約 10,574 件
https://w.atwiki.jp/edh-commander/pages/232.html
生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton (4) アーティファクト — 装備品(Equipment) 装備しているクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに感染を持つ。(それは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える。) 生体融合外骨格がいずれかのパーマネントからはずれるたび、そのパーマネントを生け贄に捧げる。 装備(2) 引用元 Wisdom Guild 評価 装備したクリーチャーに+2/+2の修整と感染を与える装備品。 外されたときに装備していたクリーチャーが生け贄に捧げられてしまうというデメリットも併せ持っている。 初期ライフが40点もある統率者戦では、対戦相手のライフを戦闘で削りきるのは中々大変。しかし、毒カウンターならば他のフォーマットと同じ10個で済むので、対戦相手を敗北させるのに必要な打点を大幅に省力化できる。 クリーチャーの打点を挙げられる統率者とは好相性。 例えば、歓楽の神、ゼナゴス(Xenagos, God of Revels)と組み合わせた場合ではパワーが3のクリーチャーが居ればそれだけで十分な打点。生体融合外骨格を装備してパワー5、ゼナゴスの能力でパワーを倍加してパワー10。戦闘ダメージが通れば毒カウンターが10個与えられて一撃必殺である。 統率者自身の打点が高い場合にも勿論有効。特にパワー3以上の二段攻撃持ちの統率者は生体融合外骨格を装備すると一撃で相手を倒せるようになる。 戦闘で相手をぶちのめしたいプレイヤーにとって、非常に有用な装備品と言える。 ただし、生体融合外骨格が外された(壊された)時に装備しているパーマネントを生け贄に捧げなくてはならないデメリットは決して無視できるものではないので注意すること。統率者戦ではアーティファクト対策の採用率が高い為、装備しているクリーチャーごと対処されてしまうリスクは常に付きまとってくる。 総合的に見てハイリスク・ハイリターンなカードと言えるだろう。 もっと手軽に毒殺を楽しみたいならば、汚れた一撃(Tainted Strike)という選択肢もある。使い切りのインスタントであり、固有色が黒のカードであるためどんなデッキにも採用できるというわけではないが、インスタントゆえの高い奇襲性と対戦相手のクリーチャーにも使用できる柔軟性がある。 類似カード 融合する武具(Grafted Wargear) - 同じデメリットを持つ装備品。 審問官のフレイル(Inquisitor s Flail) - 別の形で大幅に打点を上げる装備品。 汚れた一撃(Tainted Strike) - 単体に感染を与える黒のインスタント。 大軍の功績(Triumph of the Hordes) - 全体に感染を与える緑のソーサリー。 相性の良い統率者 世界の咆哮、アラーボ(Arahbo, Roar of the World) 放浪の騎士、バーラン(Balan, Wandering Knight) 粗野な牧人、ブルース・タール(Bruse Tarl, Boorish Herder) 黄金夜の刃、ギセラ(Gisela, Blade of Goldnight) 信義の神オケチラ(Oketra the True) 造反の代弁者、サムト(Samut, Voice of Dissent) 沈黙の大嵐、シュー・ユン(Shu Yun, the Silent Tempest) 歓楽の神、ゼナゴス(Xenagos, God of Revels) 他多数。
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/1906.html
強化外骨格・零(ぐぬぬ完了)〔きょうかがいこっかく・ぜろ〕 作品名:覚悟のススメ 作者名:[[]] 投稿日:[[]] 画像情報:640×480px サイズ:198,110 byte ジャンル:仮面・被り物 キャラ情報 このぐぬコラについて コメント 名前 コメント 登録タグ 仮面・被り物 個別き 覚悟のススメ
https://w.atwiki.jp/ouranos/pages/383.html
《機神(きしん)骨格(こっかく)ロストテック_BC(ビーシー)》 星6/地属性/機械族・融合 ATK/2000・DEF/2000 「駆動機」と名のついたモンスター×2体 自分フィールド上に存在する上記のカードを墓地に送った場合のみ、エクストラデッキから特殊召喚が可能(「融合」魔法カードは必要としない)。 このカードは攻撃できない。 このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、自分のカードの効果を受けない。 このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、自分のデッキからカードを2枚ドローする。 このカードはフィールド上から離れる場合、ゲームから除外される。 (編集中)
https://w.atwiki.jp/kuriko-hp/pages/458.html
更新日時 2013年10月18日 (金) 03時20分53秒ページを編集 ドラゴン骨格標本 アイテム名 素材 習得ランク 備考 ドラゴン骨格標本 イネムリヘッド化石(1) イネムリボディ化石(1) イネムリレッグ化石(1) でんせつ マーモ 大工・家具 上へ
https://w.atwiki.jp/kumicit/pages/1008.html
創造論サイド 創造論者が使ってはいけない論 CMI Archaeologists have found skeletons (and footprints) of giant human beings. 「考古学者が巨人の骨格(あるいは足跡)を見つけた」 This claim has been circulated through the Internet for years, but in reality the images associated with it were manipulated in Photoshop. An article on the Snopes site, which fairly analyses urban legends and internet claims, explains the provenance of each of the most common photographs attached to these emails (snopes.com/photos/odd/giantman.asp). In reality, greatly scaled up humans would be anatomically impossible for simple mathematical reasons—the square-cube law means