約 758,108 件
https://w.atwiki.jp/yougosq/pages/7254.html
■死と踊るガラテア 世界樹の迷宮Xの巨人の遺跡で登場するFOE。 巨人の遺跡に置かれた有翼の石像。争いの音に誘われ動き出すのは、戦うために生まれたからかもしれない。 乱入のみで戦えるFOE。耐久の高さにびっくりするだろう…。 全体低確率即死を頻繁に使う、非常に物騒な相手。危なすぎる 名前やカラーリングやスキルが微妙に変わったがようするに3の輝く金像である ↑:2の危ない石像じゃないか? ↑グラは2の怪しい石像だけど、氷以外全無効かつ全体異常撒きは輝く金像 ロボットダンスを習得した 名前がやたらかっこいい コイツがいるエリアはエンカウントしやすくなっている。特にダメージ床は増加量がすさまじい。が、そこでの戦闘だと乱入されない。何が嫌なのだろうか。 ↑沼だと沈むんじゃね?石像だし。 弱点をちゃちゃっと突いて速めに始末しないと、パーティー総崩れになりかねない。HPはそこまで多くないが、地味に物騒なやつ ガラテアとはギリシャ神話の王にして彫刻家ピグマリオンが創った女性の像の名前。自らの創作物に惚れてしまったピグマリオンは女神アフロディーテに祈り、ガラテアを人間に変えてもらい、彼女と結婚し子供までもうけたという。 氷弱点に気付かず、毒で倒してから図鑑見て、もうね 解析グラスが輝く相手 ゼノブレイドのユニークモンスターみたいな名前である 毒殺スタイルの場合、経験値揃えたい病の人にとっては天敵 超序盤に全体即死をぶっぱなしてくる世界樹らしいスタイル…いや世界樹でもめったにないよこんなの! 麻痺と毒と氷属性に極端に弱くHPも低い。弱点を突けば1ターンキルも可能だが即死でアタッカーやバステ要員がやられると危険か。 物理職しかおらず毒も氷も無く殴り倒したのは自分だけじゃないはず なかなかふざけた奴だな、気に入ったぞ(開幕4人即死) 某小説の魔杖剣にありそうなネーミング。かっこいい。 擬態している状態だと戦闘に突入する事すら出来ない。最悪糸がないとリセットしかないという状況を作り出す事も。新たなる強敵にあんな使い道があったとは…(戦闘して即猛進逃走) ↑ …のように思ってしまうかもしれないが、実は地形がちゃんと詰まないように作られている。こいつらがダメージ床を踏めないのは恐らく詰み防止のため。…ただし、倒すかhageるかしないと抜け出せないという状況にはなりうるが。 ↑訂正、「倒すか」は無理だった。hageれば脱出可能だぞ!やったな! 具体的には、左下の部屋で右下のダメージ床に入り、2匹が塞ぎに来るまで待機すればいい。似たような状況になりうる某終盤の迷宮と異なり一方通行ルートすらないので脱出は不能、エンカウントのみ可能である 戦いたくない時は雑魚戦に入り、こちらまで近付かせてから戦闘終了、再エンカウント&追いつかれるまでに扉へと突っ走るというやり方で対処出来る。というか道を塞ぐ様に陣取っている個体相手にはこうするしかない。 0ダメージってのはこのFOEで初めて見た。(ミスやスキルでの無効化ではない、0という表記が) うちのパーティはガンナーブレイクのスタンで1ターン稼いでからのゾディブレイクで楽々倒せたけど、氷も毒も無い人はどうするんだろうと心配してしまった。 ドクの剣スキルで一応いける 「~ができないパーティ」のことを話す人の8割が回復以外の消費アイテムを失念してる説。まぁこいつの場合オイルを即死で消されるからかなり苦労するだろうけど こいつって全体即死以外の行動あるのか?出会った個体全部倒れるまで全体即死しかしてこなかった 氷属性・スタン・麻痺・毒以外×という、カボチャ並みの恐ろしい耐久を持つ。封じは一切聞かないので、全体即死が毎回来るのが恐ろしい。 カボチャのように堅い石像である。字面だけ見ると意味不明だが、この石像はカボチャのように堅いのだ ↑世界樹経験者には伝わるが、一般人にはまるで伝わらない。経験者なら納得するが。 この当たりからヒーローやソードマンのバステ命中率に気付き始めるかも。他の皆が平気な顔してても結構な確率で彼らは床を舐めている。 鬼耐性をバフデバフ重ねまくりで無理やり貫通できないかな? 10割カットは10割カットだから無理じゃねえかな 踊れ遊星ェ!!死のダンスをォ!! 弱点さえつけるPTなら初突入時でも倒せる見込みはある。装備もなかなか 世界樹のF.O.Eはカッコイイ名前が多いけれど、これは「ちょっとベクトルが違うな」と思った。どう違うのかはよくわからないのだが。 ↑名前が本人を表してない気がするんだよな。名前から本人の姿がイメージ出来ないというか。 ↑2 それはなんかわかる ガラテアはラテン読みでガラテイアとも読まれ、名の元はギリシア・ローマ神の物語『変身物語』ことメタモルポーセースにあるらしい。死を振り撒くのは 途中送信失礼) 恋人に死なれたり、美貌で苦労したりしたからかも知れない。にしても美女のことらしく、美女なのかと疑問になるな。 なおキュクロープス(サイクロプス)が恋しており、しかし洞窟の中の彼女を見つめるのみしかならなかったという絵画もある。巨人の遺跡はそれに由来する、かも。 ガラテアなのにどうしてもガラティアって読んでしまう 流れからいってベクトル違い(?)の話になるかもしれませんが、おそらくこの時点でスタンは条件が厳しく、麻痺は動きを止められるとは限らず、毒状態にしてもダメージを与えられるのはターン終了時。つまりその前に全体即死が飛んできます。近づいてくるタイミングは比較的わかりやすいので、事前に凍砕斬なりアームズなり圧縮星術なりスタンバイしておいて、即死が飛んでくる前に片づけるのがおすすめです。装備は敏捷性重視がいいかもしれません。 取り敢えず外見から、踊るもギリシャ神話の女性も衛星も小惑星もまったく感じられんコヤツの名前は世界樹のFOEの命名法則からかなり外れてるからその点でも結構異色なFOE。 「死と踊る」に関しては、戦闘=死の臭いを嗅ぎ付けて動き出す事と、動けば死を振り撒くという特性を充分に示してるだろ。ガラテア部分は意思を与えられた石像というだけの繋がりしか無いけど。 こいつと他の魔物の名称と比べた際の違いは「ガラテア」が固有名詞だということじゃなかろうか? 少なくとも現代日本では一般名詞化してないからそのピンポイントっぷりに違和感があるのかも知れない。 ↑まず動詞+名詞系のFOE名でカタカナ入ってる時点で違和感ある。スタチューとかでも違和感ある。 レベル20ソードマンのフルチャダブストに攻撃号令とフリーズアームズを重ねて高潔切ったら瞬殺余裕でした。スキルレベルは全部最低値で武器も第二迷宮クラスの突剣なんだが。 ギラティナ?(難聴) テメェさりげなく無属性にも0.5倍くらいの耐性持ってやがんな…? 巫剣もアクセルドライブも軽減しやがる ノービス時点でまともに使えるスタンはガンナーのブレイクと後方撹乱ぐらいかな?後方撹乱使う気なら乱入までは敵を二体残す事、でないと前列に入ってくる そういやロマサガ3の敵にもガラテアがいたな。世界樹とは違って血塗れの子を抱く母親の石像っていうホラーチックな物だったが。 それはカタカナではなく横文字では?5迷宮連中もだけど今までにないベクトルの名づけ方は嫌いじゃない。即死連打は許さんが いつもっぽい名前だとどんなのになるかな。死と踊る灼眼とか ↑死と踊るの時点でいつものっぽくない 人間になりたい石像かもしれない カワイイ。 開幕3人逝ってビビったしシノビ入れてなかったら確実に詰んでいた そのいつものっぽくない名前だからこそ、能力も相まってめっちゃ怖い 耐性とかスキルとか輝く金像っぽいし、代わりに新3に出る予定だったのかもしれん 死と踊(ダンス)っちまったガラテア こんなん凍砕斬で余裕だろ→ヒーロー死んだぞFOE! 確実に動きを止めることができる手段がスタンしかないので到達時点だと対策は非常に難しい。雑魚との戦いに乱入させて準備万端で1ターンキルするのが理想か コイツにショクスパを無駄撃ちしたのは自分だけじゃないと思う。 名前めっちゃすき。確かに今までのネーミングとは少し違うかもしれないけど、洒落た表現だと思う 弱点にすごく弱いのとHPが低いのが救いだね。アームズ込みのソドやゾディがいれば片付けるのが楽になる。素材から作れる装備は高額だが強い。 プリンセスをパーティに入れているが、アームズを取っていなかったので、手も足も出なかった。 初めてあった時パーティに属性攻撃持ちがいなかったのでオイルの為にスカンク殲滅してました コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/60042.html
