約 6,252 件
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/4201.html
アパシー・シリーズ 鳴神学園新聞部 語り部 コメント 1995年にバンプレストから発売されたSFC用アドベンチャー(サウンドノベル)ソフト『学校であった怖い話』を起点として展開されるアドベンチャー及びそのシリーズ作品の総称。「アパシー」とは無気力・無関心を意味する精神医学用語である。 『学校であった怖い話』はパンドラボックスが開発を行っていたが、同社は後の低価格路線の失敗により、同作品のメインシナリオライターを務めた飯島健男と共に活動を休止。同社は8年に渡り休眠状態にあったが、突如飯島は飯島多紀哉と改名、活動を再開した。その活動の一環で『学校であった怖い話』の復活、ひいては同シリーズの立ち上げを宣言した。以後の開発 / 著作はパンドラボックスの版権を受け継いだ新会社シャノン及び同人サークル七転び八転がりが受け継ぐこととなる。 鳴神学園 新聞部 ヤミラミorメガヤンマ:日野貞夫 目が眼鏡のように見えるので イーブイ:坂上修一 ロズレイド:倉田恵美 同人小説書きなので ラティアス:田口真由美 語り部 エビワラーorカポエラー:新堂誠 オムスター:風間望 カビゴン:細田友晴 ジュペッタ:荒井昭二 人形繋がり エネコロロ:福沢玲子 ユキメノコorキリキザン:岩下明美 後者はサイコカッター必須 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 鳴神学園 新聞部 ロズレイド:倉田恵美 同人小説書きなので ラティアス:田口真由美 オカルト同好会 ゴチミル:古間篤生 ロトム:元木早苗 トゲキッス:神ヶ崎翔 特性きょううん推奨 ユクシー:冨樫美波 ゾロアーク:日暮太郎 特性イリュージョン推奨 エルレイド:賽臥隆恭 にらみつける必須 ウィンディorチルタリス:犬丸薙 後者は某ジムリーダーの名前から 教師 ドサイドン:黒木源造 ギギギアル:白井伝三郎 使い手のアクロマはマッドサイエンティストなので ミロカロス:桃瀬鞠絵 ゴチルゼル:深尾華穂子 一般生徒 アンノーンW:まつげ ヘルガー:綾小路行人 カビゴン:大川大介 ベロリンガ:今野英俊 サマヨール:野々宮亜由美 マシェード:久多良唯桜 使い手のマオ同様料理が下手なので ミカルゲ:服部拓真 某ブショーの名前から カバルドン:椛島由宇作 ペルシアン:帆加辺春生 人外 ムウマージ:飴玉ばあさん ふしぎなアメ必携 カラマネロ:逆さ女 フローゼル:瀬戸さん ゴーゴート:山本三郎 デスマス:仮面の少女 北聖大学 パルキア:財部美穂 カラカラ:志垣奏成 その他 エーフィ:原口瑞希 ユンゲラー:猿渡広一 -- (ユリス) 2017-06-28 16 07 28
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1579.html
四八(仮) 要約スレpart3-60 part56-369,370,372~378,384~387 60 :ゲーム好き名無しさん:2009/01/22(木) 19 23 17 ID xoa+oTPz0 保守代わりに書いておくか。 『四八(仮)』 各都道府県に伝わる民話や怪談を体験出来る本当に恐ろしいゲーム。 ちょっとだけ話を抜き出して書くと ・ある日、謎のダンボールが送られてきた → ダンボールから何か出てきた→ 悲鳴 → 完 ・ヒバゴンって知ってる?と写真を見せられる → ヒバゴンのドアップ写真 → 怖いでしょ?じゃーねー! → 完 (※どちらも1、2分で終了) 凄惨なバグ、極悪サポート、勝手に動き回ってクリアを阻むNPC、個性的なゲスト、etcが現れる異色作。 369 :四八(仮):2011/05/10(火) 06 35 52.71 ID 6xmMsWrnO ストーリーは一本道で、ゲームが強制終了(ここはバグではなく仕様)する選択肢を選ばない限り必ず同じエンディングになります。全12話構成です。 OP ある日、主人公佐藤隆明の元に一通の電話が届く。 「佐藤隆明さん、おめでとうございます! このたび、まったく新しいタイプのゲームのサンプルモニターとして、一万人の中からあなた様が選ばれました。」 電話の相手の女性に誕生日、血液型、性別、家族構成、住所を聞かれそれに答えると、 一週間後、周防勇人という差出人からプレステ2用の始めて耳にするゲーム『四八(仮)』が佐藤の元に届く。 さっそく起動すると、オブザーバー(サポーター的な感じ)を5人(※)の中から選び、オブザーバーは、最初に佐藤の出身地の怪談を紹介すると、佐藤はそれにのめり込んでいくのであった… ※①執事風のおじいさん ②ツンデレ男。「絶対に俺をオブザーバーに選ぶなよ!」 ③顔がむくみぎみのメイド。アニメ声 ④ミリタリオタ風の中年男 ⑤男か女か判別しづらい鹿の着ぐるみを着た女。萌え声 誰を選んでもストーリーにほぼ変化はありません。ここでは⑤で進めます。 370 :四八(仮):2011/05/10(火) 08 06 31.85 ID 6xmMsWrnO 1話 佐藤の元にある日、一通の招待状が届く。それは周防からのもので、 モニターから意見を伺う為の情報交換会を兼ねたパーティーを主催するというものであった。 それほど遊んでないがせっかくだから行ってみる。すると、他にモニターに選ばれた五十人ほどの男女が四八(仮)について語り合っていた。 なかなか話しかけるタイミングがつかめないでいると、パーティーの司会者が壇上に現れ、四八(仮)親睦会が始まってしまう。 そして、招待状の中にある番号の書かれた紙でくじ引きが始まるが、おかしな事に佐藤の招待状にはそんな紙は入っていないのだ。 結局、佐藤以外の全ての人が当選しプレゼントが渡された。それも何故かカッター、万能包丁、トンカチといった妙な物だ。 プレゼントを貰ってない人が居ないか問う司会者。佐藤は手を挙げ、紙が入ってなかった事を伝える。 すると「おめでとうございます!!あなたこと本日の主役、四十八人目のお客様でございます!!」 不思議に思いながら壇上に上がると、司会者に羽交い締めにされ、他の参加者に次々と凶器を振り下ろされる。 佐藤は、ストレスを発散させる為の生け贄に当選してしまったのだ。なすすべもなくボコられる佐藤。 ふと気がつくと佐藤は自宅のベッドに居た。悪夢をみていたようだ。 現実世界でも同じ招待状が届いていたので、せっかくだから行ってみる。すると、パーティーは昨日であり、持ってきた招待状も無くなっていた。 しかも、ホテルマンが言うにはパーティーの主催は佐藤で、昨日もしっかりパーティーを楽しんでいたとの事。 もちろん身に覚えはない佐藤。違うと言っても話は平行線のまま動かず、仕方なく佐藤は狐につままれた思いでホテルを後にするのであった。 372 :四八(仮):2011/05/10(火) 09 01 40.84 ID 6xmMsWrnO 2話 少しずつ、四八(仮)を進める佐藤。 夜の十時過ぎに家のチャイムが鳴る。覗き穴をみると女の子が居た。知り合いではないが怪しくはなさそう。 ドアを開け応対すると、あのゲーム本当に素晴らしいですといったお礼を言われる。 佐藤は自分がお礼を言われるような覚えが無く戸惑っていると、女の子は立ち去ってしまう。呼び止めるが姿はもうない。 あのゲーム?四八(仮)の事だろうか?そういえばあの女の子は四八(仮)に出演していた女の子だ。 何故お礼を?四八(仮)を遊んだから?彼女はモニターの住所を送り主から聞いて、わざわざ一人ずつ訪ねているのだろうか? 3話 なんだか体調の良くない佐藤。四八(仮)を始めてからだ。時折、意識も飛ぶ。家族も心配し病院を進めるが、病院は嫌いだ。 それでも四八(仮)を続ける佐藤。ゲームは中盤に入るだろうか。止めたくてもついつい遊んでしまう。 4話 四八(仮)のプレイを続ける佐藤。コツもつかめてきた。そんなある日、一通の手紙が届く。差出人の名前は無い。封を切ると一枚の紙があり、こう書かれていた。 『お前の遊んでいるゲームは危険なゲームだ。これ以上ゲームを続けてはならない。続ければ続けるほど、深みに嵌っていくのだ。 もしそのゲームを終わらせれば、大変なことが起こる。今ならまだ、取り返しはつく。そのゲームを今すぐにやめろ!』 誰が差出人なんだろうか?こんな手紙を信じれる訳が無い。嫌がらせだ。 373 :四八(仮):2011/05/10(火) 09 53 31.87 ID 6xmMsWrnO 5話 佐藤が外を歩いていると、見ず知らずの若者に声をかけられた。その若者が言うには、佐藤が四八(仮)に出演しているらしい。 その若者の名は坂上修一といい、彼は四八(仮)にはまってて、毎日といっていいくらいやっているという。 だからこそ佐藤に気がついたのだが、佐藤は四八(仮)に出演した覚えはない。佐藤が人違いでは?と尋ねると坂上は 「え?佐藤隆明さんじゃないんですか?」 確かに名前は合っている……どういう事だ?佐藤は困惑するが、坂上も顔も名前も一緒なのに違うなんて…と困惑するが、 坂上は発売前だから隠しているんだと勘違いし、佐藤の前を立ち去ってしまう。 彼は何者だろう?四八(仮)を知ってる事からモニターなのは確かだが… 6話 今日も四八(仮)をプレイする佐藤。四八(仮)を始めてから、妙な事ばかり起こっているような気がしてならない。 だがゲームは止めたくない。進める事で真相がわかるような気がするのだ。 その時、いきなり自宅のドアが乱暴に叩かれる。「おい。いるのはわかってんだよ!」 誰だろう?家族も不審に思っているに違いない。家族?私には一緒に暮らす家族など居ただろうか? ……何を考えているんだ私は。家族は留守で私はそれをいい事に四八(仮)に熱中していたんじゃないか。佐藤はそう思った。 依然として叩かれるドア。覗き穴を覗くと、肉付きが良く、髭を蓄えた人物が怒りの表情を浮かべ立っていた。見覚えはない。 ドアを開けると、その人物はゲームのシナリオを依頼されていたらしく。その原稿料が払われていないと佐藤に詰め寄る。 しかし佐藤には、シナリオを頼んだ覚えなんてない。 佐藤は人違いでは?と返すが、その木原浩勝と名乗る男は、佐藤のことを周防勇人だと言い、更に詰め寄る 結局「次に会うのは法廷だぜ!」と言い残し去っていく木原。何故、木原は佐藤と周防を勘違いしているのだろうか? 374 :四八(仮):2011/05/10(火) 10 25 18.45 ID 6xmMsWrnO 7話 木原はもう来なかった。きっと人違いだと気付いたのだろう。ただ、いつ書状が来るかと思うと胃が痛い。 後から知ったが、木原は名の知れた作家で、もしマスコミにでもこの話を持ち込んでいたら…自分が正しいと思っていても後ろ暗い。 みんな今日は帰りが遅いな…。でも帰ってきた時にゲームをしてたら良い顔されないので、一旦ニュースでも見ることにした佐藤。 するとそのニュースでは、ゲームを使った新手の詐欺で周防勇人が逮捕されたと報道していたのだ。 大掛かりな詐欺会社を経営していた周防は、自社で開発したゲームに特殊な映像と音声を仕組み、 モニターに送るという手口で、モニターの意識を錯乱し、その隙に窃盗を行う、窃盗をさせる等を繰り返していたのだ。 驚きを隠せない佐藤。そうか、体調が悪いのも、妙な出来事も全部四八(仮)のせいなのか! 今まで佐藤を訪ねたり声をかけた人々も、このゲームのせいで意識が変になってしまったのかもしれない。 彼らも被害者なのか…なんて恐ろしいゲームなんだ…。 …だが……ここまでやったのにもったいない。せっかくだから続けよう。周防も捕まったんだし、もう操られる心配もないだろう。誰にもバレやしない。 それに詐欺会社が作ったゲームにしてはかなり面白い。このまま遊んでエンディングを見てみたい! 引き続き四八(仮)を続ける佐藤。 375 :四八(仮):2011/05/10(火) 11 32 38.21 ID 6xmMsWrnO 8話 あれから数日、周防の名前もすでに世間には忘れ去られていた。警察からの連絡も特に来ない。 佐藤は四八(仮)を続けていた。だが、体調不良は相変わらずなものの、不可解な事などは起きなくなっていた。 事件が公になり、皆四八(仮)を止めたからだろうか? ある日、ポストに封筒が入っていた。それには何の名前も書いていない。 佐藤は、以前にも同じような手紙(4話)が届いていたのを思いだす。 中にはやはり一枚の手紙。そこには… 『もう手遅れだ』 何が手遅れだってんだ?そういえば今まで届いた郵便はどれも全て四八(仮)に関してのものだった。これもそうだろう。 しかしコントローラーを置く事はできない。ゲームの先が知りたい。ごみ箱に手紙を投げ捨てる佐藤。 9話 四八(仮)を続ける佐藤。このゲームは本当に良く出来ているとつくづく感心させられる。普通に販売しても売れるのではないだろうか?周防も馬鹿だなぁ。 その時、家のチャイムが鳴る。「お届け物でーす」また手紙だ。差出人は稲川淳二。 中を見ると稲川の怪談チケットが入っていた。なんで私に…? 数日後、せっかくだから行ってみる事にした佐藤。 (そこで稲川が橋の下の幽霊の怪談をしているムービーが5分程流れる。スキップ不可) その独特の語りにすっかり引き込まれた佐藤。怪談が終わり帰ろうとすると誰かに呼び止められ、 そいつは、佐藤が話しかけても無視して身体を引っ張っていき稲川淳二の楽屋まで連れていき稲川と対面。 稲川「久しぶりですね。お元気にしておられましたか?ゲームの制作は進んでますか?発売日は決まったんですかねぇ? タイトルは…そうそう『四八』」 何を勘違いしているんだこの男は!?佐藤はゲームなんて作っていないし、稲川とも初対面だ。人違いでは? しかし、稲川はゲームを作るからゲストで出てほしいと佐藤に頼まれていると主張する。原作者は別の名前だが、確かに佐藤らしい そして『四八』の広告チラシを見せられ愕然とする佐藤。自分は知らないぞ… 376 :四八(仮):2011/05/10(火) 12 17 39.58 ID 6xmMsWrnO 10話 四八の発売日が迫り、稲川淳二出演のCMがテレビで流れ始める。 「この四八というゲーム、ある隠された秘密があるんですよ…この話を聞いた時、私ぞ~~っとしましたよ。 このゲーム…本当にやばいですよ…あなた、覚悟した方が良いですよ?」 テレビ番組や雑誌でもしきりに特集が組まれるようにもなった。 この四八の内容は、佐藤の遊んでいる四八(仮)に酷似しているのだ、この奇妙な一致は何だ? 周防の事件について詳しく調べると、周防の作ったゲームは四八(仮)ではなく別の恋愛シミュレーションだったのだ(東京シナリオでプレイ可) では、佐藤の手元にある四八(仮)とは一体何なのか?誰が届けたのか? 数日後、その真相を知るために四八発売元のバンプレストにアポ無しで凸する佐藤。すると出迎えてくれたのは、ゲームのオブザーバーで登場した女(ユウ)。 ゲームとは鹿の着ぐるみを着て、可愛く(佐藤視点)、元気だったユウが現実では無愛想で態度も最悪だった事にショックを受ける佐藤。 やがて、会社の一室で四八のプロデューサー(石川肇)と話す事に。 佐藤は自分が遊んでいるゲームが『四八(仮』という作品で、今度バンプレストから発売されるゲームに瓜二つであることを何とか伝えようと必死に語った。 すると、石川は新作出す度にいちゃもんつける奴が居やがると不機嫌そうに嘆く。 もちろん佐藤にそんなつもりはなく、ただ自分が体験した不思議な出来事の真相を知りたいだけである。しかし石川は聞く耳を持たない。 「四八の原作者は飯島多紀哉という奴で、彼に伝えておくから彼と話してくれ。盗作したって言いたいんでしょ?」 まるで信じてくれない。 結局、佐藤の連絡先だけ聞き、一人で出ていく石川。佐藤も仕方なくバンプレスト本社を後にする。 377 :四八(仮):2011/05/10(火) 12 50 09.21 ID 6xmMsWrnO 数日後、佐藤の元に四八原作者の飯島多紀哉から電話が届く。近くの喫茶店で話しをする事に。 佐藤は前と同じく、自分が遊んでいるゲームが『四八(仮』という作品で、今度バンプレストから発売される四八に瓜二つであることを必死に伝えようとした。 すると、飯島がおもむろに語り始める。 飯島の会社に差出人不明の企画書とシナリオが送られてきて、それを見て面白いと感じた飯島がそれを元にして作ったのが『四八』なのだという。 自由に使って欲しいと書かれたメッセージも付いていたので、自分の作品として制作したのだ。そして世に発表された途端に出てきた佐藤。 飯島「私があなたの作品を盗作したって言いたいんでしょ?貴方があの企画書を送ってきたのに人が悪いですね 貴方が欲しいのは金ですか?四八原作者としての名声ですか?」 飯島も全く佐藤のいう事を信用して居なかった。佐藤の言う事を理解出来ない飯島は、次第に苛立ちを見せる。 「ネットの某匿名掲示板ではあらぬ捏造や誹謗中傷で酷い迷惑を受けているし。 あの手の匿名掲示板なんてね、自作自演なんですよ。知ってます?自作自演。自分で書き込んだものに自分で答えるんですよ。 勝手にあることないこと捏造して、それを自分で自画自賛して、いかにも多くの人間が賛同しているかのような錯覚を与えるんです。 あなたも誹謗中傷しているアンチなんでしょ?」 その態度に酷く困惑しながらも、何とか飯島に信じて貰いたい佐藤はその四八(仮)の実物を見せると言い、飯島の予約したホテルに持っていく事にする。 378 :四八(仮):2011/05/10(火) 13 27 57.87 ID 6xmMsWrnO 数日後。約束通り、佐藤は飯島の予約したホテルの一室に四八(仮)を持って行き、ゲーム機にセットする。 ……が動かない。そんなはずは……飯島が勝ち誇ったような態度を取る。 「どうして動かないんですか?w …それで何が欲しいんですか?お金?四八原作者としての名声?」 そんな三文芝居は止めて現実的な話をしようという飯島。だがもちろん佐藤にはそんなつもりはないので反論すると。 今度は、四八のデータを佐藤がハッキングしたんだと言う飯島。でなければ発売日の四八の情報など知る事は出来ない。 これも、もちろんそんな事はしていない。結局、この後全く話が進まず解散となった。 家に帰って四八(仮)をセットすると、今度はしっかりと動く。どういう事だ? ユウも、いつも通り元気な姿で佐藤を出迎えてくれた。するとどういう事か大勢のゲームの登場人物が、 次々と四八の原作者は佐藤隆明だと、佐藤に語りかけてきたのだ! そうか…そう言われたらそんな気がしてきた佐藤。いや、誰かが仕組んだ罠だ。誰が?家族?友達? そういえば私に友達はいただろうか?家族は?戸惑う佐藤。 数日後、飯島から電話が届く。 「やってくれたねぇ、あんた あんただろ?匿名掲示板に好きなこと書きまくっているのは! 『四八』の原作者は、佐藤隆明だという書き込みをしたじゃないか! お決まりの自作自演までして、しかも頻繁にしつこくしつこく書き込んで!一体何が目的なんだ!名声が欲しいのか!」 佐藤は否定する。佐藤もどうしていいのか、どうしたいのかすらわからなくなりかける。 そのうち飯島は電話を切ってしまう。 384 :四八(仮):2011/05/10(火) 17 20 20.80 ID 6xmMsWrnO 11話 『四八』発売が迫る。今はもう某匿名掲示板への迷惑な書き込みも無くなっていた。 雑誌を見ると、『四八』原作者のところには飯島多紀哉ではなく、佐藤隆明の名が入っていた。何故? やはり佐藤にはゲームのシナリオを書いた覚えがないのだ。やはり誰かに騙されて…それとも自分の頭がおかしいのか… そんなある日、佐藤に一本の電話が届く。飯島だ。なんでも『四八』についてファミ通のインタビューがあるので、アイドルのきららちゃんと一緒にインタビューをお願いしたいとの事。 急な誘いに戸惑いながらも、流されるままに承諾してしまう佐藤。 収録場所に行くと、きららちゃんの他にバカタール加藤、吉池マリア。 彼らに『四八』を絶賛されると佐藤も嬉しくなった。きららちゃんの質問にもスラスラと答える事ができる佐藤。 佐藤は発売されてない四八の全てを知りつくしていた。やはり、このゲームの原作者は私なのだろうか?佐藤はそう思い始める。 インタビューが終わり、飯島と話す。飯島によるとすでに『四八』の続編や映画化の話も多くの会社からきている等、 すでに様々なコンテンツ展開が予定されていると言うのだ。続編を正式に書いて貰う事を依頼されると、佐藤は二つ返事で承諾する。 そして『四八』発売日が明日に迫る。みんなが『四八』を楽しみにしている。みんなの嬉しそうな顔が浮かぶ。みんなが楽しみにしているのだ、佐藤の『四八』を。 多くの人が恐怖し驚き、時には笑うだろう。続編の話も決まった。みんなの反応も楽しみだ。映画のオファーまで在って夢のようだ。 …夢? 本当に、『四八』は私が考えたものなのだろうか?再び苦悩する佐藤。佐藤には『四八』を作った覚えがない。 なら家族に証明して貰おう。でも私に家族は何人居る?そもそも家族は居る?何処に居る?もしかしたら誰も居ない? それよりも私は誰?私は佐藤隆明だ。それさえ本当なのか?そう思い込んでるだけなのかも。いや、確かに佐藤隆明だ。 私は佐藤隆明。 私は佐藤隆明。 私は佐藤隆明。 私は… 385 :四八(仮):2011/05/10(火) 19 10 29.75 ID 6xmMsWrnO 最終話 私は佐藤。私は佐藤。私は佐藤。 佐藤は病院に寝ていた。佐藤を心配そうに見つめる5人の医者。(オブザーバーと同じ人) 佐藤からは私達のことはどう見えるのだろう。医者達が呟く。 佐藤は独り言のように淡々と怪談を話していた。どうしてこんな話を永遠と…?そんな病気なんて知る由もない。始めてのケースだ。 だが、同様な患者の数は、増加傾向にある。何故だろう。 佐藤を散歩に連れていく事を頼まれたユウ。車椅子に乗せられ、顔には目以外を包帯でぐるぐる巻きにされている佐藤。 ユウは佐藤に話しかける。話題は、今度バンプレストから発売される四八というゲームが佐藤の話にそっくりな事。 もしかしてあのゲームを考えたのは佐藤?すると佐藤は言う。 「この世界を考えたのはあなたも同じなんですよ?あなたも佐藤隆明さんじゃないですか」 包帯を取りはじめる佐藤。 「あなたの名前も佐藤隆明。思い出して下さいよ。わかりますか?この世界は… あなたも、この病院も、この世界も、すべて『四八(仮)』の中にある」 四八(仮)とは?(仮)って何?困惑するユウ。 「佐藤隆明がそこでプレイしているゲームのことです。私も佐藤隆明。あなたも佐藤隆明。この世界を知りつくしているのも佐藤隆明。この世界は『四八(仮)』の中にある」 386 :四八(仮):2011/05/10(火) 19 14 38.70 ID 6xmMsWrnO 佐藤の話を聞いている内に、洗脳状態になるユウ。『これからは私が佐藤隆明なのですね?』 「いいえ。ずっと昔から、あなたも佐藤隆明です」 ユウは佐藤の付けていた包帯を渡されると、自分の顔に巻いていき、車椅子に座る。佐藤はユウを何処かに運びながら話す。 「佐藤隆明さん、おめでとうございます!このたび、まったく新しいタイプのゲームのサンプルモニターとして、一万人の中からあなた様が選ばれました。」 佐藤はユウに誕生日、血液型、性別、家族構成、住所を聞く。虚ろなユウから発せられる答えは全て佐藤と同じ物であった。 佐藤が病院の鉄でできた四八号室の扉を開けると、そこは異空間が広がっていた。 そこに居たのは、同じく顔に包帯を巻いた人々。彼らも皆、佐藤隆明なのだ。 「さあ、佐藤さん。『四八』の世界をお楽しみください 私も、あなたも、あの全ても、みんな最初からこの世界の佐藤隆明です」 佐藤はそう言うとユウをそこに残し、出て行ってしまう。扉も消えてしまった。 皆の口からはひたすら「私は佐藤隆明。私は佐藤隆明」ユウもその仲間になり、同じく呟くのであった。 「私は佐藤隆明。私は佐藤隆明。」 そして砂嵐のあと暗転する画面に浮き上がる文字。 あ な た は 本 当 に 佐 藤 隆 明 で す か ? (終わり) 387 :四八(仮):2011/05/10(火) 19 29 07.24 ID 6xmMsWrnO 以上でメインシナリオは終わりです。セーブすると二周目と表示されますが、何度やり直しても変化はありません。 シナリオの最期の方は、理解しにくい点がありますが、 好意的な取り方をすればプレイヤーに考えさせ、それぞれプレイヤーによって様々な解釈が出来るんだよと言う事なのかも知れませんね。 そのうち、都市シナリオについても軽く追記したいですが、そちらを他に書きたい方がいらっしゃれば、書いて頂いても構いません。 以上、結構はしょりましたが、メインシナリオを大まかにまとめました。見てくださったスレ住民の皆様。まとめWikiの皆様、ありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/imas/pages/233.html
