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※根はいいゆっくりなんですが、非道い目に遭うお話です。 ※前作「お化けまりさ」に続くお話です。 また、前々作「スーパー赤ゆっくりボール」とも繋がりがあります。 前二作の内容を知らないと意味が通じない箇所があると思います。 えすえすさんはまいにちかってにはえてくるんだよ! 空気作家の書いた駄作なんて読んでもいちいち内容まで覚えてられないよ! ばかなの?しぬの?ゆぎゃっやめてねやめてねれいぶっ は重々承知の上での、作者オナニ○仕様であります。ごめんなさい。 まりさのおうた 「ゆぅぅ・・・もう・・・・やだぁ・・・・・・・」 そう呟きながら、まりさは今日も暗い闇をただ見つめていた。 まだ日が落ちる時間ではない。 そこはある人間の家。その中のある一室。 一つも窓の無いその部屋は、いつでも闇に包まれている。 その部屋の主がやって来る時を除いて。 暫くして、ギィ・・・と音がしたかと思うと、部屋の扉が開いた。 その音に、まりさはカタカタと震え出す。 部屋の外から差し込む明かりに、うっすらと部屋の中の光景が浮かび上がる。 そこは、広いが簡素な作りの部屋だった。 開いたドアの先、部屋のほぼ中央には、ドアに背を向ける形で ゆったりとした座り心地の良さそうな一人用のソファ。 その脇には、ガラス製の小さなサイドテーブル。 ソファと、その正面の壁との間には、 黒檀でできた、古めかしい細身のチェストが鎮座している。 その上には、何かの機械が置かれていた。 そして、ソファの左右の壁面は、作りつけの棚となっていた。 一段の高さが40センチ程度の四段の棚が、壁の全面を覆っている。 それ以外におよそ家具と呼べそうな物と言えば、 強いて挙げるなら、天井に埋め込まれる形で設置された照明器具と、 後は入り口のドアぐらいだろうか。 そして、およそ家具と呼べそうにない物と言えば、 壁面の棚にずらりと並んだ透明な箱。 その中に閉じこめられたゆっくり達。 棚のゆっくりは、れいむとまりさが大半、少数のありす。 他には一匹ずつだが、みょんとちぇん。 いずれもバスケットボール大の成体ゆっくりだ。 ゆっくり達の体にぴったり合わせたサイズの透明な箱に閉じこめられているので 自由こそ利かないが、皆、目立つ外傷などは負っていない。 また、饅頭肌の張り具合や、しっかりとした体つきから、 食事も必要十分な質・量の物が与えられていることが窺える。 にも関わらず、そのゆっくり達全てが、まりさと同じように恐怖に震えていた。 ドアから入ってきたのは、一人の人間の女性だった。 持っていた、陶磁器のシュガーポットとコーヒーマグが乗ったお盆を サイドテーブルの上に置く。 そして、ソファの肘掛けについている、何かのボタンを操作すると、 天上の照明が灯され、部屋の中が明るく照らし出された。 「・・・・・・・」 入ってきた入り口のドアを閉ざすと、 女は無言のままソファに腰を下ろす。 「ふぅ・・・」 仰向くようにソファの背にもたれかかり、 右手で眼鏡を外した後、その腕で少し赤くなっている目を覆った。 その様子をいまだ震えながら固唾を飲んで見守るゆっくり達。 沈黙の中、数分が経過し、女は立ち上がる。 そして、ソファの右手の壁に向かう。 女は、棚の前を移動しながら、そこに並んだ数十匹のゆっくり達を 品定めするかのような視線で端から順に眺めてゆく。 いやだよ、こないでね、こっちこないでね こちらに背を向けて、対面の壁のゆっくり達を眺めている 女の背を見つめながら、まりさは心の中で必死に祈る。 女の足が棚の端で止まった。 おねがいだよ、そこのこにしてね、こっちこないでね 期待と恐怖にまりさの餡子が早鐘を打つ。 だが、まりさの期待を裏切り、恐怖にだけ応えて、 女はくるりと向きを変えると、まりさ達が並ぶ側の棚の前に歩いて来た。 同じように、こちら側の棚の前をゆっくりと歩いて来る。 ドクン、ドクン 女がこちらに近づくにつれ、餡子の鼓動が大きくなるのを感じる。 やめてね、こっちこないでね、まりさのまえまで、こないでね だが、女は一歩一歩、確実にまりさへと近づいてくる。 そして、ピタ、とまりさがいる棚の正面で止まった。 やめてね、やめてね、やめてね、やめてね、やめてね、 まりさをえらばないでね、まりさのうえにいる、れいむをえらんでね まりさのしたにいる、ありすでもいいよ 女と目が合い、ブルブルと震え、涙を流すまりさ。 だが、一言も声を発することなく、ただ心の中だけで、悲痛な叫びを漏らす。 女は暫くまりさを見つめ、次いで、まりさの上下の段にいる 他のゆっくり達に視線を向け、それからまた、まりさに視線を戻した。 やべでぇ、までぃざをえらばないでぇ、おねがいじばすぅ 恐怖の余り、叫び声を漏らしそうになるのを必死の思いで堪える。 すると、まりさの願いが通じたのか、女は再び歩きだし、 まりさの目の前から消えた。 ゆぅ・・・・・たすかったよ・・・・・・・ まりさが声に出さずに安堵の溜息をついた、その時、 「・・・・・・・」 スッと、女が踵を返して再びまりさの前に立った。 ど、ど、どおじで じっとまりさの目を見ている。 女の冷たい目で見つめられ、 まりさは目を背けたくなる衝動に駆られるが、 それはできない。 そんな事をすれば・・・ ゆっぐりざぜでぐだざいぃぃ、 までぃざ、もうゆっぐりでぎないごどは、いやなんでず だが、女はまりさを見つめたままだ。 そして、白い手がそっと伸びて、まりさが閉じこめられた透明な箱を掴んだ。 ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ -------------------------------- まりさは、まだ子ゆっくりだった頃、 ゆっくりできない家族の元を飛び出した家出ゆっくりだった。 元々、家族はとてもゆっくりとした家族だった。 強かったまりさのお父さんまりさは、ある日、狩りに出かけたきり、 そのまま帰ってこなかったけれど、 でも、優しいれいむお母さんと、同じ蔦から生まれたお姉ちゃん達、 そして、とても可愛くてゆっくりできる赤ちゃんの妹達と一緒に、 毎日ゆっくりと過ごしていた。 だが、そのゆっくりとした日々は、ある日、終わりを告げた。 れいむお母さんが、大怪我をした可愛そうな赤ちゃんまりさを連れてきた。 悪い人間に虐められ、親まで殺された上に、 美味しいご飯をむーしゃむーしゃするためのお口まで取られてしまった ゆっくりできない赤ちゃんだったけれど、 まりさ達が家族代わりになって、ゆっくりさせてあげようと頑張った。 でも、その赤ちゃんは、とても怖いお化けだったのだ。 自分の妹の赤ちゃん達は、ゆっくりできないそのお化けを怖がって泣き続けた。 まりさ自身も怖くて泣いていた。 最初に、可愛い妹の赤ちゃんれいむが、お化けに襲われて、 小さな体を半分潰されて、苦しそうに泣きながら、 ゆっくりできなくなってしまった。 優しくてしっかりものだった、一番上のまりさお姉ちゃんは、 そのお化けを退治しようとして、 逆にゆっくりできなくされてしまった。 その後、もうひとりのお姉ちゃんのれいむお姉ちゃんは、おかしくなってしまい、 その内に、おかしな声で叫びながら、頭をお家の壁に何度も打ち付けて、 そのまま、ゆっくりできなくなってしまった。 ごはんを食べているときも、夜寝ているときも、何もしていないときも、 いつも、怖いお化けがこっちを見ていた。 こっちを見て、クスクスと笑い声を上げていた。 怖くて怖くて、たまらなかった。 逃げ出したかったけど、何日も雨が降り続いて、お外に出ることはできなかった。 そして、優しくて大好きだったお母さんまで、おかしくなってしまった。 まりさは何も悪いことをしてないのに、怒られ、ゆっくりできない言葉で罵られた。 まりさも泣きながらお母さんを怒って、罵った。 妹達はいつも泣いていた。 優しかったお母さんは、おにばばになってしまった。 だから、まりさは、もうゆっくりできなくなったお家から逃げ出した。 その日も雨が降っていて、お外に出るのが怖かったけど、 もう一秒でも、あんなゆっくりできないお家にはいたくなかった。 少しでもお家から離れたくて、段々と体が溶けてゆくのも構わずに、 夢中で走り続けた。 -------------------------------- 「はふっ!はふっ!うっめっ!これめっちゃうっめ!」 森の中にあったお家を飛び出した子まりさは、いつしか人里まで降りてきていた。 人里を目指していたわけではない。 何のアテもなく、ただ、お家から離れたい一心で、 まっすぐに跳ね続けた結果、そこに辿り着いただけだった。 子まりさにとって幸運だったのは、 人里近くでは、雨が小降りになっていたため、 なんとかお帽子や、濡れた地面に接している底部が溶け切る前に、 人里の外れまで辿り着けたことだった。 そこにあったお地蔵様を祀った祠で疲れ切った体を休め、夜を明かした。 翌日は、朝から強い雨が降り、祠から一歩も出られなかった。 お腹が空いてたまらなかったが、雨水を少し飲んだだけで我慢した。 季節はもうすぐ雪が降ろうかという頃。 凍てついた空気に、餡子を震えさせながら、ただじっとしていた。 そして、今日、ようやく雨があがり、 ご飯を探して人里をうろつく内に、その畑を見つけた。 子まりさは生まれてこのかた、人里まで降りてきたことはなかった。 それ故に、そこが人間の畑であり、 そこに生えている野菜を食べているのを見つかったら、 人間にゆっくりできなくされるという事も知らなかった。 もっとも、知っていたとしても、 丸一日以上何も食べておらず、空腹に苛まれていた子まりさが、 盗み食いをしなかったかは怪しい物であるが。 「むーしゃむーしゃ!しあわせぇー! ゆゆーん♪とってもおいしいごはんなのぜ!」 嬉し涙を流しながら、ガツガツと、大根や白菜を貪り喰らう。 「やっぱり、ゆっくりできない、おにばばぁからにげてよかったんだじぇ! ゆっ!そうだよ!ここをまりさのゆっくりぷれいすにするよ! ここなら、おいしいごはんさんがいっぱいあるから、 まりさはとってもゆっくりできるのぜ!」 憎たらしい言葉を吐きながら、あっちの野菜が旨い、こっちの野菜も旨いと、 次々に野菜を囓って歯形をつけてゆく。 その時だった。 「うぅ~・・・今日は一段と冷える・・・あ・・・! こらぁっ!!こんのクソゆっくりがぁっ!! またウチの畑荒らしにきやがったかぁ!!」 一人の人間が子まりさを見つけ、猛スピードで走り寄ってきた。 「ゆゆっ・・・!?ゆっ!ここはまりさのゆっくりぷれいすなんだぜ! ばかなおじさんはゆっくりでていってね! さもなくば、まりさにおいしいあまあまをちょうだいね! ゆっくりしないで、はやくくれないと・・・」 人間を見て、身の程知らずにも小さな体をぷっくぅ!と膨らませ、 どんな幻想を抱いたか、これでもっと美味しいご飯にありつけると笑みを浮かべて、 ぴょんぴょんと飛び跳ねながら逆に文句を言う子まりさ。 勿論、そんなゆっくりが辿る末路は一つだ。 「ざっけんなぁ!ド腐れ饅頭がぁぁぁっ!!」「ゆっべぇぇっ!?」 男の蹴りを食らって、子まりさは畑の外まで飛んでいった。 ひゅぅぅぅ・・・・ぼすっ、べしょっ。 汚らしい音を立ててあぜ道に落ちる。 「ゆっ・・・いじゃい・・・ゆぐ・・・いじゃいよぉ・・・おかあしゃあん・・・」 「だじぇぇぇ・・・ゆべっ・・・!あんこしゃん・・・でないでぇ・・・・・」 子まりさは、まだ死んでいなかった。 幸運にも当たり所が良かった上に、 跳ねている最中に蹴られたため、その衝撃の大半は空中に逃がれていた。 子まりさが、体重の軽い子ゆっくりであった事も幸いした。 重量のある成体ゆっくりであれば、蹴りの衝撃をモロに受け止め、 空中に舞うのと同時に餡子を四散させていただろう。 無論、無傷とはいかない。 蹴られた時に、衝撃で大量の餡子を吐き出した上、お腹の饅頭皮も破れてしまった。 そして、地面に落下した時の衝撃で、更にお口とお腹から餡子を漏らしていた。 「ゆぅぅぅ・・・いだいんだじぇぇ・・・いだいぃぃ・・・ まりざの・・・あんござん・・・でないじぇぇ・・・ ゆっぐり・・・でぎないよぉ・・・」 己の体から出た餡子を目の当たりにしたまりさが、泣き声を上げる。 この数日間で、相次いだ死んでいった姉妹達。 地面に横たわり、苦悶の表情に凍り付いたまま、 ピクリとも動かなくなった、かつて姉妹だったモノ。 そして、常にその周りに広がっていた、黒い餡子。 その光景が、目の前の光景と重なり、 己の死が間近まで迫っている事を実感する。 冷たい木枯らしが、まりさの残り僅かな体力を更に奪ってゆく。 「ざぶいぃ・・・おじざぁん・・・たじゅげでぇ・・・だじゅげでよぉ・・・ まりざ・・・まりざ・・・まだじにだくないぃぃ・・・ ざぶいよぉぉ・・・・じにだく・・・ないよぉぉぉ・・・・・・」 男は既に黙々と畑仕事を開始していた。 子まりさの声が聞こえていないのか、或いは、聞こえていても、 単に畑を荒らす饅頭にかける情けなど持ち合わせていないだけか、 子まりさには目もくれない。 しばらくかぼそい声で泣き続けた子まりさだったが、 餡子を出し過ぎたことと、凍えるような寒さにより、 やげて意識が朦朧としてくる。 「あら、ゆっくり。」 その時、子まりさの頭上で声がした。 「ゆ・・・?」 頭上を仰ぐまりさ。 そこでは人間の女性がしゃがみこんで、子まりさを見下ろしていた。 「まあ・・・ひどい怪我ね。」 悲しそうな表情で子まりさの様子を眺めている。 「ゆ・・・おねえしゃん・・・たしゅけてね・・・まりさをたしゅけてね・・・」 子まりさが、最後の望みに縋るべく、必死の思いで声を絞り出す。 「いいわよ。私の家へ来なさい。怪我を治してあげるわ。 美味しいご飯もあげる。ゆっくりさせてあげるわよ。」 微笑みながら、お姉さんが子まりさの目の前に手を差し伸べる。 「ゆゅぅ・・・・」 その言葉に、これで助かると希望を抱いた子まりさは 残された力を振り絞り、痛む体に鞭を打ち、 夢中でずーりずーりと這ってお姉さんの手に乗った。 そして、そこで子まりさの意識は途絶えた。 -------------------------------- お姉さんの家に連れて行かれた子まりさは、 水溶き小麦粉で破れた皮の補修をしてもらった後、 とっても美味しいオレンジジュースをたっぷりと飲ませてもらった。 その後、お姉さんは、とても暖かくて美味しい 「しちゅー」というご飯を一杯食べさせてくれた。 「むーしゃむーしゃ!し、し、し、しあわじぇぇ!!なんだじぇぇ!!!」 冬の冷気に晒され、凍てついていた餡子が、 内側からポカポカと暖かくなってくる、その美味しい「しちゅー」を、 子まりさは涙を流しながらガツガツと食べ続ける。 お姉さんは、そんなまりさを微笑みを浮かべて眺めていた。 その後、子まりさは、 ゆっくりできる、ふかふかのお布団さんで丸一日眠り続けた。 子まりさが目が覚ますと、お姉さんが朝ご飯を作ってくれた。 「ねえ、まりさ。どうして一人であんなところにいたの? まりさのお母さんは一緒じゃなかったの?」 お姉さんの作ってくれた、おむらいすをたいらげ、 ゆっくりしていた子まりさに、お姉さんがそんな質問をした。 「・・・ゆぅ・・・・・・・・・」 途端に子まりさの表情が翳る。 「どうしたの?何かあったの?良かったらお姉さんに聞かせて。」 「ゆ・・・・・」 しばしの逡巡の後、子まりさはポツリポツリと語り始めた。 ゆっくりできていたお家の事。 怖いお化けの事。 ゆっくりできなくなってしまった家族の事。 話をしている内に、自然に涙がポロポロと零れてきた。 「そうだったの・・・・ごめんなさいね、まりさ。 辛い事を思い出させちゃったわね・・・」 「ゆぅぅ・・・」 「まりさ・・・そうだ!まりさ、甘いお菓子食べたい? お姉さん、まりさのために用意しておいたのよ。 とっても甘くて美味しいわよ?」 「ゆっ!?・・・あまあまさん・・・たべたい!たべたい! ゆっくりしないで、はやく、あまあまさんもってきてね!」 「はいはい、ちょっと待っててね。ゆっくりしないで早く持って来るわ。」 「あ~んだぜ!ゆっ!ゆゆぅ~ん♪とってもあまいんだじぇぇ!!」 「ねえ・・・まりさ。」 デザートのあまあまをスプーンで掬い、テーブルの上の子まりさに食べさせながら、 お姉さんが言った。 