約 31,756 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2640.html
飛行機に乗り込んで、シートに腰を落ち着けた。足も伸ばす余裕あるし、座り心地もいい。 狭苦しいシートを想像してたけど、これなら快適ね。 あたしは窓際の席で、親父は通路側。母さんは親父とあたしの間に座った。 親父はまた文庫本を読み始めている。母さんは機内誌に目を通しはじめた。あたしも本でも読もうかな。 有希ほどじゃないけど、あたしも本は結構読むほうだし。 おなじみの救命設備のアナウンスが流れて、スチュワーデスが実演やったりしているのを横目で見ながら、読書タイムの始まり。 なんか滑走路が混んでるとかで、しばらく離陸見合わせって、なんとかならないのかしらね。滑走路増設すればいいじゃない? そういう問題じゃないのかしら。 いよいよ順番が来たみたいで、飛行機が走り始めた。途中でシートに押し付けられるまで加速して、ふわりと空に浮いた。 窓際から外を眺めると、どんどん飛行場が小さくなっていく。そして航空写真のように町が見える。 あいつはいまどこかな。電車に乗ってるのかな。目的地に着いたのかな。 まさか途方に暮れた顔なんかして、妹ちゃんに冷やかされたりしてないでしょうね。そんなだらしない男じゃ困るんだけれど。 飛行機はどんどん上昇していく。海と空しか見えなくなるまで、あたしは窓の外を眺めていた。 気が付いたのは、どすんという軽い衝撃を感じたからだった。いつの間にか寝てしまってたみたい。 ボケた頭で窓の外を見ると、空はきれいな夕焼け。見たことのない飛行場の明かりがぼんやり点灯しているのが見えた。 「ついたの?」 「そうよ」あたしの独り言に母さんが答えた。「到着よ」 飛行機は地面をゆっくり滑走している。どこに誘導されてるのかしら。 機内はざわめきはじめているけど、まだ飛行機は動いている。あたしは読んでいた本をカバンにしまって、窓の外を眺め続けている。 見たことのない風景が流れている。日本人じゃない人達がいっぱいいて外国に来たんだって実感する。 飛行機がゆっくりと止まった。シートベルトのサインが消える前にみんな立ち上がっている。親父や母さんはなにもせず、ぼんやりしているみたいだけど。 シートベルトのサインが消え、親父や母さんはシートベルトを外した。 親父は大きく背伸びをして、母さんもそれに釣られたように背伸びをしてて、なんかおかしい。 「さて。降りるか」親父はそういいながら、立ち上がった。母さんも立ち上がり、あたしも立ち上がる。 順番を守って飛行機の搭乗口を抜けた。あれ、タラップで飛行場に降りるのね。直接ゲートにつながるんだと思ってたけれど。 タラップを降りると、かすかな風が流れていて、それは潮の香りがする。ちょっと蒸し暑い。独特の空気の香りにちょっとむせそうになった。 彫りの深い南国の人が笑顔を浮かべてお出迎えしている。親父はかるく会釈してその脇を擦り抜けた。母さんも微笑みながら親父の後を追う。 あたしは異国の空気を胸いっぱい吸い込んで、二人の後を追った。 入国審査して荷物を受け取って税関を通れば、国際空港のロビーに出た。 これ、本当に国際空港なの?なんか予想してたよりも小さいけど。なんか日本のちょっと大きい空港ぐらいじゃない? 「ここからどうやって移動するの?」あたしは親父にたずねた。 「レンタカーだ」親父は短く言って、きょろきょろ辺りを眺めている。「カウンターがどこかにあるはずなんだが……」 親父はレンタカー屋のカウンターを見つけると、大股でそこに向かった。いかにも現地の人が笑顔で迎えた。 親父はにこにこしながら英語で受付の人に話をはじめた。あたしでも分かる簡単な英語で、ほとんどカタカナでしゃべってるように聞こえる。 でも受付の人がしゃべってるのは良く分からない。英語なのかしら。イントネーションが違うようであたしには良く分からない。 でも親父は平気な顔で受け答えしながら、差し出された書類に記入をはじめた。 書類を書き終えると、親父は鍵を受け取った。軽く手を振ってバイバイ。 「あの人、英語しゃべってたの?」 「ああ」 「良く分かるわね?」 「レンタカーを借りるときに聞かれることはどの国でも大体同じだろう。それを踏まえて何を言わんとしているか推測すれば分かる」 「でもよくカタカナみたいな発音で通じるわね」 「機械にしゃべってるならともかく相手は人間だからな。理解しようと努める。父さんの経験では発音がダメで通じないことはないな」 「そうなんだ」 「さて、レンタカー置き場はこっちだな」 レンタカーは日本製のセダンだった。トランクを空けて、親父が全員分のスーツケースを押し込んだ。 親父はそのまま運転席に乗り込み、母さんが助手席に座った。あたしは後部座席に座ることになる。 シフトレバーの上に、小さな液晶TVがついてた。 「それ、TV?」 「カーナビ」親父はエンジンをかけながら言った。「道路地図と現在地が分かって道案内してくれなきゃ、一発で迷子になる」 「やっぱり普通より高いの?」 「知らん。カーナビ付きしか見てないし、予約しないからな。父さん頭悪いのを自覚してるんで、補えるものがあるなら、積極的に利用するんだ」 そういいながら親父はカーナビを操作しはじめる。使い方わかってんのかしら。 「知らない。が、住所なりなんなりで目的地を登録できるはずだ。そのやり方をいま探してるんだ」 すぐそのやり方がわかったみたいで、親父は独り言をいいつつ目的地を入力した。 「よし、準備万端。出発しよう」 目的地まで車で10分ぐらいで、ほとんど真っすぐな道だった。これならカーナビいらないんじゃないのかしら。 親父はコテージの管理棟っていうのかしら、フロントでいいのかしら、とにかくそういうところに車を止めた。 「ちょっと待っててくれ」親父はそう言い残すと車から降りた。 10分ほど待っていると、親父は戻って来た。手に鍵をもっていた。 車に乗り込むと、親父は手にしていた鍵を母さんに渡すと、車をまた走らせた。 「えーと、ここらへんにあるはずなんだがな……」 うっそうと茂った木であたりがよく分からない。まだまだ外は明るいのにね。 「あ、あれか」 親父はそのコテージの駐車スペースに車を止めた。 やっと到着ね。道中何もなくて、かえってつまんないわね。 トランクからスーツケースを取り出して、それをコテージに運ぶのは親父の係だった。 あたしと母さんはコテージの中に入った。 結構広いリビングと小さいキッチンもある。ベッドルームは二つで、そしてバストイレが完備されてる。おまけにエアコンまであるし。 リビングにはソファセット、大型TVもおかれている。ソファの前におかれたガラステーブルには、TVリモコンと、電話機の子機がおかれている。 なんか南国って感じのインテリアがいいわね。二日間だけとはいえ、ちょっと夢見るような生活が出来るって感じね。 コテージの中をあちこち探検しているうちに、親父がスーツケースを運び終えたみたいで、あたしを呼ぶ声がする。 「じゃあ晩飯食いに行こう。豪勢なディナーらしいぞ」 晩ごはんはバーベキューだった。 これでもかって肉に野菜に魚と果物を食べて、もうなにも入らない。 でも、幸せ。 ふらふらしながらコテージに戻った。 親父は大きいソファに腰を降ろすと、リモコンでTVをつけた。TVっ子なんだから。母さんはいそいそとバスのほうに消えた。 あたしは電話機の子機を取り上げた。これ、日本に通話できるかしら? 「ほほう、ラブコールですか。隅に置けませんなぁ」親父がニヤニヤ笑いながら言った。 「そうよ、彼氏にラブコールするのよ。悪い?」 「悪くはない。国際電話のかけ方知ってるか?」 「そこに書いてあるわ」 「ならいい。通話料はそんなにかからないはずだが、長電話は勘弁してくれよ」 「ふん。そんなこと分かってるわよ」 あたしは電話の子機をもって、自分の部屋にしたベッドルームに入った。 大きなダブルベットに飛び込んでから、電話をかける。あいつの番号はいっつもみてるから、もう暗記しちゃってる。 もう忘れようったって、忘れられない。 何度か目の呼び出し音のあと、電話がつながった。 「もしもし」怪訝そうなキョンのよそ行き声が聞こえた。 「もしもしー」 「あ、ハルヒか」 「そうよ。だれだと思ったの?」 「通知不可能って表示がでたんで、誰かと思ったぜ」 「国際電話だからかなぁ?」 「そのせいか? そっちはどうだ」 「ん、快適よ。部屋は広いし、ご飯はおいしかったし、言うことないわね」 「そりゃ良かった」キョンが楽しそうに笑った。 「いまは田舎にいるの?」 「いや、妹が急に熱だしちまって、中止になっちまった」 「え、じゃあ家にいるんだ」 「ああ。うんうん唸ってる妹ほっとくわけにもいかんからな」 「そうね。じゃあ4連休はどうするつもり?」 「ま、怠惰に過ごさせてもらうよ。妹元気になれば、どこかに出掛けるかもしれんが」 「そっか」 「ああ。いまはどこにいるんだ?」 「ん?コテージよ」 「そりゃそうだろうが……」 「ああ、自分のベッドルームよ。すんごい大きなダブルベッドでふかふかなの。 キョンでも横にねれるぐらい大きいのよ」 「ほう」 「あんたの部屋のシングルベッドなんて目じゃないわね。あれじゃ一人でも窮屈でしょ。絶対二人で寝れないもん」 「シングルベッドだからな、一人用だ」 「これ、ホント気持ちいい……やばい、寝ちゃいそう」 「風呂入れよ」 「言われなくても入るわよーだ」 「羨ましいな、まったく」 「ふふん、せいぜい羨ましがってなさい……でも、いつか、一緒に来れるといいね」 「……そうだ、な」 キョンの照れた声に、胸がちょっと変ね。なんかベッドの上でごろごろ転がりたくなる。