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基本データ 消費行動力 バトル数 ガルド LP 英雄ポイント ボス 5 5 1003 73 10 ウインドトータス 出現敵データ 名前 HP 弱点 鋼体 ターン数 ダメージ 備考 ウインドマーマン 土 なし 3 734 ─ ウインド・ビー 土 なし 2 816 ─ ウインドレックス 土 なし 3 1325 ▲マーカーに狙いを定める攻撃あり ウインドスパイダー 土 なし 3 734 ─ [忍者(黒)]シズナ なし なし 2 2222 ─ ウインドトータス 土 ▲▲ 4 1306 ─ ドロップデータ キャラクター 武具 素材 [見習い忍者]シズナ アイアンナックル スタッフ ブロンズヘルム コメント 名前
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前だけを見て進め ◆X8NDX.mgrA 数度の激戦を経て瓦礫の山と化した放送局。 そこでは勇者と悪魔が、つかの間の休息をしていた。 両者は共に疲労困憊、満身創痍。回復するには時が要る。 とりわけ勇者は身体(からだ)よりも精神(こころ)に重篤な傷を負わされた。 化け物相手に華を散らして奮戦した少女は、目覚めて何を想うのか。 ✿ ――人にはそれぞれ生まれた意味、背負った役割がある。 ――聖女、ジャンヌ・ダルクがあるとき口にしていた言葉だ。 ――これは夏凜殿にも通じるのではないかな? ――聖女と勇者は、どちらも国のため、世界のために生きる者。 ――己の役割を考えれば、前向きに行動できるのではないかな? ✿ 辺り一面、瓦礫しかないその場所で、地面にあぐらをかいて座り込む影がひとつ。 悪魔・アザゼルはじっと目を瞑り、悪魔の如き少女・繭の声に耳を傾けていた。 生意気な声で告げられていく、禁止エリアに死者の名前。 沸き立つ苛立ちをどうにか抑えて、内容に集中する。 『また放送が聞けるといいわね』 こうして第三回放送を聞き終えたアザゼルは、改めて怒りと焦燥を覚えていた。 重要視したのは、アインハルト・ストラトスとホル・ホース両名の死亡。 そして、名前が呼ばれないことから逆説的に判明する、ラヴァレイの生存。 手にしていた駒のうち二つが永久に使えなくなり、疑惑を向けていた騎士の謀反がより濃厚になった。 (参加者が減る速度が速すぎるのも考え物だな) 今後利用することも視野に入れていた賞金首の男やゾンビ娘を含めて、死亡者は十五人。 第一回の放送から、参加者の死ぬペースが殆ど変化していない。 人間風情がいくら死のうが悲しみはないが、有用な参加者が減るのは問題だ。 参加者の残り人数を数えると、なんと二十四人。 DIOや縫い目の女のような『乗っている』者、あるいは『力のない』者もいると考えれば、利用できる人数は更に減る。 繭に一泡吹かせる目的が、より困難になるかもしれない。 (セレクターが死んでいないだけでも僥倖、か?) この殺し合いを打開する鍵となるだろう少女たち。 三名のセレクター、小湊るう子と浦添伊緒奈、そして紅林遊月は未だ生存している。 倒壊した放送局に戻ってこないのは、何者かに捕らわれたか、動けない事情があるか。 すぐにでも探しに行きたいが、それには人員が足りない。 この場所にはアザゼルと、傷ついた少女が一人しかいないのだ。 せめてセルティがいれば。そう考えながら、すぐ隣で仰向けに横たわる少女――三好夏凜を見る。 すると、タイミングよく夏凜が目を開けた。 「目覚めたか」 「……放送は?」 「なぜ俺が説明する必要がある。自分の眼で確認するがいい」 アザゼルは夏凜に優しくする気など皆無だ。 夏凜は利用するに足りる参加者であり、観察して面白い素材ではあるが、温情をかけるつもりはない。 そもそも悪魔は温情など持ち合わせていないが。 「……そうね」 対する夏凜の動きは緩慢であり、アザゼルの不遜な物言いに反論する気力もない様子だ。 寝心地の良くないだろう地面から動く体力も、まだ回復しきっていないらしい。 仰向けの姿勢のままで腕輪を操作していき、やがて顔を曇らせた。 観察していたアザゼルは、そのタイミングを狙って話しかける。 「どうだ?望んだ情報は得られたか?」 酒の肴を楽しむかのように、若き勇者の反応を愉しんできた悪魔は問う。 当然のことながら、望まぬ情報ばかりであったことは承知の上だ。 アザゼル自身の溜飲を下げる目的の、悪意しかない問いかけである。 「そう……」 それに対して、ぼそっと呟く夏凜。 アザゼルは期待通りの反応を予感して、何度目になるか、愉悦の笑みを浮かべる。 絶望に染まる顔、不安を隠せない声、必死に強がる言葉。 勇者を自称する少女が、勇気ある者らしからぬ表情を見せてくれるのは、愉快痛快この上ない。 しかし、そんなアザゼルの期待を裏切るかのように。 夏凜は上体を起こすと、はっきりと宣言した。 「……東郷、それに友奈と風のことは、もちろん残念よ。 この島にいる勇者は、もう私だけ……だから、アイツらの分まで、私は頑張るわ」 「なに?」 流石の悪魔も、これには怪訝な表情をした。 東郷美森という友人を目の前で殺害され、剣呑な殺意を放つ夏凜の姿を、アザゼルは記憶している。 そのときと比べて、立ち直りがあまりにも早すぎる。 放送によれば、勇者の知人は全て死亡したことになる。 結城友奈――チャットの文面を受けて、ひどく心配していた相手もいたはずだ。 ここで嘲笑すれば激情に牙を向けてくると考えていたアザゼルは、反応を奇妙に思いながらも、考えていた言葉を口にした。 「しかし、『なるべく諦めない』……だったか?その結果がこれとは、お笑い草だな」 的確に傷を抉るアザゼル。 夏凜は僅かに声を詰まらせながらも、決然たる態度で言い放つ。 「ええ。私が風を無理にでも止めれば、こんな結末にはならなかったでしょうね。 でも、クヨクヨしていても仕方ないわ。アインハルトにも同じようなことを言ったけど、私のすべきことをしないとね」 そこにアザゼルが期待したような、陰鬱な表情はない。 言葉はどこまでも前向きで、気高く勇ましいものだ。 まさしく語り継がれる勇者の在り様に違いない。 「アザゼル、チャットを見た?新しい書き込みが――」 「……フン」 悩むのは終わりとばかりにアザゼルに向き直り、話題を変えた夏凜。 スマホの画面を見せながら、どうこうと考察している。 その姿に、アザゼルはイラついたように鼻を鳴らした。 ✿ なぜ、三好夏凜はここまで前向きにいられるのか? 身体的にも精神的にも傷ついているはずなのに、まるで痛みを感じていないようではないか? 否、痛みを感じていないわけがない。むしろ感じているからこその態度なのだ。 そもそも、夏凜が勇者であろうとしたのはいつからか。 勇者に相応しい強さを身に付けるために、夏凜は多くの訓練を積んできた。 素振りやランニングといった鍛錬を日課とし、栄養はサプリメントで合理的に摂取する生活。 そうした弛まぬ努力の結果として、夏凜は確実に同年代の女子よりも優れた身体能力を有していた。 しかし、「普通」の女子中学生と比較すると、その生活は酷く孤独なもの。 本人にしてみれば孤独ではなく孤高であったかもしれない。 とはいえ、愛と正義だけが友達――そんな冗談も笑い飛ばせない状態だ。 加えて、少女は周囲と比べてその在り様が歪んでいると、理解できないほど愚かでもなかった。 