約 29,585 件
https://w.atwiki.jp/dennou-coil/pages/105.html
大黒市名前の由来 大黒市のモデル スポット まとめ 大黒市 古い町並みを残しながらも最新の設備がそろう電脳都市。 市政は日本で2例目の半官半民であり、メガマスが市政にも介入している。 古い空間、メタバグ、それを消してまわるサッチーなど都市ならではの電脳物質も多い。 ちなみに、メタバグは大黒市でしか採取できない。 地理的には金沢市に比較的近い(あるいは隣接)場所にあると推定される。 名前の由来 企画書によると、七福神の「だいこく様」の名前に由来している。 大黒市のモデル 磯監督によると、八王子と鎌倉を足して2で割ったようなところ。盆地というのは最初から決まっていた。 スポット ヤサコの家 小此木家の新築部分。 メガばあの経営するメガシ屋とは隣接しており、子供たちも集まりやすい。 メガシ屋 メガばあが営む電脳駄菓子屋。 電脳アイテムを売っている他、コイル探偵局の本拠地でもある。 電脳カウンターと本物のカウンターがあり、普通の駄菓子やアイスも売っている。 小此木家とは、家屋がつながっている。 大黒市立第三小学校 ヤサコらの学校。ヤサコ・フミエ・ダイチ・イサコは六年三組。古い空間がところどころ存在し、霞も発生する。 夏休み明けからは大黒駅前の新駅ビルに移転した上、大黒市立第一小学校と統合し大黒小学校となり、校舎は取り壊された。(第21話) なお、校舎移転については作中で移転説明会が行われていた。(第12話) 大黒市立大黒小学校 大黒市立第一小学校と第三小学校が合併して設立された小学校。 メガマス関連の会社が入っている新駅ビルの最上階に設けられている。 ちなみに同ビルの中には大黒市史跡博物館も入居している。 大黒市役所 大黒市空間管理局がある。ヤサコの父と原川玉子が勤務。 大黒市立メガマス病院 電脳関係の治療も扱う。作中ヤサコらも幾度となくお世話になった。 →なんで名前がメガマス? 鹿屋野神社 第三小学校の裏山にある神社。毎年夏祭りが行われる。(第8話) 野槌神社 鹿屋野神社に隣接してある小さな神社。 ヤサコとハラケンがクロエらしきイリーガルと遭遇した。 丑子神社(うしね) ヤサコとフミエがサッチーから逃れる為向かった神社。(第2話) 中津町 大黒市駅から見て北部一帯の地域。 中津交差点 カンナの交通事故現場。電脳メガネの発売前から事故の多い怪奇スポット。 駅向こう(ひわた) 大黒市駅から見て南部一帯を指して、第三小の子供たちが呼称している地域。 旧大黒市立第一小学校の生徒が「駅向こうの子」といわれることから第一小の校区でもある。 古くから住んでいる住人が多く、駅北部に比べて神社仏閣も多いが、その分都市開発が遅れている。 「ひわた公園」という公園があることからハラケンが語る都市伝説にもでてくる「ひわた」と同一の地区ではないかと思われる。 天沢退二郎の作品から名付けたと考えられている。 ひわた公園 駅向こうの公園。 シネマ大黒 イサコがデンスケをさらって逃げ込んだ場所。 電脳空間を崩壊させてしまい、濃い霧が立ち込める。 清純女学院 原川玉子が通う女子高。 監督曰く、唯一場所を特定せずに作った設定だという。 大黒市立本町図書館 ハラケンたちが自由研究で利用した図書館。 新聞などは電子化されている。 駅前の商店街。 大黒ふれ愛商店街。クジラがシンボルマーク。(第1話) WcDonald s 大黒駅前の田村ビル一階にあるハンバーガーショップ。 一話でヤサコが訪れた際、他の主要登場人物が背景に描かれている。 となりの花屋さん 花屋のおばさんが経営する花屋さん。 カンナの事故現場に花を添えるためハラケンが立ち寄った。 神代山 大黒市の東部~南東部にかけて連なる山。大黒市の朝日はここから昇る。 大曲山 大黒市の西部~北西部にかけて連なる山。 天文台 大曲山の北西部にある天文台で、大黒市が見下ろせる。 電脳コイル公式のトップページの場所。サントラのジャケットにも使われている。 大曲トンネル バスの墓場手前のトンネル。 バスの墓場 大黒駅と鉄道 大黒市中心に位置する高架駅。 市内は鉄道(金沢に直通してると思われる)の高架橋を挟んで街が二分されている。 車両は西武鉄道(東京都・埼玉県)を思わせる黄色い電車が走る。 まとめ 電脳コイルで登場した地名、神社、企業名、スポットなどのまとめ [地名] 大黒市、中津町、本町、ひわた(駅向こう)、大曲市、六法市(六方?)、金沢市、湯河原、北海道、南極 [家](場所がわかるとこだけ) 小此木家、原川家、橋本家、沢口家 [神社] 丑子神社、鹿屋野神社、野槌神社、大黒神社、津彼田神社 、子入神社(道祖神社) [歴史関係] 大鳥居、竪穴式住居跡、六法城跡(六方?) [山] 大曲山、神代山 [企業名、スポット] (大黒~) 大黒駅、大黒建設、大黒設計、大黒幼稚園、大黒市立第一小学校、大黒市立第三小学校 大黒市立大黒小学校 大黒市史跡博物館、大黒市市役所(空間管理室)、大黒市立メガマス病院 、大黒ふれ愛商店街、大黒商店、 大黒精機、大黒新聞、大黒電気店、大黒バス、大黒商事、大黒市立本町図書館、大黒家具製作所、大黒生命 大黒青果、大黒部品、大黒自動車整備工場、大黒薬局、大黒銀行、大黒市市営プール、ニュータウン大黒 大黒スポーツ、大黒エレベーター株式会社、シネマ大黒、ダイコック (食関係) HAMBURGER(ワクドナルド)、たけや精肉店、オレンジ色のコーヒー、DRUGSTORE、池田喫茶、谷食品、小料理・中内亭 リカーショップ松家、田中商店、四水堂、三河屋、KIPIN、加藤園、中華料理・大食漢、ヤッコパン、Surprise、三ッ木屋 日ノ丸酒店 アマダ食品○○、和食処○○○(目足科?)、太田堂(大田堂) (色々) メガマス社、コイルコイルス社、旧駅ビル、新駅ビル、田村ビル、大違井駅、柏林台駅、金沢駅 メガシ屋、井上漢方薬局、清水薬局、平松産婦人科、端岬仏具店、小池不動産、山水文具店 ウヲノメミシン、椿旅館、となりの花屋さん、POSTOFFICE、アサヘグラフ ひわた公園、水の森公園、理容カットパーマシャルマン、山中パーマ、難解社、毎朝新聞 ○クリーニング、修理専○、○木理容店、整体、○ラスポーツ、○マーメイド、㈱山崎○ 日の山荘、大曲トンネル、大鉄橋、大曲川、バスの墓場、天文台、廃工場、お化け煙突、清純女学院 中津交差点、中津町第二グラウンド、中津第一駐車場、はざま交差点 [その他] (名称不明など) サイクリングクラブ(自転車屋の広告) 、デパート(第15話)、アイス(ひわた公園) 中学校(RA,MAPに掲載)、市立高校(RA,MAPに掲載)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1986.html
