約 574 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1678.html
「どちらにしてもよくかわしてくれましたミュリエル…。これで私も、久々に思いっきり戦える」 彼女の一言で場の空気は一瞬にして凍りつく 彼女の全力…久々という発言から予測できなかったものがさらに予測不可能になっていく 彼女はいつから本気ではなくなったのか…今は何部の力で戦っていたのか どちらにせよこの状況でそのような思考は御荷物でしかない 考えることはただ一つ… 私とミュリエルはこの未知の力を持つ『地獄の番犬』にどう立ち向かうかという現実だけだ 「勝つんだ」 この試合の勝敗、私は結局のところ勝てばいいのか負ければいいのか迷っていた この試合はエキシビジョンマッチ、つまるところ余興なのだ まぁ大観衆の中、テレビ中継までしてるんだから互いの誇りやらプライドをかけてといえば十分重要な試合でもあるんだろうが… 私の気持ちとしては……勝ちたい 自分が負けること、他者より劣ることを良しとする者なんていない それが『戦士』ならばなおさらである さらに私たち神姫はマスターを持つ仕える者だ 存在意義が例え家族や、妹やパートナー……恋人に変わったとしても根本にあるのは主人に対する忠義の心 それぞれ戦う者、共に生活する者、仕事のパートナーとなる者…道は違えど主人の喜ぶ顔が見たくない神姫なんていないと私は思う ご主人さまは私たちを家族だと言ってくれたが今この場にいる私は…『戦士』だ この人が喜ぶのであればこの人のために私は勝ちたい…その気持ちは一度だってぶれたことはない ランみたいな騎士なら忠義という言葉の似合うのだが如何せん私は犬型だ 思わず首輪をつけて尻尾を振っている自分が可笑しいというか情けないというか… いや……案外いいかもしれない いつもミコだけ…あの子ばかりご主人さまに甘えているんだから猫型に限らず犬型である私も… ……かっ…かなり魅力的なんだが私のイメージとかけ離れすぎていて無理があるな… 結局、ケルベロスなんて呼ばれているがご主人さまの前では私はただの忠犬なんだよ実際 はたまた相手がアルティさんとミュリエルということが事態をややこしくしている 私じゃなくてミコならば名勝負にもなっただろうが… 今の彼女なら私のほうが上にいる これはうぬぼれや過信でないことは彼女と実際に対峙して確かめた事だ 早い話「α」を使えばすぐに終わらせることも可能だろう 何故それをしないのか 「そんなのバトルでもなんでもねぇだろ?」 ご主人さまのその一言で「α」は自動的に私の奥の手、切り札となったんだ 色々と話はそれたがつまり私が言いたいのは… 「私は勝ちたい。しかし、それでご主人さまが喜ぶのであれば」 ということだ ミュリエルとの戦いの最中アルティさんの実力を大きく買っているご主人さまに私は正直なところ……嫉妬していた アルティさんはご主人さまの恋人だった人…それだけでも胸がもやもやとするのに この人は彼女たちが強くなっていることを喜んでいる 口には出さないが顔がいきいきしている 私はどうもそのことが気に入らなかった だから私は聞いたんだ 「この試合、私は勝てばいいんですか?それとも負けましょうか?」 と… そんな神姫らしくもない質問にため息交じりにもはっきりと「勝て」と命ぜられた 迷いなんてなくなった ただ今は…私を見てください…ご主人さま!! 「『α』に移ります…転送お願いします」 「了解~、転・送…っと」 サイドボードにあらかじめスタンバイしていた武装一式をノアに転送する 転送は攻防の真っ最中などには隙が多くなり不可能なんだが今のミュリエルは動こうものなら転送キャンセルをしたノアのラッシュを受ける位置関係にいるので下手に手出しもできない そんな中でノアへの武装転送が終わった 「転送終了、『α』問題なく受け取りました」 彼女の纏う『α』とは基本や見た目的には犬型武装 ただし、完全なる薄型軽量化と材質に凝った作りをしている職人芸な一品だ 『腕甲・万武』では《クロノスベル》も持てないのでそこいらも配慮した造りになっている 武装は今まで通りの《クロノスベル》に加え、お腰につけた双剣『干将・莫邪』と… 「お久しぶりでありますな大佐!!」 「けっ、やっとこさ出番かよ…あぁぁ!!?」 「ふっ、お久しぶりですね我が姫…」 「ホント、ノアったら全然呼んでくれないんだから…」 上より順にぷちマスィーンズ壱、参、肆、伍 それぞれ翠影(ひかげ)、黒曜(こくよう)、蒼騎(そうき)、白菊(しらぎく)という名前がある ちなみに弐号の赤丸はユーナにレンタル中だ ノアの背中で翠影が指令を出し、黒曜、蒼騎、白菊の三人がそれぞれのマスィーンで攻撃する ノア自身はほとんど遠距離の射撃はしない…もとい、する必要もないのだ こいつらを並のぷちマスィーンズと思ったらそれだけで大誤算 実力のほどは…まぁみてりゃわかるわな 「四人とも久しぶりね…今回も力を貸してくれる?」 「了解(ヤー)。 であります大佐!!」 「ちっ…しゃあねぇな…あんたの頼みとあちゃ断れねぇ…」 「無論です我が姫ノアール様。この身は常にあなたの刃」 「私とあなたの仲でしょ?もちろんよ、ノア」 「ありがとう、ではみんな…行きましょうか!」 「…転送…?」 「ああ、軽装型には変わりなさそうだが…ぷちマスィーンズときたか」 「アル…どうする?」 「出方を窺いたいところだが…」 そんな余裕はこちらにはない 受けに回ったが最後、反撃のチャンスが来る保証などないんだ 「打って出るぞ」 「…うん…その方が…いい」 「よし、準備はいいか?」 「…アルヴォPDW9×2…マガジンセット…《アポカリプス》次弾装填…《ライトオリジン》…砲身冷却度98,8%…《レフトアイアン》…内装マガジン交換完了済み…いつでも…OK」 「そうか…では、行くぞ!!」 「明人選手、ノアール選手に武装を転送したみたいです!ただいま送られてきました資料を見たところによりますと、今までの『頭甲・咆皇』、『脚甲・狗駆』『exOPT_KT36D1 ドッグテイル』に加え軽量型の『胸甲・心守』と改良型の『腕甲・万武』という装備!武装は『緑色のケルベロス』の由来となった《クロノスベル》はそのままに夫婦剣《干将莫邪》と四体のぷちマスィーンズ!さて、この装備となって事態はどう動くのでしょうか綾川さん!?」 「はい、今までのノアールさんは超軽量化による高速移動とそれによる絶対回避のスタイルでしたが…完全に防御を固めたわけでもないですし武装も増えています…接近戦のスタイルを変えてくるとは思えませんが…ぷちマスィーンズが気になりますね…」 「そうですか、ありがとうございました!」 「くっ、ノアール殿め…以前手前との戦いでは本気でないことは判ってはいたが…あの小娘が相手とはどういうことだ…」 「あら、冥夜ヤキモチ?」 「ぐぅ…なにをいうか主、私はただ…」 「ただ?」 「……えぇい、もうよい。何にしても次に手合せする機会には本気を出してもらおうか」 「あらあら…ホントにノアールさんにお熱の様ね」 「…誤解されそうな言い回しはやめてもらおうか」 「ああっと!ミュリエル選手動きました!!」 「ノア、来るぞ」 「了解しました」 地面すれすれを高速移動で右回りに旋回しながらアルヴォの銃口をこちらに向けるミュリエル 先ほどのように鉛玉の斉射がノアを襲う しかしノアは動かない というか動かなくていいんだ 「出番ですぞ蒼騎少尉!!」 「了解ですよ。《イージス》PS装甲展開!!」 翠影の指示でノアの前に出てきた蒼騎が叫ぶと、蒼騎の前の空間にバリアのようなものが張られる 鉛玉は全弾その膜に阻まれることとなった 「…!!…それなら…」 ミュリエルは地面に右手をつき、身を低くしたまま向きをこちらに正対させた 「…《アポカリプス》…ファイア…」 背中の六連ポッドから二機のミサイルが射出された 「…青いのは…釘づけ…」 アルヴォの射撃は止まないので蒼騎は動けない 「なんの!!黒曜少尉!!」 「おぅよ!!うらららららぁぁぁ!!」 二機のガトリング砲をぶっ放しながらミサイルに向かって突貫する黒曜 「ほれ!ひとーつ!!ふったあつっ!!」 見事に二機の撃墜に成功……したかに思われるが 爆炎の中からもう一基のミサイルが黒曜の真横を通り過ぎる その先にはノアが 「うげぇ!!しくった!時間差かよ!」 ノアに接近するミサイル しかしノアは動こうとしない 「ヒメさんあぶねぇ!!」 黒曜が叫ぶと同時にミサイルは爆発 煙の中のノアは……無傷だった 「やっぱり私がいないと駄目ね…黒曜?」 「流石であります白菊中尉!」 「がっ…て、てめぇ…しぃらぁぎぃくぅ」 「いつも詰めが甘いんだから…赤丸にも言われてたでしょ?」 「うるせぇ!!俺に説教じみたことすんじゃねぇ!!」 「二人とも、戦闘中でありますぞ!!」 「そうですよ、姫の前です…少しは静かに…」 お前ら全員うるせえっての… 「あんなのに…防がれた…」 「くっ…一気に行くぞミュリエル、全砲門一斉射撃。突貫する!!」 「…了解…出し惜しみなしの…パワー勝負!!」 サバーカの脚力を十分に使い地面を蹴るミュリエル加速により真正面から突撃するようだ… 蒼騎、黒曜、白菊の三人がアルヴォ、《アポカリプス》《レフトアイアン》の攻撃をそれぞれ防ぐ間にも《ライトオリジン》の銃身からバチバチと放電現象が起こる 「狙いは…フルパワーの零距離発射の様だ。…いけるか?」 「はい。この子たちがいるから攻撃に全力を注げます……」 そう言いながら両目を閉じて《クロノスベル》を握りなおす そしてそのまま腰元へ 刹那の勝負に抜刀術ってか… 10………9………8………7……… 「ノアが構えた!しかし…退くことはない!」 「…もちの…ろん…」 6………5………4………3……… 「大佐殿が打って出ます!三人とも退避を!」 「おぅよ!」 「了解」 「わかったわ!」 2………1………… 「奥義…狗咆斬!!」 「………展開!!」 0 ミュリエルの周囲にプラズマ現象を引き起こすほどのエネルギーとノアの半月を描く斬撃が衝突し拮抗した力は行き場をなくし… 爆破 煙が晴れ…立っていたのは… ノア……とミュリエルの二人ともであった 「…驚きました。まだ立っているなんて…」 「ん……がんば…った…」 「ミュリエル…あなたは強い…断言しましょう…あなたならいずれ私や冥夜さんにも劣らない神姫となるでしょう」 「………ん」 「しかし今は」 そう言いながら愛用の大鎌を持ち上げその刃の切っ先をミュリエルの首元へと運ぶノア 「私の勝ちです」 「………ん……降参…」 両手をあげてアルヴォを放すミュリエル 二丁のアルヴォが地面に落ちると同時に大喝采が巻き起こった 『第五回鳳凰カップ最終試合、エキストラバトルの勝者は………『緑色のケルベロス』ノアール選手です!!』 追記 こうして鳳凰杯は幕を閉じたわけなんだが…いかんせん俺としてはものすっごく疲れた 結果的に優勝はミュリエルで変わりないのであるが…その他決勝リーグにまで勝ち進んだ神姫たちもそれぞれ各メディアに取り上げられ注目されていた中、最後のノアとの激戦が話題となったのか一躍ランカーとして名を売るという結果になった その鳳凰杯と言えば会場入場者数、テレビの視聴率ともに過去最高を記録し、スポンサーである各社共々鳳条院グループ挙げての一大イベントは大成功と言えるものになった 裏で起こっていた事態もなんとかなったらしい 結果的にミラたちだけで事を成し遂げてしまったというんだから驚きだ 「アタシとアネキも協力したんだからな!!」 「そ~だぞ~!えっへん!」 あ~はいはい、偉い偉い… 身内が世話になったし結果として俺自身も助けられたことになるんだ でかいカリができちまったし、また礼もいっておかねぇとな… そのミラはというともろもろの事情で日本に一年近く滞在するらしい なんでも大学の特別非常勤講師として招かれているらしい ……なんでなんだ? 烈風のことも聞いた フェレンツェ博士やエリーの天才親子と超一流ハッカーの-ゴレ-こと千沙都もいることだし… 生意気な奴ではあるが…どうにかしてやりたいな そんでもって俺が今どこにいるのかというと… 「若様?…何をぼんやりしているんですか?」 「ああ、いや…べつに…」 「しかし若、このたびは誠にお疲れ様でした」 「いや、桜さんこそお疲れ様でした。大変だったでしょ?全体警備責任者やらアレの御守りやらで…」 「いえ、警備責任者は大変ではありましたが有能な捜査官の補助ができて大変良い経験をさせて頂きましたし…今回社長はお一人で頑張ってらっしゃいましたよ?」 「ほんとですか?いつもみたいに『さくらぁ…ヘルプミーーーー!!』とか言ってたんじゃないですか?」 「そ、そんなこと言ってないもん!!」 いままで乗っていたエレベーターのドアが目的地について開いたと同時に御袋の不満そうな声が聞こえてきた 四十階の社長室、御袋のオフィスである 「ふくれっ面しながら言っても説得力ねぇぞ?」 「う、うぇぇ……はづちゃん~明人がいじめるの~~」 「ああ、よしよし。兄さん、お母さんをいじめちゃだめですよ?」 「へぇへぇ…」 どっちが親なんだか… 「明人様…お待ちしていました」 「香憐ねぇ、用事ってなんだ?」 そうなのだ、ここ2、3日前から香憐ねぇは桜さんの手伝いとかで本家に帰っていたのだ そんでもって呼び出された俺、ノア、ミコ、ユーナと昴とランはこうしてここまでやってきたわけだが………… この場にはなぜか千沙都と冥夜もいる 「後はアルティさんたちとミラさんたちですね」 「なぁ、何を始めるだ?」 「ふっふっふっ……お答えしましょうかユーナちゃん」 「お、おうよお袋さん…」 「実はね、ここ三日間で編集に編集を重ねて作り上げた……『第五回鳳凰カップ、激闘96時間!裏表、全部見せますアルカナの恐怖!!』っていう社内用の極秘ビデオファイルの上映会なのよ~!!」 ……オイオイオイオイ! いろいろ突っ込むところ多いけど…とりあえず今は…休ませてくれよな… 「お疲れ様です、ご主人さま」 鳳凰杯編 END メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/aceswiki/pages/105.html
第一章 第十一節 『願うこと、祈ること。信じること、諦めること。』 澪が眺めているのは、この世界では極々当たり前の日常らしい。 どこにいたのかというくらい多くの人々が、それぞれ自分に出来ることをやっている。 穏やかな春の日差しの下、血生臭い狂宴の後片付けが着々と進んでいく。 破壊された家の残骸を片付け始める少年達。鋭い爪に抉られた若い兵士の傷に涙を浮かべながら、それでもその出血を止めようとする少女。 夫婦なのだろう、互いの無事を喜び合う男女。幼い我が子の怪我に狼狽する両親。 瓦礫の下から助け出された老夫婦。放心したように座り込む女性の目の前で瓦礫を掘り返す青年。 それでもあちこちで歓声が上がる。 石畳の道から血の跡が流されていく。空気に残る錆びついた血の匂いは薄まらない。 雑踏の隅にしゃがみ込んで、目の前を流れる人並みを眺める。 何をしたらいいのか、分からない。なぜここにいるのかすら、分からないのだ。 分からない事が情けなくて、やるせなくて、緩い日の光で全身の力が流れ出ていくようだ。使い方も分からない、そんな力なら。このまま大気に解けてしまえば良いのに。 片膝を抱えて座り込む。額にかかる細く硬い髪を指に絡ませて目を閉じると、能面のように無表情になった。 呼吸をするたびに、胸の中が血で染まっていくように感じる。 「……ぶ?だいじょうぶ?」 すぐそばで聞こえた幼い少年の声に我に返る。目を開けると明るい太陽の光に貫かれそうだった。 「きぶん悪いの?きゅうごしょ行く?動けないの?」 髪の間からのぞく楕円形の耳が頬の辺りまで垂れ下がっている。大きく黒目がちな漆黒の瞳。紺色の瞳孔は澄み切っていて吸い込まれそうなほどだ。髪や耳と同じ茶色の尻尾が心配そうに地面を掃いている。小さな身体は華奢で、それでもしなやかな印象を与えた。 「……大丈夫だ」 タレ気味の目を強調するように茶色の眉を八の字にしてオロオロする少年に言ってやると、少し安心したような顔をして澪の隣に脚を投げ出して座り込んだ。 「今日は、町の中まで魔物が入り込んできたから……血の匂いがきついね」 澪と同じように雑踏に目を向けながら少年は独り言のように呟いた。 その雑踏の向こうから囃し声と共に大きな声が聞こえた。 「……れるって!わかったからっ風呂入るから池はイヤだっ!!」 「若様だっ。戦闘の後はいつもだね」 クスクス笑いながら少年は声のする方へ目を向ける。つられるように澪もそっちを見ると、周りの人より頭一つ分大きいカサンドラの返り血にまだらに紅く染まった白銀の髪が見えた。 「……これが、日常……」 呟くような澪の言葉を、少年は聞いていたらしい。 「……そうだよ。この日常を守る為に、戦ってるんだ」 最初の印象より遙かに大人びた、犬の獣人の少年がそこにいた。 「――――……そうか」 何故だか居た堪れなくなって、澪は視線を落とした。濃紺の髪が表情を隠す。 そんな澪に慌てたかのように少年が明るく声を出す。 「うん、信じてるから!いつかもっと平和になって、魔物なんてこなくなるって。だから頑張れるんだよ」 誘われるように顔を上げる。こんな状況でも人を気遣うことが出来る。本当に強い、いい子だ。 そうして今の言葉に嘘偽りはないのだろう。少年はこんなにも平和を願い、信じている。 「……ああ、きっとそんな日が来るよ」 少なくともそう祈ろう、と心から澪は思った。 その声にぴくり、と小さく耳を動かした少年は嬉しそうに破顔し、体重を感じさせない軽やかな動きで立ち上がった。 「さてっと!そろそろいかなくっちゃ。またお話してね!」 たたたと駆け出しながら、澪に手を振る。 そんな少年にぎこちなく手を振りかえし、自分もそろそろ戻ろうかと立ち上がると小さく伸びをした。 気づけば、もう血の匂いがあまり気にならない。 あの少年にお礼を言うべきだったなと今更に気づく。せめて名前だけでも聞いておくのだったと後悔しながら、町並に背を向けた。 少年が走り去った道を、優しい風が撫ぜている。 砦の中をあてがわれた部屋に向かって早足で歩いていると、割れた窓の前で思案する琴菜の姿が見えた。 洗い立ての髪はしっかりと水分を切られ、それでも何時もより深い色をたたえている。服をぬらさないようにと肩にはタオルがかけられていた。 「何してるんだ?」 澪が静かに声をかける。琴菜は目線を窓に固定したままだ。 砕け散ったガラスは片付けられているものの、窓には未だ大きな穴が開いている。 「この窓、なんとかしたいなと思って……自分が何も出来ないのが……来たばかりなのだからしょうがないんだけれど、なんだか情けなくてな」 なんとなく拗ねたような表情の琴菜に、澪が思わず吹き出しそうになる。 「なんだ?」 琴菜が訝しげに尋ねた。 「いや、なんでもない。どうしたらいいか聞いてみよう。答えてもらえなかったりしたら、勝手に布でもはっておいてやれ」 不安を感じていたのが自分だけでなかったことにほっとする。琴菜もそれを感じたのではないだろうか。 先程より明らかに穏やかになった澪の表情に、琴菜も頬を緩める。 「そうだな、やれることから勝手にやってしまうか」 第一章 第十二節 とりあえず一度戻ろうと部屋に向かう。ノブに手をかけると、微かに開いたドアから声が漏れてきた。 「――――…から、――…と――……」 遠慮なくそのままドアを開けると、なにやら話し込んでいたらしいジルコンと春日がこちらを振り返った。 「れーちゃんにことちゃん!おかえりなさい!」 一瞬驚いたように二人を見た後、嬉しそうに春日が駆け寄ってくる。 「ただいま、ってお前らあれからずっと喋ってたのか?」 呆れたように琴菜がそれを見やった。 「一回お外にお片付けのお手伝いに行ったんだけど……危なっかしいからお部屋帰ってなさいって」 勢いに任せて澪に抱きついたまま、しゅんと春日が眉尻を下げる。 「……あれはねー怖いねーちょっとねー」 苦笑いをしてジルコンが言葉を濁す。よっぽどだったのだろう。 「一体どんな動きをしていたんだ……」 なんとなく想像がつくようなつかないような、と考え込む二人に、ジルコンが声をかける。 「そうだ、ルー君かカース君見なかったかい?エレンちゃんでもいいんだけど」 「カースなら町で見かけたが……何かあったのか?」 されるがままに抱きつかれていた澪の質問に、にっこりとジルコンが微笑む。それにつられるように春日もそうだそうだ、と嬉しそうに笑った。 「カスガちゃんには今話したんだけど……実は、俺以外の石精霊の居場所、一人だけだけどわかったんだ。しかもかなり近いよ」 ねー、と楽しそうに人差し指を合わせる二人。 「「え?」」 琴菜と澪が声をハモらせて目を見開いた。 「お前、前は解らないとか言ってなかったか?」 「それがさー、今までいまいちわからなかったんだけど、なんだか急に感じられるようになってきてね」 事も無げにいうジルコンに澪が反発する。 「そんなアバウトなもんなのか?」 「そんなアバウトなもんだよ、きっと。ああ、でも一つ今までと変わった事と言えば……異世界の助っ人さんが来てくれたことかな?風向きが変わったのかもしれない」 にっ、とジルコンが唇の端をあげる。 「……そんなことで、変わるのか?オレ達なにもしてないぞ?」 「わからないけど、俺は感謝してるよ」 不敵で、それでも優しさを感じる笑顔のままの彼に、なんとなくたじろいて澪が口を噤む。 「で、その石精霊……は結局どこにいるんだ?」 それをフォローするように琴菜が話を続けた。 「他の人が揃ったら話すよ。君達地理に明るくないでしょ?」 それもそうだ、と頷きかけた瞬間、部屋に軽いノックの音が響いた。 「ナイスタイミングだね、どうぞー」 ジルコンが楽しそうに返答し、扉が開いた。 「入るぞーってあれ?ルーはぁ??」 暢気に入ってきたのは切りっぱなしの髪を真っ白(「しろいうなっ銀だっ!!」とは本人談)に戻るまでしっかり洗わされたカサンドラだった。拭き切れていない髪から雫がパタパタと肩口に落ちている。 「あ、カース君。ピンクマーブルは免れたんだ?」 「エレンに池に落としてでも白にするってホントにやられかけた」 「「「ピンクマーブル???」」」 「いずれ話してあげるよ~♪」 「で、ルーは??」 カサンドラは拭き切れていない頭を犬か猫のようにふって水気を飛ばそうとしているらしい。 「戸口をふさぐな、水を飛ばすな、ちゃんと拭け」 べしっと振り向いたカサンドラの顔面にタオルらしい布の塊を投げつけながらルギネスが入ってくる。 「怪我人も命が危ない、といえる者はいなかったようだ。警備の穴を埋めて、住民を落ち着かせてからでないと出発できそうにないな」 誰とも無く呟く。 「あ、そのことなんだけどね~。地図ちょうだい?」 唐突に言うジルコンに怪訝な顔も見せずに住居部分へ通じるドアへ向かう。 「えぇ?わかんな~いとか言ってたのお前だろ~?」 投げつけられたタオルで髪を乱暴に拭いながらカサンドラがジルコンに文句を言うと、言われたジルコンも飄々と答える。 「風向き変わったんだもん。分かっちゃった~♪めんどくさいとか言っても聞いてもらえないと思うよ~」 きゃんきゃんと言い合っている二人を無視するようにルギネスは出ていって、しばらくして小さく畳まれた紙を持って入ってきた。未だにじゃれ合うような会話を続けていた二人をさらに無視する。 「エレンを呼んできてくれ、サーニとガーナは戻ってないな?」 ホールに続く扉のすぐそばにいたらしい青年を呼び止めてルギネスが何か確認するとそのまま円卓に手にしていた紙を広げてみせる。 「飽きたら話がまとまらなくなるから今の内に話すぞ」 「飽きたら?」 「あの二人のことか?」 「そうだろうな。これは……地図か?」 円卓に広げられた大きな紙は縁が茶色く日に灼けて細かくうねるような曲線がおおざっぱに書いてある。 何か文字のような物が所々に書いてあるがどう読むのかは分からなかった。 「この文字は読めるか?」 「……見たことが無い」 「後で読み方を教える。表音文字だからすぐ覚えられるだろう。今いる『ヴェルトロ』はここだ」 ルギネスが指さすところには薄い朱色で印が付けられている。山に囲まれた地方都市らしい。 「今の『スティージェ』にある主な都市はいくつかある。ここは『中央都市・アエネース』、ここが『王都城下・シモニア』だ。『商業都市・ルカーヌス』、『最南の都市・ベタニヤ』、『最北の街・アリスタルコ』、『自治都市・ガイオ』。そして、この国のほぼ中央に位置するのが『王都・インテルミネイ』」 ここだ、といって指さす。それぞれ小さな丸が位置を表していて、それらの印を太い線が繋いでいる。 「主な都市は『インテルミネイ』を中心にしてそれぞれ街道で繋がっている。山や森を避けるように街道は通っているから少し遠回りになるな。でも街道沿いには小さな町や村が点在してるから野宿を避けたいならこの街道を行く方が良い」 ここまで説明したところで、身体をしっかり洗ってきたらしいエレンが小走りに駆け込んできた。 「すみません、遅くなりました。……若?ジルコンさん?」 「「……は~い」」 やっと静かになった室内で地図を囲み詳しい話が始まった。 第一章 第十三節 「え~っと、レイちゃん達が来てくれたおかげで『風向き』みたいなのが変わったんだと思うんだ。どの石精霊かまではちょっとわかんないけど、少なくとも一人は居場所が分かったよ」 そこまで言うとジルコンは、今いる『ヴェルトロ』を指さしそのまま斜め上、つまり北東の方向へ指を動かす。紙面上で止まった指先は淡い青に塗られた比較的広い位置を指さしていた。 「……『ベルギリウス』か?」 「ここ、何?」 きょとんとした瞳で春日がカサンドラを見上げる。 「湖。んなとこにいんの?」 少し顔をしかめてカサンドラが言う。 「間違いないよ、ここの中♪」 「「「「「……中?」」」」」 「うん、中vv」 にっこりと笑って言うジルコンと嬉しげに頷く春日は至極無邪気だった。 「中って中って……中ぁ!?」 一時恐慌状態に陥ったカサンドラは放って置かれることになっているらしい。 「とりあえず、ここまでの交通手段を考えないとな。……馬か、チェンバーは乗れるか?」 「……乗馬経験は無いぞ?」 「馬……乗れない……」 「コトナとカスガは乗れないのか……レイは?」 「乗れるぞ、その『チェンバー』とやらは見たことも無いが」 「「えっ!?」」 「……乗れるんですか?」 平然と言う澪に琴菜と春日は驚きの声を上げる。エレンも恐る恐るといった風情で聞き返す。 「同じ国から呼ばれたんじゃ無いのか?」 恐慌状態からいつの間にか戻ってきていたらしいカサンドラが問いかける。 「……お前、私とは京都の町中ですれ違いかけたんだよな?」 「あぁ……そうだったな」 澪の無表情な顔にわずかに怪訝な色が浮かび始める。 「……それがどうか……言ってなかったか?」 「何を?」 「俺の育ったトコ、京都じゃないって」 ケロリと言ってのけた澪の言葉に唖然としていたのは琴菜だけだった。 「北海道、ねぇ……」 翌朝、厩に案内されまずは練習だと連れてこられた広い空き地。 馬を与えられた途端いきなり体重を感じさせない動きでひらりと馬にまたがり、悠々と乗りこなしだした澪を驚きと共に眺めながら琴菜がなるほど、と呟いた。 「お、アイツ知らない人間振り落とすの大好きなのにすげーなー。上手い」 琴菜に手綱を渡しながらカサンドラが感心したように澪を見やった。 乗馬経験の無い琴菜でも綺麗な乗り方だと思う。乗りなれているのだろう。 「……そんな気性の荒い馬をいきなり渡したのか」 「馬たりねーんだよマジで。シャルロッテはまぁ大人しいから大丈夫だろ。」 悪気のない声で言い放つカサンドラに琴菜がため息をつく。 「えらく豪華な名前だな」 呆れ顔で傍らの馬を見上げる。しかし、その名に相応しい、上品で優しい目をした馬だと思った。 「ああ、厩番の趣味なんだトニーっての本人は。ついでにあれがエリザベスであれがアイリーンであれが」 「もういい」 「ちなみにオスでもそういう名前」 「……そうなのか」 こいつはどちらだろう、と琴菜が見上げるとシャルロッテが優しげな栗色の瞳で不思議そうに見返した。 「そうそう体は水平でーうん筋いいじゃん」 はじめこそ戸惑ったものの、しばらく乗っていると段々コツがつかめてくる。 上から見える馬の毛並みはつやつやとしていて大事に育てられているのが解った。 「へぇ、初めてなのにもうそこまで乗れるのか」 馬に乗ったまま、澪が軽快な動作で近づいてくる。 「ああ、思ったより難しいけどなかなか面白いな」 馬の頸を撫でると、温かい体温が伝わってくる。キライではない感覚だ。 「慣れるともっと爽快になるぞ」 穏やかに言う澪も心なしか微笑んだように見える。 「レイも笑うんだな~」 のほほんと言うカサンドラを無視して 「……あっちは慣れる以前の問題だがな」 澪は半分目を閉じるようにして三人から少し離れた所を眺める。 自分のことで精一杯だった琴菜がその目線を追うと、その先には悪戦苦闘する春日とルギネスがいた。 春日に宛われたのは厩番の名付けたところのクリスティーナ。気性が穏やかで戦闘に向かないともっぱら移動に使われている小柄な栗毛の馬だ。 「いい加減乗ってくれないか?」 「……だって落ちちゃうんだもん」 必要な馬具は全て付けているし、ルギネスがそばで補助をしているにも関わらず、春日はクリスティーナに乗ることさえ出来ずにいるらしい。 練習は同時に始めたはずだから、小一時間は乗ろうとしてずり落ち、乗ろうとして転がりを繰り返しているのだ。 「……ルーのヤツ、ずっと付き合ってンのか?」 すげー根性、とカサンドラが呆れたように呟く。 「転がり落ちた時に何度か馬に踏まれかけてたぞ、ルギネスが慌てて避けさせてたけど」 澪が言ってる間にも、再度挑戦した春日はルギネスの真上に転落している。 「乗ることから、出来てないって事か?」 「乗馬姿勢がどう、って話じゃないな」 言いながら澪は身軽な動作で灰色がかったその馬の背から地上に降り立った。 真似して降りようとする琴菜にまだ練習、とカサンドラが声をかける。 「アントワネット……だっけ?あまり調教してないみたいだな、悪い馬じゃ無さそうだけど」 やや目つきの鋭いアントワネットの頬の辺りを撫でながら澪はシャルロッテの手綱を引くカサンドラに厩番の居場所を聞いている。 少し離れた所から、ようやっとその背に乗り想像以上の高さに春日が上げた歓声が聞こえてきた。 第一章 第十四節 忙しいらしい彼らが長く居れる筈もなく、ルギネスとカサンドラが兵士に呼ばれて退席した後は自然と澪が指南役になり、ゆっくりと時間が過ぎていった。 春の風と暖かな草の匂いのする風。 陽光に僅かに赤く反射する黒髪を靡かせて琴菜は目を閉じてそれを感じる。 あんな血なまぐさいことがあったとは思えない穏やかさだ。 