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第一部 第十四話『雪夜のライヴとカーチェイス』中編 「みんな。集合ご苦労」 雪奈は武道館の中ある関係者用の駐車場で揃った諜報部局員に声をかける。 「次元航行部隊や陸士部隊の騒ぎ様から解るように、如月千歳。音無琴羽。二人の周辺警備担当のフェイト・T・ハラオウン執務官。以下三名が誘拐された」 諜報部に所属する局員の大体は動揺を顔に出さず、部隊長である雪奈の命令を待つ。 しかし弥生はまだ信じられないらしく、少し動揺している。 「諜報部部隊長として指令を下します。アイドル二人が誘拐された事によって騒ぎが起こる事は想定されますので、騒ぎの鎮圧をお願いします。並びに緊急の作戦変更も行なう事を想定し、念話の回線は常に展開。以上!」 「Yes Sir!」 諜報部の局員は足並みを揃え、雪奈に敬礼した。 「幽霧霞三等陸士と如月弥生さんはここに残って下さい。それ以外は解散!」 雪奈の号令によって幽霧と弥生以外は駐車場を後にする。 「長月さん……」 誘拐された三人が心配な弥生は弱々しい声を出す。 冷ややかな目で弥生を見る雪奈。 その目に弥生は一種の恐怖感を感じ、背筋に寒気が走った。 雪奈はそのまま説明を始める。 「次元航行部隊013。ティアナ・ランスター執務官補佐の話によると誘拐犯は弁当屋を装って来たらしいです。私の予想だと配達中の弁当屋を強襲して、衣服から何まで揃えて来たのでしょう。全く……相手も馬鹿ではありませんね」 「自分はどうすれば……」 楽しそうに笑う雪奈に弥生は訊ねた。 想定していたとしても、やはり自身の担当しているアイドルを誘拐される現実に直面するとうろたえてしまう様だ。 うろたえながら尋ねる弥生に雪奈は楽しそうに笑う。 「簡単至極過ぎる事を聞くんですね~。貴方が幽霧と一緒に誘拐犯から三人を取り戻して来れば良いのですよ」 そう言って弥生に背を向ける雪奈。 「場は繋いでおきます」 心配そうな顔をする弥生に雪奈は言った。 弥生は雪奈の口から出た言葉に驚く。 「え……?」 「その代わり三人を取り戻すまで、この武道館をお借りしますね。お金はそちら持ちでよろしくお願いします」 「はいっ!?」 身勝手とも言える雪奈の言葉に素っ頓狂な声を出す弥生。 雪奈は笑顔で弥生に優しく言った。 「大丈夫です。如月弥生さんの所の社長に聞いたら、快く承知して下さりました。さあ、早く行って下さい。私にも準備というのがあるので」 駐車場から武道館内へ歩き出す雪奈。 そこで何かを思い出したらしく、背を向けたまま言った。 「多分、誘拐犯たちは弁当屋のワゴンで移動していると思います。どんな手を使ってでも追いかけて下さい。助っ人も呼んでおきましたので、上手にお使い下さい。貴方の車周辺で待機していると思うので」 「……ありがとうございます」 背を向けている雪奈に頭を下げる弥生。 「御武運を」 弥生は軽く手を振る雪奈から背を向け、幽霧と共に自車を止めている場所へ走り出す。 会場入りを誘拐犯に悟らせない様にするためだったらしく、弥生の使っている白いワゴンは近くの無料駐車場に置かれていた。 その白いワゴンに流線型のサングラスをかけた少年がよしかかっていた。 ジャージを身にまとい、肩には長細いバックがかけられている。 「長月さんの言っていた助っ人は冬秋だったのか」 弥生に冬秋と呼ばれた少年は身体を起こし、流線型のサングラスを外す。 サングラスの向こうから、人懐っこい顔が現れる。 冬秋はニヤリと笑いながら手を差し出す。 「そういうことや。よろしくな、弥生」 「ちゃんと働いて貰うからな」 差し出された手を握り、わざと力を入れる弥生。 力を入れる弥生に冬秋は楽しそうに笑い、力を入れ返す。 「いたっ! いたたたた! 力入れるな! 握り潰すつもりか!」 自業自得だがやはり痛いらしく、弥生は悲鳴を上げる。 「車を乗り換える事も想定されるので、早く行きましょう」 幽霧の言葉で二人は我に返る。 弥生は幽霧にワゴンの鍵を投げた。 鍵をキャッチした幽霧は不思議そうな顔をする。 「誘拐犯を追跡する術はある。運転とその両方は出来ないから、君が運転して下さい」 「……分かりました」 弥生の指示に幽霧は頷き、運転席に乗り込む。 助手席には弥生が乗り込んだ。 「助っ人の方はどちらへ?」 「ここや」 外からそんな声が聞こえ、軽くワゴンが揺れる。 そしてまるで大人一人分の体重が全体にかかったかのように、車体が地面に少し沈んだ。 車体の天井に乗るとは思わなかった弥生は唖然とする。 何をしようとしているか微かに理解した幽霧は驚きながらも天井を叩いた。 「よろしくお願いしますね」 「了解や」 冬秋は肯定と一緒に屋根を叩いた。 弥生から渡された鍵を穴に刺し込み、エンジンを開ける幽霧。 難なくエンジンがかかり、幽霧はアクセルを踏み込んだ。 車は地面にタイヤの黒い跡を残して走り出す。 「弥生さん。ナビゲートをお願いします」 幽霧たちが雪奈から作戦を受け、犯人の追跡を開始したその頃。 三人を誘拐した犯人たちの乗るワゴンはクラナガンの市内を走っていた。 そのワゴンの側面にはしっかりと「ミッドフーズ」という塗装がなされていた。 帽子で顔を隠し、口にはタバコをくわえた男がワゴンを運転しながら呟く。 「ん~。緊急の依頼だったけど、実際は依頼内容を詳しく知らないだよなー」 「ったく出発前に読んどけよボケェ! セレス、そこの紙取ってくれ。」 赤い髪に黒い瞳の男が助手席でタバコを吸いながら、弁当を入れる為に椅子が取り外されている後ろで依頼書を読む女性に声をかける。 「京極もウラも車内でタバコは吸わないで! 全く……はい、どうぞ」 セレスはタバコの煙を煙たそうにしながらウラに依頼書を渡す。 「あぁ? そんな事前からだろ。そろそろ慣れてもいいんじゃねーのか? …ほら、依頼書。」 ウラは荒い口調で言い返し依頼書をフードを被った男――京極に渡す。 「どれどれ……」 器用に京極はハンドリングを怠らずに依頼書を読む。 「アイドルグループ『ウィンドワルツ』の如月千歳と音無琴羽の誘拐。後はこの車を乗り捨て、依頼人に届けるだけか」 「意外と楽な依頼だったな」 後ろを再び見るウラ。 そこには弁当を入れる大きなプラスチックケースの代わりに三人の女性が眠っていた。 二人はきらびやかな衣装を身にまとい、もう一人は黒いスーツとタイトスカートを着ている。 まさしくその三人は誘拐された如月千歳。音無琴羽。フェイト・T・ハラオウンだった。 「弁当屋の格好で会場に侵入。『蛇』から買った強力な催眠ガスでスタッフや警護に来ている管理局の人たちを眠らせ、ターゲットを誘拐だったからな」 「でも油断は禁物」 セレスは二人を諌める。 「弁当屋の車を使っているとはいえ、どこで計画が破綻するか分からない」 しかしウラはセレスの言葉を否定する。 「そんなの関係ねぇ」 ウラの言葉に京極も笑う。 「俺たちのしたい事を……」 「「するだけだもんげ!」」 楽しそうに笑いながら運転する京極と大声で笑うウラにセレスはため息をついた。 「とりあえず、おじぃの待つ場所まで行ければいっか……」 クラナガンの市街を犯人であるウラたちの乗るワゴンが走る。 幽霧たちは念話や通信で入る情報を元に誘拐犯のワゴンを追っていた。 しかしクリスマスだと弁当屋やデリバリーサービスの車も大量に出没しているらしく、特定が出来ない。 ほとんど当てずっぽで走っているような感じだ。 「中々見つかりませんね」 運転しながらも周囲を見る幽霧。 怪しい車は一つも見つからない。 「そういえば幽霧は何歳だっけ?」 弥生はワゴンのハンドルを淀みなく操る幽霧に訊ねた。 幽霧のハンドルさばきは慣れたもので、周りの流れに合わせながら進む動きは熟練のものであった。 しかし少女のような風貌をしている幽霧だとお世辞にも、運転手が板についているとは形容しがたい。 淡々とした様子で幽霧は答えた。 「十五です」 弥生は幽霧の口から出た回答に硬直した。 「車の免許は?」 「持ってます」 「……何故に?」 規定年齢より下であるのに、免許書は所有しているという状態に驚く弥生。 ワゴンを運転する幽霧はどうやって得たのだろうか。 「仕事上で必要だったので」 「……取ったのは?」 怪訝そうな顔をしながら問う弥生に幽霧は無表情で答えた。 「去年です」 「一体どうやって?」 きっと幽霧は嘘をついていると思ったのだろう。弥生は更に問い詰める。 「鯖読みしました」 まるで他人事のように幽霧は答えた。 「上? 下? というか、本当の年齢は何歳?」 弥生はまだ疑っているらしく、幽霧に年齢を尋ねる。 「十五歳です。免許を取るときは上に鯖読みしました」 そう言いながら幽霧は弥生に車の免許書を見せる。 確かにカードの左端には幽霧の写真が入っていた。 習得した年もきちんと書いてある。 確かに偽造でもなさそうであった。 証拠まで見せられた弥生は納得するしかない。 軽く息を吐き出し、幽霧に弥生は言った。 「じゃあ、君の秘密を黙っておく代わりに自分の秘密も黙って貰おうかな」 持っているケースから大学ノートとボールペンを取り出す弥生。 意味深長な言動と取り出された物に首を傾げながらも幽霧は弥生の行動を見守る。 大学ノートを開き、ボールペンを構える。そして弥生は呟いた。 「先天性古代遺失物能力発動……」 「!?」 弥生の口から紡ぎ出された言葉に幽霧は驚く。 『先天性古代遺失物能力者』は裏オークションで聞いた謎の名称。 まさか、隣の助手席にその『先天性古代遺失物能力者』が座っているとは幽霧は思ってもいなかった。 驚く幽霧など意識の外らしく、全く気づかずにその名を紡いだ。 「『欺瞞神《ロキ》の悪戯聖書《いたずらバイブル》』」 ボールペンを握る弥生の手に金色の紋章が入り、片目が深紅の瞳に変わる。 弥生は肌に金色の紋章が浮かぶ手に握ったボールペンを大学ノートに走らせる。 ノートに書かれた事柄は二つ。 《今から五十分後に誘拐犯と接触》と《誘拐犯はクラナガン自然公園の駐車場にいる》。 弥生がノートからペン先を離した途端、書かれた文字が一瞬だけ金色に輝いた。 「うん。これで良しっと……」 ノートとボールペンを仕舞う弥生。 「如月弥生さん」 「ん? 何?」 幽霧は車を運転しながらも弥生に訊ねた。 「今の……何ですか?」 弥生自身も上手く説明出来ないらしく、苦笑しながら答える。 「書いた事を現実にする能力かな? いつの間にか身に付いていた能力だね」 苦笑しながらも問いに答える弥生に幽霧は閉口する。 