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越前藩国です。以下の通り、行動宣言を行います。 宜しくお願いします。 f:PLAYER =<越前実働分隊> t:編成 = { http //www27.atwiki.jp/echizen/pages/458.html (本隊) http //www27.atwiki.jp/echizen/pages/469.html (分隊) } 残りAR=7 達成値=10000 得た修正=なし バンド部隊=<越前摂政分隊> f:<越前実働分隊>の行動(通算)3回目 = { r:テストプレイにつきあう(歩兵状態のみ)」を行います。 #*テストプレイにつきあう(歩兵状態のみ),情報,40,3,15000 #情報戦:47(電子妖精軍使用時)(+RPボーナス) #AR:7>4 r:次の冒険のアイドレスを選んで開きます。 #*次の冒険のアイドレスを選んで開く,なし,なし,0,0 r:次のアイドレス<情報訓練(DEX05-07)>を開きます } f:<越前実働分隊>のロールプレイ = { 「あれ、摂政様?」 教室のドアを開けて入ってきた人物に青柳が声をかけた。 「教室別でしょ? いつものうっかり?」 「ちがうわっ!」 まりあの発言に間髪いれず応じて黒埼も越前の面々の近くに陣取る。 「次は図上演習だろう。お前らと一緒の部屋に移動しとけと指示があったんだ。構成上は別分隊のままでな」 「先生はまた宰相閣下?」 「いや、違うみたいよ?」 栢橋の問いに、まりあが入り口から入ってくる人物を指した。 「すっ、鈴木銀一郎先生っ?」 まりあの指先に視線を送った黒埼が上擦った声でその人物の名を口にした。 「……誰?」 恐縮しまくりの黒埼をよそに、ひそひそと栢橋が隣へ訊ねる。 「んー、すごく偉い人だと思って」 詳しい説明はまた今度してあげるから、とodはそれだけ答えた。 「で、演習というかテストプレイの開始なんだが」 「……さっきまでビビリまくってた摂政様が立ち直ってる」 「やかましい」 栢橋のツッコミをひと睨みで止める。 「作戦はシンプルに行こう。まずは太元を使って敵の戦力を見極める」 「開発中でしょ? 使えるんですかアレ?」 黒埼の無謀とも思える発言に青柳が苦言を呈する。 「大丈夫、このテストプレイ内容なら十分実用範囲に……あ、バグが出とる」 「はいはい、太元は諦めて…」 「直す。時間稼ぎを頼む」 「へ?」 唖然とする面々をよそに、黒埼が凄まじいスピードで作業に入る。 「摂政様ーーーー?」 「ダメだ栢橋。ああなっちゃったら、ダメな人なんだ…。いや、摂政様がダメな人っていうわけじゃなくて、とにかくこういう状態になっちゃったらどうにもなんないんだよ」 「仕方ない。odさん、臨時で指揮執ってください」 深~~くため息をついてまりあがodに進言する。 「わ、わかりました」 作業に没頭する黒埼の代理で、odが指揮を執ることになった。 「フォーメーションAで展開。栢橋くん、もう少し南に。青柳くんはすぐ動ける体勢に。まりあさんは黒埼さんのガードを」 てきぱきとodが指示を飛ばし、実働分隊のメンバーが従う。 「くっ、旗色が悪い。やっぱり黒埼さんが動けないのはキツイか」 「そりゃ悪かった」 「黒埼さん?」 「待たせたな。摂政分隊、これより反撃に転ず!」 「了解! 実働分隊も立て直すぞ」 「はいっ!」 } 959字
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隙間風として参加した『春だ! AA小説板感謝祭2007』の作品です。 早いものだ。 あんたがいなくなってから、もう一年が経つ。 息が白く色づいた。 流石は山奥。ふもとの町の寒さとは全く違う。 昨日積もった雪が足を何度も掴む。あんたの墓石にたどり着くまで負けてたまるものか。雪なんかに負けてたまるものか。 自分がとても馬鹿馬鹿しく思えた。 墓石といっても裏庭にあるのだ。漬物石を乗せただけの墓。十分な墓を作ってやれなかった自分に嫌気がする。 そうだ、自分をあざ笑ってやろう。声を上げて。自分が自分を嫌いになるまで。 大きくため息をつく。このため息に、どんな思いが込められていたのか。自分でもわからない。 「コート着るだけじゃ厳しい……な」 根性も寒さにはかなわない、という事か。そう思ったときだった。 ぽつり。 鼻に何かが落ちた。とても冷たい。 視界にとても小さな白いものが映る。 「……どおりで寒いわけ、か」 なるほどと、見た瞬間納得できた。 雪だ。 つい、天を見上げてしまう。 昇ったばかりの太陽の日差しが、粉雪に反射している。 輝いていた。ものすごく綺麗だ。 もしかすると、あんたからのおくりものだろうか。 ふとよぎる、愚かな願い。 そうだとしたら、永遠に降り続いていてほしい。 そうひそかに、思ってみた。 自然と足が止まる。 口のない墓石。 もし、墓石に口があったなら。 枯れた花束。 決してあんたを、忘れていたわけじゃない。 心の状態を表しているかのように眼は潤みだす。 雪が舞う中、墓石の前で俺は静かに手を合わせた。 一,日記帳 兄の墓参りを終え、玄関へと走った。相変わらず積雪は俺を転ばそうとする。 朝よりもはるかに寒い。コート一枚では、流石にもう限界だ。 そういえば、家の鍵、どこにおいたっけ? ポケットをまさぐる。見つけるには少し手こずった。 「よし」 開いたドアを急いで閉める。風を家の中に入れないためだ。寒さのほとんどは風によるものだから。 誰もいないためか、ドアを閉めたときのあの音が無駄に響いている。同時にピン、とたった耳が時間をかけてもとの位置に戻る。ご近所さんが居たなら、苦情が来ていただろう。 でも、こんな山奥で、しかも雪山に自ら住みたがる人が居るだろうか。 居ると例えてみても、人が居るか居ないかの山奥ではなく数人が住んでいる山里を選ぶだろう。現に山里がここから南へ行ったところにあり、そちらの方が生活費も余りかからなくて楽だ。 勝手に膨らむ妄想を振り払い、勢いよくカーテンを開ける。その時小さな光の道が木の床に伸びた。 とりあえず、コートを脱ぐ。それとともに寒気が襲ってきた。 ふと、目の前の暖炉が目に入った。唯一の暖房器具。 炎はたきぎを燃料にし、メラメラと燃えている。 見ているだけでもあたたかい。 頭がぼんやりしてくる。 なぜだろう。 不思議と泣きたくなってきた。 一瞬、火が笑ったように見えた。 「弟者! お前のせいで大事な俺のパソコンが」 よみがえる、いまわしい過去。それと引き換えに意識は遠くなっていく。 「どういう理屈で俺のせいになるのかと小一時間」 大嫌いな自分の声が、はっきりと聞こえた。最悪だ、最悪。 今日の天気は雪。二年ぶりに見た都会の雪だ。 「じゃあ立ち上げてみろ! ずっと黒いままじゃないか」 例のパソコンは、開いた窓のそばにあった。 窓からは少しだけだが、雪が侵入している。そしてその雪は、パソコンの上で溶け始める。このことを兄者はわかっていない。 「当たり前だ」 いらいらしながらも、全開になっている窓を指差す。 しかし、返答は意外なものだった。 「……開いている窓が悪いというのか? ふざけるな」 流石は兄者。大好きな雪までも見えなくなったのか。 俺のイライラ感はだんだん大きくなっていった。 「兄者、視力下がりすぎだと思われ」 「ふぅん。だからパソコンを壊した、そうだろう?」 違う。 この一言すら他人不信のあんたには伝わらない。残酷だ。 「……兄者。なんで俺を疑うのだ」 聴かなくても理由は分かっていた。 俺がずっとこの部屋に居たからだ。 それに、最後に触ったのも俺だから。 「ふん、自分の胸に聞いてみろ」 一言一言がとても痛い。 勝手にありもしない罪を着せられて、勝手に信頼を無くされて。 「ときに兄者よ。今日の天気をしっていますか、と」 「そんなこと関係ないだろうが!」 「……」 その一言でようやく分かった。あんたはパソコンが大事だと。 そういうことだろう? 何よりもパソコンが大事なのだろう? 家族と言う人間の集団にも敵意を持つあんたには何よりも大事なパソコン、か。 中毒だな。あんたは完璧なパソコン中毒だ。 「流石だよ兄者……。それだから人に嫌われるんだよ!」 突然の俺の言葉に兄者はきょとんとする。 俺自身も自分の行動に驚いていた。 「ど、どうした……?」 この空気とは逆にあんたの落ち着いた声。 気づけば俺は泣いていた。 「うるさい! 黙れ!」 ふと、気づけばあんたに手を上げていた。 耳を塞ぎたくなるほどの大きな音。 「……と者、お前!」 手のひらが、じんじんと痛かった。 俺の意思で殴ったんじゃない。身体が勝手に動いたんだ。 無駄だと思いながらも自分に言い聞かせる。どちらにしろ、殴ったのは俺だ。そのことに変わりはないのに。 兄者は俺に向かって、近くにあった一冊の分厚い本を投げた。 俺はすぐに避けようとするが、華麗に顔面に直撃した。頭に血が上っていたせいか、それが突然すぎたせいか。なぜ避けることができなかったのかわからなかった。 起き上がろうとする俺に兄者は飛びかかった。それはすごく乱暴で、両手で首を掴まれる。身動きが取れないように、自由を奪うために。 「は……はなせ」 息ができない。 首が押されている感覚から徐々に痛みに変わってくる。 手を、脚を必死に動かそうとする。 なぜ? なぜ、動いてくれないんだ? 兄者の顔が見えなかった。きっと俺が泣いていたからだろう。 意識が薄れてゆく。 嫌だ、嫌だ。あのろくでなしで、自己中心的なあんたに負けたくない。 わがままで、人を敵だと考えるあんたに殺されたくない。 くそっ、死んでたまるものか。 願いが通じたのか、ようやく手が動いた。 ふん、あんたの負けだな。力では俺の方が上だ。 俺は目を開けた。 「……あれ? どういうことだ」 起こせるはずがない身体を起こす。 目を開けたといっても、もともと目を開けていたのだから、余計わけが分からなくなる。 自然と辺りを見回す。近くには本が落ちていた。とても分厚い。兄者が投げてきた本にとてもよく似ている。 後ろを振りかえる。後ろには本棚があった。 いつの間にか、夢の中に居たようだ。 くらくらする頭と、ぎしぎし痛む肩を抱えながら洗面所に向かう。 「はあ、これからは床で寝るのはやめよう」 歩くのがこんなに大変なことだったなんて。脚までもが思うように動かなかった。 数十秒後、俺は洗面所にやっとのことで到着する。 他の人がここを見たら、きっと不思議に思うだろう。鏡のない洗面所だなんて。 まぁ、俺に鏡は不要だから仕方がない。 理由はいろいろとある。簡潔に言ってしまえば、俺と兄者が似過ぎているから。でもそれは、一卵性双生児として生を受けたのだから当然のことであって、逆に似ていなかったら怖い。 つまりは、兄者を思い出したくない。たったそれだけのことだ。 さてさて。眠気覚ましには冷水が良いと言うが他にはないものか。蛇口をひねったものの、どうしてか、水が出てこないのだ。 「もしかして、あれですかね……」 寒い地方にはよくある水道管の凍結か? まさかと思い、他の蛇口もひねってみる。 おいおい、冗談じゃない。全部ダメになった。 年末休業で水道局は休みだ。仮にやっていたとしても、こんな山奥まで来てくれるだろうか。いや、それ以前に重大な問題が残されている。 今月の生活費が底をつきかけているじゃないか。とても出張費やら修理代やらを払える状態じゃない。 ふと、湯を沸かして凍結部分を溶かす方法が頭に浮かんだが、すぐに無理だと結論が出た。なぜなら、ここはいちばん暖かい冬でも氷点下を下回るからだ。きっと氷結した部分にたどり着かないうちに湯は凍りつくだろう。いや、湯を沸かすどころか、水が出ないのだから何もできないじゃないか。だいたい、湯を沸かすのにどれだけ金がかかることか。ガス代に、水道代……。嗚呼、頭が痛い。 過去にも同じようなことがあった。そのときも同様に生活費が残り少なく、春までまった覚えがある。春になれば気温も上がり、ヘビやトカゲが顔を出すときには氷が解けているからだ。 もちろん、春まで一回も風呂へ入らないわけではない。ここから一キロほど下ったところに小さな宿がある。万が一の時はそこで生活している。ちなみに、生活費の支払いもこの宿を通して払っている。 俺の生活の収入源はその宿からの給料だが、アルバイトとして働いている。店員になれば給料も上がるだろう。が、小さいわりにあそこはかなりの客が来る。観光のついでに泊まる者、登山途中の休憩として来る者もいる。あの宿の店員はたったの二人。兄と妹の兄妹が運営している。アルバイトは俺一人。でも、仕事内容はとても簡単。しかし、忍耐力がいる仕事でもある。正式な店員になったら毎日……いや、考えるのは止そう。 「あ~あ……」 仕方がない、明日から仕事に行くか。 小さく肩を落した。 今日のついでに明日、明後日と休暇をとっていたのだが水が出なくなってはしょうがない。 今年こそは自分の家で年を越せると思っていたのに……。 大きく伸びをする。 さてと、居間に戻って支度でもしますか。 一息ついてから、開けたすべての蛇口をきつく閉めた。 居間に戻ると、暖炉の火が消えていた。たきぎがほとんど灰になっている。時計を見ればもう三時だった。けっこう長い間夢の中にいたらしい。 火が消えたせいで、部屋が若干薄暗かった。でも、明かりはつけない。これでも十分に見えるのだから。 押入れからリュックサックを引っ張り出し、中を十分に広げる。 そして、タンスの中に眠っているバスタオルやら、防寒着やらをたたんで押し込んだ。 「読む暇ができるかどうか分からないが、一応本も持っていくか」 半分下がきちきちになっているリュックサックを本棚まで引きずる。 ちなみに、タンスから本棚の距離はそう遠くはない。 「何冊も持って行くと邪魔だし、短編とか、中編がいいよな……」 数十分ほど、本棚とにらめっこしてようやくこれぞと思える一冊の文庫本を見つけた。 変にニヤニヤしながらリュックのポケットにしまう。もちろん子供も読める本だ。いつからこんな迷惑な癖が身についてしまったのか、俺は自分自身に問い詰めたかった。 さて、次は何を詰め込もうか、そう考えながら立ち上がってみると、床に落ちている一冊の本が目に入った。 