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【登録タグ ふ マイんドP 初音ミク 曲】 作詞:マイんドP 作曲:マイんドP 編曲:マイんドP 唄:初音ミク 歌詞 (PIAPROより転載) いつもと変わらない 帰り道を駆け抜ける いつもと違うのは 聞こえない貴方の声 昨日までの二人の影は もう何処にもないはずなのに 貴方の背中見つけたの 私の鼓動止まりかけたわ 隣で笑う その娘は誰? きっと私の見間違いね いつもと変わらない 帰り道を追いかける いつもと違うのは 届かない貴方の声 昨日までの私…サヨナラ もうすぐ貴方を取り戻す あの娘の背中見つけたの 貴方の姿見当たらないわ そっと近づき声をかける どうしてそんなに驚くの? 貴方の背中見つけたの 私の想い届いてくれる 隣のあの娘 探してるの? 安心してね もう いないわ これから二人 ずっと一緒 動かない貴方の傍にいる 今 幸せよ 離れないわ 貴方に寄り添い生きてくわ 代表的なPV紹介 コメント はまった… -- 名無しさん (2009-01-07 00 41 55) 愛が深いね~と思う -- 名無しさん (2011-02-10 09 48 51) 怖ぇ… -- 名無しさん (2011-09-25 14 46 18) 名前 コメント
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「まってー、みさちゃん」 「早く来いよ、あやの。置いてかれるだろ」 野山を駆け回るのに不向きな、でも女の子らしいかわいらしい服を着て私を追いかけるあやの。 その前を走るのは、真っ黒に日焼けしてまるで男の子のような格好をした私。 小さい頃から私とあやのはよく遊んでいた。 いや、私とあやのだけじゃない。 ここにはもう一人、私たちと小さい頃からずっと遊んでいた人。 「おーい、アニキ。どこいった?」 がさがさと木々の枝が擦れる音。 上を見上げれば木立の間から漏れる夏の日差し。 その間からパラパラと上から降ってきた小枝を慌てて避ける。 「あ、アニキ。危ないてっば」 「みさお、そんなことより早く網、網」 アニキに言われるままに網をアニキのほうへ伸ばす私。 アニキは何かを網の中に放り込む。 「はぁ、はぁ……みさちゃん。やっと追いついた……何か捕まえたの?」 「おぉ~、すげえ。みてよ、あやの」 網の中にはカブトムシが二匹。オスとメス。 「わぁ、カブトムシ」 「あやの、虫かごに入れるぞ。それにしてもすげーな、アニキ」 「だろ、ここは俺たちの秘密の場所だからな。絶対誰にも教えちゃだめだぞ」 木の上からするすると降りてきたアニキに、こくこくと頷く私とあやの。 何でも知っていて、スポーツも万能で。 そんなアニキは私たちの憧れだった。 「なーなーアニキ。このカブトムシ、もらっていいのか?」 「ああ、俺はまた取りにこれるしな。二人にやるよ」 「やりー。じゃあ私はオスのほうな。あやの、どっちが強いか戦わせようぜ」 「えっと、みさちゃん。オスとメスは戦わないと思うけど……」 三人で野山を駆け回る毎日。 あの頃は三人が三人とも友達で、そんな関係がずっと続くと思っていた。 ずっとずっと…… さすがに中学生にもなると三人で野山を駆け回ることはなくなったけれど、 帰るときもいつも三人一緒、この頃になっても私たちは仲良し三人組だった。 そんな私たちの関係が変わり始めたのは12月も終わりに近づいたころ。 あやのとは、いつ知り合ったかすら覚えていないぐらい小さい頃からの友達だけれど、 最近のあやのはいつもとはちょっと違っていた。 いつもよりもぼーっとする事が多くなっていたし、真面目あやのには珍しくよそ見をしていて授業中怒られることもあった。 特に変なのは、アニキと一緒のとき。うまく説明できないけれど、 ずっと昔からあやのと一緒だった私にしか分からない、ちょっとした違和感。 「ねえ、みさちゃん。みさちゃんは、好きな人……いる?」 学校からの帰り道。 突然のあやのの言葉に私は飲みかけのホットのウーロン茶を吹き出した。 「み、みさちゃん。汚いよ……」 「げ、げほっ、あ、あやの、どうかしたのか?」 もじもじと恥ずかしそうに指をあわせるあやの。 昔から女の子らしいあやのだけれど、ここのところはさらに輪をかけて女の子らしい。 「も、もしかしてアレか、す、好きな人ができたとか、ま、マジでなのか?」 あやのは恥ずかしそうにこくりと頷く。 「で、で、だ、誰なんだよ。あやのの好きな人って……」 「え、えっと、あのね、みさちゃんのお兄さん……」 ああ、うちのアニキ? 高校三年のアニキの受験勉強が忙しくなって、そういや最近遊んでいないよな。 で、うちのアニキ…… 「……って、ちょっと、え!! もしかして!!」 あやのは恥ずかしそうに、こくりと頷く。 その顔はもう真っ赤で反則的にかわいらしいのだけれど、 って、マジ? もしかして、本当にうちのアニキ? 「来年でお兄さん中学卒業しちゃうでしょ? 最近、受験勉強が忙しくてあんまり会えないくて、 このままお兄さんが他の高校へ行ったら、私、もうお兄さんに逢えなくなっちゃう気がして……」 あ~、確かにな。 小さい頃からずっと遊んできた私たち。 ずっと当然の事だと思ってきたけれど、でも変わらない関係なんてない。 いや、普通だったら小学生ぐらいから男の子は男の子、女の子は女の子で遊ぶようになっていくのに、 ずっと関係が変わらない私たちのほうが異常だったのかもしれない。 私たちもあの頃みたいに無邪気に遊べるような年頃じゃなくなった。 アニキのように中学を卒業すれば、地元から離れた高校に通うようになるのはあたりまえになる。 そして、私たちの年頃になれば、あやののように恋をすることだって…… 「よし、分かった」 自信満々に私は胸を叩く。 「私に任せろよ。あやの。自分の兄貴と大の親友が付き合うんだしな。応援しないわけないだろ」 私はあやのが大好きだし、もちろん兄貴も好きだ。 だから、私の好きな二人がもっと仲良くなってくれたら、私も嬉しい。 「あ……」 あやのの目から、ポロリと涙がこぼれた。 や、ヤバイ。私なんかまずい事言ったっけ…… 「あ、あやの? 私、何かまずい事言った?」 あやのは涙をこぼしながらふるふると首を振る。 「ち、違うの。ただ、その……嬉しくて……」 久しぶりのあやのの泣き顔。 小さい頃は私がよくあやのにイタズラをして、それで泣かせてたことは多かったと思うんだけれど、 でも、中学になってから泣いているあやのを見るなんて久しぶりだった。 「だ、だぁぁ、な、泣くなよ、あやの」 泣いているあやのにどうしたらいいかわからず、私はあやのの頭をくしゃしゃかき回す。 あやのにイタズラをして泣かせてしまったとき、いつもこうやってごまかしていた。 「うん、うん、ありがとうね、みさちゃん」 昔と一緒でいくら頭をかき回してもあやのは泣きやまなかったけれど、 昔と違ってあやのは泣きながら感謝の言葉を続けていた。 私の隣のアニキの部屋。 こっそり覗いたアニキの後姿は勉強中。 うん、おかしいところはない。勉強中の兄に差し入れを持っていくんだから。 「ア、アニキ~」 「お、なんだ、みさおか。何か用か?」 「そろそろ疲れてきた頃かと思ってさ。お菓子でも食べない?」 お盆の上にはクッキーとコーヒー。 インスタントコーヒーだけれども、私やアニキのような庶民にとってはこの香りでも充分いい香り。 「お、みさおにしては珍しく気が利いているな」 「珍しくは余計だよ。ほれ、砂糖とミルクは?」 「ん、いる」 砂糖二個とミルクを入れるアニキ。 見た目は大人っぽいのに、味覚は子供なんだよな。 「どう、勉強は進んでる?」 「あ~、まあ、ぼちぼちってか。模試の結果も上々だし」 アニキが目指しているのはこのあたりじゃちょっとレベルの高い高校。 高校受験なんてずっと先のことのように思えるけれど、再来年には自分もこうしてるんだろーな。 「おっ、このクッキーうまいじゃん」 アニキが指でつまんでいるクッキー。 「だろ~、これ、あやのが持ってきてくれたんだぜ」 「お、そりゃ美味い訳だ。どうだ、最近あやのは元気にしているか?」 「うん、いつも通りだけれどさ、最近アニキが遊んでくれないから寂しそうでさ」 「あ~、そうだよなぁ……最近お前らとも遊んでやっていないしな」 「それでだ、アニキ」 ぴら、と二枚のチケットを取り出す。 ちょっと離れた街にある遊園地のチケットの前売券。 「友達から行けないってもらったんだけどさ、私、来週部活が入っちゃって。 あやのとアニキ二人で行ってこない?」 「なんだ、みさおは行かないのか。再来週でもいいんだぞ」 「このチケット、有効期限が来週だから。早く行かないと間に合わないんだぜ」 もちろん、今の話には嘘が混じっている。 このチケットはわざわざ大宮まで出向いて金券ショップで買ってきたもの。 あらかじめ有効期限が私の部活の日にバッティングしているものを選んで買ってきた。 「最近、アニキも机にかじりつきっぱなしだろ。たまには太陽を浴びないとモヤシになっちまうぞ」 「なんだよ、人をニートみたいに言うな。でも、ちょっとは息抜きも必要かもな」 私の手からチケットをとり、眺めるアニキ。 「じゃ、悪いけどあやのと二人で行ってくるよ。ありがとな、みさお」 「おう、お土産忘れないでくれよな」 飲み終わったコーヒーカップを重ね、そそくさを部屋を出る。 後ろ手でドアを閉め、小さくガッツポーズ。 あとはあやの、お前しだいだかんな!! 日曜日はカンと見事に晴れた青空。 冬の冷たい空気に負けないように、私は念入りにストレッチを繰り返す。 腿の裏側、ふくらはぎ、アキレス腱。ぎゅっと腱が伸びる感触。 凝り固まった筋肉が柔らかくなり、動き出すのを待ちわびている。 アニキたち、今頃何しているのかな。 あやの、うまくやっているのかな。 自分も送り出した身であって……あ~、私もついていけばよかったか? でも、やっぱりアニキと二人っきりの方が…… 「おーい、一年。何サボってるんだ。さっさとアップ始めるぞ」 「あ、はーい。すみません」 いけないいけない。よそ事考えすぎてたぜ。 数列に並んで立っている最後尾に自分も滑り込む。 五十メートルダッシュ十本か。 さっきもほぐした筋肉をもう一度念入りにほぐす。 ぎゅっぎゅっと引き伸ばされた筋肉は準備万端。 「次っ、よーいスタート」 コーチの声に私は駆け出す。 流れる視界と風を切る体。 冬のちょっと冷たい空気が体を掠めていく。 陸上を始めたのもアニキの勧めだっけ。 アニキに置いていかれないよう一生懸命走っているうちに、いつしか私は走る事が好きになっていた。 いつも私の走っていく先にはアニキがいて…… 「ふぅ……」 50メートルのラインを過ぎて、私はゆっくりとスピードを落とす。 今、アニキとあやのは遊園地にいる。 私の目指す先にはずっとアニキがいたけれど…… 「アニキ、大丈夫かなぁ……」 火照る体を心地よく冷ましてくれる冷たい風。 この風が届くところで、アニキたちはうまくやってるのかな…… 「みさちゃんみさちゃん、聞いて聞いて……」 部活が終わった頃にかかってきた電話。 もちろん発信はあやのから。 「おー、家に帰ったか。どうだった、あやの」 「うん、それがね……オッケーだって……」 そう言うあやのの声は、もうほとんど涙声になっている。 どうやらアニキもあやのも予想以上にうまくやっててくれたみたいだ。 ほっと胸をなでおろす。 「おう、よかったな、あやの」 「うん、これもみさちゃんのお陰だよ。ありがとう、みさちゃん……」 「だーっ、そんなに泣くなって。いいよ、次もおいしいクッキー焼いてきてくれれば」 「うん、ありがとう。本当に、ありがとう……」 泣きながらありがとうを続けるあやのを宥めるのも大変だった。 このぐらい、当然だろ。私はあやのの親友なんだから。 それからずっと、あやのは何度もありがとうを繰り返していた。 歩きながら電話をかけてたんで、パチンと折りたたみの携帯電話をたたむ頃にはもう家のすぐ側まで来ていた。 こくり、と唾を飲み込む音。 この家にいるのはアニキであって、アニキでない。 あいつはあやのの恋人。 ちょっぴり緊張しながら、玄関のドアを開けた。 「ただいま~、アニキ」 恐る恐る居間を覗く。 繰り返し聞こえる笑い声は、テレビのバラエティ番組のもの。 「アニキ?」 ソファーに座ったアニキはぼーっとテレビを見ているようで、その焦点はあっていない。 アニキの耳の側に口を寄せて…… 「ただいま、アニキ!!」 「うおっ、お、おかえり、みさお」 驚いてソファーからずり落ちるアニキ。 おーい、アニキ。ぼーっとしすぎだ。 「で、どうだった? 遊園地は」 アニキの隣に座り、菓子に手を伸ばす。 柿の種……ぽりぽり。 「なぁ、みさお……」 「ん?」 「……ありがとな」 アニキは恥ずかしそうに鼻の頭をぽりぽりかきながら呟いた。 何について……ってのは、聞かないほうがいいだろ。私だってそれぐらい空気読めるってば。 あやのの気持ちにちっとも気づかなかったアニキでも、 さすがに私がこの舞台を用意したことくらいは分かったみたい。 「まーね。この埋め合わせは……そーだな。今度は三人で遊園地行くか。アニキのおごりで」 「たは~、小遣いの残り、厳しいんだが」 「年明けでいいよ。お年玉入るだろ?」 「うへっ、抜け目ねーなー。お前」 そのまま続く世間話も次第に話のネタが尽きてきて、 兄妹二人並んだソファーには少しの沈黙が流れた。 いつしか番組は恋愛ドラマに変わっている。 最近話題の二人が、画面の向こうで幸せそうに微笑んでいる。 いままで私たちには関係ない、ずっと遠くの星のことと思ってた恋愛。 けれども、すぐ隣にいるアニキも、ずっと親友のあやのも、そっちの世界に行っちまったんだよな。 そう考えると、私一人取り残されたみたいで……寂しい。 「なぁ、アニキ」 「ん、なんだ」 隣にいるアニキも、産まれた時からずっと一緒だったアニキなのに、どこか違って見えて、 ずっと一緒にいたアニキが、何だか離れていくような気がして。でも…… 「あやのと、ずっと仲良くな」 そんなありふれた言葉しか、出なかった。 アニキは何も言わずに、私の頭にポンと手を置く。 小さい頃、よくしてくれたみたいに。くしゃくしゃと頭を撫でるアニキ。 でもその手はもう私のアニキのものじゃなくて、あやのの恋人のものなんだなって思ってしまった。 コメントフォーム 名前 コメント 普通で、いい話だ。 GJ! -- 菜那史さん (2009-12-14 05 53 51) 「普通な」いい話だ。 癒されるゼ! gjだ! -- 名無しさん (2009-12-13 14 06 37) 普通にいい話だ。 -- 名無しさん (2009-12-13 10 01 16)
