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シナリオ 7月15日(日曜日)・そのE2 阿部高家 山を下り、街に出て、そこからまた人気の無い山の麓へと進む。[pcm] 道中ですれ違う人々や街並みから、ここが日本じゃないという事が分かった。[pcm] 最初は夢を見てるんだと思ったが、どうも現実らしい。[pcm] そしてたどり着いたこの場所も、 日本ではあまり見られない豪華な洋館だ。[pcm] 真緒「おお、凄い」[pcm] 和「そうかい? でかいだけさ」[pcm] 真緒「ここは誰の家? 阿部高の知り合い?[lr] ていうか、ホテルなのかこれ?」[pcm] 和「ん、俺の実家さ」[pcm] 真緒「実家なのか?」[pcm] 和「母さんが中にいるんだ。入ろうぜ」[pcm] 真緒「あ、ああ」[pcm] 真緒(これが実家……)[pcm] 真緒「凄いな……」[pcm] 映画でしか見た事のないような家だ。[lr] 凄いとしか言葉が出ない。 [pcm] 和「そうか?」[pcm] 上流階級というのはこういう家に住む人の事を指すのだろう。[pcm] 阿部高もやっぱりお嬢様なんだよな。[pcm] 和「母さんはリビングかな。行こうぜ」[pcm] 真緒「あ、ああ」[pcm] 和「母さん! 帰ったぜ!」[pcm] ソファに一人の女性が背を向けて座っていた。[lr] 阿部高の呼びかけに振り向くと笑顔でそれに答える。[pcm] 和の母「お帰りなごみ」[pcm] 真緒「お邪魔してます」[pcm] 和の母「あなたがなごみの新しい先生ね。色々聞いてるわ」[pcm] 真緒「は、はい」[pcm] あの阿部高の母とは思えない程、線の細い大人しそうな女性だ。[pcm] どこか儚げで寂しそうで、でもそれが大人の魅力で……[pcm] 和「キミぃ、母さんに惚れちゃいけないぜ?」[pcm] 真緒「な、何を馬鹿な事を!!」[pcm] 和の母「ふふ、なごみがいつもお世話になってます」[pcm] 真緒「いえ、こちらこそお世話になってます。 今日はいきなりの訪問で申し訳ありません」[pcm] 和 「そう堅苦しくなることはないさ。俺が無理に連れてきたんだから」[pcm] 和の母「自分の家だと思って、ゆっくりしていって下さい」[pcm] 真緒「は、はぁ……」[pcm] 和「さて、俺は少し席を外すぜ」[pcm] 真緒「え? どこに行くんだ?」[pcm] 和「ん、ちょっとな」[pcm] 和「すぐに戻るから、しばらく母さんと話でもしててくれ」[pcm] そう言って阿部高は席を離れた。[pcm] 和の母「あの子は相変わらずね」[pcm] 真緒「は、はぁ」[pcm] 和の母「先生、良ければ少しお話しませんか?」[pcm] 真緒「はい」[pcm] 和の母「どうぞ、そちらに座って下さい」[pcm] 促されてソファに座る。[lr] なんの素材なのか知らないけど、フカフカだ。[pcm] 和の母「いつも苦労かけてると思います」[pcm] 真緒「阿部高の事でしょうか?」[pcm] 和の母「はい、あの子はあんなですから」[pcm] 真緒(中二病の事だろうな)[pcm] 真緒「いえ、クラスの子や寮の子達とも仲良くやってますよ」[pcm] 和の母「そうですか。それなら安心ですね」[pcm] 真緒「ええ」[pcm] 和の母「日本の学校に通わせる事になってからとても心配していたんです」[pcm] そういえば書類に書いていたな。[lr] 小学校は実家、つまり外国の日本人学校に通っていたと。[pcm] 今まで忘れていた……というより、[pcm] 阿部高のような帰国子女の子はクラスに結構いるし、そもそもあの学園には珍しくないらしい。[pcm] そんな事もあって、大勢の中の一人位にしか思ってなかったせいだろう。[pcm] 真緒「いえ、とても元気で人気者ですよ」[pcm] 和の母「ふふ、そうみたいですね。色々と大変な時期だから心配していたんですけど、 私の取り越し苦労ですね」[pcm] 真緒「ええ、毎日楽しくやってると思います」[pcm] 和の母「でも良かった。近頃のあの子はとても楽しそうで、私も嬉しいんです」[pcm] 真緒「そうですか」[pcm] 和の母「ええ、今日のなごみの楽しそうな顔。 ふふ、先生のおかげかしら」[pcm] 真緒「あ、いや、そうではないと思いますけど」[pcm] 遠く離れたお母さんに逢えた嬉しさって所だろう。[pcm] 考えてみれば凄い環境だ。[lr] 外国にいる親元を離れ、一人で日本の学校に来たんだもんな。[pcm] 一番難しい時期だろうし、阿部高はあれだから心配はつきないだろう。[pcm] 和の母「あの、先生」[pcm] 真緒「あ、はい」[pcm] 和の母「あの子をよろしくお願いしますね。[lr] 親馬鹿と思われるかもしれませんが、あの子は本当に良い子なんです」[pcm] 真緒「はい、ぼくもそう思ってます。