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【群馬】<赤城高原限定> 行者にんにく スタミナカレー メーカー 並木NAU 内容量 200g 熱量 241kcal 辛さレベル ? 価格帯 525円 先日、赤城高原のSAに寄ったときに発見して思わず購入してみたもの。 赤城高原SA限定で、他には売っていないらしい。 行者にんにくって、名前は知っていたけれども、あまり食べた記憶がなかった。 で、にんにくの一種だと思ってたんだけど、違うんですね。 山菜の一種で、ただ、にんにくと似たような成分が含まれていて、香りも似ている、らしい。 さらには、生育に時間がかかるらしく、希少価値が高い、とのこと。 なので、最初のイメージはにんにく状のものが入っているかと思っていたら、実際には、緑の繊維状のものがたくさん入っているような状態でした。 食べてみると、なるほど、独特の香りがします。 にんにく、とは確かに似ているけれども、少し違うような気も。 ともあれ、カレーにあうかどうかというと、、、どうでしょう?^^; 具は、行者にんにくのほかに、小さな(5mm角くらい)サイコロ上のジャガイモ、にんじん、肉が入ってるようです。 ルーはマイルドで好みのタイプだけど、やっぱり行者にんにくの香りが最大のポイントですね。 本当に精力つくんだろうか? 一言評 行者にんにくの独特の香りが好きならばたまらないのかも? 記: 2009/05/16
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8 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 22 34 10.48 ID Nth+Q8kB0 鳥取系の困プレイヤーっているよな 余所では模範プレイヤーで鳥取内だと困に変身するのが以前うちにいたんだ GMとしての腕もあったからではあるんだけど、NPC乗っ取りとかシナリオ乗っ取りとか色々やって 慣れたGMは困の自尊心をくすぐったりして上手く面白PLの枠に収めてたんだけど GMデビューした人相手にも同じ強さで乗っ取りとか、あえてシナリオで考えられてない行動したりして GMが「考えてないので勘弁して」と言うと「その考えてないって禁止ワード過ぎてダメ」とか言って 「吟遊GMにならないように」とプレイ中に講釈たれたり、終わった日の夜中2時頃電話かけて 「GMのやるべきことやってない」とお説教したりして、徐々に破綻して行った。 俺が直接は見てない事として「ゲームバランスがどうの」とプレイ中に罵声浴びせた事もあったそうな。 「コンベとかでは良PLとか良GMやってるって話も聞くくらいだから鳥取でも良PLになってくれ」と話し合いの席で言ったら 「余所では余所行きのプレイしてるけど鳥取内なんだから自由にやりたい。力量の低いGMが卓立てるのがそもそもの間違いなんだ」と 素で返して皆を唖然とさせたよ あとは「GM経験が多かろうが少なかろうがGMに対して同じレベルの扱いをするし、上手いGMとやれば俺が良いPLになれてると言うなら下手なGMが悪いんでしょ」 これも唖然 「力量の低いGMは頑張れ超頑張れ。俺が認める力量になるまでは色々言い続けるけどGMのための批評なんだから黙って受けとけ」 でこれで言われ続けてたGMが切れて連日ぼろ糞に言われ続けてた事が判明。 「改善が見られれば言うの減らすよ」=「別のセッションやるまでは蒸し返して同じ所徹底的に叩くよ」理論も明らかになり そんな事やってたと言う事でご遠慮願ったんだけど 「力量の低いGMがいると鳥取そのもののレベルが下がるから俺なりに鳥取のためを思ってやってたんだけどな」 と言い残して去って行った。 鳥取でしかお説教とかその他の困プレイできないからそれを楽しんで何が悪い(要約)とか言ってたのが何とも。 9 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 22 45 23.06 ID NfQv0bkD0 なんというか・・・乙 前スレでもその前でも「鍛えてやる」系の困の報告があるのはやはり定番だからだろうか 10 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 22 53 49.14 ID AfOaWDPqP 8 乙 ほんとこの手の困は滅べばいいのに 11 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 23 02 06.14 ID zZN5AiMX0 トリビア: 『鍛えてやる系の困は、鍛え方を一切理解してない』 12 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 23 13 15.31 ID IAagk3R40 8 何これ…乙 他所だと良いPLで通ってんのが不思議だな 13 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 23 21 32.12 ID WfrO8Z010 12 良い意味でも悪い意味でもTPOを弁えているというか、 ストレスフリーなガチモードは自他ともに了承している本当の身内のみで 初心者GM相手にも余所行きモードで対応出来ていれば良かったのだろうけど、 どっかで思い違いをしたんだろうね。 14 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 23 32 49.59 ID hPtq8tfE0 8 読んでて殺意が沸くな。つーか他人を不快にさせてるという認識がないのか 15 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 23 36 29.07 ID yqRUaa8o0 なんでこう俺がレベルを上げてやるっていういらない使命感の報告は絶えないのか 16 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 23 38 14.07 ID B/R3wEMX0 そりゃ、言ってる本人が低レベルだからだよ ろくでもないことを考えるものだ 17 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/04(月) 23 44 20.92 ID 0majw8ffO “鍛えてやる”人々って、強烈な成功体験や面白かった印象だけを記憶していて、 そこに至るまでに積み重なったダイス運とか、PLとPL・PLとGMのコミュニケーションとかの過程がすっぽ抜けてんだよね。 だから印象に頼って、記憶の中の鋳型に嵌らないモノを叩くんだ。 18 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/05(火) 00 16 08.97 ID 9gZWvXhF0 [1/4] 「本当に力量の高い人」って、相手が下手なら下手なりに上手くあわせる事が出来るんだよなぁ 19 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/05(火) 00 18 25.46 ID TZalgLl/0 [1/2] 鍛えてやる系だけでなく、外面がいいというのがなおさら嫌だな。 