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涼宮ハルヒの懺悔 ハルヒの告解は最初本当に懺悔する内容だった ── 神父さま、あたしは罪を犯しました。 十年前のことなんだけどさあ、あ、この十年前っていうのはあたしのいた時代の十年前ってことね。通っていた中学校に不法侵入をしました。それだけならただの家宅侵入罪なんだけど、忍び込んでなにをしたかっていうとグラウンドに落書きをしただけなのよ。っていうか実際に書いたのはあたしじゃなくて、ジョンスミスとかいう不良高校生なんだけど。問題はその後よ、そいつがどこ行ったのかぜんっぜん分かんないの! 市内に住む外国人にかたっぱしから電話かけてみたんだけどそんなやつ知らないっていうし、似顔絵を描いて近所の高校生に聞いて回ってもナシのつぶてなのよ、住基ネットにもいないし警察にも私立探偵にも見つけられないなんて信じられる? よくあるじゃない、そして彼は忽然と姿を消した、チャララーン次回へ続くみたいな安っちいドラマ。ふざけんじゃないわよ! 謎を残すだけ残しといて迷宮入りとかどんな連載打ち切りよ、あたしがどんだけ苦労して探しまわってたか知ってんの!!ハァハァ、ごめんちょっと乱れたわ。 モノは相談なんだけどさあ、神様の力でなんとかしてくんない? 全人類の中からジョンスミスを見つけ出してほしいのよ。お賽銭なら弾むわ、ホラホラこれでなんでも好きなもの買いなさい。あれ、穴が小さくて入んないわ、どうやってお金入れたらいいの、え、これじゃ足りない? アンタねぇ、この不景気の世の中どこに福沢諭吉をタダで恵んでくれる奴がいるっての、非課税の宗教法人だからって贅沢言ってんじゃないわよまったく。 ちょっと聞いてんの神父さん。顔色悪いわ、あんたのほうが天に召されそうじゃん。え、なに泡吹いてんの……お坊さん呼ぼうか?
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五 章 キョンに遭遇しただけで記憶を消すほどのことはないと判断して採用されなかった案 古泉の記憶抹消 「古泉、まことにすまないんだが」 「未来の僕の記憶と一致しない、因果律に抵触するんでしょう」 「実はそうなんだ」 やけに勘のいいやつだ。 「いいいですよ。記憶を消してください」 「ごめんね、古泉くん……」 朝比奈さんが古泉の首筋にちょんと触れると、古泉はフラリと気を失って倒れかかった。俺はあわてて脇を支えた。
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第74回MAD晒しの宴 イベント詳細イベント趣旨 【参加方法】 【作品うp、タグロック、作品ページ登録期間】 【ルール】 参加作品(作品別レビューページ) コメントBOX(ご意見・質問・要望など) イベント詳細 イベント趣旨 毎月定期的に行われる新作MADを晒すイベントです。 参加者が新作MADを晒し、視聴者に見てもらうのが目的。 そして、作品についてのレビュー(コメント)を参考にそれぞれが次のMAD制作への糧とする。 レビュー(コメント)は参加者・視聴者、どなたでもできます。気張らずに一言のみでもOKです。 【参加方法】 参加者の方にやって頂くことは2つ 1、下記の期間中に動画をうpし、「第74回MAD晒しの宴」のタグをロックする。 2、当wikiに作品ページを作る。作り方は→こちらを参照して下さい。 【作品うp、タグロック、作品ページ登録期間】 開始:2015年2月21日(土)19時 終了:2015年2月28日(土)19時 (毎月第三土曜日19時~翌土曜日19時) (ニコ動のメンテがあれば終了時間は延ばされます。) 【ルール】 特にありません。 映像・音声素材、制作手法、ジャンルは問いません。 新作MADなら何でもOKです。修正版(過去作品を手直し)での参加もできます。 参加作品(作品別レビューページ) 第74回MAD晒しの宴(クリックでニコニコ動画のタグ検索) ページ更新順にソートします。新しいレビュー(コメント)が投稿された場合も更新扱いになるので上に来ます。 【音ゲーMAD】Critical Crystal【ちびまる子ちゃん】 【凶悪MUGENMAD】夢幻ノ夜宴【東方夢幻杯】 【艦これMAD】ill-usion【ROTTENGRAFFTY】 【MAD】The Game【SAO】 コメントBOX(ご意見・質問・要望など) 名前 コメント
