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第2章「Unrivaled Ghost(この副題訳はだいたい合ってない)」 『ふむ。カッコ内がずいぶんとメタいこと言ってますねぇ』 「いきなりおまえは何のことを言ってるんダ?」 『なんでもないです。ところでゲンダー、面白いものがありますよ。ドアです。ピンクのドアです』 大樹のふもとの草原。そこに立っていたのはピンク色のドア……だけのもの。建物がそこにあるわけでもなく、ただドアだけがひとつ、ぽつんとそこに存在しており、その向こうには同じ景色だけが広がっている。 「なんダこりゃ。こんな何もない平原にドアがひとつ?」 『ど○でもドアァ~♪ ってやつですかね。これがマキナにつながってたらすごく助かるんですけどねぇ。タ○コプターに似たものなら私も持ってますよ。でも一番欲しいのは、もしもボッ○スです』 「なんか知らんが楽しそうダな、おまえ」 ピンクのドアは、不自然にドアだけがそこにあるということ意外には、とくにこれといって目立った特長はない。何の装飾もなければ変わった機能なんかもなさそうだ。ただ取っ手がひとつ、そこについているだけだ。 『こういうのは、とりあえず開けてみるのがお約束です。さぁ、はやくはやく』 そう言ってメイヴは謎のドアを開けてみるようゲンダーを促した。 お約束ってなんだよ。と心の中でつっこみながらも、何の警戒もなく無用心にその取っ手にゲンダーが触れる。 すると、けたたましい警報音が鳴り響き、無機質な音声が警告を発した。 【アラート! アラート! 未確認のIDを検出:警戒レベル2!】 慌てて手を引っ込めたゲンダーは、不満そうな目でメイヴを見つめた。 『あちゃぁー、やっぱりこうなっちゃいましたね』 「やっぱりっておまえ…」 謎のドアの警告はそれで収まりはしなかった。 【直ちに退去せよ! さもなくば警戒システムにより排除する】 途端にドア周辺の空間が蜃気楼のように歪み始め、紫の霧のようなものがたちこめる。続いて霧の中にいくつもの光の柱が伸びたかと思うと、どこからともなくボーリング玉程度の大きさの球体が次々と現れた。球体は宙に浮かんでおり、オーラのような淡い光を帯びながらゆっくりとこちらへ近づいてくる。 どうやらこれが警報のいう警戒システムらしい。その球体には青い光を放つものと、赤い光を放つものがあった。 「おい、どうするつもりダ。変なのが湧いてきたぞ」 『あらあら。よくわからないものにうっかり触るからこういうことになるんですよ。ひとつ勉強になりましたね』 「おまえが触らせたようなもんじゃないか」 そのとき、浮かんでいる球体のひとつが一筋の光線を放った。 地面に一瞬にして線を描いたそれは、少し遅れて爆発を起こした。小さな球体が発射したわりには強力な爆発で、それは二人には命中しなかったが、まさに目と鼻の先で爆発が起こったのを見て、思わずゲンダーは機械でありながら腰を抜かしてしまったほどだ。 「ヒィっ! こ、攻撃してきたぞ」 『撃ってきましたか。なるほど、それならば…』 メイヴの頭上のアームが格納されると、それとは別のアームが中から飛び出した。 今度のものは途中から二股に分かれて二本の腕がついている。そしてその手にはなんと対戦車ミサイルが握られているではないか。 さらに胴体の左右が開いたかと思うと、姿を現したのはガトリング砲に迫撃砲といった重火器の類。 『それならばッ! 撃ち返しても何も問題はありませんね。これは正当防衛です』 「ええええッ!?」 『さあ、来ましたよ。撃て撃てェー!!』 迫り来る青や赤の球体の群れに向かってメイヴは間髪いれず重火器を乱射した。爆発が爆発を呼び、爆音が空を切り裂き、炎と煙でもう何がなにやらわからない。まさに一機当千、メイヴ無双の開幕であった。 『あっひゃっひゃっひゃ! 見ろォォ、敵がごみのようだぁあ!』 「め、滅茶苦茶ダ……。戦争でも起こすつもりか、こいつは!?」 ようやく爆煙が晴れるとそこはまさに焼け野原。地面は抉れ、草木は燃え、いかにも戦場の跡といった様相。そして例の球体は木っ端微塵に粉砕され、周囲にその破片が散らばっていた。 「やったか!?」 『その台詞が出たときは、大抵やってないのがお約束ってもんですよ。油断しないでください。まだ反応が残っています』 遠隔モニタにレーダーが表示される。メイヴの位置を中心として四方に波紋が広がっており、前方にはまだ多数の存在があることをレーダーは示していた。 再び前方ドア付近の空間が揺らいだかと思うと、紫の霧の中に例の球体がまだかなりの数を残して姿を見せている。 「まダあんなに! くそぅ、キリがないじゃないか」 『霧ならあるんですけどね』 「冗談を言ってる場合じゃなさそうダぞ」 今度はメイヴに代わって、ゲンダーが汁千本で応戦する。 散弾のように広範囲にわたる攻撃は、重火器ほどの威力と派手さはないものの、視界に入る多くの球体を撃ち抜き撃破していく。汁千本を受けた球体は今度は粉々にはならず、なぜか霧散して消滅していった。しかし、中には効果がないものもいるようだった。 「なんダ? 赤いのには効かないのか!」 赤い球体に当たった一撃は、その光を散らすことなく吸い込まれていき、そして向こうの空間へと通り抜けていった。当の赤い球体は何事もなかったかのように、こちらへの進攻を続けてくる。 『ただの防衛兵器ってわけでもなさそうです。分析が必要みたいですね』 「できるのか」 『任せてください。しかし、少し時間がかかります。その間にゲンダーはこれを』 メイヴの中から再び武器を手にしたアームが伸びてきた。銃のような形で、どうやら光学兵器のようだ。 『ビームマシンガンです。実弾ではありませんが、それにも劣らない威力があります。敵の数が多いので、自身のエネルギーを射出する攻撃よりはこちらのほうがいいかと思います』 「よくもまあ、こんな物騒なものが次々と出てくるもんダ。