約 2,050 件
https://w.atwiki.jp/mtg2384p/pages/305.html
開催日:2011 / 04 / 17 参加人数:33名 フォーマット:Pauper(~MBS) Constructed Pauper Event #2282845 on 04/17/2011 in Daily Events 4-0:白単アグロ/White Aggro 4-0:赤単ゴブリンストーム/Goblin Storm 3-1:青単コントロール/Blue Control 3-1:金属術親和/Metalcraft Affinity 3-1:青赤ポスト/UR Post 3-1:赤単ストーム/Red Storm 3-1:白単アグロ/White Aggro 3-1:白単アグロ/White Aggro 3-1:緑単感染/Green Infect 3-1:赤単バーン/Burn 3-1:黒単コントロール/Black Control 4-0 白単アグロ/White Aggro 使用者:BraveGhostOfYou Main Deck 21《平地/Plains》 4《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》 4《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》 4《コーの空漁師/Kor Skyfisher》 2《孤独な宣教師/Lone Missionary》 4《Order of Leitbur》 4《剃刀のゴーレム/Razor Golem》 3《トロウケアの影/Shade of Trokair》 4《戦隊の鷹/Squadron Hawk》 3《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》 4《未達への旅/Journey to Nowhere》 3《忘却の輪/Oblivion Ring》 Sideboard 3《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》 4《塵は塵に/Dust to Dust》 3《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact》 2《孤独な宣教師/Lone Missionary》 3《虹色の断片/Prismatic Strands》 4-0 赤単ゴブリンストーム/Goblin Storm 使用者:fabioueta Main Deck 1《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》 16《山/Mountain》 3《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist》 4《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》 4《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》 4《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》 4《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》 4《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》 4《輝石の儀式/Brightstone Ritual》 4《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》 4《巣穴からの総出/Empty the Warrens》 4《溶岩の投げ矢/Lava Dart》 4《稲妻/Lightning Bolt》 Sideboard 4《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》 4《灰の殉教者/Martyr of Ashes》 3《溶鉄の雨/Molten Rain》 4《紅蓮破/Pyroblast》 3-1 青単コントロール/Blue Control 使用者:csalles Main Deck 20《島/Island》 4《流砂/Quicksand》 4《海門の神官/Sea Gate Oracle》 4《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》 4《尖塔のゴーレム/Spire Golem》 4《対抗呪文/Counterspell》 2《除外/Exclude》 4《魔力の乱れ/Force Spike》 4《誤算/Miscalculation》 2《ウーナの寵愛/Oona's Grace》 4《海賊の魔除け/Piracy Charm》 4《熟慮/Think Twice》 Sideboard 2《払拭/Dispel》 2《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》 3《妖精の計略/Faerie Trickery》 2《水流破/Hydroblast》 2《睡眠発作/Narcolepsy》 2《ウーナの門の管理人/Oona's Gatewarden》 2《シー・スプライト/Sea Sprite》 3-1 金属術親和/Metalcraft Affinity 使用者:MKC Main Deck 4《大焼炉/Great Furnace》 4《教議会の座席/Seat of the Synod》 4《伝承の樹/Tree of Tales》 4《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》 4《電結の働き手/Arcbound Worker》 4《エイトグ/Atog》 4《甲殻の鍛冶工/Carapace Forger》 4《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》 4《金属ガエル/Frogmite》 4《マイアの処罰者/Myr Enforcer》 4《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》 2《彩色の宝球/Chromatic Sphere》 4《彩色の星/Chromatic Star》 2《感電破/Galvanic Blast》 2《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》 2《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》 4《物読み/Thoughtcast》 Sideboard 4《破滅の刃/Doom Blade》 4《強迫/Duress》 2《感電破/Galvanic Blast》 3《クラーク族のシャーマン/Krark-Clan Shaman》 2《チス=ゴリアの鱗/Scale of Chiss-Goria》 3-1 青赤ポスト/UR Post 使用者:chiseton Main Deck 4《雲上の座/Cloudpost》 4《微光地/Glimmerpost》 7《島/Island》 3《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》 6《山/Mountain》 2《ウラモグの破壊者/Ulamog's Crusher》 1《妙計/Brilliant Plan》 1《転覆/Capsize》 4《強迫的な研究/Compulsive Research》 3《卑下/Condescend》 3《地の裂け目/Earth Rift》 3《炎の斬りつけ/Flame Slash》 1《イゼットの印鑑/Izzet Signet》 3《稲妻/Lightning Bolt》 3《マナ漏出/Mana Leak》 1《深遠の謎/Mysteries of the Deep》 2《神秘の指導/Mystical Teachings》 4《予言のプリズム/Prophetic Prism》 2《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》 1《よろめきショック/Staggershock》 2《石の雨/Stone Rain》 Sideboard 2《水流破/Hydroblast》 4《否認/Negate》 1《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》 3《よろめきショック/Staggershock》 1《石の雨/Stone Rain》 4《絡み線の壁/Wall of Tanglecord》 3-1 赤単ストーム/Red Storm 使用者:thierry14 Main Deck 16《山/Mountain》 3《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》 4《窯の悪鬼/Kiln Fiend》 3《たなびく真紅/Crimson Wisps》 4《巣穴からの総出/Empty the Warrens》 4《火炎破/Fireblast》 4《溶岩の投げ矢/Lava Dart》 4《水蓮の花びら/Lotus Petal》 4《魔力変/Manamorphose》 3《発熱の儀式/Pyretic Ritual》 4《炎の儀式/Rite of Flame》 3《煮えたぎる歌/Seething Song》 4《火花のしぶき/Spark Spray》 Sideboard 2《鋭い痛み/Flaring Pain》 4《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》 4《灰の殉教者/Martyr of Ashes》 1《紅蓮破/Pyroblast》 4《倒壊/Raze》 3-1 白単アグロ/White Aggro 使用者:Capoil Main Deck 21《平地/Plains》 4《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》 4《コーの空漁師/Kor Skyfisher》 4《Order of Leitbur》 4《剃刀のゴーレム/Razor Golem》 3《安寧砦の精鋭/Safehold Elite》 4《トロウケアの影/Shade of Trokair》 4《魂の管理人/Soul Warden》 4《戦隊の鷹/Squadron Hawk》 4《未達への旅/Journey to Nowhere》 4《損ない/Unmake》 Sideboard 4《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》 3《塵は塵に/Dust to Dust》 3《Holy Light》 2《虹色の断片/Prismatic Strands》 3《軍旗の旗手/Standard Bearer》 3-1 白単アグロ/White Aggro 使用者:bigdaddytrunklebucks Main Deck 20《平地/Plains》 4《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》 4《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》 4《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》 4《コーの空漁師/Kor Skyfisher》 2《孤独な宣教師/Lone Missionary》 4《Order of Leitbur》 4《剃刀のゴーレム/Razor Golem》 3《トロウケアの影/Shade of Trokair》 4《軍旗の旗手/Standard Bearer》 4《未達への旅/Journey to Nowhere》 3《忘却の輪/Oblivion Ring》 Sideboard 2《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》 3《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact》 4《Holy Light》 2《孤独な宣教師/Lone Missionary》 4《虹色の断片/Prismatic Strands》 3-1 緑単感染/Green Infect 使用者:dauthawhitemeat Main Deck 16《森/Forest》 4《ぐらつく峰/Teetering Peaks》 4《荒廃のマンバ/Blight Mamba》 4《嚢胞抱え/Cystbearer》 4《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr》 4《腐敗狼/Rot Wolf》 4《地うねり/Groundswell》 4《激励/Invigorate》 4《水蓮の花びら/Lotus Petal》 4《捕食者の一撃/Predator's Strike》 4《怨恨/Rancor》 4《巨森の蔦/Vines of Vastwood》 Sideboard 4《死体の野犬/Corpse Cur》 3《進化の魔除け/Evolution Charm》 4《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》 4《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》 3-1 赤単バーン/Burn 使用者:AndreyS Main Deck 4《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》 16《山/Mountain》 4《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》 4《窯の悪鬼/Kiln Fiend》 4《Chain Lightning》 4《火炎破/Fireblast》 4《火葬/Incinerate》 4《溶岩の投げ矢/Lava Dart》 4《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》 4《稲妻/Lightning Bolt》 4《裂け目の稲妻/Rift Bolt》 4《焼尽の猛火/Searing Blaze》 Sideboard 4《癇しゃく/Fiery Temper》 1《鋭い痛み/Flaring Pain》 4《灰の殉教者/Martyr of Ashes》 3《溶鉄の雨/Molten Rain》 3《紅蓮破/Pyroblast》 3-1 黒単コントロール/Black Control 使用者:Algunwey Main Deck 23《沼/Swamp》 4《騒がしいネズミ/Chittering Rats》 4《墓所のネズミ/Crypt Rats》 2《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi》 4《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》 4《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》 3《堕落/Corrupt》 4《闇の掌握/Grasp of Darkness》 4《血の署名/Sign in Blood》 1《堕落の触手/Tendrils of Corruption》 3《発掘/Unearth》 4《精神ねじ切り/Wrench Mind》 Sideboard 2《汚れ/Befoul》 1《堕落/Corrupt》 4《強迫/Duress》 4《腐臭の地/Rancid Earth》 3《堕落の触手/Tendrils of Corruption》 1《損ない/Unmake》
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/676.html