【検索用 あくまとゆひきたす 登録タグ 2024年 KAITO VOCALOID あ あ子 ぐちり 暇 曲 曲あ 葵山わさび 錦】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ぐちり 作曲:ぐちり 編曲:あ子 ブラス:錦 絵:葵山わさび・暇 唄:KAITO 曲紹介 死んでも離さないさ 「その手を取らせて」 -届かぬ愛の歪な運命- 曲名:『悪魔とユビキタス』(あくまとゆびきたす) ぐちり氏にとっては39作目の楽曲。 KAITO 18周年を記念して投稿された。 歌詞 (ぐちり氏ブログより転載) 雨と夢と血と餞別の祝祭を 何すれど報われず 咲くのは徒花 指を差す先 その切先が怖かった 人目を避けるように 光を鎖した 夢を見るより他に道等は無かった お願い 誰か 教えて 誰か ボクのことを救ってくれないか 願う傍ら現れた‘‘影’’は耳元 囁いた 『嗚呼、可哀想な子だ』 頭の中を忽ち巡る 貴方の声は陽炎 悪魔にも似た 不敵な笑みを零した その手を取らせて 目を覚ませば見知らぬ場所 ここが何処かもわからない ただ 使命なら知っている これが運命と言うのならば お前など 助けてみせよう …可哀想な仔猫め 惨憺たる末路 夢も無い 酩酊する意識 答は無い 渾沌より出し 咆哮の雨 救済など嗚呼 夢の又夢 「教えて?貴方は何処から来たの」 『お前の傍にいただけさ』 「答えて!貴方はボクの何なの」 『俺はお前を────』 愛と呼ぶには歪な貌 手を取り合うことなどない それでもボク(俺)は 貴方(お前)の手を握るから 掴んで離さないさ 死んでも離さないさ コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/glyuri/pages/112.html
通称:ダブルエンゲージ 著者:渡海奈穂 イラスト:石川沙絵 レーベル:一迅社文庫アイリス 既刊 2010年4月 ダブル・エンゲージ 偽りの姫は騎士と踊る ここに紹介文 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/2309.html
智代はまだ危機という危機は味わっていない。 人の死に対面などした気にはなっていないし、もちろんそれはいいことで、対面しないにこしたことはないだろう。 それゆえにまだ彼女の中には迷いがあった。 しかし彼女は対面してしまう。 あの悪魔に。 九澄大賀に。 彼女は人を殺さない。 その決意は揺らぐのだろうか? ◇ ここは隠されし 絶望の 聖域 悪魔が君臨するエリア。 そこに智代が降り立った。 「……ここには誰かいるかな?」 智代はいまだ1人としか会えていない少女である。 寂しいにもほどがあった。 そんな彼女はある物を見つけた。 「―――なんだろう。この金色の板きれ……?」 M0プレート。 九澄の所有物。 この金色の光が何をどう照らすかは未だ分からない。 ◇ 「ふぅ。何故私は人に会えないのだろうか?」 ため息混じりで愚痴を吐く。 もちろん、その痴女のような姿を見せたいなどでの意味では無い。 しかし言った直後に、人影を見つけた。 「―――む?あいつは確か……」 そう彼女と『彼』は出会っている。 坂上智代と九大賀。 今、智代がこんな格好しているのは大賀と出会ったから。 だから思い出すまでもなく、彼だと気付いた。 しかし会った時とナニカが違った。 というか見ただけで分かる。 手。 それが異様で異質だった。 まるで猿の様。 毛むくじゃら。 人のものではなかったのだ。 「……」 少しためらった。 話しかけるのを。 しかし話しかけようと試みる。 何分ゲームだ。 彼女自身もこんな姿になったのだから。 不思議ではない。 纏う雰囲気が全然違ってこそいるが、あり得ない話では無かった。 「おい、お前…………えっ?」 驚くのは無理もなかった。 何せいきなりこちらに向かって走り出してきたのだから。 それは狂気の目。狂喜の手が智代を襲いかかるから。 だからそれに伴い智代は逃げた。 体勢を整えるのもあるが、ただ単に今このリミッターの効かない身体で蹴り飛ばしたら、 大賀が死ぬかもしれなかったから。 それは、避けたかった。 そして鬼ごっこ、…いや、悪魔ごっこが始まった。 【1日目/朝/隠されし 絶望の 聖域】 【坂上智代@CLANNAD】 [状態]健康、騎士化、 [ステータス] LV:40 HP:523/840 SP:78/78 ATK:76 DEF:67 SPD:54 [装備]M0プレート@エム×ゼロ、 [道具]支給品一式、空瓶、快速のタスマリン×2 [所持金]1097 [思考] 基本:生き残る 1:逃げる 2:朋也たちを探そう 【九澄大賀@エム×ゼロ】 [状態]悪魔化 [ステータス] LV:30 HP:127/599 SP:0/30 ATK:40 DEF:36 SPD:37 [装備]悪魔の手@化物語 [道具] [所持金] [思考] 基本:… 1:… [備考] ※願いを皆殺しに変えました。(モンスターも含め) ※九澄の戦闘方法もできます。(本能のまますることが多いが) ※相変わらず支給品と金は捨ててます。 成長過程(戯言遣い編) 投下順 漂浪するアナタ 私の知らない物語? 坂上智代 [[]] 九澄大賀は(人間として)退学済み 九澄大賀 [[]]
https://w.atwiki.jp/supergirl121/pages/194.html
私は悪魔と契約した。 願いは、『悪い男をこの身体でぶち殺したい』。 悪魔から条件を聞き、良く練った上で交わした契約。 条件とは、契約が"履行され終わった"瞬間、私の魂を悪魔に捧げるということ。 つまり、私が悪いと思った男をこの身体で殺し続ける限り、魂は獲られない。そういう契約。 『お前が男を殺すことに疲れた時、それが契約履行の瞬間だ』 悪魔が頭に直接、語り掛ける。姿は見えないが、常に私の傍に居る。そういう悪魔らしい。 「男を殺し続ければ良いんでしょ」 『ああ。既に、その力は授けてある』 「嘘。契約前と何も変わってない気がするけど・・・」 特に、自分の身体にこれと言った変化は感じられない。 試しに、ポケットから携帯電話を取り出そうとすると・・・。 グシャッ! 物体が拉げる音。 「・・・う、そ」 私の手には、グシャグシャに握り潰された携帯電話。 普通にポケットから携帯電話を取り出して、力試しに握ってみるつもりだった。 しかし、携帯電話は軽く握っただけで粉微塵になっていた。 『そういうことだ』 悪魔は囁いた。『いろいろ試してみると良い』と。 外に出てみる。未だ半信半疑だが、自分の持ち物を壊したくなかったのだ。 電柱の前に立ち、手を『パー』にした状態で電柱に当てる。 ボゴッ! 「!?」 電信柱に当てた手を握った。それだけで、硬い電柱が"削り取られた"。 感触的には固い粘土を握った、そんな程度だ。 「・・・す、凄い」 次は、近くにあったガードレールを両手で持った。 ベリリッ! 恐らくは鉄で出来ているであろうガードレールが、まるで紙細工にように掴んだところで裂けた。 「昔、映画で見たスーパーガールみたい」 地球に来たばかりのスーパーガールが石を握り潰した時って、こんな感覚だったんだろうか。 「・・・でも、さすがに空は飛べないよね」 そう言って、私は試しにその場でジャンプしてみた。 ビュンッ!! 「・・・えっ! 嘘っ!?」 自分の遥か下に、夜の町並みが見える。 「・・・飛んで・・・いや、違う」 直ぐにそれは、『飛行』ではなく『跳躍』だと気付いた。放物線を描いていたからだ。 やがて、私は地面に落下した。 「きゃあぁぁぁ!!」 ガサガサガサッ・・・ドガガガガッ!! 「・・・っつ、痛てて・・・ん? あれ? ・・・・・痛くない」 周りを見ると、まるでロケットが不時着したかのように、地面が大きく削れていた。 