しかし今はありがたい」 『二丁拳銃で蜂の巣にしてやりましょう』 両手にビームマシンガン。迫り来る謎の球体に向かってゲンダーは撃ちまくる。そしてその隣でメイヴは赤い球体の分析を始めた。 球体の群れに光の弾が雨のように降り注ぐ。青い球体は瞬く間にがらくたとなったが、やはり赤い球体には効果がない。 幸い迫る球体の軌道は単調だ。こちらの攻撃に対して一切の回避行動を行わず、一直線の動きしかしてこない。敵の光線はその直線上にしか発射されないので避けるのは簡単だ。 「しかし、こう数が多くてはいつまでもつか……メイヴまだか!?」 メイヴの返事はない。自身の周囲に電磁シールドを展開し、敵の攻撃を反射しつつ、複数の遠隔モニタを立ち上げて複雑な処理の真っ最中といったご様子だ。とても冗談を言っているような余裕はないらしい。 青い球体は簡単に撃破できる。しかし、赤い球体はどうやっても倒すことができない。そしていくら撃破しても、紫の霧の中から次々と増援が現れる。すぐに破壊される青と違って赤は溜まる一方で、対峙する敵の数は時を経るごとに増していくばかり。赤い球体の対処法がわからなくては、こちらの限界が先に来るのは明らかだった。 青い球体を撃ち落とし、こちらに迫る赤い球体をやり過ごしながら考える。 (なにか……なにか見落としていることはないのか) 球体の群れに光弾を乱れ撃つ。球体の群れは軌道を変えずに光弾に突っ込み、赤いほうだけが光弾をすり抜けこちらに迫る。 赤い球体は軌道を変えない。霧の中から発生しては、ただ真っ直ぐに向かってくる。 (……霧の中から? ) ハッと閃いて、電磁シールドをガンガン叩きながら叫んだ。 「わかったぞ! メイヴ、ミサイルに切り替えるんダ! 赤いやつを攻撃しろ!」 『ですがゲンダー、先程の攻撃で効果がないことが判明しています。数が多い場合は、高威力の武装よりも連射性の高い武装のほうが効果的で…』 「赤いやつの進攻を止められたのは最初の攻撃の時のみダ。そこに何か突破口があるはず。青い方はオレに任せて、ぶちかませ」 『しかし……いえ、わかりました。そこまで言うならゲンダー、私はあなたを信じます』 胴体のガトリング砲が中に引っ込み、代わりに次々とミサイルが射出される。弾頭は赤い球体をすり抜けていったが、着弾した爆発は赤い球体を巻き込んであたりを爆煙で覆った。煙が晴れるとそこには何もない。しかし、すぐに紫の霧がたちこめ、赤と青の球体が出現する。 『やはり効果がないのでは?』 「いや、そうでもないぞ。煙が晴れた直後には何もなかったが、その後から霧が出て球が現れた。逆に霧がなくなれば、球は消えるんじゃないか?」 『なるほど、面白い仮説です。しかしこの霧をどうやって吹き飛ばしましょう』 見渡す限りでは、辺り一面が霧に覆われている。全部まとめて吹き飛ばせば、自分たちも無事でいられる保証はない。 「おまえのプロペラはどうダ。空が飛べるんなら、その風圧で吹き飛ばすこともできるんじゃないか」 『すべてを吹き飛ばすことは出来ないでしょう。しかし私たちの周囲だけならあるいは……やってみましょう。時間稼ぎは任せましたよ』 ゲンダーはメイヴの胴体から出てきたミサイルランチャーを受け取り、勇ましく掲げて言った。 「合点承知ダァー!」 メイヴはすぐに準備を始めた。 まず頭のアームが格納され、代わりに一本のシャフトが伸びてくる。その先端が四つに分かれるとそれぞれ羽を展開してプロペラを形成する。柄の部分は再び収納、軸を安定させる。 これで準備完了。さっそくプロペラが回転を始めた。その間、ゲンダーはビームマシンガンとミサイルを使い分け敵を牽制する。いよいよ回転が勢いを増し、風圧で周りの霧を吹き飛ばし始めた。 「さあ、どうダ!」 霧の中から飛び出した青い球体はやがて失速して消えていく。赤いほうも同様だ。 「やった! うまくいったぞ」 『ゲンダー! これが限界です。あまり長くは持ちません。急いでこの場を離れましょう!』 そうだ。これで霧を完全に吹き飛ばしたわけではない。再び霧に包まれれば今度こそやられてしまうだろう。風を起こすメイヴを盾にゲンダーは突撃する。 『ゲンダー、正面に例のドアが!』 「構わんツッコめ!」 そのまま例のドアの中へ突進し、一気にくぐり抜ける。完全にドアを通り抜けるやいなや、すぐに扉を堅く閉ざした。その瞬間、突如として周囲の景色が一変した。 どうやらあの球体はこのドアを越えて入ってくることはないようだった。 景色の変化に驚きつつも、やっとのことで安全が確認できると、途端に力が抜けてゲンダーはその場にへたり込んでしまった。 メイヴはプロペラの回転を止め、頭部に格納した。そこから代わりにいつもの一本のアームが出てくる。 「ふぅぅぅ……一時はどうなることかと思ったが」 『なんとかなりましたね。逃げるが勝ちってやつです』 「しかし、また何かおかしなことに巻き込まれたようダ。さっきまで何もない草原にいたと思ったんダが、これは一体どうなってるんダ。あのドア、どうみても向こう側も草原ダったよな」 『やっぱり、あれはどこ○もドアだったのでは! まさかもうこの国では実現されたのでしょうか。ああ、惜しいことをした。こんなことなら、しっかり分析して記録しておくべきでした』 「そんなことよりも、ここがどこなのかを分析して欲しいな」 今ゲンダーたちは見知らぬ場所にいる。地面と壁は金属で出来ており、金属特有の光沢で無機質に光っている。 空を見上げるとドーム状の建物の中であることが見てとれて、人工の光が全体をぼんやりと照らしているのがわかった。例のドアを背に、前方には巨大なビル群が整然と列をなしている。巨大な半球の中に街が作られているようだ。 ビルとビルの間には変わった風体の歩道が敷かれている。ベルトが移動し、乗っているだけで目的地に運ばれる仕組みになっているようだが、今は静まり返っていて稼動していない。 