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比那名居天子とイチローの一騎打ち、先手はイチロー、構えたバッドにボールを連続で上げ打ち抜いて行く。 それに対し天子は盾を構え一気に距離を詰めようとする。 技は使えない、確かに今の天子は高い防御力を誇るが自身のダメージが大きくともそこはイチロー、その攻撃力は高い。 技を使おうとすればたちまちのうちにイチローによって自分は死ぬと予感したからだ。 「少しはやると感心するが、そんなものナイトのダメージにはならない」 「くっ」 天子は致命に至る一撃を器用に防ぎ、最小限のダメージで済ませる。 それ以外の攻撃は確かに天子に当たってはいるがダメージにはならない。 (さすがにドリスコルの時のダメージは無視できないか……!) そう、ここに来る前のドリスコルとの戦いにより大きなダメージを負い、更に疲労しているイチローでは本調子ではない。 それ故に本来であれば致死でなくともダメージを入れられる攻撃であっても、天子の高い防御力も合わさりノーダメージとなる。 しかし、ナイトはFF11の初期ステータスでは鈍足である、ガラントアーマー+1は少しは補正できるがやはり鈍足である。 これでその速さを補正できるアイテムがあれば別であったが生憎と今は持っていないのであった。 「でもそんなの関係ニィ、そんな凡百ナイトよりも私は早い」 「そうだ!」「そうだ!」「そうだ!」 天子がそう言えば狂信者達が肯定するように叫ぶ、実際危ない所にカカッと参上したのだから。 一言で言えばあれは気合いだ、気合いで自分の移動速度を上げたのだ、さすがナイトである格が違った。 そのため今回も気合を込めたためその速度は凡百のナイトとは違い、勢いよくイチローとの間を詰めていく。 「予想よりも早い!」 イチローは歯噛みする、せめてレーザービームを投げれたと、しかしその隙を相手は見逃さない。 そうすれば自分が破れ仲間達が死んでしまう、それだけは絶対に避けなければならない。 「ふん!」 「くぅ!」 そうこうしているうちに距離を詰めた天子がグラットンソードを振りぬきそれをイチローがバットで受ける。 意外とバッドは頑丈でありグラットンソードを問題なく受け止めた。 「ふふん、だがいつまで持つかな」 天子が言ってさらに力を込めれば、イチローが押された。ここで疲労とダメージの性費が響いてきたのだ、 更に首輪解除されてパワーアップした天子である、流石のイチローも抑え込めない。 だが、それでもメジャーで活躍してきた選手である、押される鍔迫り合いから自分から一気にバッドを後ろに引いた。 「おわっ!?」 流石のナイトもこれは予想外、一気にバッドを引いたイチローは剣がギリギリのところで当たる寸前だったが柔らかい身のこなしで回避し、 バランスを崩したナイトに追撃をかける。 「!」 しかし天子も唯のナイトではない、その一撃を感で見切りダメージの薄い場所に当てさせた、ナイトだからこそできる技である。 そして、イチローがすぐさま天子から距離を取り、再び勝負は最初の盤面へと戻った。 だが、その状況は天子が有利なのは明らかだ。 (彼女はほとんどダメージを受けていなくても疲労がない、それに比べて僕はダメージも疲労も大きいこのままでは) 「ここで一気に勝負を決めるべきそうすべき」 そう言って天子は両手を重ねた構える、それは孫悟空が得意とした技かめはめ波によく似た構えだ。 イチローはその技はまずいと直感、それを阻止すべくボールを投げようとするが。 「がっ」 投げなれなかった、ドリスコル戦からすぐの戦闘によってイチローにも限界が来たのだ。 そのままイチローは片膝を付いた。 「イチローさん!」 「安心しろ、楽にSATUGAIしてやる」 そう言って、天子はその構えを最大限にまで上げて―― 「 サ ァ イ コ ビ ィ ー ム ! 」 一気に両手を勢いよく前方に突き出す!その両手からビームが発射された。 その威力はイチローとその後ろにいる者達を消失させることが可能なほどに高い。 (ここまでか、すまないみんな……) 事ここに至りイチローの心に諦めが支配し、己の死の運命を受け入れる。 そして、その様子を見ていた者達もまたこのまま死にゆくと確信し悔しがった――、一人を除いて。 「変、身!」 その一言共にサイコビームがイチロー達に直撃した。 ◇ ◇ ◇ イチローと天子の戦いが始まり、その戦いを固唾を飲んで見守っていたイチロー物置。 その直後、ツバサの頭の中で何か声が響いてきた。 声は小さくしかし、徐々に徐々に大きくなってくる、不思議に思いツバサは頭を触った。 「おい、どうしたツバサの嬢ちゃん?」 「ああ……いえ何でもありません」 その事に気づいたのは短いながらも同じ物置組に居たベルナドットだ。 だがツバサは他の人たちを不安にさせたくない為、その事を否定したのだった。 「…………そうかい」 少し悩んでベルナドットはそれ以上の追及を避け、イチローと天子の戦いを見守る。 やはり自分たちの命運がかかる一戦だ、だからこそ気になる度合いが違いすぎる故其れも致し方なかった。 何でもないと言ったツバサだが、その声はさらにさらに大きくなってきて、今、この場の音が仲間たちの声が遠くなってゆく。 そしてツバサは自然と目をつむって――次に目を開ければそこは何もない空間だった。 「……えっ」 理解できなかった、自分はさっきまでは確かに遊園地付近にいた、しかし今目に入る光景は何もないのだ。 それでもツバサは何かないかキョロキョロと辺りを見回して一歩ずつ歩き出す。 「ここは、どこ?……早く戻らないと」 そのような疑問を口にし、戻る為に何かがないかを探してまた一歩一歩、歩き続ける。 すると、今まで何もない空間が少しづつ、色づいてきた。 そしてその奥に見えるものがあった。 「黒い……太陽?」 そう、ツバサが見たのは黒い太陽、それがこの空間の上に存在していた。 少し先に進むことを躊躇した、しかし進まなければずっとこの空間にいることになるかもしれないと思い再び歩き出す。 一歩一歩進めば、黒い太陽へと近づいていく、それがたまらずに不安であった。 「でも……ここで止まってはいられないから」 そう言って少しづつ、少しづつではあるが黒い太陽へと近づいていく。 「……ッ!?」 しかし、その途中で強いプレッシャーを感じた、まるで自分を拒絶するかのように。 その事を感じた彼女は少し怯えたように体を抱く、そして無自覚ながらも呼吸が荒くなっていた。 「ハァ、ハァ、クッ」 それでも彼女は前に進むことをやめない、ここから出るために、仲間たちの元に戻る為に。 そうして歩いて歩いて――黒い太陽の元にたどり着いた。 「ここが、終点かな?」 「――ほう、ようやくたどり着いたか」 その重々しい声が響くと共に威圧が最高潮に達し、ツバサが少し悲鳴を出した。 コツン、コツンと足音が響くツバサの元にやってくるように。 「あな、たは?」 「私かそうだな私は――」 姿が見えた――その姿は仮面ライダーBLACKRXの姿をしていた。 「――キングストーンとでも言っておこう」 「キングストーン?」 ツバサが分からずに首をこてんと傾げた。 「……なるほど、どうやら記憶の欠陥は深いようだな」 そう、キングストーンと名乗った者は息を吐いた。 「あの、その、聞いてもらいたいことが」 「元の場所に戻してほしいであろう?」 その一言にツバサは大きく反応した。 しかしキングストーンはそれに対して首を振った。 「それは聞けぬ話だ」 「何でですか!」 ツバサの威圧すら跳ね返すほどの怒号に対しキングストーンは落ち着きを払って答える。 「貴様を危険視してるからだ、ディーヴァの残滓よ」 そう言って、一息ついてからキングストーンは話し始めた。 「貴様はテラカオス・ディーヴァから分かたれた存在、即ち貴様はディーヴァに戻りえる素質を持つ」 「だから、どうしたと言うんです」 「……ディーヴァは凶悪な存在であった、自身が多くの人を救済すると言いながら捕食と言う手段を用いるな」 「…………」 ツバサは押し黙る、ディーヴァの人を助けるという意志を否定されたように言われ腹が立ったがそれを抑える。 抗議するのは話をすべて聞いてからにしようと思って。 「救済心は本心からのものであったのだろう、だが奴のその心は暴走していたのだ」 「暴走ですか」 「ああ、たった一人で多くの人々を救済するというな」 キングストーンは一旦話を切り、再び話し始める。 「それ故にだ、奴は立ちふさがるがらずとも多くの者達を捕食し殺していった」 「………ッ」 殺すという言葉にツバサは何も言えなかった、事実ディーヴァは何人もの参加者たちを捕食で食い殺している。 「そしてその捕食は全ての者達を食らうまで終わらなかったであろう、沖縄で敗北しなければな」 「……即ち私を危険視する理由、それは」 「ディーヴァと同じように人々を救済するという大義名分を暴走させ人々を捕食するということだ、それを私は見過ごせん」 「なぜです」 「それは私が南光太郎と言う男と人類を守る為に戦ったからだ」 キングストーンは嘗ての自身の適合者たる南光太郎と共に戦った、それ故にキングストーンはその意思を尊重する。 それが南光太郎と言う男の最後の願いだった故に。 「……私はそうはなりません」 「ほう、なぜそう言える」 「私は確かにディーヴァから分かたれた存在、けれどその全てが同じじゃない」 そう言い切ったツバサ、それを興味深そうに面白そうにキングストーンは見つめる。 自身の適合者が言ったように、もしかしたら希望があるかもしれないと思い。 「いや、私は私、ディーヴァとは違う」 「ほう、何が違う?」 「……私にはディーヴァのような力も意思も理想もない、結局夢の中で言われたことをやってるだけ」 ツバサの手に力がこもった、自分が生まれて間もないがそれでも自分には何もないと思えて。 けれど、ディーヴァとは違うものが一つあった。 「けど、ディーヴァとは違って私には隣に人がいますから、たとえそれが偶然であってもそこはディーヴァと違う所です」 そう、ツバサは断言する、その瞳には一切の迷いなどはなかった。 「そうか、だが戻った所でお前はどうする?今のお前にはお前自身が言った通り力などない、それでどうやって戦う」 「……そうですね、だから頼みます」 言って、ツバサはキングストーンを再び見上げて。 姿勢よく、頭を下げた。 「私に力を貸してください」 「クッ、ハッハッハッハッハッハ、ハッハッハッハ!」 キングストーンは笑った、笑ってツバサを見る。 自らの非力を認め、己に力を貸してほしいという今は唯の少女を。 「なるほどなるほど、自身の非力さを認め力を貸してほしいか、未だかつてそのように私に言ったものはいない ――――よかろう、ならば存分に振るって見せるが良い」 そう言ってキングストーンは手を伸ばす、その手をツバサは取った。 すると手と手が合わさった時、中央にて光が輝いた。 (ふっ、光太郎よお前が言った通り希望が生まれるのかもな) キングストーンは思い出す、ディーヴァが敗北しその魂が削り取られる場面を。 その中で唯一ディーヴァの取りこんだ魂の中で目覚めた光太郎が自身の力を振り絞りキングストーンをツバサの魂に投げ込む姿を。 希望は生まれると、光太郎が言ったその言葉をしっかりと心に刻んで。 そしてツバサは現実へと帰還する。 ◇ ◇ ◇ 煙が濃くイチロー達がいた場所に覆っていた。 サイコビームの一撃は今までの人生の中でも最大の威力であった、それ故に天子はイチロー達を殺せたと確信できた。 「中々やる奴らではあったが所詮私の敵ではなかった」 「さすが!ナイト!」「ナイト!」「ナイト!」 狂信者達が天子を褒めたたえる、それに気を良くした天子は狂信者達の方を振り向き勝利のポーズを決める。 それを見た狂信者達のテンションはさらに上がった。 「さあ、皆私達の任務は終わった、いったんビッグサイトに――」 そう言いかけて天子は背後に気配を感じて一気に振り向いた。 それに釣られて狂信者達も天子が向いた先を見た。 徐々に徐々に煙が晴れて行く、そしてその場所に立っていたのは。 「大丈夫ですか、イチローさん」 「あ、ああ、だが……君に何が」 「話はあとです、今は下がっていて」 そうツバサに促され逡巡した後にイチローは翼の言う通りに後ろへと下がった。 「おいィ、折角私がもう終わらせようと思ったのに何でまだ生きてるんですかねぇ」 「決まっています、こんなところで終わりたくないからです」 そう言ってツバサは構える、その姿はツバサの元となったディーヴァの更に元となった風鳴翼が使っていたシンフォギア、天羽々斬と似た武装を装備している。 だがしかしそのメインカラーは青ではなく白となっている。 更に今構えている武器はRXが使っていた剣、リボルケインだ。 「ふん、まぁいい、所詮は付け焼き刃あの時死ななかったことを後悔するべき」 「それはどうでしょうね」 剣呑な空気が流れる、二人ともしばし相手を見てから、動き出す。 先手は天子、超低姿勢になり剣に炎を纏わせ燃え盛させる。 この技はミレニアムファルコンのコックピットをぶち抜いた技、その威力でツバサを殺すのはたやすい。 ――過去のツバサであるのならばである。 「つぅいげきのぉグランドヴァイパァ!」 「……ふぅ~」 ツバサはその攻撃に慌てず、騒がず、その攻撃の動作をよく見る。 そして、リボルケインをその攻撃に合わせて振るえば、攻撃が相殺される。 「なに、クッ」 天子はそれに驚くがツバサが間髪入れずに接近し攻撃を仕掛けてくる。 それに対し天子は良く反応し、その攻撃をグラットンソードで受け止めた、がしかし天子は嫌なものを感じた (下手にこのまま鍔迫り合いを行っていると何かまずいことが起きるかもしれニィ、ならここは) そう言って天子は足蹴りをツバサに仕掛けた、しかしツバサはこれに反応し鍔迫り合いをやめ回避する。 それと同時に天子もツバサが回避したことを確認し自身も後ろへ下がった。 そしてグラットンソードを確認する。 「……ッ、罅が」 「どうやら、その剣は貴方ほど硬くはなかったようですね」 そう言ってツバサはリボルケインを再び構え成す、それを見た天子も構える。 だが、今不利なのは自身であると薄々天子は悟っている。 (ここは引くべき、けれど相手は逃がしてくれ、ない!) 今までの優位が一転、こちらが不利になったことを認識する。 何故かはわからない、だが直感がツバサが危険だとここから撤退すべきだと告げているが逃げられそうもなかった。 その隙を相手は与えず、すぐに動き出す。 「ハァァァァ!!」 気合いがこもった叫びと共にリボルケインを用いて連撃をツバサは繰り出していく。 天子もまたそれに対して対応するものの、歴代の適合者の戦闘記憶を引き継いだツバサに押されてゆく。 本来であれば記憶引継ぎなど行われない、しかしツバサの場合はキングストーンと対話したことで引き継ぐことが出来たのだ。 「くぅぅぅぅぅ」 その連撃に押し込まれてゆく天子、確かにナイトの防御力は驚異的なものだ。 しかしツバサが持つリボルケインはその防御を無視してダメージを与える。 「ナイトがやばい!」「助けるぞ!」 狂信者達が天子を助ける為に動きだす、それは狂信者としての仲間意識であり今まで助けられた故の恩もあった。 だがしかし、狂信者達は戦闘に夢中になって忘れていたのだ、ツバサにも仲間がいるのを。 「後ろの連中が出てきたな」 「よし、ならそいつらは俺達で片づけうようぜ、あのツバサって子だけに任せるわけにもいかないからな!」 「でぇす!」 先程の遭遇戦での6/とシマリスのクルミ投擲をこの戦いで頼りになるナイトがいたことですっかり忘れていた狂信者達。 その事が仇になり、天子が率いていた残り30人の狂信者達は全滅した。 「くぅ……!」 「これで終わりです、貴方も!」 そう言ってダメ押しをツバサは食らわせる、速く、されど浅く天子に斬撃を食らわせた。 ガラントアーマーが破損し、胸部からわずかな血が流れる。 「何の、つもりよ?」 「……貴方を知っている人がいますから、降伏を」 そう言ってリボルケインを向けながら言うツバサ。 シマリスが知っている人物だからこそ、狂信者の彼女を何とか出来ると思ったからツバサは止めまで持って行かなかった。 「そうでぇす!話を聞いてださい!」 「――いやよ」 シマリスが話を聞いてくれと懇願するが、天子はそれを一蹴し無造作にツバサを斬りつける。 それをツバサは余裕で回避した。 「な、なんででぇすか!!」 「決まっているじゃない、貴方達をクラウザーさんの生贄にしてクラウザーさんをよみがえらせるためよ」 迷いなく、天子はそう言った、そこにあるのは狂信者としての狂信だけでなく、純粋なものもあった。 「あの人の歌が好きだから、あの人の歌をもう一度聞きたいから、だからそうするのそれはもう決めたことよ」 「そ、そんな」 「……シマリス、ありゃダメだアレは覚悟が決まってる奴だどんなこと言っても揺らぐことはないな」 ベルナドットがシマリスに天子の説得は不可能だとそう言った。 シマリスもまた天子のその思いの強さに説得する言葉が見つからなかった。 「…………衣玖には悪いけれどね」 少々の後悔を滲ませて剣を構える天子、それを見てツバサもまたリボルケインを構える。 少しの間が空き二人は一気に距離を詰めて、一閃。 「あーあ、やっぱり……だめ、だったわ」 そう言って天子が倒れた。 【比那名居天子@東方project】 死亡確認 「終ったか……」 ベルナドットがそう言って一息ついた、そこにツバサが向かって来る。 変身は向かって来る途中で解除された。 「色々と聞きたいことはあるが、ありがとう助かったよ」 「いえ、イチローさんが時間を稼いでくれたおかげでもありますから」 そう言ってツバサは後ろを振り向く、自身が倒した存在にしばし思いを馳せその死を悼んだ。 もしかしたら仲間になれたかもしれなかったという思いを持ちながら。 「しかし、ここからは徒歩で遊園地に向かうのか、皆ボロボロだから一苦労だぜ」 「いや、そうでもないみたいだよ」 そう言ったイチローが見据えた先には強大な竜がこちらに向かってきた。 「敵か!?」 「いや、あれは味方だよ、僕たちの頼れるね」 イチロー以外の者達がギムレーの邪竜体を見てすぐさま再び臨戦態勢を取るがイチローがそれを制した。 イチローの物言いに旧物置組はびっくりしたが事実である。 そしてギムレー邪竜体が地上に着地し、器のギムレーが降りてきた。 「どうやら来て正解だったようだ、……見慣れない者達もいるが」 「その事に関しては本拠地で話すよ、僕達もクタクタだからね」 「分かった、それじゃイチロー達とその一緒にいる人たちも乗ってくれ、速くここから出たいからね」 そう言って邪龍ギムレーに乗るように促された旧物置組はしばし考えた後にその言葉に従った。 今の自分たちはイチロー達しか頼れないからである。 そうして全員乗ったことを確認したギムレーは邪龍の方を動かし上空に移動、その後無事に遊園地へと向かった。 今度の空旅は襲撃してきた狂信者達が全滅したこともあり何事もなく遊園地へと到達することが出来たのであった。 【二日目・18時25分/千葉・遊園地跡地・上空】 【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】 【状態】健康、人間形態、シャドウだった者へ若干の恐怖心、首輪解除 【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜ギムレー 【道具】支給品一式、不明品、スクーナー級×500、ガレオン級×30、首輪×10、首輪のスクラップ×40、首輪解除方法(未完成)を書いたメモ 【思考】基本:自分以外がもたらす破滅(未来の大災害)の阻止 0:まずは本拠地に戻る、都庁に行くにしてもイチロー達がこうもボロボロだとね。 1:『正確な』情報を集めて仲間をフォローする。アナキンは要警戒だが今は誰にも話さない 2:試合の邪魔をするDMC狂信者を倒すために、本拠であるビッグサイトを攻略したい 3:予言に対して少し懐疑的 4:都庁がまともな場所と判明したのは僥倖。変態の巣窟でも文句はないさ 5:サラが死亡した場合はアウラの民の指揮を引き継ぐ 6:西の邪悪な気配は警戒を続ける 7:ネット上の乳神に若干嫉妬 ※外見はデフォルト設定の銀髪青年です ※首輪を外したとしても、屍兵は簡単には生み出せません ※首輪解除により、人間の姿のまま、自分自身である邪竜ギムレーを操れるようになりました 【イチロー@現実?】 【状態】ダメージ(大)、疲労(中) 、非常に強い悔しさ 【装備】野球道具 【道具】支給品一式 【思考】基本:イチリュウチームを優勝させる? 0:一先ず休息をとる 1:DMC狂信者を倒すために多くの仲間を集める 2:邪魔をしてくるDMC狂信者を倒すまでは試合は保留 3:予言に対しては慎重に考える 4:DMC狂信者の本拠であるビッグサイトを攻略したい 5:主催者は予言のことを知っているんだろうか? 6:オシリスやゼクスたちの犠牲を無駄にしない ※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと二球以上使用すると選手生命が終わる危険があります いかなる回復手段を持ってもこれは回復できません ※オシリスが死んだと思っています(他のチームメイトも同様) 【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】 【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、怒りと悲しみ 【装備】胡桃1500個 【道具】支給品一式 【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる 0:新生したイチリュウチームで予言の完遂を果たす 1:ハラサン……ありがとう 2:大正義を忘れない 3:目立つことも忘れない 4:予言に対して盲信気味 5:DMC信者は絶許。本当に絶許 6:なんかシマリスから俺と同じ臭いがする 7:色々とあったからとりあえず回復と休息を取りたい 【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】 【状態】ダメージ(特大)、疲労(大)、気絶中 【装備】サングラス 【道具】支給品一式、マスターソード、魔竜石、リザイアの書、不明品 【思考】 0:(気絶中) 1:DMC狂信者、その他マーダーと達と戦う ※邪眼を一回使いました 【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】 【状態】ダメージ(特大)、疲労(大)、気絶中、強い悲しみと怒り 【装備】なし 【道具】支給品一式、日本酒×50 【思考】 基本:イチリュウチームについていく 0:(気絶中) 1:KBTITとかいうクソホモは忘れる 2:なんかロワが始まってから私全然活躍できてなくね!? 【テラカオス・ディーヴァの残滓『ツバサ』@テラカオスバトルロワイアル十周目】 【状態】ダメージ(小)、完全TC耐性、キングストーンにより変身可能 【装備】キングストーン 【道具】リボルケイン 【思考】基本:テラカオスの因子を集める。 0:もう悲しんでいるのだけはやめた、この力で守れるものを守る。 1:どうして人はあんなに残酷に殺しあえるんだろう…… 2:Lさん、ゼクスさん……貴方達の犠牲を忘れません。 3:あの人も状況が違えば仲間にできたのかな。 ※ディーヴァが持っていた能力はキングストーン以外が使用不可。 ※一度、テラカオスになったことにより完全なTC耐性を保持、テラカオス候補者のTCを回収できます。 ※死んだことによりディーヴァの性格を引き継いでいません、これからどうなるかは不明。 ※記憶を大半喪失していますが、生みの親の名前、風鳴翼が捕食で世界を救おうとしたこと、都庁での悪い思い出、沖縄で敵が現れ敗北したこと、夢で出会った男(才人)のことは朧げながら覚えています。 ※仮称としてツバサという名前が与えられました 【シマリス@ぼのぼの】 【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、天子を救えなかった悲しみ。 【装備】胡桃×1500 【道具】支給品一式、その他不明 【思考】基本:仲間と共に生き残る 0:天子ちゃん…… 1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える 2:胡桃の扱いを極める 3:衣玖さん、ごめんなさいでぃす…… 4:クリスちゃんとは友達でぃす! 