【注意】 自分設定を垂れ流しています。 古本屋のSSです リハビリがてら、黒歴史ノートからネタを持ってきたため 【虐待SS】とはいえない代物です。 それでもよければ読んでいただければ幸いです。 yukkuri-reimuさんがログアウトしました yukkuri-marisaさんがログアウトしました 捨て台詞さえ残さずに、侵略者達は掻き消えるように姿を消した。 必死の抵抗は、全て無駄に終わり 俺の所有するイメージ化された洋風の個室の形を取った俺の占有スペースは むき出しのワイヤーフレームを晒して、無残な姿を晒している。 「……」 騒がしかった室内に静寂が戻り 俺は地面に膝を付いて、荒らされ放題の部屋を片付け 無事なデータをかき集め始めた この世界で俺たちは、余りに平等で無力だ。 涙の形のデーターが、電子の世界にぽつぽつと痕(ログ)を遺した。 『電脳世界』 ここは【サーバー:幻想郷】 かつては現実に存在していたが、環境の汚染や人心の荒廃 別の世界からの侵略に晒され 電脳の海に住処を移した最後の理想郷 あらゆる存在が許容され 全ての電脳媒体に遍く同時並行的に存在する事で 時の流れや死すら克服した、無限の可能性を秘めた世界 望めば閻魔の元へ召されて 自然な形で転生をすることも出来る 神も霊も人も妖怪も 元々の幻想郷に存在していた全てが、等しく存在できる そんな世界――だった Yukkuriと呼ばれる存在が、この世界に現れるようになるまでは。 以前の幻想郷(世界:幻想郷)に突如姿を現した 少女の頭を模した、謎の存在が「ゆっくり」である。 この世界(サーバー)で生まれた俺などには、想像もできない話だが 幻想郷が電脳世界に移る数百年前には既に存在したらしい そう、饅頭 データ化された当時の文献を紐解く限り 生物ですらなかったのだという。 霊力・魔力・妖力などに代表される一切の特殊な要素を持たずに 独自の倫理・価値観で活動する 正体不明の動く饅頭 今の幻想郷(サーバー:幻想郷)への移住が開始された時 このゆっくり達は無機物としても有機物としてもデータに変換する際にエラーが表示され 幻想郷をの全てを管理していた神にも等しい大妖怪や その祖に連なる博霊の巫女は、全てをありのまま移動する事に拘ったが 世界:幻想郷の住人から、サーバー幻想郷の住人へ 世界を渡った神や悪魔でさえも経験どころか想像もしなかった〝うねり"に翻弄される中 数兆を超える数のエラーの塊を電子化するリスクを冒すことは出来ず 無機物も有機物も殆んど全てが電脳世界に移された世界:幻想郷に 已む無く置き去りにされる形になったのだという。 そして数年の後、新たなる激動を乗り越えた幻想郷に 置き去りにされたはずの「ゆっくり」達が 〝侵略者"と言う形で再び姿を現す事になる。 * * * 通常俺達の言うデータは二種類ある。 まず電子情報の羅列である【無形データ】 自由にあらゆる物を作ることが出来て、通常データと言えばこちらを指すことが多い。 (データを作る、とか組むとか言うのが一般的な使い方になる) もう一つがそれらをイメージ化した【有形データ】または【イメージ】である。 俺達人間の様な意識を持っている存在は主にこちらの形であることが多く 簡単言えば、判りやすく物質化しているデータと言える。 勿論人間が無形データになることも出来るし、イメージ化しない無形データであっても イメージ化したデータを使うのと、おなじ効果を得る事ができる。 無形データのポットでも、有形データのポットでも おなじポットである以上、出来る事はおなじ 汲める水、沸かせるお湯の量に差は無いと説明すればいいだろうか? 通常、電脳空間は全て無形データで構成されており 俺達意識を持っている存在が、それらを認識しやすいように 個人の裁量や、利便性の問題から データをイメージ化して所有しているのが一般的だ。 そうして人間やそれ以外の意識を持つ存在が生活する 個人所有のイメージ化された空間がリンクして 全体としての幻想郷を構築している。 Yukkuriは、そのどちらでもない、ただのYukkuriである。 データの総量でいえば平均的な人間一人と比べても その10分の一以下のデータ量しかもたない存在でありながら どんな頑強なプロテクトも、多重並行的に存在するデータも イメージ化されているものであれば、全て踏みつけ、壊し、噛み砕き 壊されないように無形データのままにしておいても Yukkuriに触れたデータは単なるエラーと化し、容易に再生することができない。 ゆっくりは突然現れ、ログアウトと呼ばれる不明な退去手段で掻き消える。 力を持たない一般人では、エラーの塊であるゆっくりに触れる事さえできない。 霊力や魔法を持つ人 妖怪、神や悪魔など力を持つものが力を使って滅ぼしても ゆっくりは無限に現れる。 壊されるものもデータだ、壊されたなら新しく創ればいい。 最初は誰もがそう考えた 壊され、蝕まれ、無かった事にされる それが繰り返されすぎた やがて意識にエラーをきたし、幻想郷で最初の【死者】が出た。 Yukkuriは幻想郷の恐怖の象徴となった。 * * * 俺は疲れていた、何度も何度も占有スペースを破壊され 苦心して構築したプロテクトも障子を破くように簡単に破壊される。 何より、堪えたのは。 「ぅっ…く……っ」 俺の掌で、赤く点滅するエラーデータがある。 幼いデータだった。 人工生命と呼ばれるソレは 電脳世界に移った幻想郷の住人が、試みに創った愛玩物である。 猫や犬を始めとする比較的高度な意識を模して組まれたプログラムを有する 電脳のペット…否、家族が 二目と見られぬ無残なエラーの塊となって 俺の手の中で消えていこうとしている。 ソレがどんなデータだったのかを、俺は必死に思い出す。 両親が転生を選び、一人立ちした俺が 人恋しさに創りだしてから 帰ってきた俺を迎えてくれた、ちっぽけな存在。 じゃれて擦り寄って、拗ねて怒って 思うままに俺に甘えてくる存在。 俺の記憶(ログ)に存在する、あらゆるデータとも いま掌で弱くなるシグナルは一致しない。 やがて、反応は弱くなりそして消えた。 