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未来予報はいつも晴れ ◆gry038wOvE (……急に襲ってきやがって……なんだ、こいつは……?) 二号はそう思いながら、ナスカ・ドーパントの攻撃を回避する。 ナスカのスピードは非常に速い。 その実力はショッカーの幹部は勿論、バダンの怪人さえも軽く超越するほどだ。 「……はぁぁぁっ!!」 ナスカの刃が突き出される。二号は、それを左肩で受けた。 避けようとしたはずであるにも関わらず、避けきれなかったのである。 ──強すぎる。 それがよくわかる腕前だ。しかし、どうやら剣捌きはそこまで上手ではない。それは一般人に比べれば上手かもしれないが、剣の達人というほどでもない。 だが、その速度が速すぎた。 (くっ……何だコイツは……?) まさか、仮面ライダー二号もこれが若干16歳の少女の変身した姿とは思うまい。 幼少期からの特訓による運動神経、更に伝説の胴着による身体機能向上、そこにメモリの力によってのパワーアップ。 もはや、歴戦の勇士たれども手におえないほどの16歳少女である。 「ライダァァァァパァァァンチ!!!」 左肩に深々と刺さったナスカブレードに痛みを感じつつも、右手は拳を作り、的確にRナスカ・ドーパントの顔面へとストレートに突き出される。 この拳速も並みではない。 仮面ライダー一号に比べれば、スピードでは勝利し得ないだろうが、少なくとも避けられる技ではないのである。 そして、その強力なパンチは確かにナスカの顔面へと命中し、ナスカも怯む。ナスカ自身が意地でもナスカブレードを握り続けたため、二号の肩から刃が抜ける。 「……くっ……」 左肩を押さえながら、二号はナスカを睨んだ。 闘牙を忘れてはならない。このままナスカがどう出てくるかをよく分析し、それに対応して戦うべきだ。 敵は俊足。ならば、向かってくる際の威力も相当なものである。 だとすれば、カウンターが有効だろうか? ……しかし、決まるかわからない。 神経をどれだけ集中させればそれができるだろうか。第一、ナスカは剣を持っている。剣を含めたうえでのヒットがナスカの武器だ。そこにカウンターパンチを打ち込むなど、至難の業ではないか? (奴もそれを計算したうえで戦ってやがる……) そう、ナスカ・ドーパントに変身する天道あかねは二号と同じように、計算した戦闘をしていたのである。 カウンターを避け、切り込むような戦法は至近距離でしか行わない。 遠距離からスピードをかけて挑む際は、フェンシングのように突き立てて攻撃しているのである。ナスカブレードがそういう形に適さない形であるのにそういう風に使っているあたりからも、その戦略性を感じる。 ──と、そう分析している最中にも、ナスカは再び二号の眼前に向けて羽ばたく。 羽ばたく……? 二号は知らなかったが、ナスカはこの瞬間、羽ばたいたのである。 ナスカの背中に羽が生え、二号を空中から狙おうとしているのだ。 そう、空中からの攻撃ではカウンターパンチなど使えまい。一度空高く羽ばたいたナスカは、そのまま二号に向けて斜め一直線に落ちていく。 「……空中か! 生憎、それなら、こっちにも勝機はあるぜ……」 二号はナスカが落ちてくると予測させる場所から避難するために、バックステップで下がった後、己の足をバネにして高く飛び上がった。 仮面ライダーは飛蝗の改造人間である。 そのジャンプ力は、人間スケールで飛蝗ほど高くジャンプするのと同じ事。その結果、仮面ライダー二号は三十五メートルのジャンプを可能とする。 そのジャンプから繰り出される技は勿論、一つである。 「ライダァァァァキィィィィィィック!!」 ナスカの着地点が自分が居た場所だとわかったために、そこに向かってライダーキックを放てばいいという簡単な計算式が出来上がっていた。 ナスカは予想通り、二号が先ほどまでいた場所に斬り込むポーズでたどり着こうとしている。ナスカもそこに斬り込んでも無駄だと理解しているのだが、自分が落ちるスピードを制御しきれなかった。 地面へと着地しようとするナスカの胸へと吸い寄せられるように、ライダーキックが放たれた。 「きゃああああっっ!!」 ナスカはそんな悲鳴とともに、数メートル吹き飛ばされ、転がり落ちる。彼女も、二号が空中戦が苦手だと誤解していたのだろう。 二号は今の声を聞いて、ナスカは若い女性であるという事に気づいた。 しかし、若い女性だからといって手加減はできない。 蜂女、女戦闘員、妖怪王女、魔女参謀……かつての悪の組織にも、女はいくらでもいた。 女だからといって、悪に手加減する事はできないのである。 むしろ、敵が女性だと知ってから違和感を持ったのは、その戦闘力の方である。いくら男女平等を説いても、性差による戦闘力の違いは大きいものだ。男性が筋肉がつきやすく、女性は丸まった身体になり、戦闘力は男性の方が格段に強くなる。 勿論、格闘家の女性と一般人の男性ならば格闘家の女性の方が断然に強いが、一文字隼人はもともと、柔道五段、空手六段という優れた格闘能力に更に改造手術を加え、その後も特訓を続けているような男だ。滅多な事では、女性に一本取られることなどありえない。 強力な改造手術でもしているならともかく、敵の強さは強化改造によるものだけではないはずだ。並々ならぬ戦闘センスがある事にも、二号は気づいていた。 いや── (女が弱いってわけでもねえんだな、実際……) 二号は後ろを見て、それを思う。 キュアピーチが、あんな巨体の敵と戦っているではないか。彼女は若干14歳の少女で、特に格闘経験もない。それゆえの稚拙さはあるものの、やはり見どころはある。 プリキュアの力がそうさせているのかはわからないが、戦闘ではあれだけの力をコントロールするほどである。 「……ったく、なんなんだ、一体。突然襲ってきやがって」 戦闘中に話しかける隙がなかったので、少し遅れてナスカにそう問う。 しかし、ナスカの返答はない。 言葉を使わず、ただ真っ直ぐに二号に向けて駆けていくナスカである。 「……問答無用ってわけか」 言葉を発する事はできるが、答えたくないと見えた。 少なくとも、相手はこの殺し合いにおいて「乗っている」というスタンスである可能性が高いと思える。 事情は不明だが、がんがんじいモドキとも、あそこにいるテッカマンランスとも違う。 かなり切羽詰ったような様子で攻撃をしかけてくるのがナスカである。かつて戦った彼らのような余裕を感じない。 仮にもし人間の姿があるとするなら、それは吠える獣のような面妖になっているだろう。おそらくは、一文字にも悟る事が出来ない深い事情を抱えているのだろう……。 だが、それでも戦わぬわけにはいかない。 「ならば来いっ!」 二号は、迎え来る二号に対し、力強く構えた。 ナスカは、再び加速を使って二号へと斬りこむ。今度は、確かに斬りこんだ。 戦闘方法をいろいろ試しているのだろうか? 「はぁっ!!」 「ふんっ!!」 ナスカの加速を読んだ二号である。 一回ごとに、ナスカの加速への対策は容易になる。相手の速さに慣れ始めているのだ。 ナスカブレードを避けると同時に、ナスカの顎めがけてアッパーを決め込んだ。 カウンターのアッパーである。 「ぐぁっ!!」 ナスカは、宙へと吹き飛ばされ、再びナスカウイングを発現した。 ナスカがまた上空から、滑空するようにして二号に斬り込んだ。これはまた二号にとって苦手な図式だ。 空中を自由に飛行する敵は厄介だ。カウンターをするにも、体積を小さくして飛んでこられては難しい。 ナスカブレードが空中から、二号の右腕を斬り込み、折り返して左肩を斬る。 金属と金属がぶつかるような音が耳触りだった。 ナスカは、彼の身体がまるで鉄のように硬い事を厄介に思いながら、突然翼を消して、地面に着地した。 (くっ……なかなか強えな……) 二号は、その攻撃への対策を難しく思った。 どうすれば、敵に勝てるか──。 しかし、策を生み出すよりも先に、ナスカは地面に降りる。 どうやら、空中での戦闘にも限界を感じたらしい。あるいは、自分の戦法を見せつけているのかもしれない。 (……これまで会った敵の中でも、特に強えんじゃねえか?) ナスカは超加速を使わず、駆けて二号へと切り込む。 仮面ライダーの動体視力は、それをほとんど歩行と捉えていたといってもいいだろう。素早い動作とは言い難い。 急に彼女の動きが鈍感になったので、二号は余計に強く構える。 (遅い……? なぜあの加速を使わないんだ……?) その戦法は先ほどとは正反対で違和感のあるものだったが、二号はそれを案外悠々と避けた。 剣は先も当たらない。 斜めに切り込むナスカの剣を避けながら、ナスカの脇腹にパンチを叩き込む。 「どうした、怪人!」 「……くっ」 「来られないならこっちから行くぜ!」 怯んだナスカの脇へと、突き上げるように蹴りを叩き込む。 足を高く上げ蹴りが叩き込まれると、ナスカの身体は宙に持ち上がる。 ナスカは、ナスカウイングを発動する事もなく、倒れるように地面に落ちた。 「はっ! やっ! とぅっ!」 立ち上がるナスカを相手に、二号は殴る、殴る、殴る。しかし、ナスカの戦法に警戒したうえでの攻撃であるため、どこか頼りなさげでもあった。 破壊には行き届かない、何らかの心配を抱えた一撃である。 強かった敵が急激に弱くなるというのは、やはり彼のように戦闘経験のある者にとっては、不気味以上の何物でもないのだろう。 「でゃぁっ!」 ナスカへと、二号の拳は何度も何度もぶち当たる。時にはそれは蹴りだったかもしれないし、平手かもしれない。とにかく、ありとあらゆる一撃がナスカの身体へと食い込んだ。 それを受けつつも、ナスカは二号の胸部に剣を当てた。 ようやくの一撃である。 剣速も鈍い。スピードでは遅れている。 第一に、スピードが載っていない攻撃は、改造人間の皮膚に掠っても、傷を残す事はできなかった。そのため、それが二号の身体を傷つけたとは言えない。 斬ったのではなく、当たった……と、その程度のものだろう。 (……まさか、あの力を発動するには何らかの制限があるのか……?) 二号は、急激に弱体化したナスカに対する疑問を戦闘の中で分析していた。 何か身体的な特徴などで弱体化のサインが出ていればわかりやすいのだが(ショッカーの怪人には結構そんなのがいた気がする)、今の所、戦力でしかそれがわからない。 一体、彼女は何故弱体化したのだ……? その答えは、推測でしか出しえない。絶対の自信が湧き出る答えではなく、どうも腑に落ちない感じもあるが、二号は決心する。 (……とにかく、スピードが緩まったらしいな。今がチャンスだ。これなら、こちらの技も使える) 二号はそう思い、ナスカへと特別強力なパンチを浴びせ、彼女との距離を置く。先ほどまでのように警戒したパンチではなかった。 第一に、この威力での攻撃にすれば、彼女が次の一撃を放つ事はできないはずなのだ。 そして、再び高く舞い上がった彼は叫んだ。 「いくぞ……ライダァァァァ、卍キィィィック!!!」 かつて、アリガバリとの戦いの際に滝和也との特訓で生み出した技・ライダー卍キックであった。 卍のような形に身体を捻り、回転させて威力を上げる技である。 特に防御力に優れた相手ではないとはいえ、回転している二号に対して攻撃は加えにくい。これならば、ナスカがこちらに剣を突き立ててきてもライダーキックとは違い、そのカウンターを受けずに済むだろう。 そう、この攻撃はライダーキックをしている隙に敵が攻撃してくるような事ができないのである。鋭い刃を持ち、恐るべきスピードを持ち、更には飛行する羽を持つナスカに対して、選んだのがこの技である。 その小さな竜巻は、ナスカの首の付け根へと命中した。 「きゃああああああああああっ!!!」 堪えたか、ナスカの身体は悲鳴とともに大きく吹き飛んだ。仮にも女性の声をしているので、あまり聞きたくない悲鳴である。 吹き飛んだものの、ナスカはすぐに体勢を立て直した。剣を持っていない方の左手で首を押さえている。 伝説の胴着の力か、ナスカメモリの力か、ある程度の防御は可能であった。しかし、それでもライダー卍キックは岩をも砕く強力な技である。生半可な力では破れない。 「……あぐっ……あっ……!」 血反吐を吐くような声とともに、ナスカは二号を睨んでいた。 そのままナスカは、またも少しのんびりとしたスピード(とはいっても、常人よりは当然速い)で駆け出す。 