・・・・」 「ユ・・・・・・ユヒ・・・・・・」 「ユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッ」 「カユ゛・・・・・・ウマ゛・・・・・・」 明らかに死んでいるとわかるゆっくり達。 片方の眼球が無いものや、腐り始めているものもいる。 「あー、じゃあこのゾンビれいむのリボン貰うぞ」 「ユ゛ッ!レイム゛ノ゛オ゛リボンガエジデネ!」 別に死体のゆっくりの飾りを使う必要はない。 ただなんとなく死体の方が相性がいいかなー、と思っただけだ。 「さぁそっくりれいむ!!お前はこのおリボン(死臭付き)で新たな生を手に入れるのだ!!」 れいむにリボンを装着する。 さぁ、何が起きるんだ。 「・・・・・・ゅ・・・・・・ゅっ・・・・・・ゆ・・・・・・ゆっ・・・・・・」 動き始めたそっくりれいむ。 おお、いきなり動くとは。後2つ~3つくらい飾りを変えて試すつもりだったのだが。 「ゆっくりしていってね!」 定番の台詞。どうやらそっくりれいむに魂が吹き込まれたようだ。 「やぁれいむ。ゆっくりしてるかな?」 「ゆゆ!れいむはゆっくりしてるよ!」 どこからどう見ても普通のゆっくりだ。ちゃんと腐っていくのだろうか? 「おりん、こいつ操ってみろ。多分出来るぞ」 「あいあいガッテンだよ、お兄さん!」 むむむ、と念を込めてれいむを見つめるおりん。 釣られるようにれいむの身体が動き始める。 「ゆゆ!?れいむのからだがかってにうごくよ!!」 「お兄さん、ほんとにできたよ!」 そりゃそうだろう。なんたってこいつは元々ただの饅頭なのだから。 言ってみれば生きながら死んでいる。いや、死にながら生きてるのか? 「はーいそうとわかったらもう用無しですよーれいむちゃん」 「ゆっ!おそらをとんでるみたい!」 れいむを抱き上げ、透明な箱に入れる。 万一勝手にどこかに行って腐られたら困るからね。 「おにいさん!れいむをここからだしてね!じゃないとおこるよ!ぷくぅ!」 「はいはーいじゃあそこで腐っていってねー」 とりあえず放置する。 一体何日で腐ったりするのだろうか。ちょっと楽しみ。 「さあおりん、もう行こうか。3時のおやつでも食おうぜ」 「あたい、お兄さんに揚げまんじゅうつくってあげるよ!」 「ユ゛ッ!オマ゛ンジュウ!」 「ワ゛ーイ゛ヤッダー」 「ユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッユ゛ッ」 ゾンビ饅頭どもをぞろぞろ引き連れ、俺とおりんは部屋を後にする。 「ゆ゛うううううう!!れ゛いむ゛も゛お゛まんじゅうだべだいいいいいいいいいいい!!」 部屋の中にはれいむだけが取り残されていった。 1日後。れいむの様子を見るべく部屋を訪れる。 「ゆっ!おにいさん、れいむをここからだしてね!れいむおなかすいたよ!」 ぷりぷりと膨れながら威嚇してくるれいむ。その様は普通のゆっくりと変わらない。 当然無視する。俺が見たいのは生きながら腐る饅頭なんだ。今のお前なんかと話す事はない。 「ゆうううぅぅ!!おにいざん、れいむだじでよおおおおお!!!」 さっさと部屋を出る。 一体変化が訪れるのはいつごろやら。 「おながずいだあああああああああああああああ!!!」 2日後。 「ゆううううう・・・・・・おにいざん、おながへっだよおおおおおおお・・・・・・」 元気がないが空腹によるものだろう。 ゆっくりが生きていくうえで必要な食料は少ない。大食いなのはゆっくりが必要以上に強欲なためだ。 ゆっくりは本来エコなナマモノなのだ。だから1ヶ月程度の長い絶食にも耐えられる。 まぁ普通に生きているこいつに興味はない。さっさと腐れよ。 そうでなければお前に命を吹き込んだ意味はないんだからな。 「だじでええええ・・・・・・おうぢがえる・・・・・・」 3日後。ようやく変化が現れた。 「ゆ゛・・・・・・おにいざん・・・・・・だじで・・・・・・」 少々様子がおかしい。 舌をべろんと出し、口からはだらだらと涎を流し続けている。 眼は焦点を失い、こちらを見ていない。 だがまだ意識があるな。それに外見に異常は見当たらない。 腐食は内部から始まったのだろうか?今れいむの体内はどうなっているのだろう。 箱の中にゆっくりフードを入れ、部屋を後にする。 ようやく楽しくなってきた。もっともっと面白くなれよ、れいむ。 「ゆ゛・・・・・・うめ゛・・・・・・めっちゃうめ゛・・・・・・」 部屋にはクチャクチャと、れいむの咀嚼する音だけが響いていた。 4日後。 「ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・」 完璧に壊れたな、こりゃあ。 今にも飛び出そうなほどに開かれた両目は白く濁り、口からは涎と共に呻きのような声が絶えず漏れ出ている。 ゆっくりフードを与えてみる。反応はない。 「ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・」 見れば、れいむの頬に黒いシミのようなものが浮かんでいる。カビだ。 れいむの内部を蹂躙したであろうカビは、とうとうれいむの外側にまで及ぼうとしている。 眼を凝らせば少しずつカビが広がっていくのがわかる。異常なスピードといえた。 今日はこのままれいむを観察しよう。 このカビがれいむを覆い尽くすところを見てみたい。 おそらくだが、多分まだれいむは生きているはずだ。生きながら腐る。俺はこれが見たかったんだよ。 「ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・ゆ゛・・・・・・」 そして5日後。そこにはカビ饅頭があった。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 もうれいむは動かない。呻き声を上げることすらない。 カビはれいむの全身を覆い、れいむの顔面は真っ黒のグズグズになっている。 正直、ここまで凄まじくなるとは思っていなかった。まだあのゾンビ饅頭の方がマシだ。 「おーい、おりん。来てくれ」 「よんだかい、お兄さん?」 おりんを呼ぶ。流石にもうどう見ても死んでいるが一応おりんに死亡確認してもらう。 「お兄さん、このれいむまだいきてるよ」 「マジで!?」 驚いた。こんななりになってもまだ生きているのか。 まぁこんな状態では生きていても死んでいても変わらないだろうが。 どうせなので動かそう。 「じゃあおりん。こいつ操ってくれないか?」 「がってんだよ、お兄さん!」 むむむ、と念を込めてカビ饅頭を見つめるおりん。 とうに壊れたはずの精神を強制的に黄泉還され、腐れいむは覚醒する。 「ユ゛ユ゛!ユ゛ッグリジデイッデネ!」 がらがらに皺枯れたおぞましい声で挨拶をする腐れいむ。 予想以上にキモイ。 「やぁれいむ。ゆっくりしてる?」 「ユ゛ッ!ナ゛ンダガゼナガガガユ゛イヨ゛!」 俺の言葉を無視し、箱に身体を擦り付ける腐れいむ。 ぬちょぬちょと腐汁が飛び、背中がぐちゃりと崩れた。中からどす黒く水っぽい何かが垂れてくる。 やばい。何でこんなの蘇らしたんだろう。少し後悔した。 「ユ"ア゛ア゛!!ガユ゛イヨ゛!!ガユイ゛ヨ゛!!」 己の公開解体ショーを見せ付ける腐れいむ。 ちょっとした精神的ブラクラに眩暈を覚える。 「あのーれいむさん、俺の話を・・・・・・」 「ユ゛ブゲロ゛ロ゛ロ゛ロ゛ロ゛ロ゛!!!!」 いきなり吐いた。 背中から垂れてるものと同じ黒い粘液状の何かを大量にぶちまける。箱越しからでも伝わる腐臭。 これは酷い。 やっぱりこれは罰なのか。使用上の注意に真っ向から反逆した罰なのか。 ゆっくりの腐乱死体程度、飯を食いながらでも見れると思っていたのに。予想以上に気持ち悪い。こっちまで吐きそう。 たかがゆっくりと侮った結果がこれだよ。 「おりん、こいつ黙らしてくんね?」 「ごめんお兄さん、それはむりだね」 どうやら腐れいむは元々生きていたために、おりんのコントロールを離れて勝手に動き回っているらしい。 こいつを止めるには物理的に破壊する必要があるんだとか。 だがこんな気持ち悪いモノに触る気は俺には毛頭ない。それはおりんも一緒らしかった。 どうしよう。