約 1,086,111 件
https://w.atwiki.jp/fate_overheaven/pages/120.html
アラもう聞いた? 誰から聞いた? 魔法少女サイトのそのウワサ! 不幸な女の子だけが見れる魔法のサイト、そこの管理人から貰える、持てば誰でも魔法少女になれる素敵なステッキの噂! だけどよく考えてみて? うまい話には裏がある! ステッキの対価は寿命!使えば吐血に昏睡、まさに早死待った無し! さらに謎のカウントダウン『テンペスト』!他のステッキを集めなきゃさぁ大変! マジカルガール! 「戻ったぞ、マスター」 偵察に向かわせたサーヴァントの言葉に、さりなは視線を向ける。 いつの間にか側に立っていた男は、静かにマスターの反応を待っていた。 「収穫は?」 「残念ながら、無しだ。本戦はいまだに始まっていないからか、他の主従は大人しくしているらしい。 ……『悪の救世主』やら『殺人鬼』やら『歩くモナ・リザ』やら、色々と妙な噂で街が賑わっている程度だな」 「はっ、使えないじゃん、あんた」 「……善処する」 舌打ちする。無手で戻ってきた男への苛立ちを隠そうとはしない。男も非を感じているのか、無表情だ。 さりなは自身のサーヴァントを信用していなかった。別に言うことを聞かないとかそういうことではなく、(寧ろ素直に従ってくる) 時折自身を見る目付きに邪な感情を感じるのだ。具体的に何を考えているまではポーカーフェイスで伺えないものの、彼女は本能的にそれを察していた。 マスターの疑心を感じ取ったのか、男は呆れたように諌め始めた。 「安心しろマスター…… サーヴァントはマスターに従う。それが聖杯戦争の"流儀"だと心得ている。」 「はっ、どうだか?口ではどうとでも言えるでしょうよ」 「……それは聞き捨てならないな。いいか、マスター。 流儀とは、ただ漠然とした物ではない。現代に至るまで、尊敬すべき先人たちが一歩一歩積み上げてきた歴史そのものだ。 『尊敬』には『敬意』が伴い、そしてその流れは必ず吉となって俺たちに報いてくれる。だからこそ、流儀は何物にも優先されるのだ」 「マスター……お前の聖杯に託す望みは"復讐"だったな?」 「だから、何?」 「俺も、かつて義兄と呼ぶかも知れなかった男に誇りを汚された…… その屈辱は、聖杯によってあがなって貰うッ!」 珍しく熱く語る男に目を丸くする。 復讐。そうか、なぜこの男が自身のサーヴァントとして召喚されたのか、府に落ちた。 この男もまた、プライドのために復讐に身を焦がす同類なのだ。 その感情は理解できるし、共感もできる。 「……解ったよ。手を貸してもらうよ。アヴェンジャー」 アヴェンジャー。復讐者のエクストラクラス。 今でも信頼はできないが、男の流儀とやらにかける信念は信用はできる。 彼女はそう判断した。 どっちみちサーヴァントの相手はサーヴァントでしか勤まらない。聖杯を勝ち取るには、この男を利用するしかないのだ。 「二度も言わせるな。サーヴァントはマスターに従う。それが、流儀なのだ」 「はいはい」 (ようやく納得したか、小娘がッ…… 畜生、マスターでさえなければなぁ) アヴェンジャーは悪態(勿論、口には出さないが)をつくと、霊体化した状態で己のマスターをしげしげと見据える。 "こうした気の強い性格の女を殴りながらヤレば、さぞ気持ち良いだろうな" そんなゲスそのものの感想を抱きつつ、マスターへの裏切りは流儀に合わない、 ただそれだけの理由でアヴェンジャーは手を出すことはなかった。 年下の小娘に偵察に差し向けられるのも不快だったが、それがマスターとしての流儀だ。ならば仕方ないと己を納得させる。 (これも全てウェカピポ……あの男のせいだッ!許さんッ!奴が大人しく決闘で敗北していればこんな事には…… 聖杯を手に入れた暁には生まれたことすら公開する報復を行ってやるッ!) しかし、何かの切っ掛けがあれば、彼は容易く己のマスターに欲望を向けるかもしれない。 結局のところ、彼の抱く復讐心はただの逆恨みに過ぎず、高潔な英霊などではないのだから。 【CLASS】アヴェンジャー 【真名】???(ウェカピポの妹の夫) 【マスター】雫芽さりな 【属性】秩序・悪 【ステータス】筋力D 耐久E 敏捷E 魔力D 幸運B 宝具D+ 【クラススキル】 復讐者:D+ 復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。 周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。 忘却補正:D 人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。 忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。 自己回復(魔力):D 復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。 微量ながらも魔力が毎ターン回復する。 【保有スキル】 流儀の誉れ:A 祖先から受け継がれる伝統を重んじる精神性。 聞こえは良いが、アヴェンジャーの流儀に沿わなければマスターの指示すらも無視する可能性がある。 また、流儀によっては自身が不利となる行動でも行う。 流儀の定義については、アヴェンジャーの感性に委ねられる。 真名秘匿:EX 真名及び過去に何をしていたかと言う事の露呈を防ぐスキル。ランクEXはあらゆる宝具やスキルは当然の事、魔法を用いたとしてもその素性が割れる事はない。 加虐体質:B+ 自己の攻撃性にプラス補正がかかるスキル。 これを持つ者は戦闘が長引けば長引くほど加虐性を増し、普段の冷静さを失ってしまう。 攻めれば攻めるほど強くなるが、反面、防御力が低下してしまう。 それだけに、バーサーカー一歩手前の暴走スキルと言える。 女性に対してはワンランクアップ。 【宝具】 『鉄球(レッキングボール)』 ランク:E 種別 対人宝具 レンジ 30 最大補足:20 祖先から脈々と受け継がれてきた、肉体を動かさずに掌にある物体に「回転」を加える特殊技術。 鉄球を回転させてその振動で特定の事象を引き起こす。 『決闘』 ランク:D+ 種別 対人宝具 レンジ 100 最大補足:3~8 自身と敵対者1名、そしてその決闘を見届ける付き添い人のみの空間を作り出す。 マスターだろうが何だろうが決着がつくまで、決闘の当事者に一切の危害を加えることはできない。部外者も同様である。 この宝具は自身と敵対者の決闘への合意の元で発動し、展開時には己のスキルと宝具のみによる、純粋な決闘が執り行われる。 ……はずなのだが、この宝具には裏の効果があり、敵対者が決闘に勝利、即ちアヴェンジャーを殺害した場合、 アヴェンジャーの絶命と同時に呪いが発動、勝利者の全ステータスがワンランクダウン、幸運値がE-まで激減し、 国外追放の逸話に倣って、マスターと引き剥がされ、聖杯戦争の舞台の何処か(マスターから最も遠い場所)に強制転移させられる。 アヴェンジャーの消滅後もステータスダウンの効果は残り続ける。 契約の繋がりも大幅に阻害されるため、勝利者は令呪を用いなければマスターと合流する事すら難しくなる。 逆にアヴェンジャーが勝った場合は特に何も起こらない。 ちなみに本人はこの宝具の真の能力を認識しておらず、あくまで流儀に乗っ取った決闘を執り行う宝具と勘違いしている。 【weapon】 『鉄球(レッキングボール)』 投球による攻撃の他に、衛星による「半身失調」や「肉体の硬質化」、もしくは簡単な「治療」ができるかもしれない。 無銘の剣 アヴェンジャーの流儀に合わないため、基本使用されない。 【サーヴァントとしての願い】 ウェカピポへの復讐。 【人物背景】 SBR13巻、ウェカピポの過去話の中に登場する男。 本名は不明で、読者からは記事タイトルの呼び名のほか「義弟」とも呼ばれている。 彼はネアポリス王国の裕福な財務官僚の息子で、ウェカピポとは仕事を通じての友人であった。 将来の財産と地位が保証されていることから、ウェカピポは自分の妹を彼と結婚させた。 しかし、義弟には暴力癖があり、その激しさは妻の左目を失明させるほどだった。ウェカピポは慌てて法王に請願し、婚姻無効の許可を取り付けた。 だがこの行為が逆鱗に触れた義弟はウェカピポを暴行、さらに「殴りながらヤりまくるのがいい女だった」「じゃなきゃあちっとも気持ちよくねーし……つまんねぇ女だった……」と己のゲスさを強調。そしてウェカピポとの正当なる決闘を申し込む。 決闘は祖先から伝わる流儀に則り、鉄球(レッキング・ボール)によって行われた。例の台詞を放ち決闘が始まった直後、ウェカピポの鉄球の“衛星”が義弟の頭部に直撃し絶命する。 これによりウェカピポの勝利かと思われたが…… 【マスター】 雫芽さりな@魔法少女サイト 【weapon】 『ヨーヨー』 ヨーヨーの形をした魔法のステッキ。どんなものも切り裂いてしまう斬撃能力を有する。紋章はΦ。ステッキの使用で出血する部分は耳から 【能力・技能】 魔法少女。変身はしないが、身体能力は高い。 【人物背景】 魔法少女サイトの主人公・朝霧彩をいじめていたグループの中心人物であるクラスメイトで、魔法少女の一人。 うじうじしてる人を見るとイライラしてしまう性悪な性格で、学校では親友の貝島えりか・川野愛と共に常日頃から彩に対してひどいいじめを行っており、学校内でも評判の悪い不良生徒・荒井翔太とも親しい関係であったが、親友共々、クラスメイトからは軽蔑され、荒井を忌み嫌う一部の生徒からにも疎まれつつあった。 しかしその欠点さえ除けば、親友のことを大事に思う、姉御肌あふれる義理堅い少女であるとも言える。 魔法少女サイトと出会った彩が学校の下駄箱に入っていたステッキを手にしたその日、彼女が密かに可愛がっていた子猫を殺し、荒井に彩をレイプするよう仕向けるも、子猫を踏切内に放り込んで事故死させた張本人のえりかが荒井諸とも彩のステッキの力で子猫が亡くなった同じ踏切内に瞬間移動し、そのまま電車に撥ねられ、無惨な事故死を遂げてしまう。 その事から復讐鬼と化したが、客観的に見て逆恨みに等しいのは否めない。 【参戦時期】 アニメ5話、管理人からステッキを授かった後 【マスターとしての願い】 朝霧彩と奴村露乃への復讐
https://w.atwiki.jp/mcheli/pages/85.html
A-10 GAU-8 アヴェンジャー 表示名 A-10 GAU-8 Avenger 分類 CAS ダメージ 32 弾速 4 爆発 2 焼夷効果 無し 発射間隔 300 特徴 A-10によるCASを行う。 恐らく指定したところを横に凪ぎ払うように掃射する。