しばらくしてから幽霧は口を開く。 「……差し出がましい事を言いますが、よろしいでしょうか?」 「うん? 何ですか? 自分の答えられる物なら答えるけど……」 幽霧は直球な問いを弥生に投げかける。 「貴方はそれをどういう物だと仮定しますか?」 「そうだね……」 実際にそんな事を考えてみた事がないらしく、弥生は考える。 しばらく間を置いてから幽霧に答えた。 「自身の願いを叶える手段の一つ……かな」 「そうですか……」 車の中に静寂が訪れる。 聞こえるのは温風から出ると外で車が走る音のみ。 しばらく経ってから幽霧は口を開く。 「これは本当に個人的な問いですが……」 そのまま言葉に出すのは躊躇われるらしく、少し考える幽霧。 躊躇いがちに言葉を区切りながら訊ねる。 「……貴方はとはいえ……何故、今も芸能界に身を……置いているのですか? その……」 「裏では「女装フェチの変態」と陰口を叩かれているのに?」 幽霧が訊ねにくそうにしている内容を弥生は笑いながら口に出す。 「……はい」 弥生の言葉に幽霧は頷く。 「存在意義は他人がどうこうじゃなくて、自分がどうしたいかなんですよ。他人に答えを求めるようなものではありません」 弥生の口から出た言葉に幽霧は感嘆する。 周囲から何を言われないようとも自身の意思を変えないという事は難しい事だからだ。 「理由は簡単です。千歳と琴羽さんが沢山の観客がいるステージでスポットライトを浴びる姿を一番近い場所で見たい……ただそれだけですね」 「弥生のシスコン軍曹~」 さっきまで黙っていた冬秋がワゴンの上から茶化す。 「黙れ! この撲殺中毒者!」 「そうや。ワイはワーカーホリックや。何か文句あるかい?」 あっさり開き直られたら反撃のしようがない。 悔しい弥生は歯噛みする。 「奥さんの神威姐さんとセックスレスやからって、妹と妹の友人を襲ったらあかんで~。琴羽ならまだええけど、千歳やったら近親相姦や」 「ちょっ! 千歳を襲うわけないだろ!」 顔を真っ赤にして否定する弥生。 説得力が全くない。 「あやしいなぁ~。つーか、セックスレスは否定しないんかい……ちゃんと神威姐さんを満足させなあかんで~。雪奈姐さんの話だと、神威姐さんは羽にゃんこちゅう物に夢中ちゅう話やし」 「なんだってぇ!」 冬秋の言葉に驚く弥生。 「そういえば、最近は風切羽捜査官によく絡んでいるらしいですね」 「うそだっ!」 淡々と話す幽霧に叫びながら頭を抱え始める弥生。 弥生の叫びを路上に響かせながら幽霧の運転するワゴンはクラナガン自然公園へと走っていく。 「本当に来ますかね」 「来るよ。自分の能力が外れた事は無いからね」 弥生は車から降り、クラナガン自然公園の駐車場で誘拐犯を待っていた。 待ち伏せしている事が誘拐犯に分からないようにライトは消してある。 誘拐犯が来るのを待つ間に幽霧は弥生に訊ねた。 「再度聞きますが、如月弥生さんのそれは何なのですか?」 「書いた事を現実にする能力だよ。自身の運を犠牲にしてね」 息を呑む幽霧。さっきは能力の代償までは知らされていなかったからだ。 そして何故、『欺瞞神《ロキ》の悪戯聖書《いたずらバイブル》』を最初から使わない理由も分かった。 常に使用していたらそれだけ運を消費する。 運が悪く怪我をしたり、運悪くテロに巻き込まれてもおかしくない。 だから出来るだけ使用を控えていたのだろう。 「自分の予測の範囲内だけど……先天性古代遺失物能力は使用者の願望が忠実に現れているのだと思う。何故ならこの能力を得るまでは、自身の考えた通りに物事が進んで欲しいと思っていたからね……」 「そうなのですか……」 核心にはまだ遠いかもしれないが、実際の能力者と会う事によって一歩前に進んだと幽霧は思った。 ワゴンの上に乗ったままの冬秋は幽霧と弥生に通達した。 「来たで」 駐車場の入り口からライトが近づいてくる。 そして側面に「ミッドフーズ」と塗装されたワゴンが止まる。 ドアが開き、中から赤い髪に黒い瞳の男が降りる。 「おじぃ……」 「こんばんは。誘拐犯さん」 影から現れた弥生は出てきた男に声をかける。 「お前は……如月弥生!」 「誘拐したうちのアイドルたちを返して貰います」 男に近づく弥生。 「京極! 車を出せ!」 「了解」 返事の代わりに男はワゴンに乗り込み、逃走を図る。 「幽霧! 出して!」 「はい。了解いたしました」 弥生は幽霧の運転するワゴンに乗り込む。 「……行きます」 幽霧からの呟きとほぼ同意。 タイヤをスリップさせながらワゴンが発車する。 「――っ!」 冬秋は加速による衝撃に耐えながらも少しずつ腰を上げていく。 何とか直立の姿勢になり、相手の車と接触する瞬間に備える。 幽霧は法定速度を超えたスピードを出し、誘拐犯のワゴンを追う。 誘拐犯たちもスピードを上げ、必死に幽霧たちから逃げる。 更にアクセルを踏み込む幽霧。スピードメーターの針はもう少しで振り切れそうだ。 弥生は身体を押し付けられるような衝撃に耐える。 走行しながら幽霧は相手のワゴンに自身のワゴンを寄せた。 瞬間、冬秋は天井を蹴り、跳躍する。 そして相手の車へと飛び移って着地。 冬秋はすぐに腰を低くし、これから訪れる衝撃に備える。 それから瞬きもしないうちに、冬秋の乗る車が思いっきり揺れた。 幽霧の運転する車から離れようと、大きくそれる。 冬秋は四肢を広げて車の上にへばりつき、何とか振り落とされないように踏ん張る。 あわせるようにして、幽霧の運転する車が大きく曲がる。 ブレーキをかけながらハンドルを切った為、車がほとんど九十度に回転した。 下手をすれば車体自体が反転しかねない無謀なハンドリング。 そしてそれをあと刹那遅れていれば相手の車に激突しかねない絶妙なタイミングで幽霧はやってのける。 口笛を吹く冬秋。 「あの可愛い譲ちゃんもなかなか凄まじい事をすんな~。春夏姉と同等かそれ以上のイカレっぷりや~」 すぐに車は体勢を整え、相手に遅れない速度で追走を開始する。 冬秋が乗っている車は左右に振られながらも、じきにまっすぐ走り始めた。 感じる振動も少ない。 しかし走り方が落ち着いてきたとはいえ、中では混乱が起きているのだろう。 大声が車から響く。 「おい! なんか追ってくるぞ!」 「知らないわよ!」 聞こえてくる声に冬秋は小さく苦笑する。 まさか一人の青年が自車の屋根に飛び移ってきたなど、夢にも思っていないであろう。 そして仮に冬秋の存在が気づかれたとしても、これから行う事の支障にはならない。 肩に掛けていた長細い円筒状のバックのファスナーをゆっくりと開け、手を突っ込む冬秋。 「よっこらせっと……」 バックの中から、冬秋は獲物を抜いた。 それは一振りの釘バット。 金属バットに無数の釘が刺さっている。曲がったり、紅いものが付いている釘がすごく禍々しい。 グリップをしっかり握り、冬秋はゆっくりと腰を上げていく。 直立姿勢になるとしっかりと車の屋根をスパイクつきの安全靴で踏み込み、身体の軸を固定。 「おわっ!」 車の中から驚いたような声が聞こえた。 誘拐犯に気づかれてしまったが、これから行う冬秋の行動に支障はない。 軽く構えを取る。足を肩幅に開き、釘バットのグリップを握りながら全身で仰け反る様に思いっきり振り上げ、肩の力を抜く。 丹田に気を込め、大きく息を吸う。 「せぃっ!」 思い切り息を吐き出し、全力で振り上げた釘バットを車へと叩きつける。 破壊音。 いや。これはもう、爆発音の領域であった。 幽霧は唖然とする。 一瞬、屋根の中心がへこみ、反対に車の両端が若干地面から浮いたように見えたからだ。 釘バットは半分ぐらいがワゴンの天井にめり込む。 衝撃は車のフレームを駆け巡り、ほぼ全体に伝わっていく。 車が走行する為に必要な部分を徹底的に蹂躙していく。 威力が全て車に伝わった手応えを感じるや否や、冬秋は屋根に食い込んだ安全靴と釘バットを強引に引き抜き、屋根から飛び降りる。 車の尻が左右に揺れたかと思うと、いきなり急ブレーキをかけた。 きっとハンドリングが上手く切れなかったのであろう。 地面に身を転がしながら、冬秋は車が急ブレーキをかける音を聞いた。 次の瞬間、ハンドリングが効かなくなったワゴンは脇のガードレールに衝突する。 ブレーキでワゴンをゆっくりと停める幽霧。 弥生はいてもたってもいられないのか、助手席のドアを開き、ガードレールに衝突したワゴンに駆け寄る。 ワゴンの助手席から男が出てきたのを見た途端、弥生は拳を握る。 「俺の千歳と琴羽に何してんだボケェぇぇぇぇぇぇ!」 そして渾身の力で握られた弥生の拳が男の頬を捕らえた。 車から出た途端、いきなり殴り飛ばされた男は地面に叩きつけられる。 激昂している弥生は誘拐されていた千歳と琴羽の事など頭に無く、誘拐犯をボコボコにする事だけを考えていた。 今度は千歳と琴羽を連れて行こうとする男に殴りかかる。 「セレス。ターゲットだけでも頼むなー」 「分かった」 男は弥生に気づき、仲間の女に連れて行く二人を任せる。 「おらぁぁ!」 雄叫びを上げながら殴りかかってくる弥生の拳を片手で掴む男。 あいている片手で弥生の腹部に拳を叩き込んだ。 「ごぶっ……ぼぇ……」 弥生の腹部に拳が突き刺さり、強引に息が吐き出させられる。 普通なら意識を失って地面に叩きつけられる所なのだが、弥生は自分から舌を噛む事で意識を保つ。 男の頭を掴む弥生。そして身体を後ろに反らせ、あろう事か、その頭を男に振り下ろした。 「これは千歳と琴羽の分っ!」 一撃で額がへこんだのではないかと錯覚するほどの一撃が直撃する。 「これも千歳と琴羽の分っ!」 再度、男の額に弥生の頭が衝突する。男は脳が揺れるような感覚に襲われる。 弥生も痛いはずなのに、一撃ごとに頭突きの威力は増していく。 しかし弥生は男の頭をしっかりと掴んでいる。 弥生は男に向かって笑った。額の皮は裂け、額から出血していた。 ここで初めて男は弥生の執念とも言える固い意志に恐怖する。 「最後も……千歳と琴羽の、分だっ!」 渾身の力で弥生は頭突きの三連撃を叩き込んだ。 一瞬だけ男の意識が刈り取られ、身体から力が抜ける。 弥生は男の頭を掴んだまま強引に頭を下げさせる。そして片膝を叩きつけた。 叩きつけられた片膝が男の顔に突き刺さった。 男は意識を失い、弥生に倒れかかる。 気絶しているとは気づいていない弥生は更に攻撃を加えた。 倒れかかってきた男の背中に腕を回し、身体を反らす。 それはへそで投げるタイプのバックドロップ。 弥生によって男は完膚なきまでに倒される。 「あ~あ。