ほんの遊び心だったはずなのに、何でこんなことになってるんだ。 やっぱりメーカーの言うことは素直に聞くべきだったのだ。 「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう・・・・・・あ」 思いついた。別に俺が触る必要はないじゃないか。 こいつは(今となっては、多分)ゆっくりなんだし、ゆっくりの問題はゆっくりで解決してもらおう。 ぶっちゃけた話、コンポストにでも捨てよう。 よしそれがいい。そうと決まれば早速、腐れいむをコンポスト送りにするために行動を起こす。 こいつを蘇らせようと考えた数分前の自分を恨みつつ、箱を持つ。 箱の中では腐れいむが「おそらをとんでるみたい」と聞き取れなくもない音と一緒に腐汁を吐き散らしていた。 やべ、すんげー臭い。本格的に気持ち悪くなってきた。泣きそう。 ダッシュでコンポストのある台所まで移動する。 途中ゆうかとすれ違ったが、腐臭に思いっきり顔をしかめ俺を睨んでいた。本当にスイマセン。 コンポストの前に立ち、蓋を開ける。 中にはゆっくりまりさが一匹か。 「やあまりさ!ずっと一人で寂しい思いをしてきた君にお友達をあげよう!」 「ゆっ!?ほんと!?ありが―――」 ほぼ涙目で宣言する俺。 まりさの言うことなんぞいちいち聞かずに、腐れいむを投下する。 あとでこの箱洗わないといけないな。 「ゆぎゃあああああああああああああああああああ!!!!ばげものおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「ユ゛ッ!!レ゛イム゛バゲモノジャナ゛イヨ゛!!」 絶叫するまりさ。そりゃそうだろうな。 空から腐乱死体が落ちてきて、しかもそれが動き出したなら誰だって驚く。 「じゃあ、まりさ。今日からそいつと一緒に暮らせよ。頑張ってね~」 「ゆ゛ぁっ!?まっでえええええええええええおにいざああああああああああああああん!!!」 「レ゛イム゛マ゛リザドイ゛ッジョー」 コンポストの蓋を閉める。 まだ中からまりさの絶叫が響いてくるが無視。いやあよかった。まりさも良い友達に恵まれたようだ。 本当に仲良く暮らすか共食いするかはまりさに決めてもらうとしよう。 それにしても酷い目にあった。 れいむに地獄を見せるつもりが、逆にこっちが痛い目を見てしまった。 やはり取扱説明書は偉大なものなんだなと再認識する。 大体おりんのゾンビ饅頭すら定期的に捨てさせているグロ耐性のない俺にはきついものだったのだ。 好奇心は猫をも殺す。全く以ってその通りだ。下手な好奇心なんかは持つものじゃない。 ―――もう二度とこんな事しないよ。 その思いを胸に、俺は台所を後にした。 それから一週間後。 俺はまたゆっくりショップにいた。 目の前には新商品のゆっくりの移植用パーツ、「おめめ」。 注意書きにはこう書かれている。 ※3つ以上付けると見た目がキモくなります。 超見てみてぇ。 前回の実験こそアレな結果で終わったが、今度は成功するはずだ。 百々目鬼ゆっくり。結構じゃないか。非常に面白そうだ。 そうと決まれば膳は急げ。「おめめ」を20セットほど買い、家へと直行する。 久しぶり(たった一週間だが)に感じたこの胸の高鳴り。 今度の実験体は誰がいいだろう? れいむかまりさかありすか。ぱちゅりーもいいかもしれない。 目が2個以上あるという感覚は一体どんなものなのだろう。きっと楽しくなる。 黒い悦びを胸に、俺は走り続けていた。 ―――ちなみに全くの余談だが。あのまりさと腐れいむの間に子供が出来たらしい。 その子供の見るもおぞましい姿に卒倒することになるのだが、それはまた別のお話。 おわり ――――― 新製品シリーズのそっくりれいむの説明を見た瞬間ついカッとして書きたくなった。 反省している。 あとグロ耐性のない俺にゾンビ描写とか不可能なのも思い知った。 このSSに感想をつける
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前 翌日、青年の休暇も終わり、今日から再び仕事に行くことになった。 家を建てるくらいの金があるんだから仕事なんて辞めればと思うかもしれないが、青年は仕事にやりがいを感じているので、辞めようとは思わなかった。 しかし、今日からも一家の虐待を止めるつもりは全くない。青年が仕事に出ている最中も、しっかりと恐怖を味わってもらうつもりだ。 具体的にいえば、昨日したことを全部していくということだ。 青年は朝のうちに虐待の準備をすべて済ますと、「れいむ、仕事に行ってくるからな!!」と家を出て行った。 「おがあざああん!!! おながずいだよおおおぉぉぉぉ!!!!」 「ごはんぢょうだいいいぃぃぃ――――!!!」 注射を打たれ、空腹で目が回ってきた子ゆっくりが、両親に泣きわめく。 胃液分泌薬と一緒に栄養剤も言っているので、一日の必要栄養的には何ら問題はない。 しかし、昨日今日と連続して口から物を通していない一家は、食の満足感が全くない。 その一家の目の前では、れいむの映像が延々と流れていた。 『れいむ、今日はハンバーグだぞ!!』 『ゆー!! れいむ、はんばーぐだいすきだよ!!』 『ほら、熱いから気をつけろよ』 『ぱ~く!! ゆゆゆゆゆゆゆっ!!! あじゅいよおおおぉぉ!!!』 『だから言わんこっちゃない!! ほれ、水だ』 『おにいさん、ありがとう!! ごーくごーく、すっきり♪』 『よくフーフーしてから食えよ』 『ふーふーふー……むーしゃむーしゃ、しあわせ~♪♪』 『うまいか、れいむ?』 『おいしいよ、おにいさん!!』 「れぇぇぇいぃぃぃむぅぅぅのぉぉぉぐぅぅぅぜぇぇぇにぃぃぃぃぃぃぃ――――!!!」 「ざっざとぞのごはんをまりざだぢによごぜえええぇぇぇぇ―――――!!!」 「おがあざんにざからうなんで、どがいはのすることじゃないわあああぁぁぁぁ――――!!!」 「でいぶはざっざとじねえええぇぇぇぇぇ――――!!!」 そんな空腹で我を忘れる一家に、映像のれいむはひとこと、 『しあわせ~~~~♪♪♪』 「ゆぎゃああぁぁぁぁぁ―――――!!!!」 「まりざをむじずるなああぁぁぁぁぁ――――!!!」 「でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜにいいいいいぃぃぃぃぃ――――!!!!」 しばらくれいむの食事風景が流れていたが、一時間もすると、今度は映像が切り替わる。 青年『どうだ、うちのれいむは?』 野良まりさ1『ゆゆっ!! こんなきれいなれいむ、みたことがないよ!!』 野良ちぇん『わかるよー!! とってもいいにおいがするよー!!』 野良まりさ2『ま、まりさとゆ、ゆっくりしていかないか?』 野良ぱちゅりー『むきゅう。うらやましいわ』 野良ありす『ま、まあ、ありすにはかなわないけど、まあまあきれいね!!』 れいむ『ゆー……れいむ、きれいなんかじゃないよ』 野良まりさ2『なにいってるんだぜ!! きれいだぜ!!」 野良ちぇん『わかるよー!! きれいだよー!!』 れいむ『ゆー……』 青年『ははは、うちのれいむは恥ずかしがり屋さんだから、そんなに綺麗綺麗言ってやるな。まだ子供なんだぞ。それに髪についてはあんまり触れてやるな。世の中には髪の毛のない恥ずかしいゆっくりだっているんだぞ』 野良まりさ1『ゆゆっ!? かみのないゆっくりなんているの?』 青年『それがいるんだよ。今度見せてやるよ。爆笑間違いなしだぞ。腹がよじれない様にしっかり腹筋鍛えておけよ、腹筋ないけど……』 野良ぱちぇ『むきゅ!! きょうみぶかいわ!!』 野良まりさ1『はやくみたいよ!!』 野良ありす『かみのけがないなんて、ほんといなかものね!!』 野良ちぇん『わかるよー!! おおわらいするよー!!』 野良まりさ2『みんなでゆっくりばかにしてやろうぜ!!』 「ゆがあああぁぁぁぁぁぁぁ――――――!!! ありずだっで、ぎれいながみがあっだのにいいいいいぃぃぃぃぃ―――――!!!!」 「ありずはいながものじゃないわあああぁぁぁぁぁぁぁ――――!!!!」 「じじいのぜいだあああぁぁぁぁぁ―――――!!!」 「でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜに!! でいぶのぐぜにいいいいいぃぃぃぃぃ――――!!!!」 怒りで目を見開き、映像に向かって罵倒しまくる一家。眼がとても充血している。 しかし、それが悪かった。 あまりに大きな声を上げすぎたせいで、段ボールの中にいる、奴を目覚めさせてしまった。 「う~♪ なんかうるさいんだど~♪ れみりゃをおこすのはだれだど~♪」 「れ、れみりゃだああぁぁぁ―――――!!!」 「ここはどこだど~♪ れみりゃはおなかがすいたど~♪」 「ゆぎいいぃぃぃ――――!!! たずげでええぇぇぇ――――!!!」 「あ、おかしをみつけたど~~♪ たべちゃうど~~♪」 「いやああぁぁぁ!!! ありずをだべないでえええぇぇ!!! おがあさん、だずげでえええぇぇぇぇ!!!!」 「いやあああぁぁぁぁ!!! ありすのごどもがあああぁぁぁぁ―――――!!!!」 「うるさいど~♪ れみりゃはこれをたべるんだど~~♪ さっさとはこからでるんだど~~♪ おかしのくせになまいきだど~~♪」 「ゆぎいいぃぃぃぃ――――!!! いだいよおおおおぉぉぉ――――!!! にぎりじめないでえええぇぇぇぇ――――!!!」 「さっさとはこからでるんだど~~♪ なんででないんだど~~♪ れみりゃはおなかがすいたから、さっさとでるんだど~~~♪」 「いだいいだいいだいいだいいだいいだい…………!!!!」 「もういいど~~♪ そっちのおかしをたべるど~~♪」 「ゆぎゃあああぁぁぁ――――!!! まりざのどころにごないでええぇぇぇ―――!!!」 「だめだど~~♪ たべちゃうど~~♪」 「いぎゃいいぎゃい!!!! おどうざああああんんん――――!!!」 「やめでえええええええぇぇぇぇぇ!!! まりざのこどもがああぁぁぁぁぁ――――!!!」 「こっちのおかしもはこからでないんだど~~♪ もういいど~~♪ つぎはそっじのでっかいはこにするど~~~♪」 「ま、まりさはおとなだから、うまくないんだぜ!!!」 「れみりゃはおっきいほうがいいど~~♪」 「ゆぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――!!!!!」 れみりゃはおかしが箱から出ないと気付いては、箱を行ったり来たりしている。 いつ自分が食べられるのではないかと、一家は気が気じゃない。 部屋の中は、一家の鳴き声と叫び声で充満していた。 隣では再び場面が変わり、れいむが大口を開けて、桃を一口で食べている映像が流れているが、一家にとってはそんなことを気にしていられる状況ではなかった。 夕方、青年は職場から帰ってくると、虐待部屋に行くことなく、れいむとゆっくり食事を取り、遊び、風呂に入ってゆっくりしていた。 ようやく部屋に行ったのは、れいむが寝付いた夜中であった。 部屋に入ると、昨日と同様、ゆっくりゃと一家の鳴き声が青年を迎えてくれた。 「うああああぁあああぁぁぁぁん!!! れみりゃはおながずいだど~~!! おがじのぐせになまいぎだど~~!! ぷっでぃ~んだべだいど~~~!!!」 「いだいよおおぉぉぉ―――!!! なんでまりさだげ、ごんなにながいのおおぉぉぉ―――!!! はやぐあっぢにいっでよおおぉぉぉ――――!!!」 見たところ一家は誰一人かけていないようだ。 しかし、ゆっくりゃを含めた全員が全員、疲労を全身で表わしている。うむ、満足満足。 青年は昨日同様、れみりゃの後ろから麻酔を打ち込み、れみりゃを眠らせた。 れみりゃは知能があれなので、今日の出来事など一晩経てばすっかり忘れているから、明日もまた一家相手に頑張ってくれるだろう。 今日はたまたま一家の大声で間が覚めたが、例え一家が騒がなくても、この麻酔は半日くらいの効果なので、遅くても明日の正午には起きだしてくる。 そんなれみりゃが栄養不足で死なないように、一家同様栄養剤を打って、段ボールの中に寝かせてやった。 「おじさあああんんん―――――――!!!! もうゆるじでええええぇぇぇぇ――――!!!!」 れみりゃを段ボールに片づけた青年に、父まりさが懇願する。 母ありすと子ゆっくりは、れみりゃの脅威からやっと解放されるや、ばったりを倒れた。体力的なこともあるが、それ以上に神経をすり減らしすぎたのだろう。 さすがに父まりさは一家の大黒柱だけあって、体力は随一のようだ。 「ふむ、なら『まりさは愚図です。ハゲです。れいむ、ごめんなさい』って1000回言ってみな。そしたら考えてやらんこともない」 「ゆっ!? まりざはぐずでもはげでもないよ!! それになんでぐずのれいむにごめんなさいなんていわなきゃならないの!!」 「ま、言わないなら言わないで構わんよ。明日もれみりゃに食べられない様に頑張ってな」 「ゆうううぅぅぅぅ――――!!! なんでええええぇぇぇぇ――――!!! まりざだぢなんにもわるいごとじでないのにいいぃぃぃぃ――――!!!」 「……お前、じつはそこに居たいんじゃないか?」 自分で自分の首を絞めるまりさを見ていると、本当はそこに居たいんじゃないかと思えてくる。 まあ、例え1000回言ったとしても、「考えたけど、やっぱり駄目」とか言って、出すつもりはさらさらなかったのだが…… あれだけの恐怖を味わってもこんなセリフが出るくらいだ、少なくとも二週間は持つだろう。 「おねがいでずううぅぅぅぅ――――!!! だずげでええぇぇぇ―――!!!」と五月蠅いまりさを尻目に、青年は部屋を出て鍵を閉めると、床についた。 あれから一週間が経過した。 青年は毎日職場に行く前に、一家に栄養剤と空腹剤の注射を打っては、ビデオを回していった。 最初の三日ほどは、相も変わらず、ビデオ相手にさんざん罵声をまき散らし、昼ごろに目を覚ましたゆっくりゃに脅え震え痛い思いをする毎日。 しかし、さすがに四日も過ぎると、一家の様子が変わってきた。というのも、敵がゆっくりゃだけじゃなくなってきたのだ。 いい加減同じことを三日もすると、一家の神経も限界まですり減らしすぎたのか、一匹の子まりさが、まりさ種特有のスキルを発揮した。 「まりざよりあっぢのありずのほうがおいじいよおおぉぉぉ―――!!! だがら、まりざだけはだべないでええぇぇぇぇ―――!!!」 子まりさの裏切り行為である。 これを聞いて、今まで鉄の結束を誇っていた一家がガタガタに揺れた。 「なんでぞんなごどいうのおおぉぉぉぉ――――!!!」 「そんなごどいうわるいいもうどは、れみりゃにゆっぐりだべられろ!!!」 最初は一匹の子まりさの裏切りだった。 しかし、それをきっかけに、他のまりさ種も「あっちの~のほうが…」と裏切り、それに対抗するように「ばかな~はゆっくりしね!!」と反抗する。 精神が摩耗しきった一家には、既に鉄の結束はなく、最初はなんとか止めようとしていた両親も、「おかあさんからたべられてね!!」という子供の言葉に遂に切れて、家族は見事バラバラになった。 今まではゆっくりゃだけが敵だった。捕まっても、家族全員で「がんばってね!! たえてね!!」と励ましあっていた。 しかし、今では家族全員が敵同士になる始末。 これで全員が同じ箱に入れられていれば、皆殺しで終わっただろう。 しかし、一家は分断された箱の中。ゆっくりゃ以外接触することは出来ない。 ゆっくりゃに誰かが捕まれば「ゆっくりたべられてね!!」と、家族全員からの大合唱。 一旦れみりゃに捕まってしまえば、部屋中の全員が敵。一家に休まる時間など皆無だった。 同じことを延々と繰り返し二週間。一家の肉体と精神は、すでに極限状態まで達していた。 一家の唯一の共同作業は、誰かを罵倒するときだけ。 しかも、最近は自分たちがれいむより愚図なのではないかと思うようになっていた。 毎日、美味しいものもを食べては日々綺麗になっていくれいむに比べ、自分はこの二週間何も口にせずに、しかも毎日体力と神経をすり減らしたことで、もちもちだった皮も、今ではすっかり瑞々しさを失っていた。 家族との結束があれば、全員でれいむを罵倒し、多数決の理論でプライドを保っていられただろう。ブスのグループが綺麗な女の子を妬んで、全員で悪口を言うようなものだ。 しかし、いざ一人になると、そんなれいむと今の自分を比べ、今のれいむが綺麗で幸せであることをいやでも認めざるを得ない。