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[部分編集] http //www.nicovideo.jp/watch/sm9618024 投稿者コメント1.コメント2.コメント3.コメント この作品のタグ:第33回MAD晒しの宴 レビュー欄 元ネタ未視聴。 各シーンに尺を取りすぎてて情報量が少なく、結果的にストーリー性も見えにくくなってる気がする。 カット数はもっと欲しい。良い絵がなければ回想シーンを挟んだり、エフェクト的な効果のシーンを持ってきて飾るのも良い。 セリフやテキストなどで情報量を増やすのも一つの手。 切り替えで曲調が阻害されるようならクロスフェードで柔らかくつなぐと良いだろう。 -- 名無しさん (2010-02-11 21 10 57) 名前 コメント 第33回MAD晒しの宴
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長門有希の日記Ⅱ 5月某日。涼宮ハルヒによって3つの異なる組織の末端が一同に集められ、 なんとも理解しがたい活動をはじめた数週間後。 情報統合思念体も、いよいよ観察対象が動き始めたというので、内部ではさまざまな思惑が飛び交っていた。 「長門さん、喜緑さん、ちょっとお話があるの」朝倉涼子に呼ばれた。 「涼宮ハルヒの情報爆発の件で主流派が譲歩したみたいだわ」 わたしもそれは聞いていた。情報統合思念体の主流派と急進派の間でちょっとした駆け引きがあったようだ。 「急進派内で、キーパーソンはキョン君なのではないかという意見が出たの」 「それはわたしも感じている」 「観察した結果、涼宮ハルヒをコントロールするには、キョン君の意思が必要。 それでね、わたしと長門さんで一芝居打つことになったの。 わたしがキョン君を襲って、長門さんがそれを助ける。 そうすると長門さんとキョン君の間には信頼関係が生まれるってわけ。 主流派は渋ったけど、情報の奔流が得られるかもしれないと期待して結局は譲歩したわ」 「わたしはそのような計算ずくの信頼関係の成立には賛成しない」 「分かってるわ。そんな信頼はウソだと言うんでしょ。でもキョン君に知られなければいいと思うの」 「仮に成立したとしても、わたしはいつかそれを後悔する可能性が大きい」 「これは任務だから、割り切るしかないわ」 「・・・そう」 「朝倉さんはどうなるんですの?」喜緑江美里が不安そうに尋ねた。 「わたしは情報統合思念体に帰ることになるわ。わたしの任務は終わり。お役ごめんってところね」 「そんな・・・あなたがいなくなってしまうと寂しいですわ」 任務完了ということは、朝倉涼子の昇進を意味する。 わたしも喜緑江美里も、これが喜ばしいことなのか、残念なことなのか、気持ちは複雑だった。 「喜緑さん、わたしがいなくなったら長門さんのことをお願いね」 「分かりましたわ。あなたとはもっと一緒に過ごしたかったですけど、お互い仕事ですものね」 「そうね。でも、また会えるわけだし。これが後生の別れってわけじゃないわ」 「そうですね、昇進おめでとう」 「まだ早いわよ」朝倉涼子はほがらかに笑った。 「そういうわけだから長門さん、決行は明日の放課後ね」 「・・・」わたしは黙ってうなずいた。 眠れない。目を閉じるが、明日起こることのイメージが何度も繰り返された。 わたしは枕を持って朝倉涼子の部屋のドアをノックした。 「あら長門さん、どうしたの?」 「・・・ここで寝たい」 「いいわ。上がって」 お茶でもいかがと言ってくれたが、眠れなくなるからと断った。 「そう」 わたしは朝倉涼子のベットにもぐりこんだ。中は暖かかった。 「わたしのことが心配?」 「分からない。この感情は・・・うまく処理できない」 朝倉涼子はわたしの手を握った。 「心配ないわ。きっとうまくいく」真っ暗な部屋で、朝倉涼子の声が小さく響いた。 17時32分40秒、位相変換のシグナルを検知した。時間どおり。 わたしは1年5組の教室へ空間移動した。 無論、ドアは開かない。これは次元隔壁による空間封鎖。 わたしは隔壁の隙を見つけて崩壊因子エージェントを送り込んだ。 エージェントの一部を経由して再実体化する。空間内部では彼と朝倉涼子が対峙していた。 わたしは瞬間移動し、朝倉涼子のナイフを握り締めた。 