[lr] まだ未熟者ですが、しっかり見ていきますので」[pcm] 和の母「ありがとうございます」[pcm] 真緒「いえ」[pcm] ちょっとした家庭訪問だ。[lr] 教師としての使命感が湧き上がってくるのを感じる。[pcm] お母さんのためにも、安部高をしっかりと見ていこう。[l] そうぼくは燃えていた。[pcm] 和の母「………」[pcm] 気がつくと、安部高の母にジッと見つめられていた。[pcm] ぼくを見て何か考えている様子だが……[pcm] 真緒「あの」[pcm] 和の母「はい?」[pcm] 真緒「あ、その」[pcm] 真緒(なんでしょう? なんて聞くのも失礼だよな)[pcm] 真緒(ここは、別の話題を……)[pcm] 真緒(あ、そうだ)[pcm] 真緒「あの」[pcm] 和の母「はい」[pcm] 真緒「せっかくですので、お父さんにもお会いしたいなと」[pcm] 和の母「……残念ながら家にはおりません」[pcm] 真緒「あ、お仕事か何かですかね。せっかくの機会だからと思いまして」[pcm] 和の母「あの人は旅に出ています」[pcm] 真緒「旅、ですか」[pcm] 和の母「ええ」[pcm] 真緒「そうですか」[pcm] 父親の話を始めたとたん、母親の顔が険しいものに変わった。[pcm] 重苦しい雰囲気になったので、ぼくはそれ以上何も言わなかった。[pcm] 真緒「………」[pcm] 和の母「………」[pcm] ほんの少し沈黙があって、母親が口を開いた。[pcm] 和の母「あの子があんな風になったのは父…… いえ、私のためなんです」[pcm] 真緒「お母さんの」[pcm] 和の母「大変な子だと思いますが、どうか温かい目でみてやって下さい」[pcm] 真緒「それはもちろんですが……阿部高があんな風になった理由というのは?」[pcm] 和の母「それは……」[pcm] 和「待たせたな」[pcm] 和の母「なごみ」[pcm] 真緒「阿部高」[pcm] 和「いつも部屋を綺麗にしてくれてすまないな母さん」[pcm] 和の母「当然の事よ。いつでも気持ちよく帰ってこられるようにするのは」[pcm] 和「キミにその部屋を見せようか? 特大のベッドがあるんだ」[pcm] 真緒「あ、うん」[pcm] タイミング良く戻ってきた阿部高。[lr] 中二病の理由はもう聞けないな。[pcm] 和の母「なごみ、部屋はいつでも見せられるわよ。 日帰りするんだったら他の所へ連れていかなきゃ」[pcm] 和「ん、母さんの言う通りだな。俺の部屋やここなんて将来嫌って程見られるしな」[pcm] 和の母「ふふ、そうね」[pcm] 真緒(ど、どうゆう事だよ……)[pcm] 和「もう一度あの場所へ戻ろうか」[pcm] 和の母「あら?」[pcm] 和「さっき行って来たんだ。キミも落ち着いて見れなかっただろ?」[pcm] 真緒「さっきの場所って、あの山?」[pcm] 和「ああ」[pcm] 和の母「なごみはあそこが好きね」[pcm] 和「ああ、俺は母さんと父さんの子だからな」[pcm] 和の母「なごみ……」[pcm] 真緒「………」[pcm] 和「よーし、戻ろうかキミ!」[pcm] 真緒「ぼくは良いけど、安部高はいいのか? せっかくの家なんだしさ」[pcm] 和「ふ、いいんだよ。夏休みも近いだろ?」[pcm] 真緒「あ、そうだな」[pcm] 和「じゃあ母さん、時間も無いからこのまま寮へと戻るよ」[pcm] 和の母「ええ」[pcm] 和「次はゆっくり来るぜ!」[pcm] 和の母「ええ、先生も連れてくるのよ」[pcm] 和「当然だぜ」[pcm] 真緒「はは……」[pcm] 和「じゃ、また!」[pcm] 真緒「お邪魔しました」[pcm] 和の母「ええ、気をつけて」[pcm] ドタバタと駆け足で過ぎていく時間の中ふと思う。[pcm] 寮のみんなはどうしてるだろう?[lr] 騒ぎになってなきゃいいんだけど……[pcm] Back ↑ Next
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++T15編成書式++ 00:有翼茉莉花騎士団 ■A.共通根拠URL (A-1) 着用アイドレス表URL:PLACE個人騎士団につき省略 (A-2) 文殊個人修正一覧URL:PLACE個人騎士団につき省略 (A-3) 藩国イグドラシルURL:http //www.usamimi.info/~idress/pukiwiki/index.php?%BA%CB%C1%EA%C9%DC%C8%CD%B9%F1%A5%A4%A5%B0%A5%C9%A5%E9%A5%B7%A5%EB #所属騎士団所有アイドレス:http //www30.atwiki.jp/idress/pages/117.html (A-4) 文殊組織保有兵器URL:使用しないため省略 (A-5) 藩国保有アイテムURL:http //maki.wanwan-empire.net/nations/items_by_nation/0 (A-6) 聯合フェイズURL:【テンダイス該当ページ】 -【聨合対象1】,【聨合対象2】,【聯合対象3】,… ■B.