耐えることができたのは、才能が開花したという自負と、勇者になるという断固たる意志を堅持していたからだ。 「勇者として四国を守る」――それは、夏凜にとっては当然の行為だった。 夏凜は少女である前に勇者であろうとしていた。 しかし、夏凜は任務の中で讃州中学勇者部に入部した。 そしてそこからは、少女らしい――年相応というべき、初めての経験の連続だった。 勇者部の仲間に自分の誕生日を祝われたこと。 仲間と楽しく奉仕活動をしたり、海で遊んだりしたこと。 子供たちと触れ合い、ぎこちないながらもコミュニケーションをしたこと。 積み重なる思い出の数々は、少女に新たな意志を抱かせた。 「この暮らしを、この生活を失いたくない」 「勇者部の仲間たちを失いたくない」 「三好夏凜として皆を守りたい」 これらの動機は、夏凜が独りで訓練している際には生まれ得ないものだろう。 勇者としての動機以上に、少女としての動機が大きいのだ。 おそらく本人も気づかない内に、夏凜の行動原理は変化していた。 いや、最初から存在するべき純粋な行動原理を、勇者部と出会って得たというべきか。 それによって、歪んだ在り様はいくらか矯正されたのかもしれない。 義務感からではない純粋な動機は、それまで以上に夏凜を強く支えた。 そう考えるならば、勇者であり、同時に少女でもある夏凜は、二重の強さを手にしていたと言える。 自信を失い倒れそうなときに、支えてくれる支えという強さ。 夏凜はこれまで、その強さに何度も支えられてきた。 夏凜は殺し合いの中でも、支えを胸に行動してきた。 しかし、無限に押し寄せてくる不安や焦り、悲しみや怒りという感情で、夏凜の精神は摩耗していった。 それが限界に達したのが、先刻の針目との戦闘である。 激情に任せて行動した結果としてホル・ホースを斬り殺してしまった、という思い込み。 加えて放送で呼ばれた名前が追い討ちをかけた。 仲間である少女たちの喪失と、助けられたかもしれない、という深い後悔。 もともと夏凜は殺し合いに乗った風、殺された樹、チャットに乗った東郷の情報、友奈の安否と、限りない不安を覚えていたのだ。 許容範囲を超えたショックを受けて、千々に乱れていた心はいよいよ分裂した。 勇者としての夏凜を奮い立たせていた矜持を失い。 少女としての夏凜を支えてくれていた仲間を喪い。 安定するために、安心するために、夏凜は支えを求めた。 その結果「少女」を放棄して「勇者」であろうとする「三好夏凜」がいた。 何度も何度も傷つけられて、その度に立ち上がれるのは、夏凜が勇者だから。 アザゼルに死者を侮辱されて、力量差を見せつけられても反抗できたのは、勇者の正義感によるものだ。 真の正義とか難しいことまでは、夏凜は考えていないだろう。 ただ、皆が憧れる「勇者」だという事実が与えてくれる勇気の力を以て、夏凜は正義を貫いている。 もちろん、前向きな感情だけではない。 もし、夏凜がかつてのまま「勇者」であり続けたなら、仲間を喪い多大なショックを受けることはなかっただろう。 逆に言えば、多大なショックを受けたのは夏凜が変化したからだ。 勇者であり少女でもある――その道を進んだせいで、仲間を喪うという悲劇に見舞われたのだと。 そう深層心理で考えてしまったのだ。 この悲しみ、痛みから逃れるにはどうすればよいのか? 端的に言えば――痛みを感じすぎた夏凜は、このとき「三好夏凜という少女」であることを放棄した。 それが自分の感じる痛みを最小限に留める唯一の手段だと考えたのだ。 そうしなければ、無限に湧き出る怨嗟と憎悪の坩堝に、なすすべもなく吞み込まれてしまうから。 だから、夏凜は少女であることを辞め、純粋な勇者であろうとしている。 後ろを振り向くことを止め、前だけを見て進もうとしている。 これは、ある種の自己防衛といえるだろう。 ✿ 『この書き込みは犬吠埼風さんのスマホからです。 スマホは風さんが亡くなっていた場所から拝借しました。 狂乱の貴公子とブランゼルは、万事屋から南東の市街地を探索します』 「書き込みをしたのは“F”。内容から見て風のスマホで間違いないわ。 たぶん、るう子の書き込みを真似たんでしょうね……どちらも名簿にはないし、あだ名なんじゃないかしら」 夏凜は自身で確かめるように、チャットの新しい書き込みを読み上げた。 既にチャットを見たアザゼルにとっては無意味である。 しかし、アザゼルは考察を話す夏凜をじっと見つめてから、唐突にこう指摘した。 「狂乱の貴公子は分からないけど、ブランゼルは確かアインハルトがそんなことを――」 「三好……貴様、左目の視力が落ちているな?」 話を遮られた夏凜は、数拍置いて頷くと、左目に手をかざした。 隣で見ていただけのアザゼルでも気づいたのだ、自覚がない筈もない。 自らそのことに触れずにいたのは、心配をかけまいとでもしたのか。 アザゼルはそう考えて少し苛立ちを覚えた。 「片目を失ったのは、風のことを受け止めてやれなかった罰よ」 しかし、どうやら苛立ちは増していきそうだ。 夏凜は敵を恨むでもなく、自ら必要のない責任を負い、そして前へ進もうとしている。 悲嘆に暮れているようでは前進できないと考えているからだろう。 「……」 悪魔はそれが気に食わない。 人間は、ひたすら己の無力さに打ちひしがれていれば、それだけで娯楽としては上々。 苦悶の声を上げさせるなり、絶望に命を捨てさせるなり、楽しむ方法はいくらでもある。 それなのに、己の弱さを認めてなお立ち上がるなど、まるであの―― (――聖女のことを思い出している、というのか?この俺が) アナティ城を襲撃した際に眼にした、強く気高き乙女ジャンヌ・ダルクの姿は、鮮烈にアザゼルの脳裏に焼き付いていた。 そして悪魔は無意識に、しかし確実に、その仇敵の姿を三好夏凜に重ねていた。 勇者と聖女。「勇気」あるいは「信仰」を拠り所として生きる人間として、類似した部分がある二つの存在。 健気にも前を向き続ける女勇者に聖女を重ねるのは、全く不自然なことではない。 ただし悪魔が勇者や聖女に対して向ける感情は、好意や憧れとは対極に位置するもの。 当然、無意識に聖女を思い浮かべたことを自覚して生まれる感情は、嫌悪のみ。 「チッ」 舌打ちをして、アザゼルは夏凜を見つめた。 年端も行かない少女が、急激に聖女のような心を持てるものか。 倒壊した放送局に訪れた、傷だらけの姿と絶望した表情は記憶に新しい。 何があったのかは結局聞いていないが――あれだけの傷を、二時間弱の睡眠程度で完全に回復できるものか。 目覚めてすぐに、聖女の如く前向きに気丈に生きられるものか。 ありえない。アザゼルはそう断言する。 「それで、話の続きだけれど」 アザゼルは、もはや夏凜を弄ぶことで悦に至ろうとは考えなくなっていた。 今現在の夏凜は、必死に勇者であろうとすることによって、精神の安定を図っているだけ。 いわば現実を見ずに逃げている状態だ。 完全無欠な勇者になることで、苦悩や悔恨といったマイナスの感情から逃れようとしている。 むしろ勇者として前向きにしようとしているだけ、気丈だと言えるのかもしれない。 少なくとも、周囲からはそう見えるだろう。 (つまらん) しかし、アザゼルに言わせれば、現実を見つめられずに放心しているのと大差ない。 勇者の皮を被った抜け殻のような存在――今の夏凜をアザゼルはそう評価した。 必死にもがく人間ならまだしも、抜け殻などに興味はない。 