「ゆ?」 「まりさ、お姉さんの家の子にならない?」 「ゆ・・・?おねえさんの・・・いえのこ・・・?」 「ええ、そうよ。お姉さんが、まりさのお姉さんになってあげる。 これからずっと、美味しいご飯もあげる。 お姉さんと一緒に、ゆっくりしましょう。」 「ゆ・・・・・・な・・・なりだい・・・なりだいよ・・・・ まりざ・・・おねえざんのいえのごに、なりだいんだじぇぇぇ・・・!」 まりさが、泣きながら、元気になった体でぴょんぴょんと飛び跳ね お姉さんの胸の上に飛び乗り、そこから這い登って、 お姉さんの頬にすーりすーりをする。 「ふふ・・・くすぐったいわ、まりさ。」 「おねえざぁん・・・おねえざぁん・・・・・・」 こうして、まりさは、お姉さんの家で暮らすことになった。 -------------------------------- お姉さんと共に暮らすことになった子まりさは、 とても大事に育てられた。 お外は寒かったが、家の中はいつも暖かく、 その暖かいお家で、お姉さんが作った美味しいご飯を一杯食べさせてもらった。 一緒に遊ぶゆっくりの姉妹や友達がいないのは寂しかったが、 その替わり、お姉さんは毎日お仕事から帰ってくると、まりさと遊んでくれた。 見たこともない色々なおもちゃで遊んだり、 一緒にかくれんぼをしたりした。 まりさのために、お歌を歌ってくれることもあった。 勿論、甘やかすだけではない。 子まりさが、悪戯をして物を壊したりした時などは、叱られることもあった。 ごはんを食べさせてもらえなかったり、遊んでもらえなかったりした。 でも、子まりさが反省してちゃんと謝れば、お姉さんは笑って許してくれた。 そして、その後は、いつもより優しくしてくれた。 子まりさの「だぜ」口調も、お姉さんから 「女の子は、そんな言葉使っちゃいけないわよ。」 と言われてからは、やめるようにした。 大好きだったお父さんまりさの真似をして使い始めた言葉だったが、 同じくらい大好きなお姉さんの笑った顔を見ていたかったから、 頑張ってやめるようにした。 びっくりした時や、興奮した時は、 時々、元の「だぜ」口調が出てしまうこともあったが、 そんな時は、お姉さんも 「まりさは、しょうがないわね、だぜ。」 と言いながら笑ってくれた。 そして、美味しいご飯を十分に与えられた子まりさは、すくすくと成長し、 やがて成体サイズと呼べる程までに大きくなる。 -------------------------------- そんなある日、お姉さんがまりさに言った。 「あなたもすっかり大きくなったわね、まりさ。もう立派な大人ゆっくりね。」 「ゆっ!まりさはもうおとなだよ!」 まりさが、誇らしげな声でピョンピョンとジャンプしながら答える。 「ふふ、そうね。うちに来たときには、こ~んなに小さかったのにね。」 そう言ってお姉さんは両手の親指と人差し指で輪っかを作る。 ピンポン玉ぐらいの輪っか。 「ゆぅ~・・・まりさ、そんなにちいさくなかったよ!? それじゃ、あかちゃんだよ!!ゆっくりいじわるいわないでね!」 「ふふふ、冗談、冗談。・・・ねえ、まりさ。 お姉さんのお話、ゆっくり聞いてね。」 楽しそうに笑っていたお姉さんの表情が、途中から真顔になる。 「ゆっ!ゆっくりきくよ!」 まりさが元気良くお返事をする。 「いいこと、まりさはもう大人のゆっくり。 大人のゆっくりは働かないといけないものなのよ。」 「ゆぅ~?はたらく・・・?」 聞き慣れない言葉に、まりさが首を傾げるかのように体を傾ける。 「ええ、そうよ。 まりさのお父さんやお母さんは、ずっとお家でゆっくりしてた?」 「ゆ・・・?ゆ~ん・・・・・・ゆっ!! ちがうよ!おとうさんたちは、まりさたちのために"かり"にいってたよ! ゆっくりできる、おいしいごはんをいっぱいもってきてくれたよ!」 「・・・ゆぅん・・・おとうさん・・・おかあさん・・・」 自分の言葉に、幸せな日々の中でいつしかその記憶を薄れさせていた 親ゆっくり達の事を思い出し、まりさの瞳がじんわりと滲む。 「・・・ごめんね。思い出させちゃったわね・・・」 「ゆ・・・だいじょうぶなんだぜ!・・・だよ!」 まりさは、またやっちゃたという風に「ゆへへ・・・」と照れ笑いする。 お姉さんも、それを見て微笑む。 それから、また言葉を続ける。 「まりさには、やさしいおねえさんがいてくれるから、さみしくないよ! とってもゆっくりできてるよ!!」 「ふふ・・・ありがとう、まりさ。」 「ゆ!」 「・・・それでね、まりさも大人になったから、 まりさのお父さんたちと同じように、今日からは働いてもらいたいの。」 「ゆっ!ゆっくり、りかいしたよ!まりさも"かり"にいくよ!!」 「ふふふ・・・狩りはいいのよ。ご飯はお姉さんがあげるから。」 「ゆぅ・・・?じゃあ、まりさはなにをすればいいの・・・?」 「もっと大事なお仕事よ。あのね、まりさにはね、・・・・」 -------------------------------- 「・・・・・・・・・・・・・・・・!!」 透明な箱から出され、お姉さんの両手で抱えられたまりさの体が、 女の腕にまで伝わる程にブルブルと震える。 じっとりと、饅頭肌にヌメヌメとした汗が滲み出る。 必死に何かを訴えかけるような瞳を女に向けている。 その瞳からは、涙が止めどなく溢れ出している。 だが、女は、その瞳に冷たい一瞥を返しただけで、 ゆっくりと歩き出す。 まりさの、その反応は、恐怖。 これから何が起こるのか、正しく理解しているが故の恐怖。 だが、恐怖の中にあって、まりさは普通のゆっくりのように、 やべでぇ どおじでごんなごどずるのぉ ゆっぐりでぎないぃ 等と濁った声で泣き叫んだりはしない。 いや、"しない" のではなく、"できない"。 それは、まりさだけではなく、 この部屋にいる全てのゆっくりに共通した事だった。 『お姉さんがいる時に、声を出してはいけない。』 それが、この部屋のゆっくり達に与えられた絶対のルール。 二つの例外を除いて。 女がまりさを抱えたまま、部屋の中央のソファに向かって歩いてゆく。 まりさに向かって、ソファが近づいてくる。 その前にあるチェストが、その上にある機械が近づいてくる。 近づいてくる恐怖に、まりさは声を上げぬまま、 逃れようとするかのように身を捩らせるが、 女にしっかりと抱えられている状態では、空中でグネグネと体が動くばかり。 やめでね、やめでぇ、ばりざ、そのぎがいざんはいやなんでずぅ ゆっくりできないんでずぅ、ゆっぐりざぜでぐだざぁい、 おねえざぁん、おねがいじまずぅぅ、 むがじの、やざじいおねえさんにもどっでぐだざいぃぃぃぃぃ 漏れそうになる絶叫を必死に飲み込みながら、 まりさは、ただひたすら涙を流す。 だが、女は、まりさの方を見ようともしない。 だずげで!だれがだずげでぇ!! 今度は、助けを求め、両側の壁にいる、"仲間"のゆっくり達を見回す。 まりさの視線から目を逸らして俯くもの、 自分が選ばれなかった事に安堵の表情を見せているもの、 悲しげにまりさをみつめているもの、 まりさに向かって嘲るような笑みを見せるもの、 ただ虚空を見つめているもの、 "仲間"達の反応は様々。 全員に共通している事と言えば、 誰も言葉を発しない事と、誰もまりさを助けようとしないこと。 はぐじょうものぉぉぉ どおぉじでまりざをだずげでぐれないのぉぉ!! まりさが恨みの籠もった視線を"仲間"達に向ける。 別の日には、まりさ自身も"仲間"達に同じ反応を返していたことなど、 思い返しもしない。 あの機械が段々と近づいてくる。 やだ、やだ、やだ、やだ、やじゃ、やじゃ、やじゃ、やぢゃぁぁぁ まりさは、少しでも、その恐怖から遠ざかろうとするかのように、 後ろに身を反らす。 その時不意に、機械が近づいてくるのを止めた。 お姉さんは、再び柔らかいソファに身を沈めていた。 そして、手で抱えていたまりさを膝の上に置く。 ゆ・・・・・・・・・・? まりさは、顔に疑問を浮かべたまま、 どうしていいのかわからず、固まっている。 それは、壁にいる"仲間"達も同様だった。 棚から出されたゆっくりは、あの恐ろしい機械に直行する。 それ以外の光景は、どのゆっくりもいまだ見たことがなかった。 「・・・・・ねえ。まりさ。」 お姉さんが、膝の上のまりさに向かって呼びかけた。 「ゆ・・・ゆっ!な、なんでずが!おねえざん!!」 まりさが、始めて言葉を発する。 ゆっくり達に与えられた"ルール"の例外。その一つ目。 『お姉さんに話しかけられた時には答えてよい。』 いや、正確には、『答えなければならない』か。 ここで無視でも決め込もうものなら、想像を絶する苦痛を味わうことになる。 だから、まりさは、慌てて返事をした。 「・・・お姉さんのお話、ゆっくり聞いてくれる?」 「は、はい゛ぃ!!ぎぎまずぅ!ゆっぐりぎぎまずぅ!!」 「ふふ・・・ありがとう。」 お姉さんは、そう言ってから、サイドテーブルに置いてあった コーヒーマグを口に運ぶと、コーヒーを一口飲む。 そして、縁に紅い色のついたマグを再びサイドテーブルに戻す。 「お姉さんのね、お友達だったお兄さんが、死んじゃったの。」 ポツリと、呟くように言った。 「ゆぅぅ・・・・・ゆっくりできないね・・・・・」 悲しげな表情を浮かべたまりさが、ゆっくりなりの表現で同情の言葉を漏らす。 決して、お姉さんへのご機嫌取りではなく、本心からの言葉だった。 自分も、姉妹を失った時には、とても悲しかった。 だから、お姉さんも、きっとまりさに負けないくらい、 とても悲しいに違いない。そう思った。 「そうね、ゆっくりできないわね。 ふふ・・・ホント、バカなのよ。 お兄さんはね、とっても大好きな趣味があったんだけど、 それをやり過ぎてね、体を壊して死んじゃったの・・・」 「ゆぅぅぅ・・・もしかして、その人お姉さんの好きな 「それはない。」 「ゆ・・・」 クイ、と持ち上げられたお姉さんの眼鏡が冷たく光ったので、 まりさは黙った。 まあ・・・そういう対象ではなかったけど・・・ 女は思い起こしていた。 今日、村の虐待仲間から、その死を知らされた、 同じ虐待仲間であった男の事を。 男は、何よりも赤ゆを踏み潰すのが好きだった。 単純と言えば、あまりに単純な虐待。 ゆっくりをどのように苦しめるか、どのように痛めつけるか、と 日々、競うように、新しい虐待方法、凝った虐待方法を 編み出す事に腐心している他の虐待仲間達から見れば、 一つの虐待に執心している男は"変わり者"であり、 周りの仲間からはその事を揶揄されていた。 そして、女もまた、一つの虐待だけに執心している"変わり者"だった。 虐待の内容は全く違う二人だったが、 ただ己の望む一つの虐待に執心する、それもまた、 一つのゆ虐の形として認める者同士での共感のようなものがあった。 だから、男とは性別や年齢を超えて、良い友人であった。 そういえば、年齢の話は、仲間内での御法度だったけ。 そう思い出して、クスリと笑う。 以前、仲間の一人が、三年物のゆっくり酒を開けるからというので、 村の虐待仲間が集まって酒宴を開いた事があったが、 その席で誰かがうっかり口を滑らせた。 あの時は、 「どおぉぉじでねんれいのはなじをずるのぉぉ!? さんじゅうだいごうはんでも、 『ぎゃくだいおにいざん』なんだがら、『おにいざん』でじょお!?」 と泣き叫び出してしまい、皆でなだめるのが大変だった。 正直、あれはウザかったなぁ、と思わず苦笑する。 そんな男も逝ってしまった。 赤ゆを殺さずに何度も踏み潰せる画期的な虐待方法を考えた、 だいぶ前に楽しそうにそんな話をしていたっけ。 それで、夢中になるあまり、寝食を忘れて没頭し、 終いには興奮しすぎて、心臓麻痺を起こした、だって。 彼らしいと言えば、彼らしい。 あまりにもバカだ。 そして、女は、そんな男がどこか羨ましくもあった。 まりさは、不思議そうな表情で、お姉さんの顔を見上げていた。 いつも、箱から出された後は、 あの、とてもゆっくりできない、"お仕事"をやらされた。 でも、今日は違った。 お姉さんは、昔のように、まりさとお喋りをしてくれた。 今は、まりさの顔を見ておらず、どこか違う所を見ているが、 時々、楽しそうに笑う。昔のお姉さんのように。 そうだ。きっとそうだ。 まりさは、希望と期待に餡子胸を高鳴らせる。 お姉さんは、昔のお姉さんに戻ってくれたのだ。 あの日から、優しかったお姉さんは、変わってしまった。 怖いおにばばに変わってしまった。 まりさの、優しかったお母さんと同じように。 でも、優しいお姉さんに戻ってくれたんだ。 ううん。きっとお姉さんは、まりさのことをからかって、 意地悪してただけなんだよね。 ひどいよ、おねえさん。 まりさ、ほんとうに、いたかったんだよ? ほんとうに、くるしかったんだよ? でも、いいよ。 まりさ、ちゃんといいこで、がまんしていたから、 もういじわるは、おわりなんだよね。 また、まりさといっしょに、ゆっくりあそんでね。 「ゆっ・・・おねえさん」 ゆっくりしていってね 昔みたいに、そう言おうとした時、お姉さんが再び口を開いた。 「ねえ、まりさ。」 「ゆっく・・・ゆ?」 「可愛そうなお兄さんのために、お歌を歌ってあげて。」 「まりさのお歌を。」 「ゆ・・・・・・・・・・・・?ゆ・・・・・・・・・」 まりさがその言葉を理解するのに、数秒を要した。 その言葉の意味する所を、まりさは知っている。 正確に知っている。 だから、今その言葉を聞く筈がない、 優しいお姉さんから、その言葉を聞く筈がない、 そう考えたが故に、理解が遅れた。 そして、まりさは、また声を出さずに涙を流して震えた。 スッ・・・とお姉さんが、まりさを抱えて立ち上がる。 そのまま、前へと進む。怖い機械に向かって。 どおじでぇぇ!?どおじでなのお゛ぉぉ!? もういじわるはおわりなんでじょおぉ?! やめでね!やめでね!やめでぐだざいぃ!!おねえざぁぁん!! 己の頭の中で勝手に描いた妄想に縋り付き、 まだ助かると、お姉さんは助けてくれると、 その思いで、涙を流し、訴えかけるような顔でお姉さんの顔を見上げ、 声には出さずに心の中で絶叫する。 だが、『声を出さない』。 おにばばになってしまったお姉さんから与えられた、 そのルールに未だ従っていることが、 その妄想が幻想に過ぎないという事を自覚している、何よりの証。 そして、まりさは機械の上に乗せられた。 つづく