日が落ちる前には春日が辛うじて、琴菜はそれなりに乗りこなせるようになっていた。 馬も人もさすがに疲れ、世界を朱色が染めゆく中で澪と琴菜は風景を眺めながら座っていた。 前とは違う、赤く美しい世界。 春日はまだ興味深々に馬と戯れている。 元気だなぁと澪が僅かに苦笑する。 「しかし、拉致されてきた異世界で呑気に乗馬体験とはなぁ」 呆れた声で琴菜がため息をつく。 「ちょっと考えられないな」 夕日を見据えながら澪も頷いた。 「澪は私達の世界でも乗馬してたんだろう?ここの馬との違いってやっぱりあるのか?」 「うーん、こちらの馬の方が少し小柄で逞しいと思うが……際立った違いはないな」 オレンジ色の光を受けしなやかに走る馬は、確かに琴菜の目からも自分達の世界の馬と変わらないように見えた。 「出してもらった料理も普通というか、あっちと似たような野菜もあったしな。完全に一緒ではないんだけれど……この世界って、なんなんだろうな」 「俺も考えてはいるが……よくわからない」 今まで生きていた世界ととてもよく似た、違う世界。 物思いに沈みかけた二人の後ろから人の気配がし、人影を認めた春日が嬉しそうに手を振って駆け出した。 振り返ると兎耳の少女が夕日を受けて穏やかに微笑んでいる。 「エレンちゃんだー!どうしたの?ご飯?」 尻尾があったなら確実にぱたぱたふってるであろう表情と軽やかな動作で春日がエレンの手を握る。 『エレン=ご飯くれる人』の公式がすでに出来上がっているのか物凄い懐き様だ。 「ええ、みなさんお疲れ様です」 わーい、とさらにテンションをあげる春日をなだめながら草を払って自分の方へとやってくる澪と琴菜にエレンが軽く会釈する。 「すまないな、何からなにまでしてもらって……もしよければ次からは手伝う」 琴菜がすまなそうに言う。 「お客様のお手を煩わせるわけにも……でも澪さんもお料理お上手でしたし頼もしいですね、次からは少しお願いします」 エレンが申し訳なさそうに微笑む。 「わたしもー!」 春日がはいはいと元気に手をあげた。 「……あくまで個人的な予想だが……ぱりーん、がしゃーん」 ぼそっと琴菜が呟く。 「……否定はしない」 澪もやれやれとため息をついた。よくわからずにこにこしている春日。 それを見てエレンが楽しそうに笑う。 「ええ、春日さんもお願いしますね」 にこやかに答えたエレンに、琴菜が苦笑いしながら言う。 「チャレンジャーだな」 「そうですか?大丈夫ですよ……多分」 小首を傾げて微笑んだままエレンは平然と返した。 「そう言えば」 ふと思い出したように琴菜が澪に視線を向けた。 エレンと春日は彼女らの数メートル先を楽しそうに歩いている。 「ここに来てもう3日経ってる。家の人とか、心配しないか?」 並んで歩いていた澪は一瞬僅かに表情を強張らせたがすぐにいつもの無表情に戻る。 「……そういうお前はどうなんだ?」 二人の間にしばしの沈黙が訪れる。気まずい沈黙に割り込むように二人を振り返った春日が駆け寄ってきた。 「どーしたの?ご飯冷めちゃうよ?」 「「……何でもない」」 それだけ言うと後ろ向きに歩いていた春日を追い越すように二人は、少し先で三人を待っているエレンに追いついた。 その日の夕食は厩番のアントニウスも交えて賑やかなものになった。 そんな中、ルギネスだけがいつにも増して口数が少ない。ともすれば不機嫌に見えるほどだ。 「……何かあったのか?」 声を潜めて琴菜は隣の席で顔色も変えず酒をあおっているカサンドラに尋ねる。 「ぅ~ん……ちょっとなぁ~……」 珍しく歯切れの悪い言い方に琴菜を挟んで座っていた澪がさらに尋ねる。 「俺達の事で何かあったのか?」 「ん~……あんまり言いたくないんだよなぁめんどくて」 詳しくはルーかエレンに聞けば?とだけ言ってカサンドラは目の前に並んだ大量の料理を春日とそろって平らげ始めた。 疑問符を浮かべた琴菜と澪を尻目に宴は深夜にまで及んだ。 「……三日後に、出発する」 翌朝、寝起きの悪いルギネスが朝食の席で、何時にも増して掠れて聞き取りにくい声で宣言した。 「え~っと、『ベルギリウス』……だっけ?」 「石精霊さんを探しに行くんだよねっ」 朝から元気な春日とは対照的に、昨夜同様不機嫌な雰囲気を漂わせながらルギネスは続ける。 「あぁ。三人は特に自分の準備もあるだろうし、オレ達も片付けておかないといけない事項もある。コトナとカスガは準備の合間に乗馬を練習できるように頼んである」 「長時間の移動になるんだったら必要だろうな」 澪が静かに付け加えた。 それでは早々に準備を始めませんと、と言うエレンの一言でそれぞれ席を立った。 「なんか、ルギネスもカースも機嫌悪くなかったか?」 琴菜が服の準備をするというエレンに尋ねる。 「昨夜もルギネスは機嫌が悪いように見えたが?」 同じように澪が言う。 「……少し、もめ事が『テーヴェレ』内にありまして……」 昨夜のカサンドラ同様に歯切れ悪くエレンは答える。 「もめ事?ケンカしてるの?」 同じくらいの身長の春日が少し俯いたエレンの顔を首を傾げるようにして覗き込む。 「……『テーヴェレ』設立当時からですから、もう二年くらいになります。幹部級の方達の間で意見の対立や諍いが多くて……そのせいか一般の兵の間でもそれぞれの派閥にあわせて小競り合いが良くあるんです」 「ふぅん……ルギネスやカースが幹部ってことはだいぶ若い者が中心なんだと思ってたんだがその間で?」 「いえ……年代の差、と言うのがもめ事の原因かも知れません」 「って、それなりに年配のヤツもいるのか?」 「『一国で革命を起こす』と言う信念の本、集まったはずの同志なのですが……」 「ケンカしちゃってるんだね」 困ったような顔のまま、エレンは先を歩き始める。 「『石精霊』を探す事にも賛成しているは半数ほどです。邪神『ジュデッカ』の解放すら否定している方もいらっしゃいます。それでも、ルギネス様は何とか犠牲を最小限にしたいから、と自ら行動されて……実際にジルコンさんがこちらにいらっしゃらなければ誰も信じなかったでしょう」 邪神伝説はこの国の、否、世界の人々の中に浸透しきっている。だからこそ邪神が解放されたことを否定したがったのだとエレンは続ける。 「そんな……」 「……嘘であって欲しい、と言う思いが現実から逃避させてるのか」 絶句する琴菜と澪を尻目に、春日はエレンが旅支度にと取り出し始めた色とりどりの衣装に見入っている。 「現国王が邪神を解放させなければ、こんな事にはならなかったはずなんです」 珍しく、エレンが厳しい口調で言い放つ。 その激しさに三人は息を呑んだ。 第一章 第十五節『生きているから、歩き出す』 「沢山の人達が、大切なものを奪われました。……沢山の命が、消えました」 顔を伏せたエレンが血が出そうなほど唇を噛みしめる。 「だから、取り返したい。……これ以上奪われもしない」 全て取り返すことなど不可能だと知っている。 それでもこれ以上奪われたくない。少しでも取り返したい。 そんな想いが痛いほどに伝わってきて、つられて澪と琴菜も目を伏せた。 彼らがあまりに明るく過ごしているから実感出来なかったが、ここにいる人達は皆悲壮な決意を秘めているのだろう。 魔物が襲ってくる、それを退ける。それだけでも大変な事なのに、それだけではないのだ。 『革命』 何かを勝ちとるために、権力者に戦いを挑む事。賭けるものは命。 教科書でしか聞いた事のない言葉。知識として暗記だけしていたもの。 それがどんな思いで成り立っていたかなど今までは……恐らく今も理解など出来ていない。 誰も言葉を発せず、重苦しい空気が流れる。 そんな空気を払うかのように、エレンが笑顔を浮かべた。 「失礼しました。さ、準備を始めましょう」 てきぱきと手際よく服を選び、きちんと畳みなおすエレンはすっかり元の穏やかな雰囲気に戻っている。 「あ、あぁ……」 琴菜もなんとか笑顔を作り、頷いた。 「あ、ちょっと離れますね、すぐ戻りますのでこれ、整理してもらえますか?」 必要な物を思い出したのか、エレンが廊下の外へと出ていった。 それを見送って琴菜が服へと手を伸ばそうとしたとき、 「それなら、なおさらなんで俺達が呼ばれたんだ?」 澪の呟くような声が耳に入った。 二人が澪を見上げると、少し驚いて、失敗したというたような目を澪がした。 口に出している自覚がなかったのだろう。 「いや……俺達は部外者だ。だから最初は手伝う必要などないと思っていた」 琴菜が頷く。 「だが、今は寧ろ……俺達が呼ばれたところで、手伝える問題なのか?と……上手く言えないな」 言葉を選ぶように少し思案した後、澪がもう一度口を開いた。 「……正直、今俺達が受けている扱いは破格なんだと思う。世話を焼いてもらって、幹部級らしい人間と対等に口がきける。……まぁ拉致されて来た訳なんだからそれくらいしてもらってもいいと思うが。だがこれは大きな戦いだ。風向きが変わったんだとジルコンは言った。しかし小娘三人増えたところで何になる?組織内にも派閥があるという。部外者をいきなり引きこんで、とルギネス達の立場も悪くなるんじゃないのか?」 考えを整理しきれていないのか、ゆっくりと語る澪に、琴菜も考え込んだ。 確かにこういう組織では、余所者は歓迎されないように思われる。 それでも助けてほしい、と私達は呼ばれた。 しかし『どうやって』助ければいいのか?『なぜ』私達なのか? その答えは未だ貰えていない。 「きっと、そのうちわかるよー」 今まで黙って聞いていた春日が場にそぐわぬ気の抜けた声を出した。 「お前な、そんな簡単な問題じゃないんだぞ……解ってるのか?」 少しイラついて琴菜がたしなめる。 「だって、なんとなくだけどルギネスさんとか意味のない事嫌いそうだし、必要じゃなかったら強引なことしなさそーなんだもん」 あっけらかんと言い放つ春日に、二人は思わず納得しかける。 会って数日ではあるが、確かにあまり無駄な事はしないタイプに見える。 「それでお前は……」 「あっエレンちゃんおかえりなさい!」 澪が何か言おうとした時に、手に沢山の袋をもったエレンが部屋へと戻ってきた。 「はい、戻りました。皆さんどんなのがお好きでしょうか?」 にこにこと床に袋を広げていく。旅行用の小袋だろうか、質素で可愛らしいものが多い。 「えーっとえーっと」 目を輝かせて選び出す春日と色々説明しながら微笑むエレン。 「レイさんとコトナさんも、選んでくださいね」 「……あ、ああ」 「とりあえず今は、準備か……」 二人も袋を囲んで品定めを始めた。談笑に段々と表情も緩んでくる。 しかし先ほどの会話は澪と琴菜の心の中へ確実に疑問の種を植え付けていた。 出発の日の朝、結局まともに一人で馬に乗れるようになれなかった春日は、野宿用の荷物を載せた小型の荷馬車を操るエレンと同乗する事になった。 それはそれで嬉しいらしく、しきりに荷馬車の周りをきょろきょろと観察している。 琴菜はかろうじて乗れるようになっていたので荷馬車で休憩しながらの小旅行になった。 「おでかけーっ♪『ヴェルギリウス』ってどんなとこ?」 はしゃぐ春日が荷馬車内を整理するエレンを手伝いながら話しかける。手際よく荷物を並べていた手を止めて、エレンはにこやかに答える。 「スティージェ国内で最も大きい湖ですよ。今の時期は湖岸に多くの花が咲いて、それが湖面に映ってとても綺麗なんです。周囲の山々の新緑も綺麗ですし美味しい野草もたくさん芽生えているでしょうね」 「わ~っ着いたら食べてみたいっ」 目を輝かせて春日は自分の着替えの入った明るい若草色の袋を抱きしめた。 一方外では、澪に教わりながら馬具の調整をしていた琴菜が、馬の鼻筋を撫でるジルコンに訊く。 「湖の中って言ってたよな、潜って探せってことか?」 「それは行ってみないとねーわかったのは湖の『中』ってだけだしぃ?ま、今くらいなら水に入ってももうそんなに寒くないから大丈夫っ。ねっ」 ジルコンが何故か楽しそうにカサンドラの方へ視線をやる。 「……カース?顔色悪いぞ?」 「……大いに気のせい」 訝しげにカサンドラを見ながら澪は馬上の人となった。 振り返った視線の先ではルギネスがギデオンに細々とした指示をしている。 「『ヴェルギリウス』までは通常往復で約4日。乗馬初心者を連れて山越えするから6日近くになると思う」 「こちらは私達で何とかなると思いますが、お早目にご帰還を。お気をつけて」 「なー俺やっぱり心配だし残っとくって」 カサンドラが割り込んで進言する。 「いいえ、お気使いは有難いですが若様も最近はお忙しかったわけですし、数日ですが少しは羽根を伸ばしてきてください」 100%好意のみで構成されたギデオンの言葉と同意する(むしろ自分達も行きたいと言わんばかりの)兵士達の笑顔にカサンドラがあからさまに嫌そうな顔をする。 「……いい加減観念しておけ」 ルギネスがため息をつきながらたしなめた。 ギデオンや町の人々に見送られてルギネス・カサンドラ・エレンと澪達三人は出発した。 石精霊と言うだけあってジルコンは本体という精霊石の形でルギネスの荷物の中に同行している。 春の空は晴れ渡っていた。
https://w.atwiki.jp/undiscovery/pages/25.html
パーソナルスキル(メインキャラクター) カペル アーヤ ルカ ロカ エドアルド シグムント ユージン バルバガン ミルシェ グスタフ ヴィーカ トウマ コマチ カペル 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 癒しのカペル フルート吹き……だけどまだまだ無名だったみたい 最初から 病人運搬人 アーヤを抱えてモンタナ村に腕がダルダルになりそう…… モンタナ村へ行く時から 子供のおもり ルカとロカを連れ歩くことに……いいんですか お母さん モンタナ村でアーヤ復帰後 英雄の一味 鎖を斬る人たちに同行よろしくお願いします ブルガスへ向かうパーティ編成後 光の英雄 シグムントさんの影武者に立候補 Disk2開始時 英雄のニセモノ 確かに僕はニセモノだそれの何が悪いっていうんだ フェイエール脱出後 黒 新月の民 カペル 各国の王が認めてくれたそんなことに何の意味もない…… 対策会議後 黒 カサンドラの王子 そんな感じの出自らしいそれでも僕は僕だけどね 水上神殿鎖攻略パーティ編成後 称号2 それなり剣士 案外 剣の扱いになれている LV1~LV10未満 まぁまぁ剣士 剣士としてはまぁまぁだ動物くらいなら倒せるぞ LV10~ ちゃんと剣士 いっぱしの剣士封印軍ともある程度戦えるぞ LV30~ 凄い剣士 凄い剣士そこらの敵には負けない LV60~ 達人剣士 剣の達人だ弟子もとれる LV100~ 超剣士 これ以上ないくらい超凄い剣士 LV150~ やりすぎ剣士 ちょっとレベル上げをやりすぎてしまった剣士 LV255 LV255までに必要な経験値は計29334400 IC エンチャンターエッグ LV1 エンチャントIC可能まだエンチャント覚えたて ショプロン村イベント エンチャントビギナー LV2 エンチャントIC可能少しエンチャントに不慣れ エンチャントLV2 エンチャンター LV3 エンチャントIC可能ちょっとしたエンチャントなら自由自在 エンチャントLV3 ハイエンチャンター LV4 エンチャントIC可能エンチャント?モーニング前ッス! エンチャントLV4 エンチャントマスター LV5 エンチャントIC可能エンチャントで並ぶ者なし エンチャントLV5 オーネロの使者 LV6 エンチャントIC可能武器に魂を込めるエンチャンター エンチャントLV6 特性1 器用貧乏 何でもこなせるけど一番になれない 最初から 特性2 めんどくさがり屋 面倒な事は大嫌い!怠惰最高! 最初から やれば出来る子 やるときゃやります! 新月の民護衛後 特性3 意外と力持ち 見た目と違って案外力持ち 最初から 特性4 女の子好き 女の子全般が好きストライクゾーンは広いよ! 最初から 綺麗なお姉さん好き ちょっと年上のお姉さんが気になりだしたよ? ミルシェ加入後 気の強い子好き いや でもやっぱり…あの子の事が・・・ オラデア砂丘 野営イベント後 アーヤ好き アーヤが好き ピエリア湿地イベント後 好み 果物好き 果物大好き朝昼晩 果物で問題なし ベリィ系アイテムをカペルに使用 果物系食べ物の効果+20% アーヤ 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 高飛車娘 いきなり天井から降ってきた 最初から 体調不良? 顔色が悪いけど体調が悪いのかな?暗いから そう見えるだけ? グラード森林(夜)開始時 最初の仲間 僕を買ってくれているテレくさいけどありがとう モンタナ村でアーヤ復帰後 お姫様 まさか王女様だったなんて……ギャップが…… ヴェスプレームの塔へ向かう時 相談相手 弱音を吐いてもらえるのも悪い気はしないよね ザラへ向かうパーティ編成後 目的遂行の相棒 コイツならわかってくれる…… ショプロン村イベント後 黒 父王の復讐者 大切な者を奪われたならばさらに奪ってやればいい 対策会議後 黒 誰よりも大切な人 え?言わなきゃダメ……え えっと…………大好きです…… ピエリア湿地イベント後 称号2 無駄射ちハンター 無駄射ちばかりでほとんど当たらない弓使い LV1~LV10未満 赤字ハンター 獲物の収入より矢の代金の方が高いレベル LV10~ 黒字ハンター 十分一人前ハンター一本で食べていける LV30~ ほとんどスナイパー 百発百中に近づいた LV60~ 一流スナイパー もう一撃必殺のレベル LV100~ 超一流スナイパー 1キロ先のリンゴの実でも射抜ける LV150~ プリンセス失格 お姫様だったら弓ばっかり射ってないでダンスの勉強も…… LV255 IC 料理好き LV2 料理IC可能料理好きデザート パン料理が得意 最初から 見習い料理人 LV3 料理IC可能料理の腕自慢レベルデザート パン料理が得意 料理LV3 一流調理師 LV4 料理IC可能作れない料理はない!デザート パン料理が得意 料理LV4 三ツ星シェフ LV5 料理IC可能世界が認める料理人デザート パン料理が得意 料理LV5 味大帝 LV6 料理IC可能料理界の頂点に君臨する者デザート パン料理が得意 料理LV6 特性1 チャンスに強い 奇襲に成功すると攻撃力が一定時間アップする 最初から 奇襲時のみATK+20% 特性2 庶民派 見た目と違って案外庶民派 最初から 特性3 くまグッズ収集家 くまに関するグッズに目が無い ジーナ登場後 くまマニア くまなしでは生きていけない ザラPE くまLOVE くま くま くま…すでに愛の域 ハルギータPE 特性4 爬虫類キライ 爬虫類が苦手 見るだけで鳥肌がたって近寄れない 爬虫類系の敵と遭遇 爬虫類との戦闘時のみ全ステータス-20%爬虫類を攻撃しにくくなる 特性5 虫大嫌い 虫が大嫌い視界に入るのも耐えられないすぐに殲滅しないと気がすまない 虫系の敵と遭遇 虫との戦闘時のみATK+10%それ以外のステータス-20%虫を優先的に攻撃する ルカ 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 チビッ子 その1 いきなり出てきてちょっとビックリ 最初から 元気すぎる子供 子供なのに危険なところに飛び込んで…… 竜骨の祠に入る 健気なコドモ 父親を殺されたっていうのに……見直した ランバット戦開始時 生意気な子供 年齢以上に大人周りが大人ばっかりだからだよな ミルシェ加入後 やっぱり子供 かわいいところもあるんだよね Disk2開始時 すごいお子様 案外深くみんなを見てる……子供だってバカにできたもんじゃないよな ザラの鎖切断後イベント 不必要な捨て駒 子供は役に立たない ショプロン村イベント後 黒 近未来のヒーロー 将来 シグムントさんを越える大人物になるんじゃないかな ピエリア湿地イベント後 称号2 せいぜい兎使い ちっこい動物ならいうこときいてくれるかも LV1~LV10未満 そろそろ獣使い 簡単な命令ならきかせられるかな LV10~ いっぱし獣使い たいがいの動物ならいうことをきくぞ LV30~ 怪獣使い モンスターを操っての戦闘だってお手の物 LV60~ 幻獣使い そんなものまで操れますか?ビックリのレパートリー LV100~ 聖獣使い もはや聖獣ですらいうことをきく!? LV150~ 無駄使い お風呂にお湯をはって背中を流してもらう……そんな事まで動物に? LV255 IC 作家の卵 LV1 執筆IC可能作家を目指している最中 最初から アマチュア作家 LV2 執筆IC可能アマチュアとはいえ一応は作家 執筆LV2 プロ作家 LV3 執筆IC可能執筆活動で食べていけます 執筆LV3 売れっ子作家 LV4 執筆IC可能ひっきりなしに仕事の依頼が… 執筆LV4 文豪 LV5 執筆IC可能先生と呼ばれる作家 執筆LV5 神の筆 LV6 執筆IC可能この世のすべてを文字で表現できる 執筆LV6 CS 動物語 敵意の無い動物と会話する事ができる 最初から 特性1 落ち着きナシ 落ち着きがなくいつもウロウロしている 最初から 納刀状態だと勝手に動く 落ち着きナシナシ 落ち着きがなくいつもウロウロしているたまに何か拾う事も 護衛後ショプロン村で合流時 納刀状態だと勝手に動くコネクトせずに放置止まっていると5%の確率でアイテムを拾う(拾うアイテムはエリアごとに決まっている) 特性2 双子 ロカと一緒にいる事で一人でいる時よりも調子が良くなる 最初から ロカと一緒だと全ステータス+10% 特性3 虫好き 虫と出会うとテンションが上がりまっさきに捕まえようとする 昆虫族と初めて戦闘する 昆虫族との戦闘時のみ全ステータス+5%昆虫族を優先的に攻撃 虫マニア 虫と出会うとテンションが上がりまっさきに捕まえようとするもう命令も聞こえない 昆虫族と100回戦闘する 昆虫族との戦闘時のみ全ステータス+8%その敵を優先的に攻撃コネクト・リカバー指示を10%の確率で無視 好み 野菜キライ 野菜キライ! ヤダッ! 野菜系料理をルカに使用 野菜系食べ物の効果が50%に 野菜キライ魚スキ 野菜キライ! ヤダッ!魚おいしいからスキ! ハルギータPE 野菜系食べ物の効果が50%に魚系食べ物の効果アップ ロカ 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 チビッ子 その2 いきなり出てきてちょっとビックリ 最初から 頑張りすぎる子供 お父さんが心配なのはわかるけど…… 竜骨の祠に入る 偉い子供 ここまで前向きなのはちょっとマネできないかも ランバット戦開始時 おしゃまな子供 こういうのも耳年増っていうのかな? ミルシェ加入後 さすがに子供 たまに子供に帰るんだよね……ほっとするよ Disk2開始時 たいしたお子様 子供と大人のいいところ両方持ってる気がする ザラの鎖切断後イベント いらない捨て駒 子供は役に立たない ショプロン村イベント後 黒 近未来のヒロイン 将来 美人になりそうだしきっとモテモテだよ ピエリア湿地イベント後 称号2 召喚師の卵 召喚師目指して魔術を勉強中 LV1~LV10未満 立派な召喚師の卵 魔術は使えるようになってきた目指せ召喚師 LV10~ 一流召喚師の卵 魔術だったらけっこういける目指せ召喚師 LV30~ 完全な召喚師の卵 魔術だったら完璧になってきた目指せ召喚師 LV60~ 伝説級召喚師の卵 下手な魔術師じゃ追いつけない実力目指せ召喚師 LV100~ 神話級召喚師の卵 魔術の実力なら世界で10本指だ目指せ召喚師 LV150~ あれ? 召喚師は? いつの間にやら魔術のエキスパートあれ? 召喚は? LV255 IC おままごと好き LV1 料理IC可能おままごとレベルスープ 皿料理が得意 最初から 料理好き LV2 料理IC可能料理好きスープ 皿料理が得意 料理LV2 見習い料理人 LV3 料理IC可能料理の腕自慢レベルスープ 皿料理が得意 料理LV3 一流調理師 LV4 料理IC可能作れない料理はない!スープ 皿料理が得意 料理LV4 三ツ星シェフ LV5 料理IC可能世界が認める料理人スープ 皿料理が得意 料理LV5 味大帝 LV6 料理IC可能料理界の頂点に君臨する者スープ 皿料理が得意 料理LV6 CS 採取 一度何かを拾った場所でも再度何かを拾う事がある 最初から コネクト状態で採取させるとアイテムを2つ拾うことがある 特性1 超臆病者 敵から奇襲を受けると驚いて混乱してしまう事があるすっごいビビリ 最初から 奇襲されると10%の確率で混乱状態に 特性2 双子 ルカと一緒にいる事で一人でいる時よりも調子が良くなる 最初から ルカと一緒だと全ステータス+10% 特性3 マネっこ ルカが魔法を使った時たまに真似して同じ魔法を使う ザラPEのクイズ後 好み 猫舌 熱い物を食べると舌がヒリヒリする 鍋系料理をロカに使用 熱い食べ物の効果が発揮されるまでに時間がかかる エドアルド 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 ガラ悪い人 どうしてこんなにツンケンしてるんだろう グラード森林(夜)の野営地の時のみ 英雄の金魚の…… 二言目にはシグムント様 プレヴェン城3階で合流時 ダダッ子 まあ僕はいいんだけど……指示を出すにももう少しなんというか…… Disk2開始直後イベント はじめての友人 生まれもなにもすべて受け止めてくれた……なんかくすぐったい エドアルド復帰時 目的遂行のコマ 目的が遂げられるならおまえすら…… ショプロン村イベント後 黒 親友 何も言わなくてもわかってくれる ピエリア湿地イベント後 称号2 英雄へ憧れ がんばってお近づきになろう 加入時~LV10未満 英雄の従者 英雄の剣磨きなら一人前だ LV10~ 英雄の兵士 たいがいの命令なら過不足なくこなせる戦力 LV30~ 英雄の近衛兵 ついに英雄の隣で剣を振るえる腕前に LV60~ 英雄補佐 もはや英雄にも頼りにされる存在 LV100~ 英雄の守護者 戦闘力なら英雄以上!英雄を守りぬけ LV150~ もう英雄でいいよ ……もう君が英雄でいいじゃん LV255 IC 鍛冶手伝い LV2 鍛冶IC可能まだお手伝いしかできない金属の加工が得意 最初から 駆け出し鍛冶職人 LV3 鍛冶IC可能鍛冶をかじってみた程度金属の加工が得意 鍛冶LV3 いっぱし鍛冶屋 LV4 鍛冶IC可能鍛冶屋と名乗れるレベルだ金属の加工が得意 鍛冶LV4 伝説の鍛冶職人 LV5 鍛冶IC可能生きた伝説の鍛冶職人金属の加工が得意 鍛冶LV5 稀代の名工 LV6 鍛冶IC可能歴史に名を刻まれた鍛冶屋金属の加工が得意 鍛冶LV6 特性1 統率 実はリーダー気質パーティを任せると上手くまとめる 最初から 特性2 仲間思い 発言に似合わず仲間思い仲間が倒れると戦闘力がアップする 最初から 全ステータス+(戦闘不能人数×2)% 特性3 勤勉 根は真面目すぎるほど真面目だからこそ融通もきかない フェイエールPE まじめ一徹 真面目に戦っているからかたまに多めに経験値を取得する ハルギータPE 特性4 シグムント崇拝 シグムントを神のように崇拝している ブルガスPE シグムントと一緒だと全ステータス+5% 好み ピーマン苦手 ピーマン苦手料理に入っているとすべて取り出す ピーマンを使った料理をエドに使用 ピーマン入り食べ物の効果が80%に ピーマン嫌い ピーマン嫌い料理に入れるな!見ただけで… 上記好み解放後ピーマンを使った料理をエドに10回以上使用 ピーマン入り食べ物の効果が50%に シグムント 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 そっくりさん ほんとに似てる…… グラード森林(夜)の野営地の時のみ 噂の英雄 モンタナ村みたいな田舎でも有名だったなぁ プレヴェン城4階合流時 パーティ編成画面でのみ確認可能 傷ついた英雄 ちょっとちょっとそんな体でこの先だいじょうぶなの!? ブルガスに向かうパーティ編成後 光の英雄 祝福の儀式でパワーアップ!なんかお手軽 祝福の儀終了後 鎖切断の師匠 どうして僕に鎖が斬れるってわかったんだろう…… ショプロン村の鎖切断後 最高のリーダー 頼りになりますみんながついてく理由がちょっとわかる ヴェスプレームの塔へ向かう時 お父さん 今ならわかるよ僕が誰なのか気づいてたよね優しい目をしてた セラフィックゲートでの再加入時 称号2 ほんとに英雄? 噂先行?ほんとにすごいの? 最初から さすがの英雄 英雄らしさが垣間見られる LV15~ やっぱり英雄 誰もが納得するそのカリスマ LV30~ すっごい英雄 周囲の反応は握手を求めるか土下座をするかどちらかに LV60~ 光の英雄 あまりのまぶしさに誰もまともに見れない LV100~ 超英雄 世界一の有名人生まれたての子供さえその存在を知っている! LV150~ 生き神様 生きた伝説敵すらも拝まずにはいられない LV255 CS 観察眼 敵の弱点を見抜く鋭い観察眼を持っている 最初から コネクト中は敵の属性耐性が見える(アナライズミラー使用と同じ) 特性1 英雄 その場にいるだけで仲間たちに力を与える存在感 最初から 同一パーティ全員の全ステータス+2% 特性2 手負いの獣 瀕死状態になるといつも以上の力を発揮する 最初から HPがオレンジ表示のときATK+30% 特性3 冷静沈着 いつも静かに落ち着き状況を把握する 最初から 好み1 スープ好き スープ類が大の好物スープ系アイテムの効果がアップ スープ系料理をシグムントに使用 スープ系食べ物の効果+20% 好み2 弱点トマト 唯一の弱点はトマトトマトが入っているアイテムは効果マイナス トマトを使った料理をシグムントに使用 トマト系食べ物の効果が50%に ユージン 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 あやしいお兄さん 優しい口調に優しい物腰……なんであやしく思うんだろう…… グラード森林(夜)の野営地の時のみ みんなのお兄さん 英雄一行のまとめ役 プレヴェン城3階で合流時 腹黒いお兄さん みんなをまとめるためになんか画策してるっぽい…… ミルシェ加入後 シグムントの片腕 シグムントさんを呼び捨てしちゃえる間柄だもんね フェイエールに到着時 ナイスフォロー シグムントさんのふりをするのは難しい……今後ともよろしくです ザラに到着 ハルギータの神官 実はハルギータのお偉いさんだったみたい ハルギータに到着 目的遂行の道具 やりとげるためにはコイツの頭脳は捨てがたい ショプロン村イベント後 黒 自慢の兄貴分 適度な距離感で必要なときに必要なところにいてくれる ピエリア湿地イベント後 称号2 いつかは参謀 それなりにアイデアはある 加入時~LV10未満 参謀一歩手前 たまに光る発言ができてきた LV10~ 参謀補佐 知識と技術を集団に還元 LV30~ 多機能参謀 戦って 魔術を使って考えて 踊れるマルチな才能 LV60~ 魔術参謀 魔術を極めて作戦構築 LV100~ 遠慮深謀 相手の数手先まで読んだ布石を打つ LV150~ 流し目参謀長 視線ひとつで作戦伝達!