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誰でもない誰か(だれでもないだれか) 目指せ10000だっけ?? 2017年06月05日(月)16時42分54秒★ コメント一覧 名前 コメント すべてのコメントを見る
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「で、どないすんねん」 「……はぁ」 教師というか、大人というものは唐突かつ突然に謎の問いかけをするものだ。 いきなり呼ばれてこんな質問をされたら、誰だって俺のような反応をするに違いない。 自分で自分を評するなら可も不可もなく。 なのでいきなりこんな質問される由縁は全くないと言える。 その成績的にも、能力的にも平均平凡な俺が何故に特別に呼び出されたのか。 「あのな、キョンは進学希望やろ?」 「ええ、まぁ」 「自分、成績が平均的だってことはわかるな?」 「もちろん」 「……」 「それがなにか?」 黒井先生のさんすうの授業 「まずな、平均ってのはどないして出されるかわかるな? 3+3の平均は3やが、1+5の平均も3や。 ……ほな、ウチの言いたいことわかるな?」 全くわかりません。 強いて言うなら自分は少し勉強しろって言われてることしか。 しかし勉強するのはいいが、それは特別呼び出してまで言うことでもなかろうに。 ?のマークが顔に浮かんでいたのを読み取られたのか、黒井先生はハァ、とため息を吐く。 「最終ヒントや…キョン、自分の内申点をどない思っとるんや」 「普通かと」 「……ハァ」 なんだこの大きなため息。 まるで俺の普段の素行が悪いかのような誤解をうけているとかか? ならば、それは大いなる誤解なのでどうにかして解かなないとヤバい事態に発展しそうな気がするぞ。 「あのですね」 「ええか、SOS団で何をしてるかは知らんがSOS団の風評ってもんがあるやろ?」 俺の主張は見事かぶせられて封じられた。 えーと…SOS団がなんだって? 「キョンがSOS団で何した、っちゅうんは聞いたことがあらへんけどな、SOS団が何しとるかは自分が一番よう知っとるやろ?」 「まぁ…」 「つまりキョンの成績が平均的というても、この学校は異常に頭の良い奴ら多いやろ? この学校でそれで平均ゆうてもつまり全国で見れば平均よりちょい下なんや。 そしてSOS団に入ってるので内申もあまり奮わへん…これでわかったな?」 えーと。 つまり結構ヤバい状況に俺は置かれていたというのか。 平均的だと思ってたが、ハルヒや古泉がそりゃ少しばかり俺の成績を気にするわけだ。 あいつらは成績いいからそんな心配もないのだろう。 「そんな出来の悪い生徒を見過ごせん、優しい担任のウチは救済案を教えてあげるんや」 なんだかとても引っかかる言い方だがここはありがとうございます、と言っておくべきなのか… 「……ありがとうございます」 「ウチの心労を少しでも減らしてくれるよにな?」 「…ハァ」 内申点とやらを上げるには大別して三つほどあるらしい。 ①部活動などで大きな功績をあげる ②生徒会など、学校に貢献する。 ③世間的な業績がある。 まずSOS団などといった非合法な部活に属してる俺が何の功績あげられるかという話だし、生徒会など無縁だ。 そうすると③しかないが何をするかという話になるわけだ。 …まわりくどく言ってはいるが、要するに学外で何かしろって話だったわけだ。 そこで黒井先生が持ってきた話はボランティアに参加しろって話だったわけで。 日曜日返上して制服で公民館に集まって何やら色々作ってるわけで。 目の前の紙を折り曲げる作業をもう一時間近くずっとし続けてるわけで…… 「ハァ…」 もう何度目になるかもわからない溜息を吐き、上を仰ぐ。 