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越冬 (えっとう)熊 レベル:数 27〜30 2〜4 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 越冬熊 熊 27-28 ▲ 反撃、噛みつき、噛み破り・壱、噛み破り・弐、渾身撃、連打、気合充填・壱、呼び出し、威嚇、沈黙の吠え声、呪縛の吠え声、恐怖の吠え声 特徴 生命1400ほど 生息地域 越後:とール:中心 3pop、とール:南西 2pop、ちール:東 2pop ドロップアイテム 軍事クエスト:動物の毛皮、熊の毛皮 材料・他:熊胆、毛皮 装備等:小熊人形 入魂材:蛋白石+40、天河石+2、蛍石+2 その他情報 名前 コメント
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『こうっかん 後編』 53KB 制裁 自業自得 越冬 群れ ゲス 自然界 完結 そして……。 「はえてきてね……はえてきてねぇ……」 今ではもうすっかり荒れ果て、以前の姿は見る影もないお野菜畑にて、うわごとのようにぶつぶつと呟いている一匹のゆっくりがいる。 長れいむであった。 相も変わらず長れいむは畑の前で祈っていた。 もはやここまでくると、逆に関心するくらいである。 「おい!くず!」 ドガ! 「ゆげがぴいいいいいいいい!」 そんな長れいむの後ろから突然衝撃が走った。 何者かの体当たり攻撃をまとにくらったのだ。 もはや形骸化してしまっているとはいえ、長の肩書きを持つ長れいむに後ろから体当たりを仕掛けるゆっくり。 それは、 「まったくなんなのかしら、このいなかくさいばしょは! こんなばしょと、ありすたちのゆっくりぷれいすをこうかんするなんて、ほんとおさはくずゆっくりね!」 幹部ありすだった。 いや、幹部ありすだけではない。 その後ろには、ぞろぞろと群れ中のゆっくりが集まってきている。 今から群れを危機的状況に追い詰めたゆっくりを制裁するとして、幹部ありすは今残っているゆっくりたちに集合をかけたのだ。 そもそも幹部ありすが今まで長れいむを生かしておいたのは、長ぱちゅりーとの取引に利用するためである。 しかしその取引が見事に失敗に終わってしまった今、長れいむを生かしておく理由はないわけで……。 それならば、群れのゆっくりたちの不満やストレスのはけ口として利用しようと幹部ありすは考えたのだ。 もちろんこの行動の裏には、自身の計画が失敗した腹いせという側面も多分にある。 「おさ……いや、れいむ! あんたのおかげでむれはめちゃめちゃよ! ぷれいすはせまくなったうえに、えっとうのじゅんびはままらない、むれのゆっくりのかずもへって、おまけにこのありすもはじをかいた! これもみんなれいむのせいよ!このせきにん、どうとってくれるのかしら!」 威圧的な口調で迫る幹部ありす。 ぷれいすの交換はともかく、それ以外の問題はその全ての責任が長れいむにあるというわけではないが、 そんなことはおかまいなしである。 だいたい誰が本当に悪いかなど、この際どうでもいいことなのだ。 こうなってしまった以上、とりあえず全ての責任を長れいむに押し付けれるだけ押し付けることが重要なのだ。 「まっ、まってね! もうすこし!もうすこしだけまてってね!そうすれば、きっとはえてく……」 「ききあきたんだよ!」 バギ! 「ゆっぴぎゃあああああああ!」 おろおろとお決まりセリフを口にしようとした長れいむを、我慢できなかったのか取り囲んでいた群れのゆっくりたちの一匹が体当たりで遮る。 「いいかげんにしてね!いくらまってもぜんぜんはえてこないよ!」 「みょん!れいむがわるいんだみょん!こんなばしょと、ぷれいすをこうかんするから!」 「しね!ゆっくりしね!」 「やっぱりしょせんは、おやのななひかりなんだねー!わかるよー!」 「このいなかもの!いなかもの!さっさとくたばりなさい!」 ぶちゅ!べちゃ!ぶすり!ぼす! 「ゆげ!ぷぎゃ!よぼほっ!やっ、やべで!ゆがはっ!はっはえてくるがああ!ゆぺぎゃ!」 一匹のゆっくりの体当たりを皮切りに、次々と不満をぶちまけながら長れいむへと殺到していく群れのゆっくりたち。 体当たり、のしかかり、噛み付き、木の棒を突き刺す、えぐる。 四方八方から群れゆっくりたちによってあらゆる暴力が加えられる。 「やべで!やべでええええええええ! どじでええええ!でいぶ、みんなのためにがんばっだよおおおお! おやさいばだげだって、むれのためをおもっでええええええ! なんでええええ!いっいだいいいいいい!いだいよおおおおおお! ゆぎゃああああああああああああああ!」 もとより衰弱の激しかった長れいむは、群れのゆっくり全ての攻撃に耐えられるはずもなく、 ものの数分と経たない内にぐちゃぐちゃの餡子の残骸へと成り果て、永遠にゆっくりした。 結局最後までお野菜は勝手に生えてはこないということに気づかなかった長れいむ。 果たしてそのことは幸せだったのか不幸だったのか。 それは誰にもわからない。 「はぁ!はぁ! ふん!さいごのさいごまでくずだったわね! おとなしく、ありすのいうことをきいて、せんそうでもなんでもして、どれいをてにいれてから、 さっさとおさをやめれば、しなずにすんだものを!」 ぐちゃぐちゃになり原型をとどめていない餡子の塊を見下ろしながら、幹部ありすが言い捨てる。 いや、もはやありすは幹部などではない。 長れいむが死んだことにより、幹部ありすは名実ともに群れの真の長となったのだ。 新たなる長、長ありすの誕生である。 「ゆっ、ゆううう! それでありす、いや、おさ! まりさたちは、これからいったいどうすれば……」 新たなる長となった余韻を長ありすが感じる間もなく、弱々しい声で群れのゆっくりの一匹が長ありすに訊ねる。 そう、確かに長ありすは長となった。 しかしそれが一体どうしたというのだ。 確かに長れいむを集団で制裁したことにより、群れの内の潜在的な不満はある程度解消した。 だが今群れが直面している問題は、まったく解決していないのだ。 越冬はもう目前まで迫っているというのに、群れのゆっくりたちの蓄えはほぼゼロである。 このまま越冬を迎えればどうなるかは、どれだけバカでも想像がつくというもの。 早急に何らかの手段を講じる必要があるのだ。 「おっ、おさあああ!れいむたちいったいどうすればいいのおおおお!」 「えっとうようのしょくりょうが、まるでないんだよー!」 「みょん!このままじゃむれはぜんめつだみょん!」 長れいむを制裁し、とりあえず怒りがおさまった群れゆっくりたち。 だが怒りが冷めたことにより、今度は急に目前の危機が思い起こされ、口々に不安を訴え始める。 「くぅぅぅぅ!そんなこといちいちいわれなくてもわかってるわよ!うるさいわねぇ!」 それらの声をヒステリに叫び、かき消す長ありす。 焦っているのは長ありすとて同じことだ。 本来ならばこんなしけた連中とはさっさとおさらばし、ぱちゅりーの群れの幹部になり、 大きなおうちに、大量の食料と奴隷たちをはべらしながら、優雅に越冬する予定だったというのに! それが何を間違ったのか、ままじゃ奴隷を得るどころか自身の身の危機だ! まったくふざけてる!それもこれも全部あの長ぱちゅりーが自分の提案を断ったせいだ! あの長ぱちゅりーには絶対復讐してやる! 本当なら今すぐにでも全軍を率いて長ぱちゅりーの群れへと攻め込みたい。 だがそれはだめだ!今戦争すれば確実に負ける。 最低でも減ってしまったゆっくりたちを、もとの数までに戻さなくてはならない。 そのためには、まずは何をおいてもこの越冬の危機を乗り切ることだ!どんな手を使ってでも! 「いいこと!みんな!よくきくのよ! ふこうにも、むのうなもとおされいむのせきにんで、いまむれはききてきじょうきょうにあるわ! このままじゃ、むれはまちがいなくぜんめつしてしまう! そうならないためにも、もうこうなったら、しゅうだんえっとうしかのこされたみちはないわ!」 「「「「ゆゆ!しゅうだんえっとう!?」」」」 ざわめく群れのゆっくりたち。 集団越冬とは、何らかの原因により食糧不足におちいり、越冬失敗がほぼ確実となっているゆっくりの群れが取る最終手段である。 基本的にゆっくりの越冬は、単体、もしくは家族単位で行われるのが普通だ。 しかしこの集団越冬はその逆、群れのゆっくりすべてが一所に集まって越冬する方法のことである。 個別で越冬するよりは、集団で行うことにより、みんなで仲良く助け合って越冬しよう、と言えば聞こえはいいかもしれないが、 その実この集団越冬とは100%の確立で群れ内での犠牲者がでることが確定しているとんでもない方法。 つまりはこの集団越冬は、みんなが生き残るための越冬方法ではないのだ。 個別に越冬して群れが全滅するくらいなら皆で食料を一箇所に集め、その食料で越冬可能なゆっくりのみを生かし 残りは見殺しにするという、いわば捨て身の策。 それゆえに切羽詰った群れのみが行う最終手段なのである。 ここで問題になってくるのは、どのゆっくりが生き残り、どのゆっくりが犠牲になるかの選別である。 当然全てのゆっくりは、自分が生き残る側のゆっくりなりたいと考えるだろう。これは至極自然な成り行きである。 しかしだからといって、全てのゆっくりに均等に食料を配分するわけにはいかない、 これではすぐに食糧不足におちいり、集団越冬の意味がないというものだ。 ではどうやって生き残るゆっくりを選ぶのか? 実はこれには決まった方法などない。 そもそも死ぬべきゆっくりと生きるべきゆっくりの明確な選別の基準などがあろうはずがないのだ。 ゆえに、生き残るゆっくりの選別は長に一任されることが通常である。 そうでもなければすぐに収集がつかなくなってしまうからだ。 そしてこれは逆を言えば、選別する立場にある長は絶対に犠牲になる側のゆっくりにならないということでもある。 つまりは確実な生存が約束されているのだ。 よって完全に自分のことしか考えていない長ありすが、この危機に対して自分だけは確実に助かる集団越冬という選択肢を取ったのは当然の結果といえる。 またしても長ありすは他のゆっくりを踏み台にし、自分だけがゆっくりできる手段を考え実行したというわけだ。 「あっ、あの……おさ……れいむちょっとかんがえたんだけど……」 しかし、そんな邪悪な企みを腹に抱える長ありすに、一匹のれいむが恐る恐るといった様子で話しかける。 「あん?なによ!」 それを不機嫌そうに睨みつける長ありす。 「れいむ、だれかがぎせいになるしゅうだんえっとうは、ゆっくりできないとおもうよ! それでおもったんだけど、その……ぱちゅりーのむれにたすけをもとめたらどうかな? なんだか、さいきんはいろいろあって、ぱちゅりーたちのむれときまずいかんけいになっちゃったけど、 もともと、そんなになかはわるくなかったはずだよ! ゆっくりあやまれば、きっとゆるしてくれるとおもうんだ! それで、えっとうようのしょくりょを、すこしわけてもらおうよ! そうすれば、きっとみんなたすかるとおもうんだ!」 精一杯の様子で長ありすを説得するれいむ。 確かに集団越冬は最後の手段。 それを実行に移す前に、少しでも可能性があるのならやれるだけのことはやっておくべきである。 れいむの提案した長ぱちゅりーの群れに援助を要請するという策は、ダメ元ながらもノーリスクなので実行する価値があるものだ。 いや、ぜひやるべきである。 しかし、 「この、いなかものがああああああああああああ!」 ドガ! 「ゆぴいいい!」 いきなり長ありすに体当たりされに吹っ飛ばされるれいむ。 「なにかんがえてるのよおおおおおおおおおおおおお! もとはといえば、あのくそぱちゅりーがおとなしくありすのどれいにならないから、こういうことになったんでしょうがあああああああ! あいつらはてきよ!そのてきにたすけをもとめるなんて、いなかもののきわみね!ゆっくりとしてのぷらいどがないの! いいこと!こんごいっさい、あのむれのゆっくりたちにちかづくことをきんずるわ!いいわね!わかった?」 「「「「ゆっ、ゆっくりりかいしたよ!」」」」 長ありすの凄まじい剣幕に押され、こくこくと頷く群れのゆっくりたち。 長ありす的には、長ぱちゅりーに助けを求めるというのは絶対にNGな選択肢であった。 自分にあれだけ恥をかかせた、あの長ぱちゅりーに頭を下げるなんてまねが出来るわけがないし、 第一あのケチで、いなかものの長ぱちゅりーに食料援助を頼んだところで、到底受け入れられないにきまってる。 そしてさらに重要なことは、長ありすの群れのゆっくりと、長ぱちゅりーの群れのゆっくりたちが接触することにより、 長れいむを売り、群れのゆっくりを見捨てて、自分だけ長ぱちゅりーの群れの幹部として生き残ろうとしたことが露見してしまうのはまずいということだ。 裏でこそこそと、そんなことをしていたことがばれたら、長ありすは群れのみんなから一斉にバッシングされることだろう。 今群れのゆっくりたちの批判を買うのは実にまずい。 こんないなかもの集団でも、居なければ居ないで自分の越冬がピンチなのだ。 「ふん!まったくどいつもこいつも! おい!そこのれいむ!おまえは、とかいはぽいんと、まいなすいちよ!」 「ゆっ、ゆえ?」 長ありすは、体当たりされて転がっているれいむに意味不明なことを言い放つ。 「いうまでもないことだけど、しゅうだんえっとうではすべてのゆっくりがいきのこることはできない! だからこれから、いきのこるべきゆっくりを、このとかいはぽいんとではんべつすることにするわ! たくさんしょくりょうをあつめてきたり、てがらをたてたゆっくりには、ぽいんとがかさんされるわ! はんたいに、あつめてきたしょくりょうがすくなかったり、てきであるぱちゅりーのむれのゆっくりとせっしょくしたゆっくりは、 ぽいんとがさがっていく! とうぜん、さいしゅうてきにぽいんとがたかいゆっくりがえっとうめんばーにえらばれることになるわ!」 「「「「ゆゆゆ!?」」」」 突然『とかいはぽいんと』という謎の制度を導入され、戸惑いの声が所々であがる。 「いま、このれいむは、ぱちゅりーのむれにたすけをもとめるなんて、いなかものまるだしのていあんをしたから、 とかいはぽいんとがまいなすいちされたというわけ! とうぜんそれだけ、えっとうでせいぞんするかのうせいがさがったというわけね!」 「ゆっ、ゆえええええええ!どしてええええええええ! れっ、れいむはただ……」 涙目になりながら何事か訴えようとするれいむ。 「だまりなさい!このいなかもの! いまおさであるこのありすに、くちごたえしたわね! そんないなかものは、とかいはぽいんと、さらにまいなすいちよ!」 「ゆあああああああああああ!そんなあああああああああああああ!」 れいむはさらにぽいんとをマイナスされ、絶望的な表情になって叫ぶ。 「ふん!ざまぁないわね! いいこと!このまいなすをばんかいしたかったら、しにものぐるいではたらくのよ! そうすれば、少しずつとかいはぽいんとは、じょうしょうしていくわ! それから、さぼっているゆっくりや、ぱちゅりーのむれのゆっくりとせっしょくしているゆっくりを、 ありすにみっこくしても、このぽいんとはじょうしょうするわよ! はんたいに、みっこくされたゆっくりはぽんとがいっきにさがるうえに、ばあいによってはせいっさいよ! せいぜい、ばかなことはかんがえずに、まじめにはたらくことね! さあ、りかいできたかしら!ほら、へんじしなさい!」 「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」 長ありすが提示した悪魔的法に怯え、一斉に返事をする群れのゆっくりたち。 返事をしなければ、ポイントを減らされるかもしれない。 その恐怖が、ゆっくりたちを縛るのである。 長ありすが、このふざけた法である『とかいはぽいんと』を導入した狙いは二つある。 