どうやら、必殺とはいかなかったらしい。 回転が足りなかったか──などと考えつつも、二号は敵が自分のもとへとたどり着くのを待った。 待とうとした。 そこを迎え撃とうとした。 ──しかし 「グッ……!」 ──どういうわけか、 ────敵の攻撃を待とうとした待機していたはずなのに、既に”真っ赤な”ナスカの身体は二号の手の届くところまで来ていたのである。 それは目視不可なスピードであった。 辛うじて、二号は直前で襲い掛かる気配に気づき、咄嗟に腕を組んで敵の攻撃を防御していた。 一瞬、何が起こったのか彼でさえわからなかった。 何故、こいつが真っ赤になったのか……それは一体? (……そうか、今わかったぜ。どうしてこいつが急に弱くなったのか……) 二号は、全てを悟る。 「おまえ、わざと手を抜いてやがったな……?」 ナスカブレードが、変身ベルト・タイフーンの前でXに組まれた二本の腕のちょうど真ん中を串刺しており、金属の破片が地面に散らばっている。。 そして、ブレードの先端は、今にもタイフーンに触れそうなところまで来ていた。タイフーンに触れてしまえば、流石の二号といえど不味い。 咄嗟に動かなければ、二号も不味かったかもしれない。 「そうよ。あなたには私のスピードが早い段階で見切られていた。あのスピードのまま戦っても、全ての攻撃があなたに届かない……ゴフッ」 ナスカは、より強い力でナスカブレードを押し込もうとする。当のRナスカも弱りだしているようだった。 二号は初めて、ちゃんと彼女が言葉を口にするのを聞いた。意外にも綺麗な声でしゃべる。 しかし、その言葉はどこかきつい雰囲気を感じさせ、怒りや怨念のようなものに満ちていた。 「一度力を緩めれば、それに対応する程度の能力に俺の力も弱まる……。それを狙ったわけかい」 「そういう……事よ!」 ナスカは、二号が敵のスピードに適応している受け身な戦闘方法を使っていたのを利用したのである。 得体のしれない相手であるナスカに対し、二号は戦闘方法を迷っていた。加速能力や飛行能力など、様々な能力を持つナスカだが、ショッカーの怪人のように単純にはいかない。 まずは相手の能力を分析し、それに合わせる力で戦わなければと思ったのだ。 そして、当初はナスカの加速に対応するように神経を尖らせて戦っていた。 しかし、ナスカのスピードが時間をかけて弱まっていくと、そのスピードに適応するように、神経も現状のナスカのスピードに合わせるように弱まっていったのである。 そうして二号がナスカのスピードを上手く補足しきれなくなる瞬間を、彼女は狙ったのだ。 ねらい目は彼のベルトのタイフーンである。伝説の胴着をはじめ、この場ではあらゆる変身道具が同様の場所を弱点としていたので、あかねはそこを狙おうと最初から決めていたのだ。 「……やっぱり、そのベルトが弱点みたいね」 二号が咄嗟に、両腕を犠牲にしてまでベルトを守った事で、ナスカもそこが弱点であるという確信を持った。 やはり、変身機構にはある程度の共通性があるらしく、伝説の胴着も仮面ライダーも同様だったのである。仮面ライダーダブルの時もそうだったし、ン・ダグバ・ゼバも同様だったとアインハルトから聞いている。 そう、ベルトに装飾がある敵──すなわち、仮面ライダーやダグバは、おそらくそこが弱点なのだろうと、あかねは睨んでいた。あるいは、「知っていた」という言い方が適切かもしれない。 そこを討つために、己の身体への負担を覚悟して、一時的に赤へと変身したのである。……いや、でなければやられるという確信もあったからだろうか。 「……さあ、悪いけど死んでもらうわよっ!!」 ナスカウイングが現れ、二号の腕を突き刺したまま、ナスカは飛行する。二号の身体は軽く持ち上がった。二号は空気の抵抗を背中で受け、身体が潰れそうな感覚を味わうとともに、マフラーがぱたぱたと耳元で音を立てるのを煩わしく感じた。 その強力な推進力に、二号の腕により深々とナスカブレードが食い込んでいき、やがてそれはタイフーンにまで到達していった。空気の壁を背中で掘り進めているような気分と、前方からの剣の切っ先が自分の命ともいえるベルトを侵攻する不快感に押しつぶされる。 直後──── ────地面で謎の爆発が起きる。 空中からはその様が見やすかった。 何が爆発したのかはわからないが、そこはテッカマンランスとキュアピーチがいた場所だった。少なくとも、彼らの戦闘によるものであるのは間違いない。 全ては煙が飲み込んでしまって、よくは見えない。ライダーの視力をもってしても、この距離ではそこに何が在るのかわからなかった。 「ピーチッ……!!」 そこで戦っていたキュアピーチが心配になり、思わず二号はそう叫んだ。 だが、真に案ずるべきは自分の身の方だった。ナスカは軌道を変更し、そのまま地面に向けて落下を始めているのだ。 このまま地面へと落ちれば、間違いなく二号は地面に串刺しになってしまう。 身体ごと串刺しにされれば、流石の二号たりとも、その身体機能を停止するほどのダメージを受けるだろう。 「……はあああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」 しかし、二号は何の抵抗もできなかった。二号の腕は微塵も動かない。二号とナスカの身体はそのまま、地面に向けて勢いをつけて落下する。 ナスカウイングで地面に向けてスピードを速めるナスカである。 地面は刻一刻と近づき、そして再び爆ぜるような音を鳴らした。二号はその頭蓋骨を地面へと激しく激突させた後、ナスカブレードが突き刺さる下半身を地面へと落とした。 二人が落下した地面にはクレーターができるほどで、轟音も鳴ったが、爆発の余韻で耳鳴りがしていたピーチには聞こえまい。 「……くっ……がはぁっ……!!」 二号はマスク越しに吐血をする。だが、口に通じる部位の痛みは大したものではなかった。全身で受けた衝撃が、もはやどこが痛むのかさえ隠した。 自分の腹部を見れば、やはりタイフーンに向けて真っ直ぐにナスカブレードが突き立っていた。タイフーンには巨大な割れ目ができている。 しかし、それを防御していたはずの両腕はそこにはない。 (……く……油断しちまったかな……くそ……だが……) 二号は、心の中で後悔しながらも、ほくそ笑んだ。 二号は己の力の限りを尽くし、己の両腕を引き裂いたのである。両腕はそれぞれ、真ん中から半分に切り裂かれ、手のひらの先端が真っ二つに裂けていた。 「へ……へへ……こっちも悪いが、お前にもついてきてもらうぜ……」 仮面ライダー二号の引き裂かれた両腕は、倒れたまま、変身ポーズと同じ型を決め込んだ。すると、タイフーンに突き刺さったナスカブレードを巻き込み、二号のタイフーンが回転を始める。 「ライダーパワー!!!」 おそらく、タイフーンの回転はこれが最後となるだろう。 最初は力なく回っていた変身ベルトも、これが最後の仕事だと気づいたのか、めまぐるしいスピードで回り始めた。 ナスカブレードはバリバリと音を立てて崩壊し始め、破片が二号やナスカの身体へと当たった。 それだけの振動がナスカの手にも伝わり、ナスカの身体を二号の上から強引に引きはがした。 「……すまねえ、ラブ。いくぞ……これが最後だ!!」 ボロボロの身体の二号は、何とか立ち上がる。 ふらふらとして、目の焦点が合わないまま立ち上がっているが、それでも何とか彼は立ち上がった。 行く……このまま。 どこへだって。 ただ、最後に、せめて少しでもやっておくべき仕事があった。 仮面ライダーとしての最後の仕事となりそうである。 「ライダァァァァァァッ!! …………キィィィィィィック!!!!」 高く飛び上がった二号は、空中で回転し、先ほどのタイフーンの回転で怯んだナスカの身体へと向かっていく。 高い。 本当に高い。 ……人間、一文字隼人が生身でたどり着ける場所ではない。 この高さは、決してただの人が跳んで味わえるものではない。 タイフーンが今日まで回り続けたから、経験できる高さだ。 遂にタイフーンの力が完全になくなったのか、空中で二号の変身は解け、一文字隼人の姿へと変わる。目元には、深い傷があった──それは、一文字の改造手術の傷であり、怒りとともに現れる悲しいマークであった。 しかし──── たとえ、人間の姿へと変わったとしても、彼は仮面ライダーだった。 そのまま、一文字隼人は急降下し、Rナスカ・ドーパントの胸元へと、またも吸い寄せられるように蹴りを放った。一文字隼人──仮面ライダー二号の蹴りが炸裂する。 その威力は、仮面ライダー二号が放つライダーキックと大差ないほどに強力なものであった。 それを、一文字も感じていた。それだけの手ごたえを、一文字は全身で感じていた。 「ぐぁ…………っ…………が…………」 それを胸でまともに受けたナスカは、声をあげる事もできなかった。 声をあげる事もできず、辛うじて起立を維持していた。 仮面ライダー二号のライダーキックは、Rナスカ・ドーパントへと見事に行き届き、彼女に最後の一撃を浴びせる事ができたのである。 そう、これが一文字の最後の一撃だった。 「…………く……」 一文字隼人は、ふらふらのナスカがこちらを少し見て、逃げていくのを目で捉えた。 その瞬間、一文字は残念そうな顔をした。 ……どうやら、完全に倒す事はできなかったらしい。それは心残りだったが、相手もそう暴れられる身体ではないだろう。 ばたり、と。 一文字の身体は力をなくして、あおむけに倒れた。 とにかく、勝てはしなかったが、一文字は敵を怯ませる事が出来たらしい。 それでいい、仮面ライダーの最大の目的は、勝つ事じゃない。 一人でも多くの人の命を救う事だ。その過程として、勝つ事が必要なだけだ。 「よぉ……元気か…………久し、ぶりだな…………」 ……そんな彼を迎え入れるかのように、一人の男が彼の前に立った。 本郷猛、仮面ライダー一号である。 本来、既に死んだはずの英霊の本郷が、一文字の目の前で黙って立っていた。 「…………お前、言ったよな…………俺を助けなきゃ良かったって…………それはひどいまちがいだぜ。俺は満足だ、本郷…………お前のお蔭で、たくさんの人の命を救えた…………それに、お前と出会えた事は、良い思い出になった……お前がいたから、俺は生きられたんだ」 ────そうか。 その英霊は、そう応えた。 それだけ聞けば、充分だった。本郷は口数が多いタイプではない。その言葉でも、ニュアンスでわかる。本郷は喜んでいる。 ずっと後悔していたであろう、彼の負い目だった。 それを、死ぬ直前に一文字は否定してやったのだ。 「ただ、一つだけ心残りだ……あの娘が生きてんだか、それがわからねえ……」 キュアピーチは……桃園ラブは生きているだろうか。一文字にとっては、それが少し気がかりだった。先ほど、ラブが戦っていたあたりで爆発が起きたが、ラブは無事だっただろうか? いくら、これまでの人生で幾つもの命を救えたからといって、最後に、この瞬間に、もし誰かが死んでしまったとすれば、それ以上の心残りはない。 ────いくぞ、一文字。ここでの戦いは後の戦士に任せて、俺達には新しい戦いが舞っている。こちらにも、少し厄介な奴らがいてな。 本郷の答えは、だいたい、いつもこんなものだった。聞かれた事に答えず、自分の意見だけを言う事もあった。時にこれが冷たく見える。 ……まあ、こればっかりは仕方がない。自分の目で確かめるしかない。 ……しかし、あの世でも暴れている奴らがいるのだろうか。 だとしたら、やはり────それこそダブルライダーの出番ではないか。 再び本郷とコンビを組んで共に戦える。それは一文字にとって喜ばしい事だった。 仮面ライダーは、不滅だ。 永久に戦い続ける運命かもしれない。 だが、それは悲しい事か? 人間に戻れないのは悲しい事か? いや、違う。 仮面ライダーは誰かの命を救う。救うために戦う。勝利は来ないかもしれない。勝利があっても、また悪が現れ、戦いを強いられる。 仮面ライダーは、そのたびに誰かを助ける。 たとえ冥界であっても、人類の自由と平和を守る仮面ライダーに、休みはいらない。 悪がある限り戦い続け、時代が求める限りそこに現れる事こそ、一文字たち仮面ライダーの誇りなのだ。 ────じゃあ、俺は先に行ってるぞ。 本郷は一文字の前で頷くと、サイクロンに跨り、遠くへと消えていった。サイクロンのエンジン音が懐かしい。 サイクロンで走る本郷の後ろ姿は、仮面ライダーのそれだった。 一文字はその姿を見て、激励する。 走れ、仮面ライダー。これはかつてお前の名だった。そして、いつしか俺とお前の名になった。やがて、たくさんの仮面ライダーが現れた。 時代が求め続ける限り、お前は、俺は、あいつらは、いつでも現れる。 走れ……。走れ……。走りつづけろ……。 俺もすぐに追いつく。お前の後を、お前の隣を、俺も走る。 ただ、少しだけ待ってくれ。すぐに俺もそっちに行ってお前の力になる。 ……そう、俺は最後に見たい。 もう少しだけ、見たい……。 この殺し合いに希望があるなら、そいつを見たい。 この殺し合いがどうなるか、その行先を知りたい。 せめて、見たかった。もう少し先の世の中を──この殺し合いの行く末を。 誰かがいれば確信できる。俺たちのような仮面ライダーや、このふざけた殺し合いをブチ破れる誰かが……。 そして、一文字は、その直後に確信する。 (そうか……) 一文字の顔から、改造手術の痕だった生々しい傷が引いて行った。 このまま死んだら、これが浮かんだまま死んでしまうところだっただろう。 しかし、幸いにもそんな死体になってしまう事だけは、運命が避けさせてくれた。 (未来は、いい世界になってるだろう。