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不死の従属 デッキ番号 0032 デッキID D8EF19B9 デッキ作者 tm デッキカラー ディミーア (黒,青) デッキタイプ グリンド マナカーブ 3.11 (普通) 使用セット M14 THS RTR GTC デッキポイントA 13points デッキポイントB 8points
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上条「で、どっから行く?」 美琴「う~んと……あれなんかどう?」彼女が指さしたのはジェットコースター。 上条「…しょっぱなからですか?」 美琴「いいじゃんいいじゃん。」 美琴「で、なんでアンタらが後ろにいんのよ?」 白井「ハハハ、ぐぐ偶然ですわお姉さま。(まさか真後ろに来てしまうとは…)」 上条「お前ら仲いいなー、あれ?白雪と土御門は?」 青ピ「あれ?さっきまで居ましてんけどなー、どこいったんやろ?」 土御門「なーんでうちらは乗らないのかにゃー??」 白雪「ジェットコースター苦手だもん。」 土御門「にゃにゃにゃんですと!高校生にもなって!?」 うるさい!という音とともに白雪の渾身の一撃(素手)を喰らう土御門。 ここは学園都市。 遊園地のジェットコースターもそん所そこらのものとは出来が違う。 まずレールがない。 正確に言うとある。しかしそれはそうめん流しの機械のようなコの字型のものでジェットコースター本体はそれにふれず、「浮いている」。 リニアモーターカーと同じ原理である。上下逆さになるところでは逆に引き付けあうようになっている。 そういう仕様になっている目的はただ一つ。 「摩擦抵抗0のため最高時速は300キロほどになります。」アナウンスは続く、 「お客様にはヘルメットの着用、お身体の固定をお願いいたします。」 いま、学園都市が誇る驚異のジェットコースターが滑らかに発進する! 美琴「すごかったね…」 上条「だな」 美琴「なんで当麻は平気な顔してんのよ…」 上条「慣れてんだよ、あんなのたいしたことねえよ。(船やらアックアに 比べたら…、あ、なんか言って悲しくなってくる…。)」 美琴「(いきなり真っ青になった!)当麻…、同情するよ…。」 上条「ありがとよ…。」 土御門「おつかれにゃー!」 白雪「おつかれさまー」 青ピ「そういや、なんでお二人さんは乗らなかったんや?」 土御門「それはだにゃふん!」ビクン!! 白雪「(いったらどうなるか…ね?)」 土御門「(にゃー…。)」 白井「さて、次はどこにいきますの?」 上条「おい…いつのまに一緒に行動することになったんだよ…。」 打ち止め「う~身長足りなかった~ってミサカはミサカはこんな所で 屈辱に浸ってみたり~。」 一方通行「うるせンだよチビ」 打ち止め「うわ~んこの人がいじめたってミサカはミサカはパパとママの所に 一方通行「行くンじゃネェヨ」 打ち止め「なんで!!ってミサカはミサカはあなたに疑問をもってみたり!!」 一方通行「まだ仕事の同僚が来てネンだよ。」 打ち止め「仕事のドウリョーってだーれー?ってミサカはミサカはまたまた 疑問をもってみたりー?」 一方通行「優男と露出狂だゼェ」 打ち止め「ちょっと!!露出狂ってどーゆー意味!!ってミサカはミサカは 驚きどころかあなたの仕事場大丈夫?って少し心配してみたり!!」 そんな打ち止めほって置いて一方通行は 一方通行(土御門のリアルにゃーにゃーは爆笑もんだろうがヨォ!!しかも ロリコン語ってる奴がそこら辺の女に翻弄されるところで八割増しダァ!!) 同日、とある病院にて。 「これはどういう風の吹きまわしだ?」 「そ、それはですねぇ仕事の同僚からお誘いがありまして。」 「だからどうして私が行かねばならんのだ?」そう言うと少女は不機嫌そうに顔をそらす。 実際には照れ隠しなのだが。 「いやその同僚がですね『友達一人連れてきやがれ』って言うもんですから……あのショタとは行きたくありませんし……。」 「なるほど。それで……」 しばし沈黙。いたたまれなくなった少年が日頃は常に笑っている顔をしかめた時、少女は言った。 「いいよ。それにしても久しぶりだな。遊園地なんて。」 彼女は声を落とし、少年にも聞こえないくらいの小声で続ける。 「エツァリお兄ちゃん。」と。 「全く、ここ(グループ)には私以外まともな人間がいないのかしら。」 病室の外を歩いていた結標が言うと 「だから、あからさまなショタコン女には言われたくありません。」 間髪いれず病室から突っ込まれた。 「だから違うって言ってんだろうが海原ぁーーーーーー!!!!!!!!!!!」 病院には似つかわしくない愉快な破壊音がさく裂する。 そのころ遊園地。 「またお姉さまたちに置いてかれましたの。」 「しょうがないやん白井はん。あの二人 二人だけの場所をお好みのようやし。」 「なっ!ジャッジメントの面前でそんな事!!認めるわけにはまいりません!!さあまいりますわよ!!」 もうやめよーやー!!黙らっしゃいエセ関西人!! という声を聞きながら 「なんだかあいつらいい感じだな。」 「よね。」 「で、これからどこ行く?」 「いろいろ行きたいとこあんだけどとりあえずお昼に行かない?」 「おお、いいぜ。ちょっと懐に余裕あっから奢ってやるよ。」 「え?当麻っていつもいつも『貧乏学生』を自称してんのにどういう風の吹きまわし??」 「気にしなさんな美琴さん、んじゃあいくぞー。」「はーい。」 この二人は昼食先で意外な人物たちと遭遇する。 そこには『グループ』の面々がいた。 当然のごとく。 美琴「何でアンタがここいんのよ!」 結標「なんでもいいでしょ。て言うかうるさい。」ここは店のなかである。 海原「それに今日は大切な用事がありますしね。」 上条「何でお前がここに!?」 一方「うっせェなァ。いるンだからいンだよ。」 上琴「「だから説明しろーっ!!」」 説明タイム【どうして彼らが『グループ』に入ったかの説明】 一方「ほンとは土御門もいンだけどよ。」 結標「あの状態じゃぁねー。」海原「ですよね。」 上条「あのー、所でそこの御嬢さんはどちらさまでしょうか??」 ショチトル「ショチトル。」ぶっきらぼうな自己紹介、に続いて 結標「海原のい・も・う・と♪」 上琴一打青シ「ぶっ!!」 結標以外が全員吹きだす。 上条「そそ、そうなのか?」 海原「いや、ですから師弟関係のようなものでして。」 結標「『つまり義理!!ってことは最高じゃないかにゃーっ!!』って土御門は言ってたわよ。」 海原「ぐぅ…………」 上条「あの馬鹿らしいコメントだ。」 一方「でよ、その自称ロリコン軍曹殿があのざまだ。これを見ねぇ手はねぇ。」 『グループ』全員「全くもってその通りっ!!」 彼らの視線の先には白雪に振り回されてる我らが軍曹殿の姿がある。 美琴「ところで結標。第3エリアには行かないほうがいいわよ。」 結標「へ?……ああ白井さんね。何だかんだ言ってあの関西人といちゃいちゃすんのに夢中だから気付かいないわよ。」 上条「こっからは見えねえのに何でわかるんだ?」 打ち止め「ようやく発言の機会が巡ってきたっ!ってミサカはミサカは興奮したり。」 一方「要は『シスターズ』が見てるらしいンだよ。」 打ち止め「うぎゃーっ!言う事全部言われたーっ!!ってミサカはミサカはあなたの頭をポカポカしてみたり!!」 一方「やめろクソガキィ!!…ってかおめぇら何にやにやしてンだァ!?」 上条「土御門はロリコンの称号をアクセラレータに譲るべきだな」 琴結青シ「だよねー(ですよねー)。」 一方「何行ってやがンだァ!?」 上琴青シ結「食事中はしゃべらない!」 ちなみのこの会話中ショチトルは美琴を(こいつがエツァリの…)という目で見ていたらしい。残念ながらエツァリの恋は旗男に持って行かれたのだが。 その頃近くの屋上には。 「追加報告なのよな」「はいっ…どうぞ。」 クリップボードを持つ浦上と望遠鏡をもって観察中の建宮。 彼は報告書に追加すべき情報を浦上に言う。浦上がそれを筆記する。のだが、 「上条勢力に入れるのはカップル、もしくは独身女性のみと見られる。」「ぶはっ!」 この馬鹿報告を筆記する前に吹いた。 浦上「ななな何をまじめに言っちゃってるんですか建宮さん!!!」 建宮「いやだってそうじゃんよ。」 そして建宮は横を向く。 「ところで御嬢さんはいつまでそうしてるのよな?」 「必要なだけ、オリジナルがどこまでするか見届けるまでです。とミサカは懇切丁寧に説明します。」 「…ところでさっきからぼそぼそ何独り言をしてるのよ?」 「業務連絡です。とミサカは説明します。ところであなた方こそ何をしているのですか?とミサカは先ほどから観察対象を変更しまくっているお二方を疑ってみます。」 建宮「(この話かたどうにかならんのよな?)」 浦上「(ですよね。この間も見た御坂美琴嬢のそっくりさんですけど)」 10032号「どうかしましたか?とミサカはコソコソしている御二方へ銃口を向けます。」 建浦「「何でそんなもん持ってんのー!!??」」 10032号「護身用です。とミサカは説明しつつ、オリジナルへのセクハラを繰り返すあの少女の事を思い出してゾッとします。」 建宮「(確か白井さんとかいったよな?)」 浦上「(ですです。テレポートの使い手なのであれくらいの護身用具がいるんでしょうか?)」 建宮「(それにしても物騒な…って)ヒィ!」 10032号「コソコソして何をしているのか尋ねてます。とミサカはセーフティーを解除してさっさと吐けと脅迫します。」 10090号「落ちつきなさい10032号。とミサカはミサカの銃を取り上げます。」 10032号「もちろん冗談ですよ、それにゴム弾です、とミサカはミサカの心配は杞憂にすぎないと説明します。」 