コミュニケーションの意味はわかってるでしょうに。 20 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/05(火) 00 19 19.70 ID v8Rvqf1y0 [1/2] そうなんだよな 何故か良かった所は述べずに 悪い所だけ殊更責め立てる 鍛えてやるなら良い所を鍛えるのが先だろ 23 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/05(火) 00 26 33.37 ID Xj47pTmS0 [1/2] 人間、褒められなければモチベーションが上がらないものだ だというのに何故貶したり罵る事を「教育」と言い張る馬鹿が絶えないのか…… 24 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/05(火) 00 30 16.74 ID J/GoJZ/i0 褒めたって伸びるものを趣味でやってることなのに 何でそんなわざわざ苦行にしなきゃなんないんだw 25 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/05(火) 00 34 51.79 ID R+79r41S0 [1/2] 修行=苦行だけと、勘違いしてる人が多いからだろうな。 苦しいだけの事なんて続くわけねーし、上達する訳もねーだろうに、ねぇ 27 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/05(火) 00 50 44.58 ID 9TAL6jmR0 アフタープレイをしよう、と書いてあるルルブには、反省会にするなとも書いてあるんだよな……BBTとか。 スレ366
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カレーの王女さま 登場人物 コメント 仏さんじょによる日本の漫画作品。 登場人物 ビークイン:ヴィクトリア・ノートン モウカザル:篠宮つかさ ハヤシガメ:林梅子 メガヤンマorポッタイシorオーベム:平広美 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 篠宮つかさはモウカザル(カレー店の娘なので) 林梅子はハヤシガメ(名前から。辛い味が苦手な性格推奨) 平広美はメガヤンマorポッタイシorオーベム(ポッタイシはつかさや梅子に合わせて) メリッサはフワライドorウソッキー(フワライドは使い手の名前つながり、ウソッキーはよく嘘をつくので) 渚愛哀はカクレオン 権力で動かされた先生はグラエナ カレーパン仮面はバシャーモ が合いそうです。 -- (名無しさん) 2012-07-19 22 14 06
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黒崎がつくった ちょうぱねー味 これ食べないと人生の7割は損するよ! くろ宅では大絶賛 ◆用意するもの ハヤシライスとかカレーに入れるっぽい野菜と肉 ハヤシライスのルー カレーのルー 1.野菜とか肉炒めて水入れろ 2.煮る 3.じゃがいもいれる ←オプション 4.じゃがいも柔らかくなったら 5.ルーいれろし 6.食え 7.ぱねーってなる ルーの量はお好みですが くろ宅は1 1 カレールーの辛さもお好み ちょうフリーダム
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人物-カレーパソ 名称 カレーパソ 主な行動スレ 不明 登場時期 不明 概要 不登校の長。 他
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今年で引きこもり暦六年になったヒキ子は 毎日をトイレと風呂以外は自室に篭って妄想に耽っていた。 食事は母親が部屋の前まで運んできてくれる。 ヒッキーな生活。絶望の連鎖。 その絶望すら心地よく思えてきたころ・・・。 ベッドに横になり自分がお姫様になる夢を描いているときのことだ、 伯母さんが突然やってきた。 ヒキ子はオサナイコロに両親に捨てられ、伯母の家に世話になっているのだ。 「お前、いつまで引きこもってんだよ!早く就職してくれよ!」 ヒキ子は布団に篭った。 その布団を引っぺがす。 「お・き・ろ」 ヒキ子は布団の上で縮こまってガタガタと震えている様子だ。 「お前、いつまでもそのままでいていいわけないだろ!? いい加減に外に出ろよ!お前寄生虫みたいで気味が悪い!」 伯母の口は血反吐を吐きそうになるほど酷かった。 ヒキ子はなにも言い返せず、ただまるくなるばかり。 「この!寄生虫!早く家から出て行け!」 ヒキ子に対する暴言は強くなるばかりだ。 「死ね!お前みたいな役立たず!置いてるほうの身にもなってみろ! ご近所には変な噂は流れるわ、あたしの子供たちだってね! あんたの所為で肩身の狭い思いさせられてんだよ!わかってんのか!?」 ヒキ子はいっそ、殺して暮れたらいいのにと思わずにはいられなかった。 より一層、まるくなってみた。 「飯を食って、好きなことをして部屋に篭って! 学校にも行かず、職も持たず、あげくの果てに家事の一つも手伝いやしない! こっちもね・・・もう限界なんだよ!」 引き子はビクビクと震えている。 「お前に残された選択は二つだけだ。 バイトでもなんでも仕事を探すか、・・・・・・この家を出て行くか。 こっちだってねいつまでもあんたを養ってやるわけにはいかないんだから!」 「いいか、明後日までに決めておきなよ・・・わかったね?」 プシューと息を荒げたまま伯母さんは部屋から出て行った。 ヒキ子は、まだ震えて丸まっている。目からは涙が零れ落ちているようだ。 「・・・うぅうぅ・・・く・・・ぅぅ」 声を押し殺して泣いている。だが、ある意味自業自得である。 そして三日後? コタエを聞きに伯母さんが部屋にやってきた。 ヒキ子は相変わらず、布団に丸まっていた。 「おい!なにしてるんだ!早く起きろ!」 勢い良く被り布団を引っぺがす。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁ・・・・・・・・・」 ヒキ子はより一層小さく丸まった。 「それで、どうするんだ?結論はでたんだろうな?」 引き子は黙って丸まっていた。 「おい!黙秘ばかりもいい怪訝に・・・・!」 伯母さんは切れて、ヒキ子に襲い掛かってきた。 すごい力でヒキ子の右腕が引っ張られる。 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」 ヒキ子は今にも泣きそうな顔をしていた。 伯母さんはとても息が荒い。 「・・ハァ・・・ハァ・・・いい加減にしなよ! いつまでもねこのままでいられると思ったら大間違いなんだよ! バイトを探すか、この家を出て行くか・・・さあ! どっちか選びな!」 伯母さんは顔を真っ赤にしていた。