約 3,693,354 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1674.html
前ページ次ページゼロのアトリエ 倒れ伏した少女二人を、見つめるものが二人。 「わが娘がまさか、虚無の担い手とは…」 高貴さを身に纏った紳士が、深い動揺を強い意志で覆い隠して呟く。 倒れ伏したうちの一人、黒髪の少女の手を取り、『固定化』のルーンを唱え、発現する。 「財務監督官殿、これは…」 心配そうな声で話す老齢の剣士に、財務監督官と呼ばれた男は動揺のかけらさえも見せずに説明した。 「『固定化』の応用です。これで全てを…そう、全てをなかった事にできるでしょう」 そう言った彼の視線と、剣士の視線が絡まり合い、無限とも思えるほどの時が流れ… やがて、剣士は黒髪の少女を背負うと、財務監督官の脇を通って、ゆっくりと歩き出した。 「ミセス・エスメラルダ」 その背中に、声がかかる。 「願わくは…願わくは、娘達の『虚無』の力が振るわれることの無い様、願っております」 エスメラルダは歩を止めることなく、確かな声で答えた。 「願わくは、娘達の生涯が平和のうちに過ぎ去るよう…」 大国の財務監督官と、外国の剣士。二人の生涯は二度と交わることなく過ぎ去ることになる。 だが、その娘達は。娘達の生涯は今まさに交錯し、物語の幕を開ける。 それは誰もが知り、誰も信じない。 ハルケギニアの正義、愛、友情…全てを表す、そんな物語。 ゼロのアトリエ 32 ~イーヴァルディの勇者~ 南の森に逃げれば安全だ。タルブの村人誰もがそう考えていたが、その希望は儚くも打ち砕かれた。 略奪に乗り遅れたアルビオン兵が隊伍を組んで、南の森に向かうのを見たものがいたのだ。 村人は一気に恐慌状態となり、なりふりかまわず自分が安全と思う場所、自分だけが見つけていた最後の場所に向かう。 普段人の入らぬ森の中、村人達はたやすく互いを見失い、また、互いの立てる音に対して疑心暗鬼に陥り… 一人、また一人と孤立して、悲鳴だけを残して消息を絶つ。 混乱の中、家族とはぐれてしまったシエスタは、やはり自分が考えていた最後の隠れ場所… 祖母の使った廃屋へと足を向ける。確実に隠れられるという合理性よりも、 何だか安心できるという非合理の方が、今のシエスタには必要だったから。 「ここなら絶対大丈夫…大丈夫だから…」 自らに言い聞かせるようにそう呟いて、廃屋に足を踏み入れたシエスタが見たのは、あまりにも意外な客。 そこにいるはずのない人外の存在が、部屋の片隅に鎮座している。 「よう」 ヴィオラートの背にあるはずのデルフリンガーが、状況と比べるとあまりにも軽すぎる挨拶を発した。 「相棒を『忘れて』いくなんてひどいと思わねえか?」 ちっとも深刻に聞こえない、演技臭い調子でうそぶくデルフリンガーに、 シエスタは思わずいつもの調子で問いかける。 「あ、あの…ここで、何をしてらっしゃるんですか?まさか本当に、忘れられて…」 「あいつはよお、何考えてんだかわかんねえが、俺様を本気で忘れるほど間抜けだとも思えねえ」 「だから、何か意味があるんだろうよ。俺様が今ここにあることによ」 それだけ言うとデルフリンガーにしては珍しく、黙り込んだ。 シエスタはデルフリンガーと話したことで少し冷静になり、デルフリンガーの脇に座り込むと、 自分の果たすべき役割について思いを巡らせた。自分には魔法など使えないし、祖母のような強さもない。 ただ、メイドとして学院にいただけで、できることといえばヴィオラートに教わった錬金術、 それも何時間もかけてようやく魔法のケーキを作り出せるだけ。今ここでシエスタにできることは…多分ない。 大切な家族の命を守ることさえできない、無力な平民。それがシエスタの全てだ。 でも、こんな自分でも、デルフリンガーを確保して略奪から守ることぐらいはできるかもしれない。 ほんの少しの善意から、シエスタは何気なく、本当に何気なくデルフリンガーに手を伸ばし、掴む。 緊張が抜けていなかったのか、弾みで、勢いよくデルフリンガーが抜き放たれた瞬間―― シエスタの左手が輝き、何かが…手の甲を覆っていた何かが吹き飛ぶ。 その下には、虚無のルーンが。虚無の使い魔たる証の、ガンダールヴのルーンが描かれていた。 柄の部分を、おそらくはあんぐりと開けて、デルフリンガーは思わず叫んだ。 「これは…そうか、『固定化』か!それに…もう一つ虚無の…」 デルフリンガーは少し間をおくと、ようやく思い当たってもう一度、叫ぶ。 「『忘却』だな!おでれーた!全部忘れてたってわけだ!」 ようやく本来の『使い手』を見つけたデルフリンガーはおおはしゃぎでシエスタを煽る。 「そうか、あいつはこれを見越してたってわけか!とんだ策士だ!いや、錬金術師か?どっちでもいいけどな! 嬢ちゃん!お前さんには戦う力がある!さあ、俺を使いな!ガンダールヴ!あいつらやっちまおうぜ!」 しかし。しかしシエスタはそれには答えず、デルフリンガーを抱えて、震え始めた。 「嬢ちゃん?」 「私…戦いなんてできません!な、何かの間違いなんです、こんな私が、伝説の使い魔だなんて…」 それだけ言うと、シエスタは廃屋の隅にちぢこまって、あたりの木片や枯れ草で自分を覆い始めた。 「そうか。手前が戦わねえってんなら仕方ねえ、このまま隠れるとするさ。何しろほれ、 いくら伝説って言っても俺様しょせん剣だからな。『使い手』様には逆らえんよな」 二人の会話はそこで途切れ、静まり返った廃屋に、外からの微かな音が容赦なく響き渡る。 幼い子供のかすかな悲鳴。どこかの民家が消失し、崩れ去る音。 アルビオン兵の下卑た歓声と、村人の慟哭。 何かを懇願する泣き声と、それに続く断末魔の叫び――― 「いや…いや…」 シエスタは悲惨な現実から逃げるように頭を振りながら、顔を伏せた。 廃屋の隅に丸まってすすり泣くシエスタに、デルフリンガーは淡々と、穏やかな声で語りかける。 「なあ嬢ちゃん。逃げたって変わんねえのさ。いや、逃げたら最悪の結果が出るのを待つだけになるぜ」 シエスタはゆっくりと顔を上げて、泣きはらした目をデルフリンガーに向けた。 「ぶっちゃけ、あいつらは村の奴らの命なんてどうも思ってねえからな。やべえって言やあ、村人全員だな。 最悪全滅だ。もちろん、嬢ちゃんも含めての話ね、これ」 シエスタの顔が、絶望に覆われて深く沈みこむ。しかし、デルフリンガーは構わずに先を続ける。 「そりゃ恐えよな、命張るんだからよ。できりゃ戦いたくねえってなあそりゃ真理だ」 シエスタは暗い顔をしたまま、しかし、デルフリンガーの話の続きを待って、わずかに顔を上げた。 「俺の昔の相棒だって、そりゃ逃げたこともあったよ。かなわねえ相手に考えもなく突っかかるなんざ、 馬鹿のする事だってさんざん愚痴こぼしてたのは俺自身だよ。逃げるのは、悪いことじゃねえと俺も思うよ」 デルフリンガーはそこで間をおくと、声のトーンを徐々に上げる。 「でもな。馬鹿がいねえと何も始まらんのさ。ただ強え奴が、好き勝手するだけになっちまう」 シエスタの顔が徐々に上を向いて、その瞳に、わずかな光がともりはじめた。 ついに大声になって、デルフリンガーは叫ぶ。 それは彼とその相棒が、場所を変え、時を変え、役者を変え…繰り返し見てきたこと。 長い時を過ごしたデルフリンガーが悟った、彼の真理。 「戦える奴の後ろには、いつだって守りたい奴がいるんだよ!」 「!」 「手前には、守りたい奴はいねえのか!?命賭けても守りてえ、命賭けるに値する、大切な奴は! それとも、命を賭けるに値しねえか?手前の命の方が価値が高いか?手前の育った、村の全てよりよ!!」 その説教が。デルフリンガーの、全てを賭けた説得が、ようやくシエスタの心に変化をもたらした。 シエスタは立ち上がり、自分を覆っていたみじめな木片と枯れ草を振り払うと、凛とした顔で言い放つ。 「…私なら、勝てるんですね?祖母のように戦って、村を救えるんですね?」 「そうだ、戦に勝つのはあの錬金術師がやってくれる。でもな、今この村を守れるのは、手前ぇだけしかいねえ」 シエスタは決意を込めて立ち上がり、窓から漏れる怒号、叫び、悲鳴…全てを跳ね返すような強靭な声で誓う。 「村の全て…それで私は命を賭けます、賭けられます!」 シエスタは廃屋に駆け込んだ時とは様変わりした足取りで扉の前に立つと、デルフリンガーを一閃し、 閉じられた扉を切り放った。外に出て、素早く辺りを見回す。 一、二、三…ちらりと確認しただけで、森の中に十を超えるアルビオン兵が見える。 