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anko3500 三日饅頭 【小ネタ】 anko3501 胴つきさんはゆっくりできるね! 【虐待】 anko3502 あみゃあみゃはあみゃあみゃだよこのきゅじゅ!! 【いじめ】 anko3503 じゃまもの 【考証】 anko3504 れみりゃと煙突 【いじめ】 anko3505 ゆっくり秋姉妹 【制裁】 anko3506 駆除業者&隻眼のまりさ 統合最終話 その1 anko3507 ゆんバーガー作ろう anko3508 まりさの素敵なゆん生 【制裁】 anko3509 ゆっくりいーたー 【パロディ】 anko3510 わさ種が胴付きになったら? 【愛で】【挿絵】 anko3511 ピタゆっくり作ろう anko3512 百ゆ゙っ回目のプロポーズ 【虐待】 anko3513 野良ゆっくりを可愛がってみた(主に相撲的な意味で) 【愛で】 anko3514 嘘? 【愛で】 anko3515 まりさの楽園 中編 【制裁】 anko3516 この世はゆっくりできない 【虐待】 anko3517 駆除業者&隻眼のまりさ 統合最終話 その2 【考証】 anko3518 雨のゆっくり遊び 【いじめ】 anko3519 孤独なれいむと森に住むぱちゅりー 【制裁】 anko3520 ゆん生のロープ 【制裁】 anko3521 ゆっくりつかいすてていってね! 【愛で】 anko3522 野性のゆっくりとゆっくりしてみた 【パロディ】 anko3523 どちらか選べ 【小ネタ】 anko3524 トンネルズアンドドスズ 【いじめ】 anko3525 笑ゆせぇるすまん 【いじめ】 anko3526 気持ち悪い! 【制裁】 anko3527 大臼歯 【小ネタ】 anko3528 悪いのは誰? 【制裁】 anko3529 てのりれいむと愉快?な仲間達 【愛で】 anko3530 ゆっくりに「どちらか選べ」と言ってみた 【虐待】 anko3532 工作ゆ虐 【虐待】 anko3533 笑ゆせぇるすまん 「おちびちゃんのいる風景」 【いじめ】 anko3534 ゆっくりしているゆっくり 【虐待】 anko3535 のどが渇く 【いじめ】 anko3536 ゆっくりに生まれた罪 【いじめ】 anko3537 野性のゆっくりとゆっくりしてみた2 【パロディ】 anko3538 ゆっくり108番勝負!!『まりさvs蟻』 anko3539 SHARPENS ゆー UP 【愛で】 anko3540 砂場さんはゆっくりできる? 【虐待】【挿絵】 anko3541 蜃気楼 【いじめ】 anko3542 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(前編) 【制裁】【挿絵】 anko3543 ちらんし寿司 anko3544 楽園 【観察】 anko3545 霊園の野良ゆ対策 【制裁】 anko3546 ちゅうしんゆら(前編) 【愛で】 anko3547 ちゅうしんゆら(中編) 【愛で】 anko3548 ちゅうしんゆら(後編) 【愛で】 anko3549 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(中編) 【愛で】【挿絵】 anko3550 ゆっくりつみをあがなうよ!(前編) 【制裁】 anko3551 ゆっくりつみをあがなうよ!(後編) 【制裁】 anko3552 風景 【いじめ】 anko3553 ゲスな胴付きを制裁 【制裁】 anko3554 人間はゆっくり出来ない 【いじめ】 anko3555 駆除業者&隻眼のまりさ 統合最終話 その3 【考証】 anko3556 ある見張り番との会話 【パロディ】 anko3557 非ゆっくり症 【小ネタ】 anko3558 ゆっくりできなかった、ゆっくりこいし 【観察】【挿絵】 anko3559 ある怖がりな群れの話 anko3560 とある沢での小騒動 【愛で】 anko3561 ゆっくりぱるすぃ 【愛で】 anko3562 ゆーファーミングシュミレーター2011 【制裁】 anko3563 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(続・中編) 【制裁】 anko3564 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(続々・中編) 【制裁】 anko3565 その厄誰の役? その役誰の厄? 【制裁】 anko3566 まっちょりーナイス・バルク! 【小ネタ】 anko3567 まりさの楽園 中編 その2 【制裁】 anko3568 まりさの楽園 中編 その3 【制裁】 anko3570 自画自賛 【いじめ】 anko3571 ゆうかの花壇(前) 【愛で】 anko3572 ズドドドドド 【愛で】 anko3573 身分が違いすぎた二匹のお話 anko3574 続・ゆっくりを食べる・・・ 【パロディ】 anko3575 n秒間 anko3576 おちびちゃんとゆっくりできたらいいな! 【虐待】 anko3577 たすけてね! 【いじめ】【挿絵】 anko3578 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(後編) 【制裁】 anko3579 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(続・後編) 【制裁】 anko3580 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(続々・後編) 【制裁】 anko3581 肌色の花壇 【いじめ】 anko3582 親と子の契約 【考証】 anko3583 節ゆっくり 【いじめ】 anko3584 ゆかりんナイス・スメル! 【ギャグ】 anko3585 賢いゆっくり anko3586 ゆっくりしけんするよ 【愛で】 anko3587 酔漢 【虐待】 anko3588 受け入れられない 【いじめ】 anko3589 ゆっくり対土下座 【パロディ】 anko3590 声、そして沈黙 【小ネタ】 anko3591 浜辺にて 【いじめ】 anko3592 ゆっくり燃えつきろ 【制裁】 anko3594 ゆっくりの鳴き声 【いじめ】 anko3595 横暴 【小ネタ】 anko3597 声をきかせて 【小ネタ】 anko3598 檻の中のゆっくり外界を知らず 【いじめ】
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『素晴らしきこの休日』 5KB 小ネタ 希少種 ぎゃーてーぎゃーてー 生活リズムというものは、一度体に染み付くとなかなか抜けなくなるもので、お昼過ぎまで惰眠を貪っていても許される休日であっても 平日と同じ時間帯、つまり早朝五時ごろに目が覚めてしまうということが稀によくある 大抵そのような場合は、布団を頭までかぶり目を閉じてリラックスすることで、また夢の世界へと旅立つことができるのだが、今日ばかりはそうもいかなかった 「ぎゃーてー!ぎゃーてー!」 目覚まし時計の無機質なアラーム音とは明らかに異なる、人、もしくは獣のような何かの叫び声 休日なんてものは雀の涙ほどしかないのだ。素晴らしく、そして有意義な休日を過ごすためにも、スタートはできるだけ心地よい物にしたい 迷惑極まりない音を今すぐに止めるべく、布団から飛び出し、音源を探し始めた私の目に飛び込んできたのは、一匹のゆっくりだった 「ぎゃーてー!ぎゃーて、ぎゃーてー?」 私の視線に気づいたのか、深緑の目でこちらを興味津々に見つめるそれ 頭の両端には茶色のくしゃっとした耳のようなものが一つずつ 若干癖の強い緑の髪から、テレビ番組でよく取り上げられる猫とゆうか種とか言うゆっくりが混ざったものの変種かと、寝起きでぼんやりとした頭で考えてみたが、どう見ても瞳の色が違う。 そもそも私はゆっくりなど飼っていない 一体、どこから現れたのだろうか 「ぎゃーて!ぎゃーて!はらぎゃ!」 無視されて腹が立ったのか、それとも何か伝えたいことがあるのか、そのゆっくりは先ほどよりも強く太い声で鳴き始めた 幸いにも我が家は住宅地からはある程度離れた雑木林の近くに位置している この騒音ゆっくりの被害を受けるのは自分だけで済むだろう もしかしたらそこからこの家に迷い込んだのかもしれない あの雑木林へは偶にしかない休日でさえ出かけることは少ないのだ 見たことのないゆっくりが棲んでいてもおかしくはないだろう となると、残された問題は二つ どうやってこの家に入ってきたのかということと、これの処遇をどうするべきなのかということだけである 侵入経路については大体察しがついている。 私が物にあまり執着しない人間であるせいか、今まで窓や扉の戸締りと言うものにあまり注意を払ったことがなかった。 昨晩もその例に漏れず、窓の鍵を閉め忘れたのだろう。 しかしゆっくりに度々侵入されることはあっても、彼女達は特に何もせず、 何かしていると言っても、黴の生えかけたソファーやら万年床となって久しい布団に身を投げ出してうとうとする程度であり ちょうどよく冷えたフローリングの床にピザのように伸びて涼む光景が夏場に少々見られた程度である。 見ていて大変微笑ましく、癒される光景であったので、今まで特に危機感を抱いたことはなかった。 そういえばある時、連続通り魔事件が起きたなどというニュースを目にし、こんな辺鄙なところまで遠出してくる通り魔などいないだろうと思いながらも、一度だけ鍵をかけて眠りについたことがあったのだが、 その時は丁度ゆっくりもこうですら音をあげるほどの猛暑で、窓際に集まったゆっくりたちが暑さに身悶えしながら、少しでも涼もうと窓にへばり付いていて正直嫌悪感を覚えた。 安物の旅館のトイレの窓に群れる、蛾の大群のような感じである。 これには流石に私も腰を抜かした。真夜中の物音は調べないと眠れない質だが、あの時ばかりは調べないほうが良かったように思う。 「ぎゃーてー!ぎゃーてー!ぎゃーてっ!」 「アウチ!」 昔を懐かしんでいる暇もなく、脛の痛みによって私は現実へと引き戻された。 無視されきっていたことに本気で怒っているからなのかどうかはわからないが、そろそろ相手をしてやらねば拗ねられてしまう。 意識的にこの家へと入り込んだのか、ただ単に迷い込んだだけなのかはっきりしない上、更に初対面と言えど、彼女も一応は来客である。 できる限り彼女の望みに応えるのが、この家の主人としての礼儀と言うものだろう。 彼女を脛から引き剥がし、ヤニを擦り落すように眠い目を擦る。 確か、彼女達とじゃれ合うために用意した玩具が枕元のダンボールに詰めてあった筈だ。 まずは一つ目。猫のような風貌をしたゆっくりが好んでいた物だが、猫じゃらしはどうだろうか。 「ぎゃーて?」 首など無いに等しいのに、そのゆっくりは小首を傾げた。 どうやら違うようだ。では陰陽玉とやらはどうだろうか。確かこれは赤いリボンをつけたれいむとか言うゆっくりが欲しがっていた物である。 「ぎゃーて?」 これもまた違うようだ。 ならばこれはどうだ、と他の雑多な玩具の奥底に沈んでいた、とっておきの玩具を私は取り出した。 「ぎゃーて?ぎゃーてー!ぎゃーてー!」 ミニチュアサイズの箒である。 確か開いていた窓に飛び込んできた、真っ黒な魔女帽子をかぶったゆっくりが持っていた物で、それで空を飛ぶのだと彼女は自慢していた。 気になってチョコ3ダースと交換したはいいが、空を飛ぶメカニズムが一向にわからず、そのまま仕舞い込まれてしまった品である。 とっておき、と言うよりも残り物、と言ったほうが正しいかもしれない。 しかし現に彼女は喜んでいるようで、耳と口を器用に使い、埃が積もった部屋の隅を満足顔で掃いている。 流石に正しい箒の扱い方は知らないらしく、でたらめに振り回された箒はこじんまりとした部屋にちょっとした嵐を引き起こし、埃は一箇所に集まるどころか天井まで舞い上がってしまった。 「ぎゃーてー!ぎゃーてー!ぎゃーてー!」 目に見えるほど濃い埃を否応なしに吸い込み、思わず咳き込んでしまう。 当の本人はと言うと、埃もゴミも日用雑貨もお構いなしに巻き込みながら部屋中を箒で掃き回っており、贔屓にしているチームが勝ったサポーターの如く歓声を上げている。 早朝に叩き起こされた挙句、こんな目に遭っては二度寝などできるはずも無い。 「ぎゃーてーぎゃーてーはらぎゃーてー!」 しかし、この少し変わった来客と一日を過ごすのも悪くはないかもしれない。 そんなことを思いながら、私はマスクを取りに部屋を後にした。 ステキあき anko3280 小ネタ二本 anko3211 日記 anko3205 春 anko3174 さとりん可愛いよさとりん anko3116 美味しいピザ饅 anko3069 死んで花実が咲くものか anko2931 ゲスって何?