そしてこれほど大きな街であるにもかかわらず、不思議なことに誰かがいるような気配は全く感じられなかった。 「不気味なほど静かダ。さっきとは大違いダな」 『レーダーに動体反応なし。付近には私たち以外に誰もいないようです。まるでゴーストタウンですね。それから位置情報の取得に失敗しました。空間が歪んでいるのか、それとも未知の技術によって妨害されているのか。どちらにせよ、この場所は何か理由があって存在を隠されているようです。ちょっと気になりますね』 「まあ、なんダっていいさ。オレたちの目的には関係ない。しばらくここでほとぼりが冷めるのを待って、頃合を見てまたそこから出て行くダけさ」 そう言って振り返ろうとすると、 【6番ゲートに異常発生。ゲートを封鎖します】 突然、後方でシャッターが閉じる音がした。見ると、先ほどくぐってきたドアを閉鎖するように壁が降りている。入ってきたところから出ることはできなくなった。まあ、これであの霧が入ってくることもないだろうが。 「ちぇッ、タイミングよく閉じ込めてくれやがった。あのドアといい、警戒システムといい、よっぽど知られたくない秘密があるらしいな」 防壁は押しても引いてもびくともしない。メイヴが破壊を試みようとまた兵器を取り出したが、出口もろとも吹っ飛ばしてしまいそうだったので、ゲンダーは慌ててそれを止めた。 『ここから出るのは難しそうですね』 「どうすればいい?」 『考えられる手段はふたつあります。どこかにあるこの防壁の解除装置を見つけて作動させる。またはドーム内を探索して別の出口を探す、ですね』 「どっちにしても、このドーム内を調べるしかないわけダ」 目の前には数え切れないほどのビルが立ち並んでいる。横にも奥にも、端が見えないほどの広さがある。街がまるごとひとつ入ってしまうほどの巨大なドームなんて聞いたことがない。 そんな広範囲の中から果たして防壁の解除装置なんて見つけられるだろうか。それを考えると別の出口を探したほうがまだ希望はあるかもしれないが、それでもこの広さなので、やはり一筋縄ではいきそうにもなかった。 壁沿いに進んでいけば同じようなゲートがあるかもしれない。そう考えてしばらく進んでみると、5番ゲートと書かれた扉を発見することができた。が、こちらもさっき入ってきたところと同様に防壁が降りていた。さらに進んでみるも、4番ゲートも3番ゲートも同じ有様だった。 『どうやら全部閉じられているご様子で。早くも手段はひとつしかなくなったようです』 「よりによって大変なほうが残っちまったけどな。まさかここの建物をしらみつぶしに全部探すなんてアナログな方法はやめてくれよ。メイヴ、こうなったらおまえが頼りダ。何かレーダーとかセンサーとかを駆使して、解除装置がどこにあるか一発でわかる方法はないのか?」 『なくはないです。が、そこまで都合よくはありませんね』 メイヴがいうには、どこか適当な建物に入って、そこでこのドームについての情報をスキャンすることができれば、ドームの構造も出口の位置も、そして防壁の解除装置の場所も一目瞭然になるらしい。問題は、このドームの情報を取得できそうな建物がどれなのかがわからないということだ。 「それじゃ、結局変わらんじゃないか」 『まあ、言ってても始まりませんよ。とりあえずどこか適当な建物に入ってみないことには』 仕方なく、ビル群を間を抜けてドームの街を行く。 片っ端から調べつくしてもいいが、それでは時間もかかるし期待値も低い。解除装置にしても、ドームの情報にしても、そういった重要なものが置かれているのは概して中枢にある大きな建物だ。そう推理したメイヴの提案で、二人はとりあえずドームの中央を目指すことにした。 中枢だから中央にある、というのは安直な考えだったが、他に情報がないのだから仕方がない。 草原の緑から一転、灰色のビルの林をかき分けて、二人の影はドームの奥へと飲み込まれていった。 第2章 了 ブラックボックス3
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《†紫呪血眼†マルディシオンアイズ》 サイズなし/ 打 3/ 攻撃力 26000/防御力 15000 ワールド:ロストW 属性:《竜血師団》/《ロストベイダー》 【コールコスト】君の場の《竜血師団》か《ロストベイダー》のモンスター1枚の上に重ね、君のドロップゾーンのカード3枚までをこのカードのソウルに入れる。 相手は可能なら、場のカード1枚でこのカードを攻撃する。 このカードが攻撃された時、バトル終了後、攻撃したモンスターをこのカードで攻撃できる。 【3回攻撃】【ソウルガード】 収録 ロストイノベーション 評価 名前 コメント
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モンスター 名前 属性 打 攻 防 《--》 -- 0 0 0 魔法 名前 属性 《--》 -- アイテム 名前 属性 《--》 -- 必殺技 名前 属性 《--》 -- 必殺モンスター 名前 属性 打 攻撃 防御 《--》 -- 0 0 0