相当切れている様子だ。 ヒキ子は右腕を引っ張られ、左に顔を背けている。 伯母さんが顔を覗き込もうとするのを必死で拒否しています。 「ほら!どうするんだ!?」 グイっと掴まれた手を引っ張られる。ヒキコは痛いらしく、顔を引きつらせた。 それからしばらく沈黙のにらみ合いが続いた。 ただ荒い伯母の呼吸と、か細いヒキコの呼吸の音が流れていた。 「・・・・・・・・・あたしだってね、好きでこんなことやってるんじゃないんだ。 中学のころからずっと、何度も何度も同じような言い争いばかり続けてきて、何の進歩もない。 引きこもりから脱出させてくれるっていう業者に頼んでもなんの変化もなかった。 いくら話し合おうとしても、お前は一言も発しない。そうやっていつも布団に隠れて あたしが部屋を去るのを待ってるんだろ。 あたしはねやれることはもう全部やったつもりだよ・・・。 もう疲れたんだ・・・いい加減にしておくれよ。これじゃあたしまでだめになっちまうよ。 家族だっているんだ・・・もう、お前にかまっている時間も費やす金も、ないんだよ」 伯母さんは泣きながら言った。鼻水も出ていた。 ヒキ子は渋顔で、布団を見つめていた。 「だからね、働くか出て行くか、どちらかを選んでおくれ。もう、それしか 選択肢はないんだ」 ヒキ子はなにも言わなかった。 「・・・どうして!どうしてお前は!・・・そうやって・・・黙秘してれば! どうにかなるとでも思ってんのか!?世の中はね、そんなに甘くないんだよ! 早く決めろ!そしてもう楽にしておくれよ!ウンザリなんだ! お前の所為でアレコレ言われるのも、寄生されてるのもね!」 ヒキコはぴくりともせず、右手を引っ張れるように握られたまま固まっていた。 「おまえは・・・!おまえはそうやっていつも!」 伯母さんが襲い掛かってくる。伯母さんはヒキコの胸倉を掴んだ。 息が顔にかかります。すごい形相なのです。 ヒキコは人形のようにボテリとしていた。動かなかった。 「お前さえ、いなければ!もっと・・・!シアワセだったのに・・・・!!」 伯母さんはボロボロ泣いていた。 引きこはどうしていいのか分からずに、呆然としていたのだった。 突然!頭に灰色のネコ耳を生やした小さな男の子がヒキ子の目の前に現れた。 (・・・実はネコ耳はただのカチューシャだった!) 「ショウでち!」 どこからともなく、ピコンとヒキコの目の前に降ってきた。 「いよぅ!ショウでち!お助けするでち!」 くりくりお目目がとても愛らしい。 「・・・・・・・なああああああ、なんなの、コレは・・・・!?」 伯母さんは相当驚いた様子で、あごが外れたみたいだった。 ヒキコは呆然としていた。 「でち!ここで選択問題なのでちよ!どっちにするでちか?ヒキ子たま、答えるでち!」 → どっちもむりだよ! 「・・・・どっち・・・も・・・むり・・・だよ」 ヒキコはそう呟いた。 「そうでちか!じゃ、そっちのルートに行くがいいでちよ!サ・ヨ・ナ・ラでち~」 ネコ耳少年は消えていった。 「・・・ヒキコ・・・きさまあぁああ・・・」 伯母さんはヒキコを睨みつけている。ヒキコは俯いている。 「ほんとうに!お前なんか、死ねばいいのに!」 伯母さんは切れて、ヒキコに襲い掛かってくる。 数分後・・・・・。 「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・お前なんか引き取らなきゃ よかったのに・・・」 ヒキコは殴られて、ぐったりしていた。 そして 十数年後・・・・。 「あはははは・・・もうだめだ・・・・・・・死のう・・・・」 ヒキコはマンションの屋上にいた。フェンスを乗り越えていた。 初夏のすこし暖かな風が頬を通り抜ける。 下をみると、真っ暗でまるで底がない地獄に思えた。 「・・・・死のう・・・それでスベテが解決するんだ・・・」 ヒキコはそっと微笑んだ。 I CAN FLY. ヒキコはソラに浮いた。そして落ちた。 世界は真っ白に帰って、ヒキコは世界から離脱した。 お疲れ様、いい夢を―――・・・ → バイトをする 「・・・バイト・・・・・・・・・・する」 ヒキコはバイトをするを選んだ。 「そうでちか!じゃ、そっちのルートにいくがいいでちよ!ばいばいでち~」 ネコ耳少年は消えていった。 「・・・ヒキコ・・・・・・」 伯母さんがヒキコを見ている。ヒキコは俯いている。 「バイト、するのね?」 ヒキコはゆっくりと頷いた。 「・・・そう」 伯母さんはほっとしたように微笑んだ。 そしてそれから数ヵ月後。 どこかのコンビニ。 「いらっしゃいませ~」 元気に働くヒキコの姿が在った。 おしまい → 家を出る 「・・・家を・・・出るよ・・・」 声が震えていた。 「そうでちか!じゃ、そっちのルートに行くがいいでちよ!幸運を、でち~」 ネコ耳少年は消えていった。 「・・・ヒキコ・・・・・・・」 伯母さんがヒキコをみている。ヒキコは俯いている。 「それで、いいのね?」 ヒキコはゆっくりと頷いた。 「そう・・・荷物をまとめて陽が落ちる前には家をでてちょうだい」 そういうと立ち上がってドアのほうをむく。 「・・・さよなら、ヒキコ」 そう言葉を落として部屋から去っていった。 そのころヒキコはこれからどうしようかと考えていた。 友達なんていない。知り合いなんていない。行くあてはどこにもない。 その上金もない。あるのは真っ白でヒヨワそうなこの使い物にならない体と心。 中学のときの世界地図と夜中に食べるためにとっておいたチョコレート三枚。 ヒキコはとりあえず、荷造りをすることにした。 陽が落ちるまでにはあと3時間はあるはずである。冬だからすこし早いのが実に難点だ。 ていうかどうやって外で過ごそうか・・・。 バックは黒くて緑色の線が入っている旅行などの際にもっていくような大き目のヤツ。 それに下着、洋服、有りっ丈のほっかいろ・食料・金・その他もろもろ。 中々、パンパンになった。 こうして荷造りをしている間にいつの間にか陽が沈み始めていた。 もう、家を出る時間だ。 ソラは綺麗なオレンジ色。向こうとこっちのソラの色が違うのがなんだか新鮮だった。 チリチリと冷たい外の空気もなんだか、心地がいいものに思えた。 実に、六年ちょっとぶりの外出だった。 「・・・・・ま、家を追い出されてっていうのが、かっこ悪いけど・・・」 ヒキコは、ソラを見上げた。どこまでも、どこまでも遠く続いていた。 明かりのつき始めた家々の間を通り抜けて、ヒキコは公園に着た。 先日降った雪が、まだちらほらと積もっていた。 「・・・はぁ~・・・・」 ヒキコはとりあえず、ベンチに腰掛けた。 外気が冷たい。ヒキコは両手を口の前までもって行きふぁ~と息をかけて暖める。 なんだか切ない気分になった。 「わたし、なにしてるのかなぁ~・・・・」 そんなことをふと思ったりもした。 数分後・・・・・・・・・ 公園に小学生低学年くらいのツインテールの女の子がやってきた。 ツインテールの髪がピコピコ揺れていて可愛い・・・。 ピコピコとツイン子が、ヒキコによって着た。 「ねえ、お姉ちゃんなにしてるの?」 キュルンと潤んだ瞳でヒキコを見る。 「・・・・・・・・・・・・さあ・・・なんだろうね?」 ヒキコは困ったように笑って見せた。 