そんな自分も最近では認められるようになって来たけど。 でも、明らかにおかしい。あーやだやだ。こんなんじゃ、SOS団を率いる立場も怪しく思われちゃうわね。 「ハルヒ………」キョンが柔らかい声であたしの名前を呼ぶ。ちょっとうっとりしちゃうんだけど、これどうにかならないものかしら。 他の人にこんなとこ見られたくないわ、絶対。 「なに?」 「……………」 「もしもし?」 「……………いや、なんでもない」 「ばか。言いたいことあるなら言いなさいよ」 「帰って来たら言うよ」照れ笑いがムカつくわね。 「………ひねくれ者」 「おまえに言われるとはな」 「ふん。素直に言いたいこと言えないのはひねくれ者で十分よ」 「ハルヒはどこまでいってもハルヒだな」 「うるさい」 キョンたら黙り込んじゃって、なんか吐息だけ聞こえる。目を閉じてみれば、キョンに抱き締められているような錯覚を感じちゃう。遠くに波の音が聞こえて、なんだか気持ちいい。 「あんまり長電話できないよな」残念そうにキョンが言った。 「そう……ね」 「じゃあ、また暇ならかけてくれ」 「また明日かけてあげるわよ。寂しくて泣いちゃわないよーにね」 「ああ、頼む。じゃな」 「じゃあね。……ばーか」 「なんで甘ったるい声でバカって言うんだ?」 「恥ずかしいからに決まってんでしょうが。じゃあね」 「ああ、おやすみ」 「おやすみ」 電話が切れる音さえも甘く感じるのは、どうしてかしらね。 どうも耳までおかしくなってるみたい。不治の病なのかしら、それともいつかは直るのかしら。まあ直らなくても別に困んないか。 「ハルヒもお風呂入っちゃなさ~い」ドアの向こうから母さんの声が聞こえた。 あたしはベッドから起き上がって、お風呂にはいる準備を始めた。 小鳥のさえずりが聞こえてきた。波が打ち寄せる音が遠くに聞こえてくる。 かすかに目を開くと、まぶしい日の光が目に入って、枕に顔を押し付けた。 どんどん意識がはっきりしてきた。 ここどこ……そか、あたしは海外旅行に来てて、コテージにいるのか。 いま何時なんだろ。起き上がって、時計をみた。7時か。 早い訳でもないし、遅いってわけでもない時間ね。 目をこすりながら、ベッドから起き出して、リビングに出た。 キッチンで母さんがなにか料理を作ってる。いつのまに材料仕入れたのかしら。 「おはよう」母さんにあいさつした。 「おはよう」母さんはいつもと変わらない様子で朝ごはんを作ってる。旅行に来たっていうのに、料理しなくてもいいと思うんだけど。 「そうねえ。でもいい材料みつけたから、やっぱりねえ」 「どこで見つけたの?」 「朝、お父さんと散歩に行ったら貰っちゃったの」 「それって、何時よ」 「6時ちょっと前ぐらいよ。ハルヒはぐっすり寝てたから」 「あ、そう…」 「そうなの。もうちょっとで朝ごはんできるから、待ってなさい」 「そういえば、親父は?」 「外にいると思うわ」 リビングの窓は開け放たれていて、カーテンが風に踊っていた。 そこから外を眺めた。白い砂浜と、その向こうには青い海が見えた。 親父の姿が見えた。もう水着姿で、なんかライフジャケットみたいなものを着込んでいる。 あとで教えて貰ったところによると、一つは本当にライフジャケットで、もう一つはハーネスって呼ばれる装備ね。 サーフボードを脇において、長い棒をつないでいるみたい。なにをしてるのかしら。 リビングの窓から外に出れるようになっていた。あたしはサンダルをつっかけて、外に出る。もう日差しが強くて、風が結構吹いてる。あとでUVケア必須ね。 さすが南国ってところかしら。 「なにしてんのよ?」 「ウィンドの道具借りたんで、組み立ててるんだ」 親父は長い棒をビニールのシートに差し込みながら言う。 「ウィンド?」 「ウィンドサーフィン。セイルを組み立ててるんだ」 「帆ってこと?」 「そうだ。組み立てると翼状になって、飛行機の翼と同じ原理で揚力が生まれる。その揚力を人がボードに伝えて前に進むんだ」 「へえ、そんな趣味あったんだ」 「昔取った杵柄ってところだな」 「おもしろいの?」 「死ぬほど疲れるが、おもしろいぞ」 「ふうん」 「二人ともー朝ごはんできたわよー」母さんの声が風に乗って届いた。 「ご飯だって」 「食ってから組み立てるとするか」 親父は立ち上がり、砂を払って歩きだした。 親父は朝ごはんを食べたら、即外に出ていった。いつもならTVの前にどっかり座ってるのに、どうしたのかしらね。 「久しぶりに遊ぶ気になってるからじゃないかしら」 母さんはキッチンで食器を洗っている。 「ひょっとして自分が遊ぶために、ここに来たとか?」 「だから、当てにするなっていったのよ」 「え、買い物とかどうするのよ」 「昼になれば帰ってくるわよ。そうすれば連れてってもらえるかもね」 「どういうこと?」 「お昼食べたら、また海にいっちゃうかもしれないんだけど、風次第ね」 母さんは半分あきらめているような口調で言った。 午前中、親父はほとんど海に出っぱなしだった。ほんと、なんか恨みでもあるのかというような勢いで、一人でウィンドサーフィンを楽しんでいる。 ま、あたしは相手してもらわないと泣いちゃうような子供じゃないっていうか、そもそも親父に構われたくないから好都合ね。 だからシュノーケルつけて海中散歩を楽しんだ。透明な海に潜って、きれいな魚やサンゴを眺めながら夢中で泳いだ。 ときどき仰向けになって海に浮かんで、空を眺める。波というかうねりに体を負かせる。この空は日本にもつながってるのね。遠い遠いところだけど。 観光地見て回る旅行もいいけど、こうやって一カ所に止まってのんびり過ごすってのも悪くないわね。 浮かぶのをやめて、立ち上がった。波打ち際が遠く見えるところまできちゃったけど、まだまだ足が付くところがうれしい。 日本じゃちょっと考えられないわね、これは。 あっという間にお昼になった。どうやら母さんはずっとコテージで読書してたみたい。それでいいのかしら。 親父はどうしたことかシャワーを浴びて、普段着に着替えている。 コテージ近くのレストランで、お昼を食べた。お店を出ると、さっきまで強く吹いていた風がやんでいる。 「風、止んじゃったわね」 「ああ。天気予報通りだな。午前中一杯風が吹くけれど、午後は無風ってな」 「知ってたんだ」 「海で遊ぶ以上天気予報を頭に入れとくのは常識だ。というわけで、買い物に出るか」 現地の人が行くようなお店をまず巡った。 子供みたいなサンドレスが気に入って何着も買っちゃった。ちょっと丈が短いんだけど、それはなんとでもなるし。 母さんはおおきなツバの付いた帽子を買って、親父は何枚かシャツを買った。 「ブランド品街もあるが、みていくか?」 「興味なーし」とあたし。 「お財布見たいわね」と母さん。 母さんの一言で、ブランド品街を歩いてみた。高級ブランド品のお店が立ち並ぶ一角は、やっぱり日本人の姿が多い。 別にそれがどうのって訳じゃない。あたしは興味ないってだけ。まあ貰えるもんならありがたく貰っとくけどね。自分で買おうとは思わないな。 母さんはすこし迷いつつも有名どころのお財布を買った。 そのまま町を散策する。日本とは全然違う南国の景色が新鮮でたまらない。 町の空気、歩いてる人、売ってるもの。すべてが刺激に満ち溢れてる。 現地の子供たちが元気に路地裏を走り抜けて行く。いかにもお母さんって体格の人が、そのあとをのしのし追いかけて行くのが見えた。 親父はなぜか日本人カップルに写真を頼まれている。機嫌よく撮ってやっているけど、たまには断ってもいいんじゃないかしら。 そのまま夕方まで街で過ごして、夕食も街のレストランだった。 コテージに戻ったのは夜になってから。虫の声は日本とあまり変わらないような気がする。うるさいってほどでもないけど。 お風呂に入って、パジャマかわりにもってきたジャージのハーフパンツと、コットンのタンクトップに着替えた。 母さんも親父もみっともないっていうんだけど、楽なのよねえ。これ。 電話の子機はベッドルームに置きっ放しになってる。さ、あいつに電話掛けてやらないと、泣いちゃうかもしれないしね。 電話の呼び出し数回待つと、ほっとする声が聞こえてくる。 「もしもし。ハルヒか?」 「そーよ。国際電話で誰が掛けてくるってのよ?」 「まあおまえしかいないがな。確認したいのは人情ってやつだ」 「そっちはどお?」 「ごく個人的なことでいえば、妹はいきなり元気になりやがった」 「よかったじゃない」 「まあそれはな。ただ、大混み必定の動物園なり遊園地につれてかなきゃならん」 「あ、なるほど」 「元気100倍なのはかまわんが、今日ぐらいおとなしくしておけというのに、まるで言うことをきかん。困ったもんだ。で、そっちはどーだ?」 「楽しいわよ」 あたしは話を聞かせてやった。今日あったことを朝から晩まで全部話してあげる。そうすれば、あたしと同じ体験をしたことになるかもしれないから。 「楽しそうでなによりだな。本当に羨ましいぞ」 「へへん、あんたもね。大人になったらこういうことできるだけの甲斐性ないとね、愛想尽かしちゃうんだから」 「まあ、できるだけのことはしたいがな」おおげさなため息が聞こえる。 「なによぉ、その溜め息は」 「いくら稼げばそんだけのことが出来るのやらだ」 「さぁねえ。親父の年収に興味ないしねぇ。なんなら聞いてみようか?」 「いや、いい。おまえの親父さんのことだし、なんかはぐかされそうだ」 「ウソはいわないと思うわよ。ただ……」 「ただ、なんだ?」 「身も蓋も無いところあるから、やけに具体的な話始めちゃうかもしれない」 「親子だな、本当に」 「失礼ね。性格全然違うわよ。あたしはあんな我が儘で人をおちょくるのが大好きな性格じゃないもの」 「……そ、そうか」 「なによ。なんか不満?」 「いや。そういう訳じゃない」 「本当かしら……」 しばらくそうやって、また無言になる。この瞬間って結構好きなのよね。なんか吐息だけ聞こえてきて。目を閉じるとキョンと二人でベッドにいるみたい。 いけないいけない、そんな乙女チックな妄想に浸ってる場合じゃなかった。 「日曜日は遊べる?」 「ああ。でも、休んでたほうがいいんじゃないのか?翌日から学校だぜ」 「ふん、あたしの体力をなめちゃいけないわよ。それより……」 「…そうだな」 「じゃ、そろそろ切るね」 「ああ。……ハルヒ」 「なに?」 「………すまん」 「意味わかんないけど、ひょっとして照れてるの?」 「そういうことだ」 「ふうん。………ばぁーーーーか」 「………それは照れてると受け取っていいのか?」 「そうよ。照れてんの」 ふたりでくすくす笑った。いつまでも笑っていたいわ、ふたりでね。 「じゃあ、そろそろね」 「ああ。お休み」 「お休みなさい」 つい、受話器にキスなんかしちゃった。一人で恥ずかしくて、顔が熱いじゃないの。こんなんじゃ、眠れないかもしれない。 それでもあたしは部屋の電気を落として、ベッドにもぐりこんだ。 続く