何に出すのかわからんが周りでは竹を削って加工している者もいるし、筆をとる者もいる。 ああもうこれ以上回りくどく説明するのも俺が面倒臭い。 要するに俺とその他少しは竹串と和紙で風車を作り、竹トンボを作ってるやつらとそして人形を作ってる奴ら。 手作りでこんな玩具を作っているのはなんのためなのか。 ボランティアだから何かに貢献するのだとは思うが… もはや批判じみた愚痴しか頭に浮かばないような疲れている状況で、ただ手を動かす。 差し入れとしてジュースが一本供給されたが、すでに飲み干した後である。 それにしても見知らぬ他人達と黙々と顔を突き合わせながら手を動かすのがこんなにも苦痛だとは。 もうさっさとやめて帰りたい… そんな風に黙々とずぅっとやっていたわけだが、ちょうど午後を過ぎたころ。 「追加でーす」 と、ボランティア団体の誰かが言った。 追加?追加ってまさか作る量が追加されるってことじゃないだろうな、とその声のした方――出入り口の方を見る。 「お願いしまーす」 若々しい声がそれと同時に部屋に響く。 どこかで聞いたような声だなとか考えるよりも先に目に入ったのは女の子の姿。 それもただの女の子だったら別に驚きもしないが、何せ知り合いだ。 「ゆたかちゃん……?」 「キョン先輩…?」 「要するにこれらは幼稚園とかに送られるってこと?」 「そうですよ。私も貰ったことありますし」 「俺は記憶にないなぁ」 「幼稚園によりけり、だったかもしれませんね」 ただただ退屈なだけだった時間も気づけばお喋りのための時間へと変わっていた。 聞けばゆたかちゃんはこのようなボランティアにたまに参加しているらしい。 俺ならば貴重な休みをこんな奴隷のような労働に費やすなんて考えもしないのだが、ゆたかちゃんは人の為に働くことも厭わない優しい子なのだ。 「先輩はどうして今日?」 「うーん……」 まさか成績が悪いために担任を困らせたので、なんて理由を言える筈がない。 俺にも一応ながら先輩としてのプライドがあるからな。 さて、どうしたもんか。 これが俺じゃなく古泉とかなら嘘がするすると出てくるのだろうが俺はそんな口がなめらかでもない。 カリカリと顎先を掻きながら少し考えた。 「ゆたかちゃんに会えるから、とか?」 「っ!?」 ぐしゃ、とその小さな手の中の和紙が潰れた。 相当に同様しているのかその顔を染めて、何かを言おうとしたまま固まっている。 …すこし発言が狙いすぎたかな。 「あっ、ありがとうございます!」 「……うん?」 なんだか日本語としておかしな受け答えだったような気がするが。 しかし、表情がどうにか解けて逆に笑顔になったゆたかちゃんに事の真意を聞くのもためらわれる。 「…えへへ」 「……」 奇妙な沈黙。 二人が並んでただ折り紙をしているのに会話が全く途切れている。 だがその原因は(たぶんではあるが)俺の発言であり、ちと心苦しい。 淡々と風車を作る俺。 黙々と風車を作るゆたかちゃん。 同じことをしている筈なのに、その表情は対照的だった。 時間というものは振り返ってみれば短く感じるもので、終わってしまえばもう終わったのか?と思う。 やっとこの単純な労働から解放され、外を見やれば赤く夕日で染まっている時刻。 「ずっと座りっぱなしだったからな…腰が少し痛い」 ぐいっと腰を伸ばしながら体を反らせるとボキバキボキと間接のなる音が体中に響き渡る。 軽い痛みと爽快感を手にいれて、軽く屈伸などもしてみる。 ずっと動かずにいると体が運動を欲してしかたがない。 「お兄さん!」 なにやら呼ばれたような気がして後ろを振り返ってみるとゆたかちゃん。 あのときから終始無言であったが、ようやく言葉が出てきた事に安心する。 「ゆたかちゃんもまっすぐ帰る?」 