約 3,013,422 件
https://w.atwiki.jp/vs-wiki/pages/2123.html
MRR/034 RR パイ屋さん ロロナ/永遠の8歳 女性 パートナー 新たな一歩 ロロナ/永遠の8歳 女性 レベル 1 攻撃力 2000 防御力 4500 【わたし、ここでたのしくおみせやさんごっこしてるから!】《絵》《錬金術》 【自】〔ベンチ〕 あなたのリングの《絵》がアタックされた時、このカードを自分の控え室に置いてよい。1枚以上置いたら、あなたは自分のリングのカードを選び、そのターン中、そのカードを+0/+2000。 作品 『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』 関連項目 『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』 【デッキレシピ】ロロナ単 新たな一歩 ロロナ/永遠の8歳
https://w.atwiki.jp/novelnear/pages/22.html
「永遠の陽だまりと月の花」 それは、とある洞窟の最奥にあるという。 その空間にはどういう訳か昼夜問わずずっと柔らかな日の光が射し込んでいる。 変わらず差し込み続ける日の光は数百年に一度だけ外の陽と同じように暮れ、一夜だけ月明かりが代わりに輝く。 その月明かりの届く間だけひっそりと咲く花があるという。 花には陽と月の不思議な力が宿り、その蜜には若返りの力があるという。 蜜は月明かりと共に消えてしまい、持ち帰りは叶わない。 そして、若返りの力は老人を卵にまで戻してしまうという。 若返った者が再び育つのか、記憶はどうなってしまうのか、誰も知らない。
https://w.atwiki.jp/hyakukami/pages/2849.html
依頼主 ディオニュソス 出現条件 ディオニュソス最終進化 クリア条件 以下の神様の親密度を上げるディオニュソス:親密度60 成功報酬 ディオニュソスのブドウ盛り合わせディオニュソスが伝えた方法で栽培されたブドウやその他の果物を盛り合わせたもの。そのまま食べても美味。 依頼時 あぁ、お前との宴を終わらせたくないんだ…これからもずっと、俺に付き合ってくれるか? クリア時 そう、言ってくれるなら…こんなに嬉しいことは……うぅん?…少し飲みすぎたか?まだいける…と思ったが…少し、肩を貸してくれよ……
https://w.atwiki.jp/1548908-08/pages/784.html
パック:永遠の錬金術(P) 総デュエル回数200回 モンスターカード 逆転の女神 ノーマル ブレード・スケーター ノーマル メタル・ガーディアン ノーマル 効果モンスターカード エトワール・サイバー レア E・HERO ネクロダークマン レア 黄金のホムンクルス レア 干ばつの結界像 ノーマル 原始太陽ヘリオス スーパーレア 豪雨の結界像 ノーマル 業火の結界像 ノーマル サイバー・レーザー・ドラゴン レア 深淵の結界像 ノーマル 閃光の結界像 ノーマル ダンディライオン スーパーレア フレンドッグ レア ヘリオス・デュオ・メギストス スーパーレア ヘリオス・トリス・メギストス ウルトラレア 烈風の結界像 ノーマル ワタポン レア 融合モンスターカード E・HERO エリクシーラー ウルトラレア E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン ウルトラレア E・HERO スチーム・ヒーラー レア E・HERO テンペスター スーパーレア E・HERO マッドボールマン レア サイバー・ブレイダー スーパーレア 魔法カード 異次元からの埋葬 ノーマル サイクロン・ブーメラン ノーマル 次元の歪み ノーマル 縮退回路 ノーマル 神秘の中華なべ ノーマル はがねの甲羅 ノーマル 融合回収 レア ヘル・テンペスト ノーマル マジックブラスト ノーマル ミラクル・フュージョン ウルトラレア 無情の抹殺 ノーマル 紫水晶 ノーマル リロード レア 罠カード エッジ・ハンマー ノーマル エレメンタル・アブソーバー ノーマル 自爆スイッチ レア スピリットバリア ノーマル ダメージ・ポラリライザー ノーマル ヒーローバリア ノーマル ヒーロー・ヘイロー ノーマル フュージョン・ガード ノーマル 鳳翼の爆風 ノーマル ホーリーライフバリアー ノーマル マクロコスモス レア リターンソウル ノーマル
https://w.atwiki.jp/touhourowa/pages/335.html
赤より紅い夢、紅より儚い永遠 ◆Ok1sMSayUQ 黎明に薄く伸びる夜空は、幻想郷に二度目の夜明けが近いことを伝えていた。 漆黒から薄墨。そして群青から晴天へ。太陽は東から昇り、ちっぽけな自分達を見下ろして眺めるのだろう。 紅魔館へと続く道を泳ぐように歩きながら、博麗霊夢は薄ぼんやりと栓のない考え事をしていた。 レミリア・スカーレットが死亡し、まるでそれに合わせるかのように人里で続いていた争いの音も途絶えた。 一体誰が勝者となったのかは定かではないが、恐らくは負けたのは十六夜咲夜であろう、と霊夢の勘は語っていた。 大した理由はない。ただ、霊夢の常識に照らし合わせてみれば、『せめて1ボムだけでも』潰させる役を担う咲夜ではこのあたりが潮時だろうと考えていたに過ぎない。 完全にして瀟洒。しかしどこか間が抜けていて主にすら悪戯を仕掛ける茶目っ気のあったメイドは、最期はどのような死に目を迎えたのだろうか。 自らと相対し、それまでの咲夜とは似ても似つかぬ無様な姿を思い出して、霊夢はたかが知れていると結論した。 十六夜咲夜という個人を見るだけならば彼女は変わった、変わりきってしまったといっても過言ではない。 けれども、所詮は個人というレベルでしかなく、彼女の紅魔館――ひいては、レミリアに依存する現状も何も変わってはいなかったし、 根本は何も変わってはいない。むしろその点ではレミリアの見せた執着のほうがよほどの変異とも言えた。 レミリアは逆だ。吸血鬼という個人を変えない代わりに、支配する対象を咲夜から、咲夜を含めた他へと移した。内から外へと興味の対象を変えたのである。 ――とはいえ。それも規模が大きくなっただけに過ぎないのかもしれないと霊夢は醒めた思考を浮かべた。 紅魔館という支配対象を、幻想郷に置き換えただけとも言えなくはない。レミリアが幻想郷にやってきたときと、今とを比較しても根本に違いはない。 その程度の連中だったということだ。 僅かに霊夢の思考の隅に残ったのは、殺される寸前、自分ではなく他の誰かを見ていたようなレミリアの視線だったが、 それも恐らくは支配されるべき者に対する視線でしかなかったのだろう。吸血鬼という個人を変えないということは、そういうことだ。 他者に対し情を抱いたりするようなことは、決してありえないのだから。 レミリア達に対する感想を結んで、霊夢は辿り着いた先の紅魔館の門をくぐった。守衛のいない門。邪魔も妨害もなく、寂寥とした風が吹きぬけてゆくだけである。 紅魔館にやってきたのも、これまた大した理由はない。殺し合いが始まって以来、そういえば訪れたことがなかったと思ったからやってきたのだった。 無論、人里方面には間違いなく敵対している人妖がいるであろうから休憩には向かないだろうと思ったこともある。 ともあれ、やってきた紅魔館にはかつての騒がしい面影などなく、閑散とした雰囲気が漂っているのみで、主の死を切欠にして落ち込んでいるようにも見える。 この館の住人も、フランドール・スカーレットを残すのみだ。そのフランドールも生きているかは怪しいものだが、いずれ分かることだろう。 玄関の大扉を開け、邸内へと足を踏み入れる。途端、濃い死臭と紅をさらに彩る赤が鼻と目を突いたが、それは霊夢にとって慣れ親しんだものでしかなかった。 幻想郷の騒動の一翼を担うこの屋敷も、殺し合いの因果からは逃れられなかったということか。 床中に散らばった死体を醒めた目で眺めながら、霊夢はとある場所を探してうろうろとし始める。 目的は風呂である。一日中戦って、流石に体のべとつきが気になり始めたというのが主な理由だ。 戦いは終焉へと確実に向かっている。ならば、来るべき最後の戦いに備えて少しでも体調を良くしておくに越したことはない。 他には、紅魔館の洋風風呂を使ってみたかったという個人的な理由も少し。 「……ん、余計なものがあるわね」 適当に歩いていれば見つかるだろうと考えて廊下を歩く霊夢の足が止まる。 それはかつて、四季映姫・ヤマザナドゥ達がここ紅魔館に篭城を決め込んだ際に作成したが、舞い戻ったレミリアによって無残にも蹴散らされたバリケードの成れの果てである。 もっとも何者かが撤去したのか、通れることには通れるが、処理し切れなかった残骸が邪魔であることには変わりないうえ、もっと他に仕掛けが用意してあってもおかしくはなかった。 やれやれと思いながら瓦礫を避けつつ、霊夢は浴場を目指して進む。 この乱雑ぶりはかつて足繁く通っていた香霖堂の情景を霊夢に思い出させたが、それも遠い過去のように感じられる。 いや、遠い過去にしなければならないのは最初から分かっていたことだった。 殺し合いの開催を告げる暗夜の会場、そこで八意永琳を語る何者かが壇上に立って喋っていたときから、霊夢は始まった『物語』の内容を確信した。 『物語』の内容は単純。堕落した幻想郷に、ついに滅びの日がやってきた。滅びから逃れられるのはただ一人。 全てを終わらせ、新しく始まるための、それは現在の幻想郷が通過しなくてはならない苦難であり、必然であった。ゆえに『主人公』も定められてはいなかった。 恐らくは誰でも良かったのだろう。いや、生き残った者こそが『主人公』であると考えているのかもしれない。 誰が、とは考えなかった。この『物語』を書き起こしたのは誰なのか。それ自体は霊夢にとって瑣末なことに過ぎない。 重要なのは自分こそが『主人公』でなければならないということだった。この残酷で美しい物語に立つべきは他の誰でもない、自分しかいないと霊夢は思っていた。 「何をやっても変わらない……変えられないのなら、私が滅ぼすしかない」 常にから懐に仕舞っているはずの手記がないことに少しだけ寂しさを感じつつ、霊夢はしかし、もう記録する必要もないかとも感じていた。 幻想郷を変革するための記録と記憶。試行錯誤を繰り返し、異変という『物語』の中で見出してきた、自分達の辿り着くべき未来を書き記したもの。 時には『主人公』から身を引き、幻想郷にとって最適な結末を選んできたこともある。霊夢は異変の度に変わることを祈り続けてきた。 人間も妖怪も関係なく、全ての存在が自由に生きられる幻想郷になるよう奔走してきたつもりだった。 だが、待ち受けていたのは十年一日として――いや、千年一日として変わりもしない人間と妖怪の実態だった。 どの妖怪もがかつてあった畏れられるべき存在という幻影を追い求め、それに対して人間も何もしないばかりか肯定する始末。 確かに、人を襲わなければ妖怪は妖怪足り得ないことは分かる。妖怪であることの意味を失ってしまうことは、死と同義であるのも分かる。 しかし、果たして妖怪であることにどれだけの意味があるのかというのが霊夢の本心だった。 自分のように、人間でありながら妖怪退治ができるほどの力の持ち主はいるし、数にしても少なくはない。 霧雨魔理沙、十六夜咲夜、東風谷早苗、半分ではあるが魂魄妖夢。彼女らと妖怪たちに、さほどの差はない。 そもそも特別な能力を持つことや、多少の異形を宿していたところで、酷い差別や偏見を受けるわけでもない。 ならば妖怪は妖怪でなくてもよいのではないか。妖怪ではない、新しいなにかに生まれ変わってもいいのではないかというのが霊夢の意見だった。 乱暴に言ってしまえば、結界で守られ、人を襲わなければ自らを保てない妖怪など一度滅びてしまえばいい、という思想である。 半ば妖怪であることを辞め、人間に溶け込んでいる上白沢慧音がそうであるように、妖怪を辞めることは不可能ではない。 しきたりや掟などに囚われ、あまつさえ結界で身を守らなければならず、窮屈な幻想郷に閉じ込められるのは霊夢には不満の一語でしかなかった。 皆、もっと自由に生きていい。こんな狭い世界だけではしゃぎ回って、暇を言葉遊びで潰して……それでいいのかと霊夢は言いたかった。 行動にだって移した。スペルカードルールもその一環で、人間レベルに合わせることで交流の機会を増やし、また人間も妖怪を恐れることはないと証明したつもりだ。 強大な妖怪が起こす異変は陣頭に立って解決してきたし、時には妖怪と組んでみせ、可能性を提示してきたはずだった。 結果から言えば、霊夢の期待は悉く裏切られたといってもいい有様だった。 どんな異変を解決しても、どんな切欠を与えようと……根本は何も変じることはなかった。 そればかりか、定めたスペルカードルールを自分勝手に解釈し、『最後は霊夢が解決してくれるのだから、どんな無茶をやってもいい』と思う者までが出る事態にもなった。 いくら試行錯誤を繰り返そうが、全てがその結論に行き着く――幻想郷に住まう人間と妖怪の出した答えは、 『博麗の巫女がどうにかしてくれる』という他人任せ、自分本位なものに他ならなかった。 そうまでして守りたいものは自由ですらない、怠惰だという現実に、霊夢は、ならば今回の異変を以って、自らが破壊者となることを決めた。 妖怪たちが滅びを拒否し、人間が諦観のぬるま湯に浸かったままでいるというのなら――自分が全てを終わらせよう。 人間も、妖怪も、神も、妖精も。種族も年齢も貴賎もなく。皆平等に、殺してしまおう。 それが霊夢の思考であり、絶望であり……また、残された希望でもあった。 「お、あったあった。……水道は生きてるようね」 幸いにして、辿り着いた浴場はバリケードの手も伸びず破壊の憂き目にも遭わず、静謐な場を保っていた。 割と本格的なものらしく、大理石が敷き詰められた床はぴかぴかとして歩き心地は良さそうだし、浴槽も清潔。 何より自宅や里では殆ど見られない、蛇のように長く伸びたシャワーというのが見た目にも面白そうで、霊夢は早速服を脱ぎ捨て、 身につけていたアクセサリー一式を外し裸一貫になって浴場へと飛び込んだ。一歩ごとに床と足が触れあい、ぺちぺちと音を立てるのが小気味よい。 先ほどまで血液が付着した衣服を身につけていたのもあり、気分としては悪くない。 首に噛み傷があるのと、肌がところどころ擦り切れているので若干お湯が染みるかもしれないのは癪だが、とも思っていたが。 ともかく、と早速シャワーを手にした霊夢は蛇口を捻り、出てきたお湯の温度を指先で確認する。40℃前後というところか? いい仕事だと誰にともなく賞賛しながら、霊夢は丁寧に体を洗い流してゆく。 水が肌を流れ、汚れや血のりを洗い落とすたびに、彼女が本来兼ね備えていた柔肌が露になる。 化粧やお洒落等には特に興味もなく、また縁もなかった霊夢ではあるが、だからといって肌が荒れているわけではない。 むしろ瑞々しさは適度に保たれており、また普段の仕事で適度に鍛えられた筋肉もしなやかで無駄がない。 例えるならば、霊夢の肌は天然モノであり、それも桃源郷に生った水蜜桃のようなものである。 唯一、弱点があるとすれば……あまりにも緩やかな斜面を描きすぎている二つの膨らみだけであろう。 決してないわけではなく、まな板レベルではないのだが……貧相といって差し支えはない。 もっとも霊夢本人は胸の大きさなどで一喜一憂するような人間ではなく、胸の間をするすると流れ落ちるお湯を、むしろ楽しむ気持ちで眺めていた。 「うーん、やっぱお風呂はいいわね。湯船に浸かれたらもっと良かったんだけど」 そうも言ってられないか、と霊夢は嘲りを含んだ笑みで天井を見渡す。 まだ全てが終わったわけではない。終わっていない限りは、再生も始まりも在り得ない。 その上、ここからは殺すのに面倒な相手が続く。霧雨魔理沙も八雲紫もまだ死んではいないだろうし、大人しく殺されるつもりもないだろう。 特に魔理沙だ。何度打ちのめし、何度現実を叩き付けてもへこたれず、自分の望む幻想郷とやらを取り戻そうとしている。 腹が立った。ここに至って夢想を信じ続け、今までの生活が戻ってくると疑ってすらいない姿に、怒りすら覚えた。 それに、魔理沙のせいで―― 考えかけて、霊夢は思考の隅に浮かんだ、既に死亡している男の姿をかき消した。 戻っては、こない。 殺すしかなかった。誰かがやらなければならないことだった。 歩みを拒否し、現在に停滞し続ける幻想郷の者たちを、誰かが裁かなければならなかった。 真実の幻想郷の神は、緩慢な死など望んではいなかったのだから…… 「……魔理沙。あなたは、何をもって『取り戻す』と言うの?」 この屍だらけの、死に体の世界で、一体、何を。 答えは本人に聞いてみないと分からない。ならいずれ会うときに聞こうと考えを結んで、霊夢はシャワーの雨に身を浸す。 頭から湯を被り、最後に残ったしこりをも洗い落とす。落とした、つもりだ。 流れる水滴は、やがてひとつの川となり、霊夢の頬を伝って落ちる。 それは、「もし緩慢な死が許されたのだとしたら」というささやかな夢の、残滓だった。 【D-3 二日目・黎明】 【博麗霊夢】 [状態]休息中 [装備]魔理沙の帽子、白の和服(土や血でで汚れています)、NRS ナイフ型消音拳銃(0/1) [道具]支給品一式×5、火薬、マッチ、メルランのトランペット、賽3個 救急箱、解毒剤 痛み止め(ロキソニン錠)×6錠、賽3個、拡声器、数種類の果物、 五つの難題(レプリカ)、天狗の団扇、ナズーリンペンデュラム 、文のカメラ(故障) 、死神の鎌 支給品一式*5、咲夜が出店で蒐集した物、霧雨の剣 NRSナイフ型消音拳銃予備弾薬14、ペンチ 白い携帯電話 5.56mm NATO弾(100発) 不明アイテム(1~4) [基本行動方針]力量の調節をしつつ、迅速に敵を排除し、優勝する。 [思考・状況] 1.少し休む 2.もう迷わない。この『物語』の主人公は、私だ 178 限りなく近く、遠い 時系列順 181 Spell card rule/命名決闘法 179 眩しく光る四つの太陽(後編) 投下順 181 Spell card rule/命名決闘法 178 限りなく近く、遠い 博麗霊夢 183 ……and they lived happily ever after.(序章)
