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「ふたば系ゆっくりいじめ 955 ゆっくりの進化 一 前半/コメントログ」 胴付きれいみゅは萌え禿げる あ れいみゅ限定だよ! 赤れいむなれいみゅね! -- 2012-07-26 10 41 52 変換ミスに注意 ふらんたん可愛いよふらんたん♪ ゆっくりの超差別主義の話なのかな? -- 2018-01-26 01 58 15
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いじめられっこ 朝方に石を投げられたりしていじめられていた少年。 清村と一緒に朝日を拝んでいた 参考 清村くんと杉小路くんと、よ:キャラ名
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「ふたば系ゆっくりいじめ 842 ハイテンション/コメントログ」 ゆんやー -- 2010-07-13 09 07 35 さすがに他の人間も世界に恥をさらしたくないとみえるww<競技人口はあまり多くない -- 2010-11-13 21 25 55 実はお姉さんでしたオチが多すぎるよ! -- 2010-11-22 21 06 19 確かに実はお姉さんでしたオチには飽き飽きだ -- 2011-10-19 04 28 24 オチに飽きたお前ら2人は死ね^^ -- 2014-08-08 00 26 13
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(夢) れいむは夢を見ている。不思議な感覚である。夢の世界に自分がいて「これは夢だ」と認識している。 れいむは電車に乗っている。猿が運転する小さな列車。イベントなどで見る事ができる、俗に言うお猿の電車。 れいむは周りを見渡す。一面白一色の世界。夢にありがちな光景。特に不審に思ったりはしない。 ゆっくりだって夢を見る。夢の中では何だって起こる。だから多少おかしな事が起こっても納得してしまう。 これはこういう物なのだと。特に今回はなぜか「これは夢だ」とはっきり自覚しているのだから。 そういう訳でれいむは電車に乗り続けている。夢ならばいつか覚めるだろう。なにせ夢なのだから。 お猿の電車は5両編成。1両に1匹ゆっくりが乗っている。れいむの車両は一番前。 自分以外の乗客のゆっくりは、皆一様に青ざめた顔をして前方の一点を注視している。身動き一つしない。 れいむも自然と前を見つめる。何も感じない。何も不思議に思わない。夢では良くある事。 真っ直ぐ何処までも続く線路。どれ程進んだ頃だろうか。不意に猿の車掌が声を上げる。 「次はぁー、串刺しー。串刺しー。」 電車は駅に滑り込む。プラットホームが一つだけ。屋根もベンチも何も無い。殺風景な狭い駅。 駅に着いたのに誰も降りようとはしない。れいむもそのまま。電車から降りない。夢とはそういう物。夢とはそういう物。 その時、不意に現れた4匹の猿。駅員の格好をしている。 猿の駅員は最後尾の車両に行くと、乗客のゆっくりを電車から引き摺り下ろす。 乗客を囲む猿。瞬き一つしないゆっくり。そして次の瞬間。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 辺り一帯にゆっくりの断末魔が響き渡る。ゆっくりを囲んでいた猿達がふっと煙の様に消え、 後に残ったのは全身を針金で串刺しにされたゆっくり。 白目を剥き、刺された所から餡子を流し、ゆ゛っゆ゛っゆ゛っと唸りながら痙攣している。 普段のれいむならば失神するか恐怖で我を忘れ泣き叫んでいたであろうが、これは夢である。 恐ろしいと思いながらもどこか冷めた目で現状を観察していた。 やがて電車は何事も無かったかの様に走り出す。 またしばらく行くと、猿の車掌が案内をする。 「次はぁー、切り裂きー。切り裂きー。」 電車は駅に止まり、一番後ろの乗客が引き摺り下ろされる。そして響き渡る悲鳴。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 駅員が消えた後に残されたのは、全身を無残に切り刻まれたゆっくり。 至る所から餡子を垂れ流し、びくんびくんと痙攣している。 瀕死のゆっくりと目が合う。何かを訴えかける目。彼女の呟きが小さく聞こえてくる。 「はやく・・・はやく・・・はやく・・・」 そして電車は走り出す。2匹のゆっくりが惨殺されるところをみたれいむはすっかり怯えてしまっていた。 しかしれいむは逃げ出さない。なぜならこれは夢だから。ただの怖い夢だから。だたの悪い夢だから。 「次はぁー、焼き鏝ー。焼き鏝ー。」 また1匹乗客を降ろした電車は、次の駅を目指して走り出す。 次?次の駅?次の駅でもまた乗客が一人降ろされるのだろうか? 誰が?今、この電車に乗っているのはれいむとれいむの後ろに乗っているゆっくりだけ。 順番で行けば次は後ろの子の番?ではその次は? 俄かに引き攣るれいむの顔。だが大丈夫これは夢だ。自分に言い聞かせる。 大丈夫。大丈夫。大丈夫。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。 しかし、震えは止まらない。全身を焼かれ、炭になったゆっくりの呟きが耳から離れない。 「おきないと・・・おきないと・・・おきないと・・・」 お猿の電車は走り続ける。たった2匹になった乗客を乗せて。 終点は?終点はどこだ?この夢の終わりは?悪夢の終了は? 大丈夫。きっともうすぐ目が覚める。目が覚めたらきっとまたゆっくりできる。 だってこれは夢なんだから。だってこれは悪い夢なんだから。 やがて電車は減速し、プラットホームが見えてくる。 れいむの願いを打ち砕く、車掌の非情なアナウンス。 「次はぁー、押し潰しー。押し潰しー。」 れいむは見てしまった。一部始終を。猿の駅員に引き摺り下ろされたゆっくりは、大きな万力にセットされる。 ゆっくりと回るハンドル。締め上げられるゆっくり。歪んだ顔から漏れ出す餡子と悲鳴。 無残に潰されたゆっくりを背に、静かに走り出す電車。風が彼女の最後の言葉を運んでくる。 「ほんとうに・・・ほんとうに・・・ほんとうに・・・」 いよいよ、最後の乗客になってしまったれいむ。早く起きないと。早く起きないと。 死んでいった仲間達。初めて見る家族以外のゆっくり達。 一緒に遊びたかった。一緒にゆっくりしたかった。 また今度会いましょう。違う夢で。また今度会いましょう。楽しい夢で。 だから今は、お願い早く目覚めて。夢から覚めて。夢から覚めて。 彼女達が残した言葉。早く、起きないと、本当に・・・死・・・ 「次はぁー。撲殺ー。撲殺ー。」 車掌の声。駅のホーム。猿の駅員。手には棍棒。 起きないと!起きないと!起きないと!起きないと! 引き摺り下ろす駅員。抗うれいむ。抵抗は空しく、れいむは床に固定される。 早くしないと!早くしないと!早くしないと!本当に! 振り上げられる棍棒。こびり付いた餡子のシミ。どれほどのゆっくり達を屠ってきたのだろう。次はれいむの番。 早く目覚めろっ!悪夢よ去れっ! (現) 「ゆううううううううううううううううううう!!!!!」 絶叫と共に目覚めるれいむ。体中汗びっしょり。はぁはぁはぁ、と全身で息をする。 「どうしたの?こわいゆめをみたの?うなされてたよ。」 母の声。れいむを案じて体を寄せ、ほっぺたにすりすりしてくれる。 母の体温が心地良い。良かった・・・夢から覚めた・・・これでゆっくりできる・・・ 心配する母に「へいきだよ。もうだいじょうぶだよ。」と返事をし、辺りを見回す。 いつもと変わらぬ景色。四面を囲う茶色の壁。母と幼い妹達。 1分もかからず1周できる狭い世界。小さな小さなれいむの世界。 良かった。戻ってこれた。現実の世界に。夢は終わった。 悪夢の事などすっかり忘れ、家族と一緒にゆっくりする。 跳ねまわり、歌を歌い、昼寝をし、すりすりする。 家族の他に仲間はいないが、そのかわり天敵もいない。餌を探さずとも、ご飯は定時に空から降ってくる。 とてもゆっくりと流れる時間。時間が止まったらいいのに。この時がいつまでも続いたらいいのに。 しかし無情な時の流れは、何時までもれいむをゆっくりとはさせてはくれない。 突然現れた黒く大きな影。長く延びた2本の腕。れいむ達に向かってくる。 「ゆっ!どこにいくの!かえしてね!れいむのかわいいあかちゃんをかえしてね!」 2本の腕はれいむの一番幼い妹を連れ去った。母が半狂乱になりながら叫ぶ。 やがて聞こえてきた赤ゆっくりの悲鳴。その大きな悲鳴が、だんだん力なく小さくなっていく。 「ああああ!あかちゃん!まっててね!おかあさんがいまたすけにいくからね!!!」 壁に体当たりを繰り返す母。そこへ空から何かが降ってくる。 漂う甘い香り。穴から黒い何かを流している。物言わぬ物体。白くモチモチとした小さな死体。 「ゆぎゃあああああああああ!!!れいむのあかちゃんがああああああ!!!!!!」 目に映ったのは、針金に全身を貫かれた幼い妹の変わり果てた姿。れいむは気を失った。 (夢) れいむが目を開ける。そこに広がっているのは白一色の世界。そして猿の電車。 夢・・・また同じ夢の世界に来てしまった。 早く目覚めなければ。早く・・・早く・・・ 必死に「おきろ!おきろ!」と唱え続けるれいむ。 しかし、一向に目が覚める気配はない。そして聞こえてきた車掌の声。 「次はぁー、切り裂きー。切り裂きー。」 繰り返される悪夢。この前と同じ展開。待っているのは、おそらく同じ結末。 れいむの後ろの乗客たちは、切り裂かれ、焼き鏝を当てられ、万力で押し潰される。 あああ・・・次はれいむ・・・れいむの番・・・ 車掌のアナウンスが聞こえ、遠くに駅が見えてくる。 早く起きないと!早く起きないと! 電車が止まり、れいむに寄ってくるのは棍棒を持った死刑執行人。 れいむは目を閉じひたすら念じ続ける。 覚めろっ!覚めろっ!覚めろっ! (現?) 再び目を開けると、そこにあるのは茶色の世界。戻ってきた。現実の世界。 しかし、そこには何時ものゆっくりとした時間は流れていない。 我が子を失い打ちひしがれている母。黒い影に怯える妹達。 黒い影はまたやって来た。2本の長い腕がれいむの妹ににじり寄る。 逃げる赤れいむ。しかし、ここは四辺を茶色の壁で囲われた狭い世界。あっと言うまに追いつめられる。 「やらせないよ!やらせないよ!」 おかあさん!子供達が叫ぶ。伸びてきた手に体当たりをする母。黒い影が一瞬たじろぐ。 既に一人子を失った。この子までもやらせはしない。母は憤怒の表情で長い腕の前に立ち塞がる。 黒い影の標的が子から母へ変わる。その大きな左手が母れいむを床に押さえつける。 「おかあさん!!!」 「だいじょうぶ!おかあさんはへいきだよ!みんなははやくにげてね!」 逃げる?いったい何処へ逃げると言うのだ?壁に囲まれた小さなこの世界で。 母の言葉を真に受けて、壁に向かって体当たりを続ける妹達とは違い、 れいむは床に押さえつけられた母を、静かにじっと見続けていた。まるで夢でも見ているかの様に。 なぜだろう?これが現実であると言う実感が湧かない。どうしてれいむ達がこんな目に遭うの? 自分達はゆっくりだ。ゆっくりする為にうまれ、日々をゆっくりと過ごす。こんな目に遭う為うまれた訳じゃない。 なぜこんな目に遭う?理由は?・・・理由?ひょっとして理由なんて無いんじゃ? 理由が無い・・・理不尽な仕打ち・・・この感覚・・・何処かで・・・ 夢?これはひょっとして夢なんじゃないか? れいむがそんな事を考えている間も、黒い影は休む事無くその腕を動かし続けた。 母を目がけて伸びてゆく右手。握られているのは鈍い光を放つ鋭利なナイフ。 その鋭い切っ先が母の体を切り刻む。流れ出る餡子と悲鳴。 妹達は気も狂い、訳の解らない言葉を発し、泣き叫びながら壁に体当たりを続ける。 れいむは動かない。薄れゆく意識。こんなのゆっくりじゃない。こんなのが現実なはず無い。 (夢?) 目を開ける。見えてきたのは白い世界。夢の世界。怖い怖い悪夢の世界。 聞こえてきた、車掌の声。聞きたくもない、あの言葉。 「次はぁー、焼き鏝ー。焼き鏝ー。」 繰り返される悪夢。耳から離れない悲鳴。こんなの嫌だ!誰か助けて! 再び現実。茶色の世界。次の犠牲者。幼い妹。 伸びる黒影。手には焼き鏝。焼かれる幼子。消えない悲鳴。 いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ 夢?現実?区別がつかない。ここは何処? 目の前にあるのは万力。挟まれているのはれいむの妹。 長い腕がハンドルを回すたび、赤ちゃんの悲鳴が世界に響く。 「たすけて・・・おねえちゃん・・・」 何もできない。どうする事もできない。ただ見てるだけ。黙って見てるだけ。 万力に締め上げられたその小さな体は、裂け目から涙の様に餡子を流す物言わぬ唯の物体に。 こんなのゆっくりじゃない。こんなのゆっくりじゃない。 