約 1,086,093 件
https://w.atwiki.jp/talesofrebirth/pages/61.html
2/169 アウェンガー 種族 昆虫 Lv 13 HP 1981 Gald 45 Exp 29 斬撃 打撃 術撃 攻撃力 228 114 68 防御力 118 116 114 アイテム レタス 12% ニンジン 5% 防御行動 味方RG一定以下 弱点 鋼体 半減 防御 属性 - - - - 出現場所 迷いの森 マオ評価 ムラサキバチのバイラス。 空を飛んでて攻撃が当たりにくいけど、 ボクのフォルスなら関係ないネ! 出現パターン アヴェンガー アンクロウラー ペルキィー アヴェンガー×2 フィオトラス×2 アヴェンガー ペルキィー フィオトラス×2
https://w.atwiki.jp/ro-vita/pages/138.html
ホーリーアヴェンジャー 神罰を代行せし聖なる復讐者の衣服 カードスロット キャパシティ 金額 材料 付属カード効果 8 50 12000 炎狼の毛皮×1柔らかい布×6歴戦の頬毛×1ゼロピー×12 カウンター性能アップカウンター変化B 拡張回数 キャパシティ 金額 材料 1 55 2000 エルニウム原石×1 2 60 2500 エルニウム原石×3柔らかい布×4アクアマリン×7ホロホロする羽毛×6 3 65 3000 エルニウム原石×5柔らかい布×6白い飾り羽根×4モィモィの尻尾×3 4 70 4000 エルニウム×1 5 75 5000 エルニウム×3ふかふかの胸毛×4ふさふさの頬毛×4 6 80 7500 エルニウム×5透明な布×4極寒の腰当て×4 7 85 10000 エルニウム×10透明な布×6黄金の円輪×4 8 90 12500 希少なエルニウム×1 9 95 15000 希少なエルニウム×3古木の枝×3瑞々しい葉脈×6 10 100 20000 希少なエルニウム×5輝く布×5希少な皮×2発光物質×1 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ffwm/pages/71.html
リュータ&アヴェンジャー◆GTQfDOtfTI 正義はこの大地にはなく 在るのは絶望渦巻く血と涙で塗り固められた残骸のみである。 私たちの救いは、楽園は、何処にあるのだろう。 世界から争い事がなくなり、平和に幸せに生きていける未来。 そんな夢を、いつまでも願い続けたい。 レメディウス・レヴィ・ラズエル 日記の遺稿より 皇歴四九六年 △ リュータ・サリンジャーが記憶を取り戻すのに、そう長くは時間はかからなかった。 聖杯戦争。知ったことも聞いたことのない催しではあるが、この程度では、自分の怨嗟を消し去ることなんてできやしない。 どれだけの絶望が降りかかろうとも。どれだけの戦いを経ても。どれだけの絆を紡ごうとも。 絶やしてはならない炎がある。忘れてはならないモノがある。 リュータの運命を決定づけた出来事。正義による虐殺。 自分を育ててくれたファミリーは悪党だった。因果応報の末路をいつ迎えてもおかしくない人間しかいない、報いの果てが其処にある。 「俺にとっては大切な家族だった。何よりも。誰よりも」 どんな悪行を重ねていようとも、ファミリーの人達はリュータにとっては大切な存在だった。 殺されて当然の屑だろうが関係ない。彼らがリュータへと親切にしてくれた事実は揺らがないし、塗り替えられない。 「許せるはずがない。どんな大義があろうとも、俺の家族を殺した事実は絶対に消えない」 大事なのは、許せるか、許せないか、だ。大義など、知った事か。 高尚な理想を持つのは大いに結構だが、その礎に自分達がなるのはまっぴら御免である。 その死に、その虐殺に意味があったとしても、リュータは認めない。 「アーチェスだけは絶対に殺してみせる。ただし、その仇は此処にはいないときたら、笑っちまうぜ。神様俺のこと嫌い過ぎだろ?」 例え、その仇が自分の想像を超えた傑物であろうとも。 アーチェスの抱いた理想が世界を救うものであろうとも。 リュータはその理想ごと彼の全てを踏み躙ると決めたのだ。 法は彼を縛らない。天や神は救いなんてものを与えてくれない。 ならば、自分がやるしかない。自分の手で復讐を遂げる意外に道はなかった。 殺して、壊して、跡形もなく消し去らないと気が済まない。 アーチェス・アルザンテというクソッタレは必ず殺す。 どんな汚い手を使ってでも、家族の仇を討つ。 その為に、乗り込んだ戦いが聖魔杯であり、自分はその戦いの真っ最中だったはずだ。 ――そして、アイテム探しのダンジョンで見つけた白紙のトランプ。 それが、この異なる戦争への入り口だったのだろう。 気づけば自分は記憶を奪われ、よくもわからない街へと飛ばされていた。 今の自分に起きている出来事は夢か現か、それさえも確かではないというのに。 幸いなことに装備は仮住まいのゲストハウスに一式残っていたので、安心である。 「まあ、そうなってくるとよ……この戦いで勝ち上がるしかねぇ。優勝しなきゃ帰れねえって言うんならやるしかねぇよな」 残された道は聖杯戦争で優勝して、元の世界に帰るものだけである。 生き残るが為に。勝ち上がって、憎き仇をこの手で殺す為に。 そうすることでしかこの内々に眠る怨嗟は晴らすことができないのだから。 「なぁ、アヴェンジャー。俺にお誂え向きのサーヴァントさんよ」 そして、それは引き当てたサーヴァント――アヴェンジャーも同じである。 何せ、名前からして復讐ときているのだ。まるで、自分が引き当てることが運命であったかのように。 相対する男は黙したまま、リュータを見つめ続けている。 両の眼は遮光眼鏡に隠され見えないが、リュータにはわかる。 アレは、自分を見定めている。復讐という言葉の中身を、吟味しているのだ。 砂色の髪、細さを極めた顔つき。健康的な肌の色とはとても思えない土塊のような顔つき。 刻まれた傷は縦横に広く付けられている。 「俺には、死ねない理由がある。他の奴等にとってはンな理由はくだらねぇの一言で済ませられるかもしれねぇ。 けどよ、俺はただこの理由の為だけに生きてきた。強くなろうって誓って、ずっと走り続けてきた」 一目でわかる。彼もまた、自分と同じく奪われた者なのだ、と。 理不尽に奪われ、泣き喚き、そしてその果てに一つの決意を固めた復讐者。 自分の辿る可能性とも言える存在が今、此処にいる。 「誰が何を言おうとも俺自身の手でアーチェスを殺す。俺の復讐は俺だけのものだ、誰にも邪魔はさせねぇ」 改めて、自分にも、サーヴァントである彼にも誓う。 この復讐こそが生きる理由であることを。 世界を台無しにしてでも成し遂げたい願いなのだと。 「…………その末路が、何も生み出さないとしても」 ぼそり、と言葉が返ってくる。 捻れ、歪み、本来の声から掛け離れた、この世全てに裏切られたかのような悲痛さが混じった声。 たった一言。それだけで、リュータの全身には怖気がはしる。 人はここまで、“終わってしまう”のか。 何も振り返らず、何も認めず、何も許せず。 ただひたすらに理想の極地にまで歩くその様は、殉教者のようで。 「それでも、右手を伸ばすか」 彼は問いかけているのだろう。ここから先は後戻りができない一本道である、と。 これ以外に道はない、賢しげに回り道など許されない修羅へとなる覚悟。 アヴェンジャーは、まだ戻れるのだと言外に伝えているのかもしれない。 「決まっているさ。いや、決まっていた、最初から、あの日、あの時ッ! ファミリーが殺された時から、俺の運命は全部示されていたッ! 復讐以外の道は、考えられない!!!!」 それでも、リュータは復讐を選んだ。 この選んだ道が間違いではないと信じている。 自分だけは、その選択肢を後悔しないと胸に刻んでいる。 「………………いいだろう。その言葉、嘘偽りがないものと受け取った。この時より、私はおまえのサーヴァントだ」 伸ばした右手は取られ、彼らの願いは一つの意志となる。 復讐という大きなうねりとなって、聖杯戦争を荒らしていくだろう。 「アヴェンジャー――ズオ・ルーがこの聖杯戦争を塗り替える」 我欲で、浅ましく。それでいて、決して捨てきれない綺麗な思いが一欠片。 二人の復讐者は前へと進むしかない。 それは、断ち切れない運命の輪であり。世界は、いつだってこんなはずではということばかりなのだ。 そんな理屈を認められず、足掻き続けた馬鹿な人間達が――復讐者と呼ばれるのだろう。 【クラス】 アヴェンジャー 【真名】 ズオ・ルー(レメディウス・レヴィ・ラズエル)@されど罪人は竜と踊る 【ステータス】 筋力:C 耐久:B 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:E 宝具:B 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 復讐者:A あらゆる調停者(ルーラー)の天敵であり、痛みこそがその怒りの薪となる。 被攻撃時に魔力を増加させる。 忘却補正:B 復讐者は英雄にあらず、忌まわしきものとして埋もれていく存在である。 正ある英雄に対して与える“効果的な打撃”のダメージを加算する。 彼の存在は正しく伝えられることなく、戦火の焔へと埋もれていった。 自己回復(魔力):A この世から怒りと恨みが潰える事がない限り、憤怒と怨念の体現である復讐者の存在価値が埋もれる事はない。 これにより、魔力に乏しいマスターでも現界を維持できる。 【保有スキル】 鋼鉄の決意:EX 絶望に絶望を重ねても尚、理想を保ち続けた強靭な精神力。 ランクに応じて精神的な攻撃を跳ね除ける効果を持つ。 咒式:A 魔法とも言える超科学。もしくは科学による魔法。 才能と知識が必要な技術を彼は苦もなく操ることができる。 軍略:B 多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。 一流の策謀家をして本当の天才と称される彼の繰り出す一手は神算鬼謀である。 ただし、その策謀は論理と正しさだけに頼り切りであり、不可解な物事には弱い。 道具作成:B レメディウスは生前の経験から魔杖剣――魔力を帯びた器具を作成できる。 【宝具】 「内なるナリシア」 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1人 咒式を戦闘や破壊作業等で使用するために必要な武器。 そして、最愛の少女の名前を冠にした忘れ得ぬ罪の象徴。 【weapon】 内なるナリシアを媒介に繰り出す咒式。 【人物背景】 全てを奪われた男。最後に残った理想すら護れなかった哀れな男。 もしも、もしもの話――彼がアヴェンジャーではなく、キャスターとして呼ばれていたら、きっと救いはあっただろう。 【聖杯にかける願い】 復讐を。理不尽に抵抗を。 【マスター】 リュータ・サリンジャー@戦闘城塞マスラヲ 【マスターとしての願い】 復讐を。どんな道理があろうとも、報いを受けさせる。 【能力・技能】 卓越した身体能力、数々の経験、そして不屈の精神力。 手持ちの銃火器、日本刀、ナイフを難なく操る戦闘力も高い。 【人物背景】 家族を奪われた男。そして、その怨嗟から解き放たれるはずだった男。 【方針】 生き残る。