それは、寝ている間に落ちてきたあの本だった。正しくは、俺が自分で落した本だ。丁度、夢で兄者を殴っていたとき、現実では頭上の本棚を殴り、そしてこれが落ちてきた。たった今、そう勝手に解釈していた。 本を拾い上げる。表紙には大きく『Diary』と書いてあった。 「あれ? 家族の中で日記を書いている香具師なんていたかな……?」 表紙をめくる。 小学校の低学年レベルほどの字がお出迎えしてくれた。しかしながら、文章の方はしっかりしている。こんな特徴的な文章を書くのはただ一人、あいつしかいない。 「ははん、兄者の日記ですね」 笑いが止まらなかった。流石は兄者だ。2ちゃんねるに書き込んでいるだけあって、文章力が自然と鍛えられていたのだな。でも、どうして二十歳近くにもなってこんな字が書けるのだろうか。見ていてイライラする。同時に不思議も募っていた。 眼は、並んだ文字をすらすらと読んでいった。疑問符を浮かべる頭とは逆に、何のためらいも無く、自然にだ。まるで小説を読んでいるようだった。気がつけば、日記に引き込まれていた。 日記は約三百ページ。内容的には、いろいろなことが書いてあった。今日の夕飯のことやら、ネットで知り合った人のことやら、正直どうでもいいことばかりだった。しかしまれに、人間について、生きることについてなど、兄者らしくないことも書いてあった。 外見だけでその人が完璧にわかるわけじゃないんだな。たとえ、身近な人物であっても。そう実感した。 目覚まし時計のベルの音に眼がピタリと止まる。それはアラーム代わりにセットしていたものだ。 ついつい読みふけっていた……。 とりあえず、今読んでいた日のページは読み終える。そして、ふせんを貼っておく。 さっきから疑問に思っていたのだが、どうして兄者の日記がここに在るのだろうか。実家から持ってきた覚えもなければ、とってきた覚えもない。それ以前に見る気さえしなかったのだから。 まぁ、いいか。 そっと、日記張をリュックの中にしまう。 すると一瞬、世界が歪んだ。 二,兄妹経営の宿 カラン、とドアにつけられた鈴が新たな客を知らせる。 「いらっしゃいませ、って弟者?」 「やあ、ガナー。明けましておめでとう」 受付に立っていたガナーに、軽く一礼する。腰を上げた瞬間、荷物の重みが後ろにかかり、よろめいた。 「ちょっと、大丈夫?」 ガナーはそう言いながら湯気が立っているタオルを差し出す。 突然の登場のためだろうか、目が大きく見開かれている。家に電話さえあれば、驚かせずに済んだのかもな。 わざと間をおいてから、熱々のタオルを受け取った。 「何が? 雪なら毎日かぶってるし、寒さにも強いぞ」 「いや、そうじゃなくて。まだ三十日なのよね……」 一回、小さく誰かが咳き込んだ。 客の笑い声が頭の中でリピートされる。 「……もう客が居るのか」 隣部屋の食堂には、すでに数名の団体が座っていた。テーブルの上には、手作りらしい、おにぎりが置いてある。年は高校くらいだろうか。 ぼーっ、と考えながら眺めていると突然一人の女と目が合った。驚きの目でこちらを見ている。変に思われるといけないので慌てて目を逸らした。 「何? 好みな子でもいたの?」 「いや。ただ、妹と似てるやつが一人いたからさ」 「妹?」 「あぁ。今は高校ぐらいかな。たった一人の生きている家族だよ」 俺の兄は死に、両親は共に老死。後、姉も居たが現在は行方不明だ。しかし、姉は昔から風のように現われ、風のように去ってゆく人だった。だから今でもどこかで生きて居るであろう。そう願っている。会えないのが残念だ。 すると、沈黙を断ち切るようにガナーはため息をついた。そして、俺を受付まで誘導する。 「じゃあ、部屋を手配するわね。今回の部屋はどうする?」 「いつもの屋根裏部屋でいいよ」 「了解」 俺がここで泊まるときは必ず屋根裏部屋を使わせてもらっている。もし、客用の部屋にしたら、部屋代は給料から引かれるのでこっちにしたほうが得だし、万一部屋が足りなくなったら追い出されないで済むからだ。ただ、客用の部屋と違ってかなりボロイし、天井にはぽっかりと大きな穴が開いている。けれど、その穴からはいつも新鮮な風が流れ込んでくるし、綺麗な星空も見られる。そう悪いものではない。 まぁ、そう思っていられるのは現実を見ていないときだけであって、雨や雪のとき、風呂上りのときや風邪のときは、かなりの困り者で死ぬほど寒い。 それらを承知の上で屋根裏部屋を頼む俺は、ただの馬鹿なのかもしれない。 「もしかして、そこに居るのは弟者モナ?」 俺とガナーの視線は、声のした方に注がれる。 「て、店長!」 俺たちの視線の先にいたのは、ガナーの兄でありこの宿の店長でもある人物。 同時に俺がもっとも恐れている人物でもある。 「もしかしてまた水道管が凍結したモナか?」 「そうですよ、で?」 モナーは見かけによらず、とても恐ろしい。不都合になると、すぐ人の弱みに付け込んでくる。が、なかなか憎めないものである。 むろん、客に対しての接客は、こちらが見習わなければ、と思わせられるほどだ。 「荷物は屋根裏部屋に運んでおくから、さっそく仕事やってほしいモナ。」 モナーは俺からリュックを奪い取る。そのあまりの重さに驚いたか、一瞬よろけた。 なんだかんだでリュックを足元に置き、小さく息を漏らす。そんなモナーに俺は不満をぶつけた。 「またかよ」 「当たり前モナ。さもないと給料は無しにするモナ! さ、もう数人入ってるモナよ。いったいった!」 モナーは俺に、大きなバスタオルを押し付け、荷物を担ぎ、ガナーと共に消えて行った。 この人たち、悪魔だ。二人が見えなくなるまで思っていた。 心を包む、敗北感。 なぜか悔しかった。 モナーの言ったとおり、風呂場にはすでに何人か居るようだった。まだ太陽が見えたばかりだというのに、早いものだ。 俺に任された仕事は接客。風呂の中での接客だ。モナーが言うには『外見より中身が大事』とのこと。いったい、モナーは何を考えているのだろうか。それとも、わからないのは俺だけなのだろうか。 風呂場の戸を開けた瞬間中に溜まっていた湯気が身体を包んだ。そのため、一瞬湯気で前が見えなくなった。 室内の湿度は当然高かったが、それと対象に床はまだ冷たい。けれど、そんなには気にならなかった。 入浴客の笑い声が聞こえる。 俺も早くあの中に入ろう。そう思いながらシャワーの席を選び、震える手を押さえ蛇口をひねる。むろん、出てきたのは湯だった。流石は宿だけある。俺の家なら火にかけないと湯はでてこないのに。 体を十分に洗い終え、蛇口を閉めようとしたときだった。無性に咳が出る。むせたというわけではないから、気温の変化に体がついていけなかったからだろう。それとも……。いや、余計な心配をしていてはきりがない。今は仕事に専念するのがいちばんだ。給料を下げられでもしたら今後の生活に響いてしまう。 こんな考え事をしながらおけ等を片付けていると、客の一人が声をかけてきた。 「よう、久しぶりだな」 常連客の一人だった。この人とはよく会う。 「あ。お久しぶりですね」 この人と会うのはここでの楽しみでもあった。この人と話していると、とても楽しいし、何より大事なお客様だ。 「とりあえず兄ちゃんも風呂は入ろうぜ。体、もう洗ったろう」 この水蒸気の中、見えているかどうか分からないが俺は笑みを返した。 そろそろ入るとしますか。そう思ったからだ。 運がいいことに咳はもう止まっていた。やっぱり、気温の差について行けなかったんだろうな。 いろいろ考えながら、湯に足先を突っ込む。そして、一秒も漬からずすぐに足を引いた。 熱い。熱すぎる。ぼんやりしていた思考がはっきりするほど熱かった。 「おいおい、そこから入るなんて無茶するなよ。そこからは湯が出ているんだから」 先に入っていた一人の客に注意され、足元を見てみる。客の言うとおり、そこは湯の噴出口だった。熱々の湯が絶え間なく出ている。 「あ、俺としたことがついうっかり……」 その客に聞こえるよう、わざと大きな声で言った。悔しかった。この客はまだ、三回しかこの風呂に入りに来ていない。入浴回数は俺のほうが多いのに。 それは関係ないだろ、と自分で突っ込みを入れる。 誰が何回ここに来たとか、自然に覚えてしまう自分が不思議だった。 風呂に入る場所を変える。ここからは湯が出ていない。しかも、さっきのところよりは冷めていると思う。熱さに敏感な俺でもここからなら入れる。 「やっと、来たな」 俺が入ると待っていたかのように、一人の客が近寄ってきた。さっき、俺に風呂に入れと勧めたあの客だった。 「やっと来ましたよ」 そう言って、俺らは互いに苦笑した。 俺は水しぶきが出ぬよう慎重に風呂に入る。 「どうだい、調子は。生活の方は未だに苦しいのかい」 「ええ。昨日また凍結しましたし」 昨日は確か、兄者の夢を見た。それから俺は夜遅くに家を出た。客がまだ少ないのを狙ってだ。客が少なければ風呂の接客もやらなくて済む。そして今朝、ここに到着したのだ。しかし、予想は見事に外れた。客が一定の人数を超していたのだ。心の中でモナーに、客に、俺自身に、すべてに対して悪態をついていた。今でもそうだ。 「また凍結したのか! それじゃ、今年もここで年越しだな」 客の声で自分が愚かだと気づいた。息をゆっくり吐き、不満を頭から振り払う。 「そのようですね。一回でいいから、この宿の風呂場以外のところで年越したいな……」 客の笑い声が聞こえてきた。とても幸せそうな、笑い声。 俺も釣られて笑ってしまった。この人は嘘をつかないと、信じたから。笑うときは心から笑い、話すときの眼は濁らない。それが、俺の目の前に居る客。だから、一緒にいて楽しい。 ふと、遠くの壁に埋め込んである鏡が目に入った。そこには、自分が映っている。 嘘っぽい笑みを浮かべた自分。俺はこの客のように笑えない。嘘の笑みしか浮かべられない。 「……!」 いや、違う。あれは俺なんかじゃない。とても俺にそっくりな他人だ。 なぜか、頭がそう認識した。眼だけを動かして辺りを確認する。俺と同じフーンはどこにも居なかった。それどころか、鏡は俺の居る位置からまっすぐ行ったところにあるのだ。鏡に映るのは俺自身しか居ない。 再び鏡に視線を戻す。嘘っぽい笑みは、いつしか不気味な笑みにへと変わっていた。 「どうした? 遠くなんか見つめて?」 何も答えない俺に、客は目の前で手を振る。どうした、おーい、とさっきから呼びかけている。その様子に周りの客たちも気づき始めたのか、周りに集まってきた。 「何かあったのか?」 「いや、特に何もないと思うんだけど。なんか遠く見てボーっとしてるから」 すると、客の一人が俺の前に移動して来た。そしておけに溜めた大量の水を俺にぶっかけた! 「っつ!」 少量の冷水が鼻から入り、気道を通って肺に流れ込む。その水を追い出そうと咳が絶え間なく出る。 風呂場に暖かな空気が戻ってきた。 「寝不足の香具師には冷水をかけろ。これ基本な」 客たちの笑い声の中、俺は未だに咳き込んでいた。水は肺から、とっくに抜けている。なのに咳が止まらない。口に手を当てる。 止まれ。頼むから止まってくれ。 自然と風呂場の端に寄った。これ以上風呂場を騒がせては、モナーから何を言われるか分からない。 すると、願いが通じたのだろうか、咳が止まる。咳き込みすぎて頭がくらくらした。 「はぁ……」 枯れた声で小さくため息をつく。 仕方がない、一回上がろう。そう思ったから。 楽しそうな空気を背に、湯から出ようとしたときだった。 手を口に当てろ、と第六感が忠告したのだ。 俺はその忠告に従い、湯から上がるのを止め、口に手を当てる。するとどうだろう。今までとは違った感じが胸の辺りから喉に戻ってくる。そしてそのまま咳として、吐き出した。 「……」 手に生ぬるい感覚。ちらりと見えた赤いもの。 視線を移すのが怖かった。 俺はそのまま手を握り締め、風呂場を飛び出した。 いつの間にか太陽は天の真上に昇っていた。周りにはやけに黒い雲が浮かんでいた。そのせいか、屋根裏部屋のいつもの薄暗さは、闇と化していた。 中央のベッドから左の方にある小さな机には、一つのアイスが置いてあった。おそらくモナーか、ガナーからの差し入れだろう。 いつもなら飛びついてしまう体も、今日は動かなかった。理由は簡単。吐血したから。恐怖で体が固まっているのだろう。単なる風邪では済まされないから。 「ふぅ……」 脱力感のあまりベッドに倒れこむ。ふわふわした、ほんのりと温かい毛布が心地よかった。真上から背に射してくる日光には吐き気がした。 まだ、死ぬと決まったわけじゃないのに。 自分で自分に言い聞かせるが無意味だった。 たまたま吐血しただけじゃないのか? どう思い込んでも、無駄。しまいにはなにも考えたくなくなった。 「あぁ……」 もう、何もかもがどうでもよかった。 だんだん時が経つにつれて、まぶたが重くなっていた。そしていつの間にか、闇に身を任せるようにそのまま眠りについていた。 冷たい雨。 そいつらは突然やってきた。半分投げやりの俺がそいつらに気がついたのは、降りだしてすぐのことだった。 「うわ、冷たっ!」 自分でもわけのわからない奇声をあげながら、雨の当たらないところに避難する。雨はさっきよりも激しさを増していた。 「くそ、どうしてベッドの真上に穴があるんだよ。塞ぎに行かねえと……」 とりあえず、隅にあったバケツを手に取り、ベッドの上に乗せる。そして、大きなビニールシートをリュックの中から探すが、あいにく、それは持っていないのを数分ほどしてから思い出した。宿にあると期待はできない。モナーは最小限必要なものしか買わないから。 「っち……。ま、いいか」 いいわけあるかこのたわけ。俺は自分のつっこみすらも無視した。一回大きくため息をつき、穴から空を見た。どこまでも続いてそうな厚い雨雲が空を覆っていた。 突然、腹がぐぅと鳴る。 「そういえば、まだ昼飯食ってねえや……」 そう自覚してから襲いかかった空腹感。俺は昼食を済ませるために、食堂に向かった。 食堂には今朝見た女子高生がまだ居座っていた。その他の客は誰一人としていない。どこからか、入るんじゃねえよオーラが漂っている。 流石に、男がいないこの場所には入りにくいため、ロビーに向かう。空いているソファーを見つけると新しい新聞を引っ張り出しそこに座った。あらかじめ、家から持ってきていたおにぎりの入った袋を机の上に乗せる。