約 115,558 件
https://w.atwiki.jp/saikyousyujinnkou3/pages/2553.html
【作品名】奪われて与えられたもの 【ジャンル】漫画、作者:しいなかずき 【名前】ミア 【属性】人間の女性。人体改造された結果、異常な魔力を持つようになった人間 【大きさ】成人女性並み 【攻撃力】成人女性並み 精神魔法:思考発動、相手に触れて発動 相手の肉体および精神を自由に操作できる、触れた瞬間に相手の肉体を完全に掌握して遠隔から自由に操作したり、記憶を消去したりできる 魔力により並みの精神魔法を防げる貴族にも有効なので精神攻撃×2 【防御力】成人女性並み 再生能力:常時発動 大の男の腕より太いちんこ突っ込まれても裂けた瞬間に元踊りになる 腕を肩から両断された大怪我が2秒で完全に再生 胸や頭や腹を複数の槍で貫かれた状態からも平気で戦闘できる 【素早さ】成人女性並み 空間転移:思考発動、数百m単位で移動できる 【特殊能力】不老、少なくとも70年以上生きてるのだが一切老化してない 【長所】人類の夢の不老不死を手に入れた 【短所】母子ともども貴族の悪い男に人体改造されてとてつもなく悲惨な目にあった 定期的に精液を飲まないと物凄く発情する(かなりムラムラするだけで行動に支障は無い) 【戦法】空間転移で相手の背後に回って精神魔法 参戦 vol.125 714 794 格無しさん 2019/10/08 18 12 02 兜甲児withマジンカイザー 前にもレスされたが40m光速反応で辺りは100m光速反応なんだからもっと上だろ サムライ 自爆巻き込みの壁の連中とほぼ同等の攻防速なのにこの位置は有り得ない、もっと下 ジスタス-21 攻城兵器の壁を越えられないのにこの位置は有り得ない、こいつより早いヘリコプター(タイガーヘリ)=ヘリコプター(ツインイーグル) がランキング2なのでその辺り ヨッシー(ヨッシーNEWアイランド) ランキング2のヨッシー組と攻防速と違わんのにこの位置に居られるわけがない マントラ 常人反応で移動不可の時点で引き分け連発、日本列島ナマズと同じぐらいの位置だろう ウルティア・セレン 攻撃力が多少あるだけの39mの成人女性がこの位置は有り得ない、もっと下(ビル破壊の壁)辺りだろう 有動りりす 防御無視あるとはいえ50mの成人女性でしかないのにこの位置は有り得ない、もっと下(ビル破壊の壁)辺りだろう 主人公withセイバー 1mマッハ2ぐらいの反応でこの位置は有り得ない、(防御無視の壁)を超えられるかも分からないんだが 主人公(256F) 250m程の大きさで500m破壊攻防と言っても鍛えた人反応では(山破壊の壁)も超えられないんだが アリア・フリューゲルwithマジーンタイガー 位置が高すぎる。攻防も低い上に、素早さが大きさ相応の鍛えた人並みでしかない攻城兵器の壁を越えられない 疾風真理 攻撃力が多少あるだけの38mの成人女性がこの位置は有り得ない、もっと下(ビル破壊の壁)辺りだろう ミア 常人並みの素早さでしかなく、常時発動型の精神攻撃でもないのにこの位置は絶対におかしい、達人思考の壁を越えられない マリオ(マリオカート8) この程度の攻防で島村ジョーまで勝てるわけがない、山破壊の壁を超えられるかも不明 宮沢静虎 1m秒速600m反応でこの位置はありえないというかランキング2のマッハ10の壁も越えられないんだけど 源さくら 常人並みの素早さしかなく人並みの攻撃力とか達人思考の壁を越えられない 主人公(フロントライン) 3mマッハ2反応(超音速戦闘の壁)同攻防にして素早さも同じな奴等が固まってるからそこを越えられない 主人公機PlanetProtectorD3DX 惑星より小さい、木星型惑星の壁を越えられない 736 格無しさん 2019/09/24 15 37 04 ミア考察 優愛菜まで精神魔法で勝てて赤鉄に負けるので赤鉄の下
https://w.atwiki.jp/odchange/pages/228.html
328 314 [sage] 2012/12/30(日) 09 52 15.33 ID ZLGmmXMV Be 『首替奇談異聞 -幼女抄-』 ──ミーンミーンミーン…… 猪狩沢は避暑地としてそれなりに有名であり、夏の気温もそう高くはないのだが、やはり7月の終わりにさしかかると、相応に蝉の声がうるさく感じられるようになる。 そろそろ陽が西に傾くなか、家路を急ぐわたしは、ふとその鳴き声にある種の郷愁を感じて足を止めた。 「──そうか。もう、そんな時期なんだ」 信じられないような出来事と立て続けに遭遇することになった「あの時」も、こんなセミの声がうるさい、とある夏の日だった。 あれから数年が経った今も、わたしはあの頃のことを未だ鮮明に思い出すことができた。 * * * 大学2回生の夏、六道聡美(りくどう・さとみ)は、親戚からの紹介で、夏休みのあいだ遠縁の小学生の子の専任家庭教師として、その子の家に住み込みで働くことになっていた。 二流大学の教育学部に所属する身としては、秋口に予定している教育実習の予行練習のつもりでもあった。 ただし、教え子となる娘さんにちょっとした問題があるらしいと聞いて、気弱な聡美は最初は断わろうかと思っていたのだが、その子の親御さんたちが聡美のプロフィールを見て、ぜひにと懇願してきたのだ。 下世話な話だが、先方はかなりの資産家らしく、お給料もすこぶるいい。 同じく教育関連のアルバイトとしては、塾の講師なども考えられるが、十数人の生意気盛りの学童を一気に相手にするのと、多少気難しい子が相手でもマンツーマンで対峙できるのとでは、後者の方が幾分マシに感じられたのだ。 また、先方の家が、避暑地として知る人ぞ知る猪狩沢であったことも、聡美の決意を後押したと言えるだろう。 結局、諸々の条件を鑑みて、聡美はこのバイトを引き受けることに決めた。 昨年のタイ旅行の際に購入したスーツケースに、着替えや化粧品をめいっぱい詰め込んで、先方に指示された日時に猪狩沢の駅前広場で待っていると、目の前のロータリーに、スッとメタリックシルバーのクラウンが止まる。 「──失礼ですが、六道様でしょうか?」 「は、はいッ!」 クラウンの助手席から降り立ったロマンスグレーの初老の男性に声をかけられた聡美は、声が裏返りそうになるのを懸命にこらえた。 (うわぁ……外国映画に出て来る執事みたいな感じの人だなぁ) 「わたくしは、六路家の執事を務めております、朱鷺田と申します。 以後、屋敷への滞在中のご不満点などございましたら、わたくしめにお申しつけください」 どうやら、本物の執事だったらしい。 朱鷺田に促されてクラウンの後部席に乗った聡美は、その乗り心地に驚くまでもなく、まるで映画にでも出てきそうな白亜の洋館へと連れて来られた。 門から玄関まで大人の足でも1分は余裕でかかり、庭には25メートル級のプールや四阿(あずまや)が設置されている豪邸だ。 玄関の扉を開けると、お仕着せを着たメイド──それも、某電気街でビラを配っている紛い物などではない、屋敷を維持する使用人としての教育をキチンと受けた「本物」が、出迎え、荷物を運んでくれた。 資産家であろうことは予測していたが、正直ここまでとは思っていなかった聡美は、この時点で、完全に飲まれていたと言えるだろう。 幸い、雇い主である六路夫妻は気さくな人柄のようで、応接間に通されて談笑するうちに、あまり人付き合いが得意とは言えない聡美も、少しずつ打ち解けていったのだが……。 「それで……あのぅ、わたしが教えることになる娘さんは?」 聡美が何気なく口にしたひと言が、ガラリと場の雰囲気を変えることになる。 「──六道さん。これからお話しすることは、ぜひとも内密にお願いしたいのですが……」 30代半ばとおぼしき精悍な印象の男性──この屋敷の当主たる六路雅人氏から、先程までの明るい雰囲気が消え、至極真面目な目付きになっている。 見れば、傍らの毬奈夫人の顔からも、先程までの優しい微笑が消え、心なしか哀しげな表情が浮かんでいた。 「は、はい……」 コレは地雷踏んだかな~と思いつつ、聡美としては頷くしかない。 「──おっと、その前にひとつお尋ねしておきましょう。六道さん、貴女は、自らの「家系」のことについて、どれくらいご存知ですか?」 「ッ!!」 その言葉を聞いた瞬間、聡美は、普段は「トロくさい」とさえ言われている彼女とは思えぬほどの反応速度で立ち上がり、キツい視線で雅人を見つめる。 「あなたはッ!」 その反応が、暗に雅人への返答を物語っていた。 素早く入口の方に目を向けるが、扉の前にはさりげなく執事の朱鷺田が陣取っており、簡単に通してくれるとは思えない。 「落ち着いてください、六道さん。我々は、何も貴女を脅迫しようというわけではありません。それに……そもそも、そんな事は自殺行為です。お忘れかもしれませんが、我々は遠縁とは言え、同じ血を引いている親族同士なのですから」 「あ……」 確かにそうだ。自分の六道家と、此処を紹介してくれた親戚──六甲の人間は、ともにこの六路家から見ると分家筋に当たると、紹介者である従兄は言っていた。 「もしかして、六路さんも……?」 述語をボカした言い方だったが、意図は相手に伝わったようだ。 「ええ。無論、一族の殆どの者同様、私も妻も、傷の治りなどが早く、多少霊感が鋭いことを除けば、殆ど普通の人間と変わりません。ですが、娘の美里は……」 成程、わざわざツテをたどってまで、二流大学の平凡な女子大生である自分が、こんな豪邸に家庭教師に呼ばれた理由がわかった。 多少なりとも納得した聡美は、警戒態勢を解いた。 「すみません、六道さん、ウチの人が脅すような真似をして。朱鷺田さん、厨房にお茶を入れ直すように言ってもらえるかしら」 絶妙なタイミングで毬奈夫人が仲裁に入り、聡美も不承不承再びソファに腰を下ろした。 見計らったように運ばれてきたアールグレイの香りが、ささくれかけた心を落ち着かせてくれる。 しばし、カップの中の液体に視線を落としていた聡美は、やがて顔を上げ、ゆっくりと語り出した。 「──その様子では、たぶんおおよその事は知っておられるのでしょうから、ハッキリ言いましょう。お察しの通り、わたしは"先祖返り"です」 六路家、並びにそこから派生した六道、六甲、六車の人間は、ある人外の存在──「妖怪」を祖先に持つ。これは、単なる言い伝えなどではなく事実であることを、聡美は己れの身をもって、十全に理解していた。 すなわち──彼女達は、「ろくろ首」の子孫なのだ! ろくろ首は、別名「抜け首」とも呼ばれ、また中国の飛頭蛮などとの関連性も指摘される、比較的ポピュラーな妖怪だ。夏場の古典的怪談話や、テレビのお化け屋敷コントの定番とも言えるため、日本人ならたいていはその存在を知っているだろう。 その特徴は、首が伸びる、あるいは首が胴体から抜けて飛び回ることであり、聡美たちの一族は後者の末裔らしい。 もっとも、人間に血が混じったのが少なくとも江戸時代以前のことらしく、記録に残る文献を見る限りでは、江戸時代中期には、一族の大半がただの人間と大差のない存在になっていたらしい。 ただ、その中でも、ごく僅かかな者だけが先祖返り的に、心身が不安定になる思春期に、妖怪としてのその能力に覚醒する。 そして、その中のさらに一部が例外的に、その能力を保持したまま大人になるのだ。 話の流れからわかる通り、聡美は、明治時代以来久しぶりに現れた、その希有な例であった。 「では、娘さんも、ろくろ首としての能力が発動したんですね?」 「はい……」 確かに、これでは滅多な者を雇うわけにはいくまい。執事の朱鷺田は、同席を許されているからにはこの事を知っているのだろうが、こんなトンデモ話を安易に外部に知られたら、親族一同、身の破滅だ。 そう考えると、聡美はまだ見ぬ、この六路夫妻の娘に、少しだけ同情と共感を抱いた。 幸い、自分が「覚醒」した時は、当時存命中だった祖母が「経験者」(ただし、成人時に能力は喪失していた)で、色々教えてくれたおかげで、何とか心が折れずに済んだ。 ならば、今度は自分が幼い「後輩」の力になってあげる番だろう。 他人に言えない秘密を抱えているわりに、本質的にはお人好しな聡美は、そう考えたのだが……。 実は、事態はそれほど簡単ではなかったのである。 『首替奇談異聞 -幼女抄-』2 初めてその少女と対面した際の驚きを、聡美は今でもハッキリ覚えている。 「貴女が新しく来てくださった先生ですか? 初めまして、六路美里(ろくろ・みさと)です」 ひとつには、少女がとても美しかったからだ。10歳──小学4年生だと聞いていたが、その端整な美貌と言葉の端々から滲み出る凛とした雰囲気のせいか、優に2、3歳は年かさに見える。中学生だと言われても違和感はないだろう。 この春20歳の誕生日を迎えたというのに、いまだ補導員に声をかけられることもある童顔気味な聡美としては、「世の中にはこんな美少女が実在しているんだなぁ」と嘆息するしかなかった。 そしてもうひとつは──少女の首から下が"無かった"からだ。 より正確に言うなら、たった今、聡美と言葉を交わした少女は、生首状態でベッド脇のサイドテーブルにしつらえられた籐の籠にクッションを敷いて45度くらいの角度をつけて安置されている。 そしてその横のベッドの掛け布団がいくぶん人型に盛り上がっているところから見て、おそらく少女の胴体(くびからした)はそこに横たえられているのだろう。 「えーっと、はじめまして、美里ちゃん。六道聡美です。今日から美里ちゃんの家庭教師としてお世話になります。こちらこそよろしく」 とは言え、そこはさすがに"経験者"だけあって、立ち直るのも早い。 聡美も慌てて、精一杯よそゆきぶった言葉遣いで挨拶したつもりだったのだが……。 「美里ちゃん……ですか」 少女がその眉を寄せる。 「あ、ごめんなさい。なれなれしかった?」 「いえ、そういうワケでは。ですが、いまだ未熟とは言え、これでも淑女(レディ)を目指している身ですので」 他の女の子が言えば、冗談か夢見がちな妄想にしか思えないそんな言葉も、目の前の美少女はあくまで真剣であり、かつそれが実現する可能性は決して低くないと感じさせた。 「──もっとも、今はこの有様ですから、どんな風に呼ばれても仕方ないのですが」 やや自嘲気味にベッドに視線を向ける。 この涼やかな美少女にそんな表情をさせたことが申し訳なくなって、聡美は思わずバスケットから少女(の生首)を抱き上げ、そっと己が豊かな胸に抱きしめた。 「ダメだよ、美里ちゃん、そんな風に自分を悪く言わないで」 「!」 それは、本来的に言えば、紛れもなく相手をまさに「子供扱い」した行為であり、少女からすれば反発を生む行動にほかならなかっただろう。 しかし、「今の状態」になって以来、外部の人間はおろかごく一部の例外を除いて使用人とすら会えず、また両親でさえどこか腫れ物に触るような空気で接するようになり、密かに傷ついていた少女にとっては、久しぶりに「人の暖かさ」を肌で実感させられる行為だった。 「──ふふっ、そうですね。無闇な自己卑下は品格を落としますから、以後慎みます」 目頭に熱いものがにじんでくるのを懸命に堪えつつ、少女は虚勢を張ってみせる。 「うんうん。だいじょうぶ! わたしも"同じ"だから、きっと美里ちゃんの力になれると思うの」 少女の想いに気付いているのかいないのか、聡美は、胸から解放した生首をそっと自らの顔と同じ高さに掲げて視線を合わせ、微笑みかける。 