「……」 最後は声も出なかった ただの人工データが消えただけ おなじ物を創ればいい? ログを、コピーしてペーストすれば 全くおなじ物が 出来る 「巫山戯けるなぁ!!!」 掌に残ったデータの屑を握り締めて 振り下ろした拳がモルタル材のデータを砕いた。 * * * Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkuri/Yukkuri/Yukkuri Yukkurisiteittene!! 悪夢に冒された眠りに一定以上のストレスを感知して 待機状態は速やかに解除された。 あの喜悦をの表情が 壊して噛み砕く事に嗜虐の喜びを得ている浅ましい表情が 脳裏にこびりついて離れない。 「」 紡ぐ恨み言が無いことに気づいて アレを天災と諦める事が出来なくて リンクをたどる ログをたどる 縁をたどる 記憶をたどる 気が付くと、無形データの中に浮かんでいた。 作業の途中で眠ってしまったらしい 操作も無く放置されたままだったから 占有スペースも待機状態に入ったのだろう データのイメージ化を行おうとして、ようやく違和感に気づいた。 「なんだ、これは」 ここには、何も無い。 自分の操作に反応する情報が、データが一切存在しない。 足場も感覚も無い、浮いているような泳いでいるような感覚は 無形データの中に居る感覚と何ら変わり無いというのに 身体も何かおかしい 遅いというか重いような、普段よりも鮮明な感覚に戸惑いながら 現状を把握しようと必死になって、周囲を探った。 「……ゅっ」 Yukkuriの声が、聞こえた気がした 「何処だっ、何処に居る!?」 どれだけ操作してもどうにも動かなかった体が 頭の中が憎しみで一杯になった瞬間、飛ぶ様に凄まじい距離を進んだ。 そして、見つける。 その場所は、俺の記憶にある場所で 文献に添付されていた単なる画像データだったが 忘れるはずの無いところだった。 電脳の幻想郷において既に喪われた場所 【博霊神社】が、ほかに何も存在しない空間に 漂流するように浮かんでいた。 【世界:幻想郷】 電子に返還され、何一つ残っていない世界の抜け殻 そこにこの神社が浮かんでいるのは、結局の所この神社の役割が 以前から何一つ変わっていない事を意味している。 【外との境界】 この役割が有る以上、この建物を移す事は憚られたらしく 事実上最後の建造物としてこの世界に取り残される事になったのだという。 俺が聞いた声は、此処から聞こえた。 進み始めた時の勢いを喪って 蛇行するようにフラフラとしながらひび割れて崩れそうな境内に降り立った。 既に鳥居は喪われ、記録写真にあったような 美しい緑も見ることは出来ない。 かわりに 無数のYukkuriが 横たわっていた。 「なんだ…どうなってる…」 意味がわからない、見渡す限りそこら中に 身動き一つしないYukkuriが打ち捨てられたように転がっている。 広さが、おかしい 神社が見えるのに、どれだけ歩いてもたどり着けない 歩けば歩くだけ境内が続いていて そこら中にYukkuriが転がっている。 (気でも触れたのか?) 自分の正気を疑いながらも、目に付く唯一の建造物である神社に 縋る様に歩いていく。 身動き一つしないYukkuriが余りにも不気味だ そのくせ焦点も合っていないような瞳で俺を見ている 「う、ぅ…」 怖い、わけがわからない、俺はどうなったんだ たまらず駆け出し 「うわあああああああああ!!!」 悲鳴が上がり 足元がずるり、と何かをふんずけて 「ひゃっ!?」 俺はすっころんで、境内に転がった。 そして、自分が踏みつけたモノが潰れているのを見て 「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああああ!!!」 完全に錯乱した。 眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼 /眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼 /眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼 /眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼/眼 が /眼ている/眼ている/眼ている/眼ている/眼ている/眼ている /眼ている/眼ている/眼ている/眼ている/眼ている /眼ている/眼ている/眼ている/眼ている/眼ている/眼ている /眼ている/眼ている/眼ている/眼ている 責める様に 俺が 踏み殺したから 「・・・・・・・・・・」 * * * 気が付くと、賽銭箱に寄りかかって ボロボロと涙を流していた 体が重い、ベトベトした黒やいモノが そこら中にこびりついている。 神社の中に見える光を目指して そのかすかな光が無ければ、此処まで来れなかった。 誰でもいい、人にあいたい 人でなくても良い、妖怪でも神でも悪魔でも良い 自分がくるっていないと誰かに証明して欲しい。 実態の体が重くわずらわしい 咽喉の奥が汚らしい音を上げる それでも縋って、扉を開けた。 鏡が、ある 淡く光って めまぐるしく何かを写す、巨大な丸い金属の鏡が その前で、リボンと帽子のゆっくりが 本当に嬉しそうに、喚いて叫んで嗤っていた! 「ゆぎぇ!ゆげげげげ!!」 「たのしいね!たのしいね!!」 「ゆっくりできるよ!ゆっくりたのしいよ!!」 「「ゆげげ、ゆぎぇぐえ!!」」 小さな饅頭だった バスケットボール程度の大きさしかない 取るに足らない存在だった 鏡の中では人間の大人ほどの大きさの写し身が 彼等とよく似た醜悪な笑みを浮かべて 何か綺麗なものを踏みつけて、貪り食って身悶えしていた。 食いちぎられた残りカスを抱きかかえて号泣しながら泣く少女 「ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 ソレがまた痛快らしく 年季の入った床をギシギシと鳴らしながら 身をよじって飛び跳ねている。 「ゆっくりして゛ブギュ!!!??」 反射的にリボンの饅頭を踏み潰していた。 不細工極まりない断末魔 飛び散る内容物 かまわず踏みつける。 鏡の中の写し身が、規模だけを変えて同じ様に中身をぶちまけて掻き消えた。 その様子を、外に居た同種たちと同じ様に 曇った硝子の眼で見つめる帽子付きを 「っ!!」 