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「ふたば系ゆっくりいじめ 427 おうたをうたったけっかがこれだよ!/コメントログ」 逓送を擁していたって -- 2010-06-05 15 16 02 なんで、子ゆってゲス性なの多いんだろう。 -- 2010-06-24 10 56 21 ↓人間と同じで子供時代は我侭ってことでしょ で、ゆっくりの場合、親の大半が物凄い親馬鹿で子供は可愛い可愛いと甘やかすものだから… 我侭癖がなかなか抜けない上に増長するからそれが一見みるとゲスっぽく写るって事だろう 子供特有のものだから現実をちゃんと知って大人になったら良ゆになる可能性もあるかも知れないが まあ、このSSさんみたいな事がしょっちゅう起こるからゆっくりの子供が大人になる可能性は低いんだけどね まあ、この親子の場合、親れいむの無知と親馬鹿が一番悪いと思うわ -- 2010-07-09 02 37 07 甘やかすというより躾ができないんだろう 親にむかってクズだの無能な親は死ねだの抜かしたら人間ならばこっぴどく叩いて叱るが 饅頭の場合は「どぼじてそんなごというのおお?」で逆に親が泣く始末だし ごはんにしろおうちにしろ求めれば親が全部与えてくれるから他人も親のように世話焼いてくれると思い込む ガキがガキを育てているようなもんだまさに死ぬべき生物 -- 2010-07-21 09 42 16 中学時代のクラスメイトに「こっまたちゃん」がいた。 ウソを吐く、約束を破る、他人の物を隠す、借金は踏み倒す、人の話を聞かないetc、が日常的。 何でこんな奴がいるんだろうと思っていたが、コイツの母親が「ウチの子がそんなことするわけありません」的な ことを言ってるのを聞いて納得した。このSSと、みんなのコメント読んで、そんな過去を思い出した。 子供にとって、親や周りの大人の躾や指導って大切なんだなぁと再認識。 -- 2010-07-21 11 12 24 ↓ ☓「こっまたちゃん」 〇「こまったちゃん」 -- 2010-07-21 12 42 25 >躾 甘やかすと他の人がコメントしてあるようになるし、 厳しいと「俺は親に愛されてない」とか「自分は苦労をしているんだ」と言って 当然の権利の如く、弱い奴に八つ当たりしてくる奴もいるからな。 そう考えると躾や指導って難しいよな。 -- 2010-09-15 07 23 14 飴と鞭の配分が重要という事かな。 言葉が通じる饅頭より犬の方が躾け易いんじゃねぇか、と思ったが 元々犬は社会性有る生き物だったっけか。 言葉で会話できるのに社会性が無い生き物は大変だねー 飼い主さんの苦労がわかるよー -- 2010-10-10 11 56 37 確かに全力で甘やかす設定だからな。特にれいむ種 「かわいいかわいいおちびちゃんが~」とか胎教で吹き込みまくるシーンよく見るよな -- 2011-02-15 03 13 48 子を立派な大人に育てなければいけない親が無知・無能とかマジ悲劇だな。あと周りに迷惑だ。 -- 2011-04-23 16 20 15 ゲス赤ゆ子ゆ虐待は本当にすっきりーする -- 2011-07-06 20 52 22 お兄さんがわさびを持ってるのは常識、エチケットの類じゃね? -- 2011-10-13 00 25 01 うんうんで約10秒も滞空し続けられるとか どんだけ推進力あるんだよw -- 2011-12-14 04 56 35 うんうんが止まらないSSさんは ゆっくりできるね。 うんうんろけっとさんは最高にゆっくりできるよ~。 -- 2012-05-04 22 05 32 やっぱり馬鹿だな -- 2012-07-11 20 28 53 久しぶりにすっきりー!できる作品だった -- 2012-07-31 00 14 45 途中で読めなくなったり、子まりさと子れいむが入れ替わったりしてるw -- 2012-09-26 19 06 25 やっぱりゲスな糞袋が苦しみぬいて死ぬのは何度見ても興奮するね!! -- 2012-11-09 02 18 50 うんうんがとみゃらにゃいよぉ よかったね -- 2014-05-01 22 23 32 ゆぎゃく神 -- 2014-05-23 23 05 55 野良一家虐待なんだねー。わかるよー -- 2014-06-10 21 54 18 水風船か、参考になりますねぇ・・・(^U^) -- 2014-08-01 12 49 11 わさびか… -- 2014-09-23 22 16 46 ぺーろぺーろで治ると思う頭がチンポンカンだにぇ -- 2015-02-22 20 03 10 騒音を撒き散らしたんだからとうっぜんの末路だね! -- 2015-06-11 21 18 08 迷惑行為をしながらいい事したと思っている輩は現実にもいるからなあ そういう人になってはいけないというきょうっくん!だね -- 2016-01-14 16 54 40 げんじつにもゆっくりがいたらいいのにね!きめえまるをかってれいみゅたちをきめえまるといっしょにぎゃくったいしたいよ! -- 2016-09-02 15 53 23 かんそうさんはとてもおもしろかったよ!あいではきしょうしゅさんでぎゃくったいはつうじょうしゅがすきだよ!まりちゃはちゅよいー!いっちばんちゅよいー! -- 2016-09-02 15 55 47 縺薙l隱ュ繧薙〒蜃コ縺励■繧?▲縺溘●? -- 2016-12-29 12 53 22 やはり現役の金バッジ以上でないと、自分の何が悪かったのか理解出来ないんだね~わかるよ~ しかし飼い主も最後まで処理しないのはゆっくりできないですね~おぉ、怠慢、怠慢~ -- 2018-01-23 08 33 28
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『うたうたい』 25KB 愛で ギャグ パロディ 思いやり 日常模様 群れ 自然界 人間なし 創作亜種 独自設定 なんとか間に合ったようだな! 餡娘ちゃんお誕生日お祝いSS いじめなし。平和な群れでのとある一幕。 ごめんなさい。色々な人にごめんなさい。 こっ恥ずかしい。色々な事がこっ恥ずかしい。 フィクションです。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。 ========== 人間の住む街から遠く離れた山の奥。 そこに、とある森が広がっていました。 誰からともなく「ふたばの森」と呼ぶようになったその森には、 少し変わったゆっくりの群れがありました。 「ゆん…ゆん…」 ひとりのまりさが、地面に置かれた大きな葉っぱの前で、口に咥えた木の枝を動かしています。 木の枝の先端が、薄緑色の葉っぱの表面をなぞるたび、朱色をした線が浮かび上がります。 「ゆーん…ゆっ! かんっせいっだよっ!!」 やり遂げたという顔をして、木の枝を口から放したまりさは、葉っぱを目の前に掲げます。 「ゆわあぁぁ~! みゃみゃ、みちぇみちぇ! ありしゅがはっぱしゃんのなかにいりゅわ!!」 「ゆふふ…! そうね、おちびちゃん! ままのかわいいおちびちゃんがふたりになったわ!」 その葉っぱを見せられたありすの親子が、満面の笑顔を浮かべます。 葉っぱの表面には、子ありすそっくりのゆっくりが朱色の線で描かれていました。 ふたばの森のゆっくり達の中には、絵を描くゆっくり達がいたのです。 群れのゆっくり達は、そうしたゆっくり達を『お絵描きゆっくり』と呼んでいました。 お絵描きゆっくりは、木の実や草花を潰して出た色付きの汁を木の枝の先に付け、 それをペン代わりにして葉っぱの上に絵を描いているのでした。 初めの頃、お絵描きゆっくり達は描いた絵を森の広場に置いてみんなにみせていました。 「むきゅぅぅ?! みょんが りぐる×こーりん ねちょえをかいたですってえぇぇ!! ど、どこに…? むきゅ? あめさんできえた?! むっきゃああぁ! ぱちぇもみたかったわぁぁ!!」(モッタンモッタン) 「ゆわああぁぁ! まりさのかいた"え"さんがぁぁ! かぜさんいじわるしないでよおぉぉ!?」 しかし、せっかく描いた絵が雨が降って消えてしまったり、風で飛ばされてしまったりして、 絵を見たいのに見られないゆっくりが続発します。 ゆっくり達は、どこか広いおうちに絵を飾っておければいいのにねという話をしていました。 そこへ名乗りを上げたゆっくりがいました。 「ゆっくりあんこちゃん」です。 あんこちゃんはこの世にひとりしかいないと言われる、希少種中の希少種ゆっくりです。 群れに住んでいたゆっくりわんことゆっくりじゃりの一般的なつがいから、 まさにその日、チェンジリングにより生まれた赤ゆっくりでした。 あんこちゃんは、特別な希少種故か、はたまたご都合の神の寵愛を受けたからか、 生まれたての赤ゆっくりであるにも関わらず、成体ゆっくり以上の知能を持ち、 不思議なチート能力を幾つも身につけていました。 あんこちゃんは、自分のおうちであるほら穴の中に絵を保管するお部屋を作ると言いました。 おうちの正当な所有者であるあんこちゃんの両親はこれに反対しましたが、 あんこちゃんは武力でこれを制圧し、両親は泣く泣く自分達だけでお引っ越しをしました。 でも、普通サイズのゆっくり家族が住むおうちでは、みんなの描いた絵を保管するには狭すぎます。 あんこちゃんは不思議な力を使って、あんこちゃんのおうちであるほら穴をかくっちょうっする工事、 略してあんこちゃんの穴かくっちょうっ工事を始めました。 ドドドドド チュイーーンンンン カーン カーン カーン ガガガガガガ オーライ オーライ ストーーップ あんこちゃんが篭もったおうちの中から、なんだかゆっくりできない音が聞こえてきます。 あんこちゃんの身を案じた勇敢なゆっくり達が中の様子を見にいきましたが、 その後、彼女達の姿を見たゆっくりはいません。 こうして、その日の内には無事にかくっちょうっ工事も終わりました。 なんということでしょう。 狭かったおうちの中に、ドスがバスケをできるくらいの広場ができあがっているではありませんか。 お絵描きゆっくり達は喜び勇んで、自分の描いた絵を広場へ飾り、 他のゆっくり達は、その絵を眺めてゆっくりしています。 しかも、あんこちゃんの穴かくっちょうっ工事はそれだけではありませんでした。 「ゆう? あんこちゃん、ここはなんのおへや?」 あるれいむが、広場の隣にもう一つ同じくらいの大きさの部屋があるのに気付きます。 あんこちゃんは、ニコニコと笑いながら得意げに答えました。 「ここは『おうたのひろば』だよ!!」 ふたばの森のゆっくりには、お絵描きゆっくり以外にも、まだ変わったゆっくりがいました。 彼女達は、『うたうたい』と呼ばれるゆっくり達です。 "うたうたい"とは、読んで字の如く、おうたを歌うゆっくりです。 と言ってしまうと、どこにでもいるゆっくりの話になってしまいますが、 "うたうたい"のおうたは、普通のゆっくりのおうたとは、ちょっと違っていました。 "うたうたい"のゆっくり達は、自分で物語を作り、それをおうたにして歌うのです。 あんこちゃんが作ってくれたおうたのひろばでは、 毎日たくさんの"うたうたい"のゆっくり達がおうたを歌うようになり、 そのおうたを聞くために、もっとたくさんのゆっくり達が集まるようになりました。 「ゆ~ん! とってもゆっくりできるおうただったよ!!」 「まりさ、おもわずないちゃったよぉ…!」 「あのれいむにはしあわせになってほしいみょん!」 「わかるよー! ゆっくりできないれみりゃがつぶされてすっきりーなんだねー!」 「むきゅ! てんぷれさんだったけど、ていねいにつくりこまれたおうたでゆっくりできたわ!」 「おやのめのまえでつぎつぎにあかれみりゃをつぶしていくのは、きゅんきゅんできました!」 「ゆーん…こんかいのおうたはちょっとゆっくりできなかったよ…」 「おうたのうたいまちがいがおおかったわ」 「とちゅうでまりさがれいむにかわってたよーわからないよー」 「ゆひゃひゃひゃっ! きのえださんふいたのぜー!!」 「ゆぴいぃぃ!! いちゃいぃぃ!! おきゃーしゃあんっ!! ぬいちぇえぇ! これぬいちぇぇ!!」 「どぼじでおちびちゃんにえださんがささってるのおぉぉ?!」 「んほおおぉぉ!! たぎるわあぁぁ!! まりざあぁぁ!! すっきりしまじょおおぉ!!」 「やめちぇえぇぇ!! まりちゃまだこどもにゃのにぃぃ!!」 「おちびちゃん! このおうたはおちびちゃんにはまだはやいよ! ほかのおうたをききにいこうね!」 「ゆえーん! ありしゅきいてみちゃいわぁぁ!!」 ひろばでは、おうたを聞き終えたゆっくり達が口々に感想さんを言い合って話し込んでいます。 "うたうたい"のゆっくりは、その感想さんを聞くとゆっくりできるのです。 ときには、ゆっくりできなかったよ!と感想さんを言われる事もありますが、 多くの"うたうたい"達は、その感想さんを糧にして、また次のおうたを作ります。 「けんじゃのぱちぇがおもうに、あそこでまりさはありすとくっつくべきじゃなかったわ。 そのせいでこうはんがかんじょういにゅうできなくなったわね」 「なにいってるのよ、ぱちぇ! それはぱちぇのこじんてきしこうのもんだいでしょ! そもそも、まりありこそがしこうよ! そんなこともわからないなんていなかものね!」 「むきょおぉっ!? なんですってえぇ!? むっころすわよおぉ!?」 「ここでけんかはだめなんだねー わかれよー」 「ゆう…うるさいよぉ…せっかくのおうたがよくきこえないよぉ…」 「まりちゃがあんこちゃんにしらせてくるのじぇ!」 たまに、感想さんが白熱して、おうたを聞いたゆっくりが騒ぎ始めてしまい、 まわりのゆっくり達がゆっくりできなくなる事もありました。 そんなときには誰かがあんこちゃんを呼んできて、 あんこちゃんの不思議な力で、騒いでいるゆっくりを「見えなく」してもらうのです。 見えなくされたゆっくりは、その場にはいるのですが、何を叫んでも周りは見えず聞こえず、 段々と虚しくなって落ち着いたところで、またおうたを聞きに戻るのです。 それでも、いつまでも騒ぎ続けるゆっくりもいました。 ゆっくりしているゆっくりの邪魔をしたいだけの余所者のゲスゆっくりがほとんどでした。 そんなときには、あんこちゃんは断固たる措置を取りました。 「あくきんけっかいっ」です。 「あくきんけっかいっ」は、れいむ達が得意とする「けっかいっ」のチート版で、 特定のゆっくりのみをターゲットに、あんこちゃんのおうちに入れなくする効果があるのです。 ただ、ターゲットの判別精度がちょっとだけ低く、 巻き添えであんこちゃんのおうちに入る事をゆるされなくなるゆっくりもたまーにいましたが、 まあ、それはそれという事で。 色々と問題もありましたが、 ゆっくり達は"うたうたい"のゆっくりが歌うおうたでゆっくりを貰い、 "うたうたい"のゆっくり達はおうたを聞いてくれるゆっくり達からゆっくりを貰い、 楽しくゆっくりと過ごしていました。 「ゆふふ…みんなゆっくりしてるね! あんこのおかげだね!」 そんな光景を眺めながら、あんこちゃんもゆっくりした顔で自画自賛します。 ちなみにあんこちゃんは『おうたのひろば』の壁に穴を掘って、そこに自分のお部屋を作っていました。 「ここはあんこのおへやだよ! おとめのぷらいべーとるーむだから、のぞいちゃだめだよっ!」 普段は、お部屋の入り口はドスでも動かせないような重い石の扉で塞がれていますが、 誰かがあんこちゃんに助けを求めると、扉が開いてあんこちゃんが颯爽と飛び出してきてくれるのです。 ========== でも、いつの頃からか、あんこちゃんのお部屋の扉が開く事はなくなりました。 以前は、おうちの外でゆっくり達とお喋りをするあんこちゃんの姿も時折見かけましたが、 もう長いこと、誰もあんこちゃんの姿を見ていません。 ふたばの森の外に旅に出るお絵描きゆっくりが自分の絵を片づけて欲しいと思ったときに、 あんこちゃんのお部屋の前でお願いをすると、いつの間にか片づけてくれているので、 中にあんこちゃんがいるのは間違いなさそうなのですが。 少し前から、色々と変化はありました。 お絵描きやおうたのひろばで感想さんを話し込むのが禁止されたりとか、 ある日、いつものようにあんこちゃんのおうちにゆっくり達がやってくると、 いきなりひろばが狭くなっていたりとかです。 止むに止まれぬ理由が色々とありましたが、 前よりもちょっと簡素になってしまったあんこちゃんのおうちに、 ゆっくり達はどこか寂しさを感じていました。 そんな折にあんこちゃんが姿を見せなくなったのですから、 ゆっくり達の寂しさは更に深まりました。 「ゆう…きっとれいむたちがわがままばかりいうから、あんこちゃんがおこっちゃったんだよ…」 「あんこちゃんはまりさたちのおえかきやおうたにきょうみがなくなったのかもしれないのぜ」 「むきゅ! ちがうわね! きっとあんこちゃんはへいこうせかいからきたかみさまなのだわ! そっちのせかいのおしごとがいそがしくなったから、こっちにこられなくなったのよ!」 ゆっくり達は、あんこちゃんが姿を見せなくなった理由をあれこれ考えますが、 真相はあんこちゃんのみぞ知る、です。 ========== そんなある日の事 「むきゅきゅ! みんなきいてちょうだいっ! けんじゃのぱちぇはすごいことにきづいてしまったわ!!」 森でおしゃべりをしていたゆっくり達のところへ、もりけんと称されるぱちゅりーがやってきました。 「ゆう…いったいどうしたの、ぱちゅりー?」 ゆっくり達が辟易とした顔でぱちゅりーに問いかけます。 そんな反応には気付かずに、ぱちゅりーは得意げな顔で話し始めます。 「たんじょうびよっ! あしたはあんこちゃんのたんじょうびなのだわ!」 聞いていたゆっくり達はハァ?という顔をします。 「きいてちょうだい! ぱちぇは、まいあさおうちのかべさんにしるしをつけてるのよ! そのしるしをかぞえると、むかしのことがなんにちまえにおきたか、わかるのよ! あんこちゃんがうまれたひから、まえのおたんじょうびまでは、 しるしがたくさんのたくさんのそのまたたくさんだったわ! そして、まえのおたんじょうびからかぞえて、 あしたでしるしがたくさんのたくさんのそのまたたくさんになるのよ!」 