「チカはね、パーグを忘れちゃったからとりにきたの」(パーグ=パグのぬいぐるみ) 言って、公園にある遊具(まるくカマクラみたいに入れるようになっているやつ)を指差した。 「えへへっ」 「・・・・そうなんだ」 にこっと微笑むツイン子にヒキコは思わずつられて笑ってしまう。(軽く引きつっているが) 「えへへへ~チカ、パーグとってくるね」 そういって、ポテポテとヒキコと遊具を往復した。 「これがね、パーグなの。可愛いでしょ?」 ぬいぐるみを胸の前に出してヒキコに見せる。 不細工なパグのぬいぐるみだった。 「・・・か、かわいいね」 ヒキコは無理矢理肯定した。 「うんっ」 ツイン子はうれしそうに笑った。 「ついんこ~?!」 ついんこの母親がツインコを探しに着た。 「あ、ママだ」 「ママ~ここだよぉ~」 その声を頼りに母親がやってくる。 「パーグはみつかった?」 「うん!ほら」 ぬいぐるみを母親にみせる。 「よかったわね」 母親は微笑んだ。 ヒキコはなんだか、とても居た堪れない気持ちになっていた。 「あら、その人は・・・?」 母親がヒキコに気づいてしまった。 「えっとね~おねえちゃん!」 にっこりと答える。 「あら、そう~・・・・・・・・・・」 ツインコに微笑みかけたあと、ヒキコを警戒するような軽蔑するような眼差しでにらみつけた。 「・・・え・・・・ぇ?」(わたしべつになにもしてないけど・・・) 母親は持っていた鞄から携帯を取り出した。 そして・・・ぴ・・・ピピピ・・・。 「あ、もしもし?警察ですか?今公園に不審者が・・・」 (・・・え?) 母親はヒキコを通報し始めた。 シャキーンという謎の音と共にネコ耳の少年が再び現れた。 「シュウでち!また選択問題でちよ!どれを選ぶでちか?」 → そのままそこにいる 「え・・・と・・・じゃあ、こっちで・・・」 ヒキコは【そのままそこにいる】を選択した。 「おうけいでち!じゃあ、そっちのルートにいくがいいでち!・・・クスクスでち!」 ネコ耳は消えていった。 数分後・・・警察が到着・・・ヒキコは連行された。 「きみ、年齢は?職業は?あんな場所でなにしてたんだ?」 「え・・・あ・・・えと・・・」 ヒキコは勢いに圧迫されて、声がでなくなった。 その後家に電話され、伯母さんが引き取りに着てくれた。 伯母さんは、ヒキコを軽蔑の眼差しでみていた。 そしてヒキコは、その後・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 伯母の家の地下に閉じ込められることになった。 そして―――・・・・・・・・・・。 → 逃げる 「え、じゃあ、逃げるで」(ていうか逃げないとまずいと思う) ヒキコは【逃げる】を選択した。 「そっちを選ぶでちか!じゃ、そっちのルートを頑張るでち!応援してるでちよ!」 ネコ耳少年は消えていった。 ヒキコはすごい勢いと形相で走り逃げた。 「・・・ハァ・・・ハァハァ・・・・ゼェ・・・ハァ・・・」 ヒキコはなんとか公園からは程遠い、薄暗い路地に逃げついた。 体が熱くって、呼吸はくるしくって、軽く死にそうだった。 「・・・・・ぜぇ・・・ハァアアアア・・・ゼェハァ・・・」 (・・・ここ、どこだろう?) ただ真っ暗いだけで、なにもないような場所だった。 「・・・はぁ・・・つかれた・・・」 息を整えて、歩き出そうとしたそのときだった。 「あなた、どこへいくんですの?」 肩にぽふっと手を置かれ、声をかけられた。 「ひ、ひいぃいいいぃいぃいぃいいい!」 ヒキコはビビッてひっくり返った。 「・・・あ、すみません」 暗がりで顔がみえないが声からして、女だと判断した。 「・・・・・・・・・・・いえ・・・・」(死ぬかと思ったわ!ぼけぇ) 「こんな場所でなにをしているの?」 「あ、べつに・・・これといって・・・なにも・・・」 地べたに座り込んだまま答える。 ギュギュルルルル~・・・・・・・。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー・・・・」 ヒキコのお腹が鳴った。そういえば、丸一日くらい何も食べてなかった。 「・・・・・・もしよかったら、家でご飯食べていきます?これから夕ご飯なんですよ」 「え・・・あ・・・」 ヒキコはすこし戸惑ったが、行く当てもないので、頷いた。 「はい。では、行きましょう。家、すぐそこなので・・・」 そういって、なにもない壁を指差した。 「・・・・?え・・・・?」 「それでは、行きましょうか。ちゃんと、付いてきてくださいね」 言って、壁にぐにゃりと入り込んでいく。 ヒキコもワケがわからないままそれに続く。 なんともいえない不思議な感触がした。 ぐにゃぐにゃしていてふわふわしていてぴちぴちだった。 視界はただの黒。ほかにはなにもなかった。 数分後・・・。 「つきました、ここです」 不通よりか大きな家が建っていた。 「では、中にどうぞ。ちょっとにぎやかかもしれませんが」 言って、そっと微笑んだ。 「はぁ・・・お邪魔します・・・」 「あ、お荷物、よろしかったらこちらでお預かりしますけど・・・」 「・・・お、お願いしていいですか?」 「はい」 その人は優しく微笑んでくれた。 ヒキコの荷物を両手で持って、部屋に案内してくれようとしたそのとき。 「あ~!柚が女の子連れ込んでるぅ~!だれーぇ?だれーぇ?」 女性は柚という名前らしい、可愛いらしい女の子にグルグルと絡まれていた。 「うふふふ、あとできちんとご紹介するわ。リビングに皆を集めてもらえる?」 「わぁ~いいよ!わかった!ボクにまかせてよ!」 そういって、女の子は駆けていった。 「うふふ、すみません。それでは・・・行きましょうか」 どんどんおくにいく。 細い光が廊下を照らしている。 「・・・こちらです」 くるっとヒキコのほうを向いた。そして、目の前の障子にてをかけた。 ゆっくりとひらいていく。 そこには・・・そこには・・・女の子たちがいた。 「わたくしの家族です」 言って、柚はニッコリ笑う。 「どうぞ、入ってください」 ヒキコが入ると、後に続くように柚が入る。 柚は、障子をしめる。 「・・・こちら、ヒキコさん」 (アレ・・・あたし・・・自己紹介・・・したっけな・・・?) 「今日の正午過ぎに家を追い出されて、その後犯罪者と間違われて、真っ暗な路地で 路頭に迷っていたの」 「え・・・・・!?」(おい?なんでしってんだ?) 「それでね、ここひとつへ屋が空いていたじゃない?其処をヒキコさんに使ってもらうかなって 考えていたのだけれど・・・どうかしら?」 くるっと振り返り、ヒキコのほうをむく。 「え・・・・え・・・・え!?」 周りからは「さんせー!」との声が聞こえてくる。若干一名聞いているのか怪しい人がいるが。 「このとうり、わたくしたちは大喜びで歓迎いたしますけれど・・・」 そしてニッコリと微笑む。ヒキコは行く当てもないので、頷いた。 これで当面寝る場所には困らないであろう。人は多いけれども・・・。 自己紹介が行われた。 まず、ヒキコを連れてきてくれた長髪の美しい女性から。 「わたくし、柚幾と申します。これから家族としてよろしくおねがいしますね」 言って、ニッコリと微笑んだ。 次に、さっき柚に絡んでいた少女、ピンク色の髪の毛でちょこんとポニーテールにしてある。 「ボクはアオだよ!よろしくね!