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次元転送 次元転送魔法を使用しても、次元世界間の相対距離に応じて、移動には時間がかかる。 個人の能力での転送であれば、遠い世界に行くほど多大な魔力を消費し、かつ時間もな長くかかる。 速度を上げようとすれば、さらに多大な魔力を消費する。 次元間通信 守護騎士同士の思念通話は、シャマルのクラールヴィントを経由することによって遠く離れた別次元間であっても通常と同様の通話が可能となっている。 戦力のほとんどを切り捨てて得ているクラールヴィントのバックアップ性能は、騎士たちにおいては重要なサポートを与えている。 変身魔法 ミッドチルダ式では動物体への変身をはじめ、様々な変身魔法が存在する。 外観・サイズの変化も、魔法の種類によっては比較的容易に達成できるが、自分以外の特定個人への変身は犯罪であり、 変身魔法を用いてみだりに外観を偽装することも管理局法では禁じられている。 ギガントフォルム グラーフアイゼン第三の攻撃形態。巨大な質量を伴うハンマーヘッドによる打撃を行うための形態で、結界や建造物、大型対象の破壊において高い性能を誇る。 変型に2発のカートリッジを使用する。
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FIGHT.00『忍び寄る、異世界への魔手!!』(前編) 天体戦士『リリカルサンレッド』この物語は川崎にて繰り広げられる善と悪の壮絶な闘いの物語である。 ~小田急線新百合ヶ丘駅ビル『ジョ○サン』~ 「エェッ!!魔法の世界へ出張ですかっ!?」 ファミリーレストランの客席から良く通る年配の男性の声が響く。周囲の客が視線を向けるとそこには紫の服に大きな兜をかぶり、 特徴的な眉と唇をした小柄な男性?川崎支部のヴァンプ将軍がいた。 「ウム、その通りだヴァンプよ。期間としては半年から一年以内を想定している。我々フロシャイムは世界制服のみならず、異世界への侵略も視野に入れているのだ。」 そしてその向かいに座る軍服を纏い左手と一体化したハサミを持つ、細身だが長身の男性?東京支部のヘンゲル将軍が静かだが威厳のある声で答えた。 「で、ですがヘンゲル将軍。そんな重要な仕事でしたら、私よりもヘンゲル将軍の方が適任だと思うのですが…?」 ヴァンプ将軍は自身が感じている疑問を口にする。それに対してヘンゲル将軍は 「ウム、確かに本来なら私がやるべき事だろう…だが私には残念ながらどうしても外せない重要な案件があるのだ。そこで私は信頼、 実力共に期待できるお前に任せてみようとおもうのだ。」 と答えた。ヴァンプは話を聞き「う~ん」と唸り、額の汗をお絞りで拭う。 「この件はフロシャイムにおいて非公式に行われるものであり危険も伴う…無論、拒否をすることも可能だ。ヴァンプもすぐには決めかねるだろう…返事は別の日でも構わん。」 ヘンゲルはヴァンプの葛藤を読み取り、説明を付け加える。 その後は何気ない世間話やお互いの侵略状況の話に花が咲き、コーヒーとココアの会計を済ませ駅の改札に向かった。 「あぁ、ヘンゲル将軍。新宿方面でしたら私は登戸で南武線に乗り換えちゃいますけど、途中まで一緒に帰りましょうよ♪」 切符を買ったヴァンプはヘンゲルに声をかける。それに対してヘンゲルは… 「すまないが私はこれから町田の『とらのあ○』に向かわなければならん。待たせているもの(決して者にあらず)がおるのでな…」 と答え、別れ際に「いい返事を待っているぞヴァンプよ。」と言い小田原方面のホームへと去っていった。 ヴァンプも「う~ん用事があるんじゃ仕方ないですね。では、ヘンゲル将軍もお気をつけて…」と答え、新宿方面の電車に乗ったがその背中はどことなく寂しそそうだった… ~続く~ ~おまけ~ 「ヘンゲル将軍、お帰りなさいませ」 「留守の間ご苦労だった、サミエル」 大きな紙袋を右手に、フロシャイム東京支部アジトへと戻ったヘンゲルを迎えたのは彼の右腕とも言える怪人、サミエルだった。 「フム、町田店は中々の品揃えだな…贔屓にしている喫茶店の関連商品を揃える事が出来た。」 ヘンゲルは紙袋の戦利品をデスクに並べ、物色を始めた。そしてその様子を近くで見ていたサミエルは口を開く。 「あの、ヘンゲル将軍。2つほど質問があるのですが宜しいでしょうか?」 「何だ」 ヘンゲルは右手に持っていた戦利品を置きサミエルへと顔を向ける。 「は、まずは本日寄られた『とらの○な』についてです。新宿にも店舗があると記憶していますが何故わざわざ遠回りな町田店へ寄られたのですか?」 「目先の情報に踊らされるなサミエル。確かに距離的には新宿店のが近い…だがあそこは書籍を中心に 扱っているため、他の店舗と比べ偏りが激しいのだ。距離だけで無く、現地の規模も視野に入れる。これは戦いにおいても言えることだ… してもうひとつの質問は何なのだ?」 ヘンゲルはハサミを鳴らし質問を促す。 「は、異世界への出張の件です。資料は幾つか拝見させて頂きました。そしてその中には『魔法少女』と呼ばれる人種も確認されています。 ですがヘンゲル将軍程の方がそれを見逃す筈がありません。 それらの情報を見ておきながら尚、将軍が辞退をする程の譲れない案件とはいったい?」 「……………サミエルよ、お前は私の事を良く理解しておるな。良いだろう、お前には事の真相を話すとしよう…私がどうしても譲れぬ案件を」 ヘンゲルはサミエルから顔をそらし、デスクに腰を下ろす。そしてサミエルの方へ顔を戻した時、場の空気が変った。自然とサミエルも背筋を正す。 「私の譲れぬ案件、それは… 三ヶ月後に『団鬼八先生のサイン握手会』が控えておるのだ。やはりファンとしてはこのイベントを見逃す事は出来ん。 そこで私は仲間として、友として信頼出来るヴァンプに話を持っていったのだ…」 「………」サミエルは団鬼八がH小説家である事やヘンゲルが愛読し、ファンレターを送るほどの大ファンである事も知っていた。だがサミエルは何も言う事が出来なかった… フロシャイム東京支部ヘンゲル将軍、彼の知能指数は150を超えるという――――― 目次へ 次へ
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開かれたゲート 襲来、恐竜デジモン! 「はぁ……もぅ、お腹一杯だぁ。食べられないよぉ……」 「……」 機動六課隊舎、食堂。 床にあおむけに寝そべるアグモンを見ながら、ヴィータはやや唖然としていた。 食べ過ぎて腹を風船のように膨らませて寝る、等と言う漫画等で使われる古典的な光景を実際に目にするなんて思わなかったからだ。 しかも、それが黄色い巨大なトカゲなのだから、かなり貴重な光景である。 「すげぇ美味かったけど……卵焼きがあればもっと良かったのに」 「よくこれだけ喰っといて文句言えるな!?」 テーブルの上、山積みになった皿を指さしながらヴィータが吠える。 総合的な量で言えば、普段から大食いである青髪の少女と赤い髪の少年には劣るが、それでもかなりの量を平らげている。 これだけ食べて文句を口にするとは、図々しいにもほどがある。 「……ところで、兄貴はどこ連れてかれたんだ?」 重たそうに体を起こし、床に座り込んだ状態でアグモンが問う。 今、食堂にいるのはヴィータとアグモンだけであった。 はやてとシグナムは、大を連れて何処かへと立ち去っている。 「あぁ、心配すんな。ちょっと色々聞かなきゃいけない事あるから別室で話してるだけだよ」 「ふぅん。それ、どれぐらいで終わるんだ?」 「さぁ? そんなに長くはなんねぇと思うけど……ぼちぼち終わる頃じゃねぇの」 壁の時計を見やれば、三人が食堂を出て十数分少々経っている。 何事もなければ、もうそろそろ話も終わっている頃だろう。 (しかしまぁ、随分と変わったなぁ) アグモンを見ながら、ヴィータの脳裏に浮かぶのはあの巨大な竜人であった。 あの姿からアグモンになったのは間違いないだろうが、それにしても凄い変わりようである。 魔導師が使役する使い魔なら、元になった獣としての姿の他に人間の姿を持つ者が一般的であるが、それは変身魔法によるものだ。 