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『じゃまもの』 11KB 考証 自業自得 駆除 野良ゆ 加工場 現代 なんとなくの思いつき 「ゆっへっへっ!くそにんげんはさいっきょうっのまりささまに、さっさとあまあまを」 「うるせえ!邪魔だ!」 「ゆげえ!?」 「くそ、先方との約束の時間に間に合えばいいんだが……いきなり飛び出してくんじゃねえよっこの糞饅頭ッ!」 いつものことだ。 急いで駅に向かって歩いているサラリーマンの前に、 ドヤ顔の野良まりさが恐喝目的で出てきてあっさり蹴り飛ばされた。 まったく、ゆっくりという生き物は一部の虐待好きを除いたほとんどの人間にとっては本当に邪魔者でしかない。 道を歩けば恐喝や強盗をしようと出てくるし、公園で食事をすればそいつをよこせとやってくる。 自宅に帰れば不法侵入したゆっくりどもがおうち宣言と抜かして家を荒らすし、 駅前に行けばおうたとかいう騒音を出してるし、ゴミを捨てにいけばゴミ捨て場を荒らしている。 人間にとってゆっくりと出会うという事はイコール不快な目にあうということなのだ。 まったく迷惑な事この上ない……ゴキブリやネズミと同類、いやそれ以上に嫌な連中だ。 だからほとんどの人間はこう思う。ゆっくりは自分たちの生活をいちいち邪魔する害獣だ。 ゆっくりなんてこの世からいなくなればいいのに、と。 「ゆぐぐぐぐ……ぐぞにんげんべぇぇぇ……どぼじてばりざがごんなめにぃぃぃぃ……!」 一方、先ほど男に蹴られた野良まりさは奇跡的に生きていた。 どうして自分がこんな目にあうのかさっぱりわからない。 まりさは様この世で一番ゆっくりしているゆっくりだ。 だからゆっくりしていない糞人間はゆっくりしているまりさ様にあまあまもゆっくりプレイスも差し出すべきなのだ。 なのに人間は強欲にもゆっくりできるすべてのモノを独り占めにしている。 ふざけるな!どうして糞人間はいつもいつもゆっくりがゆっくりするのを邪魔するのだ! いくら糞人間がゆっくりしていないからって、ゆっくりしているまりさ様に嫉妬するのもいい加減にしろ! まったく糞人間さえこの世にいなければこの世界はもっとゆっくりできるようになるのに! 本当に人間という害獣は邪魔だ!人間なんてこの世から全部いなくなれっ! 「……ゆぅ。ぐちってもしかたないんだぜ。くそにんげんのせいで あまあまはてにはいらなかったけどしかたないのぜ。こうえんさんのむれにかえるのぜ……」 野良まりさは一通り騒ぎ立てて気が済んだのか、痛みが残る体をひきずってのそのそと公園に帰っていく。 公園には野良ゆっくりの群れがある。まりさはその群れに所属していの野良ゆっくりだ。 その群れに番の愛するれいむとおちびちゃんも住んでいる。 今頃お腹をすかせて、おうちでまりさの帰りを待ちわびているだろう。 人間からあまあまは取り返せなかったが、帽子の中には生ゴミだの草だのが入っている。 戦果としてはとりあえず申し分ないはずだ。 しかし最近、妙に生きにくくなったと帰りながら野良まりさは思っていた。 なぜか美味しい草さんや虫さんを見かけなくなった。 ゴミ捨て場は野良ゆっくり同士で壮絶な餌の取り合いになっている。 その争いで野良ゆっくりが死ぬことも今では珍しくない。 さらにおうちを奪おうとするゲスが増えている。群れ全体で警戒しているが ゲスどもは少しでも油断するとおうちに入り込んでおうち宣言をかまそうとするのだ。 糞人間のことだけでも大変なのに、ごはんがとれにくいわゲスがたくさん現れるわ。 一体どうなっているんだ……と思いつつ公園に帰りついたそのとき。 公園からいくつもの絶叫が上がった。その声に野良まりさはハッと我にかえり……そして見た。 「やべでええええ!でいぶのおうちさんをつぶさないでええええっ!!」 「ぐぞじじいはちぇんのおちびちゃんをかえせよぉぉぉ!わか……や、やめてねー! ちぇんはそのふくろさんにはいりたくな…」 「いいかげんにしないとまりさぷくー!するのぜ!ぷ(ぐしゃっ!)」 「み、みんなにげでえええええっ! 「いっせいくじょはゆっくりでぎないいいいいいっ!!」 公園内は阿鼻叫喚の地獄と化していた。 加工所による公園の一勢駆除だ。おうちであるダンボール箱が潰され、かたっぱしからゴミ収集車に放り込まれる。 野良ゆっくりはトングで挟んでゴミ袋いきか、潰してからゴミ袋いきかのどちらかだ。 野良まりさは群れの仲間たちが次々と殺され捕まえられるのを何もせずに唖然として見ていた。 何が現実におきているのか、すぐに理解できなかったからだ。 たっぷり三分後……まりさは絶叫した。 「な……なにごれぇぇぇぇぇぇっっ!!?」 「……ん?こいつも群れの野良か?」 「ど、どぼじでごんなごとずるのおおおおおっ!?……はっ!れ、れいぶは?おちびはどうしたんだぜ!?」 「ゆー!ゆぅぅぅぅ!?ば、ばりざだぁぁ!ばりざぁぁぁぁぁっ!でいぶはごごだよぉぉぉ!」 「おちょうしゃんちゃしゅけちぇぇぇぇぇ!!」 「なんだ?ゴミ袋から……?」 野良まりさの近くにいた駆除作業員がもっているゴミ袋の中から まりさの姿をみつけた野良れいむと野良れいみゅが助けを求める声をあげた。 どうやら生きながらゴミ袋に放り込まれたらしい。 「ゆぅぅぅぅ!ぶ、ぶじだったんだねれいぶぅぅぅぅ!おちびぃぃぃっ!まっててね!いまたすけて…」 「あーもう面倒くせーな。潰しとくか」 「ぶぎゅ!」 「ゆべっ!?」 「………ゆっ?」 作業員はゴミ袋を地面に置くと、袋ごと中のれいむとれいみゅをあっさりと踏み殺した。 ゴミ袋は透明だから野良まりさが外から見ても一発でわかる。 れいぶとれいみゅがぐちゃぐちゃの餡子と小麦粉の皮だけになってしまったことに。 「ゆ…………ゆああああああああああああっ!!?」 「さーてと、もう野良は残ってないかな?ゆっくりしていってね!…………うん反応なしだ」 「ゆっくりし……ふ、ふざげるなああああ!ぐぞにんげんっ!どぼじでまりざのれいぶとおちびをごろじだああああ!!」 「ん?お前らの為に殺したんだよ。見てわかんないの?馬鹿なの?死ぬの?」 「ゆっ!???」 ゴミ袋の口を締めながら無造作に言ってのけた作業員に思わず絶句する野良まりさ。 あまりにも答えが斜め上の予想外なものなので、すぐには理解できないのだ。 まりさの為にれいむとおちびを殺した?何を言っているんだこいつは!? 「……お前さ。不思議に思わなかったか?餌をとるにも家を確保するにも最近何故か競争率が激しくなったってことに」 「ゆっ……?ぞ、ぞれがどうしたのぜ!ばりざがききたいのはそんなごとじゃ」 「まあ聞けよ。その理由はな……この辺り一帯の野良ゆっくりが増えすぎたからだ」 「ゆゆっ!?」 「野良ゆが数を増やせば餌も家も足りなくなる。当然だこの世のすべてのモノは数に限りがあるからな」 「ぞ、ぞれが」 「だからさ。俺たち加工所がわざわざ駆除して野良ゆの数を減らしてやろうっていうんだ。 そうすれば少しはお前らも過ごしやすくなるんじゃねえの?」 「ゆっ?ゆゆっ??ゆゆゆゆゆゆっ……!?」 確かに最近生活しにくいのは事実だ。だが……だがその為にゆっくりを殺していいはずがないではないか! しかもまりさのれいむとおちびをころすなんて! 「ゆっくりも増えすぎると同族からも邪魔者扱いされるからなー」 「ふ、ふざけるんじゃないのぜぇぇぇ!だっだらほがのゆっぐりをごろぜばいいのぜ!? どぼじてばりざざまのむれを、かぞくをごろずのぜぇぇぇぇ!!」 「どのみち他の群れも順番に駆除するさ。今回はたまたまこの公園が駆除の対象だったってだけの話だ」 「ゆぅぅぅぅっ!?ゆぐぅぅぅぅぅっ!!」 「さて……邪魔な野良にはそろそろご退場願おうか」 「ゆがぁぁぁ!ばりざはじゃまじゃないぃぃぃぃ!じゃまなのはおばえだちだぐぞにんげんんん! いつもいつも、ばりざざまたちのゆっぐりをじゃまじやがっでぇぇぇ!じねえ!ゆっぐじじねえぇぇぇぇっ!!」 「まあそういうことはさ。あちらさんにでも言ってくれや。じゃあな」 「やべろぉぉぉ!ばりざざまをふくろざんにいれるなぁぁぁっ!じね!ぐぞにんげんはじ……ね……?」 作業員は新しいゴミ袋をだすと野良まりさをトングで挟んで袋にいれた。 じたばたと見苦しく抵抗する野良まりさだったが、ある方向をふと見て暴れるのをやめる。 そこには他の群れの野良と思われるゆっくりが数匹いた……連中は笑いながら駆除されている公園内を見ている。 「むきゅきゅきゅきゅ!ここのむれもようやくくじょされたようね!」 「これでごはんさんのとりぶんがふえるみょん!」 「くそにんげんどもがいなくなったら、ここもまりささまたちのゆっくりぷれいすにするのぜ!」 「まったくここのむれは、ゆっくりできないじゃまでいなかものたちだったわ!」 「でいぶのごはんさんをよこどりするげすなむれはくじょされてとうぜんだよ!」 「ほんと、とっととしんでくれてよかったみょん!」 「「「「「げらげらげらげらげらっ!!」」」」」 ……公園のゆっくりたちが殺されているというのに、それを笑って見ている野良ゆっくり。 邪魔だと。ゲスだと。死んでくれてよかったと同族に好き勝手にいわれるのを聞いてまりさの心はへし折れた。 自分たちは生きているだけで常に誰かにとって邪魔な存在でしかないのだと気付いてしまった。 世界から祝福されて生まれたとか、世界中の生き物が喜んでゆっくりをゆっくりさせてくれるなんて妄想だ。 本当はゆっくりという種族はどいつもこいつも人間どころか同族からも憎まれ疎まれ 邪魔っけにされるやっかい者でしかないのだ…… 作業員の男はトングをしまい、死んだような目でブツブツ言っているまりさが入ったゴミ袋をもち、 げらげら笑っているよその公園の野良ゆを見て……仲間のところへ戻っていった。 どうせ1週間後にはあの馬鹿笑いしているゲスどもの群れも駆除する予定なのだ。 せいぜい今のうちだけでもいい気にさせてやろうじゃないか。優しくてごめんね! ……さて。もし野良まりさが思ったようにこの世から人間がいなくなったとしたらどうなるのだろうか。 ゆっくりは本当にゆっくりと生きることができるのだろうか? すべての人間、人間が作った街や道路、文明の痕跡をすべて消して自然のままの地球にゆっくりが住み着いたら……? ……恐らくなにも変わらないだろう。野良から野性に立場が変わるだけだ。 厳しい自然環境と他生物そして捕食種の脅威に晒されて ゆっくりは小さい繁栄と破滅、自滅を繰り返すというスパイラルが延々と続く。 しかしゆっくりという種族は繁殖力だけは折紙つき。 ゆっくりできない状況になればなるほどゆっくりできる子孫を増やそうとするのだ。 がむしゃらに作ったその子孫のほとんどが様々な理由で死ぬだろうが…… だがもしかしたら。いつかはその繁殖力が自然や他生物の脅威を上回る日がくるかもしれない。 すなわち……地球上が増えすぎたゆっくりによって埋め尽くされるというラグナロク。 その時になってようやく能天気なゆっくりどもは事の重大さに気付くだろう。 「どぼじてくささんもむしさんもいないのぉぉぉぉぉ!?」 「にんげんがひとりじめしていたあまあまさんはどこにあるのぜぇぇぇぇっ!?」 「おやさいさん!はやくかってにはえてきなさい!はえてこないと、とかいはじゃないわっっ!」 「ぐわぁぁぁぁ!せまいぃぃぃ!おばえらどっがいげぇぇぇぇっ!!」 「もうすめるところなんてどこにもないんだみょん!」 「どこのおうちもうんうんだらけでゆっくりできないんだねー!わかれよぉ――――!」 「おながずいだぁぁぁ!」 「じねええええ!おばえらぜんゆんじねえええええ!」 「んほぉぉぉぉ!!」 「れいぱーだぁぁぁぁ!」 「うっめ!これめっちゃうめ!まじぱねえ!」 「ゆっぐりをたべるげずはゆっくりしねぇぇぇぇ!」 「きゃわいいれいみゅに、しゃっしゃとあみゃあみゃもっちぇきょい!くずおや!」 「どぼじてぞんなごというのぉぉぉぉぉっ!?げすなちびはゆっくじじないでいますぐじねぇ!」 増えすぎたゆっくりのやる事といえば共食いして数を減らすことぐらいだろう。 そうすれば少しは数が減るだろうが。だがゆっくりによってさんざん荒らされた自然環境は容易には回復しない。 共食いの果てに……自滅という形でゆっくりは滅びる。他の生き物や地球そのものを道連れにして。 ……だからゆっくりは邪魔者だというのだ。滅びるのなら自分たちだけ滅びればいいものを。 ゆっくりは人間にとって邪魔。増えすぎれば同族にとっても邪魔。他の野生動物からみても邪魔だし地球にとっても邪魔。 人間と同じかそれ以上にこの星を蝕むゆっくりは地球にとっての天敵といえる。 だから……人間はゆっくりを駆除するのかもしれない。 人間は地球を守るなんて愁傷な心がけで駆除しているわけじゃない。自分たちの為だけに駆除しているのだ。 だがその行為は結果的にゆっくりを適度に間引いて、ゆっくりという種の存続に一役買っているのではないか? それが自然界において人間がゆっくりの天敵として課せられた役目なのかもしれない。 なにせゆっくりの絶滅だけはどうしてもできないのだ。 人間がゆっくりを計画的に駆除して数を減らさなければ他に誰がやるというのだ? ゆっくりを捕獲しても不潔な野良ゆじゃ再利用なんてほとんどできない。 駆除にかける労力、予算、道具、全部人間の持ち出しばかりで丸損だ。得することなんてほとんどない。 しかしそれでも人間は何かに導かれるようにゆっくりを駆除したり虐待したりする。 そしてそれが他の野性生物や自然環境のためになる。 邪魔者で使い道のないゆっくり。宇宙船地球号に密航したこのゴミ虫を始末するのが 地球号に乗らせてもらっている人間の役割という奴なのかもしれない。 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね!