5:拳王連合軍、悪い奴じゃなければ良いんですが 6:ゼクスさんたちには死んで欲しくなかったでぃす…… 7:6/さんを見ているとなぜかホッとする 【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア】 【状態】気絶、変身解除 【装備】イチイバル 【道具】支給品一式、その他不明 【思考】 基本:仲間を探して現状を打破する 0:(気絶中) 1:シマリスの無事を祈る 2:翼を見つけ出し食人について問いただす 3:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える 4:もっと強くなりてぇ 5:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する 6:拳王連合軍にはちょっと懐疑的 ※テラカオス化が進行していましたがディーヴァの残滓によって回収され正常に戻りました。 ※気絶しているので状況が把握できていません 【ピップ・ベルナドット@HELLSING】 【状態】ダメージ(中)、疲労(小) 【装備】自動式拳銃×2、M16 【道具】支給品一式、スピーダー、手榴弾×25、ノートパソコン、TCホール観察日記、カオスロワちゃんねるに関する考察メモ 【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る 0:仲間の仇を取ってやりたいが…… 1:生存確率が上がりそうなので今はイチローについていく 2:拳王連合軍と組むのは有りだと思っている 3:正直、ドリスコルには勝てる気はしないが…… 4:とりあえず、状況を整理する時間と回復と休息をしたいもんだ 5:そういやLからもらったメモ読んどかないとな。 イチロー達がちょうど遊園地に到着した時と同時刻に遊園地近くの海上にて一つのポッドが浮上した。 「どうやら無事に遊園地にまでこれたようですね」 「ああ、後はこのまま行くだけだな」 ナッパとサラマンディーネの二人だ、あれから二時間一五分悪戦苦闘しつつも何とか遊園地まで移動していたのだ。 流石の狂信者と言えど海にいる存在を探す者達は限られており、更に都庁の決戦に備えている段階だ。 それ故に海に回す人員はいなかったのである。 「やれやれ、緊張の連続でしたね、狂信者に見つかれば私達は終わりですから」 「だが油断は禁物だ、もしかしたら敵がいるかもしれないからな」 「ええ、分かっています最後まで慎重にですね」 そう言ってポッドを動かす、だがその時上空から音が聞こえた。 「ッ!?敵か!」 「いえ、どうやら民たちが私達に気づいてくれたようです」 サラマンディーネが空を指さす、指さされた先にいるのは竜達、そうアウラの民達だ。 その種類はガレオン級とスクーナー級、その数匹だ、ギムレーから許可をもらいこちらに飛んできたのだ。 「どうやら一安心だな」 「これでようやく一息付けますね」 二人は安堵した様子でこちらに向かって来るドラゴンを見ていた。 その後、ドラゴンたちに回収され、ナッパとサラマンディーネも遊園地へと帰還した。 【二日目・18時25分/千葉・遊園地跡地・上空】 【ナッパ様@ドラゴンボールZ】 【状態】ダメージ(特大)、疲労(特大)、尻尾切断、全裸、野球脳、激しい怒りと悲しみ 【装備】なし 【道具】なし 【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる 0:とにかく休息とダメージの治療がしたい 1:野球を邪魔するDMCは許さない 2:ベジータはそのうち探す 3:また多くの仲間が死んじまった……自分の無力さが不甲斐ない 4:生きていてくれソウルセイバー! 5:サラマンディーネにも迷惑かけちまった…… 6:拳王連合軍は本当に悪逆集団なのか? 7:あのガキ(光熱斗)には野球で報復したかった ※回復した場合、戦闘力がとても大幅に上昇します ※一瞬だけスーパーサイヤ人化しました 首輪解除ができればいつでも覚醒できますが本人は気づいていません 【サラマンディーネ@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】 【状態】ダメージ(中)、両羽喪失 【装備】なし 【道具】一人用ポッド 【思考】基本:対主催 0:遊園地につき次第、怪我の治療を。 1:イチリュウチームについていく 2:滅亡を止めたいとは思うものの、予言に関しては懐疑的 3:後で首輪解除のためにゆっくりできる時間が二時間ほど欲しい 4:リオレウス様…… 5:ナッパ様の髭が一瞬だけ金色になったのを目撃しましたがあれは一体…… ※予言には主催者も関わっていると推測しています ※首輪解除技術を持っていますが、技術面で祐一郎さんやブリーフ博士を下回っているため、解除方法を見つけるまでに最低二時間以上かかります
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第四回戦SS・自宅その2 久喜依織は、無音の空間にいた。 音だけではない、光りも、上下左右の感覚もない無の空間。戸惑いはない。 無から手元に、小麦と量りが現れた。淀みない動作で計量するうちに、砂糖、牛乳、バター……馴染みきった次々と現れる。 今日は何を作ろうか。思考と行動はほぼ直結だ。流れるような速度で計り、練り上げ、型抜き――そして現れたオーブンへ。時間は一瞬であり、同時に十数分。 かぐわしい芳香。そう、今回のクッキーは――。 ナインオーガは、閉じていた眼を開けた。 魔人能力クッキー・クリッカー。己ですら視覚的には認識しえないその亜空間内で、クッキーを仕上げる自分自身、そのイメージトレーニング。一日も欠かしたことのない鍛錬だ。 C2バトル、最後の戦いは近い。仕上がりは完璧。 勝つに越したことはない。だがこのイメージと現実の差を限りなくゼロにすることが己の使命であり、積んできた功夫(クッキー)だ。しかし。 一つの確信があった。これでは足りない。 外法も、奥義も、躯伎に伝わる業は片っ端から覚えた。だがそれでも、自分の望みを叶えるためには、一つ決定的に足りない。 見つけなければならない。その足りない、究極にして至高のクッキーレシピを。だが如何にして? 具体的には? ……わからない。ナインオーガな七坂七美との戦いの後、手近に発見し乗り込んだ貨物船の隅で、幾度目か判らない自問を繰り返した。 ナインオーガにとっての『最高(クッキー)』とは? 答えは、未だ出ていない。 しかし、答えは出なくとも、もうすぐ陸だ。密航……間借りさせてもらっていた船だが、そろそろ去らなければならない。オーガは再び海に飛び込むべく立ち上がった。 その時であった。 「わーはははぅあーーーはははははぬひょーーーーーー!!」 陸を駆け、海上を駆ける寄声が、オーガの視界に切り込んで来た。 @@ ピーンポーン。 「はぁーいはいはいちょっと待ったってやー。……もう何やの朝っぱらから。こっちはプリキュア終わって題名のない音楽会タイムやっちゅうに……」 芹臼ぬん子が、ぼやきながら玄関へ向かう。場所は東京、とあるアパートの一室。希望崎学園に通うに当たって、親元を離れ借りている部屋であった。 「ぬあひゃひゃー」 「……へ?」 メロスであった。全身ずぶ濡れ、打ち身や擦り傷に塗れているが、それは間違いなく彼女の盟友、夕張メロスであった。 「ちょ、あんたどうしたんやこんな時に!? いやあんたのせいでウチはな……や、ええとそうやなくて……いやボロボロやんかメロス! とにかく入り……」 「……んん」 ぬん子に促されメロスが続く。ちょっとだけバツの悪そうな顔で、頭を掻いて。 ――ん? ぬん子が違和感。 ――なんやこいつ、ちょっとすまなそうな顔してからに。一までこんな表情見せたことあったか? いや無くはないけど……ここで? そんな悪いと思ってん……。 ぬっ。 その時、メロスに続いて入室する影あり。 マウンテンパーカーにワークキャップ。月面のクレーターを思わせる意匠の仮面にからは角が覗いている。余りにも自然なエントリー。 ナインオーガであった。 「……きゃ、きゃあああああーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」 不審者の登場に、芹臼ぬん子の悲鳴が炸裂した。冷蔵庫にマグネットで止めてあるC2カードが、密かに反応の点滅を示していた。 @@ 「え、ええとそれで……あんさんはこのアホをしばき、いや保護してくれたと。そ、そりゃおおきに……」 「あひゃひゃー」 「このヒト無口やしあんたから話聞くしかないけどな、別にメロスは全然褒めとらんで」 芹臼ぬん子の自室。ぬん子の対面に、ナインオーガが正座していた。 数時間前、船から去ろうとしたオーガの前に偶然現れたのが、この夕張メロスであった。都市伝説の仮面を被るオーガとしては条件に当て嵌まる相手なら詰問も吝かではなかったが、メロスは当然、そのような輩ではない。 しかし何が楽しかったのか、メロスは突然、オーガが去らんとする船に向けてその疾走の舵を切ったのだ! ……結局のところ、場の流れによってオーガがクッキーの全力を持ってメロスを止め、テンション爆上がり状態の彼女の歩みに任せるまま、家元の近くまで連れていかんと現れた運びなのである。 元来、ナインオーガとしても、仮面の下の人物――久喜依織――としても、そこまでする義理はない。だが、最後までしてしまった。途中で、カードの反応にも気づいたからというのもある。だがこのC2バトルにおける戦いで、ナインオーガの仮面を被る久喜依織自体の人間性も、少しづつ露わになっている。それも確かであった。 「さて、まあ……こんな空気になって若干やりにくいっちゅうのもあるけどな」 「……」 「うひゃばあー」 オーガは黙っている。出された茶菓子に手も付けない。メロスがテレビのリモコンを叩いた。ルフィが画面に現れる。ワンピースだ。 「うちもな、ワケあってどうにも戦わなきゃあかんねん。それでまあ……うん、あんさん動画と前情報なんか大分印象違うから調子狂うねんけど」 「ばばばー」 メロスがゲラゲラと笑う。オーガも画面を見る。 「まあ、どっちが勝っても恨みっこなしっちゅうこって……。あ、ウチちょっとエステの紛いモンみたいなことしとるんやけどな、もしバトルが終っても……」 『いけませんサンジ様、王族が床に落ちた食べ物など!』 メロスが菓子をバリバリと喰う。今にも走り出しそうだ。 「なあちょっと……」 『ヴィンスモークの恥さらしが……』 オーガは無言。メロスは屈伸をしている。 「えと、あのな……」 「ばひゃひゃひゃー」 『クソお世話になりました!!!!!』 ぶちん。 「聞、け、やあああああああああっ!!!!!」 激昂! ぬん子が湯のたっぷり入った電子ポットを掴んでオーガに投げつける。 カロリー☆メイク! 脂肪がオーガの仮面を覆う、流れる様にキック! だがその瞬間、摩擦音、火花。 ゴウ!炎! 「うおっとと!!」 とっさに炎を脂肪に変え難を逃れるぬん子。そう、ナインオーガは自らのクッキーを素早く擦り合せ、脂肪を逆に炎として返したのだ。 とっさに転がり体勢を立て直すぬん子だが……卓袱台にもうナインオーガはいない。 見るとベランダの外……既に隣家の屋根に移動しているではないか! クイックイッ。加えてこちらを手招きする挑発つきだ。そしてすぐさま跳び消える。 「あんのボケ……! やったろうやないかい!」 ぬん子は怒り心頭だ。飛び出したところにさらに電話! 「はいこちら芹臼!」 『おうぬん子か。喜べ、次のシノギ……相手が決まったぞ』 「はいわかっとります! うちも今相手しとる所です!」 『おうそうだナインオーガ! いやいきなり来るからセッティングに手間取ったぜ。お前の部屋の様子もこっちはバッチリだ! メロス確保ついでに頑張ってくれ』 「あんたも何やっとんじゃあああああ!!」 ぬん子が吼えた。部屋には一人、メロスが残された。 ――周囲は、クッキーの残骸で満ちていた。 「……ふう、どうや。全部消したったで!」 東京都心都庁前。ここに至るまでの道は、クッキー武器に、脂肪塊、溶けた脂でべたべたに汚されている。その有様だけでも、彼女たちの死闘を雄弁に物語っていた。 元より、躯伎の技も、自分の魔人能力も、ぬん子のカロリー☆メイクとは最悪の相性に近い。 チョコチップクッキーの型も、ドロップクッキーの型も、アイスボックスクッキーの型も、ラングドシャの型も、全て決定打には至らず退けられてきた。 「なあ、もう降参しとき。ウチも別に命が欲しいわけちゃうで。なあ?」 ぬん子が歩み寄った。だが……オーガの仮面の奥の瞳は、まだ死んでいない! オーガが大きく、地面に手を突いた。 オベリスククッキー! 過去最大のクッキーが、地面よりそそり立つ! 「うわあっ! くっそ、とことんやるっちゅうワケかい!」 すんでで躱すぬん子。だがそこにオーガはいない。オーガ……上空だ! オベリスククッキーを足場に、オーガは跳んでいた。 ――オーガは沈思する。 絶対絶名だ、自分の望みの、夢の、最大の障壁。この事態を打破するカギは? 答えは一つだった。 そうだ、出来るはずだ。自分にしか出来ないクッキー。今、私の望みを叶えるには、それが不可欠。では、そのクッキーとは何だ? 躯伎奥義のことごとくを網羅した自分にかけているクッキー? ――いや、構想はある。今までずっとクッキーと共にあった。そんな私なら――出来る! 都庁上からの落下の中、ナインオーガは手をかざした。クッ気ーの高まりが満ちる。 長鳴ありすさん。 ――あらためて、ごちそうさま。最高のクッキーだったよ。またいつか食べたいものだ。 感謝を、ありがとう。 ゴブリーさん。 ――人に無理やり押し付けられた尻体験で誇りまで売り渡しちゃあ……『武尻』のゴブが、ゴブである甲斐がないのゴブ~!! 誇りの心を、ありがとう。 七坂七美さん。 ――だからその前に、あなたの望みともう一度向き合いなさい。 自分と向き合わせてくれて、ありがとう。 みんな、みんな。大切なことを教えてくれて、ありがとう。 オーガの体から、クッ気―が……いや、極小のクッキーそのものが吹きだす! 「無天(アトモスフィア)クッキー!」 そのクッキーは、存在自体が矛盾していた。小麦粉の直径より小さい(・・・・・・・・・・)、クッキーの空気による空気。 大気に満ちるクッキーの中、ナインオーガの最後の拳が迫る。 この場を起点に、空間が、世界がクッキーに染まる! それこそがオーガが辿りついたクッキーの極致! クッキーに抱かれ、己自身をクッキーとなす、オーガがクッキーだ! クッキーがオーガだ! 「まっず……!」 クッキー即ち熱量である。本来ならこのクッキーの塵とて即座に脂肪にかえられる。だが……あまりに広範過ぎる! それに脂肪とて、クッキーの材料と言えなくもない。脂肪を変えた傍から取り込んで、アトモスフィアクッキーに変えられてしまうのだ。 そしてぬん子の瞳に飛び込んでくるのは、その絶望の終着点――! 「……うそやん」 視界いっぱいのクッキー。さながら隕石のような、巨大な月のようなクッキー。幻覚か、本物か、はたまたナインオーガのクッ気ーの行きつく果てか。真っ直ぐ自分に向かって落ちて来るそれであった。 「くっそ……」 こんなもの、どうすればよいのか……。 「くっそ……」 そもそもなぜこんなことになってしまったのか。自分が一体何をしたというのか。苦しい、全部あのメロスと、ヤクザな先輩のせいではないか。 「アホ……」 ぬん子は叫んだ。オーガにも、メロスにも、世界の全てに叫んだ。そうでなければやってられるか! 「あいつらの、アホーーーーーーーーーーーー!!!!!」 巨大クッキーが、地面に激突し砕けた。 @@ アトモスフィアクッキー満ちる空の下、ナインオーガが立ち上がった。 勝利。勝ったのだ。どこから伝えられたわけではないが、実感として分かる。 ぴしり。 縦に入った亀裂から、オーガの仮面が真っ二つに割れた。落ちる面を両手で受け止める。 月面のクレーターを思わせる、否、クッキーそのものとしての意匠。 鬼とは転じて神である。即ち己にクッキーを降ろし、己自身をクッキーとなす、神(クッキー)懸かるための面。 いや、それも少し違う。これはつらい時に被るたび、力が湧いて来た仮面。涙があふれる顔を隠すたび、心を落ち着かせてくれた仮面。幼き頃部屋の隅でみつけて以来、ずっと自分を守ってくれていた仮面。 表面に大きくついた傷も、久喜との決別のため自ら刻んだもの――オーガーさんは『顔を剥ぐ』のだ――だが、その悲しいいきさつの記憶も、今はもう朧(おぼろ)だ。少し寂しいが、喜ばしいことだとも思う。 どざららららららら! 見上げた空から、アトモスフィアクッキーが結集したクッキーが滝のように降り注ぐ。辺りの騒ぎはかなり大きい。老若男女様々な出で立ちの人々が、目を白黒させている。 「……ぷっ。くす、あははははは!」 能面のようだった顔が大きく吹きだした。大量のクッキーだが、いずれやむだろう。しかし、あんなにたくさんの人が口を開けて驚いてる。おかしいそれが妙におかしかった。 ……なりたいな、クッキーやさん。うん、ひらこう、クッキーやさん。 もらったお金で足りるかな。家は好きじゃないけれど、最後に少しだけ助けてあげよう。会社が大変みたいだし、大叔父さまの会社は好きで、無くなってほしくないけど、でも久喜の人には、私が助けてあげたんだぞって大笑いしよう。 うまく行くかな? 小さい子みたいな夢かな? ううん、いいや。今迄お世話になった人、この戦いで出会った人、みんな呼ぼう。皆に自分のクッキーを食べてもらおう。おいしいレシピにメニュー、わたしまだまだいっぱいあるの。 ――でも、最初のお客は伊月ちゃんがいい。仲が良いだけじゃなかったけど、それでも自分にとって一番近くにいて、一番色々な顔を見せてくれたあの子がいい――。 稚気にあふれた願いだった。困難に満ちた、まともに叶うとも知れない夢想だった。 しかし、この数週間のバトルで依織が胸に抱き続け形になった、確かな宝物だった。 さよならオーガーさん。待ってるから、いつかまた遊びにきてね。 C2カードが、打ち滅ぼされた体を再生していく。 アスファルトの上、大の字に寝転がったまま、芹臼ぬん子は、クッキー満ちる空を見上げていた。 「……あー、負けてもうたか」 「うひゃあーーあびゃああー!!」 周囲には、まだメロスと思われる声と騒音。 「まあ、ええか」 ぬん子は笑った。こいつと一緒なら、また何とかなるだろう。 このページのトップに戻る|トップページに戻る
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登録日:2012/05/14(月) 08 18 44 更新日:2024/05/17 Fri 14 35 17NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 KEI アンダーグラウンド エンター・ザ・ボイド キャバ嬢 シティーハンター ストリートファイト トー横 パピヨンローゼ ホスト ホームレス ヤクザ ロシアン・マフィア 不夜城 今はとりあえず平和 住吉会 半グレ 危険地帯 夜王 山口組 新宿 新宿スワン 新宿区 新宿鮫 暗黒街 暴力団 東京都 東声会 東洋一の繁華街 椎名林檎 極東会 極東黒社会 極道 歌舞伎座は歌舞伎町には~ない~ 歌舞伎町 殺し屋1 洪門 流氓 眠らない街 稲川会 終末の探偵 繁華街 蛇頭 街項目 裏社会 都庁が出来てから治安が大改善した 魔境 魔窟 魔都 黒社会 龍が如く 眠らない街歌舞伎町 そこに一人の男が訪れた 男の名は、桐生一馬 桐生の伝説は 歌舞伎町で再び始まる 龍が如く6 歌舞伎町編 2012年12月12日 発 売 △メニュー 項目変更 ここは歌舞伎町? それとも神室町? -アニヲタWiki- 嘘です。 SEGAも龍が如くも関係ありません。 歌舞伎町とは東京都新宿区にある地域の事である。別名『東洋一の繁華街』 『東洋一の繁華街』と言う名の通り、居酒屋・風俗店・キャバクラ・映画館・ホストクラブ・ラブホテル・パチンコ店・アダルトショップ・ゲイバー・ヤバい店 等など 繁華街としての規模は東洋処か世界にも引けを取らない。 元々ここは新宿内の一角なので江戸の宿屋街・明治の住宅街として発展したが東京大空襲で全て焼失。 その後、ここに歌舞伎劇場を建設しようとしたため街の名前が『歌舞伎町』になった(歌舞伎劇場の建設は中止になった)。 その後はターミナル駅である新宿駅が近い事もあり繁華街として発展した。 893 そして繁華街として発展した歌舞伎町の一般人のイメージは… 風俗! 危険!! 極道!!! だろう。実際1980年代までは正に極道の街で、道端にゲロやウ○コならまだしも闇取引等が日常茶飯事・少し歩けばあちらこちらから客引きに捕まる・ いかにもな人や車当たり前にいると言うカオス街と言うより別世界。 その時を知ってる人に聞けば様々な武勇伝が語られる様な街である。 でも時代は変わり、1990年代からは地元自治体(機能している?)や警察の努力により前よりかなりマシになっている。 まぁ、その頃にも、「朝起きたら青龍刀が路上に転がってた」だのなかなかにカオスな逸話はあるが。 ……とはいえ、実際歌舞伎町内は暴力団はもちろん不法滞在者も多いらしい。 現在、表立った事件は少ない方だが今夜も闇取引等は続いている。 そんなに沢山893が居たら抗争で大変な事になると思われるが先に述べた通り治安は20年前の大改善のおかげで、 今日も歌舞伎町は平和かもしれないです。 時代は変わり聖地化 元々繁華街として関東民や日本人のみならず、観光地として外国人も訪れる。 昔に比べると死んだように静かだなどとも言われるが、未だに繁華街としての規模はでかい方。 そして893やホスト・ホステスドラマ等で舞台にされる為世間にはそこそこしられている。 そして2005年にあのゲームが発売された。そう、 龍が如く である。中身も極道・キャバクラ・そして神室町と言う名のどこからどう見ても歌舞伎町が舞台。 更に世界中でヒットした事により繁華街に来ない様な人が訪れたりした。 それでも危なく無いのか?と思うかも知れないが昼間はそんなに危険ではない。(観光客も昼間が中心) 因みに歌舞伎町はあの世界一のターミナルであり大迷宮である新宿駅が最寄駅な為、訪れる時はルート確認しよう。 ぶっちゃけ近年の某浄化作戦の影響で893な人々は事務所移転なりしたようだが、 代わりに良く分からない外人マフィア崩れ的何かが増えて、警察も実態把握をしきれていないとも言われる。 また平成末期~令和あたりから、誰かが呼びかけたわけでもないのにTOHOシネマズ新宿周辺に家出少年少女が集まるようになっている。 彼らがたむろする周辺は「トー横界隈」、そうしている少年少女らは「トー横キッズ」(*1)と呼ばれ、周辺での迷惑行為のみならず薬物乱用や児童買春など社会問題の温床となってしまっている。 今夜もまた この街は眠らない ここは東京、新宿 歌舞伎町 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 組によって差はあれど、日本の裏社会の秩序に貢献していた893がいない代わりにマフィア崩れが増えたのって、長期的に考えたら別方向に悪化だろ。 -- 名無し (2014-04-22 10 20 00) 昔でいう、劇場や芝居小屋を中心にしたいい意味での「盛り場」を作ろうとしたんだけど、肝心の歌舞伎劇場は来ず…喫茶店とかでひと時は栄えたけど、今や悪い部分だけが残って発展してしまってるのよ。すごい壮大な失敗例。 -- 名無しさん (2014-04-22 12 44 37) 銀魂のイメージしかない・・・・。 -- 名無しさん (2014-04-22 12 54 40) 新宿が悪いイメージがあるのは歌舞伎町のせいだけであって新宿区全体でいえば決してそんな事ない。 -- 名無しさん (2015-02-12 12 48 16) 遠征ついでに寄ってみたけど、早朝にいる客引きがウザすぎて草生えた。何度も付きまとわれたわ -- 名無しさん (2015-03-07 01 18 29) 正直家族連れも来るであろうTOHOシネマズがあるのはどうかと思う -- 名無しさん (2017-07-10 19 46 49) 夜中歩いててどっかの路地に入ったらごつい黒人2人とアジア系の男女がたむろしてた時は流石に回れ右した -- 名無しさん (2020-12-16 03 15 26) 何度かイベントとかで行ったけど暗くなったら1人で行くもんじゃないって感想 客引きもそうだけど大通り少しでも外れると途端に空気が変わるのがほんと怖い -- 名無しさん (2023-05-23 23 04 38) 矢島美容室の日本のミカタで歌舞伎座は歌舞伎町にはないと知った田舎者ですはい -- 名無しさん (2023-05-23 23 44 30) 歌舞伎町浄化作戦は毎回元の木阿弥って印象だけど、一時期に比べりゃ改善はしてるのか。最悪の時期はどんだけの世紀末だったんだ? -- 名無しさん (2023-05-24 09 14 13) 秋葉原との共通点はあるのかな? -- 名無しさん (2023-11-04 20 34 24) 名前 コメント