───────────────────────Another Servant epilogue ─────── ─────あれから、冬木はまたいつも通りの日常へと回帰した。 冬木全域をすっぽりと覆っていた色濃い不吉な気配はすっかりと消え失せて、いつしか怪奇な出来事や猟奇的な殺人もピタリとなりを潜め、気が付けば影も形もなくなっていた。 今では冬季にしてはさして寒くもない過ごしやすい温暖な冬木の気候がこれでもかと自己主張を続けている。 だが世界が曇天の空模様から穏やかな快晴になっても、世間が騒がしいのは相変わらずであった。 日本では尊皇攘夷やら倒幕やら志士狩りやら内戦やらの動乱が世紀末な雰囲気で相も変わらず続いている。 あと数年、もしくは数十年か。 とにかくこの時代と時代の狭間にある激動のお祭り騒ぎはしばらくは鎮まりそうもないだろう。 さらに騒動といえばもう一つ。 冬木も冬木で名家の当主遠坂刻士氏の突然の凶報が町中を震撼させていた。 遠坂氏の遺体が明らかな他殺体である事からも、猟奇殺人事件と同様の事件または何者かによる暗殺などではといった憶測が多く飛び交った。 が、しかし結局真相は闇の中に葬られた。 重要な手掛かりも真犯人も見つけらないままこの事件は迷宮入りすることであろう。 いや、そればかりかこの町で起きた怪事件や猟奇殺人の殆どがきっと年月と共に人々の記憶から薄れていき、いつか三流の怪談話に成り下がるに違いない。 だけどそれも仕方のないことだと、旅荷物を纏めた和装の黒髪の少女がのんびりとした歩調で歩き出す。 ああ、陽光が温かくてとても気持ちがいい。 彼女は眼鏡を掛け直して、燦々と太陽が輝いている青空を眩しそうに見上げた。 本当にいい天気だ。 大空には小鳥が羽ばたいて、地平線には綿飴みたいな大きな白い雲。 でもあまりに空が遠すぎて、 ついあの日々、あの夜に、想いを馳せてしまった。 かけがえのない日々は夢のように掌から零れて無くなり、得た報酬は何も無い。 これぞまさしく世に有名な格言"骨折り損のくたびれ儲け"ってやつなんだろう。 だけど一応五体満足だし、両脚もちゃんと動く。 ならばとにかく動かなくっちゃ。 うん、動くから歩くのだ。 カラン、カラン。と耳朶に届く音楽。 木製の履き物が小気味良い音色を奏でている。 手に入れた物は何もなく、失った者は少なくない。 命を賭け金にした割には見合ったご褒美も貰えなかった。 だけど、手元にきちんと残ってくれたモノもある。 もし誰かにそれで満足したのかと聞かれるとやはり首をかしげてしまうだろうけれど、 ─────それでも、自分は失った人たちから未来を遺して貰えたのだ。 だから生き《あるい》ていく。 彼らの命を賭した贈り物に心から感謝したいのならば、 これからの人生を一生懸命に胸を張って生きて行こう。 あの愛しい人たちが、自分の遺したモノには価値があったのだと永く誇れるように─────。 目的地の故郷は遥か遠く、まずは手近な我が家《みらい》を目指して一歩ずつ進んで行こう。 彼女の視界に映るのは空と海の二色の青。 なんて綺麗な光景。 長い悪夢から目覚めて、 在るべき姿を再び取り戻した美しい世界だけが、 どこまでもどこまでも広がっていた─────────。 ◇ ◇ ─────七つの悲願を懸けた戦いは終わった。 七つの魂は眠るように地上から旅立つ。 どこまでも落ちてゆく。 どこまでも昇ってゆく。 世界《じかん》の理の外へと向かって。 元居た玉座へと還るために彼らはどこまでも溶けて消えてゆく────。 何一つとして遂げられなかった切なる願望。 誰一人として報われることのなかった徒労。 絶望で彩られた全滅。 悲観しか湧いてこない結末。 ────なんて、救われない………。 だが呪っても祈っても、一度迎えたエンディングは変化しない。絶対に。 七人の戦争は初めから無意味なものだったのだ。 彼らが冬木の聖杯戦争に招来される事はもう二度とない。 全ての願いを叶える万能の杯の奇跡を手にする機会もない。 あるいは悲願を成就出来る機会さえもないかもしれない。 しかし七色の御霊の輝きは色褪せることもなく力強いままだった─────。 これで終わりにするつもりは毛頭ないと、英霊達の魂がその不動の輝きを以て示している。 彼らの戦いはまだ終わらない。 だってこのまま終われる筈もない。 胸に抱いた願いはそう簡単に捨て去れるほど陳腐なものではないのだから。 この程度で絶望し諦められる程度のものならそもそも誰も最初からこんな祈りなど抱いてはいない。 だからあきらめる、なんてことも決して無い。 英霊たちは永遠なる一時(ひととき)の眠りにつく。 未来は永劫に続いている。 ───永遠。 それは瞬きのように短く、そして死の如く長い久遠の時。 永遠の中でならきっともう一度くらい機会に巡り会える。 そう希望を信じて眠りに落ちた。 そうして再び目覚めた時、 彼らはまた次なる旅路へとその歩みを踏み出してゆくであろう。 その祈りが成就するそのときまで─────────────── ◇ ◇ 修練場という名の地下の穴蔵。 ジクジクとした粘着く空気の中で無数の蟲が蠢いている。 やがてソレは次第に一箇所に固まり、ついにはひとつのカタチへと変化を遂げた。 しかしソイツは見る者によっては妖怪か何かにしか思えない異質な眼光をした人型の生き物だった。 かつての若々しさをとうに失った───腐臭を放つ、朽ち枯れた老人。 ─────マキリ・ゾォルゲン。 500年もの果てしない年月を超え《いき》てきた正真正銘の大魔術師《バケモノ》である。 怪老の瞼がゆっくりとまばたきを繰り返す。 間桐臓硯は夢から覚めるかのように昔噺みたいな遠い過去の回想を終了した。 口惜しい。今思い返してもなんと口惜しいことか。 あと一歩。第二次聖杯戦争は本当にあと一歩で天門の扉が開くところまで漕ぎ着けられた大儀式だった。 マスターが参加者としての自覚が薄く、サーヴァントも命令に従わずで、その結果が儀式としての体裁を成さず無様に終結した第一次聖杯戦争。 前回の大失敗を活かして、令呪というサーヴァントを御するための切り札と、儀式進行を円滑にするための骨格となるルールを敷き、魔術協会に降霊儀式の邪魔をされぬようレベルの高くない外来マスターを秘密裏に招待し開催したが、最終的に相討ちによる全滅の末に時間切れで決着した第二次聖杯戦争。 聖堂教会に監督役を一任し、世界大戦の混乱に紛れて執り行なわれたが、帝国陸軍やナチスというトンデモない邪魔者を混じえて帝都で戦った降霊儀式は大聖杯をコントロールする小聖杯が破壊されるというまさかのハプニングによって無効試合に終わった第三次聖杯戦争。 そして三度に渡る儀式で得たノウハウによってさらに洗練されたスムースな聖杯戦争を可能としたが、第三次が原因でシステムに大きなバグを抱えてしまっていた十年前の第四次聖杯戦争。 第一次~第四次までの殺し合いを振り返ってみても、七騎全てのサーヴァントを排除し、ヘブンズフィールを発動させる段階まで辿り着けたのは第二次聖杯儀式だけであった。 そしてだからこそ、間桐臓硯はあの二百年に一度しか無かった機会を心底惜しんでいる。 無論、臓硯も第二次聖杯戦争の最終戦が行われていた遠坂邸《あのばしょ》に居合わせていた。 息を殺し、気配を潜めて、三体のサーヴァントと三人のマスターが殺し合う様子を物陰から見ていた。 そして、その後の結末も────。 悠久の年月を生きた代償は途方もなく重い。 五百年もの歳月の重みに耐えられなかった魔術師の魂は劣化するどころか腐敗を始め、結果として肉体までもを腐らせた。 身体が腐り落ちる屈辱と恐怖と憎悪は魔術師の心身を大きく歪めてしまった。 絶えず脳に上書きされ続ける負の感情と新しい記憶が過去確かに存在した崇高な想い《きおく》を霧のかかった不鮮明なものへと成り下げる。 されど、どれだけ記憶に霞が立ち込めようとも克明に覚えているモノもあった。 ─────それがあの神々しく輝く光の道《あな》。 永遠の命を、完璧なる不老不死を己に授けてくれるあの"白光の洞"を色褪せぬ鮮度で今もまだ鮮烈に憶えている。 自分の眼の前に確かに在りながら、手の届きそうな所に視えているのに、それでも届かない絶望感。 水のように不老不死が掌から零れ落ちていく屈辱を忘れもしない。 もう一度あの頂に。 魂が完全に腐り切ってしまう前に必ずやあそこへ到達するのだ。 今回で五度目。 円蔵山地下大空洞の大聖杯は一ヶ月ほど前から起動を開始しており、各所では複数のマスターがサーヴァントの召喚に成功している。 当然、御三家の一角である間桐陣営も第五次聖杯戦争で使役するサーヴァントの召喚は完了していた。 不出来な弟子が喚んだのはエトルリアの神殿から発掘された鏡を触媒に召喚した有名な女怪。 些か歪んだモノが来たが、それでも英霊としての格は申し分ないものだった。 だが、一番の問題は使役するマスターの方にある。 あのような出来損ないの屑では恐らく、いや九割方此度の戦いには勝てまい。 前回の儀式で駒として出した落伍者の雁夜をも大きく下回る下等生物。欠陥品。臆病者。 忌々しいことにマキリのマスターは聖杯戦争を重ねる毎に血が薄まり脆弱になっていた。 思い起こせば第二次儀礼でマスターとして送り込んだ燕二がこの地に根を張って以来徐々に零落していき終には没落した間桐家のピークだったのだ。 今のマキリの一門ではもはや直系であのレベルの術師を産み落とすのさえ不可能に近い。 使い物になる有力な駒が一つもないのでは今回の結果も芳しくはないだろう。 しかしまあそれも間桐臓硯にとっては予定の内ではある。 本当の勝負を懸けるのは………本命はあくまで次回以降の聖杯戦争。 前回の儀式で手に入れた戦利品を使って中々に面白い実験体が手許にあるとは言えど、戦闘用に調整してないのでは実戦投入は出来まい。 もしまた衛宮切嗣や言峰綺礼のような戦闘能力が著しく高いマスターが儀式に参加していれば危険だ。 無理に参戦させ、返り討ちに遭って殺さるようなリスクは負えない。 次回以降の聖杯戦争のためにもどうあってもアレには優秀な後継を生み落して貰わねばならないのだ。 よって今度の聖杯降霊儀式に期待するところなど何も無い。 期待出来る要因など有りはしない筈なのだ。 だというのに────何かが起きる。 臓硯はそんな予感がしていた。 なぜだかはわからない。 だけど二世紀にも渡って当事者で在り続けた魔術師の胸には久しく忘れていた不思議な高揚感があった。 "はてさて。もしや本当に、此度の聖杯戦争は何かが起こるやもしれんのぅ" 待ち焦がれた半世紀に一度の大舞台。 不老不死を褒賞にした熾烈な競争が幕開けの時を待っている。 いつの間にか間桐臓硯は干上がった体の内から湧き上がる不可思議な期待感にクツクツと忍び笑いを漏らしているのだった。 運命の夜。 宿命に導かれた少年が始まりの聖鐘を打ち鳴らすのは───────明日である。 ───── Fate/Another Servant Heavens Feel 2 ~END~ ─────
https://w.atwiki.jp/fuuuuuuuu/pages/173.html
どうも 1 :金太郎:2008/10/14(火) 17 41 04 0 フラれた・・・ 2 :夢見る名無しさん:2008/10/14(火) 17 41 24 O どんまい 3 :◆3getter8I2:2008/10/14(火) 18 37 15 0 早く新しい恋が見つかることを祈ります 4 :夢見る名無しさん:2008/10/14(火) 23 12 53 P?2BP(0) \(^O^)/ 5 :夢見る名無しさん:2008/10/25(土) 06 54 03 O これから 6 :夢見る名無しさん:2008/10/25(土) 06 55 04 0 夢を見させてくれてありがとう 7 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/07(金) 09 53 10 O どうも リサイクルさせて頂きまつ! 8 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/07(金) 10 10 30 O [447]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 09 35 35 O 風!だからお前はくるな!そこら中ウロチョロすな!図々しいにも程がある! …ん? どこ? [448]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 09 40 08 0 風ほどの偽善に満ちた女固定を俺は知らない 偽ロージと組んでイチゴスレを嵐まくっていたのを俺は見た それが本性まじ性悪 …UNKOROSEチァンと組んでってのは まつがえてますお [449]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 09 48 29 O なんやて …関西弁たまらんです♪ [450]夢見る名無しさん [sage] 2008/11/07(金) 09 52 33 0 ババァだから何処にでも顔出さずにいられないらしい 図々しい …顔を出したいけど出せないとこも囿るお [451]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 09 52 37 O まじかよ最悪だな …まぢです 最高に最悪です 9 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/07(金) 10 26 30 O >[453]夢見る名無しさん [sage] 2008/11/07(金) 09 58 38 O > 447-451 朝っぱらから自演お疲れ様。 …よくわからないけど、453さんこそ お疲れ様です! >[454]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 04 44 O > 453おい、風 こんな時ばっか名無しんなんなよw …メ欄が違いますお >[455]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 06 53 O > 452 そゆとこが嫌われてんのがわからないの?いい加減気付よカス …カスは間違いな! けど、455さんみたいにシュウルスレに書き込んでんのも どうかと? >[456]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 13 35 O >シュウルもシュウルだwこんな女にころっとw …シュウルのファン? 10 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/07(金) 10 40 11 O (。・`ε´・。)ノ彡 ブーブー そっちに書き込むなお! んぢゃ、スルーするお~ てか、いつものヘタレ名無しさんかしら? 11 :雪ノ城◆zIFt5Oi0Gk:2008/11/07(金) 10 42 52 O |ω・`)大丈夫? おいらサンあとすこしで到着するお 12 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/07(金) 10 45 45 O |。・∀・) 雪、報告ありが㌧♪ でも、ココには もう 顔を出さない方が いいよ☆ 13 :雪ノ城 ◆zIFt5Oi0Gk:2008/11/07(金) 10 48 25 O |ω・ )それは俺の自己責任w 車そーじしてきます(`・ω・ )ゞ 14 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/07(金) 10 56 22 O |。・∀・) ぃゃ、雪はココに来ない方が いい! 私は大丈夫だから心配しないで…☆ 車そーじ イッテラッシャ-イ 15 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/08(土) 02 48 31 O [395]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 00 08 50 O お前の為の板じゃねーんだぞ! 何個もスレ使うな! 最悪にでも行け! …え゙ (・ω・´;) もちろん 私の為の板ぢゃないですお 使ってないスレ、いっぱいあって もったいなくないですか? 落ちそうで落ちないし… 悪板に本人が行くのって、どうなんですかね? 他スレでも酉つき風にしたので あぼーん して下さい☆ [396]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 00 14 54 O そーだそーだ!