約 48,005 件
https://w.atwiki.jp/vs-wiki/pages/282.html
SG/042 C さくら&エリカ/花咲く乙女 女性 パートナー さくら&エリカ/花組隊員 女性 レベル 1 攻撃力 2500 防御力 4000 【帝都最大の危機に 巴里から天使が舞い降りた】《花》《蒸気》 【自】〔ベンチ〕 このカードがサポートした時、このカードを自分の控え室に置いてよい。1枚以上置いたら、そのアタック中、あなたのリングの、名前か称号に、“エリカ”か“さくら”か“サクラ”か“桜”を含むカードを+2000/+0。 作品 『サクラ大戦』
https://w.atwiki.jp/karanemi/pages/1057.html
フルール・ド・リス 作品名:Fate/Grand Order 使用者:シュヴァリエ・デオン 奈須きのこ作品のFateシリーズに登場する能力。 宝具の一つ。形状は花弁。 大輪の百合を出現させ幻惑、身体パラメーターのダウン、行動不能に陥らせる。 百合の花散る剣の舞踏の幻惑特化版。 能力についての詳細来歴 基本性能 幻惑花弁 元ネタ 関連項目 関連タグ リンク 能力についての詳細 来歴 多くの人々を惑わせてスパイ活動を行った使用者の生きざまが具現化した宝具剣舞の宝具より強く魅了する。 多くの人々を惑わせながらも自らの目的を遂行し続けたデオンの生きざまが、宝具へと昇華されたモノ。その、強化版。 基本性能 宝具のランク C 種別 対人宝具 レンジ 1~2 最大捕捉 1人 宝具による効果 幻惑 幻惑花弁 敵陣を幻惑させる百合を出現させる百合はフランス王権を表す。 対象は身体パラメーターをダウンさせられる。幸運判定で失敗すれば、さらに行動不能にさせられる。 フランス王権を象徴する大輪の百合が浮かび、敵陣を一斉に幻惑し、筋力・体力・敏捷のパラメーターをしばらく低下 させる。更に、幸運の判定に成功しなければ、1ターンの間行動不能となる。 元ネタ フルール(仏:fleur) フランス語で「咲く」を意味する語。 リス(仏:lis) フランス語で「百合」を意味する語。 関連項目 宝具 百合の花咲く豪華絢爛の道具分類。 百合の花散る剣の舞踏 もう一つの宝具。 関連タグ Fate 奈須きのこ作品 幻惑 花弁 道具 リンク
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/351.html
花咲く乙女(後編) ◆gry038wOvE 「飛んだお涙頂戴だったな……面白かったぜ、ダークプリキュア!」 姉の亡骸を抱えた私の前で、エターナルは私を嘲笑った。 コイツがいま私を殺さなかった理由は、ただこの私を嘲笑う為……だけだったらしい。 私の中で感情が燃え上がる。 倒れそうな体さえ、いまは全く重くない。 いや、重さを忘れるほどの怒りと憎しみ────そうした感情が、私を支配したのである。 「…………貴様だけは絶対に!!!!」 「やってみろ。傷だらけのその体でな!」 「刺し違えてでも……!!」 ……その先を言おうとした瞬間、なぜか誰かに押しとめられるような感覚が私を襲う。 私は、その先をいう事が出来なかった。 激昂する私の感情に、何かもっと安らかなものが入ってくる。 私を止めているのは、ゆりか? キュアマリンか? キュアサンシャインか? 「どうした、刺し違えてでも……どうするって言うんだ?」 エターナルは煽る。 …………だが、不思議とそれを何とも感じなかった。 私の体の中に流れ込んでくる力を感じたのである。 これは、今までの私に無かった力。 「……これは……」 ゆりを抱きしめたときに、私の手に在ったのだろう。 ココロポット、それにプリキュアの種である。 とんだ偶然だった。だが、これが此処に在るだけで、私はゆりと共に戦っていける気がした。 「……成る程。お前も俺と同じっていうわけか」 「何?」 「俺がエターナルに選ばれたように、お前もそいつに選ばれた。そいつは本当はお前の力を欲していて、お前はいまその力を感じ取ったんだ」 「何を言ってる……私がこれに選ばれる筈がない……これはゆりのものだ!」 そう否定しつつも、私に何か聞き覚えのある声が語りかけている。 エターナルと会話するのとは、別のところで私に語りかけてくる声が聞こえて、私はそれに心のどこかで答えている。 『ダークプリキュア……僕の声を覚えているかい?』 ──ああ、覚えている。だが、私たちはお前を殺したはずだ。 何故、いま私に力を貸そうとしている……? 『確かに君たちは僕を消滅させた。けど、今はかつての君とはどこか違う。それに、僕だって彼女の事は哀しいんだ。……彼女の仇を取って、この男も救って欲しい』 そこまで他人を思い遣るならば、何故お前はゆりを止めなかった? 奴を最後まで真のプリキュアでいさせてやることは、おまえにはできなかったのか? 『それは僕の力の及ぶところじゃない…………それにきっと、彼女にはもう、僕の声は聞こえなくなっていたんだと思う』 …………そうか。 だが、私もこの男を倒した先はわからん。 ゆりの為に殺し合いに乗るか、それとも────。 ……あの妖精は何ひとつ答えなくなった。 なるほど、私もゆりも本来の使命から外れたところで戦っていた。だが、それを止めることは今の奴にはできないのか。 ムーンライトが戦う理由はサバーク博士であり、あの妖精であり、私だったと知った時──私は少しだが、その目的を止める言葉を失った。 奴もまた私と同じだった。だから、奴は力を与えることを拒めなかったのだろう。 そして、今も私に力を与え続けることを躊躇いながらも、結局は力を貸している。 この力を使わない手はない。たとえゆりのものだとしても、ゆりが欲する物のため──── 「…………いいだろう。やってみせてやる」 「随分と僅かな時間で気が変わったらしいな、ダークプリキュア! 見せてみろ、本当にお前がそれを使えるのか見届けてやる」 「プリキュア・オープンマイハート!」 いままでプリキュアを名乗っていた私が初めて口にした言葉であった。 白いベールが翼ごと私の体を包む。 ……きっと、まるで私には似合わない姿であろう。 更に、その直後に私の体をキュアムーンライトの衣装が包んでいる。 そして初めて実感する。 私はキュアムーンライトになっているのだと。 「……まさか、こんな形で私がムーンライトになるとはな」 かつて望んでいた、私がキュアムーンライトと成り代わる夢。 しかし、皮肉にもそれを望まなくなった今になり、私はキュアムーンライトとなっている。 そう、今こそ私とゆりは────本当の意味で一つになったのだ。 「月光に冴える一輪の花! キュアムゥゥゥンライト!!」 …………はっ! 気づいたら、ゆりと同じセリフを口にしている。 なんだ? このセリフはつい自動的に言ってしまうものなのか? いや、それとも私自身のゆりを継ぐ思いが口にしたのか……まあいい。 「なるほど。見かけは少し違うが、お前がキュアムーンライトであることには違いない。そいつはお前の姉を見捨てて、お前に乗り換えたわけだ」 ゴタゴタと煩い仮面ライダーだ。 ゆりの仇である以上は、絶対にこの減らず口を、二度と利けなくしてやる。 だが、こいつの間違いは訂正させてもらう。真実を知らぬままに消え行くのはいくら何でも可哀相というものだ。 「…………違うな。今もこの力は、ゆりを選んでいる」 「ほう。なら、どうして今お前がそいつに変身してるんだ? そいつが月影ゆりを見捨て、お前が選ばれたからに違いないだろう」 「それは、私はあいつだからだ! 二つに分たれた月が一つになったに過ぎない」 「……意味がわからん」 わからなくても良い。この男にあの妖精の声は聞こえないのだから。 伝わらないのなら、この漠然とした何かを知らないままに死んでもらっても一向に構わない。 先ほどまでふらついていた体も、なんだか妙に力がわいてくる。 ゆりやあの妖精が、今こいつを倒せと囁いて、私を支えてくれているのだろうか。 …………なるほど。 プリキュアが馴れ合う理由が、私にも何と無くだがわかってきた。 「ムーンライト・リフレクション!」 私の掌から銀色の円盤が放たれる。 エターナルを狙い打つべく、二つの円盤が素早くエターナルの体へと吸い込まれていった。 「無駄だ!」 奴のマントがはためき、その攻撃を吸収する。 私は、そんなエターナルの懐まで跳び、ローブが覆わない顔面を殴り飛ばした。 だが、それをものともしないままに、私の顔に向けて、勢いよく頭突きをかます。 頭部が痛んだが、まだ戦意は失せない。 「はぁっ!」 私は高く跳びあがると、今度はその顔面に向けて回し蹴りを放つ。 回し蹴りか…………厭な技だ。 この技がゆりを葬った。だが、だからこそこの男にはその痛みを味あわせる。 「何っ!?」 私は体を強くひねり、回し蹴りのスピードを加速させる。 人間離れした身体能力がこんな荒技を可能とする。 エターナルの体は真横へと吹き飛んだ。奴の体が地面に転がる。 「ムーンライト・シルバーインパクト!」 エターナルの転がる地面に向けて、膨大なエネルギーを放つ。 奴のマントは地面と奴の体の間にあり、これを吸収することはできない。 仰向けに寝そべる奴の腹に、強烈な一撃を叩き込む。 「ぐあぁぁぁっ!!!」 そのまま、エターナルの真横に降り立つと、奴のマントを掴み、エターナルの体ごと前方の巨大な岩場に向けて投げつける。 そういえば、この場所はグロンギ遺跡という場所に近い。 これが、その遺跡である可能性は高い。 何にせよ、奴のマントは掴んで投げやすいという特徴も兼ね合わせているわけだ。 とにかく、いま投げ出されたことで、奴は綺麗に受身を取って立ち上がることができたらしい。 エターナルは私に語りかける。 「…………クソッ。何でそんな力が出る? お前はボロ雑巾みたいに汚く傷ついてたはずだ」 「……これまでお前が見てきたのは、月の半身に過ぎない」 「何だと……?」 「そして、二つの月は一つになった。……光が闇を飲み込んだのか、闇が光を飲み込んだのかは私にもわからない」 「わけのわからないことを言うな」 「……私をダークプリキュアと同じに考えることも、キュアムーンライトと同じに考えることも許されないということだ。お前はその二つが合わさった力を前にしているのだからな」 そう言うなり、エターナルは笑った。 見事なまでの高笑いである。……何がおかしいのか。 「……なるほど! お前らも二人で一人のプリキュアっていうわけか……だが、その程度で威張ってるつもりかよ? たかだか二人じゃねえか」 「何?」 「ハッ。俺はお前らの力が倍になったところで負けはしない。……パーティの続きをしようぜ、プリキュア!」 そう言って、エターナルはナイフを構えて走り出す。 このスピードにはもう慣れた。 目視すれば、既にどのタイミングで近付くかがわかってしまう。 「そこだっ!」 私はエターナルの右腕を掴むと、そのまま近付いてくる顔に左腕でパンチを放つ。 奴に刺された左腕は少し痛む。全身のあらゆる部位で、最も激痛が走っている場所だ。 だが、確かにその一撃はエターナルの顔にダメージを与えた。 「ぐっ!」 「……二人で倍になるという考え自体が軽薄だ、仮面ライダーエターナル!」 「何だと?」 「一人が二人になるだけでは、確かにこの力は倍にしかならないだろうな。だが、そこに奴の思い、そして私の思いが加わる時、力は何倍にでもなる。……それに、これは元々、奴だけの力ではない!」 そう、此処にはゆりだけでなく、サバーク博士の英知や、あの妖精の力もある。 そのうえ、ゆりの仇を討ちたいという気持ちや、奴から授かった不思議な感情が私を駆け巡っているのだ。 そう、これは感情というやつだ。 「……そうか。それでも俺はお前如きに負けるつもりはない。俺の存在を永遠に刻み続ける為に、絶対になぁ────!!」 エターナルが右腕を振り払い、数歩後退する。 『エターナル! マキシマムドライブ!』 先ほどゆりを葬った音声が流れた。 なるほど。あの強力な技を再び使うというのか。 だが、今の私には到底負ける気がしなかった。 「花よ輝け! ムーン・シルバーフォルテウェイヴ!」 私も、同じようにムーンライトの放つ強力な技を放つ。 二つの光が光り輝いていく。 奴の力を、私の光が飲み込んでいる。 そう、これは最早、相殺されるほど均等な力ではなかった。 私は何ともない。 バースト、否、これは空中のエターナルを私が吹き飛ばしたに過ぎない。 そして私は、此処に立っている。 ムーンライトの圧倒的な力で、私はエターナルに勝ったのだ。 ★ ★ ★ ★ ★ 「…………クソッ」 無様に、仰向けに倒れる俺の前にキュアムーンライトは歩いてくる。 歩きながら、その変身を解いてダークプリキュアに変わるが、結局は変わらない。 俺もエターナルの変身が解けており、ロストドライバーもメモリも俺の手元から消えていた。 そのうえ厄介なのは、時間の経過と過度のダメージが原因で、既に俺の細胞が────俺の体が崩壊を始めていたことだろうか。一回の変身で二度もマキシマムドライブを発動するのは、体には結構な負担がかかるらしいっていうのも一つの原因だろう。 「エターナル……」 何かを言おうとしたが、その言葉を遮り、俺が質問する。 「……最初の質問の続きだ。俺だけは……刺し違えてでも……どうするつもりだったってんだ?」 