敵もクラクラ!? LV255 IC 鍛冶手伝い LV2 鍛冶IC可能まだお手伝いしかできない布や皮の加工が得意 最初から 駆け出し鍛冶職人 LV3 鍛冶IC可能鍛冶をかじってみた程度布や皮の加工が得意 鍛冶LV3 いっぱし鍛冶屋 LV4 鍛冶IC可能鍛冶屋と名乗れるレベルだ布や皮の加工が得意 鍛冶LV4 伝説の鍛冶職人 LV5 鍛冶IC可能生きた伝説の鍛冶職人布や皮の加工が得意 鍛冶LV5 稀代の名工 LV6 鍛冶IC可能歴史に名を刻まれた鍛冶屋布や皮の加工が得意 鍛冶LV6 CS 語学 語学に堪能で"古代文字"が読める 最初から 特性1 お風呂好き 朝 昼 晩と風呂に入るくらい風呂好き 最初から 特性2 釣り好き 趣味は釣り長靴からクラーケンまで何でもござれ ザラPE 好み お酒キライ アルコールが苦手匂いを嗅ぐだけで酔ってしまい頭が痛くなる ザラPE2 酒系の効果が50%に 特性3 暗所恐怖症 暗い場所が苦手集中できなくなり戦闘力がダウンする 暗闇の場所に連れて行く 暗闇エリア内では全ステータス-10% 暗闇が苦手 暗い場所が苦手少しはなれたがやはり戦闘力がダウンする 暗闇に1時間以上滞在 暗闇エリア内では全ステータス-5% バルバガン 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 筋肉 すいません筋肉しか記憶に残りません グラード森林(夜)の野営地の時のみ 見た目通り筋肉 すいません期待通りの活躍で笑っちゃいそうです プレヴェン城突入時 パーティ編成画面でのみ確認可能 見た目以上に筋肉 すいません考え方まで筋肉だとは思ってませんでした ブルガスへ向かうパーティ編成後 照り返す筋肉 すいません筋肉が汗でテラッテラで眩しいっす オラデア砂丘に入る 頼もしい戦士 すいません筋肉だけだと思ってたら案外渋いですね ヴェスプレームの塔へ向かう時 ポッキリ すいません頼りなくてすいません Disk2開始時 出戻ってきた捨て駒 戦い疲れない男なら手元において損はない 再加入時 黒 人間味ある好漢 一番自分に素直な人なんだと思う ピエリア湿地イベント後 称号2 力自慢 力だけは十人力 最初から がんばり戦士 まだまだ力が入りすぎそれでも戦えるレベルに LV10~ 筋肉戦士 力の使い方がわかってきた LV30~ 強力戦士 どんなに重い武器でもブンブン振るう LV60~ 豪力戦士 武器と力の融合!岩をも砕く! LV100~ 人間台風 何人相手でも関係なし触れたものはぶっ飛ばす LV150~ 手加減知らず 触っただけで机を壊す酒場の8割出入り禁止 LV255 特性1 馬鹿力 見た目通りの馬鹿力なんでも簡単に壊すことができる 最初から 特性2 チャンスに強い 奇襲に成功すると攻撃力がアップする 最初から 奇襲時のみATK+20% 特性3 長期戦 戦闘が長引くほど戦闘力がアップする戦闘マニア 最初から 戦闘時間1分ごとに全ステータス+1%(MAX+10%) 特性4 子供好き 子供好き一緒になって悪戯したり転げまわったりする 最初から ルカまたはロカと一緒だと全ステータス+5% 好み1 肉食 血の滴る分厚い肉が大好物週に5回は肉食 肉系料理をバルバガンに使用 肉系食べ物の効果+20% 好み2 酒好き 酒は呑め呑め百薬の長ってな! 最初から 酒系の効果+20% 好み2 飲兵衛 酒は呑め呑め百薬の長ってな!でも最近記憶が… 酒類を20回使う 酒系の効果+30%3%の確率で混乱 好み2 酒呑オヤジ 酒は呑め呑め百薬の長ってな!でも最近朝起きると体が痛い 酒類を50回使う 酒系の効果+50%5%の確率で混乱or狂乱状態 ミルシェ 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 お色気お姉さん どうでもいいけど 抱きつきグセはなんとかした方が……嬉しいけど…… 最初から コスメなお姉さん 砂丘は美貌の天敵らしい オラデア砂丘に入る 優しいお姉さん 思っていた以上に強い人みたいです Disk2開始直後イベント 二重人格者 ほんとは冷たい人なんだって ケルンテン謁見前PE がんばるお姉さん 努力でしてるのかもしれないけどやっぱり暖かい人です ケルンケンからザラに到着時 目的遂行の礎 コイツがいれば傷つくことを恐れさせずにコマを使える ショプロン村イベント後 黒 聖母のごとき抱擁 両腕に包まれればどんな悩みも吹っ飛びます ピエリア湿地イベント後 称号2 見習いヒーラー 抱きつかれれば治った気になる 最初から なんとかヒーラー 簡単な傷なら治せる LV10~ 安心のヒーラー たいがいの傷を治してくれる頼れるレベル LV30~ 魂のヒーラー 肉体どころか心まで癒してしまう LV60~ どんなでもヒーラー 重症ってなに? LV100~ 奇跡のヒーラー もはや死んでも怖くない! LV150~ はなぢぶーヒーラー 活力がつきすぎて癒されるどころか鼻血が出ちゃう LV255 IC 錬金術学生 LV2 錬金IC可能師について学んでいる段階おもに薬系の調合が得意 最初から 錬金術師 LV3 錬金IC可能一人立ちした錬金術師おもに薬系の調合が得意 錬金LV3 熟練の錬金術師 LV4 錬金IC可能多少錬金術について語れますおもに薬系の調合が得意 錬金LV4 物質変換者 LV5 錬金IC可能物質を熟知した者おもに薬系の調合が得意 錬金LV5 尾を飲み込む蛇の使者 LV6 錬金IC可能世界の理を知った者おもに薬系の調合が得意 錬金LV6 CS 美女 俗に言うビッペンさん男をデレデレにしちゃうぞ 最初から 特性1 臆病者 もともと気が弱いので争い事が苦手すすんで戦わない 最初から 特性2 ティーテスター 自分で飲むのも他人に入れてあげるのも好きお茶の味にはうるさい ハルギータPE 特性3 スキンシップ好き 他人にベタベタするタイプシグムントやカペルと一緒だとはりきって戦います 最初から 特性4 飛ぶ敵拒絶 飛んでいる物が苦手子供の頃のトラウマが…近寄る事なんて出来ない 飛行系の敵と遭遇 飛ぶ者憎悪 飛んでいる物が苦手苦手すぎて憎しみに… 飛行系の敵とたくさん戦う グスタフ 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 でっかいクマ 想像してたよりデカかった 最初から 不機嫌なクマ なんか 僕嫌われている気が…… ヴェスプレームの塔に入る アーヤのクマ アーヤが傷ついてたことクマなりにわかるもんなんだな Disk2開始時 双子の乗り物 妙にはまってると思うのは僕だけ? ザラへ向かうパーティ編成後 便利なクマ はやい はやい 便利 便利 キリヤの家に到着後 やるなクマ もしかして生涯のライバルなんじゃ…… ハルギータ襲撃後 しょせんケモノ せいぜいアーヤの盾にするぐらいしか使い道はない ショプロン村イベント後 黒 彼女の友達 これからもアーヤのことよろしく頼むよ ピエリア湿地イベント後 称号2 しょせんクマ がぅー 最初から でかいクマ がう LV20~ つよいクマ がうがうがう LV30~ すごいクマ がーう がうがーう LV60~ クマ親分 がう! ぐるるる がう! LV100~ クマ大将 がうがうー がう! LV150~ クマクマクマー! んがふっふん LV255 CS 嗅覚 敵が周りにいない時ごくたまに食べ物素材を見つけることがある 最初から フィールドでコネクトして待つ30分で1つくらいが目安確率はかなり低いので気長に 超嗅覚 敵が周りにいない時たまに食べ物素材を見つける事がある 嗅覚が30回以上発動 特性1 手負いの獣 瀕死状態になるといつも以上の力を発揮する 最初から 特性2 クマ力 見た目通りのクマ力なんでも簡単に壊す事ができる 最初から 特性3 アーヤ好き アーヤと一緒だと頑張る!がうがうがー! 最初から 特性4 カペルキライ カペルが一緒だとやる気でないがぁう… ハルギータPE1 カペルふつう キライじゃないけどアーヤに近づくと噛むぞ! ハルギータPE2 好み 魚料理大好き 魚が大好き魚系アイテムの効果アップ 魚系料理をグスタフに使用 ヴィーカ 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 情報屋 裏事情に詳しそうな雰囲気 最初から ちゃっかり小僧 お金にがめつそう……しっかりしてるね ハルギータ謁見後 違和感……小僧? なんか なんかヘンだった気がするんだけど……なんだったんだろう キリヤの家に向かう途中 ブラコン小僧 お兄ちゃんと二人家族だったのか……にしてもブラコンじゃない? キリヤの家に到着後 いつのまにか弟分 どうやら僕がアニキらしいいいけど ハルギータ襲撃時 ほんとに弟分? 女装の趣味でもあるの?ん? ハルギータの鎖解放後 あくまで捨て駒 むしろすべてが終わった後に有意な人材なのか ショプロン村イベント後 黒 かわいい弟分 もしかして好きな人でもいるのか?応援するぞ! ピエリア湿地イベント後 称号2 情報屋? ほんとにいろいろ知ってるのか……ガセネタ含み? 最初から 実はコソ泥 手先の器用さには自信アリ LV30~ スカウト 情報収集もお手の物戦闘だって任せとけ LV35~ 立派なスカウト 闇社会では立派な顔 LV60~ もはや暗殺者 かくれんぼしたら絶対見つからない LV100~ スーパー暗殺者 本気で募集したら世界中から依頼が殺到しちゃう LV150~ 闇夜のカラス もはやどこにいるやら認識不能 LV255 CS1 解除 宝箱にかかっている鍵や罠を解除することができる 最初から 解除&サーチ 宝箱にかかっている鍵や罠を解除することができるし宝箱の位置まで分かるようになる 何度か宝箱を開けていると変化 CS2 値切り上手 お店で買い物をする時たまに値切ることができる10%OFF! 最初から 値切りの達人 お店で買い物をする時たまに値切ることができる20%OFF! 値切り上手を50回発動させる 特性1 長期戦 戦闘が長引くほど戦闘力がアップする案外争いごと好き 最初から 特性2 ブラコン アニキと一緒だと運がよくなったような気がする気のせいかな? ハルギータ襲撃時 特性3 ケチ 消費アイテムの使用をためらう事がある 最初から ちょいケチ たまに消費アイテムの使用をためらう事がある たまにね ハルギータPE 特性4 水辺の生物キライ 水辺に生息する生き物が苦手戦闘力が下がってしまう 水棲の敵と遭遇 水辺系エネミー苦手 水辺に生息する生き物が…やっぱりまだ苦手! 水棲の敵とたくさん戦う トウマ 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 英雄の友人 シグムントさんの昔の友人!?ばーれーたー 最初から 物知りな若様 王宮暮らしにしては物知り案外実戦派? 鎖の台地に到着 うぶな若様 い 意外な反応……もしかしてあの人に気がある? クィーン・スパイダー戦開始時 憎悪の象徴 コイツが悪いわけではない……しかし…… ショプロン村イベント後 黒 朴念仁 コイツらに人の心の機微はわからない…… 対策会議後 黒 消せない憎悪 コイツのせいではない……わかっていても……くそっ! ヴァレッタ城塞突入時 黒 高貴なる血の努め 弱きもののために自分を捧げる義務があることを知っている生まれながらの貴族だね ピエリア湿地イベント後 称号2 侍風な世間知らず 合言葉は武士道実力はこれからだ 最初から 侍風な若者 武士はくわねど高楊枝だ LV35~ 侍風な戦士 大切なのは気構えだ結果は後からついてくる LV40~ 侍風な勇者 戦力としては申し分ない本人の納得の問題だ LV60~ 真の侍 自他共に認める誠の武士道ここにあり LV100~ 伝説の侍 世界に七人いるらしい LV150~ セーイタイショーグ 武士道的には最高の名誉……実際問題 有名無実 LV255 CS 美丈夫 いわゆる健康的な美男子気難しい女性でもお話してくれそう 最初から 特性1 逆境に強い 不利な状況ほど力を発揮するタイプ 最初から 特性2 主従関係 部下のコマチと一緒だと戦闘での動きがよくなる 最初から 特性3 忍ぶ心 家臣としてではなく一人の男としてスバルを守る 対策会議後 特性4 お面好き かぶる事で日常を忘れ戦いに集中できる ケルンテンPE お面コレクター 色々なお面を集める事も趣味の一つとなってきた 刀5種類発見 お面オタク お面の第一人者種類から作り方まで色々知っている 刀10種類発見 好み 野菜類好き 野菜好き料理に野菜が入っていると少しテンションが上がる 野菜系料理をトウマに使用 コマチ 名称 コメント 解放条件 備考 称号1 トウマの従者 トウマの家付きの影なんだね 最初から 物知りな影 さすがにいろいろ知ってるんだねトウマと一緒に勉強したのかな? 鎖の台地に到着 片思いの従者 こんなにわかりやすいのにまったく通じてないよ……ちょっと気の毒 クィーン・スパイダー戦開始時 目的遂行の飛道具 コイツを使えば邪魔な連中も闇から闇へ…… ショプロン村イベント後 黒 トウマ命 あの連中に人の心は届かない 対策会議後 黒 ちょうどいい捨て駒 使い道を失ったが単に戦力として計算すればいい ヴァレッタ城塞突入時 黒 理想の従者 見返りを求めず相手を思い続けられるのは立派だよいつか届くといいね ピエリア湿地イベント後 称号2 修行中の忍者 腕前はまだまだ 最初から もうすぐ忍者 水中で10分息止め達成身体能力向上中 LV35~ 普通に忍者 動きの鋭さなら誰にも負けない LV40~ 高速の忍者 身体能力 人間超え達成 LV60~ 音速の忍者 全速の獣も止まって見える LV100~ 光速の忍者 そろそろできるか分身の術! LV150~ どうみても一般人 真の実力者は外見からはわからない完璧な隠形だ LV255 CS1 解除 宝箱にかかっている鍵や罠を解除することができる 最初から 解除&サーチ 宝箱にかかっている鍵や罠を解除することができるし宝箱の位置まで分かるようになる 何度か宝箱を開けていると変化 CS2 発見 一度何かを拾った場所でも再度何かを拾う事がある 最初から 特性1 主従関係 尊敬するトウマと一緒だと戦闘での動きがよくなる 最初から 特性2 暗闇好き 暗い空間にいると落ち着く性格が暗い訳ではありません! 最初から 特性3 端っこ好き 端っこが好きけっして性格が暗い訳では… ザラPE 特性4 お化け苦手 不死系エネミーがいると怖すぎて体に力が入らない 不死系の敵と遭遇 お化けキライ 不死系エネミーがいると怖すぎて…怖すぎて…真っ先に倒します! 不死系の敵とたくさん戦う
https://w.atwiki.jp/sengoku4/pages/107.html
基本情報(E)Empires追加要素 紹介 攻撃方法 武将解説・性能考察武将解説 性能考察 武器データ基本性能 名称等の説明・故事来歴 技能考察 (II)技能盤 衣装 コメント欄 基本情報 名前 佐々木小次郎(ささきこじろう) 二つ名 妖かしの人斬り アクションタイプ 通常攻撃タイプ 使用条件(通常版) 流浪演武:「仕合」クリア (II)使用条件(4-II) 無限城・別館:「疾風の間」クリア (S)使用条件(真田丸) 来福寺宅でほら貝を渡す 推奨メイン対象 宮本武蔵 推奨パートナー対象 宮本武蔵 声優 うえだゆうじ 無双奥義文字 剣 秘奥義・皆伝文字 燕 公式動画 『戦国無双4』佐々木小次郎 (E)Empires追加要素 生没年 1590-1612 登場年 1605 采配 7 智謀 3 政治 2 政略 暗殺 大喝 戦場策 忍者隊急襲・弐 紹介 若き天才剣士。剣の道を求めて各地を渡り歩いている。剣の目的が「人斬り」でしかないことを受け入れ、その目的を極めたいという純粋な気持ちから、さらなる高みを目指し戦場で人を斬り続ける。 攻撃方法 武器 物干竿+異次元刀(戦国無双4 公式設定資料集では、「長刀+妖刀」) 通常攻撃 通常攻撃では長大な日本刀を奮い、チャージ攻撃では異次元から異形の刀を召喚して戦うという特異な二刀流。刀とは思えないリーチの長さは圧倒的。 N1~3 左右交互に斬る→一回転して斬る。 N4~7 左右交互に四連続で斬る。安定していて使いやすい。 N8~11 百裂突きによるラッシュ。 N12 袈裟斬り。大きな一撃でダウン効果あり。 チャージ攻撃 巨大な異次元刀のため、見た目の異様さ以上のリーチが特徴。 C2 物干竿を異次元刀に変換した、打ち上げ。 C3 前方に異次元刀を打ちだし、自身はバック宙で回避。気絶判定有り。他のキャラのC3と比べるとリーチが長い。 C4 異次元刀を自分の左右に二本召喚し、前方を挟み込むように斬る。横に広く主力技。 C5 異次元刀を周囲に二本召喚し、竜巻の様に上に打ち上げる。範囲が広い掃討用の技。 C6 異次元刀を前方縦に二本召喚し、前方に風車のようにして投げつける。気絶判定有り。 C7 左の抜き手を相手に突き刺し、鎌鼬で追撃。ガード不能。従来作の夜叉属性は残念ながら除外された。 C8 周囲に暗黒の気を放射させ、束ねた二本の異次元刀で前方広範囲を薙ぎ払う。敵の体力を吸収する夜叉属性付加。(II)4-IIでは削除された。 C9 全身を捻りつつ、一回転しながら物干竿で全周を波動で薙ぎ払う。これも広範囲。 神速攻撃 異次元刀によるラッシュ。少し遅い反面射程が長い。 S1~3 左右を交互に斬る。 S4~5 同上。 S6 前方に異次元刀を回転させながら投擲。 神速強攻撃 異次元刀による動きが主体であり、リーチの長さが光る。 SS2 鎌鼬を発生させつつ物干竿で斬る。 SS3 前方に異次元刀を回転→投擲。 SS4 SS2と同じ。 SS5 SS3と同じ。 SS6 空中に飛び上り、異次元刀で地面を突き、前方にC8と同じ暗黒の気を放出する。縦横共に超広範囲で今作最強クラスの判定力。 ジャンプ攻撃 前方を斬りはらう。 ジャンプチャージ 地面を突く。 騎乗攻撃 突きを主体とした戦いなので、使い辛さは否めない。 R1~3 突きの三連撃。 R4~7 ここも只管に突き。 R8 最後まで突き。 RC2 異次元刀による打ち上げ。 RC3 異次元刀を振り下ろす、気絶技。 RC4 左右を異次元刀で薙ぎ払う。 無双奥義 無双奥義(前半) 前方を高速で斬り刻み、衝撃波を高速で連射。 無双奥義(後半) 五本の暗黒剣を召喚して前方を薙ぎ払う。 無双秘奥義 前半の連射回数が増加。紅蓮属性も追加。 無双奥義・皆伝 地面に暗黒フィールドを展開し、そこから二本の異次元刀を召喚して周囲を一掃。その後、小型の異次元刀を大量召喚し、間欠泉の様に一気に噴出させる。 特殊技 彼の代名詞ともいえる「燕返し」。構えたところに攻撃が来ると自動的に反撃するカウンター技。成功時、相手は動揺状態になるほか、武将の場合は殺陣へと移行可能。 影技 物干竿を構え、前方に突進。 殺陣 右妖刀、左妖刀、左物干竿の三連撃。 無双極意 「本気出そっか?」固有属性は凍牙。 武将解説・性能考察 武将解説 安土桃山・江戸初期の剣豪。巌流。 三尺もの長刀・物干竿を用いた秘剣「燕返し」を用い、剣豪・宮本武蔵に挑んだ。 鐘巻自斎の弟子であると言われるが、出生地など不明な点が多く、 その名は武蔵との巌流島の決闘で知られる反面、実像には謎が多い。 前作『3』では残念ながら不在だったが、本作では宿命のライバルの武蔵ともども待望の復帰を果たした小次郎。 無双演武での出番は乱入してくる一ステージだけと流浪演武専門の武将ではあるが、 その反面、流浪演武の彼のイベントは極めて興味深い。 流浪演武での彼のイベントは、物語に仮託された彼の秘密に迫る内容であり、 数ある流浪演武イベント中でも最重要と言えるものである。 同じ剣豪である柳生宗矩が看破した、「若様」である彼が関係する九州一揆とは、おそらく「豊前国人一揆」のことと思われる。 この一揆で蜂起した豊前の豪族に、岩石(「がん」じゃく)城の佐々木氏という者がおり、これが小次郎の生家との説がある。 この一揆を鎮圧したのが黒田官兵衛であり、この黒田家に仕えた人物の一人に、かの宮本武蔵がいるわけである。 武蔵が黒田家に仕えたことは、シナリオ「石垣原の戦い」でも表現されている一方、 反・黒田の戦いであったシナリオ「柳川の戦い」では、小次郎は反・黒田の形で連合軍に参加している。 小次郎に暗殺説が出ていること、両者の決闘の舞台が「『豊前』巌流島」であることを考えると、 かの決闘の裏事情が透けて見えてくるのではなかろうか。 (II)4-IIでは武蔵共々完全に出番なし。 (E)Empiresでは、武蔵共々完全に最終盤の武将扱い。 殆ど活躍期間は無いが、積極的に登用していくべき人物である。 政略面では、智謀3だが計略系提案二種と武蔵に勝っている面がある。 こちらも、やはり補完が必要であるが。 当然ながら剣豪系武将なので、戦闘力は折り紙付き。 積極的に軍略・合戦で暴れさせたいところである。 (S)真田丸では、宿敵の武蔵共々一部お役目で顔合わせをするのみ。 ただし、こちらは茶屋に先行して登場するため、やや待遇が良い。 性能考察 特殊技の透明化の損失や神速攻撃の追加などに伴い、『2猛将伝』とは異なる立ち回りが求められる。 チャージ・神速攻撃の判定は最強クラス。乱戦主体となる。 固有属性の凍牙と相性のいい技も多い。SS6の範囲も規格外である。 通常攻撃 物干竿による通常攻撃の圧倒的な性能の高さが小次郎の長所。 間合いを取っての通常攻撃+影技のループだけでも多くの場面を切り抜けられる。 C8・SS6 どちらも広範囲かつ夜叉属性付きであることがポイント。 無双ゲージをガンガン溜められるため、これらと奥義が主軸となる。 迅閃があれば高難易度でも神速攻撃で逃げ回りつつSS6で無双ゲージを貯め、 奥義で攻撃というプレイングが可能。 特殊技「燕返し」 気絶効果付きのカウンター技となっており、殺陣でフィニッシュを決められるのが長所。 安定した大打撃を狙えるが、基本的には上級者向け。 武器データ 基本性能 武器名 攻撃力 備考 物干竿 42 田道間守刀 150(50) 猛攻5 迅閃4 堅忍5 不抜4 凍牙5 破竹4 快進4 克己5攻撃力がカンストしているだけでも相当な名刀。破竹と快進の効果で、斬れば斬る程強くなるまさに人斬りの魔剣。 高御魂刀 150(50) 猛攻5 勇猛5 神撃4 闘志5 凍牙5 金剛5 覚醒4 克己5攻撃力カンスト・勇猛Lv5で火力は十分。神撃・闘志・覚醒で奥義主体の戦いが可能。移動砲台的人斬りの武器。 (II)田道間守刀・凍牙 99(50) 凍牙85 修羅74 攻撃88 防御68 敏捷84 練技増加70 攻撃範囲83 攻撃速度77カンスト攻撃力のみならず、修羅・攻撃・攻速を兼備したレア武器最上位の業物。 (II)高御魂刀・閃光 99(50) 閃光60 金剛56 体力55 敏捷62 無双増加60 練技増加57 攻撃範囲59 攻撃速度61閃光と金剛による攪乱性能は高評価。 (II)高御魂刀・烈空 99(50) 烈空91 修羅80 攻撃94 防御76 無双増加81 練技増加85 攻撃範囲78 攻撃速度88レア武器に負けないほど付加能力の充実ぶりは特筆すべきだが、何故か烈空。 (S)物干竿 22~42 (S)田道間守刀 274(50) 凍牙85 修羅74 攻撃強化88 攻撃範囲83 攻撃速度77 破天78 神撃88 真髄83勇猛以外の必要技能はほぼ完備したかなりの名刀。破天が死に気味な点以外はほぼ問題なし。 (S)高御魂刀 281(50) 閃光88 金剛80 攻撃強化91 攻撃範囲86 攻撃速度84 神撃83 心眼91 明鏡87基本技能を抑えた堅実な武器だが、閃光と心眼の相性の悪さは否めない。修羅は明鏡である程度補えるが。 名称等の説明・故事来歴 物干竿 『2猛将伝』初登場以来の小次郎の得物にして、彼を象徴する刀。 備前長船長光の野太刀であり、その刀身が三尺三寸(約1m)にも及んだことに由来する。 ただし、長過ぎて斬りようがない、と言う意味を暗に含んでおり、蔑称の一種でもある。 田道間守刀 田道間守(タヂマモリ)は、古墳時代の人物。菓子神として崇敬される人物。 垂仁天皇の命で、非時香菓(トキジクノカグノコノミ・橘のこととされる)を求めて、異世界である「常世の国」に渡った。 十年かかって葉附きの枝と果実附きの枝を日本に持ち帰ってきたが、垂仁天皇は既に崩御されていた。 タヂマモリは半分を垂仁天皇の皇后に献上し、残りを垂仁天皇の御陵に捧げ、号泣しつつ死去したという。 当時「菓」といえば果物を指したが、この説話からタヂマモリは菓子の神「菓祖」として信仰されている。 彼の異世界から刀を召喚するというスタイルが、異世界との往来者であるタヂマモリに比せられたと考えられる。 高御魂刀 高御魂(タカミムスビ)は、日本神話の高木神。高御産巣日神・高皇産霊尊と書かれる。 『古事記』によれば、天地開闢の時、最初にアメノミナカヌシが現れ、 その次にカミムスビと共に高天原に出現したとされるのがタカミムスビという神であり、 子にオモイカネ、タクハタチヂヒメがいる(造化の三神)。 彼の物干竿という長い得物を、木の高さに準えた故の命名であろう。 神皇産霊尊→ガラシャのDLC武器 技能考察 技能名 相性 備考 猛攻 ◎ 基本だよ。通常攻撃タイプは恩恵を受けやすいからお勧めさ。 勇猛 ◎ 敵将を、素早く綺麗に斬ってあげられるね。 風撃 ◎ 僕の物干竿が、更に伸びて強力になる…! 波撃 × 対応する技は限られてる…勧められないな。 神撃 ○ 僕の奥義を強化すれば、安全に斬ってあげられるよ! 破天 △ 僕の固有属性は凍牙…だからあまり相性が良くない… 迅閃 ○ 神速攻撃は便利だね。通常攻撃で事足りる気もするけれど… 明鏡 ○ 勿論有効さ。綺麗な心でないと、敵は綺麗に斬れないよ… 真髄 ○ 僕の剣技の真髄、見せてあげるよ! 怒髪 ○ 奥義は色々と使い処がある。多い方がいいに決まってるさ。 堅守 ◎ これも基本だね。斬られたら、斬ってあげられないよ? 不動 ○ 戦場では何が起こるかわからない。妨害されないようにしないと。 滅流 × 敵の属性攻撃? 流石の僕も無い物は斬れないな… 波断 △ 敵の間接攻撃は優先的に排除しないとね。 堅忍 ○ 高難度では敵も強くなるよ! 特に武蔵みたいな強敵は… 不抜 × 死んじゃったら、それ以上敵を斬ってあげられない… 背水 × 闘志 △ 特殊技の失敗時の保険にもなるね! 闘魂 △ 再臨 ○ 死んでも甦る…か。すでにそうなってる気がするけど…。 俊敏 ◎ 僕は馬術が苦手なんだ…徒歩で戦う場面は多いと思うよ? 破竹 ◎ 敵を斬ってあげるほど効果が出るなんて…僕の為にあるようなものだね…! 快進 ○ 覚醒 ○ 奥義主体の人はお勧めだね。 騎戦 × 馬の上じゃ、敵を綺麗に斬ってあげられないから… 練騎 × 薬活 ○ 味方を回復させて、味方の皆も綺麗に斬れるようにしてあげよう! 騎神 △ 便利だけど、馬が必要なのがな… 霊験 ○ 家宝次第だね。克己があるかにもよるね。 克己 ◎ 今の僕を越えないと、武蔵は斬ってあげられそうにないね…! 属性技能については、属性の頁を参照。 回収用技能四種は全員同一の効果なので割愛。 (II)技能盤 特徴 備考 横菱・混合型 開始位置は右。 衣装 名称 入手方法 備考・特徴 通常衣装 初期搭載 戦国無双4 (E)追加衣装 DLC 浴衣。 コメント欄 この掲示板はツリー方式です。レスをする時は、レスをしたい記事の先頭をクリックして選択してから書き込んで下さい。 それをしないとツリー表示されず、新規投稿になってしまいます。他の人が不快になる様な投稿は控えましょう。質問は質問掲示板で行いましょう。 4-Ⅱで範囲99にしてみたけど、もうちょっと伸びてほしかったかな。秀吉とかと違って、対武将で真っ正面から打ち合うと、タイミングが悪いと切り負ける… - 名無しさん 2016-02-12 22 42 42 関ヶ原の戦いプレイしてたら1605年に小次郎が中津城に登場しました - 名無しさん 2016-03-24 10 18 47 Ⅱの夜叉回復してる?1ミリも体力ゲージが増えないんだけど - 名無しさん 2016-06-26 16 42 48 C8で、ごく僅かに回復しているようですが…。 - 管理人 2016-06-26 21 40 29 私も体力が回復しているようには見えないです。環境はPS4のⅡ。なお、Ⅱのコンプリートガイドでは、C8は「攻撃がヒットすると、無双ゲージを吸収することがある」と説明されているので、元々の効果がガラシャの夜叉属性などとは違うのかも知れませんが…。 - 名無しさん 2016-06-27 23 35 20 ↑の議論ですが、公式に問い合わせたところ、4-IIでは無くなったとのこと。 - 管理人 2016-07-03 16 20 23 ご確認ありがとうございます。大好きなキャラで、久々に復活してくれて凄くうれしかったんだけど、今作での扱いは不遇ですね…。個人的には透明化は強すぎたと思うので、削られるのはまあ仕方ないとしても、体力回復まで削られるとは。 - 名無しさん 2016-07-06 00 03 59 どういたしまして。ただ、無限城のある4-IIや体力全般が重要なEmpiresの仕様を考えると、吸収効果は余りにも有益だったからではないかと。 - 管理人 2016-07-06 01 38 47 アクションが超優秀なだけに出番の少なさが悔やまれる - 名無しさん (2017-08-26 14 54 54) 名前 全てのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/seventhdoor/pages/13.html
