約 481 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3293.html
マクロスなのは 第2話『襲撃』その2←この前の話 『マクロスなのは』第3話「設立、機動六課」 あの襲撃事件は重傷者3名、軽傷者18名を出すに止まった。幸いなことに負傷したのは全て管理局局員と学校の警備員で、子供達に被害はなかった。 そして襲撃してきた魔導兵器は、クラナガンに張り巡らされたレーダー網によると突如上空に出現したものらしいが、それ以上詳しいことはわかっていない。 しかしマスコミは結果的に死者が出ていないせいかその報道は控えめになった。代わりに死者2名に抑えたテロ事件での地上部隊の必死の働きをクローズアップし、公務員である地上部隊が労働三権を行使するという違法な労働争議を打ち消していた。 また、首相は地上部隊の予算を増やすと公言した日から2日目に遂に英断。緊急措置として企業団からの出資を受け入れることとした。しかし企業団側に主導権を握られないよう契約は10年以上に渡る長期で、原則としてそれまで脱退、出資渋りは認められず、額も会社の規模によって一律に決まる。 そして仮に契約終了後更新しない時はGDP(国内総生産)を削ってでも必要予算を増やす法案を通すと公言。直後の世論調査も大勢が「管理局に使うのなら自分達の生活に還元される」とこれを援護する。こうしてこの先、更新を渋って管理局を脅そうとする企業を牽制した。 これら条件は企業側にとても厳しい内容ではあったが、それでも時空管理局は今回のテロ事件のこともあってさらに魅力的なイメージアップの商品に見え、その長い歴史は彼らに十分な信頼感を与えた。 こうして4日目にはGDPにして2%にも上る莫大な出資金が地上部隊に注ぎ込まれ、組まれていた予算と出資との合計でこれまでの予算の3倍強(概算要求の1.5倍)となったことに、今まで苦渋をなめてきた地上部隊財務課は狂喜したという。 余談だが予算の使途はできうる限り公開することになっていて、担当者はまず、 給与水準の向上 老朽化のひどい駐屯地などの施設の改修費 装備のアップグレード版の開発費 ミッドチルダ全体をカバーする探知用魔力レーダーの設置費 などに中心的に充ててミッドチルダの防衛体制強化を図ると説明した。 (*) アルト達がこの世界に来てから7日目 海上を埋め立てて作られた敷地。そこには新しく建てられた立派な隊舎があった。しかし隊舎の正門にある表札にはまだ何も掛けられていない。 そしてその反対側にある広場では、今まさに産声を上げようとしている部隊の設立式が行われていた。 4月という季節柄風は温かく、太陽の下行われている設立式は順調に進んでいた。 そこに彼らの、まだ若い部隊長が壇上に上がった。 「本部隊の総部隊長、八神はやてです。・・・・・・平和と、法の守護者『時空管理局』として事件に立ち向かい、人々を守っていくことが、私達の使命であり、なすべき事です」 一言一言かみしめるように続ける。 「この部隊は管理局の、対応が遅く、練度の低い地上部隊を支援するために設立されるテスト部隊です。そのためこの部隊は1年でその役目を終えますが、現状の管理局システムの修正など残す物は多いでしょう。また、テストといっても―――――」 彼女の視線が舞台を前に整列している部隊員達に注がれる。 「実績と実力に溢れた指揮官陣。若く可能性に溢れたフォワード陣。それぞれ優れた専門技術の持ち主のメカニックやバックヤードスタッフ。全員が一丸となって事件に立ち向かっていけると、信じています」 その口調、瞳に迷いはなく、彼女の寄せる信頼の大きさを物語っていた。 「私はこの部隊での1年を、実りのある1年にする所存です。ですから報道機関、管理局の庇護の下に生活する市民の皆さんの、温かいご理解と、ご協力をよろしくお願いします」 報道関係者がときたま焚くフラッシュを無いもののようにスルーし、地上部隊の制服(茶色を基調とした正装。新人から佐官まで幅広く使われる)を着た少女、八神はやて二等陸佐はそう締めくくり、仮設の舞台を降りた。 その後彼女は、部隊隊長の席に腰を降ろすと、次の予定のために部下達を準備に走らせる。その間報道関係者達の質問に応じる事となった。 「部隊長であるあなたや、分隊を指揮する隊長が若すぎるとの批判がありますが、これについて・・・・・・」 「これからの管理局を背負っていくのは若者です。また本部隊設立の目的の1つが管理局システムの刷新にあります。そのためには若者の、柔軟な発想に基づく部隊運用が求められるからだと、私は考えます」 「あなたを含めて隊長陣が全員オーバーSランク魔導士。副隊長でニアSランクですが、管理局の規定にある『1部隊の持ちうる魔導士ランクの限界』についてはどうなっているんですか?」 「私を含め、隊長格位には能力限定用のリミッターが設定されております。例えば高町なのは一等空尉の通常のリンカーコア出力はクラスS+ですが、リミッターにより2、5ランクダウンのクラスAAにまで出力を落としてAランク魔導士として登録・運用します。しかし、どうしても必要な時のみ解除する権限を与えられています」 その後も質疑と回答は続き、時間の関係で次を最後としたところ、こんな質問が出た。 「では、新設された部隊の名称を」 その質問に、はやては我が意を得たりとにっこり微笑むと――――― 「本部隊の名称は・・・・・・あちらをご覧ください!」 一斉にはやての指し示す方向に数十台のカメラか振り向く。その瞬間彼らの目前十数メートルを航空機が察過していった。 「あれはバルキリー!」 報道関係者の1人が興奮気味に言う。 そう、そこを飛ぶは、純白に赤黒ラインを施したVF-25。バルキリーの名は報道された際に広まった通称だ。 バルキリーが雲一つない晴天の青空の下を一筋の白いスモークを残して飛行する中、地上より発進した桜色と黄金色の2色の光の筋がそれを猛追、編隊飛行に入る。そして大きく旋回して会場上を通過したと思った瞬間、先頭を飛んでいたバルキリーが突然ガウォークに可変。減速とロール回転をしながら高度を落としていく。2色の光もそれに続く。 そしてバルキリーは海上に到達すると、その上をまるでアイススケーターのように2色の光と共に滑っていく。その軌跡は渦を巻くように形成され、中心まで描ききったバルキリーはファイターへの可変によって瞬時に機首を上に向けて、2色の軌跡と共に急上昇。 そこでバルキリーは突如パイロンに搭載した増槽のような円筒形の箱から小さなミサイルらしきものを乱射した。 その行為は、 「質量兵器!?」 と驚き、反射的に頭を抑える者。またはミサイル達の青白い軌跡が織り成す美しさに魅せられ、見惚れてしまう者とを生み出した。 ミサイルは回避機動という名の乱舞をしつつ上昇していく。そしてある高度で桜色の光線が下から照射されてミサイル達を薙ぎ、それらを一斉に爆発させた。 そこには花火のように文字が浮かび上がっている。 〝機動六課〟と。 「これが管理局の新部隊『機動六課』や」 はやての不敵な声が、辺りに響き渡った。 (*) 15分後 はやてが『時空管理局 本局 機動六課』と書かれた表札を正門に掛けたりするなど式らしいものを終わらせると、隊舎に併設して突貫工事で作った500メートルの海上滑走路で待機していたバルキリーが離陸して会場へとガウォーク形態で降りてきた。 カメラマン達は何事かと、片付け始めていたカメラを再び引っ張り出す。 そこに追い討ちをかけるようにアナウンスが流れる。 『これより、機動六課のイメージソング「アイモO.C.~機動六課バージョン~」の視聴会を行います。歌うは時空管理局期待の歌手、ミス、ランカ・リー!』 その瞬間報道関係者達は色めきだった。 ランカは暴徒鎮圧ライブ以来姿を見せたことはなく、名前は報道されたが、1週間で半ば伝説となっていたからだ。 そこで、ガウォークで着地したバルキリーの前にホロディスプレイで大きなテロップが流れる。 『魔法を行使している方はただちに使用をやめてください。ご協力お願いします。byランカ・リー』 とある。 なぜそうしなければならないかを彼らは知らなかったが、彼女の頼みとあっては聞かないわけにもいかない。彼らは飛行魔法の解除などしっかり従った。 全ての魔法行為が止まったことを確認したのか曲が流れ出す。そしてそれに合わせるようにキャノピーが開いてゆく・・・・・・ <ここはアイモOCをBGMにするとより楽しめます。(多分・・・・・・)> 〝アイモ アイモ ネーデル ルーシェ!―――――〟 果たしてそこには地上部隊の制服を着たランカが歌っていた。しかし、フラッシュどころかシャッターすら全く炊かれない。誰もがそれに聞き惚れ、茫然自失となっているのだ。その中を彼女の力強く澄んだ歌声が沁みわたる。 〝進め! 機動六課 誇り高き名を抱いて 飛べ! 機動六課 眠れる力呼び覚ませ〟 その歌はライトニング(いかづち)を携え、スターズ(りゅうせい)が舞う。そんな幻想的な光景を聞く者に抱かさせたという。 (*) 2時間後 マスコミがいなくなり、六課の隊舎ではささやかな設立記念パーティーが行われていた。 「今日はみんなのおかげでマスコミの人たちに目にもの見せてやれた。ありがとうな。今日はよく食べて英気をやしなってや!」 八神はやて二等陸佐はいつもの柔らかい関西弁を操る〝はやて〟にもどり、楽しそうに飲み食いする部下達を見守っている。自分が入ると階級のせいで気まずくなることがわかっているからだろう。まったく強い少女だ。 その頃彼女から 「みんなに挨拶しておきな。これからは同じ釜の飯を食べる戦友になるんやから」 と言われていたアルトとランカは、今最も人の集まっている食堂に来ていた。 (*) 食堂 そこは広く、平時には食券を買うのであろう自動券売機が並んでいた。 今日は特別にバイキング形式であるため、皿を手に 「どれもおいしそうだね・・・・・・」 と困ったように笑うランカと共に食べ物を探していると、肩に誰かが運んでいたらしい皿が軽くぶつかった。 「あ、ごめんなさい」 「大丈夫だ。なんてことはない」 そう言いながら振り返ると、そこにいたのはフェイトだった。 「ああ、アルト君か。ランカちゃんは久しぶり」 フェイトがいつもの調子で挨拶してきた。 しかし俺の(おそらくランカも)視線は両手に乗せられた大量の食べ物に固定させてしまっていた。 (おいおいこりゃ、とても1人じゃ食べられないぞ・・・・・・コイツ、こう見えてこんなに食うのか・・・・・・) と思う視線に気付いたのだろう。彼女は頬を赤らめると、 「あ、いや、これは・・・・・・エリオ、キャロ」 「「はーい!」」 遠くで2人分の返事が聞こえる。どうやら、あの2人のためらしい。育ち盛りの子供がこちらに、やってくる。 フェイトは2人に 「気をつけてね」 などと注意しつつ、両手の皿を分けて渡した。 そこで何かを我慢できなくなったのかランカが問う。 「あ、あのぅ、フェイトさん」 「ん?」 「・・・・・・お子さんですか?」 その問いにフェイトは一瞬キョトンとした顔を見せると、笑みを浮かべて応えた。 「ふふ、そうとも言うのかな。この2人は私の保護している子でね。今度ライトニング分隊の3と4を務めるエリオ君とキャロです」 ライトニング分隊とは、先ほどイメージソングで歌われたが、もう1つのスターズ分隊とともに前線を務める分隊の事だ。ちなみに、六課にはもう2つ分隊があり、その名をフロンティア分隊とロングアーチ分隊という。 フロンティア分隊は当初の予定になかったアルトとランカが属する分隊だ。フロンティア1にはアルトが、2にはランカが相当する。任務はVF(ヴァリアブル・ファイター)という汎用性の高い特殊な機体とランカがいるため超広域に渡り、必要なら宇宙や海中おも守備範囲としていた。 そしてロングアーチ分隊ははやてなどが属し、その名の示す通り縁の下の力持ちとしてこの隊舎にある指揮管制所で現場指揮の補助などを行う。 話は戻るが、エリオと呼ばれた方は、赤い髪をした利発そうで中性的な顔立ちをした男の子。キャロと呼ばれた方は、少し気の弱そうなピンクの髪をした女の子だった。 2人はそろって 「「こんにちは」」 と、可愛く頭を下げた。 その後席へと向かっていったフェイト達だが、そこからこんな会話が聞こえてくる。 「でもフェイトさん、いくらなんでもこんなに持ってこなくても・・・・・・」 「ダメよ。育ち盛りなんだから好き嫌いなくたくさん食べないと大きくなれません」 振り返ってみると、切々(せつせつ)とたくさん食べることの重要性を語るフェイトの姿があった。 「それにしたって―――――」 「多すぎだよね」 そう繋いできたランカに 「ああ、まったくだ」 と苦笑して答えた。フェイトの過保護(?)という新たな一面を見た2人は再び食探しの旅を続行した。 (*) 「あ、アルト君、ランカちゃんは久しぶりだね~」 フェイト達と別れてすぐ会ったのはなのはだ。彼女の手にも皿がのっており、こちらは慎ましい和食中心だ。 なのはやフェイト達とはこの1週間、先ほどのアクロバットの打ち合わせなどで毎日のように会っていたが、ランカは時空管理局本部でいろんな検査などをやっていたようで、俺ですら通信以外で彼女と話したのはようやく今日で、分かれてから6日ぶりであった。 彼女に挨拶を返すと、なのはとランカは話に夢中になっていった。 「さっきの歌良かったよぉ~」 「ありがとうございます!」 「六課バージョンらしいけど、元はどうだったの?」 「元は、〝機動六課〟の所に、私のいた船団の名前だった〝フロンティア〟ってのが入るんです」 「フロンティアかぁ・・・・・・昔見てたドラマに『宇宙、それは最後のフロンティア』ってナレーションで始まるのがあったなぁ」 「あれ?それってまさか『宇宙戦艦エンタープライズ号が―――――』って続きませんでしたか?」 「え!?うん、そうだよ。やっぱり『ス〇ートレック ネクストジェネレーション』って名前?」 「はい!やっぱり劇場版のエンタープライズEのデザインが感動ものです!」 「うんうん、わかるわかる!スラッとしたフォルムがなんとも言えないかっこよさだよね!・・・・・・でも私はどちらかというとヴォイジャー派かな・・・・・・」 と、そんなこんなでどんどん話が進む。 マニアの会話は、得てしてノコノコと知らない者が入っていける空間ではない。 この時も同様であり、いわゆる〝スタトレファン〟や〝トレッキー〟と呼ばれる人種ではないアルトには何の話かさっぱりなので、やんわりと戦線を離脱した。 すると、少し離れた所で呼び止められた。 「おまえが早乙女アルトか?」 「ああ、そうだが・・・・・・」 聞こえてきた誰何(すいか)に肯定しつつ振り向くと、そこには特徴的なピンクの髪をポニーテールにした20歳ぐらいの女性がいた。 しかし彼女にはその歳ぐらいならば少しはあるはずの頼りなさが全く感じられない。逆に何かを守るという意志の光が強く灯っている。そして全身からにじみ出るオーラはまごう事なき武人のものだった。 「主はやてから話は聞いている。先日の襲撃の時は、対応の遅くなった管理局の代わりに初等学校を守ってくれ、感謝している」 彼女はコクリと頭を下げた。しかし、その動作のどこにも隙がない。例え今この会場の全員が、彼女を倒そうと襲いかかっても失敗するだろう。そんな雰囲気を醸し出していた。 「いや、あの時俺は偶然あそこにいて、偶然それに対応できるだけの装備があっただけだ」 「では、その巡り合わせにも感謝せねばな」 そう言うと彼女は不敵に微笑んだ。 「自己紹介がまだだったな。私はシグナムだ。この部隊ではライトニング分隊の副隊長を務めさせてもらう。だが同時に特別機動隊(地上部隊上層部直轄の対テロ特殊作戦部隊)空戦部隊の隊長だからあまり六課には顔を出せないだろう」 残念だ。と肩を落とす。 「なんで残念なんだ?」 問うと彼女は不思議そうな顔をした。 「なんだ?お前は〝こちら側〟の人間ではないのか?」 彼女は待機状態のデバイスを仮起動させる。すらりと伸びたそれは剣の形をしていた。 どうやら彼女はこちらを同業者と思っていたようだ。確かにアルトは 「役者は演じる全ての事に精通していなければならない」 という父の教えから剣技だろうが料理だろうが並みの稽古はしてこなかった。どうやらそれはプロの目から見てもその道の者に見えるようだ。 「確かにそうだが・・・・・・」 「ではまたいつか手合わせ願おう」 烈火の将シグナムはそう言い残すと食堂から出ていった。 (*) その後、医務室で医師を務めるシャマルやスターズ分隊のヴィータと笑撃的(?)な出会いをするがここでは割愛させていただこう。 (*) 「よぅ、アルト。今日のアクロバット、なかなか決まってたぞ」 そうビール片手に陽気に声を掛けてきたのは、人が単独で飛べるこの世界にあって同じく〝パイロット〟という役職を持つ人物、ヴァイス・グランセニック陸曹だった。 「あ、ああ・・・・・・」 アクロバットでの〝あること〟が原因でその返事がおざなりになってしまうが、そこでヴァイスの後ろをついてきた少女の姿が映る。 すると視線に気づいたのか、彼女がこちらに向き直った。 「こんにちは。機動六課ロングアーチ分隊の索敵とレーダーを担当するアルト・クラエッタ二等陸士です。よろしくお願いしますね」 ペコリとお辞儀するクラエッタと名乗る少女。しかしヴァイスは突然彼女の頭をひっつかむと髪を掻き回し始めた。 「このやろ、な~にしおらしくしてんだよ」 そうやって彼はひとしきり 「やめてくださいよヴァイス先輩~!髪がぼさぼさになっちゃいますよぉ~!!」 といやがる彼女で遊ぶと、こちらに向き直って言う。 「コイツな、7歳ぐらいまで自分が男だって思ってたんだぜ」 「あー!ヴァイス先輩それは『秘密に』って―――――!」 「すぐに化けの皮剥がれるだろ?ほらこの前の書店で痴漢に遭った時だって―――――」 「あー!それ以上言わないでぇーーーーー!!」 「―――――コイツ「この痴漢野郎!」って叫びながらそいつに〝大外刈り〟かけたんだぜ。しかもスカートのままで」 「キャーッ、もうお嫁に行けなーい!!」 「お、お前もか!?」 「「え?」」 〝楽しそうに〟漫才をやっていた2人だが、こちらのセリフに声を揃えて向き直る2人。 「実は俺もガキの頃は自分を女だと思っててだな―――――」 アルトは歌舞伎の〝真女形(まおんながた)〟という日常生活までを女として過ごすものだったから、完全に自らを女と誤認していた。 彼が初めて自らが男だと知ったのは小学校の保健の授業が初めてだと言うからもう始末におえなかった。 一方クラエッタの方は兄2人と弟1人という男所帯であったため、ずっと自らを男だと思い込んでいたという。また、兄弟喧嘩で鍛え上げられた彼女の体術は否が応でも昇華され、柔道の女子どころか男子同クラスでは負けなし。数十Kgのハンデを付けてやっと互角になるというワイルドな少女だった。 そんなこんなで意気投合し、お互いのあるある話に夢中になっていく。 「んーハブられちゃったな・・・・・・」 ヴァイスが寂しそうに呟くとクラエッタは、〝べー〟と舌を出して見せた。 シレンヤ氏 第3話 その2へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2652.html
レアスキルとSランク揃いの集団を裏技的に組み上げたキメラじみた部隊。 ゆえに機動六課は疎まれている。 もしもなにか問題を起こせば地上本部のレジアス中将が嬉々として潰しにかかるだろう。 一部の隙も見せられない。 ゆえに内部監査への対策は練りに練ってまさに完璧というレベル。 受け答えも意表をついたものまでありとあらゆる想定をし尽くした。 これでだめならなにをやっても無理。 そんな状態だったはずなのに・・・・・・。 突然舞い込んだみんなの休暇。たまにはみんなで温泉旅行。 魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めようか。 第15.6話たまにはちょっと一休み―温泉旅行へ行こう― 「監査にひっかかったーーーー!?」 絶叫のようなヴィータの悲鳴が部隊長室に響き渡る。 集まってもらったみんなも呆然とした表情。 「で、で、でもどうして?あれだけ万全に対策練ったのに・・・・・・。」 「せやな。フェイトちゃん・・・・・・。」 「ルールはきっちり守るように身体で覚えさせたのに。」 「せやな。なのはちゃん・・・・・・。」 「クルマ叩き壊したり施設叩き壊したり人叩き壊したり訴えられるような問題は起こしてないな。」 「せやな。はんた・・・・・・・。」 「人体実験も最近はやってないし・・・・・・。」 シャマルの言葉に波が引くような勢いでみんなが一斉に距離を取る。 もちろん私もリインも・・・・・・。 いつかやりかねないと思っとったが、まさか本当に・・・・・・。 「あ、あはは。やだな。もう、冗談よ。空気が重かったから冗談を言ってみただけよ。」 「あー、本当にびっくりしたわー。シャレになっとらんよ。」 「まったくだぜ。いつかやりかねないと思ってたからな。」 「はやてちゃんとヴィータ、後で私が作ったイチゴショート御馳走してあげるわね。」 「「謹んで遠慮します。」」 「遠慮しなくていいわよ。みなさんもいかが?」 シャマルの黒い笑みに全員が必死に首を振る。 もげるんじゃないかってくらい必死に・・・・・・。 「それならご馳走になるとしよう。」 「ワン。」 命知らずがいたよ。 1人と1匹も・・・・・・。 でもバレンタインのチョコ普通に食べ取ったし、平気なんかなぁ。 部屋の雰囲気が和やかなものに変わりつつあった。 「それで、なんで監査とかいうのにひっかかったんだ?」 「「「「「「「「「あっ・・・・・・。」」」」」」」」」 はんたの言葉に全員が思い出したかのような相槌をうったのはどうかと思う。 気を取り直して私は口を開いた。 「監査にひっかかった理由やな。なぁ、なのはちゃん。」 「なに?はやてちゃん。」 「昨日何時から何時まで働いとった?」 「んー、早朝にフォワードの朝練やって夜にフォワードの訓練見てデータまとめて資料整理して報告書書いてたから・・・・・・。」 「フェイトちゃんは?」 「私も同じくらい・・・・・・かな。」 「ヴィータは?」 「私もそんなもんだな。」 「シグナム。」 「私もだ。」 「はんた。」 「フルタイム。」 「フォワード4人。」 「「「「同じくです。」」」」 「ええと、その、つまり・・・・・・。」 どこかなのはちゃんが申し訳なさそうに口ごもりながら申し出てくる。 ティアナも薄々感付いたのだろう。 もっとも他のみんなは首を傾げるばかりだが。 思わずため息が漏れる。 「そうや。平たく言えば『前線メンバーのお前ら働きすぎ。過労死してマスコミに騒がれると面倒だからちゃんと休めやゴルァ』ってところや。」 後ろめたそうに皆が一斉に目を逸らす。 まったく冗談みたいな話や。 サボってて監査にひっかかったんならともかく働きすぎで監査にひっかかるなんて・・・・・・。 まぁいい。今回呼び出したのは次の用件が本命や。 「それでや。皆揃って休み取ることになったんやけど、せっかく皆一緒なんやから温泉旅行なんてどうや?って思って呼び出したんよ。」 反対の声は上がらなかった。 ======== 「くぅーーーー、生き返るわーーーー。」 「はやてちゃん、もう少し言葉選ぼうよ。」 「ええやないか。せっかくの貸しきりなんやから。」 「シーズン外れでねらい目だったよね。でもあの垂れ幕はどうにかならなかったの?」 海鳴温泉といえば読者には分かってもらえるだろうか。 無印原作5話のあの温泉のことだ。 平日のど真ん中、シーズン外れのこの時期に1泊2日の小旅行。 働きすぎということで与えられた休暇を消化しながらみんなのリフレッシュとレクリエーションにもなるこの企画。 さすがはやてちゃんだと思う。 ただ、はやてちゃん・・・・・・。 「時空管理局様御一行って垂れ幕はさすがに・・・・・・。」 「手配したんはシャマルやて。シャマル?」 「ええと、その、ついうっかりいつもの癖で・・・・・・。」 あははと苦笑いしているシャマルさん。 バスで到着した一行を出迎えた温泉宿の入り口にでかでかと『時空管理局様御一行』なんて垂れ幕があって 全員が引き攣った顔をしたのは見間違えじゃなかったらしい。 まぁ、不思議な名前の一行が度々訪れているみたいだから向こうも詮索しなかったのだろう。 宿帳をみたら明後日からナンバーズ様御一行という人達が止まるみたい。 ナンバーズって宝くじの会社の人かなとか思いながら、温泉に浸かる。 そういえば以前にみんなでこうやってゆっくりしたことっていつだったかな。 記憶に全然無いことに今更ながら気がつき、日々の疲れを癒す。 「そういえば母さんとレティさん、どうしてここに?」 長い髪をタオルで束ねたリンディさんとレティさんにフェイトちゃんが尋ねる。 あれ?そういえばなんでいるんですか? 物凄く自然にいたから気がつかなかったけど。 「あら、フェイト。私達がいるとまずい?」 「ええと、そうじゃなくって・・・・・・。」 「なんてね。冗談よ。レティがグリフィス君から聞いていたからちょうどいいって便乗させてもらったの。 クロノもミッドにいたら引きずってこれたんだけどね。」 「まったく、グリフィスに事の顛末を聞いたときは呆れてものが言えなかったわ。 働きすぎで監査にひっかかるなんて冗談もいいところね。」 「ええと、その、すみません。」 「ほらほら、今日は休暇なんだから仕事の話はなしよ。たまにはこうやってのんびりしましょう。ね?」 リンディさんの言葉に皆が思い思いにくつろぎ始める。 スバルなんかたれぱんだみたいに今にもたれてしまいそうなほどにくつろぎモードに入っている。 その横にいるティアナも同様に。 お風呂から上がったら宴会で、その後は・・・・・・。 そのとき、カラカラっと露天風呂の仕切りが空けられる音が響く。 あれ?貸切じゃなかった? 湯煙の向こうから現れた金髪の見事な肢体の持ち主は・・・・・・・ってええ!? 「あら?もしかしてはやてさん達?」 「カリムさん!?なんで!?」 「ああ、私が報告がてら手を回しておいた。」 レティさんが言うには騎士カリムも働きすぎらしい。 シスターシャッハが常々休むように行っていたのだが聞き入れないので今回の強攻策になったらしいが・・・・・・。 ただ、シスターシャッハ。 寝起きでヴィンデルシャフトを叩きこんで昏倒させて連れて来るってどれだけ・・・・・・。 目が覚めたカリムさんはもう開き直って休暇をとるしかなかったらしい。 あははと笑い声が露天風呂に響き始める。 そんなとき、はやてちゃんのアレが始まった。 「しかし、みなさん。たいそうなものをお持ちで・・・・・・。」 はやてちゃん、本当にその癖はどうにかならないのかな。 私達の身体の一部を凝視しながら手をわきわきさせて近づいてくるはやてちゃんに皆が距離を取り始める。 知らないはずのティアナとスバルも何かを感じたのだろう。 もっとも大まかな推測はついているのだろう。 「あれ?そういえばキャロは?」 逃げた矢先、ふと気がついたスバルの声に皆が辺りを見回す。 あれ?そういえばいないね。 露天風呂の前までは皆一緒だったから迷子ってことはないはずなんだけど・・・・・・。 「エリオくーん。一緒にお風呂はいろー。」 竹で作られた衝立の向こうにある男湯のほうから声が聞こえてきたのは気のせいですか。 ======== 「キャ、キャロ。こっち男湯、男湯!!」 「でも、11歳以下なら大丈夫ってほら・・・・・・。」 慌てたエリオに応える声。 思わずティアナは頭を抱えた。 まぁ、薄々は感じてはいたけど、羞恥心はないのだろうか。 辺境育ちとか差し引いてもちょっと問題があるように思える。 冗談抜きに管理局の教育プログラムに組み込むよう上申しようかしら。 「だったらこっちで入っていくといい。洗うからそこに並べ。」 「あ、はい。」 「わかりまし・・・・・・ってはんたさんの・・・・・・すごく大きいです。」 エリオ!!主語を消すな主語を!! いったいなにがすごく大きいのか。 隊長たちもさっきまでのざわめきがパタリと止んで、耳をダンボにしている。 「そのうちエリオもこうなるさ。」 「でも、僕のは指1本ぐらいで・・・・・・。」 「エリオ君。1本半はあると思うよ。」 「でもはんたさんみたいに拳1つはないよ。それにほら、ぼこぼこで血管が浮き出てるし。」 はい?いまなんておっしゃりやがりましたか? 指1本とか拳1個の大きさのもの・・・・・・。 ぼこぼこで血管が浮き出ている・・・・・・。 リンディ提督がレティ提督の肩をきゃーきゃーいいながらバシバシ叩いている。 カリムさんはシャッハさんにいろいろ耳打ちしているが、刻々と顔の赤さが加速している。 まじまじと自分の拳を見つめている隊長達。 いやいや、そんなことがあるはずはない。 思い浮かべた身体部位を頭をふって振り払う。 そんな私達に追い討ちをかけるように会話が進む。 「あの触ってみてもいいですか?」 「かまわんぞ。」 「うわぁ。すごく硬いです。まるで鋼みたいだ。」 「わー、本当だ。すごい・・・・・・。」 「僕ももう少し硬くしたいんですけど、まだまだ柔らかくて・・・・・・。」 「成長すれば大丈夫。」 「わふ。」 硬いってなんですか!? 成長すればってちょっと・・・・・・。 キャロもどこ触ってるのよ!! いや、きっと聞き間違えたんだ。 きっと身体を洗うのに軽石なんか持ち出して洗ってるから硬いとかいってるんだ。 そうだ。エリオもキャロもスポンジだった。 きっとはんたのはビッグサイズの軽石なんだ。 ぼこぼこなのは軽石なんだ。 こすりすぎて血管が浮き出ちゃったんだ。 うん、そうに決まっている。 「やっぱり大きくて硬いほうがいいんでしょうか。」 