TAKAP 誰もが認める雪歩専属P 雪歩ソロの作品しか作っていない一途なP 「作者は恋の病気シリーズ」はそんな彼に与えられた一つの称号 『12月24日は雪歩の誕生祭』においてPV8本(勿論雪歩オンリー)同時UPという偉業を成し遂げる。 それに伴って一時引退を宣言。が、 「自分が凹んで逃げて辞めるのは勝手だけど、雪歩はどう思っているんだね?」 の一言が彼に大事な何かを思い出させ、復帰を決意。今なお雪歩一筋を貫いている。 そして2008年2月17日、彼はある偉業を成し遂げた。 最新動画 代表作 記念すべき30作目 雪歩の声優である落合祐里香が歌うToheart2のキャラソンとのコラボMAD 2月17日の偉業!!TAKAPが・・・TAKAPが遂に・・・ や り や が っ た ! 『12月24日は雪歩の誕生祭』 雪歩への愛がなければ絶対出来ないであろう一人八作同時UP。 一人雪歩祭りができちゃいますっ! ☆1.アイドルマスター「白い天使が降りてくる/RAGFAIR」雪歩 ☆2.アイドルマスター「WHITE ALBUM/森川由綺」雪歩 ☆3.アイドルマスター「Birthday/飯島真理」雪歩 ☆4.アイドルマスター「おとぎの国のBirthday/岩男潤子」雪歩 ☆5.アイドルマスター「HappyBirthday/サザンオールスターズ」雪歩 ☆6.アイドルマスター「愛・おぼえていますか/飯島真理」雪歩 ☆7.アイドルマスター「君は僕の宝物/槇原敬之」雪歩 ☆8.アイドルマスター「一時間遅れの僕の天使/楠瀬誠志郎」雪歩 2008年雪歩誕生祭一挙16本UP!! 今年も一人雪歩祭りができちゃいますっ! Yukiho Birthday 2008 ランキング TAKAPの1周年記念。41分長い?いやいや一瞬デスヨ その2。雪歩バカ一代 TAKAP愛の軌跡 デビュー作 曲 1グラムの幸福 唄 飯島真理 愛の歴史の出発点 なつかしの番組「わくわく動物ランド」二代目エンディング曲 オススメ作品 夢でも一緒に埋まりたい・・・ ニコ動一覧 http //www.nicovideo.jp/mylist/1897089 タグ-TAKAP ニコニコ大百科-TAKAP 外部リンク ブログ-雪中散歩 URLが流石である 使用しているソフト VideoStudio タグ一覧:P名 P名_T サイト持ちP デビュー2007.7下旬 大百科収録P 投稿数100作品以上 雪歩と一緒に穴掘って埋まりたいP 合計 - 人 本日 - 人 昨日 - 人 設置08 08 10
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/646.html
四八(仮) 要約スレpart3-60 part56-369,370,372~378,384~387 60 :ゲーム好き名無しさん:2009/01/22(木) 19 23 17 ID xoa+oTPz0 保守代わりに書いておくか。 『四八(仮)』 各都道府県に伝わる民話や怪談を体験出来る本当に恐ろしいゲーム。 ちょっとだけ話を抜き出して書くと ・ある日、謎のダンボールが送られてきた → ダンボールから何か出てきた→ 悲鳴 → 完 ・ヒバゴンって知ってる?と写真を見せられる → ヒバゴンのドアップ写真 → 怖いでしょ?じゃーねー! → 完 (※どちらも1、2分で終了) 凄惨なバグ、極悪サポート、勝手に動き回ってクリアを阻むNPC、個性的なゲスト、etcが現れる異色作。 369 :四八(仮):2011/05/10(火) 06 35 52.71 ID 6xmMsWrnO ストーリーは一本道で、ゲームが強制終了(ここはバグではなく仕様)する選択肢を選ばない限り必ず同じエンディングになります。全12話構成です。 OP ある日、主人公佐藤隆明の元に一通の電話が届く。 「佐藤隆明さん、おめでとうございます! このたび、まったく新しいタイプのゲームのサンプルモニターとして、一万人の中からあなた様が選ばれました。」 電話の相手の女性に誕生日、血液型、性別、家族構成、住所を聞かれそれに答えると、 一週間後、周防勇人という差出人からプレステ2用の始めて耳にするゲーム『四八(仮)』が佐藤の元に届く。 さっそく起動すると、オブザーバー(サポーター的な感じ)を5人(※)の中から選び、オブザーバーは、最初に佐藤の出身地の怪談を紹介すると、佐藤はそれにのめり込んでいくのであった… ※①執事風のおじいさん ②ツンデレ男。「絶対に俺をオブザーバーに選ぶなよ!」 ③顔がむくみぎみのメイド。アニメ声 ④ミリタリオタ風の中年男 ⑤男か女か判別しづらい鹿の着ぐるみを着た女。萌え声 誰を選んでもストーリーにほぼ変化はありません。ここでは⑤で進めます。 370 :四八(仮):2011/05/10(火) 08 06 31.85 ID 6xmMsWrnO 1話 佐藤の元にある日、一通の招待状が届く。それは周防からのもので、 モニターから意見を伺う為の情報交換会を兼ねたパーティーを主催するというものであった。 それほど遊んでないがせっかくだから行ってみる。すると、他にモニターに選ばれた五十人ほどの男女が四八(仮)について語り合っていた。 なかなか話しかけるタイミングがつかめないでいると、パーティーの司会者が壇上に現れ、四八(仮)親睦会が始まってしまう。 そして、招待状の中にある番号の書かれた紙でくじ引きが始まるが、おかしな事に佐藤の招待状にはそんな紙は入っていないのだ。 結局、佐藤以外の全ての人が当選しプレゼントが渡された。それも何故かカッター、万能包丁、トンカチといった妙な物だ。 プレゼントを貰ってない人が居ないか問う司会者。佐藤は手を挙げ、紙が入ってなかった事を伝える。 すると「おめでとうございます!!あなたこと本日の主役、四十八人目のお客様でございます!!」 不思議に思いながら壇上に上がると、司会者に羽交い締めにされ、他の参加者に次々と凶器を振り下ろされる。 佐藤は、ストレスを発散させる為の生け贄に当選してしまったのだ。なすすべもなくボコられる佐藤。 ふと気がつくと佐藤は自宅のベッドに居た。悪夢をみていたようだ。 現実世界でも同じ招待状が届いていたので、せっかくだから行ってみる。すると、パーティーは昨日であり、持ってきた招待状も無くなっていた。 しかも、ホテルマンが言うにはパーティーの主催は佐藤で、昨日もしっかりパーティーを楽しんでいたとの事。 もちろん身に覚えはない佐藤。違うと言っても話は平行線のまま動かず、仕方なく佐藤は狐につままれた思いでホテルを後にするのであった。 372 :四八(仮):2011/05/10(火) 09 01 40.84 ID 6xmMsWrnO 2話 少しずつ、四八(仮)を進める佐藤。 夜の十時過ぎに家のチャイムが鳴る。覗き穴をみると女の子が居た。知り合いではないが怪しくはなさそう。 ドアを開け応対すると、あのゲーム本当に素晴らしいですといったお礼を言われる。 佐藤は自分がお礼を言われるような覚えが無く戸惑っていると、女の子は立ち去ってしまう。呼び止めるが姿はもうない。 あのゲーム?四八(仮)の事だろうか?そういえばあの女の子は四八(仮)に出演していた女の子だ。 何故お礼を?四八(仮)を遊んだから?彼女はモニターの住所を送り主から聞いて、わざわざ一人ずつ訪ねているのだろうか? 3話 なんだか体調の良くない佐藤。四八(仮)を始めてからだ。時折、意識も飛ぶ。家族も心配し病院を進めるが、病院は嫌いだ。 それでも四八(仮)を続ける佐藤。ゲームは中盤に入るだろうか。止めたくてもついつい遊んでしまう。 4話 四八(仮)のプレイを続ける佐藤。コツもつかめてきた。そんなある日、一通の手紙が届く。差出人の名前は無い。封を切ると一枚の紙があり、こう書かれていた。 『お前の遊んでいるゲームは危険なゲームだ。これ以上ゲームを続けてはならない。続ければ続けるほど、深みに嵌っていくのだ。 もしそのゲームを終わらせれば、大変なことが起こる。今ならまだ、取り返しはつく。そのゲームを今すぐにやめろ!』 誰が差出人なんだろうか?こんな手紙を信じれる訳が無い。嫌がらせだ。 373 :四八(仮):2011/05/10(火) 09 53 31.87 ID 6xmMsWrnO 5話 佐藤が外を歩いていると、見ず知らずの若者に声をかけられた。その若者が言うには、佐藤が四八(仮)に出演しているらしい。 その若者の名は坂上修一といい、彼は四八(仮)にはまってて、毎日といっていいくらいやっているという。 だからこそ佐藤に気がついたのだが、佐藤は四八(仮)に出演した覚えはない。佐藤が人違いでは?と尋ねると坂上は 「え?佐藤隆明さんじゃないんですか?」 確かに名前は合っている……どういう事だ?佐藤は困惑するが、坂上も顔も名前も一緒なのに違うなんて…と困惑するが、 坂上は発売前だから隠しているんだと勘違いし、佐藤の前を立ち去ってしまう。 彼は何者だろう?四八(仮)を知ってる事からモニターなのは確かだが… 6話 今日も四八(仮)をプレイする佐藤。四八(仮)を始めてから、妙な事ばかり起こっているような気がしてならない。 だがゲームは止めたくない。進める事で真相がわかるような気がするのだ。 その時、いきなり自宅のドアが乱暴に叩かれる。「おい。いるのはわかってんだよ!」 誰だろう?家族も不審に思っているに違いない。家族?私には一緒に暮らす家族など居ただろうか? ……何を考えているんだ私は。家族は留守で私はそれをいい事に四八(仮)に熱中していたんじゃないか。佐藤はそう思った。 依然として叩かれるドア。覗き穴を覗くと、肉付きが良く、髭を蓄えた人物が怒りの表情を浮かべ立っていた。見覚えはない。 ドアを開けると、その人物はゲームのシナリオを依頼されていたらしく。その原稿料が払われていないと佐藤に詰め寄る。 しかし佐藤には、シナリオを頼んだ覚えなんてない。 佐藤は人違いでは?と返すが、その木原浩勝と名乗る男は、佐藤のことを周防勇人だと言い、更に詰め寄る 結局「次に会うのは法廷だぜ!」と言い残し去っていく木原。何故、木原は佐藤と周防を勘違いしているのだろうか? 374 :四八(仮):2011/05/10(火) 10 25 18.45 ID 6xmMsWrnO 7話 木原はもう来なかった。きっと人違いだと気付いたのだろう。ただ、いつ書状が来るかと思うと胃が痛い。 後から知ったが、木原は名の知れた作家で、もしマスコミにでもこの話を持ち込んでいたら…自分が正しいと思っていても後ろ暗い。 みんな今日は帰りが遅いな…。でも帰ってきた時にゲームをしてたら良い顔されないので、一旦ニュースでも見ることにした佐藤。 するとそのニュースでは、ゲームを使った新手の詐欺で周防勇人が逮捕されたと報道していたのだ。 大掛かりな詐欺会社を経営していた周防は、自社で開発したゲームに特殊な映像と音声を仕組み、 モニターに送るという手口で、モニターの意識を錯乱し、その隙に窃盗を行う、窃盗をさせる等を繰り返していたのだ。 驚きを隠せない佐藤。そうか、体調が悪いのも、妙な出来事も全部四八(仮)のせいなのか! 今まで佐藤を訪ねたり声をかけた人々も、このゲームのせいで意識が変になってしまったのかもしれない。 彼らも被害者なのか…なんて恐ろしいゲームなんだ…。 …だが……ここまでやったのにもったいない。せっかくだから続けよう。周防も捕まったんだし、もう操られる心配もないだろう。誰にもバレやしない。 それに詐欺会社が作ったゲームにしてはかなり面白い。このまま遊んでエンディングを見てみたい! 引き続き四八(仮)を続ける佐藤。 375 :四八(仮):2011/05/10(火) 11 32 38.21 ID 6xmMsWrnO 8話 あれから数日、周防の名前もすでに世間には忘れ去られていた。警察からの連絡も特に来ない。 佐藤は四八(仮)を続けていた。だが、体調不良は相変わらずなものの、不可解な事などは起きなくなっていた。 事件が公になり、皆四八(仮)を止めたからだろうか? ある日、ポストに封筒が入っていた。それには何の名前も書いていない。 佐藤は、以前にも同じような手紙(4話)が届いていたのを思いだす。 中にはやはり一枚の手紙。そこには… 『もう手遅れだ』 何が手遅れだってんだ?そういえば今まで届いた郵便はどれも全て四八(仮)に関してのものだった。これもそうだろう。 しかしコントローラーを置く事はできない。ゲームの先が知りたい。ごみ箱に手紙を投げ捨てる佐藤。 9話 四八(仮)を続ける佐藤。このゲームは本当に良く出来ているとつくづく感心させられる。普通に販売しても売れるのではないだろうか?周防も馬鹿だなぁ。 その時、家のチャイムが鳴る。「お届け物でーす」また手紙だ。差出人は稲川淳二。 中を見ると稲川の怪談チケットが入っていた。なんで私に…? 数日後、せっかくだから行ってみる事にした佐藤。 (そこで稲川が橋の下の幽霊の怪談をしているムービーが5分程流れる。スキップ不可) その独特の語りにすっかり引き込まれた佐藤。怪談が終わり帰ろうとすると誰かに呼び止められ、 そいつは、佐藤が話しかけても無視して身体を引っ張っていき稲川淳二の楽屋まで連れていき稲川と対面。 稲川「久しぶりですね。お元気にしておられましたか?ゲームの制作は進んでますか?発売日は決まったんですかねぇ? タイトルは…そうそう『四八』」 何を勘違いしているんだこの男は!?佐藤はゲームなんて作っていないし、稲川とも初対面だ。人違いでは? しかし、稲川はゲームを作るからゲストで出てほしいと佐藤に頼まれていると主張する。原作者は別の名前だが、確かに佐藤らしい そして『四八』の広告チラシを見せられ愕然とする佐藤。自分は知らないぞ… 376 :四八(仮):2011/05/10(火) 12 17 39.58 ID 6xmMsWrnO 10話 四八の発売日が迫り、稲川淳二出演のCMがテレビで流れ始める。 「この四八というゲーム、ある隠された秘密があるんですよ…この話を聞いた時、私ぞ~~っとしましたよ。 このゲーム…本当にやばいですよ…あなた、覚悟した方が良いですよ?」 テレビ番組や雑誌でもしきりに特集が組まれるようにもなった。 この四八の内容は、佐藤の遊んでいる四八(仮)に酷似しているのだ、この奇妙な一致は何だ? 