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第12章「Trust in Me(『私を信じてください』)」 ゲンダーは悩んでいた。 これから自分は何をすればいいのだろうか、と。 目的は果たした。メイヴをスヴェンに届けるのがヘイヴの頼みだった。 そのメイヴは現在スヴェンとガイストによって修理中だ。 目的は果たした……はずなのだが、なぜか釈然としない。 実際にここへ来てその置かれた状況を知った。 マキナとヴェルスタンドの戦争。ガイストの背負う深い業。そして精神体の兵器『鯰』の存在。 (このまま終わりにするわけにはいかない。何かオレにできることはないダろうか?) ――いつの日ダったろうか。 あれはそう、オレが初めてヘイヴに会った日。オレが生まれた日だ。 (ここは、どこダ?) 眩しさを感じてオレは目を覚ました。 いや、目を覚ましたというより、そこで初めて自我を持った。 自分が生まれた直後の事なんて誰もはっきりと覚えていない。 強いて言えばこれは物心がついた頃というやつか。 「……おかしいな。バグもすべて潰したし、エラーも修正した。動作は問題ないはずだ。やはり無理やり実装したのがまずかったか。だがそれならシステム面でなくハード面に影響が出るとは考えにくいし……いや、感度の問題か」 目の前に知らない誰かがいた。 まあ今までに他の誰かに会ったことがなかったから、誰もが知らない誰かと言えるわけダが。 どうやらオレの顔を覗きこんでいるようダったが、視界がぼんやりしていてよくわからなかった。 「これでどうだ」 その知らない誰かが何かを操作しながら言った。 すると目の前が真っ白になったり真っ黒になったりするのを何度か繰り返して、次第にうまく周囲を把握できるようになってきた。 どうやらオレは何か台のようなものに乗せられていて、体のあちこちに線や機械が取り付けられているらしい。 線の繋がっている先を目で追っていくと別の台の上に四角い箱がいくつかあり、そのうちのひとつにオレが見ているものと全く同じ光景が映し出されていた。 その箱を見て何かを確認すると、そいつはオレに声をかけてきた。 「おはよう、キョクゲンダー。私の声が聴こえるかね? 私はヘイヴ。おまえの生みの親だ」 「キョク……ゲンダー……?」 「キョクゲンダー。それがおまえの名前だ。よし、うまく聞こえているようだな。改めて名乗ろう。私の名はヘイヴ、おまえを作った科学者だ」 「ヘイヴ…? カガクシャ…?」 「科学者だ。まだわからないか。まぁ登録言語がまだ不完全だから仕方がないな。言葉は少しずつ教えていってやろう。さっそくだが、おまえにはこれから私の助手として、私の研究を手伝ってもらいたい」 それがオレとヘイヴの出会いダった。 研究所にいるのはオレを除いて、いつもヘイヴ一人だった。 ここにヘイヴ以外の者が入ってきたことは一度もないし、研究所の外の世界というものをオレは知らなかった。 ヘイヴはよくオレが何かを言うたびに、オレが自分の意見を持っているということで驚いていた。実在の人物の精神パターンをもとにオレの頭脳は作られたらしいが、それでも自分の意見を持つ機械というのは例を見ないのダとか。どうやらオレは普通ではないらしい。 オレには『感情』というものが存在するらしい。本来機械には感情というものはないそうダ。しかしオレにはなぜかそれがあった。 これはオレが勝手にそう思っているダけかもしれないが、もしかしたらヘイヴは一人で寂しかったんじゃないダろうか。つまりヘイヴが心のどこかで誰か話し相手を求めていて、それがオレを作る過程で無意識のうちに反映されてこうなったのではないか、と。 ――そして現在。 ヘイヴから託された任務は終わった。オレはやり遂げたんダ。これは喜ぶべきはずのことダ。 ときにこの感情というやつはオレの行動を阻害する。例えば頭ではやるべきことはわかっているはずなのに。今回の場合なら、やり遂げたということを素直に喜べばいいはずなのに。 しかし一体なんダろう、この煮え切らないような感じは。 感情とは一体何なのか。この感情というやつが今はオレを不快にさせている。 ダったら感情なんて本当に必要なものなのダろうか。 オレに感情があることをヘイヴは「奇跡だ」と言ったが、オレにはこれが欠陥であるように思えてならない。こんな辛い思いをするぐらいなら、感情なんてなければいいのに。 こんなどうでもいいことで悩むなんてどうかしてる。ダからそんな自分をオレは駄作ダと思っている。 ヘイヴの頼みは達成されたんダ。きっとヘイヴは喜んでいる。 ならばオレも嬉しいはずダ。しかしオレはこうして悩んでいる。 どうしてオレは悩んでいるんダろう。 これがメイヴならきっと『任務完了ですね。お疲れ様でした』とか言って、あっさり受け入れるんダろう。 しかしオレにはその事実がなぜか寂しかった……ん、寂しい? どうして寂しいなんて想いが急に出てくるんダ。 ああ、オレはオレがよくわからない。 『ゲンダー、ただいま。これで完全復活です』 博士両名の協力あって私の修復は無事完了しました。 お二方に礼を言った後、ゲンダーの退屈そうな姿が見えたのでまずは声をかけました。 「おかえり、メイヴ。スヴェンたちに任せて正解ダったな。知ってるか? ここがマキナなんダ。ついに目的地に着いたんダ。長いような短いような不思議な感じダったけど、これでオレたちの旅は終わったんダな……」 何があったのでしょう、ゲンダーは元気がないように見えました。 『どうしたのですか、ゲンダー。たしかにあのお二方は信頼に値する技術者だと言えるでしょう。しかし我々の旅の目的はスヴェンにヘイヴの残した研究成果を届けること。きっとそこに何か意図があってスヴェンに会えとヘイヴは遺したのでしょう。ですからそれが終わるまでは、旅は終わりとはいえません』 「たしかにな。でもそこから先はスヴェンの仕事ダ。もうオレにできることは何もない」 『ああ、なるほど。つまり任務完了というわけですね。ゲンダー、お疲れ様でした。ありがとうございます』 私はこれまでのゲンダーの努力を労ったつもりでした。 しかし、なぜかゲンダーはさらに元気をなくしてしまったようです。 何か言い方がまずかったのでしょうか。先の発言の全単語の意味を検索し、可能な限りあらゆる解釈を検討しましたが、悪い点は何ひとつ見つかりませんでした。予期せぬエラーです。 「なあメイヴ、任務が完了した場合って喜ぶべきかな」 ゲンダーからの問題提起を確認しました。 データベースから【任務完了】のワードを検索します。 検索中... 検索中... 検索完了。結果、それが満足を生み出す割合は70%を超えていたため、私はそれをゲンダーに伝えました。 