だが、アグモンからは魔力的な気配を全く感じないのだ。 (あの大って奴からも魔力全然感じなかったしな……何なんだ、ほんと) 少々、と言うには腑に落ちない点が多すぎる。 魔法が一切かかわっていないあの変貌ぶりは、一体何なのだろうか。 どれもこれも、はやてとシグナムが大から話を聞いてくれば、嫌でも答えが解るだろう。 一方、はやてとシグナムは一通りの質問を終えていた処であった。 「成程なぁ……で、大門君とアグモンはそのデジタルワールドを五年間旅してた、と」 「あぁ。それで間違いねぇよ……ふぅ、ご馳走さんでした」 差し出されたカツ丼を平らげ、箸を丼に置く。 何故カツ丼なのかは、一応取調べの真っ最中であった事から推して知るべしである。 なお、シグナムは「取り調べ言うたらカツ丼やろ!」という幻聴が聞こえたと、後に語る。 (で、シグナムはどう思う?) (そうですね……嘘は言っていないと思います) (うん、私もそうは思うけど……話が話やしな) 隣に控えるシグナムへ念話を飛ばす。 正直、大の話は素直に信じがたい部分があるとはやては感じていた。 時は五年前。大の出身世界である人間界へと、デジモンと呼ばれる生命体が住まうデジタルワールドを隔てる次元の壁が歪み始めた事から始まると言う。 一人の男が巻き起こしたデジモンと人間の戦争及び、次元の壁の完全崩壊による双方の世界消滅の危機と言う、スケールの大き過ぎる話だ。 彼が連れていたアグモンは、共に闘うパートナーであり子分であり、最高の相棒であると言う。 (ここ五年に、そんなデカイ事件は起きて無いよな?) (えぇ……少なくとも管理局が把握してる世界では無かった筈です) (せやなぁ……把握して無い世界の事としても、次元崩壊レベルの事やったみたいやし) (本局の方に何らかの情報が残ってる筈ですね。後で調べておきます) (ん、頼むな) 念話を終え、意識を大の方へと向ける。 湯呑に残っていたお茶を飲み干し、満足したように笑顔を浮かべている。 取り調べと言う事もあり、若干緊張していたこちらが馬鹿馬鹿しく思える程だ。 (ま、どのみち嘘つくようなタイプでもないやろしな) 何故だか、そう確信できる。 局員になってから数年、それなりに人を見る目はあると自負するはやてに、彼は悪人に見えなかった。 理由を問われると悩むが、強いて言えば彼の目を見たからかもしれない。 愚直なまでに真っ直ぐな目をしていたのが、理由と言えばそうなるだろう。 「さて、聞きたい事は聞いたし……もう時間も遅いし、そろそろ休もうか」 「ん? もう終わりか?」 「うん。ご協力どうも……シグナム、客室に案内してあげて」 「はい。では、ついてきてくれるか?」 「あぁ、わかった」 シグナムに連れられ部屋を出る大を見送り、はやては一人で自分の仕事部屋へと戻る。 質問の内容を纏めて報告書にし、提出すると言う仕事がまだ彼女には残っている。 それと、大とアグモンの身柄を保護する正式な許可と彼らの出身世界捜索依頼を出さねばならない。 あの二人は旅の最中である世界、デジタルワールドへの帰還を望んでいるのだから。 (にしても、アイツはなんやったんや……) 思い浮かべるは空間を歪めて出現した、あの赤マントの巨人だ。 自分とシャイングレイモンを軽くあしらい、意味深な言葉を残して立ち去っていった未知の存在。 いくら自分が本気を出せない状態であると言っても、手加減なしで放った砲撃魔法が一切通じなかったのは軽くショックだった。 知っているような素ぶりを見せていた大も、実際良くは知らないと言う。 ――こっちの世界に飛ばされる直前まで戦っていた と彼は言っていた。そして、あの巨人との戦いの最中にミッドチルダへ飛ばされてきたのだと。 (何にせよ、情報が足らんなぁ……) 大の言葉はともかくとして、あの巨人の言葉は迂闊に信用する訳にもいかない。 かといって自分なりの考察をしてみようにも情報が足りない、足りなさすぎる。 単なる次元漂流者を保護、だけでは済みそうにないなと思いながら、がっくりとはやては肩を落とす。 思っていたよりも、面倒な事になりそうだ。 翌日、一晩ぐっすりと眠った大とアグモンは用意された朝食を取った後、特にする事もなく敷地内をぶらぶらと歩いていた。 六課隊舎の敷地内にいるなら自由にしていて良い、と言われたがそれはそれで退屈な物である。 「暇だなぁ、兄貴」 「暇だなぁ、アグモン」 デジタルワールドにいた時は毎日何かしらやる事があったし、見る者全てが目新しいという新鮮さがあった。 この世界で見る物も、色々と目新しい物はあるのだが……何と言うか面白味が足りない。 早い話、彼ら二人の生きがいとも言うべき事が、最も楽しめる事が現状出来そうにない。 「「暇だよなぁ……」」 忙しそうにあちこち動き回っている人々を見ていると、微妙に居心地の悪さすら感じる。 今の自分達の立場等は色々教えて貰ったが、それも正直良く分からない。 とりあえず、ここが数えるのも馬鹿馬鹿しい程に存在する異世界の一つで、それらを守る組織があるという事は理解した。 魔法と言う、ゲームの中でしか縁が無い物まで存在するとは思わなかったが。 「んお?」 何か面白そうなものでも無いかと、周りを見やるアグモンの目に留まったのは、二人の人影だった。 一人は見覚えのある桜色のポニーテールをした女性、もう一人は見知らぬ黒髪の男。 何かあるのか、二人して海の方を眺めている。 「兄貴、あっちになんかありそうだ」 「ん? 確かになんか見てる奴がいるな……暇だし、行ってみるか」 とりあえずの暇潰しにはなるだろうと、そちらへ向かって歩く。 やがて、大達の気配に二人が気付いたのか海の方へと向けていた顔を、後ろへと向ける。 やはりというか、桜色の髪をしたのは見覚えのある、昨日部屋まで案内してくれた女性であった。 「よぅ、確かシグナムって言ってたっけ?」 「お前達は……確か、大門大とアグモンだったか。どうしたんだ、こんな処で?」 「いや、とりあえずこの建物の敷地内なら好きに行動していいとか言われたけどやる事無くて暇でさ……適当にぶらついてたんだよ」 「で、こっちに野次馬しにきたって訳か」 口を開いた男の方へ顔を向ける。 背丈や体格は大とあまり変わらないであろう、黒髪のどこか軽そうなイメージのある男だ。 「っと、俺はヴァイス・グランセニックってんだ。ほんのちょっとの間だろうが、よろしくな、大門大」 「あぁ。ところで、何見てたんだ?」 「新人達の訓練だ」 そう言って空中に浮かぶモニターを指さすシグナム。 大とアグモンもそれにつられてモニターを見ると、四分割された映像の中をTシャツ姿の少年少女達がそれぞれ激しく動き回っている。 右腕に装備したガントレットでハンマーを構えた子供と殴り合う青髪の少女やら、二丁拳銃で光弾を撃ち落とすオレンジ色の髪の少女。 槍を構えた赤髪の少年に変わったグローブをはめた幼い少女が、それぞれ縦横無尽に激しく動き回っている。 映像の背景からして森の中、正面にある海の上のあそこで行われているのだろう。 「あれ? 昨日あんなところに森なんてあったかな?」 「あれはうちの訓練用フィールドだ。どういう原理かは教えられんが……まぁ、ちょっと大げさな立体映像だと思えば良い」 「へぇ……すっげぇなぁ」 返事をしながら、大とアグモンの視界は画面にくぎ付けとなっていた。 見た処、画面に映っているTシャツの四人は自分よりも年下だ。 特に赤髪の少年と桃色の髪をした少女など、どう見たって十歳前後の子供だ。 それがああも派手に激しく動き回る光景と言うのは、見ていて確かに面白い。 むしろ、かつて一緒に戦った仲間の少年を思い出して懐かしさすら感じる。 「なんだ? 随分と熱心に見てるじゃねぇか」 「いや、アイツ等子供なのにすげぇなって思ってさ」 「イクト思い出すな、兄貴」 「イクト……あぁ、お仲間か?」 アグモンの懐かしむような口調で察したヴァイスの言葉に、大は頷く。 「あぁ……最後にあった時は、あいつぐらいの歳だったかなぁ」 と言いながら大が視線を向けるのは、赤髪の少年だ。 小柄な体を活かして縦横無尽に動き回る様は、まさしく記憶の中の彼を思い出させる。 