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約束事以前の前提 誹謗中傷その他一般常識に反する行為はやめよう。 過度な下ネタとか禁止な。表現方法とか放送時間とか考えてね。 『人はそれぞれ価値観や考え方が違う。』ということを念頭においてコメントしよう! 荒らしはやめよう! TW配信をみるうえでの注意。 初見、つまり初めての見るコミュニティの放送の場合、放送説明文をじっくり読もう。 もう一度言う。放送を説明文をじっくり読もう。 説明文にサーバーやキャラ、レベルなど頻出質問が書かれてるので、書かれてる内容は質問しないようにしよう。 短気なわけじゃないけど、読まない人のために何度も時間を割いて同じ問答をするのって結構生主側のストレスになるんだ。理解しておくれ。 基本的に身内メンバーとかじゃない限り、特定できるような名前などをコメントで言うのはやめよう。 関係の無い映ってる人の名前とか、他の生主の名前などね。 他の人間や他の生主の悪口はやめよう。 ネクソンの悪口はやめ・・・なくていいかも!! 不具合などが起きた場合、避けて通れない話題とは言え バグなどの行為に関する話題、バグの話題は荒れるだけで良い方向にいきません。 バグ・荒らしの話題はやめましょう。 各生主ごとに「こういうことはやめてください」的な約束事を放送説明文に書かれてるので、 それに準ずることはやめよう。
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その日、外の世界は滝に勝るほどの轟音をまといながら、水の粒が天より降り注ぐ。一般的に“雨”と呼ばれる 気候現象のことを指される。雨は時には、人々を干ばつといった水不足から救い、時には川の氾濫、地すべりと、 間接的に命を奪ったりと二面を持つ。俺の隣にいる“彼女”も6月の雨にはさんざん苦しめられている。“彼女”は 首をもたげ、窓越しに雲に支配されている天を仰いだ。その時、彼女は天に何を望むのか。彼には“彼女”の心理 などわかるはずもなかったし、わかるつもりもなかった。 体が揺れる。地震やそれに準ずる何かで揺れる、ではなくあきらかに自分以外の何者かが“揺らしている”のだ。 彼は水の底へ沈没していた意識を揺らされることにより、少しずつ浮上させていった。意識が水面下まで来ると、 彼はようやく瞼を開く。まだそこにはハッキリとした意識はなく、目が開いても全ての意識が体の中に入るのを待た なければならなかった。 意識が完璧に戻ると、先刻まで彼の体を揺らしていた“彼女”は頬を膨らませ、明らかにご機嫌斜め、といった表 情を彼に誇張した。 「マスター、もう9時だよ!休みなんだから早起きしてね。今度から早く起きなかったら僕、先に朝ごはんいただい ちゃうからね」 彼の腹の上に腰を据えていた“彼女”が彼に注意を促す。一向に彼の上から移動しようとしない“彼女”をしっかりと 認識した彼は、まだ混濁しつつある思考で言葉を考えた彼は、重々しい口を開いた。 「一週間に二度しかない休みだし、一日ぐらいは・・・。それより蒼星石がそこにいると、俺が起きれないんだけど」 蒼星石と呼ばれた“彼女”は自分の失態にようやく気がついたのか、機敏に彼の腹の上から腰を浮かせた。完全に体を 移動させた蒼星石は彼の言葉に反論を重ねた。 「約束忘れたの?今日近所のスーパーで税込み105円の抹茶宇治金時のかき氷を一緒に買いに行ってくれるってこと。」 蒼星石はごく些細な約束をこの日のために憶えていた。一方彼女マスターである彼はそんな些細な約束をどこで契ったのか それと同時に、どう言い訳をしようかと乏しい脳を駆使して考えようとする。そんな彼の醜い心を見通したかのか、蒼 星石は欲求が満たされない幼児のように拗ねてしまった。 「別にいいんだ・・・マスターの約束に対する意識がよくわかったよ」 「ちょ、違う、違うぞ。寝起きで記憶があやふやだったんだって!多分」 彼は首を横に大きく振りながら必死に弁解をする。彼は“いつ約束したか”という質問をされることを最も恐れていた。 しかし蒼星石は大して深く追求はせず、表情を180度一変させ、 「本当?ならいいんだ。朝ごはん食べたら行こうね。」 と笑顔で、そしてスキップをしながら居間へ戻っていった。彼は二度寝に入ろうとする体に鞭打ち、急いで着替えてから 彼もまた居間へ向かった。 朝食は古き良き日本を象徴したような純和風だった。白米、味噌汁、鮭の塩焼き、漬物、梅干、その他もろもろを朝食 として堪能した。彼のご満悦といった表情を確認すると、蒼星石も笑顔でそれに応えた。 朝食の片付けも終わるころ、時計の短針は10、長針は15を指していた。外では未だ雨があまたの足音を鼓膜に刻む。 蒼星石が雨に身をぬらすことが無いよう、彼は蒼星石を右手で抱っこの形に抱きかかえ、大きめの傘に身代わりとして濡れ てもらうことにした。 玄関の戸を開くと、室内よりも大きな雨の地を打つ音がした。オマケに、遠くではあるが、雷の咆哮まで聞こえた。蒼星 石はそれに戸惑い気味だったが、彼がより強く抱きしめることにより、解消された。 「蒼星石、まだ濡れてないか?」 