たったそれだけの事で、少女は(今はないはずの)胸の奥に暖かい灯がともるような気がした。 (嗚呼、この人は本当に自分のことを考えてくれている……) 「はい、ありがとうございます──あの、それで、六道さんのこと、「先生」じゃなくて「姉様」と呼んでもよろしいでしょうか?」 「ええ、もちろん! わたし、ひとりっ子だから、美里ちゃんみたいな妹ができるとうれしいな」 「いえ、その……できれば私(わたくし)のことも、「ちゃん」付けではなく、呼び捨てか、せめて「さん」付けで……」 「え~、可愛いのにぃ」 出会ってほんの数分と経たず、まるで数年来の友人の如く打ち解けたふたりを見て、ドアの前に控えてそっと様子をうかがっていた執事の朱鷺田は、ホッと胸を撫で下ろすのだった。 * * * こうして、六路美里と六道聡美は出会った。 聡美が六道家に「家庭教師」として雇われたのは、決して国算理社といった学校の勉強を教えるためでなく(そもそも美里は、現時点で中学生並の学力を有している)、「ろくろ首」としての知識や実体験を伝授するためだったのだ。 "能力"が目覚めた六路の血族の中には、時としてそれを制御しきれない者も出て来る。 「不随意に首が外れてしまう」くらいならまだいいが、逆に「外した首が元に戻らない」となると、事態は深刻だ。そして、まさに美里の"症状"がコレだった。 怪談話などでは、「ろくろ首は朝日が昇る前に胴体に戻らないと死ぬ」ということになっているが、さすがにひと晩くらいなら問題はない。 とは言え、ずっと頭と胴体が離れたままだと、単に不便や不気味という以上に、やはり色々問題は出て来る。 まず、第一に、栄養補給の問題だ。"頭"側は(どういう仕掛けなのか)、食べ物を普通に食べれば、とくに問題なく活動できるのだが、口がついていない"胴体"は、そのままだと日に日に衰弱していく。 現代では点滴や栄養注射などである程度補えるものの、それでも身体が弱ることは避けられない。 次に、幽体の問題がある。"妖怪"が実在するのだから、"霊魂"も実在すると考えてほしいのだが、人間……というか生物は、物質的な「肉体」のほかに、自我の本質たる「霊体」(いわゆる魂)と、そのふたつを仲立ちする「幽体」から成り立っている。 美里の現状では、魂(霊体)は頭部に宿り、一方、幽体の方は頭と胴体で二分されている。幽体は霊体からの力(いわゆる霊力)がないと徐々に弱り、拡散してしまう。そうなると残された肉体も、生きていけなくなるのだ。 幸い肉体という"鞘"に守られた状態なら、剥き出しのいわゆる幽霊状態よりは長持ちするが、それでも少しずつ衰弱していくし、その限界は肉体的なリミットより早いだろう。 美里がこの状態になってから聡美と出会うまでに、すでに4日間が経過している。聡美が昔祖母に聞いた話からすると、最短で7日、多少余裕を見ても10日で、胴体側の幽体が危険な状態になると予測された。 もともと聡明な子であった美里は、聡美が教える"ろくろ首"としての心得や能力を、乾いた砂が水を吸うように、つぎつぎに吸収していく。 3日経った今では、宙に浮かんで自由に飛び回ることも、頭部を霊体化して壁抜けや不可視化することも、髪の毛を触手のようにして手の代わりに物を動かすことも、聡美に劣らずできるようになっていた。 そうした"師弟関係"を続ける中、当然の如くふたりの親密さも増し、親しい友人を通り越して、まるで実の姉妹のような関係を築くようになっていた。 ──けれど。 唯ひとつ、「頭部と胴体を接合して元の姿に戻る」ことだけは、未だ為し得ていなかった。 「お気になさらないで、聡美姉様」 美里が能力に覚醒めてから、今日で七日目。 折りしも満月の白銀の光に照らされながら、少女は"姉"と慕う女性に笑ってみせた。 「以前、教えてくださったでしょう。我々の一族は、いざとなればこうやって、首だけでも生きていけるのだ、と。それに、万が一、私の身体が──使えなくなっても、父の伝手なら、まるで本物そっくりの擬体(つくりもののからだ)が手に入ると思いますから」 「美里ちゃん……」 まだ希望はある。七日というのは前例で言う最悪のケースだ。逆に十日間、胴体から離れていても、平然と元に戻ったという記録も存在する。 (──でも、もし、その"最悪のケース"が起こったら?) そう考えると、聡美はいてもたってもいられなくなる。美里が聡美を"姉"と呼ぶように、聡美にとっても、もはや美里は妹同然の存在になっていたのだ。 あるいは、現在の六路家およびその分家筋で"先祖返り"した同性が、聡美の知る限りでは、現在は彼女たちふたりしかいない、という事も関係しているかもしれない。 ──実は、同じく六路家の末裔で、少し前に"先祖返り"した兄妹がいたことが確認されるのだが、この時はまだ六路家の情報網には引っかかっていなかった。 世界にたったふたりの"同類"。 それを喪いたくない、護りたいと感じるのも無理はないだろう。 そして、聡美はついに"禁"を破る覚悟を決めた。 「雅人さん、毬奈さん、ひとつだけ、わたしに、美里ちゃんの胴体(からだ)を救うアイデアがあります」 それは──聡美自身の首を美里の胴体に繋ぐこと。 そうすることで、美里の胴体の幽体に聡美の霊体から霊力が補給され、タイムリミットがもう少し延ばせるはずだ。 そのまま食事したり軽い運動をすれば、肉体的なリハビリにもなるだろう。 「聡美姉様、それは!!」 ただし、これは一族では禁忌とされた行いだ。そのことを口にしようとする美里の唇を、聡美は指でツンと突ついて止める。 「初めて会った時、言ったでしょ。美里ちゃんの力になるって。 だいじょ~ぶ、コレでもろくろ首歴足かけ8年のそこそこベテランなんだから」 ふたりのやりとりから、おおよその事情を察したのだろう──それが禁じられた行為で、聡美の身に少なからず危険が及ぶということを。 六路夫妻は黙って聡美に頭を下げた。 「すみません、娘のために危ない橋を……」 「気にしないでください。わたし、美里ちゃんのことを本当の妹みたく思ってるんですから。妹のために姉が身体をはるなんて、当然でしょ」 初めて会った時の「冴えない女子大生」という印象と裏腹に、六路夫妻には、透き通った笑顔を浮かべる今の聡美の姿が菩薩か聖女の如く神々しくさえ感じられた。 「──お願いします、聡美さん」 「どうか、美里を助けてやってください」 重ねて頭を下げる六路夫妻を制し、聡美は寝間着に着替えると、子供用どころかクイーンサイズの美里のベッドで、妹分の胴体に添い寝する。 そこまでは、これまでも何度かあったことだ。だが……。 目を閉じた聡美の首がズルリと伸びた──ように見えたのは錯覚で、彼女の頭部もフワリと宙に浮き上がる。 そして、六路親子が見守るなか、慎重に位置を確認すると、掛け布団からその頸部だけがのぞく美里の身体に、自らの首を押し付ける! 彼女にとってはそれなりに慣れた、頭と胴体がくっつく際の独特の手応えを感じて、まずは安堵の息を吐きかけた聡美だったが……。 次の瞬間、頭からサーッと血の気が失せるような感覚とともに、何故、美里が自分の胴体に戻れなかったのかを、聡美は理解した。 (ああ、なんだ。初歩的なミスじゃない。わたしってば、ほんとバカ) 『首替奇談異聞 -幼女抄-』3 目覚めは最悪の気分だった。大学に入ってから、コンパで半ば無理に飲まされ、一度だけなったことのある二日酔いの時の気持ちの悪さを数倍ヒドくしたような不快なダルさだ。 「──姉様! 聡美姉様っ!!」 それでも、大事なあの子が呼んでいるのだ。 意識がグラグラと安定しないが、それでも聡美は精神力を振り絞って、ゆっくりと目を開けた。 「ねぇさま……よかった……」 目の前には、同性でも見とれる程端整な顔立ちの少女の貌が──しかし、見る影もなく取り乱し、半ベソをかきながら彼女を間近から覗き込んでいる。 後で聞いたところ、聡美が気を失っていたのは、ほんの2、3分のことだったらしい。 それでも、彼女が意識を取り戻すまで、彼女の教え子にして妹分たる少女は、普段の落ち着きをかなぐり捨て、懸命に呼び掛け続けていたのだと言う。 「……みさと、ちゃん?」 脱力感を堪えつつ、今は頭部だけの姿となっている少女の髪を優しく撫でようとして……聡美は、その手の小ささに、自分が犯した禁忌と、それにまつわる"失敗"のことを思い出す。 (はぁ……やっぱりコレって、わたしのミスよねぇ) 密かに落ち込みつつも、現状ではあまり猶予もない。 聡美は、ゆっくりとクイーンサイズの美里のベッドの上に体を起こした。 改めて自らの"身体"を見下ろす。 そこにあったのは、まるで王女様(プリンセス)が着るような豪奢な白絹のネグリジェに包まれた、発育途中の幼い肢体があった。言うまでもなく、美里の身体だ。 「聡美さん、大丈夫なのですか?」 美里の母である毬奈夫人も、心配そうに聡美の顔を覗き込んでくる。 単に娘の「身体」に不都合がないか懸念しているのだ──と、うがった物の見方をする人もいるかもしれないが、聡美はここ数日で夫人の情深さを知っているので、純粋に自分のことを心配してくれているのだとわかった。 「さすがに、一週間寝たきりだった"身体"ですから、無理はできませんけど、これくらいなら。それより……」 少しだけ言い淀みかけるが、勇気を奮い起して言葉を続ける。 「美里ちゃんとおふたりに、説明と……お詫びしないといけないことがあるんです」 * * * あれほどたやすく、「ろくろ首」としての技能(スキル)を身に着けた美里が、なぜ元の胴体に戻ることだけはできなかったのか──その答えを、聡美は自らが彼女の身体と「接続」した時にわかった。 単純な話だ。ソレを為すだけの霊力が足りていなかったのだ。 わかりやすくたとえるなら、普通のろくろく首の場合、首と胴体が「合体」するために、頭部側が10、胴体側も10のMP(れいりょく)が必要だったとしよう。 通常、その程度のMPは、「分離」が可能なろくろ首にとっては、たいした負担でもないのだが、美里はまだ子供であり、かつ初めての分離で勝手もわからなかったため、分離したままいたずらに時間が過ぎてしまった。 そのあいだに、胴体側の霊力は日に日に現象し、7日経った今では、生命維持にも支障がでるレベルにまで低下してしまっている。 そのような状態で、スキルを身に着けたとは言え、いまだ経験も総霊力も不足している美里が、「合体」できるワケがない。 しかも、半ば不可抗力とは言え、聡美は美里にろくろ首としてのスキルを教え込むために、浮遊や髪手、壁抜けなどを実行させ、せっかく頭部に溜まった霊力もだいぶ消費させてしまった。 これでは、いつまで経っても戻れるワケがないのだ。 ならば、聡美が、同族とは言え他人のものである美里の身体に接続できたかと言うと……比喩的に言えば、「自分の霊力の高さにものを言わせて強引に押し込んだ」のだ。 先程のたとえになぞらえると、頭側からMP30くらい注ぎ込んで、無理矢理合体を成功させたのだ。 それだけならまだ良かったのだが……。 「美里ちゃんのこの身体は、霊力が枯渇しかかってましたからね。接続したわたしの頭部から、強引に霊力を吸いとって身体全体に補充してます。先程わたしが意識を失ったのは、いわば霊的な貧血状態になったからなんです」 「今は大丈夫なんですか、聡美姉様?」 心配そうに聞く美里に向かって、微苦笑を向ける聡美。 「最初に比べると落ち着いてるけど……正直、あと丸一日くらいは、吸い取られるでしょうね。さすがに明日の夕方頃になれば、だいぶ落ち着くでしょうけど」 「そんなに!? 平気なのですか?」 3人の驚きと危惧を六道氏が代表して代弁する。 「ええ、一両日中は消耗は避けられませんけど、このペースなら問題なさそうです。3、4日経てば、ほぼ元の状態まで回復できると思いますよ──わたしの頭も、美里ちゃんの身体も」 聡美の答えに、ホッとしかけた3人だが、聡美の表情は冴えない。 「……でも、おかげで別の問題ができちゃったんです。その間、霊力不足のわたしは、この身体から頭部を分離できませんから、今度はわたしの身体が衰弱するんですよ」 「「「!」」」 それは確かにその通りだ。聡美の身体──首から下の胴体は、今も彼女の隣りでベッドに横たわったままなのだから。 「そんな! それじゃあ、今度は聡美姉様が……!!」 「うん、このままだと、胴無しになっちゃうね。だから……」 聡美は真剣なまなざしで美里(の首)を見つめる。 「あなたの助けが必要なの。美里ちゃん、協力してくれる?」 「はい、私にできることなら、何でも」 一瞬の躊躇いもなく言い切る美里に「これが若さか」と自分もまだ二十歳のクセに妙にババむさい感慨を覚える聡美。 「じゃあ、しばらくの間、わたしの身体を美里ちゃんに預かってもらっていいかな?」 「それってどういう……まさか!?」 流石に利発な美里は、"姉"の言いたいことを理解したようだ。 「うん、美里ちゃんにも"禁忌"を破らせちゃうことになるけど……わたしの身体に「接続」してみてくれる? 今なら、まだ身体の側には十分な霊力があるはずだから」 『首替奇談異聞 -幼女抄-』4 ベッドから慎重に起き上がった彼女は、軽く手足をラジオ体操のように動かして、身体に異常がないことを確認する──いや、実際には"異常"はあるのだが、それは今言及しても仕方が無いので考えないことにした。 天蓋こそついていないもののお伽話のお姫様が使っていそうな豪奢なベッドの脇に置かれたサイドテーブルに、彼女のための着替えが用意されていた。 すぐにはそれに手を伸ばさず、彼女は部屋の反対側の壁に設置された2メートルほどの高さの姿見を覗き込む。 そこには、先程のベッドに横たわるのにふさわしい、パフスリーブの上品な浅葱色のネグリジェを着た、身長140センチちょっとくらいの"少女"の姿が映っていた。 身の丈からすると、小学5、6年生といったところだろうか。さすがにこの歳では、まだ女性的な曲線は望むべくもないが、それでも、すんなり伸びた手足や、僅かに膨らみ始めた胸や腰のラインが、"少女"に妖精のような危うい魅力を与えている。 華奢ながら芸術的なラインを描く身体に比べると、顔立ちの方はそれほど際だって整っているわけではないが、それでも十分魅力的だし、何より控えめな優しさと性格の善良さがよく表れた、将来の良妻賢母候補生と言えた。 しかし、"少女"は何が気に食わなかったのか、軽く溜め息をついて鏡から視線を逸らし、サイドテーブルの着替えを手にとった。 胸元のボタンを外して、ネグリジェを肩口から滑り落とす。日焼けとはおよそ無縁の白い滑らかな肌が、稚い肢体に奇妙な色気を与えていた。いわゆるロリコン趣味のない男性、いや女性でも、一瞬目を奪われるかもしれない。 もっとも、当の本人は己が魅力に頓着することなく、フランス製のシルクのシュミーズをかぶっていた。肩紐の位置を整えた後、小学生にしてはやや布面積の少ない、サイドストリングのショーツの上から、白いレース編みのストッキングを着用。 次に、袖口や襟元、ボタン脇が、フリルで飾られた白の長袖ブラウスに袖を通す。 同じく白いレースのロングペティコートを履き、その上から腰の部分がコルセット状になった臙脂色のベルベットのハイウェストスカートを履く。 スカート丈自体はふくらはぎまであるのだが、前身ごろがふたつに分かれて、下に履いたペティコートが見えるデザインなのが、なかなかオシャレだ。 最後に、鏡に向かって胸元にコバルトブルーの細めのリボンタイを結んでいるところで、コンコンとドアがノックされた。 