ゆっくりはゆっくりしているべきもの。ゆっくりしていないのはゆっくりじゃない。 れいむはゆっくりだ。だからゆっくりするべきだ。 ゆっくりする。だかられいむはゆっくりする。でもできない。なぜ?せかいがゆっくりさせてくれない。 どうしてゆっくりできない?ゆっくりはゆっくりするはずなのに。なぜせかいがじゃまをする? せかいはまちがっている?だからゆっくりできない?ここはれいむのいるべきせかいじゃない? そうだこれはゆめなんだ。そうだこれはゆめなんだ。 だかられいむはゆっくりできない。そうだ。わるいゆめだからゆっくりできないんだ。 (夢。これは夢。全部夢。悪い夢。) れいむを見下ろす大きな黒い影。2本の長い腕がれいむに迫ってくる。 持ち上げられたれいむ。わぁ、おそらをとんでるみたい。まるで夢の様だ。 眼下に見えるはれいむの世界。さよならさよなら悪夢の世界。小さな小さな茶色の世界。大きな大きな段ボール。 机の上に下ろされたれいむ。れいむの上に振り下ろされた棍棒。 痛い。痛い。痛い。痛い。 だんだん意識が遠のいていく。痛みがだんだん消えていく。 やっぱりこれはゆめだったんだ。こわいこわいゆめだったんだ。 その証拠に夢の住人の声が聞こえてくる。次の行先。れいむの現実。 「次はぁー。fuku****.txt。fuku****.txt。」 ネタ元:猿夢 end 作者名 ツェ? 今まで書いたもの 「ゆっくりTVショッピング」 「消えたゆっくり」 「飛蝗」 「街」 「童謡」 「ある研究者の日記」 「短編集」 「嘘」 「こんな台詞を聞くと・・・」 「七匹のゆっくり」 「はじめてのひとりぐらし」 「狂気」 「ヤブ」 「ゆ狩りー1」 「ゆ狩りー2」 「母をたずねて三里」 「水夫と学者とゆっくりと」 「泣きゆっくり」 「ふゅーじょんしましょっ♪」 「ゆっくり理髪店」 「ずっと・・・(前)」 「ずっと・・・(後)」 「シャッターチャンス」 「座敷ゆっくり」 「○ぶ」
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※ゆっくりいじめ小ネタ369 ゆっかりクッキング?やゆっくりいじめ系782 非ゆっくり過敏症?の続きですが読まなくても無問題 れいむは激怒した。 かつて自分が愛したまりさの醜態に。 彼女はれいむ達の住む森で一番足の速いゆっくりだった。 そして、更なる強敵を求めて人間の街へと旅立った。 れいむを森に残して。 きっと人間さん相手でも一番になって帰ってくる。 そう信じて待ち続けることおよそ1ヶ月。 まりさは帰ってこなかった。 彼女のことが心配になったれいむは仲間達の制止を振り切って旅に出た。 まりさのように健脚でない彼女にとってはとても長い旅。 その道中で、れいむは様々な苦難を体験し、乗り越えてきた。 あるときはれみりゃに襲われた。 あるときはきめぇ丸の執拗な嫌がらせを受けた。 レイパーありすにすっきりさせらそうになったこともあった。 それでもれいむは全ての苦難を乗り越え、愛するまりさの元へと急いだ。 あてもいクセにゆっくり特有の無駄なポジティブさできっと会えると信じて。 奇跡的にもその無根拠な自信がくじかれることは無く、簡単にまりさを見つけることが出来た。 しかし、まりさはかつて彼女が愛したまりさではなくなってしまっていた。 見知らぬゆっくり達と一緒に猫車に乗せられ、人間さんに媚びるまりさ。 かつてれいむを見つめた綺麗な瞳は布のようなもので覆い隠され、その様子をうかがうことは出来ない。 れいむの知っているまりさなら、人間さんとゆっくりを従えて雄々しく森へと帰ってくるはずだ。 きっと、人間さんにおかしな事をされてしまったに違いない。 人間の女性にものの見事に手懐けられてしまったまりさの様子を木陰から伺うれいむはそんな結論を下した。 支離滅裂以外の何者でもない思考だが、そう思った瞬間からそれがれいむにとっての真実になった。 「きょうはさくせんさんをゆっくりけっこうするよ」 れいむは自分よりはるかに大きな人間を打倒するための手段を必死に模索した。 とにかく寝床を確保するために適当なゆっくりのおうちを奪って、集められるうちに食料を集めた。 それから、人間という生き物を何度も何度も観察して、彼らの弱点を見つけることに成功した。 「ゆっふっふ・・・おめめにいしさんをあてたらにんげんさんでもいちころだよ」 まれにゆっくりが窓ガラスを割って民家に侵入することがある。 そのとき、彼女達はよく膨らむ頬に空気をため、思いっきり石を吹くことでガラスを破壊する。 言ってしまえば今回の作戦はその応用である。 自然の中では準備に時間がかかりすぎるせいで戦闘には全く使えない技術だ。 しかし、ゆっくりがいることやゆっくりが膨れていることを気にも留めない人間相手ならば必ずしもそうではない。 「まりさぁ~・・・れいむとおうちでゆっくりしようね~♪」 そして、れいむはターゲットとなる人間が朝早くに猫車に大量のゆっくりを乗せて公園にやってくることを知っていた。 もちろん、その公園でゆっくりを遊ばせている間、ベンチに腰掛けてボーっとしていることも。 時間・場所・手段・・・いずれをとってもゆっくりの能力で出来る範囲内では非常に優れた選択に違いない。 れいむ自身、その自覚があるらしく、既に人間さんをやっつけた後のまりさとの新婚生活に思いをはせ頬を緩めていた。 恐らく、あと数分であの憎き人間がやってくる。 そしたらあの間抜け面にとって置きの尖っていて痛そうな石をぶつけてやる。 そうすればあまりに痛さに耐え切れなくなった人間さんはれいむにごめんなさいするに違いない。 これでまりさとの幸せな生活が帰ってくる、そう思いながらベンチの目の前でれいむはだらしない表情をしていた。 ざっ、ざっ・・・顔を見られないようにベンチに背を向けながら足音でターゲットの接近を察知する。 振り返りざまの一撃。これを確実に当てるための練習は何度もしてきた。 ここ3日の命中率は80%を超えているから、きっと大丈夫。れいむはやれば出来る子。 そう言い聞かせながらベンチに腰掛けた人間目掛けて尖った石を飛ばした。 「いでっ!?」 結果は見事命中。 石を目に当てられた男は手に持っていたれいむを放り投げてから、顔を抑えてうずくまった。 放り投げられたれいむはれいむにぶつかると「うにゅ・・・」と短く悲鳴を上げる。 そのれいむはすぐさま起き上がると、れいむに何か言うことも無く、急いでその場から立ち去った。 「いってー・・・何だよあのれいむ、クソッ」 幸運にも眼球に直撃せずに済んだ男はようやく痛みから立ち直り、れいむを捕まえて再びベンチに腰掛けた。 どうやら先ほど自分が手にしていたれいむと石をぶつけたれいむの区別がついていないらしい。 が、そのことに気付かないれいむは男の膝の上で驚愕し、久しく忘れていた死の恐怖に震えていた。 どうして相手の顔を確認しなかったんだろう。よりにもよっておねーさんよりも強いおにーさんに攻撃してしまうなんて。 「お、やっと来たか・・・」 男は恐怖のあまりに身動きひとつ取れないれいむを抱きかかえて立ち上がる。 彼の視線の先にはもうひとりの男。 見る人が見ればその表情には死相が見えそうな、妖気を漂わせた不気味な男だ。 「さあ、これが約束のれいむ偽装型ゆっくりおくうです」 「ありがとう、これでようやく復讐が出来るよ・・・」 「ご武運を祈っております」 男はおくうだと勘違いしているれいむをもうひとりの男に手渡すと足早にその場を後にした。 公園に残されたのは1匹のれいむとひとりの男だけ。 彼もまたれいむを抱きかかえたまま講演を後にし、霞ヶ関へと急いだ。 「おくう、俺の家族はな、警察に殺されたんだ・・・」 道中、人が居ない所で男はれいむに向かってそんな事を呟いた。 別に返事が欲しいわけでも、慰めて欲しいわけでもなく、ただ何となく呟いていた。 れいむを抱える腕に力が篭る。 「ゆぐ・・・おじさん、いたいよ。れいむ、ゆっくりできないよ」 「あっと・・・悪い。本当に警察の手にかかったわけじゃないんだがな・・・」 それでも、殺されたも同然だ。ゆっくりの大好きな普通の娘と妻だったのに。 男は腕に篭った力を少し抜きつつ、そう吐き捨てると小走りで最寄の駅へと向かった。 それから少しして、男とれいむは霞ヶ関に到着した。 「ふふふ、これでようやく・・・」 「ゆぅ・・・?」 男は不気味な笑みを浮かべながら警視庁へと歩いていた。 当然、れいむを連れて中に入れるとは微塵も思っていないが、そもそも入る必要も無い。 おくうは小型の核兵器級の破壊力を有し、飼育にはゆっくりの中でも最高難易度の免許が必要になる。 彼にとって重要なのは近づけるだけ近づいておくうを爆発させることだけ。 適当に近くの路地裏にでも隠れてそこでおくうを爆発させればそれで復讐が成し遂げられるのだ。 「なんだかえらく警備が厳重だな・・・でも、ここまで近づけば大丈夫かな?」 「ゆう・・・なんだかゆっくりできないよ」 警察の目を盗みつつ警視庁に近づく男が死ぬ気であることをれいむは本能的に察知し、酷く怯えていた。 彼はそんなれいむに済まなさそうな顔を向けつつ、彼女をアスファルトの地面に置く。 懐からライターを取り出し、彼女の頬に火をつけた。 「ゆぐ・・・あづいよ!ゆっぐぢでぎないよ!?」 「あ、あれ?・・・って、大声出すなよ」 「むぐーむぐー!?」 しかし、れいむの頬が黒く染まり、甘いにおいが立ち昇るだけだった。 頬を焼かれたれいむは熱さと痛みにやられて今にも泣き出しそうな悲鳴を上げる。 男は彼女の口を塞ぎつつ、場所を変えて点火を試みた。 「んー!んびぃ!?・・・ゆ゛っ!?」 髪の毛、あんよ、舌・・・一回一回の点火時間は決して長くないが、ライターの火は確実にれいむを苦しめる。 男は何度やっても一向に爆発しないことに焦りながら、何度も何度もれいむのまだ焼けていない場所に火をつける。 が、やはり爆発する気配は見られなかった。 「ゆうー!やべでね、れいむおぢざんどはゆっぐぢでぎないよ!?」 「・・・まさか、お前おくうじゃなくてれいむなのか?!」 「そうだっていっでるでぢょ!?ゆっぐぢでぎないおぢざんはぎらいだよ!?」 れいむは男の手を振り払うと火傷だらけの体を引きずって何処かへと跳ねていった。 幸いにも火傷は極めて軽傷だったために我慢さえすれば跳ねることも出来た。 男は去ってゆくれいむの後頭部を呆然と見つめていた。 2時間後。 今まで家族を思い出すのが辛くて避けて来たゆっくりとの接触によって在りし日を思い出した男は自首をした。 家族の大好きなゆっくりを犯行に使おうだなんて自分はどうかしていた。 警視庁を爆破してしまえばどれほどの影響が出るか、それがどれだけの人々を苦しめるか。 冷静になった彼は警察へと駆け込み、自分の計画とれいむ偽装おくうを売った男のことを洗いざらい話した。 その後の警察の動きは信じられないほどに迅速で、例のおくう販売人はあっという間に身柄を拘束された。 何でも、少し前に逃げ出したれいむ偽装おくうを捕まえた女性から連絡があり、他にもいるのではと警戒していたらしい。 そこに男の話が飛び込んできたのだ。流石に東京におくうがばら撒かれかねないという危機を前にしては警察だって本気を出す。 そういった経緯で、この事件は大事に至る前に終息した。 東京を、そして日本を救ったこの出来事の裏に一匹のゆっくりれいむの活躍があったことを知るものはいない。 ---あとがき--- 設定次第ではあるがおくうはテロに使われそうだ byゆっくりボールマン
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「ふたば系ゆっくりいじめ 978 暗く湿った穴の中/コメントログ」 ゆっくりって、頭が悪いというか致命的なまでに危機感が無いよね -- 2011-08-01 13 01 55 てゆーかこの人口でかすぎww -- 2011-10-09 10 51 00 ↓そうか?作者にもよるけど赤ゆってだいたいピンポン玉よりちょい小さいくらいじゃなかったっけ? -- 2012-04-18 02 39 32 ↓ピンポン玉って直径4cm程度。意外と大きいよ。それを口に入れて舌を自由に動かせるほど口内って広くないよね~ 。 -- 2018-01-02 14 25 22