https://w.atwiki.jp/yurina0106/pages/4168.html
タグ 2002年 Base Son 作品名O ONE2 ~ 永遠の約束 ~ 通常版 曲名 歌手名 作詞 作曲 ジャンル カラオケ OP 夢幻譜 YUKI Baseson 下地和彦 おっとり
https://w.atwiki.jp/moonlight/pages/251.html
鍛冶屋パン - 製作防具 鍛冶屋パンで製作できる防具の詳細を掲載しています。 鎧勝利の導き手の板金鎧 正義の導き手の板金鎧 勝利の導き手の皮鎧 正義の導き手の皮鎧 勝利の導き手のローブ 正義の導き手のローブ 兜勝利の導き手の板金兜 正義の導き手の板金兜 勝利の導き手の皮兜 正義の導き手の皮兜 勝利の導き手の魔法帽 正義の導き手の魔法帽 手袋勝利の導き手の板金籠手 正義の導き手の板金籠手 勝利の導き手の革手袋 正義の導き手の革手袋 勝利の導き手の魔法の手袋 正義の導き手の魔法の手袋 マント勝利の導き手の戦闘用マント 勝利の導き手の狩猟用マント 勝利の導き手の魔法のマント 正義の導き手の戦闘用マント 正義の導き手の狩猟用マント 正義の導き手の魔法のマント 鎧 勝利の導き手の板金鎧 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:鎧 帰属 ティア:4 物理防御力:1997 魔法防御力:360 必要能力値:力 65以上 重さ:24kg ショップ売価:90000G 【特殊オプション】 力+15 体質+15 キャラクターに対するダメージ防御+4% 戻る 正義の導き手の板金鎧 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:鎧 帰属 ティア:4 物理防御力:2032 魔法防御力:366 必要能力値:力 65以上 重さ:24kg ショップ売価:90000G 【特殊オプション】 力+15 体質+15 エリートモンスターに対するダメージ防御+4% レイドモンスターに対するダメージ防御+4% 戻る 勝利の導き手の皮鎧 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:鎧 帰属 ティア:4 物理防御力:1398 魔法防御力:1000 必要能力値:俊敏 65以上 重さ:18kg ショップ売価:90000G 【特殊オプション】 俊敏+15 魅力+15 キャラクターに対するダメージ防御+4% 戻る 正義の導き手の皮鎧 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:鎧 帰属 ティア:4 物理防御力:1423 魔法防御力:1017 必要能力値:俊敏 65以上 重さ:18kg ショップ売価:90000G 【特殊オプション】 俊敏+15 魅力+15 エリートモンスターに対するダメージ防御+4% レイドモンスターに対するダメージ防御+4% 戻る 勝利の導き手のローブ 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:鎧 帰属 ティア:4 物理防御力:399 魔法防御力:1999 必要能力値:知力 65以上 重さ:12kg ショップ売価:90000G 【特殊オプション】 知力+15 知恵+15 キャラクターに対するダメージ防御+4% 戻る 正義の導き手のローブ 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:鎧 帰属 ティア:4 物理防御力:406 魔法防御力:2034 必要能力値:知力 65以上 重さ:12kg ショップ売価:90000G 【特殊オプション】 知力+15 知恵+15 エリートモンスターに対するダメージ防御+4% レイドモンスターに対するダメージ防御+4% 戻る|上へ 兜 勝利の導き手の板金兜 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:頭 帰属 ティア:4 物理防御力:1421 魔法防御力:229 必要能力値:力 65以上 重さ:18kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 力+15 体質+15 キャラクターに対するダメージ防御+4% 戻る 正義の導き手の板金兜 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:頭 帰属 ティア:4 物理防御力:1446 魔法防御力:233 必要能力値:力 65以上 重さ:24kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 力+15 体質+15 エリートモンスターに対するダメージ防御+4% レイドモンスターに対するダメージ防御+4% 戻る 勝利の導き手の皮兜 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:頭 帰属 ティア:4 物理防御力:1009 魔法防御力:686 必要能力値:俊敏 65以上 重さ:14kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 俊敏+15 魅力+15 キャラクターに対するダメージ防御+4% 戻る 正義の導き手の皮兜 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:頭 帰属 ティア:4 物理防御力:1025 魔法防御力:699 必要能力値:俊敏 65以上 重さ:14kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 俊敏+15 魅力+15 エリートモンスターに対するダメージ防御+4% レイドモンスターに対するダメージ防御+4% 戻る 勝利の導き手の魔法帽 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:頭 帰属 ティア:4 物理防御力:320 魔法防御力:1464 必要能力値:知力 65以上 重さ:10kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 知力+15 知恵+15 キャラクターに対するダメージ防御+4% 戻る 正義の導き手の魔法帽 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:頭 帰属 ティア:4 物理防御力:327 魔法防御力:1491 必要能力値:知力 65以上 重さ:10kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 知力+15 知恵+15 エリートモンスターに対するダメージ防御+4% レイドモンスターに対するダメージ防御+4% 戻る|上へ 手袋 勝利の導き手の板金籠手 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:手 帰属 ティア:4 物理防御力:1192 魔法防御力:216 必要能力値:力 65以上 重さ:16kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 命中+5% クリティカル率+2% 対キャラクターダメージ+4% 戻る 正義の導き手の板金籠手 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:手 帰属 ティア:4 物理防御力:1211 魔法防御力:220 必要能力値:力 65以上 重さ:16kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 回避率+2% すべての状態異常抵抗+5% 対エリートモンスターダメージ+4% 対レイドモンスターダメージ+4% 戻る 勝利の導き手の革手袋 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:手 帰属 ティア:4 物理防御力:813 魔法防御力:595 必要能力値:俊敏 65以上 重さ:12kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 命中+5% クリティカル率+2% 対キャラクターダメージ+4% 戻る 正義の導き手の革手袋 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:手 帰属 ティア:4 物理防御力:856 魔法防御力:607 必要能力値:俊敏 65以上 重さ:12kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 回避率+2% すべての状態異常抵抗+5% 対エリートモンスターダメージ+4% 対レイドモンスターダメージ+4% 戻る 勝利の導き手の魔法の手袋 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:手 帰属 ティア:4 物理防御力:270 魔法防御力:1190 必要能力値:知力 65以上 重さ:8kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 命中+5% クリティカル率+2% 対キャラクターダメージ+4% 戻る 正義の導き手の魔法の手袋 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:手 帰属 ティア:4 物理防御力:275 魔法防御力:1213 必要能力値:知力 65以上 重さ:8kg ショップ売価:81000G 【特殊オプション】 回避率+2% すべての状態異常抵抗+5% 対エリートモンスターダメージ+4% 対レイドモンスターダメージ+4% 戻る|上へ マント 勝利の導き手の戦闘用マント 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:背中 帰属 ティア:4 物理防御力:980 魔法防御力:577 重さ:3kg ショップ売価:103500G 【特殊オプション】 最大HP+5% 最大MP+5% キャラクターに対するダメージ防御+4% 戻る 勝利の導き手の狩猟用マント 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:背中 帰属 ティア:4 物理防御力:851 魔法防御力:788 重さ:3kg ショップ売価:103500G 【特殊オプション】 最大HP+5% 最大MP+5% キャラクターに対するダメージ防御+4% 戻る 勝利の導き手の魔法のマント 輝かしい勝利を象徴する導き手の装備です。 消えることのない永遠の光の力が感じられます。 【性能】 部位:背中 帰属 ティア:4 物理防御力:616 魔法防御力:1109 重さ:3kg ショップ売価:103500G 【特殊オプション】 最大HP+5% 最大MP+5% キャラクターに対するダメージ防御+4% 戻る 正義の導き手の戦闘用マント 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:背中 帰属 ティア:4 物理防御力:995 魔法防御力:587 重さ:3kg ショップ売価:103500G 【特殊オプション】 モンスター退治でHP回復+100 モンスター退治でMP回復+30 エリートモンスターに対するダメージ防御+4% レイドモンスターに対するダメージ防御+4% 戻る 正義の導き手の狩猟用マント 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:背中 帰属 ティア:4 物理防御力:865 魔法防御力:801 重さ:3kg ショップ売価:103500G 【特殊オプション】 モンスター退治でHP回復+100 モンスター退治でMP回復+30 エリートモンスターに対するダメージ防御+4% レイドモンスターに対するダメージ防御+4% 戻る 正義の導き手の魔法のマント 世界の審判者と呼ばれる導き手の装備です。 導き手の強い信仰心が宿っています。 【性能】 部位:背中 帰属 ティア:4 物理防御力:626 魔法防御力:1127 重さ:3kg ショップ売価:103500G 【特殊オプション】 モンスター退治でHP回復+100 モンスター退治でMP回復+30 エリートモンスターに対するダメージ防御+4% レイドモンスターに対するダメージ防御+4% 戻る|上へ 名前
https://w.atwiki.jp/eriponmagi/pages/96.html
「あ~面白かった」 「まーちゃん何があったか覚えてるの?」 バリバリと音をさせて煎餅を食べながらご満悦の優樹に、亜佑美が驚いたように尋ねる。 「もちろん! どぅーとやすしさんに会ったよ」 「あ~でも、あたしも里保ちゃんに会えたような気がする。ただの夢かもしれないけど」 「聖も多分どぅーに会えたかも」 「そう言われてみるとうちも鞘師さんに会ったのかな? まーちゃん他に残ってる記憶とかあるの?」 「う~ん、なんかとっても楽しかったことだけはよく覚えてるよ」 「やっぱり優樹ちゃんも具体的なことはわかんないのか」 気絶から回復した4人は、一仕事を終えた和やかな雰囲気で紅茶を手に談笑していた。 しかし衣梨奈だけは、眉間にしわを寄せて険しい表情のまま会話にも加わらなかった。 オダベチカは連れてきたものの、他にえりができることは何かないんだろうか。 みんなのようにわかりやすく力になりたいのだけど、 そのためにどうすればいいのか、いくら考えてもまったくいい方法が思いつかない。 「ただいま戻りました」 「あ~はるなんお帰り!」 丸テーブルに着いた春菜にも紅茶が振る舞われ、 一息ついたところでさゆみが報告を促す。 「それじゃあバンシーについて調べてきたことを聞かせてもらえるかな」 その一言で、弛緩していた居間の空気がまた緊張したものに変わった。 「はい。バンシーは、本来は『嘆きの妖精』という名称の通り妖精の一種でして、 その特性は、泣き声を聞いた者の死を予言するというものです。 ここで重要なのが、それはあくまで予言であって呪いなどではないということ。 バンシーが相手に何らかの手を下して死をもたらすわけではないようです」 「それってつまりどういうこと?」 イマイチ意味がつかめていない様子の聖が訊ねる。 「バンシーの泣き声を聞いた者が、もしバンシーを倒すなど働きかけをしたとしても、 バンシーの予言、『もうすぐ死ぬ』という未来は変えることができないということです」 「えっ、じゃあ里保ちゃんとどぅーが今やろうとしてるのも意味ないってことじゃない??」 香音の驚愕の声とともに周囲にざわめきが起こる。 物語の世界に入り込んでバンシーさえ浄化なり倒すなりすれば、 2人が受けた死の宣告も解けるとばかり思っていたのが、 もしそうしても死の未来から逃れられないのなら、一体どうすればいいというのか。 「はいはいみんな落ち着いて。はるなんの話はまだ終わってないよ」 さゆみの一声でどうにかざわめきも静まったものの、重苦しい空気は残ったままだ。 優樹の煎餅を食べる咀嚼音だけが、やけに大きく響く。 「最初に『本来』と言ったのは、現在は妖精としてのバンシーが ほとんど見かけることのない非常に稀な存在となっているからなんです。 代わりに現れることがあるのが、アンデッドとしてのバンシーです」 「アンデッド……」 「現世に強い恨みや執着を残したために、成仏できずに蘇った死にきれざる者達。 アンデッドとしてのバンシーは、明確に相手を殺そうという意図で行動します。 そしてその泣き声は、予言ではなく聞いた者の生命力を奪う呪いとして相手を束縛します。 これはあくまで呪いなので、もし受けてしまってもバンシーを浄化するなり 倒してしまうことが叶えばその死の宣告から解放されるはずです。 