「どれだけ使えるかが重要だな。大きさや硬さは二の次でいいと思う。」 「わー、ポチさんのもとっても硬くて、フリードよりすごいかも。」 キャロ、アナタなにをしているんですか。 ってフリードよりっていったいなにが!? ぶんぶんと首がもげそうな勢いで必死に頭を振る。 「あの、その、ぶらさがってみても・・・・・・。」 「かまわないが?」 「あの、私もお願いできますか?」 「いいぞ。2人いっぺんで。」 「「わー。すごいや。」」 どこにぶらさがってるんですか!?!?!? 子供とはいえ体重40kg前後はあるのに。 というか持ち上がるんですか!? 折れないんですか!? 「いつか僕もそうなりたいです。」 「エリオ君ならきっと大丈夫だよ。」 「わふ。」 悶々とした想像が頭に残ったまま、会話がぱたりと止んだ。 あれ?そういえば妙に皆静か・・・・・・って。 「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーー。隊長たちしっかりしてー!!!!!!!!!!。」 顔を真っ赤にして気絶しているなのはさん達の姿思わず悲鳴を上げた。 ======== 「あー。一生の不覚やったわ。せっかくのチャンスが・・・・・・。」 「なのはちゃん、大丈夫?」 「ええ、だいぶ収まってきました。フェイトちゃんは?」 「私はもう平気。でも、母さん達、タフですね。」 「タフじゃなければ生きていけないわよ。」 「スバルは?」 「うー、だめー。」 湯上りの女の子の群れ。 そう書けば色っぽいはずなのに、その半分が顔を真っ赤にして横になっているあたり色気がない。 中でも一番熱いお湯のところにいたスバルが一番重症だった。 ゴシップ好きが女の子のサガとはいえ、こんなことに自分がなるなんて・・・・・・。 まったく恥ずかしいところをみせてしまったものだ。 でも、本当にあんな会話・・・・・・。 思い出したら顔が再び熱くなってくる。 指一本とか拳1個ってきっとたぶん・・・・・・アレだよね。 小さい頃に見たお父さんとかお兄ちゃんのものを思い出してさらに顔が熱くなってくる。 「ただいま戻りました。」 「同じく戻りました。」 「いったいどうしたんだ?」 「わん。」 そんなとき、戻ってきたはんた君達3人と1匹。 視線は自然と下半身に向いてしまう。 「どうしたじゃないだろ。てめぇ、いったいエリオ達になに触らせてやがるんだ!!」 ヴィータちゃんとはんた君、本当に相性悪いのかな。 そんなときだった。 真っ先に突っかかっていったヴィータちゃんの背後からシグナムさんが口を開いた。 「しかし、私も是非触らせてもらいたいものだな。」 レティさんとリンディさんが口に運んでいたビールを勢いよく噴出す。 あ、シャマルさんが転んだ。 唖然としたような表情のティアナとフェイトちゃんとはやてちゃん。 あ、あのシグナムさん、今なんて・・・・・・。 「あ、シグナム副隊長もですか。やっぱり興味ありますよね。」 「ああ、鋼のような硬さとは実に興味深い。」 「ちょちょちょちょちょシグナム。おま・・・・・・なにいってやがるんだ!!」 「だから、温泉の会話の続きだろ?ヴィータ。」 「違う。そうじゃなくてどこ触ろうとしてやがるんだよ。このムッツリ!!」 「・・・・・・?二の腕を触るのがムッツリになるのか?」 「「「「「「「「二の腕?」」」」」」」」 はんた君達とシグナムさんを除いた全員が一斉に疑問の声を上げた。 「ええ、そうですよ?力瘤つくっても僕のはまだこんなに小さくて・・・・・・。」 「でも指1本半は絶対にありますよ。」 「拳1つって・・・・・・」 おもむろに浴衣の袖を捲り上げて力瘤を作ってみせるはんた君。 あ、本当だ。たしかに拳1つある。 「硬いとか柔らかいとか!!」 「僕のはまだ少しぷよぷよなんですよ。でもはんたさんのは凄いですよ。」 「ほう。これは凄いな。硬くてしなやかで、まるで鋼のワイヤーが詰まっているようだな。」 「・・・・・・ぶらさがるとか。」 「こうやってぶら下がらせてもらったんです。こういうことしてもらった記憶がないので・・・・・・。」 「私もちょっと憧れがあったんです。」 そう言ってはんた君の二の腕にエリオ達がぶら下がるとなんでもないかのように持ち上げる。 ああ、なるほど。 エリオ達って肩車とかそういうこと、してもらったことないんだ。 それなら納得・・・・・・って。 「それで、二の腕じゃないならなんだと思ったんだ?ヴィータ。」 「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・・・。」 「ああ、ヴィータ。ちょっと落ち着いてー。」 自身のバリアジャケットのように真赤な顔をして奇声を上げて暴れはじめるヴィータちゃん。 いや、気持ちは分かるけどさ。 シャマル先生が必死で止めているけど、またシグナムさんが当身で黙らせるのだろうか。 それにしても・・・・・・。 「バトー博士がいなくてよかった。」 「ハハハハハハハ、まったく四六時中盛ることしか考えてないムッツリスケベのエロガキがこんなにいたなんて天才のボクも想定外だったよ。 機動六課あらためムッツリスケベ小隊にしたらどうだい。ハハハハハハハハハハハ・・・・・・。」 慌てて辺りを見回すけど当然バトー博士はいない。 ああ、幻聴が聞こえる辺りもうだめだ。 このカオスな場をどうすればいいんだろう。 狂乱しているヴィータ達とは正反対にしげしげと興味深そうにはんた君の腕に触れているレティさんとリンディさんが あまりにもミスマッチで・・・・・・。 さっさと寝てしまおう。 ======== 「それにしても紛らわしい会話だったわね。」 「あの、みなさん、いったいなんだと思ってたんですか?」 「それはその・・・・・・。」 「まぁ、あれだ。」 「その、ねぇ。うん、あれよ。あれ。あはは・・・・・・。」 純真なキャロの言葉に私やヴィータ副隊長、シグナムさんが歯切れ悪くどうやってごまかしたものかと口ごもっている。 リンディ提督たちはまだ宴会場でお酒を飲んでいるみたいだからここにはいないし。 なのはさん達がフェイト隊長に視線でなんとかしろと訴えているのがはっきりわかる。 私もすがるような目を向けているのだろう。 昏倒しているスバルがうらやましい。 みんなの前に押し出されるように出てきたフェイト隊長はしばらく考え込んだかと思うと口ごもりながら言葉を紡ぎ始める。 「ええと、キャロ。あの、ええと・・・・・・男の子と女の子の身体の違いってわかるかな?」 「はい。男の子にはオチ・・・・・・むぐっ。」 「言わなくていいから。」 フェイト隊長の言葉に口を塞がれたままのキャロがこくこくと頷く。 「それで、みんなはそれの話だって勘違いしちゃったんだ。間違いは誰にでもあるでしょ?」 「はい。」 「うん。いいお返事。それじゃこの話はここでおしまい。」 「あの、フェイトさん・・・・・・。」 「なに?キャロ。」 「それじゃ、ええと大きさとか硬さって重要なんですか?」 ああ、キャロもきわどい質問を・・・・・・。 助けを求めるようなフェイト隊長の視線。 なのはさんやはやて部隊長は視線を合わせないようにしている。 ヴィータ副隊長達も同様に・・・・・・。 そして私も・・・・・・。 「ティアナはどう思う?」 「教えてください。ティアナさん。」 そこで私に振るんですかー!? ああ、ほんとうにどうしよう。 ええと、うーん、あー、そうだ!! 「それよりエリオ達のはどうだったの?指1本や拳1つなんかじゃないんでしょ?」 ヲイヲイと言わんばかりの視線が突き刺さる。 でも、しかたないじゃないですか。 他にどうやって切り返せって言うんですか? 「はい。指1本や拳1つどころじゃなかったです。」 「そうよね・・・・・・はい?」 なんかおかしいところがあった。 指1本。これは大丈夫。 拳1つ。これも大丈夫。 どころじゃなかった。これも大丈・・・・・・夫じゃない!! 本当に!? そんな視線を感じたのか戸惑いながらキャロは言葉を続けている。 「エリオ君のはえーと、うん。クロスミラージュって感じでした。」 ちょ、ちょっと待ってキャロ。 クロスミラージュって・・・・・・まじですか!? キャロの言葉は止まらない。 「ポチさんのはグラーフアイゼンって感じで、はんたさんのは・・・・・・うーん?」 え?ちょっとなんでそこで悩むのよ。 いったいどんな大きさなのよ。 ちょうどいいものがあったのか、ぽんと手を打つキャロ。 そのまま拳を握り締めると天高く突き上げた。 「ヴォルテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーールってかんじでした。」 「・・・・・・ヴォルテール?」 「違います。ヴォルテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーールです。」 拳を突き上げて叫んでいるキャロ。 ええと、龍召還で呼べるフリードともう1匹のほうがそんな名前だったか。 どれだけ大きいのよ? 「分かりますか?ティアナさん。ヴォルテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーールなんです。」 「ヴォルテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーールなのね。」 「そうです。ヴォルテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーールなんです。」 突き上げる拳に何の意味があるのか。 高々と突き上げる拳が重要らしい。 あと、ヴォルテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーールのアクセントも・・・・・・。 まぁ、なにはともあれ、この話はここで終わったからよしとしよう。 その後、休暇が終わっていつもの機動六課に戻ったのだけど、 数日間はクロスミラージュやグラーフアイゼンを見るたびに顔を赤くする隊長達の姿と、 ヴォルテールを見てみたいと訴えるヴィータ副隊長の姿が見られた。 追伸 エリオのをヴァイス陸曹とグリフィスさんが興味本位で覗き込んだところ心を圧し折られたらしい。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2309.html
特別捜査、開始 かつ、かつ、かつ、と。 明かりの落ちた薄暗い映画館の廊下に、靴音だけが響き渡る。 敷かれたレッドカーペットの上で揺れる紫の髪が、一種のコントラストを演出していた。 ギンガ・ナカジマは思案する。 ここに至るまでの、その経緯を。 (見たところ、身体は治っているみたいだけど……) この狂ったデスゲームに至る直前の記憶は、自らの身体を焦がす灼熱の炎。 地上本部防衛戦の折、自分は3人の戦闘機人によって倒された。 エネルギー弾をぶつけられ、左腕をずたずたに引き裂かれ、全身に刺された爆弾を爆破された。 生きていることがまさに奇跡とも言える、瀕死の重傷だ。 にもかかわらず、いつの間にかバリアジャケットを解かれ、管理局員の制服姿に戻った自分の身体は健康そのもの。 その身に刻まれたダメージは、ことごとく回復させられていた。 あの女――執務官フェイトの亡き母にして、重大な事件犯罪者だと聞く、プレシア・テスタロッサ。 戦闘機人技術に関しては、専門外だったはずの彼女がこの治療を行ったということか。内心でそのスキルに軽く恐怖を覚える。 (そして……ここにある、名前) 手にした名簿を、今一度見直す。 スバル、ティアナ、エリオ、キャロ……フォワード部隊の仲間達。スバルはちょうど席が近かったこともあり、今更驚くことはなかった。 その他にもヴォルケンリッターや、隊長陣の名前もある。 問題なのはその隊長陣――なのは・フェイト・はやての名前が、それぞれに2人分ずつ明記されているということだ。 心当たりがないわけでもない。 この名簿には、クラウディア提督クロノ・ハラオウンの名前がある。24歳という、立派な成人男性だ。 そしてあの場で、自分のすぐ横で隣の少女に耳打ちをしていた、黒髪の少年。恐らく年齢はスバルよりいくらか下といったほどだろう。 面影があったのだ。あの少年には、確かに写真で見たクロノの面影があった。 であれば、少年は紛れもなくクロノ・ハラオウン本人。何らかの方法で、過去から最年少執務官時代のクロノを引っ張ってきた。 (繋がる) 強引な解釈だが、これなら全てが合致する。 この場にいる隊長達は、恐らくそれぞれが過去と現在から連れてこられた者達。 その頃のクロノが当たっていた、PT事件ないし闇の書事件当時の、まだまだ幼い3人娘。 特にPT事件の首謀者であったプレシアこそが、この殺し合いを催しているのだ。可能なことならば、おかしなことではなかった。 (この際……何が有り得ることで、何が有り得ないことかは、度外視しておいた方がいいのかもね) これだけの人数を気取られることなく拉致し、自分の身体をあっさりと治し、時間移動さえも可能とする大魔導師。 何がたった1人の人間にこれほどまでの力を与えたのかは、推測することすらかなわない。 ただはっきりと分かるのは、プレシア・テスタロッサという人間は、既に自分達魔導師の常識の範疇を逸脱した存在であるということだ。 一体他に何をやらかそうと、もはや不思議でもなかった。 軽く、ため息をつく。 そして再び名簿へと視点を落とし、ある人物の名前をじっと見つめた。 (殺生丸さん……) ギンガにとっては、思い入れの深い男の名だ。 4年前の空港火災の時、僅かな力しか持たずにいた自分を窮地から救い出した、恐らく次元漂流者の男。 そして過去の廃棄区画での戦闘と先ほどの地上本部戦で、管理局に牙を向いた、妖怪を自称する強者。 記憶の中で、ぱあっとあの美しい銀髪が広がる。彼のことは、未だに分からないことづくしだ。 どうして自分を助けてくれたような男が、犯罪者になど加担するのか。 それら全てをひっくるめて、一度ちゃんと話をして決着をつけねばならないと、常日頃から思い続けてきた。 そして彼もまた、今このゲームに巻き込まれて、この広い会場のどこかにいる。 (全てを聞くのなら……今しかない) きっ、と。 緑の瞳が、彼女の決心を反映し、厳しい光を宿した。 とはいったものの、この暗闇の中でむやみやたらに動き回るのは危険すぎる。 ブリッツキャリバーもリボルバーナックルもない、本調子で戦えないようなこの状況では、夜の闇は十分すぎるハンデだ。 ひとまずはこの映画館で明るくなるのを待ち、そこから行動を開始しよう。 それまでの間身体を預ける場所を求め、ギンガは適当な劇場の扉を開けた。 「――誰だ?」 「っ!?」 突如として響き渡る、声。 見渡す限りずらりと並んだ入場客席の中、その中心に、誰かが背を向けて腰掛けている。 よく響くはっきりとした声だ。声音からして、恐らく女性だろう。 反射的にギンガは身構えていた。 この部屋の先客がいかなる人物か、今はまだ分からない。殺し合いに乗っていた人間だった場合、戦闘をも覚悟せねばならない。 悠然と、視線の向こうで声の主が立ち上がり、振り返った。 長いブロンドヘアーに、褐色のかかった肌。背筋のぴんとした体躯は、女性の割にはやや長身だ 射抜くような鋭い眼光。冷たく光る眼鏡と一分の隙もなく着込んだ黒いスーツが、一筋縄ではいかない厳格な雰囲気を漂わす。 その両手に、武器はない。ひとまず戦うつもりはないようだ。 戦闘にならないに越したことはない。自身も構えを解くと、戦意がないことを証明するため、自らの名を名乗る。 「時空管理局陸士108部隊所属捜査官、ギンガ・ナカジマ陸曹です」 「ほう」 それを聞いた女の眉が、丸眼鏡の向こうで微かに動いた。 どうやら管理局のことは知っているらしい。であれば、この女性は管理世界の人間であるということか。 その口元に不敵な笑みを浮かべながら、女もまた名を名乗った。 「英国国教騎士団『HELLSING』局長、サー・インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシングだ」 ――英国(イギリス)? 今度はギンガが驚く番だった。 確かイギリスとは、自分達の先祖が暮らしていたという第97管理外世界・地球の国家の名のはずだ。 なのはやはやてはそこの出身だと聞いているが、現在はそれ以外にミッドチルダとの接点はほとんどない。 遥かな昔にその存在は忘れ去られ、今では2人の関係者以外には、魔法を知る者すらいないと言われている。 そんな地球の――それも日本以外の国の人間が、何故管理局の存在を知っているというのだ。 「何を驚いている? 八神はやて課長から聞いてはいないのか? お前の妹の身柄を引き取っている組織だぞ」 今度こそ目を丸くして、ギンガは驚愕した。 この女性は、あたかもそのHELLSINGという機関が、管理局に認知されているように語っている。 しかも、機動六課の長たるはやてと、その部下にして自分の実妹であるスバルの名前を出してきた。 前者はまだ、こちらを信用させるための虚偽とも取れるだろう。 しかし、後者の方は明らかにおかしい。はやてやスバルが管理局員であるということは、名簿には全く書かれていないのだから。 ついでに言うならば、スバルが妹であることを見抜いたのも同じことだ。 名字は一緒であるものの、それだけでは家族であること以上の関係は分からない。逆に姉かもしれないし、母や従姉妹かもしれないのだ。 これらのことから、ギンガは確信した。この女性は間違いなく、管理局と――特に機動六課と繋がりを持っている。 そもそもそれ以前に、目が嘘をついていない。現役捜査官として活躍する彼女だ。それくらいは分かる。 しかしここで、新たな問題が浮上してきた。スバルの所属の件だ。 インテグラル卿と名乗ったこの女の話では、彼女は地球のHELLSINGに移籍しているという。 当然、そんなことは有り得ない。スバルは意識を失う数時間前まで、間違いなく自分と行動を共にしていた。六課の構成員として。 ならばこの認識のずれは一体なんだ。どうやって説明をつける。 それぞれが同じ世界を認識していながら、たった1人の人間に、明らかに異なる認識を持っている。 これは一体―― (――!) ふと、ひらめいた。 そういうことか。 これならば納得がいく。彼女の知る管理局がHELLSINGという未知の組織と繋がっていることも、スバルの認識のずれも。 クロノやもう1人のなのは達は、歴史を同じくして時間の異なる世界から連れられてきた。 これはその逆だ。 お互いが、「時間を同じくして歴史の異なる世界」から連れられてきたのだ。 「分かりません……多分、私は貴方の知るミッドチルダとは、別のミッドチルダから来た人間だと思いますから」 要するにパラレルワールドだ、と。 ギンガは言った。 「……成る程」 意外にもあっさりとインテグラは信用する。ギンガと同じように、嘘をついていないことを看破していたのだろう。 並行世界。 大まかな形はコピーをしたように同じでありながら、起こった出来事や人間関係が異なっている世界。 ありえたかもしれない可能性を体現した、「IF」が現実として存在を持った世界。それが一般的な捉えられ方だ。 恐らく「インテグラのいる地球」もまた、「スバルの離れたミッドチルダ」同様、ギンガの知る世界とは別物なのだろう。 そう、ここでは有り得ないことなどない。先ほどギンガ自身が、そう定義づけたばかりだった。 ひとまずその問題に決着をつけたギンガは、質問をもう一段階先へと進めることにした。 「インテグラル卿……貴方はこのデスゲームとやらで、どのように行動されるおつもりですか?」 まずはそれを確かめねばならなかった。彼女に対し、どのような反応を取るかを決めるためにも。 もちろん、ギンガの立場は決まっている。この殺し合いを止め、プレシア・テスタロッサを逮捕することだ。 相手もまた同じようにこのゲームに乗っていなかった場合は、協力関係を結ぶことも可能だろう。 だが、その逆――相手が殺す気満々だった場合、インテグラを何としても止めなければならない。 不敵に笑う彼女の様子からは、その心情はまるで読み取れなかった。 「簡単なことだ。あの女が用意したゲームをぶち壊す。この私がこのような立場に置かれたなどと、はなはだ不愉快極まる」 どうやらひとまずも、この女は前者側の人間だったらしい。 いらぬ戦闘を避けられたことに、内心で胸を撫で下ろした。 「そして少なからずとも、お前も私と共通した意見を持っているようだな」 そして次の瞬間、身体をびくりと硬直させた。 驚くギンガの視界の中では、相変わらずインテグラが笑っている。 今までのこの短いやりとりで見抜かれた。できうる限りの警戒をしていたというのに。 どうやらこの女は――インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシングは、相当な切れ者のようだ。 「魔導師ならば、そこそこに腕は立つのだろう? ならば――」 「もちろんです」 同盟関係はすぐに形成された。 体格からして、それほど抜きん出た戦闘能力を持っているわけではないらしい。 すなわち、インテグラは自身のボディーガードを欲している。 そしてギンガにとってもまた、想定される彼女の器量は魅力的だった。 利害関係は一致だ。 「具体的なプランは?」 ギンガが問いかける。 この優れた器量と根性を兼ねそろえた鉄のごとき女ならば、既に何らかの方針を練っていてもおかしくない。 そう思って確認したのだ。 「アーカードを捜索し、合流する。私と同じくこのゲームに放り込まれた、我がHELLSINGの最大戦力だ」 インテグラが答えた。思ったよりも単純な答えだったのは、その人物がそれだけの実力者ということか。 「アーカード?」 「吸血鬼だよ」 沈黙。 唐突に発せられた単語に対し、ギンガの思考が停止する。 「………………………………は?」 ようやく間抜けな声で返事をすることができたのは、10秒以上の間が空いた後だった。 吸血鬼? バンパイア? ドラキュラ伯爵? この人は一体何を言っているのだ? 「吸血鬼……ですか?」 恐る恐る尋ねてみる。 「そうだ。にんにくを嫌い、十字架を嫌い、太陽に目をそむけ、しかし人より遥かに強い力を持った、あの生き血を啜るモンスターだ」 聞き間違いじゃなかったらしい。 先ほどまでの警戒が嘘のように、がっくりと肩を落とす。 まさかこの人が、こんな冗談みたいなことを口走るとは思わなかった。 吸血鬼、というのは一体どういうことだ。そんな人外の化け物は、おとぎ話に出てくる空想の産物ではないのか。 「……普通アリなんですか、それ?」 「何を言う。私の世界は、お前の世界とは違う常識のもとに成り立つ世界なのだろうが」 そのインテグラの話を聞いて、ようやくギンガは思い出した。 ここには有り得ないことはないのだと。 それはプレシアだけではなく、参加者にも言えること。パラレルワールドの可能性に気付いた時点で考えるべきだった。 要するに、彼女の世界では全くの絵空事として扱われている吸血鬼の存在が、インテグラの世界では常識なのだ。 物騒な世界だな、と思いつつも、それをぐっと内心に押し留める。 こんなことならば、もっと色々な管理世界を回って視野を広めておけばよかったかもしれない。 「我々HELLSINGは、いわば化け物専門の掃除屋だ。化け物退治の鬼札(ジョーカー)が脆弱な人間では、話にならんだろう」 言われてみればそうかもしれない、とギンガは思う。 化け物というのは本来人間の手に負えないほどの存在だから、わざわざ化け物だと言われて怖れられているのだ。 科学力、軍事力、魔力、エトセトラ……ともかく、人間の力で対処できる人外など、そこらに住んでる熊や狼と変わらない。 であれば、化け物を退治するのに1番効率がいい方法は、化け物を引っ張り出してくることに決まっている。 問題はその化け物が「人の手に負えない」という前提の上に成り立つ存在であることだ。 ということは、彼女の率いるHELLSINGとは、その道理を捻じ曲げるだけの何かを成し遂げられるほどの組織ということか。 「しかし、この鬼札にも問題がある。闘争好きな奴のことだ……早々に合流せねば、好き勝手に参加者を殺して回りかねん」 「そんな危険人物なんですか?」 「そうとも。私の制止命令がない限りはな」 言いながら、インテグラは腰ポケットに右手を突っ込んだ。 取り出されたのは煙草の箱。さすがにこの程度のものは、プレシアも見逃していたようだ。 そこから1本取り出し、火もつけずに口に咥える。ライターもないのにそうする当たり、よほど喫煙習慣が身に染みているのだろう。 「殺していいのは我々に向かってくる奴だけだ。それ以外は私の意地にかけて、何としても死守する」 邪魔者を殺すのは仕方がないこと。 この人ならば言いかねないと、心のどこかで分かってはいたが、それでもギンガの胸はきりきりと痛んだ。 願わくば、誰1人として死なないうちにこのゲームを脱したい。 インテグラの言葉を聞いてもその思考が抜け切らないのは、やはり自分が甘いということなのだろうか。 「で、お前は何か目的はあるのか?」 表情を曇らせた様子にはまるでお構いなしに、インテグラがギンガへと問いかけた。 「あ、はい。えっと、個人的にですが……殺生丸という……その……妖怪を追っています」 我に返ったばかりで少々テンパりながらも、質問に答える。 そしてそれを聞いた瞬間、今度はインテグラが押し黙った。 おおよそこの女性には似合いそうもない、ぽかん、とした表情を浮かべて。 「……妖怪というと、あれか。悪魔の類か?」 「え? あ、はい」 「人心を惑わしたり、天変地異をもたらして、それが仕事とばかりに人間を苛めて回る、あれか?」 「多分……」 「……普通アリなのか、それは?」 アンタが言うのか、それを。 内心でツッコみつつも、先ほどの自分の思考を省みて、それは口には出さずにおく。 どうやら自分にとっては、妖怪が世界に存在することが当たり前になっていたらしい。 いつの間にやらそんなことになっていた思考パターンに、頭を痛めるギンガだった。 「……ともかくだ。優先して捜索すべきは、アーカードとその殺生丸の二名ということか」 インテグラが確認する。 「では、今から行動を開始するとしよう。そちらの都合もあるだろうが、アーカードは待ってはくれん」 言いながら、床に置いた自分のデイバックを持ち上げた。 ギンガもまた、無言で彼女の提案に了承する。 本当は危険な夜間はやりすごしたかったのだが、誰かと行動を共にする以上、ある程度は歩み寄らなければならない。 加えて彼女が捜すアーカードという人物が、闘争に愉悦を求めるような変態であるならばなおさらだ。 話で聞くだけでも分かる。そんな奴を野放しにしていては、何人の死者が出るか分かったものではない。 単に殺人を平気で行う人間と、それを趣味にまでする人間は、明らかに違う。 恐らくそのアーカードは、誰かを殺す快楽のためならば、自身の危険すらも二の次にして、相手を殺しにかかるのだろう。 戦闘趣味の人間など、大概が極端な思考を持った狂人だ。自分の身を守るくらいなら、どれだけ傷ついてでも相手を殺すに違いない。 その点が、危険な時には自らの安全を優先して分別を利かせるであろう殺生丸とは違っていた。 ならば行くしかない。 それがこのインテグラならば手なずけられるという確証があるなら、なおさらだ。 かつ、かつ、かつ、と、姿勢よく歩く彼女の後に続く。 「――ギンガ」 不意に、その足が止まった。 「はい?」 急に名前を呼んだ相手に、応じる。 それを聞いたインテグラは、首だけをギンガの方へと向け――笑った。 火も点いていない太い葉巻を口に咥え、あの不敵な笑顔をまたもギンガに向けた。 「あの女に教育してやろう。貴様らの管理局の……そして我々のHELLSINGの授業料が、いかに高額かをな」 【1日目 現時刻AM00 21】 【現在地 G-8】 【ギンガ・ナカジマ@魔法妖怪リリカル殺生丸】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済) 【思考】 基本 この殺し合いを止め、プレシアを逮捕する 1.アーカードを捜索する 2.殺生丸とは今度こそ話をつけたい 3.できることなら誰も殺したくはない 4.可能ならば、六課の仲間達(特にスバル)とも合流したい 【備考】 ・なのは(A's)、フェイト(A's)、はやて(A's)、クロノの4人が、過去から来たことに気付きました。 ・一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることに気付きました。 ・「このバトルロワイアルにおいて有り得ないことは何一つない」という持論を持ちました。 【現在地 G-8】 【インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング@NANOSING】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済)、葉巻のケース 【思考】 基本 この殺し合いを止め、プレシアを叩きのめす 1.アーカードと合流し、指揮下に置く 2.その後は殺生丸の捜索に向かう 3.できることなら犠牲は最小限に留めたいが、向かってくる敵は殺す 4.ギンガ・ナカジマ……なかなかに頭はいい方のようだな 【備考】 ・同行しているギンガが、自分の知るミッドチルダに住む人間ではないことを把握しました。 ・一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることを把握しました。 ・葉巻のケースは元々持ち歩いていたもので、没収漏れとなったようです。 少女の泣く頃に~神流し編~ 本編時間順 なごり雪 Heart of Iron 本編投下順 悪魔とテロリスト GAME START! ギンガ・ナカジマ - GAME START! インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング -
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1514.html
防衛戦の終わり。 つまらない日常への回帰に落胆する。 だが、ほんの少し楽しみなことが起こった。 スバルへのミスショット。 俺からすれば、起こるべくして起こった事故。 優しい優しいなのはは、ほんの少しの小言で済ませる。 あまりにもくだらなくてどうでもいいことに過ぎない小言よりも、 俺の興味はたった1つに向いている。 ティアナ・ランスター。 ひよっこどもの中で一番どうしようもないひよっこ。 粋がった馬鹿の同類かとさえ思い始めた。 視界に映る度、思考に浮かぶ言葉は圧殺、轢殺、殴殺、射殺、爆殺、斬殺、屠殺、嬲殺・・・・・・。 さて、そろそろ貴様のあり方を見極めるとしよう。 魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めようか。 第8話 賭け 「えっと・・・・・・報告は以上かな?現場検証は調査班がやってくれるけど、 皆も協力してあげてね。しばらく待機して何も無いようなら撤退だから。」 「「「はい!」」」 なのはさんの言葉にスバル達が返事している。 けれど、そんなことあたしはどうだってよかった。 この後、絶対に・・・・・・。 「・・・・・・で、ティアナ。ちょっとあたしとお散歩しようか。」 「っ・・・・・・はい・・・・・・。」 来た!! なのはさんから穏やかな口調で誘われる。 あたしはただ返事を返すしかなかった。 緞帳が落ちたような心のまま・・・・・・。 そのまま森をなのはさんと歩いていき、どの程度皆から離れたころだろう。 辺りに誰もいない場所。 木漏れ日以外、本当に何も無い、木々が鬱蒼と茂った静かな場所。 そこでなのはさんが歩みを止めた。 そのまま、あたしのほうに振り向き口を開く。 「失敗しちゃったみたいだね。」 「すいません。1発・・・・・・反れちゃって・・・・・。」 後ろめたさに無意識に視線は下を向いてしまう。 それに・・・・・・なのはさんは全て知っているはず。 隊長なのだから報告を受けていないはずが無い。 その上で質問しているのだろう。 あたしを問い詰めるために・・・・・・。 もしも知らないことがあるとすれば、どうしてあたしがあんなことをやったか。 それだけだろう。 「わたしは現場にいなかったし、ヴィータ副隊長に叱られて、 もうちゃんと反省していると思うから、改めて叱ったりはしないけど・・・・・・。」 なのはさんはそう言う。 優しい口調のままに・・・・・・。 それで優しい口調で油断させた後、次はなにをやるんですか? 頬を叩きますか? それとも謹慎処分でも通達するんですか? 「ティアナはときどき、少し一生懸命すぎるんだよね。それでちょっと やんちゃしちゃうんだ。でもね・・・・・・。ティアナは1人で戦っているわけじゃないんだよ。 集団戦でのわたしやティアナのポジションは前後左右全部が味方なんだから。」 肩に手を置きながら告げられたなのはさんのその言葉にはっとする。 あたしのポジションはセンターガード。 敵陣に単身で切り込むフロントアタッカーでも、 前衛や後衛の支援攻撃をするガードウイングでも、 まして完全支援のフルバックでもない。 チームの中央に立って、誰よりも早く中・長距離を制する者がセンターガード。 そしてあのときあたしがやるべきだったことは、敵を全滅させることでも無くて、 ましてあたしが蹴散らすことじゃなくて、防衛線を維持することだった。 それなのにあたしは焦って、全機撃墜しようとして・・・・・・。 「その意味と今回のミスの理由、ちゃんと考えて同じことを2度と繰り返さないって 約束できる?」 「はい・・・・・・。」 「なら、わたしからはそれだけ。約束したからね?」 「はい・・・・・・。」 なのはさんは最後まで優しいままだった。 1度も声を荒げもせず、頬を打つこともせず・・・・・・。 なのはさんに言われたことは全部理屈の上では分かってる。 でも・・・・・・、だけど・・・・・・、あたしは・・・・・・。 AMFに阻まれてなにもできなかったあたしは・・・・・・。 役立たずだ。 「わかりました。あちらに・・・・・・。」 調査班の人から話を聞いていると、ふっとその視線が外れた。 追うようにあたしもそっちを見ると、そこには・・・・・・。 「ティア!!」 「・・・・・・スバル。」 あたしは足早に駆け寄る。 調査班の人の話を放り出して。 管理局員としての自覚があるのかとか主人を見つけた犬みたいと言われるかもしれない。 でもなんだっていい。 ティアはあたしのかけがえの無い親友なんだから。 「いろいろ・・・・・・ごめん。」 いつものティアが嘘のようだ。 まるで火が消えちゃったみたい。 「んーん、全然・・・・・・。その・・・・・・なのはさんに・・・・・・怒られた?」 あー、なんでこんなことを聞いているんだろう。 ティアが傷つくに決まっているのに。 なんであたしはもう少し気の利いた言葉が言えないんだろう。 「少しね。」 「そう・・・・・・。」 落ち込んだままのティアが短く答えて、あたしもただ言葉を返すしかできない。 ほら、会話が途切れてしまった。 ああ、もっとなにか言わないといけない言葉があるのに・・・・・・。 ええと、ええと、そうだ!! 「ティア、向こうで一休みしてていいよ。検証の手伝いはあたしがやるから・・・・・・。」 精一杯明るく気にしていないように振舞えたはず。 でもティアにはバレバレかな。 「凡ミスしておいてサボりまでしたくないわよ。いっしょにやろ?」 「うん!!」 軽く笑ってティアがそう言ったけど、あたしは嬉しかった。 ティアにちょっとだけ元気が戻ったみたいだったから。 「初めまして、ユーノ・スクライア司書長。空曹兼陸曹のはんたと申します。 いつもバトー博士がお世話になっています。」 そう言いながら俺はなのは達のところへ近づいた。 管理局のデータベース無限書庫の司書長、ユーノ・スクライア。 バトー博士から簡単な容姿は聞いている。 トモダチがまた増えたという言葉と共に・・・・・・。 しかし、インジュウなんてアダナ、バトー博士もよく思いつくものだ。 もっとも俺にはどのあたりがインジュウか分からないが・・・・・・。 「い、いえ。こちらこそ。その・・・・・・物凄い呼び方される以外は・・・・・・本当に・・・・・・。 バトー博士にこちらのほうが感謝してますから。既に無限書庫の3割以上に目を通されていますよ。たった1人で何十人分もの司書と同じ仕事量を来る度に手伝ってくれて、 自分の仕事もあるのに・・・・・・。司書長なんて立場にありながらお恥ずかしい限りです。」 「バトー博士があなたとトモダチになったのなら、それは当然のことです。 バトー博士以上に誠実な人間を俺は見たことが無い。」 奇妙な顔をするユーノ・スクライア司書長。 案外知らないのかもしれないな。 ここにいる面子がそろってバトー博士のトモダチになっているなんて。 インジュウ、ゴキブリ、バカチン、ロシュツキョーか。 どれが一番まともな名前か。 さて、そんなことは置いておいて、せっかくフェイトもいることだし尋ねておくとしよう。 「それで、なの・・・・・・なのは隊長とフェイト隊長をお借りしてもよろしいですか? ああ、たった1つの疑問にお答え願うだけですからこのままでも構いませんよ。」 「・・・・・・構いませんけど?」 「ええと、なにかな?はんた君。」 「作戦行動についてなにかあったかしら?」 「広域防衛戦が予想されていたのに、砲戦魔導師のなのは隊長と広域攻撃魔法が使える はやて部隊長がわざわざホテル内の警備についた理由を教えていただきたい。 どちらか片方が外にいれば、かけらほども被害はなかったでしょう。 結果はご存知のように、シグナム副隊長達は動きっぱなしで、 まともな範囲攻撃が使えるのは俺だけで、 召還による奇襲を受けてスバル達が展開したホテル前の防衛線まで敵に詰め寄られ、 どうにか迎撃しきれたものの、召還師には逃げられて、 オークションの品物を盗まれてしまったわけだ。」 「それは・・・・・・。」 フェイトが困惑したように言いあぐねている様子。 同様になのはのほうも・・・・・・。 本当のことを言えばフェイトまで中にいたことがおかしい。 率いるべき隊長なのだから・・・・・・。 一番の疑問は最大火力を誇る隊長3人が揃いも揃って中にいたことだ。 シャマルのクラールヴィントとも、六課の管制のほうとも常時回線を繋げずに!! 今回の戦いを、広域防衛なんてシャマルが言っていたが、 ほとんど1方向から攻めてくれたからどうにかなったようなものだ。 包囲攻撃されるなんて予想さえ立てなかったのか? 終わったことでどうこう言いたくはないが、 あれだけ後手後手に回ってどうにかできたのは運がよかったとしか言いようがない。 まして包囲攻撃だったならホテルも人間も無傷ですまなかった。 だからこそ、聞きたい。 部隊としてどうしようもないのか、それとも別の何かがあったのかを判断するためにも。 言いあぐねている2人にこちらから予想の1つを振ってやる。 「六課のあり方として隊長は力をふるうわけにはいかなかったとでも?」 「君、失礼だろ。なのは達だって・・・・・・。」 「いいよ。ユーノ君。でも・・・・・・耳が痛いな。上からの命令としか答えられないんだ。」 ウエカラノメイレイ? 言葉の意味がわからなかった。 上からの命令・・・・・・。 つまり、はやて達よりも上の立場のどこかの馬鹿が、なにを考えたか知らないが、 効果的な運用も考えないで最大火力を使えなくしたと・・・・・・。 あらゆる言葉が思考を埋め尽くす。 その大半は罵声の類だ。 あまりにも予想を突き抜けた答え。 呆れも失望も突き抜けるほどに・・・・・・。 俺はなにも言わずに去るしかなかった。 「アルファ、結果より逆算、今回の防衛に成功する確率は?」 「60.8%。」 「5度に2度は抜かれたわけだ。遊びで部隊をやっているのか?」 「情報が足りず回答不能です。」 「仮に俺が攻める側だった場合?」 「100%は揺るぎません。今までどおりのルールならなおさらです。」 「Dead No Aliveか。」 口に出すと泣き出したくなるほどに懐かしい言葉。 それに、彼女を殺してから感じ続ける空虚な感覚は加速するばかり。 この世界に飛ばされて、アルファが蘇ったことでほんの僅かばかり満たされた。 けれど、日を追うごとに他のなにかが壊れた蛇口のように溢れ出ていってしまって・・・・・・。 まともじゃなくなりはじめていたのだろう。 壊れかけを騙し騙し動かした果てに、壊れてはいけないメインパーツが悲鳴を上げたのか。 アルファにこんな問いをしていた。 「アルファ、狂うことができたら楽になれるかな?」 「なにも変わらないと思われます。」 「・・・・・・なぜ?」 「狂った人間はなにも感じなくなります。なにも失うことも得ることもありません。 マスターは永遠に数字の0を刻むだけになります。マスターの枷となっている現実も、 殺害せずに済んでいるに過ぎないモノが殺害可能となるだけです。 要素として誤差で済むほど極小のプラスに過ぎません。リターンは限りなく0です。」 「だが、感じなければマイナスもないだろう?機械のように・・・・・・。」 「その問いはYesです。しかし、今現在、膨大な量のマイナスがあるにすぎません。 かつて、なにも保証がないまま、なにかが得られると荒野を駆け抜けたのはマスターです。 そして多くの非論理的思考を機械に過ぎない私に教えたのもマスターです。 そのマスターが私に向けてそのようなことを尋ねるのですか?」 「・・・・・・すまない。どうかしていた。」 「問題ありません。ただ、マスターがどのような決断をしようと私がマスターの傍らに あり続ける事実に変更はありません。」 「ああ、そうだな。」 「はーい。機動六課の前線メンバーの皆さん。撤収準備が整いました。 集合してくださーい。」 唐突に響くシャーリーの軽い声。 シャーリー・・・・・・シャーリィか・・・・・・。 だめだな。 本当にどうかしている。 彼女のこと以外で立ち止まって振り返ることなんて、 それこそジャックさんに殺されたときぐらいだったのに、 今頃になって共に旅をした仲間のことを思い出すようになるなんて・・・・・・。 綺麗な金髪のソルジャーで胸がすくような振舞いをしていた彼女だったら、 こんな状況を作り出したやつをとりあえず殴り飛ばして蹴り飛ばして、 それから笑い飛ばして酒でも飲んでそれで全部おしまいにするだろう。 酒・・・・・・。 そういえばいつからだろう。 酒の味がわからなくなって、いくら飲んでもまったく酔わなくなったのは・・・・・・。 しかし、本当にどうしたんだろう。 思考がなにかおかしい気がする。 気のせいか? それに俺が殺してしまった彼女の髪の色である血の赤が恋しくて恋しくて仕方が無い。 ちょうどいい。 傍らを通り過ぎていく白衣を着た生き物を殺・・・・・・。 深呼吸をしながら歩き続ける。 そうだ、バトー博士に頼みを追加しよう。 3連装にすると共に、バリアジャケットに血染めの旗でも加えてくれと・・・・・・。 そういえば緑にこだわる必要もなくなったんだ。 他のカラーリングにしてくれというのもいいかもしれない。 なんせ血塗れになっても目立たないからこその緑だったのだから・・・・・・。 でも彼女は緑のアサルトスーツで全身を覆っていた。 緑は彼女とお揃いの色。 ああ、やっぱり緑のままがいい。 血染めの旗なんていらないな。 なぜ思いついたのだろう? 邪魔な情報だ、消してしまおう。 いつからできるようになったのかさえ忘れてしまった行為。 意図的に記憶を消すというもの・・・・・。 砂の城を踏み潰すように、記憶から本当に色鮮やかで綺麗な血染めの旗を消していく。 ほころびが始まってしまったことにはんたは気がついていない。 自分がなにを消してしまったのか。 あの苛酷な荒野において仲間として共に駆け抜けた金髪のソルジャー『シャーリィ』。 旅の中で彼女が語ってくれたのは、かつて所属していて皆殺しにされた傭兵団のこと。 その名前は血染めの旗(ルージュフラッグ)・・・・・。 「皆おつかれさま。じゃあ、今日の午後の訓練はお休みね。」 「明日に備えてご飯食べてお風呂でも入ってゆっくりしてね。」 「「「「はい!!」」」」 六課に撤収して、なのはさん達にそんな声をかけられた。 あたし達4人は元気よく返事を返す。 だけど、あたしはそんなに悠長なことしていられない・・・・・・。 隊舎への道中、あたしは口を開く。 「スバル、あたしこれからちょっと1人で練習してくるから・・・・・・。」 「自主練?ならあたしも付き合うよ。」 「あ、じゃあ、僕も・・・・・・。」 「私も・・・・・・。」 これはあたしのわがまま。 あたしの無理に付き合わせるわけにはいかない。 あたし達よりも幼いエリオ達ならなおさらに・・・・・・。 「ゆっくりしてねって言われたでしょ。あんた達はゆっくりしてなさい。 それにスバルも、悪いけど1人でやりたいから!!」 「うん・・・・・・。」 そうエリオ達に言ったけど、あたしは笑えていただろうか。 誰かがいたら、きっとあたしは自分で立っていられなくなる。 それではいけないんだ。 証明するためにもあたしは人一倍努力しないといけないんだ。 制圧さえできないセンターガードでいてはいけないんだ。 あたしは誰もこないだろう場所を探すためみんなの前から去った。 どこか悲しげな声のスバルの返事を背中越しに聞きながら・・・・・・。 「あのさ。2人ともちょっといいか?」 「あ・・・・・・うん。」 あたしの言葉になのは達が頷いた。 シャーリーとシグナムのやつはどこか怪訝そうな表情であたしを見ている。 そんなにあたしがなにか言おうとするのが珍しいのか? 場所を移して皆がソファーに腰を下ろす。 「訓練中から時々気になっていたんだよ。ティアナのこと・・・・・・。」 「うん。」 「強くなりたいなんて若い魔導師ならみんなそうだし、 無茶も多少はするもんだけど・・・・・・。時々ちょっと度を越えてる。 あいつ、ここに来る前なんかあったのか?」 「ティアナのお兄さん、ティーダ・ランスター。当時の階級は一等空尉。 所属は首都航空隊。享年21歳。ご両親は既に事故で亡くなっていて、 ティアナはたった1人のお兄さんに育てられたみたい。」 「結構なエリートだな。」 「そう。エリートだったから・・・・・・なんだよね。ティーダ一等空尉は亡くなったときね、 逃走中の違法魔導師に手傷を負わせたんだけど、取り逃がしちゃってて・・・・・・。」 「まぁ、地上の陸士部隊に協力を仰いだおかげで、犯人はその日のうちに 取り押さえられたそうなんだけど。」 「その件についてね、心無い上司がちょっと酷いコメントをして一時期問題になったの。」 「コメントって?なんて?」 「犯人を追い詰めながら取り逃がすなんて、首都航空隊の魔導師としてあるまじき失態である。例え死んでも取り押さえるべきだった・・・・・・とか、任務を失敗するような 役立たず・・・・・・とか。」 「ティアナはそのときまだ10歳。たった1人の肉親を亡くして、しかもその最後の 仕事が、無意味で役に立たなかったって・・・・・・きっと物凄く傷ついて悲しんで・・・・・・。」 「でも無駄死にだろ?」 全員が一斉に扉のほうを向く。 そこにはあいつがいた。 いや、そんなことよりも重要なことがある。 「はんた!!てめぇ、今なに言いやがった!!」 「ノックは忘れなかったと思うんだが・・・・・・。」 「質問に答えやがれ。」 「無駄死にと言ったんだ。獲物を追いかけて取り逃がして勝手にくたばったんだから。」 「はんた君!!なんてことを・・・・・・。」 「テスタロッサ。落ち着け。はんた、いったいなんのつもりでそう言っている?」 「揃いも揃って・・・・・・。思った通りをそのまま口にしているんだよ、シグナム。 むしろどこが怒る部分なのか教えてくれないか?」 「ふざけるんじゃねぇ!!」 「冗談や挑発なんかのつもりはさらさら無い。どこが怒る部分なんだ?」 「本気で言っているんだな?」 「もちろん。育った世界の価値観の違いかと思い始めたところだが。」 「・・・・・・お前の世界ではどうなんだ?」 「世界なんて広い括りは知らないな。だが、俺のいた場所では毎日たくさんの人間が 死ぬんだ。数えたことはないがそれこそ死ぬ原因は様々でダースどころかグロスで 死んでいるだろ。なんせ周りが全部敵の世界だ。特にハンターなんていう自分の命を 賭け金にして殺し合いをやる人種はなおさら死にやすい。」 「そうか・・・・・・。」 「その一番死体になりやすいハンターにはいくつかの原則があるんだ。 その中で一番の基本で絶対の原則を無視してくたばったんだから無駄死にだろ?」 「どんな・・・・・・原則なの?」 なのはのやつ、問いかける声が震えてやがる。 フェイトも同じだ。 シャーリーのやつなんか顔が真っ青になっちまってる。 シグナムのやつだけは冷静みてぇだな。 あたしも反射的に飛びかかっちまいそうだ。 でも、それ以上に、表情ひとつ変えないで話すはんたの話が信じられない。 いったいどんなところなんだよ。 人間が毎日そんな数で死んでいく世界って!! なんなんだよ、この裁断機野郎がいた世界って!! 「『ヤバくなったら逃げろ』。あまりにも当たり前で簡単なことだろ?」 「なにふざけたこと抜かしてやがるんだ!!んなことしたら任務放棄じゃねぇかよ!!」 「だから無駄死にって言っているんだろ?自分がやられてたった1人の家族が 本当に1人ぼっちになる可能性よりも追いかけるほうを選んでくたばったんだから。 その上で獲物も取り逃がしたんだ。無駄死にだろ?」 「っ・・・・・・。でも・・・・・・。」 「俺の言葉にティアナが怒るならまだ分かる。だが、なんでなのは達が怒っているんだ?」 反論しようとしたなのはが、はんたの言葉に詰まった。 なんて答えりゃいいんだ。 死者を冒涜するな? 任務を遵守した結果? 尊い人命? ティアナの気持ちも考えろ? どれもはんたは鼻で笑いとばしちまいそうだ。 なにも言えないでいるあたし達の横でシグナムが口を開いた。 「ティアナのことは置いておこう。はんた、なんのようだ?」 「ああ、そうだ。ろくに使い道も無くて額面もたいしたことない報酬を 増やしたいと思って来たんだった。」 「給料の値上げ交渉か?」 「いや。単純な賭けさ。なのはがティアナに面白いことを言っていたからそれを使わせて もらおうと思った。『その意味と今回のミスの理由、ちゃんと考えて同じことを2度と 繰り返さないって約束できる?』だったか?」 「盗み聞きしてたの!?」 「レーダーレンジの中で喋っているほうがマヌケなんだ。賭けの内容だ。1ヶ月以内に なのはとの訓練中スバルとティアナが近接戦闘を仕掛けるほうに今月の報酬全額賭ける。」 「・・・・・・?ティアナのモード2のことを言っているの?」 「育成プランなんてあったのか?なにを目的にしているか分からない訓練ばかり やらせているから無いものだと思ってた。ついでに言えば今回の事故も 痛い目みせるために意図的に起こるよう仕組んでいたとばかり思ったんだが・・・・・・。」 「そういえばてめぇ、なんか妙なこと言ってたな。起こるべくして起こったとか・・・・・・。」 「え?ヴィータ、それってどういう・・・・・・。」 フェイトがあたしの言葉に驚いている。 なのはもはんたの言葉に呆然としているみたいだ。 シャーリーの問いかけるような視線にシグナムが頷いている。 あの場にシグナムもいたからな。 はんたが口を開く。 「シャーリー。ひよっこどもの初任務の映像は出せるのか?」 「え、ええ。出せるけど。」 「なら出してくれ。人伝に聞いた話で記憶が狂っていなければ、 新人たちがちゃんと動けたようで上出来みたいな内容だったな、隊長達の評価は・・・・・・。」 たしかリインのやつがつけていた日誌がそんな感じだった。 回ってきた報告書も・・・・・・。 あたしはそのときいなかったからなんとも言えねぇんだけどな。 目の前にそのときの映像が表示される。 「わざわざヘリの中でバリアジャケットを展開してから外に出た俺よりも、 なのはが飛び降りながらバリアジャケット展開しているのを真似して、 対空射撃されることさえ考えずに飛び降りたひよっこどもと、 バリアジャケットに感激して敵の真上で立ち止まっているひよっこどものことは、 ここで発狂した笑いをしている俺の立ち回りミスとしよう。」 なのはとフェイトは愕然としたような表情をしていた。 とくになのはは震え始めている。 当然かもしれねぇな。 当たり前のように取った行動をひよっこどもが真似をしていたんだ。 空の迎撃に行くなのはとリニアに取り付くひよっこどもの違いを理解もせずに・・・・・・。 それがどれだけ危ないことかさえひよっこどもは分かっていないだろう。 シャーリーもあっと言わんばかりの顔をしている。 そういえばシャーリーって通信士だったっけな。 それならこの現場をモニター越しとはいえ目の前で見ていたことになる。 映像が流れ、ある場所まで来るとはんたが『止めろ』と言った。 「だが、ティアナのこの行動を当たり前だと見逃して放置していたんだろう? 射線上に仲間がいるときにトリガーを引くなんてしないものだ、普通は・・・・・・。 それとも射線上に味方がいてもトリガーは引くのがこっちの世界の常識なのか? それならひどい誤解をしたと謝るし、今後遠慮なくトリガーを引かせてもらうが。」 目の前の映像にガツンと頭をぶん殴られたみたいだった。 シールドやバリアがあるからなんて言い訳にならねぇ。 このときは、たまたまガジェットドローンが避けなかったから事故にならなかったんだ。 もしも避けていたら、その先にはエリオが・・・・・・。 しかもリニアから落ちれば下は崖。 何度もリプレイで映されるそのティアナの映像にあたしは鳥肌がたった。 たまたま今回の誤射が起こったんじゃない。 起こるだけの原因が放置されていて起こったんだ。 なんで教えてくれなかったなんて責められない。 隊長が気づいてしかるべきことなんだから・・・・・。 「そんなくだらないことは置いておこう。それならさらに賭けを具体的にしよう。 1ヶ月以内になのはとの訓練中、スバルとティアナが命知らずな特攻を仕掛ける。 特攻の内容はスバルがなのはにシールドを展開させて足を固めておいてから ウイングロードをティアナが駆け上ってなのはの上か下あたりから切りかかるが せいぜいだろう。それに今月の報酬を全額だ。」 重い雰囲気は笑い飛ばすようなそんなはんた君の言葉で消し飛んだ。 特攻って言ったの? そんなことするはず絶対ない!! 「はんた。だが、ティアナ達がそんなことをしてもなのはの勝ちは揺るがんぞ? ティアナ達が危険なだけの無意味な行動だ。」 「なにをいまさら・・・・・・。案外5割6割は勝率があると思ってやるんだろうよ。 なんのための訓練か分からないけど、これだけのことを考える頭があって、 あたしはこんなに力があって、こんなに努力しているんだから とにかく力だけはあるんだーみたいな考えでやると思ってる。」 「やらないよ!!だって、ティアナはわたしと約束したんだから・・・・・・。」 「だから賭けを持ちかけたんだ。俺はやるほうに今月の報酬全額だ。」 「わたしは・・・・・・ティアナを信じる!!」 だって、ティアナはわたしと約束したんだから。 お兄さんのこともあって一生懸命になりすぎて、焦りばっかりが増えて、 その結果失敗しちゃって、ヴィータちゃんに叱られて、本当に落ち込んでいた。 それに、あたしが言い聞かせたとき、物凄く後悔した顔した。 だから、絶対にティアナはそんな馬鹿な真似しない!! するはずがない!! 「顔を見る限り、他の面子は賭けに乗りそうに無いな。しかし、ティアナの モード2がよりによって近接戦闘ね。本当に分からなくなってきたよ。」 「え?」 なにを言われたかわからなかった。 だって、ちゃんと目的があってわたし、訓練させているのに・・・・・・。 どうしてそんなこと・・・・・・。 「いったいなにが目的の訓練なんだ?絶望的なまでに戦闘力の差がある魔導師を 倒すための訓練か?ガジェットドローンを倒すための訓練か? 無抵抗の人間を倒すための訓練か? 遠距離しかやれない人間が接近戦専門の人間を倒すための訓練か? それとも、高町なのはというエース・オブ・エースを倒すための訓練か? まさか自分で考えて戦えるようにするための訓練なんて言うなよ。 お仕着せのような訓練内容をさせておいて、どこでなにを考える? それに1発撃つのにどれだけかかってる・・・・・・って砲戦魔導師に言うのは 愚かだったな。銃口を向けた時点で照準は揃っていてトリガーは引くばかりなのが 当たり前の世界なんだから。」 え? なにそれ・・・・・・。 訓練内容への指摘よりも別の場所に驚きを隠せない。 狙う動作はどこにあるの? アクセルシューターやクロスファイアシュートにしたって追尾性能がある。 だから、いかに早く撃つかとか狙うかは考えたことがあった。 でも、わたし、そんな厳密に動作を考えたこと・・・・・・無い。 わたしは砲戦魔導師として完成していると言われる。 けれど、その先がもしかして・・・・・・あるの? 「ついでに言えば、シグナム。素人が一番殺し合いに使いやすい武器はなんだ?」 「鈍器だ。長柄ならヴィータみたいなハンマーもありだ。」 「逆に一番訓練がいるのは?」 「ふむ・・・・・・ナイフか。刃物ならとにかく長柄の武器ほど練度はいらない。 もっとも手元に入られたときの問題や重さの影響もあるだろうが・・・・・・。」 「という近接戦闘に慣れた方の講釈があったが、まさかナイフやダガーや スティレットなんて言い出さないよな。ティアナのモード2。」 ダガーモード。 それがティアナに準備していたモード2。 どうしてこんなにぴったり言い当てられてしまうのか。 わたしが単純すぎる? ううん、違う。 はんた君のその思考は、あまりにもシビアであまりにも現実的。 本当に命を奪い合う殺し合いが大前提で全ての会話が始まっているはんた君。 1度はハンデがあったから負けたとはいえ、 もう1度やれば勝てるとわたしは心のどこかで思っていた。 けれど、それは致命的なまでの間違いなのかもしれない。 前にバトー博士に言われた通り・・・・・・。 毎日殺し合いの日々だったはんた君からすれば、砲戦魔導師として完成していて 管理局のエース・オブ・エースなんて呼ばれるわたしさえもひよっこなんだ。 今日のホテル・アグスタでの問い。 ホテル・アグスタ周辺のなにかに抉り取られたような地形。 あれは砲戦魔導師のそれに近かった。 そして今日のメンバーでそれができるのは1人しかいない。 つまり、それから考えられる結論は・・・・・・はんた君の強さはオーバーSに相当? もしかしたら単独で全部を制圧することさえ簡単だったのかもしれない。 どれだけ彼は歯痒い思いをしてわたし達を見ているのだろう。 そんな思考をしていたわたしにはんた君が言葉を告げる。 「なのはも快く賭けに乗ったから俺は席を外すよ。あと、もう1つだけ言わせて貰おう。 俺の世界には普遍のルールがある。」 「毎日殺しあってる世界で普遍のルール?あんのかよ?そんなもの。」 そんなものがあるのだろうか? 優しい世界で皆に囲まれてきたわたしには想像さえできない。 わたしに比べればはるかに辛い思いをしてきたフェイトちゃんやシグナムさんも 首を傾げるばかりで、真っ青な顔をしたシャーリーさんは震えるばかりだ。 