「………………殺すつもりだ。……だが」 「だが?」 「私にはゆりが望んだことなどわからない。奴は私が殺し合いをすることを望まなかったかもしれないし、逆に意思を継いで家族を蘇らせることを望んだかもしれない」 ………………なるほど。 この姉妹は互いが望むことさえわからないほど、浅い絆の連中だ。 まあ、それはNEVERの仲間も同じかもしれない。俺が望んでいることなんて、あいつらにはわかっちゃいないのだろう。 人と人との絆なんてそんなものだ。互いを理解し合うことなどできない。 「なら、お前の運命を決める方法を俺が教えてやる」 「何?」 「ロストドライバーとメモリを使って変身してみろ。……お前の姉や加頭は赤い姿になったが、俺は青い姿になる。『赤』になるか、『青』になるかで、お前のこれからの運命を決めろ」 「お前の指図を受ける気はない」 「やってみろよ。エターナルは以前、俺の思いに答えた。お前が真に未来を見つめている人間なら、『青』になるはずだ」 そう、たとえこのまま朽ち果てるとしても、俺の事を永遠に刻み続ける夢だけは手放さない。 終わってみると、案外このダークプリキュアとかいう奴は面白い奴かもしれない。 死ぬのは元から怖くないが、コイツが俺と同じ運命なら……俺のエターナルに殺されるなら、俺もまた──── 『エターナル!』 「変身!」 『エターナル!』 …………で、こいつ、結局やってやがる。 まあ、俺にもエターナルがどういう人間を青にするのかはわからない。俺だけなのか、どうなのか。 これは占いみたいなモンだ。 「……その姿は、『どっち』だ? 殺し合いに乗るのか、それとも────」 一瞬だけ、赤。 ────だが、青。 メモリはダークプリキュアに、青と答えた。 エターナルローブもちゃんと装備されてやがる。 エターナルが運命を感じたのは、俺だけじゃなかったらしい。 ……いや、もしかすると俺が死ぬという運命を悟って、エターナルはコイツに全てを託したのか? それとも、コイツに俺以上の何かを感じたのか? 「ああ……。私はゆりやサバーク博士のために殺し合いに乗る事になったらしい」 そうか。コイツは俺と同じで、未来を見つめてる。 月影ゆりと同じ願いを持ちながら、奴と同じ過去を持っていない。 ……そもそも、コイツはあいつと同じように家族の団欒というのを経験してないんじゃないか? あるいは、俺と同じで記憶っていうものが欠落しているのかもしれない。 だから……コイツは見るべき過去そのものが存在してないから、蘇らせたい存在も優勝して初めて得られるものなんじゃないか? まあいい、死ぬのは二度目だ……。恐怖ってものも過去に置いてきちまった。 死ぬっていうなら、俺が望むことは一つだ。 「そうか。……なら、その力で俺を殺し、俺とお前の存在を永遠に刻み続けろ。仮面ライダーエターナル、大道克己が過去に刻んできたものを未来永劫、お前が紡げ」 「……私の姉を殺した挙句、最後には私に命令までするというのか。そんな奴の力を借りるのはご免だ」 そう言って、ダークプリキュアがエターナルの変身を解除し、俺の体にドライバーとメモリを投げる。 痛んだ体には随分な負荷がかかるが、NEVERには慣れた痛みだった。 「……だいたい、同じように殺し合いに乗っている以上、お前と私が潰しあうことはない。確かにお前は強いが、私より格下であることももうわかった。お前が他の連中を潰してくれれば、それだけ私もラクになる。お前は本当に使えなくなってから殺せばいい」 「……あ?」 「近い未来、月影ゆりは必ず蘇る。だから、お前に殺された事実など、結果的には関係のない話だ。今は復讐などを考えるよりも、お前を泳がせた方が効率的だろう」 俺はダークプリキュアが、過去ばかり見つめた月影ゆりとは対照的な存在であることを感じた。 まるでNEVERみたいに冷徹な感情の持主だ。感情自体が人間のものとは少し違っている。 死んだ人間は蘇ってはならない……なんていうルールもコイツには通用しないし、結果的にゆりが蘇るのならその過程はどうでもいいとさえ考えている。 結果が見えれば、先ほど見せた強い怒りの感情さえ、その場に捨てちまっている。 そう、コイツは本質的には俺たちと同じだ。 こんな場所じゃなければ、絶対仲間に引き入れるほど面白い奴だ。 「……まあいい。とにかく俺を生かす、っていうわけか。後で後悔しても知らねえぞ」 「私はゆりの生きる未来のためにゲームに乗った。だから、後悔や……過去を見つめるような真似は二度としない」 そう言うと、ダークプリキュアはゆりの死体を抱えて去っていく。 どうやら、デイパックを取っていったりする気はしないらしい。 まあ、これだけ体力が残ってれば、酵素打つくらい問題ないだろう。 「……馬鹿な奴だな」 俺は無様に……だが必死に這いながら、転がっていたデイパックを掴む。 俺が生きるためには、徹底的に抗ってやる。たとえどんなに無様にでも、だ。 奴は他人の為に殺し合いに乗ろうとしている。 どんなに未来を見つめて生きてようが、俺と奴の生き方は全く別物に違いない。 「他人の為に生きていく……そんな生き方、長続きしねえよ」 俺は酵素を打ち、何とか細胞を維持した。ダメージの負いすぎで酵素が大量に必要になったが、まあいい、途中までは奴の思い通りに、適当に参加者を殺して回る。 だが、最後に奴を勝たせるような真似だけはしてやらない。 最後に勝つのはこの俺だ。 「エターナル、お前の本当の主はちゃんと生きてるぜ。もう他人の為に力を貸す必要はない」 ふと、気づく。 奴が変身したエターナルが「赤」だったら殺し合いには乗らないということだ……だが、その場合、奴は俺を殺すつもりだったのか? アイツは「殺し合いに乗る」という選択をしたから、俺を殺さなかった。 なら、逆の「殺し合いに乗らない」という選択をしたら、俺は殺されたのだろうか。 殺し合いに乗らないからこそ、奴は俺のように邪魔な存在を消すのだ。でなければ、あそこでエターナルに変身して運命を決めるという選択をする事はない。 「……ハッハッハッ、なるほどぉ。お前はハナっから奴に運命なんて感じちゃいなかった……そういうことか。やっぱりコイツは俺を選んだ──俺の『運命のガイアメモリ』だったみたいだな!」 エターナルが決めたのは、ダークプリキュアの運命である以前に俺の運命だった。 つまり、エターナルはダークプリキュアに力を貸したわけじゃない。 運命の相手である俺を生かしたのだ。 ……まあ、実際のところこのメモリが何を意図したのかはわからないが。 「ハッハッハッハッ。てっきり、あれが俺の二度目の死に時って奴だと思ったが、どうやら俺はまだ戦う運命らしい。面白えじゃねえか!」 あいつに、もう未来は渡さない。 