一つは群れのゆっくりたちの食料収集の効率を上げるため。 自分の生存が、集めてきた食料の量によって決定するというのなら、いかな怠け者のゆっくりでも、死に物狂いで働くことだろう。 二つ目は、密告制を導入したことにより、長ぱちゅりーたちのゆっくりと接触を禁じることで、自身の秘密を守ることだ。 ぱちゅりーたちの群れのゆっくりと接触したところを他のゆっくりに見られれば、密告され、さらには制裁される可能性すらある。 そこまでのリスクを犯してまで、確実かどうかわからないような手段にでるゆっくりはいないだろう。 長ぱちゅりーのゆっくりにさえ接触されなければ、自分が裏でしようとしていた例の取引が露見することはなく、 ひとまずは長ありすの地位は安泰というわけだ。 つまりは、このとかいはぽいんと法は、作業の効率化と、自身の保身を同時に行うという一石二鳥の策なのである。 「おまえたち!ぐずぐずしているひまわないわよ! えっとうまで、もうあとわずかしかない! いまから、えっとうするまでのあいだ、おまえらは、かたときもゆっくりできないとおもいなさい! さぁ、それではしょくりょうあつめかいしよ!」 「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」 長ありすの合図と同時に慌ただしく周囲に散っていくゆっくりたち。 「あっ、そうだ!ちょっとまった!ちぇん!」 そんな中長ありすは、散らばっていくゆっくりたちの中から一匹のちぇんを呼び止める。 「どっ、どうしたのー! ちぇん、なにもわるいことしてないよー!」 ポイントを減らされると思ったのか、ビクリとして振り返るちぇん。 「そうじゃないわよ! あなた、たしか、かなりあしがはやかったわよね! そこをみこんで、ちぇんには、べつのしごとをあたえるわ! これから、やまをおりて、まえにでていったかんぶまりさたちのようすをみてきなさい!」 「ゆっ、ゆう、でもちぇんはえっとうようのしょくりょうをあつめないと、ぽいんとが……」 「とかいはぽいんとのことなら、しんぱいしないで! このにんむにせいこうすれば、あなたにはとくべつに、たっくさんのぽいんとをあたえるわ!」 「わっわかるよー!ほんとうにー!」 「もちろんよ!うそはいわないわ!だからかくじつににんむをこなすのよ! いい、まりさにあったら、このありすがふたたびかんぶとして、まりさのむれにくわわってやってもいいというのよ! なにおいても、このことをかならずつたえるのよ!わかったわね!」 「ゆっくりりかいしたよー!」 ぽいんとを大量にもらえると聞いて、喜び勇んで群れを飛び出していくちぇん。 「ふぅ!まったく、いなかものどものあいてはつかれるわねぇ!」 それを見送った長ありすは溜息混じりに言う。 そしてふと何気なく目線を動かすと、今では物言わぬ餡子の塊になった長れいむが目に入った。 最後の最後まで、お野菜が勝手に生えてくると主張して死んでいった長れいむ。 そんな長れいむの死体を今更眺めたところで、長ありすには何の感慨も湧かない。 ただ気になることはある。 「ふん!ほんとにどうしておやさいは、はえてこないのかしらね? まっ、いまとなってはどうでもいいことだけど!」 そう長ありすは独り言を呟く。 長ありすにしてみても、どうして今だにお野菜が勝手に生えてこないかは相変わらず謎であった。 生えてこないことを利用し、れいむを排除して上手くのし上がったのはいいものの、やはりお野菜が勝手に生えてこないというのはどうにも不思議だ。 れいむを始末した今、生えてきてくれるなら、それはそれで一向に構わないというに。 しかし、何故だかそんな気配はこの畑からは全くしないのだ。 「もしかしら、あのくそぱちゅりーが、なにかきたないてをつかったのかもしれないわね! ああ、おもいだしたらなんだかむかむかしてきたわ!」 ひょっとしたらこの事態は仕組まれたものかもしれない、とそこまで思いをはせた所で、 幹部ありすの思考は先日の提案を断られたことに対する怒りにシフトし、四散する。 もう少しのところで重要なことに気づけたかもしれなかったが、そんなことよりも、 自身に屈辱を味あわされた記憶を忘れないことのほうが、長ありすにとっては重要なのだ。 それに今更真相に気づいたところでどうにも出来ない。 そもそも、長ぱちゅりーにはめられたかもしれないことには気づけても、 自然現象としてお野菜が勝手に生えてこないという発想に決して行き着かないところに、自己中心的なゲスとしての長ありすの限界がある。 長ありすは、単に長れいむほどお野菜畑に執着心がないというだけで、お野菜が勝手に生えてこないということを理解しているわけではないのだ。 そんなことではいつまでたっても長ぱちゅりーに勝つことはできない。 「まぁいいわ!はえてこないなら、はえてこないでね! しょせんあのれいむとおなじように、このおやさいはたけも、いなかものだったというだけのはなしよ! だけどこのありすはちがうわ!とかいはなの! ありすはこんなとことじゃおわらない!あのくそぱちゅりーも、いずれはひざまずかせ、どれいににし、ひいひいいわせてあげるわ! んほほほほほほほ!せいぜいそのときまでよゆうぶっていればいいわ!んほおおおおおおおおおおおお!」 今ではもう何の意味もなさない畑に、長ありすの不気味な笑い声が響き渡った。 「いそげー!いそぐんだよー!」 木々の間をくぐり抜け、ゆっくりにしては速いスピードで一気に山を駆け下りているゆっくりがいる。 それは長ありすに、幹部まりさたちの様子を見てくるように言われたちぇんだった。 「もうすぐだよー!もうすぐで、ちじょうにつくんだよー!」 周囲の地形の変化から、森の終わりを敏感に察するちぇん。 平地に出れば、そこから先はもう人間の領土だ。 今まで一度として見たことがない未知エリア。 果たしてそこには一体何が待ち受けているのか? 期待と不安を胸に、森を抜け出すちぇん。 「ゆっ、ゆわあああああああああああああ!すっ、すごいんだねー!」 森を飛び出し、平地にたどり着いたちぇんが見たもの。 それは、見渡すばかりの広大なお野菜ぷれいすだった。 今まで山にあったちっぽけなお野菜ぷれいすとは、まるで比較にならない。 さらにそこに生えているお野菜も、大きく、一目で質がよいと確信できるものばかり。 そんなお野菜が、畑中にぎっしりと生えているのだ。 これだけのおやさいがあれば、もはや越冬など何の恐れもない。 いいや、むしろ食べきれないでお釣りが大量に出てしまうほどだろう。 一体今までの心配とはなんだったのだろう? 集団越冬だの、とかいはぽいんとなどに慌ててた自分がバカみたいである。 そんな思いをちぇんに懐かせるに十分な存在感をそのお野菜畑は示していた。 「ゆゆ?わからないよー!」 しかしここでちぇんは妙なことに気づく。 畑のどこを見渡しても、一匹たりともゆっくりがいないのだ。 いるのは遠くの畑で作業をしている人間?(ちぇんは初めて見るので確信がない)だけだ。 これは一体どういうことだ? 確か幹部まりさは人間は奴隷にすると言っていたから、人間に働かせて、 自分たちはどこか奥の方のおうちでゆっくりしているのだろうか? いや、それにしたって、この場に一匹もいないというのは変ではないか? 今はちょうど昼時でおなかがすいてくる時間だ。 なのに一匹のゆっくりが食事をしていないということがありえるのだろうか? と、そんなことをちぇんが考えていると、 「ゆ…………ん……」 「ゆゆ?」 どこからか、ゆっくりのものらしき声が聞こえた。 しかし、その声は酷くくぐもっており、何を言っているのかよく聞こえない。 「わからないよー!いまだれかちぇんをよんだのー?」 思わず周囲を見渡すちぇん。 だが相変わらず自分の周りには、ゆっくりらしき姿はどこにも見えない。 「どういうことなのー!だれかいるならへんじしてねー!」 ちぇんは周囲に呼びかけるように言う。 「…ゆ………こ……」 するとまたくぐもった声が聞こえてきた。 「ゆー!わからないよー! ちぇんはかくれんぼしているばあいじゃないんだよー! はやくでてきてねー!」 どうにも埒が明かない状況に、若干イラつきながらちぇんは叫ぶ。 「……し………て」 まただ!またくぐもった声が聞こえてくる。 ちぇんは声が聞こえる方向を特定すべく、ピクピクと自慢の猫耳を動かしながら集中する。 近い!すぐ近くだぞ! これは……上から? 声の発信源を自身の上と特定したちぇんは頭上を見上げる。 すると、確かにそこに声の主はいた。 「ひぃ!」 ちぇんは短く息を飲む。 その声の主はちぇんもよく知っているゆっくり、幹部まりさだった。 だったのだが……。 「わ、わ、わ、わがらないよおおおおおおおおおおお!なんなのおおおおおおおお!これはあああああああああああ!」 その幹部まりさだったものを見てちぇんは絶叫を上げる。 なんだあれは!いったいなんだというんだ! 幹部まりさは、ちぇんが見えていなかった。 なぜなら、両目が抉られそこに石が詰め込まれていたから。 幹部まりさは、喋れなかった。 なぜなら、口を縫い合わされていたから。 幹部まりさは、動けなかった。 なぜなら、あんよを焼かれ、長い棒のようなものによって体を貫かれ、空中に放置されていたから。 それはちょうど案山子の頭に該当する部分に、ゆっくりが突き刺さっていると想像してもらえばわかりやすいか。 幹部まりさは見るも無残な姿に変わり果て、空中で不気味にゆらゆらとゆれていた。 「……ゆが…………」 幹部まりさの全身を貫いている竿が風で揺らめくたびに、幹部まりさは苦痛のうめき声を上げる。 体内の異物が揺れ動き、かき回される苦痛はそれはそれは凄まじいものだろう。 (こ ろ し て) 苦悶の表情の幹部まりさは、必死になってどこにいるかわからないちぇんに訴えかける。 いや、実際には口を縫い合わされているためそれは単なるうめき声であり、意味のある単語に聞こえるはずもないのだが、 しかしちぇんにはそうとしか聞こえなかった。 「ひぃぃぃぃぃぃいいぃぃ!」 得体の知れない原始的恐怖を感じ、わき目も振らず逃げ出すちぇん。 なんだ!なんだあのゆっくりできない物体は! もうお野菜なんてどうでもいい!こんなゆっくりできない場所には一秒だっていられない! あんな風になるくらいなら、それこそ越冬失敗したほうが何倍もましだ! とにかく!とにかくここから一刻も速く離れな……。 グチャ! 「うおっ!汚ね!なんか踏んだぞおい! ……ってなんだゆっくりかよ。 いきなり飛び出してきたから踏んづけちまったじゃねーか」 逃げることしか頭になく、周囲の状況が全く見えてなかったちぇんは、たまたま近くを通っていた村人の足元に自分から飛び込み、 断末魔も残すことなく無残にも踏み潰されてしまった。 「ったく何だってんだ急に。 ああそうか、ガキどもが面白半分で作ったゆっくり避けを見て慌てて逃げてきたのか。 じゃあ、まあアレも少しは効果があったてことかね」 村人は畑の所々に立っている、ゆっくりが突き刺さった案山子を眺めながら言う。 それは今から少し前のある日のこと。 山から突然、結構な数のゆっくりが下りてきたのである。 そしてゆっくりたちは何を思ったか、畑の中心部に進入し、さらに一番先頭にいたゆっくりまりさが高々とこう宣言したのだ。 「ここを、まりささまたちのゆっくりぷれいすにするのぜええええええええええ! そしておまえらくそにんげんは、このむれさいっきょうの、まりささまたちのどれいにしてやるから、ありがたくおもうのぜえええええええ! さあ!さっさとどげざして、おまえたちのあらたなるおうである、このまりささまをあがめるのぜえええええええええ!」 この宣言に対して、村人たちは別段、怒るでも呆れるでもなく、淡々と処理を開始した。 すなわち、畑に集まったゆっくりたちの駆除である。 山のゆっくりたちが畑の野菜を求めて下りてくることは稀にだがあることだ。 流石にこれだけ大量かつ、いっぺんにやってきたのは初めてのことだったが、だからといってやることは全く変わらない。 それは畑の雑草を抜くこと、害虫を始末することと同レベルで、なんら特別な感情を抱くに値しない出来事なのである。 そして、駆除はものの数分で完了した。 ゆっくりは一箇所に固まっている上に、攻撃してもたいていは逃げずに向かってくるため駆除自体は容易だ。 一瞬にして殆どのゆっくりが殺され、残っているのは幹部まりさとその取り巻きの僅かなゆっくりのみ。 この頃になると顔を引きつらした幹部まりさが、最強の自分が負けるはずがない人間が卑怯な手を使ってどうのこうの、とか何か叫んではいたが、 もちろん誰も聞いちゃいない。 さて、これでおしまいだ、とばかりにクワを振り上げた村人に、待って!と声がかかる。 振り返るとそこにいるのは数人の村の子どもたち。 殺すくらいなら、そのゆっくりたち自分たちにちょうだいよ!遊び道具にするから、というわけである。 別に断る理由もない、しっかり後始末しろよと言い聞かせ、幹部まりさたちを引き渡す村人たち。 こうしてこの場はお開きとなった。 そしてその日の夕方。 一日の作業を終え、さあ帰るかといったところに、昼間の子どもたちが脇に何かを抱えながらやってきた。 子どもたちは笑顔で言う、ゆっくり避け作ったんだ!これでまたゆっくりがやってきても大丈夫! そう自慢げに前に突き出したそれは、雑な作りの案山子の頭の部分に、処理を施したゆっくりが、単にぶっ刺さっているだけの物体。 いかにも子どもの稚拙な工作感あふれる代物であった。 ゆっくりなんてそんな頻繁にやってくるものじゃないので、いまさらゆっくり避けなんて作っても意味はないのだが、 しかしもとより子どもの遊びから派生した代物に意味など求めてはいけない。 まあ、適当に作業の邪魔にならないところに立てとけよ、と苦笑いしながら指示する村人。頷く子どもたち。 こうしてゆっくり案山子は畑に立てられ、その一日は終わりを告げた。 そして次の日、大人たちは何ごともなかったかのように農作業をし、子どもたちはゆっくりのことなどすっかり忘れ、全く違う遊びを探して村を駆け回る。 村にゆっくりがやってくることなど、所詮その程度の出来事なのだ。 幹部まりさ程度の存在など、いちいち相手にしてやる価値もない。それだけのこと。 「そういや、ゆっくりといえば、もう逝っちまったじいさんが、隠居して暇だったからゆっくりに野菜作りを教えたとか言ってたな。 まあゆっくりの野菜作りなんて、せいぜい、種を植えて、水をやったら芽が出てきた程度のもんだろうから、 売り物にはなりゃしないだろうけどな」 村人は、ゆらゆらと風に吹かれるままに揺れるゆっくり避け案山子を見ながら、どうでもいいことのように呟く。 そして本当にどうでもいいことだったのだろう。 そのまま何事もなかったように、すたすたと道を歩いていってしまった。 場に残されたのは相変わらずゆらゆらとしている幹部まりさの案山子のみ。 (こ ろ し て) 身を貫く苦痛を全身に感じながら、もの言えぬ幹部まりさはただそれだけを思う。 だがその願いがかなうまでは、今しばらく時間がかかりそうであった。 そして月日は流れ、いよいよ越冬前日。 「ゆふー!まったくむれそうでで、これっぽっちしかあつめれらないなんて、あのれんちゅうは、なんていなかものなのかしら! これじゃよていしていたりょうよりも、ぜんぜんたりないわ!」 うず高く積まれた越冬用食料を眺めながら長ありすが愚痴る。 ここは長ありすの群れにある集団越冬用の洞窟内である。 そこで長ありすは、集められた食料を見ながら今後の計画を吟味していた。 長ありすの言葉が示す通り、目の前に積まれている食料は群れ全体が越冬するためにはとても足りない量。 いや、もとより集団越冬するつもりだったために、群れ全体が生存するだけの量が集まる必要はないのだが、 それにしたってこの量は少なすぎた。 この量では無事越冬できるゆっくりの数は、全体の四分の一ほどがいいとことであろう。 