問題は今回のバンシーがどちらに属する者なのかということですが……」 「うん、この書物に憑りついているのは間違いなく、アンデッドとしてのバンシーだね」 さゆみの断言で、ようやく重苦しい空気が少しだけ取り払われた。 里保と遥がしっかり役目を果たせれば、受けた呪いもちゃんと打ち払うことができる。 そのことがはっきりしただけでも、春菜の集めてきた情報の価値は十分だろう。 「他に何か、アンデッドとしてのバンシーについてわかったことはある?」 亜佑美の問いかけに、春菜が改めて説明を加える。 「呪いについてもう少し詳しく説明しておくと、 すでにその呪いを受けてしまった鞘師さん達は、徐々に生命力が奪われていき 最終的には死に至ることとなりますが、泣き声を一度聞いただけなら 効果が現れるまで時間がかかり、おそらく少なくとも数週間の猶予はあるはずです。 ただ怖いのは、その泣き声をまた聞いてしまう、つまり呪いを重ねて受けてしまうと その効果は何倍にも高まり急激に生命力を失ってしまうという危険な特性があります」 「ということは、いざバンシーと対峙した時に、 またその泣き声を聞いちゃうと2人とも一気に危なくなるのか……」 香音の呟きに春菜が頷く。 「はい。あともう一つ危険な武器がドレインタッチです。 バンシーの魔力を持った手に触られると生命力を吸い取られ、 それだけで死に至る危険性のある恐ろしい攻撃です」 「うーん、やっぱりアンデッドというだけあってとっても厄介な存在なんだね」 「でも大丈夫ですよ。鞘師さんとどぅーの2人なら、 絶対にバンシーの浄化を成し遂げてくれますから」 亜佑美の前向きな発言に、みんなもその通りだと同意する。 そんな中、春菜の説明の最中も難しい顔で黙りこくる衣梨奈の異変に聖が気づいた。 「えりぽん、どうかしたの?」 今のえりにできること。 はるなんの説明の中に何か重要なヒントが隠れていた気がする。 あともう少し、もう少しで大きな道筋が繋がりそうなんだけど。 考えろ、とにかく考え抜いてそれを見つけ出さなきゃ。 その時、これまで聞いたさゆみの言葉が不意に衣梨奈の脳裏に蘇る。 『この書物に憑りついているのは間違いなく、アンデッドとしてのバンシーだね』 『残念ながら本の世界に入り込めるのは『鍵』となる人物と、 それ以外だったら人ならざる者くらいしか不可能でしょうね』 『自分に何ができるか、とにかくよーく考えてみな生田。 よーく考えて、そして思いついたどんな些細なことでも試してみて、 使えるものがあったらそれが何であっても最大限に利用して、 自分にできることを極限まで全部やり尽くしたその時に、 それがきっとりほりほと工藤への何かしらの手助けとなっているはずだから』 アンデッド……。 人ならざる者……。 使えるものはそれが何であっても最大限に利用……。 そうか!! やっと繋がった!!! えりにもできることがあった!!!! いきなり力強く立ち上がる衣梨奈。 椅子が音をたてて倒れ、みんなの視線が一気に集まるのも構わず、 噛みつかんばかりの勢いでさゆみに頼みこむ。 「すみません道重さん、黒電話借りていいですか!?」 「うんいいよ、好きに使ってちょうだい」 さゆみの返事とともにダッシュで居間を飛び出す衣梨奈を、 みんなはただ呆然と見送ることしかできなかった。 「なんかいかにもえりちゃんらしいけど、あれって一体どうしちゃったですか」 「生田にもようやく自分にできることが見つかったんでしょ。 まあそんな気にすることもないよ」 楽しげに微笑むさゆみに、周りも訳が分からないままつられて笑みがこぼれる。 その中で、春菜だけは真剣な表情でさゆみに質問をぶつけた。 「道重さん。リリウムという物語について、もっと詳しく教えてくれませんか? バンシーを生んだきっかけとして、きっとこの物語の悲劇が深く関わっていると思うんです」 「そうだね、じゃあ生田が戻ってきたらその話をしておこうか。 でも覚悟しておいてね。このリリウムの結末も絡んだ完全にネタバレの内容になるから」 さゆみの言葉に、みんな期待と不安それぞれの様子で頷いた。 ○ しばらくして、衣梨奈が居間に戻ってきた。 「どうしたのえりぽん!?」 「うん、別に大丈夫やけん、気にせんといて」 充血させた瞳で明らかに泣きはらした痕の見える衣梨奈だったが、 心配そうな聖の問いかけにも、これ以上の質問を拒むような口調を返す。 「自分のできることは全部やりきることができた?」 わざわざ黒電話を借りたことに深い理由はない。 ただ自分の携帯より黒電話を使った方が繋がりそうな、そんな気がしたから。 そのおかげかどうかはわからないけど、ちゃんと望んだ相手に連絡が取れ、 自分の想いをぶつけることができ、そして勝手極まりないお願いも了承してもらえた。 それがどこまで里保達の力になれるのかはわからないけど、 でもこれで自分のすべき役割は果たせたという、そんな達成感はある。 「はい!」 さゆみの確認の言葉に、ようやく迷いのない返事ができた。 そんな衣梨奈の姿に満足げに頷いたさゆみは、あらためてみんなのことを見渡す。 「それじゃあ生田も戻ってきたことだし、このリリウムの物語について、 悲劇の核心を説明するからね。最後にもう一度だけ念押ししておくけど、 完全なるネタバレの内容だから覚悟しておいてね」 さゆみの真剣な表情に、みんなの表情も自然と引き締まったものとなる。 「全ての悲劇の発端は、このリリウムの物語から遥か3000年前。 ソフィ・アンダーソンというダンピールの少年がとある事件に巻き込まれて、 真祖たるトランプのクラウスに噛まれたことにより、 望まぬ不老不死の力を得たことから始まるの」 「3000年前……」 いきなりの壮大すぎる話に、唖然とするしかない一同。 「不老不死――新たなるトランプとなったソフィに死を与えられるのは、 真祖たるトランプのクラウスのみ。しかし彼は姿を消し、 ソフィの懸命の捜索もむなしく見つけ出すことができない。 死にたくても死ねないまま続く永遠の日々に疲れ果てたソフィは、 ともに永世を生きる仲間を求めた。そのために1000年前、 繭期のヴァンプ達を集め創設したのが、サナトリウム・クランなの」 望まぬ不老不死となり、死を求めてさ迷い歩く永遠の日々。 その凍りつくような時間の流れを想像し、春菜は思わず身震いがする想いだった。 だが、春菜の想いは当然のことだがあくまで想像の産物。 不老長寿というソフィに近い存在ともいえるさゆみにとっては、 これまで経験してきた長きに渡る歳月から、より強くその絶望が響くのではないか。 さゆみの心なしか哀しげな表情から、ふとそんなことを夢想する。 「とはいっても、新たなるトランプのソフィには真祖クラウスのように 噛んだ相手に不老不死を分け与える能力は備わっていない。 でも彼は諦めなかった。その血液を元にして精製し、試行錯誤を重ねた上で ついには飲んだ者の老いを止める薬を作り上げたの」 「老いを止めるってつまり」 「そう、不老を実現する薬ってことね。ソフィはその薬を、 繭期の症状を改善する薬だとして、集めてきたヴァンプ達に定期的に飲ませた。 さらにソフィは、事前に彼女達を噛んでイニシアチブを掌握し、 クランで暮らすために都合の悪い記憶をその都度消去改竄していった。 こうしてクランの住人は、本人の知らぬままに永遠の繭期を生きることとなり、 ソフィもファルスと名を変えてその一員となることにより、 ついに彼の望み、ともに永遠を生きる仲間を得ることができたの。 まあ、仲間というにはあまりに一方的な押し付けだけどね」 「ファルスって確かどぅーの……」 聖の記憶にうっすらと残るその名前。 さゆみも微笑んでそれを肯定する。 「工藤の宿主となっているのがファルスのようね。 そんなファルスがようやく作り上げた永遠の繭期も、 もちろん1000年もの長い歳月の中では色々トラブルが生じることだってあった」 「……繭期も1000年やってらんないでしょ」 「あぬみんサムい!」 ふと思いついたフレーズをこっそりドヤ顔でささやくも、 まさかの優樹に一刀両断されて凹む亜佑美を、みんな生暖かくスルーした。 「薬との相性が合わずに死んでしまった者も大勢いるし、 不老が実現したのなら不死も同時に備わっているのではないかと試して、 ファルスが少女達を殺してしまったこともある」 「非道い……」 春菜が口を押えてうめくように呟く。その瞳はすでに涙で濡れていた。 「ホント非道い話よね。 そして、りほりほの宿主であるリリーも、トラブルを起こしたことがあった。 スノウとともに800年以上前からクランで過ごす古参メンバーだったリリーは、 500年前に自らが望まぬ永遠を生かされていることを知り、 普通に死ぬことができる元の身体に戻してほしいとファルスに懇願した。 でもファルスはそれを許さず、記憶を改竄してまた永遠の繭期を生きるよう強制したの」 「望まぬ永遠の生を与えるって、3000年前に自分がされた仕打ちとおんなじじゃないですか」 悲嘆と憤慨がないまぜになったような声で衣梨奈が指摘する。 「その通り。でも長い歳月が、それに気づかぬほどファルスの心を歪ませてしまった。 ともあれ、トラブルがあってもみんなの記憶を操作することで乗り切ってきたファルスは、 300年前からファルスの考えに賛同した紫蘭と竜胆の協力も得て、 よりスムーズにクランを運営していくことができるようになった。 ファルスの理想の世界は、このまま永久に続いていくかにも思えたのだけど……」 そこで言葉を切ったさゆみが、一旦紅茶で喉を湿らせた後、 まるで宣言でもするかのように厳かな声を発する。 「その崩壊のきっかけを作ったのは、シルベチカだったの」 ○ 「ねえ、本当にお化けが出たらどうする?」 「お化けが出たら大歓迎よ。むしろあたしはお化けがいてくれた方が嬉しいわ。 だって、お化けがいるっていうことは、死んでもまだ続きがあるっていうことでしょ?」 ――立入禁止区域探検中、ローズとカトレアの会話より。 ○ シルベチカ。 里保の宿主であるリリーが、ずっと探し続けてきた少女。 彼女の秘密がついに、さゆみの口から明かされる。 「シルベチカもまた、自分が薬で無理やり永遠の繭期を生かされていると知ってしまった。 それに対し彼女は、不老の命を強硬に拒絶した。 薬を飲むことを拒み、クラン中を巻き込んだ大騒動を引き起こしたの。 そして最後には、薬の効果が切れたため止まっていた何十年分の時間が一気に押し寄せ、 急激に老いさらばえた挙句、そんな姿をさらしたくないと みんなの見ている前で塔の上から飛び降りて自殺してしまった。 それがこの物語の始まりから10年も前のこと」 「10年も前……。じゃあリリーは10年間ずっと、もう死んでしまってるシルベチカのことを いなくなったと思い込んで探し続けてたということですか?」 「ファルスにイニシアチブで記憶を消されたからでしょ。 あれ? でも記憶を消されたんなら、どうしてリリーはシルベチカのことを覚えてるんだろ??」 聖の疑問に答えた香音だったが、自分もまた話している最中に矛盾を感じて首を傾げてしまう。 「そうだね。事件のあとファルスは当然イニシアチブでみんなの記憶を操作して、 シルベチカに関する情報を消し去った。それでいつも通り全て解決したと思っていたの。 でも、シルベチカの最後の言葉、『私を忘れないで』という一言が、 みんなの心に絡みつく呪縛となった」 「呪縛……」 言葉の力、言霊が与える影響力については、以前衣梨奈もさゆみから聞いたことがある。 この時のシルベチカの一言がまさにそうだったということか。 「シルベチカの恋人だったキャメリアは、記憶は戻らなくても 自分でもわからぬままについ女子寮に何度も足を運んでしまう。 そしてリリーは、不完全ながらシルベチカのことを思い出した。 彼女はシルベチカがいなくなったと思い込み、 何度記憶を改竄されても探し続けるのをやめなかった。 そしてそれは、リリーの『覚醒』を促すきっかけにもなったの」 「『覚醒』ということは、やっぱりリリーにも何か秘密があったんですね」 「秘密という表現だとちょっと違うんだけどね。 まあとにかく、そんな様々な過去を経ての現在。 クランの破滅の始まりは、2つの事件によってだった。 第一の事件の主役が、マリーゴールド。 彼女はマーガレットと親衛隊3人を噛んでイニシアチブを握り、 スノウ――彼女にとってリリーのことを不幸にする存在――を殺すように命令したの。 そして第二の事件の主役が、チェリー、ローズ、カトレア、ナスターシャムの4人組」 その名前を聞いてなぜか自分のことを呼ばれたような気持ちになり、 亜佑美と香音がなんとなく照れたような表情で顔を見合わせる。 「立入禁止区域を探検していた彼女達は、偶然ファルスが秘薬を製作する工房を見つけ、 そこでシルベチカの名前が記載されたクランの歴代在籍名簿と、 リリーとスノウの姿が写っている800年前の集合写真を発見してしまう。 そのため永遠の繭期を守ろうとする紫蘭に口封じで殺されそうになり、 どうにかリリーの元へと逃げ出したの」 「それまで知らないと言い続けてきたチェリー達が、ついにシルベチカの存在を知って これまで聞いたリリーの言葉が嘘じゃないとわかったんですね」 ずっとリリーの話をまともに受けとめようとしなかったチェリーの後悔が、 なぜだかダイレクトに亜佑美の心に響いてきて、そっと胸を押さえる。 「混乱の中で、リリーが、そしてスノウが、本来操れるはずのないイニシアチブの能力で 危機を脱するなんてこともありながら、ついにはみんなが一堂に会した。 そこに現れたのが、スノウをかばい刺されて死んだと思われていたファルスだったの。 ファルスにとっては、今回のこともよくあるトラブルの一つにしかすぎなかった。 自らの正体を明かし、シルベチカの死について語った後、 いつものようにイニシアチブでみんなの記憶を消し去った。 今回もまたそれで全てが問題なく収まるはずだった……」 ○ ファルスのイニシアチブを受けて倒れ込んだヴァンプ達は、 目を覚ますとこれまでの記憶が消されてしまっていた。 それぞれ起き上がると、みんな何事もなかったかのように普段通りの生活へ戻っていく。 その後残されたのは、ファルス、スノウ、そしてリリーの3人だけだった。 「これで元通りだ。……君達以外はね」 「どうしてあたしは、シルベチカを忘れずにいたの?」 満足げに笑うファルスに、状況の変化に対応しきれず混乱の残る様子のリリーが問いただす。 「それはスノウ、君の口から話してあげればいい」 「……スノウ」 「リリー……。あたしとあなたは800年間もこのクランで生き続けてきた。 800年もの長い間、ファルスの血液を体内に摂り続けたことによって、 あたし達の身体はファルスと同化していったのよ。 あたし達は、ファルスなの。 だから、ファルスのイニシアチブの影響を受けなくなってしまったのよ」 「あたし達が……ファルス!?」 身体が同化するだなんて信じられないような話だけど、これまでリリーと 行動を共にしてきた里保には、確かに話の辻褄が合っていることがわかる。 辛そうに言葉を紡ぐスノウの後を継いだファルスの声は、 好対照なまでに自慢げなものだった。 「その兆候が最初に現れたのは、スノウだった。今から50年ほど前だ。 彼女は僕のイニシアチブの影響を受けることなく、失われるはずの記憶を保ち続けた。 そして……。君にもようやく、その兆候が現れた。 君はシルベチカの記憶を忘れることなく保ち続けた」 そこで恫喝するかのように声を高め、ファルスがリリーに迫る。 「スノウは!! 全てを受け入れてくれた。このクランで永遠に生き続けることを。 だからリリー。君も受け入れるんだ、この運命を」 「あたしは……死ぬのが怖かったの。もし、死から逃れることができるなら、 トランプに従い、このクランで永遠を過ごしても構わないと思った。 でも……!」 「何を怖れることがある!!」 震える声でリリーに真情を吐露したスノウだったが、 最後に伝えようとした何らかの決意を込めた言葉は、声を荒げたファルスに遮られた。 「君達は僕の最高傑作だ。君達はもしかしたら、不老不死の身体を手に入れてるのかもしれない。 でもそれをどうやって確かめたらいい。君達を、一度殺すしかない。 僕は、何度も何度も何度も何度も君達を殺そうとした! でもできなかった!! 君達がもし不老不死でなければ、僕は君達を失ってしまう。 そんなのは嫌だ。僕は、君達を愛しているんだ。 いなくならないでくれ。僕を独りにしないでくれ。 僕は。僕は……寂しいんだ」 自分の世界に酔いしれたように熱く語るファルスの口調は最後 懇願のような呟きに変わるも、それがリリーの心に響くことはない。 「そんなことであなたは、あたし達を800年も苦しませてきたっていうの」 「800年が何だっていうんだ!! 僕は、僕はもう3000年も生きているんだ!! たった独りで……3000年もだ」 「だからってこんなの、酷すぎるよ」 そしてファルスの剣幕に圧倒されながら上げるリリーの苦しげな抗議の声もまた、 彼の心に届くことはなかった。 「さあ、我が永遠の友よ。未来永劫の時を生き続けよう。 この世界に終わりが来ようと、僕達の終わりはこの世にはない」 それを拒否される可能性などまったく考えていないような、 陶酔した顔つきでリリーを誘うファルス。 「スノウ……ダメよ!」 