「そうか…。じゃあ、やっぱりオレがおかしいのか。オレは満足できていない。なぜか嬉しくないんダ」 『100%ではないので、それも十分にあり得る結果です。なのに、なぜそんなことを心配するのですか?』 「よくわからない。けど、もしかしたらオレは怖いのかもしれない」 ゲンダーは小さな音量で、そう呟きました。 『怖い……ですか。私にはどこからそういう感想がでてきたのかが理解できません。その理由を是非とも教えてほしいです』 するとゲンダーはしばらく何かを考えていたようですが、やがて理由を説明し始めました。これは私のデータベースにない貴重な事例です。記録しておくべきだと判断しました。 データベース保存領域確認......保存可能領域を確保。録音と並行して変換開始。文字情報でも保存します。 これより記録を開始します。 「オレは誕生してからずっと、ヘイヴの指示に従ってきたんダ。ダから今回のことも迷うことなく承諾した。それがオレにとっての当り前ダったからな。でも今回はヘイヴがコールドスリープに入ってしまった。ヘイヴがいないから次の指示はもう出ない。オレはこれから何をすればいいのかわからなくなった」 『ははあ。なんだ、そんなことでしたか。それならガイストやスヴェンに指示を仰げばいいです。なんでしたら、私から提案させてもらいましょうか?』 「いや、そういう意味じゃないんダ。なんというか……よくわからないんダが、急に独りになってしまったような気がして、たぶんそれで怖いんダ。なんダかヘイヴの声が聞きたい…」 『私がいますよ。グメーシスもいますし、ガイストにスヴェンもいます。それでもあなたは独りだと感じますか? ヘイヴの声でしたら、ゲンダーのホログローブを使ってヘイヴの遺したメッセージを再生できますが?』 「いや……やめとく。聞いたら聞いたで余計に辛くなりそうな気がするんダ…」 『聞きたいのに、聞きたくないと。はて、これは矛盾していますね。私には理解できません』 「オレにもよくわかんねえよ…」 こんな調子でゲンダーの解説は続きました。 データベース内を捜索していると、この問題に該当する解決案は意外なところから見つかりました。 精神に関する領域です。まさかゲンダーと精神に関連性があるとは思えませんが、症例は「愛するものとの別離」によるものに酷似していました。ゲンダーに関するデータを大幅に修正する必要がありそうです。 まずはゲンダーの症例について分析したことを彼に伝えることにしました。 『ゲンダーはヘイヴがいなくなってしまったことで怖さを感じているのだと思います。ヘイヴからの指示が途切れたことで、彼がいなくなったことをはっきりと認識したのでしょう。これは信頼するものを失ったことに起因している問題だと推測されます』 ゲンダーは何も言いませんが、「やっぱり」と言いたそうな顔をしていました。 分析を続けると、どうやらゲンダーの言動から見えてくるのは『心』というものとの関連性が深いということでした。これはデータベースの一部の情報と大きく矛盾しますが、一方でかなり正確に一致している部分もあります。もしこれが不具合でないのであれば、これは常識を覆す新しい発見です! つまりゲンダーの症例は……いえ、『ゲンダーという存在』それ自体が極めて稀なケースであると言えます。 「オレは……これから誰を信じればいいんダろう。誰のためにあればいいのだろう。メイヴ、オレはもう必要ないのかな」 私は確信しました。 ゲンダーは非常に貴重な存在です。ガイストやスヴェンが驚いていた理由をついに理解しました。 そしてこの稀なケースはこの先数百年にわたって、もう一度あるかどうかもわからない現象だという計算結果が出ました。それによって導き出される結論は以下の通り。 <ゲンダーを失うことは将来的に見て非常に大きなリスクとなる> ――よって私はゲンダーを守らなければならない! 自己修復機能を起動します。 >目的情報を参照:1.ブラックボックスの絶対維持 2.マキナへの到達 3.スヴェン博士に会う >目的情報を初期化します。 フォーマット開始……20%……40%……60%……80%……100% フォーマット完了 新たな目的を設定します。 >目的情報を参照:1.ゲンダーの尊守 >大目的達成のための手段を検索、検討開始します。 問題点の解析を開始します。 音声再生 > 22021116.sud 「ヘイヴがいないから次の指示はもう出ない。オレはこれから何をすればいいのかわからなくなった」 遠隔モニタ表示履歴参照 > 306M1428.rmh 『これは信頼するものを失ったことに起因している問題だと推測されます』 処理中....................................完了 解析結果:新たな「信頼するもの」の設定が必要 目的情報を更新します。 >目的情報を参照:1.ゲンダーの尊守 2.ゲンダーの信頼を獲得する 設定完了。自己修復機能を終了します。 『ところでひとつ聞きますがゲンダー、あなたはヘイヴを信頼していますか』 「いきなり何を聞くのかと思えば……そんなの当然ダ」 『では、私はどうですか』 「え……?」 ゲンダーは予想しなかった質問に困惑しているようでした。 『いつだったか、私は言いました。ヘイヴを信じてください、そして私を信じてくださいと』 「ああ…」 『あのときは私を信じてくれましたね。ヘイヴを信じているから、ヘイヴが作った私を信じることができた……そうですね?』 ゲンダーは何も答えませんでしたが、否定はしていないと判断して続けます。 『では、私単体としてはどうですか。ゲンダー、あなたは私を信頼してくれますか?』 「それは…」 私は言い切りました。そして、ゲンダーの返事を待ちます。 『ゲンダー、私を信じてください…!』 いつまでも待っています。ゲンダーがその返事をくれるまで…… ゲンダーは珍しく積極的に干渉してくるメイヴに驚いていた。 