ワイの出番は無しやな」 意識を失った女を脇に抱えながら冬秋は呟く。 「……冬秋」 「大丈夫や。千歳も琴羽も無事や」 冬秋の言葉に安心する弥生。 誘拐犯の乗っていたワゴンに歩み寄る弥生。 後部座席では千歳と琴羽が眠っていた。 少しだけ髪形が乱れているが、それ以外は変わりない。 「良かった……良かった……」 「ワイは腹部にパンチ喰らっても頭突き三連撃かまして、更にバックドロップで止めを刺すお前の方が危険だと思うわ。というか、ココナッツクラシャーで既にオチとったで?」 気絶した女を脇に抱えながら冬秋は安心する弥生に苦笑した。 「ん……? 兄さん……? 冬秋……?」 弥生と冬秋の声がうるさかったらしく、千歳は目を覚ます。 「おはよう。千歳」 弥生は目を覚ました千歳に笑顔を浮かべる。 「兄さん……はっ! ライヴは! 琴羽。琴羽。早く起きて!」 ライヴ前に誘拐された事を思い出した千歳は隣で寝ている琴羽の身体を揺らす。 「千歳ちゃん……?」 琴羽もどうにか目を覚ます。 「如月マネージャー……ココ、どこなのでしょうか……? えっ!?」 「ライヴはどうしたの兄さ……きゃっ!」 所載を訊ねる二人をいきなり抱きしめる弥生。 抱きしめられている二人は意味が分からない上に気恥ずかしいらしく、頬を赤らめながら弥生の腕の中で暴れている。 「良かった……本当に良かった……」 弥生に抱きしめられている二人はその言葉で暴れるのを止めた。 「兄さん……」 「如月マネージャー……」 二人は弥生の背中に腕を回し、抱きしめ返した。 その光景を遠くから眺めながら幽霧は念話を雪奈に接続する。 [長月部隊長] [ん? 誘拐犯たちから奪還できました?] 雪奈は幽霧の念話に瞬時に反応する。 [ええ] 頷く幽霧。 [威信を取り戻したいと思っている陸士部隊の方々を寄越すから、陸士部隊の方々が来たら、出来るだけ早く戻っておいで。ちゃんと場は繋いであるから] [了解いたしました] 雪奈との回線が切断される。 念話が切れた後、幽霧は弥生たちのいるワゴンの方へと歩く。 「陸士部隊の方が来るそうです。誘拐犯を引き渡した後、出来るだけ早く武道館に早く戻って欲しいそうです」 遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。 「分かりました。ありがとうございます」 弥生は幽霧に頭を下げる。 「えっと……ライヴの方は長月部隊長が場を繋げているそうです」 「ご丁寧にありがとうございます」 「ありがとうございます」 千歳と琴羽の二人は幽霧に頭を下げる。 「兄さん……それ……どうしたの?」 「マネージャー……?」 弥生の顔を見た千歳と琴羽は驚いたように瞬きしている。 「何でもない。二人は気にしなくても良い」 顔を二人から背ける弥生。 「兄さん!」 千歳は手を伸ばして弥生の頭を掴み、無理やり前に向かせる。 そして二人は言葉を失った。 弥生の額に出来た傷跡から流れた血で顔が血塗れなのだ。 全然大丈夫、と開き直るように弥生は笑う。 「弥生はな~」 「……言わなくても良い」 冬秋は弥生の言葉など無視して、話を続けた。 「二人を誘拐した奴らにキレて、殴りかかったんや。二人の為にな」 気恥ずかしいのか、弥生は二人から顔をそらしている。 「……兄さん……」 「マネージャー……」 二人は着ている衣装の裾で血塗れになった弥生の顔を拭こうとする。 「止めろ。衣装が汚れる」 衣装を汚さない為に弥生はわざと厳しい声を出す。 「じゃあ。これをどうぞ」 幽霧は二人にハンカチを差し出す。 そして誘拐犯の使ったワゴンの中で眠るフェイトの方へ行く。 「フェイトさん。フェイト・T・ハラオウン執務官」 安否を確かめる為に幽霧はフェイトの身体を軽く揺らす。 「ん……。ゆう……ぎり……くん?」 「おはようございます。フェイトさ!」 目を覚ました途端、いきなりフェイトに抱きつかれる幽霧。 「……フェイト・T・ハラオウン執務官?」 何度も抱き疲れていると免疫も出来てくるらしく、無表情で淡々としている幽霧。 抱きついた状態でフェイトは言った。 「……夢を見たの」 「夢ですか?」 言葉を返す幽霧にフェイトは頷く。 幽霧の肩に顔を乗せ、耳元で囁く。 「うん……幽霧くんが沢山の人を殺していたのそして……」 言葉の続きを紡ぎ出すことを躊躇っているらしく、フェイトは口をつぐむ。 そしてゆっくり吐き出す様にフェイトは幽霧に囁いた。 「……最後に自身の頭にアルフィトルテちゃんの銃口を突きつけて自殺するの……」 「……」 フェイトの言葉に幽霧は硬直した。 硬直した幽霧にフェイトは頭を下げる。 「……ごめん。変な事を言って」 しかし謝罪した後も夢の内容がまだ尾を引いているらしく、フェイトは幽霧から離れようとしない。 その状態でフェイトは幽霧に訊ねる。 「幽霧くんはいなくならないよね……?」 フェイトの問いに大使、幽霧はすぐには答えなかった。 代わりに幽霧はフェイトの背中を優しく叩く。 まるで泣きじゃくる子供を慰める母親のようであった。 「……幽霧くん?」 「自分はそんな事はしませんよ」 背中を叩きながら幽霧は答える。 「そんな事をする理由もありませんし……そんな事をする気もありません。それに……」 幽霧は言葉を区切り、自信に言い聞かせるように答えた。 「……あの赤い世界の真実を知るまでは……死ねませんから」 「兄さん……大丈夫?」 誘拐犯を陸士部隊に引き渡した後、幽霧たちは弥生のワゴンで会場の武道館へと向かっていた。 そのワゴンの助手席で千歳は運転席で運転する弥生に尋ねる。 血は止まっているが、弥生の額には傷が残っていた。 「気にしなくても良い。お前と琴羽さんは気分を落ち着かせる事だけ考えれば良い」 弥生は前だけを見ながら答える。 「でも……」 まだ納得出来ていない千歳は引き下がろうとしない。 そこで今もワゴンの上で座っている冬秋が口を挟む。 「弥生の言う通りやで~。千歳と琴羽は自身のしたいようにやって行けばええ。泥や血を浴びるのはワイと弥生だけでええんや」 そう言って冬秋はケタケタと笑う。 「冬秋の言うとおりだ。泥や血を浴びるのは自分だけで良い」 ハンドルを切りながら弥生は答えた。 車内には振動がほとんど無く、運転手姿も板についている。 運転する姿からも弥生が熟練者であるように感じられた。 「ありがとうございます」 真ん中の後部座席で心からの笑顔で言う琴羽。 「……ありがとう……兄さん。冬秋さん……」 そして千歳は頬を赤らめながら恥ずかしそうに言った。 弥生と冬秋は満更でもない顔でニヤリと笑った。 一番後ろの後部座席では、幽霧は窓からぼんやりと空を見上げていた。 空は灰色の雲で夜空が隠れている。 季節的にはそろそろ雪が降ってもおかしくないのだが、降る様子も無い。 「空を眺めて、どうしたの?」 隣で座っているフェイトが幽霧に尋ねた。 「そろそろ雪が降っても良いはずなのに降らないので」 「雪……そうだよね。今日はクリスマスイヴで、明日はクリスマスだから……雪も降って欲しいよね」 フェイトも幽霧と一緒に空を見上げる。 ちょうどその時だった。 ワゴンの隣をオレンジ色の物体が通り過ぎたのは。 車道の隣で何かが爆発する。 発生した衝撃波で走っている車を揺らす。 「きゃあぁぁぁ!」 激しく揺れるワゴンに千歳と琴羽は悲鳴を上げる。 [幽霧] いきなり雪奈から通信が入る。 [長月部隊長?] [まず最初にごめん。幽霧。陸士部隊がしくじった] 謝罪する雪奈の声から申し訳なさが感じられた。 詳細について、幽霧は雪奈に訊ねた。 [一体、何があったのですか?] [実は『ウィンドワルツ』を誘拐しようとした人たちにはまだ仲間がいてね~。装甲車で突っ込んで来たそいつにね……] 幽霧は後ろを振り向き、背後の窓から後ろを見た。 予想通り背後には装甲がつけられた無骨な形の車がワゴンから距離を取りながら追いかけてきている。 [注意するように言おうと思ったけど……遅かったようだね] [はい……] 背後から飛んでくる射撃魔法やミサイルを眺めながら幽霧は頷く。 今は牽制が多いが、ワゴン狙いも何発かあった。 「おらぁ!」 冬秋はワゴンに飛んでくるミサイルや射撃魔法を釘バットで打ち返す。 しかし何発かは誘爆を喰らったらしく、冬秋のジャージの所々がこげていた。 [管理局で禁止している質量兵器も装備しているようです] [まあ……裏の方面では、対魔導師兵器として質量兵器も流通しているからね~] 苦笑する雪奈。その笑いにも力は無い。 周囲の爆音がより大きくなる。 窓からアルフィトルテを握った腕を出し、幽霧は飛んでくるミサイルを迎撃する。 アルフィトルテから撃ち出された魔弾は空中でミサイルと接触し、空中爆発を起こす。 [雪奈さん。上からの判断はどうなったのですか?] フェイトは幽霧と雪奈の通信に口を挟む。 [上は管理局自体が質量兵器の存在を認めないから、様子見] [なら……] バルディッシュを指の間に挟むフェイト。 どうやら背後の装甲車を撃墜する気らしい。 そこでフェイトを止める雪奈の声が飛ぶ。 [貴女がアレを撃墜しないで下さい] [何でですか! 雪奈さん!] 止める雪奈にフェイトは声を荒げる。 雪奈は淡々と答えた。 [砲撃魔法や高ランクの魔法などは質量兵器が誘爆で災害を起こす恐れもあるからね] 「くっ……」 確かに雪奈の言うとおりであった。 追っている装甲車には質量兵器がまだまだ入っている恐れがある。 その質量兵器が魔法で爆発したらどうなるか。 きっと装甲車の中にいる誘拐犯たちだけではなく、周囲にも多大な被害が来るだろう。 危険なのは爆発だけではない。爆発によって飛来する金属片なども人を殺す危険性がある。 多重の意味で幽霧たちは生半可な方法で装甲車を撃墜する事は出来ない。 背後の装甲車になされるがままにされている事態にフェイトは唇を噛む。 ミサイルが足りなくなってきたのか、今度はワゴンに狙って銃弾が飛んできた。 ある一発の銃弾がワゴンのバックドアを貫き、幽霧の頬と千歳の髪を掠める。 しかしそんなことで動じている状況ではなかった。 「兄さん!」 助手席でカーナビを見ていた千歳が叫ぶ。 「徐々に会場から遠ざかって来てるよ!」 カーナビは確かに弥生の運転するワゴンが目的地である武道館から離れていっている事を表示していた。 きっとこれも誘拐犯の作戦の一つであろう。 誘拐出来ないのなら、ライヴに出れない様に妨害すれば良い。 こうして妨害していれば例えライヴ会場のスタッフが場をつないでいても、痺れを切らせたファンが勝手に帰っていく。 