シエスタは怯え、思わず震えを抑えきれなくなるが…村の人の、家族の、そして…祖母の笑顔を想い、 その震えを無理矢理に押さえ込むと、動揺を隠した声でデルフリンガーに尋ねた。 「デルフリンガーさん。信じて…いいんですね?」 「おう、俺にまかせときな。何しろほれ、俺様伝説だしな。最初はほれ…あいつらなんてどうでえ?」 その先には、『戦利品』片手に談笑しているアルビオン兵三人が見える。 「三人…いえ、その、最初はもっとその…お手軽なところから行ったほうがいいんじゃないかと…」 伝説といえど、さすがに三人のメイジを相手にするのはきついんじゃなかろうか? シエスタの不安を、デルフリンガーは軽く笑い飛ばすと、自信を持って予言した。 「でえーじょうぶだって。何、お前さんなら一瞬でカタぁつけられるぜ?ほれ、あるだろ? ガキの頃憧れてたあの技やらその技やらなんかよ?」 「…使えるんですか?」 憧れて見ていただけなのに、この剣は、シエスタにもその技が使えると言ってのけたのだ。 「え?ああ、そうだぜ、どんな技でも、俺様が使えるように補助してやるぜ?」 実は、デルフリンガーは適当に、シエスタに自信を付けさせようとほらを吹いただけなのだが… その嘘が、シエスタに絶対的な自信を与えた。あの技が…自分に使えるなら。 祖母の技が使えるのなら、兵士の十や二十はものの数ではない。 「…おい、嬢ちゃん?」 シエスタの異変に気付いたデルフリンガーは、思わずそう問うたが… その時既に、シエスタはデルフリンガーを上段に構え、人間を超越した迅さで駆け出していた。 アルビオン兵三人は、そんなシエスタを見ても真剣に反応せず、ただの村娘と侮り、 適当に魔法を詠唱して黙らせようとした。 しかし。その魔法は全てシエスタの構えた剣に打ち消される。 そこまで来て彼らは初めて不可解な顔を浮かべ、次いで真剣さを取り戻して距離をとろうと試みたが… 全ては手遅れだった。 見える。三人をつなぐ線、全てをなぎ倒す多対一の間合い… 「メル…ブリッツ!」 まさに迅雷、そう表現するしかない剣閃が通り抜けた後に。 あわれなアルビオン兵三人が、同時にくず折れる。 太陽は既に傾き始め、森の中は午後の日差しに覆われていた。 その森を見下ろす岩棚に、ただじっと辺りを見やる人影が二つ。 アルビオン軍から隠れながら移動を続け、今ようやくタルブに到着したルイズとヴィオラートがいた。 「ねえ、ヴィオラート。こんな所で何をしようって言うの?」 「まだ…もう少し。ルイズちゃんが全てを決める時が、必ず来るから」 何度も繰り返されたヴィオラートの曖昧な説明にルイズは不承不承頷き、 即席のテーブルに置かれた『始祖のオルゴール』と『カリヨンオルゴル』を撫で回す。 その二人はただそこで、その時が来るのを待ちつづける。 マチルダ・オブ・サウスゴータが森の中で目にしたものは、 左手を光らせた剣士が、一人、また一人とアルビオン兵を屠る姿だった。 (お友達は、左手にルーンが…) 平民、黒髪、そして左手に描かれたルーン。 こんな偶然があるものか、助けようと思っていた平民の中にティファニアの『お友達』がいて、 その『お友達』が目にも止まらぬ速さでメイジたちを倒し続けて… シエスタの動きを追ったマチルダの視界の隅に、銃を構える兵士の姿が映る。 貴族のプライドを捨ててでもシエスタを仕留めるつもりか。…今さら。 マチルダは反射的に『錬金』を唱え、シエスタを狙う銃を土くれに変成させた。 「ミス…?」 シエスタは訝しげに振り返り、その瞳にかつての知己『ミス・ロングビル』の姿を映す。 フーケ騒動の後、いつのまにか消えていた… 後になって噂を聞いただけのシエスタにはそうとしか感じられなかった『ミス・ロングビル』が、 何故こんな所で錬金を唱えているのだろうか? 「ああもう!もっと派手に登場するつもりが…習慣ってのは怖いもんだね」 マチルダはそれだけ言って、シエスタの死角をカバーするように背を合わせた。 「とりあえず、今は味方だ!いいね!」 「はい!」 たしかに、シエスタも「フーケ」の噂は聞いたが、 シエスタにとって、それはまるで絵空事のような出来事であった。 シエスタが接したのは、『ミス・ロングビル』の姿だけ。「フーケ」を確認した事は、一度もない。 だから、シエスタはフーケに対してのわだかまりを全く持っておらず、 持っていなかったので、あっさりと共闘に同意した。 最強の前衛、ガンダールヴの力を限界以上に引き出したシエスタと、 それを補佐する後衛、まがりなりにもトライアングルのマチルダ・オブ・サウスゴータ。 二人はがっちりと絡み合い、タルブの森を駆ける。 その前には常に敵を捉え、捉えられた敵は数瞬を置かずに倒れ伏し、 シエスタを捉えようとした兵器は一瞬にして土くれへと変わる。 一人を墜とす度にその精度は完成形を超え、やがてそれは事実上の戦線となってアルビオン兵を食い止める。 散り散りになっていた村人たちが、始めは恐る恐る、やがて堂々とシエスタの後に集い出した。 「いいぞ!いいぞ相棒!そう!その調子だ!思い出したぜ!」 村を守りたい。自分の血が沸き立つのを感じる。 「俺の知ってる『ガンダールヴ』もそうやって力を溜めてた!いいか相棒!」 左手の虚無のルーンが、歓喜に打ち震えるように輝きを増した。 「『ガンダールヴ』の強さは心の震えで決まる!怒り!悲しみ!愛!喜び!」 まるで生まれる前から知っていたように、体が動く。 「なんだっていい!とにかく心を震わせな、俺のガンダールヴ!」 習った事のない…受け継がなかったはずの剣技が、シエスタを導き。 「忘れるな!戦うのは俺じゃねえ!俺はただの道具に過ぎねえ!」 封印された、いや、使われなかった血の記憶が解き放たれる。 「戦うのはお前だ!ガンダールヴ!お前の心の震えが、俺を振る!」 森の木々の間を抜けて、空に、巨大なグリフォンが舞い上がった。 ワルドより下賜された…ワルドのグリフォンに乗った兵士が、空からの奇襲を試みたのだ。 だが。この期に及んで彼は、貴族と平民という概念に囚われていたのであろう。 平民は貴族にかなわない…その根拠のない傲慢な判断が致命的ミスとなった。 シエスタを敵と認めていれば、正面から突っ込むという愚策をとることはなかったろうに。 シエスタは横薙ぎに剣を構え、遥か過去の記憶を呼び覚ます。 祖母がシエスタの前で一度だけ見せた必殺剣。いつか使えたらいいと、幼き心に刻み込んだ憧憬。 剣聖グレイデルグが編み出せし究極の剣技、その子孫の血の中に眠る――― 「アイン、ツェル…カンプ!!」 交錯。 そして。 巨大なグリフォンが、轟音と共にシエスタの背後に墜落した。 木々を巻き込み、無謀なる騎乗者と共に迎えたその最後の戦いはあまりにも哀れで、滑稽で、 そして、美しかった。 その光景を目の当たりにした村人たちの間に、ある一つの幻想が浮かぶ。 誰もが知り、そして誰もが信じない。ありえないはずの奇跡。 「……イーヴァルディ……」 誰かが、そう囁いた。 「イーヴァルディの、勇者だ」 そう呟いた。 幻想は燎原の炎となり、それを信じたい者達の間を駆け巡る。 新たなるイーヴァルディの伝説が、生まれようとしていた。 前ページ次ページゼロのアトリエ
https://w.atwiki.jp/wiki2_sinsei/pages/1.html
https://w.atwiki.jp/blueinm/pages/292.html
【アトリエ(淫夢)】 概要 一覧 現役走者兄貴 走者兄貴達(順不同) 概要 アトリエ(淫夢)を理解する上で必要な用語をまとめるWiki内Wikiです。 こ↑こ↓の隆盛具合によって分離するか統合するかこのまま行くか決まります。(多分) 一覧 FiRSN/AR-18RA姉RIZ アトリエうにお肉お野菜くりコルちゃんにんじんふとももマーレン姉妹ラブリーフィリスルーシャ・ヴォルテールレズナ 赤ちゃん錬金釜爆弾魔法錬金術錬金術士 ライザのアトリエリディー&スールのアトリエレスレリアーナのアトリエユミアのアトリエ 現役走者兄貴 カップの納豆 兄貴(ライザのアトリエ2) 走者兄貴達(順不同) me 兄貴(ソフィーのアトリエ) me 兄貴(ロロナのアトリエ) カップの納豆 兄貴(ライザのアトリエ) イシリアヌス兄貴(me兄貴)(アーシャのアトリエ) イシリアヌス兄貴(me兄貴)(エスカ&ロジーのアトリエ)
https://w.atwiki.jp/niconicojikyouplay/pages/218.html
