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少女が目を覚まし、 光を遮るカーテンをどかすと、 思わず窓を開け放ちたくなるくらい、良い天気だった。 「布団でも干そうかな」 少女が布団を干すだけで部屋がほぼ片付いてしまった。 元々綺麗にする方で、 寝るために広げていた布団くらいしか、 部屋を汚しているように見えるものはなかった。 しかし、 「ホム!」 「え?」 「ホムッ! ホムゥ!」 いつの間にかほむほむが部屋に入ってきていた。 少女はこういうのを飼ってはおらず、 綺麗にしているため、 部屋の一角に住み着いていた可能性も無い。 窓を開けた時に入ってきたのか。 そう解決したものの、 少女はほむほむに無関心だった為に、 別に良いか。と放置していた。 すると、 「いたっ! な、なによ!」 「ホムッ!!!」 ほむほむに攻撃されたのだ。 だが、 少女はまみまみでも解るほむ語集なんてものを持っては居らず、 ほむほむが何を言いたいかなんて解るわけがなかった。 「ごめん、何が言いたいの?」 「ホムッフゥ!」 それでも、 危ないくらい興奮してるということが解った少女は、 とりあえずタッパーに入れて危害が加えられないようにした。 「ホビャァァァァァ!!」 数分もせずに、 ほむほむが喚き始め、 いくら無関心な少女でも、 怒りのボルテージが上がらないわけがなかった。 めんどくさくなった少女は、 ほむほむを外に投げ捨て、窓を閉めた。 元々窓から入ってきたのだから問題は無いはず。 昼になり、 少女が布団を部屋に運び込むと、 その布団にほむほむやまどまどが大量に引っ付いていた。 「えっ? えっ? えぇっ!?」 「ホムゥ~!」 「マドォォ!」 布団から零れ落ちていくほむほむやまどまどは、 床に着地するや否や、まるで自分の家だと言うかのように、 各所で交尾を始めた。 「……ちょっと!」 「ホムゥ///」 「マドォ~///」 怒鳴っても交尾し続けるほむまどに苛立ち、 無理矢理引き離した時だった。 「ホギャァァ!」 「マドォ!!」 「いっ、痛い! やめっあっ……うぅ」 噛み付かれ、引っかかれ、 右手も左手も血だらけになってしまった。 少女が痛みに泣いている時に、 インターホンが部屋に響いた。 遊びに誰かを誘っていたわけでもないが、 少女は無我夢中で駆け出して、 痛む手でドアを勢い良く開いた時だった。 「こんにちは~元気してるかな?」 「た、助けて!」 「うぇっ? って、なにその手!」 少女は抱きつき、 親友が宥め離れると、 ほむまどにやられた手を見て愕然とした。 「ほむまどが、ほむまどが……」 「とりあえず良いかな? 入って。 私の親友怪我させたほむまどには、それ以上の罰をあげたいから」 親友の目の色が変わる。 親友は、ほむまどを虐待するのが好きな人で、 普段から調教セット。と言いながら虐待用の道具を持ち歩いていた。 「今日ほど、これに感謝したことは無いよ」 親友が笑う。声だけが。 口も目も心も笑ってはおらず、 ただ純粋に怒りだけがそこにあった。 「ホフ~? ホグルッ!」 「マドォ!」 親友に気づいたほむまどが、 交尾で疲労した体で臨戦態勢に移った。 まったく敵意もなく無関心だった少女と違い、 親友は敵意むき出しだった。 だが、無力だった。 防護手袋をつけた親友に何をしようと、 無意味。 あっけなくほむまどは捕獲されていき、 ほむほむとまどまど。 別々のゲージに入れられた。 「――!」 ほむまどがうるさく怒鳴っているのだろうが、 親友が入れたゲージは防音加工で、 声がもれることはなかった。 「手、大丈夫?」 「あっ、うん」 「手当てするよ、出して」 「ありがと」 そんな些細な会話と治療を終え、 ほむまどの話に変わった。 「この布団に?」 「うん」 少女が大量のほむまど侵入について聞いてみると、 どうやら、少女が使っている羽毛布団は、 白まどとリボほむの羽50%ずつで作られていて、 それに誘われてきたらしく、 最初のほむほむはただの侵入者で、 ご飯を貰いに来ただけらしい。 →その2
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「「ここはれいむとまりさのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!」」 家に帰ってきてみるとこれはこれはテンプレ通りなゆっくりれいむとゆっくりまりさがいた。 ご丁寧に部屋の中は荒らされている。 とりあえずうるさいので口にガムテープをはっつけて、目隠しをした。 「む゛ー、む゛ー!」 なんて声を上げているが無視。 2匹のゆっくりを物置まで運んだところで、口のガムテープを力いっぱいとってやった。 皮もちょっと取れちゃったけど気にしてはいけない。 「ゆ゛ぐぅぅ゛ぅっっ、いだいよばやぐゆっくりたちを自由にしてね!」 「お゛に゛い゛ざんはざっざどででっでね!」 この場ですぐさま潰してやろうかとも思ったけが、それじゃあこの胸のもやもやは晴れそうに無い。 それにここまでつれてきた計画が台無しだ。 俺はギリギリサイズの透明なケースに1匹ずつ入れると、動かないように重石をのせそのまま帰ることにした。 もちろん目隠しはしたままだ。 「ゆっ、おにいさんどこいくの、はやくまりさをたすけてね!」 「はやくれいむをみえるようにしてね!!」 無視、どうせこいつらとは会話にならん。時間と口の運動エネルギーが無駄だ。 物置だけあって回りは静か、2匹の声が誰かに聞かれる事も無いだろう。 そして帰った俺は、腹立たしくも家の中の片づけをするのであった。 翌朝。 俺は物音を立てないように、静かに物置に入った。 「すーすー…」 「Zzz…」 こいつら暢気だなおい…。 まぁいい、こいつらもエサをやらないと餓死しちまうからな、それじゃあ面白くない。 俺はケースの上の方にある小さな穴から、オレンジジュースを垂らした。 「ゆっつめたいよー? …あまーい、もっとちょうだいね!」 「ゆっゆゅ、おいしいー、でもまっくらー」 そもそもジュース体にかけただけで飲めてないし、どんな構造してるんだ? そう思っていたらきた。黒い小さい点。 ケースの下のほうにも小さな穴を作っておいて正解だったな。 「ゆっ、なんかきてるよ、だれだかわからないけどやめてねっ!」 「ゆっくりれいむからはなれてね!!」 アリの行列、何も見えない状態でどこまで耐えられるかな? 「や゛め゛でぇぇ゛ぇぇぇぎもぎわる゛いぃぃぃ」 「ゆ゛っぐりざぜでえぇぇ゛ぇぇぇ」 必死で見えない存在に懇願してやがんの、ばっかでー。 お前らが人の話をろくに聞かないようにそいつらもお前の話なんて聞いてやんねーんだよ。 アリが引き上げる頃、2匹のゆっくりはボロボロだった。 全身を細かくかじられ、小さなデコボコがいくつも出来ている。 もっとも、あいつらには何も見えてないけどな。 「ゆぅー…れいむ、だいじょうぶ?」 「れいむはだいじょうぶだよ、まりさもだいじょうぶ?」 「ここをでたらいっぱいゆっくりしようね!!」 「それまでがんばろうね!」 涙ぐましい会話繰り広げてんなー。おお、すごいすごい。 