「・・・ここって、もしかして」 夜の闇に目が慣れてくると、そこは森の中だということに気付く。 私は何と、5kmは離れた町外れの山に不時着していたのだ。 助走無しのジャンプで5kmも跳び、山肌の森にヘッドスライディング。 木々という木々を薙ぎ倒しながらクレーターを作り、あまつさえ当の本人は無傷だったのだ。 「さすがに、本物のスーパーガールみたいには行かない、か」 それでも、既に人間の範疇を超えている気がする。 握力、脚力、と来て後、試してないのは腕力ぐらいか。 「やる必要無い気もするけど・・・一応、ね」 私は誰に話し掛けるでもなく、そう独り言を呟いた。 近くにある、樹齢何百年という大木を抱えるようにして持つ。 ・・・メリメリッ。 「あっ」 両腕が、大木の幹に減り込んでいた。 ・・・ベキベキベキッ、ドシャッ!! 持ち上げようとする以前に、圧し折ってしまった。 メリメリメリッ・・・ボゴォッ! 「・・・ふぅ」 疲れた溜め息ではない。力を加減して何とか大木を引っこ抜くことに成功した、安堵の溜め息だ。 周りには、失敗して人の背の高さで真っ二つにされた大木が何本も転がっていた。 「・・・・・そういえば、男を殺すのって今すぐじゃないといけないの?」 『・・・もし。七日七夜、一人も男を殺さなければ契約不履行と見做し、魂を頂く』 「・・・逆に言えば七日間、つまり一週間で一人殺せば良いわけね」 『そうだ。一晩に何人殺そうと七日、間が開けば契約不履行と見做す』 元より悪魔と契約した身。倫理や道徳なんて糞喰らえ。 これで今夜は、契約で得た力の試運転に費やせる。 全力で走ってみる。すると、巻き起こる衝撃波で周りの木々は再び薙ぎ倒された。 「・・・とっと」 勢い余って、私は山肌を沿うように通る、舗装された道路に出た。 深夜の山道。本当なら車なんて通らないはず、私はそう思っていた。だが。 突然、カーブから急に猛スピードで飛び出してきた車。 「・・・きゃ!」 私は思わず、目を瞑ってしまう。 ギャギャギャッ、キキーッ・・・・・ドン! 私と車の衝突事故。"普通"なら、か弱い女の子であるはずの私が、吹っ飛ばされていただろう。 しかし、今の私はもう、"普通"ではない。 車のボンネット部分が、まるで電柱にでも突っ込んだかのように凹んでいた。 「・・・・・つっ、痛つ。な、何でこんなとこに人が居るんだよ!?」 エアバッグのお陰で無事だったのか、運転手らしき男が車から降りて来た。 「・・・ねぇ。あなた、こんなところを猛スピードで走ってちゃ危ないじゃない」 急カーブが続く、山沿いの坂道。本来なら徐行して走るようなところなのだ。 「あぁっ!? この道は俺ら、『スピードジャンキーズ』の走り場なんだよ!」 「・・・スピード・・・何?」 私の疑問に、男は誇らしげに語り始めた。 要約すると、要は走り屋兼、ローリング族ってところらしい。 「・・・それって、悪いことだよね?」 「だからどうした? んなこたぁ、知ったこっちゃねぇよ」 危険運転をした挙句、人を轢いておいて相手の心配すらしない。 「あなたが・・・"悪い男"で良かった」 "試運転"の絞めには丁度良い、私はそう思い薄っすらと笑った。 「おい・・・何を言っ・・・!?」 私は右手を振り被り、"軽く"ボンネットに叩き付けた。 ドゴォォォンッッッ!!! 「う、うわぁっ!」 ボンネットが完全に潰れ、前輪が左右に吹き飛ばされた。 「・・・え? え?」 男は事態を飲み込めていないようだ。 「・・・ふふっ♪」 私は、何だか愉しくなって来た。 次に、車の真横に回ると、今度は左手で手刀を作る。そして、それをルーフ目掛けて振り下ろした。 ズグシャアァァァッ!! 私の手刀は、まるで日本刀でも振るったかのように、車体を前後真っ二つに裁断していた。 「・・・う、そ・・・・・」 男が腰を抜かし、地面にへたり込む。 「な、何してんだよ!? 俺の大事な車!」 男はいきなり立ち上がり、私に突っ掛かって来た。 しかし、男が殴ろうが蹴ろうが、私には蚊に刺された程にも感じない。山肌を削るぐらい頑丈なのだ。 一つ一つ、力を確認するように段階を踏んで車を解体し、潰していく私。 男は私にしがみ付き、必死にそれを止めようとするが、指一本止めることは出来なかった。 「直ぐにあなたもこの車みたいになるんだから、大人しく待っ・・・きゃ」 偶々なのか、ワザとなのかはわからないが、男は両手で私の目を塞いで来たのだ。 さすがにこれには、私も頭に来た。 「もう!」 徐に、男の手を引き剥がす。 バキバキバキッ!! 「ぐぎゃぁぁぁぁっ!!」 私が軽く掴んだだけで男の手はグシャグシャに潰れ、左右に引き剥がすだけで男の肩が外れた。 「・・・やっぱり。人間ってこんなに脆かったんだ」 私は、地面で這い蹲り、痛みに悶え苦しむ男を見てそう言った。 軽くパンチを放つ。すると、殴られた男の身体の部位がパンッ、と弾ける。 試しに、一本指で突付いてみる。すると、指の根元まで簡単に刺さった。 「理科の授業で蛙が解体されるのって・・・それって、蛙が人間よりも弱いからだよ、ね?」 男は痛みと恐怖で半狂乱になりながら叫んでいるが、もう私の耳には届かない。 ホンの数時間前に得たばかりのスーパーパワーを試したくて、それどころではないのだ。 「映画のスーパーガールがもし現実に居たら、"こういうこと"はやっちゃうと思うんだ」 石を握り潰せるパワーがあるなら、それを人間に試したいと思ったって不思議じゃない。 異星人のスーパーガールが、地球人の倫理観を持ち合わせているとは限らないのだ。 実際、男を持ち上げるだけでも細心の注意を必要とした。 重さなど、私にとっては元より無いに等しい。 ただ、下手に力を入れると、その部位を潰してしまって持てないのだ。 「あっ、明日からどうしよう」 私は何も、アウトローというわけではない。明日も普通に学校がある。 しかし、こんなパワーで学校に行ったら・・・どうなるかは想像に難くない。 「ま、良いか♪」 明日のことは後で考えれば良い。今は目の前の男でキッチリと"試運転"を終わらせてしまうのが先だ。 「殺ったら、ちゃんと後片付けしないとね♪」 既に事切れた男の屍を、丁寧に潰し、折り畳んで行く。 それを、渾身の力で圧縮する。すると、野球ボールぐらいの小さな"肉の玉"が出来上がった。 今度は同じように、車も潰して行く。程なくして、肉と鉄の玉が2つ、出来上がった。 さすがのスーパーパワーでも、在ったモノを完全に消し去ることは出来ない・・・はずだ。 空へ向けて投げるという手もあるが、さすがに宇宙まで届くかどうかの自信は無かった。 尤も、物を投げて宇宙に届くかどうかを真剣に悩む、なんてこと自体、常軌を逸しているのだが。 結局、"肉の玉"は山の中腹付近で目算で20mぐらいの穴を掘り、そこに埋めた。 一方、"鉄の玉"は物は試し、と空に目掛けて全力で投擲した。 もし宇宙まで届かず、何処かに落ちれば、それはそれで今の全力がわかって良い。 運が良ければ、『謎の鉄の玉が飛来!?』なんてニュースで教えてくれるだろう。 最後に、肺活量のテスト。 地面にこびり付いた血痕、そこに向かって深呼吸してから思い切り息を吐いた。 ビュウ・・・ゴオォォォォッ!! 凄まじい突風が起こり、目の前にあったガードレールを吹き飛ばしてしまった。 血痕も、その大半が吹き消されていた。少し残ってはいるが、まあ大丈夫だろう。 これからは少なくとも一週間に一人、"悪い男"を殺して行かないといけないのだ。 倫理観? 何それ? そういう"契約"なのだから仕方ない。痕跡は出来るだけ残さないに限る。 気付くと、周りが徐々に白み始めていた。朝が近い。 "行き"のように跳んでも良かったが、間違って自分の家を潰しても、と思い、私は走って帰ることにした。
https://w.atwiki.jp/pixno/pages/178.html
『人と機械と悪魔と神と』 作者:ミクリ ステータス:連載中 タグ:ファンタジー、アクション、バトル、能力 リンク:(別窓) コメント: 舞台は第2の地球と呼ばれる惑星やその近辺。 自分の能力がなかなか開花されないことにコンプレックスを抱いていた少年。 しかし、突然謎の能力に目覚めて人や機械や悪魔や神(?)とかを蹴散らしていく異能力系バトル物語。 量は一度に3,4Pほど。更新日数は不定期ですが、2,3日に1度投稿する確率が多いです。 質問、意見、感想などあればコメント欄などに書いて送って下さい( ω )