【ゲーム】エリーのアトリエ(PS) 【作者名】あさくら 【完成度】完結(08/04/01~08/05/21) 【動画数】39 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/5926802 【備考】 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gods/pages/122547.html
トーマススケールズ(トーマス・スケールズ) イングランド貴族のリヴァーズ伯爵の系譜に登場する人物。 第7代スケールズ男爵。 関連: ロバートドスケールズ (ロバート・ド・スケールズ、父) エリザベススケールズ (エリザベス・スケールズ、娘)
https://w.atwiki.jp/seameteo/pages/92.html
練習ページにもあるけど作ったのだ お絵かきするのだ!しまくるのだ! 現在、paint_bbsプラグインはご利用いただけません。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1133.html
前ページ次ページゼロのアトリエ 「さてと、皆さん」 この間まで、城下に裏切り者が!すわトリステインの一大事!と怯えていたコルベールも、最近はようやく落ち着きを取り戻して、いつもののんきな彼に戻っていた。 もともと彼は政治や事件にはあまり興味がない。 興味があるのは、学問と歴史と…研究である。 だから彼は授業が好きだった。自分の研究の成果を、存分に開陳できるからである。 そして本日、彼は嬉しそうに、でんっ!と机の上に妙なものを置いた。 「それはなんですか?ミスタ・コルベール」 生徒の一人が質問した。 果たしてそれは、妙な物体であった。長い円筒状の金属の筒に、これまた金属のパイプが延びている。 パイプはふいごのようなものに繋がり、円筒の頂上には、クランクがついている。 そしてクランクは円筒の脇にたてられた車輪に繋がっていた。 そしてさらにさらに、車輪は扉のついた箱に、ギアを介してくっついている。 一体何の授業をおっぱじめる気だろう?と、生徒達は興味深くその装置を見守った。 「えー。『火』系統の特徴を、誰かこの私に開帳してくれないかね?」 コルベールはそう言って、教室を見回す。教室中の視線がキュルケに集まった。 ハルケギニアで『火』といえばゲルマニア貴族であり、その中でもツェルプストー家は名門である。 彼女自身も『微熱』という二つ名が表す通り、『火』の系統が得意なのであった。 キュルケは授業中だというのに爪の手入れを続けながら、気だるげに答える。 「情熱と破壊が『火』の本領ですわ」 「そうとも!」 自身も『炎蛇』の二つ名を持つ、『火』のトライアングルメイジであるコルベールは、にっこり笑っていった。 「だがしかし、情熱はともかく、『火』が司るものが破壊だけでは寂しいと、このコルベールは考えます。諸君、『火』は使いようですぞ。使いようによっては楽しいことができるのです。 いいかねミス・ツェルプストー。破壊するだけじゃない。戦いだけが『火』の見せ場ではない」 「トリステインの貴族に、『火』の講釈を承る道理がございませんわ」 キュルケは自信たっぷりに言い放つ。しかしコルベールは動じずに、笑顔を浮かべるだけだ。 「でも、その妙なからくりは一体何ですの?」 実は気になっていたのか、キュルケが机の上の装置を指差す。 「うふ、うふふ。良くぞ聞いてくれました。これは私が発明した、油と火の魔法を使って動力を得る装置です」 クラスメイトはぽかんと口を開けて、その妙な装置に見入る。 ヴィオラートは持ち前の好奇心を発揮し、身を乗り出してその未知の機械を注視した。 「まず、この『ふいご』で油を気化させる」 コルベールはしゅこっ、しゅこっ、と足でふいごを踏む。 「すると、この円筒の中に気化した油が放り込まれるのですぞ」 慎重な顔で、コルベールは円筒の横に開いた小さな穴に杖の先端を差し込み、呪文を唱える。 すると、断続的な発火音が聞こえ、発火音は、続いて気化した油に引火し、爆発音に変わった。 「ほら!見てごらんなさい!この金属の円筒の中では、気化した油が爆発する力で上下にピストンが動いておる!」 すると円筒の上にくっついたクランクが動き出し、車輪を回転させる。 回転した車輪は箱についた扉を開く。するとギアを介して、ぴょこっぴょこっと中からヘビの人形が顔を出した。 「動力はクランクに伝わり車輪を回す!ほら!するとヘビくんが!顔を出してぴょこぴょこご挨拶!面白いですぞ!」 生徒達は、反応薄げにその様子を見守っている。ヴィオラートだけが、熱心にそれを見ていたようだ。 誰かがとぼけた声で感想を述べた。 「で?それがどうしたって言うんですか?」 コルベールは自慢の発明品が、ほとんど無視されているので悲しくなった。咳払いを一つして、説明を始める。 「えー、今は愉快なヘビくんが顔を出すだけですが、たとえばこの装置を荷車に載せて車輪を回させる。 すると馬がいなくても荷車は動くのですぞ!たとえば海に浮かんだ船の脇に大きな水車をつけて、 この装置を使って回す!すると帆がいりませんぞ!」 「そんなの、魔法で動かせばいいじゃないですか。何もそんな妙ちきりんな装置を使わなくても」 生徒の一人がそう言うと、皆そうだそうだとばかりに頷きあった。 「諸君!よく見なさい!もっともっと改良すれば、何とこの装置は魔法がなくても動かすことが可能になるのですぞ! ほれ、今はこのように点火を『火』の魔法に頼っておるが、例えば火打石を利用して、断続的に点火できる方法が見つかれば…」 コルベールは興奮した調子でまくしたてたが、生徒達はまったく興味なさげに囁きあうだけ。 コルベールの発明のすごさに気付いているのは、教室中捜してもヴィオラートのみであったようだ。 「コルベール先生、それ、すごいです!その発明は、世界を変えるかもしれません!」 ヴィオラートは思わず立ち上がって、叫んだ。教室中の視線が一気に注がれる。 「おお、ミス・プラターネ!やはり、気付く人は気付いておる!」 コルベールは、彼女が確か伝説の使い魔『ミョズニトニルン』であったことを思い出した。 フーケの騒ぎで、しばらく記憶の奥底にしまわれていたが… コルベールはあらためて、ヴィオラートに興味を抱いた。 「その車輪を回す仕組みは、水車だけじゃなくて滑車、歯車にも応用できます」 「おお、さすがですな!一見しただけでそこまで解って頂けるとは!」 ヴィオラートの意見に、コルベールは目を輝かせて感嘆の声を上げる。 コルベールの発明を理解し、なおかつそれを補足してくるような女性はこの世界には、すくなくとも彼の周りには存在しなかった。あまりの感動に、思わずコルベールは目を潤ませて言う。 「失礼、続けてください」 彼が目頭を押さえる様子を不思議そうな顔で見守っていたヴィオラートが、さらに言葉を重ねる。 「その発明は、二つの点で今までになかった効果をもたらすと思います」 「ほう、二つの効果とは?」 「一つは、燃料さえあれば休みなく同じ仕事をしてくれるという事。例えば…そうですね、 溶鉱炉と繋げれば、大量のインゴットを休みなく得ることができるかもしれません」 「うむうむ」 「もう一つは、魔法がいらないって所です。魔法の使えない…平民の方々だけで、何かを創りあげる事ができます」 「いやいや、さすがにそこは手助けが必要ではないかね?」 「必要なのは経験と、知識だけです。この装置が完全なら、手助けは必要ないとは思いますが…」 「ん?」 「この発明の重要なポイントである、魔法がいらない…という部分が中途半端な完成度になっています」 「む…」 「そこを省略しては、この発明の価値が半減すると思うんですけど…」 「うーむ…」 コルベールは思わず唸った。ヴィオラートの指摘は、まさに彼が後回しにした箇所だったのだ。 上手い具合に点火する方法が、いくら考えても思いつかなかったからなのだが… 「それで、ですね…火をつける手段なら、いくつか知ってるので…」 ヴィオラートは黒板に装置の概観を書き、その脇にいくつかのアイテムとその名前を並べ始めた。 「これと、これを組み合わせて、ここに歯車を使ったら…でも、問題点がいくつかあって…」 コルベールは立場を忘れ、思わずヴィオラートの解説に聞き入ってしまう。 「で、これはタイタニウムを使えば解決可能なので…」 「ほう、タイタニウムとは何だね?」 授業そっちのけで独演会を始めてしまったヴィオラートと、 それを止めもせず逆に教えを請うかのように拝聴し、ついには技術者二人による検討会に突入したコルベール。 二人が我に帰ったのは、次の授業が始まり、入ってきたギトー先生が青筋を立てて怒鳴り散らした後だった。 