そしてライヴを行われなかった事が報道され、世間でのイメージが落ちる。 もしかしたら犯人たちの作戦は妨害で無いかもしれない。 弥生たちが上手く逃げているから妨害として作用しているのであって、本当の狙いは『ウィンドワルツ』の二人並びに関係者を殺す事であるのかもしれない。 こうした殺人の類は裏社会で生きる者の得意な分野だ。 例え殺人であっても事故に見せかけたり、殺人の証拠を出させずに雲隠れする事くらい十八番であろう。 「分かってる!」 弥生はアクセルを踏み込み、スピードを上げる。 装甲車もスピードを上げる。 スピードを保ちながら弥生のワゴンは左折した。 これで装甲車を撒けると弥生は考える。 しかしの予想は綺麗に外れた。 更にスピードを上げた装甲車が左折してきた。 下手をすれば車体自体が反転しかねないリスクを負いながらも装甲車の運転手は弥生たちを追ってきた。 それにより、弥生のワゴンと誘拐犯の装甲車が併走している状態になる。 「……ちっ」 弥生はハンドルを握りながら舌打ちをする。 装甲車を撒く為に弥生はスピードを出しながら左折したのだが、装甲車の運転もそれなりの技術者であるようだ。 併走している装甲車の窓が開く。窓からせり出してきたのはショットガン。 「幽霧くん!」 誰よりも一番先にショットガンの餌食になる幽霧にフェイトは叫ぶ。 「――。アイギス」 至近距離でショットガンを撃とうとする相手に幽霧の顔は引きつる。しかし瞬時に[アイギス]を撃ち込んだ。 [アイギス]は装填された弾から何まで石化させる。 用を成さなくなったショットガンをいらないと判断のか、石化したショットガンを投げてきた。 幽霧はそれをキャッチし、[アイギス]の石化を解除。 ショットガンの銃口を装甲車に向ける幽霧。 「え……幽霧くん!?」 明らかにショットガンに装填された弾を撃ち込む気満々の幽霧にフェイトがぎょっとする。 死んだ魚の様に無機質な瞳で装甲車を眺めながらショットガンの銃爪を引く。 銃口から撃ち出された弾が爆発音を立て、装甲車の装甲に穴を開けた。 ショットガンによって吹き飛ばされた装甲は後ろに飛んでいく。 後ろを走行している車がいたら避けてくれる様にフェイトは祈った。 幽霧の追撃を考慮したのか、再び装甲車は後ろを下がる。 しかしワゴンを追う事は諦めていない。 [あっ。陸士部隊が交通規制を敷いたみたい] すぐに入った情報らしく、少しだけ驚いた声で報告する雪奈。 [規制範囲はどのくらいですか?] [武道館の周辺十km] 幽霧は身体を伸ばし、運転席の隣にあるカーナビを見る。 今は少し交通規制がなされている範囲から離れているようだ。 少し考えた後、幽霧は雪奈に訊ねた。 [交通規制範囲内で直線距離が一km以上の場所は] [あれでケリをつける気?] 幽霧の問いに雪奈は驚いたような声を出す。 [はい] [ふむ、分かった。完全詠唱版の使用を許可しよう] 頷く幽霧に雪奈はニヤリと笑い、ある魔法の詠唱を許可する。 [君たちのいる位置から五百m先を右折。その後、一km先で右折した位置からがグッドポイントだよ] 「弥生さん」 「了解」 雪奈の指示を聞いていた弥生はアクセルを踏み込み、スピードを上げる。 幽霧はフェイトにも指示を出す。 「フェイト・T・ハラオウン執務官。その地点に着くまで、シールド展開を頼みます」 「うん。分かった。……パルディッシュ」 「イエス。サー」 フェイトとバルディッシュはワゴンを覆うようにシールドを展開する。 幽霧はわざとワゴンのバックドアに「アイギス」を撃ち込む。 バックドアは「アイギス」の効果によって石化した。 [じゃあ、次は会場で会おう。絶対にも戻っておいで。まだまだ幽霧にはして貰わないといけない事があるからね] [はい] 頷く女顔の少年に蒼い髪の女性は微笑んで見せた。 微笑が優しく溶ける。 まるで労わる様な。慈しむ様な。 そんな微笑み。 雪奈と幽霧の通信はココで終了する。 「じゃあ……いくよ」
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朱鷺宮神依の場合 ※レイ「ガン攻めシン?ふはは、リリカめ、やりおるわ」 リリカ「私じゃないしそれキャラ違うから!絶対違うから!!!」 1 「わふー、シン殿ー、もふもふしてくださりませー」 「お、いいぞ」 関東大崩壊から10日後 シンからの告白で付き合い始めたシンと神衣が公園の野原で座っていた 「・・・ふふ」 微笑む神依。 神衣とシンが付き合い始めたのを都立御苑女学園中に回るまでまだ時間が早すぎる頃。 シンは神依とデートをした。 場所はアミューズメントパークが近くにある東京の自然公園。 神依は時代に追いつけない。 だがしかし追いつけないことがもう一つあった。 それは恋愛沙汰である。 神依は冷静なように見えるが。実際のところは―― (シンの恋人でシンとでぇと・・・!) 内心では、つないでるシンの手の脈が心臓に伝わって体中にその脈の鼓動が走るかのように 緊張をしていた。 このはと、そしてこの場には居ないがエリオと一緒に来てるおかげもあって それはある程度安らいでいるが、それでも、彼女は乙女である。 千年守も初恋にはついていくので精一杯な状況である。 親しいシンも、それを分かってるから「最初から色々するのは無理だ」と判断して、 恋人としての交流をちょっとずつしている。 それこそ告白の時はキスをしたが、今それを同じ事をしろといわれれば無理である。 「そ、その、シン・・・」 何か、話題があるのか、とりあえずつなぎの話をしようとした時。 「神依さんももふもふしますか?」 「―――っっ!!」 氷のような美貌の顔が赤く染まる。 「わふー、神依様ももふもふされるでござりますー」 そして、その手を頭に乗せる。 シンの手の鼓動が頭から伝わって。そして心臓、手、足、胴体。それら全体に伝わって。 「シ、シン、そ、その。これは」 「何言ってるんですか。恋人だからこれぐらいしても問題ないでしょうに」 シンは確信犯でやっている。間違いなく。 「む、そ、そうなら、私も、その――むむ」 言葉が遮られる。何かをしたかったのだろうか。 そして、シンが時計を見た。 「あ、もうこんな時間か。神衣さん、行きますよ」 「え、えっと、どこにだ?」 「アミューズメントパークですよ」 ――― 「ここが、あみゅぅずめんとぱぁくか」 午後2時、彼らはアミューズメントパーク「ポパイ」に行った。 それの目的は遊ぶためだが、シンはもう一つの目的があった。ちなみにこのはは遊園地でエリオと一緒に遊んでいる。 そう、ぬいぐるみである。 神衣は普段隠しているが、ぬいぐるみが好きなのである。そしてUFOキャッチャーにあるのはぬいぐるみ。 シンは神依にプレゼントがしたいのだ。 そしてシンは財布の中身を確認する。中身には100円玉が何枚もある。それらでぬいぐるみをとるのである。 そして神依はやはりフロントガラスごしにあるぬいぐるみにガン見。そこには犬のぬいぐるみが何個か。 「やりますよ、ちょっと待っててください」 「え、その、これはなんだ」 「これはUFOキャッチャーといって、そこにあるぬいぐるみがとれるんですよ」 「そうなのか」 と、聞くと妙に顔が和らぐ。取れるかもしれないのだ、そうなる。 「さて、取りますよ」 と言ってコインを投下。 「まずはこのボタンを押して奥まで移動させて、離して横に移動するボタンを押すんですよ」 「む、やってみるか」 といって、ボタンを押そうとすると シンが、手を、神依の手と重ねたのである。 「・・・なっ」 「一緒に、取りましょう」 と言ってボタンを押す。この時神依はそれどころではなかった、一言でいえばパニック、目がぐるぐるマークになる勢いである。 悶えていた。神依は悶えているのである。千年守も初恋の初々しい行動には成すすべも無いだろう。 と、そしてボタンを押す。そして犬のぬいぐるみと同じ位置にUFOを下ろす。見事つかみ、そして手に入れた。 「さ、神依さん。それを」 「あ、ああ」 あの緊張から解き放たれたのか、ぼーっとしていた神衣は気を取り直す。そして取り出し口からぬいぐるみを取り出した その日はとても楽しい時間だったのは言うまでもないだろう。 ――― 帰り道寄った公園の丘の上。 午後5時 このはとエリオは電車で先に帰った。その頃の話である。 「シン・・・」 昼間の時、いえなかった事を言おう。それを神依は決意した。 「・・・綺麗な、夕日ですよね」 夕日は赤かった。それだけでなく、暖かい赤色をしていた。 太陽は彼らを暖かく包む、それをしていた。 彼の世界では、この夕日は残酷な光をしていた。 まずは男一人が死に、そして彼の身内は悲しみ、更に死が増えて。 結果、町が死んでしまう事になる それをさせないが為にシンは元の世界で一生懸命頑張った。 人を殺し、家族を、町を殺してしまう事になろうと。そんなことが無い世界の為に。 結果、今の彼はここにある。その心の傷は六課でほぼ治った――はずだった 怖かった、シンは大切なものを失くす事を。 「・・・シン、どうしたのだ」 「あ、いや、何もありませんよ。ちょっと考え事を」 何も無い、とは言っていたものの、顔が悲しんでいた。 そして、シンと親しい神依は察する。彼が、少し悲しんでいる事を。 「・・・シン」 「なんですか」 「私を、もふもふして、くれないか」 凄く恥ずかしい、だけど、彼の悲しみを失くす為に言葉を言った。 その言葉は凄くたいした事は無いかもしれないが、それでも、言わなきゃいけないかもしれなかった。 「え、そ、その」 と、シンは戸惑うが、そこに。 神衣がシンを抱きついた。 「かむ・・・いさん」 「このままで、頼む・・・」 「何を考えていたか分からない、だが、しかし」 「私は、居なくならない。お前の傍にずっと居たい、そして、ずっと居る――!」 「―神依、さん!」 そして、神依はもふもふされる。暖かい、手で。 2 ティニーが突然出現しました事件から4日後 このはは妹が出来たかのように喜んでいた。 当然であろう。このはは以前こんなことを言ったのだから ――― 「神依殿ー」 「ん、なんだ、このは」 「このはも妹が欲しいでございまするー、シン殿と子供を作ってほしいでありまするー」 「なっ・・・!?」 赤面する神依。それは、「アレ」をしろと同じ意味である。 アレとは内緒ではある。嗚呼人間不思議なのバンザイ。 「こ、このは、その話は、その・・・い、今は無理だ」 「あれ、どうしてでございますか神依様ー」 「そ、その・・・もう少しシンと親密になってからじゃないと・・・」 凄い可愛らしい顔で可愛らしい言葉(クーデレ的な意味で)を言う神依。 