周防の事件について詳しく調べると、周防の作ったゲームは四八(仮)ではなく別の恋愛シミュレーションだったのだ(東京シナリオでプレイ可) では、佐藤の手元にある四八(仮)とは一体何なのか?誰が届けたのか? 数日後、その真相を知るために四八発売元のバンプレストにアポ無しで凸する佐藤。すると出迎えてくれたのは、ゲームのオブザーバーで登場した女(ユウ)。 ゲームとは鹿の着ぐるみを着て、可愛く(佐藤視点)、元気だったユウが現実では無愛想で態度も最悪だった事にショックを受ける佐藤。 やがて、会社の一室で四八のプロデューサー(石川肇)と話す事に。 佐藤は自分が遊んでいるゲームが『四八(仮』という作品で、今度バンプレストから発売されるゲームに瓜二つであることを何とか伝えようと必死に語った。 すると、石川は新作出す度にいちゃもんつける奴が居やがると不機嫌そうに嘆く。 もちろん佐藤にそんなつもりはなく、ただ自分が体験した不思議な出来事の真相を知りたいだけである。しかし石川は聞く耳を持たない。 「四八の原作者は飯島多紀哉という奴で、彼に伝えておくから彼と話してくれ。盗作したって言いたいんでしょ?」 まるで信じてくれない。 結局、佐藤の連絡先だけ聞き、一人で出ていく石川。佐藤も仕方なくバンプレスト本社を後にする。 377 :四八(仮):2011/05/10(火) 12 50 09.21 ID 6xmMsWrnO 数日後、佐藤の元に四八原作者の飯島多紀哉から電話が届く。近くの喫茶店で話しをする事に。 佐藤は前と同じく、自分が遊んでいるゲームが『四八(仮』という作品で、今度バンプレストから発売される四八に瓜二つであることを必死に伝えようとした。 すると、飯島がおもむろに語り始める。 飯島の会社に差出人不明の企画書とシナリオが送られてきて、それを見て面白いと感じた飯島がそれを元にして作ったのが『四八』なのだという。 自由に使って欲しいと書かれたメッセージも付いていたので、自分の作品として制作したのだ。そして世に発表された途端に出てきた佐藤。 飯島「私があなたの作品を盗作したって言いたいんでしょ?貴方があの企画書を送ってきたのに人が悪いですね 貴方が欲しいのは金ですか?四八原作者としての名声ですか?」 飯島も全く佐藤のいう事を信用して居なかった。佐藤の言う事を理解出来ない飯島は、次第に苛立ちを見せる。 「ネットの某匿名掲示板ではあらぬ捏造や誹謗中傷で酷い迷惑を受けているし。 あの手の匿名掲示板なんてね、自作自演なんですよ。知ってます?自作自演。自分で書き込んだものに自分で答えるんですよ。 勝手にあることないこと捏造して、それを自分で自画自賛して、いかにも多くの人間が賛同しているかのような錯覚を与えるんです。 あなたも誹謗中傷しているアンチなんでしょ?」 その態度に酷く困惑しながらも、何とか飯島に信じて貰いたい佐藤はその四八(仮)の実物を見せると言い、飯島の予約したホテルに持っていく事にする。 378 :四八(仮):2011/05/10(火) 13 27 57.87 ID 6xmMsWrnO 数日後。約束通り、佐藤は飯島の予約したホテルの一室に四八(仮)を持って行き、ゲーム機にセットする。 ……が動かない。そんなはずは……飯島が勝ち誇ったような態度を取る。 「どうして動かないんですか?w …それで何が欲しいんですか?お金?四八原作者としての名声?」 そんな三文芝居は止めて現実的な話をしようという飯島。だがもちろん佐藤にはそんなつもりはないので反論すると。 今度は、四八のデータを佐藤がハッキングしたんだと言う飯島。でなければ発売日の四八の情報など知る事は出来ない。 これも、もちろんそんな事はしていない。結局、この後全く話が進まず解散となった。 家に帰って四八(仮)をセットすると、今度はしっかりと動く。どういう事だ? ユウも、いつも通り元気な姿で佐藤を出迎えてくれた。するとどういう事か大勢のゲームの登場人物が、 次々と四八の原作者は佐藤隆明だと、佐藤に語りかけてきたのだ! そうか…そう言われたらそんな気がしてきた佐藤。いや、誰かが仕組んだ罠だ。誰が?家族?友達? そういえば私に友達はいただろうか?家族は?戸惑う佐藤。 数日後、飯島から電話が届く。 「やってくれたねぇ、あんた あんただろ?匿名掲示板に好きなこと書きまくっているのは! 『四八』の原作者は、佐藤隆明だという書き込みをしたじゃないか! お決まりの自作自演までして、しかも頻繁にしつこくしつこく書き込んで!一体何が目的なんだ!名声が欲しいのか!」 佐藤は否定する。佐藤もどうしていいのか、どうしたいのかすらわからなくなりかける。 そのうち飯島は電話を切ってしまう。 384 :四八(仮):2011/05/10(火) 17 20 20.80 ID 6xmMsWrnO 11話 『四八』発売が迫る。今はもう某匿名掲示板への迷惑な書き込みも無くなっていた。 雑誌を見ると、『四八』原作者のところには飯島多紀哉ではなく、佐藤隆明の名が入っていた。何故? やはり佐藤にはゲームのシナリオを書いた覚えがないのだ。やはり誰かに騙されて…それとも自分の頭がおかしいのか… そんなある日、佐藤に一本の電話が届く。飯島だ。なんでも『四八』についてファミ通のインタビューがあるので、アイドルのきららちゃんと一緒にインタビューをお願いしたいとの事。 急な誘いに戸惑いながらも、流されるままに承諾してしまう佐藤。 収録場所に行くと、きららちゃんの他にバカタール加藤、吉池マリア。 彼らに『四八』を絶賛されると佐藤も嬉しくなった。きららちゃんの質問にもスラスラと答える事ができる佐藤。 佐藤は発売されてない四八の全てを知りつくしていた。やはり、このゲームの原作者は私なのだろうか?佐藤はそう思い始める。 インタビューが終わり、飯島と話す。飯島によるとすでに『四八』の続編や映画化の話も多くの会社からきている等、 すでに様々なコンテンツ展開が予定されていると言うのだ。続編を正式に書いて貰う事を依頼されると、佐藤は二つ返事で承諾する。 そして『四八』発売日が明日に迫る。みんなが『四八』を楽しみにしている。みんなの嬉しそうな顔が浮かぶ。みんなが楽しみにしているのだ、佐藤の『四八』を。 多くの人が恐怖し驚き、時には笑うだろう。続編の話も決まった。みんなの反応も楽しみだ。映画のオファーまで在って夢のようだ。 …夢? 本当に、『四八』は私が考えたものなのだろうか?再び苦悩する佐藤。佐藤には『四八』を作った覚えがない。 なら家族に証明して貰おう。でも私に家族は何人居る?そもそも家族は居る?何処に居る?もしかしたら誰も居ない? それよりも私は誰?私は佐藤隆明だ。それさえ本当なのか?そう思い込んでるだけなのかも。いや、確かに佐藤隆明だ。 私は佐藤隆明。 私は佐藤隆明。 私は佐藤隆明。 私は… 385 :四八(仮):2011/05/10(火) 19 10 29.75 ID 6xmMsWrnO 最終話 私は佐藤。私は佐藤。私は佐藤。 佐藤は病院に寝ていた。佐藤を心配そうに見つめる5人の医者。(オブザーバーと同じ人) 佐藤からは私達のことはどう見えるのだろう。医者達が呟く。 佐藤は独り言のように淡々と怪談を話していた。どうしてこんな話を永遠と…?そんな病気なんて知る由もない。始めてのケースだ。 だが、同様な患者の数は、増加傾向にある。何故だろう。 佐藤を散歩に連れていく事を頼まれたユウ。車椅子に乗せられ、顔には目以外を包帯でぐるぐる巻きにされている佐藤。 ユウは佐藤に話しかける。話題は、今度バンプレストから発売される四八というゲームが佐藤の話にそっくりな事。 もしかしてあのゲームを考えたのは佐藤?すると佐藤は言う。 「この世界を考えたのはあなたも同じなんですよ?あなたも佐藤隆明さんじゃないですか」 包帯を取りはじめる佐藤。 「あなたの名前も佐藤隆明。思い出して下さいよ。わかりますか?この世界は… あなたも、この病院も、この世界も、すべて『四八(仮)』の中にある」 四八(仮)とは?(仮)って何?困惑するユウ。 「佐藤隆明がそこでプレイしているゲームのことです。私も佐藤隆明。あなたも佐藤隆明。この世界を知りつくしているのも佐藤隆明。この世界は『四八(仮)』の中にある」 386 :四八(仮):2011/05/10(火) 19 14 38.70 ID 6xmMsWrnO 佐藤の話を聞いている内に、洗脳状態になるユウ。『これからは私が佐藤隆明なのですね?』 「いいえ。ずっと昔から、あなたも佐藤隆明です」 ユウは佐藤の付けていた包帯を渡されると、自分の顔に巻いていき、車椅子に座る。佐藤はユウを何処かに運びながら話す。 「佐藤隆明さん、おめでとうございます!このたび、まったく新しいタイプのゲームのサンプルモニターとして、一万人の中からあなた様が選ばれました。」 佐藤はユウに誕生日、血液型、性別、家族構成、住所を聞く。虚ろなユウから発せられる答えは全て佐藤と同じ物であった。 佐藤が病院の鉄でできた四八号室の扉を開けると、そこは異空間が広がっていた。 そこに居たのは、同じく顔に包帯を巻いた人々。彼らも皆、佐藤隆明なのだ。 「さあ、佐藤さん。『四八』の世界をお楽しみください 私も、あなたも、あの全ても、みんな最初からこの世界の佐藤隆明です」 佐藤はそう言うとユウをそこに残し、出て行ってしまう。扉も消えてしまった。 皆の口からはひたすら「私は佐藤隆明。私は佐藤隆明」ユウもその仲間になり、同じく呟くのであった。 「私は佐藤隆明。私は佐藤隆明。」 そして砂嵐のあと暗転する画面に浮き上がる文字。 あ な た は 本 当 に 佐 藤 隆 明 で す か ? (終わり) 387 :四八(仮):2011/05/10(火) 19 29 07.24 ID 6xmMsWrnO 以上でメインシナリオは終わりです。セーブすると二周目と表示されますが、何度やり直しても変化はありません。 シナリオの最期の方は、理解しにくい点がありますが、 好意的な取り方をすればプレイヤーに考えさせ、それぞれプレイヤーによって様々な解釈が出来るんだよと言う事なのかも知れませんね。 そのうち、都市シナリオについても軽く追記したいですが、そちらを他に書きたい方がいらっしゃれば、書いて頂いても構いません。 以上、結構はしょりましたが、メインシナリオを大まかにまとめました。見てくださったスレ住民の皆様。まとめWikiの皆様、ありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/peas/pages/148.html
関東 東京都 都庁所在地 東京(新宿区) 面積 2,187.58K㎡ 人口 1283万8856人(平成20年4月1日現在) 世帯数 612万9149世帯(平成20年4月1日現在) 知事 石原慎太郎 鳥 ユリカモメ 花 ソメイヨシノ 木 イチョウ 東京やばい地域 北京五輪出場選手 【陸上(男子)】醍醐直幸 【水泳/競泳(男子)】中野 高、北島康介、岸田真幸 【水泳/競泳(女子)】藤野舞子、上田春佳 【水泳/シンクロナイズドスイミング】原田早穂、川嶋奈緒子 【サッカー(男子)】李 忠成 【サッカー(女子)】柳田美幸、澤 穂希、原 歩、宇津木瑠美、加藤與惠、荒川恵理子、永里優季、丸山桂里奈 【バレーボール(男子)】山村宏太 【バレーボール(女子)】多治見麻子、狩野美雪 【ビーチバレー】白鳥勝浩 【体操/体操】大島杏子、美濃部ゆう 【体操/トランポリン】外村哲也 【レスリング】浜口京子 【セーリング】飯島洋一、近藤 愛 【自転車】飯島 誠 【馬術】法華津寛、八木三枝子 【フェンシング】小川 聡 【柔道】中村美里 【ソフトボール】佐藤理恵 【バドミントン】佐藤翔治、舛田圭太 【カヌー】竹下百合子 【トライアスロン】井出樹里 [北京五輪出場日本選手] 関東の一覧へ 北海道・東北、中部、近畿、中国・四国、九州 このページを編集 ( - )
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/12915.html
スティーブン・J・アンダーソン 名前:Stephen J. Anderson 出生:1970年6月5日 - 職業:アニメーター・脚本家・監督 出身:アメリカ 担当作品 1999年 ターザン ストーリーボード 2000年 ラマになった王様 ストーリー管理・アーティスト管理 2003年 ブラザー・ベア ストーリー管理・アーティスト管理 2007年 ルイスと未来泥棒 監督・脚本 2010年 塔の上のラプンツェル ストーリー・アニメーター 2011年 くまのプーさん 監督・ストーリー 2012年 シュガー・ラッシュ ストーリー 2013年 アナと雪の女王 ストーリー・アニメーター 2016年 ズートピア ストーリー 2016年 モアナと伝説の海 ストーリー 2019年 アナと雪の女王2 クリエイティブリーダーシップ・ストーリー 2021年 モンスターズ・ワーク スーパーバイジングディレクター・ボイスディレクター 出演作品 2000年代 2007年 ルイスと未来泥棒(山高帽の男、バド・ロビンソン、タルーラ・ロビンソン):屋良有作、納谷六朗、安達忍 2008年 ボルト(運転士) 2010年代 2013年 アナと雪の女王(カイ):飯島肇 2019年 アナと雪の女王2(カイ):飯島肇 2020年代 2023年 ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(山高帽の男) ※ライブラリ音声