アルビオンから帰還した後、ルイズは今まで以上に積極的に錬金術を学ぶようになった。 ヴィオラートに対してわずかに保っていた貴族としての体面や対抗意識が完全に打ち砕かれ、錬金術だけではなく人生の師としても学ぶものは大きい、という結論に達したのがその理由だ。 今までは嫌がっていた土に触れる作業や溶鉱炉を使う作業も、むしろ楽しそうにこなすようになった。 その結果、ルイズはインゴットや宝石の加工に意外な才能を発揮することになる。 「できたわ…完成よ!」 ルイズの目の部分に、極上品のメルクリウスの瞳がかけられていた。 「ルイズちゃんすごい!こんなに早くメルクリウスの瞳を作れるようになるなんて、あたしよりすごいかも!」 「そ、そう?」 ヴィオラートの賞賛の言葉に、顔を赤らめて答えるルイズ。 しかし次の瞬間、何かを思いついたような顔になってヴィオラートをじっと見つめる。 「どうしたの?」 怪訝な顔をするヴィオラートに、ルイズはにやりとした笑みを向けて言い放つ。 「ヴィオラートの、体重はよんじゅう…」 「わわわっ!だ、駄目だってば!ルイズちゃん!」 慌てふためくヴィオラートの様子を見て、ルイズは屈託のない笑い声を上げた。 「もー、ルイズちゃんったら」 思わず二人が笑いあったとき、声がかけられる。 「ヴィオラート、できたわよ、ほら」 赤い爆弾を三つほど小脇に抱えたキュルケだった。 その脇には試験管を持ったタバサと、バスケットを持ったシエスタが控えている。 ヴィオラートはまずキュルケの持った爆弾を注意深く受け取ると、あちこちひっくり返して点検を始めた。 「範囲を広くする効果がついてるね」 「そうよ。どうせなら一つで全部終らせたいじゃない?」 「この上の調合を考えると、広くするより狭くする効果をつけた方が便利なんだ。これも駄目って訳じゃないけど」 「へえ、そうなんだ。じゃあ上を見据えて、作り直してこようかしら…」 キュルケは爆弾を回収すると、作業場に戻って行った。 タバサは無言で、たった一つ琥珀色の液体の入った試験管をヴィオラートに手渡す。 「もう琥珀湯は完璧だね。次は…『たしなみ』でも作ってみようか?」 ヴィオラートのその言葉に素直に頷き、タバサは時間を惜しむように作業場へと戻る。 タバサは薬に一種異様なまでの関心を示し、めきめきと薬作りの腕を上げていた。 ヴィオラートはその熱意が加熱しすぎないように、うまく加減して技術を伝える事にしている。 「あ、あの、ヴィオラートさん、本当に私なんかが参加させていただいて…いいんでしょうか?」 遠慮がちに発言するシエスタに、ヴィオラートは優しく声をかけた。 「うん。むしろシエスタちゃんにはぜひ参加して欲しいんだ。錬金術に身分は関係ないってこと、証明して欲しいから」 「は、はい!頑張るます!」 気負いすぎた返事を返して、シエスタはバスケットを突き出す。中には、ミルクを使ったケーキが並べられているようだ。 「うん、いい小麦粉を使ってるみたいだね。品質もいいし、これなら一気に疲れが取れる効果があると思うよ」 「ほ、本当ですか?本当に私がそんな、立派なアイテムを…」 「そうだよ。ちょうどいいから、みんなが戻ってきたら休憩にしよっか?」 「はい!」 シエスタはテーブルの上を片付けてケーキを五つ並べ、用意していた紅茶をバスケットの底から取り出す。 「ねえ、ヴィオラート」 ルイズは紅茶の用意を始めたシエスタをちらりと見た後、錬金術書を広げて言った。 「ん?何かな?」 「次は、これを作ってみたいんだけど…」 ルイズがそう言って指差したのは、高度な技術を必要とする『カリヨンオルゴル』。 ルイズの今のレベルだと、『多分大丈夫だと思うんだけどな』というぐらいの難易度のアイテム。 「ルイズちゃん、失敗するかもしれないよ?」 一応、ヴィオラートはそう忠告するが、ルイズの決意は予想以上に固かったようだ。 「決めたわ!何だかこれを作らなきゃいけない気がするもの!」 目を爛々と輝かせて主張するルイズを止める気にはならなくて、ヴィオラートは結局やらせてみることにする。 自分だって、何回も失敗して技術を磨いたのだ。もし失敗しても、それはきっとルイズの糧となるはず。 そう考えた自分の思考に、なんだかまるで自分が先生になってしまったような気がしたので、ヴィオラートは自嘲気味に笑ってルイズを見つめる。 ルイズは張り切って、錬金術書をめくり続けていた。 前ページ次ページゼロのアトリエ
https://w.atwiki.jp/porepole3/pages/109.html
■子どもの日について 本日は子どもの日です。 藩国と帝國の未来を担う子ども達が健やかに育ち、幸福となることを願いましょう。 またそれに伴い、子どもを守り育てる家庭に対しても深く感謝し、敬いましょう。 それに伴い、政府から国内の子どもおよびご家庭に対してお祝いとして、祝菓子を配布したいと思います。 この菓子に関しては“甘露祭”優勝者であるジョン・スミス氏に考案していただきます。 また、子どもの日の期間中、白亜宮および天球市・第0番区にて騎士専用機“Antares”を一般公開します。 これは、この騎士専用機を駆る騎士の様な、素晴しい人物になって欲しいという願いを込めてのことです。 なお、藩王より国民の皆様に向けてのメッセージがあります。 ★藩王よりのメッセージ 国民の皆様、セタ・ロスティフンケ・フシミです。 本日、子どもの日は明日未来を担う子どもたちが健やかに、そして幸せに育てるように願を掛ける日であります。 子ども、明日を担う存在である彼ら彼女らは掛け替えの無い宝です。 どうか、今日は各々のご家庭でお子様を祝ってあげてください。 また、近所に子どもがいる地域でも同様に訳隔てなく子どもを慈しみ、今日の善き日を過ごして下さい。 これは、藩王として、またこの国を愛う一人の人間としてのお願いです。 そして、この声を聞いている“ともだち”のみんなも、君たちを大事にしてくれる家族と近所のみんなにお礼を言ってくださいね。 では、皆様、どうか善き日をお過ごしください。
https://w.atwiki.jp/elvis/pages/994.html
たま・はな 5 (5) 安原 いちる? 国家の大義 世界が賞賛したこの国のかたち 前野 徹? 同級生 東野 圭吾? Akira (Part1) 大友 克洋? Akira (Part2) 大友 克洋? School Rumble Vol.11 (11) 小林 尽? おいピータン!! 8 (8) 伊藤 理佐? エミリーの不在(下) ピーター ロビンスン?野の 水生?Peter Robinson? スミレ・17歳!! 1 (1) 永吉 たける? コスプレ・アニマル 2 (2) 栄羽 弥? 人生の旋律 死の直前、老賢人は何を教えたのか? 神田 昌典? 宿命 東野 圭吾? イカロスの山 2 (2) 塀内 夏子? 新しい高校化学の教科書 左巻 健男? VoCE (ヴォーチェ) 2006年 08月号 [雑誌] http //logbord.lolipop.jp/asin/Books/B000G5S1SC/? 超空転神トランセイザー 1 (1) 美川 べるの? 甘い指先 アリソン・ケント?上中京? イラスト完全版 イトシンのバイク整備テク 伊東 信? capeta カペタ 10 (10) 講談社コミックス―Monthly shonen magazine comics (KCDX2131) 曽田 正人? ヤング島耕作 4 (4) 弘兼 憲史? 墜落遺体―御巣鷹山の日航機123便 飯塚 訓? ツバサ―Reservoir chronicle (13) CLAMP? 神の雫 4 (4) オキモト シュウ?亜樹 直? BLAME!and so on―弐瓶勉画集 弐瓶 勉? 頭文字(イニシャル)D (32) しげの 秀一? ジパング (21) かわぐち かいじ? 美肌革命 ―お金をかけずにきれいになる― 佐伯チズ? 蒼穹の昴(2) 浅田 次郎? ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹 西尾 維新? Akira (Part 5) 大友 克洋? 太陽と月の背徳(下) 高岡 ミズミ?水名瀬 雅良? ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 西尾 維新? ザ・チョイス 人生を決める16の選択 C.J. マクスウェル?齋藤 孝? コスプレ・アニマル 3 (3) 栄羽 弥? 