https://w.atwiki.jp/maid_kikaku/pages/1428.html
(投稿者:エルス) 何処にも何も無い。そんな表現がピタリと気持ちの良いくらいに当て嵌まるのがアルトメリア連邦領の ほぼ真ん中に広がる砂漠地帯だ。何処までも続くような平坦な地形と周りを取り囲むようにして連なっている 岩山の御蔭でGを誘き寄せて一斉砲撃で殲滅するなんて事にも使われた、れっきとした古戦場で、現在はアルトメリア連邦 陸軍の物資集積所や補給基地が点在する、重要な拠点となっている。 そんな所で、アルトメリア連邦にはよく居るゲリラが物資集積所で弾薬を補給していた アルトメリア連邦陸軍第1機甲師団第3旅団戦闘団所属第13機甲連隊第17小隊と今日も明日を生き残る為に弾と食料と燃料をめぐって戦っている。 「10時方向に敵兵確認!仰角12度!てぇっ!」 「オラオラオラぁっ!榴弾砲くらい避けて見やがれや!この負け犬どもがよぉっ!」 「ざまぁねぇなぁ?カッコばっか付け上がったクレイジー野朗が!」 が、しかし、この第17小隊とやら。物凄く強かったりする。口調と見た目こそチンピラそのものだが、砲撃の的確さやら運転の上手さやら で陸軍の上位クラスの腕前なのだ。しかも、搭乗車種が数あるシェイマンの型の中でよりにもよって対人戦闘に向いている榴弾砲装備のシェイマン であるから、ゲリラ部隊は言葉どおりの全滅一歩手前だ。 ―――[◇]――― と、そんな戦場を見つめる視線が二つ一対。M1944対戦車ライフルを構えて狙撃の体勢に入っているのは、艶の無い赤毛と鷹の目を持つ女狙撃手、ソイリンだった。 距離は121.7m、風速は限りなく零に近く、一番気を付けなければならないのが陽炎。しかし、赤毛の悪魔は迷い無く鉄爪を引いた。 12.7mm×99弾を使用するM1944対戦車ライフルの銃口が火を噴き、徹甲弾が一番此方に近いシェイマンの右キャタピラに着弾し、地面の砂が舞い、視界を遮った。 が、ソイリンは遊底を引き排莢し次弾を装填した。砂対策としてゴーグルとスカーフを付けているからだ。迷彩効果を期待して、砂と同じ色のコートも羽織っている。 本来は射撃位置を移すのが良いのだろうが、砂漠での狙撃は専門外のソイリンには、理解できないことだった。 砂埃は風が無いために落ちるのを待つしかない。だが、それでも赤毛の悪魔は鉄爪を引いた。 銃口が火を噴き、肩に反動が来た。弾丸は先程右キャタピラを撃ち抜かれたシェイマンの戦車長の胴体を真っ二つに引き裂いて、貫通した。 またもや砂が舞い、視界が遮られるが、ソイリンはまた同じ動作を繰り返した。照準眼鏡から目を離して、確実に焦らず、必殺の弾を込める。 次に照準眼鏡を覗き込んでも、最初のような晴れた視界は無い。砂埃で良好とは程遠い視界が広がっているだけだ。 視界は晴れない。それでもソイリンは見えていた。銃口を向ける相手がクッキリと。 この一撃で決めなくてはならないと焦りが出る。一度息を吐いて、ゆっくりと吸う。 口をスカーフで覆っているのに乾いた空気が舌を乾かす。焦っては獲物は逃げてしまう、と心の中で反芻する。 榴弾砲の発砲音が響き、そんなに間を置かずに着弾音が鼓膜を震わせて、地面を揺らす。 そんなに離れた所じゃない、と大凡の考えを持ちながら当たれと念を込めて鉄爪を引く。 砲口が此方を向いていたので、白夜戦争の際に使った策を行ったのだ。 弾丸の型は焼夷弾。狙いは砲口内部に装填されている榴弾。外れるかと思ったが、命中したらしい。 爆発音が聞こえた。ソイリンは敵戦車一両を撃破したと知る。しかし、遊底を引いて排莢し、弾を込めて移動した。 まだ敵は居る。そう考えていたからだ。 現実問題として戦車に抵抗なしえる兵力がゲリラの残存部隊に残されているとは到底思えず、全滅している可能性も否定できない。 更に物資を分捕る、と何の作戦も無しに突撃した為、敵の援軍が来る可能性だってある。 理不尽と思える程の戦力差。だが、退く理由が見当たらない。 逆に敵を撃つ理由ならある。一秒先を生き抜く為だ。生き抜く為に狙い撃ち、明日に寿命を延ばす。何時もそうしてきた。 第二地点に移動を終了すると、そのまま腹這いになって照準眼鏡を覗いた。太陽に照り付けられて熱を持った砂が熱かったが、死ぬ程も寒いよりまだ良い。 距離は117.6m、風速は変わらず零に近い。陽炎も相変わらずゆらゆらと揺れていて、変わった事と言えば残りのシェイマン二両が撃つのを止めて周辺を警戒してる事だけだ。 壊されることが無いだろうと思っていた戦車が一両壊されたのだから、当然の事なのかもしれないが、ソイリンには酷く頭の悪い行いにしか見えない。 警戒するのは良いが、戦車長がのこのことハッチから上半身を曝け出すのは、狙って下さいとお願いされている気がするのだ。 「貴方も。馬鹿だな」 ボソリと呟いてから鉄爪を引く。言葉代わりに銃弾が届き、パッと派手に赤い花が咲いた。血肉が吹き飛んで、ほんの一瞬花に見えるだけだ。 見ていても気分を害するだけなので遊底を引き排莢し、次弾を装填し、照準眼鏡をまた覗く。急いで退避するシェイマンが見えたが、最高時速40km/h程度で完全に逃げ切れる訳が無い。逃がす情も無い。 けれど、弾が無い。味方もそれ程いない。 逃がすしかない。 獲物を全て仕留められない悔しさを胸にソイリンは立ち上がり、口を覆っていたスカーフを下げ、ゴーグルを上げた。 汗が玉になって空を舞い、乾いた地面に落ちてそのまま後を残さずに吸い込まれた。一息つくと、まだやる事が残っている事に気づいた。 「帰らなければ」 ボソリと呟く声は持ち手の居ない風船と同じように軽々しく、何処か弱々しく、しかしそれでも芯を感じさせる不思議なものだった。 だが、もっとも単純な疑問が頭に浮かぶ。それは何故今まで忘れていたのか不思議なくらい重要なもので、悲しい現実の一つでもある。 「でも。何処へ」 陽炎で揺れる景色で動く人影は少ない。ゲリラが戦車小隊を撃退したという奇跡の代償か、生存できたのはたったの四名。その中で怪我らしい怪我をしていないのは、ソイリンのみ。 他は戦う為の体力も弾も残っておらず、今さっきの戦車が戻ってきたら確実に全滅するだろうという危険が目の前に出現する。回避しようにも負傷した仲間を連れて行けば、追いつかれて 挽肉にされてしまう。なら、以前したように仲間を見捨てて自分だけ生き残る。後味は悪いが、しかし、生き抜くためにはそれ以外の方法が見当たらなかった。 幾ら考えても、その答えしかない。と、人知れず苦悩していると誰かの視線を感じた。大凡八時方向、狙撃銃では無い、恐らく双眼鏡か何かだろう。 振り向いて其方を見る。大破して朽ちているシェイマンの残骸が点にしかなっていなかったが、見えた。 「誰だ。私を見ている。貴方は」 赤髪の悪魔は、その視線の持ち主を睨み付けた。 ―――[◇]――― 睨み付けられたのは十歳半ばの少女だった。といっても、その身に纏う雰囲気は古参軍人と同じ緊張感と威圧感を持つもので、背後に控えている兵士達も皆しっかりとしている。 彼女―――クリスティアは自称ステレオタイプの悪の組織を名乗るヴェードヴァラム師団、通称V4師団に所属しているメードであり、その背後に控えている兵士達は皆彼女の教え子だ。 そして今、クリスティアは自らに向けられた視線を受け止めて、にやりと笑みを浮かべ、砂漠に佇む、赤髪の悪魔と呼ばれる狙撃手の事を思い出していた。 「ふっ・・・懐かしいな。まさかこんな所で再会するとは・・・」 何年も前の話だが、ソイリンと彼女は一度だけ会ったことがある。ルージア大陸で活動していたゲリラのキャンプで、蜥蜴の尻尾を食べていたソイリンを見て彼女が声を掛けたのだ。 まともな食事をさせてやると言う彼女にソイリンは飢えている訳でもなく、充分食べていると反論したが、持ち前の風船のような雰囲気と彼女の兵士を思う気持ちが重なって、困った時は 私に相談しろと彼女は言ってソイリンは頷いた。 それから時が経ち、またこうして再会した事に、彼女は感謝した。よくぞ今まで生き残っていてくれたものだ。 しかし、そんな気持ちなど伝わるはずも無く、双眼鏡越しのソイリンは此方を敵視したまま動かない。瞬きをする以外、ソイリンは全く動かないのだ。 「流石は狙撃手、と言った所か。