「・・・?」 そして首をかしげるこのは。このはは「アレ」を知らないのである。 ――― こんなことがあった事からこのはは妹を欲しがってる事が分かるが、 本当になったので喜んでいる。 「わふーっ、ティニー一緒に遊ぶでございまするー!」 「わーい!」 といった感じで遊んでいる。たまにこのはがティニーにもふもふしたりする。 たった4日で親密になれるこのはは神依と似て保母さんの気があったりする・・・かもしれない そしてそれを静かに見守るシンと神依。 まだ初々しいながら少し恋愛に関しては大人っぽくなった神衣とシン。 二人はちょっとずつ恋愛経験を積み重ねて、そして、体を重ねあった仲だ。 知らない者が見たらまるで夫婦みたいに見えるか、勘違いするかのどちらかだろう。 「シン・・・その、今日も、いいか?」 「いいですよ。神依さん」 といって、口付けをする二人。ちなみにナニするかはアレである。 あっさり出来るようになってからまだ日が浅くて、体を重ねあったのは何回かだけだが、立派な恋人同士。 更にこのはやティニーを付け加えるとまさに家族である。 数ヶ月前は手を繋げる事すら顔を赤らめてた頃とは大違いだ。 ――― 「・・・」 シンが居る部屋が「シーン」とした 「・・・ゆ、め、かぁぁぁぁぁっ・・・!!!」 例によって夢落ちだ。なんだよ体を何回も重ねた仲って。 それってもしかして(ピーッ!)して(ピーッ!)して(ピーーーッッ!!)じゃないか。 幸せなのは幸せだがティニーって誰だよ(アルカナハート2より大分前です) と、シンはそんな細かいところまで気にしていた。ちなみにこれ、予知夢です。 3 Galaxy Destiny-04便乗ネタ ベッドの前にやって来たのは――、 F.神依だった。 「大丈夫か、シン」 一緒に料理を作ったときの服、あのワンピースの服で神依は聞く。 「す、すみません。なんか俺油断していたみたいで・・・げほっげほっ」 「今から看病してやるからな」 え?とシンは聞き返したくなった。 恋人から看病を受ける?それも神依から? 「そ、その。だ、大丈夫ですっていうかインフルエンザがうつるんじゃ・・・!」 「大丈夫だ。私はちゃんと予防接種を受けている」 インフルエンザは予防接種で「ほぼ」予防できる。 というかそんな問題ではない。シンは今とりあえず何がなんだか分からないがとにかく困っていた。 「熱は・・・」 といって前髪を払い、でこをつける神依。 この時シンは凄くドキドキしていた。なんでこんな、凄く、恥ずかしいではないか、と。反論できる力は無かったが。 「熱は相当あるな・・・今しぼりを持ってきてるからそれを」 「あ、ああ・・・すみません、神衣さん・・・」 と、言ってしぼりを頭に乗せる神衣。 「あの・・・神依さん・・・いいんですか?こんなこと・・・してもらって」 と、シンは弱弱しい声で聞く。 「これぐらい当たり前だ。用事が何も無い時に恋人が病を患って倒れたと聞いたら真っ直ぐ行くものだろう」 と、神依は返す。当然であろう。流石に次元の歪みが起きたとかはそちらに優先せざるを得ないという千年守の宿命があるが、 それが無いなら看病に行くものである。 「シン。私はお前の恋人だ・・・これぐらいの事はさせてくれ」 「――っっ」 シンはその言葉を聞いた時、おきて神衣の胸に顔を押し付けた。 神依は拒絶せず、その頭を抱える。 「シン・・・」 「神依さん・・・その・・・ありがとう、ございます・・・」 「大丈夫だ、私はお前を置いてどこかには行かない」 決意の言葉だろう。その言葉はへんてつの無い言葉だけど、凄く、シンには嬉しかった。 そして、そのまま、口付けを―― 「―げほっ!げほっ!」 「ほ、ほら言わんこっちゃないですよ・・・神依さん・・・」 今度は神依にインフルエンザがうつった。幸い予防接種をしていたおかげで ある程度ましになってるものの、床に伏せていた。 「神依さん、少し熱はかりますよ」 「む、たすか――っ!?」 今度はシンが前髪を払い、でこをつけた。まるでこれでは前の夜の立場が逆ではないか。 「シ、シン。これは、その」 今度は神依が顔を赤らめる番だった。 「何言ってるんですか。少しくらい仕返しぐらいさせてください」 「神依さん、俺は、神衣さんの恋人なんだから・・・」 「っ、そ、その・・・」 と、いって神衣を起こして抱き上げる。 「これぐらいの事、させてください。俺、神依さんのことが好きだから」 「――っ」 そして、そのまま、口付けを―― ―― 「てな事があったんだ」 「か、かむかむ先輩!続き!続きーっっ!!」 昼休みの学校、冴姫とはぁと、リリカや頼子や舞織は一緒に雑談していた。 その時シンとはどうなったかと聞かれて話したわけだが。 「ま、まあ・・・その、その後は治るまで看病してくれたんだ」 「うわーお・・・あつあつ」 リリカは冷静に言った。多分これは全員の気持ちを代弁してる。 「神依さーん、何話してるんですかー」 「む、すまない。少し・・・まあ、その、インフルエンザの時を話していた」 そこにシン助教授が来た。 「シン先生ー!キスをしたって本当でありますかー!」 「き、キスって・・・!」 冴姫がとまどっていた。はぁとは聞いた。どう見てもわくわくてかてかしてます、本当にありがとうございました 「ん、ま、まあ・・・その・・・」 「ほらやっぱり!かむかむ先輩キスしたんですね!」 「む、むう・・・」 両者は顔を赤らめていた。耐性が無い冴姫や舞織はとまどう。 「・・・ま、まあ、その、少しぐらいは」 「うわーお・・・アツアツだねぇー・・・」 「さーたん一緒にキスしよーっ!」「ちょ、やめっ、はぁとっ」 と、いつもどおり平和でした。 Happy End 午前12時、yagami介入失敗☆ 前に戻る 次へ進む 一覧へ
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自然 イタンキ浜 (道南 / 室蘭市) 絵鞆岬 (道南 / 室蘭市) 金屏風 (道南 / 室蘭市) 銀屏風 (道南 / 室蘭市) 大黒島 (道南 / 室蘭市) 地球岬 (道南 / 室蘭市) トッカリショ (道南 / 室蘭市) ハルカラモイ (道南 / 室蘭市)
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■概要 瀬平戸市で公園と言うと此処を指す程の有名(?)スポット かなり広めに作られており屋根次の休息所や御手洗い、遊具も充実している バトルフィールドとしても使用可能 ■共有 どうぞ遊ぶなり戦うなりに使って下さい ただしある程度の破壊は大丈夫ですが消し飛ばしたりしないで下さい
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都市船データ 火星に存在する各都市船についてのデータです。 【土産物】はその都市船でのみ購入できるアイテムです。 価格は、夜明けの船と都市船との友好度で変わります。稀に臨検で手に入り、酒保に入荷することもあります。 都市船データアエリア アキダリア アスクレウスコンビニ阿吽 アクレウス店 公園 アクレウスパーク パブ ウニコルノ レストラン サン・ロード アマゾネス公園 ウォーターパワー・パーク パブ ミッドナイトピンポン レストラン アトラニチーダ パボおじさんの店 アマゾネス店 アルカディア アルギュレ アルシア イシディス イスメニウス エルシウムストア・犬大太(イヌオーオー) エルシウム店 公園 マンサー公園 パブ 赤提灯 エリダニア オリンポス クリュセ シルチス シレーンギフトショップ・薬指チム 公園 シレーン運動公園 パブ 喝愛 レストラン キノコ畑 タルシス チレナデパート・タングラム チレナ店 公園 チレナダム公園 パブ 赤いほっぺ レストラン プリマベーラ テムペパボおじさんの店 テムペ店 公園 テムペ熱帯庭園 パブ パープルレイン レストラン ルルイエ ノアキス パヴォニスブラザWABI&SABI 公園 パヴォニス工業団地公園 パブ マスカレード レストラン ジェリーフィッシュ ヘラスコンビニ阿吽 ヘラス店 公園 ポプラ・ストリート パブ 蛇苺 レストラン サティスファクション マリネリスマート・ブーメラン 公園 リラクゼーションパレス・アマノ パブ マロニエ レストラン シップヤード ユートピアテンプル リンク・トゥ・ワイズマン ルナ アエリア 農業系。 【土産物】 冷却シート WC修正1.1 ダンシング鈴虫 親愛修正1.3 販売店 ストア・犬大太(イヌオーオー) アエリア店 犬知類が興した、太陽系チェーンストア。 ローラースケートを履いた犬が店内をご案内。 飲食店 レストラン『我流~GARYU~』 レストラン 我流〜GARYU〜 創作料理で、何が出るかはお楽しみ。 頑固シェフの個性的な料理を召し上がれ。 パブ プロフェッサー・プリン 元教授の経歴を持った猫知類、プリンママのお店。 心のこもったおもてなしをどうぞ。 公 園 公園 カントリープレイス 湖に釣り堀とボート乗り場がある。 入場料は無料。 アキダリア 火星の主要産業となっている水打ち上げ型の都市。 【土産物】ワイズマンのお守り 何もしたくない修正1.2 神格化されたワイズマンのお守り 価格812CR 【販売店】ストア・犬大太(イヌオーオー)アキダリア店 犬知類が興した、太陽系チェーンストア。ローラースケートを履いた犬が店内をご案内。 【飲食店】レストラン『コラソン』 焼きたてパンが評判の店。具沢山のスープとパンのテイクアウトも可。 パブ『アインマール』 酒はもちろん、豊富な種類のコーヒーを楽しむ事が出来る。 【公園】 アキダリア・スクェア 広場の他、温水プール施設がある。水着やタオルの貸し出しは有料。 アスクレウス コンビニ阿吽 アクレウス店 見渡す限りの商品で埋められた、 日本月発の大規模コンビニエンスストア。 公園 アクレウスパーク オオオニパスの巨大な葉っぱのベッドで 昼寝を楽しめる。 パブ ウニコルノ 太陽系中から集めた地ビールを味わうならココ。 個室もあるが、こちらは要予約。 レストラン サン・ロード 火星で一番メニューが多く、その数2018種類! 食べるのに勇気が要るメニューもアリ。 アマゾネス 公園 ウォーターパワー・パーク 地下には透明な水中トンネルがあり、 散策出来る。 パブ ミッドナイトピンポン 一杯やりながら、卓球が楽しめる。 