約 24,168 件
https://w.atwiki.jp/talonrojp/pages/76.html
Prontera (35, 346)の騎士ギルドで開始 [Chivalry Captain]と会話。 [Sir Andrew]と会話。以下のパターン毎にランダムでアイテムを収集を依頼される、又、Job50の場合これは免除される。 @パターン1 個数 名前 日本語名 オススメMob Mobの場所 5 Elder Pixie s MoustacheItemID:1040 年寄り妖精のひげ ガイアス Dungeon→Coal Mine(2F) 5 Wing of Red BatItemID:7006 赤いコウモリの翼 ドレインリアー Dungeon→Coal Mine(2F) 5 Orcish VoucherItemID:931 オーク戦士の証 オークウォリアー Dungeon→Orc Dungeon 5 Moth DustItemID:1057 蛾の羽粉 ダスティネス Aldebaran下MAP 5 Reptile TongueItemID:903 爬虫類の舌 フリルドラ Dungeon→Kokomo Beachから上上MAP 5 ManeItemID:1028 いのししのたてがみ サベージ Dungeon→Orc Dungeonから右MAP @パターン2 個数 名前 日本語名 オススメMob Mobの場所 5 Bug LegItemID:1042 短い足 アルゴス15%ドロップアルギオペ100%ドロップ Dungeon→Hidden Dungeon(ダンジョンに入らずに上MAP)Aldebaran下下(アルギオペ) 5 Heart of MermaidItemID:950 人魚の心臓 オボンヌ Dungeon→Bibilan Dungeon(3F) 5 Snail s ShellItemID:946 カタシムリの皮 アンバーナイト Dungeon→Orc Dungeon上 5 Clam FleshItemID:966 貝のむきみ おばけ貝 Dungeon→Kokomo Beach 5 Old Frying PanItemID:7031 古いフライパン 白連玉 Morroc下右Morroc下右下右 5 Maneater BlossomItemID:1032 職人植物の花 NPC Alchemist Shop NPCで購入 [Sir Siracuse]と会話。 質問されるので以下の通りに答える。 [Q1] Can you tell me which of these swords is NOT a two handed sword? [Flamberge] [Q2] Skill not required for Bowling Bash [Provoke Level 10] [Q3] Option not necessary for Brandish Spear [Spear Boomerang] [Q4] Weapon that can attack a Nightmare monster [Zephyrus] [Q5] The correct amount [80%] [Q6] You should tell the novice about a [Tell the Novice of a reasonable hunting area] [Q7] In the front of a battle you should [protect everyone] [Q8] What do you think is most important to a Knight? [Honor] (選択肢を上から43312111の順番) [Sir Windsor]と会話 戦闘試験があるので肉等回復財を忘れずに。 ラウンド1. アンドレ2匹 アルゴス2匹 デニーロ2匹 ダスティネス4匹 ラウンド2. アナコンダク2匹 デザートウルフ2匹 ドレインリアー2匹 フリルドラ2匹 ラウンド3. ゴブリン6種 [Lady Amy]と会話 01. Open a Chat Room and Wait or Look for people seeking Knights 02. Check out the area and plan ahead or Lead the party slowly at the front 03. Keep the monsters from reaching your party or Defend while the party retreats 04. Ask your party s Priest to help 05. Give it to who deserves it the most or Decide with party who gets it 06. Inquire if there is anyone that is interested 07. Give suggestions for a place to hunt 08. Tell the person how to reach the exit or Lead the person to the exit 09. Would it be possible to get a heal please? 10. Ask around to find the owner or Simply walk by (選択肢を上から2111133112の順番) [Sir Edmund]と会話 転送先のMAPで放置してるだけで終了する。 [Sir Grey]と会話 質問されるので以下の選択肢を入力 1. To become Stronger 2. To protect others 3. Those waiting for me 4. My Friends (選択肢を上から1321の順番) 最後に[Chivalry Captain]と会話すると転職完了。
https://w.atwiki.jp/dragonquest_9/pages/15.html
基本職 戦士 僧侶 魔法使い 武闘家 盗賊 旅芸人 上級職 魔法戦士 パラディン バトルマスター レンジャー 賢者 スーパースター
https://w.atwiki.jp/cwch/pages/55.html
説明 関連項目 説明 読み-シンカン(セイショクシャ・テンショク)/カテゴリー-職業 コンマ00で就職可能の最高位職。コンマスレでも重要となる00がそのプレミアム感を引き出している。 同時にスレのルールに触れる事が出来る唯一の職業でもあり、神官が与えた試練を達成すれば、無条件で転職ができる。 こう言うと確かに凄い職業に思えるが、専らスレが次スレになれば転職可能だし、現状では職業Lv5になれば転職可能。 転職の試練も現時点では発生しておらず、就職し辛さの割に不憫な職業である。 関連項目
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1381.html
426 :そして転職へ 12 [sage] :2009/10/15(木) 00 31 05 ID WXI0nz98 「マモノオオオオオオオオオオ!」 洞窟を抜けた先に広がる森、ダーマ神殿にあすにも到着であろうこの場所で 僕たちは魔物と戦っている。独特の雄たけびとともに鋭い爪の一撃を ひらりとかわした僕、僕に気を取られている魔物のすきを突き 盗賊くんの不意打ちと僧侶ちゃんの幻影呪文が魔物の動きを鈍らせる。 「みんなグッジョブ!さてアタシの見せ場だね!上級雷撃呪文ライディン!」 魔法使いさんの呪文の詠唱とともに僕たちは魔物から距離を置く。次の瞬間には 巨大な稲妻が相手をミディアムに仕上げていた。 「む~調子よくないね。ほんとならウェルダンぐらいまで行ったのに…。」 十分じゃないですか?それと殺し方に美学を求めないでください。 大体、あの程度の魔物なら殺さずとも追い払えたのでは? と、魔法使いさんに恐る恐る進言したところ 「うん。多分追い払えた。だけど駄目なんだよね~。大切な、大切な 勇者クンの体に傷をつけようとしたおバカちゃんには…フフフ。」 目が怖いよ!青というより紫に近い目が僕を見つめているので、よけいにこわ…あれ? なんというのか…僕は少し魔法使いさんの目を観察する。 僕を見ているようで、見ていないような眼だ。焦点は僕に会っているのに 意識も僕を対象としているのに、なんだか変だ。 まるで僕を僕としてとらえていないような…。 「勇者さん。二人で何見つめ合っているのですか?」 予想はついていたが、このタイミングは僧侶ちゃんだ。 別に僕は厭らしい目的で魔法使いさんと見つめ合っていた訳ではないのに そういう言い方をされると何だか傷つく。 だけど、今日ばかりは何かが違った。 魔法使いさんがものすごい怒ったような顔つきを僧侶ちゃんに向けたのだ。 