・・・ジョナサン!」 「はい!何でしょうか?」 「隊を移動させるぞ、私について来い」 「イエス・マム、おい!移動だ!来い!」 指示を出した後、もう一度双眼鏡を覗き込むとソイリンは変わらず、此方を睨みつけていた。 ―――[◇]――― 睨み続けていたその点が次第に大きくなっていき、砂埃を上げながら此方に走ってくる兵隊が見えるようになると、その真ん中で含み笑いを浮かべている人物が誰なのか、ソイリンには容易に特定できた。 霞んだ記憶に残っている白髪と軍服、初対面である筈のゲリラに、まともな食事をさせてやると言ってくれた、あのメード―――クリスティア。小さい体が不思議と大きく見えたのをしっかりと覚えている。 しかし何故、そのクリスティアがアルトメリアに居るのだろうか。もしや、軍の援軍?いや、軍関係者がゲリラのキャンプに来ることなど決して無い。なら、何だ。 その場に立ち尽くしたまま考える。その結果、一つの答えが浮かんだ。 クリスティアは我々の味方である。 しかも、状況から察するにどうやら助けてくれるようで、一番遠くで這いずり回っていたゲリラ兵にクリスティアの後ろに付く兵士は手を貸し、水を与えている。 胸に圧し掛かっていた荷が下りた気分だった。緊張と過労でぼろぼろの体が今更悲鳴を上げて、脚の力が抜ける。地面に膝を付いて前のめりになった瞬間、 突然横から伸びた小さな腕がソイリンを支えた。 「こんな所で野垂れ死ぬ気か貴様は。・・・久し振りだな、ソイリン」 辛うじて動く首を回して視線を動かせば、軍服と長い白髪、そしてコートが見え、最後に幼い少女らしからぬ大人な表情をした顔がそこにあった。 前に会った時も、こんな顔をしていた。他のメードとは違う、軍を知っていて本当の前線を知っている、そんな顔だ。 古参兵のそれに似た威厳と地獄を生き抜き、それでも尚立ち向かう者だけが持つ、芯のあるその目。 明らかに違うその存在に、ソイリンは改めて敬意を覚え、そして驚いていた。 「クリスティア。どうして。ここに居る」 「単刀直入に言うなら。そうだな・・・お前を引き抜きに来たのだ」 真剣にそう言った彼女の顔を見ると、ソイリンは頷いた。誰かの為にこの命を捨てられるのなら、それが本望だ。意味も無く死ぬのだけは嫌だと、あの白い戦場でも思っていた。 だから、初対面でも私を頼れと言ってくれたこのメードに命を預けようと、ソイリンは心に決めた。 死ねといわれたら銃を咥え込んで鉄爪を引こう、殺せといわれたら迷いも無く鉄爪を引こう、彼女を心から信じ、全ての命令を忠実にこなす。短時間でその覚悟は出来た。 そして彼女の口が開く。 「ならば貴様は今から私の部下だ。私の命令以外で死ぬ事は許さんからな、覚悟しておけ」 「分かった。私は貴方の物だ。扱いは任せる」 「良い返事だ。自力で立てるか?」 「やってみる」 上手く力の入らない身体に無理矢理力を入れて、ソイリンは立ち上がろうとしたが、二三歩程よろけると四つん這いになり、嘔吐した。 「馬鹿か貴様、自分の身体を考えてものを言え。・・・もういい、一先ずアジトに帰ってからだ」 「ごめん。なさい」 「謝る事ではないが、まぁ良いだろう。それと言い忘れていた」 「?」 少しだけ首を傾げたソイリンに手を差し伸べながら、クリスティアはこう続ける。 「ヴェードヴァラム師団へようこそ。ソイリン、私は貴様を歓迎する」 差し伸べられた手を、赤髪の悪魔はしっかりと握り返した。 彼女の元でなら、どんな地獄でも生き抜ける。 そんな希望を持ちながら。 関連項目 ソイリン クリスティア
https://w.atwiki.jp/magichappy/pages/1120.html
▼● Foiled Ambition カラババ大使とナジャ社長、 二大巨頭の息つまる攻防に、 口をはさむ余地などまるでない。 社長の怒気が治まるまで、 しばらくはそっとしておこう……。 アトルガン白門 / サラヒム・センチネル Karababa オーホホホホホホ! Karababa ……よござんす! わたくし、それで手をうちますわ。 Naja Salaheem さすがは大使様。 Naja Salaheem 決断力があられて 弊社としましても、おおいに助かりますわ♪ Abquhbah ナジャ社長とあんなふうに 談笑できる人、初めて見ました……。 (背筋に寒気が走るのは気のせいです?) Naja Salaheem なんて! なんてステキなんでございましょう。 Naja Salaheem 私どもの支社が 中の国で営業! Naja Salaheem しかも! しかも、星の神子さまご公認!! Karababa あらあら、いいんですことよ。 Karababa ナバゴ処刑場では [Your Name]が、ほんとうに 役立ってくれましたもの。 Karababa こんな傭兵が来てくれたら 我が国の、ふにゃけたミスラ傭兵団も 気が引き締まるというものですわ。 Karababa (まぁ、しょせんは、 わたくしの弾除けでしたけれども。) Naja Salaheem そうでしょう、そうでしょう♪ Naja Salaheem しかも、これでも弊社の勇猛な 傭兵の中では中堅にすぎませんですことよ。 オホホホホ。 Karababa で、どのように計画を 進められますこと? Naja Salaheem そうでございますネェ。 まずは場所の選定に社屋の設計、 兵員徴募に組織編成……。 Abquhbah あの、社長……。 Naja Salaheem 武器の調達に 傭兵の調練、連邦軍との交渉に……。 Abquhbah ナジャ社長! Naja Salaheem なんだい、うるさいネェ! Abquhbah いえっ、あの それほどの任務となりますと…… Abquhbah ウィンダス駐在の イブワム(Ibwam)先輩では、ちょっと 荷が重すぎませんでしょうか……? Naja Salaheem うっ…… 確かにそうだネェ……。 Naja Salaheem うーん……。 Naja Salaheem うーーーん……。 Karababa オホホ。ずいぶんと、 お悩みのようでございますわね。 Karababa わたくしが、 ズバッと解決してご覧にいれますわ。 Karababa アブクーバッ!! Abquhbah はっ、はいぃぃ! Karababa こちら、社員数は何人ですの? 社員登録番号で教えてくださいますこと? Abquhbah えっと、そ、それは…… その、社外秘で……。 Karababa 早くなさい! Abquhbah 弱りましたね~。 あの、……内緒ですよ? Abquhbah (ごにょごにょ……です。) Karababa まぁ、そんなに! Karababa (でしたら、ちなみに わたくしの、あの盾は何番ですの?) Abquhbah えと、たしか…… (ごにょごにょごにょ……です。) Karababa あらっ、覚え易い数字ですこと。 Karababa さて…… Karababa わたくし、こちらの 社員番号を使って人選のために占いを 行ってさしあげますわ。 Naja Salaheem !? Naja Salaheem 占い…… で、ございますか? Karababa ええ、そうですわ。 これは、はるか古よりウィンダスに伝わる 算術、魔数分解を応用した…… Karababa それは当たると評判の ありがた~い、えらび唄ですのよ。 Karababa ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪ Karababa ほ・し・の・み・こ・さ・ま・の い・う・と・お・り♪ Karababa な・ぞ・の・た・ね♪ よ・ろ・い・む・し♪ あ・か・モ・コ・そ~♪ Karababa ま・ほ・う・う・って~♪ Karababa バババンッ・ドガンッ・ズガンッ!! Karababa ……でましたわっ! 定めを背負いし者の番号が……。 Naja Salaheem そ、それで大使様? い、いったい……誰なんでございます? Naja Salaheem その運命の 傭兵というのは……。 Karababa それは……。 Abquhbah (も、もしかして……。) Karababa (ゴニョゴニョゴニョ……。) Naja Salaheem ん!? その番号は…… Naja Salaheem たしか [Your Name]!! Abquhbah (やっぱりです~。) Naja Salaheem よりによって……。 