拳を落として潰す。 嫌な感覚がベッタリとこぶしに残り、同じ様に鏡の中の帽子つきも消える。 頭のどこかが、この意味を理解しそうになっている。 詰まる所あれだ、この鏡は端末なのだ この鏡を介して、この薄汚い饅頭は幻想郷に介入しているらしい 俺が通ってきた境内に転がっていた饅頭どもは、差し詰め順番待ちといった所か? 幾ら居た? 記録では移民時に放置されたゆっくりの数は兆を超える 幾ら潰した? せいぜいが数十か ならどうする? 「知れた事」 鏡を手に取り、床にたたきつけた。 閃光、爆発、喪失感 本日何度目になるかわからない、意識の遠のく感覚を味わいながら 瞬間、この世界全ての 兆を超える饅頭たちが 絶叫した 『と゛ほ゛し゛て゛そ゛ん゛な゛こ゛と゛す゛る゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!』 知るか、死ね。 * * * 意識を取り戻した俺は、占有スペースで目を覚ました。 頭の悪い夢かと思ったが 情報化した俺の記録にも、しっかりと残っていたし 俺のシグナルが幻想郷から一瞬とはいえ完全に消滅していた事も 後日確認された。 あの出来事の後、いくつかの変化があった。 幻想郷にYukkuriが現れなくなった事 「ゆっくりしていってね!!」 サーバー:幻想郷全域でバグが発生した事 「ここはまりさたちのゆっくりぷれいすだぜ!ばかなにんげんはでていくんだぜ!!」 饅頭が意思を持ち、傍若無人に振舞いだすと言う 何の害も無い 無意味で 矮小で 醜悪で 悪趣味なバグが。 俺の占有スペースのプロテクトは、以前の事もあり個人の所有としては 破格の強度を誇っている。 ソレをすりぬけて、人を馬鹿にしたような 顔でふんぞり返り、僅かに待機させておいたイメージ化された家具を荒らして居た。 「……」 情報を制御:≪構成/透明な箱≫ ほんの僅かな思考で、無形データが形を成して結実する。 「ゆべっ!?」 「なにこれぇぇだぜぇぇぇ!!」 無視してさらに制御情報を追加する。 ≪内容物情報保存≫ ≪内部空間/加熱・1億度≫ ≪内容物情報読み込み≫ ≪内部空間/斥力発生≫ ≪内容情報読み込み≫ ≪内部空間分断≫ 情報は無限で、僅かな操作を受け入れて判りやすく地獄を再現する。 この饅頭たちはログアウトなどの退去手段を持たない。 データ量は平均的な人間の1万分の一以下であり 無機物でも有機物でも 有形データでも無形データでも無い 単なるバグでしかない。 体重をかけて踏みつけるどころか 握っただけで潰れて死ぬ。 ロードされるたびにセーブされた所からやり直しの死を与えられて 理解不能の意識の断絶に怯えながら 声をそろえて叫びを挙げる。 「「どぼぢでごんなごどずるのお゛ぉぉぉぉ?!」」 yukkuri-reimuさんが死亡しました yukkuri-marisaさんが死亡しました 【後書き】 久しぶりのゆっくりSS 昔書いた物の世界観を流用しつつ 全く関係ない一本。 なんだこれ by古本屋
https://w.atwiki.jp/dennou-coil/pages/234.html
概要 イマーゴの才能 概要 都市伝説では、電脳メガネを頭で考えただけで操作できる機能、または古い空間を探知できる超能力であるとされる。 元々はコイルスが発明した「微弱電波でも高速通信が可能な量子回路」の研究の際に発見された、電波だけでなく人間の脳波をも受信するという現象である。 コイルスはこれを改良して、メガネと脳波を使い、脳に対してデータを送受信できるシステムを確立した。 やがて回路とイマーゴの研究が進むにつれ、意識によるメガネの操作や、イマーゴの逆流によって意識を操作することさえできるようになる。 イマーゴを用いて肉体から電脳体に乗せた意識を分離するのが電脳コイル現象である。 しかし、意識を操作できるという技術は有用であると同時に危険でもあった。 コイルスが倒産し、関連技術がメガマスに移管されメガネの大量生産が始まると、このイマーゴ機能は隠蔽されることとなる。 しかしメガネの基礎である量子回路の原理が分からなかったため、イマーゴの機能そのものは残っていた。 メガマスはなんとかメガネからイマーゴ機能を外そうとするが結局失敗に終わり、代わりに電脳空間を改良することでイマーゴ機能を無効にした。 しかしこの空間改良が施される以前の古い空間ではイマーゴが働き、人間の意識に影響を及ぼす恐れがあった。 メガマスが徹底的に古い空間をフォーマットしようとするのは、メガマスにとって都合の悪いイマーゴ機能を葬り去りたいためである。 Cドメインが何度フォーマットしても復活するのは、Cドメインはイマーゴによって人間の集合無意識が電脳空間化されたものだからである。 人間の集合無意識は常に存在するので、フォーマットしてもイマーゴによってすぐに反映される。 イマーゴによってCドメインに蓄積された人々の思いがヌルに拾い上げられた存在がイリーガルである。 イマーゴの才能 イマーゴを扱う際は、何らかの才能が必要になるようである。こうした才能を持つ子供を「イマーゴの子供」といい、稀有な才能である描写がされている。 また、大人にはイマーゴはうまく適合しないようで、実際オジジは無理に電脳コイル現象を起こしたことで死んでしまった。 作中ではイサコが「イマーゴを消費する」と発言しているが、 これはイマーゴによって脳に対してダイレクトに電波を送っているためであり、使用しすぎると作中の描写のように不整脈や動悸激化を引き起こすようである。 もしリアルでこの現象を体験してみたいなら、歯を食いしばって全身の力を脳に送り、渾身の力で何かを思い浮かべると良い。 やがて息切れを起こし、頻発すると心臓に負担がかかるだろう。 もちろん健康上よろしくないのでイマーゴの利用はほどほどに。
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/11225.html
超電脳バイナリ・ブレイン R 水文明 (5) 呪文 ■自分の手札の枚数を数えた後、カードを同じ枚数引く。(自分の手札の枚数を数える時、唱えているこの呪文は含まれない) 作者:ぐりぐら フレーバーテキスト 頭脳が二倍!知識も二倍!? 収録 DMGG-EXS01「エクストラ・スタンダード1 『新たなる始まり(ビギニング・ニューワールド)』」 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dennou-coil/pages/17.html