部隊情報 <有翼茉莉花騎士団> (B-3) 部隊編成 ○歩兵 【00-00526-ace0_瀬戸口まつり2】:瀬戸口まつり2+SHQ+SHQ:外見+3; -家族の指輪:【個人】所有:(家内安全のために行動する場合)全判定、評価+2(着用型/手先) -秘書官正装:【個人】所有:外見+3(着用型/胴体) -レーザーピストル:【個人】所有:近距離戦可能,近距離戦+3(片手持ち武器) -秘書官特殊装備(扇子):【個人】所有:白兵戦時、攻撃と防御に+2(片手持ち武器) -個人取得HQ根拠URL:http //farem.s101.xrea.com/idresswiki/index.php?00526-01%A1%A7%C0%A5%B8%CD%B8%FD%A4%DE%A4%C4%A4%EA ■C.部隊能力 (C-1) 初期AR:10 (C-2) 航路:なし (C-3) 部隊評価 体格25:筋力25:耐久力25:外見28:敏捷25:器用25:感覚25:知識25:幸運25 装甲:25 白兵防御:30 #剣技の手ほどきを受ける、秘書官特殊装備(扇子)の特殊を適用できるか質疑中 #http //cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article id=6245 近距離戦:28 #低物理域では不可 治療:31 整備:28 ○同調 瀬戸口まつり2:28 (C-4) 評価値に反映される特殊 -医師:治療+3 -名医:治療+3 -チューニングマスター:整備+3 -秘書官特殊装備(扇子):白兵戦時、攻撃と防御に+2 詳細:PLACEのみなしに白兵戦が可能な職業がないため、防御のみに適用となります -剣技の手ほどきを受ける:白兵戦防御+3 詳細:東方有翼騎士団で取得した【組織】所有アイドレスであり、収得当時の秘書官全員が効果を受けた。根拠:http //cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article id=3177,http //www30.atwiki.jp/idress/pages/614.html #剣技の手ほどきを受ける、秘書官特殊装備(扇子)の特殊を適用できるか質疑中 #http //cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article id=6245 (C-5) その他行為/特殊 -家族の指輪:【個人】所有:(家内安全のために行動する場合)全判定、評価+2(着用型/手先) -魔法の手ほどきを受ける:【組織】所有:魔法を見ることが出来るようになる,魔法の知識を得る(知識判定を行うことが出来る) -個人取得HQ根拠URL:http //farem.s101.xrea.com/idresswiki/index.php?00526-01%A1%A7%C0%A5%B8%CD%B8%FD%A4%DE%A4%C4%A4%EA ■E.消費資産 (E-1) 出撃費用 資源:0万t 食料:0万t 燃料:0万t (E-2) 編成種別 【軽編成】 (E-3) 特殊消費(重編成の場合は3倍) 資源:0万t 食料:0万t 燃料:0万t (E-4) 消費修正 使用せず (E-5) 合計消費 資源:0万t 食料:0万t 燃料:0万t ++T15編成書式はここまで+++ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ++T15個人データ書式+++ 【国民番号_国民名】:【着用アイドレス(人+職業+WD)】+【HQ修正】:【個人補正1】*【個人補正2】* …… -【装備等アイドレス】:【組織/個人】所有:【効果抜粋】(着用型/【着用箇所】) -詳細:【質疑掲示板などのURL/解説など(必要な場合のみ)】 -【装備等アイドレス】:【組織/個人】所有:【効果抜粋】(着用型/【着用箇所】) -個人取得HQ根拠URL:【個人アイドレスHQ管理リスト該当ページ(個人所有アイドレス使用時のみ)】 #ACEの場合 【00-00526-ace0_瀬戸口まつり2】:瀬戸口まつり2+SHQ+SHQ:外見+3 -家族の指輪:【個人】所有:(家内安全のために行動する場合)全判定、評価+2(着用型/手先) -秘書官正装:【個人】所有:外見+3(着用型/胴体) -レーザーピストル:【個人】所有:近距離戦可能,近距離戦+3(片手持ち武器) -秘書官特殊装備(扇子):【個人】所有:白兵戦時、攻撃と防御に+2(片手持ち武器) -個人取得HQ根拠URL:http //farem.s101.xrea.com/idresswiki/index.php?00526-01%A1%A7%C0%A5%B8%CD%B8%FD%A4%DE%A4%C4%A4%EA
