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ルイーズ 32452818 通常モンスター 星4/地属性/獣戦士族/攻1200/守1500 体は小さいが、草原での守備力はかなり強い。
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|戦士|剣士|格闘家|シーフ|アーチャー|メイジ|風水士|僧侶|治療士|魂改士|楽士| 戦士 命力 魂力 腕力 体力 器用 素早 魔力 抗魔 集中 成長値 +5 +2 +4 +5 +2 +2 +1 +2 +1 HP TP 攻撃 防御 魔攻 魔防 行動 補正値 +10% 0 0 +10% 0 0 0 基本移動コスト 10 戦士アビリティ ID 名前 効果 SP AC 派生必要条件 10 HPアップLv1 最大HPが10%上昇する 2 1 20 防御力アップLv1 防御力が10%上昇する 1 1 110 食欲増化Lv1 戦闘終了後の休息時、HP回復量が10%上昇する 1 1 170 イモータルマインドLv1 戦闘終了後の休息時、戦闘不能からHP残り10%で復帰する 2 2 食欲増化Lv1 800 ブロッキングLv1 直接攻撃に対し、ダメージを10%軽減する/ ガード 2 2 |戦士|剣士|格闘家|シーフ|アーチャー|メイジ|風水士|僧侶|治療士|魂改士|楽士|
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戻る マジシャン ザ ルイズ マジシャン ザ ルイズ (12)上天の月光 「ミス・ロングビルがフーケだったとはのぅ………」 トリステイン魔法学院、学院長室。 オスマン、コルベール、そしてフーケを捕らえた四人。 事務机に座るオスマン、事件の解決を喜ぶ一方で、手放しに喜ぶ気にはなれない。 コルベール、右に同じく。 「学院は君達の功績を称えたいと思う、すでにミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー二名の「シュヴァリエ」の爵位申請を宮廷に提出しておいた。 ミス・タバサは「シュヴァリエ」の称号を持っておるからの、「精霊勲章」の授与を願い出ておいたぞ」 「シュヴァリエ」の称号、自分がただのゼロのルイズではないという、確かな証。 しかし、ルイズのその顔色は冴えない。 「んん?ミス・ヴァリエール、どうしたのかね、何か悩みでもあるのかね?」 「オールド・オスマン。ミスタ・ウルザには何も無いのでしょうか……… 今回、フーケのゴーレムを倒したのは彼です。 それに、『禁断の剣』は、その……壊してしまいましたが、あれは『禁断の剣』を使おうとしたフーケから、私達を守ろうとしてのことだと思います」 「うーむ…しかし、彼はのぅ…そのことを抜きにしても、素性が分からんからのぅ」 「でも!ミスタ・ウルザがいなければ私達は……っ!」 「私は構わんよ、ミス・ヴァリエール」 杖を手にした――デルフリンガー、シュペー卿の魔法剣はルイズの部屋――初老の男、ウルザ。 「ほれ、彼もこう申しておるしのぅ」 「む、むぅぅ………」 「そんなことよりも、さあさあ、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ、諸君らは支度を済ませねばなるまい。 今日の主役は君達三人じゃ、張り切って着飾るのじゃぞ」 オスマンがパンパンと手を打つ、解散の合図。 「ミスタ・ウルザ、あなたには残って頂きたい」 生徒達三人が下がった院長室。 そこに残るのは、オスマン、コルベール、ウルザ。 ウルザの秘密を知る三人である。 「さて、これでゆっくりと話が出来るじゃろう。 『禁断の剣』、何ゆえ破壊せねばならなかったのじゃ? 罪に問う気は無いが、あれは学院の宝物、理由くらいは教えてもらいたいところじゃな」 「そうです、ミスタ・ウルザ。あれは貴重な資料なのですぞ。それを破壊など………」 フーケを無事捕らえたウルザ。しかし、その際に梅澤の十手を破壊したことが問題視されているのだった。 「あれは『ハルケギニア』とは異なる世界『神河』のアーティファクト。元々、この世界のものではない」 「『神河』?ミスタ・ウルザがいらっしゃった、『ドミナリア』とは違うのですか?」 「『ドミナリア』も『神河』も、そして、この世界『ハルケギニア』も、多次元宇宙『ドミニア』に存在する世界だ」 「ふむ、ミスタ・ウルザ、その『ドミニア』というのは何じゃ?」 ―――多次元宇宙世界ドミニア。 独自の世界を持つ次元が、多重に重なり合い存在する、包括的世界である。 そこには『ドミナリア』『神河』を初め、星の数ほどの世界が含まれる。 この幾つもの世界を渡り歩くものこそ、プレインズウォーカーと呼ばれるものである。 「分かりました、ミスタ・ウルザ。 しかし、そのことがなぜ『禁断の剣』破壊と結びつくのですか?」 応えてウルザ、色眼鏡の奥の瞳を閉じて巌の構え。 「あのように単体で強大なアーティファクト、使い続ければ、必ずやあれに悟られることとなる」 「あれ……というと、先日話しておられた『ファイレクシア』のことかの?」 ファイレクシア。遠い昔、ウルザの弟ミシュラを利用し、兄弟戦争の原因となった暗黒の次元ファイレクシア。 機械生命の次元ファイレクシア、侵略者ファイレクシア、憎むべき宿敵ファイレクシア! その名を聞く、ウルザの相貌が燃え上がる。 「あれは正に『禁断』の剣、使ってはならぬアーティファクトであった。 しかし、確かにあれは、何らかの意志によって、この世界に持ち込まれたものであったはずだ。 誰によって、どのような目的で呼ばれたものか………オールド・オスマン、私はそれを知らなければならない」 プレインズウォーカーとなり、いかほどの時が流れようが、ウルザのその妄執が途絶えることなど、あり得はしない。 「あれは、古くこのトリステイン魔法学院創設時から伝わる宝物、世界の均衡を破壊しかねない剣。 しかし、どのような由来を持ち、誰が持ち込んだのか、その他一切のことは現代に伝わっておらん 残念ながらミスタ・ウルザ、わしは貴方の疑問に答える術を持たぬようじゃ」 「………そう、か」 執念の異邦者、その怨念にも近い濃密な意志の気配が薄れる。 「分からぬ………わしにも分からぬことばかりじゃ。 しかし、もしかしたらミスタ・ウルザがこの世界に呼ばれたことと、そのガンダールヴの印は何か関係しているのかも知れんのぅ………」 夜、アルヴィーズの食堂二階、「フリッグの舞踏会」。 ホール。煌びやかに着飾った少年少女、貴族の子弟達による将来のささやかな予行演習。 テラス。上天にて輝く、闇を照らす双月、それを睨む男、ウルザ。 「おじさま!こんなところにいらしたのね!」 美しく華やか、成熟しつつある女性の気配、力強くしなやかな猛禽類の趣、キュルケ。 「……ふむ、素敵なドレスだミス・キュルケ」 「うふふ、お褒めに与り光栄ですわ。 今夜は折角の舞踏会、こんな寂しいところになんていないで、一緒に中にはいりましょ!」 「………ふふ、しかし私のような年寄りでは君達のような若者には釣り合わんよ」 「そんなこと言わないで、おじさま。おじさまはこの会場のどの男子よりもセクシーでダンディですわ!」 キュルケに手を取られ、ウルザはホールへと導かれる。 ざわめくホール。 丁度誰かが出てくるところのようであった。 「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢……おなぁぁぁぁぁぁりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」 「あ!ルイズじゃない!……ふぅん、あの子にしちゃ綺麗じゃない、馬子にも衣装ってとこかしら」 美しく結い上げられた桃色の髪、それにマッチするように選ばれた極上のドレス。 キュルケとは違う、ふくらみかけ、花開く直前の蕾のような生命力の少女。 その視線がウルザを一瞬捉えた。 「あ、おじさまっ!どこへっ!」 背後からキュルケの声、重なるように彼女をダンスに誘う男子生徒の声。 再びテラス、変わらず天を望むウルザ。 それは一つの絵画のような情景。 そして、静止した男に、娘が声をかける。 「ミスタ・ウルザ」 天上の月から視線を落とし、振り返るモノクロの男。 正面には地上の月、ルイズの姿。 「何かね、ミス・ルイズ」 「あなたは、何者?」 アーギヴィーア暦AR021年、若き日のウルザ。 