ただそう聞いただけなのに、ゆたかちゃんはパア、と顔を輝かせてはい!と返事をした。 たしか泉が言うには結構おとなしめな性格の子だったと聞いたがイメージにズレがあるような気がするぞ。 …しかしなんだか違和感がむずむずと背中をくすぐる。 その原因がわからず、ゆたかちゃんの姿になにかさっきと変ったところでも無いかと見てみたが特になにも… 「あ、ばれちゃいましたか?」 そういうとポケットのちょっとした膨らみから何かを取り出して見せてくれた。 「…風車?」 「はい」 それはくしゃくしゃに潰れていた風車。 「どうせなら綺麗なやつをもらってくればよかったのに」 「え、と…これが欲しかったんです」 「ふうん」 その潰れてしまった風車は、風を受けても回らなかった。 時間が停止してしまったかのように同じ形を残して、ふたたびゆたかちゃんのポケットに収まった。 「じゃあ、帰ろうか?」 「はい!」
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「どうしようもない」 【投稿日 2007/05/17】 カテゴリー-斑目せつねえ ザワザワと賑わう居酒屋に、現視研のメンバーが集まっていた。 OBの笹原、斑目、田中、久我山、高坂、春日部と、現会員の大野、荻上、朽木、スザンナ達だ。 笹原達の追い出しコンパ以来、このメンバーが全員集まるのは久しぶりだった。 収集をかけたのは高坂と春日部。 「皆飲み物何にする?」 田中の言葉に皆が酒を注文する中、春日部が一人オレンジジュースを注文した。 「どうかしたんですか咲さん?」 いつもは飲まない物を注文した春日部に大野が聞く。 「私、今酒飲めないんだ」 困った様な春日部の言葉に、高坂を除く全員が目を丸くする。 しかし、大野と荻上は、すぐにその意味を理解した。 「まさか!」 「咲さん?」 全員の目が春日部に集中する。 「あー、うん。今妊娠してる。三ヶ月だって」 照れて赤くなりながら、春日部は自分の下腹を優しく撫でる。 「本当でありますか!?」 「やっぱり。おめでとうございます!」 口々に祝福の言葉が贈られた。 「どうかしましたか斑目さん?」 笹原が隣に座っている斑目に声をかける。 呆然としていた斑目は、我にかえると眉を寄せて苦笑した。 「ははっ、何かびっくりしちまってさ。」 「そうですよね。春日部さんがお母さんかぁ……」 感慨深気に言う笹原に「七ヶ月後だけどね」と春日部がツッコミを入れる。 その光景を見ながら、斑目は笑う自分をどこか遠くで見下ろしていた。 (この滑稽な男は何だろう) 諦められたつもりでいたのに、何故こんなにもショックなのか自分でも分からない。 (希望があるとでも思っていたのか? だからこんなに苦しいのか?) 「近い内に結婚式するから、皆来てね」 笑顔で言う高坂に、斑目は答えられなかった。 腹の底に、タールの様なドス黒い感情が溜っていく。 たった独り、斑目だけが二人を祝福出来ない。 自己嫌悪で今すぐここから逃げ出したくて堪らなくなる。 「トイレ行って来るわ」 いたたまれなくなった斑目は、そう言って席を立った。 (このまま帰る訳にはいかんか……) 用をたした斑目がトイレから出ると、出入口に春日部が立っていた。 どんな顔をして良いのか分からず、斑目は軽く手を上げて前を通り過ぎようとする。 そこに、春日部が声をかけた。 「あんた何変な顔してるの?」 春日部の言葉に、斑目は自分自身の醜さを見透かされた様でドキリとする。 「式絶対来てよ?これでも、皆には高坂の事で感謝してるんだから」 そう言って笑う春日部の笑顔が、斑目にはとても美しく見える。 (幸せそうな笑顔 俺の物では無い 高坂の笑顔) 「もちろん行くよ」 (笑え。笑え) 斑目は自分にそう言い聞かせ、辛うじて苦笑した。 