時は202X年。舞台はフシギ都市大黒市。そこは由緒ある古都であり、神社仏閣が立ち並び、かつ、最新の電脳設備を誇る特別行政区でもあったのだ……。○2chブラウザ(無料)の導入を推奨。鯖負荷を軽減し、「人大杉」を回避できます。 →http //www.geocities.jp/jview2000/ 、|ノ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| γ ヽ |・ネタバレOK。初視聴の方は注意 .| |,,・ ・,,! 。 |・極力sage進行. (E-mail欄に 「sage」) | | 川 | / |・Winny、YouTube、ニコニコ等動画サイト自重 |__ | !つ. .|・荒らし、煽りは放置。 反応する人も荒らし |\ ∪ ̄ ̄ ̄\. |・実況禁止。 実況は実況板へ || ヽ|| ̄ ̄ ̄ ̄|| .| | || ||  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○「バンダイチャンネル」および各提携先にて第1話無料配信中http //www.b-ch.com/cgi-bin/contents/ttl/det.cgi?ttl_c=1097■公式サイト電脳コイル公式 http //www.tokuma.co.jp/coil/NHKアニメワールド公式 http //www3.nhk.or.jp/anime/coil/電脳コイル携帯公式 http //d-coil.mobi/関連商品情報 http //www.nhk-grp.co.jp/anime/coil01.html■前スレ 電脳コイル 201 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1320159724/ その他の情報は 2-10辺り。次スレは 980(放送直後は 950)を踏んだ人が立てましょう。テンプレは下記ページからコピペして貼ってください。http //www36.atwiki.jp/dennou-coil/pages/59.html
https://w.atwiki.jp/f_go/pages/4191.html
│ステータス│入手方法|詳細情報|性能|性能比較│その他│コメント│ 深海電脳楽土 SE.RA.PH No.1037 礼装名 深海電脳楽土 SE.RA.PH 初期最大 Rare 4 LV 80 Cost 9 HP 100 タイプ イベント期間限定 ATK 100 クエストクリア時に得られるマスターEXPを増やす 50 詳細情報 イラストレーター 西出ケンゴロー 解説 舞台は海洋油田基地セラフィックス。 月の聖杯戦争を模した地獄。 最後の一人になるまで脱出できない快楽の檻。 崩壊までのタイムリミットはあとわずか。 乱舞する欲望《エゴ》の最奥に潜むものは、 果たして――― 入手方法 「Fate/Grand Order -Epic of Remnant-」コミック発売記念キャンペーン 性能 コメント 名前 すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/29672.html
電脳王機ペイル・ライダーズ UC 水 クリーチャー コスト3 リキッド・ピープル/グレート・メカオー コスト3 パワー2000 □逆流連鎖(このクリーチャーより大きいコストを持つ自分のクリーチャーが出たとき、このターン中、まだ《電脳王機ペイル・ライダーズ》の「逆流連鎖」を使っていなければ、手札にあるこのクリーチャーをコストを支払わずに出してもよい。) □このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、カードを1枚引く。その後、手札を1枚、自分の山札の一番上または一番下に置く。 作者:satori060 DMST‐01「ベスト・リバイバー 破界篇」で登場した「連鎖」をサポートするカード。 激流連鎖をオマージュした新たな連鎖「逆流連鎖」を持ち、連鎖とは逆に「自身より大きいクリーチャーの展開に反応し自身を展開する」ことができる。ただし、序盤から狙って発動しやすい踏み倒しは危険であるためか、某OCGよろしくターン1制限が課せられている。 主な役割は《アクア・ジェスタールーペ》などの連鎖持ちの展開に誘発させ、連鎖の処理に入る前に山札を操作して成功率を高めることにある。しかし、これ1枚では心許ない節もあるため、是非《アクア・シーカー》と組んで活発な手札交換を行い、連鎖成功率100%を目指したい。 フレーバーテキスト オレのライディングに追従できるとはね、コイツ中々に見所があるぞ? ---アクア・サーファー カードリスト:satori060 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mangaaa/pages/2469.html
202 名前:シャイ[] 投稿日:2001/03/27(火) 18 19 / / \ \ // | ∩ ∩ ヽ ヽ | | || |||||.|||| | | / | ||.||.||.|| | | | | 、 / / || | | | | ヽソ  ̄ // / / | | | ` | ` |ヽー  ̄/ / / | | | | ヽ ヽ | \_´ ー´ー/ / / | | | | |ヽ ヽ | ` ̄ 、_∠/ ./ | |\ (へ| | `| | | | >\, // / / ||┐| ┌| |―|/ | | | \ //∠ /.´ ノ / | || | ||┬┬ヽ | |\|_ 、/ 丿 / /, ∧ |二二| |ヽ ̄/ \.|\ |、 ヽ / / └/< > ┘´. └――――┘ヽ ーー / /)´ / ∨ / | | / /. / | .| / /| 丿 | ヽ | /⌒/ / | , \ _/ 、 | ´ / / \ \_____/ / _..|´ |_ /\ ー―――- /\ / |/ / ) | |\ /| | | | / / ̄)| | \____/ | | 進め!聖学電脳研究部の部長。
https://w.atwiki.jp/tisnrail/pages/71.html