https://w.atwiki.jp/fro2018/pages/71.html
「■■■■」 ――真後ろから、名前を呼ばれたような記憶がある。 しかし、その記憶は、後に思い出そうとするたびに全く違った色合いを伴ってしまう。 女の声だったような気もするし、男の声だったような気もする。 始めての失恋のように懐かしく胸を刺激ものとして思い出される時もあれば、まるで他人事のようにひどく淡泊なものとして思い出される時もある。 だから、それが実際の記憶だったのか、それともただの夢や作り上げた空想の記憶なのか、オレにはもうわからない。 その時でさえ曖昧だったのだ。 それから先、あまりにも時間がたちすぎてしまった。 そう、途方もないほどに、時間がたちすぎてしまった。 「あん?」 とにかく――その時。 オレは、それを聞いて振り返ろうとした瞬間、すさまじい形相のそいつを見る事になる。 そいつは、武器を持っていた。殺意があるのは、次の瞬間矢じりをオレの指先に掠らせた機敏な動きですぐにわかった。 オレにも、持ち合わせた武器がいくつかあった。矢、斧、槍――後でそう呼ばれる類の武器だ。ただ、この時はまだあまり洗練されていない鉄くれに過ぎなかった。 とにかくオレは、憮然としつつもそいつを必死に振り回して、何度かそいつを軽く傷つけたが、何分地の利が悪すぎた。 オレはあまり自由に動けない場所に立って、背中を取られたまま、必死に身動きを取るようにしてそいつに抵抗していたのだ。 ――しかし、なぜ。 そう思った。 なぜ、そいつはオレの命を狙ったのか? ――それは、その時もまたわからなかった。 ただ、疑問だけが湧いた。 「くっ……!」 打撃はオレの首筋へと至った。鋭い何かが、オレも気づかぬうちにそこを射止めていた。 直後に、冷ややかな線が首筋に走り、凄絶な痛みと刺激に襲われていく。 手で触れると、鮮血がオレの手にこびりついた。 それはとめどなく流れ続け、オレを焦らせた。血が止まらないのがわかる。 「ァ……――な、…………ぜ…………」 そうしてオレは、力を失いそこに倒れた。 すぐに体は動かなくなった。 目の前で残雪が朱色になって溶けていく。 大河が轟音を立てているそばで、オレはそいつがそこにいるのか、もう消えたのかもわからないまま寝そべっていた。 首元に残る鈍痛と、冷えていく体、遠ざかっていく意識。 ――冷たい。 そう感じた。 溶けた残雪のかたまりが、木々に持たれるのをやめてオレの身体に圧し掛かったのだ。 オレの視界は完全に闇に包まれた。全てが冷たい雪に覆いかぶさった。 それから、オレの姿を探ったものがいたとして……オレを見つけられる者はいないだろう。 遂に、オレは完全にその命を絶った。 生まれてから死ぬまで、あらゆる喜びと悲しみを繰り返した。 幾人が帰ってこられなかった山を友と登り、共に生還した日も。 我が誇りたる父の死も、愛する母の死も。 命と命のとり合いや狩りに出されても、ほとんど死ぬような状況であれ生き抜いた数十年も。 ただ穏やかに過ごした、平和な一日一日も。 そして、どうあれ明日も生きていくはずだった。 そんなオレの人生にトドメを刺した何者か――。 それは、最後の瞬間、怒りや憎しみ、痛みや悔しさ――あらゆる感情と同時に、ぷっつりと記憶の外に外されてしまった。 ――誰が、何故、俺を殺した。 今はただ、それだけが知りたい。 これだけ時間を隔てても――いや、隔てたからこそ尚更――オレの胸にお前への憎しみはないのだ。 だから、オレはオレの為に、お前の名だけ知りたいのだ。 オレの人生にピリオドを打った、そいつの名前さえ知る事ができれば、それで満足なのだ。 ただ一人の人間として、それを願うのは罰当たりか? 今より先、世界が滅びるまでどれだけの人間が生まれ死んでいくかはわからないが――その一人として、己の死を飾ったその真相を知りたいと思うのは間違っているだろうか? 根拠もない。これといった心当たりもない。 ただ、頭の中を巡る様々な可能性を考え続け、誰も信じられず、誰も疑えず、孤独になった。 関わった者すべてを疑い、疑いきれず。信じようとしても、信じ切れず。 そんな夢を見ていた。 「■■■■」 あの時より五千年。 オレはそれを知りに行く。 そのためならば手段は問わない。 しかし、胸を張り殺しに行くだろう。――すべてを知り尽くすために。 ◆ 京都府京都市。背の低いビル群から垣間見える永久のオリエンタリズム。 点々と残る数百年前の歴史と、その周りを取り囲む当世風の――特徴のない建物たち。 何となしのビル。何となしの家。何となしの駅。 あまりにも……あまりにも……、そこは戦に向いていなかった。 小規模な戦に晒される事はあっても、長らく大きな破壊を伴う戦いのなかった地である。 人々が、「先の戦い」と呼んだならそれは応仁の乱だ、という冗談さえも在る。 ――それくらいの間。五百年もの間、戦争が壊す事のなかった都。 それが、京都という地であった。 勿論、第二次世界大戦で全くの被害がなかったわけではないが、今始まろうとしている戦いは時にそれ以上の破壊を齎す事が想像に難くない。 夜――さる人々は、願いと羨望を胸に杯を目指すだろう。 聖杯戦争という、戦に生きた者たちのバトルロワイアル。杯を目指す魔術師たちに従えられ、戦士がよみがえる。 今夜もまた――、顕現した一人の英霊が街を眺めていた。 ◆ 「――」 それは、『私』にとっては不意打ちであった。 一人暮らしの私の自宅に及んだ、あまりに唐突な戦争の狼煙である。 フローリングの床に浮き上がった朱色の魔法陣より出でた巨大な光、そして私の腕を這う鋭い痛み。 「っ……!!」 聖杯戦争。 なんとなくどこかから教えられていた、そのゲームとそのルールが頭に浮かび上がる。 班目機関によるバイオテロと偶然そこにあった憎しみとが生み出した――あの夏の忌まわしい事件から少し経ち、今日。 また。再び。私は極限の事件に巻き込まれる事になった。 それは今までに遭遇した殺人事件の類ではなく、ファンタジックな戦争の物語で――便宜上『探偵少女』などと呼ばれた私からすると、専門外の事態かもしれない。 しかし、どうあれ、自らのもとにあの呪いめいた体質が呼び起こした不運の一つなのだろう。 私は、どうあれ抵抗するしかない。自らが巻き込まれる運命に。それは単純に、私のこのうら若い命を散らしたくはないからだ。 「……――よォ」 と、渋みのある老人のような声が、挨拶を投げかけた。擦れたその声が、老獪めいた印象を植え付けるのである。 光が晴れていくと、彼の姿もはっきりと浮かび上がる。 私の召喚したらしいサーヴァント――その何重にも深く被った毛皮のフードからは、鋭い茶色の瞳だけが覗いていた。 逆に言えば、それだけが――この名もなき英霊のただ一つ見せる生身であった。 「あなたは……」 私――剣崎比留子は、彼を上目遣いに見つめた。 訝し気な顔をしていただろう。訝し気、というよりは初めて目の当たりにするサーヴァントへの警戒も含まれていた。 当たり前だ。 彼の全身は、あまりに隠されていた。 毛皮のフードだけではなく、腕も、足も、それぞれ体の全てを動物の毛皮で覆っていた。 これでは、性別さえも、あるいは本当に人の姿をしているかさえも判然としない。 しかして、複雑な道具を使いこなすだけの理性と知識のある文化的背景を過ごした戦士であるのは、私にもすぐにわかった。 彼は、小さな手斧を携え、それにまた背中には弓兵の英霊であるかのような巨大な弓を背負っていた。 それがこの聖杯戦争において彼の戦の道具らしい。 「――アンタがオレのマスターかィ」 「……ええ」 サーヴァントの問いに、上ずった声で返事をした。 ……自分でも少し、気に入らない――あまり可愛くない声が響いた。咄嗟な事でも、もう少し上手く返事をしたい。むう。 しかし、サーヴァントは私の声色が艶やかか間抜けであるかには、あまり興味がないようだった。そっけない返事が返ってくる。 「そうかィ。よろしくな」 「そうですね。……いや、うん。これから、よろしく」 調子よく声が出たところで、彼への口調を敬語から改める。 どうあれ、私は主、彼は従者。それならば、年下に効くような口で話しても構わないだろう。 彼もその力関係はよく把握し、納得しているらしい。 「で、早速だがな。どうやら、マスターは何か訊きたそうに見受けられる。 ――ひとまずはそれを晴らしておこう。 何から知りたい? とりあえずは、オレの知ってる限りの事はなんでも応えるぜ」 なんとも私にとって都合の良い事を言ってくれる。 ちょっと調子が狂っていた私は、ひとまず調子を取り戻す。 サーヴァントとして覚悟を伴っている彼と違い、私はすぐには自然な会話に戻れない。 ちょっと深呼吸した。 「……ありがとう。そう言われると助かるよ。 何せ、私は否応なしに聖杯戦争に巻き込まれてしまってね。魔術師ではないから、聖杯戦争そのものを知ったばかりだ。 知りたい事、というよりは知っておかなければならない事が多すぎる」 「なるほどなァ……。それなら尚更だ。情報は生存を左右する」 「ああ。だから、こちらから遠慮なく。 まずは、その背の弓。あなたは……『アーチャー』? で間違いないかい?」 私はまず、彼の背の弓を見て問うた。 聖杯戦争には、基本の七つのクラスと、それに属さないエクストラクラスが存在する事を解している。 セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー……その中のいずれかと言われたなら、彼はそうだろう。 ただ、彼を呼ぶ時になんと呼んでいいのかさえわからないのはあまりに不便だ。 「いや――オレは復讐者、アヴェンジャーさ」 「復讐者……エクストラクラスか……」 「ああ」 「つまり、あなたは過去に誰かに『殺された』という認識で良いかな?」 「……ああ。すっかり、遠い昔の話だが、それは間違いねェ」 「あなたにとっては――その復讐、が最終目的であると」 「――いや。それはまた、違うな」 私の言葉を、アヴェンジャーは遮った。 「オレが望むのは復讐じゃァねェんだ」 「では、何故復讐者として召喚に応じ、何故聖杯戦争に参加したのかな?」 「……オレはな――ただ、知りたいのさ。 オレを殺したのは誰なのかをな」 そう呟く時のアヴェンジャーの少し強くなった語調と、その迫力に圧された。 