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ダンゲロスFU2プロローグSS1『新・フランとゴリラの大冒険 その1』 ラーメン屋の階段を上った先の、三階の八号室。 一歩足を踏み入れれば、冬場でもクーラーの冷気が肌を刺し、 見渡せば入口を除いた全ての壁が機械類で埋まっている。 そんな、訪れる客の事などまるで想定していないかのような一室。 そこに『NEET探偵事務所』はあるのだ。 そんな部屋の中央で、ベッドの上に座り込む人形が言葉を発した。 「……ふむ。話は分かった。要はそれがきみの依頼というわけか。 『みんなにSSやイラストを書いてもらいたい』と」 正確には人形ではない。白い肌に長く美しい黒髪の、人形のような少女。 この奇妙な探偵事務所の主、ニート探偵アリス。 そして、毛布に包まる彼女と向かい合うのは。 「白金遠永さんのアドバイスで能力を作ったけど、 やっぱりみんなSSを書いてくれなくて…… SSやイラストは、ダンゲロスのゲーム性を損なう不純物なのかなって……」 もう一人の少女、フランソワと―― 「ウホ……」 あと、ゴリラだ。 「そうね……絵を描いたりSSを書いてる時間があれば、 その分作戦会議に参加してほしいと思う人の方が多いかもしれない…… SSやイラストは刺身のツマどころか、刺身パックに入ってる葉っぱ的なアレのような存在……」 「ウホ……」 失意のために肩を落とし、溜息混じりにぽつりぽつりと喋り始める2人(?) しばらくの間、無言でそれを見つめていたアリスだが―― フランソワの切々とした語りに、ただ一言だけ口を差し挟む。 「それはバランと呼ぶ」 「?」 「刺身パックに入っている葉っぱ的なアレだ。知らないのかい? 元は寿司の食器や仕切りに使った葉の事で、『葉蘭』と書く。 かつては芸術としての笹切りや、防臭としての意味合いがあったのだ。 断じて無意味な存在ではないという事を認識したまえ」 「ウホウホ?」 「人が生み出すものに、無意味なものなど何もない。自分の才能を卑下するのはやめたまえ。 芸術はなぐさみの遊びではない。それは闘いであり、ものをかみつぶす歯車の機械だ、という。 SSもイラストも、決して無力ではない。それはぼくが保障する。 そもそもきみ達SSイラスト書きが無意味だというなら、ぼくのようなニートはどうなる。 それは同時に、ニート探偵たるこのぼくの力を借りに来たきみの判断力まで卑下することになる」 「よくわかんないけど」 「ウホウホ」 「SSやイラストを書いてくれるのかな?」 「買いかぶらないでくれたまえ。ぼくはそんな能力もない、単なるニートだ。 けれど同時に世界を検索し真実を見つけ出す探偵でもある。 それが依頼であれば、ぼくは無限の窓からSS書きとイラスト描きを捜し出してみせよう」 冷ややかな口調のまま、自信に溢れた言葉を紡ぐアリス。 思いもよらないニート探偵の快諾を受け、 これまで悲しみに沈んでいたフランソワとマタンゴリラの瞳に、再び輝きが灯る。 「SSや絵を描いてくれる人を探してくれるって! よかったね!」 「ウホウホ!」 白金遠永以来の協力者の出現に、全身で喜びを表現するフランとゴリラ。 ゴリラの巨体とフランソワのインペルダウンが狭い部屋を揺らし、 アリスのPCを複数巻き込んで破壊する。 「待ちたまえ!! いきなり何やっているんだきみたちは!!」 「お礼をしなきゃ」 「ウホウホ」 「そうだ、こんなところにバナナがあるわ」 「ウホウホ」 「ちょ、ぼくがドクターペッパーしか飲めないのを知って……!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ そんなわけで、新しくアリスを仲間に加えた、フランとゴリラの大冒険が始まりました。 殺伐とした生徒達の中から、SSやイラストを書いてくれる親切な人は集まるのでしょうか? 3人の冒険は、まだまだ続きます。 「今日もいい事したね!」 「ウホウホ!」 「明日もお散歩しようね!」 「ウホウホ!」 「明日はどこに行こうかなぁ。」 めでたしめでたし。
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タイクンザムザ 潮島の洞窟内で発見された甲殻種。コナマキダケなどの菌類と共生しており岩と同化したかのような見た目のため発見することは非常に困難。毒やマヒ性の毒に耐性を持つ。左右の鋭い鎌と巨大な鎚のような手の特性を理解することが狩猟への近道と言われている。 別名 多殻蟹(タカラガニ) 称号 タイクンザムザハンター(20)/大君(50) 大君<たいくん>君主の敬称。または江戸時代、外国に対して用いた将軍の別号。 実績 未知の生態系 タイクンザムザ武具 武具の種類 名称 備考 片手剣 多殻剣 多殻剣【木通】 <あけび>アケビ科アケビ属の蔓性落葉低木 多殻剣【寒葵】 <かんあおい>ウマノスズクサ科カンアオイ属の常緑多年草 多殻硬剣【烏柄杓】≪剛種武器≫ <からすびしゃく>サトイモ科ハンゲ属の多年草 多殻硬剣【黒百合】≪剛種武器≫ <くろゆり>ユリ科バイモ属の多年草 双剣 多殻双 多殻双【梔子】 <くちなし>アカネ科クチナシ属の常緑低木 多殻双【芙蓉】 <ふよう>アオイ科フヨウ属の落葉低木。または蓮(はす)の花の別名 多殻鋭双【雪中花】≪剛種武器≫ <せっちゅうか>水仙(すいせん)の別名。ヒガンバナ科スイセン属の多年草 多殻鋭双【水芭蕉】≪剛種武器≫ <みずばしょう>サトイモ科ミズバショウ属の多年草 大剣 多殻大剣 多殻大剣【紅花】 <べにばな>キク科ベニバナ属の一年草 多殻大剣【薮椿】 <やぶつばき>ツバキ科ツバキ属の常緑高木。山野に自生する椿(つばき) 多殻挟剣【鳳仙花】≪剛種武器≫ <ほうせんか>ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草 多殻挟剣【石楠花】≪剛種武器≫ <たからきょうけん【しゃくなげ】>ツツジ科ツツジ属の常緑低木 多殻獄挟剣【彼岸花】≪天嵐武器≫ <ひがんばな>ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草 多殻獄挟剣【緋牡丹】≪覇種武器≫ <ひぼたん>ボタン科ボタン属の落葉低木 多殻獄挟剣【緋華玉】≪G級覇種武器≫ <ひかぎょく>サボテン科ギムノカリキウム属の園芸植物。<ひかだま>ともいわれる 多殻獄挟剣【花菖蒲】≪烈種武器≫ 太刀 多殻刀 多殻刀【南天】 <なんてん>メギ科ナンテン属の常緑低木 多殻刀【柿蘭】 <かきらん>ラン科カキラン属の多年草 多殻鍛刀【金木犀】≪剛種武器≫ <きんもくせい>モクセイ科モクセイ属の常緑小高木 多殻鍛刀【姫百合】≪剛種武器≫ <ひめゆり>ユリ科ユリ属の多年草 ハンマー 多殻鎚 多殻鎚【白檀】 <びゃくだん>ビャクダン科ビャクダン属の半寄生常緑高木 多殻鎚【黄楊】 <つげ>ツゲ科ツゲ属の常緑小高木 多殻壊鎚【鬼胡桃】≪剛種武器≫ <おにぐるみ>クルミ科クルミ属の落葉高木。野生の胡桃(くるみ) 多殻壊鎚【黒文字】≪剛種武器≫ <くろもじ>クスノキ科クロモジ属の落葉低木 狩猟笛 多殻笛 多殻笛【朝顔】 <あさがお>ヒルガオ科サツマイモ属の蔓性一年草。または桔梗(ききょう)の古名 多殻笛【蛍葛】 <ほたるかずら>ムラサキ科ムラサキ属の多年草 多殻舞笛【姫沙参】≪剛種武器≫ <ひめしゃじん>キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草 多殻舞笛【紫陽花】≪剛種武器≫ <あじさい>アジサイ科アジサイ属の落葉低木 ランス 多殻槍 多殻槍【鈴蘭】 <すずらん>ユリ科スズラン属の多年草 多殻槍【空木】 <うつぎ>ユキノシタ科ウツギ属の落葉低木 多殻捩槍【一人静】≪剛種武器≫ <ひとりしずか>センリョウ科チャラン属の多年草 多殻捩槍【沈丁花】≪剛種武器≫ <じんちょうげ>ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木 ガンランス 多殻銃槍 多殻銃槍【芍薬】 <しゃくやく>ボタン科ボタン属の多年草 多殻銃槍【石榴】 <ざくろ>ザクロ科ザクロ属の落葉小高木 多殻断槍【雛芥子】≪剛種武器≫ <ひなげし>ケシ科ケシ属の一年草 多殻断槍【君子蘭】≪剛種武器≫ <くんしらん>ヒガンバナ科クンシラン属の常緑多年草 ヘビィボウガン 多殻重砲 多殻重砲【葉蘭】 <はらん>ユリ科ハラン属の常緑多年草 多殻重砲【鬼蕗】 <おにぶき>アリノトウグサ科グンネラ属の多年草 多殻堅重砲【八角蓮】≪剛種武器≫ <はっかくれん>メギ科ハッカクレン属(ホドフィルム属)の多年草 弓 多殻弓 多殻弓【鳩麦】 <はとむぎ>イネ科ジュズダマ属の一年草 多殻弓【力芝】 <ちからしば>イネ科チカラシバ属の多年草 多殻強弓【小判草】≪剛種武器≫ <こばんそう>イネ科コバンソウ属の一年草 多殻強弓【今芽樫】≪剛種武器≫ <いまめがし>ブナ科コナラ属の常緑小高木。姥目樫(うばめがし)の別名。 防具 ザムザ
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…只今編集中… リスト(名前順) 名前 読み方 性別 年齢 花 身長(ブーツ高) 不思議な力 浅水 雪月 あさみ ゆつき 女 18歳 フリージア 149cm 物と物を繋げる 伊岳 小菊 いだけ こぎく 女 20歳 小菊 158㎝ 植物や葉を集め菊人形の様に人型を作り擬似生命を与える 今待 忍 いままち しのぶ 女 35歳 ハナシノブ 触れた箇所の神経を一定時間麻痺させる 有楽 嘉平 うらく かへい 男 42歳 月桂樹 187㎝ 掌で触れた箇所の痛みを抑える おだ夫 おだお 男 22歳 熊谷草 179cm 素手で触ると腐る 乙切 樒 おとぎり しきみ 男 18歳 弟切草 167㎝(+3㎝) 死期が近い人が匂いで分かることがある 音無 杏 おとなし あん 女 20歳 勿忘草 157㎝ 植物の芳香を生み出せる 乙女 琥珀 おとめ こはく 男 18歳 ヨーロッパインケイスミレ 145㎝ 指先でなぞったものの切開 乙女 瑪瑙 おとめ めのう 女 18歳 オトメスミレ 145㎝ 指先でなぞったものの縫合 鬼灯 夕透 おにあかり ゆうすけ 女 30代後半 鬼灯 181cm 鬼火に変わる札を操れる 花々 かか 女 ナイショ 月下美人 165㎝ 血の使役 片坂 清五 かたさか せいご 男 22歳 片喰 160㎝ 怪我や病気の箇所に黒霧のような物が見え程度で濃さが違う 茄ノ谷晴紗 かのや はるさ 女 27歳 ハシリドコロ 169cm 液体の物質濃度を変化させる 神室 千春 かむろ ちはる 男 15歳 鬱金香 160㎝ 声を聞いた相手を虜にする 烏羽 なぐさ からすば なぐさ 女 25歳 勿忘草 162㎝ 触れたものから植物を生やす 楽園 ルイ がくぞの るい 男 15歳 トマトの花 158㎝(+2㎝) 涙で動物を模り人形師のように自在に操る 喜々野 千紗 ききの ちさ 女 17歳 エゴノキ 141㎝(+4㎝) 泡を作り出す能力(有毒性) 季秋 花鶏 きしゅう あとり 男 19歳 梨の花 177㎝ 写生記憶 鬼道 秋月 きどう あきづき 男 26歳 アイスランドポピー(赤) 170㎝ 頭を撫でたものの心や怪我の痛みや傷を少し和らげる事ができる 吉備 李々花 きび りりか 女 28歳 李(すもも) 158㎝ 癒しの力がある李の香りで相手を治癒する 煌星 百合香 きらぼし ゆりか 女 15歳 白百合 145cm 鎮静作用の医療品の生成 櫛川 芳成 くしかわ よしなり 男 46歳 からすうり 186㎝ 万物に鍵をかける 久稚宮 靖隆 くじみや やすたか 男 24歳 うさぎ苔 181㎝ 鬼の捕食 紅 夾佳 くれない きょうか 女 29歳 夾竹桃 168㎝ 口づけた周囲の痛覚を麻痺させる 佳南 けいなん 男 29歳(自己申告) 葉蘭 およそ2m 予言 犀川 銀一郎 さいかわ ぎんいちろう 男 28歳 銀木犀 176㎝ 香りを操り、鎮痛や安心感、脱力感、眠気など麻酔に似た効果をもたらす 栄 潔彦 さかえ きよひこ 男 43歳 枝垂桜 188㎝ 触れた相手の傷の深さや体調善し悪しを一瞬で感じ取ることができる 紫雲 鳳 しうん おおとり 男 23歳 トリカブト 195㎝ 対象の「意識」を操る 清水 片花 しみず かたはな 男 26歳 カモミール 176cm(下駄込み) カモミールが持つ効能を触れた相手に与える 芍 しゃく 男 28歳 芍薬 167㎝ 透視 遮那 しゃな 男 不明 沙羅双樹 170㎝ 死にゆく生物に無痛と心の安寧を与える 白金ひるよ しろかね ひるよ 女 23歳 金木犀 167㎝(+5㎝) 嗅覚 代樹 晩秋 しろき ばんしゅう 男 51歳 アベリア 176cm 痛覚譲渡 代樹 冬 しろき ふゆ 女 24歳 スイカズラ 143㎝ 体の直接触れた部分の、自然治癒能力を含む機能の手助け 水仙 夕日 すいせん ゆうひ 男 15歳 喇叭水仙 162㎝ 物や人の過去を見る事ができる 瀬鎚 憂佳 せづち うか 女 19歳 水仙 158㎝ 痛みを押しつける 川骨 せんこつ 男 25歳 コウホネ 170㎝ どんな怪我や内出血も止血する 高鈴千治 たかすず せんじ 男 25歳 千振 174㎝ 痛を消す 篁 伊都 たかむら いと 男 18歳 蕗の薹 171㎝ 口の中に入れ食したものを分析する能力 滝本 あづさ たきもと あづさ 女 25歳 紫陽花 162㎝ 患者の身体に触れて怪我や病の度合いを測る 月咲 朧 つきさき おぼろ 女 25歳 朧月 165㎝ 怪我に直接手で触れて治す 衝羽根 コノギ つくばね このぎ 女 23歳 ツクバネ 161㎝ 草木の成長を促進する 椿谷 寧々 つばきや ねね 女 20歳 椿 160㎝ 細胞の活性化 藤堂 一 とうどう はじめ 男 40歳 チコリー 176cm 素手で触れた相手に暗示を掛ける 桃野 瑠璃 とうの るり 女 18歳 桃 158㎝ 桃の木を生やし、その実には治癒能力があるが食べ過ぎると毒 冬蘭 月撫 とうらん つきなで 男 29歳 月下美人 184㎝(+6㎝) 右目で『見た』ものの動きを封じる 時任 奏ヱ ときとう かなえ 女 27歳 朝顔 168㎝(込) 涙を流している間、触れたものを癒す 杜羅 つぐ とら つぐ 女 20代 芥子 血に幻覚作用や鎮痛作用があり、薄めて使えば普通の薬になる 凪草 菊姫 なぐさ きくひめ 女 25歳 菊 163㎝ 偽りだが人の気分や感情を変える事 薺鳴 戯南 なずなり ざなん 男 24歳 ナズナ 173㎝ 患部の時間操作 ネリネ・リリー ねりね・りりー 女 18歳 ネリネ 152㎝ 負傷者の傷口に涙を流し落とす事で花を咲かせて完治させる 花澤あおい はなさわ あおい 女 20歳 勿忘草 153㎝ 自分を他人から認識されにくくする 花鶫 夢 はんつぐみ ゆめ 男 49歳 アロエ 185㎝ 己の体の一部を硬化できる 柊 南天 ひいらぎ なんてん 女 18歳 柊南天 160㎝ 他人の傷を癒す 日高 約 ひだか つづま 男 30歳 山梔子 176㎝ 言霊 風雅 ふうが 男 29歳 枇杷の花 190㎝ 治癒能力のある金平糖や飴を作り出す 藤田 利和 ふじた としかず 男 26歳 藤 176㎝ 物の一部、また、その物全体の時間を操る 平武 呂久助 へいむ ろくすけ 男 32歳 毒人参 175㎝ 首を一周する赤い痣から、効能のある甘い匂いをだす 紅緒 末丸 べにお すえまる 男 21歳 紅花 181㎝ 薬指の爪を患部に刺して傷を癒す 御神楽 鈴蘭 みかぐら すずらん 男 24歳 鈴蘭 182㎝ 一目見るだけで患者の病状が解る 三笠 みかさ 男 27歳 ネコヤナギ 161㎝(+5㎝) 人の人生を巻物にして読むことができる ミカナギ みかなぎ 男 15歳 蜜柑の花 164㎝ 触れたものを治癒の力を持つ結晶に閉じ込める 蜜都 みつくに 女 自称14歳 キスツス 160㎝ 自分の声を優先的に他人の耳に届ける 皆川 埜衣 みながわ のい 男 15歳 アリッサム 166㎝ ケガの場所に手を添えて痛みを半分自分の身体に移す 郡乃崎 千 むらのさき せん 男 31歳 千振 170㎝ 自らの足を運んだ事がある場所~場所へ物や人を移動させる 百鬼 千陽 ももき ちひろ 男 28歳 薔薇 197㎝ 唾液を様々な成分にすることができる 弥絲 甚勒 やいと じんろく 男 57歳 苦蓬 175㎝ どこをどうすれば怪我を直せるか見ただけで分かる 吉野家 桜次郎 よしのや おうじろう 男 26歳 桜 180㎝ 半径100m以内の生物の気配を察知する 雷卍 らいもん 男 21歳 ツリフネ草 178㎝ 放電 莉華 りーふぁ 男 不詳 素心蝋梅 171㎝ 空想生物を召喚する 龍堂 乱嘉 りゅうどう らんか 男 23歳 石榴 185cm 痛みを自分に移す 蓮加 睡 れんか すい 男 14歳 睡蓮 毒草・花にかかった人の症状が分かる 冬葱 寧音 わけぎ ねいね 女 20歳 葱坊主 153㎝ 他人の目から涙を流させる