ヴィータちゃんも不思議そうに尋ねている。 「『強いから正しい』。言葉通りに俺を打ちのめして『無駄死に』を訂正させるか?」 淡々とそう言い放ったはんた君の姿に初めてあったとき以上の危うさを感じた。 殺気はかけらほどもない。 けれどどこから漂ってくるのだろう。 咽返りそうなほどに濃密に感じられるこの匂いは・・・・・・。 表情はなにも変わらないのに、なにかが殺させろと叫んでいるみたい。 どうしてだろう。 人の形をした別のなにかにはんた君が見えてくる。 そんな雰囲気に飲まれて、わたし達ははんた君を見送るしかできなかった。 証明するんだ。 お兄ちゃんが教えてくれた魔法は役立たずなんかじゃない。 どんな場所でも、どんな任務でもこなせるって・・・・・・。 力さえあればそれが証明できる・・・・・・。 死んじゃったお兄ちゃんの叶えられなかった夢を叶えるんだ。 そんな思いを抱えながら、六課の片隅の林で、あたしの周りを魔力スフィアで囲んだ。 この魔力スフィアはマーカー。 クロスミラージュに制御をまかせてランダムに点灯させていく。 それに向かってあたしはその場から動かずに、照準を合わせる。 ランダムに点灯する魔力スフィアを狙い続ける訓練。 ろくに才能も力も無いあたしに残された最後の武器である精密射撃を 完璧にするために・・・・・・。 そんな思いで歯を食いしばって、同じような動作を延々繰返しつづけて、 どれだけの時間続けただろう。 集中が途切れたせいか、それとも疲れのせいなのか。 ふっと膝から崩れ落ちそうになる。 そこで初めて息をついた。 気がつくと辺りは夕暮れだったはずなのに、 星と月と人工の明かりが灯る夜が広がっている。 肩で息をしながら、深く息を吸って再び訓練を続ける。 あたしは証明するんだから。 こんなところで立ち止まれないんだ!! 必死に照準をあわせているあたしの傍らから、手を打つ音が聞こえた。 「もう4時間も続けているぜ。いい加減倒れるぞ。」 「ヴァイス陸曹。・・・・・・見てたんですか?」 「ヘリの整備中にスコープでちらちらとな。ミスショットが悔しいのはわかるけどよ。 精密射撃なんざ、そうほいほい上手くなるもんじゃねぇし。無理な詰め込みで へんな癖つけるのも悪いぞ。」 あなたになにがわかる!! 思考はその感情だけで埋め尽くされていたから・・・・・・。 反射的ににらんでいたのかもしれない。 「って、昔なのはさんが言ってんだよ。俺は、なのはさんやシグナム姐さん達とは 割と長い付き合いでな。」 あたしの雰囲気に戸惑ったのか、ヴァイス陸曹が慌てて付け足すようにそう言った。 なのはさん・・・・・・シグナム副隊長・・・・・・。 どっちも才能に恵まれた人間じゃないか!! オーバーSとAAランクのなんでも持っている魔導師と 凡人で落ちこぼれで何も持っていないどうしようもないあたしを一緒にしないで!! 「それでも、詰め込んで練習しないと上手くなんないんです。凡人なもので・・・・・・。」 感情のままに酷い言葉を叫びそうになった。 でも、心配してくれた相手に当り散らすなんてできない。 ただ、反論するだけにしておいた。 なのはさん達とあたしを同じところにおいて話をするなという含みも込めて・・・・・・。 話は終わりとばかりにあたしは訓練を再開する。 「凡人・・・・・・か?俺からすりゃあ、お前は十分に優秀なんだがな。羨ましいくれぇだ。 ま、邪魔する気は無ぇけどよ、お前らは身体が資本なんだ。体調には気ぃつかえよ。」 「ありがとうございます。大丈夫ですから。」 口先だけのお礼。 心は既に別の方向へ向いている。 全然足りないんだ、証明するための力が・・・・・・。 無理や詰め込みをしないで、どうやって才能の差を埋めるんだ!! だから、やれる限り無理と詰め込みを続けるんだ。 証明するための力を少しでも手に入れるために!! 「ティア・・・・・・」 「なんだ。まだ起きてたんだ。」 へとへとになるまで訓練をして部屋に戻るとスバルがまだ起きていた。 隊舎に戻ったとき深夜を回っていたことにほんのさっき気がついたのだけど。 会話するのも辛い。 全身に纏わり付く疲労感に身を任せてベッドに潜り込む。 「あのさ・・・・・・あたし、明日朝4時起きだから。目覚まし五月蝿かったらごめんね。」 「いいけど・・・・・・大丈夫?」 「うん・・・・・・。」 心配してくれているスバルの言葉に答えるのさえ億劫だ。 まるで睡魔に誘われるようにあたしの意識は眠りに落ちていった。 「ティア。ティア。起きて、4時だよ。起-きて。」 耳障りな電子音が響いている。 これは目覚ましの音? スバルに身体を揺さぶられ、ぼんやりした意識がようやく覚醒を始める。 だるい身体を動かして目覚まし時計を止めながら、 ぼやけた視界が時計のアナログな針を映した。 「あー、ごめん。起きた。」 「練習行けそう?」 「行く。」 「そう。じゃ、はい。トレーニング服。」 「ありがとう。」 スバルは本当に優しい。 気がつくと甘えて寄りかかってしまいそうなほどに。 でも甘えちゃ駄目なんだ。 差し出されたトレーニング服を受け取りながら気だるい身体を動かす。 「さて、それじゃあたしも・・・・・・。」 「ええっ!?なんであんたまで・・・・・・。」 さらっと言いながら着替えを始めたスバルにあたしは反射的に尋ねていた。 これはあたしのわがままなのに・・・・・・。 あんたが付き合う必要ないのに・・・・・・。 「1人より2人のほうがいろんな練習できるしね。あたしも付き合う。」 「いいわよ。平気だから。あたしに付き合ってたらまともに休めないわよ。」 「知ってるでしょ。あたし日常行動だけなら4,5日寝ないでも平気だって。」 「日常じゃないでしょ。あんたの訓練は特にきついんだから、ちゃんと寝なさい」 「やーだよ。あたしとティアはコンビなんだから。一緒にがんばるの。」 「か・・・・・・勝手にすれば!!」 あっけらかんと笑顔で言ってきたスバルにあたしはそう返事を返すのが精一杯だった。 ・・・・・・スバル、ありがとう。 「で、ティアの考えていることって?」 「短期間でとりあえず現状戦力をアップさせる方法。上手くできればあんたとの コンビネーションの幅もぐっと広がるし、エリオやキャロのフォローももっとできる。」 「うん。それはわくわくだね。」 「いい?まずはね・・・・・・。」 スバルにあたしの考えを伝える。 早朝の六課の片隅の林の中、あたしとスバル2人だけの訓練が始まった。 「じゃあ、引き続き個人スキルね。基礎の繰返しになるけど、ここはしっかりがんばろう!」 「「「「はい!!」」」」 「ティアナとスバルはなにかご機嫌だけど・・・・・・なにかいいことあった?」 「あ、いえ、えへへへ・・・・・・。」 「なんにも・・・・・・。」 顔に出ていたのだろうか。 自分で考えた方法が証明できる日が待ち遠しい。 スバルとの自主練の結果を見せて、驚かせてあげるんだ。 なのはさんを・・・・・・。 そしてそれが力の証明になるんだ。 いつもやっているなのはさんの朝と夜の訓練をいつもどおり消化していく。 それに加えて毎日、なのはさんの訓練の前後に時間を作ってスバルと自主練をしていく。 エリオとキャロもあたし達がなにかやっているって気がついたみたいで 差し入れを持ってきてくれたりした。 がんばらないと・・・・・・。 あたしがやらないといけないこと。 それはまず、急いで技数を増やさないといけないんだ。 幻術は切り札にならないし、中距離から撃っているだけじゃ それが通用しなくなったときに必ず行き詰る。 あの狂人の圧倒的な火力と連射性能を誇る砲撃魔法が頭をよぎり、ぎりっと奥歯が鳴った。 頭を振って思考を入れ替える。 あたしのメインはあくまでシャープシュート。 兄さんが教えてくれた精密射撃だけど『それしか』できないから駄目なんだ。 行動の選択肢をもっともっと増やすんだ!! そんなことを考え続けて、自主練を繰り返していった。 スバルに体捌きを習った。 コンビネーションを考えた。 ウイングロードを使った戦い方も考えた。 疲労の余り、吐き戻したこともある。 でも、結果を出すんだ。 それだけがあたしを突き動かし続ける最後に残ったモノだった。 「それで、はんたはいつもどおりドラム缶押しか。」 「横でドラム缶押しにずっと付き合っておきながらなにをいまさら。 しかし、成長すると人間は自分から泥沼にはまっていくものなのか? 幼いライトニング2人のほうが素直な分、伸びやすいし伸ばしやすい。」 「元々の性格もあるだろう。」 「しかし、ティアナは俺からすればなんで死体になっていないかが不思議だ。 それに目的がなおさら分からなくなったよ。なのはを倒したいのか、 センターガードとして動けるという証明をしたいのか、それとも単に力が欲しくて これだけの力が手に入ったっていう証明をしたいのか。それとも他のなにかなのか。」 「どういう意味だ?」 「なのはを攻略したいのなら、俺でもシグナムでもヴィータ・・・・・・は 『なにを馬鹿なこと言ってやがる』で終わらせそうだな、他の誰でもいい。 本当に手段を選ばないで力が欲しいのなら戦い上手なやつに尋ねればいい。 アドバイスらしいアドバイスは無かったとしても、『今の』なのはの戦闘スタイルの弱点を 教えてもらうぐらいはできるだろう。元手を使うわけでもないんだから突っぱねられたり、 馬鹿にされても損は無いだろう?それなのに、なのはについて情報を集めた痕跡は0。 それともなのははシールドとアクセルシューターしか使わないと決まっているのか?」 「たしかに一理あるな。ティアナ達にそれを教えてやらないのか?」 「賭けの真っ最中にそんな干渉したらフェアじゃない。」 「賭けっすか?」 ドラム缶押しをする俺とシグナムの横でぼんやり立っていたヘリパイロットがそう言った。 仕事は終わったのだろうか。 ヘリの整備をしていたのはアルファの収集した情報で知っているが・・・・・。 なんにせよ、簡単な説明ぐらいはするとしよう。 「賭けの話を知らないのか?ヘリパイロット。」 「ヘリパイロットって・・・・・・気軽にヴァイスって呼んでくださいよ。」 「それならヴァイス。1ヶ月以内にティアナとスバルがなのはに特攻を仕掛けるか否かで 賭けをやっている。やるほうに俺は今月の給料全額。なのははやらないほうに賭けた。 ちょうど明日が刻限の1ヶ月目だが、今からでも乗るか?」 「遠慮しておくっす。しかし、特攻とは穏やかじゃないっすね。」 「私もそれをはんたに言ったのだが・・・・・・。」 「アルファ、現状で賭けはどっちに傾く?」 「90%でマスターの勝利です。残る10%はいずれもイレギュラーによるものです。」 「はー。恐ろしく賢いデバイスっすね。しかし、9割がやるってのは間違いないのか?」 「現在まで収集したティアナの思考ルーチンおよびスバルの思考ルーチン、 その他戦闘スキルおよび経験とこれまでの日常行動から推測した限り、揺るぎません。」 「もしも、俺がそれをティアナ達に忠告に行ったとしたら?」 「誤差として処理される極小の確立だけ、やらない側に振れます。 しかし、逆にやる側へ著しく振れる可能性のほうが高いためお勧めしません。」 「ティアナの性格か?」 「Yesです。シグナム。忠告されたならば、その忠告を言葉通りに受け取らず、 『考えたことと努力があまりにも浅はかなものであった』と認識するでしょう。」 「ずいぶん人間らしい考えまで分かるんだな。で、確率までだせたりしちまうのかな?」 「今までの行動パターンより推測する限り99%。」 「うはー。そいつはひでぇな。忠告なんか聞きもしないって?」 「ときにヴァイス。ガンナーの経験でもあるのか?」 「え?なんで・・・・・・。」 軽口を叩いていた彼だが、俺の問いかけに酷く動揺したようだった。 なにをそんなに動揺する。 身体に染み付いた習性がそんなに簡単になくなるとでも思っているのか。 「視線が無意識に障害となるものを探している。僅かに右に偏った重心。 あとは、数えるのも忘れたくらいの経験からの判断。」 「はぁー。人伝に聞いたわけじゃないのにそこまで分かるなんて。まじで凄腕なんすね。」 「なんでもいい。遠距離射撃は得意か?」 「以前までは・・・・・・。ミスショットやっちまってからそれっきり・・・・・・。」 「なのはに言ったとき酷く驚いた顔をされたから気になったことがあってな。 遠距離射撃が得意ならそれを是非聞きたいと思ったんだ。」 「なんすか?」 「遠距離射撃でターゲットに向けて銃を撃つ。何アクション必要だ?」 俺の問いかけにヴァイスが真剣な顔をすると動作が丁寧に行われていく。 的を想定しているのだろう。 視線を固定した。 そのまま銃を構えるような動作を取り、スコープを覗くような仕草をしておいて 視線を外しまた覗く。 そして息を吸い込んで止める、トリガーに指が掛かる。 あまりに熟練した動作に拍手でもしたくなった。 本当に遠距離射撃でなおかつ精密射撃をやる方法を熟知している。 あの荒野だったなら弾が受ける影響を考えて風見を探して 気温や湿度なんかも考えるのだが、この世界では関係ない。 だからこそ当たり前のように当たり前がやれるヴァイスに感心する。 「俺なら銃を構えるのに1アクション、狙いをつけるのに1アクション。 呼吸を整えるに1アクション、トリガーを引くのに1アクションの 合計4アクションってところですかね。 ターゲットを見つけていないのなら探すのに1アクション追加で。」 「やはりか。こうなると狙撃のエースに話を聞きたいな。 ミッドのレベルがお粗末なのか、俺のほうが狂っているのか。」 「いったいなんすか?」 「構えた時点で照準は揃っているのにどうして狙いをつける必要がある?」 俺からしてみれば数え切れないほど銃を撃った末にいつの間にかできていたこと。 きっかけはなんだったか。 戦車を生身で叩き壊す手前ぐらいにどうにかしてやり始めたはず・・・・・・。 たしか旅の途中であまりの思いつきの馬鹿さ加減を笑いとばしながら、 それでも『誰か』が真剣に教えてくれていたような気がしたのだけど。 「つまり、もしかすると・・・・・・構えてトリガーを引く2アクションで?」 「必中のそれさえ回避する彼女もいたな・・・・・・。」 「はー。興味ついでに質問いいっすか?ターゲットが10機現れたら何アクションです?」 「3アクションだ。」 「ええと、360度全方位にバラバラにいるんすよ?」 「だから、視界に敵全部を捉えらえられる位置に移動するのに1アクション、 相手を認識した時点で照準は終わっているから、構えてるのに1アクション。 トリガーを引くのに1アクション。もちろん連射はするが・・・・・・。」 「冗談じゃ・・・・・・ないっすよね?」 「もちろん。」 どこかヴァイスの顔が引き攣っているような気がするが気のせいか。 いったいどこがおかしいのかわからない。 たしかに駆け出しのころはモンスターを見つければ照準をつける前に弾をばら撒いていた。 とにかく撃たないとこっちが殺されるのだから。 ハンターの原則『戦いに勝つためにはまず相手より先に攻撃すること』に従って。 でもいつごろからか弾代が酷く嵩んでいることに気がついて、 ばら撒く前にブルズ・アイ(予測射撃)をするようになって・・・・・・。 そうだ。 たしかジャックさんに蜂の巣にされたのがこの頃だった。 それから旅を続けていって、気がつけば相手を認識すれば何機いても問題なくなった。 構えて撃ちさえすれば照準が揃っている。 たとえそれが何機いようとも・・・・・・。 「全ては明日次第か。私としてははんたが負けるほうを願うべきなのだろうな。」 「俺としてはそんな危なっかしいことやってほしくないっすね。」 「俺はそれ以上に、特攻をされたとして、なのはがどうするかが気になるな。」 「どういうことだ?」 「いつもの練習を無視しているが、それでも努力して考えたことに間違いは無いだろう? 訓練方針も明確にしていないなのはなんだからそれを褒めるか怒るかが想像つかない。 俺の世界のルールに基づけば1つしかないが。」 「無茶をすべき場面の区別がついていないと怒ると思うが。」 「なのはさん、リハビリ大変だったみたいっすからね。それと、なんすか?ルールって。」 「『強ければ正しい』だ。俺がなのはだったら蜂の巣にして負け犬とでも言って終わりか。 それ以前に病院か死体置き場にティアナ達が行くことになるか・・・・・・。」 「まじで気が重いっすね。明日がこなけりゃいいのに・・・・・・。」 「悪いわね。クロスミラージュ。あんたのことも結構酷使しちゃって。」 「No Problem.」 「明日の模擬戦が終わったらシャーリーさんに頼んでフルメンテしてもらうから。」 「Thank you.」 布で拭きながらクロスミラージュにそう語りかけていた。 やれるだけのことはやった。 あとは明日、結果を出すばかり。 ドアが開く乾いた音が響く。 「ただいまー。ティア、はい。」 「ありがとう。」 スバルが買ってきてくれたスポーツドリンクの缶を開ける。 冷たい。 けれど、スバルが帰ってくると同時に部屋の雰囲気が重くなった。 スバルの不安のせいか、あたしの不安のせいか。 「明日の模擬戦いけるかな?」 そう切り出したのはスバルのほう。 やはり同じ不安を抱えていた。 「成功率はいいとこ6割ぐらいかな。」 「うん、それだけあればきっと大丈夫。」 誰にもお披露目していない戦い方、新たなフォーメーション、戦略、練習量。 そしてリミッターがつけられたなのはさん。 そこに若干の希望も含めて6割。 それがあたしの予想。 分の悪くない賭けだ。 スバルは根拠も無く大丈夫と言っている。 けれど、あたしには成功率以上に気がかりなことがあった。 「でも・・・・・・あんたは本当にいいの?」 「なにが?」 「あんたの憧れのなのはさんに、ある意味・・・・・・逆らうことになるから。」 そう言いながらも、無意識に込められた力のせいで手元の缶が歪む。 力は証明したい。 でも、スバルがどれだけなのはさんに憧れているのか知っている。 だからこそ、あたしのわがままに付き合わせてしまってもいいのだろうか。 「あたしは怒られるのも叱られるのも馴れているし、それに逆らっているって言っても 強くなるための努力だもん。ちゃんと結果だせばきっと分かってくれるよ。 なのはさん、優しいもん。ふふっ・・・・・・。」 缶を握りつぶしながら力説するスバル。 思い出し笑いまでしているし。 そんなスバルの様子を見ていると悩んでいるあたしが馬鹿みたいだ。 「さぁ、明日の早朝特訓が最後のおさらい。早く寝とこ?」 「うん。」 全ては明日。 結果を出してハッピーエンドで終わらせたい。 力を証明したいからだけじゃない。 あたしに付き合ってくれたスバルのためにも・・・・・・。 「さぁーて、じゃあ、午前中のまとめ。2on1で模擬戦やるよ。 まずはスターズからやろうか。バリアジャケット準備して!!」 「「はい!!」」 なんだかティアナ達はふっきれた感じ。 物凄く気合いも乗っているし、すごくいいかも。 はんた君が賭けを持ちかけたときに告げられた散々な問題も 今では改善しているみたい。 そういえば今日がはんた君が持ちかけた賭けの最終日だ。 ティアナ達を信じたわたしの勝ち。 はんた君のお給料なくなっちゃうけど、自分で言い出したんだもん。 遠慮なく貰ってしまおう。 ちょっと意地悪かな。 「エリオとキャロはあたしと見学だ。」 「「はい!!」」 ヴィータちゃんがエリオ達を連れて離れていく。 そういえば珍しくはんた君が姿を見せている。 いつもは姿も見せずにどこかでドラム缶押ししているのに・・・・・・。 やっぱり気になるのかな。 「あ、もう模擬戦始まっちゃってる?」 「フェイトさん。」 「私も手伝おうと思ってたんだけど・・・・・・。」 「今はスターズの番。」 「本当はスターズの模擬戦も私が引き受けようと思ったんだけどね。」 「ああ。なのはもここんところ訓練密度濃いーからな。少し休ませねぇと。」 そう言って上空を飛んでいるなのはにあたしの視線が向いた。 アクセルシューターを展開しているなのは。 無理していないのだろうか。 本当に大丈夫なのか? いざとなったらアイゼンでぶっ叩いてでもベッドに送ってやらねぇと・・・・・・。 「なのは、部屋に戻ってからもずっとモニターに向かいっぱなしなんだよ。」 訓練メニュー作ったり、ビデオでみんなの陣形チェックしたり・・・・・・。」 「なのはさん、訓練中もいつも僕達のこと見ててくれるんですよね。」 「本当にずっと・・・・・・。」 「それに気がついていない2人はなにをするかな。」 「はんた君・・・・・・。」 「アルファの分析を信じるのなら俺の勝ちが90%だ。」 「なんの話です?はんたさん。」 「ティアナがなのはと馬鹿をやらないって約束をしたんだが、俺は馬鹿をやるほうに 今月の給料全額かけたのさ。今日が賭けの最終日。」 「てめぇ!!ティアナ達になんか吹き込んだりしてねぇだろうな!!」 「不安ならシグナムに聞け。フェアじゃない賭けをするほど屑でもない。 さて、始まるみたいだな。」 「クロスシフトだな。」 この際、賭けなんかどうだっていい。 なのはの信頼を裏切るような真似だけはしないでくれよ、ティアナ、スバル。 多少の無茶はしてくれたっていい。 ただ、冗談抜きにはんたの予想だけは当たるなよとあたしは思った。 「やるわよ!!スバル!!」 「うん!!」 2人でいい感じに声を掛け合っている。 今まで以上に複雑にウイングロードを展開させたスバル。 そして足元では魔力スフィアを11個形成したティアナ。 クロスシフトか。 ティアナ達が取れる方法とすればクロスファイアシュートでわたしを追い立てて、 それからスバルが接近戦を挑んでくるけどそれはティアナの幻影魔法。 実際は後ろか上から本体のスバルが来る。 そこでシュートバレットの連射かシュートバレットFを併用して ティアナがスバルを援護というところかな。 ミスショットを思い出して援護できないなんてならないといいんだけど。 足を止められたところにあたるティアナの攻撃って結構響くんだよね。 でも、なんだろう。 はんた君に言われたせいか、胸のどこかがざわざわする。 大丈夫。 ティアナ達は絶対にやらない!! 「クロスファイアシュート!!」 掛け声と共にわたしの足元から飛んでくるティアナのクロスファイアシュート。 けれど、この違和感はなんだろう。 魔力弾の速度もいつもよりもずいぶん遅い。 もちろんコントロールはいいのだけど、これでは迎撃や回避が簡単に行えてしまう。 いったいどういう意図があって・・・・・・。 上昇して逃げる。 それだけでティアナの魔力弾は置いてけぼりだ。 1人時間差攻撃でもやるのかな? 視界の先に突如展開されるウイングロード。 その上をマッハキャリバーで加速して駆け抜けてくるスバル。 いつでも放てるように迎撃用のアクセルシューターを4基展開する。 けれど、驚かされた。 このスバル、フェイクじゃない。 本物!? 「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」 放たれたアクセルシューターをバリアで受け止めながら、 雄叫びをあげて突っ込んでくるスバル。 なんでそんな危険なことをしているの!? バリア越しだって痛みはあるし、バリアを抜かれでもしたら・・・・・・。 考えている暇は無い。 迎撃しないと・・・・・・。 「うりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 私のシールドの上でスバルのリボルバーナックルが激しく火花を散らした。 なんなの? 偶然? 胸のざわざわはどんどん酷くなっていく。 今は集中しよう。 シールド本来の役目は攻撃を受け流すこと。 身体を回転させてあげると、突然抵抗を失ったスバルがウイングロードから 悲鳴を上げてまっさかさまに落ちていく。 いけない。 フローターを使う準備をしないといけないか。 大丈夫みたいだ。 落下地点にウイングロードがある。 「ほらスバル!!だめだよ。そんな危ない軌道。」 後ろからようやく追いついてきたティアナのクロスファイアシュートを かわしながら注意する。 こんな速度じゃやっぱり簡単に避けられちゃう。 いくら追尾性能があるからとはいえ、さすがにこれは異常だ。 まるで避けてほしいみたい。 「すいません。でも、ちゃんと防ぎますから!!」 ウイングロードに着地できたスバルがわたしにそう叫ぶ。 大丈夫そうだ。 そこで気がつく。 ティアナはどこ? スバルが幻影魔法じゃなかったこともあって完全に意識を反らしていた。 いた!! ビルの上で詠唱しているあれは・・・・・・砲撃!? 砲撃魔法はただでさえ身体に大きな負担がかかるのに!! 本当にどうしちゃったの!? 「でぇぇりゃぁぁぁぁ!!!!!!」 リボルバーナックルに魔力カートリッジを装填したスバルが マッハキャリバーで加速してウイングロードを駆けてくる。 迎撃、アクセルシューター6発。 また、バリアで無理矢理抜いてくるなんてしない・・・・・・よね? 悪い意味で裏切られた。 想像以上だった。 ろくにバリアもシールドもフィールドさえも使わないで、私に殴りかかるスバル。 それがどういうことか分かってるの!? シールドの上で火花を散らせるスバルのリボルバーナックル。 不意に思い出されるはんた君の予想。 『スバルがなのはにシールドを展開させて足を固めておいてから、ウイングロードを ティアナが駆け上ってなのはの上か下あたりから切りかかる』ってまさか・・・・・・。 今更に気がついたはんた君の予想の意味。 それは砲撃魔法を使われる以上の危険行為。 なんで・・・・・・? どうして・・・・・・? いろんな思いで心がごちゃまぜになる。 砲撃魔法でいいから・・・・・・お願いだから砲撃を使って・・・・・・ティアナ!! スバルの突進をシールドで防ぎつつ、視線をビルの上のティアナに向けた。 嘘・・・・・・そんな・・・・・・!!幻影!? わたしの上に走るウイングロードを駆ける足音が響く。 そんな・・・・・・ティアナ・・・・・・約束・・・・・・したのに。 「でぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「レイジングハート、モードリリース。」 「Allright」 なんだろう、この思い・・・・・・。 悲しすぎて、辛すぎて、怒り出したくて、泣き出したくて・・・・・・。 あまりにもそれが大きすぎて、全部を通り越しちゃったみたいな・・・・・・。 ティアナの雄叫びを聞きながら、わたしは静かにレイジングハートに指示をだしていた。 「おかしいな・・・・・・。2人とも・・・・・・どうしちゃったのかな。」 わたしの教え方がなにか悪かった? なにか言いたいことがあって我慢していた? わたしの指導なんて受ける気さえなかった? 言いたいことはたくさんあるのに、言葉にならない。 限度を通り越しちゃった感情は風がない湖みたいに静かで・・・・・・。 「がんばってるのは分かるけど、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ。練習のときだけ 言うこと聞いてる振りで、本番でこんな危険な無茶するなら練習の意味ないじゃない。 ちゃんとさ。練習どおりやろうよ。」 淡々と言葉を紡ぐ。 ティアナの魔力刃を受け止めている右手から血が流れ出している。 でも、痛いなんて感じない。 限度を通り越しちゃった感情のせいだろうか。 動揺したみたいなティアナの顔や怯えるみたいなスバルの顔も気にできない。 ただ、感じるのは血が流れてるなっていうただそれだけ・・・・・・。 「ねぇ?」 「あ、あの・・・・・・。」 「わたしの言ってること、わたしの訓練、そんなに間違ってる?」 わたしの問いに合わせて、クロスミラージュから伸びていた魔力刃が消える。 ティアナはウイングロードまで飛びのくと、クロスミラージュの銃口を こちらに向けていた。 「あたしは・・・・・・もう、誰も傷つけたくないから!!無くしたくないから!! だから・・・・・・強くなりたいんです!!」 泣きながらそう叫ぶティアナ。 砲撃魔法の魔方陣が展開されている。 スバルがこんなに近くにいることさえ気にできないなんて・・・・・・。 いつものわたしだったらスバルを連れて避けるなり、 バリアで防ぐなり、シールドで受け流すなりしたのかもしれない。 けれど、今、わたしの前にいるのは感情のままにわめき散らしているだけの子供。 そう思うことにした。 魔力スフィアを右腕の指先に6個展開する。 「少し・・・・・・頭冷やそうか。」 「ぇぇぇぇぇぇぇぃ!!!!ファントムブレイ・・・・・・。」 「クロスファイヤシュート。」 わたしはもっと撃つのを躊躇すると思ったのに・・・・・・。 やってみればあまりにも魔法の宣言は軽かった。 誘導性能なんかよりも速度を優先した魔力弾。 ティアナが今日使ったものと正反対の性質のクロスファイヤシュート。 ティアナに6発の魔力弾が突き刺さる。 「ティア!!バインド!?」 爆風にティアナが包まれて、叫び声をあげるスバルを動けないようバインドで拘束する。 視界に映るのは、力無く立っているのが精一杯のティアナ。 「じっとしてよく見てなさい。」 「なのはさん!!」 こんなに冷たい声をわたしは出せたんだ。 なにをするか気がついたのだろう。 悲鳴のようなスバルの声が耳に響く。 けれど、躊躇う事無くわたしは2発目のクロスファイアシュートを撃ち込んだ。 「ティアーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」 2発目のクロスファイアシュートの直撃を受けたティアナの姿にスバルが絶叫している。 力無く落ちていくティアナをフローターで受け止めて、ウイングロードの上に下ろす。 「ティア・・・・・・。」 「模擬戦はここまで。今日は2人とも撃墜されて終了。」 淡々と告げたわたしの言葉にスバルが目に涙を浮かべて睨み付けてくる。 でも、その目を見てもなにも感じない。 ただ、1つの言葉を思い出していた。 はんた君が告げた残酷で苛酷な世界の普遍のルール。 強いものが正しい。 わたしがやった行動がはんた君の言葉にあまりにもぴったりすぎて・・・・・・。 『信じるなんて言ったのに』とどこかではんた君がそう嘲笑っているかのようで・・・・・。 はんた君が正しいって頭のどこかが認めてしまいそうで・・・・・・。 それがあまりにも悔しくて、辛くて、吐き気さえして・・・・・・。 ただ、わたしは・・・・・・泣き出さないようにするのが精一杯だった。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/sniziuraresq/pages/10.html