強い拘りか、やりきれない何かが放出されているように見えた。 まだ契約の結ばれたばかり、情報交換の段階の私たちには信頼はない。何気ない一言が、私に固唾を呑ませる。 すべてがあまりにも私の常識と食い違う存在――いくら主従関係でも、安易に触れるには少しヘビィな相手だった。 アヴェンジャーは、そんな私の様子を察する事もなく、口を開いた。 「――オレは五十年ほどだけ生きた、ごく普通の人間だった。 マスターは幾つか知れねェが、それでも結構苦労や楽しみがあって生きてきた貴重な人生だろう? オレにとっては、その五十年が人生の全て、オレの世界の全てだった。 まあ、あの日から今日までを隔てる五千年なんていう時間に比べれば、大した事ァねェかもしれねェが――」 「……五千年?」 「ああ、五千年だ。考えてみると、ああ、あんまりにも、時間が経ちすぎたな。 それだけ経った次代を見てしまったのなら、自分が死ぬより後にどれだけ生き続ける事になったのかなんて考えたって仕方がねェだろう。 世界が見違えるほど時間が経っているってのに、今更復讐と言って何にもならねェよ」 「まあ、そうかもしれないけど……」 「それに、オレは自分を殺したのが何者なのかも全く知らねェ立場だ。憎もうにも憎みきれねェ。 それじゃあ、恨みを買ったのは、オレに原因があったとも言い切れねェしな。 必ずしも、相手の勝手で殺されたとは言い切れねェ……だから復讐とは行けねェのさ」 私には、殺された人間の気持ちなどわからない。 一方的に殺されたとして、ここまで相手を許せるものなのだろうか。 ……ただ、私には、アヴェンジャーは恨みを捨て去ったのとも、忘れたのとも少し違うように聞こえた。 あっけからんと云おうとしているが、それを隠しきれていない。 「それに、どうせ人はいつか死ぬもんさ。あれから多少生きながらえたとして、この時間にも、この国にも、決して辿りつく事はないワケだ。 なのに、今になって『自分の復讐』なんざやったって意味がねェ」 そう――それは、私には「諦観」に近いニュアンスに聞こえた。 本来なら憎しみが湧いてもおかしくないのを、かつてと今とを隔てた膨大な時間に諦めさせられたようにも聞こえる。 前向きでおおらかというよりは、どうにもならない状況を諦めきったような、無理のある言葉であった。 自分が殺されたという事実もまた、歴史から見れば小さな出来事の一つに過ぎないと悟りきってしまったのだろう。 勿論、それは私の邪推に過ぎないかもしれないが。 「――だが、どうせ終わったのなら、誰が、どうして、オレを終わらせたのか知りてェのさ。 オレの人生の幕を閉じたのが誰なのか、何故なのか、知らぬままには死んでられねェからな。 そう……別に憎んじゃいねェ。ただ、オレは知りてェ……そうしてェんだ」 「心当たりは、まるでないのかな?」 「心当たり?」 「アヴェンジャーを殺した人間の心当たりだよ。大きな恨みを買ったとか」 「……いや、それならあるさ。人並に、ただし、膨大にな。 妻か、弟か、友か、敵か、味方か、通り魔か、偶然か。 オレに対する強い敵意があったのか、それとも不幸な事情があったのか、何かの間違いによる事故なのか。 それこそ、誰にだって突然、殺される理由、その可能性なんて無限にある。 理由がない殺人――それも今のオレからすれば納得のいく理由の一つだな」 「確かに正論だけど。 そこから一つに絞る事は出来ないなら、それは心当たりがないのと同じだよ」 「ああ。まったく、そんなところだな。 云った通り、大きな恨みを買った覚えはほとんどない。 それすらも、何もわからないままに――オレ自身は血まみれになって、氷に沈んだ。 はっきり言うが、やってられん。 ……だから、『知る』為に戦う。 それだけが……【アイスマン】と呼ばれたこのオレの――ただ一つの願いさ」 理不尽に殺され、理由もわからないままな一人の被害者の『やりきれない想い』が、アヴェンジャーの持つ一抹の願いだった。 聖杯に託す願いさえも、絶対ではない。 諦めきれない想いを、せめて癒せるかもしれないというギャンブルに過ぎないように聞こえた。 それが叶ったら良いな、もしその為に戦えるのなら全力を尽くせるだろうな、というような――ある種の神頼みと、チャンスをつかみたい意志。 自分の人生が何故終わらせられなければならなかったのかを、彼はただ知りたい。 それだけが彼の復讐者としての事情であった。 そして――何より。 「そう……なるほど」 アヴェンジャーの持つ『理由』に、私は妙に納得した。 この聖杯戦争なる儀式に応じる者は、いかなる考えを持った人間なのか。 それが納得しきれない事には、自分の安全は確保できない――過去に虐殺を行った英霊ならば、あるいはあまりに異なった価値観を持つ英霊ならば、私もコントロールが難しいからだ。 しかし、ごく一般的にも納得しうる理由で彼は動いている。 それに、彼の『アイスマン』なる名前には聞き覚えがある。 エッツ渓谷で発見されたミイラに名付けられた名前――そのミイラは、『世界で初めて殺された男』などと呼ばれている。 見れば、五千年前という時代にも、この動物の皮をまとったいでたちにも、その境遇にも、ほとんどそれは――あのミイラ男の特徴と一致するのである。 私には、ほとんど確信があった。 彼が――アヴェンジャーこそが、そのアイスマンであると。 それならば、決して強いとは言わずとも、あまりに突飛な思考の英霊にはなりえない。虐殺の逸話もなく、親や主を殺す逸話もない。 ただの、有名な、被害者だ。 安全や安定を求める私にはマッチングしている。 彼は、願いそのものへの執着も他の英霊と比べて薄い事だろうと思う。何せ、自分ならば絶対に願いを叶えられるなどとは思っていない筈だからだ。 成功者でもなければ、万能でもなく、決して勝ち続けた人間でもないが故に、聖杯戦争にかける自信も弱い。 マスターを利用し、マスターを切り捨てるなどといった方針にも至らないだろうし、いざという時には潔く自分の運命を認めるだろう。 あくまで、彼は知名度の高い凡人といったところだ。 そんな彼ならばこそ、私の相棒には相応しい。 「取引しよう、アヴェンジャー」 と、私は云った。 「私の願いは一つだ。私自身が、すべての危険を回避してその場を生き残る事。 あなたの願いは一つだ。あなた自身が、かつて殺された理由を探りだす事。 あなたは私が殺された段階で消滅し、その願いを叶える機会を失ってしまう。それは不本意のはずだ。 つまり、それまであなたは私を守りきらなければならない」 「ああ。もとよりそのつもりだ。だが、マスターに願いはないと?」 「ないわけではない。けど、それは今になって無理に叶えたい物でもない。 リスクが多すぎるし、私には正直、疑念の方が大きいよ」 それが率直な私の気持ちだ。 聖杯の叶える願いが本当ならば魅力的だが、そうでないならば単なる危険な徒労になる。回避しておきたい事象だ。 それよりか、とにかくひたすらに身の安全を守る合理的な方法を追いたいのである。 ならば、降りれば良いかもしれないが――ここにも理屈はある。 「ただ、今すぐゲームを降りるのもリスクは大きいと思ってる。サーヴァントの力は兵器も同然だからね。 人的被害も厭わない性格のヤツも少なからずいるとみて間違いない。と、すると無関係なモノを巻きこまずに戦争を終える事の方が難しい。 その戦場にあって、力がないのはあまりにも心細いし怖いんだ。 だから、正直、私の身を守るナイトが欲しい……となると、それはサーヴァントに他ならない」 「なるほどなァ……否応なしに巻き込まれれば、そうもなるか」 「そこで、アヴェンジャーには最後まで私を守り抜いてくれる事を約束してもらいたい。 そのうえで、最後まで守ってくれたなら、私は聖杯を使う権利をあなたに与える」 この内容なら、アヴェンジャーも考えるまでもないだろう。 サーヴァントは、非力な部類であれ常識離れした能力を持っている。 それが野放しにされている町で、何も助けがないままに行動するのはリスキーだ。 ここで切り捨てる事もなく、アヴェンジャーを利用。そして、同時にアヴェンジャーに利用されるというのが合理的に違いない。 双方、この条件の意味を納得し、契約するのが前提である。 「わかった、取引に応じるぜ。マスター」 「物分かりが良くて助かるよ」 「それで、マスターの質問は終わりか?」 「……そうかな。当面は。アヴェンジャーの番、でいいよ」 私からすれば、訊きたい事は膨大にある。しかし、それらは後で聞いても差し支えないし、いずれを訊いていいのかはわからない。 フードの下には何が隠されているのか。宝具は何か。どういう戦法を使うか、使えるか。過去に殺された時の話、殺される前の話。 しかし、それではあまりに一方的すぎる。 相手方もこちらに訊きたい事は少なくないはずだ。 すると、アヴェンジャーから下された質問はたった一つだった。 「なら質問だ。――マスター、名は」 「ああ……言ってなかったっけ」 そうだ。まだ彼に自分の名前を明かしていなかった。 自分を殺した人間の名前を知りたいがために聖杯戦争に参加したような男だ――自分の命を託すマスターの名前は聞いておきたかったところだろう。 私は、そっとその名前を口にした。 「私は、剣崎比留子。ただの大学生だよ」 ◆ 【クラス】 アヴェンジャー 【真名】 ■■■■(エッツィ・ジ・アイスマン)@史実 【身長・体重】 165cm前後・不明 【ステータス】 筋力D+ 耐久C 敏捷D 魔力B 幸運E 宝具EX 【属性】 秩序・中庸 【クラス別スキル】 復讐者:B 復讐者として、人の怨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。怨み・怨念が貯まりやすい。 周囲から敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情はただちにアヴェンジャーの力へと変わる。 忘却補正:B 人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。 忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。 自己回復(魔力):A 復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。 魔力を微量ながら毎ターン回復する。 【保有スキル】 凍てついた呪詛:A アイスマンの木乃伊に関わるものすべてに降りかかる呪い。 彼の身体の非生成部位に触れたもの、嗅いだもの、見たもの、存在を感知したもの――あらゆるものの幸運値を無条件かつ強制的に引き下げる。 時に測定可能なEクラス以下にまで引き下げ、およそありえない偶然の不幸さえも引き起こす。 アイスマンが英霊として形を残している限り、その効果は持続する。 武具作成:B 鉄製の武具を生成するスキル。 