19世紀のアメリカンロックが流れる。 レストラン アトラニチーダ プロレス界を引退し、料理の世界に飛び込んだ 自称、闘うシェフのこだわり料理に舌鼓! パボおじさんの店 アマゾネス店 太陽系に多くのチェーン店を持つ大型ストア。 オーバーオールのパボおじさんがマスコット。 アルカディア 火星では、一番の都会。娯楽で満ちあふれた唯一の消費型都市。 【土産物】ドリンク・ダラリ 喉の潤い+12、尿意ー10、悲哀+1 糸を引くような粘りのあるジュース 価格12〜20CR MISOサワーヘイト 喉の潤い+8、尿意ー10、恐怖+1 みそ味のキワモノ乳酸菌ソーダ 価格12〜20CR グローリーウォーター 喉の潤い+10、尿意ー10、真剣+1 ミネラルたっぷりの水 価格12〜20CR バナナミルクスープ 喉の潤い+12、尿意ー10、羞恥+1 甘ったるいスープ、妙な気持ちになる。 価格12〜20CR 世界のグルメ紀行 体力修正1.1 世界の料理を紹介した本 価格100〜250CR イチゴ仁丹 喉の渇き修正1.1 甘酸っぱくて、スースーする味 価格80〜200CR アイパーム 睡眠修正1.1 目の周りに塗る。クマやくすみを解消! 価格100〜250CR 紫のストッキング 色欲修正1.1 紫色のセクシーストッキング、ラメ入り 価格120〜230CR ナルヘソ偉人伝 名誉修正1.1 語り継がれる偉人達の生涯を綴った本 価格120〜230CR 中国茶セット みんなに好かれたい修正1.1 功夫(クンフー)式の中国茶セット 価格4000CR オルゴール 恋に生きたい修正1.1 甘いメロディを奏でるネジ巻きオルゴール 価格150〜260CR カブトムシ 友情修正1.1 可愛いオスのカブトムシ、皆の人気者 価格400〜1600CR てんとう虫のバッジ 親愛修正1.1 デジタル時計付きの可愛いバッジ 価格120〜250CR ニオイオジギ草 生存修正1.2 葉をたたむ時に匂いを出すオジギ草 価格200〜400CR 鼻眼鏡 士気修正−30、みんなに好かれたい修正1.1 鼻がついたオモチャの眼鏡 価格500〜720CR 【販売店】コンビニ阿吽アルカディア店 見渡す限り商品で埋められた、日本月発の大規模コンビニエンスストア。 【飲食店】レストラン『ケルルン・COOK!』 ご馳走に舌を伸ばすカエルが目印の店。銀河中の珍しい食彩をご賞味あれ。 パブ『レッドバッファロー』 嵐のようなダンスタイムがあなたを待ち受ける!。 【公園】 アクアプレイス 防音壁で外界の音をシャットアウトした静かな公園。 アルギュレ 火星の主要産業となっている水打ち上げ型の都市。 【土産物】蜂の子のお菓子 満腹度+20、喉の潤い+10、尿意+5 蜂の幼虫の砂糖漬け 価格100〜140CR 【販売店】コンビニ阿吽アルギュレ店 見渡す限り商品で埋められた、日本月発の大規模コンビニエンスストア。 【飲食店】レストラン『ゼンゼロ』 ランチ定食は、一日50食限定。お昼どきには長蛇の列が出来る。 パブ『レットル・ダムール』 マスター夫婦がシャンソンを歌う。軽食では、冷やし中華が人気。 【公園】 アルギュレ・スタジアム 球技用のスタジアム施設。敷地に散策路がある。 アルシア 火星の主要産業となっている水打ち上げ型の都市。 【土産物】経営ハウツー本 金品修正1.3 儲ける仕組みを解説した本 価格500〜620CR 【販売店】ショップ・マックスウェル 大きなアンテナが目印。異星人も気軽に買い物が出来る店。 【飲食店】レストラン『青ひげ』 シブイご主人が経営するレストラン。水曜日はレディースデーでデザートサービス。 パブ『エレジー』 火星の歌唄いが週代わりでやって来る。チャージ代、無料。 【公園】 アルシア産業記念公園 モニュメントの噴水は、偉大なる建築家フサ・アラノの設計で文化財に指定されている。 イシディス 火星の主要産業となっている水打ち上げ型の都市。 【土産物】フジイロヒカリゴケ 疲労度ー10 火星先住民が食べる発光植物、インテリア用 価格210〜270CR 【販売店】パポおじさんの店イシディス店 太陽系に多くのチェーン店を持つ大型ストア。オーバーオールのパポおじさんがマスコット。 【飲食店】レストラン『鉄釜』 パスタのメニューは3000種。お客のリクエストでメニューが増える。 パブ『黒曜石』 ビジネスホテル内にある。低価格で安心の店。 【公園】 イシディス団地公園 団地の住人によって管理されている。季節ごとに花が植え替えられる。 イスメニウス 火星の主要産業となっている水打ち上げ型の都市。 【土産物】納豆ガム 満腹度+20、喉の潤い+5、尿意+5 噛めば噛むほど粘りが出るガム 価格33〜47CR 【販売店】ストア・カワイモトヒロ 小さな店だが、こだわりの品が揃う。店長の一発ギャグは、本が出せるほど数多い。 【飲食店】レストラン『スカイライト』 大きな天窓が特徴的な外観。コーヒーは何度でも、お代わり自由。 パブ『シュタール』 週に一度、アームレスリングが開催される。参加者も観客もエキサイティング。 【公園】 カミーリャストリート 色んな種類の椿が植樹されており、プレイスポットもある。 エルシウム ストア・犬大太(イヌオーオー) エルシウム店 犬知類が興した、太陽系チェーンストア。 ローラースケートを履いた犬が店内をご案内。 公園 マンサー公園 コイが泳ぐ小池がある。 日本庭園の設計。 パブ 赤提灯 ハッピ姿で鉢巻を締めた、ドイツ人のマスターが 焼酎を振る舞う店。 エリダニア 火星の主要産業となっている水打ち上げ型の都市。 【土産物】ウィークリー俺塾 余勢修正+100、力欲修正1.3 火星中の人間の生き様を特集する週刊誌 価格1800〜4500CR 【販売店】コンビニ阿吽エリダニア店 見渡す限り商品で埋められた、日本月発の大規模コンビニエンスストア。 【飲食店】レストラン『ゴーゴーパンチ』 カワイイ女性のフロアスタッフが多い事で有名なお店。 パブ『影女』 食事は全て、キワモノ料理。オカルティックな雰囲気が漂う。 【公園】 ウォーキングストリート 年に一回ウォーキングラリーがある。 オリンポス 人間よりBALLSの方が多い、火星唯一の工業都市。 【土産物】お喋りザリガニ 友情修正1.3 簡単な言葉や相槌で返事する、ザリガニ 価格340〜780CR 【販売店】ガレージショップ業(カルマ) リサイクルを中心とした、日用雑貨店。落し物もここで見つかる程の品揃え。 【飲食店】レストラン『トータス・ロータス』 亀と蓮のマークが目印。店内は、訪れた有名人のサインで一杯。 赤提灯『マーズ味のれん』 常連さんには裏メニューがある。なぜかシューティングゲームも置いてある。 【公園】 インダストリアルパーク 産業の見本市を兼ねた公園。資料館もある。 クリュセ 火星の食を支える農業型の都市。3カ所ある。 【土産物】お化けのチンタ 何もしたくない修正1.3 ズボンを脱着するお化けのからくり人形 価格300〜380CR 【販売店】ショップお土産屋こじっちゃん コジマさん一家が経営するお土産屋。店頭では、あま〜いヤキイモを販売。 【飲食店】レストラン『フライングSUSHI』 寿司がメインだが、時期によってはメニューが変わる。 パブ『ハーヴェスト』 採れたて野菜スティック食べ放題。ドレッシング持参OK。 【公園】 グリーングリーンファーム バーベキューと野営風呂が楽しめる牧場。年に一度の大声大会は、ここが会場。 シルチス 火星の主要産業となっている水打ち上げ型の都市。 【土産物】ミニ雑用BALLS 何もしたくない修正1.1 直径3センチ、耳掻きをする横着者向けBALLS 価格500〜640CR 【販売店】ホームセンター・流し目 流し目のマークが目印。シルチスでは、一番大きい店。 【飲食店】レストラン『エシャロット』 常連のお目当ては、マグロのかまのステーキ。無くなり次第終了で、予約をした方がベター。 パブ『ポーチカ』 ワインの品揃えが豊富。好みを言えば、ソムリエがセレクトしてくれる。 【公園】 水公社工業研究センター 研究所の外の広場は、一般人にも開放されている。 シレーン ギフトショップ・薬指チム ご予算に応じて、様々な贈り物をプロデュース。 日用雑貨も多様な品揃え。 公園 シレーン運動公園 スポーツ施設があり、道具のレンタルも可。 年に一度の企業対抗スポーツ大会会場はココ。 パブ 喝愛 月に一度、夜8時と10時に小説の 朗読会が行われる。 レストラン キノコ畑 従業員が全員マッシュルームカットヘア。 別にキノコ料理がメインではない。 タルシス 農業系。 【土産物】冷却シート WC修正1.1 コーヒーティー 嫌いな奴から遠ざかりたい修正1.3 【販売店】おみやげ☆セミ丸 三つ巴になったセミのマークが目印。 火星で一番初めに出来たお土産屋。 【飲食店】レストラン『パンタシア』 ライスが豆ご飯、麦ご飯、10穀米ご飯、玄米、白米から選べる。 パブ『トウモロコシのヒゲ』 サルサの音楽が流れる店。店手作りのトルティーヤが人気。 【公園】 タルシス自然公園 銀河中から集めた珍しい植物が栽培され、研究施設が併設している。 チレナ デパート・タングラム チレナ店 規模は小さいが、品揃えは豊富。 地下には商店街がある。 公園 チレナダム公園 レンタルボートあり。 ここで、カヌーを楽しむ若者もいる。 パブ 赤いほっぺ 20面相が得意なマスターの アットホームな会話が楽しめる。 レストラン プリマベーラ 季節ごとにメニューが一新する。 予約をすれば、ドリンクサービスが出る。 テムペ パボおじさんの店 テムペ店 太陽系に多くのチェーン店を持つ大型ストア。 オーバーオールのパボおじさんがマスコット。 公園 テムペ熱帯庭園 熱帯植物を栽培している温室がある。 温室の中には、7つの滝がある。 パブ パープルレイン アットホームな雰囲気の店。 貸し切りパーティも予算に応じて受け付ける。 レストラン ルルイエ とにかくボリュームがすごい。 働き盛りの若者に人気の店。 ノアキス 火星の主要産業となっている水打ち上げ型の都市。 【土産物】ウソ蛍 嫌い修正1.2 お尻が発光するゴキブリ、綺麗だが優雅ではない 価格300〜540CR 【販売店】スペニールストア・キラーマン 店名からは想像も出来ない、スキンヘッドの優しいおじさんが対応する。 【飲食店】レストラン『リトル・リリー』 白い色をしたカレーで有名な店。他にも変わったメニューが目白押し。 