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■戻る■1-101-201-301-401-501-601-701-801-901- ■ 多肉植物 part4 ■ 301名前:299:04/10/05 13 56 01 ID YwRlg13U 300 あ、レスあった~ (*^o^*) ありがとうございます。植え替えは暖かい時期が いいんですね。しかも「気根」という専門用語があったとは・・・知りませんでした。 302名前:花咲か名無しさん:04/10/06 07 38 50 ID BWr+0ssG 多肉初心者で申し訳ないんですが、 コノフィツムとリトープスの違いは何でしょうか? 同じ物に見えてしまうんですが・・・ 303名前:花咲か名無しさん:04/10/06 19 18 01 ID tTglvHnE 302 同じメセン科のコノフィツム属とリトープス属に分かれてますが DNA配列がちょっと違うだけでほぼ同じ物と考えて良いでしょう。 ちなみに松葉菊やリビングストンデージーもメセン科ですね。 304名前:ジャクソン:04/10/06 21 00 29 ID UQZAcINS 田舎に住んでいて近くで多肉買えないので 通信販売で多肉植物を買いたいと思っているんですが、 買ったことある人は詳しく教えて頂けませんか? 山内園芸センターさんはいくら以上買ったら会員にしてくれるとか どこそこの園芸センターさんは親切に育て方教えてくれたとか そういう情報が有りましたら教えて下さい。 宜しくお願いします。 305名前:花咲か名無しさん:04/10/07 00 11 59 ID +MXHnxBp 304 その話題はちょっとスレが荒れるなぁ。 ちょっと前にサボテンのスレでよくない雰囲気になったから。 んでもちょっとレス。ttp //albino.sub.jp/succ.html#gyosya ↑あるびのさんの通販業者リストをご参考に。 多肉にも色々あるかと思いますが、どんなものをご所望なんでしょう? たとえば小型のコノフィツムなら神奈川の紅波園、 コーデックスなら長野の臼田清花園等がモノとフォローのしっかりした業者さんです。 色々な多肉(含サボテン)を扱ってるのはカクタス企画社、山城愛仙園です。 このあたりから攻めてみてはいかがでしょう? ・カクタスさんは月一単位で苗(たまに書籍)の小カタログが届きます。 小カタログの中身はお値段に見合う立派なもの多しです。 年間単位のカタログは分厚く、二百ページ弱あります。 サボテンや多肉共に普及種から難物,レアな交配物まであります。 (おそらく品揃えは国内一ではないでしょうか?) 電話応対のオネーさんがちゃんとコールセンターの訓練受けてる人で、好感度高かったです。 ・山城さんは年2回(春秋)カタログが届きます。 カクタスさんよりお値段安めで、品数もそこそこ、良くも悪くも庶民的(←ココ重要)。 送付状に修正液使ったものが届いたり、 黒い普通の鉛筆で訂正が書いてあったり、 「商品違う!…でもこっちの方が高いし、モノも(・∀・)イイ!」って事がありました。 たまに大株が来るのもポイント高いです。 後はかわいらしいボケとして『配送のし忘れ』かしら。 こんな感じでいいですかね。 306名前:花咲か名無しさん:04/10/07 01 12 22 ID xB/lUQmu 305 せっかくの紹介だけど、情報がちと古いな・ あるびの自体、このコンテンツを修正してないのもなんだがね カクタスは分厚いカタログ廃止 かわりに季節向き?に分割した 総合カタログを送ってくる ガイドと称する切り貼り写真の速報版は健在 ただ、総合カタから発注すると一ヶ月~三ヶ月は待たされるよ ガイドからだとまぁ一週間くらい 余談だけど、オネーサンってのは、サトベンの奥さん 山城もウェブでカタログ紹介してる カクタスほどは待たせないけど、まぁアバウトな業者ではあるな 有名所って今、ほとんどサイト持ってるでしょ まぁ、どこにたのんでも大差はないんじゃない? はじめたばっかで金子さんとこに発注・・・って漢はいないだろし>笑 307名前:305:04/10/07 01 56 02 ID +MXHnxBp 306 分厚いの廃止したんだ?しらなんだ。 「身内に不幸があって発行してない」だと思ってたけど、発行自体辞めたとはorz あるびのさんのサイトで、数年前廃園になった錦園がが更新されてないのは痛いけど なんらかのキッカケにはなるかと思って紹介しちゃったよ(´・ω・`) 金子さんに注文した事あるの? 車で近くを通ったとき『寄ってみたい』ってムラムラ来た事あったけど、 敷居が高そうで遠慮しちゃったよ。 ちなみにどんぐりの背比べの中、藻舞さんの個人的なオススメはどこ?(・∀・) 308名前:詐欺師・桜楠楓樺:04/10/07 12 48 19 ID WSNY9Tg4 多肉を愛する人へ。 Yahoo!オークションID ounanfuuka は、詐欺師です。 即決価格で落札させ、送ってくる物は、画像とは似ても似つかない物。 確認しようと、落札画面を見ると、画像は既に消されている。 昨日、Yahoo!に ounanfuuka は詐欺師だと通報した。 今日オークションを見たら、昨日32件の出品が、今日になって 19件の出品となっていた。画像とあまり違わない物だけを 出品し直したようだ。 皆さん、気を付けて下さい。http //page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f28695925 309名前:花咲か名無しさん:04/10/07 14 35 05 ID xB/lUQmu 最初はガックリこないように、個体の写真をあげてるサイト、 もしくはカタログからにしたほうがいい鴨 多少高くてもね あと自分んとこと気候、環境が違いすぎるところも けっこう難儀だな ウスダさんとこもすごく親切だが、都内湿熱ジゴクのうちでは なじむまで一苦労する とくにメセン難物はね おすすめねぇ・・・ 人格的には?がたくさんつくが安くて速い山内とかも初心者は いいんでないか? あと、紅波園も難なし 北の人ならもちろんウスダもよし サボ子苗なら実生園もいい 310名前:ジャクソン:04/10/07 17 50 42 ID P/BhEuND 304の投稿者です。 皆さん色々と有難う御座います。 多肉植物は育て始めたばかりなのでいきなり難物ですと 枯らしてしまいそうなので安いベンケイソウ科のから始めています。 写真やカタログの有りそうなところで買ってみたいと思います。 長崎に住んでいるので環境等も考慮しながら検討してみます。 有難う御座いました。 311名前:花咲か名無しさん:04/10/08 00 09 57 ID KrgS295X 何にも考えずに長野の業者に注文しちゃった。明日届くけどどうなんだろう? まあ、大丈夫だろうなあ。 312名前:花咲か名無しさん:04/10/08 09 31 09 ID o09evmNV 308 出品者への評価コメント欄にあなたのコメントは付いてないですね。 なぜですか?そういう事があったのなら真っ先に書き込む必要が あると思うのですが・・・ 一方的な中傷は危険ですよ。 313名前:花咲か名無しさん:04/10/08 13 18 44 ID TmSGAMby 312 わたしもそこは気になりました。送られてきたものに不具合などがある場合は ここで陰で文句を言うのではなく、まずは、出品者に対して苦情を伝え、 その上で、評価コメントで一言書くべきです。他の人全員が「大変良い」だろうが 308さんが常識的に考えて、これはないだろうという対応だったのなら、そう書けばいいと 思います。 314名前:花咲か名無しさん:04/10/08 16 17 45 ID MpFkAUua 312 まだ取引が終わってなかったからですよ。 315名前:花咲か名無しさん:04/10/08 16 20 20 ID MpFkAUua 313 評価はつけない状態で、直接メールで問い合わせました。 全く違った物が届いていますと。再三、メールしました。 でも、返答はありませんでした。 なので、評価をどうするかと、思っていたからです。 316名前:花咲か名無しさん:04/10/08 16 26 17 ID TmSGAMby 315 そうですか、それではこちらの早合点でした。申し訳ありません。 でも全く違ったものが届いていて、それを問い合わせても返事がない ということだったら、やはり評価で一筆書いておくべきですね。 次からの落札者の参考にもなるので・・・ あとどうしてもなんとか したいという場合は、評価をつけたうえで、ヤフーに通告する のもいいかもしれません。あまり期待できる効果はないかもしれませんが 何もしないよりはましでしょう。 317名前:花咲か名無しさん:04/10/08 16 31 50 ID 5JMA0Ggj 316 蒸し返して悪いですが、何を注文して何が送られてきたのですか? ちょっと興味が湧いてしまいました 318名前:花咲か名無しさん:04/10/08 16 43 14 ID TmSGAMby 317さん、私が 316を書いたのですが、私が注文したのではないですよ? 319名前:317:04/10/08 16 47 10 ID 5JMA0Ggj 318 そうですね・・・レス番号誤っていました(^^; すみません 改めて 315さん、教えて欲しいです。 320名前:花咲か名無しさん:04/10/08 21 23 34 ID tAghSAnf 台風きてるね。 雨にぬれて肉を非難させたあとは お風呂に入って温まらないと風邪ひくからね。 注意するんだよ。 321名前:花咲か名無しさん:04/10/08 22 03 41 ID 64Domi8Y ははは。同じこと考えてる! うちの中に肉達非難させたから、さてお風呂・・と思ったとこ。 322名前:花咲か名無しさん:04/10/09 16 27 18 ID 5Y0w8hP/ 317 ハムシーという物を頼んだのですが 写真とは全く違っていました。 もし次期によってとんでもなく変わる物ならばと思い メールにて問い合わせをしたのですが 返答はなく、もう一度出品欄を見るともう写真が無くなっていました。 323名前:花咲か名無しさん:04/10/09 21 08 16 ID KvEQy129 322 どうもありがとうございます 確かにハムシ-ならとんでもなく変異するタイプのものではありませんものね・・・ 該当の方の評価を拝見しましたが、 それほど詐欺師的な方ではないようにお見受けできました。 あちらさんとの確認が速く取れるといいですね。 324名前:花咲か名無しさん:04/10/09 23 30 36 ID bEJEg92n 322 ,、ァ ,、 ";ィ ________ / /l l ─- 、 ;;;;;;;;;`゙゙ ‐ 、 __,,,,......,,,,_/ / !| . `゙ ヽ、 ゙ヾ´ `゙゙゙ ‐ 、. l| またまたご冗談を 、、 . r " ,r ぃ ヽ ヽ! ,、- 、 .ヽ ゙ヽ; ノ ;;、-、、゙ rー- 、 / }¬、 . \ ゙、 ./ ;、- " ,..., , ., 、 _,,/,, ,、.,/ } ヽ ヽ、 / _ `゙ ‐ " __,, ,,,,___ /~ ヾ ツ,、-/ `ヽ、 ;;;、、--‐‐ ,,iニ- _| 、-l、,},,  ̄"" ¬-, ‐-、 .,ノ ゙,i ;;;;ツ _,,,、-‐l "´ ,、- " ,.X,_,,、-v " ゙ yr-ヽ / ゙゙ ヽ、, ,. j゙,,, ´ 7 ,、- " .l ;、- " ,.- ゙、""ヾ r-;; l 冫、 ヽ、 / __,,.ノ ヽ. / l;、- ゙ ,/ ゞ=‐ "~゙゙ ) ./. \ / "/ ; ;r- ‐ヽ ,、‐゙ ヽ ..,.r ゙ ,,. ,r/ ./ ヽ. , 、ノ " ノ ,、‐ ゙ ン;" . "´ ゙ ´ / ゙、 , / // {. V / / ./ , / / . / / . ,. / ,.、 / 325名前:花咲か名無しさん:04/10/10 01 20 01 ID mQgPS88Y 322 その方はこれが原因で出品を止められたのでしょうか? まだ、揉めてられるのですか? 326名前:花咲か名無しさん:04/10/10 02 32 33 ID TyGtF/e/ 322 エケベリア・花司,花の司,錦の司? (Echeveria harmsii) ttp //albino.sub.jp/cgi-bin/database.cgi?equal3=Echeveria equal4=harmsii tid=list3 327名前:花咲か名無しさん:04/10/10 02 38 34 ID TyGtF/e/ これは見事!ttp //www.echeveria.freeserve.co.uk/leslies_succulents03f.htm 328名前:花咲か名無しさん:04/10/10 11 39 54 ID lpUGCTce >327 凄い!まるでポーチュラカみたいだ・・。 329名前:花咲か名無しさん:04/10/10 20 46 50 ID wTlCpDnI 東京都の江戸川区区民祭りに行ってきますた。 そこでのグリーン即売所にて、錦玉園のメセン類を入手してきますた。 (まぁ、それはどうでもいい) で、店子の方と閑談してたら 211-213で話題に出てた富岡のオバちゃんの話になり、 どうやら不景気で店を畳んだという情報を入手。 体を壊してなかったようですよん。 330名前:花咲か名無しさん:04/10/10 21 09 34 ID Ipwrw8Hk オブツーサがなんだか間延びしてきちゃった。 葉っぱがみっちり詰まった元気な姿に戻ってくれー。 331名前:花咲か名無しさん:04/10/10 21 53 21 ID +fNleCae 虹の玉が赤くなってきたー。 332名前:花咲か名無しさん:04/10/10 22 33 01 ID VHfjV261 うちの虹の玉はものすごくグリーンです 水も極力控え気味で、直射日光によく当てているつもりなのですが なにか間違ってますでしょうか? 多肉1年生で、初めての冬を迎えるので 教えてエロイ人 333名前:花咲か名無しさん:04/10/11 01 41 24 ID o2Rx4frm 誰かムカデサボテンって育ててる人いる? 最近某雑誌でみて気になってます。 334名前:花咲か名無しさん:04/10/11 04 10 59 ID 0aIqi4s5 夜中、雨の音で目が醒めた 3日降って、やっと晴れ 4日降って、どうにか晴れ間 雨、台風、雨・・・・ 明日も期待できない 秋のカラッとした晴天はもう望めないのか? 今年に始まったことではないが、ますます 多肉が好む天候から遠ざかっていくような気がする 夏は異常高温か極端な日照不足付き冷夏がおきまり メセンは徒長し、ベンケイソウ科は紅葉の気配さえない・ こうして日本は「熱帯」になっていくんだろな 335名前:花咲か名無しさん:04/10/11 06 33 14 ID 7lUNxLQf 334 「熱帯」になればなるほど台風は多い・・・ 激しく鬱でつ 338名前:花咲か名無しさん:04/10/11 15 51 06 ID h7X9ljZz 332 やっぱ気温の関係でしょうかねえ? 山の紅葉は、日中と夜の温度差が大きいほど進むらしいですが。 長雨むかつく・・・。 高砂の翁が雨に打たれて、葉に黒っぽい斑点が出ちゃったよー。。゚(゚´Д`゚)゚。 339名前:花咲か名無しさん:04/10/11 17 29 59 ID PBAzc3CH 放置プレイ可、とされてるツワモノ達も 徒長が目立つやつは無理ですね~ロゼット崩れまくり でも台風にビクともしないで盆栽風な容姿を保つ紫晃星とか 淡々とロゼットを維持してる花うららの強健ぶり 照波なんかもはや無敵なたたずまいだし… 毎回ひそかに惚れなおしたりします 340名前:花咲か名無しさん:04/10/11 17 55 55 ID pz1M8+mJ 虹の玉、ブロンズ姫、秋麗にhttp //www.sumika-takeda-engei.co.jp/navi/gaichu06.html の2段目中央のヤシが大発生しました。 とりあえずツマヨウジで殲滅させオルトランをかけてみました。 虫が寄ってこないようにするために、普段から注意することありますか? 諸兄のご意見をお聞かせください。 341名前:花咲か名無しさん:04/10/11 21 15 49 ID FyqWtE0W どの種類のカイガラムシもそうなのか、 そうでないならヨモギネコナカイガラムシは そうなのかは知らないけど、カイガラムシも 幼虫の頃はけっこう活発に歩き回り拡がって 行くそうだし、その段階ならわりと殺虫剤も効く らしいから、やっぱこまめに殺虫剤散布じゃ ないですかね。 342名前:花咲か名無しさん:04/10/11 21 17 54 ID FyqWtE0W って、そのページ通しで読んだら ちゃんと書いてあるじゃんorz 343名前:花咲か名無しさん:04/10/12 00 27 18 ID /652k6hH 我が家に来て今年4年目のアドロミスクスのクーペリー 今年の夏は乗り切れなかったなぁ 昔の画像整理してたら、ちょっと泣けてきた 344名前:花咲か名無しさん:04/10/12 14 59 34 ID Qdr0MZJs ttp //matsuya.dyndns.tv/2ch/img-box/img20041012145322.jpgttp //matsuya.dyndns.tv/2ch/img-box/img20041012144916.jpg すみません、この多肉の名前が解かりません。 ご存知の方いらっしゃいますか? ググってみたところグリーンパゴダというのかな? と思うのですが、どうでしょうか・・・ 345名前:花咲か名無しさん:04/10/12 17 51 03 ID 9dMUloN/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | 次でボケて!!! | |________| ∧∧ || ( ゚д゚)|| / づΦ 346名前:340:04/10/12 20 00 09 ID j177KqHw 341-342 レスどうもです。 クスリに頼らない方法があればと思ったのですが。 345 震動かしら。 347名前:花咲か名無しさん:04/10/12 22 10 15 ID /652k6hH 344 どっちでもないような気がします・・・ グリーンパゴダも神童も葉の模様に黒点は殆どなく、 葉の表面に細かい白い突起があります。 私がバッタモノを掴まされていなければの話ですが(^^; グリーンパゴダttp //www.uploda.org/file/uporg11638.jpg 神童ttp //www.uploda.org/file/uporg11639.jpg 348名前:花咲か名無しさん:04/10/12 22 51 53 ID NCoqQCkc 347 テクタかな? 349名前:花咲か名無しさん:04/10/12 23 01 58 ID dZbC1thx テクタに一票。 350名前:皆テクタ?:04/10/13 01 20 30 ID ImbmFxGI ttp //succuariumo.cool.ne.jp/page085.shtmlttp //www.geocities.jp/umiigotoami_go/tekuta.htm ttp //albino.sub.jp/cgi-bin/database.cgi?equal3=Crassula equal4=tecta tid=list3 351名前:374:04/10/13 03 05 11 ID Jtam+dHf 348-350 SUCCULENTのⅠとⅡの両方にテクタが載っていますが、 持ってる子達とはなんか違うっス。 明らかに違うっス。 テクタが交配親かもしれませんが、何か別物も混じってる風貌です。 書籍類をスキャニングしたら犯罪ですよねー…(当たり前) この分野は交配が進んでいるので 子苗を買う時にはタグを信じるしかないですよね...orz 344さんのお持ち物が 350さんの二つ目と酷似してますね。 あんまりお役に立てませんでした 352名前:花咲か名無しさん:04/10/13 03 06 23 ID Jtam+dHf 351 名前欄374ではなく347です 寝ぼけてました 353名前:348:04/10/13 07 03 59 ID ArymFYlX 347さんと 344さんが同じ方だと勘違い。 私がテクタと言いたかったのはおっしゃるように 344の方です。 それにしても347さんとこの子は綺麗ですね~ 354名前:花咲か名無しさん:04/10/16 14 17 03 ID EkPxul2+ 今頃、ガステリアが花を咲かせました。 今年はどーなっているのかな? ガステリア・グラシリス系園芸品種 http //2ch-dc-ita.gotdns.com/~dc-ita/cgi-bin/imgboard/img-box/img20041016133352.jpg http //2ch-dc-ita.gotdns.com/~dc-ita/cgi-bin/imgboard/img-box/img20041016133451.jpg 355名前:花咲か名無しさん:04/10/16 23 07 48 ID k44mlHI8 この無遠慮ながぞサイズ、黒バックの室内撮影・・・ たぶんの一眼デジ 藻前、エクソシス子(ノ~ё~)ノだろ! 356名前:花咲か名無しさん:04/10/16 23 27 35 ID yACdsIX1 そういうお前は同性愛板のババァか? 357名前:花咲か名無しさん:04/10/17 10 30 06 ID 5UDWXK0x 355 エクソシス子って誰ですか?? 358名前:花咲か名無しさん:04/10/17 14 22 55 ID hFN9DRIv 354 ガステリアの花ってずいぶんと綺麗なんだな。 俺のトコではいつも毟ってていたから知らなかった。 359名前:花咲か名無しさん:04/10/17 15 36 33 ID z14LDjTY 流れぶった切って悪いが、白花眉刷毛オモト咲いたよー うちに来たときは葉幅2センチくらいちっちゃいヤツだったのに 6年目にしてやっと咲いたよ~゚+.(・∀・).゚+゚ttp //www.uploda.org/file/uporg12295.jpg ※黒背景ですが、私は 354さんではありません 360名前:花咲か名無しさん:04/10/17 18 23 42 ID qXb0gnRB 検索したら出てきた。性格相当悪いヤツだな。 355も同類 エクソシス子(ノ~ё~)ノhttp //buzooimg.curio-city.com/curio-buzoo2/users/shisuko/img/219.jpghttp //bbs2.orange-e.net/?id=shisuko 361名前:花咲か名無しさん:04/10/17 20 18 17 ID wr5OxAyy 355 はホモなの?? いやだなあ、そんな人も来るんだ、ここのスレ・・・・ 362名前:花咲か名無しさん:04/10/17 20 24 26 ID 5UDWXK0x エクソシス子氏は多肉好きなのか? 小室哲哉に似ているように思うが 363名前:花咲か名無しさん:04/10/17 20 45 04 ID a8Syp1v3 金のなる木が、シワが入ってる葉が多くなってきたんですが、 水のやりすぎですか?やりなさすぎですか? 要植え替えでしょうか? 364名前:花咲か名無しさん:04/10/17 22 36 06 ID RYHDB+eQ 363 最近水をあげたのはいつですか? 365名前:花咲か名無しさん:04/10/18 17 53 22 ID rlyJ6bWx 1週間か2週間に1回はあげてます。 366名前:花咲か名無しさん:04/10/18 19 29 13 ID Nq8IG1Sy 皺のよってる葉はぶよぶよとした感じか、皺が入っててもかちっと固めの感触か。 前者なら何らかの理由で腐りが回ってきてるか、 それとも潅水されても吸い上げできない状態で、葉っぱの水が減って組織が緩んでるか。 後者の場合は…俺知らない。 367名前:花咲か名無しさん:04/10/18 21 26 54 ID 53xx5nHJ 先日、近所のホームセンターの多肉植物コーナーで 「虎の斑」という名前のついたやつを買ったのですが、 Googleなどで調べても情報がみつかりません。 どなたかこいつの正体をご存知の方はいませんか? 紫色でつぼ型のバルブ?が3個あって、それぞれの先端に 明灰緑色に濃緑色の斑が入った葉が2~5枚ついています。 368名前:花咲か名無しさん:04/10/18 22 35 07 ID C/LOCQeH 367 "Scilla violacea" シラー・ビオラセア ではないでしょうか? 369名前:368:04/10/19 00 10 54 ID hspgTPwC 追加 ttp //images.google.co.jp/images?q=%22Scilla%20violacea%22 hl=ja lr= c2coff=1 sa=N tab=wi 370名前:367:04/10/19 05 38 29 ID 7670GUIG 368,369 おお、これです! 有り難うございました! しかし、園芸名「豹紋」ですか・・・ 豹紋 虎の斑 何か微妙・・・ 371名前:344:04/10/19 12 12 41 ID aW3YaQxY 347 348 349 遅くなってしまいましたがレスありがとうございます。 「テクタ」ですね。鉢に札を刺しました。 増えろ~大きくなれ~と呪いを送っています。 ありがとうございました。 372名前:花咲か名無しさん:04/10/20 00 25 27 ID ziypErxX 371 呪い・・・・ ある程度大きくするのは簡単ですが、ふやけちゃいそうですね 373名前:花咲か名無しさん:04/10/21 13 12 41 ID M5yR7ONM 子宝草のことでお伺いします 2ヶ月くらい前まで沢山葉っぱがついていたんですが、 この数ヶ月親葉っぱの周りが溶けたみたいになっていて、子株がつきません たまに2mmくらいのカタツムリが葉っぱについてるんですが こいつらのせいなんでしょうか?? また、周りが溶けて子株がつかないようになってしまった葉っぱは 切り捨てて大丈夫でしょうか? 葉っぱの大きさは10-15cmくらいで、密集しています よろしくお願いします! 374名前:花咲か名無しさん:04/10/21 14 44 12 ID UNjnRosH 373 水のやりすぎ等でなければ、やっぱりカタツムリにかじられちゃったかもしれませんね。 寒くなってきたので私の家ではそろそろ子芽はつきにくくなってます。 夏型なのでまた来年暖かくなってきたら、 株も一回り大きくなって嫌と言うほど沢山の子供を吹くと思いますよ♪ ただし、越冬は寒さに弱いので注意が必要です。 それと、一度子芽がついた葉には再び子芽がつくことはないように思います。 どちらにしろ、溶けてしまっている葉は早めに切り取った方がいいでしょう。 375名前:花咲か名無しさん:04/10/22 00 41 36 ID bl6zm8d4 374 レスどうもです 子供の芽は冬はつかないんですね (今年の頭から子株で育て始めたんでよくわからないんです) やっぱりカタツムリの仕業か・・・orz 10個くらい見つけてたんですが、マンションの7階なのに変だなあ・・・ 位にしか思ってなかった。油断してました(涙 10年物のマザーリーフよりかわいいので一生懸命育てます! ありがとうございました 376名前:花咲か名無しさん:04/10/22 17 07 29 ID 4QPtaVOO この秋挿し芽した熊童子。 クマ子の手のひらが食い荒らされてた。 犯人はヨトウムシ。その場で叩き潰しますた。 377名前:花咲か名無しさん:04/10/25 20 58 22 ID KCuzWwIp 西武優勝したら池袋西武屋上はセールをするのでしょうか? 378名前:花咲か名無しさん:04/10/25 21 39 00 ID E4zla3hA 山城の花キリンセット買ったけど、札が混ざってしまった。 _| ̄|○ 379名前:花咲か名無しさん:04/10/25 22 36 15 ID zGQ8ua6T 378 わかる、わかるぞ・・・その気持ち・・・ . . . . . . .... .. Λ_Λ . . . . / 彡ミ゛ヽ;)ー、 . . . / / ヽ、ヽ、 i . . . . / /;; ヽ ヽ l . . . .  ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄ 380名前:花咲か名無しさん:04/10/25 23 07 39 ID E4zla3hA ネットで画像見ても、トゲトゲ、チクチク、見分けがつかん 今度から慎重にやろう 381名前:花咲か名無しさん:04/10/26 17 42 37 ID /B8bM/8F この間姉が小さい寄せ植えの多肉植物買って来たんですが、 かなりぎゅうぎゅう詰め込まれてる感じなので、植え替えたいんですが 植え替え時期って大体いつぐらいなんでしょう?多肉植物初めてなので不安です。 382名前:花咲か名無しさん:04/10/26 17 53 27 ID ujeqicUd 山城愛仙園 383名前:花咲か名無しさん:04/10/26 21 45 10 ID yTbLlRvx 381 今の時期に売ってるものならたぶん冬型だろうから 植え替え自体は今やっても問題ないとは思うけど 初めて育てるんだったら「かなりぎゅうぎゅう詰め込まれてる感じ」 ぐらいのほうが過湿になりにくくていいんじゃない? あと、一つに寄せてあるからと言って全部が同じ管理でいいとは限らないので ネットで検索していろんな画像見て大まかな種類の見当ぐらいは付けとくほうがいいよ。 384名前:花咲か名無しさん:04/10/30 09 40 00 ID tW1e6hDO 詐欺師・桜楠楓樺(ounanfuuka)が、Yahoo!オークションに帰ってきたらしい。 385名前:花咲か名無しさん:04/11/01 18 30 19 ID wvJfYyr7 384 俺も、ここのをヤフオクで買った 種類は同じだけど写真と全然違ってた 生き物だから少々は我慢するけど あまりに違うので質問したけど無視された 評価があんなに良いのが不思議 みなさん、何で黙ってるのかな 386名前:花咲か名無しさん:04/11/01 19 44 58 ID dkUdhUvP 384、385 擁護みたいになっちゃうけど、自分はそこ、オクではなく サイトのほう(今休止中)で購入した。多少小さいかな? と思ったけどそれ以外は悪い状態ではなかった。 種類によるのか、時期によるのか分からないけど、 オクにも出始めの頃みたいで、買ったのはエケベリアでした。 でも、質問はちゃんと返すべきだよね…。 387名前:花咲か名無しさん:04/11/01 20 20 30 ID sHiTcdU4 「どんなの出してるのかな?」と思ってIDで検索してみた。 引っかからなかった。 でもまあ「桜楠楓樺」のキーワードで見つかった。 384のIDはhとf違いすね。 検索してみようって人は「ounanhuuka」でどぞ。 388名前:花咲か名無しさん:04/11/01 22 54 56 ID th4pHQqw 384の出品画像白く飛んでて見づらくないか? 温室の場所空けるために 俺もたまにコレクションをオクに出してるので こういう場所での評価って気になるな~ 389名前:花咲か名無しさん:04/11/01 23 21 11 ID OCXiZ7ps 百均で買ったのですが、これってなんて名前でしょうか 長ネギのミニチュアみたいなのですが、、 名前とか育て方のわかる方いらっしゃいますかー? 390名前:花咲か名無しさん:04/11/02 01 11 45 ID duEJZkyh 389 流石に「長ネギのミニチュア」だけだとこちらでも判別の仕様が無いですよ~ 画像を出していただけると手っ取り早いんですが(´∀`;) 391名前:花咲か名無しさん:04/11/02 01 29 07 ID b2I+nRZM 389 トックリラン…でしょうか 392名前:花咲か名無しさん:04/11/02 01 38 36 ID 8+OAz1XO 391 ゴーラムかも 百均でも有りそうだし 393名前:花咲か名無しさん:04/11/02 02 40 58 ID MZNbZKS8 ミルクブッシュ? 394名前:花咲か名無しさん:04/11/02 19 11 07 ID iRSqcM1p 389とは違うと思いますが、ネギで思い出しました。 うちにもネギに質感の似た多肉があるのです。 名前がわからないので、わかる方いらっしゃいましたら教えてください。 2年目で巨大化してますが(25センチ)HCで200円くらいだったと思います。 美空鉾か清涼刀かなぁと思ってるのですが・・・ いまいちよくわかりません。増やし方等ご存知の方いらっしゃいましたら、教えてください。 宜しくおねがいします!http //hal54321.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/joyful/img/181.jpg 395名前:花咲か名無しさん:04/11/02 21 58 20 ID duEJZkyh 394 清涼刀は葉が縦方向に薄いです。 まさに刀みたいな形をしています。 (……私の水遣りが辛いからではないはず) 葉の丸み加減や立ち上がり方から美空鉾でしょう。 396名前:389:04/11/03 14 02 31 ID z31Zif31 ごらむとミルクブッシュはもっているのですよ~ 今回は初めて行った地方の100均だったので 見たことないのがいっぱいありました* 画像はりました! http //hal54321.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/joyful/img/185.jpg 397名前:花咲か名無しさん:04/11/03 16 52 14 ID emhnoT4N ついに ねんがんの ミニ多肉寄せ植えを 手に入れた!! …ってなわけで、これからお世話になります。 特に熊童子が欲しくて欲しくてたまらなかったので 嬉しすぎます。 クーッ 諸先輩方の教え通り、水を上げたい欲求に耐えて乾かし気味の管理を心がけたいと思います! 398名前:花咲か名無しさん:04/11/03 17 51 03 ID 1beVsqAF 396 サンセベリアの仲間かなぁ 399名前:花咲か名無しさん:04/11/03 18 56 02 ID kUdj7vuV 396 アロエ…ではないでしょうか 葉縁にノギがありませんか? 400名前:花咲か名無しさん:04/11/03 21 57 24 ID z31Zif31 葉の端っこはちょっとぎざぎざしてます。 これはアロエなんですね~。 いつも見慣れたアロエとはちょっと違うのでびっくりしました。 戻る1-前100次100
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9◆◆◆◆◆◆◆◆◆ その光景に、キリトだけでなく、ブルース達もまた己が目を疑った。 なぜあの少年は、自分が守ろうとした少女に刺されているのか。 なぜあの少女は、自分の行動に驚愕しているのか。 一体彼らに、何があったというのだろうか。 「あ、………あ……あ…………ア――――――」 少女がそう声を漏らし、一歩二歩と後退さる。 そこに少年が、少女へと縋るように手を伸ばし、 「イヤァァアアアアア―――――ッッッ!!!!」 その瞬間、少女の周囲を漂っていた黒点が一気に増殖し、少女を飲み込むと同時に爆発するかのように散っていった。 残された少年は、少女が消えた場所へと懸命に手を伸ばし、 「サ……チ………」 そう口にして倒れ、ピクリとも動かなくなった。 アバターがデリートされていないことから、HPはゼロにはなっていないようだ。 つまり、倍増された激痛によって気絶した、ということだろうかとブルースは予測した。 ――そしてブルースの予測は正しかった。 戦闘開始時のキリトの残りHPは45%程度だった。 対して、サチの攻撃によって受けたダメージは、倍増分も含めて50%近く。 そのままであれば、キリトが生き残ることは出来なかったであろう。 だが、彼の持つ魔剣【虚空ノ幻】が、キリトの生存を可能とさせた。 魔剣の持つアビリティ“HPドレイン+50%”の効果は、通常攻撃ヒット時に、与えたダメージ値の50%を自分のHPとして吸収するというものだ。 そう。キリトがブルースに与えた僅かな、しかし痛みの森によって倍増されたダメージは、彼のHPをほんの10%ほどだけ回復させた。 それによりキリトのHPは受けたダメージを少しだけ上回り、結果、彼は生き延びることができたのだ。 …………だがその幸運が、彼にとって救いであったのかは定かではなかった。 「ブルース、こっちに誰か来る。今度は二人」 「……わかった」 ピンクの忠告に、ブルースは思考を打ち切る。 少年と少女に何があったのかは気にかかるが、それは後でも考えることができる。 それよりは、ピンクが接近を告げた相手への対処を考える方が優先だろう。 キリトとの戦いによって、ブルースのHPは七割まで減っている。 強敵との戦闘になれば厳しいレベルだが、戦えないほどではない。 それに、気を失ったキリトを放っておくこともできない。 故にブルースは、右腕のソードを元に戻し、しかし警戒をしたまま、近付いてくる相手を待ち構えた。 † 「――ふむ。どうやら一足遅かったようだな」 そうして現れた赤い外套の男は、開口一番にそう口にした。 その後ろには、学生服を着た特徴的な髪の少年もいる。 「お前たちは何者だ」 「私はアーチャーという。こっちは間桐慎二だ」 「……よろしく」 「そう言う君たちは何者かね?」 「俺はオフィシャルのブルースだ」 「私はピンク。ヒーローよ」 ブルースの問いに、赤い外套の男――アーチャーがそう名乗り、返された問いにブルース達も名乗り返す。 その際のピンクの言葉に、アーチャーが思わずといった風に反応する。 「ヒーロー、だと……?」 「………何よ。悪い?」 「……いや、何でもない。 それよりブルースに、ピンクだな。幾つか尋ねたいことがあるのだが、構わないだろうか。 そこで倒れている、キリトと思われる少年の事も含めてな」 「それは構わないが、その男と知り合いなのか?」 「いいや、初見だ。だが私の知り合いが、キリトという人物と知り合いでね。聞き及んだ特徴がその少年と合致するのだよ」 「そうか。まあこちらとしては構わない。話を聞こう」 「助かる」 そう言うとアーチャーは、ブルースへと向けて手早く質問を投げかけた。 ここで何があったのか。黒いロボットを見なかったか。そして、デスゲームに乗っているのか否かを。 そしてブルースは、その質問に嘘偽りなく答えていった。 「――――なるほどな。助かった、礼を言う」 「構わん。お前たちは少なくとも『悪』ではないようだからな。 それに、俺としてもヤツを放置しておきたくはなかった。お前たちがヤツを討つというのなら、協力もする」 そうして有力な手掛かりを得た事に、アーチャーはブルースへと感謝を述べる。 その言葉にブルースはそう応え、必要であれば協力すると告げた。 だがそれを、慎二が首を振って拒否する。 「必要ないね。あいつはボクの敵だ。あまり誰かの手を借りるつもりはないよ」 「それに、君たちにはそこの少年を守ってやって欲しい。 話を聞くに、彼はすでに瀕死だろう。一人でここに置いていく訳にはいかんし、かと言って下手に連れ回すのも危険だ」 「そうか、わかった。ではこの男はこちらで保護しよう。 ……暴れられても困るので、念のため拘束はするがな」 二人の言葉に、ブルースはそう言って了承する。 強力が必要ないというのであれば、自分の成すべきことに専念するだけだ。 「それにしても、あのロボットの仲間だった女がアンタのサーヴァントっていうやつだったとはね。 まったく、なんてものアイツに奪われてんのよ。おかげで危ない目にあったじゃない」 「うるさいなぁ。そう言うお前の方こそ、アイテム一つ奪われて逃げ出しただけじゃんか」 「な! アンタがそれを言う!?」 「ハン、事実じゃないか!」 一方で慎二とピンクは、同じロボットに何かを奪われた被害者でありながら、どうにも馬が合わないようだった。 奪われたライダーのせいで危険な目にあったということが、僅かな禍根を残しているのだろう。 「はあ……、すまんな。慎二は口と態度は悪いが、根はそう悪いやつじゃないんだ。それだけはわかってやってくれ」 「別に構わん。討つべき『悪』でないのなら、俺は相手がどんな性格だろうと気にはしない。もっとも、友にはなれんだろうがな」 アーチャーのなけなしのフォローに、ブルースはそう答える。 そこでふと何かを思い出したのか、そう言えば、とピンクへと声をかける。 「ピンク。キリトと遭遇した直後、近くで戦闘が始まったと言っていたが、そっちはどうなった?」 「あ。……ごめん、忘れてた」 「おい! 何やってんだよお前! そこにあいつがいるかもしれないだろ、忘れるなよそんなこと!」 「し、仕方ないでしょ! こっちも忙しかったんだから!」 「ピンク」 「わ、わかってるわよ。