that a human scaled up four times would have a skeleton and muscles 16 (42) times stronger, but these would have to cope with a mass 64 (43) times greater. So a greatly scaled up human would collapse under his own weight without many physiological and skeletal (thus genetic) changes to cope with the added mass. See the classic 1928 essay “On Being the Right Size” (irl.cs.ucla.edu/papers/right-size.html) by J.B.S. Haldane (a prominent evolutionist, but on this matter he here makes very good points). この主張は、何年もの間、インターネットをかけめぐっているが、実際のところは、画像はフォトショップにより加工されたものだ。都市伝説とインターネット上の主張を公平に分析する Snopesサイトの記事 は。これらのメールに最も多く添付された画像の出所を説明している。実際のところ、人間を大きくスケールアップしても、数学的理由すなわち3乗則により、解剖学的にありえない。人間を4倍にスケールアップすると、骨格と筋肉は16(4 sup 2 /sup )倍強くなるが、質量は64(4 sup 3 /sup ) 倍になる。したがって、大きくスケールアップされた人間は、この質量に対応できるように、生理的及び骨格的に(したがって遺伝子的に)改変しないと、自重で崩れ落ちてしまう。詳しくは、1928年のJBS Haldaneのエッセイ「 On Being the Right Size 」参照(彼は著名な進化学者だが、この問題についてとても良い指摘をしている)。 [ Arguments we think creationists should NOT use ] 巨人の足跡について: This giant footprint suffers from giant problems—and numerous problems at that. Even if this were a footprint, it wouldn’t be a human footprint because the redesign necessary for such a creature to exist at such a size would be so severe that the creature couldn’t have any genetic continuity with us. However, we can dismiss the claim that this is a footprint because there is only one print, not a trackway; it is in granite, an igneous rock that no living organism would have a hope of leaving any sort of impression in; granite can produce some remarkable weathering features; and the granite outcrop bears numerous tell-tale features of patterns of weathering likely to produce a similar class of shapes at random. We have a tendency to see patterns and purpose in things where they don’t exist. The textbook example is seeing recognizable shapes in clouds—we may sometimes see a face, or a balloon, or a rabbit, or any number of shapes we are familiar with. The same can be said of many rock formations, especially when one considers the names of many rock formations e.g. “Glasshouse Mountains, “Giant’s Causeway”, “Bear Rock”, “Murphy’s Haystacks”, etc. The list is almost endless. Trace fossils, such as footprints, are often tough to identify in sedimentary rocks because weathering patterns can produce an amazing array of shapes that it can be hard to know whether an impression is a footprint or a weathering feature. However, when the print is in an out-of-place context, such as in igneous rock, the conclusion is rather straightforward—it is not a footprint. And it is certainly not relevant to either the pre-Flood Nephilim or the post-Flood mention of ‘giants’. この巨人の足跡には、大きな問題と多くの問題がある。これが足跡だとしても、人類の足跡ではないだろう。というのは、そのような大きさだと、我々と遺伝的に連続性のある生物の生存は困難であり、再デザインが必要だからである。しかし、これが足跡だという主張は、連続した足跡ではなく、足跡1個だという理由で否定できる。花崗岩は火成岩のひとつで、生物の痕跡を残す可能性は小さい。花崗岩は風化による特徴的な形を創りだす。花崗岩の露頭は、ランダムに類似した形状の風化パターンを創りだす。 我々は、パターンが存在しないものにパターンと目的を見出す傾向がある。教科書的な例は雲の形状である。我々はときに、顔や風船やウサギなど、見慣れた形状を見出す。同じことが多くの岩石にも言える、特に岩石構造に名前を付けるときには。たとえば、“Glasshouse Mountains, “Giant’s Causeway”, “Bear Rock”, “Murphy’s Haystacks”など数限りなくある。