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イチローチームとドラゴンズの合併により生まれた新チーム「イチリュウチーム」。 発足直後に、聖帝軍のピンチとリオレウスの暴走という事件が発生した。 それらに対処すべく、監督であるラミレスは決断を下した。 「首輪解除ハ大事デスガ、人命ト仲間ハモット大事デス。 ヨッテ、サラサンの首輪解除ハ後回シニシ、リオレウスサンニハナッパサンとサラサン、ソウルセイバーサンヲ割当テ。 制定軍救助ニハ、イチローサン、オシリスサン、蛮サン、萃香サン、ソシテ6/サンヲ派遣シマス。 残リノ選手トアウラノ民ノ皆サンハ負傷者ヲ守ルタメ二コノ城二残ッテクダサイ」 ラミレスの考えはこうだ。 高い機動力を持つリオレウスを追跡するには次ぐらいに機動力かつ飛行能力があるナッパ、サラ(焔龍號)しかいない。 ソウルセイバーは追いつけるか怪しいがオシリスよりは早いため、いざという時のドラゴンネットワークによる連絡係としては必要不可欠であった。 聖帝軍救助には単純に戦力になるものと、ドラゴンネットワークと同時に巨体故に聖帝軍の面子を背中に乗せて運搬できるオシリスが有用であると思えた。 残りは負傷しているため遊園地に残り、ダイゴの持つパソコンやギムレーによる情報収集・連絡係を任せる。 アウラの民は戦闘力はあるが、イチローらに比べると見劣りするために最悪、狂信者や拳王軍・都庁軍の『おやつ』になってしまう危険が有るため、遊園地に残った選手の護衛を任せた。 一方、サラによる首輪解除による戦力増強は大きいが彼女の技術力では二時間かかってしまうため、解除を待っていてはリオレウスや聖帝軍を見捨てることになってしまう。 ナッパもポッドの中で回復途中であったが、リオレウスを捕まえるにはどうしても彼の戦闘力と機動性が必要であった。 ここでどちらかでも見捨てれば自分たちは拳王連合軍と同じく非道な連中と変わらなくなってしまう。 多くの人命を助けたければ多少のリスクは承知の上で飲み込むしかないのであった。 また、「首輪というハンデを乗り越えればイチリュウチームは予言の中にある最良の九人の戦士に近づくことができるのではないか、というのがラミレスの考えもあるのである。 選手は苦境を乗り越えてこそ強くなるのだ。 イチリュウチームにも試練を与えなければならない。 ラミレスの指示を受けてさっそく飛び立つリオレウス追跡班と聖帝軍救助班。 彼らの帰りと吉報を信じて待つ遊園地班とアウラの民であった。 遊園地を発ち、日本海上空からリオレウスを追うナッパ、サラマンディーネの焔龍號、ソウルセイバー。 「ナッパ様……お怪我の方は大丈夫なのですか?」 「心配すんなサラ、サイヤ人にこの程度の傷でへこたれるクズはいねえ。 それに今回は戦いじゃなくてリオレウスの阻止が目的だ。 過剰な暴力は今は必要ねえし、拳王連合軍ともまだ戦わないつもりよ」 回復ポッドに入っていたので飛べるぐらいには回復したナッパだが、それでもまだ無視できない痛みが体にズキズキと残っている。 無茶をしての飛行であったが、チームメイトの暴走とリオレウスを含んだ犠牲を食い止めるためならラミレスの指示も本望であった。 高速飛行できる者の中で拳王連合軍と戦闘に陥っても安定して戦えそうな人材がナッパしかいない点もある。 「サラこそ、チームに入って早々トラブルに突き合わせちまって悪いな。下々のことも気になるだろう」 「私やアウラの民のことはお気になさらずに。 アウラの民たちはしっかりした者たちですし、万が一の時のためにギムレー様に作りかけの首輪解除法とアウラの民の指揮を任せています」 「万が一、って事態にはならないようにするよ。アンタほどの美し……優秀な選手が死ぬ事は避けたいしね」 「お優しいのですね、ナッパ様」 サラは龍神器の機動力がリオレウスを追いかけることに適していることに加えて状態異常耐性を持たないナッパをフォローするために必要な人材だった。 流石に本人に毒ガスに対する耐性はそこまでないだろうが、焔龍號が人型形態を取ればコクピットは守られるため、リオレウスが毒ガスを放っても対抗する策はあった。 最悪の場合、焔龍號に内蔵された空間破壊兵器・ディスコード・フェイザーで毒ガスや拳王連合軍ごと消し去る使い方もできるので、彼女しか焔龍號に乗れないことを懸念すると正にうってつけであった。 「まったく、二人でイチャイチャしちゃって……オ〇ンポとオ〇ンコを重ね合わせるような破廉恥は私が許しませんよ! ……ちょっと、早漏すぎる……じゃなくて早すぎるわよ!? ナッパは本当に怪我人なの!?」 ギリギリどころかアウトな言葉を吐きながら二人を必死に追従するのは、巨乳ドラゴンのソウルセイバーである。 彼女は怪我人であるナッパには追いつけないほど機動力に劣るが、オシリスには巨体故の用途があり、ホルスは病み上がり、ギムレーは邪竜化できないと飛行できないので他にリオレウスを追跡できるものだいなかった。 また、機動性にこそ問題があるが、電話の代わりになるドラゴンネットワークの使用ができる利点や、ナッパやサラよりはリオレウスとの付き合いが長いので説得できるということもあった。 「……畜生、あいつら追ってきやがったか!」 リオレウスがチラリと後ろを振り向くと、追ってくる仲間たちの姿があった。 飛行速度そのものはリオレウスがダントツであり、まだまだ距離はあったが、リオレウスによる特攻もとい毒ガス攻撃を阻止するには十分な射程であった。 この事態に焦るリオレウス。 「どうする俺……このままじゃ拳王連合軍に攻撃ができねえ。 戦うにしてもあの三人に勝てるのはスピードだけだ。 言いくるめたり騙し討ちをする? ダメだ、俺の頭じゃ捕まる未来しか思い浮かばねえぞ」 機動力以外は三人一辺に太刀打ちできる要素がないリオレウス。 相手が相手なので捕まっても自分を殺しはしないだろうが、復讐は間違いなくやりづらくなる。 どうしても捕まるわけにはいかない 「どうすりゃいい……どうすりゃ……ん?」 そこでリオレウスは思い出した。 人間の諺にある『急がば回れ』という言葉を。 急遽リオレウスは針路を神奈川の横浜港に直進するルートから北向きへと進路を変えた。 「なんだ? 急に針路を変えたぞ?」 「復讐を諦めて私たちの方に戻ってくればいいけど」 リオレウスの突然の行動に首を傾げるナッパとソウルセイバー。 「……いや、あの向きは! すぐに止めないと!」 だが、聡いサラだけが危険を察してリオレウスに向けて射撃を行った。 「お、おい仲間に向けて何してんだサラ」 「ただの牽制と威嚇です! それよりもナッパ様とソウルセイバー様も早く彼を止めてください! この先にあるものを考えると、彼を行かせるのは尚更危険です!」 「この先にあるもの……まさか!?」 「止めろって言われても私は射程外で何もできないんだけど!?」 サラに言われてようやく危険を悟ったナッパもリオレウスに威嚇射撃のエネルギー弾をグミ撃ちで発射する。 「はっ! どうせ威嚇射撃だ。当ててくるわけがねえ」 ナッパとサラの攻撃を涼しい顔で躱していくリオレウス。 彼の目線の先にはDMC狂信者の本拠地、ビッグサイトがあった。 「クソッ! 間に合わねえ!」 「遅いぜ、もうここは奴らの領内だ」 ブレスの射程内ギリギリに要塞化されたビッグサイトが入り次第、リオレウスは発射する。 モブ狂信者の魔法による迎撃等でブレスはあっさりと防がれてしまうが、それもリオレウスの計算の内。 すぐにリオレウスは目的地である横浜港へ針路を変更し、最大速でビッグサイト領内から脱出した。 そして飛行できる能力を有したモブ狂信者や飛行型MSが蜂の巣をつついたようにワラワラと現れた。 「あの野郎、やりやがった!」 「狂信者がこっちに来るわ!」 「やられました……狂信者は足の早いリオレウス様より、機動力で劣る我々を狙ってきています」 ビッグサイトを守るために迎撃に出た狂信者はサラの言ったとおり、早すぎて追いつけないリオレウスより十分に追いかけれられるナッパたちに的を絞って攻撃を加えてきた。 リオレウスは追跡を逃れるためにビッグサイトという蜂の巣を啄き、中から飛び出た鉢の大群をナッパたちに押し付けたのである。 訓練または強化されて油断できない存在になっているとはいえモブ狂信者は三人の敵ではなかったが、それでも時間稼ぎをさせるには十分であった。 「こいつらうぜえ!」 「倒しても倒してもキリがありませんわ」 ビームでモブ狂信者の集団を次々と撃墜していくナッパとサラであったが、モブ狂信者はビッグサイトから次々と迎撃に出てくる。 そうこうしている間にリオレウスはどんどん距離を離していった。 「リオレウスが行っちまう!」 「このままでは彼を見失ってしまう……更に言えば狂信者の中から強者の増援が現れて、我々も危険に陥ってしまいます」 戦いが長引いてモブ狂信者よりは遥かに強いネームド狂信者が出撃すれば、勝てても戦闘にかかった時間によってリオレウスを見失う。 更にイチリュウチームはまだ知らないが、この頃狂信者はネームド限定で首輪解除も可能になっている。 相手によってはこの三人さえ凌ぐ戦闘力を持った狂信者が現れる危険が有るのだ。 首輪を外していない現状ではそれらの交戦は危険極まりない。 「ナッパ!サラ!私が粗チ〇ポどもの囮になるわ!」 「おまえ一人でか!?」 「いくらあなたとはいえ危険です!」 「あの様子だとリオレウスにもう口での説得は通用しない! でもアイツを止めるにはあなたたちのスピードが必要よ。 口での説得ができない以上、スピードで劣る私は残り、勝るあなたたちが追跡を続行すべきでしょう」 ソウルセイバーは一匹でモブ狂信者たちの囮になり、ナッパとサラを引き離してリオレウスの追跡を続行させようと言うのだ。 もちろんそれは相応の危険が伴い、二人は難色を示したが、ソウルセイバーは二人を行かせようとする。 「ここは任せて早く行きなさい! 私は狂信者やおチン〇に負けるほどヤワな雌じゃなくってよ!!」 「くッ……わかったソウルセイバー。だが絶対に生きて浦安に帰れよ!」 「危険だと思ったらドラゴンネットワークでアウラの民を読んでください、彼女らもモブ狂信者なら互角の戦闘力を持っています」 「ええ、ありがとう。必ずリオレウスのオバカチンチンを連れ戻してね」 苦渋の決断の上でソウルセイバーの案に乗ったナッパとサラは彼女を残してすぐに戦線を離脱。 何人かは二人を追いかけようとしたが、すぐにソウルセイバーの攻撃によって撃ち落とされた。 モブたちの矛先は完全にソウルセイバー一匹に絞られ、彼女はできる限り仲間を支援するためにビッグサイトからもナッパたちからも距離を取った。 「……俺の邪魔をするおまえたちが悪いんだぜ。 まあ、あいつらならモブ程度の敵は何匹束になっても十分もありゃ倒せるだろう」 追っ手を巻くためとはいえ、狂信者との戦闘を押し付けたことに罪悪感を覚えるリオレウスであったが、仲間たちならばモブ狂信者に負けはしないだろうという自身もあった。 そしてニヤリと微笑む。 「十分も稼げりゃ、俺の復讐は果たせるがな!! 横浜が見えてきたぜ!!」 リオレウスの視界に輪郭が顕になった横浜が映る。 横浜港は広いがそのどこかに妻を殺した拳王連合軍がいるのは確定的に明らかだ。 見つけ次第、腕に持っている毒ガスを奴らにぶちまけてやる。 殺意と復讐心を滾らせるリオレウス。 阻止を目指すナッパとサラは間に合うのか? 【二日目・14時00分/東京湾上空】 【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】 【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、激しい怒りによる暴走 【装備】毒ガス入り大タル爆弾 【道具】支給品一式 【思考】基本:(暴走中) 0:刺し違えても拳王連合軍はぶっ殺す!! 1:リオレイアのためにも……! 2:復讐のためならもうヘタレ払拭とかどうでもいい 【イチリュウチーム・リオレウス阻止班】 【ナッパ様@ドラゴンボールZ】 【状態】ダメージ(中)、野球脳、激しい怒り 【装備】なし 【道具】一人用のポッド 【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる 0:リオレウスを止める 1:野球を邪魔するDMCは許さない 2:あのガキ(光熱斗)にはいつか報復する、野球で 3:ベジータはそのうち探す 4:また多くの仲間が死んじまった……自分の無力さが不甲斐ない 5:生きていてくれソウルセイバー! 6:サラマンディーネに気がある ※回復した場合、戦闘力が大幅に上昇します 中途半端な回復具合で回復ポッドから出てしまったので、戦闘力上昇の幅はその分少ないです 【サラマンディーネ@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】 【状態】健康 【装備】焔龍號(EN消費:小) 【道具】なし 【思考】基本:対主催 0:リオレウス様を止める 1:イチリュウチームについていく 2:滅亡を止めたいとは思うものの、予言に関しては懐疑的 3:後で首輪解除のためにゆっくりできる時間が二時間ほど欲しい ※予言には主催者も関わっていると推測しています ※首輪解除技術を持っていますが、技術面で祐一郎さんやブリーフ博士を下回っているため、解除方法を見つけるまでに最低二時間以上かかります 焔龍號の操縦に専念している現状はもちろん無理 【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】 【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、巨乳 【装備】不明 【道具】支給品一式 【思考】基本:世界を救うためにも、オシリスについていく 0:リオレウスを止めさせるためにも狂信者の足止めをする 1:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない 2:都庁軍討伐は後 3:都庁軍は絶対に信用しない ※♀です ※囮となるべく、モブ狂信者と戦闘中です 長々と戦っているビッグサイトからネームド狂信者が派遣される危険があります 一方その頃、浦安市の遊園地。 そこで待機しているDAIGOたちも遊んでいるわけではなく、パソコンやドラゴンネットワークで情報収集を行っていた。 そこで一行はダイゴのパソコンからある情報を見つけた。 「これは……マジっすか」 「ギムレーサン! ドラゴンネットワークデスグニ連絡ヲ!」 「……もうやっている」 「ホルゥ……ホルたちしかまともな球団はいないでホルか!?」 その映像は聖帝軍保有の巨大ロボが虐殺を行う映像であった。 同時刻、千葉県から東京江戸川区へと侵入したイチローとオシリスら、聖帝軍救助班。 「待ってろよ、もうすぐ助けてやるからな聖帝軍!」 「あれ? スカイツリーはどこへ行った? 見えないぞ」 オシリスの背中から墨田区の目印にもなるスカイツリーを探すイチローであったが、なぜか無くなっていることに気づく。 代わりに墨田区からは黒いモヤが高々と上がっていた。 そこへドラゴンネットワークを通じてオシリス宛にギムレーから連絡が届いた。 「なん……だと……!?」 この前死んだ裏切り者が好きそうな口調を吐きつつ、チームを乗せて飛行していたオシリスが急に止まった。 「うわわ、落ちる落ちる!」 「おい!急に止まんな!急ぐんじゃなかったのか!?」 「どうしたの急に? KBTITとかいう北京原人みたな言葉を吐いてさ!」 急に止まったことで6/、蛮、萃香から顰蹙を買ったオシリスだが構わずに言葉を吐く。 「たった今、ギムレーから映像が届いたんだ。 聖帝軍がついさっき虐殺を行ったとな……ネットは大炎上状態らしい」 「「「なん……だと……!?」」」 聖帝軍は対主催の皮を被ったマーダー集団だという話に他の仲間たちの口調もオサレ化する。 「しかも聖帝軍のロリショタの正体も大人が子供に化けていただけだって……個人的にショックだ」 「そっちはどうでもええわ! 胡桃ぶつけんぞ!」 「いや、それが真実ならガキを装って他の参加者から同情を誘い騙し討ちを仕掛けようとしたクソどもということになる。 あながち無視はできねえ事柄だ」 ちなみにチルノの大人化は大阪で辛うじて生きていた監視カメラから偶然撮られたものらしい。 金色の闇の大人化はガンダムのモニターに写った一瞬映像を狂信者のホモ共が不信に繋がると思ってオマケに流したものだ。 大人が子供に化けていたのではなく、実際は子供が大人になったのが正しいのだが、仲間内以外でそれを知るものはおらず、聖帝軍への不信を加速させた。 「偽情報の疑いは?」 「ギムレーやラミレスもそうなんじゃないかと疑ったが、現在進行形で聖帝軍の巨大ロボが暴れているのは事実らしい。 少なくとも立川市での無差別攻撃は目撃者の多さから工作じゃないのは確かだそうだ」 「そんな……」 信じていた球団は拳王連合軍と同じ悪しき集団であった。 その事実に一行はショックを受ける……自分たちの球団以外は世紀末的ヒャッハー集団だということになるのだから。 「そんでもって、ラミレスから二つの指示がきた」 「一つはすぐに浦安に引き返すこと。 もう一つは、俺たちで『可能ならば』聖帝軍を殲滅することだ……」 【二日目・14時00分/東京江戸川区】 【イチリュウチーム・聖帝軍救助(⇒殲滅)班】 ※ドラゴンネットワークにより聖帝軍のきらりんロボによる虐殺(工作込み)を知りました 【イチロー@現実?】 【状態】健康 【装備】野球道具 【道具】支給品一式 【思考】基本:イチリュウチームを優勝させる? 0:聖帝軍を倒す? 1:DMC狂信者を倒すために多くの仲間を集める 2:邪魔をしてくるDMC狂信者を倒すまでは試合は保留 3:予言に対しては慎重に考える 4:DMC狂信者の本拠であるビッグサイトを攻略したい 5:主催者は予言のことを知っているんだろうか? ※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと三球以上使用すると選手生命が終わる危険があります 【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】 【状態】健康 【装備】サングラス 【道具】支給品一式、マスターソード、魔竜石、リザイアの書、不明品 【思考】 0:聖帝軍を倒す? 1:DMC狂信者、その他マーダーと達と戦う ※邪眼を一回使いました 【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】 【状態】ほろ酔い、強い悲しみと怒り 【装備】なし 【道具】支給品一式、日本酒×50 【思考】 基本:イチリュウチームについていく 0:聖帝軍をぶっ飛ばす? 1:KBTITとかいうクソホモは忘れる 【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】 【状態】健康、悲しみ 【装備】胡桃三千個 【道具】支給品一式 【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる 0:新生したイチリュウチームで予言の完遂を果たす 1:ハラサン……ありがとう 2:大正義を忘れない 3:目立つことも忘れない 4:予言に対して盲信気味 【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ】 【状態】ロリコン、とても深い悲しみ 【装備】バット、グローブ、ボールを多数 【道具】支給品一式 【思考】基本:ロリにモテるために世界を救う予言の謎を解明し、イチリュウチームも優勝させる 0:聖帝軍がマーダーってマジかよ…… 1:リオレウスの方は大丈夫だろうか? 2:ホルスの黒炎竜…… ※オシリスの見立てによると魔力(生体マグネタイト)が集中しているビッグサイトへの直接攻撃は大爆発を招き、東京を巻き込む危険性があるそうです 【二日目・14時00分/千葉県浦安市遊園地】 【イチリュウチーム・待機組】 ※ネットにより聖帝軍のきらりんロボによる虐殺(工作込み)を知りました 【DAIGO@現実?】 【状態】ダメージ(小) 【装備】ウルティメイトブレスレット@ウルトラマンサーガ 【道具】支給品一式、ヴァンガードデッキ 【思考】 0:イチリュウチームについていく 1:聖帝軍がマーダーってやばくないっすか? 2:ダイゴさんマジリスペクト……意思は引継ぐっス 3:主催の目的はなんなんだ? ※サーシェスがテラカオスになると同時に首輪が自動で外れた瞬間を目撃しました 【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】 【状態】健康 【装備】無し 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考】基本:殺し合いを止める 0:聖帝軍のマーダー化は何かの間違いだと思いたい 1:どうにかしてDMCを止めたい 2:ホルスの黒炎竜、助けられなくてすまない…… 3:触手男のような混沌の力を持つ者を見つけることが主催の目的ではないかと睨んでいる ※制限によって一度に数分までの間しか変身できません 一度変身すると12時間は変身できません ※首輪を外さない場合二日目22時になれば再び変身ができます ※サーシェスがテラカオスになると同時に首輪が自動で外れた瞬間を目撃しました 【ダイゴ@ポケットモンスター】 【状態】ダメージ(大・処置済)、深い悲しみ 【装備】メタグロス 【道具】支給品一式 、コルトパイソン 【思考】 0:イチリュウチームについていく 1:助けてあげられなくてごめんな、ポッチャマ、ちなつ…… 2:きれいな石集めは今は忘れる 【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】 【状態】右足切断(処置済み)、監督といて生きていく決意 【装備】野球道具一式 【道具】支給品一式 【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる 0:情報ヲ集メテ、飛ビ立ッタ仲間ヲフォロースル 1:コレカラハ監督トシテガンバッテイク 2:リ、リオレウスサン…… 3:虐殺ガ真実ナラ ファッキュー聖帝軍 ※イチリュウチームの監督になりました 【白光炎隼神ホルス@パズドラ】 【状態】健康、悲しみ 【装備】不明 【道具】支給品一式 【思考】基本:世界を救うためにオシリスについていく 0:リオレウス阻止と聖帝軍のために旅立った仲間の無事を信じるホル 1:死んでしまった奴らのためにも頑張るホル! 2:聖帝軍まで……他の球団はもう信用できないホル 3:ええ乳持ち(ry ソウルセイバーとサラの無事を祈る 【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】 【状態】ダメージ(小)、魔力消耗(小)、人間形態 【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜の鱗 【道具】支給品一式、不明品、スクーナー級×500、ガレオン級×30、首輪×10、首輪のスクラップ×40、首輪解除方法(未完成)を書いたメモ 【思考】基本:野球で優勝して、自分の信者を増やす 0:情報を集めて飛び立った仲間をフォローする 1:試合の邪魔をするDMC狂信者を倒すために、本拠であるビッグサイトを攻略したい 2:予言に対して少し懐疑的 3:聖帝軍の情報に関しては一部は工作も疑ってるが…… 4:サラが死亡した場合はアウラの民の指揮と首輪解除法を引き継ぐ ※外見はデフォルト設定の銀髪青年です ※制限により、しばらく邪竜形態でいることはできません ※首輪を外したとしても、屍兵は簡単には生み出せません