https://w.atwiki.jp/gogoanison/pages/1094.html
一覧に戻る 11 48 18平田志穂子 - Signs Of Love 11 50 41胸ぺったんガールズ~泉こなた(平野綾)&小早川ゆたか(長谷川静香)&岩崎みなみ(茅原実里)~ - ロリィタ帝国ビショージョ大帝 11 54 41星野あさみ(中原麻衣) - 春のKiss 11 59 52米倉千尋 - 鳥の詩 12 05 52回復 12 05 56BEAT CRUSADERS - TONIGHT,TONIGHT,TONIGHT 12 08 47UVERworld - Colors of the Heart 12 12 36高須泰子 (大原さやか) - ミラノ天国 12 16 28いとうかなこ - キミと夜空と坂道と 12 20 41KAORI - Day-break 12 25 20ASIAN KUNG-FU GENERATION - アフターダーク 12 28 28チャットモンチー - 橙 12 31 50angela - オルタナティヴ 12 36 38川村ゆみ - Burn My Dread 12 41 16ペルソナ3サントラ - Mass Destruction 12 44 45ペルソナ3サントラ - キミの記憶 12 50 54平田志穂子 - Pursuing My True Self 12 52 20平田志穂子 - Reach Out To The Truth -First Battle- 12 55 18ASIAN KUNG-FU GENERATION - 迷子犬と雨のビート 13 00 14manzo - 続・溝ノ口太陽族 USA 13 04 35林原めぐみ - brave heart 13 08 47TWO-MIX - JUST COMMUNICATION 13 13 05大石ルミ - It s Just Love! 13 17 02西城秀樹 - ターンAターン 13 21 47奥井亜紀 - 月の繭 13 27 27SIAM SHADE - 1/3の純情な感情 13 31 12ポルノグラフィティ - メリッサ 13 35 45Hoshina Anniversary - Theme for Panty Stocking 13 36 18TeddyLoid - Fly Away 13 40 41TeddyLoid Feat. Debra Zeer - D City Rock 13 45 13坂本真綾 - 約束はいらない 13 48 49坂本真綾 - 奇跡の海 13 53 10坂本真綾 - ヘミソフィア 13 57 20坂本真綾 - tune the rainbow 14 02 52坂本真綾 - マメシバ 14 09 02坂本真綾 - マジックナンバー 123! mix 14 14 02坂本真綾 - プラチナ 14 18 15坂本真綾 - トライアングラー 14 22 57ランカ・リー=中島愛 - 星間飛行 14 26 51シェリル・ノーム starring May n - インフィニティ 14 30 59シェリル・ノーム starring May n - ノーザンクロス 14 36 17May n / 中島愛 - ライオン 14 41 23シェリル・ノーム starring May n - pink monsoon 14 46 06シェリル・ノーム starring May n - ユニバーサル・バニー 14 52 04シェリル・ノーム starring May n - オベリスク 14 56 52Mitsunori Ikeda Feat. Aimee B - Fallen Angel 一覧に戻る
https://w.atwiki.jp/gogoanison/pages/1283.html
一覧に戻る 01 58 41Girls Dead Monster - Alchemy 02 03 05AiRI - Pieces 02 06 30AiRI - learn together 02 10 32THYME - forever we can make it! 02 14 51レ・ミィ×コトナ(こやまきみこ 伊藤静) - ありのままで lovin U 02 18 27YURIA - YOU 02 22 22新谷良子 - CANDY☆POP☆SWEET☆HEART 02 26 30JAM Project - STORMBRINGER 02 30 27JAM Project - JAMがもってった!セーラーふく 02 34 46山崎まさよし - One more time, One more chance 02 40 15Galileo Galilei - 青い栞 02 45 56本間芽衣子(茅野愛衣),安城鳴子(戸松遥),鶴見知利子(早見沙織) - secret base ~君がくれたもの~ (10 years after Ver.) 02 51 49福山芳樹 - 真赤な誓い 02 55 46JAM Project featuring 水木一郎 影山ヒロノブ - STORM 02 59 43ASIAN KUNG-FU GENERATION - リライト 03 03 30ASIAN KUNG-FU GENERATION - 遙か彼方 03 07 32Rie fu - ツキアカリ 03 12 02ステレオポニー - ツキアカリのミチシルベ 03 15 59ジン - 解読不能 03 19 03SunSet Swish - モザイクカケラ 03 23 42Girls Dead Monster - My Soul, Your Beats! (Gldemo Ver.) 03 28 29Girls Dead Monster - Brave Song (Gldemo Ver.) 03 34 08ランカ・リー=中島愛 - 「超時空飯店 娘々」 CMソング (Ranka Version) 03 34 33島みやえい子 - 奈落の花 03 39 33こころむすびオールスターズ - こころむすび 03 45 06川田まみ - Get my way! 03 48 03MELL - Proof 03 53 36Lia - 時を刻む唄 03 58 27Lia - TORCH 04 03 33JAM Project - HERO 04 08 43nano.RIPE - ハナノイロ 04 12 47放課後ティータイム - Unmei♪wa♪Endless! 04 16 39sphere - REALOVE:REALIFE 04 20 18ゆい(喜多村英梨) - エプロンだけは取らないで! 04 24 15ランカ・リー=中島愛 - ニンジーン Lovers you yeah! 04 25 18千綿ヒデノリ - カサブタ 04 28 32ELISA - euphoric field (Japanese) 04 32 30宇多田ヒカル - Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix- 04 37 41涼宮ハルヒ (平野綾) - Lost my music 04 41 59川田まみ - 緋色の空 04 46 14川田まみ - JOINT 04 50 15KOTOKO - Light My Fire 04 54 04シャルル・デュノア(花澤香菜) - SUPER∞STREAM (シャルソロバージョン) 一覧に戻る
https://w.atwiki.jp/hirireorikyara/pages/254.html
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ――――Prologue◇始劇賛歌(刺激/惨禍)―――― ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 須藤凛という少年は、言うなれば普通の人間だ。 変哲もない普通の、普通すぎた人間だ。 脇に侍らす《四字熟語》や《サイキッカー》を引きあいにするまでもなく、普通だ。 もっと言ってしまえば、兵(つわもの)と呼べし剣士や、成長がまるっきり抜けてしまった高校生にも『特徴』という観念から見たら、少なからず勝ってはいないだろう。 故に感覚としたら、もっとも平均的な人間としてのそれを兼ね備えている人間でもあったのだ。 恐らくこの場六人の中で、一番殺し合いを危惧、恐怖しているのは、幼き高校生なんかよりも、達人の剣士よりも、彼と言えよう。 それを臆病と言うならばそれはお門違い。――生物として当たり前の感情で、むしろしない方がよっぽど狂っている。 加え、彼の周りの人間も、良くも悪くも『普通』の人間であったのが、また頂けない。 『異常』に対する耐性が、まるで形成されずに生きてきたということとなるから。 このバトルロワイアル。 主催者であるところの人無結、或いは人無つなぎという人間(ひとでなし)が何を画策し、何を想像し、何を念頭に置いてこのバトルロワイアルの『参加者』を決めたのかは分からない。 そんな中でも、一つだけは言えることがあって。 このバトルロワイアルに参加している人物は、『変わり者』――『異端者』――『人外』――とにかく『個性が際立った』人間があまりにも多すぎた。 それはなにも須藤凛と言う人間がちんけなものだと侮蔑しているわけではない。 ただただ周りが、異常過ぎただけ。 彼に非難の声を浴びせるのは論外だ。――しかし参加させられたものは参加させられてしまったのだ。 彼とてこの異常な環境に適応、順応しなければ行末の未来とて、危うかった。 ここにいる人間と馴染めないのは、それは仲間が出来ないと同義と言ってもあながち過言ではないのだから。 実際彼は頑張った。 今ではそんな個性の強い面々五名を統率する、『立派な』人間へと昇格していった。 しかしだ。 「はぁ」 溜息は、その末に出た溜息なのである――――。 □ ■ □ 彼らの足がどこに向かっているかと言うと、実を言うと須藤らが既に歩んできた道をほぼ道なり通りに歩み返していた。 答えは簡単で、高くそびえたつ塔のような建物に行こう、という話になり、 偶然、そこまでルートと須藤や飯島、一刀両断が歩んできたルートとほぼ同じだったに過ぎない。 ため息は、若干の不満などの末に出た須藤のものである。 所謂『指揮官』と言うものを幸か不幸か背負うことになった彼とて、身勝手な指示を出すわけにもいかない。 むしろメンバーの意見は率先して聞くものであるが故に、その提案自体に特別反対する理由もなく、承諾をする結果になった。 渋々というと響きも悪いものだが、否応がなしに引き返すことになったこと自体には想うことはあるらしい。 加えて付け足すのであれば、日常生活の大半感じている疲弊や気だるさとは他に、一つの懸念があったからだ。 (……どーせこのまま行くと、さっきの死体があるんだろうな) 彼らはこんな生死を賭けた催しに参加しているとはいえ被虐趣味などまったくないし、わざわざ自ら無駄な努力をするほど馬鹿な輩どもではない。 出来る限り自然な道で。つまるところ歩道にも満たない狭い路地ではなく、今歩いている場所のような大きな道。 少し前までのように襲われている訳でもあるまいし、路地裏でなく、車道のような道を進む以外に選択肢など思い当たる節がない。 その車道のような道のど真ん中に、須藤にとっては名前こそ知らないが、大塚英哉の死体が堂々と臥せてあるもんだから、対応に困る。 (さっきは二人だけだったしなんとかなったけど、こんな大人数で遥光ちゃんの目を塞ぐにはそれなりの理由がやっぱ必要だしな) 思えば、と記憶を掘り返すに、付近に血に濡れた一本の矢が落ちていた。 この記憶は、紅狐こと小神さくらのクロスボウのイメージと一致する。 そしてあの乾いた血を纏っていた『丹羽雄二』と名乗った男ともなにか関連があるのかもしれない。 どちらにしたところで、一番最初に遭遇した物騒なことを喚いた男を加えると、既に三人ものいうところの『マーダー』に遭遇している。 できれば慣れ合いたくもないものだ、と彼自身心の中で感じるが、それでも少しぐらいの抵抗力、あるいは適応力は身についてしまった。 それこそ思い上がりかもしれないけれど、恐らくは死体を見たところで、須藤は以前ほどは思うところも少ないだろう。 だがしかし。 その慣れを可憐という言葉が似合いそうな無垢な彼女――飯島遥光に強要させるのとでは須藤の中では話は別だ。 今まで四時間近く一緒に行動をしてきた仲であるが、やはり彼女は純粋な少女だった。 なにか裏があるわけでもなく、一生懸命希望に向かって、だけどその行動に値する『強さ』はどこにもない。 無慈悲にも中学生でこそあるが苦い現実を帯びてきてしまった須藤の瞳には、飯島はその様に映ってしまう。 きっと死体を見たら、心が折れてしまうのではないか。 