しかし、モニター越しで訓練とは言え戦闘を見ていると、どうもウズウズしてくるのは性分故だろうか。 それはアグモンも同じようで、どうも落ち着かないようである。 「ほぉ……自分も混ざりたくて仕方が無い。と言ったところか?」 「ぁん?」 大の心情を見抜いたシグナムが、不敵な笑みを浮かべる。 何と言うか、自分も戦闘に飢えてますとでも言いたげな笑顔だ。 「その目に身のこなし……かなり場数を踏んでいるのだろう?」 「だから何だってんだよ?」 「模擬戦程度でいいなら、今からでも付き合うぞ?」 何処から取り出したのか、銀色に光る刃を持った剣を持って言うシグナムの顔は、物凄く楽しそうだ。 その隣にいるヴァイスと言えば、やや引きつり気味な顔を見せてる。 数秒程二人の顔を交互に見やり、大はモニターへと顔を向き直して一言。 「俺は女は殴らねぇ主義だ」 「戦いの場に男も女も無いだろう?」 「るせぇ。男は絶対女は殴らねぇもんだ」 「ふむ……仕方ない」 大の意思をくみ取り、シグナムは己の剣……レヴァンティンを仕舞いこむ。 待機状態、ペンダント状の形態へと戻して首にかけ直す。 「気が向いたら、何時でも声を掛けてくれ」 「だから、女は、殴らねぇって、言ってんだろうが」 「安心しろって。保護した漂流者相手に魔導師が模擬戦とはいえ戦えるわけねぇだろ、冗談だ冗談」 「あぁ、冗談だ」 「さっきまで目が本気だったぞ、お前」 あまりシグナムには関わらない方がいいかもしれない。 そう思いながらモニターを見ていると、もう訓練も終わったのか何やら全員集まって話をしている。 「お……そろそろ昼か。どうだ、一緒に喰うか?」 「ん? もう昼か……」 「兄貴、俺腹減ってきたよぉ」 「そうだな、俺も腹減ってきたし……一緒に食わせてもらうか」 ヴァイスとシグナムに連れられ、二人はその場を後にする。 「なぁなぁ、卵焼きは出るのか?」 「卵焼き? いや、どうだったかな……」 クラナガン郊外、廃棄都市区画。 街の人々から半ば身捨てられ、復興の目途も経たず、管理局員の訓練場として扱われる事があるだけの無人地帯は、子供達の遊び場でもあった。 大人に危ないから近づくな、と言われれば近づいてしまうのが子供の性であろうか。 「もういいか~い?」 「「「ま~だだよぉ~!」」」 無邪気にかくれんぼに興じる四人の子供達。 その一人の少女が路地裏を抜け、かつては繁華街として賑わったであろう大きな通りへと出た時であった。 「……ん?」 男がいた。 それなりに気を使って整えてあるやや長めの黒髪をした、白衣を纏った小柄な体躯の優男だ。 異様に不気味な雰囲気を纏った男に、少女は恐怖と好奇心を覚えて物陰に隠れながら見やる。 「んふふふ……」 堪え切れないといった風の笑いを漏らし、男が通りに設置するのは金属製のボールだった。 中央にオレンジ色の光を灯した、無骨な外見のボールのような形状をした機械を設置する。 「よしよし、これで良し……」 ボール状の物は長い月日を掛け、男が以前に開発した物を更に改良した装置だ。 すでに協力者の手によって何度かの実験は成功し、今回はまた違った運用法を行う為の実験である。 この実験が成功すれば、男の計画は大きく前進する。 「では、始めましょうか」 装置の設置場所から数百メートル程離れ、男は白衣のポケットからスティック状の機械を取り出す。 先端の赤いスイッチに指を置き、眼鏡の奥に光る狂気に染まった瞳をぎらつかせ、声高々に叫ぶ。 「イッツ、ショウタァイムッ!」 スイッチを押すと共に、設置した装置が爆発。 そして、世界の壁が壊れた。 機動六課の面々が思い思いの昼休みを過ごしている最中、非常事態を告げるアラームが鳴り響く。 自室で食後のコーヒーを楽しんでいたはやては、脱いでいた上着に袖を通しながら、駆け足で司令室へと駆け込む。 すでに集まっていた六課の後方支援部隊、ロングアーチの面子へと状況を問う。 「何事や!?」 「クラナガン廃棄都市区画にて、空間の歪みを確認しました」 「二日連続でやて!?」 自身の椅子へと腰かけ、取り急ぎまとめられたデータを空間モニターに表示させて指示を飛ばす。 「周辺の部隊に通達! スターズとライトニングは!?」 「通達はすでに終えています。スターズ、ライトニング両部隊も副隊長とフォワード陣がすでに現場へ向かっています」 「ん」 グリフィスの手際良い仕事に頷きながら、はやては片手で通信パネルを表示し六課所有のヘリで待機する仲間へと連絡をする。 正面に表示される二分割の画面に映るのは、高町なのはとフェイト・T・ハラオウン。 十年来の親友にして、スターズ小隊、ライトニング小隊をそれぞれ率いる六課幹部であった。 現在、二人とも別任務で隊舎を離れていたのだ。 「なのは部隊長、フェイト部隊長、二人とも現場にむかえる?」 『こちらスターズ1。うん、大丈夫!』 『こちらライトニング1。ちょっと現場から遠いけど、今からむかう』 「お願いな。ちょっと、嫌な予感するんよ……」 そう言いながら、はやての脳裏に浮かぶのは昨晩の出来事。 大とアグモン……そして、あの巨人が出現した時も空間の歪みが起きていた。 それ自体なら、次元世界全体で見ればそう珍しい事でも無いが二日連続で、同じクラナガンで起きるなど異常でしかない。 時空管理局発祥の地であるミッドチルダは、他世界に比べても安定している筈なのだ。 (何か起きようとしてるんか……? カリムの予言の事と関係も……) 背筋に嫌な悪寒が走るのを感じながら、はやてはモニターに表示されるデータを睨む。 この悪寒が、ただの考えすぎで終わってほしいと思いながら。 「現場にヘリが到着。映像きます」 「ノイズが酷いけど……よし、これで見え……ちょっと、何これ!?」 そんな希望は、オペレーターの一人であるアルトの声により無残に打ち砕かれた。 六課保有の人員輸送ヘリが現場に到着した時、目にしたのは異質な光景であった。 廃棄都市区画の大通りにて、底無しの闇につながっているような穴が大きく口を開けていたのだ。 ヘリパイロットとしてその光景を見やるヴァイスは、空間や次元に関する知識は局員の一般認識程度の物しか持っていない。 だが、それでも一目でわかった。 「これは、ヤバいんじゃないのか……」 だってそうだろう。 その穴は何かのエネルギーを発しているかのように、時折スパークが起きている。 おまけにその穴の中から、巨大な獣が這い出して来ているのだから。 「なんだありゃ……獣、ってより竜みたいだが」 「それより、恐竜っぽいな」 何時の間に来たのか、コクピットの窓より下を覗きみるヴィータが口を開いた。 「恐竜って、確か副隊長達がいた世界の生物でしたっけ?」 「あぁ。とっくに絶滅した古代生物で、あたしも本でしか見た事ねぇけどな」 それにしたって良く似ていると呟きながら、ヴィータは冷静に恐竜達を観察する。 数は四体。皮膚の黒い二足歩行の個体と、肩から巨大な角を生やした緑色の皮膚をした個体が二体ずつ確認できる。 全長は五メートル前後といった処だろうか。どれも見るからに凶暴そうな雰囲気を持っている。 「ヴィータ、何をしている?」 「わぁってる。すぐ行くよ……ヴァイスは、あたし等が出たら一度離脱しろ。相手が相手だ、何してくるかわからねぇ」 「了解。さっさと安全圏に引っ込みますよ」 後方のキャビンにて、すでにバリアジャケットを展開していたシグナムと部下達が待機している。 ヴィータも即座にデバイスを起動。バリアジャケットを纏って指示を出す。 「まず、あたしとシグナム副隊長が出て相手の出方を見る。場合によっちゃ、そのまま前衛張るからお前らは支援に回れ」 「相手は完全に未知の存在だ。何をしてくるかわからん、油断するなよ」 「「「「はい!」」」」 部下四人の返事に満足げに頷くと共に、ヴァイスへ声を駆けてヘリのランプドアを展開させ、ヴィータとシグナムは空へと飛び出す。 空を舞うように飛びながら、あらためて肉眼で目標を見やる。 見れば見る程、本で見た恐竜に似ている。 「魔力反応は感じない……となると、召喚の類では無いな」 「あぁ……ホントに何だ、こいつ等」 出撃はしたが、いきなり攻撃する訳にもいかない。 見た目は凶暴そうではあるが、大人しい性質ならば這い出てきた穴へと上手く誘導して返せるかもしれないからだ。 