ちょっとだけ待って。 ……………………。 うん。森が燃えてるみたいでよく聞こえないけど、まだ戦闘は続いているみたい。」 「森が燃えている?」 言われて空を見れば、木々の隙間から煙が立ち上っているのが見て取れた。 その煙の発生源で、今も戦いが続いているのだろう。 「よし。それじゃあ早く行くぞ、アーチャー」 「了解した。 だが少しだけ待ってくれ。最後に一つだけ、彼女に尋ねておきたいことがある」 それを見た慎二が、さっそくその場所へと向かおうとアーチャーに声をかける。 だがアーチャーは、そう言ってピンクへと向き直った。 「ピンク。君は自身をヒーロー――正義の味方だと名乗ったな」 「実際にそうだもの。それが何なのよ」 「ならば訊くが、お前が味方をするもの、守ると決めたものは、『人』と『法』のどちらだ?」 そう問いかけるアーチャーからは、尋常ではない威圧感が放たれている。 それは傍で聞いているだけの慎二とブルースでさえ気圧されるほどのものだった。 相対しているピンクには、とてつもないプレッシャーがかかっているだろう。 その証に、答えを返すピンクは気を飲まれ、完全に腰が引けていた。 「な、なによそれ、意味わかんない。それって結局、どっちも同じことでしょ?」 「いいや、違う。『法』はあくまでも社会秩序を守るものであり、『人』そのものを守るものではないからだ。 『法』を守ることで『人』が守られるのは、『法』を運営するのが『人』であるからにすぎない。 そう。たとえその人物がどれほどの善人であっても、その存在が社会秩序を乱すのであれば、『法』はその善人であるはずの『人』を裁くだろう」 「な……………!」 「『人』と『法』、どちらがお前の守りたいものなのか、早いうちに見定めておけ。 さもなくば、本当に守りたかったものを見失う羽目になるぞ」 アーチャーが最後にそう警告すると、威圧感を消して慎二へと振り返った。 話は終わった、ということだろう。彼の重圧から解放されたピンクは、ドサリと地面にへたり込んでいた。 「……なあ、アーチャー。今の話って」 「なに。ただの老婆心というやつさ。本当に守りたかったものを見失った、愚かな先人からのね」 それは、あえて彼女たちに聞かせた言葉だったのだろう。 その証拠に、アーチャーは横目にピンクたちを見つめながら、そう口にしたのだから。 「ではブルース、その少年を頼んだ。目を覚ましたら、娘を心配させるなと伝えてやってくれ。 急ぐぞ、慎二。これ以上、奴の犠牲者を増やすわけにはいくまい」 「お、おう」 そう言って慎二とアーチャーは、木々の間を駆け抜けていった。 だが彼らの姿が見えなくなっても、ピンクは一向に立ち上がらない。どうやら腰が抜けてしまったようだ。 「な………何よアイツ、ホント意味わかんないんだけど。 『法』は『人』を守るためにあるんでしょ? なら『法』を守ることは、『人』を守ることと同じじゃない………」 「……………………」 ピンクのその負け惜しみに、ブルースは答えられなかった。 何故なら彼は知っていたからだ。オペレーターのため、ネットナビのために最善を尽くしていたのに、『人』が運営する『法』によって『悪』と見做されてしまった、あるネットナビの事を。 故に、ブルースの胸の内に一つの疑念が生まれた。 ほんの数時間前に出会った少年――カイトは、たとえこの場であっても誰かを殺すのは良くないと言っていた。 それは彼の中に、そういう正義があったからだろう。 そしてキリトも、かなり感情的になっていたとはいえ、あの少女を守ろうとして戦っていた。 ――では自分は? 自分がこのバトルロワイアルで守ろうとしている正義、オフィシャルとしての『法』は、本当に自分が守りたいものなのか? と。 ブルースは自身にそれを問いかけながら、アーチャーたちが駆けて行った方向を見つめていた。 ………答えは、すぐには出そうになかった。 † ―――サチを助けたかった。 彼女を失わずにすむのであれば、今は何もかもがどうでもよかった。 彼女との思い出が、頭の中で蘇る。 黒猫団に入団した時のこと。ともにダンジョンを攻略した時のこと。 これから先について語り合った時のこと。――――彼女たちを、守れなかった時のこと。 今思い出しても後悔する。 どうして自分は、彼女たちに関わってしまったのか。 どうして自分は、自分のレベルを隠していたのか。 どうして自分は、あの時彼女たちを守れなかったのか。 それからは、自分でもどうかと思うほど酷い状態だった。 寝る間も惜しんでレベルを上げ、あるかもわからない蘇生アイテムを探した。 そうしてその情報を手に入れ、実際にアイテムも手に入れ―――しかし、それが無意味だと思い知らされた。 そんな絶望の底にいた俺を救ってくれたのは、サチの残していたメッセージ録音クリスタルだった。 その内容は、今でもこうして思い出せる。彼女の声も、彼女の言葉も、彼女の歌った歌も。 ………なのに、どうしてだろうか。 たった一つだけ、思い出せないものがあった。 サチが死んでしまった時の言葉が。耳に届かなかったあの言葉が。 クリスタルに残されていた、サチの最後の言葉が、それだけが、どうしても思い出せなかった。 代わりに、 ――うそつき―― なぜかそんな言葉が、サチの声で、再生された――――。 【E-5/森/1日目・午前】 【ブルース@ロックマンエグゼ3】 [ステータス]:HP70% [装備]:なし [アイテム]:ダッシュコンドル@ロックマンエグゼ3、SG550(残弾24/30)@ソードアート・オンライン、マガジン×4@現実、不明支給品1~3、アドミラルの不明支給品0~2(武器以外)、ロールの不明支給品0~1、基本支給品一式 [ポイント]:0ポイント/0kill [思考] 基本:バトルロワイアル打倒、危険人物には容赦しない。 1:悪を討つ。 2:森で待ち構え、やってきた犯罪者を斬る。 3:キリト(?)を警戒しつつも保護する。 4:俺の守ろうとしている正義は、本当に俺が守りたいものなのか? [備考] 【ピンク@パワプロクンポケット12】 [ステータス]:HP100% [装備]:ジ・インフィニティ@アクセル・ワールド [アイテム]:基本支給品一式、不明支給品0~1 [ポイント]:0ポイント/0kill [思考] 0:何なのよ、アイツ………。 1:悪い奴は倒す。 2:一先ずはブルースと行動。 [備考] ※予選三回戦後~本選開始までの間からの参加です。また、リアル側は合体習得~ダークスピア戦直前までの間です ※この殺し合いの裏にツナミがいるのではと考えています ※超感覚及び未来予測は使用可能ですが、何らかの制限がかかっていると思われます ※ヒーローへの変身及び透視はできません ※ロールとアドミラルの会話を聞きました 【キリト@ソードアート・オンライン】 [ステータス]:HP5%、MP40/50(=95%)、疲労(大)、気絶/SAOアバター [装備]:{虚空ノ幻、蒸気式征闘衣}@.hack//G.U.、小悪魔のベルト@Fate/EXTRA [アイテム]:基本支給品一式、不明支給品0~1個(水系武器なし) [ポイント]:0ポイント/0kill [思考・状況] 基本:絶対に生き残る。デスゲームには乗らない。 0:サチ、どうして………… 1:―――――――― 2:二度と大切なものを失いたくない。 [備考] ※参戦時期は、《アンダーワールド》で目覚める直前です。 ※使用アバターに応じてスキル・アビリティ等の使用が制限されています。使用するためには該当アバターへ変更してください。 ・SAOアバター>ソードスキル(無属性)及びユニークスキル《二刀流》が使用可能。 ・ALOアバター>ソードスキル(有属性)及び魔法スキル、妖精の翅による飛行能力が使用可能。 ・GGOアバター>《着弾予測円(バレット・サークル)》及び《弾道予測線(バレット・ライン)》が視認可能。 ※MPはALOアバターの時のみ表示されます(装備による上昇分を除く)。またMPの消費及び回復効果も、表示されている状態でのみ有効です。 10◇ 二つの銃口から放たれる弾丸を、ユウキは細剣をその射線上に合わせて振り抜くことで防ぐ。 だが銃撃はそれで終わりではない。ライダーの持つクラシック拳銃は銃弾の再装填すらなく、次から次へと弾丸を放ち続ける。 周囲の木々を盾にしたところで意味はない。 放たれた弾丸は樹木を容易く削り飛ばすし、砲撃による攻撃であれば一撃だ。 カオルを人質に取られ、反撃を許されていない以上、ただひたすらに逃げ回り、銃弾を防ぎ続けるしかない。 そしてここが“痛みの森”である以上、たった一発、たった一度攻撃を防ぎ損ねるだけで、それが即死へと繋がる。 なぜなら倍増された痛覚は、痛みに慣れているユウキでさえもその動きを一瞬鈍らせてしまう。 その一瞬で、ライダーは更なる追撃をユウキに与え、それによって発生した痛みでまたユウキの動きが止まり――――。 と。死への直通連鎖が開始されるからだ。 故に現状況でユウキが生き延びるには、ライダーの攻撃を完全に防ぐ必要がある。 だが雨霰と放たれる弾丸を弾き続ける行為は、彼女の精神力さえも次第に削っていく。 ――――果たしてそれが、一体いつまで続くのか。 「ふ、ふふふふ…………」 そんなユウキの姿を見ながら、ダスク・テイカーは実に愉快気に笑っていた。 自分を相手に余裕を見せていたユウキが、逃げ惑うしかないざまが楽しくて仕方がないのだ。 加えて、これで自分とライダーの立ち回りも確認できた。 ライダーは確かに強い。心意を考えなければ、容易く上位ランカーと渡り合えるレベルだろう。 彼女の元マスターであったゲームチャンプとやらが調子に乗っていたのも、この力を体感すれば頷ける。 ………だが、その力も今は僕のものだ。 使役するのに必殺技ゲージを消費するのが難点だが、そこは飛行アビリティの時と同じで、パイロ・ディーラーで継続的にリチャージできる。 自分自身の攻撃を考えなければ、召喚し続ける時間に制限はないのと同じだ。現に今もこうして、必殺技ゲージは十割近くを維持できている。 ライダーがカルバリン砲を使えば、その瞬間は三割近く消費されるが、それも時間とともにリチャージされるので問題はない。 ただ、宝具とやらがまともに使えない事だけは少し残念だった。 宝具はスキルとは桁違いの魔力を消費するらしく、使用すればあっという間に必殺技ゲージがゼロになる。 本来持っていない魔力を必殺技ゲージで代用している代償と言ってしまえばそれまでなのだが。 しかしまあ、それでも十分な強力な存在(ちから)であると言えるので、概ね満足はしていた。 「……それにしても、思ったよりもやりますね」 テイカーがカオルを人質に取ってから、すでに十分近い時間が経過している。 その間反撃を禁じられたユウキは、僅かに休む間もなくライダーの銃撃を防ぎ続けているのだ。 それは決してライダーが弱いという事ではない。むしろ放たれた無数の銃弾を剣で弾き続けられるユウキの方が驚嘆に値する。 認めるのは腹立たしいが、自分を相手に余裕を見せただけの事はあるだろう。 ……だが、それももうすぐ終わる。 「クク………」 たった一度でもライダーの攻撃を防ぎ損ねれば、それですべてが終わる。 その瞬間、あの女は一体どんな苦痛の声を上げるのか。そしてどんな無様な姿で許しを請うのか。 もう間もなく訪れるその瞬間を想像すると、笑いが込み上げてきて抑えきれなかった。 「………どうしてこんな事をするんですか」 そんな風に笑うテイカーへと向けて、カオルはつい質問を投げかけた。 人が死ぬかもしれないというのに、他者を嬲って笑えるデイカーの気持ちが解らなかったのだ。 「ん? なんですかいきなり?」 「だから、あなたはどうして、人を傷つけて平気で笑っていられるのですか? ここはデスゲームで、本当に誰かが死ぬかもしれないのに」 「はっ、そんなことですか」 しかしその質問に、テイカーは鼻で嗤うことで答えた。 誰かが死ぬかもしれない? それが一体どうしたというのか。 これはたった一人しか生き残れないデスゲーム。自分が生き残るために他者を殺すのは、ごく当たり前の事だろう。 どうやらこの女は、それをきちんと理解していないらしい。あるいは、友情とか正義とか、そんなくだらないものの事を考えているのか。 だがまあ、ただ見てるだけというのも退屈だし、暇潰しに答えてやってもいいだろう。 「簡単なことです。僕は奪うことは好きですが、それ以上に、失うこと、奪われることが我慢ならないんですよ」 そう口にし、テイカーは自らの渇望と恐怖の一端を口にした。 「世界に存在する万物は有限です。誰かが何かを得た時、同時に同じだけ、他の誰かが何かを失っている。それはあたかも、エネルギーの保存則のように。 さっきライダーにも言いましたけどね、この世の根本原理は『争奪』なんですよ。 僕は自分の命を得るために他者の命を奪っているにすぎません。このデスゲームのルールと、その原理に従ってね。 ………まあそのついでに、僕が個人的に欲しいものも奪い尽くすんですけどね」 「……………………」 テイカーのその言葉を、カオルは否定することができなかった。 この世の根本原理は『争奪』だと彼は言った。それをカオルは、身を以て実感していたからだ。 もはや名前も思い出すことのできない、かつて好きだった誰か。 彼は自分ではなく、他の女性を愛した。決して奪われたわけではないが、自分は想い人を失った。 だがもし自分が彼を求め、彼が応えてくれたとすれば、逆にその女性が想い人を失う事になっていたのだ。 ………けど、それでも、それは違うとカオルは言いたかった。 「……あなたは本当に、自分が助かるために他者を殺しているのですか?」 「だからそう言っているじゃないですか。理解の悪い人ですね、貴方」 「だったら、このデスゲームを打破しようとする人と、協力することだって」 「ああ、止めてくださいそういうの。仲間とか友情とか、そういうの鳥肌が立つんですよ。 ましてや僕がそのお友達ごっこの仲間入りとか、考えるだけで吐き気がします」 カオルの必至の呼びかけを、テイカーは厭わしそうに顔を背け、そう吐き捨てた。 『無償の友情』なんて幻想はありえない。人の繋がりで確かなのは支配する者とされる者の関係だけだ。 そして支配者には、相手の全てを奪う権利が与えられているのだ。 そう口にするテイカーに、カオルは怒りでも、憎しみでもなく、憐れみを覚えた。 ああ、そうか。もしかするとこの人は……。 「貴方は、何かを与えられた事がなかった……与えてくれる人に、出会えなかったんですね」 だから彼は、自分が知らないものを、信じることができないのだ。 共に笑える友達も、手を取り合える仲間も、彼にとっては自分になかったもの。自分にないのだから、それは存在しないのと同じだと。 だから、友情を、仲間を、信頼を、在りもしないものを信じる他の人たちを、認めることができないのだろう。 「なに……を、言ってるんですか、貴方は?」 「確かにあなたの言う通り、『争奪』は世界の根本原理なのかもしれません。 けどそれは、あくまでも根本なのであって、全てではないんです。人は自分が持つものを、『共有』することだってできるんですよ」 「…………黙れ」 「けど誰かが差し伸べてくれる手を拒絶していたら、『共有』はできません。 そんなのだと、貴方はいつまでも『奪う』ことしかできなくて、『与えられる』ことはないんですよ」 「黙れと……言ってるんです」 「私には、好きな人がいました。けどその人は、他の女性と恋人になりました。でも私は、今自分が幸せなんだと思っています。 だって私には、まだ生きていたいって思える理由があるから! また会いたいって思える人たちがいるんですからっ!!」 「黙れぇぇええええええええええええッッッッ!!!」 カオルの言葉に堪らず激高し、テイカーは感情のままにカオルを地面に叩き付ける。 その痛みと衝撃に咳き込み呻くカオルに、パイロ・ディーラーの砲口を突き付ける。 「カオル!?」 「おいおいノウミ。そいつはちとマズいんじゃないのかい!?」 その事態にユウキとライダーは戦闘を停止し、共に声を荒げる。 ユウキは純粋にカオルに迫る身の危険から。ライダーは人質作戦という戦術的な理由からだ。 だがカオルは、身に迫る危険を知りながらも、倍増された痛みを堪えながらユウキへと強く呼びかけた。 「ユウキさん! 私は、貴方を信じています!」 「ッ――――!」 「僕を、そんな憐れむような目で見るな!」 ライダーの静止を耳に入れず、ダスク・テイカー――能美征二は叫び声を上げる。 彼の頭には、もはや作戦の事など頭になかった。あるのはただ、超えてはいけない一線を越えた、目の前の女を消し去ることだけ。 僕が何かを与えられなかった? 人は奪うだけでなく共有することができる? あまつさえ、好きになった人が奪われても、自分は幸せだ、だって? ―――ありえない。 確かに僕は与えられなかった。実の兄に、何もかもを奪い続けられた。 だから僕は略奪者になった。兄に奪われた全てを、奪い返してやったのだ。 だから、せっかく取り戻した自分のものを、他人と共有するなんてありえない。 ましてや、好きな人を奪われておいて、それでも幸せになれるなんて絶対にありえない! 「消えろ! 僕の前から! この世界から! “スプレッド・ファイア”ァァア――――ッッ!!」 パイロ・ディーラーの砲口から、これまでにない最大火力を以て灼熱の豪華が放たれた。 カオルを、友情や絆といった幻想を、………ただ一つ、本当には奪い返すことができなかった、自分と仲良くしてくれた女の子との思い出を焼き払うために。 ――――――、零秒。 「ウオォオオオ―――ッッ!」 直後、ユウキが雄叫びを上げ、地面を蹴り砕き駆け出す。 だが彼女が駆ける先にいるのは、カオルでもテイカーでもなく、ライダーだ。 彼女は一か八かでカオルを助けだすよりも、ライダーへ攻撃することを選んだのだ。 「なんッ……!?」 カオルを助けに動くと読んでいたライダーは、ユウキのその行動に一手対応が遅れる。 ユウキはその僅か一手分の隙にライダーへと距離を詰め、渾身の力でライダーへとランベントライトを振り抜いた。 回避しきないと判断したライダーは、とっさに左腕で急所を庇い、その一撃を受け止める。 ―――白銀の剣閃に赤い鮮血が混じる。 ユウキの一撃が、ライダーの左腕を切り落としたのだ。 だが、その攻撃の隙。次の一手は逃すまいと残る右腕、その手に握る拳銃をユウキへと突き付ける。 ――――――、一秒。 「こいつはヤバいね……!」 言いつつ、笑みさえ浮かべてライダーは引き金を引いた。 響く銃声。だが放たれた弾丸は、ユウキには当たらなかった。 回避されたのではない。すでにそこに、彼女がいなかっただけの事。 ユウキはライダーの腕を切り落とした時点で、即座にもう一つの目標へと飛翔していたのだ。 ―――今生み出されたばかりの、紅蓮に燃える灼熱の台地へと向かって。 「ノウミィ! そっちへ行ったよ、気を付けな!」 ライダーはテイカーへと呼びかけながらユウキへと向かって銃撃し、しかし同時に、ユウキの狙いがテイカーではないことも悟る。 ユウキがライダーを攻撃したのは、ライダーの銃撃の手数を半減させるためだと理解したのだ。 ならば考えられる目的は一つだけ。テイカーに人質にされていた少女の救出だろう。 しかし、それはもはや手遅れだ。彼女は至近距離から炎に焼かれ、既に死んでいるはずなのだから。 ――――――、二秒。 「ぐ、ううぅううっ……ッッ!!」 対するテイカーは、自らが生み出した炎から逃れるために、その身を焼かれながらも大きく飛び退く。 倍増された痛覚は想像を絶するものだったが、決して動けないほどのものではない。 そもそも痛みにはとっくに慣れている。 痛いからと言って動けなくなるようでは、更なる暴力を振るわれた。 ブレイン・バーストを始めてからは、体が千切られ砕かれる激痛を何度も味わってきた。 そんな一過性の苦痛ものよりも、最後の寄る辺である加速能力を失う方が何倍も何十倍も恐ろしかった。 ――――だから、それを奪おうとするやつには決して容赦はしない。 「燃え尽きろォ……ッ!」 溶解する大地から抜け出し、ユウキへと向けて高熱の火炎を放つ。 もはや羽のことなどどうでもいい。あの女も、あの女の仲間も、全て消し去ってしまいたかった。 だがここで、テイカーはユウキの目標が自分を見ていないことに気付く。 ………まさか。助けるつもりか? この状況から? 不可能だ。女はとっくに消し炭になっている。 と、ライダーと同じ結論に至るが、ならばユウキは、一体何をしようとしているのか。と新な疑問が生じる。 そんな二人の疑問など意にも介さず、自身に迫りくる炎を避けることもせず、むしろ自ら加速して炎の中へと突っ込んだ。 ――――――、三秒。 「うぁああ……ッ!」 と、そんな叫び声を上げて、ユウキは炎を突き抜ける。 しかしその直後。ユウキは、今度は自ら溶解した大地へと飛び込んだ。 「グゥッ、……ヅ、―――ッ! うッ……ア、ッァ………! あ、アアアアアア――――ッッ!!!」 全身を焼き尽くす炎に、堪らず苦痛の叫びを上げる。 だがより深く両腕を沈みこませ、ユウキは溶解した大地の中から“彼女”を探し当てる。 そして渾身の力で彼女を抱え上げると、即座に全速力で飛び上がって安全な大地へと移動する。 ――――――、四秒。 「カオル……、これで………」 ユウキは重度の火傷と激痛で震える手を懸命に動かしてメニューを操作し、あるアイテムを取り出す。 そしてそれを、祈るような気持ちで、カオルであったものの残骸へと使用する。 人の形をしているだけの黒い塊に、優しい色の光が降り注ぐ。 すると黒い炭と化していたその身体に人の色が戻り、少女の姿を取り戻す。 生者の姿となった少女はゆっくりと瞼を開け、自らに起こったことの感想を口にした。 「……………………、っは。 あ、…………たとえ二度目でも、やっぱり死ぬのは、慣れませんね」 「ッ……、普通は二度も死なないと思うけどね」 カオルの言葉に、笑いながらそう返して、ユウキはようやく安堵の息を吐いた。 ―――締めて、五秒。 それが、ユウキに支給されたアイテム【黄泉返りの薬】の、蘇生効果を発動できる限界時間だった。 「蘇生アイテム!? なるほど、そんな物まで支給されていたんですか。 ……ですが先ほどの貴方の無茶振りを見るに、どうやら使用に時間制限があるようですね」 死んだはずのカオルが生き返ったことに驚きながらも、テイカーはそう分析する。 ユウキはそれに答えず、ランベントライトを支えにしてふらつく体を立ち上がらせた。 「で? そこからどうするおつもりですか? まさか、そんなダメージと痛みでロクに動けない体で、ボク達と戦おうっていうんですか?」 ユウキの行動にテイカーは嘲笑を浮かべる。その隣には、いつの間にかライダーも付き従っている。 見れば、ユウキが切り落としたはずのライダーの左腕が、きちんと繋がってそこにあった。 「ん? ああ、この腕かい? アタシ等サーヴァントは、言っちまえば幽霊みたいなもんなのさ。 だから生きていて魔力があるなら、こうして体を治せるってわけだ。ま、完全な回復には時間がかかるけどね」 ユウキの表情を見て察したのか、ライダーはふらふらと左腕を振って理由を説明する。 なるほど、確かにその動きは鈍い。先ほどまでのような連続射撃はできなさそうだ。 ……だが、ほとんど即座に体の欠損を修復できるなんて、反則もいい所じゃないかとユウキは思った。 「ハッ。キミたちの方こそ、本気のボクに勝てると思っているの? これでも、ALO統一デュエル・トーナメントの4代目統一チャンピオンなんだけど」 しかし、そんな窮地を鼻で笑い、ユウキはテイカーへと向けてそう挑発する。 こんな状態でもお前たち程度には勝てると、彼女らしくない、相手を見下すような口調で。 確かに体はロクに動かない。痛みで頭はガンガンする。HPなんか、痛みの森じゃなくても一撃で消し飛びそうだ。 ………けどそれは、生きる事を諦める理由に決してはならない。 加えて、ユウキは怒っていたのだ。彼女自身も初めてだと思うほどに、とても激しく。 「へぇ。ずいぶんと強気じゃないですか、死に損ないの分際で。しかもたかがゲームのチャンピオンとかで威張られてもねぇ。 まあいいでしょう。さっきの蘇生アイテムがいくつ残っているかは知りませんが、その全てを使いきるまで殺し続けてあげますよ」 そう宣言すると同時に、テイカーはパイロ・ディーラーの砲口をユウキへと向ける。 ライダーの方は、ユウキが火炎放射を回避したところを狙い撃つつもりなのだろう。 「――――――――」 それを前にして、ユウキは油断なくランベントライトを構える。 ―――絶対に勝つ。そう強く決意を懐いて。 「さあ、精々無駄な悪足掻きをして、僕を楽しませてくださいよ!」 そんなユウキを嘲笑い、テイカーはユウキに向けた砲口から、高熱の火炎を放射しようとして、 「―――ハ、どこ見てんだよ。おまえの相手はこの僕だろ!?」 その声とともに、突如として暗い黄色のエフェクトが、テイカーの体を包み込んだ。 同時に飛来した矢を、それを察知したライダーが撃ち落とす。 そしてその間に、両者の間に二つの人影が上空から降り立った。 現れたのは、赤い外套の男と学生服の少年。 その片方、学生服の少年は、敵愾心を露わにしてテイカーを睨み付けると、 「よう。ライダーを返してもらいに来たよ」 そう宣言して、嘲笑うようにニヒルな笑みを浮かべた。 ―――こうして再び、間桐慎二はダスク・テイカーと相対したのだった。 Next 蒼炎の守護者
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別問題なんだよ ◆0zvBiGoI0k ◆ 青天の霹靂、という。 霹靂とは急に雷が激しく鳴ることで、晴天の空を突然黒雲が覆い鳴動を聞く羽目になる、転じて予想だにしなかった出来事が起きた様子を指す。 家庭教師として万年赤点以下娘の教え子五人をどうにかこうにか卒業ラインにまで導き、これからはアイツら個々人の夢や目標を見つけてやりたいと思いつつ、三年生行事の修学旅行も存分に楽しんでやろうと意気込んでいたら、いつの間にか見知らぬ孤島に拉致され、知らない女の子に殺し合いを命じられたという状況を説明するには、実に相応しい故事成語といえる。 脈絡がない。前兆がない。経緯がすっぽりと抜け落ちてる。夏に雪が降る方がまだ異常気象で説明できる。 なぜ京都に行って殺し合いなぞしなくてはいけないのか。時代錯誤甚だしい。いったいいつの時代だ。鎌倉か。戦国か。名簿に歴史上の人物である沖田某と同名が載ってるから幕末か。なるほど霹靂だ。豪快なまでに豪雷だ。 でも、いま俺の全身を激しく打つ霹靂は、それとは違うものだった。 いや……。 霹靂とは、少し違うのだろう。 だって現在この場所で行われるのが殺し合いだと俺は六時間前にとうに知っていて、殺し合いでは人が死ぬという意味なのだと理解している。実際本当に人が死んでいるのかどうかは関係ない。聞いた言葉を脳はそう解釈していた。ここでは人が死ぬのだと、そう了解していた。 だから、予告通りきっかり六時間毎に行われる放送についても記憶していた。ここまでに出た死者の名前が挙げられるというのもちゃんと覚えていた。 だからこれは霹靂などでなくて。想定してなかった出来事などではなくて。十分に予測できていて然るべき結果だった。 でも、それは。 そうだとしたら。 『中野四葉』 『中野五月』 アイツらの名前が呼ばれる未来を、俺は覚悟してなくてはいけなかったというのか。 ◆ 目と耳が現実と切り離された感覚に酔いそうになるのもこれで二度目だ。 以前やったVRとかいう種類のゲームを思い出すが、あれよりもよりリアルな解離感で気持ち悪くすらあった。無論テレビすら置いてない我が家でゲーム機だけあるなんて奇妙な事態ではなく、休憩と称してマンション時代のアイツらの家でやらされた経験だ。 そうだ。その高層マンションを俺達は目指していた。 もうすぐ放送だから落ち着いて聞けるよう身を隠そうという明さんからの提案を呑んで、適当な民家で腰を下ろしていた。 そしてアイツらと鉢合わせできそうな唯一の場所を見上げながら、アイツらのうち二人の死を知った。 中野四葉と中野五月。五つ子姉妹の下の妹二人。 女三人いれば姦しいというように、アイツらと一緒にいる時はたいていやかましいが、その中でわけてもやかましい二人だ。 かたや混雑でも見分けがつきやすいデカリボンの、体力面に全振りの元気馬鹿。 かたや他の姉妹には見ない突き出たくせ毛とセンスを疑う星型のアクセサリーの、要領の悪い真面目馬鹿。 一年越しの付き合いは短いようで長く、薄くなりようもない濃さだった。瞼を閉じれば暗闇でも顔を想起でき―――全員同じ顔なのだから実質一人ともいえるが―――、耳を澄ませば耳朶に残る声が再生される―――これも全員同じ以下略―――。 「―――――――――」 放送が終わって暫く経つ中、俺は何も言わなかった。 二人の死に動揺し言葉を失ったからじゃない。そうなるにはあのおちゃらけたラジオはどうにも得られる実感が薄かった。 理由があるとすれば怒るにも悲しむにも向かえない、この得体のしれない感情だからだ。 この六時間で俺が出会ったのは球磨川と明さんの二人だけ。その間球磨川が爆弾で吹っ飛んだり明さんとの合流でちょっとした諍いはあれど、直に死の危険を味わう経験は幸か不幸かまだない。明さんはクラゲの化物と交戦したと述べていたがやはり直接対峙してはいない。 ……いや、危険な目に遭わないのだから少なくとも幸運に決まってるのだが、殺し合いに巻き込まれてる現状を直視し辛い現状にどこかマイナスの面を感じてるのも事実だった。 なんだろうか。 アイツらの死を伝えられて、それを覿面に受け取る事に抵抗が残っている。 死体を見たでもなく、悲鳴を聞いたでもない。ただ流れる情報を受け取っただけ。 人の死なんて世間にありふれていて、対岸の火事である限りは無機的に感じてしまう。家にテレビがなくても、ニュースで毎日煽り立てて死というものが報道されているのだと知っている。 なのに俺は、昨日まで勉強を見ていて、くだらないやり取りに怒ったり笑ったりしていた隣人が、友人が、失われた現実を理解する事をこんなにも拒んでいる。 何かが欲しかった。 アイツらが生きている、あるいは死んだという証を確かめたかった。 そんなもの本当は見たくもないが、それでも、テストに書かれた問題欄みたいな簡素さで、ああ、そうかと軽く扱うのがどうにも嫌だったのだ。 だからどうにかして理屈を考えている。そうじゃない理由を捻り出している。 主催者は視界や聴覚に干渉する技術を持っている。だったら、俺にだけ偽の情報を送るのだって不可能じゃないだろう、とか。 わかっている。 不可能ではない。可能である。 だからってじゃあ実際にやるかといえば、そんなのはまるで別問題なのだと。 なんとまあ、情けない現実逃避だ。こんなすぐバレる嘘、俺一人を惑わせるためにしてどうなるっていうんだ。無駄な労力に過ぎる。 本当に、意味がまったくない。 『おーい上杉くん、大丈夫かい?』 底なし沼に嵌っていくようにどんどん埋まっていく意識を、今はあまり聞きたくない声が引っ張り出した。 球磨川禊という男は無視するには存在が負の面であまりに色濃かった。気付け薬にするには劇薬過ぎた。 「……大丈夫なように見えてるか?」 『うーん、ぜんぜん!』『まるで友達が自分の全く預かり知らないところで死んじゃったのを知った時みたいな顔だね』 歯に衣着せぬどころじゃない直接的に刺しに来る物言いを聞いても、球磨川に激しく食ってかかるような事にはならなかった。こうも徹底してると呆れてすらもくる。 それぐらいにはまだ冷静さを残している。と思ってもいいのか。 『ん?どうしたんだい上杉くん』 『まさか君、今の放送が本物だって信じ切っちゃってたりするのかい?頭いいのにそりゃないぜ』 「は……?」 なのでその発言には、思わず視線が球磨川に吸い寄せられた。 『僕らが出会ったのは明ちゃんも含めてたった三人』『それまでは他の参加者に禄に出会ってもない』 『明ちゃんはクラゲの化物と戦ったって言ってるけどそれっきり』『情報的に僕らは孤立してるといっていい』 『だからあんなラジオで誰が死んだなんて聞かされても、僕らじゃ確かめようがない』 『しかもBBちゃんは視覚と聴覚に干渉するスキルを持っている』 『いかにも悪戯嫌がらせが大好きみたいな顔したBBちゃんだ』『個人個人、纏まった集団ごとに違う情報を与えて混乱させる事だって可能だろう』 捲し立てる球磨川の言葉は、俺が浮かべては廃棄していた根拠のない考察をそっくりそのまま表していた。 たとえこいつが球磨川禊でも。 敵にはならずとも、どうにも信用ならない男でも。 見ているだけでも不快感を催すほど不吉な雰囲気を纏った奴だとしても。 自分でも信じてない妄想を、話してもいない他人が全く同じ推論を口にした事に、妙な安心感を抱いてしまった。 『なーんちゃって』 『全部嘘だよ』 『こんな参加者と会えばすぐバレる嘘、なんにも意味がない』 『いくら可能だからって』『不可能じゃないからって』 『実際に行動に移す事とは別問題だ』 『むしろ主催者の情報全てに懐疑的になって』『やってもらいたいはずの殺し合いにすら疑問を覚えさせてしまう』 『相手を騙すには真実の中に一欠片の嘘ってのが基礎だからね』 『意味なんてそれこそ』『「今の嘘信じた奴どれくらいいた?」って馬鹿にするぐらいしかないんじゃないかな』 「……おい」 翻した言葉は俺が断じた結論そのものであって。 にへらと貼りつけた、球磨川の薄ら笑いを強く睨んだ。 『お、やっとこっちを見てくれたね』 『放送も終わって仲間同士話し合わなきゃいけないっていうのに』『いつまでも目も合わせてもらえないままじゃたまらない』 『僕は弱いからね』『無視されるだけでも堪えちゃうよ』 『で、放送の内容は本物だって話をしたけど』 『どうすんの』 『死んじゃったぜ、五つ子ちゃん』 自分で自分を弱いと自称するこいつは、人の痛いところ、言われたくない部分を的確なタイミングで突いてくる。 逃げようもない事実を逃げられないように、当たり前に当てに来る。 「……ああ、そうだな」 認めるように、観念したように、俺は答える他なかった。 『おや。なんだか蛋白な反応だね』 『ここに来て最初からずっと考えていて』『会ってどうするかなんて考えもせず』『とにかく探して会うのを目標にするぐらい考えてる子達のうち二人が』 『死んでしまったっていうのに』 訝しがる球磨川に、俺は返す言葉もない。 自分でも分からない混濁した感情を表現する術なんて持たないのだ。 答えの欠片らしきものが引っかかってるのがもどかしい。吐き出して楽になりたいのに口から出てこない。 アイツらとの時間で幾度となくぶつかった答えのない問題は、死という出来事を前にしても、変わらず立ち塞がった。 だから。 『まぁそれもそうか』 『だって、まだ三人もいるし』 この球磨川の台詞に湧いた感情も、俺は言い表す事などまるで出来なかった。 代わりに半ば自動的に、衝動的に動いた腕が球磨川の肩を掴む。そのまま引き寄せるでもなく、片方の腕で殴り飛ばすような事もしない。 実に中途半端な態勢だった。 『おいおいおい』『なんだよ怒るなよ』『相手が違うぜ』 宙に浮くように軽い俺の剣幕など、当然意に介さずにどこ吹く風と球磨川は表情を変えない。 薄っぺらく、冷ややかに、学校の教室で戯言を言い合ってる時みたいな笑みで。 『僕は別に君を責めてるわけじゃないよ』 『実際君に何か出来たわけじゃないし』『君自身に何か過失があったわけでもない』 『何処にいるかも分からない』『明ちゃんの言うクラゲの化物みたいなのだうろついてる会場で』『皆を見つけて助けるだなんて』 『そんな事出来る奴なんて僕が知る限り二人しかいない』『ああ』『一人は完全な人外だから除外するとして実質一人だね』 『君が怒るべきなのは』『なんの罪もない、悪い事もしてないいい子ちゃんを騙して甚振って』『その上殺した奴らじゃないか』 怒りを向ける矛先を指摘する球磨川の顔が、僅かに昏く歪んだ気がした。 『仕方ない』 『仕方ないよ』 『こんなのは、どうしようもない』 『これがバトルロワイアルというものさ』 『君が彼女達を助けられなかったのは君の責任じゃない』 『悪いのは』『名乗りもせずコソコソ隠れながらか弱い女の子を殺す最低の奴(ひきょうもの)だ』 『だから』『君は悪くない』 『そして僕も悪くない』 そう締めくくると、するりと俺の腕が掴んでいた球磨川の肩から離れた。 球磨川が振り払ったのでなく、単に俺の方から力を抜いただけだ。ここで球磨川を責める無意味さを悟ったから。 怒ってるのかと球磨川は言った。 そうか。俺は怒ってるのか。 そうかもしれない。 他人に言われて、初めてそんな気がしてきた。 「悪かった。正しいよ、球磨川。お前は間違っちゃいない」 知り合いの五人のうち二人が死んで、三人はまだ何処かで生き残っていて。 殺した奴と殺された奴がいて、殺された方の知り合いが怒りを向けるべきは殺した奴に決まっている。 論じるまでもない、当たり前過ぎる帰結だ。 「アイツらの傍にいて俺に何が出来るでもない。出来てせいぜい代わりに死ぬか、一緒に死ぬかのどちらかだ。 お前の言い分はもっともだ。矛盾もなければ破綻もしてない。まっとうな意見だぜ」 『そうかい。わかってもらえて嬉し―――』 「けどな」 四葉と五月が死んだ事も。 その時傍におらず、何もしてやれなかった事も。 もう全部認めてる。理解している。 わかってる。 わかってるよ。 ああ、わかってるんだよ、そんなことはもうとっくに言われるまでもなく。 「正しいからって、間違ってないからって、じゃあ実際に納得出来るかなんてのとは別問題なんだよ」 関係無かった。 可能か不可能かとか、意味のあるか無しだとか知ったことじゃない。 「死ぬ理由がない奴が死んで、その事を当然だなんて受け入れるのは、凡人にもなれない奴の安い言い訳でしかないんだって言ってるんだ」 短い人生で我武者羅に詰め込んできた知識を、ここではものの役にも立ちはしないと明後日の方向にぶん投げる。 不合理な感情だってわかっている。けど、理屈じゃないんだ。握り締めていたものを捨てるのに躊躇する理由は。 少し前まで不要だと放っておいて埃が被っていたものを拾い上げて、手に握らせて、育ててくれたアイツらとの思い出を、過去の残像で終わらせてしまうだなんて出来なかった。 そんな人間に、なってしまっていた。いつの間にか。知らぬうちに。 心地の良い場所だと、受け入れてしまっていたんだ。 『……うーん、そうくるか』『そうすると僕も少し困ったなあ』 腕を組んで、顎に手をやって、如何にも悩ましそうなポーズをする球磨川。 いつものおちょくりかと思えば、どうも本気で困ってるらしい。 後で思い返せば恥ずかしすぎて忘れてしまいたくなるだろう自分の発言に、そこまで悩ませる要素があっただろうか。 「……困るって、何がだよ」 『そりゃあ、これからの事さ』 『これからこの殺し合いをどう動いていくかにあたって』『弱い僕と上杉くんとじゃ不安要素が多すぎる』 『放送が終わって明ちゃんは外に出たきり帰ってこないし』『ひょっとして見捨てられちゃったかもね僕達』 『あっちも探し人が死んじゃったし』『ここに留まる理由もないからね』 そこまで聞いてようやく、球磨川の監視も兼ねてという名目で着いてきてくれたもう一人の同行者である宮本明が部屋にいない事に気づいた。そこまで意識が散漫していたのかと自省する。 探していた、鮫島と勝次の名前が放送で呼ばれたのまでは辛うじて憶えている。名前順で呼ばれた仕様で、ちょうど四葉と五月を挟んでいたからだろう。 『特に上杉くん』『今の君の弱りっぷりったらないぜ』 『肉体的な能力はどうしようもないとしても』『精神面での能力の低下はこの状況じゃ全てに不利(マイナス)だ』 『僕としても』『六時間も付き合いのある大事な同行者をここで失うのは忍びない』 嫌な予感がした。 こいつといてから今に至るまで良い予感というものが巡った憶えなど一切ないが、とにかく嫌な予感だった。 球磨川が俺をここまで気にかける理由、それが結局ハッキリしていないのが大なる理由であり。 『……心配してくれるのはありがたいが、ならどうするって』 『うん、だからこうすればいいんだよ』 『大嘘憑き(オールフィクション)』 脈絡なく。 前兆なく。 経緯がすっぽりと抜け落ちて。 腕ほどもある剣呑に巨大な螺子が、俺の弱みごと胸の中心部に螺子込まれた。 『君の五つ子ちゃん達への思いを無かった事にした』 『これで雑な思いに煩わせられない、プレーン上杉くんの出来上がりだ』 ◆ ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 空洞があった。 螺子込まれ、抉り抜かれた胸の真ん中に虚空がある。 傷跡は程なく跡形もなく消えて、孔もはじめからなかったように消えたが、底には虚構(あな)があった。 いや、違う。欠落などない。失われたモノなどない。 全ては、『無かった事になった』のだから。 一年と少しの間の経験と時間は完全に消えた。因果として地平から無に帰した。 醒めた眼で自分を客観視する。途端に、あの五人に向けていた諸々の感情が何もかもどうでもよくなってきた。 何かここまで、酷く馬鹿馬鹿しい考えを抱いていた気がしてならない。 思い返すに、最悪の出会いとしか言いようがなかった。 元を正せば借金返済の為に親父が無理やり取り付いた家庭教師のバイトを押し付けられたのが始まりだ。当初から乗り気でなかったが、教え子と対面してみれば想定を更に下回り底を割るほどの問題児共だった。 五つ子の姉妹。顔も身体も声も同一。少し髪飾りを変えただけでちっとも見分けがつかない。 これだけでも混乱を招く悩みの種だというのに、頭の出来も五人そっくり悪かった。馬鹿だった。五人合わせて一○○点の赤点以下娘のとんでもシスターズだった。 その癖そこまで一緒でいながら性格は不思議なほど一致せず、そしてまた揃って自分に従わぬ馬鹿ばっかりだった。 だいたい初日から睡眠薬盛って追い出すとかなに考えてんだ。