……そうだよな) 意識が朦朧としていく中、一文字は微笑んだ。キュアピーチがこちらに駆けてくるのがわかったのだ。 どうやら、彼女は無事だったらしい。 一文字隼人はそれだけで満足だった。 【一文字隼人@仮面ライダーSPIRITS 死亡】 残り29人 ※一文字の支給品はI-5エリアのどこか(遺体の付近?)に放置されています。 内容:モロトフ火炎手榴弾×3、支給品一式(食料一食分消費)、姫矢の戦場写真@ウルトラマンネクサス、タカラガイの貝殻@ウルトラマンネクサス △ 「そんな…………」 桃園ラブが、駆けつけた時、一文字隼人は既に亡骸であった。 腕は大きく避け、腹部は鋭い刃で突き刺されたように大きな穴が開いている。そこから血が溢れだしており、見るも無残な姿であった。 しかし、その傷一つない顔は、非常にやすらかであった。 まるで、マミの亡骸を思わせる────眠っているのではないかと錯覚する顔である。 「一文字さん!」 ラブは、一文字の肩を掴んで、大声で呼んだ。 返事など来ない。来るはずもない。 「……うわあああああああああああああああ!!!!」 ラブは、泣いた。 また一人になってしまったのである。 これまで、周りの人が死ぬ事なんてなかった。 東せつな、西隼人、南瞬……といった敵との別れはあったが、彼らは最終的に命を取り戻したはずだ。 今度はそうはいかない。 大事な友達が死んで、もう二度と生き返らない。 たくさんの人が死ぬ。 そして、そのたびにラブは泣いた。 これだけは、慣れるものではない。 まだ一日も経っていないのが衝撃だった。 一日も経っていない……。 マミの死も、せつなの死も、祈里の死も、モロトフの死も、一文字の死も……これまで過ごしてきた短い一日と同じペースで流れている時間とは思えなかった。 涙も、枯れそうになっていた。 ……誰がこんな事にしてしまったのだろう。 ラブは、思う。 ラブが何をしたから、こんな悲惨な運命が来ると言うのだろうか。 幸せ────ラブが求めるその言葉が遠ざかっていく。 ハッピーエンド────これだけの犠牲者を出してそんな事があり得るのだろうか? 「……ごめんなさい、一文字さん……私……!」 ラブは、そのまま駆け出した。 その姿は見るに堪えなかったし、マミほど綺麗な遺体ではなかったから、普通の女子中学生にとっては、埋める事さえも抵抗があったのである。 一体、誰がこんなゲームを仕組んだ? 誰が、ラブたちを不幸にしている? 加頭、サラマンダー、ニードル……様々な敵がいる中でも、その正体がはっきりと掴めない。 その正体を、いつか突き止めたい。 誰がこんなひどい事をするのか……それを、ラブは教えてほしかった。 △ 「……くっ!」 あかねの身体はかなり痛んでいる。身体の節々が悲鳴をあげている。 仮面ライダーが最後に放ったライダーキックが相当に凶悪だった。辛うじて、あかねも生存してはいたが、胸骨が確実に折れている。それだけの痛みがしていた。 だが、痛みは意地で捻じ曲げる。 それよりも、あかねが気になっていたのは…… 「何よあいつ……。人間じゃなかったわ……」 あかねに、人間を殺した罪悪感が襲う事はなかった。 何故なら、あかねが見た一文字の姿は──あれは人が変身したものではなく、元から完全に機械である者が変身した姿だったからだ。 腕の傷口からは、人の物とは思えない奇妙な配線が見えていた。 あれが人間の身体であるものか。 あれは、怪人だ。ドーパントですらない。 「……人間じゃないなんて、卑怯じゃない」 辛うじて勝ったものの、あかねはそう憤る。 人と人とが道具を駆使して変身して戦うから、まだあかねには勝機があるように思えたのだが、あんな怪物がいるとは聞いていない。 あるいは、乱馬を倒したアイツも……人間じゃないのかもしれない。 あかねがこれまで戦ってきた相手もすべて……もしかしたら。 ふと、あかねは以前所持していた乱馬の左腕を思い出した。 大丈夫、乱馬は人間だった。 でも、あかねにとって唯一、人間だと認識できるのは、今となっては乱馬だけだったのかもしれない。 他に、誰がいただろう。腑破十臓は外道衆という特殊な存在だった。最初に出会った奇妙な女性は……わからないが、人間とは異なった性質の存在だったと思う。 人間が、いない。 もし、周囲の全ての人間が、あかねでは遠く及ばない機械化された人間だったらば、あかねはどうすればいい……? そんなロボットを相手に、あかねは勝てるのか……? そんな不安が頭を過る。 しかし、一方で、そのロボットである仮面ライダーを倒せた悦びがあかねの中で渦巻いていた。 あれだけの腕力を持つロボットを、あかねはとにかく倒せたのである。少なくとも、人間と機械との間には、絶対的な腕力の壁のようなものはないだろう。 (相手が機械なら、気に病むこともないわ……所詮、人じゃない、命がないモノだもの……) 一文字を殺したというのに、あかねには一切罪悪感がなかった。 ただ、高級な家電製品を壊したような、その程度の罪悪感だった。 あるいは、それはメモリの毒素が再び注入された事によるものかもしれない。 彼女の中の倫理観が崩壊を始めているのだ。 (……そうよ。私が戦ってるのは、きっとみんな機械なんだわ。でないと、姿を変えるなんてできない……それなら、私がもっと強くなって勝たなきゃならない……!) ……すぐに、罪悪感からの逃避として、結果的にあかねは、全ての参加者が機械であると思い込む事にした。 この場において、唯一の人間は乱馬だけだった。 考えてもみろ。乱馬を倒せる人間などいない……ダグバは、十臓は、ダークプリキュアは、源太は、……すべて機械だ。 心のない機械人形。そいつらの集団に、乱馬とあかねだけが放り込まれたのだ。 良牙だってわからない。機械が化けているのかもしれない。 乱馬。あの腕には、ちゃんと骨も肉もあった。コードじゃない。あれはちゃんとした血管だった。 この場において、乱馬だけが唯一の人間だったのだ。 そうだ、そうに違いない。 あかねの身体は痛んだが、それでも彼女は必死に、川に向かって歩きだした。 彼女自身が歪み始めているのか、それはメモリのせいなのか……それさえわからない。 【1日目 午後】 【H-5/森】 【天道あかね@らんま1/2】 [状態]:肉体内部に吐血する程のダメージ、ダメージ(大)、疲労(大)、精神的疲労(大)、胸骨骨折、とても強い後悔、とても強い悲しみ、毒素は一時浄化?、伝説の道着装着中 [装備]:伝説の道着@らんま1/2、T2ナスカメモリ@仮面ライダーW、バルディッシュ(待機状態、破損中)@魔法少女リリカルなのは [道具]:支給品一式、女嫌香アップリケ@らんま1/2、斎田リコの絵(グシャグシャに丸められてます)@ウルトラマンネクサス [思考] 基本:”乱馬たちを守る”ために”機械を破壊し”、ゲームに優勝する 0:川をめざし、その後は川沿いを進む。 1:ダグバと遭遇した時は倒す。 2:良牙君………………出来れば会いたくはない。 [備考] ※参戦時期は37巻で呪泉郷へ訪れるよりは前、少なくとも伝説の道着絡みの話終了後(32巻終了後)以降です。 ※伝説の道着を着た上でドーパントに変身した場合、潜在能力を引き出された状態となっています。また、伝説の道着を解除した場合、全裸になります。 また同時にドーパント変身による肉体にかかる負担は最小限に抑える事が出来ます。但し、レベル3(Rナスカ)並のパワーによってかかる負荷は抑えきれません。 ※Rナスカへの変身により肉体内部に致命的なダメージを受けています。伝説の道着無しでのドーパントへの変身、また道着ありであっても長時間のRナスカへの変身は命に関わります。 ※ガイアメモリでの変身によって自我を失う事にも気づきました。 ※第二回放送を聞き逃しています。 但し、バルディッシュのお陰で禁止エリアは把握できました。 ※バルディッシュが明確に機能している事に気付いていません。 ※殺害した一文字が機械の身体であった事から、強い混乱とともに、周囲の人間が全て機械なのではないかと思い始めています。メモリの毒素によるものという可能性も高いです。 【バルディッシュについて】 ※ガドルとの戦いで破壊されたのは刀身部分です。その為、武器としての使用は不可能です。具体的にはスタンバイフォーム(待機状態)以外はほぼ使用不可能という解釈で構いません。 ※現段階で魔法のサポートがどれだけ出来るかは不明です。勿論、リンカーコア所持者でなければ使用はまず不可能です。但し対話によるサポートは可能です。 ※周囲の状況をずっと把握しています。その為、放送の内容も把握しています。 ※自己修復機能により自己修復は一応進行中ですが魔力によるブーストが無ければ使用出来るレベルまでへの回復はまず厳しいでしょう。 ※バルディッシュはフェイトの最期の願いを叶える為、翔太郎及び杏子の力になる事を目的としています。 但し、マスターであるフェイトが死亡している為、現状このまま何も出来ずに破壊されても構わないと考えています。 ※(殺し合いに乗っている可能性が高い、フェイトを襲撃したパンスト太郎の知り合いである)あかねを信用しているわけではありません。その為、現状彼女とコミュニケーションを取るつもりはありません。 禁止エリアは自身の為に伝えただけでしかなく、現状それ以上の情報(パンスト太郎が既に死亡している事等)を提示するつもりはありません。 △ ラブは走る。 目指していた市街地とは正反対だった。 一文字と行くと約束した場所である。だから、一人で向かう事はできなかった。ラブは、一文字と共にあそこへ行きたいと思った。 だが、それはできない。 どうやって市街地に向かえばいいのだろう。一人で行く? ……やはりできない。ラブはそれをしたくなかった。 約束を破ってしまうみたいで厭だった。 (……ごめんなさい、ごめんなさい……) と、心の中で詫びながらラブが走っていると、ごつん、と頭がぶつかった。 涙をぬぐえず、下を向いて走っていたラブには、それが何なのかわからなかったが、顔を上げてみてみると、そこには人がいた。 この人は、知っていた。 「どうしたんだ、ラブちゃん」 涼村暁という名前の、少しおちゃらけた男だった。 どうやら、また彼は一人になってしまったらしい。黒岩省吾たちはどうしたのだろう。 しかし、そんな事に気を回せる余裕はラブにはなかった。 「一文字さんが……一文字さんが……」 一文字。 その名前を、暁は知っていた。暗黒騎士キバと戦っていたはずの男で、少なくとも暁の以前の認識では村エリアにいたはずである。 いまラブが走ってきたのは、村とは逆の方向だった。 どうやら、あの後は一緒に行動していたらしいと、暁にでもわかった。 「……わかった。落ち着いてからでいい。俺に話してくれ」 そこから、ラブは涙交じりに、事の経緯を語った。 キバとの戦いの顛末は聞かなかった。あの時からラブは一文字と一緒にいたはずだ。思い出させてはまずい。 彼女が語るのは、テッカマンランスに襲われてからである。 彼女が混乱した記憶の中で、はっきりと時系列順に話ができるのは、そこから先だけである。 テッカマンランスという敵の死、そこから帰還したキュアピーチを待っていた一文字の死体。……それはショックだっただろう。 「……なるほど、な」 暁は全てを聞いて、虚空を見上げた。ラブの泣き顔を見ていてはまずいと思ったのだろうか。そのあたりは、彼の女性への優しさだった。 ほむら。 マミ。 そろそろ死んでるんじゃないかと思う黒岩。 俺の為に死んでしまった人、犠牲になった黒岩……それを思えば、暁も流石に憂鬱な気分になる。涙を流すか、それとも憂鬱げに俯いた後で再び元気を取り戻せるか……そこが二人の意識の差だったが、暁も悲しい時はたくさんあったのだ。 暁はそんな時、悲しむ顔を見られたくなかったし、怒った顔さえ見られたくはなかった。 「……どうして、……どうして、殺し合いなんてさせるんでしょう!? ……こんな事したって、悲しいだけなのに……」 ラブは呟いた。 言われると、暁は何故、この殺し合いが起きたのか……その答えを出す事はできなかった。いや、見当もつかない。こんな事をして、何の得があるのだろうか。 優勝者の好きな願いを叶えるという事は、暁のような願いを持つ者が現れれば、主催陣営は大損をするに違いない。 暁は、少し返答に迷って、……結局答えない事にした。 答える事はできない。暁が考えたところで、答えなどでないのだから。 「……悲しい、か。まあ、そうだよな……」 ラブの言葉の端を拾って、それで誤魔化す事にした。 大人にはそれしかできないのかもしれない。誤魔化して、それで彼女の涙を止められるならそれはそれでいいかもしれないし、結局暁はべらべらと語り始める。 「俺にも、最初にちょっと、仲間がいて……ほむらって女の子なんだけどな。そいつが死んじまって、俺は正直言って、悲しかったよ……。……でもさ、今は笑えるんだ。悲しんだって、ほむらが帰ってくるわけじゃないし……なんていうか、ほむらに支えられてる感じが今でもするんだ」 ほむら──きっと、暁美ほむらだ。ラブはそう思った。 マミが言っていた。放送でも名前が呼ばれていたので、死んだのは知っている。 でも、マミの死を悲しんでいたラブよりも、ずっと暁はその現状を強く受け止め、生きているように見えた。 「……なあ、ラブちゃん。俺が殺し合いに乗ってるとしたらさ、どうする?」 「え?」 「例えばだよ。俺が、もし殺し合いに乗っていたら。そんで、ほむらは俺に殺されてたっていうことがあったら……」 暁は、逆にラブに訊いた。 