もしかすると、何処かにこの恐竜達を呼び出した何者かがいるかもしれないから、それから話を聞いてからでも、とも考える。 だが、そんなヴィータの思考は黒い恐竜の行動で無意味と化す。 「「っ!?」」 二人に気付いた恐竜が首を持ち上げ、その口から炎を吐き出したのだ。 標的は無論ヴィータとシグナム。即座に身を翻して炎を避けるが、その行動で完全に敵と認識されたか残り三体も二人へと敵意を込めた視線を向ける。 「チッ……やるしかないか」 「つか、火ぃ吐くって……どこの怪獣だよ!」 攻撃されたのならば仕方ないと、二人はデバイスを構えて恐竜達へと突撃する。 先陣を切るシグナムは、緑の恐竜の腕から繰り出される大ぶりの拳を回避し、両手に握る刀剣の刃へ魔力を這わせる。 狙うは両肩より伸びる、最大の武器であろう角の付け根。 「はぁぁっ!」 気合いと共に振り抜いた刃が風を引き裂き、音よりも早く恐竜の角を両断する。 地響きを立てながら大地へと墜ちる角を横目で見やり、シグナムはもう一本も斬り捨てんと身を翻し。 「なっ!?」 ついさっき斬り捨てた筈の角が、何事も無かったのように再生している光景に目を疑った。 生物としてあり得ぬ程の速度で行われる再生。一体、この恐竜達は何なのだと思う間もなく飛んでくるのは恐竜の拳。 避けきれないと判断して左腕を突き出し防御フィールドを展開、その拳を受け止める。 「ぐ、ぅう!?」 シールドの上より襲い掛かる衝撃を受けきり、シグナムは後方へと飛び退いて小さく息を吐く。 左腕に若干の痺れを感じるが、この程度ならば剣を握るのに問題は無いだろう。 「防御の上からでもあの衝撃、か……流石に直撃を受ければ不味いな……だが」 だからと言って絶望的な差を感じる程でも無い。 体格差から予想できる恐竜の重量等を考えれば、驚異的な破壊力を持つだろうし、直撃は死へ直結するかもしれない。 だが、今の攻防を持って見抜く。 「ヴィータ!」 「あぁ! こいつ等、図体でかいだけで……っ!」 黒い恐竜二体を相手取り、小柄と言うよりも幼い体躯を活かして縦横無尽に飛び回るヴィータが吠える。 その手に握る鉄槌型デバイス、グラーフ・アイゼンを振り上げて狙うは恐竜の下顎。 「たいした事はねぇ!」 蟻と象程はあろう体格差を無視した強烈な一撃が、黒い恐竜を殴り飛ばす。 悲痛な悲鳴をあげて倒れる黒い恐竜から即座に目を離し、返す刃……否、返す槌でもう一体の側頭部を叩く。 確かに一撃の威力は強力だが、動き自体は見きれぬほどの速度も無く、攻撃も防げないというレベルでは無い。 つまり、動きに注意してさえいればどうにでもなる相手と言う事だ。 「適度にボコって捕縛するぞ、シグナム!」 「あぁ」 勝利を確信し、二人の騎士はまるで踊る様に武器を振るい、四体の恐竜を相手取る。 いくら炎を吐き出そうが、拳を振り上げようが、当たらねばその破壊力も無意味でしか無い。 小さき人が巨大な竜を手玉に取る光景を見やるのは、遅れてヘリから降り立った四人の少年少女達だった。 「副隊長達、凄い……」 「体格差関係なしね……」 スバル・ナカジマとティアナ・ランスターは目を点にし、呆れたような感心したような声を出す。 はっきり言って、自分達の支援なんていらないんじゃないかと思えるほどに、上司二人は四体の恐竜を圧倒しているのだ。 恐竜達が動く度、副隊長二人の攻撃で地面に斃れる度に起こる激しい地響きがここまで伝わってくる。 「って、ぼぉっとしてたら駄目ね。皆、副隊長達の支援行くわよ!」 「おう!」 「「はい!」」 スバルに続き、エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエがティアナの号令に応えて駆けだす。 自分達が出撃したのは上司達の強さの見学の為ではないのだから。 「……あれ?」 身の丈ほどある槍を片手に、道端に散乱する瓦礫の山を飛び越えながら移動するエリオの目に、何かが映り込んだ。 上司二人と恐竜達が戦っている場所のすぐ近く。ビルの影で、何かが動いたような気配がしたのだ。 遠くてよく解らないが、人のようにも見える。 「……あれは。ストラーダ、生体反応スキャンは?」 『電波妨害が酷く、実行できません』 「電波妨害? なんで……?」 槍型デバイス、ストラーダの言葉に首を傾げる。 どんな状況でも一定の機能発揮できるように、全てのデバイスには電子対策が施してある。 シグナムやヴィータを見る限り、魔法を使う分には全く問題ないようだが、何故スキャンだけ出来ないのか。 そう言えば、現場に到達してから六課隊舎との通信も上手く繋がらないとヴァイスもぼやいていた。 「どうなってるんだ……?」 今朝方の定期メンテナンスでは、デバイスのどこにも異常は無かった筈だ。 どこからから妨害電波でも流されているのだろうか。 「ティアさん、スバルさん、キャロ、生体反応スキャンそちらで出来ませんか!?」 「えっ……なんでまた……?」 「向こうのビルの影で、何か動いたような気がして……ストラーダのスキャンも何故か使えないんです」 「ちょっとまって……クロスミラージュ、どう?」 『実行不可能です。妨害が酷く、スキャンできません』 ティアナの銃型デバイス、クロスミラージュの返答もストラーダと同じであった。 続いて、スバルの篭手型デバイス、リボルバーナックルとキャロのグローブ型デバイス、ケイキュリオンも同様に返答する。 「全員のデバイスが電波妨害受けてるって、いくらなんでもおかしいわよ。なんで……」 「っ!? ティア、前!」 スバルの声にハッとなり、ティアナが顔をあげるとシグナムとヴィータの攻撃をくぐり抜けてきたのか、緑色の恐竜がこちらへ突撃してきていた。 その巨体からは想像できぬ程の速度で突撃してくる恐竜を、今から避ける事は叶わない。 「くっ!」 ならば、とクロスミラージュを振り上げ魔力弾を生成、恐竜の頭部目掛けて放つ。 しかし怯ませる事すら叶わないのか、恐竜は魔力弾を物ともせず突撃してくる。 「なっ……」 「錬鉄召喚! アルケミックチェーン!」 恐竜の拳が振り上げられ、ティアナを叩き潰さんと迫るが地面に展開された魔法陣より飛び出した鎖が、恐竜の全身へ巻き付いた。 キャロの得意とする召喚魔法で呼び出された鎖が、ティアナへ迫る恐竜を絡め取ったのだ。 「ティアさん! 大丈夫ですか!?」 「っ……サンキュ、キャロ!」 「後は私がっ!」 すかさずローラーブーツ型デバイス、マッハキャリバーによる加速を得たスバルが飛び出し、右手の拳で恐竜の右足首を殴りつける。 リボルバーナックルに込めた魔力が爆発し、恐竜はバランスを崩して地響きを立てながらその場へ倒れ込む。 キャロは再度召喚した鎖で恐竜を絡め取り、完全に地面へ抑え込む形で動きを封じた。 「よしっ!」 恐竜の足元をくぐり抜け、ティアナの傍まで戻ったスバルがキャロへと拳を突き出し、キャロも満足げに頷いて返す。 それを少し微妙な表情で見やるティアナは、顔を左右に振ってから二人へ声を掛ける。 「……ほら、ぐずぐずしないで次! 副隊長達の支援行くわよ!」 「おう!」 「「はい!」」 「どうにかなりそうやな……とりあえずは」 司令室のモニターで戦闘を見やっていたはやては、ふぅと息を吐きながら呟いた。 廃棄都市区画のど真ん中に開いた穴と、そこから出現した恐竜の群れ……最初はどうしたものかと思ったが、それは杞憂に終わってくれそうだ。 シグナムとヴィータの二人でどうにか無力化できそうではあるし、フォワードの四人でも連携すればどうとでも出来る事は先程証明された。 「このまま順調にいけば、あと数分ほどで終わりそうですね」 「せなやぁ……順調にいって欲しいけども」 何事にも油断は禁物、とばかりに少々緩んでいた気を引き締め直す。 後詰として、別任務中だったなのはとフェイトもあと数分前後で現場に到着するし、余程の事は無い限りは大丈夫という確信はある。 それでも、相手が未知の存在であるのだから油断はできないと自分自身へ言い聞かせる。 各員にもそれを言い聞かせるか、と軽く咳払いをした直後……司令室のドアが開いた。 「ん?」 「あれ……部屋、間違えたか?」 