そして中から適当に選び出し口に運んだ。その瞬間ありえないほどの塩辛さが口の中に広がった。 ……やはり俺は料理に適していないようだ。まぁ、一人暮らしを始める前よりはマシになったが。 無理やりおにぎりを口の中に押し込み、向かい側に座っていた客のニラ茶で胃に流し込んだ。 「ごちそうさま、ニラ茶美味しかったよ」 「勝手に飲んどいてなんだお前!」 「気にしないのがザ・ベスト」 「知るかゴルァ!」 以上で今日の昼食は終わりだ。日頃からあまり食べていないせいか、おにぎり一個で腹は十分に満たされる。そのおかげで体力は兄者と並ぶほどにまでおちた。食べる量が少ないということは、それだけのエネルギーで十分、ということだから。 「弟者? ちょっと手伝って欲しいんだけど」 反射的に声のしたほうに視線が向かう。眼に移ったのは受付に並ぶのは長蛇の列。今の時間帯、しかも正月前だと客が列を作る。ガナーが受付を担当しているが、こういう日は手が回らなくなるのでいつもは俺か、モナーのどちらかがガナーを手伝っている。 ガナーは俺に手招きした。 「OK.OK. 今行きますよ」 そう言って、俺はカウンターの中に入った。 早速俺は列を二つに分け、ガナーと共に部屋の手配をする。部屋の手配の際には宿のパソコンを使う。しかし、このパソコンは三時間に一度は必ず『フリーズ』するという厄介な欠点を持っている。過去に俺は客に記入してもらえばいいとモナーに提案したが即却下された。 しかし、この長蛇の列も数分もすればなくなっていた。 「あの……」 「うん? どうしたの」 俺らが一息ついていたそのとき、少年はやってきた。少年は十歳前後で、今にも泣き出しそうな瞳をしていた。親とはぐれたのだろう、と俺は勝手に解釈しておいた。 このまま話すのもアレなのでとりあえずカウンターからでた。そして、少年と眼の高さをあわせる。 「もしかして、お母さんとはぐれちゃったとかでしょ」 少年は首を横に振った。それから一人の女性を指差す。どうやらあの人が母親らしい。 「じゃ、どうしたの?」 懸命に語りかけるが、少年は話す様子をなかなか見せなかった。流石にイライラしてきた。仕方ない。小さい子の相手なら天下一品のガナーと交代するか。 「ちょっと待っていてね」 俺は少年の頭を本当に軽く叩いた。するとあろうことか少年は泣き出してしまった。 「うわ、え、どうすれば……」 とりあえず頭を撫でながら、泣き止め、泣き止めと念じてみる。むろん、泣き止むわけがなかった。 「遅れてごめんね。はい、ミルクだよ」 隣にガナーの手が現われた。そのガナーの手には湯気を立てているマグカップがあった。 少年は泣くのを止め、震える手でそのマグカップを受け取り、コクコクと音を立てながら飲み干した。 「お姉さん……ありがとう」 「ううん、いいのよ」 いつの間にか二人は、俺そっちのけで話にのめりこんでいた。 「すみませーん、オムライスください」 受付の方からそんな声がしたので、俺はしぶしぶカウンターの中に入った。そして宿内の地図を客に差し出す。 「すみませんが、当店では料理の注文は現在受け付けておりません。あと、ここは受付です。このおにぎり上げますから右の方にある隣の食堂で食べてください」 客はうれしそうに、俺の差し出した袋を受けとる。中身のとんでもない味を知らずに。 俺は心の中で笑っていた。 「ねぇ、お兄ちゃん」 あの少年の声だった。 「何? またミルクが欲しいんでちゅか?」 「違うよ。馬鹿にしないで。伝言もらったんだよ、お兄さんにそっくりな人からね」 背に冷や汗が流れた。この少年がうかべているこの可愛らしい笑みがとても不気味に見えた。 「なんて、言われたんだ」 「『明日の朝までにこの宿を出ろ。死にたくなければな』ってね。それじゃ、しっかり伝えたからね」 崖から突き飛ばされたような気分だった。詳しいことを聞き出そうと試みたが、少年はすでに母親のところに入っていた。 俺の視線に気がつくと少年はにっこり笑って、小さく俺に手を振った。 俺はただ見ているだけで、何もすることができなかった。 三.不可解な連鎖 「どうしたのよ。顔色悪いわよ」 フリーズしたパソコンの前で俺は、また半死状態に陥っていた。 「いや、特に、何もないのだが……」 ロビーに置いてある唯一の大きな時計から鳩が十一回の出入りを繰り返す。もう十一時だ。 俺は目を瞑った。頭の中では、少年が言ったことが何度も何度も繰り返されていた。少年が傍に居るわけでもないのに、耳元で囁かれているようだった。 俺はそれを振り払うようにガナーに問いかけた。 「そういや店長はどこに消えた? 朝見たっきりなんだが」 「お兄ちゃんなら、弟者が風呂に入ってすぐに町に買出しに入ったわよ」 「もしかして、またあのおんぼろリアカーで行ったのか?」 「おんぼろなんて言わないで。ここには車なんて高級なものないんだから。それに貴方の家よりはマシよ」 ガナーは顔をそむけ、鼻を鳴らした。 俺は本当のことを言われ言い返すことができなかった。 「う~ん……。まぁ、明日の朝らへんにはかえってくると思うわ」 俺はわざと間を作った。口を開けたのは時計の長針が動いたのを確認してからだった。 「そうか。じゃ、俺部屋に戻ってるから何かあったら呼んでくれよな」 俺は鉛のような体を無理やり動かして、カウンターから出ようとしたそのときだった。ガナーが突然「あっ!」と声をあげたのだ。 「昼辺りに雨降ってたみたいだけど、貴方の部屋大丈夫なの?」 その言葉を聞いた瞬間、顔から血の気が引いていくのがわかった。 大慌てで外に飛び出した俺は、倉から長いはしごをとって、宿の屋根に続くように立てかける。そして、また倉から二つのポリバケツとスポンジ四個とを手に取りはしごを上った。 「今日は満月、か……」 上りながら見た星空はとても綺麗だった。だから山は好きだ。都会では星なんてそんなに見られない。夜空いっぱいに見られる星空が俺は好きだった。ここに住み始めたのもこの星空に惹かれていたからだ。 兄者の遺骨がこの山にあるのは、兄者が雪が大好きだったから。人間嫌いの兄だから、人の居ない雪の見える場所に埋めてやろうと思ったのだ。本人もそうしてくれ、と日記に書いていた。 以前、といっても数年前なのだがこの宿に、家族でお世話になったことがある。それはたまたま、母者が福引で『雪山観光一泊二日家族全員御招待』というものを当ててきたのがきっかけだ。兄者がエベレストに行こうとか何とか言って母者に殴られていたのを今でもはっきりと覚えている。始めの夜、確か俺は星空に、兄者は雪に見とれていた。 いろいろ考えながら、やっとのことで、天井に到着した。息が切れていた。無意識のうちになんどもなんども腹式呼吸を繰り返す。 例の穴から屋根裏部屋を覗く。細かいところまで防水加工された屋根裏部屋には一ミリから二ミリ程度の雨水がたまっていた。思っていたほど溜まってはいなかったので一安心だった。 「とりゃ」 真下にあるベッドに飛び降りる。ぴちゃ、と水のはねる音がした。まだ凍り付いていない証拠だ。 「さぁて、作業に取りかかりますかと」 バケツを机の上に置く。机の上には、未だに食べられていないアイスが乗っていた。 まずは窓を開ける。その瞬間、心地よい風が部屋の中に流れ込んできた。 「気持ちいい……」 木々の匂い、雪の匂いが薄っすらとした。ふと、窓のふちに眼をやる。つららだ。まだ半分凍りかけのつららが窓のふちを飾っていた。 「おっと」 外の世界から眼を逸らす。室内の水が凍りつかないうちに作業を終わらせなくてはいけないのを思い出したからだ。最近は物忘れが激しいので注意しなければならない。 机の上のポリバケツを手に取り、床の水をすくいあげ窓から中身を捨てる。この繰り返しだ。ある程度、バケツでの排水が厳しくなったら今度はスポンジ君の登場だ。 「頼みますぜ、スポンジ君」 俺は二つのスポンジを両手で掴み、床にぎゅっと押し付ける。そして体重をかけるのを止める。そうするとスポンジは、ゆっくり床の水を吸い上げながらもとの形に戻っていく。その間に、もう二つで同じことをする。そして、その間にさっきの完全に膨らんだスポンジをバケツの上で握る。で、そのスポンジでまた水を吸い上げる。この繰り返しだ。 「あっ!」 やり始めてすう十分経ったところだろうか。ふと、忘れていた重大なことが脳裏を過ぎったのだ。 慌てて床にあるドアを引く。むろん、雨水の水圧のせいでドアは開かなかった。 「くっそ……」 天井の穴を見上げる。穴までの距離は俺二人分ぐらいだろう。思い切ってジャンプしてみる。もちろんのこと、届くわけがなかった。俺は大きな音を立ててそのまま床に落ちた。 「あ~あ……。どうやってこの部屋から出ればいいんだよ」 自分の物忘れの激しさに、強く恨んだ。 いつもなら、屋根に上る時に使った、あのはしごを使ってしばらくの間は部屋を出入りするのだが……。 やがて闇が深くなる。 俺は差し入れのアイスで夕食を済ませベッドの上で部屋からの脱出方法を考えていた。 誰かに知らせようとしても、電話は持っていないし、下手に出ようとすると水が下の階に流れ込むし。今こうしてのんびりしている間にも水は氷に変化するし。 足元にある半ば凍りかけの水に足を突っ込む。若干、表面は硬く凍りかけていたが、足先に力を入れてみればすぐに砕けた。 「もしかしたら、半ば凍りかけの状態で排水作業した方が早いんじゃないか?」 呟いてみるが、水が凍るまでのタイミングと時間はどうするのか。こう考え事している間に排水作業を進めたほうがいいのではないか。いろいろな考えが脳裏を過ぎる。 しかし、だんだん考えることに飽きてきていた。 体が眠りを求めたのでベッドに横たわるが、あまりの冷たさに飛び起きた。 「座ったまま寝ろってか、くそっ」 ベッドに悪態を吐いた。背もたれなしで座ったまま寝ることは、俺には不可能なのだ。仕方がなく立ち上がり押入れから脚立を取り出す。そして、部屋の隅で広げる。ピキッ、と音を立て半ば凍りかけの氷が割れた。 もう一度、押入れに向かい、リュックの中から本を探す。家から持ってきたあの文庫本を。 「あれ? おかしいな……」 しかし、本はどこにも見当たらなかった。小ポケットの奥に入れたのをはっきりと覚えている。でも、ある筈のそこに、本はなかった。 もう、どうでもよくなって、諦めかけていたときだった。あの日記帳が眼に入ったのだ。 「続きでも読んでみるか」 本の代わりにはなるだろう、と思った。 脚立に深く座り、ふせんをつけたところを開く。日付は二年前のものだった。そのころはまだ家にパソコンがなく、兄者は完全なヒッキーでもなかった。 「へぇ……。こんなことやったかな……」 日記を読んでいると、そのころの光景が目に浮かんでくる。記憶の箱奥深くに眠っていたものでも、細かいところまで思い出すことができる。文字って不思議だ。読んでいるとその光景が自然と頭に浮かぶのだから。 「最後のはどうなっているんだろう……」 ふと思った疑問を解明するため、最後のページを開く。しかし、そこには何も書かれていなかった。 「流石に最後のページまで書いてはいないか」 小さく息を漏らし、ページをめくっていく。そして、二十ページぐらいめくったところで、やっと最後の日記が出てきた。 「去年の二月二十八日……。俺と兄者が喧嘩した日じゃないか!」 意味もなく慌ててその日の日記に目を落す。 始めの文から既に目が離せなくなっていた。ふと、気がつけば声に出して読んでいた。 「二月二十八日。雪。弟者が俺の大事なパソコンを壊した」 だから俺は壊してないって……。結局、信じてもらえなかったんだな。 目の隅にちょっぴり浮かんだ涙をふき取り、再び目を落す。 「怒りのあまり俺は弟者の首を絞めた。もちろん弟者は抵抗した。俺の首を絞め返そうとした」 そりゃ誰だって首絞められたら抵抗するって。 心の中でつっこみつつも日記を読む。 「でも、手は俺の首まで一歩手前ってとこで落ちた。弟者は死んだ。……?」 あれ?と思った。俺は今、確かに生きているのに、どうして死んだなんて書いてあるんだ? ためしに頬を思いっきりつねってみる。しかし、痛さのあまり手を離してしまった。薄く涙を浮かべながら頭の中で状況を整理してみた。どうやら俺はここで気絶したらしく、それを兄者が死んだと勘違いした。これなら筋が通る。 「頭の中がぐちゃぐちゃだった。だから俺はこの日記帳をもって家を飛び出した。運がいいことに家族は誰もいなかったので呼び止められることはなかった。今俺は近くの神社にいる」 神社と書いてあって続きを読むのが怖くなった。確かに家の近くには神社がある。この神社はちょっと大きめで、夏休みになれば近所の小学生が肝試しをしにやってくる。 でも、怖くなったのはそんな理由だからではない。ここで兄者が自殺した、だから。 おそるおそる続きに目を落す。でも何もかかれていなかった。慌てて次のページをめくった。するとそこには、今までの字とは違う丁寧な字、改まった文体で書いてあった。 『ごめんなさい。ほんとうにごめんなさい』と薄く。 他にも文がないか探してみるが、どこにも見つからなかった。 「……流石だな兄者」 なにも死ななくていいじゃないか。どうして死を選んだんだ。 今、ここにあんたがいたら、そう問い詰めていたに違いない。 「あ~あ。あんたは本当の大馬鹿者だよ」 日記帳を閉じて机の上に置く。足も水に浸らないように机の上に乗せた。 寒い。あらかじめ出しておいたコートをはおる。 そして朝、凍死していないことを願いながら静かに目を瞑った。 真っ暗闇の中、突然耳から痛みが走ってきた。誰かにつねられているらしい。 「いたいいたいたいたい、痛いって!」 案の定、おかげで目はパッチリと覚めた。 耳から手が離れたのを狙って俺はそいつに飛びかかった。 「てめぇ!」 「のわっ!」 驚きのあまり、ガツン、と大きな音を立てそいつは倒れた。俺はお構いなしに上に乗る。 「覚悟はできてるよな?」 太陽の光のせいで顔がよく見えなかった。手足をしきりにバタバタさせている。 「ギブ。弟者、ギブアップモナ!」 「え」 慌ててそいつの上から降りた。嫌気がした。 冷たい氷の上にひざまずく。そいつに向かって必死に土下座した。 「すみませんすみません、本当にすみません!」 「いや、顔上げてモナ……。