これだけ殺し合いに対して、一途に反逆の意思を持っているラブに、暁はどう接していいかわからなかった。 暁がこれまで出会ってきた人は、みんな、殺し合いを受け入れ、そのうえで反逆していたと思う。ほむらも、石堀も、凪も、黒岩も、零も、結城も、冷静に殺し合いの現実と戦っていた。 しかし、ラブのように……殺し合いの中で深い悲しみを抱えて、ただひたすらに殺し合いを止める事だけを考えて、誰かの死に涙を流す────そんな姿の少女と出会ったのは、初めてだったのだ。 彼女には、本心を言おう。 いっそ、自分のスタンスを……打ち明けてしまおう。そう、暁は一瞬だけ思ったのだ。そして、その一瞬が彼にそんな質問を口に出させた。 後悔する間もなく、暁は次々と話を進めてしまう。 「……それは、ありません」 ラブは、あっさりと答えた。 彼女は、暁を信じていた。そんなに長い時間、一緒にいたわけではないから、暁をよく知らない。暁が信頼されやすい性格だったのではなく、ラブがそういう性格だったんだろう。 少し抵抗があったが、暁は少し息を吸った後で、正直に言った。 「……ふー」 「……」 「あるんだなぁ……それが」 「え?」 ラブは目を丸くする。 「……俺もね、やっぱり生きたいのよ。俺の人生は、パラダイスじゃなきゃいけないの。この殺し合いを勝ち残って、願いを叶えてくれたら、一生遊んで暮らせるんだぜ?」 思いの丈を、暁は語る。 これは正直な思いだった。暁は生きたい。暁は楽しみたい。暁は人生の全てを楽しみたい。 金があって、女がいて、パフェがいっぱい食べられて、好きな職業に就いて悠々自適に楽しむ。 それがいいじゃないか。 何故、小学校と中学校と高校と大学を出て一流企業に就職して上司にこき使われて、少しの給料で休みもなくて、結婚なんかして妻や子供のために生きて……なんていう人生を生きなきゃいけない? 何故、こんなところで殺し合いに巻き込まれて、死ななきゃいけない? 誰が迷惑するとしても、そんなのは知った事ではない。「一生」──それは文字通り、一つしかないのだ。誰に迷惑をかけようと、自分の人生を精一杯に楽しめればそれでいいはずだ。 暁は探偵として生き、借金にまみれても知らんとばかりに遊びまくる。それでいい。 ここで誰が死のうが、暁が生きられれば……関係ない。 だから……。 「……さあ、逃げろよ。逃げないと……」 暁は、真顔で自分の両手を、ラブの首へと近づけた。ラブは茫然としていた。 ラブにもわかった。その手つきは、明らかにラブの首を絞めようと言う動作だった。 ラブは、逃げようともしていたが、やはり暁の行動がわからなかった。 暁が、どうしてこんな事を言うのか。彼は、殺し合いには乗ってないはずだと思った。 しかし、その手はラブの首へとかかり…… そして…… 「…………頬をつねっちゃうぜ~♪」 と、暁は笑顔でラブの首元からスライドさせ、ラブの頬へと手を伸ばし、彼女の頬をつねった。 ラブは、その瞬間、茫然とした。そして、自分は安心していいんだ、暁を信じていいんだと気づき、胸をなでおろした。極度の緊張感から、急に解放されたため、思わず頬が緩んだ。 それを見て、暁は笑っていた。 「そうそう、それそれ。笑いなよ。人生は一度しかないんだ、楽しまなくてどうするの」 暁が言う。 しかし、それを言うと、ラブはまた顔を曇らせる。自分が一瞬でも笑ってしまった事を申し訳なく思ったのかもしれない。 要するに、不謹慎だと思ったのだ。 「……でも」 「あのな、ラブちゃん。この殺し合いで死んだ奴がいたって、それこそ……他人の人生だろ? 誰かが死んだらさ、そりゃあ悲しいけど……それでも」 暁はほむらの事を少しだけ思い出す。 ほむらが死んだ時、暁はすぐに元の暁に戻った。 それは、彼の理念……とでもいうべき何かのお蔭であった。 「それでも、そいつのぶんも楽しまないと♪ もったいないって♪」 人が死んでも、その悲しみはすぐに取り払う。彼は、すぐに立ち直って、そいつのぶんまで笑顔になろうとする。 そいつのために悲しんだって、そいつのためにもならないし、自分のためにもならない。 だから、彼は、笑う。人生を楽しむ。人の死を悲しむ感情がないわけじゃない。それでも、それを引っ張り続ける事こそ、人生にとって最大の邪魔だ。 それが、彼の理念── 「……ま、俺はそう思ってるわけだよ。俺だって、俺の葬式であんまり辛気臭くされたら敵わないっての。ふんわかいこうよ、ふんわか」 それが、涼村暁の生き方だった。 そして、彼は他人が辛気臭い顔をしているのを見るのも嫌っていた。 だから、彼なりに、ラブを励まそうとしていたのだ。 「ひどいですよ、さっきの冗談……」 ラブは、ようやく自分にも喋る隙ができたと思って、暁に少し頬を膨らせて言った。 笑っているのか笑っていないのかわからなかったが、それでもいい。 少しは彼女の気も緩んでいただろう。 「……ひどいだろ? 俺はひどいんだ。でもな、やっぱり人間ってのはこう、冗談なのか本気なのかわらかないギリギリのところで生きてるんだよ、ラブちゃん」 暁は、先ほどから考えていた事があった。 自分が殺し合いで優勝する事などできないと……暁は薄々わかっていたのだろう。 楽しく生きる──たとえ、そのためでも、目の前の少女を殺す事は出来ないという事が。 だから、暁は一つの案を考えていた。 「そうそう、冗談っていえばさ、今考え付いた。こんなのはどうだ? 俺達があの……えっと、加山? そう、加山たちをブッ潰す。そんで、あいつらがため込んでる金を全部いただいて、あとはパーッと楽しんで暮らす」 「加頭さんの事?」 「そうそう、加山じゃなくて加頭だな。あいつら、わざわざ金かけてこんな派手な事までやって……何をしてるんだかわからないけど、きっとものすごい金持ちだ。100兆円くらい溜めこんでいるに違いない。そいつを全部俺達がもらう」 「でも、それ強盗じゃ……」 「これだけの目に遭わされたんだ、慰謝料みたいなもんさ。……ここで死んだ奴の遺族とかにも、それを分けてやってさ。ま、俺にはその人たちにはそんくらいしかできないけど。……なあ、これ、本気だと思うか? それとも冗談だと思う?」 暁にも、それは無理かもしれないという思いが湧いていた。 これほどの規模で殺し合いなどを催せる相手。暁や、ここにいる数多の超人を攫い、監禁した集団。……まともに戦って勝てる確率はどれくらいあるだろう? きっと、殺し合いに乗って勝ち残る方がずっと効率的に違いない。 無理。 そう、おそらく、99パーセント無理……もっと高い確率で無理かもしれない。100パーセント、無理かもしれない。 でも、暁の目的はこれでも果たされる。 人生を楽しむ────それだけなのだ。金が手に入れば、どちらでも良い。 そこにあるのは、ほむらの知り合いである杏子やラブ──この殺し合いに参戦している全ての参加者を殺すか殺さないのかの違いだけだ。 「……俺はな、本気だ」 そう、暁は────涼村暁は、もう、殺し合いに乗るのをやめていた。 彼は気づいたのだ。自分は、ラブを殺せない。この少女を殺す事ができない。それどころか、この娘に死んでほしくない。ここにいるたくさんの人たちに、死んでほしくないと思っていたのだ。きっと、あの人たちを殺すなんて、……無理だ。 ほむらが死んだ、あの時と同じ事が、目の前のラブにも起きるんじゃないか。そう思うと……やはり、暁は駄目だった。 実は先ほど、暁は自分を試していたのである。 ラブの首を絞める事ができるかできないか。 冗談で言ったつもりだったが、少しだけ、本気も入っていた。そして、やってみてすぐにわかった。 ……どうせ触るなら、ほっぺたの方が柔らかいしふんわりしていてさわり心地がいいと、そう思ったのだ。 「この際だ、加頭もサルモンガーも……えっと、名前覚えてないけどあの汚いメガネも……、全員まとめてブッ潰す。どうする? ラブちゃん。俺と一緒にパラダイス♪」 「……ぱらだいす」 「そう、パラダイスだ。ここで死んだ人たちの分まで楽しむんだ♪」 暁の言い方は確かに不謹慎で、友達が死んだラブの気持ちを考えてないようだったが、暁自身も仲間の死をここで悲しんだ一人だ。 だから、その言葉の通りにする事が決して悪い事ではないと、ラブは思った。 ブッキーは、マミさんは、せっちゃんは、一文字さんは……どう答えるだろう。 楽しんでいい。 いつまでも泣いている必要はないのだ。 笑っていい。 笑っていいなら、ラブは……笑う。 「……そうそう、やっぱりね、それが一番いいよ」 結果、ラブは、笑った。 これは、暁らしくもあり、暁らしくない行為だったかもしれない。 誰かを励ます。それは暁らしくない。 それが女の子なら、それはとても暁らしい。 でも、下心も何もない。ただ、彼は少し彼女を放っておけなかっただけだ。 ただ、それが彼女を笑顔にした。 暁には、誰かを救う気とか、誰かの命が奪われて許せないとか、そんな気持ちは微弱で、ただただ自分勝手だった。 だから、それゆえに────責任感に押しつぶされそうな娘に、そんな暁の性格をちょっぴり分けてやるくらいで、丁度よかったのかもしれない。 「……じゃ、どこ行く? ラブちゃん」 「18時に、市街地で他の参加者と落ち合う約束を、一文字さんがしていたみたいです」 「ちょうど俺もそこへ行くところだったんだ。じゃあ、決まりだな!」 二人は行く。 途中には、一文字の亡骸や、モロトフの死地の跡がある。 そこに手を合わせるのも良い。でも、長居はしない。 (ほむら……俺もまた、面白いしスリルがある事考え付いただろ? 加頭たちを潰して、お前やまどかちゃんの仇も絶対に取る。────ここからの戦いを、本当の本当にお前を捧げちゃったりするぜ!) その時、少しだけ空が笑ったような気がした。 「ところでラブちゃん、あんこちゃんっていうコなんだけどさ、知ってる?」 「あんこちゃん?」 「そう、桜餡子ちゃん」 「……美味しそうな名前ですね!」 「あ、食べちゃダメだよ」 まだ話していない事もあったので、二人は歩きながら情報交換を始めた。 【1日目 午後】 【I-4/平原】 【涼村暁@超光戦士シャンゼリオン】 [状態]:ダメージ(小)、疲労(中) [装備]:シャンバイザー@超光戦士シャンゼリオン [道具]:支給品一式×2(暁(ペットボトル一本消費)、ミユキ)、首輪(ほむら)、八宝大華輪×4@らんま1/2、ランダム支給品0~2(ミユキ0~2)、 [思考] 基本:加頭たちをブッ潰し、加頭たちの資金を奪ってパラダイス♪ 0:市街地に向かう。 1:別れた人達(特に凪のような女性陣)が心配、出来れば合流したい。黒岩? 変な事してないよな? 2:あんこちゃん(杏子)を捜してみる。 3:可愛い女の子を見つけたらまずはナンパ。 [備考] ※第2話「ノーテンキラキラ」途中(橘朱美と喧嘩になる前)からの参戦です。 つまりまだ黒岩省吾とは面識がありません(リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキのことも知らない)。 ※ほむら経由で魔法少女の事についてある程度聞きました。知り合いの名前は聞いていませんでしたが、凪(さやか情報)及び黒岩(マミ情報)との情報交換したことで概ね把握しました。その為、ほむらが助けたかったのがまどかだという事を把握しています。 ※黒岩とは未来で出会う可能性があると石堀より聞きました。 ※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。 ※第二回放送のなぞなぞの答えを知りました。 ※森林でのガドルの放送を聞きました。 【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、精神的疲労(小)、決意 [装備]:リンクルン@フレッシュプリキュア! [道具]:支給品一式×2(食料少消費)、カオルちゃん特製のドーナツ(少し減っている)@フレッシュプリキュア!、毛布×2@現実、ペットボトルに入った紅茶@現実、巴マミの首輪、工具箱、黒い炎と黄金の風@牙狼─GARO─ 基本:誰も犠牲にしたりしない、みんなの幸せを守る。 1:暁とともに市街地に向かう。 2:マミさんの遺志を継いで、みんなの明日を守るために戦う。 3:プリキュアのみんなと出来るだけ早く再会したい。 4:マミさんの知り合いを助けたい。もしも会えたらマミさんの事を伝えて謝る。 5:犠牲にされた人達のぶんまで生きる。 6:ダークプリキュアとと暗黒騎士キバ(本名は知らない)には気をつける。 7:どうして、サラマンダー男爵が……? 8:石堀さん達、大丈夫かな……? [備考] ※本編終了後からの参戦です。 ※花咲つぼみ、来海えりか、明堂院いつき、月影ゆりの存在を知っています。 ※クモジャキーとダークプリキュアに関しては詳しい所までは知りません。 ※加頭順の背後にフュージョン、ボトム、ブラックホールのような存在がいると考えています。 ※放送で現れたサラマンダー男爵は偽者だと考えています。 時系列順で読む Back 地球に生きる僕らが奇跡Next Jなき戦い/殺戮者─ジェノサイダー─ 投下順で読む Back 地球に生きる僕らが奇跡Next Lの雄叫び/逃避 Back 地球に生きる僕らが奇跡 モロトフ GAME OVER Back 地球に生きる僕らが奇跡 一文字隼人 GAME OVER Back 地球に生きる僕らが奇跡 桃園ラブ Next 暁とラブ 胸に抱く誓い! Back 地球に生きる僕らが奇跡 天道あかね Next Aが求めるもの/やがて怪物という名の雨 Back 地球に生きる僕らが奇跡 涼村暁 Next 暁とラブ 胸に抱く誓い!