「みたいだねぇ、兄貴」 「な……何、してんねん?」 ドアの向こうから姿を現したのは、大とアグモンだった。 「いや、部屋戻るついでにこの中色々見て回ろうかなぁと思ってたら、道間違えちまってよぉ」 「……そ、そうかぁ」 完全にペースを乱された、これで二度目だ。 「と、とにかく……ここは関係者以外立ち入り禁止やし、今はちょっと忙しいから」 「あぁ、悪い悪い。すぐ出てくって……行くぞアグモン」 「……なぁ、兄貴、あれ……もしかして」 「あぁん?」 司令室奥のモニターをじっと見やるアグモンが指をさし、大もその先へと目をやる。 そこに映っているのは六課の前線メンバーと、恐竜達の戦いの映像。 映像に映る恐竜達と、地面に開いた穴を確認すると共に、大の顔色は一瞬にして変化した。 「なっ!?」 そこにある筈も無い、いる筈の無い物を見ているかのような表情を浮かべて、はやてへと詰め寄る。 「おい! なんでデジモンがあそこにいんだよ!?」 「へっ? デジモンて……えぇっ?」 デジモンと言われて、はやてが見るのはアグモンの姿。 確か、昨日聞いた話ではアグモンもデジモンという種族であるらしいが、今シグナム達が戦っているのもそれだと言うのか。 同じ種族にしては、見た目も大きさも全く違いすぎて、すぐには理解できない。 「おまけにゲートまで開いてんじゃねぇか! どうなってんだよ!?」 「ちょ、ちょっと君! 落ち着け!」 慌ててグリフィスが大を抑え、はやては少し息を吐いて大とモニターの映像を交互に見やる。 大の言う通りなら、あの恐竜達もアグモンと同じくデジモンであり、あの穴はゲートという代物らしい。 昨日聞いた話に出てきた、大の世界とデジモンの世界と繋ぐ扉のような物らしいが、それがこのミッドチルダに開いてしまったとでも言うのか。 「どうなってるんか、は私達の方が聞きたいんやけども……今は、あそこに出てきてる……デジモンをどうにかするんが先や」 「どうにかするって……倒せんのかよ?」 「倒す必要は無いやろ? とりあえず動きを止めて、あのゲートって処から送り返せるんなら……」 「これは……八神部隊長!」 はやての言葉を遮り、アルトが叫ぶ。 「廃棄都市区画の歪み……あの穴から、エネルギー反応を確認しました!」 「反応?」 「はい! これは……何かが、何かとても大きなエネルギーを持ったものが、穴から出てこようとしてる!?」 悲鳴のようなアルトの報告の直後、モニターの向こうに確認できる穴……ゲートより、その巨大な何かが這い出そうとしていた。 まず、それは地響きのような唸り声と共に現れた。 恐竜たちは動きを止め、シグナムとヴィータも何かの気配を感じ取り、穴へと視線をやる。 キャロの連れている小さき龍、フリードリヒはその何かをより明確に感じ取ったのか、興奮したかのように低く唸っている。 「これは……シグナム」 「あぁ……何かが、来る」 そうして、地面に開いた異界の穴よりそれは姿を現した。 それはオレンジ色の岩のようなゴツゴツした皮膚を持ち、背中より無数の刃を生やした巨大な首の長い、巨大な竜だった。 緑色の瞳は凶暴さ、獰猛さに知性すら感じさせる。黒と緑の恐竜達よりも遥かに大型な体躯を穴より這い出させて、それは吠えた。 「ウゥォオオオオオオオオオオオオオオ!」 怒りに満ちた咆哮をあげて、巨大な竜はミッドの地へ足を踏みしめる。 「愚かなる人間どもがああああああ!」 長い尻尾を振り上げて、人間の言葉を喋りながら廃棄都市のビルを瓦礫へと変えて竜は吠える。 対峙するシグナムとヴィータは冷や汗をかきながら、それぞれの武器を構える。 人語を喋った事も驚きだが、それ以上に二人が注意するのはこの竜の放つ殺気と威圧感だ。 少なくとも、さっきまで戦っていた黒い恐竜と緑の恐竜などとは比べ物にならないのは、火を見るよりも明らかだ。 「チッ……また面倒な事になりそうだな」 愚痴りながらもアイゼンを構え、ヴィータは竜を真っ直ぐに睨みつける。 これ程の殺気と威圧感を感じたのは何時以来だろうか。 遠い昔に覚えのある、戦争の空気で感じた時以来かもしれない。 少なくとも、手を抜ける相手では無い。ましてや、後方にいるスバル達には間違っても対峙させてはならない相手だ。 (コイツは……マジで強い) シグナムともども、全身に竜の殺気を受けながらヴィータは確信する。 油断すれば、自分達でも危うい相手だと。 前へ 目次 次へ
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【名前】天上院明日香 【出典】リリカル遊戯王GX 【声優】小林沙苗(「魔法少女リリカルなのはA s」のリインフォース) 【種族】人間 【性別】女性 【年齢】17歳 【外見】金色のショートカットに金の瞳 【性格】 勝気だが冷静、どんな状況でも一歩引いた場所から判断を下せる 【原作での設定】 オベリスクブルーの女子の中で最強の実力を誇っていたが、十代に敗北。 それ以降十代に少し興味を持ち、様々な事件を共に潜り抜けるウチに好意へと発展していく。 異世界編ではあまり出番がないものの、持ち前の冷静さによって十代達のサポートに勤めている。 【『リリカル遊戯王GX』での設定】 本編と変わりなし 【面識のある参加者】 名前 呼び名 関係 遊城 十代 十代 親友であり、わずかに好意を持っている 早乙女 レイ レイちゃん 十代を想う者としての好敵手 万丈目 準 万丈目君 好意を持ってくれるのは嬉しいが…… 【技能・能力】 能力名 内容
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翌日、小鳥遊がバイトに出ると、なのは、佐藤、ぽぷらがフロアで待ち受けていた。 「皆さん、お、おはようございます」 「おう」 「小鳥遊さん」 なのはが真摯な瞳で小鳥遊を見上げる。奥では、小鳥遊が変な動きをしたら即座に反応できるよう、恭也と美由希がナイフとフォークを構えていた。 「フェイトちゃんは、どうしてジュエルシードを集めているんですか?」 「……ごめん。言えないんだ」 「それはわかってます。でも、小鳥遊さんが協力するってことは、それだけの理由があるんですよね?」 小鳥遊が理由を言えないのは、フェイトに義理立てているからではなく、本当に知らないからだ。どう答えようか考えあぐねていると、来客を告げるベルが鳴った。 「あ、俺、行ってきます!」 小鳥遊は逃げるように速足で入口へと向かう。 「いらっしゃいませ。ワグナリアへようこ……」 「おはよう、宗太」 客は小鳥遊の姉の梢だった。長身の美人だが、まだ日も高いのにお酒の匂いを漂わせ、全体的にだらしない雰囲気がする。職業は護身術の講師。宗太が護身術を扱えるのも、梢の影響だ。 「ここには来るなって言っただろ。梢姉さん」 「宗太が冷たーい。私、お客なのに」 「そうだよ。お客は丁重に持てなさいとね」 梢の背後から現れたのは、人間形態のアルフだった。耳と尻尾を隠して、Tシャツにジーパンというラフな格好をしている。 「ア、アルフさん!?」 「あれ、宗太、アルフちゃんと知り合いなの?」 「梢姉さんこそ、どうしてアルフさんと?」 「いやー。店の前にいるのを話しかけたら意気投合しちゃって。ねー、アルフちゃん」 「おお、小鳥遊、あんたいいお姉さんがいて幸せだねぇ」 梢とアルフは肩を組んで笑いあう。 入口にずっと陣取っているわけにはいかないので、小鳥遊は二人を客席に案内する。騒いでも被害が少ないよう、なるべく端の席に座らせる。 「とりあえず、ビール! じゃんじゃん持ってきて!」 「昼間っから飲むな!」 「おや。お客の言うことが聞けないのかい?」 「くっ!」 梢一人なら、家族特権で強気に出れるが――ほとんど効果はないが――アルフがいるのでそれもできない。これでは完全に嫌な客だ。 さっさと酔いつぶして寝かせた方が静かになると判断し、小鳥遊はビールを取りに戻った。その途中で、念話をアルフに送る。 (どういうつもりですか?) (鈍いねぇ。あんたが不用意なことを喋らないように、監視だよ) (俺、何も知りませんよ?) (そんなことないさ) 小鳥遊の知っているフェイトとアルフの能力をばらされるだけでも、いずれ戦う時に不利になる。 