大人問題 五味 太郎? ヒストリエ 3 (3) 岩明 均? 紅匂ふ 3 (3) 大和 和紀? ピアノの森―The perfect world of KAI (11) 一色 まこと? 中世ヨーロッパの城の生活 ジョゼフ ギース?フランシス ギース?Joseph Gies?Frances Gies?栗原 泉? 神の雫 3 (3) オキモト シュウ?亜樹 直? ルドルフとイッパイアッテナ 杉浦 範茂?斉藤 洋? ゴーストハント 9 (9) いなだ 詩穂?小野 不由美? プラネテス (2) 幸村 誠? COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 7/6号 [雑誌] http //logbord.lolipop.jp/asin/Books/B000BWRFD2/? センゴク 9 (9) 宮下 英樹? Akira (Part4) 大友 克洋? きみはペット 13 (13) 小川 彌生? はるか17 (Volume11) 山崎 さやか? 漢式青春ばくはつ劇場 3 (3) 美川 べるの? 図解 マナー以前の社会人常識 岩下 宣子? 「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ 増田 直紀?今野 紀雄? 神の雫 2 (2) オキモト シュウ?亜樹 直? プラネテス (1) 幸村 誠? プラネテス (4) 幸村 誠? 図解・企業再生のプロが教えるビジネス力速習セミナー(2)企業価値経営 尾田 友志? 闇権力の執行人 鈴木 宗男? ラブやん 6 (6) 田丸 浩史? DVDブック 究極のいい運命へ ― 神とつながれ 森田 健? Ns’あおい (Karte No.10) こしの りょう? KILL WIZARD 1 (1) 水薙 竜唳? Akira (Part3) 大友 克洋? ダーク (上) 桐野 夏生? セルライトがすっきり 美脚痩身術 ナターシャ スタルヒン?Natasha Starffin? 蒼天航路 (36) 王欣太?李 学仁? リズム 森 絵都?金子 恵? おおきく振りかぶって (3) ひぐち アサ? 朝鮮紀行―英国婦人の見た李朝末期 イザベラ・L. バード?Isabella L. Bird?時岡 敬子? きみはペット (12) 小川 弥生? プラネテス (3) 幸村 誠? ホントに美味しいNY10ドルグルメ 間庭 典子? あなたが見えなくて ダイアナ・パーマー?香野 純? 誰も寝てはならぬ 1 (1) サラ イネス? おおきく振りかぶって (Vol.5) ひぐち アサ? ああっ女神さまっ (31) 藤島 康介? Akira (Part 6) 大友 克洋? 生徒諸君! (教師編8) 庄司 陽子? 太陽系シミュレーター Solar System Simulator Project? とくべつないちにち イヴォンヌ ヤハテンベルフ?Yvonne Jagtenberg?野坂 悦子? ヨコハマ買い出し紀行 12 (12) 芦奈野 ひとし? ジーコ セレソンに自由を 増島 みどり? 心の傷を癒すカウンセリング366日―今日一日のアファメーション 西尾 和美? マンガ 化学式に強くなる―さようなら、「モル」アレルギー 高松 正勝?鈴木 みそ? ダーク (下) 桐野 夏生? 気の経絡指圧法・安らぎのツボ 実技篇 遠藤 喨及? 株セレブ ニートから億万長者になったオレの方法 石田 高聖? 桜宵 北森 鴻? 誰も寝てはならぬ 3 (3) サラ イネス? 究極の身体 高岡 英夫? 巌窟王 1 前田 真宏?有原 由良? 蒼穹の昴(3) 浅田 次郎? あひるの空 Vol.11 (11) 日向 武史? 蒼穹の昴(4) 浅田 次郎? 機関車先生 伊集院 静? 黒と茶の幻想 (下) 恩田 陸? スイス時計の謎 有栖川 有栖? ママ、ひとりでするのを手伝ってね!―モンテッソーリの幼児教育 相良 敦子? 究極の免疫力 西原 克成? OL進化論 (24) 秋月 りす? 英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方 伊藤 サム? 一緒に遭難したいひと 2 西村 しのぶ? 鼻兎 (01) 小林 賢太郎? 全身「からだ革命」 草刈 民代? クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い 西尾 維新? 魔法先生ネギま! (12) 赤松 健? ハゲタカの饗宴 ピーター タスカ?Peter Tasker?田村 義進? 喧嘩商売 3 (3) 木多 康昭? モテない男のナンパ塾 藤田 サトシ? 文庫版 百器徒然袋―雨 京極 夏彦? 蒼天航路 (35) 王欣太?李 学仁? 新しい高校地学の教科書―現代人のための高校理科 杵島 正洋?松本 直記?左巻 健男? 1973年のピンボール 村上 春樹? アイソパラメトリック 森 博嗣? エリートヤンキー三郎 風雲野望編 4 (4) 阿部 秀司? おおきく振りかぶって (Vol.4) ひぐち アサ? 続・企業参謀 大前 研一? 石の花 (1) 坂口 尚? ゴトー式口説きの赤本 後藤 芳徳? C-blossom (2) KCデラックス 霜月 かよ子?福井 晴敏? 零崎双識の人間試験 西尾 維新? びっくり館の殺人 綾辻 行人? 光武帝(上) 塚本 靑史? 今夜で店じまい[DVD] http //logbord.lolipop.jp/asin/Books/4063645800/? 宮崎 吐夢? 不道徳教育 ブロック.W?橘 玲? 上手なミステリの書き方教えます 浦賀 和宏? CDブック 英会話・ぜったい・音読・入門編―英語の基礎回路を作る本 国弘 正雄?久保野 雅史?千田 潤一? はじめの一歩―The fighting! (74) 森川 ジョージ? 賭博堕天録カイジ 6 (6) 福本 伸行? 誰も寝てはならぬ 2 (2) サラ イネス? ミックスリサ―伊藤理佐傑作集 伊藤 理佐? 世界の名酒事典〈2006年版〉 講談社 地下鉄(メトロ)に乗って 浅田 次郎? インテリアのセンスを磨く172のルール 乱飛乱外 1 (1) 田中 ほさな? むかし僕が死んだ家 東野 圭吾? 魔法先生ネギま! (2) 赤松 健? 統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 ダレル・ハフ?高木 秀玄? 最悪 奥田 英朗? ただマイヨ・ジョーヌのためでなく ランス アームストロング?Lance Armstrong?安次嶺 佳子? もやしもん 3 (3) 特装版 石川 雅之? MEN’Sヘアカタログ (2006年版) 講談社 たたかわないダイエット―わが娘はこうしてスリムになった! 丸元 淑生? 働かずに毎年1000万円稼げる私の「FX」超活用術 野村 雅道? ジャンボ・ジェットを操縦する―B747‐400の離陸から着陸まで 岡地 司朗? きみはペット (11) 小川 弥生? 龍狼伝 第35巻 (35) 山原 義人? おくぞの流簡単・激早 たっぷり野菜おかず229 奥薗 壽子? 黒と茶の幻想 (上) 恩田 陸? 駅前の歩き方 森田 信吾? 江原啓之の365日スピリチュアル・メッセージ―2006年度版ダイアリー 江原 啓之? 極楽青春ホッケー部 4 (4) 森永 あい? ヘルプマン! (4) くさか 里樹? ヒストリエ 2 (2) 岩明 均? クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子 西尾 維新? ヘルプマン! (3) くさか 里樹? 商人道「江戸しぐさ」の知恵袋 越川 礼子? おいピータン!! 7 (7) 伊藤 理佐? ナニワトモアレ 24 (24) 南 勝久? サイバラ茸4 西原 理恵子? School Rumble TREASURE FILE 小林 尽?週刊少年マガジン編集部? 英会話・ぜったい・音読 【続・挑戦編】 國弘 正雄?千田 潤一? サトラレneo 1 (1) 佐藤 マコト? すぐできる 量子化学計算ビギナーズマニュアル 平尾 公彦?武次 徹也? 細野真宏の株・投資信託・外貨預金がわかる 基礎の基礎講座 細野 真宏?マネー経済プロジェクトチーム? 最強のコーチング 清宮 克幸? 完全図解 新しい介護 大田 仁史?三好 春樹? ドキュメント 戦争広告代理店 高木 徹? おおきく振りかぶって (2) ひぐち アサ? School Rumble Vol.10 (10) 小林 尽? パラレルワールド・ラブストーリー 東野 圭吾? 