たとえ、二度敗北したとしても、三度目が同じとは限らない。 「三度目の正直っていう奴だ……いずれ、また会えるといいな、プリキュアぁ」 ああ、やってやる。死ぬのは怖くねえが、二度も死ぬ運命なんかには、何度だって抗ってやるさ。 そうだ、まだまだ俺には、いくらでも抗う術がある。 抗える限り、俺はダークプリキュアにも、キュアムーンライトにも…………全てのプリキュアや仮面ライダーどもに抗ってやる。 【1日目/昼前】 【D-6/森 グロンギ遺跡付近】 【大道克己@仮面ライダーW】 [状態]:疲労(大)、腹と背中を中心とするダメージ(中) [装備]:ロストドライバー@仮面ライダーW+エターナルメモリ、エターナルエッジ、昇竜抜山刀@侍戦隊シンケンジャー [道具]:支給品一式×3、プリキュアの種&ココロパフューム@ハートキャッチプリキュア!、破邪の剣@牙浪―GARO―、ランダム支給品1~5(十臓0~2、えりか1~3)、細胞維持酵素×2@仮面ライダーW、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、歳の数茸×2(7cm、7cm)@らんま1/2 [思考] 基本:優勝し、自分の存在を世界に刻む。 1:とりあえずダークプリキュアは無視し、他の参加者を殺す。 2:T2ガイアメモリを集める。 3:京水と会ったら使ってやる。もしくはメモリを奪う。 4:プリキュアや仮面ライダーは特に優先的に殺害する。 [備考] ※参戦時期はマリア殺害後です。 ※良牙を呪泉郷出身者だと思ってます。 ※プリキュアは食事、水分の摂取を必要としない可能性を考えています。ダークプリキュアの一件から、プリキュアはただの人間だと考えていない可能性もあります。 ★ ★ ★ ★ ★ ゆり…………これはお前が殺した友の墓だ。 この女がお前を許すかはわからないが、せめて今はお前はここに埋めてやる。 これからもし、他のプリキュアを葬ったのなら、全部この場に埋めてやろう。 嬉しいかどうかはわからないが、せめて全てが戻るまではここで一緒にいるといい。 「……いずれまた会おう、ゆり」 叶えられる願いの範囲がどのくらいだかはわからないが、もしゆりの他のプリキュアたちも蘇らせることができるなら、私はこのキュアマリンも、これから死ぬキュアブロッサム、キュアサンシャインも蘇らせてやろう。 NEVERになる……? 関係ない。 第一、サバーク博士は生きているはずが、お前の来た時間では死んでいる。 そんな事があるのだ。お前が死ぬ前から、お前を連れてくればいい。 「そうだ、悪いがコレはまだ使わせてもらう。これからまだ使えるかどうかはわからないが……」 ココロポットとプリキュアの種。 これは本来、ゆりの物だが……私を知るあの妖精は私に全て託した。 力を貸したのは、僅か一度に過ぎないのかもしれない。 あともうひとつ。奴の支給品にはガイアメモリもあった。 Bの字が模されたガイアメモリである。ゆりの死体を運ぶ時に、ゆりの体から落ちたのだ。 これがゆりの持っていたメモリらしい。 ……とにかく、私はしばらく体を休めることにした。 エターナルとの連戦は私にも厳しかったし、結果的に勝ったとはいえ、傷は多い。 ここでしばらく休もう。 ここは、なんだか、少し、落ち、着、く…………。 ────そう思いながら、ダークプリキュアは、しばしの眠りについた。 【1日目/昼前】 【C-8/森 えりかの埋葬地】 ※ゆりの死体はえりかの埋葬地に一緒に埋められました。 【ダークプリキュア@ハートキャッチプリキュア!】 [状態]:疲労(極大)、ダメージ(極大)、右腕に刺し傷、気絶中 [装備]:T2バードメモリ@仮面ライダーW [道具]:ゆりの支給品一式、プリキュアの種&ココロポット@ハートキャッチプリキュア!、ランダムアイテム0~2個(ゆり) [思考] 基本:キュアムーンライトの意思を継ぎ、ゲームに優勝して父や姉を蘇らせる。 0:今は休む。 1:もし他のプリキュアも蘇らせられるなら、ゆりのためにそれを願う。 2:つぼみ、いつきなども今後殺害するor死体を見つけた場合はゆりやえりかを葬った場所に埋める。 3:エターナルは今は泳がせておく。しばらくしたら殺す。 [備考] ※参戦時期は46話終了時です ※ゆりと克己の会話で、ゆりが殺し合いに乗っていることやNEVERの特性についてある程度知りました ※時間軸の違いや、自分とゆりの関係、サバーク博士の死などを知りました。ゆりは姉、サバークは父と認めています。 ※筋肉強化剤を服用しました。今後筋肉を出したり引っ込めたりできるかは不明です。 ※キュアムーンライトに変身することができました。衣装や装備、技は全く同じです。 ※エターナル・ブルーフレアに変身できましたが、今後またブルーフレアに変身できるとは限りません。 時系列順で読む Back 花咲く乙女(中編)Next ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) 投下順で読む Back 花咲く乙女(中編)Next ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) Back 花咲く乙女(中編) ダークプリキュア Next 果てしなき望み Back 花咲く乙女(中編) 大道克己 Next 解放(1) Back 花咲く乙女(中編) 月影ゆり GAME OVER
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/349.html
花咲く乙女(前編) ◆gry038wOvE 人の歩行を、初めてこう記す。 ──それは鋭い歩みだった、と。 ダークプリキュアの体は傷だらけであるにも関わらず、これでもう一時間近く歩みをやめていない。 ただ、その全身から溢れる気迫は、見る者を唖然とさせるほどであった。 今まで彼女にはなかった想いが芽生え始めているゆえ、モヤモヤとした感情に囚われて、その苛立ちが歩き方や表情にしっかりと出ている。 まるで地面に突き刺さるような細い足を、勢いよく前に出しているので、ただ歩いているだけでもなんとも鋭い印象を受けた。 行動そのものに、刃物のような切れ味がある。意味がわからないかもしれないが、彼女の歩みはそれだけ近寄り難いのだった。 この深い森の中で、私はキュアムーンライトを探している。 NEVERの男が変身する白い戦士との戦いで随分と時間を食ったが……まあいい。 私にとっては、キュアムーンライトと戦うことが今の指針。この殺し合いでは当然勝ち残るつもりだが、この目標だけは譲れない。他人にこの戦いを譲るわけにはいかないのだ。 