フェイトは小鳥遊を疑っていないようだが、アルフは違う。いざとなれば、付き合いの長い、なのは、ぽぷら側と結託する危険性があると考えていた。 (どんな些細でも、あんたがフェイトの不利になるようなことを言ったら、その時はガブッといかせてもらうよ) アルフが低い声音で恫喝する。 (もう少し信用して下さい。俺は約束を破ったりしません) (そういう台詞は、証を立ててから言うもんさ) 小鳥遊は梢のテーブルに大ジョッキに入れたビールを二つ置いた。 「よーし。それじゃあ、今日は飲もう、アルフちゃん!」 「いいねぇ。今日はパーッとやろう、梢ちゃん!」 「ただ飲んで騒ぎたいだけじゃないですよね?」 すでに宴会モードに入っている二人を見ながら、小鳥遊は静かに溜息をついた。 店の一角を占拠し、アルフと梢がどんちゃん騒ぎをしている。従業員は梢で慣れているのか、とりわけ大きな反応をしていない。小鳥遊は頭痛を堪えていたが。 「ねえ、恭ちゃん」 「どうした?」 「このお店って、カップル多くない?」 やたら嬉しそうに美由希が耳打ちしてくる。古今東西、女性は色恋の話が好きだ。 「そうか?」 恭也に思い当たる節はまったくない。 「ほら、見てよ」 今オーダーは入っていないので、厨房で佐藤がぼんやりとしている。その視線が自然と八千代を追っている。言われてみれば、佐藤は八千代には優しい。 「それから、ほら」 伊波がフロアの片隅を指差す。 仕事をする小鳥遊を、物陰から伊波が荒い息で見つめている。 「ね? 熱い視線でしょ?」 小鳥遊はミニコンを治す為、伊波は男性恐怖症を治す為、なるべく一緒にいるよう杏子に指示されている。 最初は犬猿の仲だったのだが、殴る伊波に小鳥遊が我慢強く付き合い続けた。やがて伊波家の問題を小鳥遊が解決し、それがきっかけとなって伊波は小鳥遊に惚れてしまった。 「きゃあああああああ!」 後ろを振り返った小鳥遊に、伊波が殴りかかっていく。小鳥遊が店の奥へと飛んでいく。どんな鍛え方をしたらあんな腕力がつくのか、恭也は教えて欲しいくらいだった。 小鳥遊の技量なら防御くらいできそうなものだが、どういうわけか常に無抵抗で殴られている。 「きっと今のは照れ隠しだね。伊波さん、可愛い」 「俺には獲物を前に舌なめずりしている猛獣にしか見えん」 殴られる恐れがないせいか、美由希の伊波の評価はやけに甘いようだった。 「そう言えば伊波さんって、私を見るたびに、悲しそうな顔するんだよね。何か悪いことしたかな?」 美由希が首を傾げる。まさか美由紀の胸を見るたびに、スレンダーな伊波が敗北感に打ちひしがれているとは夢にも思っていなかった。 「あー。腹減ったなぁ」 杏子がフラフラと恭也たちの背後を通り過ぎる。初日に宣言した通り、杏子はこれまでほとんど仕事をしていない。 「八千代ー。パフェ」 「はい、杏子さん。ただいまお作りします」 八千代が慣れた様子でパフェを杏子に差し出す。ちなみに今日これで五杯目だ。他にもせんべいなど、ひっきりなしに食べている。どれだけ巨大な胃袋なのだろうか。 パフェを食べる杏子を、八千代はうっとりと眺めている。 「あの二人、十年来の付き合いなんだって。ラブラブだね」 「……女同士だぞ?」 「だから?」 美由希はこともなげに言う。 「あ、でも、そうなると、佐藤さんと三角関係か。うわ―。恋愛小説みたい」 美由希まで赤い顔で喜んでいる。 「仲がいいと言えば……」 これ以上踏み込んではいけない気がして、恭也は厨房に目を向ける。 「彼らも仲がいい……な!?」 厨房の中で、相馬が山田をおぶっていた。いや、おぶっているのではなく、山田が無理やりしがみついているようだ。 「山田を、山田を甘やかしてください! 甘え界のホープ、や、ま、だ!」 「山田さん。仕事ができないんだけど」 相馬は迷惑そうにしているが、山田はまったく気にせず同じ台詞を連呼している。 「恭ちゃん。あれは恋愛じゃないよ」 「……そのようだな」 直球過ぎるが、妹が兄に甘えるような感じだ。もちろん美由紀となのはがあんな甘え方をしたことはない。 「で、誰から聞いたんだ?」 美由希は恋愛に聡い方ではないので、情報源がいるはずだ。 「ばれちゃったか。山田さんだよ。八千代さんと白藤店長って仲がいいねって言ったら、この店の恋愛模様を全部教えてくれた」 佐藤にばれたらお仕置きを受けるだろうが、自業自得だろう。 ふと美由希が悪戯っぽい笑みを浮かべる。 「ねえ、私となのはに彼氏が出来たらどうする?」 「お前はともかく、なのはは早すぎるだろう」 「そんなことわからないよ。女の子は早熟なんだから」 「確かに大人びているが、さすがに恋人となるとな」 恭也は時々、なのはが小学三年生だと忘れそうになる。なのはだけではなく、友人のアリサとすずかも年齢以上にしっかりしているので、尚更だ。いくら子供っぽいとはいえ、高校生のぽぷらとなのはが対等の関係を築いているのがその証拠だろう。 「なのはちゃーん!」 「ぽぷらちゃん、どうしたの?」 ぽぷらがなのはに泣きつく。 「さっきのお客さんがね、『君、中学生?』だって!」 「ぽぷらちゃん、高校生なのに失礼しちゃうね」 よしよしとぽぷらを慰めるなのは。確実に間違っている光景だ。 しかし、どんなに大人びていても、なのはには親しい男友達がいないので、恋人のいる状態が想像しにくい。 「あ、それなら、ユーノ君は? ユーノ君を人間の男の子だと考えてみたら?」 「蛙じゃなくて、フェレットの王子様か。ファンタジーだな」 恭也は苦笑しながらも、もしユーノが人間だったらと考えてみた。 きっと金髪の可愛い男の子だろう。何故かパーカーに半ズボン姿まで詳細に想像できた。 なのはとユーノが二人で手をつないで歩いている光景を思い浮かべてみる。 (うん。なかなかお似合いだな) なんだか楽しくなってきて、恭也はさらにユーノを人間に置き換えてみる。 二人で一緒に食事をし、お風呂に入り、同じ部屋で寝る。この前、ユーノがなのはの頬を舐めていたが、あれはつまりキスということか。 「…………美由希、ここ任せていいか?」 「どこ行くの?」 「ちょっとあのフェレットを三枚に下ろしてくる」 恭也の両手にはいつの間にか、二刀の小太刀が握られていた。 「ねえ、どこから刀を出したの? さっきまで持ってなかったよね!?」 「じゃあ、すぐ戻る」 「待って! 今のはただの空想だから! ユーノ君はただのフェレットだから!」 「放せ、美由希! 男には殺らなきゃいけない時があるんだ!」 「それ、前に私の使った台詞!」 血気にはやる恭也を美由希が押しとどめる。その姿を、客たちが諦めたように眺めていた。すでに二人とも、ワグナリアの変人リストに名を連ねていることに、当人たちだけ気づいていなかった。 その頃、音尾の家では、ユーノが得体の知れない悪寒に襲われていた。 時空管理局所属、L級次元巡航船アースラ。 艦長室の赤い敷物の上で、リンディは静かに緑茶を湯呑に注いでいた。緑茶の中に大量の角砂糖を投入し、おいしそうに飲む。 『どうもー』 そんなリンディの横に通信画面が開いた。ただし、画像は真っ黒で何も映っていない。聞こえてくる声も音質が悪く、会話に支障はないが、相手の年齢どころか性別さえも判別できそうにない。怪しさ満点の通信だった。 「あら、久しぶりね。元気にしてた?」 しかし、リンディはにこやかに通信画面に話しかける。 『ええ、それはもう。実は今日はお願いがありまして』 「あなたがお願い? 珍しいわね」 リンディは姿勢を正した。ただ事ではなさそうだ。 『地元の知人が厄介事に巻き込まれてしまって、解決して欲しいんです。ロストロギア絡みと言えば、興味がおありでしょう?』 「ええ。もちろん。詳しく聞かせて欲しいわ」 『名称はジュエルシード。数は全部で二十一個。使い方次第では、次元震どころか、次元断層すら引き起こす危険な物です。これを二人の魔導師が奪い合っています』 次元震と聞いて、リンディの顔が険しくなる。下手をすれば、幾つもの次元世界が滅びかねない。 「他に情報は?」 『奪い合いをしている魔導師の写真は後で送ります。でも、俺が教えられるのはその程度ですね』 「どうして?」 