ヒキコ」 何故かブイっっとピースをしてきた。 次に、青髪のショート、乳が自棄にでかい女性。 「面倒だが・・・挨拶をしてやろう。ありがたく思えよ。私はヒナタだ。 ・・・・・・・・・・・・・べつに、よろしくするつもりはない。以上」 言い終えると、ツンとそっぽを向いてしまった。 「あらあら、ごめんなさいね・・・もう、ヒナタちゃんたら・・・」 柚が、困ったような顔をしていた。 次に、ツインテールでつりめのいかにもツンデレそうな女のこ。 「はじめまして、オンプです。わからないことがあったら、なんでも聞いてね。 家族になるんだし、仲良くやりましょう」 思いのほか素直そうだ、見かけと中身は違うらしかった。 次に、黒髪のロングの男の子。 「ハハハハハ・・・ハヤトだよ?フハハハハハ・・・よろしく?ヌホホハハハ・・・ね」 髪をかきあげ笑っていた。ちょっと不気味だった。 そして最後に、くまのぬいぐるみ。 「オレハクマタンダ。ヨロシクナ。アイボウ」 しゃべるくまのぬいぐるみだった。ヒキコは衝撃のあまりあごが外れた。 「・・・ア・・・アガガガガ・・・・」 こうしてヒキコは新しい場所で、新しい生活を送ることになった。 第一章 始まりはここから 終わり 続きは明日にでも
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カレー焼きそば ウルフをこよなく愛するウルフの人です! 名前 コメント
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【北海道】 しろくまカレー メーカー 農業法人 キョクトーHKM 内容量 200g 熱量 127kcal 辛さレベル ? 価格帯 525円 たしか、野付半島 ネイチャーセンター*で購入したと思います。 ただ、こんな感じのカレーって、いろんなところにおいてありましたが。。。 ほんと、白いんですね。 味はやっぱり少しシチューに似た感じの中にほんのり辛味があるような。 美味しかったです。 ただ、パッケージににんじんとかブロッコリーとか入っているのに、実際には鳥のひき肉とじゃがいものみ。 確かに「調理例」とは書いてありますけどねぇ。。。 一言評 実は、白いだけで、しろくまとはなんら関係ありません(笑) 記: 2009/09/26
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《カレー・ポット》 永続魔法 1ターンに1度効果を発動できる。 お互いの墓地に存在する植物族モンスターを、全てゲームから除外する。 おいしく煮込もう! 詳細は《カレー魔人ルー》で
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夜の市街地、異形の群れと戦う一人の戦士。 黄色の仮面、名はザビー――仮面ライダーザビー。 雀蜂の顔をそのまま仮面にした様なそれは、まさしく蜂の仮面ライダー。 ザビーがその左腕に装着された蜂を、勢い良く叩いた。 電子音と共に叫ぶは、必殺の技名。 「ライダースティング!」 標的は赤と紺の体色をした蜘蛛怪人こと、アラクネアワームルボア。 迸る電撃を纏ったザビーの左腕は、ストレートパンチの要領で標的へと叩き込まれた。 刹那、爆散。ワームの影は跡形も無く消滅した。 「何だ、また新しいザビーに変わったのか」 「俺を今までのザビーと一緒にするなよ、カブト!」 赤の仮面に青の複眼。カブトムシの面影を色濃く残した仮面。 次に現れたのは、あの夜出会った赤の仮面ライダー。 その名はカブト――仮面ライダーカブトだ。 カブトとザビーは何の因果か戦闘を開始し―― 「やれやれ。お前の所為で奴に逃げられてしまった」 結局、どちらかが決定打を与えるよりも先に戦いを止めたのは、カブトだった。 そもそもこの戦いもザビーが一方的に仕掛けた物で、カブトにはその意思は無かったようにも思える。 本当の所は解らないままだが、戦いが終わったという事実だけは揺るがない。 カブトは再び、風よりも早くその姿を消した。 「私、時空管理局の高町なのはです。仮面ライダーさん、お話を聞かせて欲しいんです」 全てが終わったと思われたこの場所に舞い降りた少女は、高町なのはであった。 ブーツから生成される桜色の翼を消失させて、アスファルトに降り立つ。 目的は、仮面ライダーなる存在から詳しい話を聞く事だ。 「いいだろう、話は聞いている……着いて来い」 先程までザビーとして戦っていた男が言った。 この男は恐らくは好戦的な部類なのだろう。そんなイメージを抱いていた。 故にいきなり戦闘を仕掛けられたらどうしよう、等と考えていたが、それは杞憂に終わった様だ。 ACT.4「何故!? 悪人ライダー」 なのはが乗り込んだのは、ZECT隊員が乗るワゴン車とは別の車両だった。 外から見れば、一般的な乗用車と何も変わらないのだが、内装はそうではない。 狭い車の中とは思えない程の無数のモニター。その全ての画面に映し出される、「ZECT」ロゴ。 周囲に所狭しと並んでいるのは、なのはには良く解らない機械と装置。 本当に特撮番組に出るような秘密組織なんだな、となのはは思う。 「あの……これから何処に行くんですか?」 「何処にも行かない。君が居るこの場所が既に我々ZECTの拠点だ」 「えぇ!? この車の中が、ですか……?」 「ああ、ZECTは秘密主義だからな」 説明してくれるのは、先程までザビーに変身していた男。 右目を真っ黒の眼帯で隠した男で、その名を弟切ソウと言うらしい。 マスクドライダーシステムの話、ワームの話、一通りの話は既に聞かせて貰った。 ZECT側からしても、時空管理局という組織と連携してワームと戦う事は既に決定事項らしい。 弟切自身もその事は聞かされていたが、しかし予想外であったのは、なのはの様な子供が戦っているという事実。 「――にしても、まさか君の様な子供まで戦わされているとは…… 時空管理局がどんな組織なのか、少しだけ理解出来た気がするな」 「そ、それは違います……! 私は自分の意思で戦っているだけで、別に管理局の在り方に問題がある訳じゃ」 「君がそう言うなら俺は何も言わないが」 鼻で笑う様に、弟切が言った。 本音を言えば、この男の印象は余り良くない。 この男は何処か、相手を見下している様な、そんな態度だ。 それに何より――これは直感的に、だが――この男、あまり良い人間では無いように思える。 だが、やはり第一印象だけで人間の価値を決め付けるのは良くない。 相手をもっと良く理解する為に、新たな話題を振った。 「あの……弟切さん、その目は……」 「これか? ……これはカブトにやられた傷だ」 「カブトって……さっきの赤いライダー、ですか?」 そうだ、と一言告げた。 絞り出すように告げたその表情は、歪んでいた。 怒りとも憎しみともつかない、複雑な形相だ。 この話題は地雷だったかな、と密かに思う。 「奴はZECTのライダーでありながらZECTに従わない。言わばZECTの敵だ」 「え……敵!? で、でも、カブトさんもZECTの皆さんと同じ目的の為に戦ってるんじゃ」 「それは違うッ!!」 なのはの言葉を遮って、弟切がデスクに拳を叩きつけた。 狭い車内に響き渡る反響音。周囲を包む居心地の悪い静寂。 