最低でも群れの半分のゆっくりを越冬させる予定だった長ありすからしてみれば、これは余りにも少なすぎる量だ。 「まったく、ほんとうにつかえないいなかものどもね! これは、いかすことになるゆっくりを、あらためてかんがえないと……」 少ない食料を前に、どのゆっくりを越冬させるべきか頭を悩ませる長ありす。 しかしよくよく考えてみれば、今のこの長ありすの行動は妙だということに気づく。 何故ならば、どのゆっくりが越冬に参加できるかは事前に『とかいはぽいんと』が高い順に選別されると約束されていたはずであるからだ。 となれば、長ありすがやることは、『とかいはぽいんと』が高かったゆっくりを発表すればいいだけのこと。 悩む必要などまったくないように思える。 だが長ありすは、どのゆっくりを越冬させるかということを今だに悩み、吟味を繰り返していた。 何故なら以前約束したことは嘘だからだ。 とかいはぽいんとの高さに応じて、越冬ゆっくりを選別するなどという話は全てデタラメなのである。 第一長ありすは、今現在誰がどの程度のポイントを有しているかなんぞ、いちいち覚えちゃいない。 つまり長ありすは最初から越冬させるゆっくりは、全て自分の独断で選ぶ気だったというわけだ。 長ありすにとっては、どれだけ狩が上手く、優秀なゆっくりだったとしても、自分の意のままに動かないゆっくりなど群れには必要ない。 ゆえに越冬させるのは、始めから自分の取り巻きのゆっくりたちと決めていた。 所詮『とかいはぽいんと』などという制度は、作業の効率化と自身の秘密保持、そして偽りの公平感を演出するだけのものにすぎない。 今長ありすが頭を悩ませているのは、集まった食料が予想外に少ないため、自分の取り巻きのゆっくりの数をさらに減らさねばならず、 その選別に試行錯誤しているというわけだ。 「ゆーむー!やはりちゅうしんめんばーは、ふるくからこのありすにつかえている、とかいはなゆっくりたちよね! さいきんありすにくらがえしたれんちゅうは、どうにもしんようできないわ! あとそれと、すっきりようのゆっくりもなんびきかほしいわね!」 あれこれと思案しながら、具体的な越冬メンバーを絞っていく長ありす。 やはりその中心メンバーは、昔から長ありすの取り巻きをしていたゆっくりたちとなるようだ。 昔から長ありすの側にいるといことは、それだけ忠誠心が高いということであり、扱いやすいというのが主な理由だろう。 そのほかに、越冬用の退屈しのぎと称して、すっきり用のゆっくりもメンバーに見繕っていく長ありす。 このすっきり用ゆっくりは、越冬中に長ありすがすっきりすることが目的のゆっくりのため、食料配分は極少でかまわない。 どうせ春まで生かすつもりはないのである。もちろんそのことは該当するゆっくりには知らされることはない。 全ては越冬中の巨大な洞窟という密室の中で行われることなのだ。 「ふむ!ざっとこんなところかしらね!」 こうして長ありすは、越冬の最終メンバーを選別し終えた。 その数は見殺すことが前提のすっきり用ゆっくりを加えても、群れ全体の五分の二程度の割合しかいない。 この割合はちょっと考えれば非常にまずい数字だということがわかるのだが、長ありすはそれに気づくことなく自信満々で洞窟を出る。 外で待っているゆっくりたちのこの結果を発表するためである。 「んほほほほ!いちじはどうなるかとおもったけど、これはこれで、たのしいえっとうになりそうね!」 一仕事終えた開放感からか、上機嫌な長ありす。 越冬メンバーを自らの側近と、すっきり用ゆっくりのみで固めたこの越冬は、絶対に成功すると確信していた。 それはさながら長ありすを中心としたユートピア。 やや手狭ながらも、これは自身の最終目的である、すっきりはーれむに近いものがある。 本来ならば辛く退屈な越冬も、これならば楽しいものになるに違いないのだ。 だが長ありすは気づいていなかった。 ここにいたるまでの道筋で、多くの過ちを犯しているということに。 そしてその結果として長ありすの天下は今日で永久に失われるということに……。 ざわ…ざわ…。 長ありすが、集団越冬用の洞窟内から姿を見せると、そこには群れの全てのゆっくりたちがひしめき合っていた。 それらの表情は、みな一様に緊張の面持ちである。 これから発表される越冬メンバーに入れなければ、越冬失敗が確実なものとなるためそれも当然だ。 「んほほほほほ!みんなきょうまでよくがんばったわね! それじゃあこれから、しゅうだんえっとうにさんかするめんばーをはっぴょうするわ! これからこのありすがしめいするゆっくりが、とかいはなえっとうめんばーよ!こころしてききなさい!」 挨拶もそこそこに、長ありすは洞窟前に集まった面々を見渡すと、早速ゆっくりの指名を始める。 「れいむ!ありす!まりさ!まりさ!れいむ!ちぇん!ありす!ありす!みょん!まりさ!みょん!…………」 次々と名前を呼びながら、越冬メンバーを指名していく長ありす。 群れのゆっくりたちは、固唾を飲んで自分が指名される番を待ち続ける。 「……ちぇん!まりさ!ありす!まりさ!……そしてさいごに、このおさであるありすよ! いじょうでえっとうめんばーのはっぴょうをおえるわ! しめいされたゆっくりは、すみやかにどうくつないにはいるように! これより、しゅうだんえっとうをかいしするわ!」 高々と発表の終了を宣言する長ありす。 それに対して群れのゆっくりたちの反応は二つ。 「「「ゆおおおおおおおおおおお!やったよおおおおおおおおおお!!!」」」 歓喜の雄叫びと、 「「「「「「ゆええええええええええええええええええええええ!そんなあああああああああああああ!!!」」」」」」 絶望の叫び声であった。 当然喜びは集団越冬のメンバーのものであり、反対に絶望の声は選ばれなかったゆっくりたちのものである。 「ゆゆー!おかしいよおおおおおおお!どーしてれいむが、めんばーにえらばれないのおおおおおおお! もういっかいやりなおしてねええええええ!」 「なんでなんだぜえええええ!まりさ、たっくさんしょくりょうをあつめたはずなのぜええええええええ! それなにのどうしてえらばれないんだぜええええええ!」 越冬メンバーは早速とばかりに次々と洞窟内へと入っていくが、それを横目にして残されたゆっくりたちからは当然のように不満の声が上がりはじめる。 しかしそれを冷めた目線で見つめる長ありす。 「ふん!うるさいわねえ! はじめに、しゅうだんえっとうするときめたときに、ぎせいしゃがでるというのは、みなもなっとくずみのことでしょうが! それをあとからもんくをいうのは、ゆっくりできないわよ!これだから、いなかものはいやなのよね! あなたたちは、もうようなしよ!これからありすたちはえっとうするんだから、さっさとどこかへいきなさい!」 「まってねえええええ!もういっぴきだけ!もういっぴきだけえっとうさせてねええええええ! つぎこそはれいむがよばれるはずなんだよおおおおおおお!」 「そうなんだぜええええええ!だいたいえっとうめんばーがすくなすぎるんだぜえええええ! もっとたくさんえっとうできるはずなんだぜえええええ!まりさをいれろおおおおおおおお!」 「わからないよおおおおおお!おさはこんなにたくさんのゆっくりを、みごろしにするきなのおおおおお!」 「おかしいみょおおおおおおん!こんなにえっとうできないなんて、むれとしてまちがってみょおおおおおおおん! これだったら、まだこじんでえっとうしたほうがましだみょおおおおおおおん!」 すがりつくように訴える群れのゆっくりたち。 越冬メンバーに入れない=死、が確定的なこの状況においてはその必死さも頷けるというものだ。 「だまりなさい!いなかもの!」 だが長ありすは、そんなゆっくりたちを一喝する。 「えっとうめんばーがすくないのは、おまえらがあつめたしょくりょうが、すくないのがいけないんでしょうが! ありすだって、こんなにすくないとはおもわなかったわよ! だからこそ、むれのことをかんがえて、えっとうめんばーをへらしたのよ! そう、これはいってみれば、おまえらのじごうじとくというものよ!それなのにもんくをいうなんて、はじをしりなさい!」 「ゆううううう!」 「でも!だってぇ……」 それでも、未練がましく声を上げるゆっくりたち。 そんな様子にイラついたのか、長ありすは声を荒げる。 「いいかげんにしなさい! これいじょうごねるようなら、せいっさいするわよ! わかったらさっさとこのばからきえなさい!このくず!ごみ!やくたたず!いなかもの! そのみにくいつらを、にどとこのとかいはなありすにみせないで! おまえらにいきるかちなんてないのよ!」 「「「………………」」」 長ありすが言い終えた直後、シーンと静まりかえるゆっくりたち。 その瞬間、明らかに空気が変わった。そしてゆっくりたちの雰囲気も。 長ありすを見る目が冷たく、しかし憎しみの炎を宿したそれへと変貌していく。 「なっ、なによ、そのいなかもののたいどは! さっさときえろっていってるでしょ! おさのめいれがきけないの!せいっさいするわよ!」 何か不穏なものを感じ取った長ありすは、虚勢を張るようにわざと大声で強がるように言う。 しかしゆっくりたちの気配はまるで変わらない。 「せいっさい?だれがだれをせいっさいするって?」 集団のうちの一匹のゆっくりが、やや小バカにしたように言い、じりじりと長ありすに近づいてくる。 いや、そのゆっくりだけではない。 今や洞窟前の全てのゆっくりが、長ありすとの距離を詰めるようにゆっくりと近づいていく。 「ひぃぃいい、なんなの! みっ、みんな!もどってきなさい!おさであるありすがぴんち……」 長ありすは身の危険を感じ、先に洞窟内に入った越冬メンバーを慌てて呼び戻そうとするが……。 「ゆふん!」 ドン! 「ゆぼっげ!」 言い終える前に、突然一匹のまりさに体当たりされ、横に吹っ飛ばされてしまう。 「わかるよー!もうおさのめいれいなんて、きいていられないよー!」 「どうせしぬくらいなら、このばしょをのっとってやるのぜえええええ!」 「かえせみょん!みょんがあつめたしょくりょうをかえすみょん!」 「やってやる!やってやるよおおおおおおお!」 そして次々になだれ込むようにして、洞窟内に進入していくゆっくりたち。 「ゆゆー!どうしたのー!」 「あっ!おさがー!」 「なっ、なんなのこれはあああああ!どうして、そとのゆっくりたちがなか……ゆがはぁ!」 外の異変を察知し、奥のほうから何匹か様子を見に来た越冬メンバーたち。 しかし、凄まじい勢いで突進してくるゆっくりたちによって跳ね飛ばされ、さらには後続に踏みつけられてしまう。 「しねえええええ!えっとうめんばーはゆっくりしねえええええ!」 「じぶんたちだけ、ゆっくりしようったってそうはいかないよおおおおおお!」 「しんでね!しんでね!」 「きえろおおおおお!いきのこるのは、れいむなんだよおおおおおおおおお!」 さらに勢いを全く衰えさせることなく、洞窟の最奥まで突き進んだゆっくりたちは、 そこでゆっくりしていた越冬メンバーに、間髪入れず襲いかかった。 「ゆぎゃあああああああ!」 「やべでえええええ!」 「どじてこんなことするのおおおおおお!」 突然現れたゆっくりの集団に、なす術もなく押しつぶされていく越冬メンバー。 洞窟内は一瞬にして修羅場と化した。 仮にもつい昨日までは同じ群れの仲間だったはずのゆっくりたちが、洞窟内で凄惨な殺し合いを繰り広げている。 それはまさに悪夢のような光景だった。 「あっ、あああああ……。 そんな、ありすのゆーとぴあが……。 どうして!なんでこんなことに……」 吹っ飛ばされた洞窟の入り口付近で、中の惨状を呆然と見つめることしかできない長ありす。 圧倒的な数の暴力の前に、次々と餡塊へと変えられていく自身の側近たち。 折角苦労してここまでの理想の準備を整えたというのに、それが一瞬にして無に還していく絶望。 長ありすは目の前で展開されているこの事実が信じられなかった。 そして再び呟く。 なぜ!どうしてこんなことに、と。 しかし実はこの出来事には驚愕すべきような点は得にない。 この結果はいわば必然である。 反乱は起こるべくして起こった。 長ありすはここにいたるまでの道のりで、致命的な間違いを犯しているのだから。 その間違いとはなんだろうか? まず一つ目。 それは越冬メンバーが少なすぎたこと。 逆に言えば、犠牲者が多すぎたことだ。 『集団越冬するからには、必ず犠牲者が出る』 確かに長ありすは事前にそう宣言し、そして群れのゆっくりたちも渋々ではあるが、そのことに納得している。 だがしかし、いくら納得しているからといって、いざ自分が選ばれ「じゃあ、お前犠牲者ね!死んでね!」 と言われたらどうだろうか? ほとんどの者がNO!というのではないだろうか? 別にそれは悪いことではない。 生あるもの思考としてそうなるのは当然のことなのだ。 そしてだからこそ、このような手段をとる場合には、死ぬ役目に選ばれた者が物理的に逆らえない状況を作っておくことが成功のための絶対条件なのだ。 より具体的にいうならば、長ありすは最低でも、越冬メンバー≧その他のゆっくり、としておかなければならなかったのである。 だというのに、長ありすが選別したメンバーは全体の半分以下の五分の二のゆっくりのみ。 これでは反逆されるのも当然である。 この騒動の直接の引き金は長ありすの暴言から始まったが、もしそれがなかったとしても、この人数差では間違いなく長ありすは反逆されていたことだろう。 長ありすは、嘘でもいいから半数以上のゆっくりを越冬メンバーとして取りあえず選んでおくべきだった。 これが第一の失敗である。 第二の失敗は、『とかいはぽいんと』などというシステムを導入したこと。 いや、より正確にいえば、そのとかいはぽいんとに、密告失点制を組み込んでしまったことである。 長ありすは、そもそも何故これほどまでに食料の集まりが悪いのか?ということの根本的理由を理解していなかった。 彼女はその理由を群れのゆっくりたちが能力の低い、いなかもだったから、と結論付けているがそれは違うのである。 確かに長ありすの群れのゆっくりの能力はお世辞にも高いとは言えない。 それは、活動的で運動能力をが高いゆっくりは幹部まりさとともに群れを去り、総合的に優秀なゆっくりは長ぱちゅりーの群れに亡命してしまったことが原因なのだが、 それでも群れ総動員で全体の四分の一程度しか食料が集められないということはない。 全員が全力で食料集めをすれば、最低でも半分程度の食料は集められたはずなのだ。 ではどうして、実際には四分の一程度しか集められなかったのか? その根本的原因が、この『とかいはぽいんと』なのである。 このとかいはぽいんとだが、食料を沢山集めたゆっくりや他のゆっくりの失敗を密告したゆっくりのぽんとは加算され、 反対に密告されたゆっくりのぽいんとは減少していき、最終的にぽいんとが高いゆっくりが越冬メンバーに選ばれるという仕組みである。 さて、ここで一度群れのゆっくりの立場になってみて考えてみよう。 このようなルール内で、自身が越冬メンバーに選ばれるにはどういった戦術を取るのが最も合理的なのだろうか? やはり、ただひたすらに食料を集めまくるのがよいのだろうか? 残念ながらそれは間違いだ。 この場合最も効率がいいやり方は『自分以外のゆっくりをひたすら密告しまくる』である。 そもそもこのとかいはぽいんと法には致命的な欠点がある。 それは、密告が行われた場合、その真偽を確かめる手段が長ありすにはないことだ。 そのため、虚偽の密告を行った場合のデメットがまるで存在せず、密告すればするほど無条件で得をするという、 いわば言い得状態になってしまっているのだ。 当然の結果として、このことに気づいた一部のゆっくりたちは、みなこぞって虚偽の密告をしまくった。 それはもう、来る日も来る日も、密告し放題である。 