彼はヨーティアの首都クローグにあるラスコー時計店に住み込んでいたが、そこで王女カイラと出会い、結ばれる。 ウルザが21歳の時、クローグでは王女の婿探しの儀が執り行われた。 王女の婿探し、それは「広場の中央にある翡翠の巨像を動かしたものが、王女と結婚できる」というもの。 当初、王女カイラとの結婚に何の魅力も感じなかったウルザであったが、王女の婿に与えられるという宝の山の中に古代文明「スラン」の秘本であるジェイラム秘本が含まれることを知る。 これを知ったウルザは、自らのアーティファクト製作の技術を用い、機械人形を製作する。 機械人形を使い翡翠像を動かし、見事王女の婿の座を射止めるウルザ。 しかし、この時もウルザにカイラへの愛情は無く、カイラもそれを理解していた。 省みられることの無いカイラであったが彼女は良くウルザを愛した。 若き日の幻影。過ぎ去った日々の幻視。 目の前の少女、あの日のカイラを思い出す。 彼女を利用する為に結婚した、カイラを省みることの無い若き日の自分。 4200年の歳月を生きた。 しかし、一体今の自分と過去の自分は何が違うと言うのだろう。 自分はまた、彼女を……… 「何かね、ミス・ルイズ」 「あなたは、何者?」 「君を導く者だ」 即答。 「導く?私を?」 「ああ、私は君を更なる高みへと導く者だ」 「あの時のように?私をゼロから救い出してくれるの?」 「その通りだ、私は君の先にあるものを知っている」 月光は何も語らず、ただ照らすのみ。 戻れない、私は進むことしか出来ないのだから ―――ウルザ 戻る マジシャン ザ ルイズ
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ここは一体? の段 ルイズはうつむいた。よりによって人間を呼び出してしまうなんて。自分が呼び出した三人を眺めてまたうつむく。 三人組は揃って同じ服装をしていた。頭巾のようなものをかぶっている。 メイジではない、おそらく農作業でもしている平民だろう。 きり丸「どこだここ?」 乱太郎「さっきまで校庭で遊んでたんだけど」 しんべえ「ねぇ乱太郎、きり丸ここどこなの。変な服着た人がいっぱいいるよ」 (何が変な服よあんた達の方がよっぽど変じゃない) 「キャー、ルイズあなた幸せ者よ。だって三回もキスできるんだから」後ろから冷やかしが聞こえる。ルイズは振り向いてきっと睨みつけた。普段から仲が悪いようだ。 ちょっと待って、今なんて言った?えっ、三人と?一人じゃないの? 助けを求めるようにコルベールを見たがコルベールは黙って頷いた。仕方ない。 ルイズはつかつかと歩み寄る。それまでキョロキョロしていた三人の視線が一斉にルイズに向けられる。 ルイズ「あ、あんた達、これは名誉な事なんだからね、感謝しなさいよ」 ルイズはボケ~とつっ立っている三人に言うと儀式を始めた。 乱太郎「むがっ」 きり丸「むごっ」 しんべえ「ふごっ」 三人の左手にルーンが刻まれた。 儀式は一瞬で終わった。ルイズはさっさとその場を離れたが三人は直立不動だった。 そこから三人を自室まで連れていくのは中々骨だった。三人があまりにもバラバラな行動をとるのでルイズは縄で縛ってひとまとめにしてやろうかと思ったほどだ。 乱太郎「ここどこですか?忍術学園じゃないですよね?」 きり丸「あっ、やべ午後からバイトだった。早く帰らないと」 しんべえ「僕お腹すいちゃった。ステーキ食べたい」 おまけにうるさい。 ルイズ「あんた達いい加減口閉じなさい。いつまで喋ってんの」 一人一人は大して話していないが三人ともなると賑やかだ。 (貴族に対する口のききかたといい、態度といい何なのこの平民) 乱太郎「ここはどこなんですか?どうして私たちはここに?」 ルイズ「ここはトリステイン魔法学院よ」 きり丸「そろそろバイトだし帰してくれませんか」 ルイズ「無理」 しんべえ「バリッバリッ」 ルイズ「勝手にあたしのお菓子食べないでよっ」 そんなこんなでルイズと三人の使い魔の新しい生活が始まった。
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戦士 戦士 戦士とは? 戦士のクラス依存要素 装備可能な装備 特技、スキルの選択 習得可能なスキル キャラクターの個性と背景 戦士の特技レベル1 戦士とは? 歴戦の古強者、傭兵、護衛者、直接的な戦闘に従事するクラスです。 ほとんど全ての白兵武器を使用することが出来、盾の有効な使い方を学んだ3クラス中、 唯一のクラスです。そのため彼らは剣を持って戦うような戦闘では抜群の力を発揮します。 戦士の高い防御点とHPは彼らをタフな存在にしています、少々の傷ではへこたれず、 彼らは戦闘においては前線を維持する役目を担います。 彼らが恐ろしい敵を一時的に引き受けている間に術士が敵の弱点を探り、 射手が敵をかく乱するのが、『Sword,Shot and Spell-Revie-』のごく一般的な戦闘スタイルです。 戦士のクラス依存要素 HP : 10+(レベル×体力) MP : 5+(レベル×心力) 防御点 :5 体力 : 5 心力 : 2 技術 : 3 装備可能な装備 戦士は厳しい戦いの訓練を受けています。そのため彼らは三つのクラスの中で、 もっとも多彩な武器を操ることが出来ます。 彼らは、剣、斧、竿、根、槍、投げ短剣、盾、腕輪、指輪、マントを装備することが出来ます。 特技、スキルの選択 戦士はキャラクター作成時、もしくはレベルアップ時に5ポイントの習得ポイントを得ることが出来ます。 戦士専用の特技表はレベルごとに分けられています。キャラクターは表の中の自分と同じレベルか、 それ以下のレベルのスキルや特技を自由に選択して習得することが出来ます。 しかし特別に記載がない限り、同じ特技を2回以上重複して習得することは出来ません。 戦士はその修練の過程で、 1レベル時にすでに「運動スキル [スキル]」と「集中の一撃 [特技]」を習得しています。 習得可能なスキル 運動、歌唱/演奏、感知、機械操作、偽造、教養、交渉、作成、自然の知識、職能(種別)、 潜伏、探索/追跡、伝承の知識、動物共感、早業、変装/演技、礼儀、機械操作 キャラクターの個性と背景 辺境守護者は訓練所で辺境守護者になるための訓練を受けます。 その中でも一番荒っぽい実践的な訓練を受けたのが戦士です。 戦士の特技 レベル1 【クリティカル】 習得コスト:2 強化(常時発動) 攻撃命中判定時にダイス目が1だった場合、ダメージダイスが最大値になります。 たとえば、ダメージが1d6+3だった場合、ダイスで6が出たとして扱い9ダメージということになります。 【頑強抵抗】 習得コスト:2 強化(常時発動) 頑強抵抗時に、+2でチェックを行う事ができます。 【意志抵抗】 習得コスト:2 強化(常時発動) 意志抵抗時に、+2でチェックを行う事ができます。 【反射抵抗】 習得コスト:2 強化(常時発動) 反射抵抗時に+2でチェックを行う事ができまs。 【HP強化】 習得コスト:2 強化(常時発動) HP最大値を5上昇させます。複数回習得可能。 【MP強化】 習得コスト:2 強化(常時発動) MP最大値を5上昇させます。複数回習得可能。 【(剣、槍、斧竿、根、格闘)の技】 習得コスト:2 強化(常時発動) 剣、槍、斧竿、根、格闘のうちどれかを効率的に扱えるようになり、 該当した武器を使う時に、常にダメージに+1のボーナスが発生します。 【集中の一撃】 習得コスト:1 (行動) 消費MP 1 タイミング/対象 Act / 1体 戦士は攻撃の基本特技としてこの特技を1レベル時ボーナススキルとして自動的に習得しています。 命中判定時に発動して、一回の攻撃の命中難易度に+2の修正を加える。 【移動攻撃】 習得コスト:1 (行動) 消費MP 1 タイミング/対象 Act / 1体 通常1Actとカウントされる後列から前列へ移動ですが、 この特技を使用すれば移動と同時に攻撃を行うことが出来ます。 このときダメージに+2のボーナスが発生します。移動しない場合はこの特技を使うことは出来ません。 【大振り攻撃】 習得コスト:1 (行動) 消費MP 3 タイミング/対象 Act / 1体 攻撃特技。武器を大きく振りかぶって相手に振り下ろします。 命中に-1されますが、ダメージには+1d6のボーナスが発生します。 このダメージダイスはクリティカルの影響を受けます。 【物理回避】 習得コスト:1 (防御) 消費MP 1 タイミング/対象 Res / 自分 敵の攻撃が命中した時に使います。。近接攻撃や射撃武器による攻撃を素早い身体の動きでかわします。 反射抵抗チェックを行い、成功した場合は回避に成功し、ダメージはいっさい受けません。 通常の攻撃ならば難易度は0ですが、相手の攻撃によっては強度が存在し、難易度に修正がつきます。 魔法やブレスなどの特殊攻撃を回避することは出来ません。 【盾受け】 習得コスト:1 (防御) 消費MP 1 タイミング/対象 Res / 自分 敵の攻撃が命中した時に使います。近接攻撃や射撃武器による物理的な攻撃を盾で受けます。 盾装備時しか使えません。この一回の物理攻撃に対して防御点を3点上昇させます。