(`_´) …2票目だそーだ! [397]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 00 23 05 O こいつ最悪だな … 8最㊦ 16 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/08(土) 03 09 21 O >[457]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 14 56 O >美脚とか言ってるけど実のとこ豚足なんだぜWWWWWWW …うはっ! 美脚レス見つけちゃいましたか! 大いに笑って下さい☆ 健康に(・∀・)イイそですお >[458]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 16 31 0 >アチャー(;´д`) …すみません (・ω・´;)ゞ お騒がせしております >[459]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 17 39 O >つーかほんとはネカマなんじゃね …(σ。・∀・。)σ 言うよね~ (byはるな愛) >[460]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 17 59 0 >アチャー(;´д`) …度々、すみませんです>< >[461]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 19 11 0 >きーもーいー >やーめーてー …☆-(*ゝ∀・) きもいコール、あー㌧です♪ >[462]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 20 08 O >やっすい男にわ、やっすい女 …シュウルスレには、やっすい男が見当たらないのですが、 どこに居ますか!? 買い! ??(・д・。≡。・д・)?? 17 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/08(土) 03 25 27 O >[464]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 32 37 O >シュウル=粗大ゴミ …そ、そんなに おっきい のか!? >[465]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 49 22 O >風=生ゴミ(腐臭につき銀蠅付き) …生ゴミに失礼ぢゃまいか! >[466]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 10 59 07 O >448 >おい!単独でいちごスレ荒らしてたって自白してたぞ! …単独? ちゃんとROMって下さいお 結果、荒らしたのは間違いないです>< >[467]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 11 02 11 O >ひでえ …確かに >[468]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 11 03 29 0 >ゴキブリ以下だな風って …なるほど! 夢wikiに使えそだゎ! (+P д q+ でも、虫きらい >[469]夢見る名無しさん [sage] 2008/11/07(金) 11 05 52 O >風サン・・・・見損ないました;; …(。´・д・`) ごめんなさいですお >[470]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 11 07 39 O >男には猫なで声 …女にも猫なで声 きんもー☆ 18 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/08(土) 03 43 00 O >[471]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 11 10 02 O >まるで保険屋のおばちゃんやなw …保険屋のおばちゃんとは失礼ぢゃまいか! 保険屋のお姉さんって言いましょ 結構、若い人も居るみたいですお >[472]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 11 10 56 O >せやな …保険屋に②票目! >[473]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 11 11 54 0 >www …健康的だ~♪ >[474]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 11 14 07 O >天職なんじゃね?w …職ならいいですが…;; >[475]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 12 17 23 O >466 >最近UNKOロージがおとなしいというか いちごと仲よさげなので 舌打ちしてるんだろうな内心 …UNKOROSEチァンと いちごチァン 仲良しさん になったの!? 19 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/08(土) 03 56 28 O >[476]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 12 40 46 O >せやな …関西弁 萌え♪ >[477]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 12 42 22 O >せやろが …萌え×02♪ >[478]夢見る名無しさん [sage] 2008/11/07(金) 14 56 39 0 >風って他にもスレ使ってるくせに・・・ >何故そんなにスレが必要なの? >この人何がしたいんだろう …(。・∀・。)b エコです >[479]夢見る名無しさん [sage] 2008/11/07(金) 14 57 26 0 >2chスレ(夢・独り言) …ε=ヾ(;゚□゚)ノ オナスレなので触れないで~ >[480]夢見る名無しさん [] 2008/11/07(金) 16 37 39 O >もうお口あんぐり状態… こんな淫乱見たことない …初めてってカルチャーショック受けるけど、そのうち飽きちゃうおね ミニス*ップの『フカヒレまん』が そだた 20 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/08(土) 07 13 26 O >[403]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 07 03 49 O >お前の人生は2ちゃんだけか …おはぃょぅ! 人生とは日々 歩んでいくことよ かかってらっしゃい! 21 :夢見る名無しさん:2008/11/08(土) 09 03 24 O 夢板氏んでほしいランキングてのがあったらオマイは間違いなくNo.1だ! おめでとう! No.1は嬉しいだろオマイ的にはそういうの^^ 22 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/08(土) 09 10 01 O 21 ヾ(。・∀・。)ノ゙ おはぃょぅ! うはっ! NO.1ですか☆ (。´・д・`) ほんとはキモイNO.1の方が嬉しけど… 23 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/08(土) 09 14 30 O [404]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 09 06 12 O オマイのカキコは見る人を不快どころか不幸にするな 楽しいか? うん、オマイはきっと楽しいんだろうな (。・`ε´・。)ノ彡 なんだお! こっちに書けお! めんどくさいぢゃまいか! 酉つきにしたので あぼーん推奨です♪ 24 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/08(土) 10 53 35 O [575]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 10 44 03 O 風がオマイと会えるわけないじゃないか つーか誰にも会えんよ なぜならババアだからな まぁ好きな顔想像してオナヌしてなよ それが無難だ どこの人? おにゃのこ? 25 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/09(日) 07 55 48 O >[518]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 10 00 12 O >風は男なら誰にでも股を開くタイプ >シュウルさんラッキ^^ (*≧∀≦)ノ またまた~ >[522]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 10 02 44 O >風はガヴァマン ??(。・∀・。)? ? 戦隊もの!? >[539]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 10 15 07 0 >風はどっち選ぶかね >まきひととシュウル 究極の選択ってやつですか? 26 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/09(日) 07 57 42 O >[564]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 10 30 14 O >おらぁ公衆便所は勘弁なんだぜ >シュウルのキッタナイのぶちまけたマソコなんてな ぁぃょ! 心配ないですお >[567]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 10 31 26 0 >公衆便所w 風にはぴったりのアダ名だな 松本の とある公衆便所は実にキレイだた >[576]夢見る名無しさん [] 2008/11/08(土) 21 30 57 O >風とシュウルと雪の3P羽目撮りうP (ノ´・д・)ノミ(m´_ _)m 申し訳ございません うpスキル無しなんです 27 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/11(火) 11 51 08 O シュウルの独り言http //changi.2ch.net/test/read.cgi/yume/1224836645/ 28 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/11(火) 12 01 27 O 雪ノ城の日和 4城目http //changi.2ch.net/test/read.cgi/yume/1226115566/ 29 :風 ◆.FuuuUuuUU:2008/11/13(木) 08 27 10 O ゚・* .。ルナの窓辺3゚・* .。http //changi.2ch.net/test/read.cgi/yume/1223997296/ ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 他スレに書かれた嵐さんのレスに対する返レス用にリサイクル この後は、 27-29のようにスレッド保管庫として使用 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------
https://w.atwiki.jp/minasava/pages/695.html
───────────────────────Another Servant epilogue ─────── ─────あれから、冬木はまたいつも通りの日常へと回帰した。 冬木全域をすっぽりと覆っていた色濃い不吉な気配はすっかりと消え失せて、いつしか怪奇な出来事や猟奇的な殺人もピタリとなりを潜め、気が付けば影も形もなくなっていた。 今では冬季にしてはさして寒くもない過ごしやすい温暖な冬木の気候がこれでもかと自己主張を続けている。 だが世界が曇天の空模様から穏やかな快晴になっても、世間が騒がしいのは相変わらずであった。 日本では尊皇攘夷やら倒幕やら志士狩りやら内戦やらの動乱が世紀末な雰囲気で相も変わらず続いている。 あと数年、もしくは数十年か。 とにかくこの時代と時代の狭間にある激動のお祭り騒ぎはしばらくは鎮まりそうもないだろう。 さらに騒動といえばもう一つ。 冬木も冬木で名家の当主遠坂刻士氏の突然の凶報が町中を震撼させていた。 遠坂氏の遺体が明らかな他殺体である事からも、猟奇殺人事件と同様の事件または何者かによる暗殺などではといった憶測が多く飛び交った。 が、しかし結局真相は闇の中に葬られた。 重要な手掛かりも真犯人も見つけらないままこの事件は迷宮入りすることであろう。 いや、そればかりかこの町で起きた怪事件や猟奇殺人の殆どがきっと年月と共に人々の記憶から薄れていき、いつか三流の怪談話に成り下がるに違いない。 だけどそれも仕方のないことだと、旅荷物を纏めた和装の黒髪の少女がのんびりとした歩調で歩き出す。 ああ、陽光が温かくてとても気持ちがいい。 彼女は眼鏡を掛け直して、燦々と太陽が輝いている青空を眩しそうに見上げた。 本当にいい天気だ。 大空には小鳥が羽ばたいて、地平線には綿飴みたいな大きな白い雲。 でもあまりに空が遠すぎて、 ついあの日々、あの夜に、想いを馳せてしまった。 かけがえのない日々は夢のように掌から零れて無くなり、得た報酬は何も無い。 これぞまさしく世に有名な格言"骨折り損のくたびれ儲け"ってやつなんだろう。 だけど一応五体満足だし、両脚もちゃんと動く。 ならばとにかく動かなくっちゃ。 うん、動くから歩くのだ。 カラン、カラン。と耳朶に届く音楽。 木製の履き物が小気味良い音色を奏でている。 手に入れた物は何もなく、失った者は少なくない。 命を賭け金にした割には見合ったご褒美も貰えなかった。 だけど、手元にきちんと残ってくれたモノもある。 もし誰かにそれで満足したのかと聞かれるとやはり首をかしげてしまうだろうけれど、 ─────それでも、自分は失った人たちから未来を遺して貰えたのだ。 だから生き《あるい》ていく。 彼らの命を賭した贈り物に心から感謝したいのならば、 これからの人生を一生懸命に胸を張って生きて行こう。 あの愛しい人たちが、自分の遺したモノには価値があったのだと永く誇れるように─────。 目的地の故郷は遥か遠く、まずは手近な我が家《みらい》を目指して一歩ずつ進んで行こう。 彼女の視界に映るのは空と海の二色の青。 なんて綺麗な光景。 長い悪夢から目覚めて、 在るべき姿を再び取り戻した美しい世界だけが、 どこまでもどこまでも広がっていた─────────。 ◇ ◇ ─────七つの悲願を懸けた戦いは終わった。 七つの魂は眠るように地上から旅立つ。 どこまでも落ちてゆく。 どこまでも昇ってゆく。 世界《じかん》の理の外へと向かって。 元居た玉座へと還るために彼らはどこまでも溶けて消えてゆく────。 何一つとして遂げられなかった切なる願望。 誰一人として報われることのなかった徒労。 絶望で彩られた全滅。 悲観しか湧いてこない結末。 ────なんて、救われない………。 だが呪っても祈っても、一度迎えたエンディングは変化しない。絶対に。 七人の戦争は初めから無意味なものだったのだ。 彼らが冬木の聖杯戦争に招来される事はもう二度とない。 全ての願いを叶える万能の杯の奇跡を手にする機会もない。 あるいは悲願を成就出来る機会さえもないかもしれない。 しかし七色の御霊の輝きは色褪せることもなく力強いままだった─────。 これで終わりにするつもりは毛頭ないと、英霊達の魂がその不動の輝きを以て示している。 彼らの戦いはまだ終わらない。 だってこのまま終われる筈もない。 胸に抱いた願いはそう簡単に捨て去れるほど陳腐なものではないのだから。 