何を言っているのかわかりにくいですが、 要するに去年のあんこちゃんのお誕生日から明日で365日目よむきゅん、そういう事のようです。 お誕生日という言葉が出てくる事からもわかるように、 この群れのゆっくりは一年の周期というものをある程度理解しています。 季節の移り変わり具合で「大体一年経った」という事は判別できるのです。 当然ながら精度は低く、この年は季節の移り変わりが例年より遅かったため、 ぱちゅりー当人も季節感覚的にはお誕生日はまだだいぶ先だと思っていました。 そこを数学的手法で算出したわけですから、実はこのぱちゅりー、結構賢いのかもしれません。 そもそも野生のゆっくりが三桁の数字を数えられるだけでも凄いのですが。 でも他のゆっくりは苦笑で受け流して、お喋りを続けます。 「れいむ、あしたはあんこちゃんのおたんじょういわいのおうたをうたうことにするよ!」 「ありすはかわいいあんこちゃんのおえかきをしたのよ! あしたをたのしみにしててちょうだい!」 「じゃお! じゃおおおおん!!」 「めーりんもかいたのかぜ!? いつもおそくまでかりをしてるのにがんばるのぜぇ~! まりさもまけてられないのぜ! なにかかいてみるのぜ!」 ゆっくり達は、明日があんこちゃんのお誕生日である事はとっくに知っていました。 お誕生日プレゼントをどうするか、相談しているところだったのです。 きょとんとするもりけんぱちゅりーを置いてけぼりにして、ゆっくり達の話は続きます。 「ひょっとして、あんこちゃんのおうちでせいだいにおいわいをしてれば、 あんこちゃんもきになって、おへやからでてくるかなぁ…?」 「わかるよー! そうなるといいんだねー!!」 「ありすもあんこちゃんのげんきなすがたがみたいわ!」 どこかの神話よろしく、賑やかにお祝いをしていれば、 興味をそそられて、あんこちゃんも様子を見にお部屋から出てくるのではないか… そんな事を期待しているようです。 そんなゆっくり達の会話を、ひとりのれいむが隅っこの方で聞いていました。 れいむは、"うたうたい"のゆっくりのひとりでした。 でも、れいむはおうたがあんまり上手な方ではありません。 歌う事自体があまり上手くない事もありますし、 作る物語もどこかで聞いたことのあるような、ありきたりなお話ばかりだったのです。 それでも、最初の頃は頑張っておうたを歌っていました。 でも、他の"うたうたい"達のおうたを聞いていると、ますます自分のおうたが下手だと感じるようになり、 みんなと同じ場所でおうたを歌うのが、なんだか恥ずかしくなってしまったのです。 新しいおうたを作ろうとしても、恥ずかしさがこみ上げてきてしまい、おうたが作れなくなりました。 もうれいむは長いこと、おうたのひろばでおうたを歌っていません。 「ゆう…れいむも…おうた…うたってみようかな…」 自分のおうちに帰る道すがら、れいむがひとり呟きます。 れいむの頭の中では、先程のゆっくりの言葉が繰り返されています。 ひょっとして、あんこちゃんのおうちでせいだいにおいわいをしてれば、 あんこちゃんもきになって、おへやからでてくるかなぁ…? 「れいむも…あんこちゃんのおかおがみたいよ…」 れいむはあんこちゃんの事が好きでした。 「らいく」ではなく、「らぶらぶちゅっちゅ」の意味でです。 昔、まだあんこちゃんが時々群れのみんなとお喋りしていて、 おうたのひろばで感想さんを話し込む事も禁止されていなかった頃のことでした。 「なんなのぜこのおうたはぁ! ゆっくりできないのぜぇ!!」 いつものようにおうたを歌った後で、れいむはおうたを聞いたゆっくり達に怒られていました。 ゆっくり達がゆっくりできないお話をおうたにしたからです。 ゆっくりできたと言うゆっくり達もいましたが、 そのゆっくり達とゆっくりできなかったゆっくり達の間で喧嘩まで始まってしまいました。 周りでおうたを歌っている他の"うたうたい"のゆっくり達や、そのおうたを聞きに来たゆっくり達も、 騒がしさに迷惑そうな顔をしています。 (ゆー…どうしよう…) れいむはどうしたらいいのかわからずに、その場でオロオロしてしまうだけで、何もできません。 そこへ、あんこちゃんがぴょんぴょん飛び跳ねてやってくるのが見えました。 (ゆぐ…れいむ…みえなくされちゃうんだ…) きっと迷惑をかけたから、あんこちゃんに見えなくされちゃうに違いないと、れいむは怯えます。 (ひょっとしたらあくきんにされちゃうのかも…) れいむの想像はどんどんと悪い方向へと向かっていきます。 でも、あんこちゃんはれいむには何も言わず、 れいむのおうたを聞きにきていたゆっくり達に向けて言いました。 「みんなきいてね! れいむのおうたは、わるいことするゆっくりがでてくるおうただよ! ゆっくりできないとおもうこは、きかないようにしようね!」 「ゆー? そうなのぜ…? じゃあ、むこうのみすちーのおうたをききにいくのぜ!」 「ゆう…どうしよう、まりさ。おなかのおちびちゃんのじょうそうっきょういくによくないかな?」 「ゆーん…そうだね。れいむ、ごめんね! またこんどおうたをきかせてね!」 れいむがおうたを歌い始めようとする度に、横にいるあんこちゃんが、ゆっくり達に注意を呼びかけます。 あんこちゃんの注意の言葉を聞いて、なんにんかのゆっくり達は他のおうたを聞きにいきました。 れいむは、残ったゆっくりの前でおうたを歌います。 まだ、れいむが怒られたり、喧嘩をしてしまうゆっくりが出てくる事はありましたが、 あんこちゃんが来る前と較べると、だいぶ落ち着いてくるようになりました。 「ゆぅ…あんこちゃん、ごめんね。いそがしいのに、れいむのせいで…」 その日のおうたを終えて帰るとき、れいむはあんこちゃんに謝りました。 でも、あんこちゃんは首を横に振ると、にっこりと感情の篭もってない笑顔を浮かべて言いました。 「れいむ! おうたがんばってね!」 その眩いばかりの笑顔を見て、れいむは暫くの間、気が抜けたかのようにぼーっと立ち尽くし、 ろくにお礼も言えないまま、去っていくあんこちゃんの後ろ姿をただ見つめていました。 そのエピソードは全く関係ありませんが、れいむはあんこちゃんにぞっこんでした。 去年のあんこちゃんのお誕生日パーティーで、あるお絵描きゆっくりが描いた、 『野犬にれいぽぅされるあんこちゃん』という題名の絵。 そこに描かれたあんこちゃんの艶めかしい姿にすっきり欲を持て余した事がきっかけです。 「れいむのおうたじゃゆっくりしてもらえないとおもうけど… でも…ちょっとでもにぎやかになれば… あんこちゃん…ゆっくりしておかおをみせてくれるかなぁ…?」 こうしてれいむも、新しいおうたを作る事に決めたのでした。 ========== そして、翌日。あんこちゃんのお誕生日。 「ゆう~!! ちこくだよおぉ!!」 れいむが大慌てであんこちゃんのおうちへと跳ねていきます。 昨夜は新しいおうたを作って遅くまで練習をしていたので、今日はすっかり寝坊してしまいました。 「ゆっ! ぱーてぃーさんはまだおわってないね!」 ひょっとして、もうお誕生日パーティーは終わってしまったのではと心配していましたが、 あんこちゃんのおうちには、まだたくさんのゆっくり達がいました。 「ゆぅ~!? あんこちゃんの"え"だよっ! あんこちゃんかわいいよぉぉ!! ちょっとむっちりしたあんよさんがいろっぽいよぉ!! すっきりーよくをもてあますよぉぉ!! …………… ゆふぅ……こんなことしてるばあいじゃないよ! ゆっくりいそぐよっ!」 途中、お絵描きゆっくり達が飾ったあんこちゃんお誕生日お祝い絵を見て、 物陰でひとりすっきりーしたりしながら、おうたのひろばへと向かいます。 おうたのひろばにもたくさんのゆっくり達が集まっていました。 いつもどおりのおうたを歌うゆっくりに混じって、 あんこちゃんのお誕生日を祝うおうたを歌うゆっくりの姿が見えます。 「れいむもがんばるよ! ゆっ、ゆっ、お~!」 「ゆゆ~♪ ゆんやあぁぁ~♪ まりちゃちゅぶれりゅ~~♪ ゆゆ~ん♪ ゆんやあぁぁ~♪ れいみゅもちゅぶれりゅ~~♪ ゆゆ~ん♪ ゆんやあぁぁ~♪ れいむのぉ~♪ ゆゆ~♪ おちびちゃんが~~♪…」 「………ゆっ! おわりだよ! きいてくれてありがとうねっ!!」 おうたを歌い終えたれいむが、周りでおうたを聞いてくれたゆっくり達にお礼を言います。 「ゆっ! こんどはあっちのれいむのおうたをききにいこうね!」「ちーんぽ!」 ふたりのゆっくりが挨拶もそこそこに別のゆっくりのおうたを聞きにいきました。 「れいむ! とってもとかいはで、なけるおうただったわ!」 「ゆゆ! ありがとう、ありす! ゆっくりしていってね!」 残っていたふたりのゆっくりの内のひとり、ありすが前に進み出ると、 れいむの目の前に小さな木の実を置きます。 今のおうたのひろばでは、おうたを聞いたゆっくりがとってもゆっくりできたと感じたときに、 その気持ちを"うたうたい"のゆっくりに伝えるため、こうして木の実を渡す風習があるのです。 「めいゆー! すごくゆっくりできたよ!」 「ゆふふ! ありがとうね、にとり!」 もうひとりの観客であるにとりも木の実をくれました。 このにとりは僅かでもスキを見せるとお腹に強烈な体当たりをブチかましてくるので、 れいむはじりじりと後ずさり、間合いを一定に保ちながらお礼を言います。 「ねえ、めいゆー。またこんど、えーきさまとらぶらぶちゅっちゅなおうたをききたいな!」 「ゆん! れいむ、がんばってみるよ!」 にとりからのリクエストにれいむが元気に返事をします。 正直言って、えーきさまとらぶらぶちゅっちゅな次回作のアイディアはまったく生えてきておらず、 これっぽちもおうたを作れる気がしません。 でも、それを言うと、にとりに(なー)されたり、(なー)な(なー)を(なー)させられたりして、 れいむの穴という穴(なー)ので、適当にお茶を濁したのです。 「ゆう…」 やがてありすとにとりも去り、ポツンと取り残されたれいむは小さく溜息を吐きます。 人気のある"うたうたい"だと、ひっきりなしにおうたを聞きたがるゆっくりがやってくるため、 休む暇もないのですが、れいむの場合はお休みしている時間の方が長いのです。 れいむはおうたのひろばで歌っている、他の"うたうたい"のゆっくり達に目を向けます。 ひろばの中央に、一際たくさんのゆっくりが集まっている場所があります。 その中心では、ちぇんやらんのように動物さんみたいなお耳を生やし、 片目に葉っぱの眼帯を付け、まむまむさんを常時全開放にしている、 ちょっと変わった姿のゆっくりがおうたを披露しています。 その"うたうたい"のゆっくりの前には、たくさんの木の実が積まれています。 おうたを聞き終えて入れ替わりで帰っていくゆっくり達も、 外にある『かんそうさんひろば』に行こうねなどと興奮気味に話をしています。 「いじめてねっいじめてねっいじめてねっいじめてねっいじめてねっ いじめてねっいじめてねっいじめてねっいじめてねっいじめてねっ てんこをいじめてねぇぇぇーーっ!!」 「で、でたのぜぇ~!! てんこさんのいちびょうかんじゅっかいいじめてねはつげんなのぜぇ~!!」 「やるきだみょん! てんこさんはあんこちゃんにいじめてもらうきなんだみょぉぉん!!」 「わかるよほぉぉー!! やっぱりてんこさんまじてんしなんだねーー!!」 別の場所では、ファンに囲まれたてんこが魂が震えるような熱いシャウトを解き放っています。 そんなてんこですが、最近は貰える木の実が増えないと悩んだりもしているみたいです。 でも、れいむの目から見ていると、 てんこのおうたを聞いているゆっくり達のお顔は、この上なくゆっくりしているように見えて、 そんなおうたを歌えるてんこをとても羨ましく感じます。 ふたりとも、れいむがふたばの森に来る前からおうたを歌っていたベテランの"うたうたい"。 群れの人気者達です。 「もげ~♪ もげもげもげ~♪ だ~る~もげ~♪」 捕食種である筈の胴付きふらんがおうたを歌い、被捕食種であるゆっくり達が聞き惚れる、 そんな不思議な光景も見られます。 このおうたの好きなふらんは、何故かゆっくりを食べないので、群れの皆からも受け入れられているのです。 でも時々ぺにぺにをもぎます。 ふらんがおうたを歌い始めたのはれいむよりも後の事でしたが、 次々にゆっくりできるおうたをりりーすし、今や誰よりもおうたの数が多い"うたうたい"になりました。 その上、お絵描きゆっくりとしても活躍しているのです。 もちろん、そんなふらんも群れの人気者。 でも時々ぺにぺにをもぎます。 他にも、たくさんの"うたうたい"のゆっくりがおうたを歌っています。 とても楽しくて、自然に笑い出してしまうおうた ゆっくりがたくさん死んでしまう、悲しいおうた 悪い捕食種をやっつける、すっきりーできるおうた 凄く不思議な雰囲気で、凄く心に残るおうた れいむにはちょっと難しいけど、世界の秘密を探求する物語を描いた、わくわくしてくるおうた ぺにぺにおったつおうた 色々なおうたを歌う"うたうたい"がいます。 「ゆうん…やっぱりみんなすごいね…ゆっくりできるおうただよぉ……それにくらべて…」 れいむは自分の前に置かれた木の実に目を落とします。 木の実の数も、おうたを聞きにきてくれるゆっくりの数も、そしてれいむのおうた自体も、 他のゆっくりと較べてしまうとちょっと見劣りして、 やっぱりなんだかみんなと一緒の場所で歌うのが恥ずかしくなってきてしまいます。 「ゆーん…れいむはあいかわらずだね…」 そう呟いて、れいむが少し寂しそうな表情を浮かべます。 でも、もみあげの先で愛おしそうに木の実を撫で転がしている内に、また笑顔が戻ってきました。 顔を上げたれいむは、再びおうたのひろばを見渡します。 れいむが今よりもう少し頻繁におうたを歌いに来てた頃によく見た"うたうたい"達。 もうずっと見ていないお顔が来てはいないかと探してみますが、見つかりませんでした。 反対に最近になっておうたを歌うようになった"うたうたい"のお顔がたくさん見えます。 去るゆっくりがいて、来るゆっくりがいるのです。 でも、 「ゆ…かわってないね…」 おうたのひろばの賑わいと、そこに集まるゆっくり達のゆっくりした表情は、 昔と何も変わっていませんでした。 ========== それから、れいむも何度かおうたを歌いました。 そろそろパーティーの終わりも近づいてきています。 「あんこちゃん…けっきょくでてこなかったよ…」 あんこちゃんのお部屋を塞ぐ石の扉は、相変わらず閉ざされたままでした。 「でも、きっと…」 ふと横を見たれいむは、同じようにあんこちゃんのお部屋を見ていた別のれいむと目が合います。 そのれいむも"うたうたい"で、自分のおうたを聞きにくるゆっくりを待っているところでした。 (ゆふふ…) 無言で、目が合ったれいむと笑い合います。 あんこちゃんのお部屋の扉には、絵が描かれていました。 物知りぱちゅりーによれば、その絵は「ばーすでーけーきさん」と呼ばれるあまあまさんだそうです。 人間さんがお誕生日を祝う日に食べる特別のあまあまさんです。 一年前のあんこちゃんの誕生日…をだいぶ過ぎた頃、 「ゆー! どうしてみんなあんこのおたんじょうびをわすれてるのぉ!? あんこ、むれのみんなのためにがんばってるのにぃ!!」 と、ほっぺたを膨らませ、目の端に涙を貯めながら、あんこちゃんが自分で描いたものでした。 群れのみんなはそれを見て、慌ててあんこちゃんにプレゼントするお絵描きやおうたの準備を始めたものです。 その後、沢山のプレゼントに囲まれたあんこちゃんは、まるでその涙が嘘泣きだったかのように、 嬉しそうに笑っていたのをれいむは覚えています。 そして今、扉には、去年のばーすでーけーきさんの絵の隣に、 まったく同じ絵柄で描かれたばーすでーけーきさんが仲良く並んでいます。 新しいばーすでーけーきさんの絵の上には幾つもの印が描かれ、それが全部、バッテンで消されていました。 もりけんぱちゅりーに教えてもらわなくても、 みんな、今日があんこちゃんのお誕生日だってわかっていました。 だって、今年のあんこちゃんのお誕生日の何日も前から、 二つ目のばーすでーけーきさんは描かれていて、 毎日朝がくるたびに、その上に描かれた印が一つずつバッテンで消されていたのですから。 知らなかったのは、ずっとおうちに篭もってお誕生日を計算していたもりけんぱちゅりーだけでした。 よーく見ると、あんこちゃんのお部屋の扉も、ほんのちょびっとだけ隙間が開いている気がします。 「れいむー! れいむのおうたきかせてねー。わかるー?」 「だれもおうたをききにこなくてかわいそうだから、ありすがきいてあげるわ! べ、べつに(ry」 「むきゅきゅのきゅ! ぱちぇはおうたのけんじゃよ! はたしてれいむのおうたで、ぱちぇをまんぞくさせることができるかしら?!」 れいむのおうたを聞きに、ゆっくり達がやってきました。 れいむはもう一度だけ、あんこちゃんのお部屋の扉に目を向けた後、 おうたを聞きにきてくれたゆっくり達に向き直ります。 「ゆん! れいむのおうた、ゆっくりきいていってね!!」 れいむはおうたを歌います。 ありったけの想いを込めて。 いえ、れいむだけではありません。 先程目が合ったれいむもおうたを歌い始めています。 人気者の"うたうたい"も、個性派の"うたうたい"も、あんまりおうたが上手じゃない"うたうたい"も、 みんながおうたを歌っています。 今日も、これまでも、そしてこれからも、 あんこちゃんのおうちで、たくさんの"うたうたい"達がおうたを歌うでしょう。 おうたを聞いてくれるゆっくり達へ、 そして、彼女達と出会える素敵な場所を作ってくれた、あんこちゃんへ、 たくさんの「ゆっくりしていってね!!」の想いを込めて。 おしまい ========== by お説教されたいあき