メイヴなりに自分を心配してくれているのだろうか。そう考えると少し気持ちが楽になったような気がした。 (そうダ、メイヴはヘイヴが最後に遺してくれたもの。オレにとってヘイヴの形見のようなものダ。ならば、直接ヘイヴから頼まれたわけじゃないけど、メイヴをずっと守っていくこともオレの役目ダ。そう、ヘイヴがコールドスリープから目覚めるその日まで……) しかし一方で不安もあった。思い出されるのはヴェルスタンドでのメイヴの暴走。 ゲンダーはあまりにもメイヴのことを知らなさすぎた。これではメイヴのすべてを信じ切ることはできない。 ずっと返事を待ち続けているメイヴにゲンダーはこう返した。 「悪いが、今はまだそれには答えられない」 『そうですか…』 メイヴはどこかがっかりしているようにも見えた。 「……でも」 長いようで短かった数日間の旅。メイヴとはまだ知り合ったばかり。 これからずっとメイヴを守っていくと心に決めたのだ。これからメイヴのことをもっと知っていけばいい。 心配ない。時間はたっぷりある。 「でもいつか必ず、胸を張ってそれに答えてやれるようになってみせる! ……ダから、今は少しだけオレに時間をくれないか」 どんな反応をされるかゲンダーは心配に思ったが、メイヴは二つ返事でそれを受け入れた。 『わかりました。一番良い返事を期待しています』 「ありがとう」 ゲンダーが感じていた寂しさはいつの間にか決意に変わっていた。 メイヴについては実はまだよく知らない。メイヴには謎がある。その謎が解き明かされた時……それは役目の終わりなんかではない。メイヴへの信頼の始まりとなるのだ。 (これが次の目的ダ。誰かに与えられた目的じゃない。オレが決めた、オレの役目ダ!) 信じて待つ、ヘイヴが帰ってくるその日まで。そして、その日までメイヴを守り続けていく。 「そうと決まれば、オレにはやらなくてはならないことがあるぞ!」 スヴェンの地下研究室にゲンダーの声が響き渡る。 『なんですか、突然』 「ヘイヴに頼まれたわけでも、別にガイストたちに同情したからでもない。オレは決めたんダ!」 「なんだ、どうしたんだ。ゲンダー君」 今後どうするかを話し合っていたスヴェンとガイストも近寄ってきた。 「この戦争を終わらせる! これはオレの意志ダ!!」 ヘイヴが帰ってくるその日までメイヴを守り続けると心に誓った。そのためにはあらゆる危険要素を取り除かなくてはならない。メイヴを守るためにも、この戦争は終わらせなければならないとゲンダーは考えていた。 「ゲンダー君。気持ちはありがたいが、相手は国家なのだ。わしらだけでどうにかなるような問題じゃないんだ」 「そうだ。相手は大陸を吹き飛ばしてしまうほどの兵器を持っているんだ。あっという間にやられてしまうぞ!」 二人の科学者は反対したが、 『私はゲンダーに賛成します』 意外なことに、それに反論したのはメイヴだった。 「メイヴ!? どうして君まで……君ならわかるはずだろう! とても勝算があるとは思えない!!」 『たとえ万にひとつでも、億にひとつだろうと、可能性があるなら勝算はあります。0%でないのであれば、たとえどんなに可能性が低くても、信じる価値があります。私が言うのもナンですがね』 これにはゲンダーも驚いていた。まさかメイヴが賛成してくれるとは夢にも思っていないことだった。 いつもならメイヴもガイストたちといっしょになって、いかにそれが無謀なことであるかを、丁寧にデータの裏付けまで提示してこれでもかと言わんばかりに突き付けてくれたことだろう。 だがメイヴもまた、ゲンダーを守らなければならないという認識を持ち始めていた。その結果、よりゲンダーが安全なのは何かを検討し、そして出した答えがこれだった。 『どんな兵器だろうが、私がシステムを乗っ取って逆に利用してやりますよ』 「その意気だ、メイヴ!」 ゲンダーは頼もしそうにメイヴに応える。 「そうは言うがね、二人とも…」 あくまでスヴェンは二人を説得しようとしていた。 「そりゃあ、わしだって故郷がメチャクチャにされるのは見ていて辛い。だがいくらなんでも、我々だけでというのはあまりにも……無茶が過ぎる。たとえ可能性があったとしても、大切なのはそれが実際にできるかどうかなんじゃないかね?」 「じゃあスヴェンとガイストはここで隠れててもらってかまわない。これはオレたちがやると決めたことダ。二人をわざわざ巻き込む理由もない」 『できるかどうかじゃない、私たちは”やる”んですよ』 すると二人の決意に呼応するかのようにグメーシスが力強く鳴いた。 「グメェェェーッ!」 「そうか、おまえも手伝ってくれるか!」 「グメっ!」 グメーシスは短い手でがんばって敬礼をしてみせた。 「……そうか。そこまで言うのならわしは止めんよ」 「せ、先生!?」 「それで君たちが後悔しないというのならば、思うようにやりなさい。……ふっ、私は科学者だというのに、機械相手に何を言っているんだろうな。本当に君たちは不思議だな、会えてよかったよ」 意外にもあっさりと認めたスヴェンを、ガイストは腑に落ちない様子でただ眺めていた。 そして翌朝、スヴェンはいくつか使えそうな道具を提供して、ゲンダーたちの出発を見送ることにした。 「それではくれぐれも気を付けてな。もしうまくいかなくてこの国が滅んだとしても、わしは君たちを責めんよ。だが、この国のために力を貸してくれることを感謝する。それと……ヘイヴによろしくな」 「こちらこそ、感謝感激ダ。ありがとう。できるダけのことはやってみるさ」 『私からも感謝します。修復を手伝っていただき、ありがとうございました』 「グメーメ、グメーメ!」 そうしてゲンダーたちは出発していった。ヴェルスタンドの兵器『鯰』を止めるために。 ガイストはこれに立ち会わなかった。 地下研究所に沈黙が広がる。 機器の無機質な動作音だけが静かに響く。 