隊員紹介ページです 現在の主要メンバーの紹介 他にもまだまだいるけど今はだいたいこんな人数内容です 紹介文を書きたくても編集の仕方が解らないという人は BBSに文章を投下していただけるとありがたいです ※(独断と偏見で紹介されてる場合がありますがご了承ください) 《隊員一覧》 【秋葉】 某所を取り仕切る若きド・・・お嬢様 必殺技は自慢の髪で相手を絡めとり熱を奪う赤主檻髪だ、伊達眼鏡の男に効果抜群だぞ(違 よく某魔法少女やどこかの普通?の学生と仲が良かったりした 今は町を仕切るので忙しいのだろうか中々姿を見せない そういや酒好きなんだよね彼女、それもかなり 酔っ払いは基本怖い存在だから酒の管理は気をつけよう ちなみにフルネームは「遠野 秋葉」なので注意 【朝比奈みくる】 天然っぽく見えて意外と濃い縁の下の力持ち的存在 いつも受け側っぽいくせして大きい方になると攻めに強くなる、ていうかあれは影の重鎮とかそういう(ry そういえば時々仮面ライダーっぽくなったりするアレは未来の力か何かでしょうかね? (禁則事項です♪) 【アスラン】 へたれの代名詞?な人 意外とノリが良く意外と空気が読めるけど、でも意外と熱くもあったり ZAFT軍からの出向でそれなりに金持ちなので頼めば奢ってくれるかも? とりあえず青髪の素敵な相方がいるらしいけどいつも殴られてる気がする。傷つけあう事が彼らの愛の証明なのだろうか? 機械弄りが得意なこともありギンガ隊員や作業機械のメンテナンス、修理などを引き受けることもある 部隊内での主な搭乗MSは専用カラーのMVF-M11C『ムラサメ』、ZGMF-X23S『セイバーガンダム』 【イェーガーズ】 7人+1匹で活動する特殊警察部隊。変じn…もとい個性豊かな集団のリーダーはエスデス(画像右) その他のメンバーはお菓子が大好きなマスコット的存在の「クロメ」 何かと損な目に遭う「ウェイブ」 妻帯者にして良心筋肉の「ボルス」 その顔で女性のハートをキャッチな美青年「ラン」 愛犬「コロ」と共に活動する女性「セリュー」 女性口調の男性科学者「ドクタースタイリッシュ」である。 集団で活動するため救助成功率は高いが、任務中に誰か…というかウェイブ君が脱落することが多かったりする。頑張れウェイブくん 【犬(sage)】 可愛い顔した日本犬っぽい犬っころ 意外と愛嬌があるというか、人懐っこいのが好印象、これからに期待? ちなみに名前はsageさんでよろしいのでしょうか 気になるところではある ※現在、ハリーくんと並ぶ救助隊マスコットキャラですね♪ 人一倍がんばり屋さんだと思います(みくる) 【エマ・シアーズ】 レイヴンさん達のの補佐官を務めるオペレーター スレの開始後ににルールの補足説明を行いつつ前回の任務のログを上げて下さる有能な人です (どうやら男性よりも女性の方が好きなのかも知れないと言う疑いがありますが多分気のせいです) 【門矢士】 『かどやつかさ』と読む、門矢士(もん・や・し)という誤読で『もやし』とも呼ばれる。仮面ライダーディケイドに変身する青年であ り、世界を旅している。 まず自分は上位におり、彼の発する言葉や行動は常に上から目線である。 と上から目線が多いと言われるわりには優しく常識のある方、そしてノリがいい。むしろ情熱的な人の方が合っているかもしれない。 どこからともなくふらっと現れ、いつの間にかレスキュー隊に居ついた。 よく任務中に寝起きの状態で参加する。世界の破壊者の通り名があるが、ここでは他の隊員達と一緒に任務を破壊してたりする。もちろ ん「失敗」を破壊する人物でもある。 時々鳴滝と呼ばれる人物におんぶされているが、多分憑かれているのだろう。 【カナン】 共感覚とかいう凄そうな能力を持ってるお姉さん 可愛い物が好きらしいので路地裏同盟の白猫と黒猫には良く釣られてる 写真家もやってたのかそういう系のものはよく撮ったりしてる。後潜入捜査はお手の物とか とりあえず初めて会ったらスティックシュガーを渡してみるんだ、きっと喜んでくれるはずだ 【烏丸ちとせ】 エロい目で見ちゃいけないって噂の人 しかし実はナンパ師。一時期は(時々今でも)友達と称してかーなーり自分好みの女性ばかり襲ってた が自 身が関根勤似の人形?に狙われる事態に、どうしてそうなった でも自身の周りにもピンクいブサめなぬいぐるみがいたりするし然程問題ではないのかも 最近は氏曰く「突然襲いたくなるような女性がいない」らしい。悲劇的だな、だが泣けない ていうか黙ってれば結構可愛いのにとはよく言ったものである 【川添 珠姫】 礼儀が正しそうでそれでいて毒舌な高校生 アニメや特撮が好きらしく、その方面での知識はそれなりのもの 特にヒーローものが好みなのか剣道部所属という事もあってよく竹刀を片手に任務に向う ちなみに磁雷矢隊員とは師弟関係らしい、そして烏丸ちとせ隊員にとっての数少ない友達 【キラ=ヤマト】 ※MS操縦技術に長けたスーパーコーディネイターさん。現在の愛機はストライクガンダム。 アスランさんをからかったり、女性隊員にちょっかいだしたりと基本的にフリーダム(MSにあらず)な性格。磁雷矢さんと妙に仲が良 いです。 とはいえ、救助活動時は率先してパイロットチームに指示を出したり、シリアスな場面では真剣な表情を見せたり。逆に雰囲気が重くな ったときには身体を張って和ませたり(?)いざという時にはとても頼りになる人材ですね(みくる) 【ギリアム・イェーガー】 地球連邦軍に所属する軍人で階級は少佐。高い操縦技術と予知能力を有する。 クールな外見に冷静沈着、頭脳明晰な彼だが意外と熱いところもあり、突撃癖を反省することが稀にある。 彼が脱落すると、たまに地球連邦軍の兵士が代わりに救助活動にあたる。 搭乗機はゲシュペンスト系の機体。彼の部下?である地球連邦軍兵は地球連邦の汎用機で出撃することが多い 【機龍隊】 【ギンガ】 某管理局の陸曹さん 優しい人柄な印象を持たせるくせして事アル毎にヅラな相方さんを殴るような人 いや他は全然まともだよ?でも彼に対しては容赦なんて言葉は一つもない、きっとそういう間柄なのだ 格闘術の達人らしくその上大食いなのはきっと鍛えてる人の定めなんだろうね 【車さん】 いつも多種多様な乗用車でサポートしてくれる縁の下の力持ち的な存在 それこそ消防車から始まり果ては列車やジェット機など一体どれだけ機体を所持してるんだよ!?と言いたくなるほどの網羅っぷり 当然車関係なら結構知ってるぞ!・・・多分そうだと思うんだ それで時々車内からスナイプされてる気がするんですけどあれって一体(ry 【ゴセイナイト】 地球を汚す者は許さないお方。地球を護る一環としてレスキューに参加しているらしい その地球を護るという使命は一貫していて災害を起こす人達は許さなかったりする もちろんそれは救助隊でも例外ではないが隊員に関していえば許してくれる事もなくはない 救助時の行動の一つとしてはライオンの頭のような形に変形する事ができる、時々それで隊員を運ぶ事もある なおその状態で他の乗り物に合体して活動する事が出来、例えばそれは働く車や飛行機、果ては他の隊員の乗り物などなどその S 寄生 /S 合体先は留まる事を知らない そしてその頭状態から単体で巨大ロボに合体する事も可能で、よく他の巨大ロボ持ちと一緒に有事にはその姿で参加する 前述の通り空を自由自在に移動できるのだが、基本的に帰りはほぼチャリンコであるのはある意味彼の人間くささを表してるのかもしれ ない(やや誇張あり) 【五代雄介】 未確認生命体4号と2号の中の人で 世界を旅する冒険家なお兄さん(別にプレシャス集めたり各ライダー世界を回ったりはしない) その人当りの良さとノリの良さには定評がある、でもわりと倒れやすい印象 そして気がついたらその人の良さからお母さん的な目で見られるようになりがちらしいが、まあ問題ないでしょ 【サーシェス ひろし】 過激な戦争屋として有名なお方、と思ったが普通のサラリーマンな人 よく自社の製品を売り込みに宣伝ついでに来たりする しかし売れ筋はあんまり良くないようで・・・ 一応ロボット乗りなので操縦の腕前はそれなりらしい 【早乙女アルト】 辛口な突っ込み役。デスソースが好みなのは辛口だからではないか?と噂されたり 空を飛ぶことが好きで、たまに任務に参加せずに自由に飛んでたりする 名有りではなくたぶん半名有り状態だが多分周りからすればレギュラーな感じ とりあえず時折見せるキャラ違いな行動に変な魅力を感じるのは俺一人だけでいい 後木曜日は彼にとっては「魔の木曜日」らしい ※クールに見えて、実は仲間想いの人だと思います(みくる) 【獅子堂 秋葉】 若干無愛想な毒舌家。SかMと言われればSっぽいかもしれない。 結構あーだこーだと言う事があるが、愚痴を言いつつも結構救助活動には真面目な方。 モンブチの国広一とはただならぬ仲。彼女の前ではどんな無愛想な態度も通じない。 例えばやり取りの一つに一への好意を否定する場面もあったりするが、明らかに照れから来てる否定なので、よく他の隊員に突っ込まれ てたりする。 【ジバン】 セントラルシティという町の警視正 バイオロン法というすごい法律をかざして悪い奴らを自らの判断で処罰するらしいが ここではそんなに適用・・・いや、かなりしてた気がする 冷静さを感じさせながら行動する時はズバッと行動する熱い人 目が赤い 通常時にはマクシミリアン・タイプ3 パーフェクトジバンになった際はオートデリンガーを必殺武器としている 必殺技にはマクシミリアンを使用するジバン・エンド、ハーケンクラッシュ、オートデリンガーを使用するファイナルキャノンがある ↓の画像はパーフェクトジバン・フルウェポンモード時のもの 【磁雷矢】 自称HENTAIな忍者さん、その趣向からかキラとは気が合い同人イベントに行く程の間柄 しかしてその実態は結構空気の読めるムードメーカーなお人 鎧が赤い、目立つ。覗きもよくやる、男だし忍者だし仕方ない。そして一部の隊員からはその面倒見の良さもあり「先生」と呼ばれ慕われ ている 救助任務に置いてはよく他の忍者仲間と連携(漫才じゃなく)を取ったり他の隊員達と合わせ技を使い状況を打破する事も多い 場合によっては磁雷神と呼ばれる昔の偉い人が作った巨大ロボを使用する事も ちなみに「魔法少女リリカルなのは」の登場人物である「シグナム」が好きなのはここではちょっと知られている話である 19年5月15日のレスキュー終了後に重大な報告(画像リンク)を行った ※ちょっとエッチなのは感心しませんが、流石はメタルヒーローチームの一員、いざというときの正義感や、隊員に対する面倒見の良さは 頼もしいのです。やっぱりキラさんと似てるのかな? メタルヒーロー同期のジバンさんとも仲が良いすね(みくる) 【シリカ】 救助活動のため某ゲーム世界から飛び出してきた少女。本名は綾野珪子(あやの けいこ) 動物を飼い慣らして使役する「獣使い(ビーストテイマー)」だが、本人の意志とは無関係にペロペロされたりしている (ある意味では飼い慣らせてる?) 年齢は13歳前後とかなり若く、人をエロい目で見る人の多いこの救助隊では彼女は無事にいられるのか…? 【諸葛亮孔明】 職業は軍師で主に3人のチームで動いている様です 本人達の談では 知略担当、横山孔明 武力担当、孔明リ・ガズィ(νガンダム) 可愛さ担当、恋姫孔明(朱理) のようですが、真偽は不明だったり・・・? 【シン・アスカ】 主役の座から転落し空気だとか脇役だとか言われちゃった「元主人公」な人 妹のマユちゃんが大好きなシスコンだけど基本的には真面目・・・な筈 なお、彼の乗るMSは超AIを搭載しているらしい(デス子と呼ばれている、よく暴走気味になるシンのストッパー的役割も担う) そのためかディバイディングドライバーやゴルディオンハンマーといった武装を扱うことが出来る フェイトを溺愛しており、お兄ちゃんと呼ばれると異常なまでのハイテンションになる 【須磨】 何たらの医学薬学は世界一ィィィ!な国の人 軍隊の人らしく中々偉い立場だったはず。でも最近はアドルフな総帥の方がよく見る気がする 才谷さんという別の国の軍人さんとは持ちつ持たれつな関係 【篁 唯依】 役職「帝国斯衛軍中尉」な軍人さん 武家の出なので礼儀正しく且つ剣術の腕も立つらしい でもそのわりに某未来少女に挑んでみたり(違、某2000の技を持つ冒険家に心惹かれたりと結構マルチな活動をしてる あれ・・・案外ちさとさんと意気投合する気がするんだけどそこらへんどうよ汝? 【星光の殲滅者】 【ソルダート・J】 どこからともなく現れて悪を殲滅していく人 主に人為的な災害があった時に現れる事が多い、その内に秘めた正義感は特筆すべきところであり他の変身ヒーロー達とは相性がいい 救助形態としては主に自身の所有する戦艦にJ自身が合体して巨大ロボになり活動する 巨大ロボのそのあまりの大きさから身動きが取れないようにも思われてるが、意外とそうでもないらしい なお同乗者がいてアルマという男の子、戦艦のメインコンピュータであるトモロがそれにあたる(区別として『』があるのがトモロ、「」は アルマ、普通に話す時がJである) このアルマとトモロ、そしてJの三人1チームでいつもは世界の平和を守ってるとか ちなみにアルマはその容姿からか男性にも関わらず他隊員に女装させられる事があるが、まあスキンシップという奴であろう 【高町なのは】 【デュエリスト】 カードで戦う孤高の決闘者。最近は提督としても活動している。 使うカードに関しては有名なシリーズはそれなりに網羅してそう。おかげでどんな状況でも対応できるぞ! それでデュエマは遊戯王と比べて厨くさい名前が多い気がするんだけど、そこらへんどうかね汝? 【電王M】 赤鬼と不運っ子の二人で一人な時を守る人達 カッコで括られてない方がメイン人格 時には周りを諭し時には励ましと人間の鑑のような存在、しかし不運の塊 そしてほぼ元気だけが取り得のような何故か名前が桃な赤鬼さんの迷コンビ 赤鬼の方は大の犬嫌い…のはずだけど? そういや桃の字は意外と好物のプリンじゃ釣れないね。今度釜で作ったプリンでも出してみようかな 【電王U】 嘘を言う名の釣りとナンパが好きらしい亀っぽい何か その割りにナンパはしないわ嘘もまぁまぁで釣りもしないとかなりイメージと違うのはご愛嬌 とりあえずすぐ血気盛んになるのは止めようか、いきなり熱くなるのは釣り師には似合わないのだ 一見姿が見当たらなくても、スレにちゃんといる事もあるので大きな声で呼んでみよう 変身後は目が赤い ※モモタロスさん、良太郎君とのコンビネーションが一番の武器でしょうか。救助隊随一のコーヒー通でもありますね(みくる) 【としあき】 何だかんだで必要不可欠な気がする個人名なのか複数名なのかわからない存在 いつも助かってます。あなた達がいなければやばい状況も多々ありました、しかし私は礼は言わない でもこれからもよろしくお願いします 【ドラ】 タヌキの眷属とおもいきやネコの眷属だったハイテク青狸。 そのドラム缶ボディは未来技術とエロ要素が3:7の比率で構成されていると専らの噂。 下地の色や一部としあきのせいで赤・黄・青に変色可能。非番の時は信号機のバイトでもしてるのかもしれない。 酷いことを書いてますがいつもありがとうございます(記事編集者より) 【鳴海探偵事務所】 【ナンバーズ】 【塗りL】 ロボット乗りでポケモン使いな人 何かデスノートの松山ケンイチに似てる気がするが気のせいでいいのだろうか 最近は結構ポケモン使いの腕を奮わせてる感じ、結構お世話になってます ってたちこまってあれはポケモンで良かったのだろうか 【バージル・トレーシー】 【配給係】 任務終了時に時折現れる気前の良い人 例えばヤクルトのおばちゃんと言えば解ってくれるだろうか、だいたいそんな感じ(違 いつも自販機でお疲れ様~と言いつつ色々と差し入れをくれる、現在は好きな飲み物とお菓子一つずつが主 しかしゾロ目を少しでも出してみろ、ソースかマカビンビンかそれか両方の地獄が待っているぞ(でも人によっては嬉しい品らしい) んでそのソースとマカビンビンってなんなんだろうね、どっちもヤバめな品らしいけど…教えて配給係さん! 【ハリーボーイ(ハリー)】 普段はジバン基地に居る、ジバンのサポート マスコットロボット 元はアイドルロボハリーとジバン基地のコンピューター、ハリーが融合した姿だが 何故か救助隊のハリーボーイはハリー分が多いようだ ボーイの能力は持っているので、さまざまなサポートを行なう事が可能だ スレ立て、代行指揮も安心だ! ちなみに熊なのか犬なのか解らないとの声があるが、僕にはパンダの出来損ないに・・・(以下削除の疑いアリ) 【不動銃四郎(リュウガンオー)】 世界警察庁という組織に属してるという刑事 相棒のゴウリュウガンとマダンキーの力で轟龍変身して魔弾銃士リュウガンオーとなる 正直最近の探偵ライダーよりハードボイルドだと思うぞというくらいおっさんらしい ゴウリュウガンは意思を持った彼の武器でもある、ああ性別は男だよ?女性なんかじゃないよ? そして彼の愛機でもあるバスターウルフ(バイクに変形する狼)も彼らの大切な仲間である 【斑木ふらん】 救助隊唯一?の救護班担当 ぼんやりほややであんまり動いてくれなさそうと思いきや怪我人を見つけると真っ先に手術しちゃうくらいの頼れる人 当然医者だけあって色んな知識が詰まっている、マジ毎回のご教授ありがとう御座います こうやって救助隊には無くてはならない存在なのだが美的感覚が少し違う気が・・・まあ医者ってそういうもんか 【マルチアーノ12姉妹】 【モンブチ】 龍門渕透華(りゅうもんぶち とうか・画像中央)率いる麻雀部員たち。部員兼、龍門淵のメイドである国広一(くにひろ はじめ・画像 右端)、沢村智紀(さわむら ともき・通称ともきー・画像左から2番目)、井上純(いのうえ じゅん・イケメン・画像左端)と、天才雀 師・天江衣(あまえ ころも・画像右から2番目)の5名からなる。 目立ちたがり屋の透華と、状況の理解できてない衣を、他のメンバーがフォローしているというか、振り回されているというか。 とはいえ、なんだかんだで仲の良い家族のようなチームである。 【梨々】 【両儀式 】 【リンクス】 アーマードコアに乗るお兄さん 一見クールな感じがするが実は結構メンタル面で脆かったり時々キャラが崩れたかのような行動が垣間見られる そして彼は同じAC乗りの一人レイヴンとは実の姉弟だったりする その姉弟仲はそれはそれは罵言の嵐で一見仲が良くなさそうに見えるが実はそうではない いやそうであってくれ、ていうかそう言ってよ誰か! 【レイヴン】 アーマードコアに乗るお姉さん(コクピットからあんまり出ないからって決してロボではない) レイヴンという名前はある団体の総称らしく本名は不明 他にもリンクスという総称で呼ばれてる弟さんとかたくさんのAC乗りがここにはいたりする スレ開始時にルール説明の補足とか入れてくれるエマという人物は元々そのAC乗り達のオペレータとか何とか 後このレイヴンさんは某機動刑事と仲が良いって話だがまぁあまり気にしなくていい 【路地裏同盟】 知る人ぞ知る色々とあって路地裏での生活を余儀なくされてる方達の同盟 現在のメンバーは3人+αらしい、にしても見事に色物しかいない同盟ですね だいたい某PC並な頭脳タイプのシオンさんにパワータイプ兼色物や音楽鑑賞が好きなリーズさん それによく喋る白い猫にあまり喋らない黒い猫、そして後一人誰かがいた気もするけどそれは触れないでおこう とりあえず同盟内のバランスは取れてるような気はする 【譲崎ネロ 】 注 名前が間違っていたり画像が変なの使われてて異議があったり 抜けがあったり細かい部分や表記の仕方等についてはコメントやスレになどで報告を下されば幸いです
https://w.atwiki.jp/niziuraresq/pages/14.html
隊員紹介ページです 現在の主要メンバーの紹介 他にもまだまだいるけど今はだいたいこんな人数内容です 紹介文を書きたくても編集の仕方が解らないという人は BBSに文章を投下していただけるとありがたいです ※(独断と偏見で紹介されてる場合がありますがご了承ください) 《隊員一覧》 【秋葉】 某所を取り仕切る若きド・・・お嬢様 必殺技は自慢の髪で相手を絡めとり熱を奪う赤主檻髪だ、伊達眼鏡の男に効果抜群だぞ(違 よく某魔法少女やどこかの普通?の学生と仲が良かったりした 今は町を仕切るので忙しいのだろうか中々姿を見せない そういや酒好きなんだよね彼女、それもかなり 酔っ払いは基本怖い存在だから酒の管理は気をつけよう ちなみにフルネームは「遠野 秋葉」なので注意 【朝比奈みくる】 天然っぽく見えて意外と濃い縁の下の力持ち的存在 いつも受け側っぽいくせして大きい方になると攻めに強くなる、ていうかあれは影の重鎮とかそういう(ry そういえば時々仮面ライダーっぽくなったりするアレは未来の力か何かでしょうかね? (禁則事項です♪) 【アスラン】 へたれの代名詞?な人 意外とノリが良く意外と空気が読めるけど、でも意外と熱くもあったり ZAFT軍からの出向でそれなりに金持ちなので頼めば奢ってくれるかも? とりあえず青髪の素敵な相方がいるらしいけどいつも殴られてる気がする。傷つけあう事が彼らの愛の証明なのだろうか? 機械弄りが得意なこともありギンガ隊員や作業機械のメンテナンス、修理などを引き受けることもある 部隊内での主な搭乗MSは専用カラーのMVF-M11C『ムラサメ』、ZGMF-X23S『セイバーガンダム』 【イェーガーズ】 7人+1匹で活動する特殊警察部隊。変じn…もとい個性豊かな集団のリーダーはエスデス(画像右) その他のメンバーはお菓子が大好きなマスコット的存在の「クロメ」 何かと損な目に遭う「ウェイブ」 妻帯者にして良心筋肉の「ボルス」 その顔で女性のハートをキャッチな美青年「ラン」 愛犬「コロ」と共に活動する女性「セリュー」 女性口調の男性科学者「ドクタースタイリッシュ」である。 集団で活動するため救助成功率は高いが、任務中に誰か…というかウェイブ君が脱落することが多かったりする。頑張れウェイブくん 【犬(sage)】 可愛い顔した日本犬っぽい犬っころ 意外と愛嬌があるというか、人懐っこいのが好印象、これからに期待? ちなみに名前はsageさんでよろしいのでしょうか 気になるところではある ※現在、ハリーくんと並ぶ救助隊マスコットキャラですね♪ 人一倍がんばり屋さんだと思います(みくる) 【エマ・シアーズ】 レイヴンさん達のの補佐官を務めるオペレーター スレの開始後ににルールの補足説明を行いつつ前回の任務のログを上げて下さる有能な人です (どうやら男性よりも女性の方が好きなのかも知れないと言う疑いがありますが多分気のせいです) 【門矢士】 『かどやつかさ』と読む、門矢士(もん・や・し)という誤読で『もやし』とも呼ばれる。仮面ライダーディケイドに変身する青年であ り、世界を旅している。 まず自分は上位におり、彼の発する言葉や行動は常に上から目線である。 と上から目線が多いと言われるわりには優しく常識のある方、そしてノリがいい。むしろ情熱的な人の方が合っているかもしれない。 どこからともなくふらっと現れ、いつの間にかレスキュー隊に居ついた。 よく任務中に寝起きの状態で参加する。世界の破壊者の通り名があるが、ここでは他の隊員達と一緒に任務を破壊してたりする。もちろ ん「失敗」を破壊する人物でもある。 時々鳴滝と呼ばれる人物におんぶされているが、多分憑かれているのだろう。 【カナン】 共感覚とかいう凄そうな能力を持ってるお姉さん 可愛い物が好きらしいので路地裏同盟の白猫と黒猫には良く釣られてる 写真家もやってたのかそういう系のものはよく撮ったりしてる。後潜入捜査はお手の物とか とりあえず初めて会ったらスティックシュガーを渡してみるんだ、きっと喜んでくれるはずだ 【烏丸ちとせ】 エロい目で見ちゃいけないって噂の人 しかし実はナンパ師。一時期は(時々今でも)友達と称してかーなーり自分好みの女性ばかり襲ってた が自 身が関根勤似の人形?に狙われる事態に、どうしてそうなった でも自身の周りにもピンクいブサめなぬいぐるみがいたりするし然程問題ではないのかも 最近は氏曰く「突然襲いたくなるような女性がいない」らしい。悲劇的だな、だが泣けない ていうか黙ってれば結構可愛いのにとはよく言ったものである 【川添 珠姫】 礼儀が正しそうでそれでいて毒舌な高校生 アニメや特撮が好きらしく、その方面での知識はそれなりのもの 特にヒーローものが好みなのか剣道部所属という事もあってよく竹刀を片手に任務に向う ちなみに磁雷矢隊員とは師弟関係らしい、そして烏丸ちとせ隊員にとっての数少ない友達 【キラ=ヤマト】 ※MS操縦技術に長けたスーパーコーディネイターさん。現在の愛機はストライクガンダム。 アスランさんをからかったり、女性隊員にちょっかいだしたりと基本的にフリーダム(MSにあらず)な性格。磁雷矢さんと妙に仲が良 いです。 とはいえ、救助活動時は率先してパイロットチームに指示を出したり、シリアスな場面では真剣な表情を見せたり。逆に雰囲気が重くな ったときには身体を張って和ませたり(?)いざという時にはとても頼りになる人材ですね(みくる) 【ギリアム・イェーガー】 地球連邦軍に所属する軍人で階級は少佐。高い操縦技術と予知能力を有する。 クールな外見に冷静沈着、頭脳明晰な彼だが意外と熱いところもあり、突撃癖を反省することが稀にある。 彼が脱落すると、たまに地球連邦軍の兵士が代わりに救助活動にあたる。 搭乗機はゲシュペンスト系の機体。彼の部下?である地球連邦軍兵は地球連邦の汎用機で出撃することが多い 【機龍隊】 【ギンガ】 某管理局の陸曹さん 優しい人柄な印象を持たせるくせして事アル毎にヅラな相方さんを殴るような人 いや他は全然まともだよ?でも彼に対しては容赦なんて言葉は一つもない、きっとそういう間柄なのだ 格闘術の達人らしくその上大食いなのはきっと鍛えてる人の定めなんだろうね 【車さん】 いつも多種多様な乗用車でサポートしてくれる縁の下の力持ち的な存在 それこそ消防車から始まり果ては列車やジェット機など一体どれだけ機体を所持してるんだよ!?と言いたくなるほどの網羅っぷり 当然車関係なら結構知ってるぞ!・・・多分そうだと思うんだ それで時々車内からスナイプされてる気がするんですけどあれって一体(ry 【ゴセイナイト】 地球を汚す者は許さないお方。地球を護る一環としてレスキューに参加しているらしい その地球を護るという使命は一貫していて災害を起こす人達は許さなかったりする もちろんそれは救助隊でも例外ではないが隊員に関していえば許してくれる事もなくはない 救助時の行動の一つとしてはライオンの頭のような形に変形する事ができる、時々それで隊員を運ぶ事もある なおその状態で他の乗り物に合体して活動する事が出来、例えばそれは働く車や飛行機、果ては他の隊員の乗り物などなどその S 寄生 /S 合体先は留まる事を知らない そしてその頭状態から単体で巨大ロボに合体する事も可能で、よく他の巨大ロボ持ちと一緒に有事にはその姿で参加する 前述の通り空を自由自在に移動できるのだが、基本的に帰りはほぼチャリンコであるのはある意味彼の人間くささを表してるのかもしれ ない(やや誇張あり) 【五代雄介】 未確認生命体4号と2号の中の人で 世界を旅する冒険家なお兄さん(別にプレシャス集めたり各ライダー世界を回ったりはしない) その人当りの良さとノリの良さには定評がある、でもわりと倒れやすい印象 そして気がついたらその人の良さからお母さん的な目で見られるようになりがちらしいが、まあ問題ないでしょ 【サーシェス ひろし】 過激な戦争屋として有名なお方、と思ったが普通のサラリーマンな人 よく自社の製品を売り込みに宣伝ついでに来たりする しかし売れ筋はあんまり良くないようで・・・ 一応ロボット乗りなので操縦の腕前はそれなりらしい 【早乙女アルト】 辛口な突っ込み役。デスソースが好みなのは辛口だからではないか?と噂されたり 空を飛ぶことが好きで、たまに任務に参加せずに自由に飛んでたりする 名有りではなくたぶん半名有り状態だが多分周りからすればレギュラーな感じ とりあえず時折見せるキャラ違いな行動に変な魅力を感じるのは俺一人だけでいい 後木曜日は彼にとっては「魔の木曜日」らしい ※クールに見えて、実は仲間想いの人だと思います(みくる) 【獅子堂 秋葉】 若干無愛想な毒舌家。SかMと言われればSっぽいかもしれない。 結構あーだこーだと言う事があるが、愚痴を言いつつも結構救助活動には真面目な方。 モンブチの国広一とはただならぬ仲。