Karababa あら? その役目、 この者には荷が重すぎるとでも? Naja Salaheem え? いえ。 そんなことはないですけれども……。 Naja Salaheem 大使様が盾と呼ばれる この[Your Name]は、 聖皇さまの覚えめでたく謁見を賜ったことも あるほどの…… Naja Salaheem ウチのエースで ございまして……。 Karababa !? King of Hearts ア★ノ ヨー★ヘイ キン★グ ヨ★リ ハイ★レベル ノ エンプ★レス ト コー★ト? King of Hearts シカ★モ キン★グ ヨ★リ ハイ★レベル ノ エー★ス ダ★ト? King of Hearts オー★マイ ゴッ★デス!! Karababa ……そのお話。 くわしく話してくださいますこと? ………………………………………………………………………………………… Aphmau …………アヴゼン! Mnejing ……どこにいる? Mnejing ……なにをしている? Mnejing ……誰を、 頼ればよい……? Mnejing ……誰を、 信じればよい……? Mnejing ……わらわは、 なにをすればよい……? Mnejing アヴゼンよ……。 Mnejing 教えてくれ……。 ………………………………………………………………………………………… Naja Salaheem ……ええ、それで お目通りの噂が広まったおかげで、履歴書も 山のように届くようになりまして♪ Abquhbah (本当は、 社長が広めたんですけれど……。) Naja Salaheem それもこれも、 この大使様の盾[Your Name]の 働きゆえでございますよ……。 Naja Salaheem ですから 遠地に派遣するのは、まさしく私の片腕を 失うようなものでございます。 Naja Salaheem けれども ウィンダスに支社を築き、聖都をしっかりと お守りすることもまた、これは大切な 弊社の使命と心得まして…… Naja Salaheem このナジャ・サラヒム、 断腸の思いではございますが……。 Karababa なるほど! あなたのおっしゃりたいこと、 わたくしにも、よ~くわかりましたことよ。 Karababa [Your Name]が、 聖皇と接触するだなんて、まったく…… 想定外でしたわ。 Naja Salaheem え? ええ、 そうですネェ。それはうれしいオドロキで ございました。 Karababa こうなると、ますます 当地での[Your Name]の重要性は 増しますわね。 Naja Salaheem ……ええ。 それはもう…………ん? Karababa オホホ。 ……仕方ございませんわね。 Karababa わたくし、やっぱり、きっぱり、 支社のお話、考え直させていただきますわ。 Naja Salaheem ……ヘ!? Karababa あら、あなた。だって今さっき こう仰ったじゃありませんこと? Karababa 「[Your Name]を 手放すのは、腕と腸を失うぐらい辛い」って。 Naja Salaheem いえっ、それは言葉の アヤでございまして……。 King of Hearts イッエ★ース! ワ★タシ ノ メモ★リー ニ★モ シッ★カリ ホ★ゾン サレテ★マース。 Naja Salaheem ちょ、ちょっと…… お待ちください……! Karababa 残念ですわ。 こちらの会社に、ゆくゆくは我が連邦の国防を…… Karababa そんな青絵画を描いた瞬間が、 わたくしにもございましたけれど……。 Karababa まさか……あなたに 腸と腕を失うような思いをさせてまで わたくしは……。 King of Hearts オー★! カラババ★サマ ノ ハー★ト ハ ラ★ヴ アン★ド ピー★ス デー★ス! Naja Salaheem 大使様っ…… まさか、まさか…… ウチの支社の件はっ!? Karababa う~ん。とりあえず~白紙? Naja Salaheem !!!!! Karababa それでは、わたくし これにて失礼致しますわ。オホホ! Naja Salaheem 待ちなッ!! Karababa あら、 困ったわねぇ、キングや。 Karababa そろそろ準備しないと、 宰相ご招待の晩餐会に 間に合わなくなりますのに……。 Naja Salaheem !! King of Hearts トゥー★レイト! シツ★レー デー★ス! コク★サイ モン★ダイ デー★ス! Naja Salaheem …………。 Karababa そうですわね。 それでは、みなさま。ごめんあそばせ~! Abquhbah (くわばら、くわばらです……。) Naja Salaheem …………。 Naja Salaheem …………。 Naja Salaheem …………。 Naja Salaheem アブクーバッ!! Abquhbah はっ、はいぃぃ! Naja Salaheem シムシムだよっ。 シムシムをまきなっ! ここいら一帯、隙間なく清めるんだよっ! Abquhbah はっ、はいぃぃ! Naja Salaheem んんん? Naja Salaheem おやおやおやおや~? これはこれは[Your Name][階級]さん。 Naja Salaheem 現地ガイド兼人間盾を、 ちゃ~んとやり遂げられたそうですネェ? Naja Salaheem たったいま、大使さまから お褒めの言葉をいただきましたわ。 Naja Salaheem さぞや、 お喜びのことでしょう? Naja Salaheem そして、きっと あたいからの褒め言葉も期待してらっしゃる だろうネェ? Naja Salaheem おあいにくさまだよっ! Naja Salaheem あたいは今、あんたの顔も 見たくない気分なんだよっっ!!! Naja Salaheem とっとと失せて、 あたいを1人にしとくれっ! さもないと…… Naja Salaheem あんたの腕と腸を ソーセージにして喰っちまうよっ!! Naja Salaheem あたいはネェ…… 今は、あんたの顔も見たくない 気分なんだよっっ!!! Naja Salaheem とっとと失せて、 あたいを1人にしてくれないと…… あんたの、腕と腸をソーセージにして 喰っちまうよっ!! Abquhbah 触らぬ社長に タタリなしです……? (くわばら、くわばら。) アトルガン白門 Rodin-Comidin ななっ、なんですと! 宰相ご招待の晩餐会ですとぉお! Rodin-Comidin さすがは 我が主、カラババ様! 皇国の宰相も 無下にはできぬのでしょうなぁ。 Rodin-Comidin はっ! そろそろ 自分のところにも、お迎えがくるのでは? い、急いで一張羅にアイロンをかけねば! ▲ 宴遊の終幕 悪魔と悪鬼と 運命の歯車 ■関連項目 アトルガンミッション , アトルガン白門 Copyright (C) 2002-2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
https://w.atwiki.jp/tamagrail/pages/56.html