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プレイヤーも武器も成長期 腕を磨きつつ、武器を強化しておこう 上がりたては下位で作った武器の強化(イニティ→シブレラを含めて)でやっていく 武器の選定基準は下位とほぼ同じ。 もし斬れ味レベル+1の装備を作ることができたら、それ用の武器(白ゲージが出る武器)を用意してもいいかなという感じである。 全体的に言えることだが、 ここで苦労して作った武器も早ければ凄腕、遅くともSRに入るころにはついていけなくなる(天廊武器は別)のでつなぎとして手軽に作れるものを選ぶと良い。 この辺りからガンナーも視野に入ってくる。 始める時はガンナーの基礎知識に目を通しておこう。 大剣 太刀 片手剣 双剣 ハンマー 狩猟笛 ランス ガンランス ライトボウガン ヘビィボウガン 弓 大剣 ある程度防御力が上がってきたら「不動」を使ってみてもよい。 噛み付きや尻尾回転ぐらいの弱めの攻撃であれば耐えつつ反撃ができる。 しかしながら多段ヒットもまとめて受けるので使いどころに注意。 武器 攻撃力(会心) 属性値 最大切れ味 説明 緋骨大剣【迷霧】 1056 麻痺320 青 強化可能HRは4だが大半の素材をHR3から集めておける。 カイデンブレイド 1296 無 青 コインメモ要求数が半端無いが、作れば凄腕でも現役な無属性大剣。 ナルコレプター改 960 睡眠450 青 一般的な睡眠大剣、ソロで大活躍出来る。 祖龍聖剣【暁】 1248(-10) 龍450 青 しゃもじとかホタテとか呼ばれてる、一般的な龍大剣。凄腕でも使える。ただし、HR4で登場する相手が手強い。 太刀 錬気ゲージの維持、突き下がりと切り下がりの使い分けなど意識しないといけないことが増えてくる。 武器 攻撃力(会心) 属性値 最大切れ味 説明 鬼神斬破刀 768 雷490 青 みんな大好き鬼斬破のバージョンうp版。フルクシャの友。雷が効く奴には担いでいける性能。 ガスパールネスタ 864(5) 火160 緑 下位武器で紹介したガスギャルドの強化版。火属性+素材が楽。太刀でドド牙折りたいならまずはこれ。作成方法は下位の記事を参照。 白猿薙【ドドド】 864(10) 氷350 青 牙さえ折れたら即戦力になる。氷なのでラージャン尻尾破壊にも。素材集める前に適当な火武器を作っておこう。 天上天下無双刀 912(20) 無 青 強化していけば凄腕序盤の素材集めまでは使える。 多殻刀【南天】 1008(5) 雷470 青 HR3から作れる中では破格の攻撃力に斬れ味、属性も良い。ほぼ上位ザムザ素材で楽に作れるが、生産に蒼状態でのみ出る鋭槍が1つ必要。 片手剣 この辺りから属性武器も実用的になる。無論状態異常武器も引き続き使える。毒武器もまだ現役。 スライディングからの反転攻撃、定点攻撃の無限連斬なども状況に応じて使えるようにしておきたいところ。 武器 攻撃力(会心) 属性値 最大切れ味 説明 クックドハツテン 252(20) 火340 青 HR3でのドド牙折り道具として。ドド牙はドドドやニャキなどで結構使うので持っていると吉。 黒滅龍剣 336(-20) 龍600 青 HR4で製作可能。ミラバルカンを倒さなければならないが、龍片手としてぶっ壊れた性能を持つ。 クイーンゴールド 294 毒430 青 HR4で作れる割には高い毒属性とそこそこの攻撃力を持つ。手数の多い片手剣と毒の相性はいいので便利な1本になる。 シヌスカリンガ 308(15) 水310 青 簡単に作れて高性能な水片手、凄腕で強化先もあるので作って損はない。 牙狼剣【彩雲】 308(10) 氷450 青 HR4で作成可能、そこらの凄腕武器のような性能をしている。凄腕での強化先がないのが欠点。 緋骨剣【光流】 294 麻痺280 青 当てやすい長リーチと麻痺属性を兼ね備えた便利な逸品。完成はHR4だがHR5時点でもHC適正対象(HR5時点のHC適正レア度は7)なので長く使える。HC適正ボーナス自体は微妙だが 双剣 防御面をカバーできるので実用的になるが、斬れ味消費の激しさはこの時点ではどうしようもない。 乱舞と乱舞旋風はこの時点では火力・切れ味消費双方の面から微妙なので、 基本的に真鬼人回避と切り上げ・縦切りを組み合わせた攻撃を主体にするといい。 武器 攻撃力(会心) 属性値 最大切れ味 説明 アンフィスバエナ 266 氷300 緑 HR3から作成可能。氷属性なのでラージャン尻尾破壊に使える。そのうち改に強化出来るからってホイホイ強化しないこと。 ギルドナイトセーバー 266 水230 青 オーダーレイピアをHR3から基本採掘のみで強化可能。切れ味が長くて使いやすい。なおG級の派生は次のツインドレスソードに強化してしまうと不可能になる。素材も重いし今となってはツインドレスが指定されることもないので強化は慎重に クックカッター 280(20) 火300 青 切れ味ゲージが長く上位で作成可能な火双剣としてはかなり優秀。クックの地獄耳とガルルガのクチバシが面倒ではある。 紅蓮双刃 308 龍270 青 紅蓮双刃は双龍剣【天地】までのつなぎ武器だったが、F.2で強化できるようになった。炎龍の塵粉は入手が少し面倒だがギャラリー大会Gや祭Pなどの手もある。古龍種素材はテオとラオだけでOKな点など、天地に比べ素材が簡単。 巨龍双刃 322 龍320 ハンマー Fのオリジナルモンスターは案外頭にすんなり打撃を通せる相手が多い(上位時点で厳しいのはグレンぐらい)。 しかしながら漫然と振っていては当てるのが難しいモンスターも居るので工夫したいところ。 武器 攻撃力(会心) 属性値 最大切れ味 説明 ウォーバッシュ 1040 無 青 上位に上がって採取だけですぐ(ネ実基準)作れる上に強い。最大切れ味は青だが短いので一瞬で緑になる。 カイデンハンマー 1248 無 青 武器スロ3に高攻撃力と、作製の労力に見合うだけの性能はある。 ロック・クリンゲ 1144(5) 火120 青 ↑のカイデンを除けばHR4ではかなり高性能。もう1段階強化できるが、大して攻撃力UPしないのにレア素材を大量に使うので強化しないほうがいい。 狩猟笛 笛吹珠を作れるので非課金・猟団未所属でも笛吹き名人を発動できるようになる。 この辺りから「白+赤」の上位互換である「紫+赤」の組み合わせを強く意識した武器チョイスをしたい。 武器 攻撃力(会心) 属性値 最大切れ味 旋律 説明 緋骨笛【舞扇】 1040 麻痺180 青 紫青赤 下位から順当に強化して凄腕序盤でも通用する性能 ドン・フルート 1092 水320 青 紫緑赤 HR4で作成可能なくせに攻撃力が1092/水320もあり強力。赤旋律もあるので強い。 ランス 範囲ガードや強ガードが有効に機能するモンスターが登場する。 ククボFではガード性能を上げるのが難しく、範囲ガードはこの時点ではあまり多用できない。 武器 攻撃力(会心) 属性値 最大切れ味 説明 ダイヤモンドダスト 414 氷320麻痺120 青 上位に上がって採取だけですぐ(ネ実基準)作れる割に強い。麻痺もあるので意外と便利。ラージャンならそのまま尻尾破壊にも参加できる。 黒滅龍槍 506(-10) 龍560 青 上位武器で龍属性の槍といえばコイツ。改心マイナスだが属性値が高いこともあり強力。しかしながらHR4でミラバルカンを狩らなければ作れない。 撃竜槍【金剛】 506 龍150 青 ↑と同じ龍属性だが、下位武器で紹介したバベルからの強化かつ入手HRが低いのがポイント。折れた撃龍槍は拠点防衛で入手可能。 クリウーフキオーン 483 氷350 緑 極長なので担げる相手は少ないが、性能はかなり高い。強化していけば凄腕でも使用可能で最終的にはG級技巧武器まで行ける。HR3のパールカキオーンでもドド牙折る必要あり。 ガンランス 砲撃Lv5はまだ使えない。 ランス同様、ガード性能を上げるのが難しいのがネック。強ガードで少し強化できるので活用していくとよい。 武器 攻撃力(会心) 属性値 最大切れ味 砲撃 説明 スノウギア=ドライヴ 437 氷150 青 通常Lv3 HR3から作成可能。上位序盤ではこれ一つだけでやっていける。 ガンチャリオット 437 龍280 青 放射Lv3 ご存知みんな大好きガンチャリオット。作成可能なHR4の時期なら性能は高め。紅玉と尻尾集めが少々面倒だけどラオ玉を要求されるナナガンスよりはマシ。凄腕での強化を経てG級技巧武器にもなる。 緋骨銃槍【勇猛】 437 麻痺260 青 放射Lv4 HR4で作成可能な数少ない砲撃Lv4のガンランス。作成難度もそこまで厳しくはない。 ホワイトバースト 483 火250 青 放射Lv4 こちらもHR4では貴重な砲撃Lv4。入手はホワイトガンランス系列から。青ゲージの長さは並の上位銃槍の2.5倍。アチモメモ以外の素材はHR3で集まる。 ライトボウガン 反動軽減や装填数UPを付けられるようになり武器も豊富になるため、ジャストショットの選択肢が増す。 また、このあたりから状態異常弾や拡散弾も運用可能となる。 昔はHR51試験で拡散弾を使うことになるので専用装備を作ることも求められていた。今のHR3緊急は上位ルコなので…… ちなみにFのLv2貫通弾は反動「中」のボウガンなら反動軽減スキルなしで無反動撃ちができる。 なので実弾ジャストショットに引き続き注力するなら、スキル優先順位としては装填数UP 反動軽減。 状態異常弾を使うなら別だが。 武器 Lv1攻撃力(会心) Lv5攻撃力 装填反動弾速 速射 説明 カンタロスガン 180 240 やや速い中遅い HR3からの拡散用ボウガン。地味に通常弾Lv3が12発装填なのでジャストショットもそれなり。 カンタロスライフル 204 264 牙狼砲【陣風】 240 300 速い中速い Lv1貫通 HR3から作れるようになった拡散・麻痺撃ち用ボウガン。拡散のみであれば装填数UPが不要なのが最大の特徴。なお実弾撃ちには向かない。 繚乱の対弩 276 336 やや速い中速い Lv1散弾Lv1貫通 状態異常・速射・貫通Lv2ジャストショットに対応し拡散も撃てる高性能ボウガン。ただ凄腕になると拡散祭り以外では力不足。 緋骨軽弩【飛水】 240 300 やや速い中遅い Lv1散弾Lv2通常 それぞれHR3~、HR4~作成可で作成もしやすい。麻痺デフォ4/2装填、通常2速射とサポートに攻撃に光る一品。 緋骨軽弩【飛鳥】 264 324 ドン・スプラッシュ 264 324 普通中速い Lv2通常水冷 装填数9発の通常2速射、貫通Lv1&2が6発装填、状態異常弾も毒麻痺睡眠が撃てる、と汎用性が高い。ただし装填速度に少し難があり、状態異常サポにはやや不向きか。HR4~ 怒髪弩【海風】 264(10) 324 やや速い中遅い LV1散弾LV2通常弾 パッとしない性能だがこの時点で数少ない散弾Lv2&Lv3の6発装填に対応。(圧縮の暴発などで)へビィでどうしても山篭りが難しいなら、これでジャストショットするという最終手段がある。なおLv3は反動軽減+1が必要なので注意。 ヘビィボウガン ここからボウガン用の装備が構築できるようになる。 今から凄腕序盤までを見越したものを作るか、それとも最低限の物を組んで凄腕に上がってから組み直すかは貴方次第。 圧縮リロードはこのあたりから使えるようにはなるが、反動「小」、かつ反動軽減+2がないとあまり使いこなせない。 なので基本的には下位同様の運用方法になるだろう。 そのため、補助弾をメインにするライトと装備を共用するのがやや難しい(ジャストショット用となら共用可能)。 Lv5攻撃力はパワーバレル有のもの。 武器 Lv1攻撃力(会心) Lv5攻撃力 装填反動弾速 説明 ヴォルキャノン 336 420 やや速い中速い HR4時点で作れる中でも壊れ気味の貫通ガン。素材も黒龍を数匹分で揃う。 多殻重砲【鬼蕗】 360 444 普通小速い ↑を上回る威力・装填数を持つ。(貫通L3は撃てないが)ヘビィで拡散祭りする場合にも反動小でスキルが組みやすく使える。素材は下位&上位ザムザ第一形態と育成アクラを回して手に入れるとよい。ちなみにHR3から作成可能な多殻重砲【葉蘭】の方が、何故か要求素材がマゾい。 ディスティハーダ 348 432 やや速い中速い ヴォルキャノン以上の壊れ性能の貫通ヘビィ、というかフォルム的にも上位互換。ヴォルキャノンと同じHR4武器だが、こちらはミラバルカンを狩る必要あり。 弓 連射付きの装備が組めるようになってくるだろうから、ボウガンとは別に装備を組んでおこう。 凄腕武器に匹敵する攻撃力を持つ武器もチラホラある。 ちなみに強撃ビンが使えない武器はスルーした方がいい。 武器 攻撃力(会心) 属性値 溜め3 曲射 説明 覇弓レラカムトルム 300 龍200 連射Lv4 集中 作成が楽な上に強力。ソロで簡単にナズチ角折りができる。 殲滅と破壊の剛弓Ⅰ 300(20) 無 連射Lv3 集中 無属性連射弓で強い。距離確認に使えるが照準を出したときに角が邪魔。同デザイン色違いの「勝利と栄光の勇弓」は強撃ビンが使えないのでスルー安定。 龍弓【山崩】 300 龍180 拡散Lv4 集中 HR3で作れるくせに攻撃力が300もあり、龍属性もついている。しかし拡散弓なので使いこなすのは難しい。 ブロスホーンボウⅡ 276(10) 無 貫通Lv4 集中 簡単に作れてそこそこ強い貫通弓。
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通り悪魔―――― むかし川井某といへる武家ある時当番よりかへり、わが居間にて上下服を著かへて座につき、庭前をながめゐたりしに、縁さきなる手水鉢の もとにある、葉蘭の生ひしげりたる中より、 #29124;炎々ともゆる三尺ばかり、その烟さかんに立ちのぼるをいぶかしくおもひ、心づきて家来をよび、 刀脇指を次へ取りのけさせ、心地あしきとて夜著とりよせて打臥し、気を鎮めて見るに、その #29124;のむかうなる板 #23643;の上より、ひらりと飛びおりる ものあり、目をとめて見るに、髪ふりみだしたる男の白き襦袢着て鋒のきらめく鎗打ちふり、すつくと立ちてこなたを白眼(にらみ)たる面ざし 尋常ならざるゆゑ、猶も心を臍下にしづめ、一睡して後再び見るに、今まで燃立てる #29124;もあとかたなく消え、かの男もいづち行きけん、 常にかはらぬ庭のおもなりけり、かくて茶などのみて何心なく居けるに、その隣の家の騒動大かたならず、何事にかと尋ぬるに、 その家あるじ物にくるひ白刃をふり廻し、あらぬことのみ匐り叫びけるなりといへるにて、さては先きの怪異のしわざにこそとて、 家内のものにかのあやしきもの語して、われは心を納めたればこそ、妖 #23421;(わざはひ)隣家にうつりて、 その家のあるじ、怪しみ驚きし心より邪気に犯されたると見えたれ、これ世俗のいわゆる通り悪魔といふものといへり ――――山崎美成/世事百談 巻之四 □ …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。 薄暗い裸電球の明かりと、何処からか聞こえてくる蜜蜂の唸るような音に、男は目を覚ました。 体が痛む。 どうも少し寒いようだ。 「あっ、よかった。気がつきましたね」 最初に目に飛び込んできたのは少女の姿だった。 短く切り揃えられた茶髪の頭頂から、時計の針のような形をしたアホ毛がピョンと飛び出している。 このアホ毛の形、見間違えるわけがない。間違いなくこの少女は、男が意識を失う前に襲い、殺そうとした娘だった。 そしてその娘の背後にいるもう一人の女。 まるで星辰の女神の如き怜悧玲瓏冷厳たる美貌の麗女。 彼女は―――― 「ヒィッ!」 襲いかかってくる、やわいのに固いアミーバの衝撃。 自分が気絶した原因、この体に残る痛みの由来、そしてこの美しき金毛白皙の妖女の正体を思い出し 男は咄嗟にその場から逃れようとする。 だが男の体がその場より動くことは叶わない。その時になって初めて、男は自分の身体がロープで縛められていることに気付いた。 「待って!落ち着いてください! この人は宇宙から来た宇宙人で……でも悪い人じゃないんです。 あの時も、私を助けようとして攻撃したんです」 蛾眉を寸毫も動かさぬ女の代わりに、アホ毛の少女が必死になって弁明してきた。 宇宙人。 そんな事もあるのだろう。 この世には不思議な事など何もないのだから。 ただ己の知る微小な知識や常識を森羅万象の総てと勘違いした愚か者が、己が内的世界の常識に当てはまらぬからと言って ヤレ不思議だのソレ奇態だのと騒ぎ立てる。