彼女の前ではどんな無愛想な態度も通じない。 例えばやり取りの一つに一への好意を否定する場面もあったりするが、明らかに照れから来てる否定なので、よく他の隊員に突っ込まれ てたりする。 【ジバン】 セントラルシティという町の警視正 バイオロン法というすごい法律をかざして悪い奴らを自らの判断で処罰するらしいが ここではそんなに適用・・・いや、かなりしてた気がする 冷静さを感じさせながら行動する時はズバッと行動する熱い人 目が赤い 通常時にはマクシミリアン・タイプ3 パーフェクトジバンになった際はオートデリンガーを必殺武器としている 必殺技にはマクシミリアンを使用するジバン・エンド、ハーケンクラッシュ、オートデリンガーを使用するファイナルキャノンがある ↓の画像はパーフェクトジバン・フルウェポンモード時のもの 【磁雷矢】 自称HENTAIな忍者さん、その趣向からかキラとは気が合い同人イベントに行く程の間柄 しかしてその実態は結構空気の読めるムードメーカーなお人 鎧が赤い、目立つ。覗きもよくやる、男だし忍者だし仕方ない。そして一部の隊員からはその面倒見の良さもあり「先生」と呼ばれ慕われ ている 救助任務に置いてはよく他の忍者仲間と連携(漫才じゃなく)を取ったり他の隊員達と合わせ技を使い状況を打破する事も多い 場合によっては磁雷神と呼ばれる昔の偉い人が作った巨大ロボを使用する事も ちなみに「魔法少女リリカルなのは」の登場人物である「シグナム」が好きなのはここではちょっと知られている話である 19年5月15日のレスキュー終了後に重大な報告(画像リンク)を行った ※ちょっとエッチなのは感心しませんが、流石はメタルヒーローチームの一員、いざというときの正義感や、隊員に対する面倒見の良さは 頼もしいのです。やっぱりキラさんと似てるのかな? メタルヒーロー同期のジバンさんとも仲が良いすね(みくる) 【シリカ】 救助活動のため某ゲーム世界から飛び出してきた少女。本名は綾野珪子(あやの けいこ) 動物を飼い慣らして使役する「獣使い(ビーストテイマー)」だが、本人の意志とは無関係にペロペロされたりしている (ある意味では飼い慣らせてる?) 年齢は13歳前後とかなり若く、人をエロい目で見る人の多いこの救助隊では彼女は無事にいられるのか…? 【諸葛亮孔明】 職業は軍師で主に3人のチームで動いている様です 本人達の談では 知略担当、横山孔明 武力担当、孔明リ・ガズィ(νガンダム) 可愛さ担当、恋姫孔明(朱理) のようですが、真偽は不明だったり・・・? 【シン・アスカ】 主役の座から転落し空気だとか脇役だとか言われちゃった「元主人公」な人 妹のマユちゃんが大好きなシスコンだけど基本的には真面目・・・な筈 なお、彼の乗るMSは超AIを搭載しているらしい(デス子と呼ばれている、よく暴走気味になるシンのストッパー的役割も担う) そのためかディバイディングドライバーやゴルディオンハンマーといった武装を扱うことが出来る フェイトを溺愛しており、お兄ちゃんと呼ばれると異常なまでのハイテンションになる 【須磨】 何たらの医学薬学は世界一ィィィ!な国の人 軍隊の人らしく中々偉い立場だったはず。でも最近はアドルフな総帥の方がよく見る気がする 才谷さんという別の国の軍人さんとは持ちつ持たれつな関係 【篁 唯依】 役職「帝国斯衛軍中尉」な軍人さん 武家の出なので礼儀正しく且つ剣術の腕も立つらしい でもそのわりに某未来少女に挑んでみたり(違、某2000の技を持つ冒険家に心惹かれたりと結構マルチな活動をしてる あれ・・・案外ちさとさんと意気投合する気がするんだけどそこらへんどうよ汝? 【星光の殲滅者】 【ソルダート・J】 どこからともなく現れて悪を殲滅していく人 主に人為的な災害があった時に現れる事が多い、その内に秘めた正義感は特筆すべきところであり他の変身ヒーロー達とは相性がいい 救助形態としては主に自身の所有する戦艦にJ自身が合体して巨大ロボになり活動する 巨大ロボのそのあまりの大きさから身動きが取れないようにも思われてるが、意外とそうでもないらしい なお同乗者がいてアルマという男の子、戦艦のメインコンピュータであるトモロがそれにあたる(区別として『』があるのがトモロ、「」は アルマ、普通に話す時がJである) このアルマとトモロ、そしてJの三人1チームでいつもは世界の平和を守ってるとか ちなみにアルマはその容姿からか男性にも関わらず他隊員に女装させられる事があるが、まあスキンシップという奴であろう 【高町なのは】 【デュエリスト】 カードで戦う孤高の決闘者。最近は提督としても活動している。 使うカードに関しては有名なシリーズはそれなりに網羅してそう。おかげでどんな状況でも対応できるぞ! それでデュエマは遊戯王と比べて厨くさい名前が多い気がするんだけど、そこらへんどうかね汝? 【電王M】 赤鬼と不運っ子の二人で一人な時を守る人達 カッコで括られてない方がメイン人格 時には周りを諭し時には励ましと人間の鑑のような存在、しかし不運の塊 そしてほぼ元気だけが取り得のような何故か名前が桃な赤鬼さんの迷コンビ 赤鬼の方は大の犬嫌い…のはずだけど? そういや桃の字は意外と好物のプリンじゃ釣れないね。今度釜で作ったプリンでも出してみようかな 【電王U】 嘘を言う名の釣りとナンパが好きらしい亀っぽい何か その割りにナンパはしないわ嘘もまぁまぁで釣りもしないとかなりイメージと違うのはご愛嬌 とりあえずすぐ血気盛んになるのは止めようか、いきなり熱くなるのは釣り師には似合わないのだ 一見姿が見当たらなくても、スレにちゃんといる事もあるので大きな声で呼んでみよう 変身後は目が赤い ※モモタロスさん、良太郎君とのコンビネーションが一番の武器でしょうか。救助隊随一のコーヒー通でもありますね(みくる) 【としあき】 何だかんだで必要不可欠な気がする個人名なのか複数名なのかわからない存在 いつも助かってます。あなた達がいなければやばい状況も多々ありました、しかし私は礼は言わない でもこれからもよろしくお願いします 【ドラ】 タヌキの眷属とおもいきやネコの眷属だったハイテク青狸。 そのドラム缶ボディは未来技術とエロ要素が3:7の比率で構成されていると専らの噂。 下地の色や一部としあきのせいで赤・黄・青に変色可能。非番の時は信号機のバイトでもしてるのかもしれない。 酷いことを書いてますがいつもありがとうございます(記事編集者より) 【鳴海探偵事務所】 【ナンバーズ】 【塗りL】 ロボット乗りでポケモン使いな人 何かデスノートの松山ケンイチに似てる気がするが気のせいでいいのだろうか 最近は結構ポケモン使いの腕を奮わせてる感じ、結構お世話になってます ってたちこまってあれはポケモンで良かったのだろうか 【バージル・トレーシー】 【配給係】 任務終了時に時折現れる気前の良い人 例えばヤクルトのおばちゃんと言えば解ってくれるだろうか、だいたいそんな感じ(違 いつも自販機でお疲れ様~と言いつつ色々と差し入れをくれる、現在は好きな飲み物とお菓子一つずつが主 しかしゾロ目を少しでも出してみろ、ソースかマカビンビンかそれか両方の地獄が待っているぞ(でも人によっては嬉しい品らしい) んでそのソースとマカビンビンってなんなんだろうね、どっちもヤバめな品らしいけど…教えて配給係さん! 【ハリーボーイ(ハリー)】 普段はジバン基地に居る、ジバンのサポート マスコットロボット 元はアイドルロボハリーとジバン基地のコンピューター、ハリーが融合した姿だが 何故か救助隊のハリーボーイはハリー分が多いようだ ボーイの能力は持っているので、さまざまなサポートを行なう事が可能だ スレ立て、代行指揮も安心だ! ちなみに熊なのか犬なのか解らないとの声があるが、僕にはパンダの出来損ないに・・・(以下削除の疑いアリ) 【不動銃四郎(リュウガンオー)】 世界警察庁という組織に属してるという刑事 相棒のゴウリュウガンとマダンキーの力で轟龍変身して魔弾銃士リュウガンオーとなる 正直最近の探偵ライダーよりハードボイルドだと思うぞというくらいおっさんらしい ゴウリュウガンは意思を持った彼の武器でもある、ああ性別は男だよ?女性なんかじゃないよ? そして彼の愛機でもあるバスターウルフ(バイクに変形する狼)も彼らの大切な仲間である 【斑木ふらん】 救助隊唯一?の救護班担当 ぼんやりほややであんまり動いてくれなさそうと思いきや怪我人を見つけると真っ先に手術しちゃうくらいの頼れる人 当然医者だけあって色んな知識が詰まっている、マジ毎回のご教授ありがとう御座います こうやって救助隊には無くてはならない存在なのだが美的感覚が少し違う気が・・・まあ医者ってそういうもんか 【マルチアーノ12姉妹】 【モンブチ】 龍門渕透華(りゅうもんぶち とうか・画像中央)率いる麻雀部員たち。部員兼、龍門淵のメイドである国広一(くにひろ はじめ・画像 右端)、沢村智紀(さわむら ともき・通称ともきー・画像左から2番目)、井上純(いのうえ じゅん・イケメン・画像左端)と、天才雀 師・天江衣(あまえ ころも・画像右から2番目)の5名からなる。 目立ちたがり屋の透華と、状況の理解できてない衣を、他のメンバーがフォローしているというか、振り回されているというか。 とはいえ、なんだかんだで仲の良い家族のようなチームである。 【梨々】 【両儀式 】 【リンクス】 アーマードコアに乗るお兄さん 一見クールな感じがするが実は結構メンタル面で脆かったり時々キャラが崩れたかのような行動が垣間見られる そして彼は同じAC乗りの一人レイヴンとは実の姉弟だったりする その姉弟仲はそれはそれは罵言の嵐で一見仲が良くなさそうに見えるが実はそうではない いやそうであってくれ、ていうかそう言ってよ誰か! 【レイヴン】 アーマードコアに乗るお姉さん(コクピットからあんまり出ないからって決してロボではない) レイヴンという名前はある団体の総称らしく本名は不明 他にもリンクスという総称で呼ばれてる弟さんとかたくさんのAC乗りがここにはいたりする スレ開始時にルール説明の補足とか入れてくれるエマという人物は元々そのAC乗り達のオペレータとか何とか 後このレイヴンさんは某機動刑事と仲が良いって話だがまぁあまり気にしなくていい 【路地裏同盟】 知る人ぞ知る色々とあって路地裏での生活を余儀なくされてる方達の同盟 現在のメンバーは3人+αらしい、にしても見事に色物しかいない同盟ですね だいたい某PC並な頭脳タイプのシオンさんにパワータイプ兼色物や音楽鑑賞が好きなリーズさん それによく喋る白い猫にあまり喋らない黒い猫、そして後一人誰かがいた気もするけどそれは触れないでおこう とりあえず同盟内のバランスは取れてるような気はする 【譲崎ネロ 】 注 名前が間違っていたり画像が変なの使われてて異議があったり 抜けがあったり細かい部分や表記の仕方等についてはBBSなどで報告を下されば幸いです
https://w.atwiki.jp/nanohatoryopuka/pages/14.html
第21回(2007/10/20) 『公開放送用のお便りを悲しく読みながら始まった局ラジ、寒天は財布を落とし20回は途中で止まりお便りサーバー落ちて 涼香詐欺にエロ面であります♪は全てうわーおの呪いのせい!?「小悪魔ヴィヴィオは放課後パンツ見せてくるよ♪byエロソムリエ涼香」 「おっぱい・・・話が合うねぇ♪byゼロス」「六区オンされすぎるときっと六区マンに進化byarimeza」 なうわーおに呪われし局ラジ第21回・涼香はPCの汚れを拭く振りしてヴィヴィオの胸触ってました☆』 第21.5回(2007/10/24) 『今日はおでんラジオだよ☆・・・って聞き逃してたんで内容知りませんが(笑) amazonの箱が笑い期限切れジュースを飲んだ涼香は鉈少女と化し蒼い風を寝かせない萌えヴォイスを発する! 「今回の送付では本を入れ忘れると思いますby涼香及びポータルを支える影組織・事務局」 な21.5回局ラジ2周年記念ラジオ・じゃんけんはドリルの一人勝ち☆』 局ラジ支部第5回(2007/10/25) 『「なんていい声by今日のトリ天波浅葱・声に孕んだby浅木原・素敵補足聞きに参りましたbyひよー」と大絶賛ケインがお送りする 支部ラジ、「今まで読んできた中で640さん一番面白い☆でも早くSS送らないと640さん吊るしまーす♪byケイン」 「百合も良いけど恋もしようぜ魔法少女♪byケイン」 「CHOTTO H NA SS CHAT!byケイン謎のヒツジ旅人緑平和虎白IYの勢い聖王教会司祭陽平fcrsp11ラグナ六区」 な局ラジ支部第5回・転職で次回から支部は曜日固定?』 第22回(2007/10/27) 『鯖向上にパート分けと涼香頑張った!でも楽天メンテにバックスペース、えーまのフォークにあっさり負けた!w 「えーまさんにクズって言われて萌えちゃった☆byヤマト常連涼香」「でも、初めての時は男も痛いんだぜby実はEDのみの神楽」 「あんましエロいとエロ面さんになっちゃうよ☆by影魔(漢字命名涼香)」(ジンナイ、すーの名言は無し) 「酔った母が俺の作ったリンディ茶を飲んではきましたby餅」 な時空管理局ラジオ第22回・藍兎!ラグナ六区!たるっち!幽ほへ!葱鉈!のからすのしっぽ争奪戦勃発!』 第22.5回(2007/11/02) 『○ンコ入りパスタライスパラダイス、賞味期限切れ、焼きマシュマロに焼きチョコ、セラフィムコールに妊婦萌えと今日の涼香は語りが熱いぜ! 「エロ面→EROMEN→E/N→\→|→ (fin)by涼香」「私の名前、「くろおう」ですからぁぁぁぁ!!!by黒王」 「こんばんは~、げりちゅうです~byオレンジ!!!」「ガンダム00NObyツカモリ」 なじくーかんりきょくらぢお-ぷち-第22.5回・白熱!アニメとゲームのイントロクイズ♪ IYの勢いMVP☆』 局ラジ支部第6回(2007/11/03) 『ガンダムOOのOOはおっぱいおっぱい!生麦はなまむぎではなくしょうがと読むチャットうるせー! と風邪で壊れたケインがお送りするラジオ 「初音ミクたんに看病してほしいな☆byケイン」「固定砲台でググると高町なのはが一番上に来て吹いたbyケイン」 な局ラジ支部第6回・しぶらじちゅうい、けいんがえいごだけでなくかんじもよめないのでおてがみにはかんじはつかわないでください』 第23回(2007/11/03) 『妄想犯罪者涼香!次元犯罪者えーま!薔薇フラグすー!機動戦士ジンナイ! ! がお送りする局ラジ!・・・え?4人ですよ、The Seventh Signの中の人なんて居ませんよw 「2時半になるとえーまさんも絶好調by 」 「涼香さん要求不満?by静奈・涼香さんは万年発情期by夏沙」 なそういえば文化の日だから文化の日SP局ラジ第23回・君もシグナムニートキャンプに参加しないか?』 局ラジ支部第7回(2007/11/09) 『アドレス固定と今日知ったケインがお送りするリリマジ3PRなんだけどPRサイトが3つしかない!?でも天の声が助けてくれたの☆ 「支部ラジはSS補足であり決してお便り補足ではありません!・サウンドステージは買ってないの!お金が無いから買ってないの!!byケイン」 「リインフォース00(おぱいおっぱい)か!?by緑平和」 な第7回支部ラジリリカルマジカル3直前SP!・チャットで大喜利、円楽影図書の真意は如何に!?』 第24回(2007/11/17) 『偽名手配涼香がお送りするラジオ、ギン姉グラスはポーションまみれ、新必殺技ネームクラッシャーにて緑の人が桃の人に!? 「孔明の穴という穴に入りたい!by涼香」「今日はみんなが均等に壊れてたからwby本局一同」 「サブタイなかったら、俺、絵描いてないですよ?byかすきぎめい」 「オレもホットパンツ好き!あそこからスラっと伸びる明日がまた!byくじら(管理局推薦名言・試験に出ます)」 な時空管理局ラジオ第24回・時空管理局ラジオ又はそのチャットに関わる皆さんRPGツクールで作~る』 時空管理っぽい局ラジオ(2007/11/23) 『和式洋式チューリップ式チンクオマルに噛み切ったアリサだ!ゲマ子だ!名前が区祭りだ!男絵祭りだ!ってなんだこのカオスw 「個人的には洋式より和式が好きです、だって洋式だと見えない部分が(以下自重)・ナンバーズのスーツは全身オムツなんだよby挨拶くぱぁ涼香」 「それでも!!それでも僕には守りたいトイレがあるんだぁ!!byガーランド」 「涼香さんちの冷蔵庫は開けると「くぱぁ」って言いますbyM78じんにゃい星雲」 な時空管理っぽい局ラジオ(正式名称トイレ管理ラジオ)・完成!局ラジ組曲Ver.1(歌詞有り)byTYS』 蒼い風ラジオ第2回(2007/11/26) 『涼香様の代打放送なラジオ 「やってみてよく分かる、時空管理局の凄さby蒼い風」 な蒼い風ラジオ(時空管理局ラジオ第97管理外世界支部)試験放送第2回 ・蒼い風様は涼香様やケイン様程壊れてなかったのでネタが無かったですbyラグナ六区』 第25回(2007/12/01) 『先週は浜松の洞窟でポテトサラダ作ってました、マイクOFFで始まったラジオはりロードミスで今日もやっぱりドジッコ♪ 「個人的にはオットーには竿だけでなく玉も・・・いなり寿司は欲しいしby涼香Japan」 「むしろ涼香さんはドジッコのリロードをしているのですbyからすのしっぽ」 「このラジオはリリカルなのはを楽しむための非公式番組です、過度な期待はしないでくださいbyえーま・・・じゃない千秋」 な時空ジリジリ局ラジオ第25回・時空管理局は機動六課脱衣麻雀を希望します』 第25.1回(2007/12/02) 『全ての人が驚愕した!第二部でなく本放送始まった!? 「可愛い子には女装させろby涼香」 「後悔しない人間なんていないですよby「さぁ。」の奴」 実は金曜日の分だけ残してた管理局ラジオ第25.1回・・・じゃなくて24.9回・数えるほどしかないとか言いつつ1時間半ってww』 第26回(2007/12/08) 『諸般の事情とテストモードとバッファ処理の飛び飛びラジオ、ステルスブルマ装備バイク陸曹涼香(性感トンネル)の布団にはエロ本がある 「フェイト・テスタロッサ・ヒップbyマジンガー憑き涼香」「涼香さんのケツは俺が守る!…涼香さんのケツは俺がもらう!byゲボされたジンナイ」 「なら尿と叫んでも来ないってことか…byからすのしっぽ・尿と叫んだらくるでしょうby春日木・さすが尿のえら…じゃないエロい人だbyからすのしっぽ」 なぐへへ局ラジ第26回・春日木の挑戦状!キョクラジ☆センセイション♪』 第27回(2007/12/15) 『技術トラブルなんかで時空管理局ラジオは止められないぜ!でもmixiの方では今日はやりませんのまま放置! ところで管理局通信には梶川先生ラブリ~ティッシュが付きます♪ 「Yシャツと来たら裸と付けるように頭が出来てるんですよ・ スカートの上からでもパンツが透ける、流石はエロ面(神楽)様だなとby涼香ナカジマ」 なドコがミニ?なミニ放送局ラジ第27回・涼香はバカじゃない!ドジッコなんだ!by参加者一同』 第28回(2007/12/30) 『えーまOPで始まった冬コミサークル紹介放送、ちなみに管理局通信Vol.9会場特典は4点にニヤニヤ握手付き♪ 「次のサークルはこちら!・・・どちら?byひぎぃ涼香」 「どんな人でも少しはロリ好きなんだよwby攻略本足に落ちた餅」 な涼香コミケ参加直前放送局ラジ第28回・今年の一文字は『局』で決まりですby時空管理局ラジオ案内人・涼香』 第29回(2007/12/31) 『手の早い撲撃さんにジンナイさんはモミ魔、神楽さんの一年はネットカフェで始まり梶川さんがいろいろな伝説を生み出して ドジッコ秋のゆきさんに鴨川さんはエロトークしまくり♪以上涼香視点による冬コミでした 「一度はおっぱいに挟まれて死んでみたいですね~by神楽様と高瀬様見捨ててきたずっと名札付き涼香」 「お餅萌えちゃうぅうううううううby餅」な日の出まで眠気と戦う時空管理局カツオ第29回・ 涼香さんが帰れなかった時の為にラジオ用意してたけど無事出来てショボンby蒼い風』 第29.8回(2008/01/05) 『管理局通信パッケージング終了後は本気補足涼香!・・・あれ?いつもよりグダグダだww 「結城さんはユリユリな所に住んでいますbyクロネコ常連涼香」 「俺はザクより強いもん!!もんすた~ぼ~るだって飲み込めるもん!!by鼻血出た餅」 なお手紙は鏡子さんからの出会い系のみ試験放送第29.8回・指紋付管理局通信委託、はじまります』 第30回(2008/01/06) 『今日はご飯が解凍だったので手羽先キャラメルとフレンチ味噌が主食、それより管理局タワー写真の心霊は誰だ!?w 「今年の抱負は『生きのびる』ですby成人式参加する乳タイプ涼香」 「かわいい絵が描ける奴なんて死んでしまえー!byウッドマンでコーヒー吹いたジンナイ」 「今年はよりエロさを進化させたいです、そしてコスプレしたいですby変・態!モザカグラーG(命名康介)」 「温泉!?涼香さんの裸!by鉈」 な新システムで風邪をばらまく時空管理局ラジオ第30回・新春特別ロードショー『涼香よ、八神の乳で眠れ』』 第31回(2008/01/12) 『いつも以上に噛む涼香を今日は美声しいなと神のお好み焼きしんちゃそとバースデープロポーズ梶川がお手伝い♪ っていうか梶川様ゲスト!って書くサイト多すぎてMAC凍ってお便り5時間遅れて撲撃と春日木がニョータイプ覚醒して リンナイとシャメラが出現!?…カグラッシュもうみんな疲れたよw 「チンチンとかチンコんとか音させないで!あとカツオだし良い匂いだし!?by乳酸菌コス涼香」「ヴィヴィオ!by朝帰り梶川」 「逆に考えるんだ!ストッキングと聞いて飛んで来た鴨川さんがムチムチボディの持ち主なんだっ!byMasa」 なビットレート24000局ラジ第31回・とある古本屋店内にて局ラジ好評放送中「これ何のラジオ?by客」』 時空管理局ラジオなの?(2008/01/18) 時空管理局ラジオなの?サブタイ 『涼香のスバティアの百合SSが入った200円とか適当に決めた管理局通信Vol.10を梱包するミクと演歌ラジオ 「満腹な涼香は寝ているんですよby涼香」「おっぱい~♪おっぱい~♪おっぱい~♪by餅」 「ふたなり~♪ふたなり~♪by撲撃」「お、俺にハァハァしても何も出ないZE(´∀`)byじんにゃい」 な時空管理局ラジオなの?・傑作アニメ『大崎と更新料』好評放送中』 時空管理局ラジオなの?サブタイ改良版 『涼香のスバティアの百合SSが入った200円とか適当に決めた管理局通信Vol.10を梱包するミクと演歌ラジオ 「(ジンナイさんの)玉だけあって竿が無いのは気になりますby涼香」「(ジンナイさんの)おっぱい~♪おっぱい~♪おっぱい~♪by餅」 「(ジンナイさんの)ふたなり~♪ふたなり~♪by撲撃」「お、俺にハァハァしても何も出ないZE////byじんにゃい」 な時空管理局ラジオなの?・傑作安部アニメ『大崎と更新料と涼香と餅と撲撃とジンナイ』好評放送中』 第32回(2008/01/19) 『今日はえーま、ケイン、あざなが出るホモラジオ、0時には3名帰ったホモラジオ、漫画本忘れた人外にマジギレ涼香なホモラジオ、 後半はエロトーク全開なホモラジオ、マニアックプレイはリリカルプレイなホモラジオ、TYSのカードが現実化したホモラジオ 「すーさんがベルト外してチャック下ろして…どんどんおっさん化していくbyホモ涼香」 「えーまさんが家に帰ったとなるとうかつな事は言えなくなったなbyホモジンナイ」 「新境地、涼香様はマゾですbyホモ神楽」「えー乳首OKだったのかー鴨川」 な時空管理ホモラジオ第32回・神楽と春日木が合体したホモラジオ』 第33回(2008/01/26) 『涼香初寝オチ!それまではケインが繋ぐ!でもやる事無いからSS書いてていいかな? 「遅れたのは野球中継のせいですby変態切り込み隊長涼香」「おっぱい一回触ったら虜になるんだよby変態切り込み隊員神楽」 「ジンナイさん死んだほうが良いよっていうか今度会ったら殺してやるwbyケイン」 「素敵な響きですね(*´▽`)(ぉ >無印尿品by春日木」 涼香と神楽・二人は変態おっぱいスター☆な局ラジ第33回・ホモリアンVSレズスキー、近日未公開!byTYS』 第34回(2008/02/02) 『バレンタイン特集なのに最初からエロ全開!ぐちゃ!尿ち園児!絶対尿域!ホスト名人トイレ用!みどすては涼香のSMプレイ! 「参加者一覧はエロい順byおっぱいはロケットな涼香」「男と裸の付き合いしてぇなぁbyおっぱいはさわり心地な神楽」 「だがあえて言おう、太もも~♪byおっぱいは重量なジンナイ」「近親相姦?お、お父さんに聞いてみなよby藻餅」 「( ゚∀゚)o彡゜もえンジ!( ゚∀゚)o彡゜もえンジ!by鉈とあさひ」 アノ本屋でも「これひょっとして局ラジですか?by客」とか大好評放送中な第34回局ラジ・まるきゅ~の『はやてコスドナルド』に本局崩壊!?らんらんるー♪』 第35回(2008/02/09) 『時空管理局ラジオはレティ帝国新型水中MSグッドブとウッーウッーウマウマザフィ、さらにはキタキタヴィータの襲撃を受ける、 これに対し局ラジはコネと物で新人を採用しTYS式NYOU族カードを作成、改造人間なのはの戦いが今、始まらない… 「5×9は5歳と9歳と思ったby涼香・俺もーbyジンナイ・お前ら死んでしまえbyすー」 「みんなお久しぶり、エレベーター壊れてたよ!byすー」 「局ラジにおいて、変態という言葉は褒め言葉bymitu」 「世界をNYOU-TYPEで満たすんですよヽ(´ー`*)ノby春日木」 な局ラジ第35回・サンクリ出撃の為最後はドタバタ夜逃げ同然でしたw』 第36回(2008/02/16) 『涼香バレンタインは保険屋のみでした♪すーのコーンがジンナイ直撃!救急車呼ぶなら417♪ 「春日木さんの頭には何が詰まってるんだろう?by涼香・尿!by他四名・やっぱりか!by涼香」 「ギン姉のお面つけてコーヒー入れるよ♪by神楽・いいから帰れよby涼香」 「つまりあのCMのちちゃいおにゃのこは、細長いのよりも太くたくましいモノがいいと…!?bymitu」 「からすのしっぽ先生!えーまお嬢様にもっと胸を・・・by鳩麦様」 「なんだか妙な…じゃなくて尿な友情が芽生えた局ラジになったなあ…wbyからすのしっぽ」 なガリアンソードに11人いる…ってネタ分かる人選ぶ局ラジ第36回・春日木主催の尿合同誌が!手の早い撲撃!エロ絵初のからすのしっぽが参加表明!?』 第37回(2008/02/23) 『雪のせいで30分遅れて始まったラジオ(珍しく実話)今日はNYOU祭りだ!尿好き集まれ~♪鴨川最強伝説の24時間だよ☆ 「鴨川さんは白タイツムチムチで美味しそうです♪by涼香」「尿はそんなむやみやたらに出すものではない!byジンナイ・伝家の宝刀ですからねby涼香」 「電子レンジにジンナイさん入れないでくださいby神楽」「エロ面さんふっころすw(ぶっころすではない)by鴨川」 「さて…誰から(尿絵)いきましょうかwbyからすのしっぽ」 な入国管理局の次に検索かかる時空管理局ラジオ第37回・衝撃!八神部隊長ついに脱ぐ!?』 第38回(2008/03/01) 第38回サブタイ 『家庭の事情で2時間遅れ!viaお便りにて撲撃さんの触れてはいけない所に触れてパソコン死んでピーーーーー (お便りは闇に葬りかけられた)「この子(PC)定期的に電源入れないと拗ねるんですよby涼香」 「あぁーあー尿の流れのよおーにーbyすー」「ラグナ六区→エロ発言→双子化→エロ双子→その実エロなんて自然な流れ!byvia」 「ウホッ、男×男のエロイのはあったな!///(一部改変)by神楽優人」 「 ふっころ~~( ̄∇ ̄~)(~ ̄∇ ̄)~ふっころ~by鴨川」 な中の人など居ないSMラジオ第38回・裏でスレ○ヤーズネタで盛りあがってたのは内緒だよ♪』 第38回裏サブタイ 『・・・ふっころすの伝説、聞いた事ある?私も伝説だと思ってた・・・でも会ったの伝説のムチムチ白ニーソに・・・ 「(^~^)もぐもぐ ご飯食べながら寝てしまったZE」 「 ふっころ~~( ̄∇ ̄~)(~ ̄∇ ̄)~ふっころ~by鴨川」 「意識するから恥ずかしいんだ!!エロイことに誇りを持とう!立てよ国民!」 なS・MRadioNO 38・楽しすぎてふっころしちまいそうだZE!!』 第38回viaラジオサブタイ 『「あ(以下略)by」な38回・パンツvia参上』 第39回(2008/03/08) 『最初は一人…でもだんだんとみんなが集まる局ラジ「みんなまとめて来いよby涼香」 ABCマントの真意を探りからすのしっぽの想像三角姦係を経て集計王見参!? 「そうだ旅をしよう、全裸で!by涼香」「鴨川さんにストッ王(ストッキング)の称号が付きましたby神楽」 「l▽`)NYOUって言った?by春日木」「( ̄ー ̄)y-~~~弄られるのはそっちですよbyからすのしっぽ」 な局ラジ第39回・ジンナイはジェンナイに神楽はオスマン神楽に進化したようだ』 時空管理局ラジオ関係ないチャットのみでのサブタイ 『らぐなのかすきと春日木のしっぽとからすの六区が巻き起こす朝恒例、4時のカオスチャットファンタジー♪ 「順調にカオスですwby神無月」「リアルに誰が誰だかわからなくなってきたwby撲撃」「いえ、私ももう誰が誰だか分かってないものでby心太」 な局ラジ第…ってかラジオは関係無いチャット「NYOU!って言って反応するのが俺だと思いますby春日木」』 第40回(2008/03/15) 『おっぱい擬音とリニューアル相姦図とスク水祭りで涼香も椅子から転げ落ちるなのはの誕生日!…はやてとは大違いだ 「タイツ履いた後にパンツ履いたら両方脱げちゃうじゃないか!by家宝のバイブで後ろの穴を掘る涼香」 「涼香さんの脳はフィクションですbyすー・私の脳はフィクションというよりファンタジーですby涼香・いえ上も下もカーニバルですbyジンナイ」 「うわっ!後ろのアナにしか興味がない人だ!、と涼香さんを指差して言いましょう!by如月」 「ストッキングな脚があれば充分なのですよ。偉い人にはわからんのですby鴨川」 なロストロリアのせいでみんな壊れた局ラジ第40回 「涼香さんはあながあれば十分なんだよbyすー・違う!前の穴なんてどうでもいいんですよ!後ろがあれば十分です!by涼香」』