まるで怒鳴りつけられた様な気がして、反射的に背筋を凍らせた。 「奴はZECTのみならず、人類全体の敵だ! 奴はカブトの力を自分の目的の為だけに使っている」 「そんな……同じ仮面ライダーなのに戦わなきゃいけないなんて……」 「この眼の傷がその証拠だ。俺の右目はカブトに潰された」 はっとした。 カブトによる被害者が、事実として今、眼前にに居るのだ。 人々の平和を守る為、ザビーとして戦う弟切の瞳は、もう開く事は無い。 カブトの毒牙に掛かり、無情にも彼の瞳は奪われてしまったのだ。 この男、確かに高圧的な人間だとは思うが、悪人とは思えない。 失明までさせる必要があったのかと問われれば、甚だ疑問だ。 「解りました……でも、出来ればカブトさんとも一度お話を」 「必要無い。奴が居る限り、人々が心から安心して過ごせる日は訪れない」 「…………」 それ以上なのはは、何も言わなかった。 と言うよりも、弟切の視線がこれ以上の反論を許さなかったのだ。 それから数分も待たず、なのはを乗せた指揮車は高町家の前に到着した。 夜も更ける前に、ZECTの皆さんがなのはを自宅まで送り届けてくれたのだ。 最後に一つだけ念を押された。「ZECTの事はくれぐれも口外しない様に」と。 ZECTは秘密組織なのだから、考えてみればそれも当然だろう。 なのはは弟切に別れを告げ、家族の待つ家へと帰宅した。 弟切と別れてから、瞬く間に一日が経過した。 ZECTの事、仮面ライダーの事、ワームの事。 それから平和を脅かす人類の敵……オルフェノクに、カブト。 色々な事が一度に起こり過ぎて、その日の授業はまるで集中出来なかった。 これからどうすればいいのか。どうすればこの事件を解決出来るのか。 そんな懸念を抱くなのはに声を掛けてくれたのは、親友の一人だった。 「どうしたのよなのは? 何だかさっきからずっとぼんやりしてるけど」 「へっ……? う、ううん……別に何でもないよ?」 アリサ・バニングス。 いつもなのはの事を心配してくれる、大切な親友だ。 例え平静を装っていても、彼女の眼は誤魔化せはしなかった。 だけど、ZECTの事は一般人のアリサには絶対に秘匿せねばならない。 今回ばかりは、話す訳には行かないのだ。 「そう? ならいいけど……それよりなのは、焼きそばパン食べに行かない?」 「焼きそばパン?」 「うん、最近中等部の屋上で焼きそばパンが売ってるんだけど、凄い評判なんだよ」 アリサの背後から、すずかが顔を出した。 そういえば、なのはもそんな話を聞いたことがあった気がする。 何でも“次元の違う美味しさ”で、毎日行列が出来て居るとか。 今までは管理局の仕事なんかで色々と忙しかったし、行こうとは思わなかった。 だけど、そんなに美味しいのならば、一度は行ってみたいという気持ちもある。 そんな訳で、焼きそばパンを買いに行こうと誘われて、断る理由は見当たらなかった。 ◆ 海鳴近郊にて、とある集団が歩を進めて居た。 皆が皆黒のフードに身を包み、その顔色は一様に窺えない。 そんな集団の前に立ち塞がるように現れたのは、たった一人の眼鏡の男。 集団の先頭を行く男が、フードの下に隠れた眼鏡を片手で持ち上げ、言った。 「何だ、貴様は……?」 「何、名乗る程の者じゃないさ」 黄色のハイネックの上に、黒いジャケット。 銀縁の眼鏡を掛けたインテリ風の男であった。 不敵な笑みを浮かべるその表情に張り付いた殺気は、相当な物。 黒服の集団も、それに気付かない訳は無かった。 「貴様……我々の邪魔をするつもりか?」 「君達ワームに、勝手な事をされては困るんでね?」 それ以上の言葉は必要無かった。 目の前の男の言う通り、この集団は確かに“ワームのみ”で構成された集団だ。 それを知った上で目の前に立ち塞がったとあれば、それは我々への挑戦と取るのが妥当。 これ程に分かりやすい殺気を張り付けて現れた不遜な男を、見逃してやる法は無い。 第一、ワームの王たる乃木怜治は、こんな不届き者を生かしておく程優しい心は持ち合わせては居なかった。 「やれ」 集団の先頭を行く乃木が一言告げれば、周囲のワームも黙っては居ない。 ワームの歴史は力の歴史。強い者が全てを支配する。ワームの王の命令は、絶対だ。 集団の構成員、その内三人の女が、すぐにその姿を変えた。 まるで昆虫のサナギの様な、気味の悪い緑の外装に覆われた身体だ。 サリスワームとなった三体は、目の前の不遜な男へと躍り掛った。 当然、ただの人間がワーム三体に勝てる訳が無い。 ワームに囲まれた男から漏れるは、断末魔の叫び。 「シェアァッ!」 ――では、無かった。 掛け声を一声、瞬く間に緑の炎と消えたのは、躍り掛かったワーム。 ほんの一瞬の出来事で、三体ものワームの命が奪われたのだ。 その下手人は、先程までそこに佇んでいた不遜な男、だった者。 「ほう、面白い……貴様、アンデッドか」 身の丈2メートルはありそうな、巨大な体躯。 純金に近い黄金の装甲に、クワガタの大顎を連想させる無数の装飾。 黄金の仮面に、左右非対称の色をした黒と金の双剣。 その姿は見まごう事無き、アンデッドのもの。 「地球の覇権を争う貴様らにとって、宇宙からやって来た我々は邪魔者と言う事か」 「解っているなら話が早い。悪いが、貴様らには死んでもらう」 「これはこれは……面白い事を言うねぇ、アンデッド君」 嘲笑う様に、乃木が指を差した。 対する金のアンデッド――ギラファアンデッドは、一片たりとも油断を見せはしない。 当然だろう。このアンデッド、実力だけならばワームの王とも均衡が取れている。 何せギラファアンデッドもまた、まごう事無き王。ダイアスートの王なのだから。 ともすれば、二人の戦いの結果、敗者を生みだす一番のファクターは“油断”だ。 その心構え、戦士としては合格点。だけど、所詮はそれだけだ。 こいつは喧嘩を売る相手を間違えた。戦力の差を見誤った。 それがこの男の、最も大きな敗因。 「だけど悲しいかな、君は私には勝てないよ」 「あぁ、皆そう言うのさ」 「ならば身を以て確かめたまえ。私直々に貴様の相手をしてあげよう」 乃木が一歩を踏み出した。 ロングコートを翻して、余裕を崩す事無く歩み寄る。 その身は紫の光に包まれ、瞬く間に乃木の身体は紫の装甲に包まれて行った。 地球に生息する甲殻類、カブトガニを思わせる様なパープルメタリックの装甲。 決して無駄の無い、洗練されたフォルムは戦士に相応しいものだった。 その名はカッシスワームディミディウス。 最強を自負する、王の本来の姿。 「シェアッ!」 ギラファアンデッドが、黄金の剣を振るった。 それを左腕の装甲で軽くいなし、矢継ぎ早に叩き込まれた黒金の剣を右腕で受け流した。 瞬間的にガラ空きになった黄金の胸部に、一撃二撃、素早いパンチを叩き込む。 今の攻撃で、ギラファアンデッドの動きが止まった。 刹那、カッシスワームの右脚から繰り出される前蹴りが、ギラファのボディに叩き込まれた。 「クッ……!」 数歩後じさって、声を漏らした。 次に奴が起こした行動は、再び双剣を構え直しての突貫。 そんな力押しで勝てると思われていたとすれば、ナメられたものだな、と思う。 カッシスワームも、これ以上遊びの様な戦いに付き合ってやるつもりも無い。 能力を解放するべく、左腕をガッツポーズの要領で眼前に翳した。 