興が冷めたと言わんばかりに溜息をついて、アザゼルは今後のことを考えることにした。 ✿ 三好夏凜は「勇者」であり、「勇者」以外のなにものでもない。 【E-1/放送局跡/一日目・夜】 【アザゼル@神撃のバハムート GENESIS】 [状態]:ダメージ(大)、脇腹にダメージ(中)、疲労(中)、胸部に切り傷(大)、応急処置済み) [服装]:包帯ぐるぐる巻 [装備]:市販のカードデッキの片割れ@selector infected WIXOSS、ノートパソコン(セットアップ完了、バッテリー残量少し) [道具]:腕輪と白カード、赤カード(16/20)、青カード(15/20) 黒カード:不明支給品0~1枚(確認済)、片太刀バサミ@キルラキル、弓矢(現地調達) 市販のカードデッキ@selector infected WIXOSS、ナイフ(現地調達)、スタングローブ@デュラララ!!、スクーター@現実、不明支給品0~2、タブレットPC@現実、デリンジャー(1/2)@現実 [思考・行動] 基本方針:繭及びその背後にいるかもしれない者たちに借りを返す。 0:今後の行動を考える。ラヴァレイの処遇も決める。 1:三好……面白くもない。 2:借りを返すための準備をする。手段は選ばない 3:繭らへ借りを返すために、邪魔となる殺し合いに乗った参加者を殺す。 4:繭の脅威を認識。 5:先の死体(新八、にこ)どもが撃ち落とされた可能性を考慮するならば、あまり上空への飛行は控えるべきか。 6:デュラハン(セルティ)への興味。 [備考] ※10話終了後。そのため、制限されているかは不明だが、元からの怪我や魔力の消費で現状本来よりは弱っている。 ※繭の裏にベルゼビュート@神撃のバハムート GENESISがいると睨んでいますが、そうでない可能性も視野に入れました。 ※繭とセレクターについて、タマとるう子から話を聞きました。 何処まで聞いたかは後の話に準拠しますが、少なくとも夢限少女の真実については知っています。 ※繭を倒す上で、ウィクロスによるバトルが重要なのではないか、との仮説を立てました。 ※東郷美森が犬吠埼樹を殺したという情報(大嘘)を知りました。 ※チャットの書き込みを(発言者:F)まで確認しました。 【三好夏凜@結城友奈は勇者である】 [状態]:疲労(中)、顔にダメージ(中)、左顔面が腫れている、胴体にダメージ(小)、満開ゲージ:0、左目の視力を『散華』、「勇者」であろうとする強い意志(現実逃避) [服装]:普段通り [装備]:にぼし(ひと袋)、夏凜のスマートフォン@結城友奈は勇者である [道具]:腕輪と白カード、赤カード(16/20)、青カード(15/20) 黒カード:不明支給品0~1(確認済み)、東郷美森の白カード、東郷美森のスマートフォン@結城友奈は勇者である [思考・行動] 基本方針:繭を倒して、元の世界に帰る。 1:『勇者として』行動する。 2:アザゼルと今後の行動を話し合う。 3:仲間たちのことは……今は考えない。 [備考] ※参戦時期は9話終了時からです。 ※夢限少女になれる条件を満たしたセレクターには、何らかの適性があるのではないかとの考えてを強めています。 ※夏凛の勇者スマホは他の勇者スマホとの通信機能が全て使えなくなっています。 ただし他の電話やパソコンなどの通信機器に関しては制限されていません。 ※東郷美森が犬吠埼樹を殺したという情報(大嘘)を知りました。 ※小湊るう子と繭について、アザゼルの仮説を聞きました。 ※セルティ・ストゥルルソン、ホル・ホース、アザゼルと情報交換しました。 ※チャットの新たな書き込み(発言者:F)、友奈からのメールに気づきました。 時系列順で読む Back 追う兎 Next ヤツの時間がきた 投下順で読む Back 追う兎 Next ヤツの時間がきた 175 虚ろなる生者の嘆き:End in…? アザゼル 194 New Game 175 虚ろなる生者の嘆き:End in…? 三好夏凜 194 New Game
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デカイ悩みなら抱えて進め ◆aCfYpcY.NE 「痛っ…」 「…やっぱり、無理していたんですね…」 コナンの治療をするのは、当然ネギだった。 治療といっても、学校の保健室。 ほぼ応急手当のようなものだ。 添え木をして、包帯で巻いて、腕を吊る。 「コナン君は、どう思ってるんですか?リリスさんとのこと…」 「…競争のことか…?」 「はい」 「乗らねぇよ、絶対。もちろん、ゲームにもな」 だが、ネギにはわかっていた。 記憶はいまひとつはっきりしないが、自分を襲ってきた少女。 果たして本当にあのまま放置していた良かったのか、と。 『マギステル・マギ』を目指すネギは、人助けになるようなことをしたかった。 それは、一瞬、リリスにのみ込まれてしまった罪悪感から来るものなのかもしれない。 だから、思うのだ。 あのまま放置していても、また他の犠牲者が出るだけなのではないかと。 それこそ、ゲームにも何も乗っていない、全く罪のない人間が。 自分の手はもう汚れている。 人を殺しかけたのだから。 だから、殺していいというわけではないが、生真面目なネギの性分がそれを許さなかった。 「僕は…リリスさんとの競争、乗るつもりでいます」 「!?お前っ!」 コナンはネギに掴み掛かる。 その言葉は、たとえ冗談だとしても聞き捨てることはできない内容だった。 「…僕は…『このゲームに乗った人』全てを殺すつもりです」 コナンの手が硬直する。 ネギはこう言っているのだ。 『汚れ役をすべて引き受ける』と。 (こいつ…) 「よく考えてみてください。リリスさんとの殺害数を競って勝てば、リリスさんと戦う必要はないということです」 「そりゃ…そうだけどよ…」 コナンはリリスを止めるつもりだった。 …戦ってでも。 だが、他に戦う者を集めるということは、その人物を見殺しにするのではないか? 一瞬、コナンの脳裏を掠めたその問題。 その問題を、ネギは最も合理的かつ非道な手で解決しようとしているのだ。 自らの手で。 「お前が…そこまでするのは何でだ?」 「…僕には力がある。魔法を使える。だからです」 「…それだけか?」 探偵として鋭い洞察力を誇るコナンは、ネギのその言葉全てが真実ではないと見抜いていた。 その言葉にネギは苦笑する。 「鋭いですね…確かに、理由はそれだけじゃありません。 僕は一瞬といえど、ゲームに乗りました。 いずれにしても、もう皆に合わせる顔がありません」 明日菜、のどか、木乃香、刹那、夕映、ハルナ、千雨…3-Aの生徒達。 エヴァンジェリン、古菲、小太郎…父親―ナギ―…。 そして、超。 (超さん…あんな強引な手を使ってでも歴史を変えようとした貴方の気持ち、今なら分かるような気がします…) 「おい」 「はい?」 仏頂面のコナンは不意にネギに近づき…。 ぱちんっ。 「った…あうう?」 でこぴんをかました。 「バーロ。自分で全部を背負ったようなツラしてんじゃねぇよ。 …大体、俺のせいだろーが。リリスとの競争は」 「…コナン君?」 「…ガキの癖に、そんなに全部背負い込むなよ。…見てられねぇぜ、ったく」 コナンは、ここで何となく行動方針が固まった。 最初は、自己嫌悪でいっぱいだった。 だが、ネギと話しているうちに決心がついた。 