https://w.atwiki.jp/tale2380/pages/387.html
《L&D(ライトアンドダーク)アヴェンジャー》 装備魔法 光属性または闇属性モンスターにのみ装備可能。 装備モンスターの攻撃力は装備モンスターのレベル×100ポイントアップする。 装備モンスターが相手モンスターを戦闘によって破壊した時、次の効果から1つを選択して発動する。 ●破壊した相手モンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与える。 ●破壊した相手モンスターの攻撃力の半分以下の攻撃力のモンスター1体を自分の墓地から特殊召喚する。 この効果で特殊召喚されたモンスターは[[シンクロ]]素材にできない。
https://w.atwiki.jp/holycon/pages/83.html
凶悪犯罪が年々増加しているだとか、そういう話をメディアはいつの時代も狂ったように撒き散らして口角泡を飛ばしている。 だが実際の所、一つ一つの事件の凶悪さや残忍さは明らかに昔の方が勝っており、現代の方が幾分か平和である、というのはお約束だ。 いざ実際にこうして"昔"にやって来てみると、そのことがよりいっそう深く実感できる。 ―――昭和、五十五年。 赤軍派の猛威が一段落し、社会はある種"落ち着き"のフェーズへと入り始めた時代。 それでも、現代に比べて数だけでいえば犯罪数はやはり多い。 あの魔人などはこの有様を見て大いに喜ぶのではないかと、刑事・笹塚衛士は紫煙を吹かしながら心中で独りごちた。 腕時計の時刻は午後四時を示している。笹塚は今、とある事件についての聞き込み調査を終え、警視庁へと帰る道中であった。 事件自体はなんてことのない通り魔殺人で、目撃証言も比較的多く、こうなっては犯人が割り出されるのは笹塚の経験上時間の問題だ。 早ければ数日、長くても半月。 それくらい過ぎた頃には、ワイドショーや新聞がセンセーショナルな見出しと共に犯人の顔写真や名前を取り上げていることだろう。 そして、一週間もすれば忘れ去られる。 一ヶ月もすれば、大半の人々の記憶から抜け落ちる。 当の刑事たちですらも、そうだ。 いつまでも解決した事件に延々思いを馳せているようでは、とてもではないが警察官は務まらない。 故に、誰もが忘れていく。 そこに例外があるとすれば、残された側のみだ。 人間のふりをした怪物は実在する。 言葉通りの意味でも、比喩的表現としても。 少なくとも、笹塚は両方を知っている。 本当の意味で、人間を逸した肉体を持つ"怪物(モンスター)"。 人を人とも思わず、記憶にすら残さないような気軽さで殺人を犯す"怪物(シリアルキラー)"。 後者の怪物は、容易に死を忘却する。 自らの罪を、記憶の海から消し去ってしまう。 意識もせずに、当然のように。 飯を食い、それを排泄するように―――彼らは、人の命を奪うのだ。 しかし。 これは曲がりなりにも正義を名乗る職務に就いている人間の口にして言い台詞ではないが、そのどちらかしか持たないのならば、まだいい。 確かに社会に野放しにしておくには悍ましすぎるし、彼らは檻の中に入れられるか、正義の凶弾に倒れるまでの間、遠慮なく凶行を繰り返すだろう。 それでも――罪悪感を抱く怪物であれば、まだ救える。 心の中にしか居ない怪物を心理に飼う殺人者であれば、まだ手が打てる。 だが心と肉体、その両方に怪物を宿した"悪意(Sick)"は、それらとは文字通り次元の違う存在となる。 悪意の塊として生まれ落ちた存在を討つには、人生を捧げる必要がある。 己の人格を含めたあらゆるものを犠牲にして、ただ一つ掲げた目的を追い求める必要がある。 笹塚衛士は、事実そうしてきた。 あの日から。一人、一個、一つの悪意によって、愛すべき家族を惨たらしく奪われた時から。 裏の世界に入り、作れる限りの人脈を作った。 南米のマフィアに身を寄せ、戦闘スキルも磨き上げた。 出来ることは全てやってきた。 後はこの懐に収まった銃弾を、奴の心臓に撃ち込むのみ。 ―――そして今。笹塚衛士は、最後の弾丸を探し求めて、昭和の時代を訪れている。 警察官が刺青をしているというのは、社会通念上やや問題がある。 その為笹塚は今、右腕に火傷を負ったという設定で、軽く包帯を巻いて令呪を隠していた。 正確には刺青ではないのだが、素人目にはまず区別など付かないだろう。 付く者が居たとしたら、それは笹塚にとっての排除すべき邪魔者だ。 「全くお笑いね。何が"怪物"よ――アンタだって、そうなんじゃない」 くつくつと、歪んだ嘲笑が聞こえる。 笹塚は、それに対して返事はしない。 自分の呼び出した英霊ではあるが、彼女と会話をするほど不毛なことはないと、少なくとも彼はそう思っていた。 しかし、彼女の言う通りだと自虐する自分が心のどこかに居るのもまた、確かだった。 笹塚衛士は聖杯戦争に乗っている。 彼は、冷たい覚悟を決めた人間だ。 この時代を訪れるよりも遥か前から、笹塚は目的を遂げるためならどんな事でもする覚悟があった。 その彼にとって、聖杯戦争にどのような姿勢で臨むかなど……愚問でしかなかった。 復讐のために、笹塚は人を殺せる。 自分以外の願いを踏み躙り、そうして死んだ希望を道標にして、止まらずに歩み続けられる。 聖杯という、"至高の弾丸"を手にするまで。 彼はその過程で出した犠牲に、頓着しないだろう。 殺した相手を忘却して、怪物のような精神性で戦いを進めるだろう。 ――だからやはり、この聖女(アヴェンジャー)の言うことは間違っていない。 此方の神経を逆撫でする子供じみた嗜虐のようでありながら、その実的を射た指摘である。 「貴方はかくも哀れな男です、笹塚衛士。……ああ、いえ。そうでなければ、私みたいなモノを呼んでしまう筈もありませんか」 彼女に言葉を返すことはせず、煙草を携帯灰皿で揉み消して、笹塚は停車中のパトカーに乗り込むべく歩き始めた。 アヴェンジャーの暴言に心が痛むことはない。感じ入ることも、やはりない。 全て、事実であるからだ。ならばそれにいちいち過剰な反応をして疲弊するのは、賢い選択とは言い難いだろう。何より非効率的だ。 復讐者が復讐者を呼ぶ。恩讐が恩讐を呼び起こす。 魔術の心得など流石に持たないが、どうやら聖杯とやらは、なかなかに良い性格をしているようだと笹塚は思った。 そこでふと、ある探偵と、その助手を名乗る男の顔が脳裏をよぎる。 彼女達は今、何をしているだろうか。 彼女達は彼女達なりのやり方で、笹塚が追う"悪意"を打ち倒さんと尽力しているのかもしれない。 それでいいと笹塚は思う。 それならいいと、笹塚は思う。 無意識下に亡くした妹と重ねて見てしまっていた彼女。 探偵、桂木弥子。 あの少女には、自分が此処でこれから行うだろう戦いを見られたくなかった。 それはきっと酷く醜く、下劣で、外道じみたものになるだろうから。 「呆れた。よもや今更、外面などに気を遣っているのですか? 復讐者に堕ち、殺すしか能のなくなった男が? くす―――道化を演じるのもその辺にしたら? 度を過ぎたパントマイムは、ただ不愉快な奇行に過ぎないわよ」 「……そうかもな」 堕落した聖女が笑っている。 彼女の指摘は、やはり正しい。 かつて大衆の正義に押し潰され、陵辱の末に火刑と消えた聖女。 ――とある魔元帥の激情や偏見が混入したことで、あり得ざる側面が表に浮き出た復讐の魔女(アヴェンジャー)。 彼女のような存在を呼び出してしまったのは、きっと聖杯が己に吐いた皮肉なのだろう。 ならば、それでもいい。これでも自分は刑事だ。 人の悪意に晒されることは慣れているし、巨悪を討つことを目指す復讐鬼が、これしきの小さな悪意に挫けていては本末転倒というものである。 此処に、正義を騙る笹塚衛士の姿はない。 あるのは、ただ泥と死臭に塗れた殺人鬼だ。 瞳の奥底に危険な決意と暴力の香りを宿し、彼は聖杯という名の弾丸を求む。 【クラス】 アヴェンジャー 【真名】 ジャンヌ・ダルク[オルタ]@Fate/Grand Order 【ステータス】 筋力A 耐久C 敏捷A 魔力A+ 幸運E 宝具A+ 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 復讐者:B 調停を破る者である。 莫大な怨念と憤怒の炎を燃やす者だけが得られる、アヴェンジャーというクラスの象徴。 忘却補正:A 忘れ去られた怨念。 このスキルを持つ者の攻撃は致命の事態を起こしやすく、容易に相手へ悲劇的な末路を齎す。 自己回復(魔力):A+ 読んで字の如く、自身の魔力を自動的に回復する。 戦闘中でも休息中でも関係なく一定量の回復を続けるため、基本的にガス欠になりにくい。 【保有スキル】 自己改造:EX 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。 このランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていく。 竜の魔女:EX とある男の願いが産み出した彼女は、生まれついて竜を従える力を持つ。 聖女マルタ、あるいは聖人ゲオルギウスなど竜種を退散させたという逸話を持つ聖人からの反転現象と思われる。 竜を従わせる特殊なカリスマと、パーティの攻撃力を向上させる力を持つ。 うたかたの夢:A 彼女は、ある男の妄念が生み出した泡沫の夢に過ぎない。 たとえ、彼女がそう知らなくとも。 【宝具】 『吼え立てよ、我が憤怒(ラ・グロンドメント・デュ・ヘイン)』 ランク:A+ 種別:対軍宝具 竜の魔女として降臨したジャンヌが持つ呪いの旗。 復讐者の名の下に、自身と周囲の怨念を魔力変換して焚きつけ、相手の不正や汚濁、独善を骨の髄まで燃やし尽くす。怖い。 【weapon】 旗 【人物背景】 フランスに復讐する竜の魔女。 我が物顔で正義を語り、そしてそれを疑わない人々への怒りに駆り立てられる聖女。 ジル・ド・レェがそうであってほしいと願った彼女の姿。 【サーヴァントとしての願い】 復讐。 【マスター】 笹塚衛士@魔人探偵脳噛ネウロ 【マスターとしての願い】 聖杯の力という"弾丸"を手に入れ、シックスを殺害する 【weapon】 拳銃 【能力・技能】 裏の世界で身に付けた戦闘能力や破壊工作の技術。特に射撃の腕前は天才的だという。 【人物背景】 常に無表情でくたびれた雰囲気を漂わせる、無精髭を生やした刑事。 「低いテンションと高い実力」で有名であり、テンションの低さはなぜか生命活動にまで現れ、動きをほぼ完全に停止することを得意とし、塩と焼酎と日光だけで2週間生き延びたこともある。その一方、いざという時の動作は極めて俊敏。 家族をシックスという男に皆殺しにされた過去を持ち、その復讐のために力を得てきた。 【把握媒体】 アヴェンジャー(ジャンヌ・オルタ): 原作ゲームもしくはプレイ動画。 wikiには台詞をまとめた項目もある。 笹塚衛士: 原作漫画。 全二十三巻となかなかのボリュームがあるが、アニメ版は大変出来がよろしくない上に彼の過去などが一切明かされないので、事実上漫画以外に把握の手段がない。