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『はるですよ』 5KB 観察 小ネタ 小ネタ ここはとある地方のとある山。 キンと冴え渡る空気も、太陽の光で和み、麗らかな陽気に変わる。 雪の多いこの地域にも、ついに春が訪れた。 するとどこからともなく、数匹の白い帽子を被ったゆっくりが数匹現れて、 楽しげにじゃれあいながら、踊るように空を飛び始める。 『はるですよ~』 春ですよ、そう繰り返しながらそのゆっくり達は山を飛び回る。 彼女達の名前は『ゆっくりりりー』春を告げるといわれるゆっくりだ。 彼女達は春が訪れるとどこからともなく現れ、声を上げながら飛び回るという習性を持っている。 しかしそれ以外の生態は謎に包まれていて、春が終わり日差しが強くなり始めるころにはと突如姿を消し、 夏、秋、冬と過ぎ、再び春が訪れるまで決して人の目に付かないという、まだまだ謎に包まれたゆっくりである。 『はるですよ~』 その声を聞いて、枯れ木や草で覆われている土の穴から、冬眠中のゆっくり達が顔をだしはじめる。 「ゆゆ~~~っ!ひさしぶりのそとなのぜー」 「ぽかぽかだねー、ゆふふ、おちびちゃんたち、おそとはあったかいよ」 「おしょちょー!」 「ぽーきゃぽーきゃ!」 「とってもとかいはなおてんきだわ」 「むきゅ…あたたかいわ…」 少しずつその数は増えていき、ゆっくり達は久しぶりに再会する山の群の仲間達と共に春の訪れを喜んだ。 しかしその日は運の悪いことに、昼を過ぎたころから徐々に曇り始め、気温がぐんと下がっていってしまった。 するとゆっくり達は大変で、折角陽気に誘われて外に出たというのに、寒さで凍えてしまう個体がどんどん増えていった。 あるれいむが、怒りに身を任せて叫ぶ。 「ゆがあああ!!!これはりりーのせいだよ!りりーがうそをついたんだよ!りりー!ゆっくりしないででてこいいいい!!!」 そのれいむは、いつまでもぎゃあぎゃあと大きな声を上げてりりーを呼び続けた。 その呼びかけに答えて、山のあちこちから春を告げるために散っていたりりー達が集まってくる。 ついでにあまりの声量に、野次馬のゆっくり達もずいぶんと増え、りりーと対峙するれいむを見守った。 「おまえたちのせいでれいむのかわいいおちびちゃんがさむさでえいえんにゆっくりしちゃったでしょおおおおお!!!ぜんぜんはるじゃないぃいぃ!!!」 『はるですよー』 「うそだああああああ!!!!こんなにざぶいのに!!!はるなわげないいいいい!!!」 『はるですよ~?』 「ゆがあああああ!!!うぞづぐなああああ!!!」 『はるですよぅ…』 その後も同じような罵倒を何度も繰り返すれいむ。 始めは黙ってみていた野次馬達も、あまりの寒さに次第にれいむの味方になっていって、りりーはうそつき!と 殆どのゆっくり達が参加して大罵倒大会になってしまう。 するとりりーたちはだんだんと笑顔が崩れて悲しい顔になっていき、 ついに泣き出してしまうものまで現れ、かたまって空のかなたにふよふよと飛んでいってしまった。 『にげるなああああ!!!!このざぶざをどうにがじろおおおお!!!!ゆっぐりでぎないいいいいいいい!!!!!』 ゆっくり達はりりー達が視界から完全に消えるまで、いつまでも空を見上げて叫びちらし続けた。 やがて夜がきて本格的な寒さが再びやってくる。 いったん冷え切ってしまった空気はなかなか元には戻らず、その山のゆっくり達は多くの犠牲を出したが、 生き残ったものたちは再び巣穴に戻って越冬体制に戻った。 さてりりー達だが、この事件のせいですっかり自信をなくしてしまい、 誰にも知られていない住処にこもり、その年はもう二度と外に出てくることは無かった。 りりー達が出てこなくても春は勝手にやってくる、というよりも、たまたまその日運悪く天気が崩れてしまっただけで、 彼女達の言うように、確かに春はやってきていた。 しかしほとんどのゆっくり達は、もうその次の日には外がぽかぽか陽気になったことも知らず、 りりー達が反省して本当のタイミングで春を知らせてくれるのを、ただじっと巣穴の中で待ち続けた。 「ゆぅぅ…お、おかしいのぜ、はるはまだなのぜ…?」 「まりさみてきてよ!おちびちゃんたちがおなかをすかせてるんだよ!」 「や、やなのぜ!またさむかったらまりさがこごえちゃうのぜ、はるまでまつのぜ!そんなにしんぱいなられいむがいくのぜ」 「どぼぢでぞんなごどいうのぉ!?れいむはかよわいんだよ!まりさがいくべきでしょぉぉお!!」 「ゆんやああ!けんかしにゃいじぇーーー!」 「どっちでもいいからしゃっしゃちょいけ!このくじゅおや!」 「はるはまだかしら、いつまでもくらいすのなかはとかいはじゃないわ…」 「むきゅ…ごほっ…そろそろごはんさんが…ごほっ…」 それから数ヶ月、本当のことに気付いたほんの一握りの生き残り達が巣から顔を出すまで、 ゆっくり達はじわりじわりと数を減らしながら巣穴の中でいつまでももたもたとゆっくりしていた。 おしまい。 -------------------------------------------- ところでうちの周りの春はまだですか…? ばや汁でした。 いつも多数のご意見ご感想ありがとうございます! この作品へのご意見ご感想も、どうぞお気軽にお寄せください。 個人用感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/ 今までの作品 anko1748 かみさま anko1830-1831 とくべつ anko1837 ぼくのかわいいれいむちゃん anko1847 しろくろ anko1869 ぬくもり anko1896 いぢめて anko1906 どうぐ・おかえし anko1911 さくや・いぢめて おまけ anko1915 ゆなほ anko1939 たなばた anko1943 わけあり anko1959 続ゆなほ anko1965 わたしは anko1983 はこ anko2001 でぃーおー anko2007 ゆんりつせん anko2023 あるむれ anko2068 おしかけ anko2110 とおりま anko2111 おもちゃ anko2112 ぼくとペット anko2223 まちかどで anko2241 かいゆ anko2304 ぼうけん anko2332 とかいは anko2349 たたかい anko2369 ゆっくぢ anko2413 せんたく anko2427 ぶろてん anko2489 あこがれ 前編 anko2588 ひとりぼっちのまりさ anko2807 母の音 anko2887 僕とれいむと秘密基地 anko2949 野良れいむ anko3047 ぶろてん おまけ anko3058 実験01 クッキーボタン anko3067 わけあり おまけ anko3078 げすまりさ anko3090 てのりれいむ anko3096 雨 anko3107 ゆかりん anko3114 命の価値 anko3125 ちるの時々まりさ 餡小話では消えてしまった作品も多数ありますので、過去作を読みたいと思っていただけた方は ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ- http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html をご活用ください。
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『非ゆっくり症』 5KB 小ネタ 差別・格差 現代 独自設定 山ナシオチナシです 小ネタ。しかも盛り上がりも無く、得に落ちも無く。さらには虐待パートも無いです。 俺の家の裏庭から、小さな鳴き声が聞こえてくる。 どうやらゆっくりが住み着いたようだ、適当に追い出そうと、裏庭の隅においてあるダンボールを蹴る。 「ゆひぃっ!?に、にんげんさん……」 「ごごごごご、ごめんなさいなのぜえええええええ!!!すぐでていきまずがらああああああ!! もうまむまむさんやかないでええええええええ!!!」 「れいむたちはどうなってもいいです!ぎゃくたいもすきなだけうけます!!だから!おちびちゃんだけは!おちびちゃんだけはああああああああああああ!!」 「ごめんにゃしゃいいいいいいいいいいいい!!!」 ダンボールからすぐに這い出し、凄い勢いでゆっくり式土下座を繰り返す一家。 随分人間を恐れているようだ。 追い出すだけのつもりだったので、虐待する気はない。 とりあえず、二度と人間の家に住み着かない事を教えるために、まずは落ち着いてもらおう。 「あー、安心しろ。俺はお前らを虐待するつもりも殺すつもりもないからさ」 その言葉を聞いて、何を勘違いしたのか、ゆっくり達は顔を綻ばせる。 「よかったよぉ……」だの、「たすかったぜ」などと言いながら、涙を流し抱擁しあう。 「おっと、勘違いするな。ここからは出て行ってもらうぞ」 「ゆっ……ゆっくりりかいしたよ……」 「ごめんなさいなのぜ……」 「ところで、随分怪我をしてるみたいだけど、何かあったのか?」 素直に謝り、帰ろうとしていたゆっくりを引きとめる。 自らの不幸自慢でもしたかったのだろう、よくぞ聞いてくれたといわんばかりに口を開く。 公園の群れに生息していたが、食料が足りなくなってゆっくりできなくなってしまった。 群れの掟に背き、人間のゴミ捨て場を漁ってゆっくりしようとした。 人間に見つかり、子供を一匹残して潰され、子供を作れないように額とまむまむを焼かれた。 群れからは追放され、お飾りを少し破られた。 それからゆっくり達に虐められた。 事情はまぁこんな所だ。 群れに所属できて、子供が産めて、人間に悪事を見つかったのに殺されておらず、子供まで残されていて、制裁もかなり控えめ。 俺はなんて強運を持っているんだと感心したが、ゆっくり達は気づいていない。 ゆっくり達は「なんてかわいそう」「ふこうだ」だの悲劇のヒロインを演じている。 ゆっくり達は口々に「ゆっくりできない」「いきるのがつらい」「ゆっくりしたい」と喚いている。 一応同情はしておいてやろう、辛いのには変わらないだろうし。 「あー、うん、まぁ……。大変だったな……」 そして、俺はふと浮かび上がった疑問を口にした。 「良く『非ゆっくり症』にならないなお前ら」 その言葉を聞いて、ゆっくり達は皆目を丸くした。 どうやら初耳だったらしく、しってる?しらない と確認しあったのち、俺に尋ねた。 「なにそれ?」 「ゆっくりおしえてほしいんだぜ?」 「うーん、簡単に説明するとだな。ゆっくり出来ていないゆっくりが罹る、ゆっくりできなくなっちゃう病気だな。ゆっくりは死ぬ」 『非ゆっくり症』、それは、ゆっくりだけが罹る精神病のようなものだ。 簡単に説明するならば、ゆっくり達に説明したとおりだ。 ゆっくりできていないゆっくりが罹る病気で、ゆっくりしたい一心から現実逃避をし、自我が狂いながら無くなっていく。 過酷な生活の中で、心身ともに、どんなにポジティブに考えても絶望しかない状況のゆっくり。 メンタルが弱いものはもちろん、実は飼いゆっくりも飼い主をゆっくりさせたい、でも自分もゆっくりしたい、等の葛藤でこの病気になるものも多い。 『非ゆっくり症』がいかに恐ろしい病気かを懇切丁寧に説明し、終わる頃にはゆっくり達はガタガタと震えていた。 「いやだあああああああ!!ひゆっくりしょうはゆっくりできないいいいいいいいい!!」 「まりさたち、きっとかかっちゃうんだぜえええええええええ!!こわいんだぜええええええええ!!」 「ゆんやぁあああああ!きょわいよおおおおおおおおおおお!!」 どうやらこの家族は自分達はそのうち『非ゆっくり症』に罹ると確信しているようだ。 凄まじい大声を上げて泣き喚く。 やばいな、俺にそういう趣味はない。 このままじゃ俺が虐待鬼威惨としてご近所様から一線引かれた姿勢で接されてしまう。 急いでこいつらを宥めて外の道路に放り出そうと、ダンボールを拾い上げる。 「ま、まぁ、お前ら元気一杯だから、当分は罹らないんじゃない……かなぁ?」 そんな事を口走った途端、ゆっくり達はピタリと泣き声を止めた。 「ゆ?ひゆっくりしょうにならなかったし、げんきいっぱいってことは……」 「つまり、まりさたちはひゆっくりしょうになるゆっくりできてないゆっくりより……」 「ゆっくりしちぇりゅっちぇこちょ!?」 な、なんてポジティブシンキング……。 先ほどまでの絶望の表情が打って変わって、希望に溢れた顔になっている。 「そうだよ!れいむたちはゆっくりできてるんだよ!」 「そうだったのぜ!たいせつなことをわすれてたのぜ!もうおちびちゃんうめなくても、このおちびちゃんがいるのぜ! あんまりむーしゃむーしゃできなくても、もっともっとおなかをすかしているゆっくりもいるんだぜ! まりさたちは、そいつらにくらべたらとってもゆっくりしてるんだぜ!!」 「ゆぷぷ!ひゆっくちしょうになりゅなんちぇ、おぉかわいしょうかわいしょう!」 ゆっくりは他者を貶めることに秀でていて、他者を見下すことでゆっくりを得る。 つくづく人間の嫌な部分を集約した生き物だ。 ドン引きする俺を他所に、本ゆん達はとても楽しそうに、いかに自分達はゆっくりできているか、『非ゆっくり症』にかかるゆっくりはなんて無様なんだろう、等と笑っている。 「ゆふふ!ゆっくりできるれいむはゆっくりにんげんさんのおうちからでるよ!」 「そうだぜ!にんげんさん!わすれていたゆっくりをおもいださせてくれて、ゆっくりありがとうだぜ!!」 「まりちゃはとっちぇもゆっくりしちぇりゅんだじぇ!!」 そして、楽しそうに、大層ゆっくりとした表情で、三匹は道路に躍り出て跳ねていった。 汚らしいゴミやガラクタや排泄物が入ったダンボールを抱え、俺は静かな庭に出て一人ぽかんと立ち尽くす。 目線を上げると、隣に住む虐待鬼威惨の家の前の「ゆっくりはゆっくりさせないぜヒャッハー!」と、野良ゆっくりを潰しましょうと言う意味の看板が眼に入った。 あのゆっくりたちは、これから自分よりゆっくり出来ていないゆっくりを見つけては貶めて、自らのゆっくりを得る。 確かに、当分は『非ゆっくり症』にはかからないだろう。 「あれ?俺もしかして余計な事しちゃったかなぁ……」 終わり 最後まで読んでいただきありがとうございました。 今までの作品 anko2360 『馬鹿一家と賢いぱちゅりー』 anko2376 『ゆっくりショップの事情』 anko2654 『ゴキゆ』 anko3317 『さくらさんはゆっくりできる』 anko3348 『もコンロ』 anko3532 『工作ゆ虐』 anko3540 『砂場さんはゆっくりできる?』