ファルスの傍らで目を伏せるスノウにかけたその言葉は、 ファルスに従わないよう促すものなのか、 それともこれから起こることを予見してのものなのか。 「ねえ、リリー。覚えてる? あたし達、800年前は親友だったのよ」 「スノウ……」 リリーの目をしっかりと見据えて、すがるような言葉を投げかけるスノウ。 その瞬間。 狂気に満ちた一陣の風が、リリーの背後からまっすぐ吹き抜けた。 「……マリーゴールド!」 「リリーを悲しませるヤツは許さないわ」 走り込んできたマリーゴールドの振るう短剣が、あやまたずスノウの心臓を貫く。 悲鳴を上げることもなくその場に崩れ落ちるスノウ。 「何やってんだよ!! どうして!? お前の記憶はイニシアチブで消したのに!!」 倒れたスノウに駆け寄るリリーとファルス。 リリーがスノウを後ろから抱きかかえ、ファルスはその足元にすがりつく。 「……あたしが思い出させたのよ。 あたしとあなたのイニシアチブは同じヒエラルキーにあるわ。 だから、あたしが思い出させたの。マリーゴールドの記憶を。 あたしを、殺したいほど憎いっていう記憶を……」 「スノウ! ダメだ! 死んじゃダメだ! 君は僕の最高傑作だ。君は、不老不死なんだぞ。死ぬはずがない……。 さあ、スノウ! 立ち上がるんだ……」 取り乱して叫ぶファルスに目をくれることもなく、リリーのことを見つめるスノウ。 真っ赤に泣きはらしたその瞳から、とめどなく涙が零れ落ちる。 そして刹那、燃えるような輝きを放った後、徐々に光を失っていった。 「ねえリリー。忘れないでね、あたしがいたことを……」 「スノウ……」 その言葉を最後に、スノウがゆっくりと目を閉じ、そのまま息を引き取った。 「死んだ! 死んだわ! ハハハハハハ。 これでリリーを悲しませるヤツは消えた。 リリー、私があなたを幸せにしてあげる」 スノウの死を見届け狂喜するマリーゴールド。 その身体から突然、大きく火の手が上がる。 「身体が……燃える! ファルス、あんたのイニシアチブね」 「お前なんか、燃えて……灰になれぇぇ!!!!」 「あんたも私とおんなじね。可哀想な人。アハハハハ、ハハハハ……」 「マリーゴールド……!!」 マリーゴールドの笑い声とともにひときわ大きな炎が舞いあがり、 その身体は灰となって完全に消失した。 目の前でスノウとマリーゴールド2人の死を目の当たりにしたリリーは、 思考が麻痺してしまったのか、ただ名前を呼ぶことしかできない。 そして里保もまた、あまりに衝撃的な光景を前に絶句するしかなかった。 ただ、これでマリーゴールドはバンシーでないことがはっきりした。 となると、残るはやはり……。 「綺麗に消し飛んだ。ハハハハ、ハハハハハ……」 狂ったように絶笑するファルス。 だが、ほんの一瞬だけ重なったその視線は、間違いなく遥のものだった。 それはファルスとリリーの同化の影響か、それとも2人の想いが同じだったためか、 その視線だけで遥の思考がダイレクトに里保に伝わってきた。 そう。後はもう決定的なタイミングを待つだけ。 バンシーとの対峙の刻は近い。 ○ 「スノウの死によって、ファルスにとっては全てを共有した存在として ともに永遠を生きることのできる相手がリリーしかいなくなった。 彼はリリーに自分を受け入れるように迫ったの。 それに対してリリーは、マリーゴールドの、そしてスノウの死をまのあたりにしても、 徹頭徹尾自分自身のことしか頭にない勝手極まるファルスの姿に、ついに怒りが爆発した。 このままファルスの言いなりで、歪み切った永遠の繭期を続けていくわけにはいかない。 そう決心した彼女は、怒りで高まったイニシアチブの能力によりファルスの行動を封じ、 同じくイニシアチブを使ってクランのみんなを呼び出したの」 「一体リリーは何を……」 この後の哀しい結末を予感してか、聖の問いかけは半ば独り言のような弱々しいものだった。 みんなも、息を殺してさゆみの次の言葉を待つ。 「呼び出されたみんなは、リリーの命令により腰の短剣を手に取った。 そして、ファルスが半狂乱になってやめてくれと制止するのも構わずに、 自らの心臓を貫いて、全員が自害して果てたの」 「そんな!!」 思わず上がる悲鳴のような声と、そして嗚咽。 「そしてリリーもまた、ファルスの最後の懇願も無視して同じように自らの心臓を貫き倒れた。 こうして、ファルスが1000年の時をかけて作り上げてきた永遠の繭期は、ついに終焉を迎えたの。 取り残されたファルスは、全てを絞り出すような絶望の叫びを放った後、 諦めたかのように弱々しく立ち上がり、 『僕には時間だけはいくらでもあるんだ。それこそ永遠に』と 捨て台詞を残して独りクランを去った。 そこから再び永きに渡る彼の放浪の日々が始まるのだけど、これはまた別の物語」 重々しい空気が辺りを支配する。 みんなの瞳は涙で濡れ、時折堪えきれず嗚咽の声が漏れる。 「本当に……哀しいお話ですね」 衣梨奈の呟きに、さゆみがため息で応えた。 「そう。ここで終わっても十分に悲劇の物語なんだけどね」 「えっ!?」 「悲劇はこれだけでは終わらなかったの。 リリーは、ファルスが作り上げた勝手極まる永遠の繭期を終わらせるため、 その呪いから解放するためにみんなを死へと追いやった。 ただ彼女の行為は、みんなの意志を完全に無視しておこなわれたものであり、 リリーの自分勝手な思い込みの巻き添えにしたという意味では、 ファルスがこれまでしてきたこととまったく同じだった。 そして彼女は、もっとも残酷な形でその報いを受けることとなるの……」 ○ 森を支配していた永遠に止むことのないはずの雨もいつしか上がり、静寂だけが支配する空間。 ヴァンプ達の亡骸が放置されている中を、ゆっくりと上体を起こす人物の姿があった。 それは、リリーだった。 どうしてあたしは、こんなところに倒れているんだろう……。 周囲を見渡し、霞み掛かった思考が徐々に回復してくる。 「……みんな。……夢!? あっ、あ、あたし……。どうして……。心臓を貫いたはずなのに。 チェリー! ……カトレア! ……マーガレット! ……みんな! スノウ! ねぇ! スノウ! 起きてよ! 起きてよ! 起きてよ! 起き……。 どうして……。あたしだけが」 手当たり次第みんなにすがって身体を揺さぶるが、一度命を失った者が再び目を覚ますことはない。 なぜ自分だけが生きているのか。動転したままにリリーは落ちていた短剣を手に取り、 そして先ほどと同じように大きく振りかぶると、絶叫とともに自らの心臓を深々と貫いた。 ……が、死ねない。 短剣を引き抜くと、胸の傷が見る見るうちに塞がり、全てが元通りに回復してしまう。 「……嘘だ」 ファルスの言葉が、リリーの脳裏に蘇る。 「君達は僕の最高傑作。もしかしたら君達は、不老不死の身体を手に入れてるのかもしれない」 嘘だ! こんなのはあり得ない! こんなことがあってはいけない! こんなことが……。 「あっ! あっ! あっ! 嘘だわ!!!!」 半狂乱で自らの胸を延々とめった刺しにするリリー。 だが、その結果はなんら変わることはなかった。 嗚咽とともに、短剣を取り落す。 死にたかった。みんなとともに死ぬはずだったのに……。でも、死ぬことができなかった。 ずっとあたしのことを気にかけてくれていたチェリー。 心配性で世話焼きのローズ。 退屈と言いながら楽しげに駆け回っていたカトレア。 マイペースで不思議な言動をするナスターシャム。 可憐で天真爛漫なマーガレット。 そんなマーガレットを姉と慕うジャスミン、クレマチス、ミモザ。 時には厳しくあたし達を導いてくれた紫蘭。 いつも温かくあたし達を見守ってくれた竜胆。 シルベチカに深い愛情を注いでいたキャメリア。 みんな、死んでしまった。……いや違う。 あたしが、この手で、殺してしまった。 みんな誰も死にたいだなんて望んでいなかったのに、 それを、あたしは、勝手な想いを押し付けて、無残にも殺してしまった。 この手でみんなを殺めたという重い十字架を背負って、 不老不死の身体とともにあたしに永遠を生きていけというの?? そんなことできるわけない!! そんなことできないのに……できないのに、死ぬことさえできないだなんて……。 そんな……そんな…………!!!! 「あああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」 絶望の慟哭を上げること三度。 その場に崩れ落ちたリリーは、いつまでも肩を震わせていた。 … … … … … リリーの口から洩れる嗚咽だけが微かに響くクランの広間。 放置された亡骸の中から、息絶えたはずの一人の少女が音もなく立ち上がる。 真っ赤に泣きはらした燃えるような瞳からは、とめどなく涙が流れ落ち、 その掌はほのかに青白い光を放っていた。 ――リリー、そんなに嘆かないで。あたしが今、あなたの望みを叶えてあげるから…… 声なき声とともに、その少女――バンシーはうずくまるリリーにそっと近づくと、 魔力を帯びた掌を、ゆっくりとその肩に伸ばした。 ←第三章 第五章→
https://w.atwiki.jp/eternalwing/pages/16.html
呪われたギルド? ~永遠の呪いと共に~ 普段は賑やかで楽しいギルドとして活動している我がギルド。 しかし、表があれば裏もある。 このギルドに所属している人は身の回りに 何かが起こることからこの説が現れた。 その例は、突然落ちられられなくなる、 運が悪くなる、など・・・ 呪われた主な原因は全く不明である。 @呪いによる主な被害@ ・ログイン障害 (ログアウトが突然できなくなる) (いつもより回線が切れやすくなる) ・アイテム紛失 (手持ち及び金庫内のアイテムが突然消える) ・PC不調 (原因不明の故障が起こる) (PCが突然重くなり、フリーズしたりする) ・突然の不運 (生産で大赤字) (アミが全く動かなくなる) (レアアイテムが出ない)など 現在、呪われた理由を解明中。 ギルドメンバーはくれぐれもご注意を。
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/580.html
永遠のフィレーナ(Part2/2) ページ容量上限の都合で2分割されています。 16-54~55・79~89・150~160・286~292・377~387・420~431 54永遠のフィレーナsage2005/06/11(土) 15 05 06 ID TzIYx1ZY バラバ室。 ラリテニア反乱軍は勢いを増しているらしい。 バラバ1はフィレーナ殺害を優先しろと命じる。 3が疑問を口にした。 「バラバ1…おかしいとは思わんか? 何故定期船に密航するような危険までおかすのだ…? 何か目的があるとしか思えん!」 1 「脱走バトラーに目的だと…!?」 集落。アマネラが道を説明してくれる。 森を抜けた先で暮らすフラクじいさんを訪ねるようにと言う。 自分は行けないが、そのかわりにギャッピーを貸してくれるという。 そしてギャッピーの首輪に、事情を説明した手紙を結びつけた。 「くれぐれも2人を頼んだよ!」 ギャッピーはとてもフィレーナに懐いているらしい。 「フィレーナ、いつかまた会いたいもんだね。 あんたが女として自由に生きられる時が来るように祈ってるよ…」 アマネラは最後に一度振り返ると、子が待つ集落に戻っていった。 フラグじいさんの家に到着。 家の中に突撃していったギャッピーがフラクに飛びついて喜ぶ。 「お前の集落の近くで、派手なクレチア狩りがあったと聞いて 心配しとったんじゃよ…。アマネラたちは無事かい?」 喜んで回るギャッピー。 フラクは安心した顔で良かったと言い、続いて入ってきた2人に気がついた。 「はじめましてフラクさん、私の名前はリラ…」 「ボクはフィレーナ…」 「どうやらギャッピーと一緒のところを見ると、アマネラの友達のようじゃな…」 ギャッピーが首の手紙を見せる。 「ほうほう…おまえさんら、ボーに?」 リラが前に出た。 「フラクさん、助けてください。 私たち、ボーで刀鍛冶をしているウトという人に会いたいんです」 55永遠のフィレーナsage2005/06/11(土) 15 05 55 ID TzIYx1ZY 帝国の首都ボー。簡単には入れないが何とか考えてみようと言うフラク。 アマクネ族のアマネラは、娘のようなものだと言う。 「大船に乗った気持ちで休みなさい。」 2人はフラクの好意に甘えて、休ませてもらうことになった。 眠る前にリラは思い出して笑った。 「大船に乗るのは、これで二度目ね」 「定期船のことかい?」 ギャッピーはフラクの足元で眠っている。 ベッドに入った後でリラは言った。 「あの日の夜…、波の音を聞きながら思ったの あなたとこれからもずっと、一緒にいるんだって…」 「センチメンタルだな…」 「センチメンタルで悪い!?」 慌てて首を振った。 朝。庭で作業をするフラクと、隅で眠るギャッピー。 リラが伸びをしながら起きてきた。挨拶をするフィレーナ。 「おはようさん…ちょいと早いが、ボーに出発するぞ さあ、みんな乗っておくれ!朝のうちにボーにつかんとな」 リラが薪が積まれた荷車に近づく。 「フラクさん、これにのってボーの都へ?」 フラクは頷いた。この中に隠れていけば、まず見つからないという。 乗り込むフィレーナとリラ。 「ギャッピー!」 リラが呼ぶと、ギャッピーが飛び起きてきた。 「ちょいとせまいが、しばらくガマンしておくれ」 こうして荷車(山盛りの薪+人2人+犬)をフラク自ら引っぱり出発する。 馬は使わない。タフだ。 こうして一行はボーに到着したのであった。 79永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 26 18 ID 47cz1PmH 帝国の都・ボー。建物の中に街がある。 入り口を守る保安兵はフラクの姿を見ると門を開けた。 どうやらフラクは、昔から薪を売りに来ていた模様。 荷車を調べられそうになるもリラの鳴きまね(猫)でごまかす。 建物の中までくると、フラクはウトに会えるよう祈ってると言った。 鍛冶師のウトを探して地下のクレチア地区まで降りてきた。 奥の家の男にウトの名を出し尋ねてみるが反応は冷たい。そして怒鳴られる。 今度は『フィレーナの剣』について尋ねてみる。 結構いい反応するものの、老人は帰ってくれ!の一転ばり。 取り付く島もなく背を向ける老人を見ながら、リラが言った。 「人違いだったみたい…帰りましょう、フィレーナ…」 その言葉に老人が振り向いた。 「フィレーナだって…!?」 バラバ室で会話中の1と3。 3 「アルメイの星?」 1 「そうだ、労働許可証のな… 鉱山現場の主任をしているレパードという属国民から 手配書が出されている」 3 「アルメイの星を手にしたまま行方が分からなくなった 男と女、2人のクレチアか…」 1 「鉱山からの脱走者を発見するために、アルメイの星には発信機能がある… 2人の発進元をたどっていけば…」 80永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 27 05 ID 47cz1PmH クレチア地区、老人の家。 フィレーナの名を聞いた老人がさらに怒っていた。 「ワシの知っているフィレーナ様は男などではない! 貴様ら一体何者だ!?覚悟しろ」 戦闘を仕掛けてくる老人。 フィレーナの動きを見て「フィロセラ剣術か」と驚くものの戦いはやめない。 しかし、フィレーナがゼナから受け取った首飾り『フィロセラの希望』を取り出すと 印籠を見せられたかの如く動きを止めた。 「それでは…あ、貴方様が!?」ハハーorz やはり老人が、鍛冶師ウトだった。 「よくぞ生きておいでに…。このウト、お待ち申しておりましたっ それにしても男の姿で来られるとは…」 後ろのリラとギャッピーに視線を移す。 「して、この女と犬は…?フィレーナ様のしもべの者ですか?」 「シ…シモベですって!?」 ウトの言葉にピュアな乙女心が傷ついたリラ。 「あなたとフィレーナがどういう知り合いか存じませんが 私はこの人の妻です!ツ・マ!」 ジジイは文字通り飛び上がって驚いた。 フィレーナがウトに言った。 「ウトさん、どこか話のできるような場所はありませんか? 詳しい話はちょっとここでは…」 フィレーナの言葉にウトは頷くと、2人と1匹を隠し部屋へ導いた。 81永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 27 30 ID 47cz1PmH バラバ室。 通信機から連絡が入ってくる。 フィレーナ達が所持するアルメイの星の発信元を辿っていくと ボーにたどり着くらしい。 3 「信号が途切れた… おそらくバラバ22がボーの近くにいるはずだ…」 1 「ヤツらもボーにいるのか! 我等帝国の首都に入り込んで一体何をするつもりだ!!」 ウトの隠し部屋内。 ゼナや自分の今まで、そして知らされた真実について話すフィレーナ。 一方リラは、フィレーナがフィロセラの王女だと知って複雑な顔。 「リラさん…、フィレーナ様は我が祖国フィロセラの王女様で 私は王宮に仕える身でありました…」 ウトは壁に大切にかけられた剣を外すと、恭しくフィレーナに差し出す。 