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/195.html
特別捜査、開始 ◆9L.gxDzakI かつ、かつ、かつ、と。 明かりの落ちた薄暗い映画館の廊下に、靴音だけが響き渡る。 敷かれたレッドカーペットの上で揺れる紫の髪が、一種のコントラストを演出していた。 ギンガ・ナカジマは思案する。 ここに至るまでの、その経緯を。 (見たところ、身体は治っているみたいだけど……) この狂ったデスゲームに至る直前の記憶は、自らの身体を焦がす灼熱の炎。 地上本部防衛戦の折、自分は3人の戦闘機人によって倒された。 エネルギー弾をぶつけられ、左腕をずたずたに引き裂かれ、全身に刺された爆弾を爆破された。 生きていることがまさに奇跡とも言える、瀕死の重傷だ。 にもかかわらず、いつの間にかバリアジャケットを解かれ、管理局員の制服姿に戻った自分の身体は健康そのもの。 その身に刻まれたダメージは、ことごとく回復させられていた。 あの女――執務官フェイトの亡き母にして、重大な事件犯罪者だと聞く、プレシア・テスタロッサ。 戦闘機人技術に関しては、専門外だったはずの彼女がこの治療を行ったということか。内心でそのスキルに軽く恐怖を覚える。 (そして……ここにある、名前) 手にした名簿を、今一度見直す。 スバル、ティアナ、エリオ、キャロ……フォワード部隊の仲間達。スバルはちょうど席が近かったこともあり、今更驚くことはなかった。 その他にもヴォルケンリッターや、隊長陣の名前もある。 問題なのはその隊長陣――なのは・フェイト・はやての名前が、それぞれに2人分ずつ明記されているということだ。 心当たりがないわけでもない。 この名簿には、クラウディア提督クロノ・ハラオウンの名前がある。24歳という、立派な成人男性だ。 そしてあの場で、自分のすぐ横で隣の少女に耳打ちをしていた、黒髪の少年。恐らく年齢はスバルよりいくらか下といったほどだろう。 面影があったのだ。あの少年には、確かに写真で見たクロノの面影があった。 であれば、少年は紛れもなくクロノ・ハラオウン本人。何らかの方法で、過去から最年少執務官時代のクロノを引っ張ってきた。 (繋がる) 強引な解釈だが、これなら全てが合致する。 この場にいる隊長達は、恐らくそれぞれが過去と現在から連れてこられた者達。 その頃のクロノが当たっていた、PT事件ないし闇の書事件当時の、まだまだ幼い3人娘。 特にPT事件の首謀者であったプレシアこそが、この殺し合いを催しているのだ。可能なことならば、おかしなことではなかった。 (この際……何が有り得ることで、何が有り得ないことかは、度外視しておいた方がいいのかもね) これだけの人数を気取られることなく拉致し、自分の身体をあっさりと治し、時間移動さえも可能とする大魔導師。 何がたった1人の人間にこれほどまでの力を与えたのかは、推測することすらかなわない。 ただはっきりと分かるのは、プレシア・テスタロッサという人間は、既に自分達魔導師の常識の範疇を逸脱した存在であるということだ。 一体他に何をやらかそうと、もはや不思議でもなかった。 軽く、ため息をつく。 そして再び名簿へと視点を落とし、ある人物の名前をじっと見つめた。 (殺生丸さん……) ギンガにとっては、思い入れの深い男の名だ。 4年前の空港火災の時、僅かな力しか持たずにいた自分を窮地から救い出した、恐らく次元漂流者の男。 そして過去の廃棄区画での戦闘と先ほどの地上本部戦で、管理局に牙を向いた、妖怪を自称する強者。 記憶の中で、ぱあっとあの美しい銀髪が広がる。彼のことは、未だに分からないことづくしだ。 どうして自分を助けてくれたような男が、犯罪者になど加担するのか。 それら全てをひっくるめて、一度ちゃんと話をして決着をつけねばならないと、常日頃から思い続けてきた。 そして彼もまた、今このゲームに巻き込まれて、この広い会場のどこかにいる。 (全てを聞くのなら……今しかない) きっ、と。 緑の瞳が、彼女の決心を反映し、厳しい光を宿した。 とはいったものの、この暗闇の中でむやみやたらに動き回るのは危険すぎる。 ブリッツキャリバーもリボルバーナックルもない、本調子で戦えないようなこの状況では、夜の闇は十分すぎるハンデだ。 ひとまずはこの映画館で明るくなるのを待ち、そこから行動を開始しよう。 それまでの間身体を預ける場所を求め、ギンガは適当な劇場の扉を開けた。 「――誰だ?」 「っ!?」 突如として響き渡る、声。 見渡す限りずらりと並んだ入場客席の中、その中心に、誰かが背を向けて腰掛けている。 よく響くはっきりとした声だ。声音からして、恐らく女性だろう。 反射的にギンガは身構えていた。 この部屋の先客がいかなる人物か、今はまだ分からない。殺し合いに乗っていた人間だった場合、戦闘をも覚悟せねばならない。 悠然と、視線の向こうで声の主が立ち上がり、振り返った。 長いブロンドヘアーに、褐色のかかった肌。背筋のぴんとした体躯は、女性の割にはやや長身だ 射抜くような鋭い眼光。冷たく光る眼鏡と一分の隙もなく着込んだ黒いスーツが、一筋縄ではいかない厳格な雰囲気を漂わす。 その両手に、武器はない。ひとまず戦うつもりはないようだ。 戦闘にならないに越したことはない。自身も構えを解くと、戦意がないことを証明するため、自らの名を名乗る。 「時空管理局陸士108部隊所属捜査官、ギンガ・ナカジマ陸曹です」 「ほう」 それを聞いた女の眉が、丸眼鏡の向こうで微かに動いた。 どうやら管理局のことは知っているらしい。であれば、この女性は管理世界の人間であるということか。 その口元に不敵な笑みを浮かべながら、女もまた名を名乗った。 「英国国教騎士団『HELLSING』局長、サー・インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシングだ」 ――英国(イギリス)? 今度はギンガが驚く番だった。 確かイギリスとは、自分達の先祖が暮らしていたという第97管理外世界・地球の国家の名のはずだ。 なのはやはやてはそこの出身だと聞いているが、現在はそれ以外にミッドチルダとの接点はほとんどない。 遥かな昔にその存在は忘れ去られ、今では2人の関係者以外には、魔法を知る者すらいないと言われている。 そんな地球の――それも日本以外の国の人間が、何故管理局の存在を知っているというのだ。 「何を驚いている? 八神はやて課長から聞いてはいないのか? お前の妹の身柄を引き取っている組織だぞ」 今度こそ目を丸くして、ギンガは驚愕した。 この女性は、あたかもそのHELLSINGという機関が、管理局に認知されているように語っている。 しかも、機動六課の長たるはやてと、その部下にして自分の実妹であるスバルの名前を出してきた。 前者はまだ、こちらを信用させるための虚偽とも取れるだろう。 しかし、後者の方は明らかにおかしい。はやてやスバルが管理局員であるということは、名簿には全く書かれていないのだから。 ついでに言うならば、スバルが妹であることを見抜いたのも同じことだ。 名字は一緒であるものの、それだけでは家族であること以上の関係は分からない。逆に姉かもしれないし、母や従姉妹かもしれないのだ。 これらのことから、ギンガは確信した。この女性は間違いなく、管理局と――特に機動六課と繋がりを持っている。 そもそもそれ以前に、目が嘘をついていない。現役捜査官として活躍する彼女だ。それくらいは分かる。 しかしここで、新たな問題が浮上してきた。スバルの所属の件だ。 インテグラル卿と名乗ったこの女の話では、彼女は地球のHELLSINGに移籍しているという。 当然、そんなことは有り得ない。スバルは意識を失う数時間前まで、間違いなく自分と行動を共にしていた。六課の構成員として。 ならばこの認識のずれは一体なんだ。どうやって説明をつける。 それぞれが同じ世界を認識していながら、たった1人の人間に、明らかに異なる認識を持っている。 これは一体―― (――!) ふと、ひらめいた。 そういうことか。 これならば納得がいく。彼女の知る管理局がHELLSINGという未知の組織と繋がっていることも、スバルの認識のずれも。 クロノやもう1人のなのは達は、歴史を同じくして時間の異なる世界から連れられてきた。 これはその逆だ。 お互いが、「時間を同じくして歴史の異なる世界」から連れられてきたのだ。 「分かりません……多分、私は貴方の知るミッドチルダとは、別のミッドチルダから来た人間だと思いますから」 要するにパラレルワールドだ、と。 ギンガは言った。 「……成る程」 意外にもあっさりとインテグラは信用する。ギンガと同じように、嘘をついていないことを看破していたのだろう。 並行世界。 大まかな形はコピーをしたように同じでありながら、起こった出来事や人間関係が異なっている世界。 ありえたかもしれない可能性を体現した、「IF」が現実として存在を持った世界。それが一般的な捉えられ方だ。 恐らく「インテグラのいる地球」もまた、「スバルの離れたミッドチルダ」同様、ギンガの知る世界とは別物なのだろう。 そう、ここでは有り得ないことなどない。先ほどギンガ自身が、そう定義づけたばかりだった。 ひとまずその問題に決着をつけたギンガは、質問をもう一段階先へと進めることにした。 「インテグラル卿……貴方はこのデスゲームとやらで、どのように行動されるおつもりですか?」 まずはそれを確かめねばならなかった。彼女に対し、どのような反応を取るかを決めるためにも。 もちろん、ギンガの立場は決まっている。この殺し合いを止め、プレシア・テスタロッサを逮捕することだ。 相手もまた同じようにこのゲームに乗っていなかった場合は、協力関係を結ぶことも可能だろう。 だが、その逆――相手が殺す気満々だった場合、インテグラを何としても止めなければならない。 不敵に笑う彼女の様子からは、その心情はまるで読み取れなかった。 「簡単なことだ。あの女が用意したゲームをぶち壊す。この私がこのような立場に置かれたなどと、はなはだ不愉快極まる」 どうやらひとまずも、この女は前者側の人間だったらしい。 いらぬ戦闘を避けられたことに、内心で胸を撫で下ろした。 「そして少なからずとも、お前も私と共通した意見を持っているようだな」 そして次の瞬間、身体をびくりと硬直させた。 驚くギンガの視界の中では、相変わらずインテグラが笑っている。 今までのこの短いやりとりで見抜かれた。できうる限りの警戒をしていたというのに。 どうやらこの女は――インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシングは、相当な切れ者のようだ。 「魔導師ならば、そこそこに腕は立つのだろう? ならば――」 「もちろんです」 同盟関係はすぐに形成された。 体格からして、それほど抜きん出た戦闘能力を持っているわけではないらしい。 すなわち、インテグラは自身のボディーガードを欲している。 そしてギンガにとってもまた、想定される彼女の器量は魅力的だった。 利害関係は一致だ。 「具体的なプランは?」 ギンガが問いかける。 この優れた器量と根性を兼ねそろえた鉄のごとき女ならば、既に何らかの方針を練っていてもおかしくない。 そう思って確認したのだ。 「アーカードを捜索し、合流する。私と同じくこのゲームに放り込まれた、我がHELLSINGの最大戦力だ」 インテグラが答えた。思ったよりも単純な答えだったのは、その人物がそれだけの実力者ということか。 「アーカード?」 「吸血鬼だよ」 沈黙。 唐突に発せられた単語に対し、ギンガの思考が停止する。 「………………………………は?」 ようやく間抜けな声で返事をすることができたのは、10秒以上の間が空いた後だった。 吸血鬼? バンパイア? ドラキュラ伯爵? この人は一体何を言っているのだ? 「吸血鬼……ですか?」 恐る恐る尋ねてみる。 「そうだ。にんにくを嫌い、十字架を嫌い、太陽に目をそむけ、しかし人より遥かに強い力を持った、あの生き血を啜るモンスターだ」 聞き間違いじゃなかったらしい。 先ほどまでの警戒が嘘のように、がっくりと肩を落とす。 まさかこの人が、こんな冗談みたいなことを口走るとは思わなかった。 吸血鬼、というのは一体どういうことだ。そんな人外の化け物は、おとぎ話に出てくる空想の産物ではないのか。 「……普通アリなんですか、それ?」 「何を言う。私の世界は、お前の世界とは違う常識のもとに成り立つ世界なのだろうが」 そのインテグラの話を聞いて、ようやくギンガは思い出した。 ここには有り得ないことはないのだと。 それはプレシアだけではなく、参加者にも言えること。パラレルワールドの可能性に気付いた時点で考えるべきだった。 要するに、彼女の世界では全くの絵空事として扱われている吸血鬼の存在が、インテグラの世界では常識なのだ。 物騒な世界だな、と思いつつも、それをぐっと内心に押し留める。 こんなことならば、もっと色々な管理世界を回って視野を広めておけばよかったかもしれない。 「我々HELLSINGは、いわば化け物専門の掃除屋だ。化け物退治の鬼札(ジョーカー)が脆弱な人間では、話にならんだろう」 言われてみればそうかもしれない、とギンガは思う。 化け物というのは本来人間の手に負えないほどの存在だから、わざわざ化け物だと言われて怖れられているのだ。 科学力、軍事力、魔力、エトセトラ……ともかく、人間の力で対処できる人外など、そこらに住んでる熊や狼と変わらない。 であれば、化け物を退治するのに1番効率がいい方法は、化け物を引っ張り出してくることに決まっている。 問題はその化け物が「人の手に負えない」という前提の上に成り立つ存在であることだ。 ということは、彼女の率いるHELLSINGとは、その道理を捻じ曲げるだけの何かを成し遂げられるほどの組織ということか。 「しかし、この鬼札にも問題がある。闘争好きな奴のことだ……早々に合流せねば、好き勝手に参加者を殺して回りかねん」 「そんな危険人物なんですか?」 「そうとも。私の制止命令がない限りはな」 言いながら、インテグラは腰ポケットに右手を突っ込んだ。 取り出されたのは煙草の箱。さすがにこの程度のものは、プレシアも見逃していたようだ。 そこから1本取り出し、火もつけずに口に咥える。ライターもないのにそうする当たり、よほど喫煙習慣が身に染みているのだろう。 「殺していいのは我々に向かってくる奴だけだ。それ以外は私の意地にかけて、何としても死守する」 邪魔者を殺すのは仕方がないこと。 この人ならば言いかねないと、心のどこかで分かってはいたが、それでもギンガの胸はきりきりと痛んだ。 願わくば、誰1人として死なないうちにこのゲームを脱したい。 インテグラの言葉を聞いてもその思考が抜け切らないのは、やはり自分が甘いということなのだろうか。 「で、お前は何か目的はあるのか?」 表情を曇らせた様子にはまるでお構いなしに、インテグラがギンガへと問いかけた。 「あ、はい。えっと、個人的にですが……殺生丸という……その……妖怪を追っています」 我に返ったばかりで少々テンパりながらも、質問に答える。 そしてそれを聞いた瞬間、今度はインテグラが押し黙った。 おおよそこの女性には似合いそうもない、ぽかん、とした表情を浮かべて。 「……妖怪というと、あれか。悪魔の類か?」 「え? あ、はい」 「人心を惑わしたり、天変地異をもたらして、それが仕事とばかりに人間を苛めて回る、あれか?」 「多分……」 「……普通アリなのか、それは?」 アンタが言うのか、それを。 内心でツッコみつつも、先ほどの自分の思考を省みて、それは口には出さずにおく。 どうやら自分にとっては、妖怪が世界に存在することが当たり前になっていたらしい。 いつの間にやらそんなことになっていた思考パターンに、頭を痛めるギンガだった。 「……ともかくだ。優先して捜索すべきは、アーカードとその殺生丸の二名ということか」 インテグラが確認する。 「では、今から行動を開始するとしよう。そちらの都合もあるだろうが、アーカードは待ってはくれん」 言いながら、床に置いた自分のデイバックを持ち上げた。 ギンガもまた、無言で彼女の提案に了承する。 本当は危険な夜間はやりすごしたかったのだが、誰かと行動を共にする以上、ある程度は歩み寄らなければならない。 加えて彼女が捜すアーカードという人物が、闘争に愉悦を求めるような変態であるならばなおさらだ。 話で聞くだけでも分かる。そんな奴を野放しにしていては、何人の死者が出るか分かったものではない。 単に殺人を平気で行う人間と、それを趣味にまでする人間は、明らかに違う。 恐らくそのアーカードは、誰かを殺す快楽のためならば、自身の危険すらも二の次にして、相手を殺しにかかるのだろう。 戦闘趣味の人間など、大概が極端な思考を持った狂人だ。自分の身を守るくらいなら、どれだけ傷ついてでも相手を殺すに違いない。 その点が、危険な時には自らの安全を優先して分別を利かせるであろう殺生丸とは違っていた。 ならば行くしかない。 それがこのインテグラならば手なずけられるという確証があるなら、なおさらだ。 かつ、かつ、かつ、と、姿勢よく歩く彼女の後に続く。 「――ギンガ」 不意に、その足が止まった。 「はい?」 急に名前を呼んだ相手に、応じる。 それを聞いたインテグラは、首だけをギンガの方へと向け――笑った。 火も点いていない太い葉巻を口に咥え、あの不敵な笑顔をまたもギンガに向けた。 「あの女に教育してやろう。貴様らの管理局の……そして我々のHELLSINGの授業料が、いかに高額かをな」 【1日目 現時刻AM00 21】 【現在地 G-8 映画館】 【ギンガ・ナカジマ@魔法妖怪リリカル殺生丸】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済) 【思考】 基本 この殺し合いを止め、プレシアを逮捕する 1.アーカードを捜索する 2.殺生丸とは今度こそ話をつけたい 3.できることなら誰も殺したくはない 4.可能ならば、六課の仲間達(特にスバル)とも合流したい 【備考】 ・なのは(A's)、フェイト(A's)、はやて(A's)、クロノの4人が、過去から来たことに気付きました。 ・一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることに気付きました。 ・「このバトルロワイアルにおいて有り得ないことは何一つない」という持論を持ちました。 【インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング@NANOSING】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済)、葉巻のケース 【思考】 基本 この殺し合いを止め、プレシアを叩きのめす 1.アーカードと合流し、指揮下に置く 2.その後は殺生丸の捜索に向かう 3.できることなら犠牲は最小限に留めたいが、向かってくる敵は殺す 4.ギンガ・ナカジマ……なかなかに頭はいい方のようだな 【備考】 ・同行しているギンガが、自分の知るミッドチルダに住む人間ではないことを把握しました。 ・一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることを把握しました。 ・葉巻のケースは元々持ち歩いていたもので、没収漏れとなったようです。 Back 少女の泣く頃に〜神流し編〜 時系列順で読む Next なごり雪 Back Heart of Iron 投下順で読む Next 悪魔とテロリスト GAME START ギンガ・ナカジマ Next 楽園への小道 GAME START インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング Next 楽園への小道
https://w.atwiki.jp/army2ch/pages/310.html
ハーグ協定ってどんなものか教えて貰えませんか? 公海上では各国軍艦には臨検の権利があるって条約ある? 国際法上、50口径のM2で人を撃つのってありなんですか? 大戦中のB-29による空襲とかは戦争法規でいうところの民間人への攻撃にはならないんですか 衛生兵は撃っちゃいけないとか補給船は襲っちゃいけないとかいう決まりはあったの? トヨタが中国でGPSカーナビ付きの車を売り出すと言ってるけどココム違反にならないのですか。 「交戦団体」かは、当事者が認定すれば済む話なのでしょうか? 降伏してきた敵軍人に対して「捕虜なんかいらねえよ。自分の陣地へ帰れ!」と言って追い返した場合ジュネーブ条約等の違反になるでしょうか? 救急車に固有の武装を付けることは国際法規上認められるのか 日本が戦争になったら貿易船や旅客機は撃墜されても文句言えないのでしょうか? 高陞号事件は、現在の国際法ではどういう判定になりますか? ベトコンはハーグ条約違反ですか? 対物狙撃銃での対人狙撃は、国際条約違反じゃない? 中立国が交戦国に軍需物資を提供するのは国際法違反だそうですが、食料などはどうですか? 大戦中輸送船?が連合軍から安全を保障されていたが、米軍潜水艦に撃沈させられた事件について教えてください。 国連安保理の拒否権について質問です。 国連軍の白い装甲車やジープってのはよくテレビなどで見ますが、白い戦闘機とかってのもあるのでしょうか? 軍隊の戦闘行為って法律的にはどういった理屈で、正当化、あるいは免責されているのでしょうか? 敵兵が海にプカプカ浮いているのを発見したら救助する必要があるのでしょうか? 中立国の船舶を攻撃できないなら、海上封鎖は無理ですよね? 戦争に関して人道的な条約が最初に作られたのはいつ頃でしょうか? ハーグ協定ってどんなものか教えて貰えませんか? ハーグ協定 ハーグでは世界的な平和会議や軍縮の協定が行われているため、どれを 指すかが問題ですが、一般的には、戦時の取り決めについてのハーグ陸戦 規定(協定)が有名でしょう。とりあえず、 http //ww1.m78.com/topix-2/hague.html ではどうでしょうか? (53 818) 公海上では各国軍艦には臨検の権利があるって条約ある? 海洋法条約第110条、公海海上警察権。 国旗を掲げていない場合、無条件で。 (54 450) 国際法上、50口径のM2で人を撃つのってありなんですか? 明文で禁止されてるわけじゃない。が、大砲で直接人体を狙っちゃ いけないというようなのは、セントピータースブルグ宣言にある。 でも、事実上は無視されてるよな。400g以下の炸裂弾、焼夷弾の全 面禁止なんて。12.7mm以上は大砲だから駄目なんだろう。 (55 197) 建前上は人間を狙うのは駄目なんだけど、基本的に直接人間を狙って当てる ことが禁じられているだけなので、狙って当てなければよいのです。 M2の場合は、「一定の空間を狙っている中に敵兵が自分から入ってきた」と いうことにでもなるのでしょう。 (55 150) 大戦中のB-29による空襲とかは戦争法規でいうところの民間人への攻撃にはならないんですか 民間人への攻撃が禁止されてる訳じゃなく、軍事目標以外への攻撃が禁止されてる。 つまり、「軍需工場地帯」という面目標に対する攻撃と解釈されていた。 イギリス軍の市街地に対する夜間爆撃はUボートの無制限潜水艦戦に対する「戦時復仇」。 現在では明文で「都市、町村その他の文民又は民用物の集中している地域に 所在している多数の明白に分離した別個の軍事目標を、 単一の目標として取り扱うような方法又は手段を用いた砲爆撃による攻撃」を禁止してる。 (56 213) 衛生兵は撃っちゃいけないとか補給船は襲っちゃいけないとかいう決まりはあったの? 病院船は交戦国に通告されて、攻撃対象外になります 通常の補給船は攻撃対象です。 WW2の大西洋では、イギリスと協定を結んだ(戦闘に参加しないとの協定) ドイツの補給船が活動していましたが ビスマルク追撃戦の後に、戦闘に参加したとして撃破されています。 (58 45) そういうきまりは存在したが赤十字などはしばしば無視された。 (58 69) トヨタが中国でGPSカーナビ付きの車を売り出すと言ってるけどココム違反にならないのですか。 ソ連や東側の崩壊によりココムはもうなくなっています。 新しく似たようなのが出来ましたが・・・ (58 248) 「交戦団体」かは、当事者が認定すれば済む話なのでしょうか? 滅多にないけど、国家機関「以外」の「交戦団体」ってのも存在しうる。よく 「傭兵は国際法の対象外」って事を言う人間がいたりするけど、これは誤りで 傭兵も(交戦者たる要件を備える限り)適用範囲。 まぁ、基本的には当事者が認めれば、って話なんだが、現実問題として周辺国の コンセンサスを得ずにってのは難しいかね。 (59 ミリ屋哲@モバイリ ◆4EZIX.r92I) 降伏してきた敵軍人に対して「捕虜なんかいらねえよ。自分の陣地へ帰れ!」と言って追い返した場合ジュネーブ条約等の違反になるでしょうか? ジュネーブ条約では 「降伏しまたは降伏の意思を表明した敵を攻撃目標としてはならない」 と規定されています。 あ、でも「自分の陣地へ(・∀・)カエレ!!」って言うのはどうなのかなあ。厳密には 違背ではないような気がする。教えて戦時国際法のエライひと。 (62 713) 結構状況次第な気もしますが、一般的には違法だと思いますよ。 捕虜を取ることを拒否していると考えられますから。 具体例を考えると、一方が圧倒的に不利な状況にあって兵士が投降してくる場合に 優勢な側が「自分の陣地へ(・∀・)カエレ!!」では、 戦意を失った相手方兵士に捕虜となる権利を認めないことになりますからね。 (62 予備語学陸曹見習い) 救急車に固有の武装を付けることは国際法規上認められるのか 知らないかもしれないんで、一応お約束のジュネーブ第1条約を引っ張り出してみると、 第二十二条〔保護をはく奪してはならない事実〕1項により自衛・もしくは負傷兵を守る 防衛行為のための武装は認められています。 ただし、それを逸脱した目的で使用された場合、第二十一条〔保護の消滅〕により 衛生部隊として保護する権利を剥奪する事も可能です。 救急車の使用に何らかの制限はあるのか 第三十五条〔保護及び捕獲〕により車両等の輸送手段は衛生部隊と同様に尊重し、且つ 保護しなければならないと規定されています。 使用の制限に関する記載は見つかりませんでした。 (103 913) 日本が戦争になったら貿易船や旅客機は撃墜されても文句言えないのでしょうか? 場合によります。しかし、本来敵性商船は拿捕のみが許されており、無警告での 撃沈は国際法的に見て問題があることは押さえておくべきでしょう。また、封鎖という 手段がとられることもあり、第二次世界大戦あたりからは、海域を設定してそこに 進入する船舶をすべて攻撃する戦争水域の宣言も行われるようになっています。 (107 546) 高陞号事件は、現在の国際法ではどういう判定になりますか? 日清戦争の開戦劈頭、英国所有の商船「高陞号」が清国兵、大砲、弾薬を輸送しているのを 日本海軍が発見し、戦時国際法に従い、接収を宣言するも清国兵は乗組員を脅した為、やむ なく高陞号乗組員の退船を命じて後にこれを撃沈したというものですが…。 まぁ、まず日清戦争の様な状況が違法状態とされるのではないかと思いますが。 戦争当事国が第三国との傭船契約を締結し、その輸送中にもう一方の紛争当事国の臨検を受けた場合、 当該船は速やかにこれに従わなければなりません。 これを無視した場合は、威嚇射撃などを受ける可能性があります。 でもって、戦争当事国の強制という状況で、警告を繰り返し、それでも臨検に応じなければ、最終的に撃沈 に至っても問題はありません。 但し、撃沈に際して、乗組員の保護と、敵国兵員の速やかなる救助が求められるでしょう。 特に後者は、これを無視すれば、国際法上、甚だ難しい状況に陥ります。 また、第三国の船主に対しては、その船舶の対価は賠償しないといけないのではないでしょうか。 (114 眠い人 ◆gQikaJHtf2) ベトコンはハーグ条約違反ですか? ハーグ陸戦条約を持ち出すのであれば、むしろ第二条に注目してください。 「敵が接近するにつれて、未だ占領されていない地区において軍民が急遽抵抗軍を 結成する場合において、1※を満たすことができないとき戦争の規則と慣習を尊重する 範囲で、交戦団体として認められる」※武器の公然携帯や戦争法規を順守する等の条項 つまり、すでに特定の勢力に支配された地域で結成された不正規兵の交戦は陸戦規定を 満たしていない犯罪行為であると解釈できるわけです。 