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『世紀の凶悪立てこもり事件』 2KB 小ネタ 現代 小粒でもピリリと辛い小ネタに挑戦してみた とある街中の一軒家で住人一名を人質にした立てこもり事件が発生した。 通報を受けてたちまち警察が出動、犯人が立てこもっている家を包囲すると犯人に対する自首するように勧告を行った が、犯人は頑として自首を拒否。 住人が人質に取られている為、容易に突入できない警察は犯人との交渉を行うことにした。 「……で、犯人の要求は?」 「食料と慰み者用の女性を要求しています」 「ふざけやがって……!自分たちの立場がわかってるのか?完全に包囲されてるんだぞ?」 「相当強気な連中のようですね。日本の警官なんか何人きても怖くはないと抜かしていますから」 「連中の武器は?」 「普通の出刃包丁が数本、それだけのようです。ですが格闘技かなにかの心得があるんでしょうか、 自分たちは最強だからこれで充分だと高笑いをしながら余裕こいていました」 「ふん!で、犯人の目星はついたのか?」 「交渉における会話から名前が判明しましいた。でいぶ、ばりざ……犯人たちは自分たちのことをそう呼んでいます」 「デイヴにヴァリザか……少なくとも日本人の名前じゃないな。外国人か?」 「あとちゃんなる手下もいると」 「チェン……?中国系の名前だな。ふむ、外国人による凶悪犯罪の線で間違いないか……?」 「連中は日本人と犯罪に対する常識がかけ離れているから怖いですよね」 「それにしても連中はなんでこうも強気なんだ。なにか状況を打開する手段でも持っているのか?」 「わかりません。あ、そういえば…」 「なんだ?」 「うちのネゴシエイターとの会話でこう話していました。 自分たちにはBOSSがついている。いざとなればBOSSが組織を率いて自分たちを救出にきてくれると」 「ボスだと!?犯罪組織の一員か!もう猶予はならん!準備が出来次第ただちに警官隊を突入させろ!」 「はっ!」 直ちに突入部隊が配置された。犯人を逃がさないように狙撃チームも配置され万全の体制でGOサインが出される。 一階のすべての窓から閃光手榴弾と催涙弾が投げ込まれ、炸裂を確認した後に一勢に武装警官隊が突入した。 人質にされていた住人の安全をただちに確保。 人質は縄で縛られ目隠しをされていた。いきなり後ろから目隠しをされ縛られたと後に証言している。 だが建物内をくまなく捜索するも犯人たちの姿は依然として消えうせていた。 どうやらすでに脱出済みのようらしい。だが脱出ルートは遂に判明しなかった……犯人たちは煙のように消え去ってしまったのだ。 あまりにも凶悪かつ鮮やかな手口に警視庁は主犯格のデイヴ、ヴァリザ、チェンの三名を全国指名手配にした。 だが依然として有力な情報は現れず、この人質立てこもり事件は遂に迷宮入りとなったのである。 余談ではあるが……現場の床には大量の餡子と皮がこびりついていた。 それは突入した警官たちが夢中で住居内を移動した際にぐちゃぐちゃに踏み潰した野良れいむと野良まりさ、 そして胴付きちぇんのなれの果てである。 だがこれは本件とは無関係であると判断され、ろくに分析もされずにゴミ袋に詰められて捨てられる事となった。 あと後日ドスまりさの群れが街に下りてきて「くそにんげんどもはおやさいをドスにけんじょうしてね!」と抜かした挙句に 保健所にあっさり駆除されたがこっちは新聞の片隅にものらなかった。 あとがき anko3370に挿絵を描いていただきどうもありがとうございます! 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい
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『ヤツあたり』 11KB いじめ 虐待 不運 誤解 現代 独自設定 読んでいただけるとうれしいです 空は青く晴れ渡り 風が街を駆け抜ける 着慣れないスーツに身を包んだ人々が満開の桜に包まれながら、学び舎の門をくぐっていく。 季節は春。 受験という戦いを勝ち抜いた者のみが新たな人生の一歩を踏み出すこの日。 俺は公園のベンチから、遠くを歩く新入生たちを眺めていた。 「………ぁー………………。」 高校での成績は上位だった。 素行が悪いわけでもない。 なのに俺はあの中に入れない。 どうしてだ それはささいな、本当に些細な事だった―――― ……………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………… ………………………………………… ………………………… ――――――――――――――――――――――――― 帝國大学入学試験前期 下記の者以外を一次合格とする 051301714 帝國大学入学試験後期 下記の者以外を一次合格とする 052301714 ――――――――――――――――――――――――― ……………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………… ………………………………………… ………………………… 「っあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙~~~~~~~~~~……………」 腹からため息が声となって出てくる。 「判定Aだったんだぞ!絶対入れたんだぞ!!なのにどうして…………」 首の力が抜け、ガックリと垂れ下がる。 「どうして科目間違えたんだ………」 わかっているんだ、もう何を言っても遅いという事くらい。 しかし、言葉を発せずにはいられない。 そうすると心のモヤモヤが少し晴れるような気がしたから。 しかし、時間が経てば経つほどそのモヤモヤは大きく、不快になっていく。 今にも爆発しそうだ……。 「ゆっゆ~ん!はるさんがきたのぜ!!」 ベンチの後ろから声が聞こえた。 「ゆぅ~~~~ん、おひさまがれいむをぽ~かぽ~かにあたためてくれるよ!!」 振り向くと、ゆっくりが茂みから姿を現した。 「みゃみゃ~!!おしょとしゃんがりぇいみゅをしあわしぇ~~にしちぇくれりゅにょ??」 子ゆっくりが親ゆっくりの後ろからもぞもぞと出てくる。 「そうだよ!はるさんはおちびちゃん、うぇ~るかぁ~~む!!!っていってるよ!!」 「ゆっぴゅい!!りぇいみゅしぇんようのはりゅしゃんにゃんだにぇ!!」 「おちびちゃんがしあわせそうでうれしいのぜ。」 「ゆふふ、れいむもまりさといっしょにいれてしあわせだよっ!」 「れいむ、はずかしいのぜ………////」 「しあわしぇ~~~~~~~!!!」 心臓の鼓動が速くなる。 全身の筋肉に力が入り、今すぐにでも暴れたい。 もしここが公園ではなく人のいない場所だったら、俺は目の前で春を喜ぶゆっくりの親子を潰していただろう。 そんな小心者の自分に、更に嫌気が差す。 「クソッ」 俺が公園を出ようと立ち上がったその時。 「ゆっ、にんげんさんなのぜ!」 親まりさが俺に気付いたようだ。 「あぁ?」 苛立った声で威嚇しつつ、ゆっくり親子を睨み付ける。 「ゆひぃ!?」 「ぴゃあぁ~~~~!!!みゃみゃ~~~~~~きょわいよおおぉぉぉ~~~~!!!!」 子れいむが俺の顔を見た途端に泣き出した。 顔をしわくちゃに歪めておさげをピコンピコン振り回しながら喚いている。 「コイツ……ッ!」 「おちび!うるさいのぜ!!」 俺がキレる寸前、親まりさが子れいむを怒鳴りつけた。 「ゆぴぃ!?ぴゃぴゃ??」 「おちびちゃんはいいこだからだいじょうぶなのぜ。よしよし。」 親まりさが長いおさげで子れいむの頭を撫でる。 ビジュアル的にウザい。潰したい。 「にんげんさん、おねがいがあるのぜ。あまあまをもらいたいのぜ。」 いきなり何言ってるんだコイツは。 あまあまなんてねぇよ、と言おうとしたのだが………。 ポケットの中に手を入れると、あった。飴だ。 公園に来る途中で配っていたヤツだ。 「ほらよ。」 包みから飴を出し、ゆっくりに差し出す。 「にんげんさん、ありがとうなのぜ!!」 ほう、野良なのにお礼を言えるとは。 「あぁ………じゃあな。」 俺は再び公園の出口へと向かった。 しかし先ほどの不快感はほとんど消えていた。 なんだ、ゆっくりでも感謝の言葉くらい言えるんじゃないか。 今日は公園に来てよかっ 「ゆぷぷ、あのじじいらくしょうだったね!!」 「うんみぇ、こりぇめっちゃうみぇっ!!!」 「きょうはばかなじじいがいっぱいいるのぜ!やっぱりまりささまはかりのてんっさいなのぜ!!!」 立ち止まり、ゆっくりと後ろを振り返る。 「「ゆっくりのひ~、のんびりのひ~、にゅうっがくのひ~♪」」 「はるしゃんうぇ~~~るきゃ~~~みゅっ!!!」 ゆっくり親子が大声で歌っている。 ベンチの陰で、俺にしか見えない位置で、悪意に満ちた表情で。 そしてこっちを向いて一言 「「「じじいはまけぐみっ」」」 ……………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………… ………………………………………… ………………………… 俺は走って家の前まで帰ってきた。 呼吸は乱れ、手のひらには汗を握っている。 一向にイライラは収まる気配がない。 いますぐこの怒りをどこかにぶつけたい。 「…………クソがぁ!!」 目についた郵便受けを思いっきり殴る。 鉄製の郵便受けは少しもへこまず、カンと音をたてただけだった。 しかし、その郵便受けの中で何かがビクンと動いた。 「?」 妙な手ごたえを感じた俺は郵便受けを開けた。 『は、はるぅ~?』 郵便受けの中にいたのは、白い色をした丸っこい物体。 さっき公園で俺をバカにしたヤツらと同じ、ゆっくりだ。 『はるですよ~~~~~!!』 郵便受けの中にいた白いゆっくりは大きな声であいさつをした。 その表情には一点の曇りもなく、まるで心から春を喜んでいるようだった。 ウゼェ。 この一言が口から漏れると同時に、体の中で何かがブチッと音をたててキレた。 春だ?お前も他の連中と同じように俺を馬鹿にしてるのか? 「……嫌味か、フザけるなよぁああ!?」 俺は半狂乱に叫び、目の前にいるゆっくりをひったくるように掴んだ。 『はぶっ!?んぐ~~~~??』 白いゆっくりは何が起きたのかわからず、俺の手の中でふるふると動いている。 俺は駆け足で家の中へと飛び込み、鍵を閉めた。 ……………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………… ………………………………………… ………………………… 『~~~~~~!!』 ゆっくりは相変わらず手の中で携帯電話のようにブルブルと震えている。 と、突如手のひらがちぎれたような鋭い痛みを感じた。 「ぁいてっ!」 たまらずゆっくりを投げ飛ばす。 『ひゃぶぎゅっ!?』 投げ飛ばされたゆっくりは勢いよく床に叩き付けられた。 「いってぇ……!?」 手のひらを見ると小さな傷から血がにじみ出ている。 どうやらゆっくりに噛まれたようだ。 そして指と指の間に、桜色の半透明な……ゆっくりの羽だろうか? 投げた時に引っかかってちぎれたのかもしれない。 『いだいでずぅよぉ~~~~』 投げ飛ばしたゆっくりがよろよろとこちらにやってきた。 「おい、お前の羽取れたぞ。」 そう言って先ほどの羽をゆっくりに見せる。 『……ゆ?りりーのはねさん…………?』 ゆっくりは俺が持っている羽と自分の後ろの羽を交互に見直している。 確かにゆっくりの背中の羽は数本ちぎれていた。 『り゙り゙ぃのばね゙ざん゙があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!!!』 『しゅまーとでぷりてぃ♪なりりーのはねさん!かえして!!』 錯乱したゆっくりが俺の足に体当たりをしてくる。 弱弱しく、何回も、ただ無意味に。 『りりーのはねさん!はねさんっ!はねさん!はねさんっ!!』 「いい加減うざいんだ……よっ!」 ゆっくりの動きに合わせて足を引き、タイミングよく蹴り飛ばす。 『びゃべっ!!』 それほど強く蹴ったわけではないのだが、ゆっくりは向かいの壁に激突して地面に落下した。 壁には白いクリームのようなものがこびりついている。 「あ~~~あ、汚れちゃったじゃねぇか。どうしてくれるんだよ~~??」 『ひゅー、ひゅー、ひゅー』 脳震盪でも起こしたのか、ゆっくりは息をするので精いっぱいそうだ。 ゆっくりの背中には小さな裂け目があり、そこからクリームが出ている。 「ほらー、返事しないと痛いことしちゃう………ぞっ♪」 人差し指を立て、ゆっくりの目玉に突き刺す。 ぷちゅっ、と軽い音を出してゆっくりの眼球に穴が開いた。 『あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙』 「ほらーちゃんと謝らないとーーそれそれーーー」 眼球内をなでるように指を動かす。 指の動きと連動するようにゆっくりは悲鳴をあげた。 『ごべんな゙ざい゙ごべんっな゙ざい゙ごべんな゙ざい゙い゙い゙い゙い゙い゙!』 「全然謝る気が感じられないよー?ちゃんとあやまるんだよーわかるねー?」 俺は空いているもう片方の手でゆっくりの羽をつかみ、ゆっくりと引き抜いた。 まるで雑草を引き抜いているかのように、ぷちっぷちぷちっと根が千切れる音と感触が伝わってくる。 『ゔゔゔ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!!!!!!』 ビクンビクン激しい痙攣を起こし、口から半透明な液体を垂らしながら叫ぶゆっくり。 「ちゃんとごめんなさいできるまでおしおきだよー♪」 この時すでに俺は気付いていた。 公園で感じていたストレスや不快感はすでに消え失せているということ。 自分はゆっくりを虐めるのに快感を覚えているということ。 今、自分は愉しみの為にゆっくりを虐待しているということに。 逆に俺は気付いていなかった。 なぜこのゆっくりがポストに入っていたのか。 どうして俺を見ても怖がらずに逃げ出さなかったのか。 そして、ポストの中に封筒も入っていたという事に。 ____________________________________________________________________________ けん君へ 東京に出てもうすぐ3年。元気ですか? お母さんとお父さんはけん君が心配です。 入りたかった所に入れなかったのは残念だと思います。 でも、それだけが人生の全てではありませんよ。 それにけん君が自分で浪人すると決めたのですから、お母さんは何も言いません。 来年こそ合格できるようにがんばりましょうね。 お母さんとお父さんは、近いうちに会いに行こうと思ってます。 そうそう、親戚のおじさんが荷物を届けてくれたはずなのですが届きましたか? けん君が昔飼いたいと話していたゆっくり、こっそり買っちゃいました。 本当は合格のお祝いにしようと思っていたのですが、けん君はゆっくりが好きでしたよね。 お母さんはゆっくりをあまり知らないので近所のお店の人に選んでもらいました。 新しい季節の春にちなんで、可愛らしいゆっくりにしてもらいました。 希少種という種類らしいのですが、けん君は気に入ってくれたでしょうか? りりーという名前です。可愛いでしょ? しばらくうちで飼っていました。けん君の顔も知っています。 その子はけん君と会うのをすごく楽しみにしていたので、きっとすぐなついてくれるでしょう。 これから1年、その子と一緒に頑張ってくださいね。 応援しています。 父・母より ____________________________________________________________________________ 「次は髪の毛でも引き抜こうかーーー?」 『ごめ゙ん゙な゙ざい゙い゙い゙い゙い゙!!!!!!!!!!』 最近の10作 anko2065 ゆっくりシティの攻撃 anko2066 ゆっくりシティの戦い anko2067 ゆンボー anko2100 俺と守矢ゆっくり anko2150 ゆっくり自転車に乗ってね! anko2160 ゆ虐の拳 anko2181 ゆっくりとチュッチュするよ! anko2367 あー虐待したいなぁ anko2598 オモイコミ ノ チカラ anko2625 限りある永遠の命 ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/757.html anko2367 あー虐待したいなぁ の挿絵を本スレでいただきました!ありがとうございます! 自分の名前にちなんだSSでも、と思って書いたのですが… 表現力は相変わらず…どうすれば良くなるのでしょう? ネタが被ってないか心配… 感想をもらえると作者が成長しようと頑張ります by お受験あき ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1280375581/