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(あの怪我が妖力を使わずに治るのか。さすがに再生は無理だろうが便利なものだ) イレーネ自身、妖力が回復し次第治療に当てるつもりだったが、水のメイジに治癒の魔法をかけられ腕が戻った事に感心していた。 「…で、さっきは何やったのよ。風の先住魔法か何か?」 ジト目で睨んでくる。上位ナンバーですら抜き身すら確認できない高速剣を見たのではそう思っても、まぁ無理も無い。 「その前にだ」 そう言いながら扉を開けると、シエスタが転がり込んできた。 「わきゃあああ!……いたた。あ……その、これは……」 ぶっちゃけビビっている。こっちもこっちで魔法か何かと思っているらしい。 そう見られている方だが、存在自体が恐れられていたりするので特に気にしていない。 「いいよ、どうせ説明するつもりだったからな。さっき出したのは『高速剣』。簡単に言えば剣を振っただけだ」 『高速剣』。この言葉に二人が固まっている。 「……え?なに?魔法じゃなくて『剣』を振っただけって事?あれで?」 「そうだとしか言いようが無い」 当人は事も無げに言ったのだが、聞かされた方はショートしかかっている。 「一つ言っておくが、私はエルフではないと言ったが、人間だと言った覚えも無いぞ」 人間ではない。そう聞いて色々な亜人を思い浮かべたが、翼人、吸血鬼、どれも違っている。 「…じゃあなに?」 「半分人間の半人半妖だ」 「…………ハーフエルフ…ってこと?」 「厳密に言えば違うだろうが、そう思うならそう思ってくれて構わんよ」 「前から聞きたかったんだけど妖魔ってなんなのよ?」 「…人、特に内臓を好んで喰らう化物だ。これだけならまだ対抗策も無い事も無いが、人に擬態している」 人と区別が付かない。そこはこっちの吸血鬼と同じだ。そういう事もあり、シエスタがかなり萎縮している。 「それで…その…イレーネさんは…」 「言ったはずだ、我々は掟で人の命は奪わんと。その妖魔を見分け、狩るのが我々だ」 さすがに、作られたという事までは言いはしないが、それでも人の側に立っている事は理解してくれたようだ。 「つまり、わたしたちの味方で凄く強いって事なんですね!」 …ちょっとベクトルは違うがまぁよしとしよう。ルイズの方は半信半疑のようだが。 そんなこんなでルイズに色々質問攻めにあったり、シエスタに懐かれたり ギーシュに謝罪されたりで妖力を抑えつつ数日過ぎたが、妖気は感じないが何かに見られている事に気付いた。 「妖気を探知できれば分かるんだが…いや、仲間に狙われるよりマシといったところか」 少なくとも追手や妖魔、覚醒者の類よりはマシだろうとしたが、やはり気にはなる。 探知能力もまぁ並より上といったところだが、妖気を感じない相手の場合、それはほぼ人間と変わりない。 どうしたものかと思っていたが、向こうからそれは現れた。 もし、これが敵意なりを持ちイレーネが剣を持っていれば即高速剣だっただろうが、それは敵意を持っていなかったし剣も持っちゃいなかった。 「これが竜というやつか…覚醒体ですら空を飛ぶものなどそう居ないが…」 6メートル程の大きさの竜が思いっきりイレーネをガン見しているのだ。 こんなデカイモノが見ていれば、そりゃあ妖気を帯びていなくても分かる。 とりあえず近付く。一桁Noの覚醒者ならこれより大きいのはザラなので別に気圧されたりはしない。 「私に何か用でもあるのか?」 「きゅい!」 言葉が分かるのかどうかは知らないが、首を下げて乗れといっているようだとは感じた。 正直言うと結構興味はあったりする。妖力解放し脚力で飛ぶ事は多々あるが、何かに乗って飛ぶというのは初めてだからだ。 最悪敵対する気があっても特に問題は無い。回復は相変わらず遅いが抑えていたおかげで4割ぐらいまでに妖力も戻っている。 そう判断するや否や竜の背に飛び乗る。普段の移動は徒歩がメインなだけに騎乗には慣れてはいないが、そこは半人半妖。落ちるという事は無い。 乗ると同時に竜が飛び立ち、少しすると開かれている窓のとこで止まった。 「入れ、という事なのだろうな」 「きゅい!きゅい!」 その鳴声を肯定と受け取り中に入る。罠かもしれないとは思ったが、魔法といえど当たらなければどうという事はないのである。 部屋に入ると、ルイズよりさらにちみっこい青い髪の少女が杖を持って立っていた。 「…あなたに聞きたい事がある」 「答えなければ腕尽くでも…といったところのようだが」 「………………」 答えない。これで少しでも妖気を帯びていれば戦闘開始なのだが、メイジとはいえ相手は一般人。しかも子供といっても差し支えない相手だ。 戦士にもよるが、イレーネ的にはこの程度で揉め事を起こすような事でもない。 「まぁいいさ。私の答えられる事ならな」 「…エルフの中には精神を壊す毒があるのか聞きたい。知っているなら解毒剤も」 ぶっちゃけ問題外だ。毒の事なぞ詳しくも無いし何よりエルフではい。 「他を当たれ。毒物なぞ専門外だし、それに私はエルフではないよ」 「……エルフでは無いという証拠を見せて欲しい」 証拠と言われても特にどうしろという感じなのだが、見た目的に十人中十人がエルフだと答える容姿をしているので仕方ないことだ。 まぁ、一つない事もないが。 さて、こちら廊下を歩いているのはキュルケとルイズだ。 キュルケはイレーネに多少なりとも興味があった事。ルイズはイレーネがほっつき歩いているという事で両名とも同じとこに向かっていた。 「ふ~ん…で、ワルキューレを細切れにしたやつは魔法じゃないのね」 「そう言ってるんだけど…間近で見てたわたしにも何やったか見えないのに、とてもじゃないけど信じられないわよ」 「あの子なら何か知ってるかもしれないわね」 そうしてやってきたのは扉の前。キュルケがノックするが返事は無い。 「居ないんじゃないの?」 「あの子はいつもこうなのよ。『サイレント』かけて本でも読んでるんじゃないかしらね」 そう言いながら杖を取り出し『アンロック』で開錠。かなり手馴れた手付きにルイズは呆れ気味だ。 「そんなんだからゲルマニア人は野蛮だっていうのよ…」 言われた方は大して気にせず部屋の中に入るが、ちょっとアレでナニなモノを見る事になった。 「あー…えーっと…邪魔したみたいね」 キュルケが見たモノは、マントを外し上の服を着ているイレーネとそれを思いっきり凝視している青髪のちみっこい少女だ。 着ているという事は今まで脱いでいたという事で、そっち方面が経験豊かなキュルケさンは、まぁ何だ。そういう事をやった後だと判断した。 「確かに、あたしも彼女が殿方だったら惚れてたと思うわ…でも、あなたが決めたのならあたしは精一杯応援するから頑張んなさい、タバサ!」 その言を受けて気付いたのか、両手で自身より長い杖を持ちキュルケの方に近付くと一発小突く。 「勘違い」 「なにやってんのよあんたはァーーーーーー!」 そう叫びながら蹴りをかますのは、ちょっと時間が停止していたルイズだ。 もちろん、それを喰らうイレーネではないから当たらない。 「エルフではないという事を見せただけだ」 こんな時でも極めて冷静。さすがの精神力だが、それならそれでとルイズがある事に気付き叫ぶ。 「なら、『ディティクト・マジック』で調べればいいじゃない!なんで脱いでるのよ!!」 「それも魔法か?」 イレーネは当然知らないが、他二人は知っている。エルフという認識が先行しすぎて忘れていたらしい。 タバサと呼ばれた青髪の少女がてけてけと近付き詠唱を初めるが、エルフではないから結果は見てのとおりだ。 「…反応は無い」 「…あれ、ほんとに剣を振ってたって事?」 「そういう事だ。…私からも一つ聞きたい事がある。剣を持った時と今では腕の力とスピードが違うんだが…何か分かるか?」 「わたしが知るわけないじゃない…ほら!早く戻るわよ!誰かに勘違いされたらどうするのよ…!」 