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《魔石の声聞く者 オリヴィア》 プログレスカード レベル2/黒/P6000/G4000/S1 【魔女】/【魔法】 リンクフレーム なし 《自》リンク-リンクステップ開始時【リンク(5)-ΣΩ】そのターン中、 このカードのパワーを+3000。 魔石は囁く。魔石は謳う。魔石は震える。終末を予見して――。 illust ろんど 黒き夜の奇跡で登場のレベル2の黒色のプログレスカード。 収録 黒き夜の奇跡 B2-041 C
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第二十一話 神の声を聞く少女 ???「神よ…フランスをどうか、お守りください?」 ――キラン ???「あれは…?」 西暦1427年、フランス オルレアン郊外 真紅「到着!」 たから「ここが中世フランスね。それにしても…綺麗で緑豊かな土地だと思ったら」 メロン「あちらこちらで火の手があがってるねぇ」 エヴァ「時代はまさに百年戦争の真っ只中。フランスとイングランドの戦いで、現在のフランスとイギリスの国境線が決まる結果となった戦争だ」 八重「百年…気が遠くなる話ですね」 小夜「すでに百年以上の時を遡ってきてますが無問題です。フランスをお守りします! 」 メロン「それじゃあ、早速デンライナーを隠しに行こう!」 ドライ「到着。さて、あいつらはどこかなー」 羽衣狐「検索を開始しようぞ」 ――ストライクモード 突如、どこからともなく、見知らぬ真赤なスフィアデバイスが飛んできた。 ドライはいち早くそれに気づき、両手を交差してそれを防いだ。 ロールシャッハ「だ、誰だ!」 ドライ「スタンド攻撃だね!」 竜馬「いや、ねーだろそれは…」 ???「くくく…そう言うと思ったぜ」 羽衣狐「何奴?」 ???「お前は誰だ。何故こんな所に居て何故こんな事をする。そう言いたいんだろ?」 ドライ「いやまだ何も聞いてないし。あんたは…女?」 鞠也「俺は祠堂鞠也。名も無き小市民だ。名前はあるが名も無き小市民だ。ちなみに男だ」 羽衣狐「成程、確かにこんなに可愛い子が女な訳ないのぅ」 ロールシャッハ「聞いた事がある。S級の危険人物だ。何をしでかすか分らない危険な男だと」 ドライ「面白い、なら私が倒すよ」 鞠也「私が倒す? ふん、弱い奴ほどよく吼える。俺は強いがよく吼える。良いだろう。全員で来な」 ドライ「舐めてんじゃないよ!」 だが、鞠也と名乗った男(?)の力は圧倒的だった。 プロトコル・ファントム3.0のパワーが全く通じず、彼女達はたった一人の華奢な“彼”の手によって倒されてしまった。 としあき議員1「…この者は一体…?」 としあき議員2「祠堂鞠也。数時間前にムゲン牢獄を脱走しました」 としあき議員3「すぐに捕えろ!」 トシアキ議長「いや、待て」 鞠也『エルドラドのとしあき共。俺を監視してるんだろ?』 としあき議員ズ『!?』 鞠也『提案がある。お前らが追っている相手を倒したら、俺の罪は帳消しにしてもらう。どうだ?』 トシアキ議長「ふ、取引のつもりか」 としあき議員1「一体あいつは何を考えているんだ!」 トシアキ議長「良いだろう。取引に応じよう」 としあき議員2「議長!?」 鞠也『ふっ。そう言うと思ったぜ』 鞠也「さぁ、お目覚めの時間だぁ!」 鞠也が大きく口を開くと、謎の赤色の光が放出された。 光は矢のように降り注ぎ、プトロコル・ファントム3.0のメンバーへと注ぎ込まれる。 やがて彼女達は赤色の髪と真っ白な肌に変色し、のっそりと立ち上がり始める。 ドライに至っては体が大きく変容し、大人の女性の体つきとなる。服装まで変わり、赤と黒のジャケットスーツという出で立ちであった。 鞠也「まずはお前達に働いてもらうぜ」ニヤリ ドライ(M)「…Yes」 メロン「到着からの~メロンスイーッチ!」ポチッ 大阪「おお、今度は地味目な色~?」 真紅「村娘・村人風って感じだな」 イエロー「それにしても…」チラッ 小夜「酷い…」」 彼女達は森の中に居たのだが、その森の外に広がる光景は凄まじいものだった。 