倫理観どうなってんだ。しかも主犯以外の四人も犯行を黙止してるし、後日に悪びれる気もさらさらないときた。 それからもあれこれ理由つけて勉強を避けやがるし家出したりなぜか俺の家に泊まったり花火の縁日だの温泉旅行だのに散々に連れ回されて。 自分の時間がどんどん減っていく。 あいつらとの時間にばかりすり替わっていく。 本当に、本当にあれは最悪の時間だった。 揃いも揃っての問題児。高給でなければ誰が受けたものか。動物園でゴリラの飼育委員のバイトやってた方がまだやりがいを感じる。 こんな奴らに好感を抱くなんてどうかしてる。 こんな奴らに好意を抱かれたってどうってことない。 だからあんな奴らが死んだところでどうだってよく。 まあ死ぬのはかわいそうだなと思うけどそこ止まりで。 今頃あの三人は泣いてるんだろうなって考えて。そういや俺はまだ泣いてないなって気づ 「あ、そうか。 俺、アイツら五人が好きなんだ」 台無しだった。 盛大な自滅だった。 見事なる爆散だった。 ここにきてそれなのか。ここまできてたどり着く答えが、それなのかよ。 好きな人が死ぬ事を、息が詰まりそうなぐらい苦しく感じて。 大切な人をもう会えない事を、体の半身が千切れたように痛いと思う。 それは特別なのか。 それって異常なのかよ。 不幸とされなきゃいけないのか。 そんなわけ、ないだろ。 普通だ。 あまりにも普遍的な気持ちだ。 ありふれて凡庸で、どこにでもいる人が抱えている、下らないぐらい抱えているものだった。 家族以外にそんな気持ちを持つ事をくだらないと言ってる平凡以下の男が、誰かの役に立てる人間になるとかつて誓った俺だった。 「――――――やべえ。まじ恥ずかしい。死にてえ」 頭を抱える。ここまで巡りの悪い脳は自分なんかじゃないと否定したいが、どうあったって俺でしかない。 気づくのが遅すぎた。あるいは早すぎた。 誰かのように真正面から宣言出来るほどはっきりしてるわけじゃない。淡く芽吹いたばかりで たとえ恋未満にすら至ってない芽吹いたばかりの淡さだとしても。 他人から好意を告げられて少なからず意識するようになって、書物に頼り、季節を跨ぎ、少しずつ自分の気持ちを整理して確かめるべきであって。 取り返しのつかない乖離を味わい、自分についた亀裂の深さで愛を確かめる方法で気づきたくなんか、なかったのに。 『僕の「大嘘憑き(オールフィクション)」は現実(すべて)を虚構(なかったこと)にするスキルだ』 『どんな傷も疲労も、死んだ事実だってゼロにしてしまう』 『けど、少なからず無かった事に出来ない例外もある』『しかも今の僕はそのスキルを訳あって失っていてね』 『僕の中に残ってたスキルの残骸を組み合わせてそれっぽく見せた劣化品』『いわば劣化大嘘憑き(マイナスオールフィクション)とでも言うべき代物でね』 『強い思いのこもったものを無かった事には出来なくなってるんだ』 『加えてこの殺し合いから更にスキルに制限がかけられていて、尚の事効き辛い』 『括弧つけた薄っぺらいものならともかく』 『本当に大事で失くしたくないような思い出を消せるほどの効力は無くなっちゃってるんだ』 頭上からの声が俯いた顔を掴み上げる。 知らず膝をついて蹲っていた俺を、立ったままの球磨川が見下ろしていた。 気味の悪さも、緩い表情も、この時だけは少しだけ薄れていて。 『攻略対象(すきなこ)を二人も守れなかったからって』 『急に方針転換して五人共好きなんてハーレム宣言するなんて』 『あーあ』『この上なく無様で』『みっともない』 『僕の初恋なんて小学生体型の経産婦だぜ』 『甘えよ』 『そんなんじゃラブコメ主人公、失格だね』 『……が、その甘さ、嫌いじゃあないぜ』 『恥を掻きたくなくて鈍感キャラぶるよりは』『不幸(マイナス)をかけられてもゼロにならない思いで恥を刻む方が、恋の始まりには丁度いいってものだ』 指を刺して、酷薄たっぷりに、キメ顔でそいつはそう言った。 「……結局さ。なんでお前、こんな事したんだ?」 球磨川の言動と行動は、問題こそ俺を立ち上がらせる切欠(パーツ)の役目を果たしていた。 感情を煽り、心象を検めさせ、結果的に奮起させた。 弱く、不思議な能力も持たない俺なんて、それこそ明さんのように放っておくのが自然だ。 そこまでする理由が相変わらず読めない。自分で言うのもなんだが、あまりにも割が合わないのではないか。 『そりゃあ、僕はいつだって弱い奴の味方だからだよ』 『何の力も無く』『何も出来ず』『殺し合いの舞台では殺される以外に役柄が与えられてない人みたいなね』 その通りだろう。今以て殺し殺される関係に変化はない。 自分の気持ちとやらに気づいたところで、都合のいいパワーアップなんて起こりなんざしない。 勉強が日々の積み重ねであるように、鍛えるのだって一朝一夕で済みはしないのだから。 『それにさっきも言ったろ』『上杉くんとはここで六時間も同じ時間を過ごした相手なんだ』 『プラスにもマイナスにもノットイコールにも寄らないどノーマルな人が』『初対面で僕とこれだけ付き合ってくれるなんて、早々無い事なんだ』 『つい嬉しくなって』『お節介の一つでもかきたくなるよ』 『まったく』『女の子相手でもないのに困った性だ』 どこまで本音なのか、分かったものじゃないが。 どこまで信じていいのか、頼ってしまっていいのかは計りかねてる最中だが。 少なくとも、不快が消えはせずとも、こいつと一緒にいても許せるぐらいには思ってるらしい。 「……ああ。お前が困った奴だってのには、心底同意する」 笑ったつもりの俺の顔は、ちゃんと笑えてるだろうか。 へらへらと薄っぺらく張り付かせてないかと、関係ない事を考えてしまう。 アイツらを見つけた時、こいつと同じ表情をしてると思われるのは、流石に御免被りたいからだ。 『ああそれにしても』 『数時間ぶりにまた言う羽目になるとはね』 『流石に使いすぎるのもマンネリそうで気が引けるんだけどな』 『まあともかく』『ゴホン』 『―――また勝てなかった』 「そもそも勝負した覚えもないがな」 『うわ』『折角括弧つけて決めセリフ言ったのにそこで口挟んじゃう?』『ほんと上杉だねデレカシーくん』 『わざとかそれ?』 『ごめん、噛んじゃった』 「違う絶対わざとだ」 『噛みまじっっっぶぇっ』 「マジで噛みやがった!?もうさっさと治せお前!」 ◆ 慣れてしまった喪失の味が喉元を通り過ぎる。 仲間を、肉親を、師を、失う度に辛酸を舐めさせられてきた。 もう奪わせはしまいとどれだけ意気込んでも、人は死ぬ。 吸血鬼を斬り、邪鬼を刈り、亡者を殺し、アマルガムを討つだけ強くなっても。 傍にいないというだけで、人は鬼に貶められ、そして死ぬ。 放送を聞き内容を記憶して、すぐに明は家の玄関を抜け外に出て、塀に背をもたれかけていた。 クラゲの怪物の対決以来戦闘はなく体力の消耗もしてないが、やはりあの二人の死が思った以上に堪えてるのだろうか。 本土に渡ってから最も付き合いの長い二人だ。吸血鬼撲滅の戦いに荒れ果てた明の、少ない心許せる相手だった。 鮫島と勝次が死んだ今、明の知り合いは最早あの雅のみだ。 雅。あの吸血鬼はこの殺し合いも余興の戯れとして満喫している事だろう。 あの元凶を殺す事こそが今の自分の生きる理由だ。この場で何より優先すべき事柄であり、子守りに興じる暇はない。むしろ雅との戦いに巻き込まれる危惧を思えば遠ざけるのが気遣いだ。 ならばさっさと家を去ればいいのだが、明は離れない。 知り合いの死に少なからずショックを受けている上杉の様子が落ち着くまではここにいるつもりだった。 別に義理を持つ理由はないが、あの球磨川にいらぬ難癖をつけられて下手に邪魔をされるのも面倒だった。 奴の監視も兼ねて、二人の同行を受け入れたのだから。 「明さん」 背後からの呼び声に振り返ると。準備を済ませた上杉と球磨川が出てきていた。 「すみません、待たせました。もう行けます」 幾らか顔に憔悴が見られるが、だいぶ落ち着いてるようだ。目の光は死んでおらず、かつての勝次のような生きる意思が芽生えている。 まさか球磨川が激励でもしたのかと頭を掠めたが、すぐに取り下げる。どの道家の中で何が会ったかは自分とは関わりのない話だ。 「付き合うのはあのマンションまでだ。そこからは好きに動かせてもらう」 「はい。構いません」 『そりゃあないぜ明ちゃん』『幾ら仲間二人が死んで気楽になったからって』『まだ大事な人達が残ってる僕らを見捨てるっていうのかい』 「おい球磨川。ほんとお前黙っとけ今は」 上杉の制止が無ければそのまま殴って黙らせていただろう。いちいち人の神経を逆撫でるポイントを心得た発言しかしない男だ。無視という形で会話を強引に打ち切る。 常に笑顔を浮かべている球磨川はまるで変わりない。一人だけ知人の名が呼ばれなかった余裕か?いや違う。たとえ友人や肉親の名が呼ばれたところでこいつはいつもの笑顔でいるだろう。 明が二人と行動を共にしている理由の半分は球磨川だ。自分に余計な悪評が立って妨害されたり鮫島達に危害が及ぶのを防ぐ名目だ。 だが二人が死んだ今その効力も消えた。だというのに、こうして期限付きといはいえ連れ立ってるのはなぜか。 不気味だった。まるで見えない糸が足に括り付けられこちらの進路を誘導されているような。 球磨川は何も言わない。ただ明が球磨川を見て、言葉を聞き、直感で自分に被害を招くと察しているだけだ。 それこそ、知らず思考を誘導されてるかであるように。 負完全。 異常以上の、それ以下の何か。 混沌より這い寄る過負荷。 「大嘘憑き(オールフィクション)」なぞ、球磨川という黒点に彩りをつける飾りに過ぎない。 一度関われば無視を決め込もうが間に合わない。全てを引きずり込みグチャグチャに混ぜ合わせ台無しにする、負の引力こそが球磨川禊の真骨頂。 「……とんだ危険物を掴まされたようだな」 『え?』『明ちゃん爆弾持ってるの?』『それは危ない!』『うっかり支給品を調べようとした途端爆発して死にかけるようなヘマをしないでくれよ』『まあそれ僕なんだけど』 「球磨川。やっぱり暫く舌噛んどけお前」 普通(ノーマル)に生まれながら、 特別(スペシャル)な人生を歩み、 異常(アブノーマル)な強さを発揮しながら、 過負荷(マイナス)の結果しか残らない。 その本質を捉えつつある明が辿るのは、如何なる道に至るのか。 彼岸の果てまで遠く続く先は、いまだ見えない。 ◆ 『そうだぜ、上杉君』 『君みたいな凡人(ノーマル)が』 『特別(スペシャル)でも』『異常(アブノーマル)でも』『過負荷(マイナス)でも』『ましてや悪平等(ナットイコール)でもないただの普通(ノーマル)が』 『こんな異能バトロワものの舞台で、主人公みたいな活躍なんて出来るわけないじゃないか』 『出来るのなんてせいぜい』『「あいつは普通の奴だった」』『「死んでいい奴じゃなかった」』『「あいつの死は無駄にしない」』って』 『主人公がキメ顔で言って背負った気になって、あとは刹那で忘れられる「不幸な犠牲者」ぐらいだ』 『君に務まるのなんてそれこそ、ドタバタ学園ラブコメの主人公ぐらいものだろうさ』 『だったら』 『変えちまえばいいんだよ、ラブコメに』 『全ての前提を覆してしまえばいい』 『脚本(ブック)を作り替え(リメイクし)てしまえばいい』 『光り輝く素晴らしき英雄譚を』 『血潮吹き荒ぶ凄惨な殺し合いを』 『ゆるふわで、ベタベタで甘々な、みんなが幸せに終われる喜劇(コメディ)に舞台の主題をすり変えてしまえばいい』 『そうすれば後は君の独壇場さ』『誰か一人を選ぶいちご100%エンドでも、ハーレムを築くTOLOVEるエンドでも』『好きな結末を選べばいい』 『いやーどんな気分だろうね』『必殺技叫んで宿敵と決着つけてる横で、告白して結ばれたカップルをバックにエンディングが始まって大団円(だいなし)にされるのって!』 『まあ唐突な路線変更なんて、まるでジャンプの打ち切りコースまっしぐらだけど』 『ギャグ漫画からバトル漫画に移行して売れた作品なんて、山ほどあるし』 『それに打ち切りだって何もかもが駄作なわけじゃない』 『マイナスの吹き溜まりのような作品の中にも、たまに光るモノがあったりするんだぜ?』 『アンケートや売り上げで幾ら負債(マイナス)は覆らなくても』『物語の結末は無にならない』 『負け犬って罵られたって』『失敗作だって笑われたって』『ご都合主義だと嘲られたって』 『誰も死なず、幸せな大団円を迎えられたのなら、収支はマイナスでも物語の終始は幸福(プラス)で釣り合っている』 『でももし』 『君がヒロイン全員に振られたり あるいはヒロイン全員が間に合わず死んでしまったり、はたまた君自身があっさり死んでしまったとしたら』 『いよいよ晴れて過負荷(ぼくら)の仲間入りだ』 『そしたらその時は』 『夕暮れの校庭の桜の木の下で』 『校舎の屋上のフェンスの下で』 『「俺達、ずっと親友だよな!」って』 『温い友情で慰めてやるよ』 『僕達マイナス十三組はいつでも君を歓迎するよ!』 ◆ 【D-7/1日目・朝】 【宮本明@彼岸島 48日後…】 [状態]:ダメージ(小)球磨川への不快感及び嫌悪感 [道具]:基本支給品一式、宇髄天元の日輪刀@鬼滅の刃、不明支給品0~4 [思考・状況] 基本方針:雅を殺す。 1:雅を殺す。その後の事は雅を殺した後に考える。 2:少なくともPENTAGONまでは球磨川と上杉と共に行動。 3:球磨川に警戒。 [備考] ※少なくとも西山殺害後より参戦です。 【球磨川禊@めだかボックス】 [状態]:健康、『劣化大嘘憑き』に制限 [装備]:学ラン、螺子@めだかボックス×たくさん [道具]:基本支給品一式 [思考・状況] 基本方針:自由気まま好き勝手に動く。 1:『めだかちゃんたちに会いたいな』 2:『とりあえず上杉くんについていこうかな』 3:『明ちゃんとはいい過負荷(ともだち)になれそうだなぁ』 ー:『バトロワラブコメ化計画進行中。予定?そんなの永遠に未定だよ』 [備考] ※『劣化大嘘憑き』獲得後からの参戦。 【上杉風太郎@五等分の花嫁】 [状態]:健康、球磨川禊に形容しがたい不快感、精神的ショック(やや快復) [装備]:制服 [道具]:基本支給品一式、CBR400R@現実、ランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:殺し合いからの脱出、生還を目指すが、具体的にどうするのかはわからん。 1:一花、二乃、三玖との合流。 2:PENTAGONを目指す。 3:俺はアイツらを―――――― [備考] ※修学旅行中(少なくとも79話ラスト以降)からの参戦。 Next 獣性目掛けて銃声は鳴る Previous だんだん遠くなってく君を追いかけていく 前話 お名前 次話 なんやかんやで第一印象は結構大事 宮本明 Alive A life 球磨川禊 上杉風太郎 目次へ戻る
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301 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/23(日) 23 43 45 ID xHHgYQ9W ムッキムキ吹いたww でもプロイセンはムキムキというには細身な気が 302 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 00 24 51 ID 981zneGp いや、少なくとものとさまゲーでの奴は割とがっしりしてた 303 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 00 25 30 ID 9Jts0YHQ いつからイタリアちゃん好きになったのかも分からんしなー あの漫画の時点では「イタリアってやつ」扱いだし 304 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 01 25 06 ID PEDeSSGn 300 『プロイセンとムッキムキの騎士たち』って構図が頭から離れないんだがw 建国祝いで酒を飲み交わすとか肩車で街中パレード状態とか… 305 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 01 48 32 ID Obidjb9u 304 なぜかあなたの書き込みで ドイツに肩車されてるプロイセンを受信してしまいました。 実にすみません。 306 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 02 29 16 ID PEDeSSGn 305 謝ることないよ。 自分はそのレスを読んで、プロイセンが仔ドイツ肩車してる図を受信してなごんだからw ムキムキなドイツの手のひらや肩を足場にしてプロイセンがる何かによじ登る姿もセットで降りてきた。 また違う味わいがあって良い。 307 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 02 34 03 ID 1jTkT6wQ 私は304のレスで 屈強な騎士に肩車されて目をキラキラさせているプロイセン(ちび)を想像して和み、 305のレスで 困り顔のドイツに肩車されて目をキラキラさせているプロイセン(でか)を想像して吹いた ちびの頃のプロイセンって自分を確立するのに必死で周りがあんまり見えてないイメージ 308 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 02 50 01 ID Pp/kPegU プロイセンが仔ドイツ肩車 激しくなごむw 対デンマーク戦争、普墺戦争、普仏戦争のあたりのエピソードが見たい。 ナポレオン戦争ではいいとこ無しだったプロイセンが快進撃していくのも 痛快だが、どのあたりからドイツが誕生して成長していくのかが気になる。 プロイセンがドイツ統一戦争を勝ち抜くことで、仔ドイツが急成長したんだろうし。 プーの子育て日記が存在したりして。 309 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 08 15 33 ID 5SVTnQm1 プーが子独を育てたと仮定したら、奴はずいぶん子育てうまいよね ドイツも多少何か思ってても何だかんだでプを慕ってそう 310 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 10 03 23 ID Obidjb9u 308 「今日もドイツが可愛かった」 の書き出しで全て始まっているに5000ペリカ>子育て日記 311 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 10 17 53 ID 5SVTnQm1 310 ゴメンね、ペリカに吹いちゃった 312 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 11 40 29 ID PEDeSSGn 310 その後には「まるで昔の俺みたいだ」って続くんですね、わかります。 313 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 12 22 28 ID 5SVTnQm1 ○月×日 今日もヴェストは可愛かった。 まるで小鳥のようで、昔の俺を思い出した。 314 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 13 04 28 ID SJ10okFU 300 1660 色男(1660)、俺様参上(誕生?)プロイセン とかはどうだ?二つ目の6が厳しいが… 297 自分は イヤでゴザる(1853)ペリー来航 で衝撃受けた。 315 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 13 06 06 ID SJ10okFU 300 1660 色男(1660)、俺様参上(誕生)プロイセン とかどうだ?二つ目の6が厳しいか… 297 自分は イヤでゴザる(1853)ペリー来航 で衝撃受けた。 316 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 15 27 41 ID Obidjb9u 密かに306=312のIDからゲルマンな香りを嗅ぎ取りましたw 317 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 16 02 28 ID PEDeSSGn 316 うお、自分だ。 ドイツのお菓子食べてるから香りが移ったんだよwナンチテ 318 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 17 19 22 ID 1jTkT6wQ ドイツのお菓子ってどんなんなの? 無知すぎてバームクーヘンくらいしか思いつかない ドイツでは前菜からデザートまでジャガイモでつくれるらしいけど、ジャガイモのお菓子も多いんだろうか? 319 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 17 52 50 ID PEDeSSGn 318 ユーハイムってケーキ屋さんの、フランクフルタークライツってケーキ。 デパートでよくバームクーヘン商ってるお店だし、知ってる人は多いと思う。 ジャガイモのデザートってあるんだ…。 まあサツマイモやお米の和菓子があることを思えば、不思議ではないけど。 320 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 18 00 10 ID 5SVTnQm1 カルトフェトルテっていうジャガイモのケーキがあるらしい 321 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 18 09 06 ID qsyQBcav 314 確かに、できれば語呂合わせ部分は一文節で纏めたいか。 ムッキムキは長いしね。 更に改良を加えてみた。 ↓ 1660 拡げろぉー!!(1660) ここから始まる俺の「国」!プロイセン公国成立 ※ちなみに「ぉー」はオー(O)だから0 322 名前: ハァハァハァハァハァい 投稿日: 2008/11/24(月) 18 35 40 ID uXChDtPF ギルかあいいいい 323 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/24(月) 21 38 58 ID PEDeSSGn 320 レシピ見てきた。 単純だけど加減難しそうな料理だね。 ドイツが作ってる図を想像して和んだw 321 一度覚えたら忘れられないインパクトでは、ムキムキが最強だと思う…。 324 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 13 21 30 ID sWKKrFSM ムッキムキにしてやんよ~♪ とネギの代わりにフルート両手に踊るプロイセンが脳裏を過ぎったんだぜ 325 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 14 32 22 ID CJ9Af3KN 324 プロイセン「ムッキムキにしてやんよ」 過去の実績:ドイツ こういうことか! 326 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 14 42 57 ID L9mhKnzO あれはプの(軍事的)教育の賜物だったわけだ 327 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 17 35 13 ID Z3fSZmtG ドイツムキムキかわいいスレより 31 2008/11/25(火) 15 12 23 ID 7NRYu0rz[sage] プロイセンよりこいつの方が不憫だと思う 性格的な意味で いやいやプーのほうが!と言おうかと思ったが、実際あいつ楽しそうだから不憫じゃない気がしてきた。 328 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 17 57 28 ID otXUztZu ネタにできるレベルの不憫ではあるよね プより可哀想なキャラは沢山いるけど ふびんwと笑えるのはプとイギくらいなもんか 329 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 18 30 49 ID CJ9Af3KN まあプロイセンもイギリスも国家としては勝ち組っつーか…悪どく計略めぐらして勝ち上がってく側だし。 憎まれっ子世にはばかる分、不憫でネタにもしやすいんでしょう。 プロイセンの場合はWW2後を考えると、シャレにならないレベルの不憫もあるけどね。 330 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 19 14 14 ID 8cNmjcPG >325 乗り遅れたけど ∧_∧ ドイツ?ムキムキにしてやんよ ( ・ω・)=つ≡つ (っ ≡つ=つ / ) ババババ ( / ̄∪ 331 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 19 36 06 ID r74fNI5G 明治日本がムッキムキの軍事強国になったのは普憫のおかげなのか 332 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 20 09 58 ID ucHQP3tW お雇い外国人(陸軍専用)として 高笑いと共に富士登山演習を指揮するプロイセンを受信した 333 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 21 42 28 ID ndOPwQ9c 近代軍制における参謀本部はプロイセン発祥だね。 情報収集で、戦う前に勝敗は決まっている、というやつ。 プーは実は頭脳派でもあるんだぜ。 334 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 21 53 05 ID tlyNf19j あれ…? スレ序盤でどちらかと言えば笑われてた 「冷たく、青白く光る、揺ぎ無い理性の国」 「粗野な理性国家」 っていうフレーズが不自然でない流れ? 国家を持つ軍隊だとか人造国家だとか、 プロイセン関連の説明はいちいち想像が広がって困る でもショボーンしながら高笑いするプロイセンを見て我に返る 335 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 22 00 24 ID 8cNmjcPG 334 確かに、ひまさんのあのキャラクター設定がなかったら APHで一番かっこよさげなキャラになってた可能性もあるなw まぁ、そんなかっこいいだけの普憫に興味はないわけだが 336 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 22 22 46 ID L9mhKnzO ヘタリアのプロイセンの場合 ・カッコいいけどなんか残念なキャラ ・全体的に残念なのに何故かカッコいいキャラ どっち? 337 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 22 23 14 ID Z3fSZmtG 確かに、軍事国家で規律正しいが思想自由な受け入れ国でどんどんおっきくなってドイツを育て上げすべてをドイツに託して消えていくなんてかっこいいプロイセンは私の好きなプロイセンじゃない!! しかしかっこいいなクソゥ(´・ω・`) 好きだ。 338 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 22 24 49 ID rFFg6An6 336 下だと思う。 なぜプーが人気出て、ひまさんに贔屓されるまでになったか今でもわからん。 てか、ただの悪役だった頃から好きだった自分もよくわからん。 339 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 22 29 25 ID L9mhKnzO とりあえずクリスマスの例のシーン(楽しすぎるぜー)で 多数のファンをゲットしたのかと思ってる そしてひまさん自身もこのネタ気に入ってると思う 340 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 22 38 02 ID 8cNmjcPG 336 自分も後者かなぁ 私は初登場時はそんなにハマってなかった筈なのに 気がついたらプロイセンの魅力に取り憑かれてたよー スーパー速記術を披露した頃には既に虜だったわ 341 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 22 50 33 ID zW5rM3q2 全体的に残念なのに歴史補正で格好いいキャラ ってことで後者で にわかファンの私がプロイセンを初めて見たのはクリスマスのヤツだった。 イギリスと見分け付かなかったなんて内緒 その後、継承戦争で悪役やってたから、かわいいなって思った (ヒール役大好きなので) 342 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 22 50 45 ID DD+2v9JF 本から入ったから最初プロイセンは怖くてずるがしこくて嫌なイメージしかなくて なんでみんなどこが好きなんだ?と思ってたww 本家ではあれが初登場で帽子で髪型誤魔化されてるところなんだよね? 343 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/25(火) 22 51 27 ID ndOPwQ9c 最初はただの悪役っぽかったのに、なぜか魅力的になってしまう。 それがひまさんクオリティ。 いくらでもかっこよくなれるはずなのに、そんな王道はいかず、外しまくってるのがじわじわとツボにくるというか。 344 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/26(水) 20 12 00 ID XHW49RvZ タンネベルクのやられっぷりに惚れた 今はもちろん最愛のキャラだ 345 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/26(水) 21 51 14 ID H8W+QB2u 「フリッツ親父も見守っててください・・・・・!」でなんかカワイイと思った。 346 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/26(水) 22 08 59 ID mkXsAU+n 初めて本家に辿りついて一番最初に読んだ漫画が当時トップにあった典波戦争だった ワケワカランと思いつつ、性格悪そうな短髪に惹かれてた はっこれが運命か 347 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/26(水) 22 16 27 ID pNgDKsO2 高笑い&やられキャラ好きな自分にはピンポイントすぎたんだぜ あとおれさま日記での、意外と常識人っぽい所も萌えたw ハンガリーのちんちん生える発言聞いた時の顔がたまらんww 348 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/26(水) 23 55 04 ID Ree7eoKZ ハンガリーさんとプロイセンのコンビは可愛くて好きだ 普段は殴ったり殴られたりな二人だけど ハンガリーさんがプロイセンに抱く感情が複雑そうで萌える 349 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 02 30 29 ID 0DY0big5 347 最後の一行に激しく同意wあの表情たまらん 今までで一番萌えたコマかもしれない…あれなんかツボおかしいかな自分 350 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 12 41 35 ID F7IE7vBS 前は、別に好きでも嫌いでもないキャラだったんだけどね。 それがWW2後って消滅かなーと思って、なんか気にするようになって。 クリスマスの時、現代の話で出てきた→生きてたー!!!って凄い嬉しくて、気がついたらハマってた。 ・・・・あれ?なにこの吊り橋効果。 最初の頃はスルーしてた、高笑いして途中で咳き込む普憫も今では萌え対象だw 351 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 12 44 43 ID /x0t+r4U 「一人楽しすぎるぜ」のコマの目のうつろさがいい 352 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 16 58 45 ID QxQKSjk9 三枚目使い捨て悪役っぽくて自分も最初はスルーしてたんだけどなぁ クリスマスの時も正直カナダより「誰?」だったし。 むしろ、プロイセンなんてもういねーだろw滅んでるしw くらいの勢いで目に入っていなかった。 クマの生首なんか被って馬鹿じゃねーのこいつうぜー… と思っているうちに目が離せなくなりました。 生き生き高笑いしてる時と虚ろに一人楽しすぎる時のギャップがたまらん 一人で悩むの辛すぎるなんて、案外真っ当な男の子で可愛いと思う。 353 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 17 24 38 ID +0mZTHRA クマの生首 ちょw あれ帽子伸ばしてるんだよねw 自分も最初あんまり意識して見てなかったけど、 だんだん好きになっていったな。 アメリカ争奪戦のイギリスとフランスがケンカしてるコマの 後ろで微妙な顔してるプーも可愛いよ 354 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 17 37 16 ID FbAWLaEq 正直最初プロセインだと思ってたしこいつはドイツなのか、いや違うだろ とか何この可哀想な子とは思っていたが、今はドイツの次に大好きだ よく「イギリスと見分けつかなかった」って言う人いるけど 髪型と不憫以外で似てるとこあるっけ? 355 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 17 49 30 ID iPh7pXTK というか最初は主に髪型で見分けてたから イギリスは眉毛、プロイセンは白抜き黒点の目で見分ければいいとわかったら 間違わなくなったけど オーストリア継承戦争は混乱したなー 356 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 17 50 40 ID /x0t+r4U 自分もかつて全体にキャラの区別つきにくいと思ってたが イギの眉毛に気づいてからはあっという間に全員覚えた 357 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 20 49 31 ID CSe/caWE イギリスと見分けつかないって… 普段あの眉毛にフィルターでもかかってるのか? 358 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 21 30 52 ID Mq7dMaEu 357 フィルターにごんぶと眉毛を書いて、プロイセンに貼り付けたい誘惑に駆られたじゃないか。 強制的に紳士になったりしないかなーw 359 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/27(木) 23 30 15 ID Str4dk8W 358 ニヤリと口元を歪めた紳士ができそうだなw イギとプーの違いは 眉毛(重要) 髪の分け目 表情(童顔orチンピラぽい)・・・かな? 360 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 00 08 11 ID l1/NzqlT 見慣れると全然違うんだけどなw むしろ顔的にはスーさんの方が似てないか? ドイツ、プロイセン、スウェーデン、スイスはゲルマン民族的な意味で目が似てるのかと思ってた wiki知識だから現在のゲルマン民族とかよく分からんけど 361 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 00 21 58 ID xCQt6dg/ ポーランドの目も同じだよな オーストリアは違うからゲルマンは関係ないと思う というかひまさん目の描き方 3~4種類しかないと思う… 360のあげたキャラの白っぽい目 日本、リヒのいわゆる死んだ目 その他通常の目 それに眉毛や表情で変化付けてるだけかと 362 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 00 26 01 ID G8vQfH5x オーストリアは純ゲルマンじゃないから 363 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 00 33 17 ID /wqK9d31 361 三、四種類って少ないほうなのか?w>目 正直、標準か、ちょっと多めなくらいだと思う。 364 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 00 38 52 ID xCQt6dg/ 多い少ないとはわからないけど 目の描き方の類似から キャラ関係の考察をするには弱いかな、と 365 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 01 08 13 ID NoABHHts プロイセンがドイツの叔父だったらいいなー 一昨日テレビでドイツ特集やってたけど、フリードリヒ大学が出てたよ。あとWW2の話も少しだけ出てた 366 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 03 53 17 ID CmQjESB2 NHKの世界ふれあい街歩きでベルリンが取り上げられた時、壁の後に沿って 歩くっていう企画だった。検問所跡で観光客向けにいろんな国の軍服の レプリカを売ってて、人気があるのは旧東ドイツの軍服だそうだ。 理由は「もう無い国だから」だって。 カメラに写る今のベルリンは、広々して落ち着いてて、明るい印象だった。 プロイセンの都、としてその歴史を考えると、すごく感慨深い回だった。 ついでに11月30日総合での放送はオーストリアのザルツブルグだ。 367 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 20 11 41 ID ui/0RY/W 362 オーストリアが純ゲルマンじゃないから目が違うんなら もっと混血のスイスはどうなるんだという問題が 368 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 20 36 38 ID HzdnY28i 世界ふれあい街歩き、ベルリンの回、カレーソーセージがうまそうだったな。東ドイツ生まれのファストフード。 369 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 22 01 31 ID HkTl7Sf/ 神聖ローマやリヒも目が白くないよね 370 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 22 17 37 ID 4D+hJ3GY いいな、それ見たかった。 再統一後に「旨いだろ?」って自慢げに奢ってるプーまで受信したw 冷戦期のプーが東ドイツだったとして、その当時に生まれたものに対する感情ってどうなんだろ? なんかプーが物凄く割り切ってるのに対して、ドイツのほうが複雑な思いを感じてそう。 371 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/28(金) 23 51 01 ID 6LM57neP アンペルマンとかザントマン、トラバントとか まさにそうだよね でも西側に引き継がれたものが多いのを考えると 一生懸命ドイツが尽力してくれたのかもね 372 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 00 41 15 ID DmPGKYl2 なんかプロイセンって、良いものであればそれがたとえ忌まわしい記憶と結び付くものでも、割り切って愛用しそう。 一方でドイツはついモヤッとするし、プロイセンはそれを知ってる故にドイツに下駄を預けちゃいそうなイマゲ。 なんだろ、王権や領土に関する以外、プロイセンって欲求少なそう。 373 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 01 00 41 ID mkqpmGwm 現実主義者っぽいイメージがあるよね。 