もうスデに一人思いっきり勘違いしてるのだが。 その勘違い継続中でタバサに色々アドバイスをしているキュルケさンを尻目に部屋を出るが、一つ聞こえるような聞こえないような声がした。 「…一つ借り」 翌日。虚無の日という事で、マジに剣を振っていたのかどうかという事を確めたくもあり、街に剣及び、衣類、雑貨系も買いに行く事になったのだが 面子はルイズ、イレーネ、キュルケ、タバサ、竜ことシルフィードだ。 ルイズとしては馬で向かう予定だったが、タバサが「昨日の借りを返しに来た」という事で風竜であるシルフィードで運ぶという事らしい。 もっとも、虚無の日は本読んで過ごす事を知っているキュルケさンからすれば、さらに勘違いを深める結果となっている。 「人が居る場所はどこも大して変わらんものだな」 「ブルドンネ街。トリステインで一番大きな通りよ」 聖都ラボナでもこのぐらいのため、出た感想はこれだ。 だが、当人はフードを被りマントで顔と姿形を隠しているため結構目立っている。(オフィーリアと対峙した時のアレ) 「城下町にエルフが居るなんて知れたらアカデミー行きよ?」 という事での処置だが、ハッキリ言えば怪しい。だが、貴族が側に三人という事もあり、護衛か何かだろうと判断されている。 そのため、人が来ても向こうから避けるような形になっていた。 「…これならスリに気をつける必要は無いわね」 んで、各々別行動する事になり、イレーネ&ルイズ。キュルケ&タバサで分かれる事になったが 例によって何かを間違えているキュルケさンが要らん一言をタバサに言って小突かれたのは割愛だ。 狭い路地に入り、汚物やゴミが散乱し悪臭が漂っているが、イレーネは特に気にした様子も無い。 返り血を浴びる事は無いが、常に血の臭いと近いとこでやってきたのだ。この程度の悪臭なぞカスみたいなものである。 「ピエモンの秘薬屋の近くだったから…この辺りなんだけど」 「あれじゃないのか?」 そういって指差すのは、剣の形をした銅の看板でこれでもかというぐらいに武器屋だと自己主張している。 薄暗い店内に入ると、所狭しと乱雑に並べられた剣や槍が目に入る。 そこに入ってきたルイズに店主が気付くが、明らかにカモである。 「貴族の旦那。うちはまっとうな商売をしてまさあ」 「客よ。使うのはわたしじゃなくて、こっちの使い魔ね」 姿形を隠してはいるが、伊達にこんなところで武器屋を営んではいない。一瞥すると女だという事に気付いた。 「忘れておりました。昨今は貴族の使い魔も剣を振るようで」 「わたしは剣の事なんて分からないから適当に選んでちょうだい」 そうすると店の主人が細身の剣…レイピアを持ってきたが、主人が説明する前にイレーネが一蹴する。 「折れるようなものでは使い物にならん」 「しかし、見たところこの程度が無難なようで…」 ルイズが大きくて太いのがいいというと次に主人が持ってきたのは1.5メイル程の装飾が付いた大剣だった。 それを見て気に入ったようで値段交渉に入るが手持ちとは到底足りない額だ。 「おいくら?」 「こいつを鍛えたのは、かの高名なシュペー卿で魔法がかかってるから鉄だって一刀両断の代物さぁ。新金貨で三千、エニュー金貨で二千ってとこですぜ」 「立派な家と森付きの庭が買えるじゃない!」 貨幣価値は分からんが、高いのだろうと予想したが一応剣は見てみねばモノは分からない。 「持たせて貰うぞ」 「落さないようにお願いしますぜ」 無論それで落すようなイレーネでもなく片手で受け取り各所を見る。 大きさ的には戦士が使う大剣と同じ程度だが、持ってみて分かった。 「話にならん。ナマクラもいいとこだ」 戦士が使う大剣は恐ろしく丈夫だ。覚醒者の攻撃を受けても折れもせず欠けず、年単位の長期間野晒しにされていても錆一つ付かない。 そういう一品を扱ってきたからこそ手応えで分かった。これなら戦士が振り、硬いものに弾かれれば一発で折れるだろう。 主人は何か言いたそうだったが、別の方向から声がした。 「見る目はあるようだが、その体で剣を振るなんてのは冗談じゃねぇ。そっちのレイピアにしときな」 「む…誰だ?」 声のする方向を向いたが、あるのは剣の山だ。誰も居ない。 「分かったら、さっさとそいつを買って家に帰んな。おめえもだよ、貴族の娘っ子!」 「失礼ね!」 イレーネが声のする方向に近付き、一本の錆びた大剣を引っ張り出す。 さっきよりは薄手だが、大きさはクレイモアと同じ程度だ。 「さっきのは…こいつか?」 「お客様に失礼な口を聞くんじゃねぇ!デル公!」 「お客様?こんな華奢な体の女がお客様だ?ふざけんじゃ…」 途中まで言って黙りこくるが、主人とルイズは話しをしているのでそれ気付いた様子は無い。 そして小声で話し始める。 「…おでれーた。てめ、人間じゃねーな」 「ほう…分かるのか」 「見た事もねーような化物を体に入れてやがんな…しかも『使い手』かよ」 人ではない、という事はまだ想定内だったが、体に入れているというところまで分かるとは思わなかったので素直に感嘆する。 妖魔の血肉を取り込み『作られた』存在だからだ。 「…まあいい、使い手なら俺を買え」 そうは言うが、思いっきり錆が浮いている剣だ。高速剣に耐えうるかどうか試さねばならない。 「その前に試させてもらうぞ」 そう言うと、さっきのシュペー卿が作った剣の前に無言で近付き、手に持った剣を片手で振った。 それと同時に、甲高い金属音が鳴り響く。シュペー卿の剣が真っ二つに折れた音だ。 「…なるほど、見てくれは悪いが丈夫さは私が使っていた大剣に匹敵するな。ルイズ、これにしておこう」 「錆びたインテリジェンスソードなんて買わなくても…しゃべらない他のにしない?」 「私が見たところ、高速剣に耐えれそうなのはこいつだけだ」 ルイズが文句をいいつつも値段を主人に尋ねたが、値段設定二千の剣をヘシ折られた店主はかなり凹んでいる。 「…あ、あれなら三百で結構でさ」 本来の売値の三倍なのだが、ヘシ折られた分を少しでも補填しようという商売人根性だ。 だが、現在のルイズの手持ちは二百。それを小声で言うと、イレーネが頭のフードを外した。 「あれを、あんな値で売ろうとしたんだからな…安くしてもらうぞ」 平民にとってメイジ相手でもヤバイのに、そのメイジですら恐れるエルフとあっては、商売人根性も何もあったもんではない。 「…エエ、エルフ!?そ、そりゃもう百で結構ですので、命だけは!」 命乞いまでされるとは、ちと想定外だったが、ともかく買える値段になり金貨を払う。 「さ、鞘に収めればそいつは、お、おとなしくなりまさあ!」 完全にビビっている店主から鞘を受け取るとルイズとイレーネが店を出た。 「今日はもう閉店だ…酒飲んで忘れちまおう…」 「まったく…あれじゃほとんど恐喝じゃない」 「気にするな、最初に騙されていたのはお前だ」 「あの業突張りにはいい薬だろうぜ!」 二人と一振りが、通りを歩く。抜き身で持っているため人が見たらちとアレだが、人は他に居ない。 「それで、あんたデル公でいいの?」 「ちがわ!デルフリンガー様だ!」 「錆びだらけの割りに名前だけは立派ね…」 「イレーネだ。どうやら色々知っているようだな…。詳しく聞かせて貰うぞ」 それを境にデルフリンガーが黙りこくったが、イレーネは気にせず鞘に収める。 完全に収まる前にデルフリンガーが小声で 「おでれーた…こんな心に変化が無いやつ初めてだ…」 と先行き不安そうに呟いた事は幸いな事に二人には聞こえていなかった。