内心では今の自分とれいむを比べ、どちらが上であるかなど、頭の弱いゆっくりでも分かっているのだ。 さらには、今や敵である家族に「おまえたちは、れいむいかだよ!!」と親がれいむと子ゆっくりを比較すれば、子ゆっくりたちも「れいむのほうがかわいかったよ!!」と、姉妹とれいむを比べる始末。 一家のアイデンティティもプライドも、この時すでに崩壊した。 しかし、一家は狂えない。狂えればどんなに楽か分からない。しかし、狂えない。 毎日昼になれば、ゆっくりゃによる痛みが全身を襲うのだ。 狂いたくても、痛みが一家を否応なく現実に引きもどす。 毎日、死にも等しい恐怖と痛みを味わい、しかも愚図のれいむより愚図な自分。 もはや、生きている価値があるのだろうか? 一家はそんな哲学的なことまで考えるようになった。 そんな日々が、薬が無くなる二週間後まで続けられた。 一月後、青年はその様子を見て、そろそろ潮時かと考える。 一家の今の状況を見て、青年の溜飲も完全に下がっていた。 これはれいむの為というより、れいむを馬鹿にされたことに腹が立った青年の自己満足に過ぎない。 青年はゆっくりと一家に話しかける。 「れいむはあんなに幸せなのに、そのれいむより上の存在であるお前らは、なんでこんなに苦しい思いをしているか分かるか?」 「……わからないよ」 「なんだ、もう言い返さないのか? 自分たちのほうがれいむより幸せだよ、とか。まあ、そんな気力ももう無いんだろうな。なら、教えてやるよ」 「お前たちのほうが、れいむより下の存在で愚図だった、というだけだよ」 「……………」 一家は何も言わない。 言うだけの気力もないが、それ以上に、そんなこと二週間目の時点で分かっていた。 「俺はな、お前らがれいむにしてきたことを、そのままお前らにしてやっただけなんだよ。こういうのを因果応報っていうんだ。よく覚えておけよ」 「……………」 「ホントは薬が無くなった時点で殺そうかと思ってたんだが、なんか今のお前ら見てたら、殺す気もなくなったわ。もう出してやるよ」 「……ころしてよ」 「殺してほしいのか?」 「うん……いきてても、もうかぞくいっしょにいられないよ。いきてるほうがつらいよ」 父まりさの言葉を、他も一家にも聞き返す。 母ありすも子ゆっくりたちもそろって、「……ころしてよ」と、気力を振り絞って答えた。 これが家族最後の共同作業であった。 「……いいだろう。まあ、最後の情けだ。痛みも感じる間もなく、一瞬で殺してやるよ」 「ありがとう、おじさん……」 こんな目に合わせた張本人にありがとうとはな…… 確かにこんな廃人一歩手前では、例え生かしてもすぐに死んでしまうだろう。死んだほうがどれだけ楽か分からない。 青年は最初に持ってきた木箱の中に一家を入れていく。 殺してやるとは言ったが、ここで殺すと餡子やクリームが飛び散るので、さすがにここではしたくない。 青年は一家の入った箱を担ぐと、部屋のドアを開けて、箱を出し、鍵を閉めた。 麻酔を打たれているとはいえ、ゆっくりゃがいるので気を抜くわけにはいかない。 今はれいむは、居間で昼寝をしているはずだ。素早く一家を外に運び、ひと思いに潰して帰ってこよう。 青年は廊下を歩き、玄関まで箱を運んだ。 しかし、神が最後にいたずらをしたのだろうか? 箱を担いでいて前の見えない青年が、玄関の段差に躓いて盛大に転んでしまった。 「痛ってえええぇぇぇぇ――――!!!」 青年が持っていた木箱が投げ出され、大音量を上げて破壊される。 箱詰めの一家は、玄関に投げ出された。 玄関は防音加工していないので、そんな音に目が覚めたのだろう。 「おにいさんん!!!! けがしたのおぉぉ!? いまのすごいおとどうしたのぉ!?」 れいむが青年の叫びと箱の破壊音で目を覚まし、青年が怪我をしたのでは? と、急いで玄関に駆けつけてきたのだ。 「れいむ、来ちゃだめだ!!!」 青年はれいむにここに来るなと、大声で叫ぶ。 しかし、自分の大好きな青年の一大事かもと、れいむは青年の言葉を初めて無視して、玄関に走った。 青年がしまった!! と思っても、後も祭り。 合わせたくなかったれいむと一家が、玄関で邂逅してしまった!! 一家は玄関の一段下から、廊下のれいむを見上げていた。 あれが本当にあの愚図のれいむだろうか? 昨日見た時より、また一段と美しくなっている。 一家は最後まで気づかなかったが、一家が見ていたのはビデオの映像。しかも、一週間前に撮影したものだ。 一家からすれば、たった一日でさらに綺麗になったと思っても不思議ではない。 父まりさは死ぬ前に声をかけようと思った。 傲慢なまりさだが、自分があんな目にあって初めて理解出来た。自分は、あんなに酷いこと、ずっとれいむにしてきたのだ。 母ありすも声を掛けたかった。 なんであんな綺麗で都会派なれいむを苛めてたんだろう。むしろ、あんな子が自分から生まれてきたなんて誇らしいじゃないか。実に都会派じゃないか。 「れ、れいむ……その……まりさ、いままでれいむのこと……」 「れいむのこといじめてごめんね」 まりさはそう言おうと思った。 しかし、まりさの後半の言葉は、れいむの言葉によってかき消された。 「ゆゆっ!! かみのないゆっくりがいるよ!! おにいさん、ほんとうにいたんだね!!」 「れ、れいむ!?」 「かみのないゆっくりさん、ゆっくりしていってね!! れいむとおともだちになってね!!」 れいむは家族に向かって、まるで初めて会ったかのような対応を示す。 これには、一家ばかりか青年も驚いた。 「なあ、れいむ。あれが誰だか分からないのか?」 「ゆっ? おにいさん。れいむ、はじめてあったよ!!」 「は、初めてって……本当に分からないのか?」 「ゆー……そんなこといわれても、わからないよ」 通常、ゆっくりは髪飾りで個体を識別する。 これは実験結果からも明らかで、リボンや帽子をしていれば、例えどんなに顔が変わってもゆっくりには分かるし、逆に無ければ、例え家族ですら個体識別が出来なくなる。 確かに今の一家は青年によって髪は剃られているが、しっかりと帽子やカチューシャはしているのだ。判別できないはずがない。 「れ、れいむ、まりさはれいむのおとうさんだよ!!」 「ありすはおかあさんよ!!」 一家はれいむがなぜ自分たちを知らないのかが分からなく、大声で呼びかける。 しかし、れいむは首をかしげ、考え込んでいる。 「れいむにおとうさんもおかあさんもいないよ。れいむのおとうさんとおかあさんは、れいむがちいさいころにしんじゃったんだよ。ゆっくりうそをつかないでね!!」 「うそじゃないよ!! まりさがれいむのおとうさんだよ!!」 「うそつきはどろぼうのはじまりだって、おにいさんがおしえてくれたよ!! そんなうそをつくゆっくりとは、ゆっくりできないよ!! ぷんぷん!!」 れいむは嘘つきとは一緒にいられないとばかりに、プリプリ怒っている。 青年が怪我をしていないことを確認すると、頬を膨らませて、来た廊下を戻っていった。 青年はそんな光景を見て、なんとなく状況が理解出来た。 れいむは、青年との生活をするようになって、過去の辛く悲しい生活を忘れ去っていたのだ。 人間でも、虐待を受けた子供が自己を防衛するため、虐待時の記憶を忘れたり、脳の奥底に記憶を封印したりすることが稀にある。 おそらくれいむは、自己を保つために、虐待時に記憶の部分に、自分の都合のいい記憶を改ざんしたのだろう。 自分には家族がいない、家族はすべて殺された、やさしい青年に助けられた、というように…… 「……れ、れいむ」 まりさが、れいむの後ろ姿を見て小さく洩らす。 まりさに限らず、一家全員がその光景を呆然と眺めていた。 今まで散々苦しい目にあった。 初めはれいむがご飯を食べているのを、全員で罵倒した。 れいむが綺麗になっていくのを、全員で貶した。 しかし、徐々に自分がれいむより下なんだと理解していくようになった。 なんで自分はれいむにあんな酷いことをしていたのか、考えるようになった。 れいむと偶然再会した。チャンスだった。 れいむに謝ろうと思った。 しかし、れいむはそんな一家のことなど、すでに頭の片隅にもなかった。 一家は最初から最後まで、一人相撲を取っていたのに、たった今気がついた。 「ゅゅ……ゆゆゆ…………ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ――――――――!!!!」 まりさは玄関で笑った。笑い続けた。 釣られるように、ありすや子ゆっくりも、乾いた笑い声を上げていく。 青年はそんな一家を外に出し、少し離れた場所に連れていくと、足を高くあげ、踏みつぶしてやった。 一家は最後の最後まで、狂ったように笑い続けていた。 終わり ちょっと最後が弱かったかな。 坊主の人、もしこれを読んで怒ってたらごめんね。 作者も、高校球児だったので、小学校の時からずっと坊主でした。 坊主なら頭じょりじょりは誰でもやられた経験があるはず。 ちなみに作中のビデオテープは3時間テープを3倍で撮ったもの。 終わればそれを自動で巻き戻し、最初から繰り変えすような仕様です。 だからテープは変える必要がないよ。 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 このSSに感想を付ける