パブ『まどろみ』 店内では、ダーツやビリヤードが楽しめる。 【公園】 サイクリングパーク 自転車をレンタルして、公園内を散策できる。4つのサイクリングコースがある。 パヴォニス ブラザWABI&SABI 一期一会を大切にがスローガン。 納得のいく品揃えで暖かく接客してくれる。 公園 パヴォニス工業団地公園 展望台からバンジージャンプが楽しめる。 散策用のカートがレンタル出来る。 パブ マスカレード 鉄仮面のマスターが揃えたドリンク類は 1200種類にも及ぶ。 レストラン ジェリーフィッシュ 食事を上回る数のデザートメニューが 充実し、男性でも抵抗なく入れる。 ヘラス コンビニ阿吽 ヘラス店 見渡す限りの商品で埋められた、 日本月発の大規模コンビニエンスストア。 公園 ポプラ・ストリート 地球産のポプラが植林されている。 10月が落葉の時期に設定されている。 パブ 蛇苺 ちょっとシックで、エキゾチックな雰囲気。 アエリア産のフルーツで作るカクテルをどうぞ。 レストラン サティスファクション 名前の通り、お客様を満足させるのがスローガン。 量、質、値段ともに良心的なお店。 マリネリス マート・ブーメラン 食料品から日用雑貨まで何でも揃う。 都市船内なら、宅配サービスあり。 公園 リラクゼーションパレス・アマノ 民間企業施設、施設の一部は有料。 設備にサウナ(男性のみ)がある。 パブ マロニエ テレビで紹介されておなじみの、 喋るザリガニがいる店。 レストラン シップヤード 店は、大航海時代の船の内部を再現した アンティークな内装。 ユートピア 火星唯一の宗教都市。寺院がある。 オリンポスと並ぶ火星最初期の都市船で、アメリカ南部の半宗教団体が中心となって建造した。 【販売店】パポおじさんの店ユートピア店 太陽系に多くのチェーン店を持つ大型ストア。 オーバーオールのパポおじさんがマスコット。 【飲食店】レストラン『ブレネリ』 「おいしいよ あっつあつだよ」が売りの店。 でも何があっつあつなのか、わからない…。 パブ『猫熱狂~キャット・フィーバー~』 従業員は猫知類だけの、猫好きにはたまらないお店。 看板娘の黒猫ブッキーがお出迎え!! 【公園】ローズガーデン 多種多様なバラ科の植物が見られる。 ここの野ばらは、年中咲き誇る事で有名。 テンプル『リンク・トゥ・ワイズマン』 グレートワイズマンを信仰する寺院。 ピートニクやヒッピーの憧れの場所。 テンプル リンク・トゥ・ワイズマン グレートワイズマンを信仰する寺院。 ピートニクやヒッピーの憧れの場所。 ルナ 水打ち上げ系。 【土産物】ブリリアント梅鉢 疲労度修正-5 【販売店】デパート・タングラムルナ店 規模は小さいが、品揃えは豊富。地下には商店街がある。 【飲食店】レストラン『ハバナ』 HAVE A NICE DREAMの略。店員が「ハバナ!」と元気よく出迎える。 パブ『アーマディロー』 夜9時からのシネマタイムで、映画を日替わり上映。月に一度はオールナイト上映もあり。 【公園】ルナ・メモリアルパーク 火星で最大規模の霊園。広大な敷地で、休憩用のホールが設備。 topへ
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概要 最初に仲間に出来る鼠以外にも自然(動物)も一定の確率で仲間になるようです 条件は定かではありませんが兵種とテクノロジーが関係するようです !!情報募集中
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西公園 西公園は、明治8年に開園した市内で最も古い都市公園です。当時は桜ヶ岡公園と称していましたが、町の西側にあることから西公園と呼ばれるようになり現在の西公園に名称が変わりました。 4月になると多くの人が花見に訪れる市内屈指のサクラの名所として有名です。公園内には、幹が3mほど伏臥している仙台藩初代藩主伊達政宗ゆかりの「臥龍梅(がりょうばい)」や、仙台空襲の際に焼けたにもかかわらず翌春には芽吹いたと言われるイチョウの古木などがあります。また、広瀬川の川岸には仙台キリシタン殉教碑も建てられています。 春は新緑のトンネルの中を歩き、夏は緑陰に憩い、秋は落ち葉をさくさくと踏みしめながら散歩し、冬には木々に積もった雪の下を静かに歩く・・・・。 〈仙台市役所・西公園HPより引用〉 西公園 所在地:宮城県仙台市青葉区桜ヶ岡公園 TEL:022−225−7211 FAX:022−211−0016 パンフレット ※画像をクリックするとパンフレットが開きます。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ホームページ http //www.city.sendai.jp/kensetsu/ryokka/midori100/guide/016/016.html 〈ブログ〉 仙台市音楽発表会 参加 http //blogs.yahoo.co.jp/yasu3_han6/11380554.html 仙台市西公園のC601蒸気機関車 http //blogs.yahoo.co.jp/uj1417/947301.html 定禅寺ジャズフェスティバルP2 http //blogs.yahoo.co.jp/mdyrm724/21356419.html きやすめグラフィティー http //blogs.yahoo.co.jp/japaninstaizu/37816024.html 広瀬川とC60形蒸気機関車@仙台市西公園 http //blogs.yahoo.co.jp/keebow121/63394421.html まじスゴイ!仙台・光のページェント・1 http //blogs.yahoo.co.jp/tokyonightsightview/62066305.html 仙台市中心部の紅葉 (広瀬川、西公園、他) http //blogs.yahoo.co.jp/blackmoon729/62015648.html 仙台の風景 2010/10/11 http //blogs.yahoo.co.jp/yarigatakezo/33387642.html 久しぶりの仙台市でのフリマ http //blogs.yahoo.co.jp/sakuranohana1616/18709442.html 仙台散歩 http //blogs.yahoo.co.jp/simibang/34939064.html 仙台市 http //blogs.yahoo.co.jp/maitakeoyaji/51908845.html 杜の都・仙台散策ー2 http //blogs.yahoo.co.jp/starth68/50746937.html 携帯サイト 最新のチラシ imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 《周辺情報》 〈ブログ2〉 #blogsearch /
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『紅・外伝~銀(しろがね)~』 作者 伊南屋 投下スレ 1スレ レス番 355-360 備考 紅 355 伊南屋 sage 2006/10/08(日) 19 52 59 ID A4j4qjb8 何時からだったろうか。 幼なじみの少年に恋したのは。 崩月流を学び、逞しく成長してから? かつて誘拐されかけた私を庇ってくれた時から? 幼い、幸せな時を共に過ごしていた時から? いや――きっと、俯き私の目の前に現れた時。その手を無理矢理引いた時から好きだったのだ。 そして、今でも。 彼は知らない――。 私の想いを。 ならば知らせればいいのだ。 彼にぶつけてやろう。 私の想いを。 たった一つの変わらぬ想い。 ――貴方が好きです。 その、たった一言を。 『紅・外伝~銀(しろがね)~』 紅真九郎は、いつもより早く目を覚ました。 隣を見れば、九鳳院紫がすやすやと穏やかな寝息をたてている。 昔の自分からは信じられない。しかし今では日常となった朝。 真九郎が早く目覚めたのには理由がある。 誘われたのだ。デートに。 よりにもよって、村上銀子に。 よりにもよってと言うのは、嫌だからではない。意外なのだ。あまりにも。 これが単に、一緒に出掛けよう。と誘われたのなら。外面的にはデート。当事者にとっては友人同士のお出掛け。で済む。 終わりに近付いてから銀子に。 「これってデートよね」 と、からかわれ、真九郎があたふたするということはあった。 こういったようなデートなら幾度かあった。 しかし今回は、最初から。 「デートに行きましょう」 と、誘われたのだ。一緒に出掛けた結果、デートなのではなく。最初からデートとして出掛ける。 この差は余りにも大きい。 色恋沙汰に免疫の無い真九郎が緊張したのは当然の帰結と言える。 今にして思えば、銀子は自分にとって、かなり比重の大きい存在である。 しかし、それが愛情、特に恋愛感情なのかは――正直計りかねる。 もしかしたら家族愛に近いのかもしれない。もしくは親友に寄せる信頼、友情。 自分でも分からなかった。 分からないままに、今日を迎えた。 ならば今日確かめるしかない。 銀子の真意は分からない。何故デートなのか。 銀子は自分に好意を寄せているのか。 もとより他人の感情を察知するのは得意ではない。 だから、それらも含め確かめようと思う。 そう覚悟して、真九郎は二人分の朝食を作り始めた。 356 伊南屋 sage 2006/10/08(日) 20 17 12 ID A4j4qjb8 紫を自宅へと送り届け、待ち合わせ場所へ向かう。 紫には今日の事を話していなかったはずだが「浮気はするなよ」と釘を刺された。 下に恐るべきは女の勘か。 もっともその事は大して気にしていない。紫は結局、妹のような存在だし。いずれ自分以外も見るだろう。 そうなったら寂しいかもな、と思いつつ。結局は子供の戯言と思うことにした。 街の中央付近に位置する自然公園。そこにある噴水前が待ち合わせの場所だった。 余裕を見て出掛けた真九郎は待ち合わせ時間の十数分前に着いた。 しかし、銀子は既に待っていた。 ただ、以外な姿で。 「え?」 そう漏らしてしまった。というより最初、それが誰か気付けなかった。 待ち合わせしていた噴水の前には、着飾った銀子が佇んでいた。 私服の銀子は見慣れているが、それは所謂普段着という奴で、地味なものばかりだった。 しかし今は違う。 なんと言うか。 あの銀子が女の子している。 真九郎の頭ではそれくらいしか形容出来なかった。 おとなしめのデザインの薄手のワンピースにミュール、と言うのだったか。それを履いている。 首元には派手になりすぎない感じでネックレスがかけられている。 こんな銀子は初めて見た。 「あ……」 銀子がこちらに気付く。 「おはよう。……どうしたの真九郎?」 挨拶を返す事すら出来なかった。 なんとなく声をかけるのが躊躇われたから。 「な、何か変? 私の格好」 そんな風に少し照れた様子も見たことがない。まるで知らない誰かの様にすら感じられる。 「あ……いや、変……じゃない。すごい似合ってる。その……どっかのお嬢様かと思った」 その言葉は偽りではない。 事実、今の銀子は深窓の令嬢といった言葉がよく似合った。 本物の令嬢の紫より、今の銀子の方が余程それらしい。 「そっか……良かった」 銀子がそう言って微笑む。そんな笑顔も久しく見ていなかった事に気付く。 思わずドギマギしてしまう真九郎の手を取って、銀子はその手を引く。 「さ、行きましょう」 手を引かれるままに歩きだした真九郎は。まるで初めて会ったときみたいだ。 そう思った。 357 伊南屋 sage 2006/10/08(日) 20 58 24 ID A4j4qjb8 「そう言えば、どこ行くんだ?」 歩き出して数分。迷いなく歩む銀子に真九郎は尋ねてみた。 手は握られたまま。先を歩くのが銀子なのもそのまま。 「一応スタンダードに映画」 「なに観るんだ?」 「……ラブストーリー」 微かに頬を朱に染めた銀子の様子が新鮮で、真九郎の鼓動が跳ねる。 「そうか……」 まさか、自分がデートにラブストーリーの映画を観るなんてベタな事をやろうとは。それも銀子と一緒に。 そんな事を考えている間に、なんとなく言葉を交わさないまま映画館に着いてしまった。 チケットを買い入場。二人並んで席に腰を降ろす。 始まるまでの間を保たせようと真九郎が切り出した。 「どんな映画なんだ?」 「とある男女が出会うの、雨の中ね。だけどそれは一方的なもので女の方は気付いていないの。 それから数年経ってから二人は改めて出会う、仕事の同僚として。最初はぎこちないけど二人は互いと過ごす時間に居心地の良さを感じ始める。 それから互いの距離は縮んでいき、やがて二人は付き合い始める。 だけど実は女の方は前の恋人を忘れられないでいて、あるきっかけから前の恋人によりを戻そうと言われるの。 それから二人の関係にズレが生じ始め……」 「ストップ」 思わず真九郎は銀子の言葉を遮る。 「お前まさか、ラストまで知ってるのか?」 「え……うん」 銀子がこくん、と肯く。 「それ、調べたのか?」 やはり首肯。 「お前……それじゃ話分かっちゃって映画詰まんないだろ」 「あ……」 「気付かなかったのか?」 「だって、真九郎が退屈しないようにって」 「それでお前が楽しめなかったら意味ないだろ……何やってんだよ、らしくない」 銀子が顔を真っ赤にして俯いてしまう。 その、やはり新鮮な反応に胸を高鳴らせつつ。言い過ぎたか、と思う。 「あ~……その、なんだ? お前が俺に楽しんで貰いたかったのは嬉しいからさ」 そう言い切ると同時、薄い照明だけが点いていた場内が、暗闇に落とされる。 「ほら、始まる。……ちゃんと楽しんで観よう。な?」 黙ったまま銀子が頷き、視線をスクリーンに向ける。 やがて、後方から光が投射され、白いスクリーンに色を与える。 真九郎は銀子に向けていた視線を、ようやくその時になって、遅ればせながらスクリーンへと向けたのだった。 358 伊南屋 sage 2006/10/08(日) 21 28 49 ID A4j4qjb8 「映像がつくだけであそこまで違うものだとは思わなかった」 映画館から出た二人は、昼食を摂るために入ったファミレスで先程観た映画の感想を交わしていた。 「確かにな、そんな映画詳しい訳じゃないけど、なんて言うか映像美ってものを感じた」 結局の所、銀子も映画は楽しめた。映像だから表現できる部分は、やはりネットの文章を介する説明、批評では実感出来ない。 その部分が良くできていた作品だったために、銀子も十分満足出来たのだ。 その内感想の交換は。 「最後に主人公と出会う女性のシーンは蛇足」 だとか。 「一部の登場人物が濃すぎて主人公カップルが飲まれてるシーンがある」 といった批評に発展した。 「――でさ、序盤で消えた人がラストでまた戻ったきて余韻がぶち壊しみたいな……」 「……ふふっ」 「え?」 唐突に笑いだした銀子に、真九郎は戸惑ってしまう。 「俺なんか的外れな事でも言ったか?」 「ううん……ただ、単純に楽しいなって。裏の世界で生きてる私達が、こんな普通なことして楽しんでるのが嬉しくて」 クラスメイトは絶対に知らない銀子の柔らかな表情。真九郎ですら、ここの所お目にかかった事のない。普通の女の子としての笑顔に、また胸が高まる。 今日は銀子にドキドキさせられっぱなしだ。と真九郎は思う。 「ねえ、真九郎。出よう。色々見て回りたい」 そう言って、伝票を持ち銀子が立ち上がる。 つられるように真九郎も立ち上がり会計を済ませる。 それから二人は街の中を歩き回った。雑貨店に入ったり、露店を冷やかしたり、屋台で軽食を買ったり。 それは、真九郎にとって、もっとも縁遠いと思っていた。“普通”の高校生の姿。 幸せというものの、最も分かりやすい形だった。 やがて、日が傾き。どちらからともなく、歩みは家路に向かう。 その途中、銀子が立ち止まった。 「真九郎。もう一度、公園に行きたい」 待ち合わせの公園。今日の始まりの場所を、今日最後の場所にしたいと。銀子が言った。 「分かった。行こう」 ある意味、助かった。 真九郎はそう思った。 銀子に話たい事が出来たのだ。ただ、いつ切り出すか、ずっと迷っていた。 公園に着いた時がチャンスだ。 ――真九郎は知らなかったが。それは銀子も同じだった。 今日話すべき事を、公園に着いたら話そう。 二人は互いの想いを胸に、公園への道を歩んだ。 359 伊南屋 sage 2006/10/08(日) 21 54 42 ID A4j4qjb8 空は濃紫に覆われ、夜の近付きを予感させる。 公園の中は薄暗く、街頭が頼りなく並木道と、そこに並ぶベンチを照らしている。 そのベンチの一つに、銀子と真九郎は並んで座っていた。 そこにあるのは沈黙。切り出すべき言葉を探す迷いと、切り出すべきタイミングを計る躊躇い。 「「あの……」」 重なった言葉は気まずさを生み、再びの沈黙を運ぼうとした。 しかし、意を決した銀子がそれを赦さなかった。 「話があるの……」 「……どうぞ」 「真九郎にとって大切な人って誰?」 「……色々居るよ。紫。崩月のみんな。五月雨荘の人達。紅香さん。それに勿論、銀子も」 「じゃあ」 銀子が真っ直ぐに真九郎を見据える。 「その中で一番は?」 言葉に、詰まる。 「なあ、銀子……」 「答えて」 強い、言葉だった。 此処に来て、今更迷う事など出来ないのだと悟る。 弱い人間だと思う。紅真九郎は弱い人間だ。覚悟したはずなのに、今、迷おうとした。誤魔化そうとした。 だけど、それは許されない。いや、許されなかった。 「俺は、きっと銀子が一番大切だよ。いや、きっとじゃない。確かに村上銀子が大切だ。比べるものではないと思う。それでも、素直な紅真九郎の意志として、銀子が大切だよ」 ――言えた。なんの誤魔化しもない自分の想いを。 「……銀子は?」 自分の想いは伝えた。では、銀子は? 「……」 銀子は黙ったままだ。それでも真っ直ぐ瞳は真九郎に向けられている。 やがて、銀子の口が開かれる。 「私……も」 一度漏れた言葉は溢れ出す。 「私は、ずっと前から……きっと最初から真九郎が好きだった。 でもそれを言葉にする事はおろか、自分で認めることすら怖かった。 なんでかは分からないけど。怖かった。 だけど、頑張ってる真九郎を見て、逃げちゃ駄目だって思ったの。自分のことを認める事から始めなきゃって。 それで、言おうって思った。好きだよって。それで、どうすれば良いか分からなかったから、調べたの。 私は調べる事しかできないから……それで、調べた結果、今日の事を考えた」 それでか。なる程、映画の事を調べすぎたのも。あまりにも当たり障り無いデートコースも、それなら納得がいく。 それに気付いた瞬間、不意に思ってしまった。 「銀子……お前、可愛いな」 「なっ……バカ! 何を言ってっ……」 ようやく、いつもの銀子になった。 360 伊南屋 sage 2006/10/08(日) 22 11 41 ID A4j4qjb8 それでも一度感じた愛しさは薄れなかった。 今こうして不機嫌そうにそっぽを向く銀子も、今日見た、普通の女の子の銀子もやはり同じ銀子。 だから、やはり愛しい。 「真九郎、覚悟は出来てる?」 不意に銀子が言った。 「覚悟?」 「そう、私と付き合うのよ? 生半可な覚悟じゃ無理よ?」 ――なる程、確かにお互い裏社会に生きる者。特に自分は揉め事処理屋。命のやり取りだってある。 だが、だからこそ矢面に立つことで銀子を守れる。 「ああ……守るよ。銀子を」 「何言ってんの? あんたが守るべきは私よりも家の看板よ?」 「は?」 「ちゃんと美味しいラーメン作れるようになってね? ――二人で足洗って平和に生きるんだから」 「……は、ははっ」 そうか、そんな生き方も在ったか。 なる程、生半可な覚悟じゃ無理だ。 だってよく言うじゃないか。 「普通が一番難しい」 って。 ああ――でも、悪くない。悪くないな。そんな生き方も。 「分かったよ、銀子。日本一旨いラーメンを作ってやる」 「バカ」 そう言うけれど。銀子は笑っている。 それを見ると、やっぱり愛しいと思う。想いが、止まらない。 手を、握る。 引き寄せる。 唇が近づく。 「…やらしい」 銀子が呟く。 「……嫌か?」 「嫌じゃない」 唇が触れた。 気が付けば、夜が来ていて、頭上には銀色の月が昇り、二人を照らしていた。
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不自然な自然 収録作品:東方天空璋 ~ Hidden Star in Four Seasons. エンディングテーマ データ BPM 135 拍子 再生時間 調性 使用楽器 コード進行 ZUN氏コメント 解説 コメント この曲の話題なら何でもOK! 名前 コメント すべてのコメントを見る