そしてさらに悪いことに、この密告ゆっくりたちは必死になって食料を集めなくなっていった。 何故ならそんなことをしなくても、密告により自身のぽいんとは勝手に上昇していき、他のゆっくりのぽんとは勝手に下がっていくからだ。 何もいらぬ苦労をして食料を集めるよりも、適当に密告してぽいんとを稼いだほうが圧倒的に楽だし、ゆっくりできる。 そもそもゆっくりとは、自分が努力して上に上がるよりも、他ゆんに難癖つけて下に引き摺り下ろす傾向が異常に強いナマモノである。 そんなゆっくりの性質に、この密告制は非常にマッチしていた。 こうして密告ゆは増え続け、最終的には密告ゆっくりの割合は群れの半数近くにも増殖した。 長ありすはぽいんと数を数えておらず、また無頓着だったのでまるで気づいていなかったが(随分密告にくるゆっくりが多いなぁ程度に思ってた)、 始めから正しく群れのゆっくりたちのぽいんとを集計していたとすると、群れの全てのゆっくりのぽいんとがマイナスになってしまうほど虚偽の密告は横行していたのである。 密告ゆは当然真面目に食料を集めをしないし、中には全く狩をしなくなるゆっくりまで現れる始末。 結果として群れの食料収集率は一気にガタ落ちし、最終的な食料数は群れ全体の四分の一程度が越冬できる量に止まったのだった。 皮肉にも、作業効率を上げるために考案されたとかいはぽいんとが、逆に大きく足を引っ張る結果となってしまったわけだ。 群れにハッパをかける意味でも、食料の量に応じて点数をつけるという行為事態はそう間違ったものではない。 だが、それに密告制という自身の保身をを組み合わせるべきではなかった。 以上が長ありすの犯した失策である。 結局のところ自分だけが得をすればよいという思考のもと、長ありすが取った行動は全て裏目にでている。 戦略的分析は、自分の事情だけを考えるという発想を捨て去ることからはじまるのだ。 一般的に自分が自分がと、声と態度だけはだけはやたらでかいだけのリーダーが嫌われるのは理由がある。 自らのことしか頭にないような者は単純に弱いのだ。 よって長ありすが、いつか自滅するのは必然であるといえた。 「ゆへへへ!これでぜんぶかたずいたのぜ!」 「やったね!あくはほろんだよ!」 「これでしんのえっとうめんばーが、えらばれたというわけね!」 越冬メンバーに選ばれなかったゆっくりたちが反乱を開始してから約30分後。 洞窟内で繰り広げられていた混戦はとうとう集結し、辺りは静けさを取り戻しつつあった。 戦いの勝者はもちろん、否越冬メンバーの面々である。 もともとの戦力差がある上に、不意打ちが完璧に決まったのだ。 負ける要素など皆無である。 「ゆー!それじゃあ、えっとうにむけて、このどうくつないのごみをかたずけないとね!」 一匹のれいむが周りを見回しながら言う。 その言葉の通り、洞窟内のいたるところに全滅した越冬メンバーの死体が惨たらしく散らばっており、 これらを片付けないことには、越冬どころではないだろう。 「ゆへへへ!たしかにそのとおりなのぜ! まりささまの、しんせいなるえっとうばしょに、こんなきたならしいくずどものしたいはひつようないのぜ! だいたい……ん?あれは……」 れいむに便乗したまりさが、何かを見つけたのか言葉を途中で切る。 その目線は洞窟の入り口を向いており、その先には…… 「あっ、ああ……そんな……、とかいはな、ありすのとかいはなえっとうが……なんで……」 茫然自失にたたずむ長ありすがいた。 長ありすは、反乱の開始時に洞窟の入り口付近で吹っ飛ばされてから、今の今までずっとそこで放心し続けていたのだ。 それほどまでに長ありすにとってこの反乱は予想外かつショッキングな出来事だった。 自分が他ゆんを裏切ったり利用することはあっても、同じようなことを自分がされるとはまったく想像できない。 そしていざ自分が実際にその立場に貶められると、あっという間に思考停止し現実逃避し始める。 所詮はその程度の器のゆっくりなのだ、長ありすは。 「ゆっへっへっへっへっ!これはこれは、くずどものおやだまが、まだのこっていたのぜ! それじゃあこのまりささまが、さっさとせいっさいして、なかまたちのとろこへおくってやるのぜぇ!」 ニヤリと口元を歪めると、一匹のまりさが長ありすに近づいていく。 反乱の勝敗は決した。敗戦の将は生きる価値なしということで、長ありすに止めを刺す気なのだろう。 そして今の放心状態の長ありすなら、それは赤子の手を捻るよりたやすい行為だ。 「まってね、まりさ!」 と、ここでそんなまりさに静止の声がかけられる。 「ゆぁあああん!なんでとめるんだぜえええええ!このくずありすは、まりささまたちをえっとうめんばーからはずして、 みごろしにしようとしたげすなのぜええええええ! こんなやついかしておくりゆうはないんだぜえええええ!じゃまするならおまえもせいっさいしてやるのぜえええ!」 静止を促したれいむに、噛み付くように反論するまりさ。 「かんちがいしないでね!れいむがいっているのは、そのていどのせいっさいでは、なまるいってことだよ! さんざんれいむたちをこきつかったあげく、じぶんたちだけえっとうしようとしたくずを、そんなにかんたんにゆるしていいの!」 「むきゅ!これはれいむのいうとおりね!ただえいえんにゆっくりさせるだけではてぬるいわ!」 「そうだよ!もっとくるしめないと!」 「わかるよー!こいつは、えっとうちゅう、どれいとしてこきつかってやるんだよー!」 「みょん!さんせいだみょん!」 ゆっくりたちは口々に主張する。 ただ殺すだけでは甘いと。 もっと苦しめなければ気がすまないと。 「ゆへへへゆっへっへっへっへっ!なるほどなるほど!そいういうことのなのかぜ! まりささまとしたことが、ついかっとなってしまったのぜ! そうときまれば……おい!くず!」 ドカッ! 「ゆばはっ! なっ、なんなの!」 突然体当たりされ、その痛みによって正気に戻る長ありす。 見ると、自分の周りは越冬メンバー外のゆっくりに囲まれている。 「いまからおまえは、まりささまたちのどれいなのぜ! えっとうのあいだじゅう、こきつかってやるからありがたいとおもうのぜ!」 「なっ、なによ!なんなのよ!どうゆうことなのよ!おさであるこのありすにむかって、そんなことゆるされると……」 「だまれよー!」 ドン! 「ゆぶぇぇええ!」 「もうおまえは、おさでもなんでもないんだよー!それくらいわかれよー!」 「むきゅ!まずはこのくずに、じぶんのみのほどってものをおしえてあげないとねぇ!」 「ゆふふふふ!たのしいえっとうになりそうだね!ゆふふふふふ!」 周りを囲みながら、不吉な表情をするゆっくりたち。 長ありすは、これから自身が最も望まない形での越冬を体験することになるだった。 そして集団越冬開始から約2週間後。 「ゆぎぃやああああああ!いだい!いだい!いだいからもうやめてぇぇぇ! あががががあああああああ!もうすっぎりしないでえええええええ!」 集団越冬用の洞窟内に、悲痛な金切り声が響き渡る。 「おらおらどうしたのぜ!さっきからぜんぜんしまりがなってないのぜええええええ! うすぎたないれいぱーみたいに、んほーってげひんにさけびながら、しっかりしめるんだぜ、このくず!」 「むりいいいいいいい!もうほんとうに、むりなんでずううううううううう! おねがいだがら、もうやべでええええええええええええええ!」 悲鳴の主は言うまでもないだろう、長ありすだ。 長ありすは自分からは全く身動きができないよう、体中を木の棒で貫かれて固定されており、 越冬中はその状態のまま、群れのゆっくりたちとのすっきりをずっと強要され続けていたのだ。 体内にいくつも木の棒が貫通している状態ですっきりなど行えば、当然それで得られるのは快楽ではなく、 想像を絶する苦痛である。 まさに体中をかき回されるような痛みをすっきり中に常に感じているのだ。 だがそんな長ありすに対しても、相手のゆっくりは一切の容赦をしない。 今も後ろから犯しているまりさが、もっと体に力をいれろと要求する。 しかしこんな状態で全身に力を入れれば、それだけ体中に刺さっている棒も締めてしまうことになり、 地獄の苦痛が襲い来ることはあきらかだ。 「なんなんだぜえええええ!ちっともしまらないのぜぇ!いったいいつまでさぼってるつもりなのかぜええええ! おいれいむ!さぼってるどれいに、むちをくれてやるのぜぇ!」 「ゆゆ!わかったよ!」 「ひぃ!やめ……」 やめてやめてと悲鳴を上げるばかりで、ちっとも言うことをきかない長ありすに、 まりさはイライラしながら、次の順番待ちをしていたれいむに何かを指示する。 次の瞬間、何が起こるかを今までの経験から瞬時に察した長ありすは、すぐさま静止の声を上げるが遅かった。 「それそれー!しごとをさぼるようなげすは、こうだよ!」 れいむは、長ありすに突き刺さっている複数の木の棒の内の一本、ちょうど長ありすのぺにぺにの部分に刺さってるやや長めの棒を咥えると、 グリグリと乱暴に動かし始めた。 「ゆぎやああああああああああああああああああああああああああああああああああ! ぞれやべでええええええええええええええええええええええええええええ! あでぃすのぺにぺにいじらないでええええええええええええええええええええええ!」 その瞬間、耳をつんざくような悲鳴が洞窟内にこだました。 「おっ、おっ、おおおおお! しまってきた!しまってきたのぜええええ! まったく、さいしょからこうすればいたいめにあわずにすむのぜ! さあつぎは、んほーってげひんにさけぶのぜ!はやくするのぜ!」 「あぎいいいいいいいいいい! ん、んほおおおおおお、あがががが! はぁ!はぁ!んほぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 長ありすは、息も絶え絶えになりながら、必死にまりさの要求通りに叫ぶ。 それはれいぱーが興奮から自然に出すような声ではなく、腹のそこから無理やり絞り出すような苦痛に満ちた声だった。 「ゆっぎゃっはっはっはっ! このげすは、いためつけられて、かんじてるのぜええええ! げすのうえに、へんたいだなんて、とんでもないくずなのぜえええ! さて、それじゃそろそろふぃにっしゅするのぜえええええええ!」 まりさは長ありすの惨めな様子をゲラゲラと愉快そうに笑うと、自らの動きを加速させすっきりの体勢に移行する。 「ゆっふおおおおおお!すっきりするのぜええええええええ! あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああああ!すっきりぃぃぃぃぃいいいいいい! 「ゆぎぃやああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 まりさにすっきりされ、またも悲鳴を上げる長ありす。 体中を木の棒に貫かれているために、基本何をされても長ありすは苦しいわけだが、すっきりの瞬間のそれは得に凄まじく、 体内から何かが爆発したような衝撃を受けるのだ。 「ごっ……ぐええええ、がはっばっ………」 すっきりの衝撃から、白目をむきながらプルプルと痙攣し、口から自身の中身を吐き出す長ありす。 「うわ、きたね!このどれい、またなかみはきだしたよ!」 「むきゅ!こまったものね!せっかくぱちぇたちのうんうんをたべさせて、いきながえさせてやってるというのに! これじゃ、えっとうしゅうりょうまえにしんでしまうわ! しきゅう、うんうんをくちにおしこむのよ!」 長ありすの壮絶な様子にも、周りの群れのゆっくりたちは、またかといった表情である。 そして、順番待ちをしていたれいむが、なれた手つきで端のほうに溜めてあるうんうんを木の棒ですくうと、 それを長ありすの口へ押し込んでいく。 「ゆっ……ゆるじで……」 「ゆゆ?」 と、そこで半ば意識を失いながら痙攣していた長ありすが、れいむに向かってすがるように訴えてくる。 「ずみまぜん!あでぃすがわるかったでず! もういやなんでず! すっきりも、いだいのも、いやなんです! どうが、おでがいです! せめて!せめてもうごろじでください!おねがいじます! おでがいじますぅぅぅぅぅ!」 身体の自由を封じられ、無理やり口にうんうんを押し込まれ続けるる長ありすは、辛いと思っても自殺することすらできない。 もう心身ともに限界を超えていた長ありすは、心から死を願っていた。 だが……。 「はぁ?ゆるすぅ? ちがうでしょぉおおおお!こういうときは、どうするかおしえたでしょうがああああああ!」 れいむは無慈悲に長ありすのぺにぺに突き刺さった木の棒をかき回す。 「ひぃぎいいいいいいいいいいいいいい! このくずで、れいぱーで、なんのかちもないどれいのありすに、きょうもみなざまのうんうんをたべざぜてくだざってありがとうございまずうううううううう! あがあああああああああああああ!もうそれやめええええええええええええええええ!」 自身を襲う苦痛に反応し、早口に教え込まれたセリフを口にする長ありす。 「ふぅ!まったくどれいは、おぼえがわるくてゆっくりできないねぇ! しんぱいしなくても、えっとうがしゅうりょうしたら、ちゃんところしてあげるよ! さーて、それじゃあ、おまちかねの、れいむのすっきりたいむだよおおおおお! じゅんばんまちで、たまってるから、きょうはいちだんとはげしくいよー!」 れいむは上機嫌に後ろから長ありすにのしかかる。 「あっ、あああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 再度始まる地獄の時間を前にして、長ありすは再び絶望の声を上げるのだった。 そして春がきて……。 「それで?洞窟内の様子はどうだったの?」 「みょん!ぜんめつだみょん! といっても、したいはふたつしかなかったみょん! ひとつはむれのまりさのもの、もうひとつはあのかんぶありすのものだみょん!」 「……そう。 恐らく集団越冬したものの、途中で食料が足りなくなって、共食いが起きたんでしょうね。 そしてその最終的な勝者がそのまりさと幹部ありすだったということ。 それならあれだけ広い洞窟に、二匹しか死体が残っていないのも頷けるわ」 「わからないよー!じゃあどうしてしたいがにひきのこってるのー! ともぐいしたのなら、さいごのいっぴきまで、かずがへってないとへんだよー!」 「そのことなんだけど、かんぶありすのしたいには、すさまじいごうもんのあとがのこってたって、はなしだみょん! きっと、とてもたべられるようなじょうきょうじゃなかったんだみょん!」 「それはそれは……。 じゃあ幹部ありすは内乱の勝利者ではなく、逆に一番の敗北者で、 悲惨な状態で生かされていたということかしら? あの幹部ありすもろくなゆっくりじゃなかったけど、その最後は悲惨なものだったようね。 ああはなりたくないわ」 「わかるよー!おさは、あんなふうにはならないよー!」 「そうだみょん!」 「どうかしら? 先のことはわからないわ。 現にあの群れが最終的に全滅してしまうなんてわからなかったしね」 「そうかみょん?おさは、こうなるってわかってたんじゃないのかみょん?」 「まさか。 始めに説明した通り、ぱちぇの目的はあくまでのれいむの群れの勢力を削ぐことよ。 別に全滅させるつもりはなかったわ。 まぁ、こういうことになるかもしれないという可能性があることは予想してたけどね」 「わからないよー!とちをこうっかんしただけなのに、どうしてぜんめつするかもしれないとよそうできるのー?」 「そうね……具体的にどうなるかまでは、流石に予想できないわ。 でも無知や傲慢さ、あるいは自分勝手な長が治める群れは遅かれ早かれ滅びるものよ。 そしてそれは、平時よりも劇的な変化が起こったとき、如実に現れる。 結局のところあの長や幹部たちは、荒れ狂う大海で群れという船の舵を切るだけの力がなかったということよ」 長れいむたちが全滅した方角を見ながら長ぱちゅりーは思う。 今言ったことは、そのまま自分にも当てはまるのだと。 今まで二つ存在していた群れは片方が消滅し、一つになった。 これは大きな変化である。 その変化の波に翻弄されながら、今まで小さな群れの長に過ぎなかった自分が、果たしてこれからこの山全体を治めることができるのか? それはまだ誰にもわからなかった。 おしまい。 ナナシ作