「そ、良かった」 春日部が斑目の横を通り過ぎ、トイレへ入って行く。 斑目は笑顔を作ったまま、皆の元へと帰って行った。 (好きな人が幸せなら、もっと嬉しくてもいい筈だろ?) 独り帰路につきながら、斑目はゆっくりと下を向いて歩く。 かなり酒を飲んだのにも関わらず、まったく酔えなかった。 (そうだ、これで本当に手の届かない存在になったんじゃないか。諦められる!) (諦められる?) そこまで考えて、斑目は自分の胸をギュッと掴んだ。 (じゃあ、何でこんなに苦しいんだよ? 全然平気になんてなってないくせに!) 今までは、確に希望があった。 二人が別れるかもしれないと云う希望が。 しかし、今は違う。 二人の『絆』が確固たる形で体現される。 子供が産まれる事によって。 泣きたかった。 泣いて感情を吐き出してしまいたかった。 しかし、眼は渇くばかりで、腹にはタールが溜り続けている。 「春日部さん……」 斑目の呟きは、道路に落ちて、消えた。
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だらだらと放課後にSOS団で暇をつぶす訳でもなく。 ハルヒのわがままに振り回されることもなく。 一直線に我が家へと帰るとそこには珍客が居た。 「やほー」 俺は別段調子が悪いわけでもないのに頭が痛むのを感じて額に手をあてがった。 やれやれ…といつもの調子を吐いて。 「とりあえず布団の上からどけ」 「えぇー?」 不満そうな声をあげてしぶしぶ、といった風な態度を見せながらベッドから降りる。 ベッドに花のように放射状に広がっていた髪もその持ち主に引かれて一つにまとまりベッドから姿を消した。 ちょこん、といった擬音が似合いそうな感じでベッドから立ち上がった"それ"は頭一つ分ほど低い所に頭を持っていた。 その正体は何を隠そうか、泉こなたであった。 「そして部屋からでなさい」 「どんだけー……どれだけ、私を使えば気が済むのっ!?キョンキョン!!私はあなたにとってのなんなの!?便利なだけの女!?」 「服を着替えるから出てけ」 「スルーってひどいよね」 泉の背中を押して部屋の外に出す。 ネクタイをぐいぐいと引っ張りながら外して、泉がドアの向こうに消えたのを確認するとズボンのベルトに手をかけた。 ベルトを引き抜いてチャックを下ろしt 「そしてお約束ぅ!!!!!」 バッターン!!と部屋のドアが開け放たれた。 「む、十秒早かったか……」 バタン!と多少荒っぽくドアを閉めると再び覗かれることのないようカギを掛ける。 カリカリカリカリカリ…とドアをひっかく音がするが無視だ。 制服を脱ぎ、私服へと着替えてからドアをまた再び開ける。 「キョンキョンKY」 「K協力して Yやる理由は無い」 泉を改めて向かいいれた。 そこで初めて気づいたのだが、泉はその手になにやらでかい本を持っていた。 装丁はなにやら丁寧な… 「って、お前なんで俺の卒業アルバムを持ってるんだ!?」 「中学生のキョンキョンは新鮮だったよ♪」 「勝手に人の過去を探るな!」 「この佐々木さんってキョンキョンと一緒にいるのが多いよね」 「邪推するな」 にこにこと笑いながら(しかしどこか怒気を感じさせる笑顔だった)手の中の卒業アルバムの一ページを俺に見せつける。 しかし本当になにも無かったのだからこれ以上の説明のしようもない。 もう俺の部屋にいる理由を尋ねようとする気すら起きなくなってきたところに何度目か、俺の部屋のドアが勝手に開いた。 もちろん、俺も泉も触れてはいない。 「キョンくーん?お義姉ちゃーん?御飯だよー」 「うん、わかったもうすぐ行くヨー」 扉を開けたのは我が妹であった。 そして今ちょっと聞き逃せない事を言ってなかったか? 「ちょっとまて今"義”が付かなかったか?」 「気のせい気のせい」 「こなちゃん、いつキョン君と結婚するの?」 「オイ泉?なにを人の妹に吹き込んでいるんだ」 「将来の予定を少し…」 「今すぐ誤解を解け!!」 「今日はカレーよ」 「はーい、お義母さーん」 「少しは人の話を聞け!!」 誤解を解くのに俺は多大な労力を掛けることになったのだが……泉め、なにが面白くて俺にちょっかいをかけるのだろうか。