僧侶ちゃんもその顔を見ると、何か失敗したような顔をする。 つかつかと魔法使いさんが僧侶ちゃんに近寄り、少しきつい口調で 何やら囁いた。 …いつもとは違う光景だ。これまで僧侶ちゃんは何かと魔法使いさんに 食ってかかっていったし、魔法使いさんはそれを受け流し続けていた。 ところが今はどうだろう。魔法使いさんが何事か囁くと僧侶ちゃんは神妙な 顔をする。 そういえば、ポルトガの町以降僧侶ちゃんは僕に『命令』をまったくしていない。 盗賊くんと同じく、なにやら僧侶ちゃんにも変化があったようだ。 おとなしくなったのはいいことなのかもしれないが、心の中にある 何かがざわめいているのを感じる。 ―嵐の前の静けさ そんな言葉がふっと僕の心をよぎった。 森の中を生暖かい風が吹き、ダーマ神殿の方角に走り去っていく…。 427 :そして転職へ 12 [sage] :2009/10/15(木) 00 32 06 ID WXI0nz98 放置された小屋を見つけたのはまったくの偶然だった。蜘蛛の巣だらけの 室内に足を踏み入れると埃が舞う。けれども野宿を覚悟していた僕らには 天の施しにも等しいものだった。 この世界の森の中で野宿など自殺行為にも等しい。群れなすモンスターや 凶暴な亜人がわんさか押しかけてくるのは目に見えている。 火など焚こうものなら居場所が一発でばれてKO。応戦しても太陽が昇るまで エンドレスバトルを繰り広げる羽目になる。 そのため、旅人は通常近くの宿屋に泊るか瞬間移動呪文で宿屋のある街に 移動するのが常だ。一日以上かかるであろうダンジョンの往来の際はキャンプを張る。 それも大がかりでしっかりとしたものだ。それにはキャラバン隊が不可欠で 専用の業者を雇うことに…。 つまり、僕たちの一行に森の野宿は不可能というわけだ。 そんな中現れた廃屋。不思議なことに野生の魔物はあまり民家を襲わない。 お約束というものらしい。 そんな訳で今日の寝床をゲットできた僕たち。中に放置されていたランプは 当然のことながら燃料が尽きていたので、自分たちのを使用した。 必要最小限の灯りの中、寝床を整える僕たち。明日にはダーマ神殿が僕らを 待っているのだ。いよいよ転職できるのだ。 呪われた運命ともおさらば。これで僕は普通の人間として人生を謳歌できる…。 僕…この旅が終わったら、普通の人生を送るんだ。 「勇者さん。」 僧侶ちゃんが声をかけてきた。 「もしよろしければ、近くに泉があるそうですので二人で出掛けませんか?」 泉…久しぶりだね。懐かしさにふと顔がゆるむ。 「うん。わかった。もうちょっとで書き終わるから待ってて。」 僕はそう言って手紙を書き終えると封を閉じて、便せんに記されている 転移呪文の印に触れる。手紙が目的の所まで転移したのを見届けると 僧侶ちゃんの方に歩んでいった。 「何のお手紙だったんですか?」 「ん?魔王討伐の秘密兵器さ。」 「もう…またはぐらかして…あ、そうでした。勇者さん、『命令』です。 私と手をつないで行ってください。」 僧侶ちゃんは僕の返事も待たず指を僕の指にからみつかせるように 手をつないだ後、寄りかかるようにして僕を促した。 428 :そして転職へ 12 [sage] :2009/10/15(木) 00 33 11 ID WXI0nz98 「じゃあ、少し散歩に行ってきます。留守をよろしくお願いします。」 僕はそう言って魔法使いさんと、この頃様子がおかしい盗賊くんに声をかける。 「いってら~。勇者クン…物陰に押し込んで…ヤっちゃえ!」 魔法使いさんはいつも通りだが…。 「………………。」 盗賊くんは虚空を見つめてぼっとしている。魔法使いさんがそんな盗賊くんの 頭を小突くと、はっと我を取り戻したような盗賊くんは 「勇者…行ってらっしゃい。」 と、やはり昔とは違った様子。 「ほら、勇者さん。早く早く。」 どこか焦った様子の僧侶ちゃんに引っ張られながら、僕は少し心残りで 小屋を後にした。そして、その選択のツケをもうすぐ僕は支払うことになる…。 泉の水は実に住んでいた。これほどまでに明るかったのかというほど 月の光は水面を照らし、深い青を湛えた水面は幻想的に輝いている。 自然の光100パーセントの風景は、町で暮らしていたころには全く お目にかかれなかった。 湖畔に腰をおろした僧侶ちゃんは僕を見上げると、自分の隣の地面を ポンポンと叩く。 座ってください、という意味だろうか。 ゆっくり隣に腰掛け、二人でしばらく泉を眺め続ける。 暫くすると、空にかかった雲が月光を遮断して辺りが漆黒に染まる。 そして、雲が晴れ月光が再び僕らを照らし出した瞬間…。 僧侶ちゃんが僕を押し倒していた。 そのまま彼女の唇が僕の唇に重なる。月光にきめ細やかに映える白い 両手が、ゆっくり、そして力強く僕を抱きしめる。 そのまま僕にまたがる形となった僧侶ちゃんの眼には、銀の滴が こぼれおちそうなくらいに輝いていた。 「愛してます。」 僕の唇から離れた彼女の唇が、言葉を紡ぐ。 「愛しています。昔から、これからもずっと愛しています。だからこれからもずっと 一緒にいてください。言葉だけじゃ足りません。抱きしめるだけでも 満たされません。私…勇者さんが欲しいんです。」 「一緒にいてください。離れないでください。私以外を見ないでください。 たまに不安になるんです。自分が自分でなくなるかのように怖いんです。 一緒にいる証をください。消えない証を私の体に刻み込んでください。 勇者さんの体に刻み込ませて下さい。…私を…私を抱いてください!」 429 :そして転職へ 12 [sage] :2009/10/15(木) 00 33 54 ID WXI0nz98 「…何で…?何で何も言ってくれないんですか?私が軽い女に見えますか? いいえ!私は勇者さん以外にそんなこと…そんな女じゃないんです! 何なんですかその眼…!なんでそんなに怒っているんですか!? そんな目で見ないでください!見ないで!見ないでください! おかしいですよ勇者さん!何で私の言うとおり私をめちゃくちゃにして くれないんですか!?昔言いましたよね?私のことを好きにして構わないと! …やめてください…。やめてください。やめてくださいやめてください やめてくださいやめてやめてやめてやめろやめろやめろぉ!! そんな目で見ないで!何で怒っているの!?意味が分からないよ! 好きな人に体を捧げて何が悪いの!?一生勇者さんのそばにいたいと 願うのは罪!?好きな人を独占したいと思うことの何がエゴなのよ!? そんな目をしないで!やめて!勇者さんは黙って私を蹂躙して、愛して、 そばに居続けるの!なんでそれができないの!勇者さ…」 パアン! 僧侶ちゃんの身体が一瞬宙に浮き、地面に沈んだ。 彼女は何が起きたのか分からないといった様子で僕を見つめ、それから恐る恐る 自分の頬に手をあてる。 僕は僧侶ちゃんを殴った。そう、殴ったのだ。 「嘘…。」 僧侶ちゃんの顔がゆがんでいく。悔しさのあまり言葉が震えていく。 「うそ…だよね…?そんな…こんな…私たち、こんな終わり方じゃないはずですよね? 嘘…うそだよ…だってこんな…愛しているもん。だって愛しているんだもん。 なのになんで?どうして?ねえ分からないよ。助けて勇者さん。 助けてよ…たすけ…うわあああああああああああああああああああ!!!!!」 430 :そして転職へ 12 [sage] :2009/10/15(木) 00 35 17 ID WXI0nz98 頭を抱え悲鳴を上げたのち、僧侶ちゃんはナイフを振りかざしそのまま 突っ込んできた。涙を湛えた眼は充血し大きく見開かれ、顔は苦悶の表情で ゆがんでいる。ナイフを向けられているこっちが気の毒に思えるほど 彼女が苦しんでいるのが見とれる。 …でも駄目だ僧侶ちゃん。今はまだ耐えてくれ。 ナイフが僕の肩を掠めた。血が少し肩口を濡らす感触を感じつつ、僕は 彼女にあて身をくらわした。 倒れ込み、動かなくなる僧侶ちゃん。僕は駆け寄り無事を確認する。 どうやらうまく気絶してくれたようだ。 ほっとした矢先、背後に人の気配を感じ取り僕は振り向いた。 そして、そこにいたのは…。 「喰らえ、勇者。」 盗賊くんが月光にきらめくナイフを振り上げ、僕に向かって勢いよく 振り下ろす。 ―冗談だろ?この距離とタイミングじゃ間合いをあけるなんて不可の… 月光が湖畔を照らすなか、また一人の姿が力なく地に崩れ落ちた…。 勇者一行がねぐらに決めた小屋の中は、見たこともない巨大な 魔法陣で埋め尽くされていた。 そこに佇む女性が一人、静かに目を閉じ何かを待っている。 やがて、小屋の外から誰かの足音が近づいてくると女性の顔に笑みが浮かんだ。 そのまま小屋の外に出て、女性は足音の主…盗賊くんの姿に話しかける。 「わたくしの望んだ通りに事を成し終えましたか?」 盗賊くんは何の感情も浮かんでいない顔でこくりと頷いた。 「いい子ですわ…本当に。これで、わたくしの下にあの方が再び来て下さる…。 