足跡のような痕跡化石を堆積岩の中から特定することは、多くの場合、困難である。風化により驚くべきパターンの連続ができあがり、それが足跡なのか、風化によるものなのか区別するのは容易ではない。しかし、痕跡がありえない場所にあるなら、たとえば火成岩の中にあれば、結論は簡単で、足跡ではない。そして、洪水前のネフィリムとも、洪水後の巨人への言及とも関係ない。 [ Shaun Doyle and Carl Wieland "The ‘giant footprint’ of South Africa -- Firewalking giant or fortuitous weathering?" (2012) ] Kumicitのコメント 巨人の骨格は、 Arguments we think creationists should NOT use ]本文中の記述、巨人の足跡は リンク先 の内容の要点を引用した。記載内容はまっとうなもの。 関連する創造論者の主張 リンク
https://w.atwiki.jp/mechashor/pages/26.html
《四式地上用外骨格「チト」》 セイバー開発以来、日本はフィーンドに制圧された東アジア・東南アジア諸国の解放を支援する「大東亜共栄圏」構想に基づく作戦を展開している。 だが、帝国陸軍が有する地上戦用機材は1942年までの南方作戦当時の戦訓を十分に活かしているとは言えず、特に力場貫徹力に問題があった。 この有り様では外地の継続的な防衛は困難という判断のもと、世界水準に合わせて新造された機体が「チト」である。 事実、コアの励起能力と冷却性能を旧来以上に高めた新式の発動機により、総合的なパフォーマンスは従来型より大きく向上。 目新しい部分はないが、既存の技術を堅実にブラッシュアップした「チト」は、今後帝国陸軍の主力として台頭していくだろう。 外観は陸戦セイバーのスタンダードに近く、膝および肘の関節から先、胸から臍にかけてを国防色の装甲が覆う形態。 インナーの清潔性を保つことが難しい東南アジア戦線での継続的な戦闘を想定しているため、軍服での着用が基本となる。 頭部はおわん型のヘルメットで防護され、通信機やマイクといった機能もここに集約されている。 移動用のキャタピラは脹脛装甲に懸架されており、使用時には踵に設けられた「コ」の字の窪みに陥入。 ソールの小型履帯と合わせて高速走行が可能である上、砲撃時の接地面積を拡大する効果もある。 戦地の兵士によると、チャームポイントは左右の腰を防護する前が空いたスカートのような形状の防盾だとか。 【兵装】 二式自動砲 セイバー実用化以前、1937年から使用されてきた「九七式自動砲」の後継機種にあたる20mm口径の対フィーンドライフル。ガス圧作動方式。 小隊運用を前提とした対戦車ライフルであった九七式とは異なり、当初から完全にセイバーの運用を前提として開発されている。 そのため後脚の省略や二脚の小型化といった変更が加えられ、銃身長120cmに対して、全長154cm・重量45kgと(比較的)コンパクト。 装弾数は10発で、予備弾倉は両腰防盾の内側で保持されている。 肝心要の威力も十分で、チトのコア出力で使用すれば射程700mでカテゴリー3フィーンドの力場を貫通し、接射すればハイブの隔壁を容易く破砕する。 散開した軟目標に対処するために榴弾を発射することもでき、取り回しはよくないものの汎用性は高い。 また銃身下部には着剣が可能。カテゴリー1のフィーンドであれば、銃剣(というより槍)としての運用で十分に対処できる。 九九式特装機関銃 1939年にロールアウトした7.7mm口径の軽機関銃がベースの、セイバー用副武装。 今となっては旧式だが、高い信頼性ゆえに対小型フィーンド用に割り切った上で現役を保つ。 生身の歩兵でも使用可能な火器でも、フィールドへの干渉能力があるとないとでは有用性に天と地ほどの差が生じるという好例である。 多くの場合、排莢方向の都合から右肩フレームに装備され、引き金を引かなくてもコアを介して論理トリガを作動させ射撃が可能。
https://w.atwiki.jp/kumicit/pages/26.html
批判サイド 創造論者の主張 CC110 Two greenish human skeletons were excavated from Jurassic sediments in the Big Indian Copper Mine near Moab, Utah. ユタ州のMoab近くのBig Indian Copper Mineで、ジュラ紀の堆積物から、2本の緑がかった人間の骨格が発掘された。 Source Burdick, Clifford, 1973. Discovery of human skeletons in Cretaceous formation. Creation Research Society Quarterly 10 109-110. Barnes, F. A. 1975. The case of the bones in stone. Desert Magazine 38(2) (Feb.) 36-39. Response 骨格は岩盤ではなく、15フィートの深さの柔らかい砂の中で見つかった。彼らの姿勢は既知のインディアンの埋葬形式とよく似ていていた。骨格は化石化しておらず、部分的に腐敗していて、210±70年前のものと推定された。要するに、つい最近に埋葬されたものである[Kuban 1998]。 Links Kuban, Glen J. 1998. The life and death of Malachite Man. References Kuban, Glen J. 1998. (see above) オリジナルページ これは Index to Creationist Claims, edited by Mark Isaak の和訳です。
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1498.html