「どーぞー」 ──ガチャリ 「失礼します」 寝室に入ってきたのは、"少女"より7、8歳年かさとおぼしき若い"女性"だった。 身長は165センチちょっとで、成人女性の平均よりは多少高めといったところか。 紺色のジャケットとタイトスカートをピシリと着こなし、いかにも有能そうな雰囲気で、、怜悧な美貌がさらにその印象を強めている。 「姉様、お身体の具合はどう……あら、もう起きても大丈夫なのですか?」 「うん、平気平気。別に身体自体は健康体なワケだし、ね」 どうやら、"少女"の方はしばらく床に伏せっていたのだろうか……などと、わざとらしくとぼけるのは止めよう。 言うまでもなく、"少女"が聡美、"若い女性"が美里である。 ──そう、遡ること2日前の夜、アクシデントですぐには元の胴体に戻れなくなった聡美の頼みで、美里は彼女の身体を文字通り"預かる"こととなった。 "接合"自体はあっけないほどスムーズにできた。その事から考えると、やはり美里が元の身体と合体できなかった理由は、聡美の言う通り「霊力不足」が原因なのだろう。 聡美の成熟した(いやらしい意味ではなく、単に成人年齢に達したという意味だ)胴体に、未だ幼さを残すものの美女の素質十分な美里の頭部が繋がり……つぎの瞬間、"彼女"はゆっくりとベッドの上で上半身を起こしていた。 「おお……」 「美里……」 固唾を飲んでその様子を見守っていた美里の両親が、感嘆の声をあげた。 「ふぅ……大丈夫だったみたいね」 すぐそばの安楽椅子に身を預けた聡美も安堵の溜息を漏らす。 「──私……動ける! キチンと身体があるんだ!!」 その歳に似合わぬ聡明さと落ち着きを持つとは言え、やはり美里も未だ年若い──否、幼いと言っても差し支えのない少女だ。一週間ぶりのまともな"人"としての感覚は、たとえそれが他人の胴体(からだ)によるものであっても、涙がでる程嬉しかったらしい。 彼女が、涙ぐみながら掌をグーパーと開閉したり、ベッドから降りてトントンと軽くジャンプしたりする様子を、両親や聡美は暖かい目で見守っているのだった。 「お、お恥ずかしいところをお見せしました、聡美姉様」 しかし、僅か数分後には我に返り、頬を赤らめる美里の姿があった。 「ううん、気持ちは何となくわかるから平気だよ、美里ちゃん」 未だ霊力不足でうまく動けない聡美は、それでもゆるやかに首を横に振って見せる。 そんな"姉"の様子を見て、現在の聡美が抱える問題を思い出し、美里の顔に怜悧な表情が戻ってくる。 「お礼と言うには到底足りませんが、姉様の体調が戻るまでは、私が誠心誠意お世話させさいただきます」 美里が十歳児のままなら、背伸び以外の何者でもない言葉だが、今の彼女の首から下は聡美の──20歳の健康な女性のものだ。反対に十歳の少女の身体になっている聡美の世話をすることは十分可能だろう。 「あはは、そうだね。じゃあ、明日明後日くらいまでは、お言葉に甘えちゃおうかな」 美里の両親も、娘の言葉に大きく頷いているようなので、聡美も強いて断わることはしなかった。実際問題として、この姿を無闇に他人にさらすわけにはいかないのだから、美里でなければ、あとはその母の毬奈にでも頼むしかないのだ。 「ん? でも、よく考えると、わたしだけじゃなくて、美里ちゃんも、そのまま外に出るのはマズいよね」 「あ……」 数日前から雇われた家庭教師の背が突然縮んで十歳児並になっているのも、この屋敷のひとり娘がいきなり成人女性の体格になっているのも、どちらも不自然極まりない。 「そうですな。せっかく動けるようになった美里には少々気の毒だが、聡美さんの力が戻るまで、この部屋にいなさい」 「──そう、ですね。わかりました、お父様」 至極残念そうではあったが、聞きわけのよい美里は、父親の言葉に渋々ながら頷いた。 幸いと言うべきか、この部屋には簡単なものだがトイレやシャワールームも備わっているので、部屋の外に出なくとも一応生活に支障はない。 「あら、そうだわ。朱鷺田さんにもこの事を伝えておかないと」 聡美の母・毬奈の言う通り、屋敷の執事であり、六路家の事情も飲み込んだうえで、この家に仕えている朱鷺田には、教えておくべきだろう。 しかし、部屋に設置された内線電話で呼び出された初老の執事がやって来た時、一同は新たな混乱に見舞われることになる。 「! おお……美里お嬢様、無事、元に戻られたのですね!」 朱鷺田の歓喜に満ちたその言葉を聞いた時、最初、4人は彼が嬉しさのあまり、美里の体格の違いに気付いていないのだと思った。 しかし、よく見れば、彼の視線は紛れもなく、安楽椅子にすっぽりその華奢な体躯を沈めている聡美──正確には「美里の胴体に首を繋げた聡美」に向けられているではないか。 朱鷺田は確かに今年で還暦を迎えるが、視聴覚も、そしてもちろん脳の働きも衰えてはいない。加えて言うなら、単に執事としての職務ばかりでなく、彼は美里のことを、下手すると実の孫以上に大切に思っているのだ。 その彼が、顔立ちはもちろん、髪の長さや色も異なる聡美と美里を見間違えるなど、明らかに異常事態だった。 「さ、聡美さん、これはいったい……」 美里や毬奈に加えて、さすがの六路氏も狼狽したが、対して聡美は何かを思い出しているようだった。 「──そっか。あれって、こういうコトだったんだ……」 「何かお心当たりがあるのですか、聡美姉様?」 「うん。あのね……」 ろくろ首としての能力に目覚め、そしてそれが18歳の誕生日を迎えても消えなかった時、聡美は一生この能力と付き合う決心をし、そのうえで祖父母の家の物置にあった一族の古い書きつけに一通り目を通していた。 その中に、この事例に該当する事実も記されていたのだ。 「わたし、他人の身体に首を繋げることは一族の禁忌に触れるって言いましたよね。でも、それってなぜだかわかります?」 「それは……他人の身体を奪うような真似は、"妖し"ではなく"人"として生きることを選んだ、我ら一族としては許せなかったからではないですかな?」 「それは確かにあります。でもそれだけじゃないんです──そう、単に身体を奪うだけでは」 古文書いわく、他者の胴体に首を繋ぐことは、身体だけでなく、その"存在(ありかた)"を奪うことにほかならないのだと言う。 「"存在"……ですか?」 首を傾げる毬奈に対して、聡美が補足する。 「わたしも、その時はよくわからなかったんですけど、たぶんその人の"立場"とか"立ち位置"とかそういうモノを指すんじゃないかと思います」 「「「!」」」 「だから、本人であるわたしたちや、首を繋ぐ現場を見ていたおふたりはともかく、他の人──たとえば朱鷺田さんには、わたしが美里ちゃんに、美里ちゃんがわたしに見えているんじゃないですか?」 聡美の質問に深々と頷く朱鷺田。 その後、他の人々に関しても試す必要があるということで、朱鷺田の娘で、この家にメイド長として奉職しており、秘密を打ち明けても信頼がおけるとされた麗花が部屋に呼ばれた。 その結果は予想通りで、麗花の目にも聡美が美里、美里が聡美に見えることが明らかになったのだ。 「まさか、こんな事になるとは……」 未だ驚いている六路氏とは対照的に、美里の表情は明るい。 「聡美姉様、今の状況って、つまり私と姉様が入れ替わって、他の人には見えるわけですね」 「うん、そうなるかな」 「じゃあ、私が、この部屋の外に出ても問題ありませんね……「六道聡美」としてなら♪」 そして、その言葉通り美里は、「六路家に雇われた家庭教師・六道聡美」のフリをして、しばらくぶりに部屋を出ることができたのだった。 そうなると、聡美の方は「この屋敷のひとり娘の美里」として振る舞わざるを得ない。もっとも、自分で判断した通り、その日と翌日は霊力不足でほぼ寝たきりに近い状態だっため、それほど不都合は起きなかったのだが……。 心身とも七割方回復した今日からは、聡美も普段に近い生活をすることになっていた──もっとも、その「普段」とは、ほかならぬ「六路美里の日常」にほかならないワケだが。 「どう、美里ちゃん、何か不都合はなかった?」 この二日間、美里の顔を見るたびに聞いた質問ではあるが、その答えは、いつもほぼ同じだった。 「ええ、何も問題ありません。むしろ、いつもに比べて快適なくらいです」 どうやら、普段より20センチ以上高い視点や、成人女性らしい丸みを帯びた身体つきは、美里に新鮮な感動を与えているようだ。 「そっかー、わたしの方も新鮮って言えば新鮮なんだけど、うーーん……」 視点の低さや体格自体が縮んだことで、周囲がいきなり大きく見えるようになった現状は、聡美に僅かながら圧迫感(プレッシャー)のようなものを感じさせていたのだ。 「はぁ……でも、わたしたち、まだ同性同士でよかったかもね。記録によれば、たとえ異性であっても相性さえよければ首の接合は可能らしいけど、さすがに男の子になるのは遠慮したいなぁ」 さもなければ、トイレや着替え、入浴などでとてつもなく恥ずかしい思いをするハメになっただろう。 「あら、私はそれもめったに得難い経験だと思いますけど?」 クスクスと笑う美里。元々の顔立ちや言動自体が年齢のわりに大人びていたせいか、今の彼女は、聡美の目から見てもそれほど奇異には感じられない。 客観的には「童顔だけど巨乳の女子高生」といったところか。聡美がこの屋敷に来る際に来てきた一張羅のツーピースがよく似合っている。 それに比べると、さすがに自分の方は無理があるだろう──と、如何にもな"お洒落な少女向けファッション"を見下ろす聡美。もっとも、美里や毬奈に言えば、「いえいえ、よくお似合いでけすよ!」と、全力で否定するだろうが。 「それでは、そろそろ食堂に参りましょうか。聡美姉様、わかってらっしゃるとは思いますが……」 「うん、この部屋を出たら、わたしが「六路美里」で、美里ちゃんが「六道聡美」なんだよね」 朱鷺田と麗華はすでに事情を知っているとは言え、この家にはまだまだ何人もの使用人がいるのだから、元に戻るまでは他人からの"見かけ"に応じた態度を取らざるを得まい。 「ええ、その通りです──じゃあ、行きましょう、"美里"」 「はい、"聡美お姉ちゃん"」 <つづく> 『首替奇談異聞 -幼女抄-』5 それは、傍から見ればごく普通の(まぁ、ダイニングがやたら豪華で、メイドまでいる時点で現代日本の「普通」とは趣きが異なるかもしれないが)、微笑ましい晩餐の光景に見えた。 たくましく威厳のある「父親」。 美人で優しそうな「母親」。 落ち着いた雰囲気と優雅な物腰を兼ね備えた、ハイティーンくらいの「姉」。 そして、朗らかで愛くるしい仕草の、ローティーンにさしかかった「妹」。 何も知らない人に第一印象を尋ねれば、まず、上のような答えを出すだろう。 実際には、4人のうちのひとりは家族ではなく、かなり遠縁の親戚であり、この家の娘の「家庭教師」として招かれた人物なのだが。 さらに言えば、一見「姉」に見える方ではなく、背格好その他からは、どう見ても11、2歳くらいの「妹」にしか見えない方の人物こそが、六路家の娘・美里の家庭教師、六道聡美だったりする──もっとも、見れば見る程信じ難いが。 これにはちょっとした……の一言で済ますには、いささか複雑な事情があり、20歳の女子大生である聡美と、10歳になって間もない美里は、彼女達の特異体質故に、現在、首から下が入れ替わっているのだ。 普通に考えれば、三流ホラーかオカルトにしか思えない現象だが、しかし、現在この屋敷でこの「異常事態」に気付いているのは本人達を除くと4人、美里の両親と執事&メイド長しかいない。 これは、ふたりの特異体質からくる"副次的効果"のおかげで、他の人間には、美里の胴体を持った聡美が"美里"、聡美の身体に繋がった美里が"聡美"として認識されているからだ。 もっとも……。 「──御馳走様でした」 殆ど音もなく銀食器を置くと、優雅な仕草でナプキンで口元をぬぐう"聡美"。 「ご、ごちそうさまです」 こちらはやや拙い手つきでナイフ&フォークを操っていた"美里"も、どうやら食べ終えたようだ。 「冴子さん、食後のお茶を頂いてもよろしいですか?」 数日前からのこの館の客人となったはずの"聡美"は、しかし、そのことを感じさせない、ごく自然な口ぶりで壁際に控えていたメイドに、そう告げる。 「は、はい、畏まりました。ダージリンのストレートでよろしいですか?」 「ええ」 「美里お嬢様は、如何いたしますか?」 「へ? あぁ……えっと、じゃあ、わたしはミルクティーをお願いします」 ピョコンと頭を下げる仕草は可愛らしいが、その様子は、数日前までの歳の割に大人びた少女とは、いささか様相が異なる──まぁ、本当に別人なのだから当然だが。 しかし、内心僅かに首を傾げながらも、メイドはその事実自体には露ほども気付かず、言いつけられた仕事をするべく、厨房へと消えて行く。 あとにはキョトンとした"美里"と、困ったような微笑ましいような複雑な視線を彼女に向ける"聡美"と美里の両親の姿があった。 * * * 「ふぅ~、何とか乗り切ったね、美里ちゃん」 「そう、ですね」 夕食のあと、"聡美"と"美里"──いや、美里と聡美は、連れ立って美里の部屋に戻り、緊張の糸を緩めていた。 率直に言えば、ふたりともお互いに成りきる演技は及第点にはほど遠いと言えるだろう。 "美里"のフリをする聡美はもとより、"聡美"としての美里も、本来のごく庶民的な環境で育った「六道聡美」としては優雅で気品がありすぎた。 「とは言え、"六道聡美"の方は、この家の者に詳しく素性を知られているわけではありませんから、それほど問題ないはずなのですが……」 「あー、そうだね。わたしも、一応できるだけ丁寧にしゃべったり行動したりしたつもりだけど、この筋金入りの"おぜぅさま"な美里ちゃんの目から見たら、ダメダメだよね」 ガックリと肩を落とす聡美。自分の無作法で妹分の株を下げてしまったのではないかと危惧する。 「い、いえ、そんな大層なものでもありませんので。それに、聡美姉様の行動そのものにマナー違反な点などはなかったと思いますし」 慌てて美里が慰める。本当に小学生とは思えぬデキた子だった。 「でも、やはり普段通りの言動と言うには、やはり無理があったのではないでしょうか?」 「確かにね。でも、そのわりに、不審がられなかった気もするけど」 これもまた、"ろくろ首"としての"能力"の恩恵なのだろうか? 首をひねるふたり。このふたりの場合、捻り過ぎると物理的に「取れる」危険性がある……というのは、笑えないジョークだ。 ──実は、給仕していたメイドの冴子も、多少違和感のようなものを感じてはいたが、いきなり雇い主の娘に「お嬢様、何か様子が変ですよ」と言う勇気がなかっただけの話なのだが。 「まぁ、いいや。本人呼んで聞くわけにもいかないし、とりあえず、このスタンスでスルーされてるってことは、バレてないって考えようよ」 「精神衛生上、その方がよさそうですね」 とりあえず、ふたりの少女は、問題を棚上げすることにしたようだ。 「さてっと。それじゃあ、晩御飯の食休みもそろそろ済んだことだし、わたしの本業をさせてもらおうかな」 「? 何の話ですの、聡美姉様?」 「それはもちろん……"美里ちゃんの家庭教師"だよ♪」 「えっ……それは、私(わたくし)に"一族"の能力を教えるための方便だったのでは?」 楽しげな聡美と驚く美里。 「うん、本来はね。でも、今の状態だと、下手に霊力を消耗するのは危険だからソッチについて講義するのは難しいし、だったら普通に学校の勉強の方を教えてあげようかな、って」 「ああ、成程。