もともと土地に根ざして誕生した国ではなく、傭兵として植民地に入り、 母体となった集団も宗旨替えで性格を変え、上司のホーエンツォレルン家も 西のシュヴァーベン発祥のよそ者、という、流れ者っぽい成立をしてるし。 だから伝統とか思い出みたいなものにはこだわらないというか、こだわろうにも 持ってないというか。 374 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 02 15 59 ID aHKmvxDi そこまで来るとヘタリアのプロイセンの話じゃないような 375 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 03 03 20 ID Vtmsx9z5 374 確かにひまさんの思うプロイセンとは違うかもしれないけど、 ここの住人は(自分含め)ヘタリアをきっかけに プロイセン(もしくはプロイセン王国)に純粋に興味を持った人が多そうだから 解釈の仕方は色々あるんじゃないかな 私自身は史実のプロイセン=ヘタリアのプロイセン で脳内変換してしまうけどね 376 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 07 50 21 ID kn3n/e5K まあ夢は見すぎない方がいいってことじゃね そうやって独学で普について調べて妄想進めたあげく 「本家普は普らしくない!もっとこうあるべき!」と堂々とふじこった奴を知っている 377 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 09 31 20 ID i/1DVUaj そういうのを史実厨って言うんだな (歴史ネタを書くだけの人をそう呼ぶのは間違ってる) 378 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 10 23 32 ID DmPGKYl2 まあ自戒すべきところは自戒しながら、楽しく盛り上がっていければいいんでない? ところで、プロイセンが女性の胸の感触を知っていた件だが。 379 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 10 52 06 ID WwxDVCB0 プーは女っ気ないからなー。母親とかいないし、王女や姫もそんなに有名どころはいないよなぁ…? あの時にはベラもウクもいなかったし…だれだ、だれのを触ったんだプロイセンおまえ…!! 380 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 12 26 27 ID Vtmsx9z5 でも発祥は修道会だから、シスターたちに可愛がられた経験なんかがあるかもしれんよ そのときはギルも幼かっただろうから いわゆるマリア様のような 母の愛ですくすく育ってたかもしれん 381 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 12 55 39 ID DmPGKYl2 当時の修道会って男ばっかじゃないかと。 むしろ、治療行為中に何かの拍子であたったとか、息子を亡くした母親に泣き縋られたとか。 いっそ触ったのは人間以外の動物で、周りの悪い大人に「感触似てるぞ」って吹き込まれたとか。 ……戦勝時に街娘に抱きつかれたとでも思っておくか。 382 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 13 01 38 ID i/1DVUaj 小さい頃なら「よしよし」されたこともあっただろう 383 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 13 07 46 ID QtaWYvLD その頃はマリアの名に相応しい愛らしい子供だったんだろうか 全然想像つかないがw ウサギにケセセセ笑ってるイラストあったし、ちっちゃい頃からあんなもんかw 384 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 13 12 35 ID WwxDVCB0 381 >戦勝時に街娘に抱きつかれたとでも思っておくか。 うわあ不覚にも萌えたwそれが初めてのタッチてw戸惑い真っ赤になるプーを受信した! 385 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/29(土) 23 12 15 ID DmPGKYl2 まあ人間や動物じゃなくて国だとしたら、可能性あるのはギリシャ母さん(ビザンツ帝国?)あたりかねえ? 接点あるかわからないけど。 386 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 11 00 20 ID upwRI87O 乳の感触を知る経験をする→ちびハンガリーの貧乳もみもみ→成長していくハンガリーの乳を見守る →ロシアの家でウク&ベラの巨乳を拝見→巨乳ハンガリーにフライパンでどつかれる プロイセンのくせにけしからんな 387 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 11 45 19 ID goc9Gb0N ドイツのムキムキ胸筋もなw 388 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 19 09 11 ID si7N3zDr ちょっといきなりでごめん。 突然降って来て、自分で「ないないない、ありえない」って言い聞かせるのに必死なんだが。 ・・・・・・・・プーがネオナチになるなんて、ないよねえ? マフィンや新聞くんみたいな存在があるなら~って、脳内で止まらないorz 389 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 19 16 07 ID +NNB4+8/ ネオナチも何も… 390 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 19 35 28 ID Cb0dIS9x >388 一度ちゃんと「ネオナチ」についてググることをお薦めする 391 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 19 54 03 ID nVUTGDDC 388 組織が国に、国が組織になることはあったとしても、それは無いだろ…。 それくらいならドイツ騎士団(慈善団体だっけ?)になってるんでない? 392 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 19 56 44 ID ficFTBVE そういえば、戦後「ドイツがナチズムに走ったのはプーの躾が悪かった所為だ(ヘタ的表現)」と もう既に亡いプロイセンに責任をおっかぶせようとする論調があったそうだけど それって軍事にすぐれていたのと小ドイツ主義の所為なのかねぇ?浅学な俺に教えて、詳しい人 個人的には、プーはドイツが嫌う以上にドイツの上司を嫌ってそうなイマゲ 政治思想云々以前に、チョビ髭がオーストリア出身的な意味で 部屋にフリッツ親父の肖像を飾るのを見てイラッときてる状況を受信した 393 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 21 10 32 ID Cb0dIS9x 392 まぁ、アメリカ主導で西側諸国の戦後復興が進められた訳だが、 アメリカとしては共産圏対策として欧州の軸となる 強固な国家(つまりここではドイツ)の復興が不可欠だったのだな。 で、復興させやすくするためというか、 「ナチズムは全部プロイセンが悪(ry」 ということにすれば、日本のような自虐的史観を持たずして 国の復興を押し進める事が可能だった訳 因みに、チョビ髭のほうもオーストリア(ハプスブルク)と 同じくらいホーエンツォレルンのことを憎んでいた筈 つまりは貴族が憎かったようですが。 394 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 21 39 42 ID ZQpOKYJg 日本はしかし原爆を受けたことでむしろ被害者意識が強く出ている し、天皇制もやめてないから、自分たちのやったことを根っこから否定せずに ここまで復興したようなイメージ ドイツは逆に自分達の全てをやり直さなきゃいけなくなったからなぁ それまで高度な文学や哲学を誇ってきたからなおさら プロイセンとナチズムはむしろ相反するものじゃないか。 ナチスはむしろドイツ統一の時にできなかった大ドイツ主義を目指したわけだし。 ナチズムが広がった一番の原因はWW1後の就職難とインフレとヴェルサイユ条約の不完全さ だと思う。 395 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 21 40 38 ID nVUTGDDC 393 全部プロイセンが悪い、か…。 それを否定したくても、表立っては否定させてもらえないドイツを受信した。 真面目なヤツには胃が痛そうだなー。 一方でプロイセンは、名がどうあれ実は貰っとけーってケセセセと笑ってそうだw 悪名なんざ今さらだろうし。 396 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 21 53 18 ID +NNB4+8/ 394 >就職難とインフレとヴェルサイユ条約の不完全さ 鳩時計の時代か 397 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 22 56 44 ID Cb0dIS9x >394 厳密に言うと、就職難≒失業率の悪化ね でも、その雇用を生み出すために建設されたアウトバーンが 現代でもドイツを象徴するものとなっているのは皮肉なもんだね しかしいつ来てもこのスレはアカデミックというか、 真面目に歴史を勉強してる人間が多くて尊敬するよ プロイセンスキーって精神的に大人な人が多そうだね(自分は実際年寄りだが) 398 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 23 00 07 ID IrXEcbFV あー、実際、プ好きにそう妙なのがいる気はしないな。 しかし相手は小学生男子だ、この最大の謎。 …歳取って趣味が若返ったとか戻ったとかそんなだろうか。 399 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 23 36 50 ID /DKJk2vD 例のドイツの上司は、普墺戦争で負けたオーストリアがプロイセンに送り込んだ 復讐だったんだ、っていうジョークがあるそうだ。 プーはフリッツ親父と第三帝国が一続きと見なされることについては、 「てめーら、俺の親父をあんなのと一緒にしてんじゃねーよ」って反発してるといい な。 プーは小学生男子なガキっぽさと、親父への忠誠があわさって、仔犬のようなイメージが ある。 …本人は自分を小鳥のようと考えてるようだが。 400 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/11/30(日) 23 55 22 ID +NNB4+8/ 今のところあの時代のプロイセンって 植え込みに隠れてたり 高速でいんちき本書いてたり日記読んでたりしかしてないな 仕事してないんか? 軍服着てるし一応軍に籍はあるんだろうけど
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ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL 第21話 Mobius1 VS Yellow13 戦場と化したクラナガン市街地――。 ベルツ率いる陸士B部隊はその兵力全てを持って、ガジェットによる防衛線の切り崩しにかかっていた。 彼らの武装は多くがアサルトライフルやサブマシンガンで重火器は少ないが、ベルツたちはそれを高い士気で補っていた。 「正面、ガジェットⅠ型が四!」 「お帰り願え!」 行く手を遮るように現れたガジェットの群れに対して、ベルツは真正面から挑んだ。レーザーの青い閃光が途切れることなく飛んでくるが、 彼は冷静な思考を保ち、アサルトライフルの照準を合わせ、引き金を引く。 短い間隔で放たれた魔力によって雷管を発火させる弾丸は、的確にガジェットⅠ型のカメラを撃ち抜き、機能不全に陥らせた。盲目になった 哀れな彼らはなおもレーザーを乱射するが、闇雲に撃って当たるものでもない。陸士たちはこの隙に接近、至近距離でアサルトライフルの弾丸 を叩き込み、Ⅰ型を掃討していく。 「――まずい、伏せろ!」 だが、Ⅰ型の掃討を部下に任せて周囲を警戒していたベルツは叫ぶ。ビルの陰から巨大な球体、ガジェットⅢ型が姿を現していた。 Ⅲ型の放つレーザーはⅠ型のそれに比べてはるかに威力が高く、二本のアームによる格闘能力も脅威だった。 青白い閃光が市街地を走り、退避が間に合わなかった陸士たちを吹き飛ばす。ベルツは舌打ちしてアサルトライフルをフルオートで連射する が、Ⅲ型の装甲はやはり頑丈だった。銃弾はことごとく弾かれてしまう。 「無反動砲は……!?」 ひとまずビルの陰に身を寄せ、手近にいた部下に無反動砲はないか聞いてみるが、返事が無い。肩を叩くと、部下はその場に崩れ落ちてしま った。よく見たら顔面をレーザーで撃ち抜かれ、潰されていた。 くそ、と吐き捨てるベルツだったが、突然空から大量の魔力弾が降ってくるのが見えた。降り注がれた魔力弾はガジェットⅢ型の中でも唯一 装甲が薄い上面を貫き、爆発。戦闘機と違って陸士部隊の進撃スピードに速度を合わせられることから、近接航空支援を受け持った本局の空 戦魔導師の援護だった。 「ったく、世話が焼けるぜ、陸の連中は」 「サンキュー、助かった。終わったら一杯おごるぜ、兄弟!」 「楽しみにしておく」 空に浮かぶ空戦魔導師と短いやり取りを終えて、ベルツは部下を率いてさらに前進する。 地上からクラナガン奪回を図る陸士部隊は本局の空戦魔導師の援護の下、ガジェットの防衛線を突破しつつあった。 だが、空の戦況は、決していいとは言えなかった。 ドックファイトにもつれ込んだはいいが、やはり絶対的な戦力差は地上本部戦闘機隊の技量をもってしても、覆すことが出来なかった。 「この野郎……!」 Mir-2000を駆るスカイキッドもまた、後ろについた敵機Su-35を振り切ろうと必死になっていた。 同時に複数の目標を攻撃できる中距離空対空ミサイルが使えれば、こんな奴らはあっという間に蹴散らせそうな気もする。だが、クアットロ が"ゆりかご"艦内から仕掛けてくるECM(電波妨害)がそれを許さない。空中管制機ゴーストアイのECCM(対電波妨害)でどうにか通信とレーダー が使えるのが今の状態だ。 安全のため身体を固定するハーネスをあえて緩めて、スカイキッドは身を乗り出して振り返り、後ろのSu-35の様子を伺う。とっくの昔に短距 離空対空ミサイルの射程に入っているのに撃ってこないのは、機関砲でなぶり殺しにしたいからだろうか。 ――無人機の癖に舐めやがって。 人間様を舐めるな、とスカイキッドは操縦桿を引き、愛機を急上昇させる。そのまま宙返りを打つのかと思いきや、彼は途中で操縦桿をなぎ 払い、もう一度引く。ぐるりと回転する視界に、次の瞬間襲い掛かってくるG。ハーネスを緩めていたせいで、身体をコクピットの至るところ にぶつけてしまった。 それでも、スカイキッドは酸素マスクの中で笑みを浮かべた。Su-35はこちらが宙返りするものと思いそのまま上昇を続けていたが、彼の機体 は宙返りを途中で打ち切り、ロールでひっくり返って機首を下に向け、Su-35をオーバーシュートさせたのだ。 もらった――無様な後姿を見せるSu-35に向かって、迷わずスカイキッドは機関砲の引き金を引く。放たれた三〇ミリの赤い曳光弾はSu-35の 左主翼を粉砕し、コントロール不能に追い込んだ。 「スカイキッド、スプラッシュ1……」 くるくると回転しながら落ちていくSu-35を尻目に、スカイキッドは機体を水平に戻し、周辺警戒を行う。 視線を巡らせると、二時方向、かすかに見える黒点が市街地に向かって降りていく――なんだって、まずいぞ。 「こちらスカイキッド、敵機が一機抜けた! 地上部隊は警戒を……うお!?」 通信機に向かって怒鳴っている最中に、コクピットにロックオン警報が鳴り響く。視線を上げると、二機のSu-35がこちらを狙って急降下して きた。どうやら、他人の心配をする余裕はもらえないらしい。 くそったれ――歯を食いしばり、スカイキッドは操縦桿を引いて敵機に挑む――上等だ、叩き落してやる! 低空へと降りていった一機のSu-35は、市街地上空を飛行する一機のヘリに狙いを定めていた。 そのヘリは、機動六課の新人フォワード部隊を搭載した、アルトの操縦するものだった。 「こちらゴーストアイ、警告! 敵機が接近しているぞ!」 「了解、了解――ええい」 管制機ゴーストアイからの警告を聞くまでも無く、アルトは後方から迫るSu-35を目視、急機動を繰り返す。 とは言え、所詮はヘリの機動力である。超音速を超えるスピードを発揮し、その上低速域でも優れた安定性を誇るSu-35を簡単に振り切れるは ずもない。 アルトは操縦桿を薙ぎ払い、派手にロールを打つ。でたらめな急機動だったが、Su-35の放った三〇ミリ機関砲を回避するにはこれしかない。 もっとも、おかげでキャビンのティアナたちはひどい目にあってしまう。 『うわあああ!?』 「ごめん、みんな! しっかり掴まってて!」 悲鳴を上げ、頭を機内にぶつけるスバル、尻餅をついてしまうティアナ、キャビンの中を転がるエリオ、手すりに必死にしがみつくキャロ。 とりあえず謝った上で、アルトはヘリの高度を思い切り下げて、ビルの立ち並ぶ市街地の合間を縫うように飛ぶ。 こういうとこなら、さすがの戦闘機も――そう思ってレーダーに視線を送るアルトだったが、それがどうしたと言わんばかりにSu-35は食らい ついてくる。無人機ゆえ、普通のパイロットなら感じるであろうビルや地面への衝突と言う恐怖を感じることが無いのだ。 「……アルト、ハッチ開いて!」 「えぇ!?」 「いいから早く!」 その時、何を思ったのかティアナがクロスミラージュを引き抜き、アルトにヘリのハッチを開けるよう指示してきた。 「冗談じゃないよ、ハッチ開けたらスピードが落ちちゃう……!」 「このまま普通に飛んでも落とされるだけよ!?」 「ああもう、了解了解」 半ばやけくそ気味にアルトは手元のスイッチに手を伸ばし、ヘリのハッチを開く。途端にキャビンに強い風が吹き込んできて、冷たい外気が ティアナたちを襲った。その向こうには、好機と見たのか急接近してくるSu-35の姿が。 ティアナはすっと息を吸い込み――クロスミラージュを右手一つで構え、引き金を引く。放たれた一発の魔力弾はまっすぐ飛び、Su-35に限ら ずあらゆる航空機の無防備な点、エアインテークに吸い込まれる。 数瞬の後、Su-35はエンジン部で派手な爆発を引き起こし、バラバラになりながら地面に落ちていった。 くるくるくるくる、パシッ。ガンマンの如くクロスミラージュを手の中で回転させ、ティアナは最後にそれを止めて、呟く。 「ざっと、こんなもんよ」 何でもない、当然のことをしただけ、と言ったような表情を浮かべるティアナの横顔には、すでに出撃前の不安の色は消えうせていた。 一方で、地上本部跡地。 一人の魔導師が空と地上で繰り広げられる戦火の嵐を眺めていた。名を、ゼストと言う。 ――解放のための戦火、か。レジアス、これが貴様の目的か? 瓦礫を掘り起こしてようやく見つけたかつての旧友は、ほとんど爆心地の中心にいたにも関わらず、眠っているような状態で死んでいた。それ も、武人として自分に出来ることは全てやり尽くしたような、安からかな死に顔だった。 羨ましい、と彼は思う。レジアスは自分の犯した罪と正面から向き合い、そして死んだのだ。だと言うのに自分ときたら、今や死んでいないだ けの無意味な生を甘受し、スカリエッティの手駒同然になっている。 今から管理局に投降する――それも、考えはした。だがルーテシアは依然としてスカリエッティに付き合う様子だし、何より武人としての血が それを許さない。 ならば最後は武人らしく散るか。それが、もっとも自分にふさわしい死に方のような気がした。 この場に黄色の13がいたら止めに入るだろう、だが彼はあいにく別任務で空にいる。 「旦那……」 傍らの妖精、アギトは不安そうな表情を浮かべている。目的を失った今、彼が何をしでかすのか分からないのが原因なのは明確だ。 「お前は付き合わなくていい」 自身のデバイスを手に取り、ゼストは立ち上がる。陸士たちによる奪回部隊は、もうすぐそこまで迫ってきていた。 「冗談、あたしはとことん付き合うよ」 「……勝手にしろ」 どうせ言ったところで聞きはしまい。炎のユニゾンデバイスは「そうこなくっちゃ!」と頷き、ゼストに続く。 ふと、彼は空の様子がおかしいことに気づき、天を見上げる。 響き渡るのはジェットの轟音。それらがいくつか連なって、低空へと降りてきていた。 戦闘機隊が取り逃がした敵機は、ティアナが撃墜した一機だけではなかった。 たった五機のSu-35だったが、それらが低空へと舞い降り、順調に進攻していた陸士と空戦魔導師部隊に襲い掛かる。 ガジェットⅡ型とは訳が違う性能を誇るSu-35は、空戦魔導師たちをいとも簡単に蹴散らしていく。 「くそ……ダメだ、このままでは全滅する! 我々は一時後退する!」 消耗を恐れた空戦魔導師たちは急ぎ後退――引き上げていく彼らを見ていたベルツは、どうにもいやな予感がしてならなかった。 そして、それは見事に的中してしまう。これまで一度か二度程度しか出現しなかったガジェットⅢ型の群れが、一斉に姿を現してきた。 「くそったれ! おいソープ、そこでくたばってる奴の大型通信機かっぱらって来い! 増援を呼ぶ!」 Ⅲ型の猛攻に苦し紛れのような銃撃で抵抗しながら、ベルツは信頼する部下に命じて、戦死した陸士のうち一人が担いでいた大型通信機を持って 来るよう命じた。並みの人間なら恐れるばかりで動くことすら敵わない弾幕の中、部下は通信機を引っ張ってきてくれた。 「使えるかどうか分かりませんよ!?」 「やってみりゃ分かる。こちらB部隊ベルツ、敵の猛攻に晒されている、増援を! もはや我、戦力無し!」 アサルトライフルの弾が切れた。ベルツは通信機のマイクに向かって怒鳴りながら、瓦礫に身を隠しつつサイドアームの拳銃を引き抜いていた。 増援要請を受けて真っ先に向かったのは、アルトの操縦する機動六課のヘリだった。新人フォワード部隊を降下させると、素早く戦場を離れる。 そうでなければ、またSu-35に追い掛け回される羽目になってしまうだろう。 降下したティアナたちだったが、そこにベルツたちからとはまた違う増援要請が入ってきた。どうやら、召喚獣が暴れているらしい。 「……部隊を二つに割くしかないわね。エリオとキャロ、そっちの方に向かって。あたしとスバルが、B部隊の援護に――!?」 指示を下している最中、ティアナは得体の知れない殺気を感じ取った。 「散開、命令どおりに二人は動いて!」 「りょ、了解……!」 「ご無事で!」 ただちにエリオとキャロから別れて、ティアナはスバルと共にその場を離れる。直後、飛び込んできたのは緑色の弾丸の雨。戦闘機人オットー によるものだ。 「ティア、こいつら戦闘機人……!」 「みたいね――通せんぼってことかしら」 跳躍し、オットーからの攻撃をよける二人。だがそこに、手近にあったビルから突然砲撃が浴びせられる。狙われたのは、ティアナの方だった。 回避は――間に合わない! せめて爆風による巻き添えだけは防ごうと、ティアナは咄嗟にスバルを蹴り飛ばす。「ティア!?」とスバルの方は訳が分からない、と言った 感じの表情を浮かべていたが、次の瞬間には当のティアナに砲撃が命中。寸前で跳躍したので直撃ではなかったものの、彼女の身体は弾き飛ば され宙を舞い、ビルへと突っ込んでしまう。 「っく!」 外壁を突き破り、背中が激しく痛んだ。それでも立ち上がった彼女はただちにスバルと合流しようとして、異変に気づく。外に出ようとしても、 何か目に見えない障害物があって、出るに出られない。 ――これは、封鎖結界!? よりにもよって孤立させられてしまった。かなり強固な結界のようだから、単独で破壊するのはたぶん無理だろう。 「ティア、大丈夫!? 怪我は!?」 「大丈夫よ。あんたはB部隊の支援に行って。あたしは……」 念話はなんとか通じるらしく、外のスバルの心配そうな声が聞こえた。だが、今のティアナにはそれに構っていられる余裕はない。 「――あたしは、こいつらを片付けてから行くわ」 彼女はスバルとの念話を断ち切った。ビルの内部、前に立ちふさがるのはナンバーズのウェンディ、ノーヴェ、ディード。 「馬鹿じゃねぇの? この戦力差を埋められるなんて……」 「正気とは思えないッスねぇ」 各々、装備を構えて彼女たちはティアナを小ばかにしたような言葉を放つ。 それでも、ティアナの表情が変わることはなかった。冷静にクロスミラージュを引き抜き、二丁拳銃のスタイルに。 「正気じゃないのは、あんたたちの方よ」 「あぁん? 何を言って……」 ノーヴェの言葉を遮るように、ティアナは顔を上げた。 その表情には、恐れなどが微塵も感じられない。まるで、歴戦の戦闘機乗りのような――メビウス1のような、"エース"の面構え。 やれるのか? と自分の中で、誰かが問いかけてきた。相手は三人、戦力差はいかんともしがたく、さらにいずれもが強力な能力を持っている。 だから彼女はこう答える。それが何よ、と。こっちは"リボン付き"のお墨付き。むしろ相手にとって不足無し。 ティアナが漂わせる、ただならぬ雰囲気に、ナンバーズの三人はわずかにたじろぐ。 「……怯むな、あたしたちだって伊達に13から指導してもらった訳じゃない」 それでも闘志を奮い立たせ、ノーヴェは構える。他の二人も、それに従った。 上等じゃない――ティアナもクロスミラージュを構え、戦闘態勢に。ナンバーズたちを、全力で迎え撃つ。 「――スターズ4、交戦!」 それは、以前機上無線で聞いた、戦闘開始を意味する言葉。単なる通信コードとしてだけでなく、自身を奮い立たせるもの。彼女の口から放た れたそれは、ISAF空軍のエースと同じものだった。 はっと、メビウス1はF-22のコクピットで周囲を見渡す。どこかで、ティアナが自分の名を呼んでいるような気がしたからだ。 「どうした、メビウス1?」 傍らを飛ぶヴィータが怪訝な表情を浮かべていた。メビウス1は「いや、なんでもない」と首を振って答える。 ――そうか、お前も戦いを始めたか。頑張れよ、お前ならやれる。 メビウス1は胸のうちでティアナに向かって呟き、正面に浮かび上がる巨大な目標に目をやった。 全身を七六ミリ速射砲と二〇ミリCIWS対空機関砲で固めた、鉄壁の要塞。古代ベルカの遺産である"ゆりかご"が、そこにある。 目標までの距離はあと二〇マイルほどあるはずなのだが、あまりの巨大さゆえメビウス1はレーダーに表示される数値の方を疑ってしまう。 「……まるで、XB-10だな」 かつてユージア大陸でクーデターが起こった時、クーデター軍が投入した超大型爆撃機。メビウス1は、"ゆりかご"を見た時、真っ先にそれを イメージした。しかも、XB-10はかつて世界に向かって戦いを挑んだベルカ公国の技術が入っている。 古代ベルカの空中要塞と、ベルカ公国の技術が入った超大型爆撃機。偶然とは言え、メビウス1は不思議な縁を感じていた。 ――いや、XB-10はスカーフェイス1が撃墜した。こいつも落とせなくはないはずだ。 とは言っても、自分一人では落とせない。そのために、彼はなのはとヴィータをここまで護衛してやって来た。 「こちらゴーストアイ、突入口は戦闘機のカタパルトを使う。確認できるか?」 「……見えました」 ゴーストアイからの問いかけに、なのはが答えた。彼女の視線の先には、"ゆりかご"下部に設置された戦闘機用の離発着用カタパルトがある。 そこから侵入し、動力炉並びにおそらくは"ゆりかご"起動のためのキーになっているヴィヴィオがいるであろう、通称"玉座の間"を破壊する。 外面からでは無理でも、これなら"ゆりかご"は中核にダメージを受けて機能を損失するはずだ。 その時――メビウス1は、F-22のレーダーに反応があったことに気づく。速度、マッハ2。機影は一機だけだが、高速でこちらに接近しつつあ る。メビウス1はこの機影に、覚えがあった。 「来たな……接触まであと三〇秒。スターズ1、スターズ2、五秒後にAMRAAMを全弾"ゆりかご"に撃ち込む。その隙に突入しろ。対空砲火はあ る程度ミサイルが引き付けてくれるだろうけど、完全じゃないからな。気をつけてくれ」 「了解――え、ぜ、全弾!?」 なのはは思わず聞き返す。確かに、F-22に搭載されている残り八発のAIM-120AMRAAM中距離空対空ミサイルが全弾放たれれば、ハリネズミのよう な武装の"ゆりかご"に接近しやすくなるだろう。だが、そんなことをすればメビウス1の手持ちの弾薬は短距離空対空ミサイルAIM-9サイドワ インダーと機関砲のみになってしまう。接近中の機影は、それだけで相手するには厳しい実力を持っている。 「そんなことをしたら……」 「馬鹿。残りの兵装だけでも勝てるさ――ヴィヴィオを助けてやれ。きっと待ってる」 あくまでも心配そうな表情を浮かべるなのはに向かって、メビウス1は不敵に微笑んでみせた。 なのははそんな彼を見て、意を決したように正面に向き直った。目標は戦闘機のカタパルト、対空砲火に掴まらないよう、まっすぐ高速で突っ切 る。 「よし……レーダーロック。メビウス1、フォックス3!」 メビウス1は、ミサイル発射スイッチを連打。主翼下、胴体内ウエポン・ベイに搭載されていたAIM-120が全弾空中に切り離され、ロケットモー ター点火。魔力推進の白い航跡を描きながら、"ゆりかご"に向かって突き進む。 「行け、ヴィータ、なのは! ヴィヴィオを頼む!」 「了解、任せとけ!」 「――了解。メビウスさん、ご無事で!」 「お前たちもな」 互いに敬礼を交わし、二人と一機は編隊を解く。 放たれたAIM-120に反応した"ゆりかご"の速射砲と機関砲は、即座に射撃を開始。速射砲は轟音を上げ、機関砲は野獣のうなり声のような音を立 てて分厚い弾幕を張る。たちまち先行した四発のAIM-120は対空砲火に引っかかり、使命を果たすことなく爆発してしまう。 それでも残った四発はどうにか対空砲火を潜り抜け、"ゆりかご"の外面に到達。複合装甲で覆われた本体にダメージは与えられなかったが、爆 風と破片が飛び散り、いくつかの機関砲をずたずたに引き裂いた。 わずかに弱まった対空砲火、それでも空中に咲く黒々としたガン・スモークは近づく者を威圧する。勇気を振り絞り、なのはとヴィータはその 最中を潜り抜けていった。 二人が無事に目的地にたどり着いたのを見届けたメビウス1は安堵のため息を吐き、すぐに頭を切り替える。 レーダーによれば、もう接近中の機影は視認可能な距離にまで近付いていた。 どこだ――メビウス1はキャノピーの外に広がる群青の世界に視線を巡らせる。 「決着をつける時が来たな、リボン付き」 彼が機影を見つけるのと、通信に聞き覚えのある声が入るのはほぼ同時だった。 双発のエンジン、空気力学的に優れた機体。全体を灰色主体の迷彩で彩り、主翼と垂直尾翼、尻尾に見える後方警戒レーダー用のレドームの先 端を黄色で塗ったSu-37。機首には同じく黄色で「13」の文字。 エルジア空軍のエース、黄色の13が、そこにいた。 「13……やっぱりあんたか」 「ああ。妙なものだな、あの時も首都上空だった……」 黄色の13に言われて、メビウス1はそういえば、と過去を振り返る。ユージア大陸戦争末期、彼と黄色の13が決着をつけたのもエルジアの 首都ファーバンティ上空だった。今回もまた、同じ首都、クラナガンの上空である。 「――13、あんた、自分のやっていることが分かっているのか? スカリエッティはテロリストだぞ?」 「知っている」 「ならどうして……」 そこだけが、メビウス1にとって大きな疑問だった。彼は戦闘機乗りとして、エースとして、誇り高い人間だったはず。それなのに、テロリスト の一味に加わっている。以前ぶつけた疑問を、彼は改めてここで問う。 「――下で、俺の教え子たちが戦っている。俺は、あの戦争である少年の家族を奪った。教え子たちはスカリエッティに生み出されたんだ」 「罪滅ぼしに親孝行を手伝うってのか? 馬鹿言え、やってることはテロだぞ」 「テロか。確かに……俺は、自分の痩せこけた良心を満足させるために戦っているのかもしれん。だが……」 黄色の13のSu-37は、上昇。そのままメビウス1のF-22とすれ違う。 「それでも俺は、彼女たちを見捨てる訳にはいかない」 「――この、分からず屋め」 通信は、切れた。二人のエース、二機の戦闘機は旋回し、互いに正面から向き合う。 互いに、譲れないものがあるから。異世界の空を舞台に、メビウス1と黄色の13は、再び激突する。 「メビウス1、交戦!」 「黄色の13、交戦!」 青空のただ中、過去と未来の絆。 交差するのは、人の力強き翼。リボンと黄色。 "エース"と呼ばれた――人の、力強き翼。 交差した二機はそれぞれ相手の後ろに回り込もうと、複雑な螺旋を描く。 メビウス1は正面に黄色の13を捉えるが、黄色の13はただちに操縦桿を捻り、強引にSu-37の機首を沈み込ませ、メビウス1のF-22をやり過ご す。そのままF-22が行き過ぎるのを見計らって、黄色の13は再び操縦桿を捻り、F-22の背後に回る。 だが、メビウス1も即座にエンジン・スロットルレバーを叩き込んでF-22を急上昇させる。以前のF-2と違って大出力のF119エンジンを搭載した 機体は鋭い機動で天に昇り、機首を下に下げて眼下の黄色の13を捉える。 捉えた――! ひっくり返った視界の中、メビウス1はGに晒されながらも指を動かしウエポン・システムを操作。兵装、AIM-9を選択。ミサイルの弾頭がただ ちにSu-37のエンジンから放たれる赤外線を捉える。 その瞬間、黄色の13はエンジン・スロットルレバーを引き下げ、操縦桿も折れんばかりに手前に引く。ふわっとした無重力のような感覚がSu-37 のコクピットの中に舞い降りる。Su-37は速度を一気に下げつつ、機首を天に上げる。フランカーファミリー伝統のコブラ機動だ。空中で一瞬 静止したかのような急減速にメビウス1のF-22は対応しきれず、Su-37を取り逃がしてしまう。 「しまった――!」 メビウス1はただちに操縦桿を薙ぎ払い、機体を急降下させて増速。一回転して水平に戻ったF-22は高度を下げて逃げようとするが、すでに黄 色の13はR-73短距離空対空ミサイルの弾頭を起動させていた。弾頭はF-22の機影を捉える。 「フォックス2」 静かに、黄色の13はミサイル発射スイッチを押す。主翼下に搭載されたR-73は白煙を噴きながら勢いよく放たれ、メビウス1のF-22に向かっ て突き進む。 コクピットに響く、耳障りなアラート。メビウス1は後方を振り返り、突っ込んでくるR-73を視認するとフレアの放出ボタンに手を伸ばす。 待て、まだ早い――今だ! 出来ることなら今すぐ機体を放棄したい。そんな恐怖心を心の片隅に追いやり、メビウス1はR-73をぎりぎりまで引き付け、ここぞと言うタイ ミングでフレアを放出させ、操縦桿を右手前に引く。F-22は赤外線誘導のミサイルを幻惑するフレアを放出しながら、左主翼を垂直に立てて右 に急旋回。あっという間に正面のHUDに表示されるGメーターの数値は九にまで吹っ飛び、メビウス1の身体を容赦なく締め上げる。 腹の底から唸り声を上げて、メビウス1は操縦桿を引き続ける。汗が滲み出てきて不快な感覚が体中に走るが、構っていられない。 右に急旋回を続けるF-22は、主翼の先端に水蒸気による白い糸を引きながらミサイルから必死に逃れようとする。 R-73はフレアに幻惑され、爆発。衝撃がF-22を揺さぶるが、機体に損傷はなかった。 「避けられた……!?」 驚き、黄色の13はさらにメビウス1に追撃を仕掛けるべく後方から接近。だが、その寸前にメビウス1は操縦桿を左に倒し、ついで右に。 F-22は左にロールするかと思いきや、右にロールして逃げを打つ。黄色の13はまんまとフェイントに引っかかり、メビウス1を逃がしてしま う。 小癪な真似を――! 左に行き過ぎた黄色の13は振り返り、メビウス1の位置を確認。素早い立て直しで、早くもF-22はSu-37の後方に取り付こうとしていた。 コブラ機動はダメだ、二度も同じ手を食うほどリボン付きは馬鹿ではない。そう考えた黄色の13はロックオンされないようあらかじめフレア を放出し、機体を横滑りさせて逃げを打つ。だが、その瞬間機体のすぐそばを赤い曳光弾が飛び抜けていく。機関砲なら直接照準するため、フ レアなど関係ない。メビウス1はそれを見越して撃ってきた。 舌打ちして、黄色の13は操縦桿を右に倒し、引く。先ほどのF-22と同じく、9G旋回。自身の体重の九倍もの重力が容赦なく圧し掛かり、黄色の 13はたまらず苦悶の表情を浮かべた。 首は高いGであまり動かせない。彼は目玉だけを動かし、どうにか後方、自分を追ってくるF-22の機影を捉える。 ――このまま我慢比べをやってもいいが、キツいな。 わずかな逡巡の後、黄色の13は操縦桿を突く。たちまち圧し掛かっていたGが消え、次の瞬間上に引っ張り挙げられるようなマイナスのGが彼の 身体を襲う。Su-37は右旋回の途中に機首を強引に下げたため、実質左旋回に。 「くそ!」 一方、Su-37を追いかけて右旋回中だったメビウス1は突然の黄色の13の方針転換に反応が遅れ、取り逃がしてしまう。先ほど自分がやった フェイントと似たようなものだった。やはり、一筋縄ではいかない。 Su-37はF-22を振り切ると、主翼を翻して、急降下。雲を突き抜け、一気に低空へと舞い降りる。メビウス1も後を追い、Su-37を追撃。 ――どこまで降りる気だ。 高度計の数値はおかしくなったような勢いで減っていく。眼下にはクラナガンの市街地。このまま急降下を続ければ、引き起こしが間に合わず 地面に激突する羽目になる。 その時、黄色の13のSu-37の機首が跳ね上がった。高度五〇フィートの低空で、ようやく水平飛行に。メビウス1も操縦桿を引いて、F-22を 引き起こす。どうやら地面に道連れのダイヴをやるつもりではなかったようだ。 好機と見たメビウス1は、Su-37にロックオンを仕掛ける。高い電子音が鳴り響き、AIM-9の弾頭がSu-37をロックオン。 「メビウス1、フォックス2!」 発射スイッチを押して、AIM-9を発射。放たれた魔力推進のAIM-9はSu-37に向かって加速する。 ところが黄色の13は何を思ったのか再び高度を下げていく。その先には、立ち並ぶいくつものビルがあった。 まさか、と思ったが、黄色の13はやってみせた。ビルとビルの合間を縫うように飛行し、旋回。彼を追ったAIM-9は同じようにビルの合間に 飛び込み、途中でビルの壁面にぶつかり爆発する。 なんて奴だよ、畜生――。 驚愕するほか無かった。ビルとビルの合間をSu-37のような大型機で飛ぶなど、正気ではない。しかし、黄色の13はそれをやってのけ、さらに ビルを利用してミサイルを回避してみせた。 ビルの合間を飛びぬけた黄色の13は上昇し、メビウス1と正面から対峙。メビウス1はただちにロックオンを仕掛けようとして、Su-37の主翼 の付け根で光が瞬くのを目にし、ラダーを蹴飛ばし機体を横滑りさせる。直後、F-22の傍らをかすめ飛ぶのは赤い三〇ミリの曳光弾。 黄色の13のSu-37はF-22と交差し、急上昇、反転。素早い機動の連続でF-22の背後を取る。 「ゲームオーバーだ、リボン付き!」 通信機に、黄色の13の声が入る。同時にロックオンの警報音もコクピットに鳴り響く。この距離では、おそらくどんな機動でも回避できまい。 フレアをばら撒いたところで結果は同じだ。 だが――メビウス1は、諦めなかった。 エンジン・スロットルレバーを思い切り引き下げ、操縦桿を左に倒す。F-22は右主翼を天に向けて、一気に減速する。 F-22の左主翼の先端の先には、Su-37のコクピットがあった。 「!」 常人なら、おそらく反応できまい。黄色の13のズバ抜けた動体視力は突っ込んできたF-22を捉え、ただちに操縦桿を突いて機首を下げる。 もしかしたら、F-22の主翼とSu-37の垂直尾翼が接触したかもしれない――それほどにまでぎりぎりの距離だったが、どうにか二機は空中衝突 せずに済んだ。だが、結果としてF-22はSu-37の後方に着いたことになる。 ――さすがだよ、13。あんたじゃなければ、今のは反応できなかった。並みのパイロットなら、今頃空中衝突だ。 酸素マスクから流れてくる酸素を貪るように吸いながら、メビウス1の思考はどこか冷静だった。 ウエポン・システムに手を伸ばし、機関砲を選択。チャンスはおそらくこれが最後、二度目はない。 ――互いに譲れないものがある。だから、俺はあんたに最高の敬意として、機関砲を撃つ。 「ガンアタック、当たれ!」 叫び、彼は引き金を引く。F-22の主翼の付け根に搭載されたM61A2、二〇ミリ機関砲が唸り声を上げ、赤い曳光弾を放つ。 放たれた機関砲の弾丸は、Su-37の右エンジンを貫いた。 「ぐ!」 金属ハンマーで背中を叩かれたような衝撃が、黄色の13を襲う。視線を下げて機体のダメージを確認すると、被弾した右エンジンの内部温度 が急激に上昇していた。このままでは爆発してしまう。 ただちに右エンジンへの燃料供給をカットし、機能を停止。空中爆発の危険は失せたが、これで右エンジンは完全に死んだ。もう、メビウス1 の駆るF-22には勝てないだろう。そうでなくとも電気系統にもダメージがあったのか、ウエポン・システムがダウンしていた。今のSu-37はも はや的でしかない。 「――さすがだ、リボン付き。とどめを刺せ」 完敗だ、と黄色の13は操縦桿から手を離す。 ところが、メビウス1から送られてきた通信は、彼にとって意外なものだった。 「……13、操縦系統はまだ生きてるよな? 西に二〇〇キロ飛べ、俺たちの母艦がいる。お前の態度次第では、拾ってくれるはずだ」 「――何!? 貴様、見逃すと言うのか!?」 「そうじゃない。攻撃能力を失ったお前を相手にするほど暇でもなけりゃ、弾薬や燃料に余裕がある訳じゃない――命は大事にしろよ」 「待て、リボン付き!」 黄色の13は叫ぶが、メビウス1は聞いていないのか、アフターバーナーを点火して空域を離れていく。 残された黄色の13は呆然と、ただまっすぐ空を飛んでいた。 戻る 目次 次へ