何の逸話もない無銘の鉄器であれば、自在に作成できる。 【宝具】 『氷河が遺した屍の記憶(メモリー・オブ・アイスマン)』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:2~99 最大捕捉:99人 毛皮の下に隠されたアヴェンジャーの生身。 かつて人として生きた時代の姿と、現代人の前に姿を現したミイラ男としての姿とが混在した悍ましき肉体。 5000年前と今、二つの時代の氷河が見た『一人の人間の姿の記憶』を一身に抱え込んだ怪物である。 それを見たものはサヴァンジャーの敵味方を問わず、例外なく『凍てついた呪詛』にかけられ、あらゆるものに無自覚に敵意を買い、あらゆる偶然に命を狙われ続ける「断続的な不幸」に見舞われる。 事故、災害、自滅、時に契約を結びあっているはずのマスターとサーヴァントの不幸な殺し合いさえも呼び起こす。 ただし、これはアヴェンジャーの意思によらず発動する為、自身のマスターや協力者がそれを見た場合でも発動してしまう諸刃の剣である。 【人物背景】 1991年にエッツ渓谷にて発見されたミイラの男――アイスマン。本名不明。 5000年以上前、青銅器時代に何者かに殺されて以来、氷河でミイラとなって現代まで形を残し続けた。 今もなお彼の死体は研究され続け、生活習慣や死因などを特定されていった。 その過程で彼が殺害された事が判明したのち、彼の存在は「最古の未解決殺人事件」とも呼ばれ、何者がいかにして何故彼を殺したのかも興味を惹き続けている。 あくまで無銘の人物であるが、研究によれば、それなりに身分の高い人間の食事を摂っていたらしい。 死亡時の年齢は40歳~50歳程度。筋肉質な体格であり、動物の皮を身にまとい、斧や矢じりなどの武器を装備していたとされる。 また、現代では、発掘以来関係者が続々と怪死した事から「アイスマンの呪い」という都市伝説が吹聴されるようになった。 これは相当数の関係者がいた事などから全くの偶然ともいわれているが、5000年の時間を氷河に晒されながら形を残し続けた執念は呪いの粋に達していてもおかしくはないだろう。 彼は、この聖杯戦争においては、自分を殺害したのが何者なのかを忘却している。ただ殺された記憶だけが忌まわしく残存されているのである。 犯人が何者なのかをはっきりと思い出せぬまま英霊の座に在り続け、ただその犯人と動機を知る事だけを己の願いとする。 【特徴】 体すべてを負おう動物の毛皮、ただ茶色い瞳だけが覗いている。初見では、二足歩行の生物である事しかわからない。 あくまで男性。本人の年齢は五十歳としているが、その肉体年齢は全盛期のものである。 毛皮の下には、現代の人間が見た「ミイラ」としてのアイスマンの姿が意匠を残しており、その姿を見た物、あるいは感知したものはすべからく『凍てついた呪詛』にかけられる。 いずれにせよ、その真の姿はあまりに醜く、決して目視すべきではない。 【所有武器】 『無銘・弓矢』 『無銘・矢じり』 『無銘・斧』 【聖杯にかける願い】 己を殺した物が誰なのか知る事。 復讐ではなく、それを知る事で永久の休息にたどり着く事が彼の目的である。 【マスター】 剣崎比留子@屍人荘の殺人 【能力・技能】 探偵少女としての知識と知恵。高い推理力と応用力を持ち、いくつもの事件を解決している。 戦闘能力は一般人並だが、作品内の随所で戦闘行為も行っている。 【人物背景】 神紅大学文学部二回生。幾多の事件を解決に導いた探偵少女。実家は横浜の名家で、警察協力章も授与されているらしい。 初登場の描写による外見は以下に抜粋。 『相当な美少女――少女かどうかは微妙だが――である。 黒のブラウスとスカートに身を包み、肩よりも少し長い髪も黒。 身長は百五中センチと少しといったところだが、スカートの腰の位置が高いためすらりとして見える。 風貌は可愛いというよりも、そう、佳麗というのが正しい。 少女と女性という分類のちょうど境目にいるような、とにかくそこいらの女子大生とはまるで違う生き物に思えた。』 (服装は場面によって変動あり) そんな彼女は、いくつもの危険で奇怪な事件に「偶然」にも巻き込まれるという呪いのような体質の持ち主でもある。 彼女が生まれた頃から言えや親族、グループ内で頻繁に事件が発生するようになり、十四歳で殺人事件に遭遇して以来、自分の周りで頻繁に凶悪事件が発生。 現在では三か月に一回は死体を見ているらしい。要するに、金田一くんとか、コナンくんとかと同じ死神体質なのである。 しかし、彼女の場合は、メンタルは普通の少女と同等であるのがネック。 それゆえに、「探偵役」として事件を解決する事はあっても、人が襲われ殺される事件自体は怖くてたまらないと言っている。彼女もまた何度も危険に遭っているらしい。 あくまで彼女が謎を解き犯人を暴くのは「事件からの生還」の為。得体の知れない殺人鬼によって「次のターゲット」にされる前に犯行を暴くというのが目的である。 謎に対する興味や好奇心もなければ、正義感や使命感、真実への執着といったものも人並程度にしか持ち合わせてはいない。 作中では、強かで動じないように見えて、女の子らしい一面を度々見せる。 『屍人荘殺人事件』終了後より参戦。 ちなみに、これは「ネタバレ禁止!」と宣伝されるミステリ作品のキャラだが、これから読む人は彼女が犯人だとか考えてはいけない。一応。 【マスターとしての願い】 下記、方針の方に記載。 【方針】 ①あらゆる手段を用いた生存。 聖杯戦争がどういう形であれ終了し、その結果として自分の安全が確保されているならばそれでいい。 血を見るのも、恨みを買うのも好きではないので、極力他マスターを前にも上手く立ち回る。 ②以降の方針は①の為なら捨て去る。 ②聖杯の入手。 望みは二つある。 一つは、取引の通りにアヴェンジャーの願いを叶える事。取引をした以上、比留子はこちらの願いを優先する。 もう一つは、己の呪い的体質を消し去る事。これはアヴェンジャーの記憶等からアヴェンジャーの殺害者を推理できてしまった場合などに叶える。 ただし、その過程で人間の死や己の身の危険があるならば、いずれも優先順位は低くなる。 ③アヴェンジャーの殺害者を推理する。 あくまで、材料が上手く揃って推理が出来る状況になったらの話。 これが叶った場合、聖杯を入手した際の願いが変動する。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/306.html
アヴェンジャー 【あヴぇんじゃー】 ジャンル シューティング 対応機種 PCエンジン CD-ROM2 メディア CD-ROM 1枚 発売元 レーザーソフト(日本テレネット) 発売日 1990年12月7日 定価 6,780円 判定 なし ポイント 制裁者「AVENGER」何気にドラマティックなイベント展開シューティングとしては凡作レベル 概要 主なルール 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 PCエンジンCD-ROM2初期から精力的にソフトをリリースしていた今は亡き日本テレネットが放った、オリジナル縦シューティング。 第三次世界大戦中の西暦2036年を舞台に、最終兵器「VOLOS」の世界無差別攻撃を阻止する為、制裁者の意味を込めて名付けられた最新型戦闘ヘリ「AVENGER」を操作して世界を救うのが目的。 一人プレイ専用、全8ステージ構成。 主なルール 主に使うボタンはショットと自機方向固定/特殊兵器使用の二種類。後者に関しては下記にて。 各ステージを始める前に自機の主要兵器(メインショット)、支援兵器(サブショット)、特殊兵器(強力武器)を、各3種類から選ぶ事となる。主要、支援攻撃は他シューティングで言うところの無制限に撃てるショット、特殊攻撃は回数制限のあるボムに近い存在である。 最初は「バルカン」「ロケット」の二種、すなわち主要兵器しか選べないが、ステージが進むにつれて選べる兵器が段々と増えてくる。主な兵器は以下の通り。 主要兵器…射撃スピードが速い「バルカン」、攻撃力の高い「ロケット」、雑魚敵を貫通する「レーザー」の3種。 支援兵器…敵追尾性能を持つ「ホーミング」、自機移動と反対方向に弾を放つ「ディスペンサー」、自機サイドに補助オプションが付いて攻撃してくれる「ガンポッド」の3種。 特殊兵器…画面内の敵弾を消す「E.C.M.」、一定時間無敵になる「バリア」、画面内の敵にダメージを与える「戦術核」の3種。 敵が落とすアイテムは1種類だけだが、アイテムを落としている間、時間経過で3色に切り替わる。以下その効果を示す。 赤状態で取るとライフが1回復、青状態で取ると主要兵器が最大三段階までパワーアップ、緑状態で取ると、支援兵器が一段階までパワーアップ。 自機を左右に移動させると、自機の射撃方向が斜めになる特徴がある。ショットを撃ちながら方向固定ボタンを押しっぱなしにする事により、射撃方向を固定する事が可能。また、ショットを撃たずに同じボタンを押すと、特殊武器が使用できる。 ステージ1と最終ステージを除き、一部ステージ前にミッション選択ができる。選択によってステージが変化するのだが、結局は全てのステージを挑む事になるので、特に先を気にする必要はない。また、どの選択の仕方をしてもエンディングなどが変化する訳でもない。 ライフ制。ライフゲージが4つあるが、ゲージが0になってもミスにはならず、その状態でダメージを食らうとゲームオーバー。また、一部ステージに存在する壁に激突すると、一撃でミス(ゲームオーバー)となる。 評価点 オープニング、及びエンディングで導入されるビジュアルシーンは、なかなか描きこまれている。当時のCD-ROM×2の基準からしても十分なクオリティ。 各ステージをクリアするとボスの撃沈をバックにしたAVENGERの一枚絵が表示されるが、これもやけにかっこいい。 同じくOP、EDでナレーションのボイスが入る演出があるのだが、声の担当はアニメ「北斗の拳」のサウザー役や「開運!なんでも鑑定団」などで知られる銀河万丈氏。あのしぶくてかっこいい口調でストーリーを語ってくれるのだ。 今では考えられないかも知れないが、PCエンジンのCD-ROM2系のソフトで豪華声優陣をばんばん起用するのは、割と普通であったのだ。 CD-ROM×2を活かしたCD音源のBGMのクオリティも高くて聞き応えあり。サウンドテストが存在しないのが悔やまれるが。 各ステージの構造は適度で無駄な間延びは皆無。また、他のPCエンジンのライフ制シューティングにありがちな、ダメージを食らうとパワーダウンするペナルティが無いのも良心的。 ステージ前に上官から任務の内容を文章表示でされるのだが、これがなかなか熱い。