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『れうこくろりぐる』 15KB 虐待 観察 改造 群れ 希少種 自然界 現代 8作目 ※本作は実在する「寄生虫」を元にしています。何か危険な気がしたら読まない方がいいかもしれません。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆゆ、にんげんさん!? ゆっくり……していってね」 「よかった、逃げなくて。ほら、あまあまさんをあげるよ!」 「ゆゆ! あまあまさん!? で、でも……」 「要らない? 要らないんなら、持って帰っちゃうよ!」 むーしゃむーしゃ、しあわせーーーーーーーーー! 『れうこくろりぐる』 最近、まりさは何だか落ち着かなかった。 「ゆ、ゆ、ゆぅ……」 「どうしたの、まりさ?」 「ゆぅ……なんだかゆっくりできないんだぜ……」 まりさは頭を振った。痛い訳ではない。苦しいという訳でもない。ただ、そっと饅頭肌を内側から撫でられて いるような、そんな気分がしていた。 「おとうしゃん、だいじょうぶ?」 「ゆっくちちてね、おとうしゃん!」 「ゆゆっ。ごめんだぜ、おちびちゃんたち! まりさはおちびちゃんとすーりすーりするだけで、とってもとっ てもゆっくりできるんだぜ!」 「ゆわーい。おとうしゃん、しゅーりしゅーり」 「ゆふふ。おちびちゃんたちもまだまだあまえんぼうさんだね!」 まりさの番であり、二児の母であるれいむは笑った。まりさがゆっくりできない、と言ったのはきっと、もう すぐ冬が近いせいだろう、と餡子の中で結論を出した。 まりさは少し前に出会った人間のことをちらりと思い出しもしたが、おちびちゃんのすーりすーりにあっとい う間に消えてしまった。 まりさとれいむは、ごくごく普通の野生ゆっくりである。この比較的大きな群れは、ドスではないもののぱち ゅりーの賢さとまりさの腕っ節を併せ持ったまりさによって、争いもなく治められていた。 今日は三日に一度の「しゅうかいっ」である。 長まりさは厳しい表情で告げた。 「このところ、あまあまさんをくれるにんげんさんがこのむれにせっしょくしてるんだぜ! あまあまさんがほ しいのはまりさもゆっくりわかるけど、なるべくさけるんだぜ!」 「ゆ! でも、あまあまさんをくれるから『めで』おにいさんだよきっと!」 「『めで』か『ぎゃくたい』かなんて、まりさたちにわかるはずがないんだぜ! だから、なるべくせっしょく するんじゃないんだぜ!」 「ゆぅ……」 群れの一部――特に人間をあまり知らない世代のゆっくりたちは、長の言葉に不服そうな表情をありありと見 せていた。 冒頭の、ゆっくりまりさもその一人であった。 (あのあまあまさん、とってもゆっくりできたよ……またほしいぜ……) ――数日後。 「ゆぅ……ゆぅ……。なんなんだぜ……なんなんだぜこれは……」 きもちわるい。 はきけがする。 めがぐるぐるする。 なんだかうすぼんやりとしていて、なんにもみえない。 「まりさ、どうしたの……?」 「ゆ」 愛するれいむの声に、振り返った。 れいむがひっ! と押し殺した悲鳴をあげる。 「れいむ……どうじだんだだだあだだだだだだだだぜ?」 「ゆ……ゆああああああああ! まりさ! まりさ! まりさのおべべが! まりさのおべべがああああああ!」 れいむは悲鳴をあげてぴょんぴょんと飛び跳ねた。その騒ぎに気付いた子供たちが目覚めてしまう。 「ゆぅ……どうしちゃの、おかあしゃん……」 「ゆゆ。ゆっくちおはよう! おとうしゃ…………」 「「ゆ……ゆんやあああああああああああああああああああああああ!?」」 なんだ。 なんなんだぜ。 こえが。こえさんが、すごくひびく。 いたぐない。 いだぐないけど。 ぎもぢばるい。 「おとうしゃ! おとうしゃんがあああああああああああ! おとうしゃんのおべべがきらきらじでるうううう うう! ぎぼぢばるいいいいいいいいいいいい!」 まりさの半透明の眼球が薄暗いおうちの内部で、まるでネオンサインのように明滅していた。 群れの成体ゆっくり三百体の内、おおよそ二百体が眼球に異常を訴えるという非常事態に、さすがの長まりさ も顔色を失った。 「これはどういうことなんだぜえええええええええええええええ!?」 「わからない……わからないけど、とかいはじゃないわ……!」 長まりさは慌てて群れの医者であるぱちゅりー(希少種であるえーりんは群れにいない)に診察を依頼した。 ぱちゅりーはこの前代未聞の奇病に、まず問診から開始した。 幸い、患者たちは全員ちゃんと意識があるようなので質問を繰り返し繰り返し行って、ある共通点に気付いた。 「むきゅ! びょうきになったゆっくりたちは、みんなにんげんさんにあまあまをもらっているわ!」 「あれほどにんげんさんにかかわるなっていっだのにいいいいい!」 長まりさは地団駄を踏んだが、後の祭りだ。 人間に絶対に関わるなと念押ししつつ、ひとまず患者を使っていない倉庫に閉じ込めることにした。幸い、彼 らは暴れることもなく大人しかった。 けっかいを張ることも考慮されていたが、それも必要ないと判断された。 ひとまず、患者ゆっくりのことは後回しにして。長まりさには緊急に解決せねばならない問題があった。 「うう……これじゃ、ごはんさんがたりないんだぜ……」 患者になったのは、家族の中で「父親」役を担っている秋も半ばで一層の奮闘を期待したいゆっくりたちばか りだった。 特に、おぼうしさんでたっぷりの食料を狩ることができるまりさが半分以上を占めているのが、なお致命的だ った。 「しかたないぜ……こそだてをやっているゆっくりたちをかりにとうにゅうするしかないんだぜ……」 「……しかたないわね」 幹部のありすが溜息をつく。反対意見がないか長まりさは幹部たちを見回した。 「うん? ぱちゅりー、どうかしたのぜ?」 非常事態ということで会議に参加して貰っていた医師ぱちゅりーが、もみあげを掲げて言った。 「むきゅ。たしかあきさんのはじめごろに、しんじゃったこゆっくりたちがいたわよね」 「うん? ……ああ、そういえばいたのぜ」 「あのこたちのかいぼうっ、をおねがいしたいんだけど、いいかしら?」 かいぼうっ? 長まりさはその不穏な響きのある言葉の意味を二分考えて思い出した。 「か、かいぼうってまっぷたつにしちゃうんだぜ!?」 「ゆゆゆ!? どぼじでぞんなごどずるのおおお!?」 「とかいはじゃないわあああああああああああ!」 一斉にぱちゅりーを非難する幹部たち。一通りの非難が終わってから、ぱちゅりーはもみあげを興奮してぶん ぶん振った。 「むきゅ! きいて! あのこゆっくりは、おやがもってきたにんげんさんのあまあまをたべたらしいのよ!」 「それがどうしたのぜ?」 「かんじゃさんは、みんなおとなのゆっくり。こゆっくりはいないわ、つまり……あのあまあまさんは、こゆっ くりをえいえんにゆっくりさせて、おとなのゆっくりをゆっくりさせなくなる『なにか』があるのよ! それを しらべたいの!」 「……で、でも。おやが……」 「おやはふたりともかんせんっ、しているわ……」 幹部一同、沈黙した。 「……わかったんだぜ。いまはあかゆっくりのもみあげさんもかりたいっときなんだぜ。ぱちゅりー、たのんだ んだぜ……」 長まりさは苦しげにそう決定した。 ――その日は、朝からやけに薄暗かった。 「ゆ、ゆ、ゆ。おとうしゃん、おとうしゃん……」 「おとうしゃん、いりゅの……?」 「おかあしゃあん……」 母親が狩りに出かけてしまい、留守番をせざるを得なくなった子ゆっくりたちは、こうして毎日、父親に会い に倉庫へとやってきていた。 この日、見張り役であったれいむは昨日狩りに出かけたときにれみりゃに襲われてゆっくりしており……狩り に忙しい大人たちは、誰も見張りがいないことに気付かなかった。 ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛。 ごえがずるよ。 おちびちゃんのごえがスルヨ。 ゆ゛っ゛、ゆ゛っ゛、ゆ゛っ゛。 スーリスーリシヨウネ、スーリスーリシヨウネ。 ユックリデキルヨ、とってもユックリデキルヨ。 瞳がゆっくりできなくなったところで、子ゆっくりにとって親は親であった。 まして、母親がいない今、寂しがり屋である彼らにとって父親とのすーりすーりが無ければ、とてもゆっくり できない状態なのだ。 見張り役のゆっくりは、いつも夕方前には子ゆっくりたちを強制的に引き離すが、今日は見張りがいないので、 母親が帰ってくるまではゆっくりすーりすーりできる。 だが。 この日は、なんだか――様子が、おかしかった。 「みょん。はくろーけんをかして」 「わかったみょん」 ぱちゅりーと、助手に抜擢されたみょんは、それぞれ枯葉で口元を覆っていた。冷たい死体となっている子ゆ っくりたちは、秋の冷えた土のせいで完全に固まっていた。 それを、みょんが持っているカッターナイフ――はくろーけんで、少しずつ切っていく。 長まりさは、餡子を吐き出したくなるのを堪えながらそれを見守っていた。 「むきゅ。おなかさんをせっかいしたわ」 ぱちゅりーはもみあげで短く切った木の枝を持ち、子ゆっくりの腹部を開いた。死臭を放つ餡子を、枝でさら に弄り回す。 「あんこさんがやけにすくないわね……」 かちんと、餡子以外の感触を枝が捉えた。ぱちゅりーは餡子を掻き分けて、それを取り出す。 「これは……」 ユックリシタイ。 ユックリシタイ。 ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリ シタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、 ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシ タイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユ ックリシタイヨ、ユックリシタイヨ、ユックリシタイヨ。 ユックリスルニハ? (おそとにでなきゃいけないね!) オソトニデテ? (たかいたかいところにいかなきゃいけないね!) ホカニハ? (おおきなこえでゆっくりゆっくりってさけぶんだよ!) 「おとう……しゃん?」 ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛と、親ゆっくりたちが一斉に奇妙な声を上げ始めた。すりすりしていた子ゆっ くりたちが、恐る恐る見上げる。 明滅していた親ゆっくりの眼球が。 奇妙に膨れ上がっていた。 「ゆぷっ」 子ゆっくりたちはそのあまりの気持ち悪さに、一斉におそろしーしーを放った。 「ゆああああああああああああああああああああああああああああ! にゃにこれあああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああ!?」 「これは……」 ぱちゅりーも、みょんも、長まりさも唖然として子ゆっくりの腹部から出てきたものを見つめていた。 緑色の頭、触覚、苦悶の表情に満ちたそれは、希少種だった。 「りぐる……だぜ?」 長まりさの言葉に、ぱちゅりーは頷く。 りぐるは他のゆっくりたちより小さいが、このりぐるはさらに小さかった。まだ子ゆっくりなのだろうか。 「長! 長あああああ!」 幹部ありすがぱちゅりーのおうちに飛び込んできた。長まりさは慌てて言う。 「はいってきちゃだめだっていったぜ!?」 「ちがうの! びょうきのゆっくりたちが……いっせいに……!」 長まりさたちはその言葉に、慌てて外へと飛び出した。 「ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、 ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、 ユックリ、ユックリ!」 「おとうしゃああん! まって! まっちぇえええ!」 「おとうしゃんどこいぐのおおおお!」 「まりちゃたちをおいてかないでええええ!」 「まっちぇね! まっちぇ……ぷぎゅう!? じゅぶれるううううう!」 まるで軍隊の行進のように整然と、患者ゆっくりたちが森の奥へ奥へと進んでいく。 それにまとわりつく子ゆっくりたち。 親ゆっくりたちは子ゆっくりたちがまるで見えていないようで、何匹かの子ゆっくりは親ゆっくりに踏み潰さ れていた。 「な、なんなんだぜ……なんなんだぜごれええええええええええええええええええ!」 だが、長まりさを硬直させていたのは患者ゆっくりたちの目だった。 ちかちかと光るだけだったあの目は、今や何かの触覚のようにぐにょぐにょと伸びていた。それは、長まりさ にあるものを思い出させた。 「いもむしさん……ゆっくりのめが、いもむしさんみたいになってるぜ……」 「まりさ! もたもたしてないで、おちびちゃんたちを!」 唖然として見守るしかなかった彼は、ぱちゅりーの叫びでどうにか自分の役割を思い出した。 「ぱちゅりー! みょん! ふたりはまりさといっしょにおちびちゃんたちをこっちまでひきずってくるんだぜ! ぐずったらたたいてもつれもどすんだぜ! ありす! かりをしているおやたちをもどらせるんだぜ!」 「むきゅ!」 「りょうかいだみょん!」 「わかったわ!」 「ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、 ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、 ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ!」 壊れたレコーダーのようにそれだけを繰り返す患者ゆっくりたち。 子ゆっくりたちは、親ゆっくりのあまりの変貌に、理解が追いつかなかった。 「どぼじだの! どぼじだのおどうじゃん!!」 「ユックリユックリユックリイイイイイ!」 笑いながら、親ゆっくりたちは高い場所を目指して歩いていく。今は夕方、れみりゃやふらんが襲いかかる頃 だが、おかまいなしだ。 「おどうじゃ……」 「こっちにくるんだぜ!」 「あきらめるみょん!」 子ゆっくりたちを長まりさたちが片っ端から引き摺って戻していく。それでも、何匹かは諦めきれずに親たち についてきてしまった。 ちかちかちかちかちかちか。 きれいだきれいだきらきらひかるよおちびちゃんたち。 ゆっくりプレイスだ、ゆっくりプレイスがあそこにあるんだよ。 ゆわわあああい。 ゆわわわわあああああああい! 「ユックリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ! ケヒヒヒヒヒカヒヒヒヒコヒヒヒヒ! ユックリジデェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ ェェェェェェェェッ!」 「う~? あんなところに、ちかちかのあまあまがたくさんあるどー!」 「うー! くいほうだいだどーーー!」 その声を聞きつけたれみりゃの群れが、患者ゆっくりたちの異変など知ったことではないとばかりに一斉に襲 いかかった。 「おとうしゃ……」 「ちいちゃいのもあるど~」 れみりゃの嬉しそうな声。子ゆっくりたちは、親が何故こんなゆっくりできない場所に連れてきたのか、理解 できないまま――れみりゃの餌になった。 半分以上の子ゆっくりたちが連れ去られた。 遠くかられみりゃの声が聞こえてくる。もう、間に合わないだろう。長まりさは嘆く親たちを余所に、再びぱ ちゅりーのおうちに戻っていた。 「……わかったわ。このりぐるは、きせいゆっくりなのよ」 「きせい?」 「このりぐるは、ゆっくりのからだのなかで、なかのあんこをごはんにしてくらすゆっくりなの」 「きもちわるいみょん……」 みょんが吐き気を堪えている。ぱちゅりーが持つ枝には、細長いりぐるが突き刺さっていた。 「おちびのからだでは、りぐるのえいようがたりなかったんだわ。だからおちびちゃんはゆっくりしてしまい、 なかのりぐるもゆっくりしたのよ」 「ゆう……ぱちゅりー、まりさにはさっぱりなんだぜ……」 「みょんもだみょん」 「ありすも……」 ぱちゅりーはゆっくりと、自分の生くりーむ脳を極限まで行使して説明した。 「まず、にんげんのあまあまさんからゆっくりりぐるはかんじゃゆっくりのあんこのなかにはいった。りぐるた ちはせいちょうするまではじっとなかにひそんでいるの」 ――まず最初。なんだかゆっくりできなくなる。 「つぎに、りぐるたちはそだつだけそだったらゆっくりのおめめさんちかくにいどうするの。そうして、ぴかぴ かさんになるの」 ――眼球がりぐるに寄生され、りぐる独特の光を放つようになる。 「そのぴかぴかさんをつかって、りぐるたちはかんじゃゆっくりのからだをあやつるの」 ――ゆっくりしたい? それなら簡単。夜になってかられみりゃの群れがいる方角にゆっくりって叫べばいい んだ。 「そして。りぐるはおめめさんをゆっくりできなくさせて、じぶんたちをれみりゃやふらんのごはんさんにさせ るの」 ――う~。あまあまだど~。 「ここからさきは、すいりするしかないけど……たぶん、りぐるのたまごはうんうんにまぎれこむんだわ」 ――うんうんするんだどー。 「そのうんうんをいもむしさんがたべて、いもむしさんをわたしたちがたべて……」 ――さあ、おちびちゃんたち! きょうはいもむしさんだよ! 「どうじで……どうじで、りぐるはそんなこと……するんだぜ……」 長まりさの言葉に、ぱちゅりーは首を横に振る。 「むきゅ。わからないわ……これいじょうは、なにもわからない」 群れは致命的な打撃を受けた。 長まりさたちは必死になって食料を掻き集めたが、それでも冬を越すにはあまりに少なく、多くのゆっくりた ちが凍死してしまい、群れの数は大規模から小規模一歩手前の中規模レベルにまで下降してしまった。 ちなみに、あの場でぱちゅりーの説明を聞いた長まりさたちは一生涯いもむしが食べられなくなった。 ゆっくり研究学者は、このりぐるたちを「れうこくろりぐる」と名付けた。 これがいつ発生したかは、誰にも分からなかった。 そして、その寄生虫を作り上げた人間は、水槽に閉じ込めた奇怪なゆっくり――寄生され、れみりゃを誘うた めの光をちかちか放っているれいむを見て、心の底からゆっくりしていた。 「ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、 ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、ユックリ、 ユックリ、ユックリ、ユックリ……」 寄生されたれいむは、ただひたすら行進する。 破滅に向かうはずの彼女は、水槽のガラスに遮られてどこにも行けず。 ただ、この男を心からゆっくりさせる最高に悪趣味なインテリアとして死ぬまで歩かされ続けるのだ。 <あとがき> レウコクロリディウムはマジ精神に来る絵ヅラので、非検索推奨。 過去の作品 anko3216 愛するでいぶ anko3238 ゆ虐思考 anko3257 赤ゆ十連発(前編) anko3263 赤ゆ十連発(後編) anko3271 手を触れずに殺害せよ anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで anko3300 何もしない 赤ゆ編