野中広務 差別と権力 魚住 昭? 常務島耕作 (2) 弘兼 憲史? 図解 仕事以前の会社とお金の常識 安本 隆晴? 犯罪被害者の声が聞こえますか 東 大作? ウランバーナの森 奥田 英朗? 解剖男 遠藤 秀紀? センゴク 8 (8) 宮下 英樹? 不思議な少年 (4) 山下 和美? SHADOW SKILL 5 (5) 岡田 芽武? ヨコハマ買い出し紀行 10 (10) 芦奈野 ひとし? 東京トイボックス 1 (1) うめ? 勇午 東京・種子島編 真刈 信二?赤名 修? 淡い輝きにゆれて ダイアナ・パーマー?香野 純? 都会のトム ソーヤ(4) 四重奏 YA! ENTERTAINMENT はやみね かおる?にし けいこ? 七田式子育て理論36年の法則―頭のいい子を育てる「語りかけ」と「右脳あそび」 七田 眞? きみはペット (10) 小川 弥生? 湾岸MIDNIGHT (33) 楠 みちはる? 単位が取れる微積ノート 馬場 敬之? マルクス・アウレリウス「自省録」 M. アウレリウス?鈴木 照雄? 世界一わかりやすいFlash ビバマンボ? 私が彼を殺した 東野 圭吾? こころの対話 25のルール 伊藤 守? 森のうた―山本直純との芸大青春記 岩城 宏之? School Rumble Vol.9 (9) 小林 尽? 猫本(ねこもと) モ-ニング?アフタヌーン? サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄 西尾 維新? 「分ける」こと「わかる」こと 坂本 賢三? 悪女の美食術 福田 和也? トッキュー!! 10 (10) 小森 陽一?久保 ミツロウ? 九十九眠るしずめ 2 (2) 高田 裕三? 石の花 (3) 坂口 尚? おおきく振りかぶって (1) ひぐち アサ? しっかりお肉おかず203―おくぞの流簡単激早 奥薗 壽子? ヨコハマ買い出し紀行 11 (11) 芦奈野 ひとし? ヒストリエ 1 (1) 岩明 均? ピアノの森―The perfect world of KAI (8) 一色 まこと? フィラメント―漆原友紀作品集 漆原 友紀? 新しい高校生物の教科書 栃内 新?左巻 健男? School Rumble Vol.1 (1) 小林 尽? ぼくらのサイテーの夏 笹生 陽子? 五輪書 宮本 武蔵?鎌田 茂雄? マジカノ 6 (6) 百瀬 武昭? 海紡ぐ螺旋 空の回廊 高里 椎奈? あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント 鴻上 尚史? CDブック 英会話・ぜったい・音読―頭の中に英語回路を作る本 国弘 正雄?千田 潤一? 食肉の帝王―同和と暴力で巨富を掴んだ男 溝口 敦? 「分かりやすい表現」の技術―意図を正しく伝えるための16のルール 藤沢 晃治? すてきなひらがな 五味 太郎? ちいさいモモちゃん 松谷 みよ子?菊池 貞雄? 文庫版 姑獲鳥の夏 京極 夏彦? School Rumble Vol.7 (7) 小林 尽? 黄金の最終章 アナトゥール星伝(20) 折原 みと? ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 村上 春樹? 魔法先生ネギま! (11) 赤松 健? 1/2の林檎 4 (4) こやま ゆかり? 溺れるナイフ 3 (3) ジョージ朝倉? うつ病をなおす 野村 総一郎? サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し 西尾 維新? そらトびタマシイ 五十嵐 大介? おせん 11 (11) きくち 正太? 変身 東野 圭吾? 算数の究極奥義教えます―子どもに語りたい秘法 木村 俊一? School Rumble Vol.8 (8) 小林 尽? ピアノの森―The perfect world of KAI (10) 一色 まこと? 近藤典子の収納テク―決定版! 近藤 典子? おいピータン!! 6 (6) 伊藤 理佐? ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 村上 春樹? ホーキング、宇宙のすべてを語る スティーヴン・ホーキング?レナード・ムロディナウ?佐藤 勝彦? 蟲師Official Book 漆原 友紀? 大人もハマる週末面白実験 左巻 健男?滝川 洋二?こうの にしき? 月森紀子の ナチュラルスイーツ 月森 紀子? ピアノの森 (9) 一色 まこと? Disney FAN (ディズニーファン) 2006年 08月号 [雑誌] http //logbord.lolipop.jp/asin/Books/B000G5S1QE/? 亡国のイージス 上 講談社文庫 福井 晴敏? 脳は眠らない 夢を生みだす脳のしくみ アンドレア・ロック?伊藤 和子? 月刊 アフタヌーン 2006年 07月号 [雑誌] http //logbord.lolipop.jp/asin/Books/B000FO4N9U/? ハゲタカ(上) 真山 仁? 探偵学園Q (22) 天樹 征丸?さとう ふみや? シュリーマン旅行記清国・日本 H.シュリーマン?石井 和子? 魔王 伊坂 幸太郎? 吉田自転車 吉田戦車? ぼくを探しに シェル・シルヴァスタイン?倉橋 由美子?Shel Silverstein? 魔法先生ネギま!1時間目 2時間目 攻略コンプリートガイド 講談社 半落ち 横山 秀夫? Samurai deeper Kyo (37) 上条 明峰? 魔法先生ネギま! (1) 赤松 健? ぼんくら〈上〉 宮部 みゆき? 一号線を北上せよ ヴェトナム街道編 沢木 耕太郎? 涼風 11 (11) 瀬尾 公治? EQ―こころの知能指数 ダニエル ゴールマン?Daniel Goleman?土屋 京子? 酒ラボ 宇仁田 ゆみ? ピアノの森―The perfect world of KAI (7) 一色 まこと? 魁!!クロマティ高校 (16) 野中 英次? 妖怪談義 柳田 國男? 自分がわかる心理テスト〈PART2〉―エゴグラム243パターン全解説 School Rumble Vol.3 (3) 小林 尽? ヘルプマン! (2) くさか 里樹? マネー・ボール マイケル・ルイス?中山 宥? たんぽ 4 (4) 若宮 弘明? 仮面ライダーSPIRITS 8 (8) 石ノ森 章太郎?村枝 賢一? IS 5―男でも女でもない性 (5) 六花 チヨ? U-31 2 (2) 吉原 基貴?網本 将也? 日本語と中国語 劉 徳有? 神聖ローマ帝国 菊池 良生? ひゃほ~ウニファミリー 2 (2) 鈴木 由美子? 世界一わかりやすいPowerPoint 倉島 保美? 石の花 (4) 坂口 尚? 英国人写真家の見た明治日本―この世の楽園・日本 ハーバート・G. ポンティング?Herbert George Ponting?長岡 祥三? 鼻兎 (04) 小林 賢太郎? 窓ぎわのトットちゃん 黒柳 徹子? 石の花 (2) 坂口 尚? ぼんくら〈下〉 宮部 みゆき? 女子大生家庭教師濱中アイ 5 (5) 氏家ト全? School Rumble Vol.6 (6) 小林 尽? 哲学者かく笑えり 土屋 賢二? 深い河 遠藤 周作? 魔法先生ネギま! (8) 赤松 健? 花田少年史 1 (1) 一色 まこと? ハツカネズミの時間 1 (1) 冬目 景? ホタルノヒカリ 5―IT’S ONLY LITTLE LIGHT IN MY LIFE (5) ひうら さとる? ピアノの森―The perfect world of KAI (6) 一色 まこと? 被害者は誰? 貫井 徳郎? 漱石の妻 鳥越 碧? 吉田松陰・留魂録 古川 薫? 対人恐怖―社会不安障害 貝谷 久宣? School Rumble Vol.5 (5) 小林 尽? 粗食のすすめ実践マニュアル 幕内 秀夫? 夢使い 1 (1) 植芝 理一? School Rumble Vol.4 (4) 小林 尽? げんしけん (1) 木尾 士目? 決定版 心をそだてるはじめての伝記101人 講談社
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1517.html