勇者殿には気の毒な事を致しましたが、全てはわたくしたちの永久に変わらぬ 愛のために…。さあ、盗賊。最後の仕事です。勇者殿の肉体は きちんと持ってきていただけたのでしょね?」 431 :そして転職へ 12 [sage] :2009/10/15(木) 00 37 54 ID WXI0nz98 この時、始めてうっすらと笑みを浮かべた盗賊くんは左手を女性の方に翳すと…。 盗賊くんの手から紫の稲妻が飛び出すのと、異変に気づいた女性が呪文防御を 唱えるのはほぼ同時だった。 稲妻の直撃こそ免れたものの、完全に不意を突かれた女性は反動で 後ろに吹き飛ばされる。 体制を立て直す彼女。その頬にうっすら血がにじんだ。 「どういうこと…?何故盗賊風情が闇の呪文を…まさか!?でも、そんな…。」 「気づいたみたいだな。」 盗賊くんは女性をまっすぐ見据え、不敵に笑った。 そして盗賊くんは目を閉じて何やら唱える。白い煙が辺りを包み込み、 盗賊くんがさっきまでいた場所に立っていたのは…。 「勇者殿…どうして?」 「変身呪文モシャス。当然知っているよね?」 「馬鹿な。変身呪文は魔法使いなど一部の者しか使えぬ高度な呪文。 いくら勇者とはいえそうそう扱えるわけが…。」 勇者…つまり僕は懐をごそごそと弄り、一本の汚い棒を取り出した。 「僕の父オルデガが僕に渡した切り札…『変化の杖』だ。 これさえあれば、僕は変身呪文が使える。」 女性の顔に動揺の色が浮かぶ。僕は追及の手を緩めなかった。 こいつだけは許さない。僕の眼に鋭い光が浮かぶ。 知っている人がいたら多分こういっただろう。 本当に、父親そっくりの眼の光だと。 「長きにわたる茶番劇もどうやらここでおしまいのようですね。さあ、 僕や盗賊くん、そして僧侶ちゃんを陥れた罪の報いを受けろ!」 僕は左手をまっすぐ女性の方に翳しながら、きっぱりと言い放った。 「魔法使いさん…いや、竜王事件の新犯人…ローラ姫!!」 432 :そして転職へ 12 [sage] :2009/10/15(木) 00 38 50 ID WXI0nz98 時が、再び流れ始めた。 無言の魔法使いさんは落ち着きを取り戻したらしく、笑みすら浮かべている。 「…否定はできないですよね。あなたは成長剤か何かで実際よりも 大人に変身し、周りの目を欺いて僕らの仲間に加わった。 そして、何かの目的のために今日狂った作戦を実行したんでしょう? 何かの呪文で僧侶ちゃんや盗賊くんを操って!その小屋の中… おそらくそこにあなたの目的の鍵があるんじゃないですか? 例えば…禁術の魔法陣とか。」 「正解ですわ、勇者殿。」 今度は魔法使いさん…もといローラ姫が不敵に笑う番だった。 「わたくしの事はお聞きしていますでしょう?わたくしは三年前、 あなたのお父様によって大切な殿方を私の手から奪われました。 そして、あの方は逝ってしまわれた…わたくしを独り遺して…。」 「でも、私はあきらめませんでした。この世にもう一度あの方を呼び戻す…。 そこで目をつけたのは、どことなくあの方と似ているあなたの肉体そして、 魔界にひそかに潜入して見つけた禁術文章『ミチザネレポート』… その中に記されていた『雷撃呪文の脳内連続刺激による記憶の完全移植』です。 あなたの肉体にあの方の全ての記憶を上書きし、さらにはわたくしのことを 愛してやまず離れられないように記憶を作り変える…素晴らしい 案だと思いませんこと?」 僕の背中を嫌な汗が流れおちる。 狂っている…。 僕の驚いた顔を見て饒舌になったのだろうか。ローラ姫はさらに話を続けた。 「この計画にはわたくしの思い通りに動く手足と、この術のモルモットとなって 頂く人材が必要でした。あの僧侶と盗賊は実に良い下僕であり、実験材料でしたわ。 あなたが旅立つため王宮に向かった時、私はひそかに僧侶をさらい、 呪文のテストを行いました。まだ術もそんなに完成しておらず、私の人格の ほんの一部分…つまり、愛する人に対する執着心をコピーするだけで 当時は精一杯でした。その時の記憶も消したと思いましたが、深層心理の どこかで私のことは覚えていたのでしょうね…。 ああ、あと酒場に火をつけたのは彼女の仕業ですよ。私の執着心がコピー された直後の彼女の人格は不安定なものになりますから、勇者殿との 二人だけの旅を諦められなくて、仲間集めを放火により封じるといった 短絡的な行動に出たのでしょうね。」 433 :そして転職へ 12 [sage] :2009/10/15(木) 00 40 54 ID WXI0nz98 体中が熱い。血液が逆流しそうだ。怒りでもはや言葉もない。 よくも僧侶ちゃんを…。 同時に、彼女のこの旅での変化の理由が分かった。二重人格といってもいいほどの いつもの僧侶ちゃんと怒った時の僧侶ちゃん。こいつが元凶だったのか。 「その後、わたくしの術は次のステップ…術の対象者の意志に反する命令の 実行にまで行き着き、ポルトガ行きの船に乗る前の森であの盗賊を襲撃。 わたくしの命令を忠実に実行する人形になるように脳に刺激を与え続けました。 最初の方は抵抗が激しかったものの、時間がたつにつれすぐに忠実になり、 ポルトガにつくころには余計な事を考えぬ僕に…。」 なにがおもしろいのか、くすくすと笑う姫君。 高貴さが見え隠れするその一挙一動が忌々しいものに感じられる。 「ポルトガで勇者殿と別れたわたくしと盗賊はその後僧侶を抑え込み 術をかけることに成功いたしました。今晩には、私の魔法陣布陣までの 時間稼ぎをお願いしていたのですが…どうやら成功したみたいですね。 盗賊による襲撃は失敗したようですが…。」 あの時盗賊くんの攻撃を避けるには、彼女を攻撃するしかなかった。 以前僕には剣は必要ないとどこかで語ったが、それは闇の力に頼るだけではない。 僕は実は徒手空拳の使い手だ。素手の一撃にさえ殺傷力が籠っているほどに鍛えてある。 仮にもオルデガの息子だ。拳一つで魔物を葬れないようでは勇者は名乗れない。 「そして…今からあなたにかける術式が私の最大の禁術『完全記憶移植』です。 さあ、さようなら勇者殿。そして…わたくしの下に戻ってきてください、竜王!」 美しい顔に恍惚の表情を浮かべながら、魔力をみなぎらせるローラ姫。 数々の勇者を葬ってきた美しき呪文の使い手が僕の前に立ちふさがる。 そんな中、僕はさっきの僧侶ちゃんのことを思い出していた。 僕に見せた涙、交わした唇、愛しているという叫び… 何をとっても、どれをとっても嘘いつわりになんて見えなかった。 時間稼ぎが目的じゃない。あれは多分、彼女の心からの叫び。 だからこそ、許せない。 次の瞬間、僕の左手から今までにない規模の稲妻が放たれた。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1315.html
463 :そして転職へ 6:2009/08/15(土) 00 19 33 ID YmZJicXF どうしてこんなことになってしまったのだろう。 身を縮めるようにして、迫りつつある敵に怯える僕。 ほんの少し前までみんなはそこにいた。一緒に笑ったり、ふざけ合ったり していたはずだった。 今の状況はなんだ? 一人、また一人と次々と消えていく仲間。 消えたはずの仲間が不意に現れたと思ったら、味方のはずの仲間を 次々と手にかけていく。 地獄絵図だった。 かろうじて僕の味方だと認識できる者は残り数えるほど。しかも それぞれ敵に囲まれている。 そんな僕も他人を気にかけていられない。敵に追い詰められてとうとう 僕は追い込まれてしまった。 情けないことに僕は足が遅い。この包囲網を突破するのは不可能だろう。 …僕を囲み慢心しきっている敵の後ろから仲間が攻撃して救出してもらうしか…。 ゆっくりと一歩右に動き相手の様子をうかがう僕。 その時だった。 敵の一人がゆっくりと僕の右斜めに躍り出たのだ。 チャンスだった。 ざっと見ても奴の周囲には敵はいない。 周りの敵が僕を取り囲もうとしても、奴を失えば包囲網に隙ができる。 なんとか仲間の所へ逃げ切れば、陣形を立て直して反撃できる! 僕はのこのこと飛び出してきた敵を一刀で斬り伏せた。 力なく倒れ戦場から消えていく敵。敵が倒れたおかげで塞がっていた 視界が開けた。その先に…人影? 「き…君は?」 少し遠くの方に人影が見える。ずいぶんほっそりとした体つきだ。 少しずつ視界が鮮明となる中、僕はようやくその人影に見覚えがあることに 気づいた。 「君は…僕たちと一緒にいた…。」 464 :そして転職へ 6:2009/08/15(土) 00 20 42 ID YmZJicXF 「覚えていてくれたんだ。うれしいな。」 にこりと少し恥ずかしそうな笑みを浮かべる女の子。確か僕たちの仲間の一人で いつも隅っこの方でじっとしている目立たないタイプの子だ。 顔なんて正面切って合せた事はなかったので、パッと見て実直そうな この子の顔が変に心に残る。 …そういえば本当に彼女の顔を正面から見たことなんてなかったな。 小さな顔立ちがこんな状況であるにも関わらず彼女の清楚さと可愛らしさを 花開かせている。 