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ルナ ルナ ローマの月の女神w イタリア、スペイン語で「月」 ルナという語はサブカル女子のネーミングには人気ですね~ 最近知った、妖怪モノ少女マンガ? 妖界ナビ・ルナ(Wikipedia) 四神(ししん、しじん)もでてくるよ(らしい) 他、Yahoo!コミックの人気ランキングで気になる 「いけない!ルナ先生」 ボクはみたことないけどね! 結構順位へ移動激しいけど、1位が多いw お、今日は9位に殷周伝説(横山光輝)、10位GS美神 極楽大作戦! シブイ! 4位ゴッドハンド輝の医療機関てなんで「ヴァルハラ」なんでしょう? 脱線 「ルナ・ヴァルガー」とか懐かしい。 ちょっとウィキから抜粋([[]ルナ(曖昧さ回避) http //ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%8A_(%E6%9B%96%E6%98%A7%E3%81%95%E5%9B%9E%E9%81%BF)]) # 架空の人名 * ルナ - 藤子・F・不二雄の漫画作品『21エモン』の登場人物。 * ルナ(ルーナ) - 『幻魔大戦』の登場人物(週刊少年マガジン版はルーナ)。 * ルナマリア・ホーク - テレビアニメ作品『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の登場人物。 * ルナ=ミ=マド・マグラ - 冨樫義博の漫画作品『レベルE』の登場人物。 * ルナ・ド・リムズベル - 秋津透のライトノベル作品『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』の主人公。 * 上月ルナ - タツノコプロ制作のテレビアニメ作品『新造人間キャシャーン』 * 葉月ルナ - 上村純子の漫画作品『いけない!ルナ先生』の登場人物。 * 辻堂ルナ - 細野不二彦の漫画作品『ギャラリーフェイク』の登場人物。 * 月影騎士(クレストナイト)ルナガンダム - バンダイのカードダス『SDガンダム外伝 機甲神伝説編』の登場人物。 * 竜堂ルナ - 池田美代子の児童文学作品『妖界ナビ・ルナ』シリーズの主人公。 * 白金ルナ - 『流星のロックマン』の登場人物。 みてたけど、ああ、いたなぁ、というのも多い。 この前NHKのまじめな若者討論番組で名前が「みいな」だか「れいな」だか、いたなぁ… 「るな」とかもいるのだろうか…
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戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (4)聖なる教示 ハルケギニア大陸、トリステインの南に位置するガリア王国王都リュティス。 その王城、ヴェルサルテイル宮殿はグラン・トロワ。 そこには人形を手に狼狽し、泣き崩れている宮殿の主、ガリア国王ジョゼフ一世の姿があった。 「ああ、ミューズ!おれのミューズ!なぜだ!?なぜこんなことに!?」 感覚共有がなされている伝説の使い魔ミョズニトニルン、シェフィールドとの共有が途切れて早十日。 そして先ほど、再度アルビオンに派遣された間諜からの報告で森の中でシェフィールドの遺体が発見されたとの報がもたらされたのである。 「狂ってしまった!何もかもぶち壊しだ!ミューズ!何てことだ!」 側近の者達や、愛人すらも下がらせて大声で泣き喚く。 それは正しく世間で愚王と噂されるままの姿であった。 しかし、シェフィールドを使い、裏でアルビオン王国内部の貴族派を操っていた切れ者こそが、この男の真の姿である。 暫く、一時間ほど喚き、暴れ、もう一度喚き、そして最後に蹲って泣いていたジョゼフの震えがピタリと止まる。 続いて部屋中に響き渡ったのは大音量の笑い声であった。 「はははははははははははははっ!あはははははははははっ! 狂ったぞ!おれのチェスボードが!?見ているかミューズ!遂に狂ったのだぞ!? すべての駒が盤上からひっくり返された!だが、こんなに嬉しいことは無い!」 狂気/狂喜するジョゼフ、その手がシェフィールドの死亡報告と同時に提出された書類を掴む。 「そうだ!次の対局の相手はお前だ!ジャン・ジャック・ド・ワルド!」 そこには、シェフィールドを殺害の犯人であり、現アルビオン新政府を実質的に手中に収めている男が、現在ガリア国内に潜伏しているとの内容が記載されているのであった。 「あなたは、何者?」 あの日と同じ月が天にある。 闇は全てを等しく隠して染める、双月は冷たくも優しい光で照らす。 すべての絶望の中にあって、決して裏切らない希望の様に。 「虚無のメイジ、それがあなた」 背中の男に語りかけるルイズ、まるで戯曲の場面であるように。 答える男は振り返らない、それが彼と彼女の距離であることを示すために。 「それは君だ、虚無の担い手ルイズ」 「やっぱり、何もかも知っていたのね」 「そういう君は、どうして気付いたのかね?」 「姫さまから、王家に伝わる『始祖の祈祷書』というものを貸して頂いたの。 そうしたら、虚無の呪文のルーンが浮かび上がってきてね。 その時にあの時の魔法が虚無の魔法だって分かっちゃったのよ」 一歩、前に出る。 躊躇わない、戸惑わない、立ち止まらない。 ゆっくりと、歩む、ウルザの隣へと。 そうして空を見上げると、大きな月が瞳に映った。 月がこんなにも大きなものだと、ルイズは始めて知った。 「元々、違和感は感じていたわ。 あの魔法もそうだし、あなたを呼び出したこともね。 それらが全部、自分が『伝説』なんだって分かった時に全部繋がった感じよ」 前代未聞のメイジの召喚。 記憶が混乱していると言いながら、様々な技術をミスタ・コルベールに提供しているウルザ。 一切成功しなかった系統魔法、初めて使った魔法は正体不明。 そしてニューカッスルの城での光景。 疑問の欠片は幾つもあった。 「察しの良いことだ、話すのはもう少し後になると思っていたのだがね」 「こんなことで褒めてもらってもね。 自分のことは分かったわ。 次はあなたの番、もう一度聞くわ」 そこで区切り、ルイズは息を吸い込む。 これから放つのは万感を込めた言葉。 自分達の新たなる関係への、始まりの問いかけ。 「あなたは、何者?」 永く果て無き時を生きた。 悠久の者は時に、短い時を駆ける者の成長の早さを見誤る。 長く生きた故、時を見つめ続けた故に。 ならば認めなければならない、自分と彼女、その新たな関係を。 「ミス・ルイズ、あれの名前を知っているかね」 横に立つルイズに語りかけるウルザ、その先には見事な満月の片割れ。 「月?月は月じゃない」 ハルケギニア、その何万リーグもの空に浮かぶ天体、双子の月の一方。 あれは虚無月。 私の世界、ドミナリアにもまた存在する、二つの月の一つ」 「私の、世界…?」 「その通りだ、ミス・ルイズ。 私はこの世界の人間ではない別の世界、ドミナリアという世界から君に呼ばれたのだ」 真実の告白、想像を遙かに上回る言葉に、ルイズの目が見開かれる。 冷静に、常識的に考えても、納得できる話ではない。 「信じられないわ、別の世界があるなんて、…どうしてそんなことを言うのよ」 「私は真実を話している。それを信じるかどうかを決めるのは君だ」 一瞬の沈黙、梟の鳴き声だけが響き渡る。 「…ああもう、いいわ、別の世界がある、あなたはそこから来た。 全部信じてあげようじゃないの! そこから来たあなたが虚無の使い手、そこの人間は皆が皆伝説ってこと!?」 「ミス・ルイズ、それは発想が逆だ。 ハルケギニアで虚無と呼ばれるものは、他の世界においては伝説ではない、この世界においてのみ伝説なのだ」 「……意味が分からないわ」 「こちらの世界で虚無と呼ばれる魔法、その発展を妨げた要因がこの世界に存在する。 他の世界に潤沢に存在する虚無を利用する為の魔力、それがこの世界には極端に薄いのだ。 ハルケギニアにおいて、虚無の魔法を操るのは薪無しに火を灯すに等しい。 そのような力、伝説として彼方に追いやられても仕方は無い」 すべての魔法を生み出す力、マナ。 その中でも白と黒のマナ、それがハルケギニアにおいては希薄な状態で安定しているのだった。 「…他の世界には普通にあるものがこの世界にはない。 だから虚無は使われなくて伝説になってるって言うのね。 でもそれじゃあおかしいじゃない。 私が虚無の魔法を使える理由がつかなくなるわ」 そう、確かにルイズは自分が使った呪文が『虚無』であることを、心で、体で、確かに実感している。 ウルザは口を開きかけたが、一瞬何かを考え、その後に言葉を紡いだ。 「始祖ブリミル。この世界で六千年前に降臨したとされている何者か。この世界に虚無を持ち込んだ者。 その血を色濃く残す者は潜在的に虚無を操る力を有している。 ブリミルの子孫によって建国されてたというトリステイン王国、その公爵家筋にあたる君には才能があった。 私はそう考えている」 突然にウルザの口から出た始祖ブリミルの名、ルイズはその神の如き神聖な名を耳にしながらも、冒涜的とも言える想像が鎌首を擡げることを止められなかった。 「それじゃ…その言い方じゃ、まるで始祖ブリミルがっ」 「あ、思い出した」 突然に割り込まれる第三者の声。 二人しかいないはずのこの場に現れた闖入者、今の会話を聞かれたのかもしれないという背徳感から、ルイズは慌てて周囲を見渡す。 当の声の主はすぐに見つけることが出来た、それは壁に立てかけられた二本の剣、その片方、古ぼけたインテリジェンスソード、それこそがこの場の三人目であった。 「思い出した、思い出したぜ相棒。 おめーさん、ガンダールヴっつーか、何か別の奴に似てると思ってたんだよ。 今の話で思い出したぜ、相棒、おめぇさん、ブリミルに似てるんだよ」 カタカタと震わせながら喋る剣デルフリンガー。 「待って、待ってよ。 ミスタ・ウルザがブリミルに似てるってどういうことよ、虚無の使い手だからってこと? いい加減なこと言わないでよポンコツ!」 デルフリンガーを両手で持ち上げて、詰め寄るルイズ。 「ポンコツたーひでぇなあ。 なあ、嬢ちゃん。嬢ちゃんが虚無の使い手だってのはあの城の一件で気付いてたんだぜ。 相棒が何も言わねぇから黙ってたけどよ。 でも別に嬢ちゃんの雰囲気がブリミルに似てるって訳じゃねぇのよ。 相棒はなあ、虚無とかそういうの抜きにして似てんだよ、初代虚無の使い手に」 「そんな、それじゃ、本当に………」 「ミス・ルイズ、君の考えていることは私の推測でもある。 この世界に六千年前降臨した始祖ブリミル。 私はブリミルが別の世界、ドミナリアの人間だったのではないかと考えている」 白と黒を混ぜたらどうなると思う? 全てが無かったことになるんだ。 ―――ウルザ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