でも、私、自分で言うのもどうかと思いますが、学校の座学に関してはかなり優秀ですよ」 「うん、それは聞いてる。だから……」 ゴソゴソと傍らに置いた包みから何かを取り出す聡美。 「じゃーん! 毬奈さんにお願いして、中学生のテキスト一式を揃えてもらいました」 真新しいそれらをうれしそうに取り出し、ようやく当初(此処に来る前)思い描いていたような「家庭教師の先生」の講義を始めた聡美だったが……。 「うぅ~、美里ちゃん優秀過ぎ。どうして小学4年生なのに中学生の勉強がスラスラ解けるの」 国数英理社、主要5教科のいずれにも隙がなく、下手すると数学などは聡美より解くのが早いくらいだ。 「フフッ……昔から本ばかり読んでいたもので」 この数日間の会話で、少女の知識レベルや精神年齢が、本来10歳の女の子であると信じられないくらい高い──それこそ高校生にもひけをとらないレベルであることは一応知ってはいたが、改めてソレを見せつけられた気がした。 (下手すると、わたしより大人かも……いや、わたしが子供っぽ過ぎるのかなぁ) その証拠に、20歳の自分の身体に美里の頭が載っていても、聡美の目からも別段不自然なところはない。むしろ、童顔で性格も歳の割に落ち着きのない自分より、お姉さんっぽい気が……。 「──どうかされましたか?」 「ヘッ!? あ、ううん、何でもないよ、お姉ちゃん……あっ!」 そんな感慨にふけっていたせいか、つい美里のことをそんな風に呼んでしまう。 「……」 「……」 しばしの沈黙がふたりの間に流れる。 「ち、違うの! ほら、みんなのいる所で、うっかり呼び間違えたりしないように、普段から練習しとかないとって思って……」 苦しい言い訳の言葉に、うっかり言い間違えたと言うことは分かっているだろうに、それでもちゃんと彼女は乗ってくれた。 「クスッ……確かにそうですね。では、ふたりきりの時も、できるだけそう呼ぶようにしましょうか、"美里"」 「う、うん」 「"美里"、淑女の返事は「うん」ではになく「はい」ですよ」 「は、はい、"聡美お姉ちゃん"」 他愛もないやりとりだったが、あとにして思えば、その時からふたりの関係や立ち位置にに変化が生じていたのかもしれない。 <つづく> 『首替奇談異聞 -幼女抄-』6 勉強が一段落した後、ソファに並んで腰かけてふたりが雑談していた所で、コンコンと美里の部屋のドアがノックされる。 「失礼します。美里様、聡美様、お風呂の用意が出来ましたので、いつでも入って頂けるかと」 どうやらメイドのひとりである亜須美が入浴の準備が整ったことを告げせに来たようだ。 (うーん、"様"付きで呼ばれるのって、やっぱし慣れないなぁ) などと呑気なことを考えていた聡美だが、美里に「姉様、返事してあげてください」と耳打ちされて、慌てて頭を巡らせる。 「あ……はい、わかりましたわ。知らせてくださってありがとう、亜須美さん」 精一杯「美里っぽい口ぶり」を装い、かつ「10歳の少女」であることを意識して、普段は出さないような可愛らしい声を出してみる。 一瞬声が裏返るかと心配したのだが、そんなこともなく、きちんと高く澄んだ綺麗な声が出せたようだ。 「それでは失礼いたします」 ドアの前からメイドの気配が消えたことを確認して──何せ妖怪の先祖返りなので、そういった感覚には鋭敏なのだ──ふたりは、ホッと安堵の息をついた。 「どう? さっきの美里ちゃんの真似、なかなか巧くいったと思わない?」 「そうですね。メイドにいちいちお礼を言うのは、少し丁寧過ぎる気もしますが……問題はなかったかと。声の方も、かなり私と似ていた気がします」 美里の返答を聞いて、我が意を得たりとばかりに頷く聡美。 「やっぱりそう思う? やっぱり首の部分の半分が美里ちゃんのものだからかもしれないね。それに、声って喉だけでなく肺やお腹の部分にも左右されるらしいし」 「そうなのですか?」 「うん、高校時代の友人で声楽やってる子に聞いたことがあるよ。あ、だったら、美里ちゃんも、わたしっぽい声を出してみてよ」 「え? は、はい、わかりました……う、ウンッ……こ、こんな感じかしら?」 アルトボイスとまではいかないが、落ち着いたメゾソプラノの声が、聡美の身体になった美里の口から流れ出す。 「おー、自分の声は正確にはわからないって言うからアレだけど、たぶん、今の美里ちゃん、わたしソックリの声してるよ」 感心したように言う聡美を見て、珍しく稚気が疼いた美里は、ズイッと美里の方に身を寄せ、上から覗き込むような体勢をとる。 「な、何かな、美里ちゃん?」 そうなると、聡美の身長140センチ余りの身体になっている美里としては、何となく圧迫感というか威厳のようなものを感じて、ちょっとたじろがざるを得ない。 「こら、ダメですよ。"美里"は貴方、私が"聡美"だって、先程決めたばかりじゃないですか」 聡美の声色のまま、芝居っけタップリにイイ笑顔で聡美の鼻をチョンと人差し指で突つく美里。 「あ……そうだったよね、ごめんね、"聡美お姉ちゃん"♪」 美里の意図を悟った聡美も、"美里"の声で「しおらしい妹分」の演技をする。 「ええ、わかってくれれば、いいのよ、"美里"」 したり顔で"聡美"がそう言った後、ふたりは顔を見合わせて、プッと噴き出した。 「あはは……やっぱりちょっと恥ずかしいね」 「ええ。でも、少なくとも声については、やはりこちらの方が外見相応かと思いますし、言葉遣いや呼称も、できるだけ意識しておいた方がいいでしょう」 「うん、確かに。まぁ、わたしのほうは、美里ちゃんのエンジェルボイスで話せるのは、ちょっと嬉しいからいいんだけど……」 確かに「六路美里」の声は、超有名少女合唱団のソロを張っててもおかしくないほどの透き通った美声だ。この声で言われたら、どんな卑語や罵倒さえ、聞く人をウットリさせるかもしれない。 「ごめんね、特徴のない平凡な声でしゃべらせることになって」 "美里"な聡美が謙遜するが、"聡美"な美里は首を横に振る。 「そんなコトありませんよ。私、落ち着いたこの声が大好きですし」 実際、美里のようにひと言発すればわかる美声というワケではないが、聡美の声も年齢相応の落ち着きと艶があって魅力的だ──と"聡美"は思う。 柔らかなその声音には、どこか聞く人を安心させるような響きがある──というのは、彼女に助けられたことによる贔屓が入り過ぎだろうか。 そして、歳より大人びた話し方をする美里と、明るく元気でフランクな聡美の口調には、現在のその声音の方が似合っていた。 その事を無自覚に気付いているのか、すでにふたりは、とくに意識していないのに胴体(からだ)に応じた声を出せるようになっていた。 「それじゃあ、申し訳ありませんけど、一応客人ということになっている私──"聡美"の方から、先にお風呂頂いてしまって構いませんか?」 「うん、それでいい……あ、待った!」 何やら「名案」を"美里"は思いついたようだ。 「せっかくだからさ、一緒に入ろうよ、"聡美お姉ちゃん"♪」 『首替奇談異聞 -幼女抄-』7 「こういう時に言うのもどうかとは思いますが……」 ふたりどころか5、6人まとめて余裕で着替えられそうな六路家の浴室脱衣場で、ブラジャーとショーツという下着姿になった美里が、鏡を見つめながら、傍らで着替える"少女"(無論、聡美のことだ)に、話しかけた。 「ん? どしたの、美里ちゃん?」 バスルームの入口に事情を知るメイド長の麗花が控えて見張ってくれているとあって、聡美は"取りきめ"のことは気にせず、気安い口調で聞き返す。 「聡美お姉様って、とてもスタイルがよろしいですね……」 前方に大きく突き出しつつも、若さゆえか垂れることもなく適度な弾力とハリを持った豊かな乳房が、今は自分の身体に付いていることに、微妙な違和感と──同時に、そこはかとない喜びを感じてしまうのは、10歳と言えど、やはり女と言うべきか。 確かに、「六道聡美の肢体(からだ)」は、本人の地味さとは相反して、なかなかにナイスバディだと言ってよいだろう。 トップ90センチでDカップ超のバストはもとより、ウェストも64と太っているという程ではないし、キュッと締まった形のよい89センチのヒップは、じかに男性が目にすれば垂涎ものだろう。身長も166センチと適度な高さだ。 無論、女性の目から見ても、いろいろなタイプの服装を自在に着こなせる魅力的な体型と言って差し支えない。 「え~、そんなたいしたモンじゃないよ。確かに胸は平均より大きいかもしれないけど、それはそれで肩が凝るし……。それを言うなら、美里ちゃんの身体は、ファンタジーのエルフみたく綺麗だと思うけど?」 こちらはすでにシュミーズやショーツも脱ぎ去り、一糸まとわぬ状態となった聡美が、美里の横に並んで裸体を鏡に写しながら、首を傾げる。 聡美の言にも一理あり、思春期を迎えて、子供から大人への一歩を踏み出しつつある少女(みさと)の身体は、ある種幻想じみた雰囲気と美しさを醸し出している。 すんなりバランスよく伸びた手足。折れそうなほどに華奢なウェスト。コーカソイドとは見まがうばかりの白さとモンゴロイド特有の滑らかさが見事に両立する肌。 10歳とあって流石に乳房と言える程の隆起は殆どないが、それでもその萌芽が僅かに見てとれる膨らみかけの胸元は、危うい魅惑をたたえている。 「色香」という面で見ればさすがに成人女性には及ばないが、「美」という観点からすれば、これほどの「生きた芸術品」はそうそうお目にかかれないだろう。 さらに言うなら、あの毬奈夫人の娘なのだから、将来性も推して知るべし。 「──そんな、妖精の肉体(フェアリーボディ)なのに、わたしなんかの平凡な首が載ってるのは、個人的にはガッカリだよ!」 拳を握り、「美的感覚からして許せない!」とテンション高く力説する聡美に、「は、はぁ……」と美里の方は戸惑い顔だ。 (そんなお子様体型のどこがいいんでしょうか……) 子供は速く大人になりたがり、大人は過ぎ去った子供時代を懐かしむ。 それは、ある意味、どこにでもある光景とも言えたが……ふたりの置かれた特殊な状況が、事態をいささか複雑なものにしているのだった。 「にしても、美里ちゃん、随分ブラの着脱に手慣れてるんだね」 並んで湯船に浸かり、まったりしながら、ふとそんなコトを呟く聡美。 「そう、なのでしょうか? それほど手間取る動作だとは思えないのですが……」 「いやいやいや。わたしなんか、初めてホックのあるブラ着けたときなんて、なかなか巧くとめられなくて、四苦八苦したんだよ。流石にひと月もしたら慣れたけど」 「もしかしたら──習慣的な動作に関する蓄積(なれ)は、身体の方に残っているのかもしれませんね」 「あ~、条件反射云々ってヤツだっけ……ちょっと違うか」 言われてみれば、確かに聡美も、本来の身体とは歩幅から何からまるっきり違うはずの美里の身体になっても、普通に歩いたり動けたりしているし、案外美里の意見が正しいのかもしれない。 (それにしても……) 浴槽の中で、珍しくくつろいだ表情を見せる美里の様子に、悪戯心を刺激された聡美は、そーっと手を伸ばして……。 「えいっ」 ──ツン、ツンッ! 「キャッ! な、何するんですか、聡美姉様!?」 いきなり胸を突つかれて、さすがに驚いたのか、美里が胸を押さえて身をよじる。 「いや、普段、自分のオッパイを客観的に見る機会なんてないから、好奇心を刺激されて……」 悪びれもせずに美里の前に移動した聡美は、今度はぐわっと指を開いた両掌で、本来自分のものである──そして今は美里の首の下についている大きな乳房を掴む。 「ひぅッ!」 「おお、自分ではたいしたことないと思ってたけど、正面から見ると確かにおっきいかも。この手じゃ、とても掴みきれないね」 呑気な感想を漏らしながら、ムニムニとオッパイを揉む聡美。さらに、思い切って、その谷間に顔を埋めてみる。 「わ! ふかふかだぁ。男の人が巨乳が好きってのもわかる気がするかも」 美里の方は逃げようとするのだが、小さなその手で乳房を優しく触られ、吐息が乳首に吹き掛けられるだけで、何かモヤモヤした感じが胸から湧いてきて全身へと波及し、腰砕けになってしまうのだ。 それにつれて甘い疼きが腰の奥から広がる。ここが湯船の中でなければ、彼女の下肢の合わせ目が潤っているのがわかったかもしれない。 「や、やめて……やめなさい、"美里"!」 未知の感覚にパニクった彼女の口から、意図せず鋭い制止の言葉が迸る。 「!」 一瞬ビクッと動きを止めた"少女"は「あ、やり過ぎた」といった表情になって、おずおずと彼女の胸から身を離した。 「もぅ! お風呂はくつろぎの場所ですけど、調子に乗り過ぎですよ」 「てへっ……ごめんね、"聡美お姉ちゃん"」 "少女"が素直に謝ったので、彼女の方もそれ以上、叱責することはしなかった。 さて、その後はふたりとも和やかな雰囲気で背中の流しっこをしたり、本物の姉妹さながらに仲良く入浴を楽しんでから、風呂から上がった。 髪を乾かし、夜着に着替えてから、仲良く手をつなぎ、美里の部屋へと戻るふたり。それは、事情を知る者から見ても知らぬ者から見ても、微笑ましい光景だった。 ──しかし、その裏で、これまで知らなかった未知の感覚が、ふたりの奥底に芽吹いたことも事実だった。 (さ、さっきのアレが、その……「おとなの女性」が感じるHな感覚、なのでしょうか……) 成熟した女性としての性感の一端を、10歳の身で知ってしまった美里──"聡美"はもとより。 (うーん、いくら、小学生の立場になってるからって、ちょっと悪ノリし過ぎたかなぁ……でも、"聡美お姉ちゃん"の胸に埋もれるのって気持ちよかったなぁ。戻る前に、またやってもらおーっと) "美里"の方も、何やら「姉に甘える」ことの愉しみを知った様子。 このハプニングが、今後のふたりにどのような影響をもたらすのか、それはまた後に語られる事である。 -つづく- 『首替奇談異聞 -幼女抄-』8 「え、えーと……」 「六道聡美」(と周囲に認識されている六路美里)は、「何か言いたいのに何と言えばいいのかわからない」という、誠に複雑な心境に陥っていた。いつも(10歳とは思えぬほど)泰然としたその顔に、珍しく困惑の色がにじんでいる。 彼女の視線の先をたどると……。 「それでね、"美里"ちゃん。今度はこういうのどうかしら?」 「わぁ、かわい~! うん、ママ、もちろんアリだよ。ちょっと着替えてみるね♪」 「フリフリ」や「ヒラヒラ」という形容がいかにも似合いそうな、キュートでファンシーな女児服を多数両手に抱えた母──六路毬奈と、とっかえひっかえそれらに着替える「美里」(もちろん、本当は聡美)の姿があったからだ。しかも、ふたりとも目に見えてテンションが高い。 ──シャッ! しばらくして、フィッティングスペースのカーテンが開き、コバルトブルーをベースカラーにした膝丈の半袖ワンピースに身を包んだ"美里"が顔を見せた。 前身頃のあたりはギャザーを寄せた白いボディス風のデザインで、それ以外にも大きめの襟や袖口、前に2本入ったラインなどが、薄く透けるようなレースの飾りが施されていて、フェミニンな雰囲気をより強調している。 「えへへ~、どう、かな?」 スカートの両脇を摘んで貴婦人風に軽くお辞儀をしてみせる"美里"。 「可愛いッ! 可愛いわ、美里ちゃん! その姿、まさに天使!!」 思わず、ギュッと"愛娘"を抱きしめる六路夫人。 「きゃっ! それは褒めすぎだよ~。でも、ありがと、ママ♪」 "美里"の方も、多少照れくさげではあるが、満更でもなさそうだった。 * * * 聡美と美里が一緒に入浴した日の翌日。 「そうだ。美里ちゃんは、聖女に通ってたんだよね。あそこの制服、着させてもらってもいいかな?」 「? もうクリーニングは終わっていると思うので、別に構いませんが……」 「ホント!? ありがとう~!」 ピョコンと跳び上がって喜ぶ聡美。そんな仕草をすると、まるで本物の小学生みたいだった。 「あたし、小学校の頃、聖女の制服に憧れてたんだよね~」 美里が先日まで通っていた私立聖翔女学園は、そのリベラルな校風と、数多の人材を輩出していることで有名だ。 女子は小中高12年(男子は初等部のみ)一貫教育で高いレベルの教育が受けられるので、受験の倍率も高いが、それだけに、聡美の如く他校の生徒からは羨望の目で見られることも多い。 「そうですか? 初等部の制服としてはごくごくオーソドックスだと思うのですが……トップが二重なので、夏服としてはあまり涼しくありませんし」 確かに、白いリンネル地のミディ丈ワンピースに、丈の短い同素材のボレロという組み合わせは、私立小学校の制服としては、それほど奇抜なものではない。随所に黒い縁取りが入っているのは、制服としての側面を強調するためだろうか。 「普段から着てる子には、そうかもね。でも、横から見てると、やっぱり羨ましかったなぁ」 その幼き日の羨望を実現に移す機会を思いがけず得た聡美は、早速、美里の制服に袖を通す。 首から下は同一人物なのであたりまえだが、聖翔女学園初等部夏服は、今の聡美の身体にピッタリだった。 「わぁ~、いいなぁ。お嬢様っぽいなぁ」 姿見に映る己の姿にうっとりみとれる聡美。髪型まで、わざわざ小学生っぽいツインテール(というか、やや短めなのでピギーテイルと呼ぶべきか)にしている。 「世間で言われるほど、上流家庭の子女ばかりが通ってる通っているわけではないのですが……」 微苦笑しつつも、その様子を見守っている美里。 「そうだ! せっかくだから、今日のお出かけは、この格好のまま行こうっ、と」 「え!? 本気ですか、聡美姉様?」 「うん、もちろん」 ふたりで外出すること自体は昨晩のうちに話しあっていたのだが、結局、ふたりを心配した六路夫人も、メイド長の麗花(何気に護身術の心得もあるのだとか)を供に同行することとなった。 その結果、避暑地とは言え実体は田舎町といった方が正確な猪狩沢で、唯一都内の高級ブティックの支店が出店しているこのショッピングモールに、彼女ら4人は足を運ぶことになったのだ。朱鷺田ではなく麗花が供に選ばれたのは目的地が此処だったかららしい。 * * * 「かわいい妹さんですね」 やや呆れ気味にふたりを見ていた"聡美"は、傍らの女性店員(マヌカン)に声をかけられて恐縮する。 「あ……済みません、お騒がせしてしまって」 「いえいえ、構いません。この時間帯は比較的暇ですし、あれだけ可愛らしいお嬢様に着ていただけるなら、ここの服達も本望でしょうから」 ニコニコと答える店員の様子には、口先だけのお世辞という気配は感じられない。 確かに、"美里"(聡美)の姿は──互いに本来の貌が見えている"聡美"(美里)からしても、十二分に愛らしく、目の保養だと思わないでもなかった。 「折角ですから、お客様も一着選ばれてはいかがでしょう?」 「へ? あ、いえ、私は……」 さほど着飾ることには興味のない美里だが、丁寧な物腰の割に押しの強いマヌカンの強い勧めに抗しきれず、2、3着試着することになる。 「──どう、でしょう?」 "聡美"が、マヌカンおすすめのコーディネートに着替えて、試着室のカーテンを開けると、ちゃっかり聞き耳を立てていたのか、店員ばかりでなく毬奈と"美里"も「ワクワク」という擬態語を貼り付けたような顔で、待ち構えていた。 「わぁ~、聡美お姉ちゃん、カッコいい!」 先程のブルーのワンピース姿のまま(支払いを済ませてそのまま着て行くつもりらし)、"美里"が、無邪気な感嘆の声をあげる。 今、"聡美"が着ているのは、ライトグレーのツーピースだ。 いわゆるキャリアスーツ仕様のカッチリしたシルエットのものだが、ジャケットは、みぞおちの少し上にボタンがひとつあるだけなので襟元のラインはやや緩めに開いている。 さらに、ジャケットの下には店員の強い勧めで、ブラウスではなくオフホワイトのキャミソールなので、カジュアルな雰囲気が2割方増していた。 ボトムは膝上5センチのタイトミニだが、バックスリットが大きめに設けられているので、多少窮屈ではあるが普通に歩くこともできる。足元には薄いベージュのストッキングを履き、靴はそのまま7センチヒールのエボニーカラーのパンプス。 シンプルな装いながら着心地はよく、また生地も上質なので、本物の聡美が着てきた特価物のリクルートスーツの数倍の値段がするだろう。 さらに言うなら、のほほんとした"本物"がスーツに「着られていた」のと異なり、怜悧で知的な印象のあるこの"聡美"には、こういう格好がよく似合ってもいた。 「ええ、凛々しくて、とてもいい感じですよ、"聡美"さん」 「よくお似合いです、"六道"様」 それ故、"美里"ばかりでなく、毬奈や侍女長の麗花までが、"聡美"を褒めそやす。 「あ、ありがとう、ございます」 自分でも結構気に入っていたのだろう。僅かに頬を赤らめつつ、"聡美"も嬉しそうだ。 結局、そのスーツについても六路夫人が「いろいろあったお礼」という形で代金を支払い、彼女もそのまま着て行くことになった。 「あたし、次はアッチのファンシーショップがいいなぁ」 「あまり急ぐと危ないですよ、美里」 「平気だよ、聡美お姉ちゃん! 「あらあら、ふたりとも、本物の姉妹みたいに、すっかり仲良しさんね」 楽しげに談笑しながら歩く3人の女性達の姿は、傍から見ればまるっきり「幸せそうな家族」だったろう。 「……本来の立場とは長幼が逆な気もしますが」 その傍らに侍るメイドの言葉が、現状を的確に言い表してもいたが。
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/2531.html
律「第一回!軽音楽部一の『ないすぼでー』は誰だ大会ー!!」 唯「わー、ぱちぱちー」 澪「何考えて生きてんだお前」 律「スレが私らの体型で盛り上がってたから、つい」 梓「下らないですね。女性にどうこう言う前に自分を磨けば良いです」 律「梓、マイナス1点」 梓「なぜ!?」 律「生意気だから」 梓「体型関係無いじゃないですか!」 律「うるさいな、私がルールだ」 梓「横暴だ……」 律「えーと、とりあえずはやっぱりおっぱいだな」 紬「おっぱいと言えば……」 唯「澪ちゃんだね!」 澪「な、な……」 律「まぁ確かに大きさは澪が一番だが、形は唯のが良いし、柔らかさはムギに劣る。でかけりゃ勝ちと思うなよ」 澪「ひ、貧乳のくせに」 律「ステータスだ希少価値だ」 澪「もう流行らないよ、それは!」 梓「…………しょ、将来性」 紬「梓ちゃんの身長で澪ちゃん並の胸って、ただのデブよ」 律「ほいじゃあ澪先生の考える、良いおっぱいって何かね?」 澪「そ……それはだな……」 唯「ミルクがいっぱい出たら赤ちゃんが喜ぶよ!」 律「搾乳紳士はけいおん!に興味無いと思うぞ」 唯「?」 紬「乳首も重要よね」 梓「あー、黒かったり乳輪大きいと同性でもなんだかなって思いますね」 唯「私はピンクだよ!」 律「さすが二次元、言いたい放題だな」 梓「ムギ先輩は黒そうですね」 紬「ノーコメント」 律「んなことより、澪の意見は?」 澪「や、やっぱり、その、感度とか……大事なんじゃない……か?」 梓「エロガッパ」 律「ほほぅ、てことは澪先生は感度の重要性を知る機会があったと?」 澪「い、いやあくまで一般論としてだな」 梓「まぁでも男を基準にしたら一理ありますね」 紬「マグロは嫌よね」 律「正直処女信仰とか理解出来ないよ。開発するのめんどい」 澪「え、え?皆もしかして……」 唯「まさか澪ちゃん……高校生にもなって……」 澪「う、うわぁぁぁっ!!」 梓(真に受けてるし) 紬(知識だけだから簡単に乗せられるのよ) 澪「…………リア充死ね。クリスマス滅びろ」 律「異性に免疫無いくせに、よく感度なんて言えたもんだ」 律「書いてる奴が『朝から何やってんだろ。ダメかもしれない』って気分だからサクサク進めよう」 梓「胸の次は……脚とか?」 律「ぶっちぎりで唯」 紬「議論無し?」 律「黒パンストは正義」 唯「えへへ」 梓「ですが想像して下さい」 紬「?」 梓「私がスパッツを履いた姿を」 紬「ぺったんこスパッツ……」 律「梓、マイナス1」 梓「おい!」 律「貧乳スパッツが許されるのはキュアブラックだけ」 梓「ていうか私達プリキュアより年上なんですよね」 律「ラブせつはガチ」 紬「キュアババアもね」 唯「どっかから怒られそうだから話題戻そうよ」 律「ドリームは頭おかしいって話だっけ?」 梓「ブッキーいらんって話ですよ」 紬「ほのかの眉毛どうなのって話よ」 唯「私知らない」 澪「脚の話だろ」 律「うわ、生き返った!」 澪「どいつもこいつも……」 律「朝飯の時間だ」 澪「不毛な話だった……」 185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 08 43 48.41 ID hJYw5sCr0 ブッキーは必要だろjk 186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 08 56 36.28 ID PbD8yEymO ブッキーいらないとか頭沸いてんじゃねーのさっさと消えろよ 唯「ほら怒られたー」 梓「ぶっちゃけ没個性なんですもん」 澪「脚の話しよう、脚」 律「澪は脚太いよな」 澪「皆大差ないだろ」 律「正直、唯と梓以外は太いイメージがある」 紬「律っちゃんはガチムチって感じよね」 律「健康美って言ってよ」 澪「水着の日焼け跡とか?」 律「競泳のね」 紬「悪くないかも」 律「スポーツ少女万歳!」 梓「ゴリラ」 律「お前退場」 律「女子のユニフォーム姿ってなんか興奮するじゃん」 唯「ただし可愛い子に限る?」 律「当たり前だろ」 紬「一種のコスプレかしら」 澪「コスプレなら私の出番だな」 律「お前ゴスロリ一択だろ。バリエーションが無いんだよ」 澪「う」 唯「ムギちゃんは和服とか似合いそうだね」 紬「あら、ありがとう」 律「唯は……着ぐるみでも着るといい」 唯「ぴっ、ぴかちゅー」 梓「私は?」 律「あー……わからん」 190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 09 28 23.57 ID XZkrHzm00 平沢 唯 身長156cm、体重50kg BMI指数 20.5 秋山 澪 身長160cm、体重54kg BMI指数 21.1 田井中 律 身長154cm、体重48kg BMI指数 20.2 琴吹 紬 身長157cm、体重53kg BMI指数 21.5 なんか胸やら太ももやら考慮したら皆スタイルの良さは大差ない気がする 紬ちゃんはちょっとむっちりだけど設定出る前からよく聞くし ファンからもむしろ好印象らしいから無問題 律「親切な 190がデータを持ってきてくれた」 梓「私だけ無い……」 律「つーか私が一番チビだったのか」 澪「日本人女性の平均身長が162位だから、皆平均以下だな」 紬「まぁその位が可愛らしいんじゃないかしら」 唯「それにしても体重まで書いてるなんて失礼だね」 律「ま、ガノタの強さ議論よりはマシなデータだから良いよ」 澪「ガンダムはF91が最高。異論は粛正する」 梓「出たなトミノチルドレン」 律「はいはい、平成ガンダムも面白いよっと」 唯「私は特撮派だなぁ、RXおかずにご飯食べれる人なら結婚しても良いよ」 律「特撮ファンとアニメファンは仲悪いから無理」 澪「ちなみに平成ではXをお勧めするぞ」 梓「そんな打ち切りアニメより話題を戻しましょう」 紬「胸、脚……次はお尻かしら」 律「公式にケツを晒した澪先生どうぞ」 澪「パンツまでだから、全部は出してないから」 律「茶碗で誤魔化したしな」 紬「厳しい世になったわね」 梓「ていうか縞パンてどうなんですか?どんだけ媚びてるんですか?」 澪「作者に言ってくれよ」 唯「澪ちゃん、主役の私よりいっぱいエッチな本あるもんね」 律「……」 唯「主役の私より」 紬「ま、まぁまぁ唯ちゃん。メインヒロインより人気のあるキャラなんていっぱいいるから」 唯「例えば?」 律「身近なとこならハルヒの長門、らきすたのかがみとか」 紬「主役って話の中心だから、本人自体は無難にまとめてあったりするものね」 梓「あー確かに澪先輩は属性固まり過ぎですね」 澪「ただの私の悪口じゃないか」 律「いじりやすいと愛されやすいんだよな」 梓「誰かさんなんて原作じゃ部の財布みたいなもんですしね」 紬「……」 律「とんでもない事に気付いてしまった」 唯「なに?」 律「梓には女性として評価出来る肉体的特徴が無い」 唯「また怒られそうな事を」 律「いや可愛いとは思う。しかし可愛いのと色気は別な話だ」 紬「確かに色気はないわね」 澪「無い無い、全然無い」 梓「し、失礼な」 唯「そもそも色気ってどう出すの?」 律「そりゃもう一発ぶち込みたいと感じるようなフェロモンだろ」 梓「下品です。そもそもどうやってフェロモン出すかが問題な訳です」 紬「んー、梓ちゃんはまずお子様過ぎるわね」 梓「ぬぅ」 律「梓がボンボンボンだと澪と見分けつかないしな」 澪「おい、キュッが無かったぞ、キュッが」 律「うっせーな、スレでもピザ気味派のが多かっただろ」 澪「じゃあムギはどうなる!」 律「ムギは色白だし、なんかモチモチしてそうで可愛いじゃん」 澪「私も色白だ!」 律「黒髪ロングでピザだと引きニートにしか思えない」 唯「ぷっ!」 紬「くっ………くくっ」 梓「似合いすぎ」 澪「お前ら全員屋上」 律「一人でも見てくれてる人がいて感動した」 紬「スレタイ守ってないのにね」 澪「もうメタ発言は止せ」 梓「メタと言えばシャフトの黒板」 律「京アニもとやかく言えないだろ」 唯「劇場版ハルヒは地域によってエンディング違うとかやったりして」 澪「ないわ」 律「正確にはあれ劇場版長門だしな」 澪「劇場版といえばダブルオーだろ」 紬「もう『ないすぼでー大会』の原型も無いわね」 律「まぁ人によって好み違うし」 梓「それを言ったらおしまいですよ」 律「最後に唯、あれやってやれ」 唯「うんたん、うんたん」 律「結局けいおん!ってこれ一つでかなり勢いついたよな」 梓「まぁ、一発ギャグと言いますか」 澪「少なくとも2ちゃんの一部ではよくみたな」 紬「ボロい商売よね」 律「うんたん以外、特に印象的なフレーズ無いしな」 唯「まぁ来年の今頃には私達なんて忘れられてるよ」 梓「寂しいですねぇ」 律「お前にはかずにゃんがいるよ」 梓「マジ無理」 律「これをやらせるのを忘れてた」 梓「こんにちは、ぼくあずにゃん」 澪「ドラえもんかよ」 律「ぼくっ娘出来そうなの梓しかいないし。のび太っぽい奴もいるし」 紬「あやとりをギターに変えたら……」 唯「へ?」 戻る
https://w.atwiki.jp/dueloflegendwikidol/pages/724.html
