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かってにはえてくる 10KB 理不尽 越冬 ドスまりさ 自然界 人間なし 独自設定 ドス設定曖昧気味 寒い寒い森の中。 冷たい地面の土からいきなり前触れも無く、 "ボコッ!!" と、黒く尖ったピラミットが地面から突き出した。 その奇妙な物が生えている周囲の土が、 "ゴゴゴゴゴゴッ!!" と、低い唸りを上げながら亀裂が走っていく。 「にょきりぃいいいいいいいいいいーっ!!」 地面から飛び出してきたのは巨大なドスまりさ。 体に土の破片を付けながら、穴の中からずーりずーりと這い出してくる。 「ゆっくりはえたよ!! どすはとってもげんきだよ!!」 プルプルと大きな体を振るわせながら土を周囲に撒くドスまりさ。 「…どすだ……」 「……どすだね」 「ゆ?」 ドスまりさは声のした方へと顔を向ける。 そこには、れいむとまりさのツガイが目を丸くして固まっていた。 まりさの方は今日の狩りで獲た食料を口からボロボロと地面に零しながら驚いている。 「どすだあああああああああっ゛!?」 「どすだよおおおおおおおおっ゛!?」 大声を叫びながら何処かに飛んでいくれいむ夫婦。 それを無言で見送るドスまりさ。 ツガイの姿はあっという間に茂みへと消えた。 「……? あっ!? たべものさんだ! ちょうどおなかすいてたんだよ~っ!!」 まりさが置いていった食料を遠慮なく食べるドスまりさ。 一口でペロリと平らげた後、ドスはツガイが消えていった方向へと移動を開始した。 木の枝に体を引っかけないように慎重に進んでいくドスまりさ。 少し進んだ後、木々の間が開けた小さな広場に辿り付く。 『『 どす!! ゆっくりしていってね!! 』』 「ゆ?」 そこに居たのは大勢のゆっくり達。 森で暮らす野生のゆっくり達だ。 「でもすこしおやすみしすぎだったよ!!」 「そうだよ!! もうすぐふゆさんがきちゃうところだったよ!!」 「ずっとゆっくりどすをまっていたんだよ!!」 ドスまりさの周辺に群れのゆっくりが集まっていく。 大きなドスの体に全身をすり寄せてくる小さなゆっくり達。 その誰もが歓迎の言葉を口にしていた。 「ゆ~ん!! どすはむれのおさにゆっくりなるよ!!」 『『 ゆっくりしていってね!! 』』 瞳に涙を溜めながら長宣言をしたドスまりさ。 周囲のゆっくり達も笑顔で答えた。 「さっそくおいわいのじゅんびをしてね!! どすはおいしいものがいっぱいたべたいよ!!」 ドスはお腹が空いていた。 先程食べた少量の食料では満たされる訳が無い。 「どす!! こっちにゆっくりきてね!!」 「ゆん? どすのおいわい……は……?」 群れは慌しく森の奥に消えていく。 一人取り残されたドスは後を追いかけるしかなかった。 群れとドスは大きな岩盤付近で停止した。 「ここにゆっくりあなをあけてねっ!!」 「どすならかんたんでしょ?」 大きな岩壁を指し示しながら、ドスにお願いをするゆっくり達。 『どうして?』と、ドスが聞いてみた所、理由が明らかになる。 今まで住んでいる木の根元や土壁の穴は崩れる危険性があるらしい。 冬の寒さと雪の重さに耐えれる住処、それは岩盤に掘られた洞穴が一番ゆっくりとの事だ。 『群れが住める広さの穴を掘って欲しい!』 との申し出を受けたドスまりさは、張り切りながらスパークを打つ準備に入った。 ここが今から皆で住む場所になるならば多少の労力は仕方が無い。 それに、 おさの力を群れに見せ付けるいい機会だ。 ドスは賢くて一番偉いと認識させる必要性がある。 と、ドスはしたたかに考えていた。 「ゆううううううううううううううううっ!!」 "ビガガガッ" と、口からスパークを放出するドスまりさ。 岩肌が削れて大きな穴が開いていく。 「……ゆっくりあいたよっ!!」 にこやかに宣言したドスまりさの足元を群れのゆっくり達が通っていく。 それぞれが自分の決めたゆっくりプレイスの場所に陣取ると、 頬いっぱいに詰め込んだ荷物を地面へと吐き出す。 「ゆ~ん! ここはゆっくりできるよっ!!」 「みゃみゃ!! ぺーりょぺーりょちてにねっ!!」 「ゆゆ~ん! いいこでかわいいあかちゃんだよ~!!」 「ゆふゅ~ん!! くちゅぎゅったいよっ!!」 「……」 全てのゆっくり達は、作業をしたドスに感謝言葉を掛ける事も無く、思い思いのままに寛いでいる。 ドスは目を点にしながらゆっくり達でいっぱいに詰まった洞穴の内部を凝視していた。 そこにドスまりさの体が入るスペースは無い。 「ゆ……ゆっくりべつのばしょをほるよ! おさはもっとおおきいぷれいすじゃなきゃだめだよね!!」 ここは群れが暮らすプレイスだと無理矢理自分を納得させるドス。 乾いた笑顔を浮かべながら移動をしようとしたドスまりさ。 「ゆえ~ん!! しゃむいよ~っ!?」 「ゆゆゆゆっ!? おちびちゃんすこしまっててねっ!! ……どす!! おねがいがあるよ!! あそこのきをたおしてね!!」 「………ゆえ?」 立ち去ろうとしたドスまりさにお願いをしてくるゆっくり。 枯葉を毛布にするらしい。 地面に降り積もるのを待っていられないようだ。 「どす!! はやくしてねっ!!」 「そうだよ!! おちびちゃんがかわいそうなんだよ!!」 「ゆっくりおねがいをきいてねっ!!」 周囲のゆっくり達も騒ぎ出す。 赤ゆは泣き出してより一層煩くなっていった。 「わかったよ!! いうとうりにするよっ!!」 ドスは体を縦に振って了承の合図を取るしかなかった。 ドスの目の前にあるのはそれなりに大きい木。 「どすはえらいんだよ!! ゆっくりかんしゃしてねっ!!」 そう叫びながら木に向かって突進した。 体当たりの旅に度に大きく揺れて枯葉が舞い落ちてくる。 ドスのお肌が赤く染まっていく。 痛みが体を駆け巡る。 それでも群れの為に体当たりを続けた。 「……ゆふ~。ゆっふ~ん……どう!?」 踏ん反り返って威張るドスまりさ。 それなりの集荷が得られたと自賛して態度が増徴していた。 「これだけじゃたりないよ!!」 「もっとまじめにおしごとしてねっ!!」 「どすはこんなこともできないのっ!?」 有頂天なドスに向けられたのは慈悲無き言葉。 実際、枯葉の量は足りないが、労いの言葉を掛けてくれないドスは相当へこんだ。 その後も瞳に涙を滲ませながら枯葉を落とし続けた。 「……ゆひぃいいいっ……ゆああああああっ゛……」 体の前面を真っ赤に腫らしたドスが地面に横たわる。 群れが満足がいく枯葉の量を集めるまでには相当な労力を必要とした。 ドスの視界の先では枯葉のベットに包まれた赤ゆが幸せそうに眠っている。 「ゆうううっ……どすはおなかへったよ……」 体当たりを繰り返した際、落ちた木の実を口にしようとしたら怒られたのだ。 保存食を食べるドスはゆっくり出来ないと。 だから何も口にせず、一心不乱にドスは群れの為に頑張った。 「むーちゃむーちゃ! ちあわちぇ~っ!!」 なのに、ドスの目の前では別の赤ゆが幸せそうにご飯を食べていた。 ドスはやりきれない気持ちで一杯だった。 硬くて冷たい地面の上でドスは静かに泣いていた。 「ゆっくりたべてねっ!!」 「…ゆ……ひっくっ?」 ドスが泣きしゃっくりを響かせながら視界を上げると、 そこには群れのゆっくり達がドスを囲むように集まっていた。 そっと差し出されたのはお団子のような塊。 ドスは笑顔を滲ませながら喜びを露にした。 これでドスは長に認められたんだね!? そう思いながらドスはお団子を口にした。 「むーしゃむーしゃ!! しあわせ~んっ!!」 あまり美味しくないお団子だ。 でも、ドスにとっては何よりのご馳走だったに違いない。 これは認められた証なのだから。 「ゆっくりどすもおうちにはいるよ!! ……はいるよ? ゆゆゆ? なんだか……」 ドスは体をフラフラとさせた後、 「ゆうううっ゛!?」 大きな音を立てて、うつ伏せに倒れた。 もぞもぞと体を動かすドスだったが、 (あんよさんが動かないよっ!?) 全く動かない足、いや、全身が思いどうりに動いてくれない。 「ゆっくりしようね!!」 「ゆっゆお~!!」 (何? 何なの!?) 聞こえてくるのは群れの声。 今から何かをしようとしている合図と雄叫び。 ドスまりさはゆっくり出来ない寒気を感じていた。 その悪い考えは的中してしまう。 周囲に集まったゆっくり達がドスの体を齧り始めたのだ。 「ああああああっ゛!? いだいいいいいいいいいっ゛!!」 容赦なく体に歯を立てられたドスまりさは悲鳴を上げる。 地面に触れたお口の中に泥が入り込み、土の味が口内全体に広がった。 「やべでええええええっ!! どずはおざなんだよっ゛!? えらいんだよっ゛!! とっでもゆっぐぢじでるのにいいいいいいっ゛!! どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおっ゛!?」 涙を地面に吸わせながらドスは叫ぶ。 それを聞いた群れのゆっくり達は、 『『 ゆ? なにをいっているの? 』』 「ゆぎいいいいいいいいいいいいっ゛!? どずのきらきらのかみのげざんがああああああああああっ゛!!」 ブチブチと髪の毛を引きちぎる。 ドスまりさの髪の毛はどんどん短くカットされていった。 『『 なにをいってるのかがわからないよ? 』』 「ゆあああああああああああっ゛!? どすのおおきなおぼうしざんがあああっ゛!? ゆっぐぢがえじでええええええっ゛!!」 大勢のゆっくり達がドスの大帽子を洞穴の中へと運んでいく。 『『 だってどすは…… 』』 「いだああああああああいっ゛!! もちもちほっぺさんをめぐらないでええええええええっ゛!?」 ベリベリと外皮を剥かれていく。 破かないように丁寧に、そして大胆に。 『『 かってにはえてくるんだよ? 』』 「おごああああああっ゛!? あんござんがああああああっ゛!! だいじなあんござんがああああああっ゛!?」 中身を貪り食われているドスには、ゆっくりの声が聞こえていなかった。 ドスはそれどころでは無い。 死ぬかどうかの瀬戸際に立たされていたのだから。 頬を大きく膨らましたゆっくり達が洞穴の巣に戻り、 黒いドスの餡子を吐き出した後、またドスの内部へと戻っていく。 そして、口いっぱいに餡子を頬張っていくゆっくり達。 「きらきらさんはほしくささんにまぜてたべるんだよ~」 「くろいものはおふとんさんにまぜようね!! ぽかぽかになるよ!!」 「はだいろさんはけがのちりょうにつかえるね!!」 「あんこさんはとってもゆっくりできるよ~」 そう呟きながら、忙しそうに洞穴を走り回るゆっくり達。 群れの全てがドスから剥ぎ取った物を加工するために世話しなく動いている。 これがこの群れの冬支度。 ドスは厳しい冬を乗り切るための重要なアイテム。 頑強な住みかを掘ったり、暖を取るための枯葉などをとる重機代わりにされ、 用が終わり次第、解体されて食料等に姿を変える消耗品。 『どすはかってにはえてくる』 その考えを持った群れはドスを長に迎えようとはしないのは当然。 このドスもバラバラに分解されて短いゆん生を終えた。 雪がちらつくお外の出口を塞ぐ群れのゆっくり達。 今から本格的な冬が訪れる。 これでお外の世界は当分見納めだ。 「ゆ~ん……おちょとであちょびたいよ……」 悲しそうな顔で呟く赤ゆ達。 遊び盛り、食べ盛りの状態でお外の世界から監禁生活になってしまうのは辛いだろう。 「これでゆっくりあそんでね!!」 「…ゆ? ゆーんっ!! こりぇはちゃきゃらもにゅにちゅるよっ!!」 "ゴロリ"と、地面に転がされた遊び道具はドスの大きな眼球だった。 それを奪い合うように眼球と一緒に転がっていく赤ゆ達。 ここには甘い食べ物も沢山蓄えがあり、ポカポカとした毛布も大量にある。 どのゆっくり達も幸せな表情を浮かべながらとてもゆっくりしていた。 「ゆ~ん。ふゆごもりさんはゆっくりできるよ~」 誰かが呟いた言葉に頷きながら枯葉の毛布に潜り込むゆっくり達。 " 来年の冬はドスが生えてこないのかもしれない。" そんな事態が起こるかもしれないとは誰一人考える事は無く、 暖かい毛布の中で眠りにつく群れのゆっくり。 今から快適な越冬生活が始まる。 ・どすが生えてくるお話 それを有効活用する群れの物語 ・明確な発生方法は無いので生やしてみました ゆっくりオーラ諸々の設定は曖昧です ・ぬえにも一本あげました 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 593 迷作劇場 ふたば系ゆっくりいじめ 572 ぎゃんぶらー ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心 ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ? ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2 ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5 ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値 ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語 ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償 ・他、4点 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 珍しいかわいそうなドス -- 2019-03-29 21 12 08 こいつらドスに食わせる団子何処から持って来たんだよ -- 2015-02-17 17 34 20 こいつら屑で生きてるいみねぇ -- 2014-05-15 18 43 02 無駄無駄無駄無駄あああああああああああああああ -- 2012-07-23 15 00 43 ドスが頻繁に勝手に生えてくる世界でなら、こういう扱いになるだろね。 人間でいう鯨みたいな? 気のいいドスが救われないのは、それが人ならぬゆっくりらしさってことでw -- 2012-06-04 03 20 51 どすは勝手に生えてくるのか・・・ それだったら山中どすだらけになると思う。 -- 2012-03-28 21 19 18 あれ、ドスみたいなべんりなゆっくりを平気で処分できるほど、恵まれた群れってこと? (捕食種がいないとか) -- 2011-07-12 22 19 09 脆弱な饅頭共を唯一守ってくれるドスを殺してしまったらもうあらゆる動物に喰われ尽くされるだけやがな -- 2011-05-14 01 52 48 まあイライラ感だけが残ったわけだが・・・ -- 2011-03-05 09 48 02 うん、設定は面白いがストレスマッハ -- 2010-11-26 16 24 09 このドスゆっくりは便利な道具として神様が与えてくれたんだね、わかるよー しかしドスを毒で動けなくして殺すとは… このやり方を発見するまではどうやって殺してたんだかw -- 2010-10-19 17 52 58 ただまあ、ちょっとイライラするかな……読後感が悪い。 -- 2010-07-31 19 21 02 『え、なにこれ。意味解んない。』って書いた者です。 なるほど。れみりゃ・ふらんが他のゆっくりを喰うようなものか。 善し悪しは関係なく、只々「当たり前なこと」。自然のシステムみたいなものか。 ご教授、感謝します。 -- 2010-07-08 10 15 39 いあ、この群れにはゲスしかいないんじゃなくて この群れではドスはゆっくりではなくてドスという別の生物として認識されてるということでは? そして、勝手に生えてくるドスという生き物は自分達ゆっくりの冬越しのために命を落としてくれる という考えがこの群れにはあるということではないだろうか この群れにおけるドス殺しは人間で置き換えると一種の『文化』だし、ゲス行為は特にしてないだろう -- 2010-07-08 01 53 43 まぁ、’この群れ’はゲスしか居ないって事じゃないかな? 群れへの制裁編があったら救われたかも? -- 2010-07-04 03 27 32 え、なにこれ。意味解んない。 -- 2010-07-03 19 29 55
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注意 自分設定があります。 赤ゆっくりがでてきます。 すっきりできないまま、終わるかもしれません。 「「「ゆっきゅりちていってね!」」」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 ここはとあるゆっくりの群れ。 たった今、生まれたばかりのゆっくりが目をキラキラを輝かせながら親たちに向かって、お決まりの挨拶をする。 親たちもまた、お決まりの挨拶を返し、その後は頬を擦り合わせて親愛の情を示すのだ。 平凡かもしれないが、とてもゆっくりした親子たちであった。 子供たちは初めて見る『おそと』に興味津々であった。 あるもの全てがとても綺麗なものとして感じられる。 木々の緑、風の流れ、太陽の暖かな光、どれもこれも当たり前のものだが、全て素晴らしいものとして感じている。 この時の感情をゆっくり風に言い表すならば、『とってもゆっくりしている』であろう。 大人になってからでは目を向けないものだが、生まれたてのゆっくりだからこそ分かるのだ。 やがて子供たちは自分を生んでくれた親の元へと集まり、家族であることを確認する。 彼らはとても、とてもゆっくりしていた。 「へぇ、いっぱいゆっくりがいるなぁ」 「ゆっ!?」 人間の、どこか呑気そうな声が聞こえてきた。 ゆっくりは慌てて周囲を確認する。ゆっくりにとって、人間とは『ゆっくりできないもの』として分類されているからだ。 すぐさま、一匹のゆっくりが茂みから顔だけ覗かせている人間を見つける。 それは若い男であった。大きなリュックを背負って、物珍しそうにゆっくりたちを眺めている。 いきなり襲って来ないことに安堵したのか、ゆっくりたちはその場に留まって人間を威嚇する。 「ゆうぅぅぅ! にんげんさんはあっちにいってね! ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ!」 ぷくぅ、とゆっくりれいむは頬を膨らませて、身体を大きく見せる。 この動作は他の動物に対しても威嚇の効果はあまり持たないが、ゆっくり的には真剣である。 本気で相手を驚かせられると思っているのだ。 勿論、人間相手ではまったく威嚇の効果は見込めないが。 「いやいや、ごめんごめん。ゆっくりできないことはしないから、安心してくれよ」 笑顔のまま、男は両手を挙げて敵意の無いことを示す。 それでも、ゆっくりたちの威嚇の構えが解けないので、背中のリュックからあるものを取り出した。 「それじゃ、お近づきのしるしということで、これをあげるね」 それは山の中で採っていたキノコであった。 ここで、ゆっくりに人間の食べ物を渡すほど、男は知識不足なわけでもない。 人間の食べ物に舌が慣れてしまったら、大抵はろくなことにならないからだ。 「ゆゆゆ!? きのこさんだね! みんなはちょっとまってね!」 集団の中心ゆっくりと思しきゆっくりれいむが、まずは毒見をしてみる。先ほどの頬を膨らませたゆっくりれいむである。 むーしゃむーしゃ、と食べてみても、おいしいだけで毒はないようだ。 「きのこさん、おいしいよ! もっとちょうだいね!」 「はい、どうぞ」 ゆっくりにも食べやすいように、ある程度ばらばらにして地面にばらまく。 親ゆっくりたちはわっ、とそのキノコに群がって食べ始める。 出産直後であったために、とてもお腹が空いていたのだ。 「うめぇ! まじうめぇ!」「まじぱねぇ!」 「むーしゃ、むーしゃ! しあわせー!」 凄まじい勢いでキノコを食べていくゆっくりたち。その様子を男は笑顔で眺めている。 一方、子供のゆっくりらはまだキノコのような固形物を食べることはできないため、食べ終わるまで待たされている。 子供であるため、食べ物という概念を完全には理解できていないが、おいしそうであることはなんとなく分かる。 いいなー、というような視線で親達を眺めている。 男はそれを不憫に思ったのか、そちらへと話しかけた。 「君たちは可愛い赤ゆっくりだね。お持ち帰りをしたいくらいだよ!」 突然、人間に話しかけられた子供たちは「ゆゆ!?」と驚いて親たちの背中に隠れる 親れいむの方もぶくーっと膨らんで、再度の威嚇行動を取る。 「れいむのかわいいあかちゃんをもっていかないでね! ぷんぷん!」 「おかーしゃーん、がんばれー!」 「本当に持って行くつもりはないよ? そのぐらい、赤ゆっくりが可愛いってことさ!」 男の言葉に少しは気を許したのか、親れいむはぷひゅるる~、と頬から空気を抜く。 勿論、それにつけこんだ催促も忘れない。 「ゆっ! いくられいむのあかちゃんにめろめろになったからって、へんなこといわないでね! あと、きのこさんをもっとちょうだいね!」 随分と偉そうではあるが、親れいむは他の者を相手にする時、『下手に出たら負け』と思っている。 常に堂々としていることで、相手を圧倒しようというわけだ。これは同じゆっくり相手には通じる場合もある方法である。 場合によっては野生動物にも効くかもしれない。声に驚くこともあるからだ。 勿論、人間にはまったく効果はないが、男には人語を解してる、と感じられてむしろ好意的にすら思っていた。 男は普通の『良い人』であり、極端な嗜好の持ち主ではない。 ゆっくりによってもたらされた被害に眉をひそめることはあっても、潰そうとは思わない性格であった。 はいはい、と頷くと、男は再びきのこをばらまく。 ゆっくりたちもこの人間は敵ではない、と判断したのか、きのこを食べながら思い思いにゆっくりし始めた。 しばらくの間、男は触れるでもなく、ただひたすらに子供のゆっくりを眺めているだけであった 「いや、ホントに可愛いな~赤ゆっくりは」 ニコニコと満面の笑みを浮かべながら、何度目かになるその台詞を言う。 そこで、ようやくゆっくりたちは疑問を持った。 「ゆ? あかゆっくりってなに? れいむのあかちゃんはれいむだよ!」 親れいむがややこしいことを言う。 ちなみに、ゆっくりに個体名というのは存在しない。あるのは『れいむ』や『まりさ』などといった種族名のみである。 