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※俺設定があります。 ※他SS様の設定が混じっている可能性があります。 ※多少の矛盾な点はありますが、気にしないでいただけると助かります。 『実力のない話』 ゆっくりからしたら、野菜なんてものは勝手に生えてくるものであり、人間はそれを独り占めする悪い奴なのだそうだ。 「ゆっ! はやくここからだしてまりさをゆっくりさせるんだぜ! はやくするんだぜ!」 「ごはんちょうだいね! そこのおやさいでもいいよ! ゆっくりしてないでさっさとゆっくりちょうだいね!」 「おやさいをひとりじめするじじいがわるいのよ! これだからいなかものはまなーがなってないわ!」 「むきゅー……」 毎度おなじみゆっくりまりさ(だぜ口調)、ゆっくりれいむ(喋ってること矛盾してるぞオイ)、ゆっくりありす(まなー、ねぇ)、ゆっくりぱちゅりー(相変わらずひ弱そうである)の四種である。 ちょうどウチの畑を狙ってたようなので、ぱぱっと捕まえて毎度おなじみ透明の箱の中にそれぞれ入れてみました。 「ならば聞こう。野菜は勝手に生えてくるのか?」 無駄であろうが一応聞いてみる。が、結果は言わずもがな。 「ゆ? あたりまえでしょ? だからさっさとおやさいちょうだいね!」 「なにばかなこといってるんだぜ? ばかなこといってないでさっさとまりささまをここからだすんだぜ!」 「まりさ! きっとこのにんげんはばかだからありすたちのいってることをりかいできないのよ!」 「むきゅー……」 上かられいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりーである。 れいむ、まりさ、ありすは完璧に野菜は勝手に生えるものだと思い込んでいるようだ。だが、ぱちゅりーの反応だけは他のと異なっている。 さすがゆっくりの中でも頭のいいぱちゅりー種、野菜は勝手に生えるものではないと理解しているようだ。 俺はぱちゅりーを除いた三体に問うた。 「じゃあなんで『勝手に生えてくる野菜』が、人間の畑でしか見ることができない?」 「にんげんがひとりじめしてるからでしょお!?」 「ゆっへっへ、やっぱりこのにんげんばかだぜ! なあれいむ!」 「そうだよ! ばーかばーか!」 「そうよそうよ! このいなかものー!」 「むきゅー……」 ぱちゅりー、さっきから同じセリフしか言ってないよ。 ふむ、この一団の力関係が見えてきた。まずれいむがいて、まりさはそのれいむに気がある。そのまりさにありすは好意を抱いている、といったところか? れいむはあまり頭がよくないようだが、他の三体よりやや体が大きいところをみると、この四体の中では一番強いのかもしれない。 まりさはとにかく自己中心的。あとキミ、他人のことバカバカ言ってるとしっぺがえしが恐ろしいことになるよ。 ありすはまりさに依存しているようである。ありすがまりさに気があるのならば、もしかするとまりさはガキ大将的な立場なのだろうか。それでれいむとありすを引っ張っている? ということは、ぱちゅりーは他の三体に無理やりつれまわされてるいじめられっこ的な立場ということか。 少し読めてきた。 ここの近くにはドスまりさの率いる群れがいるらしい。この四体はその群れでドスの言いつけを守らずに人間の畑を襲おうとした、若い連中だろう。 ぱちゅりーはドスの言いつけを理解していながらも、他の三体に無理やり連れてこられた、といったところか? 自分の意見を言えるほどの度胸もなく、付いていかなかったことで仲間はずれにされることも怖がる。 そして他の個体よりなまじ知恵があるから罪悪感を、いや、死への恐怖を感じて泣いている。 そう、ぱちゅりーは泣いていた。他の三体は俺に罵声を浴びせることに夢中で気付いていないようだが。 「ぱちゅりーは理解しているんだな」 「むきゅ……」 俺がぱちゅりーに話しかけると、ぱちゅりーは縮こまった。俺怖がられてるなぁ、まぁ仕方ないか。 しかし他の三体は一斉にぱちゅりーの方を向き、何故か罵倒し始めた。 「ゆゆっ!? ぱちゅりー、どういうことなんだぜ!? まさかまりさたちをうらぎったのかだぜ!?」 「どうしてれいむたちをうらぎったのぉ!? ばかなの!? しぬの!?」 「とかいはのありすたちをだますなんてぱちゅりーはとんだいなかものね!」 いやいや待て待て、ぱちゅりーが何をどう騙して裏切ったんだよ。……とツッコミをいれたいが、どうせ無駄なので黙っておく。 他の三体からいわれもない裏切りの罪を問われるぱちゅりーはというと、静かに涙を流していた。多分、こんな経験は一度や二度ではないのだろう。 「ないてないでどういうことかせつめいしてね、ぱちゅりー!」 「ないてすむんならどすはいらないんだぜ!」 「ほんとうにぱちゅりーはいなかものよね!」 ああ喧しい。五月の蝿みたいだ。 あとありす、おまえいなかものいなかもの連呼しすぎ。おまえは新しい言葉を知って喜んでそれを連呼する子供か。……ああ、子供以下の知能だっけか。 「よし、ぱちゅりーは解放してあげることにしよう!」 「むきゅ!?」 「ゆ゛っ!? どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「ゆっ! やっぱりぱちゅりーがうらぎったんだぜ! うらぎりものはぜったいにゆるさないんだぜ!」 「おにーさんそんないなかものぱちゅりーよりもとかいはなありすたちをかいほーしてね!」 うん、予想通りの反応……だが、ぱちゅりーを解放すると言ったのにそのぱちゅりーがガタガタ震えてるのはどういうことだ。 「ぱちゅりーは群れに戻りたくないのかい?」 「むきゅ……もどりたいけど……」 他の三体のほうをチラリと見る。なるほど、ここで一人だけ戻ったら、後でこの三体にいじめられるんじゃないかと恐れてるわけか。饅頭社会も世知辛い。 しかし俺はそんなゆっくりの事情なんか知らないね。ぱちゅりーを透明箱から出してやり、地面に置く。 「ほら、さっさと帰りなさい」 「むきゅ……むきゅぅ……」 おー困ってる困ってる。他の三体は相変わらず罵倒を続けてるし、ぱちゅりーは今にもクリームを吐き出してしまいそうだ。 しかしここで、俺はぱちゅりーだけに聞こえるように囁いてあげた。何がなんでも帰らなくてはいけなくなる魔法の呪文である。 「もたもたしてると、れいむとまりさとありすを殺しちゃうよ?」 「むきゅ!?」 「ドスを呼ぶといい。ドスがここに来たら、この三体を無事に帰してあげよう。もちろん君がいじめられることはない。さぁ、早くいきなさい」 殺す、という言葉に青ざめたぱちゅりーは慌てて森の方へぽよぽよと跳ねていった。体の弱いぱちゅりーだ、ゆっくりの中でもそのスピードは特に遅い。それでもぱちゅりーの必死さはここからでもよく見える。 しかし残念なことに、俺は嘘吐きなのである。 ぱちゅりーがもたもたしていてもしていなくてもこの三体が死ぬことに変わりはないし、ぱちゅりーがいじめられることにも変わりはない。 何より、ドスが俺の家に来ることはできない。 ぱちゅりー、君が理解していようと、ゲスなゆっくりに無理やり連れてこられたのであろうと、畑を襲おうとしたことは事実なんだよ。その報いは、受けなければならないんだ。 逃げ出したぱちゅりーを罵りながら騒ぐ三体を無視して俺は隣人の家に行き、その家にいる『彼ら』に合図を送った。 これでドスの群れが一つ全滅するだろう。『彼ら』はゆっくりと全力で跳ねていくぱちゅりーをゆっくりと追跡し始めた。 こっちはこれでいい。俺はゆっくりを三つ得たのだ、かねてから行おうとしていた実験ができるからそれでいい。 必死のぱちゅりーをゆっくり追いかけていく虐待お兄さんたちを眺めながら、俺は自分の家に入った。 早速畑を囲む柵を確認する。この柵によってゆっくりは畑に侵入することはできず、畑の中のゆっくりは逆に外には出られない。 うーパックによる侵入に対してはなすすべもないが、このあたりにうーパックが出没したという話は聞かないのでまだこのままでもいいだろう。 もちろん柵はドスまりさでもなければ壊すことはできない。 俺は部屋に入って、飼っているゆっくりゆうかを呼んだ。 「おーい、ゆうかー」 「ゆー……、おにーさんなんのよう?」 昼寝していたところを起こされたからか、少し機嫌が悪そうだ。 普通ゆっくりの間で異端とされるゆっくり種は、時々人間に飼われることがある。 捕食種であり、ゆっくりを餌とするゆっくりれみりゃやゆっくりフラン。 畑の番人として使われるゆっくりめーりん。 ゆっくりを嫌い、ゆっくりをゆっくりさせないことに全力を注ぐきめぇ丸。 そして農耕の知識を持つゆっくりゆうか。 ウチで飼ってるゆうかは何ヶ月か前に怪我していたところを拾い、それから畑の野菜を育てるのを手伝ってもらっている。 最初は俺のことを警戒していたが、今はそこそこの仲だ。 「ゆうか、畑の大根の収穫は明日だよな」 「うん、そうだよ。それがどうかしたの?」 「明日収穫したら、ゆうかにもう一度働いてもらいたい」 「……なんで?」 「身の程知らずアンド野菜が勝手に生えると勘違いしている連中に思い知らせてあげようと思うのですよ、ゆうかりん」 そう言いながら例の三体の入った箱を指すと、ゆうかの口が吊りあがった。 あまり知られてないことだが、ゆうかは捕食種だ。それも、他のゆっくりを虐めることが大好きなドSゆっくりである。 特にこのゆうかは、かつて自分の畑を他の無知なゆっくりに食い尽くされたことでゆっくりへの憎悪が一割り増しの素敵なゆうかである。 「ゆ、わかったよおにいさん。ゆうかりんがんばるね」 「がんばってくださいねー、と」 まずは例のゆっくりトリオの箱を畑の前に置いた。 ゆうかや俺の愛(?)がこもった畑に広がる大根に、ゆっくりがまた騒ぎ出す。 「ゆゆっ、すごいね! おじさんはやくれいむにそこにはえてるおやさいちょうだいね! ぜんぶくれてもいいよ!」 やっぱりこのれいむ、頭悪いねぇ。まぁこれがゆっくりのスタンダートなんだから仕方が無い。しかし全部よこせとは図々しい。 「おじさん! このいだいなるまりささまにおやさいをよこすんだぜ! そしたらゆるしてあげないこともないんだぜ!」 ゆっくりに赦されてもなぁ。ありがたみが感じられない。 「いなかもののおじさんはさっさとありすたちにとかいはなおやさいをちょうだいね!」 都会派な野菜ってなんだよ。 ううむ、どうやらこの三体はどうも頭がよくない個体のようだ。 体は成体に近いが、どうやら体が大きいだけでまだ子供の域を出ていないようである。 多分妊娠型出産での誕生で、生まれてまもなくに狩りを成功させた感じだろう。確認のために聞いてみる。 「ところでおまえら、群れの中じゃ狩りはうまいほうなのか?」 「ゆ? そんなことはいいからおやさいを──」 「答えたらそこに生えてる大根を一本くれてやる」 「ゆゆっ! れいむもまりさもありすも、かりはだいとくいだよ!」 「ゆっへん! むれのなかでもまりさたちのかりのうでまえはおとなかおまけなんだぜ!」 「とかいはのありすたちにかかればらくしょーよ!」 あっさりと釣れた。 狩りを行うゆっくりはまず体力が必要になる。そして食物を口の中に溜め込むために、必然的に体の方も大きくなろうとする。 狩りをしている途中でつまみ喰いとかしていれば、自然に他のゆっくりよりも成長は早くなるだろう。 もうひとつ、妊娠型出産は植物型出産とは違い、親の記憶を多く受け継ぐ。それによって狩りに必要な知識を受け継げば、早いうちから狩りを行うこともできるだろう。 「ということは、おまえらは群れの中じゃリーダーに近い位置にいたのか」 「ゆっ! りーだー? りーだーはどすだよ?」 「ゆゆっ、たしかにどすはりーだーだけど、まりささまのほうがよっぽどりーだーにふさわしいぜ!」 「そうよ! れいむもありすもぱちゅりーも、ちぇんもみょんもみんなまりさがりーだーとみとめてるわ!」 「ゆっ、そうだね! りーだーはまりさだね!」 「ゆっへん!」 なるほど、他の個体よりも狩りのうまいこの三体はやはりガキ大将のような立場だったようだ。 ……無謀なだけのこのだぜまりさがドスより優れているとは思えないが。 さて、約束通り大根を一本持ってきて、三体の目の前に転がしてやった。虫に食われたやつだが、ゆっくりからしたらこんなくず野菜でもご馳走だろう。 箱から三体を出してやると、あっという間に大根に群がり、ほぼ一瞬で大根が消えた。物凄い食欲である。 「おじさんもっとちょうだいね! こんなんじゃぜんぜんたりないよ!」 「もっとおやさいをよこすんだぜ! いたいめみたくなかったらさっさとよこすんだぜ!」 約束は大根一本なので無視。約束は破ってはいけません。 が、ここでありすがとんでもない発言をしやがった。 「ゆっ! なにいってるのふたりとも! おやさいならめのまえにたくさんあるじゃない!」 「ゆゆっ? そういえばそうだったね!」 「きがつかなかったんだぜ! さすがありすだぜ!」 おいこらキミタチ、その畑の持ち主の目の前でなんつーことを。足蹴にされて潰されても文句は言えないぞ。 というわけでぱぱっと再び透明箱の中に戻してやる。 「ゆーっ! ここじゃゆっくりできないよ!」 「はやくまりささまをだすんだぜ!」 「こんなのとかいはじゃないわ!」 無視。 「はーい静粛に。君たちには特別に大根をプレゼントしよう」 ゆっくりどもがまた何かわめくが、完全無視でルールを押し付けてやる。 「ただし、その大根はおまえらが自分で育てること。あるヒトに譲ってもらった特別な種で、三日間大事に育てればそれはもう立派な大根が出来上がる。 ちゃんと水を与え、肥料を与え、愛を込めればとても美味しい大根になる。 で、だ。おまえらとは別の畑で、ゆうかが同時に同じ種を育てる。参考にするといい」 ゆうかがぽよんぽよんとはねてくる。