ただ、今現在のキュアムーンライトの状況が状況であるだけに、私も妙な気持ちに囚われる。 既に奴が死んでいるのではないかという一点が私を震わすのだ。 そうすれば私はこの闘争心をぶつけることも、幾つもの問いの答えを知ることもなくなる。そのうえ、仮にキュアムーンライトを生き返らせたとして、NEVERなるものにされてしまっては、戦う意味も何もない。 ただ、私はこの奇妙な震えが、そうした今までの私の考えとは違うものなのではないかと思い始めていた。 今まで、こんなに体が震えたことはないのだ。 ましてや、他人が死ぬかもしれないと思って震えるなど……。 「キュアムーンライト……もうこの近くにはいないか……。NEVERの相手をしている間に遠くに行ってしまったようだな……」 私が周囲を見渡しても、月影ゆりの姿はない。 ……これだけ捜しても近くにいないというのだから、この付近にはいないのだろう。 見落としているだけとも思えないし、あれだけ身長が高ければ相当目立つはずだ(しかし、その点ではダークプリキュアも人の事を言えない)。 仕方がない。 まあ、とにかくまた適当にその辺りをうろうろ歩くことになるのだろう。見かけた相手も今は奴以外無視だ。基本的に体力を使いたくは無い状態にある。 私は手元にある変身道具を見つめた。ココロポット、それにプリキュアの種だ。 プリキュアの種は、欠片の状態になっている。 そのプリキュアの種の状態を見ると、私は不思議な気分になった。 本来、私が持っている欠片はこちら側ではないはずだ。だから、見慣れている方と逆の割れ方をしたこの種が新鮮だった。 これをまじまじと見つめるのは初めてのことになる。 何故、私が今これを持っているのか。 それを突き止めても、きっとわからないだろう。 これを潰せばキュアムーンライトを倒す絶好の機会となるにも関わらず、どこか嬉しくは無かった。 今まで捜していた相手のものがあるにも関わらず、その当人がいないというのももどかしい。 ザクッザクッザクッ。 不意に、近くで落ち葉の踏まれる音が耳を打った。 振り返ると、そこには見たことのある奴────NEVERの男が周囲を見回しながら小走りをしていた。 私は奴がこちらを向く前に、羽を縮め、身を屈めてその場に隠れた。どうやら、辛うじてこちらには気づいていないらしいが、やはり鉢合わせたくない相手だ。 …………もうここまで来ているのか。 先ほど気絶まで追い込んだはずであるにも関わらず、もう平然と散策を始めている。さすがはNEVERというべきか、本人の言うとおり、なかなかタフだ。 ……そういえば、奴も急いでいると言っていたが、確かにそんな様子に見える。 今度こそ、彼も私の相手をしている暇はなさそうだ。 しかし、私こそ、うかうかしてはいられない。 とにかく、奴も動いているということは早々にキュアムーンライトに会わなければならないということだ。 変身道具を取り戻せば、キュアムーンライトもまだ善戦する可能性が僅かながら存在する。 少なくとも、あんな状態で会わせられるわけがない。 一方的に嬲り殺されるだけだ。 ……………………………。 ……どうやら、NEVERの男はもう行ったらしい。 あちらの方向は先ほど、私も既に捜索済みだ。見つかることはないだろう。 キュアムーンライトも手のかかる奴だ。 これだけ捜しているのに現れないというのだ。 このまま村の方向に向かうのは考え直すか……? そうした方がおそらく良いだろう。奴も私やNEVERの行動を読んで、村側を避けた可能性がある。 少なくとも、気配がある感じがしないのである。 とにかく、私はNEVERの男を避けるようにして、全く逆方向へと歩いていった。 ★ ★ ★ ★ ★ 俺はいま、情けなくもダークプリキュアに敗れて走っていた。 ダークプリキュアの奴は、ふざけた事に、キュアムーンライトから奪った交渉材料を奴は取り返しにきやがった。 ……まあ、油断した俺にも問題はあっただろう。 だが、奴の行動が原因で、キュアムーンライトは逆に危険な状況になってると言っていい。 キュアムーンライトを見つけたらすぐに殺して奪う。そういう風に思考を変えただけだ。 何としてでも、ダークプリキュアより先にキュアムーンライトを見つけ出し、奴がまだ弱いうちに殺せばいい。 少なくとも、こちらにエターナルがあるうちはまだ安全だ。 ダークプリキュアも、そのうち殺そう。 …………奴の事を考えるより、自分の心配をした方がいいに決まってるな。 あの酵素だけは、どういう形であれ手に入れなければならない。京水が近くにいれば、それはそれで構わない。 あいつは俺のモノだ。だから、当然俺のために酵素を分けてくれるだろう。 その後で、京水と共にあの姉妹をブッ殺せばいい。 そうすりゃ、こちらも万全だ。 …………ん? 今、後ろから何か音がしたか? 誰がいるのか? 俺は振り向こうとしたが── ────いや、待て。振り向いたら、こっちが気づいてるっていうことまでバレる。 奇襲にせよ、俺から隠れたにしろ、こっちが知っている分は有利だ。 奇襲を仕掛けてきたところを殺したほうが、相手の準備が薄くてラクになるし、成功すると信じて襲ってきたヤツの首を掻くことの方が面白えに決まってる。 通り過ぎたフリをしてやろう。 追いかけて来るようならブッ殺す。 来ないようなら、こっちの好き勝手にやればいい。 一応、キュアムーンライトである可能性も考えて、姿の確認だけはしておくべきか。 …………。 どうやら、隠れただけらしいな。俺を追ってくる気はねえし、もう後退してやがる。ただの臆病者か。 俺はそいつの方を見たが、その時はさすがに驚いた。 そこにあったのはダークプリキュアの奴の姿だ。通り過ぎたと思って、もうあの目立つ羽を掲げてやがる。 どうする? ああ、勿論、追うに決まってる。 奴がキュアムーンライトの変身道具を返すっていうなら、それは絶好のチャンスだ。 その時が一番の狙い目となる。 姉妹揃って相手することもできるわけだ。 ★ ★ ★ ★ ★ …………私は、あれからかれこれ数分歩いていた。 どうやら、思ったよりも早く、他の参加者に遭遇することになったらしい。 マップで言う、「グロンギ遺跡」という場所の近くだ。 確かに人の気配を感じた。 「……そこにいるのは誰だ?」 私は問う。木の陰に隠れているのは、子供だ。 具体的な年齢は? と聞かれてもわからない。私は人間と同じように成長してきたわけではないし、姿がはっきり見えないからだ。 とにかく、木の後ろから少し見えた頭から推測される背丈が、私の腰と胸の間あたりであるとは思えた。 「出て来い。……さもなくば殺す」 私はそう言って脅す。子供一人襲うことに抵抗などあるわけもない。 