「ひとつひとつのプログラムが甘い」 用意されたセリフとは裏腹に、朝倉涼子のプログラムは完璧だった。 空間封鎖、次元隔壁、分子構造改竄。彼女の情報制御はどれもまったく隙がない。 わたしがここに入り込めたのは彼女がバックドアを用意してくれていたからだ。 「あなたはとても優秀」それはわたしの本心だった。 鉄の分子を再構成した無数の槍が彼を襲った。わたしはすぐさま物理シールドを張る。 朝倉涼子は手加減をしない。本気で戦いなさい、彼女の目はそう言っていた。 わたしは後ろに跳び退った。足元に巨大なエネルギーの衝撃が走る。 これは任務だ。だが、わたしには彼女を殺す理由がない。 そんな感情がわたしに隙を作らせた。再び飛んできた槍がわたしの体を串刺しにした。 「長門・・・大丈夫か」彼がわたしを見ていた。 わたしは彼を助けなければならない。それがわたしの任務。それを思い出した。 複数の組織、派閥、思惑が混沌としてうごめく中で、わたしが守らなければならないのは、人間の彼。 朝倉涼子はそう言っていたのだと思う。 「じゃあ、死になさい」 朝倉涼子の手から伸びる量子ビームがわたしの胸を貫いた。 もしかしたら朝倉涼子は本当にわたしを殺すかもしれない。 そのときはじめてわたしは恐怖という感情を知った。それがわたしを動かした。 仕込んでおいたエージェントを呼んだ。すべての構成情報を破壊せよ、と。 「終わった」 朝倉涼子は、わたしの手によって消滅した。 「長門さん、おかえりなさい。大丈夫?」喜緑江美里はわたしの報告を知っているはず。 「・・・問題ない。シナリオどおり」 問題ない。だがわたしの声は、不可解ながら震えていた。 その日の夜、わたしと喜緑江美里は朝倉涼子の部屋を片付けに入った。 ふだん散らかしていた朝倉涼子の部屋はすでに片付けられてあった。 「・・・することがない」 「家具を処分しましょう」 彼女の本棚には、ミニカーコレクションと、かつてそれだった鉄の塊がそこにあった。 「この塊・・・捨てなかったのね。ちょっとしたオブジェみたい」喜緑江美里が悲しそうに笑った。 背後から、長門さんと呼ぶあのやさしい声が聞こえそうな気がしてならない。 喜緑江美里の情報操作により、すべての家具、丁度品は光の粒子と消えた。 ほこりひとつなく、掃除機をかける必要もなかった。 「終わったわね」 「・・・そう」 わたしと喜緑江美里の話し声が、がらんとした空間に虚ろに響いた。 「しばらく・・・ここにいたい」 「分かったわ。鍵は管理人さんに返しておいてね」 喜緑江美里はそう言ってドアを閉めた。 わたしはベランダの窓を開けた。部屋の暖かい空気と外の冷たい空気が入れ替わる。 見上げると、夜空は一面の星で満ちていた。 見つめていると少しずつにじんでいく。 思い浮かぶ彼女の笑顔はやさしい光に満ちていた。わたしのなかで小さな星だった。 880万光年のかなた、ほのかに輝く星は、きっと朝倉涼子のそれに違いない。 END
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エピローグ 新しい朝倉とクラスメイトたち 当初朝倉が帰還する予定だったのだが 三月というタイミングなのでみくるの卒業シーンを採用したほうがいいというkisekiの意向に従った 一度パー速の長門朝倉スレに貼った断片 朝倉の帰還についてはいつか機を改めて書いてみたい 長門有希の憂鬱Ⅲ(帰ってきた朝倉) その後のことを、少しだけ話そう。 次の朝、岡部がいつになく楽しそうに教室に入ってきた。 「あー、みんなちょっと。我がクラスに転校生がやってきた」 もう二年の三学期も終わり、この時期にかよとみんなは不思議がっていた。岡部は廊下に顔を出し、誰かに手招きしていた。 「驚くかもしれんが、朝倉がカナダから帰ってきた」 「ええっ!?」教室全体が歓喜に沸いた。無論、俺は驚かなかったが。 「……朝倉涼子です。よろしくお願いします」 深々とお辞儀をする彼女は、俺たちの知っている元の朝倉とは少し雰囲気が違っていて、みんなもそれに気がついたようだった。だがいきなりいなくなって惜しんでいたのは間違いなく、女子はもちろん、谷口をはじめとする野郎共も喜んでいた。 「ほんとに戻ってきたんだ……」 ハルヒが唖然としていた。あのときの事件はいったいなんだったのかと、いぶかしんでいるようだ。 「あー、空いている席はどこだ。