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【名前】誰でもない彼女 【出展】戯言シリーズ 【種族】人間 【性別】女 【声優】 【年齢】 【外見】 【性格】 【口調】 一人称: 二人称: 【呼称】 [[]]→ [[]]→ 【特異能力】 【備考】
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なんでもないよ。
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和「よいしょっと」 季節は初夏。 新しい環境にも大分慣れ、大学生活を楽しんでいる折、ふと思い立って押し入れの整理をすることにした。 ドタバタと引っ越して来て以来、忙しくてあまり触れていなかったのだ。 和「それにしても凄い量ね……」 お母さんがあれも、これもと段ボール箱に詰めて送ってくれたため、整理するのも一苦労。 今までサボってたツケでもあるんだけど。 和「でも、こんなものまでわざわざこっちに送る必要もないでしょうに」 ふう、と一息吐いて、苦労して引っ張り出したものを見下ろす。 冬用の服が入った段ボール箱に紛れていたもの。 他と比べて妙に重かったので、一体何が入っているのかと思えば……。 和「昔のアルバム……重いはずよ、まったく」 和「……」 和「……ちょっと見てみようかな?」 片付けの最中にこういうことをするのは非常によろしくないことは分かっている。 でも、気になるものは気になるのだ。 和「幼稚園の頃のからつい最近のまで……律儀ね」 そう呟きつつ、一番古いであろう幼稚園の頃のアルバムを開く。 和「……」ペラ 和「あ……」 そこには、当たり前だが幼い頃の私と……。 ずっと一緒だった、幼なじみの姿が所狭しと写っていた。 和「ほとんどの写真に唯が写ってるわね。本当にあの子は……」 アルバムを眺めていると、懐かしい思い出が次々と思いだされる。 そしてその思い出は、あのロクでもない幼なじみが必ずと言っていいほど出てきて……。 …… ゆい「のろか、ちゃん?」 のどか「ちがうよ、の・ど・か」 ゆい「のろかちゃん!」 のどか「『ろ』じゃないってば」 ゆい「わちゃん!」 のどか「……」 出会ったばかりの唯は、少し舌足らずで『のどか』と上手く発音出来なかった。 いつもいつも『のろかちゃん』としか聞こえない名で私を呼び、私の後をついて回っていた。 人の名前もきちんと呼べないなんて、唯は本当にロクでもない。 …… ゆい「のどかちゃん♪」 のどか「なーに?」 ゆい「えへへ、なんでもない」 のどか「ふうん?」 ゆい「……」 のどか「……」 ゆい「の~どかちゃんっ♪」 のどか「どうかしたの?」 ゆい「よんだだけー♪」 のどか「もうっ」 ゆい「……」 のどか「……」 ゆい「のどかちゃ~ん♪」 のどか「……なに?ゆいちゃん」 ゆい「のどかちゃん、ぎゅ~♪」 のどか「わわっ」 唯はすぐに私の名前を呼べるようになった。 どうやら家や幼稚園で何度も『のどか』と発音する練習をしたらしい。 ただ、私の名前をきちんと発音出来るようになったのがよっぽど嬉しかったのか……。 用もないのに嬉しそうに何度も私を呼び、じゃれついて来る唯はやっぱりロクでもない。 …… ゆい「のどかちゃん、おままごとしよ~」 のどか「ええ、またぁ?」 