こっちも悪いんだから」 まさかモナーが入ってくるとは思ってもいなかった。俺は言われたとおりに顔を上げた。 「でも、どうしてここがわかったんです? 風呂場にいるかもしれないのに」 そういうとモナーは、いつの間にかに穴に立てかけてあるはしごを指差す。 「外にね、はしごが置きっぱなしだったモナ。まさかって思って、ガナーに弟者のこと聞いたら自分の部屋に居るっていったモナから」 おもわず俺は苦笑いした。 「ありがとうございます……。もし、店長が朝に来てくれなかったら、俺は……」 穴から空を見上げた。はしご越しに見た空はとても澄んでいて、雲ひとつない青空だった。高く昇った太陽の日差しが目にしみる。冷えていた体もだいぶ温まってきた。 カラスが空を過ぎった。 カラン、と一階の鈴がなる。 「客だな」 「客モナね」 俺らは互いに顔を見合わせ、笑いあった。 ――銃声。 それは突然だった。もとい、それは突然すぎた。 「な、なんだ?」 「強盗モナよ。行くモナよ!」 床にめり込んだはしごを駆け上り、俺たちは大慌てで宿の入り口に向かった。 入り口に着くと壁に耳をつけ、中の様子をうかがう。 しかし、低い男の声だけしか聞こえなかった。 「店長は警察に連絡してください。ここは俺が」 モナーはしばらく考え込み、真剣な眼差しで俺の目を見つめた。 俺は安心しろ、とモナーに言ってから、さっき思いついた簡単な流れをモナーに説明する。その案にモナーはしぶしぶうなずいた。 「……じゃあ、任せたモナ。ただし、死ぬのだけは止めてほしいモナ」 モナーは最後にひそひそ声で、あるものを俺に託した。 俺は偽笑いを作り、手で『了解』の合図を出す。モナーは微笑した。 そしてスキー板を使ってふもとの町まで下りていった。俺はモナーが見えなくなるまでじっとその姿を見つめていた。 俺も覚悟を決めて入り口のノブをひねる。そして、軽く咳き込んでから中に突入した。 「何事だ!」 宿じゅうに響くような大声で叫ぶ。全ての視線が俺に注がれた。 すると、一人の男が客を掻き分け俺の傍までやってきた。手には人質。妹に似ているあの女子高生だった。 「お前、店のやつか」 男は銃を突きつけながら言った。俺は小さく両手を上げて言い返した。 「ああ、そうだ」 それを聞いた強盗はニヤついた。 強盗は銃を器用に使って客の山を分け、カウンターまでの道を空ける。 「……なるほど。で、いくら欲しいんだ」 余裕の表情の俺に客たちの不安な視線が突き刺さる。流石にやりすぎたかもしれない。 強盗はカウンターまで俺を誘導すると、勝ち誇ったような笑みで俺に言った。 「一千万だ。すぐに用意しろ」 「……心得た」 銃を睨みながらカウンターに入る。そしてすぐに屈んで床倉庫を開ける。中にはずっしりと重そうな金庫が入っていた。店長の言ったとおりだ。 カウンターに金庫を乗せ、教えられた順番にダイアルを回す。そして、最後のダイアルを回すとき、袋がないことに気がついた。俺がそのことを強盗に聞くと強盗は、焦った表情でまた金を要求した。 もしかしたらこいつ、袋すら買う金がなかったとかではないか。そんな考えが頭を過ぎるが否定はできなかった。覆面もつけていないのだ。もしかしたらあの銃は玩具なのかも。でも、たとえ玩具だったとしても油断してはいけない。玩具の銃でも、中に弾が入いるものだったら人を殺してしまうことも可能なのだから。 俺は最後のダイヤルを回し、百万円分が束になったものを十束、大きなレジ袋につめる。そして、下でちょっとした細工をしてから強盗に突きつけた。その袋を見て、強盗はすぐに奪い取ろうとしたが、俺は袋を取れないようにした。 「人質を放せ」 俺はカウンターから出ると、袋を俺と強盗の中間に置いた。すると、強盗はあっさりと人質を解放してしまった。強盗のあまりの素直さに冷や汗が伝る。 とりあえず客の安全を確かめるために、俺は人質に駆け寄った。 「君、大丈夫か」 「ええ。ありがとう……」 若干かすれた声であったが大丈夫そうだった。 突然後ろで、床を強く踏みつける音がした。慌てて振り返るが、遅かった。 強盗の手には鋭利なハサミ。しかも、そのハサミはもう俺の目の前にあった。 「う、うそ、だろ」 鈍く痛々しい音が二回、宿内に響く。同時に聞こえた高らかと笑う声。 俺は金切り声を上げながら床を転げまわった。目の辺りから感じるあまりの痛さに気絶寸前だった。 「ふん、馬鹿め。なに余裕ぶっかましてるんだよ」 「っ……」 何とか悲鳴を抑える。目から体内の血がどんどん流れ出ているのがわかった。 指先が震える。まぶたが開かない。 カラン、と誰かが出てゆく音が聞こえた。強盗が逃げたらしい。 足に力を入れる。 モナーと約束したじゃないか。俺が何とかするって……! でも立てなかった。 カラン――。再び聞こえた鈴の音。願いが通じたのだろうか。かなり慌てた足取りで強盗が戻ってきた。かなり機嫌が悪いらしい。入ったとたん悪態を吐いている。 「くそっ! どうなってんだ、袋から札束が全部落ちやがる!」 俺は心の中で笑ってやった。 実は、こっそりあの袋に穴を開けておいたのだ。ついでに束ねていたゴムも切ってやった。全く、いい気味だ。 「おい、お前なんかしただろ!」 強盗がイライラした口調で俺に叫ぶ。俺はどちらにしろ言い返す余力すら残っていなかったのでそのまま無視した。すると、目ではなく腹に強い痛みを感じた。腹を蹴飛ばしたらしい。 「ふん、ざまあみろ」 薄めで強盗を睨みつける。腕には大量の札束が見られた。 欲張り者め。心の中で言ってやる。 強盗は口笛を吹きながら出口に向かった。嗚呼、何もできない自分が情けない。 突然、食堂の方から誰かが走ってくる音が聞こえた。足音からしてかなり怒っているようだ。 「おい、てめぇ、待ちやがれ!」 そう大声が聞こえて、その足音がしなくなったかと思えば今度は強盗が居ると思われる場所で、何かが倒れる音がした。 「お前こそどういうつもりだよ。ふん、ざまあみろ? ふざけんじゃねぇよ!」 若干低くなっていてわかりにくいがガナーの声だ。 どうやら強盗に飛びかったらしい。なんだか強盗がかわいそうに思えてきた。 ガナーが怒り出せば、他の人間が止めることは不可能。火山の噴火のように誰にも止められないのだ。俺はもちろん、兄のモナーや客、可愛い子供であってもだ。自然に収まるのを待つだしかない。 ところで、さっきから聞こえる何かを殴る音をどうにかできないだろうか。 「ふぅ……」 誰にも聞こえないように小さく息を吐く。そして、またゆっくりと息を吸う。 どうやらもう、体が限界らしい。考えるだけでも疲れてきた。指も動かせない。立って歩くなんてなおさらだ。 モナーには申し訳ないと思った。約束を守ることができなかったから。 今までお世話になりました。それが無理なら『ごめんなさい』でいい。 だから、一言だけ。感謝の気持ちを伝えたいだけだから。 俺にチャンスをください。 しかし、数秒もすれば目の前には光のない世界が広がっていた。 どこを見てみても闇だけの世界が、そこにあった。 四,最後の風 花の甘い匂い。薄っすらと聞こえる、水の流れる音。 「あぁ……」 目を開けた。若干ぼやけた世界だった。ふと、片目を刺されたのを思い出し、刺された部分を手で触ってみるが傷らしきものはなかった。閉じているまぶたを無理やり開いてみるが、見え方は変わらなかった。どうやら傷は治っても視力は戻らないらしい。 花の匂いは近くに咲いている白菊のものだった。結構茎が長い。試しに一本掴んでみる。しかし、掴むことが出来なかった。手はそのまま茎を通り抜けてきたから。どんなに頑張っても握ることができなかった。 気を取り直して立ち上がる。近くに大きな川が見えた。 「三途の川……」 操られているかのように川に近づく。骨だけの魚がぴちゃりと跳ねた。 周りを見渡せば小さな石ころがたくさん転がっていた。おそるおそる一個を掴んでみる。どうやら石には触れるらしい。 「うりゃ」 石を川に向かって投げる。俗に言う水切りというものだ。 しかし、石は一回も跳ねずに沈んだ。 「ヘタクソ」 その声と共に、右側から石が回転しながら飛んできた。その石は水面を四回ほど跳ね、やがては見えなくなった。 「以外に上手いな」 「一年もやってりゃ誰だって上手くなるさ」 そうだな、と呟きながら俺は大きな石の上に座る。そして、からかい半分でアンコールしてみた。 「却下。自分でやってくれ」 「お、即却下とは流石だな兄者」 ふん、と兄者は鼻で笑うと俺の隣に座った。 すると、上から骨だけの鳥が川めがけて突っ込んできた。 「兄者、いつからここにいたんだ?」 俺が言い終えたころに、さっきの鳥が口に骨の魚をくわえ川から出てきた。しかし、俺の右から飛んできた石にぶつかり、ばらばらになって再び川に落ちてしまった。 「……一年前からだ。ずっとここで死に神っぽい仕事をしてた」 「ふぅん……。でもどうして死に神なんかになったんだ?」 「変な奴に頼まれたんだ」 「おい」 なぜそこで引き受けたのかと小一時間、兄者に問い詰めたくなった。しかし兄者らしいとも思った。 すると突然兄者は立ち上がった。そして後方に広がる白菊畑から一本持ってきて俺に差し出す。 「お前、この花持てるか?」 俺はすぐに首を横に振った。すると兄者は白菊の花をもう片方の手で優しく握った。そして、しばらくしてから手を離す。すると、さっきまでは白かったはずの菊の花が赤色に染まっていた。 「これなら持てるんじゃないか?」 俺はおそるおそるその花を受け取った。するとどうだろう。この花は持つことができたのだ。 兄者は不気味な笑みを浮かべていた。風呂場で見た、あの笑みとそっくりだった。 「おめでとう弟者君。君には道の選択権があるようです」 「道?」 俺の質問に構わず兄者は向きを変え、白菊畑の中を歩き出した。俺もなんとなくその後をついて行ってみる。 「どこに行くんだ?」 返事が来たのはしばらく経ってからだった。しかも、後で分かるの一言だけ。 少々イライラ気味なのか、若干大きな声だったので黙ってついて行くことにした。 白菊畑の中に混じっている赤い菊が、俺の足に薄い傷をつける。歩くたびにわかる花の柔らかさ、茎の強さ、葉の鋭さ。 ブーン、と突然何かが目の前を過ぎった。目で後を追えば白菊に止まっている皮膚なしの虫がいた。花粉を懸命に集めている。けなげだな、そう思った。 突然兄者が足を止めたので、俺はそのまま兄者とぶつかってしまった。 「つ、着いたのか?」 兄者は一回だけ頷いた。そして少し進んで俺に手招きをする。 「来い」 俺は半信半疑で兄者のところへ行く。すると、雲らしき地面のひび割れが見えた。覗いてみろ、と言われたのでゆっくり屈んで中を覗いてみる。しかし、何も見えなかった。ただ、雲みたいな地面が永遠に続いているだけだった。 「何も見えないんですが」 「当たり前だ。ただのひび割れだからな。何も関係はない」 じゃ、歩いた意味ないじゃないか。俺はそう思いながら足の傷を摩った。 兄者は俺をからかうように笑った。でもすぐに真剣な顔に戻ってしまった。切り替え早すぎだろ。正直気持ち悪くなった。 「で、道って何だ?」 兄者はまた白菊を一本摘み、花を優しく握った。今度は黄色に変色した。 「その前に、この花を持ってほしい」 俺は兄者に言われたとおり、その花を持った。 どうして白菊だけ持てないのか疑問に思い、もう片方の手で近くの白菊を掴んでみる。しかし、結果は同じで触ることすらできなかった。 兄者の視線を強く感じたので兄者の方を見る。 兄者はまた笑っていた。でもそれが悲しみの笑みなのか喜びの笑みなのか俺にはわからなかった。 「今まで花を持ってもらった。これは簡単な検査だ」 「検査?」 「そう、道を選ぶ権利があるかどうかのね」 兄者はまた石を拾い、何かめがけて思いっきり投げ飛ばした。 クエッ!と、遠くで何かの鳴き声がした。 あんたは石投げの天才だな。俺も負けじとこっそり石を拾う。 兄者は背を向けたまま話し出した。 「まず菊についての説明をしようか。まずは白菊。白菊は持った香具師が完璧に死んでいるかを確かめることができる。次に赤い菊。赤い菊は半死状態かを知ることができる。つまり、赤い菊が持てた香具師はもう一度下に戻ることが可能なのだ。で、最後の黄色い菊だが……」 「もういいよ、言わなくて。言いたいこともだいたいわかったから。つまりは生きたいか、逝きたいかってことだろ?」 兄者は小さくうなずいた。 俺は軽く助走をつけて、石を遠くに投げる。 そして、白菊畑の中に倒れこんだ。 「俺は……」 俺が口を開いたと同時に白菊畑がいっせいに揺れた。心地よい風だった。俺はそのまま言葉を風に乗せた。 「理由は聞かぬが、それでいいのか……?」 「何度も言わせるな。俺の意思は変わらない」 ふん、と俺は鼻で笑った。兄者の手にはまた石があった。きっとまた何か打ち落とすつもりらしい。 「でも意外だな。お前がその道を選ぶなんて」 べつにいいだろう、と俺は言葉を返す。 頭の方で何か動くものがあったので、気味が悪くなって俺は起き上がった。 それを誤魔化すために俺はわざと軽く走り出す。 「さ、早く連れて行ってくれよ。はやくマターリしたいんだから」 「OK.OK.そう急ぐな」 兄者はそう言いながら俺の隣まで駆け寄ってきた。 兄者は軽く息切れしているようだった。 「そうだ。遅くなったが、お久しぶり弟者」 「あぁ、久しぶりだな兄者」 兄者は遠くの獲物に狙いを定め石を投げる。 しかし、獲物は意外に賢く、兄者の投げた石を軽々とかわしてしまった。 「ぷ、失敗してやんの」 「五月蝿い。たまたま当たらなかっただけだ」 俺らは最後に顔を見合わせ、互いに笑いあった。 高らかに。声を上げながら。 ぽちゃん、とどこか遠くで音がした。
