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「ドラゴンクエスト」より、竜王を召喚 使い魔の中の使い魔-01 使い魔の中の使い魔-02
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・お熱い使い魔(キッス)を受け取りなッ! ゴッ 「「~~~ッッ!!!!」」 頭部に走った余りの激痛に二人してのた打ち回る。 周囲が笑いの渦に飲まれていたが二人ともそんな事気にしては居られない。そして見事に同じ事を考えていた。 (何だこの石頭はッッ!!!!) 腕を組みいかにも威厳たっぷりに此方を見下ろすピンク頭。 「で!あんた一体誰?!」 しかしその額は心なしか少し赤く腫れ上がっている気がしないでも無い。威厳はその腫れで帳消しになっており…どちらかと言えばマヌケだ。 恐らく明日には青くなっているだろう。 「…エルメェス…エルメェス・コステロだ」 取りあえず名前を答えておく。 …ん? 「エルメェス?変な名前」 私の名前は『それ』だったか? もう!もう!!何なのよこいつは!!! いきなり頭突きしたり私を無視して俯いたり! 何よ何よ変な髪型! 「ミスタコルベール!やり直しを!やり直しを要求します!!」 こんなの冗談じゃない 「流石はゼロのルイズ!」 「また失敗かよ!」 「平民だ!平民を召還しやがった!!」 うっせ―黙らっしゃいこのピザが 取りあえずマルコメヌは 「ピギィ!」 蹴っておいた 「ミスタコルベール!やり直しを!!」 全く冗談じゃ無いわよ マルコリヌうっさいのた打ち回らないで 「ミスヴァリエール、それは無理だ。 呼び出してしまった以上ゥ君の使い魔は彼女…?だ。残念ながらやり直しは出来ないのだよ。」 「糞ったれこのコッパゲが残りの毛全部むしってやろうか」 (そんな…ミスタコルベールあんまりです) 「「…」」 間違ったァ――!言ってることと思っている事が逆でしたァ―!! コホン… 「さ、さぁさっさと儀式の続きをを」 多少口元がひくついてるけど大丈夫でしょ 大丈夫大丈夫もーまんたい のた打ち回らないでってばマルコリヌ 何?股間?股間が痛いの?見苦しい見苦しい見苦しい三回言った ちらと後ろに目を向けるとまだ地面に座り込んでいる平民が居た。 性別は恐らく…女?厳つい顔をしている。 後、変な髪型。それに石頭。更に石頭。石頭。 ちょっと!何で私より胸があるっていうのよ!舐めてるわね!?クソッ!クソッ! と、言うかさっきから微動だにしないんだが大丈夫なのかしら まさかさっきの頭突きで色々吹っ飛んだなんて事無いでしょうね 「ねぇちょっとあんた一体どこの平民?頭(の中とか)大丈夫?」 「えっあっああ…うん大丈夫だ」 何よ周りをキョロキョロ見回して そっか平民だからこんなの見慣れてないのね それにしても…ああ、さようならルイズのファーストキッス せめて男が良かったわ 見た目男っぽいけど 行くのよルイズ!がんばっ!ルイズ! 平民の額(あ、赤くなってるわザマーミロ)に杖を向け呪文を唱える 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。 この者に祝福を与え 我が使い魔となせ。」 そしてそのまま顔を近づけぇ――― ドカッ! 「まそっぷ!」 後ろに吹っ飛ばされた 「なっ何をするだぁ―!!痛いじゃないの!」 「それはこっちのセリフだボケが!」 平民の癖に口答えするわけ!?頭に来た! 「ファイヤーボール!」 チュドーン! よっしゃ当たった!この際ファイヤーボールが失敗したとかどうでも良いわ 気絶した隙に契約する!なんて頭がいいの私! ズキュ――z___ン!! 契約完了 to be continued…-
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ヴェストリの広場。魔法学院の西側に位置する広場で、日中も薄暗く、それ故に人もあまり寄り付かない。 そんな場所に一人の少女と二人の少年が誰かを待ち受けるように佇んでいた。 少女は広場の中央で腕を組み、少年たちは離れてその様子を伺っている。 「……遅いわね」 「……遅いな」 「……遅いね」 中央で仁王立ちする少女の独り言に、そこから離れて佇む少年たちが答える。 彼女たちは決闘を行なうべく、そしてそれを見守る為に、決闘相手を待っているのだが その相手が一向に姿を現さない。時間だけが緩やかに過ぎていく。 「……来ないわね」 「……来ないな」 「……来ないね」 10分程経過しても未だに相手は現れない。少女は今朝の決闘相手とのやり取りを思い出し、 また無視されたんじゃないかと少し不安になる。 「ひょっとしてさ……」 小太りの少年がボソリと呟き、残りの二人の視線が集まる。 「場所…知らないんじゃないかな?」 「……アンタが連れて来るんじゃなかったの?」 「…知ってると思ったんだ」 少女の質問に被りを振る少年。気まずい空気が流れる。 「使えないデブね」 少女の放った言葉が思春期の繊細な心に突き刺さり、少年は座り込んで嗚咽を洩らす。 人気のない広場に少年の泣き声だけが木霊する。 「オレ……探してこようか?」 広場を包む空気に耐え切れなくなったもう一人の少年が少女に問いかける。 少年の眼から、この場から逃げ出したいと言う感情が溢れ出ていた。 「ダメ。一人にしないで」 普段の横暴さからは到底考えられない言葉を少女が紡ぎ出す。 その眼にはうっすらと涙さえ浮かんでいた。 もう限界だった。 「ここがヴェストリの広場さ」 広場の入り口から聞こえた声。それは悪しき闇を吹き散らす一陣の風。 「ありがとう。助かったわギーシュ」 メイド服を着た少女が、薔薇の造花を持ち泣きはらした顔の少年に感謝を述べる。 少年はそれに手を振って答えると広場の隅に行き、座り込んで再び泣き始める。 その傍には小熊ほどもある大きなモグラが慰めるように寄り添っていた。 「お…遅かったじゃない!!」 「トリッシュ!来てくれたんだね!!」 トリッシュと呼ばれた少女は決闘相手の少女と彼女の主の少年に交互に目をやる。 「……泣いてた?」 「「泣いてなんかない!!」」 殆ど同時に否定し袖で眼を擦る二人。その仕草で泣いていたことは一目瞭然であった。 「ヤッホー!ルイズ来てあげたわよー!」 「キュルケ!アンタなんで来てんのよ!!」 トリッシュたちの後に続いて二人の女性が広場に現れた。 燃えるような赤い髪と、褐色の肌に包まれた豊かな胸の谷間を惜し気もなく見せつける少女と、 透き通る青空のような髪と、雪のように白い肌を持つ少女。 対照的二人。だが、親密な雰囲気が漂う不思議な少女たちであった。 「ちょっとね、向こうがアレなもんだから」 ルイズと呼ばれた少女がキュルケと呼んだ少女の言葉に首を傾げる。 「危険」 青い髪の少女の言葉で尚更訳が判らなくなった。 「と、ともかく!邪魔はしないでよ!!」 「判ってるわ。ちゃんと、負けるところ、見ててあげる」 決闘相手を無視して言い争いを始める二人を見て、トリッシュは一つ溜息を吐くと ルイズの立つ中央へと歩みを進めた。 「遅れて悪かったわね」 近くで聞こえたトリッシュの声でルイズは漸くその存在に気付くと、いつも通りの笑みを浮かべ 嘲りと侮蔑が込められた眼でトリッシュを凝視する。 「てっきり怯えて逃げ出したのかと思ったわ」 「アンタ相手に逃げ出す必要はね~わよ」 ルイズの挑発を意に介さず、トリッシュは逆にルイズを挑発する。ルイズの瞳が怒りに燃えた。 「き、貴族と平民の違いを、ア、アンタの身体に教え込んであげるわ!」 「そのセリフ、聞き飽きたわよ」 頭に血が昇ったルイズが呪文を唱え杖を振り、トリッシュが立っていた場所が爆風に包まれる。 それが開始の合図となった。 「ハズレよ。ヘタクソ!」 トリッシュは魔法が発動する前に横に飛び、爆発を回避してそのままルイズを中心に円を描くように走る。 怒り心頭となったルイズが呪文を唱え、トリッシュの後を追うように爆発が続く。 「逃げてないで戦いなさいよ!この臆病者!!」 ルイズが叫び、広場に敷かれた石畳や広場を囲う壁がルイズの起こした爆発によって穴が開く。 最初は攻撃魔法の呪文を詠唱していたが、どんな呪文でも爆発が起きるので詠唱時間の長い 四系統魔法の呪文を止め、コモン魔法の呪文にルイズは切り替えていた。 コモン魔法の呪文は四系統魔法のルーンを用いた呪文とは違い、唱えるメイジによって違う。 