ランクSE ランクSEプレイヤー情報&デッキリスト(エキスパートルール時)リコ攻略・味方時のポイント バルドル攻略・味方時のポイント ミリー攻略・味方時のポイント エドガー攻略・味方時のポイント ホセ攻略・味方時のポイント クロード攻略・味方時のポイント レイド攻略・味方時のポイント 関連リンク プレイヤー情報&デッキリスト(エキスパートルール時) リコ 情報:魔物統一のドローデッキ使い。 デッキ内容 ユニット(16枚) No022ペリュトン×2 No023ゴブリン×2 No171シャギー×2 No176化石魚×2 No180化身ヴァラーハ×2 No321ザ・ビースト×2 No323エティン×2 No324一角狼×2 マジック(24枚) No105未完のキューブ×2 No106封魔石の欠片×2 No125水柱の篭手×2 No127八卦の篭手×2 No259ソーマの烙印×3 No263希望の光×1 No412生体転送×3 No413魔道転送×2 No561補充の水泡Lv2×3 No571希望の石×2 No582魔物の武具×2 攻略・味方時のポイント 四象はなく八卦でしかブーストしてこないので、八卦に封魔石の欠片を打てばよいし、仮に八卦を通されてもそれ以上の速度でブースト出来れば問題ない。 最高APが1650の一角狼なので、魔物の武具をつけてもAP2150に過ぎない。ユニット破壊も未完2枚なのでリヴァイアサンやベヒーモスで制圧するのが有力。 味方時はサポートするよりも自分のコンセプトを成立させた方がよいと思われる。 バルドル 情報:水霧魔人統一の海賊デッキ使い。 デッキ内容 ユニット(16枚) No155般若武者×3 No161海賊船長×3 No163湖の騎士ランスロット×2 No302海賊×3 No308術兵専属軍師×3 No465アーサー王×2 マジック(24枚) No103精神の秘箱×3 No113補充の水泡Lv1×3 No114ナイトの紋章×2 No144水霧の領域×2 No259ソーマの烙印×3 No404破壊石Lv1×2 No412生体転送×3 No557紅い未完石×2 No560紅い封魔片×2 No581魔人の武具×2 攻略・味方時のポイント 海賊船長、ランスロット、アーサー王など大型が多く、特に海賊船長からの連続攻撃は決められるとかなり痛い。展開の遅いデッキでは押し切られやすい。 とはいえMPブーストは秘箱のみなので、中型のブーストから普通に戦っていれば逆に大型を破壊して優位に立てる。 ただしアーサー王がいるので属性魔法系デッキは危険。自分から属性魔法を打つのは控えた方が無難。 ミリー 情報:天空魔物統一の万能デッキ使い。 デッキ内容 ユニット(18枚) No037キマイラ×2 No166羽百足×3 No172バガー×3 No173アーコル×3 No178ロック×3 No191ギガンテス×1 No471ハーピィ×3 マジック(22枚) No103精神の秘箱×3 No113補充の水泡Lv1×2 No146天空の領域×2 No259ソーマの烙印×3 No261生命の滅亡×2 No412生体転送×3 No557紅い未完石×3 No560紅い封魔片×2 No582魔物の武具×2 攻略・味方時のポイント 両統一とバガー投入により、効率よく高いAPで殴ってくる。1枚刺しだがギガンテスの存在もいやらしい。 また羽百足を出されるとユニットでの戦いにせざるを得ないので、ユニットの少ないデッキは危険。 恐らくSEでは最強。デッキに無駄なカードが少なく、未完・欠片もCPの少ない赤系で、場を制圧されるとかなり苦しくなる。 当然味方にしてもかなり強く、サポートしているだけでも勝ってくれるが、生命の滅亡の無駄打ちだけには注意が必要。 エドガー 情報:魔物統一の墓地デッキ使い。 デッキ内容 ユニット(22枚) No031魔剣蜘蛛×2 No032マーメイド×2 No038シェザー×2 No173アーコル×2 No177タランチュラ×2 No179アルラウネ×2 No315フラウ×2 No466魔物の卵×2 No470サイクロプス×2 No476妖狐×2 No479クラーケン×2 マジック(18枚) No259ソーマの烙印×2 No260降魔の蓮華門×2 No282魔物の施し×2 No410生命吸収×2 No416希望の雷×2 No435特攻の剣×2 No556蒼き未完石×2 No559蒼き封魔片×2 No577四象の篭手×2 攻略・味方時のポイント 四象+雷から生命吸収で回され、格安魔物に施しや特攻をつけて戦われると苦しくなるので、雷を止めるなり、こちらから速攻を仕掛けるなりすることが重要。 味方時は青系でのサポートや低コストの魔物で囮になってくれることを考えて大型コンボを決めに行くべきか。 ホセ 情報:古代統一の攻守変更デッキ使い。 デッキ内容 ユニット(16枚) No053幻獣王・麒麟×1 No064アイアンナイト×2 No151足軽×3 No206サイバー人形×3 No207ランスウォッチ×2 No335アークエレメント×2 No531能天使カマエル×3 マジック(24枚) No111攻撃強制の輝石×2 No259ソーマの烙印×3 No265時の砂Lv1×2 No412生体転送×3 No555緑の未完石×2 No558緑の封魔片×2 No562補充の水泡Lv3×3 No577四象の篭手×2 No590自動制御装置×3 No599古代の神殿×2 攻略・味方時のポイント 弱い。攻撃型ユニットがいないので、相方に殴らせればよいだけ。 挙句に緑系持ちな上他のマジックも腐るものばかり。 味方にしても囮にしかならないので自分ひとりで勝つくらいのつもりで。 クロード 情報:魔物中心のLP継続回復デッキ使い。 デッキ内容 ユニット(16枚) No086熾天使ミカエル×3 No151足軽×2 No181トレント×3 No207ランスウォッチ×3 No468スコーピオン×2 No471ハーピィ×3 マジック(24枚) No101癒しの聖水×3 No110守備強制の原石×3 No113補充の水泡Lv1×3 No119再生能力×2 No412生体転送×3 No433回復の魔法陣×2 No557紅い未完石×2 No560紅い封魔片×2 No578ユグドラシルの葉×2 No589エナジーブレード×2 攻略・味方時のポイント なかなか再生能力(+ハーピィ、回復の魔法陣)+トレント+ユグドラシルの葉の継続回復コンボは完成しないし、 完成されたとしてもミカエルさえ対処できればどうにかなる。封魔石Lv2で早めに崩すのもよい。 弱いランスウォッチや足軽を召喚してくるのもありがたい。 逆に味方時は弱いユニットを出すので困る。 無理に守るよりも囮になってもらって自分のコンボを通すイメージで戦うべき。再生能力や聖水で粘ってくれることも多い。 レイド 情報:火炎竜統一の万能デッキ使い。 デッキ内容 ユニット(16枚) No077皇竜バハムート×2 No215フェアリードラゴン×3 No216コエロフィシス×3 No224邪竜ファフニール×3 No364三頭の赤き龍×2 No516フレイム・サーペント×3 マジック(24枚) No103精神の秘箱×3 No110守備強制の原石×3 No113補充の水泡Lv1×3 No143火炎の領域×2 No261生命の滅亡×2 No410生命吸収×3 No423竜の手引き×2 No436勇者の剣×2 No557紅い未完石×2 No560紅い封魔片×2 攻略・味方時のポイント 三頭の赤き竜を除いて完全にAP特化型のデッキ。また赤系の未完石、封魔片や竜の手引き、勇者の剣などリスクやデメリットもあるが場やMPのアドバンテージをとれるカードが多く、相方がやられる危険はかなり大きい。 MPから動きが読みやすいデッキではあるので、計算やCPU相手の読みの練習には最適。 関連リンク CPUプレイヤーデータ _
https://w.atwiki.jp/odchange/pages/27.html
投稿日:2009/02/05(木) 「すっげーな、ここ。本ばっかりだぜ」 埃まみれの部屋でジャンが言った。 「う、うん、そうだね……」 答えるエレの声はか細く、どこか怯えが感じられる。 「ねえ、ジャン……そろそろ帰ろうよ?」 「えー何言ってんだよ。今入ったばっかじゃん」 怖いもの知らずの少年らしい強い口調だ。 棚をいじったり薬のようなものが入った瓶で遊んでみたり、 思うがままに振舞うジャンとは対照的に、 短い赤毛の少女はおどおどと兎のように縮こまっていた。 「だって……お母さんもここに入っちゃいけないって……」 「大丈夫だって言ってるだろ。魔導師の家って言っても もうここには誰も住んじゃいない。ただの空き家だ」 「……でも……」 二人は村外れの廃屋にやってきていた。 昔は名の知れた魔導師の住居だったというが、ジャン達が生まれる前に その魔導師が死んでしまったそうで、今は誰もいない廃墟になっている。 ただ、迷信に囚われている村人たちには、今でもここは忌むべき場所らしく 十年以上の間、誰も近づかないようになっていた。 そこを探検しようと言い出したのが村一番の悪童、ジャンだ。 「これ何に使うんだろうなあ……」 「ジャン~」 面白そうに室内を漁り回る少年だったが、難しい魔導の本など読める訳もなく、 置いてあった道具類も使い方がさっぱりわからず、だんだんと飽きてきた。 「うーん、家の中は一通り回ったけど……もうこれで終わりか。つまんねえの」 「ね、ほら帰ろ?」 しかし収穫ゼロで帰るのは少年のプライドが許さないらしい。 「部屋の数はそんなに多くないんだな……地下室とかないか?」 ジャンは壁や床などを調べ、隠し部屋でもないかと探す事にした。 「ねえジャン、帰ろうよ……」 「それならお前だけ先に戻ってろ。俺はもうちょい調べてく」 「一人で森の中を帰るの嫌だよう……」 「ならもうちょい付き合え」 少女にそう言い、ジャンは探索を続けた。 「ん……ここだけ壁の色が違うな……」 そろそろ夕方である。その上、森の中にあるこの廃屋は 日の光が届きにくく、二人にいっそう時の経過を感じさせた。 「ジャ~ン~……」 不安のあまり、エレは壁に手をついたジャンにもたれかかった。 すると―― ボゴッ !! 「へ?」 土の崩れる音と共に壁に大穴が開き、二人を飲み込んだ。 「うわぁああぁああぁぁっ !?」 「きゃぁああぁああぁぁっ !?」 悲鳴と共に暗闇を転げ落ちる少年と少女。壁の中は下り階段状に なっており、ジャンもエレも強かに体を打ってしまった。 「いてててて……」 ジャンはゆっくりと体を起こした。痛みはあるが大した怪我はないようだ。 「エレ、何してんだよ !!」 「えっ……あ、ごめん……」 エレの方も被害は似たようなものらしい。 二人が落ちた空間は恐らく地下室のようだ。たいして大きなものではなく、 しかもやはり謎の道具があちこちに散らばっているためかなり狭い。 本来なら明かりもあるのだろうが、今は階段の上に空いた穴から漏れる光で ぼんやりものが見える程度である。 「うーん、ここも上と一緒でよくわからないもんばっかりだな……」 「そうだね……」 試しに転がっていた細身の壷を取ってみたが、やはりただの壷にしか見えない。 「キュキュっと磨くと魔神がボワン、とか……」 「どうなんだろ……」 手拭で磨いてみたが、もちろん魔神などは出てこない。 騙されたような気分になったジャンは、壷をその辺に投げ捨ててしまった。 パリン、と軽い音がして壷が割れる。 「あっ! ……いいの?」 「いいだろ別に、ただの壷だよ。しゃーない、そろそろ帰ろうぜ」 魔導師の家だからって期待した自分が馬鹿だったのだろうか。 もっと面白い出来事を望んでいたジャンが失望した様子で立ち上がると、 「――呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン……」 エレのものではない女の声にジャンは飛び上がった。 「ひ、ひい! 誰だ !?」 「……ご、ごめんなさい、ごめんなさい……」 身構えた二人が暗闇の奥に視線を向けると、 そこにはコウモリのような人間のような、闇に溶け込んだ影があった。 「…………」 ゆっくりとこちらに近づいてくる影は、薄明かりの中で一人の女の形をとった。 歩くたびに揺れる長い金髪と豊かな胸、踊り子のように布地の少ない黒い衣装、 貴族の令嬢のように整った繊細な顔立ち、やや挑発的なつり上がりぎみの目。 その背にはコウモリのような鋭い形の翼が、耳の上にはヤギのような一対の角が、 真上に向かって生えていた。 「こんにちは、ボクちゃん達♪」 年上の女らしい優しい口調と笑みだったが、 それはどことなく獲物を見つけた肉食獣の表情を思わせた。 「…………」 二人は恐怖で声も出ない。腰が抜けて逃げ出す事もできず、 壁際まで這いずるのが精一杯だった。 「逃げなくてもいいじゃないの。ねえ?」 女は二人を捕まえると、笑みを浮かべたまま話しかけた。 「まず名前を聞いときましょうか。あなたたち何ていうの?」 「――ジャン」 「……エレ……」 逆らうのもまた恐怖に思い、やっとの事で答えた。 「そう、あたしはフレイア。淫魔のフレイアよ」 「あ……悪魔……なの?」 「そういう事になるわね。――大丈夫、殺したりはしないわ」 安心させるようにそう言うと、フレイアはジャンを抱きしめた。 「うっ……ちょっ……お姉さん……」 「久しぶりに出てきたんですもの。 可愛い子だし、楽しませてもらおうかしら」 魔族の女は香水でもつけているのか、とてもいい香りがした。 そばにいると何だか体が熱くなってくるような……。 「じゃあまずはキスからね」 言うと同時に少年の唇に吸い付くフレイア。 そのまま舌で歯をこじ開け、少年の未開の口内を存分に蹂躙する。 「はむ……ん……ぬぷ……む……」 ジャンは女の唾液を気持ち良さげに飲み込む。 既にその目はトロリとしており、理性が半ば溶けつつあるようだ。 「ん~、ちょっと刺激が強すぎたかな?」 「ジ、ジャン……」 「ごめんねエレちゃん。先にこのコをヤっちゃうから、後で3Pしようね」 フレイアはそのままジャンのズボンを脱がせ、下半身を丸裸にしてしまった。 発展途上の小ぶりな肉棒だが、しっかりと自己主張をしている。 久しぶりに見るジャンのものに、なぜかエレも恥ずかしくなって顔を赤らめた。 「ちょっと小さいけど元気バツグンね! 将来が楽しみだわぁ♪」 嬉しそうに笑うと、淫魔は少年の肉棒にそっと舌を這わせた。 「あっ……!」 「――ふふ、気持ちいい?」 丹念に嘗め回したり、棒に口付けしてみたり、袋を一舐めしてみたり。 優しく弄ぶようなフレイアの舌技に、ジャンは快楽のまま流されるばかりだ。 「……う、ああ……ぐっ !!」 やがて皮が剥かれ、尿道まで舌先が入ってきても痛みは感じなかった。 ただ、もっともっとと欲望が湧き上がるだけ。 「……あ、ああ……あぁあぁあ……」 「へえ、なかなか辛抱強いじゃない。じゃ、これはどうかな?」 手も使ってますますエスカレートするフレイアを、エレは横でじっと見ている。 「――ジャン……」 その口調に心配する様子はあまりない。 むしろ引き締まった口元と赤く染まった顔が、少女の別の感情を物語っていた。 (……気持ち良さそう……あたしも……ジャンと……) なぜ自分を放って、彼はこんな女とくっついているのか。 それも、自分が見た事のないほどの悦びを顔一杯に浮かべて。 今までずっと一緒にいた自分こそが、ジャンにああする資格があるはずだ。 まだエレは自慰もした事がなかったが、彼が望むなら何でもしてやろうと思う。 そう考えると、エレはこの淫魔が憎くなってきた。 