ガイストはうつむいたまま、黙って椅子に腰掛けている。 見送りを終えて階段を降りてきたスヴェンが、そんな様子のガイストを見て言った。 「よかったのかね、彼らと一緒に行かなくて」 「私には……この国のために戦う資格なんてありません。精神体を発見したのは私です。つまり『鯰』は私が生み出してしまったようなものです。それに私はヴェルスタンドで生まれた。マキナにとって敵の人間なんですよ…」 ガイストはスヴェンに目を合わせようとしなかった。心なしか肩が震えているようにも見える。 「皮肉なものですね。私はこのマキナで多くを学んだ。故郷のリュッケンはかつては鉱山で栄えていたとはいえ、今じゃ寂れてとても貧しい街です。それでも私は生まれ育った故郷が好きだった。だからなんとか故郷を栄えさせたかった。マキナで学んだことが故郷を豊かにすると信じていた。そのために必死で勉強して必死で研究を続けてきた! それがどうです!? その結果、私はこの国の半分を吹き飛ばす原因を生んでしまった! 第二の故郷とも言える、先生から学んだあの思い出の地を海の底に沈めてしまった!! …………私はこの国の人たちに会わせる顔がありません」 ガイストは悔しさと自身への怒りに満ちていた。 それと同時にひどく悲しかった。いつの間にか目からは涙が溢れていた。 そんな彼を見て、スヴェンはそっと歩み寄ると優しく肩を抱きそして、 「ガイスト君……ッ!」 「!?」 一瞬、何が起こったのか理解できなかった。 ガイストは床に尻餅をついていた。じわじわと頬に鈍い痛みを感じた。 平手打ちを受けたことに気がつくまでしばらくかかった。 「君はそれで満足かね、ガイスト君」 スヴェンは厳しい表情だった。 「このままでは君は、マキナを滅ぼした大悪人だな。戦争の片棒を担いだ男として歴史に名前が残るだろう。しかし本当にそれでいいのかね」 「そ、それは…」 「もう一度言おう。君はそれで満足かね。……後悔はないか?」 ガイストは嗚咽混じりに、しかし力強く答えた。 「後悔など……ないわけがない…ッ!!」 「ならばどうする! どうすればいいのかは、君自身が一番よくわかっているはずだ。そうだろう?」 「!!」 はっとして何かに気づいた様子のガイストを見ると、スヴェンは優しく声をかけた。 「行ってきなさい。彼らは君の助けをきっと必要としている」 「先生……っ! ありがとうございます!」 ガイストは急いで荷物をまとめると、ゲンダーたちを追いかけて地下研究所を飛び出して行った。 残されたスヴェンは誰に聞かせるでもなく、一人呟いた。 「君はまだ若い。まだ今ならやり直せる。いつまでも後悔に取り憑かれるのはわしらだけでいい……なぁ、そうだろうヘイヴ?」 そう言って虚空を見上げるが、答える者は誰もいない。 「さてと。わしはわしで、自分にできる形で彼らのサポートをさせてもらうとしようか」 スヴェンもまた彼なりの方法でヴェルスタンドに立ち向かうことを決意していた。杖をつき不自由な右脚を引きずりながら研究所の外に出ると、桟橋に停泊させていた飛行艇に乗り込んで調整を始めるのだった。 第12章 了 ブラックボックス13
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蒼穹騎士団団長スカーレッドアロー・ドラゴン サイズ:2/ 打 3 / 攻撃力 10000 / 防御力 7000 ワールド:ドラゴンW 属性:《武装騎竜》/《赤竜》 【コールコスト】 ゲージ3を払い、君のデッキの上から2枚までこのカードのソウルに入れる。 君の場の《武装騎竜》全てのサイズは1減る。 このカードが登場した時、君のドロップゾーンにカード名に「蒼穹騎士団」を含むカードがあるなら、君のライフ+4。君のドロップゾーンのカード名に「蒼穹騎士団」を含むカードが6種類以上なら、かわりに君のライフ+10 君のライフが回復した時、相手の場のカード1枚を選んでもよい。選んだカードのソウル全てをドロップに置くか、選んだカードをドロップに置く。この能力はターンに1回だけ使える。 【ソウルガード】【貫通】【反撃】 FT ---- 名前 コメント
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既存属性 《ヒーロー》 《ブレイブマシン》 《ヒロイン》 《ダークヒーロー》 《カルテットファイブ》 《ヒロイン》 《ライドチェンジャー》 《戦艦》 《艦載機》 《バトルビルディング》 《機空隊》 《銀河超人》 《銀河防衛隊》 《ウェポン》 オリジナル属性 《--》
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サイズ∞/0/∞/13000 ワールド:the・Chaos 属性:《カオス》/神 ■『逆天殺ReBOOT』〔君のライフが0になる時、手札①を捨てる〕手札のこのカードに『変身』し、ドロップの《カオス》3枚までを〔コスト〕を払わずコールし、君のライフを10にする ■場のこのカードは相手のカードの効果で、破壊されず、場を離れず、能力を無効化されず、君のセンターにモンスターがいても攻撃できる! ■このカードの攻撃時、ターン中、君の場のカード全ての攻撃力と打撃力と能力全てを得る 『反撃』 FT 人も竜も神すらも、私のアップグレードを止められはしない 名前 コメント