https://w.atwiki.jp/deadsoul/pages/118.html
佐賀県鎮西町の加唐島に現れた妖怪。 漁師の親父と息子二人が加唐島の海岸で火を起こしていると、なぞの怪女がふらりとやって来て「魚をくれ」と傲岸不遜なリクエストをしてきました。 「おいおい、このおばさん、貨幣経済や市場原理というものをまるでわかっていないのとちがうか」 「消費者のモラル低下もついにここまできたかってかんじだな。モンスター消費者ってレベルじゃねーぞ」 などと、兄弟が顔を見合わせて苦笑いをしていると、女はくわっと目を見開いて「魚をくれっ」となおすごむ。この女にただならぬ妖気を感じとった親父は、「船から魚を取ってきてやりなさい」と息子どもに指示を与えます。しかしその日は船内に魚の一匹も置いていなかったため、息子どもは怪訝な顔をする。親父は不慣れなウインクなんぞしながら二人に合図を送るのですが「おい、パパが僕に色目を使っているぞ」「ちがうよ、あれは顔面神経痛の一種だ。心因性の病気だよ。ママのDVがじわじわ効いてきてるんだ」などと、息子たちにはパパの以心がまったくもって伝心しないわけ。親父はいいかげんイラつきながら「いいから船の中を探せ!」と怒鳴りつけ、有無を言わせず息子二人を船へと向かわせます。 ややあって。少し離れた船の中から「おーい、やっぱり魚なんかいないよー!」と息子たちの叫ぶ声。親父のすぐ隣では、怪女が殺気をはらんだ目で親父をぎょろぎょろと睨み続けている。 「お前らどこに目をつけてんだー! ばかー! 父ちゃん情けなくて涙が出てくらー!……ははは、いやまったく。本当におろかなキッズどもでして。はは。しゃーねーな。ちょっくら私が取って来ますよ。♪えんや~、ま~る~、えーんやまーるーおいしいまーる-、とくらぁ」などと、親父も鼻歌を歌っちゃったりなんかして、いかにも平静を装いながら船に向かい、そうして船に乗り込むと艫綱も錨綱もたたっ切って一目散に沖へと逃げた。海岸を振り返り見れば、漁師一家の命をとりそこねた妖女ダキが地団駄踏んで悔しがっていたので、親子は大漁旗を掲げた船の上に整列して両手で頭上に円を作り、「まるー!」と叫んで勝利の凱歌を挙げたとのこと。まあ、このへんは虚偽なんですけどね。 以来、加唐島付近で漁師たちが船を停泊させるときには錨だけを降ろし、すぐに逃げられるよう艫綱を使うことはなかったのだとか。このへんは本当。 参考サイト:白鶴まる倶楽部 名前
https://w.atwiki.jp/wiki12_trun/pages/41.html
タコおばさんの怒り(EASY) コース解説 前からタコ親父が電撃攻撃をしてきて、後ろからタコおばさんが追ってくるコース。電撃が早いので反射神経を要する。 タコ親父の怒り(EASY)解説へ タコ親父の怒り(NORMAL)解説へ タコおばさんの怒り(NORMAL)解説へ
https://w.atwiki.jp/dangeroussstree/pages/39.html
最終話/彼方に対するは最後の敵 【前回までのあらすじ】 世界樹が破壊樹と呼ばれ人々を襲う世界。高橋ルカは地面から生えてきた破壊樹に自宅を押し上げられ、チェーンソー片手に破壊樹の中に突入した。破壊樹の主であるエルフのカグヤと出会ったルカは真の敵がパンダであると知り、破壊樹を乗っとったパンダから自宅を取り戻そうとするが既に自宅は破壊樹ごとパンダに完食され、ルカは一方的に殴り倒された。その後日本語を覚えたパンダはDJパンダに進化しルカと和解。大家の西野カナタが男を女装させるのが好きな自衛隊員だと告白したり、ルカが自分の親父がヒトラーとスターリンが合体して生まれた高橋ヒトリンでデスゲームで生計を立てている事を暴露して仲良くしているとその噂の親父が破壊樹型ロケットに乗って登場。人類に敵対するダークエルフと共産主義パンダを乗せたロケットが月に向かって飛び立つその瞬間、エルフにして忍者のカグヤが身代わりの術で親父と入れ替わりラスボスだか囚われのヒロインだかよく分からない存在となった。親父は地上に置いてかれた。 「はいはい、嘘乙」と思った皆さん、今回作者はまだボケていません。常軌を逸した上記のあらすじは全て真実なのです。これは酷い。特に第4話が酷い。バトンを受け取る方の身になれ。 「こんにちは!僕あまにです!では死ね!」 私は前走者と思われる人物の家に行き、正々堂々自己紹介をしてからバズーカを撃ち込んだ。犯人宅は激しく燃え上がり、中からアフロヘアーになった彼が出てきた。 「熱いぃぃぃい!何をするのだゆとりの!」 「お前『第4話/アドルフ・ヒトラー』書いたやろ」 「違います。あれは私の文体を真似したあっちんさんです」 「嘘つけー!確かに破壊樹ルートが二つあってどっちもギャグだったからちょっと迷ったけど、こっちがお前の作品じゃー!」 こういう時の私の勘は芸能人格付けチェックの時の鬼龍院翔ぐらい当たる。実際、私が断定すると彼は観念して罪を認めた。 「はいはいすみませんでした。でも、殴り込みに来るぐらいなら他のルートの続き書けばいいじゃん」 「いいや、私はお前の作品に惚れ込んたんだ。私が書く最終回はこれしかない!バズーカ撃ったのは教育的指導が必要と思ったからであり、個人的にはこういうのだいしゅき♡」 「ゆ、ゆとりの!」 感極まって私に抱きついてきた彼は、そのまま私の手からバズーカを奪い顔面を狙い撃った。 「熱いぃいぃ!何をするかこの忍者マニア!」 「だってお前も次走者の事ガン無視した第1話書いたじゃねーか。お前もバズーカ撃たれるべきだ」 「うん、そうだね。ゴメン」 アフロブラザーズここに誕生。彼と和解した私は帰宅し本編を書き始めた。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 最終話/彼方に対するは最後の敵 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ おれ達はカグヤを乗せたバンブーロケットが飛び去っていくのを眺めている事しか出来なかった。 だってロケットの離陸時のジェット噴射の熱量凄いもん。 「みんな!ここにいたらロケット噴射で焼けてしまうよ!走って!」 カナタさんがそう言ってくれなきゃ、今頃全員くたばっていただろう。カナタさんマジ天使。 「あー、皆無事か?カナタさん?」 「はーい」 「パンダ」 「YES!」 「....親父」 「…うん」 全員の無事を確認した後、おれは元凶たる親父にテキサス・コンドルキック。 「グワー!な、何をするか馬鹿息子!」 「本当なら後100発殴りたいとこだが今は我慢してやる。おい糞親父、あのロケット止める方法教えろ」 「わからん。私が知っているのは私がラスボスであった場合のデスゲームの攻略法だ。今となってはそれが役に立つか…」 「あのー、親子でお話中申し訳ないんだけど、なんかあのロケット飛ぶの遅くない?」 カナタさんに言われ、おれ達は空を見る。上空には上昇を続けるバンブーロケット。だが、確かに遅い。まだ地上から二百メートルも離れてないんしゃないか? 「なあ親父、あれ本当に月まで行けるのか?」 「本来なら私の世界線移動を動力に加算していたからなあ。今再計算する」 数秒後、親父はとびきりの笑顔で答えを出した。 「ありゃあ月まで行けんぞ。パンダを積みすぎたせいで地球の重力を突破できん。後一時間で燃料が切れて落下。その時の衝撃で日本は滅びるな。ハッハッハ」 テキサス・コンドルキック。 「息子の家庭内暴力本日二度目ー!」 「ふざけんな、マジふざけんな。得意の世界線移動で今すぐ何とかしろ」 「無理。あれ座標指定に時間かかり過ぎる。一時間じゃ無理」 「なら他には無いねかよ!さっき言いかけてたゲームクリアの方法とか」 今の状況が親父の作り出したものなら、ロケットに追いつく方法は絶対に存在する。親父は糞野郎だが作るデスゲームはいつもフェアプレー精神に溢れていた。 「追いかける方法は確かに用意しておいた。そこのパンダにウンコをしてもらい、ウンコからバンブーロケットを製造し乗り込むというのが正規のシナリだ。だが、この方法も一時間では不可能だ」 万策尽きたといった顔の親父。親父だけじゃない。おれも、ウンコさせられる予定だったパンダも迫る日本滅亡を思いため息をついていた。 「でも、他に方法は用意してないよね?じゃあやろう。アタシにいい考えがあります!」 こんな時でもカナタさんだけは元気だった。