ただ、目が心なしか虚ろだ。 「…初めて…初めてあなたの顔をまっすぐ見ることができたね。」 ほほを染めてまたかすかに微笑む少女。ただ、事態は一刻を争う。 「悪い、君と話している暇はないんだ!仲間と合流しないと…。」 「必要ないよ。」 彼女が凛とした声で言い放つ。周りの音が聞こえなくなった。 まるでスローモーションだ。 彼女の手に握られていた槍。それを彼女は左手で柄の後ろを持ち、 そのまま刃を水平にした状態で左手を引きながら右足を前に出し 腰を少し落とす。右手で槍の先端を支え、その切っ先が僕を照準にとらえ ぶれないようにしている。 奇妙な構えを見せる彼女に僕もいそいで構える。切先を相手の喉笛にあてる 基本の構えだ。 彼女の武器は槍。基本の戦闘術は突くことのみに限定される。 たしかにリーチこそ長いが、いくらなんでも距離が離れすぎている。 攻撃は不可能なはず。 …なのにどういうことだ?さっきから震えが止まらない。 「あなたの全てを奪ってあげる…。」 刹那 ズガアアアアアアン! 腹部が燃えるように熱い、いや痛い。すぐ目の前にさっきまで 遠くにいたはずの彼女の顔が見える。左片手からの水平突きが僕の 腹部を貫通していた。馬鹿な…この一瞬であの間合いを詰めて!? 血を吐く僕。刀が僕の手から滑り落ち、カラカラと地面に転がった。 「なぜ…僕を…?」 彼女は答えない。かわりに槍を僕の腹から引き抜き、槍を投げ捨てた後 僕を抱きしめた。 「…好きだから。」 しばらくのち、彼女の発した言葉はそれだった。 465 :そして転職へ 6:2009/08/15(土) 00 22 12 ID YmZJicXF 「私の位置はいつも隅っこ。あなたから一番遠くにいた。 あなたの横顔を遠くから眺めるだけで我慢していた。 私は前に進むことしかできない。辛くても、思い残すことがあっても 過ぎ去ったものに浸ることもできない。」 ほほを涙が伝う。だんだん雫と雫の間隔が短くなってきたようだ。 「私はあなたが好きだった!あなたの顔を正面から見て愛を打ち上げたかった! でもそれは無理!私は前にしか進めないから!」 「横にだって動けない!あなたに近づきたくても叶わない!ねえ何で!? どうしてもっとそばに私を置いてくれなかったの!」 「私は敵につかまり…そして条件を出された。あなたを仕留める 手伝いをするなら命を助けてやると。」 叫びすぎて喉が渇いた。彼女はそういうと僕の傷口に舌を這わせ 舐めるように血を口に含んでいく。恍惚とした表情を浮かべる彼女。 いっそ気絶してしまった方が楽かもしれないが、あいにく意識は保たれている。 「最初は断るつもりだったよ。だけど、ある言葉を聞いて考えを変えたの。 『好きな場所で戦っていい』と。わかる?この意味。 今私があなたと正面切ってお話できるのもこのためなの。」 僕を抱きしめる力が強くなる。彼女の声に嗚咽が混じるようになった。 「だから…ごめん。私条件をのんだ。たとえあなたを裏切っても 私の思いを正面から…ひぐっ…伝えたかった。」 ふうと息をつき、今度はまっすぐ僕の眼を見据える。 「あなたはいつも楽しそうだった。近くの金さんと仲良く喋ったり、たまに あなたを守るため戻ってくる龍さんをねぎらったり…。私の隣にいた 桂さんもあなたのことを本当は狙っていたんだよ。私それが耐えきれなかった。 実はあの子は二股をかけるのが得意なんだよ。知ってた?桂さんとはちがって私は どこまでもまっすぐにしか進めない。それを器用に渡り歩く桂さんに 馬鹿にされているみたいで…。でも彼女は私よりもあなたの近くにいた。」 確かに彼女はユニークな動きで僕らを支え続けてくれた。でも彼女はいい子 だよ。そんな悲しい言い方しないでほしいな…。 466 :そして転職へ 6:2009/08/15(土) 00 23 08 ID YmZJicXF 「死にかけているのに、優しいね。…でも、諦めて。 私はまっすぐにしか進めない。その代り狙ったらはずさないこの 左片手平突きがあるの。狙われた人は貫かれるだけ…本当は私が あなたに貫いて欲しかったんだけど。」 最後は少しいたずらっ子のような笑みを浮かべた彼女。 …あ、意識が遠くなっていく…。 「いよいよだね。…最後に一つだけ。私の名前を覚えてくれないかな?」 僕が聞いた最後の言葉。 「私の名前は…香車(かおる)っていうの。すぐに私も逝くから 待っていてね。…私の名前忘れちゃだめだよ?だって…。」 「私はこれから旅立つ二人だけの世界での、恋人だからね。」 467 :そして転職へ 6:2009/08/15(土) 00 24 26 ID YmZJicXF 「やってしまったぁぁぁ!」 僕の絶叫が響く。ここは僕らの王国から数えて二つ目の町にある宿屋。 日も暮れてきたのでここに宿をとったのだが、あいにく四人部屋は 開いていなかったのだ。 そして市原悦子似の宿屋のおかみが『二人部屋なら二つ開いています』と まるでこれから起こるかもしれぬ修羅場に期待を寄せているような口調で 僕に勧めてきた。 言葉の中に『柱の隅から絶対に覗いてやる!』という強固な意志が 読み取れる…。 どういう組み分けにするか悩んだ僕の結論は。 勇者&魔法使いさんペア と 僧侶ちゃん&盗賊くんペア に決定! 異議は認めない。なぜならこれが万が一の時一番戦いやすい組みわけだからだ。 勇者としては寝込みを襲われる可能性も考慮しなくてはならない。 その時危険なのは防備がほかに比べ甘くなる魔法使いだ。 寝込みを襲うなら接近戦になることは間違いない。打撃が攻防問わず 苦手な魔法使いは命が危なくなる。 だからペアを組むのは接近戦で攻防優れるもの…この場合は僕だ。 僧侶ちゃんも盗賊くんも接近戦にはある程度の備えがあるだろうから 僕のサポートは必要ないだろう。 か…勘違いしないでよ。べ…別に下心があるわけじゃないんだからねっ! 何が不満なのか膨れ面をしている二人を残し、僕と魔法使いさんは 部屋に入って行った。 この機会に僕は彼女に聞いておきたかったことがある。 前にも話した通り、彼女の持つディン系の呪文についてだ。 王室に何らかの形で関係しているのは、彼女が提供してくれた王宮兵士の 捜査情報で分かっている。ただ、他は一切謎に包まれている。 個人のプライバシーを詮索するのは気が引けるが、命を預ける仲間たるもの 相手の素性ぐらいは最低限把握しておきたい。 とは言っても、僕がいくら尋ねても『禁則事項です。』の一言で片づける 巨乳の監視役はなかなか手ごわい。 そこで僕が提案したのは…かけ勝負!種目は…『将棋』! はるか西方にあるという救いの浄土ガンダーラ。そこで生まれたこのゲームは ガンダーラの僧ゴダイゴが銀河鉄道999に乗りジパングに伝えられ、 その国の風土によって改良され現在にいたるものだ。 このゲームで勝った方が負けた方の言うことを一つだけ聞く…僕は 彼女にそう提案して、彼女は受け入れた。よし、勝って聞きだしてやる! 468 :そして転職へ 6:2009/08/15(土) 00 25 24 ID YmZJicXF そしてまんまと相手の釣り餌に僕の王は引っかかり、いつの間にか 仕掛けられていた香車が僕の王をとった。 惨敗です。本当にありがとうございました。 深々と一礼する僕。…え、なぜ投了しなかったのかって?僕がアマだったから。 なぜ将棋盤を持ち歩いているのか?僕が勇者だからさ。 それにしても、彼女の桂馬の使い方は絶妙だった。桂馬を使い王手飛車取りを 狙っていると思いきやそれは囮だったり、二つの駒を刺しながらも相手の 出方をうかがい桂馬をただの捨て駒にせずに動かす絶妙さといったら… 魔法使いさん…恐ろしい子ッ! そういえば、刺された二駒は銀と香車だったな。僕はあの時香車を 捨てたのだけど、まさかその香車に復讐されるとは…。 「んっふっふ~勇者クン。解説も御苦労さまだけど、約束は守ってもらうよ。」 意地悪そうな笑みを浮かべながら魔法使いさんが顔を近づけてくる。 「なににしようかな?アタシのことを『お姉様』って呼ばせるのもいいし~ 明日一日四つん這いで歩き回らせるのもオツだよね。…いっそのこと あの僧侶チャンの目の前で熱いディープキスでも…。」 …はっ!いけないいけない。無意識のうちに口が地獄のいかずちの詠唱を…。 「う~んと…そうだ!」 彼女はニヤリと笑うと、僕に軽く口付けして… 「この旅が終わったら…アタシのことをお嫁さんにして?」 その瞬間、ドアが勢いよく開け放たれた。 「…勇者。そういう訳だったのだな。私ではなくその魔法使いを同室に 誘ったのは…アレだ、あの…その…厭らしい目的だったのだな!」 「…勇者さん。イッペン…シンデミマス?」 469 :そして転職へ 6:2009/08/15(土) 00 26 33 ID YmZJicXF そこには右手で大量のポッキーを抱え、左手にしっかりと聖なるナイフを握りしめている 僧侶ちゃんと、右手にトランプを持ち、左手のダガーナイフが臨戦態勢にはいっている 盗賊くんが立っていた。 