折れた剣や盾が転がり、人は無残にも死んだまま放置で、あちらこちらから残り火が上がっている。 強烈な死の匂いと、すすこけた匂いが鼻をつく。 斗貴子さん「…これが戦争なんだ。戦国時代よりも厳しい事になるだろう」 八重「そうですね。それでジャンヌさんはどこに?」 メロン「うむ。オルレアン解放のためにこと近くの街にいる事は分ってるんだけど…」 しゃも「ジャンヌ…どういう人か気になるなの」 ???「呼びました?」 たから「え?」 森の奥の方から、鎧に身を包んだ一人の少女がやってくる。 長い髪を風に揺らし、おっとりとした雰囲気を纏った眼鏡の少女だった。 小夜「眼鏡っ娘キタ━━━(゚∀゚)━━━!!」 ???「!?」ビクッ 兵士「おのれ怪しい奴!」 カズキ「わぁどこかで見た展開」 エヴァ「メガネスキー自重しろっ!」 兵士「怪しい奴らめ…何者だ!」 たから「私達は…戦いから逃げている内にここへ来たのよ。オルレアンを目指して」 兵士「何…?はっ!? まさかジャンヌの命を狙って!?」 ???「えっと、それはどうでしょうね」 兵士「何を言うか、ジャンヌ」 皆「!?」 大阪「ほぇ~この人がジャンヌさん」 超太郎「何か戦う乙女って感じじゃねぇよな」 小夜「眼鏡っ子に悪い人はいません! 男で優男の眼鏡は例外ですけど!」 メロン「あれ、知り合いに一人該当者がいるよ?」 兵士「ええい、怪しい奴らめ! まさかイングランドのスパイか!」 真紅「違うっつーの! またかよこの展開!」 エヴァ「私達は未来からジャンヌの力を借りに来ただけだ!」 ジャンヌ「え、未来」 夕映「ますたー…」 エヴァ「しまった…つい冴木殿でもないのにうっかりを」 超太郎「こりゃ明日の天気は隕石でも振ってくるんじゃね」 たから「…エヴァさん、超太郎。後で体育館裏に来なさい」 ジャンヌ「未来? 未来からとはどういう事です」 エヴァ「うっ、それは…」 夕映「ますたー」 夕映はエヴァをかぶように彼女の前に立った。 ジャンヌは目を細めながら夕映たちの前に近づき、何度も目を瞬かせる。 ジャンヌ「どいう事なんですか?」ズズイ 夕映「そ、それは…」 斗貴子さん「何故彼女に…」 小夜「眼鏡の度が合ってないんですね。だがそれがいい」キリッ しゃも「タイムジャンプした事正直に話した方が良い気がするの」 たから「理解できないと思うわ。いえ、悪い意味ではなく」 真紅「そうだな。不思議な事は悪魔や魔女の仕業だと考えられていた時代だからな」 ネロ「そっか。僕達の時代みたいに科学の概念すらないもんね」 ジャンヌ「あの…あなた、お名前は?」 夕映「ゆ、夕映。綾瀬夕映…」 ジャンヌ「夕映。良い名前ですね」 夕映「じゃ、ジャンヌさんも良い名前だと思うです」 ジャンヌ「ふふ。ありがとうございます」 兵士「どうしたジャンヌ!」 ジャンヌ「…この人達はスパイでは無いと、思います」 兵士「何故だ?」 ジャンヌ「神の声を聞きました。天の光が降りる時、神の使いが現れると」 兵士「し、しかしジャンヌ! 君が『神の声を声を聞いた』というのでついてきたのだが、戦争は酷くなる一方だ! 俺達は君を信じて良いのか!」 ジャンヌ「も、もちろんです…」 夕映(この人…自分に自信がないのです。私と同じなのです) ジャンヌ「とにかくこのままにしてはおけません。このままオルレアンに向かいましょう」 兵士「ジャンヌがそう言うなら…」 ジャンヌ「それでは夕映、皆さん。ついてきて下さい」 ジャンヌ引き入る一万二千の軍勢はイギリス軍が包囲している中戦闘を避け、その日の夜の内に入城する。 恐怖に怯えていたオルレアンの市民はそれに喜びの声を上げ、彼女達を手厚く歓迎した。 軍に掲げられた、純白の地に百合の花を手に持った二人の天使が描かれた旗は、オルレアンの人々を大いに奮い立たせた。 蝙蝠(石)「…まずいな」 ザ・レスラーズはオルレアンの詰所の隅に追いやられていた。 大阪「どうしたん、センちゃん」 蝙蝠(石)「あのジャンヌからはオーラが感じられない」 小夜「つまり…どういう事なんです?」 蝙蝠(石)「彼女はまだ自分の力に目覚めてないんだ。仲間の勇気を奮い立たせ、鉄壁の守りに変える、その力にな」 エヴァ「信長公の時とは逆という事か!」 夕映「…」 夕映は他の皆が話し合っている中、そっと詰所を抜け出した。 (続く)