https://w.atwiki.jp/f_go/pages/2648.html
第1.5部「亜種特異点Ⅰ 悪性隔絶魔境 新宿 新宿幻霊事件」の配信と同時に実装された★4アヴェンジャー。 伏せられている真名はストーリー進行で判明するため、気になる方はストーリーを進めてみよう。 ゴルゴーンと違って恒常サーヴァントのためピックアップ外でも排出される可能性がある。 + アヴェンジャーのクラス特性 相性 ルーラーに有利、ムーンキャンサーに不利 スター集中度 30(バーサーカー以上、キャスター未満) 攻撃力補正 1.1倍 クラススキル 復讐者:被弾時NP獲得量アップ、自身以外の控えを含めた味方全員の弱体耐性ダウン忘却補正:クリティカル威力アップ自己回復(魔力):毎ターン少量のNPを獲得 - - 成長 種火、フォウくんはALLのみクラス一致 再臨素材 ピース、モニュメントを使わず、2種の素材を使用 スキル素材 スキル石を使わず、レベルごとに1種の素材を使用 - - その他 実装されている多数が混沌・悪(*1) 見た目からでは性別はわからないが、特性は性別なしではなく〔男〕となっている。 (ストーリーで雄ってわかるしね) カード構成はQQAABのライダー型。宝具もQのため、自身でQチェインを組むことができる。 QチェインやAチェインが狙いやすい構成なので星出しや味方のNP確保も行いやすい。 自身は毎ターンNP3%獲得、被弾時は1ヒットごとに6%~程NPが貯まる他、AとQの多いカード構成から、A始動のブレイブチェインなどで容易にNPを稼げる。 属性は混沌・悪・地。見た目通り〔猛獣〕特性を所持。 スキル いずれのスキルもCTが7-5Tと短い反面、効果時間も2-1Tと短いスキルで統一されている。 【スキル1】堕天の魔 A+ CT 7-5 自身に1Tのスター集中と防御力上昇を付与するスキル。 効果時間は短いものの、防御力上昇効果はそれなりに高め。 体力が減って落とされそうな場面で使うと踏ん張ってくれることもあるので迷ったら使ってしまっても良い。 スター集中効果はLv1では203となりライダークラスとほぼ同じ、Lv10で377となりライダークラスの約1.9倍集められる。 スター集中効果を最大限に生かすなら、スキル2と併用しよう。クラススキルも相まってなかなかの打点を出すことが可能である。 【スキル2】怪力 B → 郷愁の白狼 EX CT 7-5 攻撃力上昇を付与する汎用スキル。CTも短く2T持つため、積極的に使っていこう。 スキルマが前提となるが、カリスマ等の3T持続、CT5の攻撃バフ系と組み合わせることで効果の切れ目でスキルを使うことで攻撃力を上げた状態を維持することが可能。 新宿のアーチャー、メイヴの〔悪〕属性、〔男性〕バフを使った場合、常時30~40%のバフが掛かり続けるので等倍でも火力不足は幾らか改善される。 なお両方を同時に使い、自バフまで含めると最大110%バフとなる。 2022/06/29実装の強化クエストをクリア後は、攻撃力アップの持続時間が3Tへ伸び、〔人〕特攻(3T)付与が追加される。 + 〔人の力を持つ敵〕特性持ち一覧 Class Rare Name 剣 5 アルテラ 沖田総司 ネロ・クラウディウス〔ブライド〕 両儀式 宮本武蔵 千子村正 沖田総司〔オルタ〕 徴姉妹 4 アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕 ネロ・クラウディウス シュヴァリエ・デオン 柳生但馬守宗矩 蘭陵王 ラクシュミー・バーイー 葛飾北斎 斎藤一 渡辺綱 3 ガイウス・ユリウス・カエサル ジル・ド・レェ 弓 5 新宿のアーチャー ジャンヌ・ダルク/アーチャー 4 エミヤ 織田信長 アン・ボニー&メアリー・リード エミヤ〔オルタ〕 エレナ・ブラヴァツキー 浅上藤乃 カラミティ・ジェーン ナイチンゲール〔サンタ〕 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン アナスタシア&ヴィイ ゼノビア 3 ロビンフッド ビリー・ザ・キッド 俵藤太 ウィリアム・テル 1 織田信勝 槍 5 坂本龍馬 4 エリザベート・バートリー 神槍 李書文 ヴラド三世〔EXTRA〕 ジャンヌ・リリィ 秦良玉 長尾景虎 3 ヘクトール 宝蔵院胤舜 2 武蔵坊弁慶 レオニダス一世 1 メアリー・アニング 騎 5 イスカンダル アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕 イヴァン雷帝 司馬懿〔ライネス〕 レオナルド・ダ・ヴィンチ コンスタンティノス11世 4 マリー・アントワネット マルタ アン・ボニー&メアリー・リード アルトリア・ペンドラゴン〔サンタオルタ〕 坂本龍馬 紫式部 エリザベート・バートリー〔シンデレラ〕 3 ブーディカ 牛若丸 アレキサンダー レジスタンスのライダー マンドリカルド 2 ゲオルギウス エドワード・ティーチ 1 バーソロミュー・ロバーツ 術 5 諸葛孔明〔エルメロイⅡ世〕 玄奘三蔵 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 不夜城のキャスター ネロ・クラウディウス〔キャスター〕 アナスタシア 紫式部 出雲阿国 4 エリザベート・バートリー〔ハロウィン〕 ナーサリー・ライム エレナ・ブラヴァツキー トーマス・エジソン マリー・アントワネット ギルガメッシュ〔キャスター〕 ミドラーシュのキャスター ジーク 美遊・エーデルフェルト シャルロット・コルデー マルタ〔サンタ〕 3 ジル・ド・レェ ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス チャールズ・バベッジ ジェロニモ アヴィケブロン 張角 2 ハンス・クリスチャン・アンデルセン ウィリアム・シェイクスピア 陳宮 殺 5 クレオパトラ “山の翁” 李書文 4 両儀式 エミヤ〔アサシン〕 新宿のアサシン 不夜城のアサシン 牛若丸/アサシン グレイ オキタ・J・ソウジ 3 荊軻 百貌のハサン 風魔小太郎 静謐のハサン 岡田以蔵 2 呪腕のハサン シャルル=アンリ・サンソン シャルロット・コルデー 1 佐々木小次郎 マタ・ハリ 狂 5 坂田金時 ナイチンゲール 土方歳三 項羽 宮本武蔵 4 茶々 織田信長〔バーサーカー〕 ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕/バーサーカー 清少納言 3 呂布奉先 ダレイオス三世 森長可 2 カリギュラ エイリーク・ブラッドアクス 1 スパルタクス 裁 5 天草四郎 始皇帝 ジェームズ・モリアーティ 4 マルタ レオナルド・ダ・ヴィンチ 讐 5 巌窟王 エドモン・ダンテス ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕 0 アンリマユ 分 5 沖田総司〔オルタ〕 4 メカエリチャン メカエリチャンⅡ号機 月 4 BB 降 5 葛飾北斎 楊貴妃 エネミー 人間系(兵士、海賊、ドルイド、京人、チンピラ、ヤクザ、雀蜂、酷吏、農村駐在員、近衛兵、亡者、王の氏族・コヘイ等)、ゾンビ、スケルトン、アマゾネス、機械化歩兵、心を失った者、粛清騎士、ノブ系、屍人、七人御佐姫、ハサン系、殺戮猟兵、空想樹オロチ、第六天魔王・明智光秀、空想樹メイオール、柴田勝家、キリシュタリア、アトランティス防衛兵、オリュンポス兵、闇の新選組隊士、芹沢鴨、殺人鬼、徐福、コロンブスの卵、田中新兵衛 【スキル3】死を纏う者 A CT 7-5 1Tの間、単体の即死耐性と攻撃力を下げ、さらに強化状態を解除するスキル。 効果時間は短いが攻撃力の低下幅はなかなか大きく、パーティーの生存に貢献してくれるだろう。自身スキル1との併用や礼装、パーティメンバーによる防御バフがあれば敵の宝具をノーダメージで凌げることもある。 強化解除効果は強力なバフ持ちを相手にする際に輝く。 防御バフや無敵や回避なども剥がせるので、こちらの攻撃したいタイミングをコントロールするのにも使える。 即死耐性ダウンは宝具の追加効果に寄与するが、ゲームの性質上ボスクラスの相手に即死は殆ど通用しない。単体かつ1Tしか持たないこともあり、オマケ程度に考えよう。 攻撃にも守りにも使えるが効果が1Tのみなのでどちらの用途で使うか状況に応じて選択しよう。 相手が単体で、かつ攻撃力ダウンが成功した場合に限るが、CT5・3T持続の防御バフ(マシュ・キリエライトのスキル1)の切れ間に前述のスキル1と組み合わせる事でスキルの再使用まで防御力を維持し続けることも出来る。 使用できる場面は限られてくるが、覚えておくと活用できるかもしれない。 宝具「 遥かなる者への斬罪 (フリーレン・シャルフリヒター)」 必中 即死効果付きの単体Q宝具。即死効果は中確率とかいてあるが、OC500%以外では同OCのニトクリスより確率は高い。 しかし単体宝具を切る相手は、基本的に強敵=即死補正倍率が低い=あまり即死が入らない場合が多い。 スキル3の即死デバフとあわせても期待は出来ず、おまけ程度と考えていいだろう。 自身のQ2枚と合わせてQチェインできれば結構な数の星を稼げる他 NPの貯まりやすい特徴を活かして高HPエネミー相手に積極的に撃ち込んでいきたい。 幕間の物語クリア報酬で宝具強化され、威力の強化と3Tのクリティカル威力アップの効果が追加される。 クリティカル威力アップは20%とそれほど高くない数字だが3T継続されるので、スキル1などと併用して通常攻撃ダメージの底上げも難しくない。 運用 運用としては、(アヴェンジャー全員にいえることだが)まず対ルーラーとしての起用が上がる。 スキルも宝具も、とにかく単体を屠ることに特化した構成のため、厄介なルーラーをすばやく片付けてくれるだろう。 