「うん、大丈夫。でも濡れたときは・・・よろしくね。」 「まかせろ。優しくしてやるからな。」 と、意味深げに蒼星石を安心させた彼は、あらかじめ用意しておいたタオルを一枚、蒼星石に手渡してやった。雨の強さは 以前変わりない。むしろ強くなっている気さえする。地へ落ちた雨粒ははじけ、下から道を歩く全ての人を濡らす。彼は何故 傘はずっと昔から変わりないのかと疑問さえ抱いた。 家を出発して早くも5分。このまま行けばもう5分でスーパーにたどり着ける。雨は弱くなる気配を感じさせないが大丈夫 だろう、と彼が考えていた矢先の出来事だった。雲の植民地と化した天より、一筋の光が道行く人々の視界を遮る。 「うおっまぶしっ」 彼の無意識に放った声とほぼ同時にゴロゴロ、という轟音。蒼星石はとっさにタオルで首から上を隠した。どうやら雷が山の 辺りに落ちたらしい。彼は蒼星石を赤子のようにあやすと、再びスーパーへの歩を刻み始めた。 結局、落雷というハプニングに不幸して出会いつつも、目的地のスーパーへと無事、到着した。彼はやや急ぎ足で自動ドア をくぐると、蒼星石を地面に降ろした。 「なんとか着いたな・・。ところで蒼星石。」 「何?」 「税込み105円の抹茶アイスと、カフェで出される300円ちょっとの抹茶アイス。どっちがいい?」 彼はできるだけシンプルな形で蒼星石に訊いた。蒼星石は頭をたれて考え込む。おそらく欲求と金銭関係がその小さな頭の中 でぐるぐると回っていることだろう。しばらくすると、蒼星石は申し訳なさそうな表情で、俺に答えた。 「じゃあ・・・300円の方・・・で、いいかな、マスター?」 「別にいいぞ。どうせ200円しか違わないんだからな!」 そう無駄に明るく応えた彼は、蒼星石を再び抱き、店内に店を構えている喫茶店へと向かった。 彼は、蒼星石を抱きかかえていすに座らせる。本人は一人で座れると戸惑ったが、やきもちを焼いてしまうのが彼の良いと ころであり、悪いところでもあった。抹茶宇治金時アイスを2つ頼み、彼は雨足が弱まりつつある現状を透かす窓を見た。 天にはところどころ破れた布のように、雲が切れている。そこからは申し訳程度の光が漏れている。その光はあまりに頼りな く、雨雲に飲まれてしまいそうな雰囲気を彼に感じさせた。そんな彼を不思議な面持ちで見守る蒼星石だったが、アイスが来 ると、彼に声をかけた。 「マスター、アイスが来たよ。餡子も乗ってるよ。すごいんだね。」 「そりゃ抹茶宇治金時だからな。これで餡子が乗ってなかったら・・・考えるだけでも恐ろしい!」 彼はオーバーリアクションをとり、蒼星石に笑顔を芽生えさせる。その笑顔は彼の心の拠り所ともなるのであった。 彼がアイスを口に運ぶさなか、蒼星石はスプーンを起き、真剣な面持ちで彼に話し掛けた。 「マスター」 「ん、何?食べないなら俺が食べるぞ?」 「実は・・その・・・」 最初は彼と視線を交わしながら話していた蒼星石だが、しだいに視線をテーブルへと落としていった。雨はしだいに弱くなっ ていくのが音から認識できた。 「実は・・・。ごめんなさい!買い物の約束は嘘なんだ・・・」 「なーんだ、そんなことォォん!?」 彼は驚愕した。朝、約束を忘れたとばかり思い、自分をのろっていた彼。しかしそれは蒼星石の巧妙な心理技だったのだ。 つまりあんな約束など、最初から存在すらしなかった。 「ごめんなさい・・・うっ・・うぅっ・・」 謝る蒼星石の瞳から、強いにわか雨が振り出した。それに反比例して、外の天気は回復に向かう。彼の怒りの雷が落ちると思 っているのか、蒼星石は視線をテーブルに90度となるように顔を伏せていた。彼の右手が伸び、帽子をかぶっていない蒼星 石の頭に重ねる。蒼星石は体をびく、と強張らせた。 「・・・答えは得た。大丈夫だよ、蒼星石。俺もがんばるから」 そういい、彼は蒼星石の頭を軽くなでてやった。彼自身も内心に安堵していた。まだにわか雨が降り続ける蒼星石を見かねて、 彼は蒼星石の首に下げられているタオルの存在を忘れ、ハンカチを渡す。蒼星石もタオルの存在に気づくことなく、濡れた顔 と涙を拭いた。 「さて、お勘定と行きますか」 彼は激怒した。必ず、かのぼったくり店の店長を除かなければ、と1000円の出費を表したレシートを握り、決心した。 一方、蒼星石はだんだんと壊れつつある我が主を心配そうに見つめていた。スーパーの自動ドアをくぐり、外に出るとそこには 先ほどの未練たらしい雨など感じさせないぐらい晴れきった空があった。この真っ青な空は日の下にいる全ての人々の心を くすぐるのだろう。この出来事に本能を刺激された蒼星石は小さい足をぱたぱた言わせ、うれしいことがあった幼児の様にはし ゃぎだす。 「マスター!洗濯物を干さなきゃ!早くこないと置いて行くよー!」 そういうと、再び足を動かし、俺に鬼ごっこを求めるように走り去っていく。 「ちょ、待てよ!」 いつもの調子に戻った蒼星石を彼は追いかけ始めた。途中で止まってくれると信じていたが、それでも追いかけた。 たとえそれが限りある事でもかまわない ただ彼女がいてくれればそれでいい 聞こえてくるのは彼女の声 それ以外はいらなくなっていた 「・・・は!」 