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「……問うのも莫迦らしくなってくるな。」 日本人を守ると抜かした相手は乱入者によって逃げられ、 因縁の敵にも最終的には乱入者によって逃げられた。 追跡しようにも地図を見れば水路は枝分かれし続けており、 場合によっては目視できる小島に逃げている可能性だってある。 なので追跡をやめて辺りを散策してみれば、余りに奇妙な面子だ。 一人は人間なのでまだ問うべきかもしれないが、他は別である。 いや、うさぎについても正直なところ別に問題ないとしていた。 狼牙軍団には確かに変なのも多いとは聞いた。噂なので真偽は不明だが、 ネコを筆頭に動物も連れているとのことで、まあ別に参加者にいてもおかしな話ではない。 あれに日本人かどうかを問いかけるのは流石に莫迦らしく感じてしまう。あれは別だろう。 問題は深淵の冥王だ。あれはどう見ても魔界孔から出てきた異形の怪物の類ではないか。 元々ジャンヌ、ひいてはホーリーフレイムが日本人を忌み嫌うのは、 魔界孔の原因が外国人にあると言われて迫害され続けてきた果てにある。 無論、魔界孔もまた日本を穢れさせた原因そのものであり許しはしない。 「問おう。お前達は異形といるようだが、己の意志で従っているのか?」 だが、一応は確認しておくべき事柄だとして問いはかけておく。 穢れた存在と一緒の時点で処刑が妥当ではあるのだが、ジャンヌは早計と考えた。 此処は神なき地。あの高笑いする男を断じて神とは認めるつもりはない。 神を騙る狂人に歪められたこの地において、そのような行動は早計なのだと。 だから明石にも温情をかけた。結果は徒労に終わってしまっているが。 「フン、愚問だな! 愚問と言うほかあるまい! 俺はこいつに従うつもりも、あの神を名乗る男に従うつもりもない。 このジャック・アトラスが信じる道、それを俺は走り抜けるだけだ! そしてこちらからも問わせてもらおう。イリヤと司について心当たりはあるな。」 「会ったようだな。」 会った上でそのような話を聞く。 話を聞いている時点で彼は彼女達と敵対していないのだろう。 しかし、彼の世界が同じ世界かどうかはまた別の可能性がある。 イリヤ達は自分をホーリーフレイムとも、ジャンヌとも認識していなかった。 近年まではキュウシュウで競り合ってたので組織としてはかなり小さいものの、 狼牙軍団と言う多くの地を統一してきた相手が残る敵となり交戦目前ではあった。 日本中にその名を轟かせてもおかしくないことだ。それを知らないとは思えない。 『ほら、こういう奴だ。お前の守る日本も、こいつが行ったら日本人は皆殺しだ。』 蛇王院の言っていたあの言葉から察するに、 異なる世界から呼ばれたと言うのが自然なのだろう。 ならば合点がいく。デュエルモンスターズが常識的な扱いで、 この会場の様々な参加者に支給されたり制限されている代物が、 彼女の耳に届かないような代物だとは余り思えない。 なので即座に交渉決裂とはせずに話を続ける。 「又聞きでしかないが、貴様は日本人を相当嫌悪しているらしいな。 肩入れするつもりはないが、司はただの小娘にすぎないように見えたが?」 あれはどこにでもいるような人間にしか見えない。 ネオ童実野シティほど裕福でもなければ、かといってサテライトほどの貧困もなく。 平穏な場所で生きてきた、ごく普通の人に何故そこまで刃を向けるのか。 言葉通り司に特別肩入れはしていない。あくまで純粋な疑問だ。 或いは、司が何か本性を隠している可能性もありうるので尋ねた。 「───差別や迫害。さも当然のように私たちを追いやった穢れた存在。それが日本人だ。」 ジャンヌは語る。自分達が元の世界における立場を。 魔界孔が発生した際、外国人は異端視されてきたことを。 紛れもない冤罪からの扱いだ。放火、暴行、殺人は当たり前だ。 彼女達が拠点としていたナガサキでは特にその被害が多く見られる。 ただ魔界孔の怪物が、伝承の西洋の怪物に似ていた……それだけの類似点。 それだけで人を追いやる。募った怒りはそのような連中を許す要素などないと。 恐怖は理性を駆逐する。そんな一言で片づけられるものではない禍根がそこにある。 「差別……か。わからなくはないな。」 「ほう?」 思わぬジャックの反応に少しだけ眉が動く。 ゼロ・リバースによるサテライトとネオ童実野シティの隔絶。 格差は凄まじいもので、勉学や食事も満足に行き届いてないぐらいに。 クロウを筆頭に拾ったカードのテキストで文字を勉強したことだってあるし、 一つのカップラーメンを三人で食う時だってあるぐらいに貧富の差は激しかった。 逞しく生きてこそはいたが、サテライト側の人間の方はきっと不満も多かっただろう。 互いを繋ぐダイダロスブリッジが建設されてからは差別は減ってきてはいるとしても、 全てが丸く収まるほど人間は簡単ではない……まあ、ジャックの出身がバレた瞬間、 サテライト出身の遊星に敗北した勢いもあるだろうがファンが掌返ししたのを思い返すと、 簡単ではないのもそうなのか、甚だ疑問ではあるが……その辺は面倒なので気にしないでおいた。 お世辞にもあの街の民度がいいとは言えないのは、チーム太陽の時も似たようなものだ。 散々バーンダメージと言う地味な戦い方に対して罵詈雑言を投げかけたかと思えば、 誰も召喚したことのないモンスターを召喚が見れるとなれば掌を返していたわけで。 結局のところ、あの民度については根本的には余り変わってないのかもしれない。 元々街の発展に至った海馬コーポレーションも尖った企業ではあるので、 ある意味その性質を持っているかもしれないが。 「俺達サテライト以上の迫害を受けたのであれば、 そのような考えに至るのは当然と言ってもいいだろうな。」 寧ろ、ラリーを人質にしてスターダスト・ドラゴンを奪って、 遊星が普通に理解していて許していたのが異常とも言い切れることだ。 人の命をただ異邦の民であるだけで殺そうとする輩からの迫害を受け続けて、 相手を憎まずにいると言う方が難しい。寧ろできる奴は基本的に聖人や菩薩だ。 「フゥン。」 (まずい、非常にまずい!!) この男の単純さから『貴様のやり方などただの殺戮者に過ぎん!』と、 一蹴すると思ってみれば、まさかの理解するのに冥王は慌て始める。 闇を全て支配する程の力があった彼とて、それは降格処分される前の話。 今では、そんな面影は何処かへと消えてしまった現状では貧弱な存在だ。 支給品もない。このままでは最早頼みの綱は隣のうさぎしかいない。 「ハァ?」 (駄目だ、何言ってるか分からんわ……こ奴。) 一方でその頼みの綱は何を言ってるのかさっぱり理解できない、 と言うよりも、ジャックがさも平然と会話してるのが余りに謎すぎる。 視線を向ければ人を煽るような一言二言で終わってしまうのだから。 これは司も理解してなかった様子なので、少なくとも彼に限った話ではない。 「いけませんアトラス様! 奴は……」 「今はこの女と話をしている! それを阻むのならば、 例え殺し合いに懐疑的な貴様であっても容赦はせんぞ!」 「ヒィ!」 割り込もうとしたが物凄い圧と共に一喝され、 思わず尻もちをつく冥王にうさぎはポンと肩を置く。 「ウラッ。」 せめて伝わる言葉でしゃべってくれ。 