そう思いながらひとまず家に戻ることにした。 あいつらの散らかし具合がひどすぎて、色々壊されちまったのを買出しに行かないとならないんだった。 夕方。 様子を見に行ってみると面白いことになっていた。 「ゆっ、れ゛い゛むー、どごー? がぐれでないでででぎでよぉぉぉ」 「まり゛ざ? まりざはどご? ごえ゛じがぎごえないよぉぉぉ」 「う゛わぁ゛ぁぁぁがいじわるじないでぇ゛ぇぇ」 「ゆ゛っぐりじよう゛よぉぉぉっ゛っっ」 こいつらお互いに自分を見失ってる。 まだ壊れてもらっちゃ困るので、朝と同じようにオレンジジュースをかけた。 「ゆっ…れいむ、だいじょうぶ? まりさはだいじょうぶ!」 「れいむもだいじょうぶだよ! ゆっくりがんばろうね!!」 「あまーい、もっともっとちょうだいね!」 「でもさっきみたいにはならないようにしてね!!」 さっきってのはアリのことをさしているのだろうか。 10時間以上も前なのに、どうやら時間の感覚は完全に狂っているようだ。 まぁそれでも、 「れいむ、だいじょうぶ?」 「だいじょうぶだよ、まりさもゆっくりしてる?」 お互いを認識できる程度には直ったから良しとしておこう。 俺はいつもどおり静かに物置を出た。 翌朝。 さて、今日も元気にしってるっかな? 俺は昨日と同じようにオレンジジュースをかけた。 「ゆっ…はっ、れいむ、だいじょうぶ? そこにいる?」 「んっ…れいむはここにいるよ! あんしんだよ!!」 目を覚ますとお互いを確認しあうかのようなやりとり。 なるほど、こうやってお互いの精神を支えあっていたわけだ。 俺はゆっくりたちをケースから出してやると― 「ゆっ? これでゆっくりできるよれいむー!」 「はやくふたりでゆっくりしようね!!」 今度は防音仕様のケースに2匹を入れた。 1枚ごしくらいならなんとか聞えるが、2枚ごしともなれば聞えない。 つまり俺はここでゆっくりの悲鳴を聞け、お互いの声は届かないという理想的なケースだった。 「ゆぎゅっ、れいむ、そこにいる?」 「ゆ゛っ、まりさ、ゆっくりできてる?」 「ゆっ、れいむ?」 「まりさ?」 「どぉ゛じでべんじじでぐれない゛の゛ぉお゛ぉぉ」 「ま゛り゛ざぁ゛ぁぁぁぁ゛まりざぁぁ゛ぁぁ」 「れ゛い゛むどごなのぉぉ゛ぉぉぉっ」 「がぐれ゛でな゛いでででぎでぇ゛ぇぇっお゛ねがいぃぃぃぃ」 叫びながらケースの中を駆けずり回る2匹。 さっきまでのケースと違って幸運な点があるとすれば、先ほどのケースよりは大きいことだろうか。 先ほどまでのケースがゆっくり1匹分だとすると、今回のケースは縦横高さともに3倍、つまり体積としては27ゆっくり倍である。 お互いを捜し求めての悲鳴を聞きながら、俺は森の方へと出ていった。 最後の仕上げた。 夕方。 2匹とも、もう動く気力もないようだった。それでも定期的に、 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「ここはれいむのおうちだよ! ゆっくりしていってね!!」 「いやあぁ゛ぁぁぁぁ゛ぁおうじがえ゛るるぉぉぉぉ」 「ごごはれいむのおうぢだよ! ゆっぐりじでいっでえね!!」 「ゆっぐりざぜでででぇ゛ぇごべんなさいごべんなざいぃぃぃぃっ!!」 「ごぉぅごぉぅはれ゛い゛む゛の゛お゛うぢだよ! ゆっぐりじでいっでえね゛ぇぇ!!」 と叫んでいた。 どうやら目隠しでの幻覚、幻聴に神経の殆どをやられてしまったらしい。 この分だとろくに休んでないのか。寝ようとしても寝れなかったんだろうな。あぁおもしろい。 さて、と…。 俺はそれぞれのケースを開けてやった。 「ゆぐりじね! ごべんなざいぃいぃっ! ゆっぐりざぜででえぇぇぇっ!!」 「ごぅごは゛れい゛むだぎのおうぎだよ! ゆっぎるじね」 最初はこんな風に狂いっぱなしだったが、お互いの声を認識すると徐々に正常に戻っていった。 「…れいむ! れいむなの!? れいむはそこにいるの!?!」 「…まりざ、まりざぁぁぁぁぁっ! ゆっぐりじたいよぉぉぉっ!」 お互い声を頼りに感動の対面! なーんてするわけながない。 俺は再び2匹を防音ケースに入れた。 中には森での成果が入っている。 ぜひともゆっくりしていってほしいものだ。 「ゆぎゅ、れいむー!」 まりさは、またケースにぶつかったことさえ分からずにれいむの名を呼んだ。 「はぁ、はぁ…」 「ゆっ、れいむー、ゆっくりしようね!」 まりさは荒い息のする方向へと何の疑いも無く声を上げた。 そこは今までれいむの声が聞えていた方向と逆だというのに。 もっとも、聴覚が大分おかしくなっているまりさからしてみれば、それほど大きな問題ではなかったのかもしれない。 「ま゛り゛ざぁぁぁぁっずぎぃぃぃぃ゛ぃっ」 「ゆぅぅぅぅぅっ、れ゛い゛むじゃないぃぃ゛ぃぃぃ゛あ゛りずはい゛やぁぁぁぁぁっ」 「ぞんなどころもずぎぃぃ゛ぃぃぃぃぃやっ゛ぱり゛まり゛ざがいぢばんずぎぃぃぃぃぃ」 「ゆぎゅううぅうぅうぉおぉぉおっゆっぐいりいぃぃぃおぉぉぉおおぉ」 必死に抵抗するものの、発情したありすにいままでズタボロだったまりさが勝てるはずもない。 交尾を終えたまりさは息絶え、茎が伸びていた。しかし、自分の命がすぐに尽きることを生まれてくる子まりさたちは知らなかった。 「あ゛ぁ゛ぁぁんじっじゃいま゛り゛ざもがわいぃぃぃの゛ぉぉぉぉぉ」 「ゆぶっ、まり゛ざー!!」 れいむもまた、ケースにさえぎられたことに気づいていなかった。 感覚だけを頼りに、出口を探すれいむ。そこへ声が聞えた。 その声がまりさでないことにすぐに気づいたれいむは、絶望した。 「うっうー、たーべちゃーうぞー」 「い゛や゛ぁぁぁぁぁぁぁゆっぐりざぜででぇぇ゛ぇぇえ゛ぇぇぇぇま゛りざぁぁぁぁ」 数分後、片方のケースには干からびたまりさと潰れた子まりさ数匹、 もう片方のケースにはれいむのリボンと満足げなれみりゃの姿があるだけだった。 さて、今度はこいつらを目隠しするか。
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紅井叫司プロローグSS 「んー、このケーキ、おいしいねー」 「ホント、この紅茶も最高ぅー」 「しあわせー」 ここは希望崎学園、軽音楽部部室。 4人の女子学生たちが紅茶とケーキを前に談笑している。 のどかな放課後である。 「本当に平和だよねー、この学園は」 「私たちが入学する前は暴力と破壊が吹き荒れていた~なんていうけど」 「信じられないなー」 この軽音楽部の部室は四方を厚い壁に覆われている。 その為、完全防音が施されており、外に音が漏れることは無い、音楽の練習に集中できる環境である。 なんでも、その昔、今は転校生と化したある魔人がこの部屋を作ったとかなんとか。 「あー、今日のケーキも美味しかったー」 「で、この後なにしよっかー」 「練習する?」 「えーもういいよー練習なんてー! 私達魔人だから、そんなに練習しなくても、適当にやってればそこそこ皆楽しんでくれるでしょー」 「じゃあ、ショッピングとかどう!」 「いいねー、賛成」 「じゃあでかけよっかー」 しかし、彼女たちがこの環境で熱心に練習に励む様子はまったく無い。 