彼は急速浮上する意識に困惑しつつも、起床を迎えた。背景に雨の土打つ音など聞こえない。変わりに雪のしっとりとした足音も 聞こえるはずはなく、ただ、静寂の世界がそこにはあった。 「・・・夢・・か。」 彼はむっくりと起き上がると、カーテンを開け、そこから降り注ぐ太陽光を体いっぱいに受けた。そして蒼星石の存在が無かった事 と理解して・・・泣いた。 それが夢でも幻でもなんでもいい それでも彼女が俺の心に存在さえするのなら たとえ世界がでたらめでも すぐにパチンと音がして、はじけてしまう幻でも ふと、彼が机に目をやると、一枚のレシートがぽつねんと主を待っているようにたたずんでいた。 抹茶宇治金時アイス2個分の領収書だったそれを見て、俺は笑った。死んでいるように。 俺のプレリュードは、まだ、終わらない
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名前 階級 クラン階級 得意兵科 HなERO 大尉5 メンバー ライフルマン おすすめのクランマーク コメント 別にヒーローって呼んでもらいたい訳じゃないんだからねっ///
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ここは2chエロパロ板“病弱少女のHなSS”のまとめサイトです。 未成年の方の閲覧はご遠慮下さい。 現行スレ 病弱少女のHなSS 第二病棟 http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1211710410/ 初代スレ 病弱少女のHなSS http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1183997747/ SS保管庫 保守ネタ まとめ 更新報告 更新した際の報告は必ず行って下さい。 作品名、作者名を明記の上、お願いします。 テスト -- 管理人 (2008-05-25 12 14 04) テスト -- 管理人 (2008-05-25 12 14 22) 「藤原さんと僕」の誤字を訂正 -- 名無しさん (2008-05-25 20 22 55) gennkou -- 名無しさん (2008-05-25 20 32 17) 現行スレを更新 送信ミスすまん -- 名無しさん (2008-05-25 20 32 49) 保守ネタページを作成、第二病棟の保守ネタ、登場人物を保管。 -- 名無しさん (2008-05-28 20 48 49) いろいろ追加。囚われの1だけ、txtモードの罠。 -- 名無しさん (2009-01-10 21 56 02) メニュー -- 名無しさん (2009-12-03 07 27 57) カッとなって追加した反省はしない。2-572氏の作品タイトル希望。 -- 名無しさん (2010-05-05 00 55 49) テスト -- ななしん (2016-01-06 15 09 58) 名前 コメント
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NK/W30-T08 NK/W30-022 カード名:約束のペンダント カテゴリ:イベント 色:黄 レベル:1 コスト:1 トリガー:0 あなたは自分の山札を見て《鍵》?のキャラを1枚まで選んで相手に見せ、手札に加え、その山札をシャッフルする。このカードを思い出にする。 TD:俺もいいかげんこんな約束、 忘れちまった方がいいのかなぁ U:……鍵……? レアリティ:TD U ニセコイ、トライアルデッキニセコイ収録 14/04/01 今日のカード ニセコイに4種あるキーカード「約束のペンダント」のうちの一つ。黄色のカードは、トライアル版では楽のイラスト、ブースター版では千棘のイラストになっている。 効果は山札からの《鍵》サーチ。手札枚数は増えず、入れ替えという形で調整ができるという点は赤のペンダントと同様。 赤ペンダントと比べて、持ってこれるキャラの枚数は少ないが、その分追加のレストコストなどが必要ないため、どんな状況でも気軽に使える。主要キャラの記憶を達成するための安定度でいうならば、こちらの方が勝るだろう。レベル1になったそのターンのうちに、さっさと2枚使って記憶達成、なんてことも狙える。 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 一緒にお風呂 千棘&小咲&万里花 0/0 500/1/0 黄 控え室から回収 恋愛は苦手 千棘 0/0 500/1/0 黄 思い出置場のこのカードがコスト ちび千棘 0/0 500/1/0 黄 控え室から回収 週末のデート 千棘 1/0 4500/1/0 黄 記憶で参照(パワーパンプ) 水着の千棘 2/1 7500/1/1 黄 記憶で参照(パワーパンプ) 運命のくじ引き 小咲 1/0 4500/1/0 緑 記憶で参照(パワーパンプ) 水着の小咲 1/1 4500/1/1 緑 記憶で参照(ストックブースト) テガカリ 春 0/0 1500/1/1 緑 記憶で参照(相手の思い出置場のこのカードの枚数分パンプ) ちび万里花 