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この駅近辺のcafe電源情報の情報を集めております。 皆様の情報をお待ちしております。 編集できない人用↓店舗名・電源ありなし等記入してください 名前 コメント
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りゅうおうたん 誕生日: 2004/11/07(虹裏登場日) 主な活動場所: img 概要: 友達欲しさにローラ姫をさらった。勇者を怖がる。 ドラゴン形態は着ぐるみを着るが背中のチャックがあげられない。 ベギラマの呪文をべまぎらと憶えて効かないのに必死に唱えたりするドジっ娘。 解説: 【元ネタ】 ファミコンゲームの「ドラゴンクエスト」のラスボス、竜王の萌え擬人化。 【二次裏での動向】 後にPCゲーム「ToHeart」の柚原 このみに似ていたため、いつの間にかヤンデレ化したこのみをりゅうおうこのみと呼ぶようになった。 現在の保管庫はこちらの方の保管庫となっている。 「あ、あの・・・・・・世界の半分あげますから、仲間に・・・なりませんか? 」 カテゴリ: 派生ネタ 関連項目: なし 関連リンク: りゅうおうたん保管庫 上に戻る memo: 訂正、追加情報等。 名前 コメント 最終更新日:2010年11月25日 (木) 23時23分33秒
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※現在はやどりぎの弱体化によってほとんど使い物になりません。 やどりぎがない文字の一つに「お」があります。(あるにはありますが、おじぎそう→うーるひゃくぱーせんと、おーく→くさりかたびらorくまぼくじょう、など、全てワンパン可能です。) そこでこの戦法では俺文字を使いお攻めをします。 この戦法は「こちらだけやどりぎを植える」こと、「即死を決める」ことに特化しています。 弱点はありますが、体感50位くらいまでは有効です。 これがおうたろー戦法のやり方です。 初期とくせいは「俺文字」 試合が始まったら「お」で終わる7文字以上で分類無しの単語でお攻めする 相手のHPが32以下になったら「ぬ」で終わる7文字以上で分類無しの単語でぬ攻めをする(できなければやどりぎの無い語尾の単語で回復) 即死や一方的なやどりぎ、ロクロなどはする この戦法には「特定のバフやどくばりに弱い」という明確な弱点がありますが、順位を楽に上げたいのであればそこそこおすすめできる戦法です。 よければ使ってみてください。 このページの最終更新日時は2022年10月03日 (月) 15時01分27秒です コメント 名前 このやり方めっちゃすげー - しりとりバトル好き (2022-07-24 18 30 15)
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【みんなでうたおう♪】 【みんなでうたおう♪】 制作コメント キャラクター 関連リンク こどももおにいさんもどうぶつも! み~んな歌うのが大好き。ウィルソン先生は優秀な 生徒たちの美しいハーモニーに感動しているよ。 みんなの波長がぴったり合うのにはワケがあるみたい。 さて、なんでかわかるかな~? ポップンミュージック19のポップンミュージックカード第3弾に登場したレアカード。 なぜ息(波長)が合っているのかというと、描かれているキャラクターがSana(新谷さなえ)関連曲を担当している共通点があるため。 その点では特定のアーティスト担当曲を担当するキャラクターを集めたレアである。 ローリィが銃から出しているのは「S」「a」「n」「a」と描かれた旗。 またラクダが、ロコモコの少年のかぶっている帽子を引っ張っていて、ウルが慌てている様子が描かれている。 【みんなでおどろう♪】と繋げることで、1枚の絵になるという仕掛けが施されている。 + ... 制作コメント さなさん2連カードいちまいめー。さなさんキャラはたくさんいるので、配置にちょっと悩みました。ウィルソン先生とこどもたちのおうたの教室…と手前に子供たちを集めて、うしろはぎゅうぎゅうにつめてもらいましたが、ヴァンテーンさんとか描けて楽しかったです!おにぎりみたいな形がすきなのです。eimy キャラクター ミセス・ウィルソン ヴァンテーン ウル ローリィ キコロ 関連リンク Sana 新谷さなえ 【みんなでおどろう♪】 eimy#? レアカード ポップンミュージックカード/ポップン19/Vol.3 カードリスト(ポップンミュージックカード)
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歌った回数ランキング 歌った回数多いものをランキングで とりあえず5位までになります ◇1位 風になる / つじあやの[13] -【雑談】なにを決めようかなの会! -【歌雑】何歌おう~?なに喋ろう~?〖弾き語り〗 -【歌雑】今日は何歌おうかなぁ〖弾き語り〗 -【歌雑】おしゃべりと弾き語りまったり~!〖弾き語り/笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ありがとうの日!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き納めってやつ.....!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】2月らすとのおうた〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語らないおうた回ですまる〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ど深夜から朝まで弾き語り〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 気まぐれロマンティック / いきものがかり[13] -【歌雑】ウクレレ弾き語る…! -【歌雑】深夜のウクレレ弾き語りするぞぉ…! -【歌雑】お盆もウクレレ弾き語り歌雑 寝落ちなどにでもよければ…! -【歌雑】ありがとうの日!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き納めってやつ.....!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】2月らすとのおうた〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語らないおうた回ですまる〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】歌枠リレーお疲れさまでした.....!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】おやすむ期間前の 深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 寄り酔い / 和ぬか[13] -【歌雑】深夜にウクレレ弾き語る…! -【歌雑】お盆もウクレレ弾き語り歌雑 寝落ちなどにでもよければ…! -【歌雑】弾き語りとおしゃべりするよ~!〖弾き語り / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ありがとうの日!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き納めってやつ.....!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】お知らせありま!ゆったりもしま!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語りおうた~おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語っておしゃべる〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ど深夜から朝まで弾き語り〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 ◇2位 月が綺麗 / 岩見拓馬[12] -【歌雑】ウクレレ弾き語りたい…! -【歌雑】お盆もウクレレ弾き語り歌雑 寝落ちなどにでもよければ…! -【歌雑】弾き語りとおしゃべりするよ~!〖弾き語り / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ありがとうの日!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き納めってやつ.....!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】お知らせありま!ゆったりもしま!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語っておしゃべる〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレとアコギとわぽ ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 ◇3位 雨とカプチーノ / ヨルシカ[9] -【歌雑】ウクレレ弾き語りたい…! -【歌雑】何歌おう~?なに喋ろう~?〖弾き語り〗 -【歌雑】おしゃべりと弾き語りとタグ回収…!〖弾き語り/笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ど深夜の弾き語り,朝までのおしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】4日間配信おやすみいただきますまる🙏🏻 ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ど深夜から朝まで弾き語り〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 小悪魔だってかまわない! / HoneyWorks[9] -【歌雑】ウクレレ弾き語りたい…! -【歌雑】ありがとうの日!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き納めってやつ.....!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】2月らすとのおうた〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き語るぅ おしゃべるぅ〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】おやすむ期間前の 深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 ファンサ / HoneyWorks[9] -【歌雑】深夜のウクレレ弾き語り参上…! -【歌雑(?)】この時間からで何曲歌えるのか…?〖弾き語り〗 -【歌雑】弾き語りからのおしゃべりorアカペラかなぁ〖弾き語り / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】弾き納めってやつ.....!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】よーい,どんっ!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ど深夜の弾き語り,朝までのおしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 ◇4位 ストロー / aiko[9] -【歌雑】ウクレレ弾き語りたい…! -【歌雑】ありがとうの日!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】指がもてばアコギ回~~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ・アコギ・おしゃべり ~ど深夜の弾き語り,朝までおしゃべり~〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】歌枠リレーお疲れさまでした.....!〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ど深夜から朝まで弾き語り〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】深夜から朝まで 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 -【歌雑】ウクレレ弾くマン,アコギも弾きたいカモ 弾き語り/おしゃべり〖ドリプロV / 笹ノ音わぽ〗 ◇5位 おじゃま虫 / DECO*27[7] -【歌雑】ウクレレ弾き語る…! 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・お兄さんは直接的に虐待しません。 ・色々と展開やらなにやらがおかしいのは仕様です。 ・「ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!!」に関わりがありますのでそちらをお読みいただければ話が深まると思います。 「ゆゆ~ゆゆゆ~♪」 一人暮らしの男の家の庭に耳障りな音がする。 「おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね!」 「ゆっくち!ゆっくち!」 「ゆゆ~んてれるよ~♪」 無意味に甲高い声が響いている。 よくゆっくりが人のいない隙に庭や家に入り込んでするお家宣言だ。 普段ならば無理矢理追い出すか処分するのだが、この家の唯一の住人である男性はちょっとばっかり…感性が常人とは違っていた。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね! ゆゆ、どうしてにんげんがここにいるのおお!?」 ゆっくりれいむが男が出した声に反応して反射的に答える。 その子供であろうゆっくり赤れいむとゆっくり赤まりさが二匹ずついた。 「ここはれいむとおちびちゃんのゆっくりプレイスだよ! じじいはゆっくりしないでどっかいってね!」 親れいむはふてぶしくそう宣言する。 