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Copyright © 2009 Frontier Works Inc./All Way Co.,Ltd. All rights reserved. 名前チャイ・セイロン(青龍) 種族地球人 クラスメイド(ウィザード) 学校パラ実 性別女 外見性別女 外見年齢17 年齢18 恋愛対象男 身長155 体重55 髪型セミロング 髪の色ブラウン 瞳の色ブラウン 目の形やや垂れ目。優しく眠たげ 肌の色黄色系 一人称あたし 二人称君 口調のんびり 顔型やや丸顔 体型ややふっくら。でぶではなく、肉感的。胸E 性格のんびり屋。楽観主義。 外見的特徴 服装ミニシルクハット。リボンはイエロー。シースルー部分の多いキャミソール。胸元の大きくあいたゴスロリ風メイド服。比較的ゆったりした感じ。黒。基本的に、パーツ類を重ねる感じ。中指にリングでかける形の腕カバー。スカートは膝下。オーバーニーソックス。シューズ。指輪類は、多くつけている。イヤリング。眼鏡も持っているが、ほとんどかけない。エプロンは胸あたりからスカート丈まで。後ろで、大きくリボン結び。 武装ショートワンド。魔法少女ステッキ風。各種指輪。 設定人がよく、貧乏くじを引いてばかりいた。家庭的で、料理など、仲間の世話は一番よくしている。 ゴチックメイド戦隊 人名辞典/た
https://w.atwiki.jp/yudetamago_soko/pages/523.html
82巻 > 第415話 第415話 「最上階からの景色!!」 掲載期間:2023年5月8日~2023年5月14日 AAを貼る場合上段のメニュー→「編集」→「このページを編集」。 AAの前に #aa{{ を、AAの後ろに }} をつけてください。 コラを載せる場合上段のメニュー→「編集」→「このページにファイルをアップロード」。 アップロード後に「編集」→「このページを編集」し、 #ref(添付ファイル名) または #ref(ファイルのURL) を記入してください。
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「EV154 玄霧藩国部隊 RP2」 アポロ さんの発言 「ちょっと怖いですが…(周囲を気にしつつ)詠唱準備入ります」 玄霧弦耶 さんの発言 「そうだな・・・陣を攻めるのは結構こわいものがあるが」 玄霧弦耶 さんの発言 「各自、準備開始。この行動で今回の戦闘が決まりそうだぞ」 大島海豚 さんの発言 「あの笑い、早く倒さないと危険な香りします。」 アポロ さんの発言 「はい、相手の出方も気になりますがここはがんばります」 雅戌 さんの発言 「それは指揮官の判断だね。でも、別働隊は潰せた。そろそろ打って出る」 越智大治郎 さんの発言 「あそこらへんね、意識を集中して、陣を思い浮かべて…」 玄霧弦耶 さんの発言 「まあ、なんだ。このままFEGに居座られても非常に困る」 玄霧弦耶 さんの発言 「早めにお引取り願いたいものだ」 アポロ さんの発言 「さっきの調子を思い出して…」 蒼燐@ さんの発言 「こちらから射撃で敵を牽制します、多少でも敵を固められれば・・・」 大島海豚 さんの発言 「うーん、いまは考えるのよして、攻撃に集中します。」 玄霧弦耶 さんの発言 「よし、そろそろ動くぞ。各自、準備はいいね?」 アポロ さんの発言 「はい、いつでもいけます!」 大島海豚 さんの発言 「はい、いつでもいけます」 玄霧弦耶 さんの発言 「よろしい。では、攻撃開始!」
https://w.atwiki.jp/viprenraku/pages/126.html
シナリオ 7月15日(日曜日)・そのB3 二人の距離 お昼も食べ終わり、時刻は二時を迎えようとしていた。[pcm] 穏やかな日曜の午後。[lr] 午前に比べると、街の雰囲気も少しゆったりとしてる気がする。[pcm] だけど逆にぼくら二人は慌しくて……[pcm] あっちへ行こうこっちへ行こうと北上に連れまわされる有様。[pcm] 日中の一番暑い時間にこれだと、さすがにばててしまう。[pcm] 真緒「なぁ北上……ちょっと休まないか?」[pcm] 奏「え!?」[pcm] 真緒「え、じゃなくて、ちょっと休まないかって」[pcm] 奏「………」[pcm] 真緒「ん?」[pcm] 奏「ありがとセンセ。でもアタシは大丈夫だし」[pcm] 真緒「あ、いや……ぼくが休みたいんだけど」[pcm] 奏「え? アタシは疲れてないよ?」[pcm] 真緒「北上はそうでもぼくは駄目だ……死ぬ」[pcm] 奏「もう! そんな事じゃライブ出来ないよ!」