0/0 1000/1/0 赤 控え室から回収 首をかしげる万里花 1/0 3500/1/0 赤 記憶で参照(相討ち) 約束の言葉 千棘 1/0 4000/1/0 赤 記憶で参照(応援) 乙女心 万里花 3/2 10000/2/1 赤 記憶で参照(バーン条件) ちび小咲 0/0 500/1/0 青 控え室から回収 ニタモノ 楽 0/0 1500/1/0 青 控え室から回収 秘密の場所で 小咲 0/0 1500/1/0 青 記憶で参照(《鍵》サーチ) 控え目な性格 小咲 2/1 8000/1/1 青 控え室から思い出送り 乙女心 小咲 3/2 9500/2/1 青 記憶で参照(早出し条件) ・同名カード カード名 レベル/コスト スペック 色 収録パック 約束のペンダント(緑) 1/1 EV 緑 ニセコイ 収録 約束のペンダント(赤) 1/1 EV 赤 ニセコイ 収録 約束のペンダント(青) 1/1 EV 青 ニセコイ 収録
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1 昔の夢を見た。 幼い頃に親の都合で二週間だけ田舎の親戚の家に預けられた時の事。 そこで出会った同い年の女の子とささやかな約束を交わした。 何故そんな夢を見たかというと、その時出来た男友達から会おうと連絡があったから。 女の子との約束はずっと覚えていたけれどなかなか実現出来ずもやもやしていたから。 で、現在山の中を迷走中。夜の山道は歩くものじゃない。 約束の場所への道案内を買って出た旧友は「大丈夫」を繰り返すだけで今一信用ならない。 「迷ってないか?」と問うても「タバコは標準装備だし線香も持って来たから大丈夫」と訳のわからない返答するし。 そもそもお前まだ未成年では。 2 どの位彷徨っただろうか。 闇の中を蛙の声がこだましている。 木々の間をすぅっと光が抜けていく。 光を追いかけるとすぐに目的地にたどり着いた。 渓流を中心に、地上に降りた星のように乱舞する無数の光。 そして清流のほとりには、あの子が立っていた。 心得ているといわんばかりに黙って少し上流側へ離れる友達。 俺は女の子の元へ近寄っていった。 「何か用?」 つっけんどんな態度の彼女。視線は渓流の方を向いている。 「うん」 俺も彼女と並んで光の舞を眺めた。 沈黙が蛙の合唱で埋められる。 「約束、忘れた事は無かったよ」 ぽつりと口にする。 「ウソつき」 彼女の声は冷たい。 言い訳はしない。実際俺は、約束を守れなかったから。 記憶の中の彼女の姿は、背丈は今の俺の腰より少し高いくらい、色白で、柔らかに波打つ長い黒髪と、くっきりとした顔立ち。 誰の目から見ても愛らしいと思える少女は、大人になればとびきりの美人になった筈だ。 すっかり約束を忘れてしまった彼女に昔話だと笑われる事をずっと夢見ていた。 けれど。 今目の前に立つ彼女の姿は、昔と何一つ変わっていなかった。 3 『待っていたの、ずっと』 囁く声が耳に届いた。 顔をあげると、清流の対岸に影が見えた。 横に居た筈の彼女が何時の間にか移動したのか。 『寂しかった』 違う。彼女はまだ横に立ち、唇を結んだまま水面を眺めている。 何時の間にか蛙の合唱は止まっていた。木々のざわめきも、水のせせらぎも聞こえない。 『寂しい』『ずっと待ってた』『ウソつき』『裏切り者』 緑を帯びた蛍のものとは違う、赤く暗い仄かな光が何時の間にか混ざっていた。 それらが囁きながらまとわりついてくる。 『苦しい』『苦しい』『苦しい』『クルシイ』 光はぺたりと身体にくっつくと、ゲル状のものに変化した。 そうしてあっという間に全身が覆われていく。 『ヒトリハイヤ』 突然足元の感触がなくなった。 渓流に落ちた、訳ではないだろう。 流れは感じない。水面も底も見えないほど深く、岸の見えない広く暗い水の中。 ぷちぷちぷちぷち、音を立てて大小さまざまな大きさの泡が周りを取り囲む。 その一つ一つの泡の中に顔が見えた。 苦悶、哀惜、憤怒、後悔、そして絶望に染まった顔。 『クルシイクルシイクルシイクルシイクルシイ』 泡が俺の口から鼻から身体の内へ入ろうとしてくる。 必死にもがき、泳ぎ、手で振り払った。 けれど水を掻く水流によって若干離れるだけで、泡はまたすぐに迫ってくる。 こんな状況の中で、俺は無意識に泡の中に彼女を探していた。 泡を振り切れないでいた。 横の方からすぅっと光が流れて来るのが見えた。 蛍のようだが、こんな異質な水底でそんなものが飛ぶ筈はない。 思わず身を硬くして構えたが、光は俺をやり過ごし通り過ぎた。 そして、泡に触れ。 閃光と強い衝撃を伴って弾けた。 闇の向こうで無数の光が舞っている。 どんどんこちらへ近づいてくる。それを見た泡の中の顔が怯んだように感じた。 俺は殆どやけくそ気味に光の群れの方へ泳いでいった。 次々とすれ違う光。 そして後ろから水を伝わって続け様に襲ってくる衝撃。 巻き込まれないように必死に泳ぎ続けた。 ほんの少し水が苦く感じた。 次の瞬間には突然巻き起こったすさまじいうねりに飲み込まれた。 4 蛙の合唱と渓流のせせらぎが耳に届いた。 目を開けると、元の沢のほとりに立っていた。 