「そうなんだ…ここが君達のゆっくりプレイスなのかい?」 「そうじゃよ!あちょきょがまりしゃちゃちのおうちだよ!!」 そう言う目線の先には裏口に置いてある昔犬を飼っていた頃に買った今は使われてない犬小屋だ。 家の外壁にくっつくように置かれて、犬小屋のさらに上に雨風を凌げるように屋根が取り付けられており、塀と家に三方に囲まれて風も凌げ、ゆっくりにはかなりいい物件だ。 こいつ等はどうやらそこへ勝手に住み着いたらしい。 いくら手付かず草木がぼうぼうな庭であろうと普通ならば追い出すだろうがこの男は普通の人とは価値観が違っていた。 「それはゴメンね。 ところで…君達さっきおうたはゆっくり出来るって言ったよね?」 「ゆ!しょうだよ!おきゃあしゃんのおうちゃはとっちぇもゆっきゅりできりゅんだよ!!」 「しょうじゃよ!ずっちょずっちょききちゃいきゅらいだよ!!」 「そっか…ずっと聞きたい位か…それなら…」 男は旧式のボイスレコーダーを取り出した。 「ちょっとこれにその“おうた”を聞かせてくれないかな?」 「ゆゆう、れいむのうつくしいおこえをききたいならあまあまをよこしてね!!」 ふてぶてしいのままこちらに注文をつける親れいむ。 この時点で潰されても何もおかしくはない。 そもそも男もゆっくりのおうたを聞きたいなんて酔狂にも程がある。 「仕方ないね…ちょっと待ってね」 そう男が告げると一旦家に戻り、あまあまではなく一本の人参を渡した。 あまあまだと舌が肥えてしまうという男のゆっくりに対する無駄な配慮だった。 第一野菜でもゆっくりは舌が肥えて畑を襲いだすから、あまり意味がない。 街ゆっくりだからその点は心配ないかもしれないがこれだけでも男があまりゆっくりに対しての知識が無い事がわかる。 「ゆゆう、あまあまじゃないけどしょうがないね!こころのひらいれいむはうたってあげるよ!」 しょうがないと言っている割にはよだれをだらだら垂らしているがツッコむ者はいない。 「ゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~♪ ゆ~ゆゆゆ~まったりのひ~♪ゆっくりのひ~♪」 耳障りな雑音が響く。 隣家が空き家なのがせめてもの救いだ。 完全な公害なのだが何故か男は嫌な顔一つせず聞いている。 「ゆっきゅちできりゅね~♪」 「れいみゅもうちゃうよ! ゆ~ゆゆゆ~♪」 周りのゆっくりも触発されて歌い出したり聞き惚れたりしていた。 そして数分後。 「ゆゆ~ん!おきゃあしゃんのおうちゃはとっちぇもゆっきゅりだっちゃね!」 赤れいむが賞賛の声を上げる。 人間からすれば音程もリズムもへったくれもないただの甲高い耳障りな雑音だったがゆっくり達にはゆっくり出来たらしい。 「れいむのおうたをきいてゆっくりできたでしょ! だからさっさとあまあまよこしてね!」 先に貰った人参の事を忘れて男に言う親れいむ。 「そうだね、それじゃあはい」 男はそう言ってまた人参を渡した。 親戚から大量に送られて来ているので余裕があるのだ。 「ゆうう、あまあまじゃないけどもらっといてあげるよ! ぽ~りぽ~り…しあわしぇええええ!!」 子供そっちのけで人参に舌鼓を打つ親れいむ。 れいむ種が母性が強いって嘘なんじゃないだろうか? 「ところでさっき君達はお母さんのおうたをずっと聞いていたいって言ってたよね?」 「ゆ!?しょうだよ!おきゃあしゃんのおうちゃしゃんはそりぇきゅらいしゅごいんだよ!」 「そっか…ならこれをあげるよ」 男はそう言ってボイスレコーダーを見せる。 「ゆ、なにそれ?あまあま?」 人参を一切子供に渡さずに食い尽くした親れいむが反応してくる。 「これはね、さっき歌っていたおうたを何回も聞ける道具なんだよ」 そう言ってスイッチを押すと、 『ゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~♪』 「ゆゆう!?おきゃあしゃんのきょえだ!!」 「どうしてれいむのきれいなきれいなうたごえがきごえ゛でるの゛お゛お゛お゛お゛!!?」 「やっぴゃりおきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅりできりゅね!」 機械の存在なんて知らないゆっくりは驚きを隠せない。隠す素振りもないが。 「いいかい、れいむ。 このボタンのスイッチを押すとおうたが流れて、このボタンを押すとおうたが止まるんだ。 これがあればおちびちゃんにずっとおうたを聞かせてあげられるよ」 「ゆ、ゆうううう!? ちゅごいちゅごいいい!!」 「ゆわあああああああああ!!?」 「はやくそれをよこしてね!! そのあとあまあまおいてどっかいってね!!」 礼儀というものを知らない親れいむの催促に男は眉一つ変えず、 「それじゃあ使いやすいようにおうちに貼っておいてあげるね」 男はそう言いながらおうちを乗っ取ろうとしていると勘違いしているれいむ一家の体当たりをものともせずに 犬小屋の内壁にテープでボイスレコーダーを貼付けた。 「これでおうちにいる時は好きにおうたが聞けるよ」 「ゆ、ゆううううううう!!?」 「やっちゃ!やっちゃ!」 「ならじじいはあまあまおいてどっかいってね!!」 男に見向きもせずにボイスレコーダーを見て目を輝かせるれいむ一家。 男はそんなれいむ一家を見て満足そうに少し腐った人参を渡して家へと戻って行った。 庭も手入れしておらず別にどうでもよかったので放置する事にしたのだ。 街の野良ゆっくりの寿命は極端に短い。 ならば少し位はゆっくりしてもいいのではないか? そんな変な所で出た男の無駄な仏心でれいむ一家は犬小屋に住む事を許されたのだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― れいむ達はボイスレコーダーを受け取ってどうしたかというと、れいむ一家は次の日になるまでその ボイスレコーダーの事をすっかり忘れていたのだった。 昼に差し掛かる時間、朝から延々と流れ続けた雑音が急遽止まった。 「ゆひーゆひー…おちびちゃん…ずこしやずまぜてね…」 「ゆゆーん。もっちょおうちゃききちゃいよー!」 「おうちゃはゆっきゅりできりゅよー!!」 どうやら子ゆっくりのリクエストで延々親れいむはおうたを延々と歌わされたらしい。 「ゆ、ゆう…そ、そうだよ…あのじじいがよこしたおどうぐをつかおうね…」 歌うというのは存外疲れるものだ。 何とか休む方法を少ない餡子で考えた結果、ボイスレコーダーの存在を思い出せた。 「ゆ!?しょうだね!ありぇがありぇばずっとおうちゃをきいちぇりゃりぇりゅね!」 「おきゃあしゃんはやきゅきかしぇちぇよー!!」 「ゆぅ…わかったよ…」 息も絶え絶えになりながら犬小屋の中にあるボイスレコーダーの前へ跳ねていく。 そして…、 「どうぐさん、ゆっくりしないでおうたをながしてね!!」 目の前でそう叫んだだけだった。 昨日男から聞いた操作方法はすっかり忘れ去られていた。 所詮ゆっくりに機械は過ぎたものだったのだ。 『…………………』 音声で反応する機能がある訳のないボイスレコーダーがそれで反応する訳がない。 「むししないでね!! はやくおうたをながしてね!!」 疲れてるせいか…いやゆっくりだからか、親れいむは声を荒げる。 勿論そんな事でボイスレコーダーは動かない。 「ゆううううううう!!? なんでじじいのいうこときくのにれいむのいうごどぎがないの!!?ばかなの!?じぬの!?」 いくら叫んでも反応する訳が無い。 ただでさえ皆無に等しい我慢が限界を迎え、親れいむの怒りが頂点となる。 「ぷくうううううう!!! れいむのいうことをきかないクズはゆっくりじねええええ!!!」 親れいむは本末転倒な叫びを上げてボイスレコーダーの貼られた犬小屋の壁に体当たりする。 ボイスレコーダーは壊れる程やわではない。 しかし老朽化した犬小屋は今の攻撃で下の土台が壊れてしまい若干斜めになって しまった。 まぁれいむ達は気付いてないので気にする程のものではないだろう。 しかし、偶然にもそれが再生ボタンを押し、また雑音が響き始めた。 『ゆ~ゆゆゆ~ゆ~ゆゆゆ~…♪』 「やっちゃあ!おうちゃじゃああ!!」 「ゆっきゅりできりゅよ~♪」 「れいむのつよさをようやくりかいしたみたいだね!」 喜びに湧く二匹に誇らしげに無い胸をはる親れいむ。 そして雑音を響かすボイスレコーダー。 れいむ一家は気付かない。 これによってれいむ一家はゆっくりできなくなる未来が待っているという事に…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 一方その頃、折角の休日なので、れいむ一家のボイスレコーダーを渡した男は一人自宅で寝転がっていた。 ヘッドフォンをして音楽を聞いていたから外の雑音が耳に入る事はない。 「やべ…明後日台風来るのかよ…」 携帯でニュースを見ていた男はまったりと休日を過ごしていた。 だが何か変な雰囲気を感じ取った男は何ともなしに庭の方を見てみる事にした。 そこでは、一匹の成体まりさが親れいむに体当たりを仕掛けていた。 何かあったのか? 男は首を傾げながらも野次馬精神で親れいむ達のいる庭へとゆっくり玄関から回っていった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ばかなれいむはゆっくりしぬんだぜ!!」 「ゆぴいッ!!?」 「やめちぇね!おきゃあしゃんいちゃぎゃっちぇりゅよ!!?」 「どうちちぇぎょんなきょちょずるこぼお゛お゛!!?」 男が庭に来た頃にはボロボロの親れいむとそれに尚も体当たりする体格が通常の成体ゆっくりよりも若干大きいゆっくりまりさ。 それの周りでやめるように懇願する赤まりさとただ騒ぐ赤れいむがいた。 どうやら庭に侵入してきた野良まりさがこのれいむ一家を襲撃したらしい。 ヘッドフォンをしていたし、家はゆっくり対策用の強化ガラス&防音設定にしていたから男は気付かなかったが、 おうたがさっきから結構な音量で流れている。 これは自分の場所をここですと告げているようなものだ。 それに、端から見ればこのれいむ一家は飼いゆっくりのように見えてしまう。 幸せそうにおうたを歌うれいむ一家に怒りをぶつけても仕方が無いだろう。 と男はまたまた無駄な所で変な洞察力を働かせた。 普通は家の敷地に侵入してきたゆっくりなど潰してごみ箱か無理矢理追い出すかが常識だ。 しかしこの男は少し一般人とは何と言うか…思考が違っていた。 「ゆうう!!じじい!はやきゅおきゃあしゃんをたちゅけりょおお!!!」 男に気付いた赤まりさが男に叫ぶ。 人参とおうたをきける道具をよこした男はれいむ一家にとって下の存在とされていたのだ。 すると、男が行動するより早く親れいむを攻撃していたまりさが男の方を向き、 「おにいさん!まりさはこのにんげんさんたちにめいわくをかけるわるいゲスなゆっくりをせいっさいしてるんだよ!!」 と言ってきた。 それはまるで面接で自分の長所をアピールしているように感じられた。 「ゲスばぞっびでじょおおおおお!!?」 「うるさいんだぜ!! ゲスはさっさとしぬんだぜ!!」 だが親れいむの叫びに反応して一瞬にして化けの皮が剥がれている。 「まりさはやくにたつゆっくりだよ! だからまりさはおにいさんのかいゆっくりにしてほしいよ!!」 まりさは再び猫かぶりして男に要求を言った。 つまりはこのまりさは勝手に現れた野良を退治するからお礼に飼ってくれと言ってきたのだ。 通常は共々潰されるのがオチだが、この男は別段れいむ一家を迷惑と考えていなかったので、 別にまりさに感謝する事は無いのだが半ば嫌がらせとばかりに大量に送られて来た人参を渡して出て行って貰う事にした。 しかし飼ってくれないとわかると途端に本性を表し、 「これじゃぜんぜんたりないんだぜ!!」とか「あまあまをよこすんだぜ!! それとかいゆっくりにするんだぜ!!」とか喚いていた。 男はそれに顔色一つ変えず、「ごめんね」と言いながら人参を渡していた。 ここを詳しく書いてもビキィ!!としかならないので割愛させてもらう。 「ゆ、ゆひぃ…おしょいよ…」 まりさにお帰りしていただいた後男は傷だらけの親れいむの側に近寄る。 「はやきゅおきゃあしゃんをなおしぇじじい!!」 赤まりさが男に命令する。 むしろここで潰した方が世の中の為ではと思うのだがこの男はストレスを感じな いのか赤まりさに何もせずに親れいむを抱えた。 「ぎぢゃ…ないでで…ざばぶな…」 直せと言ったり、触るなと言ったり一体どうすればいいのだろうか? 実は案外親れいむの傷は見た目よりは軽微で野良ならともかく人が近くにいれば小麦粉で塞いでおいてけば大丈夫なレベルだ。 だがゆっくりに対しての知識が乏しい男ではどうしようもない。 「ゆぴぃ…なんだが…ねむぐなっでぎだよ…」 親れいむはそう言って目を閉じる。 ただ寝ただけなのだが状況が状況のため死んだようにしか見えなかった。 「おきゃあしゃんしんじゃやじゃよ゛お゛お゛お゛!!?」 「おきちぇね!?ゆっきゅりちにゃいでおきちぇね!?」 親れいむにすがる赤ゆっくり達。 「じじいぎゃおちょきゃっちぇしぇいじゃあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!」 「おきゃあしゃんじゃなきゅちぇおみゃえぎゃちにぇばよきゃっちゃんじゃあ゛ あ゛あ゛あ゛!!!」 赤まりさは男の足元に体当たりを仕掛けている。 痛い内にも入らないが男は相手せずそのまま庭の草が生い茂っているからわかりにくいが花壇のある所へ歩いていく。 そして土をシャベルで掘り始めた。 「じじい、にゃにしちぇるんのお!?」 「お墓を作ってるんだよ」赤れいむの質問に男は答える。 「にゃにいっちぇるにょおおおお!!? おきゃあしゃんはみゃじゃいきちぇるよお゛お゛お゛お゛ッ!!!?ばがなの!?じぬの!?」 事実その通りなのだが親れいむの疲弊しているため、か細くなった寝息はボイスレコーダーから発せられる自身の“おうた”という名の雑音で 完全に聞こえなくなっており誰にも気付かれる事はなかった。 男の頭は固い。 一度死んだと思い込んだらそいつは死んだのだ。 他の生物なら確認のしようがあるが相手は謎の生物(なまもの)ゆっくりだ。 加工所や虐待お兄さんでもない限りゆっくりの生死の境目はわかりにくい。 勘違いしてしまうのも無理はなかった。 それでもぎゃーぎゃー騒ぐので男が人参を大量にくれてやるとそれに夢中になっ てしまい、親れいむの安否など見向きもしなくなった。 目先のゆっくりしか考えられないゆっくりのごく普通の行動である。 「ゆぴー…おちびちゃんゆっくりしてね…」 一方眠っている親れいむは今自分が埋められようとしているなんて夢にも思っておらず夢の世界でゆっくりしていた。 その肝心の寝言も、 『ゆっくりのひ~♪まったりのひ~♪』といった雑音で上書きされて男には届かない。 そうして、男は親れいむを穴に入れ、土を被せはじめた。 「ゆぎぃ!!?」 いきなりの事に流石に親れいむも目を覚ます。 だが男はそれに気付かず土を被せ続ける。 「ゆぺ!?なにずぶのお!?」 必死で親れいむは止めるように叫ぶがボイスレコーダーからの自分の歌声が親れいむ自身の声を掻き消してしまう。 「やめで!?ゆっぐりでぎな…!!?」 叫びは懇願へと変わるが男は気付きもせずに親れいむは完全に土の中へと埋められていく。 「ゆぴゃあ゛!?ごべんなざ!?ゆるびで!?」 今までの強気な態度が見る影もなくなり謝罪するが、何の効果もなくれいむはそのまま埋められた。 「さて目印っと…」 男はパンパンと土を叩きながらそう呟き、使わなくなった漬物石をその上に置いて目印としたのだった。 皮肉にもこれが重りとなり親れいむは土の中で身動きも出来ず緩やかに死んでいく事となった…。 『ゆ~ゆゆゆゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~♪』 そしてその場ににはただ耳障りな歌のみが響くだけだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 結局、赤ゆっくり達は大量の人参で親れいむの一件の話を終わらせてしまった。 人参は赤ゆっくり四匹が住むには広すぎる犬小屋の奥に山となって積まれている。 乱雑に置いたので崩れそうになっている。 