[pcm] 真緒「ライブなんてやらないし別にいい……」[pcm] 奏「センセなに言ってるの! そんなんじゃダメだからね!」[pcm] 真緒「駄目と言われてもだな……」[pcm] 奏「センセ! 次はお待ちかねの場所だよ!」[pcm] 真緒「どこへ行くのか知らないけど、そこ行ったら休ませてくれ……」[pcm] 北上に連れてこられたのは楽器店だった。[pcm] 雑貨店や洋服店とは違って、ぼくにも興味がある場所。[pcm] 目にうつる数々の楽器は、さっきまでの疲れを忘れさせた。 [pcm] 真緒「おお、凄いな」[pcm] 奏「凄いでしょ、この辺りで一番大きい所なんだよ!」[pcm] 真緒「おお……」[pcm] 奏「来てよかった?」[pcm] 真緒「ああ、きてよかった」[pcm] 奏「えへへ、それじゃ一緒に見ようよ!」[pcm] 真緒「ああ」[pcm] 真緒「凄いな……このモデルがあるなんて」[pcm] 奏「えー? それは形がロックじゃないよ」[pcm] 真緒「そうか? じゃあ、北上はどれが良いんだ?」[pcm] 奏「アタシ? アタシはこれがいいし」[pcm] 北上がぼくに見せたのはフライングVと呼ばれるギター。[pcm] 名前の如く、V字形のギターだ。[pcm] 真緒「ああ、それもいいね。[l] でもやっぱりこっちの方がいいな」[pcm] 奏「そかな? アタシその形飽きちゃったし」[pcm] 真緒「飽きちゃった?」[pcm] 奏「だからね、これ買う」[pcm] 真緒「買うって……三十万だよ?」[pcm] 奏「うん。それがどしたの?」[pcm] 真緒「いや、だって……大金じゃん」[pcm] 奏「いつも買ってるよ」[pcm] 真緒「いつも……」[pcm] 真緒(そうだった……お嬢様なんだった……)[pcm] 奏「じゃ、ちょっと買ってくるね」[pcm] 真緒「お、おい、そんな軽く買っていいのか?」[pcm] 奏「店員さんと顔見知りなんだ! それに送って貰うから荷物になんないよ」[pcm] 真緒「そ、そういう事じゃなくて……」[pcm] 言い終える間もなく店の奥に消えていく北上。[pcm] ──三十万。[lr] ぽんと買えるような値段じゃないよな……[pcm] 訳の分からない事ばかり言ったりしてるけど、 北上も良い所のお嬢様なわけで。[pcm] そう、ぼくの給料以上のギターをああもあっさりと買える程の……[pcm] 真緒「………」[pcm] 急に自分が情けなく思えてくる。[pcm] 劣等感……なんだろうか。[pcm] 身分なんて無い時代だけど、きっとぼくは庶民で北上は貴族。[pcm] ごく平凡に育ってきた自分に、そんな彼女の先生がつとまるんだろうか?[pcm] それだけじゃない。[pcm] 大した物は買えないけれど、今日の記念に北上にちょっとしたプレゼントでも……[lr] なんて思っていた。[pcm] だけど、あんな値段をあっさりと買えちゃう子に何を渡せばいいのか。[pcm] 安い物を渡しても喜ばないのは目に見えてる……[pcm] 奏「センセお待たせ!」[pcm] 真緒「あ、ああ」[pcm] 奏「今週には寮に届けてくれるって」[pcm] 真緒「そうか、良かったな……」[pcm] 奏「どしたの? 元気ないよ」[pcm] 真緒「いや……住む世界が違うなぁって」[pcm] 奏「なんのこと?」[pcm] 真緒「いや、いいんだ。気にしないでくれ」[pcm] 奏「気にするし」[pcm] 真緒「なんでもないって」[pcm] 奏「なに? ハッキリ言ってよ」[pcm] 真緒「だから、なんでもないよ」[pcm] 奏「また嘘つくの! 良いから言って!」[pcm] 真緒「………」[pcm] 奏「センセ?」[pcm] いたわるような優しい顔をした北上が聞いてくる。[pcm] きっと酷い顔をぼくはしてるんだろうな。[pcm] 真緒「いや……北上に何か買ってあげようかと思ってたんだけど」[pcm] 奏「え? ほんと?」[pcm] 真緒「うん……でもさ、ぼくよりも北上の方がお金持ちだろ?」[pcm] 奏「え……」[pcm] 真緒「何か男として情けなくなってきちゃったっていうか」[pcm] 奏「………」[pcm] 真緒「………」[pcm] 奏「………」[pcm] 真緒「変な事言ってごめん。[l] でも、男ってこういう事思うんだよ」[pcm] 奏「………」[pcm] 真緒「……北上」[pcm] 奏「………」[pcm] 北上は何も言わない。[lr] いったい今、何を思っているんだろう。[pcm] こんな事言わない方が良かったんだろうか……[pcm] 真緒「……さ! もう夕方だし帰ろうか?」[pcm] 奏「ピックが欲しい」[pcm] 真緒「え?」[pcm] 奏「アタシになんか買ってくれるんだよね?」[pcm] 真緒「え、でも、ピック?」[pcm] 奏「そ」[pcm] ピックはギターを弾く三角の道具だ。