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越冬 (えっとう)熊 レベル:数 27〜30 2〜4 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 越冬熊 熊 27-28 ▲ 反撃、噛みつき、噛み破り・壱、噛み破り・弐、渾身撃、連打、気合充填・壱、呼び出し、威嚇、沈黙の吠え声、呪縛の吠え声、恐怖の吠え声 特徴 生命1400ほど 生息地域 越後:とール:中心 3pop、とール:南西 2pop、ちール:東 2pop ドロップアイテム 軍事クエスト:動物の毛皮、熊の毛皮 材料・他:熊胆、毛皮 装備等:小熊人形 入魂材:蛋白石+40、天河石+2、蛍石+2 その他情報 名前 コメント
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越冬 (えっとう)熊 レベル:数 27〜30 2〜4 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 越冬熊 熊 27-28 ▲ 反撃、噛みつき、噛み破り・壱、噛み破り・弐、渾身撃、連打、気合充填・壱、呼び出し、威嚇、沈黙の吠え声、呪縛の吠え声、恐怖の吠え声 特徴 生命1400ほど 生息地域 越後:とール:中心 3pop、とール:南西 2pop、ちール:東 2pop ドロップアイテム 軍事クエスト:動物の毛皮、熊の毛皮 材料・他:熊胆、毛皮 装備等:小熊人形 入魂材:蛋白石+40、天河石+2、蛍石+2 その他情報 名前 コメント
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主にaduki氏がチャットで発生させる大豆発酵食品の象形記号。 「NATO」という表記の場合も。 「ノシ§」というかたちで贈答品、場繋ぎなどに活用される。一名「新しい健康危惧」 多いときには同時に23本供されたことも。(2008.6.2) 初出は2008年5月20日23時36分47秒。aduki氏からtaiko氏へ贈られた。 当時は「ノシ§」の形ではなく、顔文字となっとうを組み合わせたものだった。 6月2日23時38分31秒に「ノシ§」のかたちが生まれる。 単位はNATO。この「NATO」と北大西洋条約機構は一切関係がない。 現在、aduki氏は「納豆奉行」を自称している。(hyousen+aduki)
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注意書き 前半はかなりイライラする展開です。 特に悪いことをしていないゆっくりが死にます。 ぬるいです。 あるゆっくり達の冬篭りと甘い罠 ここは冬目前の森の中。 新婚でアツアツのゆっくりれいむとゆっくりまりさのカップルが自分達のおうちでゆっくりしていた。 この二匹は最近番になったばかりですぐにでも子供が欲しかったのだが冬が近いということもあり 今は全力で越冬の準備をし、無事春になってから赤ちゃんを作ろうという話になったのだ。 実際そのおかげで餌は順調に集まった。しかしそこで一つの問題が浮上した。 今までは気にしなかったがどうにもおうちの強度が心もとないのだ。 補強をすれば耐えられないことは無いだろうが万が一も有りえる。 「だ~りん、れいむはもっときれいでがんじょうなおうちにひっこしたいよ!!」 「ゆ、わかったよはに~!ぜったいにふゆをこしてゆっくりしたあかちゃんをつくろうね!!」 「ゆゆぅ~ん♪さすがれいむのだ~りんだよぉ~♪」 ということで次の日からまりさはあたらしいおうちを探すことになった。 できるならば新しいおうちを作りたいところなのだが、積雪に耐えることのできる頑丈なおうちを作るほどの時間は無い。 なので既存の岩場の洞窟や、大樹の根元などを見てみるが当然のごとく先住のゆっくりがいたり酷い時には熊の巣にも入ってしまい命からがら逃げ出したこともあった。 そんなこんなでもうすぐ冬である。 結局まりさは新しいおうちを見つけれずにいた。とはいえ留守番中のれいむがおうちを色々補強してくれていたので 何とかなりそうなのではあるがそれでは自分の愛する『はにー』に合わせる顔が無い。 れいむは 「だーりん、むりしないでね。だーりんがゆっくりできなくなったられいむはかなしいよ。」 といってくれてはいるが・・・ 等とまりさが考えていると、なにか木に変なものがくっついているのをみつけた。 「ゆっ?なにこれ?」 それは安いベニヤ板にペンキで大きな矢印とひらがなで 『えっとうようゆっくりぷれいす! ゆっくりきてね!!』 と書かれさらにご丁寧なことにゆっくりれいむのウィンクした絵が描かれた物だった。 まりさは十分ほど声に出しながらそれを読み、さらに十分ほどかけその意味を考えた。 「えっとうようゆっくりぷれいす・・・ゆ!!そうだ!!そこをまりさとはにーのおうちにするよ!!」 とまりさは喜び勇んでその矢印の方向に向かっていた。 矢印はいくつも短い間隔に並んでいたのでまりさは三回迷うだけで目的地に着くことができた。 そこは人里近い・・・というか明らかに人間の家の裏手なのだが最近一人立ちをし、番になったばかりのまりさにはそんなことはわからない。 おまけに裏手の壁にはでかでかと下を向いた矢印(↓)と満面の笑みのれいむまりさがゆっくりなんともゆっくりした表情で 「ゆっくりえっとうしていってね!!」 というふきだしが書かれた絵が描かれている。これではこのまりさに疑えと言うほうが無理だろう。 「ゆっくりちかづくよ!!」 まりさが矢印の方向にぽよんぽよんと近づいていくが、上に入り口と書かれた横穴には木の戸があり 「ゆっくりまってね!!」 と書いてある。 「ゆっくりまつよ!!」 だれも聞いていないのに返事をするまりさ。しばらく待つといきなりカタンと音がして穴が開いた。 おそるおそるまりさが穴に顔をつっこむとそこは実に広々とした空間でとても頑丈なつくりであった。 まさにまりさが探していたゆっくりプレイスがそこにあった。 「ゆー!やったよ!!これではに~とゆっくりえっとうできるよ!!ゆっへん!!」 そのまままりさは喜び勇んでれいむの待つおうちに跳ねて行った。 うしろでカタンと言う音がしたことに気づかずに。 ~二匹のおうち~ 「はにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!ただいまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「だ~りぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!おかえりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「「むちゅ~~~~~~」」 まりさが帰ってくるとれいむがいつもとおなじくあつい『べぇ~ぜ』をまりさに施す。 そのまましばらくちゅっちゅしたあとまりさはさっき見つけたゆっくりプレイスのことを話す。 「はに~!!ついにまりさたちのえっとうようのおうちをみつけたよ!!ゆっへん!!」 「ゆゆ!!ほんとうだ~りん!?」 「ゆっゆ~ん♪もちろんだよはに~♪まりさははに~にうそなんかついたことないでしょ?」 「ゆ!そうだね!さすがはれいむのだ~りんだね!!」 またしばらくちゅっちゅしあう二匹。 しばらく後まりさとれいむはとりあえず持てるだけの食料を持って引越しを始めた。 ~ゆっくりプレイスの前~ 「ゆっゆ~ん♪はに~、ここがまりさとはに~のあたらしいおうちだよ!!」 「ゆぅーーーー!!すごいよ!!こんなにりっぱなおうちみたことないよ!!」 その場でまたちゅっちゅしあった後二匹は新しいおうちにあんよを踏み入れた。 「すごいね!!ゆっくりできるね!!だ~りん♪」 「ここでゆっくりふゆをこしてあかちゃんつくろうね!!はに~♪」 そこでまたちゅっちゅをしようとしたまりさだったが奥からなにか甘いにおいがすることに気づいた。 なんだろうと思いよく見てみると 「ゆ、ゆぅぅぅぅぅ!!すごいよ!!あまあまさんがあるよ!!」 そこには皿に乗ったタイヤキが二つおいてあった。 「ゆっくりたべにいくよ!!」 まりさは持ってきた食料をその辺に放り投げ嬉々としてタイヤキのほうにポインポインと跳ねていった。 そして笑顔のまま 「ゆぅ~♪あまあまさんまりさにたべら・・・ゆべっ!!」 ドスーン・・・ 隠されていた落とし穴に落ちた。おくれて落ちてきた帽子がなんとも滑稽だ。 「だだだだだだーりん!!どうしたのぉぉぉぉぉぉ!!」 れいむが駆け寄ろうとした瞬間、カタンと言う音がして入り口が閉じた。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!!なにごれぇぇぇぇぇ!!なんでいりぐちさんなくなったのぉぉぉぉぉぉ!!」 「は、はにぃぃぃぃぃ!!なんなのぉぉぉぉぉぉぉぉはやくまりざをだずげでねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 二匹ともパニックになってわんわん泣き出してしまった。しかし当然泣き叫ぼうと助けがくるはずも無い。 二匹が泣きやむとれいむはなんとかまりさを落とし穴からだそうとがんばった。 しかし落とし穴は油がひかれており、まりさがはねようとしても滑って顔を打ち付けるしかない。 そのためれいむが何をしようとまりさは外に出ることができなかった。 しばらくして疲れたれいむは先ほどからちらちらと気になっていたタイヤキに手を出すことにした。 「ゆ~・・・だ~りんれいむはつかれたよ・・・れいむはそこのあまあまさんでゆっくりしてからたすけるよ!!」 「わ、わかったよれいむ!まりさにもゆっくりなげてね!!」 言われてタイヤキを穴に投げ込むれいむ 「「ゆっくりいただくよ!!む~しゃ、む~・・・?ゆがああああああああああ!!なにごれぇええええええ!!まじゅいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!たべられないよぉぉぉぉぉぉぉ!!」」 それもそのはず、それはタイヤキを模したただの匂い付きの消しゴム。まりさとれいむはエレエレとかじった消しゴムを吐き出してしまう。 仕方ないので持って来た食料を食べることにするが、まりさは深い穴の中。 いつもは互いにす~り、す~りしたり食べかすをぺ~ろ、ぺ~ろしながら食べるのだがそれができずいつもはしあわせ~な食事もあまりおいしくない。 「む~しゃ、む~しゃ・・・ゆぅぅぅぅぅぅ!!だ~りんとちゅっちゅしたいよぉぉぉぉぉぉ!!」 「む~しゃ、む~しゃ・・・はに~のすべすべなやわはだとす~りす~りじだいぃぃぃぃぃぃ!!」 二匹がさめざめ泣いていると突然上のほうからドスンドスンと言う音が聞こえてきた。 「ゆぅぅぅぅ!!なにごのおど!!はに~なんなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「わがらないよぉぉぉぉぉぉ!!だ~りん、はやぐかわいいでいぶのどごろにぎでよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 その音は二匹の上を通り過ぎ少しはなれたところで止まった。 「ゆぅ?おとさんやんだの・・・?」 しかし今度はなにやらカタンという音がして天井がはずれなにかがぶら下がってきた。 二匹はあまりのことに口を д ←こんな風にして固まっていた。 しかしその首はだんだんと回転してついに二匹のほうに向き直ったその時、唐突に目をギラリと光らせ 「うはははははははははははははははははは!!待たせたな!!僕だ!!お待ちかねの虐待お兄さんだ!!うははははははははははははははははは!!」 と大声で叫んだ。 二匹はやはりあまりのことになにも反応することができず、お兄さんが下におりてれいむとまりさをつかみ上げそれぞれ透明の箱に入れてもフリーズしたままだった。 しかしお兄さんはかまわず笑い続ける。 「うははははははははは!!うはっ!!うははははははははははは!!」 その異常な振る舞いに流石にれいむとまりさは反応した。 「ゆぅぅぅぅぅぅ!!なんなのおにいさん!!なんでれいむたちのおうちにいるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ごごはばりざのみつげだゆっぐりぶれいずなんだよ!!はやくででっでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 すると反応に満足したのかお兄さんはにっこりと笑顔を見せる。 「やぁ君達、すまないねついテンションがあがってしまって。ゴメンゴメン。」 「わかればいいんだよ!!じゃあおじさんはとっととはに~とまりさの《あいのす》からおかしをおいてでてってね!!」 「そうだよ!!これかられいむとだ~りんはこのえっとうようゆっくりぷれいすでゆっくりするんだからじゃましないでね。」 するとお兄さんは今度は謙虚に笑いだした。 「ぷっ・・・越冬用ゆっくりプレイスってお前らあの看板見てここに来た口か。あはははははは!!」 「なにがおかしいの!!さっさとここからでていってね!!ぷく~!!」 「お前らなあ、なんで自分がここにいるのかまだわかってないのか。」 「ゆ!おじさんはばかだね!!れいむたちはゆっくりするためにここにいるんだよ!!そんなこともわからないの?ばかなの?しぬの?」 「違うよ、君たちがここに来て、穴に落ちて、透明な箱に入っているのは全て俺が仕向けたことなのさ。」 「ゆ?どういうこと?」 「簡単に言うとお前らは俺の罠にかかったの。そんでこれからずっとゆっくりできない生活をするんだよ。」 「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」 そう、言うまでも無いことだがあの看板や落とし穴は全てこのお兄さんが仕掛けたことだったのだ。 「いやぁ~前に縁の下に巣を作られたことがあってそれで罠を思いついたらここまで上手くいくとはね~。 冬は天然のゆっくりがなかなか手に入れられないから助かるよホント。」 「だじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!はに~どばりざをごごがらだじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆっぐりざぜでぐだざぃぃぃぃぃ!!だ~りんとでいぶはふゆざんをごしだらゆっぐりじだあがぢゃんをづぐるんでずぅぅぅぅぅ!!」 「出すことはできないけど赤ちゃんならいくらでも作らせてあげるよ。虐待用と食用だけどね。」 「「やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」 二匹はしばらく泣きあっていたがそのうちお互いを罵り始めた。 「こんなことになったのもぜんぶれいむのせいだよ!!れいむがひっこししたいっていうからこんなことになったんだよ!!」 「な、なんでごどいうのぉぉぉぉぉ!!だ~りんんんんんんんん!!ぞれにここはだ~りんがみつけたんでしょぉぉぉぉぉぉ!!」 「もうだ~りんなんてよばないでね!!れいむとはりこんだよ!!こんなことならありすとけっこんするんだったよ!!」 「なにいっでるの!!ばりざはありずにふられだんでしょ!!だがらでいぶがげっごんじであげたのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「ぢがぅぅぅぅぅぅぅ!!ぞんなごどいうばがなでいぶはざっざどじね!!ゆっぐりじないでじね!!」 「ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ばりざごぞじね!!ぶざいぐでぐざいばりざはざっざどじね!!」 「あ~あ、さっきまではに~だのだ~りんだのとよびあってたっつーのにお前らは・・・まあこっち側にすりゃ面白いから別にいいけどな。」 そして罵りあう二匹を持って押入れを開けるお兄さん。 そこにはれいむ、まりさは勿論のこと、ありす、ちぇん、ぱちゅりーなどがぎっしりと透明の箱に入れられていた。 「ひ~ふ~み~・・・こいつらで30近く捕まえたか。これで冬にゆっくりに困ることはなさそうだ。」 そういってから二匹を押入れにしまいぴしゃりと戸を閉めた。 さっさと次のゆっくりを招き入れるため仕掛けを直さなくてはならないからだ。 「わかるよ~!!これがえっとうようゆっくりぷれいすだね!!」 どうやらまた哀れなゆっくりがここをかぎつけたようだ。急いで入り口を開けてやらないとな・・・。 ちなみにあの二匹は赤ちゃんを作ることはなかった。 このお兄さんがあまりにゆっくりを捕まえすぎたので餌が間に合わなかったのだ。 あのゆっくりまりさとゆっくりれいむは死ぬまでお互いを罵りあい赤ちゃんを産むことも、ましてや一度のスッキリもする事も無く 餓死して他のゆっくりの餌にされた。 あとがき 途中までの愛し合うゆっくりの描写で胃がストレスでマッハでした。 何度棒で二匹を叩き潰す展開にしようかと思ったことか。 罠にかかる愚かなゆっくりを描こうとしたのですが 結局薄っぺらいゆっくりの愛と裏切りになってしまった気が・・・。 今度はもっとすっきりと全滅させる感じのを書きたいと思っています。 甘党 今まで書いたもの ゆっくりコールドスリープ ゆっくりを効率的に全滅させるには。 ユマンジュゥ きれいなゆっくりの作り方 ゆっくり達のバザール ゆっクエ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/2209.html