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【妄想属性】妄想 【作品名】機械の昆虫 【名前】メタルオオカブト 【属性】金属甲虫 【大きさ】体長40m(角除く)。角長21m。体高11m。体重1万トン。体はカブトムシ型。 【攻撃力】突進で高さ約50mのビルをへし折って倒す。 主砲:角先端の砲台から発射する光弾。一発だけ撃つ場合にはタメはないが連発する場合は 一度撃ってから次の光弾を撃つまでに0.2秒のタメがある。 射程約500m。着弾点に直径約150mの半球型の爆発を起こす威力。 副砲と同時に発射することも出来る。 副砲:角の左右にそれぞれ2つずつある砲台から発射する光弾。 タメなし。4つの砲台は全て同時に発射可能。 砲台の向きは上下方向に自在に変えられるため空を飛んでいる敵にも当てられる。 主砲を発射しながら副砲全てを連射することも出来る。 連発可能。一発撃ってから次の光弾を撃つまでのタメは1ナノ秒以下。 射程約800m。一発一発が着弾点に直径30mの爆発を起こす威力。 ミサイル:背部に内蔵されているミサイル。一発だけ。 射程は広島から東京まで届くほど。ミサイルの速度はマッハ45。 東京を何もない焼け野原にするほどの大爆発を起こす威力。 【防御力】自分の副砲並みの砲撃を何十発浴びてもびくともしない。 自分と同等のパワーの相手と突進しあって100mほど後方に吹っ飛んでも戦闘続行可能。 【素早さ】飛行速度はアメリカのニューヨークから日本の広島県まで20分かからず飛行できるほど。 歩行速度は飛行速度の1/4。 反応速度は大きさ相応のカブトムシ並みは最低ある。 800m先から飛んでくる戦闘機20機を、自分の主砲の射程である500mまで進ませることなく 副砲で全て正確に撃墜できる。 【長所】圧倒的な火力。 【短所】反応速度。 【戦法】相手との距離が800m以下の場合は主砲&副砲。それで倒せないなら距離をとってミサイル。 相手との距離が800m以上~ミサイルの射程以下の場合は初手ミサイル。 相手との距離がミサイルの射程以上の場合はミサイルの射程まで近づいてミサイル発射。 【名前】メタルオオカマキリ 【属性】金属昆虫 【大きさ】体長約70m。体重5000トン。体はカマキリ型。 【攻撃力】光線:眼から発する稲妻のような光線。射程40m程度。連射可能。両目から同時に発射可能。 戦闘機程度なら一撃で撃墜させる威力。 鎌:腕が鎌状になっている。20階建てのビルを縦に切り裂き真っ二つにする。 戦闘機も3機まとめて叩き切って撃墜した。 真空波:片腕を振るうことで長さ約500mの三日月型の斬撃を飛ばす。射程5000m以上。 5000m先の山を縦に切り裂き、更に先へと進もうとした。 スピードは一瞬で5000m先に届くほど。 両断:両腕の鎌をあわせて対象を真っ二つに切り裂く。 この両断は物理的防御力を無視して対象を切り裂くことが出来る。 切り裂かれた対象は、その性質(体積、重さ、攻撃力の射程や威力、 防御力、素早さ、特殊能力の効果や範囲などなど)を全てちょうど半分とした性質をもつ 二つの物体となる。例えば体積が2立方cmのサイコロを両断すると 体積が1立方cmのサイコロが2つ出来る。 【防御力】直径約150mの半球型の爆発を起こす砲撃の直撃をくらっても 直径30mの爆発を起こす威力の砲撃を連発してくらっても完全無傷。 自身の真空波を反射されられてもわずかにかすり傷がついただけ。 直径10kmを吹き飛ばす爆発の中心地にいた時は右腕が取れ、全身の装甲ははがれて半壊。 しかしその半壊状態でも戦闘続行は可能。 【素早さ】反応速度は40m先から発射されるマッハ4の砲撃30発を全て鎌で切り裂き止められるほど。 地上での移動速度はマッハ5ぐらい。ひととびで高さ700m程度まで跳べる。 【長所】攻防高く絡め手もある。 【短所】面倒な絡め手 【戦法】基本は初手真空波。相手が近づいてきた場合や数が多い場合は光線も使う。 それで勝てないなら両断しまくって弱体化させる。 ◆考察記録--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 65 名前: ◆9ZFkp38shA 投稿日:2006/11/03(金) 15 41 46 変化する人の考察が微妙だったのでもう一個やっとく。 メタルオオカブト考察。 ニューヨーク~広島間の直線距離は大体1万1250km。(正距方位図法の地図より) これを20分だから飛行速度は時速3万3750km(秒速9.375km、約マッハ27.5) 歩行速度はその四分の一の秒速2.344kmでマッハ6.8くらい。 ミサイルの射程である広島~東京間の直線距離は県庁都庁の所在地同士で約660km。 東京の面積はwikipediaより2,187.05km2だそうだが細長い。 地図で測ったら長いところは90kmくらいあるのでミサイルの攻撃範囲は半径45kmで。沖ノ鳥島とかは無視。 短所に反応速度とあるが約マッハ2の戦闘機20機を300m進ませるまでに落とせるのでかなり高い。 ダークキリサキ以上には速すぎて勝てない。 大神美月とシモンの方が反応は上か?その下は普通に速さで勝てる。 この二人格闘だけだから勝てるかもしれんが攻撃力あるし負けだろうな。 シモン・ベルモンド >大神美月 >メタルオオカブト>リーズ 807 名前:格無しさん 投稿日:2006/11/11(土) 01 00 22 メタルオオカマキリ考察 メタルオオカブトには勝てる。その付近を見る。 ○ダークキリサキ ◆GlJDOSjJ1Y 速いし真空波で勝ち。 ×シモン・ベルモンド 以前の考察より、夜が12時間なら12時間が20年なので常人の14610倍。 マッハ14クラスなので負け。 ×大神美月 反応差で勝ち。 ○メタルオオカブト 攻防差で勝ち。 ×リーズ 凍結負け。 ×フレイ 炎で負け。 ○魔神豪鬼 倒せるか微妙だが両断でいけるか? ×Godslayer 速すぎる。触れられて負け。 ○近藤勇次/遠藤しずく 速度差で勝ち。 ○リコ 以前の考察より、毎秒6000発のパンチは腕の移動を往復50cmとして3000m/s(≒マッハ8.8)。 しかし初手の関係で勝てる。 ○優等生 反応差で勝ち。 ○リン 反応差で勝ち。 ○村田忠志 2回攻撃して勝ち。 ○神崎冥 反応差で勝ち。 ○生徒会長エヴァンジェ 反応差で勝ち。 ○メテュール 反応差で勝ち。 Godslayer>メタルオオカマキリ>魔神豪鬼 409 名前:格無しさん 投稿日:2007/02/12(月) 18 57 53 あ、メタルオオカブトはサイボーグ 410 名前:格無しさん 投稿日:2007/02/12(月) 19 00 42 機械だろ? 412 名前:格無しさん 投稿日:2007/02/12(月) 19 20 21 410 いや改造された虫
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第31話「葬送(前)」 第32話「壮争(後)」 第33話「摩天楼ショー」 第34話「One・Two・Three」 第35話「足跡」 第36話「Going On!」 第37話「時間よ止まれ」 第38話「ガラスのパンプス」 第39話「手を握って歩きたい」 第40話「Be Alive」 第41話「風をさがして」 第42話「暁は光と闇とを分かつ」 第43話「女が目立って なぜイケナイ」 第44話「ピョコピョコ ウルトラ」 第45話「涙一筋」 第46話「大阪 美味しいねん」 第47話「大きい瞳」 最終話「自信持って 夢持って 飛び立つから」 第31話「葬送(前)」 ダークネス幹部チームを完全に葬り去ろうとした後藤真希を飛来した漆黒の矢が阻んだ。 その矢の放ち手は…。 「せっかく助けてあげた命をわざわざ捨てに来るなんて馬鹿だなあ、藤本」 藤本の【凝縮】能力で大気中の窒素を固めて作り出した漆黒の矢は【重力操作】で尽く撃ち落とした。 その代償として小型のブラックホールの創成は一旦中止せざるを得なかった。 「テメーが神を堕とす悪魔ならアタシは神をたぶらかす魔女。お似合いの相手だろうが」 次々と撃ち出される窒素の矢の威力や密度は先刻戦った時よりも威力を増している。 【時間停止】という現象を創り出すことは後藤にとっても楽なことではない。 ことに幹部チームとの戦いで一度時間を停止させている上に、小型ブラックホールを創りかけていた。 頭の奥底に軽い痺れを感じながら、それでも後藤は喜びを感じていた。 ―― こうして戦ってるとこんなわたしでも生きてるって感じがするね。 このお礼に藤本には直接【重力操作】を叩き込んでやろう 【重力操作】の影響で電力会社からの送電がストップしている都庁付近のビル群が光で輝いている。 不規則な間隔をおいて、まるで文字のように。 決戦の場、都庁に赴こうとしていた美貴とリゾナンンターに間賀が随行を申し出たことから話が始まる。 間賀が勤務するという建物管理会社は都庁の一括管理を請け負っているという。 この夜も夜勤で泊まっているはずの同僚たちの身が心配だという間賀の同乗を美貴は許した。 藤本美貴の【凝縮】能力は、魔術の儀式というルーティンワークで脳内のスイッチを入れて発動する異能だ。 儀式の場が成立していれば、限界を超えた異能を発動することすら可能となる。 今、都庁とその付近のビル群は巨大な魔法陣と化して藤本美貴という器に魔力を注ぎ込んでいる。 間賀やその同僚たちが自家発電を稼働させ、藤本の指定した魔法言語を描いているのだ。 次回、暁の戦隊 第31話「葬送(前)」 ―― さあ、来いよ。 勝ち誇ったテメーが自分の手で息の根を止めに来た時が終わりだ ◇ ◇ ◇ 第32話「壮争(後)」 ―― ちっ、どうしてもタイムラグは生まれるな ビル群の壁面に描かれた魔法陣から創り出される魔力は強大で、最強のGすらたじろがせる底知れなさがある。 しかし、構築した魔法陣が巨大なことで藤本が【凝縮】能力を発動させるタイミングに若干のズレが生じている。 状況を見切った後藤が窒素の矢や炭素の槍を掻い潜り藤本に肉薄する。 「藤本、お疲れ~」 破滅の力が込められた拳が藤本の身体に炸裂する。 「…やっぱ、こう来ると思ってたぜ。 最後は自分の拳でカタをつけるとな」 藤本は相殺しきれないチカラに身体を蝕まれながら、勝利を確信した。 今、この瞬間、自分の周辺に存在する大気中の窒素を一点に圧縮する。 窒素爆弾。 核に次ぐ破壊力を有する兵器を作り出し、一気に決着をつける、筈だったが……。 「テメー、何をした」 「あぁ。 ごとーを道連れにしようと何か企んでたのが不発に終わっちゃったのがごとーの所為だとでも? でもそれは違うよ」 藤本美貴の異能の根源は魔術の術式だ。 そして、魔術の源流を遡れば呪詛に辿りつく。 他者への嫉妬、他者への憎悪、他者への憤怒を成就させるための歪んだ感情から生まれた闇の儀式こそが魔術の原始。 「ごとーのことをやっつけちゃいたいって意識で突っ走ってるうちは良かったんだけど、最後自分を犠牲にしてでも誰かを守ろうとしたよね、藤本」 藤本美貴に自己犠牲の精神が生まれたとき、呪詛に根ざした魔術の効果は薄れていった。 「愛されるより愛する愛が愛だと知った今の藤本は魔女でもなんでもないだたのつまらない人間。 "Jacob’s Ladder”に立つ資格は…無い!!」 強烈な波動が藤本美貴を天空に投げ出した。 ぐわぁぁぁぁぁ!! 優に百メートルを超える高さから転落した藤本を緊急避難用の巨大な緩衝材が地上で受け止めた。 緩衝材の周りには黒装束に身を固めた男たちが群がっている。 どの男たちの身体もボロボロだ。 「…テメーら、能無しの戦闘員どもはまとめてクビにしたはずだけどな」 「だからフリーを満喫させてもらってますよ。 クソ生意気な女の負けっぷりを見物しに来たんですけどね」 「じゃあ、今の無様なアタシを見て笑えよ」 次回、暁の戦隊 第32話「壮争(後)」 ―― 笑えるはずがねえだろうが。 身体を張って戦った今のアンタを見て 言葉を失くした「俺」に藤本が声をかける。 「なあ、アタシの身体を立たせてくんないかな。 まだやれる、まだやれるはずなんだ…」 「アンタは十分に戦った。 ただの人間風情が鋼翼の悪魔とあそこまで壮絶に争ったんだから」 「じゃあ、後はあいつらに任せるしかねえ…か」 ◇ ◇ ◇ 第33話「摩天楼ショー」 ―― これはちょっといただけないな 新たに戦場に現れたリゾナンターの一手の猛攻をいなしながら後藤真希は思考する。 ジュンジュンにリンリン。 亀井絵里に道重さゆみ。 近接戦のスペシャリスト二人に回復役という配置は通常の敵一人に対してなら十分過ぎるが…。 ―― 中国のお友達二人は私に敵わないことは身に染みて判ってる筈だけどな 【重力操作】で四人のリゾナンターを一気にを葬り去ることは可能といえば可能だが、しかし…。 一周前と一周後では世界の形や人の有り様は微妙に違っている。 一周前の世界では国会議員だった黒崎が一周後のこの世界では都知事を務めていたのには少し驚いた。 しかし、人の本質は変わらなかった。 黒崎という男は邪悪で卑小な存在だった。 飯田圭織という予知能力者は何を考えているか判らないようでいて、人間の深淵を視ていた。 だったら…。 ―― 愛ちゃんの本質も変わらないよね 高橋愛は危険な使命を仲間に負わせて、自分の身を安全な場所に置くことを良しとするような人間ではない。 ―― 愛ちゃんがごとーの息の根を止めに来てくれるんだよね。 この子たちはその機会が訪れるまでのj時間稼ぎか、ならば… 次回、暁の戦隊 第33話「摩天楼ショー」 ―― この摩天楼ショーを少しの間楽しませてもらおうかな 拳の嵐、炎の嵐、風の刃に吹かれながら、後藤真希は踊る。 目の前の敵との交戦は反射神経に任せ、切り離した意識はあらゆる事態の変化に対応するために研ぎ澄ます。 高橋愛の意図する処を見破り、自らの命を危険に晒したギリギリの直前で打ち破る。 ―― 胸が高鳴るねえ ◇ ◇ ◇ 第34話「One・Two・Three」 獣化したジュンジュンの爪、懐に飛び込んで来るリンリンの拳と応戦しながら、後藤の意識は高橋愛との決着の時を待っていた。 彼女たちの攻撃は後藤には届かない。 逆に後藤が反射的に繰り出した一撃で負った傷を亀井絵里と道重さゆみが協力して治癒していく。 ―― 傷は治っても痛みは感じるだろうし、恐怖も残るだろうにね。 今、自分と退治している四人が高橋愛を認め、未来を信じていることを痛感する。 ―― 確か、こっちの世界の愛ちゃんは一周前の世界の愛ちゃんが持っていないチカラを持ってるんだよね フォトンマニピュレイト。 光を操るという能力の実相を後藤は実は知らない。 一周前の自分の中の認識と一周後の世界のカタチとの間に生じていたズレを解明すべく、様々な情報を収集している間に知り得た事実だ。 ―― もしかして目からビームでも発射するのかな、うふっ、カッコいい もしも高橋愛が滅びの光を放ったなら回避する術はない。 最強のGといえど光の速さには敵わない。 小型のブラックホールを形成すれば光の進行を歪めることは出来るが、一定の威力に留めておくのは大変困難だ。 ―― 愛ちゃんやれいなと拳を交えないうちに全てを終わらせるのは勿体ないからね 高橋愛が仕掛けてくる瞬間を見切って、【時間停止】を発動させる。 タイミングを見誤れば死に直面するという予感は後藤の心を浮き立たせた。 ―― でも、愛ちゃんはどうやて強力な光を発生させるつもりなんだろう?。 ん、フォトンマニピュレイトってのは光を収束させて放つことなのかな。 だったら… 夜明けには遠いこの時間ではフォトンマニピュレイトは発動できないと後藤は考えた。 収束させるに足りうる太陽光が射さないこの時間では。 ―― そっか、だから小春がこの場にいないのかな。 謎は全て解けた、なんてね 後藤は高橋愛や田中れいなについで気がかりだった存在の顔を思い浮かべた。 久住小春。 彼女の放つ雷撃の速さは脅威だと考えていた。 しかし、小春一人で発生させうる雷撃の威力には限界がある。 目標に命中させる精度の問題。 そして何より命を奪う覚悟の有無。 しかし、ここに顔を見せていないリゾナンターが力を合わせれば。 ビル群の電灯ぐらいしか光源のない夜の闇の中で殺傷力を有する光を作り出す唯一の手段を後藤は見出した。 One 鞘師里保の【水限定念動力】と生田衣梨奈の【気体操作】で水蒸気を上昇させ、電位差が生じやすい大気の状態を局地的に作り出す。 Two 田中れいなによってチカラを【増幅】された小春が自分一人では発生させられない規模の強力な雷を起こす。 Three 小春が起こした強烈な雷の光を高橋愛が【操作】して収束して標的を射抜く。 次回、暁の戦隊 第34話「One・Two・Three」 ―― 大好き 大好き 大好き 大好き……だからわたしのことを殺しに来てよ 雷鳴が轟いている。 ◇ ◇ ◇ 第35話「足跡」 稲妻が走った。しかしそれ以外は何も起こらなかった。 ―― 試し射ちだったのか、それとも稲妻の光を愛ちゃんが収束して放つっていうのは見立て違いだったのか、でも… 果敢に立ち向かってきたジュンジュンとリンリンが、距離を置こうとしているのは、雷が攻撃の起点である証のように思える。 最強同士の戦いで二転三転する白熱の攻防は有り得ない。 有利なポジションを取り、先んじた方が勝利を収める。 ほんの僅かな誤差が取り返しのつかないミスを呼ぶ遠距離からの射撃を高橋愛が行うとは思えない。 ―― 愛ちゃんはもうすぐ私の命を奪うために “Jacob’s Ladder”にやってくる。 共鳴という絆に全てを委ねた者たちの奏でる魂の鼓動は後藤真希にとって、本来不快な不協和音だ。 しかし今は敢えて耳を傾ける。 最初の雷からの間合い、そしてジュンジュンたちから感じられるリズム。 ―― 来る。 後藤真希は闇の波動を全開放した。 極限に増大した重力に時間が絡め取られていく。 ―― 思ったよりも遠い ゼロ距離からの攻撃を仕掛けてくるのではと期待した高橋愛が数十メートル離れた地点で静止している。 そんな安全策をとった理由は愛のすぐそばにいた。 ―― あの子、たしか予知能力者の光井愛佳 後藤真希が看破した通り高橋愛のフォトンマ二ピュレートは収束させた光で敵を射抜く。 光を収束させるために自らの目の水晶体をレンズとして用いるので、一時的に視力を失ってしまう。 後藤という最強の能力者相手に二の矢を放つ機会は訪れないことを予期した愛は、たった一度の機会をより確実に使うために未来を視ることのできる愛佳を自分の目の代わりにした。 自分一人なら後藤と刺し違えることすら厭わなかっただろう愛は、愛佳が一緒に行動することを考えて一定の距離を取らざるを得なかった。 収束光の速度を考えればそれは十分な至近距離といえたのだが… ―― 重い。 まさか自分のチカラにこんな風に足を引っ張られるとはね 静止した時間の中で唯一動ける存在である後藤真希が、愛との距離を詰めていく。 自分の拳で直接【重力操作】を愛に叩き込むことが後藤の設定した勝利条件だった。 巧みな操作で時間停止の状態を保ったまま移動する後藤だったが、極限を超えて強化された重力線の軛から完全に逃れることはできない。 確実で安全な対抗策は時間を停止するために増大させている重力のベクトルを減少に転じ、愛の射線から逃れて稲妻の放ち手である久住小春を倒しに行くことだとわかっている。 しかしそれはしない。 ―― 愛ちゃんも他の子もあたしを倒すために、全てを失くす覚悟で向かってきている。 だったら私はそれを真っ向から潰してあげる。 いつまで時間を停止させられるかは自分でもわからない。 時間が動き出せば馬鹿正直に真正面から向かっていく自分のことを愛は光の槍で貫くことだろう。 二つの世界の自分が一つになってから嗅ぐことの無かった死の匂いが後藤真希を高揚させる。 喜びを得るために愛たちと同じだけの大切なものを差し出しながら、足跡を刻みつけていく。 ―― ヤバッ、ちょっと間に合わないかも 時間が動き出す予兆を感じたが、愛との間にはいまだ十メートルばかりの隔たりがある。 後藤の脳裏にある光景が浮かんだ。 それは鈴木香音を救い出そうとした鞘師里保が、武器となる水の存在しない閉鎖環境で取った手段。 ―― もらうよ、里保ちゃん 何のためらいもなく自分の手首を噛み切った後藤は、血液が噴き出そうとしている傷口を愛の顔面に向け振り下ろす。 動き出す時間。 夜の闇を走る稲妻。 愛の瞳を染める血の滴。変動する屈折率。そして…。 次回、暁の戦隊 第35話「足跡」 赤い光を潜り抜けた後藤の拳が愛に炸裂する。 愛の口から崩れ落ちる愛の口から真っ赤なものが…。 ◇ ◇ ◇ 第36話「Going On!」 最凶の一撃を受けた倒れ伏した愛を守ろうと躍起する愛佳。 一方後藤真希はというと…。 ―― 愛ちゃんでもわたしをとめられないんだね。 最強の孤独を噛みしめながら、愛に止めを刺そうと動く。 「んぁ? 君まだいたんだ。 ちょっとそこ退いてくれるかな」 「なんで、あんたはそんなことするんや。 敵味方関係なく誰彼構わず潰してしまおうとする?」 「確かめようとしただけさ。 ここがわたしの居るべき世界なのか」 後藤真希は自分の存在を受け止めることのできる者を捜していた。 だが誰も最強のGを止めることはできなかった。 銀翼の天使。 永遠殺し。 氷雪の魔女。 「呪われた生体兵器i914が私にとって最後の希望だったんだけど、とんだ期待はずれだったよ」 「高橋さんは兵器なんかやない」 「スペック的には愛ちゃんは最強のはずなのに、つまらないきみたちなんかと仲間ごっこをやってるから、愛ちゃんまでつまらなくなっちゃった」 「違うっ! 私たち一人一人は不完全で弱っちいかもしれんけど、お互いの足らないところを補い合って、助け合える私たちは最強やっ!!」 愛佳の悲痛な叫びを耳にした後藤の顔に妖しい笑みが浮かぶ。 「じゃあ守ってみなよ。 きみたちの絆ってやつで大事な愛ちゃんを、かけがえのない世界を守り通してみな」 後藤の掌の上に小型のブラックホールが形成され始めていた。 「あんた、アホか。そんなものを創ったらあんたもただじゃすまへんで」 「わかってる」 重力を歪めることで創り出されたブラックホールは、ある規模を越えるとその創造者である後藤ですら制御不可能になる。 「ブラックホールに吸い込まれた私はワームホールを通ってまた時間を一周するのさ。 そして今度こそ自分の世界を見つけるんだ」 次回、暁の戦隊 第36話「Going On!」 後藤と戦って時間稼ぎをしていたジュンジュンたちは疲労困憊して戦える状態ではない。 離れた場所にいるダークネスの幹部チームはもっとボロボロになっている。 特大の稲妻を起こすために別行動を取っていたれいなや小春達が合流してくるまでには時間がかかる。 今、後藤真希に立ち向かえるのは光井愛佳一人だけ。 ―― 叶うはずがないなんて言わへん。 この女はうちらの絆を、正義を侮辱した。だったら… 俯きそうになる顔を上げ、明日へ向かってGoing On! ―― 諦めない限り、朝はやって来る ◇ ◇ ◇ 第37話「時間よ止まれ」 “予知能力者”光井愛佳は傷ついた愛を守るため、単身で最強のGに立ち向かった。 妖しく光る後藤の目に射すくめられて、心が折れそうになりながらも、思いを込めた拳を繰り出す。 ―― えっ、嘘やろ 後藤の端正な鼻筋から血が流れている。 幻でない証拠に、力一杯握りしめていた拳が痛む。 戦士とは認識していなかった愛佳の一撃を食らった後藤は唖然とした表情だ。 愛佳は辺りに転がっている瓦礫の中から、片手で持てる程度の大きさのコンクリートの破片を拾い上げて…。 「待ちぃ、愛佳」 息絶え絶えの様子の愛が制止した。 愛佳の手は人の命を奪うためにあるのではなく、人を導き、救うためにあるのだと。 「でも、この人をこのままにしておいたら、取り返しのつかないことに」 「手を汚すなら、わたしが…」 ふらつく体で立ち上がろうとする愛だが、後藤に与えられたダメージは大きくて…。 「ちっ、テメーら正義の味方は使えねえな」 愛の元に駆け寄った愛佳は、背の低いシルエットの女が自分たちを窺っていることに気づいた。 西部劇に出てくるガンマンのようなテンガロンハットを頭に乗せ、腰につけたガンベルトには銀色の銃。 「せっかく、オイラがそいつの能力を【阻害】してやったのに、モタモタしやがってよー」 次回、暁の戦隊 第37話「時間よ止まれ」 女は銃を構えながら歩み寄ってくる。 「【阻害】の射程に入ったからには、テメーの好きにはさせねえ。」 銃声が響き、後藤の肩から血が流れ出し…。 「いつまでもこうして、テメーと時を過ごしたいところだがそういうわけにもいかねえ」 再び、鳴り響く銃声。 「空に流れる星に何か願い事でもしてみろよ。 もう一度時間よ止まれとでも祈ってみろよ?」 ピースメーカーの撃鉄を引き起こした矢口真里は宣告する。 「ラストキッスだ」 ◇ ◇ ◇ 第38話「ガラスのパンプス」 「地を這う虫に悪魔は殺せないよ」 自らが噛み切った手首、矢口真里に撃たれた肩口から出血しているにもかかわらず、後藤の表情には余裕があった。 虫呼ばわりされて息巻く矢口に向かって、ニヤリと笑いかける。 「裕ちゃんたちが戦っている間、虫ケラみたくこそこそ隠れてた知が、ごとーのことを殺せるわけないじゃん」 矢口は自分の別行動は、中澤の了承があってのことだと言った。 「テメーとの戦いが乱戦に陥ったら、オイラの【能力阻害】は仲間の能力も打ち消す諸刃の剣になりかねないからな」 「それは違うね。 アンタは怖かったんだ」 【能力阻害】は能力者の異能の発動を阻害する能力だ。 対能力者との戦闘では最強の武器となりうるが、異能によって引き起こされた現象を打ち消すことは出来ない。 「アンタはごとーの【重力操作】で押し潰されることも、流れ弾に当たることも怖かったんだ」 矢口は自分の身の安全を図る為、【能力阻害】の波動の有効範囲と【重力操作】の射程距離を見極めようとした。 だからダークネスの幹部チームの戦闘にも加わらず、後藤が敢えて光井愛佳に仕掛けさせる状況に隙を見出して【阻害】の波動を撃ち出した。 「【もしも能力阻害】を発動させたアンタが決死の覚悟で突っ込んできてたら、さっきの戦いもどうなってたかわかんないよ」 「うるせえよ。 