周囲から時間を切り取り、超高速で行動するクロックアップですらも、この能力の前では意味をなさない。 それは、クロックアップとは比べ物にならない程の超加速。言うなれば、史上最強の超加速。 この世界に存在する、自分以外の全ての時間を停めてしまう能力。 その名は―― 「“フリーズ”」 カッシスワームが、その能力名を告げた。 刹那、周囲の時間は完全に停止し、双剣を振り上げたギラファの動きも停止した。 フリーズの前には、どんな時間の流れであろうと存在しないと同義なのだ。 「さらばだ、アンデッド君」 時が停止した空間の中、唯一動く事が許されたカッシスワーム。 停止したギラファアンデッドの眼前まで歩み寄り、その右腕を掲げた。 バチバチ、と。まるで稲妻が駆け抜ける様な音を立てる。 タキオン粒子による紫の稲妻をその身に纏わせ――解き放った。 「フンッ!」 「ガッ……ァァァッ!?」 時は再び流れ出した。 カッシスワームの右腕が、ギラファアンデッドを貫いていた。 ギラファアンデッドからすれば、攻撃しようと走り出した刹那、自分が攻撃されていたのだ。 当然何が起こったのかも理解できないし、理解出来ない以上、対処のしようも無い。 黄金の装甲を何度も爆ぜさせながら、不死生物は紙切れの様に宙を舞う。 10メートル程後方へ吹っ飛んで、その身をアスファルトに叩き付けた。 その身体は最早、戦闘続行不可能。人間態へとその姿を戻し、苦しげに胸を押さえていた。 憎々しげに此方を睨みつける男など意に介さず、カッシスワームもその変身を解いた。 「時は私の為だけに、流れているのだよ」 最後にそれだけ告げて、乃木はロングコートを翻した。 振り向きすらせずに、哀れに跪いた男の横を通り過ぎて行く。 最後まで、男の瞳に込められた怒りと悔しさに気付く事は無かった。 圧倒的な力の差に、取るに足らない相手だと判断したからだ。 ◆ 放課後の屋上、長蛇の列の真っ只中に、なのは達は居た。 遥か後方まで続く人込みを見て居ると、全校集会でもあるのかと思ってしまう。 屋上を埋め尽くす程の人々の殆どが、たった一つの焼きそばパンを求めて居るのだ。 それからどれだけ待ったか、ようやくなのは達の順番が回って来た。 目の前の一人が焼きそばパンを買って、先頭を行くアリサが屋台の前へ躍り出る。 そんな一同の耳朶に叩き付けられたのは、希望を打ち砕く様な言葉。 「パンは売り切れだ、また明日来てくれ!」 屋台で売り子をしていた天然パーマの男が、大声で言った。 後ろに並んでいた生徒達が、不満そうな声を上げつつも散らばって行く。 目的の物が無いと解れば、退散するのも早かった。 それから、暫し呆然と立って居たアリサが、声を荒げた。 「えーーーーーーーーーーっ!? 何でこのタイミングで!?」 「ま、まぁまぁ……売り切れじゃ仕方ないよアリサちゃん」 「そうだよ、明日も売ってるんだから、また来ようよ?」 なのはとフェイトが、アリサを宥めようと肩に手を置いた。 されど、ここまで並んで売り切れと言うのは、やはり少々酷な物がある。 「だって……」とか、「ありえなーい」とか、今にも泣きそうな顔で呟いていた。 既に他の生徒も立ち去った後で、焼きそばパンの前に残っていたのはなのは達だけだった。 見かねたのか、焼きそばパンを売っていた男がアリサの眼前へと歩み寄って来た。 「何だ、そんなにパンが食べたいのか?」 「そりゃ食べたいわよ……だって今日一日、ずっとこれを楽しみにしてたのに……」 「どうしても……食べたいか?」 「当たり前でしょ……食べたいに決まってるじゃない……」 「やれやれ……全く、仕方のない奴だ」 天然パーマの男は、本当にやれやれと言った様子で呟いた。 それから、屋台のパン置き場の中に手を突っ込んだ。 中から引っ掴んだ焼きそばパンをアリサに差し出し、言った。 「最後の一つだ」 「え……でも、コレ……いいの?」 「おばあちゃんが言っていた」 突然、男の声色が変わった。 何を言い出すのかと、アリサは息を呑む。 背後に控えるなのは達も、一様に男を見詰める。 男は人差し指を立てた右手を掲げ、天を見上げていた。 「食事の時間には天使が降りてくる。そういう神聖な時間だ……ってな。 このパンは一つしか無い。四人で食べるには、少なすぎる。そんな時、お前ならどうする?」 「私なら……」 これまた突然の謎かけだった。 どうするべきが正解かと考えるアリサに声を掛けたのは。 「私ならいいよ、アリサちゃん、あんなに楽しみにしてたんだもんね」 「うん、だからそれはアリサちゃんが食べて……?」 「また皆で明日買いに来ればいい話しだもんね」 「皆……」 なのはにフェイト、すずか達三人だった。 三人が一様に微笑みを浮かべながら、アリサにパンを食べる様に促す。 これで、夢にまで見た焼きそばパンはアリサのものだ。 だけど―― 「ま、まぁ皆がそこまで言うなら、私が貰ってあげない事も無いけど…… でも、そういえば私ってば、今そんなにお腹空いてなかったのよね」 「アリサちゃん……?」 「だから……ほら、コレ、皆で分けて食べましょうよ」 それが、アリサの出した結論だった。 相変わらず素直になれない所がアリサらしいと言えばアリサらしい。 くすくすと笑うなのは達を尻目に、パン売りの男が告げた。 「合格だ。このパンはお前にくれてやる。四人で仲良く食べるんだ」 男が笑顔で、パンを差し出した。 アリサがそれを受け取り、大声で「ありがとう」と告げた。 残りの三人も、声を揃えて「ありがとうございます」と礼をした。 子供たちにパンを与えた男の表情もまた、嬉しそうな笑顔であった。 「なんだ、天道の奴結構いいとこあるじゃないか」 一連の出来事を眺めて居た加賀美新が、にやにやと笑いながら言った。 パン売りの男――天道総司を茶化す様に、肘でつつく。 つつかれた天道は、さも鬱陶しそうに眼を逸らした。 ある意味いつも通りの対応の天道に、加賀美はより一層嬉しそうに笑った。 そんな時、不意に目に入ったのは。 「っておい蓮華、そのパンどうしたんだよ?」 「え? これですか? 師匠がお駄賃代わりに残しておいてくれたんですよ?」 相手は天道総司の(自称)弟子、高鳥蓮華。 加賀美と共に、天道のパン売りを手伝っていたのだ。 働かざる者食うべからず、働いた者は食っても良い。 これが天道総司という男の考え方だ。 「なんだ、今日のお前は本当にいい奴だな! で、俺の分は?」 「無い」 「は?」 「お前のパンは、アレだ」 天道が指差す先、なのは達が美味しそうにパンを頬張って居た。 それは、先程天道自身が少女達に渡した最後の一つのパン。 最後の一つのパン、というのはつまり、どういうことだ。 考えて、即座に理解した。 「……だぁぁあああ!!! やっぱり前言撤回! どうせこんなこったろうと思ってたよ!」 「一々パン一つで大人げないですよ、先輩……あ、分かってるとは思いますけど、私のはあげませんよ?」 「いるか!! 誰がお前なんかに……!」 蓮華は完全に加賀美を見下していた。 そもそも尊敬するべき点が見当たらない為、当然とも言えるが。 拗ねる加賀美の様子は、この上無く哀れだった。 そんな様子を見て居た一人の少女が、加賀美に向き直った。 「あの……何だか悪い気がしたので……これ、どうぞ」 「え?いいのかよ?