「俺はお前のことなんて知らねえし、聖杯戦争なんて興味ねえよ」 「ええー!? 興味ないんデスか!?」 辛辣な言葉をぶつけるのは、青メッシュ混じりの赤髪にパンクファッションを着こなす青年だ。 アンニュイな表情を一切変えず、右手に宿った令呪をしげしげと眺めている。 それを聞いて仰天するのが、召喚されたサーヴァントである少女だ。 バッテン印のヘアピンが特徴の、快活そうな威勢の良い金髪の少女だった。 「そ、そんな事言われても困るデスよ! ここには調もいないし、S.O.N.Gもないし、あたしはさーゔぁんと? になっちゃったし…… とにかくセーハイセンソウっていうのに参加して、情報を集めないといけないデス!」 「俺は困らねえ。お前の力なんて必要ねえぜ」 「なんでこの人こんな塩の味しかしないデスか!?」 困り顔のサーヴァントに対し、マスターはどこ吹く風。 ピクリとも動かないアンニュイフェイスに、少女はぐぬぬと唸った。 少女にとっては異界東京都とやらも、サーヴァント化した自分も完全に理解の外の現象だった。 いや、一応一通りの知識は頭の中にインストールされたのだが、今ここにいる自分は一体何なのか。 いつものようにアラートが鳴ったので出動し、『ギャラルホルン』の様子を見に行ったらこの始末。 どうすれば自分は帰ることができるのか、セーハイとやらを掴めばいいのか。 そのために戦う必要があるなら仕方ないだろう、幸い自分のコンディションは最高値で固定されているようだし。 願いを賭けて戦うというのなら、それは対等な決闘だ。虐殺とかでないのなら否はない。 そう悩みつつも一念発起して、マスターに声をかければ、帰ってきた返事はなんともまあつれないもの。 「マスターさんは、叶えたい願いとかないデスか? このままでいいのデス?」 「俺に願いなんてない。選ばれたことが残念だぜ」 「それは……巻き込まれただけなら、無理強いはできないデスね……」 しょもん、と少女は意気消沈する。 主従というのは少なからず相性が関連するという知識から、自分のマスターはきっと気が合う人だと思った。 しかしそもそも聖杯にかける願いもなにもないというのであれば、切り口もない。 「…………」 マスターの青年は、そンな少女をじっと見つめる。 今しがた拒絶の言葉を吐いたはずの青年は、何かを訴えかけるように見つめ続ける。 「? なんデスか? あ、ひょっとしてあたしの美貌に――」 「俺は戦うのは嫌いだ。歌うのはもっと嫌いだけどな」 「ガーン!? まさかの追い打ち!? っていうか、歌うの嫌いなんデスか!? そんなロックシンガーみたいな格好で!?」 戦うことどころか歌も否定された。 歌は少女にとっての武器であり、かけがえのない大好きなものだ。 もうなんか、何もかもが噛み合わなくて流石に元気が取り柄の少女もちょっと泣きそうだった。 「…………」 そんな少女を見て、青年は僅かに顔をしかめる。 小さくあー、とか、いや、とか気まずそうに頭を掻いた。 お互いそんな状況で、ちょっとだけ間が空いて。 「……よし」 アクションを起こしたのは、青年だった。 どこからか、長い何かを持ち出す。 それは少女にとっても非常に馴染み深いものだった。 「マイクスタンドとスピーカー? マスターさん、歌が嫌いなんじゃ……?」 「…………」 手に持ったマイクを大切そうに握りしめ、一呼吸おいて、青年は少女を指差す。 「全く気分が乗らねえぜ……お前のためになんて歌ってやらねえからな」 「……? デ、デデデ???」 ここまで来ると、最早訳がわからなかった。 否定に否定を重ね、もったいぶったと思ったらまた否定。 別に少女は強制するつもりなんて欠片もないし、そんなに念を押さなくても……と思い、そして別のことに思い至る。 そうだ、いちいちこんなことを口に出す理由があるか? 確かに世の中には人の嫌がる顔を見て愉悦を感じるようなどうしようもないダメな大人がいるが。 しかし少女は一貫して、この青年からそんな悪い気配を感じないのだ。 悪い言葉を使ってはいるが、そこに悪意を全く感じないのだ。 で、あれば、この一連の行動の意味は何か? 少女は顔に似合わず、過酷な生活を沢山の仲間と共にしてきた経験がある。 だから、少しだけ分かることがある。 「……なんだよ、ついてくんなよ。俺は路上になんか出ねえし、お前に聞かせる歌はねえからな」 「!」 なんともおかしいものだ、自分はついていってなどいないのに『ついてくんな』とは。 明らかに不自然なこの発言に、少女はついにこの『素直じゃない人』の真意にたどり着いた。 「……分かったデス! ついていくので、マスターさんの歌、聞かせてくださいデス!」 「…………!」 その言葉に、青年は大きく目を見開いた。 まるで、望んだ答えを得られたかのように、その目には輝きがあった。 「――お前、俺のこと全然分かってねえよ。最低だぜ」 青年の口元に、微かに笑みが浮かんだ。 二人はマイクスタンドとスピーカーを持って、外に出た。 駅近くの橋、通行の邪魔にならない程度のスペースで、青年はマイクスタンドを構え、少女は一人目の観客となった。 派手なカラーのロックシンガーの登場に、通行人も僅かにざわめき、足を止める人もチラホラと見える。 「これっぽっちもやる気が出ねえ……お前ら、せいぜい盛り下がってろ!」 口から出るのは相変わらずの憎まれ口。 なんだこの不遜なやつは、とざわめく人々は、その後に評価を一転させる。 「~♪ ――Loki Rock you!」 足元のスピーカーから音楽が奏でられる。 聴衆の目を引き付ける腕の振り付けから、空気を揺さぶるロックフレーズが響き渡る。 この世のものとは思えない悪魔のような美貌から、魂を震わせる歌唱が飛び出した。 「Loki Rock you Loki Rock you! Loki Rock you Loki Rock you!」 「わあ……!」 少女には分かる、それは命をかけた、魂をかけた歌だった。 自らの存在意義を示すかのように、青年はロックを奏でる。 最高峰の歌姫と比すれば荒い所はいくつかある、しかし本当に大切なことはそんなところにはない。 これは――形は違えど、これは彼なりの『絶唱』だ。 「ろっきろっきゅーろっきろっきゅー……ろっきろっきゅーろっきろっきゅー!」 脳裏に響き渡るフレーズを口ずさむ。 青年のロックは、少女にとっても心地よい、とても好みの曲調だ。 きっと気が合うと思っていた、それは何も間違いではなかった。 やがてコールは観客に伝播していき、突発の路上ライブは大盛況を迎える。 「「「ロッキロッキューロッキロッキュー! ロッキロッキューロッキロッキュー!!」」」 その熱狂は、三度のアンコールが終わるまで続いた。 アンコールのたび、青年は悪態をつき続けたが、しかし言葉とは裏腹に観客の期待に応え、歌い続けた。 「なんでかは分かんないデスけど、嘘しかつけないデスね?」 ライブが終わり、後片付けを始める青年の顔を覗き込む。 青年はそれを見て、おもむろにまたマイクを構えた。 「~♪ その通りだぜ♪ 分かってくれて、ありがとな♪ ついてきてくれて嬉しかったぜ♪」 「わっ!? あれ……今回は素直デス」 青年はリズムに言葉を乗せる。 その内容は、今までのような悪態ではなかった。 「俺はロキ♪ メギドラルからやってきたメギド♪ ヴィータはメギドを悪魔と呼んだ♪ 俺のメギドの個のさだめ♪ 俺は嘘しか話せねえ♪ 嘘なんてホントは大嫌いだ♪ けど歌ならいけるんだ♪ 歌ならホントを言えるんだ♪ だから俺は歌を歌いに、ヴィータの世界にやってきた♪」 「嘘しかつけない……けど歌なら嘘をつかなくていいデスか? ううっ、苦労してきたデスね」 つまり、これまでの言葉は全て嘘だったということだ。 と、するとだ。少女はこれまでの会話を思い出してみる。 「俺はお前のことなんて知らねえし、聖杯戦争なんて興味ねえよ」 『俺はお前のこと知ってるぜ、聖杯戦争にも興味あるな』 「俺は困らねえ。お前の力なんて必要ねえぜ」 『俺は困ってる。お前の力が必要だ』 「俺に願いなんてない。選ばれたことが残念だぜ」 『俺には願いがある。選ばれて光栄だぜ』 「俺は戦うのは嫌いだ。歌うのはもっと嫌いだけどな」 『俺は戦うのは好きだ。歌うのはもっと好きだけどな』 「全く気分が乗らねえぜ……お前のためになんて歌ってやらねえからな」 『お前のために歌いたい気分だ』 「……なんだよ、ついてくんなよ。俺は路上になんか出ねえし、お前に聞かせる歌はねえからな」 『ついてきてくれよ。俺は路上に出るから、俺の歌を聴いてくれないか』 つまり、こういうことだったのだ。 「ただのいい人じゃないデスか!?」 「お、おう……?」 つまりこの人は戦うのが好きで、歌うことはもっと大好きで、聖杯にかける願いもあって。 なーんの問題もないということだ。 メギド、とかヴィータ、とか専門用語らしき単語はよく分からなかったけど、少女に懸念することはもう何もなかった。 だってこのマスターは、ただの素直じゃないだけのとびっきりの歌好きだったのだから。 歌を愛する人に、真の悪人はいないから。 だから、ようやく自己紹介もできるというもの。 「あたしはランサーのサーヴァント、暁切歌デス! イガリマのシンフォギア装者で、歌うのは大好きデス!」 