「こうしてこの王家の剣をお渡しできる日が来ることを このウト、待ちわびておりました…」 『フィレーナの剣』をゲット ウトは、国王の命令により帝国によって汚された海を 綺麗な海水に変える実験を密かに行っていたと言う。 そしてその成果は『フィレーナの剣』の中に納まっている。 「この剣の中に?」 ウトは頷いた。 「その剣から出る光は、汚れた海を元の美しい水に戻す力を持っています… この剣の力を、フィロセラの海で試していただきたいのです…」 82永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 27 55 ID 47cz1PmH 突然、大人しかったギャッピーが屋内に向かって吼えた。 「…帝国の兵士です!この場は私にお任せを。何とか切り抜けて見せます」 ウトは本棚の仕掛けを動かし、隠し通路を開いた。 「我が国王の願いを、是非とも叶えてください。そしてフィロセラの海を再び…」 かつてフィロセラのあった地、ボーの南を目指すように言うと ウトは皆を通し通路を閉じた。 「フィロセラの希望の光よ…。どうかご無事で…!」 隠し部屋内に進入してきた兵士は変装を解いてバラバになった。 応戦するウトを壁に押し付け、殺す。 隠し通路の仕掛けに気がついたバラバは、先回りをすべく部屋を出て行った。 地下通路。 階段を下りた2人と1匹。 リラがフィレーナに尋ねた。 「さっきウトさんが言っていたフィロセラ国王の願いって…?」 「王国を再興する事…。 帝国に滅ぼされた海洋王国フィロセラを、再び蘇らせる事さ…」 まだ見ぬ王国に思いを馳せるフィレーナを見ながら、リラが呟いた。 「フィロセラ…それがあなたの故郷なのね…。リラも故郷…欲しいな…」 寂しい表情を浮かべるリラを見て、フィレーナは約束する。 「リラ…君の故郷は、いつか必ずボクが見つけてあげるよ…」 83永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 28 28 ID 47cz1PmH 通路を抜け、出口付近まで近づいた時 リラが何かのかすかな音に足をとめた。 フィレーナも気がつく。 「シッ…静かに、もしかしたら…。こいつだっ」 懐から小さな発信音を放つアルメイの星を取り出す。 「私たちが持っているアルメイの星から…?」 「鉱山現場からの脱走者を発見するための発信機かもしれない… リラ、アルメイの星を出して…」 フィレーナは2つのアルメイの星を捨てた。むしろ壊せ。 『気づくのが遅すぎたな…』前方出口からバラバ22が現れた。 「ウトとかいうジジイにあって、一体何を企んでいる?」 「ウトさんに何をっ!」 ゆっくりとフィレーナ達に近づくバラバ22。 「死んでもらったよ、お前と関わったためにな…」 引き返そうとした2人と1匹の前に瞬間移動で現れ道をふさぐ。 戦闘開始。ボコる。勝利。 ウトの死を知り、肩を落とすフィレーナ。 自分に関わって亡くなった人達を思い出す。 「ボクが会いに行かなければ…」 リラがその傍らに立ち、はっきりと言った。それは違う。 「ウトさんは貴方に会えた事をあんなに喜んでいたじゃない!」 悲しんでばかりはいられない、そうでしょう?と励ます。 顔を上げ、リラを見る。 「ありがとう、リラ…。君がいなければ…ボクは……」 「2人で行きましょう…。貴方の国、フィロセラへ!」 自分もいるとばかりにフィレーナに寄るギャッピー。 2人と1匹は、フィロセラに目指して歩き出した。 84永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 28 59 ID 47cz1PmH バイセーラ(行商人)の村・ベルーシ 南下して村に到着。 宿屋で出あったバイセーラが言うには、旧フィロセラ領に入るには さらに南の帝国軍事基地ルシベを超える必要があるという。 「クレチアが基地に入れるはずないべさ。服着てけ(要約)」 バイセーラの服を購入し、偽装していく事になった。 ベルーシ山を通って川を越えると、一軒の家があった。 扉をノックしようとすると、中から怒鳴り声が聞こえてくる。 「何度言ったらわかるんじゃ!王様の額は、もっと聡明で威厳がおありじゃ!」 その言葉と同時に中から黒髪の少女が飛び出してきた。泣き崩れる。 「ううっ…あたしには無理よ…」 心配したリラが事情を聞くと、祖父に絵を書き直すように言われたのだという。 「わかった…お姉ちゃんが一緒に行ってあげるわ…」 少女を伴い、家に入るリラと後を追うフィレーナ。 ギャッピーは外でお留守番。 中では老人が一枚の絵を前に仁王立ち。 「あんたらはだれだね?余計な口出しはせんでくれ。 旅の人よ、ご親切はありがたいが…うん…!?」 老人の視線がフィレーナの顔の前で止まる。 「こっ…これはっ!夢でも見ているのかっ、ソフィカ!ここに来なさいっ」 呼ばれた少女がビクビクと老人の側へ行く。 「じいちゃん、許して…」 「いいからこの人の額をよく見てごらんっ!」 少女をフィレーナの前に立たせると興奮して叫んだ。 「生き写しじゃー!」 85永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 29 25 ID 47cz1PmH 老人は、絵描きのヤコスだと名乗った。少女は孫のソフィカ。 「じいちゃんは死ぬ前にどうしても完成させたい絵があるって…。王様の絵よ」 祖父は手が不自由なので、変わりにソフィカが描いているのだと言う。 フィレーナにすがり、モデルになって欲しいと懇願するヤコス。 「すごいわ、モデルだって!」と素直に喜ぶリラ。 「いや…あの…」 「承知してくださるんじゃなっ、ああ…これで絵が完成する! ソフィカ!もうひと頑張りじゃっ」 「ちょっと…」と言いつつ引っ張られてイーゼルの前に立たされるフィレーナ。 外でお留守番のギャッピーが退屈そうに扉を見つめる。 絵を描くソフィカに、隣でリラが話しかけた。 「王様の絵って、どこの国の王様なの?」 「じいちゃんの生まれた国…。とても美しい国だったんだって でも今はもう消えちゃったの…」 何かに思い当たるリラ。亡くなった国、フィレーナとよく似た王様。 「ソフィカ!その話は人前でしてはならんとあれほど言ったじゃろうがっ!!」 怒鳴るヤコスに謝るソフィカ。 「ヤコスさん…、その王様ってフィロセラの…」 その言葉を遮ったヤコスは、今すぐ出て行くように言った。 「…ヤコスさんたち、もしかしたらフィロセリアン(フィロセラ人)の生き残り?」 「変な噂を立てられては迷惑じゃ!出て行ってくれ!」 リラは気にせずフィレーナを指した。王女様デスヨ。 飛び上がるヤコス。フィレーナが一歩前にでた。 「ボクの名前はフィレーナ…。フィロセラ王はボクの父です」 「なななっなんとっ」 急激に血圧が上がったジジイはムセた。 86永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 30 06 ID 47cz1PmH バラバ室。 ボーで調査しているバラバから連絡が入ってきた。 1 「ボーの刀鍛冶の部屋から、フィロセラの実験道具が出てきた!? だからその刀鍛冶がフィロセリアンだというのか?」 馬鹿馬鹿しい!と言う1。3はモヤモヤしてるっぽい。 「…バラバ1、確かにフィロセリアンは16年前に全て息絶えた。…だが」 1 「フハハッ…、あのフィレーナがフィロセリアンだとでも言うのか? …フィロセリアンは国と共に16年前、この世から消えたのだ!」 ムセてベッドに運ばれたヤコス。 落ち着きを取り戻すとフィレーナに話しかけた。 「フィレーナ様…このヤコス、身を隠して生きてきた甲斐がございましたっ」 そしてムセる。ソフィカが休ませようとするが王女の前で失礼だというヤコス。 待ちくたびれたギャッピーが鼻を鳴らして入ってきた。 フィレーナはヤコスに約束をする。 「フィロセラ王国が復活したら、きっと迎えに来ますよ…」 感無量のヤコス。 2人と1匹はソフィカに挨拶を済ませると、家をあとにした。 帝国軍事基地ルシベ。 物物しい雰囲気に圧倒されつつもバイセーラの服に着替る2人。 保安兵が近づいてくる。 閉門の時間なので追い出されそうになるが、気が変わったのか 中に入れてくれるという。どうやらリベート目当てらしい。 「どうせうるさい幹部達も、明日の朝まで戻って来んし…」 保安兵について建物内へ。 87永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 30 43 ID 47cz1PmH 部屋に連れていかれる途中で、陸軍幹部と鉢合わせした。 「こいつらは何者だ!?」 閉門時間なのに何故バイセーラがいるのがと問う幹部。 焦る保安兵。 「どうせリベートでも取るつもりだったんだろう。今回だけは見逃すが、今夜は徹夜で警備しろ」 そういうと去っていった。ため息をつく保安兵。 「まさか幹部殿がいらっしゃるとは… クレチア反乱軍の取り締まりで、明日まで戻らんと思ってたが…」 明日の開門時間まで目立たないように、と釘をさされ保安室に通された。 門は朝にならないと開かないので休む事に。 『全く、クレチア相手に何をやっているんだ! 我々は陸軍隊なんだぞっ、情けないとは思わんのか!』 怒鳴りながら陸軍幹部が保安室に入ってきた。 ベッドで休むフィレーナ達を発見してブチキレる。 慌てて部屋から出ようとするフィレーナ達だったが ベッドに『フィレーナの剣』を置き忘れてしまった。 目ざとく発見した幹部は、剣を手にして不審に思った。 「バイセーラが何故帝国製ではない武器を持ち歩いているんだ!?」 幹部に身体検査をされそうになったので 「何故逃げる!?」剣を取り返して逃げた。 部屋を出たところで幹部の怒鳴り声が響く。 「そのバイセーラをひっとらえろ! 反乱軍の一味だっ」 バイセーラの衣装を脱ぎ捨て、保安兵たちと戦闘。勝利。 建物内に響くアラーム。 入り口の扉はロックされているので、仕方なし建物を奥へ。 88永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 31 14 ID 47cz1PmH 上まで上がると、扉の奥から何故か幹部が。不敵に笑う。 「私はガイラス…。ルシベ陸軍隊の隊長にして、黒い悪魔のサブリーダーだ!」 そういうとバラバに姿を変えるガイラス。 「く、黒い悪魔のサブリーダー!?」 戦闘開始。倒す。勝利。 「ブ、ブレーン様…。後は…た・の・み……」消滅するガイアス。 「サブリーダーって言ってたわね。って事はリーダーもいるの?」とリラ。 「死ぬ間際に確か、ブレーンとか言ってたな。早く脱出した方がよさそうだ!」 そういうとフィレーナは扉の奥に進んだ。 そこは巨大な機械が並ぶ部屋だった。コンピュータの前でリラが立ち止まる。 「リラ…?」 「このコンピュータで出口を開門できるか試してみる… エンターテイメント・クレチアは何でもできるように教えられているの」 そう言うとリラはサブコンピュータにアクセスする。 ロック解除に成功。 出口へ向かおうとするフィレーナに、リラが声をかけた。 「これ見てっ」 巨大画面に映し出されたのは、フィレーナとリラの映像だった。 「見てっ、このデータ…」 そこにはフィレーナとリラの情報以外にも ドラを出てから出あった人物、辿ってきた足取りまで詳しく乗せられていた。 フィレーナが部屋を見渡して言った。 「いったい、この部屋は…、機密情報兵団の支部か… それとも帝国軍の情報部…。リラ、とにかく早く出よう!」 リラは脱出前にコンピュータのデータを消そうとするがサブコンピュータに拒否された。 ここでは機密情報は消せないという。 89永遠のフィレーナsage2005/06/16(木) 20 31 44 ID 47cz1PmH オート・パワーオフ。 「何これっ、コンピュータが勝手にパワーを切っちゃったわ」 フィレーナはリラを促すとコンピュータから離れようとした。 突如、電源が落ちたはずの画面に映る黒い悪魔の姿。 「お前はっ!!」 画面の中から話しかけてくる相手。 「部下のガイラスが大変世話になったようだ…」 そう言うと、画面から消え、次の瞬間にはフィレーナ達の前に立っていた。 青い光を体から放ちながら悪魔は名乗った。 「我が名はグランブレーン。黒い悪魔のリーダーだ!」 急速に膨らんだ青い光がフィレーナ達をはじく。 戦闘開始。 「このグランブレーンと闘おうなど、10年早いわ!」 倒す。勝利。 グランブレーンは画面に溶けいるように消えた。 どこからか声が聞こえる。 『アッハハハハ…ねぇ、どうして?』 周囲を見回す2人と1匹。 目の前にカプセルに入った胎児が浮かんでいる。胎児は語りかけてくる。 『ねぇ、どうしてにくまないの…?』 カプセルは2人と1匹の頭上を通過した。 『にくまなくちゃっ…。もっと、にくまなくちゃっ』 無邪気にそう言い残し、カプセルと胎児は消えていった。 150永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 02 25 ID 6gEDdeaG 「フィレーナ…、今のは何?カプセルに入った、赤ちゃんが…」 「分からない…、ボクらに何かを伝えようとしていたような…」 謎がモヤモヤ消えないまま、フィレーナ達は建物を脱出した。 外の風に触れたリラが深呼吸する。 「どうにか脱出できたみたいね…」 「リラ、ケガはないか?」 なんのこれしき!と元気をアピールするリラ。 フィレーナは、フィロセラが近づいている事を感じる。 「何が起こるかはわからないが…」 「分かってる…でも悪魔のリーダーを倒したんだもん もう怖いものなんてないわ…」 そういうとフィレーナを抱きしめる。 「ちょ、ちょっとリラ…。もう少し離れてくれないか!?」 リラは膨れた。 「…んもうっ、せっかくムードを出してるのに…」 しぶしぶフィレーナから離れると笑顔を見せた。 「リラは奥さんなんだから、たまには甘えさせてくれてもいいんじゃない? 恥ずかしがりやなんだから…」 フィレーナは瞬きし、ギャッピーは器用にため息をついた。 西のママミア橋を渡り、さらに西へ。 海沿いに立てられた小屋を尋ねると、ギャッピーと色違いの犬が奥へ逃げていった。 どうやらここが旧フィロセラの領地らしい。 ここに住む漁師のクリムさん曰く、海には汚れていて出られないとの事。 151永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 03 08 ID 6gEDdeaG 海の水を綺麗にする力を秘めた『フィロセラの剣』。 ウトの言葉を思い出し、フィレーナは浜辺に立った。 「何をするの…?」 「試してみる。『フィレーナの剣』が持っている、海を生まれ変わらせる力を!」 リラは広い海を眺める「本当にそんな事…」 フィレーナはリラとギャッピーを下がらせると、剣を掲げた。 『フィレーナの剣』から浄化光線が発せられた。 青い光が海上を走っていく。 沈黙。 変化の起こらない海を眺めて、フィレーナが1人と1匹に向き直った。 「ダメだ…何も…」 地面が揺れる。海が震えた。 「何が起きてるの!?」とリラ。 海を見たフィレーナが叫んだ。 「リラ!アレを!!」 フィレーナが指差す先。 海が揺れ、波しぶきが上がり、ゆっくりと海中から建物が浮上してきた。 フィロセラ王宮。 浮上した城は、フィレーナ達が立つ浜辺へと到着した。 「ドラの情報管理局で見た王宮の映像と全く同じだ…」 「これが…、フィロセラ王宮?」 門へと近づく2人と1匹。リラが扉を開けようと手をかける。 ビクともしない。ついでに鍵穴もない。 「王宮に入るにはいったい、どうしたら…」 リラが門の側の人魚の像に近づいた。 「フィレーナ、来てっ!人魚像に何か書いてあるみたい」 152永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 03 40 ID 6gEDdeaG 像に書かれていたものはフィロセラ文字だった。 「ゼナじいさんから教わった文字…」 「フィレーナ、読めるの?」 頷く。文字を読むフィレーナ。 『開けたかったらフィロセリアン2人で人魚像に触ってね。 でもフィロセリアンじゃなかったら海の藻屑(要約)』 「帝国の手から王宮を守るために …多分、フィロセラ王がこの門に仕掛けを施したのね…」 フィレーナ以外のフィロセリアンをリラは考える。 「水車小屋のヤコスさん!フィレーナ、頼みにいきましょう」 来た道を戻ることになった。 (ちなみに漁師のクリムさんはラリテニアン。 亡くなった嫁さんがフィロセリアンなんだそうです) ママミア橋を渡り、ルシベの軍事基地を通り、戻ってきました水車小屋。 家にいたのはヤコスだけだった。 「孫は薬を買うため、外に出ておりまして… でもご安心めされ…。王女様のためなら、このヤコス…」 咳き込んだ。 フィレーナを引っ張って下がるリラ。 「あきらめましょ…フィレーナ。あの体じゃ…」 流石に老人のヤコスにフィロセラまでの旅は辛いと思ったようだ。 153永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 04 14 ID 6gEDdeaG フィレーナはベッドの側まで戻ると、ヤコスの身体を案じた。 「しかし、フィレーナ様…。私に何か頼みごとがあったのでは…? 