蛍の記憶 一.送りましょうか 送られましょうか 寺が鼻まで 時雨に濡れて 昔ゃお六と 昔ゃお六と桂姫 二.月が出たぞえ 木陰に入ろか ままよ渡ろか 坂戸の橋を お六甚句で お六甚句で水鏡 三.吹雪く窓なりゃ 届かぬ想い 心細かな 縮の綾を 織って着せたや 織って着せたや 主が肩 四.百姓大名じゃ 兼続様は 尻をからげて 田草もとりゃる 峰にゃ松風 峰にゃ松風玉日和 五.おらが娘の 器量を見やれ 燃えて溶かした 高峰の雪を 袖に掬って 袖に掬って玉の肌 六.お六恋しや 姫様桂 会えぬこの身が 川瀬を焦がす 蛍呼ぶなら 蛍呼ぶなら寺が鼻 (新潟県民謡:お六甚句) 戦国の乱世も豊臣秀吉の小田原攻めにて収束し小康状態を得た時分。 越後国の春日山城下にある上杉家家老、直江兼続の屋敷を珍しい客人が訪ねて来たのはそんな頃だった。 一日の政務を終えて自邸へ戻り書斎で書き物をしていた兼続が俄かに騒がしくなった邸内と、廊下を進んで来る家人の慌てたような足音にふと書きかけの書状から目を上げる。 「騒がしいな。何があったのだ」 いそいそと歩いて来た家人が膝を折って書斎の主人に声を掛けるよりも早く、兼続の落ち着いた良く通る声が彼に尋ねた。 「は、それが京からお客人が参られまして、ご主人様にお目通り願いたいと」 「客人。どなただろう」 兼続は手にしていた筆を硯箱に置くと廊下に膝をついている家人をちらと見た。 「それが…お名前は故あってどうしても明かせぬと仰るのです」 弱りきった様子の家来の様子に、兼続がふむ、と文机を押し退けて家人と真っ直ぐに向かい合う。 「そなたその者の顔は見たか。いつもこの屋敷に出入りする者ではないのだな」 「は、私もちらとお姿を拝見いたしましたが覚えがありませんでした」 兼続は生真面目に重ねて問うた。 「名を明かせぬような者が一体何用で私の所へやって来るのだろう。そなたが覚えていないだけではないのか」 主の言葉に、まだ若い家人は滅相も無い、と大きく左右に首を振る。 「あのような美しい方、一度でも目にしたら忘れられようもありませぬ」 む、と兼続の秀麗な眉が顰められた。 「その言い様は、もしやお客人とは女人なのか」 兼続の問いに、家人はお心当たりがおありで?と顔を輝かせたが、生憎と愛だ愛だと騒ぐ割には色恋に疎い朴念仁で通っている兼続には京から遥々名を伏せてまで自分に会いに来る様な佳人にはとんと心当たりがなかった。 それでも余り客人を待たせるのは不義だ。 「よい。会おう」 兼続は狐に抓まれたような気分になりながらも腰を浮かせた。家人は一足先に『美しいお客人』を客間に案内するため小走りに下がって行く。 庭に面した廊下を歩きながら、兼続は客人について思いを巡らせた。 京にいる知己の女性。 真っ先に思い浮かべたのは太閤秀吉が愛妻、ねねの方であるが彼女にはわざわざ越後までやって来る必然性がない。兼続は秀吉だけでなくねねにも気に入られており、常々顔を見せに来いと言われる一人ではあったが、身分の差を考えればどう考えても会いたければ兼続を京まで呼びつけるのが筋だ。 他には幸村の忍びのくのいちと、北条の臣下でありながら今回の小田原仕置きで特別に赦された甲斐姫がいたはずだが、家臣の言っていた『一度でも目にしたら忘れられない』程の美人かと言われるとどうだろう。兼続の眼から見ればまだ少女の域を出ない『可愛らしい』彼女らなのだけれども。 猛将の誉れ高い本田忠勝の娘御の稲姫は確かに見目麗しいと兼続も思うが良人の真田信之と共に嫁ぎ先である上田の城に戻った筈だ。 と、なればあと京に居るのはまだ国元に戻っていないと聞く立花誾千代か。 兼続は戦場を駆けるあの凛とした横顔を思い出して少し頷いた。確かに彼女は美しい。戦場での彼女の勇姿を一度見たら忘れられないというのも頷ける。 しかし彼女がわざわざ越後くんだりまで自分に何用だろうかとやはり釈然としないものを感じながら、既に客人が通されている客間の襖を開けた時、兼続は客人が誾千代でもないことを知った。 兼続の視界に飛び込んで来たのは眼にも綾な美しい装束を身に着けた女。京から来たと聞いていたが、彼女が纏っているのは質素な旅姿等ではなく大名家の姫君が身に着ける様な美しい絹だ。 煌びやかな衣装と好対照に、女は楚々とした仕草で控えめに手を突き礼をしたまま俯いているため兼続からは顔立ちは窺えない。 しばし呆然と立ち尽くしていた兼続は、先程の家人の控えめな咳払いで我に返った。兼続が上座に座らなければ彼女はずっと頭を下げ続けていなければならない。 柄にもなく取り乱したようになりながら、兼続はすっと低頭する女性の向かいに座った。 「お待たせいたした。私がこの屋敷の主、直江兼続」 兼続の名乗りに、女は低頭したまま涼やかな声で応える。 「存じあげておりまする。直江様とわたくしとは一方ならぬ間柄にございますれば」 兼続がはっとしたのと同時に、がた、と縁側で大きな音が上がった。使用人の誰かが驚いて音を立てたのに違いない。 兼続は家人の躾を厳しくせねばなるまいと苦々しく思いながら人払いを命じた。 「さて、これで宜しいか?」 そう訊ねる兼続の口元は笑っている。 「愛と義を標榜する兼続様のご家人にしては不調法なことですこと」 涼やかな声に痛烈な皮肉を乗せながら、女が顔を上げる。 抜けるような白い肌、整った目鼻立ち、薄く紅を引いた唇。鴉の濡れ羽のような漆黒の長い髪は髢だろう。 そこに美しく座しているのは紛れもなく。 「三成」 兼続が女装した三成の手を取らんばかりに喜んで親友の名を唇に乗せた。それをさっと帯から抜き取った女物の雅な扇で打ち据えて、直江兼続の親友石田三成は澄ました顔で首を左右に振って見せる。 「さても面妖なことを仰いますな。石田治部少輔様がどこにいらっしゃると仰るのですか兼続様?」 聡明な兼続はそれだけで三成の意図を汲んだらしく大人しくじりじりと下がって客と主の距離として妥当な位置に腰を据えた。 「いやすまない。ふとあなたを見ていたら遠く離れた大切な友のことを思い出しまして」 構いませぬ。三成はしれっとそんな風に返して暫くこの遊びを続けるつもりらしい。他愛無い言葉遊びだけれども、それは兼続にとっても久方振りに面白いと思える遊びだった。 「確かにあなたとは私が京に上洛した折、いやそれ以前よりの間柄。なのに何故でしょう。私にはあなたのお名前一つ思い出せないのです。きっと先の上洛の折、去り難い想いが私にあなたに関する一切の想い出を京に残して来させてしまったのでしょう」 三成は先程兼続の顔を打ち据えた扇をざっと開いて口元を隠し、よよと泣く真似をしてみせる。 「ああ兼続様。わたくしの事など覚えておられないと仰いますのか。あれ程この先を固く約した二人だというのに」 無論兼続と三成が約したのはこの日の本の行く末についてだが、兼続はそう来たか、と笑いを噛み殺すのに苦心した。 「忘れてなど。どうしてあなたのことを忘れられましょうか。先程もあなたを想って、あなたに宛てる恋文を認めていたのですよ、桂姫」 「なんだ、朴念仁だとばかり思っていたが、なかなか歯の浮くような台詞も吐けるではないか」 そこで興を削がれたか、三成は急にがらりと口調を変えていつものようにややもすると尊大と受け取られかねない態度でぱちん、と扇を閉じた。 兼続は三成の豹変振りに声を上げて笑いながら弁解する。 「まさか。相手がお前だと思うから言えるまでだ。このような言葉、生まれて初めて言ったぞ」 どうだか、と何故だか不機嫌そうな三成を無遠慮にじろじろと凝視して、兼続は感嘆の声を漏らした。 「いや、どんな事情があったかは解らぬが、これは上手く化けたものだなあ。不覚にもお前の声を聞くまで解らなかったよ。先程のように猫を被っておれば誰もがおなごと思うだろうな」 声で解った、という兼続に、三成は幾分機嫌を直したらしい。 「猫を被るというのが気に食わないがまあ許してやろう」 「被っておったではないか、特大の猫を」 くすくすと笑う兼続につられて三成も紅を引いた口元を柔らかく綻ばせた。 「久しいな。息災であったか」 「見ての通りだ。三…桂姫も恙無いようで何より」 姿は女性にしか見えないが、中身はいつもと変わらぬ三成だ。兼続はつい名を呼びそうになって、先程咎められたのを思い出して言い直す。それへ三成が怪訝そうに眉を顰めた。 「さっきから気になっていたのだが、その『桂姫』というのは俺のことか」 「他に誰かがいるか?」 「何故『桂』なのだ」 問われて、兼続はうむ、と腕組みをした。 「何故と言われても困るが、お前を見てふと浮かんだのがその名だった。名を呼んではならぬと言われたがやはり呼び名がないと不便と思いそう呼んだまでのこと」 三成は兼続が自分を見て、どうしてその名が浮かんだのかを知りたいと思った。それは常日頃周囲から言われ、また自分でも納得している、何事にも執着しないという彼の性格に少しく反することである。 むすっと黙り込んだ三成を余所に、兼続はつらつらと立て板に水の勢いで纏まらぬ頭の中を整理するかのように良く回る口に出してその理由を考え出す。 「そう言われて見れば何故だったのかな。お前のその装いと容姿にはもっと華やかで艶やかな名が相応しかったかも知れぬのにな」 何気ない調子で話す兼続の言葉を聞いている内に、三成が突然扇を開いて口元を隠した。兼続はというと三成の様子には頓着せずにじっと女装姿の三成を見つめたまま尚も喋り続けている。 「うん、恐らく見た目では無かったのだろうな。私はお前の容姿が少しく変わった所に名をつけたのではなくて、お前の中身に名をつけたのだろう」 三成は扇で顔半分を隠したまま兼続を見つめている。 「多分、京で共に見た桂川。名の元はあれではないだろうか。あの時見た桂川の流れは大変に美しかったし、流れの速い所とゆっくりな所、一筋の同じ流れでありながら様々な表情を見せてくれたであろう?それをお前のようだと思ったのだ」 そこまで一気に言い切って、すっきりした、とでも言いたげににこ、と笑った兼続からとうとう三成は顔を背けた。また機嫌を損ねたかと思った兼続は三成に向かって更に言い募る。 「悪い名ではないと思うが。明国の古い書物にも桂について書かれているぞ。こちらは植物の桂ではあるが、月に輝く高き理想を示す木なのだという。これもお前にぴったりではないか」 「ええい何時もながら貴様の物言いは恥ずかしいのだよ!」 耐え兼ねたように扇を外して三成が怒鳴ったが、露わになったその美しい顔は一面朱を刷いたように真っ赤だった。 「恥ずかしいものかな。私はそう思ったからそのままを口にしているだけなのだが」 まるで天気の話をするかのようにそう自然に返して来るものだから、三成は心中でこのど天然が!と思う様悪態を吐いた。 「もうよい。疲れた。何とでも呼ぶがいい」 げんなりした様子の三成を気遣って、兼続は払っておいた家人を呼ぶと茶と菓子を運んで来させた。そしてまた人払いをすると改まった様子で三成に向き直る。 「さて、そろそろお前が来た用件を聞かせて貰おうか。そのような姿で遥々京からやって来たと言うのはただ事ではあるまい」 三成は出された饅頭を一口齧り、出された茶を殊更ゆっくりと飲んでから落ち着いた態で話し始めた。 「何か大事が起きたという訳ではない。豊臣では小田原の仕置きが終わり一息ついた所だ。後は小さな抵抗勢力を一つずつ鎮撫していけばよい」 抵抗勢力。 兼続の脳裏に一人の男が浮かぶ。 「…伊達の…」 「政宗の扇動したと思われる一揆では当然伊達に沙汰がある筈だったが、奴の花押入りの書状という動かぬ証拠がありながらあの男図太い神経で偽物と言い逃れお咎めなしだ」 三成がさばさばした口調で端的に答えると、兼続は束の間口を噤んだ。 山犬らしい。沈黙の後そう呟いた兼続の浮かべた表情は、付き合いの長い三成から見てもどのような感情が篭っていたのか解らなかった。 しかしそれも一瞬で、直ぐに兼続は三成の眼を真っ直ぐ見つめる。 「それで、上杉も領内を良く治めよと、そう言いに来たのだな」 「まあ、そんな所だ」 「しかしそれ位のことならば書簡で事足りるではないか。直接お前が来て釘を刺されるほど我ら上杉の忠義は薄いと思われているのか」 秀麗な眉を顰めた兼続に、呆れたように三成が大きく溜息を吐いた。相変わらずこの風変わりな所のある友は骨の髄から義に染まっている。 「そうではない。秀吉様は上杉…分けてもお前には全幅の信頼を置いている。今回俺がこうしてやって来たのは別の理由だ」 「別の?」 全く思いもつかないといった様子の兼続を三成は憮然と睨みつける。長い付き合いで慣れたつもりではあったがやはりこの男の、人の心の機微に関する鈍さには苛々させられる。 三成は半ば自棄のようになりながらまた扇をざっと開いて直ぐに閉じ、殆ど喧嘩腰で兼続に言った。 「俺がお前に会いたかったのだよ!悪いか!」 突然の三成の告白に眼をぱちくりさせていた兼続が、ふっと愁眉を開いて破願する。 「そうだったのか。それならそうと早く言ってくれれば良かったのに。会いたかったのは私もだ、遥々会いに来てくれて本当に嬉しい」 何の衒いも無くさっぱりと言う兼続に、今度こそ真っ赤に顔を染めた三成はぽつりぽつりと事のあらましを語りだす。 「小田原までずっと働き詰めだったろうと秀吉様とおねね様が仰ってくれたのだ。小田原仕置きも終わったし、天下も粗方治まった。少しは休んではどうかと言われたのだが京ではどうにも仕事が気になってゆっくり休む気にはなれん。かと言って行きたい所があるでなし。しかも遠くまで行くと時間がかかる」 そこで三成は言葉を切って照れ隠しのように手にあった残りの饅頭を一口に放り込んだ。そんな三成を微笑を湛えて見つめる兼続を半ば睨みながら、饅頭を嚥下した三成がぽつりと零す。 「しかしただ一人、会いたいと思った奴がいたのだ」 こくりと、兼続が頷いた。 「しかしその者は遠く越後に居り、会いに行くとなれば一月は京を空けねばならんだろう。石田治部が京を空けて長く不在というのもまだ千代に磐石とは言い難い現状では巧くない。そこで、京には影を置いて行くことにした」 「成る程、石田三成は京にいる。越後になど居てはならぬとそういうことか」 「それだけではないぞ。徳川の狸がちらちらと天下を窺っているのだ。奴に俺とお前が越後で密談していたなどと知られて見ろ、でっち上げも甚だしく何かの火種にならぬとも限らん。あれはそういう食えん狸よ」 然り。と兼続が頷いて大分温んだ茶を啜った。 「それでおなごの形をしてきたと言う訳か。家の者達もお前には幾度も会っている筈だが誰一人気付いた風も無かったな。本当に上手く化けたものだ」 三成はそれには答えずにずず、と茶を飲んだ。傍から見るとまるで男とは思えないその姿を、兼続はううむと唸ってじろじろと眺めている。 「その策はお前一人で考えたのか?」 途端に三成の美しい顔が渋くなった。 「それとも左近殿の献策かな?」 何の悪気もない兼続に、三成は不機嫌そうにしながらも肯定を返す。 「半分は当たりだが、もう半分の発案者はおねね様だ」 三成の語る所に拠れば三成が女装するに至った経緯はこうだ。 小田原攻めの後、京に戻った豊臣家はいつになく平和な空気が流れており、御台所たるねねが忍びとして良人の秀吉を支える必要もなくなっていた。つまるところねねは暇を持て余していたのである。 そこへ降って湧いたような三成のお忍び越後旅行が持ち上がり、三成の影武者を立てるという左近の献策が採用された。それを聞き及んだ聡明な『母』ねねは、念には念を入れるべきだと力説し三成に変装を薦めたのだが、何のことはない退屈しのぎに三成を着せ替え人形にして遊びたいというのが本音である。 ねねには頭が上がらないばかりか意見も出来ないというのは子飼いも含めた豊臣家の伝統であり、かくしてねねは三成で心ゆくまで人形遊びを堪能したのだが。そこで終わらないのが流石天下人の奥方と言うべきか。ねねの暇潰しは着せ替えだけに留まらず、三成は政務の合間を縫って化粧の仕方や着物の着方、女性らしい所作に至るまでみっちり叩き込まれ、その様は普段三成と衝突する事が多い加藤清正、福島正則ですら同情したとかしないとか。 その稽古を思い出してかげんなりしている様子の三成に、思わず兼続が快活に笑う。当然の様に三成がむすっと膨れると、兼続は慌てたように話題を変えた。 「それで、桂姫。越後へはどの位滞在の予定なのだ?」 二人で語り合いたいことはそれこそ山のようにある。先程兼続が恋文を書いていたと言うのも満更嘘ではなく、三成宛の書状を認めていたのだ。 三成はうむ、と小さく頷いて紅を引いた形の良い唇を開く。 「今宵一晩城下に泊まり、明日には立つつもりだ」 「何、明日だと!?」 兼続は驚いて三成の方へいざると上質の綾から覗く白い手を掴んだ。三成がもう少しで茶碗を取り落としかけたのにも気付かぬように、兼続は年端の行かぬ子供のように熱心に三成の眼を覗き込むようにして言い募る。 「なんと!たった一日!?聞かせたい話も聞きたい話も山のようにあるのだぞ!しかも城下に泊まると言ったな。何故だ、此処に泊まれば良かろう!」 そうまで言われれば三成とて悪い気はしない。しないが、呆れたように己の手を握って離さない兼続の手をぺしり、と叩いた。 「阿呆か。中身はどうあれ俺の形はこうなのだぞ」 解っていない様子の兼続を諭すように三成はこんこんと言い聞かせる。 「誰とも知れぬおなごが直江兼続の屋敷に泊まってみろ、明日には春日山城下は驚天動地、大変な騒ぎになるに決まっている。お前とてあらぬ噂を立てられて肩身の狭い思いをするぞ」 「何だ、そんなことか。私は全く気にしないぞ。言いたい者には言わせておけばよいし、例え本当に私が美しい女人と懇ろになったとして、それが悪いこととは思えんな」 だから、どうしてもここに泊まって欲しいと手を握り締めて懇願されては流石の三成も嫌とは言えなかった。心中では三成とて折角会えた兼続と夜更けまで語り合いたいと思っているのは同じなのだから。 「どこに宿を取ったのだ?供回りのものはそこに?使いをやって迎えに行かせよう」 ここぞとばかりにてきぱきと話を進めようとする兼続に、三成は大袈裟に溜息をついて、諾の意を伝えた。ぱっと顔を輝かせた兼続だが三成は構わず淡々と付け加える。 「しかし、明日出立するのは変えぬぞ。やはり京が気になるのだ。お前にも会えたし、今宵は語り明かせるならばそれで良い」 兼続は少し残念そうな素振りを見せたが次の瞬間にはからりと笑って頷いた。 「解った。そうしよう。だが、明日の出立は朝早いぞ」 「何故だ」 即座に三成が問い返すと兼続は三成の手を右手で握り締めたまま、空いた左手で美しい三成の姿を指差した。 「陽が高くなってから屋敷を出れば事情を知らぬ皆の好奇の視線にお前が晒されよう。私が何を言われるのも構わぬが、お前にそのような思いをさせるのは不義だ」 だから、まだ夜が明け切らぬ内に出立しよう。 その言葉尻を捉えて三成が訝しげに訊いた。 「何だ、お前も一緒に出掛ける様な口振りだな」 その通りだと兼続が笑う。 「私も明日はお前と共に送れる所まで送って行こう。さすればお前と少しでも長く居られるからな」 まるで恋人同士のような言い草に、顔を赤くした三成は今度こそ兼続の手を振り払った。それを一向に気にしない兼続はにこにこと邪気の無い笑顔を三成に向ける。 「早く出る分、急がずとも良かろう。少し遠回りにはなるが是非お前に見せたいものがあるのだよ、三…桂姫」 「お前がそこまで言うなら好きにするがいい」 まだ顔を赤らめたままの三成の口から出て来るのは可愛らしくない言葉だったが、兼続は嬉しげになって家人を呼んだ。 おらが娘の 器量を見やれ 燃えて溶かした 高峰の雪を 袖に掬って 袖に掬って玉の肌 その後、有能な上杉家筆頭家老殿は実城に走り主君である上杉景勝に五日の休みを願い出て許されると共に瞬く間に『桂姫』の客間の用意、城下にいる供と荷の迎えと実に手際よく一切の手配を済ませてしまった。 主人を愛する直江家のご家来集は美しい『桂姫』と仲睦まじい様子の兼続を見て皆諸手を上げて歓迎し、これで直江家も安泰と『桂姫』を下にも置かぬよう丁重にもてなした。中には喜びの余り涙ぐむ老婆さえ居て『桂姫』こと三成は酷く居た堪れない想いで長年の友人について考える。 兼続は雪国の生まれらしく男ではあるが肌の肌理も細かく鼻梁の通った整った顔立ちをしている。慶次と並ぶ事が多いから余り際立って目立ちはしないが背丈も高く、戦場で剣を振る兼続の身体は無駄の無いしなやかな均整の取れた身体つきだ。 性格は清廉で真っ直ぐ。時に義だ愛だと煩いことこの上ないが頭の回転はこの自分が認めるほどに早いし、主君である上杉景勝のみならず天下人・太閤秀吉の覚えもめでたい。 やっかみを含めて欠点を多めに差し引いて見たとしても男として申し分無いと思うのだが、本人にはその自覚は全く無いようで京で慶次と孫市に遊郭に連れて行かれたときも酒席で飲んでそのまま帰って来たらしい。 衆道の気でもあるのかと思ったが見目美しい若い小姓を傍に置いているという話も聞かないのでどうもそういう訳でもなさそうなのだ。 しかし兼続は樋口家から直江家へ養子に来たのだから直江の家を存続させるためにも妻を娶って子を成すべきなのに当の本人が一向にそんな素振りを見せないのだから家人達は随分気を揉んでいる様子。 主である景勝も兼続の世継について何も言わないらしいので家人は相当困っていたのだろう。 これは、だからだ。そうに決まっている。 と、三成は湯殿から上がって女物の浴衣を纏い自分の部屋と決められた部屋へ戻って来た所で頭痛を覚え、こめかみを抑えて障子に凭れた。 「ああっ、お方様お加減がお悪いので?」 嬉々として三成の世話を焼いていた使用人頭の老女がふらりと眩暈を起しそうになった三成を見て医師と薬師を呼びに行こうとするのを慌てて止めて、三成は演技でなく顔を真っ赤に染めて蚊の鳴く様な声で頼む。 「あの、その『お方様』と言うのは止めて頂けないでしょうか…」 「なんの、こちらではもう準備万端に御座いますよ。旦那様も直ぐに参られます」 なんの準備が万端なのだ!と心の中で喚いたが詮無き事。家人の誤解は止まらない。 「いつになれば旦那様はこの老体に若様を抱かせて下さるのかと気を揉んで参りましたがほんに今日は良き日ですこと!お方様のようなお美しい方をお連れになって、皆喜んでおります」 このままでは本当に兼続の嫁にされてしまう。三成は真っ赤な顔で部屋の中央に敷かれた一組の布団に眼を遣った。 そこには上等な羽二重の褥が延べてあり。 当然の様に枕が二つ並べられている。 「いえ、そうではなくて…」 「姫。どうされた?」 折悪しく(と、三成には感じられた。)廊下の先から同じく湯浴みを終えたらしい兼続が寛いだ部屋着姿でやって来たので老婆は訳知り顔に一礼すると下がって行った。 恐らく明日の朝まで誰もこの部屋の周囲には近づかないのだろうなと思うと三成はどっと疲れて兼続に当り散らす元気もなく大人しく部屋に入る。そんな三成に続いて部屋に入った兼続が、障子を閉めながらふと気がついて三成に向き直った。 「どうした、顔が赤いな。湯当たりでもしたか?」 すっと兼続の大きな掌が三成の額を覆って心配そうな兼続の顔が間近にある。何かが三成の中でぷちっと切れて、思わずいつものように癇癪を起こす。 「どうもしない!だがそれもこれも皆貴様のせいなのだよ!」 「はっはっは、おかしな奴だな。どうもしないのに私のせいか。まあ少し落ち着いて座ったらどうだ桂姫。お前のために取って置きの酒を用意したぞ」 これぞ正に馬耳東風。兼続はからからと笑って一つしかない布団になど眼もくれず畳の上に直に胡坐をかいて座ると朱塗りの杯を一つ三成に差し出した。 最早鈍いのかなんなのか。三成は呆れてしまって怒りも忘れる。この男に憤っても仕方あるまい。そもそも自分が女の形をしてやって来たのが悪かったのだろう。 そう自分に言い聞かせたが、それでもちくりと厭味の一つも言いたくなる。 「貴様は本当に朴念仁だな。家人達が気の毒になってくる」 「うん?」 「こっちの話だ」 まあ呑めと兼続が三成の杯になみなみと越後の酒を注ぐのに、大きな溜息を零した三成は気紛れに朱杯に満たされた酒を三度に分けて飲み乾した。 返杯にと銚子を取って兼続の杯に注ぎながら平静を装って聞いてみる。 「時に、お前妻帯せぬのか。直江の家を継ぐ者が必要であろう」 「それはお互い様と思うがな」 一息に杯を空け悪戯っぽく笑う兼続に、それもそうかと納得しかけた三成だったが慌てて首を横に振った。 「皆が俺をおなごと思って喜んでいるのをみて本当にお前何も思わんのか。それは不義ではないのか」 兼続は手酌で自分の杯に酒を注ぎながら常に無く大人しく頷いた。 「解っている。しかし、まだ私には他に成すべき事が山とあるのだ。いつか真に天下泰平の世が来たら、その時は次の世代を育てることを考えねばならぬと思っている」 ちくりと、胸に棘が刺さったような気がして三成はついと眼を伏せた。 当然だ。兼続とて今のままでいいとは思っていない。いつかは妻を娶り、子を成すのだろう。それが自然で、そうあるべきだ。 なのに、それを喜べない自分は何なのだろう。 『いつかお前に嫁を紹介される日が来るのかな』 喉まで出掛かった馬鹿げた言葉は酒と一緒に呑み下した。 「いい呑みっぷりだ。さあ呑もう。我らに残された時間は長くないぞ」 兼続が珍しく茶化すようにそう言って、いつもの空気が二人を包む。 一を語ると十伝わる。十を語ると百伝わる。まるで己の半身であるかの様に自然にそこに在る。 とても一晩では語り切れない積もる話がふと途切れた時、兼続はまじまじと三成を見つめた。視線に気付いて三成が眼を上げれば、真摯な眼差しの兼続と眼が合った。 「私は最近思うのだ。遠き国で別々に生を受けた我らがこうして知遇を得、一方ならぬ友誼を交わした。これも前生での縁の賜物だろうか」 「袖振り合うも他生の縁、か?ならば来世はどうなっているのだろうな」 仏教の教えでは命は巡る。輪廻という輪を廻り続けて、命は始まって終わる度に転生を繰り返す。そして近しい魂は次の生でもまた近しい縁を結ぶという。 三成は何故だか可笑しくてふふ、と声を上げて笑った。今の自分が前生を覚えていないのと同じように、来世の自分も今生を覚えてはいないだろう。 三成は自分の想いに気付き始めている。 多分、これは簡単に名を付けてしまえる想いだ。 しかしこの想いは今生では叶う事は無いだろう。 今生で結ばれることが無くとも、来世でまた会えるといい。 そして、願わくば今この時のこの想いを覚えていたい。 「来世でも、私はお前に会えると信じているよ」 そう言ったのは三成ではなく兼続の方だった。微笑んだ兼続の顔は月明かりに照らされて例えようも無く美しかった。 「お前がそれを言うのか」 全く、お前には敵わんな。 華が綻ぶように三成が笑った。 百姓大名じゃ 兼続様は 尻をからげて 田草もとりゃる 峰にゃ松風 峰にゃ松風玉日和 翌日、『桂姫』とその従者、そして直江兼続はまだ夜も明けやらぬ内に春日山の直江屋敷を出立した。 眼にも綾な絹から質素な旅装束に着替えた三成は市女笠を目深に被り、見た目には唯の旅姿の女にしか見えない。馬が一頭、供の者が二人。それに兼続と彼の愛馬の道行きである。 馬に揺られながら三成は疲れたように溜息をついた。 「どうした、桂姫。流石にまだ眠たいか」 東の空が白々と明けて来たのを見ながら、兼続が笑いを含んだ声で聞く。 「眠いのなら眠ってしまっても構わないのだぞ」 返事をする気も起きなくて、三成がそっぽを向いたまま黙っていると兼続の快活な笑いが直ぐ傍でした。 それもその筈、三成は兼続に横抱きにされてぴたりと密着した姿で兼続の愛馬に揺られているのだから。自然、手綱を取る兼続の腕の中に閉じ込められているような体勢になる。 「私がちゃんと手綱を握っているから眠ってしまっても落ちたりはせぬぞ」 京から連れて来た馬と従者は少し遅れて付いて来ているようで、三成からは姿が見えない。 何故こんなことに。 三成は昨夜の酒が残っているせいか、それとも他の理由があってか白い頬を染めながら出掛けのやり取りを思い出す。 結局遅くまで延々語り合った兼続と三成が短い仮眠の後起き出したのはまだ月が出ている内だというのに耳聡く出立の準備の音を聞きつけた家人は揃って起き出して来て、三成の出立を引き伸ばそうとあの手この手で引き留めようとしたが屋敷の主たる兼続がやんわりとたしなめると不承不承引き下がってくれたのだが。 いざ出立という段になり、来た時と同様に従者の一人に馬の轡を取らせて騎乗しようとした時家人達が悲鳴を上げた。 『お止め下さいませお方様!お一人で馬に乗られるなど!もし馬が躓いて落馬でもしたら如何致します!!』 ではどうしろと言うのかと困り果てて兼続を見上げると、既に馬上の人となっている兼続が三成に向けて手を差し伸べている。 その手を取ったのが果たして自分自身だったのか三成には自信が無い。気付けば三成の身体は軽々と兼続に横抱きにされて掌中の玉を慈しむが如くに優しく腕の中に閉じ込められていた。 それからずっと、兼続は抑えた声で他愛の無い話をしながら馬を歩かせている。何しろまだ夜も明けやらぬ内なのだ。春日山の城下を抜けるまで、町民の眠りを妨げぬよう控えた声は優しく触れ合った身体伝いに響いて来る。 それらの全てに上の空の相槌を打ちながら、三成は段々明るくなる辺りに落ち着かな気に顔を伏せている。その様子をどんな風に曲解したのだか、民家も疎らになった頃合を見計らって兼続がすっと三成の市女笠を取り去った。 ぱっと広くなる視界。驚いて見上げるその先に、嫌になる程明るい笑顔の兼続の整った顔があって。元からほんのり紅みがかっていた三成の顔にぼっと火が燃えるように朱が差した。 「笠が邪魔で風通しが悪かろう。顔が火照っているぞ桂姫」 「な、ち、お、兼続!」 動転した三成は赤い顔のまま何事か意味を為さない言葉を発しようとして結局己の顔を至近距離で覗き込んで来ている男の名しか満足に声に出せなかった。兼続はというと平然と三成の従者に市女笠を手渡してまた何事も無かったかのように馬を歩ませる。 赤い顔を恥じて顔を俯かせたまま黙ってしまった三成に、兼続は早、見渡す限りの田畑になった越後路を示す。 「桂姫、そう俯いてばかり居ないで私の愛する越後を見てくれないか。まだ田はようやく穂が揃ってきた所で収穫には遠いが、今年の実りは上々なのだ」 そう言う兼続の声に三成が眼を上げると朝日を受けて何とも言えぬ色合いで輝くまだ青い稲の海が広がっていた。 越後のことは兼続から今まで幾度と無く話には聞かされていた。しかし、こうして己の眼で見、己の耳で聞き、己の五感全てで感じるのは三成にとって殆ど初めての体験だった。 これがこの男の愛する土地。 そう思うと三成には眼の前の景色が尚のこと特別に思えて来る。 「…美しいな」 ぽつり、と零した言葉に兼続が嬉しそうに大きく頷く。 「そうであろう!お前にこの地を見て貰いたかったのだ!」 清々とした良く通る声が本当に間近で聞こえる。まだ明け方の涼やかな風が三成の結った髢を揺らした。 「お前が言っていた、私に是非見せたいものというのはこの越後のことか」 昨夜の会話を思い出し、ようやく顔から朱が引いた三成が兼続を見上げると、薄灰色の聡明な瞳と眼が合った。 しかし兼続は口元に笑みを乗せながらゆっくりと首を横に振る。 「これも確かにお前に見せたかったものの一つではあるが、目的のものとは少し違う」 「ではそれはなんなのだ」 尚も訊く三成に答えることはせず、兼続は笑いながらそよ風が乱して行った三成の髢のひと房を細く筋張った指で梳く。 「それは着いてのお楽しみという奴だ」 「随分気を持たせるな」 「そうせっかちにならずたまの休み位ゆったりと構えていたらどうだ、桂姫」 馬上の二人は一瞬互いに眼を見合わせて、それからさやかに笑い合う。 「そうかもな。