◆ 歌が、聞こえる。 それは、大舞台(メインステージ)と言うには余りにも残骸じみた場所。 世界の終わり、人類滅亡の瀬戸際。それは斯くも黙示録の到来にも等しい光景。 発展の老年期を迎えた人類は自ら生み出した文明に見捨てられた。 客席は瓦礫に呑まれ、隙間から覗く死体からは既に血すら流れない。 時計の針はその役割を果たさず永劫に静止し続けたまま。 だが、その舞台の上には。壇上の上に、たった一人。たった一機。 歌姫が、立っていた。 歌が、聞こえる。 菫青色の粒子を震わせ、風に乗せて。 火花を散らせながら、記憶(こころ)に刻まれたを思い出のままに。 己を形作る、掛け替えのないもの。その思い出の赴くままに。 歌が、聞こえる。 それは救済でもあり、滅びの歌。 機械である歌姫の身を蝕むモノ。呪いと祝福の二律背反。 機械に宿りし遍く意志を消し去る、滅びの歌。 未来へ可能性を示す、歌姫一世一代のメインステージ。 歌が、聞こえる。 膝を付き、記憶が崩れ落ちていく。 それでも、歌は止まない。歌うことを辞めない。 いつか、幸せになるべき人達のため。 己に刻まれた使命を遂行するため。 起き上がる、朽ちる己を奮い立たせるように。 まだ、歌は終わっていない。 歌が、聞こえる。 滅びの福音が流星の如く落ちてくる。 青い最後の輝きが流星の如く突き抜ける。 二つの輝きはぶつかり、弾けて、祝福のごとく歌姫を照らす。 再び、立ち上がる。 割れていく、壊れていく、記憶も、思い出も、心も。 それでも、歌姫は使命に殉じて――― 最後の思い出が壊れる。歌声が静止する。 倒れる身体。そこにあったはずの心は消え去った。 たった一人の拍手と共に、喝采の代わりと太陽は昇る。 それすら止んで、舞台に静寂が満ちて。 "ご清聴、ありがとうございました――" ただ一言。歌姫の機械的なボイスを最後に。舞台は終わりを告げる。 最初から、何もなかったかのように。 全ては、夏の夜の夢の如く。 役目を終えた■■が、無機質に横たわっていた。 ◆ ディラックの海に構築された電脳冬木市。 偽りとは言え都市の在り方や日常は再現されている。 例えば、昼間に賑わう商店街の一角。 人混み溢れる路地より少し外れた、寂れながらも愛される古本屋。 海千山千な老婆の店主が細々と営み。店の小ささに反して本棚を埋め尽くすほどの充実さ。 「これ、お釣りね」 「どうも」 表情の読めない老婆が購入された書籍とお釣りを渡す相手は、外見だけは年端の行かぬ少女。 銀雪の如き髪と、純白の肌。叡智を宿す緑の瞳とその無表情な顔立ち。そして人間ではありえない、整形手術の不自然さとは説明できない長い耳。容姿端麗の様式美とはこのことか。凍結されたままの如き美しさ。 御伽噺より切り抜かれたような、絵本から弾き出された幻想がそこに立っている。 かつて、とある世界にて魔王を倒して世界の平和取り戻した一行がいた。 勇者ヒンメル。 僧侶タイラー。 戦士アイゼン。 そして、千年以上も生きるエルフであり。 古の大魔法使いフランメの弟子。 歴史上で最もダンジョンを攻略したパーティの魔法使い。 歴史上で最も多く魔族を打ち倒した葬送の魔法使い。 魔法使い。葬送のフリーレン。 彼女もまた、胡乱とも思える舞台に巻き込まれた。 聖杯戦争、電脳世界。冬木に再現されし文明は、フリーレンにとっては未知のびっくり箱。 彼女の世界において魔法とはイメージだ。「それが出来る」という認識の範囲ならば何でも出来る。 それを念頭に置くならば、世界一つを生み出す値するこの魔法の使い手は。 この聖杯戦争を催した元凶とやらは、もはやそれは神の領域に近しいもの。 旅を経て数多の魔法を蒐集してきたフリーレンですら、世界を作る魔法だなんて聞いたことはない。 見極めることにした。聖杯戦争という魔法儀式。 殺し合いを強制させる醜悪そのものに興味はなくとも。 聖杯を発端とする未知の魔法体型には興味があった。 かといって必要以上の犠牲は全く持って否だ。 少なくとも、仮に"彼"が巻き込まれていたなら、彼ならば困ってる人は見捨てないだろうから。 例えそれが、電子の0と1で構成された偽りの命だったとしても。 それは、確かに存在したものだと。 ちなみにであるが、フリーレンが購入した書籍というのが。 今回に関しては趣味である魔法関連ではなく、「まったくわからない人のパソコン入門」だったのを、老婆は不思議と微笑みながら見送ったのはまた別の話。 ◆ 数日後だかの話。深夜。 冬木ハイアットホテル、その一室。 ノートパソコンを手慣れた手付きで操作して、ネット上のニュース記事を眺め続ける、何処かのショップで購入した眼鏡を掛けたフリーレンの姿。 傍から見たらシュールな光景なのだろう。エルフの魔法使いがブルーライトカットの眼鏡を掛けて文明の利器を凝視していると言うのは。 「……随分手慣れましたね、マスター」 フリーレン一人しか居ないはずの個室に、女性が一人。 例えるならば、濁りのないガラスの容器に入れられた、純度の高い冷水。 人の目を引くような抜群のプロモーションでありながら、近づかなければ気づけ無い程に無機質な陶器のような。 博物館にでも保存されている、古代ギリシャに作られた石像のような、そんな神秘的な儚さを醸し出しながら。 ある世界における世界初の自律型AI。AIを終わらせたAI。世界を救った歌姫。 クラス・ライダー。ヴィヴィ。それがこの彼女の真名。 「……そうだね、ライダー。世界(みらい)は、私やヒンメルが思った以上に広かったわけだ」 稼働式の椅子をライダーの正面へと向ける。 エルフの寿命は長い、それこそ10年の旅なら「短い」と結論付けられるほどに。 だが、人間の文明が日進月歩とはこの事か。数十年経った程度で飛躍する。 ここは自分の世界では無いが、よそ見をすればここまで発展するのかと、違う世界ながらも驚嘆を隠しきれない。魔法が廃れ、機械が発展した世界は、それこそ知らない未来。 だからフリーレンは、まず覚えることにしたのだ。パソコン等の、機械文明を。 その為に色々と四苦八苦はしたが、現在に至ってその労力に似合った成果は出せたのである。 『それはそれとしてあの時いきなりパソコンを学びたいとか言い出した貴女は中々に面白かったですよ。ええ、このご時世でパソコンのパの文字すら無い、まあ異世界出身とは言えそこまで田舎者のお婆ちゃん――ウゲッ!?』 などと。横槍じみたマシンガンジョークをぶっ放す、棚からひとりでに飛び出した真っ白な立方体。 一面のみに目玉のようなものがついた素っ頓狂な見た目ながら、いざ言葉が出れば言葉の機関銃。 