このまま、進もうと。 「お前の抱えているもの、俺も半分背負ってやる…。 殺す殺さないも、決めつけて行動するんじゃねぇ。先入観は、人の感覚を狂わせるぜ?」 不意に、千雨の言葉が蘇った。 『吹っ切れた、悟ったなんてのは大抵勘違いだから気をつけろよ、ガキ』 『デカイ悩みなら吹っ切るな。胸に抱えて進め』 (…わかりました、千雨さん…) 「じゃあ、行こうぜ!小狼の助太刀に!」 「はい!」 決意を新たに、二人の少年は結束する。 ※ ※ ※ 同時刻、保健室前― 「ちっ、人がいたか…」 メロは舌打ちをした。 これでは物資の調達ができない上に、自分の顔がばれる。 『シカモ片方ハ、ガキ…アイツダナ』 「…あいつ?」 保健室にいるのは二人。 声から、チャチャゼロはそのうちの一人がネギだと分かった。 「御主人ノ弟子ダ。俺ノコトモ知ッテルシ、魔法モ使エル」 「…ここは様子見か…この俺が後手に回るとは…!」 メロは忌々しげに毒づく。 確かに、色々な方法は存在する。 例えば、奇襲を掛ける、怪我人のフリをする、など。 だが、魔法使い相手に奇襲は通じないだろう。 怪我人のフリをするにしても、包帯はない。 とすれば、本当に怪我を作ればいいかもしれないが、それならばもしもの時に動き辛くなる。 「…奴等が保健室から出るのを待つか…」 「暇ツブシニ話デモシテヤローカ?」 「注意力散漫になるのは危険だ…いらん」 「ソリャ、ソーダナ」 そう、今は待ち時間…。 メロはそう自分に言い聞かし、保健室から二人が去るのを待った…。 【D-4/学校1階、保健室/1日目/昼】 【ネギ・スプリングフィールド@魔法先生ネギま!】 [状態]:胸に斜めに大きく浅い傷痕(ただしダメージはほとんどない)。魔力を相当使ってだいぶ疲労 [装備]:指輪型魔法発動体@新SWリプレイNEXT [道具]:なし(共通支給品もランドセルもなし!) [思考]:あれ?コナン君…僕の方が年上だよね…? 第一行動方針:小狼の元へと急行する 第二行動方針:出来る事なら魔力回復の為休みたい 第三行動方針:二人(エヴァ&小太郎)と、コナンのお友達(灰原)、小狼の仲間(桜)を探す 第四行動方針:18時のリリスとの約束に遅れずに行く 最終行動方針:ロワから脱出する [備考]: リリスと殺害数を競う約束をしています。待ち合わせは18時にB-7のタワーです。 催淫作用は解けましたが、襲ってくる存在には容赦するつもりはないようです。 今のところどうするかは保留。 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:右腕骨折(応急処置済み) [装備]:はやぶさの剣@ドラクエ [道具]:支給品一式、バカルディ@ブラックラグーン、銀の銃弾14発、 シルフスコープ@ポケットモンスターSPECIAL 蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン 殺虫剤、リリスの食料と飲み掛けの飲料水 [思考]:ガキの癖に無理すんじゃねぇぞ、ネギ 第一行動方針:小狼の元へと行く(拡声器の音の方向から大体の場所を判断しています) 第二行動方針:灰原とネギ、小狼の仲間を早めに見つけたい 第三行動方針:リリスを倒す為に協力してくれそうな人物を探す 最終行動方針:ロワから脱出する [備考]: リリスと殺害数を競う約束をしています。待ち合わせは18時にB-7のタワーです。 バカルディと飲み掛けの飲料水は、リリスが口をつけたため弱い催淫効果を持っています。 【D-4/学校1階、保健室より少し離れた場所/1日目/昼】 【メロ@DEATH NOTE】 [状態]:スケボーで転倒した際、軽い打ち身。かるい掠り傷。 [装備]:天罰の杖@ドラゴンクエストⅤ、賢者のローブ@ドラゴンクエストⅤ [道具]:基本支給品(ランドセルは青)、チャチャゼロ@魔法先生ネギま! ターボエンジン付きスケボー@名探偵コナン(ちょっと不調) [思考]:今は待ち時間だ… 第一行動方針:二人が去った後、保健室へと行き、物資を調達する 第二行動方針:厄種(ヘンゼル)と2人の少年(リンクと小狼)の戦いの勝者を殺す 第三行動方針:『3人抜き』を達成し、『ご褒美』を貰い、その過程で主催側の情報を手に入れる 第四行動方針:どうでもいいが、ドラ焼きでなく板チョコが食べたい。どこかで手に入れたい 基本行動方針:ニアよりも先にジェダを倒す。あるいはジェダを出し抜く [備考]:ターボエンジン付きスケボーは、どこか壊れたのか、たまに調子が悪くなることがあります。 ≪100 別れ、そして…… 時系列順に読む 109 出会いはいつも最悪で≫ ≪106 遊ぼ♪ 投下順に読む 108 使用上の注意をよく読んでください≫ ≪100-1 別れ、そして…… ネギ・スプリングフィールドの登場SSを読む 112-1 でにをは、そして正しすぎる拳(前編)≫ 江戸川コナンの登場SSを読む ≪100-2 衝突、そして…… メロの登場SSを読む
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竈門炭治郎はその時、この殺し合いに巻き込まれてから二度目の大きな衝撃を受けた。 一度目の衝撃は、最初の殺し合いについての説明の時、最初の説明を行った人物の自己紹介の時だ。 その時の少女…ではなく、男が明かした身分に対し、炭治郎は心当たりがあった。 その人物、魘夢は自分のことを十二鬼月の下弦の壱だと言った。 それは、炭治郎自身が頸を斬った鬼のことだった。 そして、魘夢という名は初めて知ったが、その雰囲気から相手がその自分が倒したはずの下弦の壱本人である可能性が高いと感じた。 何故生きているのか、どうしてこんなことをしているのか、自分も別人の身体ということは無関係の女の子を巻き込んでいるのか、 炭治郎の中では困惑と怒りの感情が大きく駆け巡っていた。 しかし、ルール説明の最中ではそんな思いを抱きながらもどうすることもできず、やがては殺し合いの舞台の上に強制的に降り立たせられた。 そして、空の上の顔のある月の存在も確認した。 炭治郎は、複雑な胸中のままながら、現状把握することを余儀なくされた。 炭治郎に与えられたのは、右腕の無い男の身体だった。 複雑な経緯により左腕が動かせなくなった本来の炭治郎の肉体とは対称的なものだ。 顔には無精髭が生えている。 そんな顔つきは、まるで気骨ある武人を彷彿とさせる。 その肉体の本来の持ち主である男の名は、宮本明といった。 炭治郎は、その宮本明の名前だけはこの瞬間でも把握することはできていた。 しかしそれは、プロフィールが記されている、タブレットの使い方が分かったからではない。 大正時代の人間に、現代文明の機器はそう簡単に扱えない。 何故に明の名前を知れたのかと言うと、それはデイパック内から発見した一つの支給品に理由がある。 それは、宮本明の仕込み刀入りの義手だ。 それに付属していた説明書に宮本明の名が書いてあったのだ。 とは言え、これだけで自分の身体が宮本明だという証明にはならない。 けれども、元々右腕が無く、自分にこの義手が支給されていることから、何となくこの身体の主は宮本明という名の人物だということを段々と察してきていた。 わざわざ支給品に入れるということは、専用の義手なのだろうということだ。 しかし結局の所、名前が分かったからと言って、タブレットが使えなければどのような人物なのかを知ることはできない。 