15072号「それにしては物騒な護身用具ですね、とミサカはミサカの銃を調べます。」 10090「察するにオリジナルを撃つつもりだったのでは?とミサカは冷静に分析します。」 15072号「そこまでしてあの方をオリジナルから奪い返したいのですか?とミサカはミサカの想いに共感しつつも手段がよろしくないと宣告します。」 10090号「危険ですからこの銃は破壊処分します。とミサカは告げます。」ビリビリバッチィイイン!!! 狙撃銃は破壊された。 10032号「はぁー。とミサカは作戦の失敗を認識し、途方にくれます。」 全く同じ顔の3人が喧嘩っぽいことを繰り広げているのを見て、天草式のお二人は柄にもなく驚いてしまった。 建浦「「同じ顔した子が3人!!??」」 美琴「ム?」 上条「どうした美琴?」 美琴「なんか私の能力を外からあびたような気が…………」 上条「どういうこと??」 美琴「あの子たちが来てるみたいね。」 結標「シスターズね。さっき見かけたわよ。珍しく私服だったわね。」そういいつつ同じく私服のオリジナルをジィっと見る。 美琴「なっ、何よ!?さすがに制服でこんなことできないでしょーが!!そうだ打ち止め、アンタ何人くらいあの子たちが来てるかわかるでしょ?」 打ち止め「うーんとね、30人くらい?ってミサカはミサカはアバウトな予想を立ててみたり。」 一方「なンかさらに面白くなってきたンじゃねェか。」 打ち止め「そんなことよりパパとママもここでごはん食べるの? ってミサカはミサカは訊ねてみたり」 結青シ「「「ぶっ!!」」」と三人吹きだす。 一方通行「オイ、テメェらきたねェだろうがよォ!!!!」
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国道32号 香川県高松市から、高知県高知市へ至る一般国道。 起点:香川県高松市 中新町交点(国道11号重複、国道30号、国道436号終点、国道193号、国道492号起点) 終点:高知県高知市 県庁前交点(国道33号、国道56号、国道194号、国道195号、国道197号、国道493号起点、国道55号終点) 指定区間:全線 通過市町村 香川県 高松市 - 綾歌郡綾川町 - 丸亀市 - 仲多度郡まんのう町 - 三豊市 - 徳島県 三好市 - 高知県 長岡郡大豊町 - 香美市 - 南国市 - 高知市 2007年3月13日 →(国道439号) 根曳峠 道の駅大杉 2007年3月14日 徳島県との県境 大歩危駅 2004年3月4日 大歩危駅から池田まで走った。 大歩危、小歩危のあたりは吉野川沿いの崖の上を通っている。 川側のみにある歩道を通って、下に吉野川を眺めながら走った。 2007年3月15日 猪ノ鼻峠 関連項目 ホテル大歩危峡まんなか 国道30号 道の駅たからだの里さいた 高知県道31号 高知県道34号 この項目のタグ 2004年 2004年3月 2004年3月4日 2007年 2007年3月 2007年3月13日 2007年3月14日 2007年3月15日 2009年 2009年12月 2009年12月12日 三好市 二桁 国道 大豊町 徳島県 道路 香川県 高松市 高知県 タグ「国道」「二桁」がついた項目 国道1号 / 国道2号 / 国道3号 / 国道4号 / 国道5号 / 国道6号 / 国道7号 / 国道8号 / 国道9号 / 国道10号 / 国道11号 / 国道13号 / 国道14号 / 国道15号 / 国道16号 / 国道17号 / 国道18号 / 国道19号 / 国道20号 / 国道21号 / 国道24号 / 国道28号 / 国道30号 / 国道32号 / 国道34号 / 国道38号 / 国道39号 / 国道40号 / 国道41号 / 国道42号 / 国道44号 / 国道45号 / 国道47号 / 国道48号 / 国道49号 / 国道51号 / 国道52号 / 国道55号 / 国道56号 / 国道57号
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上条「で、どっから行く?」 美琴「う~んと……あれなんかどう?」彼女が指さしたのはジェットコースター。 上条「…しょっぱなからですか?」 美琴「いいじゃんいいじゃん。」 美琴「で、なんでアンタらが後ろにいんのよ?」 白井「ハハハ、ぐぐ偶然ですわお姉さま。(まさか真後ろに来てしまうとは…)」 上条「お前ら仲いいなー、あれ?白雪と土御門は?」 青ピ「あれ?さっきまで居ましてんけどなー、どこいったんやろ?」 土御門「なーんでうちらは乗らないのかにゃー??」 白雪「ジェットコースター苦手だもん。」 土御門「にゃにゃにゃんですと!高校生にもなって!?」 うるさい!という音とともに白雪の渾身の一撃(素手)を喰らう土御門。 ここは学園都市。 遊園地のジェットコースターもそん所そこらのものとは出来が違う。 まずレールがない。 正確に言うとある。しかしそれはそうめん流しの機械のようなコの字型のものでジェットコースター本体はそれにふれず、「浮いている」。 リニアモーターカーと同じ原理である。上下逆さになるところでは逆に引き付けあうようになっている。 そういう仕様になっている目的はただ一つ。 「摩擦抵抗0のため最高時速は300キロほどになります。」アナウンスは続く、 「お客様にはヘルメットの着用、お身体の固定をお願いいたします。」 いま、学園都市が誇る驚異のジェットコースターが滑らかに発進する! 美琴「すごかったね…」 上条「だな」 美琴「なんで当麻は平気な顔してんのよ…」 上条「慣れてんだよ、あんなのたいしたことねえよ。(船やらアックアに 比べたら…、あ、なんか言って悲しくなってくる…。)」 美琴「(いきなり真っ青になった!)当麻…、同情するよ…。」 上条「ありがとよ…。」 土御門「おつかれにゃー!」 白雪「おつかれさまー」 青ピ「そういや、なんでお二人さんは乗らなかったんや?」 土御門「それはだにゃふん!」ビクン!! 白雪「(いったらどうなるか…ね?)」 土御門「(にゃー…。)」 白井「さて、次はどこにいきますの?」 上条「おい…いつのまに一緒に行動することになったんだよ…。」 打ち止め「う~身長足りなかった~ってミサカはミサカはこんな所で 屈辱に浸ってみたり~。」 一方通行「うるせンだよチビ」 打ち止め「うわ~んこの人がいじめたってミサカはミサカはパパとママの所に 一方通行「行くンじゃネェヨ」 打ち止め「なんで!!ってミサカはミサカはあなたに疑問をもってみたり!!」 一方通行「まだ仕事の同僚が来てネンだよ。」 打ち止め「仕事のドウリョーってだーれー?ってミサカはミサカはまたまた 疑問をもってみたりー?」 一方通行「優男と露出狂だゼェ」 打ち止め「ちょっと!!露出狂ってどーゆー意味!!ってミサカはミサカは 驚きどころかあなたの仕事場大丈夫?って少し心配してみたり!!」 そんな打ち止めほって置いて一方通行は 一方通行(土御門のリアルにゃーにゃーは爆笑もんだろうがヨォ!!しかも ロリコン語ってる奴がそこら辺の女に翻弄されるところで八割増しダァ!!) 同日、とある病院にて。 「これはどういう風の吹きまわしだ?」 「そ、それはですねぇ仕事の同僚からお誘いがありまして。」 「だからどうして私が行かねばならんのだ?」そう言うと少女は不機嫌そうに顔をそらす。 実際には照れ隠しなのだが。 「いやその同僚がですね『友達一人連れてきやがれ』って言うもんですから……あのショタとは行きたくありませんし……。」 「なるほど。それで……」 しばし沈黙。いたたまれなくなった少年が日頃は常に笑っている顔をしかめた時、少女は言った。 「いいよ。それにしても久しぶりだな。遊園地なんて。」 彼女は声を落とし、少年にも聞こえないくらいの小声で続ける。 「エツァリお兄ちゃん。」と。 「全く、ここ(グループ)には私以外まともな人間がいないのかしら。」 病室の外を歩いていた結標が言うと 「だから、あからさまなショタコン女には言われたくありません。」 間髪いれず病室から突っ込まれた。 「だから違うって言ってんだろうが海原ぁーーーーーー!!!!!!!!!!!」 病院には似つかわしくない愉快な破壊音がさく裂する。 そのころ遊園地。 「またお姉さまたちに置いてかれましたの。」 「しょうがないやん白井はん。あの二人 二人だけの場所をお好みのようやし。」 「なっ!ジャッジメントの面前でそんな事!!認めるわけにはまいりません!!さあまいりますわよ!!」 もうやめよーやー!!黙らっしゃいエセ関西人!! という声を聞きながら 「なんだかあいつらいい感じだな。」 「よね。」 「で、これからどこ行く?」 「いろいろ行きたいとこあんだけどとりあえずお昼に行かない?」 「おお、いいぜ。ちょっと懐に余裕あっから奢ってやるよ。」 「え?当麻っていつもいつも『貧乏学生』を自称してんのにどういう風の吹きまわし??」 「気にしなさんな美琴さん、んじゃあいくぞー。」「はーい。」 この二人は昼食先で意外な人物たちと遭遇する。 そこには『グループ』の面々がいた。 当然のごとく。 美琴「何でアンタがここいんのよ!」 結標「なんでもいいでしょ。て言うかうるさい。」ここは店のなかである。 海原「それに今日は大切な用事がありますしね。」 上条「何でお前がここに!?」 一方「うっせェなァ。いるンだからいンだよ。」 上琴「「だから説明しろーっ!!」」 説明タイム【どうして彼らが『グループ』に入ったかの説明】 一方「ほンとは土御門もいンだけどよ。」 結標「あの状態じゃぁねー。」海原「ですよね。」 上条「あのー、所でそこの御嬢さんはどちらさまでしょうか??」 ショチトル「ショチトル。」