それでは相手のことを呼び合えずに不便に思われるかもしれないが、ゆっくりは飾りによって相手を識別している。 どんなに美しいとされるゆっくりでも飾りがなければ、ゆっくりできないゆっくりと思われる。 家族であっても、飾りのないゆっくりは排斥しようとするのだ。 飾りは取れやすい、という欠点はあるが、相手を識別するのに最も必要なものである。 加えて、ゆっくりは親しい相手のことは微妙なニュアンスで呼び分けてもいるらしい。 余談ではあるが、人間がそれぞれ違う名前を持っている、というのはゆっくりにはよく理解できないことなのだ。 だから、人間を『にんげんさん』や『おにいさん』などといって一括りにしようとする。 もしかすると、人間には飾りがないのでゆっくりしていないと思っている可能性もある。 飾りがないゆっくりとは、人間で言えば名前のない人間と例えれば、少しは理解できるかもしれない。 「ああ、赤ゆっくりっていうのはね、赤ちゃんのゆっくりのことだよ。 可愛い赤ちゃんの赤を取って、赤ゆっくり」 男は親れいむを見ながら、丁寧に説明する。 その説明に親れいむも納得の表情を浮かべて頷く。 「ゆ! あかちゃんのことだったんだね! そうだよ! れいむのあかちゃんはかわいいもんね!」 元々、大きかった声をさらに張り上げて親れいむは胸、もとい顎を張る。 男は頬を綻ばせながら、ゆっくりの様子を見ている。 「皆が『れいむ』じゃ、ちょっと呼びにくいもんね。赤ちゃんのことぐらいはそう呼んでみたいんだよ」 男は人間なので、ゆっくりの区別は大きさの大小などでしか区別ができないため、一つそんな提案をしてみる。 親れいむはというと、その提案に乗り気であった。 「ゆゆゆ! おにいさん、あたまいいね! ゆっくりよんでいいよ!」 男は褒められはしたが、流石に苦笑いで返す。 しかし、許可は出たので思う存分、呼ぶこととした。 「それじゃ、赤ゆっくり可愛いな~。ウチでも飼いたいなぁ。でもなぁ……」 わずかに陰鬱な表情になりながらも、触れずに愛でる男。 猫好きなのに猫アレルギー持ちのような可愛がり方である。 親れいむはそんな男の様子を見ていて、なんとなくうずうずし始めていた。 先ほどから男の言葉が気になって仕方ないのだ。 赤ゆっくり。赤ちゃんを指し示す言葉である上に、ゆっくりという言葉が入っていれば気にならないわけがない。 つまるところ、自分も言ってみたいのだ。 「ゆっ、ゆっ! おにいさんだけにはあかちゃんをまかせておけないよ! れいむもよぶよ!」 すぐに我慢の限界が訪れ、よく分からない論理を展開しながらも親れいむが自分の子供に近寄る。 「ゆ~♪ れいむのあかゆっくり~♪ とってもかわいいんだよ~♪」 「「「ゆ~」」」 赤ちゃんゆっくりとは親れいむなりのアレンジだろうか。 子守唄のようなものを歌いながら、己の子供を頬ずりをする親れいむ。 頬ずりをされている赤ゆっくりはなんだか妙な表情をしている。親が重いのかもしれない。 そして、周囲にいたゆっくりもその光景を見て、ゆっくりしたくなってきた。 「ゆっ、ゆっ! まりさのあかゆっくりもゆっくりするよ!」 「あかゆっくりちゃんって、とってもとかいてきなかんじね!」 「ゆ! あかちゃんゆっくりかわいいな~♪」 などと、自分の子供とゆっくりし始めた。 各々がゆっくりしている状況を見て、男はゆっくりしているのを邪魔していけない、と感じた。 人間がゆっくりと関わっても、ゆっくり側に良いことはあまり起きないからだ。 そういう意味で男は少し関わりすぎた。 「それじゃ、僕はここで失礼するよ。後は皆でゆっくりしていってね!」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 こうして、男とゆっくりたちは別れた。 できればもう一度会いたいな、などと考えながら、男は家路に着いたのであった。 男と出会ってから一週間程が過ぎた。 その間、親れいむたちは酷い目に会うこともなく、毎日を過ごしていた。 食べ物がちょっと少なかったり、木にぶつかったりなど、些細な不幸はある。 しかし、それを補って余りあるほど自分の赤ゆっくりは可愛いし、皆と一緒にいられるのもとても幸せである。 みんなゆっくりしている、はずであった。 なんだかあかちゃんゆっくりのようすがへんだ、と何となく親れいむは思っていた。 言葉ではうまく説明できないが、妙な違和感を親れいむは持っていた。 赤れいむに元気がないわけではない。むしろ、普通に甘えてきたりもする。 呼べば返事もちゃんとする。多少の偏食はあっても、さして重要視すべきことでもない。 だが、何か変だった。 「ゆ~? よくわからないよ? でも、ゆっくりできないからいいや!」 親れいむは考えることを放棄した。元来、ゆっくりとは考えることを常とするモノではない。 刹那的に日々を過ごしていく奇怪な動く饅頭である。 ともあれ、親れいむは先ほどまでの考えをすっかり忘れて、我が子に頬ずりをする。 「す~り、す~り♪ れいむのあかゆっくり、ゆっくりしていってね~♪」 「ゆっきゅり~♪」 赤ゆっくりもそれに応じて、頬ずりをする。とても仲が良い関係であった。 さらに幾日か過ぎた。 何度かの不幸はあったが、親れいむたちはゆっくりしている。 しかし、なんとなく違和感が残ったままであった。 「「ゆっくりしていってね!」」 仲間同士で言い合う中でも、何か釈然としないものがあった。 誰もがなんとはなしに分かっているはずなのに、分からない。 そんな状態が長く続き、親たちはどこかゆっくりできなかった。 そんな中でも赤ゆっくりたちはいつもどおりにゆっくりしていたが。 ある日、親れいむは仲の良いゆっくりまりさに思い切って相談してみることにした。 自分の考えすぎかもしれないが、ずっと心の底からゆっくりできていないのだ。 これではストレスが溜まって仕方ない。 親れいむは親まりさを人気ならぬゆっくり気のない場所に呼び出して、問いかけた 「ゆぅ……まりさはゆっくりできてる?」 「ゆっくり、できてるよ! どうしてそんなこときくの?」 「ゆっ……!」 まりさの言葉の間、『ゆっくり』の部分にわずかな躊躇いがあることを親れいむは見逃さなかった。 もしかするとまりさもゆっくりできていないのではないか、と親れいむは感じたのだ。 「まりさ、ほんとうにゆっくりできてる?」 「ゆ……ゆっくりできてるよ?」 「ほんとうに?」 「ゆ、ゆぅ……」 親れいむに何度も問いかけられることによって、まりさも徐々にゆっくりできなくなっていく。 心の中にあったわずかな疑念が段々と大きくなっていくのが分かる。 「……まりさも、すこしゆっくりできてないよ……」 注意して見れば、まりさの身体は葉っぱなどによってできた擦り傷がいくつかある。 親れいむにもあるが、自分の赤ゆっくりのために食べ物を取って来る時にできた傷である。 子育てとは大変なものである。 だが、ゆっくりできない問題とはまさしくそこにあった。 「まりさのあかゆっくりが、へんなんだよ……」 まりさが沈痛な面持ちで語りだす。 そこには隠し切れない苛立ちも含まれていた。 「もうずっと、ごはんをあげてるのにぜんぜんゆっくりしてないんだよ…… まりさががんばってるのに、ぜんぜんてつだってくれないし、もっと、ちゃんとしてほしいよ……」 まりさが愚痴を言うように呟き続ける。 親れいむにはまりさの辛い気持ちはよく伝わったが、何が起こっているのかはよく分かっていなかった。 出した結論は、 「やっぱり、まりさもゆっくりできてないんだね!」 だった。原因は未だ不明だが、その推測は当たっていた。 そして、このゆっくりできない状態は群れ全体へと波及していくのであった。 さらに数日。そこで繰り広げられている光景は酷いものであった。 「ゆっくりできないあかゆっくりは、どっかいってね!」 「「まま~! どおぢでそんにゃこどいうの~!?」」 「こんなあかゆっくりちゃんはとかいはじゃないわ!」 「「ときゃいはってな~に?」」 「あかちゃんゆっくりなんて、もういらないよ!」 「「おかーしゃーん!?」」 親であったはずのゆっくりたちが己の子を罵っている姿がそこにはあった。 その中には、あの親れいむの姿もある。 「どおして、れいむのあかゆっくりはおおきくならないのぉぉぉおお!?」 「「「おか~しゃん、おこらないでね!? おこらないでね!?」」」 親から受ける圧力に、赤ゆっくりはとてもゆっくりできていなかった。 どうして親たちが怒っているのかも理解できない。 しかし、言われも無い迫害を受けているとは言いがたい状態でもあった。 親れいむの言葉は真実である。 赤ゆっくりたちは男と会った時と比べても、ほとんど成長していないのだ。 いや、全く成長していないと言い切ってしまってもいいかもしれない。 「ほんとうに、れいむのあかゆっくりはじゃまだよ! ゆっくりできないよ!」 「「「どうちてしょんなこというのぉぉぉぉぉ!!??」」」 親れいむは可愛がっていたことも忘れて、赤ゆっくりを罵る。 赤ゆっくりが生まれてから、ずっと食べ物を与え続けているにも関わらず、まったく大きくならない。 それが、親れいむには不気味に映り、またゆっくりできないように思えたのだ。 赤ゆっくりは赤ん坊であるために食べ物を自力で食べられず、親が噛み砕いたものなどを食べる。 一般に言われている限りでは数週間もあれば、赤ゆっくりから子ゆっくりへと成長する。 子ゆっくりともなれば、親が噛み砕いたものを食べる必要はなく、それなりに固形物を食べられるようにもなる。 また、身体にも弾力性が出てきて、赤ゆっくりと比べてはるかに死ににくくなる。 赤ゆっくりを育てるというのは神経を使うものなのだ。 それが一向に成長しないともなれば、余計にイラつくのも無理はない。 「もうへんなあかゆっくりなんてそだてないよ! さっさときえてね!」 「「「おか~しゃ~~ん!!!」」」 親れいむの最後通牒によって、親子間に決定的な溝ができた。 かえってきて、と泣く子を無視して、れいむは自分の食べ物を探しに行く。 見れば、周囲の親ゆっくりたちも一様に我が子を見捨てて、思い思いに行動し始めている。 「ゆ~♪ これでようやくゆっくりできるよ! ゆ~♪ ゆ~♪」 れいむは意気揚々と跳ねていく。 その頭の中は己の願望で一杯であった。 「まずはあたらしいおうちをみつけないとね! れいむのかわいいかわいいあかゆっくりがいっぱいほしいよ! ちゃんとおおきくなるあかゆっくりがほしいね!」 この家族は何か特別なゆっくりではなかった。そこらに存在している一般的なゆっくりでしかない。 それは群れのゆっくりも同じである。では、何故今回のようなことが起こったのか。 それは、『あかゆっくり』という言葉によるものであった。 群れの子供たちは己の名前ではなく、明らかに『あかゆっくり』などと呼ばれることが多かった。 本来、ゆっくりは人間が気づき得ない微妙なニュアンスの差異で他の個体を呼び分けている。 それによって、己の自我を確立し、他の個体とはわずかに違った精神構造を持つ。 それが『あかゆっくり』と一括りにされることで乱れてしまったのだ。 最初に自我を確立させるべき相手から、名前を呼ばれないことで奇妙な変化が起こっていた。 子供たちは自分のことを『あかゆっくり』であると思い込み、そうであろうとする意思が働いていた。 『あかゆっくり』であるから、大きくならない 『あかゆっくり』であるから、固形物を食べられない。 『あかゆっくり』であるから、身体が柔らかい。 『あかゆっくり』であるから、うまく喋れない。 『あかゆっくり』であるから、ものが良く分からない。 『あかゆっくり』であるから、『あかゆっくり』でなくてはいけないのだ。 つまり、『あかゆっくり』と呼ばれ続けることで精神と身体が赤ゆっくりの状態で固定されているのだ。 餡子の遺伝によって、親が思う『あかゆっくりとはこうあるべき』という形が子にまで伝わっていたのだ。 この状態は自分の子供を『あかゆっくり』と呼び続ける限り、変わらないのだろう けれども、れいむたちは今後もそう呼び続ける。 「れいむのあかゆっくり」と括ることで、通常よりも「この子供は自分のモノである」と印象付けることが可能だからだ。 何に印象付けるのか。勿論、自分と周囲に対してである。 いわば、自分が如何にゆっくりしているのかを証明するアイテムが『あかゆっくり』となっているのだ。 恐らく、ゆっくりたちは何故自分たちが子供のことを『あかゆっくり』と呼びたいのかは理解してはいないだろう。 そう呼んだらゆっくりできる気がする、そんな程度の理由しか思っていないのかもしれない。 ゆっくりたちは、どの個体も皆ゆっくりしていたい。 自分がどれくらいゆっくりできているかの指標として、『あかゆっくり』が必要とされたのだ。 『自分はこんなにもゆっくりしているものを持っている。だから、自分はとてもゆっくりしているのだ』 要約すれば、こういう理屈になるはずであった。 しかし、現実に赤ゆっくりは生きている。 れいむはその弱々しい個体を生かし続けるのが苦痛となったために捨ててしまったのだ。 赤ゆっくりがいる家族は、見た目とは裏腹にゆっくりできることが少ないからだ。 れいむはこれからもさらなるゆっくりを得るために、『あかゆっくり』を産んでは捨てていくのだろう。 多分、死ぬまで。 「ゆっくりしていってね! れいむのあかゆっくり!」 「ゆっきゅりしていってね!」 書いた人 ゆっくりまんじゅうの人
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「突然申し訳ございません、少々お時間よろしいでしょうか?」 声がしたほうを見るとゆっくりがいた。正確に言えばゆっくりまりさと言われる種類のゆっくりだった。 「…」 飼いゆっくりの中には知能の高いものも多く、人間と同じように挨拶できるものも少なくない。 しかしこのように流暢に言葉を話すゆっくりはいなかったはずだ。 俺は他に今の言葉を発した人間がいるのではないかと思い周囲を見渡した。 「あの、すいません。私です、今喋っているのは目の前にいるゆっくりです」 またもや目の前のまりさが話す。どうやら気のせいではなかったようだ。 「少々聞いていただきたい話があるのですが」 それから数刻後、俺とまりさは俺の部屋にいる。 「こんにちは。ゆっくりしていってくださいね!」 俺の飼いれいむが俺とまりさにお茶を持ってきた。お茶といってもインスタントなのでボタンを押すだけなのだが それだけでもゆっくりにとってはかなり高い知能を有しなければできないことだ。とても利口で可愛い俺のれいむ… 落ち着いたところでまりさは話し始める。 まりさは自分のことを”セブン”と名乗った。セブンの話をまとめるとこうだ。 自分は人間の研究施設によって作られた”高い知能を持つゆっくり”であること。 自分の知能を悪用されることを恐れ研究所を脱走したとのことだった。 「現在、ゆっくりは完全に社会に浸透した存在となっています。 一般的にゆっくり達の知能は低いという認識があるため主要施設の周りをうろついても警戒されません。 人間達この認識を利用して開発されたのが私のように賢いゆっくりなのです。」 「知能が高いのはわかったけど所詮ゆっくりでしょ?盗聴くらいしか使い道ないんじゃないかなあ」 俺のつぶやきにセブンは答える。 「盗聴用ゆっくりは現在でも実用化されているみたいですね。ですが私は違います。」 まりさは帽子の中からおもむろに小型のパソコンとタッチペンを取り出した。 ペンを口に咥え器用にパソコンを操作する。 画面になにやら良くわからない文字の羅列やミサイルの設計図のようなものが現れる。 「これは研究所で開発を命じられた兵器の設計図です。まだ70%程度しか完成してませんが 完成すれば多くの人の命が奪われることになるでしょう。 このように私は人間を遥かに超えた知能を手に入れたのです!」 そう言って俺を見つめるセブン。なんだか急にセブンが俺を見下しているような気がしてきた。 俺の飼いれいむも最初はすぐ側で話を聞いていたが内容が理解できなかったらしく 俺の手によりそってすーりすーりしている。もちもちしたやわらかさが手に伝わる。やっぱりれいむは可愛いな。 「知能の高いゆっくりが増えれば世界は混沌としたものになったでしょう。 私はそれを防ぐため研究所を爆破し逃げることに成功しました。 しかし追っ手が迫っており一人では逃げ切ることができません。そこであなたに私をかくまって欲しいのです。」 「でもなんでセブンは研究所を爆破したんだ?そのまま研究所で働いていればゆっくりに都合のいい世界になったんじゃないのか?」 俺はふと思った疑問をセブンに問いかける。よほど研究所の人間にひどいことでもされたのだろうか? 「私が生まれたのは偶然…いや神の生み出した奇跡と呼ぶべきでしょうか。 神の奇跡は一度で十分。私以外に知能の高いゆっくりなど必要ないのです。」 要するに自分がだけが特別な存在でいたいがために他の可能性を潰したということなのだろう。 これなら復讐のための行動だったほうがまだましだ。 自分の力を悪用されたくないというのも建前で本当は人間の下につきたくないだけなんじゃないのか? 「それに研究所の人間は人間にしては知能が高いですからね。それにゆっくりを道具としか見ていない。 私の思い通りに動かすのは難しいと思ったのですよ。 その点あなたは人間としては平均的な能力のようだし。そのれいむとの関係から察するにゆっくりに対する感情も良いようだ。 どうでしょう、私をかくまっていただけませんか?危険もありますが相当の報酬は約束しますよ。」 やはりこいつは俺を、いや人間を自分より格下の存在と見ているようだ。さてどうしてくれようか… その時俺のれいむがまりさの前に飛び出した。 「ゆゆっ!むずかしいはなしはいいかられいむといっしょにあそぼうよ」 そんなれいむをセブンは冷ややかな目…例えるなら知能に障害のある人間を見下すような視線を送った。 「すいませんが私は大切な話をしているのです。あなたと遊んでいる暇はありません。」 「そんなこといわないでれいむとあそぼーよ。れいむおうたがうたえるんだよ。ゆーゆゆー♪」 れいむは歌を歌いだした。この気まずい雰囲気を察して和ませようとしてくれたのだろう。 れいむは歌のレッスンも受けているので天使のようにきれいな歌声を奏でる。 れいむの歌を聴いたにもかかわらず、セブンは相変わらずれいむを見下した目で見つめながら俺に言った。 「こんな歌や雑用しかできないゆっくりを飼うより私をパートナーにしてみませんか? 私の頭脳と人間の手足が合わさればこの国の経済を支配することも可能ですよ。」 俺はれいむにお茶のおかわりを頼んだ。お茶を入れに別室へ移動するれいむ。 部屋かられいむが消えたのを確認して俺はセブンの体を押さえつけ逃げられないようにする。 「決めたよセブン。どうもお前とはゆっくりできないからゆっくりしてもらうことにするよ。永遠にな。」 セブンは俺の行動と台詞から交渉が失敗したことに気づいたようだ。なんとか助かろうと俺を説得しにかかる。 「私を研究所に売り渡すつもりですか?研究所の味方についてもなんのメリットもありませんよ。 場合によっては秘密を知られたことを危惧しあなた自身の安全を消しにかかるかもしれない。」 「そういうのじゃないんだよなあ。俺はお前が気に入らない、それだけだ 死にたくないのならえらそうな御託はいいから命乞いでもしてみたらどうだ?」 俺はセブン…いやこんな奴ただのまりさでいい。まりさに最後のチャンスを与えた。 「あなたの要求を呑みましょう。ですのでこちらの安全を保障してください」 これで俺の腹は決まった。もしまりさが『ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛い゛ま゛り゛ざがわ゛る゛がっ゛だでずう゛う゛う゛う゛う゛』 とでも言って命乞いをしたらそのまま帰してあげたかもしれない。 おれはゆっくりが好きだ。それがたとえ飼いゆっくりでなく畑を荒らすゆっくりでも。 野菜が勝手に生えてくると思う無知さも、人の言うことを簡単に信じる間抜けさも。 いや、そういう知能の低さを愛しているのかもしれない。だが目の前のこいつはどうだ。 知力だけは高いがまったく可愛げがない。 俺はまりさを電子レンジに入れるとそのままスタートボタンを押した。 レンジの中で何かを叫んでいるようだったが良く聞き取れなかった。 「ゆっっ!ごしゅじんさまおまたせ!おちゃをもってきたよ!」 お茶を入れに行っていたれいむが戻ってきた。 「あれ?まりさはどこにいったの?」 「ああ、まりさは急用ができたとかで帰ったよ」 れいむは無いはずの鼻をクンクンとさせる。 「ゆ?なんだかいいにおいがするよ。おりょうりしているの?」 「ああ今焼き饅頭を作っていたんだ。でもあまりおいしくなさそうだかられいむには別のものをあげるよ さっきスーパーでチョコレートを買ってきたんだ。一緒に食べよう。」 「ゆーっ!れいむちょこだいすき!」 チョコが嬉しいのかれいむは俺の周りをひょこひょこ飛び回る。やっぱりれいむは可愛いな。 あのまりさ、知能は高かったかもしれないがそれだけだった。 どんなに知能が高くても所詮手足の無い身のゆっくりでは生き残れない。 生き残れるのはれいむのような利口なゆっくりだろう。俺はそう思った。 ゆっくりはバカだという固定観念を覆してみたかった。でもゆっくりは所詮ゆっくりだった。 まりさは偶然の産物だし研究所ごと資料も消えたので賢いゆっくりは以後作られることは無かったそうです。 過去作 ゆっくり転生(fuku3037.txt~fuku3039.txt) ゆっくりくえすと(fuku3068.txt) ともだち(修正)(fuku3103.txt) ANCO MAX(fuku3178.txt~fuku3179.txt) このSSに感想を付ける