また、もし先ほどの魘夢が自分の知る下弦の壱なら、今自分がいる場所はあの鬼の血鬼術による夢の中だという可能性も出てくる。 その場合だと、自害すれば夢から目覚める。 しかし、その行動に移る訳にもいかない。 そもそも倒した以上あの鬼の肉体は残っていないはず、血鬼術を使う手段が無いはずだ。 確証が無いのに、危険な行動を試すことはできない。 そういったこともあり、炭治郎は途方に暮れていた。 だが、そんな時に新たな人物が炭治郎の近くに現れた。 炭治郎が二度目の衝撃を受けたのは、その時だ。 そこに居たのは、自分だった。 それも、無惨との最後の戦いよりも前の、五体満足だった頃のものだった。 ◆ 「……つまり、今のあなたの身体は俺だけど、俺じゃないってことですか?」 「うん…まあ、大体そんな感じで良いと思う」 炭治郎は、自分の姿をしたものと話し合うことができた。 相手も、自分と同じく殺し合いに乗るような人物ではなかったからだ。 自分の見た目の人物と会話するというのは少し変な気分だったが、話の通じる人物で炭治郎は安心した。 炭治郎が出会った今の彼の身体の中身、「黒嶺ユメ」による説明から、全て理解できた訳ではないが炭治郎は一応自らの混乱をある程度抑えられた。 彼女は、この身体が炭治郎にとっての並行世界から来たものである可能性を説明した。 黒嶺ユメは、裏バイターである。 それも、何件もの裏バイトを生き延びた歴戦の猛者である。 ここで言う"裏"とは、現実的に実在しそうな、犯罪的なものとか、そういうものでは一応ない。 彼女にとっての"裏"とは、これを見ている者達に分かりやすく言えば、いわゆる超常的な、"怪異"的な、それだ。 その中で、一度並行世界に迷い込んだこともあった。 そんな経験があったから、炭治郎に対し説明することができた。 ユメの認識としては、自分は今、"裏"の案件に巻き込まれているのではないかと考えている。 直前まで特にバイトに入っていたとかの記憶はなく、それとは関係なく巻き込まれたのかもしれない。 なお、ユメは炭治郎に"裏"について詳しくとか、自分が裏バイターだとかいったことは話していない。 一応、別世界に迷い込んだことがあるとかは話したが、それについても詳しい経緯等は説明していない。 詳しい話をする必要があるかどうかの判断は保留中だ。 けれども、ユメは炭治郎のことを裏バイターに近いものなのでは?とも少し感じてもいた。 ユメは自分に支給されたタブレット内のプロフィールを確認済みで、炭治郎が大正時代の人間であることも把握している。 相手が過去の時代の人間であることについては、裏案件ならばそんなこともあるかもしれないとそこまで大きくは気にかけてない。 人を喰う鬼と戦っていたことも確認している。 それについても裏案件のように思えて、詳しいことを丁度出会えた炭治郎本人から聞いてみたいと思っていた。 けれども、ユメはここですぐにそれらについての話は振らなかった。 それよりも先に、炭治郎にタブレットの使い方を教えてあげるべきだと判断していた。 相手が大正という電子機器類の無い時代の出身らしいことから、そうすることにした。 実際、炭治郎もタブレットの使い方に困っていた。 ◇ 「どう?炭治郎君」 「…はい。見れました」 ユメから使い方を教えてもらった炭治郎は、早速中に入っているプロフィールのデータファイルを開く。 そこに書いてあることから、今の自分の身体の名は確かに宮本明であることを確認した。 彼がユメと同じく自分よりも未来の時代の人間であることも把握した。 そして、彼のこれまでの壮絶な人生も知ることになった。 (吸血鬼…この人も、戦っていたのか…) 宮本明は、人間が変じた存在ながら人のことを喰い物にする怪物である、吸血鬼を相手に戦っていた。 それはまるで、自分たちの知る鬼のような存在だった。 その過程で、吸血鬼になってしまった友や果ては自分の兄とまで殺し合いになったことまで書いてあった。 右腕を失ったのは、雅という名の、吸血鬼達の親玉との戦いによるものとのことだ。 炭治郎は明の経歴に対し、悲しい気持ちを抱いてしまう。 特に、吸血鬼になった兄を殺すことになった点についてそう感じ、注目してしまう。 炭治郎もまた、自分の妹である禰豆子が鬼となってしまっていた。 最終的に、禰豆子は人間に戻せたのだが、一歩間違えれば自分が殺さなくてはならなかったかもしれない。 そう考えると、宮本明の人生はまるで自分のもしもの可能性の一つのように感じられる。 そして、宮本明の戦いはまだ終わってないようだった。 なんと雅は、(どんな方法を使ったまでかは書いてなかったが)日本中を吸血鬼だらけにして、国として滅ぼしてしまったらしいのだ。 そして明は、その雅を倒すために探しているとのことだった。 (…俺は、絶対にこの人に体を返してあげなくちゃ) 炭治郎はその決意をより強く固める。 宮本明のことを、炭治郎は他人だと思えなかった。 プロフィールを読んだ感じでは、明が戦いを続けているのは、これ以上吸血鬼による悲しみを増やさないためと言うよりは、雅への復讐のような感じがした。 それでも、彼に返さねばならないと思った。 明は、自分たちが無惨を倒したように、絶対に雅を倒さなければならないと思った。 そうでないと、彼のこれまでの凄惨な人生が報われないと感じたからだ。 ユメからは、未来の日本が吸血鬼によって滅びているなんて話は聞いてない。 その点についてもおそらく、それぞれが別世界のものだと考えれば説明は簡単に付く。 それと同じように、自分が生きる未来も宮本明の未来とは繋がらないかもしれない。 それでも、炭治郎は彼のために何かしてあげたいと感じた。 助けてやりたいと、思った。 そのためにもまず、この殺し合いを絶対に止めること、そしてあの魘夢の正体も見極めることをより強く決意する。 「…ユメさん、ありがとうございました。それから、お話したいことがありま…」 炭治郎はユメに対し自分の知ることについてより詳しい話をしようとする。 これまでのユメの様子から、彼女も殺し合いに乗っていないと判断しており、実際にその通りだった。 鬼や、魘夢のことなど、情報を共有しようと思った。 だがしかし、その話に入ることはできず、遮られることとなる。 「……クッッサ!」 ユメは、顔を青白くしながらそう叫んだ。 彼女は、この場に新たなる存在が近づいていることに匂いで気付いた。 「炭治郎君ここはクサイ!ここにいては駄目!離れないと!」 「お、落ち着いてくださいユメさん!確かに俺の鼻はいいですが…」 突然慌てふためくユメを炭治郎は落ち着かせようとする。 炭治郎は常人よりも鼻がきく。 それにより、その身体になっている彼女が前よりも匂いに対して敏感になってしまうことも考えられるだろう。 しかし今のユメの様子は、ただ敏感であるだけのものには見えなかった。 それにより、炭治郎は対応が少し遅れてしまった。 そうこうしている内に、やがてその匂いの発生源が、彼らの前に現れる。 「………は?」 それを見た炭治郎は、この日三度目の大きな衝撃を受けることとなる。 それが、最も強大な衝撃となった。 炭治郎は、何故ユメが先ほどのような反応をしたのか、その理由を少し察した。 けれども、自分が見ているものを信じられなかった・現実だと認識したくなかった。 それほどまでの存在が、そこにいた。 