それだけの事なのだ。 「えっと……私の名前は時田刻。この人はセスペェリアさんです」 もがくのを止めた男に、娘……時田は自己紹介をしてきた。 背後のセスペェリアと呼ばれた異星の客は、言葉を発するどころか顔の筋一つすら動かさない。 「あの、よければ貴方の名前も教えてもらえませんか?」 時田の問いに、男は粘着く喉から掠れた声を絞り出して答えた。 「京極……竹人……」 □ こうして―― 京極と彼がつい数刻前に殺そうとした娘……時田刻の会話は始まったのだった。 会話の内容は、要は現在の状況についての情報交換だ。 何故自分が殺し合いに巻き込まれたのか心当たりはあるか。この島に来てから誰か他の参加者と出会ったか。 他の参加者の中に知り合いはいるか――等々。 時田はまず一通り自分の知っている情報を述べると、京極にも同じ内容を尋ねた。 それに対して京極は答えようとするが――何せこの京極竹人という男、ただでさえ日常生活においては口数の少ない上に、喋り方もボソボソしていて大変聞き取りにくい。 要するに口下手なのである。 更に、アホ毛をチクタクと動かしながら彼の話を懸命に聞き取ろうとする娘――時田に対する罪悪感が、京極の心に重く圧し掛かっている。 やろうと思えば、この少女は自分を殺そうとした相手に制裁を加えることができた。 しかし彼女は意識を失っている襲撃者に危害を加えたりしなかった。それどころか、彼を坑道内に見捨てず台車でこの休憩所まで運んでくれたのだ。 京極は――そんな優しい娘を殺そうとしたのだ。 慙愧の念が、呵責の思いが重石となり、京極の口下手に更なる拍車をかける。 違う。 自分は好き好んで、彼女を殺そうとしたわけではない。 ただ、 『あいつ』が 『あいつ』が来ると、京極は京極でいられなくなるのだ。 『あいつ』が何処から湧いて来るのか、京極には分からない。 自分の内から湧くのか、自分の外から来るのか。 神経細胞のシナプスから湧くのか、それとも不可知の因果地平の果てより来るのか。 或いは、部屋の四隅の隙間――遍く空間の境界より、『あいつ』は湧いて来るのか。 京極には分からない。ただ一つはっきりしていることは、『あいつ』は京極自身の意志ではどうすることもできないという事だけだ。 だから『あいつ』が通り過ぎるのを待つしかない。それが出来ない時は―――― 『あいつ』の願いを叶えるしかない。そうしなければ、『あいつ』から理性を取り戻せない。京極は京極でいられなくなる。 だから殺さなければならないのだ。 『あいつ』の命じる通りに。 そんな余計な事を考えている所為か、京極の口下手は余計に悪化する。 故にどもる。つっかえる。同じ話繰り返す。言葉を失って黙り込む。 黙り込んでいると時田が心配そうな目でこちらを見てくる。 その時田の目に羞恥心と罪悪感が刺激される。赤面する。喋らなければと焦る。慌てる。 故に更にどもる。更につっかえる。 そんな事を続けるうちに、羞恥と自己嫌悪から京極の声はますます陰気になる。 それに伴ってただでさえ不健康で陰気な面相もますます陰気になって まるで五大陸全てが沈没した上に一族郎党姻族に至るまで全員が死滅したかのような、陰々滅々たる表情と化していく。最早陰気を通り越して凶相ですらある。 しかし時田は天性の根明さゆえか、京極の話の拙さ陰気さに嫌気が差しても話を打ち切ることなく、粘り強く会話を続けてくれた。 そんな聞き上手な少女のお陰か、京極もこの男にしては珍しく他人に胸襟を開き 自分が古本屋兼小説家を生業としている事 このバトルロワイアルの参加者に知り合いはいない事 初期配置は鉱山内で遭遇した参加者は時田たちのみという事 自分は平々凡々な小市民でありテロリストに拉致され殺し合いを強いられるような覚えは一つもない事 実家で芋虫という名前の猫を飼っている事 ……等を、時田につっかえつっかえながらも教えたのだった。 (その間セスペェリアは一言も発さず、ただ会話する二人を観察するように眺めているだけだった) こうして、嘗ての殺そうとした者と殺されかけた者の対話は平和に進行していった。 否――していくかと思われた。 □ 「――でも安心しました。京極さん、やっぱりあの時は混乱してただけだったんですね」 「混乱?」 暫しの会話の後、時田が気の抜けたような笑顔で言った台詞。 それが、京極には引っかかった。 「私を襲った……私と最初に会った時ですよ。 京極さん、急にこんな場所につれてこられて混乱してたんですよね? 殺し合いだなんて言われた所為で――」 「――――否、それは違う」 「へっ?」 「あの状態の僕を君が混乱状態だとカテゴライズするならばそれは宜しかろう。 だが殺し合えと言われ、次の瞬間には一瞬で空間を飛び越え暗黒の坑道内に送られたが故に僕が混乱状態に陥った ――と君が考えているのであれば、それは間違っている」 時田はぽかんとしている。 京極の話の内容もさることながら、彼が突然饒舌になったことに驚いたのだろう。 嗚呼、自分は余計なことを言おうとしている。そう京極は思う。 彼女の言うとおり、殺し合いの場に放り込まれて混乱していたのだと言っておけば ――仮令それが嘘だったとしても――全てが丸く収まるのに。 そうすれば京極は少女の常識内の人間、少女の世界の人間として存在できるのに。 しかし京極は耐えられない。自分の行為が、他者の狭量な常識とやらに当て嵌められて解釈されることに、彼は耐えられない。 「えっ、だけど、それじゃ何で私をその、襲ったりしたんですか? ま、まさか殺し合いに乗って本当に他の人たちを皆殺しにする気だったとか……?」 「真逆――あんな誇大妄想狂の戯言を真に受けるつもりはないよ。 ただこの状況下、この場所で君と出会ったというだけで、僕が君を襲った事に何らあの虚気者の影響はない」 「でも、それじゃあまるで私を襲う理由がないじゃないですか」 「理由……犯罪を行う動機か」 京極の無精髭の生えた口元を歪ませる。嘲笑ったか。それとも顔を顰めたか。両方だ。 「動機……動機など世間を納得させる為だけに必要とされる幻想に過ぎない。 そんなものには何の価値もないよ」 「はい?」 京極の答えに、時田が頓狂な声を出す。 「で、でも、動機って大事なんじゃないんですか? 刑事ドラマでもみんな動機を調べて犯人を捕まえてるし……」 しどろもどろに問いかける時田に、京極はいいかね、と打って変わって落ち着いた態度で、諭すように前置きをした。 「犯罪、特に殺人などといった行為はね、並べて痙攣的な行いなんだ。 犯罪者と非犯罪者を隔てるのは、犯行を行う切っ掛け……ほんの一瞬に魔が差すか差さないかという、たったそれだけの違いに過ぎない。 しかしそれを――犯罪者の精神と自分たちの精神の間に大した違いなどないことを認めたくない市井の自称罪無き一般市民とやらが 自分たちは犯罪者とは違うのだと遠まわしに証明するために動機などというものを必要とし、動機などというものを信じ込むんだ。 動機を自供する犯罪者自身にしたってそうさ。自供内容を考えている時点で、犯人は自分の過去の犯罪を客観的に観察している 第三者に過ぎなくなっているんだからね。そして動機などという自己欺瞞を考え出すのだ。 成程――君はこう反論するかもしれないね。世には予め計画の準備された殺人もあるのではないかと。 しかしね、誰かを殺したいなんて思考は、僕でも君でも、程度の差こそあれ誰でも心の中に持っているものなんだ。 それを現実に犯行を為すには、やはり『魔が差す』必要があるのさ。それだけの違いなんだ。 しかし世間の人間はそれを認めたがらない。自分も魔が差せば犯罪を行う……という事実を直視するのが恐ろしいのだね。 それ故に世間の人間は犯罪者に動機を求める。犯罪者は異常な環境下、異常な心理状態でこそ悪行を為したのだと納得したいのだ。 故に、犯罪者の動機がありがちであればあるほど犯罪は信憑性を増し、深刻であればあるほど世間は納得する。 そうやって犯罪者を自分たちの日常から切り離し、穢れとして彼岸の匣に封じて安心を得ようとする……。 無意味蒙昧な愚行だ……愚行だよ……愚行愚行……」 長口上を休みなく澱みなく述べる京極は、先程の口下手な男とはまるで別人のようだった。 呆気にとられて彼の語りを聞いている少女の目には、京極が何かに取り憑かれたように映るかもしれない。 しかしこれこそが京極自身の、京極の理性の叫びだった。 其の様子はまるで、自分が殺そうとした少女に対して必死に何事かを釈明しているように 否、少女を越えた向こう側にある世界に対して、誰にも理解されない真実を必死で暴き立てているように見えた。 「つ、つまりですね……京極さんが私を襲ったのは、単に魔が差したからだと……?」 京極の突然の変化に面食らい、混乱し、頭のアホ毛を?の形状に変形させながらも 時田は何とか彼の話を理解しようと努め、質問を続ける。 その発言を受けて京極が更に言の葉を紡ごうとした其の時―― やって来た 再びやって来た 『あいつ』が、京極の心の中にやって来た。 □ 呼吸が荒くなり、目が充血し、体中から脂汗が湧き出すのが分かる。 京極の異変に気付いたのか、目の前の少女は怯えた顔になった。 この娘を□したい。■したい。■■したい。 沸き上がるこの衝動は自分の意志ではどうすることもできない。 今の自分は身動きが取れない。今の自分は凶器を持たない。 そんな事情などでは、『あいつ』を止める事など出来はしない。 『あいつ』さえ――『あいつ』さえ来なければ、自分も人を殺したり、その罪を他人に擦り付けたりせずに済んだのに。 少女は怯えて後退る。その背後にいる異星の美女の貌は―― 女の彫像のような口元が、笑っているように見えるのは気のせいだろうか? 女のその顔を見た時、少しだけ、何故だか京極は理性を取り戻した。 「匣……」 「えっ?」 「匣は……匣はないかね…… 人が一人入れるくらいの大きさの匣だ……」 「箱って……セスペェリアさん、そんなものありましたっけ?」 「そうね……たしか物置部屋に人が隠れられそうなダンボール箱があったけど」 僥倖だ。 最早一刻の猶予もない。自分の理性が潰える前に、『あいつ』が通るのをやり過ごさなくては。 「その匣をここに持ってきて……匣の中に僕を詰めてくれ」 「――えぇ……?」 唐突な謎のリクエストに、時田は狂人を見るような目でこちらを見てくる。 この娘は分かっちゃいない。狂ってるから匣に入るんじゃない。狂わないために匣に入る必要があるのだ。 『あいつ』に憑かれる前に―――― 故に京極は叫ぶ。 「早く……!早くしてくれ!間に合わなくなっても知らんぞ!」 ■ 持ってきたダンボール匣に、時田とセスペェリアは二人がかりで拘束されたままの京極の身体を詰めてくれた。 「隙間の無いようにみつしりと詰め込んでくれたまえ……。隙間はいかんのだ。隙間には良くないモノが湧く……」 京極の面倒臭い要求通りに、二人の女性は京極をみつしりと匣の中に詰め込んだ。 今、京極の身体は匣の中にみつしりと詰まっている。 嗚呼 安心する。 こうして閉ざされた空間の中にみつしりと詰まることが、『あいつ』を遣り過ごす唯一の手段なのだ。 何時でもこう上手くいく訳ではない。今回はダンボールがあって幸運だった。 親指を内側に握りしめる。 ここは暗い。 そして静かだ。 「ほう」 溜め息が、京極の口から漏れた。 そしてそれきり、京極竹人は何も答えなくなった。 063.混沌ロボ!野獣と化したダルビッシュ 投下順で読む 百鬼夜行――うつろ舟 時系列順で読む エイリアン 時田刻 セスペェリア 京極竹人
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1 泥溝《どぶ》のような川の水が日ましに澄んできて、朝、二階の雨戸をあけると落葉の沈んだ川床がはっきり見えるのであった。それもほんの朝のうちの数時間だけで午後になると八方からながれおちる下水のためにすっかり濁ってしまうのであるが、それがひと晩でまたこんなに澄みとおってくるのも大気の爽かなせいであろう。夜中に小さい女房が眼をさまして、「だれかきたような気がする」とふるえ声でささやくことがある。じっと耳をすましていると、ささやかなせせらぎが人のあし音のように聞えるかと思うと、こんどは忍びやかなひそひそ声のようにちかづいてくるのである。晴れた日には榎《えのき》の老木の梢からすけて見える空の、キメのこまかさが眼にしみとおるような蒼《あお》さにかがやいている。川向うの街すじをとおる荷車のひびきや自動車の警笛にまじって、からんからんと鳴る下駄の音がまるで大気の底へ吸いこまれてゆくようだ。ホテル、アパート、下宿屋と次から次へ追われるように移動してあるいた流寓の生活にともかくも一段落を告げて、今年三十三歳の椎名源六が愛欲につかれた身体をこの仮住居に落ちつかせたのは夏のはじめであったが、今は青葉に照りかえす陽のひかりさえだんだん影をうしなってゆくように見える。夕方になると遠い空には秋の雲が残光のようにうかび、夜は樹の問をもれる月の影が遠く冴えているのを見るとああもう半歳ちかく経ったのかとしみじみふりかえってみる気もちにもなるのである。「小さい川にそった古い家で、二階が六畳に三畳、階下が玄関と八畳二間、ほかに三畳の女中部屋がありますが女中部屋はねだがくさっているので使えません。家全体が大分まがっていますが、地震に倒れなかったほどですから大丈夫でしょう。屋根には草が生えています。すぐとなりが大家ですが家ぬしは五十ちかい男で女房も子供もないひとりぐらしのように見うけられます。家賃は六十円だと言っていましたが、四十円ぐらいにならぬかと言ったらすぐまけました。はなしのしようによってはもっとまかるかも知れません。南向きの陽あたりのいいうちです。駅から別封の地図のとおりで、あるいて、五六町のところと思われます。いちどやってきてごらんになりませんか」 椎名源六は借家さがしをたのんでおいた知人からの手紙を霊南坂の上のホテルの一室でうけとった。そのあくる日の午後、彼は雨の中を出かけていったのである。その郊外の駅を下りて通りを左の方へあるいてしばらくゆくと水のせせらぎが聞え、簡単な地図に示されている酒屋が右側にあった。コンクリートでかためた小さい橋のてすりは半ば朽ちかかっていたが、川の水面は上から下った樹木にかくれて見えなかった。しかし水音には急流のようなひびきがこもっているのは雨のせいであろう。橋をわたると空気ががらりと変ってつきあたりに大きい屋敷の門が見え、その前から右に榎の老木が太い幹をならべている。ちょっと山のおくへ入ったような静けさにみたされた一郭であるが、古い冠木門《かぶきもん》のうちが二三軒ならんでいて、手紙に書かれた借家はその一ばん隅の川ぶちの断崖の上にあった。家は手紙のとおりといってもいいほど右の方にまがってるが(戸がしめてあるのでその曲り方がはっきりわかった)どこか老人の頑丈な骨組を思わせるような落ちつきがある。そのせいか家の古さに伴う妖怪味はみじんもなく、低い屋根に草が生えているのもなかなかいい。門をはいると裏のあき地から川に下る傾斜面には葉蘭が生いしげって苔に掩《おお》われた土の肌がなまなましく見えた。こわれかかった垣根のあいだからのぞくと、十坪ほどの庭の隅に梅の老木が一本だけ根元が二つにさけて左右にひろがっている。ほかに何の風情もない庭であるが、梅の木の古さがおのずからにして一つの雰囲気をつくりあげているのであった。それが、今の椎名源六の心に何かぴったりとした感じをあたえた。彼はもう家の中なぞは見ないでもよいと思ったほどである。これは彼が途方もない呑気坊主の故でもあろう。彼はいつのまにかこのうちの二階にねころんで水の音をきいているような気やすさになっていたのである。まったく晴れた日に屋根の上に布団を敷いてその上にながながと寝そべりながらのびのびとした気もちで蒼天を仰いでいたらどんなにいいであろう、そんなことを考えているうちに、彼の心はひと息にあたらしい情感の中にかたむいていった。雨はもうあがっていたが、彼が川ぞいの傾斜面をおりてゆくと、葉蘭のあいだから大きなガマが一ぴきのそのそと這い出てきた。すると、また一ぴき、また一ぴきという風に五六ぴきのガマが蘚苔の上をゆるゆるとうごきはじめた。葉蘭の中の道が川ぶちまでつづいていて、その上をあるいてゆくと足駄の下からバッタのようにとびだした毛のがある。よく見ると五分にも足らぬ小さいガマだった。してみるとどこかにガマの巣があるのかも知れぬ。椎名源六はこんなにたくさんのガマを見たのは生れてはじめてであるが、小さいやつは小さいながらにガマのかたちをそなえているのが不思議に思われた。彼はうっかリガマをふみつけてしまいそうになるのを慌てて避けねばならぬような始末だったが、ガマの方は悠々としてまるで人間のあし音なぞに気をとめてはいないようである。彼は川ぶちまでゆかないで門の方へひっかえした。となりの家も二階の窓がしまっているのでひとり者だという家主は今日は留守なのかなと思いながら榎の並木の前に立ちどまってもう一度まが.