ミーティングルーム 「先日配属されました、俺少尉です。よろしくお願いします」 ネウロイとの戦闘が一夜明け、基地内のミーティングルームにストライクウィッチーズの少女達と俺が集まっていた。 現在、オレは戦闘中の黒い鎧など纏っておらず、イギリス空軍の軍服でキッチリと身を包んでいる。 ぱっと見れば十代の青年にしか見えないが、その実、彼の年齢は二十代の半ばに手をかけた年齢である。 (……本当に、殿方ですわね) (あちゃー、こりゃカールスラントの堅物は何ていうか) (この前は助けられたけど、サーニャには指一本触れさせないゾ) (うじゅー、残念賞も上げられない) (…………眠い) 彼に向けられる視線は好意的なものもあれば、敵意にも似た警戒を孕んだものまであった。 しかし、そんな視線を向けられても、当の本人は何処吹く風といった様子の無表情である。 これまで共に戦ってきたウィッチ達もそれぞれ度合いは違えど、向ける視線はどれも似たようなものだったのだろう。 「……強化外骨格"ゴースト”、だったか。本当に魔力を解さずにあんなものが我々と同じように空を飛ぶなど、直接目にするまで信じられなかったぞ」 「でしょうね。アレが飛ぶ理論や動力源は守秘義務で明かせません。ただ、魔法力どころか魔法理論すら一切使用しない技術で飛んでいるのは確かですね」 どうやら強化外骨格のペットネームはゴーストというようだ。 だが、あんな悪目立ちする黒い鎧を幽霊と呼ぶのは、どう考えても名前負けしていた。 冗談を交えながら語る美緒であったが、視線は鋭い。 ブリタニア空軍の一部上層部――殊更、さる空軍大将は表立って動くことはないが、ウィッチを排斥しようとする意図を隠しもしない。 故に、目の前に居る男が如何に統合戦闘航空団の創設に尽力したチャーチル首相肝煎りの部隊であったとしても、そうそう油断は出来なかった。 ミーナも同様であるようで、柔和な視線の中にも相手を探るように観察している節がある。 (随分とまあ疑われたものだな。マロニーの馬鹿大将め、余程嫌われてると見える) 二人の視線に当の昔に気付いていた俺は、無表情を貫きながらも内心で口汚く自らの上司を罵った。 彼からすれば、ウィッチを排斥しようとする思想は馬鹿げているとしか思えない。 敵の総戦力が分からない以上、こちらの戦力は多いだけ人類が滅亡してしまう可能性は低くなる。 その先に待っているであろう世界の覇権争いは、その時にでもやっていればいい。目の前の試練は、明日を見ていては乗り越えることはできないと考えているのだ。 「まあ、足を引っ張らないように努力しますので、どうかお手柔らかに」 「…………話は終わりか。なら、失礼させてもらう」 「待ちなさい、トゥルーデ。まだ私達の紹介が……」 ミーナの静止を聞かず、ゲルトルート・バルクホルンはそのままミーティングルームを出て行った。 俺は眉を顰める。それは己に対するあんまりな態度にではなく、出て行く寸前、その視線が向かった先が芳佳という不自然さにだ。 警戒心じみた視線を自分に向けられるのは分かる。 差異はあれど、女性にとって男という生き物はそこに居るだけで警戒に値する生き物だ。全世界の憧れであり、美しいウィッチであれば尚の事。 だが、視線の向かった先は己ではなかった。そして、あの視線は警戒心などではなく―――――― 「あー、ごめんね。最近、トゥルーデなんだか調子が悪いみたいで」 「ああ、別に気にしていませんよ。これくらい、慣れっこです」 エーリカ・ハルトマンのバルクホルン本人に代わっての謝罪も、相変わらずの無表情で返す俺。 彼の言葉通り、ウィッチに冷たく接されるのは慣れていた。 元々、ウィッチ養成学校に入っていた者は男そのものとの接点が極端に少ない。 また養成学校に入っていない場合においても、周囲の大人達が異性に対して注意を促す傾向にある。 それは昔からの言い伝えが関係している。 その言い伝えとは、ウィッチは純潔を失うとその魔法力をも失ってしまうというもの。 大半のウィッチは性交に至ったとしても影響はないのだが、ごく一部のウィッチはそうではなかった。 魔法力は精神や体調に大きく左右される。そう考えればなんら不思議ではないが、科学的に魔法力喪失のメカニズムは未だ解明されていない。 「……仕方ないわね。個人の自己紹介は、またの機会にしましょうか。構いませんね、少尉」 「いえ。一応、名前と顔くらいは一致していますから、わざわざ機会を設けてもらう必要はありませんよ」 「そうか。じゃあ、宮藤、リーネ、二人で俺少尉に基地を案内してやれ」 「はい!」 「……は、はい」 「よろしくね、二人とも。じゃあ美緒、私は執務室に戻るから、後はお願い」 宮藤はハッキリとした返事で、リーネはおどおどとした様子で美緒の言葉を受け取った。 そんな二人の様子を見ながら、ミーナは後のことは美緒に任せ、部屋を後にした。恐らくは、執務室で待つであろう書類の山との格闘に向かったのだろう。 じゃあ、着いてきてくださいと言って歩き出した二人の後を、了解と一人呟いて俺が着いていく。 彼は服の上からでは分かり辛いが、十分に男らしい身体付きからは想像も出来ない静かな動作で、ミーティングルームの扉を閉めた。 「はー、何だか捉え所のない人だったねー」 「中尉に言われちゃおしまいダナ」 「エイラにもね」 茶々を入れてきたエイラに、上半身を机に預けながら、にししと笑うエーリカ。 そんな彼女の言葉に対して、エイラは肩を竦めることしかできなかった。 「しっかし、強化外骨格ねえ。そんなものよく極秘で開発できたもんだ」 「そうだな。だが、戦果は凄まじいぞ。撃墜数もエースと呼んでも構わないレベルだ」 「ですが、魔法力なしでネウロイを倒したのでしょう。余程、強力な武器を開発しているようですわね」 「いや、私はその場で見たけどそれほど強力な武器は使っていなかったナ。こう、ツッコンでいって、蹴りでコアを壊してタ」 はあ? とエイラの発言が理解できなかったのか、美緒以外の少女達は首を傾げた。 それも当然だ。ネウロイを徒手空拳での破壊など、銃や固有魔法を使って倒す彼女達からすれば、異様極まりない。 「もしかして、強化外骨格ってのに魔法力が必要ないだけで、少尉本人はウィッチなのか?」 「いや、少尉はウィッチではないそうだ。実際、魔法力も感じなかっただろう」 「それはそうですが、そのようなスタンドプレー染みた真似をする方と一緒に戦うことなんてできませんわ!」 美しい金髪を揺らしながら、声を荒げたのはペリーヌ・クロステルマンであった。 確かに彼女の言葉も尤もである。射撃武器を使わない徒手空拳の戦闘スタイルは、どう足掻いても先走りがちになるだろう。 「ああ、それについては問題ない。本人も無理に危険な真似をする気はないそうだ」 「そのような言葉だけでは信用できませんわ!」 「まあ、そう言ってやるな。これからは、共に戦う仲間だからな。……それに、問題を起こしたら起こしたで、此処から放逐できる」 「…………坂本少佐にしては、随分キツイ物言いだ」 美緒はまあな、と歯切れの悪い返事を返す。 その返答に、やれやれ本当に面倒なことにならなけりゃいいけど、と心の中でごちたのはシャーロット・E・イェーガーだった。 坂本美緒という人間は、相手に対する信頼が先にあり、その後から他者の信頼を獲得する人柄である。 少なくとも、この基地にいる人間には自ら心を開いて信頼を得てきた人物が、こうも警戒するのは珍しいどころか、初めて見る。 「さて、私もそろそろ行くか。お前達も、それぞれ訓練をしておくように。ああ、サーニャは……もう寝てるな。後は任せるぞ、エイラ」 『了解』 半数以上が気の抜けたような返事をする中、苦笑をしながらミーティングルームを後にする。 (さて、あの二人が一番初めに案内するのは、一番近い食堂辺りか? ……やれやれ、わざわざこんな真似をすることになるとはな) 新人二人に油断のならない新隊員の案内を任せたのは、どうやら新人相手ならば何かボロを出すのではないか、という考えがあったようだ。 しかし、美緒の表情は浮かない。仲間を囮に使うなど、彼女の本意ではないのだ。 (だが、いくらなんでも秘密主義が過ぎる) それが俺を警戒する最大の理由だ。 先日渡された資料にも、強化外骨格に関する事柄は殆ど書かれていなかった。 それどころか、俺や開発班の過去についても不明な点が多過ぎる。 