そこにいたのは、自分達鬼殺隊が多大な犠牲を出しながらも倒したはずの鬼の始祖、鬼舞辻無惨だった。 ◇ 黒嶺ユメは元々、ある異能を有していた。 それは、あらゆる危険を匂いで感じるという異能だ。 更には、危険度数が高ければ高いほど、匂いも強烈になっていくというものだった。 ユメはそれを、黒い匂いと表現していた。 逆に、安全に繋がるものがあるならば、白い匂いを感じ取ることもできた。 ただし、今回ユメはその異能により匂いを感じ取った訳ではない。 ユメの異能は、現在は使えない状態だ。 匂いは、炭治郎の肉体の鋭い嗅覚で感じ取ったものだ。 炭治郎の肉体は、鬼の匂いを警戒の匂いとして覚えていた。 それを、ユメは自分がこれまで嗅いできた黒い匂いと認識してしまったのだ。 実際、炭治郎にとって鬼とはユメの知る危険な存在達とほぼ同じようなものと考えていい。 そのような視点で見れば、彼女のこの場から離れるべきだという判断はそこまで間違っていないと言えるかもしれない。 けれども、炭治郎にとっては、今現れた匂いの元…鬼舞辻無惨の姿をしたものを放っておく訳にはいかなかった。 鬼舞辻無惨とは、それほどまでの存在なのだ。 彼らの前に現れた無惨は、白髪の状態…無限城決戦において、珠世が投与した薬によって老化してた白髪の状態のものだった。 また、無惨は少しどこか苦しそうな表情をしていた。 やがて、炭治郎は驚愕しながらも、ある事実に気付くことになる。 それは、無惨…の姿をした者は、自分達に対し"敵意"がないことだ。 この殺し合いの環境である以上、この無惨もまた、その肉体を動かす意思は本来の鬼の始祖のものではなかったのだ。 「……あなた達、誰?……まさかだけど、ボンドルドの仲間?」 無惨の姿をした者は、とても怯えている様子だった。 ボンドルドという名を出されたが、それについても心当たりは無い。 その瞬間、炭治郎はただ、驚愕したまま『彼女』を見ることしかできなかった。 ユメも一応、さすがに目の前に出てこられたら、相手が敵意を持っていないことまではさすがに気付いた。 けれども、自身が感じる匂いにより、『彼女』のことを警戒してしまっていた。 「………あたしは、ミーティ。ねえ、ここは…アビスの中なの?」 無惨の肉体を与えられた者は、炭治郎とユメにそう名乗った。 ここからが、炭治郎に与えられる新たなる課題だ。 たとえ、自分の住んでいた元の世界には関係の無いであったとしても、炭治郎はこれに対し答えを出さなければならない。 確実に鬼による悲劇を止められるが、そのために罪の無い者を犠牲にできるのかどうか、という問を。 ◆ ミーティが覚えているのは、ガラスの向こうの自分と同じ装置に繋がれた親友の姿。 それが、ここに来る直前に見た最後の光景だ。 そのような状況になってしまったのは、ある人物からの裏切りによるものだった。 そして彼女には、想像を絶する激しい苦痛がその身に降りかかるはずだった。 しかし、それが来る直前になって、彼女はこの場所に突然招かれた。 そんなことは、彼女が直前までいた場所…アビスの6層の上昇負荷のことを考えると、絶対にあり得ないことだった。 今の彼女は現状を把握仕切れない・理解できないままただただ混乱し、怯えることしかできなかった。 これが現実なのかどうかも判断できなかった。 そして、今の彼女の身体は、本来なるはずだったものと似たように、不死身の肉体であった。 その本来のものとの違いは、明確な弱点があること。 日光を浴びれば、死ぬことは可能だ。 しかし、果たしてそれで、自分が求める場所に魂は還りゆくのか。 【竈門炭治郎@鬼滅の刃】 [身体]:宮本明@彼岸島48日後… [状態]:健康 [装備]:宮本明の仕込み鉈入りの義手@彼岸島48日後… [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考・状況]基本方針:殺し合いを止め、身体を元の持ち主に返す。 1:どうして…よりによって…無惨なんだ…!? 2:ユメに自分や鬼殺隊、鬼のこと等についてより詳しいことを教える。 3:魘夢は俺の知る下弦の壱なのか?だとしたら、あいつの血鬼術も関係あるのか? [備考] ※無惨との最終決戦が終わった後からの参戦です。 ※黒嶺ユメから別世界の概念について聞きました。 【黒嶺ユメ@裏バイト 逃亡禁止】 [身体]:竈門炭治郎@鬼滅の刃 [状態]:健康 [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況]基本方針:殺し合いには乗らない、生還優先 1:目の前の相手(ミーティ)は敵意は無い。だけど、黒い匂い?が… 2:炭治郎君とより詳しい情報共有をする。 [備考] ※具体的な参戦時期は後続の書き手にお任せしますが、少なくとも遊園地スタッフのエピソードまでは経験しているものとします。 ※炭治郎の身体は、無限城決戦の直前辺りのものとします。 ※鬼の匂いを黒い匂いに近いものと認識しています。 【ミーティ@メイドインアビス】 [身体]:鬼舞辻無惨@鬼滅の刃 [状態]:9000年分の老い [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況]基本方針:いまいち状況を理解できてない 1:この人達は信じられる…?警戒されているみたいだけど… 2:何か体がダルい… 3:ナナチはどこ? [備考] ※昇降機の上昇負荷実験にかけられる直前辺りから参戦です。 ※無惨の身体の状態は、最終決戦途中の、本人が9000年分の老化に気付いた辺りの頃のものとします。 【宮本明の仕込み鉈入りの義手@彼岸島48日後…】 隊長と呼ばれる吸血鬼が宮本明の為に作った右腕用の義手。 中に先端の曲がった鉈が仕込まれている。 78 命にふさわしい 投下順に読む 80 [[]]
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前だけを向いて進め◆C1mr6cZSoU 「どうなってやがるんだ。俺、死んだはずだろ。なんでここにいるんだ」 近藤勇は一人空を見上げる。 自らの目に映る夜空は生存と何ら変わりはしない。 「うーん、ひょっとして俺死んで無かったのか………でも…………マジで斬首された記憶はあるんだよな……まあいいや。 悩んでも仕方ねーしな」 近藤はあまり悩むことなく、自らに支給された日本刀を抜く。 すると刀身の輝きはかなり鋭く、切っ先からは名刀の雰囲気が感じ取れた。 しかしそれもそのはずである。 近藤が手にした刀は、天下五剣が一つ童子切と並ぶ日本最高と名高い名刀大包平であるのだから。 「おお!良い刀じゃねえか。これなら良い感じにいけそうだ」 すると近藤は近くにあった大木に刀を向ける。 「とあっ!てやっ!せいっ!!」 鋭い三つの剣筋が木に三つの切れ目を作り、そのまま倒れてゆく。 「最高だな。あの爺さんはムカついたが、この刀は上出来だ。これならどんな野郎でも歯向かってくる野郎は 余裕で斬り捨てられるってもんだ」 近藤は若干笑い混じりに呟く。 しかし、その直後。近藤は背後に得体のしれない気配を感じ取った。 「誰だっ!……………女?」 近藤は振り返るが、その姿には思わず呆気に取られる。 しかし、女は小さく独り言のように呟く。 「………お前。殺し合いに乗るつもりか」 「あん。お前だあ?俺は新撰組局長の近藤勇って名前があるんだけどさあ。