った家の格好を眺めていると、こんどはだしぬけに琵琶の撥音《ばちおと》がひびいてきた。歌詞はよくききとれないが、高く冴えた撥の音がまるで土にしみとおるようだ。琵琶をひいているのはとなりの家主のうちらしかった。すがれたような声も古さびた琵琶の撥音にふさわしくじっと耳をすましていると心が遠くすみとおるようであった。冠木門の下の標札には小森|鯤太郎《こんたろう》と書いてある。それが家主の名前であろうか、格子戸になった門の中は石畳のほそい道が玄関までつづいていて、道の両側には雑草が伸び放題になっている。風にもぎおとされた落葉のしめやかなにおいがどこからともなくながれてきた。そこからみると玄関の格子戸がなかばあけはなしたままになっているので、椎名源六は琵琶のぬしが小森鯤太郎にちがいないと思いながら門をはいっていった。すると玄関の左手に柴折戸《しおりど》があって、そこから見えるうす暗い部屋の中でかすかに人のうごく気配がしたのである。椎名源六はしばしためらったあとで格子戸をあけた。敷石の上には歯のゆがんだ足駄が一そくとその横にゴムの長靴がぬいである。「こめんください」と声をかけると、「おう」という返事が聞えて襖《ふすま》のあいだから姿をあらわしたのは五十格好の古い紺サージの上衣の下に鼡色のよれよれになったズボンをはいた、いかにも几帳面らしい一見して税務官吏という様子の男だった。彼が来意をつたえると、男はぴょこんとお辞儀をして中へはいっていったが横からみるとその男の大きい後頭部がやせて小さい身体におそろしく不調和な印象を残した。(琵琶はそのときまだ鳴りつづけて、深いひびきにみちた声が噛みつくように聞えてきたのである) その撥音が急におさまったと思うと、こんどは丈の高い骨格のすぐれた、1年は前の男よりは二つ三つ若いと思われる眼鏡をかけた男がセルの着物の上に三尺帯をぐるぐるとまきつけその帯のはしを前の方へだらりと垂らしたままのどことなくとぼけた姿で椎名源⊥ハの前に突っ立った。そこで彼がとなりの借家を借用に及びたいが家賃の方はもっと何とかならぬものであろうかというと、その男は、にやにやと笑いながら、「いぐらでもいいですよ、とにかくおはいりになったらどうです。たぶん今日あたりお見えになるかと思って待っていました。わたしが小森です」と屈託のない声でそう言ってから、「さあ、どうぞ、どうぞ」とせきたてるようにしてむりやりに彼をおくの部屋へ招じ入れたのである。そこは中庭に面した八畳で、床の間の前には古い経机が置いてあり㍉今まで彼がそこに坐っていたと思われるうすい座布団の横の柱には鬼蔦の蒔絵《まきえ》の紋をうかばせた黒塗の大きい琵琶が撥をはさんだまま立てかけてある。そのほかに小さい瀬戸物の火鉢が一つだけ灰落しがわりに置いてあるきりでほかには何もないがらんとした部屋だった。さっき出てきた洋服を着た頭の大きい男はあけはなした障子に背をもたせかけて敷居の上に胡座《あぐら》をかいていたが、彼が入ってゆくと慌てて縁側の方へ腰をずらしてきちんと坐りなおした。主人の小森鯤太郎は今まで自分で敷いていた座布団を椎名源六の方へすすめながらその男の方をちらっと見て(それは上役が下僚にはなしかけるときの熊度であった)客人を紹介するとその男は丁寧に両手をついて、「わたくしは××商事会社の会計主任を・やっております上島佐一というものであります」としずかな切口上で挨拶した。その言葉が客人に対してよりむしろ主人の小森鯤太郎に対する敬意を反映しているように思われた。それは、椎名源六が小森に向って、「琵琶をおやりになりますか?」と言ったときに経机の前に端座してもじもじしている小森よりもさきに、上島佐一が膝をのりだしたのでもわかるであろう。 「玉仙先生は薩摩琵琶の宗家であります。先生のお父さんが小森流を編みだされてからはじめて、薩摩琵琶が,….」と彼はいかにも心外に堪えぬという態度でやりだした。それは彼がおしゃべりであるせいでなく何か一つの正義にみちみちている感情を訴えなければいられないという風に見えたのである。玉仙というのは琵琶師としての小森鯤太郎の雅号であろう。そう言えば、暗い部屋の中に坐っている小森鯤太郎のすみとおった眼の光にも深い寂寥が輝き、どこか飄々《ひようひよう》とした温容ではあったが、胸の底には人の世のそびえ立つ烈しい思いをおさえかねているという感じをひそめていると思われた。雨にぬれた庭にはところきらわずはびこっている雑草のあいだにいろいろな花が雨にうたれてしおれかかっている。小森鯤太郎はその方へ眼をおとしてから、太い声でからからと笑いだした。それが上島佐Uの言葉を肯定するでもなく否定するでもなく自嘲的な感情でしっかりとうけとめているように見えたのである。そして、じっと庭を見つめている椎名源六にi 「死んだ女房がすきでしてね、よく丹精してつくりましたよ」 と低い声で言った。庭に咲いている花はどれもこれも雑草のたぐいで丹精を必要とするようなものではなかったが、しかし小森玉仙はたぶん、そのときそんな風な言い方がしたかったものと思われる。あとになって上島佐一が説明するところによると、彼は今住んでいるこの家とそれから椎名源六の借りうけたとなりの家とを一日も早く売りはらって郷里鹿児島へかえりたいという希望をもっていたにもかかわらず、(この二軒の家は彼の亡妻の実母が所有するもので彼は今その管理をしているにすぎなかったのである)此処でくらした彼の妻との数年間の生活がわすれがたく、そのために未だにこの家を去りかねているのだという。これは「×x商事会社」の会計主任としては少しくうがちすぎ址解釈であるが、しかし、椎名源六の眼にうつった小森玉仙の風貌にはそんな宿命観の中に落ちついているというかんじは少しもなかった。椎名源六もとなりの借家に住むようになってから玉仙が経机の前に坐ってノート五六冊にうずまっている彼の亡妻の歌稿を「小森とき子詠草」と表紙に書いた厚い画帳に一つ一つたんねんにうつしかえているのを見たことがあるが、それさえも彼の亡妻を偲《しの》ぶというかんじよりもむしろ烈しい怒りをふくんだ孤独をまぎらすための一っの手段であるという風に思われたほどである。 そこで、椎名が、大へん失礼であるがもし琵琶を聴くことができるならばと所望すると、小森玉仙はもったいぶった調子も見せず、何をやろうかなぞということを問いかえしもしないで、「では 」と言いながらうしろの柱に立てかけてあった琵琶を軽く膝の上へ抱きあげたのである。それは非常に自然でやすらかな自信にみちた姿であった。彼は膝の上で琵琶の姿勢をさだめると、しばらく弦の調子を合せていたが、やがて撥をにぎりしめたままで眼を瞑《と》じた。それが二三分間つづいたと思うと撥をもった指さきがかすかにふるえて、全身の力が次第に撥にあつまってゆくように思われた。琵琶の音は低かったが、しかし、撥のさばきに空虚を残さぬ心構えのするどさが椎名源六の胸に迫るようであった。妙なうそ寒さが彼の胸をかすめたのである。古さびた声は枯れつくしていたが全身の力が額の筋肉にあつまってそれは唄っているというよりも何かおさえきれぬ憤りをそのままたたきつけているというかんじであった。歌詞は聴いているうちにそれが平家物語の一節であるということがだんだんわかってきた。雨の日の午後の空は夕方のように暗かった。眼をとじてきいていると歌詞の中の、ほのぼのと漂ってくる夕闇を縫って行方も死れず落ちてゆく敗軍の鎧《よろい》武者の姿がはっきりと椎名源六の幻覚の上にうかびあがってくるのであった。馬のたてがみが風にもつれ、汀づたいに枯蘆《かれあし》をふみならすひづめの音がどこからともなく聞えてくる。そのとき上島佐一は両手を膝の上できちんとくみあわせていかにも感に堪えぬという思いでじっと耳をすましている様子であったが、小森玉仙の底に、高いひびきをふくんだ声がくずれるようにどっと落ちてくると、彼は両肩をぶるぶる顫わせ、「よいしょ!」と力一ぱいの声でだしぬけにさけんだ。椎名源六がびくっとして彼の方を見ると上島佐一はもう前の姿勢にかえってつつましやかに坐っているのであった。しかし歌詞が要所要所にくるごとに彼はきまって、「よう!」とか、「よいしょ!」とか叫びつづけるのであったが、琵琶をきいているというよりも、そう言って叫びだす機会をつかむことが、いかにもたのしそうに見えたのである。やっと一曲が終ると小森鯤太郎は無雑作に琵琶を畳の上に置き袂《たもと》からとりだしたハンカチで額の汗をぬぐったが、頬の肉はいきりたったあとの興奮を残して顫《ふる》えているのであった。一曲を奏し終ったというたのしさもなくとげとげしく輝いている眼の光が何か無気味なものを感じさせる。しかし、その表情が示す悲劇的印象はやがてじりじりと彼の顔から消え去って、まもなくさっき玄関で会ったときそっくりのどこかとぼけて捕捉することのできない家主の表情になった。結局家賃は三十五円ということになって、その次の日から、長い放浪生活の中でいつの問にか女房になった二十一歳のトキ子と、それから、去年田舎の中学を卒業したという彼女の弟の小助を合せた三人の、ーとにかくかたちだけは安定をもった椎名源六の風変りな生活がはじまったのである。(もっとも弟の小助は一週間ほど経って急に田舎からよびよせたのであるが) 2 電灯の下で本を読んでいると落葉がしきりに畳の上へ吹きながされてくる。となりの家では小森鯤太郎の弾く琵琶の音が秋の夜空に沁みるようにひびく、ー月の冴えた晩であった。月かげをたよりに庭へ出ると彼の足元から石のかけらほどの黒いものがうごきだした。一ぴきのガマであった。ガマは月あかりの中へ姿をあらわすとぱくりと口をあけた。小さい蚊のような虫がすうとひと息にガマのロへ吸いこまれた。椎名源六がこわれかかった庭の木戸をあけてそとへ出ようとすると、榎のかげから黒い影がちかづいて、 「今晩は 」 上島佐一の顔がすうっとちかづいて親しそうに笑いかけたのである。彼はうしろの通りをへだてた露地の入口に住んでいるので、ときどき玉仙を訪問したついでにつれだってたずねてくる習慣がついていたが、その謹厳なものこしに小さいながらも功成り名遂げた人間の落ちつきというべきものがあった。(彼は同じ会社で事務員からたたきあげて二十年ちかいあいだに今日の地位にたどりついた男なのである) 「今夜はちょっとおねがいがあってまいりました」 上島佐一は二階の書斎(といっても一閑張の机が一つおいてあるきりの部屋であるが)で向いあって坐ると急にいずまいをなおしたのである。「わたくしが前にお世話になったことのあります郷党の先輩でありまして、半田鉄五郎という方のことでありますが、わたくしがこんど先生(彼が椎名源六に対してそんな呼びかたをするのははじめてであった)とおちかづきになっているというはなしをいたしますとそれでは是非おねがいしてくれということでありまして」 上島佐一の言葉には調子にだけ鹿児島|訛《なまり》が残っていた。彼はそれを無理にうち消すためにわざとバカ丁寧な言葉をつかっているようにも思われたが、しかし、そのために素朴な人柄が一層つよく感ぜられた。彼は郷党の先輩である半田鉄五郎の父親が改進党時代の有名な代議士であることから説きたてて彼が今|畢生《ひつせい》の事業として、日本の思想界を今日の混乱から救うような大著述を計画していることをこまごまとはなしたあとで、 「それで」 と、ちょっと頭をかくまねをしてから(彼にはいよいよこれからはなしが本式になるというときにきまって頭をかく癖があった)「ひとつお知合の製本屋へ御紹介願いたいと思いまして」 「製本屋?」 「そうです、つまりその版元であります」 と、上島佐一が答えた。彼は長い説明をおそろしく気ばってしたためであろう、額にびっしょり汗をかいていた。そこで、椎名源六が製本屋というのは出版屋のまちがいではあるまいか製本屋はただ本をつくるだけのところだというと、彼は「そうです」「そうです」といかにも感心したようにうなずきながら、 「どうもそういう仕事には未熟でありまして」 と言って頭をかいた。「その適当の出版屋へ是非とも御紹介が願いたいのであります」 椎名源六がどぎまぎしながら自分はやっと生活がほそぼそとできる程度の文筆業者で、とてもそんな大著述を出版しそうな本屋とは何の交渉もないということを説明すると、彼はいかにも困ったという顔をして(椎名の言葉を上島佐一は体のいい断りだという風に解釈したらしい) 「それはごもっともでありますが、もし先生が半田鉄五郎先生にお会い下すったらきっとわたくしがいいかげんなことをいうものでないということがおわかり下さると考えます。どうか近いうちに半田先生がまいりましたら何とかよろしく……」 そう言って口をもぐつかせている様子をみるとだんだん椎名源六の方がとりつく島のないような気もちになってきたのである。二階から見ると、垣根をへだててとなりの家の中庭に電灯の光がゆれている。小森玉仙はこの十日あまり、平家物語の申の「大原御幸」の節づけに心を砕いているのであった。落葉の音や風のひびきがやっと撥のさばきに一つの調和をつくりはじめたと彼がしみじみはなしたのは前の日の夕方であったが、しかしそのとき縁ばたに腰をおろして退屈そうに煙草をふかしている玉仙の耳の上に白さの目立つ髪の毛がたれ下っているのを見ると椎名源六に肌寒さを覚えたのである。上島佐一の説明によると玉仙の生活はほとんどゆきつまって、今彼の収入と言えば椎名源六の住んでいるこの家からあがる三十五円の家賃だけであった。言ってみれば小森玉仙はもはや琵琶を弾くことよりほかには生きるべき道をうしなっている人間なのである。彼が世の琵琶師のむれをはなれてからもう二十年ちかくも経っているのであった。撥の音は一日一日と冴えてきたが落葉の音が彼の音にしみとおる頃には彼はすでにこの世から置きわすれられたのである。それも十年前にはまだ大勢の弟子が彼をとりまいていたのに今はことごとくはなれ去って残っているのは上島佐一一人きりであった。 が、しかし、そうかといって彼は玉仙の琵琶に絶対的な評価を置いているわけではなく、彼の人物に心服しきっているという風にも見えなかった。彼の心に映る玉仙の姿はおそらく一人の零落した琵琶師にすぎなかったであろう。彼は数カ月前にも玉仙が郷党の名士のあつまる会合で弾奏を依頼されたにもかかわらず(それは上島佐一の奔走にもとつくものであった)どうしても応じなかったということを、口惜しそうな表情ではなすのであった。彼にとってみればそんないい機会をみすみす逃してしまうことが不明だったにちがいない。玉仙は青年時代にも弾奏にかけては郷党随一と言われていたが、悲しむべきことには彼の声帯に欠陥があってそれが琵琶師としての彼の運命を悲劇的な方向へみちびいたことは弾奏がいつの間にか薩摩琵琶にとって第二義的なものになってしまっている今の世においてはどうすることもできないことであった。玉仙の孤独も寂寥もおそらくそこに端を発しているように思われる。唯、上島佐一にとっては世にそむくことによっておのれの高さをまもろうとしている玉仙の姿ほど悲しいものはなかったにちがいないのである。それ故彼の感情をありていに言えば、上島佐一は玉仙に陶酔していたというよりもむしろ落ちぶれた師匠につかえている彼自身の姿に陶酔していたということにもなるのである。日曜日の午後が上島佐一の稽古日にあたっていたが二階の書斎から見とおしになっている榎の並木の下の道を黒い袋にはいった琵琶を肩にかついで、痩せた丈の低い父っちゃん小僧のような上島佐一が昂然としてあるいてくる姿をみると微笑がこみあげてくるのであった。玉仙にとっても今やこの男の存在は彼の生活から切りはなすことのできないものになっているらしい。ときどき上島佐一が調子のはずれた大声で同じ歌詞を幾度びとなくくりかえしてうたっているのが聞えてくることがある。すると椎名源六は思わず原稿を書いている手をやすめてすぐそのあとから叱りつけるようにひびいてくる玉仙の皺がれた声に耳をすますのであった。そのときほど玉仙の心を領している孤独が彼の胸にちかちかと迫ってくることはなかった。今玉仙がひとりで弾いているのはやっと節づけの終ったという「大原御幸」の新曲なのであろう。やがて撥をおさめる音が聞えて人の影がすうっと庭の雑草の上をかすめたと思うとすぐ玄関の格子があいたらしく石畳を踏む玉仙の下駄の音が門の方へ消えていったのである。 上島佐一はちらりと腕時計を眺め、慌ててかえり仕度をしたが、やがて思い出したようにもう一度きちんと坐りなおして「それではくれぐれも半田先生のことをよろしくお願いいたします」というのであった。椎名源六が、自分にはとてもそんな能力はないからいずれ適当な人物を紹介しましょう、といったような逃口上をならべると、彼はうやうやしくお辞儀をして「では及ばずながら御尽力を、1」と、とんちんかんな挨拶をしてそんな言葉にさえ何の不安もなく階段を下りていったのである。その夜、小森玉仙はいつまで経ってもかえって来なかった。