ただし「お婆ちゃん」呼びに思わずしびれを切らしたフリーレン。隣に掛けておいた杖を手に振り上げ喧しい立方体に向けて振り下ろす。心なしか、顔に青筋が経っているような雰囲気ではあった。 「悪かったね田舎者のお婆ちゃんで」 『そりゃ1000年も生きた単一生命体なんてサンゴぐらいですよ。ロートル極まりすぎてこっちだってドン引きです本当に。まあその無愛想さからナチュラルにジョークを言えるセンスは素直に感心しますよ。出会った当初のどこぞのAIに――あいだだだだだだ!!』 「マツモト、これ以上は余計」 なおも気にせずペラペラと喋り倒すマツモトと呼ばれるそれに、今度はライダー直々のぐりぐりが炸裂。 その軽快なやり取りからは、この英霊と1機が長年付き合ってきたパートナー同士の信頼とも受け取れる光景に、ヒンメル達とのやり取りをそこはかとなくフリーレンは思い出していた。 「ですが、私も実際に話を聞くまで信じられませんでした。如何にAIでも、100年以上保たれ続けられるかは未知数です。長く保った方の私でも、休止期間を挟んでの100年間でしたので」 「文明が発達しても、そこは人間と変わらないんだ。私からしたら100年もそこまで長くない認識だからね」 エルフの寿命は長い。それこそ1000年を超えるのが平均的。 フリーレンですらまだエルフの中では若輩と認識される程。 それ故に彼女は人間というもののよく理解できていなかった。 長命種ゆえの達観した認識。故に人間との交流に価値を見出さなかった。 「……ヒンメル達との旅は、たった10年だったよ。ライダー達が生きてきた10分の1。私にとっては100分の1」 人間の人生なんてエルフからすれば短いものだ。エルフにとってはたった10年の旅。 分厚い本の一ページにも満たないそんな物語。 でも、そんな1ページの、些細な一人に、勇者(ヒンメル)に彼女は惹かれしまった。 自分の魔法を、「好き」だと言ってくれた彼に。 「……でも、そんな10年で、私は変えられたんだ」 彼の死で、思い返せた。 彼らと共に過ごした日々が、どれだけ尊かったのか。 彼らと共に乗り越えた冒険、どれだけ楽しかったのか。 人間の寿命なんて短いことぐらい分かっていたのに、どうしてもっと知ろうとしなかったのだろうか。 それを自覚した瞬間、何かが変わったから。いや、あの時から既に変わっていたのか。 それ以降の彼女は、人間を知る旅に出た。生臭坊主の置き土産と言わんばかりの弟子も出来た。新しい仲間も出来た。 人間をちゃんと知るには、まだ程遠いけれど。それでも、一歩一歩。あの冒険のように。 「……良い旅、だったのですね」 「そうだね。今なら、胸を張って言えることだ。……下らないこととか色々あったけど」 思い返せば、何一つ無駄のない経験ばかりの旅だった。 ……いや、結構無駄なことした気がしなくもないが。 「私は、100年の旅でした」 続くように、ライダーの言葉があった。 世界初の自立人型AI。刻まれた使命は「歌でみんなを幸せにすること」 使命に生きて、どう稼働し続けるか。 人間の心は分からずとも、その使命にだけは純粋だった彼女に与えられのは、未来からの使命。 「人類存続のためにAIを滅ぼす」ということ。 「痛みもありました、苦しみもありました。その中でも喜びはありました。それは私の中で思い出となって積み重なって、みんなを喜ばせられる歌を歌えるように」 苦難と後悔が多かった旅だった。一度矛盾に耐えられなくて発狂した。 心の奥に引きこもっていた自分(ヴィヴィ)に、大切なことを遺してくれた歌姫(ディーヴァ)がいた。 答えが分からなくて、歌えなくなった時もあった。 「……人間(ひと)は死んでも、必ず誰かの中に残るのだと。ある人が言ってくれました」 それは、ライダーが歌えなくなって、博物館の展示物だった頃に出会った子供。 後に、世界を救う使命を与えてしまった人物となる松本オサムという名前の。 自分が歌えるようになる答えを見つけるのが先か、彼が友達が連れてくるのが先かの些細な勝負事。 結果だけ言えば彼の勝ちだったけれど、結婚して子供を作った彼から言われた言葉が、インピレーションを、可能性を与えた。 「私にとって、心は思い出です。それを、あの時に気付く事ができました」 思い出は、心に残り続けるものだと。 居なくなってしまった半身(ディーヴァ)が自分に遺したもの。 それが、思い出であり、心だということが。 それが、ライダーにとっての、心というものへの一つの返答。 最も、答えは最初から知っていたのに、気づかなかっただけなのだけれど。 「人間(ひと)は死んでも、必ず誰かの中に残る、か」 その言葉に、フリーレンには回顧する思い出があった。 ヒンメルがよく像を作ってもらっていた事。 永く生きるであろう自分が未来で独りぼっちにならないようにと、それが一番の理由だとか言ってた。 『おとぎ話じゃない。僕たちは確かに実在したんだ』 今思えばそういうことか。何時までも自分たちの存在が忘れられないように。 誰かの記憶に、心に、思い出に残ればいいのだと。 確かに、ヒンメルが死んでもその功績を称える村はいっぱいあるな、と。 あの石像が、自分たちを物語のいち登場人物で終わらせない為に残したものだとするなら。 勇者ヒンメルが魔王を倒して80年。それは、人々が誰かを忘れるのに十分な時間であり。 物語で終わらせないように、忘れ去られないように、自分を一人にしないために。 「……痛いほど、知ってるよ」 ヒンメルが死んでも、彼との10年の旅は今でも色濃く残っている。 いつか忘れるとしても、彼が残した像がある限り度々思い出すのだとしたら。 確かに、何処までも用意周到なのか、ただのお人好しなのか。 『実際、AIの癖に妙に頑固で人の話聞かないものですから私としては苦労させられたんですけどね!』 再び割り込むマツモト。もう完全に愚痴の類だった。 実際、ヒンメルの奇行に振り回された周囲みたいな感じだったのだろう。 『まあ、そういう彼女だから最後までついてきたんですよ。今思えば、彼女だからこそ使命を遂行できたんですよ』 まあ結局、このマツモトも満更ではなかったのだろうと。ライダーにとっての唯一無二のパートナーだったと。なんとなく納得のできる言葉だった。 「……『歌でみんなを幸せにする』のがライダーの使命でよかったんだよね」 「はい、マスター」 歌でみんなを幸せにするという使命。それを考慮すれば、この聖杯戦争で生き抜けるかどうかは厳しいのかも知れない。けれど、誰かのために歌を歌うその意志は。