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底辺ゆっくり 21KB 虐待-普通 自業自得 差別・格差 同族殺し 駆除 群れ 自然界 現代 創作亜種 独自設定 絵師さんの4コマをヒントにしました。感謝! 『ゴミはゴミ箱へ!その通りだと思うよ!』 参考にさせていただいた絵師さんに最大限の謝辞を <応用編> 鉄材で出来た壁と『立ち入り禁止』の建て看板がつけられた森の奥の工事現場跡。 会社が倒産し工事が凍結した跡地にそのゆっくりの群れはあった。 工事現場跡地はゆっくりが身を隠すのに最適な場所であり、雨をしのげる屋根や丈夫なプレハブの下に巣を作れば安心二重丸である。 外との出入りは入り口の扉のスキマから行なっており、体の柔らかいゆっくりだから出入りできるのだ。 その敷地の隅には、工事の途中でほっぽり出された大きな穴があった。 底が見えないほどに深く、人間の大人でも数人が入れるほど大きい穴。 そこへ向かってぴょんぴょんと跳ねて行くゆっくり二匹。 れいむは口の中に何かを咥えており、帽子持ちのまりさ種は中に何かを入れているようだ。 それと並んで一緒に跳ねる赤ゆっくり。 「ぎょみをゆっきゅりしゅてようね!」 「ぎょみがいりゅとゆっきゅりできにゃいよ!ぎょみはぎょみあにゃしゃんへしゅてりゅよ!」 ピクニック気分なのか、親の周りを嬉しそうにぴょんぴょん跳ねている。 言葉から察するにどうやらゴミ捨てに向かうようだ。 そして親が大穴の淵へとたどり着いた。 「ゆっくりすてるよ!」 そう宣言したれいむが口をガバッと開き、中にあった『ゴミ』を吐き出した。 「おしゅりゅりゅちゅんちぇりゅ!?」 「ゆっぴゅぴちいいいぃぃ!!」 ゴミと思ったそれはゆっくり……ゆっくりの未熟児だった。 小さい悲鳴を上げ、何とか親の口の中に残ろうとするが、れいむは舌を器用に使い、まさしくゴミを払うかのように未熟児達を穴の中に落とす。 「ゆっくりしんでね!!めいれいだよっ!?」 「やめちぴぃ!?」 「ゆゆっくちっぃ!! 未熟児はあっという間に穴の中に消えていった。 「おしゅりゃりゅゆっぴぴぴぎいぃ!?」 一匹の未熟児れいむは頭から穴の底に落下し、その部分から真っ二つに裂け、中の餡子を跳び散らしつつ死んだ。 未熟児はプチトマトほどなので、その餡子の量も微々たるものだった。 「ゆっくちいいいいぃぃびぎゅうっ!?」 もう一匹の未熟児まりさは比較的丈夫な足から着地した。 着地に成功したものの、足は無残に破けてしまいこれではもう動く事もできない。 未熟児の餡子は赤ゆっくりに比べて若干硬いという性質がある(だからのーびのーびができない)。 派手に飛び散るような事はならず、破けた底から餡子がもれ出る程度で済んだ。 「ゆっきゅちできゅぴちいいいいいいぃぃぃぃ!!」 だが、そんな事は無意味である。 爪の先っぽほどの揉み上げを苦しさのあまり狂ったように動かし、痛ましーしーを垂れ流す。 中枢餡が無事なせいで痛みだけは絶えず感じてしまう。 れいむのようにあっさり死んだ方がどれほど良かったであろうか? やがて雨が降って未熟児まりさの体が溶けてなくなるまでこの苦痛は続くのだ。 既にお帽子は脱げてどこかにいってしまっており、たとえこの穴から出れたとしても、もはやこの未熟児まりさが生きていける可能性は0である。 まあ、ここに落とされた未熟児にそんな希望は絶対にありえないのであるが。 他にも落とされた未熟児が多数見受けられた。 そのほとんどが潰れているか、だいぶ前に落とされたのか黒ずんでいたり、溶けてしまっている未熟児いる。 まさしくゴミ捨て場である カリカリカリカリ…… そんなゴミ捨て場にわずかに響く何かを削るかのような音。 「ゆ……ゆ……っきゅ……」 黒ずんだ未熟児ちぇんの傍(髪の毛も少なく尻尾が超短小)で、未熟児ありす(わずかな金髪の上に赤いカチューシャが乗っかっている)が、壁に向かって歯を突きたてていた。 カリカリカリカリ……パキン 「ちょきゃいぴゃああああぁぁぁ!?」 歯を使って穴を開け、ここから脱出しようとしているのだ。 だがゆっくりの、さらには未熟児の歯の強度など高が知れている。 数時間、運が良くて半日ほどでそれは砕け散る。 「ゆくっちちちぇきにゃにぇわあああぁぁ!!」 折れた歯を必死に戻そうと無駄な足掻きを続ける未熟児ありす。 こうなると完全に手詰まり。 ただその場にいて、ゆっくりと死に至るのを待つだけ……いや、わずかだがその時間を延ばす方法があった。 「みゅん……」ここに落ちて数日経つ未熟児みょん(黒いリボン付きの白い髪がお皿みたいに乗っかってる)が、穴の中央で潰れている未熟児ぱちゅりー(髪は生えているがもみ上げが無い。帽子とお飾りはかろうじてある)に近づく。 そしてその死体に顔を埋めた。 「みゅーちゅ、みゅーちゅ……」 死体食いである。 先に言ったとおり、れいむやまりさ、そしてみょんの餡子は若干硬い。 歯を失った未熟児には食べられないが、ぱちゅりー、ありす、ちぇんの中身はクリーム、カスタード、チョコで比較的やわらかい。 なので墜落した未熟児まりさやれいむ、みょんは生存率が高いが、逆に中身がやわらかいありす、ぱちゅりー、ちぇんは少しの傷でも中身が流れ出てしまいそのまま衰弱死する。 そして死体のなかに残ったわずかな中身は、未熟児でも食すことが出来た。 「みゅーちゅ、みゅーちゅ……」 だがしあわせーなどない。 ここに居る限りもう二度とゆっくり出来ないという事がわかっているのか、この食事はただ単に迫り来る飢餓からの死という恐怖から逃れる為の防衛本能であり、しあわせーやゆっくりを求めてのものではないのだ。 事実、全てに絶望したかのような表情を浮かべ、そのまま餓死するに任せた未熟児も居るようだ。 ゴミ捨て場の底辺であるここは、まさしく地獄の様相を呈していた。 「みゅーちゅ、みゅーちゅっびゅっ!!」 突然落ちてきた石によって、未熟児みょんが潰された。 落ちたときの墜落死。 傷を負っての衰弱死。 上から降ってきた新たな未熟児による圧死。 絶望死。 そして雨が降ってしまえば、ここにいる未熟児は全て解けてしまう運命にあるが、もう一つ、この苦しみが終わる方法がある。 「あちゃっちゃよ!ゆっきゅりゆっきゅり!」 「さすがまりさのおちびちゃんだよ!しょうらいはだいりーぐさんだよ!」 この仄暗い穴の底とは対照である地上の光。 その下で暮らす『まとも』に生まれたゆっくり達。 赤まりさと親まりさは一つのゲームをしていた。 それは穴の中に石を落とし、それが中にいる未熟児にあたり叫び声が聞えたら勝ちというものだ。 「ゆ!まりさ!ゆっくりしていってね!」 先程とは違うれいむが親子の元にやってきた。 口の中に何かを入れているようだ。 「れいむ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!」 「ゆゆ~ん!げんきのいいおちびちゃんだね!!」 「ゆっへん!まりさじまんのおちびちゃんだよ!!」 「ゆゆ~ん!げんきがよくっちぇごみぇんにぇ!!」 「ゆっくりできるね!れいむもおちびちゃんをしょうかいするよ!!」 そう言ったれいむの横から姿を現したのは赤れいむだった。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!」 「ゆっくりしていってね!れいむのおちびちゃんもかわいいね!」 「ゆゆん!きゃわいくっちぇごみぇんにぇ~!」 「ゆ~……ゆっきゅりちたれいむだにぇ~……」 赤まりさは何故か頬を赤く染めている。 「かわいいでしょ!れいむのおちびちゃんだよ!!でも、こっちのごみはゆっくりできないよ!!」 そう言ってれいむは口の中に入れていた未熟児を地面に吐き出した。 「ゆ”……ゆ”……」 「ゆちっち……」 「ゆぴきゅ……」 この未熟児達は赤れいむと一緒に生まれた未熟児達で、赤れいむ1に赤まりさ2である。 すでに顔の一部が破れていたり、おめめが無くなったりしておりだいぶ弱っている。 「ごみのくせにうるさいからすこしつぶしてやったよ!そうしたらおとなしくなったよ!!れいむつかれちゃったよ!」 「れいみゅもおてちゅだいちたんだよ!おきゃあしゃんがぎょみはしゅででしゃわっちゃいけにゃいっちぇいっちゃきゃらえぢゃしゃんでちゅちゅいちゃよっ!!」 ゆへんと、胸を反らすかのような体勢をとる二匹。 「ゆ!おちびちゃんはりっぱだね!」 「れいむもりっぱでしょ!?」 「ゆん!れいむもえらいよ!!ごみそうじはみんなのつとめだよ!まりさもおちびちゃんとおてつだいするよ!!」 「ゆっきゅりてつだいよ!!」 まずは親れいむが未熟児れいむのリボンを咥える。 「ゆぴ……おきゃぴゃ……」 「ゆふん!ぜんぜんしゃべれないゆっくりできないごみはさっさとしんでねっ!!」 「しゃ……」 未熟児れいむは穴の中に消えていった。 「しゃっしゃとおちてにゅえ!ぎょみはぎょみびゃこしゃんじゃよ!!」 赤れいむは持ってきた木の枝で妹であるはずだった未熟児まりさをつついた。 「ゅ”……」 既に枝によって中枢餡が傷ついてしまっているのか、餡子はあまり漏れ出していないがほとんど動けないでいるようだ。 やがて未熟児まりさも、赤れいむの枝に押されて穴の中に落ちていった。 「おちびちゃん!!おちびちゃんがごみをすてるときはれいむみたいにぼうさんをつかうんだよ!!おとうさんはだいじょうぶだけどおちびちゃんはゴミをちょくせつさわったらだめだよっ!!」 「ゆっきゅりりきゃいしちゃよっ!!」 赤まりさは残った未熟児まりさを落ちていた木の枝でぐいぐいと押す。 「ゆっきゅりしゅてるよっ!ゆっきゅりゆゆっ!?」 もう少しで未熟児が穴に落ちるというところで事が起きた。 赤まりさが使っていた枝を、未熟児まりさが咥えたのだ。 「ゆゆっ!?ひっぴゃりゃれりゅ!!」 未熟児の目は既に潰れており何かが見える状態ではない。 おそらく無意識のうちにその棒を咥えたのだろう。 未熟児と共に赤まりさが穴の中に落ちるかと思われた……その時。 「ゆふん!!」 親まりさが太い棒で未熟児を叩き潰した。 その衝撃で赤まりさは棒を離し、未熟児まりさはそのままどろりと穴に落下していった。 「おちびちゃんきをつけてね!おとうさんがいたからよかったけどひとりじゃここにきちゃいけないよっ!!ゆっくりりかいしてねっ!!」 「ゆゆ~ん……ゆっきゅりりきゃいしちゃよぉ……」 親まりさに少し怒られて赤まりさは落ち込む。 「まりさ!そんなにおこったらおちびちゃんがゆっくりできないよっ!つぎからきをつければいいんだよ!!」 「まりちゃ……ぴぇーろぴぇーろ……」 親れいむと赤れいむが赤まりさを慰める。 「ゆんっ!!でもきけんだよっ!!おちびちゃんのいのちはとってもだいじだよっ!!だからここはしっかりいっておくよっ!!」 子の命を思えばこそ親は真剣になる。 「ゆゆっ!まりしゃだいちょうぶだよっ!ちゅぎきゃらはもっちょぎゃんばるよっ!」 赤まりさもその親まりさの思いを理解しているようだ。 やがて四匹は穴から去っていった。 先程捨てられた未熟児達は、いずれも着地に失敗し、他の未熟児と同じく小さな餡子の花を咲かせて死んだ。 <実用編> ある日、工事現場跡地入り口に車が止まった。 ワンボックスカーの中から6人組の作業服を着込んだ男が降りてくる。 「ここか」 一人だけメットをかぶっていない男が鉄製の扉で仕切られた入り口を見上げる。 「はい。だいぶ放置されてるようですが、段階的には基礎の初期まで進んでいたようです」 「ふむ。中見れるか?」 「はい。少々お待ちを」 男の一人が入り口に取り付けられていた鍵を外す。 そして数人掛りで鉄製の扉をこじ開けた。 「……なんだこれは?」 「え?」 初めに中の様子を見た男は絶句した。 中にはゆっくりがたくさんいたのだ。 突然開かれた扉を前にして、どのゆっくりもびっくりーといった感じで固まっている。 「いつの間にここはゆっくりの家にされてるんだ?」 「さあ……。ですが、この感じだとかなり前からですね……」 ざっと見た感じでも100。 しかし『ゆっくり一匹を見かけたら五匹はいると考えろ』といわれているので、下手したら500以上はいるかもしれない。 男達が唖然としていると、一匹のまりさが「ゆっくりしていってね!」と声をかけてきた。 他のゆっくり達は不安げにまりさと人間達を見ている。 「なんだ?」 メット無しの男が明らかに不機嫌そうに答えた。 「にんげんさん!まりさたちのゆっくりぷれいすになにかようなのかだぜ?」 「まりさたち、の?」 まりさと話しているメットを被っていない男は現場監督なのだが、ゆっくりという存在が大嫌いだった。 森や山に必ず存在し、住んでいる場所をゆっくりプレイスなどとのたまわって動こうとせず、そのくせ重機に潰されて喚き散らし、悲鳴を上げ、作業を精神的に妨害する。 中にはドスまりさなどというでかいゆっくりがおり、そいつのせいで作業が大幅に遅れることがある。 さらにはゆっくりを保護する団体にそのことがばれると、作業の妨害行為や、難癖つけてのマスコミ利用による叩きなど、厄介な事ばかり起こる。 そんなわけで、この監督だけでなく、建設業に関わる人間にとって、ゆっくりとは邪魔な存在の一つだった。 「ここはまりさたちのゆっくりぷれいすなのぜ!にんげんさんがゆっくりできるにんげんさんならはいってもいいけど、ゆっくりできないならさっさとでていくのぜ!」 男の不機嫌オーラも読めないまりさはゆっくり特有の無謀さを発揮し、出て行くようにと叫ぶ。 男のこめかみに青筋がたった。 「……」 男はゆっくりと足を上げた。 「「「「「(あー……今日も残業かな……)」」」」」 部下達は全てを諦めた。 「ゆ?なにしているのぜ?はやくへんじをするのぜっ!しゃべれないなんてあのごみくずとゆ”びょっ!!」 男の足はまりさの上に踏みおろされた。 その勢いはかなりだったようで、まりさは脳天から足の形の部分をくっきり残し、目や口、あにゃるやまむまむから餡子を噴出し、つぶれ饅頭のようになって即死した。 「ゆ?」 カチンと体を硬直させるその場のゆっくり達。 「おい」 「はい?」 「車から『ゆっくりキラー(ゆっくり用の強力殺虫剤)』と本社から人手を呼べ。それと……今日は残業だ」 「……あ、本社にはなんて言います?」 「『いつもの』ゴミ掃除と言え。人手が必要だとな」 「……りょーかいです……(シクシク……)」 そこでゆっくり達の硬直が解けた。 「あああああああああああああああああああああ!?ばでぃざがあああああああああああああああああ!!ゆぎゃんん!?」 「同じゴミでも声を上げる分貴様らはタチが悪いんだよ!!!」 監督の足が、叫んだれいむを蹴飛ばした。 れいむはプレハブの小屋にぶつかりはじけた。 「なにずるんだああああああああああああああ!!ごのいながぼぼびゅん!?」 まりさと同じくありすの体を踏みつけるとありすは破裂した。 「ゴミがしゃべるな!動くな!這いずるな!跳ねるな!見るな!叫ぶな!大人しく処分されろ!!」 「な”にいっでるのおおおおおおおおおお!?ばぢぇだぢばごび『監督、ゆっくりキラー一本しかないんでスコップ……』じゃびゃいんっ!?」 部下の手からスコップを奪い取りぱちぇりーを潰す。 「わ”、わがだな”いよおおおおおぉぉぉ!!らんじゃまぁああああだずげてねっ!?」 スコップを横になぎ払い、叫ぶちぇんと数匹のゆっくりを巻き添えにしてその体を両断した。 「ぢ、ぢ、ぢぢんんんんぼおおおおおおおおおおおゆ”んっ!!」 勇敢にも枝で立ち向かってきたみょんはスコップの先端でサックリいった。 「ゆあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁ!!いやだあああああぁぁぁ!!も”う”おうぢがえるううううううう!!」 ゆっくりが一斉にプレハブの下へと殺到する。 「チッ、プレハブの下にもいるようだな。ゆっくりキラーだ」 「はい」 逃げ込もうとした数匹のゆっくりを潰し、プレハブの下にある隙間にゆっくりキラーの噴出孔を差し込む。 「ゆ~これでもうあんしんだよ!にんげんがどっかいくまでみんなでここでゆっくりしようね!」 「しょうじゃね!れいみゅもゆっきゅ……っ!!」 「ゆ?おちびちゃん……?ゆっ?なんかへんなにお……ゆ”っぎっ!?」 「れ”……い”……!!」 「(びくんびくんびくん)……!!」 超強力ゆっくりキラー。 屋外では効果は低いが、密閉した場所やゆっくりの口内に直接吹きかければ、赤ゆっくりは即死。 成体も死の苦しみを存分に味わいながら死んで行く。 声を上げる中枢餡の機能を破壊するので、叫び声もあげることが無く、精神的にも駆除に最適な一品だ。 プレハブの下に入ろうとしたゆっくりが死ぬのをみた他のゆっくりは、プレハブの下がもはや安全な場所で無いと気づいたようだ。 「ゆ!?だめよ!おうちさんのしたははいれないわああああ!?」 「に、にげるよー!さっきのとびらさんからにげるよーー!!」 「おい、扉閉めろ」 ゆっくりがたどり着く前に、ぴったりと閉じられる扉。 これでは出入りが出来ない。 「ゆぎゃばっ!!わ、わがばああああああ!!」 「ど、どぼじでとびらざんじめちゃうのおおおおおおおおお!!?でいぶがにげられないでじょおおおおおおおおおおお!!」 「逃がすかよ。手前等がいたってことが分ると馬鹿共がうるさいんだ。貴様らは今、ここで全部処分する」 「なんでごどい”っでるのおおおおおおおおお!?ゆっぐりだっでいぎでるんだよおおおおおお!?ゆっぐりじだいんだよおおおおおお!!」 最近ゆっくりが覚えた「生きてる」主張だ。 「だから?」 監督は心底どうでもいいといった感じの口調で返した。 「ゆ”!?」 「貴様らゆっくりの命なんてゴミと同じだ。だから死ね」 「ゆっぐりはごみじゃだいいいいいいいぃぃぃぃ!!ゆぎゅん!?」 振り下ろされるスコップ。 「おい!お前らもやれっ!全部始末が終わるまでは帰れないぞ!」 「はい……」 部下たちもスコップでゆっくりを潰して行く。 ゆっくりキラーを持った部下だけはスプレーを直接噴射して処分して行く。 「や、やめちぇええええぇぇぇぇ!れいみゅしにちゃくにゃいいいいいぃぃぃゆぴんっ!!」 「でいぶのおめめにいれてもいだぐないびゅうてぃきゅるなおぢびじゃんがあああああああああっぎゅんん!!」 「む、むきゅう……やめてにんげんさん……わたしたちがじゃまならでていくわ……だからむぎゅっ!!!」 「ごんなのどがいはじゃないわああああああああ!!いやあああああああゆぎいいいいい!」 工事現場跡地は、ゆっくりにとって地獄と化した。 「に、にげるよっ!まりささまはにげるからちびはしっかりおとりになってねっ!!」 「ど、どうしちぇしょんにゃこちょいうにょおおおおお!?」 先程ゴミ捨てを行なったまりさは子供見捨ててさっさと逃げ出した。 人間たちは他のゆっくりを潰すのに気をとられており、まりさが逃げるのを見ていなかった。 まりさは『ゴミ捨て場』の穴のところまで来ていた。 「ゆふー。やっぱりにんげんはゆっくりしてないねっ!このごみとおな『ほー何と同じだって?』ゆ”っ!?」 べしゃっ 振り返ったまりさの前に先程、一緒にゴミを捨てたれいむのデスマスクが投げつけられた。 そこに来たのは社員の男で、電話で呼ばれた男の一人だ。 「ゆわあああああああああああ!!れいむううううううううう!!」 「ここがお前らのゴミ捨て場か?そこのれいむが『ごみすてばのくずといっしょにするな』とか面白い事いってたから……どれ?ちょっと見てみますか?」 男は近くに転がっていたアルミ製の伸縮梯子を伸ばすと穴の中に降ろした。 「あれ?なんだ。三メートルも無いじゃないか。どれどれ……ああ、なるほどね。お前ら、赤ゆっくりを殺してたのか~ていうかひくわ~この事実を愛護派の連中に言ったらなんて顔するかね~」 男は底を確認した後、梯子に乗って地上に顔を出しつつ面白そうな顔でまりさに言った。 「なにいってるの!!?まりさたちはごみをすててだだけだよっ!あかちゃんなんてすててないよっ!!」 「はあ?何言ってんだ?ほれ、これのどこがゴミなんだよ?」 男は一旦底に戻り、無造作に選らんだ未熟児の死体を地上に投げた。 「ゆぎぃぃっ!?ぐざいいいいいぃぃぃ!!!ゆっぐりでぎな”いいいいいぃぃぃ!!!」 ゆっくりの死体だからゆっくりのみが感じる事ができる死臭がするのは当然である。 「ほら。ゆっくりの死体なんだろ?だから死臭がするんだろ?」 ゆ虐好きな男はゆっくりについての知識はそれなりに持っている。 「ゆぎいいいいいぃぃぃ!!ぢがうううううぅぅ!!まりざだぢがずでだのばごみだああああああ!!あかちゃんじゃだいいいいいい!!!」 「へー。まだ言う?じゃあ、これでもか?」 男が地上に上げたもの。 それは、生きた未熟児まりさだった。 「ゆひっ!?」 だがすでに死に掛けており、やせ細り黒ずんだ体と、既に光を失った目がそこにある。 「ゅ……きゅ……」 わずかに口を動かしている。 「ゆ?」 だが、いきなり目をカッと見開き、はっきりとした口調で言った。 『マリサタチヲステタユックリタチハユックリシネ』 未熟児のはずなのに。 しゃべれないはずの『ゴミ』なのに。 確かに。 まりさに聞き取れるようはっきりと。 その未熟児は言った。 「うわああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」 まりさは絶叫した。 飛び出さんばかりに開かれた目玉がギロギロと動き回り、体中から体液を噴出し、あらん限りの声で叫んだ。 まりさの脳裏に親から餡継承された記憶がフラッシュバックする。 おさーここはにんげんさんがいないけどごはんさんがすくないよー へんなあかちゃんがいっぱいうまれるわ。こんなのとかいはじゃないわ むきゅーしかたないわ。かわいそうだけどあかちゃんをあのあなにすててごはんさんをせつやくしましょう ごめんねええええええぇぇぇぇ!!みんながいきるためだよおおおおおおぉぉぉ!! ゆるしてね!!ゆるしてね!! おさ!あのあかちゃんたちちっともおおきくならないんだぜ!かりのやくにたたないんだぜ!じゃまなんだぜ! もうおとななのにちいさくてゆっくりできないよっ!あんなゆっくりできないゆっくりいらないよっ! ぜんぜんしゃべらないみょん!あんなあかちゃんゆっくりできないんだみょん! むきゅ!しかたないわできそこないのあかちゃんはうまれたらあのあなにすてましょう!くきからとるとゆっくりごろしになるからうまれてからすてるのよ!すてるのはちょくせつころしてないからゆっくりごろしではないわ! おさはあたまがいいね!さっそくすてるよ!! やくたたずはしんでね!めいれいだよっ!! おさ!やっぱりあかちゃんをすてるなんてひどいよ……ゆっくりできないよ…… れいむなにをいってるのぜ?それはあかちゃんなんかじゃないのぜ!ごみなのぜ!! むきゅ!そうよれいむ。うまれてもやくにたたないゆっくりはごみとおなじなのよ!わたしたちはごみをすててるだけなのよ!ゆっくりりかいしてね! ゆ~……そうだね!!なんだかゆっくりできないよね!じゃあゆっくりすてるよ!! ゆふん!ごみくずをつんつんするのはさいこうにすっきりのぜ! ごみはごみでやくにたつこともあるんだねー。