注意書き 前半はかなりイライラする展開です。 特に悪いことをしていないゆっくりが死にます。 ぬるいです。 あるゆっくり達の冬篭りと甘い罠 ここは冬目前の森の中。 新婚でアツアツのゆっくりれいむとゆっくりまりさのカップルが自分達のおうちでゆっくりしていた。 この二匹は最近番になったばかりですぐにでも子供が欲しかったのだが冬が近いということもあり 今は全力で越冬の準備をし、無事春になってから赤ちゃんを作ろうという話になったのだ。 実際そのおかげで餌は順調に集まった。しかしそこで一つの問題が浮上した。 今までは気にしなかったがどうにもおうちの強度が心もとないのだ。 補強をすれば耐えられないことは無いだろうが万が一も有りえる。 「だ~りん、れいむはもっときれいでがんじょうなおうちにひっこしたいよ!!」 「ゆ、わかったよはに~!ぜったいにふゆをこしてゆっくりしたあかちゃんをつくろうね!!」 「ゆゆぅ~ん♪さすがれいむのだ~りんだよぉ~♪」 ということで次の日からまりさはあたらしいおうちを探すことになった。 できるならば新しいおうちを作りたいところなのだが、積雪に耐えることのできる頑丈なおうちを作るほどの時間は無い。 なので既存の岩場の洞窟や、大樹の根元などを見てみるが当然のごとく先住のゆっくりがいたり酷い時には熊の巣にも入ってしまい命からがら逃げ出したこともあった。 そんなこんなでもうすぐ冬である。 結局まりさは新しいおうちを見つけれずにいた。とはいえ留守番中のれいむがおうちを色々補強してくれていたので 何とかなりそうなのではあるがそれでは自分の愛する『はにー』に合わせる顔が無い。 れいむは 「だーりん、むりしないでね。だーりんがゆっくりできなくなったられいむはかなしいよ。」 といってくれてはいるが・・・ 等とまりさが考えていると、なにか木に変なものがくっついているのをみつけた。 「ゆっ?なにこれ?」 それは安いベニヤ板にペンキで大きな矢印とひらがなで 『えっとうようゆっくりぷれいす! ゆっくりきてね!!』 と書かれさらにご丁寧なことにゆっくりれいむのウィンクした絵が描かれた物だった。 まりさは十分ほど声に出しながらそれを読み、さらに十分ほどかけその意味を考えた。 「えっとうようゆっくりぷれいす・・・ゆ!!そうだ!!そこをまりさとはにーのおうちにするよ!!」 とまりさは喜び勇んでその矢印の方向に向かっていた。 矢印はいくつも短い間隔に並んでいたのでまりさは三回迷うだけで目的地に着くことができた。 そこは人里近い・・・というか明らかに人間の家の裏手なのだが最近一人立ちをし、番になったばかりのまりさにはそんなことはわからない。 おまけに裏手の壁にはでかでかと下を向いた矢印(↓)と満面の笑みのれいむまりさがゆっくりなんともゆっくりした表情で 「ゆっくりえっとうしていってね!!」 というふきだしが書かれた絵が描かれている。これではこのまりさに疑えと言うほうが無理だろう。 「ゆっくりちかづくよ!!」 まりさが矢印の方向にぽよんぽよんと近づいていくが、上に入り口と書かれた横穴には木の戸があり 「ゆっくりまってね!!」 と書いてある。 「ゆっくりまつよ!!」 だれも聞いていないのに返事をするまりさ。しばらく待つといきなりカタンと音がして穴が開いた。 おそるおそるまりさが穴に顔をつっこむとそこは実に広々とした空間でとても頑丈なつくりであった。 まさにまりさが探していたゆっくりプレイスがそこにあった。 「ゆー!やったよ!!これではに~とゆっくりえっとうできるよ!!ゆっへん!!」 そのまままりさは喜び勇んでれいむの待つおうちに跳ねて行った。 うしろでカタンと言う音がしたことに気づかずに。 ~二匹のおうち~ 「はにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!ただいまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「だ~りぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!おかえりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「「むちゅ~~~~~~」」 まりさが帰ってくるとれいむがいつもとおなじくあつい『べぇ~ぜ』をまりさに施す。 そのまましばらくちゅっちゅしたあとまりさはさっき見つけたゆっくりプレイスのことを話す。 「はに~!!ついにまりさたちのえっとうようのおうちをみつけたよ!!ゆっへん!!」 「ゆゆ!!ほんとうだ~りん!?」 「ゆっゆ~ん♪もちろんだよはに~♪まりさははに~にうそなんかついたことないでしょ?」 「ゆ!そうだね!さすがはれいむのだ~りんだね!!」 またしばらくちゅっちゅしあう二匹。 しばらく後まりさとれいむはとりあえず持てるだけの食料を持って引越しを始めた。 ~ゆっくりプレイスの前~ 「ゆっゆ~ん♪はに~、ここがまりさとはに~のあたらしいおうちだよ!!」 「ゆぅーーーー!!すごいよ!!こんなにりっぱなおうちみたことないよ!!」 その場でまたちゅっちゅしあった後二匹は新しいおうちにあんよを踏み入れた。 「すごいね!!ゆっくりできるね!!だ~りん♪」 「ここでゆっくりふゆをこしてあかちゃんつくろうね!!はに~♪」 そこでまたちゅっちゅをしようとしたまりさだったが奥からなにか甘いにおいがすることに気づいた。 なんだろうと思いよく見てみると 「ゆ、ゆぅぅぅぅぅ!!すごいよ!!あまあまさんがあるよ!!」 そこには皿に乗ったタイヤキが二つおいてあった。 「ゆっくりたべにいくよ!!」 まりさは持ってきた食料をその辺に放り投げ嬉々としてタイヤキのほうにポインポインと跳ねていった。 そして笑顔のまま 「ゆぅ~♪あまあまさんまりさにたべら・・・ゆべっ!!」 ドスーン・・・ 隠されていた落とし穴に落ちた。おくれて落ちてきた帽子がなんとも滑稽だ。 「だだだだだだーりん!!どうしたのぉぉぉぉぉぉ!!」 れいむが駆け寄ろうとした瞬間、カタンと言う音がして入り口が閉じた。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!!なにごれぇぇぇぇぇ!!なんでいりぐちさんなくなったのぉぉぉぉぉぉ!!」 「は、はにぃぃぃぃぃ!!なんなのぉぉぉぉぉぉぉぉはやくまりざをだずげでねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 二匹ともパニックになってわんわん泣き出してしまった。しかし当然泣き叫ぼうと助けがくるはずも無い。 二匹が泣きやむとれいむはなんとかまりさを落とし穴からだそうとがんばった。 しかし落とし穴は油がひかれており、まりさがはねようとしても滑って顔を打ち付けるしかない。 そのためれいむが何をしようとまりさは外に出ることができなかった。 しばらくして疲れたれいむは先ほどからちらちらと気になっていたタイヤキに手を出すことにした。 「ゆ~・・・だ~りんれいむはつかれたよ・・・れいむはそこのあまあまさんでゆっくりしてからたすけるよ!!」 「わ、わかったよれいむ!まりさにもゆっくりなげてね!!」 言われてタイヤキを穴に投げ込むれいむ 「「ゆっくりいただくよ!!む~しゃ、む~・・・?ゆがああああああああああ!!なにごれぇええええええ!!まじゅいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!たべられないよぉぉぉぉぉぉぉ!!」」 それもそのはず、それはタイヤキを模したただの匂い付きの消しゴム。まりさとれいむはエレエレとかじった消しゴムを吐き出してしまう。 仕方ないので持って来た食料を食べることにするが、まりさは深い穴の中。 いつもは互いにす~り、す~りしたり食べかすをぺ~ろ、ぺ~ろしながら食べるのだがそれができずいつもはしあわせ~な食事もあまりおいしくない。 「む~しゃ、む~しゃ・・・ゆぅぅぅぅぅぅ!!だ~りんとちゅっちゅしたいよぉぉぉぉぉぉ!!」 「む~しゃ、む~しゃ・・・はに~のすべすべなやわはだとす~りす~りじだいぃぃぃぃぃぃ!!」 二匹がさめざめ泣いていると突然上のほうからドスンドスンと言う音が聞こえてきた。 「ゆぅぅぅぅ!!なにごのおど!!はに~なんなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「わがらないよぉぉぉぉぉぉ!!だ~りん、はやぐかわいいでいぶのどごろにぎでよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 その音は二匹の上を通り過ぎ少しはなれたところで止まった。 「ゆぅ?おとさんやんだの・・・?」 しかし今度はなにやらカタンという音がして天井がはずれなにかがぶら下がってきた。 二匹はあまりのことに口を д ←こんな風にして固まっていた。 しかしその首はだんだんと回転してついに二匹のほうに向き直ったその時、唐突に目をギラリと光らせ 「うはははははははははははははははははは!!待たせたな!!僕だ!!お待ちかねの虐待お兄さんだ!!うははははははははははははははははは!!」 と大声で叫んだ。 二匹はやはりあまりのことになにも反応することができず、お兄さんが下におりてれいむとまりさをつかみ上げそれぞれ透明の箱に入れてもフリーズしたままだった。 しかしお兄さんはかまわず笑い続ける。 「うははははははははは!!うはっ!!うははははははははははは!!」 その異常な振る舞いに流石にれいむとまりさは反応した。 「ゆぅぅぅぅぅぅ!!なんなのおにいさん!!なんでれいむたちのおうちにいるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ごごはばりざのみつげだゆっぐりぶれいずなんだよ!!はやくででっでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 すると反応に満足したのかお兄さんはにっこりと笑顔を見せる。 「やぁ君達、すまないねついテンションがあがってしまって。ゴメンゴメン。」 「わかればいいんだよ!!じゃあおじさんはとっととはに~とまりさの《あいのす》からおかしをおいてでてってね!!」 「そうだよ!!これかられいむとだ~りんはこのえっとうようゆっくりぷれいすでゆっくりするんだからじゃましないでね。」 するとお兄さんは今度は謙虚に笑いだした。 「ぷっ・・・越冬用ゆっくりプレイスってお前らあの看板見てここに来た口か。あはははははは!!」 「なにがおかしいの!!さっさとここからでていってね!!ぷく~!!」 「お前らなあ、なんで自分がここにいるのかまだわかってないのか。」 「ゆ!おじさんはばかだね!!れいむたちはゆっくりするためにここにいるんだよ!!そんなこともわからないの?ばかなの?しぬの?」 「違うよ、君たちがここに来て、穴に落ちて、透明な箱に入っているのは全て俺が仕向けたことなのさ。」 「ゆ?どういうこと?」 「簡単に言うとお前らは俺の罠にかかったの。そんでこれからずっとゆっくりできない生活をするんだよ。」 「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」 そう、言うまでも無いことだがあの看板や落とし穴は全てこのお兄さんが仕掛けたことだったのだ。 「いやぁ~前に縁の下に巣を作られたことがあってそれで罠を思いついたらここまで上手くいくとはね~。 冬は天然のゆっくりがなかなか手に入れられないから助かるよホント。」 「だじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!はに~どばりざをごごがらだじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆっぐりざぜでぐだざぃぃぃぃぃ!!だ~りんとでいぶはふゆざんをごしだらゆっぐりじだあがぢゃんをづぐるんでずぅぅぅぅぅ!!」 「出すことはできないけど赤ちゃんならいくらでも作らせてあげるよ。虐待用と食用だけどね。」 「「やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」 二匹はしばらく泣きあっていたがそのうちお互いを罵り始めた。 「こんなことになったのもぜんぶれいむのせいだよ!!れいむがひっこししたいっていうからこんなことになったんだよ!!」 「な、なんでごどいうのぉぉぉぉぉ!!だ~りんんんんんんんん!!ぞれにここはだ~りんがみつけたんでしょぉぉぉぉぉぉ!!」 「もうだ~りんなんてよばないでね!!れいむとはりこんだよ!!こんなことならありすとけっこんするんだったよ!!」 「なにいっでるの!!ばりざはありずにふられだんでしょ!!だがらでいぶがげっごんじであげたのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「ぢがぅぅぅぅぅぅぅ!!ぞんなごどいうばがなでいぶはざっざどじね!!ゆっぐりじないでじね!!」 「ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ばりざごぞじね!!ぶざいぐでぐざいばりざはざっざどじね!!」 「あ~あ、さっきまではに~だのだ~りんだのとよびあってたっつーのにお前らは・・・まあこっち側にすりゃ面白いから別にいいけどな。」 そして罵りあう二匹を持って押入れを開けるお兄さん。 そこにはれいむ、まりさは勿論のこと、ありす、ちぇん、ぱちゅりーなどがぎっしりと透明の箱に入れられていた。 「ひ~ふ~み~・・・こいつらで30近く捕まえたか。これで冬にゆっくりに困ることはなさそうだ。」 そういってから二匹を押入れにしまいぴしゃりと戸を閉めた。 さっさと次のゆっくりを招き入れるため仕掛けを直さなくてはならないからだ。 「わかるよ~!!これがえっとうようゆっくりぷれいすだね!!」 どうやらまた哀れなゆっくりがここをかぎつけたようだ。急いで入り口を開けてやらないとな・・・。 ちなみにあの二匹は赤ちゃんを作ることはなかった。 このお兄さんがあまりにゆっくりを捕まえすぎたので餌が間に合わなかったのだ。 あのゆっくりまりさとゆっくりれいむは死ぬまでお互いを罵りあい赤ちゃんを産むことも、ましてや一度のスッキリもする事も無く 餓死して他のゆっくりの餌にされた。 あとがき 途中までの愛し合うゆっくりの描写で胃がストレスでマッハでした。 何度棒で二匹を叩き潰す展開にしようかと思ったことか。 罠にかかる愚かなゆっくりを描こうとしたのですが 結局薄っぺらいゆっくりの愛と裏切りになってしまった気が・・・。 今度はもっとすっきりと全滅させる感じのを書きたいと思っています。 甘党? 今まで書いたもの ゆっくりコールドスリープ ゆっくりを効率的に全滅させるには。 ユマンジュゥ きれいなゆっくりの作り方 ゆっくり達のバザール ゆっクエ