オイラが虫なら、その虫に殺されるテメーは何なんだ」 僅か、数メートルの隔たりから発射された銃弾が空を切った。 後藤が驚異的な身体能力で回避したのだ。 「もっと落ち着かなきゃ、やぐっつあん。 表情の変化や筋肉の動きでどこを狙ってるか丸わかりなんだけど」 「うるせえ、うるせえ」 冷静さを失った矢口が立て続けに放つ銃弾を後藤は華麗な動きで回避してゆく。 その様子はまるでガラスのパンプスを履いたダンサーのようだ。 「もっと装弾数の多い銃を選ばなきゃ。 西部劇のカウボーイにでもなったつもり」 弾丸を打ち尽くした矢口の頸部を鷲掴みにした後藤は一気に握りつぶして…。 【能力阻害】者の口から吹き出した漆黒の血で手が汚れた後藤は顔をしかめる。 ―― やっぱ、虫だ。 血の色も黒・・・黒・黒・黒 掌を汚した黒色はどんどん大きくなっていく。 ―― この攻撃は・・ガキさんか。 いつの間にガキさんの創った幻の中に取り込まれたんだろう 腕から身体へと侵食を止めない黒色はやがて後藤の顔をも覆い…。 ―― っていうかいつの間にガキさんは私の死角に回り込んで…。 ああ、そうか。かのんちゃんが連れてきたのか 次回、暁の戦隊 第38話「ガラスのパンプス」 後藤の目が最後に捉えたのは自分の足先。 ガラスのパンプスは履いていない。 ―― あっけないなあ。 どうせなら、もっと華々しく戦って散りたかったけど・・まっ・い・いか・・・・・・ ◇ ◇ ◇ 第39話「手を握って歩きたい」 新垣里沙は後藤真希の精神を掌握することに成功した。 巧妙に作り上げた幻覚の中に閉じ込めた後藤の精神に、心臓が止まるイメージを送り込めば戦いは終わる… 「モタモタしないでさっさとケリをつけちまえ」 里沙を急き立てるのは、銀色に光るコルトピースメーカーを手にした矢口真里。 この能力者殺と戦っている隙を突いて、後藤の精神に干渉することができた。 しかし、もう一人。 【物質透過】能力者である鈴木香音の協力なくしては後藤の死角に回ることはできなかったが…。 「嘘つき。 ケンカを止めて後藤さんを助けるって言ったのに」 五感を遮断され、動きが停止した後藤の傍らに蹲り、その手を握っている。 対後藤戦に臨む直前の作戦会議で、愛は後藤を撃ち落とすと力強く言った。 しかしその言葉の裏に潜む不安を感じ取った里沙は自分も戦場に向かうことを決めた。 後藤真希の【重力操作】の前には、里沙の【精神干渉】はちっぽけな力だ。 しかし後藤真希の死角に周り、その懐に飛び込むことが出来れば勝機を見い出せると思った里沙は鈴木香音の力を借りた。 香音が後藤に対して複雑な感情を抱いているらしいことを見て取り、それを利用したのだ。 「聞いて、香音ちゃん。 こうするしか仕方なかったの」 結果的に香音に嘘をついてしまったことを里沙は詫びた。 「いや。 お前の言ったことはまんざら嘘じゃねえ」 矢口によれば後藤真希が常に戦いを望んだのは、自分自身の命を奪ってくれる存在を求め続けてきたからだという 「そんなこいつの願いを叶えてやったわけだから、こいつを助けてやったってことに違いはねえ」 したり顔で話す矢口は里沙に決断を促す。 「【能力阻害】の波動をぶち込んだ時の手応えで思ったんだが、こいつが強いのはこいつの存在自体が一周前と現在を繋ぐゲートだからだ」 後藤という異界の門を破壊しない限り、世界の危機は免れないという。 「違うっ。 この人は私に優しくしてくれたんんだよ」 「それは気まぐれだ。 そいつは気まぐれで人を救えるが、気まぐれで世界を壊せる悪魔だ」 「悪魔なんかじゃないよ。 こんなに苦しそうにしてる人にそんなひどいことなんてできっこない」 「それは能力で精神に干渉しているからだ。 干渉を止めて目覚めればそいつはまた同じことをする」 「そんなことない。 わたしにはわかる。この人は、この人は…」 次回、暁の戦隊 第39話「手を握って歩きたい」 「この人は友達と手をつなぎたいだけなんだ」 香音の訴えに心が張り裂けそうな里沙は天を仰ぐ。 暁の明星を己の道しるべにしようと…。 ◇ ◇ ◇ 第40話「Be Alive」 「矢口さん。 今の状態をキープして後藤さんを救う方法を見つけられませんか」 「温いぜ。 何人の人間が死んでると思う。 それにこいつは圭織を手にかけてんだぞ」 暗い情念を燃え上がらせる矢口に里沙は訴える。 「無力化されて無防備な状態の今の後藤さんの命を奪えるんですか」 「くだらねえ。正義の味方ってのはホントにくだらねえなあ」 吐き捨てた矢口は手にした拳銃の撃鉄を起こす。 「オイラは殺せる。 仲間を殺した奴なら、それが誰であろうと殺せる」 躊躇いもなく後藤に銃口を向けると、その傍にいる香音に警告する。 「さっさと退きな。 そいつを庇うならガキだって容赦しねえ」 香音の答えは両手を広げて、銃口の前に立ちはだかることだった。 「テメーは【物質透過】能力者だそうだが、オイラの前じゃそんなチカラ、屁でもねえ」 「最初からチカラを使うつもりなんてないんだから。 だって使ったらこの人を守れないから」 「世界の敵をどうあっても守るって…」 矢口が言いよどんだのは、後藤を守る壁に新手が加わったからだ。 「わしは世界の敵を守るつもりなんかない。 でも香音ちゃんが世界の敵を守るなら、わしは世界の敵を守る香音ちゃんを守る」 「フォーゼの弦太郎は自分を殺そうとした流星も、親友の賢吾を殺した我望のことも許してダチになったけん。衣梨奈もこの人とダチになるっちゃ」 苛立ちを隠せない矢口は【能力阻害】の波動を香音たちに向けて放出した。 最強のGと命懸けで対峙したことで強化された負の波動を浴びても三人は揺ぎもしなかった。 「オイラの前じゃお前たちのチカラなんて何の意味もない。 なのになんで歯向かう?」 「チカラの有る無しじゃないんです」 大人びた風貌の少女が香音たち三人の仲間に加わった。 次回、暁の戦隊 第40話「Be Alive」 「守りたいものがあるなら人は誰だって戦士になれる。 わたしは仲間たちと生きる今を守って明日に繋げたい」 ◇ ◇ ◇ 第41話「風をさがして」 決戦の場に能力者達が集まってきた。 リゾナンターとダークネス、どちらの陣営に属する者も激戦で傷つき疲弊している。 矢口と香音たちの対峙を目の当たりにした彼らは、たちどころに状況を理解したようだった。 その一人、ダークネス幹部チームの中澤裕子が、矢口の元へ…。 「なあ矢口、ここはひとつ矛を収めてくれへんか」 リゾナンターと限定的な休戦をした上で、双方の空間系能力者で創造した亜空間に、一時的に後藤真希を隔離するという。 本当に後藤真希が一周前の世界と現在を繋ぐゲートの役割を果たしているなら、その謎を解明してから処置を決める必要があるという。 「問題の先送りと言われればそうかもしれんけどな」 銃声が響き、矢口に脚を撃たれた中澤の体が崩れ落ちる。 「はぁ? 寝言は寝てから言えよ、裕子。 こいつは圭織の命を奪ってんだぞ」 「しゃあけど、それは」 能力を阻害されているとはいえ、歴戦の強者達が動けずにいるのは、目にうっすらと涙さえ湛えている矢口の決意が伝わったからだ。 「お前らは許せんのか。 こいつは仲間を手にかけた奴なんだぞ」 「しかし、それは後藤が自分のチカラが強化されていることに気づかなかったから…」 「黙れよ、圭ちゃん。 そんな世迷いごと信じるのかよ。 いや、それが事実でもオイラは許せねえ」 矢口はこれから自分がしようとすることを邪魔されないように、極限までに強化した負の波動を一斉に放出した。 「お前らにとっちゃ圭織はもういない人間なのかもしれねえけど、オイラは違う。 オイラの胸の中じゃ、今も圭織が仇を討ってくれって…」 不意の強風が矢口を見舞う。 【風使い】亀井絵里の攻撃だと思ったが、【能力阻害】の効果は破られてはいない。 目を開けているのがやっとの状態の矢口に誰かが囁く…。 …何、熱くなってんのよ。 矢口のくせに。 バカじゃないの? ―お前の仇を討ってやろうとしてるんだぞ。バカとは何だ。 …圭織、そんなこと頼んでないけど。 それに私、あんたのことを仲間だと思ったこと一度も無いわ ―そりゃないぜ。 オイラ何のためにこんなに必死こいてよ 声が途絶えた。 もう一度、その声が聞きたい矢口は風をさがした。 次回、暁の戦隊 第41話「風をさがして」 …あんたは友達よ。 腐れ縁の悪友だけどね… ―くそっ、この風はオイラの涙を乾かせるどころか、逆にあふれさせちまう。 「ちくしょーーーっ!!」 矢口真里が天に向けて放った銃声が、激戦の終わりを告げる号砲となった。 ◇ ◇ ◇ 第42話「暁は光と闇とを分かつ」 戦いは終わった。 新垣里沙の【精神干渉】で幻の中に精神を閉じ込められた後藤真希の身柄はダークネスが預かることになった。 「暫くは鎮静剤と筋弛緩剤を常時投与しながら、チカラの根源の解明に務める。 その上で後藤の精神とコンタクトを取りたいんやが」 「その点については私と里沙ちゃんで協力します」 「亜空間の創造についても考えておいて欲しい。 あっ、そや。 何やったらこれを機会に合流せえへんか」 何気ない態度で為された中澤の提案を愛はきっぱりと拒絶する。 「私たちが決して一つにはなれないことはあなたもわかっているでしょう」 「そうは思わへんけどな。 うちらが目指すものはそんなに違ってへん。 ただそこに至るまでのやり方が違うだけや」 「あなたたちがかなしみを利用して人の心を一つにしようとするなら、私たちはかなしみの連鎖を断つ」 愛の宣言を聞いた中澤は不敵な笑いを浮かべた。 最初から愛の答えはわかっていたと言いたげに。 「おい、人型松葉杖」 慌てて駆け寄った矢口真里に肩を預け、愛たちに背を向ける。 「そやっ、これを渡しておく」 中澤はボロボロの布を残していった。 それはMの隊旗だった。 かつて中澤たちが掲げ、愛や里沙が夜を徹して嵐から守った旗には、暁の明星・【モーニング・スター】が、天に向けて突き上げられた拳の如く染め抜かれていた。 一方、安倍なつみは… 自分の手首に話しかけている。 まるで通信機を装着しているかのようなその姿を、ドクターマルシェこと紺野あさ美が気遣わしげに見守っている。 …ずいぶん、無茶したわよね。 私の未来視無しで【シャイニングバタフライ】を発動するなんて ―後藤のチカラの所為で発生する被害を抑えるためにはああするしかなかったんだよ …こっちに来ない? 一人じゃ寂しいんだけど ―もうちょっとこっちにいさせてよ。 そしてあの子たちの描く未来の続きを視させて欲しい 安倍なつみの脳裏に一つの光景が浮かんだ。 厳重に封鎖された施設の一室。 ベッドの上で様々な計器を取り付けられ、鎮静剤と筋弛緩剤の点滴を受けながら長い眠りにつく後藤真希の姿。 厳重なセキュリティが施されたその部屋に一人の人間が侵入する。 壁を潜り抜けてきた制服姿の女子学生は固く目を閉ざした後藤真希に、私立中学への編入が決まったことを報告すると小さなクマのぬいぐるみを後藤の顔の傍に置く。 警報が鳴り響く中、舌を出しながら壁を潜り戻っていく少女。 後藤の口元がほんのわずかだけ緩み… …これは私が視た未来の可能性の一つ。 訪れるかもしれないし、訪れないかもしれない ―ねえ、圭織。 私たちはいつまでこんな戦いを続けなきゃならないの …永遠によ。 私たちのどちらか一方が正しくて、どちらか一方が間違ってるなら戦う必要なんてないわ ―でも、辛すぎるよ …私たちはどちらも間違ってるかもしれない。 どちらも正しい道を歩んでるかもしれない。 だから永遠に戦い続けるのよ、でも… ―でも? …また共に戦う可能性も存在する。 光と闇の境目、暁の刻に ―ありがとう、圭織 圭織からは返事の代わりに、外国語の歌曲がなつみの心に響いた。 L alba separa dalla luce l ombra, 夜明けは 光から暗闇を分ける E la mia volutta dal mio desire. そして私の欲求から 逸楽を分かつ O dolce stelle,e l ora di morire ああ 愛しい星よ いまが滅び行く時 Un piu divino amor dal ciel vi sgombra. さらに神聖な愛が空からお前たちを取り除く 次回、暁の戦隊 第42話「暁は光と闇とを分かつ」 ◇ ◇ ◇ 第43話「女が目立って なぜイケナイ」 東京都庁一帯を壊乱状態に陥れた戦いは、耐震検査の不正と建築業者の手抜き施工によって起きた不幸な人災として処理された。 その強引とも思える情報操作の裏に、政府に侵食している闇の存在を意識する者もいたが、今のところ打つ手はない。 首都の人的、物的な象徴を同時に失ったことによる日本への悲観的な観測は、株価や為替の全面安という現象をもたらした。 しかし命を落とした犠牲者の数が二桁に留まったことや、テロの可能性が否定されたことで、社会に広がる自粛ムードは最小限に抑えられた。 失ったものを取り戻そうという心理が働いたのか、経済活動は反発の動向を示し、その一環として各種イベントも活発に執り行われる傾向にあった。 『日本に元気を』というスローガンや、都庁の崩落事故の犠牲者への黙祷はついて回ったが。 そして、今日も…。 ― やれやれだぜ ティーンズ向けファッションショー『青春コレクションin神戸』の楽屋で、久住小春は一人ため息を吐いた。 一連の戦いに参加した代償として、モデルとしてのスキルが明確に退行しているのだ。 リゾナンターの一員として戦うことに何のためらいもない。 もしも今、この瞬間、喫茶リゾナントに集う仲間の身に危険が及んだら、仕事に穴を空けても駆けつけるだろう。 だが… 「さっきからため息ばっかりついてますよ、久住さん」 小春に声をかけてきたのは、イベントに参加しているモデルの一人。 名前は聞いたはずだが…覚えてはいない。 他人に弱気なところを見せたくはない小春だが、今目の前にいるほとんど初対面に近い相手。 一連のイベントが終了すれば顔を合わすこともない彼女になら、少しぐらい話しても差し支えないだろう。 モデルとして大成したいという望みと仲間を守りたいという思い。 リゾナンターのことは伏せた上で今の自分の心の内を明かす。 「任務は遂行する。 仲間も守る。 両方やらなくっちゃあならないってのが、幹部のつらいところだな」 話口調や立ち居振る舞いが急変した様子に目を丸くしていると…。 「私の好きなマンガの登場人物のセリフなんです~」 ― まっ、こんな年下の子に話してみてもしょうがないよね、実際 結局は自分のことだ。 モデルとしてのスキルが退行したなら、進歩すべくレッスンに励むしかない。 二つのことを同時に極めることは大変なことだろうがやってやる。 それにはまず、今、やるべきことをやりきるだけだ。 覚悟ができたら、背筋が伸びてきた。 次回、暁の戦隊 第43話「女が目立って なぜイケナイ」 そうと決めたなら目の前のこの子にも、あの子にも差をつけよう。 ショーという戦場に赴く前に携帯の新しくした待受画面を眺める。 そこにいるのは自分を除いた12人のリゾナンター。 小春にとってかけがえのない青春コレクション。 ― 離れていたって一人じゃない。 私には仲間がいる。 ◇ ◇ ◇ 第44話「ピョコピョコ ウルトラ」 その日のランチタイム、喫茶リゾナントは貸切だった。 “ディフェンダー・オブ・ア・フラッグ” ―― 街の守護者を詐称する無法者たちからリゾナントを守ったヒーローへ、マスターの愛から感謝の気持ちが込められたランチが振舞われたのだ。 ヒーローの一人、タクシーの運転手が早々に業務に戻ったため、店内は間賀時夫と愛の二人きり。 間賀の心臓は期待で高鳴るが…。 「今回は本当に助かりました。 リゾナントがこうして無事なのも、間賀さんたちのおかげです」 「いやあ、マスターの笑顔を守るためなら、この間賀時夫33歳、地球の果てでも駆けつけるつもりです」 愛の口からは新たに加わった仲間が一人前に育つまで、今まで以上に自分は頑張らなければならないという決意が語られた。 今回の事件でも自分は助けられてばかりで、他の仲間に負担をかけた分も含めて頑張るという愛の言葉を耳にした間賀の顔が曇る。 「またそうやって他の人のために頑張るわけですか。 自分のことは放っておいて」 「他の人だなんて。 わたしにとってはみんなかけがえのない家族のような存在なんです」 「確かに家族は他人ではありませんが、それでも別々の人格ですよ」 一人一人に別々の人格があるように、それぞれが自分の夢を追い求めるべきだと間賀は語るのだが…。 「あーしの夢は、みんなの夢を守ることで…」 「それは違うと思いますよ」 間賀たち常連客は知っていた。 愛は舞台に立ち、歌い、踊り、演じるという夢があるということを。 「それはあれだけ宝塚とかミュージカルの話を楽しそうにされてるんですから、わかりますよね」 「だって、わたしもう二十代の半ばなんですよ。 こんなオバサンが舞台に立つ夢なんてちゃんちゃらおかしくて」 「おかしくなんてない!!」 つい言葉を荒げてしまったことを詫びた間賀は愛に語りかける。 「心に夢を抱く限り、人には羽ばたく翼があるんだ」 「でもわたし、ほんとにそんな夢を語る資格なんてないんです」 「私はあなたにどんな過去があるなんて知らない。 でも未来を見つめるあなたの横顔がキラキラ輝いていることを私は知っている」 「でも私がいなくなったら、新しい子たちに負担がかかりすぎて。 あの子達ホントにまだひよっ子だから」 「あなただってそんなひよっ子だったでしょう。 信じてあげましょうよ、ひよっ子たちを」 立ち上がった間賀は店の一角にあるマガジンラックから1冊の雑誌を手にとった。 それは演劇の専門誌で、ある舞台のオーディションの告知を空き時間に愛が熱心に見ていたことを間賀は知っている。 「自分の夢を諦めたあなたに守られて、あなたの仲間は喜ぶでしょうか。 でも自分の夢に向かって飛び立つあなたを仲間のみんなが祝福すると思いますよ」 「間賀さん…」 「今回の事件だってそうです。 離れていたって、久住さんや中国のお仲間は駆けつけたじゃないですか。 あなただってそうすればいい。 羽ばたきなさい、高橋愛さん」 次回、暁の戦隊 第44話「ピョコピョコ ウルトラ」 諦めかけていた夢に向かって、勇気を振り絞って愛がジャンプする。 そんな愛を見て笑う者は、誰もいない。 ◇ ◇ ◇ 第45話「涙一筋」 高橋愛が喫茶リゾナントを出ていくことになった。 そのことを愛の口から聞いたれいなは冷静に受け止めて、愛に自分の夢を掴んで欲しいと笑顔で告げた。 れいなの猛反対を予想していた愛は少し拍子抜けした様子だったが、リゾナンターは新垣里沙が率いて、リゾナントはれいなが引き継ぐことになった。 身寄りのない鞘師里保と鈴木香音は当面、リゾナントに住みながら学校に通うことになる。 色んな準備が進められていくある日、れいなは里沙にリゾナントの地下のトレーニングルームに呼び出された。 「まだ誰にも話してないけど、愛ちゃんのいない体制が固まったら、私も第一線から退こうと思う」 亀井絵里が次期リーダーになるべきだが、病気を抱えていることを考えると道重さゆみとれいなの二人でリゾナンターを率いて欲しいという里沙の言葉はれいなの怒号で遮られた。 「そんなん、勝手やろ。 愛ちゃんが出ていって、またすぐガキさんまで辞めるなんて言い出すなんて」 愛がリゾナントを出ていくことを笑顔で受け止めたれいなが、自分の脱退を聞いて怒りを露わにしている。 そのことに里沙は驚きながらも、第一線を引くといってもリゾナンターを見捨てたわけではなく、リゾナンターを守る為なのだと言葉を尽くした。 「今回の都庁の一件の処理のされ方から考えても、ダークネスの勢力が公権力に影響力を持ってるってことは田中っちもわかるよね」 「やけど、後藤さんの件であいつらとは協定を結んだんじゃなか?」 「それで油断しちゃいけないよ。 あいつらは私たちを統合することを諦めたわけじゃない」 強いチカラを求めることで心を焼き尽くし闇に堕ちたダークネスにとって、リゾナンターを闇に引き入れることが、自分たちの正当さを証明する唯一の手段なのだ。 「あの人たちはこれからもリゾナンターを襲ってくる。 そのことによってリゾナンターが強いチカラを手にしたら、普通の人たちがリゾナンターを恐れ、拒絶すると考えてる」 単なる力攻めではない狡猾な手段を用いてくるだろうダークネスに対抗する手段として、里沙は戦いの表舞台から去って、側面から援護に徹する。 「どうやらそういう戦い方の方が私には合ってるみたいだからね」 「もしかして後藤さんを倒した時に、香音ちゃんに言われたことを気にしとう? でもそれならもう」 「香音ちゃんが許してくれても、私が私のことを許せない」 里沙の強い口調にその決心が揺るがないことをれいなは悟った。 「悩んでないで話してくれてうれしかったっちゃ。ガキさんのいなくなった分もれいながカバーするけん」 次回、暁の戦隊 第45話「涙一筋」 れいなの頬を一筋の涙が走っていることに気づいた里沙だったが、そのことには触れない。 「れいながだらしなければ退くのも止めるかもしんないけど」 「いや。 ガキさんなんか今すぐやめてもいいっちゃ」 ◇ ◇ ◇ 第46話「大阪 美味しいねん」 ジュンジュンとリンリンが日本を離れる前日、光井愛佳は二人を伴い大阪にやってきていた。 「ほら、見てみ。 あれが通天閣や」 「何ダ低いナ。 東京タワーの足元にすら及ばナイ」 「あれが大阪城や。 太閤秀吉はんが建てたお城やで」 「今の大阪城の天守閣は鉄筋コンクリートで建てらてマスガ」 「ほらこれが道頓堀や。 タイガースが優勝した時、大阪の人間はみんなこの川に飛び込むんや」 「汚いナ。 大阪の人間は命知らずですナ」 「ちょお前ら、せっかく案内してやってるのに何ケチつけてばっか」 息巻く愛佳だが、今日は離日する二人をもてなすことに徹すると決めている。 たこ焼きに始まり、イカ焼き、キャベツ焼きを歩きながら食すると、古ぼけた看板のお好み焼き屋に入る。 「意外とこういう店の方が美味いねん」 「何ダ、このメニュー。 大阪の人間はお好み焼きをおかずにご飯を食うのカ」 「当たり前やがな。 あと大阪ではどこの家でもたこ焼き器を持ってるんやで」 粉物文化の奥深さについて語り始めた愛佳にリンリンが指摘する。 「デモ、光井さんは滋賀出身ですよネ。 そんなに大阪を自分のホームグラウンドのように語らなくても…」 「ええねん。 大阪で作る粉もんは本を正せば琵琶湖の水で練っとるからええねん。 止めよか、何やったら琵琶湖の水止めよか」 次回、暁の戦隊 第46話「大阪 美味しいねん」 「そうダナ。 すべての水は海に注グ。 そして海は繋がってル」 「私たちも同じように繋がってマス」 ◇ ◇ ◇ 第47話「大きい瞳」 「ふ~ぅ。この丘に来るのも久しぶりだね」 亀井絵里は田中れいなと連れ立って、隣町の見える小高い丘にやってきていた。 愛や里沙がリゾナンターを離脱することが決まってから、気落ちしているように見えるれいなを励ますためだ。 道重さゆみも呼んだのだが、急な思いつきだったので予定が合わず断られてしまった。 絵里にしてみれば、れいなの今の気持ちは手に取るように判る。 共鳴という絆で結ばれた九人が形の上ではバラバラになってしまうのだ。 不安にもなるだろう。 「あの頃は時間が空いたら、ここにやって来たよねえ。 世界の人に幸せを届けられたらいいねって言いながら」 「あの頃は若かったっちゃ。 ていうか子供だった。 自分たちならできるって信じてた」 その丘は絵里やさゆみ、れいなにとって思い出のある場所だった。 さゆみの癒しの力を絵里が吹かせる風に乗せて世界中に届けられるように、れいなが増幅する。 戦いとは違うやり方で世界を救えないかという絵里の思いつきをカタチにする為の場所だった。 「でも何も変わらんかったっちゃ。 世界から争いはなくならんかった。 不幸な人は今でも世界中におる」 「れいな!!」 抑えきれない感情を、それでも抑えているれいなに絵里は何も言えなかった。 その時…。 「さゆ、さゆじゃない?」 予定が合わないからといって、絵里からの誘いを断ったさゆみの姿がそこにあった。 リゾナンターの中でも特別な三人だけの絆を確認できたと思った絵里は嬉しかったが、さゆの様子がすこしおかしくて…。 「りほりほと香音ちゃんを追っかけてきたら、こんなところに来たの。 絵里、さゆのりほりほを見なかった?」 バカ負けしてれいなと顔を見合わせた次の瞬間、絵里の瞳がそこにありえない物を捉えた。 「ちょっと、あれ虹だよね」 晴れ渡った空に、少し歪な形の虹が架かっている。 晴れ続きの天候下ではプリズムとなる水滴が空中に漂っているとも思えないのだが…。 何気に周囲を見回した三人は小さな池の辺に三人の少女が佇んでいるのを見つけた。 それが譜久村聖、生田衣梨奈、鈴木香音の三人だと判り、駆け寄ろうとするさゆみの腕を絵里は掴む。 目を閉じていつになく真剣に考え込んでいる。 「鞘師もおるよ。 池に入って何かしとる」 「水遊びなんかしたらわたしのりほりほが風邪をひいちゃうの。 でもつきっきりで看病したあげられるからそれはそれでいいか」 絵里の瞳が大きく見開かれた。 