何も無かったように。 いや、若干の違和感を残して。 独特の煙りの臭いが鼻を突く。 上流側でタバコを吸っている奴がいるようだ。 彼女もそちらを半眼で睨みつけている。 その指先に止まっていた小さな光が視線の先にすぅっと流れて行ったかと思うと、ぱちんと弾ける音と小さな悲鳴が聞こえてきた。 俺は漸く違和感の理由に気が付いた。 渓流中を乱舞していた光が全て消え失せていた。 「あーあ、嫌になっちゃう。何でこうなるのかしら」 彼女は背中を向けたままだった。 「頑張って集めたのよ、鬼火。 その、そう、全部貴方にぶつけるつもりだったんだから。 なのに人の復讐に勝手に乗っかろうとする邪魔な奴等が目障りだったからってそっちにぶつけてたら思ったより多くって」 だんだん尻すぼみに小さくなる声。 「取っておいた最後の一つもあの変な奴に使っちゃった…」 寂しそうにうなだれ、小さな両手はきゅっと拳を握っている。 そんな彼女を思わず抱きしめようとしたが、無情にも俺の両手は何の抵抗もなく彼女の身体をすり抜けていった。 戸惑っている間に彼女がこちらに向き直っていた。 無表情で押し黙ったまま俺を見上げていた。 右手をすっと持ち上げ、後ろにくっと引く。 そして俺の頬目掛けて打ち付けられた小さな掌は、矢張り俺の身体を突き抜けた。 「触れるわけ無いわ。私は幽霊なんだから」 今にも泣き出しそうに瞳が揺れていた。 彼女が亡くなったのは俺が居なくなって一ヵ月もしない頃だったらしい。 それから十数年。 彼女はずっと待っていてくれたのか。 「約束、覚えていたよ」 彼女と視線を合わせるために膝をつき、まっすぐ顔を覗き込む。 「…嘘」 「会いに来れなかったのは謝るよ。でも、約束はちゃんと覚えてた」 きゅっと唇をかむ彼女。 「誕生日、おめでとう」 こらえきれなくなったのだろう、涙が、白い頬を伝い落ちた。 5 途中ではぐれた友達が「チビブスツルペタ」だの毒吐きながら数時間遅れて現れる意味不明なハプニングもあったが。 小高い場所で朝を待つ。 やがて朝日に照らされ輝く、谷間をなみなみと満たす水。 彼女と出会ったあの渓流は、今はダムの底に沈んでしまっている。 『彼女の誕生日にあの渓流で一緒に蛍を見る』という約束は、二度と叶えられない筈だった。 あの幻のような不思議な時間を、俺は一生忘れないだろう。 それはそれでいいんだが。 「とっとと離れろツルペタ」 「五月蝿いわよロリコン。貴方は黙って私の乗り物に徹していればいいの」 夜になり、飯を一緒にと誘いに行った友達の肩に乗っかっている彼女が、しっかりはっきりばっちり見えた。 「会いたいってのは叶っただろうが!あ、真逆前に言ってたコイツとデートとかキスし」 「わー、わー、わー!!」 良くわからないが、どうも取り憑かれているのは友達らしい。 取り敢えず、コブ付きではあるが今後も彼女とちょくちょく会えるらしいという事は理解した。
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「キョンくんキョンくん。ちょっといい本があるんですよ」 「なんだ。つまらん物なら俺は見ないぞ。」 「ちょっとHな本です。」 「……なんだって?お前も健全な男子高校生らしく、そういう物に興味あったのか。」 「僕だって男です。健康で健全な思考の持ち主なら当然な事でしょう?」 「お前からそんな台詞を聞こうとはな。よし見せてみろ」 「これです。」 「………………………………」 「どうです?Hでしょ?ドキドキするでしょ?」 「…………………お前、コレ………」 「春画です。これは江戸後期の頃のものですね。」 ハルヒ「ちょっとあんた達!男2人で何コソコソやってんのよ?!」 キョン「…ああ、ハルヒか」 いつき「わわ…っす、涼宮さん…!」 ハルヒ「んー?古泉君、今何を隠したの?見せなさい!」 いつき「あぁ!だ、ダメですよ!」 ハルヒ「…何よコレ?春画?」 いつき「か、返してください!見ちゃダメです!」 キョン「…古泉の親戚に、古美術品収集が趣味の人が居るんだと。 その人が『こっちでしか手に入らないから』とこいつに買い物を頼んだそうだ。 なんか貴重なものらしいから、あんまり乱暴に扱ってやるな」 ハルヒ「ふーん、そうなの。さすが古泉君の親戚ね!はい、これ返すわ。 それにしても、有希とみくるちゃん遅いわね。迎えに行ってくる!」 キョン「廊下は走るなよ」 いつき「…ふぅ、助かりました。僕がこんなHな本を所持している、という事は、 涼宮さんが僕に抱くイメージを崩し兼ねないですからね。 ありがとうございます。貴方は僕を救ってくれました。 お礼と言ってはなんですが、僕の秘蔵の『恋川笑山』をお貸ししましょう。 夜、ドキドキして眠れなくなりますよ」 キョン「いらん」