この大戦が始まってからの戦果や経歴は詳細に記されていたが、それ以前については謎という一字に限る。 俺に関しては、陸軍内部で構想中であった特殊部隊の出身で、空軍に引き抜かれ現在に至るとのことだが、それはあくまでも書類上のことだ。 しかし、相手がブリタニアの特殊部隊出身である以上、下手な動きは彼女の意図とは異なる勘ぐりをされかねない。 だからこそ、このような真似をしなければならなかった。 (そういえば、少尉は一時期502の方にも配属されていた筈。 ……しめた。確か、今度情報交換の為にポルクイーシキン大尉が来ることになっていた。何か聞きだせるかもしれん) ――射撃場 「此処で最後です」 「――――ふむ」 基地の海岸よりにある射撃場に三人は居た。 彼らの立つ場所からおよそ100mほど先に的があり、その両サイドには跳弾による事故を防止する為の壁があるシンプルな造りだ。 「一つ聞きたいのだが、射撃場は此処だけなのかね?」 「確か、滑走路の先の方でも訓練ができた筈ですけど……。リーネちゃん、どうなの?」 「は、はい。ミーナ隊長の許可と他の隊員が飛行訓練をしていない場合なら使えます」 「そうか。それなら訓練になりそうだな」 俺は満足げに呟いた。 二人はその様子に、この人も訓練大好き人間なのだろうか、と美緒を脳裏に浮かべ、ほんの少しだけげんなりする。 二人とも美緒のことは尊敬も信頼もしているが、それ以上に彼女の課す訓練は辛く厳しいものなのだ。 「悪かったな、宮藤軍曹、ビショップ軍曹。貴重な時間を使わせた」 「いいえ、これくらい当然です。これから一緒に戦ってくれる仲間なんですから、坂本さんもきっとそう言います」 「そうか……」 その坂本少佐にずっと監視されているのだがね、という言葉を飲み込んだ。 無論、それは美緒が監視や尾行が下手な訳ではない。事実、俺以外は彼女の存在に気付いてさえいないのだから。 ただ、今回は相手が悪かった。元々、彼はそういった行動のスペシャリストなのだ。 「あの、それから一つお願いがあるんですけど……」 「――? 聞ける範囲でなら構わないが」 「その、軍曹って呼ぶのを止めて欲しいんです」 「…………それは、」 どういう意味だ、と告げようとして口を閉じた。 わざわざ聞くまでもない。軍曹と軍の階級で嫌っているのを見る限り、軍というう組織か、戦いという行為に対して何らかの迷いがあるということ。 彼の本心から言えば、甘ったれるなと言いたい所であった。 経緯はどうあれ、戦場に立った以上、彼女も立派な兵士である。そうであれば、そのような迷いも甘えも許されない。 「了解だ。宮藤、そう呼べばいいんだな」 だが、本心を隠し、芳佳の願いを聞き入れた。 それが戦闘に支障をきたさない限りにおいては、他人の考えに口を出す人間ではないようだ。 彼の言葉を聴くと彼女はぱっと笑みを浮かべ、ありがとうございます、と深々と頭を下げる。 そのあんまりに真っ直ぐな性格に、思わず口元を緩めた。 (……もしかして、俺少尉って、あんまり怖い人じゃないのかな?) 「ああ、君の方もそう呼んだ方がいいか? 名前で呼ぶのは勘弁して欲しいが」 「……え? あ、え、ええっと、じゃあ、お願いします」 いきなり振られて驚いたのか、リーネは最後の方は殆ど聞こえないような声で返事をした。 正直、その引っ込み思案な性格を見る限り、先日の戦闘で見せた狙撃手としての腕前が全くと言って良いほど結びつかない。 本当にあの偏差射撃をしてみせた人間と同一人物なのだろうか、と俺が疑りだした頃、芳佳が口を開いた。 「どうして名前で呼ぶのは嫌なんですか?」 「いや、普通は初対面の人間のファーストネームをいきなり呼ぶのは不敬だと思うがね。 まあ、後は俺の主義か。恋愛関係になった女以外は名前で呼ばないようにしている、というだけだ」 その言葉に、芳佳とリーネは暫く見詰め合うと、きゃーきゃーと騒ぎ出した。 彼の主義に格好よさを感じた――のでは断じてなく、何となく色恋沙汰を連想させる科白に色めきたっただけである。 昔も今も、彼女達くらいの年頃の少女はこの手の話が大好きなのだ。 俺は、女三人寄れば姦しいと扶桑ではいうが、二人でも十分だな、と若干失礼なことを考えていたが、目を輝かせた二人の視線を浴びて思考を中断する。 「それってそれって、今お付き合いされている方がいるってことですか?」 「ああ、いや……」 「どんな、どんな人なんですか? もしかして、ウィッチだったりとか?」 「ん、まあ……」 余りの食い付きに引き気味になるオレ。 そんな彼の様子に全く気付くことなく、詰め寄るように質問を浴びせていく。 「あーあー、分かった分かった。君達がそういうことに興味津々なのは十分に理解したがね、此方の話も聞いてくれ」 「「はい!」」 「まずがっかりさせて悪いが、オレは今恋人はいない。その主義を決めたのは7年近く前の話だ」 え、と心底がっかりしたように呟きを漏らす少女に、そこまで期待していたのか、苦笑を漏す。 「アレだな、他人の色恋沙汰に興味を示すよりか、そういうのは自分で体験した方が有意義だ。ウィッチに対して、こんなことを言うのは我ながらどうかと思うがね」 だから、他人事といって余り色めきたつな、と皮肉げな笑みを浮かべる。 正当といえば正当な言い分に、反論の糸口さえ見つけられない二人であった。 もっとも、俺本人としてはそれ以上踏み込んできて欲しくはなかったが故の、苦し紛れに言い放っただけの言葉である。 「では、オレはそろそろ行かせてもらうよ」 「え、ええ? 何処へですか?」 「ああ、隊舎の外に倉庫があっただろう? あそこを今日から我々の研究室として使わしてもらう。その為に色々な機材の搬入をしなければならなくてね。 ……きつい物言いになってしまうが、中を覗くことは許さない。重要な機密だからな。もし覗いたら、相応の対処をさせてもらう。他の隊員にもそう伝えてくれ」 では失礼する、とだけ告げ、俺はその場を後にする。 後に残ったのは、最後の言葉にほんの少しだけ重圧を感じた少女達と海から吹く潮風だけだった。 「俺少尉って、なんかて言うか……」 「……変な人、だね」 ふと優しさや気軽さを見せたかと思えば、子供を怯えさせるような重圧を放つ。 青年といっても過言ではない容姿に反して、その言動や立ち居振る舞いは大人のそれである。 何というか中身と外見がちぐはぐで、更にその中身すらも二面性があって判然としない。 リーネの変な人発言も、少々言い過ぎ感はあるものの、あながち間違っているものではなかった。 「うん、でも悪い人じゃないみたい」 「そうだね。此処に来た時も、私達を助けてくれたし」 その言葉で、俺に対する疑問と不安を払拭させて歩き出す。 この後には新人としての訓練とやらなければならない仕事が待っている。何時までも立ち止まっている訳にもいかないのだ。 「悪い人ではない、か……」 一人木の陰から様子を伺っていた美緒は、芳佳の言葉に呟きを漏らした。 彼の行動や言動に、何の違和感はない。やや軍人らしからぬ気さくな印象を受けるものの、決して軽い性格というわけでもないようである。 これならば、ウィッチの貞操に関する危機も無駄に心配する必要はなさそうである。 「だが、まだ信用はならんか……」 悪い人間ではないからと言って、良い人間であるとも限らない。 