ただ「出撃せよ」みたいな味気無さではなく、敵組織の詳細な状況や、もしこの戦争が終わったら…といった感情を交えた指示が示されて、意外とドラマティックな展開に富んでいる。他ゲームで例えるならアーケードやスーファミの『エリア88』のサキの語り口みたいなものを想像して頂きたい。 ただ、このゲームにおいてビジュアルシーンが発生するのはオープニングとエンディングのみ。せっかくCD-ROM2で製作されたのだから、各ステージ終了後にでもイベントを入れて欲しかったという要望もあった模様。しかし、そうしてしまうとテンポが悪くなってしまうという弊害もある訳で、この辺は複雑かもしれない。 ちなみに本作のイベントはすべてスキップが可能で、無理にイベントや会話を見る必要は無い。 ガチガチのパターンゲームではないが、高いアドリブ力が必須というわけでもない。 適切な立ち回り・武器の選択・特殊武器を使うタイミングのパターンを構築していけば、アドリブで進めない初心者でも道は開ける。 賛否両論点 弾幕以前の時代のシューティングだが、当時としては敵弾数が多い箇所がある。 弾避けが熱いと高評価する人もいたが、手に負えない人もいた。 ただしパターン攻略が通用するので、強敵の出現位置を覚え速攻で倒す、敵弾が来ない位置を覚えるなどの手段で対処できる。 ディスペンサーを使いこなせるかどうかで難易度が激変する。 威力・連射能力とも十分高いため、敵の配置や行動パターンを把握した上で使いこなせば、支援兵器ながら主要兵器以上の活躍を見せ、攻略が非常に楽になる。ディスペンサーを自在に扱えるようになれば、他の支援兵器を選ぶ必要は無い。 その一方で、慣れないうちは思った通りの方向に攻撃するのが難しく、使い勝手が悪い。 問題点 ややロードが長く、待たされる事が多い。 自機がもろい。 ダメージ後の無敵時間が短く、やられ判定も大きい。それ故に慣れないとある程度の腕前のシューターでも序盤から死亡、なんて事が普通にあり得る。評価点で述べたパワーダウンしない仕様なのが救いだが。 売りであろう自機射撃方向の小回りが利きにくい。左右キーを長く押さないと向きがなかなか変わらない上、その間にダメージを食らう状況に陥りやすい。 また、この方向調整自体がほとんど使えない。パワーアップが万全な状態ならば、射撃方向は前方固定だけで終始やっていける程で、わざわざ向きを変える意味合いも少ない。 ただし使いこなす事ができれば、敵の攻撃を回避しやすい位置をキープしつつ、効果的に攻撃する事ができる。もちろん、敵の配置や行動パターンを覚える必要がある。 特殊武器もストックが少ない上に性能が微妙であまり使えない。E.C.M.は敵弾を消すだけでストック3、バリアは発生時間が短すぎる上にストック1だけ、戦術核はまだ使える方だが2ストックしかない。 戦術核は緊急回避目的ではなく、高難度の箇所で決め打ちで使うと有用。そのためには、敵配置と使うタイミングを覚えておく必要がある。 全体的に敵配置があまり練られておらず、一言でいえば「雑」なバランス。各ボスの攻撃パターンが単調で、ラスボスも全然ラストという感じがしない投げやりっぷり。 ビジュアルシーンのクオリティと反比例するかのように、シューティング中のグラフィックが同期のHuカードソフト並かそれ以下のチープさ。「ビジュアル詐欺だろこれ!」と言われても文句は言えないレベル。 グラフィックが本作の1年前にアーケードから移植されたHuカードソフトの『究極タイガー』に似ているが、それと比べても見劣りする程の外見。『究極タイガー』は2Mbitなのに頑張った外見、こっちはCD-ROM2なのにしょぼい…この差は一体? 総評 シューティングとしてはそれなりに破壊する爽快感はあるし、それなりに遊べる出来ではあるのだが、力の入ったビジュアルシーンやストーリー展開と比べると、何かガッカリさせられる、そんな出来。 本作の少し前に同社から発売されたシューティング『レギオン』は擁護できないクソゲーだった事を考えると、まだ本作はまともな部類ではあるが…。 余談 タイトル画面でセレクトボタンを押すと、女の子(同社の『コズミックファンタジー』のキャラ、しかもちゃんとボイス入り)を交えたCMが放映される謎のおまけがある。しかも、何故か「近畿日本ツーリスト(実在する企業)」のCMで、コミカル成分ゼロの近未来の戦争が舞台の本作に導入する意味合いが全くわからない。
https://w.atwiki.jp/fate_495112834sandy/pages/56.html
夜。 二十三区内にある営業をやめたパチンコ店に、一組の主従が足を踏み入れる。パチンコの筐体がそのまま放置され、瓦礫やゴミが床に散乱している。褐色の肌に鋭い眼差しの青年ーージャスワントは懐中電灯で足元を照らしながら奥に進む。彼が殺気を感じると同時に、粗末な囚人服を纏ったアヴェンジャーが実体化し、現れた使い魔達と戦闘を始める。 ≪本丸まで一気に進もう、走るぞ≫ ≪あぁ≫ アヴェンジャーは左足を踏み込むと、使い魔達へ突進。地獄の冷気を帯びて凶器と化している四肢を振るい、包囲する怪物達を蹴散らすと奥へ駆けていく。ジャスワントがその後ろに続く。俊敏な彼の脚力をもってしても、サーヴァントの速度には及ばない。見る見る距離が広がり、まもなくアヴェンジャーからジャスワントへ念話が飛んでくる。 ≪サーヴァントを捕捉した、宝具を使うぞ≫ ≪俺が死なない程度で頼む≫ 念話を終えるや否や、虚脱感がジャスワントが襲う。辛うじて転倒はせずにすんだが、ジャスワントは足を止めてしまった。彼は素早く左右を見回し、何者の気配も無いと見て取ると先を急いだ。体術と剣術の心得はあるが、聖杯戦争が行われる会場において刀剣類の携帯はほとんど不可能。アヴェンジャーがいなくては、使い魔との戦闘すら覚束ない。 ≪マヘーンドラ様…!俺を助けてください…≫ 聖杯戦争に招かれる前に亡くなった養父に祈る。招かれる前、彼が暮らしていたシンドゥラ国では2人の王子が王位継承権を争っていた。彼の養父が味方した王子は敗れた末、乱心して謀反を起こすも瞬く間に鎮圧されてしまう。マヘーンドラは助命を周囲に嘆願したが、マヘーンドラ自身は味方した王子によって、ジャスワントの前で殺害された。 仕える主君も、婿選びも間違えたが育ててくれたのはマヘーンドラだ。育ての恩を返し切る前に、看取る羽目になってしまった。行くあては無い。聖杯が真に奇跡を施してくれるなら、ジャスワントは養父の蘇生を願うつもりだ。 「終わったぞ」 突如現れたアヴェンジャーに驚き、ジャスワントは肩を振るわせて立ち止まった。アヴェンジャーはジャスワントを抱えると、拠点である彼の自宅近くまで移動。ジャスワントが就寝すると、寝ずの番に就いた。 アヴェンジャーは自らのマスターの寝息が穏やかな事を認めて安堵する。軽くない負担ではあろうが、致命的な消耗には至っていないらしい。床に横たわるマスターを見て、アヴェンジャー…ウゴリーノは子供達を思い出した。 生前、自分と共に投獄された2人の息子と2人の孫。食糧の供給を絶たれ、飢えと渇きの中で落命したウゴリーノが強く思ったのは、自分と子供達を死に追いやった政敵ルッジェーリの破滅。そのような結末ゆえ、ウゴリーノには子や孫の肉を食ったという風評がついているが、それは後世の研究者が誤りであると示してくれた。 ーー復讐だ! 聖杯の力で生前のルッジェーリに、自分達が味わった苦痛を百万倍にして送りつけてやる。死後は叙事詩に描かれた通りに、地獄の底で脳髄の一欠片まで噛み砕いてやる。 【サーヴァント】 【CLASS】 アヴェンジャー 【真名】 ウゴリーノ・デッラ・ゲラルデスカ 【出典】 イタリア 【性別】 男 【ステータス】 筋力B 耐久C 敏捷A 魔力D 幸運C 宝具EX 【属性】 中立・悪 【クラス別能力】 復讐者:C 復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情はただちにアヴェンジャーの力へと変わる。 忘却補正:A 時がどれほど流れようとも、彼の憎悪は決して晴れない。忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。 自己回復(魔力):D 復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。魔力を微量ながら毎ターン回復する。 【保有スキル】 無辜の怪物 E 常に空腹状態であり、長期間何も口にしていないと精神状態が悪化する。後世に流布した伝承により姿・性格が変容している。ウゴリーノとその子供たちと信じられている亡骸を調べた結果、何の肉も食べていなかったと結論づけられた為、ランクが落ちている。 反骨の相 C 一つの場所に留まらず、また、一つの主君を抱かぬ気性。王に仕えるのではなく、自らが王足らんとする野望の星である。同ランクの「カリスマ」を無効化する。 永劫の冷気 A 極寒地獄の冷気を帯び、冷え切った総身。 死後、地獄の底で怨敵に食らいついているとされた彼に高いステータスを付与し、ランク以下の氷雪系スキル、炎熱系スキルを無効化。さらにウゴリーノの格闘攻撃に凍結の追加効果をもたらす。 【宝具】 『引き落とす亡者の腕(マノ・コキュートス)』 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ: 1~30 最大捕捉:1人 裏切者が落ちる地獄、コキュートスへ引き摺り込もうとする亡者の腕を無数に呼び出す。サーヴァントの規格を逸脱している為、地獄に送ることはできず、あくまで対象をその場に拘束するだけの宝具だが、反逆者や裏切者の属性を持つ相手には効果が上昇。拘束を振り解く為のあらゆる判定の成功率が半分になる。 『狂気へ誘う我が墓標(アンゴーシャ・グアランディ)』 ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ: 1~99 最大捕捉:50人 自身が幽閉され、遂に餓死したグアランディ塔の獄中を展開する固有結界。僅かな明りとりの窓を除くと完全な密室となっている結界内は閉じ込めることに特化しており、内側からの攻撃に限り、対界宝具すら無効化。その分、外側からの干渉に脆い。 内部に取り込んだ英霊の魔力を一気に枯渇させると同時に飢餓のバッドステータスを付与。精神抵抗に失敗した英霊は、自らの飢えを満たすべくマスターの魔力を絞れるだけ搾り取る。抵抗に成功しても、あらゆる行動判定に大幅なマイナス修正が加えられてしまう。 【weapon】 冷気を纏った身体。 【人物背景】 ピザ出身のロンゴバルト王国からの流れを汲む貴族。当時は神聖ローマ皇帝とローマ教皇が対立しており、ゲラルデスカ家はギベリン(皇帝派)であったが、姉がゲルフ(教皇派)の名家出身の判事ジョヴァンニと結婚、同盟関係となった事で仲間内から疑惑を持たれてしまう。 