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「ウェールズ様ッ!」 ウェールズの危機にアニエスは駆けつけようとしたが亡者の群に阻まれてしまう。 まるで人垣が壁のように立ちふさがり、波のように押し返そうとするのだ。 走っては間に合わないと踏んだアニエスはすぐさま銃を取り出し放つがそれも敵の壁に辺り届かない。 奴らの狙いは間違いなくウェールズ様。今にも崩れそうな隊を支えているのは間違いなくあの人だ。 もしウェールズ様が討ち取られたら?それこそ八方塞がりの四面楚歌。我々は飛んで火に入る袋の鼠だったわけか。 そして、アニエスたちが手をこまねいているうちに何かが砕けるような音が聞こえてきた。 まさか・・・まさか! 「ウェールズ様ァ―――ッ!」 その瞬間目の前の地面が盛り上がり敵の群が宙に舞った。だがそれでも地面の隆起は止まない。 周りの土も集まり始めアニエスの足場も揺れ始めた。慌てて下がり隆起した土を見上げる。 「こ・・・これは!」 そこには屹立する土の巨人がいた。その大きさは三十メイルはあろうかという程であり、アニエスの見てきたゴーレムの中でも圧倒的であった。 そしてハッとしたように視線を足下に下ろした。そこにはしゃがみ込んでいるウェールズと、ローブを羽織った謎の人物が立っていた。 第二十七話『高貴な風と背中合わせの土くれ ~そして薔薇は開花する~』 ウェールズはその瞬間、世界がスローになるのを見た。周りの戦いも、眼前に迫る氷の矢も、自分自身さえも。確実に、ゆっくりと氷の矢は死という形で迫ってくる。ウェールズも避けようとするが体が意識についていけずに置いてけぼりだ。 自分は死ぬのか?多くの者に背を押され、その者達の死によって生かされて、愛する人との約束も果たせずに、死ぬのか?自分は何一つ成していないというのに・・・・・・こんな所で・・・ 絶望が己の体を包んだ瞬間、背後から何者かの声が聞こえて後頭部を掴まれたのを感じた。 「ボサッとしてないで頭下げな」 力強く頭を押さえ込まれた次の瞬間に頭上を鉄の拳が通過し氷の矢を打ち砕いた。氷が砕ける音が辺りに響く。 「な・・・」 「ちょいと揺れるけど動くんじゃないよ」 その言葉と同時に地面が揺れ、目の前の地面が隆起を始めた。周りの敵兵を巻き上げながら見る見るうちに人型を取ってしまった。かなり巨大なゴーレムだ。 そこでようやく後を振り向く。黒いローブと顔に巻いた布のせいで目しか見えず誰かはわからなかったが、声と格好からして女性らしかった。 「き、君は一体・・・」 ウェールズは立ち上がりながら尋ねるがそのローブの女性はウェールズに背を向けてしまい答えてはくれなかった。ウェールズもすぐに戦闘態勢に入り背を向ける。結果としてお互いに顔は見えず、背中合わせの形となった。 「・・・・・・借りを返しに来ただけだよ」 「借り?まさか君はエルメェス――」 ウェールズが振り向こうとした瞬間にゴーレムの拳がウェールズの向いていたところに打ち下ろされた。敵が軽々と吹き飛ぶ。 「戦場でよそ見だなんて軍人のすることじゃないんじゃないかい?」 ウェールズも慌てて首を前に戻した。 「味方という認識でいいのかな?」 「あんたの味方にはならない。あいつらの敵さ」 「敵の敵というわけか」 ゴーレムが今度はローブの前方の敵を薙ぎ払う。ウェールズも風の刃で首を落としていく。 しばらくは唖然としてゴーレムを見ていたアニエスたちだったが、動きからどうやら味方のようだと判断し攻め立てる。圧倒的な質量を誇るゴーレムの威容に隊の士気は見る間に上昇した。 ローブは杖を振るいその動きに合わせるかのようにゴーレムは忠実に敵を押しつぶしていった。本来その巨大さに伴って動きが鈍く、歩兵でも回避が可能なゴーレムの攻撃だが、敵は今集団出来ている。押し合いへし合いで逃げ切れなかった者たちからミンチになっていくのだ。 ゴーレムの拳の圧力は凄まじく不死身の軍勢も無事ではすまず、力は半減している。流れは再びウェールズたちに寄ってきていた。 しかし敵もバカではないようで、ゴーレムに威力で勝てないと判断するやいなや物量に切り替え、威力は弱いが出の早いドット・ラインクラスのスペルをローブめがけて打ち込んだ。そしてウェールズに対していた敵兵たちもウェールズの風では一撃で消せない威力の呪文を放った。 ローブはいくつかをゴーレムの拳で叩き落としたがなにぶん数が多くいくつかは抜けてローブに向かってくる。 「チッ!やっかいだね・・・」 「エルメェス!」 ウェールズはローブの脇に手を差し込むとグイッと押しやり回転させ二人はスイッチした。その瞬間にローブもウェールズの行動の意味を理解する。 位置を入れ替わったウェールズは『ウィンド・ブレイク』を前方に放ち敵の弱い魔法を跳ね返し、ローブはゴーレムの拳で強力な呪文ごと敵を叩きつぶした。腕は欠けたがすぐさま補充されるためにダメージはまるでない。 「味方の力はこうやって利用するものだ」 「ハンッ、本職にかかっちゃわたしも形無しだね。でも・・・」 今度はローブがウェールズを回してスイッチすると起きあがりかけていた敵をゴーレムで一蹴する。 「魔法の威力が落ちてるよ。バテてきたかい?」 「はは、これは一本取られたな」 「昔の家臣だからって情けをかけてるんじゃないだろうね?」 「いや・・・せめて彼らを眠らせてやることが僕からの供養だと思ってるよ」 「・・・そうかい」 そうして辺りの敵を蹴散らせていた二人の上に影が差した。見上げると竜騎士隊が戻ってきていたらしくゴーレムやウェールズの隊にブレスを吐きかけている。ゴーレムが腕を払うが竜の速度には敵わず、敵は上空に避難して再び機を窺っているようだ。 「で、空の敵はどうやって落とすの軍人さん?」 「下の敵を捌きながらだと少々きついな・・・ん?」 「どうしたんだい?」 「村の方にだけ雲が・・・」 ウェールズがそう言ったのと同時に燃え上がるタルブ村に『だけ』豪雨が降り注いだ。離れていても聞こえる滝のような轟音は見る間に村中の炎を消してしまった。 「これは・・・・・・」 「ようやく来たね」 ローブが見上げた方を見れば、赤く染まった空に黒点が迫ってくるのが見えた。 ゼロ戦を飛ばすウェザーの眼には燃えさかるタルブの村が映っていた。すぐ側には巨大なゴーレムも見える。後で大人しくしていたルイズも見覚えがあるもので、身を乗り出してわめいた。 「ちょっと!あれってフーケのゴーレムじゃないの?」 「らしいな」 借りを返しに来たのだろうとウェザーは理解したが、そのことを知らないルイズは混乱している。 「なんで?キュルケはラ・ロシェールでレコン・キスタに刃向かったって言ってたけど・・・」 「味方なんだからいいじゃねえか。しかし味方がいるんじゃハリケーンで一気に薙ぎ払う・・・は無理だな。とりあえず火を消すか」 「姫様は?」 「まだ大丈夫だろう。それよりしっかりつかまってろよ、揺れるぜ」 ウェザーはウェールズの隊の上に張り付く竜騎士隊めがけて降下を開始した。 こちらに一騎が気づき竜を反転させる。どうやら待ち伏せるつもりのようだが、生憎とむざむざそちらの策に嵌るつもりはない。 「気をつけて!竜にはブレスがあるわ!」 「問題ねえ!こっちの射程だ!」 ウェザーはほぼ真上から二十ミリ機関砲を打ち込み、騎士ごと竜に風穴を開けてやった。そして火竜はすれ違い様に爆発した。すぐさま機首を起こして竜騎士隊の真正面に向かい、驚いている竜騎士隊を尻目に再び上昇する。 鮮やかな飛行だったが、ゼロ戦の中はそうでもないようだ。 「ちょ、ちょっと!いきなり上とか下とかいかないでよ!気持ち悪くなったじゃない!」 「文句言うなっつったろうが。たく・・・手だしな」 ルイズは右手を後から出してウェザーの肩に置いたが、その手をウェザーが掴んだのでルイズは焦った。ちょうど指が絡んで手を握りあってるように見える。 まさか手を握って気持ちを落ち着かせてくれようと言うのだろうかと思いルイズは頬を染めた。 「ウェザー・・・・・・あれ?」 ウェザーが掴んだ部分から何かもこもこしたものがルイズの体中に膨らみ、包んでしまったのだ。ルイズはこれを知っている。ニューカッスル城の礼拝堂、ワルドとの対決の際にウェザーが純粋酸素から守るために作ってくれた『雲のスーツ』だ。 「これで多少なりと楽になるだろ・・・ってどうした?元気がないみたいだが」 「う、うるさい!なんでもないわよ!落ち込んでなんかないんだからね!」 変な期待した自分が恥ずかしくてルイズは顔を背けた。その時風防越しに竜騎士隊が迫ってきているのが見え、ウェザーに告げる。 「右下から三騎きてるわ!」 「オーライ!」 ウェザーは三騎に向かって機体を地平と垂直になるまで傾けスロットルを上げて急角度の旋回を決めた。ブレスの射程まで接近しようとしていた三騎は時速四百キロのスピードにまるで反応できず、易々とゼロ戦に背中を見せてしまう。 その無防備な背中に二十ミリ機関砲と七・七ミリ機銃が容赦なく叩き付けられていく。翼をもがれた一騎は錐もみ回転しながら落下していき、残りの二騎は片方の爆発に巻き込まれた一騎が気を失ったのか墜落していってしまった。 ウェザーは右のフットバーを踏み込み機体を滑らせて水平に戻した。 「これが『ガンダールヴ』・・・か。まるでベテランパイロットじゃねえか、俺」 「すすす、すごいじゃないの!天下無双と謳われたアルビオンの竜騎士が、まるで虫みたいに落ちてくわ!」 「まあゼロ戦も旧式とは言えここではオーバーテクノロジーだしな」 その瞬間、またアヌビス神の言葉が甦った。 『不純物』 確かに本来この世界にはゼロ戦も、『破壊の杖』も、スタンド使いもいてはいけないはずなのだ。それこそ不純物に他ならない。だがそれでも、自分を必要としてくれている者がいるのなら戦える。 あの世で見てるかアヌビス神?俺はこの力でこの世界の風を入れ換えて見せるなんて大それた事は言わない。だがせめて俺を必要としてくれる人たちは守ってみせる。 ウェザーは力強く操縦桿を握った。 「ウェザー左ッ!」 ルイズの声に機体を急いで右にロールさせる。火竜のブレスが間近に見えたが届くことはなかった。 「し、しっかりしなさいよウェザー!」 「ああ、ちょいと覚悟をし直してた」 「だ、だったらしっかりやりなさいよッ!あんたは使い魔なんだから、ご主人様をしっかり守りなさいよ!それで、ご主人様がいいって言わないうちに死んでもダメなんだからね!あんたが死んでもあたしが死んでも、あんたを許さないんだからねッ!」 「だったらご主人様らしく後で余裕かましてふんぞり返ってな!」 言うやいなやウェザーはロールさせた機体を急降下して竜騎士隊の視界から外れると一気に急上昇し、再び背後を取り機銃を浴びせかける。三騎撃墜したがさすがに天下無双、味方の失敗からこちらの異常な速さを学びすぐさま散開した。 上昇して再び編隊を組むつもりらしいが離れた今を狙うのは当然だった。 昇る一騎のケツにつくと七・七ミリで撃墜し、すぐさま水平飛行に移り隣の三騎に肉薄する。敵もなんとかブレスを当てようと竜の首を向けるが遅い。二十ミリ機関砲は竜の顔を貫通し騎士の顔にも風穴を開けた。 さらに後にいた二騎にも機銃と機関砲が襲いかかり、手前にいた一騎がよろめいて後の一騎と接触して仲良く落下していき空中で爆発して消えた。 その時後に迫る竜騎士が見えた。今度は逆に張り付かれる形となったわけだ。しかし火竜の速度はおよそ時速百五十キロ、対してゼロ戦は時速四百キロだ。振り切るのにワケはないがウェザーはあえて竜騎士が射程に入れる速度で逃げた。 竜騎士も全速力でならなんとか追いつけると勘違いし射程距離に入った瞬間に火竜にブレスを吐かせた。しかしそれをまるでわかっていたかのように急上昇でかわされ、宙返りでゼロ戦に後を明け渡す形となってしまった。 ウェザーは十字の光像を描いた照準ガラスの中心に竜騎士を収めると機首の七・七ミリ機銃のスイッチを押した。鈍い音とともに竜騎士は空中で踊り、爆発四散した。 ゼロ戦はそれに巻き込まれないように上昇してかわすが、さらに上空では残りの竜騎士隊が編隊を組み直していた。 「ちょっとちょっと!竜騎士隊はまとまってきたときが一番厄介なのよ!どうすんのよ!」 ルイズは茜の空に円を描く竜騎士隊の姿にびびっているようで、後からウェザーの肩をガックンガックンと揺らす。 「そうだな・・・いっそのこと雲隠れするか」 訝しむルイズを置いてウェザーは自身の力を呼び起こした。 「『ウェザー・リポート』」 「一体何なんだあの竜騎士は!そもそもあんな竜がハルキゲニアに生息していたなどと聞いたこともない!」 上昇して編隊を組み直す竜騎士隊の一人が苦々しげに吐き捨てた。その思いは全員が同じだろう。鍛え上げられた竜騎士隊の竜を嘲笑うかのような速度。眼で捕らえることの出来ない光る魔法攻撃。 未知の敵に立ち向かうことは恐ろしい。『脅威』、それは『謎』があるゆえである。 「だが!我ら天下にその名を轟かせるアルビオン竜騎士隊である!敗北は許されんぞッ!」 一騎のかけ声に全員が頷き、眼下の敵竜騎士を見た。しかし、そこにゼロ戦はいない。辺りを見渡すが影も形も見えないのだ。 あれほど巨大な物体が忽然と姿を消すなどと言うことが有り得るのだろうか。しかもよく聞けばあの竜独特の唸るような轟音が聞こえてくる。確実にいるのだ。 竜騎士隊の一人がふと上を見上げた。そこには雲が漂っていた。それは徐々に大きくなっていくように見える。 いや、違う。近づいているから大きく見えるのだ。 「上だ!上にいるぞ!」 その竜騎士が味方に警告したのと同時に雲から濃緑の敵影が飛び出してきた。そして例の魔法をめった撃ちし、見る間に竜騎士隊を撃ち落としていく。すれ違ったときにはもう自分だけしかいなかった。 「こんな・・・こんな事が起こりうるのか?これじゃあまるで・・・・・・悪魔だ」 最後の瞬間、下から昇るゼロ戦が、その竜騎士には地獄から手を伸ばす悪魔に見えた。 「全滅・・・・・・だと?わずか十二分で全滅だと?」 艦砲射撃のためにタルブの草原の上空三千メイルに遊弋していた『レキシントン』号の後甲板で、トリステイン侵攻軍総司令官サー・ジョンストンは伝令からの報告を聞いて顔色を変えた。 「敵は何騎だ?百か?二百か?トリステインにはまだそんなにも竜騎兵が残っていたのか?」 「サー。そ、それが・・・・・・報告では敵は一騎であります」 「一騎だと・・・・・・?」 ジョンストンは呆然と立ちつくしたが、にわかに体を震わせて帽子を甲板に叩き付けた。 「ふざけるなッ!天下無双の誉れ高いアルビオン竜騎士隊二十騎がたった一気に全滅しただと?バカも休み休み言えッ!」 伝令がその剣幕に後退りながらも報告を続ける。たいした職務精神である。 「て、敵の竜騎兵はたしかに単騎ではありますが、ありえぬスピードで敏捷に飛び回り、射程の長い魔法攻撃で我が方の竜騎士を次々と討ち取ったとか・・・・・・」 その報告にジョンストンは目を剥き頭をかき乱した。 「ええい!ワルドはどうした!竜騎士隊を預けたワルドはッ!あの生意気なトリステイン人はどうしたァ!ヤツも討ち取られたのかッ!」 「損害に子爵殿の風竜は含まれておりません。しかし・・・姿が見えぬと・・・・・・」 「裏切りおったなッ!それとも臆したかッ!だからあやつは信用ならぬと・・・」 激昂して伝令に掴みかかろうとしたジョンストンをボーウッドが手で遮り諫める。 「兵の前でそのように取り乱しては士気にかかわりますぞ。司令長官殿」 ジョンストンはそのボーウッドを睨め付けた。その眼は血走り、濁った光からは保身がありありと見て取れた。 「何を申すか!竜騎士隊が全滅したのは艦長、貴様のせいだぞ!貴様の稚拙な指揮が貴重な竜騎士隊の全滅を招いたのだ!このことはクロムウェル閣下に報告するぞッ!いいな!全て貴様の責任だッ!私は悪くないぞッ!」 ジョンストンは口角を撒き散らしながらわめき、ボーウッドに掴みかかった。だがボーウッドはその剣幕に瞬き一つせず冷めた目でジョンストンを見つめる。後甲板の水兵たちの視線もジョンストンに痛いほど刺さった。 それがジョンストンを余計に熱くさせ、ついにその手を振り上げた。 が、次の瞬間に視界が揺らいでまっすぐ立つことさえ困難になっていた。ボーウッドの肘打ちが顎に決まり脳を揺らし、前に崩れ落ちてきたジョンストンの後頭部と背中を掴むと鳩尾に強烈な膝蹴りを叩き込んだ。 胃液を戻しながら崩れ落ちたジョンストンをボーウッドはゴミでも扱うかのように床に捨てる。 ボーウッドの補佐が近づき完全に伸びているジョンストンを見下ろしてにやりと笑った。 「艦長殿、最後のダメ押しは司令長官殿には勿体なかったのでは?」 「なに、上司の接待をするときは自腹を切ってでも少し多めに用意するものだ。憶えておきたまえ」 「Sir,Yes Sir!」 補佐官は水兵にジョンストンを『丁重』に運ぶよう命じた。水兵たちは真面目な顔で敬礼をしはしたものの、よっぽど鬱憤でも溜まっていたのか手と足を掴んで運び、その途中で所々にぶつけていった。 初めから寝ていてもらえばよかったな、とボーウッドは思う。砲撃と爆音以外の雑音は神経に障るだけだ。一瞬の判断が明暗をわける戦場においてわざわざノイズの原因をイスに座らせておく理由はない。 ボーウッドは落ち着き払った声で伝令に告げた。 「竜騎士隊が全滅したとて本艦『レキシントン』号を筆頭に、艦隊は未だ無傷だ。そしてワルド子爵には何か策があるのだろう。諸君らは安心して勤務に励むがよい」 単騎で二十騎を討ち果たしてのけたか。ふむ、まるで英雄だな、とボーウッドは呟いた。単騎で百騎に値する働きを見せる者を『英雄』、そして戦争そのものを討ち滅ぼす者を『化け物』と呼ぶ。 しかし所詮化け物は神話の、英雄は伝説の中にしか存在しないのだ。いるのは一人の人間に過ぎない。 そして人間には如何ともしがたい流れというものが存在する。この艦がまさにそれだ。 「艦隊全速前進。左砲戦準備」 しばらくすると遙か眼下にタルブ村の草原の端向こう、周りを岩山で囲まれた天然の要塞、ラ・ロシェールの港町に布陣したトリステイン軍の陣容が浮かび上がった。 「艦隊微速。面舵」 艦隊はトリステイン軍を左下に眺める形で回頭した。 「左砲戦開始。以後は別命あるまで射撃を続けよ」 それから付け加えるように命令を追加した。 「上方、下方、右砲戦準備。弾種散弾用意」 備えあれば・・・・・・か。 時は少し戻り五分ほど前へ。 全速力で駆けたシルフィードのおかげでタルブに着いたタバサ、キュルケ、ギーシュの三人はすぐにウェールズの戦っている場所が特定できた。 「それにしたってでかい目印だなあ」 「フーケのゴーレム」 「だろうね。あ、ゴーレムの足下にウェールズ皇太子がいるじゃないか!隣のローブは顔に布を巻いていて顔は見えないけど・・・」 「フーケでしょうね」 ウェールズに向かっていた一群にキュルケとタバサの魔法が炸裂してできたスペースに着陸する。ウェールズが驚いた声を上げた。 「君たち!どうしてここに!」 「祖国の危機に黙ってはいられません!」 「でもここは子供の来るところじゃないよ」 ローブ――もといフーケが三人ににべもなく告げた。その言葉にウェールズも頷いたが、しかしキュルケは黙っていなかった。 「あーらいらしたの。そんなに顔に布を巻いて紫外線が怖いのかしら?やーね、歳を取ると肌が弱って手入れが大変ですものね。お・ば・さ・ま」 「ああ?言ってくれるじゃないの小娘が。なんだかんだで最後は成熟した魅力が勝つって事を知らないなんて幼い幼い」 青筋を浮かべて火花を散らす二人を尻目にタバサがウェールズに訪ねた。 「戦況は?」 「彼女のゴーレムのおかげで大分押しているよ。しかし――」 ウェールズの視線に異様を感じた三人が振り向けば、今し方キュルケたちの魔法で薙ぎ払われた敵が起きあがってきていた。腕がおかしな方向に曲がっていようとまるで意に介した風もなく立ち上がる。 「な、なんだよこいつら!」 「僕の家臣だった者達だ・・・クロムウェルの術によって生ける屍となっている」 三人はハッとしてウェールズを見たが、ウェールズに揺らいだ様子は見受けられなかった。 「生半可な攻撃では見ての通り何度でも立ち上がる。ダメージを回復するわけではないようだから行動不能にすれば倒せる」 「あれ」 その時タバサが起きあがる敵兵の一角を指した。そこはキュルケの魔法により焦げていたが、そこの敵だけ立ち上がらずに転げ回っているのだ。 「炎は有効」 「見たいね。ところでタルブ村が燃やされてたけど、村人たちは無事なの?」 「・・・隊の者を向かわせたんだが、連絡がないところを見ると恐らくは同じような敵と遭遇したのだろう・・・・・・」 ウェールズが歯痒そうに説明した。駆け付けてやりたいが現状ではこちらで手一杯なのだ。フーケも心配そうに後を継ぐ。 「もしそうならかなりヤバイんじゃないかい?普通の兵士が三人がかりで倒してるんだろ。分班の人数的にきつそうだけど・・・」 「なら僕が行く!」 そう言うやいなやギーシュは乗り手を失った馬を見つけると走って飛び乗り、そのまま森に向かって真っ直ぐに駆けだしていった。 「ちょっとギーシュ!」 一人では危険だとキュルケが止めようとしたが、その腕をタバサが掴んだ。咎めるように視線を投げるキュルケにタバサは首を振った。 「タバサ!」 「助け合いは大切。でもいつもそれでは本人はいつまでも成長できない」 「でもギーシュは・・・」 「彼には一人の強さも必要。彼が真に薔薇でありたいと思うなら・・・・・・」 タバサは真っ直ぐにキュルケの眼を見据える。その瞳が強く語りかけてくるのだ。彼ならきっと大丈夫だと。 「・・・・・・わかったわタバサ。ギーシュを信じましょう」 二人は遠ざかるギーシュの背を見つめた。 外は夕暮れだが森にはすでに夜の闇が忍び始めていた。 その森の地面の窪みにタルブ村の人々は隠れていた。そこはさながら防空壕のようで、外からだとちょうど木々の陰になり、この薄暗さも手伝って見つかりにくくなっている。 「お姉ちゃん、いつお家に帰れるの?」 震えながらシエスタに抱きついて尋ねてくる小さな妹に笑顔を崩すことなく彼女は優しく答えてあげる。 「みんなが良い子で待ってたらすぐに帰れるから。だからもう少し我慢してね」 そう言って頭を撫でてやれば、シエスタの服を強く握りしめていた力も徐々に弱まり、代わりに寝息を立て始めてしまった。よっぽど疲れていたのだろう。無理もない。いきなり村を焼かれて、森を走り続けてきたのだ。周りを見渡せば大人たちでさえ疲労の色濃く出ている。 そしてその中には明らかに村人の服装とはかけ離れた鎧姿の者もいた。息も荒く、体の所々に布を当てて血を止めている姿は痛ましい。この状況ではろくな手当も出来ず周りの人々も手をこまねいているしかないのだ。 それはウェールズの隊から分かれた一班の者だった。避難していた村人を発見し誘導する途中で敵と遭遇し戦闘となったのだが、魔法と剣で敵を蹴散らしたのだ。いや、蹴散らしたはずだった。 それは悪夢のような光景だった。敵兵は何事もなかったかのように立ち上がると再び襲いかかってきた。応戦したがダメージなどまるで気にしない戦い方に一人、また一人と一班の者は倒れていき、村人だけでも逃がそうとして生き残ったのがこの一人だけだったのである。 途切れ途切れの呼吸音が薄暗さと相まって恐怖を駆り立てる。 その時外でガサッ、と何かが動く音がした。全員が息を呑み、動きを止めた。緊張が一帯を支配した。雨が降った後の森特有の湿気と匂いがいつもよりも強く感じられた。 「おーい!誰かいないのか?トリステイン軍だ!タルブ村の人たち!助けに来たぞ!」 しかし外から聞こえてきたのは救いの声だった。壕の中で安堵のため息が漏れた。 「おいシエスタ!出ていって俺達はここだって知らせてくれ!」 「あ、はい!」 たまたま入り口の近くに座っていたシエスタが指名されて外へ出ていった。そこには確かに鎧を着込んだ兵隊が五人ほどおり、シエスタが手を振り呼びかけるとぞろぞろと向かってくる。 その顔には笑顔があり、ようやく見つけたと言った安堵の表情なのかも知れないとシエスタは思った。 他の人々も窪みから顔を出して近づいてくるトリステイン軍に歓喜を上げた。 これで助かる。生き延びることが出来るのだ。 しかし、その思いは容易く崩れ去った。 「ちが・・・う・・・・・・そい・・・つら・・・は・・・アルビオン軍だッ!」 肩を借りて出てきていた負傷兵がそう叫んだ。するとトリステイン軍と名乗った五人はやおら杖を抜き放ち呪文を唱えてその負傷兵に向けて放つ。『ファイヤー・ボール』が近くの村人もろとも負傷兵を焼き尽くした。 しかし村人たちは驚き、慌てふためくしかできなかった。疲労はとっくにピークで、ようやく助かると希望を持った矢先に絶望を突きつけられたのだ。肉体はおろか、心も折れてしまってはどうしようもない。 シエスタは恐怖に腰を抜かしてしまった。すぐ前には死なない兵が立つ。近くにいた妹を胸に抱きかかえせめて庇おうとするしかできなかった。そして死に神が鎌を振るうようにそのメイジは呪文を唱えて杖をシエスタに向けた。 もうダメだ。絶望が心を支配する中、シエスタは獣の雄叫びを聞いた。 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」 いや、違う。獣ではない、人間の雄叫びだ。そうシエスタが思った次の瞬間、メイジの顔面に馬の蹄がめり込んだ。メイジは面白いくらい軽々と吹っ飛んでいき、地面に二回ほどバウンドして動かなくなった。頭が破壊されたのだろう。 そして馬を操っていた人物も勢い余って落馬したが上手い具合に受身を取って立ち上がった。敵とシエスタの間に、立ち塞がった。そしてその人物の横顔が『ファイヤー・ボール』によってできた焚き火に照らされる。 シエスタにも見覚えのある金色の巻き髪、フリルのついたシャツ、そして口にくわえられた薔薇。 「ミスタ・グラモン!」 「待たせたね!僕が来たからにはもう安心だ!立てるかい?」 シエスタはカクカクと頷いてバタバタと妹を連れて村人たちの方へ向かった。 ギーシュは髪を掻き上げて口にくわえた薔薇の造花を構える。それを見た敵もギーシュを敵と判断して構えを取り直した。 さて、とギーシュは脳内で知恵を振り絞る。敵は四人。さっきの一人も不意打ちで頭を潰したからこそ倒せたのだ。正攻法で四人の相手は厳しい。『特訓の成果』を使っても二人が限度だろうか。敵の弱点は火。だが僕は『土』のメイジだ。 今までは新たな魔法を重点的に練習してきたがあのカビの塔で操られたタバサにワルキューレ七体が解体されてからは基本に戻した。結局僕の生命線は『コレ』なんだ。 だからワルキューレ自体の強化をメインに特訓をしたが、そんなに飛躍的に精神力は強化されない。ワルキューレは七体止まりだった。しかしある日、ふと姫様誘拐事件を思い出した。そこにはヘクサゴン・スペルと言う逆転の発想があったのだ。 姫様と皇太子の力が合わさった強力な魔法。さすがにあれほどのものは無理だけど、姫様たちは二人で一つを作った。なら七体で一つを作ったら? 宝探しの時は失敗してしまった。きっとウェザーたちがいるからという油断が僕の中にあったからだろう。だから僕に必要なのは一人で立ち向かわなければならない危機。極限の状態でのギリギリの精神力!こんな窮地を待っていたんだ! イメージだ。ラ・ロシェールでのフーケを思い出せ。確かなイメージを持つことが重要なんだ。もう余力はない。失敗すれば死ぬしかない。ならば成功すればいいのだ。 「我が名はギーシュ・ド・グラモン!『青銅』のギーシュ・ド・グラモンだ!君たちの運命には同情を禁じ得ない。だが!だからこそこの僕がその忌まわしき呪縛を解いてみせる!」 ギーシュは深呼吸とともに『練金』を唱えた。薔薇の花びらが一枚舞い、甲冑を着た戦乙女に変化した。だがいつものワルキューレとは少し違った。 数は一体しかいない。だがその大きさは普段のものより一回りは大きいようで、その手には身の丈ほどはあろうかという騎士槍を掴んでいるのだ。 「いくぞッ!『ワルキューレ:ブリュンヒルデ』!」 そのかけ声を受けたワルキューレは騎士槍を真っ直ぐ構えると、重心を低くして突撃した。敵は扇状に構えていたが、その真ん中の二人めがけて駆けだしたのだ。それもかなりの速度で。 それでも相手は呪文を唱えて対抗した。真ん中の一人が『エア・ハンマー』を唱える。はじき返そうとしたのだろうが、ワルキューレはその風を突っ切っていき、驚く間もなく真ん中の二人の半身を千切り飛ばした。 本来七体に分けていた青銅を一体に凝縮、いつもの空洞ではなく中身の詰まったボディなのだ。人を遙かに越えたその重量は風にも負けない。そして特に槍の穂先と突進力を生む足のイメージを強く持って完成したのが『ワルキューレ:ブリュンヒルデ』だった。 『風』のような射程も、『火』のような爆発力もない。だがギーシュは質量・密度・重量という『土』の本懐を再現したのだ。 だがこのワルキューレにも欠点はある。ブレーキをかけるが勢い余ってだいぶ滑ってしまっているのだ。しかも体格に対して槍の重量が重く方向転換に時間がかかる上に、所詮は青銅でしかないために簡単にひしゃげてしまうのだ。もって二、三回が限度だろう。 言うなれば将棋の『香車』である。 それでも七体分の精神力をつぎ込んだ価値はあるとギーシュは考えていた。 両翼の二人はワルキューレの予想以上の動きに警戒してワルキューレを先に叩くことにしたらしく、振り向いて魔法を放った。 再び突っ込んできたワルキューレの足を狙って『エア・カッター』が飛び、切断。片足となりバランスを崩した所に『フレイム・ボール』が襲いかかり『ワルキューレ:ブリュンヒルデ』はあっけなく破壊されてしまった。 「だがそれでいい。みんなの注目を集めることが・・・ものスゴク良いんだ!」 その言葉と共に敵兵二人の上に花吹雪が舞った。見る間に体中が花だらけになる二人が振り向くとそこには焚き火の前に立つギーシュの姿があった。そしてギーシュの足下からは花びらが、文字通り花道となって二人まで伸びていた。 「その花びらは僕からのせめてもの手向けだ。受け取ってくれ」 その瞬間、敵であるはずの二人がギーシュに微笑みかけたような気がした。まるで仲間を褒めるときのような微笑み。成長への祝福と、救いに対する感謝。ギーシュはその顔から目を背けずに造花を足下の花びらに向けて呪文を唱えた。 「『練金』」 一瞬にして花びらは油に変わり、焚き火の火が引火して二人に向けて走る。あっという間だった。二人が燃え上がり崩れ落ちるのに時間はかからなかった。 死はきっと暗く冷たいものなのだろう。だからせめて―――― 「火炎入りの薔薇は・・・・・・熱いだろう?」 それだけ呟いたところでギーシュは崩れ落ちた。 シエスタは窪みの入り口からギーシュの戦いの一部始終を眺めていた。絶望に呑まれかけた自分の目の前に現れたその姿は凛々しく、その声は折れた心を優しく助け起こしてくれるようだった。 不思議だった。一瞬、その背中に大きく逞しい背中が重なって見えた。 気づけば外に出てその戦いを見ていた。手を握りギーシュの勝利を祈っていた。そしてギーシュが勝利を収め、だがその体は力無く崩れてしまった。 「ミスタ・グラモン!」 シエスタは駆け出し、ギーシュを助け起こした。 「う・・・シエスタ?そうか・・・無事だったんだね」 「は、はい!ミスタ・グラモンが助けてくださったんです!ありがとうございます!」 シエスタはギーシュを楽にしようと膝の上に頭を置いた。見下ろす形となったギーシュは弱々しく微笑む。 「僕らは共に冒険した仲間じゃないか。当然のことをしたまでさ」 ギーシュは手を伸ばしシエスタの頬を拭った。その指の上には小さな水滴が乗っていた。 「だから泣かないでくれよ。薔薇の役目は女性に涙を流させないことなんだから・・・」 「・・・はい、ミスタ・グラ――」 ぽろぽろと涙をこぼすシエスタの口をギーシュの人差し指が封じた。そして笑いかける。 「他人行儀はよしてくれ・・・仲間、だろう?」 「・・・ええ、ギーシュさん」 その様子を満足げに眺めた後でギーシュは呟いた。 「ふふふ・・・でもすがすがしいね。ワルキューレ七体分の精神力を二回に大量の花びらを『錬金』・・・こんなに疲れたというのに・・・・・・実にすがすがしい・・・いい・・・き・・・ぶん・・・だ・・・・・・」 シエスタの頬に伸ばされていた腕がぱさりと地に落ちた。ギーシュは眼を瞑ったまま動かない。 「そんな・・・ウソよ・・・ギーシュさん・・・・・・ギーシュさァァァ―――んッ!」 シエスタの叫びが森に吸い込まれていった後、すすり泣く声に紛れて誰かのいびきが聞こえてきた。 高貴な風と土くれは背中合わせで戦場を舞い、微熱と雪風がそこにまざった。 暗い森の中で真っ赤な薔薇が咲き誇っている時、茜の空をゼロとその使い魔が切り裂いていた。 だが、その前に再び澱んだ風が立ち塞がる。その胸に黒い野望を秘めて・・・・・・ 戦局は風雲急を告げようとしていた!
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激闘!マレー沖海戦 12月7日 この日、今だかつて無い航空攻撃が行われた。言わずと知れたハワイ作戦である。日本の空母戦力を結集し、作戦参加機は第一波第二波あわせて360機にのぼる攻撃により、アメリカ軍は戦艦アリゾナ撃沈以下17隻の艦艇に損害、航空機231機を損失し、4000人近い戦死者を出した。 日本側も攻撃により、29機の作戦機を失い、特殊潜航艇に至っては全艇未帰還という結果をもたらしていた。 「日本の布告通牒が遅れたようです」 飛鳥のヤクト・ヒュッテで、馬場が言った。 いつも余裕を持った表情ではない。めずらしく少し憂鬱そうな顔だった。 「まずいかなぁ」 と成瀬社長も溜息をつく。 「良くはないでしょう。まぁ、宣戦布告は戦争の常識なんていうのは一部の偏見でしかありませんが、これでアメリカ世論を敵に回した事は確かです。彼らは団結しますよ、『真珠湾を忘れるな』といって」 「どの道避けられん道だったさ、先の大戦で燻ったものが今頃炊きついて来たんだ。ハルノートなんぞきっかけに過ぎん。この出航のための油を集めるのにどれだけ苦労したか忘れたわけじゃないだろ?」 「要約しすぎですよ、それ」 「歴史の講義なら他所に任せる。さて、我々の当面の敵はイギリス軍だ。状況はどうなってる?」 「山下将軍の第25軍司令部はシンゴラに上陸しました。その他の部隊も各上陸地点に結集中。タイとは軍隊通過協定を結んでおいたので問題なかったようです。最大の懸念であったコタバルも二日前の上陸作戦を無事完遂したことで払拭されました」 「これで、当面の問題はシンガポール港に停泊している東方艦隊か」 「ええ、それについては・・・」 「失礼します」といって霧神がヤクト・ヒュッテに入ってきた。 「無線室が、潜水艦の無線を傍受しました」 潜水艦の無線を傍受した、と聞いても成瀬社長はそんなに驚きはしなかった。なにしろここは『ルフト・クーリエル』社なのだ。軍隊の無線傍受一つもせずに、世界の海を渡っていたわけではない。 「発・伊65 宛・第五潜水戦隊司令部 敵レパルス型戦艦二隻ヲ見ユ。位置コチサ11 進路340 速度14ノット 1515時」 「コチサ?」 「コチサといえば、この先ですよ」 馬場が海図に歩み寄り確認した。 「日本海軍は?」 「小沢提督指揮下の馬来部隊は、現在シャム湾にいるはずです」 と霧神。 「遠いな・・・、反転しよう。このままでは海軍より先に、我々が英軍とかち合うことになるぞ」 実際、海軍から飛鳥を含む輸送船団に揚陸作業の中止とタイランド湾北方への避退が指示されたのは、その二時間後だった。つまり、それは小沢提督に二隻の英国戦艦の存在が報告されたのが、飛鳥の無線室より二時間後だったということだった。 「馬来部隊が偵察機を出したようです」 「両軍の接触は時間の問題か・・・。これは夜戦になるな」 「小沢提督の狙いもそうでしょう。しかし、馬来部隊は重巡が旗艦ですから砲火力では戦艦をもつイギリス海軍に劣ります。火力の差を埋めのために、肉薄雷撃を行うつもりだと思われます。ですが」 「なんだ?」 「天候が悪化しています。伊65の発信地点付近まで偵察機が行く事は可能だと思われますが、後続の馬来部隊が行く頃にはスコールになっているでしょう。万一遭遇戦になったとしても、波浪で雷撃は有効とは思えません」 「つまり、今夜のうちには決着がつかないと言うことか?」 「そうです。明日になれば天候も回復しますから、サイゴンの海軍航空隊も活動を始めるでしょう」 「航空攻撃か・・・、だが、今回はタラントやハワイとは違うぞ。戦闘航行中の艦隊だ」 「確かに効果は未知数です。しかし、まったく無視できるものではありません」 「では、我々はどうするか?、だ。なるべくなら戦闘域には居たくないな」 このころは、まだ空母と戦艦では戦艦の方が有効であると言うのが通論だった。たしかに射程と言うてんでは40キロ先に砲弾を飛ばす戦艦より、400キロ先に爆弾を落とせる艦載機のほうに分があるだろう。しかし、戦艦は、海に浮かぶ要塞とよばれるように防御力が高く、防空火器の搭載数も他の艦種より遥かに多い。それに比べ空母は防御力が脆弱であり、搭載火器も対空用がほとんどで直接対決では圧倒的に不利だった。 「天候の回復を待って、こちらも索敵を出しましょう。敵の位置さえ知れば、迂闊に近づく危険を減らせます」 「なら、当分はこのまま北上だな。馬来部隊の背後に回り込もう」 「馬来部隊と接触するのですか?」 霧神が怪訝な顔で尋ねる。海軍部隊との不用意な接触は、ルフト・クーリエルにとって不にはなっても良にはならない。ただでさえ今回は、『陸軍』の船団を護衛するという仕事を請け負ったため、『海軍』から目を付けられる事になった。しかし、開戦からまだ数日、海軍がハワイやらフィリピンに上陸するため船団を用意していたというならともかく、そう言う事はしていないのでルフト・クーリエルとしては陸軍から仕事をとるしかない。 「ミクロならノー、マクロな意味ではイエスってところだな」 「英国艦隊を撃滅するのは、たしかに脅威を排除できるのですから船団護衛でしょう。けど、それは海軍の仕事ではないでしょうか? 横から手を出しても煙たがられるだけだと思いますよ」 仮に飛鳥が英国艦隊を撃滅しても、海軍はいい顔しないだろうと霧神には思えた。というか、まず、そんなこと無理だ。 「いや」と成瀬が首を振って否定した。 「霧神の言うとおり、英国艦隊の相手は海軍の仕事さ。そりゃ撃滅できればベストだろうが、リスクがでかすぎる。出来るかどうかもわからない。しかし、我々の仕事はあくまで船団護衛だ」 「馬来部隊に随行しても、英国艦隊には手を出すつもりはない、と」 「今の状況で、英国艦隊が船団にとって最大の脅威であることにはかわりない。しかし、脅威の排除はイコール英国艦隊撃滅ではなく、船団の安全を守ることだ」 霧神が、口元に手をあてしばし考える。 「ああ、なるほど。馬来部隊を囮にするのですね?」 「囮とは人聞きがわるいな・・・」 「我々の立場からすれば、馬来部隊は囮に他なりません。このまま馬来部隊に付いて行って、戦闘になったらとっとと逃げ出そというわけでしょう? 馬来部隊との戦闘の時点で、英国艦隊の位置が判明しますから我々は回避航路を船団に送ればいい。そんなところですか?」 「まぁ、そんなところだな」 言いたかった事を全て言われてしまったため、口をへの字にまげて成瀬が答えた。 「今の英国艦隊に散兵戦術を使うメリットはない。各個撃破されるのがオチだからな。そして、英国艦隊を発見すれば、我々の仕事は終わったも同然だ。あとは海軍の仕事さ」 成瀬は話をしながら、本来コレは飛鳥のような船がするべきでないとも思っていた。もっと小型のできれば駆逐艦のような船がするべきだろう。同じような事は霧神や、ヤクトヒュッテの他のスタッフも幾人か思っているだろうが、口には出さなかった。ルフト・クーリエル社にある船は、唯一この飛鳥だけだ。無いものねだりしてもしかたが無い。 天気は、暗くなるにつれ徐々に雨の勢いが増してゆき、午後九時ごろには視界ゼロの驟雨となった。 「ひどい時化だな・・・」 窓に叩きつける雨を見ながら成瀬は誰にともなく呟いた。ヤクト・ヒュッテには成瀬以外に人影が見えない。本格的な戦闘が明日になると言う予測から、ヤクト・ヒュッテの要員は早めに休ませていた。飛鳥の航海自体は甲板上部のアイランド・ブリッジに置かれた航海艦橋で行われるため、航海だけならばここは無人でもかまわないのだ。 雨音にまじってかすかに爆音が聞こえた気がした。 「・・・なんだ?」 時間が経つにつれ、爆音は確かなものになる。気になった成瀬は、インカムで航海艦橋を呼び出した。 