お前は味方しているのかはっきりしてほしいと思わずにはいられない。 「分かっているのならば話は早い。私と共に日本人を───」 「だが、俺には根強いファンがいると同時に憎まれる立場だ。」 先のラリーを使っての行為もあってか、 ラリー達にはかなり嫌われてたりもすることも多い。 また、ジャックはその不遜な態度はどうしても敵を作りがちであり、 と言うより人の金で高級コーヒーを飲んだくれるこの男の人柄も大概である。 「……何の話をしている?」 「貴様が異端とした相手にも、恐らく善人がいたのではないのか? 異端と一括りしたのであれば、それはその時の日本人と同じだけだ。 貴様は個人を見ようとしていない! 聖戦だ浄化だと耳障りの良い御託を並べ、 己の行為を正当化するならば、貴様のやり方は嘗ての日本人同様、ただの殺戮者に過ぎん!」 これが埋めようがないことなのは彼も分かっている。 きっとそれはZONE達のように譲れないものであることも。 仲間を殺され続けて自分達はしてはならないなど納得しようがない。 それでも彼は否定しよう。彼の言う日本人を殺すと言うのはつまり、 遊星や遊戯達も手に掛けると同義。彼女のいる世界の日本人ならまだしも、 彼女の言う特体生でも、魔界孔とも無縁な人間達までも関係ない日本人も含む。 恐怖で理性を失った日本人と何ら変わらない。それはただの思考停止でしかない。 サテライト出身と言うだけで、マーカーがついてるだけで非難される嘗ての社会と同じ。 猶更受け入れてはならない。改めて相容れない存在だと理解できたことで、 デュエルディスクから剣となるカードを引く。 「……容易に同胞を同じように堕落させるか。」 改めて、日本人とは恐ろしいものだ。 瞳を閉じて溜め息をついて、再度開くと同時にジャンヌは動き出す。 冥王もうさぎもその疾風迅雷の動きには全く反応できなかったし、 ジャックもまた後手に回るため反応自体は遅れてはいたものの、 「フン、甘いな!」 即座に召喚された音叉と尖端が丸い叩き棒を持つ小さい悪魔が、ジャンヌの攻撃を防ぐ。 防ぐと同時に吹き荒ぶ豪風。ウサギと冥王はその勢いに吹き飛ばされ、 ジャックも軽く後退をさせられるほどに凄まじい風圧が周囲に巻き起こった。 これだけの攻撃を、小さなモンスターが防ぐことにジャンヌも僅かに反応する。 (モンスター効果は再現されているようだな。) ジャックが召喚したモンスター、 ダーク・リゾネーターは一ターンに一度だけバトルで破壊されない。 どれだけ攻撃力の差があろうとも、その耐性があれば十分に受けきれる。 しかしジャンヌの猛攻を考えれば、動かずにいる猶予は非常に短い。 「俺のターン! ボーン・デーモンを通常召喚!」 ドローと同時に続けざまにほぼ全身が骨だけで構成されている、 異形の怪物がカタカタと音をならしながら召喚される。 (後はレッド・デーモンズにつなげるだけだが……) レッド・デーモンズのレベルは8。 今のモンスターの合計は7ではあるが、 ボーン・デーモンにはレベルを変化させる効果を持つ。 問題はダーク・リゾネーターで攻撃を防いだことで、行動を変えるだろうと。 「今更、モンスターを相手する理由などないだろう。」 予想はしていたが、対応速度は異次元のレベルに達する。 ジャンプしてモンスターの壁を通り越し、瞬く間に剣の間合いへ持ち込む。 デュエリストの一番の欠点。それは自由意志で動くモンスターがほぼいないこと。 遊戯のブラック・マジシャンのような魂のカードならば当人の意志で動くだろうが、 それがないのでは、敵の攻撃の間合いに入ってる場合の対応は極めて困難になる。 牛尾には小鳩、遊星には達也、城之内には結芽と前衛たる存在がいてこそ安全に戦えた。 いずれも出会った参加者は強敵であり、ポセイドンは別としてジャンヌもそれらに引けを取らない。 普段のうさぎなら前衛だったしれないが、彼の武器はデュエルディスクなので同じ役割になる。 冥王はモンスターではあるので少なくとも常人よりは強いが、前衛の戦力には足りえない。 「フッ、そう来ると読んでいたぞ。」 けれども、これについて想定内の範囲だ。 この舞台には数々のデュエリストが参加している。 その中でモンスターとの交戦を予選時点で経験したのはジャックだけだ。 予選が終わった後もモンスター同士の戦いを経験しているのもまた遊星だけで、 故に彼だけが、従来のデュエルとは違う厳格なルールが存在しないものを深く理解している。 だからいわばメインフェイズだろうと、バトルフェイズにしか使えないカードが発動できることも。 ルール無用で相手ターン中とも言える中ダーク・リゾネーターを出して防いだのも、同じことだ。 (そも、相手の先攻でダイレクトアタックをしてる時点でルール無用なのは似たようなものだが) 何よりモンスターを破壊できなかったとなれば、次も破壊がうまくいかない疑心暗鬼はあるはずだ。 相手はデュエルモンスターズをよくは知らない。先入観があればなおのこと本体を狙ってくると。 故に『発動していた』。鐘を鳴らしながら現れた、小型の振り子のモンスターを召喚しながら。 キングのデュエルとは、常に相手の一歩や二歩先に行くものだ。 「バトルフェーダーの効果だ!」 相手が直接攻撃してきた瞬間、 手札のこのカードを特殊召喚してバトルフェイズを強制終了させる。 強引にエクスカリバーを振るう動きを止められ、思わぬ事態にジャンヌが距離を取る。 当然、そう予想していた以上その隙を見逃すようなジャックではない。 「ボーン・デーモンの効果でデッキから悪魔族のチューナーモンスター、 クリムゾン・リゾネーターを墓地へ送りボーン・デーモンのレベルを一つ上げる! レベル5となったボーン・デーモンに、レベル3のダーク・リゾネーターをチューニング!」 攻撃を防いだ間を利用しシンクロ召喚を行う。 デモンストレーションで見た光景の召喚方法だ。 ジャンヌにはルールの理解は浅くとも強力な力であることは伺える。 なので再度踏み込むがジャックは先んじて攻撃を予想し、後方へとジャンプして近くの崖の上に立つ。 遊星のフィジカルが人間離れしてるせいで忘れがちだが、ジャックも素のスペックは常人としては高い。 アウトローな組織のアジトへ単身突入し、そこにいた連中数十人をリアルファイトで殴り倒してるぐらいだ。 サテライト育ちであり、チームサティスファクションで様々な経験を経たジャックだからこそでもある。 先にそうするのを読めていたからこそ対応はできた、と言うのも一応あるにはあるが。 相手の動きを常に読まなければ、此処では敗北ではなく死が待っているのだから。 「王者の鼓動、今ここに列をなす! 天地鳴動の力を見るがいい! シンクロ召喚! 現れろ! 我が魂、レッド・デーモンズ・ドラゴン!」 光の中から現出するは赤と黒で構成された一体のモンスター。 竜の名を冠するが、体格はどちらかと言えばドラゴニュートのような人型に近しいフォルム。 悪魔の名を冠するドラゴンだけあって、頭部には捻じれた三本の角がよく目立つ。 ジャックたちを超える巨躯に違わぬ赤黒い翼を広げながら、赤き悪魔の竜は咆哮を轟かせる。 咆哮だけでも常人なら竦むような、ビリビリとした感覚が他の三人を襲う。 「魂と言うだけあって力はあるらしいな。だが、私がその程度で臆すると思うか?」 聖剣の剣先と鉄仮面の如き冷徹な眼差しをジャック達へと向ける。 高低差も相まって聖女と悪魔を従える王者の、一枚の絵画のような構図になっていた。 「ならばその実力を見せてみることだな、バトル! レッド・デーモンズの攻撃! アブソリュート・パワーフォース!」 この舞台でも数多の強力なモンスターを蹴散らした竜の拳。 モンスターを余裕で掻い潜るジャンヌと言えども、無視できない速度だ。 エクスカリバーを横薙ぎに振るい、レッド・デーモンズの攻撃とぶつけ合い相殺させる。 一人の人間と竜の相殺は並のものではなく、周囲には衝撃が広がっていく。 ジャックも腕で風を防がなければ視界が遮られるぐらいに。 (正面からの攻撃でレッド・デーモンズの攻撃を防ぐのか! 奴の装備してる剣、あれはイリヤ曰くエクスカリバーと聞くが、 よもやあのエクスカリバーと同等の強力な装備魔法の類だとでもいうのか!) 遊戯が使ったカードにもエクスカリバーがあったりするので、 ジャックの言うエクスカリバーとは基本的にそちらの記憶がある。 其方は戦闘ダメージを半減させる代わりに装備モンスターの攻撃力が二倍になるので、 それだけの代物であると言うのは、強ち間違いではないのかもしれない。 仮にもシグナーのドラゴン、ナスカに封印された邪神と戦った竜の一体。 