この平和な希望崎学園においては、彼女たちのようなふるゆわな存在も今では当たり前のように許されるのだ。 関東も関西も滅んでいない。血も殺戮も暴力もない! ここは魔人たちが平和で明るく楽しく過ごす希望崎学園。 さあ、君もおいでよ! この空間へ! ガンッ 突如。 ガンッ ガンッ 外部から、巨大な音がした。 「ん……何?」 彼女たちはその音がする方向へ目を向けた。 その音は、見れば部屋の左奥の壁から発せられている。 ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ 音はどんどんと大きくなっていく。 気づけば、部屋が大きく振動している。 「何……何なの? 地震?」 「いや、これ、多分……外から……」 ピシィッ 遂に、部屋の壁にヒビが入る。 その隙間から、獣のような唸り声が聞こえてくる。 「何なの……?」 「何かが、外から……」 ピシッ ピシッ…… ピシィッ…… 徐々に巨大さを増していく壁の穴。 彼女たちは不安に駆られたまま、そこから目を離せない。 そして。 「ガアアアアーーーーーーーー!!」 ガシャァ――――――――ン 巨大な咆哮が響き、壁が木端微塵に崩壊する!! ガランッ ゴロン ガランッ! 破壊された壁の粉塵と共に、彼女たちのもとへ巨大な何かが転がり込んでくる! 「キャアアアアーーーー!!」 悲鳴を上げる彼女達!! 散り散りになって逃げ惑う! 目を向ければ、転がり込んだのは一つの巨大なグランドピアノであった。 そのピアノは彼女達がこれまで談笑の場としていたテーブルをひっくり返し、紅茶とケーキの残骸を床へとぶちまけた。 粉塵が止む。 そこから一人の少年が姿を現す。 黒縁の眼鏡をかけた、学生服の少年。一見整った、中性的な風貌をしている。 しかし、目は血走り、表情は歪んでおり、前屈みになって、「ハアッ…、ハアッ…」と息を切らせている。 おそらく先ほどのピアノを何度も壁に打ち付けて、壁を破壊し、そのままピアノを放り込んだのだろう。 「貴様らッ……貴様らァァッーーーーーーー!!」 少年はビシッと彼女たちを指さし、叫ぶ。 「そっきから聞いていればなんだ? 練習しないだと?? ずっと平和が続けばいいだと!?」 少年の全身からは、激しい怒りが立ち込めていた。 この完全防音の部屋の会話をどうやって聞いていたのか? 疑問に思う少女たちに、息つく間もなく彼の怒声が浴びせかけられる。 「舐めるなぁァァァァァァァ―――――!! 貴様らっ、そんな音楽でいいと思っているのか。 そんな中途半端な魂の音を人に聞かせる気か?」 「な、なによアンタ? 急に入ってきて!?」 「私たちは楽しんで音楽やっているのよ! それでいいでしょう!1?」 「やかましいぃぃぃーーーーー!!」 少年は、部室に飾られた楽器、ギターやベース、ドラムなどの傍へ近づき、それを手に取った 「見ろっ! この楽器たちはなんだ? ろくに使い込まれていないことは一目瞭然だ。君たちの練習がいかに中途半端か分かる」 「お前たちの音楽はなにもかもが緩すぎるっ!! そんなもの……この僕が許さない!!」 「なによ! 私達が真剣に毎日練習していないように見えるのが気に入らないっての?」 「そうではないっ!!!!!!」 「え……」 「僕が気に入らないのは、君たちの……その楽しければそれでいいと言う、そのふるゆわという奴だっ!!」 そして少年はギターを天井へと投げ放つ。 ガシャア――――ン!! ギターがぶつかり、電灯が落下する。 「ヒャアッ」少女たちが飛び上がって後ずさる。 「いいかっ!! 堕落するなら……もっと徹底的に落ちぶれろ!!」 「練習も中途半端にするなっ!! もう音楽への尊敬なんか一切ないんだという気持ちでもっと徹底的に手を抜け!!」 「な、何言ってるの? この人?」 急に支離滅裂になる少年の話に目を丸くする少女たち。 「そうであって初めて人間の精神を揺さぶれるんだっ! 練習しなくても中途半端にうまい、少し綺麗で楽しい音楽で皆楽しんでくれんるんだからいじゃーん?? 」 「そんなもの、及びもつかない世界があるんだぁぁぁぁーーーーーーー!! 人間性、芸術性、それらを粉々に打ち砕く世界!1」 「僕はそれを知ったっ!! だから君たちに我慢がならない!!」 そして、少年は猛然と駆け寄り、先ほど転がったピアノの傍へ行く。 少女たちはもはやあっけに取られたまま、それを見つめるしかない。 「うおおおおおおおーーーー!!」 そしてグランドピアノを両手で持ち上げ天高く掲げる!! 細身な少年の体のどこにそんな力があるのか。魔人ゆえか。それとも、別の要因によるものか。 「さあ、大地にたてっ!! 僕のグランド・ルージュ・ピアノ」 少年は自分の愛するピアノを大地へと勢いよく振り下ろした! 三本の支柱が、深々と大地に突き刺さる。 良く見れば、そのピアノはところどころが紅く染まっていた。これがルージュの意味なのか。 「そして聞けぇぇぇ――――――――!! ファントム・レクイエム!!!!!!!」 少年はけたたましく叫び声を上げると、激しく全身を、そしてその指先を動かし、その『音楽』を奏で始めた。 その『音楽』は、その少年の激しい動きとは対照的に、どこまでも酷く、深く、暗く、重い。 どこまでも、どこまでも、沈み込んでいく、まさに闇の旋律というべきものであった。 「あ、あぐううううう。ひゃああああぁー……」 「な、なによこれぇぇ……痛い。頭が痛いいぃぃ」 「ひ、酷い、酷すぎます……」 「ふ……ふわふわファントム……ふわふわファントムゥゥ!!」 そんな身の毛のよだつ、この世全てへの絶望を込められたような少年の音楽を聞かされては。 この平和な世界で、ぬくぬくと温室育ちをしてきた少女たちが耐えられるわけがなかった。 演奏を終えた少年は、すっと立ち上がり、脱力したかのように、ピアノの鍵盤へと顔をうずめる。 その勢いでジャジャーーンと音が鳴る。 近くには、4人の少女たちが泡を吹いて倒れたままだ。 「駄目だ……全然駄目だ……。こんな音じゃあ、あの映画には全く届かない」 少年から嗚咽が漏れる。 「あの、あの映画は……、もっとこう、言葉にも出ないような、もっと全ての人間自身のどうしようもなさが伝わる映画だった」 「今、僕に出せるのはこんなゆるい少女たちを苦しめる音だけ」 少年の脳裏に、数年前、美術館で視聴したある映画の映像が思い出される。 少年のアイデンティティーを全て打ち砕いた、あの映画。あの映画が与える絶望と苦悩と悪夢の前には、今の自分の力が足元にも及ばない。 「平和、明るさ、楽しさ……人々を楽しませる。そんなもの、この世界にはなかった」 「あの映画を……僕が封印から解き放ってしまった、その時から」 少年は自己陶酔に耽っている。 涙を流しながら顔を天に向ける。 「神は、望んでいる。この世界に永遠の絶望を。僕はそれに答なければならない」 「今は、例え平和でも、きっとその内争いは起こる。その時に備え、僕はここを音楽部としよう。そしてもっと僕の音を高め……いや、沈めなければならない」 「その時のために、少しでも……、あの映画に近づくために!!」 少年は、そして再び演奏を開始した。再び少女たちの悲鳴が上がる。 研鑽や洗練というものとは程遠いあの映画へ近づくために、ひらすら努力と練習を繰り返す。 その壮大なる矛盾に、少年は、しかし怯むことなくその音を奏で続けるのだ。 いつか来たるべき……、最高の、いや最低の音を響かせる、その日の為に。 希望崎学園軽音部、いや音楽部は、その日から、夜毎に紅い幻影と呼ばれる謎の怪音が響く場所として、 都市伝説的にその名前を刻まれることとなった。 (了) 『ToLOVEるマスターハジメ』へ移動<<|生徒会SSへ移動|>>死にたい人にお薦めの危険な学校希望崎学園へ移動
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「「ここはれいむとまりさのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!」」 家に帰ってきてみるとこれはこれはテンプレ通りなゆっくりれいむとゆっくりまりさがいた。 ご丁寧に部屋の中は荒らされている。 とりあえずうるさいので口にガムテープをはっつけて、目隠しをした。 「む゛ー、む゛ー!」 なんて声を上げているが無視。 2匹のゆっくりを物置まで運んだところで、口のガムテープを力いっぱいとってやった。 皮もちょっと取れちゃったけど気にしてはいけない。 「ゆ゛ぐぅぅ゛ぅっっ、いだいよばやぐゆっくりたちを自由にしてね!」 「お゛に゛い゛ざんはざっざどででっでね!」 この場ですぐさま潰してやろうかとも思ったけが、それじゃあこの胸のもやもやは晴れそうに無い。 それにここまでつれてきた計画が台無しだ。 俺はギリギリサイズの透明なケースに1匹ずつ入れると、動かないように重石をのせそのまま帰ることにした。 もちろん目隠しはしたままだ。 「ゆっ、おにいさんどこいくの、はやくまりさをたすけてね!」 「はやくれいむをみえるようにしてね!!」 無視、どうせこいつらとは会話にならん。時間と口の運動エネルギーが無駄だ。 物置だけあって回りは静か、2匹の声が誰かに聞かれる事も無いだろう。 そして帰った俺は、腹立たしくも家の中の片づけをするのであった。 翌朝。 俺は物音を立てないように、静かに物置に入った。 「すーすー…」 「Zzz…」 こいつら暢気だなおい…。 まぁいい、こいつらもエサをやらないと餓死しちまうからな、それじゃあ面白くない。 俺はケースの上の方にある小さな穴から、オレンジジュースを垂らした。 「ゆっつめたいよー? …あまーい、もっとちょうだいね!」 「ゆっゆゅ、おいしいー、でもまっくらー」 そもそもジュース体にかけただけで飲めてないし、どんな構造してるんだ? そう思っていたらきた。黒い小さい点。 ケースの下のほうにも小さな穴を作っておいて正解だったな。 「ゆっ、なんかきてるよ、だれだかわからないけどやめてねっ!」 「ゆっくりれいむからはなれてね!!」 アリの行列、何も見えない状態でどこまで耐えられるかな? 「や゛め゛でぇぇ゛ぇぇぇぎもぎわる゛いぃぃぃ」 「ゆ゛っぐりざぜでえぇぇ゛ぇぇぇ」 必死で見えない存在に懇願してやがんの、ばっかでー。 お前らが人の話をろくに聞かないようにそいつらもお前の話なんて聞いてやんねーんだよ。 アリが引き上げる頃、2匹のゆっくりはボロボロだった。 全身を細かくかじられ、小さなデコボコがいくつも出来ている。 もっとも、あいつらには何も見えてないけどな。 「ゆぅー…れいむ、だいじょうぶ?」 「れいむはだいじょうぶだよ、まりさもだいじょうぶ?」 「ここをでたらいっぱいゆっくりしようね!!」 「それまでがんばろうね!」 涙ぐましい会話繰り広げてんなー。おお、すごいすごい。 そう思いながらひとまず家に戻ることにした。 あいつらの散らかし具合がひどすぎて、色々壊されちまったのを買出しに行かないとならないんだった。 夕方。 様子を見に行ってみると面白いことになっていた。 「ゆっ、れ゛い゛むー、どごー? がぐれでないでででぎでよぉぉぉ」 「まり゛ざ? まりざはどご? ごえ゛じがぎごえないよぉぉぉ」 「う゛わぁ゛ぁぁぁがいじわるじないでぇ゛ぇぇ」 「ゆ゛っぐりじよう゛よぉぉぉっ゛っっ」 こいつらお互いに自分を見失ってる。 まだ壊れてもらっちゃ困るので、朝と同じようにオレンジジュースをかけた。 「ゆっ…れいむ、だいじょうぶ? まりさはだいじょうぶ!」 「れいむもだいじょうぶだよ! ゆっくりがんばろうね!!」 「あまーい、もっともっとちょうだいね!」 「でもさっきみたいにはならないようにしてね!!」 さっきってのはアリのことをさしているのだろうか。 10時間以上も前なのに、どうやら時間の感覚は完全に狂っているようだ。 まぁそれでも、 「れいむ、だいじょうぶ?」 「だいじょうぶだよ、まりさもゆっくりしてる?」 お互いを認識できる程度には直ったから良しとしておこう。 俺はいつもどおり静かに物置を出た。 翌朝。 さて、今日も元気にしってるっかな? 俺は昨日と同じようにオレンジジュースをかけた。 「ゆっ…はっ、れいむ、だいじょうぶ? そこにいる?」 「んっ…れいむはここにいるよ! あんしんだよ!!」 目を覚ますとお互いを確認しあうかのようなやりとり。 なるほど、こうやってお互いの精神を支えあっていたわけだ。 俺はゆっくりたちをケースから出してやると― 「ゆっ? これでゆっくりできるよれいむー!」 「はやくふたりでゆっくりしようね!!」 今度は防音仕様のケースに2匹を入れた。 1枚ごしくらいならなんとか聞えるが、2枚ごしともなれば聞えない。 つまり俺はここでゆっくりの悲鳴を聞け、お互いの声は届かないという理想的なケースだった。 「ゆぎゅっ、れいむ、そこにいる?」 「ゆ゛っ、まりさ、ゆっくりできてる?」 「ゆっ、れいむ?」 「まりさ?」 「どぉ゛じでべんじじでぐれない゛の゛ぉお゛ぉぉ」 「ま゛り゛ざぁ゛ぁぁぁぁ゛まりざぁぁ゛ぁぁ」 「れ゛い゛むどごなのぉぉ゛ぉぉぉっ」 「がぐれ゛でな゛いでででぎでぇ゛ぇぇっお゛ねがいぃぃぃぃ」 叫びながらケースの中を駆けずり回る2匹。 さっきまでのケースと違って幸運な点があるとすれば、先ほどのケースよりは大きいことだろうか。 先ほどまでのケースがゆっくり1匹分だとすると、今回のケースは縦横高さともに3倍、つまり体積としては27ゆっくり倍である。 お互いを捜し求めての悲鳴を聞きながら、俺は森の方へと出ていった。 最後の仕上げた。 夕方。 2匹とも、もう動く気力もないようだった。それでも定期的に、 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「ここはれいむのおうちだよ! ゆっくりしていってね!!」 「いやあぁ゛ぁぁぁぁ゛ぁおうじがえ゛るるぉぉぉぉ」 「ごごはれいむのおうぢだよ! ゆっぐりじでいっでえね!!」 「ゆっぐりざぜでででぇ゛ぇごべんなさいごべんなざいぃぃぃぃっ!!」 「ごぉぅごぉぅはれ゛い゛む゛の゛お゛うぢだよ! ゆっぐりじでいっでえね゛ぇぇ!!」 と叫んでいた。 どうやら目隠しでの幻覚、幻聴に神経の殆どをやられてしまったらしい。 この分だとろくに休んでないのか。寝ようとしても寝れなかったんだろうな。あぁおもしろい。 さて、と…。 俺はそれぞれのケースを開けてやった。 「ゆぐりじね! ごべんなざいぃいぃっ! ゆっぐりざぜででえぇぇぇっ!!」 「ごぅごは゛れい゛むだぎのおうぎだよ! ゆっぎるじね」 最初はこんな風に狂いっぱなしだったが、お互いの声を認識すると徐々に正常に戻っていった。 「…れいむ! れいむなの!? れいむはそこにいるの!?!」 「…まりざ、まりざぁぁぁぁぁっ! ゆっぐりじたいよぉぉぉっ!」 お互い声を頼りに感動の対面! なーんてするわけながない。 俺は再び2匹を防音ケースに入れた。 中には森での成果が入っている。 ぜひともゆっくりしていってほしいものだ。 「ゆぎゅ、れいむー!」 まりさは、またケースにぶつかったことさえ分からずにれいむの名を呼んだ。 「はぁ、はぁ…」 「ゆっ、れいむー、ゆっくりしようね!」 まりさは荒い息のする方向へと何の疑いも無く声を上げた。 そこは今までれいむの声が聞えていた方向と逆だというのに。 もっとも、聴覚が大分おかしくなっているまりさからしてみれば、それほど大きな問題ではなかったのかもしれない。 「ま゛り゛ざぁぁぁぁっずぎぃぃぃぃ゛ぃっ」 「ゆぅぅぅぅぅっ、れ゛い゛むじゃないぃぃ゛ぃぃぃ゛あ゛りずはい゛やぁぁぁぁぁっ」 「ぞんなどころもずぎぃぃ゛ぃぃぃぃぃやっ゛ぱり゛まり゛ざがいぢばんずぎぃぃぃぃぃ」 「ゆぎゅううぅうぅうぉおぉぉおっゆっぐいりいぃぃぃおぉぉぉおおぉ」 必死に抵抗するものの、発情したありすにいままでズタボロだったまりさが勝てるはずもない。 交尾を終えたまりさは息絶え、茎が伸びていた。しかし、自分の命がすぐに尽きることを生まれてくる子まりさたちは知らなかった。 「あ゛ぁ゛ぁぁんじっじゃいま゛り゛ざもがわいぃぃぃの゛ぉぉぉぉぉ」 「ゆぶっ、まり゛ざー!!」 れいむもまた、ケースにさえぎられたことに気づいていなかった。 感覚だけを頼りに、出口を探すれいむ。そこへ声が聞えた。 その声がまりさでないことにすぐに気づいたれいむは、絶望した。 「うっうー、たーべちゃーうぞー」 「い゛や゛ぁぁぁぁぁぁぁゆっぐりざぜででぇぇ゛ぇぇえ゛ぇぇぇぇま゛りざぁぁぁぁ」 数分後、片方のケースには干からびたまりさと潰れた子まりさ数匹、 もう片方のケースにはれいむのリボンと満足げなれみりゃの姿があるだけだった。 さて、今度はこいつらを目隠しするか。
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ぬるいじめかもしれない。 実験ものです。 作者は設定厨です。俺設定満載。 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 子まりさがたらいの中で一生懸命にはね続けている。 別に遊んでいるわけではない。 はね続けなければならない理由があるのである。 「ゆかさんゆっくりしてね!ゆっくりしてね!」 実はたらいには一面に白い液体が満たされていて、まりさはその上で飛んでいるのである。 見れば他に2体のまりさが液体に沈んでおり頭頂部だけをさらしている。 液体の上で飛べるなんて新種のゆっくり?と、言うわけではなく、この白い液体に秘密があるのである。 話は数日前にさかのぼる。大学の期末試験で疲れた体を引きずって帰っていたときのこと。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「なんと、野良ゆから声をかけられるとは」 マンション一階にある部屋の前に成体まりさ1体と子まりさ3体のゆっくりがたむろしていた。 通常、野良ゆっくりは積極的には人間にかかわろうとしない。街中では清掃局の人とかがゆっくりをつぶしたりするところが結構みられる。生き残っているゆっくりは、たいていがそういった場面を目撃したことがある個体で、実感として人間がゆっくりできないと学習しているのである。 したがって、このゆっくりは運のいい個体か新しく野良になったかのどちらかの可能性が高いが… 「おにいさん!あまあまをちょうだいね!」 「なんと、ただで欲しいとな」 家には不手際で湿気てしまったクッキーがあるが、ゆっくりごときにはもったいないような気がする。 「ただで物をもらおうなどと、ゆっくりできないと思わないかね?」 「まりさは みすりるばっちなんだよ!ちょうえりーとだよ!」 「ゆっ おとうさんかっこいいよ!」 「そのこどものまりさもえりーとなんだよ!」 「はやくあまあまちょうだいね!」 なんというか、へんなことを吹き込まれて遊んで捨てられたっぽい一家である。 当然のことながらミスリルバッチなぞ存在しない。見るとチョコレートの包み紙かなにかをぎちぎちに固めたようなものが帽子についている。 しかし、ゆっくりを生きたまま放り出すとかとんだ不届きものもいたものである。 「疲れてるのになぁ…あ、そうだ」 むーっしゃ むーっしゃ しあわせー ちゃんちゃん と、まぁ、突如として奇天烈なひらめきがあった私は一家を部屋につれて入った。 「じゃぁ、お父さんのまりさは大きいし超エリートだから、こっちでたくさんあまあまを作るからね」 「ゆわー おとうさんゆっくりしてるよ!」 「ゆぅー まりさもちょうえりーとになりたいよ」 「おとうさんみたいに たくさんあまあまたべたいよ!」 「ゆっへん!まりさのような みすりるばっちになれば このくらいはらくしょーだよ!」 で、引き離した親ゆっくりは、口をふさいで即ゆっくりである。 「ゆ?あまあまはどこ?え゛う゛!」 包丁で真っ二つ余裕でした。 さて、引き離した子ゆっくりは二重にしたダンボールに放り込み、湿気たクッキーを与えて放置した。 まぁ、少し騒ぐけれどもダンボールの防音効果も馬鹿にできない。今は使わない冬物の布団を上からかければ完璧である。 しばらくはゆっくりの相手などできない。明日の試験のために一夜漬けしなければならないのである。 幸いゆっくりの声は完璧な防音で聞こえない。 「くらいよ!」 「せまいよ!」 「こわいよ!」 「「「あついよー!!!」」」 聞こえないってば。 翌日 その日の試験が終わると、洗濯なんかにつかうたらいに白い液を満たし、 そしてダンボールの中の子まりさを全員出すと、たらいの中が見えるところに並ばせた。 「ゆっ!やっとゆっくりできるよ!」 「あつくて えりーとのいるところじゃなかったよ!」 「くっきーさんもっとちょうだいね!」 1体つかんでたらいの上に持っていき、説明してやる。 「よくきけ」 「ゆ?おそらをとんでるみたい!」 「ゆわー まりさも!まりさも!」 「ゆっ! くっきーさんおいしいね!」 「きけよ…この白い液体な、手を入れるとこのように沈むが、バンバンたたくと液体の中に手が沈むことはない。お前らでいったら、ゆっくりしてたら沈むけど、ぴょんぴょんしてたら沈まないからな。じゃぁ、がんばれよ」 と、いうが早いかたらいの中に放り込んだ。 「ゆ゛っ!」 「おにいさんゆっくりしてね!しろいゆかさんゆっくりしてね!」 「どうしてこんなことするの!」 たらいの外のゆっくりが抗議するが、こっちは内のゆっくりをせかさないと。 「ほら!早く飛ばないと沈んじゃうぞ!」 「ゆっ!ゆかさんは えりーとにぶれいをはたらいたから はんせいして やわやわさんになったんだよ!おにいさんもゆっくびばぶぶぶ…」 「あー、沈んじゃった。もっと根性いれてとべよー」 とりあえず今日のところは救出し、拭いてやり、問答無用で全員箱に放り込んだ。次の日も試験はある。 そんなこんなで、夕飯の残りとかカビの生えたパンとかを与えてやりながら、試験を乗り切った次の休日。 再び例の白い液体の入ったたらいを用意する。この白い液体、実は水溶き片栗粉である。 厳密に言うと液体ではなくダイラタント流体といって、大きい力がかかったときには固体のように振舞い、小さい力しかかからないときは液体のようになる物体なのである。 どこぞの電磁漏先生もテレビで実験をしたこともある有名な現象だ。名前は思いつく前日に試験勉強に疲れてyikipediaを見ていたときに知った。 と、まぁ、そんなこんな言ってるうちに、1体投入し、 「ゆっ! ゆぺぺぺぺ…」 「ゆごぼぼぼ…」 沈み。 投入しては、 「ゆ゛っ!ゆっくりとぶよ!」 「ゆっ ゆっ ゆっ ゆ゛!なんでもうゆ゛かざんがやわやわざんな゛の゛ぉぉぉ!!!」 「もっ゛とあばあばたべばばぁ…」 沈んで、結局3体目で 「ゆっくりしないではねるよ!ゆっ!ゆっ!」 ようやくちゃんと跳ねることができて、冒頭につながるわけだ。 さて、もうだいぶ時間が経過したが、 「ゆっ ゆっ ゆっ ゆっ ゆっ」 着地した時は瞬間的に地面に大きく力がかかるので片栗液は硬くなり、 その時に飛び上がれば沈むことはないという具合である。 それを教え込むための尊い犠牲が他の2体の沈んだまりさたちである。 「ゆっ ゆっ ゅ ゅ ゅ」 「お、ずいぶん弱ってきたな。タイムは…10分弱か」 「ゆぅ…いやだよ…ゆかさんやめてぇ…」 飛ぶ間隔が少しずつ広がり始め 「ゆ゛っ ゆ゛っ もっとゆっくりしぢゃがぶぐぐぐ…」 力尽きて沈んでしまった。 どうやら、死ぬ気で飛び続けても10分ほどしかスタミナは持たないらしい。 「子ゆっくり(まりさ)だと10分程度 赤ゆだと1分くらいだったからやっぱりスタミナとあんこの量に相関あり、と。 よしよし。とりあえずこれで基礎ゆっくり論のレポートは書けるな」 最近方々の大学でゆっくり学の授業が増えたが、うちの大学の基礎ゆっくり論の講義は期末テストのかわりにレポート提出なのでわりと人気なのだ。実験の実践レポートだと単純なものでも単位がもらえるともっぱらの噂である。 「さて使命を果たし沈んだまりさたちは、せめて土に埋めてやることにするか」 それこそゆっくりとたらいに手を突っ込んですくい上げる。すると、 「ゆっ!いきができるよ!」 「生きてたー!」 一番最初に沈んだのにまだ生きてるとは、恐るべし不思議なまもの。 「ゆぅ…どろどろできもちわるいよ!ゆっくりしないでふいてね!」 「しかし、なんで生きてるのにしばらくしても飛び出てこなかったんだ? 片栗粉の量の関係で底に足はついてたはずなんだが…」 と、白濁液まみれのまりさをつかんだまま沈んでいるまりさをよく観察すると 「ゆ゛っ!ゆ゛っ!」と小さくくぐもった音がする。 「なぁ…出ようとしなかったのか?」 手元で乾き始めたまりさに聞いてみる 「ゆ!ゆかさんがいじわるしてでられなかったよ!そんなことよりはやくふいてね!ぱりぱりしてきたよ!」 はて、ゆかさんってのは片栗液でいいとして 「いじわる?」 乾いて出てきた粉をはたきつつ聞くと 「ゆかさんがかたいかたいになるんだよ!さっぱりー!」 なるほど。 飛び上がる時にも大きな力がかかるからダイラタンシーで硬くなって出られなくなるのか。 「よし!もう少し放置しておこう」 明日まで生きてたらそれもレポートに書くかな。 手元のまりさをたらいに放り込んで粉まみれの手を洗って部屋を出た。 「しろいゆかさんはゆっくりできないー!!!」 スレで奇天烈のネタを見てからあたまから離れなくてつかっちゃったよ! 聞くたびに脳内変換されてゆっくりできないー! 挿絵:街中あき
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11/02(金)緊急会議。 シアタールームが使えなくなった!えらいこっちゃ 話し合いの結果、新しく使う場所は食堂に決定! 今までの計画を考え直さなきゃいけないところ 仕込む時間に制限があるため、(他の企画も使ったりするので) メインステージ美術を縮小。間取りも変わってきます。 新しいデザイン案は、主にネットを用いていく予定。 騒音の問題。近隣の住宅に近いので、防音をする必要アリ。 また、フライパンライブが終わってからの時間に鳴らしていると、苦情が出る 恐れがあるため、タイムテーブルを前倒ししなくちゃかも・・・。 飲食可能かも。ライブバー復活? とりあえず、つたつる作りは続行します。使っていきます。 計画変更結構あるとおもいますが、負けずに頑張ってこー(`0´)ノ 次回作業日は11/6(火)18 30~@3号館1階。 次回会議は11/8(木)18 30~。 その前に、暗幕のサイズ確認大会が11/8(木)15 00~あるよ。来てね。 10/23(火)会議 美術会議。たいまつ材料:木、シンバル、電球、和紙 つた材料:新聞紙、針金、ビニールテープ、その他紙 大木材料:ベニヤ、角材、ペンキ、網、上記つた。 とりあえず、つた・つるをどんどん作ろう。 次回10/30(火)は会議及び美術作業。@3号館2階 10/16(火)会議 美術会議。 「ジャングル」のテーマに基づいて、必要だと思うものを挙げてみた。---- トーテムポール(木彫りひらく) たいまつ 大木(ねっこつき) つた 動物達 森のアーチ(入り口) うなぎおおかわ その中から、まず手はじめとして、たいまつ、大木、つたを重点的にデザインしていくことが決定。 大木デザイン班(ステージ) □安村、瀬崎、藤丸 つたデザイン班(壁面など多数) □板垣、田代、岡部、垣内 たいまつデザイン班(照明との兼ね合い) □青木、大川、生嶋、檜谷、小杉 大まかなデザインと、かかる予算の予想を、次回の会議(23日)までに出してくる。 ステージ図と壁やたいまつなどの絵が下手すぎて書けない。誰か書いてくれ~~~ 次回会議は23日(火)18:30~@シアタールーム。 10/7(日)会議 ブッキング状況確認。バンド一覧随時更新。 うなぎ決起飲み、10/17(水)20時~。場所未定。 美術頭は安村に決定。ただしM2なのでみんなで助け合おう。 今回のコンセプトはジャングル。美術に何か思いついたら書いてね。 次回会議は10/16(火)18 30~@シアタールーム。美術・デザインについての会議。 9/14(金)会議 部署決め。部署一覧を参照。 スタッフ増やす?スタッフ一覧を参照。 ブッキング状況確認。バンド一覧を参照。 コンセプトについて。次回、写真などなどを持ち寄る。 会計より。カンパを決起飲み(未定)の時に集めます。 次回会議(10/7)までにバンドへの声かけをやっておく。 9/8(土)会議 部会のついでに初会議、というよりメンバー集め。スタッフ一覧参照。 うなぎ頭は藤丸君に決定。 出演バンドのブッキングなどについて話し合う。バンド一覧参照。 次回の会議は9/14(金)13時から食堂で。でもその前にうなぎを食べよう。 決起呑みを10月初旬に予定。 }
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生徒データ 顔 美女 年齢 17 性別 女 国籍 日本 所属 能力者高校 係り/職業 厨房担当(炒飯のみ) 身長 167cm 体重 禁則事項です 特技 料理(炒飯) 人称 私 所持武器 包丁 ニニフ そういった... レイリン 覚醒能力データ +クリックで展開 能力名 炒飯 説明 炒飯を美味しく作る能力。それはもう絶品だが、能力の代償として炒飯以外の料理は下手すれば死者を出すほど。 能力名 転送 説明 任意の対象を指定した場所に転送する魔術。自身を転送することもできるが、転送する物体が大きいと時間がかかる 能力名 ギア 説明 肉体強化魔術。筋力や反射神経が強化される代わりに、使用中は体力が減り続ける 能力名 LDK 説明 壁や床、地面を出入り口にし、別次元の空間を作り出す能力(現実空間を圧迫せず、別空間は視認できない)。防音はしっかりしてるようだ。空間内で他人を害する行為(能力発動含む)はできない。更に出入り口の鍵を所有する者は空間内ルールを一つ付け加えることが出来る(例:盗撮しようとする者はLDKから排除される)。鍵の所有権は他人に譲渡することができる。LDKを消すこともできるが、LDK内の物体は空間と一緒に消える。人間や動物がいる場合はLDKを解除して消すことは出来ない。 能力名 拡大縮小陣 説明 任意の対象の大きさや質量、エネルギー量を大きくしたり小さくしたり。早い話がス○ールライトとビ○クライト。また、魔術をこめた魔方陣を出すこともできる(空中にも出せる)。表に拡大陣、裏に縮小陣とすることで、敵の攻撃を縮小しつつ巨大化した自分の腕で殴ったりもできる。拡大縮小陣は複数出せるが、体力や集中力、熟練度などにより増減する。 能力名 Lucky Striker 説明 技マシンのようなもの。高校教師陣が制作したのだとかLSを使用中は自分が持つ他の能力は使えない初期コンマ上桁で属性決定、コンマ下桁で武器決定コンマで決定した属性・武器は変更不可HPを100としてレスのコンマ数でダメージを与えるコンマ00で強制終了、コンマ99でクリティカルKOターン制で進行推奨(ターン数は特に制約なし)コンマ上1なら不死になる。コンマ下1なら刀剣類コンマ上2なら幼女になる。コンマ下2ならエアガンコンマ上3ならスライム状。コンマ下3ならしゃもじコンマ上4なら無機生命体。コンマ下4なら鉄アレイコンマ上5なら毒持ちになる。コンマ下5ならバールのようなものコンマ上6ならピクミンサイズ。コンマ下6なら鎖鎌コンマ上7なら無色透明になる。コンマ下7なら爆弾コンマ上8なら理性がなくなる。コンマ下8なら鉛筆コンマ上9ならカオス。コンマ下9でもカオスコンマ上0なら変化なし。コンマ下0なら徒手空拳 おおらかな美女。性に関しても(ry 時々飲酒してるようだが、この学校はフィクションであり、登場す(以下略 故吸血鬼曰く胸はあまりないようだ。この学校で変態に最初に至近距離で覗かれた人。 料理の魔神つくるよの呪いを受け、炒飯以外の料理を作れなくなった。本人は食物兵器については自覚している。 最近彼氏ができたようで、青春を満喫しているようだ。初期設定はスイーツだったが、割とどうでもよくなっている。 系統分類では具現化系、操作系の複合だった。ゴリラでも出せばいいのだろうか。
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作者:grK0LOW60 844 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 14 31 01.76 ID grK0LOW60 小 中 大 あ 隔 ふと俺は実験をしてみた。その実験とは・・・ 俺「おーいお前たち元気にしてるか?」 ゲージにいるのは、ほむほむ、まどまど、まみまみ、さやさや、あんあんだ。 俺がちゃんと仔のときから育てたものだ。 ほむほむ「ホムッ♪」タノシイネ、ミンナ♪ まどまど「ホムラチャン、マド♪」ソウダネ、ホムホム♪ まみまみ「マミィ♪」アンアン、サヤサヤ、オイカケテミテ♪ あんあん「アンッ! アンアン」マテー コノー さやさや「サヤァ、サヤサヤァ」チョットヒトヤスミ なかよしだな。ほんと。(まあそれもこの実験のためだからな。) 俺「おっこいつがいいか」 それはまみまみだった。 どうして選んだかというと、こいつは寂しがり屋だからだ。 俺「ちょっとこれをつけてくれ。」つ布 まみまみ「マミィ? マミマミ」エッ、ナンデ? 俺「ゲームだからさ。つけてくれ」 まみまみ「マミ! マミマミ!」ワカッタ、ツケルヨ! 俺「これは銃撃ゲームだ。4か所まで、狙いの的がある。布は目隠しさ。」 その実験とはマミマミは魔女種になるか、という実験である。 前に森でほむほむが魔女種になった。という記事があったからだ。 俺「楽しみだな」ボソ まみまみ「あーたのしみだな♪」 「おーいできたぞ」 まみまみ「あっご主人さまだ。布を巻いていかなきゃ」キュ、キュ 「これだ」 それはまみまみには聴こえないように防音にした。 的にはほむほむ、まどまど、あんあん、さやさやを吊るした。 急所には当たらないようにしておいた。周りには撮影用のカメラを置いた。 「さあ、撃ってみろ。まずは一番左にむけ」 まみまみ「よーし」ダァン、ダァン ほむほむ「痛い。なんでまみまみ?」ダラダラ 俺「こんどは少し右にむけ。」 まみまみ「こんども当てるぞ。」ダァン、ダァン まどまど「ああっ、なんで?」ダラダラ そして全部あてて・・・ 俺「よし、おつかれさま。まみまみ」 まみまみ(ほめられちゃた。うれしいな) 俺(よし、これで準備はととのった。) あんあん「おい、なんで私たちを撃った」 まみまみ「えっ? なにが?」 さやさや「しらばっくれないで! あんたが撃ったんでしょ」 まみまみ「私しらないそんなこと!」 ほむほむ「自分で撃ったくせに知らないふりしてる。もういこう皆」 まどまど「いつ撃たれるかわからないからね。いこういこう」 まみまみ「えっ、まって皆」 あんあん「ついてくるな! 屑虫!」ハラパン まみまみ「おええ。な、なんで」 俺「おしえてほしいか。まみまみ。」 まみまみ「どういうこと?」 俺「それはな。」カメラ再生 ダンダンダンダァン まみまみ「そんな。私がやったなんて」シクシク 俺(よしこれで待つか) 2日後・・・ ジワジワジワ キャンデロロ「ウフ。ウフフフ♪」 俺「本当に魔女種になりやがった。」 終わり ジャンル:仲良しほむ種 仲間割れ 実験 扇動 純真 飼いほむ種 魔女化 感想 すべてのコメントを見る 魔女化ってタグがあったのか今日初めて知った。 確か愛での長編(未完?)に魔女種とかいたんだよな ほ虐の未開拓ジャンルかな魔女化
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Rank》A AC バレット・ヘル識別名 アード "雑魚どもが、お前らに用はねーんだよ!" AC名 バレット・ヘル (Bullet Hell) 識別名 アード 所属 ベイラム/レッドガン第1分隊「サラトガ隊」 ランク A 強化世代 第6世代 第6世代の強化人間で、サラトガ隊に所属している。 男性顔負けの豪快さを持っている彼女だが、その思考は極めて冷静であり、戦闘中でも予期せぬ出来事が起こらない限り一定の心拍数を保ちながら戦っている。 彼女は戦闘中に曲を聴く習慣があるが、その中身は旧時代の激しいものばかりである。しかし、これは彼女にとっては防音材であり、また、一種の精神安定剤としての側面も持つ。彼女が作戦の指揮をとる場合、味方機にも曲を流し鼓舞する場合がある。 味方部隊との交流をよくしているが、彼女を誘うことに成功した男はいまだかつて1人もいない。かなりしつこく食い下がった者たちもいたが、彼らは顔を強化人間の膂力で全力で殴られ、諦めたという。なお、彼女の腕力や体力は強化手術以前から備わっていたもののようだ。 彼女の機体であるバレット・ヘルは実弾装備しかなく、その圧倒的瞬間火力で目の前に立つもの全てを風穴だらけにする。しかし、その装備に見合わぬ機動性と上記した冷静さにより、敵に対して適切な立ち回りをするので戦場での脅威度はランキング上位クラスに匹敵する。 通信記録 解放戦線MTの通信ログ + ... 通信記録:解放戦線MTの通信ログ 残骸から抜き取った通信記録 会敵時の会話がログに残っていたものと思われる ---------- 敵AC1機を止められなかっただと?四脚MTも破壊されたのか。 このままでは戦線を突破されるぞ、早く援護を要請しろ。 ふざけている、このまま我々はこのまま一掃されるのか... ...敵機接近!迎え撃つぞ、各員陣形を崩すな! そしてさっきからなんなんだこのやかましい音楽は!? うわー!? 記録はここで途切れている 画像データ:アードを描いた画稿 + ... 画像データ:アードを描いた画稿 外出から帰還した時にアードが所持していた画稿 ---------- 市街で遭遇した男が描いてくれたらしい 画家の名前だろうか、隅に「KSK」というサインがある この画稿は現在、彼女が部屋で保管している 関連項目 サラトガ 上司。おかげさまでかなり自由にできる。 ヴァフシュ バカ。実力もあるが、うるさい。 インダス 熱いジジイ。嫌いじゃない。 リオ・グランデ 訓練時代の後輩。暴言が多いけど真面目さを隠せてない。そのうち彼の隊長と同じく損しそうだ。 ガドリエル 淡々としているけど、たまに人間味が出てくる。小動物みたい。 メタウロ 珍しい格好をしているチビ。たまに痛いところを突いてくる。 トンレサップ マッケンジーの知り合いみたいだ。ザ・軍人だ。 スヘルデ 機体名がふざけている割に、なかなか落ち着いた闘い方をする。マイペースそうだ。 ライネ 随分と素直な子。トンレサップならなんとか鍛えられるだろう。 ローモンド 大豊で働いている兄ちゃん。唯一の肉親。優しいけど私の好きな人のことについて何もわかっていない。 コロラド 元同部隊。あっちこっちに出現してるらしいから会えるといいな。 登場小説 硝煙は夜空を濁らせた ヴァーサス・アンノウン 女子会とは何ぞや 投稿者 ジョン
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バン、と何かが窓ガラスに叩きつけられる音で、比呂美は目を覚ました。 床についてから、まだ大して時間は経っていない、と思える。 枕元に置いておいた携帯を開いて時刻を確認してみると、案の定、まだ午前一時になったばかりだった。 (さっきの音……) ぼやけた頭で就寝直前の情報を検索してみる。 最後の記憶はニュース番組で見た、北上している大型台風の接近時刻のことだった。 富山が暴風圏に入るのは、たしか深夜……今頃のはずだ。 いまの大きな音は、風の塊が窓に体当たりをした音に違いない。 「やっぱりちょっと怖い……な」 眠気の飛んでしまった両目を天井に向けながら、誰に言うでもなく呟く。 築年数の新しいこのアパートは、防音設備も完璧だったが、それを透り抜けて風が荒れ狂う音が聞こえてきた。 こういう時『一人なのだ』と実感するが、それと同時に大切な人のことが気になったりもする。 (眞一郎くん、大丈夫かな) 危険……ということはないだろう。 でも、デリケートな眞一郎のこと…… 外の音が気になって眠れない、なんてことはあるかもしれない。 (電話してみようかな) 上半身を起こし、再び携帯を開いて眞一郎のアドレスを呼び出す。 こんな時間に迷惑かな?と思いつつ、通話ボタンに指をかけたその瞬間、手の中の携帯が振動を始めた。 歯ブラシと洗顔フォームを両手に持った眞一郎の画像が消え、『着信・仲上眞一郎』の文字が取って代わる。 「…え…」 同じ事を考えていた、という驚きと喜び。 比呂美は眞一郎とのシンクロに頬を緩ませながら、通話ボタンを押した。 「もしもし?」 《あぁ、俺だけど……寝てたか?》 眞一郎には見えないことは承知で、「ううん」といいながら首を大きく横に振る。 風の音で目が覚めてしまったこと、そして今、同じように眞一郎を心配していたことを、比呂美は伝えた。 《大丈夫ならいいんだけどさ。お前、台風が苦手だったろ?》 「え? ……私、そんなこと言った??」 眞一郎の話では幼少の頃、台風の日に比呂美が『お泊り』に来たことがあったらしい。 《夜中に俺の部屋に来てさ、半泣きで『一緒に寝て』って言ったろ。……忘れたのか?》 「……あ……」 言われてみれば確かに、そんなことがあった。 小学校に上がりたての頃…… あの『夏祭りの思い出』よりも前に。 「よく……そんな昔のこと覚えてるね」 嬉しさ半分、照れ臭さ半分で答える比呂美に、眞一郎は「お前との思い出だからな」と躊躇いなく返してきた。 何の計算もなく、自然に放たれた言葉が比呂美の心を撃ち抜き、動悸を激しくさせる。 「ば、バカ……なに…言ってるのよ……」 返答に僅かな嗚咽が混じり出すのが止められない。 それは喜びの感情が引き金となって起きた事象だったのだが、問題は眞一郎には比呂美の表情が見えていないことだった。 《比呂美、おい…大丈夫か?》 「う……うん、大丈夫……」 努めて明るく返答したつもりだったが、こみ上げてくるものは隠せない。 そしてそのことが、眞一郎の『誤解』に拍車を掛けた。 《ちょっと待ってろ。 いまから行くから》 その言葉を聞き、冷水を浴びせられたように正気に戻った比呂美が「え!? 何??」と発したときには、もう通話は途切れていた。 ……いまから行く??? この暴風雨の中、ここまでやって来ようというのか!!! 「えぇ?? 冗談でしょ???」 何度もリダイヤルしてみるが、留守電につながるばかりで、眞一郎が応答する気配はまるでない。 眞一郎のことだ…… もう家を飛び出しているのだろう。 「……どうしよう……」 ……眞一郎が危険な目に遭うかもしれない…… 自分のために…… そう考えると、先刻とは全く別の理由で胸の奥が疼き出し、比呂美は手にしている携帯を、思わず強く握り締めた。 ※