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あいだゆあ 動画 あいだゆあ(1984年8月12日 - )は、日本の元AV女優・ヌードモデル・グラビアアイドル。愛知県出身。ロータス東京所属。趣味は油絵、特技はテニス。 「スレンダーAV女優」とのキャッチフレーズで、10本契約の新人として売り出された。 グラビアアイドルのあいのとわは義妹。ただし、プロフィール上の出身地は姉と異なる(妹は京都府出身)。 ┣愛称 ゆあ ┣生年月日 1984年8月12日 ┣現年齢 24歳 ┣出身地 日本・愛知県 ┣血液型 O型 ┣身長 157 cm ┣スリーサイズ 88-57-87cm ┗ブラのサイズ E あいだゆあ 動画 あいだゆあ 動画 あいだゆあ 動画 あいだゆあ 動画 あいだゆあ 動画 あいだゆあ 動画 あいだゆあ 動画 あいだゆあ 動画 あいだゆあ 動画 あいだゆあ 動画 動画はこちらから 2003年 - グラビアデビュー。 2004年1月 - 『Pichi Pichi』でAVデビュー。 2005年5月 - セルAV大手のS1に出演を開始。引退までに総集編を含み30作品に出演。また、同じくセル販売のスタイルアートの作品と平行で2006年夏まで月2本前後のリリースペースで精力的に活動していたが、スタイルアートの作品出演終了に伴い月1本前後のリリースに。 2006年3月20日に2005年度日本アダルト放送大賞の女優大賞を受賞。 2007年4月1日にMOODYZの作品に出演開始。引退までに4作品に出演。 2007年7月12日更新分の公式ブログにおいてAV女優からの引退を発表。以降は、ファイナル写真集の撮りおろしなど、ヌードモデルとして活動。 2008年2月16日 - ファイナル写真集「YUA」発売および記念イベントをもって、ヌードモデルからも引退。 麻美ゆま 動画┃明日花キララ 動画┃吉沢明歩 動画┃大沢佑香 動画┃平井綾 動画┃春咲あずみ 動画┃ほしのみゆ 動画┃伊藤あずさ 動画┃星月まゆら 動画┃小川あさ美 動画┃南波杏 動画┃北島玲 動画┃原千尋 動画┃希志あいの 動画┃青木玲 動画┃吉沢みなみ 動画┃吉崎直緒 動画┃香坂百合 動画┃あいだゆあ 動画┃あいだゆあ 動画┃あいだゆあ 動画┃相崎琴音 動画┃初音みのり 動画┃竹内あい 動画┃辻さき 動画┃板垣あずさ 動画┃佐伯奈々 動画┃妃乃ひかり 動画┃初美りおん 動画┃二宮沙樹 動画┃原更紗 動画┃希崎ジェシカ 動画┃雪見紗弥 動画┃村上里沙 動画┃佳山三花 動画┃穂花 動画┃立花里子 動画┃つぼみ 動画┃鮎川なお 動画┃松野ゆい 動画┃浜崎りお 動画┃小坂めぐる 動画┃糸矢めい 動画┃かすみ果穂 動画┃琴乃 動画┃桜木凛 動画┃桜朱音 動画┃長澤つぐみ 動画┃範田紗々 動画┃平井まりあ 動画┃ 関連タグ:動画,動画,無修正,無料オナニー動画,ギャル写メ,エロ動画,自撮り,ロリ写メ,エロ動画,ロリ動画,無修正,おっぱい,ロリ,まんこ,パンチラ,動画,盗撮,フェラ,レズ,潮吹き,蒼井そら,麻美ゆま,エロ,中出し,痴漢,巨乳,熟女,爆乳,人妻,ハメ,素人,スク水,明日花キララ,みひろ,足コキ,手コキ,パイ舐め,お宝,セックス,スクール水着,マンコ,おまんこ,処女,放尿,柚木ティナ,ナース,妹,尻,ブルマ,乳首,紅音ほたる,及川奈央,パンツ,母乳,スカトロ,ロリータ,エロアニメ,騎乗位,吉沢明歩,バイブ,手マン,コスプレ,おしっこ,お尻,オナニー @wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 用途別のオススメ機能紹介 @wikiの設定/管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 無料で会員登録できるSNS内の@wiki助け合いコミュニティ @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください @wiki助け合いコミュニティの掲示板スレッド一覧 #atfb_bbs_list その他お勧めサービスについて 大容量1G、PHP/CGI、MySQL、FTPが使える無料ホームページは@PAGES 無料ブログ作成は@WORDをご利用ください 2ch型の無料掲示板は@chsをご利用ください フォーラム型の無料掲示板は@bbをご利用ください お絵かき掲示板は@paintをご利用ください その他の無料掲示板は@bbsをご利用ください 無料ソーシャルプロフィールサービス @flabo(アットフラボ) おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 @wikiプラグイン一覧 まとめサイト作成支援ツール バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。
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『しまわないで!』 ※一部にパロディ要素を含みます 「うー! しね! よわむしおねえさまは、ゆっくりしね!」 「うー! ふりゃんのぶぁーか! おねぇーさまはかりしゅま☆れでぇーなのぉー!」 × × × 「うーうー♪ あまあま☆でりしゃすぅー♪」 「う~~! ちっぢゃいれみりゃ、やめてぇー! それ、れみりゃのおやづなのにぃ~!」 × × × 「ゆゆっ! にくまんがいるよ! みんなあれをつかまえれば寒い冬さんも安心だよ!」 「やだやだぁー! れみりゃはにぐまんじゃないのぉー! おでで、はむはむしないでぇー!」 × × × 「おっ! ゆっくりゃだ! 珍しいな」 「なぁ、知ってるか? あいつらの服や髪、結構いい金になるらしいぞ」 「うわぁぁー! れみりゃのだいじだいじがぁー! ざらざらへあーがぁぁーー!?」 × × × 「うっぐ、ひっぐ、えっぐ……」 幻想郷の里山の一画から、聞こえてくる嗚咽。 それは、ふくよかな手で大きな下ぶくれ顔を押さえ、 必死に涙をこらえようとする"ゆっくりれみりゃ"のものだった。 「う~~っ、ぐやじぃよぉ~~!」 よたよた、どたどた、ゆっくりと歩くれみりゃ。 左右にふらふら揺れては、大きなお尻を振ることで、辛うじてバランスを取る。 このれみりゃは、度重なるトラブルで、すっかり疲れ果てていた。 真っ赤になって泣きじゃくるれみりゃの顔は薄汚れ、 手も足も擦り傷だらけで、大事なおべべも帽子もしわくちゃになっている。 妹の"ゆっくりふらん"に散々馬鹿にされた上で、虐められ。 友達になろうとした"胴無しゆっくりれみりゃ"には食べ物を奪われた挙げ句、見捨てられ。 迷子で泣いていてところをドスの群れに見つかり、"にくまん"の汚名を着せられて追いかけ回され。 その挙げ句、こぁいお兄さん達に意地悪をされ、大事なおべべや髪の毛をぐちゃぐちゃにされてしまった。 痛くて、苦しくて、悔しくて。 解決できないモヤモヤを押さえきれず、れみりゃはぺたんと座り込み、叫んだ。 