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※このSSには独自の設定やキャラの崩壊、グロテスクな表現が含まれています。そういった展開が苦手な方はご注意ください。 私の名前は犬走 椛、種族は白狼天狗です。 仕事は山の警備をしています。同僚が多いので殆どの日が休みですが。 でも警備の仕事が休みなだけで、やる事はいっぱいあるんです。 主な用事は上司に言われての新聞作りの手伝いですね。 完全な上下社会である天狗社会の辛いところです。 …………………さて、前置きはこのぐらいでいいですか? 実は私には野望があるんです。 それは警備隊の隊長になる事です。 私は天狗社会の最下層である白狼天狗、ほぼすべての天狗が関係的に上司になります。 そのせいで私が今まで、どれだけ苦汁を飲んできた事か…。 私が幼い頃から剣の修行に励んでいた裏で、他の天狗達は遊び放題。 そのくせ今は上司で、新聞作りの雑用に使ってくる始末。 私はずっと訓練してきた事もあり、そこらへんの天狗より遥かに強いです。 ですからこそ自分より弱い奴に頭を下げなきゃいけない今の立場が不満でならないんです。 しかし最下層からでは、ちょっとやそっとの事では上に立つ事なんて出来ません。 ですが警備隊長になると我ら天狗の長、天魔様の直属の部下になれるんです。 これは完全な上下社会の天狗社会において、トップに近い地位を得る事になります。 つまり警備隊長になる事は、私の得意な分野で上に立てる唯一の道なんです。 「……………」 そんな訳で私は今日も真面目に警備をしているのですが……暇ですね。 こう平和ですと私の力を見せ付ける機会もありません。 こんな事では何時になったら隊長になれる事やら…。 いっそ山に未曾有の危機とか訪れてくれませんかねぇ。 「…………?」 なんて思ってたら何やら飛行物体がこちらに近寄って来ます。 もしや侵入者? …………と思いましたが違いました。 あの飛行速度は天狗、それもかなりの実力者です。 これは上層部直々の昇格報告……な訳ないですよね。 あれは私を雑用に使おうと企んでる鴉天狗です。まったく嫌になりますよ。 そうしているうちに、もう目の前に来ているもんですから鬱陶しい。 「ふ~ん、貴方が椛ね? 噂通りの仏頂面だわ」 しかもいきなり失礼な……初対面の相手に言う事じゃありませんよ。 「…………何か御用ですか」 「あら、今日は朗報を伝えに来てあげたのよ?」 朗報……ですか。鴉天狗の朗報程、期待出来ない朗報はありますまい。 「ふっふっふ、喜びなさい! 貴方をこの私、射命丸 文の専属アシスタントに…」 「お断りします」 「…………………ええええええぇぇぇええぇぇぇ!?」 何ですか、その予想外って顔は。 なる訳ないでしょ、そんな雑用担当。 それに今、射命丸って名乗りましたよね? 射命丸といえば、鴉天狗のくせに人間に肩入れする不良天狗じゃないですか。 そんな奴、関わり合いにすらなりたくありませんよ。 「交渉決裂ですね。それでは私は警備の仕事があるので、とっととお帰りください」 「ま、待ちなさいよ! どうしたの!? 話じゃどんな仕事も真面目にこなす便利屋天狗だって聞いたのに……」 そりゃ仕事ですから。 というより便利屋って何ですか。 勝手にパシリ扱いしないでください。 「私の本職は警備です。それを変えるつもりはありません」 「そんな! 私は貴方の能力を高く買ってるのよ!? 下っ端警備なんて辞めちゃいなさい! 貴方の千里眼と私のスピードがあれば幻想郷一の新聞記者になれるわよ!」 へぇ、随分大層な事を言いますねぇ。 ですが私が目指すのは天狗社会での出世、貴方の部下で一生を終えるつもりはありません。 そもそも幻想郷一の新聞記者って何なんですか。 戦場カメラマンとか嫌ですよ? 「何度頼まれても私は新聞記者にはなりませんよ」 「………意外と強情ね…。分かったわ」 ふぅ、諦めてくれましたか。 私の能力の凄さに気付いた点は評価しますが、これは警備でこそ活きる能力。 この力で私は警備隊長を目指すんです。 ………………………ん? 何故帰らない? 「まだ何か?」 「交代の時間を待ってるの」 「はい?」 「引き抜きが無理なら上司として命令するわ! 警備勤務が終わったら私の取材に同行しなさい!」 「……………」 どうせそう来ると思ってましたよ。 これだから下っ端は嫌なんです。 絶対に命令に従わなければならない訳ではありませんが、出世の為には命令遂行率は高い方が有利。 隊長を目指すなら同行命令には従っておくべきなんですよ。 適当についてってある程度サポートするだけとはいえ、この後は休みたかったのに……これだから鴉天狗は。 本当、飛んでる時に木にぶつければいいのに。 「………分かりました。ただウザいんで何処か目障りじゃない所に行っててくれませんか?」 「……貴方、結構キツい事言うわね。聞いた話じゃ素直で従順な子だって言ってたのに」 「そんな奴隷天狗は幻想入りしました。私は媚びるべき相手にだけ尾を振るんです」 「何この子怖い」 そう、鴉天狗は態度こそデカイものの上層部の天狗ではありません。別に媚びる必要はないんです。 ですから適当に命令だけこなしておけばそれでいい。 後は冷たくあしらって、こんな不良天狗にはさっさと諦めてもらいましょう。 あれから何年か経ちました。 あの日から文様は度々、私を呼び出すようになりました。しつこい奴です。 そして私の陰の活躍のおかげもあって、文様の発行している文々。新聞は着実に人気を上げていきました。 しかしながら私の昇格の話は、なかなか見えて来ません。 それもその筈、相も変わらず平和な山では私の実力を活かす機会がないのです。 どうにかして上にアピールする事は出来ないものか。 そう悩んでいたある日、突然奴等は現れたんです。 守矢一味。幻想郷に突如現れた、外界の神達。 戦争の可能性を秘めた奴等の登場は、私にとって待ちに待ったアピールチャンスでした。 そんな私に与えられた任務は、守矢一味が我々に仇なす者かどうかを見極める為の監視役。 言ってしまえば天狗と神の争いが始まるかどうかは、すべて私の一声にかかっているという訳です。 警備職に就いて数十年、久しぶりに興奮しました。 これこそ千里眼の正しい使い方、まったく覚られる事無く監視が出来る私ならではの役目。 私はこの大役を無事やり切り、大天狗様に真実を報告しました。 『守矢一味に敵対意思、見られず』と。 結果、天狗は守矢一味を受け入れる事になりました。 私にとっては不服な結末でしたが、長の判断なので逆らう気はありません。 組織で上を目指す私にとって、長の命は絶対なのです。 …………ただ私は守矢をあまり信仰してはいません。 私達は守矢を『受け入れた』のであって、縋っている訳ではないのですから。 そもそも突然現れて信仰しろと言う方がおかしな話。 もっと謙って『受け入れてもらってる』事を自覚するべきですね。 実際、本気で信仰している天狗がどれだけいる事やら。 大体の天狗は私と同じ、表面上だけの信仰だと思いますよ。 後は新聞のネタにしたがってる天狗だけでしょう。 文様みたいな。 「さぁ! 今日こそ守矢家の特ダネをゲットすうぎゃあ!!」 「五月蝿いです。それになんか葱臭いんで黙っててください」 「うぐ………それにしたって盾で殴る? 普通」 「文様にはこれぐらいで普通です」 「………どんどん口が悪くなるわねぇ」 そりゃあ、これまでどれだけ貴方に付き合わされてると思ってるんですか。 文様の低俗な新聞の為に、毎日何時間も走り回されたら誰だって頭にきますよ。 個人的に嫌いってのもありますが。性格とか。 …………というか諦めませんね。 これだけ言われてまだ関わろうとするなんて、そんなに千里眼が魅力的ですか? 「ところで何しにこんな寂れた神社の裏に来たんですか?」 「え? 最初に言ったでしょ? ネタ探しよ」 「だからなんで神社の裏に?」 「分からないの? まったく、これだから白狼天狗は。その太眉は飾り?」 「帰っていいですか」 「待ちなさいって。この壁の向こうを見てみなさい」 まったく………こんなくだらない事の為に千里眼はあるんじゃないんですよ? どうせ毎日ぶんぶん蚊みたいに飛び回ってるんですから、私に頼らず自分で探してくださいよ。 大体、壁の向こうに何があるって言うんですか。 ……………………あれ? 着替え中? 「…………………」 「……………………」 「………………………誰かー。ここに変態がー」 「ぎゃー! 何するのー! 見つかったら台無しじゃない!」 「台無しも何もありませんよ。完全に覗きじゃないですか」 「覗きじゃないわよ! 真実を突き止めるのよ!」 「何ですか、真実って。馬鹿なんじゃないですか?」 「真実は真実よ! まだ謎の多い守矢家の真実を伝え、信仰アップに貢献するのよ! その為に貴方の能力でスリーサイズとか下着の色とか、そういう情報を…」 ダメだこいつ……早くなんとかしないと。 これは鉄拳制裁もやむを得ません。ちょっと前に殴った気もしますが。 すべては正義の為です。さあ、覚悟してください。鍛えに鍛えた私の一撃は強力ですよ。 「どう考えても覗きじゃないで…」 「さっきから境内で何してるんですか!」 「五月蝿い! この冷奴がぁ!!」 「うぎゃあああああぁ!!」 しまった。突然話しかけられたので、うっかり殴る相手を間違えてしまいました。 今、殴ったのは守矢一味の冷奴……じゃなくて東風谷 早苗様。 とりあえず泣きながら起き上って来たので、無事生きてるみたいです。 「な、殴る事ないじゃないですかぁ~!」 「あ~あ、泣~かせた~。椛が泣~かせうぐおあっ!?」 文様、ウザいです。 「すみません、大丈夫ですか? 別に殴るつもりはなかったんですが」 「あう……はい、何とか」 「よかったです。早苗様が無事で」 「……ところで今、冷奴って…」 「気のせいです」 「え? でも確かに冷…」 「気のせいです」 「…………そう…ですね」 いろいろそれましたが、結果的に文様の犯罪行為も止める事が出来ました。 一件落着です。帰りましょう。 「待ちなさいよ!」 「何ですか、文様。そろそろ帰って昼寝したいんですが」 「上司をおいて昼寝!? どういう神経してるのよ!」 「貴方に神経がどうとか言われたくないです」 「兎に角、まだ取材が終わってないわ! 明日の一面どうするの!」 「どうするって目の前に取材する相手がいるじゃないですか」 「…………ああ、そうだったわね」 というより最初から素直に取材してくださいよ。 何、堂々と覗きしようとしてたんですか。 本当、バナナの皮とか踏めばいいのに。 「それでは改めて………早苗さん! 今、何色の下着を履いてますか!?」 「………………えっ」 「………………………」 「…………………………」 「……………………………」 「………………………………」 ………ちょっと距離をとらせてください。 飛び蹴りするんで。 「……このドアホがぁ!!」 「うぼああああぁぁ! な、何するの!」 「もっと訊く事あるでしょうが。今後の方針とか、天狗との付き合い方とか」 「他の新聞でやってる事やっても人気なんか出ないわよ! 文々。新聞は一人一人に密着した濃い内容で勝負するのよ!」 「いい加減にしてください。貴方の新聞、読者には評判いいですけど取材された側からは不評なんですよ」 「真実は暴くべきなのよ!」 「黙れ、この卑しいメス豚が」 「も、椛!?」 「あの、椛さん」 あら、話しかけられましたよ。 これは文様、断罪させられるかもしれませんね。 願わくば私は巻き込まれませんように。 「なんでしょうか」 「言わないとダメなんですか?」 「何がです?」 「…………その、下着の色……」 うわ、真に受けてる。 「言いたいんでしたら勝手にどうぞ」 「え? 言うの? め、メモ! 手帖を!」 「言いたくないですよ!」 「ちぇー」 「黙らないと、もう一発蹴りますよ」 「そんな横暴なぎゃあああぁぁ!」 「すみません。こんなダメ上司で」 「は、はぁ……」 「ほら、帰りますよ」 「ちょっと! まだネタが…」 「いいじゃないですか。『鴉天狗の暴走! 守矢の巫女にセクハラ発言!』とか書けば」 「嫌よ! 何が悲しくて自分の醜態、晒さなくちゃいけないのよ!」 「真実は暴くものなんでしょう?」 「ぐぬぬ…!」 今度こそ本当に帰りましょう。本気で眠いです。 え? 命令に従ってない? 私は文様にしっかりついていき、暴走を止めてるじゃないですか。 勿論、普通の取材の時はちゃんと協力してますよ。命令ですから。 言ってしまえば私の仕事は、上司の問題行動を止めるアシスタントなんですよ。 もっとも殴って止める必要はないんですけど。 それにどうせ文様の事です。後で一人で覗きに行くでしょう。 その時は止めませんよ。一人の取材は私とは無関係なんで。 別にそれで守矢とどうなろうが私の知った事ではありません。 それから少しの時が流れます。 相変わらず文様の取材は低劣ですが、山では大きな出来事がありました。 あの守矢がやらかしたんです。 なんでも幻想郷の産業革命と言って天狗に話もせずに、勝手に地底の妖怪に力を与えたとか。 天狗に受け入れてもらってるくせに、その天狗を差し置いて何処の馬の骨とも分かるぬ鴉に力を与えるなど言語道断。 ましてや相談もなしにとなれば、信者を蔑ろにしてるとしか思えない。 そう考える天狗が、守矢に対する非難記事を書き始めましたんです。 これに驚いたのは守矢一味。やる前に想像出来なかったんでしょうかね。 始めは産業革命は天狗にとってもプラスになるから安心して信仰していればいいという態度でしたが 非難が治まらないのを知ると、慌てて記者会見を開いて謝罪。 会見での動揺する早苗様に洩矢 諏訪子様が小声で指示を出していたシーンは、一時大きな話題になりました。 しかし結果的に信仰は大きく減少、守矢一味には辛いしっぺ返しとなった事でしょう。 …………そういえば八坂 神奈子様は会見に否定的だったそうですね。 最初に強気な発言をしていたのも神奈子様でしたし、もしかして周りの意見に鈍感なんじゃ…。 大丈夫なんでしょうか、この山。 しかし心配してもなるようにしかなりません。 私はただ出世を目指して励むだけです。 「………………」 「…………………」 今日はたまたま一緒になった姫海棠 はたて様と、食堂で昼食を取っています。 はたて様は記者としても天狗としても強い方ではありません。 ただ他の鴉天狗のようにふてぶてしくないので、鴉天狗の中では付き合いやすい方だと認識しています。 「…………最近どう?」 「いまいちですね」 「…………そう」 会話が乏しいように見えますが、いつもの事です。何の問題もありません。 はたて様はずっと喋っているタイプではありませんから。 元々はたて様は部屋で一人でいるのが好きなんだそうです。 ですからこうして外で会う事自体、とても珍しい事なんですが…。 