「そうかよ。お前の歌、全然聞きたくねえな。後で聞かせるんじゃねえぞ」 「はいデス! 後で一緒に歌いましょう! ところで、そんな癖を持ってて一人で辛くなかったデス?」 「一人だった頃は辛くなかったが、マネージャーがいた頃は辛かったな。マネージャーは俺の真意を理解しないやつだった」 「はえー、マネージャーさんがいたデスか!? 翼さんとマリアみたいデス!」 「その翼とマリアってやつ、気にならねえな。話なんてしなくていいぞ」 「ここではあたしがマスターさんの通訳にならないとデスねー」 戦意は十分、そして歌への気持ちも十分。 ここに、胸の歌を力とする悪魔と少女の主従が結成された。 【クラス】 ランサー 【真名】 暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアシリーズ 【パラメーター】 筋力C 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具B 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 【保有スキル】 レセプターチルドレン:C 終わりの魂の器。 輪廻転生を繰り返す先史文明期の巫女の器候補として集められた孤児であり、実験体として調整、訓練を施されていた。 シンフォギアの適合者候補として厳しい訓練と薬物による強制適合実験を繰り返したため、痛みや毒物への耐性を持つ。 また他者の感情の機微に敏感となり、それを感じ取る。 ユニゾン:A 異なる旋律を相乗させ増幅させる力。 これは本来イガリマとシャルシャガナに搭載された決戦機能だが、擬似的なユニゾンであれば他者とも可能。 イガリマの適合者であり『誰とでも合わせることができる』と言わせしめた切歌のユニゾン適性は非常に高い。 歌を力とするものが共にいる時、互いの歌の力を高めることができる。 ユニゾン間における理解度、絆の深さによってより効果は高まっていく。 きりかのおきてがみ:C 黒歴史。自称常識人の独特センス。 若干ズレた存在に対する共感性、とも言う。 突拍子のない存在に見えて、切歌は他者を支え引き立てることに長けている。 アライメントに関わらず、あらゆる相手との交渉、対話、連携が若干円滑となる。 【宝具】 『獄鎌・イガリマ』 ランク:B 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大補足:1人 戦神ザババの双刃、その片割れたる翠の刃。 の、欠片を使用したFG回天特機装束『シンフォギア』。 歌の力、フォニックゲインによって聖遺物の欠片を励起し、鎧と纏う戦装束。 聖詠によってシンフォギアを纏い、歌い続けることによってフォニックゲインを生成し宝具を維持する。 戦闘においてこの宝具の存在は大前提であり、パラメーターもこの宝具を装備した状態のもの。 身体能力の上昇、多種のアームドギアの創造、そして『位相差障壁』と呼ばれる特殊な空間的防護を無効化する。 切歌の創造するアームドギアは大鎌を中心とし、アンカーやギロチン等トリッキーな形状の刃が多い。 複数の決戦機能、モードチェンジが存在するのだが、サーヴァント化に伴いその殆どが没収されている。 「イグナイトもアマルガムもデュオレリックも取り上げられたデス! 絶唱とエクスドライブしか残ってないデスよ、およよ~!」 『絶唱・魂魄一閃』 ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人 シンフォギアシステムの決戦機能。 絶大なバックファイアを代償に聖遺物の欠片に対応した必殺の攻撃を放つ。 イガリマの絶唱は、物質的な防御を無力化し対象の魂を一閃するというもの。 文字通りの必殺、死神の一撃である。 『始まりの歌(エクスドライブ)』 ランク:A+ 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大補足:1人 莫大なフォニックゲインによって全ての拘束を解除するシンフォギアの決戦機能。 飛行機能の獲得の他、全ての出力が大幅に上昇する。しかし単独での発動はまず不可能。 自身の絶唱を含めた『3つ以上の絶唱』とユニゾンしない限りこの宝具は起動しない。 【weapon】 イガリマのシンフォギア、及びそこから展開されるアームドギア 【人物背景】 イガリマのシンフォギア装者。 シンフォギアGより登場し当初は敵として戦ったが、GXより味方として参入。 以降チームの自称常識人、新たなムードメーカーとして心強い味方となる。 G参入組の共通点として低い適合係数をLiNKERで補なわなければならない弱点があったが、 サーヴァント化において適合係数はLiNKER使用時で固定されている。 【サーヴァントとしての願い】 とりあえず聖杯戦争に参加して聖杯の獲得を目指す。 マスターさんともっとお話する。一緒に歌も歌いたい。 【マスター】 ロキ@メギド72 【マスターとしての願い】 自身の個である『嘘つき』をなくす。 しかし、メギドとしての個は自身の存在そのものとも言えるので、 これを無くした時果たして自分は自分でいられるのかと一抹の迷いもある。 【能力・技能】 純正メギド: 異世界メギドラルの住人であり、人間(ヴィータ)からは悪魔と呼ばれる存在。 メギドには基本的に戦いを求める本能があり、メギドラルの社会とは戦争社会、軍団の戦争によって全てを決定する世界観である。 赤い髪の青年の姿は『ヴィータ体』という人間を模倣することによる省エネモードであり、本当の姿は正しく悪魔と形容できる異形。 メギドとしての能力: ロキは『音』を武器とする。 叫び声は壁を粉砕する衝撃波となり、その歌唱は味方を高揚させ攻撃と防御を高める。 この効果は自他問わず演奏が重なれば重なるほど高まっていき、味方の演奏効果も向上していく。 全力を発揮する場合『メギド体』へと変身し強力なシャウトを繰り出す。 ただしメギドの力を使用するのには自分の魔力を消費するため乱発は厳禁。 【人物背景】 嘘しか言葉として発せられなかったメギド。 ロキの話す言葉は全て嘘であり、彼は本当のことを喋ることができず、また黙ろうとしてもつい喋ってしまう自分を制御できない。 本当の気持ちを話してみたいと願っていた彼は「歌」と出会った。 音楽に乗せれば本音で話すことができると気付いた彼は、ヴィータの世界ヴァイガルドに降り立ち流されるままに歌手となる。 初対面の相手からはひどく態度の悪いやつだと思われがちだが、言ってることの全てが嘘だと分かればその評価は反転する。 なにせ彼は基本悪いことしか言わないので、それはつまり良いことしか言ってないということだからだ。 【方針】 俺は戦うのは嫌いだ。歌うのはもっと嫌いだけどな。(俺は戦うのは好きだ。歌うのはもっと好きだけどな) ランサーとは気が合いそうにねえよ。一緒に歌ってなんかやらねえからな。(ランサーとは気が合いそうだ。一緒に歌ってみてえな) 【備考】 切歌は一撃必殺の宝具を持つ以外は平均的なランサーで突出した能力はない。 しかしマスターであるロキとの相性は抜群であり、マスターに対しスキル『ユニゾン』が使用可能。 ロキと切歌、双方が『共に歌うことで効果を高めていく能力』を持っているため、戦闘が長期化するほど目に見えるステータスに反しその戦闘力が高まっていく。 仮に他にも歌や演奏を得意とする参加者がいた場合、協調することでさらなるハーモニーを生むだろう。 性格的にも好戦的ではあるが善玉の陣営。ただし、マスターであるロキにとって『嘘』は地雷である。 ロキに対して『嘘』をつき、それを見破られた場合ロキは激昂のままに戦闘を開始し、相手を殺そうとする。 嘘をつかなくても生きていける人間が、わざわざ嘘をつくことが彼には許せないことなのだ。
https://w.atwiki.jp/silverwingguild/pages/17.html
Lv クエスト名 NPC 報酬 備考 8 悪魔とオーカンの関係[連続] リアンクベル クラス武器/ 2000xp ・アルンの丘で黒足爪アカラックと部下を倒す アカラックは被害を警戒してチマチマしてると直に回復してしますので、MP惜しまず 最大の攻撃を一気に仕掛け短時間に決着をつける用兵の基本!