「もうやだぁ~~! なんでみんな、おぜうさまにやさしくしてくれないのぉ~~!?」 再び"こぁいなにか"と出会ってしまう危険性も厭わず、わんわん叫んで泣く、れみりゃ。 自分は可愛くて、えれがんとで、かりすま溢れるえら~いお嬢様なのに、 一体どうしてこんな目に遭わねなければならないのか……。 れみりゃはその不条理にどうしても納得ができない。 せめて、今のこのゆっくりできない状況だけでもどうにかしたい。助けてもらいたい。 れみりゃはよちよち立ち上がるり、本能レベルですり込まれた絶対的な味方を探し求めるのだった。 「しゃくやぁー! れみりゃのしゃくやどごぉー!?」 "ガサッ" 「うっ、うぁっ!?」 れみりゃの赤い靴が、泥の上にいくつかの足跡を作ったその時、 れみりゃの眼前のしげみの奥から、がさがさという音が聞こえてきた。 その音に驚き、反射的に身をすくめる、れみりゃ。 がさがさという音は次第に大きくなっていき、 しげみの奥の暗がりに、うっすらと巨大な何かの影が映りだす。 「う~~~~っ!」 れみりゃは怯え、身を屈めて両手で頭を抱えこむ。 それは、"大好きなまんまぁー"から教わった、秘伝の緊急回避法だった。 もっとも、周りからは姿も丸見えで、 体を丸めてガタガタ震えるその様は、むしろ戦闘力の無さをアピールしてしまっていたが……。 「ごごにはだれもいないのぉー! れみりゃはゆっぐりずるのぉー!!」 恐怖で声を抑えることができないれみりゃは、必死に叫ぶ。 もういやだ。 おうちへかえりたい。 まんまぁー、ふらん、たすけて。 ぐるぐる、思いが頭と胸を駆けめぐり、意識は恐怖で混濁していく。 そして、その精神的負荷がついに限界に達し、れみりゃは目を瞑り両手を広げて近づいてきた何かへ向かって叫んだ。 「ぎゃおーーーーー!!!」 自分のカリスマを最大限にほとばしらせる、必殺のポーズ。 それが、錯乱したれみりゃの取れた、唯一の行動だった。 「……ゆぅ?」 「……ぎゃ、ぎゃおー?」 しげみの奥から現れた者の声を聞いて、 れみりゃはおそるおそる、大きな赤い瞳を開いてみる。 「う、うわぁぁぁーー!!?」 バンザイの姿勢のまま、その目をパチクリさせて、 見上げるほど大きいその存在に、れみりゃはあんぐり口を開けて固まった。 「……おぜうさま、およびになりましたか?」 しげみの奥から現れた存在。 それは、高さ2mにも達する動くプリン饅……すなわち巨大なゆっくりさくやだった。 * * * 「うっう~♪ すぴあ☆ざ☆ぐんぐにるぅ~♪」 「ゆべしっ!」 れみりゃが巨大さくやと出会ってから数時間後。 そこには、笑顔で木の棒を振り回してはしゃぐれみりゃと、 れみりゃの"ぐんぐにる"に無抵抗のままべしべし叩かれ続けるドスまりさの姿があった。 「ふやじょう☆れっどぉー♪ ぜんせかい☆ないとめあー♪」 「ゆぐ、ゆぐぐ……」 調子に乗って、下ぶくれスマイル全開で攻撃を続けるれみりゃ。 ドスまりさもれみりゃに抵抗しようとするが、 より強大な存在に取り押さえられ、なすがままになっていた。 「そのちょうしです! 素敵ですわ、おぜうさま!」 れみりゃへ声援を送るのは、あの巨大さくやだ。 数分前、巨大さくやは体当たりと口にくわえた鋭利な石片で、あっという間にドスまりさを痛めつけ、 上からのしかかって動きを封じ、れみりゃ用のサンドバッグにしたてあげたのだった。 「うっうー☆」 「ゆぅ……ゆっくりした結果がこれだよ……」 れみりゃの御機嫌な一撃を受け、とうとう絶命するドスまりさ。 動かなくなったドスまりさを、れみりゃは不思議がり、おそるおそる触れていく。 やがて、自分がドスまりさを倒したことを知り、れみりゃはぴょんぴょん跳ねて喜びを露わにした。 「れみりゃ、つよぉーい♪ うぁっ☆うぁっ☆うっうー♪」 興奮冷めやらぬ様子で、腕をぐるぐる、お尻をぷりぷり振り出し、ダンスを踊るれみりゃ。 実際は殆ど巨大さくやの手柄であったが、そんな事実は今のれみりゃにとってどうでもいいことだった。 「さすが、おぜうさまです! さくやかんげきです!」 「う~♪ しゃくやぁ~♪ いっしょにおまんじゅうたべよぉ~♪」 巨大さくやの言葉にさらに機嫌を良くし、 れみりゃは巨大さくやと一緒に"えれがんとなでぃなー☆"を開始する。 「あぅー♪ おいじぃー♪」 口の中いっぱいに広がる甘み。 お腹から全身へ広がっていく、ゆっくりとした満足感。 これが勝利の味、これがカリスマ☆にふさわしき食事、これがおぜうさま本来の姿……。 「あーぅ☆あぅー♪」 口のまわりを汚しながら、れみりゃは幸福感に酔いしれる。 そして、この幸福を自分へ運んできてくれた巨大さくやへよりかかり、頬をすり寄せた。 「うーうー♪ しゃくやぁーごれがらもずっどいっしょー☆いっしょだよぉー♪」 そんなれみりゃの様子を微笑みながら眺める巨大さくや。 そして巨大さくやは、れみりゃへ向かってハッキリと告げる。 「もちろんです、おぜうさま。さくやは"こうまかん"でおぜうさまにおつかえしつづけます」 「うー? ごーまがん?」 きょとんとして、首を傾げるれみりゃ。 「そうです! おぜうさまのおやしきです!」 こーまかん……おぜうさまのおやしき……。 巨大さくやから澱み無く放たれたその響きに、 れみりゃは胸がときめきわきたつのを感じずにはいられなかった。 「うー♪ ごーまがん☆ごーまがん♪ れみりゃのおやじぎぃ~♪」 実際のところ、このれみりゃにとって"こうまかん"は初耳の単語であり、 当然元々そこに住んでいたわけでもない。 けれど、れみりゃに刻まれた本能が、おぜうさまとしての宿命が、 "こうまかん"へ行くことを促して止まらない。 「うーうー♪ れみりゃはおぜうざまだがら、ごーまがんでゆっぐりずるのぉー♪」 「はい、おぜうさま! それではこちらへ!」 れみりゃが肯定するのを聞くや否や、 巨大さくやは自分の頭の上にれみりゃを乗せ、どすんどすんと森を跳ねていった。 巨大さくやの頭上で、れみりゃは至って御機嫌だ。 "たかいたか~い♪"と喜び、巨大さくやを見て逃げ回る他のゆっくりや動物達を見ては、 自分のかりすまに恐れおののいているのだと解釈して、誇らしげにうぁうぁ☆リズムを刻んだ。 そうして、楽しい一時をすごしているうち、 大きな岩山に開いた巨大な洞の前で、巨大さくやは跳ねるの止めた。 「さぁ、つきましたよ、おぜうさま」 「すごぉーい♪ おっぎぃー♪」 立派で頑丈そうな、それでいて綺麗な乳白色の岩山と、 元々あった天然の穴を拡張し、整地したであろう洞穴とエントランス。 それでいて、付近には花が植えられ、彩り鮮やかに周囲を賑わせている。 それらは、永い年月をかけて、巨大さくやが瀟洒に整えたものであった。 「うー♪ れみりゃはごーまがんのあるじなのぉー♪ とっでもえらいんだぞぉー♪」 巨大さくやさえ余裕で入れる"こうまかん"の大きさに、ご満悦のれみりゃ。 おぜうさまとしての自信と誇りを胸に、パタパタ中空へ浮かびあがって、洞の中へ入っていく。 そのまま直線の回廊をしばらく進むと、れみりゃは明るく広大な場所につきあたった。 「うー?」 そこは直径20mはあろう円形の広場になっており、 天井は吹き抜けで、上空から優しい木漏れ日が照明として降り注いでいた。 そして円形の外周部には、広場を囲むように、岩で組んだ箱状のものが何十個も並んでいた。 「うぁ☆おまんじゅうがいっばいあるぅー♪」 れみりゃは、地面に降り立ち、とてとて歩いてその岩の箱へと近寄っていく。 岩の箱の中には、一つの箱につき一匹ずつ、弱り切ったゆっくりが収まっていた。 うぁうぁお尻を揺らし、その様を観察するれみりゃ。 やがて、その光景にも飽きたれみりゃは、岩の箱の中からゆっくりを取り出し、無造作に放り投げる。 「うー♪ おまんじゅうはたべあぎちゃっだがら、ぽいっ☆するのぉー♪」 一匹、また一匹と、れみりゃはゆっくりを放り投げて遊び出す。 「ぽーい☆ぽーい☆ぽぽいのぽーい♪」 独特のリズムを刻み、時折ダンスとお歌を混ぜながら、ゆっくりを"ぽいっ☆"していくれみりゃ。 飽きずに20匹ほど放り投げ終えてから、れみりゃは自身の下ぶくれスマイルを両手で指さし、 誰へとでもなくぬぼーと笑顔を広げた。 