わかるよー でもしっかりとごみはすてましょ!それこそしんのとかいはだわ! むきゅん!みんなしっかりとごみすてしてるわね! ゆっくりできないごみなんてしんそこどうでもいいよね! しっかりしまつするみょん! 「しがだながっだんでず!ごばんざんがずぐなぐでごうずるじがな”がっだんでず! ……やくだだずばごびどおだじだがらずでるんだぜっ!…… ぢがうんだずうううううおざがめいれいじだんでずぅぅぅれいぶははんだいじだんですうううう ……いつまでもちびでゆっぐりでぎないゆっぐりはひつようないからすてるよっ!……」 まりさはそんな状態でぶつぶつと呟き始めた。 「狂った?どうしたんだ一体?」 男には先程の未熟児の声が聞えなかったようだ。 「おい。どうした?」 「あ、監督」 服を餡子やクリームだらけにした監督がやってきた。 「ん?ちょうどいい穴があるじゃないか。ゴミ捨てにはちょうどいい。お前も手伝え」 監督の後ろには、ゆっくりの死骸がこんもり詰まれた一輪車が控えていた。 ひいているのは社員の男性達で、皆、一仕事終えた後の晴れやかな顔をしている。 無論全員ゆっくりの中身まみれだ。 どうやら男がここでまりさの相手をしている間に片付いてしまったようだ。 「ほれ、さっさとどけ。捨てるぞ」 「あ、はい」 男は地上へと昇り、梯子を回収する。 一輪車から次々と穴の中に捨てられるゆっくりの死骸。 既に死体となったそれは、物言わず、動かず、監督が言うゴミと同じだった。 「ん?なんだこのまりさは。ゴミはゴミ箱にっと」 監督はまりさを穴のほうに蹴り落とした。 同時に未熟児まりさも落とされる 「ごみずで……ゆ”ぎ!?ゆぎぃやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 「うわっ!?」 最後、穴の暗闇にまりさが消える直前、まりさは正気の顔を取り戻し、この世のものとは思えない叫び声を発した。 まるで何かゆっくりできないものが見えてしまったかのような感じだった。 それはその場にいた全員がびっくりするほどだった。 だが、穴の中に消えたとたんその声はピタリと止んだ。 「ちっ、なんだったんだ……。くそっ、耳がいてえなあ……最後の最後まではた迷惑なごみ袋どもだったな」 「全くです」 「さて、片付いたし一旦本社に帰るぞ。工事再開の準備だ。忙しくなるぞ」 「はい」 こうして男たちはゆっくりの処分を終え、その場を去っていった。 やがて工事が再開され、その穴も埋め立てられた。 その場所には立派なゴミ処理施設が建てられたのだった。 気づけば10作目……文章にするのが途中で億劫になって書き途中のがありすぎるw 自分は絵が描けないので、絵でゆ虐を表現できる人はホントうらやましいです ふたば系ゆっくりいじめ 433 ゆっくり親子 とクズ人間 ~Another~ ふたば系ゆっくりいじめ 496 あるドスのゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 530 絶対的虐待意思 ふたば系ゆっくりいじめ 650 絶対的虐待意思 0 ふたば系ゆっくりいじめ 684 ドス以外いらん ふたば系ゆっくりいじめ 733 あるドスの最後 ふたば系ゆっくりいじめ 745 絶対的虐待意思 ~せめてゆっくりらしく~ ふたば系ゆっくりいじめ 815 おかねさんとゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 901 原材料 元ネタ絵 byセールスあき 挿絵 by車田あき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 未熟児ゆっくりが流暢にしゃべったのはびっくりした -- 2021-03-17 19 35 00 これをビデオに撮って愛誤共「とっても優しい、人間のパートナー。ゆっくりも生きている。」「エ?これみろよwww」」 -- 2019-10-24 09 51 08 未熟児ゆっくりにゆっくり死ねで発狂したまりさは最高にハイって奴だああはははははー! -- 2019-07-19 03 51 07 ゆっくりが死んでいくなんてのは最高にハイって奴だあああははははははー -- 2019-07-19 03 46 09 ゆっくりなんて元から出来損ないみたいなもんなのにね -- 2017-06-05 16 58 10 うわ〜このゆっくり捨てられる前に欲しかったわ〜。 -- 2016-11-22 06 14 43 ゆっくりは理由なしで全員死刑。 -- 2016-02-14 23 38 27 ゆっくりの子供まで殺すとか殺人鬼だよ 4444444番目の憲法で逮捕する(www) -- 2015-12-23 14 01 01 下等生物のゆっくりは焼却処分しましょうね~ いっぱいでいいよ -- 2014-08-08 17 26 56 ゆっくり共は未熟児を食べるという発想にはならなかったのか? -- 2013-02-08 07 51 30 未熟児をいじめた結果がこれだよ!! -- 2012-09-15 22 47 55 殺すのはでいぶ、ゲスまりさ、レイパー、森の賢者(笑)、 だけでヨロシ。 -- 2012-03-19 21 42 55 やっぱりゴミ処理はゆっくりできるね!! -- 2012-02-08 18 48 38 餡子って何かに転用できないのかな? バイオエタノール的な利用法とか -- 2011-11-08 10 32 14 自然な群れの掟としては間違っていないかもしれないけど自分たちのゲスさを際立たせただけだったな。 -- 2011-10-03 14 07 12 ゴミ捨て場がゴミ処理場になったかw -- 2010-11-26 22 05 56 ゴミはリサイクルできるけどゆっくりはねぇ・・・ -- 2010-10-02 02 38 16 ごみとゆっくりを同等に扱うなんて、ごみに失礼だよ! -- 2010-09-30 19 06 25 足りない子や未熟児描写が上手い。ゆっくりはやっぱり馬鹿なほうがいい。 キモあきやゲスあきの歯茎をむき出しにしたゆっくりは、とってもゆっくりできる。 -- 2010-08-07 23 21 32 ゆっくりはゴミ以下だ -- 2010-07-05 01 41 01
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『ゆっくりお花見しようよ』 時は春。 森は桜色に染まり、風に花びらが舞う季節。 そんな美しい森の中、一組の家族が桜の木の下でゆっくりと過ごしていた。 「ゆゆぅ~、さくらさんゆっくりしてるねぇ」 ひらひらと舞う桜に見惚れているのはお母さんれいむ。 いつも笑顔を忘れずに娘を見守る優しいお母さんだ。 「そうだね! ひっこしてきてせいかいだったね!」 母れいむに頬を擦り寄せてきたのはお母さんまりさ。 かつては各地を旅したことがあるだけに、経験豊富で頼れるお母さんだ。 「ゆっくちー!」 「おねーしゃんまってよー!」 「まっちぇね! おはなしゃんゆっくちまってね!!」 「ゅー! さくらさんゆっくちしていっちぇね!!」 「おかーしゃん! みてみて! さくらさんつかまえちゃよ!!」 「むーちゃ、むーちゃ、しあわしぇ~♪」 お母さんゆっくり達の周りで遊んでいるのは6匹の赤ちゃんゆっくりだ、 三日前に生まれたばかりの母れいむと母まりさの愛の結晶。 この桜の咲き乱れる森に二匹が引っ越してすぐに作った愛らしい娘達だ。 赤ちゃんれいむと赤ちゃんまりさが3匹ずつ。 みんな地面に舞い降りる桜の花びらを追い掛けて遊んでいた。 「みんなゆっくりしてるね!!」 れいむは幸せだった。 暖かな春の陽気。 花々の甘い香り。 見るだけでゆっくり出来る無数の綺麗な花弁。 そして… 「おかーしゃん!」 「ゆ? どうしたのおちびちゃん」 「はなびらしゃんだよ!」 「おかーさんにもあげりゅね!!」 「ゆっくちたべていっちぇね!!」 小さくて可愛い赤ちゃん達がいる。 隣にはゆっくり出来る伴侶のまりさもいる。 「ゆふふ、ゆっくりありがとね! でもあんまりたべちゃだめだよ」 「ゅー?」 「さくらさんはね。 ながめてゆっくりするものだよ」 「ゅゅゅ?」 母れいむはいつか分かるよとだけ言うと、 赤ちゃんゆっくりに頬を摺り寄せて桜の木を見上げる。 れいむは幸せだった。 暖かな家族がいることが何よりの幸せだ。 「きょうはみんなでおさんぽいこうね!!」 お日様が頭の上に昇る頃まりさがそう提案した。 「おさんぽ?」 「それってゆっくりできゆの??」 赤ちゃんは始めて聞く言葉に体を傾けて頭上に「?」を浮かべる。 「ゆっくりできるよ! おさんぽはね、みんなでいっしょにあるくことだよ」 「ゆゆ! ゆっくちしてそう!!」 「れいみゅもおさんぽしたい!」 「まりしゃも、まりしゃも~!!」 赤ちゃん達はお散歩がゆっくり出来ると聞いて嬉しそうに飛び跳ねる。 まりさは満足そうな笑みを浮かべるとゆっくりと跳ね始める。 「おかーさんにゆっくりついてきてね!」 「ゆっくりついていくよ!!」 「まってねおかーしゃん!」 赤ちゃん達はまりさに付いて跳ねていく。 しかし何匹かはれいむに振り向くと、 「おかーしゃんはいかにゃいの??」 「いっしょにゆっくちいこうよ!!」 「だいじょうぶだよ。 れいむはみんなのうしろをはねるからまりさおかーさんについていってね」 親二匹がいる場合のお散歩は片方が赤ちゃんの先導を行い、 もう片方が赤ちゃんを後ろから見守るのがスタンダードなフォーメーションだ。 母れいむも母まりさもそのようにお散歩に連れて行って貰っていた。 「ゆっくち、ゆっくち」 まりさに赤ちゃんゆっくり達が付いていく。 赤ちゃんの進む速度は遅いのでまりさは付いてこれるようにゆっくりと進んでいく。 数歩進むごとに振り返って赤ちゃんが疲れてないか顔色をチェックしている。 「ゅゅ! あれなーに? ゆっくりしてそう!!」 「ゆ、だめだよ。まりさおかーさんについていこうね」 「ゆっくちりかいしたよ!」 赤ちゃんが変な方向に進まないようにチェックするのがれいむの役目だ。 産まれたばかりの赤ちゃんは好奇心旺盛で常に目を向けていないと見失ってしまうこともある。 だから道草を食おうものなら注意をするし、それでも行きたいと言うなら目的地を変えるだけだ。 「ゆ?」 30分ほどかけて約50m進んだ所でまりさが何かを見つけたようだ。 少し遅れて赤ちゃん達がまりさに追いついて「ゆぅ、ちゅかれたよ」と息を整える。 赤ちゃん達に休憩させたかったのかなとれいむは思った。 でもまりさは遠くを眺めていた。 「どうしたのまりさ?」 れいむもまりさの横に並び、まりさの視線の先に目を向ける。 その先にはたくさんの桜。でも桜なら周りにいくらでもある。 しかしれいむが注目したのはその根元。 複数人の人間が楽しそうに騒いでいた。 何かを食べて飲んで大声で笑い合っている。 「にんげんさんがいるね」 「そうだね。たのしそう。ゆっくりしてるね」 れいむは人間を見るのは初めてだった。 対してまりさは何度か話したことがあると言う。 ちなみに話したといっても挨拶を交わした程度だったりするのだが、 挨拶の返事を貰えたのでまりさは人間がゆっくりしていると認識していた。 「ゅゅ? ゆっくち?」 「ゆー、まりしゃもゆっくちしちゃい!」 「それじゃあいっしょにゆっくりしにいこうね!!」 だからこそまりさは何の迷いもなくそう言い放った。 赤ちゃん達が自分もゆっくりしたいと主張するのも一因だ。 でも何よりもまず、まりさ自身もあの楽しげな宴に混ざりたかったのだ。 「いいよねれいむ? にんげんさんといっしょにゆっくりしようよ!!」 「ゆ、そうだね! いっしょにゆっくりしてこようね!!」 そしてれいむもまた同じ気持ちだった。 いや多少の不安はあった。 でもれいむはまりさの信じる人間を信じることにした。 そうだよね。 人間さんはゆっくり出来るんだよね…と。 れいむとまりさは赤ちゃんを連れて人間さん達の集まる桜の下へと跳ねていく。 近づくほどの人間さんの声が明瞭に聞こえてくる。 それに加えて美味しそうなご飯の匂いも漂ってくる。 「ゅ! おいちそうなにおい!」 「おかーしゃん、れいみゅおなかしゅいたー!」 「にんげんさんとなかよくなってごはんもらおうね!」 「ゆー! にんげんさんとおともだちになりゅよ!」 「ゆーん! たのしみー!!」 近づけば近づくほどに楽しみな気持ちが増してくる。 一緒にゆっくり遊びたいな。 美味しそうなご飯をちょっとだけでも分けて欲しいな。 そんな期待を膨らませて人間さんへの下へとたどり着いた。 「にんげんさん、にんげんさん!」 「まりさたちもまぜてね!!」 「いっちょにゆっくりちていってね!!」 れいむとまりさが両端に、その間に赤ちゃん達が並んで人間さんに声をかける。 声をかけられて人間さん達は一人、また一人とれいむ達の方向へ振り向く。 数秒の静寂の後にようやく返事をくれた。 「あん? …なんだ、ゆっくりかよ」 「この辺りで見るなんて珍しいな」 「混ぜてね、だってさ」 「食べ物に釣られて出て来たんだろうよ」 人間さん達は4人いた。 近くで見るとまりさから聞いて想像していたよりも大きかった。 ちょっと怖かった。 それにあまり歓迎されてないように感じた。 しかしまりさはそう感じていないらしく、笑顔のまま次の言葉を続ける。 「まりさたちといっしょにゆっくりしようね!! かわいいあかちゃんともあそんであげてね!!」 「いっしょにあしょぼーね!!」 「おにいちゃんいっしょにゆっくちしよーよ!!」 「おなかしゅいたよ! ゅー、あれたべちゃい!!」 さらには赤ちゃん達が人間の傍まで跳ねていく。 れいむは反射的に赤ちゃんを呼び止めようと考えたがやめた。 人間さんはゆっくり出来るらしいし、楽しそうな赤ちゃん達を止めるのも気が引けた。 「なあ、どうするよ」 「あー…まあちょうど甘味も欲しかったしちょうど良いんじゃね?」 一人の男が赤ちゃんれいむを摘み上げた。 れいむはぎょっとして流石に止めさせようとしたが、 「ゅー! おしょらをとんでるみちゃい!!」 結局また止めた。 何故なら赤ちゃんの楽しそうな声が聞こえたから。 れいむはほっと息をつく。安心したのだ。 (なんだ。にんげんさんはあそんでくれてるんだね。 うたがっちゃってごめんね、にんげんさん) れいむの目線から摘み上げられた赤ちゃんはよく見えないが声はよく聞こえる。 「しゅごいしゅご~い! とおくがみえるよ!! ゆっくちー!!」 「ゅー! いいな! まりしゃもそれやりたい!!」 「れいみゅも!! つぎはれいみゅにやらせちぇ!!」 「じゅるいよー! まりしゃもやりたいよー!」 赤ちゃん達はぴょんぴょんと赤ちゃんれいむを摘む男を見上げて飛び跳ねる。 「ゆゆ、おちびちゃん。 ほかのにんげんさんにおねがいしようね!」 「おかーさんもいっしょにたのんであげるからね。 ね、にんげんさん。ほかのおちびちゃんともあそんであげてね!」 「ははははっ」 「ゆ?」 と、突然男が笑い出した。 「くくっ、馬鹿かよ」 「遊んでね、だってさ。ぷぷっ」 「ほんと、ゆっくりしてるなこいつら。ゆっくりしすぎだ」 「そうでしょ! れいむたちゆっくりしてるよ!!」 「でもにんげんさんもゆっくりしてるね!!」 なんとなく悪口言われたかなと思ったけどゆっくりしてると褒められて嬉しかった。 それはまりさも同じようで、えっへんとお腹を張っていた。 「ま、恨むなら警戒心の無さを恨めよ。 あーんっと」 赤ちゃんれいむを摘んで男の手が動く。 その先の赤ちゃんれいむが向かうのは男の顔、いや口。 「ゅー? びぎゅっ!?」 不思議そうな赤ちゃんれいむの声。 その後すぐに聞こえた甲高く不快な音。 「ゆ?」 何の音? どこから聞こえた音? 「ゆ? ゆゆー?」 辺りを軽く見回すけど変わった所は無い。 もう一回赤ちゃんれいむを摘んだ男を見上げる。 そこにも変わった所は無い。 え? 本当に、無い? 「ゆ? ゆゆゆ?」 違う。 さっきとは違う。 男の手は何も摘んでいなかった。 れいむの可愛いおちびちゃんがいたはずなのに。 赤ちゃんれいむの姿は見当たらず、代わりに男の口が膨らんでもごもご動いていた。 うそでしょ 「れいむのおちびちゃんは? ねえ、おちびちゃんは? ねぇ、どこ? どこなの…?」 「おにーさん? そ、そんなあそびゆっくりできないよ。 まちがってあかちゃんたべちゃうかもしれないよ?」 まりさは遊びと言った。 でもれいむは、いやまりさも気付いている。 可愛い可愛い赤ちゃんれいむは食べられた。 ゆっくり出来るはずの人間さんに食べられた。 「ふー、旨い。 この大きさのが一番好みの味だわ」 「おー、俺も俺も。 柔らかさと甘さが絶妙なんだよなぁ。 さらに言えばこいつらの髪の毛が溶けてく食感がまた絶妙」 その隣の男は赤ちゃんまりさを持ち上げる。 「ゆ! まりしゃとゆっくちあそんでね!!」 今まで男達に相手にされず涙目だった赤ちゃんまりさの表情がぱぁっと輝いた。 なにしてあそんでもらえるかな、そんな期待を胸に赤ちゃんまりさも男の口元へと運ばれていく。 「やめてぇぇぇぇ!! まりさをかえしてぇぇぇ!!」 「ゆっくりできないよぉぉ!! やめてあげてぇぇ!!!」 れいむとまりさは同時に叫んだ。 このままではまた食べられてしまう。 これ以上可愛い娘を食べられたくない。 その一心でやめてと叫ぶ。 でも手遅れだった。 叫んだときにはもうすでに、赤ちゃんまりさは男の歯の間。 「ゅゅ、こっちはゆっくちできにゃぎびゅびゅっ」 不快な音。 小さく甲高い断末魔。 「あ、ああ…ぁぁぁああああっ!!!」 「ひどいよ…ゆっくりできないよぉぉ!!!」 滝のような涙を流し、人間達に向かって泣き叫ぶ。 何でこんなことするのか分からない。 こんな可愛い赤ちゃん達なのに。 一緒にゆっくりしたかっただけなのに。 でももう分かった。 人間さんはゆっくり出来ない。 れみりゃと同じでれいむ達を食べる怖い存在なんだ。 そういう考えに至ったれいむとまりさがやる事は一つだった。 「おちびちゃん! こっちきてね!!」 「にんげんさんゆっくりできないよ! だからゆっくりしないですぐにきてね!!」 おちびちゃんを自分の下へと呼び寄せる。 とにかく早く人間さんから離れないと危ない。 だがおちびちゃんは言うことを聞かなかった。 「ゆー? なにいっちぇるの? つぎはれいみゅのばんなんだよ。そのあとにしちぇね!」 「まりしゃもにんげんさんとあしょんでもらうんだよ!」 そう、姉妹が食べられたことに全く気付いてなかったのだ。 何で母親がそんな事を言ったのか分かっていない。 なので聞く耳を持たない。 「おにーちゃん、ゆっくちあしょんでね!!」 「ゅー! ゆっくちしないでまりしゃとあしょんでー!!」 捕食者に向かって笑顔で遊んでとせがみ続ける。 泣いているれいむとまりさに対しても「どうちてないてるの?」程度のものだ。 「いいからはやくきてね!! ゆっくりしちゃだめえええ!!」 「おかーさんのいうこときいてね!! たべられちゃうよ!!!」 「煩いな」 「ああ。 邪魔されても困るし椅子にしよう」 「そりゃいいや。 俺はこっち貰うわ」 人間が近づいてきた。 自分達を食べる人間が近付いてきた。 「こ、こないでね」 思わず後ずさりするれいむだったが赤ちゃんを見て踏み止まった。 ここで逃げたら赤ちゃんが食べられてしまう。 しかし踏み止まったのは間違いだった。 止まってしまっては椅子にしてくれと言ってるようなものだった。 「ゆぎゅ」 動きを止めたれいむは容易く男に捕まり椅子にされた。 数十kgもある男が頭上に圧し掛かってくる。 重い。痛い。苦しい。 「じゃ、俺はこっちな」 「ゆぐ」 「おまっ、ずりーぞ」 「はん、早いもの先だ」 まりさも捕まって椅子にされた。 もう赤ちゃんを助ける存在はいない。 「ゆゆっ! おかーしゃんくるしそうだよ!」 「おかーしゃんをいじめないでね!!」 でもやっと赤ちゃんも気付いてくれたみたいだ。 人間はゆっくりしてない存在だって。 これならまだ希望はある。 (だからはやくにげてね、おちびちゃん) 逃げ延びてくれるっていう希望が。 「おかーしゃんをはなしてあげちぇね!」 「それだとゆっくちできないよ!!」 「…!!」 (なにやってるの! にげてね! おちびちゃんにげて!!) 赤ちゃん達は逃げるところか人間にれいむ達を放すよう訴えかけていた。 一見勇敢にも見えるが今の状況では無謀でしかない。 (だめだよ! にげてえぇ!) 重い人間さんが乗っかって喋れない。 だから赤ちゃんに逃げるように言えない。 れいむからは赤ちゃんの姿が見えない。 だから目で逃げてと訴えることすら出来ない。 「さ、食べようぜ」 「残り4匹か。ちょうどいい数だな」 「さっきの2匹を計算に入れろよ。ずりーぞ」 「ははっ、細かいこたぁ気にするなって。 それより早く食わないと逃げちゃうぞ」 (そうだよ! にげて! たべられちゃうよ!!) 「ゅゅ! れいみゅおこりゅよ!!」 「怒るだってさ。怖いねぇ、ははっ」 「ゅ、おしょらをとんでるみちゃい!!」 赤ちゃんれいむの声が聞こえる。 お空を飛んでるみたいと嬉しそうな声をあげている。 ということは… 「しゅごーい! とおくがすっごくみえるよ!! おにーちゃんありがちょー!!」 (おちびちゃん!! おちびちゃん!!!) 「ゆゆ? 次はどこにつれていっちぇくれるの? ゆ? ゆゆ? ゅ? びゅぐ」 (ああああああ!!!) れいむは体が自由ならば叫び、人間さんに暴力を振るってでも赤ちゃんを助けてあげたかった。 でも人間さんはれいむには重すぎた。 僅かに膨れるぐらいしか抵抗らしい抵抗が出来ない。 「俺もいただきまーすっと」 「まりしゃとあそんでくれりゅの~?」 間延びした声は末っ子の赤ちゃんまりさだ。 他の子もそうだが、特にこの子は今の状況を理解できていないらしい。 「しっかし柔らかいなこいつは」 「ゅゅ~? ほっぺをぐにぐにちないでね」 (れいむのあかちゃんになにしてるの? やめてあげて…) 「ゆー、くしゅぐったいよぉ♪」 「うーむ、ちょっとだけゆっくりを可愛がる気持ち分かるかも知れん」 「おいおい、本気かよ」 「お前少女趣味あるもんなあ」 「ちょ、違うって。可愛いものが好きなだけなんだって」 「はいはい」 「あーもう違うんだってば。まったく…」 「おにーちゃん、ゆっくちしていっちぇね」 「おぉ…食べちゃいてぇ」 「やっぱりな」 「そ、そういう意味じゃないっての。あーもう食べる、俺は食うぞ」 「ゆ? あしょんでくれりゅの? ゅ?」 