せっかく貰ったのに……」 金髪の少女――フェイトが差し出すのは、先程貰った焼きそばパン。 自分の分け前をさらに半分にちぎって、加賀美に差し出しているのだ。 天道や蓮華とばかり話していた所為でギスギスしていた心が、癒された気がした。 「仕方無いわね……フェイトにだけいい格好させるのもアレだし、私もあげるわよ」 今度は、先程の金髪の女の子だった。 無意識の内に、加賀美は自分の口を塞いでいた。 「じゃあ私も! 半分で良ければ、受け取って下さい」 今度は茶髪をツインテールに結んだ女の子だった。 無意識の内に、自分の瞳が潤んでいる事に気がついた。 「私もあげますよ。皆で一緒に食べましょう」 今度は、紫の髪の女の子。 いよいよ以て加賀美は耐えきれず、号泣してしまった。 こんなに優しい子供たちが居るなら、学校の教師も悪くない。 日頃のストレスを発散する様に涙を流し、加賀美は言った。 「みんな……ありがとう、ありがとう……!」 少女達に囲まれて涙する加賀美を眺める天道の表情は、どこか幸せそうだった。 後から考えてみれば、天道はもしかしたらこれも計算の内だったのでは、と思う。 最初の質問で、少女達の人間性を確かめて、その結果は見事合格。 加賀美にパンを分けることが出来るかどうかで、追加点が決まる。 天道ならあり得ない話ではないな、と思ったが、何だか悔しいのでそれ以上考えない事にした。 ◆ 放課後の屋上での出来事から、数時間。 ワームの反応を感知し、駆け付けたなのは達が見たのは、破壊され尽くした研究所だった。 何の研究を行っていたのかは定かではないが、見るも無残な姿となったそれに、以前の面影は無い。 研究所から逃げ出そうとした人々は既に何人も殺され、血を流して横たわっていた。 「こんな……酷い……」 「生き残った人を救助しないと……!」 フェイトの言葉に、なのはは強く頷いた。 今は何よりも早く、人命救助を優先すべきだ。 一人でも生き残った人間がいるなら、何としてでも助け出したい。 目下の行動方針を固めて、移動しようとしたなのはの眼前に、一体のワームが立ち塞がった。 白い体表に、肩から延びた蜘蛛の様な足。このワームには、見覚えがある。 「あの時、倒し損ねたワーム……!」 アラクネアワームニグリティア。 昨日の戦いで、赤と黄色の蜘蛛ワームと共に現れた、三体目。 カブトの乱入によって見逃してしまったそいつが、そこに居た。 すぐに戦闘態勢に入ろうと、杖を構え直すなのはとフェイトだったが。 「消え……ッ!」 時既に、遅し。 感知する事すら不可能な速度で、ワームの姿が掻き消えた。 そして、もう一度瞬きをした時には、ワームは既に背後に居た。 されど、今度はワーム一人では無い。 赤の装甲を持ったライダーが、なのはを攻撃しようとしたワームの腕を抑え込んで居たのだ。 「カブトなの……!?」 その質問に答える者は、居なかった。 カブトの口から吐き出されるのは、息を吐いての掛け声のみ。 右の拳、左の拳。何度も何度も、ワームがパンチを突き出していた。 だが、カブト相手にそれは全く意味を成さない。 全て回避され、逆にカウンターによる一撃を叩き込まれていた。 このワームでは、カブトは倒せない。戦力も、実力も、何もかもが劣っている。 なのはもフェイトも、直感的にそう感じた。 「ハッ」 やがて、カブトが空に舞い上がった。 両腕で握り締めるは、黄金のビーム刃を生成させた短刀。 クナイの様な形状をした逆手持ちの刃を構え、急降下。 ワームが反応するよりも速く、刃はワームの脳天に突き刺さった。 刹那、巻き起こるは美しいとさえ感じる程の爆発。 蜘蛛のワームは、青い炎と共にこの世から消え去った。 「やっぱり、強い……!」 仮面ライダーカブトの完全勝利。 ワームに何もさせない、一方的な戦いの末の決着。 なのは達を感嘆させるには、充分過ぎる実力の持ち主であった。 「た……助けてくれ……」 不意に、そんな声が聞こえた。 助けを求めるその声の主は、この研究所の所員だろうか。 白衣を着た男が、脅える様にカブトを見詰めて居た。 突然こんな体験をすれば、恐怖を抱くのも無理は無い。 すぐに安心させようと、なのはが男に駆け寄ろうとした――その時。 生き残りの研究員の足元が、爆ぜた。 「――どうして!?」 下手人は、カブト。 特徴的な形をした、赤と銀の銃を男に向けて居た。 ただただ脅えるだけしか出来ない男を尻目に、カブトは歩を進める。 表情の読み取れない仮面の下、カブトが浮かべるは確かな殺意。 本当にこの仮面ライダーは、弟切の言う通りの悪人なのであろうか。 弟切の右目を奪い、人々を苦しめ、今また生き残った人間を殺そうとしている。 それが、本当に仮面ライダーのする事なのだろうか。 (違う……そんなの可笑しいよ。それじゃ、ワームと同じじゃない……) なのはの思いなど意に介さず、カブトは前進を続ける。 構えて居た銃のグリップを握り、それを銃から分離させた。 現れたのは、先程ワームを倒した金の短刀。 カブトクナイガン・クナイモードだ。 「もう、やめて下さい……どうしてこんな事をするんですか!」 駆け寄ったなのはが、カブトの前に立ち塞がった。 されど、カブトは一言「どけ」としか言わない。 カブトには、なのは達と話をするつもりは毛頭無いのか。 ともすれば、思いが食い違ったままの二人が戦闘になる事は、避けられない。 なのはとカブト。二人の青の視線がぶつかり合って、火花を散らす。 所謂、睨み合いと呼ばれる状態だった。 二人の間を包む、気味の悪い静寂。 そして、そんな静寂を破るのは―― ――ブォォォォォォォォォン―― けたたましく鳴り響く、バイクの駆動音。 耳朶を叩いた走行音に、なのはとカブトは一様に振り向いた。 この場に駆け付けたのは、特徴的な形をした青のバイク。 バイクから降りた男は、すぐに周囲の状況を確認した。 武器を持った仮面ライダーに、立ち塞がる少女。 その背後には、脅え惑う生き残りの研究員。 きっと誰が見ても、同じ答えに辿りついただろう。 これは最早、言い逃れのしようが無かった。 「お前か……! お前がこれをやったのかッ!!」 言うが早いか、男は一枚のカードを取り出した。 カブトムシの絵柄が描かれたそのカードを、銀の装置に挿入。 それを腰に当てれば、生成された赤のベルトが、男の腰に巻き付いた。 最早間違いない。この男もカブトと同じ――仮面ライダーだ。 「お前だけは、絶対に許さない……!」 言いながら、右手を眼前に掲げた。 それをぐりんと反転させ、左手を突き出す。 それはさながら、変身の為のポーズの様で。 「変身!!」 ――TURN UP―― ターンアップ。 そう示した電子音の通り、バックルがターンした。 挿入したカードが裏側に隠れ、表に浮かぶはスペードの紋章。 そして、バックルから飛び出した青のゲート。 そのゲートを突き抜けた時、男の身体は完全に変身を遂げて居た。 カブトとはまた違う形状の、カブトムシを思わせる仮面。 紫紺のスーツに、スペードの紋章が象られた銀の装甲。 赤の複眼が見詰める相手は、自分と同じくカブトムシのライダー。 赤のカブトムシ――仮面ライダーカブト。 紫紺のカブトムシ――仮面ライダーブレイド。 出会ってしまった二人のライダー。 それは、新たな戦いの幕開けを意味していた。 戻る 目次へ 次へ