トスカーナのゲルフの支援を受けてピサの弱体化を企んだとして逮捕、追放された彼はナポリ王カルロ1世のピサ攻撃を助け、ウゴリーノ自身を含めた全ての追放者の赦免を条件とした和平を強いる。 帰国後、影響力を強めた彼はピサ共和国の行政長官にまで昇り詰め、実の甥ニーノ・ヴィスコンティと二頭政治を始めるがすぐに衝突。ニーノとの闘争を制し、自らがピサの領主であると宣言。 1288年、武装したギベリンの一団に襲われた彼が市庁舎に撤退してこれを撃退すると、ピサ大司教ルッジェーリは彼を裏切り者と吹聴して市民を扇動。市庁舎が火事になった事で投降したウゴリーノは逮捕。 2人の息子、2人の孫と共に投獄されて、監禁されたまま餓死する。死後、子や孫の肉を食ったという創作が広まり、ダンテの『神曲』地獄篇において、ルッジェーリの頭蓋を絶え間なく貪るウゴリーノが登場する。 外見は幽霊を思わせる痩身のイタリア人男性。粗末な囚人服に身を包んだアヴェンジャーとしての彼に、権謀術数に長けた在りし日の面影は見えない。 【サーヴァントとしての願い】 政敵ルッジェーリに自らが味わった百万倍の苦痛を与える。 【方針】 優勝狙い。 【マスター】 ジャスワント 【出典】 アルスラーン戦記 【性別】 男 【能力・技能】 剣術 足技と剣を組み合わせて戦う、中々の使い手。不意の一太刀にも反応できる俊敏さを備える。 【weapon】 なし。 【人物背景】 シンドゥラ国出身の青年。王位継承権を争う二王子の片側、ラジェンドラ陣営にガーデーヴィ陣営より送り込まれた間者。ガーデーヴィの妻サリーマの父マヘーンドラに養育された彼はラジェンドラと同盟するパルス軍を奇襲する段取りを付けるも、裏切りを想定していたパルスの軍師ナルサスの策にはまり、捕らえられてしまう。 ガーデーヴィにパルスとの通謀を疑われたジャスワントは戦場にて王子の危機を退けるが、継承権争いに敗れたガーデーヴィ王子は国王である父に刃を向けて謀反人となり、王子の助命を求めたマヘーンドラは他ならぬ王子の手によって殺害されてしまった。 アルスラーン王子の意向によって、釈放される前から参戦。 【マスターとしての願い】 養父マヘーンドラとの再会。 【方針】 優勝狙い。 【把握媒体】 コミックス7、8巻。
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/2121.html
autolink() FH/SE03-004 カード名:反英雄アヴェンジャー カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:500 ソウル:1 特徴:《サーヴァント》?・《虚無》? 【永】他のあなたの《マスター》?のキャラが2枚以上なら、このカードは《マスター》?を得て、このカードのカード名は「衛宮 士郎」としても扱う。 【永】他のあなたの《マスター》?のキャラ全てに、『【自】アンコール[あなたの山札の上から1枚をクロック置場に置く]』を与える。 よう、目が覚めたかマスター レアリティ:C illust.TYPE-MOON 原作再現により、特定条件下で《マスター》?・衛宮 士郎になる効果と《マスター》?にクロックアンコールを与える効果を持つ。 現在のFateにおける代表的な《マスター》軸のデッキにおけるエンジン。 このカードのおかげで盤面を維持することはかなり容易になった。 ただしアンコール方法がクロックアンコールの為、使いどころと回数は考えながら使わないと自滅という結果につながりかねない。 今まではこのカードをサーチ、あるいは回収するカードがないといっていいほど少なく、このカードが引けないといった事故が発生することもあった。 しかし、Fate/Zeroにて登場した純朴で無邪気 アイリスフィールによってこのカードを確定で手札に持ってくることができるようになったため、 このカードをゲーム開始直後から手札に用意することが可能となった。 さりげなく衛宮 士郎になれるため、騎士王セイバーのシナジーを発生させるということもさせられる。 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 衛宮 士郎 0/0 500/1/0 黄 ・関連ページ 《マスター》?
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/4539.html
炎獄連撃 アヴェンジャー・8(エイト) R 火文明 (6) クリーチャー:ヒューマノイド/アーマロイド/ハンター 4000 ■自分のマナゾーンにカードが4枚以上あれば、または相手のクリーチャーがバトルゾーンに4体以上あれば、このクリーチャーは「S・トリガー」を得る。 ■炎獄ランドフレア(このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにあるカードを好きな数、墓地に置く。そうした場合、こうして墓地に置いた数と同じだけ、このクリーチャーは次の[LF]能力を得る) [LF]相手は、自身のパワー3000以下のクリーチャーを1体破壊する。 作者:赤烏 GAU8アヴェンジャーとかいうのが名前の発祥なので、8とかついてます。 収録 DMW-19 「アルケミア編II パライジスの巫子」13/55 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/14652.html
セルリアン・アヴェンジャー C 水文明 (2) クリーチャー:マーフォーク 1000+ エクスチェンジ(自分がカードを引く時、引いたカードを手札に加える前に捨ててもよい。こうして捨てたカード1枚につき、次のEXC能力を1回行う)EXC-このターン、このクリーチャーのパワーは+3000される。 作者:808 エクスチェンジを持つマーフォーク。《怒髪の豪腕》の条件違い。 一応、《モメンタリ・ブレイン》のドロー分を全て捨てれば一気に15000ものパンプアップが可能です。 エクスチェンジを持つカード 《ルナ・エインシャント・ディスコ》 《ワイアプラ》 《偽装ロボ モクズ・モジュール》 《封魔ゲッセマン》 《セルリアン・アヴェンジャー》 エクスチェンジと相性のいいカード 《ストロビラ・クラスター》:G・ゼロ 《モメンタリ・ブレイン》:呪文 《アクア・マエストロ》:《アクア・マスター》 各種ドローカード カードリスト:808 フレーバーテキスト 「海は、怒っているぞ。お前には聞こえるか?」 ---セルリアン・アヴェンジャー 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/winterfate/pages/70.html
◇ ◇ ◇ アヴェンジャーの独白 英霊の座にて ◇ ◇ ◇ 私が最初に悪への嫌悪を抱いたのは、いつだっただろうか? 私がこの心に復讐の炎を灯したのは、なぜだっただろうか? いや、そんな自問などしなくても、本当はとっくに分かっている―― 子供の頃、私は純粋に勉学が好きだった。 先人たちの残した考えを読み解き、自分の糧にしていく。 知識を詰め込み、それによってまた理解できなかった教えを理解していく。 そんな単純な事がたまらなく幸福だった。 しかし、好きなことだけを続けて生涯を終えることなど、かなりの地位を持った者でも難しい事である。 その知識欲からぐんぐんと知能を伸ばしていた私は、気付けば周囲に教えを乞える者はいなくなっていた。 古来より有能な者はその能力を世のために使うべきであるとされている。 自分で言うのも何だが、その時点で他の誰より勉学に優れていた私が趙王の下へと徴集されるまで、そう時間は掛からなかった。 皇帝の臣下たる諸侯王の1人に仕える事は、とても名誉なことである。 勉学しか楽しみがなかった私にとっても、家臣として世に尽くす事は楽しく、充実した仕事だった。 ――そう、あの時までは。 趙王の太子丹は非常に軽薄な男だった。 見かければ常に女を侍らせ、王の息子だというのに仕事もせずに遊び歩いている。 遭遇する度感じる視線は、今思い出しても身の毛もよだつほど気持ち悪かった。 自慢になるが、私の妹は家族という関係を抜きに客観的評価を下しても、非常に可愛かった。 歌や踊りの才があり、綺羅びやかで、美しい皆の人気者。 勉学しか脳のない私とは180°違う自慢の妹だった。 そんな妹を好色な太子丹が放っておくはずもない。 案の定、噂を耳にした太子丹から妹を連れて来いと命じられた。 奴は仮にも王子である、私に断る権利など無い。 当然ながら妹は一発で太子丹に気に入られ、気付けば妹は太子丹の正式な妻となっていた。 気に入られるのはわかっていたが、妾の1人ではなく妻として迎えるとは完全に予想外であった。 当時の私は妹が良い地位に就き、趙王にも気に入られたのを見て、これを期に太子丹が女遊びを止めれば万々歳だと純粋に喜んでいた。 ――しかし、この後のことを考えれば、今から過去へ行って自分を殴ってやりたいほど、私は愚かだった。 頭がいいなんて自惚れていたけど、肝心な善と悪という部分で、私は完全に無知な子供だったのだ。 妹との婚姻後も、当然太子丹の女遊びは止まらなかった。 妹を悲しませた怒りにかられて太子丹の素行を調べた私は、驚愕の事実に身震いさえした。 太子丹はそこらの女達では飽きたらず、自らの姉との近親相姦や趙王の妻とも関係を持ち、豪族達とつるんで悪行三昧という目も当てられないクズだった。 初めて目にする明確な悪に、自分の中の価値観が一新されていくのを感じたものだ。 混乱に混乱を極めた私は、この事実を自分だけが知っている事に言い様がない気持ち悪さを感じ、あろうことか趙王に相談してしまったのだ。 そんな事をすれば太子丹の耳にも入ることなど簡単にわかるはずなのに。 私が王に悪事を告げ口したとわかった太子丹は、私を殺すために使いを出した。 冷静になってから、いち早く危険を察知した私はなんとか逃げ果せることができた。 だがそれは、決して幸福なことでは無く、むしろ不幸の始まりだったのだ。 業を煮やした刺客達は、私の実家まで捜索の範囲を広げ、そこで見つかった父と兄が見せしめとして殺された。 太子丹の妻である妹の末路など、言うまでもないことだろう。 何度自分を責めたかわからない、それでも責任を感じての自害など以ての外である。 復讐だ。あの悪鬼に復讐するのだ。あのクズは裁かれるべきなのだ。 私の中にあった感情は、ただそれだけだった。 ――もしかしたら、この時から復讐者としての私は出来上がっていたのかもしれない。 私が目撃しただけの情報など、何の価値も持たないのは明白だった。 