素の攻撃力の高さもあるので相性不利のない殴り担当、戦力の足りないクラスの穴埋めなどに起用しても良い。 AQ2枚のカード構成なのでQでNPを稼ぐ味方の為に始動でAカードを選んであげたり、自身のカードを積極的に選んでAQチェインを狙い、味方のNPやスターを確保しやすくなるようにすると良い。 アヴェンジャークラスの特性としてスター集中率が低いため、クリティカル志向のパーティにおいてメインアタッカーのクリティカルを間接的に支援するサブアタッカーとなることも可能。 カードの引きによっては自分がスター集中を行えばよいので星が無駄にならない。 宝具の再使用の容易さ、CTが短く効果の大きいスキルなので、味方の防御バフや回復を使って長く居座り、都度宝具を使って敵を削っていく長期戦に向いている。 特に高HPのエネミーが混成で出現するクエストなどでは活躍が期待できる。 相性の良い概念礼装 礼装は運用方法によって変わってくるが、バスター強化系でなければ大抵のものが合うといえる。 どのカードをメインで切っていくか、ダメージは素殴りと宝具のどちらで稼ぐのかなどを考慮して選ぶと絞れてくるだろう。 スカサハ=スカディ実装により、NP50%を付与できるサーヴァントが増え、NP礼装以外を装備しても即時宝具が撃ちやすくなったので礼装の選択幅は広がったと言える。 相性不利なしのアタッカーで素殴りをメインにしていくならゴールデン相撲~岩場所~や、最もよく使うAQを強化する静穏なひと時 サーヴァントや特定エネミー相手に有利になる死の芸術、起源弾等の各種特攻礼装など。 ガンド、デンジャラス・ビースト等クイックを強化する礼装ももちろん有効。 NP50%にクイック、宝具威力10%上昇が付いたいつかの夏は弱点になりがちなHPの低さをカバーしてくれる。 宝具を連発してダメージを稼ぐようなら恋知らぬ令嬢などの毎ターンNP獲得系、天の晩餐やサマー・リトルのような高倍率のNP獲得量アップ礼装 持久戦メインなら場持ちを良くさせ、被弾時のNP回収をしやすくする鋼の鍛錬やルームガーダー等の防御、ダメージカット系礼装 道のりは大変だが絆礼装があるならQでNPを稼ぐランサーやアサシンクラスのサポート役としても起用できるようになる。 編成 メインアタッカーとして起用するなら一例として〔悪〕属性バフを持つ新宿のアーチャーと相性が良い。 必要な時だけスター集中スキルを使えば良いので集中率を乱さない。Aチェインも組みやすいためカード色が偏っているサーヴァントを3人目に入れても回りやすい。 アーチャーはスターを消費するスキルを持ち、アヴェンジャーだけでは星生みは不足しがちなので、悪属性持ちが多くスターを獲得しやすいアサシンクラスを入れると良いだろう。 単純にアヴェンジャーの火力面を大きく伸ばしていくならアーチャーの〔悪〕バフ+スカディのQバフも組み合わせてあげると良い。 継続的にスターを生成する手段が必要だが、自身の持っていないクリティカル威力を大きく上げるホームズと組ませるのも面白い。 クリティカルアップ系の礼装を持たせて更に火力を上げても良し、Qチェインを狙いつつ欠片を持たせて安定供給させても良い。 耐久編成なら回復と宝具の回転率を更に高めるマーリン、スキルの回転率を上げてデバフ使用の頻度を上げる玉藻の前 自バフと組み合わせて生存率を上げられる防御バフ持ちのマシュも良い。 この場合Aカードを積極的に使っていく戦闘になるため、アーツと宝具威力上昇が付いたダイブ・トゥ・ブルー、見敵必殺なども礼装候補にあがる。 キャスターを入れにくい場合は上記の代わりに刑部姫とマシュを組み合わせると、全体防御(宝具含む)が3つ、各自が防御スキルを持っているので宝具の他、通常ダメージも抑えられる。 更に強化解除は2つになるのでバフも解除しやすく、刑部姫はこれに防御ダウンが付くためアヴェンジャーの宝具攻撃でより大きなダメージを期待できるようになる。 味方の編成や礼装次第で色々な役割が出来る器用なアヴェンジャー。 恒常で入手できる現状唯一のアヴェンジャーなのでルーラー対策で困っているようならきっと役に立ってくれるだろう。 カードやスキルの構成上、編成に組み込む事で機能するため最初は扱いづらいかもしれないが 慣れてくると様々な使い方が見えてくる面白いサーヴァントなので入手したら是非育ててみてほしい。
https://w.atwiki.jp/stselysium/pages/81.html
託したいものがあった。それは彼女の腕を掴めなかった手に握られた、掛け替えのない小さな希望。 「俺は、希望の魔法使いだ」 失ったものがあった。守れなかったものがあった。 全ての始まりとなったあの日、あの時。たった一人生き残ったとばかり思っていた俺に残された最後の希望。それがコヨミだった。 大切な人だったと、今ならば臆面もなく断言できる。彼女と過ごした時間は瞬きのように短く過ぎ去っていったけど、彼女を思い出させるものは数えきれないくらいあった。 ……この手は無限に届きはせず、掬える砂も一握が限界。運命という言葉は、そうした人の無力の限界点を可視化する測量値と言えるのかもしれない。 俺は負けた。失った。伸ばした腕は届かず、無様に地を這わされた。そこが俺の限界だった。 そうして彼女を失って、残された願いに縋りつき、心のどこかに迷いを抱いていた。 それは事実だ。けれど。 「俺の希望が溢れる世界で、俺が負けるはずないんだよ」 それがどうした。俺は負けたが負け犬じゃない。コヨミを想うこの気持ちは、コヨミと過ごした思い出は、今もこの胸に変わらず刻み込まれている。 たとえ何があっても、どんな悲劇が訪れようと、忘れない。忘れない。何も見えず聞こえなくなっても、それだけは忘れない。 剣を握る指に力を込める。全ての気力を振り絞り、燃え盛る炎として魔力を放出する。 今この時に、この場所で、俺を倒せる者など誰一人として存在しない! 「さあ───フィナーレだ」 振り抜かれた炎の刃が、最後の亡霊(ファントム)を打ち砕いた。 ………。 ……。 …。 晴人は目を開いた。 モノクロに染まったいつかの記憶。 騒がしくも輝かしい、みんなのいるいつもの面影堂がそこにはあった。 ゆっくりと、噛みしめるように。晴人は奥に向かって歩き出す。 そして、彼女の前で立ち止まり。 「……コヨミ」 「晴人?」 最早聞くことなどありえなかったはずの懐かしい声が、晴人の鼓膜を震わせた。 記憶の中にある彼女の姿そのままに、コヨミは視線を投げかける。その光景に、切なさとも愛しさともつかない何かが胸の中でぐるぐると渦巻き、感情が涙となって溢れ出そうになるのをぐっと堪えて言葉を続けた。 「これ、預かってて」 撫ぜるようにコヨミの手を取り、持っていた指輪をはめる。コヨミは困ったような、驚いたような、けれど決して不快ではない感情と共に、晴人を見遣った。 「いいけど……何?」 「俺の希望」 たった一言。それだけの言葉に、晴人が抱いた全てが込められていた。 それ以上の言葉は必要なかった。全ては、コヨミにこのリングを託された瞬間に結実していたのだから。 「分かった……大事に持ってる」 言ってコヨミはたおやかな笑みを浮かべ、その指に填められた"希望"を見遣った。 それを見た晴人は静かに踵を返し、何かと決別するかのように背を向けて歩き出す。 二度と触れ合うことのない手のひらから、それでも暖かなものが伝わってくるような感触と共に。 晴人は、笑った。 コヨミ。 俺は、戦うよ。 ▼ ▼ ▼ 願ったものがあった。それは失われた陽だまりで託された、取るに足らない小さな祈り。 「許さない、認めない、消えてなるものか───時よ止まれ」 俺には為さなければならない使命があった。全てを失い、奪い尽くされ、残照と知りながらも光(せつな)の残骸をかき集めてでも遂げなければならないことが。 このまま放っておけば波旬の理が宇宙を覆い尽くす。滅尽滅相───あらゆる生命が死に絶える唯我の理。俺はどうしても、それを完成させるわけにはいかなかった。 それが覇道の太極に至った者の果たすべき責任というもの。己の意志で、人を世界を、宇宙ごと塗り潰せる力の意味とその重さ、軽いはずがないだろう。 だから俺は座を握らないし、波旬にも握らせない。ただそれだけを誓い、ひたすらに生き延びてきた。 別に人類の恒久的世界平和などという、出鱈目なことまで言いはしない。 ただ、生まれては消えていく命の連続性を絶やさぬこと。次があるという最低限の、希望と可能性を残すこと。 俺の太極はそれが甚だしく極小で、波旬に至っては完全皆無だ。総ての理とその歴史が、そこで断絶してしまう。 だから、俺は――― 「真実はたった一つ。亡くしてはならない光(せつな)があるから」 俺は次代を選ばないといけなくて。 それが生まれる余地を維持しないといけなくて。 波旬の座を完成させるわけにはどうしてもいかなかったから。 「ここに生き恥晒してんだよ。もう誰もいなくなってしまったこの宇宙でな!」 それこそが─── 「俺の女神に捧ぐ愛だ!」 俺に遺された、たった一つの譲れない思い。 「もう何も見えない。聞こえない。ただ忘れないだけだ。俺は彼女を愛している!」 たとえ何があっても、どんな悲劇が訪れようと、忘れない。忘れない。何も見えず聞こえなくなっても、それだけは忘れない。 拳を握り、地を踏みしめる。全ては今、この時のために。 「息絶えろ、薄汚い波旬の細胞! この地は絶対に渡さない!」 いや、もういい。もう無間神無月は必要ない。 だから見せてくれ。お前の為したい夢の形というものを。奴に打ち勝てるのだという証明を。 俺達の黄昏に負けないほどの、輝く命の可能性というものを。 「仲間の魂に懸け、俺は負けない」 「はッ……それなら俺も負けてねえよ!」 それを目の前の男―――新鋭は烈しく言い返す。振るわれる億の剣閃、星を裁断する時空の断裂すら押し返し、秒間毎に臓腑を抉られながらも咆哮した。 「何考えてんのか分かんねえ、どうしようもないあんちくしょうども。そして我らが総大将久雅竜胆に―――ぶっちぎりで格好良いこの俺様、坂上覇吐!」 致命傷を無限に食らいながらも死にはせず、どころか太刀を振りかざし猛る様はこの男をよく表している。 生きると誓っているのだ。万象滅ぼす波旬の宇宙と繋がりながら。それでも、未来を形作る可能性を身に宿している。 「てめえらを討つという目的の下、一つに集まった益荒男共で」 ああ、それは─── なんて眩しい、求め焦れたもので─── 「俺の仲間だ! 全員いなきゃつまんねえ!」 「───」 その時生じた感情を、口では上手く説明できそうになかったから。 