一方の僕はキスの余韻とまさかの発言から立ち直れていなく、茫然自失。 さらには魔法使いさんが僕に抱きついた状態…。 …こんな時に言うのもアレだけど、君たち明らかに小旅行の荷物だろ。 大体僧侶ちゃん。そのピンクのパジャマは何?一応僕ら命張って旅してるはず だよね?…いや、可愛いのは認めるけどさ。寝込み襲われたらどうするの? …え、僕に守ってもらうつもりだった? 盗賊くんも何そのカッコ。水色で子犬柄パジャマって…君盗賊でしょ? …さらにツッコミ入れると、その右腕に抱えている大きめの犬のぬいぐるみは何? …え、僕に買ってもらった? そんな覚えないんだけd…はっ!?いつの間にか僕の財布が無い! 盗賊くん…恐ろしい子ッ! こんなやりとりが続く。こののほほんとしたムードで何事もなく終わってくれ…。 ゆうしゃはにげだした! そうはとんやがおろさなかった! ご愁傷様、僕。 「全く…勇者さんがそんな人だとは思いませんでしたよ。」 僧侶ちゃんが僕に丁寧に包帯を巻きつけている。妙に口調が優しく、それでいて 申し訳なさそうなのは、僧侶ちゃんの一撃が想像以上に僕にダメージを 与えたためだ。 …武道家の副職でもやっているのだろうか? 「まったく~僧侶チャンも大げさだよ~。勇者クンにはもう既に こーんなに可愛い恋人がいるっていうのに、アタシが手を出すわけないでしょ。」 やだなぁ、とでもいうかのように魔法使いさんが手を振る。 「…そうでしょうか?私は魔法使いさんが何を考えていらっしゃるのか さっぱりわからない物で。」 きっぱりと言い放つ僧侶ちゃん。 470 :そして転職へ 6:2009/08/15(土) 00 27 42 ID YmZJicXF 「…待て。僧侶が勇者の恋人だと…?勇者!お前たちまさか…あ、ああ あーんなことやこーんなことを既にやっているのか!?」 顔を真っ赤にして僕に掴みかかってくるのは盗賊くん。…ってか痛い! 「認めん認めんぞそんなこと駄目だ駄目だ勇者お前は気づいていないのか あの日お前にもらったお弁当から始まったこの想いに許さないそんなこと 私はいやだもうつらい思いをするのはたすけてくれおまえなら他人に りかいされぬことのつらさを私の思いをわかってくれるはずだ よめがだめならどれいでもいいいやいっそかちくでもかまわないこのたび がおわってもおまえのそばにわたしはいたいのだたのむわたしは おまえをしんじている…!」 ものすごい早口で何かしゃべっている盗賊くん。あまりの速さに僕や僧侶 ちゃんはもちろん、魔法使いさんまで目が点だ。何を言っているかなんて 当然誰も分かりはしない。…たぶん早とちりして僕と僧侶ちゃんが 何やら秘め事でも行っていると思って怒っているのだろう。 …そういう初心なところが彼女の可愛いところだよね…はっ、殺気! この展開だったらこの殺気は僧侶ちゃんのものだと思うだろう。だが違う。 この体に不快にからみつくような殺気は今まで感じたことの…あれ? あまり覚えのないような殺気なんだけど、どこかで感じたことのあるような…。 僧侶ちゃんはおろおろとしだしているが、魔法使いさんと盗賊くんはすでに 杖とナイフを構えて油断なく部屋を見渡している。 「勇者、この殺気…。」 盗賊くんもどうやらこの殺気に覚えがあるようだ。となるとその持ち主といったら…。 「爆破の呪文、イオラ!」 声が聞こえたのは一瞬だった。次の瞬間には黄色い閃光が辺りを 包み込み、爆発した。 窓のガラスをぶち割り、盗賊くんと魔法使いさん、そして僧侶ちゃんを 抱き抱えた僕が飛び出す。足先が焦げるのを感じた。 そしてそのまま地面にたたきつけられるような状態で着地。後ろに 迫る火の粉を掻い潜り、火の手が届かぬ所まで走った。 そのまま短剣を握りしめた僕は盗賊くんと魔法使いさんに合流する。 「勇者クン。キミにはこんな奇襲方法予測がついたかい?」 「いいえ。さっぱりです魔法使いさん!」 471 :そして転職へ 6:2009/08/15(土) 00 28 48 ID YmZJicXF 爆音が連続して聞こえる。どうやら部屋のランプやストーブ用の火種薪に 遅れて引火し爆発しているようだ。 奇襲のメリットとして相手に気づかれないことと、少数で多人数をたたけること。 そして目立たないことが挙げられる。 しかし今のような市街地の宿屋でよりによって爆破呪文をぶっ放すような 奇襲方法では、メリットのうちのひとつ少数攻撃しか効力を発揮していない。 だから、逆に忍び込んで直接攻撃してくるものだとばかり考えていた。 迂闊だった! 足にやけどを負っているのを感じる。僧侶ちゃんが気づいたようで 僕に回復呪文をかけようとしたが、僕は今まで彼女に見せたことのないような 強い目線で睨み制止した。 申し訳ないとは思うが、この戦いは途中で回復する余裕のあるものではない。 僕の呪いの件を置いておいても、回復呪文を唱えようものならその詠唱中に 殺されかねないようなレベルの敵だ。 「来たぞ!」 盗賊くんの眼光が銀色のそれに変わる。パジャマ姿とはいえ、ナイフから 放たれる殺気は少しも衰えない。 魔法使いさんもまた杖に魔力を込め始めている。バンダナの付け方を気にする ようなそぶりを見せてはいるが、たぶん本気で気にしてはいないだろう。 事実、彼女の魔力が今や肉眼で感じられるほど集中している。 …この二人って、こんなに強かったのか。 そういう僕も負けていられない。 短剣に僕の使える唯一の攻撃呪文メラ(地獄のいかずちは別にして)を 付加して身構える。地味だが、結構強力だ。 ただ、この場にいる誰もが感じていることだが、自分たちよりはるかに 相手は強い。存在のみしか把握できていないがそれでもわかるのだ。 体を少し硬くした状態で身構える僕ら。そんな僕らの前に現れたのは…。 「ひさしぶりだな小僧ォ!家宝の恨みたっぷりと晴らさせてもらうゾォ!」 かつて僕を殺そうとしたあの老魔道士がそこにいた。 続く
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1393.html
718 :そして転職へ 13 [sage] :2009/11/07(土) 22 00 02 ID MTeA6Wkq 僕の手から放たれた紫の光はまっすぐに姫君に向かって炸裂した。 あまりの強大な魔力の放出に体がついていかず、僕の膝が崩れ落ちる。 この技は連発できない。最初の一発の不意打ちが外れた以上、多少の無理を 覚悟で使った二発目だ。これ以上は僕の魔力をもってしては火炎呪文の 一発も放てないだろう。 ―でも、直撃だ! 先ほど舞い上がった爆煙の方を見て、僕は勝利を確信した。 「その考え方は実に危険でしてよ。相手の死体を確認しないでの勝利宣言は。」 煙がいずこともなく飛び去り、全く持って無傷の姫君が笑いながら立っていた。 「嘘でしょ…。何で平気なの?」 「知れたことです。わたくしがあの部屋に敷いたのは今から使う『記憶移植』の 術式ではなく『悪魔召喚』の禁術術式ですもの。闇の力を使うあなたの妨害が 予想される手前、私が複雑な『記憶移植』の術式を組み立てるのはいささか 難がありました。ですから私は悪魔と契約し、私の術が完成するまでの間 あなたのお相手をお願いしたのです。」 「そういうことです。」 姫君の横に新しい影が舞い降りた。戦闘中なので詳しい描写は省くが、悪魔だ。 しかも美人だ。 「私は今魔族に追われている身でして。人間界に私と兄さんの永遠の愛の巣を 提供してもらうことを条件に、この姫君の願いの手助けをすることになったのです。 フフフ…待っていて下さいね兄さん。逃げだせないように四肢を斬っておいたし、 人間界に逃げ込めば魔裁もそうそう見つけられないでしょう。」 悪魔は恍惚とした笑みを浮かべた瞬間、僕の背後にあっという間に回り込み 僕を地に押し付けた。今の僕の力では自力で抜け出せない。 「おやおや。どうやら魔力は空のようですね。まあ、たとえ魔力が十分にあったとしても 雷に強い私には到底かないませんけどね。」 その性質を利用してあの時姫様の盾になったのか。考えてもみれば同じ 闇の力を使う者同士、立場は対等だ。人間界で闇の力を使う僕が強いのであり 魔界の住人相手では闇の力の経験が不足しすぎているのだろう。 「しかしあなたも気の毒な方です。竜王に似てるからってあの姫君の ターゲットにされてしまうとは。まあ、恋する乙女のやることですから、 黙って受け入れてあげてもいいのではないですか?」 ちょ!本当にそんな理由でターゲットにされていたのか!?竜王に容姿が 似ていればだれでもよかったの!? 僕はただ普通の生活を送りたいだけだったのに、竜王似の容姿といい宿命と言い なぜ生まれながらに不幸が降り注ぐんだ! 呪われているから不幸なのか?それとも不幸だから呪われたのか? 719 :そして転職へ 13 [sage] :2009/11/07(土) 22 01 20 ID MTeA6Wkq 「それでは悪魔。わたくしの術式が完成するまでその身体を押さえつけていただけます? もちろん、傷がつくのは困りますわ。」 