「今日はどうしたんですか?」 「…………美味しい蕎麦屋さんがあるって念写したから」 「そうですか」 ちなみにこの食堂が話題になったのは三カ月前です。 そうは言っても味は今も健在、特にこの天ぷら蕎麦の味といったらもう……。 はたて様はたぬき蕎麦が好きらしいですよ。たぬきもいいですよね。 「もおぉぉみぃぃぃじいいぃぃぃ!!」 …………なんだか嫌な声が聞こえて来ました。 先に飛んで来る場所を予想して、盾を置いておきましょう。 「も…ぐうっ! ………ッ!! …………!」 見事に突っ込みましたね。大成功です。 声にならない程、痛いですか。仕掛けた甲斐がありましたよ。 「何か用ですか、文様。食事中ぐらい大人しくしててくださいよ」 「うっ……今日は食事に来ただけよ。たまたま椛を見つけたから飛んで来ただけ」 「そうですか。じゃあ帰ってください」 「相変わらず冷たいわねぇ。…………あら? そこにいるのは弱小記者のはたてじゃなぁい! どうしたの!? 引き籠りは辞めたの!? それとも記者辞めたとか!? 人気ないもんね~!」 さすが文様、期待を裏切らないウザさです。 「そんな訳ないでしょ、小蝿記者が。今日は美味しい蕎麦屋の噂を聞いて来たのよ」 「噂って何時の噂よ! トロ過ぎるんじゃない!? あ、店主! とろろ蕎麦一つ! ………あ、トロいだけにとろろ…」 「とろろの海で溺れてください」 「いや、そんな寒くないでしょ。今のは」 というよりチャッカリ近くに座らないでください。 文様と一緒だと蕎麦が不味くなります。 「ふ~ん、天ぷら蕎麦ね~」 「何ですか」 「蕎麦って言ったらとろろじゃない?」 「知りませんよ」 「そっちはそっちで天カスだし。あんた達、油っぽいのが好きなのね~!」 「ねぇ、椛。その剣でさっくりやっちゃったらどう?」 「奇遇ですね。私も同じ事考えてたところです」 「なんですぐ物騒な話になるの!? というより、なんであんた達そんなに仲いいのよ!」 「文が喧嘩売って歩いてるだけでしょ」 「違うわよ! 性格悪いのは椛の方よ! この腹黒天狗!」 「何言ってるんですか。私が腹黒かったら白狼天狗は皆、真っ黒ですよ」 「えぇ~……やだ何それ…」 実際、好きで雑用やる奴なんているんですか? 殆どの白狼天狗は鴉天狗なんて嫌いだと思いますよ。 「なんかやだ~……今まで可愛い部下だと思ってたのが、心の中じゃ嫌ってたとかやだ~…」 「ん、とろろ蕎麦来たわよ」 「ああ、こっち回して」 「……………文様って葱、入れるんですね」 「え? 入れるでしょ。普通」 「私、嫌いなんですよ」 どうもあの臭いがダメなんですよね。 ほら、葱って独特な臭いがするじゃないですか。 自分が食べるのも勿論、周りで臭うのも………臭うのも………。 「………どんだけ入れるんですか」 「私、好きだから」 ああ、どうりでたまに臭う訳です。 まさか葱が好きだったなんて。せめてニンニクならよかったのに。 ニンニクも臭いますが葱程は嫌いじゃないんですよ。 むしろ葱の場合、あまり臭わない玉葱も嫌いです。 何なんですかねぇ、本当。あの臭いは。 「入れるのは勝手ですけど、臭いんで喋らないでくださいね」 「何よそれー。葱臭いなんて言い掛かりよ」 「すでに葱臭いです」 「…………ていうか文、食べるの速っ」 うっ……臭って来ました。 お喋りな方が臭う物食べると最悪ですね。 な、なんか……気分悪くなって来ました……。 なんでこんな…………おのれ葱め……。 「ちょっと~、こっち向きなさいよ~。いつもの減らず口はどうしたの~? ん~?」 くっ……わざとやってる。もの凄く鬱陶しい…。 本当、全身とろろ塗れになればいいのに……。 「ほれほれ~、これか? これが怖いのか? ふっふっふ~」 「文、あんまり遊んでると蕎麦のび……ってもう食べちゃったの!?」 ちょっと、どこから葱まるまる一本出したんですか。 むしろなんで葱持ってるんですか。 ああー、頬に擦りつけないでください。 臭いがうつるじゃないですかー。 「そこでそうやって震えてるがいいわ! あっはははは!」 行くなら行くで葱を持ってってくださいよ。 どうするんですか、これ。 置きっ放しでも店の方が困るでしょうが。 「まずいわ、椛。文の奴、アレをする気よ」 なんですか。これ以上悪い状況なんて………まさか。 「アレ……ですか」 「そう、アレよ」 ああ、やりますね。あの顔はやります。 あれはアレをやりたくて仕方ないって顔です。 ですが今ならまだ引き返せますよ。早ま… 「店主、お代はあの二人が払うんで」 『やりやがったー!』 アレは最初に食べ終わった者が、後の者に代金を強制的に支払わせる卑劣な技。 この食堂が食券制じゃないという事を、まんまと利用されました。 今から頑張って食べても、文様の逃走速度には追い付けません。 これは…………万事休すか。 「まだよ!」 「はたて様…」 「まだ方法はあるわ! 文が置いていった葱を使うのよ!」 「………え?」 これで……どうしろと? 「さあ! 早く!」 ですから……何を? 「急いで! 早くー!」 ええい、もうどうにでもなれです。 なんか天狗の妖力でいけー。 「の、伸びたー!」 「なんだって!? ……あぎっひいいぃぃ!?」 あ、尻に刺さっちゃいました。 「ちょ、ちょっと椛……。尻は、尻はないわ……」 「すみません、なんかノリでつい」 「いいから自分の蕎麦代、払いなさいよ」 「分かったわよ……。ああ、ズキズキする」 「文様」 「何」 「お大事に」 「あんたがやったんでしょうがぁ!」 また少し時間は進みます。 ええ、私は未だに下っ端のままですよ。 実力も命令遂行率も悪くないのに何故…? そういえば文様が絡んで来るようになってから、他の鴉天狗から雑用を押しつけられる事が減った気がします。 まさか文様が上層部に何か………いえ、文様にそんな権力はありません。 文様にあるのは無駄に速い動きとそれなりな容姿とウザさだけです。 ああ、後守矢がなんかやってました。 大体の天狗は『また守矢か』で流したんで詳しく覚えてないんですが。 確かバザーが成功で信仰がどうとか………本当に何なんですかね。 最近は天狗の信仰が少ないから、河童や人間に媚びてるって噂ですよ。 そんな河童にも私の知り合いがいます。 「………王手」 「あー! そう来たかー!」 彼女は河城 にとり様。よく将棋を指し合う仲です。 今も滝の裏で将棋を指しているところです。たった今、終わりましたが。 「いや~、椛は強いね~」 「それ程でも」 将棋は頭を使うので戦術考案の特訓にもなるんです。 いずれはこの駒達のように部下を自在に動かす事も出来るように、とは思っているのですがなんとも。 将棋が強いなんて司令官向きだと思うんですけどねぇ。 なんで出世、出来ないのでしょうか。 「そんなに強いならチェスもやってみなよ」 「チェスですか?」 「そう、私のお茶会仲間に凄く強い子がいてさぁ。椛なら互角に渡り合えると思うよ」 チェスの天才ですか。余程頭の切れる御方なのでしょう。 もしかしたら多くの部下を引き連れている、一組織の長かもしれません。 そうなら是非、隊長になるコツとか教えてもらいたいものです。 「今度紹介するよ。アリスっていうんだけどさぁ…」 「椛、覚悟ぉ!!」 「!!」 まさか……この滝の裏までやって来るとは……。 文様の執念には毎度驚かされます。 そこに痺れもしませんし、憧れもしませんが。 しかし不意打ちで満足して、ただの蹴りとは浅はかな。 そんなものは盾でカウンターです。 「…ッ!! くっ……うっ……」 「何ですか、また取材ですか? 今度は何処に行くんですか」 「…今日は椛がいつも何してるのか見に来ただけよ」 「私を記事にするつもりですか?」 「まさか、椛じゃ4コマにもならないわよ」 4コマにもならない……? どんだけ私の日常、波がないと思ってるんですか。 ……………なかった、ですね。 「じゃあ何しに来たんですか」 「だから見に来ただけよ」 「………………………」 「…………………………」 …………何を企んでるんですか。 あのネタに貪欲な文様が、ただ見るだけなんてそんな…。 まさか葱だけじゃ飽き足らず、他にも私の弱みを握ろうと? 「あ~、よかったら将棋する?」 にとり様? こいつに情報を与えるのは危険ですよ? 「将棋? ふ~ん、椛にそんな趣味があったとはねぇ」 「悪いですか」 「そんな事言ってないじゃない。いいわ、私が本当の将棋を見せてあげ………何これ」 「へ? 何か問題でも?」 「なんでこんなに駒があるの?」 ああ、文様は大将棋をやった事がないんですね。 いつも忙しなく飛び回ってる文様では、じっくり時間をかける大将棋は縁遠いのかもしれません。 ですが私達はいつも、これしかやってません。分からないならおいていきますよ。 「文様」 「何」 「銅将、猛豹、反車、盲虎、麒麟、鳳凰、仲人、醉象、横行、竪行、奔王、獅子、鉄将、石将、悪狼、嗔猪、猫刄、猛牛 飛龍、白駒、鯨鯢、飛鹿、太子、奔猪、飛牛、角鷹、飛鷲」 「な、何?」 「全部分かったら相手してあげます」 「え? ちょ…」 「始めましょう、にとり様」 「あ、うん。………いいの?」 「いいんです」 「椛ぃ~」 さて、大量の駒を扱う大将棋は、とても時間がかかります。 それをやる中で、一人だけ何もする事がない状況。 ましてや半分近い駒が分からない方にとっては、さぞ退屈な光景でしょう。 はたして文様は何時まで耐える事が出来るでしょうか。 「……………………」 「………………………」 「…………………………」 「……………………………」 「………ねぇ、椛」 「何ですか」 「私はどうしたらいいの」 「帰ったらいいんじゃないですか」 「嫌よ。折角来たんだもの、なんか面白いもの見つけないと」 「そうですか」 「……………………………………」 「………………………………………」 「………ねぇ、椛」 「今度は何ですか」 「そこの金鍔もらってもいい?」 「どうぞ」 ………一口でいきますか。 蕎麦といい、もうちょっとゆっくり食べれないんでしょうか。 早食いは体にもよくないですよ。 「……美味しい。何処で買ったの?」 「私が作りました」 「……………えっ?」 「私が作りました」 「嘘でしょ?」 「そんな嘘吐いてどうするんですか」 「………………」 ええ、いろいろ出来るんです。 よく雑用とか、やらされてますから。 金鍔ぐらいなら簡単に作れるんですよ。 洋菓子は作りませんが。私が好きじゃないので。 ……………って全部食べますか。 折角にとり様と一緒に食べようと作って来たのに。 「それだけ食べれば満足したでしょう。もう帰ってください」 「………そうね、他に葛餅とかあったら帰るかも」 まったく、この方は…。 図々しいにも程がありますよ。 「じゃあ千歳飴なんてどうです? 尻の穴に突っ込んで食べさせてあげますよ」 「……えっ」 ………何故、顔を赤らめる。 「……明日の記事はいいんですか? 早く帰って作った方がいいですよ」 「………分かったわ。でも今度なんか作ってよ」 「気が向いたら考えてあげます」 「期待してるわ」 「気が向いたらですよ」 やって帰ってくれました。 これで将棋に集中出来るってもんです。 ……ん? なんでにとり様は、にやにやしてるんですか? 「………椛も丸くなったね」 「何の事です」 「文のおかげかな? 昔よりいい顔してるよ」 「…………にとり様の番ですよ」 「あ、うん。ごめんごめん」 文様のおかげ? 何言ってるんですか。 文様のせいで気苦労が増えましたよ。 まったく、真面目に記事を書く気はないんですかね。 そんなんだから大会でも上位に入れないんですよ。 本当、うっかり下着履き忘れたまま飛び回ってればいいのに。 そしてまた適当に時間が飛びます。 ついに、あの守矢がぶっ壊れました。 早苗様が突然、妖怪退治がどうとか言って空飛ぶ船に突っ込んで行ったんです。 妖怪に信仰してもらってるんでしょとか、ツッコミどころが多すぎますが なんでも前回の記者会見から精神的に参っていたらしくて いろんなところに迷惑をかけてしまったと諏訪子様が各所で謝ってました。 さすがに呆れるのを通り越して、だんだん哀れに思えて来ましたよ。 あの神奈子様も、早苗様が服を着たまま浴槽で体育座りしてた時は危険を感じたとか。 もう守矢はダメかもしれません。 最初から信仰してませんでしたけど。 でも逆に同情のような変な信仰はもらったっていうから、世の中どう転がるか分からないものですね。 そんな事を考えながら、今は文様に呼び出された場所へ向かっている最中です。 なんか突然、大事な用があるとか言って来たんですけど何なんでしょう。 ………此処ですね。文様もいますし間違いないようです。 「何の用ですか」 「椛、私は常々おかしいと思っていたわ。貴方の私に対する態度を!」 今更ですね。 確かに私は文様に特別冷たくして来ましたが、文様もやりたい放題してるじゃないですか。 お互い様ですよ。一方的に言われる事ないです。 「だから、この想いをはっきりさせる為にも貴方に戦いを挑むわ!」 戦いですか。 いつもやられてるくせに何を………と思ったら羽を生やして来ました。 本気って事ですね。 ならばこちらも本気を出さなければなりません。 「いいでしょう。貴方なら歯応えのある特訓相手になりそうです」 「…………椛が耳と尾を生やしてるところ、始めてみたわよ」 「普段から本気を出す天狗が何処にいるって言うんですか」 「……それもそうね」 これは私にとって都合のいい展開かもしれません。 文様は一応実力者。幻想郷最速の名は伊達ではありません。 それを降したとなれば、私の実力を大きく知らしめる事になります。 文様には悪いですが、この戦い利用させてもらいますよ。 「覚悟してください。私に勝負を挑んだ事を後悔させてあげましょう」 「後悔なんてしないわ! どっちが勝ってもね!」 …………文様は強いです。 それこそ私が想像していた以上に。 私の刃はすべてかわされ、逆に文様は何度も隙を突いて攻撃してきます。 ですが私だって修行を重ねた身、文様の攻撃など華麗に防ぎきってやりましたよ。 そしてお互い決め手を欠き五分五分の戦いが何時間も続いた後、ついに戦いは決着を迎える事になります。 「!!」 「………ッ!」 「………………お見事です、文様」 「ちょ、ちょっと! 