幾つかの、呪文の効果を発揮する為の言葉を入れさえすれば、使用者は各々自由に呪文を 創ることができるのである。 魔法発動の間隔が短くなり、爆発が逃げ回るトリッシュへと徐々に迫る。 しかし、トリッシュは焦ることなく静かな眼でルイズを観察する。 彼女は仲間たちの敵スタンド使いとの戦闘の経験談や、自身の僅かながらの戦闘経験によって、 観察することの重要性を認識していた。 (ルイズの起こす爆発は……銃弾のように『なにか』を打ち出して…それが触れたものを… …爆発させる……その『なにか』が見えないって~のが怖いわね) 例えば炎が襲ってくれば回避や迎撃、防御などの選択肢が生まれるが、なにも見えず感じることもできない ルイズの魔法は、知らなければ防ぎようのない恐ろしい能力である。 事前にルイズのことを知らず、様子見の為に逃げ回ると決めたトリッシュは幸運であった。 「ほらほらどうしたの?もっと早く逃げないと追いついちゃうわよ!!」 向かって来ずに自分の周りを逃げ回るだけのトリッシュを見て、落ち着きを取り戻したルイズが 笑いながら魔法を唱える。余裕ができたのか、命中率も上がり始めていた。 だが、トリッシュは逃げ回るだけ。まるでなにかを待つように――― 「偉そうなこと言っといて逃げ回るだけ?所詮は…う、げほっ!」 トリッシュは、ルイズの精神力(授業で習った)が尽きるか、又は早口で呪文を唱える ルイズがむせて攻撃が途切れるのを、ずっと逃げながら待っていたのである。 体力にも限界がある為、いい加減近づこうと思っていた矢先であった。 「それを……待ってたわ!!」 ルイズが喉を押さえてむせている。この好機を逃すまいとトリッシュはルイズに向かって走る。 距離が縮まり、そのまま殴りかかる寸前にルイズが顔を上げる。笑っていた。 「引っ掛かったわね!」 ルイズの叫びと同時に、トリッシュの左足が、爆発した。
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早朝、ルイズ・フランソワーズは、蜂の巣をつついたような喧騒に、目を覚ました。 こんな朝っぱらから騒がしい… そう毒づいて、眠い目をこすりつつ、耳を澄ませる。 どうやら、外の廊下を学院中の教師たちがバタバタと走っているようだ。 皆口々に何かをわめいている。 ルイズはネグリジェのままベッドを下りて、扉に耳を当てた。 教師たちが『一大事!』やら、『宝物庫に賊が…!』やらといった内容を言い合いながら、 ルイズの部屋の前を通り過ぎ、本塔へ向かっているようだ。 ルイズの顔から、さぁっと血の気が引いた。 振り返って、自分の部屋を見る。 部屋の中は、DIOが宝物庫からパチってきた宝で一杯だ。 …………とうとうバレたか? ルイズは死にたくなった。 無論、今の今まで問題を先延ばしにしていたのは、ルイズ自身だ。 次から次へと増えていく宝の山に、最初はまずいと思ってはいたが、 次第に感覚が麻痺していき、最終的にどうでもいいやと思い出したのがまずかったか。 激しく後悔するが、もう遅い。 ルイズはソファーに横たわっているDIOを見た。 いつものように優雅に本を読んでいる。 いつもどおりなのだが、今日に限ってやけに腹が立つ。 どうしよう… ……今度こそ、退学か? それだけは勘弁してほしかった。 どの面下げてヴァリエール家に帰れというのか。 カトレア姉さまに何をされたかわかったものじゃない。 ボロきれのようにされる自分を想像して、ルイズの顔がますます青ざめる。 ---ええい、ままよ! 追い詰められたルイズはヤケクソになった。 こうなったら仕方がない。 とことんまで逃げきってやろうじゃないか! ルイズは密かに決意した。 使い魔の不始末は、ご主人様の責任なのだ。 こうして、明らかに方向性を誤った決断を下したルイズは、教師たちが集結しつつある、本塔五階の宝物庫へ向かうことにした。 いずれ、生徒の部屋にもガサ入れが来るに違いない。 それまでに、まずは、敵の戦略を読むのだ。 ルイズは音も立てずに扉を開けた。 すると、後ろからDIOが話しかけてきた。 「…どこに行くのかな?」 ルイズは振り向きもせずに答えた。 「あんたのケツを拭きに行くのよ…!」 ルイズはDIOの反応も待たず、通路にでて、扉を閉めた。 そして、滑るように本塔へと廊下を駆け抜けた。 -------- 宝物庫には学院中の教師が集まり、その惨状に口をあんぐりと開けた。 まず驚いたのは、トリステイン魔法学院の誇る宝物庫の扉が、 粉々に吹っ飛んで、瓦礫の山になっていたことだ。 中はもっとひどかった。 高価な美術品や秘薬や財宝が、メチャクチャにされている。 一体どれだけの被害になるのか、見当もつかない。 壁には、『土くれ』のフーケの犯行声明が刻まれている。 『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』 もうひとつ、教師たちの目を引いた物がある。 本棚の後ろにある、隠し部屋のことだった。 今まで、目録を作るために宝物庫に入ったことのある教師は大勢いるが、 こんな部屋があるとは誰も聞いたことがなかった。 しかし、その隠し部屋も、メチャクチャに破壊されている。 教師たちは口々に好き勝手なことを喚いていた。 「土くれのフーケ! 貴族たちの財宝を荒らしまくっているという盗賊か! 魔法学院にまで手を出しおって! 随分とナメられたものじゃないか!」 「衛兵は何をやっていた!?」 「衛兵などあてにならん! 所詮は平民だ! それより、当直の貴族は誰だったんだね!?」 ミセス・シュヴルーズは震え上がった。 昨晩の当直は、彼女であった。 まさか、魔法学院を襲う盗賊がいるなどとは夢にも思わずに、 当直をサボり、ぐうぐう自室で寝ていたのだった。 本来なら、夜通し門の詰め所に待機していなければならないのに。 「ミセス・シュヴルーズ! 当直はあなただったのではありませんか!?」 教師の1人が、さっそくミセス・シュヴルーズを追求し始めた。 あの恐ろしいオールド・オスマンが来る前に、責任の所在を明らかにしておこうというのだろう。 ミセスシュヴルーズはしどろもどろで反論した。 「た、確かにそうですが……み、ミスタ・ギトーこそ、 以前の当直をサボっていたではないですか…!」 シュヴルーズの言葉に、ギトーと呼ばれた教師が、顔を真っ赤にした。 「な、何だと…!あの時は、わ、私は、大切な用事があったからで…!」 教師達は次々と責任の擦り付けあいを始めた。 おまえが悪い! あなたの方こそ…! 罵詈雑言が飛び交う五階の階段の影から、その様子に呆れた視線を投げかける人物がいた。 ルイズ・フランソワーズだった。 ピンクの髪がふわりと揺れる。 呆れる一方で、ルイズはほくそ笑んだ。 どうやら、話題になっているのは『土くれ』のフーケという盗賊のようだった。 ルイズもウワサだけは聞いたことがあった。 そのフーケが、宝物庫を破った犯人ということになっているらしい。 つまり、フーケが忍び込んでくれたお陰で、全てはフーケの罪になるということだ。 宝物庫を破ったのはフーケ。 宝を奪ったのもフーケだ。 ルイズは、会ったこともない盗賊に、取り敢えずの感謝を捧げた。 しかし…………ルイズの表情に影が差す。 このままフーケが逃走してくれれば、それはそれでいい。 オールド・オスマンの立場が悪くなるだけだ。 そんなことはルイズは知ったこっちゃない。 だが、問題はそのオールド・オスマンの…学院側の動きだ。 ルイズは考える。 他の財宝はさておき、フーケがはっきりと犯行声明を出した『破壊の杖』だけは、 貴族としての誇りをかけて全力で取り戻そうとするに違いない。 王室には内密にメイジを派遣して、フーケを捕獲しようとするだろう。 フーケさえ捕らえれば、とりあえずは貴族としての体裁は保たれる。 この惨状は…どうとでもだまくらかせる。 教師の一人二人位は、そのためのスケープゴートにされるだろうが…。 あの老獪なオールド・オスマンなら、眉一つ動かさずにやってのけるだろう。 そして、もし、フーケが学園側に捕獲されてしまった場合、紛失した宝のありかを聞き出すために、オスマンはフーケを拷問するだろう。 ---ルイズは親指の爪をギリリと噛んだ。 いくら百戦錬磨のフーケとはいえ、『あの』オールド・オスマンの拷問に耐えられるとは、とてもじゃあないが思えない。 直ぐにゲロするだろう。 