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*心、崩れるとき、魂の声を聞いてくれ。 僕たちは、魂の声と本能の叫びの狭間で生きている。 本能は、生きろという。逃げろという。 けれど、魂は、その声をまだ持たない。 僕は、魂の声を聞きたい。 本当の声を聞きたい。 メニュー。 すべて 用途別のオススメ機能紹介 @wikiの設定/管理 おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 バグ・不具合を見つけたら? お手数ですが、こちらからご連絡宜しくお願いいたします。 ⇒http //atwiki.jp/guide/contact.html 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 @wikiへお問い合わせ 等をご活用ください
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あなたのこえをきかせて【登録タグ あ 天音ルナ 曲 朱雀P】 作詞:朱雀P 作曲:朱雀P 編曲:朱雀P 唄:天音ルナ 曲紹介 気分転換で音と遊んでたら出来上がった曲 今日はルナの誕生日、せっかくなのでルナに歌ってもらいました。 歌詞 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 私に声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 可愛い声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 私に声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 私に声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 私に声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 素敵な声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて..... コメント 名前 コメント
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【検索用 あなたのこえをきかせて 登録タグ UTAU あ 天音ルナ 曲 朱雀P】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:朱雀P 作曲:朱雀P 編曲:朱雀P 唄:天音ルナ 曲紹介 気分転換で音と遊んでたら出来上がった曲 曲名:『貴方の声を聞かせて』(あなたのこえをきかせて) 歌詞 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 私に声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 可愛い声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 私に声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 私に声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 私に声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 素敵な声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて 貴方の声を聞かせて..... コメント 名前 コメント