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act-outer 1 <星空と約束> 夜空。 星の海と言いかえてもいい満天の星空の下に立つのは、一人の青年と娘だった。 言葉少なに、青年が告げる。 「……悪い。約束、守れなくなる」 それに対する娘の反応は、激昂するでも泣き喚くでもなく、ただ平静だった。 「……諦めちゃうの?」 彼女の言葉に、青年は自身を嘲笑うように力なく笑った。 「だな。……全部考えた上で、これしかないって思っちまってさ」 情けねぇな、と。どこか悔しそうに、彼は言う。 青年は娘に全てを告げたわけではない。何があったとも、何を成すとも言っていない。 けれど娘にとっては青年のその言葉だけで。 それだけで、彼がもう帰ってくる気がないことだけは理解できたのだろう。 それがイヤでなかったわけがない。 これまでずっと一緒に育ってきて。一生に関わる大切な約束をして。 淡い思いを寄せる相手が帰ってこないということが、イヤでなかったわけがない。 それでも、少女は笑顔で青年に振り向く。 「しょうがないねぇ。じゃあ、ずっとここで待っててあげる」 「は?……お前、人の話聞いてたのかよ?」 「しっつれいねぇ、ちゃんと聞いてたわよ! だから、ずっとここで。この場所で待っててあげるって言ってんの! たとえあんたがもう戻ってこれなくても、あんたが転生するなりあんたの相棒が戻ってくるなり――― ともかく、あんたがここに戻ってきたって私がわかるまで。いつまでだってこの場所であんたを待ち続けてあげるって言ってるの!」 その宣言を聞いて、一瞬目を丸くする青年。 次の瞬間彼は笑いをかみ殺しながら、ぽんぽんと自分よりも小さな幼馴染の頭を柔らかく撫でつけると、 視線を合わさぬまま、すれ違いながら言う。 「ばーか。そんなことしてないで、さっさといい男見つけて。元気なガキ生んで。幸せに暮らせよ」 「ばかとは何よ大ばかのくせしてーっ!」 大声で怒鳴る彼女に背を向けたまま、青年は苦笑して―――告げる。 「あーはいはい……かえで」 「なによ、大ばか」 「―――じゃあな。達者で暮らせよ」 娘―――かえでは。青年の背中をじっと見たまま、とうとうその言葉に返事を返しはしなかった。 青年の背中が見えなくなるまで、かえではその背中を睨み続け。 見えなくなった瞬間、その頬に輝線が引かれた。 透明な雫が生み出した線は、星の輝きをはねかえしてきらきらと輝く。 彼女は、見えなくなった背中にぽつりと呟いた。 「……だから、待っててあげるって言ってるでしょうが。 さよならなんかしてたまるもんですか、大ばか」
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この青空に約束を― ◆UcWYhusQhw氏 青い空が広がっていた。 地獄のような島で。 限りなく蒼い空が。 沢山の人が死んだ。 生きたいと願い続けた者も。 誰かを生かしたいと思い続けていた者も。 沢山。 沢山。 死んだ。 空は。 空は変らず人を見下ろしている。 生きようと足掻く人達を。 ずっと。 ずっと。 そして、青空の下。 一発の乾いた音が響いた。 そこに今まで生き続けていた二人がいた。 だけど、一人はもうその命を終えようとしていた。 黒髪の少女が茶髪の女性に銃を向けて今、命を奪おうとしている。 「ねえ……唯ちゃん……約束して」 「何だね?」 女性――杉浦碧――が言う。 この一日半生き続けていた彼女が知己である少女――来ヶ谷唯湖――に。 碧には唯湖が何故ここまでするかは分からない。 でも。 それでも、彼女には。 「唯ちゃん……生き延びなさい……生き続けなさい」 生きて欲しいと。 そう、願ってしまった。 皆に。 例え自分が死んだとしても……この島にいる全員に死んで欲しくなかったから。 「無理な約束だな……何故なら私は死にたいのだから。最高の死に方を唯……選びたいだけなのだから」 唯湖がそう返す。 どんなに生を渇望しようとも。 どんなに未来を思い描こうとも。 彼女には先が無いのだから。 だから、彼女は望む。 最愛の人に殺されるという最も幸せだと思われる死を。 ―――そして。 パンと。 乾いた音が空に響いた。 青い 青い空の下で。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ わたし達は唯、街を黙々と歩いていた。 玲二くんは私達の一歩前を歩き、深優ちゃんは私の隣で歩いている。 「ね、ねえ深優ちゃん」 「……何か?」 「い、いや、何でもないよ」 「そうですか」 か、会話が続かない。 いや、何か話したいわけでもないんだけどさ。 折角わたし――杉浦碧――と深優ちゃん玲二くんとは仲間になったわけで。 せめて、ツインタワーまでつくまで何か交流でもできたらと思ってさ。 ほら、一応先生だしさ。 いろいろ知っておきたいのだけど…… 「…………」 会話が無かった。 いやまぁ……元々玲二くんにしろ深優ちゃんにしろ話すタイプではない。 それに、後ろめたい部分もあるのかもしれない。 二人とも殺し合いに乗っていた。 しかも玲二くんは実際に参加者を殺している。 恐らく深優ちゃんもそうなのであろう。 だから……話しづらいのかもしれない。 でも。 だからどうしたというのだ。 わたし達は仲間だ。 だから、今は話が上手くいかなくともそのうち話せるようにしたい。 でも……わたしは。 わたしは何をやってるんだろう。 この殺し合いの場所で。 正直からまわってばっかだ。 美希ちゃんを見失い。 葛ちゃんを目の前で失って。 クリス君達を見失って。 