前ページ次ページゼロのアトリエ その日、ヴィオラートたちはシエスタの生家に泊まることにした。 貴族の客をお泊めするというので、村長までが挨拶に来る騒ぎになった。 最初は緊張して、必要以上に丁重な態度をとっていた両親だったが、私が奉公先でお世話になっている人たちよ、とシエスタが紹介するとすぐに相好を崩し、いつまでも滞在してくれるようにと言った。 久しぶりに家族に囲まれたシエスタは幸せそうで、楽しそうで、ヴィオラートは何だかシエスタがひどく羨ましくなってしまった。 兄は元気だろうか。 ゼロのアトリエ ~ハルケギニアの錬金術師30~ 砂時計の修理は、少なくともルーンの力を得たヴィオラートにとっては簡単だった。 固定化の呪文がかけられていたので、部品そのものは全て揃っていて、ほぼ完全な状態を保っている。 いつも通り赤いバッグの中から必要な道具を取り出して、ヴィオラートは砂時計の修理を試みる。 その日の夜半、竜の砂時計は早くも往年の輝きを取り戻した。 翌朝。完成した竜の砂時計をちらりと見て、キュルケが言った。 「あたしも行くわ」 しかし、ヴィオラートは黙って首を振ると、その申し出を否定する。 「この竜の砂時計で過去に行けるのは一人だけなんだ」 「そうなの?」 「それに、日時、場所、その限られた条件下でしかこの…時間を越える効果は発動できない。 それに日記にある…過去に行ったとされるのはあたし一人だから、あたし一人で行かないといけない。 でなければ、過去が変わって現在に思わぬ影響が出るかもしれない」 「そっか…じゃあ、あたしたちは先に学院に戻ってるわね」 そう言ってタバサを見たキュルケに、タバサはただこくりと頷いて答える。 キュルケとタバサは、一足先に魔法学院へと帰ることにした。 「…さて。じゃああたしは、これからエスメラルダさんに会わないといけないんだよね」 ヴィオラートはそう言って、シエスタに視線を向ける。 「は、はい?なんでしょう、ヴィオラートさん」 「この近くに、人気のない廃屋はないかな?何年も、人通りすらなかったような… エスメラルダさんだけが、通っていたような…」 「え?えーと…」 シエスタはちょっと考えて、記憶の糸を手繰り寄せた。 「たしか、森の中に私が生まれる前からあるっていう廃屋があったと思います…あそこなら、 祖母以外は誰も近づかないんじゃないでしょうか。そもそも危険だし、八年前には既に壊れかけてたらしいって」 シエスタがそこまで言うと、シエスタの父が言葉をついで答える。 「たしかもう何十年も前になりますか。元貴族の盗賊か何かが作った隠れ家だったって話ですが… まだ若かったうちのばあさんが追っ払いまして。まあ、めぼしいものはばあさんが取り返してきたし、なにしろ元貴族の盗賊が作ったものなんでどんな罠があるやら…壊すのも手間だし、今まで何となく放置されてるって感じですかね。 あそこなら、うちのばあさん以外誰も近づかないんじゃないでしょうか」 ヴィオラートは頷いて、シエスタに案内を頼んだ。 村からわずかに外れた森の中に、なるほど、たしかにそれらしい廃屋があった。 最後に人が入ったのは何年前の事だろうか、廃屋は既に朽ち果て、雨露さえもしのげないほどに崩れ去っている。 「ここが、例の廃屋です」 「うん。それじゃあ行ってくるね」 ヴィオラートはそう言って、朽ちた廃屋の扉を壊して開ける。 「え…これは!?」 その瞬間目に入った光景に、思わず動きを止めて、ヴィオラートは声を上げる。 床に、何回も何回も書き直された魔法陣が描かれていた。 「これは…そっか、エスメラルダさんが…でも…これじゃ、発動するわけないよね」 全く意味のない文字が大量に描かれているし、年月の為か、ところどころかすれて来ている。 さすがに、知識もなしに竜の砂時計の効果を発動させる魔方陣を再現するなど土台無理な話だったのだろう。 しかし、やらずにはいられなかった事は理解できた。わずかな記憶を頼りに、いつか帰れると信じて。 「でも…おかげで、どうすれば時間を遡れるのか、完全に理解できた」 ミョズニトニルンの力を得た今なら、竜の砂時計の構造やシステムと照らし合わせ、正しい文字や式を付け足して魔法陣を完成させることができる。 この日記に今、この場所が書き残されていたことも、やはり意味はあったのだ。 魔法陣を修復する作業を始めたヴィオラートを前に、シエスタが迷いながらも言伝を頼んだ。 「あ、あの、元気で…今も皆、元気でやってるって。それだけ伝えてください」 ヴィオラートは微笑んで、承った。 「うん。しっかり伝えるつもりだよ」 どのみち、エスメラルダとは初対面になる。 シエスタの名を出さないと、始まる話も始まらないかもしれない。それは予想していたから。 そして完成した魔法陣の上に立ち、ヴィオラートは砂時計を掲げる。 砂時計とルーンの光が共鳴し、数瞬ののち、ヴィオラートは跡形もなく消え去った。 「本当に…本当に、あの砂時計で、時間を越えられるんだ」 シエスタは呆然と、ヴィオラートの消え去った魔法陣を見つめていた。 八年前…過去に遡行したヴィオラートの目に最初に飛び込んできたのは他でもない。 ヴィオラート自身。そう、もう一人のヴィオラートの姿。 「あたしは…あなたから見て未来のヴィオラート、ってことになるのかな?」 未来のヴィオラート。そうだ、想定しなかったわけではない。 竜の砂時計をその手にした時から予測していた事態が、現にここに現れたのだ。 「具体的には…この世界から去って自分の世界に帰る直前のヴィオラート。だね。 確実に二人きりになれて、絶対に他の人にばれない、それでいて時間を越えられる…そんな条件の時はここしかないから、今ここで会ってる」 未来のヴィオラートは、ゼッテルを束ねた冊子をヴィオラート… 現在のヴィオラートに手渡して、言った。 「ここに、あなたの『今』からあたしの『今』までの出来事が記されてる。これを渡すためにあたしは来た」 現在のヴィオラートは、未来の自分の真意を量りかねて、ただ呆然と未来のヴィオラートを見た。 「あたしは…あなたは、『これ』を渡されて悩む事になる。そしてその選択の結果、あたしがここにいる」 「でも。これが、竜の砂時計を持つということ。時を越える術を手にした時に背負うもの」 そこまで言った未来のヴィオラートは、無言で過去の自分を見つめる。 現在のヴィオラートも、ようやくまともな平常心を取り戻して、未来の自分を見つめ返した。 「…あなたは、過去のあたしだから、これ以上の言葉を重ねる必要もないと思う。 でも、あたしが過去…今ここで、未来の自分に言われた事は言っておかなきゃいけない」 今ここで…この廃屋で、『未来のヴィオラート』もこれと同じ体験をした、という事だろうか。 「既にあたしがこうして介入したこの世界では、何もしないということは、何もしないという選択をしてることになるってこと。 『これ』を読まないことこそが、未来を書き換える事に繋がるという事」 「…わかってる。」 現在のヴィオラートはさすがに緊張して、震える手で紙束を受け取る。 「…あたしと同じ選択をしろとは言わない。でも多分、あなたもあたしと同じ道を歩む事になる」 未来のヴィオラートは後ろを向いてから、過去の自分に言葉を残した。 「それと…あたしが後悔してないって事だけは…教えておくよ」 それだけ言って、未来のヴィオラートは、砂時計の光の中に消える。 今現在を生きるヴィオラートは、無言で紙束を見つめ続けた。 十分すぎる時間が過ぎ去った後、残されたヴィオラートは小さな一歩を踏み出した。 エスメラルダに会うために、未来への一歩を踏み出すために。 竜の砂時計を持った者として、確かに一歩を踏み出したのだ。 外に出ると、日記に書かれていたとおり、廃屋の前に立ってエスメラルダを待つ。 こちらでも朝、陽はようやく南中の半分まで達したところだ。 しばらくすると、老齢の女剣士が歩いてくるのが見えた。 「…貴女は誰?」 「あたしはヴィオラート。錬金術師です」 ヴィオラートはそう答えると、日記と…竜の砂時計を見せた。 「そう…錬金術師が、ついに…」 既に頭部を白髪に覆われたエスメラルダは、 ようやく求め続けた錬金術師に巡り会えた深い感動に打ち震えつつも、言った。 「いつか…いつかめぐり合えると信じていました。このために私は…」 しかし、次いで出てきた言葉は予想通りの…いや、 既に決まっていたことを確認するかのような、澄みきった一言であった。 「私は既にこの世界の者。だから、戻ろうとは思わない。日記を見た貴女なら、わかってくれると思うけど」 それも予想していた答えだった。この日の後も日記が続いているという事は、彼女はここに残ったという事… エスメラルダは、まだ機能している廃屋の扉を開けると、中から粗末な箱を取り出して、ヴィオラートに手渡した。 