故に、これまでの名を捨て江充と名乗り、時には間者の真似事までして確証に足る情報を集めた。 私は十分な証拠を集め終え、趙王より上の存在である国の皇帝、「武帝」に直接報告を行った。 その時の私は心身共にボロボロで、必死だったため服装もおかしな所ばかりだった。 しかし、そんな状態での謁見でも、裏付けまで確かな報告書は武帝を動かすに至ったのだ。 その時はやっと復讐が果たせると、小躍りしそうなほど喜んだ。 しかし喜びも束の間、本来ならば死罪である太子丹の罪は、趙王の必死の便宜によって権威剥奪で終わってしまった。 ――このこともまた、私が悪を裁くことへの執念を増加させた。 その後、私は能力と気概を武帝に気に入られ、武帝の下で働いた。 多くの仕事をこなし、そのたび武帝に喜ばれ、苦節の末に悪を裁くに足る権利を得た。 賊をあぶり出し、法を犯したものは王族や貴人、たとえ皇太子であっても糾弾した。 その姿勢に部下や友人は身を震わせていたが、武帝はむしろ私の正義を高く評価した。 私は感動で胸が一杯になった。 武帝を唯一の理解者だと信じ、より一層の忠誠を誓った。 そして私は水衡都尉に就任し、親族や友人の権力も増し、私は手に入れた権力で以前に増して悪の根絶に励んだ。 そんな充実した日々にも、終わりの時が訪れる事となった。 ――武帝が病に倒れたのである。 高名な医者を呼んでも、どんなに療養をしても、一向に回復の兆候が見られない。 私はふと、以前より流行り始めていた巫蠱の呪いを思い出し、調べてみると武帝には確かに呪いの痕跡が見受けられた。 私は激怒した。 それからというもの、私は巫蠱の呪いを徹底的に調べた。 儀式の痕跡がある者、巫蠱の呪いを行った疑いがある者、他者からの密告があった者、嘘をつく者。 皆が皆疑わしい、疑わしきは罰するのみだ。 処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、処刑、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首、斬首――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ――気付けば死体の山ができていた。 数えるのも面倒だったが、後から聞けば数万人程処刑したらしい。 それでもなお、武帝は回復の兆しを見せなかった。 何故なのか、まだ調べていない所などあるのか。 私は考えに考え、そして――見つけた。 何故今まで気づかなかったのだろうと、私は自分の愚かさを嘆いた。 私が武帝に評価されたのは、皇族でも王族でも裁いていく所ではなかったのか? 焦っていたことなど言い訳にならない、一刻も早く悪は裁かなければならない。 悪は――宮中にあり。 そこからは早かった、私の人生が終わるまでの間も。 皇族関係者を調べると、武帝に巫蠱の呪いを掛けていたのは、以前私が悪事を糾弾した皇太子・劉拠だとわかった。 やはり悪は何処まで行っても悪なのだろう。 私は劉拠の宮殿から押収した呪いの木人形を皇太子に突き付け、問い詰めた。 酷く錯乱した皇太子は私を捕らえ、「これは罠だ!江充が僕を陥れるために仕組んだ罠だ!」などと大声で叫び、その発言は広く認知された。 劉拠はありもしない多くの罪を私にかぶせた後、処刑という名目で私の首を刎ねた。 私が死ぬ直前に見た劉拠の黒い笑みは、今でも鮮明に思い出せる。 まだ私には焦りがあったのだろうか、悪が蔓延る敵地へと無防備に1人で乗り込んでしまったのは愚かとしか言い様がないだろう。 私の死後、今までの私の断罪はすべて自作自演だと捏造され、私の親族はみな処刑された。 私の死を知った武帝が皇太子に敵を取ってくれたが、奴の策に嵌って後に私の親族を根絶やしにしたのもまた、武帝だった。 裏切られたような気分だが、そこは恨んでいない、全て悪が悪いのだ。 まだ裁いていない悪がいる、私や親族のように冤罪で処刑された者がいる。 私は復讐鬼となる事を誓った、無実の罪を着せられた者達の為に。 そして今、聖杯戦争という名の絶好の機会が訪れた。 選択肢など必要ない、召喚に応じないはずがない。 私は、聖杯戦争へと――冬木の地へと、飛び込んだ。 * 現代冬木市 杉下右京 『次は~終点、冬木~冬木です。降り口は~左側です。この電車は回送電車と――』 普遍的な車掌のアナウンスによって、杉下右京の意識は覚醒へと誘われた。 どうやら電車のボックスシートに深く座り、眠っていたようだ。 起床後数秒で通常の回転速度へと至った杉下の脳は、これが異常事態だと告げていた。 (ここは……どこなのでしょうか? 僕はイギリス行きの飛行機に乗っていたはずなのですが) 脳が微かに記憶している音声を引き戻すと、冬木という駅だと理解できた。 外は暗く、自分の記憶が確かならば半日以上は眠っていたと推測できる。 しかし、眠ったとして場所は飛行機内、決して電車などではなかった。 誰も接触してくる気配もなく、電車に放置されていることから誘拐では無さそうだ。 杉下は荷物を調べてみたが、財布も警察手帳もそのまま残っていた。 網棚に乗っていた自分の旅行かばんの中身も、一つたりとも無くなっていない。 これで、物取りにあった可能性も消えた。 その時、残っている乗客がいないか調べに来たのであろう車掌が、杉下のいる車両内に入ってくるのが見える。 杉下は迷うこと無く車掌へと近づいて行った。 「すいません、一つお聞きしてもよろしいですか?」 「ええ、良いですけど、どうしました?」 「どうやら僕は、寝過ごしてしまったようでして……僕がどの位ここで眠っていたか、ご存知ありませんか?」 「いや~私もそこまでよく見ていませんでしたから……でも、1時間も寝てないんじゃないですか?」 それはおかしい、時計を見ると22:53を示している。 飛行機は12:20分の便だったと記憶している。 約10時間半の差、これは睡眠薬で眠らされていたとしても途中で十分効果が切れる程の時間だ。 1時間もしない内に電車に運びこむ程の振動を身体が受けていたならば、起きないはずがない。 「おや、どうして1時間位だと?」 「反対側の終点がそれくらいだからですよ。折り返しを考えても、2時間しないくらいじゃないですか? 流石に何回も折り返していたら、途中で気づいて起こしますしね」 「そうですか、どうもありがとうございました」 車掌の言い分は何もおかしいところは無い。 この電車は回送になるようなので、取り敢えず杉下は電車を下りることにした。 しかし、その前に。 「ああ、申し訳ありません。最後にもう一つだけ、よろしいでしょうか?」 「もう電車出ますから、手短におねがいしますよ」 「ええ、では手短に。……奇妙な質問だと思われるかもしれませんが、この冬木という駅は何県に存在するのでしょ――――ッウゥ!!」 ――激痛。 現在地の所在を聞こうとした杉下の頭に、急に膨大な情報が流れてくる。 『聖杯戦争』『サーヴァント』『令呪』etc… 思わず杉下はよろけてしまい、扉横の椅子にもたれ掛かった。 なぜだか左手の甲にも刺すような痛みが走っている。 杉下は一瞬痛みの原因を突き止めようとしたが、否応なくそれが令呪の痛みだと理解させられる。 「お客さん! 大丈夫ですか!?」 「ええ……寝起きで少しふらついてしまっただけですからっ……先程の質問は、忘れていただいて結構です」 杉下は近づいてくる車掌を手で制する。 顔を赤くし、身体を震わせよろけながらも杉下はホームへと降り、設置されていたベンチへと腰掛けた。 * 数回深呼吸をして気分が落ち着いた頃には、頭にも左手にも一切痛みは残っていなかった。 冷静に情報を分析すると、どうやらこの冬木という地で聖杯戦争なるものが行われ、自分がその参加者として召喚されたようだとわかる。 (僕はこのようなオカルトには出会えない運命なのだと思っていましたが、どうやら僕も出会ってしまったようですねぇ……) 好奇心旺盛な杉下は、同僚達が超常体験や幽霊と出会った話をしている時にいつか自分も体験したいと思っていた。 しかし、この聖杯戦争という超常体験は杉下の想像していた体験よりも随分と血なまぐさいものだった。 聖杯から与えられた情報によれば、もはやこの冬木から出ることは叶わないだろう。 それこそ――聖杯戦争を終えるまでは。 駅の改札を降りると、冬木とはそこそこ開けた土地であるとわかる。 大都会ではないが、中心街が広がっており夜でもかなり明るい。 杉下は目ざとく電子パスの消費金額を見ていたが、表示は0円となっていた。 まるで定期券で同じ駅から乗ったかのようである。 杉下右京とて衣食住は大事なので、この時間からでも泊まれるホテルを探そうと街を歩き始めた。 「――あの、すみません。貴方が私のマスターですか?」 「はいぃ?」 突然、どこからともなく声が聞こえ、杉下は背後に振り返った。 そこには、奇抜な恰好でメガネを掛けた白髪の少女が、笑みを浮かべて立っている。 少なくとも現代でよく見かける類ではなく、秋葉原やとある時期の東京ビックサイトならギリギリ見かけるような服装である。 今まで、そこには誰もいなかったはずである。 しかし、杉下が考えるよりも前に、流れてきた知識によって、彼女が自分のサーヴァントであると理解させられる。 なんだか思考が先回りされているようで気持ち悪かったが、幸か不幸か、それによって杉下は全くの平常心で対応することができた。 「どうやら、そのようですねぇ……」 「……あまり、驚かないんですね?」 「おや、そうでしょうか。僕は先ほど目が覚めてから、驚いてばかりのような気がしますよ」 「……こういったことに慣れているのかと思いましたよ。そういう人、たまにいるみたいですから。――魔術師とか、呪術師とか……」 「おや、そうなのですか。生憎、僕は今までこういった事に縁がありませんでしたからねぇ……混乱に、脳がついて行けていないだけですよ」 会話の途中、少女の顔に陰りが生まれたが、杉下は問い詰める事はしなかった。 少女は杉下の言葉に一応の納得をしたのか、元々笑顔だった表情から更に満面の笑みを作り直した。 「まぁ、触媒の無い召喚は似た者同士が召喚はされるといいますし、私のマスターなら大丈夫ですよね」 少女が何を持って大丈夫だと判断するのか杉下にはまだわからなかったが、それはまだ知らなくても良いことだと判断した。 「申し遅れましたが、私のクラスはアヴェンジャーです。そのままクラス名で呼んでいただいて結構ですよ」 (Avenger――復讐者、ですか。……それにしても、やはり真名はまだ教えて貰えないようですねぇ) “復讐者”というのはあまり良い意味で使われない言葉である。 サーヴァントのクラスに少し怪訝なものを感じながらも、杉下は極めて冷静に名乗りを返した。 「おやおや、先に名乗られてしまいましたか。