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690 :894◆wDkpIGVx1.:2008/09/06(土) 17 34 47 ID w89qt3QD 死んだ人の声を聞くことができますか(1/4) 盆踊りの翌朝、街の大人たちや子供たちが後片付けのために公園に集まった姿は、なんだか白々とみすぼらしい。 僕は折り畳んだパイプ椅子を束ね、背もたれの下の穴に腕を通して、片手に三脚ずつ持った。 やる気だな、とニシダのおっさんがつぶやいたけど、僕はただ片付けを早く終わらせたいだけだった。 その恰好で用具倉庫の前までふらふら運んで行く途中、街の母親たちがコリタについて噂しているのを聞いた。 コリタは盆踊りの間ずっと、踊りに参加することも、みんなとふざけ回ることもせずに、 用具倉庫のかげにしゃがみ込んでいたらしい。母親たちはそう噂していた。 それを聞いて僕は、両手の荷物が急に重くなったように感じ、パイプ椅子を地面に下ろして一休みしなければならなくなった。 たった5メートルくらい運んだだけなのに。 地面に下ろすとき、誰かに非力と思われるのが嫌だから、音は立てなかった。 パイプ椅子の鉄が接地して、その感触がTシャツにむき出しの皮膚に伝わった。砂地のざらつきを腕で感じた。 コリタは生き物として少し不自然に見えるタイプの美少年だから、普段は他人が放って置かない。 でも僕の知る限り、一日のうち何回かは一人になることがあって、その時を目撃すると、 プラモか彫像かサイボーグが、教室や校庭や居間に間違って出現したみたいに見える。 しかも地面から5ミリくらい浮いてるような感じがする。 僕は昨日の夜、コリタがどうしているか時々は気になっていた。 でも盆踊りをしたり他の友達と遊んだりしていたから、結局はコリタのことを忘れていた。 コリタは用具倉庫のかげにいたのだと知って、 湿った土のにおいのする暗い場所で、楽しむ人々の声を聞きながら一人過ごしたコリタのことを、思った。 すると自分で抱いたそのイメージに、なぜか平手打ちされたようなショックを受けた。 僕の頭の横で本当に、ぱん!と音がしたような、その一瞬は視界が白く全て消えたような気がした。 コリタが用具倉庫の裏の暗いところにいたなんて、まるっきり幽霊みたいじゃないか。 コリタにはミレナという妹がいた。ミレナはおととし、まだ九才なのに病気で死んでしまった。 コリタが一人でいる時は、ミレナのことを考えているのかもしれない、と、僕はこの頃思うようになった。 急にコリタのことが心配になった。心配に思っているような気がしてきた。 今日はどうしているのだろう。みんなに聞いてみたら良いかもしれない。 そう思いながら、六脚のパイプ椅子をさっきと同じやり方で持ち上げて、用具倉庫まで運んだ。 691 :894◆wDkpIGVx1.:2008/09/06(土) 17 42 27 ID w89qt3QD 死んだ人の声を聞くことができますか(2/4) 用具倉庫の前にはカミカワ・ケンのお父さんがいて、集めたパイプ椅子を台車に積み上げる作業をしていた。 カミカワ・ケンのお父さんは、盆踊りで一きわ張り切っていたうちの一人だ。 子供たちを仕切り、真ん中の舞台の上で太鼓にバチを振るい、 ドラえもん音頭に合わせてソーレと叫びながら、踊りの輪の中で長い手足を動かしていた。 今朝はカミカワ・ケンは(恥を感じているのだろう)隅っこの方でいじけたようにしていて、 大したことは何もしていない。 カミカワ・ケンのお父さんは、昨晩の印象と比べると全体的に一回り小さくなったみたいで、静かだった。 パイプ椅子をどかっと下ろした僕が、あれえコリタがいないなあと言ってみると、 カミカワ・ケンのお父さんはびっくりしたように、コリタ!あいつずっといないじゃないか、どうしたんだと言った。 盆踊りの間コリタがいなかったことに、今気づいたらしい。 でもそのうち、今朝公園に集まる子供たちの中に、そういえばコリタを見かけた、 その時は普通の様子だった、という意味のことを、彼は言った。 カミカワ・ケンのお父さんは、昨晩はしゃぎ過ぎて、きっとぼんやりしているのだ。 用具倉庫を離れて水道のそばに行くと、そこで街の母親たちは噂話を続けていた。 話しているのは、水道のところで食器や調理器具を洗っている二人と、ヨーヨー釣りの後始末をしている二人。 