「あの虹は鞘師が架けたんじゃないの」 池の水を【アクアキネシス】で空気中に漂わせて、虹を作ったのかもしれないという絵里の言葉を聞いたれいなの表情が少し険しくなる。 「チカラはそんな風にひけらかすもんやないとガキさんも言うた筈やのに」 「違うよ、れいな。 私たちと一緒なんだ。 あの時の私たちと同じことをしようとしてるんだよ、あの子達」 池に腰まで浸かり、チカラを発動している鞘師に自分たちのチカラを注ぎ込もうとしている譜久村たちの姿はまるで祈っているようにも映る。 その虹を見た人の心が少しでも幸せになるようにと願っているように…。 次回、暁の戦隊 第47話「大きい瞳」 「変わったよ。 世界はほんのちょっとだけ変わったよ。 私たちの思いをあの子達が受け継いでくれるんだ。 終わらないよ。 私たちは続いていくんだ」 熱にうなされたような絵里を気遣いながら、さゆみとれいなは肩を組む。 そして三人でチカラを発動させた。 世界中の人に笑顔が届くように。 ◇ ◇ ◇ 最終話「自信持って 夢持って 飛び立つから」 「じゃあ行ってくるよれいな」 「店があるから見送らんけん」 舞台のオーディションの書類審査を突破した愛は香港へ旅立つことになった。 彼の地に滞在してレッスンを受けながら、数次に渡る審査に勝ち残る可能性は極めて少ないが、決してゼロではない。 永久の別れではないのだからと、れいなもあっさりしたものだ。 何があっても愛が最後に帰ってくる場所はリゾナントなのだという思いがそこにある。 「戦闘員の皆さん、ご苦労様。 今日はリゾナンターの新メンバーの戦力を探るための威力偵察を行います」 「キィィィィ(マルシェは天使)」 ダークネスの本拠で戦闘員を前に出撃前のブリーフィングを行っているのは、ドクターマルシェこと紺野あさ美だ。 後藤真希との戦いで深手の傷を負った二つ名持ちの幹部連に代わって、指揮を取ることになった。 暴力的だった魔女とは異なる理知的な話しぶりに、戦闘員たちの心も弾む。 「あっ、すいません」 「ごめんださい、ごちらこそ」 空港に向かうために駅に着いた愛は一人の少女とぶつかった。 何か響き合うものを感じた愛は確かめようとするが、待ち合わせ相手が来たらしい少女は笑顔を残し去って行った。 「ミキティーーーーー」 「俺ーーーーーーー」 街の外れのいつもの廃工場でリゾナンターとダークネスが対峙している。 前衛にして先鋒を務めるれいなに、科学者に戦闘の指揮が出来るのか揶揄されたマルシェは、意味ありげに笑うとタブレット型の情報端末を操作した。 すると二人の戦闘員が合体した(華奢な体つきの戦闘員がもう一人の戦闘員に正面から抱きつき、腰の辺りで密着した) 「説明しよう。 これぞ合体魔人エキベーン。 死線を越えた者同士に芽生えたラブラブパワーで固く結びついた二人で一人の合体魔人」 「アホか、テメー。 治療と称して人の体に何してくれてんだ」 藤本美貴は治療の為にマルシェが投与したナノマシンに体の自由を奪われているのだ。 一方、リゾナンター側では駅弁って何?という香音の疑問に律儀に里沙が答えていた。その頃、街の外れの小高い丘に… 「いない…ね。 だ~いし」 愛とぶつかった少女とその待ち合わせ相手の年下の少女が顔を見合わせている。 心細げな年下の友人を励ましていると、そこにもうひとり…。 「お前らもそうなのか」 少し乱暴な男の子っぽい口調で話すその少女は、風に乗って飛んできた何かを掴んだらこの場所で笑っている三人の女の姿が見えたという。 自分たちは気配を辿ってきたと答えただ~いしと呼ばれた少女に、少年っぽい少女はある方向を指差した。 「この指の先を真っ直ぐにこの街の反対側の外れの廃工場で戦っている」 「ま~ちゃん、こわい」 「大丈夫、自信持って、勇気出して。 ま~ちゃんならできる」 あなたも来る?と少年っぽい少女を誘うが…。 「どうやら、もう一人ばかりおっちょこちょいなやつがここにやって来るっぽいんで待っててやるぜ」 廃工場ではエキベーンの毒気に当てられたのか、ダークネス軍が優勢に戦いを進めていた。 「来週から新番組、「科学少女マルシェ」が始まりそうだね」 「けっ、少女って歳かよ。 そもそもそういうのは死亡フラグといってだなあ」 「エキベーン!! ハードグラインドモード!!!」 「もうやめてっ。 わたしのHPはもうゼロよ」 その時、その場所に居合わせた者全てが感じた。 それは空間が歪む感覚。 「これは、まさか愛ちゃんか」 「いやっ、違うね。 愛ちゃんだったらもっと安定してるはずだ」 空間の歪みから二人の少女が現れた。 華麗に着地しただ~いしがフラフラ目を回しているま~ちゃんの体を支える。 「美貴ちゃん、テレポーターだよ」 「ああ。 高橋のヤローにくらべたら、まだ使いこなせてねえがな」 次回、暁の戦隊 最終話「自信持って 夢持って 飛び立つから」 「カムオン!リオン!バトルモード!」 彼女たちの戦いは続く… 【完】 back 『暁の戦隊』(3rdシーズン-第2クール)
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リンク先はリンク切れがあっても掲載時のままです。 デモ・抗議開催情報(2016年6月アーカイブ)から続き デモ・抗議行動日程別一覧 月日 都道府県 タイトル 時間 URL 7/1(金) 埼玉 選挙へ行こう!スタンディング(春日部駅西口) 16 30~ https //twitter.com/ensensky/status/748497242139484160 〃 東京 参院選前だからこそ訴える!~TPPを忘れちゃいけない!経産省前アクション(経産省本館前) 19 00~ https //twitter.com/tetsu_molotov/status/747950385583763456 〃 東京 ザ草の根金曜九電前抗議(有楽町電気ビル前) 18 45~ https //twitter.com/terminate_ampo/status/748086679706079232 〃 沖縄 高江現地集会(第9回報告会・メインゲート前) 13 00~ 告知 Blog 7/2(土) 埼玉 南越 七夕スタンディング(南越谷駅前) 17 00~ 告知 Website 〃 埼玉 選挙へ行こう!スタンディング(越谷駅東口) 15 30~ https //twitter.com/ensensky/status/748840727824654336 〃 東京 自由と平和のために行動する議員と市民の会@杉並 街頭宣伝(荻窪北口) 16 00~ 告知 〃 東京 性暴力殺人事件糾弾!日米軍の全基地撤去!日米安保条約破棄!新宿デモ 18 30~ 告知 告知2 Facebook 〃 東京 千歳烏山駅物語広場(より良い世界のために) 10 30~ https //twitter.com/cu_megset/status/748992124578770944 〃 東京 選挙に行こう街宣(八王子駅入り口交差点) 14 00~ https //twitter.com/nahokohishiyama/status/747061934285950976 7/3(日) 全国 「アベ政治を許さない!」ポスター一斉掲示 13 00~ 告知 詳細 Website 〃 千葉 18歳から選挙に行こう!アクション(新浦安駅前) 16 00~ https //twitter.com/nowarurayasu/status/746352810988609536 〃 東京 「アベ政治を許さない」スタンディング(新宿西口地下広場) 13 00~ 告知 〃 東京 「アベ政治を許さない」スタンディング(国会前) 13 00~ https //twitter.com/platform4peace/status/749413013657047040 〃 東京 山手線一周、うちわぶらり旅!~緊張の夏 日本の夏 アベ政治を許さない 16 00~ 告知 詳細 〃 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール」第269回唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、戦争法廃止署名、音楽(新宿東口アルタ前) 14 00~ 告知 告知2 告知3 〃 東京 GO!VOTE!大作戦(「選挙に行こうよ!」チラシ配布・大泉学園駅南口・石神井公園駅中央口・光が丘区民センター前) 13 00~ https //twitter.com/nerima_senkyo/status/743219489001484292 〃 東京 対話でススメる!選挙に行こう7.3街頭宣伝 in高田馬場(高田馬場駅 早稲田口) 13 30~ 告知 Blog フライヤー 〃 東京 増やそう!女性議員 0703新宿大集合(新宿歩行者天国 紀伊国屋書店前) 15 00~ 告知 告知2 詳細 〃 東京 第43回池袋スタンディング(池袋駅西口) 13 00~ https //twitter.com/ayakolovelight/status/749077049441071104 〃 東京 7.3学会本部前サイレントアピール(創価学会本部前) 10 30~ 告知 詳細 〃 神奈川 アベ政治を許さないスタンディング(茅ケ崎駅北口ペデデッキ) 12 45~ 告知 〃 神奈川 安倍政権NO!ために「投票に行こう」を訴え スタンディング(JR大船駅笠間口) 12 00~ Facebook 7/4(月) 埼玉 フレッシュタウン・ミニデモ 16 00~ 告知 Blog 〃 東京 辺野古への基地建設を許さない!防衛省正門前抗議行動 18 30~ 告知 Website Twitter 〃 沖縄 米軍による女性への暴力を許さない女性たちのリレートーク(沖縄県庁前) 17 30~ 告知 Facebook 7/5(火) 茨城 TPP反対のアピール行動(水戸駅南口) 18 00~ https //twitter.com/no_war310/status/750169777637691392 〃 埼玉 選挙へ行こう!スタンディング(春日部駅西口) 16 00~ https //twitter.com/ensensky/status/749945425499529216 〃 東京 「GAZAに平和を!火曜定例会」サイレントデモ(新宿西口小田急百貨店前) 18 00~ https //twitter.com/soranoMasumi/status/748848158361346048 7/6(水) 千葉 戦争ロック!原発ロック! 「ロックアクション」(船橋駅南口) 20 00~ https //twitter.com/nogenpatsu2784/status/749873189480599552 〃 埼玉 南越 七夕スタンディング(南越谷駅前) 13 00~ 告知 Website 〃 埼玉 選挙に行こう!スタンディング(越谷レイクタウン駅北口) 16 00~ https //twitter.com/ensensky/status/750330365290508290 〃 東京 NO WAR KITAKU ACTION(赤羽駅西口) 19 00~ 告知 Twitter 〃 東京 水曜夕暮れ官邸前アクションNEO 18 30~ 告知 Facebook 7/7(木) 茨城 戦争法反対のアピール行動(水戸駅南口) 18 00~ https //twitter.com/no_war310/status/750867860096856064 〃 埼玉 選挙に行こう!スタンディング等(ベルクス杉戸店前) 16 00~ 告知 Blog 〃 埼玉 ジャック・ザ・杉戸2丁目交差点/Go Vote!スタンディング 17 00~ 告知 Blog 〃 東京 憲法を守ろう!選挙に行こう!街頭宣伝(高田馬場駅早稲田口) 18 30~ https //twitter.com/nahokohishiyama/status/750321675317555200 〃 東京 「お菓子な七夕宣伝」選挙への投票をよびかけ(阿佐ヶ谷駅南口) 18 00~ https //twitter.com/sensouhouanno/status/750509736961773568 〃 東京 GO VOTE アクション(渋谷駅ハチ公口) 19 00~ https //twitter.com/GengaRapido/status/750843057570844672 〃 東京 選挙に行こう!投票しよう!街頭宣伝 (三鷹駅北口) 16 00~ 告知 7/8(金) 埼玉 選挙に行こう!スタンディング(せんげん台駅西口北越谷3丁目、文教大そばのJAビル前アクション) 13 40~16 00~ https //twitter.com/ensensky/status/750879364665847808 〃 埼玉 野党協力を支持するスタンディング(越谷駅前) 17 30~ https //twitter.com/ensensky/status/751098703012728832 〃 東京 金曜九電前抗議(有楽町電気ビル前) 18 45~ https //twitter.com/terminate_ampo/status/750872836055506944 〃 東京 参院選投票日前々日に訴える!~農協は「TPP断固反対」の初心に帰れ!JAビル前アクション 17 30~ https //twitter.com/tetsu_molotov/status/751047793381216256 〃 東京 参院選投票日前々日に訴える!~TPPを忘れちゃいけない!経産省前アクション(経産省本館前) 19 30~ https //twitter.com/tetsu_molotov/status/751043941785493508 〃 東京 投票に行こう!めぐせた街宣カー 8 30~ 告知1 告知2 7/9(土) 埼玉 GO VOTE@埼玉 街宣FINAL(浦和駅西口大宮駅西口) 16 00~18 00~ https //twitter.com/GoVoteSaitama/status/750818752078327808 〃 埼玉 選挙に行こう!スタンディング(北越谷駅東口) 15 30~ https //twitter.com/ensensky/status/751397669864501249 〃 東京 性暴力殺人事件糾弾!日米軍の全基地撤去!日米安保条約破棄!新宿デモ 18 30~ 告知 時間変更 Facebook 〃 東京 参院選投票へ行こう!マネキンフラッシュモブ(石神井公園駅周辺) 15 00~ https //twitter.com/nerima_senkyo/status/750321136198492160 〃 東京 せんきょだよ、渋谷で写真大会&アピールしましょ(渋谷駅周辺) 12 00~ https //twitter.com/cu_megset/status/751585509873299457 〃 東京 参院選の投票を呼びかけるパレード 13 00~ 告知1 告知2 告知3 〃 東京 くにたちスタンディング(国立駅南口ロータリー大学通り入口丸信ビル前) 15 00~ https //twitter.com/mandolinbum/status/751648933491843072 〃 神奈川 野党へ投票を呼びかけスタンディング(横須賀中央駅前) 16 00~ 告知1 Website 7/10(日) 埼玉 さよなら原発・戦争法 パレード・あさか 13 00~ 告知 Blog 〃 埼玉 選挙に行こう呼びかけスタンディング(南越谷駅前) 17 00~ https //twitter.com/ppaakkuu/status/752018063235510272 〃 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール」第270回唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、音楽、街中お芝居 (新宿東口アルタ前) 14 00~ 告知 告知2 告知3 〃 東京 ☆制服向上委員会☆ 選挙に行こう!アピール&パフォーマンス in「新宿アルタ前アピール」(新宿東口アルタ前) 15 00~ 告知 Website 〃 東京 脱被ばく実現ネット日曜アクション新宿街宣(新宿アルタ前or紀伊國屋書店前) 16 00~ 告知 Facebook 〃 東京 第44回池袋スタンディング(池袋駅西口) 13 00~ https //twitter.com/ayakolovelight/status/750820750785802241 〃 東京 「今日の棄権は明日を戦争の危険に晒す事」投票呼掛けキャラバン 13 30~ 告知 場所変更 〃 東京 「選挙行く?音頭」まだ間に合うからね(^o^)v!ライブ①(原宿) 12 00~ 告知 Twipla 〃 東京 「選挙行く?音頭」まだ間に合うからね(^o^)v!ライブ②(高円寺駅北口) 14 00~ 告知 Twipla 〃 東京 「選挙に行こう」のスタンディング(中野駅北口前) 16 00~ https //twitter.com/kazsoul/status/752019569783345154 7/11(月) 千葉 「3.11を忘れない」 原発ゼロ!戦争ゼロ!の 「ゼロアクション」(津田沼駅パルコ側) 19 00~ https //twitter.com/nogenpatsu2784/status/752313002943066112 〃 東京 都知事選挙前に訴える!~「築地市場移転問題」を争点化せよ!都庁前アクション 18 00~ 告知 告知2 7/12(火) 東京 「GAZAに平和を!火曜定例会」サイレントデモ(新宿西口小田急百貨店前) 18 00~ https //twitter.com/soranoMasumi/status/751262978406703104 〃 東京 沖縄・東村高江・米軍ヘリパッド建設工事再開を許さない!! 防衛省緊急抗議行動! 18 30~ 告知 告知2 Blog 〃 大阪 高江ヘリパッド工事強行糾弾のスタンディングアピール(大阪駅御堂筋南口前広場) 18 30~ https //twitter.com/KanaTeach/status/752423481124331523 7/13水) 埼玉 南越(なんこし)☆浴衣スタンディング(南越谷駅) 13 00~ 告知 Website 〃 東京 被ばくから子供たち を守れ! 文部科学省前抗議行動 第117回 19 00~ 告知 〃 東京 7月「9日」行動(JR新宿駅西口) 12 00~ 告知 News 行動予定 〃 東京 辺野古新基地工事を受注した五洋建設抗議!!(飯田橋駅東口) 17 30~ 告知 Blog 7/14(木) 東京 狭山事件の東京高裁前アピール 8 30~ 告知 Facebook 〃 大阪 大阪入管前で抗議行動 9 30~ 告知 Blog 7/15(金) 東京 脱被ばく実現ネット霞ヶ関アクション 内閣府申入れ官邸前抗議集会 16 45~17 30~ 告知 時間変更 Blog Facebook 〃 東京 7月沖縄連帯「15日」宣伝行動(JR有楽町駅前広場) 12 00~ 告知 場所変更 〃 東京 7/13南相馬市避難指定解除糾弾!7/26伊方原発再稼働絶対反対!経産省抗議行動 19 00~ https //twitter.com/tetsu_molotov/status/753686320959004672 〃 愛知 ちゃぶ台@金山周辺。(金山駅南口) 19 30~ https //twitter.com/LOVE_and_Binboo/status/753885066338512896 〃 大阪 大阪入管前抗議行動 14 00~ 告知 詳細 7/16(土) 千葉 舞浜駅前でスタンディング!(安保関連法に反対するママの会@ちば) 11 00~ 告知 バナー Facebook 〃 東京 「選挙行く?音頭」ねり歩きパレード 東京都頂上決戦!@新宿 17 45~ 告知 告知2 Twipla 〃 東京 チトフナデモ(千歳船橋駅街宣後デモ) 14 00~15 00~ https //twitter.com/nowaryouthseta/status/753858150378278913 〃 東京 築地市場移転STOP大宣伝(築地波除神社前) 10 30~ https //twitter.com/njwa_tokyo/status/753796862969118720 〃 東京 野外上映会「霞ヶ丘アパート解体」(明治公園こもれびテラス) 19 00~ 告知 詳細 7/17(日) 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール」第271回唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、音楽、街中お芝居 (新宿東口アルタ前) 14 00~ 告知 告知2 告知3 〃 東京 お散歩デモ 安倍政治NO! 憲法こわすな!(リレートーク後お散歩デモ) 13 00~ https //twitter.com/cu_megset/status/753260174731730945 〃 東京 第45回池袋スタンディング(池袋駅西口) 14 00~ https //twitter.com/ayakolovelight/status/753369504965533696 〃 東京 戦争法廃止!辺野古埋め立て阻止!田町駅前街宣 13 00~ http //sayonaragenpatsu.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-02a8.html 〃 東京 オスプレイの横田配備も辺野古の新基地も断固許さない集会・デモ 13 15~ 告知 フライヤー Blog 〃 東京 くにたちスタンディング(国立駅南口ロータリー大学通り入口丸信ビル前) 15 00~ https //twitter.com/mandolinbum/status/751648933491843072 〃 東京 第13回 NO WAR! 八王子アクション(リレートーク後パレード) 15 00~16 30~ 告知 告知2 Website Facebook 〃 東京 アベNO!府中(府中市伊勢丹前) 11 00~ https //twitter.com/abeno_fuchu/status/754480106823835648 7/18(月・祝) 東京 第12回戦争法廃止大井町デモ 14 50~ https //twitter.com/GoMonky/status/753930100601606145 7/19(火) 群馬 戦争法発動阻止!立憲主義回復!9条改憲は絶対許さない!19日を忘れない昼休みデモ 12 00~ 告知 Blog 〃 東京 戦争法廃止、憲法改悪は許さない、7.19国会議員会館前集会(衆議院第二議員会館前) 18 30~ 告知 Blog 行動予定 〃 東京 「警視庁機動隊は沖縄・高江に行くな!」大阻止行動 (桜田門駅改札集合) 19 00~ 告知 告知2 フライヤー Blog 〃 東京 大成建設に抗議しよう!!命の海を埋めさせない!!(大成建設本社前新宿駅西口地下交番前スタンディング) 17 30~17 55~ 暫定告知 Labornet Blog 〃 東京 安保法制廃止をめざす中野アピール(中野駅北口) 18 00~ 告知 内容 〃 東京 「GAZAに平和を!火曜定例会」サイレントデモ(新宿西口小田急百貨店前) 18 00~ https //twitter.com/soranoMasumi/status/753960731305914368 〃 神奈川 昼休みデモ(憲法改悪反対・神奈川県共同センター主催) 12 10~ https //twitter.com/Standup_Kana/status/754952812807659525 〃 京都 京都府警機動隊は 沖縄東村高江に行くな!怒りの抗議行動 11 45~ https //twitter.com/KawakawaMayumi/status/754119409887694848 〃 大阪 「大阪府警機動隊は沖縄・高江に行くな!」市民抑圧抗議行動 (馬場町交差点本部前) 19 00~ 告知 Facebook Blog 〃 沖縄 緊急!高江アピール(沖縄県民広場) 12 30~ 告知 バナー 7/20(水) 東京 全都知事候補者に訴える!~続・「築地市場移転問題」を争点化せよ!都庁前アクション 18 00~ https //twitter.com/tetsu_molotov/status/754694441059758082 〃 東京 安倍政権は沖縄高江の工事をやめろ!