「ぽーいしたら、おながすいちゃったぁー♪ ぷっでぃ~ん☆たぁ~べだ~いなぁ~♪」 にぱぁーと、笑顔満面のれみりゃ。 すると、どこからか、れみりゃに呼応するかのように声が聞こえてきた。 "うー……" 「……うー?」 その声を不思議がるれみりゃ。 最初は気のせいかと思っていたが、 ほどなく円形広場の一画から、その声が聞こえてくることに気付き、そこへ歩を進める。 "うーうー……" "うっぐ……ひっぐ……" 「う、うぁ!?」 その一画へたどりついた時、れみりゃは立ちつくした。 そこにもまた、岩の箱が大量に並べられていた。 ただ、先ほどゆっくりを放り投げたところとは違い、平べったい岩で蓋がされていた。 そして何より、その岩の箱の中から、同じれみりゃ種のものと思われる声が聞こえてきた。 それも一つや二つではない。その区画にある殆どの箱の中からである。 「う~!? れみりゃがいっばい~!?」 困惑するれみりゃ。 れみりゃは疑問を解決すべく、岩の箱を調べだす。 岩の箱をおっかなびっくり撫でてみたり、こんこんと蓋を叩いてみたり。 そのうち、ちょうど蓋の閉まっていない箱を見つけ、れみりゃはその中を覗き込んでみる。 ……と、その時。 「ぶぶっ!」 突如、何者かに背中を押され、れみりゃは顔を箱の底に打ち付けてしまう。 「うわぁぁーー!! れみりゃのえれがんとなおかおがぁぁーー!?」 顔の真ん中を赤く腫らし、歪なへの字に口を広げて、滝のように涙を流すれみりゃ。 痛みで我を忘れ、のたうちまわるれみりゃ。 れみりゃの体は、顔を先頭にして既に半身が岩の箱の中に入ってしまっている。 苦しむ上半身に併せて、箱から出ている大きなお尻がじたばた揺れて、捲れたスカートからドロワーズがまる見えになる。 その動きに誘われたのか、れみりゃの背中を押した何者かが、今度はお尻を押しはじめた。 「じゃぐやぁー! ごぁいひどがいるよぉー! はやぐぎでぇーー!」 ぎゅうぎゅうと、狭い岩の箱の中へ強引に押し込まれていくれみりゃ。 れみりゃも暴れて抵抗するが、何者かの力は強く、なすすべもない。 「やだやだぁー! れみりゃばごーまがんでゆっぐりずるのぉー! じゃぐやぁー! はやぐだすげでよぉー!!」 必死に助けを呼ぶ、れみりゃ。 しかし、その願いがかなうことはなく、とうとうれみりゃの体はすっぽり岩の箱の中へ押し込められてしまう。 そして、れみりゃを押し込めた何者かは、れみりゃの体が箱に収まったことを確認すると、すばやく岩の蓋を閉めてしまった。 狭いの箱の中で、身動きも出来ぬまま、光さえ奪われるれみりゃ。 手足や羽を動かすことも出来ず、れみりゃはただただ助けを呼び続けるのだった……。 「ぶぇぇぇ~~! じゃぐやぁ~~! まっぐらでごぁいよぉぉ~~!」 * * * 『ぐらいよぉー! ごぁいよぉー! おながずいだよぉー!』 岩で組まれた箱の中、平べったい岩の蓋の向こうから、れみりゃのくぐもった泣き声が聞こえてくる。 その声を聞きながら、恍惚の表情を浮かべ、小さくひとりごちる者がいた。 「これでもうあんしんです」 それは、れみりゃを箱の中へ閉じこめた張本人。 そして、れみりゃをこの"こうまかん"へ招いた張本人。 「おそとはきけんがいっぱいですから。おぜうさまはこうまかんでゆっくりしていってくださいね」 れみりゃ達が閉じこめられている箱の前。 そこには、自らの職務を瀟洒に果たしたと自負する、巨大さくやがいた。 「うふふ、ゆっくりできていないおぜうさまは、どんどん☆しまっちゃいましょうねぇ~♪」 おしまい。 ============================ れみりゃおぜうさまをペットとして飼いつつ、 自分自身はさとり様にペットとして飼ってもらう……そんな生活に憧れる日々です。 さておき、れみりゃSSにはまだまだ可能性があるはず…… 最近、それを模索中だったりします。 by ティガれみりゃの人 ============================ このSSに感想をつける
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近年多発するゆっくりによる田畑の被害。 それを一掃、または予防するために様々な対策を話し合う事になった、今日はその会議の一回目である。 では、今日は山之辺さんの対策について話してもらいます。それではどうぞ。 うちは主に芋を作ってるんです、味は上々で良く美食家が揃うと言われている紅魔館から、直接仕入れに来てもらったりもしているんです。 そんなわけで、コレまでも小動物に食われるということは多々ありました。 でも初めてゆっくりに畑が襲われてから考え抜いた末、毎年こうして利用しているんです。 朝露が乾き始めた頃、何時ものように畑に向かっていた彼が見たのは自分の畑の上で騒いでいるゆっくり達だった。 農道で区切られている畑の一つ、それがゆっくり達によって無残に食い荒らされていた。 近く程に目を背けたくなる。 かじられた芋がそこらじゅうに散乱していた。 「おじさんどうしたの?ここはゆっくりたちのおうちだよ♪」 さらっと、更に癪に障るようなことを言うゆっくり、どうやら魔理沙種のようだ。 彼は、注意深く辺りを見回した。 ゆっくり魔理沙が一匹、霊夢が三匹、れみりゃとちぇんが一匹ずつ。 楽しそうに芋を食べているそれらを見ていると、沸々と怒りを覚えた彼だったが、口調だけは穏やかにゆっくり に話しかけた。 「君達はどこから来たのかな?」 「もりからきたの」 霊夢種の一匹が答える。 「もりにはこわいおじさんがいるからにげてきたの」 もう一匹の霊夢種だ。どうやら加工場職員の事を言っているらしい。 ずっと森で暮らしていたから、人里のことがよく判らなかったのだろう。 「ここはおじさんの畑なんだよ」 「はたけってなぁに?」 「畑って言うのは、野菜とかを育ててる場所だよ」 「おじさんがそだててたの?」 「そうだよ」 三人目の霊夢種と魔理沙種が交互に答える、どうやらこの群れのリーダー格はこの二人なのだろう。 「おいもおいしかったよ、またつくってね!!!」 「まりさも、またいっぱいたべてあげるよ!!!」 また食べ始めるゆっくり達、いまいち理解できていないらしい。 「あのね、畑って言うのは……」 「ここはまだ、おいもあるから、おじさんもゆっくりしていいよ」 「いや、畑の野菜は売るために作ってるんだよ。ただじゃないんだよ」 「おいしいおいしい! おじさんもっとつくってね」 「うめ、これめっちゃうめぇ! おじさん、はやくつくっておうちにもってきてね」 「これを売ってお金にしないと、おじさんもゆっくりできないんだよ」 「おかねっなに、ゆっくりできるの?」 「食べ物とかを手に入れたりするのに、必要なものなんだよ」 「じゃあいらないよ。もうゆっくりできてるもん。ねー♪」 「ねー♪」 その二匹の言葉でタガが外れた彼は、リーダー格の霊夢種を杭で打ちつけた。 「ゆ゛ーー」 突如、ガクガクと痙攣して絶叫をあげる。 まわりのゆっくり達も、やっと何が起こったのか理解したようだ。 「おじざん。ゆるじでー」 「おながずいだんですー」 「れいむをだずけであげてー」 必死で懇願するゆっくりと、必死に杭を抜こうとする、れみりゃ種。 それを見捨てて、逃げるゆっくり魔理沙の姿が目に入った。 「ゆっくりしんでね」 それだけ言い残して、農道を勢いよく去って行く。 彼もすぐに、残っているゆっくりに、ここにいろとだけ言い残し、急いで追いかける。 「ゆっくりしてってね!!!」 時折振り返ってはそういって挑発する。 たしかに、普通のゆっくりよりも大分はやく動けるようだ。 だが、彼は慌てずに誘導するように追いかけていく。 「ゆっくりしで……!?」 多少ずるがしこいが、やはりゆっくりだ。 これだけあからさまに、誘導しても気付かずに勝手に罠にかかってくれた。 獲物が通ると、即座に縄で縛って吊し上げるモノだ。 「ゆゆ!」 意地悪狸でも捕まえたかのように、彼は腰にさしてあった鎌を持ち近づく。 魔理沙も、これから自分がどうなるか想像がつくらしい。 「れっ、れいむがここをおうちにしようっていったんだよ! わるいのはれいむだよ!」 嘘を並べて何とか逃げようとする魔理沙、しかし既に鎌は振り下ろされた後だった。 「ゆー! ……ゆ?」 