「それがお前の答えか」 千の言葉の代わりに、天から巨神の腕を打ち下ろした。 押し潰して視界を覆ってしまわねば、きっとこの男に自分の表情が見えてしまうと思ったから。 「───行くぞ、坂上覇吐! 久雅竜胆! これこそ俺の全身全霊、至大至高の一閃だ!」 巨大神が歓喜の咆哮をあげる。 溢れんばかりの哄笑が轟く。 よく言ってくれた、それでいい。 見たか波旬、第六天。これこそ貴様を討ち滅ぼす新たな光に他ならない。 だから。 「これがどういうものなのか、忘れることは許さない。 全てこの刹那に焼き付けろ、覇道の本質を理解しろ。 お前たちが後の創世を望むなら、胸裏に刻み込んでおけ!」 ───俺達の戦いは無駄じゃなかった。 今は素直に、それを信じることができた。 「魂の輝きを謳った言葉、今こそ此処に証明しろ!」 そして、全てを消滅させんとする爆光が、天空と共に墜落して。 ………。 ……。 …。 「……そうだ、それでいい」 「お前の、勝ちだよ」 全ての足掻きが此処に結実したのだと、万感の思いと共に確信して。 天魔と呼ばれた一人の男の生涯に幕が下ろされたのだった。 ▼ ▼ ▼ 「晴人、か。お前はそう言うのか」 その名を、異形の姿をしたサーヴァントが反芻する。何かを得心したかのような態度だ。それを、晴人は釈然としない表情で答えた。 「なんだ。何か気にかかることでもあったのか?」 「名は体を表すとはよく言ったものだと思ってな。察するに、お前の渇望も"そういうもの"なのだろう」 そう口にするサーヴァント、夜刀と名乗った異形の男は、晴人に鋭い視線を向けた。 朱い───彼を一言で評すれば、そのようなものになるだろうか。文字通り血のように朱い髪の下、鮮血が如き赤眼が覗いている。黒い肌は憎悪が如き濁った感情を思わせて、纏った白い衣に付き従う双蛇が人と然程変わらない姿を邪神めいたものに歪めていた。 人間の定義に当て嵌めることはできないが、それでもかつては端整であったことを窺い知れる様相はしている。しかしその威容は一見すれば悪鬼羅刹と見紛うほどで、なるほど確かに、復讐者(アヴェンジャー)というクラス名にも頷けるというものであった。 「ご明察、ってところかな。それはやっぱり夢の中で?」 「ああ。双方向に流れ込むものだ、お前のほうも多かれ少なかれ知り得ているとは思うが」 「まあね」 聖杯戦争において、マスターとサーヴァントにはある種の共鳴夢とも言える現象が発生する場合がある。魔力を供給するパスを繋いでいる関係か、時に全く別のものまでもが流れ込んでしまうのだ。 とはいえ、晴人も夜刀も、特に気にするようなことではなかった。やましいことなど何もなく、この期に及んで隠し立てするようなことでもなかった。 「それにしても、聖杯ね……」 言って、晴人は夜明け前の薄らいだ靄のかかる空を見上げた。反芻するのは数日前の記憶だ。 笛木奏とファントムに纏わる一連の騒動が解決した後、晴人はとある目的のために世界中を旅してまわっていた。各国の様々な場所に首を突っ込み、必然としてそれなりの頻度で厄介事に遭遇した晴人は、その信条から事態の解決に乗りだし"魔法"の力を行使することも少なくなかった。 "聖鉄"を手に入れたのも、それが原因である。 残存する神秘の欠片、騒動を巻き起こす何某かとして在ったそれを、事態解決に際して触れた瞬間、晴人の意識は空間を飛び越えこの街にあった。 とある地方都市「冬木」、それを再現したという電脳空間「Chaos.Cell」 聞いたことのない街だったし、聞いたことのない代物だった。自分の中にある知識と照らし合わせても、そんな存在があるということは初耳だった。 「何でも願いが叶うなんて眉唾だけど、やっぱりアヴェンジャーは欲しいわけ?」 聖杯についての知識は、最も新しい記憶となって晴人の脳内に叩き込まれている。 これも聖杯とやらの恩恵なのか、それとも何かしらの調整なのか。分からないが、何とも親切なことだと思う。そんなところに気を配るくらいなら、そもそも参加者の選定に気を配れという話ではあるが。 だから、とりあえずとして晴人はそんな疑問をぶつけたのだった。サーヴァントとは聖杯に願いを託す存在だという概論めいた知識もまた、晴人の脳内にあったからだ。 しかし。 「いや」 対するアヴェンジャーの答えは至極短い、そして知識にあるサーヴァント像とはかけ離れたものだった。 「おっとこれは予想外。訳を聞いても?」 「別に大したことじゃない。俺の願いは既に俺以外の奴に託している。そしてそれは、こうして俺が召喚されたという時点で"果たされた"と確信できた」 そう口にする夜刀の顔と声音には決然としたものがあったが、同時に何かをやり遂げたような誇らしげな感情も含まれていた。 「お前はどうだ、マスター。お前はこの聖杯戦争で一体何を求め、何を為す」 逆に夜刀が問うてきた。 その口調には厳粛な響きがあったが、慮るような響きもまた聞こえてくる。なんとも不器用な性格なんだなと、晴人は口には出さず内心のみで思った。 「……なあ、アヴェンジャー。一つ聞いてもいいかな」 ぽつり、と。 晴人が呟いた。それは質問の答えではなかったが、その疑問符には彼の持つ"答え"が関わっているのだということが言外に分かった。 故に夜刀は言葉なく疑問の続きを待って、晴人は静かに言葉を繋げた。 「仮に神さまとやらが人の願いを叶える存在だとして。けど俺達人間はそんなもの必要ないって言ったとして。 それでも人の願いを叶えようとする聖杯(かみさま)は一体なんなんだろうな」 「決まっている」 夜刀は間髪入れることなく、苦々しささえ交えた口調で答えた。 「人はそれを悪魔と呼ぶんだ」 「……そっか」 そこで晴人は吹っ切れたような、そうだよなとでも言わんばかりに薄く笑みを浮かべ。 「俺さ、ずっと迷ってたんだ。コヨミの指輪を手放したくないって、心のどっかで思ってた。 立ち止まっても何にもならないって、知ってたはずなのにな」 思い出は大事だ。それは前に進むための力となる。けれど、それにばかり縋っていては重しとなって人の足を止めてしまう。 あの時の自分がそうだった。思い出ばかりを背負って、未練がましく後ろを振り返るしか能がない。 仮にあの時の自分がここに呼ばれていたならば、あるいはコヨミのためと取り繕って聖杯を目指した可能性も、一概には否定できなかっただろう。 それほどまでに、晴人の内に降り積もった思い出は、重かった。 「……忘れられないもんだよな、過去ってのは」 忘れられないから苦しむ。いつまでも。あるいはそれが、人の持つ弱さというやつなのかもしれない。 けれど、いいやだからこそ。 「だから決めた。俺はもう迷わない。コヨミのことも背負っていく。けど…… もう二度と、俺は立ち止まったりしない」 過ぎた過去は戻らない。失ってしまったものは帰らない。だから人は、思い出を手のひらに包むように抱えて生きていく。 それを教えてくれた恩人らの想いと選択を抱きしめて、怒りも悲しみも超越した彼に迷いなどない。他ならぬ自分自身のアンダーワールドへと潜り、そこにホープリングを託した時の想いも、在りし日の形で胸にある。 「聖杯には何も望まない。そんなものを目指すなんてのは、あの指輪のことで迷っていた時の俺と何も変わらない」 「それが、お前の選択か」 「ああ。それに早いとこ帰らないと、うるさいのが待ってるしな」 言って、晴人は不意に手を翳した。 眩い光が飛び込んできたのだ。空を見上げれば、いつの間にか朝日が昇っていた。 それはいつかの黄昏にも劣らぬほどの輝きに満ちた、夜明けの姿であった。 「……何度でも言ってやるさ」 ───操真晴人が自らの迷いを断ち切るに至った出来事。自身のアンダーワールドへ"希望"を託したという行為に、どのような意味が含まれているのか。 それは決して現実ではなく、既に失われた彼女の影に想いを馳せたに過ぎない。 自己満足と言われたならば、完璧な反論などできるはずもない。 しかし。 それでも、操真晴人がやったことに意味はある。 ゆっくりと、そして駆け足で。 確かに歩んだ道がある。 ささやかな、けれど決して消えない意味がある。 例え在りし日の残影であろうとも、そこに感じた想いは現実に他ならない。 ───だから。 「俺が、最後の希望だ」 大見得で切った啖呵が、偽りの空を震わせた。絶望の渦巻くこの世界を吹き払う祝いの神風であるかのように、ただ真っ直ぐに。 ───伸ばした手はきっと、あの青空へ届くだろう。 【クラス】 アヴェンジャー 【真名】 天魔・夜刀@神咒神威神楽 【ステータス】 筋力A 耐久A++ 敏捷A 魔力EX 幸運- 宝具- 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 復讐者:A 復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。 周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。 忘却補正:EX 忘れ去られたまつろわぬ旧世界の異物。忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。 人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。例え全てを奪い尽くされ、永劫にも等しい時間が過ぎ去ろうとも、決して。 魔力回復(自己):- 復讐が果たされるまでその魔力は尽きることなく湧き続ける。そう、全ては大欲界に支配された座が塗り替えられるその日まで。 【保有スキル】 鋼鉄の決意:EX 鋼に例えられる、アヴェンジャーの不撓不屈の精神。 全宇宙を覆い尽くす滅尽滅相の理に真っ向から立ち向かい、拮抗など到底不可能であった大欲界天狗道の流出を数千年に渡りたった一人で堰き止め続けたという事実、 そして次代を担う者たちへ希望を託すため、決して世界を終わらせないという意思を摩耗させることなく悠久の時を戦い抜いたアヴェンジャーのスキルランクは規格外のそれを誇る。 本来ならば同ランクの精神耐性・勇猛等を複合する特殊スキルとなるが、アヴェンジャーの場合はこれに加えてその強固な精神性を己の攻撃にも反映させることが可能。 直接的な攻撃の威力に大幅な補正を与える他、彼の放つ攻撃はあらゆるスキル・宝具の耐性を貫通しダメージを与えることができる。 その効果は奇しくも、彼が遥か昔に失ってしまった黄昏の女神の恩寵にも酷似している。 神性:EX 神霊適性を持つかどうか。 