今のは貴方の勝ちでしょ!? 最後の攻撃は確実に急所を捉えてたわ!」 「刀を折られては剣士として負けも同然です」 「剣士って貴方は警備兵でしょうが」 「刀の損傷具合を考え切れなかったのは私の落ち度です」 本当は負けを認めるのは嫌です。それも文様になんか。 ですが文様の実力は本物でしたし、刀を折られて勝ったのでは私が納得出来ません。 試合で破損した武器を使うのは反則ですから。 「………ところで何故このような事を?」 「……私は椛が苦手よ。愛想もないし、すぐ手を出すし。………でも、だから気になるのよ。 他の白狼天狗と違って真正面からぶつかって来る貴方が、私をどう思っているのか。 嫌いなら、とことん冷たくすればいいじゃない。でも椛は私を完全に拒んだりしない。そこが余計に分からないの。 椛が一番力を入れてる戦いの中でなら何か分かるかと思ったけど……やっぱり何も分からないわ。 教えて椛、貴方にとって私は何なの?」 ……………私にとっての文様? 上司……ですけどなんか違う気が……。 尊敬はしてませんし迷惑もかけられますけど……でも……。 ……改めて言われると……よく分からない……です。 「……昔は…嫌な上司でした」 「………今は?」 「…………………」 「………………今も変わらない?」 「…………よく分かりません」 「………そう」 なんか………どうしたんでしょう。 文様は嫌な奴で……でも最近はそんなに嫌いじゃなくて……どちらかというと突っぱねるのが普通のような……。 ………なんと言うか……言われてみれば文様には文句も悪口も正直に言えるといいますか。 いつの間にかそんな感じで………確かに他の上司とは違う何か……何処か憎めないような……。 会うと罵りたくなりますが昔からそうだっただけで、別にもの凄く嫌いとかじゃ………。 …………やっぱりよく分かりません。 「椛。今夜亥の刻、また此処に来れない?」 「それは命令ですか」 「…………いいえ」 「なら行かないかもしれませんよ」 「それでもいい。でも私は待ってるから」 …………私は……。 ………文様に呼ばれた時間から、すでに30分経ちました。 私は………どうするべきか悩んで、まだ家にいます。 文様は………私に何を言わせたいのでしょうか。 ただ真実が知りたいだけなのか、それとも………。 ………行かなくていい。昔だったら即答だったのに何故か今は……。 まさか………私は………文様の事が……。 ……………様子だけでも見てみましょうか。 別に気になるとか、そういうのじゃなくて………本当にいるか確認するだけです。 千里眼を使えば、文様が私を嵌めようとしていても分かりますからね。 「………………えっ」 う、嘘ですよね? この光景は……。 こんな……こんな事って。 ………違います! ありえません! た、確かに私の千里眼が間違いを映す事なんてありませんでしたが……今回が初めてかもしれないじゃないですか! そうです! きっとあの場所に行けば、本当の事が分かる筈です! ですから私は急いで……急いで……それで…! 気付いたら私は数百の低級妖怪の骸に囲まれて、噛み傷だらけの文様の亡き骸を抱き締めていました。 最早どれだけ時が流れたのかすら分からない。 ただ守矢の巫女が世代交代してから、すでに随分経っていた。 あの日、文は低級妖怪の群れに襲われ死んだ。 幻想郷最速を自負していた妖怪とは思えないほど呆気ない最期だった。 その後、文の葬式は意外と多かったファンの手により執り行われている。 一方で私はあの日から悪夢に悩まされ続けていた。 あの日の光景、千里眼で見た文の最期の瞬間を度々夢で見るのだ。 なんとか気持ちを切り替えようと、服を替えたり髪を伸ばしたりいろいろ試してみた。 修行も徹底的にした。おかげで今は副隊長にまで昇進している。 だが何をやっても文から逃げる事は出来なかった。 あれからずっと何故あの時、会いに行ってやらなかったのかという後悔ばかりが胸を締め付けている。 私は………どうすればいいのだろうか。 あの日から私はずっと答えを求めて、文の最期の地を何度も訪れている。 だが未だに何の答えも見つかっていない。 もしかしたら文の亡霊が、私にしがみ付いているのかもしれない。 中途半端に気付いてしまった想いが、そんな考えさえ巡らせる。 最早、私の精神は限界に近い。 後悔に押し潰されてしまいそうだ。 誰に頼んでも、この心の淀みはどうにも出来なかった。 もう誰でもいい。 誰か私を助けてください。 私の中の淀んだ想いを、文へのどうしようもない感情を消し去ってください。 半分痛い話だな・・ -- 名無しさん (2010-10-16 21 35 48) 超展開ってレベルじゃねーぞ! -- 名無しさん (2010-10-21 23 22 20) ギャグかと思ったらちょい重い話だったでござる -- 名無しさん (2010-10-22 06 51 05) 椛いじめじゃない件について -- 名無しさん (2012-12-23 22 05 16) 名前 コメント
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2009年8月上旬発売予定 ブロリー(リターンズVer) ネイズ ドーレ クウラ最終形態&悟空 超サイヤ人トランクス&少年トランクス 超サイヤ人トランクス(ゴールドVer)&少年トランクス(ブロンズVer) 超サイヤ人ゴジータ&ゴテンクス 超サイヤ人ゴジータ(ゴールドVer)&ゴテンクス(ブロンズVer) 全8種
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#blognavi 信用調査会社の東京商工リサーチ高松支社によると、クリ・水産物・農産物販売の元光(香川県綾歌郡宇多津町、山元憲治社長)が銀行取引停止処分となり、事実上倒産していたことが29日分かった。 元光は、加ト吉の不正な循環取引で、主導的な役割を果たしていた疑いを持たれている。 循環取引にかかわっていた企業は、1月に岡山市の食品製造機械会社が倒産後、各地で破たんが相次ぎ、元光もこの影響で営業が行き詰まったとみられる。負債総額は約58億円の見込みで、このうち約57億円が加ト吉への債務となっている。 同支社によると、元光は1997年7月設立。中国産のクリ加工品の販売を主力として、中国や韓国に合弁会社を持ち、2000年8月期に9億8200万円の売上高を計上していた。 その後加ト吉グループとの取引額が急増。05年8月期の売上高は375億4200万円に上るが、循環取引による売り上げを計上していた可能性が高いという。 http //www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/article.aspx?id=20070630000100 カテゴリ [企業] - trackback- 2007年07月03日 18 59 45 名前 コメント #blognavi
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候補者 氏名 年齢 得票率 当落 蒲島郁夫 65 90.6% 当選 久保山啓介 68 9.4% 選挙情報 告示日 3月8日(木) 投開票日 3月25日(日) 選挙人 1,487,355人(男689,000人/女798,255人) 市町村別詳細(pdf) 当日有権者数1,474,343人(男682,430人、女791,913人)、投票率は38.44%(前回49.36%) 関連サイト Yahoo!ニュースまとめ 公開討論会(YouTube) 候補者個別情報 蒲島郁夫 候補者情報 現職 アンケート 1.財政再建 知事就任後、自らの月給を100万円カットした上で、県民や職員の理解を得ながら、徹底的に財政再建を進めた。その結果、(1)毎年200億円超の財源不足解消(2)4年間で約1000億円の県債残高削減(3)県の貯金の積み増し--など、ほぼ目標を達成した。 引き続き、気を引き締めて財政健全化に取り組む。それとともに、熊本の次の100年の礎を築くため、4年間で総額200億円の一般財源「約束実行枠」を確保し、独創的かつ挑戦的に取り組む。 2.所得向上 (1)ビッグチャンスを最大限に生かした企業誘致や地場企業の育成支援・観光誘客・福祉の成長促進、(2)農業所得の最大化を目指す稼げる農林水産業への再生、(3)政令市以外の地域振興への重点化、(4)成長するアジアの活力の取り込み、などにしっかり取り組んでいく。 (詳細は毎日新聞アンケート①参照) 3.防災対策 (1)あらゆる想定をして対策を立てておくこと、(2)想定外の事態が発生しても柔軟かつ的確に対応していくこと、(3)防波堤のようなハードに過度に依存せず、「まずは避難する」といった心構えを徹底する。 4.五木村再建 県独自で10億円の基金を創設するとともに、村と共同で「ふるさと五木村づくり計画」を策定し、観光振興や雇用対策、定住促進策などに取り組んできた。また、昨年6月には国・県・村の3者が一体となって、村の生活再建を進めていくことで合意に至り、県としてもさらに50億円の支援を決定した。 水没予定地の利活用についても、自然を生かした親水広場など憩いや交流の場となるよう、国・県・村の3者で連携して取り組んでいく。 (詳細は毎日新聞アンケート②参照) 5.農業振興 産地再編により「安定した生産量や出荷量を確保」し、産地全体での「コスト削減」に取り組む。具体的には、県独自の交付金制度の創設により農地集積を加速させるとともに、再生エネルギーによる農業の展開、熊本のトマト・スイカ・あか牛等を火の国の「赤」で売り出すことなど、全国ただ一人の農業経験を持つ知事として全力で取り組む。 政令市効果を各地域に波及させていくとともに、県庁の人的資源や財源を政令市以外の地域振興に重点的に投入する。 6.政令市、道州制 熊本市の政令市誕生の効果を県内全域に波及させるだけでなく、九州全体の浮揚にもつなげていくことが必要。そのため、産・学・官による「くまもと都市戦略会議」などで議論し、実践につなげていく、全国でも例のない“熊本型県・政令市政策連携”により、“コンベンション誘致”“阿蘇くまもと空港国際線の振興”“首都圏に向けた広報”などを進め、相乗効果を最大化していく。 地方の活力を高めるため、地方分権の推進が不可欠であり、道州制はその地方分権の究極の形と考える。国の道州制の議論を九州からリードするとともに、将来の州都を睨(にら)んだ構想づくりを進める。 (詳細は毎日新聞アンケート③参照) 7.水俣病救済 申請期限まで、国や地元自治体等とも連携しながら、あらゆる手段を尽くして広報に努めていく。 期限経過後において、メチル水銀による健康不安を心配される方々があれば何らかの対応が必要と考えている。そのため、国に対して、対応を示すよう要望を行っている。 (詳細は毎日新聞アンケート④参照) コメント 名前 コメント 久保山啓介 候補者情報 共産党県委員長 元水俣病被害者の会事務局次長 アンケート 1.財政再建 1000億円以上使い、さらに600億円近く使う計画の熊本港整備、不要な路木ダム建設(90億円)、同和団体補助金(3500万円)、知事退職金(3100万円)など、ムダづかいを見直す。農林水産業と中小企業の振興による内発型・地域循環型の経済政策で、県民所得を向上させ税収増をはかる。県職員の給与引き下げは見直す。 2.所得向上 1人当たり県民所得は全国43位、平均貯蓄率は10年間で九州1位から九州最下位に転落した。要因として県職員の給与総額が07年度から10年度に150億円も減少したことがある。公務員給与の引き下げが民間給与の引き下げを促進し、県民全体の所得下落を招き、消費不況を招いている。 (詳細は毎日新聞アンケート①参照) 3.防災対策 病院・学校・公共施設の耐震化を急ぐ。住宅耐震診断、耐震化に対する助成を復活・充実する。安心安全の防災の地域づくり、災害からの復旧・復興のための担い手・組織の育成。消防の広域化(全県4ブロック)については、地域の意見、批判に留意し、再検討する。玄海原発、川内原発の事故を想定した原発事故防災計画を県としても早急に策定する。 4. 五木村の再生振興では、特別措置法の成立を今度こそ成し遂げる必要がある。 再生振興策では、林業と観光がカギ。 (詳細は毎日新聞アンケート②参照) 5.農業振興 熊本農業を守り、振興を図るためには、何よりもTPP参加を許さないこと、そして国に強力に働きかけて農畜産物の輸入を減らしていくことが大事。国内対策としては生産コストにみあう価格保障・所得補償に全力をあげる。地産地消、販路拡大に取り組む。地域間格差の解消には農家所得の向上が不可欠。 6.政令市、道州制 道州制は、政府・大企業の意のままの開発促進を容認するシステムであり反対する。道州制につながる「九州広域行政機構」による国の出先機関の丸ごと移譲は、福祉・医療・雇用のナショナルミニマム、道路、河川の管理と防災等に対する国の責務を解消するもので容認できない。 (詳細は毎日新聞アンケート③参照) 7.水俣病救済 7月末で救済申請を打ち切ることに反対。水俣病では、チッソだけでなく、国・熊本県も加害者であることが第三次訴訟の熊本地裁判決(1987年)で既に認められている。 国や不知火海沿岸の関係市町とも協力して不知火海沿岸全住民の健康調査を行い、被害の全貌を明らかにし、期限を設けず、地域や、生まれた年代も制限せず、最後の一人まで救済するために全力を尽くす。 (詳細は毎日新聞アンケート④参照) コメント 名前 コメント