『巻き込まれた知人が二派に分かれてしまって、どちらかに肩入れするわけにはいかないんですよ。こちらに来れば、すぐにわかると思いますので、それじゃあ、よろしくお願いします』 通信画面が消えると同時に、艦長室の扉が開く。入ってきたのは、黒いロングコートを着た少年だった。リンディの息子、クロノだ。 「母さ……艦長、今、謎の通信が。一体誰からですか?」 「そうね。一言でいえば情報屋さんかしら」 「情報屋? 魔導師ですか?」 「いいえ。次元移動したこともない一般市民よ」 「それがどうして僕らのことを知ってるんです?」 「さあ、どうしてかしらね。それより任務です。アースラはこれより第97管理外世界『地球』北海道へと向かいます」 アースラは進路を北海道へと向けた。 ワグナリアで、相馬は一人携帯電話をロッカーにしまう。やたらとごつい、まるでトランシーバーのような携帯電話だった。 山田が休憩室に入ってくる。まだ休憩時間ではないはずなので、さぼりだろう。 「おや、相馬さん。どなたに電話を?」 「うん。昔の知り合いにね」 「えっ? 相馬さんにお友達がいたんですか? かわいそうまさんのはずなのに?」 「勝手に可哀想にしないでもらえる? さてと仕事に戻ろうかな」 相馬は笑みを顔に張り付けたまま厨房に戻っていった。 その日の夕方からジュエルシード集めが始まった。 森の中で、怪鳥が羽ばたく。 「ぽぷら、右だ!」 「必殺ぽぷらビーム!」 敵の飛ぶ先を佐藤が予測し、ビームが怪鳥を貫く。 怪鳥が鳥とジュエルシードに分離する。 「ジュエルシード封印っと。やったね、佐藤さん」 ぽぷらはジュエルシードを拾い上げる。 ぽぷらが使える魔法は、飛行と直射型ビーム、念話だけだ。防御はバリアジャケットのみという貧弱さだが、そこはスピードと佐藤が敵の行動を予知することでカバーしてくれていた。 今日はほとんど縮んでいない。初戦では常に最大出力のビームを撃ってしまったので、あっという間に縮んでしまったが、最近では威力の調整もできるようになり、戦闘持続時間も延びていた。 「これで今日の仕事は終わりだな、ぽぷら」 「佐藤さんって、普段は種島って呼ぶのに、変身してる時だけぽぷらって呼ぶね。どうして?」 ぽぷらが不思議そうに佐藤の顔を覗き込む。 「当り前だ。変身してる時は、魔法少女が名字で、ぽぷらが名前なんだから。なのはと被るから名字では呼べん」 「そうなの!?」 「そうだ。つまり、変身したなのはを英語名風に表記すると、なのは・リリカル・魔法少女になる」 「リリカルってミドルネームだったんだ」 「略すと、なのは・R・魔法少女だな」 「佐藤さん。リリカルの頭文字はLだよ」 「……略すと、なのは・L・魔法少女だな」 「何事もなかったかのようにやり直した!」 「さっさと戻るぞ」 佐藤は少し赤い顔をしていた。 住宅街の片隅で、まだ発動していないジュエルシードを前に、なのはとフェイトは向かい合っていた。 なのはは唾を飲み込む。休戦条約はかわしているが、前は同じ状況で、問答無用で戦闘になった。どうしても身構えてしまう。 フェイトがバルディッシュを左手に、ゆっくりと近づいてくる。 (左手?) フェイトの利き手は右だったはずだが。 フェイトが無造作に右拳を突き出し、 「じゃんけん」 「へっ?」 「ぽん」 反射的に、なのははグーを出した。フェイトはチョキだ。 「……私の負け」 フェイトは意気消沈して去ろうとする。 「待って!」 約束を守ってくれたことが嬉しくて、なのはは思わずフェイトを呼び止めていた。 「何?」 「もし良かったら、私たち、友達になれないかな?」 なのはは自然とそんな言葉を紡いでいた。 「……さよなら」 しかし、フェイトは最後まで聞かずに飛んで行ってしまう。 夜も深まり、フェイトは集合場所に帰ってきた。 アルフも小鳥遊もまだ戻っていない。 「あの子は……どうして」 なのはの顔を思い出す。敵である自分と友達になりたいと言う少女。どうしてそこまで他人の為に必死になれるのか、フェイトには理解できない。 「ただいま」 「フェイト~。こいつ、何とかしておくれよぉ」 小鳥遊と一緒に帰ってくるなり、気味悪そうにアルフがフェイトの後ろに隠れる。アルフには魔法の知識のない小鳥遊についてもらっていたのだ。 「どうしてですか? 可愛いじゃないですか」 小鳥遊は両手に目玉のついた綿飴のような物体を抱えていた。暴走したジュエルシードだ。魔法で小さくされて、小鳥遊に頬ずりされている。 ジュエルシードは悲鳴を上げて嫌がっていた。 小鳥遊の攻撃魔法は縮小のみで、ジュエルシードの封印はできない。 「ジュエルシード封印」 「ああ、酷い!」 フェイトがいきなりジュエルシードを回収する。フェイトも少しだけかわいいと思ったのは内緒だ。 「アルフ、小鳥遊さんはどうだった?」 「う~ん。とにかく偏ってるねぇ」 アルフが困ったように頭を描いた。 防御は鉄壁だが、縮小魔法は射程距離が短く、飛行速度も遅い。相手がスピードで勝っていた場合、追いつく術がない。 今夜の戦いでも、逃走しようとするジュエルシードに置いて行かれそうになり、アルフがバインドで足止めしてどうにか捕獲できたくらいだ。 高速戦闘を得意とするフェイトとは真逆の能力だ。小鳥遊の当面の課題は、スピードアップと補助魔法の習得になるだろう。 「フェイトの方はどうだったんだい?」 「ごめんね。私はじゃんけんに負けちゃった」 「フェイト~。そんな約束守らなくても……」 「いいんだよ。私も母さんの為に早く集めたいし」 「母さん?」 小鳥遊の疑問に、フェイトとアルフは顔を見合わせる。 「ちょうどいいかも」 「フェイト、まさか」 「うん。小鳥遊さん、明日、時間ありますか?」 「朝ならバイト入ってないけど」 「よかった。じゃあ、明日、母さんに会ってもらえますか? 小鳥遊さんと協力するように言ったのって、母さんなんです」 「わかった。フェイトちゃんのお母さんか。きっと優しい人なんだろうね」 フェイトの頭を撫でながら承諾する。小鳥遊の言葉に、アルフは複雑な面持ちをしていた。 「それじゃあ、アルフ帰ろうか」 「先に行ってておくれ。あたしは少しやることが」 「? わかった。じゃあ、先に帰るね」 フェイトは一足先に隠れ家に帰っていった。 二人きりになり、アルフは小鳥遊に指を突きつける。 「単刀直入に訊くよ? フェイトのことをどう思ってるんだい?」 アルフにはどうしても不安なことがある。もし小鳥遊がフェイトに邪な感情を抱いているようなら、ここで倒しておかないといけない。 「どうって?」 「どうもこうもない。あんた、フェイトと恋人になりたいなんて考えてんじゃないだろうね?」 「まさか。むしろ父親になりたいです」 「はっ!?」 返答は、アルフの想定のはるか斜め上だった。 「ええと……つまり……付き合うつもりはないってことだね?」 どうにかそこだけ理解する。 「だから、そう言ってるじゃないですか」 「……なら、いいのかな?」 釈然としないものはあるが、アルフは無理やり自分を納得させた。 「その言葉、忘れるんじゃないよ!」 捨て台詞を残し、アルフもフェイトを追って夜空に消える。 小鳥遊にとって、ちっちゃいものはすべて愛すべき対象である。子供だろうと、小動物だろうと、虫だろうと、ミジンコであろうとそれは変わらない。 「さすがにミジンコと付き合えるわけないでじゃないですか」 もし最後の言葉を聞かれていたら、小鳥遊は今頃土の下に埋められていただろう。 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 第一話 「降臨」 「お前は行け。魔界に飲み込まれたくはあるまい。俺はここでいい。親父の故郷のこの場所が」 己を倒した弟へ最後の言葉を残し俺の身体は落ちていった。しかし魔界へとおちるはずだった俺の身体は想像もつかない場所へとたどりつく。 身体に受けた衝撃は柔らかく、すぐさまそれが草と土であることを伝え、そして何よりさきほどまで空気を満たしていた魔界の瘴気が清浄なそれへと変わっていたことが、傷つき疲弊しながらも冷静さを保っていた俺の頭へと今いる場所が魔界でなく人界であることをりかいさせた。 「…ここは…人界なのか?」 全身を舐めるように駆ける痛みに僅かに眉を歪めながら辺りを見渡す、生い茂る草木そして天に輝く星と月がその場所が己の求めた場所でないことを自身へつきつける。 「フォースエッジとアミュレットを一つにできなかった為か、それとも別の要因か…どちらにせよ締まらない結末だな。」 一人、自嘲していると周囲の魔力と共に六感に危険の空気が漂う。あるものは転移魔法と思われる魔法陣を介して、あるものは木々をへし折りながら。俺の周囲へと見たこともない機械どもが集まってくる。 「…とても友好的には見えんな。」 カプセルのような円筒形、あるいはボールのような球体をしたそれら。後にガジェット・ドローンとして知ることになる戦闘機械との最初の遭遇であった。 「せいぜい俺を楽しませろ。」 俺は言葉と共に愛刀へと手をかけた。 続く。 目次へ 次へ