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理由はいつもこの胸に 前編 メイン報酬 【心に刻まれた記憶】坂上 芽衣 (ニ) 期間 2018 9/1(土) 12 00~2018 9/14(金) 16 59 注意 名鑑イベント特有のキャラ入手方法やから注意が必要やで(下記キャラ入手方法参照) ステージ攻略のコツ なんか他の名鑑イベントよりStage2もStage3も点が入りやすい気がするのでごり押しをしよう! キャラ入手方法 前編ではSR【心に刻まれた記憶】坂上 芽衣 (ニ)本体が勝利時ドロップで入手できる。またドロップで入手できなくても累計でも400万ptから100万ptごとに1体確保できる。しかし覚醒させるには後編で専用覚醒材を入手する必要あり。 初回クリア報酬 ステージ名 初回報酬 個数 難易度 消費元気 勝利時獲得pt目安 Stage1 ココロのカギ(小) 2 D2 7 10点差でコールド約17000pt Stage2 ナインスター 1 C1 10 接戦時約30000pt、10点差でコールド約45000pt Stage3 ココロのカギ(中) 2 C5 12 接戦時約50000pt、10点差でコールド約90000pt 累積報酬一部抜粋 ココロのカギ(中)合計6本(~350万pt) ココロのカギ(小)合計77本(~350万pt) 友情コイン2個(100万pt・250万pt) ストーリー前編3話5万・20万・80万pt 【心に刻まれた記憶】坂上 芽衣 (ニ)6体(50万pt、400万ptから100万ptごとに1体) コメントフォーム 名前
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こなたがそんなことを言い出してきた理由は、ななこにはわからなかった。 ネットゲームでのチャットでの会話だから『言う』という表現は正しくないだろうが、とにかく こなたの話は唐突だった。 《先生、花売りやらない?》 《アホか!やるわけないやろ》 花売りとは、代価――大抵はゲーム内の通貨を支払うことでチャHの相手をする商売行為のこと である。こなたがそんなことをするところなど全く想像できなかったのだが……。 《まさか泉はリアルでやろうとか考えてへんやろな?》 ななこ自身はそんなことをやろうとは思わない。たとえネット上とはいえ売春行為のようなもの だし、教師という立場上、生徒のそのような行為を看過できない。リアルでやるとなればなおさらだ。 《そんなことするわけないじゃないですか》 ほっとした次の瞬間、さらに一行。 《先生はわたしがそんなことすると思ったんですか》 《思うわけないやろ》 《じゃあなんで聞くんですか?私のこと信じてないんですか》 今日はやけにつっかかるな……そんなことを思いながらも、誤解を解くためにタイプを続ける。 《信じとるよ。けど確認せなあかんやろ》 《ほんの冗談じゃないですか》 《冗談でもそんなことは言うたらあかん》 《だったら先生だって変な疑いかけないでください》 《信じるために疑わないとあかんときもあるんや。何の根拠もなく信じるのは馬鹿のやることや からな。泉がやってないって言うんならウチはそれで信じるよ》 口で言えばすぐにすむだろうに、タイピングだとそれ以上の時間がかかってもどかしい。そもそも こんな変な冗談を言ってごねるこなたなど、げんこつをくらわせてやればそれで終わりなのだ。 しかしチャットでは言葉以外のニュアンスが伝わらないし、げんこつなどできやしない。 《それって変じゃないですか》 《発言は疑わないとあかん。でも泉のことは信じとるよ》 人の道を説くのが教師の務めとはいえ、こんな青春ドラマのような台詞を書かされて、なんだか むずがゆかった。柄にもない発言の数々に、急に恥ずかしくなる。 《それに疑われたくなければ変なこと書かなければええやろ》 とりあえずななこは軌道修正をはかった。これ以上青春ドラマはやりたくない。 《いえですね、先生が花売りするなら私が買いたいと思って》 は? モニターに映し出された文字の意味を理解するのにかなりの時間を要した。 《先生だったら相場の倍を出しても》 《アホ!いい加減にせんかい!!》 さっきの間を、花売りに応じるかどうか迷っているのと勘違いされたらしい。 《冗談でもやめろ言ったやろ》 こんなことを要求してくることと、自分がこんなことをやる人間だと思われていることに無性に 腹が立った。目の前にこなたがいたらげんこつ一発ではすまなかったかもしれない。 《私は先生としたいんです。冗談じゃなく》 本気か? 自分と同じようにパソコンに向かっているはずのこなたの真意はここからではわからない。 しかしつい数十秒前にこなたの言うことを信じると言ったのは、他でもないななこだった。 《先生のことを考えると今でもこんなに》 こんなになんだろう。頭の中で想像が一人歩きする。それなりに歳を重ねたななこには、それなりの 知識がある。その知識の出所がレディコミだったりするのだが。 《濡れてるんです》 そしてこなたの言葉が示す内容は、ななこの想像と何ら変わらなかった。 《先生、好きです》 今度こそ冗談。理性がそう判断したのに、何かに胸を打たれたような気がした。 《先生、そんないきなり…ああ!》 《コラ勝手に始めんな!》 《おっぱいいいです!もっとやってください!》 ななこの突っ込みを完全に無視して、こなたはチャHを続行する。モニターの無機質なはずの 文字列を眺めると、こなたの痴態が想像の中に現れた。 《舐めるの気持ちいいです… あっ!吸うのも好きです》 ななこは自分がこなたの乳首を舐め、吸っている様を想像した。それに敏感に反応したこなたは、 色っぽいあえぎ声をあげる。 《ブラはとってください。直接がいいです》 どうやら今までブラはつけていたらしい。慌てて脳内のこなたをブラをつけている姿に修正して、 それを脱がすことにする。全く膨らんでいない胸に、小さな桜色の突起が申し訳程度についている。 《揉んでください。強くしてもいいですから》 想像の中のこなたは、瞳を潤ませて乞う。顔立ちも体型も子供そのままで、保護欲をそそられる姿。 それを悦楽でめちゃくちゃにしてしまいたいという情欲が、胸の奥で燃え上がっていた。 《ええよ、ムチャクチャにしたる》 もう、後戻りはできなかった。 《小さいなぁ。ウチが大きくしたろか》 《言わないでください。これでも気にしてるんですよ》 そんなことはお構いなしに、こなたの胸をもみしだく。 《そんなこと言っても気持ちええんやろ?》 《あん、んっ…気持ちいいです》 こなたはしっかり感じてくれている。ならばもっと気持ちよくさせてあげよう。 《もっと気持ちよくせなあかんな。ほら、下脱ぎや》 《はい》 《全部脱ぐんやで》 《はい》 想像の中のこなたは、羞恥に顔を真っ赤に染めながらも、従順だった。ゆっくりスカートを下ろし、 下着を下ろす。 《手で隠したらあかん。ちゃんと見せるんや》 《はい》 下着を下ろすと、そこにはスリットがあった。こなたは恥ずかしがりながらも、それをこちらに 晒している。こちらに向ける視線には抗議の色が混じっていたが、それが嗜虐心を燃え上がらせる。 あの生意気なこなたが、若干反発しながらも、こんな恥ずかしい要求を受け入れてくれるのだ。 《まずは指一本でいってみよか》 こなたの敏感な割れ目に、そっと指を挿しいれる。 《んっ》 感度は良好。なかなかいい具合だった。 《ほな動かすで》 《はい…はぁ、ああ!》 こなたがななこの指で感じている。などけない子供のように見えるこなたが感じている。 《二本でいくで》 指を増やすと、こなたの反応も大きくなる。いつもはやる気のなさそうな目は、今では快楽に 染まりきっていて遠くを見つめている。小憎らしい笑みを作る口も、今は喘ぎ声をあげるために だらしなく開かれている。 《幼児体型なのにこんなに濡れとるんやな》 《あ、だめ、気持ちよすぎです!》 《もっと感じさせたろ。クリも一緒にやったるで》 満を持して女の子の一番敏感な部分への攻撃を始める。最初は優しく、徐々に強く。 こなたの喘ぎ声は、その声量の限界まで大きくなる。もはや目は焦点があっておらず、そこから やってくる快感を受ける以外の、全ての行動を体が放棄していた。それでもななこの攻めはゆるむ ことなく、容赦なくこなたを絶頂へと追い込む。 《そろそろいくで》 指使いをさらに激しく。一切の遠慮はない。 《だめですいっちゃいます!!!!!》 そこでこなたの理性は決壊した。こなたはななこの指使いに耐え切れず、叫び声とともに絶頂を 迎えた。ようやくななこの指はこなたを解放し、こなたの体を休ませてやった。あとにはこなたの 荒い息遣いの音だけが響く。――そんな妄想。 ――な、何をやっとるんやウチは! 行為を終えたあとのななこは、得体の知れない罪悪感に押しつぶされていた。チャHという行為 自体に抵抗があったのだが、その相手がよりにもよって高校生、それも自分の生徒であり、同性の こなたなのだ。それを想像の中でとんでもないことをしてしまった。一人エッチをしたあとの罪悪感 など比べ物にならない。 こなたはさっきのやりとりが終わってから一言も発していない。仮にも教師であるななこがこんな ことをしてしまったのだから、何も言えなくなるのも当然かもしれない。 と思いきや、突然会話が再会した。 《すいません待たせちゃいました》 レスがあったことに少し安堵しながらも、このあとの会話を思うと気が重い。なんと言えばいい のか、見当もつかない。 《ちょっとまどろんでたあと、手を洗っていたんで。もしかしたらお父さんに声聞かれちゃったかも》 《ほんまにしたんか!?》 ますます恥ずかしくなってきた。モニターを前にこなたが一人エッチに耽っているところを、 再び想像してしまった。 あかんあかん。頭を振っても、想像の中のこなたは消えてくれない。 《いや泉、これはいろいろまずいやろ》 《こっちからもしちゃいます》 二人の書き込みはほぼ同時、よって会話は成り立っていないが、こなたの言葉がもたらした衝撃は、 そんな些細なことなどどうでもよくなるほど強烈だった。 《こっちからって》 《脱いでください。まずは上だけ》 これ以上続けるべきではないとわかっていた。それでもこなたの言葉に、これから起こることの 誘惑に逆らえず、素直に上着を脱いだ。 《ブラも脱ぐんか?》 《脱いでください》 むしろ積極的になっている。馬鹿だ。理性が語りかける反対意見はだんだん小さくなっている。 これから胸に何をされるか、それで頭が一杯になる。 《大きいですね。ずるい》 《大人はこんなもんや》 《こんな胸は揉んじゃいます。まずは右!》 ななこは自分の左手をキーボードから離して、自分の右の乳房を揉んだ。 《うりゃうりゃ!もっと揉んでやれ》 《まって激しすぎや》 片手のタイピングの遅さにいらだちながら、自分の胸を揉むという行為に没入していく。 《でも乳首立ってるじゃないですか》 言われたとおり、乳首が立っていた。 《突いちゃいます》 指先で乳首を突く。 「あっ、あかん」 胸の先にこみ上げる快感と同時に、喘ぎ声がこみあがってきた。 《感じてますか?》 レスがないことにこなたが不安になったのだろうか。いや、こなたは嬉々として自分を攻め立てて いるはずだ。 《感じとるやばい》 《それじゃもっとしつこくいっちゃいましょう》 ななこは左手もキーボードから離して、両手で自分の乳房をいじり始めた。掌で乳房を包んで、 円を描くように優しく揉む。始めは優しく、そしてだんだんと激しく。それは自分自身で何度も 繰り返した行為であった。 乳房を揉んでいるのが、想像の中のこなたに置き換わる。すると、急に羞恥心と快感が増して きた。今、ななこにこんなことをしているのはこなたなのだ。 「泉、もっと激しく……」 《もっと激しいのがお好みなんですね》 大人なりに成熟した乳房を、こなたは激しく揉んでくる。そんなに激しくしてくるのは自分に それがないための妬みかもしれない、などと思いながら、今ではそれがありがたかった。 「あっ、ああっ、はぁ……」 息が荒くなっていく。少しずつ高いところに登り始めていた。 《乳首をせめるのを忘れちゃいけませんね。摘んじゃいましょう》 揉みしだく動きを維持しながらも、その指で乳首を摘む。こなたの攻めはねちっこく、そこに もたらされる性感は今までの一人エッチとは確実に違っていた。 《そろそろいいですね。全部脱いでください》 胸への刺激をやや名残惜しく感じながらも、素直にこなたの指示に従う。 《脱いだよ。早く》 タイピングがじれったくて雑になる。早くこの先を味わいたい。 《私がどんなに感じていたか教えてあげます。まずは指一本で》 こなたの趣味ならもっと下品な表現を使うかもしれないが、こういったチャットでは一部の単語 ――例えば女性器の名称などはNGワードになっている可能性が高い。 それを少し残念に思いながら、人差し指をゆっくりと入れた。下腹部に痺れるような感覚が やってくる。 《もう濡れてますね。いきなり激しくやりましょう》 こなたの指はいきなりななこの中の一番感じる部分を探り当て、激しく攻め立てる。そう、この 指はこなたの指なのだ。 「あかん、いきなり、そんな」 ななこの濡れそぼったところに指を入れているのは、こなた。ななこを攻めるこなたの表情は、 さっきまでななこの指で乱れきっていたこなたとは正反対の、むしろ普段どおりの少し意地の悪い 笑みを浮かべるあどけない少女だった。そんな年端も行かない少女に好きなようにされてしまって いることに、今までに経験のない感覚と感情が胸にやってきた。 その感覚を言葉で表すなら背徳感だろうし、感情を言葉で表すなら――認めたくなかった。 こんなことがきっかけで恋愛感情が芽生えたなんて。それでもこなたの指は一切の容赦をしない。 こなたがこんなにも感じさせてくれている。こなたを思うと快感が何倍にも高まる。 《やばいウチ感じとる》 《もっと感じてください。指増やしちゃいます。クリちゃんも舐めますよ》 その言葉を待ちわびていた。ななこは指の本数を増やして、同時にクリトリスを刺激する。 普通はゆっくり刺激していくはずのその部分は、十分すぎるほどの性感が高まっていているせいで すでに勃起しきっていた。 「あうっ!泉、やりすぎや!」 ゆっくり、などという余裕もなく、いきなり最大級の刺激が送られる。愛液で濡らしておいた 指でもかなり急激なものだった。 それでもこのクリトリスはこなたが舐めている。こなたがやってくれているのだから、全てを 受け入れてやらなければならない。 《もっとはげしく!!!》 むしろさらに強い刺激を求める。こなたは指での中への攻撃と舌でのクリトリスへの攻撃を 器用に両立している。もっともっと、こなたはいくらでも自分を感じさせてくれる――はずなのに。 《だめです》 ななこにとって、あまりに残酷な仕打ちだった。ここでやめさせられるなんて。 《あかん。お願いやから最後まで》 慌ててキーボードを打って懇願する。キーボードが汚れることは気にならなかった。 《私のこと好きって言ってください。そしたら最後までやってあげます》 《好きや。愛してる》 《いいんですね。冗談じゃないんですよ》 《ウチも本気や。愛してる》 必死だった。ここで手放したくない。その想いだけでひたすら訴える。もしここにこなたがいる なら、抱きしめてキスしてあげたいのに。 《その言葉、忘れないでくださいね。ほら、クリちゃんに欲しいんでしょ》 ようやく再開してくれた。好き。愛してる。もっと、何でもいいからこなたとのつながりを示す 言葉が欲しかった。 「泉、好きや。好きやからっ!」 こなたはななこの最も望むところを的確に感じ取って攻めてくる。こなたには全て見透かされて いる。だから、こなたが与えてくれるこの感覚は何者にも換えがたく…… 《好きやからもっと》 《はい。イかせてあげます》 こなたの攻めが最終段階に入った。もうななこには一分の躊躇いもない。 「泉、いずみぃ!」 《イってください。激しくイっちゃってください》 「ん、んぁっ、ふあっ、も、もうあかん!!」 もう耐えられない。こなたの全力に晒されて、もう耐えられない。一気にそこまで上り詰める。 その先は、今まで感じたことないくらいの高いところで―― 「い、いずみ、いく、ウチ、いくぅーーーーーーっ!!!」 自分の指でイった。否、こなたの指と舌でイかされた。 