これではいわゆるパルチザンは交戦者資格(捕虜資格)を充たすことが出来ないため、 1949年のジュネーヴ第三条約では、捕虜の規定の中に、 「紛争当事国に属するその他の民兵隊及び義勇隊の構成員(組織的抵抗運動団体の構成員を含む。) で、その領域が占領されているかどうかを問わず、その領域の内外で行動するもの」 (第四条〔捕虜〕A 第2項)という規定が追加されました。 さらに、1977年のジュネーブ第一追加議定書43条1項では 「 紛争当事国の軍隊は、部下の行動についてその国に対して責任を負う指揮の下にある、 すべての組織された武装の兵力・集団及び団体から成る」 同第44条3項では、 「戦闘員は(略)敵対行為の正確のために武装紛争がそのように区別しえない状況が 武装紛争中に存在することが認められるので、そのような状況においてその者が、 次の場合に武器を公然と携行しているのならば、戦闘員としての地位を保持するものとする」 と、明確な指揮下にあることと、武器の公然の携行が最低条件とされました。 ただし、この追加議定書にはアメリカをはじめ批准していない国家もいまだ多数あります。 当然ながら、当時米軍はベトコンには交戦者資格は無いとみなしていました。 (118 名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE) 対物狙撃銃での対人狙撃は、国際条約違反じゃない? それは自主規制のようなもので、軍事行動において歩兵火器に総被甲のみを使用するのと同様です アンチ・マテリアルライフルは飽くまで対物・対装甲用に限るという、人道に(一応)配慮した制限で 明文化されたものでは無いですね。 (336 三等自営業 ◆LiXVy0DO8s) 1907年制定のハーグ陸戦規定によると、 「特別の協約により禁止された措置に加えて次のものが殊に禁止される。(中略) 不必要な傷害を与える性格をもつ武器、発射物、素材を用いること(後略)」(第23条) またジュネーブ条約追加第一議定書には 「その性質上過度の傷害又は無用の苦痛を与えられる兵器、投射及び物質並びに 戦争の方法を用いることは、禁止する」(第35条第2項) という一文があり、これらを根拠として人体に対して過剰な破壊力を持つ 大口径銃を狙撃に用いることを禁止していると解釈されています。 ただ、上記の通りこれはあくまでも解釈論であり、大口径銃の対人使用禁止を明確に 謳ったものではありません。 ダムダム弾のように禁止が明文化されているわけではないのです。 使用者(米軍)が「これはあくまでも対物狙撃銃であり、緊急かつやむをえない使用である」 と抗弁すればそこまででしょう。 1980年に採択された特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)に関する会合の中でも、 「小口径兵器及び弾薬への取り組み」は引き続き非公式会合を行うとされているのみです。 (121 名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE) 中立国が交戦国に軍需物資を提供するのは国際法違反だそうですが、食料などはどうですか? 一般的な戦時禁制品については、1909年のロンドン宣言で規定されています。 この条約自体は未発効ですが、慣習法として認められていたことを成文化した物なので、 通常はこの規定が準用されています。 さらに、ロンドン宣言のリストにないものでも、ロンドン宣言で「自由品」と 規定されている物を除き、交戦国が自由に「禁制品」のリストに追加してもかまわないことになっています。 ただし交戦国は、このリストを広く公表しなければなりません。 なお食料は、ロンドン宣言では、軍隊や政府機関向けの場合は禁制品になります (271 218) 大戦中輸送船?が連合軍から安全を保障されていたが、米軍潜水艦に撃沈させられた事件について教えてください。 病院船の場合は、使用10日前までに、船名、総トン数、全長、Mast、煙突の数など細目を 敵国に通告しなければなりません。 しかも、軍事目的に使用しないこと、外部を白色に塗り、国旗と共に赤十字旗を掲げること、 と言った細目があり、戦場の至近では行動しないことが規定されています。 勿論、疑わしい場合は、敵国の臨検を受ける場合もあります。 で、これら病院船が明確に攻撃されたのは、ぶえのすあいれす丸(1943.11.26)で、B-24に Rabaul~Palau間で爆撃を受け、70名爆死など、患者154名が戦死、行方不明、船員、衛生班 293名のうち、4名(うち2名が看護婦)で、漂流中には銃撃を受けています。 有名なのは、阿波丸事件で、これは、東南アジア方面の日本軍に捕らえられていた165,000名 の連合国軍捕虜、抑留民間人に救援物資を輸送することで連合国の「安導券」を得ていました。 これは、往路、復路とも攻撃、臨検、停戦命令を受けない、と言うもので、緑地に白い十字標識を 戦隊の九箇所に書き、夜間はイルミネーション、航行灯を灯して航行しているものです。 日本政府は米国政府に対し、往路、復路の寄港地、正午位置の通報を細かく行い、日程変更の 場合も至急報で伝えています。 ところが、米国潜水艦Queenfishが、この米国政府が絶対安全を保証していた船を駆逐艦と見誤った (故意に近い過失とされる)として撃沈してしまいました。 詳しいことは、「阿波丸事件」でググると色々出てくると思います。 (129 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 国連安保理の拒否権について質問です。 国連憲章第27条【表決手続】で、紛争当事国は、投票を棄権しなければならない ということですが、常任理事国が紛争当事国であった場合、その常任理事国の投票は 必ず棄権である=常任理事国の同意投票が得られない=否決となるのですか? 安全保障理事会の採決における棄権に関しては、憲章上明文では規定さ れてませんが、一般的には拒否権の行使ではないと見なされています(現 在では、欠席に関しても同様とする)。 (『現代国際法講義(第2版)』(有斐閣 平成7年)271頁および445頁) (248 805) 国連軍の白い装甲車やジープってのはよくテレビなどで見ますが、白い戦闘機とかってのもあるのでしょうか? 国連平和維持部隊のあの「白塗装の車両と青いヘルメット」はあくまで武力行使を 伴わない「平和維持活動」のものなので、戦闘機を動員するような本格的な 「武力行使」が行われる場合にはあの塗装は成されない。 実際にコソボには戦闘機や戦車を伴う「国際平和維持部隊」が展開した事があった けれど、白塗装も青いヘルメットもしていない(KFORは「国連軍」とはちょっと 異なる組織だが)。 (244 144) 1960年代のCongo動乱では、国連の要請で、SwedenのJ29が出動していますが、 塗装的には、本国で行っていたような銀塗装ではなく、迷彩塗装です。 (244 眠い人 ◆gQikaJHtf2) 軍隊の戦闘行為って法律的にはどういった理屈で、正当化、あるいは免責されているのでしょうか? 現代で言えば、国連憲章2条4項で国際間での武力行使全般を禁止、除外規定として 国連決議によるものと自衛権によるものが国際法上は合法。あと抑圧に対する抵抗運動 (独立運動とか反政府運動)も事実上合法に近い扱いを(国連では)受けてきた。 歴史的に言えば、 正戦論(17c):神学的な意味で正しい理由があれば正当化される。国の上に神という上位概念を置いた物 無差別戦争論(18c):主権国家は等しく平等な最高機関であり、その行為は各々正当である。白黒付ける のに決闘(戦争)するのは当然で、戦争法というルールさえ守ってれば理由を問わずに合法。 上二つでは、戦争の正当性とは別に勝者の当然の権利として、敗者にはペナルティー(領土奪われるとか)が課せられる。 んでWW1以後は、国際連盟規約や条約なんかで一定の制限が課され、WW2以降原則禁止されたハズ…なんだが国の上に 立って判定する機関が確立されてないんで結構グダグダ。国連は対等な国家の寄り合いみたいなもんだから… (182 741) 敵兵が海にプカプカ浮いているのを発見したら救助する必要があるのでしょうか? 保護しなければなりません。 「海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(第二条約)」 http //www.mod.go.jp/j/presiding/treaty/geneva/geneva2.html (187 ) 中立国の船舶を攻撃できないなら、海上封鎖は無理ですよね? アメリカが参戦する前、中立国だった時はイギリスとの貿易は当然で、 またドイツからすれば戦争に影響するかもしれない物資の輸入を阻止するのは当然に思えます。 しかし攻撃が認められなければ、Uボートによる封鎖など不可能になりますよね? 臨検を行なって船内に中立義務に違反する物資や人員がないかどうかを確認。 あった場合はその船舶の拿捕、物資の没収、乗組員の拘束などを行うことが国際法上できた。 実際には無理だから怪しいと思ってもほとんどは見逃すしかない。 兵器や人員を載せてることが確認できない限りは輸送は止められない。 (721 147-150) 戦争に関して人道的な条約が最初に作られたのはいつ頃でしょうか? 一般的戦時規約の一番最初のものは、1863年に制定された米国北軍の「リーバー・コード」、 正式名称を「陸戦の法規慣例に基づく軍隊の守るべき規則(陸軍一般命令第一〇〇号)」という。 総合的成文戦時国際法制定の協議を提唱したのは、ロシアのアレクサンドルII世皇帝で1874年のこと。 ロシアは、その時纏められたものを基に、露土戦争では、「露国捕虜取扱規則」を定めた。 更に、1899年に開催された、万国平和会議。 その主唱者も、ロシアのニコライII世皇帝だったりする。 で、この時活躍したのが、世界最高の国際法の権威である、フョードル・F・マルテンス教授。 彼もロシア人で、日露戦争時には、俘虜情報局の局長を務めたため、日本の捕虜取扱にも深い影響を及ぼした。 特に、明治期の日本軍の軍隊手牒には、Geneva条約を中心とする戦時国際法の内容がきちんと説明されているし、 これに先立つ1886年、日本がGeneva条約への加盟を認められたときには、翌年の陸軍省訓令で、当時の大山巌陸軍 大臣は、そのポケット版解説書を発行し、将兵に持たせ、その熟読恪守を求めた。 (しょうもない知識を披露するスレ8 眠い人 ◆gQikaJHtf2)
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3081.html
此処はゆりかご内の施設、大きなモニターの前にレザードとスカリエッティは席を置きチェスを嗜んでいた。 彼等の後ろではウーノとクアットロがガジェットに情報を送っており、 大きなモニターにはリニアレールが映し出されていた。 その中でスカリエッティはポーンを動かしレザードに問いかける。 「どうだろ今回の作戦は……うまく行くと思うかね?」 「……まぁ無理でしょう、十中八九あの六課が動くのは間違いないでしょうし」 顎に手を当てながら即答するレザード、六課の事はドゥーエから聞いており、その戦力は常軌を逸しているという。 今度はレザードがポーンを動かし問いかける。 「もっとも…それを見抗して、あのようなメッセージを刻んだのでしょ?」 「フッ…まぁね」 スカリエッティは笑みを浮かべ今度はナイトを動かし答えた。 「今回は宣戦布告の意味も込めているからね、レザード…君もそうなんだろ?」 「まぁ、否定はしませんよ」 眼鏡に手を当て不敵な笑みで答えるとポーンを動かすレザードであった。 リリカルプロファイル 第十二話 布告 現在、なのはと新人達はヴァイス陸曹がパイロットを務めるヘリで事件現場へと向かっていた。 今回の事件の発端はロストロギアであるレリックを運搬していたリニアレールが、 ガジェットに襲われていると報告を受けた為、六課は速やかに現場へと向かう事となったのだ。 ヘリの中では、なのはを筆頭にモニターを使った作戦会議が行われていた。 映像の上空にはガジェットⅡ型が犇めき合い、車両にはガジェットⅠ型が取り付いていた。 ガジェットドローンⅡ型、前翼機の姿をした空戦型のガジェットで、一般の空戦魔導師と変わらない航行速度を持つガジェットである。 話は戻りガジェットⅡ型は、なのは及び現場で合流予定のフェイトによって応戦、 残りの新人達はリニアレールに取り付いたガジェットを撃破しつつ、レリックを回収するという作戦を立てた。 各々が作戦を確認する中、キャロ一人だけが不安を抱いていた。 それは自分の内に存在する能力の事である。 キャロの能力は竜使役と呼ばれる、その名の通り竜を使役する能力で、 わずか六歳で白銀の飛竜を従わせる程の実力を持っていた。 だがキャロの力は周りの人を傷つけるだけだと部族の仲間から言われ続け、部族から追われる形で追放されたのだ。 その後管理局に保護されるのだが、強力な竜の力を制御できないキャロに、管理局も手を拱いていた。 管理局は殲滅戦による投下以外に役に立たないとキャロにレッテルを張ると、 フェイトが保護責任者として名乗り出てキャロを引き取ったのであった。 部族からの追放以降、キャロは自分の力で仲間を傷つけ、全てを殲滅させるのではないかと、恐れを抱き自分の力に目を背けていた。 そんなキャロの不安さを感じ取ったなのはは、そっとキャロの肩に触れ激励を込める。 「キャロの魔法はみんなを守ってあげられる、優しくて強い力なんだから」 その暖かい言葉にキャロは励まされ、みんなの役に立つ為に自分の力と向き合おうと決心するキャロであった。 その間にヘリは現場に到着、ヘリの後方が開くとそれぞれ降下し、作戦は開始した。 暫く経ち、現場から数キロ離れた森の上空、ここでルーテシアは一人モニターを見つめていた。 モニターにはガジェットが次々と落とされている様子が映し出されていた。 その中でモニターの右上にレザードの顔が映し出される。 「首尾はどうです?ルーテシア」 「博士……見ての通り悪い…」 レザードは眼鏡に手を当て当然か…といった表情を醸し出していた。 そしてレザードは第二陣としてルーテシアに不死者召喚を指示すると、ルーテシアは頷き準備を始めた。 ルーテシアは目をつぶり右手を下にかざし五亡星の陣を張ると詠唱を始めた。 「我は悠久の刻の渦中に身を委ねし者…其は我が名を知るがよい…知らぬ者は己が痴れた者と知るべし…… そして刻め…我が名はルーテシア・アルピーノ…其の名は冥王の烙印と化して其に裁可を下すだろう…… 魂の救い与え賜う事を乞うならば…今一度此方へと集うべし……」 長い詠唱の後、森の中に五亡星の陣が現れ陣からは猿の不死者ギボンが十体、 更にルーテシアの左右に五亡星の陣が現れ陣から魚の不死者カーレントフィッシュと、 鳥の不死者バーミンをそれぞれ十体、合計三十体の不死者を召喚させた。 「上出来です、ルーテシア」 「でも博士……下級クラスの不死者でいいの?」 「えぇ充分でしょう」 相手の戦力を、力量を、そして相手に対し宣戦布告を促すには充分だとレザードは内心で呟いた。 そしてルーテシアは不死者達にレリックの回収を命令すると、 カーレントフィッシュは泳ぐように向かい、 バーミンはギボンに向かって急降下すると、ギボンはバーミンの足をつかみ そのままバーミンはギボンを持ち上げ現場へと飛んでいった。 場所は変わり此処は六課の司令部通称ロングアーチ。 中には大きなモニターが幾つかあり、モニターには各前線メンバーがガジェットを叩き落としている映像が映っていた。 はやてはその光景を見ながら、新人達の訓練の成果は充分に出ていると考えていた。 車両に乗り込んだスバル・ティアナは次々にガジェットを撃破しレリックまで後僅かであるし 車両の屋根に残ったキャロは自分の力と向き合い、竜魂召喚を行ってフリードリヒを本来の姿に戻し、更にその力を操っていた。 エリオはキャロの支援魔法を受け大型のガジェットIII型を撃破など数々の戦績を残していた。 なのは、フェイトの両名も次々にガジェットを撃破し、 作戦もそろそろ終わりに差し掛かった頃、急にオペレーターが慌ただしく状況の変化を説明をする。 「レーダーに反応!これは………アンノウン!?数は三十!!」 「なんやて!?何処に向かっとるか分かるか?」 「待って下さい、この方向は……リニアレールの方向です!」 となると十中八九レリックを狙っているガジェットだと考えるが、アンノウンだと言う事は 新たなガジェットの投下という可能性があるとはやては示唆し、早急に前線チームに情報を送るよう指示をした。 一方前線チームはガジェットを全撃破し、レリックの回収も終了していた。 なのはとフェイトは新人達に激励を送っているとロングアーチから連絡が入り、なのはは新人達に連絡を伝えた。 「スターズ1から各隊員へ、今から此処にアンノウンが来るよ、その数は三十、みんな気を引き締めて!」 ロングアーチの話だと新たなガジェットの可能性があると、 そして今此方に来ているアンノウンはレリックを狙っていると説明する。 するとティアナはスバルに注意を促した、今レリックはスバルが持っているからだ。 キャロもエリオもその場で待機し、なのはとフェイトも上空で待機していると、 遠くに影のような物が近づいてくるのが分かった。 各隊員は気を引き締めていると影は大きくなりサーチポイントまで近づくと唖然とした。 その頃ロングアーチにいたはやて部隊長は、アンノウンの映像を見るや否や思わず叫んだ。 「何やねん!何で魚が飛んどんねん!つか、なんで猿が鳥にぶら下がってん!サーカスかぁ!!」 立場を忘れ思わずツッコむはやて、ハッと我に返り一つ咳をすると、はやては分析班にアンノウンの分析を指示した。 一方現場ではメンバーが呆気にとられている内に、魚がリニアレールの窓めがけて突進、窓を突き破り進入した。 それを皮切りに猿が反動を付けて車両の屋根に飛び移り、猿を運んだ鳥はなのは達に向かい襲いかかっていった。 「各隊員!見た目はあれだけど、レリックを狙っているのは間違いないから!各個撃破を!」 なのはの指令に気を取り直し攻撃を仕掛けるメンバーであった。 リニアレール内ではスバルがマッハキャリバーで加速し拳に魔力を乗せ、力一杯魚を殴った。 ナックルダスターと呼ばれる打撃魔法である。 魚はなす統べなく連結扉に叩き付けられ地面に落ちる、しかしすぐに起きあがると、スバルに襲いかかった。 「そんなっ!!」 スバルは困惑していた。何故ならば今の一撃は並の魔導師ならば一撃で気絶する代物、しかも手応えもあったのだ。 それなのに平然と起き上がり何事も無かったかのように襲い掛かる、そんな異様な状況にスバルは畏怖を感じていた。 一方ティアナは障害物を盾に必死に魚と応戦をしていた。 その中、魚は口から泡を六弾ずつ吐き出してくる、ティアナはクロスミラージュで一つずつ丁寧に撃ち落とし、魚本体にも気絶する数の魔力弾を撃ち込んだ。 魔力弾を撃ち込まれた魚は床に落ちるが、すぐさま起き上がり攻撃を仕掛けてくる。 「どうなってるの!?手応えはあったのに!」 クロスミラージュも本来なら気絶する魔力弾を撃ち込んでいると説明するが、現状は全く打破されていなかった。 その中一つの泡が隣の木箱に触れると炸裂し木箱は中身ごと吹き飛んだ。 ティアナは絶句した、こんな物が直撃すれば、いくらバリアジャケットを装着してあったとしても怪我だけでは済まされない。 ティアナは舌打ちをしながら飛んでくる泡を迎撃しながら次の車両へと移動した。 「エリオ君!」 「キャロはフリードと一緒にいて!」 一方、車両の屋根ではエリオが猿と対峙していた。 猿の動きは思いの外鈍く、ソニックムーブを使うほどではなかった。 だが腕力は高く屋根をへこませる程であった。 しかし今のエリオにはとるに足らない相手ではあった。 「ストラーダ!カートリッジロード!」 槍型アームドデバイス、ストラーダがカートリッジを一つ使用すると、エリオの足元に三角の魔法陣が現れる。 エリオは矛先を猿に向けると矛の端から魔力を噴射しロケット弾の如き加速で突撃、 矛先が猿の横隔膜辺りに突き刺さるとそのまま持ち上げ、他の猿の仲間に投げつけた。 エリオの魔法スピーアアングリフは確実に猿を気絶に追い込む一撃を与えていた、だが猿はすぐに起きあがり、エリオに襲いかかる。 「くっそ~またか!もしかして不死身なんじゃないか…」 鼬ごっことも言える攻防戦にエリオは疲れを見せ始めていた。 そんなエリオの上空ではキャロがエリオの身を案じていた。 それと同時に猿を観察していると、何か違和感を感じていた。 その中フリードがキャロに悲しみと恐怖が入り混じった様子で話しかけて来た。 「えっ彼らは死んでるって!?」 フリードによれば猿は生気もなく意識も無い、つまり死体だと説明する。 ならば死体を操ってレリックを回収しようとしている者がいるとキャロは考えた。 だが、そんな人物は本当に存在するだろうか?寧ろこの情報をフェイト達に教えても理解してくれるだろうか。 だが、今の状況ではこれしか判断できないと考えたキャロはフェイトに念話を送った。 一方上空でも、なのはとフェイトは戸惑っていた。 なのははアクセルシューターで、フェイトはハーケンスラッシュで次々と鳥を撃破するが、 地面スレスレで意識を取り戻し、すぐさまなのは達に攻撃を仕掛けてくるのだ。 これでは埒があかないとなのはは愚痴をこぼしている時、フェイトはキャロからの念話を受信する。 (…どうしたの?キャロ) (…フェイトさんにどうしても伝えたいことがあって……) キャロの話に思わず動きを止めるフェイト、その隙をついて鳥は攻撃を仕掛けようとするが、なのはのフォローにより難を逃れた。 「どうしたのフェイトちゃん!動きを止めて!」 「ゴメンなのは、ちょっと動揺して…」 フェイトは気を取り直し、キャロにその内容をロングアーチに伝えるように指示した。 一方ロングアーチではキャロの話に衝撃を受けていた。 「んで何か?アレはゾンビっちゅう訳か?んなホラーじみた話――」 「あながち否定出来ないと思われます」 はやての否定に間髪入れず分析班が割り込んで答えた。 分析班の映像による分析では、アンノウンの肉体は呼吸などの生命活動を行ってない、つまりは死体当然だと説明する。 そしてその肉体をリンカーコアによって維持している可能性があるらしいのだが、 そのリンカーコアは暴走状態になっており、暴走状態によって作成した魔力で肉体の強化をも行っていると語る。 現場の状況、キャロの話、分析班の説明それらは、はやてを納得させるには充分な情報であった。 確かに死んだ肉体では非殺傷設定の攻撃は効くはずがない… 何故ならば魔力に幾らダメージを与え気絶させようとしても死体に意識など元から無いのだからだ。 更にリンカーコアの暴走によって魔力はすぐに回復する為、すぐに行動を開始する事ができる。 ならばアンノウンを撃破するには一つしかない、だが今の新人達に出来るだろうか… はやては不安を持ちつつ前線メンバーに指示を促した。 「えっ!非殺傷設定解除による攻撃!?」 「せや、今んとこあのアンノウンを撃退するにはそれしかあらへん」 はやての指示に新人達は戸惑いを見せていた。 その様子を見たなのはは新人達にこう命令した。 「よし!みんなは前線から離れて、後は私とフェイトちゃんがやるから!」 いくら命令とは言え、いくら相手が死体当然とは言え、 命を奪うような行為はさせたくないとなのはは考え命令を下したが、スバルはその命令に反発する。 「私達なら大丈夫です!」 「でもスバル…」 「確かに本音は嫌です…でも!だからと言って なのはさん達ばかりに重荷を背負って貰う訳にはいきませんから!!」 スバルの言葉に皆が頷く、その光景を見たなのはとフェイトは思わず笑みを浮かべた。 スバル達はきちんと強くなっている、技術面だけじゃない精神面も… そして一番新人達を信じていなかったのは自分じゃないか… そう思うと自分の頭を叩きフェイトと目を合わせ頷くと命令した。 「分かった…スターズ1から各隊員へ!アンノウンを撃破!」 『了解!!!』 なのはの命令に力強く答え、アンノウンとの戦闘を開始した。 リニアレール内、スバルは魚に向かってナックルダスターを放つ。 ナックルダスターは魚の胴体を捉え、 口から血を吐き出し窓に叩きつけた。 辺りにグシャッと肉が潰れる音が響き渡るが、スバルは気にも止めずリボルバーナックルから一つカートリッジを消費すると、 スピナーが回転し拳に衝撃波が集まると振り返り撃ち抜く。 「リボルバーァァァァシュュュュュトォ!!!」 拳が乗った衝撃波は真っ直ぐ突き進み、魚を三匹巻き込んで窓を突き破った。 三匹の内二匹は衝撃波に巻き込まれバラバラとなり、残り一匹は下半身のみを巻き込んで倒れた。 上半身を残した魚は、光の粒子に変わり消滅、窓に叩きつけた魚も同様に消滅した。 スバルは残り一匹に目を向け、拳を握った。 一方ティアナはスバルがナックルダスターで魚を撃破していた頃、魚を一匹撃破していた。 撃破後、魚は警戒した為か一斉に泡を吹きだし、ティアナはダブルモードで迎撃を行っていた。 すると魔力弾が空になりカートリッジもゼロになると、 カートリッジバレルを排出し障害物に身を潜めバレルを交換する。 そしてカートリッジをロードすると足下に円陣が現れ更にティアナの周りにオレンジ色の魔力弾を構築させる。 「クロスファイア……シュートォ!!」 次の瞬間、クロスファイアが魚に襲いかかり頭を吹き飛ばす。 魚は泡で迎撃を行ってみるも、難なく避けられ次々に魚を光の粒子に変えていったのであった。 一方リニアレールの屋根の上では、キャロが猿に対しアルケミックチェーンで動きを止め、フリードに命令する。 「フリード!ブラストレイ!!」 その命令にフリードは雄叫びをあげると、口から紅蓮の炎を放射 炎は猿に直撃すると消し炭になるまで猿の肉体を焼いた。 消し炭となった肉体は光の粒子となって消滅、辺りには肉を焼いた匂いだけが残っていた。 一方エリオはスピーアアングリフでフリードリヒに乗るキャロの所まで跳ぶと、 キャロに先ほど行ったツインブーストをもう一度かけて欲しいと頼むとキャロは快く応じる。 ツインブーストを受けたエリオはカートリッジを消費し、魔力刃で構成された矛先を猿に向けると気合いを込めて叫んだ。 「スタールメッサー!」 エリオは矢の如き加速で突撃し猿の頭を捉えると魔力刃を縦に切り替え腹部まで切り裂き、更に右に振り抜いた。 振り抜いた先には猿が両手を組み振り下ろそうとしているが、 エリオはストラーダの魔力刃で両腕を切り落とし、更に頭を切り落とした。 更にエリオに迫ってくる猿に対し、右払いで攻撃、猿の肉体は上半身と下半身に分かれた。 すると切り裂いた猿から大量の血が吹きだし、それは血の雨となってエリオの頭上に降り注ぐ。 だが猿の肉体が粒子化すると同時に、血も光の粒子に変化し消滅した。 「……ゴメン」 小さく呟くように猿達に謝ると次の標的に目を向けた。 リニアレールの上空、なのはとフェイトはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで撃破していた。 その中ロングアーチから連絡があり、アンノウンを二~三羽捕縛して欲しいと指示を受けた。 どうやら今後の対処のためのサンプルとしてのようだ。 なのは達は了解すると残り四体の内、二体をなのはがレストリクトロックで縛り上げ、 残りの二羽をフェイトがハーケンスラッシュで撃破した。 「…不死者、二体捕縛されたの以外全滅……」 「そうですか…ではルーテシアはもう戻ってきていいですよ」 「いいの?」 これ以上の戦力の投下は無駄だとレザードは判断し、ルーテシアはそれに従いその場を転移した。 レザードはルーテシアとの連絡を切るとチェスに目を向け顎をなでる。 するとスカリエッティが問いかけてきた。 「不死者…捕縛されたみたいだね」 「えぇ…ですが問題ありませんよ、想定の範疇でしすし、所詮はただの捨て駒です」 「…成る程、つまりあれがレザードの宣戦布告と言うわけだね」 「えぇそうです……これでチェックメイトです」 「なにっ!?」 眼鏡に手を当て笑みを浮かべ宣言するレザード。 スカリエッティはチェスの盤をじっくり眺め、挽回出来ないかと探してみるものの結局見つけられず、 お手上げの表情で敗北を認めたスカリエッティであった。 リニアレール事件から一夜開け、今回回収したガジェットの分析待ちをしているフェイトは、 シャーリーと共に先日の戦闘データを纏めていた。 その中で一つ気になる映像を発見した、それはエリオがガジェットIII型を撃破している映像で ガジェットの内部を拡大し解像度を上げると、内部に組み込まれた青い結晶を発見する。 「これは?」 「…間違いない……ジュエルシード」 かつてなのはと対峙し、自分にもっとも関係しているロストロギア。 すると分析班から報告書が届き目を通す。 ガジェットは市販されたパーツを改造したものが殆どであるが、 その中にJ.Sと刻まれたプレートが存在していたという。 フェイトは納得した表情を見せるとシャーリーから端末を借り映像を映し出す。 モニターには白衣を着た紫の髪の男性が映り出していた。 ジェイル・スカリエッティ…生命操作や生命改造、精密機械などを手掛ける科学者で 広域指名手配を受けている次元犯罪者でありフェイトが追っている犯罪者でもあった。 「ガジェット、ロストロギア、J.Sと刻まれたプレート、間違いなくこれは………」 モニターを睨みつける様に見つめフェイトはこう言い放った。 ―――これはスカリエッティの宣戦布告であると――― 前へ 目次へ 次へ