「――だめぇ……ジャンは……あたしが……」 何とかジャンの体に触れようとするが、フレイアにはねのけられた。 「ダーメ、今は私の時間なんだから。もうちょい待ってね♪」 年端もいかぬ少女と人外の淫魔では勝てる訳もなく、 エレは再び横からフレイアのフェラチオを眺めるしかなかった。 「うぅ……やだよぅ……ジャン……」 半泣きになって小さくうめくエレ。 (何か……武器、みたいなの……) へたり込んだまま手を動かすと、一本の棒が手に当たった。 細身だが握りやすい棒で、両端に取っ手のような飾りがついている。 こんなので悪魔がどうにかなる訳もないが――。 エレは力一杯、棒を女の背中に叩き付けた。 棒は中ほどから真っ二つに折れたが、淫魔にはさしたるダメージもないようだった。 「! ……痛いわねぇ」 「――あ、ご、ごめんなさい……」 慌てて放り投げられた棒の残り半分が、部屋のガラクタの中に転がってゆく。 フレイアはおびえた表情でエレを見返し。 エレは子供を叱る母親のようにフレイアをにらみ。 『……え?』 二人同時に素っ頓狂な声を上げた。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「わ、私?」 「……あたしがいる……? !! ……ご、ごめん、ジャン」 淫魔は恥ずかしそうに少年の上から身を引き、床に座ったまま 同じようにこちらを見つめている少女と向かい合った。 「どうなってるの? コレ」 エレは自分の体を触り、人間の子供になってしまったのを理解した。 代わりにこの体だった少女が、自分の淫魔の体になっているようだ。 「……わ、わからない、けど……」 先ほどまでの余裕に満ちた挑発的な態度はどこへやら、フレイアは おどおどと自信のない様子で自分の豊満な肉体を見下ろしている。 「あたし……悪魔さんになってる?」 「何をしたかわからないけど、体が入れ替わっちゃったみたいね……」 エレはため息をついた。 今の自分はただの無力な人間の女の子でしかない。その事実に顔を歪める。 「元に戻しなさい、って言ってもダメでしょうね……」 「あ――そ、そうだ……」 フレイアは何かを思いついたように立ち上がると ジャンをかばうように、自分のものだった体に向かって言った。 「も、もうジャンに変なコトしないで!」 「エ……エレ? どうなって……」 後ろのジャンに話しかけようとして、背中の黒い翼の感触に戸惑う。 「ひどいコト、ねえ……」 少女は淫魔を見上げて平然と言った。 「別にこんなの、恋人なら誰でもやってる事でしょ? 私は淫魔なんだから、恋人じゃなくてもヤるのが当たり前だし」 「な――」 「ほら。あなたも私の体になったんだから、わかるはずよ。 体中がウズいてウズいてたまらないんじゃない?」 「そんなわけ……」 フレイアは否定しようとしたが、エレの言葉は止まらない。 「ほら見てよそのデカパイ。乳輪もでっかいし真っ黒だしエロいわねぇ。 乳首もビンビンに立ってるじゃない。ミルク出てきちゃいそう。イヤらしい」 「やめて――」 「全身汗ばんでて、息もハァハァって発情しまくってるわよ。 下のお口なんてもうビショビショ。ほら見て、汁垂れてるじゃない。サイテー」 やめろやめろやめろ――。 そう言いたかったが、エレが一言口にするたびに体が反応してしまう。 相手の言うとおり、フレイアの淫魔の体は既に発情してしまっていたのだ。 久方ぶりに発揮された淫魔の本能を、幼い少女の精神で抑えられるはずがない。 「ああ……」 とうとうフレイアはくずれおち、ジャンの前に膝をついてしまった。 勝ち誇るように邪悪な笑みを浮かべたエレが、それを楽しげに眺めている。 「――エ、エレ……?」 「ジャン……」 少年を見つめる淫魔の瞳。 それは既に愛欲に支配された雌の眼差しだった。 「ほら、早くそのおちんちんをくわえなさい。その子も楽しんでたんだから」 先ほどの淫行でジャンはすっかり動けなくなっており、 半裸で肉棒を硬く立たせたまま放置されていた。 「や……やっぱり、エレ……なのか?」 「ジャ、ジャン……あたし、変なの……体が熱くて、もじもじってなって……」 フレイアはもはや恥じらいもなく、ジャンの下半身に覆いかぶさった。 「エ、エレ……やめ……」 「ここ、おしっこするところだよね? なめても汚くないのかな……」 先刻とはうってかわってたどたどしく、淫魔の口が肉棒をなめる。 その横では楽しくてたまらないという顔の少女がアドバイスを始めていた。 「いい? 皮を剥いて、ここが亀頭……ほら、なめてみなさい。 歯をたてちゃダメよ。優しく優しくなめてあげるの」 「ん……ちゅぱ……」 「タマタマへの刺激も効果的よ。もったいぶるように…… そうよ。ちょっとぎこちないけど、まあいいわ」 お手本を見せてあげる。少女の巧みな言葉に席を空ける淫魔。 「……うっ……あ、エレ……? ど、どっちだ……?」 「そう、私がエレよ。気持ちいいでしょ? うふ♪」 ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染が、大人顔負けの 卓越したテクニックで自分のソレをなめ回している。 今まで何とか耐えてきたジャンだったが、これにはもうたまらない。 「あぁあぁっ…… !!」 我慢できずに、エレの顔に盛大に出してしまった。 「あは♪ 何年ぶりの精液かしら……」 エレは至上の喜びを満面に浮かべ、自分の顔をなめ回す。 その様子からは内気な大人しさなど、欠片も感じられない。 横ではフレイアが驚いた様子で、飛び散った白い汁を眺めていた。 「何これ……おしっこ?」 幾多の男の精を吸い尽くしてきた淫魔のセリフとしては全く不適切だろう。 「これはね、精液って言って、赤ちゃんの素になるの」 「え、赤ちゃん? これで赤ちゃんできるの?」 少女は微笑みながら、淫魔に丁寧に解説してやった。 「そうよ。おちんちんを女の人のお股――おまんこっていうんだけど―― に入れてかき回して、今の精液をたっぷりと入れてあげたら 赤ちゃんができて、女の人は妊娠するの」 「おまんこって……おしっこするところ?」 「少し違うわ。正確には別の穴。 あなた、ちょっと後ろ向いてお尻出してみなさい」 う、うんとうなずき、フレイアはうつ伏せから 尻を突き出すような格好でエレとジャンに向けた。 「ジャンも見てみなさい。ここがおまんこ」 「……なんか、毛がぼーぼーで訳わかんない」 「ぼーぼーで悪かったわね。いいから指入れてみなさい。私が許したげるから」 尻込みするジャンを横目に、エレは小さな手をフレイアの秘部に這わすと 汁が滴っている淫唇に二本、指を突っ込んだ。 「――はぁあぁぁっ !?」 「どう、このコの反応、すごいでしょ? 女の人はね、ここにオチンチンを入れられるのが最高なのよ」 「……う、うん」 「ここ――クリトリスって言うんだけど――も重要ね。 ただの小さなお豆に見えるけど、あなどっちゃいけないわ。この効き目ったら」 「ひぁああぁっ !!」 「肛門――アナルも場合によっては大切よ。 訓練次第では前よりも感じる事も可能だから、汚いと思わないでね」 「ぁあぁあああぁっ !!」 淫魔の性的快楽は人間の比ではない。まして自慰も知らぬ少女の心である。 数分間の手淫が、フレイアには数時間にも感じられた。 「――そろそろいいかしら」 「……ま、まだ何かするのか?」 ごくり、とつばを飲んで問いかけるジャン。 エレの講義によって肉棒はもうガチガチで、先走り液がじわりと漏れている。 「……何言ってるの。あなたのチンポをここに入れてやるのよ」 「えぇっ !?」 「さっきも言ったでしょ、赤ちゃん作る方法。 私たち淫魔にはそれが養分として必要なのよ。ほら、早くしなさい」 エレはジャンの腰を立たせ、後ろからいきり立った少年のものを握り締めた。 そしてそれを、尻を突き出したままうつ伏せになっているフレイアへと導く。 「はい、準備OKね♪ それじゃ、思いっきりいけぇ !!」 肉棒が勢いよく淫唇に突き刺さり、淫魔は悲鳴をあげた。 「どう、気持ちいいでしょ? ほらもっと腰を動かす!」 エレは乱暴に少年の腰をつかみ、前後にピストン運動をさせた。 ぶちゅっ……じゅ……ぶちゃっ…… 汁で溢れていた結合部から、動くたびに激しい音が漏れる。 「俺……お、おまんこの……中……入ってる……」 ジャンは初めて味わう快楽に夢中で、 交わっている相手がエレなのかフレイアなのかも忘れていた。 本能のままに腰を振り、自分のもので肉壷をかき回す。 一方、フレイアも淫魔としての初めての交わりに理性が飛んでいた。 少年の小ぶりな肉棒が自分の中を前後に、左右に、上下に動くたび 涙と共によがり声が、普段当たり前のように口をついて飛び出してくる。 「……ひぁ……あぁ……ふぁあ……ぁあ……ひぃ……」 ――いい。すごくいい。 これほどまでの快感が得られるなら、もうどうなってもいい。 自分が人間であった事など忘れ、最初から淫魔だった気すらしてくる。 翼と角を生やし、男をだらしなくくわえ込む自分の方が正しいと思えてくる。 「……イイわね、その顔。すっかりサキュバスじゃな~い。 イヤらしい表情で、よだれなんて垂らしちゃって……。 入れ替わる前はただの子供だったのに、今じゃ淫乱な雌そのものね」 自分だった体の言う事が否定できなくなる。 欲望のままに、自分の体よりはるかに小さな少年をくわえ込んで離さない。 体が求めているから。本能が求めているから。 今の自分は淫乱な悪魔だ。少年と仲の良い友達では、もはやない。 この肉棒を貪るために自分は生きているのだ。 「いぃ……いぃ……これ――がっ !! いいのォ !!」 何かに突き動かされるように、淫魔の性感は絶頂に達した。 それと共に、ずっと淫魔の膣内で射精を我慢していた――いや、 我慢させられていた少年も、やっとの事で精の汁を撒き散らした。 「――あぁ……」 力尽きたように、並んで床に横たわるフレイアとジャン。 仲良く抱き合って失神するその姿は、親子のようにも思われた。 そして、それを見て複雑な表情をしている少女が一人。 「……はあ、数え切れないほどの男をモノにした私の体が、 童貞少年と一緒にイっちゃうなんてね……情けない」 中身は性技を極めた淫魔とはいえ、まだ生理もあるか疑わしいような 幼い少女の体では、何もできないに等しい。 「早く私の体を取り返さないと……」 エレは薄暗い地下室を少し調べてみたが、 ガラクタが多すぎて元に戻れる魔具がどれなのかわからない。 「あの魔導師から聞いとけばよかった……」 ここに住んでいた魔導師は十年以上前、眠りについていた彼女を起こし 自分の使い魔にしようとしたのだった。 魔導師らしくかなりの強敵だったが、性技と誘惑の限りを駆使して 何とか生命力と魔力を吸い尽くし返り討ちにした。 これでまたしばらくは眠れると思ってたのだが―― まさか、この子供たちのせいでこんな事になろうとは思ってもみなかった。 「起きてから聞いてみるしかないか……」 もう日も沈む。薄暗かったこの部屋も、夜になれば真っ暗になるだろう。 自分の体なら暗闇でも見えるのに―― そう思いながら、エレは灯りを探しに部屋の外に出た。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「え゙……」 明かりの灯った地下室で、エレは声ならぬ声をあげた。 ジャンもフレイアも目を覚まし、三人で座り込んでいる。 「これ……が、原因……?」 エレが手に持っているのは、飾りのついた棒のような道具である。 半ばほどで真っ二つに折れ、ただのガラクタでしかないようだが――。 「それでフレイアさんを叩いたら……折れちゃって。 その時……だと思います。あ、あたしとフレイアさんが入れ替わったの」 フレイアが怯えた様子で少女に言う。 原因はここの魔導師が作った魔具らしい。 エレの見たところ、生物の魂を入れ替えてしまう効果があったようだ。 しかし、こうも見事に折れていては、もう使えないだろう。 「じゃ、じゃあ……これが使えないと、私はずっとこのまま……? 人間なんかになって……数十年で死んじゃうの……?」 あまりのショックだったのだろう。エレは気絶してしまった。 「フ……フレイアさん! しっかりしてください!」 「あ、あたしも……このままずっと、この体……? こんなツノ生やして、羽パタパタってして、寒いカッコして、 悪魔のままでずっといないといけない……の?」 一緒に白目を剥いて失神するエレとフレイアを、 ジャンは必死でなだめすかす事になった。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 十年後――。 よく晴れた昼間、村の牧場で羊を世話する若者がいた。 そんな彼の元に荷物を届けにくる若い女。 「――もう、お弁当忘れるなっていつも言ってるじゃない」 「ああ。ごめん、エレ」 笑って礼を言う若者を見て顔を赤らめる女。 どうやら二人は夫婦、それも結婚して間もない新婚のようだ。 「それでね、セーラったら……」 「あははは……そりゃすごいな……」 他愛無い話で笑う二人のところに、もう一人、女が現れた。 二人は女を見て、微笑みながら頭を下げる。 「こんにちは、シスター」 「こんにちは」 黒紫の地味な修道衣、頭にかぶったヴェール、首にかけた十字架。 村の小さな教会にいる、唯一のシスターだった。 「今宵も礼拝があります。ぜひお越し下さい」 シスターの言葉に賛意を示す二人。 「そうでしたか。では喜んで」 「二人で参りますわ、シスター」 修道女はうなずくと、若夫婦に見送られ牧場を後にした。 夜の教会。 大きくもない礼拝堂の奥の、もっと小さな控え室で、女が向かい合っていた。 片方は牧場の若い嫁。もう一方は教会の修道女。 修道女はヴェールと衣服を脱ぎ捨て下着姿になった。 そして微笑み続ける牧場の女に近づき、至近からにらみつける。 ただの人間にはわからないが、その視線には強力な魔力が込められていた。 「……あんた…… !!」 全てを思い出したように、女の目は憎々しげにシスターを見ていた。 「いつまで私を人間のままにしとくつもり !?」 「……何を焦ってるの。まだ10年でしょう、たったの」 上級悪魔たる淫魔にとって10年なんて一瞬でしょ、とシスターは言った。 「あんたが私の体を返さないから……人間のままでいなきゃならない !!」 「仕方ないでしょう。戻り方がわからないんだから。 あたしもすっかりこの体に馴染んじゃって。色んな事ができるわよ、ほら」 修道女が瞬きすると、その体には角と翼が生え、悪魔の姿になっていた。 「私の体ぁっ !!!」 女は飛びかかろうとしたが、淫魔の魔力によって完全に動きを封じられている。 「仕方ないから、あなたには『エレ』の役をやってもらっているわ。 魔力で心を支配してるから、あたしがこうやって許可するときしか 『フレイア』だった時の記憶は思い出せない。そうでしょ?」 「私は……悪魔フレイアよ !!」 「そうかしら? ……ほら、あたしが見つめるだけで――」 悲鳴も空しく、淫魔が数瞬、視線を合わせるとエレは目の光を失った。 そして虚ろな口調で言葉をつむぎ出す。 「あたしは……エレ……」 「そうよエレ。目が覚めた?」 「シスター……ジャンは……どこですか?」 「ジャンならそこで寝てるわ」 フレイアが指した先、部屋の隅には、ジャンがぐったりとした様子で座り込んでいる。 「ジャン、起きなさい。エレが迎えに来たわよ」 「う……すみません、シスター」 同じく虚ろな瞳で答えるジャンに、フレイアは深く接吻を交わした。 奥まで舌を絡ませ、互いの唾液を思うがまま貪り合う。 その下ではエレがジャンの肉棒を取り出し、待ちきれない様子で口に含んでいた。 「先にあたしがするわ」 「はい、どうぞシスター」 角と翼の生えたシスターに場所を譲り、エレはそばにへたりこんだ。 フレイアは妖艶は笑みを浮かべつつジャンの上にのしかかる。 「はんっ……ん……あ……ジャン……」 3回ほど中に出させておいて、やっとシスターは若妻に夫を返してやった。 今度はジャンがエレの上に馬乗りになって激しい交わりが行われる。 「うっ……あ……エレ……」 「はあっ……ふ……う……ジャン……もっと……」 その様子を満足そうに見つめる淫魔フレイアが、エレの耳元で囁いた。 「今のあたしは――子供、産めないから……あなたに産んでもらわないと…… そうして、あなたとジャンが年を取って死んだら…… あたしは思い残す事なく別の場所に行くわ」 だってあたしはもう淫魔『フレイア』なんだもの。 そう言い残し、淫魔のシスターは礼拝堂に入った。 中には村の若い男が何人も集まり、シスターを待っている。 「今宵も礼拝を……皆で祈りましょう」 声と同時に獣と化した男たちが淫魔に襲い掛かった。 今夜の礼拝は、まだ始まったばかりである。