「レロレロレロ」 「ゆぅぅぅ、にゃんだか…きもちわりゅいよぉぉ」 (なにしてるの! れいむのあかちゃんをけがさないでぇぇぇ!!) 「レロレロレロ」 「ゆ、ゆぶ…みずさんきょわいよ。おにーちゃんだしゅげでぇぇぇ」 れいむからは見えないが、末っ子の赤ちゃんまりさはしばらく男の口内で舐め回された。 そして唾液でふやけた皮が破れた頃にようやく噛まれて死ぬことが出来た。 「ゅぶぶ…」 (おちびちゃん…ごめんね。やくたたずのおかーさんでごめんねぇぇぇ!!) 「帽子が邪魔だな」 「ゅ!? なにすりゅの!! まりしゃのおぼうしかえしてね!!」 「ゆっくりって何でこう煩いかねぇ。 黙れば家で飼ってもいいのにな」 「どーせ家畜にするだけだろ。お前の場合はよ」 「うっせーよ」「ゆぎゅ」 今度はまりさの悲鳴が聞こえた。 「いぢゃい! ゆびぃ! だじゅげでっ! おーがーじゃっ…」 どういう食べ方をしたのか、そのまりさの悲鳴は続いてすぐ止んだ。 「ゅ!? いまのこえゆっくちできないよ!! なにがあっちゃの?」 「ああん? 何でも無いよ」 「ゆ、しょーなんだ! ゆっくちびっくりしたよ!!」 「ま、知ったところでどうせお前食われるし」 「ゆーん?」 (ああぁぁ…だれかたすけてね。 だれでもいいよ。だれかたすけて、たすけて、たすけて) 「ゆびぃっ!!!」 「おぉ、甘い」 「だろ? 病み付きになるんだよな、この味」 「ゆ゛! ゆ゛! ゆ゛!」 「ひゃは、面白い声だな」 「ゆ゛! ゆ゛! ゆ゛!」 (おちびちゃん! どうしたの!?) 「そんな風に食うから変な声出るんだよ」 「ゆ! どうちたの!? まりしゃだいじょうぶ!?」 「お前は黙ってろ饅頭」 「ゅゅ? れいみゅにわるぐちいわないでね!」 もう一人の、最後のおちびちゃんの声が聞こえる。 赤ちゃんれいむだ。 でももう捕まってる? (やぁぁ…やだよぅ。 ゆっくりしたいよぉ) れいむはもう絶望する他なかった。 自分もまりさも動けない。 赤ちゃんは四人食べられた。 残った二人のうち赤ちゃんまりさはもう駄目だ。 そして赤ちゃんれいむも命を握られている。 完全に詰みだった。 「ゆ゛…ゅ゛…」 「ありゃ? 何か勢い落ちてきたな」 「放っとくと死ぬぞ? 俺的には死ぬ寸前に食うことをお勧めする」 「悪趣味な奴め。まあ旨いならいいか」 「ゅ…ぶ」 赤ちゃんまりさは一口目は顔半分を残して噛み千切られていた。 そして今、残る顔半分を食べられて死んだ。 「ま、まりしゃ…?」 最後の赤ちゃんれいむは見てしまった。 姉妹が食べられる瞬間を。 そしてやっと気付いたのだ。 自分を掴んでる存在が恐ろしい捕食者であることに。 「ゆ、ゆやあぁぁ…」 「ん? どうした?」 「た、たべにゃいで! れいみゅをたべないでぇぇぇぇ!!!」 「うん、それ無理」 「やだぁぁ!! れいみゅゆっくりするの!! はなしてね!! はなちてえぇぇ!!」 赤ちゃんれいむが必死に逃げようとしているのを感じる。 助けたい。自分はどうなっても良いからおちびちゃんを助けてあげたい。 (どいてね! にんげんさんどいて!! どいてよぉぉぉぉぉ!!!) しかし魂を賭けたぷくーっは自分に乗った男を僅かに押し上げるだけだった。 れいむはこれほどまでに自分の無力を呪ったことは無かった。 体は全く動かないのに悔し涙だけは止め処も無く流れていく。 「さて、さっさと食べて酒でも飲むかな」 「やだ! そっちはゆっくちできない!! れいみゅゆっくちできないのやだ! そんなのやだぁ! ゆっくちさせてよぉぉぉ!!!」 「あーんっと」 「おかーしゃん! どこなの!! だしゅけでぇぇ!! ゆんやぁぁぁぁあ!!! あ゛」 赤ちゃんれいむの痛ましいほどの悲鳴がピタリと止んだ。 (おちびちゃんが、おちびちゃん達が…) れいむとまりさの愛の結晶。 おかーしゃん、おかーしゃんとよくスリスリしてきた可愛い娘たち。 いっぱい一緒にゆっくりしていくはずだったのに。 今日も良い思い出を作りに来ただけなのに。 ゆっくり出来るはずの人間さんは自分達をゆっくりさせてくれなかった。 一生ゆっくり出来なくさせた。 「さて、こいつらはどうする?」 その後すぐにれいむとまりさの上から人間は退いた。 人間に憎しみをぶつけようと思った。 でも出来なかった。 数分程度とは言え、自分より数倍重い人間が自分に乗っていたのだ。 足が痺れて跳ねようにも動けず、口も痺れて一の字から口が開けない。 出来るのは睨み付けるだけ。 涙で視界が歪んでよく見えないが憎い人間をじっと睨み付ける。 「こいつらも食うか?」 「でもこれだけ大きいと不味いぞ」 「ん~、放っておくとまたうるさくなるからなぁ。 あ、そうだ」 「ん?」 「これ、飲ませようぜ。お礼代わりに、な」 男が取り出したのはお酒だった。 花見のために持ってきた数本ある日本酒のうちの一本だ。 「あー、まあどうせ余るだろうし別にいいか」 「そんじゃ早速」 「ゆっぐ!?」 隣にいるまりさが何かを飲まされている。 口を無理やり開けられて、お酒を流し込まれてる。 最もれいむはお酒を知らないので水を飲まされているようにしか見えないが。 「やめて、やめてあげてね。 まりさにひどいこと、しないで」 痺れの治ってきた口で何とかそれだけ人間に伝える。 だが人間は聴く耳一つ持っていなかった。 「とと、これ以上は流石に勿体無いな。もう一匹いるし」 「ゆっくり、こないで…もうやめて」 「ほら、美味しいお酒だぞ~っと」 「ゆぐっ」 れいむも口を無理やり開かれてお酒を流し込まれた。 「…!!」 辛い。痛い。 ぜんぜん美味しくない。 これ毒入ってる。 ゆっくりにとって辛味は毒。 辛口で喉が焼けるような日本酒は毒でしかなかった。 「旨くて感涙ってとこか」 「おいおい、その辺にしとけって。 それ以上はいくらなんでも饅頭には勿体無い」 「んだな」 れいむは開放された。 同時に地面に突っ伏した。 「ゆ? ゆ…?」 頭がふわふわする。 何か細かいことがどうでも良くなる。 赤ちゃんが食べられたことはすごい悲しいしゆっくり出来ないけどそこで思考が停止してしまう。 憎い人間が目の前で再び宴を始めたけど恨みを晴らす気にならなかった。 ゆっくりは体が小さい上、消化も早いため酔うのも早い。 食べたものを餡子に変換するくせに外敵や毒など自分に都合の悪いものに対してはその消化力を発揮しない。 れいむはすでに泥酔状態だった。 きっと隣でへたり込んでいるまりさも同じ状態なのだろう。 瞼がすごく重い。 れいむが目を覚ますと人間はもういなかった。 夢だと言われれば信じてしまいそうでもあった。 意識が朦朧としている。 ねぇ、まりさ。 「ゆ? ゆ… ゆぅぅっ!!?」 まりさは隣にいた。 口から大量の餡子を吐き出して。 それに…まりさを這い回る大量の虫、虫、虫。 まりさは捕食されていた。 「あぁぁ…ま、まりさぁぁぁ」 れいむはまりさに擦りつくことも出来ずに立ち尽くすしかなかった。 虫に集られたまりさに触るのが怖いというだけではない。 頭が、痛かった。 今までに感じたことの無い鈍い痛みだが頭を全身を巡っている。気だるい。 それに嘔吐感がズンズンと込み上げている。 動けばその勢いで吐き出してしまいそうな気持ち悪さ。 そんなこともあって動きたくないと体が訴えかけてくる。 もしかして人間に飲まされた毒のせい? 「ゆっぐ、きもぢ、わるいよ」 気持ち悪いと意識すればするほど気持ち悪くなってきた。 まりさはこの気持ち悪さに負けて中身を吐き出して息絶えたのだろう。 れいむもこのままじゃきっと… 「ゆ゛、やだよ…ゆっぐりじだい」 「あかちゃんのぶんも、まりさのぶんも…ゆっくりするよ…」 れいむはずりずりと這ってその場から動き出す。 向かう先はおうちだ。そこに帰ればゆっくり出来る。 もしかしたらまりさや赤ちゃんもそこで待ってるかもしれない。 そしたらみんな元気に幸せな生活に戻れる。 あれ、でも赤ちゃんとまりさは… ううん、ちがうよ。あれは夢だよ。 あんなゆっくり出来ないのは嘘っ子だよ。 今のれいむは酔いのせいで思考が曖昧で半分夢の中だ。 都合のいい展開を妄想し始めていた。 夢心地なのに気持ち悪くて嘔吐しそうな感覚。 「ゆぅっ、ゆぅっ、ゆげぇぇぇ…」 れいむは結局餡子を吐き出してしまった。 でも不思議とすっきりしている。 意識の靄は晴れないけどさっきより楽になったかも。 (そろそろおうちにつくかなぁ) さっきから一歩進んだ場所で空を見上げ、れいむはそんな事を考えていた。 まりさの体から黒い行列が伸びる。 目的地はれいむとれいむ吐き出した餡子。 (おはなさん、ゆっくりしてるね) 体に虫の顎が突き刺さり、肌を削られてもあまり痛くない。 餡子をまた吐き出しちゃったけど何だかどうでもいい。 れいむは泥酔状態の中ゆっくりと死んでいく。 幸せな気持ちのまま捕食され、 声帯を食されて狂った音を発し、 少しずつ体を崩された。 れいむは幸せだった。 亡き娘の思い出と共に生きていく苦しみを味わうこともなく、 泥酔状態のまま幸せな妄想に浸りながら死ぬことが出来たのだから。 終 by 赤福 久々に最後まで書き切る気力が沸いた。 それより花見の季節ですよ。 皆さんお酒の飲みすぎには注意しましょう。焼酎うめぇ 休肝日ってなぁに? ゆっくり出来るのー?
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「じゃあ行って来るわね」 「行ってらっしゃいませ、幽々子様」 冥界を管理する事を仕事とする西行寺幽々子はこの日、閻魔と大事な話し合いがある為早朝から出かけていった。 残された庭師兼幽々子の剣術指南役である魂魄妖夢は、滅多に無い事実上の休暇という事になる。 「とりあえず庭の手入れをやってしまおう。その後は……昼寝でもしようかな。最近夜遅かったし」 確認するように呟くとすぐさまと広い庭の手入れにかかる。 太陽が高く昇る頃、漸く手入れを一通り終えた妖夢は、後の事を他の使用霊に任せて自室に向かう。 畳の上に寝そべってぽかぽかとした陽光を全身に浴びながらとろとろと目を閉じる。 意識が途切れる直前、何かが近付いてくる気配がする。 使用霊だろうか、と思いゆっくりと視線を気配の方に向ける。その瞬間、 「みょんっ!?」 妖夢に電流走るっ……!一瞬で眠気が吹き飛ぶ妖夢。 一体何事かと見てみると、そこには妖夢の半霊にかぶりつくゆっくりの姿が! 「んなっ……!」 この冥界にゆっくりが居る事なんて滅多にある事ではない。というか、まずありえない。 どうやって結界を越えてきたのか、そして何故半霊にかぶりついているのか。様々な疑問が妖夢の頭に浮かぶ。 「ゆゆ~!あま~!!」 どうやら半霊を食べようとしているらしい。自身の数倍の大きさの半霊に食いつくとは、見上げた食欲だ。 半ば感心している妖夢はやはりまだ寝ぼけているのかもしれない。 そんなうっかり者の妖夢を余所に、ゆっくりゆゆこは半霊にかぶりつき続行。途端、 「ひゃあっ!?……んんっ…!」 再び妖夢に電流走るっ……!まずい。呆けている場合では無い。早く止めないと半霊が食べられてしまう! 慌てて起き上がり半霊の救出に向かおうとする妖夢。だが、 「ゆっゆっゆゆ~っ!ちゅっぱちゅっぱ!」 「はひぃっ!……っくぁん……あふっ!」 どこぞのちゅぱ衛門の如き勢いで半霊にしゃぶりつくゆっくりゆゆこ。 まるで糸の切れたマリオネットのように畳に倒れこむ妖夢。起き上がろうと膝を付くも、足腰がガクガクと震えている。 (何だ、これは…?か、体に力が入らな ここから先は脳内で補完して下さい ぽたぽたぽた、と音がする。気付けば妖夢が先程まで寝そべっていた畳に水溜りが出来ている。 (ああ、やってしまった……いい年をしてこんな粗相を……もう駄目だ、これでは幽々子様にも軽蔑される……) 色々な意味で崩れ落ちる妖夢。もう先程まで全身を襲っていた電流は無い。 見ればゆっくりゆゆこは半霊を食べるのを諦めたのか、横ですやすやと眠っている。 「お、お前が…お前のせいでえぇぇぇ!!」 その安らかな顔を見てカッとなった妖夢は背中の刀を引き抜き、一瞬で間合いを詰めてゆっくりゆゆこを切り裂いた。 悲鳴すら上げる間も無く寸断されるゆっくりゆゆこ。顔や半霊に返り血、いや返り餡を浴びる妖夢。 その時、 「妖夢~?居るならちゃんと返事しないと駄目よ~って……妖夢!?」 「あ……幽々子、様……お、おかえりなさい……!あ、ああ!!?」 慌てて刀を納め、水溜りを隠すように立つ妖夢。 顔に付いた返り餡、透明な液体に塗れた妖夢の脚、畳の水溜り、半霊にかかっている大量の餡と歯型。 そして部屋に漂う香り。 それらの状況から瞬時に事の成り行きを把握する幽々子。何も言わずに、妖夢をそっと抱き寄せる。 「あ、あの…幽々子様…?あっ!こ、これはですね!その、決しておもらしとかそんなではなくてですね!!」 「妖夢…とりあえずお風呂に入って来なさい。ここは私が片付けておくから」 「へ?で、でも幽々子様にそのような事をさせる訳には……」 「いいから行きなさい。これは命令よ?」 「は、はぁ…分かりました」 箪笥から着替えを出し、ぱたぱたと風呂場へ向かう妖夢。 妖夢を見送った後、雑巾を持ってきて部屋の掃除をする幽々子。 その顔には、妖夢が見た事も無い程の怒気が滲み出ていた。 「ゆっくり……まさか逃げ出すとは思わなかったわ。しかも妖夢に手を出すなんてね……」 そう、あのゆっくりゆゆこは幽々子が妖夢にも内緒で飼っていたものだった。 夜中にこっそり食べる秘密のおやつとして。 「ゆ、許さん……絶対に許さんぞ饅頭ども!ジワジワと嬲り殺しにしてやる!一匹たりとも逃がさんぞ覚悟しろ!!」 とりあえず叫んでみた。その怒声は屋敷内にいる全てのゆっくりにまで届いていた。 風呂から上がった妖夢に食事の用意をさせている間、幽々子は屋敷内に散ったゆっくり達を探し始めた。 次々と見つかり、不可視の籠に放り込まれていくゆっくり達。 屋敷内全てのゆっくりが籠に入った頃、妖夢が夕食が出来上がった事を知らせに来た。 「幽々子様~!お食事の用意が出来まし…た……ゆ、ゆっくり!?」 昼間の出来事がトラウマになっているのか、ゆっくりの姿を見るなり後ずさる妖夢。 「大丈夫よ、妖夢。こいつらはちゃんと籠に入ってるから」 「は、はぁ、そうですか……そ、そう、お食事の用意が出来ましたよ幽々子様」 「そう、ありがとう。じゃあ行きましょう。丁度いいデザートも手に入ったから、食後にいただきましょう?」 妖夢の背を押して食卓へ向かう幽々子。途中、厨房にゆっくり入りの籠を置いて行く。 「ゆ゛っぐりじだい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 「ゆ゛っぐりざぜでよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 「わ゛がら゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!」 「ぢんぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 「や゛だや゛だお゛うぢがえる!ざぐや゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「たべられちゃうんだってさ」「おお、こわいこわい」 厨房に、自らの運命を知らされたゆっくり達の絶望の叫びが木霊する。 「ごちそう様。今日も美味しかったわ妖夢」 「お粗末さまでした」 二人分の食器を片付ける妖夢。幽々子は手ぶらで厨房まで付いて行き、 泣き叫ぶのに疲れて眠っているゆっくり達の入った籠を取る。 「じゃあ、早速いただきましょう。妖夢、お茶の用意をして」 「分かりました」 手早くお茶の用意をしてお盆に載せて、先導する幽々子に従う妖夢。 「どうぞ、幽々子様」 「ありがとう。ささ、妖夢もお一つ」 そう言って籠からゆっくりようむを取り出し、無造作に半分に千切る。 「ぢい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛んぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 「あ、あの……幽々子様?これは一体……」 「お饅頭よ、お饅頭。美味しいわよ」 「は、はあ……ではいただきます」 悲鳴を上げて苦しむゆっくりを平然と差し出す幽々子に戸惑いながらも受け取り、食べる。 「い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ぎい゛い゛い゛い゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 一口齧る度に凄まじい悲鳴を上げる饅頭。だが 「あ、美味しい」 「でしょう?」 そんな苦痛の叫びも気にならない位、口の中に広がる芳醇な甘みは脳を痺れさせた。 「すごく美味しいです、これ。私こんな美味しいお饅頭食べた事ありません」 「そうでしょうそうでしょう。それに加えてこの音楽がたまらないわよねぇ」 「音楽、ですか?……いや、私はそういう趣味は無いんですけど……」 「あらそう?これの良さが分からないなんて、妖夢もまだまだ半人前ねぇ」 「そうでしょうか……?」 絶対それは関係ないと思う、とは言わず黙ってゆっくりを食べ続ける。 幽々子と並んで月を見ながら、美味しいお茶とお饅頭を食べるのはこの上なく幸福な時間だった。 ……いちいち耳をつんざくような悲鳴が無ければ、もっと良かったのだが。 「あの、幽々子様……昼間の事……怒らないんですか?」 「あら?私が可愛い妖夢の事を怒ったりなんてすると思う?」 「いや、結構怒られてますが……」 「そんな事は無いわよう。愛よ、愛の鞭」 「はあ……私は剣士なんですが」 ズレた回答をしながらも、内心で胸を撫で下ろす妖夢。 「ねえ妖夢。今夜貴女と一緒に寝てもいいかしら?」 「ええ?どうしたんですか急に?」 「妖夢は私と寝るのは嫌なのね……そうよねぇ、私なんて……」 「あっあっ!嫌じゃないです、嫌じゃないですよ!だから泣かないで下さい!」 「そう?嬉しいわ。妖夢と一緒に寝るなんて何年ぶりかしら。ふふ、楽しみだわ」 「もう……」 自然と顔をほころばせる妖夢に満足して、最後のゆっくりを手に取る幽々子。 「あっ!幽々様いつの間にそんなに食べてるんですか!ずるいですよ!」 「いいじゃない少しくらい」 「少しじゃないです!私まだ2個しか食べてないんですよ!」 「じゃあ半分こね。ん」 ゆっくりを口に咥えて、目を瞑って妖夢に顔を突き出す幽々子。 「な、何をやってるんですか幽々子様!そ、そんな事……」 耳まで真っ赤にしてもじもじする妖夢。そんな妖夢に目だけでニヤニヤと笑いかけながら促す。 「じゃ、じゃあ、いただきます……」 「い゛だい゛い゛だい゛い゛だい゛い゛い゛い゛!!や゛べで!どうじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛!!」 (あなたの同族が私の可愛い可愛い妖夢を傷付けたからよ) 内心で答える幽々子。一瞬その瞳に冷たいものがよぎったのに、無意識の内に目を閉じていた妖夢は気付かなかった。 LOVELY LANDSCAPE GOOD NIGHT... 作:ミコスリ=ハン