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主人公(たろう) アリシア リリカ イシュタル 主人公(たろう) 初期能力値 侵蝕度 HP MP 攻撃力 耐久力 魔導力 命中 回避 敏捷度 1 10 0 1 10 0 30 0 0 装備可能武器 (→ 武器一覧)剣 :攻撃力に長ける武器。居合スキルの使用にも必要。 銃 :攻撃力は低いが、属性弾で大ダメージを狙える。銃撃スキルの使用にも必要。 錫杖 :魔法の威力を底上げする武器。 スキルツリー (→ スキル一覧) ▼前衛 ライトニング ライジング・ストライク ギガボルト (魔法剣ルート) 居合『斬結』 居合『封雷』 居合『封炎』 居合『封雹』 (居合:特殊効果ルート) 居合『二段斬結』 居合『疾風』 居合『迅雷』 (居合:連撃ルート) ▼中衛 ライトニングバレット ロングバレット バレットダンス (銃技ルート) 雷の心得 薬の心得 水の心得 聖者の心得 風の心得 神の与えた奇跡 (支援ルート) ▼後衛 サンダーボルト アルギュロス レフコクリ・ソ・ス (単体雷魔法ルート) バシリス アリストクラ・テ・ス アフトクラトル ワールド ゼウスの雷 (範囲雷魔法ルート) アリシア 初期能力値 侵蝕度 HP MP 攻撃力 耐久力 魔導力 命中 回避 敏捷度 5 350 70+30 10 20 35+8 95 5 20 装備可能武器 (→ 武器一覧)楽器 : 指輪 : 杖 : スキルツリー (→ スキル一覧) ▼前衛 グローリースター マジックアヴォイド セイントフォロー 奇跡のサイコロ バトルアップ (補助魔法ルートA) ポジションアップ ポジションアップW Aポジションアップ AポジションアップW 絶対領域 (補助魔法ルートB) ▼中衛 スターダスト・ブレイク スター・ダスト・ストリーム スターダスト・メテオ ディエルケステル テリオス スターダスト・セイヴァー (聖攻撃魔法ルート) 優しい歌 フェアリーソング フェアリーラヴァー (呪歌ルート) ▼後衛 キュア・スターライト エスナ フェアリーソウル イレイス ヘスティアの慈愛 (回復魔法ルートA) スターライト・サンシャイン スターライト・シャワー スターライト・ラヴァー ヘスティアの歌 ヘスティアの祝福 (回復魔法ルートB) リリカ 初期能力値 侵蝕度 HP MP 攻撃力 耐久力 魔導力 命中 回避 敏捷度 18 1450 180 90+25 70 55 95 5 45 装備可能武器 (→ 武器一覧)マント : イヤリング : 髪飾り : スキルツリー (→ スキル一覧) ▼前衛 魔法少女キック 魔法少女パンチ 君!後ろ後ろ! 魔法少女ストライク グラディアトリクス ティシフォネ・アテネ (格闘技ルート) アサシン グリード バトルディマエバリ (自己支援魔法ルート) ▼中衛 月の加護 不屈の魂 韋駄天 熱血 戦神の加護 (肉体強化ルート) アンダバティエ ポリスヴェルソ グラディエーター シルバーチャリオット (支援魔法ルートA) ▼後衛 フレイム・ストライク アテナ・ブレイズ メギド・フレイム ブラスト・エンド グラウコーピス・アテナ (炎攻撃魔法ルート) スリップバリア ルナソウル ダブルバトル リターンスキル (支援魔法ルートB) イシュタル 初期能力値 侵蝕度 HP MP 攻撃力 耐久力 魔導力 命中 回避 敏捷度 40 300 900 100+15 10 100 95 5 70 18 1550 220 99+38 1 65 95 5 70 装備可能武器 (→ 武器一覧) スキルツリー (→ スキル一覧) ▼前衛 死神の鎌 首狩り 六封陣 神速 一閃 刹那 無拍子 無名 () ▼中衛 () () ▼後衛 ゴースト・シャドウ ゴースト・キュア イノセント・キュア ブラッディスクリーム アルテミスの祝福 アルテミス ()
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魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼眼の死神 クロス strikers×空の境界 蒼眼の死神プロローグ 第一話「新たなる敵」 第二話「消滅、そして新たなる世界へ」 第三話「機動六課出撃・・・かな?」 第四話「式、機動六課と接触」 第五話「スターズ唖然」 第六話「新たなる相棒」 第七話「ホテル・アグスタ」 第八話「ホテル・アグスタβ」 第九話「悪魔光臨」 第十話「絆へ」 第十一話「機動六課のある休日・・・の少し前から」 第十二話「ナンバーズ」 番外編「烈火の将VS蒼眼の死神」
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バードショット・シェル 銃身の周囲に生成したエネルギー弾(ショット・シェル)を、散弾として広範囲に撃ち出しているのが確認できる。 対人殺傷力は「極めて凶悪」なレベルであると推測できる。 シルバーバレット 射撃魔法に似た、エネルギー弾。 高速度で撃ち出される白銀の閃光が確認できるのみで、弾丸形状は確認できない。 フレシェット・シェル 広範囲に拡散する散弾と異なり、比重と貫通力の高いエネルギー弾を数発束ねて撃ち出している。 着弾防御 両者の前に、至近距離からの直撃に耐えるためのフィールドが生成されているのが確認できる。 「攻撃しながらの防御」には高度なスキルが必要となるが、両者(トーマとヴェイロン)はいずれも高いレベルで「撃ちながら守る」を行なっている。 これが彼らの能力によるものなのか、武装などの外的要因によるものかは、いまだ不明。 クローグラブ ヴェイロンの装備品。硬質金属の爪と、掌に取り付けられた火炎噴射口で構成された近接武器。 ナパームファング クローグラブで掴んだまま、掌の火炎噴射口から噴射する液化燃料と火炎によって、対象を焼滅させる攻撃。 掴まれたのはトーマの右手だが、トーマは噴射の一瞬に利き手をかばい、右手を振り解き、左手で防御している。 クローグラブの性質的には「直撃」とは言えない状況ながら、トーマの左腕は防具ごと機能停止レベルまで破壊されていることから、その威力がうかがえる。 シルバーハンマー 砲撃魔法に似たエネルギー直射砲。先の「ディバイド・ゼロ」とは性質の異なる砲撃のようである。 治癒 魔導技術による肉体治療が、通常「生きている」組織を回復・治癒させるのみにとどまり、火傷・壊死・切断などによって「損失」した部位を回復させることはできない。 それら損失部位の治療のためには移植や人工筋肉・人工皮膚などの素材か、それらの部品の代替となるものをゼロから生成して癒着させるような、極めて高位の魔導技術が必要になる。 2枚の切り札 航空戦技教導隊・高町なのは一等空尉と、港湾特別救助隊のスバル・ナカジマ防災士長。 この2名は機動六課時代の「師弟」であり、スバルは、なのはのひとり娘の友達でもある。 かつての空の英雄と、現役の一流陸戦魔導師。八神はやてが切り札として用意した、2枚のエースカードである。
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