何なのこの女神。惚れる。 「よしパンダ、そこでキバれ」 「だがBOY、さっきそれは無駄だと言われたろう」 「うるせえ。カナタさんに考えがあるんだよ。ですよね?」 「うんっ!時間ないんで指示を出しながら説明するね。パンダさんはとりあえずウンコ!」 カナタさんに頼まれたパンダは頭をボリボリ掻いた後、四つん這いになりウンコを始めた。身体のどこに入ってたんだと言いたくなるぐらい大量のウンコがパックの尻から出てくる。その間にカナタさんは家に帰りゲームカセットを持って戻って来た。 「ロケット噴射で家はだいぶ燃えてしまったけど、これは無事!やったね!」 「それ続編が出なかったゲームですか?カナタさん、それをどうするんです?」 「ふっふーん。今からこの二本のゲームに入っているキャラクターを呼び出して助けてもらいます!」 カナタさんはまだ酔っているんだろう。あるいは現実逃避をしているんだろう。いくら何でもゲームのキャラが現実に出てきて助けてくれるはずがない。念の為に親父に確認すると、出来る訳ねーべとばかりに首を振っていた。だが、どうせ死ぬならカナタさんの無邪気な顔を見ながら死ぬのも悪く無いかな。 「いんにゃらうんにゃらはゎ〜!」 ボボンボン! 「成功したよ!バニクエの主人公とサフDの主人公を呼び出したよ!」 「マジで!?」 おれの目の前にはクリフトめいた格好のゲーマー少年と真面目そうな理系男子がいた。間違いなくあのゲームの主人公達。しかも装備を見るにレベルカンストしている。 「イテテ、また異世界かよ…あっ勇者おばさん!いや、勇者おばさんにしては若い!」 「ここは地上ですか?あ、マリーさん!いや違う。でも似ているなあ」 どうやらカナタさんはムッチャモテる様だ。ゲーム主人公ですら「どこかで会った事ない?」と使い古されたナンパをするぐらいには。うん、さすがは俺のカナタさん。だが、カナタさんがこいつらを召喚したのは逆ハーレムを作る為ではない。 「呼び出して早速だけど、二人に二つほどお願いがあります。まずはあのウンコからロケットを作ってね!」 「はい、めちゃシコお姉さんの頼みならば!」 「ええ、貴方の頼みは聞いておいた方が良さそうだ」 ゲーマーがウンコに手をかざすと瞬く間にウンコは破壊樹へと戻っていった。破壊樹のてっぺんにはおれの家まで再現されている。そして理系が無数の作業用ドローンを使って破壊樹に手を加えていく。 なんという事でしょう、数分後には破壊樹はバンブーロケット2号機へと生まれ変わっていた。正に劇的ビフォーアフター。 「二人ともご苦労さま!さあ、あのエレベーターからルカくんの家に上がってロケットを発進させられるよ!」 「おれの家が操縦室ですか!かっけえ!」 カナタさんに言われるがまま、おれはバンブーロケット2号機のエレベーターボタンを押し、扉が開くのを待つ。 チーン 「すみません、降ります。どいてください」 「あ、はい、サーセン」 エレベーターの中からポンコツっぽい婦警がマスコットと共に出てきた。うん、さかしまシリーズの主人公コンビだコレ。さかしまコンビはおれの横を通り過ぎるとカナタさんにペコリと頭を下げた。やっぱりお前らもカナタさんの召喚獣かよ。 「それじゃあルカくん行ってらっしゃい!」 「ハイ!行ってきます!ってカナタさんはロケット乗らないんですか?」 「一緒に行きたいんだけども、ホラ、あいつらを食い止めないと」 カナタさんが指差した先では二人のエルフが大暴れしていた。 「罪を犯した事が無いヒューマンだけが俺に石を投げろやー!」 「ゲーへへへ、地獄で焼かれるがいい!」 さっきニュースで見たキリストとヤハウェだ。もうこんな所まで来ていたのか。 「あたしは主人公軍団と一緒にあいつらを何とかするから、ロケットはルカくん達で!」 「分かりました!男、高橋ルカ必ず親父の野望を止めてみせます!帰ってきたら自宅デートの続きしましょう!」 「自宅は燃えちゃったからそれ無理。だから、ラブボ行こうね!」 「期待を超える返答!」 ヨッシャー!やる気がムンムン湧いてきたじゃねえかっ!自宅の事やパンダの事が解決して正直おれのモチベーションは下がっていた。あんなロケットは政府がなんとかしてくれねーかなとか思っていた。 だがっ!今のおれは人生最強!人というものは動機があればどこまでもいける! 「いくぞパンダ!道案内しろ親父!あんなロケット簡単に攻略して、帰ったらカナタさんにプロポーズする!ついでにカグヤも助ける」 おれはパンダと親父を率いてエレベーターに乗り込む。すると、床が青く光りティリーンと音がした。 「あ、この床セーブポイントだ」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ここまでをセーブしますか? →はい いいえ セーブしました。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ おれはエレベーターを降り自宅に辿り着く。 コタツの上に置かれた『発進&1号機自動追跡ボタン』を押すと、テレビのスイッチが入り最短ルートと最適ルートが表示された。 「当然、最短ルートだオラァ!」 おれ達を乗せた2号機は急発進し、あっという間に1号機に追いつき窓に突き刺さった。ダークエルフや共産主義パンダとの戦いをすっとばして、いきなりラスボスの部屋だ。 「ダイナミックお邪魔します!」 「きゃー!バカヒューマン!なんて事しやがりますか!こんな無茶苦茶な侵入したらロケットが落ちてしまうじゃないですか!」 「いや、おれ達の突入関係なく後三十分で地上に落ちるぞ」 「えっ、そうなんですか!?」 やっぱり分かってなかったかコイツ。まあ、ロケットの中からじゃ異変に気づけないからな。 「うわーん!美人薄命とはこの事です!何か手はないんですか!」 「ロケットが落ちるのはお前が親父と入れ替わったせいだ」 「わかりました!ニンニン!」 状況を理解したカグヤが印を結ぶと、カグヤと親父の位置と衣装が再度入れ替わった。つまり元に戻った。 「こ、これでもう大丈夫ですよね?」 「これに懲りたらもうノリでラスボスになったりするなよ。で、親父いけそうか?」 「ああ、2号機が刺さった事で崩れたバランスを修復し、パンダを東京湾に落として軽量化すれば墜落は免れる。よし、出来た。…さて、仕切り直そうか」 玉座に偉そうにふんぞり返った親父は感情のこもらない目でおれを見る。あれは他人を見下してるとかじゃない、単に過労死寸前なだけだ。 「よくここまで来たな我が息子よ。ロケットの制御で私の体力は限界だが、それでもお前を倒す力は残っていr」 「パンダさん前足パンチ!」 「ぐわあああ!!!」 パンダさん前足パンチで親父は瞬殺された。元々強かったパンダがヒップホップ習得した上にダイエットしたんだから、満身創痍の親父ではこうなって当然か。 「すまないなBOY、つい親子喧嘩に水を差しちまったyO!」 「いや、むしろよくやってくれた。今のおれはこいつとの決着とかに執着はない。とっとと帰ってカナタさんと結婚したいんだ」 「えー!私がヒロインじゃないんですか!?」 その後、ドッキングした二つのロケットを着陸させたおれ達は無事カナタさんと合流。キリストとヤハウェは数の暴力で無事撃破された。元凶である親父が捕まった事で破壊樹騒動も徐々にだが収束している。破壊樹に関係していたエルフとパンダは全員逮捕されたらしい。カグヤとおれの家食ったパンダも捕まったが、事件解決に協力した事もありすぐに釈放された。 そしておれは今、カナタさんとの初夜を迎えようとしている! 「市役所へ色々申請してたから後回しになったけど、約束通りのラブボデートだよルカくん!嬉しい?ねえ嬉しい?」 「はい!カグヤ達も無事だし、事件がきっかけでおれも芸術家として有名になれたし、心置きなく今日はヤりまくりましょう!」 この世界は親父の作ったゲームだったのかもしれない。だが、おれは親父に勝利し幸せを掴み取る事ができた。ぶっちゃけ主人公らしい事はほとんどしてなくて、親父の自爆とカナタさんのおかげだと思う。だが、それでも俺は勝ったんだ。今はこの幸せを噛み締めよう。 「それじゃあまずはこのピンポン玉をルカくんのお尻に入れてみよう!」 「ンアーっっっっッ!!!」 おれの絶叫が夜空に響き渡った。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ おめでとうございます! これでこのゲームはクリアです! 最後までプレイ感謝いたします! お疲れ様でした! ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ このルートはこれで終了です。 残された謎? それは他のルートで明らかに なるでしょう。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ この世界はこれで終わった方が 幸せなんです。 貴方にとってもね。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ この先DANGEROS! 命の保証無し! ここで読み終わる事を推奨! ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ それでは最終セーブから 再スタートします。 地獄へようこそ。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 操縦室となった自宅に到着したおれはコタツに設置された発進ボタンを押す。するとテレビに最短ルートと最適ルートが表示された。 