唯は幼い頃、とてもおままごとを好んでいた。 私はいつもそれに付き合わされて……。 のどか「ただいま、ゆい」 ゆい「おかえりなさい!」 ……何故か私はいつもお父さんの役だった。 唯はいつも私のお嫁さんの役。 ゆい「ご飯できてますよ~」 のどか「ありがとう、いただきます」 ゆい「えへへ、おいしい?」 のどか「うん、とっても。ゆいはご飯作るのじょうずだね」ナデナデ ゆい「ん~……♪」 美味しいわけがない。 唯が作ってくれていたのは、歪な形の泥団子。 そんなものしか出せないくせに、私のお嫁さんの役を譲らない唯はロクでもないやつだ。 …… ゆい「わたし、おとなになったらのどかちゃんのおよめさんになるの!」 のどか「ち、ちょっとゆいちゃん……」 おままごとでの配役がいつも同じだから、ある時それはどうしてなのかと聞かれたことがある。 そして唯が堂々と言い放ったのがさっきのセリフだ。 ゆい「のどかちゃんは、わたしがおよめさんになるのイヤ……?」ウルウル のどか「そ、そんなことないよっ」 ゆい「……わたしのことすき?」 のどか「うん、好きだよゆいちゃん」 ゆい「えへへ、わたしもだいすきっ!」ギュー のどか「ゆ、ゆいちゃん……///」 この後、周りの子たちに思いっきりからかわれてしまった。 まったく……私にあんな恥ずかしい思いをさせるなんて、唯は本当にロクでもない。 …… ゆい「うんたん、うんたん♪」カチャカチャ のどか「ゆいちゃん、何やってるの?」 ゆい「あ、のどかちゃん!みてみてーっ」カチャカチャ 唯が先生に上手だと褒められたカスタネット。 しばらくの間、それをいつも楽しそうに叩いていた。 ゆい「せんせー、わたしじょうずになったかな?」 「ええ、すっごく上手よ。唯ちゃんは将来ミュージシャンかもね」ナデナデ ゆい「みゅーじしゃん!かっこいい!」フンス! のどか「……」 いつも私と遊んでいたのに、その時はカスタネットに夢中だった唯。 私が寂しがっていることに気付かないなんて、やっぱり唯は……。 ゆい「のどかちゃんもいっしょにやろ~♪」 のどか「えっ?」 ゆい「ほら、うんたん、うんたん♪」カチャカチャ のどか「う、うんたん……?」カチャ ゆい「やっぱりのどかちゃんもじょうずだねっ」 のどか「そ、そうかな……うんたん、うんたん♪」 ……ロクでもない子だ。 …… 唯「ねえ、和ちゃん」 和「何?」 唯「算数の宿題……」 和「……自分でやらなきゃダメだよ?」 唯「分からないんだよ~!」 和「はあ……じゃあ一緒にやる?」 唯「いいの!?ありがとう和ちゃんっ」 和「どういたしまして。どこが分からないの?」 唯「えっとぉ……一問目のこれから……」 和「この問題はね、こうやって……」 小学校に上がってからというもの、唯は私に勉強で頼ることが増えた。 そのせいで私は唯にきちんとした説明をしてあげることが出来るよう、頑張って勉強するようになった。 唯「和ちゃんって教えるの上手だね!何だか先生みたい!」 和「そう、かな……?唯ちゃんもいっぱい問題解けるようになったね」 唯「えへへ、和ちゃんのおかげだよ」ニコッ 私にあんな苦労をさせておいて、でも全然苦痛に感じさせなかった唯はロクでもない子だ。 …… 和「……」キョロキョロ 和「……」 和「ここ、どこ……?」 お互いの家族も合わせて、唯と一緒に初詣に行った日。 あまりにも人が多くて混雑していて、私は一人はぐれてしまった。 和「お母さ~んっ!」 和「唯ちゃ~ん!」 和「……」グスッ どれだけ歩きまわっても、どれだけ大声を出しても一人ぼっちのままで、不安に押し潰されそうだったのをぼんやりと覚えている。 とうとう歩き疲れてしゃがみ込み、泣き出そうとした時。 唯「お~い、和ちゃ~んっ!」タタタッ 和「……え?