風が出たらしく、裏のトタン屋根に落ちてくる榎の枯枝が絶え間なしに高い響を立てるのであった。その音で眠っていたトキ子がぎくりと肩葬顛わせた。 「ねえ」 と、おびえるような声が椎名源六の耳元で聞えたのある。「何でしょう、ーほら裏の戸をこじあけるような音が」 「風だよ」 しかし、そう答えたあとで、不吉な予感が彼の頭にチカチカとひらめくと、彼はこっそり起きあがって暗い廊下を台所の入口まで忍び足にあるいていってからじっと耳をすますのであった。台所の雨戸は木材がほとんど腐りつくしてどこもかしこもすき間だらけになっている。女中部屋(そこは使用していなかったがしかし台所へゆくにはどうしても通らねばならなかった)は足をふみつけるごとに畳がふいふいと下へ沈んでいった。電灯をつけると流し場の横にある破《や》れ戸が風のために敷居からはずれてばたんばたんと音を立てて鳴っているのであった。そのたびごとに落葉が砂埃といっしょに流れこんでくる。そとがあかるいのは月のせいであるにちがいない。流し台の下に黒いものがうずくまっている。よくみると胴の長さが三四寸たしかにあると思われるガマだった。椎名源六は中から錠をはずして雨戸をあけた。すっかり腐って木質をうしなった雨戸は吹きつける風に舞いあがるように思われたがそれを中の壁にもたせかけておいてから棒ぎれでガゴをそとへ追いだし、戸袋の前にぬぎすててあった鼻緒の切れた草履をつっかけてそとへ出ると、川の流れが夜になって急に水かさを加えたものか堰を切ってあふれるように落ちてくる音が彼の足の下からどっとひびいてくる。彼は裏をひと回りしてとなりの家との境になっている庭の木戸の前に立った・玉仙のいる部屋に脚あかりがついている。いつの間にかかえったものらしく玉仙はまだ起きている様子である。彼はすぐおもてへ回ってとなりの門の格子戸をあけた。部屋の中はしんとしている。玄関の右手の柴折戸を押すとすうっと前にあいて、電灯のほかげの中にひとむらの野菊の萎《しお》れかかったのがぼうっとうかびあがった。部屋の中は襖《ふすま》も障子もあけはなされているが、しかし、玉仙の姿は見えなかった。経机の上には皿にながしこんだ墨汁と、たぶん手習でもしたのであろう黒くぬりつぶした半紙がかさねておいてある。そこからのぞきこむと黒塗の琵琶が床の間の壁にもたせかけてあった。琵琶の面にういている鬼蔦の紋の金箔のところどころはげ落ちているのが今夜にかぎって何となく無気味でなまなましくしずまりかえった夜ふけの部屋の中で撥をにぎらずとも琵琶は悲しき息づかいをしているように見える。それにしても玉仙はどこへいったのであろうか、ーそのとき椎名源六の耳にはさっき荒々しく石畳をふんで出ていった彼の下駄の音があやしくうかんでくる幻影の中からしっとりとひびいてきたのである。 3 上局佐一が郷党の先輩であるという半田鉄五郎をつれてやってきたのはあくる日の夕方だった。彼は会社からのかえりらしく洋服を着て鞄をもっていたが、半田鉄五郎は古い鉄無地の羽織に仙台平の袴《はかま》を胸高にはいていた。ほそ面の、半白の髭がとがった鼻の下にちょこんと伸びて! というよりもたれ下っているのが小ちんまりと整った顔の造作といかにも調和している。五十をすぎたこの老人が上島佐一とならんで坐っていると、落ちぶれた華族の三太夫というかんじだった。彼は上眼つかいに椎名源六の顔をじろりと見あげて、今日は上島からいろいろ話をききまして早速伺いましたような次第で、と言いながら横に置いてあった風呂敷包をとりあげたのである。中から出てきたのは同じほどの厚さで一綴がすくなく見つもっても五六百枚はあろうと思われる原稿の束だった。 「これですが」 と、半田鉄五郎はその二つをかさねたまま大事そうに椎名源六の方へ押しやった。 「何とか一っ適当の本屋へ御紹介が願いたいのですが」 「これを?」 椎名源六はたじたじとなりながら、思わず頓狂な声をあげた。「つまりこれを出版したいという御意向なので?」 「ええ」 と、半田鉄五郎は鼻につまるような声で言った。 「出来ることなら政治上の意見の方はどこか大新聞に連載したいと考えているんです。それから一つの方は数年前にひどい神経衰弱で二年ばかり脳病院にいたことがあるんですが、iーそのとき実に奇妙な空想になやまされましてな、そのときの空想を骨子にして書きあげた小説です。つまり一口に言えば一種のわたくしの自叙伝というようなわけで」 椎名源六の顔には一瞬間、どうにも当惑しきったという表情がうかんだが、しかし彼は上島佐一の方をちらっと見ただけで二綴の原稿をとりあげそれを一閑張の机の上へ置いた。原稿の上には右肩のおそろしくはねあがった文字で、「日本をいかにして救うべき乎《か》」という標題が書いてある。その下には十数章にわかれた目次が小さい字でぎっしりと書きならべてあるが、このこけおどかしの憂国慨世の文字は筆者である半田鉄五郎とはおよそ不調和な印象をあたえるものであった。半田鉄五郎はしょぼしょぼとうるんだ眼を絶えずパチパチやりながら、もし紹介してもらえるなら自分はすぐさま出版屋の主人に会って説き伏せる自信をもっていると言ったかと思うと急に言葉をあらためて、実は自分は長いあいだ新聞の経営に志をもっているのであるが、どこかに経営困難に陥ってつぶれかかっているような新聞社はあるまいか、そんな新聞社があったら自分はたちどころに財政の立てなおしをしてみせるというようなことを何の連絡もなくしゃべりつづけるのであった。しゃべるにつれて半田鉄五郎の言葉はだんだん横柄《おうへい》になり、烈しい貧乏ゆすりをしながらしきりに咳きこむ調子が一刻もこうしてはいられないという風に見えた。しかし、上島佐一はきちんと膝の上に両手をくんで、じっと聴き入っている姿は小森玉仙の琵琶をきいているときの格好と同じであった。唯、ちがうのは彼が要所要所へきて「よいしょ!」とか、三う三とか声をかけるかわりに黙として大きくう跏なずいてみせるだけのことで、つまり彼にとっては小森玉仙が薩摩琵琶の宗家であるということが彼をひきつけるのと同じ理由で、半田鉄五郎が名門の生れであるということにおのずから尊信の情が湧いてくるのであろう。 そこで椎名源六がむかつくような感情をおさえながら、今の出版界はとても不景気でこれだけの大著述を進んでひきうける本屋もあるまいし、よしあったとしたところで自分の紹介なぞはかえって邪魔になるくらいなものであろう。それよりもむしろ貴下の政治的意見を天下につたえるためには自費を投じて出版されたらどんなものであろう、というと、半田鉄五郎は不意に老人特有の人の善さそうな微笑をうかべて、 「それなんですよ、君、i僕もそれを考えないことはないんだが万事これの世の中でね」 と言いながら右手の親ゆびと人さしゆびで丸い輪をつくってみせるのであった。それから彼は「ちょっと失礼」と言って立ちあがると二階の縁側に出て、「これはいい」「これはいい」と言ってそとを眺めていたがまもなく席へ落ちつくと上島佐舶の方を向いて、 「どうだろう、君、1この家は小森君から買いとってアパートに建てなおしたら。此処ならば場所はしずかだしそれに停車場からもちかいし」 半田鉄五郎の眼が異様な輝きを帯びてきたのである。 「なるほど」 と、上島佐一が大きくうなずいてみせた。 「そうすれば君ーi」 半田鉄五郎はしきりに眼をしばたたいた。「小森君だって生活の安定が得られるわけじゃないか、1場合によったらあのひとにアパートの管理者になってもらってもいいわけだからな。小森君の芸術を擁護する意味から言っても、それに第一、これだけの敷地をほったらかしておくのはもったいないよ」 「そうです」 上島佐一はわが意を得たりというかんじで膝の上においた手をにぎりしめた。「それは何よりもよいことだと考えますが、ただ玉仙先生が承知されますかどうか?」 彼はちらっととなりの庭の方へ眼をうつして、(玉仙のいる部屋からは今夜にかぎって琵琶の音は聞えて来なかったが障子があけはなしてあると見えて電灯のほかげが庭一ぽいにひろがっていた) 「わたくしもひそかにそのことを考えておりました。このままにしておいてはどうなるかと思うことがあります」 彼は急に前かがみになり、声の調子をおとして、近ごろの玉仙の生活はまったくすさみきって深酒を呷《あお》っては一日一日をまぎらしているようなありさまなので、もしそんなことが彼の義母の耳へはいったら立つ瀬はあるまいと言うのであった。 「そいつは困るね」 と、半田鉄五郎が言った。「あの人を救済する意味からいってもどうにかしなくっちゃあ!」 それから彼は浮きたつような調子で、 「どうだろう、iかえりにちょっと寄ってみては」 「それは」 上烏佐一が慌てて頭をかきながら、ちらっと椎名源六の方を見て、 「半田先生からおはなし下されば」 と言うと、半田鉄五郎は何べんとなく水洟《みずばな》をすすりあげた。「むろん僕がはなすよ、何にしたって小森君のためだからな」 「ついでに一っ、玉仙先生の琵琶を聴いていただければと思いますが」 「久しぶりだね、薩摩琵琶は、-それに僕も玉仙君のを聴くのは初めてだから、今夜は常陸《ひたち》丸か石童丸でも」 半田鉄五郎は鼻につまったような声でくっくっと笑った。何となくたのしそうで前のようにせかせかした調子はどこにも残っていないのであった。これは後になってわかったことであるが、半田鉄五郎はそのとき、彼の大著[述の標題である「日本をいかにして救うべき乎」よりもむしろ彼自身をいかにして救うべきかということに迷いぬいていたのである。それ故、アパートの計画が彼の頭にひらめくとたちまち一つのきずなを得たようなあたらしい希望に唆《け》しかけられたものと思われる。とにかく、半田鉄五郎はもはや、出版屋のことも、つぶれかかった新聞社のこともけろりとわすれ去った竜ののようであった。袴と帯のあいだにはさんである大きい旧式の銀側時計を膝の上においてパチンとはじくと彼は上島佐一の方を向いた。 「じゃあ、君」 と、うながすような声で言う半田鉄五郎の鼻の下の半白の髭には水洟の雫《しずく》が光って見えたのである。それが不意にこの老人のさびれた生活のすがたを感じさせるのであった。上島佐一はかえり際になってきちんと坐りなおし、くどくど長い挨拶をしたあとで立ちあがった。二階から見ると家の前の空地に立ってしきりにあっちこっちと見回している半田鉄五郎の、やっと羽織だけがかくれるほどの短い外套をひっかけて前屈みになっている姿がとなりの門灯の光の中にうかびあがっているのであった。 4 しかし、小森玉仙がそんな計画に賛成する筈はなかった。数日経ってから、上島佐一がやってきてのはなしによると、その晩玉仙は一升徳利を経机のそばに置き、冷酒を大きい湯呑でぐいぐい呷《あお》っていたそうである。半田鉄五郎は玉仙の芸術のためにというたて前で口説きにかかったのであるがはなすにつれて玉仙はだんだん不興気に顔をしかめて、たとえばそういう意志が自分にあるとしても自分は唯、家の管理人、にすぎないのだし、それに現在椎名源六の住んでいる家をそんな風にするわけにはゆかぬといってがんばりとおしたという。酒のせいでもあろうが、あのひとがあんなすてばちな気もちになっているのは長くひとりでくらしているためではあるまいか、その晩も半田先生がくりかえしくりかえし所望されたにもかかわらず玉仙先生は琵琶をかえりみようともしなかったほどであると上島佐一は残念そうに言うのであった。そのはなしのあとで彼は、 「いよいよわたくしも」 と誇らしげな表情を示したのである。「一人立ちのできる人間になれそうであります」 「何かやるんですか?」 「そうであります」 上島佐一は深い決意をこめた声で言った。「いずれはっきり決定してからあらためて参上するつもりでありますが、そうなると当然社をやめることになると思います、二十年の雇人生活から足を洗うことを考えると感慨無量であります」 「何をおやりになるんです」 「これはー」 と、上島佐一は頭をかくまねをしてからぐっと唾液を呑みこんだ。「社の方へはまだ公けに発表していないのでありますが、雑誌の経営をひきうけることになったのであります、これからは原稿の方で先生にもきっといろいろ御無理を申上げることになると思っています」 「雑誌ですか、i雑誌というと」 椎名源六がぴくっと眉を顫わせた。二体何の雑誌です?L 「それが、ちょっと風変りでありますが、神官の雑誌であります、会員組織で全国の神官に配布する雑誌でありまして、今まで充分基礎が出来あがっているのを今度わたくしがあたらしく経営することになったのであります」、 「神官の、1ああそうですか、じゃあ、つまりあなたが社長というわけですね?」 「いや、1」 上島佐一は社長という言葉に対して彼の今の境遇から来る羞恥と誇とをだしぬけにかんじたらしい。急にぼうっと顔を赧《あか》らめて、 「1つまりわたくしが出資者として経営の責任を負うことになるのであります。幸いに半田先生が編集の任にあたられることになりましたので」 「ああ、そうですか」 椎名源六は何かしら眼に見えない不安がじかに迫ってくるのを覚えた。何故か理由はわからなかったが、やがて、それは彼の頭の中で数日前の晩に苛立《いらだ》たしそうに眼をしばたたいている半田鉄五郎の顔になったのである。それにしても、会社の方はやめない方がよいではないかと椎名源六が言うと、上島佐.一はハッキリした声で答えた。 「やはり自分で出資する以上は他人まかせにしていられません、私も、もう一人あるきをしていいときだと考えます」 しかし、これも後になってわかったことであるが、そのとき彼が自発的にやめないとしても当然会社をやめねばならぬような時禦ちかづいていたのである・跚そして上島佐一もいくぶんそういう不安をかんじていたにちがいないのである。半田鉄五郎がそのはなしをもちだしたのは玉仙を訪問した夜のかえりみちであったが、上島佐一がそんなはなしに乗る気になったのはこの平凡な会計係の胸にあたらしい情熱がわき起ったからではなく、もう決して誰れからも首を切られたり整理されたりしないでもいい生活の中にゆっくり落ちつきたいと思ったからであろう。言うまでもなく、上島佐一は半田鉄五郎に一杯食わされたかたちになったのである。神官の雑誌の経営者があたらしい出資者をもとめて事業の拡張を図ろうとしていたこともそれから半田鉄五郎がその経営者に出資を申込んでいたこともたしかな事実であるが、しかし、上島佐一が五千円の貯金(それは彼が二十年間に一銭一厘をつみあげてつくったものである)の中からひき出して半田鉄五郎にわたしたという二千円の金は鐚《びた》一文も経営者の手にわたってはいないのであった。それのみか上島佐一が経営の任にあたるなぞということはまったくの大うそで、半田鉄五郎は最後のどたん場まで上島佐一をあざむ責らづけていたのである。しかしそうは言っても半田鉄五郎にしたところでそんなカラクリがかくし終《おお》せるものだと考えていたわけではあるまい。上島佐一が、後になって興奮して椎名源六にはなすところによると、二百枚の十円紙幣の束をわたすとき、それを一枚一枚と数える半田鉄五郎の指先は、わなわなと顫えていたそうである。その二千円の金は上島佐一が女房に内密でこっそりひき出したものであった。それをあとから知った彼の女房が気ちがいのようになってこの町はずれに小さい八百屋をやっている彼女の兄貴に訴えたので、真っ蒼になった兄貴が着物を着かえるひまもなく自転車で一里ちかくはなれている半田鉄五郎の家へ駆けつけたのであったが、そのときはもう⊥島佐一が二千円を手渡してかえったあとであった。僅か一ト月たらずのあいだに起った出来事であるが、上島佐一はそのために見ちがえるほどすっかり老《ふ》けてしまった。彼は早速知合いの弁護士に依頼して半田鉄五郎と交渉をはじめたが、彼の方にも手落があり、それに相手が捨身になっているだけに今となってはどうにも手の下しようがなくなっているような始末であった。唯せめてもの幸いとすべきことは彼が自発的に会社をやめなかったことくらいのものであろう。琵琶をかついでやってくる彼の楽しそうな姿が椎名源六の視野の中から消え去ったのはそれからまもなくであった。ある夜、椎名源六は思いだしたように押入をあけ、知らぬ問にうすい埃のうかんで見える半田鉄五郎の原稿をとりだした。そして電灯の下で「日本をいかにして救うべき乎」と大きく書いてある右肩を怒らした文字を長いあいだ見つめていたのである。 5 風の強い日がつづく。榎の梢はすっかり骨組だけになってうす曇った空がムキ出して見える庭の隅にはいつの間にか落葉の山ができた。掃いても掃いても朝になると庭一ぱいの落葉である。二階で机の前に坐っていると椎名源六の眼に郭落《かくらく》とした風景がとげとげしく映った。玉仙は琵琶を弾かない日が多くなった。そんなときにはとなりの家は人がいるのかいないのかわからぬほど朝から晩までしいんとしている。ときどき聞えてくる琵琶の音にももはややすらかな静けさはなく、聴いていても心が苛立つようであった。