「当然最短…いやまて」 おれは最短ルートを選ぼうとして寸前で考え直す。こういう時、親父の作ったゲームでは最短ルートは罠だ。トゥルーエンドのフラグを逃してしまい一見幸せに見えるバッドエンド一直線となるパターンだ。 「最適ルートだ!」 「BOY、時間は大丈夫か!?」 「焦るなよパンダ。親父の顔を見ろ」 残り時間が三十分を切っているのに、親父に焦りは無い。いや、寧ろおれが遠回りを選んだ事でホッとしている様にも見える。 「これは親父のゲームをやり込んだおれの勘だ。最短ルートを選んだら何か大事なものを見落としてしまう」 「オッケイ、信じるぜBOY。道中の敵はパンダさんに任せな!」 最適ルートを選択するとバンブーロケット2号機は発進し瞬く間に1号機に追いついた。そして2号機のてっぺん、すなわち俺の家の屋根からワイヤーが射出されて1号機の壁に引っかかる。 「よし!このワイヤーを伝って1号機に移れ!」 「だがどうやって中に入るんだYO!」 「お前が外壁食えばいい」 「HAHAHA!そりゃそうだ!」 パンダが食い散らかした穴から侵入したら当然ながら敵に見つかった。元ラスボスの親父と進化したパンダがいてもこのロケット内の全ての敵を倒すのは無理だろう。 だか、戦いは起こらなかった。おれ達側のパンダが壁を食べてるのを見て、共産主義パンダ達がアイツだけずるいと言わんばかりに壁や床を食い始めたのだ。ダークエルフ達は共産主義パンダを止めるのに必死だったが、最終的には彼らも無言で壁と床を食い始めた。 「よし、ここはパンダに任せておれ達は先を急ごう」 「分かってると思うが、最上階が私の部屋だ。そこに行きあのエルフ娘から権限を取り戻せはロケットは墜落しない」 ガクンとロケット全体が揺れた。まだ親父の計算したタイムリミットまで時間があるのに一体何が起こった! 「ポリポリポリポリポリポリポリポリ」 「ポリポリポリポリポリポリポリポリ」 「ポリポリポリポリポリポリポリポリ」 そうか、お前らが原因か。おれは冷静に2号機へ戻り1号機との接続を切り離した。そして1号機に体当たり。ほとんど残骸と化していた1号機は2号機の体当たりを耐えられるはずもなく、バラバラになり半分は東京湾に落ち、半分は地上に降り注いだ。 「こうなるなら最短ルートにしとけば良かったかなあ」 後悔がおれを襲う。1号機の残骸は日本を滅ぼすには程遠い規模の衝撃し与えなかった。質量が低下したのに加え、燃料やエンジン等の爆発物までパンダ達が食ってしまったからだろう。カグヤについでも心配ない。バラバラになる1号機からパラシュートで脱出するのが確認できた。たくましい奴だ。しかし、落下点にいた人物には1号機の破片は致命的だ。具体的に言うとカナタさんやキリストがやばい。キリストはどうでもいいが、カナタさんが心配になったおれは2号機を着陸させ大急ぎで現場に向かう。 「カナタさーん!カナタさーん!」 辺りに人の気配は無い。住民のほとんどはキリスト警報のニュースで避難済みなんだろう。つまり、カナタさんに何かあったら助けられるのはおれしかいないって事だ。 「おーい、アタシはここだよー」 「カナタすゎん!」 カナタさんはいた。迷彩服はボロボロだけど本人に怪我はなさそうだ。 「やー、まいったまいった。キリストとヤハウェを倒したらいきなり瓦礫が降ってくるんだもん!主人公軍団が盾になってくれなきゃ、やばたにえんだったよ!」 「すみません、おれのミスでカナタさんを危険に」 「気にしないで!お互い無事ならそれでよし!」 ガッシリとおれに抱きつくカナタさん。相変わらず酒臭い。さてはおれと別れた後にまた飲んだな。こんな一大事に酒を飲むなんてまるで…、 そう、まるで親父みたいた。 「うわああああ!」 カナタさんと親父がダブり反射的にカナタさんを突き飛ばしてしまった。倒れた拍子に迷彩服のズボンが落ちて下着が丸見えになった。本来なら嬉しいんだか、今はそれどころではない。 「んもぉ、突然何するのよ」 「す、すみません。何かカナタさんの酒の臭いが親父の飲んでる酒と似ていて」 「何よ、アタシがルカくんのお父さんだっていうの?」 「いや、そんなはずないですよね。だって親父はさっきまで俺と一緒に、あ、あれ?」 おれは気づいてしまった。さっきまで一緒にいた親父からは酒の臭いが一切しなかった。親父は大事な仕事の時は大五郎を手放せなかったはずだ。 「ルカくんどうしたの?」 「ちょっと待って下さい。頭の中整理します」 おれの親父は超一流のデスゲームクリエイターで、大五郎愛好家で、おれを女装させようとする奴た。 おれの親父だと言っていたあいつは簡単にカグヤに足元をすくわれ、仕事中に酒は飲まず、おれが女物を着ている事にノーリアクションだった。 カナタさんはこの状況を見事乗り切り、口から大五郎の臭いを漂わせ、おれを女装させた。 まさか、いや、そんなはずがない。 もし、おれの考えが当たっていたら、そんなの最悪じゃないか!だが親父はバニーガールクエストの製作者だ、最悪のオチは十分あり得る! 「か、カナタさんは大五郎好きなんですか?」 「そうだよ。ルカくんお酒詳しいんだね」 恐る恐る探りを入れながら、カナタさんの全身をチェックする。よく見るとカナタさんは女性にしては顔や手足が大きい。おれを掴んだ時の腕力も相当だった。しかし、それだけで断定する事はできない。カナタさんは女だ。そうだと思いたい。 『いいかルカ、デスゲームの黒幕というのはヒロインみたいな顔して味方側に混じっているんだ。それを見破ってこそ一流のプレイヤーだ』 こんな時に親父の言葉を思い出してしまう。 ちくしょう、やってやる!ここで確認しなきゃ後悔するだけだ! 「南無三!」 おれはヌメヌメタイツを半分脱ぎ、カナタさんに尻を向けて喘ぎ声を出す。 「ハァハア、女装最高!おれ目覚めちゃいました!」 「ど、どうしたのルカくん!ジュルリ」 おれの痴態を心配するカナタさん。だが口からヨダレを垂らし、右手で己の股間をいじりだしていた。 よし、もう一押しだ! 「女装がこんなに気持ちいいなんて知らなかった!いやーん!誰かおれのアナルにチンチンぶち込んでーん!」 「チンチンなら、チンチンならここにあるわ!もう我慢できないオカマっ!」 カナタさんがパンツをおろした! 露わになった股間は一見女性のそれだったが、徐々に膨らみながら割れ目が歪んでいき、遂にはぶっといチンチンが飛び出した!間違いない、カナタさんは男だ!つーかおれの親父だ! 「ようやく正体を現したな糞親父、ここでぶっ殺してやオロロロロロロロロロロロ」 駄目だ!気持ち悪すぎて戦うどころじやない! これまでのカナタさんとのあれこれが全部親父に塗り替えられてあまりのショックに盛大ににリバース。 そんな俺を見て親父はチンチンをおれの無防備なアナルにねじ込む! 「ンアーっっっ!」 瓦礫だらけの荒れ地におれの叫び声が響き渡った。 親父がものすごいスピードで腰を振り続ける。 くそ、くそ、くそ、おれはどうあがいても親父から逃げる事はできないのか! 「んほぁー、本当は正体を隠したままラブホでセックスしたかったけど、こういうのもいいわね!ああ、アタシに騙された怒りと悲しみがチンチンを通して伝わってくるわぁ!」 パンパンパンパンパンパンパンパン こいつ殺したい、でも身体に力が入らない。 って何言い訳してるんだおれ! パンパンパンパンパンパンパンパン 右手を上げて裏拳を叩き込むんだよ!パンパン そんなん効くわけねえよ、パンパン転校生だぞ。 …それでパンパンもやる!やられっぱパンパンなしでいられるか! パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン 「いい加減にしやがれえー!!!」 何百回と尻を突かれた時、おれの裏拳が親父の胴体に触れる。こんな事しかできないが、それでもおれはやってやった。 肉を切った感触がした。続いて重いものが地面に落ちる音がした。そして、親父の腰振りが止まっていた。 何が起こったのか、尻の痛みに耐えて振り返り確認する。 親父の上半身が地面に転がっていた。親父の下半身は変わらずおれのアナルと繋がっている。 おれの裏拳で真っ二つになったっていうのか?恐る恐る自分の右手を確認するとチェーンソーがあった。おれの愛用しているチェーンソーではない。あれは近くの地面に転がっている。おれの右手がチェーンソーそのものになっていて、親父の血やウンコがべっとりと付いていた。 「まさかこうなるなんてね、まあいいわ。この世界のアタシはここまで。楽しかったわルカくん、また別のルートで会えたらいいわね」 そう言って親父の上半身は光に包まれ消滅した。続いて下半身も光に包まれ消えていく。親父のチンチンの感触がなくなり、おれのアナルから熱が引いていく。 「いや、意味わかんねえよ…」 おれは女装した上に育ての親にアナルを貫かれまくりアナルがぽっかり空いたという世間的に見て最悪の状態で気を失った。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 真・最終話/カナタに態するは最後の敵 ジ・エンド ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 【各キャラクターのその後】 DJパンダさん 加害者ではあるが日本を救ったMVPでもある彼は逮捕されるも、東京中の人々が彼を救いたいと署名した事もあり、一年後に出所。語学力を活かし共産主義パンダとの交渉役になる。言葉を教えてくれた恩人や当時の関係者とは今でも交流が続いている。 カー・グヤァ パンダさんが日本を救ったMVPなら、彼女は世界を救ったMVP。やった事は決して褒められた事ではないが、あの身代わりの術が無ければ月面ナチスとの長期決戦は避けられなかっただろう。