王宮が復活するという大事にこんな身体になってしまうとは…」 ヤコスはフィレーナとリラに向かって詫びた。 「申し訳ありませぬ…フィレーナ様…フローラ様…」 リラがフローラって?と尋ねる。 ヤコスは謝ると、リラとよく似ている娘の話をした。 「フローラ様は若い頃の知り合いで、それは美しい娘でした……」 「私に似た人がフィロセラに…?」 長話はヤコスの老体に悪いと思ったフィレーナが、一旦中断させる。 家の外で話す2人と1匹。リラは先ほどから何か考え込んでいる。 「フィレーナ…もしもフィロセリアンが見つからなかったら… …ヤコスさんが言っていたフローラって女性… もしかしてリラのお母さんだったりしてっ!」 自分で言って黙る。 「…そんなはずないわね…。さてと、占い師にでも頼る?」 リラがそういうので、ベルーシの占い師の下に行ってみる事に。 「探す人はすでに見つかり、汝の目の前に…」と出た。 水車小屋でソフィカを待とうにも(多分イベントが終わるまでは) 帰ってこないと思われるので、フィロセラに戻ることにした。 結局手がかりのないまま、王宮入り口に戻ってきてしまった。 リラが門に近づき、自分に試させて欲しいという。 「試すって、何を?」 このフィロセラがとても懐かしく思えると言うリラ。 「ヤコスさんが言っていた、フローラという女性は もしかしたら…、リラの…」 154永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 04 53 ID 6gEDdeaG フィレーナがリラに問いかける。 「分かっているのか? フィロセリアン以外の者が人魚像に触れれば海の藻屑となって…」 リラは覚悟を決めていた。フィレーナの役に立ちたい。 「どうして…、そこまで…」 「あなたが好きだからよっ!」 そう言うとリラは、フィレーナが止める間もなく人魚像に触れた。 「リラッ!!」 駆け寄るフィレーナにリラは言った。 「フィレーナ…早く、手が…とける…」 「なんてバカな事を!」 フィレーナは後ずさると、対となる人魚像に触れた。 震える王宮。 地響きと振動にギャッピーがぺちょんと伏せた。 人魚像の前で倒れている2人。 王宮の門は開かれた。 2人の間を通り、ギャッピーが入っていく。 意識を取り戻したフィレーナは、リラを揺さぶる。 「……リラ…、リラ…返事をしてくれ!」 リラは倒れたまま答えない。顔を伏せるフィレーナ。 リラが目を覚ました。まだ夢を見ているような顔だ。 「…リラ!」 「…リラがフィレーナと同じフィロセリアンだったなんて…」 ぼんやりそう言うと、視線を落とす。 「…どうしたのかしら…。嬉しいはずなのに…涙が…とまらないの…」 涙を見せないように背を向けたリラにフィレーナは言った。 「さあ、リラ。王宮に入ろう…」 155永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 05 28 ID 6gEDdeaG 王宮内。先に入ったギャッピーはそこで待っていた。 「…素敵な王宮ね…」辺りを見回しリラが言う。 十数年間海中に沈んでいたにも関わらず、全てが新しかった。 「ドラの家とは大違いだわ」 そしてフィレーナの正面に立つ。 「帰ってきたご感想は?フィロセラの王女さま?」 はしゃぐリラとは対照的に、静かなフィレーナ。 「リラ…、わからないんだよ… ウトさんの言ったとおり、海も、王宮も復活させた… でもフィロセラを復興させるには、これから何をすればいいんだ…」 1人先へ歩き出し、立ち止まって叫んだ。 「王国を復活させるために、ボクは何をすればいいんだっ!!」 リラはなだめるように言った。 「あなたへのメッセージが、王宮のどこかにあるかも… ここでくじけちゃダメよっ」 宝箱をあさりながら王宮内を歩きまわり王座にたどり着いた。 王と王妃の玉座の間に立つと、どこからともなく優しい声が聞こえてくる。 『お帰りなさいフィレーナ…そしてフィロセラの民よ… お前たちの帰りを、長い間待ち望んでいました…』 声はフィレーナに告げた。 『6つの灯台を直してフィロセラ復興プリーズ(要約)』 灯台の台座に フィロセラの希望(宝石) をはめると、光が戻るのだと言う。 声は、まず宮殿の近くにある第1灯台の明りを灯すように告げると聞こえなくなった。 156永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 06 08 ID 6gEDdeaG 王宮の外にでて、灯台へ向かおうとすると何やら浜辺に集団が見える。 浮上した王宮を見て騒ぐ男の1人に話しかけると 『オルカのフィレーナ』と名乗った。 自分の名前に、思わずフィレーナが聞き返す。 デビス帝国と闘う反乱軍だという。(オルカは男の名前) 「俺たちの他にも反乱軍は大小いくつもあるがな。今、世界中で結成されているんだ」 「フィレーナ、この人たち怪しくない?」 リラの言葉にオルカが反応した。 「俺たち反乱軍と同じ名前とは奇遇だな…」 フィレーナ という名は、いまや反乱軍のシンボルなのだと言う。 奇遇ついでにオルカの仲間に誘われるが、フィレーナは断った。 「…せっかくだが、ボク達もボク達なりに自由の為に闘っているんだ…」 オルカはフィレーナの両隣を見ると、鼻で笑った。 「たった2人と犬1匹でか?ハハハッ」 後ろに並んでいた反乱兵の1人が、オルカの背中をつつく。 「リーダー、この男、もしかしたら地下新聞の記事の…」 オルカは首を振った。 「そのフィレーナはラリテニアでの戦争で死んだと、地下新聞にも書いてあったはずだ」 フィレーナが地下新聞について尋ねた。 「帝国軍と闘ってるくせに、お前地下新聞も知らないのか? バトル作家だった男が発行している全国の反乱軍向けの秘密新聞だ」 何でもその作家の書く、帝国にたった1人で反逆を起こした脱走バトラー フィレーナの記事は大人気で、多くの反乱軍がフィレーナの名を名乗っているのだと言う。 157永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 06 40 ID 6gEDdeaG そうしてオルカたちは去っていった。 最後に振り返って忠告する。ママミア橋辺りで 帝国軍と反乱軍の攻防戦がはじまるらしい。気をつけろよ。 橋での騒動も気になるが、とりあえず北の第1灯台へ向かう。 ○第1灯台 灯台に残されたフィロセラ古文書を発見。 それによると、海洋王国フィロセラはデビス帝国に次々と国が支配されていく中 6つの灯台の光と強大な海軍力で対抗していたらしい。 フィロセラと闘うことは、すなわち陸VS海。 勝負の鍵を握るのは6つの灯台の光だと記されていた。 フィロセラ王は、灯台が光を失った場合の復活方法を作った。 作られた灯台の順番どおりの台座に、 フィロセラの希望 をはめ込む事である。 全ての灯台に光が戻った時、奇跡はおきるという。 最上階には、黒く濁った玉が浮かんでいた フィレーナが台座に宝石をはめ込むと、玉は青い光を放ち、輝きを取り戻した。 漁師のクリムさんに船を借り、次の灯台があるライ島へ。 2人と1匹が島に下りると、乗ってきた船が流されて陸地から離れていった。 「クリムさんの船が…、どうしよう、フィレーナ」 どうしようもないので先へ進む。 158永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 07 07 ID 6gEDdeaG ○第2灯台 台座に宝石をはめ、同じように輝きを取り戻した。 …と、はしごを登って老人が現れる。 「こんなところまで入り込んだか、このモンスターめ!」 何か勘違いしている老人をギャッピーが威嚇した。 ふと台座を見た老人は、変化に気がついて驚きの声をあげた。 「信じられん…台座が復活しておる!こいつはもしや、あんたらがやったのか?」 リラが答えた。 「そ、そうですけど…、あの、おじいさんは?」 「こんな事はできるのは、この星にただお1人だけ…」 じじいはリラを抱きしめた。 「生きておいででしたかっ、フィレーナ王女様!!」 「フィレーナは、と・な・り!」 慌てて離れる老人。フィレーナの持つ宝石を見て、謝罪する。 じじいはここの灯台守だった。2人と1匹を案内し、地下の部屋を訪れる。 乗ってきた船が流されてったので帰れないッスと説明した。 話を聞いたじじいは、何やら考え込んでいたが 第1灯台も復活した事を知ると部屋を探し回り、マリンコンパスを手に戻ってきた。 「マリンコンパス?」 「はい、これさえあれば、なんの心配もなく大陸へ帰ることができます…」 明りの灯った台座の前で使うと、復活した灯台の間を行き来できるという。 そう言ってフィレーナに手渡す。 「これからの道中、お気をつけて…」 159永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 07 33 ID 6gEDdeaG 第2灯台の台座から、マリンコンパスを使って第1灯台に移動する。 とりあえずクリムさんに船の事を謝りに行った。 ボロ船だし、気にせんでええだトホホと言ってくれる。 それより、不在の間に男が2人を探して訪ねてきたという。 「怪しかったからルシベに言ったと嘘ついてやっただよ(要訳)」 じいちゃん、それはネストだ。 心遣いに涙しながら、ネストと第3灯台を探すためルシベ方面に戻る事に。 ママミア橋。 帝国軍と反乱軍のぶつかりあった後があちこちに見える。 リラは橋の途中で立ち止まり前方を指差した。 向こうもこちらに気がついたようだ。 「フィレーナ…フィレーナじゃないか!それに、リラ!!」 ネストを発見。 「…よく、生きていたな!」 「ネストこそ」 「俺は物書きだ、書き残したもんがあるうちはそう簡単に死ねんよ」 2人とも元気そうでよかった、と喜ぶネスト。 背後の岩に帝国兵が潜みこちらの様子を探っている。 「フィレーナ…、あちこち流れ歩いているうちに俺はようやくつきとめたんだ!」 リラは首を傾げる。 「…?いったい何の話?」 ネストは、敵の正体だといった。ボーの神殿にいる大祭司。 その人物が帝国を操っているのだという。 160永遠のフィレーナsage2005/06/21(火) 20 08 05 ID 6gEDdeaG 「ボーの大祭司を消せば、帝国はその機能を失うことになる!」 デラシーナで別れてから、ネストは単独でフィレーナの事情を調べていた。 「なんたってお前は、俺が発行している地下新聞じゃ 反デビス帝国のシンボルとして反乱軍兵士のヒーローだからな。 鍛冶屋のウトさんのことも分かった…。俺は帝国機密の一部を知ったよ…」 ギャッピーが背後の兵士に気がついた。 バラバ室。 バラバ3が、サブリーダーとリーダーの生命シグナル消滅に動揺している。 1は気にする様子もない。 「それがどうした…。機密情報兵団の建て直しなら、俺1人でもできる。 それよりも今すべきことは、我らデビス帝国に刃向かう反乱軍を始末することだ!」 ママミア橋。 ネストが背後の帝国兵士を撃った。 「びっくりした…、今のは、帝国の兵士?」 襲われるのはしょっちゅうだというネスト。 「何しろ、帝国と反乱軍で戦争が始まったんだからな」 フィレーナに向き直るネスト。 「フィレーナ、大祭司を倒しに行こう さっきお前が言っていた、フィロセラの復興だって 目的は帝国を倒すことだろ? 今ならボーの警備も、外の戦争に人手をとられて手薄になってるはずだ」 ネストの話を聞いたリラは、フィレーナに問う。 「フィレーナ、灯台の復活は?」 「帝国を倒してからでも遅くはないと思う…」とフィレーナ。 喜ぶネスト。 「決まったな!目指すは、大祭司のいる神殿の町、ボーだ!」 286永遠のフィレーナsage2005/06/27(月) 22 12 26 ID z75VKJ8R 呼ばれて来ましたよ。 ―――――――――――――――― ウトに逃されて通った地下通路からボー内部に潜入。 大祭司を見つけたい→居場所分からない→祈祷場の祭司が知ってるらしいよ→ 祈祷場へ向かう→兵士が通せんぼ→『信者の証』持ってないヤツ入れないネー マタカヨーと歩き回っていると、クレチア地区の女性が 「夫と脱走して反乱軍に入るからもう要らんわー」と証をくれる。 祈祷場で祭司に大祭司の居場所を聞いてみるも 「大祭司さまはお忙しいんじゃヴォケ(要約)」と教えてもらえない。 そのまま辺りを探っていると、右奥の壁が動き、奥にテレポート用の床発見。 ワープ。 着いた部屋でリラが悲鳴に近い声をあげた。 「な、何てことを!」 部屋にある幾つもの巨大な水槽のような筒状のカプセル装置。 その中でゆらゆらと漂う何人もの裸の女性。 隣の部屋にも女性達が人形のように重なって倒れている。 動かない。死んでいる。 足元には見覚えのある猫耳仮面の衣装が脱ぎ捨てられていた。 フィレーナが呟く。 「ミメズたちだ…」 ネストが装置に近づく。 「モルモットにされているんだ…、人体実験のモルモットに…! うすうす分かってはいたが、これが帝国の正体…!!」 デビス神に仕える為に入信し、都に到着したミメズ達は全て実験台にされていた。 踊る意味はあったのか。 「新しい 純種 を作るためなら何をしても許されるというのか…? このやり方…、悪魔に魂を売っているとしか思えん…」 「許せない…絶対に許せない!!」 フィレーナは怒りをあらわにする。 287永遠のフィレーナsage2005/06/27(月) 22 13 27 ID z75VKJ8R マスターコンピュータが侵入者を発見する。 『実験室に侵入者有り…ドアを全てロックします…』 閉じ込められる3人と1匹。 順調に来られたのは罠だったのかと言うネスト。 マスターコンピュータがメッセージを表示する。 『進化プログラム…実行待機中… 進化プログラム とは… 優れた遺伝子を結合し合い成長時間をコントロールする事で さらに優れた人間を作る実験 モルモット 、 ミメズ及び子供 ……モルモット不足により 実行待機中…、次の命令を待ちます』 壁が開く。 「皆さん、お待ちしてましたよ」 青年が出てきた。 「……やあ、みなさん…。ボクが誰だか、分かりますか? フィスですよ…。ミリカの息子のフィスです…」 「…フィス?」 面影はあるがどう見ても大人だ。 驚くフィレーナを見て、フィスは言った。 「無理はないですね…、前に会った時、ボクはほんの子供でしたから… 進化プログラムのお陰で、こんなに早く成長したんですよ… 今じゃボクは帝国軍の幹部です」 288永遠のフィレーナsage2005/06/27(月) 22 14 08 ID z75VKJ8R 「トマの幽霊屋敷で会ってからそんなに日は経ってないわ…!」とリラ。 フィスはその言葉を笑う。 「それが進化プログラムの成果ですよ」 そしてフィレーナを見る。 「さあ、大人になったボクと勝負しよう! …どうしたフィレーナ、ボクが怖いのか!!」 リラが止めようとするがフィスに突き飛ばされ倒れる。。 邪魔をすれば女でも容赦しませんよ、そう言ったフィスを睨むフィレーナ。 起き上がったリラが、自分は大丈夫だと言う。 「フィスは敵じゃないわ…。帝国に騙されているのよ お願い、フィスと闘わないで!」 叫ぶフィス。 「今度こそ復讐してやる!」 戦闘開始。 「どうしたフィレーナ、何故本気で闘わない! 父さんを殺せたなら、ボクも殺せるだろ!」 「フィス、誤解よ!あれはドラのバトルショーで…」 リラの言葉にフィスは耳を貸さない。 「父さんだけじゃない!ボクの母さん… ミリカもお前に…ゴア橋で突き落とされて… だからボクは…死んだ父さんと母さんの為に…」 どうも進化の他にもプチ洗脳入ってる模様。 フィスに駆け寄るリラ。 「ミリカさんは復讐なんて望んじゃいないわ!」 フィレーナは剣を構えない。 「ボクは闘わない…」 「何を言う!」 289永遠のフィレーナsage2005/06/27(月) 22 14 50 ID z75VKJ8R リラが、いつかフィスに形見として渡すため 大切に持っていたミリカの笛を手渡した。 「母さんの笛…」 「覚えていたのね…」 「母さん…、母さんの笛の音が聞こえる…」 ミリカの言葉がフィスの中で蘇る。 『フィス…あたしの可愛い息子…』 記憶の中で母を捜すフィス。闇の中でミリカの姿を見つけた。 母は我が子に語りかける。 『憎むべき相手は、フィレーナじゃない。 全ては帝国の作り話さ…。あたしはいつも、お前の心の中にいるよ…』 「母さんっ! 母さん…」 消えていく母の姿を見つめるフィス。 フィレーナの声で意識を取り戻す。 「大丈夫かい…」 「今、ボク、母さんと話していたんだ…」 「ミリカさんと…!?」 「母さんがボクの心の中で、本当の事を教えてくれたんだ… どうやらボクは…帝国に…だまされて…いた…よう……」 足元がふらつき、床に膝をつくフィス。 「ウッ…、どうやら…寿命が…来たみたいだ…」 実験で急激に成長した彼は、副作用で死も早く訪れる。 フィスは、帝国の中心には自分と同じ成長実験の犠牲者がいると言った。 「帝国の中心は…大きな海で隔たれた…南の…大陸…に…塔…が…」 死が間近に迫るフィスは、最後の力を振り絞ってメインコンピュータにアクセスした。 命令受理。 『まもなくSD命令を実行します…』 290永遠のフィレーナsage2005/06/27(月) 22 15 33 ID z75VKJ8R 「間もなく、ボーは…崩壊します…」 早く脱出を…。