唯ちゃん?」 唯「はあ、はあ……やっと見つけたあ……」ギュッ 和「あ……」 唯が走り寄って来て、私の手をギュッと握りしめてくれた。 不安で不安で堪らなかったのに、唯が近くにいてくれる……それだけですごく安心した。 和(あったかい……) 唯「じゃあ行こっか!」 和「うん!お母さんたちはどこにいるの?」 唯「ふぇ?」 和「え?」 ……結局、唯も迷子になっていた。 それからお母さんたちと合流できたのは一時間くらい経ってから。 私を探すのに夢中になるあまり自分も迷子になってしまうなんて、唯はロクでもないヤツだ。 …… 和「ゆ、唯……ちゃん」 唯「ん?な~に?」 和「な、何でもない……」 唯「ふぇ?変な和ちゃん」 和「……」 唯「次の授業は体育だよね。早く着替えなきゃ」 和「そ、そうだね」 唯「えっと、今日は外だっけ?体育館だっけ?」 和「今日は体育館でドッジボールだよ……ゆ、唯!」 唯「えっ!?」 和「い、急ぎましょう唯」 唯「……うん!そうだねっ」ニコッ この日、私は初めて唯のことを呼び捨てにした。 理由はよく覚えていない。 クラスのみんなが呼び捨てで呼んでいたからかもしれないし、唯ともっと仲良くなりたかったからかもしれない。 ただ一つ覚えていることは、私はすごく緊張していて、何度も『唯』と呼ぼうとして失敗したことだけだ。 ……私にあんなに緊張させたのに、呼び捨てにされたことに言及しなかった唯はやっぱりロクでもない。 …… 唯「はむっ。ん~、美味しい~♪和ちゃんはお料理上手だね!」 和「はいはい、ありがと」 唯「私ずっと和ちゃんの料理を食べて生きていくよ!」 和「……何言ってるのよ、もう」 唯は昔から料理が出来ない子だった。 ……出来ないのはみんなが唯にあまり料理をさせなかったからだけど。 何だかとんでもない失敗をやらかしそうだったし。 和「唯、何か食べたいものある?」 唯「和ちゃんが作ってくれるものなら何でも!」 和「リクエストしてくれたほうが作りがいがあるのよ?」 唯「う~ん……じゃあ甘いものが食べたい、かな?」 和「了解」 唯「えへへ、楽しみだな~♪」ニコニコ この頃からだろうか、私が料理を勉強するようになったのは。 あんなに美味しそうに私の料理を食べて、色々な料理を作れるようにさせた唯はロクでもないヤツだ。 …… 和「好きな子かあ……」 小学校の修学旅行の夜。 定番と言えば定番だけど、みんなで好きな子を言い合おう、という話になった。 私は他のみんなのように同じ年頃の男の子にそれほど興味を持っていなかったため、言い淀んでしまったことを覚えている。 和「唯は……好きな子、いるの?」 何故だか私はドキドキしながら、隣に寝ころんでいた唯に話を振っていた。 話を振られた唯は、 唯「私?私は和ちゃんが好きー♪」 和「え……」 あっけらかんとそう叫んだ。 当然好きな「男の子」を前提にしていたみんなは驚き静まり返る。 唯「だって私、和ちゃんのお嫁さんになるって決めてるもんっ!」ダキッ 和「わわ……ゆ、唯……」 「へえ~。真鍋さんは唯ちゃんのことどう思ってるの?」 和「わ、私!?」 「うん、これは唯ちゃんからの告白なんだから返事をあげないと!」 小学生は本当に切り替えが早い。 さっきまで静まり返っていたくせに、面白いものを見つけたとばかりにニヤニヤしながらみんなが私の言葉を待つ。 和「私も……唯のこと、好きよ」 唯「わ~い、両想いだ~♪」ギュウウッ 和「こ、こらっ!///」 その後は当たり前だがみんなからからかわれた。 ……デジャブ。 幼稚園の頃から進歩がないなんてロクでもない子だ。 2
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小泉の人◆FLUci82hb氏の作品です。 なんでもない日常1 なんでもない日常2 なんでもない日常3 なんでもない日常4 作品の感想はこちらにどうぞ