パラシュートで脱出後、ゲロに沈んでアナル全開にしたルカを見つけ病院に担ぎこんだ。パンダさんとルカの弁護のおかげで彼女は助かったが、他の捕まったエルフが軒並み終身刑になったのを見て自分の罪を自覚し、残りの人生を破壊樹対策に捧げる事にした。 実はヒトリンによって用意されたキャラクターであり、ランダム性の高い行動で物語をひっかき回す役割(ヨシコや乱入者のポジ)を与えられていたが本人にその自覚はない。 西野カナタ 事件が一段落した後、市役所のトイレで発見される。本人曰く、古いゲームはしないし大五郎も飲まないし自衛隊員じゃないしルカの事は正直ウザいと思っているとの事。要するにパンダさんに負けたルカが気絶してから登場したカナタは全部偽物なのだ。嘘だと思うならパンダさん戦前後のカナタを比較してみよう。色々違いに気づくはずた。その後、ルカと再会した際にオカマと罵られながら股間を弄られ遂に我慢の限界を迎えルカをボコボコにする。なんだよ、本物も強いじゃないか。真ルートを通らなかった場合はヒトリンに完全に立場を奪われ、誰にも気づかれる事なく殺害される。 偽親父 本名はハロルド。ヒトリンの配下であり、彼が女装してヒロインの演技をしている時にボスキャラを演じるのが仕事。事件後逮捕されるも、世界線移動であっさり脱獄。ヒトリンと合流し今日もどこかで表ボス。 バニクエではエロモンド本田の店員、サフランDでは地上に至る道を阻む者として、さかしまシリーズではいくつかのルートで宿敵を演じている。お疲れ様です。 高橋ヒトリン 女装と大五郎とデスゲームをこよなく愛し他人に強制する困った人。元々はより上位の世界を目指し試行錯誤していた転校生だったが、いくら世界をいじくり回してもルートが根の様に分かれるだけなので最近は趣味に生きている。色んな世界でデスゲームを開き、自分はヒロインのフリして参加。正体を見破られなければ自分の勝ちという俺ルールに従い行動している。ハロルドは泣いていい。 ただ、本人にも罪悪感は残っており、世界線によっては他の自分と対立し正義の為に戦うヒトリンや自分の罪に耐えられず死にたがっているヒトリンも確認されている。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※ エピローグ ※※※※※※※※※※※※※※※※※ 「ふん!はあ!どりゃさですわ!」 「なんですかそのへっぴり腰は!そんなんでシェルターバンブーが再び現れた時に戦えると思ってるんですか!」 私がお父様に掘られてから一年、病院で目覚めた私はお見舞に来てくれたカナタさん(本物)をお父様の女装と勘違いしておパンティに手を突っ込んでしまい怒らせてしまい恋が完全に終わってしまいました。 男として生きる自信を完全に失った私は女芸術家として生きていく事にしたのですわ。 「おりゃさ!どっせい!どんどこしょですわ!」 「だからっ、何でひと振りごとにパンツ見せるんですか!やる気あるんですかカマヒューマン!パンダさんも何か言ってやって下さいよ!」 「だか、一年前のBOYより確実に強くなっているな。来年にはパンダさんも勝てなくなるかもしれないYO!」 カグヤさんとパンダさんは事件の後、破壊樹事件の共犯として逮捕されましたが、私の弁護や彼らの活躍が日本を救った事を知った人々の署名により釈放されました。今のお二人はお父様の軍の残党への対策をしながら時々こうやって私の訓練の相手をしてくれますの。 カグヤさんは正直口ばかりで戦闘訓練の役には立ちませんが彼女から聞けるエルフの知識はお父様の追跡にきっと必要になりますわ。 そう、私はお父様を完全にぶち殺す為に訓練を重ねてますの。あのお父様があれで本当に死んだとは思えませんし、仮に死んでいたとしても他の世界線のお父様が攻めて来るかもしれませんわ。その時に備え強くならないといけませんわ。 「ところでBOY、その右手はあれ以来変形しないのかい?」 「残念ながらあれ以来一度もですわ」 私の右手は病院で目覚めた時には元に戻っていましたわ。発動に厳しい条件がある魔人能力だと思うのですけど、自在に出せる様になるまでは以前同様に本物のチェーンソーで戦うしかありませんわ。 「パンダさん、そろそろお昼にしましょう!私、カナタさんにお弁当作って貰ってきたんです!」 カグヤさんが竹製の弁当箱を二つ取り出し、パンダさんと二人仲良く箱ごと食べ始めましたわ。 「あのー、私の分はないのですわ?」 「ある訳ないでしょカマヒューマン。あんたどんだけカナタさんに嫌われてると思ってるんですか」 「くすん、悲しいですわ。いいもん、支援者のオジサマ達とご飯食べにいきますわ」 私はチェーンソーを使う女性芸術家として人気を得て、今では多数の支援者を得る事ができましたわ。まあ、大半の支援者は私の作品ではなく身体目当てですけど。でもそれでも構いませんわ。お父様に掘られた時程ではありませんが、彼らとのセックスはとても興奮する。お父様譲りの女装術陥没チンチンで女の股間を作り、妊娠したら作品制作ができなくなるからと言ってアナルでチンチンを受け入れる。いつ男だとバレるかのスリルを味わいながらのセックスは最高なのですわ。この点においてはお父様に感謝ですわね。まあ、再会したら殺しますけど。 「もしもし、私ですわ、ルカですわ。これからお食事一緒にどうですわ?その後ホテルで、ええ」 無事支援者のオジサマとの約束を得た私は、カグヤさんとパンダさんに一礼してからその場をさりますわ。 「といつ訳で私は高級感あふれるフレンチを食べに行くのでご機嫌よう。オーホホホ、また訓練ヨロシクですわ〜」 腰を振りスカートを舞いあげおパンティを見せつけながら私はその場を去るのでした。 高橋ルカ 愛する女性に化けた親父に掘られた事と、その愛する女性から拒絶された事で女装者として覚醒。ヒトリンに対する感情もヤンデレ的なものに変化した。 現在は女性芸術家として金と権力を集め、パンダさんやカグヤとの交流で戦闘技術を磨きながらヒトリンの情報を集めている。今の所は世間からは性別はバレてないが、支援者とのセックスでアナルしか使わせない事や発売している写真集のパンチラ写真の中に股間が膨らんでいるものが混じっていたりして、本当に女なのか疑いを持たれ始めている。 ヒトリン戦で目覚めた魔人能力は転校生限定即死能力。転校生にしか使えないので普段は使用できず、ルカ本人も能力を把握しきれていない。 他のルートの主人公同様、女の頼みは断れないヒーロー体質な奴だったはずなのに、こうなったのは全部アドルフ・ヒトラーで女装の伏線作った前走者のせいなんだ。 SSツリーリンク 初回 第2回 第3回 第4回 最終回 第一話/高橋ルカ 第二話/かぐや姫 第三話/パンダ 第四話/アドルフ・ヒトラー (このSS)
https://w.atwiki.jp/butubutuhitori/pages/283.html
自分の中には相反するいろいろな気持ちがある。。。 生命として安定したい。。。楽したい。。。甘えたい。。。 ずるずると動けない。。。甘えた自分がいる。。。 人を出し抜いて。。。だましてでも。。。 有名になりたい。。。名声を得たい。。。 悪魔な自分もいる。。。 家族。。。仲間の為に。。。 幸せにするため。。。努力したい自分もいる。。。 正々堂々と。。。大きくなって。。。 見返したい自分がいる。。。 すべて。。。自分自身の気持ち。。。 己の心なんだ。。。 自分は。。。 小さなころ。。。親に。。。祖父母に。。。 事あるごとに相手の気持ちを考えなさい!!! 躾(しつけ)けられ。。。 ない頭で思えど。。。 当時は意味も解らずに。。。 相手の心など読めるはずもなく。。。 相手を傷つけ。。。衝突。。。喧嘩。。。 小学校2年で転校し。。。 なじめないと思いこみ。。。 発狂男と呼ばれていた。 でも状況は改善するはずもなく。。。 周りも面白がって挑発されまくり。。。 売り言葉に買い言葉。。。 変わりたいと思いながら変われなかった小学時代。。。 中学に入りイメージチェンジを発起。。。 怒りのコントロールは出来るようになったが。。。 家に女性がいなかった。。。 故。。。女性に何を話せばよいか分からず。。。 母親。。。女性に飢えていて。。。 女性にちょっかいを出し。。。 悪ふざけが過ぎて。。。 女性に嫌われていた。。。 まるでだめだった中学時代。。。 そして。。。 怪我をして。。。入院中。。。 周りの大人たち。。。 怪我をしてもがき苦しみ。。。家族にあたっていた。。。 自分はひとりで耐えながら。。。 周りの大人たちの矛先は。。。 自分にも向いていたかもしれない。。。 ものすごく苦しかった。。。 でも親父も。。。 会社に行きながら。。。 病気の母。。。怪我の自分。。。 弱音など吐けなかった。。。 親父も苦しかったと思う。。。 世の中のニュースを見るにつけ。。。 こんなお荷物な俺なのに。。。 捨てられなかった。。。 親父に感謝。。。 そう。。。家族に想いをたくさん投資していただいた。。。 苦しい中。。。親父と共に闘った。。。 親父の背中見てた。。。 そんな親父も衰え。。。気持ちも衰え。。。 鬱(うつ)になった。。。 はがゆかった。。。苦しかった。。。 親父が憎いと思ったこともある。。。 でも気がついた。。。 今まで。。。親父に依存していた。。。 もっと強くならないと。。。 人生の岐路において。。。 逃げたくても逃げられなかった。。。 頑張る親父がいた。。。 共に闘う大切な友人にも恵まれていた。。。 振り返れば。。。 躾(しつけ)と。。。境遇。。。 いろいろな感情を受け止め。。。感じ。。。 いろいろな人に支えられ。。。 基礎となり。。。病気の後も乗り越えられた。。。 どんなに落ち込んでいても。。。 誰か傍にいた。。。 自分は見捨てられなかった。。。 ありがたいことです。。。 今現在も。。。 いろいろな仲間。。。 会社の仲間。。。バスケの仲間。。。 そして家族。。。 多くの方にご支援をいただいているのを感じる。。。 愛情をたくさん受けている。。。 まだまだ希望を諦めるわけにはいかない。。。 大勢の皆さんの想いに応えたいから。。。