涼宮の隣でいいか?」 俺は自分がいることを目で合図しようと朝倉をじっと見ていた。だが、朝倉は下を向いたまま誰とも目を合わせようとせず、音もなく移動し自分の席に座った。そしてまっすぐに黒板を見つめていた。ハルヒは何と声をかけたものか考えているようだった。 昼休みになっても、朝倉はじっと前を見ていた。あの頃親しかった高遠が話し掛けても、うんとかええとか、曖昧な返事しか返さなかった。俺は弁当を食いながら朝倉のほうをチラチラと気にしていたのだが、いっこうに動く気配がない。 「朝倉、腹減ったろ。学食でメシ食ってこいよ」 「……いいの」 昼飯代持ってないんだったら貸してやろうと、財布を取り出そうとした。それまで黙っていたハルヒが話し掛けた。 「朝倉、あんた変わったわね。なにがあったの?」 「……ちょっと、いろいろあってね」 困ったような照れたような表情で言う。詳しく説明するのは無理だろう。 ハルヒは少し考えて、「まあいいわ。あたしが歓迎会やってあげる」と言った。 そんなことを言うハルヒに俺もちょっと驚いたが、次のひとことでクラス全員が驚いた。 「ちょっとみんな!今日SOS団主催でパーティやるから、来れる人は来て!」 これだけの人数を集めてどこでやるんだと言おうとしたのだが、 「キョン、あんた、放課後までに場所を用意しなさい」の一声に口を封じられてしまった。 「いくらなんでも急すぎんだろ!」また俺の役回りかよ。 こういうときは古泉か長門に頼むしかないだろうな。俺は新川執事と森メイドによるケイタリングを想像した。 ハルヒの突発的イベントに機関を酷使するのもちょっとかわいそうな気もするな。彼らは仕事でやってるわけだし。 俺は長門に相談するべく隣のクラスに行った。 「長門、ちょっと」俺は二年六組のドアの前で手を振った。 「……分かった。うちでやればいい」 「お前んち、2LDKだろ、クラス全員入るのはちょっと無理がないか」 「朝倉涼子の部屋も使う。空間をリンクさせればいい」 「そんなことできるのか」 「接続は可能」 「分かった、じゃあ朝倉に聞いてくる」 俺は自分の教室に取って返し、朝倉に耳打ちした。 「……いいわ。家具もなにもないし」そうか。そうだよな。 というわけで会場は決まった。 「ハルヒ、長門んち借りれそうだ」 「有希の部屋?この人数じゃちょっと狭くない?」 「この突然のパーティにほかにどこを用意しろってんだ」 「分かったわ。まあなんとかなるでしょ」 それから、さして付き合いが深いわけでもない女子を数人集めて買い物に行く算段をしていた。ハルヒがクラスのメンバーを集めてなにか催すというのも、これが初めてかもしれない。 朝比奈さんに連絡を入れ、朝倉の歓迎会をやることになったと伝えた。俺と古泉はケーキを買いに行かされた。 「涼宮さんがクラスで先頭だって歓迎会を催すなんて、非常に珍しいですね」 「前代未聞だな。それに主賓が朝倉だし」 「涼宮さんと朝倉さんって、あまり親しいとはお見受けしませんでしたが」 「ハルヒにしちゃあまり好きなタイプでもなかろう。優等生嫌いだからなあいつ」 「それが今回は突然の歓迎ぶり、と」 「今の朝倉はちょっと頼りなさげというか。苦労したっぽい影が見えるからじゃないかな」 お前の記憶にはないだろうけど。 誕生日用の箱型ケーキを数個抱えて長門マンションまで来た。このケーキ、予約しとかないとふつーは手に入らないんだが。さすがハルヒというかな。 「しょ~ねん」 長門マンションの玄関のドアを入ると声をかけられた。 「は、はい」 「朝倉さんちの娘さん、帰ってきてんだねぇ。昨日お土産を持って挨拶に来てくれたよ」 「ええ、カナダから帰ってきたらしいです」 「今日はめんこい娘さんがいっぱい来てて嬉しいよ」 おっさん、朝倉に手を出したら長門に情報連結解除されかねんから注意しろよ。 長門の部屋のドアは開いていた。いつもの二倍の広さの居間にクラスのメンツのほとんどが集まっていた。 「これはすごいな」 集まっているメンツがじゃない、部屋をリンクさせるという長門の言葉は本当だった。 「どうやってやってるんでしょうね。不思議でなりません」 「まったくだ」 外から見たときと内側の容積が違うことに誰も気が付かないんだろうか。これ、朝倉の部屋のドアを開けてみたら同じ部屋が繋がって見えてるのか。 「長門、ぐっじょぶ」俺は親指を突き出した。 長門もまねをして親指を立てたが、その意味を考えているようだ。 