サーヴァントとして矮化し、尚且つ極限まで疲弊しようとも規格外となる神性の高さによる超越性の他、セファールの白い巨人や物理法則の具象化たる神霊とは異なる在り方から来る特異性によりスキルランクは測定外のそれとなる。 無窮の武練:A+++ ひとつの座の歴史において無双を誇るまでに到達した武芸の手練。心技体の完全な合一により、いかなる制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。 精神的な影響下は当然の事、地形的な影響、固有結界に代表される異界法則の内部においてすらその戦闘力が劣化する事はない。 超高次元空間である座の深奥や、大欲界天狗道に犯された滅尽滅相の宇宙ですら、彼の武勇が損なわれることはなかった。 反存在:- かつての戦いで疲弊し消耗した存在であると同時に、既に消え去った旧世界の残滓であるために現世界から存在を拒絶される異物であることを指す。 召喚時の基礎能力に大幅な低下補正がかかり、僅かな残滓程度の力しか揮うことができない。また単独行動時の魔力消費が増大し、幸運判定におけるファンブル率を極限まで増大させる。 【宝具】 『刹那残影・無間大紅蓮地獄』 ランク:■■■ 種別:■■■■ レンジ:■ 最大捕捉:■ 新世界へと捧げた超越の物語。時間と空間を凍結させ星天の運行すら静止させる極大域の神威。彼の悔恨、罪業、喪失の象徴にして愛しきものを守護するための理である。 現状、この神威は渇望の残滓を辛うじて残すのみに留まり、在りし日の力を流れださせることはできない。この舞台が聖杯戦争という形を取る限り、幾画の令呪を使おうと、例え聖杯の恩寵そのものを用いたとしても決して完全な形で発動することはできない。 【weapon】 ない。かつて手にした女神の刃を、彼が再び身に宿すことはない。 【人物背景】 神州において不可侵の領域と化した穢土に君臨する大天魔「夜都賀波岐」の一柱にしてその主柱。 自身の力の一端により、現世界から一年のうち黄昏の季節である秋の盛りを概念ごと奪い取り、穢土を常に黄昏で満ちた異世界へと変化させている張本人。 無間衆合により新生した姿ではなく、かつての戦いにより極限まで疲弊した姿での現界。 その正体は、旧世界において黄昏の女神を守護せし者の残骸。 全ての宇宙を終わらせる正真正銘の邪神を前に奮起し、たった一人悠久の時間をかけて邪神の理に浸食された世界と戦い続けた、全ての生きとし生ける者たちの恩人にして世界最後の希望だった者。 永劫に失われた想い人への祈りのため、そして彼女が愛した世界を守るために憎悪の泥を纏ってまで生き恥を晒し、仲間たちと笑いあったかつての情景を胸に抱きながら、次代を担う新鋭に全てを託し散っていった一人の男。 【サーヴァントとしての願い】 全ての決着はあの新鋭が成し遂げた。ならば自身に為すべきことは何もなく、ただマスターの「希望」に付き合うのみである。 【マスター】 操真晴人@仮面ライダーウィザード 【マスターとしての願い】 ない。喪失の過去は既に自分の中で決着がついている。 だが、強いて彼の願いを述べるならば───誰かにとっての最後の希望となる。その指針だけは、決して揺らぐことはない。 【weapon】 ウィザードライバー 晴人がウィザードへの変身やエレメント変化、各種の魔法を使用するカギとなるアイテム。 ベルト中央の手のひら状のパーツ「ハンドオーサー」に、ウィザードリングをはめた手をかざして使用するシステムとなっている。 従来の魔法使いに当てはめるなら『魔法の杖』といったところか。 右手用の指輪は必殺技の発動や巨大化に分身、専用武器の《ウィザーソードガン》や《ウィザードラゴン》の召喚等の魔法発動に使い、左手用の指輪は変身やスタイルチェンジに用いる。 ウィザーソードガン 銃と剣が一体化したウィザードの基本武器。銃としても剣としても使える他、変身前でも使用可能。 ウィザードリング 各スタイルへと変身するため、あるいは各種魔法を行使するために必要な魔法使いの指輪。 基本的なものは大抵揃っているが、ただ一つ「インフィニティウィザードリング」だけは彼の手に存在しない。 【能力・技能】 指輪の魔法使いであり、身に宿す魔力は極めて潤沢。ただし魔法使いと称されてはいるが意味合いとしてはあくまで魔術師の域を出るものではない。 ウィザードライバー及びウィザードリングを使用することで各種スタイルへの変身及び魔法(魔術)の行使が可能。 戦闘能力や特質は変身するスタイルによって大きく左右されるが、オールドラゴンを初めとした極めて強力なスタイルになることも可能である。 しかしそれら能力の行使には当然だが相応の魔力消費が必要となり、サーヴァントを使役しながらの変身には細心の注意が必要となる。 【人物背景】 サバトと呼ばれる生贄の儀式の生き残りとなった青年。 過去に両親を交通事故で失っており、その間際に両親が遺した「晴人は私達の最後の希望」という言葉を胸に刻みつけている。 表面的には飄々とした余裕のある態度を崩さない好青年だが、実際には負の面を人に見せないよう取り繕っているに過ぎない。超人でも狂人でもない、ほんの少しだけ心が強かっただけの青年。 自分にとって大事なものを見出し、それを失うまいと足掻き、それでも手を掴むことのできなかった少女が遺した最期の願いを聞き入れ、全てに決着をつけるため戦い続けた男。 本編終了後、「約束の場所」終盤においてアンダーワールドから帰還する直前からの参戦。 【方針】 この聖杯戦争が一体何を意味し、何を目的としているのかは知らない。だが、例えどのような場所であろうとも自分がすべきことは変わらない。 ───最後の希望となる。それだけは、決して譲らない。
https://w.atwiki.jp/f_go/pages/3577.html
+ アヴェンジャーのクラス特性 相性 ルーラーに有利、ムーンキャンサーに不利 スター集中度 30(バーサーカー以上、キャスター未満) 攻撃力補正 1.1倍 クラススキル 復讐者:被弾時NP獲得量アップ、自身以外の控えを含めた味方全員の弱体耐性ダウン忘却補正:クリティカル威力アップ自己回復(魔力):毎ターン少量のNPを獲得 - - 成長 種火、フォウくんはALLのみクラス一致 再臨素材 ピース、モニュメントを使わず、2種の素材を使用 スキル素材 スキル石を使わず、レベルごとに1種の素材を使用 - - その他 実装されている多数が混沌・悪(*1)
https://w.atwiki.jp/mallowaraskill/pages/861.html
[上級クラス/ウォーロード] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/holycon/pages/31.html
あれは何だと、男は問う。 工場からたなびく排気で汚れた、夜の豪雨を受けながら、男は胸中で繰り返す。 ざあざあと響く雨音も、服と身にまとわりつく不快感も、彼の疑問をかき消すには、それですらも不足だった。 男はマスターの一人だった。 神話のサーヴァントを与えられ、聖杯という奇跡の器を、奪い合う争いに乗った参加者だった。 悪くないステータスではあったものの、飛び抜けてもいない手駒に対して、彼が最初に取ったのは、魂喰いという手段だった。 人の魂を取り込ませ、サーヴァントの魔力とすることにより、発揮できる力を増幅させる。 少数ではさしたる効果は得られずとも、繰り返し魂を食わせ続ければ、やがては大きな力に変わるはずだ。 そう考えた男とサーヴァントは、慎重に、足跡を残さないように、昭和の町の人々を、少しずつ犠牲にしていった。 しかし彼は不運にも、その存在に出会ってしまった。 運悪く手はずを誤って、雑な仕事に甘んじた日に、たまたま他のマスターに、存在を気取られてしまったのだ。 マスターの顔を見てはいない。されどその者が引き連れているであろう、サーヴァントならばそこにいる。 少し高いビルの上で、雲の向こうの朧月を背負い、冷たい目でこちらを見下ろしている。 あれは一体何だというのだ。 魂喰いで強化されたはずの、自身のサーヴァントであっても、あれの前ではゴミ屑だ。 奴は先制攻撃に出たこちらの手駒を、顔色一つ変えることなく、滅多打ちにしてのけたのだ。 これは勝てないと判断し、諸共に撤退することを選んでも、こうして追いつかれてしまっている。 行き止まりという五文字が、頭の中に何度も浮かび、これ以上は逃げられないのだと、生きることを諦めかけてる。 あれは何だ。 あのサーヴァントは何者だ。 駄目だ、いけない。考えてはいけない。 あの月を背負うサーヴァントの、その名を思い出してはいけない。 どこからともなく聞こえてきた、敵マスターの攻撃命令――それと同時に発せられた、あの真名のことを考えてはいけない。 思えばあそこからおかしくなった。 もともと纏っていた刺すような殺気が、奴の名前を耳にした瞬間、何倍にも膨れ上がったように感じた。 その名の重みと言うべきだろうか。その言霊に押し潰されて、己のサーヴァントですらも、満足に戦えなくなったのだ。 ああ駄目だ、深読みするんじゃない。これ以上考えてはいけない。 奴の名前を思い出すほど、生が一歩ずつ遠のいていく。 奴の名前を思い返すほど、死が足に纏わりついてくる。 あれは死だ。死の化身だ。 恐怖によって身を縛り、十三階段へと引きずっていく、鎌持つ死神そのものだ。 何とかしなければ。でなければ死ぬ。 痛みと恐怖に震えながら、前衛に立っているサーヴァントと、諸共にあの世へ突き落とされる。 あの男が。 あの存在が。 己の首に縄をかけ、存在しない十四段目を、踏み外させようとするあの名前が―― 「――殺ったれ、■■■■■■」 モノクロは死の色。 月は死の星。 熱持つ太陽の対極に座し、冷たく光る天の月は、亡者を招く死出の門。 額に三日月を輝かせ、朧を背負いし白き者、天より降りてその命を断つ。 「……わぁあああああああっ!」 ◆ 悲しみを招くもの全てを、悪と断じるというのなら。 秩序を乱し恐怖をもたらす、彼の生き様と在り方は、なるほど確かに悪なのだろう。 ミズシロ火澄は、己が呼び寄せたサーヴァントを、そのような存在だと解釈していた。 (アヴェンジャー、か) 我ながら呆れるほどの悪運だと、火澄は内心で自虐する。 曰く、通常サーヴァントというのは、合計7種類の中から、自動的に割り当てられるものなのだそうだ。 しかしながら、火澄には、その前提が通用しなかった。 彼の目の前に現れたのは、騎士でも暗殺者でも魔術師でもない、復讐者などという肩書きの持ち主だった。 世に仇なす者、秩序を乱す者。 何かしらの不平を世界に叫び、己の有り様を認められないと、叫び抗い続けた者。 