そうなるとまずい。 宝を盗んだのがフーケではないとバレてしまう。直に疑いの目は内部に向けられ、自分に捜査の手が伸びてくる可能性がでてくる。 別に、疑われたとしても、ルイズにはシラをきり通すだけの自信があった。 が、この場合それではダメだ。 少しでも疑われるのは避けねばならない。 相手はあのオールド・オスマンだ。 あくまでも100%全てフーケの仕業ということにしなければ…。 そのためには、何とか学院側の先回りをして、『破壊の杖』を奪還して、フーケを始末し、口を封じる必要がある。 『破壊の杖』さえ戻れば、学院側は最低限満足してくれる。 『破壊の杖』の奪還はすなわち、フーケ撃退の証でもあるからだ。 しかし、始末しようにも、 フーケが今どこにいるのか、ルイズにはわからない。 どうするべきか…? 思案を続けていると、誰かが慌てた足取りで近づいてくる音がした。 2人分の足音だ。 さっと身を隠すルイズ。 オールド・オスマンと、コルベールだ。 2人はバタバタと慌てた足取りで宝物庫に入る。 教師は全員、宝物庫に入ったようだ。 ルイズはそう思うと、階段の影から、破壊された宝物庫の扉の影へと身を移した。 瓦礫が上手いことルイズの体を隠した。 ルイズは身を隠しながら、中の様子を伺った。 見ると、オールド・オスマンは『破壊の杖』があった一角には目もくれず、 一直線に本棚の奥の隠し部屋へと向かっていた。 怪訝な表情を浮かべるルイズだったが、隠し部屋の中は暗く、よくわからない。 ルイズは暫く様子を見ることにした。 ---------- オールド・オスマンは、宝物庫に駆けつけると、『破壊の杖』が盗まれた現場になど目もくれず、本棚の裏の隠し部屋へ足を運んだ。 油断のない足取りで、奥へと進む。 不気味なほど静かだ。 隠し部屋への通路は、コルク栓を抜いたように、円形に抉られている。 オスマンの脳裏に、忌むべき過去が蘇る。 威力こそ劣るものの、間違いなく、奴の仕業だった。 部屋の中央に到達すると、オスマンは信じられない物を見た。 百余年前、自分が持てる技術を結集した結界が、破られていたのだ。 ルーンの輝きが失われている。 鎖が千切れ、封印していたはずの本が、 床に転がっている。 オスマンの頬に冷や汗が垂れる。 弾かれたように杖を構えるオスマン。 一歩一歩、時間をかけて本に近づく。 ---本がひとりでにガタガタと震えだした。 その瞬間、オスマンの杖が電光石火で振られ、杖からまばゆい光が放たれ、本に直撃した。 強烈な光に包まれ、本の動きがピタリと止まった。 オスマンは安堵のため息をついた。 これで当座はしのげるだろう。 本を拾い上げて、オスマンはそれを台座に戻した。 だが……と、オスマンは疑問に思う。 『土くれ』のフーケの話は、オスマンも知っていた。 ウワサによれば、フーケは『トライアングル』クラスのメイジらしい。 しかし、これはどうみても『トライアングル』クラスのメイジの手には余る所業だった。 『スクウェア』クラスのメイジ数人がかりの『固定化』を打ち破り、あまつさえこの封印をも破るとは。 実力を見誤っていたか? そこまで強力なメイジだとは聞いたこともないが…。 いっそ人ではなく、物の怪の類の仕業と考えた方が楽だ。 化け物………オスマンには、1人だけ、心当たりがあった。 確証が持てなかったが、一人の人物の顔が脳裏に浮かぶ。 これは…………もしや…。 ---------- しばらくして、オールドオスマンが隠し部屋から出てくると、教師達は口々にオスマンに自らに責任がないことをがなり立てた。 オスマンはしばらく黙っていたが、自らの保身しか考えていない教師達に苛立ち、杖で床をドンと叩いた。 「…静まれぃ!」 オスマンの低い一喝で、教師達はシンとなった。 誰かがゴクリと唾を飲み込んだ。 「貴様らの中で、まともに当直をしたことのあるヤツが、何人おる?」 静かなオスマンの問いには、しかし、誰も答えられなかった。 「さて、これが現実じゃ。 責任があるとするなら、我々全員じゃ。 この中の誰もが……、もちろんワシを含めてじゃが…、 まさかこの魔法学院が賊に襲われるなど、夢にも思っていなかった。 何せ、ここにいるのは、ほとんどがメイジじゃからな。 誰が好き好んで、虎穴に入るものかと思っておったが、間違いじゃった」 オスマンは、宝物庫の扉にあいた穴を見つめた。 「このとおり、賊は大胆にも忍び込み、『破壊の杖』以下、財宝十数点を奪っていきおった。 つまり、我々は油断していたのじゃ。 責任があるとするなら、改めていうが、我ら全員にあるといわねばなるまい」 オスマンの、杖を持つ手がブルブルと怒りで震えていた。 皆、俯いたまま一言も喋らない。 「……目撃者はおらんのか?」 オスマンの問いに、コルベールが答えた。 「ざ、残念ながら、深夜の突然の出来事だったようで……」 「ふむ……後を追おうにも、手がかりナシというわけか…」 オスマンはヒゲを撫でた。 それからオスマンは、気づいたように再びコルベールに尋ねた。 「ときに、ミス・ロングビルはどうしたね?」 「それが、その…、昨夜から姿が見えませんで」 「この非常時に、どこに行ったんじゃ」 「さ、さぁ…」 そんな風に噂をしていると、宝物庫に1人の人間がフラフラと入ってきた。 服はボロボロで、ほとんど半裸だ。 全身傷だらけで、酷い火傷も負っている。 呼吸は荒く、右手で左腕を痛そうに押さえて、 右足をズルズルと引きずっている。 歩いた後には、血の後が点々と続いていた。 出血も激しそうだ。 誰がどうみても重傷だ。 ミス・ロングビルだった。 「……オ、オールド・オスマン…」 ミス・ロングビルは、オスマンの前までやっとの思いでたどり着くと、 そこで力尽きたのか、バタリと倒れて、意識を失った。 宝物庫内は騒然となった。 to be continued…… 35へ
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「僕は、結婚式をあげたあと、僕達はグリフォンに乗って帰る。君たちは『イーグル』に乗って帰ってくれ、といったと思うんだが…」 ワルドは絶句する。 「あら、ルイズの結婚なんて格好のネタ逃せないわよ、攻めてくるのは正午なんでしょう? いざとなったらタバサのシルフィードで無理やり逃げるわよ」 タバサは頷く。 「わざわざ危険を押して来たってのに空手で帰るわけにはいきませんからね、ここの勇敢なアルビオン兵士さんたちは六文銭さえあればよいみたいですからね、武器を売る相手ならここほど羽振りのいい相手が見つかる場所は滅多にありませんからね。 最悪、貴族派数人買収しても儲けがでそうですからな…ええ、それは20エキューです…」 ダービーは王党派の兵士たちに武器を売りさばいている。 「なあに、これでも歴戦の船員らさ、火砲飛び交う戦場を強行突破なんてなんどもやってきてらあ、なあ、野郎ども!」 船長の言葉に船員が片手をあげ肯定する。 「非戦闘員の乗ったあの船は人が多すぎるんでな、狭くてかなわん。 無事着港できたのに数人消えていたなどシャレにならなそうだからな」 ワムウはけろりと言う。 「みんながそういうなら残るしかないじゃないか、男として」 ギーシュが呟く。 「やれやれ、僕たちの臣下も馬鹿者だと思っていたけれど、どうやらこんなときにこんなところにいらっしゃった客人たちも利口じゃないね」 ウェールズ皇太子がシャチと共に入ってくる。 「では、ついてきたまえ。結婚式を執り行う」 皇太子は背を向け、歩こうとするが、振り向く。 「そうそう、君たちも出席するのかね?君たちの船は接収したと言ったはずだが… そうそう、今は警備がたまたまいなかったんだな…これは独り言だ。 どちらにせよ、逃げるならそろそろ脱出しておいたほうが吉だと思う」 船長はその言葉を受け、畏まる。 「えー…お前ら…少し重要な話がある。今皇太子様がおっしゃった通り、こんなとこ逃げた方がいい。 だが、俺は残らせてもらう。どこで育て方を間違ったのか、この馬鹿息子はな、親の願いも聞きゃしねえ。まあ、育て方を間違ったのは俺の責任だしな、息子の晴れ姿を見るために残らせてもらう。 あの船なら俺一人いなくても動かせるだろう。ほら、とっとと行きやがれ」 しかし、船員は動かない。 「ぷっ…あはははははは!」 船員は笑い出す。 「何がおかしい!笑ってる暇は無いぞ!これは船長命令だ、とっとと逃げやがれ!」 「おい、ウッド。