その姿を三体の前に晒した途端、三体がまた喚き出した。 「ゆっ! ゆうか!?」 「ゆゆっ! おはなをひとりじめするわるいゆっくりだぜ!」 「ぜんぜんとかいはじゃないわ!」 「おまえらの隣で、このゆうかがおまえらとまったくの同条件で大根を育てることになる。理解した?」 「ひとりじめするゆうかはゆっくりしね!」 「おはなをぜんぶまりささまたちによこすんだぜ!」 「いなかもののゆうかはゆっくりしんでね!」 理解してくれないようです。 どうしようかとゆうかの方を見ると、ゆうかは三体を鼻で笑った。 「ゆううーっ! いまれいむたちのことばかにしたでしょ! ゆうかのくせにぃぃぃぃ!」 「あやまってもゆるさないんだぜ! このまりささまのちからでじきじきにころしてやるんだぜ!」 「とかいはのありすのぜつみょうなてくにっくでしぬまでいかせてあげるんだから!」 うわー、こいつらあっさりとゆうかの挑発にひっかかっちゃったよ。冷静さが足りてないな。若い。 本来感情に任せやすいれいむ、まりさ種をたしなめる役の頭がいいぱちゅりーはいないし、冷静であるべきはずのありすはレイパーの片鱗を見せてしまっている。 そんな三体の罵詈雑言をやっぱり無視して、ゆうかは部屋に戻っていった。 ゆっくりを相手にするときの一番の手段は、無視することである。 俺もゆっくりどもを無視して部屋に戻った。暇な時間は読書で潰してしまおう。 翌日、早速大根を収穫した。普通の農家の人の畑に比べたら狭いが、それでもゆうかのおかげでなかなか品質のいい大根を収穫することができた。 俺の大切な収入源である。昨日から同じ場所に置いておいた三体のようなゆっくりに食わせる大根なんて無い。 「ゆゆっ! みてみんな、じじいがありすたちのだいこんをもっていこうとしてるわ!」 「ゆっ! ほんとうなんだぜ! おいじじい! なにかってにまりささまのだいこんをもっていこうとしてるんだぜ!」 「ゆーっ! むししてないでこたえてね!」 ついにじじいに格下げのようだ。あとこの大根はもともと俺のだ。 収穫し終わった野菜をまとめて蔵に入れ、戻ってくると、ゆうかが三体に向かって再度ルール説明をしていた。 「れいむ、まりさ、ありす。あなたたちはだいこんをつくってもらうわ」 「ゆゆ? なにいってるの? だいこんさんはかってに──」 「だまれ。ゆうかりんのはなしをきけ」 「ゆっ!?」 「ひるむんじゃないぜれいむ! ゆうかなんてさいきょーのまりささまにかかればいちころなんだぜ!」 「そうよ! きっとありすたちよりよわいから、こんなはこのなかにとじこめてるのよ!」 「ゆっ、そうだったんだね! ゆうかはよわかったんだね!」 何度も言うようだが、ゆうかは捕食種である。当然一般種じゃ相手にならない。ただ狩りをしてはねているだけのゆっくりとは違う。 一日に何度も水場と自分の畑を往復する運動量、外敵から畑を守らなければならないという必要な進化、それらによってゆうかはかなりの強靭な種となった。 1vs3程度の戦いなど、ゆうかにとっては普通種狩りと同然である。さすがにドスや他の捕食種が群れで襲ってきたらひとたまりもないが。 力量の差を見抜けない三体に哀れな視線を向けながら、ゆうかは続けた。 「たねをつちにうめればみっかでだいこんになるよ。でもちゃんとみずをやって、ひりょうをあげないと、だいこんにはならないよ。ちゃんとそだててね」 そこまで言うと、ゆうかは畑に飛び降り、俺の方を見た。 早速俺はこの日のために加工場から譲ってもらったものを持ってきた。 とても大きな、透明な板である。廃棄処分になっていたものを、俺がそこそこの値段で買い取った。 これを畑を分断するように地面に垂直に設置し、向かって右側にゆうか、左側に例の三体を置いた。 「よーしおまえら、今から種をやろう」 三体とゆうかにそれぞれ、かの大妖怪、風見幽香女史にお願いして譲ってもらった特殊な種の入った包みを渡す(この種を使う目的を話したら、意外とあっさりとくれた。意外といいヒト?)。 ゆうかは包みをもらうと早速口でくわえて、自分の畑の真ん中に持っていった。 三体の方はというと、包みを不思議そうに眺めている。 「なんで人間の畑でしか野菜がとれないと思う?」 「ゆ? だからそれはにんげんがひとりじめしてるからでしょ? そんなこともわからないの? ばかなの?」 馬鹿はおまえだろとは突っ込まない。 「理由を教えてやろう。おまえら、花の種くらいは見たことあるだろ」 「ゆっ?」 「ゆゆっ、ありすはみたことあるわ! どすのそっきんのぱちゅりーがいってたよ、はなのたねをじめんにうえておけば、はながさくんだって!」 「ゆっ、ほんとうかだぜ! さすがありすだぜ!」 「その通りだ。つまり、人間の畑にしか野菜が無いのはな、野菜の種を人間が持っているからなんだよ」 「「「ゆゆゆっ?」」」 「で、その包みの中に小さな粒があるだろ。それが野菜の種だ。それを土に埋めて、水をかけて、肥料をやれば野菜ができる」 物凄くアバウト。だが、三体はこれだけで理解してくれたようだ。 「ゆっ! じゃあそのたねをうえればおやさいになるんだね! じゃあはやくたねをちょうだいね!」 「れいむ! このくろいのがたねみたいだぜ!」 「ゆゆ? じゃあそのたねをゆっくりとうめようね! おやさいがたべほうだいだよ!」 「とかいはね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 畑の前に水の入った桶を置いてやる。その隣に肥料を団子状にしたものも置く。 「肥料はこれだ。これを種と一緒に埋めれば、よく育つ。あとは定期的に水をかけてやるといい。その種は特別製で、すぐに水を吸い取っちまうからな」 一番重要なことをさらりと言ってみたが、案の定三体とも聞いてない。 それどころか、ゆうかに攻撃しようとする始末である。 「ゆゆっ! あのゆうかもおやさいのたねをもってるよ!」 「ねぇまりさ! ゆうかのたねももらっちゃいましょうよ! いなかもののゆうかがたねをもってるひつようなんてないわ!」 「ゆっ! そのとおりなんだぜ! おいゆうか! そのたねよこすんだぜ!」 ゆうかはまりさの言葉を無視して、大根の種を埋める作業をしている。 「ゆううーっ! むしするなだぜ! ゆぎゃっ!?」 あっ、飛び掛った。でも透明板のおかげで体当たりをしようとしたまりさのほうがダメージを受けている。 「ゆうっ! まりさ、ここにみえないかべがあるよ!」 「ゆゆっ! ほんとうなんだぜ! しゃらくさいんだぜ!」 「ぜんぜんとかいはじゃないかべね!」 しかし今ので学習してくれたのか、透明板に攻撃するような真似はしなくなった。畑から家の中には入れないようにしてあし、しばらくはこのままでも大丈夫だろう。 俺は昨日の戦果を聞くために、隣人の家へ向かった。 隣人の家で昨日の戦果であるゆっくりたちを見せてもらい、その足で上白沢先生に報告しに行き、ゆっくり羊羹を買って、我が家に帰った頃には既に日が大分傾いていた。 畑のほうを除くと、ゆうかが種を植えた場所に口に含んだ水をかけており、ゆうかの方は順調のようだ。 で、三体の方はというと。 「おいじじい! なんでここにはくさしかはえていないんだぜ!? はやくたべものをもってくるんだぜ!」 「おなかすいたわ! はやくとかいはのありすたちにでぃなーをもってきてちょうだいね!」 「かわいいれいむたちがおなかすかせてるっていうのになんにもださないなんてばかなの!? しぬの!?」 「……おいおまえら、隣のゆうかを見てみろ。ゆうかは何か食べたか?」 「ゆうかにはたべものをださなくてもいいよ! ゆっくりとしんでね!」 「そうだぜ! ゆうかみたいなくずにたべものをやるなんてもったいないんだぜ! まりささまがぜんぶたべてやるからはやくもってくるんだぜ!」 「いなかもののゆうかにだすたべものはないわ!」 「なんだおまえら、ゆうかにも出来る程度のことがおまえらは出来ないのか。おまえら全然ゆっくりしてねぇな」 「ゆっ!? れいむたちはゆっくりしてるよ! ばかなこといわないでね!」 「そうだぜ! これほどゆっくりしてるゆっくりはまりささまやれいむやありすいがいにありえないんだぜ!」 「だからゆっくりできないいなかもののじしいはたべものをありすたちによこして、ゆっくりとしね!」 「黙れ饅頭。ゆうかもそこらに生えてる雑草で我慢してるんだ。おまえらは大根育てて、それを食ってればいいんだよ」 見ると、畑のほんの一箇所だけ水分が枯れ果てている。……水遣りを忘れたな。それに一箇所に種を集中して埋めてしまっている。こんなんじゃまともな大根は育たない。 ゆうかのほうを見ると、しっかりと間隔をとって種を植えて、十分に水を与えているようだ。これならば三日後には立派な大根になるだろう。 二日目、ゆうかの畑に芽が出た。 三体は自分たちの畑のどこに種を植えたか忘れたようで、やがてお互いをののしりだした。 「どうしてわすれちゃったのぉぉぉぉぉぉぉ!!?」 「ふん! うめたのはれいむとありすだぜ! まりささまはわるくないんだぜ!」 「なにいってるのよぉぉぉぉぉぉ! うめたのはまりさじゃないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 うわぁ醜い。 その後いつの間にか三体の意見は「じぶんたちをうらぎったぱちゅりーと、おやさいをひとりじめするゆうかがわるい」ということになったらしい。なんでだ。 三日目。ちゃんと育てれば今日の昼ごろに収穫できるはずだが。 「おー、ちゃんと育ってるな」 ゆうかの畑にはそれはもう見事な大根が並んでいる。ゆうかもこんなに早く成長したことに驚いているようだ。 で、例の三体の畑はというと、枯れた部分は一日目とまったく変わらず、もう駄目だろう。三体はというとそれでもぱちゅりーとゆうかを罵り続けていた。元気だなぁ。 「なんだよおまえら、ちゃんと育てなかったのか」 三体に呼びかけてやると、一斉に矛先をこっちに向けてきた。 「なんでうそついたのぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「何がだよ」 「ありすたちのおやさいがはえなかったわよ! なのになんでゆうかのところはおやさいはえてるのよぉぉぉぉぉぉ!」 「だって水やらなかったじゃん」 「そんなのしらないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! だったらじじいがみずあげればよかったんでしょおおおおおおおお!?」 聞く耳持ってくれねぇ。ああ畜生、失敗だ。 もっと計画を練るべきだった。本当は野菜は勝手に生えるものじゃないことをちゃんと理解させつつ、餓死させようとしたのに。 他のベテランはもっとうまいやり方を思いつくんだろうか。畜生、種をくれた幽香女史に申し訳が立たない。 ああ畜生、この未熟者め。 思いっきり、れいむを蹴飛ばしていた。 一瞬で砕けた歯。足は口を蹂躙し、あっさりと餡子を貫き、柵まで吹き飛び、破裂する。 「──ゆ?」 「……ゆ?」 「……おにーさん、おちつきなよ」 一瞬の出来事に固まるありす。何が起きたのか理解できないまりさ。 呆れたように俺に言葉をかけてくれるゆうか。うん、落ち着いた。 「やっぱりさぁ、大した実力も無い奴が大掛かりなことしようとしてもさぁ、無駄だよな。そう思わない?」 「あ……あああ…………!!」 「れ、れいむが、れいむが」 「だから」 魚のように口をパクパクさせているありすを鷲掴みにして透明箱に詰める。畑を隔てていた透明板も片付ける。 「やっぱり」 ゆうかの畑の大根も全部収穫する。 「こうしようか」 ありすのカチューシャを奪って踏み砕き、まりさの帽子を奪ってビリビリに破いた。 「や゛へ゛て゛えええええええええええええ!!!」 「ま゛り゛さ゛の゛ほ゛う゛し゛か゛あああああああああああああああああッ!!!」 「はいこれで君らは群れには戻れなくなりました」 「こ゛ろ゛し゛て゛や゛る゛!!! こ゛ろ゛し゛て゛や゛る゛ううううううううううううううう!!!」 今まで呆然としていたまりさがようやく動き出した。 全身をバネに、俺の脚に体当たりする。だが、多少の重みを感じるだけで、ダメージはまったくのゼロだ。 弱い。さすが饅頭、清々しいまでの弱さである。 「まぁ落ち着けよ。おまえの帽子、戻してやらんこともない」 「ゆ゛うっ!?」 「簡単だ、そこのゆうかに勝てばいい」 「ゆうかはゆっくりとしね! まりささまのちからでぎったぎたにしてやるんだぜ!」 うおお、さすが餡脳、ここまで切り替えが早いとは思わなかった。しかもゆうかが帽子を破ったことになってるし。 さて、俺はありすをいじりながら、ゆっくりとまりさvsゆうかを眺めることにしようか。 とはいっても、一方的すぎるけど。 「ゆうかはしねぇぇぇぇ!」 「おそい」 「ゆびぃ!?」 早速渾身の体当たりをかわされた上に、横から思いっきりゆうかに体当たりされて吹っ飛ぶまりさ。 まぁ、ゆっくりだしね。遅いのも無理はない。 