ぶっきらぼうな自己紹介、に続いて 結標「海原のい・も・う・と♪」 上琴一打青シ「ぶっ!!」 結標以外が全員吹きだす。 上条「そそ、そうなのか?」 海原「いや、ですから師弟関係のようなものでして。」 結標「『つまり義理!!ってことは最高じゃないかにゃーっ!!』って土御門は言ってたわよ。」 海原「ぐぅ…………」 上条「あの馬鹿らしいコメントだ。」 一方「でよ、その自称ロリコン軍曹殿があのざまだ。これを見ねぇ手はねぇ。」 『グループ』全員「全くもってその通りっ!!」 彼らの視線の先には白雪に振り回されてる我らが軍曹殿の姿がある。 美琴「ところで結標。第3エリアには行かないほうがいいわよ。」 結標「へ?……ああ白井さんね。何だかんだ言ってあの関西人といちゃいちゃすんのに夢中だから気付かいないわよ。」 上条「こっからは見えねえのに何でわかるんだ?」 打ち止め「ようやく発言の機会が巡ってきたっ!ってミサカはミサカは興奮したり。」 一方「要は『シスターズ』が見てるらしいンだよ。」 打ち止め「うぎゃーっ!言う事全部言われたーっ!!ってミサカはミサカはあなたの頭をポカポカしてみたり!!」 一方「やめろクソガキィ!!…ってかおめぇら何にやにやしてンだァ!?」 上条「土御門はロリコンの称号をアクセラレータに譲るべきだな」 琴結青シ「だよねー(ですよねー)。」 一方「何行ってやがンだァ!?」 上琴青シ結「食事中はしゃべらない!」 ちなみのこの会話中ショチトルは美琴を(こいつがエツァリの…)という目で見ていたらしい。残念ながらエツァリの恋は旗男に持って行かれたのだが。 その頃近くの屋上には。 「追加報告なのよな」「はいっ…どうぞ。」 クリップボードを持つ浦上と望遠鏡をもって観察中の建宮。 彼は報告書に追加すべき情報を浦上に言う。浦上がそれを筆記する。のだが、 「上条勢力に入れるのはカップル、もしくは独身女性のみと見られる。」「ぶはっ!」 この馬鹿報告を筆記する前に吹いた。 浦上「ななな何をまじめに言っちゃってるんですか建宮さん!!!」 建宮「いやだってそうじゃんよ。」 そして建宮は横を向く。 「ところで御嬢さんはいつまでそうしてるのよな?」 「必要なだけ、オリジナルがどこまでするか見届けるまでです。とミサカは懇切丁寧に説明します。」 「…ところでさっきからぼそぼそ何独り言をしてるのよ?」 「業務連絡です。とミサカは説明します。ところであなた方こそ何をしているのですか?とミサカは先ほどから観察対象を変更しまくっているお二方を疑ってみます。」 建宮「(この話かたどうにかならんのよな?)」 浦上「(ですよね。この間も見た御坂美琴嬢のそっくりさんですけど)」 10032号「どうかしましたか?とミサカはコソコソしている御二方へ銃口を向けます。」 建浦「「何でそんなもん持ってんのー!!??」」 10032号「護身用です。とミサカは説明しつつ、オリジナルへのセクハラを繰り返すあの少女の事を思い出してゾッとします。」 建宮「(確か白井さんとかいったよな?)」 浦上「(ですです。テレポートの使い手なのであれくらいの護身用具がいるんでしょうか?)」 建宮「(それにしても物騒な…って)ヒィ!」 10032号「コソコソして何をしているのか尋ねてます。とミサカはセーフティーを解除してさっさと吐けと脅迫します。」 10090号「落ちつきなさい10032号。とミサカはミサカの銃を取り上げます。」 10032号「もちろん冗談ですよ、それにゴム弾です、とミサカはミサカの心配は杞憂にすぎないと説明します。」 15072号「それにしては物騒な護身用具ですね、とミサカはミサカの銃を調べます。」 10090「察するにオリジナルを撃つつもりだったのでは?とミサカは冷静に分析します。」 15072号「そこまでしてあの方をオリジナルから奪い返したいのですか?とミサカはミサカの想いに共感しつつも手段がよろしくないと宣告します。」 10090号「危険ですからこの銃は破壊処分します。とミサカは告げます。」ビリビリバッチィイイン!!! 狙撃銃は破壊された。 10032号「はぁー。とミサカは作戦の失敗を認識し、途方にくれます。」 全く同じ顔の3人が喧嘩っぽいことを繰り広げているのを見て、天草式のお二人は柄にもなく驚いてしまった。 建浦「「同じ顔した子が3人!!??」」 美琴「ム?」 上条「どうした美琴?」 美琴「なんか私の能力を外からあびたような気が…………」 上条「どういうこと??」 美琴「あの子たちが来てるみたいね。」 結標「シスターズね。さっき見かけたわよ。珍しく私服だったわね。」そういいつつ同じく私服のオリジナルをジィっと見る。 美琴「なっ、何よ!?さすがに制服でこんなことできないでしょーが!!そうだ打ち止め、アンタ何人くらいあの子たちが来てるかわかるでしょ?」 打ち止め「うーんとね、30人くらい?ってミサカはミサカはアバウトな予想を立ててみたり。」 一方「なンかさらに面白くなってきたンじゃねェか。」 打ち止め「そんなことよりパパとママもここでごはん食べるの? ってミサカはミサカは訊ねてみたり」 結青シ「「「ぶっ!!」」」と三人吹きだす。 一方通行「オイ、テメェらきたねェだろうがよォ!!!!」
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上条当麻 1(1) No 登場話題名 作者名 011 闇を切り裂く紅き閃光 ◆CFbjQX2oDg インデックス () No 登場話題名 作者名 ステイル・マグヌス 1 (1) No 登場話題名 作者名 002 Footsteps From Darkness ◆jN9It4nQEM 神裂火織 () No 登場話題名 作者名 シェリー=クロムウェル () No 登場話題名 作者名 御坂美琴 () No 登場話題名 作者名 御坂妹(10032号) () No 登場話題名 作者名 一方通行 () No 登場話題名 作者名 土御門元春 1(1) No 登場話題名 作者名 012 闇に堕ちる覚悟を持って ◆JNaaXjQCoI 垣根提督 () No 登場話題名 作者名 浜面仕上 () No 登場話題名 作者名 麦野 沈利 () No 登場話題名 作者名 絹旗 最愛 1(1) No 登場話題名 作者名 004 路地裏のガール・ミーツ・ボーイ ゴールド、絹旗最愛 フレンダ () No 登場話題名 作者名
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灯籠流し ~Love_comes_quickly 2 後編 川岸の水辺に寄り集まって、持ってきた灯籠に火を入れる。 ゆらゆらと揺らめく灯籠船のぼんやりとした明かりが、彼女たちの横顔を照らす。 皆が神妙な顔をしているものの、そこに悲しみや怒り、憎しみといった表情はない。 彼女たちが浮かべる柔らかな笑みは、ただ亡くなった『妹達(シスターズ)』のために祈る気持ちだけだった。 上条はいつしかぼうっと、彼女たちの、中でも美琴の横顔を見つめていた。 オレンジ色に揺れる光が水面に浮かべられていく。 その光に照らされた美琴の顔が、より神秘的に、そしてより魅力的に感じられて、彼は思わず固唾を呑んでいた。「あなたはなにを見ているのですか、とミサカ10032号は心配そうに尋ねます」 突然御坂妹から声を掛けられた上条は、はっと我に返る。「ああいや、なんでもないなんでもない」 慌てて視線を手元へ戻し、火を灯した灯籠船を彼は静かに水面へ浮かべた。 押しやるように手を離すと、ぼんやり光る小さな船がゆらゆらと揺れて、川岸からゆっくりと離れていく。 川面に浮かぶ6つの灯籠が、ゆっくりと回りながら、流れに乗って川を下っていく。 学園都市製の素材で出来たこの灯籠船は、流れていくうちに全て水に分解されるという環境に優しいもの。だから富栄養化の原因にもならず、河川を汚す心配もない。 ふと川下を眺めてみれば、ずっと遠くのほうで同じような灯籠流しの明かりが見えた。 それは第12学区にある仏教系の学校が主催する灯籠流しイベントの明かり。 本来なら盂蘭盆会の送り火として行われる灯籠流しも、ここ学園都市では第12学区主催のイベントとして行われている。 だからこうして灯籠船も手に入るわけだし、ここで灯籠流しをしても、誰に見咎められることもない。 流れていく灯籠を見送りながら、上条と美琴、そして妹達はじっとたたずんでいた。 この学園都市の闇に殺された『妹達(シスターズ)』が、これ以上悲しい思いをしなくてもいいようにと、彼と彼女たちはそっと祈りを捧げる。 上条には流れていく灯籠の明かりが、何となく残された彼女たちを頼むと言っているような気がしていた。 死んだ妹達がどう埋葬されたかは、残された彼女らに聞いても明かしてはくれない。 だから彼女たちがどこに眠っているのか、それは上条にも美琴にもわからないのだ。 この学園都市が死者に冷たい街かというと、見かけほどではない。現に第10学区には、学園都市が作り、運営する共同墓地だって存在する。 だがそこに眠る者は、恵まれた境遇にあった者ではないのが、この街の真実を物語ってはいるのだが。 そんなことを思っていた上条に答えるかのごとく、美琴の言葉が耳に入ってきた。「私、いずれは、死んだ妹達全員に、お墓を用意してあげたいって思ってるの。でもレベル5といったって、まだ中学生の私には、ここにいるアンタたちの浴衣を用意してあげるので精一杯なんだ。あの実験の責任を取ることも、取らせることだって出来やしない。死んだあの子達を弔ってあげることだって、こんなことしかしてあげられないし、残った妹達全員の様子さえ、把握できてるわけでもないのよ。ごめんね。不甲斐ない姉で。