[lr] 安い物なら百円から売っているけど……[pcm] 真緒「ま、まぁ、ピックなら買えるけど……」[pcm] 奏「じゃ、買ってほしいし」[pcm] 真緒「でも、わざわざぼくが買わなくても」[pcm] 奏「センセから貰いたいし」[pcm] 真緒「ぼくから?」[pcm] 奏「センセに貰うから意味があるんだし」[pcm] 真緒「……安い物になるけど、それでもいいのか?」[pcm] 奏「高いとか安いとか関係ないし」[pcm] 真緒「北上」[pcm] 奏「センセ、ロックはハートだよ?」[pcm] 真緒(……気をつかってくれてるのかな)[pcm] 真緒「何て言うか……ありがとう北上」[pcm] 奏「えへへ。じゃあセンセ、一緒に選ぼ!」[pcm] 真緒「あ、ああ」[pcm] 真緒「はいこれ。[l]プレゼントとって呼んでいいのか分からないけど、北上に」[pcm] 奏「うん……」[pcm] 真緒「………」[pcm] 奏「あのさセンセ」[pcm] 真緒「ん?」[pcm] 奏「そんなこと気にしなくてもいいよ。アタシは嬉しいし」[pcm] 真緒「うん……ありがと」[pcm] 奏「ギター買っちゃったけど、そのお金はアタシじゃなくてダディーのお金だし」[pcm] 真緒「うん」[pcm] 奏「だからアタシは先生よりもお金なんて持ってないよ。 だって自分で稼いでないんだもん」[pcm] 真緒「そっか、ありがと」[pcm] 奏「でもちゃんと返すんだよ![lr] アタシが大スターになったらさ!」[pcm] 真緒「ああ」[pcm] 奏「ヘヘ。早く大スターになるためにね、このピックでいっぱい練習するからね」[pcm] 真緒「うん、応援するよ」[pcm] 奏「……アタシ、絶対これ大事にするから」[pcm] そう言って、手に持ったピックを見つめている。[pcm] 気をつかって喜んでくれてるんだと思うけど、それでも嬉しいものだ。[pcm] でも、あんな情けない事をなんで言ってしまったんだろう。[pcm] 一回り近く年の離れた、しかも生徒に……[pcm] 奏「ん? なに? アタシの顔になんかついてる?」[pcm] 真緒「あ、いや、ついてないよ」[pcm] 奏「ジッと見てるから、なんかついてるかと思ったし」[pcm] 真緒「ん、悪い悪い」[pcm] 奏「へへ。これさ、今日の記念だね!」[pcm] 真緒「はは、ありがと」[pcm] 奏「帰ったらせえらちゃんにみせびらかそ!」[pcm] 真緒「そ、それは……」[pcm] 奏「ひひ、センセから貰ったって知ったらせえらちゃん大激怒だよ」[pcm] 真緒(……もしかして)[pcm] 真緒(わりと本気で喜んでくれてるのかな?)[pcm] 真緒(なんで八十記が怒るのかは分からないけど)[pcm] 真緒「よし、そろそろ帰るか」[pcm] 奏「え? だって、これからがロックな時間だよ?」[pcm] 真緒「でもさ、もう帰らないと」[pcm] 奏「十九時から開くライブハウスがあるって雑誌に載ってたんだ。[l] 行こうよセンセ!」[pcm] 真緒「ライブハウスかぁ……」[pcm] 奏「だめ?」[pcm] 真緒「行きたいけどそんなお金もないしな。[lr] それに、みんな帰りを待ってるだろうしさ」[pcm] 奏「ん……なら仕方ないね」[pcm] 真緒「でも今日は十分楽しかっただろ? ぼくは楽しかったよ」[pcm] 奏「うん、アタシも楽しかった!」[pcm] 真緒「ライブハウスはまた今度だな」[pcm] 奏「うん! それじゃセンセかえろ!」[pcm] 怒ったり笑ったり落ち込んだり色々あったけど、 今日はこうして遊べて良かったと思う。[pcm] 北上の違う一面が見れた事、助けられた事。[lr] きっと教師を続ける限り、忘れないだろうと思う。[pcm] Back ↑ Next
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09年11月1日~15日 戻る 11月5日 ラファエロの奥さんのデータ開示 武尊のデータ開示 浅田2のデータ開示 岩崎仲寿のデータ開示 ラファエロの恋人2のデータ開示 戦術教本のデータ開示 11月18日 氷のペンのデータ開示 光線剣のデータ開示 二刀流のデータ開示 バロへのお礼のデータ開示 花嫁の火焔のデータ開示 新郎の青狸のデータ開示 思い出の結晶のデータ開示 トノのデータ開示(というか許可) 父なる鋼一郎のデータ開示 ヘイリー・オコーネル2のデータ開示 大管理番長のデータ開示 騎士王のデータ開示