一日座り込み(首相官邸前) 11 00~ 告知 告知2 〃 大阪 釜ヶ崎公民権運動「市長に会わせろ行動」 16 00~ https //twitter.com/kamagasakirojyo/status/754137516446396418 〃 大阪 大阪府警本部前で抗議行動(馬場町交差点府警本部前) 16 30~ 告知 Facebook 7/21(木) 東京 狭山事件の東京高裁前アピール 8 30~ 告知 Facebook 〃 東京 高江ヘリパッド建設/イスラエルとの無人機共同開発絶対反対!防衛省抗議行動 18 00~ https //twitter.com/tetsu_molotov/status/754692158997667842 〃 沖縄 オスプレイ・パッド建設阻止緊急集会(工事予定現場N1前) 14 00~ 告知 バナー Blog 7/22(金) 東京 TPPを忘れちゃいけない!経産省前アクション(経産省本館前) 19 00~ https //twitter.com/tetsu_molotov/status/756303467384217600 〃 東京 沖縄高江、工事と暴力をやめさせよう!緊急行動@警察庁前 17 00~ 告知 〃 東京 沖縄高江、工事と暴力をやめさせよう!緊急行動@官邸前 20 30~ 告知 〃 福岡 福岡県警は高江に行くな!福岡県警への抗議行動 16 00~ 告知 Facebook 7/23(土) 東京 安倍政権は辺野古新基地建設を断念しろ!7.23新宿デモ 17 00~ 告知 Labornet Website 〃 東京 汚染の調査も対策も不十分!築地市場の豊洲市場移転はNO!大宣伝(築地四丁目交差点) 10 30~ https //twitter.com/njwa_tokyo/status/756291684829306883 〃 神奈川 横須賀ALLs 定例スタンディング(横須賀中央駅前Yデッキ) 16 00~ 告知 Website 〃 大阪 辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動(JR大阪駅南バスターミナル) 15 30~ https //twitter.com/Osakakodo/status/756075409121292288 7/24(日) 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール」第272回唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、音楽、街中お芝居 (新宿東口アルタ前) 14 00~ 告知 告知2 告知3 〃 東京 脱被ばく実現ネット日曜アクション新宿街宣(新宿アルタ前or紀伊國屋書店前) 16 00~ 告知 Blog Facebook 〃 東京 都知事選挙で「投票に行こう!」行動(光が丘区民センター・石神井公園駅前・大泉学園駅南口) 16 00~ https //twitter.com/nerima_senkyo/status/753245627262365696 〃 東京 都知事選に行こうよ 7.24街頭宣伝(巣鴨駅正面口) 14 30~ 告知 Blog 〃 東京 第46回池袋スタンディング(池袋駅西口) 14 00~ https //twitter.com/ayakolovelight/status/755889164629839872 〃 東京 都知事選の宣伝 戦争法をなくしたい!オール市民の会有志(吉祥寺駅北口ロータリー) 15 00~ https //twitter.com/NoWarM22/status/756041209634705408 〃 東京 くにたちスタンディング(国立駅南口ロータリー大学通り入口丸信ビル前) 15 00~ https //twitter.com/mandolinbum/status/751648933491843072 〃 東京 機動隊は高江からすぐ帰れ 第7機動隊抗議緊急アクション 10 00~ 告知 告知2 7/25(月) 東京 沖縄・東村高江・米軍ヘリパッド建設 工事強行を許さない!!7.25官邸前抗議行動(首相官邸前) 18 30~ 告知 場所変更 告知2 7/26(火) 東京 「GAZAに平和を!火曜定例会」サイレントデモ(新宿西口小田急百貨店前) 18 00~ https //twitter.com/soranoMasumi/status/756504598420987904 7/27(水) 埼玉 南越スタンディング(南越谷駅前) 13 00~ https //twitter.com/ensensky/status/757154260840689664 〃 東京 全都知事候補者に訴える!~最大争点「築地市場移転問題」を真剣に考えよう!都庁前アクション 18 00~ 告知 Twipla 〃 東京 安保関連法を廃止し、立憲主義の回復を目指す街頭宣伝(有楽町駅前{交通会館前}) 17 30~ 告知 詳細 7/28(木) 埼玉 みじかいスタンディング(東武動物公園駅東口) 17 30~ https //twitter.com/sugitoaction/status/757958011583279105 〃 東京 原水禁世界大会に伴う世田谷平和行進 18 20~ https //twitter.com/nowaryouthseta/status/757893018099646464 〃 東京 7.22の暴虐忘るまじ!高江ヘリパッド建設絶対反対!防衛省抗議行動 18 00~ https //twitter.com/tetsu_molotov/status/757982733880598528 7/29(金) 東京 築地移転絶対反対!農水省は豊洲新市場開設承認するな!農水省前アクション 18 00~ https //twitter.com/tetsu_molotov/status/758312024694624257 〃 東京 ザ草の根 金曜九電前行動 第15回(有楽町電気ビル前) 19 00~ https //twitter.com/terminate_ampo/status/758820127630499840 〃 愛知 第150回ちゃぶ台@金山周辺。金山周辺はポケストップ!(金山総合駅南口) 19 30~ https //twitter.com/LOVE_and_Binboo/status/758886852535341057 7/30(土) 東京 第2回 都知事選だよ♪GO VOTE!サンバパレード@渋谷 17 00~ 告知 Website Facebook 〃 大阪 辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動(JR大阪駅南バスターミナル) 15 30~ https //twitter.com/Osakakodo/status/758150208358199296 7/31(日) 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール」第273回唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、音楽、街中お芝居 (新宿東口アルタ前) 14 00~ 告知 告知2 〃 東京 くにたちスタンディング(国立駅南口ロータリー大学通り入口丸信ビル前) 15 00~ https //twitter.com/mandolinbum/status/751648933491843072 〃 東京 緊急事態条項・改憲阻止!辺野古・高江新基地建設許すな!新橋駅前街宣 13 00~ Blog デモ・抗議開催情報(2016年8月アーカイブ)へ続く
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「まゆみちゃん………ッ!」 「ジバンさん……」 「まきょ……」 ビル街の路地裏に身を潜めながら、ジバンは怒りと悲しみに身を震わせつつ拳を握った。 巨大化、狂暴化したはるかさんを止めるべくキルコ達と共にしばし奮戦したものの、状況は思わしくない。 ジバンの砲撃、キルコとまこちーの打撃、空蝉丸の電撃を纏った斬撃を立て続けに受けてもはるかさんは ほとんどダメージを受けず、ジバン達の命を奪おうとさらに分裂して暴走し続けた。 だが空蝉丸がとっさにモンスターボールから繰り出したプテラが思わぬ活躍を見せ、現在は状況がこう着状態に なり始めていた。 「アハハハハハ!?アハハハハハ!?アハハハハハ!?」 「プテラ、続けて『ねごと』でござる!」 プテラが先制で繰り出した『ステルスロック』で分裂はるかさんの周囲に鋭利な岩がまき散らされ、さらに『ねむる』 からの『ねごと→ふきとばし』の立て続けの応酬で分裂はるかさんは次々とダメージを受け続ける羽目になり ジバン達を襲撃できずにいた。 俗に「昆布」と言われる長期戦に適した戦法である。 ちなみにプテラにはあらかじめまこちーから借り受けたきあいのタスキを装備させている辺りが抜け目ない。 だがその間にも新たな放送が流され、探し人である五十嵐まゆみの死を知ったジバンは愕然とした。 自身の妹でもある少女の自分の与り知らぬ場所での死。 その事実に主催者の野田総理の死や後釜のダースベイダーの登場といった情報はジバンの中では完全に 霞んでしまっていた。 オートデリンガーを握る両手も心なしか頼りない。 「ジバンさん、しっかりしてください! 今ウッチーさんがはるかさんを足止めしてますけど、そう長くは もちませんよ!? 早くなんとかしないと!」 「キルコ君……」 わかってはいるが身体が動かなかった。 別に内部メカの不調とかそんな事ではない。 これは守るべき者を守れなかった自身への無力感からのものだ。 たった一人の少女も守れず、何が警視庁秘密捜査官警視正か? もはやそんな思いばかりが彼の頭を渦巻いていた。 「まゆみちゃんが死んだのはジバンさんの責任じゃありません! 悪いのはこんな殺し合いを始めた野田総理 です! 今はなんかもう死んじゃってダースベイダーって人が代わりに出てきましたけど!」 「わかっている! わかっているんだ……ッ!!」 思わず声を荒げてしまったが、キルコは怯まなかった。 彼女とて婦警になる前は傭兵として戦い続けた前歴がある。 仲間や親しい者の死にはむしろジバンより敏感かもしれない。 「そうやってふさぎ込んでたらまゆみちゃんが生き返ってくるんですか? そんな都合のいい話があるわけ ないでしょ!? 立ってくださいジバンさん! まゆみちゃんの為にも私達が――――」 そこまでキルコが言いかけた時である。 「SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!」 「SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!」 「おい見ろ、あんな所に妙な生き物がいるぞ?」 「ちょうどいい、アレもクラウザーさんへの生贄として捧げるぞ―ッ!!」 空蝉丸とプテラの後方から、何やらアレな発言をしながら怒涛のように押し寄せる集団が現れたのである。 その数およそ200人超。 言うまでもなくDMCの狂信者の集団である。 「ぬうっ、いかん!」 とっさに彼らに気付いた空蝉丸はプテラの背に飛び乗り、空中へと一時退避する。 その間にも狂信者の一団は逃げた空蝉丸よりも目の前にいるはるかさんの方に標的を絞り突撃する。 だがそれが不味かった。 「アハハハハハハハハハ…………!!」 厄介な一人と一匹が離れた事を確認したはるかさんは分裂を解き再び巨大な一体の姿へと変化し、狂信者達へと 怪しく輝く目を向けた。 『笑う』という行為は本来は攻撃的な行動である。 そんな言葉をはるかさんの姿を見たキルコはふと思い出した。 「食らえ妙なデカブツがーッ! ウルトラ兄弟必殺光線!!」 「アハハハハハハ!(失せろ!)」 「ウボァーッ!?」 マントを羽織った宇宙人の光線を平然と身体で受け止めつつ、それを片手で蠅のように叩き潰すはるかさん。 「次鋒レオパルドンいきます! グオゴゴゴ!」 「アハハハハハ!(はるかさんフェンシング―ッ!)」 「ギャアアーッ!?」 続けて出てきた戦車みたいな超人も間髪入れず片手を突き出して串刺しにする。 「なるほどただの化け物ではないようだな。だがこのバスク様をさっきの野郎どもと一緒にすると後悔する事に なる。どああ~~~っ! 華山獄握爪!!」 今度はその様子を見ていた巨漢の男が片腕を突きだし、高速回転しながら飛び出してきた。 その手ははるかさんの胴体を握りつぶし、そのまま粉々に―――― 「おりゃあはは、は!? あ? い!!」 「アハハ、アハハハハハハ!(どうした、まわるんじゃないのか……)」 ――――する事無く、はるかさんの身体に当たり、そのまま静止してしまった。 その腕を馬鹿にしたような目で見ながらはるかさんは掴む。 そしてその掴んだ手が運ぶ先は―――― 「な……な……きさまなんの化身だ!!」 「アハハハハ!(ただのぷちどるだ!)」 バリッ! バリボリバリッ! グチャッ! 生々しい音を立てつつ、はるかさんは男を口内へと運び、そのまま捕食した。 いつもの甘噛みとかいう次元を超越した完全なる野生動物の獲物の咀嚼である。 その光景に空蝉丸やキルコは思わず目を背けてしまった。 【テンペラ―星人@ウルトラマンタロウ】死亡確認 【レオパルドン@キン肉マン】死亡確認 【バスク@北斗の拳】死亡確認 「アハハハハハハ、アハハハハハハハハハ!!」 「おのれリボンの化け物め、よくも同志を!」 「おとなしくクラウザーさんにその身を捧げろーッ!!」 怒りに燃えた狂信者達は一人、また一人と巨大なはるかさんへと特攻していく。 だがそれも暖簾に腕押し。 攻撃を仕掛けるたびに不気味に笑うはるかさんに叩き潰され、踏まれ、投げ飛ばされ、捕食されていく。 しまいには数の多さに業を煮やして分裂したはるかさんによって片っ端から喰い千切られていく始末だった。 だが信奉するクラウザーさんの為なら死をも恐れない狂信者達の辞書に後退の文字はなかった。 あるのは前進制圧あるのみ! 数分後。 気が付けば残されたのは呆然とするキルコ達と、血にまみれた市街地。 そして暗黒色のオーラすら醸し出す血濡れのはるかさんが佇んでいた。 【DMC狂信者×約200人】死亡確認 「アハハハハ!」 大量の狂信者集団がいなくなった事を確認したはるかさんは、その眼を再び空蝉丸とプテラへと向ける。 『次はお前だ』 言葉は分からないが、そう言っているようにも思えた。 「させません!」 それを阻止すべく、トンファーブレイドを構えたキルコがはるかさんの横っ面を殴りつけようとした。 これではるかさんの目をそらし、再びプテラの昆布戦法に持ち込める。 そう考えたキルコだったが、彼女は焦るあまり相手を侮っていた。 「「アハハハハハハ!(阿呆が!)」」 「なっ……」 「いかん、キルコ殿!」 同じ轍は踏むまいと、はるかさんはすぐさまキルコの方へ多数の分身を生み出し突撃させた。 テラカオス化が促進されたはるかさんはこの短時間で高度な知能を手に入れ、もはや奇妙なマスコットの概念を 超越した存在へと足を突っ込んでしまっていたのである。 もちろんそんな事情をキルコ達が知る由もない。 「ッッ! キルコストーム!!」 「「アハハハハハ!」」 ギリギリで迎撃が間に合い、分身はるかさんは次々と竜巻に吹き飛ばされていく。 だが今度は分身達が再び合体、巨大はるかさん2号と化してキルコに襲いかかった。 再度キルコストームを放つものの、その巨体は風に揺れるばかりでまったく吹っ飛ぶ気配を見せない。 空蝉丸の方も分身と巨大化を交互に繰り出される事でかく乱され、昆布戦法に持ち込めぬまま攻めあぐねていた。 残されたジバンは未だ動けず、まこちーもどうしたらよいのか分からずオロオロするばかり。 「うわああああああああああ!?」 「キルコ殿―――ッ!?」 そして遂にキルコは巨大はるかさん2号に身体を鷲掴みにされ、宙へと運ばれてしまった。 行き先はただ一つ、暗く血にまみれた口内。 何とか脱出を試みるものの、巨大なはるかさんの馬鹿力に彼女も手も足も出ない。 ああ、私、ここで終わりなんですかね? 先輩、私、流島分署には戻れそうも――――― 『タテガミライオー! バディアニマル、ガルルルルーン!』 「アハハハハガァッ!?」 「うわぁぁっ!?」 死を覚悟したキルコだったが、その思いは寸前で却下されてしまった。 突如現れた巨大な物体が、はるかさん2号を1号もろとも跳ね飛ばしたのである。 その勢いでキルコも吹っ飛ばされたが、寸前で空蝉丸にキャッチされ事なきを得た。 「い、一体何が……」 「あ、あれはもしや……」 「知ってるんですか雷電……じゃなくてウッチーさん?」 空蝉丸はその巨大な物体に見覚えがった。 以前宇宙大恐竜ボルドスとの一戦で共闘した先輩戦隊、特命戦隊ゴーバスターズの駆るマシン。 巨大な青いライオンのような姿をしたその雄姿。 バディゾード・LT-06 タテガミライオーである。 「アハハ!アハハハハハハハ!!(邪魔をするな!何者だ!?)」 一体に戻り突然の乱入者に怒りを露わにするはるかさんの問いに答えるかのように、タテガミライオーの中から 一人の人物が姿を現した。 そこに乗っていたのはエネルギー管理局所属の特命戦隊の一人―――― 「そこのリボンの怪物よ! それ以上好きにはやらせないゼーーーーーーーーーーーット!!」 ではなく、何やら不自然になびく赤いマフラーを巻いたやたら熱い男だった。 「お……お前は……いや、貴方は!?」 「えっ、ジバンさんはあの人を知ってるんですか?」 「無論だ。彼を知らない正義の戦士はおそらくこの日本にはいない!」 路地裏からまこちーと共に顔を出したジバンは驚愕の声を上げながら男性の方を見ていた。 だがその眼差しは驚きよりも尊敬に満ち溢れていたと言ってよかった。 彼の名は水木一郎。通称アニキ。 レジェンドヒーローであれば知らぬ者はいない、言わずと知れたアニメソング界の帝王である。 ジバンの歌は基本串田アキラ氏の楽曲だが、彼の偉大さはジバンもしかと耳にしていた。 「アハハハハハ!!(いいだろう、貴様から殺す!!)」 この不愉快な男を今すぐ始末する。 そして皆殺しにする! テラカオス化による殺人衝動が頭を渦巻き、はるかさんは怒りのままにアニキに襲いかかった。 だがアニキはタテガミライオーの頭上から一歩も動こうとしない。 それどころかタテガミライオーも迎撃に入る気配がない。 どうしたのかと慌てるジバン達だったが、その理由はすぐに明らかになった。 「♪飛ばせ鉄拳 ロケットパンチ!!」 「アハガァッ!?」 ディバックからマイクを取り出したアニキは何を思ったか突然自身の持ち歌の一節を歌い始めた。 するとアニキの背後に巨大な幻影のような物体が浮かび上がり、その幻影が拳を発射してはるかさんを殴り 飛ばしたのである。 よく見ると幻影の姿はスーパーロボット、マジンガーZの姿そのものだというのが確認できた。 「♪今だ 出すんだ ブレストファイヤー!!」 「アハァァァァァァァァァァ!?」 続けざまに幻影の胸の放熱板から発射された熱線がはるかさんの身体を焼き尽くしていく。 たまらずはるかさんは分裂して回避を行ったが、アニキは慌てることなく歌い続けた。 「♪必殺パワー サンダーブレーク!!」 「「「アハァァァァ!?」」」 今度は幻影の姿が偉大な勇者へと変貌し、全方位に繰り出された雷がはるかさん全員に降り注いだ。 これでは被害が広がると判断し、再び巨大化して一体になるはるかさん。 そろそろ説明せねばなるまい。 これぞアニキが自身の熱いスピリットを燃やす事で独自に生み出したスタンド『ザ・アニキング』。 その能力は『アニキがこれまでに歌い続けてきた物語の英雄達の姿へと自在に変化し、その能力を行使する事』である!! 黒焦げになりながらもめげずに立ち上がってきたはるかさんだったが、その後は散々の一言だった。 マグネットパワーで動くロボットにサバ折りをかけられ。 5体合体のロボットにヨーヨーを叩き付けられ。 何人もの仮面のヒーローに蹴りを叩きこまれ。 鬼畜そうな赤い巨人にトゲ付き鉄球をぶつけられ。 脳髄むき出しの黒いロボットに銃撃でハチの巣にされかけ。 終わった時にはボロ雑巾に近い状態でヨロヨロと地面に這いつくばっていた。 「よし、とどめだゼーーーーーーット!」 「いやあの、流石にもうやめたげてくれまs―――――――」 「♪雲を裂き 風を巻いて 夢を夢を夢を~」 キルコの制止もむなしく、アニキは追い打ちとばかりに歌い始める。 幻影の姿は何やら猿っぽいゴルファーのような姿へと変わっていった。 「♪夢を勝ち取ろう!!」 『ワイは猿や!』 「アハハァァァァァ―――――――――ッ!?!?」 幻影の振り下ろしたゴルフクラブを叩き付けられ、はるかさんは遥か彼方の空へとナイスショットされてしまった。 おそらく落下地点にホールがあったら旗に包まれていただろうが、流石にそれはないだろう。 誰もがその時そう思った。 「助けてもらってありがとうございます! やりすぎな気もしますが……」 「礼には及ばないゼーーーーーット! 礼なら俺をこの場所に連れてきてくれた彼女に言ってほしいゼーーーーット!」 「彼女……でござるか?」 「ああ。俺は元々暴走するDMCの信者達の目を覚まさせるためにビッグサイトに向かっていたんだが、途中で 彼女と出会い、そして君達に出会ったんだゼーーーット!」 戦いを終え、改めて恩人であるアニキに礼を述べるキルコ達。 だが話によると彼は自分の意志でこの場に来たのではなく、ある人物の導きでこの場に来たのだという。 するとその問題の人物が、タテガミライオーの中からキルコ達の元へと歩いてきた。 「どうも~、みなさん初めまして! 間に合ってよかったよ!」 「この子は……ロボットか?」 「あれ……どこかで見た事あるような……」 現れたのは、緑色のツインテールが特徴的な機械の少女。 しかしそれはキルコ達も知っていた『彼女』ではない存在。 彼女達とジバン達が出会ったのは果たして偶然なのか。 それはまだ、誰にも分からない。 【一日目・23時30分/東京都・中央区】 【田村直人@機動刑事ジバン】 【状態】健康、深い悲しみと無力感、機動刑事ジバンに変身中 【装備】マクシミリアン、電子手帳、パワーブレイカー、ニードリッカー、オートデリンガー 【道具】支給品一式、ダイダロス 【思考】基本:野田総理を倒して殺し合いを止める 1:まゆみちゃん……… 2:アニキ達と接触する 3:もし次に戦闘になったら、自分は戦えるのか? 4:東京都庁は後回しにしてビッグサイトに向かう 5:野田総理の本拠地を探す 6:黒幕はバイオロンではなかったが、ためらわず戦う ※五十嵐まゆみの名前が出てから後の第3放送の内容をよく覚えていません 【音無キルコ@新米婦警キルコさん】 【状態】疲労(中) 【装備】トンファーブレイド 【道具】支給品一式 【思考】基本:野田総理を成敗して殺し合いを止める 1:ジバンさんやウッチーさん達と協力して悪党を成敗する 2:とりあえずアニキさん達と話してみる 3:はるかさんの行方が気になる 4:東京都庁の魔物も気になるが、まずはより多くの被害を出してそうなDMC狂信者を成敗する 5:野田総理の本拠地を探す 6:ハル先輩達、無事かなぁ? 【空蝉丸@獣電戦隊キョウリュウジャー】 【状態】疲労(小) 【装備】ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー 【道具】支給品一式、獣電池(プテラゴードン×6)、使用済み獣電池(トペランダ、プクプトル、フタバイン)モンスターボール(プテラ) 【思考】基本:野田総理を倒して殺し合いを止める 1:ジバン達に同行する 2:アニキ殿達と接触する 3:はるかさんが気がかり 4:ビッグサイトに向かう 5:野田総理の本拠地を探す(九州が怪しいと睨んでいる) 6:キング殿達と合流したい ※プテラの現在の習得技は ねむる、ねごと、ふきとばす ステルスロック の4つです。 【まこちー@ぷちます!】 【状態】健康、深い悲しみ 【装備】きあいのタスキ 【道具】支給品一式 【思考】基本:まきょー 1:空蝉丸達と行動する 2:赤いマフラーの人(アニキ)達と話してみる 3:真とちひゃー、765プロの面々の死に深い悲しみ 3:はるかさんが心配 4:襲われたら全力で戦う 【水木一郎@現実】 【状態】健康だゼーット! 【装備】赤いマフラー、マイク、ライオアタッシュ、LT-06タテガミライオー 【道具】支給品一式 【思考】基本:俺の歌で殺し合いを止めるゼーット! 1:ジバン達と接触してみるゼーット! 2:DMCの信者達を俺の歌で改心させるゼーット! 3:そして殺し合いの主催者も懲らしめるゼーット! 4:そのためにも仲間を集めるゼーット! ※スタンド『ザ・アニキング』を呼び出す事が可能です。 アニキの歴代の持ち歌のヒーロー達をヴィジョンとして呼び出し能力を行使できます。 【フェイ・イェンHD@スーパーロボット大戦UX】 【状態】健康、等身大 【装備】ジェイド・フォーキー 【道具】支給品一式、ドラムセット、獣電池(トバスピノ) 【思考】基本:殺し合いを止める 1:このメカっぽい人や眼帯の婦警さんと話してみる 2:アニキと共に自分の歌をみんなに届ける 3:死んだ『あの子』のためにも必ず殺し合いを終わらせる 4:SATSUGAIとか言ってる人達は必ず止める 5:東京都庁がなんか気になる ※アニキの持ち歌はほぼマスター済みです。 ※獣電池にブレイブインできるかは不明です。 ドスンッッッ!! 「アハ……ハハハ……ハハ……」 アニキの手によって吹っ飛ばされたはるかさんは、しばらく空中散歩を楽しまされた後、地表へと激突した。 巨大化していた身体は先ほどのダメージにより普段の大きさへと縮小している。 もはや体はボロボロだったが、戦意だけはまったく衰えていなかった。 これもテラカオス化の影響だろうか。 ここがどこなのかは今はどうでもいい。 この体の傷が癒えたら、あの暑苦しい男は必ず殺す。 一緒にいたデカいライオンも殺す。 ロボット刑事も眼帯の女も金色の侍もまこちーも殺す。 SATSUGAIとか叫んでいた連中も殺す。 とにかく全員殺す。 叩き潰して殺す。 踏み潰して殺す。 噛み砕いて殺す。 分裂して蹂躙して殺す。 殺して殺して殺して殺して殺し潰す。 もはやはるかさんの脳内には殺意という感情がほとんどを占めはじめていた。 その時である。 怨嗟にまみれたはるかさんの背後から何者かが歩み寄ってくるのを感じたのは。 誰だ? いや誰だろうが関係ない。 目の前に現れた者は誰だろうが殺し潰す。 捕食すれば少しは回復の足しになるだろう。 そう結論付け、はるかさんは振り返ると同時に背後の相手に飛びかかろうとした。 「アハ(死n――――――― !?」 その間わずか0.05秒。 宇宙刑事の蒸着が完了してしまうレベルの時間ではるかさんは気付いた。 夜の暗闇の中で相手をはっきり認識する必要などなかった。 目の前にいる相手が何者なのか。 そして自分が過ちを犯した事に。 「空から急に何か降ってきたかと思ったら――――――」 勝てない。 今の『この人』には。 早く謝れ。 這いつくばって服従するんだ。 「まさか貴方だったとはね、はるかさん」 「アハハ………」 強者はより強い強者に屈服する。 テラカオスはより強大なテラカオスに屈服する。 この瞬間、暗黒のぷちどるは一匹の従者と化した。 【一日目・23時30分/日本・埼玉県】 【天海春香@アイドルマスター】 【状態】健康、テラカオス化進行中、それにより春閣下化 【装備】カブトゼクター&ライダーベルト@仮面ライダーカブト 【道具】ドレイクゼクター&ドレイクグリップ@仮面ライダーカブト、ゼクトマイザー@仮面ライダーカブト、支給品一式 【思考】基本:この救いようのない世界を征服し、絶対的な支配者となる。 1:傘下に入らぬ者は殺す 2:はるかさんを介抱し、傘下に加える 2:765プロの皆の死に深い悲しみと怒り 3:天の海を往き、春を香らせる ※ゼクトマイザーは伊集院北斗のデイパックに入っていたのを回収しました。 【はるかさん@ぷちます!】 【状態】ダメージ(極大)、日光を克服、テラカオス化進行中、新型ナノマシン服用、暗黒化 【装備】なし 【道具】支給品一式 【思考】基本:アハハハハ…… 1:春香に服従する 2:傷が癒えたらあの男(水木一郎)は必ず殺す 3:とにかく全員殺す ※テラカオス化の進行により、巨大化と分裂を自分の意志で行えるようになりました