俺らの船の甲板下に隠してある武器と火薬、片っ端から持ってきやがれ」 「はい、わかりました!機関長どの!」 「何言ってんだバカどもッ!こんなことに付き合うんじゃねえ!」 「何言ってんです船長、この船はあんたの独断専行で動いてきたんだ。あなたなしじゃエンジン1つ動かせないんですよ」 「いつも道り堂々と立って、俺らをコキ使ってください、このままだと俺ら、仕事の邪魔ですから」 「この馬鹿どもめ!俺の息子といい、こいつらといい…だから水兵なんてのは嫌なんだ…クソッ…」 船長は涙ぐんでいた。 皇太子は咳をする。 「ミス・ルイズ、ミスタ・ワルド、彼らの参加は構わないね?」 ルイズは頷く。 「わかった。ではついてきたまえ」 案内された教会は静かで、窓から差し込んだ日光で空気が透き通った水晶のように見える。 教会の席には多くの船員と数人の貴族と一人の大男が座っており、正面の台上には媒酌を務めるウェールズと護衛のシャチが戦時下で出来る限りの正装をして立っている。 教会の扉が開かれ、黒いマントのルイズと、いつもの魔法衛士隊の制服のワルドが手をつないで入ってくる。 こころなしかルイズは人生の晴れ舞台だというのに重々しい表情に見える。 ワルドが歩くのを促し、ルイズは歩を進め、台の上へと昇る。 新婦の冠を頭に乗せられ、黒いマントをワルドに外され、純白のマントを纏わせられる。 「では、式を始める」 皇太子が重々しい声を発する。 「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして妻とすることを誓うかね」 「誓います」 ワルドは頷きながら言う。 「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 汝は、始祖ブリミルの名においてこの者を敬い、愛し、そして夫とすることを誓うかね」 しかしルイズは答えない。 この国の悲しみ。この国に残る兵士の悲しみ。おそらく死ぬとわかっていてそれでも残る船員たちの悲しみ。 残されたものの悲しみ。この悲しみに包まれた荒城で、私はなにをやっているのだろう。 私はどうすればいいのだろう。なぜ彼らはこれほどまでに悲しいのだろう。問う相手もいない。答える相手もいない。 天窓の向こうに見える、あのぼんやりとかすんでいる二つの月、荒城の月にルイズは問い掛けたかった。 「新婦?」 ウェールズがルイズを見る。 声に気づいたルイズはハッと顔を上げる。 「緊張しているのかい?仕方が無い、初めてのことはなんであれ緊張するものだからね」 皇太子はニコリと笑う。 「これは儀礼にすぎんが、儀礼とはそれをするだけの意味がある。では繰り返そう、汝は、始祖ブリミルの名においてこの者を敬い、愛し、そして夫とすることを誓うかね」 ルイズは一拍置いた後、深呼吸し、首を振る。 「お二方には大変失礼をいたすことになりますが、私はこの結婚を望みません」 ワルドの顔が赤くなる。 ウェールズは微笑し、花婿になり損ねた男に告げる。 「子爵、誠にお気の毒だが、花嫁が望まぬ式をこれ以上続けるわけにはいかぬ」 しかし、ワルドは返事もせずルイズの手を取る。 「緊張しているんだ…そうなんだ、そうだろうルイズ…きみが、僕との結婚を拒むはずが無い」 ワルドはルイズの肩をつかむ。 「世界だルイズ。僕達は世界を手に入れるんだ!君は僕にとって必要なんだ! 君の能力が!君の力が!」 ワルドの雰囲気が変わる。その剣幕にルイズが一歩引く。 「私、世界なんていらないわ」 「違う、ルイズ、君に言っただろう。君は始祖ブリミルにも劣らぬ優秀なメイジに成長するだろう! 君はそれに気づいていないだけだ!その才能に!その力に!その強大な、力に! トリステイン、アルビオン、ガリア、ゲルマニア、ロマリア…このハルケギニア全てを火の海に変えることも、支配することも可能な力に!聖地の異端の化け物どもを独り残らず潰し、聖地を我らの手に取り戻すことのできる力が君にはあるんだ!僕には君が必要なんだ!ルイズ!わからないのか!」 ウェールズがルイズとの間に割り込む。 「子爵、君は振られたのだ。いさぎよく引き…」 「ウェールズッ!おまえごとき薄っぺらな藁の城の皇太子が深遠なる目的のわたしとルイズの砦に踏み込んで来るんじゃあないッ!」 ワルドはウェールズの手を強く跳ね除け、ルイズに向き直る。 「ルイズ、どうしても僕と一緒に来てくれないのか?」 ルイズはきっとワルドの目を見る。 「そんな結婚、死んでも嫌よ!あなたが熱烈なラブコールを送っているのは私じゃなくて、ありもしない私の魔法の才能よ!そんな理由で結婚しようだなんて、こんな侮辱はないわ!」 引き離そうとするウェールズをワルドは突き飛ばす。 突き飛ばされたウェールズは杖を抜き、叫ぶ。 「なんたる無礼!子爵、今すぐラ・ヴァリエール嬢から手を離したまえ!さもなくば、我が魔法の刃が君を切り裂くぞ!」 「やってみろッ!この権力の奴隷がッ!貴様の城はもう藁の家だ! 貴族派『レコン・キスタ』中隊隊長ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドが貴様の藁の鎧を吹き飛ばしてやるッ!」 ワルドも杖を抜く。 一瞬であった。 一瞬の間にいたはずのワルドは掻き消え、護衛のシャチがかばう暇も無いまま、背後からエア・カッターを放っていた。 ウェールズの胴体から血が吹き出す。 シャチが叫ぶ。 「貴様ァッ!それは遍在か!」 ワムウが飛び込みルイズを遮蔽物の後ろに引きずり込む。 引っ張られながらルイズがワルドに向かって叫ぶ。 「ワルド!あんたよくもッ!どうして!」 ワルドは頬の横をゆがめて笑う。 「我々は国境を越えてつながった貴族の連盟だ。ハルケギニアを統一し、聖地の異端の化け物どもを残さず駆逐し、そして聖地を奪還する。その第一歩として君と、ウェールズの命と、その手紙を手に入れたかったのさ。 君はもう大人しく諦めよう、だが手紙は頂かせてもらおうかッ!」 ルイズは杖を構える。 「あなたは昔はそんな人じゃなかったわ!なにがあなたを変えたの!?」 「時間ほど影響を及ぼすものは無い。君がこの腐敗した王党派につくというのなら、 腐りきった貴族たちと一緒に死にたいというなら!いいだろう、ボロ雑巾のようにひねり潰してやる!」 扉から兵士が飛び込んでくる。 「ウェールズ皇太子様ッ!貴族派が正午という時間をやぶり、総攻撃を開始しました!非戦闘員の乗った『イーグル』号は撃破され爆破し、まもなく正門が…ウェールズ様ッ!?」 ワルドは杖を一振りすると、その男の背中が裂け、倒れる。 シャチが憎憎しげに見つめる。 「貴様ら…約束も守らぬ、一片の誇りさえないとは…猫ですらない、泥にまみれた狐であったか!」 「なんとでもいえ、死ねば生ゴミ、死ねば虫ケラ以下だ。敵との約束を無条件に信じるなど鼠でもしまい。 では、大人しく貴様は獲物になってもらおうか、なあに墓は立ててやる。鼠用のな」 ワルドは杖をシャチに一振りする。 そこに、誰かが飛び込んでくる。 「親父ッ!」 目の前で血まみれで倒れる赤鯱に息子は声をかける。 「へッ…バカどもばかりかと思ったけどよ…俺が一番バカだったな… まったく、親に晴れ姿も見せないまま逝かせるなんて、親不孝者…め…」 今にもワルドへ飛び込んでいきそうなシャチをワムウが制する。 「行け、あいつなど俺一人で充分だ。皇太子は死に、国王は危篤。実質指揮するのはお前の役目だろう」 船員たちがシャチに話し掛ける。 「俺らはどうすればいいんですかい、新船長?」 シャチは、目をぬぐう。 「全力で正門の防衛に当たる。行くぞ、野郎ども!」 「合点承知!」 船員たちが出て行き、ワムウはワルドを見たまま後ろの一行に話し掛ける。 「お前らも行ってやれ、こいつは俺が始末してやる。こいつに『ボロ雑巾のようにひねりつぶす』ということがどういうことか教えてやる」 「嫌よ」 ルイズが即答する。 「だって、あんたは私のの使い魔だもん」 ワムウは鼻を鳴らす。 「じゃ、わたしも前線で商売に励まさせていただきましょう。その前に…」 ダービーはある商品をワムウに渡す。 「あなたなら片手でこれを使えるでしょう、料金は後払いで構いませんよ、では」 キュルケやギーシュたちも一緒に出て行く。 「では、人間ごときに、『風』の使い方と『ボロ雑巾のようにひねりつぶす』方法を教えてやるとするか。 ルイズ、デルフリンガー、そして…スレッジハンマーよ」 To be continued.