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イナズマイレブンGO 第15話 鬼道有人との再会 ホーリーロード地区予選Aブロックの準決勝・青葉学園との戦いを前にした雷門中の元に、衝撃の通達が届く。急遽、ブロック変更が行われ、対戦相手が変わったというのだ。新たな相手は、かつて雷門中と激戦を繰り広げた帝国学園。化身を使う選手を何人も抱えると噂される強豪校と、戦わねばならない雷門イレブン。それでも必ず勝利すると決意した神童は、対抗策として、かつて考え出した必殺タクティクス「アルティメットサンダー」を試してみたいと申し出る。しかし、強力なストライカーが必要なこのタクティクスを、なかなか成功させられない。 一方その頃、円堂は帝国学園の監督となったある意外な人物の名を聞かされ・・・・・・。 動画はただいま準備中m(__)m 名前 コメント 今日来た人数★ - ★ 今までに来た人数☈ - ☈ 前回までの話 イナズマイレブンGO 第1話 イナズマイレブンGO 第2話 イナズマイレブンGO 第3話 イナズマイレブンGO 第4話 イナズマイレブンGO 第5話 イナズマイレブンGO 第6話 イナズマイレブンGO 第7話 イナズマイレブンGO 第8話 イナズマイレブンGO 第9話 イナズマイレブンGO 第10話 イナズマイレブンGO 第11話 イナズマイレブンGO 第12話 イナズマイレブンGO 第13話 イナズマイレブンGO 第14話 イナズマイレブンGO 第15話 イナズマイレブンGO 第16話 イナズマイレブンGO 第17話 イナズマイレブンGO 第18話 イナズマイレブンGO 第19話
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ライチ@15 らい部:姫 元祖らい部部員 皆からは姫と呼ばれている。 よくらい部に来ているが。 最近ニコ生を開いてるため あまり来ていない しかし姫が来ると、 知っている人は「姫!」って言う反応が多い。 ライチはDMK、JOHNNY、天夜の家から 近いらしい。 最近、また顔を出すことが多くなってきている また有名になっていくだろう ついでにニコ生の生主もやっている http //com.nicovideo.jp/community/co345299 らい部では重要人物 -DMK-
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15 暗い店、輝く剣 ルイズとデーボは狭い路地裏に入りこむ。ゴミが散乱し、汚物が道端に転がっている。昼なお薄暗いそこを、地図を片手に進むルイズ。 ルイズは四辻で立ち止まり、きょろきょろと見回す。見つけた。剣を模った青銅の看板。 石段を登り、羽扉をあける。店の中は路地裏より暗い。二人はかまわず、武器屋へ入っていく。 ランプの光のみが店内を照らす。そこに掛けられ、並べられ、積み上げられた様々な武器が鈍い光を放つ。角には大仰に飾り立てられた甲冑。埃が薄く積もっている。 物珍しげに店内を見回すルイズ。店の奥のカウンター越しに、パイプを加えた中年親父がいる。こちらをねめつける胡散臭そうな目つきを隠そうともしない。店主。 「旦那。貴族の旦那。うちはまっとうな商売してまさあ。お上に目をつけられるようなことなんか、これっぽっちもありませんや」 ドスの利いた声。 小娘と思ってバカにしているな。反射的な苛立ち。意識してかどうかは知らないが、優位に立ちたがっている声色。 「客よ」 腕を組み、尊大に言う。そういえば。ルイズはちらりと思う。デーボはそういうことはしないな。後ろに控える男は、きっと無表情だろう。 身勝手で、何を考えてるのか判らない。暴言も吐くし、人の言うことをきかなかったり。だが私を舐めたりはしない。誰からも蔑まれ、哀れまれる「ゼロ」の私を。 心の中に何かが生まれる。正体不明のそれを探ることは出来ない。武器屋の素っ頓狂な声がかき乱す。 「こりゃおったまげた。貴族が剣を! おったまげた!」 下品な言葉遣い。これだから平民は。何をそんなに、ことさらに驚いてる? 「どうして?」 そのまま口に出す。武器屋は芝居がかった口調でまくし立てる。阿る態度。 「いえ、若奥さま。坊主は聖具をふる、兵隊は剣をふる、貴族は杖をふる、そして陛下はバルコニーから手をおふりになる、と相場は決まっておりますんで」 なんだ? 私が使うとでも思ってるの、この親父。思いつきで喋ってるのか。それともすでに営業に引き込まれているのか? 背後で使い魔が動く気配。話に飽きたのか、壁際でごそごそやっている。大きな背中に阻まれて、何を見ているのかはわからない。 「使うのはわたしじゃないわ。使い魔よ」 左手は腰にあて、右手で横を指す。デーボは反応しない。がちゃがちゃと金属の触れ合う音。 「忘れておりました。昨今は貴族の使い魔も剣をふるようで」 適当なお愛想を繰りつつ、店主はデーボをじろじろと眺める。 「剣をお使いになるのは、この方で?」 頷き、つられてルイズも使い魔を見る。傷跡を思い起こす。召喚時に負っていたものだけでなく、あれだけ全身にもらっている。 そして、それでも生きている。使い魔が強いのか弱いのか、判断できない。 決闘。人垣を抜けたルイズが見たものは、ゴーレムにいたぶられる姿だった。 そしてあの反撃。