でも今は無理でも、いずれはアンタたちみんな、私が責任もって面倒見るようにするから……」 流れゆく灯籠を見つめながら、美琴が傍らに佇む妹達へ、独り言のように語っていた。 俯き加減の彼女の頬を、流れる涙が光って見えた。 『妹達(シスターズ)』のことは、今はまだ、決して表に出されることのないこの街の闇でもある。 だからこの先、彼女たちを守っていくことは、並大抵のことではない。 それでも御坂美琴はくじけないし、あきらめない。今はまだ無理でも、この先のことはわからないから。未来を信じられるのは、いつの時代でも、若者の特権だから。 彼女にとって幸いなのは、あの時の彼女と異なり、ひとりぼっちではないこと。 『妹達(シスターズ)』の処遇については、当事者の彼女はもちろん、冥土帰しと一部研究者、それに理事会の一部メンバーの協力とて得られている。 真実を打ち明ければ、彼女の両親とて協力を惜しまないはずだろうし、もしかしたら彼女の父親、御坂旅掛はすでに知っているのかもしれない。 そして何よりここにもう1人、彼女の重荷を一緒に背負うと密かに決めている男だっていたのだから。「お姉さま……」 妹達から、感極まるような声がした。なにやら鼻をすすりあげるような音だってしている。 19090号だろうか、顔を手で覆って、しゃくりあげている妹達だっている。 いつのまにか、彼女たちもこうして、感情表現が出来るようになっていた。 それぞれが嬉しいとか悲しいとか、基本的な感情はすでに会得している。 そんな彼女たちの姿を目にして、上条も目頭を熱くさせていた。 もちろんそんな姉妹たちの間へ、割り込むような無粋なことは彼だってしない。 美琴を囲むように妹達が抱きついているのを、彼は黙って優しい気持ちで眺めていたのだった。 突然、遠くの川下の方から、何かが破裂するような大きな音と共に、夜空に色とりどりの光の花が咲いた。 灯籠流しと一緒に催される花火大会が始まった。 これも美琴が、この催しを今日行う方が良いと決めた理由のひとつ。 しかしここからだと、すぐ目の前の鉄橋に邪魔されて、うまく見えない。だがあの鉄橋の上からなら、見えるであろうことに、上条は気がついた。 この河原から鉄橋までは、土手を上がって少しのところ。 だから彼は、彼女たちへと声を掛けた。「――鉄橋まで行って、花火を見ないか?」 多分これまで、妹達は花火大会なぞ、まともに見たことなんてないだろう。 かといって、人目のつくところへ彼女たちを連れて行くわけにもいかない。 だが会場からかなりの距離があるこの鉄橋でなら、見物客もそれほど多くない。 やや薄暗い街灯の明かりの下なら、彼女たちの素性もわかりにくいだろう。 だから美琴が、この場所を選んだことに、上条は感心していた。 妹達のために、そこまで考えていた彼女の思いが、彼にはよくわかる。 そうなると、ここまであまり気にしていなかったことが、上条の頭をよぎる。 だがこれを直接、美琴に聞くのは憚られた。 ここへ来るまでに、まだ残されている彼女の苦悩を知った彼にとって、それはデリケートに扱うべき問題であるからだ。「なあ御坂妹。ちょっと聞きたいんだが、いいかな?」 皆で鉄橋まで歩く途中、彼女たちの後ろからついていく上条は、御坂妹を小声で呼び止めた。「なんでしょうか、とミサカ10032号は急にあなたに呼び止められて、ちょっとドキドキしながら答えます」「――いやいや。たいしたことじゃないんだが、打ち止めと番外個体は今日は来なかったのか?」 御坂妹が――チッ、と小さく舌打をして、「ここに来ていない女の話をするなんて、この唐変木め、とミサカ10032号は乙女心がわからないあなたにガックリします」「あのね、御坂妹サン。そういうことでなくてですね……」「ええ、わかってますよ。お姉さまはあの2人にも、ちゃんと浴衣をプレゼントしています、とミサカ10032号は真面目に回答します。お姉さまとセロ……保護者との間に、まだわだかまりが残っていることを案じた上位個体からの要望で、今日、あの2人は別行動となったのです、とミサカ10032号は内情を打ち明けます。ちなみにあの保護者は、これまでかつての実験場を一つ一つ回って、ミサカたちへ追悼の気持ちを表しているようです。保護者本人は上位個体のお願いだからと言い訳をしているようですが、とミサカ10032号はツンデレセロリにはもう飽き飽きしました。今夜の3人は、あの操車場にいるようです、とミサカ10032号は先ほど上位個体から連絡があったことを伝えます」「そうか。ありがとうな、御坂妹」 上条は御坂妹からの話を聞いて、気持ちが少し軽くなった気がして、ほっと息を吐いた。 一方通行がそうした気持ちでいてさえくれれば、美琴もいつか恩讐を越えられる時が来るんじゃないかと彼は思った。 別に彼女に忘れてやれとも、許してやれとも言うつもりはない。 ただいつか2人の間に、このわだかまりを越えた関係が結ばれることになればいいと思っただけなのだ。 全員揃って、笑ってこの日を迎えることが出来るよう、彼女に寄り添っていたいと思いながら、上条は優しく笑みを浮かべて、美琴の後姿を見守っていた。「あのもしかして、あなたは……」 突然傍らから、妹達の1人が小さく声を掛けてきた。「――お姉さまとの間に、なにか心理的変化があったのでしょうか、とミサカ13577号は違和感を感じながらあなたに問いかけます」「えっ……」 いきなりの問いかけに、上条は不意をつかれて焦る。 急に10039号が、彼の左手をつかむと、手のひらを合わせてきた。どうやらバイタルを計るつもりらしい。 それで心理的変化がわかるのか疑問であったが、1年前の病室で体験したような、胸に当てられて計られるよりはましだと上条は思う。 その張本人たる御坂妹の後ろから、19090号も気になる様子で彼を見ている。いつのまにか周りをぐるっと妹達に囲まれていた。「ああもう、アンタたちってば!」 ああ、気付かれてしまった、といつもの美琴の声を聞きながら、声のした方向に上条が目をやると、それはいつもの彼女ではなかった。 普段の彼女ならビリビリしながら、無理やりにでも自分のことを引き離そうとするのが、なぜかその時の彼女は笑っていたのだ。 手を引っ張って連れだしてくれるのかと、わずかに期待した上条だったが、直後の美琴の言葉でそれも吹き飛んでしまうこととなる。「――今日ぐらいは勘弁してあげるから、ほどほどにしておきなさいよ……」 そう言うと、くるりと向こうをむいて、そのままからころと、鉄橋へ向けて歩きだした。先、行くわよと言いながら、彼女は後ろを振り返らずにどんどん遠ざかる。 だが向こうをむく直前の美琴の目が、寂しさをたたえていたことに、上条は気が付いた。遠ざかっていく彼女の背中が、何かを待っているようにも思えてしまう。 なぜ彼女がそんな目をしていたのか、何を待っているのか上条にはわからなかった。 それでも彼女にはそんな顔をさせたくない、と彼の中で何かの感情が弾ける。思わず追いかけて、手を伸ばし、彼女をつかまえ、ぐっと抱き締めたくなる衝動に駆られていた。 だが彼の周りを取り囲む妹達が離してはくれなかった。「あのせめて……」 珍しく19090号が声を張り上げていた。彼の前では普段、恥ずかしそうに小さな声でしか話さない彼女が、顔を赤らめながらも必死な面持ちで上条に話そうとしていた。「――今だけは、ミサカたちのあなたでいてくれませんか……とミサカ19090号は……」「は?」 小さくなっていく彼女の言葉に戸惑う上条へ、畳み掛けるように、13577号が詰め寄ってきた。「どうやらあなたはお姉さまに心を惹かれているように思われるのですが、とミサカ13577号はじっとあなたの顔を見つめながら問い詰めます」「今のバイタルの変化データからも、おそらくあなたはお姉さまに恋愛感情を抱いていると判断されました、とミサカ10039号は結論を述べます」「ですので私たちとしては、このあたりで敗北を認め、あなたにお姉さまを託すとしても……」 御坂妹が泣きそうな顔をして上条の顔を見上げてきた。 彼女だけでなく、10039号も、13577号も、そして19090号もだった。「――今だけで構いません。ミサカたちに少し時間をください、とミサカ10032号はあなたに心からのお願いをしています」「おお、お俺が、み、みみ美琴に、ここ、こ恋してるってのはちょっと置いといて。お前たちに時間をって、なんだ?」 なんとか平静を装ってみようとするが、美琴への思いをずばり指摘されての動揺は隠せなかった。 そんな上条を見て、妹達全員が、まるでどこぞのお姉さまそっくりだと言わんばかりに、ふぅとため息をつく。「1年前、私たちはあなたに、この命を救っていただきました。おかげでこうして、いろいろな経験をしてきました」 じっと10039号が真剣な眼差しで、上条を見つめてくる。 以前のように、瞳孔が開いたような無感情な瞳ではなく、きちんと感情の動きが見えるようになっている。「あなたのおかげで、ミサカたちは喜びも哀しみも、怒りも楽しみも、憧れもさらには愛情だって持てるようになりました」「そんなあなたに、ミサカたちは恋をしてしまいました。この感情が好きというものであるなら、これは間違いなく恋だと断言します」 13577号が柔らかな笑みを浮かべて、彼を見つめている。目の力はまだ弱いものの、それでも充分に感情が篭った目をしている。 19090号が顔を真っ赤にしながらも、彼女なりに精一杯の気持ちを込めて告白を続ける。 妹達の中で、10032号以上に感情表現が多彩な彼女の、ころころと変わる表情は愛らしく思わせる。「あなたは、こうしてミサカたちが思いを告げても、お姉さまを追いかけていくのでしょうか、とミサカ10032号は涙をこらえてあなたを引き止めます」 御坂妹が、ちょっと悲しげな笑みを浮かべて、上条を見つめてきた。 