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特に悪さをしていないゆっくりが酷い目にあいます 舞台は現代です 冬の夜は寒い。残業を終え、家に帰る途中に公園の自販機であったかいコーヒーを買って飲むことにした。 自販機から落ちてきた缶コーヒーを取り出す。どうでもいいけどあったかいどころじゃなくて熱すぎるなこれ。 火傷しそうなほどの熱を帯びた缶を手で転がし、近くのベンチに座る。そういやちと小腹も空いたなぁ。 寒空の下、クソ熱いコーヒーで一息ついていると、背後から人の声のような音が聞こえた。 「ゆ゛ぅぅ!おかーさん、さむいよぉぉ!」 「ゆっくりがまんしようね! ほら、すりすりすればあったかいよ!」 一体何事かと振り返るが誰もいない。おかしいなと思いつつふと視線を下に向けると、そこにはゆっくりの親子がいた。 大きさの違う二匹が頬を擦り合わせている。どちらもれいむ種だ。小さい方の大きさは野球のボールぐらい。 親と思われるサッカーボール大のゆっくりれいむの頭からは蔦が伸びており、そこには5匹の実ゆっくりが生っている。 どうやらにんっしんっ中らしい。実ゆっくりの形状からするとまりさ種だと思われるもう一匹の親は見当たらない。 少し興味がわいた俺はゆっくりの親子に尋ねてみることにした。 「ようれいむ、ゆっくりしていってね!」 「ゆゅっ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 この言葉を言えばゆっくりは本能的に反応せざるをえなくなる。 寒さに震えていた子れいむも目を輝かせてこっちを向いて返事してきた。 「ゆっ!おにいさんはゆっくりできるひと?」 「どうだろうな、多分できるだろう。ところで、お前のつがいのまりさはどこにいるんだ?」 「ゆゆっ!?おにいさんどうしてれいむのだーりんがまりさだってわかったの!?」 「んー、まあ…そうね、超能力だ」 説明するのも面倒だ自分で考えやがれと思いながら親れいむを適当にあしらう。 それで納得したのか、親れいむはすごーい!と言ったあと急に暗い顔になった。 相変わらず感情の変化が激しいナマモノですこと。 「ゆぅ…まりさは…きのういなくなっちゃったんだよ…」 子れいむも顔を俯かせて沈んでいる。 話を聞くと、どうやら昨日家族で移動中、まりさは車に轢かれて死んだらしい。 目の前で親がグチャグチャに潰れたのを思い出したのか、子れいむは泣きだしてしまった。 親れいむはそんな子れいむをすーりすーりとあやす。 「なるほど、それは残念だったな」 「ゆぅ…しかたないよ」 伴侶を亡くして自分も辛いだろうに、子供に心配は駆けさせないようにと笑顔を見せる親れいむ。 そんな彼女達を見て、あることが思いついた。 「なぁれいむ、俺の家に来ないか?」 「ゆゅっ!?おにいさんのおうちに!?いいの!?」 「ああ、俺も丁度お前達のようなゆっくりが欲しかったところなんだ」 二匹を連れて帰宅。出迎えてくれる人もいない一人暮らしなので部屋の中は外と同じぐらい冷えている。 ストーブをつけて次第に部屋が暖かくなってくると、寒さで震えていたゆっくり親子は生き生きとし始めた。 「ゆっ!あったかいよ!ここをれいむたちのゆっくりぷれいすにしようね!」 と子れいむははしゃぐ。親れいむもそんな元気な我が子の姿を見てうれしいのかにこにこと微笑んでいる。 とりあえず部屋着に着替え、子れいむを流し台の蛇口の下に置いた。 何するの、という顔をした子れいむを水で洗う。 最初は驚いていた子れいむだったが、冷たい水が気持ちいいのか次第にとてもゆっくりした顔つきになっていった。 「ゆぅ!すっきりー!」 「ゆ!よかったね!おにいさん、ありがとう!」 見違えるほど綺麗になった子れいむの姿を見て、親れいむは俺にお礼を言ってきた。 そんな親れいむを蔦が傷つかないよう慎重に持ち上げ、にんっしんっゆっくり用の天井部分が開いているタイプの透明なケースに入れた。 にんっしんっ中のゆっくりは勢いよく跳び跳ねたりすることはないのでこれで十分なのだ。 「ゆゆっ!?うごけないよ!おにいさん、れいむをここからだしてね!」 「その中でゆっくりしていれば、赤ちゃん達が無事に生まれてくるんだよ」 「ゆっ!そうだったの!じゃあれいむはここでゆっくりするね!」 完全に俺を信頼しているのか、そんな適当な言葉にも親れいむはいとも簡単に騙された。 そう、俺は別にこいつらを飼おうなんて思っちゃいない。ただ単に小腹がすいていたから食べようと思って連れて帰ってきたのだ。 台所の引き出しからトングを取り出し、それで子れいむを掴んで持ち上げる。 「ゆー!おそらをとんでるみたーい!」 目をキラキラと輝かせながら呑気な事を言う子れいむ。これから何が起こるかわかっていないんだろうな。 右手でトングを持ったまま、左手でガスコンロのスイッチを捻る。ボッという音と共に青い火がコンロから噴き出した。 「ゆぅっ!?なにもないところからひさんがでたよ!」 悲惨? …あぁ、火さんか。何事かと思った。 今まで見たことがないのだろう、ガスコンロを上空から眺める子れいむはキラキラと目を輝かせている。 そんな子れいむの底面の皮をガスコンロの火に直接あてた。いわゆる直火焼きと言うやつである。 「ゆゆ゛ぅ゛ぅぅぅぅぅ!?あじゅいよ゛おぉぉぉおぉおぉぉぉおおおぉぉぉぉぉ!!?」 一転して天国から地獄へ。つい先程まではとてもゆっくりした表情だったのが今は激痛に歪んでいる。 突然身に降りかかった出来事に、子れいむは困惑と苦痛が入り混じった顔をしている。 子れいむはもとより親れいむも何が起こったか理解できていないようだ。目をぱちくりさせている。 「ゆ゛あ゛ぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁ!!だすげでおがーーざぁぁぁぁぁぁん!!」 その声でようやく我に返ったのか、親れいむは目を見開いて大きく口を開けた。 「お゛に゛いざんな゛に゛じでるの゛おおぉぉぉおぉぉぉおおお!?」 「何って、見ての通りだよ。子れいむを焼いてるんだ」 「どぼじでぞんなごどずるの゛っ!!」 唾(っぽい砂糖水)をクリアケースにベタベタと振りかけるほどの勢いで親れいむは声を上げた。汚いなぁ。 何とか脱出しようとしているが、左右には身動きが取れず、身重のため飛び跳ねることが出来ないようだ。 それでも少しは体は動くらしく、ぐねぐねと体をひねろうとしたりしている。 が、その度に蔦に生っている実ゆっくり達がわさわさと揺れているのには気付いていないようだ。 「おいおい、あんまり動くと赤ちゃん達が落ちちゃうぞ」 子れいむの皮を焼きながら親れいむに言うと、ゆ゛っという声と共に体を動かすのをやめた。 自分が助けなければ可愛い子供が焼かれてしまう。かといって動けば可愛い赤ちゃん達が未熟なまま落ちて死んでしまう。 といったところだろうか、親れいむは何とも複雑な顔でオロオロしている。 その間にも俺は子れいむの皮をどんどんと焼いていく。 焼き過ぎず丁寧にこんがりと底面を焼き終わったら、次はその他の部分も次々と焦がしていく。 「ゆ゛あ゛あぁああああぁぁぁぁぁぁ!!お゛がぁぁざんどぼじでだすげでくれ゛ないの゛おおぉぉぉぉぉぉぉ!?」 流石にこの音量は近所迷惑になりそうだな。 というわけで次は口の部分を焼くことにした。子れいむの顔面を火に近づける。 「やべでっ、ゆ゛っぐりじでいっでよっ…ゆ゛びいぃぃぃいぃいぃぃぃいぃぃぃぃ!!?」 口を火で炙り、接着する。これでもう大きな声を出されることは無くなった。 続けて両目を焼き、そして全身を余すところなく焦がす。 完全には口が塞がっていないようで、時々ぷひゅ、ぷひゅ、という音が子れいむから聞こえてくる。 喋ろうとしているんだろうが、僅かに空いた口の隙間から空気が漏れているだけのようだ。 ゆっくりゆっくりと時間をかけて子れいむを炙る。 「やべでぇぇぇぇぇ!!れいぶのこどもをいじめないでええぇぇぇえぇぇぇえ!!」 その様子を見ていた親れいむが箱の中から懇願してきた。天井が開いてるから防音出来ないのがこのタイプの透明箱の難点だな。 当然無視して子れいむを焼き続ける。そうこうしているうちに子れいむが完全に焼きあがった。 もちもちとしていた白い肌は、こんがり美味しそうな褐色に変わっている。上手に焼けましたー! ピクピクと痙攣しているところをみると、まだ死んではいない。まあそうなるように調節したんだけどね。 とはいえ口はないから喋れないし、目もないから何も見えない、底面どころか体全てが焼かれているので全く動くことも出来ない。 そんな焼き子れいむを皿に乗せ、親れいむの入っている透明な箱の前に置く。これで一品完成だ。 「あ゛あ゛あぁあぁあぁぁぁぁ!!?でいぶのがわい゛い゛ごどもがああぁぁあぁぁぁぁ!!」 変わり果てたわが子の姿を見て、ダボダボと滝のように涙(っぽい砂糖水)を流す親れいむ。 近付くと、彼女は鬼のような形相でこちらを睨みつけてきた。おお、こわいこわい。 「れ゛いぶをがえじでっ!お゛に゛いざんはゆっぐりできない゛よっ!」 「ははは、かもな」 蔦に触れないよう、両手を親れいむの頭に乗せ、そして一気に体重を乗せた。 丁度親れいむを上から押し潰すような感じである。 「ゆ゛ぎぎぎいぃぃぃぃいぃぃぃぃぃいいいぃ!?」 突然の圧迫に親れいむは体をへこませて苦しそうにうめく。 すると、蔦に生っている実ゆっくり達が物凄い勢いで成長し始めた。みるみるうちに体が大きくなり、張りが出てくる。 親ゆっくりの体を押さえつけることによって強制的に餡子を蔦へと供給し、実ゆっくりを急成長させることができるのだ。 野生でも植物型にんっしんっ中の親ゆっくりが大きな石に押し潰された時などに見られる現象である。 やがて一匹、また一匹と大きくなった実ゆっくりは次々と地面に落ちて赤ゆっくりとなっていった。 「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」 5匹の健康な赤ゆっくり達は母親に向かって生まれて最初のあいさつをした。 きっと最高のゆっくりしていってね!を返してくれるに違いないとでも思っているのだろう、赤ゆっくり達の顔は期待に満ちている。 「ゆ゛っ…おぢひちゃんたち…はや゛く…ここからにげ……て…」 体内の餡子が急激に減った親れいむは、息も絶え絶えに生まれてきた赤ちゃん達にここから逃げろと伝える。 母から帰ってきた言葉は彼女達の思いもよらない物だったらしく、赤ゆっくり達はショックを受けた顔になった。 「どうちてしょんにゃこちょいうのぉぉぉ!?」 「まりしゃ、おきゃーしゃんとしゅりしゅりしちゃいよー!」 Д<←こんな顔して透明な箱にまとわりつく赤ゆっくり達。中には泣いてるやつもいるな。 そんな赤ゆっくり達をボウルに入れ、その上から白ゴマをまぶす。 「ゆっ!なにきゃおちてきちゃよ!」 「ゆっくちたべりゅよ!むーちゃむーちゃ、しあわしぇー!」 「とっちぇもおいちいね!」 おいおい、できればゴマは食べないでくれよ。赤ゆっくり達が食べるだろうことも考えて少々多めにゴマを振りかける。 生まれたばかりの赤ゆっくり達の餅肌にゴマがべったりとくっついた。これで下準備は完成。 ボウルを持ち上げ、菜箸を使って一匹の赤まりさを熱しておいた油の中へと入れる。 「ゆー!おしょりゃを…ゆびゅゅぅぅうぅうぅぅぅぅぅ!?」 ジュウっという小気味良い音と共に物言わぬ上げ饅頭となる赤まりさ。その様子を見た親れいむは白目を剥いて気絶してしまった。 残りの4匹は何が起こったのかわからないのか、どうしたんだろうという顔をしている。 次はたっぷりゴマのついた赤れいむを投入した。 「ゆっ!れいみゅおしょりゃ…あ゛じゅい゛いぃいぃいぃぃぃぃぃいいぃぃぃぃ!!?」 姉妹の悲鳴を聞き、漸く身の危険を感じたらしい。残った3匹はガタガタと震え始めた。 「ゆ゛え゛ーーーん!!きょわいよ゛おぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「やめちぇにぇ!こっちにこにゃいでにぇ!」 「たしゅけちぇおきゃーーしゃぁぁぁぁぁん!」 勿論手を止めるつもりはない。一匹、また一匹と次々油の中へ投下していく。 5匹全部を入れた後、しばらく低温で揚げ続けてキツネ色になったぐらいで取り出し、焼き子れいむを乗せた皿に盛り付けた。 二品目、ゴマ赤ゆっくり団子だ。美味しそうに出来た。早速食べる事にしよう。 テーブルに座り、まずは焼き子れいむをいただく。 野球ボールほどのサイズのそれの左右を掴み、真中から二つに割る。 出来てから少し時間がたってしまっているが、中身はまだあつあつで湯気が出てきそうなほどだ。 これはまだ子れいむが生きていたから、時間を置いていても熱を保っていたのだ。さすがに真っ二つに裂けた今は死んでいるが。 断面からまずは一口、口に含んだ。刹那、口の中に広がる餡子の甘味と皮の旨み。 カリッと香ばしい皮の表面と、それにその下にある皮のもちもちっとした触感、さらに適度な苦痛によって洗練された餡子が見事に調和している。 そして柔らかい食感の中でも一部分だけひときわもっちりしたものがある。これはゆっくりの目、白玉だ。 これもまた餡子との相性は抜群である。 「これは美味い!やっぱりゆっくりは最高だ!」 続けてゴマ赤ゆっくり団子を一つ、一口で食べた。 サクッとした触感と、油の染みた赤ゆっくり独特の柔らかくも弾力性のある皮。それを噛むたびにゴマの香りが口の中に充満する。 そして何といってもやはり生まれたての天然赤ゆっくりの餡子は素晴らしい。しっとりとしていてかつ鮮度がいい。 こちらも文句なしの出来だ。濃過ぎず薄過ぎずの味で何個でも食べられそうだ。 うおォン、俺はまるで人間火力発電所だ!とでもいうように次々と調理されたゆっくり達を口に含んでいく。 焼き子れいむも全て食べ終え、残るゴマ団子もあと一つとなってしまった。流石に結構な量があったので腹も膨れたな。 と思っていると、何やらキッチンの方から声が聞こえてきた。 「ゆ゛ぅ…でいぶの…がわい…いっ……」 っと、そういえば忘れていたな。どうやら親れいむが目を覚ましたらしい。 成体ゆっくり、特に親ほどにもなると餡子が劣化しているせいかそれほど美味しくはない。 そもそももうお腹も膨れたので今は親れいむを食べる気はない。 ならどうするか。決まっている。 「生ゴミは処分しないとな」 俺は虚ろな目をしている親れいむを箱から取り出し、スーパーのビニール袋に入れて固く口を縛った。 そしてそのまま何度も踏みつける。袋越しに弾力が伝わって来てこれがなかなか気持ちいい。 しばらく踏み続けていると、抵抗力が無くなって皮が破れ、餡子も漏れ始めたようだ。袋が内側から黒く染まってきた。 「も゛っど……ゆっぐりした…かっ…た……」 ピクリとも動かなくなった黒い餡子まみれのビニール袋をゴミ箱に捨てる。 親れいむを処分し終えた俺は、残っている最後の1個のゴマ団子を一口で食べた。 サクッという音と共に再び口内にゴマの風味と餡子の甘味が広がった。 うーん、デリシャス。これなら毎日でも食べたいね。 甘いもの食べて少しは疲れが取れたような気もするし、明日も頑張ろう。 終わり
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※ゆっくりいじめ系643 ゆっくりのいる街4_1の続き。人物オリジナル注意。トンデモ理論注意。 前回のあらすじ れいむは死んだ!もういない!だから何? 第五話「憎しみの炎(笑)マジで終幕」 「まりさ!!!いったんきょりをとるちーんぽ!!!さくせんどおりにやるちーんぽ!!!」 「ゆ…!!!わかったよ!!!」 ほう…怒りに任せて飛び込んで来るかと思ったらちっとは成長が見えるようだ。 ゆっくり達は俺から距離を取る。あれでは徒手空拳が届かない。 「いしでっぽうのじゅんびだちーんぽ!!!」 するとゆっくり達は筒のようなものから小石を出して口にくわえた。 どうやらあの石を飛ばすつもりらしい。あれは痛そうだ。 だが装填に時間がかかりすぎだろ。まぁいきなり予想外の事態が起こりまくりだったし動揺しているのだろう。 そのスキを突いてやってもよかったがそれではつまらないのでこちらも準備をすることにした。 リュックの中からビーダマのたっぷり詰まったペットボトルを取り出す。 そしてさらに取り出したものに取り付ける。 そうこうしているうちに向こうの準備が整ったようだ。 「いしでっぽう、うちかたよーいちーんぽ!!!」 「ふっ!!!」 石をくわえているためうまく発音できていない。 「うちかたはじめー!!!ちーんぽ!!!」 「ぷ「フルパワーショット連射ァ!!!」 そのかけ声と共に数匹のゆっくりが餡子を散らして倒れた。 「な、なにごとちーんぽ!!!」 「ゆぷっ!!!」 「ゆげっ!!!」 「ぽおおおおぉおお!!!」 驚いている間にもどんどん倒れていく仲間達。 死んではいないが体の傷は大きくかなりの量の餡子が漏れている。これでは戦えない。 「ぶげっ!!!」 「ゆぶうぅう!!!」 「ど、どう゛い゛う゛ごどな゛の゛お゛お゛ぉぉお゛ぉお゛お゛おお゛ぉお゛おお゛おお゛!!!!!!」 叫ぶまりさ。何が起こっているのかわからない。こんなはずじゃなかったはずなのに。 ゆっくり達が倒れたその理由は…ビーダマンだ。 虐待派ネットワークで子ゆっくりをビーダマンで殺したという情報を聞いたことがあった。 最初は信じられなかったが実際試してみるとほんとに死にやがったので驚いた。 だが成体のゆっくりにはタマがめり込むだけであまり効き目がないようだった。 理由はそのやわらかすぎる皮のせいで威力が殺され貫通しないからである。それでもすごく痛そうだったが。 だがこいつらにはちゃんと裂傷が生じている。中には身体が弾け飛んでいるものもいる。 その訳は体内の餡子容量である。普通のバカ饅頭は餡子量がたかが知れているためパンパンには詰まっていない。 だがドスクラスや体が大きいゆっくりにはパンパンに詰まっている。 餡子容量というのはゆっくりの知能に比例するらしく、研究所ではそれを利用した知能強化型というヤツの製造に成功したとか。 今回の戦闘に参加しているドスの里のゆっくり共は通常サイズだが普通のアホよりも知能が高いため餡子容量が大きい。 故にビーダマンによる攻撃が有効なのだ。 また、件の子ゆっくり殺害に使われたビーダマンはワイルドワイバーンだったという。 俺が今使っているのはその後継機であるバリアントワイバーン。片手撃ちでしめ撃ちが可能なため破壊力が数段上なのだ。 故に成体ゆっくりの体も易々と撃ち抜ける。威力が漫画基準な気がするが別にそんなことはなかったぜ! 俺がガンマン気分でゆっくりを撃ち続けていくうちに投石部隊が全滅したらしい。 他のゆっくり達はあまりのトンデモ光景に困惑するばかり。こうなってしまえばただの有象無象の集まりである。いや、元々そうな気がするが。 「ちーんぽ!!!こうなったらつぎのせんけいだみょん!!!そういんかまえるちーんぽ!!!」 みょんの合図で全員髪飾りに隠していたらしい武器を取り出す。おどおどしているゆっくりも落ち着きを取り戻しやがった。あのみょん、かなりの統率力の持ち主らしい。 武器と言っても木の棒やらさっきより大きめな石やらだ。だが中には刺さったら死にかねないほど鋭く尖ったヤツもある。ガラスの破片もあるじゃねーか。殺す気か。 特に眼帯まりさの持っている棒は一際鋭かった。そこから俺への憎しみがどれほどか伺える。 「むきゅ!!!しってるこもいるとおもうけどざんねんながらゆっくりのこうげきはにんげんにはきかないわ!!! そこでみんないつもかりにつかってるぶきをつかうの!!! ぶきによるこうげきはにんげんにもゆうこうだしさしたりきったりすればころすこともかのうなのよ!!!」 武器を用いた接近戦は片腕ぱちゅりーの案だった。ついでにさっきの投石作戦もぱちゅりーの案である。 投石作戦で怯んだとき、もしくは何らかの原因で失敗したときはすかさず接近戦に持ち込むよう指示していた。 ゆっくり達は武器を構え、ゆっくり同士で固まりなだれ込んで来た。 あれだけくっついているのに一匹も下敷きになっていないとは。大したチームワークだ。 「むきゅ!!!せっきんせんのときはかならずみんなくっついていっせいにおそいかかるのよ!!! くっつけばなぐられてもほかのゆっくりがしょうげきをやわらげてあげられるし、わきからべつのゆっくりがにんげんをこうげきできるわ!!!」 この一丸フォーメーションもぱちゅりーの案だった。 確かにあれだけ密集されては腕やビーダマンで薙ぎ払ってもくっついているゆっくりによって衝撃を殺され満足なダメージが与えられない。 さらにその隙を突かれ、脇から別のゆっくりにいいものをもらってしまいそうだ。 饅頭のクセによく考えられてやがる。でもこの作戦敵が刃物持ってたら全く意味ねーな。 俺は刃物など持ち合わせていない。だがこいつらを止める手段くらい知っている。俺を誰だと思ってやがる!!! 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 ゆっくりにとって「ゆっくりしていってね!!!」は挨拶のようなものである。 挨拶をされれば挨拶で返す習性がある。自身が「ゆっくりするため」だ。 さらにゆっくりには手がない。四肢のあるゆっくりもいるが、ドスの里には生憎そんな邪魔者はいない。 つまり武器を持っていても、口にくわえて使うしかないのだ。 当然、喋ったりして口を開けばくわえた武器は地面に落ちる。 物をくわえた状態でまともに喋れるのはどこぞの海賊狩りくらいのものである。 「み゛ん゛な゛な゛に゛や゛っ゛でる゛の゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉお゛おお゛ぉぉおぉ゛お゛ぉぉぉお゛お゛お゛おお゛おお゛!!!!!!」 はっとした感じで眼帯まりさが叫ぶ。お前もやってたじゃねーか。 「ちんっ!!?しまったみょん!!!ついへんじしてしまったちーんぽ!!!」 「ゆっ!!!うっかりゆっくりしちゃったよ!!!」 「はめられちゃったんだね、わかるよー!!!」 まりさの檄で覚醒したゆっくり共。すかさず武器を構え、戦闘態勢をとろうとするが、 飾りに隠していた武器を取るのとは違い、地面に落ちた武器を拾うのには時間がかかるようだ。 「ゆっ!!!とれたようぼお゛お゛ぉお゛ぉぉお゛おお゛!!!」 当然そんな絶好のチャンスを逃すわけがない。 「ゆっ!!!ゆっくりしてね!!!いまからひろうからねえ゛え゛えぇえ゛べぇえ゛え゛ええ゛えあ゛ああ゛ぁぁ!!!」 「ゆっ!!!はんげきかいしぎゃあ゛あ゛ああ゛ぁぁあ゛ぁあ゛あ!!!」 「ひろったよー!!!わかるう゛う゛ぅうう゛うべあ゛あ゛ぁぁ゛ぁぁあ゛ああ゛あ゛!!!」 必死に武器を拾おうとしているバカ饅頭共を踏み殺していく。 「ちんぽっ!!!ひろったみょん!!!すきありちーんぽ!!!」 里の中で最も狩りのうまいみょん種は素早く武器を拾えたようだ。ゆっくりを蹂躙している俺の隙を突こうとしている。 だがたった一匹で勝てると思っているのか。あと声上げたら不意打ちの意味ねーだろ。 「お前はいつもチンポチンポうるせーってばよ!!!」 「ぢんぼお゛おぉ゛ぉ゛ぉぉお゛お゛おお゛お゛ぉぉ゛お゛ぉお゛お゛お゛ぉお゛!!!!!!」 振り向きざまの一撃。 すぐさま他のみょんも加勢に入るが。 「ウゼぇ!!!」 「ぢんっっっ!!!」 「かっきり1ポンド頂戴するぜ!!!」 「う゛ぇにずっ!!!!!!」 向かってくるみょんはみな薙ぎ払った。気が付けばみょん種はもうリーダーしか残っていない。みょんって希少種だからな。 飛びかかってくるバカもいなくなったので蹂躙再開。 踏むだけで済むのでもの凄い早さで戦えるゆっくりがいなくなっていく。 「ゆっ!!!とれたよ!!!これでゆっくりたたかえるよ!!!」 そろそろ武器を拾い終わったゆっくりが増え始めた。 「かっ!!!かえして!!!まりさのぼうかえしてねぇ!!!」 近くのまりさから尖った木の棒を取り上げる。「かえして」とは悠長にも程がある。 「おまえのたましいいただくよ!!!」 「ま゛がぁあ゛あ゛ああ゛ぁあ゛あ゛ああ゛あ゛あ゛ああ゛あ゛ぁぁぁ゛ぁあ゛ああ゛!!!」 煩わしいので突き刺す。いい切れ味だ。少し借りるぞ。 俺はまりさから奪い取った棒で手当たり次第武器を拾い終わったゆっくりを刺し続けた。 「武器とはこうして使うものだ!!!」 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁあ゛ああ゛!!!」 「つきーつきーつきー」 「い゛だっ!!!ゆ゛っくり゛や゛め゛てね゛!!!ゆ゛っくり゛や゛め゛でえ゛え゛ぇぇあ゛ああ゛あ゛あぁ゛あ゛あ゛ああ゛!!!」 「バルス!!!」 「あ゛あ゛ぁあ゛あ゛あぁぁ゛あ゛!!!め゛があ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ!!!でい゛ぶの゛お゛め゛め゛があ゛あ゛あぁあ゛あ゛ぁああ゛!!!」 「これで99個目のたましいー!!!」 「い゛だい゛いい゛い゛ぃい゛ぃ゛ぃい゛い゛いい゛!!!じん゛じゃう゛う゛う゛う゛ぅぅぅ゛う゛う゛うう゛う!!!」 99匹刺し終わったところで棒がポッキリと折れた。割と持ったなこれ。 そして周りを見渡してみる。 「ゆっゅぅぅぅぅぅ………」 「いだいよおおぉぉぉ……おがあざぁぁぁん……」 「おうぢ…がえりだいよぉぉおおおぉお………」 「しんじゃうんだね………わかるよ…………」 「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっ」 「ごん゛な゛ごど……あ゛り゛え゛な゛い゛ん゛だぜぇ゛…………」 「どうじでぇ……どうじでぇ………」 「みんな……どごなの……どうじでまっぐらなのぉぉぉおおぉお………」 惨状。