とにかく、私は機械的に参加者を潰していきたいのだが、そこにいる子供から、まず情報を得たかった。 このあたりでキュアムーンライトを見なかったか。 その質問にさえ答えれば、肯定であろうとも否定であろうとも今は見逃そう。相手をするほどの者ではない。 「……」 子供は答えない。 私の問いへの答えを躊躇っているらしい。 まあ無理もないだろう。力を持たない人間が姿を出すのを躊躇うのは当然だ。 こういう状況でなければ、間髪入れずに襲っている可能性は高い。 「素直に出てくれば危害は加えん。姿を現せ!!」 私は怒鳴った。 少なくとも、殺し合いの場でそこまで子供一人に拘る必要もないだろう。 だが、重要な手がかりを得られる可能性もある。無視するよか、相手にして質問だけさせてもらったほうがいい。 「……わかったわ」 その台詞は、かなり高く聞き取りにくかった。短い言葉だったので聞き取れた、というくらいだろう。質問は、「はい」か「いいえ」か、それだけ簡潔に答えてもらわなければ会話もできそうにない。 ……木の陰から子供が顔を出す。 ────!? その顔、その髪、その雰囲気が、私の目に映るなり、私は思わず声をあげた。 「お前はっ!?」 「月影ゆり……キュアムーンライトだった者よ」 ……その子供が、そう、答えた。 私は、その言葉を一字一句聞き逃さず、しっかり耳に入れた。 確かに、彼女の姿は私の知っている者とは明らかに違ったのだ────つい数時間前に私が戦ったはずのキュアムーンライトとも、その後でNEVERの男と交戦していた月影ゆりとも。 だが、それが彼女であるのは私にはわかった。おそらく、他のプリキュアや奴の知り合いが見ても、その容姿で気づくだろう。 帯びている雰囲気は、どう見ても彼女である。月影ゆりとこんなに似通った相手がいるとは思えなかった。 ……私はそれをどこかで感じていたのだろうが、どうしても否定せざるには負えなかった。 「嘘をつくなっ!!」 私が激昂しても、彼女は一切動揺しない。 子供離れした冷静さは、それが只の子供でないと告げていた。 私が襲った街では、子供はただ泣き喚き逃げるだけの弱い生物。 このように激昂されて平然とできるわけがない。 「だいたい、お前がキュアムーンライトだというのなら、その姿はなんだっ!!」 「長々と説明する気はないわ。……とにかく、私はあなたを倒さなければならない。予定が狂ったけど、仕方がないわね」 ゆりはバードメモリを取り出す。どうやら、それで変身して戦う気らしいが、勝敗は見えている。 この子供が怪人に変身したところで、私に勝つことはできまい。普段私と互角の戦いをするキュアムーンライトは、これより遥かに成長した姿だ。 ……いや、勝てないことは奴とてわかっているはずだ。 「……待て! キュアムーンライト。今は貴様と戦うよりもまず、聞いておきたいことがある」 「…………何かしら?」 奴はメモリを握る手を緩め、行動を止めた。 どうやら、命が消えるのを先延ばしにしたいらしい。 その事に対する憤りは止まない。 いっそ、こんな無様な「月影ゆり」はこの手で醜く殺してしまいたいほどの激昂だった。 だが、私はそんな心を鎮めて訊く。 「……何故殺し合いに乗った?」 「私も聞きたいわ。何故あなたがその事を知っているの……? だいたい、そんな事は、あなたには関係がないはずよ」 「関係がないだと!? お前は死んだ人間を蘇らせたいはずだ! NEVERの男との会話を聞いたから全て知っている」 私は冷静に話しているつもりだったが、相手の言い分が全く聞こえていない。 今にも怒りで我を忘れてしまいそうだった。 これはもう、私の知っているキュアムーンライトではない。 私が倒すべき相手はもうこの世にはいないのではないかと、そう思ってしまうほどに別人だった。 「お前が蘇らせたいのは、一体誰なんだ?」 「…………」 「何故、黙る! お前が蘇らせたいというのは、父か!? 母か!? それとも──────」 その先は出てこない。 何だか、はっきり言いたくなかったのである。 キュアムーンライトの様子が明らかに不自然だったから、そこから先に私が言おうとしたことこそ真実なのが、わかってしまった。 だが、それでも認めたくないので聞いている。 「答えられないわ。……それを答えたら私はきっと、あなたを倒すことができなくなる」 私は眉を顰める。 仲間を殺し、私を襲っておいてそう言うのか。 どうしてそれを答えれば殺せなくなるのか────その意味さえ、私にはわからない。 答えはわかっている。だが、それを答えたところで殺すのに支障はないはずだろう? 「…………ならせめて、これだけは教えてくれ、キュアムーンライト。お前は私が知るより未来のキュアムーンライトではないか?」 「…………」 「お前の仲間は、私に気になる事を教えた……。未来の私たちは、一体どういう関係なんだ!?」 純粋な興味などではなく、確実に知っておきたかった。 今まで、私はサバーク博士やキュアムーンライトの事しか興味がなかったはずなのに、ここで知る真実が増えるたびに自分の事が知りたくなる。 この答えこそ、私の命、私の人生なのではないか。 キュアサンシャインが、あのNEVERの男が、私とキュアムーンライトの関係を何と呼んだのか。 そして、NEVERの男が直前に会っていたのは誰か。 「……その口ぶりだと、私が語らなくても……あなたはもう全部、知らされているみたいね」 「まだ、……まだ私は全ては知らない」 「……でも、そこまで知っているのなら、私はあなたに残りの全てを告げなければならない。でも、本当は、あなたには何も知らないで欲しかった……。あなたには何も知らないまま死んでもらって、もっと幸せな命を授けてあげたかった……」 彼女は、物憂げにそう呟いた。 彼女が次に口にする言葉を、私は知っている。 だが、それが推測でなく、キュアムーンライトの口からしっかり確定することを待ちわびているのに、このまま時間が止まって真実から目を背けたい気持ちも揺れ動いた。 それでも、時間は止まらずに、キュアムーンライト────いや、 「あなたは、私の妹よ」 ────私の姉は、そう告げた。 ★ ★ ★ ★ ★ 俺の目の前で女が二人グダグダと話している。 位置的にも遠すぎて、その内容ははっきりとは聞き取れない。……ダークプリキュアと喋ってる相手は、随分と身長が小さいようだが一体誰だ? こっからじゃ、木が邪魔で全く見えねえな。 だが、少なくともあれは月影ゆりじゃなさそうだ。あいつのもっと身長は高いはず……。 あれじゃあ、どう見ても子供だろう。 …………とは言うが、流石に少し気になった。 あのダークプリキュアが話しているような相手だ。