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『ゆかりん』 10KB 愛で 小ネタ 独自設定 思いつき 「う、う~~~~ん…いたた…」 全身の穴という穴に泥を塗りたくられたような、なんとも気持ち悪い感覚で目覚める。 頭は痛い、胃はきもちわるい、口の中もカラカラなようなネバネバなようななんとも言えない不快な感触がする。 吐く息がアルコール臭い、完全な二日酔いだ。 昨日ついつい仲間内で飲みすぎてしまった、どうやって帰宅したのかは全く覚えてない。 しかし幸いにも今日は休日、だからこそ思い切り飲んだのだが、だからといって休日を棒に振ってしまうのは少々もったいなきがする。 と、思いつつもやはり身体が動く気がしない、しかたなく布団にもぐりこみ、このムカつきが去るのを待つことにした。 ところが。 がたんっ、がたがたっ。 「な、なんだ?」 酔いはともかく突然の物音に眠気が一瞬で醒める。 音を探ると、どうやら押入れの中から物音がしたようが。 そこには普段使わない来客用の布団と、衣替え用の衣服しか入っていないはずだ。 なのにずいぶん大きな物音がした、居るはずの無いものが居るのかもしれない、サッと血の気が引く。 しかしなおもがたんがたんと揺れるふすまを、俺は勇気を振り絞って横にスライドさせた。 「ゆぅ~~~~」 「はい?」 するとそこには、ふりふりの長いスカートに包まれた小ぶりなお尻が一つあった。 その上半身は布団の隙間に挟まっているらしい。 「なんだこれ?」 思わず指でつついてしまうと、ビクンと震えてから、足をじたばたとさせてそれが布団の間から這い出てきた。 「しょーじょのおしりをつつくなんてしつれいね!」 布団の隙間から出てきた、その軽いウェーブのかかった金色に輝く長い髪の毛の少女は、まん丸の頬を膨らませて俺に抗議する。 「えっと…キミは…」 正直こんな知り合いは居ない、ところでこれって少女誘拐になるんだろうか、 と鈍った頭の隅でぼんやり思っていると、少女はぷりぷりとしたまま自己紹介をしてくれた。 「ゆかりんはゆかりんだよ!どうつきのすごいゆっくりなんだよ!」 「え、ああキミ胴つきゆっくりなの?」 「そうよ!もう、おにいさんがきのうのよる、すてきなすきまをしょーかいしてくれるっていうからついてきたのに! おにいさんったらわたしのことなんてほっといてねちゃうんだもの!ゆっかりできないわ! しかたないからそこのすきまをゆかりのすきまぷれいすにすることにしたからゆっかりさせてね!」 「はぁ…」 女の子…もといゆかりんは、勝手にそうまくし立てると、再び押入れの中に折りたたんである布団の隙間に顔をつっこんで、ゆっくりとし始めた。 「ゆ~ゆ~ゆ~」 どう見ても苦しそうなのだが、本人はご満悦らしい、お尻をふりふりと揺らしながら、楽しそうな声をだしている。 「…寝よう」 酔いが残る俺はなんだかどうでもよくなってしまって、そのまま自分の布団にもぐりこんで、目を閉じた。 ゆさゆさと身体が揺さぶられる感覚で目を覚ます。 「あ…?」 部屋全体が暗い、どうやら寝ているうちに太陽は落ちてしまったらしい。 暗がりにぼんやりとうかんだ、俺を見下ろすゆかりんと目が合った。 「ねーねーおにいさん、ゆかりんおなかへったわ、なにかたべさせて」 「あー、うん」 軽く頭を振ると、もうアルコールは殆ど残ってはいないようだった。 「っていっても何にもないけどなぁ…チャーハンでいい?」 「なんでもいいわ!」 床にぺたりと座りこむゆかりんを置いて、俺はのそのそと立ち上がってキッチンにたった。 二人分のチャーハンを作って皿によそって食卓に置くと、ゆかりんはまってましたと俺の向かい側に座り、スプーンをとって勢いよくかきこんだ。 「はふっはふっ!おいしいわ!」 「そう、ゆっくりたべなよ」 「うん!」 俺もゆかりんに続いてもそもそと米粒を噛んでいると、脳みそが徐々に起きてきて、冷静な疑問が浮かんでくる。 「え、そういえばキミ飼い主とかは?」 「いないわよ?」 「そうなの?」 「ゆかりんはすてられちゃったの、くさいんだって、しつれいよね!」 「臭い…?どれ」 俺はゆかりんに顔を近づけてくんくんと匂いをかぐ。 捨てられてから日にちがたっていたのか、どこか埃臭い匂いがしたが、それ以外は特別きにならなかった。 「でもおにいさんがひろってくれたんでしょ?」 「えっ、いやぁ…」 ゆかりんの真っ直ぐな視線につい目をそらしてしまう。 正直昨日のことは全く覚えていないのだが、酔った勢いとはいえ捨てゆっくりを家まで上げて、覚えてないという理由でまた外に放り出すのは無責任だと思う。 それにきっと昨日出会ったときは、恐らく本気で女の子に声をかけられたとでも思ったのだろう、 どうやら間違いは犯していないようだが、見ず知らずの娘を部屋に連れ込んだりして、それはそれであきれた話だ。 目線をちらと戻すと、ゆかりんはだまって俺の顔をじっと見つめていた。 頬が丸いという程度で、ぱっと見るとゆかりんは美少女に見えないことは無い。 普通のゆっくりなら考えてしまうところだが、胴つきともなるとある程度こちらの言うことは聞いてくれそうだし、 なにより俺が仕事に出て、部屋に一人にしてもそれほど問題はないだろう。 それにこんなに可愛い子を邪険に扱うのも気が引ける、もしも俺の手に余るようなら、飼い手を捜してやればきっとすぐに見つかるだろう。 「まぁ、俺のとこでいいなら、べつに居てもいいよ」 意を決してぶっきらぼうに言うと、ゆかりんはぱっと笑顔になった。 そして再びチャーハンをもりもりと口に運ぶ、ほっぺにご飯粒が付いていようがお構いなしだ。 なんだか小さい妹が出来たような、微笑ましい気分になってしまった。 そうと決まれば早速…とペットのためのあれこれを考えてみたが、ゆかりんに聞いてみても人間の生活に必要なものと殆ど変わらなかった。 強いて言えばあまりしょっぱいものや辛いものはニガテらしい。 服も洗濯して、風呂で身体を洗うように言って、出てきたら俺の服を貸してやった。 小さな身体では俺の服はサイズが合わず、だぼだぼで不釣り合いだったが、我慢してもらうしかない。 折角のペットだ、遊んでやろう!とも思ったけど道具が無い、なにか一緒に楽しめるものはと探しているうちに、 ゆかりんは勝手に押入れを空けて布団の隙間に身体を滑り込ませてしまった。 折り重なった布団の間に頭からつっこんで、下半身が出ているというすごい絵面だが、本人はこれが気に入っているらしい。 手がかからなすぎて正直肩透かしを食らった気分だが、まあ楽といえば楽なので気にしないようにしよう。 その状態でも、俺が話しかけるとちゃんと答えてくれるので、話し相手にはなってくれるようだった。 寂しい一人暮らしには、これが結構ありがたい。 他愛の無いおしゃべりを続けてふと時計をみると、時計の短針が頂点に達しようとしていた。 「いけね、明日も仕事か、あーあ、一日棒にふっちゃったなぁ」 二日酔いにやられて殆どを布団の中で過ごしてしまった、若干の後悔をしつつ、 俺は寝巻きから着替えてもいなかったのを思い出し、電気を消してそのまま布団にもぐりこんだ。 「おやすみゆかりん」 「おやすみなさい!」 短い挨拶を交わして目を閉じると、しばらくしてゆかりんのいる押入れのほうからもぞもぞと物音がした。 眠気に誘われながらそちらに意識を向けていると、俺の布団の足元がそっとめくられて、何かが進入してくる。 目を開けると、俺の首元の布団の隙間から、ゆかりんがひょいと顔を出した。 「こっちのすきまのほうが、あったかいわ」 ゆかりんはクスクスと笑って、そのまま目を閉じてしまう。 「お、おいおい」 「ゆっかりできるわ…」 狭い布団の中で、ゆかりんは俺に身体をすりよせるようにして寝息を立てはじめてしまった。 俺の服に包まれた、やわらかい身体が密着して、なんだか不思議な気分になってしまう。 これが女の子のやわらかさなのかな…などという考えが頭を過ぎってしまい、俺は頭をふってそれを吹き飛ばした。 「まったくゆかりんはあまえんぼだな」 そうさ、ゆかりんはゆっくりなんだ、このぷにぷにもゆっくりのもち肌さ。 そう自分に言い聞かせて、俺はゆかりんを抱き枕代わりにして眠ってしまうことにした。 翌朝、カーテンからもれる朝日が瞼に落ちて意識が覚醒する。 すると俺は自分の鼻にふと違和感を感じて、ぱっと目を開けた。 「な、なんだなんだ異臭騒ぎか!?」 あわてて布団に入ったままあたりを見渡すと、特に何も起こっていないようで、外もいたって静かだった。 俺の目の前には、俺に抱きついたまま大口を開けて眠っているゆかりんがいるだけだ。 ふと、その口の中から、鼻を突く臭いが漂ってきた。 「え、なにこれくっさ」 確かめるためにもう一度ゆかりんの口に鼻を近づけると、確かにゆかりんの口の中から漂ってくる臭いだった。 「あー、くさ、なにこれ、えっと、これは…」 においというものは案外記憶に残りやすい、俺はくんくんと嗅ぎながら記憶をたどっていくと、 その臭いは納豆に近いものだということが分かった、強いて言えばその臭いはスーパーで売っている納豆なんかよりはるかに強い。 初めは突然のことに臭いと思ってしまったが、納豆かと思うとそれほど気になるというものでもなかった。 ちょいとしょうゆをたらしてかき回し、白飯の上にとろっとかけて勢いよくかきこみたい、などというイメージが浮かんできて腹の虫が鳴く。 その音でゆかりんも目を覚ました。 「んぅ~…ふわ…ゆっかりおはよう」 「あ、あぁおはよう」 あくびに乗って再び臭いが俺の鼻を突いたが、そのことは言わないでおいてあげた。 前の飼い主に捨てられた理由がどうやらそれらしいので、可愛そうかなと思ってしまったのだ。 ゆかりんは布団の中で俺に抱きつきながら、朝ご飯をせがむ。 他の飼い主を探したとしても、これではもしかしたら再び捨てられてしまうかもしれないなと、ふと思う。 仕方ないので可能な限り俺が最後まで面倒を見てやるしかないようだ。 外見は可愛い少女なのに、においが臭いなんて、なんて不憫なんだろうと思うと、ふと心の汗が頬をつたってしまう。 ゆかりんはそれに気付かず、隙間はゆっかりできるわとか、ご飯はまだかしらとか、愛嬌のある声で独り言をいっていた。 口を開くたびに、ぷわんぷわんとその顔に似合わない臭いが再び俺の周りを漂い始めた。 大丈夫だよ、安心してくれゆかりん、俺は納豆とか気にしないタイプだからさ… おしまい。 ---------------------------------------- ふとスレを覗くとゆかりんが弄られていたのでノッてみました。 自分も納豆でご飯三杯イケる派だから大丈夫だよゆかりん!(キリッ あとふと餡サイクロペディアを眺めていたところ、自分の名前が載っていることに気付きました。 紹介文を書いてくれた方には、この場を借りてお礼をさせていただきます、ありがとうございます。 それではまた次回作で。 ばや汁でした。 いつも多数のご意見ご感想ありがとうございます! この作品へのご意見ご感想も、どうぞお気軽にお寄せください。 個人用感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/ 今までの作品 anko1748 かみさま anko1830-1831 とくべつ anko1837 ぼくのかわいいれいむちゃん anko1847 しろくろ anko1869 ぬくもり anko1896 いぢめて anko1906 どうぐ・おかえし anko1911 さくや・いぢめて おまけ anko1915 ゆなほ anko1939 たなばた anko1943 わけあり anko1959 続ゆなほ anko1965 わたしは anko1983 はこ anko2001 でぃーおー anko2007 ゆんりつせん anko2023 あるむれ anko2068 おしかけ anko2110 とおりま anko2111 おもちゃ anko2112 ぼくとペット anko2223 まちかどで anko2241 かいゆ anko2304 ぼうけん anko2332 とかいは anko2349 たたかい anko2369 ゆっくぢ anko2413 せんたく anko2427 ぶろてん anko2489 あこがれ 前編 anko2588 ひとりぼっちのまりさ anko2807 母の音 anko2887 僕とれいむと秘密基地 anko2949 野良れいむ anko3047 ぶろてん おまけ anko3058 実験01 クッキーボタン anko3067 わけあり おまけ anko3078 げすまりさ anko3090 てのりれいむ anko3096 雨 餡小話では消えてしまった作品も多数ありますので、過去作を読みたいと思っていただけた方は ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ- http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html をご活用ください。