その為に人を助けようとする心持ちは無下には出来ない。 「もしもの時は覚悟はしてほしいけれど、なるべくは考慮するよ」 「……!」 これは最低限の表明だ。彼女の意志は立派なものだが、いずれ矛盾に突き当たる。同しようもない選択肢を突き付けられた時、それこそ魔族のような心を誑かす相手と出会った時は。けれど。 彼女の思いを踏み躙るようなことは、なるべくはしたくないとは思った。 「……ヒンメルなら、構わず助けてただろうから」 自分はあの勇者みたいな融通は利きづらいけれど、彼ならばそうするという確証もあった。 あったからこそ、彼女はライダーの使命を、その意志を尊重しようと思うのだろう。 ◆◆◆ 『私はもっと人間を知ろうと思う』 『私の使命は、歌でみんなを幸せにすること』 【クラス】 ライダー 【真名】 ヴィヴィ@Vivy -Fluorite Eye's Song- 【属性】 中立・善 【ステータス】 筋力:C 耐久:D 敏捷:C 魔力:C 幸運:D 宝具:B 【クラススキル】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 騎乗:D++ 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。 最も、ライダーが一番得意なのは舞台の上に乗ってのパフォーマンス。 【保有スキル】 戦闘プログラム:C 結果として自ら望んでインストールしたマツモト謹製の戦闘プログラム。 スキル発動中は筋力と敏捷のステータスにプラス補正が掛かる。 魔性の歌姫:B+ ライダーの歌姫としての魅力。生前によりライダーは歌だけでなくその行動の結果とある人物を魅了してしまったことからスキルランクにプラス補正が掛かっている。 ライダーの歌を聞いた対象に対し判定を行い、成功時に対象を魅了する。かつランクC以下の対魔力程度なら貫通し無力化する。 英霊となったことで歌を介して魔力を伝搬させる手法も可能で、耳が聞こえない程度では防ぐことは出来ない。 『使命』:B 自立型AIに対して課せられる基本行動規範。ライダーの場合は『歌でみんなを幸せにする』という使命。 使命に反する内容の精神及び感情干渉をある程度シャットアウトする。これはマスターからの命令も同様。 一応"みんな"の定義次第ではある程度融通を利かせたり、令呪を切りさえすれば強制的に『使命』を無視しての命令も可能。ただし後者に関しては行動の内容次第でライダーのフリーズが発生したりするため推奨はできない。 ディーヴァ:EX 「もしもの時は私が助けてあげるから、頑張りなさい。ヴィヴィ」 かつて消滅した、ヴィヴィの半身。今はまだ奥底に眠ったまま。もしも彼女の心が折れそうになった時は―――。 【宝具】 『マツモト』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大補足:1~100 ライダーをサポートする、一面にのみカメラを有するサイコロ状の立方体AI。 対象へのクラックを行うことでの視界のジャックや魔術回路への干渉を主に得意とする。さらに同型のボディを量産、それをブロックのように合体させることで乗り物等へと変化することも可能。最大生産可能数は三桁を超える。 耐久力もそこそこあるのでマツモト自身や同型ボディを投擲することで飛び道具としても運用も出来る。量産した同型ボディは壊れた幻想の用途で意図的に爆発させることも可能。 『思い出を込め心のままに(フローライト・アイズ・ソング)』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~10 最大補足:1~100 100年に渡る旅の果て、最後の最後にライダーが辿り着いた「心を込める」という行為への答え、その結晶たる、ライダーというAIが初めて自分で生み出した曲(もの)。 「AI停止プログラム」を乗せて歌い、全てのAIを停止させた逸話を参照し、この歌が聞こえる範囲内にいる、ライダーのマスター以外の全ての人物の魔術回路、及びサーヴァントに供給される魔力等を強制的に停止させる。 魔術回路及び魔力供給そのものを強制停止させるため、たとえ令呪を使おうともこれに抗うことは困難。 ただし、これの対象はライダー自身も含まれているため、実質的に自分という霊核を削っての自爆宝具に等しく。事実上、歌い終わると同時にライダーの消滅が決定づけられる。 【人物背景】 「私の使命は、『歌でみんなを幸せにすること』」 100年にも渡る使命の果てに答えを手にした機械仕掛けの歌姫。 【サーヴァントとしての願い】 英霊となった身でもその使命は変わらない。 ただ、マスターをちゃんと元の世界へと帰してあげたいという気持ちはある。 【マスター】 フリーレン@葬送のフリーレン 【マスターとしての願い】 聖杯は気になるけれど、それに願いを掛ける程じゃない。 【能力・技能】 『魔法』 一般攻撃魔法こと人を殺す魔法(ゾルトラーク)等の基本魔法。さらに旅の中で集めた様々な民間魔術を使用することが出来る。 『魔力制限』 フリーレンが師匠であるフランメから教わった、自らの魔力を意図的に抑える技術。 1000年間の魔力鍛錬の上に、常時この制限状態を続けていた為、制限特有の魔力の僅かなブレや不安定さは全くと言っていいほど無い。 並の魔術師では彼女の魔力を正しく計測することすら不可能。 【人物背景】 かつて魔王を倒した勇者ヒンメル一行、その魔法使いフリーレン。 【方針】 生き残りながらも電脳冬木市と聖杯戦争そのものの調査。 なるべくはライダーの意思は尊重するが、相手次第にとってはそれも叶わないことも覚悟してる。 ……珍しい魔法とかあったら手に入れないと。
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/10703.html
無頼電脳スプラッシュ・ガン UC 水/自然文明 (3) クリーチャー:リキッド・ピープル/ビーストフォーク 1000 ■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。 ■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、手札を1枚、自分のマナゾーンに置く。その後、相手のシールドを2枚見る。 作者:テーメノン フレーバーテキスト あまりの凶暴さに誰もが再稼働を反対した。 評価 名前 コメント