キュアムーンライトと関係がある可能性は否めない。 少し違う角度に回ってみるか……? 相手の姿は見えた方がいい。 後ろの遺跡も気になるが、そんなものは酵素を手に入れてからだ。 奴の持つ酵素がとことん気にかかる。 仕方ねえ。 やっぱりあのガキが見えるようにしないと何もわからなそうだ。 あのガキがキュアムーンライトの情報を持ってるって可能性も高い。 ダークプリキュアも何やら尋問じみたことをしてるみたいだしな。 俺は、その木陰からもっと別の角度にある木陰の方に向かって行った。 ★ ★ ★ ★ ★ 私の目の前で、ダークプリキュアは地を叩く。 尖った岩が露出している地面だったので、少し気にかけたが、彼女はその岩より強く地を叩いていた。 「……何ということだ。何のための戦いだ…………姉妹同士が血で血を洗う戦いをしてきたというのか……!?」 「……そうなるわね。サバーク博士の正体は私の父さんだった。……そして、あなたもサバーク博士の娘……」 私は、ダークプリキュアに自分の知っている限りのことを告げる。彼女は、自分たちの関係を知って、一体どう行動するのだろう? ……少なくとも、告げた時点で私は彼女を殺せそうになくなった。 彼女はこれを告げられた時点で、自分の姉に殺される運命にならなければならない。 いつの間にか姉になっていた身とはいえ、家族であることを意識した相手を殺すことはできなかった。 そう、ここに来る少し前……私は彼女を殺してしまったのだ。 あれは私が殺したと言っても過言ではない状況だった。だから、姉妹と殺し合う運命の辛さはわかっているつもりだった。 そんな辛さを背負うのは、私だけでいい。 今は知らぬ間に死んでもらって、もっと幸せな運命のある「月影家」の子として新たな命をあげたかったのだ。 「……それじゃあ、お前が蘇らせたい相手というのはサバーク博士か……! つまり、サバーク博士は……!」 「そう、死んだわ。デューンという男に殺された。……でも、私が必ず生き返らせてみせる。……そのために……私は……」 私はやはり、殺しあわなければならない運命にある。 そして、ここまで話してしまった以上は、尚更私は彼女を殺し合わさなければならない。 ……これを聞いた彼女はもしかすれば、サバーク博士のために殺し合いに乗ってしまうかもしれない。 孤独に戦ってきた私は、つい仲間を欲してしまったのかもしれない。彼女が一緒に戦ってくれれば、それだけ私たちの願いは叶うと心のどこかで思ってしまったのだろう。 …………でも、やっぱりそれだけはやめてほしい。 茨の道を歩くのは私だけでいい。 棘で体を痛めるだけの道を歩いて、倒れないうちにゴールまで走り抜けるのは私だけ。 ダークプリキュアはその先の光で待っていてほしいのだ。 ……まあ、現時点でその光があるのかも現時点では怪しいが、もう信じるしか道はない。 ダークプリキュアが少し躊躇って口を開く。 「……それが本当なら私はどうすればいい……。サバーク博士のためにお前を倒すことこそ、私の生きがいなのだ! サバーク博士も死ぬ! お前との戦いも無意味なものだった! それなら、私に生きる意味はないのか……?」 「そんなことないわっ! あなたが私に敗れた時も、父さんはあなたを自分の娘と呼んで抱きしめたの! 父さんは本当は、あなたにも辛い宿命なんて負わせたくなかったはずだから……あなたは普通の女の子として生きることだってできるのよ!」 私は本気で激昂する。 馬鹿なことを言い出した妹を叱咤するのは、こんな気持ちなのでしょうね。 でも、今は7歳の姿……威厳があるかどうかはわからない。 ただ、思いさえ伝わってくれればいい。 「……父、さん……?」 ダークプリキュアはそれだけ呟いた。以前の散り際のような安らかさはない。 その言葉を覚えたての赤子のように、自信なさげな一言だった。 しかし、だからこそそんな姿を見守ることができて嬉しかった。私は彼女が生まれてからの成長課程を見ていないのである。 ……私はその時、ふと、ダークプリキュアの手元に見覚えのあるものが乗せてあることに気がついた。 どうしてか。 仮面ライダーエターナルに奪われたはずのココロポットとプリキュアの種である。 ずっと握り締めていたのか、この子は……。 「……ねえ、それは……」 「ああ、そうだ。お前に、これを────」 「どうして? これは仮面ライダーエターナルが奪ったはず……もしかして、彼から取り戻したの?」 そう聞くと、ダークプリキュアは少し俯いた。 「…………ああ。キュアムーンライトとなったお前と戦うため、だった」 ……そうか。彼女はもう、そう思うようになるまで心を成長させていたのか。こうして俯くのも、私を付けねらうことと関連づけられた理由だったからだろうか。 とにかく、父さんはダークプリキュアの心の無い人形と呼んだが、彼女の心は確かに育っていたのだろう。 父の愛を求めたのも、それゆえだったのだ。 「とにかく、これはお前のものだ……受け取れ」 とはいえ、まだダークプリキュアはこの調子。 姉妹として見るには、まだ少し学習が足りないらしい。……まあ、突然の事だったから無理もないか。 突然、目の前の敵に自分たちが姉妹だと告げられても、そう易々と受け入れられるわけが無い。 「私はお前に妹だと言われてもまだ……はっきりと確信は持てない……。だが、私と戦う時は、それを使って戦ってもらわなければ張り合いもないからな」 私は、ただ彼女の奪い返した「それ」を受け取ろうと手を前に出した。 彼女はそれを渡すときに屈まなければならない。到底、私が姉とは思えない状態だ。 ─────────その刹那 白い風が、私たちの前を横切った。 ★ ★ ★ ★ ★ どうなってるのかはわからねえが、どうやらあれは月影ゆり……キュアムーンライトらしい。 随分と変わり果てた姿だ。俺も区別がつかなったくらいだ。こうして別の角度からアイツを覗いて初めてそれに気づいた俺はすっかり驚いている。 もしかすれば、あれはメモリの力かもしれない。……まあ、そんな事には興味はないが。 今なら殺せそうだが、そう簡単に不意打ちするとダークプリキュアが厄介だ。 先ほど交戦したときは随分仲の悪い姉妹に思えたが、ここでの二人は随分普通に会話している。 ……まあ、要するに片方が危機に陥ればもう片方がパニックになりかねないわけだ。 俺からしてみれば、ダークプリキュアという奴のが強かったが、エターナルに変身して襲撃すればこっちのもんだ。 『エターナル!』 「変身!」 『エターナル!』 俺の体はエターナルメモリの作り出した白い装甲に包まれる。 仮面ライダーエターナル。俺のもう一つの姿で、奴等の変身アイテムを奪う。厳重に所持している以上、直接デイパックを奪うのは難しい。 要するに、あれがダークプリキュアの手から月影ゆりの手に渡る瞬間を狙えばいいわけだ。 「踊るぞ、地獄のパーティータイムだ」 ★ ★ ★ ★ ★ 時系列順で読む Back 警察署の空に(後編)Next 花咲く乙女(中編) 投下順で読む Back この想いを…(後編)Next 花咲く乙女(中編) Back 激突!仮面ライダーエターナルVSダークプリキュア!(後編) ダークプリキュア Next 花咲く乙女(中編) Back 激突!仮面ライダーエターナルVSダークプリキュア!(後編) 大道克己 Next 花咲く乙女(中編) Back 奈落の花 月影ゆり Next 花咲く乙女(中編)