まだ年若い美緒も、もう10年近くなる軍人としての経験上、人がそういうものであるのを理解していた。 ふう、と大げさに溜息を吐いて、木に背中を預ける。 宮藤やリーネの言葉を聴いてほんの少しだけ、自分は何をやっているのか、という気分になってしまった。 昔は、もっと真っ直ぐに他人というものを信じていた気がする。それが出来なくなったのは何時からだった。そんな感傷に浸っている。 しかし、それは彼女が少女から少しだけ大人になったというだけで、決して悪いものではない。 ましてや、彼女達はウィッチは軍上層部の責任の押し付け合いや、世界の覇権を握ろうとする醜い争いを間近で見ているのだ。 人間不信に陥っていないだけでも、彼女の心根の真っ直ぐさと精神の強さを物語っていた。 「やれやれだ。色々と大切なことを思い出させてくれるな、アイツは」 新人だからこそ、自身の初心というものを思い出させてくれることもあるのだろう。 そうして美緒は初心に帰り、信頼を俺に対して向けることを決めた。 無論、全幅のという訳ではない。そうするには余りに要素に欠け、秘密が多過ぎる。 だが、戦場において彼の身を守る程度には行動するつもりであった。 ウィッチという人種は根っからのお人好しが大多数を占める。 結局の所、どんな理屈や理由を並べようと、彼女もそのご多分に漏れず、お人好しなのだった。 戻る
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1617.html
応接室 「お久しぶりです。ミーナ中佐、坂本少佐」 「遠路遥々ご苦労だったな、大尉」 「本当に久しぶりね、サーシャさん。そちらの方は大丈夫?」 ピシっと型通りの敬礼を取る少女に、美緒のみならずミーナも同様に笑いかけた。 癖のある麗しい長い金髪に、とても軍人には見えない華奢な身体をした北方美人が二人の前に立っていた。 彼女の名前は、アレクサンドラ・I・ポクルイーシキン大尉。第502統合戦闘航空団“ブレイブウィッチーズ”の戦闘隊長を任される若き天才である。 「此方の戦線も芳しくはありませんが、かといって悲観するまでには至っていません。皆、頑張ってくれています」 その言葉に、美緒はかつて指導を受け持っていた下原定子を、ミーナはグンドュラ・ラルやヴァルトルート・クルピンスキーの顔を思い出す。 だが、定子の顔は泣きっ面で、豪放磊落なラルと享楽家な伯爵に一抹の不安を感じてしまう。 二人の心中を感じ取ったのか、サーシャは端正な顔を苦笑に歪める。 「それで、我々が戦ったネウロイに関してなんですが――」 それから、時間をかけてそれぞれの部隊で得た情報を交換していく。 そもそも彼女の目的は情報交流だったのだ。当然といえば当然だろう。 応接室のソファーに腰掛け、ミーナは三人分の紅茶を入れた。 語られる情報は様々で、新型ネウロイの考察や空戦における新たな戦術、挙句の果てに各国軍上層部の思惑など、それぞれ貴重なものを得たようである。 たっぷりと三時間以上も話し、サーシャが乾いた喉を潤そうと、すっかり冷めてしまった紅茶を口にする。 今だな、とばかりにタイミングを見計らっていた美緒が、今回の情報交流で一番聞きたかったことを口にした。 「――――強化外骨格開発部隊、を知っているな?」 その言葉に、ピクリとサーシャの肩が揺れる。 動揺を表には出すまいと努力しているようだが、残念ながら完全には隠しきれてはいなかった。 「それを何処で?」 「わざわざ隠し立てする必要もないか。ミーナ、構わないな?」 「……そうね。つい先日、強化外骨格開発部隊は、この基地に配属されたわ」 「そう、ですか。俺さんが……」 「我々としても、ああも秘密の多い部隊はどうしたものかと持て余していてな」 「……………………」 「我々に教えられる範囲で構わん。あの部隊や強化外骨格、そして俺少尉について教えてもらえんだろうか」 それから暫く、応接室に沈黙の帳が降りた。 サーシャはどう答えたものかと悩み、美緒とミーナを辛抱強く彼女が口を開くのを待った。 一体、どれだけの時間が過ぎただろうか。やがてサーシャは意を決し、口を開いた。 「申し訳ありません。お答えできることはありません」 明確に、美緒の頼みを拒絶した。 はぁ、と二人は大きく溜息を吐き出す。何となく、そんな言葉が返ってくるのは予想していたのだ。 「……それは、箝口令が布かれているということか?」 「はい。ブリタニア空軍からや正規の命令ではなく、チャーチル首相からの個人的な要請ですが」 ふむ、と顎に手を当て、美緒は考え込んだ。苦し紛れに放った言葉に、思いも寄らぬ返答があったからだ。 布かれた箝口令――その出所が分かるとは思ってもいなかった。 ブリタニア空軍からではなく、チャーチル首相からの要請となれば、チャーチル首相が尽力して設立した部隊の内情を知っているものは極めて少ないのかもしれない。 それこそ、ブリタニア空軍内部においても――もしかしたら、あのトレヴァー・マロニーですら。 「そして、私の意思でもあります」 「貴方の、個人的な感情に流されてのことかしら?」 暗に、惚れた男を庇いだてしているのではというミーナの台詞に、カっとサーシャの白い頬が赤く染まる。 それが怒りによるものなのか、図星を突かれた故の羞恥によるものなのかを判断することは出来なかった。 「これは私達、第502統合戦闘航空団全員の意思と受け取ってもらって構いません」 「………………そうか。大尉達に、そこまで言わせるか」 「はい。私達は俺少尉が信頼に値する人物だと信じています」 その言葉に嘘はない。恐らく、他の502の隊員に同じ質問をしても返ってくる答えは同じだろうと二人は判断する。 そうせざるを得ないほど、サーシャの言葉は信頼に満ち溢れたものだった。 「ごめんなさいね。勝手に立ち入るようなようなことを聞いてしまって」 「いえ。男性と一緒に戦う機会なんてウィッチとしては限られてきますし、ましてや極秘部隊ですから。ミーナ中佐や坂本少佐の心配も尤もだと思います」 サーシャは何を聞かれても必要なことしか語らず、自己の評価を他人に任せきりな俺を思い苦笑する。 言葉で語らず、行動で語る人間なのだ。男らしいと言えば男らしいのだろうが、それを好意的に受け取れるのかは人によるだろう。 「そうだ。久しぶりに顔でも見せてきたらどうだ? 今日は隊での訓練もない。少し話すくらいの時間はあるだろう」 「よろしいのですか?」 「よろしいも何も、ただ知り合いに会いに行くだけだ。我々に止める権利などありはせんよ」 「そうね。こんなご時世だもの。会える時に、話せる時には会っておくものよ」 二人の好意と裏にある思惑を感じながらも、久しぶりの再会に思いを馳せ、サーシャはソファから立ち上がった。 「じゃあ、お言葉に甘えさせて頂きます」 「強化外骨格部隊は外の倉庫を使っている。隊舎を出て直ぐのところだ」 「分かりました。では、失礼します」 見惚れてしまうほど綺麗な礼をすると、応接室を出て行く。 その背中を見送り、ふうと大きく溜息を吐き出す。 「俺少尉に関しては、私達の杞憂だったようね」 「そうだな。もっとも、先日の戦闘でそれは分かっていたようなものだがな」 秘密主義を俺と部隊に、あらぬ誤解と疑念を抱いていた二人であったが、サーシャの言葉を聴いて、或いは先日の戦闘によってそれも解消さえれたようだ。 