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マリオ ソニック AT 東京2020オリンピック 【まりおあんどそにっく あっと とうきょうにーぜろにーぜろおりんぴっく】 ジャンル スポーツアクション 対応機種 Nintendo Switch 発売元 セガゲームス 開発元 セガ任天堂 発売日 2019年11月1日 定価 6,589円(税込)※DL版は2021年11月1日より3,980円 プレイ人数 1〜4人 セーブデータ 1個 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント 2020と1964を一手にラウンド戦・パーティーモード一切なしストーリーモードは高評価自国開催のオリンピックで最高傑作にできず マリオ ソニックシリーズ 概要 キャラクター システム ストーリーモード 評価点 賛否両論点 問題点 総評 関連作品(参考) 余談 概要 その名の通り、2020年開催予定の(新型コロナの影響で実際は2021年に開催された)東京オリンピックを題材にした、マリソニシリーズ第6作(夏季に限れば第4作)。 なお、これまでのマリソニシリーズは日本国内版のみ任天堂発売、海外版はセガ発売と分かれていたが、本作は日本版も含めてセガからのリリースとなっている。 ついにマリオが生み出された日本におけるオリンピックであり、またリオの閉会式では東京オリンピックへの布石としてマリオが登場したこともあって、とても期待が高い作品であった。 反面、シリーズファンからは前作で大幅なゲームモードの縮小が行われたことから本作についても危惧する声が上がっていた。 キャラクター 参戦競技が限定されているキャラは全て隠し(ストーリーモードで勝つことで解放)。また、☆のついたキャラクターは1964オリンピックで使用可能。なおMiiは参戦していない。 マリオシリーズ マリオ ☆ ルイージ ☆ ピーチ ☆ デイジー ヨッシー クッパ ☆ クッパJr. ワリオ ワルイージ ドンキーコング キノピコ(110mハードル) ロゼッタ(サーフィン) ディディーコング(ラグビー) ラリー(馬術) ウェンディ(水泳) ルドウィッグ(フェンシング) ソニックシリーズ ソニック ☆ ナックルズ ☆ エミー シャドウ シルバー ブレイズ エッグマン ☆ テイルス ☆ ベクター メダルソニック ルージュ(ロッククライミング) ジェット(サッカー) エスピオ(三段跳び) ザボック(ボクシング) ザズ(卓球) エッグマンネガ(空手) システム 本作ではいつも通りの2020オリンピック21競技、ドット絵で展開される1964オリンピック10競技、ドリーム3競技が収録されている。なお遊び方はワンマッチのみ。 1964オリンピック競技は「アナログTVモード」でプレイすることもでき、ONにすると文字通り昔のテレビのような画面表示になる。 2020オリンピック競技とドリーム競技には体感型操作とボタン操作の2種類があるが、以下はボタン操作での操作方法をもとに記述する。 + 2020オリンピック競技一覧 100m とにかくボタン連打で走る。 110mハードル 走りながらタイミングよく跳ぶ。 4×100mリレー 走りながらタイミングよくバトンパスする。 やり投 パワーをため、さらに丁度良い角度で槍を投げる。 三段跳 走りながらタイミングよくホップ・ステップ・ジャンプする。 円盤投 勢いと方向をよく考えて円盤を投げる。 スポーツクライミング 手をつく方向を決めてできるだけ高く登ることを目指す。 サーフィン ウェーブでバランスを取ったりエアトリックを決めたりして得点を稼ぐ。 スケートボード ひたすらトリックを決めて得点を稼ぐ。 ボクシング ガードや様々な攻撃法を使い、相手にダメージを与えていく。 空手 ボクシングとおおむね同様。 サッカー ボールを奪いつつゴールにシュート。前作とほぼ同じ。 ラグビー ボールを奪いつつトライ キック。前作とほぼ同じだが、スクラムが簡略化されてテンポが良くなった。 カヌー 2人漕ぎのカナディアンカヌー。相方と調子を合わせてパドルで漕ぎ、1位を目指す。 水泳 自由形100m。キャラクターごと違う泳ぎ方で操作し、1位を目指す。 体操床 コマンド入力で様々な技をこなし、点を稼ぐ。 障害馬術 速度を出しつつタイミングよく障害を飛び越える。前作とほぼ同じ。 個人戦と団体戦がある。 バドミントン 落下点に移動しつつ方向を合わせて打ち返していく。 シングルスとダブルスがある。 卓球 返球される点に移動しつつ方向を合わせて打ち返していく。 シングルスとダブルスがある。 フェンシング ガードを駆使しつつ、相手に剣を当てて点を稼いでいく。 個人戦と団体戦がある。 アーチェリー よく狙って的の中心を狙う。前作とほぼ同じ。 個人戦と団体戦がある。 + 1964オリンピック競技一覧 100m とにかくボタン連打で走る。 400mハードル 走りながらタイミングよく跳ぶ。 走幅跳 走りながらパワーを決め、角度を合わせつつタイミングよく跳ぶ。 マラソン 68人走っている中を、他の走者や地形にぶつからないようにかわしつつゴールを目指す。スタミナを使って加速し、途中に設けられた給水所で回復しながら走ることになる。 10m高飛込 画面に表示されるコマンド通りにボタンを入力し、技を決める。 跳馬 力と角度を合わせ、コマンド入力で技を決める。 カヌー 適切なパワーゾーンに合わせるようにスティックを回してパドルで漕ぎ、早くゴールすることを目指す。 柔道 相手を掴み、投げる。投げる側は相手のバランスを崩すように、投げられる側は体幹を保ち続けるようにスティックを倒して操作する。 バレーボール タイミングよくトスやアタックを行い得点する。基本的に移動は自動のためとにかくタイミングが重要。 射撃 クレー射撃。1皿につき2発の玉が割り当てられているので外さないように撃つ。回数を重ねるほど撃つべき範囲が広がり、難しくなる。 + ドリーム競技一覧 ドリームレーシング スケボーのような板に乗ってレース。ジャンプ台やレールを駆使して1位でゴールすることを目指す。 ドリームシューティング 和風の屋敷のあちこちに設置された的を撃って点を稼ぐ。 個人戦とチーム戦がある。 ドリーム空手 9×9のマスが書かれたフィールドに4人で乗り、空手技を繰り出す。衝撃波や吹き飛ばした相手が当たったマスは自分の色になり、自分の色のマスを最も多く増やした人が勝ち。 個人戦とチーム戦がある。 競技やストーリーモードで記録を残すことでチャレンジを達成させるトロフィー要素がある。 対戦は4人まで可能。ただし2020オリンピックのボクシングと空手、1964オリンピックの全競技は2人対戦まで。 ローカル通信およびインターネット接続によるオンライン対戦が可能。 ストーリーモード + あらすじ 2020年、オリンピックに沸く東京。マリオとソニックの元に、差出人不明のレトロゲーム「TOKYOオリンピック64」が到着する。その正体はクッパとエッグマンがマリオとソニックをゲームの世界に閉じ込めようとするトラップだった。警戒して手を触れようとしないマリオたちだったが、ルイージのミスによってマリオ・ソニック・キノピオ、さらにはクッパとエッグマンまでゲームに吸い込まれてしまう。 ゲームの中は1964年の東京オリンピックを再現した世界。エッグマンは金メダルを集めて秘密の鍵穴に差し込むことがゲームの世界から出る唯一の方法だという。金メダルをめぐり、マリオ・ソニックとクッパ・エッグマンの争いが始まった。 一方2020年でもエッグマンネガによって「TOKYOオリンピック64」の解析が行われ、金メダルが救出に必要なことが判明。遺されたルイージたちとクッパJr.の間でこれまたメダル争いが幕を開けることに。 これまでの携帯機作品にあったストーリーモードと同様、キャラクターを操作して競技をこなしていく。2020年の東京ではルイージ、1964年の東京ではマリオを操作する(これらは自由に切り替えられない)。 2020・1964どちらも東京をモチーフにしており、マップからスポットを選んで移動する形式。スポットには国立競技場や馬事公苑などの競技場と、東京駅や東京スカイツリーなどの観光地の2種類がある。競技場ではそこで行われるオリンピック競技を遊ぶことができ、観光地では一部を除きミニゲーム(後述)がプレイできる。 ストーリー中にはミッションが課されることがあり、内容は「指定の競技で勝て」「ミニゲームをクリアしろ」の2種類。これをクリアすることでストーリーが先に進む。 3回ミスすると「おたすけクリア」が選べるようになり、これを使うとそのミッションをクリアしたことにできる。 ミニゲームは、競技をアレンジした簡易的なゲーム。しかしその内容は「東京タワーの外側をクライミングで登る」「東京都庁の2本の展望台の間に向けてラグビーのゴールキックをする」などぶっ飛んだものばかり。 クリアしたものはトップメニューの「ゆうぎじょう」に追加され、いつでも遊べるようになる。 キノピオなどNPCに話しかけたり、アイテムを取ったりするとトリビアが手に入ることがある。オリンピック競技に関すること、東京の観光地に関すること、マリオ・ソニックファミリーに関することの3種類があり、閲覧したものはトップメニューの「トリビア」に追加され、一覧で見られるようになる。 評価点 全体的なボリュームの増加 その数34競技。前作が少なすぎるのもあるが、スポーツゲームとしては一定以上の量は確保されている。 東京五輪の新種目が全て収録されている。現実において日本人選手の大活躍で大きな話題を呼んだ競技も多く、ある意味先見の明があったといえよう。 1964オリンピックはできるだけ2020オリンピックと被らないように収録しており好感が持てる。 1964オリンピックの演出の凄さ 現実のTV中継を意識した実況付きだが、FC時代の取り込み音声を意識した音質でレトロゲーム感は最高。背景もしっかりドットで描かれており、観客のキノピオやクリボーなどは『スーパーマリオブラザーズ』のグラフィックとなっているこだわり様。 そしてアナログTVモードが凄すぎる。本体のTVモードはもちろんだが、携帯モードでプレイすると本当にブラウン管が入っているかのように見えてくる。 BGMはFC風で、これまたレトロゲームにありがちなちょっと控えめなもので雰囲気が良い。 ストーリーモードは好評 過去作と違い、現実の東京が舞台となっているところが魅力。スカイツリーや都庁などがリアルに再現されていてテンションが上がる。 シナリオは王道的なもので、下手にオリキャラを登場させなかったため納得しやすい内容。序盤にやや引き延ばしが目立つものの、後半では今までになかったショッキングな演出や意外な伏線回収もあって『バンクーバー』並みに質が高い。 2020年の東京ではルイージが主人公となるのも新しい。道中ではテイルスがルイージをサポートすることになり、マリオ ソニックに対するルイージ テイルスというカップリングを提示した。 賛否両論点 スケートボードなどの個人競技でも同時プレイ 以前の個人競技で長い待ち時間が発生していたことの反省かもしれないが、見づらいうえにやかましいためあまり評判が良いとは言えない。 問題点 パーティーモードが完全消滅 プレイ幅を狭めている本作最大の問題点。多人数プレイできるのはワンマッチのみになってしまった。携帯機版の機能を吸収したとはいえさすがにこれはひどい。 ひとつひとつ選んで遊ぶしかやり方がなく、また完全な実力勝負を要求される。 3DS版『ロンドン』では本作より多い57の競技を収録していながらストーリーモード+ラウンドマッチ+バラエティモードにあたるゲームモードを全て確保していた。3DSやWiiの時代に普通にできていたことが、何故時代が進むたびに縮小されてしまうのかは理解に苦しまれる。 ハチャメチャさに欠けるドリーム競技 前作で削除されたため復活自体は喜ばれたものの、競技数が僅かに3つのみのうえに演出は全体的に控えめ。競技している場所も屋敷や野原などあまり意外性がなく、『北京』時代に逆戻りしたかのようなクオリティである。 ミニゲームがその役割を引き継いでいるといえるかもしれないが、1人プレイ専用かつ小規模である。 プレイアブルキャラの大幅なリストラ 前作で一部競技限定参戦していたキャラクターが計10人(*1)リストラされている。 唯一の新規参戦はマリオシリーズのキノピコであるが、キノピオを差し置いて参戦させるキャラクターかと言われるととても微妙である。 総評 競技数が(1964オリンピックを含めば)『ロンドン』並みの水準にまで増加し、話題になった新種目もバッチリ収録していることから、東京オリンピックの競技をライトに楽しむにはとても良い作品である。ストーリーモードも評価が高く、東京を舞台にしたこれまでにない戦いを体験できる。 しかしながらラウンドマッチやパーティーモードといった過去作の人気要素が再び消えてしまったのは残念というほかない。1人プレイを重視した作品であるとはいえ、流石にワンマッチのみでは少なすぎる。 結果として、東京オリンピックを楽しみたいという新規層からは一定の評価は得られたものの、自国開催のオリンピックということもあり、過去作に並ぶ傑作を期待していたプレイヤーには応えることはできなかった。 関連作品(参考) 『マリオ ソニック AT 東京2020オリンピック アーケード』(アーケード) 2020年1月23日稼働。前作同様の体感型アクションゲーム。 Aime非対応だが、定期的なアップデートでプレイアブルキャラが次々と追加された。 『ソニック AT 東京2020オリンピック』(iOS・Android) スマートフォンアプリ。マリオキャラクター不在でソニックキャラクターのみ登場。 当初は2020年5月7日より基本無料+課金として配信されたが2021年12月15日サービス終了。その後、2022年1月24日より買い切りの完全オフラインゲームとして生まれ変わって再配信された。 余談 現実のリオオリンピックの閉会式で流された東京オリンピックの予告映像では、ドラえもんが取り出した特別な土管にマリオが入って地球の裏側のリオに向かうという、とても期待度の高い内容が流された。 なお本作のマリオ達は飛行機と新幹線で東京に来た模様。 実際に2021年に開催された東京オリンピックの開会式および閉会式では、諸々の事情により任天堂が関わることは一切無かった。 ワンマッチでは既存キャラにランダムで国籍が割り振られるため、「キューバ国籍のクッパJr.」「中国籍のワリオ」といった荒唐無稽な組み合わせが生じることも。「ナイジェリア国籍のベクター」は何故か納得がいく。 本作の発売に先駆け、同じく東京オリンピックを題材にした非キャラクターのゲームとして2019年7月24日にPS4/Switch用ソフト『東京2020オリンピック The Official Video Game』が発売されている。
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フィルムコミッションとは (1) 欧米で始まったFC 最近「フィルムコミッション(FC)」という言葉を耳にするようになった。 FCとは、映画等のロケーション撮影をスムーズに進めるため地域ごとに設置され る組織である。欧米ではFCが多数活動しており、「事実上、FCがない地域でロケ 誘致は不可能」と言われる。FCの連絡組織として国際FC協会(AFCI)が設立さ れ、1999年現在、23か国、260以上の組織が加盟している。 (2) FCの活動内容 FCは、主に次のような活動を行う。 ① 撮影の誘致 地域に映画やテレビドラマのロケを誘致するために、その地域の魅力や、映像制 作にとっての優位性、撮影への支援活動をPRする。 ② 撮影の支援 ・ ロケに関する案内・情報提供 ・ 撮影に関する警察などの許可・届け出等手続きの窓口一本化 ・ 宿泊、関連業者、エキストラの紹介、斡旋など (3) FCの目的、効果 各地域がFCを設立するのは、もちろんロケ誘致により地域にメリットがあるからで ある。具体的には、次のように直接、間接に様々な効果が期待できる。 ① 撮影が行われることによる消費需要(宿泊、飲食、サービス)発生 ② 地域の映像関連産業の振興 ③ 地域の映像が国内、国外に配信されることによる地域PR ④ 観光客の増加による消費需要増加 ⑤ 地域の魅力の再発見、地域住民の積極的参加による地域活性化 (4) FCの組織形態 このようにFCとは、「地域経済、文化の活性化」という公的な(非営利の) 目的を持つ組織であるが、その形態は、 ① 行政組織(自治体)内に設置する ② 行政と民間が協力して設置する ③ NPO(非営利活動法人)として設置するなど、様々である。 日本各地で広がるFC設立の動き わが国では平成12年2月に、日本でのFC設立を目的に、映画関係者、地方自治 体(夕張市など)関係者、省庁(通産省、運輸省など)関係者などによって「FC設 立研究会」が発足した。最近はテレビ番組「ニュース・ステーション」で取り上げら れたこともあって一般の人々の間でも関心が高まっている。国内でのFC設立とし ては、平成12年2月に大阪で日本初のFC「大阪ロケーション・サービス協議会」が 設立されたのに続き、同年9〜10月には「神戸フィルムオフィス」、「北九州フィル ム・コミッション」、「横浜フィルムコミッション」が相次いで設立された。このうち横浜 神戸、北九州は、市役所主導の形で設立され、大阪はUSJ(ユニバーサル・スタジ オ・ジャパン)との相乗効果も期待して、大阪府、大阪市、大阪商工会議所など行 政・民間の協力により設立された。また東京都では、都が所有・管理する施設の撮 影に関する情報提供や許可申請の受付けを行う「東京ロケーションボックス」を13 年4月に都庁内に開設しており、一種のFCと捉えられる。さらに、これ以外にも北 海道など各地でFC設立に向けた動きが進んでいる。 3 横浜フィルムコミッションの事例 (1) 設立までの経緯 FC先進地の一つ、横浜の例をみてみよう。きっかけとなったのは、映画監督の篠 田正浩氏から横浜市長に対し「横浜で映画撮影した時に行政関係だけでも多数の 許可が必要だった。手続きを簡便にしていただくと撮影しやすい。」との提案がされ たことだった。 その後、市役所内において市長からの指示に基づき、FCに関する検討会や関係 者の協議などを経て、平成12年10月にFC設立に至った。設立準備では、横浜市 経済局観光コンベンション課が中心になったが、FC設立後の運営は(財)横浜観 光コンベンション・ビューローが行っている。準備段階では、当初はFC設立の意義 がなかなか理解されないなどの困難があったが、啓発活動などによって「ロケ誘致 は地域全体にとってメリットがある」との認識が庁内に広がったことで関係者の協 力もスムーズになった。 (2) これまでの実績 横浜は映像制作者が集中する東京に近いこともあり、設立から13年3月末までの6 か月間で、2本の連続ドラマを含む316件もの撮影を支援している。 従来は撮影 が困難であった場所の撮影許可がおりやすくなったことや、市内商店街、企業の協 力体制が整ってきたことにより、映画、テレビ制作者の好評を得ており、実際にFCが あることがロケ誘致につながっている。 4 秋田県におけるFCへの期待 (1) 秋田県の独自性、魅力 これまで設立されたFCは大都市型であるが、ロケ撮影には、当然ながら自然、田園 風景、祭りなどのニーズもある。したがって四季が明確で海、山、湖など自然に恵ま れ、祭りなど文化も豊かな秋田県は、そのようなニーズを満たす土地としてロケ誘致 の可能性が大きい。 実際に県内では、ここ数年だけをみても「大往生」(二ツ井町)、「アカシアの町」(小坂 町)などの映画が撮影され、最近公開された映画「五条霊戦記」の撮影では鳥海山麓 (象潟町)で長期ロケが行われている。 (2) 期待される地域への効果 県では「あきた21総合計画」において観光誘客に意欲的な目標を設定しているが、そ の達成には宣伝、PRをもっと積極的、効果的に行う必要がある。そのためにはFCに よる映像制作の誘致も有効な手段となる。 また、今年開設される秋田−ソウル定期航空路を活かすためにも、国際的な映画撮 影のロケ地となれば効果は大きい。実際に、日本映画「ラブレター」が韓国の若者にヒ ットしたことから、撮影地の北海道に誘客効果が出た例もある。 ひいては、企業や定 住者の誘致のためにも、秋田県を舞台にした映像が広く発信されれば、地域に理解、 親近感をもってもらうとことが期待できる。 (3) 秋田にFCを 全国的にFCが関心を集めるにつれて、県内でもFC設立を目指す動きが民間、行政の 双方で起こっている。 秋田県・観光課では、FC設立に向けた検討を進めており、民間においても観光関係者 や、商工団体の若手、映画ファンのサークル等の間でFCを研究する動きが出ている。 このような動きが広がって県民の間でFCの意義が理解され、FC設立、さらにロケ誘致 による地域活性化へと繋がることを期待したい。