人を呼ぶなら自分を名乗って、相手にも 名前を聞いてからにしろよ」 「………そうか。それは失礼だった。ボクは香坂しぐれだ。それで近藤…………どうするつもりだ」 「別にどっちでもねえよ。あの爺さんの言う事を聞くつもりはねえが、俺にはむかう奴、邪魔をする奴は斬る。それだけだ」 「………そうか」 しぐれは近藤の返事を聞くと、袋から二本の曲線の形をした刀、通称干将・莫耶を取り出す。 「……どうやらお前は頭を冷やした方が良い」 「あん。ひょっとしてお前。この俺を馬鹿にしてる?」 「………馬鹿になどしていない。ただ思った事を正直に言っただけ」 しぐれは声自体は小さいが、しっかりとした口調で返す。 それが近藤を酷く怒らせる。 「なるほど。つまり俺の邪魔をするわけだ。いいぜいいぜ。掛かって来いよ」 近藤は静かに怒り、しぐれを挑発する。 しかし、しぐれは特に動じた様子も見せずにただ両手に構えた二刀を構える。 「分かった」 その一言が発したと同時。 七メートルは合った間合が一瞬で詰められ、しぐれは近藤の傍まで来ていた。 「なっ!?」 「はっ!」 近藤は咄嗟に後ろにとび左右から跳んでくる攻撃をかわすが、左頬を僅かに切っ先が掠める。 「………ちっ、油断したぜ。だが次からはそうはいかねえ。もう俺は油断するつもりは無い」 「………そう」 「てっ!おいっ!?」 しかし近藤が刀を構えなおすと同時、しぐれはいきなり両の剣を近藤に向け投躑する。 それに驚き近藤は思わず突っ込みを入れる。 だが、決して棒立ちをしているわけではない。 「くそっ!?」 肩を下げ、足を引いて致命傷を避ける。 投げられた二刀は右肩と左足を僅かに切り裂き、背後の木に突き刺さる。 「甘い。だが得物を投げたら……!?」 次に近藤がしぐれを見ると、その手には鎖鎌が握られており、その鎖の方を近藤へ向けて投げる。 「ちっ!」 鎖は正確に近藤の首を捉えていた。 しかし、咄嗟に刀を握っていない左手を首に入れて、縛り首を避ける。 「………どうする。もうボクの勝ちだよ。刀を捨てて………」 「けっ、甘いな。それで俺に勝ったつもりかよ。甘すぎるぜ。伊東や芹沢も甘かったが、お前はそれ以上だ」 「?」 近藤は強気で返すと、しぐれに向かい走り出す。 「こうすりゃいいだろうがっ!!」 「!?」 しぐれはそれにあわせて後ろに引こうとする。 だが不意をつく事に成功した近藤の方が僅かに早い。 そして詰められた間合は鎖の弛みを生む。 近藤はそのたるんだ鎖を腰に差した鞘に引っ掛ける。 そして刀を合わせ…… 「おらあっ!!!」 掛け声と共に一気に刀を鞘へ納める。 鎖は刀と鞘に挟まれ、一気に引き千切られる。 「……そんな」 しぐれは近藤の予想外の行動に唖然とする。 けれど近藤はそんなしぐれの隙を逃さない。 「今度はこっちから行くぜ!」 鎖を首から外すと、刀を再度抜いてドンドン間合いをつめていく。 「まだ負けない」 しぐれは残った鎌を近藤へ向けて投げる。 だがそれを近藤は避けずに刀で弾く。 「それで終わりか」 「んっ」 しかし次の瞬間、しぐれは袋から最初に投げたのと寸分違わぬ二刀を取り出していた。 「また同じ刀か。いいぜ、何度でも相手してやるぜっ!!」 近藤は鋭い剣筋がしぐれを襲う。 だが、しぐれはそれを全て両の剣で捌く。 そして今回は両者引かない。 何度も何度も、互いの剣が交差する。 金属の弾きあう音がリズム良く響き渡る。 そしてその剣の交差は五分ほど続いたところで変化が訪れる。 「っ!」 「どうした!押されてるぞ!」 遂に近藤がしぐれを押し始める。 しぐれは激しい近藤の剣撃に、両手に握られた干将・莫耶で何とか防ぐ。 しかし次第にしぐれは後退していく。 「さっきの鎖鎌もそうだが、どっちも確かに凄かったぜ。最初の二刀を操る動きも、鎖を操る動きも、鎌を投げる動きも、 そして今俺の攻撃を防ぐその防御術もなっ!」 近藤は剣速を更に加速させ、しぐれを後退させる。 「だがよう。どれも中途半端なんだよ。所詮お前はさ。あらゆる武器を使いこなしてるつもりで、一つも極めちゃいないんだよ。 それじゃ勝てねえよ。この俺の純粋な剣にはな」 「くっ」 もうしぐれの動きでは完全に捌ききることは出来ない。 既に両腕には無数のかすり傷が出来ている。 「悔しければ極めてみろっ!俺の剣を超えてみろ。それが出来ないならここで死ね!香坂しぐれっ!!!」 そして次の一撃。 気合をこめた一撃が干将・莫耶を砕きしぐれの胴体に叩き込まれる。 「がっ!」 そのまましぐれは後ろに飛ぶように倒れ、下の海へと落ちていった。 近藤は流されてゆくしぐれを見つめながら刀を収める。 「鎖帷子を仕込んでやがったな。まあ死んでるかどうかはあいつ次第か」 近藤は近くの椅子に座り込み、一度息を整える。 「まあ、思ったよりは強かったな。せっかくだ。この際楽しませてもらうぜ。爺さんよ」 一方その頃。 しぐれは海から流れ、何とか浜に辿り着き、陸から上がる。 「つっ、強い」 しぐれは余りの強さに敗北感に、心の中は悔しさで滲んでいた。 支給されたのは四本の中華刀。そして自分の傍には鎌が一本落ちていた。 更に自らの上着の下に着込んでいる鎖帷子はそのままだった。 その武器を全て消化し、防具まで使った上での完敗。 悔しくないはずが無い。 「………ケンイチにはこんな姿、見せられないな」 仰向けに倒れながら、いつも以上に力無い声で、しぐれは呟いた。 【ちノ捌 離れ小島の端/一日目/深夜】 【近藤勇@史実】 【状態】健康 左頬、右肩、左足にかすり傷 【装備】大包平 【所持品】支給品一式 【思考】 基本:この戦いを楽しむ 一 強い奴との戦いを楽しむ (殺すかどうかはその場で決める) 二 土方を探す。 【備考】 死後からの参戦ですがはっきりとした自覚はありません。 【とノ漆 大陸の陸地の端/一日目/深夜】 【香坂しぐれ@史上最強の弟子ケンイチ】 【状態】ずぶ濡れ 疲労大 両腕にかすり傷 腹部に打撲 【装備】無し 【所持品】支給品一式 【思考】 基本:殺し合いに乗らず、乗った人を無力化させる 一 まず体力を回復させる 二 その後に武器と着替えの服を探す。 三 近藤勇に勝つ方法を探す 【備考】 登場時期は未定です。 ちノ捌の離れ小島の木に干将・莫耶@Fate/stay nightが刺さっています。 ちノ捌の離れ小島に鎖が砕けた鎖鎌(赤松が持っていた分銅付きの物)@るろうに剣心が落ちています。 時系列順で読む 前話 純潔の太刀筋 次話 虎よ、虎よ! 投下順で読む 前話 純潔の太刀筋 次話 虎よ、虎よ! 試合開始 近藤勇 昔飛衛と言う者あり 試合開始 香坂しぐれ 少女二人で夜越えて―/人斬り二人