僕は警視庁特命係の杉下右京と申します」 「警視庁……ああ、現代の悪を裁く機関ですね? やっぱり思った通りです」 「厳密に言えば、僕達警察は犯罪者を裁く権限は持っていないのですが、一般的な認識では、似たようなものかもしれませんねぇ……」 杉下の言葉に、一瞬アヴェンジャーは不思議そうな顔をしたが、即座に笑顔に戻ると杉下に右手を差し出す。 「どちらにせよ、正義は私の味方ですから。改めてよろしくお願いします、マスター」 「ええ、こちらこそ、よろしくお願い致します」 アヴェンジャーの握手の要求に、杉下は快く応えた。 まだ出会ってたった数分だが、杉下はこのサーヴァントには奇妙な点が多い事に気づいていた。 いかに杉下が優れた洞察力を持っているにしても、数分の間には多すぎる違和感だった。 恐らく後ろ暗いものでは無いだろうが、素人の犯罪者であってももう少し上手い隠し方をするだろう。 それは、無意識の内に気づいてもらいたがっているかのようでもあった。 例えそうだとしても、杉下にはまだ何を気づいて欲しがっているのかなどわからない。 聖杯に書ける願いも行動理念も、真名さえ聞けていないのだ。 まだ数分、これから気づく機会は多い、このアヴェンジャーの調子ならば尚更である。 互いに握手から手を離すと、アヴェンジャーは杉下を先導して街を歩き始めた。 恐らく先頭に立つのが好き、もしくは周囲を引っ張ることに慣れている人間の無意識の行動だと杉下は推測した。 見える背中には大きく『正義』の文字が見える。 (正義……ですか) 『復讐者』、『正義』、この2つの言葉からは、否応もなく杉下に「ダークナイト事件」を連想させる。 法で裁けない悪を、正義感から次々と暴行した甲斐享。 犯行の始まりは、友人の復讐を肩代わりしたことから始まった事件だった。 杉下でなくとも、忘れるわけがない。 体感ではまだ甲斐享との別れからは、1時間も立っていないのだから。 (あの時は僕としたことが、カイト君の暴走に気付くことができませんでしたが……もう二度と、過ちを繰り返さないようにしなくてはなりません) 前を歩くアヴェンジャーの少女にも、甲斐享のような危うさが垣間見えているのだ。 「目には目を歯には歯を」の精神は現代では通用しない。 犯罪者を傷めつけるだけでは、犯罪は減らない。 杉下は甲斐享がこれから獄中でそれを気付くことが出来ると信じている。 ――杉下右京の正義は暴走する。 そう言われてきた杉下は、相棒の間違った正義の暴走を止めることができなかった。 このタイミングで聖杯戦争に巻き込まれたのも、偶然では無いのかもしれない。 自分の下に彼女が召喚された理由をなんとなく察しつつ、杉下はゆっくりと少女の背を追って歩き始めた。 【クラス】 アヴェンジャー 【真名】 江充(こう じゅう) 【出典】 紀元前1世紀、中国(前漢) 【性別】 女 【属性】 秩序・善 【ステータス】 筋力E 耐久E+ 敏捷D 魔力B 幸運D 宝具B+ 【クラススキル】 復讐者:A+ ただ復讐のみを存在の意義とする者。 自身へのダメージに対して復讐の炎を燃やし、その執念を存在の糧(魔力)へと変換する。 また、対象が王族または王に意見できる存在であり、冤罪によって処刑を行った逸話がある(とアヴェンジャーが知った)場合にも効果を発揮する。 忘却補正:D 歴史に真実を葬られた者の悲嘆。 戦闘中であっても稀に対象が存在を忘れ、不意打ちを食らわせられる。 自己回復(魔力):C 復讐心が消えないかぎり復讐鬼としての存在が保たれ続けるため、常時魔力が少しずつ回復していく。 【保有スキル】 呪術探査:A 呪術・魔術の元の道具屋魔法陣、また使用者を特定する。 結界・呪いなどの術を確認すると「誰が、どこで、何を使って、どのように」術を行使したか判断出来る。 しかし、サーヴァントが対象ならば容姿・クラスは判明するが真名を知ることはできない。 曲がらぬ正義:B+ 皇族や格上であっても処する不屈の正義、悪への鋭い嗅覚。 威圧、幻惑、魅了といった精神干渉、同ランクまでの認識阻害系スキルの効果を無効化する。 【宝具】 【如果有疑問被処罰(ふこのごく)】 ランク E~A+ 種別 対人宝具 レンジ 1~50 最大補足 1人 武帝に呪術を行使した犯人を確実に処刑するためにアヴェンジャーが疑わしきは全て罰した逸話、また正義を信じ逆賊を罰し続けたアヴェンジャーの生き様。 罪を犯した者を糾弾し、罪の度合いによって罰を与える。 『巫蠱の獄、開廷!』の声とともに裁判所のような固有結界が開き、その中では両者共一切の攻撃・術の行使・宝具の使用などができなくなる。 略奪、姦淫、呪い、証拠隠蔽、殺人、冤罪の捏造の順に罪が重くなっていき、また行った回数が増えるほどに重い罪とされる。 大まかな例では、身体が重くなる、スキルによる耐性の低下、ステータス低下、一部拘束、全身拘束、死刑などがあり、大量殺人でも無い限り死刑にはならない。 刑が重くなるごとに行使も難しくなっていき、低いものでは顔と罪、死刑ともなると真名や断定出来るだけの詳細な事件記録も必要となる。 刑の執行はあらゆる防御手段や耐性を無視できる、完全なる平等の裁きである。 【死者誰被誣告(みんなのうらみ)】 ランク B+ 種別 対軍宝具 レンジ 1~100 最大補足 50人 神のみが知る、無実であるのに罰せられた者達の社会への怨念。 怨念の集合体の様な霊の塊を召喚し、操る事ができる。 多く魔力を消費すれば菅原道真や岳飛、それこそ巌窟王の様な者達も非常に弱体化するが召喚できる。 ソクラテスや某聖杯の持ち主など無実の罪で処刑されても恨みのない者は召喚できない、後者はたとえ恨んでいたとしても召喚は不可能であるが… 妄信的な正義から、自身が巫蠱の獄で処刑した者にも冤罪が多かったことには気づいていない。 その者達はアヴェンジャーを恨み、復讐を狙って喜々として召喚されるだろう。 一人一人はアヴェンジャーに対して全くと言っていいほどダメージを与えることはできないが、彼女が殺したのは数万人、この中で冤罪はどれだけいるだろうか。 塵も積もれば、山となるかも知れない。 彼らもまた、アヴェンジャーなのだ。 【人物背景】 彼女の生涯は本編中で語り尽くされているので割愛。 彼女は歴史において世紀の大悪“漢“として知られている。 それは死後、事実を捻じ曲げられ、正義と信じて行った彼女の行為は全て、権力者を陥れるためのマッチポンプだったとされてしまったためである。 歴史書では、権力に溺れ、邪魔な人間には言われもない罪を被せた悪魔だと書かれた。 果ては一部の間で、初めから皇帝に取り入るために趙王を踏み台にする計画だった、巫蠱の呪いを広めた呪術師だった、皇帝を呪術で操っていて江充が死んだから正気に戻った、とまで言われる始末である。 また、皇帝が性に良いように利用されていたという噂を恥と考えたのか、性別までもが事実を隠蔽されている 彼女は悪人や軽薄な遊び人に生理的嫌悪感を抱いている。 普段は極めて冷静沈着で、皇帝に仕えるために常時営業スマイルで過ごしていたために普段はずっと笑みを浮かべている。 善人とは言わずとも普通の人々に対しては基本的に愛想が良く、気に入られやすい。 故に笑顔で静かに怒るタイプだが、度を越した悪を前にすると処刑や斬首の事しか頭に無くなり早口で捲し立てるように喋り方になる。 焦ると短絡的な行動を取りがちで、後になって後悔することは少なくない。 生涯を法と悪の根絶に生きたため、女子力など皆無であり圧倒的に処女である。 【特徴】 身長は160cm程で77-55-78のややスレンダー型、腰まで伸びる真っ白な髪を細長く肩辺りまで垂らした形の垂挂髻に結っている。 服は古代中国の基本色(五行・五方を表わす色)である「青(緑)赤黄白黒」から黄色を抜いた4つ(性格には青と緑は同色扱いなので5つ)の原色のみで構成されている。 余談だが、古代中国において黄色は皇帝や帝王、赤は希望や幸福、青(緑)は新鮮さや清廉、白は純潔や高貴さ、黒は厳正さや神秘の色とされていた。 神秘や魔を厳正に見ぬくフレームの細い黒縁メガネを掛けており、下着は純潔と清廉さを兼ね備えた青と白の縞柄。 音楽家の使用するものとは違う軍用の真っ赤な指揮棒を常に持ち歩き、何かを示したり指示を出す際は指揮棒を振るのが癖。 肩にかかっている黒地マントの背中部分には、デカデカと白で『正義』という刺繍が入っている。 服装は名前がよくわからないのでぶっちゃけると恋姫†無双の賈駆のイメージ(メイドではない)。 【聖杯にかける願い】 悪、冤罪の排除 【マスター】 杉下右京 【出典】 相棒シリーズ 【性別】 男 【Weapon】 手錠 【能力・技能】 類稀なる観察力や洞察力、記憶力、分析能力、推理力を持つ。護身術や剣道の心得もある。 【人物背景】 警視庁特命係係長の警部。 東京大学法学部を卒業後は渡米し、帰国してからはキャリアとして警察庁に入庁、かつては警視庁刑事部捜査第二課にて活躍していた。 過去に小野田官房長官(当時は参事官)と共に「北条邸人質籠城事件」を担当する緊急対策特命係を結成。 作戦参謀として交渉に当たるが、解決を急いだ小野田の判断ミスで多数の死者を出してしまった責任を取らされ、特命係という名の所謂「窓際部署」に配属となってしまう。 以降特命係は”クビにはしないが警察を自主的に退職してもらいたい人物”を左遷する恰好の部署として利用され、事実杉下の冷たい態度と異常な有能さを見せつけられた者は即座に辞めていく。 故に特命係は「警視庁の陸の孤島」と呼ばれ、杉下右京は「人材の墓場」と呼ばれるようになった。 しかし、杉下右京を変えた切っ掛けである「亀山薫」やその次の相棒「神戸尊」などを介して少しずつ性格が丸くなっていった。 神戸が異動してからは「甲斐享」という青年に価値を見出し、彼と3年間特命係を続けていたが、実は享が凶悪暴行犯「ダークナイト」であると気づき自らの手で逮捕した。 身内であっても悪を許さないその姿勢は警察内部でも恐れられ、甲斐享の上司としての監督責任で無期停職の処分を下された後、イギリスへと渡った。 極めて冷静沈着な性格で、警察然とした姿勢を心がけている(違法捜査はする)。 イギリスに留学していた経験があるからか紅茶に並々ならぬこだわりを持っており、ポットを高く掲げて滝のように紅茶を注ぐ奇妙な入れ方をする。 雑学的なものから円周率まで幅広い知識を持ち、クラシックや落語などの趣味も多彩である。 人は犯した罪を法で裁かれなければいけないという信念から犯人も含めて人の死を嫌い、警察官なのに拳銃を持ち歩かないどころか射撃訓練さえしない。 警察の上層部や警察の権力が通用しない検察庁の様な場所でも関係ないとばかりに捜査を進め、犯人を暴く。 それによって、彼を深く知っている者からは「杉下の正義は時に暴走する」と言われている。 【マスターとしての願い】 人は罪を法によって裁かれるべきですから、僕には聖杯に望むものなど、ありはしませんよ