しばらくの間――十分か二十分か――ななこは余韻を味わったまま、放心状態だった。こなたは いつのまにかログアウトしており、自分の恥ずかしい液体に濡れた椅子とキーボードが現実を 思い知らせた。 その翌日、まともにこなたを見ることができなかった。ホームルームでちらりちらりとこなたの 様子を見ても、全く変わったところはなかった。幸か不幸か、この日はこなたのクラスの授業が なく、昼休みもこなたが見つからず、まともに話をするのは放課後まで待たされることになった。 「先生、目が怖いですよ」 進路指導室に呼び出されたこなたは、昨日のことなどなかったかのように堂々としていて、 それがななこには腹立たしかった。こっちは今日一日悶々としていたというのに。例えばホーム ルームで生徒全員の前で昨日の件を言い出すんじゃないかとか、内心ヒヤヒヤしてもいたのだ。 「泉、昨日のあれはなんや」 正確には、件のチャットは十二時を過ぎたあとのことであり、『今日』の出来事である。二人とも わざわざそんなことにつっこんだりはしない。 「チャットH、略してチャHです」 「堂々と言うな!」 げんこつを一発。チャットでは二回はげんこつしてやりたいと思ったのだから、あともう一回 くらいはしてもいいだろう。 「ウチが聞いとるんは会話の内容のことや」 「先生寝落ちしてましたよね。まさか本当にイっちゃったとか――」 げんこつをもう一発。今日のげんこつは打ち止めにしておこうと心に誓った。 「それやなくて、あの……冗談とかそうやないとかいう話のとこや」 「だから言ったじゃないですか。本気だって」 「ホンマに本気なんやな!?」 「信じるって言ったの先生ですよ」 「ああ……よかった」 脱力したななこは、いきなりこなたを抱きしめる。 「うおっ、先生!?」 「泉、好きや。愛してる」 「昨日も聞きましたよ」 「直接言わんと不安になるやろ。第一なんでチャットなんや」 「ネタ的においしいじゃないですか、ネトゲのパーティーで恋愛って」 「は?」 その発言自体が意味不明だが、頭の中の冷静な部分が分析する。ネタというのは他人に話す ことを前提にした話だと。 「先生と生徒の禁断の愛っていうのもいいんですけど、どこか少女漫画っぽいじゃないですか。 だからどこかに萌え要素を追加しておこうと」 こなたの恋愛はななこの恋愛でもある。それを萌え要素とか言われるのは変な気分だが、相手が こなたという時点でそれは諦めている。それよりも、さっき気になった部分を聞かねばならない。 「誰かに話したんか?」 「かがみんとつかさとみゆきさんに。いやあ、昼休み中問い詰められちゃいましたよ」 「アホー!!」 ついさっき心に誓ったことをあっさりと破った。 「先生、痛いです……大丈夫ですよ、かがみんたちは理解してくれましたから」 「そういう問題やないやろ……」 ツッコミどころがありすぎて、何も言う気になれない。こなたを恋人にすることは、いろいろな ものを諦めることと同義なのかもしれない。 「罰として今日はネットゲーム禁止」 「お、横暴です、いくらなんでも!」 こなたの反論にたじろぐことなく、しかしこなたから目をそらしながら言う。 「そのかわり今日はウチんとこきいや」 それが何を意味しているか、こなたはわかっているはずで、こんなことを言うのはものすごく 恥ずかしい。 「ウチが勉強教えたる。泉の成績危ないやろ」 「それで、夜の勉強も教えてくれるわけですね!」 四度目をやろうかと思ったが、図星だったのでやめておいた。 「あんまアホなこと言うとまた殴るで」 「うーん……こういうのも一種のツンデレなのか……」 「やめんか!」 なんだかいろいろと疲れてきた。柊姉妹や高良はいつもこんな気分なのだろうか。 「まあええわ。泉ん家に送って行ったるからお父さんに連絡し」 「進路指導室でエッチっていうのも萌えるかもしれませんね」 「ええ加減にせえ……」 昨日は勢いであんなことをしてしまったが、今日はどうやって目的を果たそうか、そんなことを 思案しながらななこは車を走らせた。案外簡単にエッチに持ち込めるかもしれないが。 きっかけがきっかけとはいえ、晴れて両思いになったというのに、こなたは普段と全く変わらない。 ななこには、それが不安だったが嬉しくもあった。こなたがこんな調子なら、生徒と教師、あるいは ゲーム仲間という繋がりをなくしても関係を続けていられるという証明になるはずだ。 「伊藤静さんみたいに関西弁萌えになってみようかな」 「誰やそれ……」 でもやっぱりこなたの相手は疲れるのだった。 -終わり- コメントフォーム 名前 コメント 実際やってるの? ラグナとか信長とかいっきとかの中で。 信長オンライン→「かついえ…やらないか」「とうきちろう殿…」 うん、リアルな戦国だ! -- 名無しさん (2011-04-11 19 30 14) 最高!! 先生可愛過ぎだ -- 名無しさん (2010-01-16 14 50 00)
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戻る 小ネタ これは個人的には唯紬でいいと思うけど、作者さんは百合を意識して書いたのかな? -- (名無しさん) 2012-07-04 00 38 41 あらあらまあまあまあ! -- (名無しさん) 2012-07-04 00 59 50 結構好きなんだが。 -- (通りすがり) 2012-07-04 01 42 28 映画のあの場面を意識してますな。 ムギちゃん、誕生日おめでとう! -- (名無しさん) 2012-07-04 12 19 42 2人とも可愛いな -- (じゅわ〜) 2012-07-04 12 35 08 ムギちゃんの語りがかわいい -- (名無しさん) 2012-07-05 13 58 02 最後ムギが死ぬのかと思った -- (名無しさん) 2012-07-06 16 48 15 個人的に良作だった…。 ムギ、これからの人生に幸ある事を願います。 -- (名無しさん) 2012-09-20 16 08 44 エ~クセレント! -- (名無しさん) 2012-09-20 23 21 14 良いな。 -- (名無しさん) 2013-02-15 12 42 42 あらあらうふふないつもの唯ムギだが、挿絵の良さに救われている。 キャラ愛も感じる。 -- (名無しさん) 2014-02-04 00 27 14 素晴らしい -- (名無しさん) 2014-03-07 20 00 54 たわいもない話。 だが、それがいい。 挿絵も素晴らしい。 -- (名無しさん) 2015-05-15 22 35 06 確かにケもなくハレもない話だが、文体、ムギのしゃべり方からなんか懐かしい気が。 これこそけいおんだなぁと。 -- (名無しさん) 2015-11-22 22 22 43 唯ムギは好きだ! -- (名無しさん) 2016-07-14 20 59 30 程良い百合に感動できるストーリー、そして挿絵…本当に良いSSだなぁ -- (名無しさん) 2016-07-28 23 16 38
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唯「まぁ私は天才なんだけどね」 では、どれほどクズか順に検証していこう。 律「おーっす、唯!」 唯「あ、りっちゃんだー! くらえ目潰し!」 律「なんの! デコ返し!」ピカッ 唯「うわぁぁぁぁ目があぁぁぁぁぁ」 ……まずは見ての通りのバカ、田井中律。 見ての通りのバカに検証など必要なのかは怪しいが、かといって長所がないわけでもない。 一緒にいて楽しいのは事実であり、それなりに他の人をちゃんと気にかけている良いリーダータイプだ。 ただ、バカで無能な彼女がリーダーに相応しいと言えるかはまた別の話ではある。事実、部長としての責務を納期までに果たしたことなど一度も無い。 社会に出たら一生底辺でこき使われるタイプだろう。 悪い奴ではないのだが、無能である。性格はいいのだが、能力がクズである。 唯「今日もいいデコですね」 律「おうよ! 今日の輝度は10ヘクトパスカルだぜ!」 唯「よくわかんないけどすごいね!」 クズである。 澪「あ、唯。おはよう。今日もいい朝だな」 唯「おはよーみおちゃん。今日も朝から水子連れて重そうだね」 澪「ぅひいいいいいぃぃぃぃぃ!?」 ……さて次は、このどうしようもない臆病女、秋山澪。 怖い話、痛い話などに過剰すぎるほどの反応をし、その場の空気を停止させる能力者だ。 それを隠すため、前述の田井中デコと一緒に仮面を被る練習をし、痛々しい喋り方を身につけた過去を持つ。 つまり虚飾で身を包んだ、嘘と偽りだけで出来ている女、それがチキン秋山なのだ。 本当の彼女は臆病なクズで、誰かがいないと呼吸も出来ないほど。生活に支障をきたすレベルでダメ女なのだ。 さすがの私も見かねて背を押してしまったこともある。クズの背を押すなど、この女が最初で最後の経験だ。 とはいえ、彼女も努力していないわけではない。というか真面目なタイプの人間であり、日々努力はしている。そこだけは評価する。 その性格ゆえかポテンシャルは高く、何事もソツなくこなす。重ねて言うが、そういうところだけは評価する。 だが結局のところ、嘘と偽りで塗り固めた彼女は非常に脆い。上手く嘘をつくよりも根本から強くなれなければ、彼女の将来に光は無い。 一人孤独に生き、一人孤独に死んでいく。そんな未来が誰よりも見える女だ。 田井中とは正反対に、能力こそ充分だが性格に難しかないクズである。 唯「ところで澪ちゃん、幽霊怖いって言うけど自分が幽霊になったらどうするの?」 澪「私は死にましぇーん」 唯「すごいね!」 クズである。 紬「あら唯ちゃん、昨夜はお楽しみでしたね」 唯「ムギちゃんこそ」 紬「あらあら」 唯「うふふ」 ……次は強敵だ。寿――じゃない、琴吹紬。チャームポイントは眉毛。ウィークポイントも眉毛。 謎が多く、電波と波長を操り、自らにピンク色の幻覚を見せて酔うのが趣味のイッちゃってる女だ。 ……友人をそんな目で見るって、私の主観抜きでもクズではなかろうか。 ともあれ、彼女もポテンシャル自体は高い。運動は多少苦手意識があるようだが、勉学については有能という他ない。 それに加え、バックに琴吹が付いている。というか娘なのだが、ともかく敵に回したくない人間だと教師も口を揃えて言っていた。 お嬢という自覚もあるようで、ティーセットを持ち込んだり執事を怒鳴りつけたり暗黒オーラで値切ったりと好き放題やっている。 ただ、それについては私も大いに助けられているので何も言えない。何か言って「じゃあ金返せ」と言われたら泣くしかない。そんなレベルでお世話になっている。 だがあえて言うなら、そういう『負い目を感じるようなこと』で恩に着せて友人面するのはやはり人間としてどうなのか、とは思う。面と向かっては言えないが。 まぁそもそも、自分のことを多く語らない人間を友人として信頼しろというのが難しい話なのだが。 性格面では…少なくとも私達といる時間を楽しんでくれているようではある。育ち故の孤独というものには少々同情する面もある。それ以上に羨むけど。 恐らく彼女が一番世渡りの上手い人種だろう。そういう面は評価する。 だが同時に、そういう人間はイザという時にもっとも信用の置けないタイプでもある。要するにクズである。 唯「将来はムギちゃんのところに就職させてほしいなぁ」 紬「私のお尻を舐めるだけの簡単な仕事よ」 唯「わーい」 クズである。 梓「ゆーいせーんぱーい!」 唯「おや遠くに見えるのはあずにゃんではないか」 梓「遠くないですよ! 目の前じゃないですか!」 唯「ごめんごめん小さくて錯視しちゃったよ」 ……黒くて小さい後輩、中野梓。私と同じギターを担当しているという時点でクズだ。邪魔だ、道を開けろ。 とはいえ一応、『今の』私よりはギターが上手い。いろいろ秋山澪と被るが、実力と向上心と兼ね備えた逸材には違いない。 性格も被るが、真面目な努力家である。基本的に頑張る子を無意味に見下すような事をする私ではない。ちゃんとそこは評価する。 学年が違うので詳しくは知らないが、勉学面もちゃんとしているようだ。 ならば何が問題か。やはり秋山(黒)と同じく、中野(黒)にも性格面で問題となる点がある。 田田舎に言わせれば「生意気」。今時のゆとり臭全開で、入部翌日から先輩に平気で説教をかます。なんでも、ユルい空気が気に入らないんだとか。 そのくせ一年も経てばそれに馴染み、紬に紅茶をよこせと指示する。別に敬意を払えなんて古臭いことは言いたくないのだが、一歩間違えば機嫌を損ねて退部させられそうなことを平気でする。 自分の意見はブレまくるくせに自己主張が激しく恐れを知らない。一歩間違えばDQN。ぶっちゃけ相手したくないクズだ。 同級生ならまだ違ったのだろう。憂とは上手くやれているようだし。 だが私達には、特に私には友達のように振舞う。『歳の差』という一生埋められない壁をまるで存在しないかのように振舞うあの女は実に気に入らない。 あと余談だが秋山ブランドのゴールデンシマパンを見て鼻血を出していた。クズである。 クズ同士…というかガチ趣味同士、琴吹とよろしくやってればいいと思う。 梓「唯先輩、早くやりましょうよ!」 唯「何を? あぁ、セッション?」 梓「惜しいですね。『セッ』まで合ってます」 クズである。 さ「はぁ~あ、なんでウチの学校はセーラー服じゃないのかしら」 唯「私はブレザーでよかったけどなぁ。セーラー服ってなんか古臭いし」 さ「誰が古臭いですって?」 唯「ひぃ」 ……山中さわ子。音楽教師にして顧問。 合唱部と掛け持ち顧問だったはずだが、あちらのほうはちゃんとしているのだろうか? ともかくこの女は……欠点しかない気がする。大人として振舞っている全ては「猫かぶり」と自身で宣言してしまっている。 学生気分が抜け切れていないダメな大人の見本だ。教師でありながら反面教師。いい具合にクズだ。 彼氏とも長続きしないともっぱらの噂。にじみ出るクズっぷりは交際相手にも見抜かれるほどらしい。 あえてどこかを評価するなら、その猫かぶりっぷりが素晴らしいことだろうか。真実を知らない生徒からは非常に評価が高い。 もっとも、真実を知る我らがクズ高軽音部からも友達感覚で評価が高いように見えないこともないが、それでもやはり私としては、あまり素を見せないほうがいいと思う。 生徒は教師の背中を見て育つべきであり、露骨にさらけ出して向き合うべきではないのだ。 曲がりなりにも教職に就けたのだし、聴かせてもらったギターもかなりの腕だったし、スペック的には高いはずなのだが。それでも影が薄いのは、やはり性格面での欠点が大きすぎるということだろう。 軽音部メンバーから尊敬されていると思しき言葉を聞いたことが無いのは、少し同情する。 ……いや、コスプレ絡みなら少しはあったか。教師としても顧問としてもほとんど関係ない点で評価されてる辺り、クズとしか言えないが。 唯「さわちゃんいつ結婚するの?」 さ「若くてイケメンで優しくて頼りになって大企業に勤めてて年収1000万以上で天涯孤独の男性が結婚を申し込んできたら結婚する」 クズである。 和「じゃあ私、生徒会行くね」 唯「まだ何も言ってないよ?」 ……真鍋和。私の親友にして幼馴染。高校に入ってからは部活のせいもあって少々疎遠だ。 別に寂しいわけではないが、もし一緒に軽音楽部に入っていたらどうなったのかな、と考えないことも無い。それくらいの付き合いだ。 別に寂しいわけではない。 ……えっと、性格はとにかく生真面目。ギャグをやると必ず滑るくらいに生真面目。同じく真面目なタイプの秋山澪と仲良くなったらしい。鼻が高い。 生真面目だからといって石頭というわけでもなく、それなりに融通も効く。生徒からも教師からも信頼されており、生徒会長を務めた。 幼馴染として世話も焼いてくれるし、出来た存在だ。 そんな彼女をクズと称する点があるならば……交友関係の狭さだ。二年時、私とクラスが離れた際には真っ先に知った顔である秋山澪のところへ駆け寄り、不安をあらわにしたという。 もっとも、クズ山のように人付き合いが苦手というわけではない。誰からも慕われる私の自慢の幼馴染は、それ故に対等に接することが出来る相手が非常に少ないのだ。 頼りになる人、というレッテル故に、頼られることこそ多かれど頼れる相手は少なくなってしまうのだ。 そのレッテルを自ら剥がせない限り、彼女もまたクズなのである。 