「御意に。」 にっこり笑った悪魔は確信していた。今度こそ幸せになれると。偶然兄が転がり込んできたあの時は不覚にも逃がしてしまったが、今度は大丈夫だろう。 この姫君も信用できる。自分と同じ匂いのする姫だ。恋い慕う人を手に入れるための 契約を反故にはしないはず。 兄さんとの愛の巣、ふたりきり、ずっと一緒…。 体の奥底から湧き上がってくる煮えたぎるような熱い衝動の心地よさに 悪魔は身震いした。 「…だからさ、相手の死体を確認しないうちの勝利の確信は自殺行為。 そういったのは貴方達でしょう?」 突如、幸せいっぱいの女悪魔を黒い炎が包み込んだ。 悲鳴を挙げて炎を振り払おうとするも、魔界の獄炎はますます勢いを増す。 とうとう魔法陣を展開した女悪魔は魔界へ逃げ去ってしまった。 「馬鹿な!魔力はとうに空のはず!それにその呪文は一体…?」 驚く姫君の顔を僕は睨みつける。 「僕が『使用できる』闇の呪文は地獄のいかずちだけ。しかし、僕の『覚えている呪文』 は一種類だけじゃないよ。姫君、あなたはご存じないだろうけど、僕と父は 魔界の炎をも召喚できるんだ。魔力不足なら、術者の右腕を代償にしてね。」 「ま…まさか…。」 「右腕はくれてやる…あと、トガシなんて言うなよ。怖い人たちに怒られちゃうから。」 そう、これは物語の初めに語っていたこと。右腕から放たれる魔界の炎を黒龍の 姿へと圧縮、敵を焼き尽くす僕が父親から受け継いでいた真の切り札。 『使えない』と表現していた理由は…。 「し…しかし、勇者殿!その技を使えばあなたはあの合法的最強盗賊団 ジャス○ックに…。」 「そう。この技を使えば最後、彼らに嗅ぎつけられて僕は惨殺されてしまう。 しかし、今彼らはそれどころではないのさ。ほんの少し前彼らのところに 一通の差出人不明の手紙が届いているはずだよ。そしてその中にはある人物が 勝手にとある有名な吟遊詩人の詩を違法コピーして大量販売しているという 告発状が入っている…。まあ、本当はその人物無罪なんだけどね。よほどの 大物だから彼らの意識は全部むこうに向かっているはず。僕がこの技を 使っても、何の問題もない。」 「な…まさか罪なき人に冤罪をでっち上げスケープゴートに!? 勇者殿!人としてそのような考えはいかがなものかと…。」 「あんたに言われたくないね姫君!大体奴の首献上しないと人間と魔界の戦争が 終わらないんだよ!」 「…まあいいですわ。少々の誤算はありましたが、結果として勇者殿には 魔力も切り札ももう残っていいらっしゃらないのでしょう?」 「…できれば地獄のいかずちで仕留めておきたかったけど…。 見せてやる姫君。僕が父から受け取った最後の切り札を!」 僕はそう言って、変化の杖を振り上げた。 720 :そして転職へ 13 [sage] :2009/11/07(土) 22 02 23 ID MTeA6Wkq ローラ姫の思考は動きとともに止まった。氷ついたその活動は目の前に現れた 光景によってのもの。そしてまたその光景により凍りついた時はゆっくりと 動き出し始める。 彼女が勇者のパーティに潜入した理由、三年間の綱渡りの日々の目的が 目の前で彼女に微笑みかけていた。 「りゅ…竜王!?」 もちろん目の前にいるのは本当の竜王などではない。それはこの場にいる姫自身が よく自覚している。変化の杖による勇者の変装だということは痛いほど 分かっているのだ。自分にそう言い聞かせようとした姫は、ふと気づく。 自分の目から大粒の涙がこぼれおちていた。 「久しぶりだね…ローラ。」 目の前の竜王がにこりと微笑みかける。今まで自分が一方的に愛していた彼から 初めて名前で呼ばれたのだ。城のもの達は自分のことを『姫君』としか呼ばず、 今まで父母以外誰一人名前を呼んだことのないその名を今最もいとしい人の 姿が呼んでくれている。 足が笑い、下半身に何か熱いものがジュウとみなぎってくる。 たてない。 いつの間にやら地面にへたり込んでいた姫君は、母乳をねだる赤子のような 何か満たされない物を求めるような期待に満ちた潤んだ目で竜王を見つめていた。 「どうしたんだいローラ。僕のこと忘れてしまったのかい?竜王だよ。 いつまでもキミだけの竜王さ。」 「ふ…ふぇ?今なんておっしゃいましたの…?」 「ふふっ。わかってるくせに。全く厭らしい人だな!」 そう言って竜王の姿をした者は姫君を無理やり押し倒す。記憶の中の竜王とは あまりにかけ離れたその行為に驚愕するのも一瞬のこと。いつも姫君が監禁生活の 中で思い描いていた本当に竜王に望んでいた今の姿に姫君は一切の抵抗なく 期待のあまりあふれ出る涙をぬぐおうともせず、上に見える竜王の顔を 見つめ続ける。 722 :そして転職へ 13 [sage] :2009/11/07(土) 22 03 50 ID MTeA6Wkq 「…僕と少し話しただけでココは大変なことになっているよ?姫君のくせに まるで娼婦のような厭らしさじゃないか?まさか、自分を満足させてくれるのなら 別にどんな男でもいいってことかい…?」 眉をよせてちょっと悲しげな表情を浮かべてみせる竜王。そのあまりにも あからさまな釣り餌にも今の姫君は食いついてしまった。 「ち…違います!わたくしそのようなふしだらな女ではありませんわ! わたくしは…竜王、あなただけのローラです!」 「その言葉信じていいのかい?なら、後ろを向いて厭らしく僕にねだりなよ。 『すぐに濡らしてしまう厭らしいメス犬にどうぞぶち込んでください』って。 上手に言えたらキミが今いちばん望むことをしてあげてもいいよ。」 姫君の思考はもはやオーバーヒートして理性が本能に追いつけない状態になっていた。 期待のあまり震える足腰に鞭打ちなんとか体制を整えると、腰を高くあげ 羞恥と期待で真っ赤に染め上げた顔、その形の良い唇から言葉を紡ぐ。 「す…すぐに濡らしてしまう厭らしいメス犬にどうぞぶち込んでください! お願い!お願いしますぅ!」 竜王は満足げに微笑んで、姫君の耳元に顔を近づけ甘い声色で囁いた。 「いいかローラ。これから君は一生僕の奴隷だ。三年前とはわけが違う。 毎晩全力で愛してやる。僕なしでは片時もいられないくらい愛欲と依存に満ちた 王族のものとは思えぬ位あさましいメスに変わるんだ。二足歩行の日々も 今日限りで終わり。今から徹底的に君を愛して二度と足腰立たなくなり 四つん這いで過ごさなくてはならないほどにしてやるよ。 別にいいだろ?だって僕は君を愛しているんだから。」 これこそ、姫君にとって天地がひっくり返るほど驚愕の、そして心に望んでいた 言葉だった。もはや声も出ず意味をなさないあえぎ声をあげ、ただ首を全力で 縦に振る姫君を見て…。 「じゃあ僕だけのローラ。約束通りぶち込んであげる。」 竜王…の姿の勇者こと僕はそう言いつつ、手元にこっそり寄せておいた長くて、 硬くて、黒くごつごつと節くれだった木の棒を振りかざし…。 ポカーン! 723 :そして転職へ 13 [sage] :2009/11/07(土) 22 05 04 ID MTeA6Wkq 「父から渡されたのは変化の杖ともうひとつ、姫君に関する父の考察さ。」 後頭部に僕の一撃をぶち込まれ伸びている姫君に僕は独りごちた。 「母さんという人間の本質を見抜けなかった父はさすがに反省したみたいでね。 潜伏中もずっと人を見る観察眼を養う訓練をしていたのさ。姫君と戦ったあの時、 父はあなたにそっち系の属性があることを何故か見抜いていたんだよ。 そして、僕は勇者やキングスライム、あるいは王族など限られた血筋にしか 使えないディン系の属性をもつ魔法使いさんの正体があなたであることを ある程度感づき、父に打ち上げて、対策を練った。もっとも、あなたのこの 目的や盗賊くん達が手駒と化していたことまでは分からなかったけど。」 ひめぎみからへんじがない。ただきぜつしているようだ。 「相手の隙を誘発するのは戦いで重要な一手だからね。悪いけど、竜王の姿を 使わせてもらったよ。卑怯だと思うかい?別にいいんだよ。 勇者って言うのは、正々堂々魔物を蹴散らし、伝説の防具に身を固め、世界中の 人々のために正義を背負う人間のことじゃない。 誰かのために、日夜小さな努力を積み重ねられる人のことを言うんだ。 …上記のとおり、己のために戦う僕は勇者なんかじゃない。だから どんな卑怯な手も平気で使えるんだよ!」 仮とはいえ、一応勇者を名乗っていた人間にあるまじき暴言を吐いた僕は 姫君に背を向けると、湖畔に置いてきた僧侶ちゃんや盗賊くんのもとへ駈け出した。 こうして、僕の短い旅の割には強すぎるボスとの戦いはひとまず幕を閉じる。 そして気の抜けた僕はこの後そのツケをあまりにも高い代償で支払うことになる…。 724 :そして転職へ 13 [sage] :2009/11/07(土) 22 06 00 ID MTeA6Wkq オチ1 人間界の隅、人はとても近寄れないような山の中にこっそりと建てられていた 館の中では惨劇が起きていた。