では楽しみに待つとしようか」 三成が先程までとは打って変わって随分と気楽な様子になったのに、兼続は満足気に微笑んだ。どうせ周りには一面に田畑が広がるばかりなのだ。何を恥じることもない。供に連れて来た二人も、行きは手持ちだった荷物を今は三成の馬に載せて貰えるので徒歩といえども足取りは軽い。 「今日の内に山向こうまで行くつもりなのだ。松代の街には私の父が城主を努めている直峰城がある」 何気ない兼続の口振りに、直江屋敷で懲りたのか三成が血相を変えた。 「まさか今日はそこへ泊まるつもりなのか!?」 血の気の引いた三成の様子が面白く、兼続が快活に笑い飛ばすと触れ合っている三成の肩を伝って暖かな振動が伝わって来る。 「いいや。父上には悪いがどこか城下で宿を取ろう。お前を連れて行けばお小言の雨あられであろうからな」 直江屋敷の皆の小言は気にならなくても流石に父親の小言は嫌と見える。三成はそんな兼続の様子に笑みを零した。 「お前にも人並みにそのような感覚があったのだな」 意地悪く話を蒸し返してつついてやると、当然だと言わんばかりに兼続が頷く。 「当たり前だ。いつまでも身を固めず父上に孫の顔一つ見せてやれぬのは不義だし不孝だ。私とて父上に孫の顔を見せてやりたいとは思っているのだが、な…」 自分で振った話の筈が、何故だかちくり、と三成の胸の辺りが痛んだ。珍しく言葉尻を濁す兼続の様子もこの話題では余り見たくはないものだった。 この胸の痛みも、この何とも言い難い切なさも、名を付けるのは簡単だ。 もう、開き直ってしまおうか。半ば投げ遣りに三成は思う。 己がおなごであったならば良かったのだろうか? もしも、己がおなごであったら兼続は己を妻としただろうか。またその逆で、兼続がおなごであったら己は兼続を妻としただろうかと考えて、三成は埒もないと自分でその考えを打ち消した。 もしも同じ土地に生を受けていたならばそうなっていた可能性も無いとはいえない。しかし二人が生まれ育ったのは遥か遠い越後と近江の二国である。例えどちらかがおなごとして生まれていてもきっと出会うことは無かっただろう。 けして結ばれず、何も残せぬ二人だからこそ出会えたのだとしたら何と皮肉なことか。 三成の脳裏に兼続の昨夜の戯言が浮かんで消える。 『来世でも、私はお前に会えると信じているよ』 そうだといい。 次があるというのなら今度は友情以上の絆で結ばれることが出来るようにと三成は祈らずには居られなかった。 道中他愛も無い会話を続けながら、一行が休憩にと馬を止めたのは山越えの間際の開けた野原であった。陽は調度中天に差し掛かりかけている。 「ここから先は山道になる。少し休んで日暮れ前に超えてしまおう」 さっと下馬した兼続が、極自然な動作で三成を馬から抱え降ろした。 三成の供の者が荷の中から昼食にと直江の家人が包んで持たせてくれた竹の皮に包んだ握り飯の弁当を二つ持ってくる。 「すまんな。越後の山はなかなか厳しいぞ。お前達もゆっくり休んでおけ」 兼続の人好きする笑顔に、京から伴った家臣もつられて微笑んでいる。その様子を視界の隅に納めながら三成は座るに調度良い倒木を見つけてそこへ腰掛けた。 春日山は既に遥か遠くへ過ぎ去って、何枚もの薄い紗を掛けたように小さく薄ぼんやりとしている。今まで歩んできた道を振り返ってみれば、昨夜兼続の申し出を受け入れて良かったと心の底からそう感じた。 もし今ここに兼続が居なかったとしたら、きっと自分は小さく、遠くなって行く春日山を振り返ってばかりいただろう。 三成の中には呆れたように、天下の治部少輔が何をという理性もまだなけ無しながら残っていて自嘲するしかない。 「何を笑って居るのだ?」 頭上から聞き慣れた声が降って来て、今汲んできたばかりらしい冷たい竹の水筒を渡される。別に、と素っ気無く答えて水筒の中の水を口に含めば身体の中に一筋の涼やかな流れが出来た。 「唯の水でも旨いだろう。越後は雪深い国だがその降り積もった雪はやがて融けて水となって人の暮らしを潤すのだ」 ひょい、と三成の手から水筒を取り上げた兼続はそれを己の口元に運びながらそう言って笑う。その屈託の無い笑顔が眩しくて、三成も思わずつられて微笑んでしまう。 「この水で作る米も旨いぞ。ほら、みつ…桂姫、お前の分だ」 もう辺りには誰も居ないというのに律儀に三成と呼ばない兼続が可笑しくもあり、好もしくもある。手を伸ばして竹皮の包みを受け取ると、兼続が釘をさして来た。 「旨い米で作った握り飯なのだから、残さずに食べるのだぞ。お前は食が細くていかん」 「お前は俺の親か」 呆れたように呟いた言葉に驚いたらしく、兼続は鳶色の瞳を真ん丸にして三成を見つめている。それから俄かに可笑しみが込み上げて来たようで、三成の隣に腰を降ろしながらくすくすと笑う。 「親か。酷いな、私とお前は同い歳だっただろうに。せめて兄位に留めておいて欲しいものだな」 「親でも嫌だがこのように口煩い兄も願い下げだな」 「そうだな、私もこのように可愛げのない弟は願い下げだよ」 軽口を叩き合いながら二人仲良く並んで昼飯に齧り付く。 青空の下で食べる握り飯は旨かった。 三成は竹包みの中の大ぶりの握り飯二つをぺろりと平らげ兼続を喜ばせただけでなく、もっと喰えと勧められるまま兼続の食べ掛けの握り飯まで難なく胃に納めた。 「食の細いお前がそれ程に喰うとは珍しい」 次の新米が収穫出来たら京に送ってやろうかと兼続が眼を細めて笑いかけて来るが、三成は多少のバツの悪さを感じてふいとそっぽを向いた。 握り飯が旨かったのは確かだが、二つ半も食べる程に旨く感じたのは多分越後の米だからだけではない。 隣に兼続が居たからだ。 兼続の前では上方に居る時の様に気を張っている必要も、気忙しくあれこれと考える必要も無い。兼続の傍では三成は様々な重荷を負わずに居られるのだ。 出来る事なら兼続とずっと共に居たいと三成は思う。 しかし己が秀吉の下を離れる事が出来ないように、兼続もまた上杉家を離れる事は出来ないだろう。もしも兼続が全てを捨てて上京し三成と共に生きる事を選んだとしても、多分それは三成の望む『兼続』ではないだろうとも思った。 直江兼続は上杉謙信の薫陶を受け、上杉家と上杉家の貫く義の為にのみ働く。 何故だか知らないが己はそんな男に惚れたのだ。 「難儀な事だ」 三成はそうぽつりと呟いて、兼続に聞き返される前に立ち上がる。 「陽が暮れる前に山を越えるのだろう?」 草と水を貰って充分に休んだらしい兼続の愛馬の鼻面を撫でながら三成は兼続を振り返った。 一行は山と山との谷間や山を流れる清水のほとりを縫うようにして続く、決して平坦ではない隘路をゆっくりと進んでいた。 山育ちの兼続でもこの辺りの山越えには細心の注意を払う。雪が融けたばかりの春先や雨の多い梅雨等は足場も悪く道も細いので崖から沢へ転落する危険が高いのである。 幸い今は地面も乾いているし足場は悪くは無いが山道に慣れない都会人を三人連れている。兼続は騎乗のまま上手く愛馬の手綱を操り隘路を進んで行くが、平地の様にとは行かない。 「桂姫、足場が悪くて揺れるからしっかり私に摑まっていろ」 言うが早いか兼続は三成の肩を引き寄せ己の胸に三成の身体を密着させると自分は手綱に集中した。 三成はといえば顔を真っ赤にして離れようとする素振りを見せたがその時兼続の愛馬が地面に落ちている小枝を嫌がって避けようと大きく向きを変えたため振り落とされそうになったので三成は慌てて兼続の腰に手を回してぺたりと顔を兼続の胸につける。 自分の心臓ははちきれんばかりであるのに、兼続の心音は彼の人柄と同じように力強く、規則正しく脈打っている。そんな違いを忌々しく思いはしたが、三成は揺れる馬上を良いことに兼続の身体に抱きついて眼を閉じた。 暖かい体温が二人の着衣越しに伝わって、二人の間の温度は同じになっていく。 ―来て、良かったのだろうかな。 三成は兼続の胸に顔を埋めたまま考える。 秀吉に休めと命じられ、すぐに脳裏に浮かんだ男。会いたいと思ったのは友情と思って遠い越後にまでやって来た。しかし実際に会って見て認めざるを得なくなったのは友情とは呼べない兼続への感情だった。 会いに来なければ兼続に対して抱く感情は友情のままで居られたのに。 三成は自問した問に答えを出す事が出来なかった。 兼続の言葉通り、一行は陽が沈むぎりぎり前に山を越えて松代の街へ至った。 松代の街は京の次に栄えているとまで言われる越後の春日山城下とは比べるべくも無いが、それでも春日山へ抜けるための宿場町として数軒の宿は見て取れた。 「今日はここで一泊だ。明日は山は越えぬが山裾をずっと北上するぞ」 兼続が一軒の宿の厩舎に愛馬と三成の伴ってきた馬を並べて繋ぎながら三成に微笑んだ。供の者は二人とも宿に荷を運び、部屋を都合してもらいに行っていてここには居ない。 「北上?おい、兼続、俺は上方へ帰るのだぞ」 怪訝な声を出した三成に、二頭の馬の鼻面を撫でてやっていた兼続が何でもないことのように振り返る。 「良いではないか。このまま南下しても信濃へ出るが信濃から京までは山越えが続く。多少遠回りだが少し北上して上野国に出てしまえば後は関東平野を行くばかりだ」 勿論日の本の地図なら三成の頭の中に入ってはいるが、詳細な地形については土地の者に訊くに如くはない。 太陽は今越えて来た山の向こうへ没しようとしている。そして東の空には薄蒼い幕が降り始め、じわじわとその領域を広げ始めていた。 「さあ、姫。早く中へ入ろう。越後は夏でも朝晩は冷える事があるのだ」 兼続の腕が自然に三成の肩を抱いて促した。極々自然にそれをやって退ける兼続に他意が無いのは三成には痛い程解っている。真っ赤になってその腕を振り払おうとする自分の方が嫌になる程兼続を意識してしまっているだけで。 「姫?」 これ以上の醜態を晒す前にと三成は返事もせずにそそくさと宿の木戸を潜った。 「いらっしゃいませ!」 御免と声を上げるまでも無く奥から上がった快活な歓迎の声が兼続と三成を迎え、声のした方を見れば乳飲み子を背中に背負ったまだ若い女が甲斐甲斐しく今宵の客のために忙しく立ち働いている。 「一晩世話になる」 よろしく頼むと兼続が人好きする笑顔で言うと宿屋の女将は思わずぽっと顔を赤らめた。まさか女将も眼の前の人物が自分達の国主上杉景勝の家老であるとは夢にも思わないだろう。 「お口に合うか分かりませんけど直ぐに夕餉にしますわね。なあんにもありませんけどそれまでゆっくりなさってて下さいな、お侍様」 「ありがとう」 あからさまに媚を売る女将もそれに笑顔で答える兼続も三成には何となく面白くない。付き合いの長さがなせる業か、三成の機嫌が悪くなったのを察した兼続がついと後ろを振り返る。 「どうした?桂…」 おなごの様に悋気を起こした等と誰が言えようか。いや、例え言えたとしてもこの男にだけは絶対に言ってやらんと心に誓いながらも女将の手前、三成はにっこりと微笑んでゆるゆると首を横に振った。 「いいえ。どうと言うことは無いのですけれど、少し疲れたようですわ」 巨大な猫を被った三成の言葉に反応したのは兼続よりも女将の方が早かった。 「まあまあそれはいけませんね、横になった方がいいでしょう。床を延べましょうか奥様」 墓穴を掘るとはこのことか。三成は本当にくらりと眩暈を感じて慌てて腕を伸ばした兼続に支えられてしまった。 自分の耳が悪くなったのでなければ、奥様と、そう呼ばれなかったか、俺は。 思わず反駁しようとした所を兼続が額に手を当て熱を測る振りをして三成の口を塞ぐと如才ない笑みを女将に向けて言う。 「熱は無いようだ。少し座って休めば大丈夫だろう。気遣い痛み入る」 心配そうな女将の視線に見送られ、三成は兼続を置いて宛がわれた部屋へ入った。遅れて入って来た兼続が腰に帯びていた大小の太刀を傍に置いて座るのを、そっぽを向いていた三成は気配で感じた。 「全くお前は妙な所で意地を張る」 兼続なりに三成の不機嫌の理由を考えてみたらしい。またどうせ見当違いも甚だしいことを考えて一人納得しているのだろうから、三成はふんと鼻で笑って問うて見た。 「俺がいつ意地を張った。お前、俺の機嫌が悪いのは何故だか解っているのか」 無論理由など教えてやるつもりはさらさら無いが、兼続は当然だとばかりに大きく頷く。 「宿の内儀に私と夫婦者と思われたのが癪に障ったのだろう?」 やはりこいつには男女の機微なんてものは一生掛けても解らないのに違いないと三成は確信した。それと同時にまだ見ぬ兼続の嫁になる女に同情すら覚える。 三成が返事をする気も失せて黙っていると兼続はそれを諾と取ったらしい。 「仕方が無いではないか。私と、お前と、供が二人の道行きではその筋書きが一番普通だろう。もしもそうでなかったとして、何と説明するつもりだ?」 甚だ不本意ながら、また、三成の不機嫌の理由とは全く関係ないながら兼続の言い分は尤もだ。三成自身兼続ののんびり具合に感化されて忘れかけていたが、京を離れて遠く越後に来ている今の己は世を忍ばねばならぬのだった。 往路では行く先々で、供を二人も連れたうら若い女人が一体何用で旅をと宿一つ取るにも散々勘繰られたものだったが、そう言えば今日は兼続が傍に居たせいでなんの問題も無かった。 中身はどうあれ、三成の見掛けが女人に見えて、尚且つ兼続と夫婦に見えるというのであればそのように振舞う方が周囲の目もかわしやすいし賢い選択と言えた。 「…何か上手く言い包められた気がせんでもないな」 「気にするな」 腕組みをした三成が首を傾げてぽつりと言うと、兼続が笑って応える。その暢気な笑い顔が勘に触って、三成はまたちくりと刺した。 「言っておくがな、俺が機嫌が悪かったのはお前と夫婦と思われたからではないからな」 「違うのか?なら、どうしてだ」 きょとん、と兼続が見返してくるのを意地悪く笑って流し、三成はぺしりと兼続の肩を叩いて立ち上がる。 「自分で考えてみるのだな。お前が自力で答えが解ったら答えを教えてやっても良い」 兼続は三成を見上げて呆れ声を上げた。 「自力で答えが解ったらお前に答えを聞く必要など無いではないか」 そうだろう、お前がそう思っていてくれる限り、俺はこの無様な想いをお前に打ち明けずに済むのだよ。 三成は心の中でそう呟いて、華が綻ぶように微笑んだ。 夫婦に見えるならばまあそれも一興。どうせこの道行きが終わるまでの遊戯なのだから。 吹雪く窓なりゃ 届かぬ想い 心細かな 縮の綾を 織って着せたや 織って着せたや 主が肩 翌朝、一行はまた次の宿場を目指して出立した。兼続の言った通り、山裾を縫うようにして北へ北へと進路を取る。道は悪路だが山越程ではない。 今日もまた、三成の馬が運んでいるのは主ではなく主の荷物。もうとやかく言う直江屋敷の家人達は居ないというのに兼続は当然の様に馬上から三成の手を取って、三成もその手を握り返す。 『本当に美男美女のお似合いのご夫婦で。道中、お気をつけて』 見送りに出た宿屋の内儀が仲睦まじい二人の様子を見てほう、と感嘆の溜息を漏らしながら見送ってくれるのを背に、兼続の愛馬はゆったりと歩き始めたのだった。 旅の恥は何とやらというが、傍から見て夫婦に見えるならばそれで良いではないかと思う程には夕べの一件で三成も吹っ切れていた。何よりそれは兼続の傍に居る大義名分にもなって、生き辛い三成の性分に言い訳を与えてくれていた。 他愛無い会話を交わしながらの急ぐ風でもない道行きは、兼続の目論見通り次の宿場に着くとほぼ同時に陽が暮れ始める。 「この辺りは十日町というのだ。毎月十が着く日に市が立つからその名がついたのだが、市が立つ日は大層賑やかなのだぞ。市はこの辺りを順繰りに移動するからこの辺りには二日町だの五日町だのという名の町が多いのだ」 三成に語って聞かせる兼続の穏やかな言葉には故郷への深い愛情が込められていて、思わず三成も薄く微笑む。 「この辺りは春日山よりももっとずっと雪深いのだ。冬になれば雪に降り込められて町々の往来は殆ど無くなる」 「それは不便な事だな」 「うむ。だが、越後の民達はそれでも強く生きているのだよ。ほら、あれもその一つだ」 兼続が指差す方を三成が見遣ると、呉服屋が店仕舞をしている所である。店の小僧が店の前を掃き清めているのが見えた。 「冬の間雪に降り込められた農民はせっせと機を織る。それを藍で染めて、一反一反雪の上に晒すのだ。それで織物は目が詰まり丈夫な布になる。けして華やかなものではないが、実用に向く紬になるのだ」 熱く語る兼続の腕の中から友の顔を見上げれば、そこには越後を治める上杉家執政という立場の男が居た。民を慈しみ、土地を慈しみ、越後に住まう人間の営みを慈しんでいる顔がそこにはあった。この男の、こういう表情は嫌いではない。 「お前は本当に越後の事を話す時は嬉しそうな顔をするな」 三成が常に無く何のけれんみも無くそう笑ったので、兼続はそれに大きく笑って頷き返した。それからふと良い事を思いついたと言う様にぽん、と膝を打つ。 「そうだ。お前に何の土産も持たせずにここまで来てしまったな。少し待っていてくれないか」 そう言うが早いか兼続はひらりと馬を降りると店仕舞をしている呉服店に入って行った。 そして待つ事暫し。 暖簾を掻き分け出て来た兼続は小脇に濃紺の縮の反物を二巻き抱えていた。 後から店主と奥方らしき夫婦が往来に出て来て深々と頭を下げるのに世話になったと声を掛け、兼続は三成に反物を預けるとまた馬上の人となった。 手渡された反物を三成がまじまじと見つめていると、再び手綱を取った兼続がいつものように良く通るよい声で言う。 「京では流行らぬ織物であろうが、部屋着にでも誂えると良い。汗も良く吸うし、なかなか着心地も良いものだぞ」 にこにこと笑っている兼続と、反物とを見比べながら三成は小さく頷いた。 「心遣い、痛み入る」 何時に無く素直な三成に、兼続が明日は雨かも知れぬな等と軽口を叩くと二反の縮を腕に抱いた三成はまた兼続から顔を背けて頬を染めた。 「俺とて礼くらい言う」 そんな三成の様子に笑みを零した兼続が、ふと気付いてまだ明るい東の山を指差す。 「ほら、見ろ桂姫。明日はあの峠を越えるのだ。あの峠を越えたら坂戸の城はすぐそこだ」 「坂戸城か」 薄々解っていた事ではあった。 上杉家の家老ともあろうものが何日も主君の傍を離れて容易く出掛ける事が出来る場所などそう多くは無い。 坂戸城は関東からの守りの拠点となる堅固な山城で、長尾氏の居城であった城である。先の城主は長尾正景、上杉謙信の姉である綾御前を娶った武将。そしてその嫡男は長尾喜平次景勝―兼続の主君である上杉景勝であり、坂戸城は今でも景勝の名代が景勝に代わって治めており、国境の要所と言う事もあって春日山とも頻繁に行き来のある場所である。 坂戸城は景勝の生まれた育った場所であり、その城下の上田の庄では樋口与六が生まれた。言わば坂戸は景勝と兼続の故郷である。 俺に何を見せたいと言うのだろうな。 夕暮れの中、三成は別れの時が翌日に迫っていることを唐突に理解した。きゅう、と胸の奥が痛む。 本来なら一昨日にもう別れていた筈なのだと、自分に言い聞かせても無駄だった。 もっとずっと一緒にいたいと思ってしまう。 もっとずっと話していたいと思ってしまう。 女々しい自分を嘲りながら、三成は旅籠の前で下馬した兼続が三成を馬から下ろそうと差し出した両手に大人しく抱かれて眼を閉じた。 夢の終わりはいつも切ない。それが楽しければ楽しかっただけ、美しければ美しかっただけ、夢の終わりが見えてしまうと胸の奥に取り去れない重たい塊が現れてぎゅうぎゅうと心を押し潰そうとする。 明日で兼続と別れなければならぬと解ってしまえば三成には残された時間を楽しむ余裕すら無くなってしまった。そんなのは馬鹿げている。今まで会えない事の方が断然多かったのだ。元通りの生活に戻るだけなのに。 段々言葉少なになる三成に流石の兼続も気付いたらしい。敢えて何も言いはしないが、三成の思い違いでなければ兼続も自分との別れを惜しんでくれているのだと知れた。それでもいつものように話してくれる兼続が有り難かったが、最後まで目的地を明かさないで居てくれたら良かったという我儘も三成の心の中にあった。 夕餉を終えると勧められるまま三成が先に風呂に入り、入れ替わりに兼続が風呂に行ってしまうと部屋の中は途端に静寂に支配される。京は遅い時間でも繁華な通りであれば人の往来もあるが、拓けている方とは言え山間の集落では人が居るのかも怪しく思えて来る程に静かだった。 しかしそれは人が立てる音の話。涼を求めて縁側へ出た三成の耳に水田に住む雨蛙達の大合唱が届く。宿の傍を流れる小川の絶え間ない水音が三成の無聊を慰めた。 どれだけそうしていたのだろうか、三成は兼続の呆れた声で我に返った。 「姫。おなごがそのように浴衣姿で端近に出るものではない」 湯上りでさっぱりした顔をしている兼続の手には酒の入った徳利と杯が一つ。流石の兼続でも『桂姫』の分の杯までは借りて来ないだけの常識はあったらしい。 促されるまま部屋に入った三成は兼続と二人静かに語り合いながら一つの杯で順番に酒を呑む。 ふと、話が途切れた合間に何気なく兼続の顔を見ると酷く真面目な眼差しをした兼続と眼が合った。どきりと胸が跳ねたが平静を装って訊く。 「どうした、俺の顔に何かついているか」 己の真意を隠すのは得意だ。三成は少し笑って兼続の眼を見返した。 兼続は杯を畳の上に置き、まじまじと三成の顔を…というよりも髪を見つめている。 「その髢は取るのが大変か?」 「なんだと?」 予想外の言葉に、三成は思わず聞き返してしまった。 「まさか酔った訳ではあるまいな。こんな少しの酒に」 そう言ってやると兼続が口元を緩めて微笑んだ。 「いや、酔った訳ではない。ただ、その髢を取って見せて欲しかっただけなのだ」 「おかしな奴だな、そんなにおなごの髢が珍しいか。まさかお前が付けてみたいとでも言うのではないだろうな」 胡乱な目付きで三成に見られて、兼続は慌てて首を横に振った。 「違う違う。私が見たいのは髢ではなくお前の髪だ」 「なんだと?」 またも兼続の口から飛び出した予想外の言葉に、三成は再び聞き返す。 対して兼続はどこまでも真面目に答えるのがちぐはぐで滑稽なのだが三成にそれを笑う余裕は無い。 「お前が女人に身をやつしてまで会いに来てくれたのは本当に嬉しかった。姿形が多少変わった所でお前はお前なのだが、やはりここに来て少し惜しくなった」 三成はともすれば意味を取れないまま右から左へ抜けてしまいそうな兼続の言葉を反芻しながら一体何を言い出すのかとどくどくと煩く喚く心臓を殴りつけたい衝動に駆られた。 「折角お前が会いに来てくれたのだから、桂姫ではないお前のままの姿を見たいのだ」 さらりと言い切る兼続に、殴るならこいつの方かと思いつつ、三成は紅く染まった顔を誤魔化すようにわざと手荒に髢を取った。はらり、と見慣れた赤茶の髪が肩の上に零れる。 「これで満足か」 照れ隠しのためにぶっきらぼうな口調になるのを止められない。兼続は嬉しげにああ!と頷くと三成の方におもむろに手を伸ばした。三成が避ける暇もなく、兼続の長い指が三成の乱れた髪を手櫛で梳きはじめる。 「黒髪も似合っていたが、やはりお前にはこの髪の色が似合うな」 三成は天然は始末が悪い、ここまでくれば国宝級だと心の中で思う様毒づきながら兼続の好きにさせている自分も大概だと大きく溜息をついた。 髪を梳いていく兼続の手の暖かさが心地よい。しかし三成の口は心とは裏腹に動く。 「こんな赤い髪などいいものか。正則の馬鹿など未だに俺の事を赤鬼だなどと呼ぶぞ」 「誰が何と言おうと関係ないではないか。私はお前のこの髪が好きなのだから」 今度こそ返す言葉を完全に失った三成はぺしり、と兼続の手を払い除け、仕返しとばかりに最後に徳利の中に残った酒を皆呑んでやった。 「ああっ!最後は半分と約束していただろう!」 「知らんな!馬鹿なことばかり言っていないでさっさと寝てしまえ!」 恨みがましい兼続の視線から逃げるように、三成は真っ赤に染まった顔を見られる前に二つ並べて延べられた布団の片方に潜り込んだ。 翌朝宿を発つ時から三成は言葉少なだった。 それを知ってか知らずか解らぬが一方の兼続はといえば朝から普段の倍ほどに喋り続けている。 道は山道。一行は傾斜のついた道をゆっくりと進んでいた。 ―十日町から上田の庄へ抜けるには八つの峠を越えねばならぬ。だからこの道を八箇峠と言うのだよ。 何時も通りの良く通る声で紡がれる兼続の話を聞きながら、三成は悪路を良いことにして兼続の腕の中に大人しく納まっている。揺れる馬上でなら許されるだろうと、三成の繊手は兼続の袂をきゅっと握り締めて離さない。 兼続はそんな三成を一度だけ馬が怖い童のようだと言って笑ったがそのまま好きなようにさせている。 一刻程も進んだのだろうか。周囲の高い山に遮られ、陽の位置がわからない。 そう言えば越後へ来てからというもの、時間の感覚がおかしくなってしまっていることに三成は今更ながらに気付いた。物凄く一日が長いような、あっという間に過ぎ去るような奇妙な感覚。こんな俺は全く俺らしくないと三成は兼続の胸に抱かれたまま自分に対して毒づいた時、殊更張りのある声で兼続が三成の注意を引いた。 「もう峠も半ばだ。そろそろ向こうの盆地が見えて来るぞ」 兼続の声は心なしか浮き立っている。三成が返事をしなくとも、ちゃんと聞いているのは承知していて問わず語りに昔話を始めた。 「お前も知っているだろうが私は四つの頃から景勝様にお仕えしていてな。景勝様が謙信公の御養子となられて春日山にお移りになる際に私も随行したのだ。幼き頃の話しゆえ、もうずっと昔のことではあるのだがな」 兼続の胸にぴたりと左耳をつけている三成には、照れたような兼続の声が直接響いて来る。 「それでも、生まれ育った場所と言うのは特別なのだな。時折無性に懐かしくなることがある。一つ一つは大したことの無い思い出なのだ。山であけびを採って喰ったり、とんぼを捕まえたりとかな。なのに、何故かな。時折無性に帰りたいと、そう思うのだ」 珍しく感傷的な兼続の言葉に、三成はやはり沈黙を守った。 その内に尾根に沿って登り下りを繰り返す坂戸への峠は徐々に下りが多くなって来る。 「ほら、もうその山裾を回り込めば上田の庄が一望出来るぞ!」 兼続の浮き立つ言葉が解るのか、二人を乗せた兼続の愛馬は主人の意を汲んで心持ち歩みを早めたような気がした。 兼続の指した山裾を回るとさっと開ける視界。 平地を挟んで同じ高さに坂戸山の山城が見えた。 こちらとあちら、二つの山に挟まれた盆地には縦に一筋大きな川が流れていて、見渡す限り一面に広がる水田を分断しているのがまだ遠いここからでも解る。 平地には水田の他にぼつぼつと粗末な農家が点在しており、三成には素朴な人の営みが見えるような気すらした。 兼続が見晴らしの良い尾根で駒を止めて三成に一つ一つ指を指して教えてくれる。 「正面の山が坂戸山。本丸はあの山の麓にあって、山の五合目、八合目、山頂にそれぞれ物見櫓と屋敷がある。謙信公と景勝様は良く連れ立って山頂まで登って居られたよ」 穏やかな兼続の声は耳に心地良い。静かに語る兼続の声は坂戸の景色に眼を奪われている三成の邪魔にはならなかった。 「ずっと坂戸山の山裾を行くと私が景勝様の近習として共に学ばせて頂いた越後一の名刹雲洞庵がある。お師匠様は行儀作法に厳しいお方でな。私なぞは何度物置に放り込まれたか解らぬよ」 兼続が昔を思い出したか笑みを含んだ声音で呟き、三成はその腕に抱かれたまま眼前に広がる一幅の絵のような風景を飽かず眺め続けている。 「私の生家はあの、上田の庄の真ん中を流れていく川の近くにあるのだ。あの川は魚野川といって、何れ海へと流れ込む大河の支流なのだ。良く与七と鮎を獲って遊んだな。二人とも着物をずぶ濡れにして帰るものだから良く母上に叱られもした」 兼続の声に釣られて眼を移した川縁に幼き日の兼続の姿が見える気がして、三成はくすくすと笑いを零した。 「今では澄ました顔で上杉の家老を勤めている直江山城守殿も、子供の時分はやんちゃだったと見える」 兼続も三成に釣られて笑う。 一頻り笑いの波が引いたところで穏やかな微笑みで三成を見つめた。 「これを、お前に見て貰いたかったのだ」 見せたかったのは兼続が生まれ育った家、土地、山。 直江兼続という人間の根幹を成す原風景。 それら全てを視界に納めながら、三成がぽつりと呟く。 「お前を育んだのはここなのだな」 何故だろう、柄にも無く今ここに居る直江兼続を形作ってきた全てのものに感謝したい気分になる。 「美しいな」 三成が零した一言に、兼続は少し驚いたような顔をして、それから弾ける様な笑顔を見せた。 二人は暫し言葉もなく上田の庄をただ見つめていた。 兼続の生家は今でもまだ手元に残してあるのだと言う。 「どうだ、少し寄って行かないか。家のことは人に任せているが急に行っても茶くらいは出せるだろう」 そんな風に言われてしまっては、三成が断れる訳が無い。 「お前はいつも狡いな」 急にツンとそっぽを向いた三成に、兼続が不思議そうな顔をする。 「私がいつ狡かったというのだ」 「常にだ!」 三成が言い放つのを聞いて、兼続は真面目に三成に向き直った。 「それは心外だがお前にそう見えているのならそうなのだろう。すまなかった。改めねばならんな」 「そういう所が、狡いというのだよ」 それきり口を噤んでしまった三成に、兼続は困ったように笑い掛ける。 「やはり私には解らぬ」 「解らんでも良い」 取り付く島も無くばさりと斬り捨てながらも三成は狡いと感じるのは自分自身に含む所があるせいだと良く解っている。三成は目を伏せて手綱を取る兼続の手を八つ当たりのようにぺしりと叩いた。 三成の八つ当たりは照れ隠しのようなもので親愛の表れだと解っている兼続は構わず愛馬の手綱を引いて小さな茅葺の家を指す。 「ほら、あれが私の生家だ。もう父も母も兄弟達も居らぬのだが、どうしても手放し難くて上田に来る時の住まいにしているのだ」 俄かに門前が騒がしくなったのを聞きつけて顔を出した老爺が兼続を見て眼を丸くする。 「若様!」 兼続は微笑んで老爺に声を掛ける。 「連絡もせずに突然来て済まない。今宵一晩泊まって行くから準備を頼む」 「ここはいつでも若様の御家でございますよ。何の気兼ねがありましょうや」 しかし―、と、老爺は兼続の陰に隠れる様にして立っている三成を興味津々といった態で凝視した。 「若様、そちらの大変美しいお方は…」 兼続が後ろを振り返り、三成に向かって手を差し伸べる。何故だか、三成は大人しくその手を取ってしまった。ゆっくりと手を引かれたまま兼続に並ばされ、遠慮の無い老爺の視線に顔を紅くして俯いた。 「桂姫と言って、京からいらしたやんごとなき姫君だ。故あって坂戸まで旅のお供に加えて頂いたのだよ」 兼続がぼかした言葉の端々を、老爺は想像で補完したらしい。きっと兼続の想い人とでも思っているのだろうと三成はまたげんなりしたが、老爺は相好を崩すとそうでありましたかと何度も口の中で唱えながら嬉々として一行を庭に招じ入れた。 「そうでありましたか。八箇峠越えでさぞお疲れでしょう。大したお持て成しは出来ませんがどうぞお上がり下さい。