親れいむが死んで尚ゆっくり出来るおうたはまだボイスレコーダーから流れてた。 それが親れいむが死んだという実感を鈍らせている。 そして当面は人参でゆっくり出来る。 所詮野良ゆっくり。 家族が死ぬのは茶飯事の事だ。 むしろ親が死ぬ事により出来る食料調達や住居の問題が無くなった今、赤ゆっくり達は存分にゆっくり出来た。 食事もあり、安定した住居もある。 そしてゆっくりできる“おうた”はボイスレコーダーに記録されている。 つまりはもう親れいむは正直な話、いてもいなくてもどっちでもよかったのだった…。 「おきゃあしゃんはいにゃきゅなっちゃけどまりしゃたちはおきゃあしゃんのぶんみゃでゆっきゅりちゅるよ!!」 「ゆっきゅりちゅるよ!!」 残った四匹が互いに寄り添ってゆっくりしている。 食って寝て、ゆっくりして遊ぶ。 次の日はそれを繰り返してゆっくりしていた。 それは四匹にとってとってもゆっくり出来る幸せな日々。 だが赤ゆっくり四匹は天候が崩れ始めているのに気付かなかった…。 そして…その天候の崩れが赤ゆっくり達がゆっくり出来なくなる要因の一つとなると知る由もなかった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゆうう、あめしゃんゆっくちしにゃいでどこきゃいっちぇね!」 雨が降り始めて赤ゆっくり四匹は急いでおうちの中に避難する。 屋根と雨風を防ぐ壁があるため犬小屋には水が入る事はなかったが、それでも外 に出るのは危険だというのは幼い赤ゆっくりでもわかった。 目先の事しか考えられないゆっくりで尚且つ幼い赤ゆっくりであれば尚更わからなかっただろうが現在この地域は台風が直撃しており、 雨は一日中降り注いでいる。 後の調べによるとこの台風によって死んだゆっくりは街だけでも千は超えたと推定された程のものだった。 「ゆゆう、あめしゃんはゆっきゅちできにゃいよ…」 動きたい盛りのゆっくりにとって家の中でじっとしているのは苦痛であった。 「がみゃんちちぇね! きょうはおうちでおきゃあしゃんのおうちゃをきいちぇゆっきゅちちようね!」 身体をうずうずさせながら不満そうに言うのは末っ子まりさ。 それを戒めるのが長女れいむ。 「おきゃあしゃんのおうちゃはとっちぇもゆっきゅりできゅるね!」 「ゆゆぅ…でもあめしゃんがうるしゃいよ…」 流石の大音量ボイスレコーダーも台風相手じゃ分が悪い。 次女まりさと三女れいむはおうたがちゃんと聞けなくて不満そうだ。 乱雑に積まれた人参を食うしか不満を紛らわせる方法はなかった。 すると、 「あ~あ、これじゃあゴミ出しも無理だよな」 男の呟く声が聞こえ裏口から姿を現した。 電車が運休になり不服ながらも男は今日は臨時の休みとなってしまったのだ。 「ゆ!くしょじじいのきょえぎゃしゅるよ!!」 三女れいむがそれに気付く。 「くちょじじいははやきゅあめしゃんをにゃんときゃちりょおッ!!!」 親れいむが男のせいで死んだと思っている赤ゆっくり達は男が自分達の世話をするのが当然だと思い込んでいる節があった。 男も別に何も言わなかったのがそれを真実だと尚更赤ゆっくりを増長させた。 「ん、何だか騒がしいな」 どうやら赤ゆっくり達の声に気付いたようだ。 赤ゆっくりの声は無駄に甲高いからわかったのだろう。 「どうした?」 家の壁に燕の巣が出来た位の感覚でいた男は何気なく犬小屋を覗いてみると、 「はやきゅあめしゃんをなんちょかちりょくちょじじい!!!」 「あみぇしゃんのしぇいでおきゃあしゃんのおうちゃがきけにゃいよ!!」 「ゆっきゅちちにゃいではやきゅちりょきょのきゅじゅ!!」 男の顔が見えた途端罵倒し始める赤ゆっくり達。 完全に嘗めくさっている。 だが男は赤ゆっくり達の暴言を気にも留めてないのか、 「雨は流石に無理だな…」 マジで対処するつもりだった…。 雨は対処出来ないがおうたの方は何とか出来る。 男は念の為にボイスレコーダーの電池を取り替えて、音量を最大にした。 今まで電池がよく保ったなとかそういうツッコミは無しの方向でお願いします。 「ゆゆう!おきゃあしゃんのおうちゃがちゃんちょききょえるよお!?」 「よきゅやっちゃよじじい!! おりぇいにまりしゃがゆっきゅりちちぇやりゅからかんしゃちゅるんだよ!!」 「でみょちょっとうるちゃいよ!! もうちょっとおうちゃをちじゅかにちりょじじい!」 「はやきゅおうたのおちょをちいちゃくちちぇあみゃあみゃもっちぇきょい!! 」 相変わらず好き勝手言う赤ゆっくり達。 だが男は別段気にせずボイスレコーダーを壁に貼り直した。 男はあまり考えてはいなかったが貼った位置は赤ゆっくりの誰にも届かない高さに貼っていた。 「ついでに…入口も塞いどいてやるか…」 ちょっとした親切心が芽生えた男はそう呟く、入口を都合よく粗大ごみに捨て忘れて置いてあった電子レンジを使って出入口を塞いだ。 これだけでも風や雨が吹き込む事は無くなっただろう。 そしてそれはある意味赤ゆっくり達が犬小屋から出られなくなった事でもあり、 そして…、 「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「うるぢゃい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 今まで外に漏れていた音が内に篭る事も意味していた。 「これで存分にゆっくり出来るな。 おうたはゆっくり出来るんだもんな」 男はそれに気付かず、いい事をしたとばかりに裏口から家へと戻って行った…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 男の手によって今まで存分にゆっくり出来た犬小屋はゆっくりで言うならば“とてもゆっくりできない”場所になった。 『ゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~!!!』 今まで赤ゆっくり達がゆっくり出来たおうたは一瞬にして脳に響く恐怖の音に変わった。 耳が無く、全身聴覚であるゆっくりにその音を防ぐ術はなかった。 雨や風によってゆっくり出来なくなっていくゆっくりが恐怖に怯え、飢えに苦しむゆっくりが多い中、 この四匹の赤ゆっくり達は安全なお家と十分な食糧の中、大音量で響く、本来ならとてもゆっくり出来る筈のおうたによって全然ゆっくり出来なくなっていた…。 「うるちゃいよおおおおおお!!!?」 「おうちゃをとめちぇええええ!!?」 狂ったかのように跳ね回る赤ゆっくり達。 だが跳だが跳ねているだけじゃ事態は好転しない。 騒音に精神を蝕まれていくだけだ。 「おきゃあしゃんおうちゃはみょういいきゃらゆっきゅちやめちぇね!!」 「まりしゃはみょうだいじょうぶじゃからおうちゃはやみぇちぇどきょかいっちぇね!」 おうたがボイスレコーダーから流れている事も忘れていなくなった親れいむに止めるよう叫ぶ。 本当の親れいむは今土の中で存分にゆっくり出来なくなっているのだが…。 「じゃっじゃどどきょきゃいけえ゛え゛え゛!!!? うるしゃくちぇゆっきゅりできにゃいだりょうがあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 次女まりさがブチ切れる。 そんな事しても何の意味もないが…。 『ゆ~ゆゆゆ~ゆゆ~ゆゆゆ~♪ ゆ~ゆゆゆ~まったりのひ~♪ゆっくりのひ~♪』 雑音が内に篭り、反響し、犬小屋の何処にいても大音量の餌食になる。 ただ一つの場所を除いて。 「ゆべ!!?」 何とかして今の状況から逃げ出そうとした末っ子まりさが転んで犬小屋の中にあった人参の山の裏のわずかに開いたスペースに逃げ込んだ。 「ゆゆ!!?おうちゃがちいちゃきゅにゃっちゃよ!!?」 すると人参の壁が音を緩和したらしく、騒音から逃れる事が出来た。 全身聴覚器官でもあるゆっくりからすれば床の部分の振動が緩和されるだけでも十分楽になったのだ。 これで末っ子まりさは一安心…という訳にはいかなかった。 危機的状況で安全な場所があるとわかればそこに駆け寄るのは人間もゆっくりも同じだ。 「まりじゃあ゛あ゛あ゛!!ぞごをどげえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「でいぶぼいれでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ぞごはばりざのゆっぐりぶれいずだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ ゛あ゛!!!」 末っ子まりさがゆっくりしているのを見つけた他の三匹がそこへと跳ねていく。 そこに家族の絆等は微塵もなかった。 いや、むしろ元からなかったのかもしれない。 「ゆゆう!!?こっちこにゃいじぇね!! ゆっきゅりできにゃいよ!!?」 人参の壁と言っても乱雑に積まれた人参の山の裏側と犬小屋の壁との間に偶然入り込んだだけのものだ。 蜜柑サイズのゆっくり三匹が襲い掛かれば簡単に崩れてしまう。 「やめちぇ!!きゅじゅれりゅうううう!!?」 末っ子まりさが危険を本能的に感じて叫んだ。 だがこんな時止めろといわれて止める奴はいない。 ゆっくりならば尚更だ。 それにそもそも大音量のおうたで聞こえなかった。 「ひとりじめはよぐないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 完全に気違いじみた長女れいむが人参に体当たりする。 成体ならまだしも赤ゆっくり程度の体当たりで人参が壊れる訳はないが不安定な山が崩れるのには十二分だった。 「ゆ、ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 人参の山が崩れた先にいた末っ子まりさに人参が降り注ぐ。 「ぎゅぶ!!?げびゃ!!?」 人参の下敷きになった末っ子まりさは重さで餡子を吐きながらもまだ死んではい なかった。 だがそれが幸せという訳ではない。 まだ死ねないだけだ。 「いちゃいよ…つびゅれりゅ…」 まりさの身体から餡子が染み出していく。 『ゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆ~♪』 そんな末っ子まりさに届くのはあのおうた…。 ゆっくり出来る筈だったおうた…なのに今は末っ子まりさは全然ゆっくり出来ない。 「うちゃって…にゃいで…たちゅけりょ…きゅずおや…」 末っ子まりさからしたらどうしてかわいいまりさがこんなめにあってるのにおうたをうたってるの?ばかなの?しぬの?といった所であった。 まぁ自分が死にかけてる横で呑気に歌を歌われてたら腹が立つのは仕方ないだろう。 音を流しているのはボイスレコーダーであって親れいむじゃないなんて事実は末っ子まりさは忘れているし関係がなかった。 「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「どうぢでにんじんざんのぢかぐなのにおうだがうるざいの゛お゛お゛お゛!! ?」 『みんなで~♪ゆっくりしていってね~~♪ ゆゆゆゆ~♪』 人間でも耳を塞ぐ雑音に赤ゆっくり達はのたうちまわる。 人参の壁が崩れた今、音を和らげてくれるものは何一つない。 独力では人参一つ運べない赤ゆっくりに出来る事はただ苦しむだけだった。 そこにいる無事な赤ゆっくり三匹全員が末っ子まりさの存在など記憶の隅にも残っていない。 「も…ちょ…ゆっ…り…」 ゆっくりできる筈の人参とおうたによって末っ子まりさが死んでいくのも誰も気付かなかった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゆぎい゛い゛い゛い゛ごごがらだぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 次女まりさが出入り口を塞ぐ電子レンジのの壁に体当たりして犬小屋から脱出しようと体当たりを続けている。 側面の壁ならまだしも出入口は重い電子レンジによって塞がれており、人参も運べない赤ゆっくりに壊せる訳無くただ狂ったかのように 無意味な体当たりで自身の身体を傷付けていくだけだ。 「じじい!!!はやきゅおうちゃをとめりょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!?」 長女れいむは男に命令するが家の中に入っていった男に届く訳がない。 「ゆぴいいいいいいいい!!?」 三女れいむにいたってはただ跳びはねているだけだ。 「………………」 末っ子まりさは言葉すら話す気力すらなく、もはや一応まだ生命活動をしているだけ、人間で言えば脳死状態に近い状態だった。 誰も彼もゆっくりしていない。 今や阿鼻叫喚の地獄絵図。 それもこれも原因は自分達の欲求と、男のありがた迷惑な親切心が原因だった。 耳に突き刺さる大音量のおうたが元々出来ないまともな思考をもっと出来なくさ せていた。 「ゆっきゅり!ゆっきゅりい!!ゆゆゆっぎゅり゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛! !!」 苦しみが限界を迎えたのかいきなり三女れいむが口から餡子色の泡を吹き始める 。 だがそんな三女れいむの様子に気付くゆっくりはいない。 「どげえ゛え゛え゛え゛!!! ゆっぐりじでないがべはざっざどどべえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 自らの餡子が飛び散ってるのにも構わず次女まりさは自傷行為以外のなにものでもない体当たりを繰り返していく。 「どまれえ゛え゛!!! ぎょのぐじゅお゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 長女れいむも混乱してボイスレコーダーと親れいむを混同しているようだ。 一時間もしない内に赤ゆっくり四匹全てがまともな思考が出来なくなってしまった。 「むむむ~しゃむ~しゃしあわせ~♪ゆゆゆっきゅりいいい!!!」 三女れいむが口から泡をふきながらも人参を貪っている。 「どげえ゛え゛え゛え゛え゛!!!まりざをゆっぐりざぜろお゛お゛お゛お゛!!!」 声だけは大きいが体当たりの勢いは弱々しくなっている。 電子レンジにだけではなくそこら中に体当たりしたらしくまりさの餡子が犬小屋中に撒き散らされている。 「む~じゃ…ぐげぇ…ゆ゛ゆ゛ゆ゛…む~じゃ…」 三女れいむは人参を食っては吐いて食って吐いてを意味もなく延々と繰り返していた。 食う労力と吐く労力と食ったものを無駄にしている事を考えれば体力がプラスどころかマイナスになっているのは明らかだ。 何の意味もない。 だが狂った三女れいむはこの行為を笑いながら行っていた。 狂ったゆっくりの考えなどわかる訳がない。 狂人の倫理は狂人自身にしかわからない。それと同じだ。 大方おいしいものを食べる事はゆっくりできるからゆっくりできる事をして現実から逃避しようとしたのだろうと予測する位だ。 「む~しゃ…ゆげえ゛え゛え゛え゛…」 段々と吐く量と食う量の割合が変わってきている。自滅するのも時間の問題だろう。 「ゆぎゅぎゅぎゅっきゅり~♪」 一方、 「ゆう゛う゛う゛う゛う゛!!? じずがにじどお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!! がわい゛いでいむぼいじめりゅくじゅはゆっぐりじべえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 長女れいむも体当たりをし始めた。 ただし次女まりさのようにそこら中にではなくボイスレコーダーのある壁にだ。 体当たりをしてボイスレコーダーを落として止めようとしているのだろうか? いや、おそらく長女れいむにとってうるさいおうたを歌うクズ親をせいっさいしようとしているのだろう。 「じねッ!!じねッ!!ゆっぐりじねえ゛え゛え゛ッ!!」 狂ったかのように…いや事実狂ったのだろう…。 体当たりを繰り返す。 ここで本来ならば壁に体当たりし続けて衰弱して行くはずだった。 だがここで奇跡が起きた。 「だぜえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「じね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 偶然次女まりさと長女れいむが同じ方向へ体当たりした。 