勇者が姫君と戦っているころの話…。 「ひぃ!?たっ…たすけてくれえ!」 情けない声をあげ、地を四つん這いになりはいずり逃げ回る魔王バラモス。 その後ろには、黒い服に赤いリボンタイに身を包み、うつろな目をした少女たちが 手に鈍い光を宿した剣を片手に獲物を追い詰めていた。 「どうしてここが分かった!?何故わしを狙う?」 「タレこみがあった…あなたは違法にコピー品をばらまき、著作権を侵害した…。」 「し…知らん!本当に知らないぞわしは…。頼む…みのがしてくれ!!」 「…問答無用。」 そこに残っていたのは阿鼻叫喚の地獄絵図。 行為の終わった少女たちは、その場でうつむいたかと思うと不意に肩を笑わせ…。 「ふふ…あは…あははははっはははははは!!やったよ!殺してやったよ! 著作権くんを馬鹿にする奴を殺してやったよ!剣でグサリと!ザシュッと! 原型ないほどにばらばらあははははっはははははははっははははっはははは! そうだよ簡単なことじゃない!著作権くんは私たちが守るんだから! 弱く儚い著作権くんは私たちがいないと駄目だから!私たち以外では駄目だから! 著作権くんを侵害する虫けラドモハバラバラノグサグサハハッハハハッハッハハハ! 著作権くん著作権くん著作権くん! ず~っと ず~っと 我らジャス○ックの側にいてね。ずっと守ってあげるから。」 後日、原形をかろうじて残していたバラモスの首を人間界は魔界に渡し、ここに 人間と魔族の三年にわたる戦いが終わった。 オチ2 とある町の船着き場で船が今出ようとしている。小さな船に乗り込むのは 十七、八の年頃の少女だ。 「にしてもお嬢さん。あんな小島に何の用だい?あそこにはだーれも住んじゃいねえ。 一人ぼっちのちーさな島さ。」 「ええ。ですからあそこに住むのです。」 妙な女だ。船頭はそう首をかしげる。 「確かに魔物は少ねえけども、一人ぼっちじゃ辛かろうに…。」 「一人じゃありません。ずっと夫と一緒です。」 彼女はそう言って、血の色のように赤く光る首元の魔法陣をそっと撫でた。 それっきり、彼女がどうしているのかは誰も知らない。 725 :そして転職へ 13 [sage] :2009/11/07(土) 22 07 10 ID MTeA6Wkq オチ3 結局、転職はできなかった。勇者をやめるなど許されないことなのだそうだ。 とはいったものの、魔界の戦争も終焉し暇になった僕は旅に出ることにした。 今度の旅は、幻のアイテム『世界樹の葉』を捜すためのものだ。 姫君の禁術から僧侶ちゃんと盗賊くんは救い出せたものの、二人とも 禁術を使われた影響でさっぱり眼を覚まさない、 そこで僕が思いついたのは例のアイテムだ。驚異の癒しの力を持つというこれなら 禁術の爪後も洗い流せる…僕はそう考えたのだ。 それから一年…。 「ケモノオオオオオオオオオオオオオオオオ!」 うりゃ! 気合いとともに繰り出した一閃で魔物を倒した僕は、眼下の霧深く立ち込める海を眺める。 そして崖の上に立ち、目を細めながら僕は海の向こうにある島に思いを飛ばした。 いろいろ情報をあつめ、ついに確からしい情報をつかんだのだ。この海の向こう、 大海原にぽつりと存在する島にある木が幻の世界樹だと…。 「魔物退治で懐具合も改善したし…そろそろ船を借りられるかな?」 町に行って交渉してみようと、僕がその場を立ち去ろうとした時…。 「勇者さぁん…。」 「勇者…。」 懐かしい声がした。 二人分の足音とともに、耳に入ってきた僕がもう一度聞きたかった声…。 黒い長髪と、ふわふわのショートヘア。 一年前から止まっていた歯車が、僕の中で力強く回り出した。 もう二度と止まらない。そんな思いが伝わってくる力強さで…。 「僧侶ちゃん!!盗賊くん!!」 僕は二人の元へ駆け寄り、二人をギュッと抱きしめた。 「良かった!目が覚めたんだね!?よかった…本当によか…っ?」 おなかがあつい。ふたりからはなれぼくはじぶんのおなかをみる。 ないふがにほんぼくのおなかにつきささっている。ちもでているようだ。 あれ?このないふ、そうりょちゃんととうぞくくんのものじゃないか? どうして?ねえそうりょちゃん、とうぞくくん。だまってないでなにかいってよ。 ねえどうして…ねえ…。 726 :そして転職へ 13 [sage] :2009/11/07(土) 22 10 37 ID MTeA6Wkq 目が覚めると…この書き出しを見て僕は安心した。 なんだ。夢オチか。いつもは手抜きだと批判したくなるこの手法も、嫌な 夢を見てしまったあとでは自然に笑いがこみあげてくる。 ひどい夢だ。多分僧侶ちゃんと盗賊くんへの想いの強さで、あらぬ状況が 僕の夢の中で暴れまわったのだろう。 さて、船を捜しに行くか…え!? 「勇者さん。好きぃ…。」 「むっ…ちゅぱっ…勇者…ずっと一緒…。」 信じがたいことに、僧侶ちゃんと盗賊くんがそこにいた。 僧侶ちゃんは僕の胸のあたりをしっかりと廻した手でホールドし、頬を僕に 幸せそうにすりよせている。 一方の盗賊くんはというと、僕の右手をとりその指を愛おしそうに丹念に 舐めまわしているのだ。 「勇者さん…。あの時はひどい事をしてごめんなさい…。怒ってますよね。 だから私達が眼を覚ました時、そばに居てくれなかったんですよね。」 「勇者…あの時のことは反省しているんだ。お前に刃を向けた私の事を 怒るのは無理無きことだが…さみしかったよぅ…。」 涙声になりながら僕に訴えかけてくる二人。だが僕の頭はそれに追いつかない。 この目の前の二人が夢じゃないのなら、あの時僕はどうなったんだ? 僕は腹に手をやる。そこにはまだ完全に塞がっていない傷跡の感触が感じられた。 「…私たち考えたんです。このままの関係を続けていたら、想いがすれ違い いつかみんなが壊れてしまうって。」 「それは絶対に避けねばならないこと。そこで目を覚ました私達は一つの 結論に至った…。それがこれだ。」 盗賊くんが指さす先…僕の周りの床。それを見た僕は… 死にたくなった。 727 :そして転職へ 13 [sage] :2009/11/07(土) 22 11 24 ID MTeA6Wkq 黒く染め抜かれた魔法陣。この一年で多少なりとも魔術の心得がついた僕には分かる。 あまりにも有名な禁術…それは 「死人呪文…ネクロマンシー!?」 「そうですよ。」 僧侶ちゃんが僕に抱きついた。そして僕の身体を蛇のようにゆっくりと撫でまわす。 「あの時、勇者さんをこの手で殺して二人でこの呪文をかけました。知っての通り よみがえった人間は、術者に対して絶対服従なので。死後すぐ術をかけないと いけないのが難点ですが、うまくいったみたいで良かったです♪ あ、安心して下さい。ちゃんと永久腐敗防止呪文もかけてありますから。 ゾンビみたいな魔物にはなりませんよ。」 僕の中で動き出していた歯車が、乾いた砂となり消えていく。 そんな…こんなのってないよ! 「さあ勇者。言ってくれ。お前は私たちの何だ?」 僕の口が意識とは裏腹にしゃべりだす。 「僕は…僧侶ちゃんの…よき夫であり、盗賊くんの…永遠のパートナーです…。」 僧侶ちゃんと盗賊くんの顔が、今まで見たことがないくらい輝いた。 「じゃあ、命令です。…私たち二人を愛しなさい。一生そばに居なさい。 ずっとずっと、一緒です。」 「ずっとずっと…一緒…です。」 力なく繰り出された言葉は、僕の旅の終わりを静かに締めくくった…。 おわり。
https://w.atwiki.jp/tensyokukue/
WLO 転職クエに挑む! 無事に転職しました。ありがとうございます♪ WLOの転職クエの為に作ったページ。 事前に打ち合わせができたらなと思い作りました。…いらないかな( ・ω・)? 簡単に作ったので見づらくてすみません;時間がなく戦闘ページは適当にコピペ。時間があったら直します。 手伝ってもらう側として、できるだけのことをしていきたいと思っています。 連絡手段としてメールもどぞー moritori3@yahoo.co.jp ページ案内 ○下準備 持ち物:転職クエに持っていこうかと思っているもの一覧 各役割:自分とお手伝いさんの紹介(記入お願いします) 疑問:転職クエを受ける際に疑問に思うこと一覧 ○戦闘 各戦闘の敵の詳細を書きたいと。 どれから倒していくか等作戦が立てられればいいなと。 参考ページ VIPワンダーランドオンラインwikiより 持って行くアイテム参考 http //vipwo.wikiwiki.jp/?%A5%B7%A5%B9%A5%C6%A5%E0%2FPC%C5%BE%BF%A6 敵詳細参考 http //vipwo.wikiwiki.jp/?%C5%BE%BF%A6%A5%AF%A5%A8%A5%B9%A5%C8%BE%DC%BA%D9 コメントフォーム↓↓ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/saint_elmo/pages/54.html