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目次 【時事】ニュース分解 decomposition RSS分解 decomposition 口コミ分解 decomposition 【参考】ブックマーク 関連項目 タグ 【時事】 ニュース 分解 空気の浄化で食材も長持ち⁉︎ カルテックの光触媒応用製品がなんだかスゴイぞ! - GetNavi web 最も危険な海のゴースト 意外なものに変身|日テレNEWS24 - 日テレNEWS24 お酒は発酵食品? 一生涯付き合える、上手なお酒の飲み方とは?(フィガロジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 最後には土に返り、ソールからリンゴの木が育つ「スニーカー」はいかが? - Newsweekjapan 「ベルリンの壁」全貌を1000枚の写真とインスタで再現 世界からも反響の企画、なぜ実現?(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 廃電池から高純度リチウムを回収するスゴイ技術、輸入価格の半値以下に(ニュースイッチ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 覚醒剤4億円相当を密輸か チャイニーズドラゴンの男ら逮捕(TBS系(JNN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 高校生「測量士補試験」合格 「過去問10年分解いた」 /沖縄 - 毎日新聞 ~SHIFUKUで至福のバスタイム~ 2年に渡る開発期間を経て、次世代エイジングケア化粧品を12月22日発売 - アットプレス(プレスリリース) Apple Watchの内部がスケスケな壁紙。Series 7向けにiFixitが配布(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ミニ四駆」トライロング&カッパーファングの2台とサーキットを同梱したセット商品が12月11日発売(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ハッピーセット「どうぶつブロック」12月17日発売(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 循環型再生エネルギーシステム | Honda - Honda モータースポーツ フランク ミュラー│「美しさを想う時間を大切に」という願いを込めたヘアケアが誕生 - PR TIMES 上司は話をわかってくれない、という諦めからスタートする - 朝日新聞デジタル 柿の種”入りの「パスタストロー」、老舗メーカーが100%食品素材でSDGs「茹でれば食べられなくはないです」(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 課題解決のコツは「プロセスで分ける」。3パターンで見る、根本原因を突き止めて打ち手を導き出す方法 - Business Insider Japan ロシアによる切り崩しが進むボスニア・ヘルツェゴビナ(Wedge) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 栃木で金属盗が昨年の1.6倍に 二宮金次郎像や3県境プレートも(毎日新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 行方不明から45年超 米アラバマ州の川で大学生の車発見 車内からは骨も(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 韓•ロシア, 小型原発でグリーン水素生産へ(THE Korea Economic Daily Global Edition) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース フィルター自動乾燥で雑菌を防ぐ加湿空気清浄機、COWAY(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「トーチャンは簡単に直しちゃうから大丈夫」 子供がジュースをこぼしたコントローラーを修理したお父さんが話題(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース “未知の存在“と化した「特茶」ならではの関与成分”ケルセチンゴールド”、常に“未知の存在”を追い続けるあのムーとまさかのコラボを実現!:時事ドットコム - 時事通信 SKガス、米ブルー、グリーン水素技術のスタートアップに投資 - 東亜日報 「アニヤ・ハインドマーチ」が生分解性にフォーカスしたバッグを発売 - WWD JAPAN.com 日野自4.7万台リコール 排ガス基準満たさぬ恐れ(時事通信) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 2021/12/08 「エコプロ2021」2年ぶりにリアルで開催中 - インテリアビジネスニュース 「牛のげっぷ」温室ガス削減へ 乳牛胃袋から細菌発見 農研機構(日本農業新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース はじめしゃちょー、3億円豪邸の庭で危険な実験 広大なスペースを活用するYouTuber魂(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 鮭の精子から環境にやさしいプラスチックを開発。自然に分解されリサイクルも可能 (2021年12月7日) - エキサイトニュース 光触媒技術活用 食品を常温で新鮮保存 カルテックが新製品 将来はエネルギー分野にも(電波新聞デジタル) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース グアーガム分解物のマウスにおけるサルコペニア肥満抑制効果を発表 | 食品と開発 - 健康メディア.com 東芝が会社3分割案 「複合経営」の明暗を分けたものとは(毎日新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 日本初!細菌・アレル物質・臭いなどを吸着分解する高性能アースプラスフィルターを採用した熱交換換気システム『VLR-70』を発売 - PR TIMES キウイを甘くするにはつまようじで指す!? 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白騎士と死神の超神羅ロマノフ・紫電・ドラゴンNEX 火、光、闇 スーパーレア 12 30000 ルナーズ・サンカイザー/サムライ/ナイト ■究極進化MAX―自分の究極進化クリーチャー1体の上に置く。 ■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、マナゾーンにあるカードをすべて墓地に置く。 ■タップトリガー TT他のクリーチャーをすべて破壊する。その後、相手と自分のシールドを3枚墓地に置く。このターンの終わりにこのクリーチャーをアンタップする。 ■ブロッカー ■ワールドブレイカー ■このクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、自分の山札を見る。自分の墓地または山札からこのクリーチャーと同じ名前をひとつでも持つクリーチャーを2体までバトルゾーンに出してもよい。 長き間、戦いを繰り広げてきた種族がついにチカラを合わせた。吉とでるか凶とでるかも分からない、伝説のチカラだ。 作者:ナイト侍
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ニックスをお気に入りに追加 リンク1 <ニックス> #blogsearch2 キャッシュ <ニックス> 使い方 サイト名 URL リンク2 <ニックス> #technorati 報道 <ニックス> 13分出場で“オール0”…またしても不名誉なスタッツを残したトニー・スネル - バスケットボールキング ロケッツが15連敗のあと7連勝 ウォリアーズのカリーは3PのNBA通算記録まであと9本(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アジア株式市場サマリー:引け(10日) - ロイター アジア株は下落 オミクロン株への警戒感残る、実効再生産数がデルタ株の4倍との分析結果も - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス 本日の【MACD|買い/売りサイン】前場 買い= 218 銘柄 売り= 24 銘柄 (12月10日) - minkabu PRESS アジア株式市場サマリー:中盤(10日) - ロイター 出来高変化率ランキング(9時台)~アイフリーク、サマンサJPなどがランクイン - minkabu PRESS アルコニックスは公募増資を嫌気した売り一巡、22年3月期は3回目の上振れの可能性 - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス 台湾の“化け物” TSMC 知られざる強者の実力 - 日経ビジネスオンライン プーマの名作スニーカー「スウェード」の歴史を辿る(Pen Online) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース サンダーがラプターズに劇的1点差勝利、好調ウォリアーズも順当に白星/NBA - バスケットボールキング アジア株式市場サマリー:引け(9日) - ロイター NBA試合結果(8日) - 時事通信ニュース 本日の【パラボリック|買い/売り・転換】引け 買い= 264 銘柄 売り= 37 銘柄 (12月9日) - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス 【写真】韓国の半導体工場内部 | Joongang Ilbo - 中央日報 NBA=ラプターズ競り負け、渡辺は19分間出場で4得点 - ロイター (Reuters Japan) 「ろくろ首」の赤蛮奇が主人公の2Dアクションパズル『クビナシリコレクション』が発売。頭を投げたり増やしたりと、実際に「頭を使った」アクションも(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース NBA試合結果 2021年 12月 8日 - TSP SPORTS - TSP21.com 「魚の養殖」「野菜栽培」循環型 金沢工大や北電など実証実験 - 中日新聞 ペイサーズのTJ・マッコネルが右手首を手術…最低3カ月は離脱か - バスケットボールキング サムスン電子 国際NGOの「デジタル」評価で世界4位(聯合ニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ニックスのケンバ・ウォーカー、プレータイムを奪われてもチーム第一のプロ精神「僕はチームメートのためにここにいる」(バスケット・カウント) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ここにいられてハッピーだ」ジャーニーマンのルビオが見つけた“理想郷”「自分にとってベストな役割を手にした」<DUNKSHOOT>(THE DIGEST) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ブライアン・アダムスが一流ミュージシャンたちと制作した、アートなカレンダー(Pen Online) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ここにきて本格化したソーヴァリアント 母ソーマジックは桜花賞3着馬(netkeiba.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「相手を軽蔑する必要があるのか?」ジャバーがレブロンのセレブレーションを痛烈批判「あんな下らない幼稚なダンス」<DUNKSHOOT>(THE DIGEST) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース リラードが自身の思う現役最高ディフェンダー3人やクラッチでの心構えを語る(バスケットボールキング) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アルコニクスについて、三井住友信託は保有割合が増加したと報告 [変更報告書No.8] - minkabu PRESS SKハイニックス、40代含む2人が社長昇格 韓国・IT・通信 - NNA ASIA ナゲッツが敵地でニックスに勝利、26分の出場で32得点を挙げたニコラ・ヨキッチ「MSGは好き」(バスケット・カウント) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 農業の環境負荷低減と下水処理場の課題解決を実現する「アクアポニックス」とは?|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 - ニュースイッチ Newswitch バックスがウェスリー・マシューズと契約 - Sporting News JP ステフィン・カリーの3P成功数歴代記録への挑戦:レイ・アレンを超えるまであと何本? 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ララララ ラーラ ララララ ラーラ ララララーラ ラララララーララ♪ このグループの伝説追いかけて 気づけば何ヶ月か過ぎていた こんなにもルナを求めてる お願い姿を現して 北風の生まれ変わり アルカナ行ったらアク禁 近づいても駄目 マーキングできる ポケッチ欲しいな 君は何故ルナに好かれてる どうしてボクを認めない こうなれば君をやっつけて 認めてもらおう ルナフェサに アクマリオ 紙だと トライブ ララララ ラーラ ララララ ラーラ ララララーラ ラララララーララ♪ このテーマソングはミナキのテーマhttp //www.nicovideo.jp/watch/sm8292938の替え歌です。