余談だが、彼女の本体はメガネであり、肉体は「生徒会行くね」と言うためだけの道具であるとも言われている。これについては詳細が明らかになり次第、追って報告する。 唯「っていうかそんな毎日毎日生徒会室行って何してるの?」 和「生徒会室でイってナニしてるのよ」 クズである。 憂「お姉ちゃーん、そろそろ夕飯にするー?」 唯「はーい今行くー」 ……(多分)最後の一人、平沢憂。言うまでもなく私の妹だ。 彼女については…何故だろう、言葉をちゃんと選ばないといけない気がする。 彼女の評価は、ほぼ誰からも等しく『何でも出来るいい子』だろう。天才と言っても差し支えないほど何でも出来る。 天才の私と同じ血が流れているのだから当然といえば当然だが。 それでも、最初から全てが完璧にこなせたわけではない。天才というのは、より短い時間で最大の効果を出す、何よりも効率のいい学習のできる人のことを言うのだ。 要するに、ほんの少しだけれど努力もしている。もちろんそれを私は評価する。 天才であるが故に能力面では何一つ欠点がない。性格面でも自らの天才っぷりを決して鼻にかけたりはせず、皆を思いやれる優しい子だ。 特に、全てにおいて劣る『今の』私さえも時には持ち上げ、評価する。理想の女の子であり、理想の妹だ。 そんな全人類の理想像のような我が妹だが、あえて欠点をあげるならば、やはりそれは『依存』だろう。 何故、憂は完璧なのか。聖者と言っても差し支えないほどのその隙のない『在り方』は、誰のためなのか。 言うまでもなく、『自分以外』のためである。誰かに求められる、誰かを助けることこそが生きがいで、その為に自らを磨いてきた。 だからもし、自分が必要とされなくなったら。その時憂は、何を想って生きるのだろうか。いや、そもそも生きれるのだろうか。 参拝客の居ない神社。崇めるものの居ない神様。信者の居なくなった宗教。それらの行き着く先は。 ……憂に限って必要とされなくなることなんて無いと思うけど、私にそんな心配をさせるなんて、やっぱりクズだ。 唯「ねぇ憂、もし私が死んじゃったらどうする?」 憂「私も死ぬ」 クズである。 唯「――というわけでさわちゃん、卒業文集の作文これでいいかな?」 さ「アンタ私のこともこき下ろしといてOK出ると本気で思ってるの?」 「あと、卒業文集でこんな愛すべき生徒の見たくない真っ黒い一面見せられても私が困るんだけど」 唯「さわちゃんしか困らないの?」 さ「いや、たぶんみんな困るんじゃないかしら…」 唯「じゃあいいじゃん、もう一人で苦しまなくていいんだよ?」 さ「余計ダメだって言ってんのよ! ちょっといい話っぽく言っても無駄よ!」 「っていうか私がすっごくショック受けてるんだけど、既に」 唯「さわちゃんのこと酷く書きすぎたかな」 さ「唯ちゃんの本性に、よ……もうちゃん付けで呼べないレベルよ」 唯「呼び捨てで呼んじゃう? 恋人みたいに」 さ「平沢さんで」 唯「いけずー」 さ「誰かいけずごけじゃ!」 唯「知らないよぉ! いかずごけしか私知らなかったよ!」 さ「で、本当にこんなこと考えてるの?」 唯「うん」 さ「じゃあ唯ちゃんもどうしようもないクズねぇ」 唯「さわちゃんの学生時代みたいに?」 さ「私より酷いと思う」 唯「やっぱり私もクズなのかなー。直すべき?」 さ「それは難しいところね」 唯「あれ、意外」 さ「だって、なんだかんだで皆と上手くやれてるじゃない。表に出さなければ何も問題ないわ」 唯「さわちゃんの猫かぶりみたいに?」 さ「そうそう。人間誰でも少なからず汚いところがあるのよ。人を見下してきた唯ちゃんにならわかると思うけど」 唯「うん。いろんな人を見てきて、私は『こうはなるまい』って見下してきた。綺麗でありたい私は間違ってるの?」 さ「矛盾よね。綺麗でありたいが為に汚いモノを嫌悪する。嫌悪という感情そのものが汚いのに」 唯「…そっか、偽善なのかな」 さ「人間は常に偽善者で、矛盾を抱えた思想家よ」 唯「さわちゃんがかっこいいこと言ってる! 先生みたい!」 さ「おほほ、もっと褒めなさい」 唯「でも悪いけど、私はやっぱり欠点のない人になりたいよ。こうやって人を観察して分析してきたからこそ、ね。偽善者なんて、何よりも汚い存在だよ」 さ「つまり、誰も見下すことの無い聖者になりたい、と?」 唯「うん」 さ「誰も見下すことのない存在っていうのは、最底辺から皆を見上げるだけの存在よ? そして、常に皆から見下される汚らしい存在よ?」 唯「……あれ?」 さ「また矛盾しちゃったわね。そして、見下されるのが聖者ということは?」 唯「……今まで私が見下してきた人も?」 さ「いいえ、それはただの汚らしい人間のクズよ」 唯「…わけわかんないよ。じゃあもう人間辞めればいいの?」 さ「人間は人間としか仲良く出来ないし、人間と他種族の内面的な優劣を比較するのはちょっとナンセンスよ」 唯「じゃあ……どうすればいいの?」 さ「別に、今のままでいいと私は思うけど」 唯「人を見下すのは人間のクズなんじゃなかったの?」 さ「誰しもどこか汚いところのあるクズよ。人間皆等しくクズだというなら、クズでいいじゃない。ようはその中での自分の『在り方』よ」 唯「……どういうこと?」 さ「人を見下し、誰よりも汚いところを見てきたなら……それから目を逸らすな、ってことよ」 唯「……えっ、と?」 さ「唯ちゃん言ったわよね。『こうはなるまい』って思いながら生きてきたって。汚さを知るなら、それが正しく清い反応だと、私は思う」 「誰よりも汚い面を知るならば、決してそれに染まらず、誇り高く生きればいいのよ。綺麗な面しか知らない人には出来ない生き方よ」 唯「……人を見下すのは、悪いことなんじゃなかったの?」 さ「見下すことしかしないならそう言うけど。見下すことで自らに得るものがあれば、一概に悪いこととは言えないでしょ?」 唯「どちらとも言えない、ってこと? 大人は汚いよ…」 さ「違うわ。唯ちゃん次第、ってことよ。人を見下しながら、唯ちゃんはどう生きるの?」 唯「………ちょっと、考えてみるよ。ありがと、さわちゃ――ううん、さわ子先生」 さ「っ……あははっ、そう畏まって素直に礼を言われると照れるわね」 唯「いっつもそうやって真面目にやってれば素直に尊敬できるんですけど」 さ「……ツンデレめ」 唯「さわ子先生はもうちょっと先生としての発言に責任を持つべきですよ。生徒の将来を左右するんですから」 さ「えー、そんなに大きなコト言ってないって」 唯「言いましたー」 さ「じゃあその左右された人を連れてきてよ」 唯「目の前にいるじゃないですか」 さ「……え?」 唯「……私、将来はさわちゃんみたいな人間のクズになりたいなー、ってね」 おわり ネタもないのに続けようとするもんじゃないね みんな寝れ 戻る
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◆[いつものやつ] 発言の矛盾点 03◆ 住人に散々叩かれながらも固持した自分の主張を、 ほとぼりの冷めたところであっさり翻す[いつものやつ] こういうことを平気でできる人間なのです。 「バレなければ問題ない」とも言えますが、バレた今となっては少々カッコ悪いですね。 下記の2スレで発言内容を比較してご覧ください。 クロノスPart2 http //ex21.2ch.net/test/read.cgi/tv/1180649926/ 424名無しでいいとも!@放送中は実況板で2007/06/16(土) 18 14 23ID F/xxud460 YouTubeのクロノス動画消えた・・・○| ̄|_ 自分の県、放送されてないから痛い・・・ 427名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/16(土) 19 18 32ID TsS47evr0 424 ぎゃー 密告中後編うpされるの楽しみにしてたのに… 428[いつものやつ] 2007/06/16(土) 19 19 29ID 2qWJn69l0 DVD発売に合わせて フジテレビが被害届出したんだな 被害届出るまでは合法でも 出れば違法だし 429名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/16(土) 21 07 30ID GoMW2wuD0 人を殴っても被害届けが出るまでは合法らしいです。 428の論法によると… 431 [いつものやつ] 2007/06/16(土) 21 35 41ID 2qWJn69l0 429 家庭内の民事は 警察不介入だよ※ 殺人とかなら 家族内のことですから は通じないけど テレビ局が 宣伝目的で見て見ぬフリなんて良くあること 432名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/16(土) 22 15 55ID vjcLOu9h0 ↑恥の上塗り 433名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/16(土) 22 22 38ID qLN0B2Gk0 428 ↑ 中国人が世界中から叩かれてる理由が これです。 434 [いつものやつ] 2007/06/16(土) 22 39 00ID f1xfwuxq0 432-433 じゃあオマエらは 二度と ようつべ使うなよ 436名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/16(土) 22 53 39ID qLN0B2Gk0 434 おまえ、 合法だと思ってyoutubeにUPされた番組みてたのか? 重傷だな。 437名無しでいいとも!@放送中は実況板で sage 2007/06/16(土) 23 56 28ID SPgkDo2J0 429 著作権法違反は申告罪です ニコニコでも削除されるアニメとされないアニメがあり、 それは著作権者側の思想が反映されているからだとも云えます。 438名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/17(日) 00 03 38ID CcNNCW7y0 親告罪ね。 被害者の告訴がなければ起訴されない。 440名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/17(日) 00 22 52ID D++nJnzs0 437 なるほどぉ じゃ、中国のコピー商法もあれでOKなわけだねw 当局に言われるまでやっててOKと 442 [いつものやつ]2007/06/17(日) 02 07 18ID Qb3pVxvE0 440 偽善者は去ね テメーみたいな連中のせいで地方で鑑賞を楽しみにしてる人達の夢がつぶされる 443名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/17(日) 02 34 02ID 8xkFA0FF0 442 なんだ、悪いことだと解かっててやってたのか 救いようが無いな 445名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/17(日) 04 35 40ID ME6jHWQ20 平和だなぁ ttp //www.mainichi-msn.co.jp/chihou/hyogo/news/20070613ddlk28040347000c.html 440 駄目に決まってるだろ!訴えるのは当局じゃなくて権利者だ。 取り締まりをする立場の当局が賄賂漬けなんだから取り締まらないだけで 446[いつものやつ]2007/06/17(日) 04 47 16ID Qb3pVxvE0 フジが余計なことしなければ ライアーもクロノスも 今でも無罪放免で みんなが楽しめたのに 全国ネットされてないのに本当にバカだよな 447名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/17(日) 07 40 31ID QgkRbImx0 「みんなが楽しむ」ために製作、放送してるわけじゃないんだよ、 残念だがな。 子どもっぽい主張、あまり繰り返すな。 「見つけ次第、削除依頼」は、局の当然の権利。 オンエアされてない地域の連中は、「密告された」んだよ。 速やかに退場し、DVD化を待て。 445 突っ込む方を間違ってるw 448名無しでいいとも!@放送中は実況板でsage 2007/06/17(日) 08 29 13ID o9T4j+Xu0 ホント、著作権を甘く都合良く見てるやつ多すぎだな 「フジが余計な事・・・」とか 「訴えるまでは無罪・・・」とか マジで屁理屈こいてる中国人と同じ発想じゃねーか。 ま、 437こういうアニメ準拠でアニメ脳なやつの精神じゃ、社会適応力が皆無だからしょうがないけど。 【LIAR GAME】ライアーゲーム 25回戦目 http //ex21.2ch.net/test/read.cgi/tvd/1183035196/ 168名無しさんは見た!@放送中は実況板で2007/06/30(土) 20 11 31ID IWfz8+Jk0 youtubeに動画1話しかないなぁ・・・ 2話がいつのまにか消えてるしorz 169 [いつものやつ]sage2007/06/30(土) 20 13 47ID 6Xa9ymOZ0 総集編放送した上にDVD-BOXの発売も決定してるし、 普通に違法行為だからね。 ※ 家庭内に限らず警察は「民事不介入」が基本では? 「著作権侵害」「暴行罪」として刑事罰の対象と捉えれば“家庭内かどうか”は関係ないのでは? いずれにしても[いつものやつ]の勘違いなのでしょう。
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[ふたりの出会い]星宮 いちご+ No. 0482 レアリティ PR+ タイプ キュート キャラクター 星宮 いちご 初期オーラ 最大オーラ アピール プレミアムエンジェルアロー アピールポイント スキル キュートplusアピール!(Ⅳ) ブランド Angely Sugar ドレスアップ前 [夏祭りもスペシャルに]星宮 いちご 入手方法 [夏祭りもスペシャルに]星宮 いちごをドレスアップ 実装日 2016年7月30日 ドレス カテゴリー 星座ロマンスドリームBOOM ドレス名 ブランド トップス - Angely Sugar ボトムス - Angely Sugar シューズ - Angely Sugar アクセサリー - NO BRAND
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ねえ、キョン。人間ってなんで生きてるのか、って思うことない? あるにはあるな。 あんたはどう思うの? わからん。いままで何度も考えはしたんだけどな。 そう。 なんで生きてるのかは、答えらしい答えが見つからないのが正直なところだ。ひょっとしたら理由らしい理由がない、ってのが答えかもしれんと思うくらいだ。 うん ただ、分からないながらも、生きててよかった、と思うことはあるぞ。 たとえば? たとえば……涼宮ハルヒって奴に会えた。 ……。 あのとき、あきらめたら、二度と会えなかったんだと思うと、何も分からなくても生き続けた過去の自分を誉めたくなる。 ……。 もうハルヒに会えない、っていう、……夢だけどな、見たことがあるんだ。 ……。 自分でも驚くぐらい必死になって探した。世界を変えてでも、またおまえに会おうとした。 ……。 それにな。最初に会ったのが18や20のハルヒだったら、すごい美人だな、とか、いい女だなとか、思ったかもしれないけど、今こうして話してないと思うぞ。 ……。 なんか、すごい偶然だなって、今でも思うんだ。 偶然じゃないわ。 ……。 親父に聞いたことがあるの。母さんに会ってなかったら、どうしてた? 今ごろ何やってると思う?って。そしたら、どう言ったと思う? ……。 母さんと会った瞬間、俺にとっては世界が激変した。だからその問いは無意味だ。別の、世界が変わらなかった方の親父に聞いてやれ、って。 ハルヒ、おまえがこの世界を変えちまったんだ。 ううん。ちがうわ。あんたがこの世界を変えちゃったのよ。あたしたちが《ここ》にいる世界に。 ふたりがここにいる不思議 I Suppose You Are Wondering Why We Are Here?