この程度で絶望し諦められる程度のものならそもそも誰も最初からこんな祈りなど抱いてはいない。 だからあきらめる、なんてことも決して無い。 英霊たちは永遠なる一時(ひととき)の眠りにつく。 未来は永劫に続いている。 ───永遠。 それは瞬きのように短く、そして死の如く長い久遠の時。 永遠の中でならきっともう一度くらい機会に巡り会える。 そう希望を信じて眠りに落ちた。 そうして再び目覚めた時、 彼らはまた次なる旅路へとその歩みを踏み出してゆくであろう。 その祈りが成就するそのときまで─────────────── ◇ ◇ 修練場という名の地下の穴蔵。 ジクジクとした粘着く空気の中で無数の蟲が蠢いている。 やがてソレは次第に一箇所に固まり、ついにはひとつのカタチへと変化を遂げた。 しかしソイツは見る者によっては妖怪か何かにしか思えない異質な眼光をした人型の生き物だった。 かつての若々しさをとうに失った───腐臭を放つ、朽ち枯れた老人。 ─────マキリ・ゾォルゲン。 500年もの果てしない年月を超え《いき》てきた正真正銘の大魔術師《バケモノ》である。 怪老の瞼がゆっくりとまばたきを繰り返す。 間桐臓硯は夢から覚めるかのように昔噺みたいな遠い過去の回想を終了した。 口惜しい。今思い返してもなんと口惜しいことか。 あと一歩。第二次聖杯戦争は本当にあと一歩で天門の扉が開くところまで漕ぎ着けられた大儀式だった。 マスターが参加者としての自覚が薄く、サーヴァントも命令に従わずで、その結果が儀式としての体裁を成さず無様に終結した第一次聖杯戦争。 前回の大失敗を活かして、令呪というサーヴァントを御するための切り札と、儀式進行を円滑にするための骨格となるルールを敷き、魔術協会に降霊儀式の邪魔をされぬようレベルの高くない外来マスターを秘密裏に招待し開催したが、最終的に相討ちによる全滅の末に時間切れで決着した第二次聖杯戦争。 聖堂教会に監督役を一任し、世界大戦の混乱に紛れて執り行なわれたが、帝国陸軍やナチスというトンデモない邪魔者を混じえて帝都で戦った降霊儀式は大聖杯をコントロールする小聖杯が破壊されるというまさかのハプニングによって無効試合に終わった第三次聖杯戦争。 そして三度に渡る儀式で得たノウハウによってさらに洗練されたスムースな聖杯戦争を可能としたが、第三次が原因でシステムに大きなバグを抱えてしまっていた十年前の第四次聖杯戦争。 第一次~第四次までの殺し合いを振り返ってみても、七騎全てのサーヴァントを排除し、ヘブンズフィールを発動させる段階まで辿り着けたのは第二次聖杯儀式だけであった。 そしてだからこそ、間桐臓硯はあの二百年に一度しか無かった機会を心底惜しんでいる。 無論、臓硯も第二次聖杯戦争の最終戦が行われていた遠坂邸《あのばしょ》に居合わせていた。 息を殺し、気配を潜めて、三体のサーヴァントと三人のマスターが殺し合う様子を物陰から見ていた。 そして、その後の結末も────。 悠久の年月を生きた代償は途方もなく重い。 五百年もの歳月の重みに耐えられなかった魔術師の魂は劣化するどころか腐敗を始め、結果として肉体までもを腐らせた。 身体が腐り落ちる屈辱と恐怖と憎悪は魔術師の心身を大きく歪めてしまった。 絶えず脳に上書きされ続ける負の感情と新しい記憶が過去確かに存在した崇高な想い《きおく》を霧のかかった不鮮明なものへと成り下げる。 されど、どれだけ記憶に霞が立ち込めようとも克明に覚えているモノもあった。 ─────それがあの神々しく輝く光の道《あな》。 永遠の命を、完璧なる不老不死を己に授けてくれるあの"白光の洞"を色褪せぬ鮮度で今もまだ鮮烈に憶えている。 自分の眼の前に確かに在りながら、手の届きそうな所に視えているのに、それでも届かない絶望感。 水のように不老不死が掌から零れ落ちていく屈辱を忘れもしない。 もう一度あの頂に。 魂が完全に腐り切ってしまう前に必ずやあそこへ到達するのだ。 今回で五度目。 円蔵山地下大空洞の大聖杯は一ヶ月ほど前から起動を開始しており、各所では複数のマスターがサーヴァントの召喚に成功している。 当然、御三家の一角である間桐陣営も第五次聖杯戦争で使役するサーヴァントの召喚は完了していた。 不出来な弟子が喚んだのはエトルリアの神殿から発掘された鏡を触媒に召喚した有名な女怪。 些か歪んだモノが来たが、それでも英霊としての格は申し分ないものだった。 だが、一番の問題は使役するマスターの方にある。 あのような出来損ないの屑では恐らく、いや九割方此度の戦いには勝てまい。 前回の儀式で駒として出した落伍者の雁夜をも大きく下回る下等生物。欠陥品。臆病者。 忌々しいことにマキリのマスターは聖杯戦争を重ねる毎に血が薄まり脆弱になっていた。 思い起こせば第二次儀礼でマスターとして送り込んだ燕二がこの地に根を張って以来徐々に零落していき終には没落した間桐家のピークだったのだ。 今のマキリの一門ではもはや直系であのレベルの術師を産み落とすのさえ不可能に近い。 使い物になる有力な駒が一つもないのでは今回の結果も芳しくはないだろう。 しかしまあそれも間桐臓硯にとっては予定の内ではある。 本当の勝負を懸けるのは………本命はあくまで次回以降の聖杯戦争。 前回の儀式で手に入れた戦利品を使って中々に面白い実験体が手許にあるとは言えど、戦闘用に調整してないのでは実戦投入は出来まい。 もしまた衛宮切嗣や言峰綺礼のような戦闘能力が著しく高いマスターが儀式に参加していれば危険だ。 無理に参戦させ、返り討ちに遭って殺さるようなリスクは負えない。 次回以降の聖杯戦争のためにもどうあってもアレには優秀な後継を生み落して貰わねばならないのだ。 よって今度の聖杯降霊儀式に期待するところなど何も無い。 期待出来る要因など有りはしない筈なのだ。 だというのに────何かが起きる。 臓硯はそんな予感がしていた。 なぜだかはわからない。 だけど二世紀にも渡って当事者で在り続けた魔術師の胸には久しく忘れていた不思議な高揚感があった。 "はてさて。もしや本当に、此度の聖杯戦争は何かが起こるやもしれんのぅ" 待ち焦がれた半世紀に一度の大舞台。 不老不死を褒賞にした熾烈な競争が幕開けの時を待っている。 いつの間にか間桐臓硯は干上がった体の内から湧き上がる不可思議な期待感にクツクツと忍び笑いを漏らしているのだった。 運命の夜。 宿命に導かれた少年が始まりの聖鐘を打ち鳴らすのは───────明日である。 ───── Fate/Another Servant Heavens Feel 2 ~END~ ─────
https://w.atwiki.jp/suka-dqgaesi/pages/5364.html
255 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 17 32 04.16 0 さっき実行に移したDQ返しを 人の部屋の冷蔵庫から勝手に食料(晩酌用)を盗っていく義理兄の妹に、 「彼氏(と勝手に思ってる男友達)の誕生パーティーにお呼ばれしたから、何か珍しいもの頂戴w」 と言われたので、シュールストレミング渡しときましたw さっき缶詰入れた紙袋持って意気揚々と出かけていったけど、喜んでくれたかなぁ^^ 257 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 17 44 20.82 0 勝手に食料を盗るのは義理兄で珍しいものクレ言ってきたのは 義理兄の妹=義妹ってこと? 259 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 17 47 48.95 0 >何か珍しいもの頂戴 シュースト、確かに珍しい。 だれかその正体を知っている人がパーティーの出席者の中にいることを願うw 260 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 17 49 10.96 O 兄 │ 旦那──255 こうか 261 :254 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 17 52 33.29 0 257 そうです。因みに今年で24です。 264 :254 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 17 56 29.92 0 260 すいません、自分は嫁の弟ですorz 実姉━義理兄 | | 254 義理妹 です 269 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 18 08 42.82 0 姉とその旦那の義兄と一緒に住んでるてことは 姉夫婦は実家に同居で 255も一緒に住んでるってことだよね。 で、 255が晩酌用に買ってきて冷蔵庫に入れていたものを 義兄が勝手に食べるってこと? そして義兄の妹もなぜか 255と姉の家にいるってこと? 270 :254 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 18 18 50.56 0 269 姉夫婦と両親と自分が同居です。義妹は義両親と同居です。 実実家と義実家は車で30分くらいしか離れてないんで・・・ 晩酌用を勝手に食べて持っていくのは義妹だけです。 むしろ義兄は謝罪と称しておつまみを補給していってくれます。 271 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 18 20 40.86 0 270 254じゃなくて255じゃないかな 272 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 18 22 30.82 0 確かに珍しいがそんな簡単に手に入るのか>臭缶 ましてやすぐ渡せるように常備してあるのか? 273 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 18 23 14.19 0 271 すんませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!!!orz 274 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 18 25 16.74 0 272 日本では川口貿易のみで輸入販売してます。 あと、今回使用した商品は、義兄からの提供ですww 275 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 18 25 22.95 0 信じられんねー何勝手に部屋に入ってんだか、普通に他人じゃんね・・・ 277 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 18 29 31.45 0 人ん家の冷蔵庫をあさる義兄妹について 255の家族はどういう反応してるんだろう。 てか義兄妹は多分兄ちゃんに会いにきてるんだろうから 姉夫婦が別居するか義兄実家に同居したら解決しそう。 278 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 18 38 57.66 0 報告者がカツオで姉がサザエ、義兄がマスオか。 マスオの兄弟が磯野家に遊びに来て勝手に カツオの部屋の冷蔵庫物色したらそりゃおかしいわ。 ノリスケでもきっとしないw 279 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 18 43 22.28 0 報告します。 先ほど、義兄から「255の携帯番号送れぇぇぇぇ!!」という義妹からのコールが あったようです。 280 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 18 46 41.74 0 279 おめでとう~ だけど、とばっちりの誕生会は気の毒だな 281 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 18 56 01.35 0 280 ありがとう~ ちょっと電話の内容直に聞きたいんで、義兄のところ逝って来ますw(自分の番号じゃ怖いからww) 282 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 18 59 22.46 0 テロになったかw とばっちりはお気の毒だが、身から出たさびだからな。 284 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 19 08 23.34 0 281 期待wwwwwwwwww 289 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 19 42 02.51 0 シュールストレミングって見たことないんだけど ものすごく立派な缶に詰まってる缶詰なの? 自分が義兄妹の立場なら好きな人の誕生日パーティーに 缶詰っていくら何でも持っていかないと思うんだけど。 向こう側だって台所以外で缶詰を開けたりするかな・・・。 自分がオイルサーデンみたいな缶詰想像してるからだろうか。 292 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 19 52 56.00 0 289 ぱっと見はそんな感じだよ>オイルサーディン 単に「家族の海外土産なのぉ~。珍しいものだからぜひ食べてみて欲しくってぇぇぇl」とでも やりたかったんじゃないの? 312 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 20 42 31.81 0 ただいま戻りました。 姉夫婦とご飯食べてましたw 313 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 20 45 16.80 0 結果から申し上げますと、義妹は彼氏(男友達)の家から叩き出されたそうです。 314 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 20 45 34.39 0 お帰り とりあえず無事で何よりw 318 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 20 49 01.53 0 313 これは開けたな…続きwktk 322 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 20 57 07.48 0 シュールストレミングだけでやってのけた、痛快な復讐譚を貼ってみる。すごい。 ttp //moemoe.homeip.net/view.php/10622 323 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 20 57 42.62 0 彼氏の家かよwwww 振られるのは当然として、損害賠償請求あるだろうなwww 324 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 20 59 11.87 0 彼氏じゃないよ!ただの友達だよ! 325 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 00 20.92 0 賃貸ならば彼氏?男友達?がそこから賠償金払った上で 追い出される可能性大 下手したらだけど、クリーニングしたところでにおい落ちないだろうから 使えない数か月分の家賃も払わされるんじゃね 326 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 02 46.08 0 >彼氏(と勝手に思ってる男友達) と、あるから相手も普段から迷惑してたりしてw 賠償請求はぜひ遠慮なくやって欲しいと思う 327 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 21 03 09.49 0 義兄のところで説明してもらった情報によりますと 残念ながら、お外でバーベキューパーティーだったそうです。 しかも始まってすぐに義妹が開封した、とw 迸る異臭に阿鼻叫喚、義妹はその場で嘔吐したそうですww 彼氏(男友達)や義妹友人に酷い罵倒を受けたとか。 すぐさま、缶詰を入れてた紙袋にちょっと開封した缶詰と 義妹の上着他の持ち物を詰め込まれて敷地無いから追い出されたと。 そしてすぐさま義兄に電話。(255の携帯番号は知らない) っとこんな感じですw さっき義妹の携帯番号教えてもらったので、ちょっとかけてみようと思います 330 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 06 12.22 0 ちょっとかけてみようかと・・・・ 勇者ですねぇwwww 続報、とりあえずパンツ脱いでお待ちしています。 332 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 10 15.31 O 「自分の」じゃなく「255の」……? 335 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 21 12 22.96 0 332 「自分の」って書くと「義妹の」って思われるとアレだったので 「255の」にしました。 338 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 21 14 51.15 0 今、電話切りました。 やべぇ、何か人外の言葉発してるwww 腹筋が破壊されるwwww 箇条書きでまとめるのでしばしお待ちをwww 344 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 21 29 19.50 0 あんまり内容は無いんですが、こんな感じです。 ・あんなゲテモノ押し付けやがって大変な目にあった。 ・あんたのせいでパーティーはめちゃくちゃだ。 ・彼に見限られた、私の初恋をどうしてくれるんだ。 ・吐いた時と缶をお持ち帰りさせられた時に、服にゲロと腐液が付いた、 それを弁償しろ。 ・今すぐ車でこっちに来い、私と彼と友人達に土下座してからお詫びに 金もってこい(50万で許してやるそうです)そして缶もって帰れ。 どうしたもんか・・・ 346 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 32 43.26 0 シュールストレミングを着払いで送られた話があったw 本当にやった復讐 6 http //toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1314870279/117 348 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 36 24.52 0 344 義兄に貰ったものだからそっちに言えって言ったら? 349 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 36 27.35 0 344 いい年こいて他家の冷蔵庫を漁る非常識女なんざ義兄にまかしてホッときゃいい 350 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 36 29.87 0 まあ、姉夫婦に即相談だよな 351 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 21 36 54.24 0 友達側の方につてがあるから、ちょいと尋ねてみるb 353 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 42 15.50 0 327 『義妹はその場で嘔吐したそうですww』 ウケるwww 354 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 43 27.81 0 はつこいwwwwwww 357 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 21 51 58.01 0 彼氏(脳内設定)側との連絡が取れました。 まとめるんでもう少しお待ちを 359 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 21 53 49.11 0 パンツ脱いで正座してる!! 357 361 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 22 01 50.21 0 ライブかよwww しかし義実家とは違うんじゃね? どうでもいいけどさ。 364 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 22 07 13.09 0 結論としては、彼氏(妄想)側はまったく気にしてないそうです。 ・来た早々義妹が「私が苦労して手に入れた最高の珍味を持ってきてあげたから!!」 ・皆が集まって、じゃあ乾杯の音頭をとってはじめようかーって前に缶詰を取り出した。 ・先に乾杯をーって行ってるのにも拘らず「はぁ?まずはあけてからでいいでしょぉ?」 ・缶詰開封、迸る腐臭、溢れるゲロ、阿鼻叫喚のパーティー。 ・罵声をぶつける友人達、デモデモダッテな義妹 ・紙袋に荷物+缶を詰め込んで庭から追い出して ・乾杯してBBQ開始 ・義妹に対する今までの愚痴を言い合う和気藹々のパーティー。 ・てか255と実姉も来ない?肉うまー。酒うまー。 こんな感じです。 366 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 22 08 41.20 0 お呼びでなかったんかいwww 369 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 22 11 37.28 0 義妹ざまあ 377 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 22 23 58.38 0 友達側の方につてがあるから、ちょいと尋ねてみるb 381 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 22 25 14.64 0 377 間違えたorz 386 :255 ◆b0WQSFPdSI:2011/09/10(土) 22 34 34.61 0 友人のほうには一応、今回アレを持っていくことになった経緯を話しました。 少し怒られましたが、義妹ともう関わらないことになって嬉しいから良いとか・・・。 でもそれじゃ悪いんで、友人が欲しがってた物を今度あげることにしました。 今から義妹が家に来るそうなので、ちょいとどっかに避難してきます。 388 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 22 36 45.34 0 非難するのはいいけど、当然危険物を持ってくるわけだろうから… 玄関にぶち撒かれても知らんよw 392 :名無しさん@HOME:2011/09/10(土) 22 41 04.09 0 やっぱり、義妹みんなにとってはお邪魔虫だったんだな それならあの扱いも納得 とりあえず255の無事を祈る 次のお話→310
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1549.html
そこは第六管理世界と呼ばれる次元の中では発達した都会と言われる都市だった。 他の次元世界との連絡船や貨物船が航行し、無数の物資と人を行き来させる。 当然そこには利権が生まれ、金が生まれ、金持ちが生まれ、街が栄える。 利権はさらに人を集め、その中で二種類の人種を作った。つまり……持つ者と持たざる者。 二つの人種は街を特徴的に染め分ける。つまり光の部分と闇の部分。 キレイな通りのすぐ後ろ側、夜にも光が絶えない表通りのハズレにそんな場所はある。 古いレンガの壁が並び、僅かな街灯が頼りなく辺りを照らす。だが足りない! それではこの闇を払うことも、そこに隠れる弱者にして無法者を照らす事も。 もちろんそんな場所は犯罪が横行し、夜にもなれば歩く者も僅か。 特に女子供なんていう犯罪の対象に成り易い者は……だが彼女は歩いていた。 特徴的な民族衣装のようなフード付きのローブを被り、手元にはバッグ。 首からは価値がありそうだが趣味の悪い金色のペンダント。 辺りを気にしながらアッチにふらふら、こっちにフラフラ。 どうみてもこの街に始めてきたが迷子になってしまった少女の図。 そんな人物がこんな危険な場所を歩いていたらどうなるか? 至極簡単だ。『襲われる』 「っ!?」 細い路地から伸びてきた手が少女をその闇の中へと少女を引きずり込む。 辺りには少女の悲鳴が響くが勿論誰も助けになど来ない。 複数の男の荒い息遣いが彼らの目的を大変に解り易く表現している。 だが…… 「ギャアァアア!!」 不意に響いたのは野太い男の悲鳴。少女のソレよりもずっと鬼気迫った声だ。 それに続くように複数の掠れた悲鳴が暗闇に閉ざされた横路地から寂れた道を満たす。 もちろん誰も助けになど来ない。少女の時と同じだ。 「ヒィアァ! 化け物ぉをぉぉ!!」 不意に小さな闇から飛び出してきた男は恐怖で真っ青に染まった顔を引き攣らせている。 男が僅か見せた安堵も、闇の中から男達の手のように伸びた板金鎧によって遮られた。 ガッシリと男の首を掴んだ鎧はいかに男が暴れようとも解けはしない。 時間をかけて恐怖を与えるように再度闇へと誘われた男の悲鳴が空しく辺りに響いた。 数分の後、完全に沈黙を取り戻した路地から姿を現すのは最初に引き込まれた少女。 そしてその後ろに続いて現れたのは男たちではない。むしろ人間ですらなかった。 一つは首が無く空っぽの鎧だけの存在。もう一つは腐臭を漂わせる亜人の屍骸。 どちらも幾ら薄暗い夜だからとか、寂れた場所だからと言う理由で現れるものではない。 そんな怪物達とか弱そうな少女が歩いていれば、まさに怪物に誘拐される王女様だろう。 だがこの少女は違う。 桃色の髪二房をピンと跳ね上げ、口元には獣の笑みと刃のように鋭い目元。 闇に飲まれずにソレを従えるような圧倒的で不気味な存在感。 首元で金色のペンダント 千年リングが怪しく光る。彼女は……魔王。 決して冥王ではない。 「ヒャッハ~! 全く獲物には苦労しねえぜ」 少女が懐から取り出したのは複数のボロボロの財布。 中からお札や硬貨を取り出しては数えて自分の懐へしまい直し、財布の方を放り捨てる。 彼女もやっていること事態は男たちがやろうとしていた強盗と変わりは無い。 ただ違うことを上げれば彼女は悪党専門にソレを行っていると言う事だろう。 「だが所詮は街のチンピラだな、食事三日分ってとこか。 しかしよく釣れる。お前の怯えっぷり、弱そうに見える所はある種才能だな? 相棒」 『全然嬉しくないです……』 意地の悪い笑みを少女が浮かべる先に影のように重なるのは、少女と同じ姿。 だがそちらは完全に落ち込んだようにくらい表情をしている。人の良さそうな印象を与える様は正に正反対。 「だからよ~いい加減に腹を括れって相棒。 オレ様の本領は盗みだって…『ダメです!』…ケッ! 悪党からコソコソ奪うのは良いのに、真人間からゴッソリと盗むのはダメかい?」 『良いって訳じゃないんです! でも…「グゥ」…うっ』 「はいはい、まずは飯だな。良い訳は後で聞くぜ」 可愛らしいお腹の音に少女はタメ息を一つ。 指を一つ鳴らせば首の無い鎧・首なし騎士 亜人の屍骸・ゴブリンゾンビが灰のように闇に消える。 そんな感じで…… 『キャロとバクラの就職が困難を極めているようです』 「いらっしゃいませ~ご注文を問うぞ」 「えっとハンバーガーのAセットを一つに単品でナゲットを……」 「はい、かしこまりました~少々お待ちくださいませ~」 キャロ・ル・ルシエがこういった場所 ハンバーガーショップなるモノに入ったのはこの街に来てからだった。 最初はオッカナビックリ、ドラゴンの巣に突入するような心境だったのだが、慣れと言うのは恐ろしいもの。 もうこの街で一番落ち着ける場所といえばここだ。え? 家?……そんなものは現在彼女には無い。 「お待たせしました~ごゆっくりどうぞ」 「あっありがとうございます!」 『なんで店員にデカイ声でお礼を言うんだよ?』 千年リングに宿る人格 バクラにそう指摘されてキャロはハッと顔を赤くする。 見れば店員もクスクスと笑っていた。逃げ出した衝動を必死に抑えて、席を探す。 注文する途中に余りに混乱し、店を飛び出したこともあるくらいだから、大きな進歩だ。 幸い時間が夜間である事から店内は空いていた。キャロは落ち着く奥の席に腰を下ろす。 「ふぅ……」 タメ息を吐く回数が確実に村にいた時よりも増えた事を認識し、キャロは誤魔化すようにオレンジジュースに口をつける。 ストローを通って流れ込む痺れるような甘さにも馴れた。 「キャウ~」 「あっ! ゴメンね、フリード」 恐らく美味しそうな匂いに我慢できなくなったのだろう、バクラとは違うパートナーの声にキャロは慌ててカバンを開く。 中からのっそりと顔を出したのは白色に赤い瞳の幼竜 名をフリードリヒ。 サイズの割に大きな口にナゲットを放り込みながら、キャロ自身もハンバーガーを齧る。 何時食べても暖かいという画期的なパンの温もりに思わず彼女の表情も緩んだ。 『さて相棒、真面目な話をしようぜ』 「はい! ゴメンなさい、一人で食べちゃって」 キャロがトレーに乗った殆どの食べ物を食べ終えてから、頃合を見たようにバクラは話し出した。 そこには何時もの嘲笑うような表情は成りを潜めており、それがキャロを余計に緊張させる。 『都会に出れば仕事があると思って、墓荒らしの残りを叩いてここまで来た訳だが…… このままじゃジリ貧だぜ。お前も解ってるんだろ? どこに行こうとガキがやれる真っ当な仕事なんてそうそう転がってるモノじゃないってことだ』 「でも就労の制限が低くて、その斡旋もあるって本で読みました」 『現実と理想は違うんだぜ? 相棒』 確かにキャロの言う就労の制限年齢を下げるという法律は管理世界に広く浸透している。 だがそれは決して雇用主に年齢の低い者を『雇わせる法律』ではない。 長い経緯や詳しい内容は割愛するが『雇っても良い法律』と解釈された。つまり裁量権は完全に雇う側にあることになる。 同じ仕事を同じ賃金でさせるならば大人と子供、どちらを雇うだろうか? 答えは至極当然、よく働けて体を壊しにくい大人を採用する。 もちろん若年者を雇用する事で優良企業としての名を売るという考え方もあるがそんな事ができるのは大企業のみ。その大企業だって雇える人数など限られている。 『まあ余所者の感想だがこの世界は魔道師や魔法がやたらと力があるだろ?』 コクリと頷いた相棒にバクラは続ける。 『つまりよ~「ガキも働いて良いですよ」って言うのは、魔道師の適正がある奴を早めに引き入れる策なんじゃねえか?』 質量兵器を禁じた管理世界において武力といえば魔道師とほぼ直結する。 魔道師は武器を持たせて訓練すれば誰にでも勤まるわけではない。故にその絶対数は少ないが国から企業レベルで大量に求められる人材。 ゆえに魔道士の絶対数を手早く確保する手段としての青田刈り、若年者の就労制限の引き下げと言う手段が選ばれた。 魔道師がどこよりも必要なのは各次元に影響力を持つだけの武力を有さなければならない時空管理局。 そんな彼らが出した法案であれば、自分達の利害とも重なるゆえに反対する理由は各次元世界には無い。 『だけどお偉方の考える事は酷く単純だ。盗賊のオレでも予想できる。 つまり……「魔道士だけ優遇するのは世間的にマズイだろう。だからみんな一緒」ってな!』 口では魔力に優れた者だけを優先しているわけではない!と一律に下げた。 これでは『労働力が不足しているので若年層にも働いて欲しい!』と言う全く違った、良い方に改悪されたメッセージを生む。 『一緒って言われれば生活が苦しい奴は都会にでも出て働こう!と思うだろう。 ソレが甘い罠ってわけさ。必要とされるのは一握り。大人で事足り仕事をガキにやらせる物好きも居ない。 何とかなると思って田舎を出てきてみれば……状況は最悪って訳だ』 前にも言ったようにこれは『雇っても良い権利』を『雇う側』に与える法だ。 ゆえに企業や国は唯の子供には興味を示さない。なにせ必要なのは「一部」なのだ。 体面を保つ為に若年労働者の最低賃金も決められている。それでは子供を雇う利点が無い。 もし子供を欲するものと言えば……汚い仕事の者ばかり。 雇うという最低限度の条件しか整えず、重労働や低賃金を貸す悪徳業者。 清らな体と心が目的の人身売買の餌食。そして悪事に手を染める者も無数に出る。 『さあ……どうするよ? 相棒』 キャロも薄々気がついていた。決して話に聞いていた理想的な状態でないことくらい。 ここに来て一週間になるがその間幾つも店や会社を回った。大きな企業から小さな店まで。 大きな企業からは魔道師でもない子供雇う意味は無いと跳ねられ、小さな店では魔道師である必要性は無いが人手に困っている所もない。 ましてキャロ自身決して人生経験豊富とは言えないのだから、さらに始末が悪い。 「私……本当に甘かったんですね」 『まあ、追放なんぞしてくれた長老が説明不足にも程があるがな』 もっとも長老自体、若年層の就労状況を伝えられるままに理解していたのだろうが。 世間知らずなのはキャロだけでなくあの村の全ての人間と言っても過言ではないだろう。 だとしてもキャロは己の安易な判断を恥じる。 「ゴメンなさい」 『謝られる事なんて一つもねえよ、相棒』 「でもゴメンなさい……フリードも……ゴメンね?」 「キュウ……」 どれだけ自分が無知で無垢で何も解らなかったのかと言う事を強く認識させれた。 同時に自分が守っているつもりだった『悪い事をしない』と言う定義が余りに脆いものだと気がついた。 そんな愚かな自分を『悪』と言って間違いないだろう寄生者は導いてくれた。 自分ひとりだったら、きっとあそこで騙されて終わりだ。この街で一週間生きることもできなかっただろう。 このハンバーグも食べられなかっただろうし、二日に一度のシャワーにもありつけなかっただろう。 『ポロリ』と液体が俯いたキャロの瞳から零れた。 一度流れてしまえば勢いを増した涙の流れを止めるものは何も無い。 口からは嗚咽がそのボリュームを増して溢れ出した。 『相棒、もし「オレの今まで言って来た事が全部正しい」なんて詰まらない事を考えてるなら止めろ』 「……ぇ?」 『オレ様がいった汚い事は全て世界の真理だ。ソレは間違いない。だが……それだけじゃない』 「どういう……事ですか?」 『バ~カ! 教えちまったら意味がねえんだよ。 涙なんてつまらねえものを拭いて、自分で考えな、相棒』 そう言われてノロノロと涙を拭くキャロを横目で見つつ、バクラは呟く。 相棒の道理をそんなに曲げる事も無く、自分の楽しさも追及できる作戦を。 『そんな困った相棒に提案だ。 魔道師……なってみる気はないか?』 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nkmn/pages/49.html
ゾンビサバイバル!その6(70~83日目) 1ページ分が重くなってきたので、2週間ごとにページを区切ることにしました。詳しい事はメインページにて。 最新の状況(メインページ) ■もくじ 11週目 70日目 71日目 72日目 73日目 74日目 75日目 76日目 12週目 77日目 78日目 79日目 80日目 81日目 82日目 83日目 >その1(1、2週目)へ >その2(3、4週目)へ >その3(5、6週目)へ >その4(7、8週目)へ >その5(9、10週目)へ >★一括版 ゾンビサバイバル!11週目(70~76日目) 【9/7 サバイバル70日目】6 13 今日のnkmn: 【アクシデント】ゾンビに応戦中、弾が尽きた・・・! 拳銃、ライフル、ショットガンひとつを失う。持っていなければ6のダメージ! 食糧:-2 (サイボーグ化で食料-1)(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 88↓ /食料 33↓ /探索 9 /持ち物 日記帳 釣り竿 【仮メモ】またか!!少し慣れたのかダメージは多いが消耗はしていない。 機械の体に慣れ始めているのかミテルちゃん! 【9/8 サバイバル71日目】8 16 今日のnkmn: 【休息】汚染されていない綺麗な川を発見。まさに命の洗濯だ。HP:+2(あなたのフォロワーも、24時間以内にリプライすることで1人1回ずつHPを+2できる)(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 89↑ /食料 33↓ /探索 9 /持ち物 日記帳 釣り竿 【メモ】懐かしい川だ・・でも誰もいない。 脱出した人、道半ばで倒れた人、理由はいろいろあるだろうけど 私が館にいる間に生きている人間が随分少なくなったように感じる。 静かな川辺で釣りをしていると、いろいろな考えが頭をめぐる。 とりあえず機械の体は少し無骨だけれど私を生かしておいてくれる。 だけど私は、一体どうなってしまうんだろう。 【9/9 サバイバル72日目】16 05 今日のnkmn: 【休息】親切な老夫婦の家に泊めてもらい、HP:+3。しかも、自分たちはどうせ長生きできないから、となけなしの食糧5をくれるという。受け取るかどうかは好きにせよ。(釣竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 91↑ /食料 34↑ /探索 9 /持ち物 日記帳 釣竿 【仮メモ】なんだかアンニュイな感じで再び老夫婦宅へ。 釣り竿という武器もあるので今はご飯はいらないと言う。 【9/10 サバイバル73日目】15 25 今日のnkmn: 【アクシデント】ゾンビから逃走中、高所から落下し重傷を負う! 9のダメージ! 以降「治療薬」か「救急箱」を消費して治すまで、あなたのHPは回復しなくなる。食糧:-2(サイボーグ化で食料-1)(釣竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 81↓ /食料 32↓ /探索 9 /持ち物 日記帳 釣竿 【メモ】ゾンビから逃走中、床が崩れビルの上から真っ逆さま。 丈夫な機械の体でも大怪我する事はあるらしい。 体の奥の方から肉を焼くような嫌な音がする。 これは…薬がいるかも。こんなヘマをするなんて…私の馬鹿。 【9/11 サバイバル74日目】20 34 今日のnkmn: 【休息】死体だらけの一軒家を発見。食糧を奪い合って争ったらしい・・・食べ物は何も残っていなかった。HP:+5 食糧:-4@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(サイボーグ化で食料-1)(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 80↓ /食料 28↓ /探索 9 /持ち物 日記帳 釣り竿 【メモ】ここでも食料の争いの跡…どれだけの人が飢えて死んだのだろう。 私も優しい人達の助けがなかったら、多分こうなっていた。 皆の好意で生かされているんだよね。 食料も無いようだし、一晩の宿の代わりにさせてもらう。 だけど怪我の傷はじくじくと痛むばかりで治る気配がない。 思った以上に状態は良くないらしい。 人間あまり強くないもんだなと思う、今まで嫌という程感じてきた事だけれど。 【9/12 サバイバル75日目】23 21 今日のnkmn: 【アクシデント】食事に妙な味。食糧が一部痛んでいた! ゾンビの悪臭に満ちた世界だ、気付きにくいのも無理はない。「現在食糧の1割」点の食糧を失う(端数切り捨て)→-2@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 79↓ /食料 27↓ /探索 9 /持ち物 日記帳 釣り竿 【メモ】腐った食料を口に運んでしまいそのまま吐き出す。 これがどうしようもないくらいの腐臭のせいなのか、 それとも機械化のせいなのか私にはわからない。 見た目でわかるだけの腐敗した食料を選り分けて捨てる。 …これももう慣れた動作になりつつある。 次に食料が手に入るのは何時だろう… この日はそれだけをぼんやりと考えていた。 【9/13 サバイバル76日目】0 09 今日のnkmn: 【探索】デパートを捜索。寝袋(【休息】が出た場合、HPを1点回復する)または、調理キット(【休息】で減少する食糧が本来より1点少なくなる。最低1)を得る。食糧:-2@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(サイボーグ化で食料-1)(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況1】HP 78↓ /食料 25↓ /探索 9 /持ち物 日記帳 釣り竿 【メモ1】デパートで寝袋と調理キットを見つけたけれど、全部は持ち出せそうにない。 これらを持ち出すには、なにか手持ちの物を置いていくしかなさそうだ。 機械の体で釣竿を手放すとなると生死に関わるのは間違いない… …となると、手放すのはあの長い館の日々を記録を残した日記帳。 この日記帳を見ているとあの館であったいろんな事を思い出す。 もやもやとした館の陰鬱な空気が私の頭の中を鈍く重たく満たしてゆく。 いけない、少し頭を冷やそう。私はひとまずその場を後にした。 【メモ2】 日記帳には私のたどった道のりが、生きた記録がつけてある。 これがあれば館にいる人達の救いの手になれるかも… そんな事を考えてながら歩いていたせいだろうか いつの間にか私は館の前に立ちすくんでいた。 @ここで再び館に入る 【メモ3】ネメシスさん(@_bo_ro_)といろいろ。 日記帳を渡し、館について説明。(探索度を3渡す) 代わりにショットガンを渡されるが、日記を捨てられブチギレてショットガンで殴りかかる 最終的におにぎり(食料3)とショットガンを交換し、事なきを得る。 【状況2】HP 78 /食料 28↑ /探索 6↓ /持ち物 釣竿 館のnkmn: 【出口】壁が崩れ、外に出られる場所を発見。以降、ゾンビサバイバルに戻れる(館に再び来た時はもう1度出口を見つけること)。食糧:-3(サイボーグ化で食料-1) @しかし即脱出。 【状況3】HP 78 /食料 25↓ /探索 6 /持ち物 釣竿 【メモ4】暴れた衝撃で壁が崩壊。出口を見つける。プンスカ! デパートに戻って調理キットを取る。 ゾンビサバイバル!12週目(77~83日目) 【9/14 サバイバル77日目】0 26 今日のnkmn: 【戦闘】一体のゾンビを撃退し、安心したのも束の間、窓を破ってもう一体のゾンビが奇襲!6のダメージ! 食糧:-2@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(サイボーグ化で食料-1)(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 71↓ /食料 23↓ /探索 6 /持ち物 釣り竿 調理キット 【メモ】もう踏んだり蹴ったり! どうしようもない苛立ちをゾンビにぶつけていたら、窓の外からもう一体! ガラスはこちらに降り注いでくるしゾンビにはやられるし・・ ああもう、ゾンビ相手に八つ当たりはいけないな。もう少し冷静になろう。 【9/15 サバイバル78日目】4 45 今日のnkmn: 【アクシデント】レストランの厨房を探索。冷蔵室を開けると・・・今が午前4時~16時なら食糧+4。それ以外なら、いい感じに冷えたゾンビが出現! 8のダメージ!@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 70↓ /食料 28↑ /探索 6 /持ち物 釣り竿 調理キット 【メモ】レストランの厨房を探索していると大きな冷蔵庫を発見! 冷蔵庫の中には結構な量の食料が入っている。ラッキー! 中にゾンビでも入っていたらどうしようかと思ったけれど、 そんな事ある訳・・などと視線を横に向けると人型の氷がひとつ。 ・・私はそれを見なかった事して、その場を立ち去った。 【9/16 サバイバル79日目】5 29 今日のnkmn: 【戦闘】ドアが半開きになった廃車を発見。もう暗い、今日はこの中で寝ようと、入ってみたら後部座席に動くものが・・・ゾ、ゾンビだ! 7のダメージ! 食糧:-2@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(サイボーグ化で食料-1)(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 62↓ /食料 26↓ /探索 6 /持ち物 釣り竿 調理キット 【メモ】半壊した街を探し回っていたが、今日も収穫は何もない。 ビルから落ちた怪我は未だ治らず、体の奥がキシキシいっているのが聞こえる。 どうしようもない疲れを癒すため、廃車の座席に体を横たえたその瞬間、 背後から物音が聞こえ、後部座席からゾンビが飛び出してくる。 ゾンビの攻撃を間一髪で避けるが、同時に傷口がズキンと傷む。 こんなところまでゾンビがいるなんて・・その日は休む間もなく朝を迎えた。 【9/17 サバイバル80日目】0 52 今日のnkmn: 【休息】安全そうなホテルを発見。今日はゾンビに襲われることもなく、ゆっくり休めそうだ・・・。HP:+5 食糧:-3→-2@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(サイボーグ化で食料-1)(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 61↓ /食料 25↓ /探索 6 /持ち物 釣り竿 調理キット 【メモ】ヘロヘロになりながら街を歩いていると、安全そうなホテルを発見。 昨日の反省踏まえ、辺りを警戒するがゾンビの気配はない。 焦りは禁物、今日はここでゆっくりと休もう。 ホテルには簡易的なキッチンが備え付けてあり、ガスもまだ生きている! せっかくなので釣竿で釣ってきた魚を使って簡単な料理を作る。 見た目はすこし不恰好だけど、部屋には幸せな香りが充満している・・ ささやかだけど穏やかなひととき、ああ、なんてしあわせなんだろう。 デパートで拝借してきた調理キットのおかげか、不恰好な見た目も幾分かかわいらしくみえた。 ・・しかしそんなひとときもつかの間だ。 夜が来ると一変し体が痛みを訴える・・いくら休んでも痛みは増すばかりで 回復のきざしすら見えない・・傷口はふさがっているが体の内部が軋む音がする。 きっと機械の体でなければ耐えられない程の重症なのだろうと思う。 治療する道具でもあればいいのだけれど・・ 【9/18 サバイバル81日目】21 33 今日のnkmn: 【アクシデント】巨大な刃物のような腕を持つゾンビに遭遇! 【同行者】を連れている場合、あなたの身代わりとなって、一人失う。連れていない場合、あなたは10のダメージ!@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 50↓ /食料 26↑ /探索 6 /持ち物 釣り竿 調理キット 【9/19 サバイバル82日目】0 09 今日のnkmn: 【覚醒】謎の高熱で生死の境をさまよった君は、ゾンビの中にある“何か”を喰らう体となった! 9のダメージを受け、以後「ゾンビ」と書かれた【戦闘】が出るたび食糧:+1。@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(釣り竿で食料+1HP-1) 【状況】HP 40↓ /食料 27↑ /探索 6 /持ち物 釣り竿 調理キット 【9/20 サバイバル83日目】1 50 今日のnkmn: 【戦闘】デパート内部でゾンビの集団に取り囲まれる! エスカレーターもゾンビでいっぱいだ!10のダメージ! フォロワーの助けを得られるなら7のダメージ。 食糧:-2@治療薬か救急箱を消費するまでHPを回復できない。(サイボーグ化で食料-1)(ゾンビ喰いで食料+1) 【状況】HP 30↓ /食料 25↓ /探索 6 /持ち物 釣り竿 調理キット その7へ続く(まだないよ!) メインページへ戻る
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/3509.html
―――そして、三月二十四日、夜。 前日に続いて、その日も激しい空襲がありました。南部の港川のほうで艦砲射撃も始まったそうです。 そしてついに、私たちは陸軍病院に動員されることとなりました。 みんなでわずかな身の回り品を持ち、モンペ姿で南風原に出発することとなったのですが、 先生たちが、ばたばたと走り回って私たちに準備を急かします。 「急いで! 本当に必要なものだけ持って行くのよ!」 さわ子先生も、焦りをあらわにして生徒に呼び掛けています。 ところが…… 「えーと、コレと、アレと……」 私は荷物をぎゅうぎゅう詰めにまとめていました。 鏡、クシ、歯ブラシ、洗面器、制服などを持てるだけ持って行こうとしましたが、澪ちゃんにたしなめられます。 「おい唯、そんなにいっぱい持って行けないぞ? 遠足じゃないんだからな!」 そう言う澪ちゃんのカバンを見ると、やはりパンパンにはち切れそうなほどです。 「そう言う澪ちゃんも、本やノートや日記帳、持ちすぎじゃないかな……」 「べっ、別にいいだろ! 空いた時間に歌の詞を書いたりするから!」 私が苦笑していうと、澪ちゃんはムキになって反論します。 「はーいはい。遠足気分はどっちだよ!」 りっちゃんがあきれて言うと、ムギちゃんが小声で耳打ちしてきました。 「……唯ちゃん、ウッチン茶って、要るかしら?」 女の子なので、鏡やクシは、ほぼ全員が持って行きました。 でも、結局は、お風呂どころか顔も洗えず、ほとんど使うことはできなかったのです。 ―――翌朝 「これが病院?ここ小学校だよね。まあいいか」 一晩中歩いて、ようやく南風原陸軍病院にたどり着きました。 国民学校を接収した病院本部がありましたが、その裏山に、穴ボコがたくさん開いていました。 「何だあの穴?」 りっちゃんが私の思っていたのと同じ問いを発します。 「さあ?何だろね?」 「陣地にしては、病院に近すぎるよな……」 澪ちゃんが、いぶかしげな顔をしています。 ムギちゃんが、ようやく状況を飲み込んで、口を開きます。 「病院の病棟、らしいわ……」 付近には粗末な三角兵舎がいくつか建っていて、 赤土っぽい山の斜面にいくつも掘りかけの、坑木も天板も作りきっていない横穴。 ……つまりは、壕がありました。そこが、病院の主要部分です。 その、幅一間(約1.82m)、高さ一間程度の息苦しい横穴の片側に、木製の二段の寝台が奥までずぅっと並んでいます。 “赤十字の旗のひるがえる病棟で白衣の天使”という幻想は、早くも打ち砕かれました。 ―――三月二十九日、夜十時 まだ未完成の壕も多かったので、看護当番でない人は、壕堀り作業などをしていました。 その日も、昼夜続けて、私たちは病院の壕掘りをしていたのです。 「しゃらんら しゃらんら♪」 私は、ムギちゃんが澪ちゃんを従えてモッコを担いでいく様子を、横目で眺めていました。 「お、おいムギ、ちょっと待ってくれ!」 「ムギちゃんは、ほんとに力持ちだよねぇ…」 すると、本部壕に伝令に行ったりっちゃんが、和ちゃんとともに息を切らして走ってきました。 「おい!今から卒業式やるらしいぞ!みんな早く来いって!」 「え? 卒業式? こんな夜中に!?」 急遽、校長先生が首里城の司令部からいらっしゃって、卒業式を行うことになったのです。 「あ、私、制服持ってきてたんだ!本部壕に取りに行かないと!」 そう言った私を、和ちゃんが制します。 「唯!もう第一外科、第二外科は集まってるのよ!そのままの格好でいいから早く来なさい!」 作業の真っ最中だった私たちは、泥だらけのモンペ姿で出席することになったのです。 結局、大事な制服を着る機会はその後もなく、混乱の中で制服もなくなってしまいました。 とある三角兵舎での簡単な卒業式でした。 例年どおりの卒業証書授与や教員免許状授与もなく、 来賓は、陸軍病院の偉い人たち、父兄代表もお一人だけでした。 あちこちから、すすり泣く声が聞こえます。 “海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ かへりみはせじ……” 「海ゆかば」を歌っている最中にも、遠雷のように艦砲の砲声が響いてきます。 卒業式で歌う予定だった、先生方作詞作曲の「別れの曲」は、歌うことができませんでした。 二つだけともされたロウソクが、校長先生の顔を薄暗く照らし、砲撃でゆらめいて消えかかります。 来賓の祝辞も、校長先生の式辞もほとんど頭に入りませんでしたが、 「この卒業式は、戦場で挙行する世界で前例を見ない卒業式である」 という校長先生の言葉の一節だけが、心に残りました。 わずか三十分の式が終わると、私たちは余韻を感じるひまもなく、あわただしく各自の持ち場に戻ったのです。 その、卒業式をした三角兵舎さえ、翌日には焼夷弾攻撃で灰となってしまいました。 ―――そして、四月一日。米軍はついに沖縄本島中部に上陸を開始。 すでに三月下旬、沖縄本島西方の慶良間諸島を米軍が上陸・占領していたが、 米軍の沖縄本島上陸時、日本軍守備隊は海岸線での抵抗を放棄していたため、ほぼ無血上陸であった。 「こんな楽に上陸できるなんてウソだろう。今日はエイプリルフールだから」と、冗談を言う米兵も居たという。 しかし、これは猖獗を極め、数ヶ月の長きにわたった沖縄本島地上戦の、嵐の前の静けさに過ぎなかった――― ―――初めて、負傷兵が担ぎ込まれてきたときのことです。 運悪く、そのとき私たちは手術室当番でした。 軍医さんや衛生兵が、ばたばたと手術の準備をします。 負傷した兵は砲弾の破片を全身に受けて、血まみれのまま、うんうんと唸っていました。 「……ひ………っ―――」 澪ちゃんは、その姿を見るやいなや、一言も発さずに失神しバタリと倒れてしまいました。 すると衛生兵が倒れた澪ちゃんの背中を蹴飛ばします。 「貴様ッ!そんなことで看護が務まるか!立てぃ!」 その様子を見ていた私たちは、止めに入るどころか無言で顔を真っ青にしていました。 (戦場って、こういうものなんだ……!) ―――四月上旬、ついに沖縄本島においても地上戦が本格化。 嘉数高地などを中心として激戦が繰り広げられる。 一方、三月下旬には「天一号作戦」、四月六日には「菊水作戦」が発動、 以後、六月下旬まで、延べ二千機近い特攻機が沖縄方面に出撃。 四月七日には、水上特攻の任を帯びて沖縄に向かっていた日本海軍第二艦隊が 米軍機動部隊の猛攻を受け、戦艦「大和」以下数隻が撃沈されている――― ―――そして、四月中旬、下旬と時が経ち、負傷兵が増えるにつれて、状況はどんどん悪くなります。 壕の中は換気が悪く、人いきれで蒸し風呂のような暑さで、時にはロウソクが消えるほどの酸欠状態。 むせ返るような血の臭い、膿の臭い、汗の臭い、糞尿の臭い、腐臭。 「換気用意!」 さわ子先生がかけ声をかけると、みんな、上着、手ぬぐい、タオル、風呂敷などを手に取ります。 「始めっ!」 そしてひたすら扇ぐのですが、5分も10分も続くので、自然と歌が出ます。 先生の歌う『ああ、特攻隊』の哀調を帯びた歌が心に残りました。 ………壕内のあちこちから響く、負傷兵のうめき声。 手のもげた人、足のちぎれた人、火炎放射で全身火傷の人もいます。 破傷風患者は、口から泡を吹いて背中を反らせ、食事はおろか水も飲めません。 破片でノドや背中を裂かれて、呼吸するたびスースー、ジブジブと息が漏れる人…… ある日、下あごが砕かれて食事の出来なくなった人が、何か書く真似をしていました。 「澪ちゃん、ノートと鉛筆持ってたよね?1枚くれる?」 「いいけど、ノートはもうないから、教科書ちぎって使って……」 その人が書いた文字は。 “ゴム管栄養法を考えてください” そんな事を言われても、ゴム管どころかミルクもありません。 こう言うしかありませんでした。 「すみません、おかゆで我慢してください……」 私たちは、そんな阿鼻叫喚の中で働いていたのです。 『飯はまだか!早くしてくれ!腹が減ってんだ!』 「あずにゃんたちがさっき“飯上げ”に行ったよ!ちょっと待って!」 『女学生さん、痛てぇ、痛てぇよ!』 「はいはい!もうすぐ治療班が来るよ!」 薬も包帯も器具も不足していましたが、呼ばれれば応えないわけにはいきません。 私がある兵隊さんに近寄ると、 『傷がかゆい、包帯代えてくれ、ウジを取ってくれ!』 「り、了解です!澪ちゃん、包帯ある?」 「無い、な。また同じ包帯を使うしかない……」 血糊でくっついた包帯は固まって腐ってしまい、ほどくにほどけません。 澪ちゃんが、ハサミを借りてきたので、包帯を切り開きます。 ……ドロリ。 ゼラチンか濃い鼻水みたいな大量の膿汁が、強烈な悪臭とともに溢れ出て、足もとに太ったウジが何匹も転がります。 「おぇ……」 「……ゴホっ」 私と澪ちゃんは、思わず一瞬吐き気を催して顔を背けると、ランプで照らされた薄暗い壕の奥で、 他のみんなが修羅場の中で苦闘している姿が見えました。 『水が欲しい!水くれぇ!』 りっちゃんが、発熱患者の頭を冷やすタオルのための泥水を運んでいると、 いきなり寝台から伸びてきた兵隊さんの手に、腕を捕まれています。 「ダメだダメだ!これ泥水だし!それに水飲むと傷が悪くなるから!」 『頼むから水を!水ぅ!』 りっちゃんがその手をふりほどくと、その兵隊さんはいきなり近くにあった空き缶をつかみ、 それを口に運んだのです。 「あ!やめろ!飲むなって!それ尿器だから!」 中には渇きに耐えかねておしっこを飲んでしまう兵隊さんもいました。 「うぅ……傷の奥に入り込んで……」 私は、暗い手元を見つめ眉間にしわを寄せ、ウジを取っています。 『ぐぅう!痛いぃぃい!』 「ひえぇ、ごめんなさい!」 無理に取ろうとすれば、兵隊さんが苦悶の表情で身をよじるのです。 ピンセットもなく、そのへんの葉っぱの茎でウジをかき出していました。 するとまた、別の場所から叫び声が上がります。 『用が足したい、便器くれ、尿器くれ!』 「おい澪!これ持ってってやって!」 りっちゃんが、尿器に口をつけていた兵隊さんから尿器をむしり取って、澪ちゃんに渡します。 「え!? ちょっと、誰に持って行くんだよ!」 「いま声がしたろ!自分で探してくれよ!」 澪ちゃんとりっちゃんが言い争うように問答していると、奥のほうから怒鳴り声が上がります。 『ちくしょう、上のヤツがションベン漏らしやがった!ふざけやがって!』 絶えず響く、負傷兵の呻吟、煩悶、怒号、罵声。 また、気の触れた脳症患者はうわごとを繰り返し、ケガの痛みも忘れてあちこち暴れ回ります。 『突撃!突撃ぃ~!』 時には周りの負傷兵に危害を加えるので、危険極まりありません。 『おい!こいつうるせえからどこかに連れていけ!』 「はい!どんとこいです!」 力自慢のムギちゃんが押さえつけますが、なかなか静まりません。 「むぎゅううう!!!衛生兵さん!早く来てぇ!」 軍医さんどころか衛生兵さんも、ほとんど来てくれません。 耐えかねた軽症患者が、協力して寝台に脳症患者をしばり付けます。 3
https://w.atwiki.jp/questnotes_memo/pages/43.html
第5号(2018.01.05発行)新春冒険者団体戦トーナメント開幕 ~リーン経済の貢献に期待~ 第4号(2017.09.01発行)“猛獣を討った英雄”死去 ~ロアーヌ伯爵の偉業を振り返る~ 第3号(2017.07.15発行) 第2号(2017.06.15発行)先輩冒険者の流儀~元傭兵隊長に訊く「勝利」の方程式~ 監禁事件の犯人逮捕! 第1号(2017.06.01発行)第一回月間ランキング戦 ~バトルマニアの祭典閉幕~ みーちゃん見つかる 冒険者が猫捕獲でお手柄! 睡眠魔法強化してた!? 第5号(2018.01.05発行) 新春冒険者団体戦トーナメント開幕 ~リーン経済の貢献に期待~ 冒険者の実力を目の当たりにできるまちおこしイベント「新春冒険者団体戦トーナメント」が、明日5日開幕する。冒険者の宿「羊のしっぽ」の協力で4チーム計12名の猛者が名乗りを上げ、熱狂的な三日間を楽しめそうだ。 主催は商工会議所と当局などでつくる実行委員会。会場のコロッセオは主に冒険者の福利厚生的施設であったが、これに集客・収益性を持たせる試みとしての側面ももつ。 各試合を実況で盛り上げる重責を担うのは露天商のメイファンさん(18歳)。抜擢したのは商工会議所との噂で、これを機に所謂「もぐり」対策を進めたいという事務局の思惑が透けて見える。とはいえメイファンさん自身が過去大会での入賞経験を持つ実力者であり、「一対一の戦いは、水面下の読みあいがぶつかり合う最高のエンターテイメント!会場で手に汗握る決闘を見て一緒に盛り上がろうアルよ!」と意気込みを語った。 試合は2ポイント先取の星取り戦形式。5日、6日の勝利チームが7日の決勝戦に挑む。優勝チームを予想するトトカルチョも企画され、その収益による今後のイベントの継続も期待されている。 第4号(2017.09.01発行) “猛獣を討った英雄”死去 ~ロアーヌ伯爵の偉業を振り返る~ 先月執行されたランドルフ・フォン・ロアーヌ伯爵の葬儀は氏に親しい貴族の方々だけでなく多くのリーン市民が会場に集い、50歳という早すぎる死を悼む感動的なものとなった。“猛獣を討った英雄”は我々の心に深く刻まれている。 語り継がれる偉業は今からちょうど10年前、東方の村ニュンフェドルフにおける“蛮族侵攻” を発端とする。人口200名ほどの同村にオーガを中心とする蛮族軍が襲来。救援要請を受けた議会は討伐部隊の派遣を決定した。先遣隊“ヘルハウンズ”は “猛獣”の異名を持つヴィクトル隊長の指揮のもと、狼の群れの如き圧倒的な強さで死体の山を築きあげ、隊員に多数の犠牲を出しながらも数に勝る蛮族軍を圧倒。本隊の到着を待つことなく、なんと初日にてその任務を完遂したという。 ところで “猛獣”ヴィクトルはその戦闘能力とともに強欲で暴力的な問題の多い武人としても知られていた。リーン議会はそもそもこの男を信用すべきではなかったのだ。勝利に酔ったならず者らへの次の隊長命令はなんともおぞましいものであった。背景には活躍を重ねながらいつまでも正規軍の将に出世できず、傭兵を率いるばかりの境遇に対する不満があったと分析される(己の悪行を顧みず他人からの評価を断ずる愚かしさよ!)。また、ロアーヌ卿の実弟であるオスカー副隊長が彼の目付役として長く据えられていたことへの反発もあったのだろう。 先遣隊から遅れること2日、ロアーヌ卿率いる正規軍が見たものは、まさにこの世の地獄としか言いようのない光景だった。放火、略奪、暴行、虐殺…死体と腐臭、蛆に満ちた家々。蛮行を制止しようとして惨殺されたのだろう…オスカー副隊長の変わり果てた姿を見た卿は血の涙を流したと伝えられる。 ニュンフェドルフの村人達と愛する弟の敵を討つため、またこの惨状が近隣の村々へと広がるのを防ぐために、ロアーヌ卿は精鋭十数名の騎馬隊を編成し“ヘルハウンズ”を追跡。追い詰めた悪鬼たちとの対決によって双方が壊滅状態となるが、卿はその片腕と引き換えに“猛獣”を討ち取ることに成功した。 リーンへの帰還後は、無謀浅慮にヴィクトルを起用し、結果このような悲劇を引き起こすこととなった議会批判を展開。部下に多数の死傷者を出した将としての自身の責任をも追求し、傭兵だけに頼らない現在の強力な正規軍編成の礎を築いた。以来リーン周辺において大規模な“蛮族侵攻”は見られない。 爵位を継いだ後は(オスカー氏の悲惨な最期が父伯爵の死期を早めたともされる)は幸運にも“ヘルハウンズ”の毒牙から逃れることのできた村人の一部を領地に迎え、奉公人として手厚く保護することで、傷ついた心を癒やした。伯爵による“ヘルハウンズ”の討伐及び適切な戦後処理が、ニュンフェドルフを発端とする悲劇の拡散を防いだと言えよう。 生き残った村人の離散によりニュンフェドルフは一度その歴史を閉じた。しかし近年 “顧問官”を名乗る富豪が中心となって移住者を募り、村の復興が進みつつあるという。伯爵が健在の内に新たなニュンフェドルフを訪問されていれば、どんなにか感動的であっただろうと無念を感じずにいられない。 伯爵の愛娘であるルイーゼ嬢が近日中にニュンフェドルフに赴き、内容は不明だが“顧問官”との会談を計画しているという。この地方の平和のために受け継がれる英雄の遺志に期待しリーン市民としてこれを心から応援していこうではないか。(了) リーン戦史博物館 (市立図書館併設)にて ロアーヌ卿追討記念特別展“猛獣を討った英雄” を開催中です。 第3号(2017.07.15発行) 第2号(2017.06.15発行) 先輩冒険者の流儀~元傭兵隊長に訊く「勝利」の方程式~ 熟練冒険者のこだわりを訊く新連載! 記念すべき第1回目のゲストは、「先輩冒険者キャラ」として慕われているグレンデルさん。 たくさんの新人を育てた彼の『「勝利」の方程式』とは? 【今日は装飾品について教えて頂けるとか。】 あー…そうだな、今日は俺の愛用している「勝利」ルーンの付いた装飾品について話すか。身につけたらなんていうか、こう…生命力増進(HP+3)みたいな効果があるヤツだ。生命力っていうのは冒険者にとって一番大事なモンなんだぜ。 【それは具体的にどう有効なんでしょう?】 生命力を伸ばすメリットは「剣や魔法、どっちを相手にした場合も信頼できる」こと、「耐えることのできるダメージラインを底上げできる」ことだな!ものすごく簡単に言やぁ「どんな状況でも死ににくくなる」ってことよ。いくら依頼で稼いだって命がなけりゃあ意味ねぇだろ? 【今身につけておられるの がそれですね。】 おうよっ!三つも積みゃあチンピラの拳ぐらいなら三回は笑って耐えられるはずだ!例えるなら…腹筋ばっ かり半年鍛えるのと同じだけの効果があると思ってくれていい。(HP+9) 【では「勝利」の装飾品を 装備しない手はないと。】 もちろんデメリットだってあるさ。そうだなぁ…「被弾回数が増える毎に効果を感じられなくなる」こと、「他の装飾品と比べて身体能力への補完効果が薄い」ことだろうな。悩ましい部分もあるだろうが、お前らの冒険スタイルに合わせて装備に組み込んでみてくれ。…ッ、痛てて…。 【そういえばひどい怪我を されていますね?】 …ん?この傷はなんだってか?実はさっき山賊退治に行ってきたんだけどよ、親玉と幹部以外は大した手練じゃなかったんだが、とにかく数が多くて手こずっちまった。普通なら立ってられないぐらいの重症なんだけどよ、「勝利」効果のおかげでこうして無事生還できたってわけよ。 …お、ありゃあレ◯ャイナじゃねぇか。ちょうどいい、おーい!ヒールくれ、ヒール!…ちげぇ!そっちは…ああぁぁぁあ!!目がァァ!!!目がァァァ!!!! 【…。グレンデルさん、ありがとうございました!次回もお楽しみに!!】 監禁事件の犯人逮捕! 法学者カミル氏が監禁・暴行され、意識不明の重体にある事件に関連して、有力貴族ベリル卿の私兵団に所属しているクラウス容疑者が治安隊に拘束された。 容疑者はカミル氏のかつての友人であり、再会時の口論がきっかけとなって犯行に及んだとのこと。容疑者の部下であった兵士数名も関与が疑われており、ベリル卿は彼らが所属する支隊の隊長である末子マリウス氏に、一部兵士の暴走を止められなかった責を問いその身柄を治安隊に引き渡した上で再発防止と捜査への全面協力を言い渡した。 【独善の塔】 第1号(2017.06.01発行) 第一回月間ランキング戦 ~バトルマニアの祭典閉幕~ 5月1日から一ヶ月間、冒険者の相対的な単独戦闘能力を測る「月間ランキング戦」が開催された。試験的な大会ながらも、150超の試合が組まれるなど盛況のうちに幕を閉じた。会場となったコロッセオも本大会のために突貫で音響をはじめ観客を楽しませるための設備改修作業が進められるなど、リーン経済への貢献度合いも見逃せない結果となった。 参戦した腕自慢34名の内、見事優勝(ランキング1位)の座を勝ち取ったのは騎士見習いで本大会発案者のフィリップ・レインさん(17歳)。 変則的な動きで相手を翻弄し、両手剣を叩きつけて多くの冒険者を気絶させ、リーン最強の栄誉を手にした。「俺が優勝できたのは数をこなしたから。慢心せずにこれからも精進したいなあ。模擬戦やろうよ!」と優勝者の弁。 僅差で2位になったのは東方の国出身の中華娘メイファンさん(18歳)。布製の道着に武器を持たず堅く握った両拳、厳しい修行で身につけた体術を駆使する独特のファイトスタイルで並み居る強豪を圧倒。慣れない魔法に苦戦する場面もあったが、フィリップさん相手には全勝する健闘を見せて準優勝を果たした。「1位になれなかったのは残念だケド、入賞できて良かった!格闘だけじゃなく消火器や羽毛布団の販売もやるアル!中華娘の露天をよろしくアル!」と話した。 大成功の結果について企画・運営責任者でもあったフィリップさんは「ただ俺が模擬戦を楽しみたくて企画したもの。付き合ってくれた皆には感謝してるよ。今回試みたように互いが条件を合意した上で、スタイルの相性差を埋めて対戦する形式が定着したらいいなあ。もっと参加し易いルールを考えて企画していくから、今後ともよろしくね!」と意気込みを語った。 みーちゃん見つかる 冒険者が猫捕獲でお手柄! 中央広場在住市民の飼い猫みーちゃんが行方不明となっていた事件で、先週冒険者の一人が発見・保護に成功。みーちゃんに怪我はなく、無事に飼い主のコーヌさんの元へ戻された。 捕獲したA氏(匿名)は、「冒険者の仕事にとって市民の皆さんの笑顔が一番の報酬。我々を不審者として見る方々も多いが、是非長い目で冒険者の働きを見守ってほしい」と語った。 睡眠魔法強化してた!? スリーピングの成立には能動的(抵抗)及び受動的(知力対抗判定)と二段階の対抗処置のクリアが必要だ。これまで受け手が意志力を込めた場合、この両方に影響するとされてきたが「能動的対抗処置にしか反映映されない」とする主張があり検証の結果これが事実であることが確認された。 発見者の一人であるドルデン氏は「仕様変更による術者優勢は仕方がないが、冒険者の手引(攻略Wiki)に誤った記述があるのは問題でさあ」と声を震わせる。 魔術師ギルドのコメント「我々は手引の編集に関知しておらず責任はない。魔法の素人が書いたものを妄信することこそが問題だ」。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3262.html
京太郎「・・・・・・」ガタガタ 俺の名前は須賀京太郎。何処にでも居る普通じゃない高校1年生だ。 京太郎「・・・・・・」ガタガタ 智美「ワハハ」ガタガタ そんな俺は今、長野のとある山奥に来ていた。 智美「ワハハ、中々着かないなぁ」ガタガタ 京太郎「そうっすね」ガタガタ なぜ、俺がこんなところに居るのか、それは5時間ほど前に遡る―― 5時間前――とある道裏にある事務所 京太郎「化け物退治?」 良子「イエス」 昼食と食べ終え、その片付けをしている俺に向かってそう言ったのはこの事務所のボス戒能さんだった。 戒能さんは日頃はプロ雀士として活躍する傍ら化け物や良く解らないナニカを駆除する専門の業者を営んでいた。 俺は此処でその業者見習いをやっているのだが 京太郎「俺一人ですか?塞のやつは如何したんですか?」 良子「塞さんなら里帰りで岩手に居ますよ」 京太郎「まじか・・・」 塞こと臼沢塞と言う少女は京太郎と共にこの事務所で働いている。 ただ、京太郎と違うのは京太郎のように見習いではなくこの事務所の正社員として働いていることだった。 京太郎「今回はあいつ抜きでか・・・ちと辛いな・・・」 単純な戦闘力では京太郎のほうが何倍も上である。 しかし、塞と言う少女にはほかの人間には無い特殊な能力を備えていた。 この異能により塞は戦闘力に勝る京太郎の何十倍もの戦術価値を待っていた。 良子「大丈夫です。これ位なら京太郎君1人で十分です」 京太郎「随分と軽く言ってくれますね。この前戒能さんの言葉を信じて一人で行って死に掛けたばっかなんですが・・・」 良子「それは君が弱いのが悪い」 京太郎「ひでえ」 しかしそれは京太郎自身がよく解っている事だった。 自分はまだ半人前、一人ではまともに戦えないと。しかし彼もまた男の一人。 何時までも女の子に守られっぱなしと言うのは納得がいかなかった。 だから毎日血反吐を吐く思いで修行に取り組んでいた。 しかし、まだ自分の目標とする人物の足元にも及ばないのが現実だった。 京太郎「まあ、良いですよ。で、今回の標的は?」 良子「グールです。英語の発音的にゾンビーヌの方が近いかもしれませんね」 京太郎「グールですか・・・」 グールとは、RPGや怖い話等に出てくるゾンビ見たいな奴である。 一体いったいの戦闘能力はそれ程高くは無いが奴らの厄介な所は兎に角沢山居る事である。グールに食われたものはグールになる。 1匹が2匹に、2匹が4匹にとまるでねずみ算の用に増えていく。まるで台所に出てくるアイツのようだ。 京太郎「分かりました。でも移動は如何するんです?まさか歩いて逝けと?」 良子「いえ、今回は協力者が居ます。鶴賀の三年生の蒲原さんです」 京太郎「あの人か」 蒲原こと蒲原智美とは鶴賀学園の麻雀部の部長である。 何時もワハハと独特な笑い方をしている不思議な少女だが 実は高校生にして警視庁公安課に所属する何だかよく分からない凄い人である。 彼女に繋ればどんな難解な事件でもたちどころに丸裸にしてしまう情報の鬼であった。 京太郎「あの人が一緒なら安心か」 ――そして時は現在へと戻る 今は彼女の愛車であるフォルクスワーゲンバスタイプ2に乗って事件があった場所へと移動していた。 しかし思ったよりも遠くかなりの時間がたってしまいもう回りはすっかり暗くなってしまった。 京太郎「暗いな~て言うか暗すぎるだろ!何で星どころか月すら出てねーんだよ!」 そう、余りにも暗すぎた。 いくら山の中と言えども車のヘッドライトで照らしても1メートル以上先が見えないと言うのは幾らなんでも異常事態だった。 こんな状況でも事故らずに運転できる蒲原の運転技術にはただただ感心するばかりだった。 智美「ワハハー先が全然見えないぞー。これも怪異が原因なのかー?」 京太郎「はい、おそらく」 奇異や化け物が現れると周りの空間にも影響を及ぼす。 今回のは周りを闇の世界へと変貌させているようだ。 さながら常夜の世界と言った所か 京太郎「蒲原さん気をつけて下さい。もう既に敵のテリトリーに入っています。何処から現れるのか分かりません」 智美「ワハハー分かったぞー」 そうして暫らく道なりに走っていると赤い光が見えてきた。 よく見るとパトカーが2台ほど止まっていて道を塞いでいたのだ。 すると近くに居た警官らしき若い男性が近づいて来た。 警官A「すいません、今この通行止めになっていまして今は通れないんですよ。申し訳ありませんがUターンして貰えないですかね」 蒲原「何か有ったのですか?」 警官A「何でもこの山奥の集落で大量殺人事件が有ったみたいでいま今この一体を封鎖してるんですよ」 若い警官は話しながらこの体の奥から来る振えと戦っていた。生存本能が今すぐに此処から逃げろと叫んでいた。 此処に来たときからずっと変だと思っていた。まず周りが暗すぎる。 碌に前も見えず此処にくるまでに何度も事故かけた。その移動中もずっと変な視線を感じていた。 誰かが自分たちを見ているのだ。それも1人や2人ではなく何十人と言う視線を感じていた。 そしてつい15分ほど前に集落の探索に向かった班からの通信が途絶えた。 この時点で嫌な予感は確信へと変わった。この山奥に何かが居る。 それもとんでもない何かが 智美「そうですかーあ、そうそう紹介が遅れました。私警視庁公安部公安総務課第七事件担当課長の蒲原です」 そう言うと蒲原はポケットの中から名詞を取り出した。それを受け取った若い警官はとても驚いて直ぐに敬礼をした。 警官A「け、警視庁公安部!?し、失礼しました!しかし公安部の方がなぜ此処に?」 智美「この先で起こっている事を解決しに来たのさ」ワハハ 警官A「少々お待ちください」 そう言うと若い警官はパトカーの中に居る中年の警官と話し始めた。 一方その頃京太郎はこんな所で人に会えるとは思っておらず少々ほっとしていた。 しかしその思いも次の瞬間崩れ去る。 京太郎(ん?この臭いは・・・) それは今までの経験で嗅ぎ慣れた血のにおいと肉の腐った臭いだった。 程なくするとビチャ、ビチャと水が滴る音と金属質の物を引きずる音が聞こえてきた。 京太郎「はぁ・・・仕方ない」 そう言うと足元においていたケースからあるものを取り出した。 警官B「ん、なんだ?」 京太郎以外で最初に異変に気ずいたのは、若い警官に代わって見張りをしていた警官だった。 暗闇の先に目を凝らしてみるとなにか人らしき物体が見えた。 警官B「人?すいません、ちょっと良いですか――」 声をかけようとして固まった。否、固まってしまった。人の用に見えた物体、確かに形は人だった。 しかし、その容姿が問題だった。 ボロボロの服、よく見ると拘束具の残骸が着いていた。 肌は真っ青で傷だらけだった。そして何より目を奪われたのは 目から流れ出る大量に血と鼻が曲りそうなほどの腐臭。 そして右腕に絡みついたガン○ムハンマーの様な物。 ハッキリ言って全てが以上だった。 警官B「な、何だこの化け物は!」 警官Bは直ぐに腰に挿していたチーフスペシャルを引き抜くと直ぐにハンマーを起こして構えた。 警官B「止まれ!止まらないと撃つぞ!」 中年の警官は必死に人の様なモノに呼びかけた。 しかし、残念なことにそのかつて人だったモノは既に人語を理解できる生物では無くなっていた。 いや、そもその生きているかさえ怪しかった。 グール「ア”ア”ア”・・・・・・」 警官B「ひぃぃ・・・と、止まれって言っているだろ!」バン! つい迫り来る恐怖に耐え切れず発砲してしまった。 銃から放たれた38口径の弾丸はグールの眉間に吸い込まれるように命中した。 すると呆気無いほど簡単に崩れ落ちた。 警官B「し、しまった・・・」 殺してしまった。もしかしたらこの先で起こった事件の生存者だったかもしれないのに殺してしまった。 その事実が警官Bに重くのしかかった。 警官C「大丈夫か!?何があった!」 するとさっきの銃声を聞きつけたのかパトカーの社内で待機していた同僚の警官Cが駆け寄ってきた。 警官C「おい、大丈夫か!?」 警官B「あ、ああ・・・大丈夫だ・・・だが・・・」 そして崩れ落ちたグールの残骸に目をやった 警官C「な!?と、兎に角本部に連絡を――」 京太郎「その必要は無い」 ハットして声のするほうに顔を向けた。其処に居たのは10代後半の少年だった。 Gジャンにジーンズにウエスタンハットという変わった服装だが 特に目に付いたのは腰にぶら下げられたホルスターに入ったリボルバーだった。 警官B「な、何だね君は、大体こんな時間にこんな所で何をやっているんだ!」 警官B「それに、例え玩具でもそんな物を持って外を出歩いたらいかんぞ!」 色んな事があり過ぎてつい怒鳴ってしまった。 異常気象に分けの分からない人似たいなモノ、 さらに先ほどから捜索隊は愚か本部にすら繋がらなくなってしまった通信機、 彼を極度の混乱に追い込むには十分すぎることが一度におきていた。 京太郎「いや、だからソイツまだ死んでないぞ」 警官B「な、何を言って――」 その瞬間その場に居た警官たちの顔は凍りついた。先ほど眉間を鉛弾で撃ち抜かれたはずの死体が動き始めたのだ 警官B「う、うわぁぁぁぁ!!」バンバンバンバン!!!! 驚いた警官Bは残った弾を全てグールに叩き込んだ。しかし、何事も無かったかのようにゆっくりと前進してきた グール「ア”ア”ア”ア”ア”!!」 やばい死ぬ、そう思った。横をチラッと見ると警官Cが放心状態のまま棒立ちしていた。 無理も無い、あんな非現実的な光景を見せられたら誰だってそうなる。しかし今は状況が悪かった。 何だかよく分からない物は右腕に巻きつけたガ○ダムハンマーをブンブン振り回しながら近付いて来た。 たぶん、あれを食らったら一発で物言わぬ肉塊の変えられてしまうだろう。 そんな絶望的な妄想をしていると突然背後から凄まじい爆発音が聞こえてきた。 京太郎「相手は俺だ、化け物」 さっきの少年が腰に挿していた銃であの化け物を撃っていた。 少年の持つ銃の威力は凄まじく化け物の顎から上を跡形も無く吹き飛ばしたしまった。 京太郎「まだまだあるぞ。44マグナムの味、たんと味わって逝きな」 ドゴォ!と言う爆発音と共に今度は化け物の腹部から上が奇麗に無くなっていた。 京太郎「ま、こんなもんか」 智美「おーい、京太郎君。終わったかー」 京太郎「ええ、奇麗さっぱり消し飛ばしておきました」 智美「そうかーじゃあ、さっさと行くぞー」 そう行ってさっさと行ってしまった蒲原を追いかける前に放心している2名の警官に向かって忠告しておこう。 京太郎「貴方達も早く此処から立ち去ったほうがいい。今は此処は安全だがいずれ亡者達で溢れ返ります」 京太郎「それに、恐らく先行して入って行った捜索隊も今頃全滅しているでしょう。貴方達が此処に留まる理由は無いはずです。」 そう言うと京太郎は警官たちを後にした。警官たちは何もいえなかった。 自分たちの息子とそう変わらない年齢の少年から言い知れぬ強者のオーラが見えたような気がした。 さらに少年が銃を撃った瞬間確かに見えた。少年の背後で翼を広げた 巨大な悪魔の姿を―― 智美「ふう、しっかしグロかったなー」バン 京太郎「ええ、あの姿は何度対峙しても慣れませんよ」バン 智美「そんな相手をこれから何十体も相手にしないといけない私たちって何なんだろうなー」キュルキュルキュル、ウォン! 京太郎「言わないでください、死にたくなります」 蒲原「こりゃ、帰ったら戒能プロに何か奢って貰わないと割に合わないなー」ワハハ 京太郎「そうっすね~焼肉なんてどうでしょう?いい店知ってるんですよ」 蒲原「お、いいな~じゃ、さっさと終わらせて焼肉パーティーとでもしゃれ込もうか」ワハハ 京太郎「はい!」 カン