おかしい、何時まで経っても痛みは来ない。 不思議になった魔理沙が目を開けると、切られた縄と、それを掴んでいる男が目に映った。 「森で大変だったんだろ。お手伝いをしてくれるんだったら、家においてもいいよ」 優しく語り掛ける、先ほどの殺気が嘘のようだ。 「わっ、わかったよ。おてつだいするよ」 そういう魔理沙を連れて畑に戻ると、杭を抜いてもらった霊夢が看病されていた。 「れいむ、ぶじだったの?」 「うん。ゆっくりしてればなおるよ」 「よかったね」 きちんと急所は外せたらしい、穴が開いているようだが、じきに塞がるだろう。 どうやら、ショックで魔理沙が逃げ出したことも覚えていないようだ。 「じゃあ君達、ここはおじさんの畑だから、勝手に住んじゃいけないよ。でも、きちんとお手伝いするって約束し てくれたら、家に住まわせてあげるよ」 「するする、やくそくするよ」 「もうかってにたべないから、ゆるしてね」 素直に頷いたゆっくり達を、家に連れて帰った。 とりあえず、庭の木の下を自由に使わせてやることにして、今日は休ませた。 明日からお手伝いしてもらうよとだけ告げて、彼も中に入っていく。 翌日から、ゆっくりたちは一生懸命お手伝いをした。 ちょうど、秋の収穫時だった為、ゆっくり達に収穫させて、彼が運ぶと言う構図が出来上がっていた。 もっとも、あの霊夢と魔理沙は時々盗んで食べていたようだが。 今まで一人でやっていた作業を分担してやることが出来た為、収穫も早々に終えることが出来た。 しかし、辺りが雪に覆われ始めた時、未だ庭で生活している事に、あの二匹が文句を言ってきた。 「おじさんだけあったかいへやのなかでずるいよ。まりさたちもはいるよ♪」 「れいむたちがてつだったから、おかねいっぱいになってゆっくりできるんだよ♪」 図々しく上がりこんでくる、連れられて入ってきたほかの種類は端の方で寄り添って暖を取っているというのに、 二匹は堂々と火鉢にあたってきた。 「あったかいね」 「ひがでてるもんね」 「あのまきをくべるともっとあったかくなるかな」 「もっとゆっくりできるね!」 「おいおい、蒔きも高いんだから無駄には使えないんだよ。ダメダメ」 「だってさ」 「おおこわいこわい。まりさたちがてつだわなかったら、こんなにかえなかったのにね」 「「ねー」」 いっそ、ここで加工場に売り飛ばしてもよかったが、彼は他の利用法があったので、渋を薪をくべた。 「あったかいね」 「こんどから、もっともっとまきをいれてね」 それから暫く経ったある日、珍しく彼は朝早くから台所に立っていた。 「おじさん、おへやあったかくするね♪」 「まきはいれられるから、おじさんはそこで、ごはんつくってってね」 そんな図々しい言葉を聞いても彼はそうかい、とだけいって流した。 余程、今作っているものが大切なのだろう。 「さぁ、できたよ。かぼちゃを大量ににたんだ」 大きな鍋に大量に入ったかぼちゃ、綺麗に一口大になっているそれは、ゆっくり達にはご馳走に見えた。 「おいしそー」 「うめっ!めっちゃうめー」 「うめー! おじさん、これうまいから、まいにちつくってね!!!」 「おかねいっぱいあるから、まいにちつくれるね!!!」 彼は、何も言わずに終始ニコニコとそれを見ていたが、粗方食べ終わった頃に、ようやく一言だけ喋った。 「この頃、あまり跳ね回っていなかっただろ、実は昨日、運動する装置を買ってきたんだ」 「やるやる」 「れいむもやるー」 「よしよし、じゃあちょっと体を縛るよ」 ゆっくりをしたから四方に縛っていく、縛り終えると、ちょうどスイカを縛っているような状態になった。 その調子で次々と全員を縛っていく。 縛り終えたところで、今度は魔理沙を、取っての着いた四角い箱に入れていく。 「さいしょは魔理沙からだね」 「はやくうごかしてね」 「言われなくても」 言うが早いか彼はものすごい勢いで取っ手を回し始める。 連動するように、魔理沙がはいった箱もすごい勢いで回る。 「ゆゆ!」 中身がかき回される感覚、そんな奇妙な感覚に魔理沙は何も言えない。 「よし、次」 たっぷり十分は回しただろうか、箱から出された魔理沙は口から戻さないように、直ぐに口を塞がれていた。 その後も、れみりゃをのぞく全員が同じように回された。 彼はその様子を満足そうに見ると、一人で食事を済ませ眠ってしまった。 翌日、彼はそのゆっくり達を荷車に載せ、街までやってきた。 まず、ゆっくりれみりゃをセリにかけて大金を手に入れ、次にこれまた高値でゆっくり達を売りさばいた。 何がなんだか分からないままに、売られていくゆっくり達。 離れるのがいやで必死に近づこうとするが、縛られてしまっている状態ではまったくの無力だった。 あえなく散り散りになるゆっくり達。 魔理沙を買い取ったのは、永遠亭のイナバだった。 「はやくこの縄を解いてね。はやくといてね」 「……気持ち悪い」 「おおこわいこわい」 へらへらと喋りかけるゆっくりを見て呟くイナバ、その後、彼女は永遠亭に着くまで一言も口を開かなかった 「ただいま帰りました。師匠、言われたものを買ってきましたよ」 「ありがとうウドンゲ。じゃあ、先に姫様のお部屋に運んでおいて頂戴」 「はい」 だれもいない部屋に放置された魔理沙、しかし今までも家とは比べ物にならない位暖かいこの部屋は、魔理沙にとって居心地がよかった。 魔理沙は勝手にここを自分の部屋にした。 「あら、今年はなかなか大きいわね」 「そうですねー。それじゃあ頂きましょうか」 突然入ってきた二人の女性に縄を解かれる。 「ここは、まりさのへやだよ!かってにはいっちゃだめだよ!!」 「あらあら、うふふ」 「ことしは、特にふてぶてしいですね。」 言いながら帽子を取り払う。 「おおこわいこわい。ゆっくりかえしてね」 「……面白くなりそうね永淋」 「はやくでていってね、それとゆっくりできないから、ごはんももってきてね」 「えい♪」 「ゆ?」 突然、体に包丁を入れられる魔理沙。 余りにも突然だったので、一瞬呆気にとられた、が。 「い゛い゛い゛いだいー」 直ぐに、激烈な痛みが襲い出した。 それを意にかけずに、更に包丁を進める輝夜。 右の頬にグルッと円を描いたそれは、反対側にも同じように円を描いた。 「いだいよ。おばさんなにするの!」 この期に及んで神経を逆撫で摺る様な事を言う魔理沙、今までの癖なのだろうが自分の首を絞めることになった。 「へぇー、本当に今年のは面白いわねぇ」 スプーンに持ち替えて頬から中身を掻き出していく、反対側も同様だ。 「!!!!い゛い゛い゛い゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛い゛い゛い゛い゛い゛」 もはや余裕も何もない、気を失うまで、想像を絶する痛みにただ耐えるだけだ。 しかもそれも簡単には叶わない。 既に、魔理沙種の体の構造を調べ終えている永淋の指示で、生命に関係の無い箇所から掻き出されているのだから。 「ゆ゛ゆ゛ぐり゛じだだい゛よ゛ーー!」 「おお怖い怖い。永淋見てよこの顔」 「確かに見るだけで不快感が増しますねー」 二人はこれから数十分間この作業を続けた。 今年は、研究の成果か出し終える直前までゆっくりの意識があったようだ。 「うどんげー終わったわー。夕食のテーブルに運んで頂戴」 「はい師匠。うわぁ、今年は特に美味しそうですね」 通常、食事の用意はイナバ達がやるのだが、この作業は別であった。 わざわざ回りくどい方法で、絶叫と共に餡子をとりだすこの方法は、永遠を生きる蓬莱人のみが理解できる方法なのだろう。 或いは、これで一年を知っているのかもしれない。 今日は冬至の日、そして彼が売っていたゆっくりはこう書かれていたのだから。 ~今年も販売!! 冬至かぼちゃ。 冬まで保存したかぼちゃと、同じく腐らずに保存されている ゆっくりの生餡で作った特製です。冬を乗り切る栄養がたっぷり付きますよ~ 以上です、そういって彼は発表をやめた。 「ありがとうございました。さて、今の意見ですが、時期は限られていますがこの時期には殆どの人が作るので需要は大量に見込むことが出来ます。 それでは、第一回ゆっくり畑荒らし対策会議を終わります。今回の議題の解答は次回までに考えておいて下さい」