「発動機の音がするが整備中か?」 「いえ、整備はすでに終わってます。こちらでも聞こえますが、これは外ですよ」 航海艦橋の当直係が答えた。 「外? こんな嵐に飛んでる奴がいるのか?」 「それと、これは私の勘ですが、日本軍機のものです。・・・金星系ですね、おそらく九六式陸攻です。編隊で低空を飛んでます」 「って言うことは、サイパン基地は活動中ということか? そっちからは見えるか?」 飛行甲板の前部直下にあるヤクト・ヒュッテでは、上空に対する視界が悪い。もともと、なるべく直接視認以外の情報で作戦立案のためにスペースを確保できる場所と言う配置ということで決められた位置なので、対空監視は両端のウィングと航海艦橋に任せていた。 「はい、10時方向、三機編隊で飛んでます。接近中」 爆音がドンドン近くなる。 「我々を見つけたかな?」 「はい、おそらく・・・」 突然、窓が光った。成瀬は窓に近づき、発光源を見遣る。チリチリと輝くマグネシウムの明りだった。 「・・・ん? 吊光弾?」 「社長! 狙われてますよッ!」 インカムの声が霧神に替わった。急に繋がったところをみると、どうやら通信室から掛けてきたらしい。事務室と通信室はすぐ隣に置かれているので、外の異変に気付き連絡を取ろうと通信室に来たのだろう。 「あぁ、やっぱりそう思うか? 艦橋、様子はどうだ?」 「二手に分かれた。左右から挟撃するつもりです」 「この波で攻撃は難しいと思うけどな。霧神、連絡はついたか?」 霧神がインカムに出た時点で、すでに頭上の航空機に無線や発光信号を試しているだろうことは成瀬には予測がついていた。 「駄目です。発光信号は通じてませんし、無線は周波数がまだ特定できません」 さすがの『ルフト・クーリエル』社でも、航空機の機載無線まで把握はしていなかった。もともと今まで係わり合いがなかったのだから仕方ないのだが、今回はそれが裏目に出た。 「わかった。サイゴンの松永司令に打電しろ。中攻3機『鳥海』上空にあり、吊光弾下にあるは『鳥海』なり、だ」 「鳥海?」 「ここは海軍を装った方がいい、時間がないからな。間に合わずに爆弾が落とされたらたまらないだろ?」 確かに、先の潜水艦による敵艦隊発見の報は2時間遅れで第三艦隊に届く事態だったので、ここは民間船だというより、海軍を装って打電したほうがいいというのが成瀬の考えた。この悪天候なら艦影ぐらい誤魔化せるだろう。 ほどなくして、上空にいた三機の九六式陸攻は基地からの通信により引き返すことになる。 しかし、ここで思わぬ事態が生じた。基地からの返信、「三機の九六式陸攻は、命令を受理、攻撃を中止した」という報を鳥海が受信したのだ。鳥海としては寝耳に水の話だった。 「危機一髪だった・・・」 鳥海の艦橋で小沢提督が呟く。 「この悪天候では、これ以上の強行は危険だ。一旦、離脱し南方部隊本部と合流しよう」 「しかし・・・、お前さんも仕事熱心だね」 飛鳥の飛行甲板で武生は呆れまじりな口調で、九六式艦攻に乗り込む馬場に言った。 「なにしろ開戦してまだ二日目ですからね。ゆっくりしてられませんよ」 「けど、その格好はどうにかならんのか?」 ハーネス付きの救命胴衣こそ付けて入るものの、馬場はいつものようにビジネススーツを着ていた。 「ビジネススーツは営業マンの戦闘服です!」 馬場が胸を張って答える。 やれやれという顔の武生の横で、成瀬が苦笑した。 「25軍の山下将軍にはよろしく言っておいてくれ。まさかシンガポールまで付き合えなんて言われないようにな」 「次はもう少し楽な仕事を貰えるようにしましょう」 「馬来部隊の戦闘は確認されていません。英国艦隊の動向は不明のままです」 霧神が短く状況報告をした。 「無線傍受では伊58の報告から英国艦隊はシンガポールに向かうため南下しているものと予想されますが、警戒は疎かにしないでください」 「ああ、こいつをコタバルに下ろしたらすぐ帰ってくるよ」 軽く手を上げて答え、武生も九六式艦攻に乗り込む。機上の二人が始機チェックを済ませ、整備員の手によって九六式艦攻のエンジンが始動された。離陸速度が遅いと言う複葉機の数少ない利点のおかげで、発艦はカタパルトを使わず合成風力だけで何とかなった。 「英国艦隊かぁ、そうえば今朝には馬来部隊も居なくなっていたんだよな?」 「えぇ、嵐の中で見失ってしまったようですね」 馬来部隊を見失った事は飛鳥にとって、暗闇で灯りを失うのと同じだった。無論、成瀬や霧神はすぐに手を打った。馬来部隊を見失った段階で、見張り員の数を大幅に増やし、無線の傍受にも力を入れていた。偵察機はまだ使っていなかった。その理由はパイロットの技量によるもので、たしかに七尾と巣南は優れた技量を持っていたが、艦載機パイロットとしての洋上航法など経験不足であることは否めない。飛鳥のパイロットの中で、一番高い技量を持っているのは武生に違いは無く、成瀬はまず武生に連絡員となる馬場を乗せることにした。英国艦隊の動向を知るためには、どうしても飛鳥だけでは能力として不足になる分はいなめない。そこで、他の場所からも情報を集めるために馬場を送るわけだが、そのパイロットにもっとも確実な武生を使うのは、ある意味では賭けにも等しい。むろん、馬場にはそれだけの能力をかっているという意味でもあるが。 武生と馬場を乗せた九六式艦攻は、すぐ北上するのではなく一度西に向かっていた。 消去法からいけば昨日の馬来艦隊が南下したルートと英国艦隊のルートが交錯する可能性は低い。さらにここからまっすぐ北では、基地航空隊の偵察機による索敵網が濃密になる。武生の狙いは西に行く事によって、わずかでも索敵網の空白地帯を埋めることだった。 「ところで、俺たちが英国艦隊を見つけたらどうするんだ?」 「まず、飛鳥に通報して、それから海軍なり陸軍なりに通報します」 「信じるか? 奴らが」 武生がムスッと顔をしかめる。 彼らの立場は、軍からはあまり歓迎されていない。勝手にしゃしゃり出てきたのだから、同じ海を生業とする海軍の反感は相当なものだった。もとより「船団護衛など女子供の仕事だろう」ぐらいとしか考えて無かったため、かろうじて『ルフト・クーリエル』の活動を認めてはいたものの、コタバルでの爆撃機撃墜などの派手な戦果は、現場ではともかく司令部クラスだと好意的とばかり受け入れられていない。 「嫌われ者には嫌われ者らしいやり方がありますよ」 「また、昨日の夜みたいに海軍艦艇を装って無線打ったりするのかい?」 「うちの通信課の仕事は早いですからね。今朝には、もう海軍の航空無線も特定したらしいです。あの後も航空機は飛び回ってたようですから」 馬場は、そこで一度言葉を区切った。 「まぁ、いればですけど」 「いるんだ」 武生の鋭い視線が、水平線上に現れた影を捉えていた。 「えっ?」 「敵艦見ユ、だ。すぐ飛鳥に知らせろ」 叫ぶや否や九六式艦攻は横転降下を行い速度を稼ぎながら艦隊に接近する。艦隊の規模が見えてきた。戦艦二隻に駆逐艦が五隻ほど、戦艦のうち一隻は、四連装砲塔の上に二連装砲塔を載せるという特徴的な配置になっている。間違いないプリンス・オブ・ウェールズだ。武生は、さらに高度を下げながら戦艦へと向かった。 「ちっ、ちょっと! この機体には爆弾も魚雷も積んで無いんですよ!」 無線機を扱っていた馬場は、九六式艦攻はプリンス・オブ・ウェールズに肉薄している事に気付き慌てて叫んだ。 「そうえば、やけに身軽だったな・・・」 「気付いてください!」 「ええぃ!」と武生は操縦桿を倒し、急いで戦艦から離脱する。戦艦からの攻撃はまだなかった。彼らとしても、突然現れた複葉機に、どう対応するか戸惑ったのだろう。もしかすれば、それは味方のソードフィッシュかもしれないと勘違いしていたのかもしれない。しかし、九六式艦攻が横転旋回によってその姿を晒した事は皮肉にも彼らの対応を決定づかせた。 「敵機だ!」 機関銃座が一斉に火を吹き始めたが、そのころには九六式艦攻は射程外に逃げ延びていた。 「どうするんだ、これから? 飛鳥からなんか言ってきるか?」 「このままコタバルへ行って知らせてきてくれだそうです」 「コタバルに向かう? 飛鳥に積み込んであった艦攻はこれ一機だろ? どうするつもりだ?」 「きっと、何とかするんじゃないですか?」 「何とかしなきゃならん」 ヤクト・ヒュッテで武生からの打電を受け取った成瀬は海図板に歩み寄った。 「このままだと、コタバルをみすみす砲撃されることになるぞ」 霧神は海図版の上に英国艦隊のコマを置く。馬来艦隊のコマは仏印南方上で戦艦二隻を含む近藤中将指揮の本隊とセットで置かれていた。 「馬来艦隊は間に合いそうにはないですね。距離が遠すぎます」 「まったく、通報するだけでも事だってのにな」 船団護衛が目的であるはずのルフト・クーリエルが、この状況に対し行動をおこすかどうかは、微妙なところだった。英国艦隊の位置がわれた時点で、飛鳥は予定通り輸送船団に避難航路を送り、自船も回避進路を取っている。しかし、コタバルはそう言うわけには行かなかった。ここ二日間でタイから越境して来た増援部隊も合わせ部隊を再編している途中で、すぐに行動できる状態ではなかった。また、これから始まる南下作戦のための物資も大量に置かれている。これらが焼き尽くされれば、日本軍の馬来作戦は事実上頓挫するかもしれなかった。もし、そのような事になればルフト・クーリエルはその存在意味を失う事になる。いくら船が守れても積み荷が守られなければ意味が無い。船から降ろした時点で、管轄外ではないのかと言われるかもしれないが、現状ではそれはただの詭弁となるかもしれなかった。 「現状では、我々が足止めするのが得策でしょう」 「しかし、どうする? 対潜用の6番爆弾程度じゃかすり傷にしかならんぞ」 尋ねる成瀬に、海図から顔を上げた霧神は少し鋭い目つきになって、「社長」と見遣った。 「海軍の工廠から持ち出したのは大和の副砲だけですか?」 「・・・なんだよ。藪から棒に」 「15センチ砲は、たしかに駆逐艦程度の相手となら渡り合えますし、コルタバルでは役に立ちました。しかし、わざわざ連合艦隊の新旗艦から取り出すようなものでしょうか?」 「おいおい、あれは元々飛鳥の・・・」 「この船に詰まれていた物は、舷側ではなく主砲後ろに搭載されたモノでした。社長も知っているはずです。事を隠すために事を起こす。計略の基本ですね」 「計略とは人聞きがわるいな・・・」 言葉切れの悪く喋る成瀬は、ふぅと溜息を吐くとやれやれという顔で白状した。 「まさか、こんなにも早く切り札を出すとは思わなかった・・・」 「では、倉庫にあるアレを使用します。6番爆弾より効果はあるでしょう」 「しかし、よくあんなもの気付いたな。うまく隠したと思ったのに」 「主計課ですから」 あまり答えになってない気がすると成瀬は思ったが、そんな成瀬を無視して霧神は「では、準備をしてきます」とヤクト・ヒュッテから出ていこうとした。 「おい、この船に積んである艦攻はさっき武生が乗っていっちまったぞ?」 そんな事には気付いたますと言いたげに霧神が振り返った。 「社長は先ほど仰りましたよ? 何とかするんです」 ついに来るべき時が来たか・・・。 七宗は愛機He112と一緒にエレベーターで上がったところで、目にした光景にそう思った。 飛鳥の飛行甲板上では、今は蜂の巣を突付いたような大騒ぎになっていた。出撃機は自分も含め僅か三機、それでこの騒ぎと言うのはこれが今までのような連絡や哨戒のための発艦でなく。初の攻撃のための発艦になるからだろう。野次馬の数がいつもより多い。 忙しく動き回る整備員を避けながら、艦橋まで走り出す。途中、大型の台車が目の前通り過ぎる。それに載ったものに七宗は気を取られた。 あれは・・・。 振り帰ろうとしたが、その前に「こっちだぞ」と巣南に呼ばれ、そのまま艦橋まで走った。 艦橋のところまで着くと、なぜか飛行服姿の成瀬社長と霧神がいた。 「よし、これで出撃メンバは揃ったな。急いでいるから状況は短く言うぞ。先に出て行った武生が、英国艦隊を発見した。この位置だ」 壁にかけられた黒板に、成瀬は船のような絵を書く。艦橋の所に大砲みたいな物がついているのは、たぶん戦艦を表したいらしい。黒板にはすでにマレー半島っぽい絵が書かれていた。「で、今俺達がこのヘンにいる」ともう一つ、戦艦からすこし右の方に、もう一つ船みたいなを描く。艦橋を四角く描いたのは、飛鳥がアイランド艦橋だからのようだ。 「俺たちは、この英国艦隊を攻撃する。以上だ」 飛鳥から、戦艦まで真っ直ぐな矢印線を描いて成瀬はチョークを叩いた。 「えっ?」と一瞬、七宗はあっけに取られた顔をする。 「あの、これで終わりですか?」 「そうだよ。急いでるから」 「そんな無茶な」 なにしろ、ほんの10分前まで部屋で寝ていたのだ。同室の巣南に叩き起こされ、顔も洗ってないまま、飛行服に着替えここに来ている。 成瀬社長より先に、霧神が前に進み出て答えた。 「航法は私がHs126で行います。二機はその後を追ってきてください」 「攻撃って、だいたい二機とも戦闘機ですよ? どうやって戦艦なんか・・・」 言いかけて、七宗ははっとした様子で後ろを振り返った。 先ほどの台車が自分のHe112に止められている。そして、その台車に乗っていたものが、今まさにHe112に取り付けられようとしていた。 「・・・随分大きな増槽だな」 「現実逃避は止めろよ」 遠い目になる巣南の肩を叩き、七宗は振り返って尋ねた。 「魚雷ですか?」 「研修期間の評価では、二人とも雷撃技量でAを取ってますね」 「雷撃Aって言われても・・・」 なにしろ、その雷撃評価というやつは、どれだけ低空飛行が出来るかという単純極まりないものだけで評価された怪しいものだった。しかも、七宗と巣南の二人は互いをビビらせようとした結果、地面を舐めるような超低空飛行を行い(プロペラが地面に擦るかと思うような超低空飛行に追いかけられることは、かなりの恐怖心を増幅させる)得た結果に過ぎない。 つまり、低空飛行が出来るという以外、雷撃とはあまり関係ない。もともと、二人とも艦戦研修者であり、教導していた武生も戦闘機がメインで雷撃や爆撃はあまり明るくなかった。さらに、本来もの役目をおうはずの艦攻隊がいないのは、この二人の影響もある。この様子を見ていた艦攻研修組はその技量に触発され、艦攻研修が延長と言う事になり間に合わなかったのだ。 「ま、とりあえずこれ読んどいてくれ」 成瀬社長はそう言って、七宗に冊子を渡した。 七宗はそれは受け取り、明らかに手書きをで書かれたタイトルを見た。 『必中! 雷撃戦完全攻略・初級編』 なんだこれ、と思いながら七宗はパラパラとページを捲ってみる。 「速度150ノット以上、高度30メートル以下で投下ぁ?」 雷撃ってこんなに難しかったかぁ? 詳しいわけではないが、七宗の知識にある雷撃は高度50メートルが理想と言われていた。もっとも、対空砲もあるためもっと低くを飛ぶことになるが、この高度で150ノットはかなりの高速だった。 「お~い」と呼ぶ声で後ろを振り返った。 巣南がいつの間にか機体のところまで行って装着された魚雷の後ろを指差している。 「なんでこれ、スクリューのところに木枠なんかつけてんだ?」 飛鳥が風上に向け、疾走をはじめる。元が商船であるため最大速度でも25ノットも出れば良いほどの船速だが僅かな合成風力でも逃がしたくはなかった。 先に飛び発ったHs126で、成瀬と霧神がその様子を見ていた。 「うまくいくかな?」 「魚雷の重さは800キロ、戦闘機に積むには重すぎますが出来る限りの事はしました。、燃料は往復できる最低限の量に、機銃も降ろしています。船速最大、タパルトを最大出力、あとはあの二人と飛鳥の力を信じましょう」 後席の霧神の答えに、成瀬はふと感慨を持った。 いままで霧神明日香は飛鳥のことをを、「あれ」や「この船」としか呼ばなかった。たしかに主計課という霧神の立場からは、これまでの飛鳥は厄介の塊でしかなかっただろう。たしかにこの船には、『ルフト・クーリエル』のあらゆる資本を投入している。そのために、残りの持ち船を全て売ってしまったのだ。その間、『ルフト・クーリエル』の金庫を預かっていた霧神の奮迅ぶり凄まじかった。それを考えれば霧神にとって、飛鳥の印象は恨みとは言わなくてもいい印象は持っていないかもしれない。 単に、自分と同じ名前というのが気恥ずかしかったのかもしれないが。 だが、霧神は初めて飛鳥を名前を読んだ。船は、よく人と同列で見られる。船の名前は、人の名前と同じ意味を持つのだ。名前を呼ぶのは、その船を始めて認めた事とも言える。 これは良い兆候かもしれないと成瀬は思った。 二機の魚雷を積んだHe112は、カタパルトから弾き出されると一旦高度を下げたものの、踏みとどまり何とか発艦する。なんだかよたよたとした飛び方だった。やはり魚雷が重いのか、ふらふらしている。 「全機集合」 無線で霧神が呼びかける。 背後につく二機を認め、成瀬はゴーグルを掛けなおした。 「よし、何とかなるかもな」 「缶チューハイ3ダースに日本酒6合、それと焼酎8合、これ以上はどうにもならんそうです」 「松永め、最後までケチりやがったな」 九六式陸攻にまとわりつく様に飛ぶ、武生の九六艦攻はさらに接近しコクピットの前を掠めた。 「あ、あぶないじゃないですか!」 「ついて来い。英国艦隊まで案内してやる」 九六艦攻と索敵活動を取っていたサイゴン基地所属の鹿屋陸攻隊の九六式陸攻との邂逅は、ある意味では偶然ではあったが、予測の範囲内であった。英国艦隊を発見した武生はすぐに転進し、まっすぐ北へと向かった。そうすると、当然、索敵活動をしていた陸攻隊の索敵線と重なるので、遠方に見える黒点を発見した武生は、すぐに接近し無線でコンタクトを取った。 いわく、 「敵艦隊発見セリ、いくらで買う?」 『ルフト・クーリエル』社が企業である以上、最終達成目標は利潤である。そのためにあらゆる物を扱っている。情報もその一つだった。 「さすがにセコ過ぎましたかねぇ」 無線が切れている事を確認し、馬場がぼやいた。 「いや、こーゆーのは初めが肝心だからな。早く、俺達の立場ってやつを知らせておいたほうがいい」 「ルフト・クーリエルの立場ですか?」 「そうだ」 武生は一度言葉を区切り、バック・ミラーで九六式陸攻が付いてきている事を確認した。 「俺達は、海運商社だが空母を持っている。それだけでも海軍にとっては、目の上のたんこぶなのさ。なにしろ空母ってのは立派な軍艦でもあるからな。おめおめしているとうっかりどこぞの艦隊に編入されかねん。 兵力ってのは、箱だけじゃなくて、人もあわせて兵力なんだ。とくに空母みてぇな、船と飛行機の合わさったもんになるとなおの事だ。それだけ、使えるまでに時間が掛かる。それがポンと横から入ってくるなら、こんなうまい話はないだろ?」 「飛鳥が正規軍が望むような兵力として使えるかどうかは、まだわかりませんよ」 「使えるさ、そうでなきゃ仕事ができん。今は、こうして海軍には俺や佐倉のコネがあるからなんとかなるかもしれんが、それがなくなった時、どうにもなりませんでしたじゃ目も当てられん」 「だから、英国艦隊の位置を商品として出したのですか? まぁ、今回は物々交換みたいなもんですけど」 「今のは、な。警告だよ。我々は慈善事業でやってるわけじゃないってな。向こうが、あくまで商人として俺達を見てくれるようにしてゆく布石だよ」 「でも、それって本来、僕らが気にしなくちゃならないことですよね」 「なに、そっちはそっちでやればいい。俺は俺の立場でやっただけのことだ。 さて、世間話はこれぐらいにして、仕事にかかるぞ」 「二時方向、艦隊、戦艦二、駆逐艦三」 武生からの報告があった場所から、攻撃隊が到達するまでの時間、それに艦隊の移動進路と速度を計算した邂逅予測地点とほぼおなじポイントで、後席の霧神が告げた。 「駆逐艦が足りないな」 武生からの報告では、英国艦隊の駆逐艦は五隻だった。 「おそらくなんだかの理由で、艦隊を離れたのでしょう。周囲にも見当たりません」 「まぁ、迎撃戦力が減ったと喜んでおくか。それで、王子様はどこだ?」 「縦陣形の最後尾です。いけます」 「よし、では攻撃開始だ。突撃ッ!!」 三機の攻撃隊は、艦隊の側面からではなく後方から追いすがる形で接近する。航行中への、航空雷撃は的速から1引いた角度で行われるためだ。さすがに二度目の襲撃では、英国艦隊側もすばやく反応した。高角砲や機関銃の弾幕が三機に向かって襲いかかる。 「くっ、さすがにやる!!」 目の前で弾ける無数の砲弾に、成瀬が目をかしめる。 このとき、縦陣形を組んでいた英国艦隊は、けして理想的な迎撃弾幕を張れていたわけではなかった。しかし、襲撃してきた攻撃機が僅か三機なのと、さすがに新鋭艦だけありその弾幕は苛烈である。 「霧神、後ろの奴はちゃんと付いて来ているか! 逃げたりしてないだろうなッ!!」 「付いて来てます!」 「ほぅ、さすが武生の見込んだ奴らだ!」 成瀬は感心して言ったが、七宗と巣南としてはそんなカッコの良い理由で続いているのではない。もはや、弾幕の下を潜るような状態では、下手に離脱しようとして機体を横に向ける事さえ危険なのだ。二人にはこのまま続いていくと言う選択肢しかなかった。 しかし、仲間がいると言うのは成瀬には心強いとこであるには変わりない。たとえ部下の部下であろうと一緒に行ってくれる奴らがいるのだ。 「よし・・・、てーぃッ!!」 Hs126が胴体下部に持っていた増槽を切り捨てる。それはプリンス・オブ・ウェールズの船員達から見れば紛れもなく魚雷攻撃に見えただろう。巨大な艨艟がその身を揺るがす。しかし、攻撃の本命は、後ろに続くニ機だった。無理やり魚雷を載せたHe112戦闘機は、進路を変更した戦艦に対し、こちらも角度を直し投下する。 瞬間、800キロの重しが無くなり、機体が跳ね上がった。しかし、ここで上を向こうものなら、弾幕の中に飛び込む様なモノなので、それを強引におさえつける。 戦艦はさらに進路を変更しようとするが、巨大な慣性にあがなうことは容易ではなかった。 二機のHe112が手をつないでいるような横隊を取っていたためだろう。魚雷はプリンス・オブ・ウェールズの船首と船尾にそれぞれ命中する。 「やったぜ!」 一足先に上空へ戻っていた成瀬が確信したようにガッツポーズを取った。 「まだです!」 霧神が反駁する。全弾命中したと言っても、僅か二発だ。これでは沈んでくれるほど戦艦はやわではない。げんに対空砲火は依然凄まじさを落としてはいなかった。 「機関部をやったはずだ。これで奴の舵はもう効かない」 成瀬の言う通り、船尾に命中した魚雷は機関部を浸水させ、操舵装置を破壊していた。これによりプリンス・オブ・ウェールズは操艦不能となり、徐々にその速度を落としていた。 「ビスマルクと同じだ。あいつの命運は尽きた」 「それに見ろ」と言って成瀬が前方を指差す。その先には、大勢の陸攻隊を引き連れた九六艦攻の姿だった。 のちにマレー沖海戦と呼ばれるこの日の戦闘は、日本軍の航空隊によるほぼワンサイドゲームで幕を閉じた。英国海軍の誇る『プリンス・オブ・ウェールズ』、『レパルス』の撃沈が、これから起こるであろうマレー半島を巡る日英の攻防に大きな影響を与えることになり、また航空機のみで戦闘航海中の艦隊を撃滅したという事実は、世界中の海軍に衝撃を与えた。 しかし、大本営海軍部の大々的な宣伝の中に「飛鳥」という言葉は含まれていなかった。 ローレンス・フォルク中尉が目を覚ましたのは、自身が操縦桿を握っていたカタリナが撃墜されて三日後だった。 「ラリー中尉!!」 「おい、目を覚ましたぞ! 医者を呼んで来い!」 まだぼやけた視界だったが、数人が自分の事を見ているのだとわかった。一人は聞いた事のある声だ。 「なんだ、ネス。天国ってのはやけに喧しいな・・・」 「ヘブン(天国)? いや、ここは楽園です」 「楽園(アヴァロン)?」 寝かされている事に気付いて、身体を起こそうと力をいれる。突如、予想外の激痛が走り「うッ」と声を漏らした。 「無理しないでください。中尉はまる三日寝ていたのですから」 白衣を来た男が言った。 「駆逐艦『アヴァロン』へようこそ。ローレンス中尉」 「アヴァロン、・・・Z艦隊か?」 「えぇ、もっともZ艦隊はもうありませんが」 「なにッ!?」 思わず身を乗り出したローレンスが呻く。ネスが、それを介抱しながら説明した。 「あれから二日後、つまり昨日ですが、Z艦隊は主力のプリンス・オブ・ウェールズ、レパルスともに日本軍に撃沈されたんです」 「二隻とも戦艦だぞ。情報部の話では、オザワ艦隊は重巡が旗艦じゃなかったのか?」 「航空隊にやられました。やつら、飛行機を雲霞のように集めて来たんですよ。魚雷と爆弾に散々叩かれたようです」 「ビスマルクの時の意趣返しだな」 「本艦は、シンガポールへ引き返すテネドスの護衛として本隊を離れたので難を逃れたのですが・・・」 医官は苦しそうに声をすぼめた。この医官の気持ちはローレンスには、痛いほどわかった。二大戦艦を失った今、イギリス海軍は、この地においてプレゼンスを失ったのと同じだ。それは、この後の攻防にとって芳しくない影響を与えるに違いない。少なくても、これで日本側が勢い付く事ははまちがいないだろう。 「それで・・・、この艦はこのままシンガポールに向かうのか?」 「はい、そうですが、状況によっては、もっと後方のセイロンまで下がることになるかもしれないと、もっぱら艦内では噂になってます」 「やれやれ」 完全に浮き足立っているとローレンスは思った。二大戦艦がやられたことは、同じ海軍でも航空隊の自分より、船乗り達の方が衝撃が大きかったようだ。 「この借りは、いずれ返させて貰うさ」 ローレンスは、唇の端を曲げ少し笑って言った。 「とくに、あの空母にはね」
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激闘! マレー沖海戦 12月7日 この日、今だかつて無い航空攻撃が行われた。言わずと知れたハワイ作戦である。日本の空母戦力を結集し、作戦参加機は第一波第二波あわせて360機にのぼる攻撃により、アメリカ軍は戦艦アリゾナ撃沈以下17隻の艦艇に損害、航空機231機を損失し、4000人近い戦死者を出した。 日本側も攻撃により、29機の作戦機を失い、特殊潜航艇に至っては全艇未帰還という結果をもたらしていた。 「日本の布告通牒が遅れたようです」 飛鳥のヤクト・ヒュッテで、馬場が言った。 いつも余裕を持った表情ではない。めずらしく少し憂鬱そうな顔だった。 「まずいかなぁ」 と成瀬社長も溜息をつく。 「良くはないでしょう。まぁ、宣戦布告は戦争の常識なんていうのは一部の偏見でしかありませんが、これでアメリカ世論を敵に回した事は確かです。彼らは団結しますよ、『真珠湾を忘れるな』といって」 「どの道避けられん道だったさ、WWⅠで燻ったものが今頃炊きついて来たんだ。ハルノートなんぞきっかけに過ぎん。この出航のための油を集めるのにどれだけ苦労したか忘れたわけじゃないだろ?」 「要約しすぎですよ、それ」 「歴史の講義なら他所に任せる。さて、我々の当面の敵はイギリス軍だ。状況はどうなってる?」 「山下将軍の第25軍司令部はシンゴラに上陸しました。その他の部隊も各上陸地点に結集中。タイとは軍隊通過協定を結んでおいたので問題なかったようです。最大の懸念であったコルタバルも二日前の上陸作戦を無事完遂したことで払拭されました」 「これで、当面の問題はシンガポール港に停泊している東方艦隊か」 「ええ、それについては・・・」 「失礼します」といって霧神がヤクト・ヒュッテに入ってきた。 「無線室が、潜水艦の無線を傍受しました」 潜水艦の無線を傍受した、と聞いても成瀬社長はそんなに驚きはしなかった。なにしろここは『ルフト・クーリエル』社なのだ。軍隊の無線傍受一つもせずに、世界の海を渡っていたわけではない。 「発・伊65 宛・第五潜水戦隊司令部 敵レパルス型戦艦二隻ヲ見ユ。位置コチサ11 進路340 速度14ノット 1515時」 「コチサ?」 「コチサといえば、この先ですよ」 馬場が海図に歩み寄り確認した。 「日本海軍は?」 「小沢提督指揮下の馬来部隊は、現在シャム湾にいるはずです」 と霧神。 「遠いな・・・、反転しよう。このままでは海軍より先に、我々が英軍とかち合うことになるぞ」 実際、海軍から飛鳥を含む輸送船団に揚陸作業の中止とタイランド湾北方への避退が指示されたのは、その二時間後だった。つまり、それは小沢提督に二隻の英国戦艦の存在が報告されたのが、飛鳥の無線室より二時間後だったということだった。 「馬来部隊が偵察機を出したようです」 「両軍の接触は時間の問題か・・・。これは夜戦になるな」 「小沢提督の狙いもそうでしょう。しかし、馬来部隊は重巡が旗艦ですから砲火力では戦艦をもつイギリス海軍に劣ります。火力の差を埋めのために、肉薄雷撃を行うつもりだと思われます。ですが」 「なんだ?」 「天候が悪化しています。伊65の発信地点付近まで偵察機が行く事は可能だと思われますが、後続の馬来部隊が行く頃にはスコールになっているでしょう。万一遭遇戦になったとしても、波浪で雷撃は有効とは思えません」 「つまり、今夜のうちには決着がつかないと言うことか?」 「そうです。明日になれば天候も回復しますから、サイゴンの海軍航空隊も活動を始めるでしょう」 「航空攻撃か・・・、だが、今回はタラントやハワイとは違うぞ。戦闘航行中の艦隊だ」 「確かに効果は未知数です。しかし、まったく無視できるものではありません」 「では、我々はどうするか?、だ。なるべくなら戦闘域には居たくないな」 このころは、まだ空母と戦艦では戦艦の方が有効であると言うのが通論だった。たしかに射程と言うてんでは40キロ先に砲弾を飛ばす戦艦より、400キロ先に爆弾を落とせる艦載機のほうに分があるだろう。しかし、戦艦は、海に浮かぶ要塞とよばれるように防御力が高く、防空火器の搭載数も他の艦種より遥かに多い。それに比べ空母は防御力が脆弱であり、搭載火器も対空用がほとんどで直接対決では圧倒的に不利だった。 「天候の回復を待って、こちらも索敵を出しましょう。敵の位置さえ知れば、迂闊に近づく危険を減らせます」 「なら、当分はこのまま北上だな。馬来部隊の背後に回り込もう」 「馬来部隊と接触するのですか?」 霧神が怪訝な顔で尋ねる。海軍部隊との不用意な接触は、ルフト・クーリエルにとって不にはなっても良にはならない。ただでさえ今回は、『陸軍』の船団を護衛するという仕事を請け負ったため、『海軍』から目を付けられる事になった。しかし、開戦からまだ数日、海軍がハワイやらフィリピンに上陸するため船団を用意していたというならともかく、そう言う事はしていないのでルフト・クーリエルとしては陸軍から仕事をとるしかない。 「ミクロならノー、マクロな意味ではイエスってところだな」 「英国艦隊を撃滅するのは、たしかに脅威を排除できるのですから船団護衛でしょう。けど、それは海軍の仕事ではないでしょうか? 横から手を出しても煙たがられるだけだと思いますよ」 仮に飛鳥が英国艦隊を撃滅しても、海軍はいい顔しないだろうと霧神には思えた。というか、まず、そんなこと無理だ。 「いや」と成瀬が首を振って否定した。 「霧神の言うとおり、英国艦隊の相手は海軍の仕事さ。そりゃ撃滅できればベストだろうが、リスクがでかすぎる。出来るかどうかもわからない。しかし、我々の仕事はあくまで船団護衛だ」 「馬来部隊に随行しても、英国艦隊には手を出すつもりはない、と」 「今の状況で、英国艦隊が船団にとって最大の脅威であることにはかわりない。しかし、脅威の排除はイコール英国艦隊撃滅ではなく、船団の安全を守ることだ」 霧神が、口元に手をあてしばし考える。 「ああ、なるほど。馬来部隊を囮にするのですね?」 「囮とは人聞きがわるいな・・・」 「我々の立場からすれば、馬来部隊は囮に他なりません。このまま馬来部隊に付いて行って、戦闘になったらとっとと逃げ出そというわけでしょう? 馬来部隊との戦闘の時点で、英国艦隊の位置が判明しますから我々は回避航路を船団に送ればいい。そんなところですか?」 「まぁ、そんなところだな」 言いたかった事を全て言われてしまったため、口をへの字にまげて成瀬が答えた。 「今の英国艦隊に散兵戦術を使うメリットはない。各個撃破されるのがオチだからな。そして、英国艦隊を発見すれば、我々の仕事は終わったも同然だ。あとは海軍の仕事さ」 成瀬は話をしながら、本来コレは飛鳥のような船がするべきでないとも思っていた。もっと小型のできれば駆逐艦のような船がするべきだろう。同じような事は霧神や、ヤクトヒュッテの他のスタッフも幾人か思っているだろうが、口には出さなかった。ルフト・クーリエル社にある船は、唯一この飛鳥だけだ。無いものねだりしてもしかたが無い。 天気は、暗くなるにつれ徐々に雨の勢いが増してゆき、午後九時ごろには視界ゼロの驟雨となった。 「ひどい時化だな・・・」 窓に叩きつける雨を見ながら成瀬は誰にともなく呟いた。ヤクト・ヒュッテには成瀬以外に人影が見えない。本格的な戦闘が明日になると言う予測から、ヤクト・ヒュッテの要員は早めに休ませていた。飛鳥の航海自体は甲板上部のアイランド・ブリッジに置かれた航海艦橋で行われるため、航海だけならばここは無人でもかまわないのだ。 雨音にまじってかすかに爆音が聞こえた気がした。 「・・・なんだ?」 時間が経つにつれ、爆音は確かなものになる。気になった成瀬は、インカムで航海艦橋を呼び出した。 「発動機の音がするが整備中か?」 「いえ、整備はすでに終わってます。こちらでも聞こえますが、これは外ですよ」 航海艦橋の当直係が答えた。 「外? こんな嵐に飛んでる奴がいるのか?」 「それと、これは私の勘ですが、日本軍機のものです。・・・金星系ですね、おそらく九六式陸攻です。編隊で低空を飛んでます」 「って言うことは、サイパン基地は活動中ということか? そっちからは見えるか?」 飛行甲板の前部直下にあるヤクト・ヒュッテでは、上空に対する視界が悪い。もともと、なるべく直接視認以外の情報で作戦立案のためにスペースを確保できる場所と言う配置ということで決められた位置なので、対空監視は両端のウィングと航海艦橋に任せていた。 「はい、10時方向、三機編隊で飛んでます。接近中」 爆音がドンドン近くなる。 「我々を見つけたかな?」 「はい、おそらく・・・」 突然、窓が光った。成瀬は窓に近づき、発光源を見遣る。チリチリと輝くマグネシウムの明りだった。 「・・・ん? 吊光弾?」 「社長! 狙われてますよッ!」 インカムの声が霧神に替わった。急に繋がったところをみると、どうやら通信室から掛けてきたらしい。事務室と通信室はすぐ隣に置かれているので、外の異変に気付き連絡を取ろうと通信室に来たのだろう。 「あぁ、やっぱりそう思うか? 艦橋、様子はどうだ?」 「二手に分かれた。左右から挟撃するつもりです」 「この波で攻撃は難しいと思うけどな。霧神、連絡はついたか?」 霧神がインカムに出た時点で、すでに頭上の航空機に無線や発光信号を試しているだろうことは成瀬には予測がついていた。 「駄目です。発光信号は通じてませんし、無線は周波数がまだ特定できません」 さすがの『ルフト・クーリエル』社でも、航空機の機載無線まで把握はしていなかった。もともと今まで係わり合いがなかったのだから仕方ないのだが、今回はそれが裏目に出た。 「わかった。サイゴンの松永司令に打電しろ。中攻3機『鳥海』上空にあり、吊光弾下にあるは『鳥海』なり、だ」 「鳥海?」 「ここは海軍を装った方がいい、時間がないからな。間に合わずに爆弾が落とされたらたまらないだろ?」 確かに、先の潜水艦による敵艦隊発見の報は2時間遅れで第三艦隊に届く事態だったので、ここは民間船だというより、海軍を装って打電したほうがいいというのが成瀬の考えた。この悪天候なら艦影ぐらい誤魔化せるだろう。 ほどなくして、上空にいた三機の九六式陸攻は基地からの通信により引き返すことになる。 しかし、ここで思わぬ事態が生じた。基地からの返信、「三機の九六式陸攻は、命令を受理、攻撃を中止した」という報を鳥海が受信したのだ。鳥海としては寝耳に水の話だった。 「危機一髪だった・・・」 鳥海の艦橋で小沢提督が呟く。 「この悪天候では、これ以上の強行は危険だ。一旦、離脱し南方部隊本部と合流しよう」 「しかし・・・、お前さんも仕事熱心だね」 飛鳥の飛行甲板で武生は呆れまじりな口調で、九六式艦攻に乗り込む馬場に言った。 「なにしろ開戦してまだ二日目ですからね。ゆっくりしてられませんよ」 「けど、その格好はどうにかならんのか?」 ハーネス付きの救命胴衣こそ付けて入るものの、馬場はいつものようにビジネススーツを着ていた。 「ビジネススーツは営業マンの戦闘服です!」 馬場が胸を張って答える。 やれやれという顔の武生の横で、成瀬が苦笑した。 「25軍の山下将軍にはよろしく言っておいてくれ。まさかシンガポールまで付き合えなんて言われないようにな」 「次はもう少し楽な仕事を貰えるようにしましょう」 「馬来部隊の戦闘は確認されていません。英国艦隊の動向は不明のままです」 霧神が短く状況報告をした。 「無線傍受では伊58の報告から英国艦隊はシンガポールに向かうため南下しているものと予想されますが、警戒は疎かにしないでください」 「ああ、こいつをコルタバルに下ろしたらすぐ帰ってくるよ」 軽く手を上げて答え、武生も九六式艦攻に乗り込む。機上の二人が始機チェックを済ませ、整備員の手によって九六式艦攻のエンジンが始動された。離陸速度が遅いと言う複葉機の数少ない利点のおかげで、発艦はカタパルトを使わず合成風力だけで何とかなった。 「英国艦隊かぁ、そうえば今朝には馬来部隊も居なくなっていたんだよな?」 「えぇ、嵐の中で見失ってしまったようですね」 馬来部隊を見失った事は飛鳥にとって、暗闇で灯りを失うのと同じだった。無論、成瀬や霧神はすぐに手を打った。馬来部隊を見失った段階で、見張り員の数を大幅に増やし、無線の傍受にも力を入れていた。偵察機はまだ使っていなかった。その理由はパイロットの技量によるもので、たしかに七尾と巣南は優れた技量を持っていたが、艦載機パイロットとしての洋上航法など経験不足であることは否めない。飛鳥のパイロットの中で、一番高い技量を持っているのは武生に違いは無く、成瀬はまず武生に連絡員となる馬場を乗せることにした。英国艦隊の動向を知るためには、どうしても飛鳥だけでは能力として不足になる分はいなめない。そこで、他の場所からも情報を集めるために馬場を送るわけだが、そのパイロットにもっとも確実な武生を使うのは、ある意味では賭けにも等しい。むろん、馬場にはそれだけの能力をかっているという意味でもあるが。 武生と馬場を乗せた九六式艦攻は、すぐ北上するのではなく一度西に向かっていた。 消去法からいけば昨日の馬来艦隊が南下したルートと英国艦隊のルートが交錯する可能性は低い。さらにここからまっすぐ北では、基地航空隊の偵察機による索敵網が濃密になる。武生の狙いは西に行く事によって、わずかでも索敵網の空白地帯を埋めることだった。 「ところで、俺たちが英国艦隊を見つけたらどうするんだ?」 「まず、飛鳥に通報して、それから海軍なり陸軍なりに通報します」 「信じるか? 奴らが」 武生がムスッと顔をしかめる。 彼らの立場は、軍からはあまり歓迎されていない。勝手にしゃしゃり出てきたのだから、同じ海を生業とする海軍の反感は相当なものだった。もとより「船団護衛など女子供の仕事だろう」ぐらいとしか考えて無かったため、かろうじて『ルフト・クーリエル』の活動を認めてはいたものの、コルタバルでの爆撃機撃墜などの派手な戦果は、現場ではともかく司令部クラスだと好意的とばかり受け入れられていない。 「嫌われ者には嫌われ者らしいやり方がありますよ」 「また、昨日の夜みたいに海軍艦艇を装って無線打ったりするのかい?」 「うちの通信課の仕事は早いですからね。今朝には、もう海軍の航空無線も特定したらしいです。あの後も航空機は飛び回ってたようですから」 馬場は、そこで一度言葉を区切った。 「まぁ、いればですけど」 「いるんだ」 武生の鋭い視線が、水平線上に現れた影を捉えていた。 「えっ?」 「敵艦見ユ、だ。すぐ飛鳥に知らせろ」 叫ぶや否や九六式艦攻は横転降下を行い速度を稼ぎながら艦隊に接近する。艦隊の規模が見えてきた。戦艦二隻に駆逐艦が四隻ほど、戦艦のうち一隻は、四連装砲塔の上に二連装砲塔を載せるという特徴的な配置になっている。間違いないプリンス・オブ・ウェールズだ。武生は、さらに高度を下げながら戦艦へと向かった。 「ちっ、ちょっと! この機体には爆弾も魚雷も積んで無いんですよ!」 無線機を扱っていた馬場は、九六式艦攻はプリンス・オブ・ウェールズに肉薄している事に気付き慌てて叫んだ。 「そうえば、やけに身軽だったな・・・」 「気付いてください!」 「ええぃ!」と武生は操縦桿を倒し、急いで戦艦から離脱する。戦艦からの攻撃はまだなかった。彼らとしても、突然現れた複葉機に、どう対応するか戸惑ったのだろう。もしかすれば、それは味方のソードフィッシュかもしれないと勘違いしていたのかもしれない。しかし、九六式艦攻が横転旋回によってその姿を晒した事は皮肉にも彼らの対応を決定づかせた。 「敵機だ!」 機関銃座が一斉に火を吹き始めたが、そのころには九六式艦攻は射程外に逃げ延びていた。 「どうするんだ、これから? 飛鳥からなんか言ってきるか?」 「このままコルタバルへ行って知らせてきてくれだそうです」 「コルタバルに向かう? 飛鳥に積み込んであった艦攻はこれ一機だろ? どうするつもりだ?」 「きっと、何とかするんじゃないですか?」 「何とかしなきゃならん」 ヤクト・ヒュッテで武生からの打電を受け取った成瀬は海図板に歩み寄った。 「このままだと、コルタバルをみすみす砲撃されることになるぞ」 霧神は海図版の上に英国艦隊のコマを置く。