普段のすました顔や、よくするいたずらっぽい表情の御坂妹が、こんなにも切なそうな少女の顔をしていると、彼の心がズキリと痛む。 それでも自分の気持ちに嘘は吐きたくないし、彼女たちもそれを覚悟しているのなら、と真摯に向き合うことを、上条は心に決める。「ああ。俺は美琴が好きだ。出来る限りアイツを支えたい。助けたい。お前たちの気持ちは嬉しいけれど、その思いには応えられない」「やはりそうですか、とミサカ10039号は予想通りの結果に終わったことに落胆を隠せません」 彼に振られた妹達が、がっくりと肩を落としている様子に、上条は申し訳なさを感じつつも、一方ではそんな彼女たちを見て、この1年の間に、妹達は本当に人間らしくなったとも思っていた。 オリジナルの美琴ほど、豊かではないにしても、今では普通の人間とほとんど変わりがないほどの感情表現をしていると。 かつては実験動物だとか、感情なき人形などと呼ばれたこともあったが、やはり彼女たちは人間で間違いなかったのだと、彼は改めて実感していた。「こうしてミサカたちに、失恋という経験もさせてくれるあなたは、やはりミサカたちの大切な人なのだ、とミサカ10032号は、ますますあなたを好きになりました。だからあなたに愛と感謝をこめて、抱き締めさせてくださいとお願いします」「ああ、いいとも……」 それが彼女たちの希望であるならば、断ることなんてしたくない。少しでも彼女たちの悲しみを軽くしてやることが出来るのなら尚更だ。 なにより彼女たちにこうして愛の告白をされるほどに、自分が慕われていたという事実が意外ではあったが、嬉しくもあった。 あの時は自分の思うがままに行動したことなのに、こうして彼女たちに慕われるほど認められていたことが、単純に嬉しく感じられた。 だから彼女たちへ感謝をしたいのはむしろ自分のほうなのだと、上条は思う。 すぐに御坂妹はじめ、4人がかわるがわる上条を抱き締めてきた。 キスをするとかそんな恋愛じみたものでなく、子供が親にするような、親が子供にするような、温かみのある心のこもった抱擁。 もちろん上条も感謝の気持ちをこめて、彼女たちを慈しむように抱き締め返す。 幸いここは街灯の間の暗がりなうえ、周囲に人の目もないため、誰かに見られて困るようなこともない。 もし見られでもしたら、浴衣姿の美少女たちと次々抱擁を交わすなんて、羨望と嫉妬の嵐を浴びることは間違いないだろう。「初恋は実らないと聞きましたが、やはりそうだったのですね、とミサカ19090号は切ない乙女心いっぱいに身もだえします」「だとすると、上位個体の初恋は……とミサカ10039号は、ああっ運営さま、お仕置きは勘弁してえええ!!」「それよりも失恋は女を磨くものなんだそうです、とミサカ13577号はこれからより一層いい女への階段を上がっていくことを宣言します」「ネットワークによれば、男なんて星の数! 女の恋は上書き保存! だそうです、とミサカ10032号はこれから失恋パーティを開くことを提議します」 妹達がわいわい言っているのを眺め、上条はいつしか和やかな気持ちになっていた。 失恋だといいながら、いつもと変わらぬ彼女たちの様子に、上条は正直ほっとしていた。 おそらく憧れだとか、多感な時期特有の、恋に恋するみたいなものもあったのだろう。 彼女たちが思いのほか落ち込んでないことが、彼にとっての救いだった。 流れていく灯篭と一緒に、彼女たちの悲しみも流れてしまうことを願ってやまなかった。「それはそうと、そろそろお姉さまのところへ行ってあげてください、とミサカ19090号はあなたにお願いします」「そうです。どうかお姉さまをよろしくお願いします、とミサカ13577号はちっとばかし甲斐性を見せやがれ、と内心毒づきます」「さあ、お姉さまがお待ちかねですから、とミサカ10039号はとっとと行きやがれ、唐変木め、とこっそり罵ります」「お姉さまを泣かせるようなことがあれば承知しませんから、とミサカ10032号は目の前にいる女の敵を睨み付けます」「……」 落ち込んだのは自分のほうだったのかもしれない。「でもな、お前たち。お姉さまをよろしくったって、美琴は俺のことなんて、何とも思ってないんだぞ」 その途端、妹達の表情が変わる。皆ぽかんとして、なにやら呆れたような面持ちをしていた。「あなたは本気でそう思っているのですか? とミサカ10039号は信じらんねえよコイツと思いながら問いかけます」「え? そうだそうなのそうなんですよって三段活用!? そもそも不幸体質の上条さんに、そんな超絶恋愛フラグみたいなハッピーイベント、あるわけないんですからっ!」「あなたは、本当にご自分の片思いだと? とミサカ19090号は、うわあマジだぜコイツ、と呆れかえって、もう放っておこうぜこんな馬鹿」 大真面目な顔で否定する上条に、妹達はやれやれという顔をする。 その時上条は、妹達が自分たちを振ってまで、片思いを貫こうとする自分のことを案じているのだと思っていた。「ああ。俺は別に片想いだって構わねぇと思ってる。俺が美琴を支えてやりたいと思ってるんだから、それで十分じゃないか。そもそもアイツが俺のことを好きだなんてありえねえし、せいぜい男友達程度にしか思ってないだろ。大体美琴のような美少女超能力者と、俺みたいな万年不幸な無能力者では、吊り合い取れないからな!」 上条は今しがたまで美琴のことを、友達、戦友、仲間、相棒のようなものだと思っていた。 だから彼女の方だって自分のことは、気の置けない友人みたいなつもりでいるのだろうと思いこんでいるのだ。「そうですか、あなたはそんな風に思っていたのですね、とミサカ13577号は、くたばれこの旗折野郎(フラグブレイカー)めと心の中で罵倒します」「なにそれ、ひどっ!!」 それでも彼は、案じてくれている(はずの)妹達へ、感謝の気持ちだけはきちんと伝えようとはしていた。「でもまあ俺だって振られたら、お前たちと一緒なんだし。ま、振った振られたというのを抜きにして、友達としていつかまた、どっかへ遊びにでも行こうや」「その時はぜひお願いします、とミサカ10039号はあなたの言葉に安心して、お前の奢りでな、と内心を隠しつつ返事をします」「これからも変わらぬお付き合いをお願いします、とミサカ19090号はあなたに言いながら、けっ、やってらんねえやと内心は隠します」「とりあえずミサカたちは、これから別行動をとりますから、とミサカ10032号は、いいからさっさと行きやがれ! と吐き捨てます」 結局ほうほうの態で送り出された上条だった。(あの方は行きましたね、と10032号は確認します)(13577号、あの方はお姉さまを選んだのですね)(私たちでは、あの方の特別にはなれなかったのですよ、19090号?)(はい。でもそれはお姉さまでよかったのだと思います。そうではありませんか、10039号?)(それだけは私たちが喜ぶべきことだと……でもやはり辛いですね、19090号……)(10032号、涙は禁物です。でなければ、あの方もミサカたちの涙に苦しむことでしょう)(10039号、失恋にはやけ酒がいいとのネットワークからの情報です)(では上位個体を通じて、セロリにお酒を調達させましょうか、13577号?)(ならついでにお酌もさせましょう、と19090号は提案します)----------------------------------------------------------------「あのね、10032号がお酒を欲しいんだって。そんな10032号からのお願い、聞いてあげて欲しいなって、ミサカはミサカは妹達を代表してお願いしてみたり」「何ィ。酒だと? そンなもの、アイツらがなンで欲しがるンだ?」「失恋にはやけ酒なんだって、とミサカはミサカはなんだかちょっとしんみり複雑な気分……」「――チッ、めンどくせェ。アイツらに少し待ってろと言っとけ……」「げ、ミサカ、その話は聞きたくなかったよおーー! いやああ、そんな酒混じりの負の感情は勘弁してぇぇええ!!」 その夜のミサカネットワークはずっと混乱が続いたらしい。----------------------------------------------------------------- 上条が鉄橋につく頃には、花火大会もすっかり佳境に入っていた。 彼は美琴の姿を探して、あちこち目をやりながら橋の上を行く。 歩道上には様々な装いの恋人たちがちらほらと、欄干にもたれて腕を組み、肩を寄せ合って花火に見入っていた。 やがてぽつんと1人で佇む、浴衣姿の女の子が目に止まる。 欄干にもたれて、じっと花火を見つめていたのは、もちろん美琴だ。 それを目にした上条の頭の中には、もう目の前にいる愛しい少女のことしかなかった。 いつもなら大切に思っているはずの銀髪碧眼のシスターのことさえ、思い浮かばないほどに。 何を思うのか、何を思っているのか、無表情のようにも見えるその顔に、上条の心が抉られる。 花火の光で七色に照らされる彼女の表情は、なんとなく儚げな感じもしていた。 これまで何度か彼女を待たせたことはあったが、いつもなら電撃か超電磁砲を繰り出して、真っ赤な顔をする彼女の姿しか見たことがなかったのに、なんで今夜は、そんな顔をしているんだろうと思う。 上条が今まで見たことのない、美琴が見せたことがないその面持ちに、なぜか彼の胸が切なく痛む。 もしかして、彼女は、ずっと、その顔で、誰かを、待っている? 誰を? 誰だ? それが誰なら、俺は……。 美琴にそんな顔をさせる誰かに、上条はいつしか黒い感情を持ってしまった。 多分彼女の心には、そんな顔をさせる誰かがいるのだろうと思うと、思わずこの場から逃げ出したい衝動に駆られる。 だが別れる間際の寂しそうな彼女の目が気になったのを思い出すと、彼はぐっとその衝動を押さえ込み、黙って美琴の隣に位置を占めた。 すっと無言で横に立った彼に気がついた美琴が、さも待ちわびたかのように声を掛けてきた。