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autolink MB/S10-102 カード名:使い魔 レン カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:1 コスト:1 トリガー:0 パワー:6000 ソウル:1 特徴:《使い魔》?・《動物》? 【自】このカードが手札から舞台に置かれた時、そのターン中、このカードのソウルを+1。 ……危ないのは、志貴の方 レアリティ:TD illust. ▼修正内容 サイン箔を本来のデザインに修正致しました。 ▼修正理由 サイン箔の一部が本体の位置からずれていたため、修正致しました。 ▼カード交換に関して 交換対応を実施させていただきます。 ■このエラッタカードに関しては、ゲーム進行上重度の問題が発生するため、 交換対応を実施させていただきます。 10/10/18 今日のカード。運がよいとサイン入り。 登場したターンに限りソウルが2となるアタッカー。 トリガーなしの代価として得たパワー1000がまるまるなくなっているが、序盤から高ソウルで攻めることができる「これぞ黄」と言わんばかりのキャラ。 特徴も、ゼロの使い魔やなのはシリーズにシナジーの多い《使い魔》?、全般的にサポートの多い《動物》?と便利な2つ。 《動物》?デッキやソウルビート、フェイトデッキに入れてみても面白いかもしれない。
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なんでキーカードがカマプとアラケス?使えるのはわかるが あとアラケスはR -- (名無しさん) 2011-08-20 10 49 17 リディアは4速、他にもいろいろ間違いあり。ないほうがよくないかコレ -- (名無しさん) 2011-08-20 22 59 10 2.6までのをとりあえずコピってきて、今はまだ編集中なのかと思ってたけど、これで完成っていうんなら俺も無い方がいいと思う。 【】ウィッチや降魔についてもふれられていないし…。もう少しテンプレ的なデッキが世間的に固まってきてからの方が良いんじゃないかな。 -- (名無しさん) 2011-08-20 23 27 53 一通りRE 2仕様に変更しました 降魔についてはデッキとの相性があるので記載してません デッキサンプルは今後の流行りに応じて各自追加してください キーカードは低コストで採用率が高いものを入れました 問題があれば直接編集してください -- (名無しさん) 2011-08-21 00 42 39 話は変わるが25コスト闇4速単攻って人生獣にいないね アルティメットバージョンのPVみるかぎりヴァルキリープロファイル勢はゲストと扱いではなく復活勢扱い 復活勢が1作だけ? なにがいいたいかというとDOD復活でカイムが来そう -- (名無しさん) 2011-08-27 19 33 51 ↑ケンタウロスがそのままのスペックで復活してくれれば・・・。 溜まりの遅さをカバー出来れば今でもギリギリ使えそうではあるが -- (名無しさん) 2011-08-27 22 34 37 ホワイトマンティスのWレジストがFSとして書かれています。 -- (名無しさん) 2011-09-03 03 31 30 wiki議論のページにデッキページについての議題を提起しました。よろしければ議論にご参加ください。 -- (名無しさん) 2011-09-03 23 36 59 AAEVの剥奪されたSSがWリジェネになってる。 W複スマの間違いなので修正できる方お願いします。 -- (名無しさん) 2011-09-11 12 55 31 人獣単スマデッキ ジン、カイム、ノエル、ドンキホーテ、オセロメー、背徳の騎士、主光レイピアor剣 こっちの使い魔はほとんどダメージ特殊なためオセロメーを気楽に使っていける。(ドンキホーテとオセロメーが同時に出撃しなければ) カイム、ジンからの一方的な特殊ラッシュで一気に畳み掛けて1乙を狙う。 背徳呼んでからのプレッシャーは相当なもの。 -- (名無しさん) 2012-02-16 22 11 22 ↑ 失礼。ノエルは青の継承者の方ね。 -- (名無しさん) 2012-02-16 22 12 52 ラース使ってみたら中々良かったのでデッキ晒してみる Apt:カマプネフィリムタイラント Bpt:ラース半蔵【】ゾネス 降魔は麒麟 開幕はハッピーセット擬きで一乙または突破 帰還後は右からシールド狙い、無理ならマウント取って殴り合う感じ 攻撃号令が麒麟しかいないからゾネスをワーウルフにしてもいいかもしれん 麒麟を呼べれば赤は速度とシールドを補え青は問答無用で溶かせる 人獣のテンプレはシールド持ちが少ないから同種戦でも制圧有利が取り易いのが強み -- (名無しさん) 2012-09-26 16 53 24 メインデッキページに移していったら、デッキサンプルが無くなった…。 -- (名無しさん) 2012-12-27 22 28 00
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「下着のようなデリケートなモノは私に任せてください。慣れてないと生地を傷めます」 「あぁ、ぜひお願いするよ」 水場で肩を並べて洗濯しているのは、シエスタと露伴だ。 昨夜ルイズに洗濯しておくように言われたシャツ、スカート、下着に合わせ、ベッドに掛けられていたシーツも。 衣類三つはシエスタに任せ、露伴は一際大きいタライにシーツをひたし、裸足になって踏むように洗っている。 今朝はルイズの絶叫にて起こされた。それと同時に静の泣き声の協奏曲だった。 どうと言うことはない、ただ単純に静がおねしょしただけの事だ。 生後一年に満たない赤ん坊だ、おねしょして当然だろう。 しかし、突然生暖かいモノに襲われたルイズの驚きようは尋常じゃなかった。 塔全体に響き渡りそうな絶叫だったが、不思議と聞きとがめて覗きに来るようなモノはいなかった、何らかの魔法を使っているのだろうか。 とりあえず静を裸にして、汚物にまみれた服とシーツと、ルイズの服もまとめて洗濯している。 シエスタには洗い場を探しているときに遭遇したのだ、お約束である。 とりあえず汚れの酷い静の服と、シーツを重点的に洗う。 赤ん坊の排泄物はさほど匂わないと聞いていたのだが、離乳の始まる生後半年頃にもなるとすっぱい匂いを確認した。 コレで赤ん坊を書くときよりリアルな描写が出来るぞ、と思いつつ露伴は踏み洗いを続行する。 「そう言えばロハンさん。シズカちゃんはロハンさんの……?」 「ん? あっはっは。何を言ってるんだ、ぼくはまだ二十歳だぞ。それに人付き合いという煩わしいモノより大切なモノがあるからね」 静は知人からの借りものさ。言ってなかったっけ? と露伴が言う。 「え……ですが、十代で結婚は普通だと思うんですが……」 「そうなのかい。なるほど、それは勉強になった」 この間、露伴はシエスタの顔を一度も見ていない。 顔を見ようとしない露伴にシエスタは怪訝そうな顔をするが。 「あの、ロハンさん。ロハンさんってどんなところに住んでたんですか? ミス・ヴァリエールへの対応が平民とかけ離れてるように思えて……」 「杜王町という町だ。特に都会というわけではないが自然が一杯で静かで、仕事がやりやすい、良いところだよ」 露伴の言葉『自然が一杯』と言うフレーズでシエスタは己の故郷、タルブの村を思い起こす。 「お仕事、されてたんですか。どう言った?」 「ぼくの生業は作家だよ」 「作家さんですか……どう言った物を書いていたんですか?」 「タイトルは『ピンクダークの少年』という。最近はちょっと事情があって休載していたがね。そろそろ再開しないと。ははは……」 聞いたことのないタイトルにシエスタは首をひねるが、『イーヴァルディの勇者』みたいなモノだろうかと想像する。 活版印刷のないこの世界で、出版物としての物語でポピュラーなのは『イーヴァルディの勇者』という叙事詩である。 シエスタも幼い頃、母に読んでもらったことは覚えている。 