「まりさぁぁぁぁぁぁぁ!? どうしてええええ!?」 「それはね、弱いからだよ」 「いだいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 ありすの髪の毛を一本ずつ引っこ抜きながら、まりさがゆうかにフルボッコされている姿を眺める。 おっと、まりさは俺の「弱い」という言葉に反応したようだ。 「まりざざまはぁ……よわぐなんが、ないんだぜぇぇぇ……! まりざざまはぁ……さいきょうで、てんさいの、むれのりーだーなんだぜぇぇぇぇ……!」 「よわいよ。ものすごくよわい。しかもあたまわるいし。『ちるの』いかだよ」 「ゆぎいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? ていせいするんだぜぇぇぇ! いだいなるまりささまがあのまるきゅーちるのいかなんてありえないんだぜええええ!!」 「というか、ちるののほうがまりさよりよっぽどつよいし、あたまがいいよ。ばかでよわいまりさのほうがまるきゅーにふさわしいよ」 「ゆがあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ゆっくりちるの。俺は見たことがないが、ほんの僅かだが氷を操る力を有すゆっくりらしい。 なんでも一般ゆっくり種はちるのは弱くて馬鹿であるという認識で、ゆっくりめーりんと同等に差別されているため、希少種扱いされているそうだ。 そのゆっくりちるの以下と言われたら、そりゃ怒るだろうな。人間だって、ゆっくり以下とか言われたくはない。 「それにりーだー? りーだーはどすじゃないの?」 「ふん! いつもすのおくでめいれいだけしてるどすなんてりーだーのうつわじゃないぜ!」 「まりさもりーだーのうつわじゃあないね。よわいし、ばかだし、ゆっくりできてないし。そんなのでよくいきてこられたね」 「まりささまはよわくなんかないんだぜぇぇぇぇぇ!!」 「じゃあなんでゆうかにもかてないの? いっておくけど、ゆうかよりつよいゆっくりはたくさんいるよ。よくそいつらにであわなかったね」 「ゆ゛ぅっ!?」 「そしてゆうかりんはどすまりさにはかてないわ。ねぇまりさ、どすにはかてるの? どすにかてないのに、ゆうかりんにかてるとおもってたの? ……ばかだね」 「ゆぎぃぃぃぃ……!!」 さすがゆうか、言葉責めである。まりさは今にも怒りのあまり憤死しそうだ。 「ああ、ちなみに君らの群れのドスはもう死んだよ」 横槍補足。ありすは髪の毛を毟られる痛みを忘れて呆然とし、まりさも驚きのあまり白目を剥いた。 「そして君らが連れてきたあのぱちゅりーだがね、踏み潰されて死んだそうだ」 「ど……」 「ん?」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」 半狂乱で叫ぶありす。俺はため息を吐いた。 「おまえらが」 「ゆぎぃぃぃぃぃぃ!?」 ありすの髪の最後の一房をまとめて引っこ抜いた。禿げ饅頭の完成である。 「じぶんのじつりょくもりかいしないで」 「ゆげぇっ!」 ゆうかがまりさを一気に体当たりで吹っ飛ばした。あのまりさはそろそろ精神的に限界がくるだろう。 無根拠な自信は、実力とは不相応な自信は、壊されたほうがいい。 「……人間に勝てると思ったからだよ」 「ゆうかりんにかてるとおもったからだよ」 何故ゆっくりはこうも愚かなのだろう? 俺はふと考える。 ただの生ける饅頭なのに、自然を蹂躙し世界に生き延びようとした人間に勝てると豪語する。 すべてが無限であるわけがないのに、植物はひとりでに生えてくるものと思い込んで貪り尽くす。 結果、人間に殺される。餌が足りなくて餓死する。 獣ですら自らより強いものには敬意を払い、食物を底が付くまで食い散らかしたりはしないというのに。 ……いや、こいつらはただの饅頭。獣と同等などありえないことだ。 ごめん、森の獣たちよ。 俺の計画はあっさりと失敗した。 そのことを手土産と一緒に幽香女史に報告しようと人里に来ると、幽香女史は花屋にいた。 「あら。種はどうだったかしら」 「申し訳ありません、失敗してしまいました」 「そう」 「お詫びといっちゃなんですけど、これをどうぞ」 「……あら」 『ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!』 木箱に入っているのは、ありす種とゆうか種の赤ゆっくりがそれぞれ五体ずつである。 あの後、ありすの安いプライドをぶち壊すために、発情させた禿げありすをゆうかに向かわせた。 ゆうかはかつてレイパーありすの群れに襲われかけたことがあるらしい。その時と比べると今の禿げありすは何も感じないに等しいとのことで、逆にありすの方をにんっしんさせてしまった。 植物型妊娠で子を宿したありすはレイパーとしての自信も砕かれたまま黒ずんで朽ち、ありす種を五、ゆうか種を七ほど成して死んだ。 ゆうかは「あかちゃんはふたりがげんかいだよ。のこりは……ゆうかのあかちゃんをゆっくりさせてくれるひとに、おねがい」と言っていた。 本当なら七体とも(ありす種は勘定に含まれていない)育てたかっただろう。しかし、子育て経験の無いゆうかは七体もいっぺんに育てるのは難しいことを理解していた。 そんなわけで、幽香女史である。ゆうか種は草花を育てるゆっくり、彼女のお気に召すと信じることにしよう。ありす種はおまけだ。 少しびくびくしながら木箱を渡すと、幽香女史は花のような微笑を見せた。 「それじゃあ、有難く頂戴するわ。また何か必要になったら言いなさい」 幽香女史、意外といいヒトだ。 ……後に彼女の妖怪としての恐ろしさを知るのは、ゆっくりとは関係ないまったく別のお話。 * * * * * * 時間は少しさかのぼる。 木々の生える道を一体のぱちゅりーがはねていた。 そう、例の三体に無理やり連れられた気弱なぱちゅりーである。 彼女は急いでいた。早くドスを連れてこないと、あの三体を死なせてしまう。 人間の足なら十分もかからない道を、ぱちゅりーは一時間近くかけてたどり着いた。それでもゆっくりの移動速度、特にぱちゅりーの病弱さから考えると驚異的である。 「むきゅっ……ゲホッ、ようやくさとがみえてきたわ……」 彼女の視界の先には、ぱちゅりーたちが暮らすドスの里が見えていた。さぁ、もうひとふんばり。 ぱちゅりーは気力を込めて、跳ねようとした が、人間の足が、思考する時間も、痛みを感じる暇も与えず、ぱちゅりーを踏み潰していた。 「残念だったねぇ」 深く広く掘られた洞窟、その最奥でドスは群れの巣が全て完成したことをゆっくりたちと喜び合っていた。 「むきゅ! これでようやくゆっくりできるわ!」 「かりでたくさんたべものをとってこれたし、ここはほんとうにゆっくりぷれいすだね!」 『明日には人間さんのところにいって協定を結んでもらうよ! これで本当にゆっくりとできるね!』 「むきゅ! がんばりましょーね!」 「「「「「「「「ゆっくりしようね!!!」」」」」」」」 この群れは一週間ほど前、この人里近い森の中に移動してきた。 以前いた場所は草木や昆虫を食い潰し、何もかも無くなってしまったのだ。もちろんそれは後先考えずにゆっくりした結果である。 しかも悪いことに、このドスは体が大きいだけであまり頭がよくなかった。前の森が荒れ果てたのが自分たちのせいだという自覚を持っていなかった。 実質この群れを仕切っていたのは側近のぱちゅりーであるが、それでも前の森が荒れ果てたのは仕方が無いという考えの持ち主であった。 側近ぱちゅりーはこの群れのドスが知らなかった、ドスの群れが人間たちと結ぶ不可侵協定を知っており、それでドスの側近に選ばれたのである。 まぁ、そんなぱちゅりーの裏話も、ほとんど意味を成さなくなるのだが。 そう、この巣に近づく虐待お兄さんの集団によって、意味は剥奪される。 「……ゆ! にんげんだよ!」 『ゆ? 人間さん?』 数十人の男性が洞窟に入ってくる。 先頭に立つ、みょんな雰囲気を漂わせる男が囁くように言った。 「ドスまりさ君。こんな話を知っているか?」 『ゆゆ?』 突然問われて、不思議がるドス。まわりのゆっくりたちは心配そうだ。 「荒れ果てた森の中を、一人の男が歩いておった。その男の名は──」 男たちが、一斉に思い思いの武器を取り出した。 あるものは竹槍、あるものはトンカチ、あるものはスプーン、あるものは鍬、あるものはパチンコ、あるものは包丁、あるものは己の拳、あるものは── ゆっくりたちは戦慄というものを生まれて初めて味わうことになった。 彼らの武器、衣服にこびりついているあれは、あれは、あれは、 「虐待お兄さん!」 ゆっくりたちの、中身ではないか。 「ゆひぃっ!?」 「ゆゆゆゆゆゆゆ……」 「な、なんてこと……」 『ゆぎぃっ……!』 「虐待お兄さんの右手には黒い武器、その先に突き刺さりたるゆっくりもまた黒く……、 …………何が面白いのかね」 あんただよ。というツッコミはなかった。 胡散臭い男は続けた。 「虐待お兄さんの諸君、足に根っこがついておるんじゃないのか? ……追跡は終わった。これからは── ────虐待 ライブ だ」 「「「「「「「「ヒャア! 虐待だぁ!」」」」」」」」 男たちに攻撃を仕掛けようと飛び掛るゆっくりたちは一瞬で潰され、先ほどまで巣が完成したことを喜んでいたゆっくりたちはパチンコの弾丸に潰されていく。 側近のぱちゅりーはある男に捕まり、別の男によってドスが何事か言う前に、何かを注射する。 あまりにも唐突な出来事に思考が追いつかないドスは、追いつかないまま、意識を失った。 ドスが目を覚ますと、洞窟の中には何もなかった。 『……ゆ?』 側近のぱちゅりーもいない。みんなどこにいったんだろう? ふと、洞窟の入り口に誰か立っていることに気付いた。 「ボンソワール、マドモワゼル。そんな浮かない顔をして、何事かお悩みかな?」 その男は。その男は。 その男の靴には、ゆっくりの中身がこびりついて── 『ゆがあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?』 「はぁっはっはっはっはっはっ! はぁっはっはっはっはっはっ!」 高笑いする男。こびりついた餡子。 頭の悪いドスでも理解できた。「ゆっくりできない」。「みんなゆっくりできなかった」。 『どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?』 ドスが叫ぶ。男は途端に哀しそうに目を伏せた。 そして、囁くようにドスに語りかける。 「ドスよ、私は悲しい。君ならば虐待の真意が理解できると思っていたのだがね。 ……まあよい。人間を従わせられると思い上がっているのなら、いつでもかかっておいでなさい。 はぁっはっはっはっはっ! 聞こえないのか。 我々を歓喜へと導くあの声が!」 ドスは、聞こえてしまった。 「ゆがああああああああああああ!!」 「でいぶのあがぢゃんがああああああああああ!!」 「ま゛り゛ざの゛ぼう゛じも゛や゛ざな゛い゛でええええええええええ!!」 「おがあぢゃんをいじめないでええええええええ!!」 「ちぇえええええええええええええええええええん!!」 「い゛や゛あああああああああ! も゛う゛ずっぎり゛じだぐな゛い゛いいいいいいい!! すっきりー!」 「あ゛り゛ずの゛べにべにがあっあああっ!!」 「べに゛ずううううううううううううううううううううう!?」 「も……っと、ゆっくり、したかったよ……」「ゆっくりしてたけっかがこれだよ……」 「たすけてどすぅぅぅぅぅぅ!! ぷげゃっ!?」 「ゆっきゅりしちぇいっちぶっ!?」 「むきゅうううううううううううん!!」 『ゆぎいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! ……どぼじでうごげないのおおおおおおおおおおおおおおお!!?』 底面を満遍なく燃やされて焦げたドスの体は、もはや動くことは叶わない。 舌に隠してあるキノコも既に没収され、ドスパークを放つこともできない。 弱者は強者に屠られる。残酷な真理は当然ゆっくりにも適用されるのだ。 確実な死を強制的に与えられたドスの叫びは、それはそれは虚しいものであった。 このSSに感想を付ける
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「ふたば系ゆっくりいじめ 956 ぱちゅりんピック/コメントログ」 ゆんやー! -- 2014-06-13 12 31 40 流石に教育委員会や愛で派も見るオリンピックでゆ虐はちょっと… -- 2023-04-22 10 26 19
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1114.html