「――お疲れさま。あの子たちは?」 彼のほうへ振り向いた美琴は、優しく笑っていた。 ついさっきまでの儚げな面持ちではなく、心から楽しそうな笑顔でもって。 その満面の笑みに魅入られたように、上条は美琴から目を離すことが出来なくなった。「別行動をとりたいそうだ」 そう答えながら彼はじっと、彼女の顔を見つめ続ける。 上条はその時、たとえ美琴の心に誰がいようとも、自分のこの気持ちは否定できないことをあらためて思い返していた。 ふと思い出されたのは、あの誓いを交わした魔術師のこと。あの男の思いが今更ながら、自分にもわかるような気がした。 決して自分には向けられない、彼女の気持ちを解っているにもかかわらず、それでも守ると誓わせたあの想いには負けたくないと上条は思う。 あの男に出来るのなら、そう誓った自分こそ、その思いに答えたいと。今ではあの誓いの重さが、ずっしりと身にしみてわかる。 苦しみ、辛さ、切なさ、悔しさ、妬ましさに虚しさ。そんなものを胸いっぱいに抱えたままにあの男は去っていった。 できるなら、あの魔術師ともっといろいろ語り合ってみるのもいいかもしれないと、あれから姿を見せない男のことが、彼の脳裏を過ぎっていたのだった。「どうしたの? じっと見つめてきたりして……」「あ……、いやなんでもない」 美琴が彼の視線に照れたように顔を赤くしていた。上条もはっと気がついたように、顔を赤らめた。 お互いになぜか顔を合わせられないような気恥ずかしさを感じ、ふいっと川の方へと顔を向ける。 花火大会もそろそろ終わりに近づいているのか、間断なく色とりどりの花火が打ち上がっているというのに。 肩を並べて欄干にもたれ、じっと花火を見ているつもりが、いつの間にか視線が相手の顔へといってしまう。 ちろりと視線が交差しては、ぶわっと音がするようにまた、花火の方へと顔を戻す。 そんなことを何度か繰り返すうちに、「なあ……」 最初に話かけたのは上条の方。「なによ……」 美琴もぼそりとそれに答える。 ぶっきらぼうに答えたようでも、彼女の心臓は実は、ばくばくと脈打っていた。 上条の方も同じように、高鳴る胸の鼓動を押さえきれない。 実は2人とも、相手にこの心臓のドキドキ音が聞こえやしないかと、冷や冷やしていたのだ。「花火……、見ないのか」「見てるわよ……」 そうして2人はようやく、花火のほうへ気持ちを切り替える。 だが相手のことを気にしすぎて、お互いが意識しあっていることにも気付かない。「今日はありがと……」 ようやく動悸も治まった頃、美琴がぽつんと呟くように言った。 その言葉に上条が硬くなっていた表情を崩す。「ん? どうした?」「――いろいろ付き合ってくれて。手だって……握っててくれたし」「んなの気にすんなよ。俺だってお前らのためなら、いくらでも協力するからさ。もっと頼ってくれていいんだぜ?」 そう会話しながら、じっと川のほうを見つめ続ける2人。 美琴は優しげな表情のまま、彼との会話を続ける。「うん、頼りにしてるから」「そっか。そういわれると嬉しいもんだな」 上条の表情がさらに柔らかくなった。ほのかに顔も赤い。「俺だって、その……お前を頼りに思うことだってあるんだぜ」「課題とか、課題とか、課題とかでしょ? 後は料理?」「えー、それでは上条さんがまるで、ダメな人みたいじゃないでせうか」「でもその通りじゃない」「まあ、否定出来ないのが辛いとこですけどね」 美琴とこうして他愛もない会話をすることさえも、上条には本当に楽しくて、嬉しい。(あーだめだ。ついつい意識しちまうと、どうしたって美琴のほうに目が行っちまう) 上条はそんなことを思い、なんとか意識を美琴のほうから逸らそうと、頭をガシガシと掻いてみたが、やっぱりついちらりと横目で彼女の方を窺ってしまう。 川から吹く風にあおられて、彼女のほつれ毛がふわふわと踊っている。 その動きがまるで、彼女に翻弄される自分のようにも思えて、ちょっとだけ情けないような気持ちにもなって。 それでも美琴と一緒にいたいという思いは消せなくて、自分の隣に彼女がいる光景を想像しただけで、ついつい頬が緩んでしまう。「なあに? 今日はにやにやとしてばっかりで……」「あ……」(――見られた。かっこ悪っ!)「――お前のほうこそ、なにずっとニヤついてるんだよ?」「にゃ、にゃんでもにゃいっ」 美琴はそう言うと、ぷいっと視線を避けるように顔を背けてしまった。 どことなく顔が赤く見えるのは、花火のせいなのだろうか。 それでもそんな彼女のちょっとした仕草にも、心惹かれるものがあって。 彼女の全てが可愛くて、愛しくて、切なくて身悶えしそうなほどに彼の心を惑わしていく。 こうして隣にいるだけで、ついふらふらと抱き締めてしまいそうになるくらいに理性が揺さぶられる。(――もっと美琴と一緒にいたい……) 傍にいれば、ますます強くなる彼女への恋心。 そんな上条の恋心が、炎のように彼のすべてを燃えつくす時が来ようとは、神様とて予想だにしなかっただろう。「ねえ、アンタは残りの夏休み、何か予定あるの?」「いや、せいぜい課題を片付けるぐらいかな」「ふーん、そうなんだ……」「お前はどうなんだ? なんか予定、あるのか?」「んー何も。黒子は風紀委員でよく出かけたりしてるから、ほとんど1人きりで、予定なんて何も無いんだけど……」 彼女はそう言うと、ちらりと意味ありげな視線を上条に送る。 美琴からの奥歯にものが挟まったような言い方とその視線に、上条はなけなしの頭脳で、必死になって考えた。(こ、これはもしかして、デ、デートに誘えってことじゃ……なんてそんな都合のいいことなんて、この俺にっ……) あいにく本日入門したばかりの恋愛初心者は、どんどんとハードルを上げていくばかり。 これまでなら何も考えずに「じゃあどっか行くか?」とか「課題を手伝ってくれ」と誘っていたのが、なまじ意識をしてしまったばかりに、却って何も出来なくなってしまった。(あああっ、それでもなんとか美琴をデートに誘いたいっ。でもヘタレな上条さんには、そんな勇気はありませんのことよ!いっそ去年のコイツみたいに恋人ごっこを頼んでみるか。いや、さすがにそれはハードル高けぇし。そうだ! 夏休みの課題だ! その手伝いをお願いして、後はそのお礼ということで、デートに誘う!これで俺の計画は完璧っ!) ならばチャンスとばかりに、彼は攻勢に転じた。「じゃあ、美琴センセーに、ちょっと頼みがあるんだけど……」「何? 夏休みの課題? そのくらいは自分独りでやりなさいよ……」「げっ!」 一瞬のうちに逆襲をくらって当てが外れ、がっくりと肩を落として「不幸だ……」などと呟いている上条を見た美琴がクスリと笑った。「――なーんちゃってね。断るわけないじゃない。私がアンタの頼み、一度でも断ったこと、ある?」「ははは、ソウデシタネ。上条サン、チョットドキットシマシタ」「で、当然、後でお礼はしてくれるんでしょ?」「も、もちろんですとも! ちゃんとデートにお誘いしまっ……」 そう言いかけてから彼は、はっと気がついた。 美琴が驚いたように自分を見ている。 その表情を見て、彼は一瞬熱くなりかけた気持ちが、すっと醒めていく。胸の奥にもチクリとした痛みさえも感じていた。 友達だと思っていた男から、突然そんな言葉が出て、やっぱり彼女は戸惑ったんだと思い、咄嗟に誤魔化そうとして、「あーいやいや、それは言葉のアヤってやつで、俺は決してそんなつもりで言ったわけではなくて……」 そう言ったとたん、美琴の表情が目に見えて、暗く沈んだのはなぜだろうか。(――あれ? もしかして俺は、とんでもない勘違いをしている?) ――あなたは、本当にご自分の片思いだと?(まさか、とは思うけど、でもアイツらの言葉通りだとしたら……) ――お姉さまがお待ちかねです(美琴が待っているのは、本当は俺……なのか?) ――お姉さまを泣かせるようなことがあれば承知しません(いや、だとしても俺は、美琴にそんな顔をして欲しくないんだ。悲しんで欲しくないんだ) いま目の前の彼女にかけてやれる言葉が、自分の中にあるのかと考えたとき、それにふさわしい言葉が……言えなかった。 彼女が求める言葉が何なのか、彼女に必要な言葉が何なのか、絶賛初恋片思い中の彼にはわかっていたけれど、言えなかった。 それでも彼女に声をかけてやりたい、沈んでいる彼女をなんとかしてやりたい。 誰かに相談するか、あるいはもう少し冷静になれたなら、上条は迷うことなく真っ直ぐに「好きだ」と自分の想いを告げただろう。 だが今の彼にはそんな余裕も、そんな冷静な判断も出来なかった。(でも……もし違っていて、彼女に変に思われたら? 今までの関係が壊れてしまったら?) 嫌われること、離れてしまうことへの恐怖が、彼の思考を止めてしまっていた。 気持ちがふらふらと揺らいで、「好きだ」というたったひとつの言葉が言えずに、彼はその場で逡巡する。 恋は盲目とはよく言ったもので、あれこれと考えすぎて思考の迷宮へ落ちていくやに思われた時だった。(それでもやっぱり俺は、美琴に悲しんで欲しくないんだ。もしかしてあの言葉なら……) 思い出したのは、彼がクラスメイトとの間で交わしたちょっとした雑談。 夏目漱石が学校の先生をしていたとき、「I love you」を生徒が「我君ヲ愛ス」としたのを、違う言葉に訳させ、日本人ならそれでわかるものだ、と言ったエピソード。 真偽のほどはともかく、そのものずばり言わないなんて、と彼はその時思ったが、こうして自分がこの状態に陥ってしまえば、その言葉のありがたさがよくわかる。 出来る限り彼女の思いに応えられて、もし違った場合でも、言い訳が出来る言葉はこれしかないと彼は思った。――よしっ! 上条は一か八かの勝負に出る。常盤台のお嬢様なら、この言葉が意味することは知っていることを信じて。