その上で攻撃力はシグナーのドラゴンの中で最も高いとされる3000。 生身の人間が対応するなど、驚嘆するほかないだろう。 「アトラス様、まずいですよ!」 「元冥王、言わずとも分かっている! 紅蓮魔竜の壺を発動!」 レッド・デーモンズが存在する場合に、 カードを二枚ドローする効果で手札を補充していく。 このカードの発動だけでも何度も拳と聖剣の衝突が起きている。 実力伯仲、と言いたいところだがレッド・デーモンズの肉片が頬を掠る。 恐らく僅かな差ではあるだろうが、ジャンヌの方が上回っていると見ていい。 下手をすれば先にやられかねない状況では、手数はあるに越したことはない。 (幸いスタンディングデュエル用ではあるが、 ライディングデュエルなしでは此処まで厄介とは。) 遊星とジャックと牛尾の世界では、 Dホイールと言う乗り物に乗ってデュエルするライディングデュエル、 遊戯達同様に立ったままデュエルするスタンディングデュエルの二種類が存在する。 ただライディングデュエルが主流で、そのルールでは通常の魔法カードが使用には大きなリスクを持つ。 故にその状況下でも使える専用の魔法カードか、それとは関係なく使える罠カードを積極的に使う。 ジャックも同様だ。魔法と違って罠カードは原則的にセットしてから発動を待つタイムラグがある。 この刹那の間の判断を求められる舞台において、一ターンと言うのは余りにも長い刹那の時間だ。 仮に無理矢理今すぐ発動しても恐らく効果が薄いものか、発動しないと判断して無闇には使えない。 「埒があかん! レッド・デーモンズ! クリムゾン・ヘル・フレア!」 幸い二人はこの余波を受けないよう後方にいる。 今なら範囲攻撃も問題ないと判断し、レッド・デーモンズは炎のブレスを放つ。 寒々とした雪原は草原に、草原は瞬時に焦土に変えていく灼熱の業火が辺りに広がっていく。 「私を火炙りにするには足りないな。」 しかし、これも主霊石で風を駆使し驚異的な速度で動き、攻撃はまともに成立していない。 本当に同じ人間なのかと疑わしくなってしまうほどに、人間離れした身体能力を披露していく。 迫る炎を背にジャックへと文字通り疾風の如く雪原だった場所を駆け抜けて三度迫る。 まだ罠は発動できない。レッド・デーモンズに指示しようにも間に合わない。 できることは、それを避けるため先んじて回避行動以外にできる手段はなかった。 「ウラララララララララ。」 あくまで彼一人の話ならばの話。此処には彼を味方する仲間はいる。 突如として敷かれたレールを道としながら、巨大な青い列車が二人の間を割り込む。 列車の上部は白と赤を基調とした戦闘機のような形状で、一般的な列車とはかけ離れている。 まさにロケットの如く推参したそれを前に、即座に踏み込むのを中断して縦に斬撃を見舞う。 車体に傷跡こそできているが、破壊に至るにはかなり時間がかかるダメージの具合だ。 (攻撃力が5000だと!?) 乱入したモンスターのステータスに思わず目を見開くジャック。 素のステータスが5000のモンスターと言うのは滅多にいない。 結果的なステータスが大幅に高まったモンスターは数多く存在するが、 テキストに書かれたステータスだけで5000はハラルドのオーディン、 アポリアのマシニクル、ZONEのセフィロン等、名だたる強敵のエースを超えた存在だ。 (破壊は困難。ならば───) そこからの判断は素早く、 即座にジャンプして上空から攻めにかかる。 当然、複数を相手にする以上簡単にはいかない。 即座にレッド・デーモンズの拳を受けそうになり、足から風を放ち空中で旋回して回避。 主霊石から風の力を行使し続けたことにより剣以外からも放出ができるようになった。 本来ならば空中と言う身動きの取れない場面で旋回し、その回転の勢いのままに斬撃で拳を斬り落とす。 (破壊こそまだされてないが時間の問題か。まずはあの風の能力を削ぎ落すのが先決!) バトル・フェーダーが突如破壊される。 レッド・デーモンズは攻撃宣言をしていない自分モンスターを破壊するデメリットを持つ。 確かにデメリットではあるが、同時にそのタイミングはエンドフェイズであると言うこと。 うさぎの支援のお陰で時間は稼げたことにより相手ターン、即ち伏せたカードは全て使用可能。 反撃の狼煙を上げるべく、カードを使用していく。 「罠発動! スカーレッド・コクーン───」 「させん。」 レッド・デーモンズと戦いながらも、 しっかりとジャンヌはジャックの方にも警戒を怠らなかった。 風の斬撃を飛ばし、当人は横へ飛ぶことでギリギリ回避するが、 当たろうと当たるまいと、その点については彼女には関係なかった。 (スカーレッド・コクーンが破壊されているだと!?) 凌牙の時同様、風属性の力を得たことで魔法・罠を破壊する力を獲得。 スカーレッド・コクーンはドラゴン族シンクロモンスターに装備することで、 相手モンスターとのバトルの際に、全ての効果を無効にすることができるカード。 本来ならば、罠カードを発動の際にカードを破壊しても基本効果を止めることはできない。 しかし装備する工程が必要なカードや永続罠は、その条件に当てはまらないカードになる。 破壊こそ確かに彼女は意図していたが、それが最適解な行為であるのはただの偶然ではあった、 しかし容易に魔法・罠を破壊できるとなれば、悠長にカードを出し惜しみしてる暇はない。 「ならば次のプランだ! 罠発動! バスター・モード! レッド・デーモンズをリリースすることで、モードチェンジさせる!」 時期に破壊される可能性も危惧し、ジャックは別の手段に移行する。 レッド・デーモンズが炎のような形へと分解され、別の姿へと変えていく。 翼は黒く、より猛々しく変質し、筋骨隆々の身体には真紅の鎧を纏った攻撃的な姿になる。 「灼熱の鎧を身に纏い、王者此処に降臨! 出でよ! レッド・デーモンズ・ドラゴン/(スラッシュ)バスター!」 「……別の姿へと変えたか。」 「先ほど前と同じと思うな! 再び迎え撃てレッド・デーモンズ! エクストリーム・クリムゾン・フォース!」 巨腕に熱を纏った掌底。 受けるのはまずいと判断しその場から離れるも、 掌底を叩き込んだ瞬間周囲へ爆風が広がっていく。 /バスターは攻撃時に他のモンスターを全て破壊する攻撃的能力を持つ。 スカルサーペントに爆弾のエキスパートがいたのは記憶にあるが、 そんなものは比にならない威力で直撃を回避すれども、 ジャンヌも少なからずダメージを負っていた。 (退くのも策の内、か。) 此処には参謀のジョドーも、バイラルを筆頭とした騎士たちもいない。 支給品も全てが一級品と言っても過言ではないが、体力には限界がある。 日本人に虐げられてきたことで退く、基耐えることについての理解もある。 少なくとも向こうには召喚したモンスターが自壊してるうさぎ達がある為、 其方へ攻撃を向ければジャックは絶対に其方を守ることを選ぶだろう。 その隙に逃げること自体は、さほど難しいことではない。 なお、うさぎが先程召喚したモンスターこと爆走特急ロケット・アローには、 維持コストとして手札を五枚も捨てなければ自爆するデメリットがある。 デュエリストとしては新参者の類のうさぎではあるが手札の重要度は理解してる方だ。 手札の重みを知っている現状、維持するつもりがないので自壊させただけである。 自壊することを知らない為、冥王がうさぎの肩を掴んで思いっきり揺らしていたが。 適当に攻撃を仕掛け、そのまま逃げに徹する。現状はそれが最も得策だと。 けれど、此処はデュエルと言う名のバトルロワイアルの舞台─── 「かめはめ波ッ!!」 うさぎが乱入できるように、他もまた乱入することが可能なのだ。 そこにペナルティなどなく、純粋な暴力がレッド・デーモンズの胴体を貫いた。 →
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レグナードにおける戦士は現状結構不遇とみられる。 主に、パラディン抜き構成での被弾時のリスクを軽減する真やいばくだきの活用がメインとなります。 両手剣自体はドラスラで特攻ダメージは出せるものの、 ミラクルブーストや必殺全霊が打てるバトルマスターと比較するとやはり劣ってしまう。 対レグナードに斧自体が不遇なのが戦士不遇にも繋がっている。 立ち回り方 野良での戦士の立ち回りに多く見られるのがブレス盾を装備して100から0まで戦い続ける戦士がまれにいますが 基本的にブレスを吐かせる立ち回りになってしまい、味方に迷惑をかける他、 2回行動の誘発で非常に危険なので避けた方が無難と言える。