~注意~ 舞台が少し特殊です。キノの旅みたいな感じです。もしくはドラクエ 虐待描写が少ないと思われます。頑張ったんですが… 『虐める国と愛でる国』 さわやかな朝日が大地を照らす早朝、旅人は二つの看板の前で立ち往生していた。 看板はそれぞれの看板が指し示す先の場所が書いており、 片方の看板には「ゆっくりを虐める国」もう片方は「ゆっくりを愛でる国」と書いてあった。 旅人は別にゆっくり愛護派でも虐待派でもなかったので、どっちでもよかったのだ。 旅人はゆっくり三十分もの間悩んだのち、両方行くことに決めた。 「やあやあよくいらっしゃいました。我が国はあなたを歓迎いたします」 旅人が最初に行った虐める国で、旅人は歓迎されながら入国した。 珍しかったり、貴重である物資を運んでくることがある旅人は、その国では大層人気があったのだ。 旅人は自分の持っていた、前の国で仕入れたものを適当に食料や消耗品などと交換したのち、国の広場で住人たちとの交流を図った 「すいません。よろしければこの国について教えてはいただけないでしょうか」 「ああ、旅人さんはこの国に興味がおありですか。喜んでお教えいたしましょう」 するとたくさんいた住人の中から、代表格と思われる男か一歩前に出てきて、旅人に答えた。 旅人は、国に入ってからずっと気になっていたことを、男に聞いた。 「あの歩道は何ですか?」 旅人が示した先には、透明な物質で作られている歩道があり、中は空洞であるらしく、そこにはたくさんのゆっくりたちが蠢き合っていた。 その口から見てとるに、「ごごがらだじでぇぇぇぇ!!」「でいぶわるいごどじでないよぉぉぉぉ!!」などといっているようにみえる。 防音加工なのか、その声を聞き取ることはできなかったが。 そしてその歩道の上を、行き交う住人たちが何事もないように通過していく。 「あれですか。あれは我が国のゆっくりにゆっくりさせない政策の一環として作られた、専用の歩道です。 閉じ込めて死ぬまで放置します。しんでも放置しますが。 我が国の歩道は、すべてあのような作りとなっています。歩くときにも、ゆっくりの苦しむ顔が見れると好評なんですよ。 騒音対策のため防音加工にしておりますが」 「そうですか。さすがゆっくりを虐める国ですね。その政策は、ほかに何かあるんですか?」 「もちろん、ありますよ。ここからだとちょっと見えないですが、ゆっくりを使った奴隷農園などもあります。 ゆっくりに強制労働させる農園です。 ゆっくりをいじめることができて、かつ野菜も収穫できるんですからまさに一石二鳥ですね」 男は自分の趣味の分野に入ったせいか、少し興奮した様子だった。 対照的に、旅人は落ち着いた様子で言葉をつなげていく。 「なるほど。しかしあのゆっくりたちに労働させるのは大変でしょう?」 「そんなこともないですよ。従わなかったらいじめるだけですから。 肉体的に攻撃する以外にも、家族を殺したり、餌をひどいものにしたり、手段はたくさんあります。 最近だと、見せしめなどがはやってますかね」 旅人が怪訝そうな顔になるのを見て、住人は饒舌に語りだす。 「見せしめ、ですか?」 「ええ。百メートル間隔で棒を立てて、そこにゆっくりを突き刺しておくのです。もちろん生きたままで。 そして、見せしめとされるゆっくりは、私たちに逆らったものが優先的に選ばれます。 するとゆっくりたちは自分がああなったらという恐怖感と、自分でなくてよかったという安心感が両方得られるわけですね。 こうなったらもうそのゆっくりは逆らいませんよ。限界ぎりぎりの労働を死ぬまで続けるだけです。 あくどい奴だと、告げ口してほかのゆっくりを貶めようとするやつだっているんですから、笑っちゃいますよね」 旅人は男の笑みに対し愛想笑いで応える。 それでも興奮していた男は愛想笑いと気づかなかったようで、旅人も楽しんでいるよう勘違いして勝手に気分を良くしていた 「そのほかにもありますよ。我が国の自慢である、ゆっくり加工品です」 「ゆっくり加工品、ですか。どんなおやつなんですか?」 「あっはっは、食べ物じゃないですよ。ゆっくり硬化剤を利用して、いろんなものを作るんです。 例えば…このストラップですか」 住人は懐から赤ちゃんゆっくりを模したストラップを旅人に見せた。 その顔は苦悶に満ちた表情で作られており、そして本物と見まごうほどに精巧にできていた。 「これは…まさか、本物を固めたんですか?」 「その通りです。生きたゆっくりに苦しめながら硬化剤を与え、固めたものです。もちろんまだ生きてますよ。 これはかなり簡単なもののほうで、ほかにも机や椅子などの家具などもありますし、花瓶などの調度品もあります。 柔化剤を与えてゴムのように柔らかくしてから鋳型にはめ込んで、それから少しずつ硬化剤を流し込むんです」 旅人が触れると、かすかにそのストラップは震え、そしてかすかながらうめき声のようなものが聞こえてきた。 それはゆっくりの、まだ自分は生きているのだという懸命の訴えだったかもしれない。 しかし、それすらもここの国の民にとっては娯楽の対象でしかない。 「生かさず殺さず、ゆっくりに地獄を味わわせられるんで、今国中で大人気です。 これもわが国の技術のたまものです」 住人は自慢げに胸を張り、自らの国の技術について語った。旅人は愛想笑いでそれに応えた。 それからも旅人はずっと、住人たちからゆっくりいじめの話を聞き続けた。 共食いをさせた。 目の前で家族を三枚に下ろした。 やすりで削った。 火鉢を目に突っ込んだ。 皮を全部剥ぎ取った。 蟲の巣にした。 そんな、健常な精神の持ち主ならば失神してしまうような話をするときでも、住人達の顔に浮かぶのは悦のはいった笑みだった。 子供のような、本当に楽しそうな笑み。会話の中から漏れ出てくる純粋な悪意。 住人たちの心は、ひたすらにまっすぐだった。普通の人の心とは、すこしも交わることがないくらいに。 旅人は、そんな住人たちのことを乾いた笑みで眺めていた。 旅人は翌日から、国内にあるいろんな施設を覗いてまわった。 奴隷農場や、専用のショップ、そして加工場など、多くの施設があり、多くの人間がそこでゆっくりをいじめていた。 「あづい、あづいよぉぉぉぉぉ!!あじがやげちゃうよぉぉぉぉぉ!!」 「でいぶのあがじゃんをころざないでぇぇぇぇ!!」 「いだいっ!!まりさしっかりはたらくからだだぐのやべでねぇぇぇぇぇ!!」 「ゆっくりでぎないぃぃぃぃぃ!!」 施設の特色を生かして、さまざまな方法でゆっくりはいじめられていた。 いや、施設外ですらも、ゆっくりはいじめられている。 定時の時報はゆっくりの悲鳴で、大時計の中に閉じ込められているゆっくりが鳩時計のように中から出てきて、そして解体される。 その悲鳴を発する種族で、人々は時間を知るようだった。 公園では、子供たちが無邪気にゆっくりの体に箸を突き刺して遊んでいた。ゆっくりがどれだけ痛いと、やめてと叫んでもやめなかった。 むしろ、その悲鳴がどれだけ絶望に満ちているかで、子供たちは競っているようだった。 旅人が街の中を普通に歩くだけでも、近くの家の中からゆっくりの悲鳴が聞こえた。 それを聞いて、道端の人が「きょうはまりさにするかぁ…」と呟いていた。 どこもかしこも、悪意だけが蔓延っていた。 旅人は、ただそれらをじっと眺めていた。 一週間ほど滞在したのち、旅人はその国から出ることにした。 入国した時と同様に、出国する時も住民に歓迎されながら見送られた。 その際に、虐待用にと、一匹のゆっくり(この国の技術によって、何も与えずとも一カ月以上生き続ける用に加工された特殊タイプ。 しかしおなかは減るらしいく、空腹のまま生き続けるというタイプのいじめらしい)を無料で譲渡され、旅人は快く受け取って住人たちに別れ告げた。 そして国と外の世界を隔てる門にて、一人の門番に旅人に話しかけられた。 「旅人さん、どうでしたか?我々の国は。楽しんでいただけましたでしょうか」 「ええ、とても。退屈しない一週間でした」 「それはよかった!いやね、ここに来る人って、私たちの行為に嫌悪感を表す人が多いんですよ。 わざわざ国の名前までにして、うちの特色を示しているっていうのに。 特に隣の国のやつらがしつこくてね。ゆっくりを助けろーだとか言ってうちにやってくるんです」 「そんな人もいるんですか。あなたも大変ですね」 「まったくですよ。あんな下等生物、生きているだけでも罪なんです。 だから、苦しめて殺してやるのが当然ってものでしょう?ほんとうに何考えているんだか…」 そうですね、と旅人は答え、そして門番に別れを告げた。 それから旅人が門から一時間ほど歩き、国の門すら見えなくなるほど離れたことを確認すると、 旅人は懐にあったゆっくりを何の躊躇もなく口の中に放り込んだ。 それは旅人にとって邪魔なだけであったし、またそれをわざわざ虐める気も起きなかった。 コクのあるあんこの甘みが口の中に広がり、結構おいしいな、と旅人は思った。 「やあやあよくいらっしゃいました。我が国はあなたを歓迎いたします」 旅人が虐める国を出てから一週間後。今度は愛でる国で、旅人は同じように歓迎を受けた。 そして同じように、旅人は手持ちの荷物をその国の商品と交換した。 その後も同じように住民との交流のために広場に向かい、特筆すべきでもない会話を交わした。 旅人が入国してから翌日の昼、旅人は町中を散策していた。 「なんていうか、どうやっていうか、要するにっていうか、ひまだ」 旅人はずっと国中を回っていたが、珍しい商品も、面白い話もなにも見つけられないままこれまでを過ごしていた。 人がんはみな自分のゆっくりを自慢するだけだし、そのゆっくりは確かに人間に懐いているように見えたが、 みなどこか目がうつろで、正直気味が悪かった。 仕方なく、出国の準備のために買い物をしていた時、 明らかに過剰装飾な一匹のゆっくりれいむを連れた、これまた気味が悪くなるほど豪華な身なりをした若い女に声をかけられた。 「おや、旅人さん。こんにちは」 「こんにちは。そちらのれいむは、あなたが飼っているゆっくりですか?」 旅人が目を向けたゆっくりれいむは、しかしなにも言葉を発することなく、ただじっと旅人のことを見つめていた。 その髪につけられたきらびやかな飾りが、旅人に反射された光を送るだけだった。 女は愛おしそうにゆっくり霊夢の頭をなで、 「ええ、そうですよ。ほら、れいむも旅人さんに挨拶しなさい」 「たびびとさん、こんにちは。ゆっくりしていってね!!!」 女に言われて初めて、れいむは旅人に言葉を発した。 通常のゆっくりならば出会いがしらにそう叫ぶものだが、ここのゆっくりは躾が行き届いているのだろうか、みな同じようだった。 「飼い主の言うことをよく聞く、立派なゆっくりですね。これほど躾けるのにはとても苦労しそうです」 女は旅人の言葉に一瞬キョトンとした後、あはは、と笑い出す。 「いやいや。実はそんなこともないのですよ、旅人さん。 我々の国にかかれば、ものの二週間でゆっくりを人の言うことをしっかり聞くまで躾けることができます」 「二週間でですか?それはまたすごいですね…」 旅人は女の言った事実に、驚きを隠せないようだった。 通常、ゆっくりブリーダーがゆっくりの躾を完了するのに、半年ほどかかるといわれている。 あのゆっくりのあの異常なまでに強い自我を根本から変えるには、それほどの時間がかかるのだ。 それをこの国では、たったの二週間である。どれだけ腕のいいブリーダーだとしても、この早さは不可能である。 どうしてだろうか、と考えを巡らす旅人の様子を見て、女は少し得意げになったようだった。 「そうだ!旅人さん、これからうちの仕事場に来ませんか?」 「仕事場に、ですか?なんでまた?」 「実は足国営のゆっくりを躾ける施設の館長なんです。 旅人さんさえよろしければ、ゆっくりを躾ける過程をお見せ出来ます」 「いいんですか?国家機密とかじゃないんですか?」 「大丈夫ですよ。むしろこの素晴らしいしすてもを旅人さんに知っていただいて、ほかの国に伝えてほしいくらいです」 女の話が気になったというのもあったし、何より暇だった。 旅人はいったん買いものを切り上げて女のあとについていくことにした。 「ようこそ、旅人さん。さあさあ、お座りになってください」 旅人は女に案内され、『館長室』という札が書かれている部屋に入った。 その部屋は、優に十五メートルはあろうかという無意味に広い部屋に、見るからに眩しそうな、 金やら銀やらでできている調度品の数々が所狭しと並べられている。 壁にはどでかい薄型テレビがかけられており、そのふちも例外なく金ぴかだった。 女は身につけていた装飾品をとり、身軽な格好になってからゆっくりを部屋の外から追い出して鍵を閉めた。 そして棚から急須を取り出し、机にあるカップに注いで旅人の前に差し出した。 「はい、お茶です。遠慮なくお飲みになってください」 「ありがとうございます。わざわざすいません。でもいいんですか?れいむを外に追い出してしまって」 「いや、いいのですよ。お気になさらないでください。ここには今人もいませんから」 二人はゆっくりの絵がバックに施された、見るからに高そうなソファーに並んで座った。 そのソファーはテレビに向かって座るように配置されており、 旅人はデモビデオでも見るんだろうかと思ったが、近くにビデオデッキのようなたぐいは見受けられない。 