がむしゃらな赤ゆっくりの体当たりが老朽化して傾いていた犬小屋に微かなダメ ージを与え、傾く。 しかしゆっくりのがむしゃらだろうが渾身だろうが結局体当たりだけでは揺れる だけで傾ける事は出来ても戻る力の方が強く、何の意味もない。 だが揺れて軽く斜めになる事で動くものがあった。 人参だ。 山が崩れてそこら中に散っていた人参が転がり、長女れいむ達が体当たりした壁に転がっていく。 「ゆゆ~!?」 三女れいむも転がっていく。 「ゆべぇッ!!?」 人参に巻き込まれる形で長女れいむ達が体当たりした壁に三女れいむは転がりぶつかった。 「ゆゆゆう゛…いぢゃあ゛い…」 痛みに涙ぐむ三女れいむ。 だがすぐにそうしている暇が無くなった。 完全に犬小屋が立て直せなくなり、横倒しとなる。 その結果人参が降り注がれる事となる。 「ゆゆ!にんじんしゃんゆゆゆっきゅ…」 最初の人参には耐えられた三女れいむもあまりにあっけなく、沢山の人参の体当たりを受けて餡子を吐き出す。 「ぐひゅッ!!!?」 人参に圧し掛かられる形で潰される三女れいむ。 「ひ…ひふぁいよぉ゛…」 眼から餡子が押し出されて餡子の涙が流れている。 だがそんな三女れいむに次々と人参が転がっていく。 三女れいむは今度は悲鳴すら上げる事も出来ず人参の山の下敷きになっていった…。 「にんじ…しゃん…どいちぇ…ね…」 三女れいむは衰弱した身体で、目の前にゆっくりできる食糧があるにも関わらず 衰弱し、緩やかに死んでいったのだった…。 「た…ひゅへ…」 三女れいむは助けを求めるがその様子を気にしている暇は他の二匹にはなかった。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「ゆぴい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 瞬く間に長女れいむと次女まりさも人参の雪崩にのまれていったからだ…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 赤ゆっくり全員が人参の雪崩にのまれて犬小屋は静寂に包まれる。 犬小屋は横倒しになっており、その結果出入口の向きが変わり、何とか出入り出来る程度のスペースは開けていた。 それにどうやらボイスレコーダーもその時のショックで止まったらしい。 「ゆ…ゆぅ…」 すると、人参の山から次女まりさがはい出てきた。 「ばりざは…ゆっぎゅり…ずりゅんだ…」 ずーりずーりとはいながら出口へと向かっていく。 その後に点々と餡子の跡が残っている。 「ゆべ!!?」 人参の山をよじ登り、、何とかまりさ達にとって地獄のような犬小屋から脱出する。 だが、外も地獄である事を次女まりさは忘れていた。 まりさは落下の衝撃で転がりある地点で止まった。 それは水溜まりだった。 まりさ達は完全に忘れていたが今は台風が直撃している。 外に出ればゆっくり出来なくなるのは当然だった。 しかも運が悪いことに次女まりさが入った水溜まりは雨が直接降り注いで出来たものではなく、 屋根に出来た穴から垂れた水滴がゆっくりゆっくり垂れて出来た水溜まりだった。 それこそ赤ゆっくりでなければ障害にもならない程度のものだった。 「ゆ!?ゆ!?どうぢであんよがうごきゃないのォ!!?」 しかしそんな小さい水溜まりでもボロボロになったまりさのあんよを使い物にならなくさせるには十分だった。 そして、 「ゆぴぃッ!!!?」 次女まりさの帽子に冷たい水滴が落下する。 「ゆぴぃッ!!?ちゅめちゃいよ!!みずさんはゆっくりしないでどこかいってね!!!」 帽子に落ちてくる水滴に文句を言う次女まりさ。 しかしやめてと言ってやめてくれたら自然災害など起こりはしない。 「ゆひぃ!!?やめちぇね!!いいきゃげんにしにゃいとまりしゃおきょりゅううう!!? みょうおきょったよみずしゃんはゆっきゅゆひゃあ゛あ゛!!?」 何を言っても水滴の落下は止まらない。 「みょうやじゃあ゛!!まりしゃおうちきゃえりゅうう!!?」 だが次女まりさのあんよは動かない。 「ゆぴぃいい!!?やめちぇええ!!まりしゃにゃにもわりゅいきょちょちてにゃいよぉ!!! ひゃひい!!? ごみぇんなしゃい!!まりしゃわりゅいきょちちゃにゃらあやまゆひゃあ゛!!?」 何度も何度も落ちてくる水滴を浴びながら自身の名の通りゆっくり…ゆっくりと帽子が溶け、髪が溶け、 自分の身体が溶けていくのを感じながら水の冷たさで意識を失う事も出来ず次女まりさは死んでいくしかなかった…。 「ゆ…ゆひィ…だれ…きゃ…たちゅけ……」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「何があったんだ?」 翌日、男が犬小屋を見てみると茶色い水溜まりと横倒しになった犬小屋があった。 「昨日台風凄かったからなぁ…」 この状況に陥ったのは台風が原因と判断したお兄さん。 「このまま放っておくのも何だしな…」 男はあのゆっくり一家に何かがあったのを理解し、おそらくは全滅したと考えた男は一応葬ってやろうと犬小屋を覗いてみた。 すると、 「ゆゆ゛…おじょいよ…きゅじゅ…」 ボロボロになった長女れいむの声がした。 「大丈夫か!!?」 男は急いで人参をどかす。 いつの間にか死んでいたのなら仕方ないがまだ生きているのならば助ける事にした。 その結果犬小屋の中から潰れた饅頭二つと人参沢山とボイスレコーダー、そしてボロボロの長女れいむが見つかった。 一匹足りないのだが、男は何処か行ったのだろう程度にしか考えなかった。 大分長女れいむは衰弱している。 回復させようと男は人参を長女れいむの口に捩込んでみたが歯が何本か折れただ けで何の効果もなかった。 小麦粉やオレンジジュースをかければ大丈夫だという知識も男にはない為どうしようもなかった…。 「にゃんぢぇ…ぎゃわい゛い゛…れいみゅぎゃ…ぎょんなめに…」 長女れいむは自分がなんでこんな酷い目に遭って目の前にいるクソジジイが無事なのか全くわからなかった。 とっちぇもきゃわいいれいみゅをゆっきゅちさしぇるのぎゃとうじぇんなのに…。 「れいみゅを…ゆっきゅちちゃちぇろ…きょのきゅず…」 「ゆっくりさせろって…どうやって?」 長女れいむの要求に男はそう言い返す。 途端に長女れいむは「そんなこともわからないのか」といった顔をし、 「そんにゃの…じびゅんで…きゃんぎゃえりょ…きょのきゅず…」 と言ったのだった。 男は言われた通りに自分で考えてみた。 答えはすぐに見つかった。 「え~っと確か…あったあった」 男が手に取ったのはボイスレコーダー。 「ゆ…?」 長女れいむは男の行動に疑問を抱く。 何故なら男が何をしようとしているのかよくわからないからだ。 男は「今ゆっくりさせてやるからな」と告げ、衰弱して対応出来ない長女れいむの体にボイスレコーダーを入念にくっつけ、 「今おうたを聞かせてゆっくりさせてやるからな」 と告げた。 「ゆ゛、ゆ゛ゆ゛ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?」 その言葉に戦慄する長女れいむ。 おうたによってゆっくりできなくなったのだからその反応も当然だ。 だが、男はそれを知らない。 長女れいむの言う通り、自分で考えた結果、 誰かが過去に言っていた「おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅりできゅりゅね!」の一言からおうたを聞かせてやればゆっくり出来ると考えただけなのだから…。 ボイスレコーダーを直接付けたのはよく聞こえるようにする為だ。 「ぞれはゆっぐぢできないきゃら…やめちぇにぇきゅじゅ…!!」 長女れいむは必死に拒絶の言葉を紡ぐが男は「大丈夫だからね」としか答えない。 そしてそのままボイスレコーダーの再生ボタンを押した。 機能はそのまま、つまり最大音量の状態で…。 『ゆ~ゆゆゆゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆゆ~!!!ゆ~ゆゆゆ~ゆゆゆゆ~ゆゆゆゆゆゆ~~!!!』 途端に鳴り始める大音量の騒音。 それが直接体内に響き渡る長女れいむ。 「ゆぎゅぶぎゅばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」 れいむは勢いよく口から餡子を吐き出す。 おうたに対する拒否反応とただ単純におうたが大音量によるショックだった。 男は理解していなかったが、全身聴覚でもあるゆっくりに直接大音量を流すとい う事は、大音量のスピーカーに耳と身体をピッタリくっつけて聞くのと同じ事…いや、多分それより酷い事だった。 男にとってはヘッドフォンで使うか使わないか程度の差としか思っていない為、 今の長女れいむが餡子を吐き出したのは衰弱しているせいだとしか思わなかった。 まぁ、流石に男も餡子を吐かせるのは危ないと判断したので長女れいむの口を手で塞いで流出を防いだ。 「ゆ…ぐ……ぎぃ!?」 気持ち悪くて騒音が中の餡子にまでガンガン響くのに気持ち悪くて吐く事も出来ない長女れいむ。 ゆげぇ゛え゛え゛ぎぼぢわるいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!? そんな事を言いたそうな表情をしているが男は気付かない。 男も直接ではないにしろ、おうたという名の騒音を聞きながられいむの口を塞いでいるのだ。 気付くまでの余裕はない。 男は今時珍しい程キレにくい男だった。 散々罵倒を重ねた長女れいむも今は必死にゆっくりさせてやろうとしていた。 故にこれは全て善意の行動なのだ。 まぁ、その全てが長女れいむにとって逆効果になっているのだが…。 鼓膜が破れて音が聞こえなくなるという事のない饅頭であるゆっくりにはこれは終わりのない拷問だ。 「………………!!?」 遂には長女れいむは白目をむき、ビクン、ビクンと痙攣し始めた。 それを男はどう勘違いしたのかようやく長女れいむを解放した。 「ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛…」 もう状態は末期だ。 これでは治療してもまともな状態には戻れないだろう。 男も流石に何かおかしいことに気付くが「あれ、間違えたかな?」みたいな顔をして首を傾げるだけだった。 『ゆっくりのひ~!!!まったりのひ~!!!』 だがどれだけ衰弱しようにもボイスレコーダーのおうたは止まってくれない。 コプ、と長女れいむの目から黒っぽい餡子色の涙が流れる。 「お゛…お゛ぉ゛…お゛うちゃは…ゆ゛、ゆ゛…ゆ゛っぐり……できないよよぉ……ゆぎぃ!!?」 ビクン!と一際大きく動いた後、その言葉を最後に長女れいむは二度と動く事はなかった…。 『みんなで~ゆっくり~してってね~!!!』 楽しそうな騒音のみが皆死に絶えた場所で流れていた…。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「うぅん…何を間違えたんだろう?」 男は長女れいむが死んだ後、完全に溶けた次女まりさを除いた三匹を人参と一緒 に男は埋葬した。 それから数日が経過し、男は公園のベンチに座って“ゆっくりの疑問100”と 書かれた本を読んでいた。 結局長女れいむは「おうたはゆっくりできない」と言って死んだ。 前までは「おうたはゆっくりできる」と言っていたのにそう言って死んでいった。 つまりはゆっくりがゆっくりするにはおうたはダメなのだ。 男はそう考えた。 勝手に住み着かれたとはいえ、袖振りあうも多生の縁。 何かしてやれたのではないかと男は思った。 野生で生きているゆっくりに人間が手を出すのは双方にとってもあまりいい事ではないのは男も百も承知だ。 だが、最期の時位は何かしてやれてもよかったのではないか? そう考えた男は友人に相談してまずゆっくりの事を知ろうと本を買ってみた。 何で公園で読んでいるのかはなんとなくである。 「“ゆっくりは死ぬ事を永遠にゆっくりすると言う事があります”か…成る程…」 男は合点した。 きっとあのれいむは苦しむくらいならせめて一息に殺してくれと言ったのだ。 だが俺はそれを額面通りゆっくりさせる事だと勘違いしてしまい、よりにもよってゆっくりできないおうたを聞かせてしまったのだ…と男は一人で結論づけた。 実際は的外れにも程があるのだが男はそう思い込んだ。 もし次があるのなら、ちゃんとゆっくりさせてやろう。 ゆっくりの言葉には色々意味があるとこの本には書かれていた。 それをちゃんと理解して、ゆっくりさせてやろう。 そう誓って男は本を閉じた。 そして少しの間、ここで小休止して、家に帰る事にした。 すると…、 「ゆっくりしていってね!!」 いきなり公園のベンチで座って休んでいた男に成体のれいむ一匹と赤れいむ二匹…おそらく親子なのだろう、が話し掛けてきた。 「……………ゆっくりしていってね」 男は戸惑いながらもそれに答えた。 すると、れいむ親子は、 「にんげんはかわいいれいむのおちびちゃんたちにあまあまをよこしてね!!」 「れいみゅのかわいしゃにめりょめりょだにぇ!」 「きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ~!!」 と好き勝手喚き始めた。 「………………」 男はよくわからなかった。 今、三匹の内の一匹が「かわいくってごめんね」と言った事の意味に…。 だから考え、そしてわかった。 確か本に書いてあった…「ゆっくりは自身の容姿に自信があり、とくに野良や野生にはそれが顕著である」と。 男にはゆっくりの美醜の基準なんかわかりはしない。 だが謝る位なのだからきっと美しい部類に入るのだろうと判断した。 美しかったり可愛い事はいい事だ。 だが日本の歴史で美人とされていた人物はどれも非業の死を遂げている…。 美しさは罪…罪とは悪い事…。 この赤ゆっくりはそれを憂いているのだ。 憂い…それは人間でもゆっくりしているとは到底いえない状態だとわかる。 もし次があるのなら、ちゃんとゆっくりさせてやろう。 先程そう誓ったばかりだ。 ならば今すべき事は一つ…。 可愛くてゆっくりできないのならば可愛くなくしてやればいい…。 そうすれば思う存分ゆっくりできる筈だ…。 男はそこまで苦しんでいた赤ゆっくりの心境に深く同情し、一筋の涙を流した。 そして…、 「…謝らなくっていいんだよ」 優しく、諭すように告げたのだった…。 END あとがき 「おうた」がゆっくり出来るなら好きなだけ聞いてもらおうと考えて書いた筈なのに変な方向に…。 もう前々作に登場したれいむですっきりして子供を殺したゲスまりさの末路のSSが進まないのにこういうのはすぐに出来るんだろうか。 それはさておき今回は天然なお兄さんによるありがた迷惑な虐待を書かせていただきました。 まあわざとじゃないからこうなっても仕方がないよね!! それではこの作品をご覧いただき誠にありがとうございました。 天然あき 過去に作ったSS 『ふたば系ゆっくりいじめ 293 おかざりがないとゆっくりできないよ!』 『ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!!』 『ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!』 『ふたば系ゆっくりいじめ 397 大好きだよ』
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仙台で暴言を吐いたが故にいわゆるガン見(笑)をしてきた人物。 今では人気ジャニーズジュニアの一員となり、 かなりの数のファンを従えているようだ。 おみや・おだて・おりょ・おうた等様々な鮮肉(笑)があったようだが、 誰にも使用されずに風化した模様。 「ねえまじ本気で宮舘名義作ろうよワラガイワラガイ」というゆんたゃの発言や、 「みやだての育ての親はわたし」というみかによる名言(笑)があり、 「宮舘の羽/ミャ・ダ・テ」の宮舘ソロシングルのリリースが決定しているところから、 なんだかんだでやっぱすき(ではないけど)的な切っても切れない存在である。 関連ワード 名言(笑) 長文乙