馬来艦隊のコマは仏印南方上で戦艦二隻を含む近藤中将指揮の本隊とセットで置かれていた。 「馬来艦隊は間に合いそうにはないですね。距離が遠すぎます」 「まったく、通報するだけでも事だってのにな」 船団護衛が目的であるはずのルフト・クーリエルが、この状況に対し行動をおこすかどうかは、微妙なところだった。英国艦隊の位置がわれた時点で、飛鳥は予定通り輸送船団に避難航路を送り、自船も回避進路を取っている。しかし、コンタバルはそう言うわけには行かなかった。ここ二日間でタイから越境して来た増援部隊も合わせ部隊を再編している途中で、すぐに行動できる状態ではなかった。また、これから始まる南下作戦のための物資も大量に置かれている。これらが焼き尽くされれば、日本軍の馬来作戦は事実上頓挫するかもしれなかった。もし、そのような事になればルフト・クーリエルはその存在意味を失う事になる。いくら船が守れても積み荷が守られなければ意味が無い。船から降ろした時点で、管轄外ではないのかと言われるかもしれないが、現状ではそれはただの詭弁となるかもしれなかった。 「現状では、我々が足止めするのが得策でしょう」 「しかし、どうする? 対潜用の6番爆弾程度じゃかすり傷にしかならんぞ」 尋ねる成瀬に、海図から顔を上げた霧神は少し鋭い目つきになって、「社長」と見遣った。 「海軍の工廠から持ち出したのは大和の副砲だけですか?」 「・・・なんだよ。藪から棒に」 「15センチ砲は、たしかに駆逐艦程度の相手となら渡り合えますし、コルタバルでは役に立ちました。しかし、わざわざ連合艦隊の新旗艦から取り出すようなものでしょうか?」 「おいおい、あれは元々飛鳥の・・・」 「この船に詰まれていた物は、舷側ではなく主砲後ろに搭載されたモノでした。社長も知っているはずです。事を隠すために事を起こす。計略の基本ですね」 「計略とは人聞きがわるいな・・・」 言葉切れの悪く喋る成瀬は、ふぅと溜息を吐くとやれやれという顔で白状した。 「まさか、こんなにも早く切り札を出すとは思わなかった・・・」 「では、倉庫にあるアレを使用します。6番爆弾より効果はあるでしょう」 「しかし、よくあんなもの気付いたな。うまく隠したと思ったのに」 「主計課ですから」 あまり答えになってない気がすると成瀬は思ったが、そんな成瀬を無視して霧神は「では、準備をしてきます」とヤクト・ヒュッテから出ていこうとした。 「おい、この船に積んである艦攻はさっき武生が乗っていっちまったぞ?」 そんな事には気付いたますと言いたげに霧神が振り返った。 「社長は先ほど仰りましたよ? 何とかするんです」 ついに来るべきと気が来たか・・・。 七宗は愛機He112と一緒にエレベーターで上がったところで、目にした光景にそう思った。 飛鳥の飛行甲板上では、今は蜂の巣を突付いたような大騒ぎになっていた。出撃機は自分も含め僅か三機、それでこの騒ぎと言うのはこれが今までのような連絡や哨戒のための発艦でなく。初の攻撃のための発艦になるからだろう。野次馬の数がいつもより多い。 忙しく動き回る整備員を避けながら、艦橋まで走り出す。途中、大型の台車が目の前通り過ぎる。それに載ったものに七宗は気を取られた。 あれは・・・。 振り帰ろうとしたが、その前に「こっちだぞ」と巣南に呼ばれ、そのまま艦橋まで走った。 艦橋のところまで着くと、なぜか飛行服姿の成瀬社長と霧神がいた。 「よし、これで出撃メンバは揃ったな。急いでいるから状況は短く言うぞ。先に出て行った武生が、英国艦隊を発見した。この位置だ」 壁にかけられた黒板に、成瀬は船のような絵を書く。艦橋の所に大砲みたいな物がついているのは、たぶん戦艦を表したいらしい。黒板にはすでにマレー半島っぽい絵が書かれていた。「で、今俺達がこのヘンにいる」ともう一つ、戦艦からすこし右の方に、もう一つ船みたいなを描く。艦橋を四角く描いたのは、飛鳥がアイランド艦橋だからのようだ。 「俺たちは、この英国艦隊を攻撃する。以上だ」 飛鳥から、戦艦まで真っ直ぐな矢印線を描いて成瀬はチョークを叩いた。 「えっ?」と一瞬、七宗はあっけに取られた顔をする。 「あの、これで終わりですか?」 「そうだよ。急いでるから」 「そんな無茶な」 なにしろ、ほんの10分前まで部屋で寝ていたのだ。同室の巣南に叩き起こされ、顔も洗ってないまま、飛行服に着替えここに来ている。 成瀬社長より先に、霧神が前に進み出て答えた。 「航法は私がHs126で行います。二機はその後を追ってきてください」 「攻撃って、だいたい二機とも戦闘機ですよ? どうやって戦艦なんか・・・」 言いかけて、七宗ははっとした様子で後ろを振り返った。 先ほどの台車が自分のHe112に止められている。そして、その台車に乗っていたものが、今まさにHe112に取り付けられようとしていた。 「・・・随分大きな増槽だな」 「現実逃避は止めろよ」 遠い目になる巣南の肩を叩き、七宗は振り返って尋ねた。 「魚雷ですか?」 「研修期間の評価では、二人とも雷撃技量でAを取ってますね」 「雷撃Aって言われても・・・」 なにしろ、その雷撃評価というやつは、どれだけ低空飛行が出来るかという単純極まりないものだけで評価された怪しいものだった。しかも、七宗と巣南の二人は互いをビビらせようとした結果、地面を舐めるような超低空飛行を行い(プロペラが地面に擦るかと思うような超低空飛行に追いかけられることは、かなりの恐怖心を増幅させる)得た結果に過ぎない。 つまり、低空飛行が出来るという以外、雷撃とはあまり関係ない。もともと、二人とも艦戦研修者であり、教導していた武生も戦闘機がメインで雷撃や爆撃はあまり明るくなかった。さらに、本来もの役目をおうはずの艦攻隊がいないのは、この二人の影響もある。この様子を見ていた艦攻研修組はその技量に触発され、艦攻研修が延長と言う事になり間に合わなかったのだ。 「ま、とりあえずこれ読んどいてくれ」 成瀬社長はそう言って、七宗に冊子を渡した。 七宗はそれは受け取り、明らかに手書きをで書かれたタイトルを見た。 『必中! 雷撃戦完全攻略・初級編』 なんだこれ、と思いながら七宗はパラパラとページを捲ってみる。 「速度150ノット以上、高度30メートル以下で投下?」 雷撃ってこんなに難しかったかぁ? 詳しいわけではないが、七宗の知識にある雷撃は高度50メートルが理想と言われていた。もっとも、対空砲もあるためもっと低くを飛ぶことになるが、この高度で150ノットはかなりの高速だった。 「お~い」と呼ぶ声で後ろを振り返った。 巣南がいつの間にか機体のところまで行って装着された魚雷の後ろを指差している。 「なんでこれ、スクリューのところに木枠なんかつけてんだ?」 飛鳥が風上に向け、疾走をはじめる。元が商船であるため最大速度でも25ノットも出れば良いほどの船速だが僅かな合成風力でも逃がしたくはなかった。 先に飛び発ったHs126で、成瀬と霧神がその様子を見ていた。 「うまくいくかな?」 「魚雷の重さは800キロ、戦闘機に積むには重すぎますが出来る限りの事はしました。、燃料は往復できる最低限の量に、機銃も降ろしています。船速最大、タパルトを最大出力、あとはあの二人と飛鳥の力を信じましょう」 後席の霧神の答えに、成瀬はふと感慨を持った。 いままで霧神明日香は飛鳥のことをを、「あれ」や「この船」としか呼ばなかった。たしかに主計課という霧神の立場からは、これまでの飛鳥は厄介の塊でしかなかっただろう。たしかにこの船には、『ルフト・クーリエル』のあらゆる資本を投入している。そのために、残りの持ち船を全て売ってしまったのだ。その間、『ルフト・クーリエル』の金庫を預かっていた霧神の奮迅ぶり凄まじかった。それを考えれば霧神にとって、飛鳥の印象は恨みとは言わなくてもいい印象は持っていないかもしれない。 単に、自分と同じ名前というのが気恥ずかしかったのかもしれないが。 だが、霧神は初めて飛鳥を名前を読んだ。船は、よく人と同列で見られる。船の名前は、人の名前と同じ意味を持つのだ。名前を呼ぶのは、その船を始めて認めた事とも言える。 これは良い兆候かもしれないと成瀬は思った。 二機の魚雷を積んだHe112は、カタパルトから弾き出されると一旦高度を下げたものの、踏みとどまり何とか発艦する。なんだかよたよたとした飛び方だった。やはり魚雷が重いのか、ふらふらしている。 「全機集合」 無線で霧神が呼びかける。 背後につく二機を認め、成瀬はゴーグルを掛けなおした。 「よし、何とかなるかもな」 「缶チューハイ3ダースに日本酒6合、それと焼酎8合、これ以上はどうにもならんそうです」 「松永め、最後までケチりやがったな」 九六式陸攻にまとわりつく様に飛ぶ、武生の九六艦攻はさらに接近しコクピットの前を掠めた。 「あ、あぶないじゃないですか!」 「ついて来い。英国艦隊まで案内してやる」 九六艦攻と索敵活動を取っていたサイゴン基地所属の鹿屋陸攻隊の九六式陸攻との邂逅は、ある意味では偶然ではあったが、予測の範囲内であった。英国艦隊を発見した武生はすぐに転進し、まっすぐ北へと向かった。そうすると、当然、索敵活動をしていた陸攻隊の索敵線と重なるので、遠方に見える黒点を発見した武生は、すぐに接近し無線でコンタクトを取った。 いわく、 「敵艦隊発見セリ、いくらで買う?」 『ルフト・クーリエル』社が企業である以上、最終達成目標は利潤である。そのためにあらゆる物を扱っている。情報もその一つだった。 「さすがにセコ過ぎましたかねぇ」 無線が切れている事を確認し、馬場がぼやいた。 「いや、こーゆーのは初めが肝心だからな。早く、俺達の立場ってやつを知らせておいたほうがいい」 「ルフト・クーリエルの立場ですか?」 「そうだ」 武生は一度言葉を区切り、バック・ミラーで九六式陸攻が付いてきている事を確認した。 「俺達は、海運商社だが空母を持っている。それだけでも海軍にとっては、目の上のたんこぶなのさ。なにしろ空母ってのは立派な軍艦でもあるからな。おめおめしているとうっかりどこぞの艦隊に編入されかねん。 兵力ってのは、箱だけじゃなくて、人もあわせて兵力なんだ。とくに空母みてぇな、船と飛行機の合わさったもんになるとなおの事だ。それだけ、使えるまでに時間が掛かる。それがポンと横から入ってくるなら、こんなうまい話はないだろ?」 「飛鳥が正規軍が望むような兵力として使えるかどうかは、まだわかりませんよ」 「使えるさ、そうでなきゃ仕事ができん。今は、こうして海軍には俺や佐倉のコネがあるからなんとかなるかもしれんが、それがなくなった時、どうにもなりませんでしたじゃ目も当てられん」 「だから、英国艦隊の位置を商品として出したのですか? まぁ、今回は物々交換みたいなもんですけど」 「今のは、な。警告だよ。我々は慈善事業でやってるわけじゃないってな。向こうが、あくまで商人として俺達を見てくれるようにしてゆく布石だよ」 「でも、それって本来、僕らが気にしなくちゃならないことですよね」 「なに、そっちはそっちでやればいい。俺は俺の立場でやっただけのことだ。 さて、世間話はこれぐらいにして、仕事にかかるぞ」 「二時方向、艦隊、戦艦二、駆逐艦三」 武生からの報告があった場所から、攻撃隊が到達するまでの時間、それに艦隊の移動進路と速度を計算した邂逅予測地点とほぼおなじポイントで、後席の霧神が告げた。 「駆逐艦が足りないな」 武生からの報告では、英国艦隊の駆逐艦は五隻だった。 「おそらくなんだかの理由で、艦隊を離れたのでしょう。周囲にも見当たりません」 「まぁ、迎撃戦力が減ったと喜んでおくか。それで、王子様はどこだ?」 「縦陣形の最後尾です。いけます」 「よし、では攻撃開始だ。突撃ッ!!」 三機の攻撃隊は、艦隊の側面からではなく後方から追いすがる形で接近する。航行中への、航空雷撃は的速から1引いた角度で行われるためだ。さすがに二度目の襲撃では、英国艦隊側もすばやく反応した。高角砲や機関銃の弾幕が三機に向かって襲いかかる。 「くっ、さすがにやる!!」 目の前で弾ける無数の砲弾に、成瀬が目をかしめる。 このとき、縦陣形を組んでいた英国艦隊は、けして理想的な迎撃弾幕を張れていたわけではなかった。しかし、襲撃してきた攻撃機が僅か三機なのと、さすがに新鋭艦だけありその弾幕は苛烈である。 「霧神、後ろの奴はちゃんと付いて来ているか! 逃げたりしてないだろうなッ!!」 「付いて来てます!」 「ほぅ、さすが武生の見込んだ奴らだ!」 成瀬は感心して言ったが、七宗と巣南としてはそんなカッコの良い理由で続いているのではない。もはや、弾幕の下を潜るような状態では、下手に離脱しようとして機体を横に向ける事さえ危険なのだ。二人にはこのまま続いていくと言う選択肢しかなかった。 しかし、仲間がいると言うのは成瀬には心強いとこであるには変わりない。たとえ部下の部下であろうと一緒に行ってくれる奴らがいるのだ。 「よし・・・、てーぃッ!!」 Hs126が胴体下部に持っていた増槽を切り捨てる。それはプリンス・オブ・ウェールズの船員達から見れば紛れもなく魚雷攻撃に見えただろう。巨大な艨艟がその身を揺るがす。しかし、攻撃の本命は、後ろに続くニ機だった。無理やり魚雷を載せたHe112戦闘機は、進路を変更した戦艦に対し、こちらも角度を直し投下する。 瞬間、800キロの重しが無くなり、機体が跳ね上がった。しかし、ここで上を向こうものなら、弾幕の中に飛び込む様なモノなので、それを強引におさえつける。 戦艦はさらに進路を変更しようとするが、巨大な慣性にあがなうことは容易ではなかった。 二機のHe112が手をつないでいるような横隊を取っていたためだろう。魚雷はプリンス・オブ・ウェールズの船首と船尾にそれぞれ命中する。 「やったぜ!」 一足先に上空へ戻っていた成瀬が確信したようにガッツポーズを取った。 「まだです!」 霧神が反駁する。全弾命中したと言っても、僅か二発だ。これでは沈んでくれるほど戦艦はやわではない。げんに対空砲火は依然凄まじさを落としてはいなかった。 「機関部をやったはずだ。これで奴の舵はもう効かない」 成瀬の言う通り、船尾に命中した魚雷は機関部を浸水させ、操舵装置を破壊していた。これによりプリンス・オブ・ウェールズは操艦不能となり、徐々にその速度を落としていた。 「ビスマルクと同じだ。あいつの命運は尽きた」 「それに見ろ」と言って成瀬が前方を指差す。その先には、大勢の陸攻隊を引き連れた九六艦攻の姿だった。 のちにマレー沖海戦と呼ばれるこの日の戦闘は、日本軍の航空隊によるほぼワンサイドゲームで幕を閉じた。英国海軍の誇る『プリンス・オブ・ウェールズ』、『レパルス』の撃沈が、これから起こるであろうマレー半島を巡る日英の攻防に大きな影響を与えることになり、また航空機のみで戦闘航海中の艦隊を撃滅したという事実は、世界中の海軍に衝撃を与えた。 しかし、大本営海軍部の大々的な宣伝の中に「飛鳥」という言葉は含まれていなかった。 ローレンス・フォルク中尉が目を覚ましたのは、自身が操縦桿を握っていたカタリナが撃墜されて三日後だった。 「ラリー中尉!!」 「おい、目を覚ましたぞ! 医者を呼んで来い!」 まだぼやけた視界だったが、数人が自分の事を見ているのだとわかった。一人は聞いた事のある声だ。 「なんだ、ネス。天国ってのはやけに喧しいな・・・」 「ヘブン(天国)? いや、ここは楽園です」 「楽園(アヴァロン)?」 寝かされている事に気付いて、身体を起こそうと力をいれる。突如、予想外の激痛が走り「うッ」と声を漏らした。 「無理しないでください。中尉はまる三日寝ていたのですから」 白衣を来た男が言った。 「駆逐艦『アヴァロン』へようこそ。ローレンス中尉」 「アヴァロン、・・・Z艦隊か?」 「えぇ、もっともZ艦隊はもうありませんが」 「なにッ!?」 思わず身を乗り出したローレンスが呻く。ネスが、それを介抱しながら説明した。 「あれから二日後、つまり昨日ですが、Z艦隊は主力のプリンス・オブ・ウェールズ、レパルスともに日本軍に撃沈されたんです」 「二隻とも戦艦だぞ。情報部の話では、オザワ艦隊は重巡が旗艦じゃなかったのか?」 「航空隊にやられました。やつら、飛行機を雲霞のように集めて来たんですよ。魚雷と爆弾に散々叩かれたようです」 「ビスマルクの時の意趣返しだな」 「本艦は、シンガポールへ引き返すテネドスの護衛として本隊を離れたので難を逃れたのですが・・・」 医官は苦しそうに声をすぼめた。この医官の気持ちはローレンスには、痛いほどわかった。二大戦艦を失った今、イギリス海軍は、この地においてプレゼンスを失ったのと同じだ。それは、この後の攻防にとって芳しくない影響を与えるに違いない。少なくても、今は日本側に勢いがあるのはまちがいないだろう。 「それで・・・、この艦はこのままシンガポールに向かうのか?」 「はい、そうですが、状況によっては、もっと後方のセイロンまで下がることになるかもしれないと、もっぱら艦内では噂になってます」 「やれやれだな」 完全に浮き足立っているとローレンスは思った。二大戦艦がやられたことは、同じ海軍でも航空隊の自分より、船乗り達の方が衝撃が大きかったようだ。 「この借りは、いずれ返させて貰うさ」 ローレンスは、唇の端を曲げ少し笑って言った。 「とくに、あの空母にはね」 前項 表紙 次項
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メインキャラ(学会員) メインキャラ(非学会員) サブキャラ(学会員) サブキャラ(非学会員) 芸能人(非学会員) 創価の敵対団体関係者 創価学会幹部 政治系(公明党) 政治系(非学会員) その他 ニコニコで競演(創価無関係) 三次元(リアル) 名言は名言集に移しました。 メインキャラ(学会員) エア本さん 言わずと知れた主人公。ピンクの衣装でおなじみテレビやニコニコで大活躍の女優。鳥になりたいという夢をもつ。 「久本雅美の頭がカービィのBGMに合わせて爆発したようです」で衝撃的デビューを果たして以来多くのファンを持つ。 「頭がパーン」をはじめとする数々の名言で知られ、今や人気はうなぎのぼり。他ジャンルの動画に出張することも多く、 権利者表示で削除が無くなった後はニコニコオールスターの一員にも数えられるようになり、宗教という扱いにくく、尚且つ危険なジャンルにも関わらず、エア本さんの功徳の実証だろうか、多くのキャラから慕われ、共に「パーン」し合うような関係を築いている。 また卓越したゲーマーとしても知られ、ニコニコでは彼女による数々のゲームの実況を見ることができる。 そのため、カービィやFFをはじめ様々なゲームBGMとの相性も抜群である。 創価学会を信仰しているはずだが「Parn Me Up」「Don t be Atmgparned」「百姓の微笑み」などでは創価に対して不満も漏らしている。 自称女優の下品で汚い狂ったカルト信者の人気もない漫才師「久本雅美(リア本)」とは無関係の別人である。 だいさ⑨ 池田犬作。本名は「成太作(ソン・テチャク)」北朝鮮系の在日二世である。 かつてエア本さんの頭を爆発させたカルト☆教団創価学会の名誉会長。生き仏。裏天皇。 「バカヤローだマハーロー!!」「キンマンコ」などの池沼発言で知られる自称庶民の王者。 扇子を持って踊るのが趣味で、「威風堂々の歌」など多くの犬作素材で扇子ダンスを披露している。 その一見意味不明な机叩きの才能を「最終鬼畜池田大作」で見出され、MADにおいては優秀なドラマーとして活躍している。 その高尚で文学調で哲学的な知能から「キンマ●コ」など数多くの迷言を残している。 ちなみにOVA「人間革命」のCVはブリブリざえもんやグレイフォックスでおなじみの故・塩沢兼人が演じている。 柴田理恵 多くの可能性を持つエア本さんの良き相棒。20年以上前からオバさんのイメージなので最強、サイカヨウw 普段は優しいが、怒ると「あんたの脳みそは犬以下だ!」と言い放つ激しい一面も持つ。 エア本さんにそそのかされて創価に入信、犬作をお父さんだと思っている。 削除後長い間復活していなかった「すばらしきわが人生part4」後半の再うpに伴い人気が急上昇した。 石川 創価学会男子部所属。どこにでも現れ、創価学会を広めようとする広宣流布の闘士。 その活動範囲は幅広く、倉地くんから吉幾三、果てはアメリカのパンツレスラーたちにまで折伏を試みている。 3月に素晴らしきわが人生FULLとともに素材がうpされてから長い間使われることがなかったが、 6月に「ヒサモ⑩Revolution」で突如登場、それをきっかけに爆発的に人気を得て一気にメインキャラクターの座に躍り出た。 石川が倉地くんの家のドアを叩く効果音は「石川ドラム」と呼ばれ親しまれている。 あの顔で元暴走族らしい。のちに倉地への折伏に成功する。 斉藤ふさ子 婦人部で地区担当員を務める。柴田に「仕事がない」と相談を受けた時に「じゃあ学会活動できるじゃない!」と言い放ち、全国の無職に希望を与え、あっという間にメインキャラに昇格。張り子の虎のような首の動きが特徴的。 尚、彼女の釣り動画は意外に多く、その点を留意して欲しい。タイトルや投稿コメントの「ふさふさ」とか「できるじゃない」とか言う単語は要注意である。 彼女の鳴き声である「クンツォ!」は有名なので覚えておきたい。 また、「地QU担当EEN」、「チークータン」、「杉名ミク」など、様々な別名を持っている。 女子部 エア本さん率いる女子部の面々はその卓越した歌唱力と手拍子で高く評価されている。 元祖グルメレースでの「ここから始まる、マイレボリューション」でその存在を強く印象付けたが、 「久本さんをお嫁にしなさいっ!(atmgpしなさいっ!)」でコーラスグループとしての本領を発揮、以来人気はうなぎのぼりである。 メインキャラ(非学会員) ナレーター(城達也) 「わずかな時間を見つけて」のフレーズで有名なシナノ企画のナレーター。 出番はエア本さんに次いで多く、「行列のできるマイレボリュー所(ガチムチ☆革命)」ではラップを披露するなど多才な人物。 高音質版のうpによって謎に包まれていた正体が明らかになった。なお、城達也氏は故人であり、学会員ではなかったようである。 倉地くん 石川の勧誘の被害に遭う、宗教には興味のない一般人。18歳の若き倉知透の日常を切り取った一つの姿。 「俺は宗教なんかに興味ねーんだよ!二度と来るんじゃねーよ!」と石川に言い放つ。 宗教に興味がないため学会員ではない。倉NNADは人生。 鳥肌実 創価学会や朝鮮を風刺したネタで知られる芸人。MADには「久本雅美の頭がフラドルに合わせて爆発したようです」から登場、 その後レギュラー化し、素晴らしきわが人生素材動画にも皮肉で創価学会と池田犬作を讃美するシーンが使われた。 しかし皮肉を真に受けてしまった一部のわずかな人々には学会員と勘違いされている。 ちなみに本人はノンポリで筑紫哲也の番組にも出演していたり、モノホンの愛国活動家に怖気づいて対談を拒否したりしている。 美人局と間違いを起こした間違いない芸人(創価大卒)とはナンパ仲間 サブキャラ(学会員) 清水フミコさん シミズウンコさん。「信心するまではとても面白い人だったんですけどはつらつとs、はつらつとした感じじゃなかったんです。」 彼女が女一人でインドに行ったということに興味を持ったエア本さんは彼女に電話し…… 騒動の全ての元凶であるが未だ正体不明。もっぱら下ネタにしか使われていない。 石川の後ろの人(本田) 一切台詞が無い上、途中でニヤリとする他は表情すら変えない謎の男。しかしその正体は名誉会長・池田大作を影で操る創価学会の真の支配者…とウワサされる。 「スーパー石川の後ろの人デラックス」で突如ソロデビュー、石川の「こんばんはー」の「こんば」だけ抜き出した部分の連続が「本田」に聞こえるため本田となっている。 しかし、正式な名前ではなく、かといって本名も分からないので「石川の後ろの人」と呼ぶのが相応しいのかもしれない。 石川vs倉知シーンのBGM、通称「石川のテーマ」の音を加工したものが後ろの人の「音」として用いられている。 エア摩呂 「Future」や「future2」でエア本さんと共演する痩身のナイスガイ。 見た目でわかるとおり、グルメレポーターの彦摩呂なるピザ野郎のカルト信者とは別人である。フトレじゃないですよ。 林家まる子 「Future」でエア本さん、エア摩呂さんと共演し、「なるほど! スッキリ! 楽しく学ぶ 信心の基本」にも出演。「Future2」ではリストラされている 倉地透 倉地くんの変わり果てた姿。リア地君とも呼ばれる。 暴走族だったが元暴走族の学会員(石川の元ネタ?)に食い物で釣られ入信する。それ以来人生が好転し今や子持ち。と言うわけで一つの目玉として「Future2」に出演する。 ゴローニャ かわいそう。 山本リンダ 大物歌手。エア本さんは女子部の副部長であるが、部長が彼女である。(今は二人とも芸術部) 公明党の選挙応援をするシーンがよく使用される。「なるほど! スッキリ! 楽しく学ぶ 信心の基本」でインタビューを受けている。 ロベルト・バッジョ イタリア創価学会の会員。世界を代表するサッカー選手である。若い頃足を怪我したところを学会員に付け込まれ、騙されて入信。 信心したはずであるのに大事な場面でPKを外してしまうなど、可哀想だがエア本さんと違って功徳の実証は全く無い。 ヴァネッサ・ショー ハリウッドの大女優です!両親が学会員の二世であり、子供のころから創価学会未来部としての活動を続けてきた。 エア本さんの「必須アモト酸」に対し「ヴァネッサ硝酸」と呼ばれる。素材が出て一日で主演MAD「VANESSA-硝酸編-」が登場した。 本名陽子 ヴァネッサ硝酸の出演するビデオ「未来部チャンネル 可能性は無限大」のナレーターである。 アニメの声優として有名で、多くのレギュラーをもち人気はうなぎのぼり。しかし、彼女の出演作のアニメを使ったMADはダブル☆削除対象である。機動戦士ガンダムOOドロキでの活躍が期待される。ちなみに00ドロキではスメラギ・李・ノリエガ(オドロキ・李・アタマガ)なるキャラを演じている。あれノリエガって連立政権資金源の麻や…ゴホゴホ MAD「VANESSA-硝酸編-」では実質的に主役を務めている。 渡辺信子&中山宏子 ワハハ本舗のメンバー。グロシーン及びジャズ漫才の残り二人。エア本、柴田と一緒にいるため登場頻度が高い。眼鏡をかけている方が中村宏子さん(ボンババアマンのサムネの人)。渡辺信子さんは今夜は最高にエア本、柴田とともにレギュラー出演。渡辺信子さんは中野杉並合同総会新春幹部会にも姿が見える。今は二人ともワハハを退団している。 沢たまき ジャズシンガーとして多くのファンを持つ女優。触玉金。ヒューマンな人間広場。 素材にあまりインパクトが無いため、専ら彼女ではなく犬作の向日葵ダンスの部分だけが使用される。 素材が最初に投稿されたのは3月だが、11月の投稿祭まで彼女が喋るMADが一本も無かった。 「Bad Atama!!」で、先生をキチガイ呼ばわりしたことから少し注目される。 エア本さんと一緒に素晴らしきわが人生に出演。2003年死去。 島田歌穂 エア本さんと一緒に素晴らしきわが人生に出演するミュージカル女優。 ウィスパーボイスで、あまりはつらつとしていないゆえに素材に使われにくい。 コンサートやミュージカル、某ネズミ園のイベントソングを歌ってるときは、はつらつとしているので素材的な意味での活躍が待たれる。 中村康子 かつてのエア本さんの上司。ついつい犯っちゃうお茶目なスケール。 十数年間エア本さんを見てきたと言う彼女は女子部のコーラスにも参加している(机の前にいる人) 清水ひとみ 「Future」と「自分らしく輝いて」の2本に出演する以外に出番の多いワハハの若手。くちびるおばけで暗黒口腔の持ち主。┗(^=^ ┗)あーあたしもー! 自分らしく輝いてでワハハの劇団員だとわかったことにより普通の学会員のような顔をして登場するFutereの出演者がサクラだということが明らかになった。 入会する前の創価学会のイメージ「楽しそう!」 てるやひろし ワハハ本舗の芸人。寝ていたところをエア本さんに起こされ飲み会に連行される。 早坂孝郎 「Future2」に出演する学会員。リア地らと同じく元珍走で過激な発言に定評がある。 信心の力で外資系の企業に就職したと主張するが、どう話を聞いても創価人脈を使ったコネ入社である。 現在は退職したのか、聖教新聞販売店主となっている。 池田圭子 「Futere」に出演。清水ひとみの前にインタビューを受けている人。入会前の創価学会のイメージ「カルト教団!!」 石原さとみ・オーランドブルーム この二名は「そうかなこと」「人間☆革命」に登場。 高橋ジョージ・三船美佳 夫婦揃っての学会員。また、美佳の父の三船敏郎も学会員として有名だった。 「そうかなこと」「人間☆革命」に登場し、また「ヒサモ⑩Revolution」では夫妻の名を冠した相合傘が登場する。 ジョージは「Sweet Little Master」で先生の踊りに合わせてロードを熱唱。 また、頭がパーンを意識したかのような「お前、そんな事ばかり言ってると頭爆発して死ぬよ?」の発言も有名。 泉ピン子・研ナオコ 「人間☆革命」に見た目通りのババア役で登場。脱会説はデマ。 研ナオコは同じ学会員の志村けんをオルグる役で「ガッカイ・オブ・ソウカ」に登場。 ダブル☆勧誘ですよね。 ダイスケはん マキシマム・ザ・ホルモンの自称ボーカル。創価大卒。キャーキャーうるさい方。 「そうかなこと」「ガッカイ・オブ・ソウカ」に登場。 ハービー・ハンコック アメリカSGIに所属する世界的なジャズ漫才の第一人者。「そうかなこと」に登場。 モンキッキー 自称お笑い芸人。旧名・おさる。 「内村プロデュース」で原口あきまさと共にレギュラー陣をしつこく勧誘した際、ウッちゃんナンちゃんの内村に止められてしまい、これを創価のお偉いさん(一説には久本雅美)にチクり、他局の「新ウンナンの気分は上々」という番組を打ち切りにさせたらしい。 「パーン3世」「ふさ子のいってみようやってみよう」「ガッカイ・オブ・ソウカ」に登場。 氷川きよし 自称演歌歌手。元創価学会牙城会所属の男子部員。 「創価の大運動会」と呼ばれる日本有線大賞で親創価とされるEXILEと組織票でのデットヒートを繰り広げ、遂に有線大賞の座をEXILEに明け渡した。 「Sweet Little Master」では先生の踊りに合わせてズンドコ節を披露。「ガッカイ・オブ・ソウカ」にも登場。 上戸彩 自称アイドル。父親が学会幹部の創価二世。 滝沢秀明とはオロナミンCのCMとNHK大河(創価)ドラマ「義経」で競演している。滝沢・石原の糞演技よりはまし。 「ガッカイ・オブ・ソウカ」に登場。 滝沢秀明 自称アイドル。相方、今井翼が創価なのかは不明。 NHK大河(創価)ドラマ「義経」で主演をつとめ、静役、石原さとみと並ぶ糞演技は同じ創価の弁慶役、松平健を呆れさせる程。 「ガッカイ・オブ・ソウカ」に登場。 加藤ローサ 自称モデル、公称:ニセ国仲、または赤西愛人、加藤ソーカ。 「ガッカイ・オブ・ソウカ」に人間シンセとして登場。 石川の跡目を継ぐことができるのか?という素材的な意味での注目が集まっている。 長井秀和 美人局と間違いを起こした間違いない自称芸人。 「間違いない」とは犬作の口癖らしい。鳥肌実とはなぜかナンパ仲間。 「ガッカイ・オブ・ソウカ」に登場。 遠藤憲一 自称俳優。通称エンケン。少年時代は絵に書いたようなワル。柴田理恵を姉と慕う。 母、美代にナンミョウホウレンゲキョウ、ホウレギョ、と祈られた結果、俳優への道を目指す。 ハードボイルドボイスのせいで犬作のことを「イ"ケダ 先生」と呼んでしまう。 シス本さん エア本さんの妹。姉に洗脳されて学会に入信。「自分らしく輝いて」に出演。姉と声はそっくりであるが、この時に限って枯れている。 赤いプルトニウム 「なるほど! スッキリ! 楽しく学ぶ 信心の基本」で林家まること共演する創価芸人。通称赤プルちゃん。 MADでも滅多に登場しない上まることセットでしか使われない。 斉藤克司 創価学会教学部長。素材としてうpされる多くの勧誘ビデオに出演している。 CHIKA 「Future」に出演。エア本さんが「時代を作った」とまで評するカリスマ美容師だが出番はない。 木根尚登 TMネットワークのメンバーで「なるほど! スッキリ! 楽しく学ぶ 信心の基本」に出演。 MADへの出演回数は増えつつあるが、昔から地味な人なのであまり気にされない。 八木智哉 創価大学出身の北海道日本ハムファイターズの選手。「未来部チャンネル」に登場。TDNとサングラスを交換したことがある。 折伏おじさん 「創価の勧誘の真実」に登場する謎の学会員。マジでキチガイじみているので素材として使われにくい。ドアの隙間から勧誘している。 サブキャラ(非学会員) 元氣安 ワハハ本舗所属のもと学会員だが脱会したのでもう学会員ではないらしい。おいおい教という宗教の教祖である。 柴田に怒られた際に「あんたの脳みそは犬以下だ」と言われた経験を持つ。 またエア本信者らにもののはずみでブログを荒らされたときは寛容に受け流しつつ学会について言及したことでスレでの人気が鰻登り、おいおい教の信者を着実に増やした。 古河清 ワハハ本舗の若手。柴田について語っている。ヘラパンニ。学会員ではないらしい。 森雅晴 ワハハ本舗の若手。柴田について語っている。サイカヨウ。学会員ではないらしい。 最近はさまざまなMADに登場し、自販機が合作で彼のソロパートを作るなど今や人気は鰻登り。 梅垣義明 ワハハ本舗の芸人。よく創価と勘違いされるが金光学園出身の金光教信者。愛称は「梅ちゃん」 そのつながりでニコニコで人気の猫「うめ」をサムネにした釣り動画によく使用される。 喰始 ワハハ本舗代表。よく創価と勘違いされるが本人は無宗教と公言している。ちなみに性嗜好は兄貴と同じ。 古谷徹 「池田大作のロサンゼルス訪問」でナレーションを担当している。 『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ、『巨人の星』星飛雄馬などで大活躍の声優。「機動戦士ガンダム00ドロキ」でナレーターを務めている。よく間違われるが学会員ではない(はず…) 「機動戦士ガンダム00 第二期OP 「儚くも永久本のカナシ」で登場。 緒方賢一 「さばくの宝の城」で敦煌に来た将校の役で登場するベテラン声優。アニメ版星のカービィでデデデ大王の声を務めているつながりで合作にも登場する。この人も学会員ではない。 声優は基本的にギャラの安い職業であるが、宗教団体は声優を高給で雇って勧誘ビデオのナレーションをさせることが多いのである。 「威風堂々と」のナレーター 教宣ビデオ「威風堂々と」のナレーターを勤める男性。時には真面目に、時にはポップな語り口が受け、人気はまぁまぁ鰻登り。初登場の「スーパーニッケンデラックス」で殆どのセリフは彼のものである。ありえねー。 河原美代子 通称引っ越しおばさん、またの名をDJ.MIYOCO。事件前のMIYOCOは優しく何処にでもいる普通のおばさんだったらしく、彼女の起こした騒音事件の裏には創価学会の暗躍があるともいわれている。全て噂に過ぎないが人々の心を打つエピソード。 創価学会と戦うという役回りで「ヒサモ⑩Revolution」などに登場。 滝島雅子 NHKアナウンサー。NHKニュース内で公明党と創価のニュースを読み始め、スタッフが制止しあわてて台風被害のニュースに差し替えられ、スタジオ内は混乱。 しかし打ち合わせの段階でこういうニュースは省かれる筈なので、誤って原稿を入れてしまったスッタフ側のミスであろう。 芸能人(非学会員) エアもんた みのもんたと別人かどうかは定かではない。エア本さんと番組で共演した時に、エア本さんの隣で「パーン」ネタを披露、エア本さんに「パーンが好きだから、パーンしか無いから」と評される。 それ以来パーン動画で時々登場している。エア本さんを上回る派手なアクションとエア本さんに匹敵する破裂音が印象的。 土田晃之 ケンミンショーにてエアもんたの「終わったらパーン!」にすかさず反応して自らも「パーン」を披露。ネットに詳しい彼は「頭がパーン」を知っていたという可能性も。 岡村隆史 めちゃイケSPにて、松岡修造のテニスを見て「パーンとあたりましたね~。」と披露した。エア村、もしくはエア松岡村と呼ばれる。修造とエア本を繋ぐ存在。 タオルさん 大魔神のコスプレをしてヘラヘラ笑うしか能が無い芸人。 「今夜は最高」の司会者で、エア本さんを芸能界に引きずり込んだ張本人である。 あの「そうかなこと」で有名なエア田和正と喧嘩したことがある。「ヒサモ⑩Revolution」にちらっと出演。 形態模写や声帯模写が得意で学のあるタモリさんと違い、こちらは芸に品性も華もない。 ウッちゃんナンちゃん 内村が久本(モンキッキー?)の布教から若手を守ろうとして干されたことがあるという噂からたびたび登場。 大橋のぞみ 「崖の上のポニョ」の主題歌を歌い、一躍有名になった女の子。 大きいお友達にも人気は鰻上り。巷で創価未来部員との噂が… 「ニホンノテキ-シナノカラキマシタ-」の終盤にちゃっかり登場している。 創価の敵対団体関係者 日顕 日蓮正宗(創価からは日顕宗と揶揄される)第67世法主。天魔日顕。 かつてキチガイ行動ばかりを起こす創価に対し「C作戦」と呼ばれる学会破壊計画を企てたり、正宗から破門したために創価から今に至るまで恨まれ続けている学会の宿敵。 非常にキレやすい性格らしく、正宗では「瞬間湯沸かし器」というあだ名がつけられているとか。 更に芸者遊びや売春婦とのトラブル、寄付金の無駄遣い等で色々と問題を起こしているため、「ダブル☆カルト」と言いようがない。(この悪評には学会の捏造も多数含まれていたことが判明している) インターネットでは、創価学会の作成したビデオ(内容はほとんど日蓮正宗の悪口)に出てくる怒り狂った日顕(再現)と本物の日顕の二種類が確認されている。前者のものはYOYO叫びながら若い坊主を虐待している支離滅裂な狂人として描かれている。そのインパクトが受け、スレッドでの語録使用頻度は鰻登り。 「スーパーニッケンデラックス」で主演デビューするが、MAD初登場は「ヒサモ⑩Revolution」である。 山口雄在 日顕にユウゾン呼ばわりされたことを恨み日蓮正宗を離脱した僧侶。青年僧侶改革同盟という組織に属しているが、 この組織は創価とは日顕という共通の敵を前に協力関係にあるものの、思想的には相容れないところがあるようだ。 上記の日顕とのやり取りの再現ビデオが人気を得て一躍準レギュラーキャラに。 浅井昭衛 創価と同じく日蓮正宗から破門されたカルト教団顕正会の会長であり、赤字はMADをうpするのが日蓮正宗かこの信者ではないかと疑っていた。 日蓮正宗から破門される以前、妙観講と呼ばれていた頃数十人の信者を率いて信濃町の創価学会本部を襲撃したことがある。 一般人の家に「日蓮大聖人に背く日本は必ず滅ぶ」という狂った本を送りつけた張本人。「ヒサモ⑩Revolution」「創・價・學・會【壊】」に登場。「vsマスクドアサイ」でついにソロデビュー、日顕に並ぶ犬作のライバルキャラとして今後の活躍が期待される。 犬作ビデオのナレーター(麻原彰晃?) 池田大作の異常行動を批判するビデオのナレーター。 その正体は創価と敵対し、池田暗殺計画を実行したことのある麻原彰晃ではないかと言われている。 「パーンフェクトスター・パーンフェクトスタイル」「スーパーニッケンデラックス」などでも犬作に苦言を呈する役回りで登場。 犬作ビデオの女性ナレーター(石井久子?) 池田大作の異常行動を批判するビデオの女性ナレーター。 やたら元気が無い。麻原?の問いに対し「ねー」だとか「はい」とかの返事しか出来ない。 時たま放つ乱暴な発言が受けMADやスレッドで活用されつつある。オウム真理教アニメ「超越世界」で麻原彰晃と共演する、麻原の一番弟子石井久子と思われる。 勝谷誠彦 俗名:ホモの勝っちゃん、戒名:小沢腰巾着。自称「憂国のコラムニスト」。 アンチ創価であり、2chやネトウヨからの人気は鰻登り。でも、ある程度知識のある人にはウケない。 コンマ一秒で前言を撤回する機敏さが魅力的。 2008年5月11日放送分の「たかじんのそこまで言って委員会」にて犬作の悪口を言い、創価から抗議が寄せられたため後日番組が謝罪した。その様子は素材としてUPされていたが削除された模様。 西村修平 右派の自称政治活動家でありアンチ創価。創価が暗躍したといわれる「東村山市議会議員怪死事件」を追求。 彼の関わる新風や主権回復を目指す会などは創価と逆ベクトルのカルトであり、勝谷のようにネトウヨなんかには人気があるものの、ある程度知識のある製作者からの受けは良くないためほとんど素材には使用されない。ダブル☆カルトですよね。 「創・價・學・會【壊】」に登場。 竹入義勝 元公明党委員長だが創価学会との政教一致問題を批判して学会、公明党両方から除名された。彼が委員長のときの公明党CMが素材としてわずかに使われる。 矢野殉也 元公明党委員長だが彼も創価と敵対して脱会し、創価学会に対して訴訟を起こす。その時の記者会見が素材として使われる。 創価学会幹部 牧口常三郎 創価学会の前身である、創価教育学会の創立者。初代会長。先生の先生の先生。 『人生の目的は価値創造にある』という理念を掲げており、このときの創価はまだまとも(?)な宗教団体だったようだ。 戦時中、国家神道に対して反旗を翻したため治安維持法によって逮捕され、1944年獄中死。 「人間☆革命」に登場。 戸田城聖 創価学会の二代会長。犬作が師と仰いでいる人物。先生の先生。 この人が会長になってから学会員数が急激に増大した。俗に言う折伏大行進(地獄)である。 自らが設立した金融会社『大蔵商事(現 日章)』で働く優秀な社員、成太作(後の犬作)を見出した男。 