https://w.atwiki.jp/girlgame/pages/2786.html
花咲くまにまに の攻略対象。 (攻略制限あり:誰か一人のグッドエンドを見る事が条件) 万珠屋に出入りしている馴染の商人。 珍しい着物や髪飾りだけではなく、噂話や帰国の話も仕入れてくる腕利き。 誰にでも愛想が良く、常に笑顔を絶やさない。 飄々としていて掴み所がなく、自分自身の事は一切話さないため、 私生活は謎に包まれている。 名前 倉間 楓 (くらま かえで) 年齢 身長 体重 誕生日 血液型 声優 浪川大輔 該当属性 灰色髪、着物、謎の人物 該当属性2(ネタバレ) 『』
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/14478.html
劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME Blu-ray Disc初回生産限定特別版) Blu-ray・DVD発売日:10月16日 ●キャラクターデザイン 関口可奈味 描き下ろし収納BOX仕様 ●オーディオコメンタリー2本収録 ●浜口史郎による劇場用劇伴新曲を収録したオリジナル・サウンドトラックCD同梱 ●安藤真裕監督による絵コンテ集同梱 ●縮刷アフレコ台本同梱 ●64ページフルカラーブックレット「花いろノートブック 劇場版」同梱 2013年公開。花咲くいろはの劇場版。10月16日、Blu-ray&DVDが発売。 http //www.hanasakuiroha.jp/ 監督 安藤真裕 脚本 岡田麿里 画コンテ 安藤真裕 演出 安斎剛文、許琮、倉川英揚、安藤真裕 キャラクター原案 岸田メル キャラクターデザイン・総作画監督 関口可奈味 メインアニメーター 石井百合子 作画監督 鍋田香代子、伊藤依織子、吉田優子、宮川智恵子、天﨑まなむ、奥田陽介、頂真司、渡部由紀子、石井百合子、関口可奈味 美術監督 東地和生 美術設定 塩澤良憲、小川充子、岩畑剛一、島村英康 美術監督補佐 平柳悟 色彩設計 井上佳津枝 撮影監督 並木智 3D監督 山崎嘉雅 2D works 加藤千恵 Special Effects 村上正博、村上寿美江 編集 高橋歩 音響監督 明田川仁 音響効果 中野勝博 録音調整 安齋歩 音楽 浜口史郎 アニメーション制作 P.A.WORKS ■関連タイトル Blu-ray 劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME 初回生産限定特別版 主題歌 nano.RIPE/影踏み 初回限定DVD付 TVアニメ『花咲くいろは』湯乃鷺ベストソングス TVアニメ 花咲くいろは オリジナルサウンドトラック 花咲くいろは 公式コンプリートブック TVアニメ 花咲くいろは ドラマCD 花咲くいろは 公式ビジュアルブック ラジオCD「ぼんぼりラジオ 花いろ放送局」Vol.1 【初回生産限定仕様】 コミック版 千田衛人/花咲くいろは 1巻 フィギュア・ホビー:花咲くいろは
https://w.atwiki.jp/girlgame/pages/2785.html
花咲くまにまに の攻略対象。 万珠屋の裏方。双子の宝良とは正反対の性格で、言葉数が少ない。 好き嫌いがはっきりしており、ストレートな発言が多いが、 心を許した相手には普段とは違った姿を見せる事も。 名前 藤重 辰義 (ふじしげ たつよし) 年齢 身長 体重 誕生日 血液型 声優 保志総一朗 該当属性 無口、ウェーブ、着物 該当属性2(ネタバレ) 『監禁』
https://w.atwiki.jp/taiko-kenkyujoh/pages/53.html
みかんの花咲く丘 みかんの花咲く丘バージョン ジャンル 難易度 最大コンボ数 AC15.1.0 どうよう ★×7 480 AC16.1.0 キッズ
https://w.atwiki.jp/vs-wiki/pages/1505.html
HSI/028 R “花咲く季節”菜子/仲居のアルバイト 女性 パートナー あわてる菜子/仲居のアルバイト 女性 レベル 2 攻撃力 3000 防御力 5000 【大丈夫だよ。緒花さんなら、すぐに友達できるから】《水》 【スパーク】【自】あなたのベンチに称号に“仲居”を含むカードがいるなら、あなたは相手のリングのカードを選び、そのターン中、そのカードのアタックはパートナーアタックにならない。 作品 『花咲くいろは』 8月1日 今日のカードで公開。 関連項目 〈仲居のアルバイト〉 《水》 『花咲くいろは』 あわてる菜子/仲居のアルバイト 名前に“菜子”を含むカード 称号に“仲居”を含むカード
https://w.atwiki.jp/switchsoft/pages/2002.html
恋の花咲く百花園 パッケージ版/ダウンロード版 女性向けノベル 7,480円(税込)2.1GB 『想いの結晶は、二人だけの“恋”の奇跡』 社会人としての第一歩を踏み出す主人公の前に突如として現れた白い猫。 その正体は百花園に住む青年の幽霊。 彼の望みは百花園を昔のように盛り上げることで、主人公にその手伝いを迫ってくる。 彼から『植物の声を聞くことが出来るという不思議な力』と、『人間のプラスのエネルギーを糧にして育つ花』を強制的に譲渡され、主人公は戸惑いながらも百花園のために奮闘することになり……? メーカー TAKUYO 配信日 2020年1月30日 対応ハード Nintendo Switch セーブデータお預かり対応 対応コントローラー Nintendo Switch Proコントローラー タッチスクリーン プレイモード TVモード, テーブルモード, 携帯モード プレイ人数× 1 対応言語 日本語 レーティング CERO B 恋愛, セクシャル 2020年1月29日 23 59 まで割引価格でお買い求めいただけます。 名前 コメント