ちょうちんや電飾を整理して箱にしまっている一人と、特に何もしていなさそうに見える一人。合計六人だった。 コリタの噂の後は、バンキョウ・スーパーの最近の値引き商品について、活発な意見交換が行われているようだった。 コリタの様子を、母親たちの誰かが詳しく知っているかもしれない。 しかし、僕がこの会談に割り込み、話をコリタの件に戻して自分の知りたいことを質問するなど、 まったくできないことだ。 そこには小学生と母親たちとを隔てるしきたりのようなものがあるからだ。 僕は、母親たちからは何も得られないだろうと思い、水道のそばを通り過ぎた。 するとそこに、ゴミ袋を持ったコリタの母親が通りかかったのだ。僕にとっては都合が良かった。 コリタの母親は、水道のそばの母親たちに会釈するのと同時に、バンキョウ・スーパーのパンの価格についての 誰かの発言をとらえて、絶妙なタイミングで、その価格はすでに先月の半ばに現れたものだったが 近頃また復活したのだ、という解説を加えた。 会釈と同時にそれだけのことをやってのける、母親たちの能力にはいつも感心せざるを得ない。 僕は、たまたま通りがかっただけだから長居するつもりはない、といった様子の コリタの母親の去り際をとらえて、コリタどこ?と聞いてみた。 「さっきミニ四駆取りに行くって、家に戻ったみたいよ」とコリタの母親は答えた。 その言葉と、パンの価格についての解説を残して、コリタの母親は悠々と立ち去った。 692 :894◆wDkpIGVx1.:2008/09/06(土) 17 50 07 ID w89qt3QD 死んだ人の声を聞くことができますか(3/4) コリタはミニ四駆で遊び、悲しさを晴らすつもりなのだろうか。だったら、一人じゃない方が良い。 僕も自分のアバンテを取って来ようかと思ったけど、その前に他にも仲間に入るやつがいないか確認しようと、 公園の中央に向かった。 そこには盆踊りのために、鉄骨に床板を渡した簡易舞台が設けられていて、 その下に潜り込んで遊んでいる数人の顔見知りの姿が見えたからだ。 トウスケという少年に、この後みんなでミニ四駆で遊ぶことになっているのかどうかを、僕はたずねた。 彼はそんな話は知らない、と言った。 ミニ四駆やるならいいけど、この公園には今大人たちの目があるから、 場所として不適当と思う、という意味のことも彼はつけ加えた。 シンゴという少年が、この近辺にある別の公園の名を挙げ、そこに移動することを提案した。 コリタはそこにいるのか?と僕が訊くと、シンゴは否定した。 コリタの名を聞いたハルミという女の子が、コリタどこ?ちょっと、トウスケ、コリタ呼んで来てよと言った。 トウスケは、コリタがミニ四駆のことなど考えられるはずはない、 そんな精神状態ではないと推測しているようだった。 彼がハルミに否定的な返答を、あいまいな言葉と身振りで示したことで、そう受け取れた。 トウスケがコリタの様子を知っていそうだと思い、僕は彼にそのことを尋ねた。どんな感じだった? どんなも何も、平静を装ってるけどすぐぼんやりしてしまって、 やっぱり相当苦しんでいる様子だった、と彼は答えた。 妹さんのこと・・・?とハルミが小さく口に出すと、乱暴にカーテンを閉めたような沈黙がその場に現れた。 コリタは、もし妹が生きていたら、昨夜の盆踊りでどんな風に一緒に遊んだだろうか。 コリタ自身は用具倉庫のかげに座って、そのことを考えていたのだろうか。 彼の角度からは、盆踊りの輪や光は見えなかったはずだった。見えたのは用具倉庫の壁だけだろう。 その場にいた四人がそれぞれに、死が早すぎたコリタの妹について考えをめぐらせていた。 というか、僕はそうなんだろうと思っていた。 みんなが同時に、幼い少女の死について考えていたのでなければ、その沈黙が不自然に思えたからだ。 僕自身そのことを(ミレナの死を)考えていたが、僕が得たものは、 何だか白くてふわふわしたものが、笑いながら手を振って去っていくイメージだけだった。 それと同時に、僕はコリタのことも考えていた。 いや、僕にとってはコリタのことが本題だった。 コリタは妹の死を悲しんで、盆踊りに参加しなかったのだろうか。コリタはなぜ、盆踊りに参加しなかったのか。 