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注意書き 前半はかなりイライラする展開です。 特に悪いことをしていないゆっくりが死にます。 ぬるいです。 あるゆっくり達の冬篭りと甘い罠 ここは冬目前の森の中。 新婚でアツアツのゆっくりれいむとゆっくりまりさのカップルが自分達のおうちでゆっくりしていた。 この二匹は最近番になったばかりですぐにでも子供が欲しかったのだが冬が近いということもあり 今は全力で越冬の準備をし、無事春になってから赤ちゃんを作ろうという話になったのだ。 実際そのおかげで餌は順調に集まった。しかしそこで一つの問題が浮上した。 今までは気にしなかったがどうにもおうちの強度が心もとないのだ。 補強をすれば耐えられないことは無いだろうが万が一も有りえる。 「だ~りん、れいむはもっときれいでがんじょうなおうちにひっこしたいよ!!」 「ゆ、わかったよはに~!ぜったいにふゆをこしてゆっくりしたあかちゃんをつくろうね!!」 「ゆゆぅ~ん♪さすがれいむのだ~りんだよぉ~♪」 ということで次の日からまりさはあたらしいおうちを探すことになった。 できるならば新しいおうちを作りたいところなのだが、積雪に耐えることのできる頑丈なおうちを作るほどの時間は無い。 なので既存の岩場の洞窟や、大樹の根元などを見てみるが当然のごとく先住のゆっくりがいたり酷い時には熊の巣にも入ってしまい命からがら逃げ出したこともあった。 そんなこんなでもうすぐ冬である。 結局まりさは新しいおうちを見つけれずにいた。とはいえ留守番中のれいむがおうちを色々補強してくれていたので 何とかなりそうなのではあるがそれでは自分の愛する『はにー』に合わせる顔が無い。 れいむは 「だーりん、むりしないでね。だーりんがゆっくりできなくなったられいむはかなしいよ。」 といってくれてはいるが・・・ 等とまりさが考えていると、なにか木に変なものがくっついているのをみつけた。 「ゆっ?なにこれ?」 それは安いベニヤ板にペンキで大きな矢印とひらがなで 『えっとうようゆっくりぷれいす! ゆっくりきてね!!』 と書かれさらにご丁寧なことにゆっくりれいむのウィンクした絵が描かれた物だった。 まりさは十分ほど声に出しながらそれを読み、さらに十分ほどかけその意味を考えた。 「えっとうようゆっくりぷれいす・・・ゆ!!そうだ!!そこをまりさとはにーのおうちにするよ!!」 とまりさは喜び勇んでその矢印の方向に向かっていた。 矢印はいくつも短い間隔に並んでいたのでまりさは三回迷うだけで目的地に着くことができた。 そこは人里近い・・・というか明らかに人間の家の裏手なのだが最近一人立ちをし、番になったばかりのまりさにはそんなことはわからない。 おまけに裏手の壁にはでかでかと下を向いた矢印(↓)と満面の笑みのれいむまりさがゆっくりなんともゆっくりした表情で 「ゆっくりえっとうしていってね!!」 というふきだしが書かれた絵が描かれている。これではこのまりさに疑えと言うほうが無理だろう。 「ゆっくりちかづくよ!!」 まりさが矢印の方向にぽよんぽよんと近づいていくが、上に入り口と書かれた横穴には木の戸があり 「ゆっくりまってね!!」 と書いてある。 「ゆっくりまつよ!!」 だれも聞いていないのに返事をするまりさ。しばらく待つといきなりカタンと音がして穴が開いた。 おそるおそるまりさが穴に顔をつっこむとそこは実に広々とした空間でとても頑丈なつくりであった。 まさにまりさが探していたゆっくりプレイスがそこにあった。 「ゆー!やったよ!!これではに~とゆっくりえっとうできるよ!!ゆっへん!!」 そのまままりさは喜び勇んでれいむの待つおうちに跳ねて行った。 うしろでカタンと言う音がしたことに気づかずに。 ~二匹のおうち~ 「はにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!ただいまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「だ~りぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!おかえりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「「むちゅ~~~~~~」」 まりさが帰ってくるとれいむがいつもとおなじくあつい『べぇ~ぜ』をまりさに施す。 そのまましばらくちゅっちゅしたあとまりさはさっき見つけたゆっくりプレイスのことを話す。 「はに~!!ついにまりさたちのえっとうようのおうちをみつけたよ!!ゆっへん!!」 「ゆゆ!!ほんとうだ~りん!?」 「ゆっゆ~ん♪もちろんだよはに~♪まりさははに~にうそなんかついたことないでしょ?」 「ゆ!そうだね!さすがはれいむのだ~りんだね!!」 またしばらくちゅっちゅしあう二匹。 しばらく後まりさとれいむはとりあえず持てるだけの食料を持って引越しを始めた。 ~ゆっくりプレイスの前~ 「ゆっゆ~ん♪はに~、ここがまりさとはに~のあたらしいおうちだよ!!」 「ゆぅーーーー!!すごいよ!!こんなにりっぱなおうちみたことないよ!!」 その場でまたちゅっちゅしあった後二匹は新しいおうちにあんよを踏み入れた。 「すごいね!!ゆっくりできるね!!だ~りん♪」 「ここでゆっくりふゆをこしてあかちゃんつくろうね!!はに~♪」 そこでまたちゅっちゅをしようとしたまりさだったが奥からなにか甘いにおいがすることに気づいた。 なんだろうと思いよく見てみると 「ゆ、ゆぅぅぅぅぅ!!すごいよ!!あまあまさんがあるよ!!」 そこには皿に乗ったタイヤキが二つおいてあった。 「ゆっくりたべにいくよ!!」 まりさは持ってきた食料をその辺に放り投げ嬉々としてタイヤキのほうにポインポインと跳ねていった。 そして笑顔のまま 「ゆぅ~♪あまあまさんまりさにたべら・・・ゆべっ!!」 ドスーン・・・ 隠されていた落とし穴に落ちた。おくれて落ちてきた帽子がなんとも滑稽だ。 「だだだだだだーりん!!どうしたのぉぉぉぉぉぉ!!」 れいむが駆け寄ろうとした瞬間、カタンと言う音がして入り口が閉じた。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!!なにごれぇぇぇぇぇ!!なんでいりぐちさんなくなったのぉぉぉぉぉぉ!!」 「は、はにぃぃぃぃぃ!!なんなのぉぉぉぉぉぉぉぉはやくまりざをだずげでねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 二匹ともパニックになってわんわん泣き出してしまった。しかし当然泣き叫ぼうと助けがくるはずも無い。 二匹が泣きやむとれいむはなんとかまりさを落とし穴からだそうとがんばった。 しかし落とし穴は油がひかれており、まりさがはねようとしても滑って顔を打ち付けるしかない。 そのためれいむが何をしようとまりさは外に出ることができなかった。 しばらくして疲れたれいむは先ほどからちらちらと気になっていたタイヤキに手を出すことにした。 「ゆ~・・・だ~りんれいむはつかれたよ・・・れいむはそこのあまあまさんでゆっくりしてからたすけるよ!!」 「わ、わかったよれいむ!まりさにもゆっくりなげてね!!」 言われてタイヤキを穴に投げ込むれいむ 「「ゆっくりいただくよ!!む~しゃ、む~・・・?ゆがああああああああああ!!なにごれぇええええええ!!まじゅいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!たべられないよぉぉぉぉぉぉぉ!!」」 それもそのはず、それはタイヤキを模したただの匂い付きの消しゴム。まりさとれいむはエレエレとかじった消しゴムを吐き出してしまう。 仕方ないので持って来た食料を食べることにするが、まりさは深い穴の中。 いつもは互いにす~り、す~りしたり食べかすをぺ~ろ、ぺ~ろしながら食べるのだがそれができずいつもはしあわせ~な食事もあまりおいしくない。 「む~しゃ、む~しゃ・・・ゆぅぅぅぅぅぅ!!だ~りんとちゅっちゅしたいよぉぉぉぉぉぉ!!」 「む~しゃ、む~しゃ・・・はに~のすべすべなやわはだとす~りす~りじだいぃぃぃぃぃぃ!!」 二匹がさめざめ泣いていると突然上のほうからドスンドスンと言う音が聞こえてきた。 「ゆぅぅぅぅ!!なにごのおど!!はに~なんなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「わがらないよぉぉぉぉぉぉ!!だ~りん、はやぐかわいいでいぶのどごろにぎでよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 その音は二匹の上を通り過ぎ少しはなれたところで止まった。 「ゆぅ?おとさんやんだの・・・?」 しかし今度はなにやらカタンという音がして天井がはずれなにかがぶら下がってきた。 二匹はあまりのことに口を д ←こんな風にして固まっていた。 しかしその首はだんだんと回転してついに二匹のほうに向き直ったその時、唐突に目をギラリと光らせ 「うはははははははははははははははははは!!待たせたな!!僕だ!!お待ちかねの虐待お兄さんだ!!うははははははははははははははははは!!」 と大声で叫んだ。 二匹はやはりあまりのことになにも反応することができず、お兄さんが下におりてれいむとまりさをつかみ上げそれぞれ透明の箱に入れてもフリーズしたままだった。 しかしお兄さんはかまわず笑い続ける。 「うははははははははは!!うはっ!!うははははははははははは!!」 その異常な振る舞いに流石にれいむとまりさは反応した。 「ゆぅぅぅぅぅぅ!!なんなのおにいさん!!なんでれいむたちのおうちにいるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ごごはばりざのみつげだゆっぐりぶれいずなんだよ!!はやくででっでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 すると反応に満足したのかお兄さんはにっこりと笑顔を見せる。 「やぁ君達、すまないねついテンションがあがってしまって。ゴメンゴメン。」 「わかればいいんだよ!!じゃあおじさんはとっととはに~とまりさの《あいのす》からおかしをおいてでてってね!!」 「そうだよ!!これかられいむとだ~りんはこのえっとうようゆっくりぷれいすでゆっくりするんだからじゃましないでね。」 するとお兄さんは今度は謙虚に笑いだした。 「ぷっ・・・越冬用ゆっくりプレイスってお前らあの看板見てここに来た口か。あはははははは!!」 「なにがおかしいの!!さっさとここからでていってね!!ぷく~!!」 「お前らなあ、なんで自分がここにいるのかまだわかってないのか。」 「ゆ!おじさんはばかだね!!れいむたちはゆっくりするためにここにいるんだよ!!そんなこともわからないの?ばかなの?しぬの?」 「違うよ、君たちがここに来て、穴に落ちて、透明な箱に入っているのは全て俺が仕向けたことなのさ。」 「ゆ?どういうこと?」 「簡単に言うとお前らは俺の罠にかかったの。そんでこれからずっとゆっくりできない生活をするんだよ。」 「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」 そう、言うまでも無いことだがあの看板や落とし穴は全てこのお兄さんが仕掛けたことだったのだ。 「いやぁ~前に縁の下に巣を作られたことがあってそれで罠を思いついたらここまで上手くいくとはね~。 冬は天然のゆっくりがなかなか手に入れられないから助かるよホント。」 「だじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!はに~どばりざをごごがらだじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆっぐりざぜでぐだざぃぃぃぃぃ!!だ~りんとでいぶはふゆざんをごしだらゆっぐりじだあがぢゃんをづぐるんでずぅぅぅぅぅ!!」 「出すことはできないけど赤ちゃんならいくらでも作らせてあげるよ。虐待用と食用だけどね。」 「「やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」 二匹はしばらく泣きあっていたがそのうちお互いを罵り始めた。 「こんなことになったのもぜんぶれいむのせいだよ!!れいむがひっこししたいっていうからこんなことになったんだよ!!」 「な、なんでごどいうのぉぉぉぉぉ!!だ~りんんんんんんんん!!ぞれにここはだ~りんがみつけたんでしょぉぉぉぉぉぉ!!」 「もうだ~りんなんてよばないでね!!れいむとはりこんだよ!!こんなことならありすとけっこんするんだったよ!!」 「なにいっでるの!!ばりざはありずにふられだんでしょ!!だがらでいぶがげっごんじであげたのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「ぢがぅぅぅぅぅぅぅ!!ぞんなごどいうばがなでいぶはざっざどじね!!ゆっぐりじないでじね!!」 「ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ばりざごぞじね!!ぶざいぐでぐざいばりざはざっざどじね!!」 「あ~あ、さっきまではに~だのだ~りんだのとよびあってたっつーのにお前らは・・・まあこっち側にすりゃ面白いから別にいいけどな。」 そして罵りあう二匹を持って押入れを開けるお兄さん。 そこにはれいむ、まりさは勿論のこと、ありす、ちぇん、ぱちゅりーなどがぎっしりと透明の箱に入れられていた。 「ひ~ふ~み~・・・こいつらで30近く捕まえたか。これで冬にゆっくりに困ることはなさそうだ。」 そういってから二匹を押入れにしまいぴしゃりと戸を閉めた。 さっさと次のゆっくりを招き入れるため仕掛けを直さなくてはならないからだ。 「わかるよ~!!これがえっとうようゆっくりぷれいすだね!!」 どうやらまた哀れなゆっくりがここをかぎつけたようだ。急いで入り口を開けてやらないとな・・・。 ちなみにあの二匹は赤ちゃんを作ることはなかった。 このお兄さんがあまりにゆっくりを捕まえすぎたので餌が間に合わなかったのだ。 あのゆっくりまりさとゆっくりれいむは死ぬまでお互いを罵りあい赤ちゃんを産むことも、ましてや一度のスッキリもする事も無く 餓死して他のゆっくりの餌にされた。 あとがき 途中までの愛し合うゆっくりの描写で胃がストレスでマッハでした。 何度棒で二匹を叩き潰す展開にしようかと思ったことか。 罠にかかる愚かなゆっくりを描こうとしたのですが 結局薄っぺらいゆっくりの愛と裏切りになってしまった気が・・・。 今度はもっとすっきりと全滅させる感じのを書きたいと思っています。 甘党 今まで書いたもの ゆっくりコールドスリープ ゆっくりを効率的に全滅させるには。 ユマンジュゥ きれいなゆっくりの作り方 ゆっくり達のバザール ゆっクエ