平蔵さんも死んで。 理樹君も死んでしまった。 りのちゃんも死んで。 真ちゃんも目の前で失った。 ……何やってるんだ、わたし。 ……何も。 何も出来ちゃいない。 何が……正義の味方だ。 護りたいもの……護れて無いじゃん…… わたしは何をやってるんだ…… 愕天王も未だに出せずに…… わたしは…… わたしは…… 何でここに居る……? わたしは……何がしたいの? わからない。 解らない事が 堪らなく 堪らなく 悔しい。 手を強く強く握りしめた。 悔しさに負けないように。 ぎゅっと。 ぎゅっと。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……深優、碧。進路変更だ。教会に行くぞ」 「何故ですか?」 「今のアル達の連絡でクリスという奴らは教会に向かってるらしい。つまりこれ以上ツインタワーに向かっても無駄だ」 「成程、では、急ぎましょう……碧?」 「ん、ああ……なんでもなーいよ。ちょっとボーとしてただけ」 「そうですか」 どうやら、クリス君達は無事らしい。 アルちゃんの臨時の連絡で教会に向かっていることが明らかになったから。 つまり、私達がツインタワーに向かっても無駄という事。 わたし達はそのまま転進し今歩いていった道を戻っていく。 でも、未だに上の空だ。 理由はさっき考えた事。 未だに迷っている。 自分がどうあるべきなのかって。 くよくよ悩むのなんて私らしくないのは解っている。 でも、深優ちゃんも玲二くんも皆しっかり考えた上でこの殺し合いに居る。 じゃあ私はどんな気持ちでここに居るのだろう。 正義の味方? 皆を護る為? そうなのだろうか。 わからない。 わたしはこんなにも少なくなっていく参加者の中で何もなしてない。 わたしは何をしたいのだろうか…… わたしは……この島に生きている理由は…… その時 「銃声!?」 遠くの方で銃声が響いた気がした。 恐らく今この島で居る私達以外13人の中で誰かが撃たれてしまった可能性があるという事。 また……取りこぼしてしまうかもしれない。 そんなのは絶対に嫌だった。 「御免、深優ちゃん! 玲二くん! 先に行くよ!」 「……おい、待て!」 わたしは玲二くん達の返答も聞かずに駆け出した。 もしかしたらまだ助けられるかもしれない。 そう思うと走る速度がどんどん上がっていく。 急げ。 急ぐんだ。 まだ救えるかも知れない。 葛ちゃんや真ちゃんに助けられないなんてもう嫌だ。 だから。 急げ、杉浦碧! ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……呪いか……全く千華留君も変な事を言う」 私――来ヶ谷唯湖――は腕を組みながら青空の下歩き続けていた。 先程、千華留君を殺した。 罪を重ねる為に。 クリス君に殺されるに足りる者になる為に。 未来の無い私が幸せに逝ける為に。 殺したことに後悔など無かった。 する必要など無かったのだから。 もう、落ちる先は地獄であることくらい決まっているのだから。 リトルバスターズを継ぐ……か。 何を言うかと思えば。 クリス君とあったときに効く? 馬鹿だよ…… どんなに足掻こうにも未来は無いのだから。 私が進むべき未来など無いのだから。 死に逝く者に呪いなど効かない。 第一、私は元々……死人だ。 千華留君曰く生者を縛るのが呪いなら…… それは効きはしないよ。 さあ、行こう。 業を重ねる為に。 クリス君に断罪してもらう為に。 私は最後まで愚者でいい。 そう、決めたのだから。 「……あれ……? 唯ちゃん!」 そう思った矢先、背後から懐かしい声が聞こえてくる。 それは、温泉で会った人。 仲間だった人。 「碧君じゃないか……元気だったかい?」 杉浦碧。 まさか、もう一度会えると思わなかった。 彼女は朗らかに笑っている。 きっと私が殺し合いに乗ってることすら気付いていないのだろう。 まったく……お人よしというかなんというか。 「クリス君と別れたみたいだから……無事だったんだ」 「ああ、何とか無事だったよ……クリス君が何処にいるか知ってるのかい?」 「うん……クリス君ね……教会に居るみたいだよ」 教会。 ……偶然か必然か。 私が向かおうとする場所に彼は居る。 ……そろそろ、断罪の時だろうか。 果たしてクリス君は私を殺してくれるのだろうか? 優しい彼のことだ。 きっと迷うだろう。 でも殺してもらわないと困る。 既に4人殺したのだから。 血にぬれたこの手でクリス君を抱きしめることなど……もう、無理なのだから。 そして、今 「そうか……じゃあさよならだ。碧君」 「…………え?」 もう一人殺すのだから。 パンと。 乾いた音が響いた。 青い。 青い空に。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……まだ、死んでまもないな」 「ええ……」 「……知り合いか?」 「ええ……源、千華留です」 「そうか……」 青空の下、やすらかに眠っていた少女がいた。 源千華留。 閉じられた目はもう開かれることは無い。 そう、静かに死んでいた。 深優はもう動かない彼女に向かって唯黙祷していた。 深優たちは碧を追うものの入り組んだ外路地であるが故に碧の姿を見失ってしまった。 