落葉を焚く煙がどこからともなく風に煽《あお》られて部屋の中へ吹きつけてくることがある。その年の秋が押しつまっているのであった。しかし押しつまっているのは気候だけではない。何とも知れず重苦しいものが椎名源六の胸の底に深くたれ下っているのであった。 ある日の夕方縁側に腰かけている彼の耳へ、 「椎名さん」 「椎名さん」 と呼ぶ太い声が聞えた。となりの庭との境になった垣根のあいだから玉仙の顔がにやにや笑いながら覗いているのである。「酒があるんですが、どうです、いらっしゃいませんか?」 落葉の煙が中庭の方からながれてくるのであった。あけはなした木戸から入ってゆくと燃えている落葉の下に三方から棒きれを組み合せそのまん中に一升徳利がぶら下げてあり、横には下の方がもう半ばくすぶっている棒きれのはしに大きくむしりとった鳥の肉が焦げついているのであった。玉仙は巧みな手つきで徳利をおろすと口のところを手拭でおさえながら縁側に置いてある湯呑茶碗に酒をついだ。 「どうです?」 玉仙は鳥の肉を皿にうつしながら淋しそうな微笑をうかべたのである。酒が回ってくると玉仙の顔が落葉の火の照りかえしをうけていきいきと輝いて見えた。 「今夜からいよいよ」 そう言いかけて彼は大声に笑いだした。「電灯が点かなくなるんですよ」 「電灯がー?」 「ええ」 と、玉仙は落ちついた声で答えてから湯呑茶碗の申の酒をぐっと飲みほした。「だから蝋燭の用意をしているんです」 なるほど縁側の隅には板っぺらの上に青竹の切ったのをうちつけ、竹のふし釘をうちこんだ俄《にわか》仕立の燭台が置いてあった。椎名源六は慌てて何か言おうとしてしきりに口をもぐつかせていたが、しかし結局何を言う必要もないような気もちになっていた。その晩、二階からみるとたよりなくゆれている蝋燭の灯が椎名源六の心に、昨日までの電灯の光よりも一層すがすがしい感銘を残したのである。蝋燭の灯が風にはたかれるごとに、枯草の上に伸びた翳《かげ》がすうっとおとろえてゆく。その中に端座している玉仙の姿が今はじめて自然のやすらかに落ちついた人間をかんじさせるのであった。 小森玉仙が郷里へかえる決心をしたのはそれから一週間ほど経ってからであった。いよいよ明日発とうという前の晩、この荒れはてた僧房のような部屋には青竹に釘をうった燭台が両はしに立てられ、蝋燭の灯が煤けた障子の上にゆれていた。吹きつける夜風の中に落葉の鳴る音が聞えた。正面の床の間をうしろにして撥をにぎる玉仙の胸を張って坐っている姿が古畳の上に黒い影をおとしているのであった。壁をうしろにしている椎名源六の横にはトキ子と弟の小助が坐りその前には椎名の若い友人が二人|胡座《あぐら》をかいていた。(彼等はその夜ちょうど彼の家へ来合せたのを玉仙の弾奏をきくために無理矢理につれてきたのであった) 、. 上島佐一だけは少しはなれて左側の燭台とすれずれに坐っていた。玉仙は琵琶を抱えたまましばらく心をしずめるために眼を瞑《と》じていたが、やがて撥が軽くうこいたと思うと、一瞬間彼の顔には一種名状することのできない若々しさがひらめいた。曲は白楽天の「琵琶行」で、「潯陽江頭夜客を送る。秋風荻花秋瑟々」と、遠くすみとおった声が撥のひびきの中から聞えてきたのである。水のながれるような静けさであった。琵琶らしい節調はどこにもなく、歌詞の文句が一語一語と哀傷を加えてくるにつれて、次第に高まってくる玉仙の声は烈しい怒りに顫えているようであった。それはもはや孤独の底ふかくかくされた秘密のささやきではない。悲しみもなけれぱ憧れもなく、全身の力で孤独をつきぬけようとする情熱がみるみるうちに撥のひびきの中に溶けてゆくように思われたのである。椎名源六は何かうす気味わるいものが気流のように伝ってくるのをかんじた。部屋のぞとでは落葉の鳴る音が絶え間なしに聞えてきたが、しかし、それさえも撥音の中から泌みひろがってくるようであった。と、琵琶の音が急にみだれはじめた。すると玉仙の身体が前後に大きくうねって彼はもう唄っている.ので蛤弾いているのでもない、 彼の心は絶対の深淵を前にしてさて飛び込もうか飛び込むまいかとあせっているようである。椎名源六の胸の底をすみきったひとすじの蒼い色がかすめ去った。 玉仙の姿勢が旧に復して、彼はしずかに撥をおさめたのである口落葉の膏が不意に高いひびきを伝えてきた。玉仙は一礼するとすぐ横の方へあとずさりして、ゆっくり胡座をかいた。それからじっとうつむいている上島佐一の方を向いて、1- 「どうです」と低い声で言った。「一つやりませんか?」 上島佐一は何時ものとおり、「やっ!」とか「よいしょ!」とかいう機会をねらっていたにちがいがないのであるが、しかし結局しまいまでかすかに唇を動かしただけに過ぎなかったのである。 「どうです?一 玉仙がうながすようにくりかえすと、彼は、 「はア」と言いながら前へ進み出てきた。「では、何をやりましょうか」 彼が玉仙の顔を見あげたのは琵琶を膝の上へ抱きあげてからであった。 「台湾入がいいでしょう」 と玉仙が言った。四十を越した上島さんが琵琶をかかえて気取すましている格好をみると椎名源六の横に 絣いた小助が急に畳の⊥にうつ伏せになった。と思うとくっくっとこみあげてくる笑いをこらえるために必死になって唇を噛みしめるのであった。上島佐一は心持ち首を右にかたむけ顔を上向きにしてうたいだす姿がいかにもたのしくてたまらぬという風に見える。やがて精一ぱいの声でうたいだした。椎名源六は頭の上をかすってゆく様な彼の声を聴いているうちに、不思議に妙な悲しさが湧いてきた。玉仙との別離の感情が今になって彼の心によみがえってきたのである。そして再び玉仙に会う機会はあるまいという感じがひしひしと迫って来た。すると彼はもう座にいたたまれないような気もちでそっと障子をあけて外に出た。月夜である。彼の住んでいる家のかたむきかかった屋根が明るい空にうきあがって見えた。すると椎名源六は此処でくらした半年あまりの生活をまるで狐に化かされたあとのような味気ない気もちの中に思いうかべたのである。 小森玉仙が家の管理を上島佐一に託して郷里の鹿児島へ出発したのは次の日の朝であった。椎名源六はそれから間もなくそこからあまり遠くない郊外の新居へ移った。半月ちかく経って(もう十二月の末であったが)玉仙の送ってくれた雲仙嶽の絵葉書が彼の新居へ転送されてきたのである。それには玉仙独特の角ばった文字で、「満目すべて雲、身は天上にあるがごとし。雲仙にて玉仙」と書いてあった。 (昭和九年)
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ニィーナ 羽里さつき カイル:熊ヶ谷太郎 ミリア:越智風華 オーク1:白威大樹 オーク2:若葉蘭輔
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ニィーナ 羽里さつき カイル:熊ヶ谷太郎 ミリア:越智風華 オヤジ:加糖君 おばさん:桔梗 ゴブリン:白威大樹 街人達:若葉蘭輔、月城灯夜
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問題 ○ × 補足 DS用ゲーム『アイドルマスターディアリースターズ』に登場する次のヒロインのうち、性別が女性であるものを全て選びなさい 水谷絵理日高愛 秋月涼 アニメ『勇者王ガオガイガー』シリーズに登場する次のメカのうち、女性型のロボットを全て選びなさい 闇竜光竜 炎龍風龍雷龍 次の『プリキュア』シリーズに登場するヒロインのうちおヘソを出したコスチュームを着ているものを全て選びなさい キュアサンシャインキュアドリームキュアベリー キュアパッションキュアピーチキュアブラックキュアブロッサムキュアルージュ 次のTVアニメのうち4コマ漫画を原作とするものを全て選びなさい 『あずまんが大王』『せんせいのお時間』『ドージンワーク』『ひだまりスケッチ』『らき☆すた』 『ぱにぽにだっしゅ!』『ひとひら』『みなみけ』 次のアニメ『Fate/stay night』に登場するサーヴァントのうち女性を全て選びなさい キャスターセイバーライダー アーチャーアサシンバーサーカーランサー 次のアニメ『おジャ魔女どれみ』に登場する女の子のうちホウキに乗って空を飛ぶ時に横向きに座る子を全て選びなさい 瀬川おんぷ藤原はづき 春風どれみ飛鳥ももこ妹尾あいこ 次のアニメ『マクロス』シリーズに登場するゼントラーディ人のうち女性を全て選びなさい クラン・クランビヒーダ・フィーズモアラミア・ジフォン エキセドル・フォルモティモシー・ダルダントンロリー・ドセル 次のアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の登場人物のうち、情報統合思念体によって造られたものを全て選びなさい 朝倉涼子長門有希 朝比奈みくる涼宮ハルヒ 次のアニメ・ゲームのヒロインのうち、おヘソを出したコスチュームを着ているものを全て選びなさい 『アテナ』アテナ『ドラゴンクエストⅣ』マーニャ『ドリームハンター麗夢』麗夢『幻夢戦記レダ』レダ『夢幻戦士ヴァリス』麻生優子 『スペースハンター』アルティアナ『ファンタシースターⅡ』ネイ『マドゥーラの翼』ルシア『レイラ』レイラ『ワンダーモモ』モモ『餓狼伝説2』不知火舞 次のアニメ・漫画の登場人物のうち、メガネをかけたキャラクターを全て選びなさい 『ONE PIECE』たしぎ『スクールランブル』結城つむぎ『機動戦艦ナデシコ』天野ヒカル『東京ミュウミュウ』碧川れたす『魔法騎士レイアース』鳳凰寺風 『ああっ女神さまっ』ウルド『ゼロの使い魔』ルイズ『もえたん』虹原いんく『らき☆すた』柊かがみ『ラブひな』青山素子『舞-HiME』ニナ・ウォン『名探偵コナン』遠山和葉 次のアニメ・漫画の登場人物のうち、メガネをかけたキャラクターを全て選びなさい 『R.O.D』読子・リードマン『おジャ魔女どれみ』藤原はづき『ぱにぽにだっしゅ』橘玲『めだかボックス』喜界島もがな『英國戀物語エマ』エマ『逮捕しちゃうぞ』二階堂頼子 『ARIA THE ANIMATION』灯里『To Heart2』柚原このみ『WORKING!!』伊波まひる『うたわれるもの』エルルゥ『カレイドスター』苗木野そら『君が望む永遠』涼宮遙『東京ミュウミュウ』藤原ざくろ 次のアニメ・漫画の登場人物のうち、メガネをかけたキャラクターを全て選びなさい 『To Heart』保科智子『ハヤテのごとく!』牧村志織『月詠』エルフリーデ『名探偵コナン』妃英理 『CLANNAD』古河渚『おとぎ銃士赤ずきん』白雪姫『ケロロ軍曹』アンゴル・モア『コードギアス』紅月カレン『サマーウォーズ』篠原夏希 次のアニメ・漫画の登場人物のうち、メガネをかけたキャラクターを全て選びなさい 『WORKING!!』松本麻耶『クイーンズブレイド』カトレア『ストライクウィッチーズ』ベリーヌ『デュラララ!!』園原杏里『マクロスF』松浦ナナセ『化物語』羽川翼『黒執事』メイリン 『とある科学の超電磁砲』御坂美琴『機動戦士ガンダム00』フェルト『生徒会の一存』桜野くりむ『戦う司書』ハミュッツ『迷い猫オーバーラン!』芹沢文乃 次のアニメ・漫画の登場人物のうち、メガネをかけたキャラクターを全て選びなさい 『アクエリオンEVOL』MIX 『偽物語』阿良々木月火『輪廻のラグランジェ』ムギナミ 次のアニメ・漫画の登場人物のうち、メガネをかけたキャラクターを全て選びなさい 『あさりちゃん』浜野タタミ『ウイングマン』布沢久美子 『ガラスの仮面』北島マヤ『タッチ』浅倉南『超時空要塞マクロス』早瀬未沙 次のアニメキャラクターのうち新体操部に所属しているものを全て選びなさい 九能小太刀小川美紅浅倉南日下部まろん 猪熊柔美墨なぎさ鳳凰寺風毛利蘭 次のアニメのうちヒロインがおヘソを出したコスチュームを着ているものを全て選びなさい 『うる星やつら』『ダーティペア』『ふしぎの海のナディア』『天元突破グレンラガン』 『キャッツ・アイ』『ストライクウィッチーズ』『ハートキャッチプリキュア!』『まほろまてぃっく』『奥さまは魔法少女』『美少女戦士セーラームーン』『魔法のスターマジカルエミ』 次のうち『美少女戦士セーラームーン』の実写ドラマに登場したキャラを全て選びなさい クイン・ベリル愛野美奈子月野うさぎ大阪なる地場衛 ちびうさ天王はるか土萠ほたる 次のうちアクアプラスが発売したゲームを全て選びなさい 『To Heart』『こみっくパーティー』『テネレッツァ』 『Kanon』『センチメンタルグラフティ』『トゥルー・ラブストーリー』『ときめきメモリアル』 次のうちアニメ『ARIA』シリーズでアリアカンパニーに所属する水先案内人を全て選びなさい アリシア水無灯里 アテナアリス晃藍華 次のうちアニメ『ふしぎ星の☆ふたご姫』に登場するプリンセスを全て選びなさい ファインミルキーミルロリオーネレイン ティオフラウアムーンマリア 次のうちアニメ『らいむいろ戦奇譚』に登場するキャラクターを全て選びなさい 加藤麻黒田綸子真田木綿福島絹本多更紗 榊原由里神崎すみれ北大路花火李紅蘭 次のうちアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場するシュラク隊のメンバーを全て選びなさい ケイト・ブッシュコニー・フランシスジュンコ・ジェンコペギー・リーヘレン・ジャクソンマヘリア・メリル ファラ・グリフォンマーベット・フィンガーハットルペ・シノレンダ・デ・パロマ 次のうちアニメ『極上生徒会』で極上生徒会生徒会内にあるグループを全て選びなさい 隠密部執行部車両部遊撃部 監査部帰宅部公安部 次のうちアニメ『極上生徒会』に登場する極上生徒会のメンバーを全て選びなさい 金城奈々穂銀河久遠神宮司奏飛田小百合蘭堂りの 伊丹ゆきみ久川まあち 次のうちいつも眼鏡をかけているキャラクターを全て選びなさい 桜木茉莉藤原はづき 藤原ざくろ鴇羽舞衣 次のうちいつも眼鏡をかけているキャラクターを全て選びなさい 読子・リードマン姫宮アンシー ナージャ・アップルフィールド梓川月乃北大路さつき 次のうちゲーム『To Heart』の第1作に登場しているキャラクターを全て選びなさい マルチ宮内レミィ松原葵神岸あかり長岡志保姫川琴音保科智子来栖川芹香 ルーシー・マリア・ミソラ笹森花梨十波由真小牧愛佳姫百合珊瑚柚原このみ 次のうちゲーム『To Heart2』に登場しているキャラクターを全て選びなさい 向坂環笹森花梨小牧愛佳姫百合珊瑚柚原このみ 姫川琴音来栖川芹香 次のうちヒロインがメイド服を着たアニメを全て選びなさい 『これが私の御主人様』『まほろまてぃっく』『英國戀物語エマ』『花右京メイド隊』 『あまえないでよっ!!』『藍より青し』 次のうち学校の生徒会長を務めているキャラクターを全て選びなさい 『ハヤテのごとく!』桂ヒナギク『究極超人あ~る』西園寺まりい 『さよなら絶望先生』木津千里『極上生徒会』蘭堂りの『生徒会役員共』横島ナルコ 次のうち学校の生徒会長を務めているキャラクターを全て選びなさい 『めだかボックス』黒神めだか 『To LOVEる』古手川唯『らんま1/2』天道あかね『新世紀エヴァンゲリオン』アスカ 次のうち関西弁のキャラクターを全て選びなさい 『To Heart』保科智子『あずまんが大王』春日歩『ハヤテのごとく』愛沢咲夜『らんま1/2』久遠寺右京『絶対可憐チルドレン』野上葵『名探偵コナン』遠山和葉 『げんしけん』荻原千佳『咲-Saki-』染谷まこ『三つ目がとおる』和登千代子『電影少女』天野あい 次のうち眼帯(アイパッチ)をしているキャラクターを全て選びなさい 『オトメディウス』ティタ・ニューム『ソウルイーター』マリー『ローゼンメイデン』薔薇水晶『一騎当千』呂蒙子明『銀魂』柳生九兵衛『犬夜叉』楓『天上天下』凪真貴子 『IS』凰鈴音『ガラスの仮面』月影千草『ヱヴァンゲリオン』マリ『怪物くん』怪子『武装錬金』津村斗貴子 次のうち眼帯(アイパッチ)をしているキャラクターを全て選びなさい 『ストライクウィッチーズ』坂本美緒 『クイーンエメラルダス』エメラルダス『さよなら絶望先生』小森霧 次のうち雑誌「電撃G’sマガジン」の読者参加企画を全て選びなさい 『A.I. Love You!』『HAPPY★LESSON』『シスタープリンセス』『ストロベリー・パニック!』『セラフィムコール』『双恋』 『らぶドル~Lovely Idol~』『天使のしっぽ』『瓶詰妖精』 次のうち主人公が変身するアニメを全て選びなさい 『とんでぶーりん』『ナースエンジェルりりかSOS』『ひみつのアッコちゃん』『神風怪盗ジャンヌ』『魔法の天使クリィミーマミ』『満月をさがして』 『こどものおもちゃ』『ご近所物語』『ママは小学4年生』『ママレード・ボーイ』『明日のナージャ』 次のうち春日野さくらが登場するゲームを全て選びなさい 『CAPCOM FIGHTING Jam』『ストリートファイターZERO2』『ナムコ×カプコン』『私立ジャスティス学園』 『ストリートファイターⅢ』『ネオジオバトルコロシアム』 次のうち女教師を主人公とするアニメを全て選びなさい 『おねがい☆ティーチャー』『ごくせん』『まいっちんぐマチコ先生』 『さよなら絶望先生』『地獄先生ぬ~べ~』『魔法先生ネギま!』 