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わたしの家には、お友達のタブンネがいます。 タブンネは夜、家のすみっこにおいてある小さなケージの中でねます。 昨日の夜ねているタブンネを見ていたら、タブンネはなんだかねぐるしそうでした。 ケージとタブンネの大きさはほとんど変わらず、とてもせまいのです。 来たばかりのころはケージの半分におさまっていたタブンネだけど、今ではとびらから中に入ることもできません。 よく考えてみれば、タブンネは毎日ごはんを食べておやつを食べて、遊んでねるだけの生活をしています。 わたしとちがってタブンネはおとなしいせいかくであまりうんどうは好きじゃなく、家でのんびりするのが好きみたい。 でも、このままじゃタブンネはどんどん太っていって、もっとくるしくなっちゃうかもしれません。 だいえっと、させた方がいいのかな? 次の日わたしはタブンネをつれて外に出ました。さいきんこもりきりだったタブンネにとっては久しぶりのお外です。 タブンネは「みぃみぃ?」とないていて、それがわたしには「どうしたの?」と言っているように聞こえました。 わたしはタブンネのぶにぶにしているおなかにあなぬけのひもをグルグルと巻きつけているのです。 ちょっとくるしそうだけど、うんどうぎらいなタブンネは無理やりにでも引っぱらないと走らないのでがまんしてもらいます。 ひもを強く引っぱって、出発進行!タブンネは急に走り出したわたしについてこれず、ころんでしまいました。 「もう、しっかりしてよ」 ころんだタブンネを起こしてあげて、もう一度かけ声を上げて走り出しました。今度はタブンネもがんばってついてきてます。 いっぱい走って、うんどうして、だいえっとしようね! まずは近くの公園までやってきました。わたしやタブンネがまだ小さいころはここでよくあそびました。 むかしのようにすべりだいをすべろうとすると、タブンネがなかなかすべってくれません。 どうしたの?と言うとタブンネは困ったようにみぃみぃないて体をよじります。 よく見るとタブンネの体はすべりだいにすっぽりとはさまっていて、身うごきがとれないみたいです。 前はこのすべりだいをいっしょにたくさんすべっていたのに、こんなに太っていたなんて…。 悲しくなったわたしは、タブンネを絶対にやせさせてあげようと思いました。 ひとまずタブンネをすべりだいから抜けさせるために、後ろから強く押します。 「み゛、みぃっみ、みぃ゛!」 タブンネがちょっと痛そうだけど、このままの方がかわいそうだからがまんしてね。 ぐいぐい押してもけっても、逆に引いてみても、タブンネはすべりだいからぬけだせません。 ここでわたしはふと思いつきました。水でぬらせばすべりが良くなって、ぬけだせるかな? 早速わたしは水をさがします。このこうえんは水のみ場がないので、水たまりのどろ水をゴミばこの中にあったペットボトルに入れます。 そしてそれをタブンネのおしりのあたりにかけてもう一度ぐいぐいと押してみます。 すると、ずるずるとした音を立ててタブンネがすべりだいを少しずつすべっていきます。 なんとかすべりだいをだっしゅつしたわたしたちは、こうえんで遊ぶのはやめてまた走り出しました。 しばらく走っていると、タブンネはぜぇぜぇと息をあらくして、くるしそうにしています。 そろそろお昼の時間なので、一度きゅうけいにしました。 おかあさんにもらったおべんとうを取り出すと、タブンネはうれしそうにみぃとないて、さいそくするように両手をさし出します。 でもここでごはんを食べたら、せっかくうんどうしたのにまた太ってしまいます。 「タブンネの分はないよ」 そう言うとタブンネはすごくビックリしたかおをして固まりました。 かわいそうだけど心をオニにして、わたしはタブンネの前でおべんとうを食べます。 その間タブンネは物ほしそうなかおでわたしのことを見つめていたけれど、知らないふりをしました。これはタブンネのためなのです。 すると、タブンネが見たこともないようなこわいかおをして、わたしのおべんとうを取ろうとおそいかかってきました。 とつぜんのことでよけれず、半分くらいのこっていたおべんとうが地面に落ちてしまいます。 すなだらけになったごはんをタブンネはむさぼります。すなの味にかおをしかめながら、それでもよだれをたらして必死に食べます。 「みっ…みふぅ……っ!み゛、みっ…」 ぐちゃぐちゃ、じゃりじゃり。汚い音を立てながらわたしのおべんとうをむさぼるタブンネが、なんだかとても汚い生き物のように見えました。 タブンネはわたしのおたんじょうびにプレゼントしてもらった大切なお友達です。 でもわたしには、今のタブンネのことをお友達だともかぞくだとも思えなくて、なんだか泣きそうになりました。 ごはんを全部食べ終わったタブンネは満足そうにゲップをして、その場にねころびます。 いつもタブンネはお昼ごはんの後必ず横になってねむるのです。 でも今はだいえっと中。食べた分もしっかりとうんどうをしなければいけません。 わたしはいやがるタブンネを無理やり引っぱって、また走りだします。 タブンネは最初はいやそうに走っていましたが、5分くらいするとまた地面にねころびました。 砂だらけどろだらけになったタブンネはあくびをして、そのままねむってしまいました。 太りに太ったタブンネはとっても重くて、わたしにはとてもじゃないけどねむったタブンネを引っぱることなんてできません。 どうしよう、うんどうさせないと、だいえっとさせないといけないのに。 とりあえずこのままごろごろとねかせるわけにはいかないので、かわいそうだけどわたしはタブンネを起こすことにしました。 「タブンネ起きて、起きて!」 タブンネのだらしないかおを思いっきりけります。するとタブンネは「みぶぅ!?」とつぶれたようなひめいをあげて飛び起きました。 「おはようタブンネ。ねちゃダメだよ、いっぱいうんどうしないと」 タブンネはいやいやをします。さいきんタブンネはこのようにわたしの言うことをあまり聞いてくれなくなりました。 昔は、昔はとってもすなおでやさしくて、本当に仲良しだったのに。今はこんな、ぼうりょくをふるわないといけないなんて。 なんだかかなしくなってきました。すっごくすっごく、かなしくて、なみだが出そうになりました。 ここでわたしが泣いたら、タブンネはしんぱいしてくれるかな?それとも、わたしのことなんかにかまわず、またねちゃうのかな? わたし達、いつからこうなったんだろう? 今日はもううんどう中止。家に帰りました。タブンネは家についたとたんうれしそうにしてどろだらけの体で中に入ります。 するとおかあさんがひめいをあげました。だって今のタブンネはすごく汚れていてとっても汚い。きれい好きのおかあさんにはたまりません。 おかあさんはタブンネをつれておふろ場に走っていきました。それをぼんやりと見ていたわたしは、おべんとうを台所に置いて自分のへやに行きました。 そして夜、おとうさんがしごとから帰ってきて、夜ごはんの時間になりました。 ケージの中でねていたタブンネはもそもそと起きだして、みぃみぃとないてご飯をほしがります。 わたしはおとうさんとおかあさんにタブンネのことをそうだんして、だいえっとさせてあげたいのとおねがいしました。 するとふたりともさんせいしてくれて、しばらくはタブンネのご飯をけんこうてきにお魚とサラダだけにすることになりました。 今までタブンネは木の実だけでなく、おかしやお肉など人間の食べるものをわたしたちをいっしょに食べていました。 そのけっかがこれなので、みんなでまずはタブンネの食事からかいぜんしていこうね、という話になったのです。 とうぜんタブンネはそんなことは知らず、出てきたご飯にかおをしかめました。 こんがりとやけたおいしそうなシャケとしんせんなやさいのサラダ。タブンネは不満そうなかおをしてみぃみぃなきます。 「今日から暫くはそれがタブンネちゃんのご飯よ。我慢してね」 おかあさんがやさしくそう言うと、タブンネはおこって魚とサラダのお皿をほうりなげました。 ガッシャーン!と大きな音を立ててお皿はわれて、食べ物はぐちゃぐちゃ。それにかまわずタブンネは木の実を入れているカゴにむかって走り出します。 するとおとうさんがこら!とおこってタブンネのうでをつかみます。タブンネはみぃみぃないてあばれて、おかあさんはわれたお皿をかたづけて。 …なに、これ。 あの後タブンネは木の実をおなかいっぱい食べて、またケージでねむりはじめました。 リビングではわたしとおとうさんとおかあさんが、くらいかおをしてテーブルをかこんでいます。 「タブンネにも困ったものだな…」おとうさんがつかれたようにつぶやきました。 わたしのせいなのかな?わたしがタブンネがほしいって、おとうさんにおねがいしたから? わたしがタブンネを甘やかして、きちんとしつけなかったから?どうしてこうなっちゃったんだろう? ごはんを食べておふろに入って、わたしは自分のへやのおふとんの中で色んなことを考えていました。 タブンネをやせさせるにはどうしたらいいんだろう。タブンネにいい子になってもらうにはどうしたらいいんだろう。 どっちが先?やせさせるためにいい子にするの?いい子にするためにやせさせるの? そもそもなんでやせさせるの?どうして太ったの? ぐるぐるぐるぐるとわたしのあたまの中はこんがらがって、だんだん何も考えられなくなってきました。 気晴らしにテレビをつけてみると、ふしぎなばんぐみがやっていました。 『こんなに太っていた○○さんですが、脂肪吸引の結果見事なプロポーションに…』 しぼうきゅういん?しぼうきゅういんって何? わたしはパソコンを使って色々しらべました。しぼうきゅういん、脂肪吸引。文字どおりしぼう、体についたお肉を取っちゃうんだって。 「これならタブンネも…」そう、うんどうぎらいなタブンネもだいえっとができるのです。 このしゅじゅつはとうぜんだれでもかんたんにできるものではないし、たくさんのお金もかかります。 そもそも、ポケモンのしぼうきゅういんなんて、どこでもとりあつかっていない。まぁ人間のびょういんのサイトだからとうぜんなんだけど。 しかしわたしにはいいあんが思いうかんだのです。 わたしのタブンネのとくせいは『さいせいりょく』。ちょっとやそっとのけがはすぐになおってしまうのです。 つまり、わたしがタブンネのしぼうを少しずつけずり取ってしまおうということ。 でもお家の中でやったらおとうさんとおかあさんになんて言われるかわからないので、どこかべつの場所でやらないと。 数日後、家の近くにある迷いの森と言う場所にタブンネをつれて行きました。 ここは特に入り組んだ森ではないのですが名前のとおりになぜか迷ってしまう、ふしぎなふしぎな森なのです。 そんなあぶない森に人が来ることはめったになく、わたしはこの数日間森をたんさくしたので迷わない自信もあります。 万が一のためにあなぬけのひもも2本用意したし、じゅんびはばんたん。しゅじゅつの開始です。 まずは持ってきた丈夫ななわでタブンネをしばりあげます。うでと足、両方をきつくしばればタブンネはみうごきがとれません。 大きな声を上げるとだれかが来てしまうから、口にもなわをまきつけてかませます。 しばられたタブンネの姿はなんだか大きなハムのようで、けらけらと笑ってしまいました。 そして家から持ち出した包丁を取り出します。するとしばられていやそうなかおをしていたタブンネは目を見開いて包丁を見つめます。 大丈夫だよ。ちょっとだけいたいけど、もしかしたらものすごくいたいかもしれないけど、タブンネはすぐにけががなおるもんね。 「ふっ…ふーっっ!!フ……!」 うごけないのに、必死ににげようとするタブンネ。それがなんだか気に食わなくて、わたしは包丁をタブンネのおなかにつきさした。 「ふぶぅぅぅぅううぅっ!?」おどろいたように息をあらげるタブンネ。最初はやさしくするつもりだったけど、それもめんどうになってきた。 そのままないぞうは傷つけないように、しぼうをスライスするように少しずつ切り取っていった。 中から血がぴゅーぴゅーふき出して来て、わたしにもかかります。 でもわたしはあらかじめカッパを着て、首元にはタオルをまいて、服が汚れないようにきちんとたいさくをしていたのでした。 タブンネの『さいせいりょく』は決してあっというまに全てのけががなおるわけではなく、時間をかけて少しずつ自分の体をさいせいしていくのです。 だからしゅじゅつも少しずつ、きゅうけいをはさんでじっくりと行う必要があります。 ブンネはとっても辛そうです。でもうんどうはいや、ごはんもがまんできない、そうなるとやせるためにはしぼうきゅういんしかないのです。 きずがだいぶなおってきたら、またタブンネのおなかをそいでいきます。少しずつ、少しずつ。 「ふ、ぶふ……ッ!う゛、フ、ムブぅ…!?」 タブンネはなみだをながして、おしっこもらして、けいれんしてました。血のにおいとおしっこのにおいがまざってすごくくさい。 目はどこを見ているのかわからなくて体は血まみれで、このまま死んじゃうんじゃないかと思いました。 でも、なぜかわたしはタブンネが死んでも特にかなしくないな、と思ってしまいました。 あんなに大好きだったタブンネのこと、今のわたしは好きじゃないのかな。友達なのに、トモダチなのに…。 タブンネのおなかはお肉がなくなってどんどん小さくなってきました。 あんなに大きかったおなかの中はほとんとがしぼうで、それがなくなったタブンネの姿はまるで昔のようでした。 おなかのきずがふさがったら、うでやかおも少しずつ切っていきます。1日だけじゃ終わらないから、何日もかけて。 そしてタブンネは見事やせることができたのです。 まんまるおなかはスッと、ととのっていて、ぶるぶるしていたうでや足も元のふにふにとしたやさしいやわらかさを取りもどしました。 ほんの少しきずあとがのこっているけどタブンネのふわふわとした毛でかくれてわかりません。 そして何より、あれ以来タブンネがわたしの言うことを聞いてくれるようになったのです。 うんどうはあいかわらず好きじゃないけどおさんぽをするし、いつまでもゴロゴロとねていません。 またわたし達は、元のお友達にもどれたのです。 あの時にテレビをみて、しぼうきゅういんのことを知れて本当によかった。タブンネと仲良しにもどれて、本当によかった。 タブンネのだいえっと大成功! めでたしめでたし♪ -- (名無しさん) 2012-09-25 18 31 56 脂肪吸引とはいえ急なダイエットはリバウンドが怖いですね。舌を根本から切り落とした後歯を全て叩き折り二度とまともな食事をできなくしましょう -- (名無しさん) 2012-09-25 21 47 58 この苦しみを忘れてまたリバウンドするかもしれないww -- (名無しさん) 2013-04-17 16 49 01 元の体型に戻り、ワガママに育った豚ちゃんを素直な性格に矯正出来るし一石二鳥ですなwww -- (名無しさん) 2013-04-18 01 34 39 名前 コメント すべてのコメントを見る
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