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『ゆっくり地獄山』 27KB 虐待 制裁 群れ ゲス ドスまりさ 自然界 虐待人間 15作目 anko3408 まりさのおしごと の設定を一部反映させております 男はいつものように、必要な物資を持って山へと足を踏み入れた。 重い荷物ではあるが、男の表情は喜色満面に輝いている。 季節は初夏。 緑鮮やかな山は、清々しい空気が充満していた。 梅雨さえ乗り切れば、何とかなるだろうな。などと男は考えながら歩く。 二十分も歩くと、そこへ辿り着いた。 男の足音を聞きつけたのだろう、そのゆっくりの群れたちは一斉に騒ぎ立て始めた。 人間が来たことへの恐怖ではない。 人間が来たことへの憎悪でもない。 「にんげんざん! にんげんざあああああああああああああん!」 「ごろじでぐだざい! れいぶだぢをごろじでぐだざい!」 「まりざだげでもおねがいじまず! ぐずのまりじゃをごろじでぐだざい!」 「おねがいじまずううううううううううううう!」 良い声だ。必死になって希望に縋るその様は、男をゆっくりとさせる。 一際大きな影……ドスまりさが、精一杯に体をうねうねさせて叫ぶ。 「にんげんざん! どずはぐずでず! どうじようもないぐずでず! だがら! だがら! どずをごろじでぐだざい! ぼうだえられまぜん! おねがい! おねがい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛でずがらあ゛あ゛!」 男は無言で、平たい岩の上に腰掛けると美味そうに冷たいお茶を飲み始めた。 冷やしたキュウリをポキンと折ってマヨネーズをつけて丸かじり、更におにぎりを もぐもぐとのみ込んでいく。 恨めしそうに、ゆっくりたちがそれを見つめている。 「うああ……おなが……おながずいだよお……」 「むーじゃむーじゃざぜでえ……ざぜでよお゛……」 「ぞんなのどう゛だっでいい……ごろじで……ごろじでえ゛……」 昼飯を食べ終わった男は、一匹一匹ゆっくりをチェックしていく。 一匹のありすが、苦悶と安堵の入り混じった表情で死んでいた。 男はそれを掴み、ドスまりさの元へと運んでいく。 ドスが絶望に満ちた表情を浮かべた。 「いやだ……いやでず……ぼねがい゛……もう゛……い゛や゛……」 男は無言でドスまりさの歯が一本もない口を開いて、強引に喉へと詰め込んでいく。 「おべええええ! ぼべ! おぐ……ぶぶぶ……! ぶび!」 餡子を吐き出そうとすると、男がそれをがっしりと押さえつけた。 漂う死臭、土とカスタードの入り混じった味、全てがゆっくりできない不快さだった。 他に死んだゆっくりはいないらしい。 安心して、男は一人一人に命の糧であるオレンジジュースを大量にスプレーして回る。 飲ませるのではない、あくまで降り注ぐだけだ。 この場合、ゆっくりは栄養を確保することはできるが空腹はほとんど満たされることがない。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっくち、ゆっくち、ゆっくち……ひひひひひ……ゆっくち、 ゆっくち、ゆっくぢ……!」 非ゆっくり症を発症したまりさに、ゆーくりーむを味わわせることなく無理矢理のみ込ませる。 発狂防止剤が中枢餡の機能を正常に戻させた。 「ゆ、ゆ……ゆぐ……ゆっく、り……」 男が満面の笑みで、そのまりさを見つめていた。 まりさは愕然とした表情で、ああああああ、と意味のない言葉を叫び続けた。 「ぼうずごじで! ぼうずごじでえいえんにゆっぐぢでぎだのに゛!」 他に非ゆっくり症を患いそうなゆっくりはいないようだ。 男は全員の頭をぽんぽんと軽く叩き、軽くなったリュックサックを背負った。 「まっで! まっでぐだざい! おねがいじまず! ごろじで! ごろじでぐだざい! ぼうゆっぐぢぢなぐでいいでず! なんでぼ! なんでぼじまずがらあ゛あ゛!」 ドスまりさの懇願に、男は一度も振り返ることなく――その場を立ち去った。 ゆっくりたちは追いかけない。 追いかけることができないのだ。 あんよを焼かれた訳ではない。 そもそもこの群れのゆっくりたちは皆――――――地面にあんよがついていないのだ。 『ゆっくり地獄山』 マンネリあき ドスまりさは、すっきりを解禁したことが正しかったのだと確信した。 先代ドスまりさの教えは間違っていたのだ。 だって、群れのゆっくりが作ったおちびちゃんたちは……こんなにゆっくりしているのだから! 「ゆっち、ゆっち、ゆっちぃ……」 「ゆゆ~ん! おちびちゃんはほんっとうにほんっとうにかわいいよおお!」 「ドス、ドスみてよ! おちびちゃんが、おちびちゃんがぴょんぴょんできるように なったんだよおおお!」 「ゆふふ。よかったね、れいむ!」 「ドス、ありすのおちびちゃんたちをみて!」 「ちょかいは!」 「どちゅ、ちょかいは!」 「ちょかいは~」 「ゆふん。ありすのおちびちゃんもほんとうにゆっくりしてるねっ!」 「ゆっくち、ちょかいは!」 群れのゆっくりたちが、次々とおちびちゃんを見せにやってくる。 その度に、ドスまりさのゆっくりは際限なく高まっていく。 「ゆふふ。ぱちゅりーがまちがっていたよ! やっぱりドスのやったことはただしかったんだね!」 すっきり制限を廃止すると幹部会議で告げたとき、真っ向から反対したぱちゅりーは、 彼女を慕う一部のゆっくりたちと共に、別の山へと旅立っていった。 彼女は相変わらず先代の教えを守り、すっきり制限をしているのだろう。 きっと、ゆっくりできていないんだろうな。 そんなことをドスまりさは考えた――が、ゆっくりしていないゆっくりのことを考えるのは ゆっくりできないと、目の前のおちびちゃんたちに意識を集中させた。 そもそも、先代は何故すっきりを制限したのだろう。 人間さんが怖いから、と言っていたような気がする。 ドスまりさも、人間についてはぼんやりとしか記憶がないが、大した大きさでもない癖に やけにゆっくりできてない存在だったことだけは覚えている。 ゆっくりできていない。 この世の全てはゆっくりのために存在すると考えるドスまりさには、それだけで生きる権利は ないと思うのだ。 群れの皆は、ゆっくりしている。 彼らの群れを脅かす敵は今のところ、存在しない。 群れを出て行ったぱちゅりーの代わりにサブリーダーに就任した『ぼせい』ゆたかなれいむが、 不安そうな表情でドスまりさに報告した。 「ドス、さいきん『かり』でとれるごはんさんがすくないよ! しょくりょうこのごはんさんも、 びちくぶんがなくなっているよ!」 「ゆゆ!? ど、どうして!?」 「れいむにはわからないよ! でも、ごはんさんがすくないとゆっくりできないよ!」 ヒント:おちびちゃんはたくさんごはんをたべる 「ゆぅ……そうだ! いいことおもいついたよ! にんげんにけんじょうしてもらえばいいんだよ!」 昔、先代ドスまりさに聞いた話である。 群れの食料が枯渇し、このままでは全滅もやむなしという状況に陥ったとき、人間が野菜を 差し出してくれたのだと。 先代ドスまりさは「だからにんげんさんには、かんしゃしなければいけないんだよ!」と 言っていたが、ゆっくりしていない人間がゆっくりに奉仕するのは当たり前である。 ドスはその後半部分は都合良く解釈して、「人間がゆっくりに野菜を与えた」という事実のみに 集中していた。 「ドス! にんげんって、あのゆっくりしてないいきものでしょ? そんなれんちゅうが、 ごはんさんをけんじょうしてくれるの?」 「だいじょうぶだよ! だって……ドスは、ドスなんだから!」 答えになってないのだが、歴代サブリーダーの中でトップクラスの餡子脳であるれいむには、 その言葉はさながら天啓のように響いたらしい。 れいむはキラキラした瞳でぴょんぴょんと飛び跳ねた。 「そうだね! ドスはドスなんだもん!」 「じゃあ、さっそくドスはいってくるよ! そのあいだは、れいむ! むれをまかせたよ!」 「わかったよ、ドス! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 ドスはその重い図体をぴょんぴょんと跳ねて、山を降りていった。 れいむは群れのゆっくりたちに、ドスが人間にご飯を献上させにいったことと、食料はこれで 大丈夫であることを通達した。 群れのゆっくりたちは大喜びで、「もうびちくしなくてもいいよね!」とばかりに、溜め込んで いた食料を貪り食った。 そして、二日が過ぎた。 「ゆう……ドス、おそいよお。きっと、にんげんがわがままをいっているんだね」 サブリーダーであるれいむもまた、人間に関しては遠い彼方の記憶しかない。 ただ、とてつもなく――ゆっくりできない存在だったことだけは覚えていた。 もう少しだけ頭が良くて、もう少しだけ記憶を餡子に留める努力をしていれば、きっと彼女は 理解しただろう。そして、ドスの暴挙を止めさせようとしたかもしれない。 だが、れいむはゆっくりがゆっくりすることこそが義務と信じるゆっくりである。 ……野生の群れでも、賢い群れや人間・動物たちと関わりを持つゆっくりの場合、 「世界はゆっくりできないことだっていっぱいある」という認識を持つことができる。 だからこそ、「にんげんさんもゆっくりしていってね!」と口にすることができるのだ。 皆でゆっくりすれば、きっとゆっくりできるようになる。そう信じて。 愚かな群れ、そして脅威が存在しなくなった群れは、この言葉の解釈が違う。 「ゆっくりしていってね」とは「自分たちゆっくりのために、ゆっくりさせてね」という 確認の意味合いを持つようになる。 動物も、人間も、「ゆっくり」という価値観が前提にあって行動すると考える。 そして、自分たち種族が「ゆっくり」という名前を持つ――つまりそれは、「ゆっくりしている 存在だからゆっくりなのだ」と思い込むようになる。 いつの世も、ある程度の知能を持って社会を構築した生物はそのような考えを持つらしい。 「○○人こそが、人類を導くに足る存在である。自分たちの人種以外の人間は、劣等人種である」 というように。 だが、ゆっくりと人間とで決定的に違うものが一つある。 答えは簡単、『暴』という名の力だ。 「れいむ! れいむー!」 慌てて飛び跳ねてきたありすを、れいむは厳しい表情でもみあげを叩いた。 「れいむじゃない! れいむはさぶりーだーなんだよ! さぶりーだーってちゃんとよべって いつもいってるでしょお!」 「ご、ごめんねさぶりーだー」 「まったく……で、どうしたの?」 「にんげんが、こっちにくるんだよ! どうしよう!」 「ゆゆ。おそかったね、きっとにんげんがごはんをけんっじょうしにきたんだよ!」 「ゆわあ……ほんとに!?」 「さぶりーだーがうそをつくはずないでしょお! れいむのところにつれてきなさい!」 「ゆっくりりかいしたよ、れい……『ギロリ』……さぶりーだー!」 やや頭の弱いありすは、ぴょんぴょんと飛び跳ねていった。 「まったく、さすがにんげんだけあってゆっくりしていないね! こんなにまたせるなんて!」 普通ゆっくりしている方が待たせると思うのだろうが、この場合基準はあくまでれいむにある。 れいむがゆっくりせずに待っていたのだから、相手がゆっくりしていないのだ。 やがてありすが、人間を案内してきた。 人間の数は一、二……たくさんだ。 れいむはドスがいるだろうと思っていたが、なぜか姿が見えなかった。 もう少し観察力があれば、二人の人間がえっさほいさと白いスーツに包まれた何かを担架で 運んでいることが分かったのだろうが……。 やがて、先頭に立って歩いていた白衣の人間がれいむの前に立った。 「ゆっくりしていってね、にんげん! ごはんさんをもってきてくれたんだね!」 「ごひゃん、ごひゃん!」 「ごはんさんをゆっくりちょうだいね! すぐでいいよ!」 「ゆっくち、ゆっくちぎょはん!」 「ゆわぁ……あまあましゃん、くれりゅの?」 れいむの言葉を聞きつけたのだろう、わらわらとゆっくりたちが人間の下へと集まってくる。 「クソ。やっぱり赤ゆが増えてやがる……」 白衣の男の隣にいた人間が、ぽつりと呟いた。 れいむが耳ざとく聞きつけ、心底呆れかえった表情で告げた。 「そこのにんげん! おちびちゃんがふえたからどうだっていうの! かわいいかわいいてんしのようなおちびちゃんがたっくさんいたら、とってもとってもゆっくり できるんだよ!? にんげんはそんなこともしらないんだね! むちはこわいよ!」 「げらげらげら! おちびちゃんがふえたらにんげんはゆっくりできなくなるんだぜ!? まさしくけっかんせいぶつっ、なのぜ!」 「とってもとかいはなおちびちゃんたちをみてゆっくりできないなんて、まさしくいなかものね!」 「むきゅ! ぱちゅはしってるわ! こういうせいぶつをかとうしゅ、とよぶのよ!」 「かちょうちゅ?」 「そうよ、おちびちゃん! いもむしみたいに、ゆっくりできないせいぶつのことよ!」 「ゆっち! にんげん、かとうちゅ!」 「かとうちゅ! かとうちゅ! にんげんはかとうちゅ!」 その場にいた人間の殺気が膨れ上がる中、白衣の男だけはニヤニヤと笑いながら応じる。 「さて、サブリーダーのれいむさん。先代のドスが決めた掟に、すっきりの制限がありましたね?」 「ゆ……?」 すっきりの制限。 確か――確か、そんなこともあった気がする、とれいむは思った。 「これを破って、沢山のおちびちゃんを作ったのはゆっくりできることなんですか? 先代のドスの教えを破って、ですよ?」 「ゆ……」 実は、ゆっくりとはそれなりに保守的である。 特にドスまりさが決めた掟は、余程のことがない限りは破られはしない。 ドスまりさに従っているだけで「ゆっくりできた」ことが記憶に残っているからだ。 ドスがいなくなった後、群れが比較的よく保たれているのはそのことが大きく関係している。 だから、掟を破るということはゆっくりできないことなのだ。 これをゆっくりの論理で乗り越えるためには、一つの儀式が必要だ。 それはこの山の持ち主――白衣の人間の隣に居た男にとって、境界線であった。 その線を踏み越えれば、『博士』の言う通りにしようと、男は決めていた。 れいむは餡子脳で考えに考え、結論を出した。 「ゆっくりわかったよ! せんだいのドスはね、げすだったんだよ!!」 れいむがドヤ顔で告げた瞬間、男は嘆息した。 博士が笑顔のまま、問い掛ける。 「ほう。先代のドスがゲスだったため、掟を作ったのですか」 「そうだよ! だっておちびちゃんはこんっなにゆっくりできるからね! ゆっくりできるおちびちゃんをにんっしんさせなかったドスは、とってもゲス だったんだよ! ゆふふ、れいむかしこくってごめんね!」 「そうか……せんだいはゲスだったんだぜ……」 調子よく合わせることしかしないまりさが、そう呟くと群れは一斉に先代ドスへの 不満を噴出させた。 そう。「とってもゆっくりできるおちびちゃん」を作らせなかった先代ドスは、 ゲスであり、そんなゲスの下にいた自分たちも当然ゆっくりできていなかっただろう。 そんな解釈が、餡子脳でなされてしまったのだ。 「むきゅきゅ! ぱちゅりーはまえから、せんだいドスはゆっくりさせてくれないと おもってたわ!」 「そうね! あのドスはとかいはじゃなかったわ! なんであんなドスがりーだーだったの かしら!」 「せんだい、げしゅ!」 「せんだいドスは、げしゅだったんだね!」 「ゆゆん! さすがおちびちゃんはかしこいね! そう、せんだいドスはドゲスだったんだよ! おちびちゃん、りかいしてね!」 「「ゆっくちりかいちたよ!」」 博士の笑みは、ますます深くなる。 男の拳は強く強く握り締められる。 だが、先代ドスを非難することに合理的な解釈を得たれいむは、気付くことがない。 「サブリーダーのれいむくん。最後の質問です、では今のドスはゆっくりしていますか?」 「ゆふふ、あたりまえでしょお!? くずのせんだいとちがって、いまのドスはとってもゆっくり してるんだよおお!?」 「ほう……例えば、怪我をしていたら?」 「ちょっといたいいたいさんになったくらいで、ドスがゆっくりしてないはずないでしょお!?」 「おさげが千切れていたり、髪の毛がむしり取られていたら?」 「…………………………………………………………ゆ?」 そのとき、初めてサブリーダーのれいむは博士の笑顔を見た。 笑顔を浮かべているはずなのに、中枢餡がゆっくりできないと警告を発していた。 「片目が抉り出されていたら? あざが残るくらいに、人間たちに殴られ、蹴られていたら? 肌を震動させて突き出てきたペニスを、カンナでガリガリ薄く薄く削られていったら? 歯を一本抜いて、その度に爪楊枝で歯茎に当たる部分を突き刺されてグリグリされていたら? ハンダゴテであにゃるとまむまむをじっくりじっくりはんだ付けされていたらどうします? それでも、ゆっくりしていると言えるんですか?」 「に、にんげん? なに……いって、るの……」 博士は笑顔のまま、パチンと指を鳴らした。 背後にいた男二人が頷き、シーツを捲って担架から『それ』を放り捨てた。 「ゆ゛……ゆるじで……ゆるじでぐだざい……いだいの……いやでず……」 全員が、転がって落ちた物体が現リーダーのドスまりさであることを理解するのに、 三分を要した。 「「「ゆあああああああああああああああああああああああああ!? な゛ん゛な゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」」」 「今言った通りのことをしてあげたドスですよ。