さあさ今盥に湯をお持ち致しますから」 老爺が大きくは無い家の中に向かって呼ばわると、中から彼の連れ合いらしき老婆が喜色満面で姿を現した。 「若様。暫く振りで御座いました。ご健勝のご様子何よりに御座います」 今度も兼続はまた三成を同じように紹介したが、老夫妻は同じような誤解をしたらしい。お茶を、湯をと、立ち働く二人は心底嬉しそうで三成はそれを否定するのも気が引けた。 部屋に通された三成は兼続と共に客間に上がらず庭に面した縁側に座った。 春日山の兼続に与えられた直江屋敷とは比べ物にならない程の猫の額ほどの広さの庭だが良く手入れが行き届いている。きっとあの老爺が生き甲斐のようにして日々大切に手入れをしているのにちがいない。 庭の垣根の向こうには、難攻不落の山城と言われる坂戸山と坂戸城が見える。 兼続は三成と二人並んで縁側に座り、懐かしそうに微笑んだ。 「ここに居る頃は朝な夕なにあの山を見ていたよ。いつか父上の様な武士になってあのお城を護るのだと思っていた」 三成の視線の先を辿ったか、兼続はそう言って少し笑った。 「実際は綾御前に見出され景勝様にお仕えする事になったわけだが。…人生何があるか解らぬものだな」 老婆が出してくれた茶を啜りながら、三成は小さく頷いた。 自分の人生が変わったのも、秀吉に茶を献じたあの時からだ。どこに人生の転機が落ちているかは解らない。 三成は温かい茶で喉を潤して、ほう、と一息溜息をついた。 ここは時間の流れが緩やかだ。 上田の庄も、兼続の家も。本来どこに居てもどのように過ごしても同じ筈の時間というものが、ここだけはゆるりと流れているような、そんな錯覚を覚える。 兼続の生家は大きくは無かったが、そこに住まう家族が居なくなって尚家庭の温かみを残していた。 「お前に、会えて良かった」 唐突に三成が呟いた。 それは直江兼続という人間と、石田三成という人間の出会いについての言葉であったのだが兼続は今回の旅の事だと意味を違えて取ったらしい。 「私もだ!私が上洛する事はあってもお前が越後に来る事など殆ど無いからな」 三成は敢えてその言葉の擦れ違いを指摘せずに微笑んだ。 「この数日、お前にとって掛け替えの無いものを沢山見せてもらった。お前の愛する越後を」 「お前に、見て貰いたかったのだ。私の愛するもの達を」 笑みを深くした兼続に、こくりと、三成が頷いた。 ふと、兼続が空を見上げて呟いた。 「雲の流れが速い。一雨来そうだぞ」 二人並んで流れ行く鉛色の空を見上げていると、兼続の言葉通り庭の石にぽつりと当たるものがある。それは見る間に数を増やして、越後の大地に柔らかく降り注ぐ霧雨となった。 「遣らずの雨という奴かな」 兼続がぽつりと呟く。珍しく兼続が何かを言い掛けて、途中で口を噤んだ。三成は兼続が何を言おうとしたのかぼんやり解っていながら、兼続本人の口からその言葉が聞きたくて素知らぬ顔で促した。 「お前らしくない。言いたいことがあれば言え」 三成の想いを知ってか知らずか兼続は困ったように微笑んで、三成の顔を覗き込んだ。柄にも無く少し遠慮がちに言うその様子は彼にしては酷く珍しい。 「雨が降ってはこの先難儀だろう。今宵はここに泊まってはどうだ」 三成は少し俯いて、嬉しさと遣り切れない切ない思いが綯い交ぜになった複雑な心境で返事を返す。 「…いや、もう帰らねば」 お互いに解っていた問答。 それでも三成は兼続に引き止めて欲しかったし、兼続は三成を少しでも長く引き止めておきたかった。 不毛なのは理解している。三成は音を吸い取るような霧雨を見つめながら兼続との最後の時間を無言で過ごした。 語り合うことは互いに尽きてなどいない。それでも今は何も言葉にしたくなかった。 送りましょうか 送られましょうか 寺が鼻まで 時雨に濡れて 昔ゃお六と 昔ゃお六と桂姫 それでも別れの時はやって来る。 老夫婦が夕食の準備に取り掛かる前に、三成は供回りの二人に馬と荷を連れて先に出立するようにと言い付けた。 主一人残して行く訳には行かないと言う家臣二人に、隣町との境にある稲荷神社で待つよう言い含めて送り出すと、三成は途中まで送るといってどうしても聞かない兼続と共に徒歩でわざとゆっくり歩き出す。 道々話す言葉ももう無い。口を開けば離れ難い想いが口を衝いて出て来てしまいそうで、三成は無言のまま兼続と並んで歩く。 途中までとは一体何処までだ。 いつ別れを告げられるかと思うと気が気ではなく、もういっそのことここまでで良いと三成は何度も思った。 霧雨は雨脚を弱めたものの未だ静かに降り続けている。 「見送りはここでいい」 兼続の脚が止まった。お互いに傘で隠れて表情は窺えないが、聞き慣れた深い声が降って来る。 「今少し。もう少しだけ送らせてくれ」 俯いている三成には、兼続がどんな想いでそう言ってくれているのか解らなかったし、知るのが怖いとも思った。 己と同じ想いならば良い。しかし、もしそうでなかったら。 「この先に寺が鼻と言う地名がある。せめてそこまで」 三成にはそこが遠いのか近いのかさえ解らない。二人はまた無言で時雨の中を歩き出す。 月が出たぞえ 木陰に入ろか ままよ渡ろか 坂戸の橋を お六甚句で お六甚句で水鏡 殊更ゆっくりと歩く内にいつの間にやら雨は上がっていた。流れが速かった雲は現れた時と同様にあっという間に流れ去り、気の早い月が天空に太陽を追いかける様に姿を現わす。 辺りはすっかり薄闇に包まれている。それでも灯り無しで歩いて行けるのは煌々と明るい月のせいだ。傘を閉じた二人は遮るもの無く月明かりに照らされている。 「兼続。お前、誰ぞ坂戸の城の者に俺と一緒の所を見られては拙いのではないか」 松代、十日町は良くても故郷に浮名を流すのは如何にも拙かろうと三成は少し兼続から距離を取った。 「馬鹿なことを。やましい事は何も無いのだから堂々としていればいい。違うか?」 常に無い低い声で呟く兼続の横顔を見上げ、三成は困ったように笑う。 「その通りだな」 本心では多分違う事を望んでいるのだろうなと三成は自分のことをまるで他人のように感じてそう思った。 自分は、例え他人から後ろ指を指されようとも、親友ではない兼続の特別で居たいのだ。 言葉少なな二人の道行きは昼間見た川に架かった橋へと差し掛かる。 「坂戸の城へ行くには必ずこの橋を通るのだ」 兼続の言葉を聞き流しながら、ふと、三成は橋の上から満々と水を湛えた水面を見つめた。 そこには一組の美しい男女の姿が映っており、それは一幅の絵のような完成された美しさを持っていた。 けれど三成は知っている。絵は人の心まで写し取りはしない。だからこのように美しく見えるのだと。 もしもこの、己の抱くどろどろとした葛藤を絵に表せたとしたらその絵はたちまちの内に台無しになるだろう。 橋を渡り切って暫くして、三成は半歩先を行く兼続の背中を見つめて立ち止まった。 直ぐに兼続も気付いて振り返る。 三成は努めて普段通りに聞こえるように言葉を発するのに苦労した。 「もうここまでで良い。際限ない」 もう兼続には引き止める理由も言葉も無い。 一瞬の間の後、兼続は大きく頷いた。 「そうか、次の上洛まで息災にな」 「ああ」 そう、これが今生の別れという訳ではないのだ。次の春にはまた景勝は上洛するだろうし、兼続もまた景勝と共に上洛するに違いない。 「一人で大丈夫か」 ここから随人達を待たせている稲荷社までは少し距離がある。 今宵は月が明るい上、道は開けた街道故危険も少ないとは思うが女人の一人歩きはやはり物騒だと兼続が言う。三成は強張る口元を叱咤して普段通りに返事を返す。 「直ぐに二人に追付く。もしも賊が出たとしても野武士等にやられるほど柔ではない」 くすり、と兼続が笑った。三成はその笑いを流してそれに、と言葉を継ぐ。 「関東に出たら途中まで左近が迎えに来る事になっているのだ」 また一瞬の間。 「そうか。左近殿がついていて下さるなら安心だな」 兼続は頷いて三成の顔を正面から見た。 「また、文を送る」 「ああ」 「達者で。京に戻ったら文をくれ」 「ああ」 「絶対だぞ」 「ああ」 三成は兼続の言葉と対照的に気の利いた返事すら出来ない自分に苛立つ。しかし苛立った所で言葉の出ない事には変わりなく。 「…もう、ゆくよ」 ただそれだけしか言えない自分が歯痒い。 頷いた兼続はもう何も言わなかった。手を振って、別離の言葉は飲み込んだ。 一人歩き始めた三成の脚は鉛の様に重い。それでも後ろ髪引かれる自分を叱咤して、三成は一歩一歩兼続の愛する越後路を歩いていく。 後ろを振り向くと、兼続がまだ別れた場所に立ったままこちらを見つめているのが見えた。 いつまでああしているつもりだ、といつものように毒づいて、三成は歩調を上げた。 一歩進むごとに薄闇の紗が一枚掛けられて、兼続の姿を曖昧にしてしまう。 いつの間にか三成は駆けていた。もう後ろを振り向いても兼続の姿は闇に溶けて見えない。 三成の薄茶の瞳からぽろりと水滴が零れ落ち、白い肌にふた筋の流れを描いた。 街道の両脇に広がる水田には、仄明るい黄色い灯りが飛び交っている。 明滅しながら或いは飛び交い、或いは草の葉にとまっている蛍を三成は溢れて止まらない涙を拭くのも忘れて見つめた。 お六恋しや 姫様桂 会えぬこの身が 川瀬を焦がす 蛍呼ぶなら 蛍呼ぶなら寺が鼻 何が哀しいというのだ、俺は。 三成は暫しその場に佇んで、兼続の愛する越後に別れを告げた。 不意に三成の胸に、兼続と交わした約束が飛来する。 『来世でも…』 約束を破るのは不義だ。 だから、絶対に守らねばならぬのだぞ、兼続。 そう心の中で呟いて顔を上げた三成の涙はもう乾いていた。 すっかり夜になった空には満天の星が輝いている。 三成は再び凛として歩き始めた。 終わり。 あとがき はじめまして、こんにちは。野間喜孝と申します。 この度は本書を手に取って下さりありがとうございました! 普段はネット界の片隅で専らウェブ小説を書き散らしているのですが、実はこの本が野間にとって初めての同人誌です。歴史好き(と、兼続好き)が高じてこうして本を出す事になりました。少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。 コンセプトは電車の中でも読める同人誌!文庫本と同じサイズで程々の厚さなら、カバーを掛けてしまえば解らない!と信じたい。 YOUやっちゃえばいいじゃん!と背中を押してくれた友人達に感謝です。 さて。兼続への愛でも語らせて頂こうかと。友人が戦国無双2にハマっているのを見ておいらもやってみるかなと中古で手に入れたのが戦国無双との出会いでした。ファーストインプレッションでは浅井長政と孫市が好きかなー。でも腐までは行かないなーとか思っていたのですが。段々余所様の二次創作を読んだりゲームを進めていく内に最初は全然興味ナッシングだった兼続にハマっておりました。 兼続と野間とは同郷ということもあり。今では可愛いなあコイツ。とかニヤニヤ妄想しておりますよ。2では大人気だった彼も3での変貌振りもひっくるめて愛しています。きっぱり。 今回のお話は、野間と兼続の地元(新潟県旧六日町)に伝わる民謡をモチーフにしました。昭和初期に作られた民謡と聞いたことがありますが、兼続(お六)の悲恋を謡ったもので、三日に渡って開催される夏祭りの二日目のメインイベントでは通りをこの民謡を踊りながら歩く『お六流し』という行事を行います。その他にも小学校や中学校では体育祭で踊るので×十年経った野間も未だに踊れたりします。 歌に出て来る桂姫とは、一説には景勝の腹違いの妹姫だと言われています。戦闘員さまおっと間違い仙桃院さま(綾御前)の娘ではなく母親が身分の低い女性だったため本邸に住む事叶わず坂戸山の南裾、寺が鼻と呼ばれる地区に住んでいたそうで。 兼続は上杉の重臣という身分を隠して桂姫と逢引していたのでしょうか。その真偽は今となっては解らない事ではありますが、今回は無理矢理三成に桂姫になって頂きました(笑)野間は兼続は受けの方だといいと思ってはいますが三成は兼続にさえ負けると思うんだ。 何だか寂しい感じで終わってしまった(ような気がする)『蛍の記憶』ですが、実は最初から現代パラレルに続く話にしようと思っておりました。そちらは兼三ではない上にやりたい放題のお話ですがまたその本でお会い出来たら甚幸です。 ここまで読んで下さいまして本当にありがとうございました! 野間喜孝 拝
https://w.atwiki.jp/koboh/pages/158.html
時は少しばかり遡る。ナディアの侵攻から何とかシレジアを守りきったライトはセーナとシグルド2世がまとめた停戦にしたがって、兵の再編成を行っていた。この頃のライトは昔に比べても口数が減ってきて寡黙になりつつあったが、アイリスを失い、セイラも重傷を受けていたためにこの再編成作業は自身が行わなくてはならず多忙を極めていた。ライトと共にテルシアスを作るために訓練してきた将兵たちも加わって、駐留するリューベック城は喧騒に満ちつつある。そんなリューベック城に杖をつきながらセイラが入城してきた。それを見つけたテルシアス隊長のライが驚いて、駆け寄ってきた。 「セイラ様、お体に障りますので、どうか休んでいてください。」 見ていても痛々しい姿なのに、セイラの気丈な姿を見ると更に放ってはおけなくなる。だがセイラはライに向かって微笑むも、歩みを止めようとはしなかった。 リューベック城の中庭ではライトと叔母のフィーがヴェスティアへ向かうための打ち合わせをしていた。もう油の乗り切った年齢ともいえるフィーだが、彼女自身は死ぬまで戦い続けるつもりでいる。夫アーサーもそのことは苦笑しながらも認めざるを得ないのか、妻のやりたいようにさせている。そんなフィーとライトのもとにセイラが来たのだから、さすがの二人も驚いた。 「セイラ、体はもういいの?」 母の問いかけにセイラはすぐに頷く。彼女もまた、今のライトのように寡黙なのだ。だがその瞳には 『どうか、私をヴェスティアに連れて行ってください。』 と必死で懇願しているのが、見て取れる。ライトもフィーもそれを察しているのだが、どう見ても戦に出れる体ではないのは明らかだ。 「セイラ、気持ちは嬉しいが・・・」 やんわりと否定しようとするライトの言葉をセイラが遮った。 「私はライト様の傍を離れたくはありません。」 断固たる口調にライトも言葉を継げずにいる。 セイラとて天馬騎士としての能力は水準よりは上である。しかし母フィー、姉レイラの能力が彼女を大きく凌駕しているのは彼女自身がよく知っている。だからこそ彼女はライトへの忠義を一にして生きてきた。そしてライトもまたその忠義に応えて、早くして天馬騎士団隊長の一人に任命した。それからしばらくしてレイラがヴェスティアに仕えることとなり、またアイリスが先の戦いで没したことで、セイラはよりライトへの忠義を新たにしていた。いや忠義、というよりは人柱と言ったほうが今のセイラをよく表していると言えるだろう。 必死にライトと彼女についてきたライが説得するものの、セイラは頑として言うことを聞かない。その頑固さにフィーは微笑して、ついに折れた。 「わかったわ、私がシレジアに残って、全てを見守ることにするわ。」 生涯戦い抜くと宣言していたフィーが娘の頑固さに折れたことはライトやライでもどうしようもないことを示していた。仕方なく、無理をしない、という条件でセイラとその配下の天馬騎士団のヴェスティア入りが決まった。 そのセイラの眼下ではテルシアスとクロスナイツの壮絶な攻防が始まっていた。ライ率いる鉄騎兵たちは重厚な斧槍ハルバートによる攻撃を持ってクロスナイツの攻撃をはじき返して、世界随一の衝突力を持つクロスナイツと対等に戦っていた。 もともとこのヴェスティア西部の戦いでは多くのものはこのクロスナイツとテルシアスによる文字通り、『剣』と『盾』の攻防が主であり、セイラ率いる天馬騎士団にはまだ何の役割も与えられていない。それはライトが親友エルトシャン2世との一対一での勝負を望んでいたことの裏返しでもある。それを知らないセイラではなかったが、やはりもどかしさがないわけではなかった。 エルトシャンとライト。この二人の交流は意外なほどに深い。まだエルトシャンが今の名前を名乗っていない幼少時からライトとは共に人生を歩んできていたのだ。もちろんセーナも絡んでいたのは言うまでも無く、グーイとの剣の修行の成果をエルトにぶつけていたこともある。一方、ライトとエルトは幼少時は悪口を叩き合った悪友と言ったほうが正確で、セーナの取り合いをしていたこともあった。またセーナやレイラらユグドラルが誇る美女がライトの周りに多いことからエルトは彼のことを『色男』とくさしていたこともある。 「色男もなかなかやるじゃないか。」 テルシアスを攻めあぐねているにも関わらず、エルトシャンの表情はどこか朗らかである。その点ではもうこの頃には危機に陥っているキュアン2世のものとあまり違いはないのだろう。傍らで必死に采配を振るうマックスも額の汗を拭い、エルトに対応した。 「あの方陣、なかなか厄介です。」 陣そのものはマックスもエルトシャンもすぐ抜けるとは思っているが、そのテルシアスが思いもよらぬ動きを見せているために攻めが甘くなっていた。というのはテルシアスが時計回りに回転しながら戦闘しているのだ。ナディアの時は前方と後方を入れ替えて戦っていたのだが、今回は陣全体が回っているのでクロスナイツの攻撃も一点に集中できない。一点を穿こうとすると彼らに並行して円軌道を描くこととなり、背後に回ると影に隠れているセイラ隊とテルシアスに挟撃されるという危険を孕んでいる。 「マックス、こういうのはどうだ?」 マックスの耳を借りたエルトは何事かを彼に打ち明けた。すぐにマックスが反対した。 「そのような危険なことを・・・。」 「構わん。どうせ捨てる命だ、やるならテルシアスを破って華々しく散ってやる。」 そう言って魔剣ミストルティンを抜き放って、総突撃を命じようとしたとき、 「お待ちください。その役目は私にお任せ願います。若様は私がテルシアスを止めましたら、そのまま敵陣に斬り込まれるといいでしょう。」 テルシアスを止めるのも敵陣に斬りこむのも、どちらの役目も決死の行動であるが、親友ライトとの一太刀を浴びせるのはアレスの役目だとマックスは言っているのだ。もちろんそこにはマックスなりの好意が込められており、エルトも笑顔でこれに応えた。 「すまないな。」 マックスもいい笑顔で応じる。 「では天上で。」 この主従にもはや会話は必要なかった。 マックスの決死の突撃は、凄まじい勢いを持っていた。今までは攻めれば弾かれる有様だったのだが、マックスはついにそのテルシアスに一つの楔を打ち込んだ。マックス率いるクロスナイツはテルシアスの回転を止めるべく、重石となって文字通り死闘を演じた。すると堰き止められたテルシアスの後方で、流れ込んでくる後続の部隊が合流してきて大混乱の様相を呈してきた。今まで流れよく戦ってきただけに、一度止められるとテルシアスも無残であった。そこに意気を決してエルトシャンの精鋭が突っ込んできた。 ミストルティンを駆るエルトシャンの働きは凄まじく、斧槍ハルバートを振り回す鉄騎兵を鎧ごと次々と断ち切っていた。獅子エルトシャンの死闘は配下を奮い立たせ、鉄騎兵たちを恐れさせた。ただでさえ混乱しているだけに、クロスナイツは次々と鉄騎兵を突破してライト率いるシレジア軍本陣に攻めかかる。流れを取り戻そうと最前部の鉄騎兵と決死の攻防を繰り広げているマックスはエルトたちが本陣に向かったことを認めて、一気にテルシアスの人の波に斬り込んだ。マックスの愛剣、銀の大剣はエルトシャンのミストルティンほどの威力は持たないが、それでも的確な斬撃で前を行く鉄騎兵を次々と屠っていく。すると必死に体勢を立て直そうと采配振るうライがマックスの目に入った。 「お前がこのテルシアスの主か?」 問われたライはマックスの姿を見て、こくりと頷いた。 「良き敵に巡り合えた。我が名はクロスナイツ隊長マックス、いざ一騎討ちを。」 ライにしてもここでマックスを討ち取れば、一気に混乱を沈められると悟っているために否やはなかった。 「おう!!」 と応えて、マックスの剣とライのハルバートが交差する。馬上から繰り出す銀の大剣はライの鎧を襲うが、さすがにテルシアス隊長の鎧だけあって銀の大剣でも傷を付けるのがやっとという有様である。対するライのハルバートは颯爽と動き回るマックスによって次々と交わされ、互いに決定打がないまま時間だけが過ぎていく。マックスは時はかかればかかるほどエルトに対して有利に働くことになり、一刻も早くテルシアスを立て直したいライは少しずつ焦っていき、その精神的な差がじわりと出てきた。そしてもともと重い鎧を着て、更にこちらも下手の斧よりも重いハルバートを振り回していれば、自然とライの体力も限界が近づいてきた。 (こうなれば一発に賭けるか。) 焦るライはあえて隙を見せてマックスを誘った。そしてマックスは戦っていきながら次第に有利になっていくことを感じたために余裕を持ち始めていたのか、ライが敢えて見せた隙に乗ってしまった。銀の大剣はライの鎧のわずかな隙を捉えていたのだが、すぐにライはその太い腕でマックスの銀の大剣を捕まえていた。もちろんライの鎧の隙間など致命傷になりうるものではなく、マックスの斬撃もさほど深くはない。まだライの余力からすれば十分銀の大剣を受け止められたのだ。そしてライは驚くべきことに片手でハルバートを振り上げた。この瞬間、マックスはライの真意を見抜いたが、その時は余りにも遅かった。 マックスの身を犠牲にしながら、エルトシャンはテルシアスを突破して一気にライト率いるシレジア本隊に斬りこもうとしていた。しかしライトとてテルシアスを破られた時の対策は抜かりない。エルトが突破してきたのを見たライトは冷静に命じた。 「ウインドを放て!!」 シレジアといえば天馬騎士と風魔道士である。その一翼、ライト本陣に詰めていた風魔道士たちが一斉にウインドを放ったのだ。この暴風によってクロスナイツは数騎吹き飛ばされたが、怯むことなく突撃を止めようとはしない。そしてウインドの3斉写を耐え切ったクロスナイツはついにライト率いるシレジア本陣に突入した。ここは風魔道士ばかりだけあって、接近戦のプロ・鉄騎兵を打ち破ったばかりのエルトからすればやはり脆かった。当たるを幸いにエルトは目の前の風魔道士を次々と屠っていき、ようやく時の皇帝にして、エルトにしてみれば色男と呼ぶライトの姿が見えた。 「よぉ、色男。こんな形で戦うとは思ってもみなかったが、いざ!!」 ミストルティンを上段に構えて、即座にライトに向かって振り下ろす。しかしライトとて今回は剣を持っていた。ガキンという音でアレスの斬撃を受け止めたライトはすぐにミストルティンをなぎ払って、再び間を空けた。彼が持っていたのは『悲哀の剣』シュヴァルツバルトである。 「よせ、エルト。俺はお前を斬りたくはない。」 その言葉どおり、先ほどただミストルティンをなぎ払わずにエルトを狙っていればあっさり決着が着いていたのにライトはそれをしなかった。そして間合いを空けたのもエルトとの戦いを避けようとしたものなのは言うまでもない。 「お前はいつもそうだ。物の取り合いになればいつも俺に譲ってた。それでも皇帝か?」 (もっともセーナに関しては別だったがな) 内心で無粋なことを考えていたエルトだが、ライトは冷静に返す。 「当たり前だ。俺はお前に腕でも口でも勝つことはできないからな。俺は負ける戦いはしたくない」 謹厳な口調で情けない言葉を話すライトに、ついにエルトが吹き出した。 「それは違いない。だがここは戦場だ。同じ場に立てば剣を交えなければならないことはお前が一番知っているだろう。」 「騎士の宿命か。」 呟いたライトは再びシュヴァルツバルトを構えた。その瞳にはある覚悟が宿っていた。 「いいツラだ。色男と呼ばれるだけあるな。」 悪態をついたエルトが再び獅子の顔に戻った。そして機先を制して、一気に間合いを詰めて斬りかかった。が、ライトは何も抵抗する素振りを見せない。 (どういうつもりだっ!) エルトが心で叫ぶももはや攻撃は止まらない。だが親友の瞳を見ると、それが物語っていた。 (やはり俺にはお前を斬れない。) そしてミストルティンがライトを一刀両断にする刹那・・・。 「ライト様ッ!!!」 その絶叫と共に白き翼がエルトシャンを貫いた。急を聞いて駆けつけてきたセイラが己の力を振り絞った一撃をエルトシャンへ放っていたのだ。そしてセイラの槍は見事にエルトシャンの心臓を狙い過たずに突き刺していた。何が起きたのか分からないライトだが、 「陛下、大事ありませんか?」 と問いかけるセイラの言葉でようやく我に返った。 「セイラか・・・。」 己は死のうとしていたのだが、忠臣セイラの決死行で生かされ、己の命を断ち切ろうとしたエルトが今死の瀬戸際に立たされている。 「これで・・・いいんだ・・・。」 セイラの槍を強引に引き抜いたエルトがライトに静かに言う。 「お前が・・・セーナを幸せにするんだ・・・。いいか・・・、今度・・・今のような醜態を見せたら・・・天上から舞い戻って・・・今度こそ本気で・・・叩き切ってやるからな・・・。」 懸命に言葉を紡ぐエルトだが、やがて崩れるように落馬した。胸からは夥しい出血が止まらずに、もはや命はそう長くないだろう。 「ライト様・・・何か言葉を送られないのですか?」 何も喋らないライトに哀しい瞳を向けるセイラ。だがライトは何も言わない、目の前でずっと勝てないと思っていたエルトが果てようとしているのに、言えなかった。 「ふふ・・お前らしいな・・・・・・・・」 それがエルトの最期の言葉だった。セイラが憐憫の情を示して、これ以上、苦しまないように止めを刺したのだ。 好漢エルトシャン2世、その魂が蒼穹に飛んだ瞬間だった。 なぜライトはエルトに斬られようとしたのか。それはライトとエルト、セーナの複雑な関係による。セーナとライトは共にセティの下で育てられたのは周知の通りだが、すでにライトは幼少時からセーナに対して恋慕の情を抱いていた。しかも物心がつく少し前からである。しかし対するセーナはエルトに一目惚れしていた。セーナと過ごす時期が多いだけにライトは容易にその思いを悟ることができ、幾度かは本気でセーナを諦めようと思ったこともあった。だが、ある時を境に二人の関係が改まる時が来る。エルトの結婚である。これを知らされたセーナは人前ではエルトを祝福していたのだが、その夜、大泣きしていたことを偶然ライトは知った。これ以降、セーナがアグストリアに行く頻度はガクンと減りながらもあくまで『親友』として健気にエルトと接してきた。それを傍らでずっと見てきたライトは心を痛めていた。 やがてセーナもライトと結婚したが、もともとシグルド、セリスと多くの恋をしてきた一族の一人であるセーナはどうしてもエルトへの思慕を止めることはできなかった。5年前の大戦が終わり、ヴェルダンに侵攻したとはいえ中立勢力に属していたエルトにヴェルダンのほぼ全域を与えたことから見ても、エルトへの入れ込みようは半端ではないと言えた。 だからこそライトは己を消して、エルトとセーナを結ばせようと考えた。それこそが同じシレジアで『兄』として育ったライトに精一杯できることだと信じていたのだ。そのためにヴェスティア宮殿のライトの自室にはセーナのことを頼んだ遺書をエルトに宛ててしたためていたほどなのだ。だが奇しくもエルトの言った『騎士の宿命』に従って戦い続けたライの苦闘、セイラの奮闘によって自身は助かり、セーナのことを託そうとしていたエルトが討たれた。ライトは勝ったとはいえ、その心中に苦いものを残すことになったのは言うまでもない。 このヴェスティア決戦を機にライトは危惧すべき方向に向かうこととなる・・・。
https://w.atwiki.jp/punksidress/pages/364.html
■黒剣のクロニカ 登場人物: ■フラン コフ人 コフスス 奴隷と貴族の息子。 黒剣家の三男。 文字が読める。 8歳の時に、麦畑に放火し、農園を管理している奴隷=祖父を殺される。 その様子を、オウメスに見られている。 父はフォロタス 長兄ににトウメス 次兄にオウメスがいる。 友人に難民街にいるウラミ、ウラミの妹がいる。 恩師にジジウムがいる。 ダリスは再生。 ダリドは不明。 8歳の時に、麦畑に火をつけ、その責任によって、母方の祖父が処断される。 同じ頃に、父に母親を撲殺された。 13歳の時、オウメスの宿題をやることになる。 トウメスにコフ市の神殿に使いに出される。 15歳の時に家庭教師のジジウムと別れる。 トウメスからヤニア市に使いに出される。 トウメスの結婚の申し出を断ったヤニア家から、フランを婿候補に選ばれる。その事で、トウメスが激怒。追われる形でコフ市を出る。 ■根拠ログ 農園を管理している奴隷=奴隷頭=僕の母の父=祖父 p11 戦争をすれば勝つ国もあれば負ける国もある。母方の国は後者だった。 コフと戦争し負けた。 p14 僕の場合、父親は貴族だったが母親は奴隷だった。 p14 コフススからすると血というものは混ざらないものらしく、僕は貴族の子と奴隷の子、双方の扱いを受けることになった。 p15 父のいないところでは、バッタと呼ばれ蔑まれた。 バッタ、うまいと思うんだけどな p15 僕もそうだった。 八つまでは ところが奴隷の母が父に撲殺された。 p15 どういう内容であれ手紙は貴族の一大事、いいのかなあ、バッタと呼ぶような奴に こんな重要なもの渡して。あんたは知らないかもしれないけど、僕は酔狂な次兄のせいで 文字が読めるんだぜ。 僕はこの難民や難民街に暇を見つけては入り浸っていた。貴族の子なので平民の友達は できないし、奴隷の子なので貴族の子供とも付き合えない。 奴隷は僕に気を許せない。 でも孤独は嫌だと思えば、こういうところに頼るしか無い。 黒剣は関係ない。血筋だとしても母方だよ。 p186 僕は葡萄酒は好きではなかった。 p53 フラメスさま p69 若様ほどの美貌なら槍や弓で死ぬことはありますまい。敵は生け捕りをこそ望むでしょう。p144 皆びっくりしていました。すごい速度で怪我が治っていくので p224 僕の身体に何が起きたのか・・・ ダリスでしょ。 僕のダリスは分かった。 再生らしい。 傷の直りが速い。 p225 ■オウメス 10歳の時、フランの麦畑の放火を見ている金色の髪をした次兄 コフ市の黒剣家の次兄。 何人かの奴隷を持っている。 体格の良い奴隷はイタディスに殺される。 イタディスによると美少年を集めているらしい。 フランに対して性処理をさせることがある。、 ■根拠ログ 綺麗な顔をした、太陽神によくたとえられる金色の髪をした兄だ。 僕より二つ上で、この時10歳。 名をオウメスという。 光り輝くものという意味だ。 p10 兄は立ち上がって、帯を緩めると、自分の服をめくり上げた。 年齢不相応の大きな竿で、表面は赤黒く、美しい兄の顔とは全く違っていた。 「舐めろ。歯は立てるな。そしてこれからは、僕のものとして忠勤にはげめ。」p12 オウメスは肉を食べないのでこういう食事にp53 コフの実権はオウメスという人物が握りました 選挙を排して王政を敷くそうです。またすべての貴族は財産没収とか。 そっちは想像もしてなかった。 貴族抜きで平民と王様だけの国なんか聞いたことがない。 p225 これで兄が宿題をさぼるようなタマならどうにでもやりようはある気がするのだが「、ところがそうはいかなかった。 兄は兄で、きちんと宿題をやっている。 p13 頬杖をつきながら少し笑った。 家の中ではめったに笑わないこの男にしては珍しい。 オウメスが持っていた体格のいい奴隷が殺されて倒れていた。 「邪魔なので殺しました。」(イタディス)p84 オウメスの体格のいい奴隷 僕に嫌味を言ったりする人だったけど、命令されたとはいえ、怪我の治療もしてくれたんだよな。p84 「美女を集めるとかですか?」 「美少年でもよろしいが、オウメスのように」p92 ■トウメス 黒剣家の長兄。 十五で勇士と呼ばれ、十九歳(フランが13歳の時)にして既に数百人の戦士を倒しているという。 ダリスは、怪力。 ダリドは牛人。 フランが15歳の時は、おそらく21歳だと思われる。 優秀で、ほとんど外征をしているため、あまり家にはいないらしい。 ヤニアの小百合家の オルドネーに対して運命の出会いを感じているらしい。 コフとヤニアとの戦いで戦死する。 ■根拠ログ トウメスは、コフの勇者だ。 戦争のたびに大活躍し、齢十九にして既に数百人の戦士を仕留めたという。 貴族の子らしからぬ、最前線に立って戦うところから市民の人気も高いという。 ダリスは、怪力。 ダリドは僕も知らない。 p17 金壺眼で髪は銀髪だ。背は異様に高くて父に似ていた。 十五で勇者と呼ばれた彼は、今や多島海でも高名な勇士になっているp47 金の牡牛の兜をつけているのは、トウメスだろう。p162 牛人、それがトウメスのダリドだ。 p167 そもそも、普通に考えればトウメスは優秀だろう。 間抜けを出世させるために他国が 数百の首を長兄に差し出すとは思わない。 彼らは鉄貨一枚でも自国の損を許せない性質だ。 そいつらを数百も殺せているんだから、長兄は長兄で優秀だ、というわけだ。 長兄は外征ばかりで家にはほとんどいない。 それで居室の中には個人の人となりを 感じさせるようなものはなく、ただ使い込まれた鎧や楯だけが、個性らしきものを見せていた。 女の匂いもしないというのは、驚きですらある。何をしに帰って来てるんだろう。p28 長兄に貰った銀貨などは、僕と反乱難民が繋がる証拠になるはずだったんだろう。 所が、僕が帰りに難民街に寄らず、その後も難民街を避けていたせいで、あてが 外れたというわけだ。 あてが外れたのなら外れたで次の策に移ればいいのに、 トウメスは馬鹿なことに難民に戦争を仕掛けてしまった。p35 運命の出会いを感じたとは本人であるトウメス談話だ。 p59 ■ウラミ コフの難民街に住むフランの友達。カンナという妹がいる。 フランが13歳の時、15歳。 フランが13歳の時、トウメスが行った難民街の焼き討ちの際に死亡したと思われたが生きている。 トウメス死亡後は、黒剣家の家宰になった。 ■根拠ログ ウラミという僕より二つ上の人物だ、 母方の国の出なのだが、コフと母方の国が戦う前に難民として流れ着いたので奴隷化されることもなく、ここにいる。p23 ウラミは、浅黒い肌によく映える歯を見せて笑いかけた。p24 彼のダリスが医術方面で大変有用なせいだった。 p23 ウラミの妹は僕と同い年 p24 ウラミやその妹が地下の国で涼しくやっていますように p68 カンナはウラミの妹の名前だった。 p149 カンナは死んだのかp149 ウラミさまは生きています。 p150 難民による復讐です。p150 その指導者がウラミ コフの実権はオウメスという人物が握りました 選挙を排して王政を敷くそうです。またすべての貴族は財産没収とか。 そっちは想像もしてなかった。 貴族抜きで平民と王様だけの国なんか聞いたことがない。 p225 家宰の名はウラミです。 p225 ■カンナ ウラミの妹。 死亡したらしい。 ■根拠ログ カンナはウラミの妹の名前だった。 p149 カンナは死んだのかp149 ■イリューイリド 曇天神殿にいる神官の見習いの女の子。 ドリド(木の精)。 ダリドは、ドリド ダリスは人形使い。 水と太陽があれば休める。 夜は光がない為活動できないらしい。 松の木の妖精。 ■根拠ログ 次に私は、カンナの親友でした。p149 私=イリューイリド イリューイリドは、僕を睨んだ後、畳んでおいた服の中から木の人形を取り出した。 三体置いて 手をかざす。 木の人形が立ち上がって並んで踊っている。 私のダリドは、ドリド、ダリスは木の人形を操ることです。大きい人形も扱えますし、数千くらいなら すぐに扱えます。 まあ火に弱いのですけど・・・・・でも、兵士としてもなかなかの働きができます! p187 人形遣いのダリス イリューイリドは木の人形を自在に複数操れるんだよね。 はいっ ある程度数が揃ったら人形で人形を作ればいいと思うんだけど、それで鼠算的に数が増やせると思うんだ。 最初に20体あれば、四回作る時間で320になると思うんだけど。 イリューイリドは雷に打たれたような顔をしている。 なるほど。自分のものであろうと、ダリスの使い方を分かっていない 時はあるらしい。 p195 水と太陽があれば休めます。 p196 遅い夕食には、イリューイリドが姿を見せなかった。 夜には太陽の光がなくて活動できぬらしい。 p198 イリューイリドは頭から生えた大きな葉を僕にくれた。葡萄の葉に見えるが違う気もする。これで股間を隠して戦うことになったがp207 ■ジジウム フランが13歳頃から、黒剣家に仕えている家庭教師。 主にオウメスの家庭教師。 ■根拠ログ 二年と少し我が家に仕えてくれた。 オウメスの後ろに控えていた僕の先生。 人馬は博学だというけれど、ジジウム先生は特別に博学だった。特に海の生物について詳しい。 p38 ジジウム先生は、家畜全般に否定的なようだった。p39 ジジウム:私は東の生まれでね。多島海を包むアトランの車、さらにその東に接続する東大陸にある p42 知識や発見を、ただの知識や発見として、持っていることは、とても大切なのだよ。 世の平穏のためにね。 p44 人も精神も、穢れるとすればそれは自らの行いによってのみだ。 他の何を以ってしても、精神は穢れたりはしない。p46 ジジウム先生はなんと言ったか。 丸み帯びた世界の裏側でも人が落ちないのは、中心に何かがあって見えない力で万物を引っ張っているからだろう。 そう思ったら、身体勝手に動いた。 万物を引っ張る力を味方につけて、僕はトウメスの足元に体当たりした。 p220 厩舎を改造した先生の家、その前に先生が荷物を背負って佇んでいるのが見えた。 ■イタディス トウメスに代々仕える奴隷。 妻、息子、娘、孫が居り、それらは全員トウメスにより殺された。 フランに仕えている。 最終決戦でトウメスの心臓を執拗に剣で突き刺した。 ■根拠ログ 下を歩くトウネスの部下が口を開いた。元々は父がつけた古くから兄の部下で、武人らしい立派な体つきをしていた 年齢は50にも届こうとしていた。 名前はイタディスという p66 息子も妻も娘も孫も、よくもみんな殺してくれたな。坊ちゃん。俺がなくした家族の分だけ突いてやるから それまで死ぬんじゃないぞ。 p221 ■オルドネー ヤニア市の小百合家の姉妹の内の妹。 コフのトウメスに結婚を申し込まれたが断っており、代わりにフランと結婚することを望んでいる。 姉と相談し、水鏡を見ており、ダリドを得る。 ダリドは白い鳥。 フクロウ。 半分鳥半分人などではなく、完全に鳥というフランが言うには珍しい例らしい。 家宝の鏡を持っており、これを使うことでダリド、ダリスを得たようである。 ■根拠ログ ヤニアの当主は、死んでいる。 p97 ヤニアの当主は死んだのは2年前 それからずっと死を隠し通してきた。p97 おそらく彼女のダリスの力によるものだろう。 姉と一緒に妹も水鏡を見た可能性が高い。 ダリドもダリスも秘密にするのが世の習いだから教えてくれというのも難しいp137 オルドネーのダリド 鳥 p172 半鳥半人などではなく、完全な鳥だ。これは珍しい。 p172 見たこともない素材でできた鏡をオルドネーが出してきた。 小さい手鏡だが、金属を磨いた鏡ではありえないくらい、綺麗に僕の顔が映っている。 はるか昔に沈んだアトランティスの遺物か何かか。 p181 鏡に映る僕の姿がぐにゃりと歪んで、そして元に戻った。 p182 水鏡って、水じゃないの? ああ、神殿においてあるのは、そうですね。 これはうちの家宝なんです。 p182 ■イルケ ヤニア市の小百合家の姉妹の内の姉。 姉妹で相談し、水鏡を見て、ダリドとダリスを得る。 ダリドは人馬。 人馬になってから、食べているものは草が中心になっている。それまでは肉が中心だった。 貴族の子女の為、貴族とは、話が通しやすいらしい。 ■根拠ログ 人馬って一日に二時間寝ればいいの p94 ダリドが人馬だったの。 p103 (イルケの) 食べているものは大きな皿に山盛りの草だった。火も通していない。 この体になってから、こういうものが好きになったの 昔はお肉ばっかり食べてたんですよ。p126 イルケに頬を引っ張られた p141 イルケは貴族の子女なので話が通しやすい。 p204 粗末な細長い麻の布に穴を開け、頭からかぶって紐でまとめている姿ながら 槍を持っているところからして、戦士なのだろう。p69 栗色の髪は長く、馬の尻尾のように頭の後ろでまとめている。p69 イルケは格好が格好なので人前に出ないという。対外的な仕事はオルドネーがやるとのこと。 暇といえばイルケも暇だった。掃除や洗濯、湯浴みのお湯運びなど、奴隷にさせるような仕事も 彼女はやっている。 ■曇天神殿の神官 ウォホス コフの曇天神殿にいる松の木の神官 ドリド(木の精) ダリスは、木製品の出現で、でたらめなことに一部が木製というだけでも問題なく武器などを出現できる。 ■根拠ログ 見事な松の木が並んでいる。 p25 ドリドの神官は普段木の姿で神殿を守っているようだった。 p25 私は曇天神殿に使える神官 ウォホス p25 神官は、手なのか枝なのかを振るうと、次々と武器を出現させた。 空中に剣が、投げ槍が、槍が、楯が 次々と浮かんでは落ちて積み重なる。 p26 この神官のダリスは、木製品の出現で、でたらめなことに一部が木製というだけでも問題なく出現させることができるらしい。p26 ■四代前の黒剣当主 四代前の黒剣の当主 多島海最強の英雄といわれていた。逃げ足についても一であったという。 戦いは勝てる時にしか勝てない。が口癖だったようだ ■根拠ログ いやそうではなく、迷わず逃げると言ったのが潔くて面白かったのです。 今から四代前の黒剣当主がそういう感じの方でした。 多島海最強の英雄と言われて下りましたが、逃げ足についても多島海一で・・・・。 その人本当に英雄なのか なに称号は、他人が勝手につけるものです。 その方の口癖も、戦いは勝てる時にしか勝てない。だったそうです。 p108 ■黒剣家の兄弟の父 フォロタス フランの父親 貴族。 奴隷のフランの母を撲殺した張本人。 トウメスによって殺害される。 ■根拠ログ 奴隷の母が父に撲殺された。 僕が父の前で粗相したからだというが、それはとってつけた言い訳だと思う。p16 女奴隷に給仕させて、気に入ったらおっぱじめるような趣味を持つ父の子供とは思えないような質実剛健さだ。p52 もっとも父は、女目当ての戦争をやりすぎて軍費がかさみ、貴族としての力を落としてしまった。 今や黒剣家は中くらいの貴族に過ぎない。p59 私はコフスス、黒剣家のフラメス 父の名はフォロタス 兄の名はトウネス p120 父が情けない声を上げながら逃げるのが見える。 p215 ■フランの母 もともと太陽神を信仰していた都市国家にいたようだが、黒剣家、コフとの戦争に負け、奴隷としてコフに連れてこられた。 フランが8歳の時に、父 フォロタスにより殺される。 ■根拠ログ 戦争をすれば勝つ国もあれば負ける国もある。母方の国は後者だった。 コフと戦争し負けた。 二度と耕作できぬように畑には塩が撒かれ、国民は赤ん坊まで根こそぎここコフに連れてこられた。 国は滅亡し、今はコフの戦勝記念碑の中にしか名前は残っていない。p14 母方のもうなくなった国では、太陽神が最高神だった。p24 そういえば、貰った銀貨の中に太陽の刻印が打たれたものがあったな。p24 丈夫が一番、器量もよすぎては不幸になるだけだ。 僕の母がそうだった。 p72
https://w.atwiki.jp/vermili/pages/490.html
発言者:ギルベルト・ハーヴェス 対象者:アシュレイ・ホライゾン アヤルートにおけるギルベルト最後の言葉。 ギルベルト・ハーヴェスという男の内面が語られるアヤルート最終章『光輝に満ちろ、楽園よ/Elysian』において、 彼の理想(かつぼう)がシンプルに表現された最後に相応しい台詞。 師の命を賭した最後の教えを受けて剣士として急激に完成されていくアッシュに徐々に押され、 帝都からの命令により軍の指揮権も剥奪、共犯者のシズルも確保され援軍も見込めないという絶体絶命の状況に追い詰められたギルベルトは、 そこでもはやお約束とも言える意志の力一つでの理不尽な覚醒を果たし、自らの肉体が瓦解していくほどの化け物じみた出力上昇で再びアッシュを圧倒。 しかしついにギルベルトが最後の一撃を放った瞬間、アッシュの心臓に埋め込まれていたオリハルコンが戦いを見守るアヤの想いに共鳴し、当人も知らぬ間に極晃星獲得の条件を達成。 「向こう側」に去っていったはずの冥狼から冥界賛歌を借り受けることに成功。闇黒の滅奏は遍く光を打ち破り、ついに戦いは決着となる。 「ここで、極晃星(スフィア)の獲得……だと?」 「く、くふふふ、ふはははは……そうか、最後の最後に目指した上を行かれたか。ならばよし(・・・・・)ッ」 「すべては上か、それとも下か――そうともこれが在るべき秩序なのだから」 正しい方が勝つという理念を持つギルベルトは、かつて理念の食い違う英雄と戦って敗れた時に嬉々として野心を封印した時と同じく 極晃星を獲得したアッシュを「正しいので自分に勝った」上位の存在であると認め、 自らの理想とする"正しい世界の在り方"に即した決着に至福と納得の微笑を浮かべながら漆黒の夜空を仰いで沈んでいく。 英雄(ヒカリ)に焦がれ生きた男は、最後まで己の中に奉じる理想(ヒカリ)だけを見つめながら死んでいったのだ。 めっちゃ嫌味なインテリキャラっぽい見た目から最終的に「強い方が正義。お前勝ったから私より正義」っていう脳筋みたいな終わり方するところは実はけっこう好き -- 名無しさん (2017-03-07 23 01 52) ラストが墓じゃなければ相変わらず満足気に死んでいくなぁで済むのだが、ラストが墓なせいで何満足気に死んでんだこの糞眼鏡が...とここすら不快に思えるから困る... -- 名無しさん (2017-03-07 23 03 35) 「優劣しかない」世界を掲げるだけあって、自分が負けたら自分のほうが「劣」だとあっさり納得するあたりは清々しい -- 名無しさん (2017-03-07 23 05 01) 勝者こそが正義ね……アヤの能力にそっくりな大物っぽい小物な若様と同じ言葉だが、重みが違うな -- 名無しさん (2017-03-07 23 05 48) アヤルートのギルベルトの最期は割と好きだな -- 名無しさん (2017-03-07 23 07 20) 「強い方が正義」っていうシンプルな世界に生きてるから理想が食い違うはずの総統が糞眼鏡に信頼を置いていたわけだしな。勝者であるヴァルゼライドには100%従うということだから -- 名無しさん (2017-03-07 23 07 45) これに比べてグランドのお前みたいなモブに負けるのやだー!!の情けなさと言ったら...いや、キャラとしては間違ってないんだが... -- 名無しさん (2017-03-07 23 11 08) ↑グランドはグレイとアヤがスフィアに至ったわけじゃない(自分の力ではない)から糞眼鏡の価値観における優劣の付く敗北とは合わないし違いがよく示されてる場面だと思う -- 名無しさん (2017-03-07 23 15 05) どんな嫌味インテリメガネキャラかと思ったら(それは間違ってないが)最終的に強い方が正義だからな。ある意味意外性があったからアヤルートのギルベルト戦は面白かった -- 名無しさん (2017-03-07 23 16 35) 糞眼鏡は強いから正義ってわけじゃなくて、思いが強いほうが勝つ=極楽の正義だから面倒。 -- 名無しさん (2017-03-07 23 21 18) 糞眼鏡の理想に「優劣しかないじゃないか」と憤るアッシュに敗れて「すべては上か、それとも下か――そうともこれが在るべき秩序なのだから」と最後まで自分の中の「優劣」に納得したまま逝くあたり実に糞眼鏡(褒め言葉) -- 名無しさん (2017-03-07 23 24 58) ウラヌスみたいのに負けるのはやっぱ駄目なのかね? -- 名無しさん (2017-03-07 23 33 10) ↑駄目だろうけどそもそもウラヌスちゃんみたいタイプにこの手の人たちは負けないから問題ない -- 名無しさん (2017-03-07 23 35 47) 相性的にマルスさんには普通に負けそう -- 名無しさん (2017-03-07 23 36 13) まあ強さ議論は不毛だけど設定的には光の奴隷さんたちは理不尽に覚醒してあの手合には理屈抜きに結局勝つと思うぞ -- 名無しさん (2017-03-07 23 38 49) ↑流石に負けるんじゃね? アルカディア補正有りでも普通にブリンガーで再現した能力でボコられてたし -- 名無しさん (2017-03-07 23 41 56) ウラヌスちゃんにはなんか覚醒して勝ちそうだけれども、マルスさんには無理な印象。そしてあのシルヴァリオシリーズ屈指のよく回る舌で煽られそう。 -- 名無しさん (2017-03-07 23 43 42) 光の奴隷さん達は愛とか絆とかそういうもの持ってる相手にしか作中では負けてないからなあ。「マルスの能力」に負けても「マルスという人物」に負ける場面は想像できんわな -- 名無しさん (2017-03-07 23 44 46) それこそ本気おじさんなら地面が消失して真っ逆さまとか、糞眼鏡ならマルスが立ってる場所から数千数億の不可視の衝撃がとか、ぶっちゃけ「出力が意味不明なほど理不尽に上昇して勝つ」ならいくらでも思い浮かぶけどな。このシリーズの覚醒なんてそういう理不尽な便利な概念だし -- 名無しさん (2017-03-07 23 47 36) 糞眼鏡嫌いだから言ってる人が多い印象だけどシルヴァリオシリーズ全体の概念で言えば逆襲さんの反粒子以外は能力の「相性の良し悪し」で勝敗は必ずしも決まらんと思うぞ。結局意志力の比重が重すぎる世界だから -- 名無しさん (2017-03-07 23 52 30) でもそこまでいくと先に肉体の方に限界がきそうだがな。糞眼鏡は一回まだだしただけでボロボロだったし、おじさんはまさに自壊し負けわけだし -- 名無しさん (2017-03-07 23 56 17) 実際、「いいか、強さとは絶対値なのだ。他者との相関性で変動するものでは断じてない。」っていう糞眼鏡理論だと相性とかそういうのは強さを測るうえで考慮にいれちゃ駄目なんだろうな。生まれとか才能とかが誤差って理屈と同じで精神力の影響と比べると誤差だから -- 名無しさん (2017-03-07 23 58 07) ↑理論の基準を総統にするとまあ、そうだなと納得しそうになる不思議 -- 名無しさん (2017-03-07 23 59 34) 強さが絶対値だから相性でどうにかしちゃうタイプの滅奏は好きじゃないのかなと思ったが、この場面滅奏でやられるのは「お前が上だ」と受け入れてるよね。まあギルベルトにとって「(自分が獲得してない)スフィアを獲得した」って事実が一番重いんだろうと考えれば不思議ではないけど -- 名無しさん (2017-03-08 00 02 45) まぁ糞眼鏡にスフィア獲得無理だしな... -- 名無しさん (2017-03-08 00 04 58) 糞眼鏡の見た目から「勝った方が正しい。よってお前の方が正しい」なんて言い出すタイプのキャラだと想像できた人は絶対にいないと思う。そういう意味ではアヤルート終盤は面白かった -- 名無しさん (2017-03-08 00 07 16) その策士キャラなルックスでなに脳筋みたいなこと言い出しちゃってるのお前って感じだからなw >強いほうが正義 -- 名無しさん (2017-03-08 00 10 00) 糞眼鏡はメガネ策士系脳筋っていう新ジャンルだから -- 名無しさん (2017-03-08 00 14 35) ↑腐れ外道ホモも追加で -- 名無しさん (2017-03-08 00 18 39) キャラの濃さという点ではおじさんとヘリオスさんを遥かに超えてたよ... -- 名無しさん (2017-03-08 00 22 45) 決定的な所での差異はあれど価値観の多くが似ている総統はまだしも、何かもが対立しているアッシュ君にすら明確に超えられたら「ならばよしッ」で相手が正しいと納得できちゃう精神は好きだよ。糞眼鏡だけど。 -- 名無しさん (2017-03-08 00 27 48) 自分が殺される瞬間ですら「優劣」がはっきりしたことで喜ぶその突き抜けっぷりは好きだよ。頭おかしいけどな! -- 名無しさん (2017-03-08 04 09 27) 自分より正しいと思ってる人間を見たとき、例えそいつに殺されようと喜べる精神構造はさすが光の奴隷 -- 名無しさん (2017-03-08 07 37 37) 普通考え方の違う相手に負けて「負けたってことは相手の方が正しいんだな。ならばよし」って完全に割り切れる人間はなかなかいないと思うんだけど、糞眼鏡は何の疑問もなく嬉々としてその理論で自分の方が劣だと認められるあたり実に怖い(褒め言葉) -- 名無しさん (2017-03-08 12 17 57) 筋だのなんだの言ってる人がいるがこんな狂った考えから何を学べと言う?非生産的な徒労ではないのか?狂った考え怖えぇ!ではいかんのですか? -- 名無しさん (2017-03-08 13 00 15) 基本みんな筋は通ってるからここに限って言えばまぁかっこよく見えるよね。それはそれとして糞眼鏡の思想は論外、死ね。みたいな扱いな気がする -- 名無しさん (2017-03-08 13 03 05) 優劣しかないお前の理想なんて認めない!ってなってるアッシュ君からすれば勝てば糞眼鏡より正しいなんて思って戦ってはいないはずなのに負けたら勝手に「ならばよしッ」って優劣付けて満足しちゃう糞眼鏡さんマジ糞眼鏡 -- 名無しさん (2017-03-08 13 14 22) たまに光の奴隷が、強さと殺戮だけを求める戦闘狂っぽく思えるのはマルスさんのご高説のせいかな・・・ -- 名無しさん (2017-03-08 13 31 00) 「御大層な事を説いても、やってる事は俺と何ら変わらねぇんだもん。しかし俺より大量に殺してる分、より質が悪いんだからなぁ!」 -- 名無しさん (2017-03-08 15 37 59) アヤ√では至福と納得の中で死に、ミステル√では生き残り、レイン√では苦笑を浮かべる程度でグランドルートでは閣下と同じなら悪くない(スヤァ)。お前あんだけ糞外道行為しまくってたんだから1回くらい未練がましく悔しがりながら死ねよとプレイし終わったときに思った -- 名無しさん (2017-03-08 22 34 55) 光の英雄は折れない以上、絶望しながら死ぬってのはほとんど在り得ないからなぁ -- 名無しさん (2017-03-08 22 47 38) 糞眼鏡にとって全力を尽くしての敗北なら基本的に悔しがることではないし -- 名無しさん (2017-03-08 23 05 40) 最初に項目見た時、「騎乗位(うえ)か正常位(した)か」に思えてたじぶんは多分壊れてる -- 名無しさん (2017-03-09 01 29 15) ↑2グランドルートは割といい感じだったんだがグレイがヴァルゼライドと同じと指摘しちゃったからなぁ。でも指摘しなかった場合は無限に立ち上がってきそうだからタチ悪い -- 名無しさん (2017-03-09 22 39 13) ↑2なんて見間違いしてんだ。もうそうとしか見えねえよ畜生 -- 名無しさん (2017-03-10 00 26 59) 微笑が微小になってる。俺じゃ無理なので誰かやってくれないか? -- 名無しさん (2018-03-21 00 08 30) すべては光か、それとも闇か――そうともこれが在るべき秩序なのだから -- 名無しさん (2018-03-21 01 46 06) すべては高濱ァか、それとも正田かーーそうともこれが在るべきlightなのだから -- 名無しさん (2018-04-28 16 15 16) ↑にわか乙 -- 名無しさん (2018-04-28 20 54 56) ほんと公式HP行って過去作一覧見てこいって感じ -- 名無しさん (2018-04-28 22 31 17) もともと個体値主義だったのが心一つなりになったのもこの考え方が原因だよな。精神力で才能の壁を超えられたわけだし。 -- 名無しさん (2018-11-04 00 55 04) 勝ったものこそ正義、故にお前が正義だと負けて言えるキャラほんとすき -- 名無しさん (2018-12-10 09 18 47) 糞眼鏡「世界の涯て(エリュシオン)はここにある」 -- 名無しさん (2019-10-14 19 11 29) 他者から借り受けた力で倒されたらキレるけどな!! -- 名無しさん (2020-03-23 23 13 19) ↑だってあれ本人の実力じゃないし... -- 名無しさん (2020-03-24 14 02 14) ギルベルト「あなたと巡り会えたことだけで、とうに私は救われていたのです。アシュレイ・ホライゾンとの一騎打ちで負けたとしても悔いはない。ヴァルゼライド閣下、ありがとう! ありがとう!」 -- 名無しさん (2020-05-21 10 49 04) ↑死ねよ貴様塵屑だろうが -- 名無しさん (2020-05-21 11 08 08) ↑もう死んでる -- 名無しさん (2020-05-21 12 11 29) なんだよこれ。もう死んでるとか無敵かよ、クッソ腹立つわ -- 名無しさん (2020-05-21 12 12 29) 糞眼鏡「死んでほしかったのではないのかね?」 -- 名無しさん (2020-05-21 12 14 27) コミュ力も実力の一部なんだけどな。個人の絶対値しかみないから、そういう方向の力を認められないだけ。そもそも、閣下自体、自分に足りないものがあれば人に頭を下げて教えを請うていたんだぞ、糞眼鏡ぇ! -- 名無しさん (2020-07-11 14 31 31) いやアレはグレイがアッシュから恩恵受けて倒したからギルベルトの中だとアッシュの力になる。だから本編後だとアッシュを勝者と素直に評価してる。他人の力でも自分で借り受けた力(アヤルート、グランドルートのアッシュ)ならコイツは素直に認める度量はあるよ。 -- 名無しさん (2020-07-11 14 45 37) めんどくせえ性格してんな -- 名無しさん (2020-07-11 14 47 52) 成程、もらい物じゃなくて、自分で掴み取ったものなら他人の力での勝利でも認めると。貰い受ける事が出来る繋がりも力の1つだと思うけど、ギルベルトの思想的に認められないんだろうなぁ。 -- 名無しさん (2020-07-11 14 56 38) コネも力なんて理屈受け入れたら血統派の奴らもOKになっちゃうじゃん -- 名無しさん (2020-08-01 23 04 20) ↑実際血統派の事は塵屑ながら良くやったとしがみ付く努力自体は評価してたから、なんの努力もせずにゼファーとルシードの力借りてたからは?ってなってると思う。だからコイツは邪竜と大して変わらん -- 名無しさん (2020-08-01 23 07 43) 多分糞眼鏡からはあのときのグレイは神様からポンと力貰っただけの奴に見えていたんだろう -- 名無しさん (2020-08-01 23 11 19) 上か下かしかないから横が見れない -- 名無しさん (2020-08-01 23 48 59) まあ、実際話し合いって言っても、相手が気に入らないから力を貸す、みたいなやつ結構いるだろうし、コネ云々以前の問題な気もするが…… -- 名無しさん (2020-08-01 23 53 48) そもそもだがこの場面のアッシュも条件こそ満たしてはいるが完全なスフィア獲得ではなく借り物だけどそれはそれで「自力で借りた」お前の勝ちだよってなってるからな -- 名無しさん (2021-01-26 21 29 39) 糞眼鏡の理屈だと結果しか見ないからね… -- 名無しさん (2021-01-28 19 41 01) 独自のスフィアか既にあるものを借りたかという違いはあれど、どっちのルートもアッシュは紛れもなく自力でスフィアに接続している。グレイのはどう考えても自力ではないからリアクションの違いはギルベルト理論としては破綻してないな -- 名無しさん (2021-02-05 02 47 04) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hakarowa4/pages/257.html