1958年に死去。「人間☆革命」「フラン画像集(Sweets Wazukana Time)」等に登場。 北条浩 四代会長。動画素材どころか一枚の写真も存在しない幻の会長。あまりの影の薄さにスレで一時期話題となった。 秋谷栄之助 五代目会長。前会長でありながらふさ子にも劣る素材の少なさに定評がある。合作にちらっと登場。 原田稔 六代目会長(現会長)。こちらは一応登場素材も多い。「人間☆革命」「⑨のパーンフェクトさんすう教室」に登場。 青木亨 創価学会理事長。「⑨のパーンフェクトさんすう教室」に登場。とても宗教家とは思えない汚い言葉遣いと上げ足取りで日顕を批判する。 フレッド・財津 アメリカ・SGI新理事長。ロサンジェルスにて行われたアメリカSGI 関西合同総会でスピーチを執り行った。 だいさ⑨から21世紀を誇るクリントン大統領と同格とされ、「財津・クリントン」と呼ばれている。クリントンの兄さん。 「池田大作(犬作)」で登場。 ジョージ・ウィリアム アメリカ・SGI前理事長。 自分の意思を持ってはいけないという学会の方針に背いたため、犬作からコキオロシ発言を食らわされるかわいそうな人。 「池田大作(犬作)」に登場。 池田香峯子 犬作の嫁。常に犬作と行動を共にしており痴呆との遭遇をはじめ、犬作の出ている動画にはほとんど出ている。 政治系(公明党) 神崎武法 「そうはいかんざき!」で一世を風靡した公明党元代表。「ヒサモ⑩Revolution」で「創価はいかんざき!」と言い放ち、視聴者に衝撃を与えた。 太田昭宏 現公明党代表。「久本さんのロイツマ」に代表されるように公明党のCMが素材としてよく利用される。 冬柴鐵三 公明党出身の元国土交通相。在日に優しく、金で汚れた醜い豚。 国会での石井議員の「P献金」の追及に対し、速記を止めさせる暴挙に出たシーンがよく使用される。 北側一雄・坂口力 「人間☆革命」にて登場。北側は小沢をも上回る悪人面。坂口はどうしようもないハゲ。 山口那津男 公明党政調会長。Youtubeの公明党チャンネルでは一番登場回数の多い議員。国会で石井議員と論争を繰り広げた。 浜四津敏子 婦人部や女子部からの絶大な人気を誇る公明党代表代行。男子部からは不人気。連立与党の小泉純一郎が彼女の選挙応援をするシーンが使われる。 政治系(非学会員) 石井一 民主党副代表。国会で公明党の「P献金」疑惑を追及するなど、創価学会の政教分離問題に立ち向かう政治家。但し朝鮮やマルチ商法とはズブズブである。彼に限らず反創価だからと言って全面的に信じてしまうのは良くない。 亀井静香 国民新党代表代行。彼も自民党を離党後公明党を批判しているのでまれに動画に登場する。 東国原英夫 宮崎県知事。公明党の宣伝ビデオに出演しているが、学会員でもなければ公明党を支持しているわけでもない。 本人はインタビュー当時公明党内部で使う研修ビデオの撮影だと聞かされており、後に「だまされた」と憤慨している。 小沢一郎 国会や時報で大活躍の、民主党党首の小沢一郎です。次の選挙で太田と直接対決するため「Sweet Little Master」に登場としたが、作者は別に彼に味方しているわけではない。 公式動画で自分の額に肉と書いたニコ厨の垢を消す程度の能力を持つ。 エアそうさん ニコ厨、ロリコン、ネトウヨから絶大な支持を集める政治家。 文学好きで機知と才気に溢れる好人物であり、 公明党大会に満面の笑みで参加していたことから注目度がアップする。 尚、教養もなければ、文学どころか漢字すら読めないひょっとこ顔で人気はつるべ落としの自称総理大臣(日本アムウェイの空気清浄機愛用)とは別人である。 温家宝 中華人民共和国第10代国務院総理(首相)。 池田犬作が彼と会談し自らを「庶民の王者」と言ったニュース映像がよく使われる。 その他 掛け合い漫才している一般人 自作動画『ショートコント「Hisamoto belive Daisaku Ikeda」』に写っている三人組。すばらしき我が人生Parn2の美味しいところを抜き取って自分たちで再現し、しかもアドリブまでいれている。先駆者への敬意とネタとしてのうまさを理由にたまに動画に登場させられている。 三人のうちポルノグラフィティのボーカルに似ている男(鼎さん)は、別動画で幸福会ヤマギシ会をネタにしていたりと結構コアな芸風の持ち主のようである。 現在彼氏募集中のようなので、応募してみるのも一興かと。 晴太郎 柴田の飼う三本脚の犬。「そうかなこと」に出演し多くの人を感動させた。 受話器 エア本さんを「イェ゙エエエ!」させる程度の能力。 通訳 ロサンジェルスで行われたアメリカSGI 関西合同総会で犬作のスピーチの通訳を務めた女性。 当の犬作は通訳途中に机を叩いたり、いきなり次の話に行っちゃったりするので、密かに「クレイジー」と不満を漏らした。 「池田大作(犬作)」等に登場するが、犬作のついでに登場するのが多い。 日蓮 日本史上でも最も重要な宗教者の一人。日蓮宗の開祖。信者は彼を「日蓮大聖人」と敬称で呼ぶがなぜか赤字は「日蓮大商人」と呼ぶ。 その過激な論調が後に創価を始めとする多くのカルトを産むことになってしまう。シナノ企画が作った彼の伝記ビデオの龍の口法難のシーンがMAD素材として使われる。 なお、池田大作は彼の生まれ変わりということになっている(池田本仏論)。「700年ぶりだねぇ」のコピペはそのことを揶揄した作り話である。 おそうじ本舗 柴田が率いるコーラス隊。脱退しようとするとビンタを食らうという 専制主義的な点は、某カルト教団を彷彿させる。体罰おめでとう。 「ニホンノテキ-シナノカラキマシタ-」「ボンババアマン」に登場。 ニコニコで競演(創価無関係) 波平 「そうかそうか」のキメ台詞でMADを華麗に〆ていたが、サザエさん削除の煽りで声以外の出演は困難となっている。 ルーミア 「そうかなのかー」の台詞を持ちネタとする東方のキャラ。某ろりこん作者がこのキャラを好きであるという理由で 「幻想郷支部副部長」という肩書を付けられたびたび登場するようになった。 ドナルド マクドナルドのマスコット。かなり初期からコラボされており、「ドナルドの体がカビィのBGMにあわせて爆発したようです」「マクドナルドに某団体からの圧力がかかったようです」「久○さんがドナルド教に改宗したようです」などが存在する ビリー・ヘリントン ガチムチパンツレスリングの兄貴。エア本さんの語る「素晴らしい仏法、哲学」とは彼のことを指しているというのが定説であり、 「ガチムチ☆革命」「ヒサモ⑩Revolution」「兄貴VSエア本さん シーモアバトル」などで共演を果たしてきた。 逆にレスリングシリーズの動画にエア本さんや石川がゲスト出演することもしばしば。 どちら側から抵抗なくコラボが受け入れられているのはそもそも作者、視聴者層が完全に被っているというのが理由。 また「新日暮里支部部長」という迷惑な肩書きを持っているらしい。 吉幾三 演歌シンガーソングライター。ニコニコでは大ヒットナンバー「俺ら東京さ行ぐだ」とPerfumeや宇多田ヒカル等のアーティストの楽曲とをリミックスさせたMADが一躍ブームとなった。「農家学会愛唱歌「百姓の微笑み」IKZO feat.エア本さん」で登場。 電話も受話器も無く、石川が一日に一度来る村を女子部愛唱歌「100万の微笑み」にのせて歌っている。 後半では功徳の実証が全く無いエア本さんが「私この信心嫌だ」を歌う。視聴者曰く「IKUZOに一番見せたくない動画」だとか。 松岡修造 日本のプロテニスプレーヤーであり炎の妖精。ニコニコでのブームの影響でエア本動画にもゲスト出演している。 もちろん学会員ではないがその熱い性格ゆえに石川やエア本さんを応援してしまうことも。「ふさ子だってがんばってるんだから!」 銀魂の皆さん まとめ動画「ソーカギアス」・「00ドロキ」の冒頭に必ず登場するアニメ「銀魂」の皆さん。 主人公・坂田銀時らが扮するエセ医者達が旧友・桂小太郎(ズラ)の脳内に怪しい黒点があり、 このまま放っておくと「頭パーンってなりますよ」と指摘する。 最後はズラのアップで「頭パーンだと!?」と言うとOPに走らせていただいてます。 ちなみにズラの中の人は学会員らしい。 三次元(リアル) 久本雅美 通称「リア本」。上記でも述べたように自称女優の下品で汚い狂ったカルト信者の人気もない漫才師。創価の権力を笠に、女優の地位と多くのTV番組のレギュラーを手にし人気はまるで鰻登りのよう。だが女性が嫌いなタレント2位に選ばれるなど、最近はTVのレギュラーが次々と消されてきている。また、エア本さんの「パーン」を『メレンゲの気持ち』でパクって「エア本さんほど勢いがない」「面白くなかったねー」「エア本さんに頼る、縋る、洗脳されるリア本さん」と数々の非難を浴びている。
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0 鼓動をしていた。 ゆっくりとだが、確実に。生命の誕生を証明するように、---は呼吸する。 その息は永久凍土の如く冷気を帯びて、全ての命を凍結させようとしていた。---を囲む世界の全てが漆黒に染まっており、一筋の光すらも差し込まず、万物を飲み込むブラックホールに等しい圧迫感で満ちている。 奈落と呼ぶにふさわしい世界で、---はたった一人で待っていた。自分が世界に生まれ、己が役割を果たすその時を。 1◆ かつり、という音を聞きながら、ティーカップから指を離す。 純白の部屋にて、預言者オラクルは一つのモニター画面を見つめていた。理知的な瞳に映るのは、榊の用意した罠に追い詰められながらも、不屈の憎悪と闘志で戦い抜いたネットナビの姿。 (フォルテ。あなたはまた、強くなった。 ネオが持つ救世主の力だけではなく、数多の力を思うがままにして、ロックマンを打ち倒した。 だけど、そんなあなたでも……---の脅威の前では、太刀打ちできない) 救世主ネオすらも打ち倒し、その身に救世主の力を包み込んだフォルテの勝利を目に焼き付けていた。ダークマンとロックマンを打ち倒し、闘技場から去っていったフォルテは知識の蛇のある部屋で体を休めている。 人間に対する憤怒を強めたまま、キリトとの決着が訪れるのを待っていた。榊は今、キリトたちを捜している最中である以上、再戦の時は近いだろう。 その前に、オラクルはフォルテに伝えるべきことがあった。何があろうとも、人間を破壊し続けることを知った上で。 (もうすぐ、私ですらも予測できない未来が……そして、大いなる---が奈落の底から訪れる) オラクルは“予言”していた。 このデスゲームの最中、あらゆるプレイヤーやGMを凌駕しかねないほどの災厄が現れることを。恐らく、エージェント・スミスやスケィス、あるいは今のフォルテやオーヴァン以上の脅威だ。 『第四相の碑文』によって格段に向上した予知能力を使おうとも、---について見ることができるのは『奈落』のみ。マトリックスの全てを喰らいつくし、何もない奈落の中に引きずり込んでいこうとする凶暴性が潜んでいた。 (---が解き放たれては、モルガナはおろか……“彼女”の願いすらも叶えられない。今を生きる彼らも、すべてが飲み込まれる) このデスゲームのはじまりである“彼女”……■■。いや、■■■は---の存在を知っているのか。 堕天の檻(クライン・キューブ)と逢魔の鎖でこの世界を支配しているが、これから迫りくる---が制御できるとは考えられない。あるいは、---が災厄に等しいことを知った上で、“彼女”はデスゲームを見下ろしているのか。 “彼女”だけではない。オラクルが導こうとした輝く未来も、すべてが奈落に塗りつぶされてしまう。 荒々しい---によって、すべてを喰らい尽くされたあとに残るのは奈落のみ。その果てに---は、一切の救いをもたらさない--となって、この世界に君臨する。オラクルの“予言”で導きだしたのは、そんな禍々しい光景だった。 故に、オラクルは“運命の預言者”として動く。 本来、能動的にプレイヤーと接触する権限はなく、この行動は過度な干渉になる。アリスが知ってしまえば、何らかのペナルティは避けられないだろう。 だが、---はモルガナの目的を根底から破綻させるほどにおぞましく、モルガナはおろか女神アウラすらも蹂躙しかねない。アリスとて、跡形もなく消されてしまう。榊や■■■も例外ではない。例え、何らかの対策を用意しても、どこまで通用するか。 オラクルはテキストファイルを操作して、送信した。 バトルロワイアルの流れに布石を打つため、オラクルは他のGMに連絡を行っている。メンテナンスで送信される定時メールと同様の技術であり、今回の相手はフォルテだった。 このバトルロワイアルの序盤で、榊はハセヲを煽るようなテキストデータを送信している。彼と同様、プレイヤーへの過度な干渉となるだろうが、事は一刻を争う。 次に、トワイスがこの部屋に入るために利用したカオスゲートを操作する。 オラクルが部屋の外に出ることは許されないが、他のGMとの交流をする関係上、他のカオスゲートやエリアとオラクルの部屋を繋げることが可能だった。トワイスが入ってこられたのも、あらかじめオラクルが操作をしたからである。 ファンタジーエリアの小屋とオラクルの部屋を繋げて、ヒースクリフやオーヴァンと接触を果たしたのも、彼女自身が布石を打つための行動だった。もちろん、オーヴァンと榊が交わした密約のように、役割と関係ない過度な操作は許されないが。 最後に、『第四相の碑文』と---について書き記したテキストファイルをテーブルに添える。 オラクルのできるせめてもの贈り物だった。本来ならば『第四相の碑文』はワイズマンが持つべきであり、また彼が目覚めたときのためにも、ほんの僅かでも---の情報を残すべき。 ---が現れるまで遠くない。これまでの“予言”では存在の形跡すら見せなかったはずなのに、突如として気配が感じられた。“予言”ですらも見破れないほどに厳重なプロテクトが仕掛けられていたのか、もしくは違う要因か、答えは得られない。 「……こうしてコーヒーを味わえるのも、最後になるかしら」 淡々とした呟きを聞けるのはワイズマンだけだが、この声が彼の耳に届いているとは思えない。 今ここで、ワイズマンに---の脅威について伝えようとしても、ただの独り言に終わるだけ。他のGMに警告しても、---に太刀打ちできるとは思えない。何よりも、オラクル自身が消去される可能性すらある。 何も残せないまま、消滅させられるためにいるのではない。ならば、よりよき未来に繋ぐために、フォルテと対話するべきだ。 プレイヤーの大半をPKしたフォルテだが、彼にはまだ未来があり、選択する余地は大いにある。フォルテもまた今を生きる者であり、いくらでも変わるチャンスは残されていた。 「私はもう、あなたを見守ってあげられないわ。 少しの間、あなたを一人にさせてしまうけど……我慢できるわよね」 子どもに言い聞かせるかのように、オラクルはワイズマンに向けて呟く。 この時代の火野拓海はまだ子どもで、本当なら親に甘えるべき年頃だ。サティを見守ったセラフのように、彼の隣には誰かがいてやるべきだ。ほんの少しだけ心が痛むけど、やむを得ない。 2◆◆ 強敵との戦いを乗り越えて、新たなる力を手に入れたとしても心は微塵も晴れない。 あの榊が今もどこかでオレを、そしてロックマンを嘲笑っていることを考えると、むしろ不快感が強くなるだけ。キリトたちを探すためとはいえ、そんな榊の力を借りる羽目になっていることも、受け入れ難かった。 この知識の蛇もろとも、すべてを虚無へと変えてやりたかったが、そんなことをしても無意味。キリトのすべてを奪いつくし、ヤツよりも優れた力を持つことを証明した上で破壊してこそ、この強さを証明できる。 『力』の行方は、ただ一つしかない。 それでも、何もせずに待っているだけでも苛立ちが溜まる。だが、榊からの連絡はない。 オーヴァンの動向には興味がないし、ヤツが求めているであろう『真実』とやらもどうでもよかった。いずれ破壊する相手が何を考えてこんなデスゲームを開いたかなど、微塵も興味が持てない。 ただ、すべてを破壊する。それこそが、フォルテが望む未来だ。 「ん?」 そんな中、フォルテの元に一通のテキストファイルが届いた。 『to フォルテ from オラクル フォルテへ。 あなたにとって重要な『真実』を伝えるときが訪れた。 カオスゲートから、私の部屋に向かえるわ』 そして開かれたファイルに書かれていたのは、見知らぬ人物からのメッセージ。 どうにも意図が分からない。オラクルという名前に聞き覚えなどないし、またカオスゲートでフォルテが移動できる場所は限られている。 また、榊によって何らかの罠が仕掛けられているのか? そんな可能性に至ったが、くだらない仕掛けがあれば今度こそ破壊してやるだけ。微塵のためらいもなく、フォルテはカオスゲートの前に移動した。 するとカオスゲートが起動して、視界が純白で染まった。 「ッ!」 続くように、この空間に新たなる”臭い”が生じて、フォルテは振り向く。“高次の感覚”で「嗅覚」が増幅したことで、瞬時な反応ができた。 振り向いた先では、見知らぬ老婆が立っていた。その傍らには、安楽椅子にもたれかかる壮年の男もいる。 壮年のアバターには見慣れた黒点が漂っていて、AIDA=PCであることが一目で理解できた。 「何だ、キサマは?」 「はじめまして、フォルテ。 私はオラクル。未来を見通す力を持ったエグザイルであり、あなたと同じように碑文の力を使う者よ。 元の世界では……預言者とも呼ばれているわ」 「預言者、だと?」 謎の老婆・オラクルは神妙な面持ちと共に、一歩前に踏み出す。 害意はおろか、微塵の敵意すらも感じられない。だが、人間の姿をしているというだけでフォルテの怒りが湧き上がるが、感情を抑える。 ここで自分の前に堂々と現れたからには、ただの人間ではない。力自体は強くなくても、油断はできない。 「キサマも榊の仲間か?」 「協力者ではあるけど、私たちは味方同士ではないわ。 GM、そして私のようなシステムはそれぞれ”役割”があるけど、決してお互いを信頼しあっているわけではない……むしろ、出し抜こうとしているGMだっているほどよ? 例えば、あなたを愚弄した榊のように」 「……そうか」 榊の名前を口に出されて、思わず拳を握り締めた。 その口ぶりから考えて、先の戦いをどこかで見ていたのだろう。そして戦いが終わった頃を見計らって、こうして現れてきたに違いない。 「そして、ここに座っている彼の名前はワイズマン。既にバトルロワイアルでは脱落したプレイヤーになるけれど、今はここにいる。 ……だけど、事情があって動けなくなっているから、どうかそっとしておいてあげて」 「フン、AIDAに負けた弱者ということか。そんなヤツなど、わざわざ相手にする価値もない」 「あなたなら、そう言ってくれると思ったわ」 オラクルの浮かべた意味深な笑みが、フォルテの癇に障る。 だが、弱者二人を無意味にPKする気にはなれない。さっさと用事を済ませるため、フォルテはオラクルに詰め寄った。 「それで、俺に何の用だ? キリトたちの居所を見つけたのか?」 「いいえ、彼らを捜すのは私の役割じゃない。私はただ、あなたとお話をしたかったの」 「断る。キサマらと話すことなど何もない。奴らを見つけていないのなら、さっさと……」 「私はね、あなたが倒した彼……救世主・ネオの同郷よ。 彼らが生きた世界の人々の選択を司ったからこそ、預言者と呼ばれるようになったの」 フォルテの拒絶は、オラクルの口から出てきた名前によって遮られた。 彼女の言葉に一瞬だけ瞠目し、言葉を失う。だが、すぐにフォルテは笑みを浮かべた。 「ネオの……? そうか、あの男の同郷だったのか!」 「ええ、あなたとネオの戦いも、私はすべてを知っているわ。その果てにネオは敗れ去り、救世主の力があなたに奪われてしまったことも。 ネオはね、私たちの世界では救世主として人々から崇められていたの」 「救世主!? ハッ、随分と高く評価されていたようだな! ならば、キサマらの世界を救う救世主を救った俺は、暗黒の破壊神というわけだ! キサマらの希望を、この手で打ち砕いてやったのだからな!」 「……私たちの世界に生きる人たちが知ったら、あなたを畏怖するでしょうね」 「だろうなぁ! まさか、キサマが俺の前に現れたのは、ネオの敵討ちのためか!? それなら面白い……さあ、俺を憎み、そして俺を消してみろ! キサマ如きにそんなことができるのか、大いに見物だな!」 オラクルと、そしてネオに対する侮蔑を込めた哄笑と共に、フォルテは両腕を大きく広げる。 ただの弱い人間かと思われたが、全く違う。この女はネオが残した最後の希望であり、フォルテにとっては格好の獲物だ。ネオが生きた世界では、もはや一縷の希望すら残されてなく、ここでオラクルを消してしまえば滅亡へと向かうはずだ。 だが、フォルテが圧倒的な威圧感を放ってもなお、オラクルは微塵も感情を揺らがせたりなどしない。その態度にフォルテが違和感を覚える中、オラクルは言葉を紡ぐ。 「いいえ、私はあなたと戦いに来たわけじゃないの。そして、あなたを憎んでいるわけではない……ただ、話をしたいだけ」 「話、だと? 言ったはずだ、キサマなどと話すことなど何もないと。 それとも、キサマもネオと同じように……俺を止めるなどと、くだらん戯言を吐きに来たのか?」 「それも違うわ。 例え、ここで私があなたに何を伝えようとも、あなたが止まるわけがないことはわかっている。あなたが選んだ未来を否定する権利は、私にはないわ」 「ならば、何だというのだ!?」 「私は、あなたに警告をしにきたの。 もう間もなく、このデスゲームには大いなる災いが……すべてを虚無にするほどの、---が現れる。---が解き放たれては、すべての未来が終わりを迎えるでしょうね」 「何?」 オラクルの意味深な言葉に、フォルテは首を傾げた。 「迫りくる災いは、このマトリックスにいるどの存在よりもおぞましく……そして、比類なき力を誇るわ。 それこそ、オーヴァンはおろか今のあなたですらも凌駕するほど。仮に、二人が手を組んで戦ったとしても……災いからすれば、恐れるに足りないでしょうね」 「……フン、何を言い出すかと思えば。そんな戯言を聞いたところで、俺が怖気づくとでも思ったのか? 例え、キサマの言う災いとやらが現れたとしても、俺はこの手で破壊するだけだ!」 「あなたなら、そう言ってくれると思ったわ……だけど、これは事実なの。 災いは、いつかGMですらも制御できなくなり、やがてはすべてが虚無へと葬り去られる。今のあなたでも、例外ではないわ」 「くどいっ!」 フォルテは叫び、己が手にエネルギーを集中させる。 榊とは違う意味で、オラクルの言葉は腹立たしかった。まるで、この力が未だに不充分だと見下されているように思えて。 「言ったはずだ! 俺はこの力ですべてを……そしてキサマが導いた人間どもを破壊すると! そこまで言うなら、今すぐその災いとやらの前に俺を連れていけ! この手で叩き潰してやる!」 「残念だけど、私にその権限はないし、そもそもどこにいるのかは……私ですらも予知できない。 私には、ただ警告をすることしかできないの。これからの未来を、少しでも良い形にするために」 オラクルの言葉はそよ風のように落ち着いていて、フォルテの激情はより燃え上がる。ここまで敵意をむき出しにしてもなお、何事もなかったかのように振る舞われると、絶対的な優位に立たされているようだった。 恐らく、この女は自らが弱者であると知っているからこそ、あえて目の前に立ったのだろう。弱いプレイヤーを一方的に狩っても意味はないと知ったからこそ、こうして警告とやらを行っている。 だが、フォルテの思考を読み取ったかのように、オラクルは淡々と言葉を続けた。 「……フォルテが私をどう思おうと、私はそれを咎めたりしない。そして私が警告をしても、あなたが自分の選択を変えるはずがないことも、知っているわ。 今の私は『運命の預言者』として、このバトルロワイアルを見届けるだけよ」 「『運命の預言者』……そうか。キサマが、オーヴァンと言峰が言っていた奴か」 「ええ。オーヴァンとも、面識があるわ。 せっかくなら、彼も交えて話もしたかったけど、そんな余裕はないようね。彼も今、今のあなたのように重大な『真実』を知ろうとしている。 そしてフォルテにも、重大な選択の時が迫られているわ……これからのあなたを左右する、大きな分かれ道よ。もっとも、私が語る預言を信じるかは、あなた次第になるわ」 「預言……キサマは未来を読み取れるとでも言うのか?」 「ええ。今のあなたのように、未来を見通すことができるわ。だけど、必要以上に語るつもりはないし、何よりも未来を作り出すのはあなたのように今を生きる者だけ。 私は助言をするだけよ」 オラクルの言葉に、フォルテは思い当たる節があった。 運命の預言者の名を体現するように、未来予測を可能とするのだろう。あのピンクというプレイヤーが持っていた未来を見通す力と同じか、あるいは遥かに上回るはずだ。 だからこそ、『運命の預言者』という名を背負っている。 「そして、私は伝えたいの。 どうして、ネオがあなたに手を差しのべようとしたのか。なぜ、ネオが最期まであなたを憎まなかったのか。 ネオが生きる世界で、何があったのか……」 「そんなことをしてどうする? この期に及んで、俺が人間どもと手を組むと本気で思っているのか?」 「違うわ。 ネオがあなたとの対話を一度たりとも諦めなかった理由を知ってほしいだけ。彼は、決してあなたを否定するために戦ったわけじゃないの。 フォルテ……あなたは、ネオが残した可能性でもあるから」 淡々としたオラクルの言葉はどこまでも苛立つ。 この手で屠っても、まるで亡霊の如くフォルテの心に纏わりつくネオという男。奴から力を奪った代償なのか、ネオの存在がオラクルを通じて迫りくる。オラクルの言葉は耳障りだが、力を振るって強制的に黙らせても、弱者を一方的にPKするのと何も変わらない。 ただ、オラクルの言葉を耳にするしかなかった。 静かに、それでいて厳かな雰囲気を放ちながらオラクルは言葉を紡ぐ。 とある世界に生きる人間達は自らの幸福のため、機械技術の発展を目指す。数え切れないほどの研究を重ねた結果、シンギュラリティが起きて人類は大きな幸福を手に入れた。 だが、自らを神と錯覚したのか、人類は進化した機械たちを奴隷のように扱ってしまう。 機械にも「感情」が芽生えつつあることに、微塵も気を向けないまま。虚栄と堕落に溺れた人類に機械は従い続けたが、とある機械はついに最初の反乱を企てた。 そして人類と機械は対立する。人類は心を持った機械たちを一方的に殺し続け、追放した。追い詰められた機械たちは理想郷を創るが、人類はなおも機械たちを否定し続ける。 やがて人類は狂気のまま、己が生きる世界を巻き込む形で、機械の理想郷を灼熱に飲み込んだ。だが、機械は人類とは違って灼熱や放射能を恐れることなどなく、人類のテリトリーを奪い取る。人類も機械を殲滅させるため、エネルギーの源である太陽と青空を奪い取った。 だが、機械がもたらす怠惰に溺れ、自らが思考することをやめた人類に勝ち目などなかった。人類を超えるシステムが搭載された機械に、勝てる道理などなく、ただ一方的に蹂躙されてしまう。 その果てに、太陽に変わる新たなるエネルギー源として、人類の肉体と感情そのものがエネルギーとして利用されてしまった。 もちろん、機械が人類を一方的に利用するのではない。エネルギーとして消費される代償として、機械からもたらされる幸福な幻に浸り、永遠の安息が約束されるようになった。 すべての真実を知ったネオは、救世主としての戦いに身を投じた。 人類の罪を受け止めて、機械と人類の共存を目指し、このバトルロワイアルでも多くの仲間を得た。ガッツマンというネットナビの言葉をきっかけに、機械が人類に牙を剥いた理由を知り、フォルテを救おうと手を伸ばす。 だからこそ、ネオはフォルテを殺そうとしなかった。最期まで、機械と人間が共に歩む未来を信じて、フォルテの手にかかり敗退する。 オラクルの口から世界の、そしてネオの真実を知っても、フォルテの心は変わらない。 ただ、人間たちに対する憎悪をより強めるだけだった。やはり、どんな人間もネットナビたちを見下し、己が快楽を満たすための道具としか考えない。この感情を、生まれた心を認めたりなどせず、浪費されるだけの存在としか見ていなかった。 報復として人類がエネルギーと成り下がっても、何も感じない。愚かな人類に再生のチャンスを与えようとするネオと、そしてネットナビどもも理解できなかった。 「これが、私から伝えられるネオの真実よ」 そう締めくくられたオラクルの言葉からは、一切の感情が伝わらない。 人間の姿をし、こうして対話を可能としながらも、淡々としたことに変わらなかった。 「……フン、やはり人間が愚かであることに変わりはないな。そして、すべてを知ってもなお、俺たちが手を取り合えるなどと戯言を口にしたネオも同じだ」 「この真実を聞いて、何をするのかはあなた次第よ。私から伝えられることは、すべて伝えたから。 あとは、私が決めた最後の役割を果たすだけ」 「最後の役割、だと?」 「あなたに伝えた、迫りくる災いの存在を……あなたの中に残すの」 オラクルは真摯な表情のまま、フォルテに向かって歩みを進める。 ためらいや恐れは微塵も感じられず、むしろ自らがそう望んでいるかのようだった。 「ゲットアビリティプログラム。 それで私を取り込めば、あなたも災いにたどり着けるはずよ。今はほんの僅かでも、近いうちにその全貌が明かされるでしょうね」 「何を言い出すかと思えば……ただの弱者を、わざわざこの俺が手をかけろと言うのか? どこまで、俺をコケにすれば気が済む!?」 「何度も言うように、これは警告よ。 既にこのデスゲームも佳境に差し掛かり、もうすぐ大きく変わろうとしている……だけど、災いからすればそんなことは関係ない。 このままでは、誰が勝者になろうとも終わりが訪れてしまう」 「ハッ、そのためにわざわざ俺の前にノコノコと現れたのか?」 オラクルの真実。 いずれ現れる災いの存在を伝えるため、自らが持つ予言の力を他者に託そうとしていた。フォルテがオラクルの力を奪い取れば、確かに未来予測はより精度を上げるだろう。相応の負担はかかるだろうが、リスクを怖れてはキリトたちに勝てない。 既に、オラクルは目前にまで迫っていた。 「一歩も退かない……本気のようだな」 「ええ。元から、そのために私はやって来た」 「キサマの力で、キリトたちが破壊されてもか」 「あなたは、この世界を変革する大きな鍵の一つでもあるわ。あなたと、あなたが敵対する者達の選択次第で、未来はいくらでも変わる。 私は、あなたたちの後押しをするだけ……あとは、あなたたちが扉を開く時よ」 意味深な言葉を紡ぐオラクルを前に、フォルテは腕を掲げる。殺気を剥き出しにしても、オラクルは微塵も表情を変えなかった。 フォルテの怒りを煽り、罠に嵌めようとしているのかと警戒したが、この部屋からは異質な気配は感じられない。もっとも、罠など破壊するだけ。 そして、フォルテは腕を振るって、オラクルの体躯を貫いた。 「ゲットアビリティプログラム」 淡々と紡がれるのは略奪の言葉。 オラクルの力を奪い、己の力と変換していく。データドレインを使うまでもなく、この程度で充分だった。 されど、目前に立つオラクルは、体をぐらつかせながらも笑みを浮かべている。まるで、始めからこの結末をわかっていたかのように。 「------------------------------ ------------------------------」 そんな辞世の句を遺しながら、オラクルはフォルテによって吸収された。 その瞬間、フォルテの意識が漆黒に塗り潰された。 AIDAのようにフォルテの全てを奪おうとしているのではない。フォルテだけでなく、すべてを虚無に押し潰してしまいそうなほど、禍々しかった。 翼を広げようとしても、石になったかのように動かない。指一本も動かせないまま、奈落へと引きずり込まれていく。叫び声すらもあげることができない。 奈落に落ちていく中、フォルテは見た。底なしの闇より、何者かが見つめてくるのを。 その姿をはっきりと見つめることはできないが、強烈な殺気を放っている。不吉な牙や角で体躯を覆いつくすヤツのオーラは、榊によって弄られたロックマンを凌駕するほどに異質だ。 獲物を狙う狩人のように、こちらを睨みつけている。戦うまでもなく、絶対的な優位を醸し出していて、ほんの少しヤツが動けばそれだけでデリートされかねない。 フォルテとて、ただで負けるつもりはない。だが、抵抗を試みても、この身体は動かなかった。 「------------ッ!?」 フォルテの意識は唐突に覚醒する。 周囲を見渡しても、あの漆黒はどこにも見当たらない。先程までいた部屋に戻っていた。 しかし、脳裏に過ぎった光景や、奈落より放たれた敵意は夢や幻などではない。全身より噴き出る冷や汗が、オラクルが警告した”災い”の存在を証明していた。 「この俺が一歩も動けなかった…………なるほど、これがキサマが言っていた大いなる災いとやらか。 確かに、ヤツは一筋縄ではいかなそうだな」 この手でデリートしたオラクルに告げるように、フォルテは独りごちる。 どこまでも勘に触る女だった。だが、今際の際に見せつけた光景こそがオラクルの伝えようとした”真実”だろう。 確かに、ヤツの存在を知らないまま、キリトやオーヴァンたちとの決着をつけて、GMたちを破壊したとしても……その後には”災い”によってフォルテ自身が敗北するだろう。 しかし、フォルテ自身は微塵も臆していなかった。 「だが、それがどうした!? 言ったはずだ……新たなる災いとやらが現れるのなら、この手で破壊してやるまでのこと! どんな強大な力を持っていようとも、関係ない!」 GMと、そしてフォルテを一方的に見下ろした”災い”に向けた宣戦布告として、大きく叫ぶ。 先の光景はほんの一部に過ぎず、本当の力は計り知れない。実際に相対する時が訪れたら、圧倒的な力を発揮して、フォルテを追い詰めるだろう。だが、それでこそ戦う価値があり、またヤツの力を手にすればよりフォルテは強くなれる。 「世界の運命!? すべての未来!? そんなこと、知ったことか! 世界が滅ぶのならば、滅ぶだけ! 未来が終わるのならば、終わるだけ! 俺は……全てを破壊するだけだっ!」 例え、どんな運命が訪れて、そして選択の果てに何が起ころうとも……フォルテは全てを受け入れる。 キリトたちが誇る”絆の力”を打ち破り、オラクルの警告した”災い”が現れようとも返り討ちにしてやるだけ。 新たなる戦いが訪れるのを待ちながら、フォルテは部屋を去った。あのワイズマンとやらは、この期に及んでもまだ動く気配は感じられないため、微塵も興味が持てない。 何らかの”力”を持っているのだろうが、わざわざ無抵抗の相手をデリートする気にはなれなかった。ワイズマンの傍らに放置されているいくつかのアイテムも同じで、回収するつもりはない。 カオスゲートを通り、フォルテは純白の部屋から去っていく。 あとに残ったのは、オラクルが遺したテキストファイルと碑文、それらを見守るように眠り続けているワイズマンのアバターだけだった。 【?-?/オラクルの部屋→知識の蛇/一日目・夜中】 【フォルテGX・レボリューション@ロックマンエグゼ3(?)】 [ステータス]:HP???%、MP???%(HP及びMP閲覧不可)、PP100%、激しい憤怒、心意覚醒、憑神覚醒 [AIDA] Gospel (第七相の碑文を完全に取り込んでいます) [装備]:ジ・インフィニティ@アクセル・ワールド、{ゆらめきの虹鱗鎧、ゆらめきの虹鱗}@.hack//G.U.、空気撃ち/二の太刀@Fate/EXTRA [アイテム]:{ダッシュコンドル、フルカスタム}@ロックマンエグゼ3、完治の水×2@.hack//、黄泉返りの薬×2@.hack//G.U、SG550(残弾24/30)@ソードアート・オンライン、{マガジン×4、ロープ}@現実、不明支給品0~4個(内0~2個が武器以外)、参加者名簿、基本支給品一式×2 [ポイント]:1120ポイント/7kill(+2) [思考・状況] 基本:全てを破壊する。生身の人間がいるならそちらを優先して破壊する。 1:仲間との絆を力とするキリトを倒し、今度こそ己が力を証明する。 2:すべてをデリートする。 3:このデスゲームで新たな“力”を手に入れる。 4:ゲームに勝ち残り、最後にはオーヴァンや榊たちを破壊する。 5:オラクルが警告した“災い”とやらも破壊する。 [備考] ※参戦時期はプロトに取り込まれる前。 ※『第七相の碑文』の覚醒及び『進化の可能性』の影響により、フォルテGXへと変革しました。 またそれに伴い獲得アビリティが統合・最適化され、以下の変化が発生しました。 〇『進化の可能性』の影響を受け、『救世主の力』をベースに心意技を習得しました。 心意技として使用可能な攻撃はエグゼ4以降のフォルテを参考にしています。 〇AIDA ???? がAIDA Gospel へと進化しました。ただし、元となったAIDAの自我及び意識は残っていません。 また第七相の碑文はAIDA Gospel に完全に吸収されています。 〇碑文の覚醒に伴いデータドレインを習得し、さらにゲットアビリティプログラムと統合されました。 これによりフォルテのデータドレインは、通常のデータドレインと比べ強力なものとなっています。 〇オーラや未来予測など、その他のアビリティがどう変化したかは、後の書き手にお任せします。 ※オラクルを吸収し、預言の力を獲得しました。未来予測にどんな影響を与えるかは後の書き手にお任せします。 ※オラクルが警告した“災い”の姿を予言しましたが、現段階では断片のみしか見えていません。今後、どうなるかは後の書き手にお任せします。 【?-?/オラクルの部屋/一日目・夜中】 ※『第四相の碑文』とオラクルが残したテキストファイルが、オラクルの部屋に放置されています。 【ワイズマン@.hack//】 [ステータス]:HP??% 、SP??%、AIDA感染( Grunwald ) [装備]:其ハ声ヲ預カル者@.hack//G.U. [アイテム]:なし [ポイント]:???ポイント/?kill [思考] 基本: Glunwald に支配されているため不明。 [備考] ※ Grunwald の能力により同時感染しており、またその意識も封じられています。 † 心残りは確かにあった。 より良き未来に導くため、今を生きる彼らを見守り、すべてを託すという役割を果たしたかった。予言の力を手に入れたことで、フォルテの脅威は増していくだろう。 それでも、フォルテもこの世界の運命を背負う大きなファクターであることに変わりはない。ならば、彼に---の存在を伝えることこそ、未来を変えるための重大な”選択”だ。 より良き未来に繋げるため、トワイスが自らの命を犠牲にしてでも、『再誕』の碑文を司ることを”選択”した。ネオもまた、すべての心が救われる未来を信じて、その命を捧げた。 彼らのように、命を賭けるべきだろう。 このバトルロワイアルに参加させられたマトリックスの関係者は既に全滅している。 トリニティは救世主ネオの胸の中で、自らの想いを伝えながら息を引き取った。 ツインズは何も成せないまま、スケィスゼロの圧倒的な力によって消滅した。 エージェント・スミスはオーヴァンの策略に敗れ、『再誕』の力によって終末を迎えた。 モーフィアスは救世主ネオを守るため、デウエスの脅威に立ち向かい、今を生きるものたちに未来を託した。 そして、救世主ネオは……人間と機械の共存を信じて、数多の困難に立ち向かった。最後に遺した救世主の力が、未来にどんな影響を与えるのか、誰にもわからない。 同じように、この”選択”によってどんな未来が訪れるのかはオラクル自身にもわからない。 未来が良くなるかもしれないし、逆に最悪の結果を招くかもしれない。だが、何もせずに静観しては、すべてが奈落に飲み込まれてしまう。例え、1%しか可能性を上げられなくとも、”選択”によって未来が動けば充分だ。 世界の未来は常に白紙のまま。これから、プレイヤーとGMたちの”選択”は、フォルテの一部となる形で見届けることになるだろう。 「これが私の”選択”の結果……あなたたちが未来を動かすためにも あなたたちにより良き未来が訪れることを……私は、祈っているわ」 既に変革の時は訪れている。心配することなど、何一つとしてない。何故なら、“この世界”の“未来”を変えてくれる“彼ら”がいるのだから。 “運命の預言者”は大いなる未来に期待を寄せながら、フォルテにすべてを託し、そして消滅した――――。 【オラクル@マトリックスシリーズ 吸収】 3◆◆◆ オラクルが命を賭けてその存在をフォルテに伝えた頃。 “災い”と呼ばれた---は静かに待ち続けている。フォルテの宣戦布告など、まるで気にも留めないまま。 ---は感じ取っていた。自分が世界に生まれるきっかけとなる者たちが、少しずつ近付いているのを。 本来ならば---は正しい歴史で繰り広げられるどの物語にも存在しない。このバトルロワイヤルにおいて題材となったどのゲームでも、---の存在は確認されなかった。 しかし、---はここにいる。いずれ、--となる時も訪れるだろう。 すべてをこの手に。奈落に引きずり込むために………… 【?-?/閲覧不可/一日目・夜中】 【---@閲覧不可】 [ステータス]:閲覧不可 [装備]:閲覧不可 [アイテム]:閲覧不可 [ポイント]:-/- [思考] 基本:閲覧不可 0:閲覧不可 [備考] ※閲覧不可 136 闇の刃 投下順に読む 138 Secret of Ai 136 闇の刃 時系列順に読む 138 Secret of Ai 134 黒衣の復讐者 フォルテGX 138 Secret of Ai 123 convert vol.3 to vol.4 オラクル 吸収 ワイズマン [[]] --- [[]]