「月が綺麗だな」 何の脈絡もなく、降って湧いたような彼からの言葉に、美琴は一瞬きょとんとした。(え? 月って、なに?) 彼女は咄嗟に月の在りかを探しかけたところで、思い出したのは今日の月齢。 花火のついでに月見でもと思い、今夜の月齢を調べたら、月齢21だったことを。そして月の出は夜10時過ぎだったはず。 だから今はまだ、月はまだその姿を現していない。なのになぜ上条は「月が綺麗だ」などと言ったのか。 思い当たる節はひとつしかなかった。彼女の脳裏に浮かんだのは、上条が知っているエピソードと同じもの。 だが美琴には、上条がそんなことを知っているとは思えなかった。 それでも確かに彼はそう言ったし、そう聞こえた。ならその言葉を信じようと彼女は思う。 なんとなく上条が自分のことを、気にしてくれているのだという感じがしていたから。 たとえその言葉が、そういう意味でなくたって構わない。彼はこうして自分の隣にいてくれている。 だから上条の気持ちはどうあれ、自分が彼のことを好きだという気持ちを伝えるのに、良い機会だと思った。 迷いがあったって、素直でなくたって、どんなに不安で怖くても、この言葉なら言えそうな気がするのだ。 高鳴る胸の鼓動を感じながら、美琴は精一杯の勇気を振り絞って、上条にこの言葉を伝えた。「月が綺麗よね」 美琴はそう言って、震える手を、ゆっくりと彼の腕へと廻す。 もしこの手が振り払われたら、自分はこの先、どんな顔をして過ごすことになるのかと思いながら。 彼女の手が上条の二の腕に触れた瞬間、肘がぴくりとしたものの、彼はただ驚いたような顔で美琴を見つめているだけ。 ままよとばかり、腕を抱え込むように、美琴は抱きついた。 突然の彼女からのモーションに、戸惑っていた上条は、彼女がじっと自分の顔を見上げていることに気がついた。 街灯の明かりの下で上条が見た美琴の表情は、目を潤ませて本当に嬉しそうな笑顔に見えた。 打ちあがる花火の光が、彼女の瞳に映えて七色の輝きを魅せている。 なぜ瞳を潤ませるほどに喜んでいるのかまではわからなかったが、それでも自分の言葉が、彼女の心に届いたのは確かなようだ。 その時彼は、自分が賭けに勝ったことを悟った。 ならばいつものように、思いのままに突き進もうと決める。 美琴が恥ずかしそうに語りかけてくるのを聞きながら。「ねぇ……」 彼は美琴の顔へと手を伸ばし――「当麻の課題を手伝ったら……」 彼女の頬に手を添える――「お礼に……」 美琴がそっと目を閉じて――「デートに誘ってほし……」 上条はゆっくりと顔を近づけると――「――ん……」 優しく――――2つの影が1つになる。 この瞬間、一際大きな花火が、暗い夜空に大輪の花を咲かせていた。 去年の8月31日に上条と美琴が繰り広げた恋人ごっこ。 それが今年は、本物の恋人とのデートになりそうだと、唇に余韻を残しながら上条は思う。 美琴が彼にぎゅっと抱きついている。上条もそんな彼女を、しっかりとその腕に抱きとめる。 夏休みが終わるまで、あと10日。その間に片付けておきたい問題は山積みだ。 上条は、この最後の10日間を、心に残るような記憶にしたいと思った。 再び記憶喪失になったとしても、これだけは失わないような堅固な記憶になるようにと願いながら、彼ははっきり言葉に出して、この気持ちを伝える。「――――好きだ。美琴」 鉄橋を吹き抜ける川風がひんやりと感じられて、上条は火照った頭を冷ましてくれるように感じていた。 花火大会もいつの間にか終わり、鉄橋上にいた見物客もすっかり引き上げてしまっている。 抱き合っているカップルに、ちらりと一瞥を投げかけるような無粋な視線も消えて、もはや人影も疎らになっていた。 後にはちらほらと見える、花火大会の余韻に浸っている恋人たちだけが残された。 そんな恋人たちに混じって、つい今しがたその仲間入りを果たした新入生が、互いの体温を感じつつきつく抱き締めあっている。 男は溢れるような恋心を、女はずっと秘めてきた想いを、ドラマティックな情熱とミステリアスな言葉で以って、強い絆へと結い上げた。 上条当麻と御坂美琴の恋物語は、この夏の夜にゴールを迎え、これから恋人物語としてのスタートを切る。 彼は腕の中で感涙にむせぶ、彼女の声を聞きながら、最前言われた妹達の言葉を思い返していた。――お姉さまをよろしくお願いします。 上条にはこの世にいない妹達からも、美琴のことを託されたように感じられ、ちょうど地平から上りつつある月に向かって「必ず守るからな」とだけ呟いた。 ~~ THE END ~~
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【本文】 『第一部 姫神秋沙』 『第二部 五和』 『第三部 御坂美琴』 『第四部 ミサカ10032号』 『第五部 白井黒子』 『第六部 風斬氷華』 『第七部 月詠小萌』 『第八部 バードウェイ』 『第九部 神裂火織』 『第十部 インデックス』 【初出】 2008/10/16 禁書SS自作スレ で連載開始。 2008/11/10 『インデックス編』をもって完結。 【著者】 3-802 (トリップなし) 【あらすじ】 今日も平和なとある高校。 やっぱり騒動の中心にいる上条当麻に、クラスメイトの一人がこう声をかける。 「君って雑草みたい」 それを皮切りに、会う人皆から「雑草」と呼ばれる上条だったが…。 【解説】 「weed」 すなわち「雑草」。 上条君が各ヒロイン達に雑草扱いされ続ける短編集。 意外と的確な表現ですよね、雑草って。
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(このページを編集) 身内以外もいた時があったと、10032号は冷静に述べてみる。(-^; Rosary Hill(Master) ギルマスだよ。 コメントもらったら何か書くよ。 Hachimaru(オーラタイプ) はっちーだよ。 コメントもらったら何か書くよ。 Ckt(ラッシュタイプ) @wikiつくってみたよ。 エリアルコンボ。って何かかっこいいよね。 Layze 魔法使いだよ。 コメントもらったら何か書くよ。 Cheaney 弓使いだよ。 コメントもらったら何か書くよ。 当サイトで利用している画像及びデータは、NHN Japan 株式会社及びEYEDENTITY GAMES, Inc.に帰属します。許可なく、画像やデータの転用はできません。 Published by NHN Japan Corporation. Copyright © EYEDENTITY GAMES, Inc. All rights reserved. http //dragonnest.hangame.co.jp/ ★広告
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/Time enough for Love 第5章 妹達(シスターズ) 13. 「Life of Sisters」 ここはロンドン市内の某所。 『MISAKA-CONSULTANT』、窓も無い殺風景なオフィス。 上条はソファーに腰を落ち着け、出されたコーヒーを啜っていた。 無機質な空間に似合わぬ、美少女と2人きりで。 本来なら喜ぶべき場面にもかかわらず、彼の心は目の前のコーヒーのように暗く、濁っていた。 その少女は『妹達(シスターズ)』と呼ばれていた。 上条当麻の恋人、御坂美琴のDNAを元に作られた『軍用クローン』として、学園都市の闇から生まれ、闇に殺された『妹達(シスターズ)』。 かつて上条の右手の力で地獄から救われた……はずの『妹達(シスターズ)』。 本来、治療のためにどこかの研究所にいるはずの彼女が、なぜここにいるのか? 彼女が言った、最後の1人とはいったい? 俺の正面に座る、この世に生まれてくるはずの無かった少女。 そしてこの『牢獄』に最も似つかわしくない少女。 無表情なようで、微かな笑みと赤らんだ頬の色が、今の彼女の気持ちなのか。 じっと見つめているとそのまま見つめ返してくる視線。 何も言わず、何も言えず、身動きはおろか、視線をそらすことさえ出来なかった。 (俺は、本当に彼女達を救ったのか……?) そう思い返した瞬間、上条は意識を取り戻すことが出来た。 手の中のコーヒーカップの感触を確かめるように、視線を落とす。 先程感じた寒気は収まっているが、それでも背中に僅かな震えが残る。 目の前の少女の向こうに見える恋人の顔。 上条の記憶に残る、あの時に見た恋人の絶望。 その恋人の向こうに見える、生まれ出でた悲しみを持つ少女達。 ――だめだ! ――あのときのお前の顔を、俺は2度と目にしたくない。 ――そう誓ってこれまでやってきたのだから。 ――俺が絶望する時が来ようとも、お前にそんな時は来させない。 ――そう俺は誓ってきたのだから。 ――お前のその闇を、俺も背負ってやる。 ――お前にだけ背負わせるなんてしない。 ――絶対にしてやるものか。 ――いいか、上条当麻。 ――お前はこれから泥沼で足掻くとも、彼女だけは絶対に引き込むんじゃないぞ。 ――アイツには、光の中で輝いてもらうんだ。 ――影になるのは俺の役目。 ――そして光と影は表裏一体。 ――それはもう呆れるくらいに不幸(幸せ)じゃないか、上条当麻。 ――ならば目の前のコイツも、光の世界へ押し上げてやろうぜ。 「なぁ、17000号、お前がなぜここにいるのか、もっと詳しく教えてくれないか……」 そう問われた目の前の少女の顔から、表情が消えた。 かつて学園都市で行われた、先行試作品さえ存在しない、杜撰な兵器開発計画だった『量産能力者(レディオノイズ)計画』。 それによって生み出された軍用クローン『妹達(シスターズ)』は、生命さえ消耗品とする『気狂い野郎共』の招いた悲劇。 