転職 べとべとする液体 30 スーパーノービス 古木の露 30 サイファー 10 忍者 プラコン 2 きのこの胞子 3 ガンスリンガー かたい皮 10 やわらかな毛 3 木屑 1 緑ハーブ 3 べとべとする液体 3 ミルク 1 貝のむきみ 5※ ナイト 年寄り妖精のひげ 5※ 赤いコウモリの翼 5※ カタシムリの皮 5※ いのししのたてがみ 5※ オーク戦士の証 5※ 短い足 5※ 爬虫類の舌 5※ 人魚の心臓 5※ 食人植物の花 5※ 蛾の羽粉 5※ 蛾の羽 5※ 古いフライパン 5※ 聖痕 1 クルセイダー 忠節の証 1 クエストスキル アイテム名 数量 スキル名 習得最低条件 職 Base Job その他 赤ハーブ 3 応急手当 ノービス - 4 クローバー 3 炎の矢 10 急所攻撃 ソードマン - 25 バッシュ6 銀の矢 10 バナナジュース 1 触手 30 ローヤルゼリー 5 蝶の鱗粉 35 オートバーサーク ソードマン - 30 ハチ蜜 10 亡者の牙 10 亡者の爪 10 空きビン 200 移動時HP回復 ソードマン - 35 蛾の羽 1 スティックキャンディ 5 チャージアタック ナイト - - しおれないバラ 3
https://w.atwiki.jp/niederland/pages/18.html
転職一覧 冒険職 職業 専門 優遇 クエスト 場所 探検家 視認 考古学 採集 釣り 救助 駆除 冒険ギルドの苦境 測量士 測量 地理学 調達 補給 視認 救助 冒険ギルドの苦境 生物学者 生態調査 行軍 採集 調達 生物学 観察 冒険ギルドの苦境 釣り師 釣り 操帆 調達 採集 生物学 保管 冒険ギルドの苦境 発掘家 測量 行軍 探索 観察 開錠 考古学 冒険ギルドの苦境 史学 行軍 視認 探索 開錠 考古学 宗教学 ラテン語 イル・ハン国の財宝 チュニス イスタンブール 財宝探索家 財宝鑑定 測量 調達 行軍 観察 開錠 考古学 美術 工芸品取引 イル・ハン国の財宝 チュニス イスタンブール 地理職人 地理学 操帆 測量 調達 補給 視認 救助 操舵 修理 メルカトールの調査 ロンドン 遠洋探検家 視認 操帆 生存 釣り 救助 駆除 運用 統率 地理学 疾病学 消火 速さへの挑戦 セビリア 司祭 宗教学 探索 考古学 警戒 保管 社交 美術 統率 ラテン語 聖母子像 ヴェネツィア 考古学者 考古学 行軍 視認 探索 観察 開錠 宗教学 生物学 美術 トロイ王家の財宝 アテネ アレクサンドリア イスタンブール 盗賊 開錠 探索 財宝鑑定 警戒 逃走 美術 剣術 収奪 接舷 百年戦争の騎士 ロンドン ハンター 生態調査 調達 行軍 視認 採集 生物学 剣術 銃撃 救助 達人の探求 イスタンブール 博物学者 探索 考古学 宗教学 地理学 生物学 美術 財宝鑑定 駆除 観察 疾病学 博物学論文 ヴェネツィア レンジャー 生物学 生態調査 剣術 地理学 視認 生存 救助 応急処置 釣り 採集 調達 夢を結ぶ旅路は長く *冒険者の名誉 アデン *カリカット 芸術家 美術 社交 酒宴 口説き 財宝鑑定 工芸 美術品取引 工芸品取引 宗教学 バイオリン演奏 名品の修復作業 ナポリ 遊撃隊士 行軍 回避 応急処置 剣術 銃撃 調達 採集 探索 機雷敷設 投てき術 国の宝 ヴェネツィア 遊撃隊士 言語学 考古学 宗教学 酒宴 口説き 会計 運用 社交 工芸 先人の意思を伝えるということ アムステルダム 交易職 職業 専門 優遇 クエスト 場所 会計士 会計 酒類取引 嗜好品取引 貴金属取引 縫製 運用 商人ギルドの苦境 運び屋 会計 武具取引 火器取引 鋳造 警戒 保管 商人ギルドの苦境 食品商 会計 食料品取引 調理 保管 逃走 運用 商人ギルドの苦境 紡績商 会計 繊維取引 織物取引 染料取引 縫製 警戒 商人ギルドの苦境 鉱石商 会計 鉱石取引 工業品取引 雑貨取引 鋳造 警戒 商人ギルドの苦境 薬品商 会計 調味料取引 医薬品取引 嗜好品取引 工芸 応急処置 疾病学 商人ギルドの苦境 調理師 調理 調達 釣り 補給 観察 採集 食料品取引 調味料取引 保管 兵士の食料調達 ストックホルム 交易商人 食料品取引 会計 調味料取引 酒類取引 繊維取引 織物取引 調理 警戒 運用 海軍の食料調達 マルセイユ 美術商 美術品取引 会計 織物取引 染料取引 工芸品取引 縫製 工芸 美術 社交 新大陸からの工芸品 サントドミンゴ 武器職人 火器取引 調達 補給 会計 武具取引 工業品取引 鋳造 警戒 造船 ダ・ヴィンチの研究 マルセイユ(海事) 両替商 会計 嗜好品取引 貴金属取引 工業品取引 雑貨取引 鋳造 工芸 警戒 保管 新大陸からの銀 サントドミンゴ 香料職人 香料取引 会計 調味料取引 医薬品取引 染料取引 香料取引 調理 保管 社交 香辛料をヨーロッパへ カリカット 宝石商 宝石取引 会計 鉱石取引 工芸品取引 工業品取引 縫製 工芸 財宝鑑定 社交 サファイヤをヨーロッパへ カリカット 仕立師 縫製 会計 保管 繊維取引 織物取引 染料取引 武具取引 社交 鍛冶師 鋳造 採集 鉱石取引 工業品取引 武具取引 火器取引 剣術 砲術 工芸師 工芸 食料品取引 調味料取引 酒類取引 工芸品取引 工業品取引 宝石取引 採集 パティシエ 調理 調達 採集 食料品取引 調味料取引酒類取引 嗜好品取引 工芸 パティシエの名声 リスボン 錬金術師見習 工芸 鋳造 錬金術 貴金属取引 工業品取引 鉱石取引 医薬品取引 宗教学 保管 パラケルススに学ぶ アレクサンドリア 戦闘職 職業 専門 優遇 クエスト 場所 傭兵 接舷 剣術 突撃 水平射撃 銃撃 修理 私掠艦隊迎撃指令 準士官 操舵 砲術 弾道学 統率 戦術 援軍要請 私掠艦隊迎撃指令 用心棒 救助 回避 防御 砲術 修理 応急処置 私掠艦隊迎撃指令 地方海賊 操舵 接舷 漕船 剣術 収奪 砲術 私掠艦隊迎撃指令 海軍士官 銃撃 剣術 砲術 弾道学 修理 統率 戦術 シェラン収奪艦隊 ロンドン アムステルダム 私掠海賊 収奪 操舵 接舷 漕船 剣術 突撃 砲術 私掠命令 ロンドン セビリア チュニス アレクサンドリア 賞金稼ぎ 貫通 操帆 操舵 回避 剣術 砲術 弾道学 修理 見張り 黄金の鹿 セビリア 軍医 外科医術 生存 補給 救助 駆除 医薬品取引 応急処置 疾病学 消火 医師の心得 セビリア 船大工 造船 操帆 鋳造 操舵 回避 砲術 修理 統率 戦術 最新の戦術 リスボン 戦術家 機雷敷設 機雷発見 鋳造 銃撃 修理 造船 統率 戦術 援軍要請 最新の戦術 リスボン 剣士 剣術 接舷 回避 防御 収奪 突撃 銃撃 戦術 応急処置 モヘンジョ・ダロの猛者 カリカット 砲術家 砲術 補給 操舵 水平射撃 弾道学 速射 貫通 修理 消火 技術者との共同執筆 マルセイユ 上級士官 水平射撃 回避 剣術 突撃 弾道学 銃撃 修理 統率 戦術 砲術 バルト海賊への反撃 ロンドン アムステルダム 広域海賊 突撃 接舷 漕船 回避 剣術 収奪 砲術 銃撃 修理 議長からの依頼 アムステルダム 補給隊 修理 回避 応急処置 外科医術 消火 統率 援軍要請 弾道学 補給 警戒 救助 斥候 回避 操舵 警戒 逃走 見張り 戦術 機雷敷設 防御 海軍護衛要請 援軍要請 熟練剣士 剣術 応用剣術 防御 収奪 突撃 武具取引 回避 戦術 応急処置 行軍 剣士の誇り ロンドン 銃士 銃撃 狙撃術 行軍 戦術 弾道学 水平射撃 速射 応急処置 鋳造 火器取引 銃士隊からの招集 マルセイユ
https://w.atwiki.jp/2ch-tenshoku/
★★2ch転職板発 転職サイト&エージェントまとめwiki★★ PRODUCED BY 391◆xYS8ulCm7s(リクエースレ4) あなたは通算 - 人目、本日 - 人目の転職希望者だぉ このwikiの活用方法などはこちらを見るんだぉ 東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 一日の早い復興をお祈りしております。 被災された皆様や震災に伴い失業された皆様にお役立ていただけるよう、 より充実したコンテンツにしていきたいと思います。 転職活動おすすめ書籍(楽天ブックスにリンクします) 転職面接必勝法 転職者のための面接必勝!ルール 35歳までに天職を探す「転職」の教科書 ★★まとめwikiオススメ記事★★ リクルートエージェントまとめ 転職板「リクルートエージェントスレ」から来た人はこちら DODA(インテリジェンス)まとめ DODAについてまとめたぉ 転職エージェント利用の心得 よくある質問は「リクルートエージェントスレ」の改変だぉ 第二新卒・既卒・フリーターの就活について 就職板スレから無断拝借でつw 第二新卒・既卒・フリーター必見! ★★まとめwiki関連リンク★★ こちら ★★まとめwiki更新情報★★ 取得中です。 <これより前>