不安が心の中で大きく響きわたり、止むことがなかった。 憂慮すべき現状に、焦燥は増幅されていき、反比例するかのように冷静さに欠けていく頭でこれからのハッピーな選択肢を取ろうと考えあぐねる。 しかしそれっぽい選択肢が思い浮かばないのか、徐々に表情に陰鬱を張り付けていく―― 「――さん? 凛おにーさん?」 「うぉおっ!?」 最中。 余程考え込んでいたのか、隣に付き添う飯島に心配を掛けていたらしい。 彼にとっては不意に感じたその声に大袈裟と言われるぐらいに驚愕を表してしまう。 その声はどう考えても不味いものだと言うことは、誰よりも早く脳内で叩きだしたが、それでも出してしまったものはもう遅い。 やけに響いた須藤の声に眠ってる璃神除く残る三人も、ざわざわとこちらに反応を示した。 中でも最初に訊いてきたのは、璃神を抱えた加藤清正。 「どうかしたのか? 疲れたのであれば休むのもいいんじゃぞ? 聞けばお主は走りっぱなしらしいではないか」 不安げな声色で訊ねてくる。 さてどうしたものか、と内奥で自らに問い正してみたが満足のいく答えは出ずに、 「だ、大丈夫ですよ」と曖昧な返事を返し、元よりさして興味も湧いてなかったのか端に侍らした二人、 銀丘白影と一刀両断はその返事を聞いて前を向き直しただけに終わり、須藤はその場をやり過ごした。 ――――かと思ったのだが。 「本当に大丈夫なの? ぼくからは凛おにーさんの顔色悪く見えるんだけど」 飯島は、それでも心配を重ねた。 須藤は知る由もないし、飯島自体全くそんな素振りを見せず愛嬌よく振り回っているが、飯島には一人で背負いこむ辛さと言うのは、恐らくここにいる誰よりも痛感しているだろう。 『弱い』が為に、それに対する解決方法など、知らない。知ってたとしても、実行する『強さ』が足りず。 熊本潤平と言う人間がいなければ、彼女の殻はきっと、きっと未だ閉ざされたままかもしれない。そう思わせるほどには、彼女はあまりに『弱(優し)すぎた』。 無論繰り返すこととなるが過去のことなどは互いに知らない彼らにとってはそのことを知るはずもない。 当たり前だ。 しかし今に限っていうと、その『知らない』が壁となる。 (……ったく、今は貴女の為に考えてるってのに黙っててくれないかな) 断るまでもなくそんな幾分か苛立ちも交えた強気な言葉を幾ら年下の人間(と思ってる)とはいえ声に出すわけにもいかず。 軽く、手で大丈夫の旨を伝えると、飯島もしつこく訊いてくることは、この時はなかった。 「ふぅ」 と、何時の間にかただの溜息一つでも相当な数を吐いてきたのか、様になってきている姿がなんとも哀愁を漂わせる。 もはや『変哲もない中学生』の範疇に収まっていないともいえるその『異常な』スタイルは知らず知らずの内に、彼の心を蝕んでいく。 しばらく、そのまま適度に談話に講じつつ、和気藹々とまでいくと大言壮語な話であるが、ほとんど何事もなく。 一行は順調に、本当に順調に道なり通りに進んできていた。 しかしその一方で、そのグループのリーダーであるところの須藤凛は、逆だ。 徐々に気持ちとして、焦りの色を肥大化させて、小さく背筋に汗を流して、困り果てていた。 (はぁ、どうっすかねえ……) 無論話のネタは、変わらず大塚英哉の死体だった。 そんなに重要か、と言われたら恐らく彼は首を横に振るだろう。 遅かれ早かれ、生き続けてさえいれば、飯島遥光だって死体の一つや二つ見ることとなるだろう。 だから今悩んでいるのは、酷に言うならただの現実逃避。 ――『変哲もない』、『一般人』としての、最大級の甘えとも捉えれよう。 確かに彼は、『異常』だ。先の一件を通して、『代』わってしまった。 ただしそれは、大分未完成だ。不十分だ。 例えるならそれは、普通の高校生が不運なことに超人的バトルロイヤルに参加していく羽目になるライトノベル型の主人公――の序盤形態。 わけもわからないことに困惑もするし、時にはヒロイン(味方)に怒鳴り散らかす。 『アブノーマル』に成りきるには、あまりにも未成熟な、青い果実だった。 心配する本人や、周りの人間など蚊帳の外に置いて、何時しか再び思考に迷路に紛れこんでいく。 (いやでも、やっぱ――――) 「……凛おにーさん、やっぱ一回休もうよ」 ただやはり、それは静かには看過されない。 飯島遥光の不安げな心配の声が、再び須藤の耳を通っていく。 その声に須藤は――――何故か苛立ちしか覚えれなかった。 普段だったら、笑顔とまではいかずとも、ぶっきらぼうだったとしても、それっぽく答えることはできたはずだ。 けれど今は、心の中で舌打ちでも響かせ様な剣呑な怒気しか孕むことができない。 ――そしてそれを不思議がる須藤自身も、何処にもいなかった。 「……大丈夫だって、気にしないで」 「で、でもさ……ぼくは……そのおにーさんのことが心配で」 最低限のところで踏みとどまった良心の呵責で、最初こそ適度に答えることはまだできた。 しかし、ただでさえ限界だった須藤の心の杭は、いとも簡単に、すっぽりと抜け落ちていく。 呆気なく、あまりに呆気なく、彼のリミッターは外れてしまった。 「――――だから! 大丈夫だって言ってんだろ!?」 何時の間にか、須藤は飯島に向かって怒鳴り散らかしていた。 腫れた頬をなんの苦労もなく動かせたほどには、その怒鳴りは感情的で。 そのことを恐らく本人よりも感じ取った飯島はビクッっと肩を震わすと、申し訳なさそうな顔で、「ご、ごめんなさい……」と言い顔を伏せてしまう。 飯島の謝罪から遅れて数秒、ハッっとようやく自分が怒鳴り散らかしていたことに気付き、須藤も気まずそうに「い、いや……」と言葉を濁して終わってしまった。 それから数分と経たず、須藤には休養が必要だと提案もとい判断した加藤の言葉を皮きりに、自然な流れで各々が各々の好きなように休養する流れに至る。 そんな光景を、ただ一人、他人事のように。 空虚な人形のように、静かに眺めているのは、やはり須藤だった。 「……」 呆然と佇む須藤。 というよりも呆れ果てて何もできずただ立ち尽くしているだけで。 決して格好のいいものではなかった。 結局のところ、須藤凛は疲れているのだ。 いうなら精神的にも、肉体的にも。 肉体的な疲労に関しては言うに及ばず彼自身で前々から感じてはいたが、精神的な疲れに関しては、彼自身では計ることが出来ず。 結果を見れば、頃あいを見ては心配をしてくれていた飯島の方が正しかったんだ、とようやくになって彼は感じ、それこそ疲れたように肩を揺らしてげんなりとする。 「……」 思えば、確かにまったくと言っていいほど心当たりがない、というわけではなかった。 そもそも初めからこんな意味のわからない理不尽なものに参加させられてはストレスもたまるものだ。 加え最初っから行く先々でその度に危険な人物に遭遇して死にかけたり、唐突すぎる死体遭遇を体験して。 かといってそれ以外の居心地よかったかと言うとその実そうでもない。主に一刀両断と銀丘白影の所為――というと責任転嫁でもあるが、それでも彼らの皮肉や喧嘩は正直見ていて楽しいものでは決してない。 須藤としては自分が受け持った方が不和が一番生じない。――そう考えていたのだがものの見事に予測は外れる。 力無きリーダーは、有数の力を有す両雄を飼いならすことは難しい。 或いは年月。或いは優秀な飼育法。或いは対象の聞きわけの良さ。或いは或いは或いは或いは。 どの道須藤凛と言う少年に、そんなものなど欠片もなかった。 そう言うと須藤が非力なくせにでしゃばっているかのように捉えれなくもないが、けしてそれだけが原因ではない。 繰り返すようだが銀丘らには、それだけの『強さ』があるから。回りくどく言ったが、簡単に言うとおっかなくて怖い。 そういう能力を使った喧嘩こそ加藤が間に入って止めてくれるが、それ以外の諸事情に関しては大方須藤が受け持っていた。 ストレスが気付かない内に溜まっていくのだって、他者の目から見てもしょうがないことでもあり、 気付かないストレスが故に、『弱い』と認識している飯島に当たってしまったのだ。だからこその八つ当たり。 より正確に描写すると、当人を心配している最中にその当人に逆に心配されたりなんかしたら、誰だってムッとぐらいならするであろう。 今回の場合、須藤の心はまだまだ、リーダーたる威厳は秘められていなく。 その結果が、前述のとおりであり、全てである。須藤から見ても、明らかに理不尽な言い分であった。 (はいはい、なるほどなるほど。よーくわかったよ) 須藤自身でも、己の気持ちの整理が済んだのか。 内心で自分自身に対する深い失望や絶望を感じ、気が滅入る。 だが、それ以上に俺自身が悪いことも理解して、このままでは絶対ダメだと言うことも痛く伝わった。 「はぁぁあっ」 先ほどまでのものよりも深い溜息。 付け加えるように「うしっ」と小さく掛け声を漏らすと、マイナスによっていたモチベーションを若干持ち上げて、決意する。 これを丁度いい機会と考えて、行動しようと。あくまでポジティブシンキングで、頑張ろう、と。 みると、全員目に見える範囲にいるとはいえども、それでも対角線上に並んだ一刀両断と銀丘白影との距離を見れば、警護と言う大義名分こそあれど大分離れている。 犬猿の仲とはまさしくこういうことだろう。 飯島遥光はその問題児二人の中間地点に座り、加藤はと言うと璃神と一緒に飯島の近くにいた。 そして須藤は、そんな飯島たちから二メートルほど離れた所に立っていた。 一度、頭をポリポリと掻いて、両手でパンッ!と元より腫れていた頬をはたく。 じーん、と頬を通り過ぎて全身にまで痺れ渡る大きな痛覚の波。 普段よりも五割増しで痛かったが、それぐらいがちょうどいいぜ、と意気込んだ。 飯島の元へと歩んでいく。 見ると、体育座りで膝の部分の顔を預けて、見るからに沈んだ様子で座っていた。 ただでさえ長くしてないスカートでそんな体育座りしてたらパンツ見えるぞ、と注意してあげようかと思ったが、心の内で止めておいた。 理由としては簡単で、そんな空気ではないからである。――そんな空気にさせちゃって申し訳ないな、と須藤は思いつつ、十分に距離が狭まったところで声をかける。 「あのさ、遥光ちゃん」 「――ふえ? ……ああ、おにーさん」 「さっきは……って」 言葉を続けようと思って、止まった。 須藤にとっては止めざるを得なかった。 予想は出来ることだったけど、予想していたかと言うと答えはいいえの行為だった。 なにせ――――飯島が泣いていたのだから。 須藤は、言葉を止めて、視線でその涙を辿った。 感じたものは――――ただただ自分に対する、行き場のない怒りにも似た感情だった。 「ん? ああ、これはね、違うの。違うんだおにーさん。おにーさんの所為じゃないよ。 勝手にぼくが『もし潤ちゃんが死んじゃってたらどうしよう』って考えてたら泣けて来ちゃっただけだから」 「……」 確かにそれを考えれば彼女だったら泣くのかもしれない。まるで用意していたかのような、上手な嘘だった。 だが言ってしまえば、この時に限ってかは分からないが、飯島の言葉はバレバレの嘘だ。 目が泳いでいるは愚か、声も泣いてるだけでは説明つきそうにないぐらい震えている。 その光景が、須藤にとってあまりにも辛くて、苦しくて。 泣きながらでも、一生懸命に取り繕って笑う姿が酷く――自分よりも痛々しくて。 「――――っ!」 どうしようもない衝動に駆られていく。 自分はやっぱりリーダーとして失格だ、とか。こんなに心配させちまってたのか、とか。 今更過ぎる、芯から伝わる『自覚』が、彼の心を再び苛む。 ちょん、と触れば崩れてしまいそうな。 平行棒を渡るよりも明らかに不安定な心内環境の中。 須藤は、考えていた謝罪の言葉なんて全てその瞬間忘れ去ってしまい、本能的に、誰の干渉を受けた訳でもなくそれがあるべき姿のように、 醜く顔を歪めながら、須藤は飯島の身体を、抱いて寄せた。 自分の今の顔を見られたくなかっただとか、そういうシーンがドラマにあったとかそんな陳腐な理由など一切わかず。 ただ、今ここで抱きしめないと、抱きとめないと、飯島も須藤自身も、崩れていってしまう。そんな感覚的でしかない危機感にかられて、何時の間にか。 そう、須藤にとっては何時の間にか、抱きしめていた。 「え? え??」 突然真っ正面から、抱きあげられて、戸惑いを隠せていない声をあげるが、 須藤はそんなものお構いなしに、ただ、ただ。 「ごめん、心配掛けて本当にごめんね。怒鳴ったりしてごめんね。――俺はもう大丈夫だから」 肩越しに、悲痛なぐらい一生懸命に言葉を漏らして、何回も、何回も繰り返した。 ごめんね、ごめんね。と ――何時しか飯島も落ち着いたのか、涙を拭きとり抱きしめられながらも、 その言葉を真摯に受け入れて、彼女なりの言葉を返した。 「どういたしまして」 簡単ではあるけれど、今の須藤にとって、これ以上癒される言葉は、きっとなかったのだろう。 心移りではないのだろうけれど、狭山雪子の言葉よりもより深く。 疲れていた身体に、ボロボロに軋んでいた須藤に、それは、温かく――――沁み込んでいった。 だからこそ、彼は改めて、決意したのだ。 それが例え須藤自身の我儘であったとしても、無理な真似は決してしたくないから。 ――――飯島遥光は『弱い』ままでいてほしい、と。 