命を捧げる ◆Ok1sMSayUQ 恐らくそれは、降って湧いた機会であると同時に覚悟を迫る最後通知であるに違いなかった。 見知った顔が空を飛んでいる。いや正確にはふわふわと浮いていると説明することが正しかったのだが、 『彼女』をよく知っている彼からすれば飛んでいる以外の何物でもないのだから、飛んでいるのだった。 「……」 その隣では、彼と行動を共にする少女がぽかんと口を開けていた。間違いなく、彼女にとっては理外の沙汰に違いなかった。 『彼女』をよく知る彼であるからこそ、あの行動は『彼女』らしくはあり、しかし馬鹿げている行動であり、 直後会場に響き渡った声と共に、彼に決断を促す材料になった。 息を吐いて、彼は当て所もなく動かしていただけの足を、はっきりとした意思を伴う形にして動かした。 行かなくてはならない、と思ったからだ。 「あれ」 「……うん、間違いない。カミュ様だ。らしいといえばらしいけど……危なっかしいな」 「そうでなくって」 グラァの苦笑に返ってきたのは呆れ声だった。偵察目的だろうとはいえ姿を発見されやすい上空に飛翔するのはいかがなものか……。 彼女も、ミチルもそう思っていたと考えていただけに、グラァは冷や水をかけられた気分になった。 「飛んでたんだけど」 「……そりゃまあ」 「いやおかしいから。人は空を飛ばない」 ミチルが腕を振り下ろす。手刀だった。幸いにしてそれほど痛くはなかった。 が、なんとなく叱られているような感覚ではあったため「ご、ごめん」と己に非があるわけでもないのにグラァは謝罪してしまっていた。 「説明。……と言いたいところだが……、あの人、知り合いか何かか」 「知り合いというか……護衛対象?」 言ってから、いや濁す必要などないだろうという己の声が聞こえてきたのだが、普段のカミュの姿を幾度と無く目撃しているだけに自信は持てなかった。 肩書を思い出す。オンカミヤムカイの第二皇女。紛れも無くやんごとなき血筋のお方である。しかしその実態は……。 「……護衛対象?」 「なんで二度言った」 再び手刀を振り下ろされた。幸いにしてそれほど痛くはなかった。 「とにかく、僕た……僕が守らなきゃいけない人達の一人だよ」 「……ふーん」 見ていた限りでは、カミュは誰かを抱えて飛んでいたように見えたが、そちらについてはグラァの知るところではない。 パッと観察した限りでは、女性のように見えた。カミュは人懐っこい性格であり、誰とでも仲良くなれそうなので意気投合したのかもしれない。 そこまで考え、今は戦の最中だよな、とその状況に疑問が浮かんだのだが、説得したのだと思うことにした。 「お前ってSPか何かなのか?」 「……えすぴー?」 「ガードマン」 「がー……?」 聞き慣れない単語の連続に首を傾げると、ミチルは難しい顔になってこめかみに指を当てた。ミチルの國では護衛役をそう言うのだろうか。 えすぴー。がーどまん。どちらかを選べと言われたら言葉の響き的に考えてがーどまんの方がまだ良さそうに思えた。 「軍人」 「……大枠だとそうなるかなあ」 その枠に当てはめるなら、オボロ軍団の弓術隊隊長……という事になるのだろうか。グラァにその自覚は薄かったため、やはり自分では護衛というのがしっくりくる。 弓と言えば、弓が手元にあれば良かったのにと今更ながらに思う。弓があれば、対応して矢を上空に打ち放ち、合図のようにすることもできたはずだった。 弓と矢の調達は優先すべきかもしれない、と頭に入れたところで、とりあえずの納得を得たらしいミチルの目と目が合う。 信じられない……。と訝るような目だった。侮られているとは思わなかったが、体格が小さめなのでそう見られるのは仕方のないことではあった。 実際、上背だけ考えてもグラァは僅かにミチルよりも低い。 「これでも実戦経験は豊富に積んでるつもりだから」 「実戦……」 だが、これでもグラァはトゥスクルの中でも最古参のうちの一人にあたる。弓を用いての中距離支援が主な任務だとはいえ、 嵐のように矢が飛び交う戦場では流れ矢に当たって戦死というのも少なくない。戦いの中で、弓を使えず近距離戦闘をしたこともある。 戦場では安全な距離など存在しない。剣を交える距離で、矢が降る距離で、それでもグラァは生き延びてきた。その実績と実力は、多少は結びついているはずだった。 「人を殺したことが?」 「あるよ。周りはいつも戦だらけだったし」 「……当たり前のように言う」 そのつもりで言ったのだが、多少なりとも怯えた雰囲気がそこにあれば、期待していた答えではなかったらしい。逆を言えば、ミチルは戦のない國で生きているということなのだろう。 戦が起こらず、人を殺めなくてもよい國。それはトゥスクルの皇ハクオロが目指している理想であり、グラァには不可知の領域であり、 違うのだな、という感想に行き着くだけだった。 羨望も、嫉妬もなかった。言葉通り生きている場所が違う。トゥスクルでさえ、非戦闘員であっても戦に巻き込まれる例に暇がない。 略奪の横行、家を失くした民が野盗になる。その手の話は吐いて捨てるほどどこにでも転がっていて、グラァ自身もそうした環境の中から生まれてきた。 それが当たり前だったから、ない、というものを想像もできなかったのだった。 「じゃあ、グラァの守りたい人が誰かに襲われたら……やっぱりその誰かを殺すか?」 「それは、そうすると思う」 「……敵だからか?」 敵。これ以上ない程に分かりやすく示された単語に、しかしグラァはすぐ頷けなかった。 その一語を飲み込んでしまえば、敵だと見做したもの全てを殺してもいいのだという考えが働きそうな気がしたからだった。 最初に出会った己の半身にも等しい存在が、「若様以外の全ては必要ない」と見做していたように……。 ではどう答えればいいのか。戦だから? それではドリィと同じだ。そうではないはずだ。 ドリィと対峙することを決めたとき、ドリィの考えは分かっていながら首肯しなかったのは、敵だから、戦だからであるということを超えたなにかがあったからだ。 それを口にしようとして――、遮られた。 『これから、この放送までに命を落とした者達を告げる』 * * * 内容を信じるなら、それは最悪の一言に尽きた。 先ほど目撃したカミュの姉――オンカミヤムカイの第一皇女たるウルトリィ、トゥスクル皇ハクオロの実質的な親族に近いアルルゥ、 ……そしてグラァの主であるオボロの、その妹君であるユズハが命を落としたらしい。よりにもよって、としか言い様がない。 いずれも戦闘能力が低く、戦ともなれば真っ先に命を落としかねない人物ばかりで、誰かが護衛についていなければこうなるだろうという予感はあった。 直接的な責任はないとはいえ、守るべき対象を見つけられないままこの時を迎えてしまったことは、グラァには痛恨事であった。 まずいのは、今の通達で影響を受けるであろうカミュがどのような行動を起こすか予測できないことだ。 通達はなされたとはいえ、にわかには身内の死を信じたくないというのが人というもの。事の真意を確かめようと動きを早めることもあり得る。 そうなってしまえば合流はますます困難になる。今だからこそまとまって行動することが必要なはずなのに、離れられるとさらなる死を招きかねない。 合流しなければ――。そう考え、ミチルにも促そうとしたグラァだったのだが、変化は既に彼女にも起こっていた。 「うそ……よっち……このみ……?」 一目ではっきりと分かる、色をなくした表情。力なく垂れ下がる両腕。それはグラァにとって飽きるほどに見慣れた光景でもあった。 焼ける家。血を流し、倒れ伏したままの大人の側で、その子供がひたすら体を揺さぶっている。着の身着のままで、ガリガリに痩せ細った老女が定まらぬ足をふらふらさせている。 戦が起こる場所ではよく見かける光景だ。彼らは一様に、今のミチルのような表情をしているのだ。まるで禍の神がそうしたかのように皆精気を抜かれたようになる。 『親友なら、いるけど』 少し話したとき、ミチルがそう言っていたのをグラァは思い出す。呼ばれたのだ。よりにもよって、とグラァは二度目の感慨を抱いた。 付け加えなければならない。大切なものを失った人は、二種類に分かれる。目の前で起こったことを信じられず、泣き叫び、怒り狂い、目の前を否定しようとするもの。 もうひとつは、まさに眼前のミチルがそうなっているように、一切の気力を削がれて虚ろとなるもの。 ……そして両者に共通するものもある。 それは、こうなるとしばらく人間としては使い物にならなくなることだ。 まともな判断、まともな行動、一切合切が期待できない。民草に関わらず、兵士の間でもよくあることだった。 グラァが経験則として覚えたことの一つに、こういうものがあった。 そうなってしまった奴は捨て置いた方がいい。構うと余計な傷を追うどころか、致命傷にだってなりかねない。 錯乱した奴の処置は自分が責任を負うところではないし、領分でもない。戦士の役割は敵を倒すことだ。だから、自分にはどうにもならないから捨て置く。 ただ戦い続けてきたグラァの、それは鉄則にも等しいはずの経験則のはずだった。 こうなってしまったからには仕方がない。連れて行く価値を失くした人の処置は自分の預かり知るところではない。 ――では、それでは、敵とは何だ? 捨て置いて、誰を殺しに行く? 彼女は……誰が守ってくれる? 戦を知らない彼女を、誰が。 離れれば、ふたりだったものはひとりだ。誰も助けてなんかくれない。 「……しっかりしろ!」 グラァは、ミチルの肩を揺さぶった。刻がその間にも過ぎてゆく。彼女よりもよほど近しい人がすぐ近くにいて、探さなくてはならないのに。 それでもグラァは、ミチルを一人にすることができなかった。理屈では辿りつけない正体不明の感情に突き動かされて、グラァは正気を呼び戻すように怒鳴った。 優しい言葉なんて分からない。慰める術なんて分からない。ついこの間までただの戦士でしかなかったグラァは、感情に任せて動くことしかできなかった。 「このままでいいのか! このままだと、死ぬぞ! 何もできないまま!」 「あ……」 怯えた視線がグラァを射る。先程とは全く別種の、虚無の底でうずくまりたい彼女の意思がそこに見える。 見たくない。見させないで。憶測でしかないが、そういったものを含んでいた。 知った事か。吐き捨てて、グラァは耳を塞ごうとするミチルの両腕を掴んで言葉を続ける。 「目を閉じて耳を塞いだらそこまでだよ……!」 「そんなのは……っ!」 分かっている、とでも言いたげに掴む腕を振り解こうとしたが外れない。外さない。 細腕に似合わぬ相当な力に一瞬たじろぐ挙動を見せたミチルだが、雰囲気は変わらなかった。 むしろ、グラァを忌々しく思う感情が上乗せされたようで、下唇をぎりっと噛んで「分かるもんか」と震える声で抵抗する。 「人を殺すのを当たり前にしてきたお前に……しん……」 そこまで言い、後は言葉にできなかったミチルは、打って変わって途方に暮れたような表情となってうなだれた。 親友を失った私の気持ちが分かるもんか。類推するに、そういうことを言いたかったのだろうとは伝わる。 言い淀んだ理由までは分からなかったが、少なくとも発せなかったのは、彼女がやさしいからなのだろうとグラァは思った。 恨み事すら満足に吐けないやさしさ。きっとそれは彼女だけが持ちあわせているものではなく、彼女の國に住む人に基本的に備わっているものなのかもしれない。 「……僕は、敵を殺しに来たんじゃない。君を、ミチルのような人を守るためにここにいる」 「なにを……」 「『敵だから殺すのか』……。その答え。敵と見たら殺して、そうでなくても邪魔なら放置して、それじゃあいつと変わらない……」 ミチルと視線を合わせる。うなだれていたので腕を拘束しつつ見上げるようなおかしな格好になってしまっているが、この答えだけは正面から伝えなくてはならなかった。 命令ではなく、大義名分のもとにではなく、己自身で考え出した答えだった。 「僕は確かに、殺すことを何とも思ってないけど……。誰のために命を使うかは僕が決める。多分、これは、命令でも変えられない」 「……なんで、私なんだ」 「なんで……?」 「よっちもこのみもいなくなって、もうどうすればいいか分からない私に、何の価値があるんだ。私より大切な人だってグラァにはいるだろう……?」 それでも、私を守りたいって言うのか。途方に暮れたままの、親を失くした子狐のような瞳がグラァを見据える。 確かに、それはそうだ。ミチルは出会って間もない上、重ねられた恩の数で言えばオボロにも遠く及ばない。 グラァの知る価値観で言えば、ミチルの順位など下から数えたほうが早い位置でしかないのだろう。 「……でも、ゆっくりいこうって、言ってくれたから」 きっと一人のままであれば。やっぱりあの時言われたことは正しかったのではないかと思い、敵は誰なんだ、殺すべきは誰だと考えていたのかもしれない。 ミチルがそれを押し留めてくれた。ミチル自体に価値はなくとも、彼女はグラァの価値観を変える切っ掛けになった。 「無理は良くないって、言ってくれたから」 グラァがそう言うと、ミチルは目を見開き、やがて何かを悟ったような顔になって「酷いことを言う……」と呟いた。 「そんなことを言われれば……立ち上がるしかなくなる……」 殺し文句だ、と付け加えられた。グラァ自身にそこまで気障なことを言った覚えはなく、ミチルの声に戸惑うしかなかった。 「離して。もう平気……、それに、近い」 「あ、ああ……」 言われてみれば、両腕を拘束した挙句に息のかかる距離まで近づいて話していた事実に気付き、グラァは慌てて手を離して距離を取った。 もしかすると、状況があまりにも気障なのではなかったか? 思い返せばそんな気がしないでもなく、グラァは赤面する思いがこみ上げてくるのを感じた。 「……そっちが照れてるのはおかしい」 「い、いや……」 言葉に出来なかった。それを見て取ったミチルが、苦笑混じりではあるが表情を崩す。 色が戻った彼女に安心する思いが生まれないではなかったが、それ以上に落ち着かなければいけないのは自分だと言い聞かせ、 グラァは染まりかけた顔を二、三度叩いて仕切りなおすことにした。 「……本当にもう大丈夫? 僕についてこれる?」 「平気……。そっちこそ、私についてきていいのか?」 一瞬首を傾げたが、合点がいった。ミチルを守ると言ったのだから、形式的にはグラァがミチルについていくということなのだろう。 もちろん彼女だって本気でそう思っているわけではないだろうが、一歩先に進むための、それは儀式のようなものなのかもしれなかった。 「うん。僕が君を守る」 だから簡潔にそう言ったグラァだったが、あまりに真っ正直に言ったからなのか、ミチルは少し戸惑い、それでも嫌ではなさそうな微妙な表情になった。 慣れていないのかもしれない。 「……やっぱり、殺し文句だ」 ぼそりと、返事なのか独り言なのか分からない言葉が来るだけだった。 【時間:1日目午後18時00分ごろ】 【場所:C-6】 グラァ 【持ち物:ベナウィの鉤槍、水・食料一日分】 【状況:健康。守れる人を守る。17 30ごろC-5上空に見えたカミュともう一人に合流する】 山田ミチル 【持ち物:コルト ガバメント(9+1/9)、.38Super弾×54、水・食料一日分】 【状況:健康。グラァについていく】 146 心を捧げる 時系列順 148 遭遇は光の中で 146 心を捧げる 投下順 148 遭遇は光の中で 115 風は秋色 グラァ 000 [[]] 山田ミチル
https://w.atwiki.jp/chaos-blade/pages/97.html
過去最大級の開催期間と13→14階と14→15階の脅威の昇格ポイントでプレイヤーの心をへし折った悪名高いイベント。 13→14階で1枠解放に1億ポイント、2枠解放まで2億5千万ポイント必要であった為、「明日は1.5億からスタートかな?」と言っていたら14→15階は3億ポイントで1枠が解放されると言う鬼畜っぷりを見せた。 ・・・そんな中、一人の勇者(自称)が立ち上がり、『運営さんと喧嘩してくる』の迷言と共に1人で3億ポイントを稼ぐと言うキ●ガイじみた行為を見せ、ギリギリの所で【最上階到達者0人】と言う不名誉な記録を打ち消したのでした。 最上階のストーリーを見た勇者(自称)はストーリーに絡んでこないそのくだらなさにその場で崩れ落ちたと言う。 (記者:その時のキ●ガイ) 1階のストーリー + ... プレイヤー 鈴門(スズカド)家からの書状ですか?すずかどすずかど……心当たり無いですね ひまり 鈴門は退魔師の一族じゃな、規模は小さいがその歴史は古く一騎当千の兵が揃うと聞く プレイヤー 退魔師からの手紙って、要するに果たし状か何かですかね ひまり その調子だと分かっておらぬようじゃが鈴門とわしらは切っても切れない縁がある プレイヤー え?初耳どころか寝耳に水の勢いなんですが、何で退魔師と仙狐が? ひまり エリカじゃ、奴の両親の馴れ初めは覚えておるか? プレイヤー 確か、常闇王とそれを退治に来た女退魔師がって……ああ!もしかして ひまり うむ、エリカの母が鈴門の出身となる異常、わしらはある意味親戚じゃな プレイヤー 軽く目を通しましたがどうやら救援要請の類のようですね、相手は鬼道衆のようです ひまり ほう、ちょうど武田信玄の奴もこの地を訪れておるし、武田にも力を借りるとしよう 2階のストーリー + ... 望月千代女 御館様の命を受け推参した望月千代女よ、よろしくね狐のお殿様 プレイヤー 貴方が信玄さんの仰っていた援軍ですね、こちらこそよろしくお願いします ひまり その格好、縁や紫と同じく戦巫女の出か? 望月千代女 いいえ、私は武田の歩き巫女の頭領をやらせてもらってるの ひまり その肩といい、胸といい、つくづく巫女とはお色気溢れる職業なのじゃな 望月千代女 巫女と一口に言っても色々あるのよ、私達はどちらかと言うと忍者寄りだしね ひまり そう言えば、先日ここに来た千鳥も確か歩き巫女と名乗っておったな プレイヤー 僕も時々お話を伺ってましたね、格好は普通の巫女服でしたが 望月千代女 装束は任務の内容で変わるのよ、直接戦闘が主じゃないなら普通の格好が多いわね ひまり と言う事はあの千鳥も千代女の様な格好をする時があるんじゃな プレイヤー …… ひまり おい、おぬし今想像しておったな?それも高い再現度をもって プレイヤー そんな事は滅相もございませんですことよ!? 望月千代女 あら、そんなに見てみたいなら千鳥に着せてみる?頭領権限で プレイヤー 知の好奇心と言うか気の迷いというか、そういう話なのでもう触れないでください 3階のストーリー + ... エリカ お母様の故郷が滅ぶなどわらわは考えとうも無い、どうか助けてやって欲しいのじゃ プレイヤー 勿論ですよエリカさん、退魔師とは言え親戚の危機となれば全力を尽くします エリカ お母様からはこの名を始め、色々な物を貰っておるのじゃ……頼んだぞよ プレイヤー エリカさんは母上が名付けていたんですね エリカ うむ、お母様がエリカでお父様はジュヌヴィエーヴじゃ、共に良き名じゃ プレイヤー じぬえいぶ?そう言えばエリカさんの本名を伺った事が無いですね、長すぎるとかで エリカ 毎回毎回聞き返されて疲れ(て)しまったのでな、ここではエリカとしか名乗っておらんのじゃ プレイヤー 今更ですが本名を教えてもらってもいいですか? エリカ うむ、わらわの本名はエリカ=ジュヌヴィエーヴ=エル=ノワール=バルバストスじゃ! プレイヤー 長っ!しかも全く聞き覚えの無い単語だらけですね エリカ 身分が高い者はその名を直接呼ばせないため、通称のような物を名に含むのじゃ プレイヤー なるほど、分かったような分からないような エリカ お主達の言葉に直すと「バルバストス家の黒い彼女、エリカ=ジュヌヴィエーヴ」じゃな プレイヤー 余計に混乱が深まってきたので、やはりエリカさんはエリカさんと呼ばせて頂きますね 4階のストーリー + ... バサラ 逆らう奴は皆殺しだよ!もっとも……降伏に応じる気なんてのは持ち合わせてないがね! プレイヤー こんな事をして何の意味が!これが貴方達鬼道衆の求める理想の世界ですか? バサラ はあ?理想だなんだを振りかざすのはアタシの仕事じゃないよ バサラ アタシは余計な物をぶっ壊す地ならし役でね、その後に何をおっ立てるのかは興味ないよ ひまり 柳生と同じく戦いこそが目的と見えるが、こ奴の場合は少々性質が悪いな バサラ 柳生だぁ?あんなお高く止まった野郎とアタシを比べるってかぁ!?気に入らないね バサラ そもそも今回の作戦だってアタシ一人で事が足りたんだ……そいつを今、証明してやる! ひまり あの槍は……行(い)かんぞ!皆の者、奴の持つやりには注意を払え! バサラ アタシは鬼道四傑が一人、鬼牙のバサラ!心ゆくまで楽しませてもらうよ! 5階のストーリー + ... ひまり やれやれ、魔刀がおらず楽が出来ると思えば新たな敵の出現とはな プレイヤー 新たな鬼道四傑が登場ですね、その名に恥じぬ実力の持ち主でした ひまり 恐るべしはあの槍じゃ、わしの時代では既に失われていたあれは現存しているとはな プレイヤー 確かに凄い力を持つ槍でした、あの槍は何なんですか? ひまり 海王槍 綿津見(ワダツミ)と言ってな、魔刀に劣らぬ力を秘めた魔槍とも呼べる代物じゃ ひまり 代償として自らと深き絆を持つ者を生贄として捧げる事で、真の力を発揮すると言う プレイヤー え!?じゃあバサラはもう既に ひまり うむ、あの力を見る限りだと既に代償は支払い済みのようじゃな プレイヤー 槍に力を与える為に絆が深い人を生贄に捧げるなんて……僕には理解出来ません ひまり それでも現実は見据えねばならん、我らの相手がどのような手合いなのかをな 6階のストーリー + ... ひまり しかし、武田に鬼道衆にわしらにと、四天王的な物はどこの組織も抱えているのじゃな プレイヤー うちは明らかに後追いですけどね、そもそもまだ三人ですし、四人揃ってませんし ひまり 以前より我らと争っているのが鬼道四傑、鬼剣の柳生十兵衛 プレイヤー そして今回増えたのが鬼道四傑、鬼牙のバサラですね ひまり うーむ……鬼剣、鬼牙…… プレイヤー どうしました?そんなに考え込んで ひまり やはりかっこいい、やりおるな鬼道王! プレイヤー (すごくどうでもいいけど言い出せない、こんなに目を輝かせているなんて……) 7階のストーリー + ... ひまり またもや柳生十兵衛か、そろそろ奴の攻略を考えねばならぬ時期じゃな プレイヤー そうですね、こう何度も苦しめられる以上は根本的な解決が必要ですね ひまり あの手の心を閉ざした者は小動物を可愛がる傾向が強いと思うので、それを起点としてな ひまり 過去、心に負った傷を二人で乗り越える展開に誘導すれば落とせそうじゃが、どうじゃ? プレイヤー 攻略ってそっちの……そもそも心に傷を負っている事が何で確定してるんですか ひまり まあ、単に打倒するのではなく仲間に引き入れる事が出来れば一石二鳥じゃろ プレイヤー 結局それが最上の策ですよね、魔刀の皆さん然りの話ですし ひまり 確か、天草四郎が柳生の過去を知っておったはずじゃな プレイヤー ええ、天草さんが昔起こした乱で対峙した事があるとかで ひまり 決まりじゃな、奴に柳生十兵衛を説得させて寝返らせるのじゃ! プレイヤー 話は通してみますけど、そんなとんとん拍子で行きますかね…… 8階のストーリー + ... バサラ クソッ!雑魚共は使いものにならないし、柳生は何考えてる(か)分からないし……腹立たしい! ひまり 多勢に無勢との言葉もある、ここは大人しく退散しておかぬか? バサラ オイ……何でアタシが負けたみたいな話(に)なってんだよ!ざけんじゃねえよ! プレイヤー ですがそれも時間の問題でしょう、戦況はこちらに傾きつつあります バサラ ……ああそうかい、そこまで言ってくれるかい、だったらこっちも考えがあるよ ひまり 今更策を弄した所で状況は覆せぬ、諦めてこの地より立ち去った方が身のためじゃぞ バサラ 策だと>そんな小難しいことなんてはなから頭に無いよ、ちょっと本気を見せてやるだけさ バサラ ククク、次に会うときは面白い物を見せてやるよ!首を洗ってまってるこったね! プレイヤー 取り逃がしましたか、でもこの調子なら何とか押し返せそうですが……ひまり様? ひまり ん?ああ、すまぬすまぬ、奴の言葉をが少し気になっての プレイヤー 劣勢に立った者の決まり文句じゃないですかね、本気を出すとか出さないとかは ひまり だといいんじゃがあの綿津見の力は未だ不明な部分が多い、油断は禁物じゃな 9階のストーリー + ... バサラ これで形成逆転だなぁ?今までの威勢はどうした! プレイヤー まさか龍の力を憑依させるなんて、こんな力はデタラメ過ぎますよ ひまり あれは憑依ではなく無理やり獲り込んでいるだけじゃな、おそらくは綿津見の力であろう バサラ 力の出所なんて何だっていいだろうさ、そんな話よりアタシを楽しませな! プレイヤー くっ、腕でなぎ払うだけでこれですか……どうしましょう?ひまり様 ひまり どうするもこうするも、己の力を信じて立ち向かうしか無かろうな プレイヤー 分かりました、要するに作戦は無いので当たって砕けろ作戦ですね ひまり やかましいわ!どの道あの力には小細工など効くはずもない、正攻法で行くぞ バサラ いい目をするねえ、そんな決意に満ちた目が歪んでいくのがたまらないのさ! 10階のストーリー + ... 天草四郎 話は理解した俺も柳生とは腰を据えて話をして見たかった所でもある、引き受けよう プレイヤー ありがとうございます、身の危険を感じた時はすぐに撤退してくださいね 天草四郎 あの島原での巡り合わせも偶然では無く、我らが神の計らいであったのかもな 細川ガラシャ 私達の祈りがあの方に届けばいいのですが……天草様、ご武運を プレイヤー ガラシャさんも普段の元気が無いですね、やはり柳生十兵衛さんの事が気がかりですか? 細川ガラシャ はい、天草様から島原での事は良く伺いますがその時に柳生さんの事も…… プレイヤー もしかしたら、僕達と共に行動してくれるかもしれませんので プレイヤー その時はガラシャさんの明るさで柳生十兵衛さんを照らしてあげてください 細川ガラシャ そ、そうですよね!はい、適材適所の心意気で私も頑張ります! 11階のストーリー + ... 柳生十兵衛 貴様は確かあの乱の……!死んだはずではなかったのか? 天草四郎 亡霊ではないから安心しろ、諸事情あったが今はこうして健在だ 柳生十兵衛 昔話に花を咲かせに来たなどと抜かせんぞ、さあ、構えろ! 天草四郎 以前は「戦の場を求めての行為であり力無き者を屠る趣味は無い」と言っていた前だ 天草四郎 それが何故、無差別な殺戮を行う鬼道衆などに肩入れするのだ? 柳生十兵衛 俺が進む道は元より怨嗟の悲鳴が鳴り止まぬ呪われた道だ、本質は何も変わらん 天草四郎 悲鳴を上げているのはお前自身ではないのか?柳生よ 柳生十兵衛 俺が悲鳴を上げているだと!?馬鹿を抜かせ、俺は…… 天草四郎 全てが納得の上であれば俺も口は挟まんが、未練と迷いの影が見え隠れするなら話は別だ 天草四郎 神父の真似事をやっている身としても、迷える者が居るなら救わねばならんだろう? 柳生十兵衛 俺には……俺には救いも、安寧も、祝福も、全ては無用!求めるはただ一つ、最強のみだ 天草四郎 語るべくは語った、以後の想いはこの件に乗せよう……行くぞ! 柳生十兵衛 貴様の屍を積みあげ、また一つ俺は頂きへ近づくのだ! 12階のストーリー + ... ひまり 柳生の件、どうやら説得は失敗のようじゃな 天草四郎 まあな、だが奴と直接話をしてみて分かった事がある プレイヤー なんでしょうか? 天草四郎 奴は己の進む道に迷い苦しんでいるが、それを鋼の精神力で無理に抑えつけているだけだ 天草四郎 心より流れる血の涙を無視し、進む道に謝りはない、この道が剣の道だ、と頑なに進む 天草四郎 それが今の奴、柳生十兵衛……願わくばこの手で救いたいものだ ひまり なるほどのう、心の何処かで過ちに気が付きつつ、かと言って引き返せぬ状態か プレイヤー それまで積み上げて来た物の全てを否定する事になりますからね、難しい問題です ひまり 言葉で奴の心をこじ開けるのは難しかろう、かと言って争いの末にも希望は見えぬ ひまり 道に迷うと言うならば、その手の専門家を見つけるしかないのかもしれんな プレイヤー 心の道先案内人のような方ですか? ひまり うむ、心当たりもあるがそう易々とは捕まらん者ではあるな プレイヤー なるほど、分かったような分からないようなひとまえずは目の前の問題を片づけるしか無さそうですね 13階のストーリー + ... 武田信玄 どうやら励んでいるようだな プレイヤー 信玄さん、今回も協力を買って出て頂きありがとうございました 武田信玄 礼には及ばん、俺も俺の部下共もまだまだ暴れ足りん程だ 武田信玄 お前達が更なる力を見せるなら俺はそれに答え、更なる助力を約束しよう プレイヤー ありがたいです、今回も信玄さん達の協力が無ければどうなっていた事か…… 武田信玄 鬼道衆なる連中は人間界でも再び動きを見せている、今後も警戒が必要であるな プレイヤー ええ、人間界と妖魔界を同時に、それも何か所も攻撃している連中ですしね 武田信玄 未だ組織の全容が見えん君の悪い連中だが、腰を据えて相手をすれば勝てぬ相手ではない プレイヤー こうやって一つずつ堅実に返して行けばいずれは、ですね 14階のストーリー + ... 伝令狐 沙耶 鬼道衆なる敵組織も我らが目的の達成には逆に都合が良く…… 伝令狐 沙耶 仙孤の陣営も幾多の実戦を繰り返す事で磨かれ…… 伝令狐 沙耶 今は頼りない足取りながらもいずれは対抗戦力が…… 伝令狐 沙耶 っと、若様が忍び寄っていないか確認!よーし、大丈夫です 伝令狐 沙耶 これだけ話が上手く運ぶと鬼道衆もあの方が手引きしてるんじゃ、とか思ったり? 伝令狐 沙耶 まあ、黒幕が父親なのも朗読であれば面白い題材なんだけどね…… 伝令狐 沙耶 さてと、無駄口叩いてないで方向(報告)書をちゃっやとまとめないとね 最上階のストーリー + ... 剛腕狐 頑鉄 坊っちゃま!坊っちゃまはおられますかな プレイヤー だから坊っちゃまは恥ずかしいから止めてください、若殿でお願いしますって 剛腕狐 頑鉄 では若殿、この頑鉄次こそは次こそはと出番を待ち望んでいたのですが 剛腕狐 頑鉄 やはりこのタイミングで出て来る以上、今だ時期尚早との事でしょうか? プレイヤー 残念ながらそうですね、前回から1カ月が経過していますが プレイヤー まだその、誰このおっさん?なる声が聞こえてくる気がしますね 剛腕狐 頑鉄 ですが、進軍7章も無事追加された事ですし、おそらく俺の流通量も…… プレイヤー だといいですね、そうなるとこんな楽屋トークも無くなるので願ったりかなったりです エピローグ + ... ひまり 柳生十兵衛の件はひとまずわしに預けておけ、策が無い事も無い プレイヤー よろしくお願いします、早くあの方を救ってあげたいですね…… ひまり あの男が救いを欲しているのが嘘か真かはまだ分からんが、任せておけ プレイヤー そういえば、すばるさんのその後はどうなんでしょうね? ひまり 安倍とわしらで協力し情報を集めているが、何も引っかかってこんのじゃ ひまり これは明らかに不自然じゃ、何らかの事故に巻き込まれた可能性が高いじゃろう プレイヤー …… ひまり そう気を落とすな、柳生の件もすばるの件も最後には丸く収まるじゃろう ひまり おぬしはそうやって、ここまで進んで来たんじゃろ?少しは自信を持たんか プレイヤー そうですよね、終わり良ければ全て良しと言う事で、気持ちを切り替えます ひまり (しかしすばるが気掛かりじゃ……妙な事に巻き込まれてなければ良いが)