旧人類を駆逐するため、この世に降誕した悪魔の血筋には、ある意味でお似合いかもしれない。 「因果なもんやな」 「気に入らなかったか?」 独りごちる火澄へ、アヴェンジャーが問う。 用意された彼の自室で、静かに佇むサーヴァントは、全身白ずくめの少年だった。 細身の体躯だが、体にフィットしたスーツの下からは、くっきりと筋肉のラインが浮かび上がっている。 黒い前髪の下から覗くのは、海のように深く、そして、氷の怜悧さを宿した瞳だった。 「ま、それは死ぬ前のあんたが、何を考えとったかにもよるわな」 軽く笑みを浮かべながら、火澄が椅子に背を預ける。 身を反らしたミズシロ火澄の笑顔は、悪魔のそれとは思えないほど、屈託のない穏やかなものだ。 「結局何がしたかったん? 息を吹き返しかけた荒れ野の世界で、もう一度死を蒸し返したあんたは」 火澄は彼を知っていた。 アヴェンジャーの在り方を、ある程度その口かた伝えられてきた。 そしてそれ以上に細かな部分を、夢の中で見せられてきた。 魔力パスによる記憶混線――ミズシロ火澄が見てきたものは、恐るべき死神の記憶だ。 元いた時代において、彼は、死と恐怖の象徴だった。 高度に技術が発展し、意思を持ったロボット達が、群れなし王国を築いた世界。 ナノハザードがもたらした崩壊を、癒やしをもたらす女神の力で、何とか立て直した世界。 しかし、そこにアヴェンジャーは現れた。 抵抗するロボット達を殺し尽くし、女神の前に歩み寄り、恐るべき呪いをかけて立ち去ったのだ。 皆が死を忘れたら、自分は再び現れて、皆を殺しにかかる――と。 「……全て、知ったんだな」 「全部は知らへんて。せやったらこないなこと、わざわざ聞かんでもええやんか」 「………」 未だ謎に満ちたビジョンには、まだ隠された真実が眠っている。 なればこそ火澄が知りたいのは、そういう秘された部分なのだと。 そう言われたアヴェンジャーは、しばし沈黙すると、ややあってベッドの上に腰掛けた。 長い話になるかもしれない。そんな言葉にならない声が、彼の視線から聞こえた気がした。 「命は、ただ与えられただけでは、生きていくことはできないらしい」 ややあって、アヴェンジャーは口を開く。 低く、しかしよく通ることで、自身の道筋を物語る。 幸福に生きられるはずだった世界に、再び恐怖をもたらした、忌むべき死神の神話を。 「世界は救われたと、君はそう言ったな」 「事実、良くはなったはずやろ? 理不尽に命を脅かす病は、さっぱりと消え去ったんやから」 「全て消え去ったわけではないんだ。たとえ良くなったとしても、それは最善には、程遠かった」 アヴェンジャーは真実を語る。 火澄の知り得なかった事実を語る。 滅びた世界を救うために、荒野に降り立った女神は、心に病を抱えていた。 一度その身に死を味わい、死に恐怖した彼女の行いは、結局はそこから逃避するために、死を消していただけに過ぎなかったのだ。 救済など建前に過ぎない。なればこそ、死が恐怖を揺り起こすのなら、彼女は平気で切り捨てる。 救いきれない末期の命を、かつての己を思わせる命を、彼女は容赦なく見放した。 無差別に死が蔓延る世紀末は、理想など取り戻したはずもなく、女神の機嫌が生死を分かつ、暗黒郷へと変わっただけだったのだ。 「求めたのは死そのものやなく、死から目を逸らさへんっちゅうことか」 「彼女は……彼女の国の人々は、皆ただ生きているだけだった。死者を哀れむ心も、こう生き抜きたいという心も、どこにもありはしなかったんだ」 そういう意味では、己は確かに、死という概念そのものを、彼らに求めたのかもしれない。 死というタイムリミットがなければ、ロボット達は漫然と、変わらぬ怠惰の中に囚われ続ける。 死という恐怖を理解しなければ、その恐怖に苛まれる者に、同情も慈しみも抱かなくなる。 なればこそアヴェンジャーは、死神として、彼らを脅かさなければならなかった。 生と死が不可分であるならば、絶対の生たる女神の影には、絶対の死が必要だったのだ。 それは彼らよりも遥か昔に、絶対の存在となった者――決して死ぬことを許されない、不死の牢獄に囚われた、アヴェンジャーにしか為せないことだった。 「見捨てられた者の無念を晴らす……か」 故に、彼は復讐者なのだ。 冷たい光を放ちながらも、悪意や害意は感じられない、この静かな男には、似つかわしくないと思っていた。 しかし、社会から弾かれた者の、痛みと悲しみを一身に背負い、義憤と共に立ち上がった彼は、紛れもなく復讐の執行者だったのだ。 火澄はそのように理解した。 「君にとって、この答えが、満足に値するものなのかは、僕には分からないけれど」 サーヴァントはそう締めくくる。 彼が自らをそう語っても、これこそがミズシロ火澄の求めた、アヴェンジャーの真実だ。 人々の幸福を叶えるために、反逆者の汚名を自ら被って、彼は死神と成り果てたのだ。 自らが尊いと思ったもの、こう在りたいと願ったものを、永遠にその外側から、傍観し続ける罪を背負ったのだ。 「……神は与え、神は奪う」 ややあって、火澄はぽつりと呟く。 一瞬口を噤んだうちに、胸に浮かんできた言葉を、そのまま声にして口に出す。 「アヴェンジャーは知っとるか?」 「いや。本当を言うと、神がどういうものなのかも、僕は詳しくは知らない」 「せやろな」 ロボットは神の存在を知らない。 人から教えられることがなければ、教えようという考えを持たなければ、彼らは宗教を理解しない。 偏見かもしれないが、そうであるなら、救いを忘れた荒野の世界で、彼が聖書など学ぶはずもなかった。 「ちゃっちい喩え話やと、飴と鞭なんて言い方もあってな。 人が良き人たらんとするには、褒めて与えるだけやのうて、叱って罰する必要もあるっちゅうこっちゃ」 神の存在は二律背反。 時には善行の見返りを与える、豊穣の権化となることもある。 しかし時には、悪行を裁く、祟り神となることもある。 善人が報われるだけの世界なら、たとえ善行を怠っても、あるいは悪行に走ったとしても、その実損失を受けることはない。 なればこそ、何も奪われないのなら、何をしても構わないはずだと、無軌道に悪を為す者も現れるのだ。 「あんたは世を乱したかもしれん。せやけどそれは、あってはならない、歪で狂った世の中や。 それを憂い、正そうとした心は……多分、間違ってはおらんかったと思う」 我欲にまみれた悪意だけで、彼が戦ったわけではないのなら。 誰もがそうあるべきと理解して、然るべきはずの在り方に、世を戻そうとしたのなら。 彼の復讐は、不正ではあっても、悪行と呼ぶべきではないはずだ。 彼は死神であり祟り神であっても、悪魔と呼ぶべきではないはずなのだ。 であるなら、そんなアヴェンジャーとなら、肩を並べて戦える。 自分はその答えに満足した――それが火澄の答えだった。 「……それでも君は、抗うんだな」 そして今度は、アヴェンジャーが、マスターに問いかける側だった。 死をもたらす祟り神の存在を、必要なものだと認めながらも、自らは死を認めないのかと。 そう問われたミズシロ火澄は、静かに微笑んでいた顔つきを、一瞬、ぴくりと引きつらせた。 「君はいずれ、多くを巻き込み、滅びを迎える命だと言った。 その運命を覆すため、犠牲を強いるのが聖杯戦争……それを理解しながらも、君は、抗い戦うんだな」 意志を問うているのだ、この男は。 中途半端な殺戮には、自分は決して加担しない。 他者の願いと命とを、その手で踏みにじるというのなら、相応の覚悟を見せてみろ。 この、誰よりも命を尊んだ、心優しい死神は、それ故にミズシロ火澄の殺意に、誠意と決意を求めているのだ。 遂に一人のマスターの命を、その意志その命によって葬らせた、目の前の殺人者に対して。 「……神が命を奪ったんは、神だけが法の時代だったからや。人の裁き以上の死が、今の世の中に要ると思うか?」 この文明社会で生きたお前に、分からないはずもないだろう。 表情を引き締めたミズシロ火澄は、アヴェンジャーに問いかける。 「俺はな、アヴェンジャー。何も俺一人だけが、助かりたいと思てるわけやない。 俺の運命が覆るなら、それがその運命に巻き込まれた、大勢の死なんでもええ命も、諸共に救われることを知っとる」 ミズシロ火澄は本物の悪魔だ。 旧人類を駆逐して、より優れた能力を授かった、ブレード・チルドレンだけが繁栄を築く。 そうした筋書きを達成するため、魔王によって産み落とされた、滅びと支配の導き手だった。 そしてその存在は同時に、人の敵を討ち滅ぼす神が、最後のとどめの引き金とすべく、盤上に仕立てあげた駒でもある。 野望に巻き込まれた悪魔の子供が、真っ当に人として生きていく。 死によって終局を招く火澄の、その死をなかったことにするには、彼らを巻き込む運命そのものを、全て破壊するしかないのだ。 「一度は手を伸ばそうとしても、その手は届かへんと言われ、諦めるしかなかった未来や。それをまた諦めきれるほど、俺は人間できてへん」 世界を救うには時間がない。 真っ当な手段で道を拓くには、火澄の授かった命には、あまりにも問題が多すぎた。 それでも手を伸ばせば、その先には、一時の間に全てをなしうる、常理を超えた奇跡がある。 サタニスト達に崇められながら、それでも人でしかない火澄には、成し遂げられない偉業ですらも、達成できる力がある。 であれば、犠牲を求める器だからといって、そこに手を伸ばさないというのは、かえってブレード・チルドレンへの裏切りになるはずだ。 それは自分と同じ人として生まれた、あの根暗な神の弟とやらよりも、縋るに足るものであることは間違いない。 一度は目指したその道を、再び歩むことに対して、ミズシロ火澄に迷いはなかった。 それを諦めるしかないことに、葛藤と絶望を感じていたのなら、なおさらそうせずにはいられなかった。 「死の神よ。断罪者『キャシャーン』よ。お前は死の運命を乱す俺を、罪人として罰するか?」 故に、火澄はサーヴァントに問う。 自分は間違っているかと。 己の決意は、お前の眼鏡に、かなうものであってくれているかと。 キャシャーン――復讐者の肩書きの奥に隠れた、彼の真名を口にして。 彼は己の使い魔にでなく、死神として生きた英霊の、その生き様に答えを求めた。 「……間違っていないと言ったのは、君だ」 それがキャシャーンの答えだった。 過ちであり、罪であっても、それを背負うと心に決めた、アヴェンジャーの在り方を、悪意ではないと認めたのは火澄だ。 なればこそ、認められたキャシャーンに、彼を拒絶することなど、できるはずもなかったのだ。 「サンキューな」 少し緩んだ顔をして、ふうっと息をつきながら。 胸を撫で下ろしたといった様子で、火澄は感謝の言葉を述べた。 