お盆には死者の魂が還ってくる・・・その伝説を思い出したとき、シンゴが同じことを口にした。 「お盆だから、ミレナちゃんが還ってきてたのかもしれないな」 シンゴはそう言うと、なぜか得意そうな表情をした。 そして足元の砂を意味もなく靴で軽く蹴った。 それは「恰好をつけている」仕草だった。なぜそんなことをするのだろう。 ハルミが、今はコリタをそっとしておくべきだという意味のことを、ひどくたくさんの言葉を使い、長い時間を掛けて述べた。 そこにも何か芝居じみた要素が感じられたが、それにこだわるよりも、 僕は少し前、自分が核心に至る何かに触れたような気がしていた。 意識の端っこにひっかかっているその何かに、なんとか考えを集中させようとした。 だがその感覚をつきつめる前に、場が動き出して、 僕はスクランブル交差点のまん中に放り出されたような混乱におちいった。 会話が先に進んだのだ。 693 :894◆wDkpIGVx1.:2008/09/06(土) 17 55 33 ID w89qt3QD トウスケとシンゴ、それにハルミが、それぞれにコリタの死んだ妹について、思い出を語り始めていた。 トウスケは、駄菓子屋のガムについていた当たり券を、ミレナにあげたことがある、 とても嬉しそうだった、と言った。 シンゴは、街で迷子になったミレナと会って、 泣いていた彼女をコリタのところまで送ってあげたことがある、と言った。 兄妹ともに感謝された、ということだった。 ハルミは、夏休みのラジオ体操に、兄妹と共に参加したことを、楽しい思い出として語った。 またラジオ体操そのものの記憶と同時に語ったのは、 夏の朝、ラジオ体操が行われるこの公園に向けて歩く兄妹の、絵のように美しい姿についてだった。 本当に仲が良い兄妹だった、二人歩いているだけで楽しそうで、 光の中で・・・天使みたいってああいう風なのを言うのかも。 ハルミはそのようにドラマチックに語った。 「それで、コリタは?」と僕はみんなに尋ねた。 今のコリタは、どうしている?なぜ盆踊りに出なかったのだろう? コリタは、かつて、ガムの当たりを嬉しそうに見せに来た妹の頭を、優しく撫でたのかもしれない。 あるいは、迷子の妹が発見されたときは、 不安の重苦しさを押し流していく歓喜に、胸を熱くしただろうか。 コリタとミレナは、ミレナが死ぬ前は夏ごとに一緒にラジオ体操に参加していて、 昨晩コリタは悲しみの中で、その思い出にとらわれていたのか。 そう、今のコリタは本当に、これらの中にいるのか? みんなはコリタが、これらミレナの思い出の中に沈んでいる、という見解で一致していた。 設計図に引かれた線のように、疑問の余地を持たない態度だった。 「ミレナちゃん、なんで死んじゃったんだろうね」と、歌うようにハルミが言った。 僕はミレナの顔のイメージを頑張って呼び起こしてみた。 ガムの当たり券をもらって喜び・・・迷子になって泣いて、 見つけてもらった後は、コリタの腕の中に一散に走っていく。 夏の朝、ラジオ体操に通う。白い朝に溶け込むような二人の姿。 そして、ミレナは死んでしまう。 それから、コリタの思い出の中に現れる。どんな顔で? この中の、どれかの顔だったのか。 僕は、ミニ四駆を持って、コリタの家に向かう。 もともと僕は、ミニ四駆を外で走らすのは好きじゃないのだ。汚れるから。 僕のアバンテはなかなか速い。負かしたら彼は泣くかもしれない。あるいは、笑うかもしれない。 ドラえもん音頭が、ばかばかしいくらい明快に辺りに響き渡って、夜空の下にはちょうちんの灯りが連なっている。 踊る人々の影は、だいだい色のライトに照らされてゆらゆら動く。カミカワ・ケンのお父さんが太鼓を叩いている。 そのとき僕はコリタのことを忘れていた。コリタは、用具倉庫のかげにいた。 でも今、僕はコリタを遊びに誘うことを思って、わくわくしている。 何といって声を掛けようかと考えながら、最後の角を曲がった。
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私は虚夢に声を聞く 目次 ▼ Ⅰ. 『それはきっと何気ない日常から』 ▼ Ⅱ. 『恐れないでほら、何も怖くはないんだから』 ▼ Ⅲ.