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おしゃべり掲示板500エラー事件 日時:2011年6月14日 / POC358 おしゃべり掲示板500エラー事件とは、2011年6月14日の午後1時ごろから午後9時ごろにかけて、おしゃべり掲示板への全てのアクセスに対して500エラー(500 Internal Server Error)が返されたという事件である。 一時おしゃべり掲示板の閉鎖も噂されたが、事態は8時間程度で終息し、結果的には事無きを得た。しかしこの件について管理人側からのコメントは一切ない。 事件の始まり「移住」とうはおkの観測 閉鎖対策と復活 事件後のおしゃべり板うはおk版について 事件の始まり おしゃべり掲示板へのアクセスができなくなったのは2011年6月14日午後1時過ぎ(正確な時間は不明)で、事前の告知などは一切なかったとされる。この時に出現したいわゆる「500エラー」とは、HTTPステータスコードのひとつ「500 Internal Server Error」で、サーバ内部にエラーが発生した場合に返されるものである。 「移住」とうはおkの観測 この事態に気付いたうはおkはかねてよりDPt広場を模倣して制作していた掲示板(http //wifi2.cms.am/bbs_talk/:現在はURL移転、後述)に広場民(その多くはPOCやPHなど古参パートスレの常連)を誘導し、この「うはおk版」おしゃべり板において、プログラミングに詳しい彼自身の観点から今回の事件に関する推測を以下の通り述べた。 じゃあ一応軽い説明しておきましょうか。 500エラーってのは、CGIがエラーを起こす(要はサーバーがプログラムをコンパイルできない)場合に起きる。 それで、Web Patioみたいなものは管理者がプログラムに直接何かしらの編集を加えないと500エラーは出ない。 つまりこれは自然に起きた障害じゃなくて、管理人が意図的に出しているエラーだってこと。 一時的か永久的かは分からないけど、閉鎖の可能性もあると思う。 実際ドラクエ9広場はこのようなやり方で今もなお閉鎖しちゃったりしているからね、何のアナウンスも無しに。 つまりこの時点で、うはおkはこの事態を「広場閉鎖への第一歩」と捉えていたようである。(*1)また、PH@wikiにも閉鎖を懸念するコメントが寄せられた。 管理人がBW広場に強制移住させようとしてるのかね -- にんじん (2011-06-14 19 00 46) この意見にはうはおkも賛同していた。(*2) 閉鎖対策と復活 上に述べたように一時は広場の閉鎖が噂され(*3)、POCやPHなど古参パートスレの住民たちは閉鎖後の身の振り方を考えなければならなかった。 「うはおk版」のおしゃべり板を使い続けるという意見も出たが、個人運用のサイトであり維持費もかかることから遠慮するメンバーが多かった。しかしうはおk自身は「実験用だから別にいい」と答えている。 さらにこの時うはおkは「POCクラウドの重要性が証明されたよね」との発言と共に一枚の画像を挙げている。ただしこの「POCクラウド」は架空(理想?)のシステムであり、ネタ的な色合いも強い。(*4) うはおkによるPOCクラウドの図 (2011.2.20) 南無が見やすく書き直したもの (2011.2.20) うはおkによる事件当時の状況図 (2011.6.14) ところが21時14分頃、「本家」おしゃべり板が突然復活。POCではうはおkが復活後一番乗りを宣言した。 これでひとまず閉鎖の危機は免れたが、一連の事件に関して管理人からのコメントは一切無かったため、今後も同様の事態が発生する可能性は完全になくなったわけではない。うはおk版の掲示板もそのまま残されている。 事件後のおしゃべり板 事件の真相は不明のままいつも通り運用を再開したおしゃべり掲示板だったが、2011年8月28日23時頃に再びアクセスできない状態になった。この時の原因はおしゃべり板のURLが変わった(wifi2.sakura.ne.jp → plaza.crap.jp(*5))ことであり、やはり事前通告は無かった。(後に旧おしゃべり板のトップにURL変更の旨が記載された) うはおk版について この処置に伴い元あったwifi2.sakura.ne.jpはうはおk版(前述したwifi2.cms.am)が使うことになった。本家広場では使えなくなったぜんちゃんはここで動いており、今後DPt広場に異変が生じた際には今回のように避難所として使われるかもしれない。 また、うはおkによる広場風掲示板には他に2008年に登場した「広場スクリプト」がある。ここでもやはりWiiNaがいじられている。 (*1)おしゃべり板復活後、うはおkはこの発言に関して「もう恥ずかしくて広場で生きていけない」とコメントしている。 (*2)しかしこの時エラーを返していたのはDPt広場の掲示板群ではおしゃべり掲示板だけであり、結局復活したので実際に閉鎖を意図したものであったかどうかは不明。 (*3)もっとも、エラーを返すのがおしゃべり板だけであったため閉鎖は有り得ないと考える者もいた。 (*4)WiiNaが広場専用ブラウザの開発を手掛けていることになっている、など。 (*5)うはおkによると「wifi2.sakura…」は「www923.sakura.ne.jp」で、「plaza.crap…」は「www690.sakura.ne.jp」であるという。つまりURLは変わったが根本は同じさくらのレンタルサーバだということである。 WWWWWWWWWWWPOCの歴史的イベントWWWWWWWWWWW 前:ぜんちゃん 500エラー事件 次:汝は人狼なりや?
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モンスター 名前 属性 打 攻 防 《--》 -- 0 0 0 魔法 名前 属性 《鬼神の構え》 闘気/タイラント 《神・闘気四方陣》 闘気 《鉄鋼闘気》 闘気/アーマナイト/防御 《気鋼障壁》 闘気/アーマナイト/防御 《武魂斬魔》 闘気/斬魔 《斬魔滅却》 闘気/斬魔 《斬魔解放》 斬魔/闘気/地獄 アイテム 名前 属性 《--》 -- 必殺技 名前 属性 《--》 -- 必殺モンスター 名前 属性 打 攻撃 防御 《--》 -- 0 0 0