「これが私が元の世界から…グラムナートから持ってきた全て。 できれば元の持ち主に返したかったのだけれど…あなたに渡しましょう」 かなり大きい箱だったが、ヴィオラートは中身を分散整理して、腰の秘密バッグに詰め込む。 「あら、それはあなたが作ったの?最近は錬金術も色々進化してるのね」 エスメラルダは初めて見る奇妙な道具に驚き、そしてその驚きそのものを懐かしみ、遠い目をして言った。 「私はこの世界に来て幸せだった。自信をもってそう言える。だから…」 「私は、ここにいる」 そう言ったエスメラルダの目には、深い充足と自らの辿ってきた道への自信が溢れていて。 だから、ヴィオラートは無言で、ただ微笑んで、シエスタの言伝だけを伝えることにした。 「シエスタちゃんがよろしくって…皆元気でやってるって。そう伝えてくれってだけ、言われました」 「あら、シエスタが?あの子、元気でやってる?」 「ええ、最近はあたしが錬金術を教えてるんです…ちょっと、引っ込み思案な所はありますけど…」 「シエスタが錬金術を…これも、何かの縁でしょうか。そう、あの子が錬金術師に…」 そこまで言ったエスメラルダは、何かを思い出したのか、真剣な表情に切り替わって話し始めた。 「…その…あなたがシエスタの…あの子のことを少しでも大切に思ってくれているというなら、話しておかなければいけないことがあってね?」 「何ですか?」 「あなたの…その、額のルーンにかかわることなのだけれど」 ヴィオラートは目を見開いて、エスメラルダを見つめる。 昇りかけであった陽は既に南中し、傾き始めていた。 魔法学院。錬金術工房の中で、ルイズが首を傾げつつ、戻ってきたキュルケとタバサを迎えている。 「ヴィオラートはどうしたの?」 ルイズの問いに、キュルケは「ちょっとあってね」とだけ答える。 「うーん、この『カリヨンオルゴル』が鳴らない原因を一緒に調べて欲しかったんだけど…」 「あら、調べるぐらいならあたしでも協力できるんじゃない?」 「貴女じゃダメ。第一、貴女って装飾品作ったことないでしょ?」 それもそうだ。キュルケは納得し、ルイズのことはヴィオラートに任せ、自分は自分の勉強に戻ることにした。 日が傾き、空が夕焼けに染まる頃、ようやく当のヴィオラートが姿を現した。 「ただいまー」 待ち構えていたルイズは、さっそくヴィオラートに質問をぶつける。 「ねえ、ヴィオラート。この『カリヨンオルゴル』が鳴らないのよ。ちゃんと作ったはずなのに…」 「そう。ちょっと見せてね」 ヴィオラートはそう言って、ルイズの作ったカリヨンオルゴルを手に取る。 そして、一旦カリヨンオルゴルを置くと、今度は何気なくルイズの傍に置かれた『始祖のオルゴール』を手に取り、何かに納得するように頷くと、言った。 「この『カリヨンオルゴル』は、特定の人にしか届かない音を出してるみたいだね。奏者って、聞いた事ない?」 「奏者?ちょっとわかんないかな…特定の人にしか届かないとか、それって一体全体どういう話になってるの?」 「そのうち…そうだね、あと三日もすればわかるから、その時話すよ」 何かを隠しているような、ヴィオラートの態度。 ルイズは少し不満げな顔をしたが、ヴィオラートの言う事ならばと納得し、 「じゃ、三日だからね?その時までに説明してよ?」 そう言って、期限の迫った詔をこねくりまわす作業を始めた。 「なにをしてるの?」 ヴィオラートの問いに、「詔」とだけルイズは答えて、途中まで何かが書かれた紙に向き合うが…羽ペンを持ったルイズの手は、一行たりとも進もうとしない。 「姫様の結婚式はもうすぐなのに…詔がまだ完成しなくて。いい言葉が思いつかなくて困ってるの」 「そうなんだ。ルイズちゃんなら大丈夫だと思うよ。頑張ってね」 ヴィオラートの気のない返事に、ルイズはちらりと視線を向けて言った。 「…ちょっと来なさい、一緒に考えてもらうわ。他に、話もあるし」 それからルイズは、ずるずるとヴィオラートを部屋まで引っ張っていった。 「じゃあ、とりあえず考え付いた分だけでも読み上げてみたらどうかな?」 部屋に着いたルイズは、こほんと可愛らしく咳をして、自分の考えた詔を読み上げる。 「この麗しき日に、始祖の調べの光臨を願いつつ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 畏れ多くも祝福の詔を詠みあげ奉る…」 それだけ言うと、ルイズは黙ってしまった。 「続けないの?」 「これから、火に対する感謝、水に対する感謝…順に四大系統に対する感謝の辞を、 詩的な言葉で韻を踏みつつ詠みあげなくちゃいけないんだけど…」 「韻を踏みつつ詠みあげればいいんじゃないの?」 とぼけた顔で言い放つヴィオラートに、ルイズは拗ねたように口を尖らせて言った。 「なんも思いつかない。詩的なんて言われても、困っちゃうわ。私、詩人なんかじゃないし」 「うーん、とりあえず、思いついたことから言ってみたらどうかな?」 ルイズは困ったように、頑張って考えたらしい『詩的』な文句を呟いた。 「えっと、炎は熱いので、気をつけること。風が吹いたら、桶屋が儲かる」 「えっと…この世界の詩って、そんななのかな?」 全く詩の才能がないらしいルイズはふてくされると、ぼてっとベッドに横になって、「今日はもう寝る」と呟いた。 ごそごそと着替え、ランプの明かりを消したあと、しばらく黙り込んでから、自作のベッドに潜り込んだヴィオラートを呼んだ。 「ねえ、タルブで何があったかって話」 「うん」 「キュルケもタバサも、はっきりと言わなかったけど」 ルイズはそこまで言うと、しばらく逡巡し、 「帰れるんでしょ?」 とだけ、言った。 「うん」 ヴィオラートも、必要最低限の回答だけをした。 「…」 黙り込んだルイズに回答を重ねるように、ヴィオラートが続ける。 「あたしは…もうすぐ、帰れるかもしれない」 押し潰されそうな沈黙が、ルイズの部屋を覆いつくす。 「私が行っちゃダメって命令しても、行くの?」 ヴィオラートは黙ってしまった。ルイズは、そうよね、とつぶやいた。 「ここは…あんたの世界じゃないもんね。そりゃ、帰りたいわよね」 しばらく、二人は黙っていた。 ヴィオラートは喋らないし、自分もそれ以上、何を言えばいいのかわからなくなったのだろうか。 ルイズはヴィオラートの反対側を向いて、目をつぶる。 「イヤね。あんたが傍にいると、私ってば何だか安心して眠れるみたい。それって頭にきちゃう」 そこまで言うと、限界を迎えたのか、ルイズは規則正しく寝息を立て始めた。 ルイズの寝息を耳にしながら、ヴィオラートは考えた。 この異世界で出会った人たちのこと…。 たった何ヶ月かの滞在に過ぎないが、色んな人たちに出会った。 意地悪だった人もいたけど、ほとんどの人は優しくしてくれた。 困ったことがあったら力になると言ってくれたオスマン氏。 自分の思惑はあるにせよ、ヴィオラートが自由に活動できるように取り計らってくれたコルベール。 毎日地面を掘り返して、菜園作りに大いに貢献してくれた上に材料まで調達してくれたヴェルダンデ。 人間じゃなくて剣だけど、頼りになる『相棒』デルフリンガーくん。 綺麗で賢しそうなお姫様、アンリエッタ。 勇敢で、それゆえに死んでしまった王子、ウェールズ。 無口だけど、心の中には人並み以上の感情を秘めたタバサ。 ルイズをからかいながらも、いつもそばにいるキュルケ。 ヴィオラートと同じ世界にルーツを持つ、黒い髪の女の子…シエスタ。 その祖母で、長い長い人生の末にこの世界に残る選択をした、エスメラルダさん。 そして、そばにいるだけでなんだか嬉しくなって、思わず顔がほころんでしまうご主人様。 桃色がかったブロンドと、大粒の鳶色の瞳を持った女の子…。 いつか帰ることは心に決めていた。 でも、本当に帰れる日が現実に見えてきた今、この人たちと… ルイズと、笑って別れることができるんだろうか? わからない。 でも…と、ヴィオラートは思うのだった。 優しくしてくれた人たちに、できる限りのことをしてあげたいと。 嬉しかった分だけ、親切にしてくれた人のために…せめてこの世界にいる間は、自分にできることをしてあげたいと思うのだった。 あとわずかの間に、自分にどれだけのことができるのかわからないけど。 とりあえず、ヴィオラートは寝ているルイズの頭をなでてみた。 寝ぼけたルイズは、むぎゅ、と唸って寝返りを打つ。 ヴィオラートは窓に差す二つの月の光を悠然と見つめ、故郷を想った。 前ページ次ページゼロのアトリエ