次のうち女子校が舞台のアニメを全て選びなさい 『おにいさまへ・・・』『ストロベリー・パニック!』『マリア様がみてる』『舞-乙HiME』『魔法先生ネギま!』 『ふたりはプリキュア』『まぶらほ』『らき☆すた』『桜蘭高校ホスト部』『神無月の巫女』『舞-HiME』 次のうち女性を主人公とするゲームを全て選びなさい 『アイドル八犬伝』『アテナ』『カイの冒険』『マドゥーラの翼』『メトロイド』 『いっき』『カルノフ』『スパルタンX』『悪魔城ドラキュラ』『影の伝説』『魂斗羅』 次のうち小説『ダーティペア』の題名にあるものを全て選びなさい 『ダーディペアの大逆転』『ダーティペアの大脱走』『ダーティペアの大復活』『ダーティペアの大冒険』『ダーティペアの大乱戦』 『ダーティペアの大活躍』『ダーティペアの大作戦』『ダーティペアの大長編』『ダーティペアの大迷惑』 次のうち専業主婦を選びなさい 『あたしンち』母『クレヨンしんちゃん』みさえ『サザエさん』サザエ『ドラえもん』のび太のママ 『ケロロ軍曹』日向秋 次のうち登場するキャラクターが女性だけの格闘ゲームを全て選びなさい 『アルカナハート』『闘姫伝承』 『デッドオアアライブ』『メルティブラッド』 次のうち刀(剣)を持ち歩いているキャラクターを全て選びなさい全て選びなさい 『BASTARD!!』アーシェス・ネイ『BLOOD+』音無小夜『WORKING!!』轟八千代『ラブひな』青山素子『銀魂』柳生九兵衛『灼眼のシャナ』シャナ 『ONE PIECE』ナミ『RAVE』エリー『となグラ!』神楽まりえ『マドラックス』マドラックス『黒執事』メイリン『天元突破グレンラガン』ヨーコ 次のうち刀を持ち歩いている漫画のキャラクターを全て選びなさい 『WORKING!!』轟八千代『ラブひな』青山素子 『鋼の錬金術師』リザ・ホークアイ 次のうち同人活動をテーマにしたアニメを全て選びなさい 『こみっくパーティー』『ドージンワーク』 『あずまんが大王』『ひだまりスケッチ』 次のうち髪の色が青いキャラクターを全て選びなさい 水野亜美妹尾あいこ 黄歩鈴九条ひかり 次のうち髪型がツインテールであるアニメのキャラクターを全て選びなさい 『Kanon』沢渡真琴『ケロロ軍曹』日向夏美『シスター・プリンセス』咲耶『スクール・ランブル』沢近愛理『セーラームーン』月野うさぎ『びんちょうタン』クヌギたん『マジカノ』魔宮あゆみ『天地無用!』砂沙美 『いちご100%』北大路さつき『エスパー魔美』佐倉魔美『天空の城ラピュタ』シータ『涼宮ハルヒの憂鬱』長門有希 次のうち髪型がツインテールであるアニメのキャラクターを全て選びなさい 『あずまんが大王』美浜ちよ『クイーンズブレイド』アイリ『一騎当千』呂布奉先『化物語』八九寺真宵『君が主で執事が俺で』久遠寺未有『魔法先生ネギま!』神楽坂明日菜 『To LOVEる』古手川唯『けいおん!』秋山澪『サクラ大戦』ソレッタ・織姫『セーラームーン』土萠ほたる『ハヤテのごとく!』桂ヒナギク『ローゼンメイデン』蒼星石『天元突破グレンラガン』ヨーコ『姫ちゃんのリボン』野々原姫子 次のうち婦警を主人公とする漫画を全て選びなさい 『スケバン刑事』『機動警察パトレイバー』『逮捕しちゃうぞ』 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『ワイルド7』 次のうち漫画『ウイングマン』に登場する女性キャラを全て選びなさい 桜瀬りろ森本桃子美森くるみ布沢久美子夢アオイ 葦月伊織秋葉いつき早川もえみ天野あい 次のうち漫画『ガラスの仮面』で北島マヤが出演した舞台を全て選びなさい 『ジーナと5つの青いつぼ』『たけくらべ』『忘れられた荒野』 『カーミラの肖像』『王子と乞食』『椿姫』 次のうち漫画『キャッツ・アイ』に登場する来生三姉妹を全て選びなさい 愛瞳泪 香 次のうち漫画『フルーツバスケット』に登場する女性キャラクターを全て選びなさい 花島咲草摩楽羅本田透 花島恵草摩はとり草摩紅葉草摩由希草摩利津 次のうち漫画『魔法先生ネギま!』でネギと仮契約しているキャラクターを全て選びなさい 綾瀬夕映宮崎のどか近衛木乃香古菲桜咲刹那神楽坂明日菜早乙女ハルナ長瀬楓長谷川千雨 佐倉愛衣春日美空相坂さよ村上夏美葉加瀬聡美龍宮真名 次のうち、TVアニメ『ぴちぴちピッチ』シリーズに登場するマーメイドプリンセスを全て選びなさい かれんココノエルリナるちあ沙羅星羅 みかる渚 次のうち、アニメ『カードキャプターさくら』の主人公・木之本桜の口癖を全て選びなさい 「はにゃーん」「ほえ~」 「うぐぅ」「だっちゃ」 次のうち、アニメ『ギャラクシーエンジェる~ん』に登場するルーンエンジェル隊のメンバーを全て選びなさい アニス・アジートアプリコット・桜葉カルーア・マジョラムナノナノ・プディング ヴァニラ・Hミルフィーユ・桜葉蘭花・フランボワーズ 次のうち、アニメ『ギャラクシーエンジェル』に登場するエンジェル隊のメンバーを全て選びなさい ヴァニラ・Hミルフィーユ・桜葉ミント・ブラマンジュ蘭花・フランボワーズ アニス・アジートアプリコット・桜葉カルーア・マジョラムナノナノ・プディング 次のうち、アニメ『セイバーマリオネットJ』に登場するセイバーマリオネットを全て選びなさい チェリーブラッドベリーライム アップル 次のうち、アニメ『聖戦士ダンバイン』に登場するフェラリオ(妖精)を全て選びなさい エル・フィノジャコバ・アオンシルキー・マウベル・アール エレ・ハンムガラリア・ニャムヒーキーン・キッスシーラ・ラパーナジェリル・クチビリムル・ルフト 次のうち、アニメ『聖戦士ダンバイン』に登場するミ・フェラリオ(妖精)を全て選びなさい シルキー・マウチャム・ファウベル・アール エレ・ハンムキーン・キッスジェリル・クチビリムル・ルフト 次のうち、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』に登場するセリフを全て選びなさい 「こんなの絶対おかしいよ」「わけがわからないよ」「僕と契約して魔法少女になってよ」 「まきますか、まきませんか」「少し、頭冷やそうか」「恥ずかしいセリフ禁止!」 次のうち、ゲーム『サクラ大戦』シリーズの副題を全て選びなさい 『君、死にたもうことなかれ』『荒野のサムライ娘』『巴里は燃えているか』 『もはや戦後ではない』『人間は考える葦である』『川の流れのように』『明治は遠くなりにけり』 次のうち、ゲーム『ポケットモンスター金・銀』に登場する女性のジムリーダーを全て選びなさい アカネイブキ シキミツクシナズナヤナギ 次のうち、学校の生徒会長を務めたことがあるキャラクターを全て選びなさい 『究極超人あ~る』西園寺まりい 『To LOVEる』古手川唯『さよなら絶望先生』木津千里 次のうち、泣きボクロがある女性キャラを全て選びなさい 『いちばんうしろの大魔王』江藤不二子『さよなら絶望先生』加賀愛『まりあ†ほりっく』祇堂静珠『らき☆すた』泉こなた『逆転裁判』狩魔冥『銀魂』猿飛あやめ『新世紀エヴァンゲリオン』赤木リツコ『閃光のナイトレイド』苑樹雪菜 『サクラ大戦』李紅蘭『サクラ大戦』李紅蘭『ベヨネッタ』ベヨネッタ『化物語』八九寺真宵『逆転裁判』綾里千尋『生徒会の一存』桜野くりむ『赤毛のアン』アン・シャーリー『涼宮ハルヒの憂鬱』朝比奈みくる 次のうち、自分のことを「ボク」と称する女性キャラを全て選びなさい 『BASTARD!!』ヨーコ『DARKER THAN BLACK 流星の双子』蘇芳『Kanon』月宮あゆ『アイドルマスター』菊地真『ひぐらしのなく頃に』古手梨花『ローゼンメイデン』蒼星石『三つ目がとおる』和登千代子『少女革命ウテナ』天上ウテナ 『ONE PIECE』ボア・ハンコック『うる星やつら』ラム『さよなら絶望先生』音無芽留『シスタープリンセス』鞠絵『シティーハンター』槇村香『銀魂』月詠『咲-Saki-』染谷マコ『天使な小生意気』天使恵『電影少女』天野あい 次のうち、自分のことを「ボク」と称する女性キャラを全て選びなさい 『シスタープリンセス』衛『セイバーマリオネットJ』ライム『仮面ライダーカブト』日下部ひより『咲-Saki-』国広一 『かんなぎ』ナギ『電影少女』天野あい『魔法先生ネギま!』近衛木乃香 次のうち、女性が2人いる戦隊ヒーローを全て選びなさい 『轟轟戦隊ボウケンジャー』『侍戦隊シンケンジャー』『電磁戦隊メガレンジャー』『特捜戦隊デカレンジャー』『魔法戦隊マジレンジャー』 『獣拳戦隊ゲキレンジャー』『忍風戦隊ハリケンジャー』『爆竜戦隊アバレンジャー』『百獣戦隊ガオレンジャー』『未来戦隊タイムレンジャー』 次のうち、特撮番組『有言実行三姉妹シュシュトリアン』でシュシュトリアンに変身する三姉妹を全て選びなさい 花子月子雪子 星子 次のうち、普段メイド服を着ている女性キャラクターを全て選びなさい 『うみねこのなく頃に』紗音『ゼロの使い魔』シエスタ『プリンセスラバー』藤倉優『まりあ†ほりっく』茉莉花『もえたん』瑠璃子『れでぃ×ばと』四季鏡早苗『怪物王女』フランドル『灼眼のシャナ』ヴィルヘルミナ 『BLEACH』朽木ルキア『To Heart』マルチ『ソウルイーター』トンプソン姉妹『化物語』八九寺真宵『鉄腕バーディー』バーディー『涼宮ハルヒの憂鬱』朝比奈みくる 次のうち、普段メイド服を着ている女性キャラクターを全て選びなさい 『コードギアス』篠崎咲世子『これが私の御主人様』沢渡いずみ『とある魔術の禁書目録』土御門舞夏『一騎当千』呂蒙子明『黒執事』メイリン『舞-HiME』姫野ニ三 『WORKING!!』種島ぽぷら『クイーンズブレイド』トモエ『もやしもん』長谷川遥『荒川アンダー ザ ブリッジ』ニノ『天元突破グレンラガン』ヨーコ『迷い猫オーバーラン!』霧谷希 次のうち、漫画『きまぐれオレンジ★ロード』に登場する女性キャラを全て選びなさい 鮎川まどか檜山ひかる 七尾こずえ夢あおい 次の格闘ゲーム『ソウルキャリバーⅣ』の登場キャラクターのうち女性を全て選びなさい アイヴィーアンゴル・フィアカサンドラシャンファソフィーティアソン・ミナタキ キリクサザラメールジークフリートマキシラファエルロック 次の格闘ゲームのキャラクターのうち、女性を全て選びなさい ハン・ジュリラ・マリポーサ蔵土縁紗夢梅喧風間飛鳥 カルル・クローバーキム・カッファンザサラメールラウ・チェン八神庵 次の小説『マリア様がみてる』にに登場するキャラクターのうち主人公・福沢祐巳と同学年のキャラクターを全て選びなさい 島津由乃武嶋蔦子 佐藤聖志倉玲小笠原祥子水野蓉子築山三奈子鳥居江利子 次の小説『狂乱家族日記』に登場する乱崎家の家族のうち女性を全て選びなさい 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寿司 握り寿司 新鮮な魚介類などの切り身・むき身や、穴子(煮付もしくは焼いたもの)・鯖(酢締めしたもの)等調理を加えたもの、卵焼きを切り分けたもの等の具を、手のひらで飯の上に乗るよう握ったもの。一般に具と飯の間に、おろしわさびを、飯にのせるかたちで、はさむ。わさびなしのことを「さびぬき」ということがある。具と飯との分離を防ぐため海苔を使った物もある。 「江戸前寿司」は本来は、かつての江戸に面した東京湾で採取された魚介類を使った握りずしのことである。江戸が握り寿司発祥の地と認識されていることもあり、現在は「江戸前寿司」が事実上、握り寿司の代名詞に使用されている。 北海道地方では「生寿司」と称されることが多く、他の地域では茹で上げるのが一般的な海老などを生で握るのが普通である。 [編集] ネタ 寿司に用いられる魚介類その他は「タネ」、多くはそれを逆さにした符牒で「ネタ」と呼ばれる。その主なものに次のようなものがある。 * アジ、イワシ、カジキマグロ、カツオ、カレイ、 カンパチ、コノシロ(江戸前寿司におけるコハダもしくはシンコ)、サケ、サバ、サンマ、スズキ、タイ、ハマチ(ブリ)、ヒラマサ、ヒラメ、マグロ(トロ)、メカジキ、アイナメ * アナゴ、ウナギ(煮付け・蒲焼等) * エビ(アマエビ - クルマエビ - イセエビ - ボタンエビ - ホッカイシマエビ)、シャコ、カニ(ズワイガニ - タラバガニ) * イカ、タコ * アワビ、アオヤギ、赤貝、ホタテガイ、ホッキ貝、ミルガイ、ツブ、トリガイ * イクラ、ウニ、トビコ * 油揚げ、蟹蒲鉾、かんぴょう、キュウリ、出汁巻き卵、納豆、練り梅、ネギトロ、漬物 近年は、特に回転寿司や日本国外の寿司料理店において、ミニハンバーグ、チャーシューなどの肉類や、シーチキン・アボカドなどの和食以外をネタにした、従来の寿司から見ると奇想なものが増えている。ただしこれらのネタを従前から続く工夫の1つと捉える意見がある一方、寿司の枠を超えた異質のものとして寿司とは別のものとする意見もあり、賛否が分かれるところである。 [編集] 握り方 握り寿司において飯(シャリ)の握り方は寿司職人の技術が最も発揮されるところであり、様々な技法がある。 * 手返し o 本手返し o 小手返し o たて返し o 横手返し * 親指握り これのほかに、にぎりの形があり、たわら形、はこ形、ふね形などがある。 近年では大衆店化、チェーン店化しているところを中心に、シャリの自動握り機が普及している。タンク状の装置に酢飯を入れておくと、機械がそれを絞り出すような機構を用いて寿司の形に作ってくれる。中にはワサビをつけたり、軍艦巻の海苔をまきつけるところまで自動で行なうものもある。また機械の外観が飯桶の形をしていて、客席から一見すると寿司職人が桶からご飯を取り出して握っているように見えるものもある。 [編集] 職人 他の和食と同様に、寿司職人も男性優位な世界である。寿司店においては、握り職人は男性であることを暗黙の条件としていることが多い。これはいわゆる男尊女卑の現れであると考えられる。また、時には体力勝負の修行が必要となることや、男性中心の厳しい現場に女性が入ると、どんなに腕が優れていても獅子身中の虫になりかねないとした理由によるものとされる。実際に、依然として女性寿司職人を嫌う客や養成を拒む寿司店等が根強く存在する。しかしながら僅かではあるが回転寿司店等の大衆寿司店を中心に女性寿司職人の数も増えており、そういった職人達の立場を保護しつつ、性別に関係なく良い職人を養成しようとする声も高まってきている。いずれにせよマニキュアや香りを伴う化粧品を身につけることは厳禁である。 一人前の職人になる為には飯炊き三年握り八年と言われるように約10年の修行が必要と言われているが、別段法規的に資格が必要であるわけではない。実際にはアルバイトやパート労働者によって握りの作業が行われることも多々あり、握り寿司の成形作業自体はほぼ正確に産業用ロボットに代替させることが可能である。しかしながら近年の研究で一流職人はシャリの中央に空間を作っていることが判明しており、これを機械で再現する技術は今のところ開発されていない。さらに、市場で生鮮魚類を見極めるには相当量の技量と熟練が必要とされる。また、店の経営、後進の教育や外部とのかかわりなど、寿司の調理以外の面の成長の必要性もあり、一流の職人になるという意味ではある程度長い修行が必要であると言える。 [編集] 握り寿司の数え方 現在では、握りずし1つを「1かん」と数え、「貫」の文字を当てることが多い。すしを「かん」と数えた例は比較的最近からであり、古い文献に「かん」という特別な助数詞で数えた例はみあたらない。いずれも1つ2つ、または1個2個である。江戸時代末期の『守貞謾稿』では1つ2つと数えている。明治 43年(1910年)与兵衛鮓主人・小泉清三郎著『家庭 鮓のつけかた』、昭和5年(1930年)の永瀬牙之輔著『すし通』でも1つ2つ。昭和35年(1960年)宮尾しげを著『すし物語』でもやはり1つ2つである。ただし、すし職人の間で戦前のすし一人前分、握りずし5つと三つ切りの海苔巻き2つを太鼓のバチ(チャンチキ)に例えて、「5かんのチャンチキ」と呼んだとわずかに伝えられている。もともと一般性がなく、忘れられかけていた「かん」という助数詞が、昭和の終わり頃から情報番組などでメディアに登場して注目され、「かん」という音の響きが握りずしにフィットしたこともあってか、現在定着するに至ったようである。同時に「昔1かんのすしを二つに切って提供したなごりで、すし2つで1かんという」とした説も頻繁にメディアに登場したが、握りずしを二つに切って提供することが標準化した時代はなく、特定店のみにおいての呼び方を勘違いしたであろう間違いである。