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/1054.html
しろがね山とチャンピオンロードの間に小さな道場がある。 ???「せい、せい、せいやぁー!」 俺はここの道場の唯一の弟子(唯一といってもこの道場の息子だから微妙だ。)名はリュウキ漢字 で書くと『竜鬼』と書く。師匠の親父は一子相伝とかいっているが、こんな山奥でそれも修行が野 生の萌えもんとの実践に『基礎』『基礎』『基礎』で成り立っている。親父いわく「基礎ができん やつは、武道家をなのるな!」とのことだ。「こんな道場だれが好き好んで人がくるか!」と一般 の人間思うだろう。流派は竜拳流らしい。俺もよく知らない。 ゴウライ「なにをしている!今度は、カイキーと組み手だ!」 リュウキ「はい!」 これが俺の親父ゴウライ。漢字で書くと『豪雷』。修行にはとことん厳しいが、修行以外になっ たら人が変わったように優しくなる。親父いわく「修行と私生活はメリハリをつける。つけないと 修行なぞ続かん!」だそうだ。母は親父のどこに惚れたのだろう?俺の謎である。 話は変わるが、母の仕事はしろがね山に唯一ある萌えもんセンターのジョーイだ。チャンピオン に勝ったトレーナーや勝てなくて修行にくるものが多い。忙しいときは俺と親父が手伝ったことも ある。ジョーイは2~3人で運営いている。たいてい泊まり込みの人ばかりだが、母は道場の隣に ある実家から通っている。母の名前はミライ『魅雷』と書く。 家は昔ながらの平屋建てで、一家3人と萌えもんの『カイリキー』と『エビワラー』に『サワム ラー』(三人?は親父が昔チャンピオン勝ったときの手持ちだったそうだ。)の6人?で暮らしてい る。料理はもっぱら母だが、ジョーイの仕事で忙しいときは俺と親父が作っている。そのおかげで たいていの食えるものと食えないものの判断はできるようになった。始め作った料理は聞かないで ほしい。 ゴウライ「よし、終わり。」 リュウキ(色々考えていたら、修行がおわった。)「うっす!」 ゴウライ「ところで、お前今いくつになった?」 リュウキ「おいおい親父、息子の歳ぐらい覚えとけよ!」「18だ、18」 (修行中のときと普段の言葉使いはいつも変えろと親父に言われている。これ今でも不思議だ) ゴウライ「いや、念の為にな。」 リュウキ「念の為?」 ゴウライ「お前に修行の旅をさせようと思って、萌えもんリーグに登録しておいた。」 リュウキ「えっ、しておいた?」 ・・・・・ ゴウライ「まぁ、頑張ってこい!」 リュウキ「お、親父いつ登録した?それに母には?いつ出発だー!」 ゴウライ「一週間前に登録した。ミライには言ってある。」 リュウキ「知らんのは本人だけかー!そ、それに出発は?パートナーは?」 ゴウライ「出発は今日!ほれっ、これで自分で捕まえろ。」 ゴウライはリュウキにボールを一個投げた リュウキ「き、今日だと!!それもボール一個だけ…無責任すぎる!」 ゴウライ「そのボールは昔俺がトレーナーだった頃の余りだ。すまん家には金がないことは、お前も知っ てるだろう。それに、ここで修行してたんだ。そこらへんの萌えもんならあっというまだろう。 あとはそらっ、お前のリュックだ。ミライの手作りだぞ!リュックの中に着替えが入っている 着替えて来い。」 そう言ってゴウライはリュックを投げた リュウキ「おっおい!」 どさっ! リュウキは受け取り、道場から家に戻りリュックを開けた。その中にはジーパンに半そでに新しい 道着が入っていた。 リュウキ(よく、こんなの買う金があった…なるほど、だからボール一個か!!なに納得してんだ俺は!) (ん?リストバンド??) 5分後 ゴウライ「おっ、来た来た。」 リュウキ「なあ、親父このリストバンドなんだ?」 ゴウライ「ああ、それは昔俺の使っていた強制ギプスだ。危ないとき意外は付けておけ、それも修行だ。」 「よく似合ってるぞ!道着以外もさまになってる。」 リュウキ「ありがとう親父。母にはよろしく言っといてくれ。」 ゴウライ「わかった。リーグに挑戦するようになったら、教えろよ。」 リュウキ「ああ、いってきます!」 ゴウライ「おおぅ、いってこい!」 親父は見えなくなるまで見送ってくれていた。母よ草むらに隠れていたのはバレバレだったぞ! ミライ「大丈夫かしら?」 ゴウライ「俺達の息子だ心配すんな!」 山を下りて俺は一つ思い出した。リュックに食えるもんが入ってないことを!! リュウキ「やべっ、食料探さないと今日は飯抜きになっちまう!」 食料探して10分 リュウキ「おっ、ここにも食えそうな野草が!」「今日は豪華な食事が食えるかな~?」 ???「た、助け…」 リュウキ「ん?今、声が聞こえたような?」「こっちかな?」 俺は声のした方向へ近づいていった リュウキ(何かある?いや、いる。)(何だろう。まぁ、問題ないだろう。) ???「た、助け、て」 リュウキ「だ、大丈夫か!!」「こりゃ酷い。こっから近い萌えセンは…トキワかよ!しかたねぇ抱えて行 くしかねぇな!」 ???「あ、ありが…」 リュウキ「しゃべんな!あと、しっかり捕まっとけ!」 (親父さっそくギプス外すぜ!) リュウキ「おぉぉりゃー!!!」 ザザザザッ ザザザザッ ザザザザッ 何十分走っただろうか?ようやく萌えセンが見えてきた。 リュウキ「もう少しで着くぞ。しっかりしろ!」 ???「・・・」 リュウキ「やばい!」 (やっと着いた。) リュウキ「すみせーん!ジョーイさん急患です!」 ジョーイ「急患ですか?その子?あなたの…」 リュウキ「いいから早く!」 ジョーイ「は、はい。」「衰弱してる!急いでこっちに!」 リュウキ「わかりました。」 20分後 ジョーイ「これで一安心。それにしてもたなたあの子に何させたの?」「答えようによっては…」 リュウキ「い、いえ何も。」 ジョーイ「うそ言わない!さあ本当のことを話しなさい!」 さっきの子を見つけた経緯をジョーイさんに話した。誤解は解けたのだが… ジョーイ「あなたなんで一人も萌えもん持ってないんですか!」 リュウキ「だからさっきも説明したようにトレーナーに成り立てで…」 ジョーイ「あっ、あなたが助けたさっきの子にすればいいじゃない。」 リュウキ「あの~、もしも~し俺の話聞いてますか?」 ジョーイ「そう!それがいいわ。」「あなたあの子が起きたら誘ってみなさいよ。」 リュウキ「もういいです。わかりました。」 ジョーイ「ん?なにかあったの?」 リュウキ「いえ、なにも…」 ジョーイ「ならいいけど。」
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/892.html
469 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 19 32 44.32 ID dz3bg84R0 [7/13] ttp //s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201107021932130000.jpg 486 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 19 40 42.86 ID dz3bg84R0 [10/13] 480 去年の夏コミなんだよね ttp //ascii.jp/elem/000/000/543/543193/index-2.html 497 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 19 50 29.10 ID PiSSxdHeP [3/3] 469 / ̄ ̄丶 厶ィ//レヘハ . ヽピд゚ノ″ガタッ . /L 丱|フヾ ___(フ|ラ/ ̄ ̄ ̄ ̄/_ . \/ / 532 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 20 18 05.70 ID lnwvaIVk0 [3/5] 469 【SS】抱き枕カバー 「なんっ!?な、なな、なんじゃこりゃあああああ!?!?」 俺は絶叫した。そりゃもう叫んださ。 たまたま、気紛れで妹の名前とかを検索したら、たまたま偶然、新しいスレになってるのを発見して、他にすることも無いから仕方なく暇つぶしに覗いたんだ。 そしたらコレだよ。 『”高坂桐乃”抱き枕カバー』 そこにはあられもない姿でこっちを睨みつけてくる我が妹様の御姿が……なんと神々s、じゃなくてだな! 「ふっ、ふふふ、っざけんなよ……く、くそ、俺は、俺はどうしたらいい?」 ほんのちょっぴりだけテンパりながらも、俺の頭は近年稀に見る速度で解決策を叩き出していた。 よし、協力者を仰ごう! ←他力本願 ……だってしょーがねーだろ?相手は企業だ、一介の高校生に何ができるってんだ。だがな 何もせずこんな抱き枕カバーを見過ごすことなんてできねぇんだよ! 俺は桐乃のこんな姿放っておくわけにはいかねぇ!こんな、超ッ眼福な……じゃなくて、 そう!こんな姿を家族以外に眼福していいはずが無い! そう、そう言いたかったんだ、うん。 