「ここでの経験は素晴らしいよ!! 今こうしているだけでも創作意欲がわいてくる。しかし道具がないのが悔やまれるな……どうにかして調達しないと」 踏み洗いしながら露伴は呟く。 「コレからいったい何が起こるのかぼくには全く予想が付かない……… まぁ、あちらに残してしまった事をそのままにしておく訳にもいかないから、帰らなくちゃ行けないんだけどね……」 そう言って沈黙した露伴に、シエスタは何か言おうとして口を噤んだ。 自分では理解できない思いで露伴が悩んでいることを察したからである。 「きっと………帰れますよ」 「……あぁ、赤ん坊のためにも、見つけ出さないとな」 丁度、汚れがキレイに落ちた。 汚れは落ちたと言ってもまだ濡れている。 日干しをシエスタに任せて露伴は急ぎ足で部屋へと戻る。 途中何人かの生徒と擦れ違い、その度に指差されて笑われたが、露伴はそれらを全て無視した。 ノックもせずドアをガチャリと。 「ん? 鍵締めてなかったのか」 そう呟いて内開きの扉を押して開く。 するとそこには、部屋の真ん中で困惑した様子で静を抱くルイズの姿があった。 「ちょっとロハン遅いわよ。はい」 そう言ってルイズは静を定位置へ、露伴の腕へと帰す。 一着しかない服は洗濯しているため、その代わりにタオルケットでくるまれている。 「もう、この子、人の胸ばっかまさぐってくるのよ」 「お腹がすいたんだろうな。吸わせてやれば良かったじゃないか、良い経験になる」 「っ…………」 落ち着け、落ち着け~、とルイズは自制する。 こいつの性格はまだ一日しかたってないがすこし把握した。 こいつは『全て良い経験』で片付けてしまう節がある。 下心も何もあったもんじゃないと言うことを把握した。ニヤニヤ笑っていれば冗談で言っているのがわかるが、真顔で言うのだから抗議のしようがない。 「吸わせてやってもいい気になったら言ってくれ。ぜひその場をスケッチさせてもらいたい」 前言撤回、こいつはどうにか自重させなければ……。 「ところでもう着替えたのか」 露伴の言葉に、ルイズは呆れたような口調で応える。 「だって仕方ないじゃない。シズカのおねしょで服汚れちゃったし。汚れたままあんた待つってのもおかしいし」 「そうか、てっきり着替えさせろとでも言うかと思ったのだがね」 「させようと思ったわよ。でも汚れたまま待つのもイヤだし。服脱いで全裸で待つのもイヤだし」 「ぼくとしてはぜひさせてもらいたかったというのも少しあるかな。人の服の着脱をしてやるというのも良い経験になる。もちろん君の頃の女子の肌がどんな感触かも確かめさせてもらうがね」 露伴がそう言った途端、ルイズは紅潮し両手で肩を抱くようにして引いた。 「………どうした、使い魔に裸を見られてもどうって事無いんじゃなかったのか? それに恥ずかしがるような体型でもないだろう」 「ぁ、あんたの言い方がいちいち卑猥なのよ! なんであえてそんな言い方するのよ! 一言おおいのよあんたはっ!」 「違うな。卑猥なのはぼくじゃない、それを卑猥だと感じる君の方が卑猥なんだ」 「な…………なんで私がっ!!!」 「ぼくは常に知識を増やそうと努力している。その為ならばたとえどんなことだろうと甘んじて受け入れる『覚悟』をしている。そしてその知識には卑猥とか卑猥でないと言った区別は『ない』のだ。判断してるのはルイズ君だ」 「………なんかあんたと話してると頭いたくなってくるわ……良いわよもう、好きにしなさい」 そうさせてもらうよ、と露伴は応え。部屋を出るルイズの追従する。 それと同時に、隣の部屋のドアが開いた。 こいつは、確かキュルケと言ったか。 ヴァリエールの領地の隣、ゲルマニアのツェルプストーの一人娘。 確か歳は十八、ルイズの記憶によると男遊びが過ぎてゲルマニアにいられなくなってトリステインに来るようになった、とか書かれていたな。 しかしそれはあくまでルイズの記憶、ルイズの感想でしかないからあまり参考にはならんな。 後でこいつも直接読むか……。 なんて、露伴が考えていることを想像だにせず、等の二人は廊下のど真ん中でぎゃあぎゃあと叫いていた。 厳密に言えば、叫いているのはルイズだけで、キュルケはそれをさらりと流しているだけだったが。 「やっぱり使い魔はこうじゃなくっちゃね~。フレイム」 そう言ってキュルケの部屋からのそのそと出てきたのは真っ赤な何かだった。 「むっ、しっぽに炎があるデザインなのか。トカゲのようだが鱗は……なるほど、ずいぶん細かいな。体長は190ほどか。足はさすがに短いな」 フレイムが出てきた途端、露伴は飛びついてなで回し始めた。 もちろん、その腕のシズカはキュルケに押しつけた。 突然なで回されてフレイムは当惑しているようだったが。キュルケはそんな露伴の行為に満足そうに笑みを浮かべた。 「火竜山脈のサラマンダーよ。タバサのシルフィードには劣るけど、それでも一級品の使い魔よ。その辺の好事家に見せたら値段なんてつかないわよぉ~」 「ふん、あんた『火』属性だしね。そりゃよかったわね」 「えぇ、微熱のキュルケですもの、でもそれで男の子とはイチコロ、あなたと違ってね」 そう言ってキュルケが胸を張ると、豊かなバストがぷるんと震える。 負けじとルイズが胸を張るが、戦力不足は否めない、見ている露伴が惨めな物を見る目つきになっている。 「わ、わたしはこれからなんだもん! コレから大きくなるもん!」 「十六でそれでは絶望的だがな……」 ぽろりと零した言葉に、ルイズは殺気を込めて露伴を睨んだ。 「あなた、名前は?」 ルイズとのコミュニケーションをほどほどに切り上げて、次にキュルケは露伴に話しかける。 「岸辺 露伴」 「キシベロハン? 変わった名前ね」 「ロハンが名前だ」 顔を上げることなく露伴は未だにフレイムのしっぽをなで回してる。 時たま「あちっち」としっぽの炎に触れてる。 満足したのか、露伴はすっくと立ち上がり、キュルケから静を受け取る。 「可愛いわね。あなたの子?」 「違うわよっ! あんたわかってて言ってるでしょ!」 「当然じゃない。子供どころかあんたには付き合ってる男の子すらもいないものね。じゃあお先に失礼」 ほーっほっほと笑いながらキュルケが去ると、フレイムも図体の割に可愛い足取りでちょこちょこと付いていった。 「きぃーーーーーっ、悔しい、何よ自分が火竜山脈のサラマンダー召喚したからって調子に乗って!」 「良いじゃないか、別に何を召喚しても」 「良くないわよ! メイジの実力を見るには使い魔を見ろって言われるくらいなのよ!? それなのになんであのバカ女がサラマンダーで私が平民なのよ!」 相当悔しいらしい、露伴から見ても哀れに思うくらいだから相当なモノだ。 「キュルケはフレイム一匹でお前はぼくら二人じゃないか、その時点で大当たりじゃないのか」 「平民なんて物の数じゃないわよ! いぬと狼くらいの違いがあるわよ! あぁもう、せめてなにか自慢できるようなことがあればいいのに、もうっ」 発狂寸前である、露伴が『お前』と呼んだ事にも気付かないほどだった。 何を血迷ったのか。 露伴はそう悔しがるルイズに、言ってしまったのだ。 「君がそう思うならその内見せてやるよ、ぼくのチカラを」 「……ねぇ露伴今なんて?」 「赤ん坊がお腹を空かせている、早く厨房に行こうじゃないか。ぼくもお腹がすいた」 「ねぇ露伴今なんて言ったの? ひょっとして何か特技でもあるの?ねぇ今確かに言ったわよね? 今すぐ見せてみなさいよ。あ、ひょっとして昨日『見えない』とかなんか言ったことが関係あるの? ロハン! ご主人様の命令が聞けないの!? ちょっとっ」 つい言ってしまった事をほんの少し後悔しながら露伴は歩く。 その後ろを、瞳をまるで子供のような好奇心一杯で輝かせるルイズを、力の限り無視しながら。 こんな生意気なガキは嫌いなはずなのに。