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血の表現有り。 グロイです。 「大王、僕が殺してあげましょうか」 「あれ、声に出てた?」 最近独り言が多くなってねぇ。もしかしてもう年かなぁ・・・ねぇ鬼男君? おどけたように言ったのに、鬼男君は実に真面目な表情で尚も続けた。 「殺してあげますよ。僕がこの手で。生きている事が苦しいんでしょう??」 確かにそう言ったよ。でもね、鬼男君。オレは死ねないんだよ。死なないんだよ。 「だってオレは閻魔だもん。今こうして生きている事が償いなんだよ。誰にも殺せないんだ」 「じゃぁ試してみましょうか」 酷く冷たい声で、そう言った。 いつもの鬼男君らしくないな。この大王イカ!!って言って殴ってくれないと。 そうしてくれないと・・・・・不安になるよ。 「僕が貴方を殺してみせる。もう償い終わってもいい頃でしょう??」 何も分かってないよ、君は。 オレがどれほど罪深い男か。 例え皆に許されても、オレはオレ自身を許さない。 「貴方の大嫌いな血で、この部屋を染め上げてやる。」 哀しいな、鬼男君。 君は狂ってしまったのか? ・・・・・否。狂っているのはオレか。 この世界では、この冥界では、閻魔大王が全て。何にも変えられない全て。 オレは鬼男君に殺される事を望んでいるのだろうか・・・・・? 「疲れたよ、苦しいよ、イヴ。もう君の元に行きたいよ。」 「貴方が楽になれるのなら――――――――」 (僕は喜んで永遠の罪を被りましょう) 「貴方が愛に包まれるのなら―――――――」 (僕は喜んで貴方の代わりとなりましょう) 「うっ・・」 鬼男君の長く伸びた爪が心臓を的確に捉えた。 いつものノリで吐いているようなのとは違う、腹の底から血が上ってくる。 「ぐっ・・・・げほっ・・」 ぼたぼたと口から血を流し、胸から鮮やかな液体を流し、それでもオレは死ななかった。 鬼男君は一瞬苦しそうに顔を歪め、再び腕を振り下ろしてくる。 「うぁっ・・・・あ゛ぁッッ!?」 今度は首に食い込んだ。 痛い・・・・痛いよ。死ねないのに痛覚は完全に残っている。厄介だ。苦しい・・・・苦しいよ。 「鬼男く・・・・・・嫌だ、死にたくないよ」 「嘘だ」 うん、嘘だよ。死にたいよ。 でも・・・・・痛い、痛いのは嫌だ。 鬼男君の手に力がこもった。ぐっと、引き裂かれる痛み。 「ぐあ・・・・・あ゛ああぁ゛ぁぁぁっっ!!」 首が千切れる。無残にも床に転がり、得体の知れない物を垂れ流している。 でも死なない。死ねない。 首だけになっても尚、オレは鬼男君の方を見る事が出来る。 口からはごぼごぼと絶え間なく、どこから溢れてくるのか分からない赫い液体が流れ出ていて。 「大王・・・・・・」 鬼男君は頬を、襟を濡らして近づいてくる。 その瞳はまっすぐとオレを捕らえているようで、違う世界に向けられているようで。 どうしようもなく恐かった。 鬼男君の足が近づいてくる。 ぐしゃり 「くあっ・・・」 歪む視界。 真っ赫に染められて。 やっぱり死にたくないよ。 だってオレは死者だもの。オレはもう生きていないんだもの。 ここで殺されたら・・・・・・もうどこにも戻れない。この世からもあの世からも、未来永劫追及されちゃう。 もっと鬼男君といたいもの。 「鬼男くっ・・・・大好・・・なのに・・・・・ッッ!!」 「大好きだからこそですよ」 もう原形をとどめていない肉の塊が、言葉を発する。 それをまだ、鬼男君は踏み潰し続ける。 赫い液体はとめどなく流れている。
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気付いたら横に鬼男君が倒れていた。 「うわっ・・・ちょっと大丈夫か!?」 慌てて駆け寄って、周りが血の海だという事に気付く。 そうだ・・・・オレは鬼男君に殺された。 いや、殺されなかった。殺せなかった。 やっぱり無理だったんだ。 どのくらいの時間、鬼男君はオレを踏み続けていたのだろうか。 疲れて眠ってしまうほど長い時間・・・・・ 再築された己の真っ赫な体を見て、身の毛がよだつ。 返り血を浴びた鬼男君をみて記憶が蘇る。 血だ・・・・・・。 血だ・・・・・・・!? オレはぶんぶんと頭を振ってその記憶を追い出した。 それから鬼男君の傍にそっと跪いてその頬に触れる。 涙に濡れた頬が痛々しかった。 「・・・・・あ、だい・・・・・」 「起きたー?ほら、鬼男君。死者の人達が待ってるよ。早く行かなきゃ。」 「そう・・・です・・・・・・・ね・・・・・!?」 寝ぼけ眼で頷いたかと思うと、かっと目を見開いて真っ青な顔になった。 「大お・・・・・・??」 「いかにも!閻魔大王だぜ!!」 「・・・・・」 びしっ、と親指を立てて誇らしげに言う。 鬼男君は一瞬ポカンとしたけど、すぐに鬼のような形相に変わった。・・・いや実際鬼だけど。 「何でもっと早く起こしてくれなかったんですか!!あぁもうこんなに待ってらっしゃるのに・・・!!この大王イカ!!」 「えぇえ!?オレも今起きたとこ・・・」 「問答無用です!!ほら、行きますよ!!」 いつものように鬼男君に引きずられながら、心底ホッとした。 彼は覚えていないのだろうか。 それともオレに合わせてくれたのだろうか。 まぁなんにしても、これで毎日鬼男君に罵られる事になる。 もう疲れたとか、死にたいとか、弱音は吐かないよ。 もしも弱音を吐いてしまった時は、鬼男君がこのセーラー野郎!!とか言って殴ってくれればいい。 いや別にMとかそんなんではなくてね・・・・・・? 「何気色悪い顔してるんですか!!セーラー服の事でも考えてたのかこのセーラー野郎!!」 「めんそーれ!!」
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このページはこちらに移転しました 殺していいですか 作詞/あくし もし、そこの方 そこの鳩 殺してもいいですか そんなかお なさらずに なんならば 貴方でもいいですよ ふふ、そこの方 ここの人 殺してもいいですか いいですか そうですか いいそうで 逃げるなら今のうち では、さようなら
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このページはこちらに移転しました 殺してやりたいくらいに 作詞/365スレ41-42 A 殺してやりたいくらいに 君のことが嫌いだ 僕には君以外に 友達はいないから どんなに嫌いでも 離れることが出来ない どんなに嫌いでも 離れることは出来ない 殺してやりたいくらいに 君のことが嫌いだよ 僕が孤独に勝てるなら きっと君はもういない どんなに嫌いでも 離れることが出来ない どんなに嫌いでも 離れることは出来ない B 一人でいることに もしも僕が慣れたなら 一人でいることに 悲しみを感じなくなったら 一人でいることが 幸せに変わったら 二人でいることに 憎しみを感じるだろう サビ 君がいなくなったら 僕は孤独になる 僕が孤独になったら きっと悲しくなる 悲しくなるのが嫌だから 君はそばにいるけど 殺してやりたいくらいに 君のことが嫌いだ A 殺してやりたいくらいに 君のことが嫌いだ 僕が君以外に 友達がいたとしたら どんなに考えても きっと意味はないのさ どんなに嫌いでも 離れることは出来ない 間奏 サビ 今では君のほかに 友達が出来たよ 友達はできたけど 何故かそばに君がいる 殺してやりたいくらいに 君のことが嫌いだ 殺してやりたいくらいに 君のことが嫌いさ
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このページはこちらに移転しました みんなを殺して僕も死ぬ 作詞/タケノコムシ 僕は教室に立てこもり クラスのみんなを閉じこめて 僕は王様 逆らう奴はお仕置だ 昨日の帰り道に出会った悪魔 僕にささやく 「この世が憎いなら力を貸してやろう」 悪魔に貰ったこの力 復讐の始まりさ… 僕が苦しむあの場所で 楽しく笑う奴らを 一人残らず殺してしまおう 悪魔に貰ったこの力 僕の命と引き換えに 一人残らず焼き殺す