「というわけで親父、こいつを見てくれ」 「…………このことは忘れろ」 「忘れられネェよ!?しっかり脳裏に焼き付けたわ!……って、そうじゃなくて!何でイキナリ『忘れろ』なんだよオカシイだろ!?」 「ふん……とうとうおまえも見つけてしまったか……」 「なっ……!」 どういうことだ……?親父は、この抱き枕カバーのこと、知ってたって言うのか……? 「京介。おまえはコレを見て、どうしようと思った?」 「……親父に協力して貰って、その……さ」 「言ってみろ」 「……。……発禁にするか、それができなけりゃ全部買い取ろうと思った」 「………………ふん」 「だってしょうがねぇだろ!?こんなの……こんなのさ、見過ごせるかよ!もし、もしも変なヤツの手元に渡ったらと思うと俺っ……!」 ちょっぴりマジ泣き入った俺に、親父は意外なほど優しい声色で、呟くように言った。 「……安心しろ。手は打ったからな」 「ほ、本当か!?」 「あぁ。発禁は無理だったが、信頼の置けるとあるスレ住民などに協力を仰いでな。全て買い取らせた」 「!?……お、親父……」 ……聞いたか?なんてこった。なんて親バカだよ、なんて行動力だよ、なんて……最高の親父なんだ。 「ありがとう、親父」 「……ふん」 「ところでさ、もう一つだけ聞きたいことができたんだが」 「…………言ってみろ」 「親父も持ってるのか?」 「絶対にやらん!!!!!!!!」 っふ……いいぜ、最高の親父殿。今夜は魂を賭けた男と男の闘いだ! -------------
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/61.html
このページはこちらに移転しました 夜中の交差点 作詞/91スレ90 作曲/ame(91スレ217) 1. だんだん夜も更けてきた~ 親父の顔も老けてきた~ 点滅信号見えてきた~ 親父の頭皮も見えてきた~ 夜中の交差点~、時差式交差点~ 夜中の交差点~、T字路交差点~ 夜中の交差点~、駅前交差点~ 夜中の交差てっぇ~ん、田舎の交差点~・・・ 2. だんだん夜も明けてきた~ 俺の頭も禿げてきた~ いつもの信号見えてきた~ 親父の死期も見えてきた~ 夜中の交差点~、時差式交差点~ 夜中の交差点~、T字路交差点~ 夜中の交差点~、駅前交差点~ 夜中の交差てっぇ~ん、親父と交差点~・・・ 音源 夜中の交差点 mp3直link 保管庫 (このページは旧wikiから転載されました)
https://w.atwiki.jp/tosiyatosiya/pages/210.html
イ ラ ン に つ い て 調 べ て み る。 イ ラ ン イ ラ ン に つ い て 調 べ て み る。 【イラン、ここは本当に悪の枢軸国?】 第6話)揺れるミナーレ 《イラン旅行記|ゴム|マライヤ|エスファハーン|テヘラン》 ザーヤンデ川に架かる橋の下にはとても居心地のよいチャイハネがある。ここでぷらぷらしたりして、いつしかエスファハーン3日めを迎えていた。今日の午後は郊外にでも行ってみるか。市バスで西に20分ぐらい行くと、ミナーレ(イスラム寺院の尖塔)が揺れる不思議なモスクがあるという。名前はミナーレ・ジョンバーン。あまり大きなモスクではないので注意してバスの車窓を見ていないと見落としてしまう。 椰子の木に囲まれた一角にその不思議なミナーレはそびえ立っていた。一見するとエスファハーンのどこにでもありそうなミナーレではあるが、揺れるとはいったいどういうことなのだろう。入り口で入館料を払うと、係員が「午後3時にミナーレが揺れる」と言う。今は午後2時。あと一時間だ。 でも、決まった時間に尖塔が揺れるとはこれはいったいどういう超常現象によるものなのだろうか?興味はつきない。モスクには僕のほかに欧米の団体客がやってきて、早くもモスクの屋上に上がってミナーレが揺れるのを待っている。とりあえず僕も屋上に上がってみよう。 屋上の高さは3階建てほどであるが、あたりに高い建物がないのでエスファハーン近郊のパノラマが楽しめる。抜けるように青い空の下、潅木の大地にザーヤンデ川の清流に沿って緑が広がる。遠くにはエマーム広場のモスクの尖塔が天に向かって突き出し美しい。 屋上の観光客が20人ほど集まったところで、スーパーマリオに瓜二つのイラン人親父が屋上に上がってきた。親父はミナーレの鍵を明けると、すたこらすたこら尖塔を上っていった。 「あれ、地震かな」 気づくとモスクの屋上の床にかすかな揺れを感じた。一瞬で揺れはおさまったが、またユラリと揺れだす。どういうことだ。 すると欧米人たちがカメラを取り出し尖塔を見上げてシャッターを切り出した。何だろう? ミナーレの明かり窓から人の影が見える。あっ、さっきのスーパーマリオ親父ではないか。親父は手に軍手をはめているぞ。あ"っ、また床が揺れた。おおお、尖塔も揺れているぞ。というか、揺れているのではない。 マリオ親父が尖塔を揺すっているのだ!! 要するに観光客が集まったらマリオ親父が塔を揺らす、それが揺れるミナーレの秘密であった。なんともプリミティブな仕掛けに僕は笑いを押さえ切れなかった。 しばしミナーレの揺れを楽しむと欧米人たちはさっさとツアーバスで帰ってしまった。このミナーレの下に一軒のチャイハーネがあったので僕はそこで一休みする。するとさっきのマリオ親父もお茶をしに入ってきた。 「どこから来た。」 「日本からさ。」 「そうか。よく来た。個人旅行か?」 「そうだよ。」 「そうか。団体じゃないんだな」 マリオ親父は僕がツアー客じゃないことを確かめると 「1万リアルでどうだ?団体じゃないなら特別OKだ」 「OKって何が?」 「ミナーレを揺らすのさ。」 なんとマリオは1万リアルの袖の下でミナーレを揺らせてやるというのである。「OK」と僕は承諾すると、マリオ親父は事務所からこっそり鍵を持ち出してきた。二人してひっそり屋上にあがると、「さあ行け」と尖塔の鍵を明け僕を中に入れる。尖塔の中は狭い螺旋階段になっていた。足を踏み外さないようそろりそろりと僕は上っていった。 頂上の窓から下を見下ろすと、マリオがさあ揺らしてみろとジェスチャーする。よし、僕は塔の一部を掴んで尖塔をゆらしてみる。マリオ親父は簡単に揺らしていたように見えたのだが、僕がやってみると塔はびくともしない。そこで思いっきり力を入れて揺らしてみようと思うのだが、あんまり力を入れすぎると塔が崩れてきそうな感じもして、なかなか力が出し切れない。それでも意を決して揺らしてみる、えい!。 ダメだびくともしない。 「もっと力を入れろ」とマリオ親父のゼスチャーが熱くなる。僕も全力を出したいのだが、壊れてしまうのではという疑念と、螺旋階段の足場の悪さが、なかなか僕に全力を出させようとしない。結局、塔を揺らせないまま僕は降りるしかなかった。 トホホな僕に対して、1万リアル(約140円)の臨時収入を得たマリオはもうホクホク顔。なんとも情けない結末の揺れるミナーレであった。 (続く) もどる < 6 > つぎへ .
https://w.atwiki.jp/galacticfield/pages/376.html
#blognavi アディダスのショルダーバッグにスイートスポットが・・・。 エセコさんです。 ケータイアプリで花札をやってます。やっぱ楽しいですね。 花札はそんなに強くないんですけど、プレイ歴としてはかなり長いです。 5歳の頃からやってた希ガスw なんでそんな環境下にあったのかと言うと、当時エセコ家の親族が田舎の山梨に 集結した時に、必ずイトコ全員(総数:9人)による花札団体戦をやってたからです。 (優勝商品は設けなかったとは言え、団体戦で花札ってあんまし聞かないような・・・) まぁ辺りには何も無いへんちくりんな場所なので、田舎に常備されていた花札が唯一の 娯楽だったんですよw でも、そもそもなんで田舎に花札が常備されていたのか? 答えは簡単。じーさんのせいですw じーさんが若かった頃はテーブルゲームが主流だったのかどうかは知らないけども、 将棋とか麻雀とか囲碁とか花札とか、一連のテーブルゲームが大好きだったようで、 その楽しさを子供(親父)や孫(おいら)に教えたんでしょうね。 それが影響してか、親父とおいらの共通点が出てきて、家族旅行のお供として任天堂の 花札を持って行ったりもしてました・・・って、何このガッカリな血縁w 普通、持ってくとしたらトランプや人生ゲームなどといったニコニコファミリー系ダロ。 ああいう空気を醸し出すところが親父そっくりなんだな、おいら。 ちなみに、じーさんはクイズ番組も大好き。 ここもおいらに影響したけど、親父は全く影響されずむしろ毛嫌い。 ところで、花札って上半身ハダカでやるものなんですか? いやね、親父の若かりし頃の白黒写真を見つけたんだけども、 上半身ハダカの集団が花札をやってたシーンを見てガクブルだったんですよ。 タダのヤクザの集まりじゃんw しかも親父は上半身ハダカに加えて眼帯を・・・アワワワワ こんなのが親だなんてイヤだよ(´Д⊂)ママン そう言えば「おとなのxyz」でもコース別で上半身ハダカにさせたけど、 空気がそれとは全く違うのよ・・・って、何その上半身ハダカ繋がりw 普通、上半身ハダカでやるコトと言えば水泳や格闘技などといったスポーツくらいダロ。 スポーツでもない花札やクイズで、何故みんなしてブルース・リーにならなきゃいかんのw ああいうアホな空気を醸し出すところも親父そっくりなんだな、おいら。 ニゴ「オマエも上半身ハダカで花札したら?」 ・・・脱衣花札? カテゴリ [Private] - trackback- 2006年06月23日 08 55 11 名前 コメント #blognavi