女は自分の分のお茶を注ぎ、一口だけお茶を口に含んだ。 「このモニターで、わが国が誇る最新のゆっくりしつけシステムについて解説したいと思います。 どうぞ、くつろぎながらお聞きになってください」 旅人は自分もいっぱいお茶を口に含んだ。 味の薄い、庶民が飲むようなあっさりとしたお茶だった。 ソファーの端にあったリモコンに手を伸ばす。 女がリモコンのボタンを押すと、先ほどまで何も映していなかったテレビに映像が浮き出る。 そこには、一匹のゆっくりが、壁も床も天井も、すべて真っ白く装飾された部屋に閉じ込められていた。 また、そのゆっくりは動けないようにワームのようなもので固定されており、 口にはガムテープ、耳にはヘッドフォンのようなものがつけられている。 また、そのゆっくりの脳天には一本のチューブがつき刺さられており、白い壁とつながっている。 「ここは転生の間と言って、野性としての本能を忘れさせる部屋です。いち早く教育するための下準備ですね。 野生の、野蛮な環境で培ってきたものは、私たちの国では必要ありませんから」 「はぁ、でもなんか辛そうですけど」 身動きが取れず、涙をだくだくと流しながら必死に動こうと震えているゆっくりを見て、旅人は率直な感想を漏らした。 確かに旅人の言う通りのものが映像として映っていたので、女も苦笑するしかない。 躾にしてはあまりに過激なその仕打ちは、旅人が以前いた国で見たそれに酷似していた。 「大丈夫ですよ。躾が完了するころにはこのころの記憶なんて残っていませんから」 忘れてればいいという問題ではないような気がしたが、 そうにこやかな表情を少しも崩さずにそう言い切った女を見て、旅人はそうなんですか、とだけ相槌を打った。 「それで、具体的な内容はというと、白以外の、すべての視覚的刺激を奪った部屋に閉じ込め、また時間の感覚を奪うために一定の光量を与え続けます。 耳についているヘッドフォンからはこれまでのゆっくりを否定する言葉を流し続けます。 そして死なないように、適度にオレンジジュースを投資ながら二日間ほど放置すればたいがいのゆっくりはすべてを忘れてくれますね。 まあ個体差があるので、念のため四日間これを続けます」 女は口のテープには触れていなかったが、あれはおそらく自殺防止用だろうと旅人は推測した。 虐める国で、発狂したゆっくりが体中のあんこを吐いて死ぬのは散々見てきたので、女に確認はとらなかった。 女は一口お茶を口に注いで、のどの渇きをうるおす。 「ふぅ。で、これが終わった次の工程はこちらです」 女はリモコンを操作してテレビの画面を切り替える。 今度映ったのは大学の講堂のような空間だった。 壁に掛けられたスクリーンを取り囲むように、扇状に椅子のような段差が並んでいる。 そして生徒が座る場所にはうつろな顔をしたゆっくりたちが整然と並べられていた。 「わが国で人間と一緒に暮らしていくために、ビデオ教育を施します。 ああ、ちなみにあのゆっくりたちは身動きが取れないように、地面から突き出ている杭に突き刺しておりますので、脱走の心配はありません。 またゆっくりたちに痛みを与えることで、意識を回復させることも目的の一つです。 ゆっくりたちにとって辛いことかもしれませんが、ここが踏ん張りどころです」 「まあ、気を失ったままの状態でビデオを見せても、意味はないでしょうからね」 女の言う通り、テレビに映っているゆっくりたちは個体差はあるものの、だんだんと目に光がともってきたようにみえる。 しかしそれは、自身に走る激痛による強制的な覚醒であったが。 「意識を回復、といっても自我は崩壊しておりますので、あのゆっくりたちの頭の中はかなり白紙に近い状態となっております。 だからその白紙のゆっくりたちに…ええと、なんだっけな…」 女はことばを度忘れしたのか、少しの間首を傾けながら悩んでいた。 そして目をかっと開いたかと思うと、指で空中に人間の顔のようなものを描き、 「つまり、ヘブンズ・ドアー!!するわけです」 旅人はポーズを取ったまま固まっている女をじっと見つめ、静かに口を開いた。 「……つまり、命令を書き込む、ということですか。白紙のゆっくりに情報を『刷り込む』わけですね」 「ええまあそうなんですが……もうちょっとリアクション取ってくれても……」 「………………………………」 女はそこで旅人が「だが断る」と言ってくれることをアイコンタクトで知らせたつもりだったが、旅人は黙って女を見返すだけだった。 現実は非情である。 女は仕方なく画面のほうに視線を戻し、何事もなかったかのように説明を続けた。 「ええ、その『刷り込み』をするわけです。ゆっくりに、ゆっくりすることのに対する新しい概念を刷り込みます。 いくらがんばって躾を施しても、ゆっくりとしての本能だけは残ります。つまり、自分がゆっくりすること、ですね。 ですから、そのゆっくりすることに対する概念を変えれば、必然的にゆっくり自体の性質も変わるわけです」 女はそこまでいってリモコンをいじり、再び画面が切り替わる。 そこにはかわいい女の子がゆっくりれいむを抱きかかえている絵を背景として、文がいくつか書かれていた。 画面上方には『ゆっくりすることってなあに?』というタイトルのような文が、少しだけほかの文の文字よりも大きめの文字で書かれている。 そのタイトルの下に、いくつかの文が箇条書きにして書かれていた。 「みんなとと仲良く暮らすこと。他の人の言うことはきちんと聞くこと。自分だけでなくみんなも大事にすること……」 旅人がその内容を音読していくが、どれも野生のゆっくりの持つ『ゆっくりすること』とはかけ離れていた。 自分よりも、人間のため。自分よりも、ほかのゆっくりのため。 自身を最も至高とするゆっくりにとって、ありえないことばかりであった。 「その内容を教え込むために、この内容を何度も何度も音声として流し、また復唱させます。 そして約三十回ごとに、声に気持ちがこもっていない等の理由で罰を与えます。 この罰は、実際にゆっくりたちがしっかりと復唱できてようがいまいが関係なく与えます。 ゆっくりできないとどうなるか、体に覚えさせるわけですね。ここら辺は、一般のブリーダーの教育方法と変わりません」 女が講堂のほうに画面を戻したその瞬間、一斉にゆっくりたちの悲鳴が室内に響き渡る。 その声の大きさに旅人は思わず顔をしかめ、女はあわてて音量を下げた。 「ああ、すいません。音量調節を忘れていました……」 「いや、いいんですけど、それよりもどうしてあのゆっくりたちは悲鳴を上げているんですか?」 画面に映ったゆっくりたちは、一目見た感じでは、なにもされている様子が見受けられない。 しかし、当のゆっくりたちは何かに苦しむように、ひたすら絶叫を上げていた。 「中に刺さっているとげから、さらに細長い針のようなものが出てきて、中身をこねくり回すんです。 あまり外側を傷つけると、回復が困難になったり、傷が残ったりしますから。 まれにここであんこを吐いて死んでしまうゆっくりがいるんですが、大半はもどすことはありません。 先の部屋でさんざん口の中にあんこを吐いて、またそれを飲み込む作業を続けていますから、体が吐くことを嫌がっているんです」 女の言ったとおり、その画面の中でどれだけゆっくりたちが苦しんでいても、あんこをぶちまけるようなゆっくりはいなかった。 ただずっと、内部に走る激痛と不快感に、悲鳴を上げ続けることで耐えているだけだった。 「まあ、ここまでこればもう見せるようなことはないですね。 後はこれを五日間ほど続けた後、残りの五日間で低下した運動能力、張り、艶などの保全作業をして、国民のもとへ送り届けられます。 細かいしつけは、それぞれの家で独自にやっていただきます。 通常のゆっくりを躾けるよりも、はるかに簡単に躾けられるでしょう」 女はそこでテレビの電源を落とし、旅人のほうに向きなおった。 「ここまではすべて機械が自動で行っており、作業員はその工程を見ることはありません。 仕事といってもジュースの補給や機械の点検くらいなものです。 あと、今のは成体ゆっくりで見せましたが、子ゆっくりにも専用の工程があります。まあ似たようなものなんですが、ご覧になりますか?」 「いや、結構です。ありがとうございました」 旅人は太ももに肘をつけて前傾姿勢をとり、女からは顔が見られないような位置をとった。 そしてその状態のまま、口を開く。 「……最初にも言ったかもしれませんが、これってかなりゆっくりにとってつらいんじゃないんですか? 私には、この国の人も虐める国の人々と大差ないように見えます」 旅人の言葉に、女はむっとしたように眉をひそめた。 「あんな野蛮な国の人々と一緒にしないでください! 我々の国がこのようなことをするのは、ゆっくりのためを思ってのことです。 事実、この国のゆっくりたちはみな幸せです!向こうの国のゆっくりのような地獄のような仕打ちも一切なく、私達と楽しく暮らしているんです! 旅人さんだって見たでしょう?我が国のゆっくりたちの様子を」 「ああ、そうでしたね。すいませんでした」 興奮して次々にまくしたてる女をなだめようと、旅人はとりあえず謝罪を述べる。 旅人がここで見たあの目のうつろなゆっくりを見る限り幸せそうには思えなかったが、嘘も方便である。 「ああ、もうこんな時間ですか。申し訳ありませんが今日はもうお暇させていただきますね」 旅人は時計のほうに目を向けながら、ポリポリと頭をかく。 女はまだ言い足りなさそうだったが、ホストとしてはお客が帰るというのに無理に引きとめるわけにもいかない。 そして少し悩んだあと、女は話を始める前に部屋から追い出した、装飾過多のゆっくりれいむを旅人の前に持ってきた。 「旅人さんに、このゆっくりれいむを差し上げます。 このゆっくりれいむを旅人さんの目で何日もじっくりと見ればおのずと誤解も解けることでしょう」 女は抱えていたゆっくりれいむを旅人に手渡す。 いきなり飼い主を変更されたそのゆっくりれいむは、しかしほとんど動揺するそぶりを見せない。 それどころか、「あたらしいれいむのごしゅじんさま、これからよろしくね!!」と、完全に事態を受け入れていた。 その順応性の早さに感心しつつ、旅人は女のほうに向きなおる。 「はぁ、ありがとうございます。でもいいんですか?あなたの大切なゆっくりれいむでしょうに」 「いえ、いいのです。この国の誤解が解けるのなら、私ごときいくらでも犠牲となりましょう。 ですから、どうかそのれいむを大切にしてくださいね」 旅人はええ、とだけうなずいて、今度こそその部屋を後にした。 扉を閉めた時女の泣き声のような音を耳にしたが、旅人は立ち止まることなくさっさと歩き去ってしまった。 「では旅人さん、よい旅を」 「ええ、ありがとうございます。そちらも、お仕事がんばってくださいね」 翌日、旅人は愛でる国から出国した。 この国での収穫と言えるようなものは胸に抱える一匹のゆっくりだけだったが、旅人は満足げである。 「この飾り、いくら位するんだろう。見たところ結構高そうな気がするんですけど」 旅人はゆっくりにつけられた装飾品を、すべて取り去って鞄の中におさめた。 このゆっくりの飼い主であった女が金持ちであったのだろうか、ゆっくりにつけられていた飾りは、なかなかに豪華だった。 実は次の国では貴重な資源が使われたりしてて、しばらく贅沢するほどのお金が手に入れられるかもしれない。 妄想が膨らんでいって自然とにやける旅人の顔を、ゆっくりれいむはじっと見ていた。 「ん?なに?もしかしてこれ取られるの嫌だったの?」 かなりさみしくなったゆっくりれいむをみて、旅人はゆっくりれいむがそれ返せだのわめいてくるかと思ったが、 ゆっくり霊夢はあわてて顔を横に振る。 「そんなことないよ!!れいむはそのかざりうっとうしいっておもってたもん!! とってくれてありがとう!!」 「ああ、嫌だったのそれ……。確かに飼い犬に服着せるようなものなのかもしれないかな。 他にも、前飼われてた時にいやなこととかあった?」 「うん!!まえのごしゅじんさまは、れいむにいやなことばっかりしてきたんだよ!! おそとでるときにはひもでくくられるし、いえにかえればせまいところにとじこめられたよ!! すきなゆっくりができても、じゆうにあうこともできなかったよ!!れいむはいちどもしあわせにかんじたことなんてなかったよ!!」 「そう、かわいそうにね」 やはりというかなんというか、結局女はれいむを苦しめていただけのようだった。 旅人はそのゆっくりれいむに同情を感じざるを得なかった。 「ゆー、おにいさんはほかのにんげんとちがうかんじがするよ!!」 本気で自分をあわれがる旅人を見て、ゆっくりの中で小さな希望のようなものが生まれた。 今まで本能に従ってゆっくりしてきたのだが、それは少しも幸せじゃなかった。 ゆっくりするためにいろんな人間に奉仕してきたけれども、返ってくるのは自分勝手なエゴばかり。 でも、この人間は違う。自分が幸せでないことに理解を示し、同情してくれた。 