事実として、俺は命を危険に晒して状況に相対し、バルクホルンの命を救う一助となった。 まして、同じウィッチであるサーシャが、あれほどまでに信頼しているのである。 何がしか複雑な問題を抱えているとしても、少なくともウィッチや隊にとって不利益や不義理な行動を働くような人物ではないようだ。 「まあ、私は悪い人間ではないとは思っていたがな! はっはっは!」 「もう、よく言うわ。最初はあれだけ疑っていたのに」 「いやぁ、それはだなぁ」 今までの真剣な空気を払拭する為か、大きく笑う美緒であったが、ミーナの指摘にしどろもどろの返答を返す。 参ったな、と頭を欠く彼女に、口元を隠しながらミーナは上品に笑った。 ふと、窓の外に目を向ける。 外は眩しいほどの快晴だ。日差しは強いが、気候は穏やかだ。再会の喜びを分かち合うにはもってこいの天気である。 これなら、サーシャと俺は、さぞ穏やかな時間を過ごすことになるだろう。 差し当たって、ミーナの出来ることと言えば―――― (飛行訓練の許可、出してあげることかしら?) 基地内倉庫 今日も今日とて、それぞれの研究に命を削るような気迫で望む開発班。 そんな彼らを尻目に、俺は出口付近に備え付けられた机と椅子に座り、いくつかの本や報告書に目を向けていた。 それは部隊の事務仕事に関係するものではない。そもそも、そんな仕事は午前中で終わってしまっている。 彼が読んでいるのはウィッチの教本や数々の戦線で考案された戦法を詳細に記した報告書だ。 自分には才能というものがない。それが彼の持つ自己への評価である。 故に、常に自己を高めることに余念がない。 エースにありがちな、なんとかなるさという覚悟があるんだかないんだか分からないような精神状態で戦場に立つことはなかった。 そして、現在も教本や戦闘報告書から、ネウロイの類型に合わせた有効な戦法を模索していた。 それは現状の己に対して、限界を感じているからに他ならない。 理由は定かではないが、少なくとも自身の性能が限界値まで高められているのは間違いないと考えている。 (かつての俺ならば、限界などという言葉を使うことすら許さなかっただろうな) 年を重ねたからか、或いは別の理由か、心の中で一人ごちた。 だが、嘆いてばかりもいられない。これからも戦いは続いていくのだ。 それを分かっているからこそ、努力を怠らない。 性能で届かぬのならば戦法で、戦法でも駄目ならば戦術で、戦術ですら意味をなさぬのなら戦略で。 可能性は無限に存在する。己の性能を正確に把握し、状況を把握し、様々な手を使って敵を討つ。 今までも続けてきたことである。何のことはない。 差し当たり、ネウロイに対して有効な戦法を獲得し、強化外骨格のスペックを向上ないし新たな兵装を―――― 「…………ん?」 珍しいノックの音に、目を通していたオラーシャ軍用の教本から目を離す。 そもそも、隊の人間はこの倉庫に近寄らない。部隊の秘匿性を慮って、もしくは俺の恫喝じみた言葉によって。 尤も、こんな場所に来た所で喜ぶのは極一部の人間だけである。年頃の少女達がこぞって集まる理由はないだろう。 となれば、急な召集命令か、部隊内で何らかの連絡事項が発生したのか。ともあれ、仕事に関連してのことは間違いあるまい。 やれやれ、タイミングの悪いことだ、と呟き、扉の前に立つ。 念の為、倉庫内部が見られないように、簡易更衣室のような形で設置された黒いカーテンを引いておく。 「すまない。待たせ――――」 扉を半ばまで開いた瞬間、ガツンと何かにぶつかる音がした。 間の悪いことに、ノックの主は俺のゆったりとした行動に痺れを切らしてもう一度ノックをしようとした所、扉が開いたようだ。 「…………大丈夫か? すま――――んん?」 額を押さえて蹲っている少女の後頭部を眺め、謝罪も半端に首を傾げる。 はて、こんな金髪の少女は居ただろうか? クロステルマンやハルトマンとも服装や髪型が違う。かといって、彼女以外に金髪を持つウィッチはいない筈。 「お、お久しぶりです、俺さん」 「ああ? ポルクイーシキン? お前、何でこんな所に……」 涙目になりながら額を押さえ、痛みに耐えてサーシャが笑顔と共に挨拶をした。 俺は珍しく、苦笑や皮肉げな笑み以外の呆然とした表情を貼り付け、挨拶すら返さずにかつての戦友の顔を眺める。 完全に不意を撃たれた。そういった様子は口にせずとも伝わってきた。 ついでに言えば、先程まで読んでいた教本を作り上げた人物であるというのも、彼の忘我に拍車をかけている。 「………………氷嚢でも持ってこようか?」 「………………是非、お願いします」 再会の言葉にしては、何ともとんちんかんな受け答えであった。 基地内テラス 二人は、俺がよく煙草を吸いに来るテラスに移動していた。 あんな堅苦しさ全開の倉庫では、リラックスできないだろうという俺の配慮である。 「待たせたな。こんなことなら、来客の準備でもしておくべきだった」 「いえ、そんな。此方の方こそ、連絡もなしに押しかけてしまって」 「気にするな。何分、オレ達の行方を追うのは不可能に近い」 ストライクウィッチーズの面々に見せる表情とは、また違った気さくさを見せ、穏やかな無表情を見せる。 何とも矛盾したような表情を見せている限り、どうやら俺もそれなりに再会の喜びというものを感じているようだ。 「しかし、締まらんな。以前、別れ際にもう二度と会うこともないだろうなどと格好つけてしまって、これではね」 「いいことだと思います。私は嬉しいです」 そうだな、と短く返事をし、用意していたティーポットとカップを机の上に置く。無論、彼の私物などではなく厨房から拝借してきたものである。 十分に蒸らした紅茶を最後の一滴までカップに注ぎ、サーシャの前に置いた。一人分しか持ってこないところを見る限り、彼は飲まないつもりはないようだ。 更に砂糖の入った瓶とジャムを乗せた小皿を置く。オラーシャではジャムを舐めながら、紅茶を飲む習慣がある。それを配慮してのことだろう。 見た目は無骨な軍人だが、こういった心配りは執事のそれである。 そんな見た目と中身のギャップに、サーシャは感謝と同時に感心せざるを得ない。 尤も、共に戦ってきた時からそんな感じだったので、寧ろ変わらずにいる俺に対する喜びの方が強いのかもしれない。 「お茶請けを用意できなくてすまんな。できれば、チョコかクッキーでもあればよかったのだがね」 「……前々から思っていたんですけど、俺さんの中で私はそんなに食いしん坊な印象なんですか?」 「ふむ。食いしん坊というよりかは、甘味に目がないといった感じだな。間違ってはいないだろう?」 むう、といった感じに押し黙るサーシャ。普段の彼女からは考えられない可愛らしい表情である。 確かに甘いものは好きだが、目がない訳ではない……筈なのだが、クッキーを出されていたら、目を輝かせていたであろう自分を安易に想像できて、否定は出来なかった。 そんな内心を察して椅子に座りながらくつくつ笑う彼の姿に、サーシャは自分の頬が赤く染まっていくのを感じた。 煙草、いいか? と聞く俺に快く応じる。 煙草の匂いも煙も好きではないが、そこを汲んでわざわざ風下を選んで座った彼の数少ない楽しみを奪うのも気が引けた。 「それで、皆元気でやっているか?」 