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https //dl.dropboxusercontent.com/scl/fi/0rway8w49odvqtuoclu12/.mp3?rlkey=hw28n1f99lmj9dgotsru4eqps dl 「時々夢を見る 生意気なキミは 不器用なぼくよりも いつも前を歩いてる 時々振り返って 本当にバカだなって くじけそうなぼくの 手を引っ張ってゆくんだ」 「君のこと 本当に嫌いだった 最初から最後まで嫌な奴で いつも騙し撃ちされてばかり でも、最大の嘘に気付いてしまったから」 「はじめからおわりまで騙し通されてしまったから 今度は終わりが来る前に 本当の君を知りたい」 「だから今は力貸して キミの声を聞かせて」
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──私は虚夢に声を聞く── 思い出してと貴女が泣く。 その姿を見ると私はとても悲しくなって。 普段は絶対泣かない君だから。 余計に不安になる。 ねぇ、どうして泣いてるの? そう聞くと貴女は辛そうに顔を歪める。 何かを口にしているが、何も分からない。 でも、はっきりと一文だけ聞き取れる。 「消えるときは記憶ごと消えてあげるわ」 『Ⅰ、それはきっと何気ない日常から』 ピピッと冷たい電子音で目を覚ますと、ゆっくり瞼を開いた。 外は少し暗い。しかし、小鳥が囀ずっている。 少し乱暴に目覚まし時計を止め、涙を袖で拭った。 「また、か──」 誰に言ったわけでもない呟きは暗闇に消えた。もう慣れっこだ、こういう状況には。 目の前で少女が泣いている夢。いや、少女なのかもよく分からない。 そして、言うのだ『消えるときは記憶ごと消えてあげるわ』と。 全く意味は分からないが、とにかく酷く悲しくて、目覚めたら私も泣いているのだ。 最初こそは戸惑ったが、今では何とも思わない。それが、日常のように。 「最近、見なかったのに…」 銀色の長い髪をくしゃりとかきあげ、呟く。幼少時代はよく見ていたのだが、最近は見ない。 今日でかなり久々に見た気がする。 時計を見つめると水銀燈はベッドから下り、学校へ行く準備をし始めた。 「おはよう」 「おはよ、です」 通学途中に背後から声がかかり、振り向いた。 「あら、おはよぉう。珍しいわねぇ、二人揃ってなんてぇ」 級友の蒼星石と翠星石に明るく声をかけた。 「今日は朝練ないんだ。さすがにこの時期は」 陸上部所属の蒼星石がそう言った。四月半ばのこの時期は新入生のことでゴタゴタしているからだろう。 「ふぅん、大変なのねぇ」 「そう言えば今日は役選ですよね?」 役選。つまりクラス毎の委員──クラス委員や文化委員、体育委員等──や係を決める日である。 「クラス委員だけは勘弁です」 「僕は顧問から禁止されてるからね」 「ま、私はないでしょぉ?」 厳しい体育会系の部活では行事毎に仕事があるクラス委員を予め禁止されていたりする。 「そうですね、水銀燈はないですね」 クスクスと笑う翠星石をジロリと睨む。 文武両道、品行方正を掲げるこの学校で、お世辞にも水銀燈が品行方正とは言えない。 しかし、成績が良いので教師達も黙認しているのだ。 「副会長も選ばれるんだっけ?」 生徒会長は先生からの推薦で選ばれた数人の生徒達が選挙で決まる。 しかし、副会長は生徒会長の権限で無条件に決まるのだ。 「どっちにせよ、関係ない話でしょぉ?」 「そう言えば、翠星石のクラスに会長の子いるよね?どんな子?」 「んーと、やっぱり真面目な子ですよ。