そういうとフィスはゆっくりと歩き出す。 「フィス…!」 「追わないで…。死ぬ時は…1人で…」 一歩一歩歩きながら、フィスは言う。もう誰も恨まない。 ただもう一度、母さんと光の中で…。 フィスは、母との思い出を口にする。 「人は、自然のまま…、ゆっくりと大人になる方が… 幸せ…です…よね…」 後を追おうとするリラをフィレーナがそっと止めた。 「フィスの言うとおりだ…。自然に逆らっては、いけない…」 メインコンピュータが命令を実行しだした。 『神殿破壊プログラムを実行します』 「早く脱出しよう!」 ネストの言葉に頷くと、フィスが出てきた壁の扉からテレポート装置で移動する。 「ここはどこ?」 「わからん…、だいぶ下に降りたからな…」 用心しながら直線の通路を走りに走って、どこかの部屋に到着。 入るなり唸り、走り出すギャッピー。 3人が後を追うと、男の声が聞こえてきた。 「どうやらフィスは私の見込み違いだったようだ…」 奥でメインコンピュータにアクセスする男。 SD命令を解こうとするが、ガッチリロックで取り消しがきかないようだ。 ネストが男を見て声をあげた。 「だ、大祭司!!」 291永遠のフィレーナsage2005/06/27(月) 22 16 12 ID z75VKJ8R 振り返る大祭司。ロック解除の権限もないのか大祭司。 「フフフ…、全ての暗黒を自由に操る神の分身…」 イってる台詞を吐くと、瞬間移動でフィレーナの前に現れた。 「お前がフィレーナか…。フィスと闘って素直に死んでいればいいものを…」 自分を狙っていたことは、最初から知っていたという大祭司。 「あのガキが裏切り、神殿が消えようとも この星の支配者は変わらんっ。今こそ暗黒の力を見せてやる!」 タコ殴り。勝利。 「デビスの神に…栄光…あ…れ…」 大祭司から『オーロラパウダー』を手に入れた。 揺れが激しくなる神殿。 「神殿が崩れ落ちるぞ!」 「でも、どこから出れば…?」 「隠し扉があるはずだ!!」 ネストが走り、壁を探り扉を開く。その手際のよさはまるでスパイ。 急いで走りテレポート装置に乗る3人と1匹。道は地下2階のバトル場に繋がっていた。 クレチア地区を走り抜ける途中で、ネストが1人別方向へ走り出すが フィレーナ達は気づかない。 バラバ室 神殿の異常に気がついたバラバ3が驚く。 「神殿のコンピュータがSDプログラムを実行している!」 1 「大神殿の自爆プログラムか…。大祭司が命令したのか?」 3 「今調べてるところだが…大祭司と通信ができんのだ!」 292永遠のフィレーナsage2005/06/27(月) 22 16 42 ID z75VKJ8R ボーの神殿は内部から崩壊した。 後には巨大な穴。 ボーの入り口で2人と1匹は振り返り、ネストがいない事に気がついた。 「ネスト…」 「…嘘でしょう…ネストさん…」 俯くリラとフィレーナ。 2人を見ていたギャッピーが、ふいに建物の中に入っていく。 「ギャッピー…?」 戻ってきたギャッピーの後ろについて現れるネスト。 無事を喜ぶ2人。 「書き残したものがあるうちは簡単には死なんと言っただろ…?」 残っていたクレチアを、ウトの部屋の地下通路から逃がしてきたという。 振り返って、崩壊した神殿を見るネスト。 リラが残った人たちを心配する。 「宿屋のおっさん達はしっかり生き残っていたよ。 全く、運がいいっていうか…、さてと、これからどうする?」 フィスが言い残した帝国の中心について考える。 リラが思い出しながら答える。 「帝国の中心は、遙か南の大陸にあるって…」 ネストも考える。 「だが南の大陸に行くには、海を渡る船がなければ…。それに…」 フィレーナが言葉を繋げる。 「それに、明りのない海じゃとても航海はできないと言うんだろ? それなら、まず灯台を復活させよう」 今度はボクらに付き合うかい? フィレーナはネストに男前な誘い文句を言った。 377永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 19 56 14 ID V2NZqP2L バラバ室。 ボー神殿は崩壊した。怒るバラバ1。 「大祭司ともあろう者がなぜSD命令など発したのだ!」 3 「バラバ1…、もしも都を失えば我々の戦いは、かなり不利に…」 1 「うろたえるな!帝国のシンボルが消えただけだ!」 通信兵に命を出す。 「すぐに帝国の全部隊に伝えろっ!クレチア相手と言えども、全力で叩き潰せとな!」 通信兵退出後、別の通信兵が入ってくる。 「反乱軍の名前がわれました!いくつかのグループがありますが みな同様に『フィレーナ』の名を…」 ○第3灯台に到着するが、男が入り口の前で眠っていて入れない。 起きる気配がしないので、一旦別の場所へ行く事にした。 ○第4灯台へ到着するが、男が入り口の前で作業をしていて入れない。 灯台守かと思いきや、勝手に住んでいるだけだと言う。 勝手に居ついてる男ミートは、道具箱の鍵がないから扉を開けられないとのたまう。 兄に道具箱を借りたはいいが、鍵を忘れるルーズぶり。 「兄貴から鍵借りてきてー」 灯台に入れなくては意味がないのでおつかいを引き受ける。 兄貴ローフについて聞くと、どうも第3灯台で寝こけてる男のことらしい。 第3灯台に戻り、まだ眠っているローフを無理矢理起こす。 378永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 19 56 47 ID V2NZqP2L バラバ部屋。 怒りっぱなしのバラバ1。 「帝国軍はたかがクレチア相手に一体何をしているのだっ!」 通信兵 「バラバ様!ボーの復興には相当時間が…」 1「放っておけ!」 3「バラバ1…、何かをせんと…」 1「…わかっているっ、俺に指図をするな!」 ○第3灯台 弟のマヌケさに呆れると、ローフは道具箱の鍵を渡してくれた。 「さてと、散歩でもするかな…」 やっと入り口からどいてくれたので、中に入る。 最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させた。 ○第4灯台 ミートに鍵を渡すとウヒョーと喜ぶ。 道具を使い灯台の鍵を開けると、やはり散歩に行ってしまった。 やっと入り口からどいてくれたので、中に入る 最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させた。 ○第5灯台 入り口で立つ男は、灯台ガイドのミゴだと名乗った。 灯台に入りたいと言うと、入場料として1000クリス取られる。 「中でも家族が大サービスしとりまっせ~」 どの灯台にも、地下から上まで一気にいけるエレベーターがついているのだが この灯台は使用禁止にされている。 仕方がないので階段で行こうとすると、その前に立つミゴの弟に1000クリス取られた。 上の階、ミゴの兄に1000クリス取られた。 その上の階、ミゴの従兄弟に1000クリス取られた。 サービスってこれか。 379永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 19 57 08 ID V2NZqP2L ようやく到着最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させる。 残る灯台はあと一つ。リラが疑問を口にした。 「海に明りが灯ったところで、南の大陸に渡る船はどうやって手に入れるの?」 とりあえず全ての灯台を復活させてから、という事になった。 灯台から出ると、ミゴ(逆さ読みすると素敵)とその家族達は フィレーナ達から取った金でウキウキと家族旅行に出かけていった。 第6灯台前には男がいる。 近づくと「うひーっ!」という奇声を発して飛びのくが、ネストを見て近づいてきた。 「あんたは…、確かドラの闘技場でバトル作家をしていた…!?」 「何故、俺のことを?」 男は闘技場で働いていたと言った。 「やばいっ!隠れて!」 そう言うと塔の陰に走る。フィレーナ達も後を追う。 遅れたギャッピーが、その辺で適当に寝ている犬のフリをする。 入り口に近づいてきた海賊たちが、中に入っていった。 バラバ室。 問題山積みなのに何一つ解決してないバラバ1。 「海の中に沈んだはずのフィロセラ王宮が姿を見せた? だから、どうしたというのだ、…ほうっておけ! 王民もいない国の王宮など、敵の数のうちには入らん 問題はクレチア反乱軍だ。軍情報からの報告はまだか?」 380永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 19 57 29 ID V2NZqP2L ○第6灯台前 ネストと男が話している。 「それでドラを脱走して、クレチア反乱軍のスパイに…?」 「ええそうです…、しかし驚きましたよ バトラーのフィレーナはとっくに死んだものと…」 男は、灯台を根城にしている海賊たちを反乱軍にスカウトしにきたものの 土壇場で尻込みしていたようだ。仲間の下に帰るそうな。 「スカウトはどうするんだ?」 「いやぁ、そんな事より、フィレーナさんが生きていることを 早く仲間に知らせなくちゃ…」 足早に立ち去る男。 灯台の前に集まる3人と1匹をこっそり隠れて見ていたが ギャッピーに見つかり逃げていった。 海賊をボコりながら灯台を登るフィレーナ達。 途中で、第1灯台で発見したのと同じ、フィロセラ古文書発見。 『6つの灯台直したら、氷山が復活して氷の神ノアが船をくれるよ。 動力はフィロセラの剣だから便利だね(要約)』 古文書に、灯台を直したら起こる奇跡とやらのネタバレをされながらも 最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させた。 復活した順に、強い光を放ちだす灯台。 第6灯台まで光が溢れた時、南西の氷雪地帯の海に 巨大な氷山が姿を現した。 381永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 19 57 54 ID V2NZqP2L フィレーナ達は不思議な声を耳にする。 『奇跡はおこれり…。世界は光を取り戻した… デビスの民が汚した海に命を取り戻すことができれば フィロセラは復活するだろう… 永久氷山へ行き、氷の神ノアに会うがいい…』 声の言葉について話し合う4人。 「海に命を与えれば、ついにフィロセラは復活する…」 「でもそれが…、南の大陸にある帝国の中心を倒す事といったい何の関係が?」 ネストが首を傾げつつ、一行は永久氷山を目指す。 アイスバーグの村を通り、永久氷山へ向かおうとするフィレーナ達を 老人が制止した。 「氷の神に見つかったら戻って来れない、やめとけ」と言ってやたら脅かしてくる。 バラバ室 通信機から音声が聞こえてくる。 「くり返します。エルシューレ海岸の灯台近くでフィレーナの生存を確認… 次の指令を待ちます…」 舌打ちするバラバ1。 「しぶといヤツだっ…」 3 「バラバ1…ヤツは何者だ!? たんなる脱走バトラーとは思えん」 1 「バラバ3…考えすぎだ。ただの運のいいクレチアにすぎん」 そう言うと1は、各軍情報局へ指令を出す。 「フィレーナなどどうでもいい!それよりも反乱軍との戦いに全力をそそげっ…」 不服の3 「バラバ1…、勝手に指令をだすな… リーダーが死んでしまった今、全ての決定は我等の合意で…」 その言葉を聞いて笑い出す1。 「リーダーが死んだ今だと…? フハハッ…フハハハッ!バラバ3…もう少し利口だと思っていたよ…」 382永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 19 58 50 ID V2NZqP2L 一方アイスバーグのフィレーナ達。 「それじゃあ…、おじいさんはこの村で生まれて?」 「ああ…、そうじゃ。氷山の噂を耳にして、はるばる戻ってきたんじゃ」 くわばらくわばら。不安にさせるだけさせといて、老人は去っていった。 永久氷山の奥。 王宮の門にあったものと同じ人魚の像を発見するが、行き止まりだった。 辺りを見回すリラ。 「行き止まりだわ…氷の船なんてどこにも…」 ネストがフィレーナに尋ねる。 「フィレーナ、どうする?ノアという氷の神の話も、たんなる伝説だったのかもな…」 フィレーナは首を振った。「いや、ボクは信じる」 そう言うと奥の壁を探る。 「見ろ…穴だっ」 壁が開く。奥から獣のような声が聞こえてくる。 「グフッ…グフフッ…」 中から白い獣のような大きな生き物(イエティっぽい)が現れた。 「バ、バケモノッ!」あとずさるリラ。 一緒に下がりながら声をかけるネスト。 「フィレーナ、下がれ!」 フィレーナは2人と1匹を見た。 「待って…みんな手を出さないでくれ!」 「正気か!?相手はバケモノなんだぞ」 視線を戻すフィレーナと、近づいてくるイエティ(仮)。 383永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 19 59 20 ID V2NZqP2L バラバ室。 フィレーナ達が氷山に入り、姿を消したという報告が入る。 不審に思うバラバ3。 「その氷山はいつからあるのだ?」 返答→不明。椅子に座って2人の通信を聞いていたバラバ29が3に言った。 「バラバ3…もしやあの一味、帝国の中心を探しているのでは?」 3 「多分、そうだろうな… しかしこの帝国の中心には、誰も近づけはしない…」 永久氷山内。 白い生き物が話し出した。言葉がたどたどしい。 「…船…この奥…来るの…ずっと…待ってた…」 フィレーナが心を込めて礼をいった。 「ノア…礼…いらない…灯台…光…蘇った… 帝国の…中心…ドラゴニア…。塔の中…海の命…ある… 外から…見えない…。でも…大祭司…見える…」 そう言うと、白い生き物ノアは壁の奥に消えていった。 リラが呟く。「あれが、氷の神、ノア…」 我に返ったネストがフィレーナに近づく。 「それにしても、よくあれが氷神ノアだってわかったな…」 とても懐かしく、不思議と昔から知っているような気がしたと言うフィレーナ。 「氷神というのは本当なのかしら…」 「………正体は誰にもわからない。この永久氷山の主という以外はね…」 少し考えた後 「…氷の塊と思えばいいかな…」フィレーナは謎な結論を出した。 384永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 19 59 55 ID V2NZqP2L しかしリラはフィレーナを信じる。 「とっても神秘的な男性ね…やっぱり男は顔じゃないわっ」 ネストが言う。 「ノアが神秘的な男性…? ふーむ……、どこかに神秘的な美女が眠っていないものかね」 リラの乙女心が反応する。自分とフィレーナを指してネストに言った。 「こんな美女2人と一緒に旅ができるんだから、あなた幸せ者よっ」 「へえ…へえ…」 ノアの後を追ってさらに奥へ進み、拓けた空間に出る。 そこには、巨大な氷の船があった。 さっそく乗り込む一行。 リラが船上にある不思議なくぼみを発見する。 「ここにある穴…、カギ穴にしちゃ大きいわね…」 どうみても剣の形をしている。 フィレーナが前に立ち、『フィレーナの剣』をはめる。 ぴったりだった。 揺れる揺れる。 氷山が大きく割れ落ち、中から氷の船が姿を現した。 船をゲットした一行は、さっそく南の大陸へ向かう。 ノアの話では、この地に帝国の中心ドラゴニアタワーがあると言うのだが それらしい建造物は見当たらない。 砂漠を歩き回って、ようやく山の洞窟で人を発見した。 声をかけると、老人は飛び上がって驚いた。 385永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 20 00 27 ID V2NZqP2L ドラゴニアタワー内。 機械仕掛けの円柱のカプセルの中で浮かぶ、グランブレーンの死体。 見張りの兵士は、カプセル内の死体が動いたのを見て驚き逃げた。 老人に事情を聞くフィレーナ達。 ロンという名の老人は、タワーから逃げてきたという。 リラが尋ねた。ロンさんにはタワーが見えるの? 「ああ、心の目で見ればの」 「心に目なんてあるの!?」 2人の会話を聞いていたフィレーナが言う。 「わかるような気がする…」 フィレーナは、自分の目が見えなかった時の事を語る。 気持ちを集中すると、人や物の気持ちが感じられたのだ。 ロンがザッツライト。フィレーナの謎の経験値を褒める。 「でも心の目で見えても、実際にタワーの中に入るには入り口がなければ入れないんじゃ?」 「それもそうだな…」ふりだしのフィレーナ。 「わかってないなぁ~」とロン。 唐突に、透明人間を目視する方法について話し出す。 「ペンキか砂をぶっかけろ(要約)」 静観していたネストが、疑問を口にした。 「それで、ドラゴニアタワーの中では、今でも秘密実験が…?」 他にも脱走したものはいるのか尋ねた。 「わかってないなぁ~」とロン。 「ドラゴニアタワーは帝国の中心部じゃよっ!脱走なんてできるかい!」 「それじゃあんたは!?」 「わしが脱走できたのは…ズバリ!ラッキーじゃ!」 言葉をなくし、フィレーナに視線を向けるネスト。 「フィレーナ…、時間の無駄だったな。