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(しかし何か妙ですぞ…) コルベールは一人思考を巡らせていた。 (先程サラマンダーの炎を浴びた時、影は炎と反対側に出来るはずなのに実際出来た影は私から見て反対の方向!今もその方向にある!これは一体どういう事だ…?) 惜しいかな。コルベールはボスほど勘が働かず、後一歩のところで考えが及ばなかった。 (一先ず時間をとるべきか…!) 「ミス・タバサ、ミス・ツェルプストー!再びあやつの足止めを!」 「え!?あ、はい!フレイム!」 「お願い」 主人から命令を受けた二匹は再び足止めをしだした。 「皆さん、あやつの影を見るのです。」 コルベールが影を指差した。 「影がどうしたのですか?」 「シルフィードが吐く炎と反対に出来るはずなのに、私たちから見て反対にある事に気付かないのですか!?」 コルベールは熱弁を奮うが、四人の態度は「それがどーした?」というものだった。 「そんなしょうもない事より倒す方法を考えましょうよ。」 「ツェルプストーの言う通りです、ミスタ・コルベール。」 「…(コク)」 「だから禿げるんですよ。」 一瞬『爆炎』で全員窒息死させてやろうかと考えたが、さすがに思い止まった。 「な、何かヒントになるかと思ったのですが…」 「倒すにはあの矢をどうにかして取り上げればいいみたいです。」 今更何を言わせるんだこの禿は、という態度でルイズが言った。 「しかしですな、その事が矢を取り上げる事に繋がりませんかな?」 コルベールが食い下がる。 「そんなわけが」…ぁごぁあぁ…「ないでしょう。ん?僕の顔に何か付いているのかい?」 その場にいた全員がマリコルヌの顔を穴が空くほど見つめていた。 「ま、マリコルヌ…な、なな何よそれ……!!」 ルイズは震えながらマリコルヌの顔を指差した。タバサも表情こそ変わってなかったが、足がガタガタ震えていた。 「な、なんなんだよ!」…ぉげぁあぁ…「僕の顔に何か付いてるならそういってくれよ!」 ザッザッとマリコルヌはルイズに近寄ろうとした。 「こ、来ないでぇぇっ!!」 ルイズが無我夢中で杖を振り、マリコルヌの顔面で爆発が起きる。 「あぎゃっ!」 爆発をもろに喰らい後方へ吹っ飛ばされたマリコルヌはピクピク痙攣した後、やがて動かなくなった。 「や、やったの…?」 「分からない…気絶したみたいだけど…」 …ぁごぉおぉ… 「「「ひっ…!?」」」 マリコルヌの顔の中から現れた『それ』は地獄で苦しみ続ける亡者のような声でまだ泣き続けていた。 「ほ、本当になんなのよ!何が起こってるの!?魂と身体が入れ代わったり、ギーシュが殺されたり…!今度はマリコルヌから変なのが出てきたり…!」 キュルケがパニクって叫び出した。それを聞いたルイズは全ては自分のせいだと思った。自分がサモン・サーヴァントであんな奴を呼び出したばっかりに…! ルイズは駆け出した。 「ちょ、ちょっとルイズ!?いきなり何を!」 「全部私の責任なのよ!私があいつをなんとしてでも止めてみせる!倒してみせる!!」 「無理よ!魔法が効かないどころか、あなた魔法を使えないじゃない!」 「まだ分からないでしょ!」 キュルケはルイズを止めようとしたが、タバサの身体では走り出したルイズに追いつくことは出来なかった。 『そいつ』はフレイムとシルフィードに足止めされていた筈だったが、既に五人から遠く離れた所まで移動していた。 ルイズは追い掛ける途中、マリコルヌ同様、身体のどこかから別の『何か』が蛇が脱皮するように出て来ているというグロテスクな姿で地面を転がるフレイムとシルフィードを目撃していた。 しかし、二匹だけではなかった。空を飛んでいた鳥も、地面を徘徊していた蛇や蛙も、同じ様な姿になっていたのだ。 しかも、最悪な事にルイズの身体にも『それ』は始まった。 バリバリ… …あがぃぃぃ… ルイズの顔と腕から見たこともないものが出てきたのだ。 「あ、あ、あ あ あ あ あ あ」 ルイズはそれを見て声にならない悲鳴をあげた。 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。 ここまで来て全てが虚しく感じた。今更あいつを追い掛けてどうする?倒せるの?希望はあるの?なら何故追い掛ける?もういい、私も楽になろうじゃない… 追い掛けてくる皆の声が後ろから聞こえてくる…。 あまりの虚無感からその場にへたりこんでしまった。このまま奴を倒さなければどうなるのか。分からなかったが、予想は着いた。きっと私は私じゃ、皆は皆じゃ無くなる。 皆きっとそうなる…お父様やお母様も、姉さま達も、キュルケやタバサ達も…そして…私の憧れだったワルドも……『平等』に…… ん…平…等…?…『平等』……私だけじゃなく…皆『平等』に… そうだ。あいつは一切の加減無く『平等』に皆の魂を入れ替えた。何故そのような事が出来る?一人一人の魂を支配しているから?でもどうやって… ルイズは二つの事柄を思い出した。それは『矢』と『影』である。 あいつは矢を守ろうとしている。ならば矢を奪い取るのが倒す方法だと思っていた。 だが、触ったらギーシュの様になってしまうだろう。攻撃も与える事もシルフィードが示したように、出来ない。 それは何故だ?ひょっとしたら矢が本体じゃないのか?あの黒い人影は矢がそれを守る為に生み出した『物』と考えられないか? もしこれが正しいなら、矢を奪うことは間違っている。矢が全てを支配している『方法』があるはずだ。それが倒す方法だ。 そしてそれはコルベールの言っていた『影』じゃないのか? あいつの影は私のいる方と反対にある。何故夕日や炎の光を無視してそんな所にある? 答えは簡単だ。『光』がそっちに差し込んでいるからだ。ならその光を出しているのはどこにある? 答えはコルベールが言っていた事にある。 『私たちから見て反対にある事に気付かないのですか!?』 コルベールにも見えていた。影が自分と反対にあることが。つまり『皆』そうなのだ。『皆』の反対にあいつの影がある。 ならば光源は…! 「あたしの頭の後ろ!」 ルイズが頭の後ろに目掛けて杖を振った。 …だが、不幸な事に、鎮魂歌の本編は進みすぎていて、終曲に向かいつつあった。 「何でよ…何で腕が動かないのよ…」 ルイズの顔から出た何かはその長く太い腕を伸ばし、ルイズの腕を握りしめていた。そのためルイズの腕はそこから動かなくなっていた。 「は、離しなさい!」 ルイズが開いた手でその腕を引きはがそうとした。だが、何かは腕を離そうとせず、それどころか更にもう一本腕を出すとルイズの首を締め付け出した。 「が……はぁ………ッ…!」 普通他人の首を絞めると頸動脈を締め付ける為、気絶するのに一分もかからない。だが、その腕は体勢が悪い為か呼吸器のみを締め付けた。 肺に空気が入らず、ルイズは自らの意識が次第に遠退いていくのを感じた………… その時、ルイズは気持ちのいい、暖かい『風』を感じた。その『風』は黄金に輝いていた。ルイズの魂はそれに乗って空高く浮上していった。 「……ズ!」声が聞こえてくる。 「…イズ!」誰だろうか…目をゆっくりと、光に慣らすようにして開けていった。 「ルイズ!」私はベッドの上にいて、目の前にキュルケとタバサがいた。泣いていた。何でだろう? 「良かった、本当に良かった…」キュルケが抱き着いて来た。いきなりの行動に私の頭は真っ白になった。 「死んだかと思ったのよ…覚えてる?首を絞められて…」思い出した。あの時私は自分から出てきた何かの腕に首を絞められて意識を失ったんだっけ… 「ぎりぎりのところで先生があいつを倒したの。貴女の叫んだのがヒントになってね…」 私はハッとして自分の身体を見た。起伏のない胸板は相変わらずだが、白い手、そして何より長い桃色のブロンドの髪。 「元に…戻ったの…?」「ええ。ただ…」「ただ…?」 話の先は分かっていた。だが、言いたく無かった。 「ギーシュとマリコルヌは戻れなかったの。」 ギーシュはあいつに殺されて、マリコルヌの身体にマリコルヌの魂は戻れなかったから…とキュルケは悲しそうに言った。 ルイズは俯いた。二人が死んだのはあいつのせいじゃない。あいつを喚び出してしまった自分のせいなのだ。私が二人を殺した… 二人の遺族や友人にどう謝ればいいのだろう。何をしても許してもらえるとは思えない。 「貴女のせいじゃない」 タバサが静かに言った。 「…タバサ…」 「貴女はあいつを喚んだけど、誰かが犠牲にならなくては倒せなかった。」 それに倒したのは貴女だから借無し、と付け加えた。ルイズは小さく、ありがとう、と言った。 後で聞いた話だが、私はあの日から二日も目を覚まさなかったらしい。その間、キュルケとタバサが付きっきりで介抱してくれていたそうだ。 そして目が覚めてから三日が経った今、私はミスタ・コルベールと親友二人に見守られながら、ルーンを唱えた。 また爆発するだろう。だが、きっと中からは一人の少年が現れるに違いない。そして紆余曲折を経て、私と彼は恋に落ちるだろう。 そんな気が、した。 使い魔の鎮魂歌-fin