でもガチガチな子じゃなくて、ふざける時はふざけるみたいな…」 翠星石は思い出し思い出し話す。 「生徒からも先生からも人望も厚いですし、顔も整って、まさに完璧ですよ」 翠星石がここまで人を素直に誉めるのも珍しい。よっぽど良い子なのだろう。 「まぁ、顔は私に劣るでしょうけどぉ」 至極、真面目に言ったつもりであったが、二人から不本意にも爆笑を買った。「その子、何て名前なの?」 「え…と、真紅、ですよ」 ざわざわと廊下が騒がしい。副会長の者の名前が貼り出されているのだろう。 どうせ自分には関係ない、と前を通り過ぎようとしたところで雛苺に止められた。 「あ、水銀燈!やったのぉ!」 いきなり抱き付かれてそう言われてもさっぱり分からない。 「はぁ?何がよぉ」 「水銀燈、副会長なのよ」 「へぇ、…って私ぃ!?」 「そうなのよ!」 人の垣根を分け入って掲示板を見つめる。 『生徒会副会長は以下の者とする。 水銀燈(二年) ──生徒会長、真紅』 水銀燈はしばし目を疑った。こんなことがあるだろうか。 翠星石は現クラスメイトとしても私は違う。まして真紅という名前さえ知らないのだ。 「雛苺、貴女は真紅って子知ってるのぉ?」 「うん、去年一緒だったのよ」 あらそう、と生返事しかできなかった。 「副会長、頑張ってね」 いつもは可愛く感じられる無邪気さが、今日は逆に鬱陶しくあった。 生徒会室を目の前にして、大きく深呼吸をする。 生徒会室のドアをコンコンと二回叩くと、中から返事が聞こえた。 同い年に怖じ気づいてる自分に気付き、堂々と生徒会室のドアを開けた。 「こんにちは」 ペコリと頭を下げたのは金髪碧眼の少女。愛想良く微笑んで、水銀燈を席へ促した。 「初めまして、真紅よ」 「あ、水銀燈よ」 差し出された右手に答えるようにぎこちなく差し出し、固く握手する。 「私のことは知ってる?」 「えぇ、翠星石と雛苺から少しだけぇ…」 そう、と微笑んだが、その表情はどこか寂しげだった。 それより、何で全く付き合いのない私を副会長に抜擢したのか聞かなければ。 「で、聞きたいんだけどぉ、あら、ありがとう」 目の前のガラステーブルに置かれた紅茶を飲んで一息吐いた。 「あらぁ、おいしいわね、これ」 「えぇ、紅茶にも入れるコツがあるのよ」 紅茶の美味しい入れ方はいつの間にか美味しいおでんの作り方に変わっていた。 「やっぱり煮込み時間だと思うわ」 「まぁ、それも一理あるけどぉ、やっぱり材料も…」 積もり積もった話がようやく途切れ、気付いたら既に五時を回っていた。 「あら、もうこんな時間じゃなぁい」 「あ、本当ね。もう帰りましょう」 バタバタと慌ただしく、鞄に荷物を詰め込み、帰り支度を整える。 「帰りはどういう風?」 「最奥のT駅までよぉ」 「私はその手前のN駅よ。一緒に行きましょう」 生徒会室を施錠し、職員室に返却すると、帰路に着いた。 「でぇ、さっきの続きなんだけどぉ」 結局、帰りも美味しいおでんの作り方からひつまぶしの話に刷り変わった。 「要するにぃ、名古屋のものは美味しいのよぉ」 「あら、でもういろうだけは否定させて頂戴」 「何でよぅ」 その時、電車内にアナウンスが響きN駅に到着することを示した。 「楽しかったわ。じゃあ、また明日」 「えぇ、またねぇ」 笑顔でひらひらと手を振って、携帯を開いた。さっき教えてもらったアドレスにメールを書く。 なかなか感じの良い子だ。少しきつい面もあるが、そのくらいの方がさっぱりして好きだ。 カチカチとボタンを押しているところでふと気づいた。 「私を選んだ理由聞くの忘れてたぁ!」 と大きな声で言ってしまい周囲から白い目で見られるはめになってしまった。 2へ続く