上条によって『絶対能力進化実験』が中止に追い込まれた後、生き残った妹達は『治療』として世界各地の研究機関に送られた。 だがその後、学園都市前総括理事長アレイスター=クロウリーの退任・失踪と、それに伴う理事会の混乱により、彼女達はその世界的な庇護を失った。 現在学園都市外では『再生生命体に対する人道的見地による治療行為』と称する形ばかりの延命措置のみが行われているに過ぎない。 更に各国政府機関が、学園都市の先端技術を狙い、彼女らを駆け引きの材料にすることを防ぐため、学園都市側がそれを黙認していることが、それに拍車をかけている。 時間切れにより、全てを葬り去ろうとする、学園都市現統括理事会の意図は明白だった。 アレイスターの失踪により、理事会全体への押さえが利かなくなり、分裂、暴走の様相を示しているようだ。 一部の理事会メンバーにとっては、自らの利益を守るための、とかげの尻尾として見ているのだろう。 ここ何ヶ月かで、一方通行は疲れきっていた。 肉体的にも、精神的にも。 いやむしろ、疲れていたと言うより、追い詰められていた、といった方が正解に近い。 学園都市第7学区にある『冥土返し(ヘブンキャンセラー)』と呼ばれる医師のいる総合病院。 その付属研究所に彼の研究室があった。 クローンの製作に成功したのは、学園都市だけであるため、その研究の中心は(表向きには)この研究所だけだ。 「くそッ、まッたく持ッてジリ貧だぜェ……」 かつて長点上機学園に在籍していた彼は、その優秀な頭脳でもって飛び級で大学入学を果たした。 その大学に籍を置きつつ、客員主席研究員として、この研究所に招かれていた。 彼の研究は、再生医療のトップジャンル、クローン細胞の延命措置に関することだった。 そう、クローン細胞の脆弱性により、『妹達(シスターズ)』の細胞増殖機能が、限界を迎えようとしていた。 その事実を把握している者は、『妹達(シスターズ)』らを除けば、冥土帰しとその病院関係者、及び研究員だけ。 そのことは『妹達(シスターズ)』自らの希望により、オリジナルである御坂美琴には、伏せられている。 「突破口はどこにあるンだよォ、くそッたれめェ……」 今日もデータの数値に向かい続ける日々の繰り返し。 思うような数値が出てこない。 毎日毎日、条件を変え、素体を変え、ありとあらゆる可能性を探る。 おそらく、細胞分裂を促す生体電流系の何かが足りないのだろうということだけは分かっている。 「なにかもっと違う方法はねェのかよォ……」 このまま結果を出せない時間が過ぎていくことに、彼は耐えられなかった。 自分が守ると決めた者達が、目の前から消えようとしている。 まるで、かつて自分が殺してきた者達が、復讐に来ているようにも最近は感じている。 お前に、そんな救いなぞありえない、と。 もう一度地獄へ戻りやがれ、と。 ――昔、超電磁砲(オリジナル)にも、絶対許さないと言われたッけなァ。 ――最近は面と向かって言われることもないがよォ。 ――もし許すと言われてもなァ……、俺にその資格はねェわけだしなァ。 軍用として開発された『消耗品』という事実の前に、一方通行は今まさに敗退しようとしている。 そして、『妹達(シスターズ)』の破滅は、彼女達から演算補助を受けている彼自身の破滅をも意味する。 ――結局、俺もテメェらと一蓮托生ッてわけだ。 ――テメェらだけで、アッチに行かせるもンかよォ。 気が付いたら、今日も時計の長針と短針が、垂直に重なろうとしていた。 ポケットに入れておいた携帯電話にメールの着信。 ボタンを操作し、確認する。 御坂妹こと10032号からだ。 帰りに病室によって欲しいという内容だった。 今のところ、学園都市内に在住する『妹達(シスターズ)』には、最新設備の治療効果により、活動に支障をきたしている個体はいない。 ――今日も死刑は執行されましたッてかァ……、クソッタレェ……。 残っていたコーヒーを飲み干し、着ていた白衣を脱いで部屋を出た。 カツカツと杖の音を響かせながら、蛍光灯に照らされた、誰もいない廊下を行く。 既に空調が止められ、蒸し暑い夜の空気が体中に纏わり付いてくる。 重苦しい心の中と、肌に触れる熱気で、ますますイライラが募るのが、自分でも分かる。 そんな気持ちが爆発しないよう、途中で立ち止まり、左手を握り、叩きつけるように壁を殴りつけた。 痺れるような痛みと、そこから伝わる壁の冷たさが、ヒートアップした気持ちを冷やしてくれる。 肉食獣に追い詰められた獲物の気分を味わいながら、彼は無言で10032号の部屋へ向かった。 ------------------------------------------------------- 冥土帰しがいる総合病院の療養者用病棟にある『妹達(シスターズ)』専用フロア。 その1部屋が御坂妹こと10032号の個室だった。 遠くからカツカツと杖音が近付いてくる。 やがて扉の前で止まると、ノックの音がした。 「入るぞォ」 そのワンルームの室内には、ベッドや机を含めて、女の子らしい家具や調度品が揃い、小さなキッチンやシャワーブースも完備されている。 可愛い模様のが多いのは、いずれも姉である御坂美琴の見立てによるものなのだろう。 御坂妹は、ベッドに腰掛けたまま、身じろぎもせずにぼんやりと窓に映った自分の姿を見つめていた。 一方通行には、彼女の目になにか光るものが見えたような気がした。 やがて――チッと小さく舌打ちをした。 「おい、今日は何だァ?」 その言葉に、彼女は静かに彼の方へ顔を向け、ポツリと言った。 「今日は、10050号の生体反応が消えました、とミサカは冷静を装って報告をします。 これで中米地域に残った個体は……もう……ありません、とミサ……カは……」 「―――ッ!!」 (クソッ、今月はこれで何人目だ……) (俺は……俺は……一体何をやってるンだ……) 半ば覚悟はしていたとはいえ、彼はここでも打ちのめされる。 握った拳がブルブルと震えているのが分かる。 グッとかみ締める唇からは、鉄の味がする。 胸の奥に電流を流し込まれたような、ピリピリしたものが彼の心を削いでいく。 ささくれ立った気持ちが、目の前を、汚れた血のように赤黒く染めるようだ。 自分の情けなさに、そのまま狂い出したくなるような衝動を感じている。 まるで心臓に杭を打たれるような、ギリギリとした圧迫感が身体全体を支配していた。 ようやく精神の平衡を取り戻すように、一方通行は声を出すことが出来た。 「――そうか……。打ち止めは?」 「上位個体にはもう伝わって……います……、あの……ミサカは……この感情をどう……扱っていいのか……」 10032号が嗚咽をこらえて彼に問いかける。 彼女らは、あの実験のときでさえ、涙を流すことは無かったというのに。 「――るせェ……そのまま黙って泣きやがれ……クソが……」 「あなたは…(ヒクッ)…どうなの…(エグッ)…ですか…(ヒクッ)…とミサカは……」 彼女の涙が、一方通行の精神を切り刻んでいく。 自身の中から湧き上がる言葉に出来ないどす黒い感情に、一方通行はビクリと体を震わせた。 それを見ないように顔を背け、眉間にしわを寄せていたが、やがて観念したようにポツリと語った。 「――オレに……そンな資格はねェ……」 「……(クスン)……」 「帰るわ……」 そんな一方通行の素気無さが、なぜか10032号には救いのように感じられ、無性に嬉しく思えた。 「――貴方には感謝を……」 「うるせェ!テメェに礼なンざ言われる覚えはねェぞ!」 ――ほんの僅かな感謝の言葉さえ遮る貴方。 ――血塗られた過去を持つ自分には、いかなる感謝も祝福も、そして贖罪すらも、相応しくないと今もまだ思っているのでしょう。 ――自分に向けられる全ての好意に背を向ける貴方。 ――そんな『一方通行』な貴方は、上位個体や番外個体、ミサカの気持ちに気が付いているのでしょうか。 「……」 「帰り際にろくでもねェこと聞かせやがッて……」 「……」 「感じ悪りィぜ…ッたく……」 「……」 「邪魔したな!」 そう言うと、一方通行は後を振り返ることもせず、彼女の部屋を出ていった。 杖をつく硬い音が、ゆっくり遠ざかっていく。 10032号は、その音を聞きながら、ため息を漏らしていた。 ――つらいのは、貴方の方でしょう……。 ――ミサカ達は、もう十分すぎるほど救われているというのに……。 ――アクセラレータ……、貴方は、どなたになら救われるのでしょうか……。 ――貴方が泣ける場所はどこにあるのでしょうか……。 ――ああ、もう1つ伝えるのを忘れてました。 ――先日あの方も、17000号から私達のことをお知りになりました。 ――あの方なら、一体どうなされるでしょうか……。 ――ミサカには……もう何も出来ないのでしょうか……。 ――ならばいっそ……お姉様に……。 ――でもミサカ達のことを知ったらお姉様は……。 ――ミサカは一体どうすればよいのでしょうか……。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/Time enough for Love
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現在の表示中のページ:活動報告/20100326 [編集] 活動日 活動テーマ あらまし ページタグ [編集] 活動日 2010年3月26日(金) [編集] 活動テーマ グループ別学習 [編集] あらまし フリートークと総会準備。大部分の参加者はフリートークのグループで、お互いに気の向くままテーマを取り上げ話していたようだ。 私は総会準備のために資料作成と調整。毎年のことながら、役員人事の調整で難儀をした。素案作成までは片付いた。 [編集] ページタグ 20100326 やじろべえ 活動報告 金曜日