これからは、自分の生活も一変するのではないか。幸せになれるのではないか。 温かな未来を想像し、久しく忘れていた、喜びという感情によって自然とゆっくりれいむのほほは緩み、 「じゃあ、いただきます」 「ゆ?] 旅人によって、食いちぎられてしまった。 [い、いだいぃぃぃぃぃぃ!!れいむのほっぺたがぁぁぁぁぁ!!」 「うーん、この前食べた虐める国のゆっくりと味が変わらないんだけど……。 あの国、結構えげつないね」 れいむは意味がわからなかった。ほっぺに走る激痛も、目の前で自分のほっぺをおいしそうに食べる人間も。 おかしい、なにかがおかしい。ありえない。 この人間は、私を助けてくれたんじゃなかったのか。幸せにしてくれる人じゃなかったのか。 先ほどまで目の前にあった未来が、急速に遠のいていく。 「どぼじで、どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉ!?」 「残念なことに、私にとってゆっくりは食料でしかないから。 ゆっくりなんて持っていてもかさばるだけだし、だからさっさとここで食べるだけ」 旅人は淡々とした口調で、そう告げた。 そしてもう一度大きく口をあけて、ゆっくりにかぶりついた。 「いだいよ……どぼじで、どぼじでぇぇぇぇぇぇ……」 「もぐもぐ。別に食べなくてもよかったんだけど、もったいないし。 それと、私はお兄さんでなくてお姉さん。確かに髪は短いし胸はぺったんだからわからなかったかな?」 「…………………」 体の半分以上持っていかれたゆっくりれいむは答えられない。結果的に旅人の言葉は独り言となる。 しかしそれを気にする様子もなく、旅人は黙々とれいむを食べ続け、やがて完食した。 「ごちそうさま、おいしかったよ」 自分が平らげた命に感謝をして、旅人は食事を終える。 そしてすっくと立ち上がると、次の国に向かって歩みを始めた。 歩きながら旅人は一度だけ今来た道を振り返り、 「どこに行ったって、ゆっくりたちは絶対にゆっくりできない運命なのかね」 その旅人の問いにこたえるかのように、どこかからゆっくりの悲鳴が響き渡った。 おしまい by味覚障害の人 今回の主人公は味覚障害でも何でもないんですが、まあ毎回そうするのもあれなんで。 このSSに感想を付ける
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ゆヤンワーク 8KB 虐待-普通 現代 虐待人間 ゆ虐ツアーへの就職方法を考えてみました。 『ゆヤンワーク』 虐待でてきません 現代 独自設定 4作目です 人通り多い喧騒な道路から一本横に入った狭い裏通り、車の音は微かに聞こえはするが静かなものだ。 ゆっくりや鼠にでも出くわしてもおかしくない道をスーツ姿の男性がキョロキョロと回りを見渡しながら歩いている。 「たしかこのあたりにあるはずって言ってたんだけどなぁ・・・・・」 目当ての場所が見つからないらしい 店の裏口と思しき扉からでっぷり太った中年の男性がゴミ箱抱えて出てきた。待ち構えていた野良のれいむやまりさなどのゆっくり達を慣れた手つきで潰していた。 「あのーすみません・・・・・」 「んん?なんだいあんたは?あんたもこいつらみたいにゴミ漁りにきたのかい?」 『ぐぎぃぃぃじ・・・じじ・・ぃばじざをゆぐっじ・・・ざぜるんだぜ・・・』 踏みつけられながらも戯言を喋るまりさにかまわず中年男性に聞く 「この住所の建物ってこの通りにあると伺ったのですが・・・・・」 紙に書いた住所を見せながら尋ねる。 「ん~?んん?あぁこの会社ならあそこのビル・・・・そうそうあそこで糞饅頭共がゴミ箱漁っている横に見える階段上がったとこだよ。」 「ありがとうございます。」 中年男性に礼を言い頭を下げる。 「いいって事よ。 就職希望だろ?がんばんな」 そう言う中年男性は中断していたゆっくり駆除を再開した。 階段の下まで来るとゴミ漁りをしていたゆっくりが俺に気が付き口々に喚き出す。 『じじぃ!れいむはしんぐるまざーなんだよ!だからあまあまちょうだいねいっぱいでいいよ』 『とかいはなにんげんさんなにかたべるものをくださる?』 『まりちゃをゆっくりちゃちぇるんだじぇ~』 思わず潰したい衝動に駆られるが今日は一張羅のスーツ姿、汚される訳ににはいかない! 相手にはせずに横を足早に通り階段を上がって行く。 後ろで何か聞こえるが気にしない 薄汚れたビルの二階にその会社はあった。 面接は何度やっても緊張するが大きく深呼吸をして扉を叩く、そして徐に扉を開けて中に入った。 コンコン 「失礼します。」 室内には受付のカウンターがありその向こうにあるデスクに女性が座ってこちらを見ていた。 「どちら様でしょうか?」 「先日インターネットで面接の約束をお願いした直山と申します。」 「ああ、伺っております。どうぞこちらの応接室にてお待ち下さい」 応接室とは名ばかりの部屋の一部を間仕切りで仕切っただけの簡易空間にて待つ 「お待たせしましました。私が所長の木下ですよろしく」 初老の男性が挨拶と共に握手を求めてきたので思わず握りかえす。 「直山です。よろしくお願いします。」 所長は先程の女性が持ってきてくれたお茶を一口すすり話を始める。 「直山さんあなたはアリマリ派ですか?レイマリ派ですか?それともパチュマリ派?」 ゲホゲホゲホ ちょうど僕もお茶を一口すすった所だったので思わずむせてしまった。 だがそれくらいでは怯まない即座に応えてみせる。 「僕はレイマリ派です!しかも母体はまりさです。」 「ほぉ・・・・その真意は?」 所長が興味を持ったらしく真意を問う 「技能に劣るれいむではなく狩に優れたまりさが子を産む、その時点で死亡フラグの完成です。 生命力は両個体とも高いので、崩壊までの過程が多種の組み合わせよりも永く楽しめるものと思うからです。」 思わず力説する僕に所長はウンウンと頷いて話す。 「あなたはいい適正をお持ちのようだ、良い就職先を紹介できると思いますよ。 ではまずは希望条件からお伺いしましょうか・・・」 ここはゆヤンワークと言うゆっくりに関する仕事を紹介する職餡である。 こんな裏通りにあるのはもちろんゆ虐専門だからだ ゆ虐専門と言っても職種は様々である。搬送ドライバーや調教師に加工職員、飼育員や監視員に駆除や事務員まで直接から補助までゆ虐職には沢山の種類がある。 申し込もうとしてもインターネットでの検索で「ゆ虐」と入力してこのサイトを開いても一見動物愛護団体のページにしか見えない、隠しボタンと同色で書かれたパスワードに気が付かないとこのゆヤンワークのページには辿り着かない仕掛けになっている。 それくらい注意深い人物でないと仕事を紹介する事は出来ない、遊びではなく給料を貰える仕事だけに注意力とモラルが問われるからだ。 愛護団体や教育委員会などの組織に対応するには職種の社会的貢献を示さないとならない、ゆ虐とは言え鬼井山選びには理性を維持できる人物が優先されていた。 まぁ先程の質問で何が分かったのかは理解できないが・・・・・ 「・・・・・・まぁ条件はこんなとこですかね?」 「はい・・・全部なんて贅沢は申しませんがある程度は一致した職場を希望したいと思っております。」 「ん~なるほどなるほど。これなんか向いているんじゃないかと思いますよ。」 所長とあれこれと条件について提示させてもらうと所長はノートパソコンを操作して画面にある求人情報を表示して僕に見せてくれた。 職場 SS村 職種 ゆっくり繁殖(軽作業有り) 条件 20~40歳まで 給料 応相談 その他 住居無償貸し出し 各種保険完備 昇給能力次第 賞与年2回(夏・冬) 「私はねぇこの求人はこれは!って感じた人にしか紹介してないんだよ」 自信たっぷりに所長は話す。 たしかにこの条件はゆ虐趣味を職種にできる話では破格の条件であった。 「確かに素晴しい条件ですね・・・・・良すぎます!これは何か込み入った理由がありますね?」 理由を尋ねる僕に所長は感嘆した様子で話してくれた。 この村は過疎化によって人口の8割が高齢化しているらしく、荒れつつある山の整備の労働力確保と人口の平均を下げるべく最近起こされた村興しらしい。 よって移住は絶対条件(どのみち通勤には不向きな場所らしい)だとの事 もともと都会暮らしにはうんざりしていたので望むところである。 僕はこの求人に応募する事にした。 「応募させて下さい!よろしくお願いします。」 面接や適正試験等も覚悟していたのだが、所長の紹介とゆうだけで採用となった。 あの所長実は凄いコネクションを所持しているのかもしれない・・・・ 赴任して最初の仕事となったのが繁殖場の立案だった。 商社出身が買われたのだろうか早々に立案実行を任された。 最初は倉庫等で捕獲したゆっくりに餌付けをし増やしていく方法だったらしい、どがその方法では管理できる個体数に限界があり常に誰かが管理する必要が出てくる為に非効率的であった。 村の外れにある山をまるまる繁殖所にする事を提案した。 整備し囲いをした山の中に餌となる柔らかい草の種をまくだけでその草を食べる虫まで育つのだから効率が良い、さらに山を4分割する事で出荷時期のゆっくりをずらす事も計画した。 「俺ならどんなゆっくりを虐待したい・・・・・?」 常に自問自答を繰り返す。 だが商売にするには数を揃えないと話にならない、僕同様に移住してきた若者を束ねて日々繁殖場の整備に力を注いだ。 「ゲスも揃えたほうがお客は喜ぶと思うのですが・・・・・」 最年少の22歳の職員が提案してきた。 なるほどこれは気が付かなかった。 人が手を貸すのだから天然に自信過剰のゆっくりは生産する事はできていたのだがゲスと呼ぶには弱い、ゲスを増やすには・・・・・ 「ゲスを捕獲して群れに混ぜましょう!有能は増えませんがゲスは伝染します。」 この提案に乗って近辺の村や駆除で捕獲されたゲスを譲りうけては群れに放り込んだ、予想どうり要求ばかりするゲスの真似をする個体が増えてきた。 『どれいはれいむにはやくあまあまをもってきてね!たくさんでいいよ』 『じじぃ~まりさはつよいんだぜ!せいさいされたくなかったらさっさとあまあまよこすんだぜ』 『このいなかものぉぉぉ』 今すぐ殺して下さいと頼まれるくらいに痛ぶってやりたいがこいつらは商品である・・・・・我慢我慢・・・・ 次の休日に他所の村まで溜まった鬱憤をヒャッハーしに行き思う存分にゆ虐していると村人に 「SS村の職員の方は仕事熱心なんですねぇ~こんな村の駆除までご苦労様です。」 と感謝されてしまった。田舎だけに公私の行動に区別して判断してもらえない・・・・・ まぁこの村の役にはたってはいるのだから良しとしておこう。 ゆ虐遊戯場の完成もち近づいたように感じていたが問題が発生した。 宣伝にTVや紙面で広告を打てば愛護団体に目をつけられる妨害されるために集客方法がうまくいかなかった。 「マスコミが駄目なら・・・・・・・・んん・・・・」 会議で皆がこの話題になると口を閉じた。会社どころか村の未来がかかっている皆責任は取りたくないのだ。 「あの~ちょっといいスか?」 ヒョロヒョロとして普段から仕事は人任せで文句だけは一人前でゆっくりが人間になったらこんな感じかな?と言う職員が珍しく手を上げた。 正直期待はしていなかった。 「なんだ?便所か?早退か?」 話が進まない苛立ちでつい言ってしまう。 「いやぁ~別に自分等が直に客集めないといけないのかなぁ~とちょっと思ったんスよ~」 「馬鹿かお前は?俺等がやらないで誰が客を呼んでくれるんだ?」 思った通りの他人任せな発言に一瞬うんざりするがふと気が付く 「・・・・ん?・・いや待てよ・・・餅は餅屋だ!行楽地まで連れて来るのは旅行会社の十八番!」 馬鹿の発言から打開策を発見する事ができた。 ここを紹介してくれた所長に連絡してみると、やはりゆっくりをこっそり虐待している旅行会社があった。 紹介してもらうと相手方もこのような場所を求めていたらしく喜んで提携を約束してくれた。 こうなれば後は観光地化へとプロジェクトを進めていくだけ、土産物や遊技場の整備に素人鬼井山用の簡易なゆ虐方法の確立等話は着々と進んでいった。 オープン祝いに所長の紹介である街での一斉駆除で捕獲されたゆっくりも無料で分けてもらえた。 やはりあの所長は只者ではない・・・・・ さぁいよいよ鬼井山を乗せたバスがこの村にやってくる。 「今から来るお兄さん達はとてもゆっくりにとても優しい人達です。出会ったらあまあまを強請ろうね?理解できたかな?」 『『『『ゆっくりりかいしたよ(ぜ)』』』』 ウェルカムキック用にゲスを並べていく、いよいよオープンだゆ愛の幟を掲げて鬼井山を心待ちにする。 この仕事について良かったと心底思っている。本気で天職だろう バスを遠目に確認しながらそう思った。 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ウェルカムキックにワロタw -- 2011-11-23 00 58 08 いいな。こんな職業あったらいいのに。 -- 2010-07-19 21 10 50