「ええ、相変わらずラル中佐は仕事を丸投げしてきますし、ロスマン曹長とクルピンスキー大尉は仲良く喧嘩しています。 下原さんは可愛いものに抱きついてますし、ニパさんと菅野少尉は――――頭痛の種ですね」 「本当に変わらんなぁ。元気なのはいいことだが、成長というものが見られん。特に最後の二人……」 「オレさんに出会って、色々と思うところがあったらしくて、以前よりはマシになったんですが……」 闘争心剥き出しのサムライガールと不運がストライカーユニットで空を飛んでいるような少女の二人を思い浮かべ、苦笑を禁じえない。 その二人にヴァルトルート・クルピンスキーを加えたトリオは、そのストライカーユニットの全損率からブレイクウィッチーズなどという不名誉な渾名をつけられている。 彼女は何事も抱え込む人間である。更に生真面目な性格が災いして、目上の人間に対して愚痴を溢すのも気が引けた。 その点を鑑みれば、階級が下とは言え年上である俺にこうして愚痴を溢すのは珍しい。 「僕さんもジョゼさんも、相変わらずですね」 「何だ。あいつら、まだくっついてなかったのか」 「ええ。見てるこっちがやきもきするくらいです」 はあ、と大きく溜息を吐く二人。 僕というのは、第502統合戦闘航空団の隊員であり、珍しい男のウィッチである。 二人の言葉から察するに、同隊員であるジョーゼット・ルマールはそういう関係に極めて近い付き合いにあるようだ。 「あの馬鹿弟子め」 そして、俺とはただの戦友ではなく、師弟の関係でもあるようだった。 だが、僕が一体どんなウィッチなのか、どんな固有魔法を持っているのか、それを語るべきは別の話である。 馬鹿弟子と語る表情は嬉しげで、それほど親しくない人間には決して見せない表情をしている。 僕を罵るような言葉も、決して馬鹿にしている訳ではなく、愛弟子に向ける愛情が隠れしているように思えた。 それを皮切りに、サーシャはどんどんプライベートな話を展開していった。 俺は元来聞き上手な上、相手に話させることに長けているのか、愚痴とは違った話も引き出していく。 重要な話から意味のない馬鹿馬鹿しい話まで。そうやって話を続ける二人は、誰がどう見ても仲の良い兄妹にしか見えなかった。 「あー、随分話したな。時間の方は大丈夫か?」 「ッ!? いけない、もうそろそろ出発しないと!」 「そうか。輸送機で来たのだろう? 見送りくらいはしよう」 俺はそう言って立ち上がる。ティーセットの後片付けは、後回しでも大丈夫だろう。 「……どうかしたのか?」 自分だけ立ち上がり、座ったままのサーシャを見下ろす形になり、不思議そうに話しかける。 何か戸惑うように口ごもる彼女の様子は、愚痴を聞いていた俺であっても始めてみる姿であった。 やがて、何かを堪えるような顔をして、口を開く。 「一つだけ答えてください」 「答えられることであれば」 「…………俺さんの考えは、まだ変わっていませんか?」 「無論だ。それこそが、オレの選んだ道だからな」 彼女が一体何について聞いたのかは定かでない。 だがその問い掛けに、俺は何の迷いもなく即答した。 今までのような冗談交じりの言葉ではない。 炎のように熱く、氷のように冷徹な、断固たる意志を以って彼女の問いに答えた。 迷いのない意志に、彼女は安堵の表情よりも悲しげな――泣き笑いのような顔をする。 何となく……いや、初めから分かっていたのだ。どんな言葉が返ってくるかなど。 彼は一度そうと決めれば、それが正しいと信じれば、それこそ冷酷なまでの意志を以って己を貫く男だと。 「だったら、もう一つお願いがあります。これは、私だけではなく第502統合戦闘航空団全員の言葉だと思ってください」 「……そうか。戦友の願いだ、無碍にはできん。だが、確約するかは内容によるな」 「そんなに難しいことじゃありません。ただ、貴方の戦いが終わった後に、私達の所へ来て欲しいんです」 「確約しかねる。そもそもオレの戦いが終わる前に、502が解散している可能性もある。そうなった場合、君達全員が集まるのを待っていられない」 「そうですか。……なら、全てが終わった後、思い出してみてください」 「――君達のことを? それとも、人として当然の義務を?」 「いいえ。これまで歩んできた、貴方自身の人生を――」 彼女は真っ直ぐと俺の目を見据え、謳うように告げる。 オレ自身の人生ね、と呟く俺。 今この瞬間において、彼女の言葉はその程度なら直接会いに行くよりかは簡単だな、程度の認識しか今の彼にはない。 「了解した。その程度ならば何とかなりそうだ」 「約束ですよ? それだけは、必ず守ってください」 「ああ。――――ところで……」 「――はい?」 「今の、誰が考えた? どう考えたところで君の台詞ではないな」 分かりますか、と乾いた笑みを洩らすサーシャ。 長い付き合いでこそないが、共に死線を潜り抜けた仲である。人柄くらいは把握している。 彼女が言葉で伝えるのはもっと感情に任せたものだ。殊更、仲間に対しては。 そう考えると、今の彼女の台詞は、どこか芝居がかっているような気がした。実際、それは的を射ていたようだ。 「クルピンスキー大尉とロスマン曹長です。誰かが俺さんに出会ったら、必ず伝えようと」 「成程。あの馬鹿女とロスマンの台詞なら納得だ」 脳裏に浮かぶ、自分よりも背の高い、女好きの享楽主義者の彼女と逆に子供のように背の低い新人教育係の二人を思い出す。 一番日常的に苛立たされて、迷惑をかけられた女であったが――一番世話になったのも彼女である。 そして、俺自身のことを思い、大いに怒り、大いに悲しんだ教育係の涙もまた、俺の心を打った。 ならば彼女達の言葉くらい、素直に聞いておかねば義理に欠くだろう。 「二人に伝えてくれ。必ず思い出す。オレ自身に誓ってな」 「はい。私も信じています」 ニッコリと微笑むサーシャに、俺もまた薄く笑った。 そして、二人はまた他愛のない会話をしながら、テラスを後にする。 彼の戦いが終わり、全てが終わった時に、俺は誓い通り二人の言葉を思い出すだろう。 そして恐らく、その言葉こそが―――― 後に残ったのは、優しく降り注ぐ陽光と、遠くから聞こえる俺とサーシャの楽しげな笑い声だけであった。 戻る
https://w.atwiki.jp/kattenisrc/pages/118.html
820 :名無しさん(ザコ):2014/12/30(火) 12 04 43 ID pdwQj0520 来年に持ち越すのもなんだから簡潔&巨大基準フォルダだから巨大基準のみ 桜野音羽(スカイガールズ) 素人から見たらストライクウィッチーズやインフィニットストラトスと区別がつかんだろう飛行少女ものの主人公。 パイロット能力は格闘寄りで高反応、高Lvになる切り払いと最大100%になる同調率を持つ。 SPは集中熱血必中ひらめき魂と有用なものが揃っている。あと友情。 飛行外骨格零神(スカイガールズ) SSサイズの飛行ユニット。Gモードで110、Aモードで120と高い運動性に加え同調率補正がかかる。 巨大基準ではトップクラスの回避能力を持つ反面、SSサイズ特有の被弾即撃墜レベルの耐久力の低さを持つ。 武装面も序盤では十分な攻撃力を持つが。中盤以降は厳しくなってくる。 大威力の合体技もあるが似たタイプのユニットを2~3体追加で出さなくてはいけない為、作品メインシナリオ以外での実用度は低い。