代わりに見つけたのが静かに逝っていた千華留の姿だった。 深優は唯千華留を見つめている。 深優には彼女の死因がわかっても生き様は分からない。 彼女が最後に誰を想っていたのか。 幸せに逝けたのか。 それは千華留自身にしか分からないけれども。 でも、深優は幸せを願うしかなかった。 己が勝手で彼女に殺し合いに乗っているという偽情報を流してしまったのだから。 もしかしたら、それが遠因で死んだのかもしれない。 そう想うと何かやりきれなくて。 勿論アリッサの為にやったのだから後悔は無い。 でも、それでもただ祈るしかなかった。 自らの過ちを赦してもらうのではなく。 彼女の冥福を。 祈るしかなかった。 そう、祈るという行為は無駄ではないとこの島で知ったから。 だから、祈り続けていた。 青空の下で。 幾らかの時が経った時だろうか。 深優が祈りをやめようとした時だった。 「……銃声?!」 遠くから乾いた音が響いたのは。 それは先程きいたのと同じ音。 そして、今傍に居ない仲間の事を想う。 「玲二……碧が危ない……!」 「……ああ、急ごう」 今、居ない碧。 襲われてる危険性が高い。 そう深優たちは判断し銃声のした方向に駆け出す。 後ろを振り返らぬまま。 それが 生きる者が死んだ者の為にできる事だと。 そう思って。 そんな深優達を見送るかのように。 赤いマフラーが青空にはためていた。 青い。 青い空の下で。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「おや……必中のつもりだったのだがな。予期されていたのか」 「……唯……ちゃん……やっぱり……そうなんだ……」 「おや……わかっていたのかい?」 唯ちゃんに撃たれた。 わたしは嫌な予感をしたお陰で前もって避けることができた。 もしかして……と思っていた。 それは唯ちゃんが血濡れだったから。 でも、唯ちゃんに限ってそんな事ないと信じたかったから。 でも……やっぱりそうだったんだ。 唯ちゃんは別れた後に殺し合いに乗ったんだ。 「うん……なんとなくだけど」 「何でって聞かないのだな」 「……んークリス君?」 「…………………………」 澄ました顔をして目を瞑ってる。 やっぱりそうなのかな。 うん……そうなのか。 元々そんな簡単に乗るような子じゃないし…… やれやれ罪作りだねクリス君も。 ちゃんと面倒見てやらないとだめじゃない。 「まぁ……そういうことだよ……碧君」 そういって彼女はあっという間に距離をつめ銃をわたしにむける。 駄目だ。 もう、この距離じゃ避けることができない。 あーもう。 ボーっとしすぎだな。 結局。 なにもできてないじゃない。 わたしは何やってるんだ。 わたしはこの島で何をしたかったんだ。 結局何も出来ていない。 正義の味方といって誰も護れちゃいない。 葛ちゃんも。 真ちゃんも。 りのちゃんも。 理樹君も。 平蔵さんも。 わたしは何を生きていたんだ。 わたしは…… 結局無力のままだったよ。 でも、皆必死に生きようとしていた。 それを私は絶対に忘れない。 忘れる訳、無い。 忘れちゃいけない。 だから。 わたしも唯ちゃんに願おう。 わたしの分まで。 クリス君と共に。 「ねえ……唯ちゃん……約束して」 「何だね?」 空は青く澄み渡っている。 その空に誓って欲しい。 わたしや。 葛ちゃんたちの分までも 「唯ちゃん……生き延びなさい……生き続けなさい」 生きて欲しい。 クリス君と共に幸せに生きて欲しい。 何故かこれから私を殺すというというのに。 そう、思ってしまった。 生きて欲しい。 そう、思ってしまった。 だって。 生きることは素晴らしい。 そう、思えるから。 だから。 だから。 おねが…… 「無理な約束だな……何故なら私は死にたいのだから。最高の死に方を唯……選びたいだけなのだから」 え…… 唯ちゃん? なんで…… なんで…… 死……なの? その瞬間。 パンと。 軽い音が響いた。 青い。 青い空の下で。 237:THE GAMEM@STER SP(Ⅳ) 投下順 238:この青空に約束を―(後編) :[[]] 時系列順 235:安易に許す事は、傲慢にも似ている(後編) 杉浦碧 深優・グリーア 吾妻玲二(ツヴァイ) 236:blue sky 来ヶ谷唯湖
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明治ED(未来の約束) 私の口からは言えません →はい、がんばります →緊張なんかしません! →なんとか頑張ります →どうして家出しちゃったんですか? →そんな約束しましたっけ? →……よくわからない 現代ED(明日への舞台) 私の口からは言えません →はい、がんばります →緊張なんかしません! →私には向いていないような気がします →いろいろ苦労しているんですね →そんな約束しましたっけ? →……よくわからない 帰還ED(黄昏を過ぎて) 私の口からは言えません →はい、がんばります →緊張なんかしません! →私には向いていないような気がします →いろいろ苦労しているんですね →そんな約束しましたっけ? →現代の方が大切 ここを編集