この願いが、後の全てを引き起こした。 □ ■ □ それから紆余曲折あり。 飯島遥光の軽さを手放して、色々談話した後、須藤は先あたって一刀両断の元に駆けつけた。 途端、「今ここに紆余がいなかったか?」と、幻覚めいた謎の言葉を聞いた後に、須藤は命令を下した。 「目的地は変えません。だけど行くルートをちょっと変えます」 ただそれだけの簡単な命令だった。 それを、一刀両断、加藤清正、銀丘白影一人ずつ、言って回って。 今回の提案は、成立した。 提案の内容は至極簡単なものだ。 四人が飯島遥光を、道なりからはずれるよう、誘導する。 飯島は基本的に控えめな性格なので、四人が四人揃ってその様な行動を取れば、恐らく疑問には思えどもそれを言葉にすることはまずないだろう。 仮に疑問をぶつけられたところで、適当な言い訳であろうとも、勝手に飯島の中で解決されて成立してしまうであろう。 と、いう数の暴力に頼りきった、作戦と言うにはあまりに未熟な提案である。 これを提案するにあたって最初は加藤清正も含め渋ってはいたものの、 死体がどうのこうの、と言う話になったら、若干のしこりは主に一刀両断の中では残っていたが、三人ともに成立したこととなる。 そして、提案の甲斐あって。 見事、というべきなのが的確であるかはさておいて。 須藤にとっての当面の最大目標であった、死体回避に成功したと言えよう。 (――――ひと段落かな) と。 内でガッツポーズをとっていた須藤。 純粋に、作戦が成功を収めたことに対する、飯島を危機から回避させることに喜びの色を窺わせる。 だが彼は知らなかった。 彼だけじゃない。ここにいる六人が六人揃って知らなかった。 わざわざ変えた進路には、紅が徘徊していることを。 知ってる者からすれば、絶対に会いたくない輩であった紅狐がいたことを。 そしてここから、なし崩し的に物語は、始ま(終わ)った。 当人たちがそれを知るのは、まだ先のことである。 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ――――Piece1◇致命傷(知名症)―――― ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 一つの影が落ちている。 それはとても暗く、黒く、禍々しい。 まるで陽炎でも起こしているかのように揺らめくその影を、不気味と言わず何と言おうか。 どこか人間の輪郭をしていないその影は、表すなら狼(ウルフ)。 狐にはない、虎の威を借るまでもない風格を現すそれは、もはや狼だ。 視点をあげると、紅(レッド)。 それは熱血の赤ではない。リーダー格の赤ではない。――血の紅であり、危険の紅。 見ただけで危険人物だと断言できる淀む瞳に生気はない。 潜むまでもなく顕現する殺意が、どうしようもなく近づこうとする足を止める。 手に握るクロスボウを見た瞬間にたちまち立ち会った人間は背中を見せて逃げ出すのであろうことが容易に想像付く。 美少女――あるいは美獣というのが正しいのかもしれないその容貌が見事棒に振られている。 きっとどこぞの男が見たら大いに悲しむであろうし、きっとどこぞの女狐がみたら(変態行為に興じれなく)とてもうなだれるだろう。 「……」 黙す。 一文字に閉ざされたその口を開ける兆しなど一向に見せず。 別に知り合いの死体に出会ったとか、別に気分を害するようなことがあったとか。 そんな瑣末な事柄など一切合切起こっている訳でもないけれど、それでも彼女は喋らない。 耽々と歩みを進めているだけだ。 とはいえれども、それが本来の彼女であり、何も変わった訳でもない。 幾度と人を襲おうとも、何ら感慨も見せずに、歩き続けた。 機械的、もしかすると近頃の機械と比べるとよっぽど機械的な彼女の歩みは未だ市街地の地を踏んでいる。 何やら幸運なことに塔の辺りで無尽蔵とも呼べる量の矢を入手した。 しかしそれもただの偶然であり特筆するような理由なんてない、それがただ必要だとか、不要だとか、そんな計算もロクにせず思うがままに地を蹴っているだけなのだから。 とはいえ流石に、そろそろこの市街地の探索――もとい徘徊もそろそろ終えるべきだろう、と頭の中で結論付ける。 四時間もここを放浪としているのだ。確かにその分の獲物(参加者)は見つけたが、だからといってここに何時でも獲物がよりつくか、といったらそうでもない。 四時間と言う時の中で、襲われたら怪我もするだろう、ならば病院に参加者が集うのもおかしくない。 漁夫の利を目指す、だとかまずは保安第一、という参加者であれば、こういった『如何にも』な人が寄り付きそうな場所に来るとも限らない。 今まで計算をしてこなかっただけで、できないわけでは決してない。 最低限の思考能力ぐらい、兼ね備えている。だからこそ、より一層恐ろしいのだが。 「……」 ――――最中。 彼女は『それら』を視界に捉えてしまった。 数えれば、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ。 左から、ポニーテールの女。眠っている小柄な女の子に、その子を抱えた男。 中学生ぐらいか制服を着た男児に、それより小さい同じく制服姿の女の子。最後にスーツ姿の怪しげな男。 ドクンドクンと今も脈打つ心臓が、合計六つ。 彼女に差し出すかのように立ちはだかる心臓が、六つ。 そこに手加減や良心などない。 あるのは純粋な、真っ紅(まっか)な殺意。 動揺や躊躇など今更も何も初めから存在しない。 結果的に言うとなれば、クロスボウを構えるのにタイムラグなどまったくなかった。ということだった――。 カチン、と音が鳴ったかと思うと、わけなく矢は放たれる。 瞬時聞こえる小さな風切り音。 滞りなく進軍してゆくその矢は、彼女が一番非力と認識した、小さな女の子。 飯島遥光の脳天目掛け、ブレず奔っていく。 ただ一つこちらから言えること。 それは極めて単純。 ――――小神さくらと言う少女は、再び彼らの前で『始まった』のだ。 □ ■ □ しっかりと描写しておくと。 小神さくらは六人組を陰からこっそりと見つめていた訳ではない。 むしろその逆、対面し合っていた。 小神さくらが道中を歩いていると、須藤ら一行が、曲がり角から曲がってきた。 一昔前の少女漫画のテンプレともいえる曲がり角で「ゴッツンコ☆」みたいなことになるには些か遠すぎる距離ではあったが。 御蔭様と言うべきか、小神さくらのクロスボウの射程距離には十分届く範囲でされど近接戦闘となると遠い。 絶妙な距離感を、小神にとってはありがたい距離感を相手の方から作ってくれていたようなものだった。 ――そのチャンスを活かさないほど、殺戮人形(マシーン)として小神さくらは不出来ではない。 むしろ上出来と言える小神にとっては、こんなのは小学生の課題を大学生がやるようなものだった。 「――――っ! おまえは!!」 制服姿の男――須藤凛が遅れて勢いよく吠えた頃にはもう遅い。 矢は既に射抜かれていた。続いて何故か大量に落ちており、拾ってきた矢の一本を装填する。――放たれた矢が届く頃には既に完了していた。 あまりに人から外れた動き。 これには、スーツ姿の男――銀丘白影も驚愕で目を見開く。 だが先あたっての問題は、既に放たれていた矢の方だ。 銀丘は軽く目を動かし、矢の行く先を見つめる。彼の能力や、対戦車ライフルを使うには、些か行動として彼の動きは遅すぎた。 ヒュン、と軽い音が鼓膜に小さく響いた直後。 「――――ゔぅ……」 聞こえたのは。 少なくとも銀丘の耳にまで届いた詰まった声。 とても苦しそうなそれを聞いて、改めて銀丘は、かねてより噂は聞いていた紅狐――小神を睨む。 実に気持ち悪い奴だ、と毒吐いたところで何ら意味果たさないであろうことを悟り、嘆息を吐く。 付け加え隣で騒ぐ今更の叫びに、少しばかり苛立ちを助長させていた――。 「――清正さん!」 須藤が痛烈な声で叫ぶ。 射抜かれたのは、飯島遥光ではない。加藤清正だ。 飯島を――加えて言うなら璃神も挺すように、庇うかのように、加藤清正はそこにいた。それはそれは、無茶な姿勢で。 射抜かれた右腕からは、鮮血が溢れ出ている。致命傷とは言わずとも、支障が出るほどに深々と屹立に突き刺さっている。 追撃のように右足には、もう一本の矢が飛来する。――避けることは叶わない。 一方で、順当とはいえ小神の猛攻が止まることなどやはりなかった。 次々と射抜かれていく。装填しては射ち、装填しては、また射ち続ける。 小神の顔色は一切変わらない。 無情と言う言葉がここまで似合う輩はそうはいないだろう。 「……」 ただし、だ。 今回に限って言うならば小神の楽勝ムードかと言ったら、そうではない。 仮にも、最強の布陣と面々が異口同音に言えるほどの実力派チーム。 幾ら一対一が難しかろうと、チームで戦うと話は別だ。 「おらおら、鬼さんこちらってな」 「餓鬼か」 「洒落のつもりか? つまんねーぞ。――――はぁ、仕方ねえ。あいつは厄介だ。手伝え鬼畜野郎」 「洒落にもなってねえよ」 前に勇み出て、矢を一本残さず弾く一刀両断と、その後方より浅い溜息をついてやれやれといった感じで姿を見せる銀丘白影。 このパーティで、もっとも力(つよさ)のある二人でもある。 残る三人はと言うと、それよりもずっと後ろで、須藤と飯島が加藤の手当てに勤しもうとしている姿が確認できた。 「……」 そんな姿を、何ら感慨も抱かず、無表情に矢を射る。 俊敏に、そして的確に。 本来小神さくらが抱えし、絶対的殲滅活動は止まる兆しを見せない。 ――――ただそうは言っても、クロスボウ。 矢を撃ってから再び射るまでのタイムラグは決して小さくはない。 確かに常人にとっては微々たる差異かもしれない。――ただ、一刀両断にとっては、苦と言うほど苦と言えるべき状況ではまだないということだ。 一刀両断の銘の元、彼女も彼女で甚だ人間とは程遠い動きで、いよいよ百鬼夜行でも始まったのかと思わせる化物同士の対面が成立させていた。 「はっ」 一刀両断は鼻で笑う。 先刻とは違い、一刀両断は小神さくらと対等にやりあえている。その事実を笑う。 あの時は、奇襲でも仕掛けなければ撤退すらも許されない、それこそ畏怖すべき対象ではあったのだ。 それが今やどうだ。少年漫画のような奇跡的インフレーションを起こした訳でもないけれど、勝てないにしろ負けることもない。 そんな事実を、一刀両断が笑わないわけがなかった。――紆余曲折を殺そうとする者がいる、然らば戦わないわけには、《一生を共にする》彼女には、いかなかった。 そんな笑みを絶やさないまま、一刀両断は、こう結論付けた。 『あいつがまだクロスボウに頼っているのなら勝ち目はある』。 自らの本領である接近戦で、あそこまで苦戦を強いられて、今は後ろに銀丘がいることを差し引いたところで、多分この現状は変わらないだろう。 それこそ銃であればまた話は別なのだろうが、少なくとも小神にはクロスボウは決して向いている武器ではない――――! そして、それを銀丘も察したのだろう。微かに頬を吊りあげると、目算して、対象に向かっての飛行距離を測る。 対し小神も馬鹿ではない。 クロスボウの無力化が容易にされるとなると次の手を打つ他なくなる。 支給品を確認しても他に武器などない。 ならば話は簡単だ。逃亡か――――接近戦! 決めたのなら行動するのはやはり早い。 流れるような動きで、背負っていたデイバックにクロスボウを仕舞うと、無駄のない動きで疾駆した。 その速さを描写するに、さながら神速。 むろんさすがにそこまでの速さを引き出すことはできないにしろ、それでもその速さは、それに見合うものではあった。 「ちっ、それ近づけんなよ、四字熟語様」 「ジョーカーさんに言われんでも委細承知しておりますよ――っと」 こんな軽口――というよりも嫌味にも近いが――を互いに打ち合って何か楽しいのだろうか。 緊迫した場面でもそれが絶えることはなかった。 それでいて、するべき仕事――先あたっては須藤らの護衛を含めた作戦立てを全うこそしているので文句のつけようもないのだが。 だが、自然と時は満つ。 須藤らと言う観客を背に向けながら、意を決したように一際大きな息を吐くと、刹那。 模擬刀片手に、一刀両断は弾けるように一気に駆けだしていた。 狙いは勿論、小神の首だ。 ギラギラと血に飢えた獣のように燃え盛る瞳は、確かに小神を捉え続ける。 小神もそれに応えるかのように一刀両断の元へ爆走を始めていた。 そして今まさに鍔迫り合いが始まろうとした……その時。 後方よりある種空気の読めていない無粋な声が上がる。 幼くもしっかりと力強く力の込められたそれは。 「――――分かってるんですか、一刀両断さん」 須藤凛だった。 一刀両断にまで声を届かせるためか、声を多少荒げて、一刀両断に声を掛けた。 ――――『約束』の為に。 ここまで固執し過ぎるのも言わば病的な貫徹さだ。 先ほどとは違い、楽観できぬ命の駆け引きが執り行われている最中にも、彼はその『約束』を破ってはならぬ、と言う。 ……が、確かに今の状況がどうであったところで、須藤と一刀両断との間には『約束』は契られている。 むしろ須藤からすると、飯島の前では人死を見せたくないという過保護欲が増したのも重なり、先刻の『丹羽雄二』の時のそれよりも、一層剣呑としたものであった。 