その一言に尽きる。 五百近くいた軍勢はほとんどが戦闘不能になった。中には餡子の漏れすぎで死んだものも少なくなかった。 もう戦えるゆっくりは、数える程度しか残っていなかった。 それでもまだ、三十くらいはいるが。 「な゛ん゛でみ゛ん゛な゛じんでる゛の゛おお゛お゛ぉお゛おお゛お゛ぉ゛ぉお゛ぉお゛!!!ぢゃん゛どだだがっでよ゛お゛お゛おぉ゛お゛ぉぉお゛ぉお゛お゛おお゛!!!」 このひどい有様を見て絶叫するまりさ。つーかお前まだ何もしてなくね?何でそんな偉そうなんだよ。 だが他のゆっくりはそれを咎める様子がない。 何故なら、「ぱちゅりーの作戦に従っているから」である。 「ぱちゅりー!!!おねがいがるよ!!!とどめはまりさにささせてほしいよ!!!そうじゃないとゆっくりできそうにないよ!!!」 「むきゅー。わかってるわ。すべてはあなたたちをゆっくりさせてあげるためのさくせんだもの。 みんなもよくききなさい。どんなことがあっても、とどめはまりさにやらせること。 そしてまりさ。あなたはとどめをさせるそのときまで、ゆっくりちゃんすをまつのよ。ちゃんすはかならずなかまたちがつくってくれるわ」 「みょんたちにまかせるちーんぽ!!!」 「ぜったいまりさをゆっくりさせてあげるからね!!!」 「しんじてほしいよー、わかるよー!!!」 「まりささまにかかればらくしょうなんだぜ!!!まりさはじっとまってればいいんだぜ!!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!!まりさはみんなをしんじてゆっくりまつよ!!!」 それがどうだ。仲間達はほぼ全滅し、とどめを刺すチャンスどころか攻撃する隙さえ見つからなかった。 まりさは憤慨した。少年への復讐心しかなかったまりさにとって、仲間は都合のいい駒でしかなかったのだ。 その駒が全く役立たずに終わった。と思っていたその時。 「だいじょうぶだみょん!!!まだとっておきのさくせんがあるちーんぽ!!!」 そう言ってまりさにウインクしてみせるみょん。キモい。 自信満々のみょんをもう一度信じることにしたまりさ。そうだ。あの作戦は絶対に避けられやしない。 少年の遙か上空には、うーパックの大群がいた。 普段は戦いを好まない種族だが、仲間を燃やされたうーパック達は自らこの作戦に志願した。 「ならうーパックにはばくげきぶたいのやくしょくをあたえるわ。あいずをしたらそのにんげんになかにつめておいたがらくたをおとしてやるの。 かなりたかいところからものをおとされれば、にんげんでもひとたまりもないわ!!!あいずはみょんのういんくよ!!!」 うーパック爆撃部隊の中にはゆっくりではなくガラスの破片や生ゴミや空きビンやカンなど、ガラクタの山が詰まっている。 それらを上空から落とされれば、おそらく痛いでは済まないだろう。 みょんがウインクした瞬間、それらは投下された。 まりさは勝ち誇った顔で少年を見た。 (これでおまえはおわりだよ!!!ゆっくりこうかいしてね!!!) ドガシャーーーーーーーン 少年のいた場所に大量のガラクタが落ちてきた。 土埃が巻き上げられ、少年の様子を見ることができない。 「ゆー。しんでないかな」 「しかたがないみょん!!!あいてはてごわすぎたみょん!!!もししんでてもさいごはまりさのすきにしたらいいちーんぽ!!!」 「そうだね!!!あいつのなきがらもれいむみたいにゆっくりできなくさせてやる!!!」 これはいわゆる「最後の手段」だった。 どうしても少年に勝つこと、とどめを刺すことが困難だった場合、「まりさにとどめを刺させる」目的を放棄し必殺の一撃を放つ。 まりさがゆっくりできない可能性があったものの、亡骸をゆっくりできなくすれば満足だったようだ。 「ゆー!!!やったよ!!れいむ!!!かたきはとったよ!!!」 喜びの声を上げる眼帯まりさ。周りのゆっくり達も喜びの声を上げる。 だがリーダーみょんはまた違和感を感じていた。声が小さい、少ない気がする。 土埃が消え始め、少年がいた場所の様子が鮮明になっていく。 そこに見えたのは………… 目玉が飛び出し、餡子をぶちまけ、グシャグシャに潰れた仲間達だった。 「ど、ど、どうい゛う゛ごどお゛お゛ぉお゛お゛お゛ぉぉ゛お゛お!!!な゛ん゛でみ゛ん゛な゛じん゛でる゛の゛お゛お゛ぉお゛ぉお゛お゛ぉぉお゛お゛おお゛!!!!!!」 「どうなっでるぢんぼお゛おおお゛ぉお゛お゛お゛おおお゛!!!わがら゛な゛いよお゛おぉお゛おお゛ぉぉお゛ぉお゛おお゛おお゛お゛お!!!!!!」 「こういうことだよ」 その声に振り向くと、潰れたはずの少年がいた。 少年の足下にはやや斜めに傾いている筒。打ち上げ花火だ。すでに火がついている。 ヒュ~~~~~~ 「うー!!!うー!!!」 「うー!!!うー!!!」 「う?うー???」 うーパックはまだ上空を旋回していた。そのうち一匹が近づいてくる光の球に気がついた。が時すでに遅し。 ドーーーーーーーン 「うあああぁぁぁあああ!!!うあぁぁあああぁぁあぁあああああああ!!!」 「うあー!!!うあー!!!うああああああぁぁあああああぁああああ!!!」 花火が破裂し、近くにいたうーパックは弾け飛び、その他のうーパック全てに火がついた。 完全に燃え尽きるまで時間はかからないだろう。 「た~まや~っと。きたねえ花火だ」 俺は一匹たりとも連中を生かしてやる気はない。例え空中にいようとも狙った獲物は逃さない。それが俺流。 「ぞん゛な゛っ!!!な゛ん゛でっ!!!な゛ん゛でな゛ん゛でな゛ん゛でな゛ん゛でな゛ん゛で!!!」 「まりさっ!!!いったんにげるみょん!!!」 みょんがまりさをくわえ一気に俺から間合いをとる。 そして俺に聞こえないように作戦会議を始めた。 「まりさ、よくきくみょん」 「うるざいっ!!!も゛う゛お゛ま゛え゛ら゛なんがじんじないっ!!!み゛ん゛な゛み゛ん゛なじんじゃっだ!!!ごのやぐだだずども!!!」 完全に錯乱しているまりさ。だがみょんはそんなまりさを咎める様子はない。 「すまないみょん。あのにんげんはつよすぎるみょん。まさかぱちゅりーのさくせんがぜんぶきかないなんて。しんじられないみょん。 みょんはまりさへのつぐないとして、あのにんげんにとっこうするみょん」 「どういうごどおおぉおおぉおおお!!!」 「みょんどすのつぎにつよいみょん。ひとりでもひっしにあがいてみるみょん。なんとかがんばってすきをつくってみるみょん。 そのすきにうしろからちかづいていって、ぶきをつきたててやるみょん。 みょんをしんじてほしいみょん」 まりさはもう誰も信じるつもりはなかったが、みょんの真剣な眼差しを見つめ、我を取り戻した。 みんな自分の為に戦ってくれたのに、なんてひどいことを言ってしまったんだと反省した。 「ゆー、こめんね。やくたたずなんていったりして。みんなはまりさのためにたたかってくれたのに。 まりさはみんなをゆっくりしんじるよ」 「ありがとう、まりさ。かえっていきのこったみんなでゆっくりしようね」 「作戦会議は終わったかー?早くしないと仲間達が死んじゃうよー」 少年の声を合図にみょんは特攻した。 このみょんは他のゆっくり達とは格が違った。 少年の攻撃をひらりひらりとかわし、攻撃を仕掛ける。死を覚悟した者が持つ力だ。 それもかわされてしまうが何度も何度も飛びかかった。 そのみょんの決死の行動の甲斐があり、ついに少年に隙が生まれた。 気付かれないように後ろから近づいたまりさは棒をくわえ、少年の首筋目がけて飛びかかった。 「ゆ゛っぐりじね゛え゛え゛え゛え゛ぇえ゛ぇえ゛ぇえ゛ええ゛ええ゛ぇ゛え゛え゛ぇぇえ゛え゛ぇえ゛!!!!!!」 ドシュ!!! (やった…) まりさは確かな手応えを感じた。 必死だったので目を瞑ってしまっていたが、確実に仕留めたと感じた。 さぁ、にっくきあいつの苦痛に歪んだ顔を見てやろう。 ゆっくりと目を開いたまりさ。その片眼に映ったのは……… 「れ゛い゛む゛う゛う゛う゛ぅぅう゛ぅぅう゛う゛ぅう゛ぅう゛ぅぅう゛う゛ぅうう゛う゛ぅう゛う゛ぅう゛ぅう゛う゛うう゛うう゛!!!!!!」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 まりさが貫いたのは少年の手に捕まれていた仲間のれいむだった。 貫かれたれいむは痙攣していたが、間もなく絶命した。ショック死だろう。 「な゛ん゛でっ!!!どう゛じでれ゛い゛むがああ゛あ゛ぁあ゛ぁぁぁあ!!!!!!」 先程大切なれいむの無惨な姿を見たまりさに取ってこのショックは大きかった。 なんでこんなことにと少年の足下に目をやる。 そこには踏み潰され中身をブチ撒けて死んだみょんの姿が。 「なかなか見上げた根性だなこいつも。悪くない悪知恵だぜ。思わず俺も一瞬マジになっちまったしな。そのせいであっという間に死んじまった」 そう言った少年はれいむを掴んだ手を捻った。ポッキリと棒が折れた。これでは使い物にならない。 「……残り十二匹。今のでネタも無くなったろう。…いや、もう一つだけあったな」 「ゆっ!!!?」 少年はポケットに手を入れ、「そっち」の方に目をやる。 そこにはまりさ以外の残り十一匹が一直線に並んでいた。 「むきゅー。「ゆっくりあろー」これがしんのきりふだよ。じゅっぴきいじょうのゆっくりがいっちょくせんにならんでいっきにたいあたりをしかけるの。 しょうめんからのこうげきならうしろのゆっくりがやわらげてくれるしよこへこうげきされてふっとばされてものこりのゆっくりがかくじつに こうげきできるわ。ただしこのほうほうはぎせいしゃがでやすいからここぞというときにしかつかっちゃだめよ」 リーダーを殺され、全ての手を失ったゆっくりの最後の技、「ゆっくりアロー」。 まりさをゆっくりさせてあげるため、最後の希望が今、放たれた。 (まりさ、いまゆっくりさせてあげるね!!!) (れいむたちはしぬかもしれないけど、どうせしぬならまりさをゆっくりさせてあげたいよ!!!) (みんなのぶんまで、ゆっくりしていってね!!!) それぞれの想いを乗せ、ゆっくりにしては猛スピードで少年に突っ込んでいくゆっくりアロー。 確かにあれは厄介かもしれない。前に殴っても横に殴っても無駄だからだ。 「ゆっくりしていってね」で止めようとしたが、ヤツらいつの間にか耳栓してやがる!!! …よくやったよ、お前ら。まぁまぁ面白かったぜ。 命を賭し、みんなの想いを乗せ、突っ込んでいくゆっくりアロー。 だがポケットから取り出された、メタルフレームとメガキャノンウイングを装備したコンバットフェニックスの前に餡塊と化した。 「これで、一匹だ」 草原は餡子の海と化していた。 無事なゆっくりなど一匹もいない。生きていたとしてもみな今にも死にそうな声を上げている。 そこにただ一匹残されたまりさは呆然としていた。 完璧な作戦。 完璧な戦術。 完璧な戦力。 その全てが、たった一人の人間に打ち砕かれた。しかも人間は武器らしい武器も使っておらず、オモチャだけで五百の軍勢を全滅させてしまった。 「ようまりさ、気分はどうだ?」 まりさに語りかける少年。まりさは答えない。 「何だよ、もう壊れちまったのかよ、つまんねえの。 これじゃ何のために家族を殺して子供を殺して仲間を殺してれいむを殺したのかわからないよー!!!」 まりさは答えない。 「そーいやあの巣にいたゆっくりもよくこんなやつに付き合ってやったよな。 「まりさをゆっくりさせてあげよう!!!」「みんなでゆっくりしようね!!!」だの」 まりさは答え… 「一番傑作だったのはれいむだよな。最期には「マリサタスケテ」なんて変な呪文唱え始めるんだから。 ったく、ほんとゆっくりってバカだよなー」 「だま゛れ゛え゛え゛え゛ぇぇえ゛ぇえ゛え゛ぇぇぇえ゛え゛えぇ゛ぇえ゛ええ゛ぇえ゛ぇえぇえ゛ぇぇえ゛えぇ゛え゛ぇえ!!!!!!!」 「なーんだ。まだ元気ありあまってんじゃん」 まりさは飛びかかろうとした。 でもできなかった。仲間達はみんな死んだ。怖かったのだ。 飛び出したい。喉笛に噛みついてやりたい。殺してやりたい。 (こんどこそみんなで、ゆっくりしようね!!!) !? まりさに声が聞こえた。 少年は何もしていない。録音された声ではないようだ。 (いまがんばればゆっくりできるよ!!!) 懐かしい、れいむの声だ。 まりさの瞳から、涙が溢れた。 (がんばってくれたみんなのために、ゆっくりがんばってね!!!) れいむ…… (がんばってみんなで、ゆっくりしようね!!!) (だから…) (ゆっくりしていってね!!!) まりさの心に、光が宿った。 気がつくと、自分でも驚きの早さで、少年の喉を捕らえていた。 「ごん゛どごぞみ゛ん゛な゛で、ゆ゛っぐり゛ずる゛ん゛だあ゛あ゛あ゛ぁぁぁ゛あ゛あ゛ぁあ゛ぁあ゛あぁ゛ぁあ゛あ゛ぁぁあ゛ああ!!!!!!」 必殺の一噛み。 畜生に神はいない。世の中そんなに甘くない。現実は厳しいと人は言う。 いくら友から勇気や力を貰おうと、必死に努力を重ねようと、 ダメなものはダメなのである。 所詮はゆっくりなのだから。 「は゛な゛ぜっ!!!ごごがら゛だぜえ゛え゛ぇ゛え゛え゛ぇぇえ゛ぇえ゛え゛ええ゛!!!!!!」 まりさは透明な箱に閉じこめられていた。 近くでは、ゆっくりだったものを風呂敷に詰めていく少年の姿。 少年の体には傷一つついていない。まりさが噛み付いた首には歯形すらついていない。 「よーし、あらかた片づいたな」 そう言うと少年は風呂敷とリュックをかかえ、箱を持って草原を後にした。 少年が家に帰ろうとしていることに気づいたまりさは、思い出したように笑いはじめた。 「ゆへへへへへ!!!おうちにかえるんだね!!!いまごろきっとおもしろいことになってるとおもうよ!!!」 「へー、どんな?」 「まりさたちのあかちゃんだべちゃったおんなのことちぇん、いたでしょ!!!あのこたちいまごろきっとしんでるよ!!!」 「ふーん」 少年はまるで意に介していないようだった。 しばらく歩いていくと、ようやくまりさは少年が家に帰っているのではないことに気がついた。 「ゆっ!!!どこいってるの!!!おうちにかえるんじゃないの!!!ばかなの!!? そうか!!!あのおんなのこがしんでるのがみたくないんでしょ!!!そうでしょ!!!」 「何勘違いしてるんだ、まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ」 少年がたどり着いたのは、五日前まりさを逃がしたあの森の入り口だった。 「さーて、久しぶりに会ってやるとするか。デカ饅頭に」 それを聞いたまりさは、少年がドスまりさに会いに行こうとしていることに気がついた。 「ゆへへへへへへへ!!!おまえなんかどすまりさにあえないよ!!!すのばしょしらないもんね!!!」 「知ってるよ。お前が教えてくれたもん」 「???なにいってるの???ばかなの???しぬの???まりさがおまえなんかにおしえるはずないでしょ!!!」 まだ負けを認めようとしないへっぽこ復讐鬼が少年の言葉の真意を知り驚愕するのはそれから数分後のことである。 これで終わりじゃないぞ。あともうちょっとだけ続くんじゃ。 作:TOSSY 思った以上に虐殺パートが長くなってしまいkonozamaです。 ビーダマンやりたかっただけです。ほんとすみません。 「ゆっくりフルフォース」でバトルフェニックスで赤ゆっくり一直線7匹殺せるならコンバットなら成体11匹いけるんじゃないかと思っただけなんです。 急いで書いたんで描写がおざなりになってる部分がありますがご容赦ください。 まりさがラストでノーマルになってるのはきがくるっとるからです。それにドスなら…ドスならなんとかしてくれるとでも思っているのでしょう。 次で今度こそラストになります。さてさてどうなるやら。 最後に補足。まりさは「右目」を失ったと書きましたがそれは「他人から見て右」なんです。すみません。 台湾版眼帯まりさと同じだと思ってください。 このSSに感想を付ける 選択肢 投票 しあわせー! (28) それなりー (2) つぎにきたいするよ! (3) 名前 コメント すべてのコメントを見る お友達デストロイヤーなら生体も殺れるよ -- (名無しさん) 2020-04-03 20 01 54
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冬が近づいてきていた。 ゆっくりできない季節の到来を前にして、ゆっくり達は巣作りに腐心する。 「ゆっ!おかーさん!れいむむしさんとったよ!」 「たべちゃだめだよおちびちゃん!ゆっくりすへとはこんでね!」 褒めて貰えると思った子れいむは膨れっ面になる。 「ゆ〜……」 「がまんしてね、おかーさんとゆっくりえさとりしようね」 ゆっくりとふかふか by ”ゆ虐の友”従業員 ある日、れいむのおうちにお隣のおうちのまりさがやってきた。 「れいむ!これをみるんだぜ!」 「ゆゆっ?どうしたのまりさ?」 まりさは後背部から頬のあたりまでを、何やらふかふかしたもので覆っている。 見るからに暖かそうな、とてもゆっくりしたふかふかだった。 「ゆっ!」 ためしにすーりすーりしてみた。とても暖かい。 なめらかな肌触りに、れいむはすぐにふかふかの虜になった。 「すっごくゆっくりしてるよぉぉぉぉぉ!!」 「ゆっへん!」 「どこでひろったの?れいむもほしいよ!ゆっくりおしえてね!」 自分もふかふかが欲しいと、れいむはまりさに詰め寄る。 しかしまりさは拒否した。 「それはいえないんだぜ」 「どうじてそんないじわるいうのぉぉぉ!!??」 「だめだぜ!ひっぱるなだぜ! これはまりさにぴったりの、とってもゆっくりしたふかふかなんだぜ! れいむみたいなゆっくりできないゆっくりのじゃないのぜ!」 結局、ふかふかを見せびらかすだけ見せびらかして、まりさは自分のおうちへ帰っていった。 「ゆぅ……れいむもふかふかほしいよ……」 あんなにゆっくりしたふかふかがあれば、この冬を越すのもとても楽になるに違いないのだ。 その日れいむはずっとふかふかのことを考えて過ごした。 * * * * 背中に当たる風で、れいむは朝の目覚めを迎える。 ここ最近はずっとこうだ。本格的な冬が始まれば、子供達を狩りに伴わせることさえできなくなる。 「ちべたい……かぜさんゆっくりしていってね……」 れいむは岩の隙間に家を持っていた。 これはこれでかなりの”すてーたす”なのだが、 吹き込んでくる木枯らしの寒さ、岩肌のゆっくりできない冷たさを感じるたび不満は募るばかりだ。 思い出すのは、昨日の出来事。 「ゆゆーん……れいむもあのふかふかがほしいよ……」 二匹の子供が目を醒ました。 「おかーしゃん?」 「ゆっくちちていってね!!」 「おはよう、おちびちゃん。ゆっくりしていってね!!」 狩りに行きたくない。 「………」 ふかふかも無しにゆっくりできないおそとに出て行きたくない。 おそとは今日も、寒風荒れる吹きさらし。 どうしていままで、こんなゆっくりできないおそとに出て行くことが出来たのだろう。 「れいむさむいのやだよ……」 ふかふかでゆっくりするまりさを見てしまったことが、れいむの餡子に深い影を落としていた。 「おかーしゃん!おなかすいたよ!」 「ゆっくちごはんとってきてね!!」 「ゆ……いってくるよ……」 れいむは足取りも重く家を出た。 森の広場に着く。この辺りのゆっくりが集まる餌場だ。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 周りのゆっくりと挨拶しながら、餌を探す。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていっ……」 その時、れいむの目は一匹のぱちゅりぃに釘付けになった。 「むっきゅ、ゆっくりしていってね」 「ぱちゅりぃ!?ぱちゅりぃもふかふかもってるの!? れいむもふかふかほしいよ!ふかふかのあるところおしえてね!」 しかし、ぱちゅりぃもまた、れいむの頼みを却下する。 「むきゅん、だめよ」 「どぼじでぇぇぇぇぇぇ!!??れいむもあったかふかふかしたいよぉぉぉぉぉぉ!!!!」 おうちに帰ると、子れいむが言う。 「ゆっ!ゆっ!おかーさん!れいむもふかふかほしいよ!」 「れいむにも!れいむにもふかふかちょうだい!!」 きっとお隣のまりさを見たか、または聞いたのだろう。 「おかーしゃん、どうしておうちにはふかふかないの?」 「さむくてゆっくりできないよ!ばかなの?しぬの?」 「そん……………っ!」 ”そんなこというのはうちのこじゃないよ!ゆっくりでていってね!!”という言葉を すんでのところで言いとどまる親れいむ。 ぴちっ。 「いだっ!!??」 ゆっくりにとってはかなりの我慢をしたために、側頭部が裂けて餡子がはみ出てしまった。 「ゆゆゆっ!」 「おかーしゃん、あんこがでてるよぉぉぉ!!!」 「だ、だいじょうぶだよおちびちゃん……ふかふかあげられなくてごめんね…… かわりにおかーさんとすーりすーりしようね」 「ごめんねおかーしゃん……」 「あんこぺーろぺーろしてあげゆよ……」 親子は身を寄せ合って、隙間風からお互いをかばうのだった。 * * * * ゆゆ?れいむもふかふかひろったよ? 「ゆゆっ!これでれいむもゆっくりできるね!ゆっくりあったかいよ!」 かぜさんはゆっくりしてないけど、これさえあればれいむはゆっくりできるよ! 「ゆっ!ゆっ!あったかいよ!!」 おそとをはねまわってふゆごもりのえさをとるのはつらいけど、 れいむにぴったりのこのふかふかがあればぜんぜんへいきだよ! 「ふーか♪ふーか♪しあわしぇぇぇぇ〜〜♪」 「…………」 幸せな気分で目を覚ますと、もちろんふかふかは無かった。 「やっぱりちべたいよ……」 今日も気乗りしないままに餌場へ向かう。 「ゆ?ゆゆゆ!!??」 餌場に着いたれいむは驚愕した。 まりさ、ぱちゅりぃだけでなく、他の全てのゆっくりがあの”ふかふか”を付けて、 暖かそうに餌を漁っているではないか。 「どぼじでぇぇぇぇぇぇ!!??」 あまりの理不尽。れいむは感情の赴くままに暴れまわる。 「どぼじでれいむだけふかふかないのぉぉぉぉぉ!!!??? まりざ!!」 「いやだぜ!これはまりさのだぜ!!」 「ばぢゅりぃ!!」 「むきゅん!!ひっぱったってとれないわよ!!」 「ちぇぇぇぇんん!!」 「これはちぇんのなんだねー、わかるよー」 「ゆぅ……ゆぅ……どぼじで……?」 