「長門さんっていいところに住んでるだねえ、しかも一人暮らしなんだって?」国木田が妙に感心していた。 「長門の親は外交官で、エルサルバドルにいるんだ」 「へえええ」 国木田がめんたまキラキラさせてるぞ。もしかしてときめいたのかよ。 「ちょっとみんな注目!本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとう!今日は朝倉の歓迎会だから楽しんで行ってね!涼子、おかえり!」 盛大な拍手が沸いた。 「あ、それから。料理を手伝ってる女子以外は会費徴収するからね!」 集まってから言うのって詐欺じゃねえか。 俺は隅にいる長門、朝倉、喜緑さんを見つけて手を振った。 「キョン君、いろいろたいへんでしたね」 「いえいえ。俺はいつもSOS団のパシリ役というか、特殊な能力がないんで足で走り回るしか能がないんで」 「とんでもありませんわ。こうやって涼宮さんを動かしているじゃないですか」 「そ……そうですかね」 俺が照れる番だった。やさしい言葉には弱いんだ。 長門は思うところがあるのか、朝倉のそばから離れなかった。朝倉をこっちに連れ戻すとき、「……わたしが、面倒を見る」そう言って譲らない長門を思い出した。以前の朝倉も、任務さえなければふつうの女子高生として過ごしていたのかもしれない。 「朝倉、たまにSOS団に顔を出せよ。ハルヒがこんなに歓迎するのを見たのは、お前がはじめてだ」 朝倉の少し悲しげな表情がやがて笑顔になり、ひとこと呟いた。 「そう……こっちに来てよかった」 それは俺の知る、あの朝倉の満面の笑顔だった。 END
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涼宮ハルヒの経営Ⅱ挿絵 未公開シーン NGシーンは本編に突っ込んだのでほとんど出ていない プロローグ 第一回時間移動技術会議(一章) ユキリンのお誘い(五章) 落ちてきた三人(八章) 涼宮ハルヒの懺悔 朝比奈みくるの失踪事案(十七章) 舞踏会(十八章) 文通(十八章) 伯爵との再会(二十章) 朝比奈ミクルの冒険in中世 城で上演(二十一章) 伯爵のプロポーズ(二十二章) キョンの城の生活(二十五章) 施療院 妹男爵騒動の後(二十八章) 収穫(二十九章) 分娩(三十章) ヘイスティングス会戦 ウェールズ侵攻(三十三章) グロースターからの脱出 エピローグ メイキング 時系列
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キョンの城の生活 本編のテーマとあまり関係なさそうなのでカットした ミサが終わると信徒たちは礼拝堂を出ていき、俺と助手くんは火を消して祭壇を片付けた。修道院ではロウソクの火は付けっぱなしだが、信心深きために火事になっては困るのでな。 朝飯に呼ばれて大広間へ行くとすでに皆がテーブルに揃っていた。助手くんをはじめメイドさん、執事さん達は台所にあるテーブルで食べることになっているが、俺と長門は聖職者と医者扱いなので領主と一緒に飯を食うことになっている。ハルヒがいたら全員一緒に食べるべきだなどと言い出すかもしれんが、誰かが配膳をやらないと食えないし、まあイギリスは階級社会なのでな。 城の朝飯はいたって質素だ。パンとエールかワイン、たまにオートミールのおかゆが出てくる。それもそのはずで、十時頃から始まる正餐が一日の食事のメインである。昼はだいたい二品か三品のコースで、ローストした肉を領主が大きなナイフで切り分ける。夜の食事は軽く一品だけ。じゃあ俺達がいつも食ってた豪華なディナーはなにかと言うと、あれは客が来たとき用の晩餐らしい。スプーンのみ、フォークはなし、ナイフは肉を切るときだけ、指でつまんで口に運び手はボールに入った水で洗う、一枚の皿を隣の席にいる人と共同で使う、などなど朝比奈さんに厳しく指導されるほど細かいマナーがあり、俺たちの無作法は客だから許されてたんだなあなどと反省している日々である。
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結納のギャラリ 座敷のほうがやたら騒がしい。俺が真顔で座敷に入ると、鶴屋さんを筆頭に、それから多丸兄弟がずらりと並んで座っていた。今日は神聖にして荘厳なる儀式だってのになにやってんだこいつらは、って多丸さん!あんたがたいったい何人兄弟なんですか!