あ、一つ言い忘れてました」 男が二人、ドスまりさを強引に立たせた。 が、そのあんよは地面に着くことがない。 あんよの部分から、頭の部分まで、太い木が突き刺さっているのだ。 「こうやって、樫の木で作った杭で体を貫通させてみました」 「どぼじで! どぼじでごんなごどおお!」 「……当たり前だろうが、このボケども」 「なにがあだりばえ………………ごびょおおお!?」 博士の隣にいた男が進み出て、れいむを勢いよく蹴り飛ばした。 岩壁に叩きつけられたれいむの口から、砕けた歯がポロポロと飛び散った。 「いだい! いだい! れいぶの! れいぶのはが!」 キラキラした真珠のような、あるいは青空の白い雲のように美しい自慢の歯が、 見事に砕け散っていた。 ちなみに、人間からすると「北陸の冬空並みに真っ黒な歯」という感じに見えたが。 全身を走り回る激痛のせいで、悶えて尻をぷりんぷりんとセクシーに動かす(少なくとも れいむだけはそう思っている)ことしかできない。 「ふざけろこの馬鹿。あのドスはなぁ……」 博士がまあまあ、と男を押しとどめる。 「とりあえず、まずはやることをやってからにしましょう」 そう言って、博士たちは運んできた荷物から……細いものから太いものまで、沢山の 杭を取り出した。 「ゆ……ゆゆ……?」 もしこのとき、ゆっくりしないで全力で逃げるということができれば、数が少ない人間は追い切れずにゆっくりできたかもしれない。 だが、ドスまりさはひたすら人間に謝罪し、サブリーダーは体の痛みに打ち震えている今、彼らに 指示する者は誰もいなかったのだ。 初動の遅さが、群れの運命を決めてしまった。 「それでは早速――てい」 博士が、ラムネスプレーを手当たり次第にかけまくった。 たちまちゆっくりたちの目がトロンとしたものに変わり、 「ゆっくりおやすみするよ!」 などと言って、ぐーぐーと眠り始めた。 「……おい、糞れいむ」 先ほど彼女を蹴った男が、自身の痛みを嘆くだけのれいむのもみあげを引っ張り上げた。 「ゆがあ!? やべろ! にんげんごどぎが!」 「うるせえ」 パン、と空いた手でれいむの頬を叩く。 「ひっ! いだい! どぼじでごんなごど……!」 「お前は最後だ。お前の群れの連中がどうなるか、最初から最後まで全部見届けろ」 群れの連中がどうなるか? れいむはもみあげの痛みに泣きながら、恐る恐る群れの仲間たちを見て――絶叫した。 「な、な、なにごれえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?」 れいむも、まりさも、ありすも、ぱちゅりーも、子ゆっくりも、赤ゆっくりも、皆が次々と 杭に突き刺されていた。 「ゆぅ……ゆぴー………………ぐびぇ!?」 呑気に眠っていたれいむが、そっと持ち上げられると杭にあんよから突き刺さった。 ゆっくり、慎重に――中枢餡を避けつつ、脳天まで杭を貫かせていく。 「いじゃい゛! やべで! やべでぐだざい!」 「やめ……やめでろ゛お゛! ぐぞにんげんっ!」 「お前さあ、さっき先代ドスのことゲスって言ったよな?」 「ぞれがどうじだあ゛あ゛!」 「こうなるから、先代のドスはすっきり制限をしていたんだぜ?」 「……………………ゆ゛あ゛あ゛!?」 「俺はな、この山の持ち主だ」 「なにいっでるの! ごのやまはゆっぐりの゛ゆっぐりぷれいず……ひべ!」 自分たちのゆっくりプレイスであると説得しようとした途端に、殴られた。 「黙って聞け。俺はな、この山にお前等を住まわせてやってるだけだ。 ゆっくりだって、生き物だ。俺は躍起になって排除しようとは思わなかった。 先代ドスは、賢かったしな。 すっきり制限にも同意したし、たまに俺のとこに助力を乞いにやってくるときもあった。 知ってるか? お前たちが怪我をすると、ドスが治してくれていただろ?」 それは、ゆっくりできることだから覚えていた。 ドスが持ってきた、あまあまの薬。「にんげんさんがくれたんだよ! みんな、 にんげんさんにかんしゃしてね!」と言っていた気もする。 「あれは、ドスが俺に頼んだんだよ。オレンジジュースを少しでいいから下さいってな。 毎回毎回誠心誠意頼み込むし、お礼も欠かさなかった。山菜や食用のキノコを 持ってきてくれたんだよ、あのドスはな」 「ドス……が……」 「あいつとはよく、茶を飲みつつまったり……ゆっくりしたさ。お前等みたいな頭が悪い連中を、 ゆっくりさせることに全力を費やす様は、出来の悪い子供を持った親みたいだった。 でもな、アイツはいつも笑っていたぜ? 群れのみんなと、そして人間さんともゆっくり できて、ドスは幸せだってな」 ぎり、ともみあげを更に強く引っ張る。 「ちぎ! ちぎれりゅ! やめで!」 「で、アイツが死んだときもお前等がちゃんと泣いていたから。だから、このまま そっとしてやろうと思ったさ。ところが、だ……お前さっき、なんつった? 先代のドスのことを、何て言ったんだよ、おい」 「ゆ……ど、どすは……」 「ゲスって言ったよなあ? アイツのことを、ゲス呼ばわりしたよなあ? 先代のやったことをすっかり忘れた、とかなら俺もまあ納得したさ。 お前らの記憶保持力は弱いからな。だが……お前たちは覚えていた上で、ゲス呼ばわりしたな、 あいつの苦労を忘れて、都合良い解釈だけをしたな。れいむ、それだけは、ゆっくりとして やっちゃいけないことだった」 男は、すっきり制限を解禁したことを先代ドスの教えが忘れられたのではないか、 と思ったのだ。 それならば、群れのゆっくりたちを適当に痛めつけて掟を教え込むだけで済んだ。 だが、こいつらはあのドスの教えを知っていた上で馬鹿にした。 ゲスと断定して、誤魔化そうとした。 それだけは、絶対に許さない。 絶叫が先ほどから鳴り止まない。 成体ゆっくりが全て杭に刺されると、次は子ゆっくりと赤ゆっくりの出番だ。 男の手が無造作に子ゆっくりを掴んだ。 「やめちぇね! まりしゃ、ゆっくちしたいんだじぇ! ぷーすぷーすさんは ゆっくちできないんだじぇ! やめちぇ、やめちぇ……いやじゃあああああああ!」 悲鳴をあげながら、子まりさが刺された。 「ゆっくちとかいは! ありしゅはゆっくりしたとかいはなゆっぐりなの! だがらにんげんざん、だずげでね! ありしゅだけはだずげでね!」 「……」 男は無言で、子ありすを慎重に竹串に刺していく。 「やべちぇえええええ! いじゃい! いじゃいよおおお!」 子ありすは涙を流して尻をもるんもるんと振る。 「かとうしゅのにんげんのくしぇに、なまいきだよ! れいみゅ、ぷくーするよぷくー! ぷくー……! ぷしゅるるる、やめじぇ! れいみゅのほっぺたつままにゃいで! ゆんやああああああああああああ! おとうしゃん! おかあしゃんだじゅげでえええ!」 ぷくー、をしていた子れいむも竹串に突き刺さった。 そして、とうとう赤ゆっくりたちの出番がやってきた。 サブリーダーであるれいむと、ドスまりさが絶叫する。 「やべであげでね! ゆっぐり゛やべであげで! あがじゃん! あがじゃんだげは ぶーずぶーずじないでね! おねがいじまずうううう!」 「どずがゆるざないよ゛! ゆっぐりじだ! がわい゛い゛おぢびじゃんをいじめる゛のだげは ぜっだいに…………」 男がミドルキックを、ドスの腹部に叩き込んだ。 「ひべぎゃあ!? ず、ずいまぜん! ずいまぜんでじだ! なまいぎいいまじだ! でぼ! おぢびじゃんだげば!」 「あっはっは。ドスまりさくん、それは駄目です。不公平でしょ? こういうことは、ちゃあんと 平等に、綺麗に、公平に、真っ当に、一切合切きちんとやらなくちゃね」 博士は笑いながらそう言って、器用に赤ゆっくりたちを細く長い針で突き刺していく。 「ゆっじゃああああ! いじゃいよおお! ゆんあー! ゆんあーーーー!」 そうして、三百匹はいた群れのゆっくりたちが、全て杭に突き刺さった。 中には、一本の杭にまとめて三匹突き刺さっているものもいる。 誤って中枢餡を刺し貫かれて一瞬でゆっくりした者もいたが、九割以上のゆっくりは、 まだ痙攣しながら生きていた。 「さあ、ドスまりさくん。これが貴方の選択の代償というやつです。 人間が貴方たちに食料を献上する? 先代が口を酸っぱくして教えていたことを、何一つ 学ばなかったんですねえ、君は。まあ、過酷な時代を生き抜いた世代と、安穏として暮らしていた 世代とでは、餡子の質が違いますか」 「ゆ……が……」 「でもまあ、安心してください。ここから先、僕たちはあなたたちに何も危害を加えませんよ。 それどころか、望み通りに食料を与えてもあげましょう。ただし、君たちはそこから一歩たりとも 動けませんけどね」 あはははは、と楽しそうに笑う博士を見つつ……ゆっくりたちは一斉に叫んだ。 「「「ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」」」 それから、二ヶ月が過ぎた。 雨が降れば、溶けてゆっくりできると思ったが甘かった。彼らはちゃんと、防水のビニールシート をその区域に被せていた。 最初の頃は、蟻に生きたまま食われる赤ゆっくりや子ゆっくりたちが続出した。 「やめるんだじぇ! ありじゃんはゆっくぢむこうにいくんだじぇ! やめじぇ、やめじぇ……ゆんやあああああ! まりちゃのあんこしゃんがだべられりゅうう!」 「おぢびじゃあああん! おぢびじゃああああああああん!」 山の持ち主はこれを防ぐため、防虫スプレーをゆっくりたちに掛けて回った。 「ぷしゅぷしゅさんはぐざいよ! ゆっぐりでぎないよ!」 そんなクレームは黙殺された。 非ゆっくり症に追い込まれたゆっくりがいた。 だが、彼らには非ゆっくり症を防止するためのゆーくりーむが与えられた。 それも、躾用として販売されている「無味」タイプのもので、あまあまの味すら期待できない。 ゆっくりたちは、老衰を別にすれば餡子が半分以上漏れるか吐き出さない限り死ぬことはない。 餡子を吐き出すようなゆっくりにはゆーくりーむで精神の安定が図られている今、ゆっくりたちは 死ぬことすらできずに、あんよから脳天まで突き刺さる強烈な痛みに悶え苦しみ続けた。 すーやすーや? すーりすーり? そんなことはもちろん不可能だ。 ある日。 子れいむが、とうとう我慢できずに泣き叫び始めた。 「おがあじゃん! おがあじゃん! いだいよ! いだいよ! しゅーりしゅーりしたいよ! しゅーりしゅーりしだいよ! ゆんやああああ! ゆんやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「おぢびじゃん! おぢびじゃん! まっででね! いま、そじらにいぐがらね! ゆ、ぎ…… ゆぎぎぎぎ……!」 ぶち、ぶち、ぶちぶちぶち! 耳障りな音を立てて、親れいむが杭から離れた。 「おぢびじゃん……いま……いぐがらね……」 「ゆっくりまってるよ! ゆっくり! ゆっくり!」 親れいむは、ボロボロの顔でにっこり笑っておちびちゃんの前に立って、すーりすーりしようと 顔を近づけた――が。 「ゆ……べ……」 「おかあ……しゃん?」 子れいむには見えていなかった。 親れいむの背中は、強引に杭から離れたせいで完全に引き裂かれていた。 そこから漏れた大量の餡子のせいで、彼女は永遠にゆっくりしてしまったのだ。 「おかあしゃん……しゅーりしゅーりしてね……しゅーりしゅーりだよ……おかあしゃん? おがあじゃん……おが……ゆ……あ……ゆんやああああああああああああああああああああああ!」 男はその死体を蹴り飛ばして、子れいむに告げた。 「お前が我が侭言わなければ、お前の母さんは死ななかったのにな」 「ぞんな……ぞんな……ぞんなあ゛あ゛!」 子れいむはあっという間に廃ゆっくりとなってしまった。 時折、竹串の痛みに震えながらぶつぶつと呟くだけだ。 ボロボロのドスが懇願する。 「ぼねがいじまず……ごろじでざぜでぐだざい……」 サブリーダーのれいむも涙を流しながらお願いする。 「れいむがまぢがっでまぢだ……せんだいどすは……ずごいゆっぐりでず……。 だがら……ぐずのれいぶだぢを……ごろじで……」 他のゆっくりたちも後に続く。 「おねがい……おねがいいいい……」 「もうやだあ……じにだい……じにだいよお……」 「づらい……づらい……いぎるのやだあ……ゆっぐりもじだぐない……もう、 じぬだげでいいんでず……」 もう、ゆっくりすることすらどうでもいい。 今の彼らには、ただ死ぬことだけが望みだった。 だが、男は告げる。 「駄目だ。お前たちが全滅すると、他の群れがやってくる。そうするとアレだ、 その……また一から人間との力関係を教えるのが、めんどくさい」 男はあっさりと、彼らの切なる望みを「面倒」の一言で切り捨てた。 「ぞんなあ゛……めんどぐざいっで、ぞんなあ゛……」 ドスまりさは理解していた。 これが「復讐」「制裁」「怒り」からやったものならば、まだいいのだ。 いつか怒りが頂点に達してトドメを刺してくれる、いつか怒りが和らいで許してくれる。 だが、面倒臭いというのは致命的だ。 面倒である限り、彼はとことんまで自分たちを生かし続けるだろう。 男は言う。 「梅雨どきはちゃんと、一人一人に防水加工をしてやる。れみりゃやふらんは追い払ってやる。 冬は、お前等が死なない程度に温かくするか、冬眠したくなるほどに寒がらせてやる。 お前ら、野生ゆっくりにしては幸運だぞ。年寄りになって死ぬまでゆっくりできるんだからな!」 男は笑う。ただひたすら、笑い続ける。 その笑いを聞きながら、ゆっくりたちは意識が遠のくのを感じていた。 ● ● ● ここは、ぱちゅりーが長を務める小さな群れ。 珍しいことに、今日は山から山へと旅をするゆっくりたちが客ゆっくりとして来訪していた。 広場に集まり、群れたちは旅ゆっくりたちの『えきさいてぃんぐ』な話に聞き入っていた。 「あんよからあたままで、ぷーすぷーすされてて……ずっとそこにいるんだぜ。 あのゆっくりできるはずのドスもなんだぜ!」 「わかるよー。ころして、ころしてってさけびつづけるんだよー! こわいよー!」 「ありすもきいたわ。にんげんさんにさからって、そんなばつをゆっくりえいきから あたえられたんですって!」 「れいむはえいきじゃなくて『はかせ』ってにんげんさんがやったってきいたことあるよ!」 「みょん! 『はかせ』はまっしろいしにがみだってきいたことあるみょん!」 話を聞く群れのゆっくりたちの表情は、恐怖のせいで青白くなっていた。 「ゆわあああ……きょわいよ……」 「ゆゆゆゆっぐりするんだぜ、おぢびじゃん……」 「まりさこわがりすぎだよ! ね、ねえ……おさ? こんなの、うぞだよね?」 「むきゅ。とにかく、こわいおはなしよね……」 (かれらのいう『はかせ』があの『はかせ』だとしたら……むきゅ。そうぞうもしたくないわね) ……旅ゆっくりたちの間で、伝説のように語られている話がある。 とてもゆっくりできそうな、とある山。 そこには、地獄に堕ちたゆっくりたちが姿を現すのだという。 「ころして、ころして、ころしてください」 と、彼らを監視する鬼に泣いて懇願するのだという。 だがしかし、鬼はその願いを聞き届けず。 そのゆっくりたちは、永遠に地獄の底で苦しむのだという――――。 <あとがき> 最初に群れから出て行ったぱちゅりーは、準レギュラーの彼女です バニラあき様、勝手ながら「ゆーくりーむ」の設定をお借りしました。 ありがとうございます。 感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1304613952/ 過去の作品 anko3216 愛するでいぶ anko3238 ゆ虐思考 anko3257 赤ゆ十連発(前編) anko3263 赤ゆ十連発(後編) anko3271 手を触れずに殺害せよ anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで anko3300 何もしない 赤ゆ編 anko3312 れうこくろりぐる anko3342 テンプレ的自滅シークエンス anko3358 くらくなるまでまってね! anko3368 ぷりぷりもるんもるん anko3428 子まりさと仲良し家族 anko3446 まりさ一家の転落ゆん生 anko3478 ぷーすぷーすぷーす! 挿絵: