約 3,568,014 件
https://w.atwiki.jp/wiki11_619/pages/21.html
「利用規約(りようきやく)」の内容(ないよう)がむずかしくて読(よ)んでもよくわからない時(とき)、「利用規約(りようきやく)」を読(よ)んでも素材(そざい)がどこにあるかわからない時(とき)は、素材(そざい)をつかえません。 「利用規約(りようきやく)」とは、素材(そざい)をつかう時(とき)のきまりのことです。
https://w.atwiki.jp/rwjbr/pages/42.html
ここでは慈しくいられない ◆2UPLrrGWK6 彼は、何よりもまず首元に手を当て、ペタペタとしきりに感触を確かめることから始めた。 「まだ……」 そこには何もない。 戒め、殺し合いを強制させる機構の仕組まれた首輪など。 ただ首が、そして失われたはずの命がこうして繋がっている。 単なる自分がのし上るための糧に過ぎないと断じていた“時行“に首を落とされた。 あの忌々しい事実を上塗るように、生きている。 その事実だけで、その男は恍惚とも、歓喜とも表せるような顔をして踊り狂わんばかりの勢いで叫んだ。 「まだだ!俺の双六はここから“振出し”よ~~ッ!!」 どう言う因果か知らないが落とされた首が身体の上に乗り、こうして走り回り笑うことが再び叶う。 将門公でもあるまいし、と一笑に付したかもしれない、少なくとも生きていた頃の自分ならばそうだろう。 だが、何よりも自分の感覚を信じる他なかった。 あの日あの瞬間確かに己の首は切り落とされたのだから。 自分達に妙な説明をしていたあの男、小難しいことをつらつらと並べていた、確か“結界“がどうだとか。 自分に今一度の生命を与えるというからにはあの“諏訪頼重”と同じ神通の類か、あるいは朝廷の陰陽の連中、はたまた地獄の閻魔、妖か。 まあ、どれが真であるかはいざ知らず。 黄泉返りし賽の鬼、五大院宗繁がやる事は決まっていた。 「……1人で5マス、2人で10マス。10人で目出たく“上がり”……」 賽の目を数えるように指を折る。 だが、その指がブルブルと震えた。 配られた名帳の内容を改めたが為だ。 記された名の中には凡そ人の名を表しているとは思えぬ独特なものも多かった。 それに小笠原という名は、耳にしたことがあるような、ないような。 覚えが無いとあって特に取るに足らない名と認識する。 そのすぐ傍にあり、彼の目を捉えて離さぬ名はたったの一つ。 「違う……狙うは……」 小さな目を稼ぐのは良い、出世はそういう積み重ねが要だ。 コツコツと50マスを突き進めば褒美すらもらえるという、願ったり叶ったりとはこの事だ。 だが、今の自分を満たすのは最良の目“禄”。 黒い六連の点の奥、その先に見出したのは。 「とお~ぉぉき行ィィ~~~ィい!!」 終わったはずの鬼ごっこ、まさかまさかの“また遊ぼ“。 賽は再び転がり堕ちる。 竈門炭治郎、鬼殺隊隊員階級“丙”。 気づいた時には一人彼は立ち尽くしていた。 周囲を見回すと、辺りにはどこか見覚えのある木々の並び、そして微かに感じる温泉の“におい”。 感覚が覚えていた、ここは炭治郎が訪れたことがある場所だ。 鬼狩りの武器である日輪刀を製造する、刀鍛冶の里にほど近い森の中と。 続けて後ろを振り返る、こちらにはまるで覚えのない大きな石橋が存在し、遠景には見たこともないほど大きな建物までもがあちらこちらに垣間見える。 「おかしい。刀鍛冶の里のこんなに近くに別の人里が見えるとは思えない」 炭治郎も目隠しをした上で連れられたため確かな所在を知るわけではないが、件の里は鬼から存在を秘匿された隠し里であったはず。 これは明らかに尋常ではない。 夢の中で術者を名乗る何者かに語りかけられたことも相まって、自分が既に血鬼術の術中に嵌って居るという想像が頭を過った。 まるで、あの無限列車で起きた出来事のように。 「……でも、鬼のにおいに纏わりつかれているような、不思議な感じはしない」 一体ここは何なのかと悩みつつ、習慣付けられた動きで腰に手をやるも、虚しく空を切った。 炭治郎がよくよく改めて見ると、そこに己の日輪刀がない事に気づき狼狽える。 その拍子に、足元に置かれていた背嚢袋と思しきものに足を引っ掛けてしまいさらに慌てたのだった。 「これは……そうか、俺の荷物で良いんだろうか」 支給品を改めると、中からお化けの顔のようなものが出てきてギョッとした。 微かな果実の香りから、すぐに薄皮を剥いた西瓜をくり抜いた被り物と気づき、取り落とすことはなかった。 目の部分には度付きのレンズが埋められている、眼の悪い人物の物だろうかとぼんやり考えた。 次に現れたのは狐面。 錆兎のそれよりも数倍険しい面構えのそれは、一見すると単なる面。 これはかなり使い込まれたものに見える。 何かしら持ち主の情念がにおいとして感じられるかもしれない、と考えた。 しかし今必要なのは護身の為の武器、とそれらを再びしまい込む。 何か武器をと探ればそこには一振りの刀があった。 持ち上げた荷物は凡そ刀の収まっている目方でない様にも感じられたため不思議に思ったが、武器の存在は素直にありがたい。 炭治郎の体格に合わせて作られたものではないためか、普段使う刀よりも少々大ぶりだが使いこなせないほどではないようだ。 両掌に載せて確かな重みを感じ、ひとまずは日輪刀を奪われた不安を打ち消した。 これで少なくとも戦う術を全て失ったというわけではない。 鯉口を切り、刀身の状態を改める。 「うわあ」 少し抜いただけでも理解できる。 刀鍛冶の里の皆が見れば目を光らせるであろう、それほどまでに名刀だった。 悪鬼滅殺の四文字は刀身に刻まれていないものの、波紋はゆらめく炎を思わせる乱刃。 鞘色は燃えるような真紅の拵え。 心の中に今も残る“柱” の姿を思い起こさせる。 胸の中に熱いものが込み上げかけた炭治郎だったが、ふと勘づいた。 「……いや、やっぱり違うな」 嗅覚に飛び込んできた情報は、煉獄杏寿郎の姿を掻き消すほどに鮮烈なものだった。 鉄のにおい、これはいつも感じているそれとほぼ同じ。 が、日輪刀から感じていた冷たさの奥の温もりを孕んだにおいが希薄に思えた。 そこまで考えて思い出したのは日輪刀は特別な砂鉄と石で造られていたことだった。 この刀では、鬼を滅することができないかもしれない。 思えば日輪刀以外の刀を握る機会もほとんどなかったが、変わらず扱えるのだろうか。 そう考えると炭治郎の額にやや汗が滲んだ。 次に感じていたのは薄く残る血と汗の香り。 持ち主はどれだけの鍛錬を積んでいたのだろう。 そして、どれだけの生き物を切り裂いたのだろう。 この刀の持ち主は、鬼としか戦いの経験のない炭治郎にとって想像を超えた世界に居たに違いないと感じ、思わず息を呑む。 そして、もう一つ嗅ぎ取ったにおいは、炭治郎にも形容し難いものだった。 例えるのならば、“死”そのものに鼻を寄せたとしたら、この冷たく妖しい香りでいっぱいになるだろう。 「……どなたのものかは知りませんが、こんな時です。使わせていただきます」 手にした刀と2つの面、という奇妙な取り合わせにも軽く一礼し、刀は隊服の腰に収めるために下緒を解き始める。 炭治郎という男は、四角四面、頑なで真面目な男であった。 「……時行様!時行さまー!」 「?」 「そうか、竈門炭治郎とやら、君はまだ誰とも出会えていないと……!」 「はい」 木陰から飛び出してきたなんともみすぼらしい身なりの男は、自分は北条家の重臣であり、主君の子がここに呼ばれているから探し求めていると捲し立ててきた。 炭治郎は、生身の人間との出会いに多少の精神的の安定を覚える。 しかし交換した情報は、せっかくの心地を揺らがすものばかりであった。 (聞いたことがあるようなないような微妙な名前をさも当然の様に語る人だ。北条だの藤原だの……藤原はあるなあ。それにかまくらがどうとか。北国の人だろうか) その語る内容がちょっぴりややこしい。 妹の嫁ぎ先が立派な身分の人で、その人が亡くなって、自分の甥っ子が家の当主に繰り上がり。 でも妹さんは側室という立場で、名前を叫んでいたのはもう一人の甥っ子であるとのことで。 炭治郎はここまで理解するのが精一杯で少し眠くなったのを血鬼術の類かと勘違いするほどだった。 学校に通って居たらこんな気分なのかな、と頭をぐるぐるさせていた。 (少なくとも身分のことを話すときに嘘のにおいは全然しない。人を見た目で判断するのはよくないことだからな) 「見てくだされ、こちらの人帳に時行さまの名が確かにあらせられる」 「ああ、これに俺たちの名前も……」 初めて確認した名簿の名前の欄を見て炭治郎は思わず刮目する。 同じく鬼殺隊に名を連ねる我妻善逸と栗花落カナヲの名にも驚かされたが、猗窩座、さらには鬼舞辻無惨といった炭治郎が追い求める名前がそこにはあった。 こうなれば、事態は思った以上に急を要する。 「わかりました、俺にも探さなきゃならない人が居ます。その甥御さんについても、見つけ次第保護するって約束しますよ」 「おお、かたじけない!」 しかし、炭治郎はそれでも目の前の人間に手を差し伸べることをやめない。 彼が時行なる人物を求めているその心に偽りが無い様に思えたからだ。 (10にも満たないのなら竹男か花子くらい、まだまだ自分の身を守るなんて考えようもない年頃じゃないか) 「俺、長男なので。小さい子の相手は心得てますよ」 「それならば心強い!」 家族の顔が浮かんでは消えていく。 子は宝だ。 炭治郎の知る人の親は皆そう言っていた。 「時間を決めてあの橋で落ち合うのはどうですか?」 「そう致しましょう。ああ、早く見つけて……」 炭治郎は橋のほうに踵を返して、五大院に背を向ける形となった。 腰に提げるのを失念していた刀は、左手に握ったままだ。 「私が守って差し上げないと」 そのときに、聞き逃していれば、いまここで血は流れなかったのかもしれない。 「……」 「?」 炭治郎の呼吸が深く、緊張を孕んだものに変化する。 温和だった表情は打って変わって強張っていた。 「どうなされた」 「……あなたが」 竈門炭治郎は人一倍優れた嗅覚を持つ。 それは個々人が持つ独特の雰囲気や感情の変化を嗅ぎ取るまでにも及ぶほどに。 「時行という人を求めているのは本当だと思います」 「何をおっしゃられる……当然の」 「でも、あなたが“守ってあげたい“と言うのは、嘘なんじゃないですか」 いつでも刀を抜けるよう腰に早く提げておくべきだった、そんな後悔はもう遅い。 彼からは怨嗟のにおいがする。 鬼が人を、人が鬼を殺す前に強く発せられるものと同じ様に。 「あなたは甥御さんを殺すつもりで……!!」 「いい判断だァ!!」 炭治郎が鞘から刀を抜こうとした左手は、覆いかぶさるように接近した五大院によって首ごと布に絡め取られた。 「がっ…………!」 「だがもう少し遅え!!人が良い面してるもんだから刀をちょろまかしてやろうと思ったのに、こうもアテが外れちまうとはッ」 五大院の動向を察したまではよかったが、それ以上の腹芸は炭治郎の得意とすることではない。 彼は悲しいほどに嘘がつけない性質が故に。 裏切ってからの切り替えの速さはあちらにいくつも分があった。 「そうさ嘘よ!刀を寄越せ、あいつの首をたたっ切り返してやるのさ!そうしてからが俺の新しい振り出しってもんだからなァ~!!」 (新しく息が吸えない……常中に入った分のひと呼吸で振り払わなくては) 知ってか知らずか、鬼殺隊の強さの源は一様に呼吸にある。 炭治郎が喉を抑えられたのは状況としてかなりの劣勢であった。 体格で上回る相手に密着するほどに近づかれ、文字通り手も足も出ない。 故にー 「ん゛んっ!」 「ごパッ!?」 生来の石頭が出た。 ちょうど声の発される位置を狙って跳躍と共に頭部を叩き込んだのだ。 鼻血を拭いて仰け反った五代院の手の力が緩むことを期待したもののー (離れない!それにこの布は喰らい込む様に俺を拘束して離れない……鬼殺隊の服より硬い、頑丈な布だ!) 「ッ、餓鬼!!」 押してだめなら引くしかない。 なけなしの呼吸を炭治郎は技を繰り出すために費やした。 窮地を脱する、師の教えだ。 (弍の型!) 「うッ……!」 自身を拘束する布が離れないことを逆に利用し、巻き込む様にその身体を回転させる。 同時に胸の前に抱える形となった刀を抜き放ちつつ、斬撃を繰り出した。 (水車!) 「ぎっ!!」 小さな悲鳴とともに鮮血が飛散した。 「はーっ、はーっ……」 締められた首を抑え呼吸を整えながら、橋を渡り切った炭治郎は路地に身を隠していた。 技は滞りなく、決められた型の通り放たれた。 状況を打破したのも狙った通り。 ただ、予想外のことが一つあった。 「なんだこの刀は……」 自分が思っている以上にこの刀は斬れすぎる。 首元を捉えた布を切り払って逃げ出すつもりが、相手の指まで切り飛ばしてしまった。 ややあって、ここまで離れたにも関わらず血のにおいが一層濃いことにも気づく。 全く自覚はなかったが、刀を抜き放った時自分の頬まで掠めていたらしい。 近くの硝子窓に映して見たところ、切り口があまりにも綺麗すぎるせいで大きな傷口に反して血があまり流れ落ちていないことに炭治郎は怖気が走った。 (あの人は鬼ではなかった。なのに、俺はそのつもりでなかったとは言え……) 無限列車で操られた人たちとは違い、自分の意思で殺意を向けてきたとは言えど人間。 鬼との戦いに明け暮れた炭治郎にも躊躇が生まれるのは仕方のないことだった。 不意に浮かんで来るのは、たった一人残された血を分けた妹の顔。 (……俺が生きて帰らないと禰豆子が一人になってしまう) そこまで考えて炭治郎ははっと息を呑んだ。 (今、俺は何と続けようとした) だから、仕方がない。 鬼ではない人を、自分が生きるために切ってしまうのも道理なのだと。 そう思ってしまったのではないだろうか。 (それでは人を喰らう鬼だ、鬼と同じじゃないか) 鬼を斬るのと同じ要領で、人を斬るのか。 禰豆子を、十人の命を手にかける覚悟の理由にしてしまおうというのか。 答えが出ないまま、刃を曇らせる血を袖で拭う他なかった。 【B-3/街/1日目・未明】 【竈門炭治郎@鬼滅の刃】 [状態]:頬に刀傷(ダメージ小) [装備]:三代鬼徹@ONE PIECE [道具]:基本支給品一式、風間玄蕃の狐面@逃げ上手の若君、スイカの仮面@Dr.STONE [思考・状況] 基本方針:戦意の無い人を守る 1:鬼殺隊の仲間たちと合流 2:人を殺す鬼は斬る。人を殺す人は…… 3:北条時行を見つけた場合保護する 「クソッ!クソッ!あの刀だったら簡単に首を飛ばせただろうに!髷も結わぬ餓鬼が!」 悪態を突きながら、切られた布地を拾い上げ傷口を縛る。 彼の目的にふさわしい武器の持ち主はもう橋を渡り切って姿が見えなくなってしまった。 時行の首が少しばかり遠ざかったような気がして悔しさで歯軋りを立てる。 「どうにか打刀でもなんでも手に入れて、首を飛ばすその時まで……」 手にしたのは鎖のついた錠。 異世界にて、悪魔の実の能力者を容易く捕らえるもの。 もう片方の手には、捕縛布。 これまた異なる世界の、正義の味方が悪を絡めとるもの。 「生きていやがれ時行さまよ」 人の身にして鬼である五大院は鎖を鳴らす。 罪人を捕らえるものばかりが彼の手に渡ったことは、なんとも皮肉な話だった。 そこかしこで行われる鬼ごっこ、ここでも、振り出し。 【B-4/森/1日目・未明】 【五大院宗繁@逃げ上手の若君】 [状態]:顔面に打撲・鼻血(ダメージ小)左手薬指・小指の欠損(ダメージ小・止血) [装備]:捕縛布@僕のヒーローアカデミア 海楼石の錠と鍵@ONE PIECE [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~0(刃物ではない) [思考・状況] 基本方針:ポイントを獲得してのし上がる 1:北条時行の首を獲る 2:首を獲るためには適した刃物がほしい ○支給品紹介 【三代鬼徹@ONE PIECE】 刀鍛冶「鬼徹」の三作目の刀で、位列は業物。 噂では持ち主を死に至らしめる妖刀とされている。 優れた使い手ならそれとわかるほどの妖しい雰囲気があるとのこと。 切れ味は異常なほど非常に鋭く、ときたま剣士のコントロールを外れるほど切れてしまう。 【風間玄蕃の狐面@逃げ上手の若君】 北条時行の逃者党一派の忍者風間玄蕃が持つ狐面。 秘伝の粘土で覆ってあり、小道具と併用することで大概の人間に化けることができる。 表情を変化させるまでの真似っぷりであるが狐の耳だけは残ってしまうようだ。 【スイカの仮面@Dr.STONE】 石神村のスイカという少女がかぶっていたスイカの皮をくり抜いた仮面。 千空の手により特大の近視用のレンズがはめこまれた品。 【捕縛布@僕のヒーローアカデミア】 炭素繊維に特殊合金を編み込んだ帯状の捕縛武器。 イレイザーヘッド(相澤)や心操などが用いていた。 相手に投げて巻きつけて拘束するなどの使用法が主。 縛られた相手はかんたんに抜け出せないほどに頑丈で摩擦力も高いと思われる。 が、逆用されないためか自ら切り離す描写があることから、刃物で切断することは可能なよう。 【海楼石の錠と鍵@ONE PIECE】 悪魔の実の能力者の能力及び体の力を奪い弱体化する海楼石を用いた鎖付きの錠。 ウソップがシーザー・クラウンを捕獲する際に使用した。 海楼石はダイヤモンド並の硬度を誇るらしく希少なものであるにも関わらず錠前部分と鎖両方に使用されている模様。 パンクハザードが悪魔の実の研究施設でもあることから厳重な警戒体制が敷かれているゆえに存在したと想像できる。 前話 次話 禪院家次期当主登場! 投下順 時空を越えた同盟 禪院家次期当主登場! 時系列順 時空を越えた同盟 前話 登場人物 次話 START 竈門炭治郎 残酷 START 五大院宗繁 勝ち目を拾う
https://w.atwiki.jp/chaos-tcg/pages/730.html
超えられない一線「紅薔薇 撫子」 読み:こえられないいっせん「べにばら なでしこ」 カテゴリー:Chara/女性 作品:SHUFFLE! 属性:地 ATK:2(+2) DEF:5(+1) 【登場】〔自分の地属性のキャラ1体を【表】から【裏】にする〕 [自動]自分のキャラすべてが地属性を持っていて、自分のキャラが相手のキャラとバトルする場合、バトル終了時まで、バトルに参加している自分のキャラは、攻撃力と耐久力が3上昇する。 いきなりこんな格好をして、正気を疑ったりはしていないか? illust:Navel NV-021 R 収録:ブースターパック 「OS:Navel 1.00」 バトルするキャラを強化する能力を持つキャラ。 攻撃力と耐久力が上昇する上に値も3と大きいが、「バトル終了時まで」なので裏にはなりやすいのが欠点か。 当然ながら自身も上昇するため、パートナー時のサイズも問題ないレベルだろう。 発動条件の関係で地属性デッキ専用と言え、必然的にデッキ内を地属性キャラで固めなければならなくなる。 しかし、貫通を筆頭にスキルを持つキャラも少なからず存在するため、構築自体はさほど難しくないか。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/479.html
【検索用 ふゆはこたつからてない 登録タグ VOCALOID uunnie ふ 初音ミク 曲 曲は】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:uunnie 作曲:uunnie 編曲:uunnie 動画:uunnie 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『ふゆはこたつから出ない』(ふゆはこたつからでない) 歌詞 ふゆは こたつから出ない さむい こたつから出ない だから こたつから出ない ふゆは こたつから出ない へやは れいぞうこみたい 出ない だんぼう つけなくていいから 出ない そとは さむい 出ない ふゆは こたつから出ない ぬくい こたつから出ない いつも こたつから出ない ずっと こたつから出ない しごと ここでできるから 出ない しょくじ ぬきでもいいから 出ない ここは ぬくい 出ない ふゆは こたつから出ない あさも こたつから出ない ひるも こたつから出ない よるも こたつから出ない おやすみの じかんがきても 出ない おはよ あさひがのぼっても 出ない けさは ねむい 出ない はるが くるまで 出ない コメント |ω・)作者は「uunnie」氏という方のようです。ピアプロにもその名で投稿しているので、確定でいいかと。 -- (・ω・)モキュ (2008-05-14 17 12 26) 一応P名はこたつPに決めたようですが、少なくとも次の曲が出るまではこのままでいいですよね。良い曲だ…切なくなる。 -- 名無しさん (2009-04-09 00 45 00) きゃわわ -- どやぁ(・ω・?) (2012-12-05 07 18 13) 哀愁漂うメロディーが良い。ミクの仕事がネギ振るっていうのも気になるけど、僕が一番気になるのは、ミクはいつトイレに行くのかという事です。 -- 竜奇 (2012-12-05 13 23 36) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/6321.html
好きにならずにいられない 原題:Can t Help Falling in Love 作曲・作詞:ヒューゴ・ペレッティ*、ルイジ・クレアトーレ*、ジョージ・デヴィッド・ワイス* その他の楽曲:エルヴィス・プレスリー オリジナル 英語 エルヴィス・プレスリー バリエーション リロ・アンド・スティッチ 英語 A*Teens* エンド・クレジットの楽曲。スウェーデン*のポップ・グループのA*Teens*が歌唱した。 『リロ・アンド・スティッチ オリジナル・サウンドトラック』『Classic Disney*』『リロ・アンド・スティッチ ハワイアン・アルバム』(日本版)に収録。 に収録。 カバー MOSH PIT ON DISNEY* 英語 Oi-SKALL MATES* 2004年発売のCDに収録。 F4* 中国語 F4* 『リロ・アンド・スティッチ オリジナル・サウンドトラック 1 2 デラックス・エディション』に収録。 Urban pop Disney* 英語 三浦大知* 2010年発売のCDに収録。
https://w.atwiki.jp/desert-island/pages/15.html
廃棄されたマネキンのような姿で浜辺に打ち上げられた少年は、ぴくりとも動かず横たわっていた。 波に揉まれよほど体力を消耗させられたのか、その顔は青褪め生気の色は薄い。 小さく動いた唇からは弱弱しい呼吸音が漏れ、指先が瘧の様に震え無意味に砂浜を掻く。 最早限界に近い状態の中、それでも少年は右手に握り締めた品を大事そうに抱えていた。 ――――深い海色をした楕円型の宝石。それを、まるで宝物の様に。 * * * いっそ暴力だと思えるほどの日差しが全身に照りつけ、皮膚の表面をチリチリと焼く。 全身の毛穴からこれでもかというくらいに汗が滲み出し、体内から貴重な水分を着々と奪っていった。 海水塗れの肌を襲うじりじりとした痛みに小さく唸り声を上げた少年は、残っていた力を無理やり集めて上半身を起こす。 じっとりと濡れた全身が気だるい重さを訴え、それ以上に、強い疲労が彼の身体に悲鳴を上げさせた。 顔面に張り付いた砂を手で払い、重い目蓋をゆっくりと開く。 眼前に広がっていたのは、閉口する様な潮の臭いから予想していた通り、何処までも広がる一面の白い砂浜だった。 「……ここは何処だ。俺は、一体どうして」 誰とはなしに呟きかけた言葉が中途で止まり、彼はその問いの答えとなる記憶を鮮明に思い出した。 彼の通う高校でクリスマスイヴに行われた、修学旅行代わりの豪華客船クルージング。 その真っ最中、彼らは敵対するある組織に命を狙われて、船上での激しい戦闘を強いられたのだ。 辛くもその場では勝利を収めたものの、彼は上官と二人海へ投げ出される羽目に陥り、そして――――。 「……そうだ、大佐……、大佐は何処にいる!?」 蘇った記憶にはっとして、大急ぎで周囲へ目を動かした。 しかし、見渡す限りに存在するのはそれこど海と砂くらいのもので、人どころか海鳥一羽見つからない。 絶望的な気分になる。大佐は――彼女は果たして無事でいるのだろうか? 何せ、人並み以上の身体能力はあるであろう自分ですら、これほど体力を消費してなんとか、という状況なのだ。 『あの』彼女が、何の怪我も無しにここへ流れ着いている保証はない。 勿論、仲間達の手によって彼女が助けられている可能性も当然あるのだろう。だが最悪の場合、既に彼女は――。 その想像と共に背中を冷たいものが走ったのを感じ、ぶるぶると頭を乱暴に振るう。 馬鹿げたことを考えてしまった。そんなこと、あるはずが無いというのに。 脳内によぎった映像を強制的に打ち消し、同時に、彼にとって大切な二人の少女の内、もう一人の顔を思い出す。 リボンの似合う長い黒髪の少女。生徒会副会長にして、『恋人にしたくない美少女』校内ナンバーワンの彼女のことを。 昨日、12月24日は、彼女の十七歳の誕生日だった。 彼はそのために、人生で始めて他者へのバースデープレゼントなるものを用意したのだ。 彼女に似合うものを考えに考え抜き、いつ渡そうかと思いながら一日中ずっとこっそりもち歩いていた品。 ――――ブルーのラピスラズリ。 彼が今、唯一所持しているのが、皮肉にもその宝石だった。 普段、山と携行している武器銃器の類は、波と格闘する中で流されたのか、何一つ周囲に見当たらない。 サバイバルナイフ一つでもあれば、この状況にも十二分に対応できるというのに、それこそ何も、だ。 防御力と伸縮性に優れた戦闘服のままだったことは幸いだが、それでも不安は残る。 ……いや、しかし文句を言っていても仕方が無い。 この場にいるのは恐らく自分だけで、武器や道具として使えそうなものは皆無。 だが、たとえどれほど絶望的な状況であったとしても、自分は生きなければならない。 生きて、生きて、生き延びていれば、いずれ仲間達の救助が来てくれる可能性もある。 だからそのためにも、自分は生き残る努力を放棄してはいけない。 そう。この誕生日プレゼントを、彼女に届けるためにも――――。 少年は、掌の上に乗せられた青色の宝石を見つめ、自身の首を大きく頷かせた。 そうだ。自分は生き延びられる。どんなに過酷な状況でも、どんなに無謀な状況でも。 何せ、自分は――――。 「俺は素人ではない。スペシャリストだ」 不敵な笑みを唇に宿すと、少年は立ち上がり、確かな足取りで歩き出す。 一歩、また一歩と前進する彼の表情には、確固たる自信が並々と漲っていた。 【一日目 / 朝 /】 【相良宗介@フルメタル・パニック!】 [状態]:健康 [空腹度 / 最終食事時間・内容]: 空腹、乾き / 0日目夜7時に友人と共に食事 [装備]:SRT戦闘服 [道具]:ラピスラズリの宝石 [情報]:なし [出展時期]:ベリー・メリー・クリスマスのラストで、テッサと海に落ちたあと [思考]:……待っていてくれ、千鳥 基本:自分の置かれた状況を確認。 1:周囲の状況確認。 2:食料・飲料水の確保。 3:テッサ(大佐)が流れ着いていないか探す
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3642.html
『受け入れられない』 11KB いじめ ゲス 虐待人間 初投稿です 初投稿です 既出ネタかもしれません 誤字脱字があったりします 日本語がおかしかったりします ≪受け入れられない≫ 「ゆあぁ・・・」 部屋に入るとれいむが顔を真っ青にさせ、「この世の終わり」だとでも言いたげな眼で僕を歓迎してくれた。 このれいむはいわゆる『でいぶ』だ。 道端で絡んできたのを命乞いをするまで痛めつけ、僕の家まで連れてきたわけだ。 その後、オレンジジュースででいぶを回復させたら「やさしくしろ」だの「あまあまもってこい」だの言ってきたので、 一週間毎日2時間ほど鞭で叩き続けるという僕なりの最高のお出迎えをしてあげたら、今ではすっかり僕に従順になった。 鞭には辛味エキスが塗ってあったので、一回叩かれるだけでも地獄の苦しみだっただろう。餌はもちろん腐った生ゴミだ。 三日目には「もうころしてください」と懇願してきたが、それでも僕はでいぶを生かし続けた。 僕が今からすることには完全に心がへし折れたゆっくりが必要なのだ。 ゲスを選んだのは、無駄にプライドの高いやつほどその心は脆く弱いから。あとプライドをへし折るのが楽しいから。 「よく聞け、今からお前には子供を作ってもらう」 「ゆ・・・?れいむ・・・おちびちゃんをつくれるの・・・?」 “子供を作れる”その言葉にでいぶは少し希望をもったようだ。眼にはすこし光が戻っている。 れいむ種はぼせい(笑)が強いので、子供を作れる事が何よりの喜びなのだ。 だが、その希望の光も今までの僕の行動を思い出しすぐになくなったようだ。頭の方は全くダメと言う程でもないらしい。 頭の弱いゆっくりなら「やったよ!おちびちゃんをつくれるんだよ!!」と能天気にはしゃぎ回るとこだろう。 「あぁ作ってもらうよ。勿論、僕の言うことはちゃんと守ってもらうけどね。 もし僕の言うとおりにしなかったら・・・『コレ』だよ」 「ゆ・・・ゆあぁ・・・ゆぎゃああああああああああああああああ!!!!!」 『コレ』と言われて見せられたものは、今まででいぶを痛めつけてきた『鞭』だ。 この鞭はでいぶにとって虐待の象徴であり、この世でもっとも“ゆっくりできなもの”なのだ。 その姿を見ただけでも、でいぶは最高の“歌”を僕に聞かせてくれる。 「いいかい、僕の言うとおりするんだぞ。もししないなら・・・わかってるよね?」 「ゆ゛・・・ゆ゛っぐじり゛がい゛じま゛じだぁぁぁぁあぁああぁあぁぁぁあ!!!!!!」 「よろしい、君にしてもらうことは簡単。 今から君が産む子供に、僕が合図したら“ゆっくりできない”言葉をたっぷり言ってくれればいい。ただそれだけさ。」 「ゆ゛・・・あ゛がじゃんに゛・・・ゆ゛っぐり゛でぎないごどを゛・・・・?」 僕の話を聞いたでいぶは『なぜそんなことをさせるのだ?』とでもいいたげな顔をしてきたが、 すぐに絶望した表情に戻り、『ゆ゛っぐじり゛がい゛じま゛じだ・・・』と快い返事をくれた。 僕はその返事を聞くと精子餡の入った注射器をでいぶに突き刺し、中のものをでいぶの体内へと注入した。 この精子餡は、先日捕まえた『ゲスまりさ』から死ぬまで絞り続けたものだ。 最初は気持ちよさそうに「すっきりーーーー!!」と言っていたまりさの顔がどんどん歪んでいき、 涙を流しプライドを捨て命乞いをしながら精子餡をまき散らすその姿は最高に笑えた。 精子餡を抽出し終えると同時に、でいぶのお腹が徐々に膨れていく。 加工所特性『成長促進剤』を混ぜておいたおかげだろう。あと数十分ででいぶは出産をするはずだ。 「ゆわあぁあ・・・れいむの・・・れいむのおちびちゃん・・・」 でいぶは嬉しそうだった。『自分はこの“地獄”のなかで殺され、おちびちゃんを産むことはできない』そう思っていたからだ。 僕はそのでいぶの幸せそうな顔を見て嬉しくなり、でいぶの真横に鞭を振り下ろした。 「バシンッ!!」という音に驚いたでいぶだったが、自らの状況を思い出しその後は泣くだけだった。 「(せっかくできたれいむのおちびちゃん・・・・ごべんねぇ・・・ごべんねぇ・・・)」でいぶはただ謝り続けた。 三十分後。そのときが来た。 「ゆぐぅぅう・・・おちびちゃん・・・」 「きゃわいいれいみゅがゆっくちうまれりゅよ♪しぇかいのみんにゃはゆっくちしゅくふくしてね♪」 ゲスとゲスの因子によって生まれた明らかにゲスな赤ゆっくり。 「(ゆぅ~ん♪れいみゅのようにさいっこうにゆっくりしたゆっくりをうめるおちょうしゃんとおきゃあしゃんは さいっこうのしあわせもにょだよ!ゆっくちれいみゅにかんしゃしちぇね! れいみゅのようにゆっくちゆっくりは、しぇかいのみんにゃにあいしゃれるしゅーぴゃーあいぢょるににゃりゅんだよ! しょしてさいっこうにかっきょいいまりしゃをおっちょにして、きゃわいいきょどもをいっぴゃいちゅくりゅよ! そしたらみんにゃといっしょにさいっこうのあみゃあみゃをたべて、さいっこうにゆっくちしたゆんせいをおくるよ! ほかのぐじゅどもは、どりぇいとしちぇれいみゅがつかっちぇあぎぇりゅね! きゃわいいれいみゅのどりぇいになれりゅこちょをゆっくちかんしゃしてね!そしたらあみゃあみゃもっちぇきてね!しゅぎゅでいいよ!」 勝手な妄想を抱いたままれいみゅはこの世に産まれようとしていた。 れいみゅの体がでいぶの産道から出てきたあたりで僕はれいみゅを押さえつけ、れいみゅをでいぶの産道に瞬間接着剤で固定した。 少しの間押さえつけていただけだったため接着剤は乾ききってないが、赤ゆっくりを固定するくらいの粘着性はある。 でいぶは出産の痛みの為に自分の体の変化に気がつかないが、れいみゅは当然気づく。 「ゆ?にゃんできゃわいいれいみゅがゆっくちうまれられないにょ?!じゃまにゃにぇばにぇばしゃんはとっととどいちゃにぇ! そしたらあみゃみゃもってきちぇね!」 「やあれいみゅ、どうしたんだい?」 「ゆ?くじゅなにんぎゃんがいりゅよ!ちょうどいいよ! きゃわいいれいみゅがうみゃれるじゃまをするこのにぇばにぇばをとっととせいっしゃいしちゃね!すぎゅでいいよ!」 「残念だけどそれはできないなれいみゅ。だってそれは君が産まれないようにするためのものなんだから。」 「にゃんじぇしょんにゃきょちょをしゅりゅの?れいみゅがきゃわいいきゃらってしっとしにゃいぢぇにぇ!」 「違うよ。君はね、この世界に“受け入れることができない”んだ。だって君は世界のみんなから嫌われるような まったくゆっくりしてないブサイクなクズゆっくりなんだからね」 「にゃにいっちゃるにょ!れいみゅはきゃわいいんぢゃよ!さいっこうにゆっくちしちぇりゅんだよ!」 「いや、してないね。だって今まさに君はこうやって生まれられないじゃないか。 それは君が誰からも愛されない、受け入れられないゆっくりだからだ。 もし君が皆に受け入れられるようなゆっくりだったら今頃みんなに祝福されているはずだろ? 君のおかあさんでさえ君のようなゆっくりしてないゆっくりはいらないって言うよ。」 「しょ、しょんにゃきょちょにゃいよ!おきゃあしゃんはれいみゅをきゃわいいっていっちぇくりぇるよ!」 「本当かな?じゃあ君の親に聞いてみるとするか。おい、れいむ!!」 当のでいぶは、出産の辛さで歯を食いしばり眼を『これでもか』と言わんばかりに見開き、 「ゆふう・・・ゆふう・・・」と洗い呼吸を繰り返していたが、僕に呼ばれた瞬間に「ビクッ!」か体を震わせた。 僕はでいぶの視界に鞭が入るようにし、れいむに訪ねた。 「君のあかちゃんは全然ゆっくりしてないし、とてもブサイクだよね?こんなあかちゃんいらないよね?」 「そんなことはない」そう言おうと思ったでいぶだったが、鞭を見た瞬間に人間の話を思い出し力の限り叫んだ。 「ぞ・・・ぞう゛ですぅぅうううううう!!!!ごん゛なゆ゛っぐり゛じでな゛ぐでがわ゛い゛ぐな゛い゛お゛ぢびぢゃんな゛んでいり゛ばぜん!!」 「だけど君のあかちゃんは『自分は世界に祝福されるんだ!』って言ってるよ?」 「ぞんな゛わけあ゛じばぜん!ごんな゛ゆ゛っぐり゛じでな゛の゛に゛じゅぐぶぐな゛んでざれ゛る゛わ゛げあ゛り゛ばぜんんん!!!」 「ほらねれいみゅ。僕の言ったとおりだっただろ?」 「しょ・・・しょんにゃ・・・。れいみゅはゆっくちちてない・・・れいみゅはきゃわいきゅない・・・。れいみゅは・・・。れいみゅは・・・。」 れいみゅは絶望した。人間だけならまだしも、母にすらも『いらない』と言われたのだから。 なにより自分は外の世界に生まれ落ちることすらできないのだ。外の世界には楽しみにしていた沢山のあまあまや他のゆっくりがいるだろうに、 自分はそこに行くことを拒否されてしまったのだ。こうなったらすべき行動は一つしかない。 戻るのだ。少しの間だが、ゆっくりできた母の胎内へ。せめてあそこでゆっくりしようと思い、胎内へ戻ろうとするれいみゅ。だが、 「ゆ・・・どぼじでも゛どりぇにゃいにょ゛ぉぉっぉぉぉっぉおおおおぉぉ」 戻ることも許されなかった。 「どおしてって・・・。君の母親が君のことを『いらない』って言ってただろ?なのに受け入れられるわけないじゃないか。」 「しょ・・・・しょんにゃあああああああああ!!!!!いやじゃああああああゆっくちちちゃいよおおおおおおおお ゆっくちちゃちぇてよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 今までゆっくり出来てた場所からも追い出され、完全にみんなから除け者にされたれいみゅ。 「ゆああああああああん!!れいみゅをゆっくちしゃせりょきょのきゅしょじじいいいいいい!!!!!!!」 いくらゆっくり出来ないことを言われ続けた人間だとはいえ、今までれいみゅと会話した唯一の人物だ。 れいみゅが最後に頼るのも無理はないと言える。 「は?なんで俺がお前みたいなブッサイクな糞饅頭をゆっくりさせなきゃなんねぇんだよ?! 身の程をわきまえろよクズが!てめぇは誰からも受け入れられないつってんだろうが!まだわかんないの?馬鹿なの?死ぬの?」 「しょ・・・・しょんにゃ・・・・」 唯一の希望だった人間にも見放され、これでれいみゅを受け入れてくれる存在はいなくなった。そして、 「ゆ・・・ゆっくち!ゆっくち!!ゆっくちいいいいいいいいい!!!」 非ゆっくち症にかかり、地獄のような痛みが中枢餡を襲い出す。 それを見た僕は『ニヤリ』と笑った。 「いや、たった一つだけお前を“受け入れてくれる”ものがあったな。」 それを聞いた瞬間れいみゅの眼に希望の灯火が宿る。 「お前を受け入れてくれるのは“死”だけだよ。もうお前は死ぬこと以外は何もできないと言うわけだ」 その言葉を聞いた瞬間れいみゅの眼に宿った光は完全に消え去った。 「おいおい、そんな眼をするなよ。本当は“死”だってお前なんか受け入れたくないんだよ。お前今すごく体が痛いだろ? それは本当はお前みたいなやつを受け入れなきゃならない“死”がお前を苦しめてから殺してやろうとしてるんだよ。 だってお前みたいなやつを楽に殺すなんて嫌だから。」 「ゆっくち!ゆっくちいいいいいいい!!」 れいみゅが何か僕に呼びかけるように叫ぶ。たぶん「せめて楽に殺してくれ」とかそんなところだろう。 「お断りだね。」 僕はそうれいみゅに言い放つと、れいみゅの視界に入らないところに移動しその様子をじっくり眺めることにした。 でいぶの方を見てみると、歯を食いしばり身を見開き涙を流しながら死んでいた。 どうやらあまりにも長すぎた出産により体力が持たなかったようだ。 僕は椅子に腰掛けるとそのまま静かにれいみゅが死ぬのを待っていた。 れいみゅは地獄の苦痛の中で嘆き続けていた。 憧れていた外の世界には受け入れてもらえず、一歩踏み出すことすらもできなかった。 たくさん食べようと思っていたあまあまは一口も食べれなかった、それ以前に何かを口に含むことすらもできなかった。 他のゆっくりは見ることすらも叶わなかった。唯一声を聞けた母の声は自分を罵倒するものだった。 唯一ゆっくりできた母の温もり。それすらも今は感じることができない。 そして自分を受け入れてくれるのは最もゆっくり出来ない“死”だけ。それすらもとてつもない苦痛を伴うのだ。 でもれいみゅはせめて死ねることを感謝しようと思った。誰かも受け入れてもらえない自分を受け入れてくれるのだから。 そしていよいよれいみゅに死ぬ時がやってきた。数時間に渡る激痛の末、ようやく死ぬことができるのだ。 「(れいみゅ・・・ようやくしねるんだね・・・)」 そしてその時を迎えようとした瞬間、れいみゅにとてつもない激痛が走った。 それはいままで地獄のように感じできた痛みを遥かに凌ぐ、とてつもない激痛だった。 そしてその激痛ともに『死にたくない』という想いがれいみゅの中枢餡の中を駆け巡った。 「(い・・・いやじゃよ・・・やっぱりれいみゅしにちゃくないよ・・・・!)」 「(ぢゃれきゃ・・・おにぇがいぢゃれきゃられいみゅをたしゅけちぇ・・・・)」 「(あみゃあみゃみょいりゃにゃいきゃりゃ・・・わぎゃみゃみゃいわにゃいきゃら・・・・)」 「(せめて・・・すこしぢゃけぢぇもれいみゅにしょとのしぇかいぢぇしゅぎょしゃしぇちぇ・・・)」 「(おねぎゃいぢゃきゃら・・・ぢゃれきゃ・・・ぢゃりぇきゃ・・・)」 「(ゆっきゅり・・・しちぇみちゃきゃっちゃよ・・・)」 こうしてれいみゅは凄まじい激痛の中、もがき苦しみながら死んでいきましたとさ。 めでたしめでたし。 あとがき 赤ゆっくりが産まれる瞬間に「自分は絶対に幸せになる」と思って疑わない態度にイラついたので書きました。 産まれたあと不幸に陥って死ぬのも面白いのですが、産まれた瞬間に幸せそうになるのもムカついたので、 産まれることすらさせずに殺そうと思い、その結果できたのが今回の作品です。 至らない点が多かったと思いますが、少しでもゆっくりしていただけたのならば幸いです。
https://w.atwiki.jp/senselove/pages/80.html
認められる存在と認められない存在(みとめられるそんざいとみとめられないそんざい) センスメンバー各々の脳内には、 『存在を認められるファン』と『存在を認められないファン』で分類している。 『存在を認められるファン』が「死にたいっ……」とか言ってたら、「どうしたんですか?;;」とか言ってもいいが、 『存在を認められないファン』が「死にたい……」とか言ってたら、見て見ぬフリをする。死んでも構わないらしい。 「人類は平等、は嘘っぱち」という哲学を身をもって証明する、ステキなアイドルである。 もっとわかりやすく説明すると、 ●熊本アイドルプロジェクト、“SENSE”(センス)非公式ファンサイト を作ったのが、べー○ん氏、ぐ○す氏、とかだったら、 『存在を認められるファン』なので、このサイトの存在も認めて貰えるのだが、 そうではないので、絶対に認めてもらえない。 『存在を認められるファン』の、ぐ○す氏が、『診断メーカーSENSEバージョン』を作ったので、 当然『認めた』のだが、もし『診断メーカーSENSEバージョン』を作ったのが、 ●熊本アイドルプロジェクト、“SENSE”(センス)非公式ファンサイト の管理人だったら、絶対に認められてない。 「親が憎ければ子も憎い」を体現しているステキなアイドルが、センスである。 塚本プロデューサー、清原マネージャーにもこの理論は適応されている。 ここで記した事は全て、単なる事実である。それ以上でもそれ以下でもない。 SENSE用語辞典
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/7632.html
247 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/28(火) 03 46 14.23 ID 88vcSp7W0 プチ報告 GM(俺)「(OPシーンにて、ハンドアウトにも書いてある状況)PC1のお祖母ちゃんが訪ねてきた。重要な用事だそうだ」 PL1「罠かもしれないので出ない」 GM(俺)「なんの!?PC1のお祖母ちゃん罠を仕掛けてくるようなキャラなの?」 PL1「いや、悪い奴の。だから出ないで警戒する」 (そういうネタかと無理に鍵を開けてお祖母ちゃんを登場させる) PL1「……」 GM(俺)「(無茶振りだったかな…)」 PL1「こいつは(システムでの敵)?戦います」 GM(俺)「PC1は一般人だったよね? そんな発想しないんじゃない?あとぶっちゃけると罠とかじゃありませんお祖母ちゃんです」 (本人の希望で設定した出生の秘密を告げるロール後、両親の仇と戦うようにと宿命っぽい事を告げ刀を渡す、ハンドアウトにも書いてある) PL1「……」 GM「どした?おばあちゃんはPC1の返事を待ってる」 PL1「なんて喋ればいい?」 GM「や、なんでもいいと思うけど…」 PL1(以下二十分悩み続ける) 一事が万事そんな感じだった、疲れた 248 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/28(火) 03 57 18.71 ID cE8+4VYX0 247 乙。PLさんとは初卓合わせかい? そー言う(オープニングから罠かもしれないから受けない)のを避けるためのハンドアウトなんだけどなぁw 249 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/28(火) 03 59 35.80 ID Pz+jnhhvO ハンドアウト理解できてないみたいだし、最初につまずいたときにプレイ中断してハンドアウトを確認してもらって、質問も受け付けたりしたらよかったんじゃね? すれ違ってるときにプレイ続けても悪化しかしないよね 困は困で報告者を吟遊と勘違いして、脳内当て辛かったとか思ってるかもな 250 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/28(火) 04 10 13.38 ID 88vcSp7W0 初卓合わせ。後輩だから16ヶ月はTRPGしてるはずなんだけどな。 OPからいきなりハメるような展開をやった話は過去に聞いてないしそういうのが好みのGMもうちにはいない ハンドアウト見せて、今この展開やってるからね、って言ったらはい、って返事はあるんだ でもなんだかいまいち反応が鈍いっていうか、書いてないけど敵ってこともありますよね、とか言う 名もなき同級生まで含めNPC全員に発動してたからなんか妙なリプレイでも読んだのか…… 251 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/28(火) 04 12 51.90 ID lJNwzc0J0 厨二病かガチの精神疾患のどっちかじゃね? 253 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/28(火) 04 22 19.09 ID chRjkp940 ひたすら戦うだけのシナリオしかやったことない・・・ってわけでもなさそうだな 254 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/28(火) 04 37 12.14 ID cE8+4VYX0 「無駄に警戒発動」か。 他のGMさんに、参加したときの様子を聞いてみてもいいかもね。 (PC1ポジションが苦手で?)台詞が思いつかずに固まるのはまだほほえましいが、 ハンドアウトへのノリがイマイチ悪いのは原因が特定しにくそうだ。 261 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/28(火) 09 06 11.58 ID 88vcSp7W0 255 うわあああああ、乙…… 詳しく聞きたい。 普段はPC5とかで大人しくしてるらしい。 他のGMは基本PC番号うしろを割り振るって言ってたのはこういうことだったのか、みたいな 他のPLはOPシーン終わったぐらいから冗談っぽくPL1にこういう台詞とか…とか ○○って美味しくね?みたいな発言して積極的に手伝ってくれた PC1が無駄に警戒を始めるとうっかりはちべえ的にNPCに接触してくれたりベテランキャラで突っ込んでくれたりしたし いなかったらまだシナリオは終わってないに違いないと思う ありがたいことです。 スレ337
https://w.atwiki.jp/duelrowa/pages/312.html
「何なんだよ、アイツら……」 上空を睨み付け、不機嫌を露わにした声で吐き捨てる少女がいた。 磯野と名乗ったサングラスの男による決闘開始宣言後、深月フェリシアが出会った参加者は一人。 飛電或人、そう簡潔に名前を告げ、ある男の情報を求めた参加者。 探し相手に並々ならぬ憎悪を抱いているようではあったが、殺し合い自体には否定的。 同じくフェリシアも他者を殺して生き延びようとする少女でもなく、両者の間に戦闘は起こらなかった。 尤も向こうの殺気立った様子に声を掛けられず、去って行く姿を黙って見送るだけで終わったのだが。 何とも言えないモヤモヤを抱えたまま、頭の後ろで腕を組みぶらぶらと歩いて数十分が経過した頃だろうか。 突如空一面に巨大なモニターが浮かび上がったのは。 画面いっぱいに黎斗とかいう男のドヤ顔が映し出された時は、ついついイラっときてハンマーを投げ付けたくなったがどうにか我慢。 その直後、次から次へと人が殺される様が流れ凍り付くフェリシアを嘲笑うかのように気付けばモニターは消えていた。 「…あぁーっ!クソッ!ほんっとに気にいらねぇ!」 溜まりに溜まったムシャクシャを吐き出すように叫ぶ。 別に自分を正義感溢れる魔法少女だなんて思ってはいない。 みかづき荘で暮らす前は金銭を対価に魔女を狩る傭兵稼業をしていたし、綺麗ごとだけで世の中が回らないくらい理解しているつもりだ。 だけどあんな風に、魔法少女でも無い、本来なら戦いとは無縁のやつが殺されて。 ふざけた自称神に立ち向かった勇敢な青年の死を見世物のように扱われて。 あくまでゲームの一環という名目で命が踏み躙られて、それで何も感じない程冷めてもいない。 いろはからは我慢する事を教えられたけど、あの映像を見て尚も耐えるのは無理そうである。 魔女を利用していたマギウスの翼より尚も酷い、純粋な悪意の塊のような奴らだ。 今すぐにでも黎斗達を一人残らずぶっ飛ばしてやりたいが、連中が何処にいるのかはまるで見当が付かない。 或人との出会いにより妙にモヤモヤしていた気持ちが、放送のせいで余計にささくれ立つ。 堪え切れない苛立ちに身を任せ、もう一度足元の小石を思い切り蹴飛ばした。 暫くはイライラを解消するように地面を蹴り、時にはうがーっと叫んでみたり。 その甲斐も空しく、却って自分が馬鹿をやっている気になっただけだが。 未だ胸の内にはモヤモヤしたものが燻ってはいれど、何時までもこんな事を繰り返してる場合でないとも分かってはいる。 ぶすっとした表情のままデイパックを乱暴に開き食料を取り出した。 (とりあえず食うか…) 食べて空腹を紛らわせれば少しはマシになるかもしれない。 両親が死んでからはその日の朝食を手に入れるのにも苦労していた為か、食べる事は誰よりも好きだ。 包装を開いてハンバーガーを取り出す。 少し冷めてはいるけど、濃い目のソースはフェリシア好みの味。 その筈なのにどうしてだろうか、今はあんまり美味しいとは思わない。 むしろ今はいろはの作った薄味の料理の方が妙に恋しく感じる。 大好きな肉のハンバーグを食べているのに、いろはの豆腐ハンバーグの方が食べたくて仕方ない。 折角のハンバーガーも微妙な気分になってしまい、水で無理やり流し込んで食事を終わらせた。 口元を乱暴に拭い、次いでタブレットを取り出す。 さっきの放送は気に入らない事ばかりだったけど、必要となる情報もあった。 「名簿が見れるとか言ってたよな」 最初に会場へ立っていた時にも試したが、その時は白紙のままだった。 今なら誰が参加しているかを確認できるとのこと。 どうにも嫌な予感がしながらもアプリを起動、ずらりと並んだ名前に目を通す。 すぐにタブレットを持つてに力が籠る。嫌な予感が早速的中してしまった。 「いろは…!やちよもいるのかよ…!」 薄々気付いてはいた事だ。 自分一人が巻き込まれているのは少々不自然、親しい魔法少女もここにいるのではと。 案の定だ、大切な仲間である二人まで参加させられている。 おまけに見滝原の魔法少女、鹿目まどかの名もあった。 鶴乃とさな、それにまどかの仲間で自分とも縁のある佐倉杏子は難を逃れたようで、彼女達は不参加なのが唯一の幸いか。 代わりにいろはとやちよ以外にも、無視できない名前が載っていたが。 「何で白いねーちゃんとマギウスの奴らが……」 梓みふゆ、里見灯花、柊ねむ。 三人とも既にこの世にはいない、ソウルジェムが砕け散り死んだ筈の魔法少女。 名簿にあった名前が誰か一人だけなら、同姓同名の別人という線も無くは無かっただろう。 しかし三人も載っていれば幾ら何でも別人は不自然。正真正銘本人達が参加していると考えるべきだ。 問題は死者である彼女達が参加者としてフェリシアと同じ地にいる事だが、ここで思い出すのは一番最初の光景。 主催者達が言っていた、どんな願いでも叶えるという言葉。 あの時は気にする余裕も無かったが、もしあれが出鱈目ではなく真実だとしたら。 本当にどんな願いも叶えられると言うのなら、死者を生き返らせる事も可能。 (なら白いねーちゃん達は本当に生き返ったのか…?) 考えてみれば既に自分達魔法少女は、キュゥべえという存在と会っている。 アイツは魔法少女に関する重大な事実を隠していたが、願いを叶える能力は本物だった。 だったらキュゥべえ以外にも、そういった力を持つ存在がいても何らおかしくはないのかもしれない。 本当に死者を生き返らせるのが可能なら、いろはとやちよの、フェリシアの望みだって叶えられるのではないか。 いろはは妹を、やちよは昔のチームメイトを、そして自分は両親を取り戻せる。 そうすればみかづき荘には前のような明るい雰囲気に―― 「っ!?な、何考えてんだよオレ……」 願いを叶える、つまり最後の一人に勝ち残る。 自分が思い浮かべたもおぞましさに慌てて我に返った。 あんな連中の言い成りになるなど真っ平だし、いろは達を傷付けるなど死んでも御免だ。 大体願いを叶えるという言葉を素直に信じられるものか。どうせキュゥべえと同じくこちらを都合よく動かす為の甘言に決まっている。 馬鹿げた考えを振り払うように頭をぶんぶんと振るう。 「人間の子ども、か」 ぴたり、唐突に掛けられた声に動きを止めた。 聞こえて来たのは背後からだ。 気付かれないように近付いた、というよりはフェリシアに気付く余裕が無かったと言うべきか。 周囲の警戒という基本的な事すらも頭から抜け落ちていた自分に、内心で舌打ちする。 いろは達が参加している事や死者の蘇生などに気を取られ過ぎた。 自らの迂闊さを長々と悔やんでいられる場面でも無い、先手を取られる形となったが現れた者へ対応せねば。 念の為、何時でも魔法少女へなれるよう警戒しながら振り向く。 声で男だとは分かったがその通りだ。全身を黒に包んだ茶髪の青年がそこにいた。 「…んだよ、子どもで悪かったな」 不躾な物言いに、こっちも不機嫌を隠さず言い返す。 初対面の相手にする事では無く、いろは達がいたら窘められそうだが先に言って来たのは向こうだ。 相手の男はフェリシアの言葉に機嫌を損ねた様子は無い。 かと言って友好的なソレとは程遠い、見ていて不安になるような冷めきった表情。 自分はこの男を一体どうするべきか考え、ふと相手の姿に奇妙な感覚を覚える。 男とは初対面同士のはずなのに、どこかでこのような人物の事を聞いたような気がしてならない。 目を細くしじっと見つめ、ああと気付く。 「お前もしかして…或人ってやつが言ってた…っ!?」 最初に遭遇した青年が探している男と、外見の特徴が一致する。 もしやこいつがそうなのかと思い口から出た言葉は、途中で遮られた。 男が急に発した殺気によって。 「貴様…飛電或人と会ったのか?」 「…だったら何だよ」 「奴はどこに行ったのか教えろ」 「……」 相手が或人の仲間とかなら隠す理由も無いので教えていた。 だが実際には違う。 男との関係を或人は口にしていなかったが、あの憎しみに染まった瞳を見れば察せられる。 黒づくめの男…滅は或人にとって復讐の対象。そして滅の反応からも、或人へは並々ならぬ怒りがあるのだろう。 或人は復讐に燃えていたが殺し合いに乗る気は無かった。では目の前の男は? 「その前にそっちが教えろよ。お前、あの黎斗とかって奴の言う通りにすんのか?」 「…下らん。奴の奴隷に成り下がる気など有りはしない。俺は俺の意思で人類を滅ぼす。檀黎斗、当然あの男もその対象だ」 「は、はぁ?滅ぼすって……お前何言って…」 「もう一度聞く。飛電或人はどこへ行った?答える気が無いのなら――」 言葉を区切り懐から赤い機械を取り出す。 滅亡迅雷.netが使用するフォースライザーとは違うが、その機能は既に把握済み。 躊躇なく腹部に当てると自動認識装置が作動、瞬時にベルトが巻き付く。 本来ならネビュラガスが注入されていない滅では使用不可能であるが、ゲームマスターによる調整を施された為に無問題。 続けて二本のボトルを取り出した。 『COBRA!』『RIDER SYSTEM!』 『EVOLUTION!』 エボルボトル装填を認識した事を知らせる音声。 青いグリップの持ち手を握り締め、勢い良くレバーを回す。 回転する度に中枢ユニットから特殊な微小体が、エボルボトルの成分を取り込んで大量に増殖する。 パイプオルガンのような荘厳な音声が鳴り響く中、生成装置が展開。 全ての準備が整った。 『Are You Ready?』 「変身」 『COBRA…COBRA…EVOL COBRA!』 『フッハッハッハッハッハッハァッ!!!』 赤と黄金に彩られた装飾と、星座盤を填め込んだ頭部。 仮面ライダーエボルへの変身を完了させれば、相手の少女もまた動き出す。 「お前が何考えてんのか全然分かんねーけど…!」 ベルトを使って姿を変えるのは或人や紘汰と呼ばれた青年に続き、見るのは三度目だ。 一々驚きはしない。 滅が何をそこまで怨んで人類を滅ぼそうなどという発想に至ったのだって、こっちには知る由も無い。 ただ一つ、この男を放置すればいろは達にも危害が及ぶ。 それだけハッキリしてるのなら、やる事は決まった。 こいつを憎んでいる或人には悪いが、大切な仲間に手を出されるかもしれないとあっては無視できない。 「オレがここでぶっ飛ばしてやる!!」 ソウルジェムが光を放ち、魔法少女への変身を遂げる。 牛に似た角を生やした頭巾を被り、大胆に腹部を曝け出した衣装を纏い、手には身の丈程もあるハンマーが出現。 既に殺る気満々の相手の出方を待ってやるのは性に合わない。 先手必勝あるのみとばかりに得物を構え突撃。 鎧を纏っていようと関係無し、強力な一撃で粉砕してやるだけだ。 エボル目掛けてハンマーを豪快に振り下ろす。 「ドーン!」 擬音を口に出すのはフェリシアの癖。 相手が使い魔やなり立ての魔女であれば、この一撃で勝利は確定となっただろう。 此度の相手はそう易々と勝利を譲る気は皆無。 迫るハンマーを前にしエボルもまた構える。 スーツ内部を満たす地球外の物質、葛城巧でさえ完全には解析不可能であったエネルギーが変身者の能力を限界以上まで強化。 真っ向から迎え撃つように拳が放たれた。 伸ばした腕にハンマーの進撃は止められ、そればかりか衝撃が得物を握るフェリシアにまで到達。 引っ掛けたワイヤーを巻き取るが如く勢いで、後方へ吹き飛んで行く。 「おっ、わぁ!?」 フェリシアの体は宙を浮き、数秒後には地面へ激突だ。 魔法少女へ変身中なら耐えられると言っても、余計なダメージは回避するに限る。 足場のないまま体勢を整えようと藻掻き、その間にもエボルは動く。 今しがた殴りつけた方とは反対の腕をフェリシアに向けた。 「うぐぅっ!」 宙に浮いたままの状態で固定されたように、フェリシアの身動きが取れなくなった。 原因はエボルが掌から放出したオーラによる拘束。 身動きを封じただけではない、腕を引っ張る動作をすればフェリシアがエボルの方へと引き寄せられていく。 このままでは手痛い一撃を食らうのは確実。 「う…がああああああああああああああああっ!!!」 見えない鎖を引き千切るかのように、全身へ力を込める。 僅かながら動かせるようになった右腕、即座にハンマーを投擲。 全力で投げ付けた時に比べたら威力低下は免れない。 だがフェリシアはみかづき荘の魔法少女の中でも、特にパワーへ秀でている。 不安定な状態からの攻撃だろうと、防御も無しに当たるのは避けるべき。 瞬時に判断したエボルは拘束を解除、身を捩らせハンマーを躱す。 一方で地面を転がり受け身を取ったフェリシア、低い姿勢のまま駆けだし投げたばかりの得物を掴み取った。 「どっりゃー!」 横薙ぎの大振りな攻撃。 巨大なハンマーならリーチは十分、横合いからエボルに叩きつける。 しかし手応えは無い。赤と金の残像を生み出し、エボルはフェリシアの眼前へと急接近。 目の前で握られた拳にフェリシアは猛烈な焦りを覚える。 ハンマーを手元に戻す余裕は無い。巨大さ故に至近距離での取り回しには向いていない。 咄嗟に手放し大きく距離を取る。僅かに遅れて放たれたエボルの拳。 顔に当たる空気がやけに痛いが今だけは無視だ。 「ちっくしょ…!」 相手はパワーもスピードも、これまで戦って来たどの敵より上。 仲間が共にいれば自身の攻撃の隙をカバーしてもらい、或いはコネクトで反撃に移れた。 生憎今はフェリシア一人。 昔のように周りを気にせず単独で突っ込んでいた時の感覚で戦うには、仲間の存在というものを知り過ぎた。 それを嫌とは思ってなどいない。だから仲間に危害を与えるだろう存在を前に逃げも選べない。 新たな得物を手にする。 魔力を消費しハンマーを出現させるのではなく、デイパックから別の武器を取り出した。 黎斗やハ・デスが寄越した物に頼るのは気に入らないが、そんな苛立ちを抱いている場合ではない。 表面をイエローグリーンで彩られた斧。 握り手をしっかりと掴み軽く素振りをする。 ハンマーよりもリーチはずっと短いが、その分近距離での取り回しはこちらの方が幾らか上だ。 斧の名はオーソライズバスター、元は仮面ライダーゼロワン用に開発された可変型武器。 ゼロワンが使うのを想定し設計された為、本来なら人間に振り回せる重量では無い。 尤も魔法少女であるフェリシアには無問題である。 「ドッカーン!いやズッバーンだ!」 先程よりもより近付かなければ攻撃が当たらない。 ロケットのように突っ込んで行きオーソライズバスターを振り下ろす。 厚さ5メートルものコンクリートだって豆腐のように斬り裂く刃、されどエボルの胴体には当たらず両腕に阻まれる。 エネルギー増幅機構により破壊力を高めた一撃だが、エボルの装甲とて見栄えだけの代物ではない。 元々地球外生命体のエボルトが変身していたライダーだけあって、地球上のどの物質よりも優れた耐久性を持つ。 金属同士が擦れ合う音、交差させた両腕を強引に押し出しフェリシアの体勢を崩した。 「っ!!」 すかさずフェリシアの柔らかな体、露出させた腹部を狙う一撃。 当たれば間違いなくぶち抜かれ、そこら中に血と臓物が撒き散らされる。 どう動くべきか選択肢は三つ、防御、回避、迎撃。 即座に選んだのは二つ目の回避、胴体を痛いくらいに捩って躱す。 回避成功を呑気に喜んではいられない、拳を放ったままの体勢で固まる相手へ斧を振るう。 だが敵は反応速度も非常に高いらしい、左腕で防ぎ次いで蹴りを放った。 脚力を大幅に強化された上での一撃、身を大きく屈めて真っ直ぐに伸ばされた足をやり過ごす。 立ち上がるには早い、地面を転がり一度距離を取る。 自分がいた場所が踏みつけられたのは直後のこと、もう少しで地面の染みになる所だった。 最初にハンマーを殴り返された時の一撃を思い出し、防御しても意味は無いと判断。 だからこうして回避へ移ったのだ。 (さっきよりは当て易いけど、アイツ硬過ぎだろ!?) リーチが短くなった分、至近距離での攻防はやりやすい。 とはいえやはり敵は相当手強い。 自慢のパワーで腕ごと叩っ斬ってやりたかったものの、斧を防いだ両腕はくっ付いたまま。 装甲には小さな傷一つ無し。 厄介をそのまま具現化したような相手に愚痴の一つでも零したくなるが、それで状況が変わる訳でもない。 前の自分なら全然倒せない事に苛立って、頭を沸騰させたままデタラメに突っ込んでいたかもしれない。 ある程度落ち着いて戦況を見れるのも、いろは達と出会ったおかげだろう。 「ならやっぱり…逃げんのは無しだ!!」 仲間を守る為の戦い、そう考えるだけで戦意がより一層溢れ出す。 気合を入れ直すように大きく咆え、エボルへと斬り掛かった。 足が痛むくらいに力を込めての一撃、爆発的な加速で以て叩き込まんとする。 だが足りない。仮面ライダーエボルを相手にその程度は届かない。 「なっ!?」 エボルの姿が消えた。 違う、消えたのではない。フェリシアを拘束したオーラを自身に纏わせての移動。 瞬間移動もかくやと言った速度でフェリシアの背後を取ったのである。 「やべ――」 回避はもう間に合わない。悪手ではあるがオーソライズバスターで防御。 直に受けるよりはマシであろうとの判断、それすら無駄に思える一撃が襲い来る。 体の外も中も振るわせるような衝撃、悲鳴も出せずにフェリシアは殴り飛ばされた。 ◆ 檀黎斗の放送が滅の考え方を変える事は無かった。 むしろより一層決意が深まった程だ。 人類滅亡。新たなアークを生み出さない為には、悪意を生む人類そのものを滅ぼす以外に道は無い。 神を自称する黒幕が悪意の体現者のなのは明らか。 あの男を生かしておく事は、世界にとって害にしかならない。 黎斗の持つ強大な悪意に魅せられた別の人間が新たなアークへとなりかねない。 ならば滅ぼすのみ。 ヒューマギアの安息の為に、悪意を生みだし、伝染させる存在は滅ぼさねばならないのだから。 だけど唯一、己の使命感とは別の理由で殺したい者がいる。 飛電或人。飛電インテリジェンスの現代表取締役社長にして、仮面ライダーゼロワンの変身者。 滅亡迅雷.netとは幾度となく争い、だが時には助けられ、互いを認め合った青年。 何かが違えば手を取り合う未来があったかもしれないが、今となっては実現不可能である。 或人は滅への憎悪で新たなアークとなり、滅もまた或人への憎悪でアークへなった。 あの男が自分を破壊するか、自分があの男を殺すか。 どちらか一方の結末以外には有り得ない。 そんな状況を作ってしまったのが誰なのかは十分理解している。 機械には存在しない筈の感情、己に芽生えたモノに恐怖しイズを破壊した滅だ。 人類の守護者であると同時にヒューマギアの守護者でもあろうとした男を、滅が絶望へ突き落とした。 新たなアークが生まれる原因を、他ならぬ滅が作ってしまった。 だが悪意とは連鎖するもの。 故意でないとはいえ或人に迅を破壊された事で、ようやっと己に芽生えた心を理解。 或人とは対を為すアークとして、人類滅亡の聖戦を改めて始めようとした矢先に、檀黎斗主催のゲームへ招かれた。 最初に見つけた赤と青の仮面ライダーが乱入者と共に逃げた後、天空に巨大モニターが出現。 またしても殺された者や人質の存在に心は揺り動かされず、滅ぼすべき者達の姿を保存。 情報確認の為に名簿アプリを起動した所、目当ての人物の名を発見した。 飛電或人も自分と同じく、参加者として会場のどこかにいる。 決して黎斗らに感謝などしないが、この機会を見逃すつもりも無い。 あの男だけは自分が殺さなければならないのだから。 自分の心が悪意に呑まれていると分かっていても、止められはしなかった。 他に知っている名前と言えば、ZAIAエンタープライズジャパンの天津垓か。 前々からヒューマギア廃棄を進めていた事もあり、滅亡迅雷.netの怨敵とも言える男だ。 心境の変化でもあったのか、アーク相手にゼロワンと共闘していたが結局はあの男も人間。 滅ぼす対象である事に変わりはない。 或人への殺意を改めて抱き移動を再開し、フェリシアを見つけた。 相手が子どもだろうと人間ならば容赦しない。 予想外だったのは相手が既に或人と接触していたこと。 最終的に殺すのに代わりはないとはいえ、先に或人の情報を聞き出してからでも遅くはない。 どうやら仮面ライダーやレイダーとも違う特別な能力を持っているようだが、自分が変身したライダーには手も足も出なかったようだ。 「うぁ……」 うつ伏せに倒れ、全身を苛み続ける痛みに呻き声が漏れる。 弾き飛ばされたのかオーソライズバスターは手から消えていた。 手強い、なんてもんじゃない。強過ぎる。 大きさで言えば人間の成人男性くらいなのに、強力な魔女やウワサ数体にも匹敵、或いは凌駕しかねない強さだ。 仮面ライダー、と一口に言っても数は膨大で種類は千差万別。 それぞれのライダーシステムが生まれた経緯が違えば、役割も違う。 バグスターと呼ばれるコンピュータウイルスを切除する為、ヘルヘイムの森の侵略から生き延びる根幹ツールの為、最後の一人だけが願いを叶えられるライダーバトルに勝利する為。 もっと大雑把に言えば、悪の怪人から人々を守る為。 だが滅が黎斗主催のゲームで変身したライダーは、間違っても人々を守る正義のヒーローなどではない。 仮面ライダーエボルとは惑星侵略の兵器である。 地球外生命体のエボルトが星を滅ぼす際に、パンドラボックスと同じく用いるのがエボルドライバーだ。 滅に支給されたのは人間用に調整された複製品であり、星狩りの本領を発揮する拡張ツール、エボルトリガーも手元には無い。 加えて主催側の手でゲームバランス調整の為にある程度機能を制限されている。 しかしそれでも尚、ビルドドライバーなど地球産のライダーシステムを凌駕する破格の性能を持つ。 更に変身者が滅であると言う点も強さに磨きを掛けている。 滅は人間ではなく人工知能を搭載した人型ロボット、ヒューマギア。 元々持つ人間以上の運動機能と動体視力に、エボルのスペックを上乗せし大幅に強化された力を存分に振るった。 「もう一度聞く。飛電或人はどこへ行った?」 このまま殺すのは簡単だが、その前に或人の情報を得ておかねば。 傷付いた少女の姿に罪悪感を刺激される事もなく、宿敵の行方を問う。 額から血を流したフェリシアが顔を上げ、エボルの仮面を睨み付ける。 素顔は覆い隠されて見えないが、どんな表情を、目をしているのかは分かった。 こちらの命に価値など見出していない冷めた表情、憎悪でドス黒く染まった瞳。 数十分前に出会った青年と同じ、復讐だけが頭に詰まっているのだろう。 「ふざけんなよ……」 全身が悲鳴を上げるのも厭わず、震える両足で立ち上がる。 体の痛みよりも、モヤモヤだったりムカムカだったり言葉じゃ上手く言い表せない心の不快感。 溜まりに溜まった苛立ちを吐き出そうと、感情のままに言う。 「お前も…あの或人ってやつも……」 復讐。それ自体を否定する気は無い。 フェリシアとて、元は復讐に生きていた魔法少女。 両親を魔女に殺され、でもどの魔女が殺したのか分からない。 だから見つけた魔女を倒していけば、いつかは両親の仇を討てる。 そう信じて自分を雇った魔法少女のチームへの迷惑も鑑みず、魔女を片っ端から叩き潰した。 魔女を全て消し去るというマギウスの翼の言葉に釣られ、裏切った事だってある。 一生そうやって生きていくのだとしても、それで両親の仇を取れるなら構わなかった。 「誰もいなかったのかよ…」 そんな自分でもいろは達と出会い変わる事ができた。 新しい居場所をいろは達がくれた。 魔法少女の行きつく果てが魔女だと知りマギウスの翼に入ったのだって、自分が救われたいからじゃあない。 自分を救ってくれたいろは達を、今度は自分が救いたかったからだ。 「一緒に帰ってくれるやつとか、飯作ってくれるやつとか……心配して迎えに来てくれるやつとか…!死んで欲しくないって思ってくれるやつとか…!一人もいなかったのかよ…!!」 「……」 「お前らを一人ぼっちにさせないでくれるやつが、本当にいなかったのかって聞いてんだ!」 恐かったのかもしれない。 滅も或人も復讐以外目に入っていない様子で、もしかしたら彼らは自分の有り得た未来なのかもしれいように思えて。 いろは達と出会わず魔女を殺し続けていたら、自分も彼らのような黒く染まり切った瞳になっていたのかと考え。 或いは、いろは達をも失った自分がこんな風に戻ってしまいそうで。 「オレにはいる…。とーちゃんとかーちゃんは死んじゃったけど…二人みたいに、あったかい皆が……だから…!」 だから、守らなければならない。 大切な人達を失って、以前よりも暗い顔をする事が多くなったいろはとやちよを。 もうこれ以上、二人が傷つけられないように。 これ以上大切な人を誰一人として失いたくないから。 「オレが…守る!」 魔力を消費しハンマーを作り出す。 傷だらけの肉体を酷使し跳躍。 エボルを見下ろす位置まで大きく跳び上がり、両手で持ったハンマーへ魔力を集中させる。 急激な魔力の消費によりソウルジェムが濁り出すも、今だけは後回し。 護りたいという願いがフェリシアに力を齎す。 身の丈程もあるハンマーが更に巨大化、小柄なフェリシアの体を覆い隠す程規格外のサイズと化した。 「仲間を…家族を…!オレが守るんだあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」 振り下ろされる巨大な鎚。 魔女への憎悪ではない、居場所をくれた少女達への想いを込めた必殺の一撃(マギア)。 直撃すればエボルであろうと無傷で済むかは怪しい。 頭上からどんどん近付いて来るハンマーを前に、エボルは無言。 胸に宿るのは諦めか?それともフェリシアの叫びに動揺し硬直しているのか。 「ッ!!!」 どちらも違う。 激情を勢いに乗せたが如き速さで、エボルドライバーのレバーを回す。 一度の回転の度に内部の発動機が高速稼働し、エヴォリューションチャージャーからエネルギーが生成される。 エボルボトルの成分を純粋な破壊のエネルギーに変換しているのだ。 再度パイプオルガンの演奏にも似た音声が流れ、同時に体の真横へ星座盤が出現。 敵が最大の技で挑むのなら、こちらはそれを上回る力をぶつけてやるのみ。 (家族…だと) ああ、自分にもいた。 人間のような血の繋がりは無くとも、大切に想っていたヒューマギアが。 生きて欲しいと願った息子のような存在が。 自分を庇って破壊された家族が、確かにいた。 だが最早過去の話。 迅はもういない、しかし飛電或人はまだ生きている。未だ破壊を逃れている。 ならばこんな所で倒れてなどやるものか。飛電或人を、人類を滅ぼすまで、自分は止まれない。 『Ready Go!』 『EVOLTEC FINISH!』 星座盤が収束した右拳を、間近に迫ったハンマー目掛けて放つ。 拮抗は僅か一瞬だ。 数多くの魔女を粉砕してきたフェリシア自慢の大鎚に、亀裂が生まれる。 一度崩されたら後はもう抗う術は無い。 亀裂はあっという間に全身へと広がっていき、柄だけを残して崩壊した。 「オオオオオオオオッ!!」 武器を壊した程度でエボルは止まらない。 再びハンマーを生み出す間も、逃げる隙だって与えてはやらない。 鮮血よりも色濃く、目が霞む程の眩さを纏った拳が、フェリシアの全身を照らし―― 『CIAO!』 「ごめん皆…。オレ、帰れないや……」 視界いっぱいに広がる赤い輝きの中、砕け散って宙を舞う宝石。 ――それが、フェリシアが見た最後の光景だった。 ○ 少し離れた位置に転がっていたオーソライズバスターを拾う。 元は飛電インテリジェンスが開発した武器。 思う所はあるものの、放置して他の参加者にくれてやる理由も無い。 結局は意思無き道具だ。使ってやらねばただのガラクタと変わらない。 回収したデイパック諸共、自分のリュックへ仕舞う。 或人がどこへ行ったかは聞けなかった。 とはいえフェリシアが或人と遭遇したのはタイミングから考えても、恐らく放送の前。 ならまだそう遠くへは行っていない。 それにフェリシアが滅の事を或人から聞いていたという事は、向こうも滅を探しているのだろう。 であれば、再会の時はそう遠くないのかもしれない。 ここでやれる事はもうない。 早々に立ち去ろうと背を向け、 『本当に、これでいいのか?』 聞こえた声に動けなくなった。 聴覚センサーに破損は無い、正常に動いている。 ならばこの声は……。 『あの女の子を殺す必要が本当にあったのかよ』 『あの娘はアークになるような人間じゃない。ただ必死に家族を守ろうとしていただけだろ』 『僕が滅を守ったみたいに』 「ッ!」 背後へ向けて腕を振るうも、そこに生きた者は一人としていない。 寒々しい風が滅の人口皮膚を撫でているだけだ。 心が芽生えたせいで幻聴まで聞こえるようになったのだろうか。 くだらないとでも言いたげに険しい表情を作り、頭を振るう。 これ以上ここに居たら不要な事ばかり考えそうだ、やはり早急に立ち去るべきと踵を返す。 最後にもう一度だけ、物言わぬ少女の屍を視界の端に入れて。 【深月フェリシア@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版) 死亡】 【F-3/一日目/深夜】 【滅@仮面ライダーゼロワン】 [状態]:健康、激しい怒り [装備]:エボルドライバー(複製)+エボルボトル(コブラ、ライダーシステム)@仮面ライダービルド [道具]:基本支給品一式×2、オーソライズバスター@仮面ライダーゼロワン、ランダム支給品×0~4 [思考・状況] 基本方針:人類滅亡。迷いは無い。 1:飛電或人は自分が殺す。 2:天津垓を含めた参加者の殲滅。 2:絶滅ドライバーとアズから与えられたプログライズキーを取り戻す。 [備考] ※参戦時期は43話終了後。 【オーソライズバスター@仮面ライダーゼロワン】 通信衛星ゼアの危機管理判断により構築・製造された新装備の可変式武器。 アックスモードとガンモードの2つの形態を持つ。 主にゼロワンが使用するが、仮面ライダーバルカンアサルトウルフに貸与されることもある。 009:力を持った意味を求めて、戦う為の理由を探した 投下順 011 アウトローの三方陣 時系列順 14 予測不能のベストマッチ 滅 055 鬼械戦線 25 復讐するはオレにあり 深月フェリシア GAME OVER