正直、本気で殺されるかもしれないと、心のどこかでは思っていたのだ。 悪魔級に往生際が悪い、ミズシロ火澄の豪運と言えど、本物の奇跡を前にしては、通用するとは限らない。 それほどまでに、キャシャーンという男は、強く、恐ろしい男だった。 だとしても、彼の素顔を知った意味では、不思議と彼に対する恐怖も、薄れていったようには感じた。 「……死の実感が欲しくても、決して理解を許されへん牢獄か」 だからこそ、見えてきたことがある。 この不死身の超人を前にして、認めてはならないと思いながらも、湧き上がってしまう感情がある。 「それでもやっぱ、妬いてまうな」 死に脅かされることのない、完成された純白の命。 それは狂った遺伝子の内に、自滅のプログラムを仕組まれた火澄が、望んでやまなかったものだ。 世界を救えるというのなら、それでようやく等価になると、それほどに呪った宿命だった。 だからこそ。 口では二の次のように言いながらも、どうしても思ってしまう。 同じように生きられたなら、どれほどよかったことだろうと。 刻一刻と迫り来る、全く長くない寿命に怯えず、生きていくことができたなら、どれほど素晴らしいことだろうと。 それがキャシャーンの在り方を、心底から侮辱する考えだと知りながらも、火澄は、思わずにはいられなかった。 張り詰めた緊張を解いて、きょとんとした顔をする英霊に対し、火澄は苦笑混じりに言った。 【クラス】アヴェンジャー 【真名】キャシャーン 【出典】キャシャーン Sins 【性別】男性型ロボット 【属性】混沌・中庸 【パラメーター】 筋力:A 耐久:C+ 敏捷:A 魔力:E 幸運:E 宝具:B 【クラススキル】 復讐者:C あらゆる調停者(ルーラー)の天敵であり、痛みこそがその怒りの薪となる。 被攻撃時に魔力を増加させる。 忘却補正:- 正ある英雄に対して与える“効果的な打撃”のダメージを加算する……のだが、キャシャーンはこのスキルを有していない。 その名が消えることはあり得ない。死を司る神の名が、世界から忘れられた時、秩序を失った死は、再び世界を脅かすだろう。 自己回復:EX この世から怒りと恨みが潰える事がない限り、憤怒と怨念の体現である復讐者の存在価値が埋もれる事はない。 自動的にダメージが回復される。後述した宝具により、そのランクは規格外の領域まで跳ね上がっている。 【保有スキル】 戦闘続行:A+ 基本的に死ねない。他のサーヴァントなら瀕死の傷でも、戦闘を可能とする。 不死殺し:B 死と再生を司る、太陽を堕としたことに基づく逸話。 アンデッドや不死者などに対して、与えるダメージがアップする。 直感:C 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。 敵の攻撃を初見でもある程度は予見することができる。 【宝具】 『月という名の太陽を殺した男(カース・オブ・ルナ)』 ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:- 女神を殺した罪の証。 永劫に死ぬこともない代わりに、真に生きるということも実感できない生の牢獄。 どれほどの傷を負ったとしても、それに比例した苦痛を伴い、瞬時に再生する自己修復能力である。 キャシャーン自身の意志でも、マスターが令呪を使ったとしても、オンオフを切り替えることはできない。 このサーヴァントを殺すには、亜空間にでも追放するか、分子レベルまで完全消滅させるかしかない。 仮に前者を行ったとしても、マスターに令呪がある限りは、 強制転移によって帰還させることができるため、基本的には後者以外の攻撃は意味をなさない。 ただし肉体の再生には、当然マスターの魔力消費が伴う。 復讐者スキルによる回復も、度が過ぎれば追いつかなるなるので、過信は禁物。 規格外の再生能力を誇るが、科学技術に由来する宝具であるため、神秘性はさほど高くない。 『最悪の存在(テラー・オブ・デス)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~40 最大補足:100人 自らが背負った血の罪科。 世界の恐れと憎しみを背負った、最悪の死神の称号。 このサーヴァントの真名は、彼が生きた世界において、極めて特殊な意味を持つ。 「キャシャーン」の名はそれを聞く者に、死の恐怖を想起させ、身と心を縛り萎縮させる。 キャシャーンと相対し、その真名を聞いた相手は、恐怖により大きく精神を揺さぶられる。 その上、一度刻まれた恐怖心は、容易く拭い去れるものではない。 戦闘終了後も、その恐怖はトラウマとなって残留し、再び顔を合わせることがあれば、即座に効力が蘇る。 この宝具の効果を抹消するには、Aランク級の解呪の魔術を使うか、あるいはマスターを倒しキャシャーンを脱落させるしかない。 同ランク以上の精神耐性系スキルがあれば、効果を軽減させることは可能。 また、死神としてのキャシャーンの逸話が具現化したものであるため、彼の人となりを理解したものに対しては、効果が激減する。 【weapon】 腰部にはブースターが搭載されており、瞬間的な加速が可能。 【人物背景】 月という名の太陽を殺し、世界を滅びへと導いた男。 取り返しのつかない罪を贖うため、尊い命を守るために、死神の忌み名を背負った男。 選ばれなかった弱者を救いながらも、選ばれた強者の秩序を破壊したために、反英霊の十字架を科せられた男である。 再び昇った太陽は、世界に蔓延した死を消し去るため、再生の力を振るい始めた。 しかし死への恐怖を芽生えさせた彼女は、次第に癒やす相手を選り好みし、死へと大きく近づいた者を、遠ざけ切り捨てるようになった。 怒れる男は悲しみを胸に、選ばれなかった命を背負い、再び太陽の王国に現れる。 襲い来る敵を皆殺しにし、玉座へとたどり着いた男は、再び太陽に呪いをかける。 いたずらに命を奪うことは許さない。人々が再び死を忘れ、傲慢に振る舞うようになれば、何度でもこの地へ舞い戻り、同じ死と滅びをもたらす――と。 本質的には、限りある命の儚さと、命を全うしようとする姿勢の尊さを知った、優しく思いやりのある人物である。 その優しさ故に、彼は命を脅かす者、粗末に扱うことを許さず、冷酷な死神にもなり得るのである。 死ねない呪いをかけられた彼が、いついかなるタイミングで死んだのかは不明だが、 満足に死ぬことが出来ない彼にとって、限りあるが故の「生の実感」は、何よりも羨むべきものであったという。 【聖杯にかける願い】 ??? 【運用】 自らの真名が知れ渡ることが、有利になることに近づくという、極めて特異なサーヴァント。 高い戦闘能力に、恐怖による相手の萎縮が重なれば、極めて戦闘を有利に運ぶことができるだろう。 ただし、過度な再生能力の乱用は、即座にマスターの首を締め、魔力切れへ一直線に転がり落ちることへと繋がる。 徒手空拳以外の攻撃手段を一切持たず、戦術自体はかなり限られてくることにも注意したい。 【マスター】 ミズシロ火澄@スパイラル~推理の絆~ 【マスターとしての願い】 神と悪魔の運命に打ち勝つ 【weapon】 なし 【能力・技能】 天才 万能の天才。あらゆる分野において、並外れた才能を有している。 スポーツをやれば全国クラスの猛者とも渡り合い、学問を修めれば高校生にして、専門家も舌を巻く論文を披露するほど。 その出自から、遺伝子工学分野に強い関心を持っており、13歳で一度大学に進学し、研究を行っている。 悪魔の豪運 呪いじみた悪運の強さ。 決められた役割を演じきるまでの間、火澄は基本的に死ぬことができなかった。 何者に襲われても幸運が彼を救い、自ら命を絶とうとしても運命が彼の邪魔をする。 ……ただし、運で全てを切り抜けられるのは、あくまでも人の世の話。 人を超えた力を持たない火澄にとって、超人同士の戦いは、運だけでどうこうできるものではないだろう。 クローン人間 火澄はミズシロ・ヤイバの本当の弟ではない。 彼の体は、ヤイバの遺伝子情報から生み出されたクローン人間である。 ……しかし、不完全な技術で生まれた体には、致命的な欠陥が存在する。 本聖杯戦争で表層化することはないが、彼の体は成人する以前に、劣化による死を迎えると言われている。 【人物背景】 かつて政財界を陰日向に操り、世界を己が血脈で満たそうとした「悪魔」ミズシロ・ヤイバ。 彼の歳の離れた弟として、世界に姿を現したのが火澄であり、同時にヤイバの志を引き継ぐため、彼の血と才を受け継いだクローンでもある。 しかし火澄は、現行人類の世界を滅ぼすことを良しとせず、ヤイバの構築したプログラムを破壊する術を探していた。 だがその過程で、自らの寿命による限界を知った彼は、絶望し逃避の道を選ぶようになる。 先に生まれたオリジナルと、自身との能力差を見せつけられず、健全に育てられたため、性格は至って朗らか。 しかしその仮面の下では、抗えない死の運命に対する恐怖と、それを分かち合えない孤独に震え続けていた。 そんな火澄を殺すために、火澄と同じ条件で生を受けた、「神」の弟・鳴海歩に対して、火澄は使命を捨て共に生きていくことを望むのだが…… 今回は、彼との決定的な決別を招く、ある少年の殺害よりも、早い時点から参戦している。 【把握媒体】 アヴェンジャー(キャシャーン): テレビシリーズ全24話。 レンタルDVD、およびバンダイチャンネルでの視聴が可能。 ミズシロ火澄: 漫画単行本全15巻。 11巻の最終ページで初登場するため、全巻の読破がほぼ必須となる。
https://w.atwiki.jp/mg_rpg_ar_dic/pages/1222.html
[RA,Sp,1,20,10,1/AkRA→[Tmg MA]Sp(c1)R Sp反撃] ☆☆☆ 回避特化のウィザードもいないだろうし手数を増やせるのは悪くない。特にコンボの起点に良く、《アーススパイク》を決めてやればエクスプローラーが喜ぶだろう。あとは一応、味方に支援魔術を配ることにも使える。使う魔術の射程・対象は無関係なので《マジックキャンドル》を飛ばして処理をおかしくすることもできるが、《ルインストーム》なんかも20mより先には飛ばせない。戦術が求めるなら《メンターワイズ》も考慮すべきだろう。高コストの問題も多少は緩和できるはずだ。 2回攻撃に対して《キャンセルマジック》を使えば対象が使用したマイナーの魔術を打ち消すことも可能。といっても攻撃側ダメージロールの後になるうえ《オルタナティブウェポン》しか該当しないのだが。 -- 灯 (2009-11-19 17 20 09) 名前 コメント