一刀両断とて、その『約束』を忘れた覚えはない。 音読すら出来ると、きっと一刀両断が余裕持って会話が出来る状況ならば胸を張って誇ってさえいよう。 ――――『“俺達”を護ってほしい』と。 稚拙な『約束』である。 一刀両断も、約束を提示させた須藤にだってそれぐらいなら理解していて。 『丹羽雄二』を巡る一件の際には、その稚拙な点を突いて須藤にとっては事なきことを得た。 ――ただ、此度に関してはその、稚拙でいて曖昧すぎたことが、須藤にとっては仇となり、一刀両断にとっては功となる。 一刀両断は、待ってましたと言わんばかりに頬に三日月を象る。 瞳には、野獣のようなギラギラとした猛る感情と、子供のようなキラキラとした高ぶる感情が入り混じっており。 その瞳を横目で見ることに成功した銀丘の意見としては「馬鹿だろう」の一蹴。 そんな陰ながら馬鹿にされてるのなんてお構いなしに、無言で――小神の足を狙い模擬刀を薙いだ。 むろんのこと小神はそれを避けれないわけがない。一刀両断の全力とて、小神のそれとは及ばない。 それは以前の遭遇の時に一刀両断も痛感している今更の事実だ。 一刀両断の刀を、脚力を以て上空へと跳躍して避ける。大縄跳びをするにしては思い切りがいい――優に一刀両断の背丈より高く飛ぶと、小神は構える。 大地を砕くべく――否、一刀両断の頭蓋骨を割るべく、重力と脚力のデュエットを奏でる右の踵を振り下ろした。 残像すら見えるほどの、早業である。 一刀両断も「……うっそ」と目を見開き、恐らく故意ではないのであろう声を漏らす。 とはいえこちらもこちらで、その攻撃を避けれないほどヤワではない。 ――むしろこの展開は予想がついていた。流石にここまで過剰なパフォーマンスを披露してくれるのは予想付いてなかったにしろ、 小神が『跳ぶ』という行為自体は、想定内。 直ぐ様、体の軸を大きくずらして、転がるように、小神さくらから遠ざかって行く。 ――直後、なにかが砕ける音がした。――――小神さくらが足で地面をたたき割ったのだ。粉砕したとも換言できる。 その小神さくらの脚力か、化物じみた戦闘能力に驚嘆しながらも、 ようやく一刀両断は須藤凛に言葉を掛け返す。 「言ったよな、須藤。おまえは『俺達を“護って”ください』って」 「ええ、言いましたよ。『“俺達”を護ってください』って。――約束違反を「あめぇんだよ、それが」――――?」 最中、一刀両断からの横やりが入った。 しかも須藤凛からしてみればわけもわからない否定の声だ。 だから素直に須藤は――その否定に対する否定を怪訝そうに声に出して問うた。 彼はよく分からないなりに手当てをしながらも、しっかりと耳は一刀両断の方に傾けている。 「何が違うんですか」 「おねーさんはな、道中考えてたんだよ。おまえみたいなやつにしてやられたのも割と傷ついたし、 なにより行動に不自由がありすぎるからな、約束とはいえ――いや約束だからか、……まあ、おまえを何とか出し抜いてやれねえかな、とか考えてたわけよ」 ちなみにこの間にも小神さくらの猛攻は止まっていない。 地面を破壊したことなど関係なしに、手に足に、時に頭を。限りなく柔軟に、されど力強い鞭のような強烈な一撃を四方から一刀両断に浴びせ続ける。 穿つような多大な一撃は模擬刀が折れてしまうのではないか、と心配もしたが心強いことにそんなことは起きず、一刀両断は苦しいながらも往なしたり、時に攻撃したりして。 腕と頭をフル稼働させて目一杯に往生する。 ――そんな一瞬も気の抜けない中、ある程度は心の中で繰り返していたのだろうか。 慣れた口調で、須藤へ伝えるべき用件だけは必死に紡いでいた。 「だからあたしは決めたんだ。おまえらみたいな味方には、“命”を“護って”やる。 だがな――――こういう面倒な奴は“人殺し”の名誉棄損を浴びせないために殺す前に殺してやって、あたしはそいつの“名誉”を“護る”。 どうだ、対等だろう? 約束通りだ。『“おまえたち”を立派に“護って”やるさ』」 護る対象。護るという行為。 ――そんなもの、須藤凛は定めなかった。 懇切丁寧に一刀両断が語ったおかげで須藤には考えるまでもなくその意味を察する。 だからこそ須藤は焦燥の色を隠さずに、荒げて言う。 してやったり顔の、一刀両断に向けて、反論の意を。 「そんな屁理屈――――!」 「屁理屈も理屈! 最低限の悪知恵、猿知恵でも間違っちゃいねえ――ってね!」 元よりそれは、お互い様だった。 互いに詭弁を駆使して出し抜いて、自らが状況を握ろうと企む。 須藤は黙る他に選択肢など、見当たらない。――今更、約束の変更なんて認められるはずもないのだ。 一刀両断は語尾に力を込めて、目一杯に刀を横一文字に豪勢に振るう。 ブォオオン! と響く風を切る音の大きさが、その勢いを物語っている。 小神はジャンプからの攻撃はこの一刀両断には利口ではないと察したのだろう。 バックステップで、一刀両断から一定の距離をから身を離しす。 それが、一刀両断“ら”の作戦の内とは知らずに。 「――――ビンゴだ」 須藤らがいる場所からは違う方向から、声が響く。――銀丘白影が、呟く。 瞬間、小神さくらの横から爆裂音が響きわたり、――電柱と言うコンクリートの塊が崩れ始めていた。小神のいる場所へ向けて、倒壊を始めていた。 「――――ッ!」 感情の読みとれない顔ではあるが。 それでも今回ばかりは僅かに顔をしかめたことが確認できたほどに、唐突な出来事であった。 案外最初から二人の中で疎通が通っていたのか、そのことに特別驚くこともなく。 満足げな顔で、須藤に告げる。 「ついでに言っちまえば、あたしが殺しやしなければ――お前との『約束』は十分果たしてるぜ」 ――――刹那、倒壊する大きな地響きに似た轟音がそこらじゅうに響きわたる。 コンクリートの飛礫の雨や煙幕のように広がる粉塵の中、刀を構え、須藤凛――ないしは飯島遥光、加藤清正ら二人を庇うように背中を見せながらも、一刀両断はほくそ笑む。 訝しげにそんな一刀両断の姿を目で追おうとするが、一回嘆息を吐くと諦め、改めて自分の非力さと言うか詰めの甘さを一人感じ取る。 しかしそれでも落ち着いてもいられない。 あの紅狐のこと。この騒ぎでも生き残っているかもしれない。 むしろ粉塵で辺りが覆われてしまったために、『狐』たる小神には嗅覚と言う分がある分、小神が仮に生きていたとしたら、それはかなりの不利であることは自明の理。 そう考えて須藤は、小神の生死を確認するよりも早く。 「――――ここは撤退します!」 そう号令をパーティに下して、須藤自身は加藤に手を貸しながら。 来た道を戻るように進むのではなく、前に進むように進んでいった。 特に反対する者もいなく、この場はこれにて収まった。 この大きな音は、本当に勝利のファンファーレだったのだろうか。 そう疑う者は、今この場には誰一人としていなかった。 時系列順で読む Back されど罪人は狼と踊る Next 疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 投下順で読む Back されど罪人は狼と踊る Next 疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 055:アンハッピーリフレイン(前編) 加藤清正 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 055:アンハッピーリフレイン(前編) 璃神妹花 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 055:アンハッピーリフレイン(前編) 須藤凛 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 055:アンハッピーリフレイン(前編) 飯島遥光 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 055:アンハッピーリフレイン(前編) 銀丘白影 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 055:アンハッピーリフレイン(前編) 一刀両断 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 036:DEAD OR ALIVE 小神さくら 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 053:死逢わせ 須牙襲禅 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 006:打ち疲れたこの鼓動は、無力で儚いもの 丹羽雄二 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 041:何遍でも迷って、行き止まって 天王寺深雪 068:疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』
https://w.atwiki.jp/hirireorikyara/pages/181.html
プロフィール 【璃神妹花】 12歳の少女。しかし身体の成長が極めて遅く、身長は130cmに満たない。 幼い頃から彼女の力を恐れた両親に監禁されてきたため、人との付き合いが苦手。 彼女の家は神主の家系で、鉄格子付きの地下牢に幽閉されていたが両親を『食事』して逃走。 能力は《人喰らいの触手》を自在に操るというもの。 最大35本を一度に操れる。攻撃と防御の二つに使用でき、攻撃でなら金属バットで殴るくらいの威力、防御でなら如何なる能力さえ遮断、ショットガンクラスでなければ破れないほどの硬度になる。 ただし、自分の前方にしか防御は発動できない。 元ロワでの他キャラとの関係 キャラ 関係 沖崎翔 特に無し 柄部霊歌 特に無し 佐原裕二 特に無し 死神舞凪 特に無し 本ロワでのキャラとの関係 キャラ 関係 呼び方 備考 加藤清正 友好→敵対 清正おじちゃん 最初に出会い同行する。暴走した末に殺してしまった 須藤凛 不明 不明 途中まで同行 飯島遥光 友好 不明 「うにゃー」を触られていた。途中まで同行 一刀両断 不明 不明 途中まで同行 銀丘白影 敵対→中立 銀丘おじちゃん 暴走し一時襲いかかる。現在同行中 被験体01号 不明 不明 現在同行中 稲垣葉月 不明 不明 現在同行中 佐原裕二 不明 不明 現在同行中 神谷茜 友好 小さなおねーちゃん 加藤清正を殺害した後呆然自失だった所を励まされる。現在同行中 早野正昭 敵対 不明 「うにゃー」に食べさせようとしたが清正に阻止された 須牙襲禅 敵対 不明 襲撃される 被験体00号 不明 不明 死体を「うにゃー」に食べさせた 本ロワでの登場話 現在6話 第一回放送の時点で生存 話数 タイトル 作者 登場人物 007 信頼できるヒト ◆VxAX.uhVsM 須牙襲禅、加藤清正、璃神妹花 029 二者択一のジョーカー ◆Hades.lnSM 加藤清正、璃神妹花、銀丘白影 055 アンハッピーリフレイン(前編) ◆jZCpcbFowc 早野正昭、加藤清正、璃神妹花、須藤凜、飯島遥光、銀丘白影、一刀両断 アンハッピーリフレイン(後編) 068 疾走する思春期のパラベラム『みんな大好き戦争』 ◆xR8DbSLW.w 加藤清正、璃神妹花、須藤凜、飯島遥光、銀丘白影、一刀両断、小神さくら、須牙襲禅、丹羽雄二、天王寺深雪 疾走する思春期のパラベラム『アーキタイプ・ブレイカー』 疾走する思春期のパラベラム『ブラインド・ジャスティス』 疾走する思春期のパラベラム『灰色領域の少女』 疾走する思春期のパラベラム『デンジャラス・ラビット』 070 失踪する思春期のパラベラム『ブリリアント・カタルシス』 ◆xR8DbSLW.w 加藤清正、璃神妹花、須藤凜、銀丘白影、一刀両断、小神さくら、丹羽雄二、天王寺深雪、浅倉翔、稲垣葉月、狭山雪子、東奔西走、早野正昭、被験体01号 失踪する思春期のパラベラム『心的爆撃』 失踪する思春期のパラベラム『デイドリーム』 失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 失踪する思春期のパラベラム『バーンアウト』 076 パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』 ◆jZCpcbFowc 加藤清正、璃神妹花、須藤凜、銀丘白影、丹羽雄二、天王寺深雪、被検体01号、稲垣葉月、被検体00号、佐原裕二、神谷茜、狭山雪子、阿見音弘之 パラべラム・アライヴ『神様ゲーム』 パラべラム・アライヴ『仇返しシンドローム』 パラべラム・アライヴ『目を覚ませ、セツナトリップ』 パラべラム・アライヴ『半分の月がのぼる空-Walking with her under the half-moon』 B-7工場で加藤清正と出会う。直後に須牙襲禅に襲撃され清正と共にC-6市街地まで逃れる。 ここで須藤凛、飯島遥光、一刀両断、銀丘白影と遭遇、仲間が増える。