息を切らせてその場に倒れるれいむ。 それを遠巻きに見るゆっくり達からは哀れみの視線が突き刺さる。 「れいむ……ことしはあったかいから、そんなにゆっくりできなくないんだぜ?」 「むきゅ、そうよ。しんとうめっきゃくすればひもまたすずしいのよ」 「ゆぅ……」 「れいむがふかふかなくたって、なかまはずれにしたりはしないであげるのぜ」 「そうよ。それにれいむにはりっぱなおうちがあるんだからだいじょうぶだわ」 「ゆゆゆ……」 聞こえはいいが、それらはすべて親身な言葉ではなかった。 周囲のゆっくりの視線が、言葉が、まったく別なものを語っているようにれいむは感じた。 (おお、みじめみじめ) (ぱちゅりぃがあんなめにあわなくてよかったわ!) (かわいそうなんだね、わかるよー) 「ゆ……ゆ……ゆぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」 れいむはその場から逃げ出した。 「ゆぐっ、ゆぐっ……どぼじで!?どぼじで!? どぼじででいぶだけぇぇぇぇぇ!!??」 跳ねれば跳ねるほど、風は冷たくれいむを打つ。 「ゆっぐりでぎないよぉぉぉぉぉ!!!」 * * * * もちろん、この小さな異変の仕掛け人は虐待お兄さんである。 ゆっくりの集落を調べ、獲物と定めた家族以外すべてのゆっくりに、暖かな”ふかふか”を与えたのだ。 その際、「れいむには決してなにも知らせないこと」との条件を与える。 どうしても口を割りそうな愚かなゆっくりは潰した。 「れいむったらいいきみだぜ!ちょっとりっぱなおうちにすんでるからって、 おたかくとまってゆっくりできなかったんだぜ!」 「むきゅん!おにーさんのおかげで、ことしはゆっくりあたたかいわ!」 「れいむだけなかまはずれなんだねー、ちぇんはだいじょうぶなんだねー、わかるよー」 「今年の冬は暖かいからな……」 お兄さんは呟いた。 たとえ自然が慈悲を恵もうとも、俺はお前達をゆっくりさせはしない。 一匹たりともだ。 「とはいえ、あれだけの数の”ふかふか”はちょっと高価かったな…… 俺まで冬を越せなくならなきゃいいが」 お兄さんは、ちょっと馬鹿なのだ。 * * * * 「ぷんぷん!おかーしゃん!さむいよ!」 「こんなつめたいおうちじゃゆっくちできにゃいよ!」 「どぼじでぞんなこというのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! きっとおまえだぢがわるいこだから、みんながふかふかのことをおしえてくれないんだよ!! ゆっくりりかいしてね!!」 「そんなことないよ!れいむはいいこだよ!!おかーしゃんがぐずでのろまなのがわるいんだよ!!!」 「ゆっくちちたいよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「うるさいよ!ゆっくりだまってね!!」 仲間はずれにされたれいむ一家は、毎日いがみ合ってばかりいる。 お兄さんは時たまその様子を覗き見てはほくそ笑む。 「ゆぅ……ゆぅ……さむいよ……ゆっくりできないよ……」 嫌々ながら外へ狩りに出ても、れいむの動きは鈍い。 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 「むっきゅ、むきゅ」 「むしさんゆっくりつかまってねー」 周囲の暖かそうな様子を見て、実際の寒さ以上に身も心も凍えているのだろう。 「みんなずるいよ……」 「ゆっゆー!」 「むっきゅん!」 「わかるよぉーー!」 「れいむもゆっくりじだい……」 れいむは信じて待ち続けた。 「ちびちゃんたちはどうだかしらないけど、れいむはとってもかわいくてゆっくりしたゆっくりだよ… きっとすぐにれいむにぴったりのふかふかみつかるよ…」 実際には、このれいむがふかふかを身につけるのはずっとずっと後のことだ。 * * * * 「むきゅ!おにいさん!このまえはありがとうね!」 ぱちゅりぃは男を見覚えているようで、男が姿を現すと向こうから擦り寄ってきた。 「みて!おにいさんにもらったりっぱなふかふか、ちゃんと……」 「ああ、それなんだがね、返して貰うことにした」 男はぱちゅりぃの背中に付けた”ふかふか”を留めていた帯を外した。 ふかふかはするりと抜け、地面に落ちる。 「む、むっぎゅん!やめてね!ぱっちぇはからだがよわいのよ!だいじなふかふか、ゆっくりかえしてね!」 一度ふかふかに慣れた体には、冬の風は余計に冷たく感じる。 しかも、ぱちゅりぃはこれからもっともっと寒さが厳しくなることを知っているのだ。 柄にも無く、緩慢ながらも必死な動作で男にとびかかる。 「ふかふかはどうだった?あったかかったかい?」 男は問いかけた。 「むきゅ!さいこうだったわ! あったかくて、ふかふかしてて、よるもぐっすりねむれたわ! だからおねがい、ぱっちぇにもういちどふかふかつけてね!」 「と言うことは」 男は確認の言葉を投げかける。 「もうこれからは、最高じゃなくなるわけだな。あったかくもなく、ふかふかもしてなく、 夜は寒さにおびえて仕方なく眠るんだな? それでいい、ゆっくりってのはそういうものだぜ」 「どうじでぞんなこというのぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 男は地面に落ちたふかふかを拾い上げる。ぱちゅりぃはそれに追いすがる。 「ぱちゅりぃのふかふか!」 ひょい。男はふかふかを急に持ち上げ、くわえて奪い取ろうとするぱちゅりぃの試みは失敗に終わる。 「かえして!」 ひょい。 「むきゅぅぅぅん!!」 ひょい。 「ぱっちぇのぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 ひとしきり遊んだあとで、男はふかふかを回収して立ち去った。 後には、疲れ切り、寒さに震えるぱちゅりぃだけが残された。 ぱちゅりぃだけに時間をかけるわけにはいかない。これから、まりさからもちぇんからも、 ありすからもれみりゃからもふかふかを剥ぎ取らなくてはならないのだから。 「むっきゅぅぅぅぅん!!ざむいわぁぁぁぁぁ!!!ふかふかがえじてぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆっくり冬を越していってね!」 その晩のうちに、すべてのふかふかゆっくりはふかふかを剥がれてゆっくりできなくなった。 「ざむいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 「ゆっぐりでぎないぃぃぃぃぃ!!!!」 「こーまがんがざむいどぉーーー!!!ざぐやぁぁぁ!ざぐやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 森にはゆっくりの悲鳴がこだまする。 「これだと相対的にれいむが幸せになってしまうな。よし、バールのようなもので……」 「でいぶのおうぢがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! でいぶほーむれすはいやだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 エピローグ -それからずっと後- 「やあ、れいむ」 「ゆゆ?おにーさんはゆっくりできるひと?」 「その通りさ。れいむが前に欲しがってたものをあげよう」 「ゆゆ?よくわかんないけど、ありがとうおにーさん!!」 男はれいむにふかふかを取り付ける。 「ゆゆ!やめてね!ゆっくりできないよ!」 「またまた。れいむはこれが欲しくて冬じゅう泣いてたんじゃないか。 せっかく持って来てあげたんだから、ゆっくり付けて行ってね!」 「あづいよぉぉぉぉぉ!!!!むしむしするよぉぉぉぉぉ!!! ふかふかさん!!ゆっくりれいむからはなれてね!」 れいむはゆっくりできないふかふかから逃れようと身をよじる。 しかし、帯で体に巻かれたふかふかはれいむの体に密着し、決して離れようとはしない。 「どぼじではなれてくれないのぉぉぉぉぉぉ!!??ばがなの!?じぬの!? あづいよ!あづいのいやだよぉぉぉぉぉぉ!!!!!」 跳ね回るれいむを、通りすがりの親子がいぶかしんだ。 「おかーしゃん?へんなゆっくちがいるよ?ゆっくちちてないよ?」 「みちゃいけないよ!あれはばかなゆっくりにちがいないよ!」 「みてないでだすげてよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」 跳ねれば暑く、動かずに居ても蒸し暑い。その上水浴びをすることもできない。 れいむの長い夏は、始まったばかりだった。 おしまい。
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前々回 前回 ゆっくりもこうを飼おう その3 人間の里にクリスマスの時期がやってきた この幻想卿は日本にあるが、西洋系の妖怪もいるため西洋の文化も幻想入りしていた クリスマスもその一つで、皆がそれぞれに祝い事をしていた 最も、ただ飲み会をする口実を欲しかっただけかも知れないが 「もっこもっこにしてやんよ!」 そして私も今、もこうのクリスマスプレゼントを考えていた よく手伝いをしてくれるのでささやかなものを送ろうと考えたのであったが そもそもゆっくりには何を送ればいいのだろうか? もこうはというと最近流行った歌を歌っている そのせいか鳴き声が今までの「ゆ!」だったのが「もこ!」に変わってしまった これはこれで個性があって悪くはないのだが 「なぁ、もこうは何か欲しいものはあるか?」 「もこ!もこうはおにいさんといっしょならそれでいいよ!」 と中々に殊勝なことを言ってくれる ここまで賢く育ってくれたのは嬉しいが、こういうときは素直に欲しい物を言って欲しいものだ と、ここで扉がドンドンと叩かれた ノックにしては低いところから聞こえてきたが相手が分かっているので気にしない 「お、ちぇんか」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 友人のちぇんが遊びに来た ちぇんは丁寧にゆっくりの挨拶をする もこうも挨拶をしてちぇんを招き入れた 「わかるよーちぇんはあそびにきたんだよー」 友人の家とは割と近所なためたまにちぇんが遊びに来る 逆にもこうを遊びに行かせるときもある らんは最近ちぇんの親離れを見守っているらしくあまり着いてくることはなかった 「もこ!ゆっくりあそぼうね!」 ちぇんには飼いゆっくりであることを示すバッジが付けてある このバッジは飼いゆっくりの賢さを現す一種の目安だ ランク分けされておりちぇんはシルバーバッジ その上のゴールドバッジは店の手伝いをするゆっくりなどが付けているため、ペット用と言うよりも商業用に近い が、ペット用であっても賢いゆっくりはゴールドバッジを取得することが出来るため時々付けているゆっくりがいる ちなみにもこうも先日シルバーバッジを取得したばかりだ 今まではお手製のリボンを付けて飼われていることを証明していた 確からんは近々ゴールドバッジの試験を受けるらしい ゆっくりらんは賢いので案外合格するかも知れない 「もこ、もこうがあっためてあげるよ!」 考え事をしているとおやつにと上げたおにぎりをもこうが頬張っていた 炎を上手く操ることが出来るようになり、なんと口に入れたものを軽く温めることが出来るようにまでなった もこうが口からおにぎりを出すとそれは焼きおにぎりになっていた 「わかるよーやきおにぎりだねーもこうはすごいよー!」 「もこ♪」 焼きおにぎりをちぇんと半分ずつわけるもこう 二匹ともふーふーしながらおにぎりを食べていた やはり、ゆっくり同士で遊ぶのは楽しいようで二匹は時間を忘れて遊んだ ドンドンとまた扉が叩かれ、開けてみるとそこにはゆっくりらんの姿が 「らんはちぇんをむかえにきたよ!そろそろおうちにかえるよ!」 ゆっくりのお迎えだ こういう風景を見られるとは中々に貴重なものだ 「わからないよー。まだくらくないよー?」 「おにいさんがさんたさんにてがみをかくかららんがむかえにきたよ!」 「もこ?」 まだ遊びたいというちぇんにらんが「サンタに手紙を書く」と言う それを聞いたちぇんは「わかったよー」と言いらんの元へとテポテポて歩いていく 「ちぇんはもうかえるね!もこうもおにいさんもゆっくりしてね!」 「ゆっくりしてね!」 らんがペコりとお辞儀をすると二匹は器用に戸を閉めて友人宅へと帰っていった 「もこ?おにいさん、さんたさんってなあに?」 「あぁ、サンタさんはな…」 もこうにサンタの説明をしていなかったことを思い出した もこうにはサンタとは良いゆっくりにプレゼントをくれる人だと教えることにした これならば何か聞き出せるかも知れない 「サンタさんは良いことをしてるゆっくりにプレゼントをくれる人なんだよ」 「もこ!?」 「もこうはサンタさんにお願いするものはないかい?」 「もこ…」 どうやらもこうにも欲しい物があるようで、言うか言うまいかともじもじと迷っている 少し考えた後にもこうは意を決して 「もこうはかぞくがほしいよ!」 「かぞく…だと…?」 もこうはペットショップで購入したために早期に親元から離されている そのせいかゆっくりの家族に憧れているようだ 先ほどもらんと一緒に帰るちぇんを羨ましそうに見ていた 「さんたさんにおねがいするね!」 「あぁ…」 が、私には難しい問題だ 成体ゆっくりを連れてこようにももこう種は珍しいためまず見かけない ペットショップでも成体もこうは見なかった かといって別の種類のゆっくりをあてがうわけにもいかない それは成体ゆっくりにももこうのためにもならないからだ シルバーバッジ取得記念に新しいケージを買ってあげたときに大喜びしていたのを見て油断してしまった 幸い、小博打で得た金があるため金銭的な問題がないのが救いだが 「もこうは良いゆっくりだからゆっくりやすむね!」 遊び疲れたのかもこうは新しいケージへと戻り寝床で休み始めた と言うわけで今から急いでペットショップへ行こう 「え~成体のもこうですか?希少種の成体は中々いないんですよ…」 「そうですか…」 ダメ元で聞いてみたが、やはり珍しいだけあってこの店にはいないらしい 「明日になれば、ブリーダーさんからまた新しいゆっくりを引き取るんですがその時にもう一度来てはどうですか?」 「分かりました…今日はこのゆっくり用高級フードをください」 クリスマス用に豪華なフードを買って帰った 明日また来るが今日のウチに用意は済ませておこう 家に帰るともこうはまだ眠っていたので、帰りに買った小さめのクリスマスツリーを飾ることにした 小さいながらも色とりどりのイルミネーションにプレゼントやサンタ、靴下を模した飾りに極めつけはツリーの一番上にある大きな星だ なんでも、とある魔法使いが出したらしくその輝きは宇宙の星を連想させる ゆっくり用高級フードを冷蔵庫にしまい、準備はできた 次の日、再びペットショップを訪れるとケースの中のゆっくり達が一新していた クリスマスプレゼントに買っていく客が多くなったために買い手が見つかったゆっくりは別のスペースに移したらしい 新たなケージの中にはこれまた新しいゆっくり達がゆっくりとしていた 狭いながらもゆっくりできるように設計されたケースのためゆっくりは幸せそうにしている 「「あるゆっくりしたひのこと~♪」」 「ありしゅはゆっきゅりしゅるよ」 「いもうとたちもゆっくりしてね!」 歌を歌うものからまだ眠いのか藁の上で眠るもの、どのゆっくりもそれぞれゆっくりしていた 「いらっしゃいませ。あぁ、あなたですか、残念ながらもこうは今回いないんですよ」 「やっぱり難しいですよね…」 「えぇ、もこうはいませんが今回も希少種を仕入れたんですよ」 ちょっと見てみませんか、と店主は私にケージを指し示す そこには特徴的な帽子を頭に乗せたゆっくりが眠っていた 青みが掛かった銀色の髪をしたそのゆっくり、ゆっくりけーね 帽子はさしずめ三重の塔、と言った感じで物理的法則を無視したかのように頭の上に乗っかっている 「ゆっくりけーね、名ブリーダーの×××さんが育てたゆっくりから産まれたんですよ」 血統書を見せてくるがそんなものは別にどうでもいい この特徴的な帽子に私は一目惚れしてしまった 昔から私は主人公よりも脇役が好きになってしまうタイプでグ○ンラ○ンより○ング○タンが好きだ その私の心をこのゆっくり(の帽子)は掴んではなさい 「店主、このゆっくりをくれ」 と、思わず即決してしまったのである 店を出た後に、我に返った もこうのクリスマスプレゼントを買いに来たというのに何と言うことを… 店主には今晩取りに来ると伝えて買い手が付いたことを示す札を貼ってもらってあるが考えると軽率すぎた キャンセルするわけにもいかず、もこうへのクリスマスプレゼントはゆっくりけーねと決まってしまった 「おにいさん!くつしたをつるしてね!」 「分かった分かった」 もこうにサンタはくつしたにプレゼントを入れると教えたところくつしたをねだられたのでゆっくりが一匹はいるほどの靴下を用意した それを壁に吊して後はプレゼントをいれるだけ もこうは楽しみなのかどこかそわそわしている 「もこ~…さんたさんはいつくるの?」 「サンタさんはみんなが寝ている時に来るんだ。夜更かししたらサンタさんは来ないぞ」 「もこ!きょうははやくねるね!おにいさん、おやすみなさい」 「あぁ、おやすみ」 もこうは昨日と同じくケージの中の藁の上で寝ている このケージは少々奮発したためゆっくり二匹なら余裕ではいる大きさはある 今はもこう一匹のため空きスペースがある 「さて、そろそろかな」 時計を見ると約束の時間が近くなっていたので私はペットショップへと急ぐことにした ペットショップでけーねを受け取った 今回はケージはないため手で直接抱えている けーねが寒くないようにと店主がゆっくり用毛布をサービスしてくれたため今はすやすや眠っている この分だと上手くいきそうだ 家に帰るともこうが眠っているのを確認してから靴下にけーねをいれる 流石に宙ぶらりんは可哀想なので靴下は床に降ろしておく 後は明日になりもこうが起きるのを待つだけだ 翌日、もこうはいつもより早く起きて逆に私を起こした 「おにいさん、ゆっくりはやくおきてね!」 私の顔をペチペチと叩いてくるのでたまらず起きてしまった 「まだ6時だぞ…」 「ゆっくりごめんね!でもくつしたさんがゆかにあるよ!」 ソワソワと靴下を見るもこう その眼はキラキラと輝いていた 「…サンタさんが来てくれたみたいだな」 「もこ♪」 膨らんだ靴下を見てもこうは上機嫌のようだ 「ゆっくりしていってね!」 この挨拶を聞いたゆっくりは反射的に返してしまう習性を持っている それは靴下の中のけーねも例外ではなく 「ゆっくりしていってね!」 と、靴下の中から這い出てきた 「ゆ?ここはどこ?」 けーねは見慣れない部屋に少々戸惑っているようだがもこうは大喜びだ 「もこ!おにいさん、ゆっくりがいるよ!」 「あぁ、おまえの家族だ」 それを聞くともこうはけーねに歩み寄った 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 互いに顔を合わせて挨拶を交わし 「もこ!もこうはもこうだよ、ここはおにいさんのおうちだよ!」 「けーねはけーねだよ!もこうはとってもゆっくりできるゆっくりだね!」 少々肌寒かったが、それでもけーねはもこうの近くにいると暖かかった もこうもゆっくりにとっての最大の賛美を送られて顔を赤くして照れていた 「けーねともこうはかぞくだよ!ゆっくりしようね!」 「ゆっくりしようね!」 けーねももこうもまだ子ゆっくり。野生では時折親を亡くしたゆっくりが他のゆっくりの家族に迎え入れられることがあると聞いたがどうやらけーねももこうのことを家族と思ってくれたようだ 二匹は楽しそうに家の中を走り回っていた 夜にはいつもより豪華な餌を与えてあげた けーねはぱちゅりー種のように賢いため舌が肥えることもなく、普通の餌も一緒に食べてくれたので一安心だ 「「む~しゃむ~しゃ、しあわせ~♪」」 けーねはこの家ともこうが気に入ったようで、幸せな顔をしている もこうも初めての家族にとても喜んでいる 大きめのケージが役に立ち二匹は藁の上で寄り添うように眠りだした 最初はどうなることかと思ったが、これはこれで良い結果に終わってくれた 「メリークリスマス、もこう、けーね」 ゆっくり用毛布を掛けてやり、私も床に付いた… 時間とネタの都合上残念ながらラオめーりんの話がかけません(´;ω;`) れみりゃサンタとか考えてたんですが… もこたんかぁいいよお(´;ω;`) -- 名無しさん (2009-01-16 16 55 24) ラ、ラオめーりんの人だったのか‥!人の成長というのは素晴らしいですね ああもう本気で可愛いわ、みんな。飼いたい、マジで切に思う飼いたい。 そして希少種と聞いてけーねではなくかぐやを想像してしまった私はかぐもこ派。でもたまにはけねもこも良いよね!! -- 名無しさん (2009-01-16 17 31 21) くおお、かわええのう -- 名無しさん (2009-01-16 18 18 23) ほのぼのー -- 名無しさん (2009-01-27 23 47 52) グ○ンラ○ンより○ング○タン は、 グレンラガンよりキングキタンでしょうか?? -- 特定の種だけゆっくり愛でな人 (2009-02-28 16 13 28) けねもこは俺のジャスティス -- 名無しさん (2010-01-23 01 06 40) やっぱけねもこだね。 -- 名無しさん (2010-12-01 15 01 32) バッジとか舌が肥えるとかお好きですね -- 名無しさん (2012-06-12 20 47 18) ゆっくりけーねは、ゆっくりもこうのことをもこたんと言う。 -- 白上沢慧音 (2012-09-25 21 24 01) ↑先生何やってんですかwww -- 名無しさん (2012-12-25 18 39 18) やっぱけねもこだね。 もこけーねだろ -- yiuyiuiyiuiyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiu (2019-11-21 16 45 36) とってもゆっくり出来るよー -- もこうの愛でがみたい人 (2022-01-09 18 57 41) 名前 コメント