もしあのワルキューレがいなかったら、使い魔はどうなっていただろう?使い魔の手に刻まれたルーンが光るところを、ルイズはまだ見ていない。 まあいいや。考えを放り出す。使うときが来るとは限らない。とりあえず持たせておこう。できれば良い物を。自身の沽券にも関わってくるのだ。 「わたしには剣のことなんかわからないから、適当に選んでちょうだい」 デーボがこっちを見る。なによ、その目は。無表情だが、半眼。店主はいそいそと奥に消えた。倉庫でもあるのだろう。 使い魔のところへ行く。見れば、短剣を漁っている。刀身の厚く、比較的長い物を手に取る。しばらく眺め、立ち上がる。 「これだ」 呟き、再び移動。あのねえ。ルイズは追いかけつつ、言う。剣を買いに来たんだけど。短く答え。そうだな。明らかな生返事。こっちを見もしない。 一角に樽や木箱が置かれている。多数の槍が乱雑に纏められている。上下もバラバラだ。槍も使えるのか、この男? デーボは適当に引き抜く。ひどく古びているが、刃こぼれも錆びもない。シンプルな造詣。破れかけの赤い布飾りが巻かれている。金属の柄に何か彫ってある。直線的な文字。読めない。 「重いか」 デーボは槍を元に戻す。さらにシンプルな木の柄を掴み取る。木の葉のような楕円の穂先。ルイズに向き直る。 「これをくれ」 ルイズは使い魔の脛を蹴る。バランスを崩すデーボ。槍を杖代わりに使う。 「あんたねえ! 剣はどうしたのよ!剣はッ!」 連続蹴り。効いてない。両手に武器を持った使い魔は、あごで店奥を示す。 1.5メイルほどの剣鞘を油布で拭き拭き、店主が奥から姿をあらわす。専用に誂えられたらしい台座をカウンターの上に置き、そこに大剣を恭しくのせる。その存在感に、思わずルイズは駆け寄る。 「どうですか、この剣!」 大げさに両手を開く店主。確かにかなりの物のように見える。 柄の拵えも刀身に比例して長く、安定感を感じさせるもの。。束と鞘に埋め込まれた煌く宝石。その周りを彩る微細な彫物。店主が剣を抜く。店内の少ない光を一身に集めたかのように、光り輝く両刃。 「店一番の業物でさ。貴族のお供をさせるなら、このぐらいは腰から下げて欲しいものですな」 デーボが後ろから、剣を覗き込む。足を引きずっているため、姿勢が悪い。下目使い。 ルイズは振り返る。使い魔の持つ短刀と槍が、ひどくみすぼらしく見える。 剣のことなどわからないが、芸術品なら多少は見る目があると、ルイズは自負している。貴族の嗜みだ。これは間違いなく「よいもの。たとえ実家に置いても、色あせることはないだろう。 「おいくら?」 ルイズは尋ねる。店主の目が細まる。下瞼がもちあがる。 「何せこいつを鍛えたのは、かの高名なゲルマニアの錬金魔術師クロウリー卿で。魔法がかかってるから鉄だって一刀両断でさ。 ごらんなさい、ここにその名が刻まれてるでしょう? お安かあ、ありませんぜ」 店主は柄を指す。目を凝らす。確かに文字が刻まれている。 「ま、ますたー……」 ゲルマニアの文字は、トリステインのものとは少し違う。読めないが、剣の美しさを減したりなどしない。買おう。 いかがしやすか?とでもいいそうな顔をした店主。ルイズは胸をそらせて言う。私も貴族よ。 貴族が作った剣だ。貴族の自分に買えないワケがない。 「エキュー金貨で二千。新金貨なら三千」 店主は淡々と値段を告げた。口の端が僅かに持ち上がっている。 「立派な家と、森つきの庭が買えるじゃないの」 ルイズは呆れた。なに、その値段。たかが剣一本でしょ?くらくらする。 「名剣は城に匹敵しますぜ。屋敷で済んだらやすいもんでさ」 店主の自信に満ちた口ぶり。小さい頃に読んでもらった童話を思い出す。昔々、カメの国のお城に大きな剣が降ってきました……。 ぶんぶんと頭を振り、しょうもない思い出を追い払う。目の前の剣に意識を集中。いくらなんでも高すぎる。まけてもらえないだろうか。 「新金貨で。百しか持ってきてないわ」 剣に意識を集中しすぎて、駆け引きがおろそかになる。財布の中身をばらしてしまう。店主と使い魔が、同じ温度の視線をルイズに向ける。 「まともな大剣なら、どんなに安くても相場は二百でさ」 話にならないというかのように、店主は顔の前で手を振る。ルイズは顔を赤くした。そんなに高いの?知らなかった……。 デーボの方を伺う。手に持った二種の凶器を胸の高さまで掲げ、言う。これでいい。剣は必要ない。 「ダメよ!せっかく剣を買いに来たんだから」 自分が提案して、先導したことだ。使い魔に退けられてたまるか。別に大剣でなくてもいい。なにか買える剣を探そう。 「だから、剣なんかいらん。使い道がない」 重ねてデーボは言う。なによなによ。せっかく連れてきてやったのに。ご主人様の心遣いを察しなさい、バカ。 ルイズは潤む瞳で使い魔を睨みつける。店主はつまらなさそうに二人を眺めている。 「な~にが『剣なんか』だ、この野郎!」 乱雑に積まれた剣の隙間から、声がした。店主が頭を抱える。