帝国の中心は俺たちの足で探そう」 386永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 20 00 57 ID V2NZqP2L 砂漠を歩き回る一行。 北の海辺で、フィレーナが足をとめた。 「フィレーナ、どうしたの?目を閉じたりして…」 「…静かに…何かの気配を感じる…」 その場所で、ボーの大祭司からゲットした『オーロラパウダー』を使う。 周囲が七色の光に包まれた。 皆が目を開いた時、目の前に巨大なタワーがそびえたっていた。 ドラゴニアタワー登場。 中に入っていくと、どこかで見た円柱のカプセルが立っていた。 ネストが近寄ってみる。 「液体の中に入っているのは死体か!?気味が悪いな…」 リラがカプセルの中のものを覗き込んで驚いた。 「こ、この死体っ!」 フィレーナも近づいた。 「グランブレーンだ。ボクらがルシベで倒した、黒い悪魔のリーダーだ!」 「黒い悪魔のボスの死体?」 フィレーナが死体を見る。 「体は腐っている…。このカプセルは、棺おけか…?」 リラがカプセルから目をそらし、建物内を見回した。 「ここが帝国の中心なの?」 387永遠のフィレーナsage2005/07/01(金) 20 01 28 ID V2NZqP2L バラバ室 通信兵が走ってくる。 「報告します!波止場に船らしき物体がっ」 3 「すぐにバラバ1を呼べ!」 何故か余裕のバラバ1が戻ってくる。 「何を慌てふためいておる…」 3が、ドラゴニア大陸に侵入者がきた事を話す。 「…だからどうした?」 3 「何だと?何といったのだ!」 1 「クククッ…、探す手間が省けたわけだ …バラバ3、なんだ?その目は!?何か言いたい事があるのか?」 1に詰め寄る3 「いったい何様のつもりだっ!リーダーをきどりやがって… お前の指図にはウンザリだっ。誰もお前を新リーダーとは認めていないっ!」 笑い出すバラバ1。光線であっさりと3の身体を貫いた。 「1階のカプセルの中の元リーダーは私の命令で動いていたのだ… 本当のリーダー…、つまり帝国の支配者は……」 警報システムが鳴り響き、タワー内への侵入者を知らせる。 「どうやらモルモットの代わりに、ネズミが迷い込んだらしい…」 420永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 53 31 ID NP8fVUeq 最深部。 そこはバラバ室だった。正しくは機密情報兵団本部。 イスに座り、バラバ1が一行を出迎える。 「フィレーナ…ようこそ」 瞬間移動で席からフィレーナ達の前に現れる。 「貴様には私の本当の名を教えてやろう…」 本当の姿を見せるバラバ1。 それを見たフィレーナが言う。 「お前は、ルシベにいたガイラス(←陸軍幹部)!」 否定も肯定もしない。 「ガイラスは私の化身だ。我が名はルーブラム… 黒い悪魔のリーダーにして、デビス帝国の真の支配者…」 戦闘開始。 ルーブラム 「どうだ?私と組むつもりはないか?」 戦闘は続く。 「フィレーナ…、お前は愚かなやつだ… せっかくの私の好意を受け取らぬとはな…」 戦闘終了。 「…ウッ…ウググッ… デビス帝国に…栄光あ…れ…」 勝ったー。ルーブラムは消滅した。 421永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 53 41 ID NP8fVUeq 最深部。 そこはバラバ室だった。正しくは機密情報兵団本部。 イスに座り、バラバ1が一行を出迎える。 「フィレーナ…ようこそ」 瞬間移動で席からフィレーナ達の前に現れる。 「貴様には私の本当の名を教えてやろう…」 本当の姿を見せるバラバ1。 それを見たフィレーナが言う。 「お前は、ルシベにいたガイラス(←陸軍幹部)!」 否定も肯定もしない。 「ガイラスは私の化身だ。我が名はルーブラム… 黒い悪魔のリーダーにして、デビス帝国の真の支配者…」 戦闘開始。 ルーブラム 「どうだ?私と組むつもりはないか?」 戦闘は続く。 「フィレーナ…、お前は愚かなやつだ… せっかくの私の好意を受け取らぬとはな…」 戦闘終了。 「…ウッ…ウググッ… デビス帝国に…栄光あ…れ…」 勝ったー。ルーブラムは消滅した。 422永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 54 20 ID NP8fVUeq リラが安堵の声を漏らす。 「終わったのね…戦いはこれで終わったのね…」 フィレーナは言った。 「いや…まだだ。まだ海に命を蘇らせてはいない!」 フィレーナとリラ、ギャッピーがルシベで聞いたあの声が響く。 『みんな、よく来てくれたね… ボクたち…ずっとたいくつしてたんだ』 3人と1匹の目の前に、カプセルに入った胎児が浮かび上がる。 『ボクたちは、産まれるはずのない 命 さ… こんなにたいくつなことはないよ』 「産まれる予定のない命って…それは…どういう事…?」 リラの言葉に、あどけなく笑う胎児。 ネストが言った。 「お前も帝国の回し者かっ!?」 『帝国?そんなもの…とっくにこわしちゃったよ。誰も気づいていないだけさ』 聞き返すフィレーナに胎児は答える。 『帝国はきらいさっ、だから消したんだ… 産まれる予定のない 命 を、こんなに作っちゃって… それが人間のしあわせのための実験なんて、笑っちゃうよっ』 帝国の秘密実験によって作られ、特殊な能力を与えられ 用済みとなっては産まれず消えていく子供たちの声だった。 423永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 54 56 ID NP8fVUeq 胎児はフィレーナに語りかけた。 『ねえ…フィレーナ、君に頼みがあるんだ ボクたち…産まれる場所が欲しいんだよ… それには、帝国がよごしてしまった。この星のままじゃムリだ…』 「どうすればいいんだ?」 『 命の壷 を一番…美しい海に君の手で沈めてほしいんだよ… そうすれば…この星も、きっと蘇るはずさ…』 「その 命の壷 というのは、一体どこにあるんだ?」 胎児は答えた。 『ボクらから分離した憎しみの心が盗んでった。 もう手に負えん。やっちゃって(要約)』 そう言うと胎児は姿を消し、辺りは不思議な空間に包まれた。 フィレーナ達は別の空間に運ばれる(強制的に)。 そこは、柱が数本立っているだけの何もない闇の部屋だった。 別の声が話しかけてくる。 『ようこそ…妄想の部屋へ…』 声は語る。 『妄想の部屋では、皆さんの愛した人々が 恐ろしい妄想となって現れるのです… 愛などというものがどんなに儚く… そして愚かなものか、よく分かりますよ…』 フィレーナの目の前に、ミリカ、フィス、ゼナじいさんが現れる。 続けて、フィコス(ミリカの旦那)、フィラード(サラの旦那)。 そしてラリス、ウトも…。つかラリスも死んでたのか。 424永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 55 25 ID NP8fVUeq 現れた人々を見て、ネストが叫ぶ。 「これは幻だ、だまされるな!」 3人+1匹いるにも関わらず、何故か全員がフィレーナ関係で死んだ人物。 じょじょに迫ってくるが、フィレーナもリラも懐かしい人々の姿に闘う意志が持てない。 ネストの声が空しく響く。 「おいっ皆!なぜ闘わない!殺されるぞ!」 7人の亡霊は、フィレーナ達を目前にして動きを止めた。 『私とは闘えぬか…フッフッフッ…』 そのまま重なりあい、一つの大きな亡霊の姿になる。 人面が全身にボコボコ出ててキモいです。 『私は憎しみの亡霊… ためらってくれたおかげで、やっと自分の姿に戻れたよ…』 その禍々しい姿に、ネストが言う。 「みんな、こいつはミリカでもフィスでもない! こいつこそが帝国の中心…。帝国を支配する悪の化身なんだっ!」 『憎しみは愛に勝るのだ…その事を教えてやろう…』 倒す。勝利。 「勝った!ついに倒したぞ!帝国の支配者を倒したんだ」 ネストが歓喜の声をあげる。 ボロボロと朽ち果てながら消える憎しみの亡霊。 しかし身体を失いながらも、心だけが形となり、再び向かってきた。 『まだ私は死んではいない…私は憎しみの心…私の体を返せ!』 「なんてヤツだ…」 425永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 55 52 ID NP8fVUeq トドメさす。勝利。倒れる3人と1匹。 憎しみの心が消え去った後には、一つの壷が置かれていた。 起き上がり皆の無事を確認するネスト。 「何とか生きてるよ…リラ?ギャッピー?」 「…だいじょうぶ…」 「クン…クン…」 リラが起き上がるとフィレーナに話しかけた。 「フィレーナ、私たち…この星の命を手に入れたのね…」 奥の壁が開かれ、光が指してくる。 フィレーナ達は光の方を向いた。 フィロセラ。 王宮前には反乱軍が集結していた。 反乱軍の兵が皆を励まし力づける。 残った帝国軍と最後のぶつかり合いに向かうのだ。 その光景を、側でヤコスとソフィカが見守っていた。 「気をつけてな…」 「心配はいりませんよ。全員生きて帰ってきます… それじゃ、後をよろしく!ヤコスさん…」 生き残った兵をまとめ出発した反乱軍たちを見送りながら、ソフィカが尋ねた。 「王女様、帰ってくるの?」 ヤコスは王宮を見つめる。 「勿論だともソフィカ…、必ずやこの王宮にな…」 426永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 56 24 ID NP8fVUeq 妄想の部屋 リラがフィレーナに声をかけた。 「…フィレーナ、待ち遠しいわね…」 「さあ、行こう。 命の壷 をこの星の海に戻して フィロセラを復興させなければ」 フィレーナは壷を抱くと、光の中を進む。 空間を通り、元のバラバ室へ戻ってきたフィレーナ達は ドラゴニアタワー内部を走り、外を目指す。 入り口付近、グランブレーンの死体が浮かぶカプセルの横を通って外にでる。 無人になる塔内。 カプセルから赤い球体が浮かび上がるとフィレーナ達の後を追っていった。 フィロセラに戻ってきたフィレーナ達。 地面に降りると、氷船はゆっくりと陸地から離れていく。 「フィレーナ…氷船がっ」 「これでいいんだ…、氷船には帰るところがあるんだ… …ボクたちと同じように…」 王宮の側、海に向かって立つ3人と1匹。 リラが言う。 「フィレーナ… 命の壷 をフィロセラの海へ… あなたの国を復興させて…!」 ネストが言う。 「世界を変えるんだ」 その言葉に、フィレーナが壷を抱き、海へ入ろうとしたその時 物凄いスピードで赤い球体が突っ込んできた。間一髪でよける。 球体は3人と1匹の目の前で浮遊しながら止まると人語を発する。 「オロカナル反逆者ドモヨ… 名モナク消エテモラオウ…」 427永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 56 57 ID NP8fVUeq 球体は人の形をとり、海の上に立った。 その姿を見てリラが叫ぶ。 「グ、グランブレーン!死んだ…はずじゃっ」 「死ンダ…?バカナ…」 その反応に、何かに気づいたネストが叫んだ。 「そうか!お前…ドラゴニアタワーのカプセルにいた… 帝国の実験で産み出された、レプリカントだったのか!」 ネストの言葉に、グランブレーンが動揺する。 「レプリカント…何ダ、ソレハ…?」 「ロボットだ!」 その体はまぎれもなく、人型の機械。 それでも人の意識がある為か、事実を認識できないグランブレーンは言う。 「オレハ、ロボットデハナイ! チュウジツナ帝国ノ人間ダ… オマエタチトハ、話ガ合ワン…」 戦闘開始。 仲間たちはフィレーナに 命の壷 を海に沈めるように言った。 「フィレーナ、このバケモノはリラたちにまかせて!」 「バケモノ…?誰ノコトダ…?」 ネストが叫ぶ。 「お前のことだよ、このレプリカントめ!」 「オレハ人間ダ……、ユウシュウナ帝国人民ダ…」 428永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 57 28 ID NP8fVUeq 「フィレーナ、早く海に!」 「バケモノの相手は俺たちにまかせろっ!!」 「オレヲバケモノト呼ブナッ…」 何かもう、化け物連呼してこちらが悪者のような錯覚に陥りながらも戦闘終了。 フィレーナは海中に飛び込むと、 命の壷 をフィロセラの海に沈めた。 叫ぶグランブレーン。 「グワアアアッ!体ガ、トケル…、ウガガガッ!」 清められた海水に浸かったグランブレーンは、体を溶かされ海中に沈む。 「終わったのね…」 そう言ったリラの前方の水面に、半解したグランブレーンが浮かび上がる。 「オレ…ニ…命…ヲ… 命…ヲ……」 沈んだ。 水際まで近づくリラ。「終わったのね…」 その隣にネストが立つ。「…違う、今始まったのさ…」 タワー内で出あった、産まれる予定のない命たちを思う。 「新しい 命 たちが、きっと豊かな未来を築いてくれるはずだ…」 429永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 58 01 ID NP8fVUeq ギャッピーが何かに気づいて走り出す。 その先には色違いの犬がいた。 戯れる2匹。その光景を眺める3人。 「ギャッピーったら、もうお友達ができたみたい」 リラがそういうと、ネストがもう1匹の犬を見て疑問を持った。 「オスかな…それともメスかな…」 「女友達に決まってるわ… ギャッピーは女性には全く目がないんだから!ねっフィレーナ」 3人は顔を見合わせ、ギャッピー達の方へ歩き出した。 夕暮れのフィロセラ海岸で、リラと並んで海を眺めるフィレーナ。 その後ろでネストとギャッピー+1が見守る。 「フィレーナ…海を見て何を考えているの?」 「新しいフィロセラを、ボクたちの手で作らないと…」 ネストが動き、フィレーナが後方を振り返ると ヤコスやソフィカ、そして戦いより戻った反乱軍兵士たちが控えていた。 フィレーナの闘いは、今はじまったばかりだった… 430永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 58 33 ID NP8fVUeq 月夜の晩。 かつてゼナとウトが沈みゆく王宮を見た丘の上に座り 髪を風になびかせながらフィレーナは月明りに照らされたフィロセラを眺める。 ドラで男として育った日々。バトラーとして闘った試合。 リラやネスト、ミリカとの出会い。ゼナ。 自分が殺した人たち。自分を守って死んでいった人たち。 実験で捻じ曲げられた運命。産まれた命と悲しい命。 ドラを出てから今までを追憶する。 記憶の旅が終わると、フィレーナは立ち上がった。 ヤコス達に見守られ、王座に座るフィレーナ。 王妃の席に座らせてもらい、はしゃぐリラ。 そして並んで、ソフィカが完成させた父王の肖像画を眺めた。 お披露目の日。 逃げだすフィレーナと後を追うリラ。 結局捕まり、引きずられて部屋に戻される。 フィレーナに王女の正装をさせてリラは大満足である。 王宮の前では、ネストや兵士たち、ヤコス祖父孫、犬2匹に 祝いにかけつけてくれたアマネラと赤ん坊が王女の登場を待っている。 バルコニーから姿を見せるフィレーナとリラ。 皆の視線を一度にうけ、真っ赤になったフィレーナは逃げた。 いつもの男の服装に戻って。凄い勢いで追うリラ。 フィレーナの闘いは、はじまったばかりだった… 431永遠のフィレーナsage2005/07/03(日) 22 59 35 ID NP8fVUeq 1レスで終わるまとめ デビス帝国が他の国を潰して大陸を支配しました。 生き残ったフィロセラの王女フィレーナは男として育てられ、バトラーになりました。 仕組まれた試合で師を殺してしまい、代わりに自分の素性を知らされました。 情報を集めていたら、機密に触れて指名手配されてしまったので 仲間と4人で逃亡し、気がついたら奥さんと2人旅になってました。 地道に旅を続け、たまに人を助け、集落では犬をゲットです。 旅の間、帝国の黒い人が入れ替わりたちかわり番号を変えて 絶え間なく襲ってくるので、来たもの順にボコります。 師の遺言どおり、帝国の首都で王家の剣をゲット。 剣を故郷の海にかざすと、海中から実家(王宮)が出てきましたよ。 6つある灯台を直している間に、仲間の1人と再会です。 帝国では絵にも描けないようなひどい人体実験しているそうです。 許せないのでとりあえず帝国の偉い人を倒しました。ついでに神殿は崩壊しました。 全ての灯台が直ると、氷の神さまが船をくれました。 船で敵の本拠地へ行き、最後に残ってる黒い人をぬっころしました。 幻覚とか見せられましたが勝利。最重要アイテムの 壷 ゲット。 これを海中に沈めると、世界は救われるそうです。 海に入ろうとすると、また黒い人がロボットになって邪魔します。 全員で悪口を言って精神ダメージを与えたところで壷を海に放り込みました。 ロボットは綺麗な海水に溶けました。 生き残った人たちがお城に集まってきています。 帝国も消滅したし、もうクレチアだの帝国人民だの言わせません。 フィレーナはこれからが大忙しなのでした。終。