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ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。 統率の取れた足音を響かせながら、亡霊の軍隊が行く。 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。 地獄を謳いながら、血の契約の下で死者が踊る。 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。 彼等を率い、先陣を切るは赤の影。 それは全ての血の支配者にして、最強の吸血鬼。 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。 常に彼等は見敵必殺。 標的を見つけ次第、目的を遂行する。 ある者は手渡しで。 ある者はポストに。 ある者は自転車のかごに。 この地上に存在するありとらゆる手段を用いて、目に至るすべて者達へ亡霊達はポケティを配る。 ふと、アーカードは異変を感じ空を見上げた。 それを追うように、亡霊達も一斉に空を見上げる。 見上げた空より、降り注ぐ赤い影。 怒りの赤鬼が舞い降りる。 「―――――邪ッ!!」 音速を超える速度で放たれる、鬼の一撃。 一瞬にして数十の亡霊が消滅した。 「貴様ァ! 今二枚同時に配りおったな! 何たる軟弱ッ!!」 それは、早く配り終え帰りたいバイトの精神が生んだ禁断の奥義。 ――――二枚同時配り。 ノロウイルスの脅威を多くに知らしめる、彼等の目的にそぐわぬ奥義。 このような愚行、範馬勇次郎が見逃すはずもない。 「はン。これだから日本人は真面目すぎる。そんなだから他国に嘗められるのだ。 それに、今だ一枚も受けっとってもらえない貴様よりはマシだろう、ヒューマン?」 それは怒りか、それとも照れか、図星を突かれた勇次郎の顔が見る見る赤く激昂してゆく。 「グヌヌヌ……跳ねッ返りおってからに!」 死闘の開始を告げるように、超握力に握り潰されたポケティがパンと破裂した。 【秋田県 2日目:13時】 【ノロウイルス撲滅し隊】 【範馬勇次郎@範馬刃牙】 [状態] 範馬の血と自然の医学、ノロウイルスがいい感じにブレンドされて正気喪失。自然治癒不可能。 [装備] ジープ@安藤、暖かいコート@安藤 ポケティ@勇次郎製 [道具] 支給品一式、首輪 [思考]1:跳ねッ返りおってからに! 2:ポケティを配りノロウイルスの恐ろしさを各地に伝える(聞こうとしない者、真面目に聞いていないとみなした者には拳で教える【殺す】) 3:撲滅運動参加者を募る 【アーカード@ヘルシング】 [状態] 拘束制御術式完全開放、吸血鬼の血と自然の医学、ノロウイルスがいい感じにブレンドされて正気喪失。自然治癒不可能。 [装備] ジープ@安藤 ポケティ@勇次郎製 [道具] 支給品一式 [思考]1:日本人は真面目だ。 2:ポケティを配りノロウイルスの恐ろしさを各地に伝える(聞こうとしない者、真面目に聞いていないとみなした者は吸血鬼に) 3:撲滅運動参加者を募る [チーム共通行動方針]1:北海道~→沖縄~→北海道という感じで動く(全国行脚) 2:バトルロワイアル?知るか! 3:病人には優しく [備考]:二人はノロウイルス?に犯されています。通常のNVとは違い低確率で接触感染が起きます。空気感染も起きないとは限りません。 感染するとどうなるかは不明。
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