「かん」の語源は諸説あり定かでないが、海苔巻き(もしくは笹巻きずしや棒ずしなどの巻いた形式のすし)1つを「1巻」と数えたことからという説が一番もっともらしい説。他には江戸時代に穴あき銭を貫いて一つなぎしたものの「貫」から転じたという説、重さの単位「貫」から転じたという説などがある。 [編集] 用語 握り寿司店にて用いられる主な用語を以下に記載する。ただし、これらの用語は必ずしも全国共通ではなく、一部地域では通用しない場合がある。また、基本的に寿司職人の間での符牒であり、客が知った風を気取って使うのはお勧めできない。トロ、ガリのようにすでに一般名詞化したものもある。 * アガリ - お茶のこと。薄めが基本。現在は緑茶や番茶だが、元は煎茶であった。語源は遊郭で来客時に出した上がり花から。 * オアイソ - お愛想。勘定をするの意。常連でも勘定を払うと愛想をつかしたように帰っていくさまから、という説がある。ただし、これは板前が客に対して「お勘定のことなどお伺いしまして、さぞかし愛想の悪いこととは思いますが」と使う言葉を由来としているがために、客が板前に対して使うのは間違いであり、客が申し出る場合は「お勘定」とするのが正解である。 * オテショ(御手塩) - 醤油(関西ではたまり)などを入れる小皿のこと。 * アニキ - 古いということ。 * カッパ - キュウリのこと。 * ガリ - 甘酢に漬けた薄切りの生姜。語源はその食感、ガリガリとする歯応えから。 * ガレージ - シャコのこと。「車庫」からきた洒落。符牒とは言いがたい。 * ギョク - 玉子焼き、出汁巻き玉子。「玉」という漢字の音読み。 * クサ - 海苔のこと。「浅草海苔」(あさくさのり)の省略という説あり。 * グンカン(軍艦) - シャリを海苔で縦に巻き、ネタを載せた寿司のこと。軍艦巻(ぐんかんまき)。これはウニやイクラなど散りやすいネタに使われる巻き方。 * サビ - ワサビの省略。 * シャリ - 酢飯のこと。仏教語の舎利(飯)、すなわちサンスクリットの米を意味する単語シャーリ(zaali शालि)を語源とする。ちなみに仏舎利の「舎利」は「肉体・遺体」を意味する別の単語シャリーラ(zariira शरीर)なので、寿司とは関係ない。どちらもサンスクリットの音写であり、たまたま同じ漢字が宛てられたもの。 * ツメ - アナゴや煮蛤などの淡白な味をしたネタに塗る、佃煮の汁に似た甘塩辛い煮汁。煮詰めの略。 * デバナ -アガリと同じお茶だが最初に出すお茶の事。 * トロ - マグロの腹身の一番脂の乗った部分のこと。脂の乗り具合で「大トロ」「中トロ」などと分類される。 * ナミダ - ワサビのこと。鼻につんとくる辛さで涙が出ることから。 * ネタ - 酢飯や海苔、カンピョウ等を除く寿司の食材のこと。「種」(たね)の逆さ読み。 * バラン、ハラン(馬蘭、葉蘭) - 仕切りや飾り付けに用いられる植物の葉。現在では樹脂製の模造品が使われることがほとんどである。 * ムラサキ - 醤油のこと。醤油が高価であったため、高貴な色である紫を当てたと言う説。土浦から見える紫峰筑波と言う商品名から来たという説。キッコーマンに代表される亀甲文様の亀甲は北極星信仰(妙見菩薩信仰)で、北極星のシンボルカラーである紫色からと言う説。単純に醤油の色からなど諸説様々存在する。 * ヤマ - なしということ。ネタ切れ。 巻き簀 巻き簀 [編集] 巻き寿司 海苔(近年では薄焼き卵やレタスなども)の上に飯を乗せ、その上にキュウリ、卵焼きなどの具を乗せて巻いたもの。主に巻き簀(すだれ)を使用する。分類すると、以下のようになる。 * 細巻 直径3cm程度の口に入れやすいのもの。大抵は具が1種類のみ。 * 太巻 直径5cm程度以上になるものは太巻と呼ばれ具も複数となる。 * 中巻 昭和中期以降、持帰り店を中心に発売されている。上記の中間の太さで具は概ね二・三種類となっている。 海苔巻とも呼ばれるが、広義には巻き寿司全体を指すものの、狭義の用法では地域によりその対象は異なる。その他、巻き簀を使わず飯と具を海苔で巻く手巻き寿司もある。なお握った飯の側面に海苔を巻き、上にイクラ、サラダ、ウニなど崩れやすい材料を乗せたものを特に「軍艦巻き」と呼ぶが、これは握り寿司の一種として扱われている。 関西では、節分の日にその年の恵方を向いて無言で太巻きを一気に食べると幸運がもたらされれるとする「恵方巻」という行事がある。これは1970年代より一種の販促キャンペーンとして広められ、習慣として定着したものである。なお2006年現在、このキャンペーンは全国規模に拡大しており、それが消費者に定着するかどうか、今後が注目される。 [編集] 主な巻き寿司 細巻 * 鉄火巻(てっかまき) - 鮪を使用。 * かっぱ巻 - キュウリを使用。店舗・家庭により「きゅうり巻」とも。河童(かっぱ)の好物がキュウリである事に由来。 * かんぴょう巻 - (関東地方における海苔巻) * 新香巻(しんこまき) - お新香を使用。 太巻 標準的な具は、玉子焼き・高野豆腐・かんぴょう・椎茸・きくらげ・でんぶ・焼穴子・キュウリ・三つ葉など。(関西地方における海苔巻) 地方により、また店舗や家庭により様々な材料が使用されており、近年では海老や生魚を用いた海鮮巻もポピュラーである。 中巻 納豆(大葉入り)巻、穴子ときゅうり巻等、組合わせた具の食べ応えが楽しめる。種類は様々。 [編集] ちらし寿司 ちらし寿司は調理に専門的な技術が不要なため、家庭で作られる機会も多く、祭礼などハレの日の手作り料理として供されることが多い。大きく分けて二つの系統に分類される。 飯に細かく切った魚介類、野菜などの具を混ぜて食べるもの。 バラ寿司・バラちらしとも言う。具には錦糸玉子・干椎茸の煮つけ・かんぴょう・酢蓮根・海老・焼穴子等がよく用いられる。 具を飯の上に飾り載せしたもの 江戸前寿司店のちらし寿司(均等にそろえ切りした具を並べる)、鹿児島県の酒寿司・岡山県の祭り寿司等(さまざまな具を配置する)がある。 上記以外の例では、三重県の手こね寿司で具を混ぜた後、更に切り身を乗せる事がある。 店舗・家庭により好みの具が使用され、地方により果物(リンゴ、ミカン、サクランボ等)を入れる場合もある。 [編集] 押し寿司 飯と具を重ね、一定時間、力をかけて押したもの。最もポピュラーな鯖寿司である大阪府のバッテラや京都府の鯖の棒ずし、富山県の鱒寿司、鯵の押し寿司、秋刀魚寿司、鳥取県の吾左衛門寿司、広島県の角寿司、山口県の岩国寿司など。 [編集] 熟寿司(なれずし) なれずしは魚介類に塩、飯などを混ぜて長期間保存し乳酸菌の作用によって発酵させたもの。もともとは魚だけを塩蔵して自然発酵させていたが、16世紀前後に発酵を促進させるために飯を加えるようになったという。熟成途中のもの(「なまなれ」。また「なまなり」とも)を飯と一緒に食べることもあったが、普通は十分発酵させた上で半ば融解した飯を取り除き、酸味のついた魚の部分だけを食べる。和歌山県の鮎の熟寿司や滋賀県の鮒寿司、秋田県のハタハタ寿司などが有名。石川県のかぶら寿司や北海道の飯寿司のように麹を加えることもある。寿司の原形とされている。 稲荷寿司 稲荷寿司 [編集] 稲荷鮨 稲荷鮨は、守貞漫稿によると、発祥地は尾張の名古屋で、江戸では天保 (1830‐44) の末ごろから売り出されていた。 単純に「おいなりさん」「いなり」と略して呼ばれることもある。 江戸時代水源に乏しく米の採れないこの地方で考案された当初は、煮付けた油揚げの中にオカラを詰めたものだった(全て大豆原料)。現代の稲荷寿司は煮付けた油揚げの中に飯を詰めたもの。油揚げは甘く濃い味か薄味に仕上げる。中身は酢飯のみという物と、牛蒡などの野菜やごまをまぶす物がある。仕上がりの形は俵型だったり三角形だったりと地域によって多くの違いが見られる。具が入っていないもののほうが多い。飯に具が入っているものは一般に大きい。また稲荷寿司と海苔巻(かんぴょう巻)を詰め合せた弁当を助六という。これは「揚げ」と「巻き」で揚巻(歌舞伎『助六』に登場する花魁の名)という洒落による名称である。 [編集] 代表的な地方の寿司 各地で食べられる寿司には様々なバリエーションがあり、何れの地域以外ではあまり見られないものとなっている。 [編集] 関西寿司 関西寿司は、主に関西地域の郷土寿司の総称。大阪寿司の代表的な箱寿司(押し寿司)、酢締めの押し寿司バッテラ、ばら寿司(五目寿司)、巻き寿司等も含まれる。具材の鮮度ではなく飯と具材の味が基本の寿司で持ち帰っても味が変化しにくい。 [編集] バッテラ 酢飯に酢締めにした鯖を乗せ、さらに白板昆布を重ねた押し寿司。酢による処理で保存性を高めつつ生臭みを押さえ、昆布が旨みと食感を加える。鯖の半身を使うため完成品は細長い形となり、切り分けて食べる。近年は全国的に知られるようになり、関西以外の寿司売り場でも販売していることがある。 [編集] 太巻寿司 具に高野豆腐の煮しめを使うのが特徴。また、でんぶは使わない事が多い。そのため他の地方のものと比べ、ほんのりとした甘みと食べ応えがある。 柿の葉寿司 柿の葉寿司 [編集] 柿の葉寿司 柿の葉寿司は、奈良県・和歌山県の郷土料理である。鯖の寿司を柿の葉で巻き、保存に適したものにした寿司。 [編集] 鯖寿司 鯖寿司は、若狭地方・京都の郷土料理である。長方形に固めた酢飯の上に塩鯖の半身をのせ、出汁昆布で全体をくるみ、巻き簾で形を整えた後、竹皮で包んだ物である。先述のバッテラとは異なり、型に入れて固める作業はない。京都の場合、冷蔵技術が発達する前は若狭地方から運ばれる塩干物の塩鯖が貴重な海産物であり、この寿司が定着した(詳しくは鯖街道参照)。若狭では焼いた鯖をのせることもあり、「空弁」の代表としてマスコミで取り上げられ全国的に有名となった。 [編集] 鰻荷寿司 愛知県豊川市の豊川稲荷近郊から派生した郷土寿司で、押し寿司の一種。飯の上にタレを付けて焼いた鰻が重ねられている。豊川稲荷の稲荷と、唸る(ほどに旨い)をかけ、響きが稲荷寿司に似て覚えやすい事などから鰻荷寿司(うなりずし)という名称になったとされている。 [編集] 島寿司 島寿司は東京都の伊豆諸島及び小笠原諸島の郷土料理である。具材として島で捕れる魚を醤油漬にして使う。島で手に入りにくいわさびの代わりに唐辛子や洋がらしを使うなど、島の気候や食糧事情に合わせた製法で作られている。 [編集] 温ずし ぬくずし、又は蒸しずしと呼ばれる関西以西、中国、四国地方に伝わる温かいバラ寿司の事。同地方共通の方言ぬくいは温かいの意味でこの方言が通用する地方の冬季限定メニュー。バラ寿司の酢飯に焼き穴子、海老、白身魚、錦糸卵、絹さや、銀杏、桜でんぶ等を色鮮やかに盛り付け、蒸籠で蒸して食べる。発祥は大阪(又は京都)とされ明治時代からあるが、手間の掛かる割りに利益が少ない為かメニューから外された地域が多い。現在は大阪市、京都市、岡山市、尾道市、松山市などのすし屋で郷土料理として12月から3月頃まで食べられる。どんぶりに盛り付け蓋をして蒸籠で蒸す店と一人前の蒸籠に盛り付けて蒸す店がある。 [編集] 歴史 寿司は本来は魚介類を長期保存する発酵食品の一つで、東南アジアが起源と言われる。日本でも古くは寿司と言えば発酵食品の「熟鮨(なれずし)」のことであったが、江戸時代になって酢が大量生産されるようになると、ご飯を発酵させずに酢を使う「早鮨(はやずし)」が考案され、以降は早鮨が一般的な寿司を指すようになった。 現在でも琵琶湖沿岸には熟鮨の一種、鮒寿司などが残っている。 江戸時代以前、寿司の見た目は現代のように整ってはおらず、押し寿司(現在では関西ずしと分類されている)のようなものが主であった。また当時の寿司は現代の握り寿司に換算して9貫(約18個分、360g)ほどもある多量の米に9種類あまりのネタを乗せたものであり、一貫鮨とも称される大変大きなものであったと伝えられている。 浮世絵に描かれた寿司(安藤広重・江戸後期) 浮世絵に描かれた寿司(安藤広重・江戸後期) 江戸時代末期・文政年間に、この鮨を食べやすく小分けにした今の握りずしの原型ともされる寿司が現れる。この寿司は江戸・両国にて華屋与兵衛(小泉与兵衛)「与兵衛寿司」により考案されたとされる(いわゆる江戸前寿司)。しかし、当時の寿司はどちらかというとおむすびのようなものであったらしい。また、冷凍技術(コールドチェーン)も未発達の時代であったため、近海で獲れたものをさらにヅケにしてネタとして使用していた。また大きさも現代の握り寿司の2~3倍であったとされ、貫という助数詞における分量単位も、これを基準に確定していった。 昭和の後期(1970年代頃)までは、寿司は高級料理の代名詞であった。祝い事などの際に寿司の出前をとるというのが庶民的な感覚であった。サラリーマンを題材としたマンガでは、夜遅くまで外で飲み歩く亭主が、妻の機嫌を取るために寿司の折り詰めを買って帰るという姿が描かれる事がしばしばあった。 1958年に大阪で回転寿司が発明され、1980年頃までかけて全国に普及するようになると、寿司は家族で食べに行く庶民的なものに変わっていった。しかし一方では、回転寿司以外の寿司屋、いわゆる「回らない寿司屋」で寿司を食べるのはいまでも贅沢な食事であるという風潮は残っている。 回転寿司の成功による寿司の庶民化と、生鮮食料品の流通の改革などが相まって、近年では家庭で寿司を作って食べる事も増えてきている。食品メーカーのテレビコマーシャルが引き金になり、手巻き寿司を家庭で作るのがブームになった事もあった。 また近年関西圏を中心に恵方巻きが広まっている。 [編集] 世界の「スシ」へ 第2次世界大戦後、日本の経済成長にともなう日本企業、日本人の海外進出によって日本国外の主要都市にも寿司を取り扱う店舗が現れるようになった。外国では生魚を食べる習慣はもともとなく、寿司や刺身などは奇異な食文化と思われてきた。しかし、ベトナム戦争の頃から、アメリカ合衆国などでハンバーガーなどのファーストフードなどがコレステロール多く不健康な食事と考えられる一方で、脂をあまり使用しない日本食が健康的な食品として注目されるようになった。80年代から90年代までに寿司は「寿司バー」と呼ばれる形式で、外国人にも食されるようになり、世界各地にひろまった。それにともないカリフォルニアロールのような外国人が考案した調理法が日本に逆輸入されることになり「寿司」は天ぷらとともに日本を代表する食品になった。 現在、世界各地の寿司店を経営しているのは殆どが中国人や韓国人で日本人による寿司店の割合は相対的に減少している。そのため、日本の伝統的な寿司の調理法から大きく飛躍(あるいは逸脱)した調理法の料理までもが「スシ」として認識されるようになった。一例を挙げると、中華系のもの(寿司とは限らない。)を回転寿司のベルトコンベアに乗せて「日本料理」と称したり、チョコレートクリームをシャリでまいたようなものもある。 そのため日本の農林水産省は「正しい日本食を理解してもらうための日本食の評価」を外国の日本食店に行うことをうちだした。しかし、一部諸外国ではこれを「スシポリス(スシの警察)」と表現し、新しい食文化の誕生を疎外するものであると批判的に見る向きもある。 [編集] 販売・消費形態 寿司は鮨屋、回転寿司などの店内で料理として出される。(鮨屋は出前を行うこともある。)また、スーパーマーケットやデパートの地下の惣菜コーナーでは詰め合わせや握り寿司2つ程度の小さなパックなどが売られる。弁当販売店の形式で、持ち帰り用寿司を売るチェーン店もある。 かつては露天での販売も盛んであったが、衛生上の理由から屋台での寿司等生魚を使用した食品の販売は昭和初期までにその多くが規制されている。なお韓国には近年寿司を扱う屋台が出現したが、食べる際はよく注意することが望ましい。 巻き寿司、ちらし寿司はしばしば家庭でも作られる。 [編集] 衛生 寿司は、人間の手で腐敗しやすい生鮮魚類と炊き上げた白米を抱き合わせる作業を行うものであり、その過程で雑菌が付着することは避けられない。従って、夏期においては握ったものをすぐ食べることが望ましい。 諸外国では、手で握る作業を不潔なものと見なし、職人が薄いゴム手袋やビニール手袋を嵌めることを求められている店があるが、日本においてはそれは「野暮」と見なされ、そのような習慣は一般化していない。ただし国内でもスーパーなどで持ち帰りの寿司を作る場合や、回転寿司店で手袋を着用しているのが一般である。昨今では、世界的な日本食ブームのおかげもあり、外国人のいわゆる「通」を自称する人達の間でも、「素手で握る寿司が一番」という風潮がある。これは単にマニアックな理由だけではなく、特に西洋人の間では「日本の寿司職人は、素手で握っても食中毒を起こさない衛生的で清潔な職人」という西洋人独特のイメージ的な物もあるという。