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ルイズとDIOは、お互いに背中合わせに立ち、 腕を組んでいる。 鏡に合わせたように同じポーズだが、生憎とルイズの身長は、 DIOの腰よりちょっと上の辺りまでしかない。 傍から見たら、背伸びをした子供が、 父親の真似をしているようにも見えるかもしれない。 「ご苦労様。 でもちょっと遅いわよ、DIO」 背中を合わせたまま、ルイズはふてくされたようにDIOに言った。 本当は、DIOが来てくれたことに安心していたし、 ちょっぴり………ほんのちょっぴりだけ嬉しかったりしたのだが、 ルイズは決してそれを態度には出さなかった。 ルイズのセリフに、DIOが肩をすくめた。 「せっかく助けてやったというのにそれか。 君はもう少し、感謝という言葉を覚えた方がいい」 言葉だけとってみれば、不満を漏らしたようにも聞こえるが、 その口調はどこか楽しげだった。 それを受けてルイズは、 やはり振り向きもしないままで軽口を叩いた。 「使い魔が御主人様を助けるのは当然なのよ? "ありがとう"なんて言葉は、あんたにはもったいないわ」 直ぐ目の前に巨大なゴーレムがいるにもかかわらず、 2人は声もなく、静かに笑った。 ―――と、2人が会話をしていると、 空から無数の氷の槍が、ゴーレム目掛けて飛来した。 ゴーレムは、肩に乗っているフーケを庇うように、 両腕を頭上でクロスした。 ルイズは弾かれたように上を見た。 シルフィードに乗ったキュルケとタバサが見えた。 どうやら先程の攻撃は、 タバサの風魔法によるものらしかった。 ゴーレムに気付いた2人が、駆けつけてきたのだ。 タバサの魔法のレベルの高さに、ルイズは一瞬だけ舌を巻いたが、 直ぐに気を取り直して、DIOの方を向いた。 「DIO! 『破壊の杖』、ちゃんと持ってきてるでしょうね!?」 DIOは無言で頷いた。 ルイズは慌てた様子で先を続けた。 「私に貸しなさい!」 ルイズの命令に、DIOはどこからともなく ズルリと『破壊の杖』を取り出した。 一体どこに仕舞っていたのか、ルイズは激しく疑問に思ったが、 残念ながら気にしている暇はない。 ルイズはDIOから『破壊の杖』をもぎ取ると、 一つ質問をした。 「爆発するって言ったわね。 どれくらいの規模なの?」 「…………少なくとも、十数メートル……おっと、 十数『メイル』は離れることをおすすめする。 細かい距離までは、分からんよ。 ……あのゴーレムに使うのか?」 何かを確かめるように『破壊の杖』の表面を撫でていたルイズは、 DIOの質問を、首を横に振って否定した。 その目は、フーケに対する憎悪で満ち満ちていた。 途端にルイズの声のトーンが下がる。 「そんな…もったいないこと……するわけないじゃない。 こいつの出番は、もう少し後よ。 ゴーレムは、あんたに任せるわ。 何が何でも倒してもらうから」 ルイズの空恐ろしい狙いを汲み取ったDIOは、 フフフ…、と笑った。 「これはこれは……フーケとやらに同情せざるを得ないな。 ……いいだろう。 可愛い『マスター』の願いを、叶えてやろうじゃあないか」 ルイズは、DIOを向いたまま、ニッコリと笑った。 そしてルイズは、ゴーレムに対して一瞥もくれずに、 笑顔のままゴーレム目掛けて杖を振り下ろした。 それに際して、ルイズは詠唱を行わなかった。 にもかかわらず、ゴーレムの足下で爆発が起こり、 ゴーレムの片足が吹き飛んだ。 バランスを崩したゴーレムは、片膝をついた。 詠唱を行う素振りを見せなかったルイズに、 DIOは興味津々といった表情を浮かべた。 そんなDIOの様子に気づいたのか、 ルイズは頭の傷を押さえながら、ぶっきらぼうに言った。 もうおおかた塞がってはいるが、未だに血が滲んでいる。 「戦闘経験を積んだメイジともなればね……、 詠唱しながらお喋りすることだって出来るのよ」 それは、以前フーケが、ルイズに向けて言った言葉だった。 ルイズは、フーケが使った技法をそっくり吸収していたのだ。 あのとき受けた屈辱を思い出し、 ルイズは唇をきつく噛み締めた。 血がつぅーと垂れて、血涙痕と相まって、ルイズの顔に新たなアクセントが加わる。 ゴーレムがバランスを崩したのを好機と見たのか、 キュルケとタバサを乗せたシルフィードが、2人の近くに降り立った。 「乗って!」 風竜に跨ったタバサが叫んだ。 ルイズは、後は任せたとばかりに"ポンッ"と DIOの胸を軽く叩いて、風竜に駆け寄り、跨った。 「あなたも早く!」 タバサが珍しく、焦った調子でDIOに言った。 しかし、DIOは風竜に乗らずに、 体勢を整えつつあるゴーレムに向き直った。 「私はいい」 短くそう告げるDIOを、タバサは無表情に見つめていたが、 ゴーレムをチラリと見やり、やむなく風竜を飛び上がらせた。 それとほぼ時を同じくして、 足の再生を終えたゴーレムが、ゆっくりと立ち上がった。 肩に乗るフーケが、空に舞い上がるシルフィードを見て、 忌々しげに呟いた。 「まったくどいつもこいつも…… ハエみたいに人を怒らせるのが得意だね!」 それから、ただ一人地表に残ったDIOに視線を向けた。 「あらあら、あなたご主人様に見捨てられちゃったみたいね。 捨て駒にされた気分はどう? 同情はするけど、容赦はしないわよ、私」 矛先をDIOに向けたフーケは、残酷な笑みを浮かべた。 しかし、DIOはフーケの言葉を華麗に無視して、 逆に質問をした。 「お前が欲しい物は?」 DIOの肩の後ろにある星形のアザが、鈍く輝いた。 人の内面を深く抉るDIOの言葉に、 フーケの体が硬直した。 鎧でガチガチに固められたはずの心に、 そのわずかな隙間を縫って針が突き立てられたような衝撃を、 フーケは感じていた。 自分の大切な部分に土足で入り込まれて、 思わず激昂する。 「!!………ッッぶっ殺してやる!!!」 心に忍び寄る闇を振り払うように吐き捨てたフーケは、 ゴーレムの左手を鋼鉄に変え、DIOめがけて振り下ろした。 DIOはつまらなさそうに、フンッと呟き、片手を振った。 それに応じたように、DIOの体から半透明の人影が浮き出てきて、 迫るゴーレムの拳を、殴りつけた。 "ゴワァアアアン!!" と、クラクラするような轟音があたりに響き、 次の瞬間、ゴーレムの拳にヒビが入り、 やがてガラガラと崩れ落ちた。 「何!?」 フーケは、自分の予想とは全く異なる展開に、 ひきつった声を上げた。 フーケは以前、オスマン達とともに、DIOの戦いを見たことがあった。 そのときの……ルーンが怪しい光を放つまでのDIOは、 先程の幽霊のような物を使役していた。 その存在にフーケは少し驚きはしたものの、 その幽霊の腕力は、せいぜい青銅を凹ませる程度だったのだ。 フーケはその時のデータを参考にした上で、ゴーレムの拳を鋼鉄に変えたのだった。 しかし、これでは話が違うではないか…! 以前よりも強力になった幽霊に、 フーケは少し浮き足立った。 その隙を狙う形で、DIOは剣を2本、 やはりどこからともなくズルリと取り出した。 デルフリンガと、シュペー卿の剣だった。 一体どこに仕舞っていたというのだろうか? 「まぁ……すごい! DIOのズボンって、魔法のズボンみたいね。 何でも出てくるもの!」 上空から、キュルケの感心したような声が聞こえた。 勢いを削がれたDIOは、いかんともしがたい表情を 上空のシルフィードに向けた。 to be continued…… 43へ