https://w.atwiki.jp/odchange/pages/244.html
「どうだい? あたしの体、見事なもんだろう」 そう言って誇らしげに裸体を晒すドレッサから、マイクは目が離せなかった。 「ほ、本当に……若い女の体になっちまったのか」 マイクは震える声で言うと、長年連れ添った妻の肌に触れた。しなやかな肢体にはほどよく筋肉がつき、若さゆえの弾力が感じられた。本来のドレッサの体ではありえない感覚だ。 マイクは動揺を抑えるために呼吸を整えると、再び妻の姿に目をやった。そこにあるのは、不健康に肥え太った中年女の体ではない。細い手足と腰を備えた、十代後半の少女の身体だった。 その瑞々しい娘の体に、ドレッサの丸顔の頭部だけが載っているのだ。何度見ても信じられない光景だが、間違いなくこれは現実だった。 「あんた、大変だよ。あたし、こんな体になっちまった」 夕方、花売りの商いを終えて帰宅したドレッサは、そう言って、自分が着ている派手な赤い衣をマイクに見せつけた。 明らかに市井の庶民が身に着ける服ではなかった。マイクは記憶の引き出しの中から、それに似た衣装を探し出した。王侯貴族に仕える魔術師の衣だ。 「なんだ、お前、その格好は……」 変貌したのは服装だけではなかった。マイクに匹敵するほど肥えていたドレッサの体は、今や別人のように細く、きゃしゃになっていた。 五十女の顔に不釣り合いなしなやかさと瑞々しさを持ったその肢体は、宮廷魔術師カリオストロの娘、ジェシカのものだった。 肉体交換の魔術が暴走したせいで、ドレッサの頭部は胴体を離れ、代わりにジェシカの体と結合してしまったのである。 「花売りの商売が終わって帰ろうとしたら、お城勤めの女魔術師があたしの前にやってきてね。それからのことはよく覚えてないけど、気がついたら、あたしゃ、この体になってたんだ。この体、きっとあの女のものに違いないよ。ひょっとしたら、魔法で首から下を取り替えたんじゃないかね? だって、この細い腕も腰も、服装だって、あたしのものとは全然違うんだからさ」 ドレッサの話は、マイクにとってとても信じがたい内容だったが、こうして女魔術師の体になった妻の姿を目の当たりにすれば、信用するほかない。 ドレッサの体は、若く闊達な少女のものになってしまったのだ。 「体が入れ替わった、と言われてもな……。その魔法使いの姉ちゃん、どうしてお前なんかにその体を寄越したんだ?」 「さあ、知らないねえ。やけに慌ててたみたいだけどさ。それより、あんた……」 にわかに赤い衣を脱ぎだした妻の姿に、マイクは度肝を抜かれた。 「お、お前、何する気だ !?」 「何って、決まってんじゃないのさ。こんなに若くて綺麗な体になったんだ。いろいろ試してみなきゃ、損ってもんじゃないかね」 ドレッサは悪びれる様子もなく、全ての衣類を脱ぎ捨て素裸になった。 「ほら、あたしの体をよくご覧よ。なかなかだと思わないかい? この綺麗な体があたしのものなんだよ。とってもいい気分さね」 細い腰に手を当て、マイクに色目を使うドレッサ。彼女は事態の原因や解決よりも、新しい自分の体の方に興味があるようだった。 「やめろよ。妙な気分になっちまうだろう」 「ふふふ、さすが若い女の体だよ。もうおったててる。こんなに元気なあんたを見るの、何十年ぶりだろうね」 にやにや笑うと、ドレッサは夫の股間に手を伸ばした。こんな異常な状況にも関わらず、マイクのものは既に硬くなっていた。 「おい。いいのかよ……よくわかんねえけど、それ、ひとの体なんだろ?」 「構やしないさ。あの女、見るからに高慢ちきでいけ好かなかったからね。あの女の体をあたしが好き勝手に動かしてるって思うと、笑いが止まらないよ」 自らの胸を両手でまさぐり、ジェシカをせせら笑うドレッサ。自分たちを襲ったアクシデントを楽しんでいるようだった。 「へへへ……まあ、いいか。据え膳喰わぬは何とやらって言うしな。それにしても、この体、とびきりの上玉じゃねえか。なんてついてるんだ、俺は」 形のいい乳房をわしづかみにして、マイクは下卑た笑い声をあげた。彼もドレッサが譲り受けたジェシカの体に興味津々だった。 本来ならば彼が近づくことすらかなわない、地位も才能もある女魔術師の体。その体は今、マイクの妻である中年女の所有物となって、思うがままに弄ばれていた。 「ああ、いい心地だよ。肌も張りがあって、あたしのとは全然違うね」 「まったくだ。いい乳だぜ。もうちょっとデカい方が、俺の好みだけどよ」 などと勝手な感想を述べると、ドレッサを粗末なベッドに押し倒す。 少女の清い体は自ら腕を広げ、出会ったばかりの中年男を抱きしめた。 狭い部屋の中に明かりはなく、街灯の光が窓からわずかに差し込んでくるだけだ。そんな暗い室内で、マイクは久方ぶりに妻を愛撫し、乙女の性感帯を開発した。 「この肌、シミひとつねえじゃねえか。くうっ、たまんねえ」 ドレッサの肌を舐め回し、各所に唾を塗りたくるマイク。健康な十七歳の少女の体は、父親ほども歳の離れた男の餌食と化していた。 「ひひひ、だんだん気持ちよくなってきたよ。あんまり経験がないみたいだね、この体は」 夫に陰部を見せつけながら、ドレッサが元の身体の持ち主を嘲弄した。他人の体で淫らな行為にふけることで、倒錯的な興奮を覚えているのだ。 「そうか、良くなってきたか。それじゃ、そろそろお待ちかねだぜ」 マイクも高揚した声で言った。顔は確かに中年の妻のものだが、その首から下は華やかな乙女の体である。醜い妻ではなく若い美女を抱いている気分だった。 ドレッサの細い腰を背後から抱え、犬のように四つん這いにする。 大きく膨れた一物をドレッサの尻にあてがうと、未だ開いたことのない女の扉をこじ開けにかかった。 たび重なる前戯で、入り口は既に充分な湿り気を帯びていたが、それでも処女の内部が窮屈なことに変わりはない。ジェシカのものだった膣は、初めての侵入者を強く拒んだが、それもはじめだけだった。マイクがぐいと押し込むと、やがて圧力に負け、しぶしぶ彼のものを受け入れた。 「う、ううん……い、痛い。やっぱり生娘だね。ここんところがジンジンするよ」 「うへへ、狭いな。おっ、見ろよ、血が出てやがる」 結合部から一筋の赤い雫が垂れているのを見て、マイクは歓声をあげた。 十七年間ジェシカが守り続けた処女は、あっさりと失われた。 ジェシカの代わりに二度目の破瓜を体験したドレッサは、身を縮めて痛みに耐える。 処女だからといって、興奮しきったマイクは容赦しなかった。限界まで入れたところで戻り、規則正しい抜き差しを開始する。硬度も活力も欠いた中年男のペニスが、若い膣内を蹂躙した。 「へへっ、この締めつけ、たまんねえな。食い千切られそうだ」 「あ、あんた、もうちょっとゆっくり……ひいっ、激しいっ」 「何を言ってやがる。こんなにいい女の体を犯してるんだぞ。我慢なんかできるかよ」 すっかり有頂天になったマイクは、執拗にドレッサの中を往復して愉悦に浸った。ドレッサが抗議してもお構いなしだ。獣さながらの荒々しさで妻を犯した。 一方のドレッサは、はじめこそ大げさに苦しんでいたものの、マイクの強引さに観念したのか、途中から夫に素直に身を委ねるようになった。痛みに慣れてきたのかもしれない。 「ああっ、いい、いいよ。だんだん良くなってきた。おっ、おおっ」 「なんだ、さっきまで生娘だったくせに、もう感じてやがるのか? ふしだらな女だぜ」 ドレッサの尻を押さえて激しく突くと、女魔術師の細い腰がくねり、マイクを誘惑する。親子ほども歳の離れた少女の体が見せる痴態に、ますます気分が高揚した。 やがて、下腹に湧き上がった衝動に、マイクは己の限界を悟った。 「もう我慢できねえ。おい、お前、出すぞ」 「え? あ、ああ……」 ドレッサは承諾とも拒絶ともつかない声で応えた。余裕を無くした妻の体を力いっぱい押さえ、マイクは牡の欲望を解き放つ。 「うお、うおおっ、出るっ」 久方ぶりの射精だった。マイクの先端から噴き出した熱い樹液が、膣内に打ちつけられた。 「ああっ、出てる。中に染みる……」 「ふう……たっぷり出た。最高だったぜ」 マイクは大きく息を吐き、満足してその場に横になった。 ペニスが引き抜かれたドレッサの膣口から、血と体液の混合物がこぼれてきた。ジェシカのものだった身体は元の所有者が気づかぬうちに純潔を散らされ、見知らぬ中年男の子種を植えつけられたのだ。 ひょっとしたら、妊娠してしまうかもしれない。 だが、ドレッサもマイクも、子供ができる可能性などまったく気にしていなかった。 「す、すごかったよ、あんた。こんなに激しいのは初めてさ」 上気したドレッサが、マイクにすがりついてきた。新しい身体で味わう性交は、彼女にとっても満足のいくものだったようだ。 「おう、お前も楽しめたか。そりゃ良かったな」 「ああ、はじめはちょっとばかし痛かったけど、慣れたらなかなかだね。これなら、あんたをもっと喜ばせてやれそうだ。気に入ったよ、この体」 「そうか。その体をくれた姉ちゃんに、感謝しなくちゃいけねえな。へへへ……」 火照ったドレッサの肌を馴れ馴れしく撫で回し、マイクは下品な笑声をあげた。 歳をとった妻を相手に、このような素晴らしい体験ができるとは、夢にも思わなかった。何度も何度もドレッサの艶やかな肌に口づけながら、彼は神に感謝した。今まで信仰心など欠片もなかったが、これからは毎日教会に行き、ひざまずいて感謝の祈りを捧げてもいいと思った。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 作業の手を止めて外を見やると、もう暗くなっていた。もう店じまいの時間だ。ロイは修理の終わった靴を片付け、店を閉めようと外に出た。 夕暮れどきの冷たい風が頬を撫で、鼻をくすぐる。昼間は随分と暖かかったが、日没と共に急に冷えた。 「ステファニー、どうしたんだろう。やけに遅いな」 ロイは愛する妻の名を口にして、自分の店の前の通りを見渡した。 彼の妻であるステファニーは昼過ぎ、市場まで買い物に出かけた。 出産も近い妊婦がひとりで外出したり、家事に勤しんだりするのを、ロイはかねてから快く思っていなかったが、ステファニーは働き者だ。家でじっとしているのが嫌だと言って、妊娠する前と変わらない扱いを要求した。 そんな二歳下の新妻のわがままを、ロイは仕方なく聞き入れ、いつものように外出を許した。 だが、今日はどうしたことか、いまだステファニーは帰ってこない。普段ならば、とうに帰宅して夕食の支度をしている時間だった。 「心配だな。何ごともなかったらいいんだけど……」 妻思いのロイは不安を募らせ、何度も店を出ては、暗い通りに目をこらした。ぼんやりした魔術の灯りが照らす街角には、人の姿はない。 肌寒い夜の街を見張りながら、ロイはひたすら新妻の身を案じた。 「大丈夫だろうか、ステファニー。早く帰ってきてくれ」 神に妻の身の安全を祈っていると、曲がり角の向こうから白い人影が現れた。 「あれは、ステファニー……じゃないな。あんな格好じゃない」 ロイは遠目にその人影を観察したが、どうやらステファニーではないようだ。人影は随分と小柄で、袖や裾の長い、白いドレスに身を包んでいた。 どこかの令嬢なのだろう。成人の体格ではない。まだ幼い少女のようだった。 明らかに妻ではない。ロイはうつむいて嘆息した。身重の妻のことが心配で仕方なかった。 「ああ、ステファニー。どこに行ってしまったんだ? 早く帰ってきておくれ」 「ロイ……」 「ステファニー !?」 すぐ近くから自分の名を呼ぶ声に、靴屋の倅は飛び上がった。顔を上げると、先ほどの白いドレスの少女が、ロイの目の前に立っていた。 ロイは驚愕し、ついで弾けるような笑顔になった。眼前の白いドレスの女の顔は、彼の妻、ステファニーのものだったからだ。 「おかえり、ステファニー! 遅かったじゃないか、心配したよ! 今までどこに行ってたんだい? そのドレスはどうしたの? とにかく、寒いから中に入ろう。お腹もぺこぺこだよ」 感激して夫が次々と浴びせかける言葉に、ステファニーは応えない。じっとその場に立ち尽くしていたかと思うと、突然、火がついたように泣き出した。 「ロイ、私、私……うわあああんっ」 「どうしたの、ステファニー。何かあったの?」 「ごめんなさい。私、あなたの赤ちゃんをなくしちゃった。うわあああん……」 涙を流してすがりついてくるステファニーの背丈は、子供のように小さい。ロイは疑問に思った。ステファニーの身長は、もっと大きかったはずだ。 それに、白いドレスを身に着けた妻の体は、とても妊婦のものには見えなかった。抱きついてくる妻の腹をそっと撫でる。出かける前は大きく膨らんでいたはずのステファニーの腹部は、明らかに平らになっていた。 「このお腹、それにこの服……ステファニーの体、どうしちゃったの?」 「ご、ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい……」 ステファニーは青ざめた顔で、謝罪と号泣を繰り返す。赤子のように泣き続ける妻の姿は、もうじき母親になる二十歳の新妻のものとは思えないほど幼かった。 「それで……いったい、何があったんだい?」 店の奥にある寝室で、ロイはステファニーに訊ねた。 下を向いて立ちすくんだ妻の背丈は、ロイより頭二つ分も小さい。本来ならば、もっと上背があるはずだった。 新たな命を宿した孕み腹はおろか、長い脚や豊満な乳房も何処かへ消え失せ、どう見ても子供の体格になっていた。それも、白いドレスの令嬢だ。 きゃしゃで小柄な体型とは裏腹に、顔や髪は日頃のステファニーそのままだった。 まるでステファニーの首から下の身体だけが、子供になってしまったかのようだ。 夫の問いに、ステファニーは心底困り果てた様子だった。 「それが、私にもさっぱりわからないの。買い物をして帰ってきたら、途中、白いドレスの犬が私に飛びかかってきて、気がついたらこんな格好に……」 「ドレスの犬? 犬が人間のドレスを着てたっていうのかい。そんな馬鹿な」 ロイは呆れて首を振った。とても信じられない荒唐無稽な話だった。 「でも、本当なの。茶色い顔の犬が、人間みたいにドレスを着ていたの。手足だって人そっくりだったわ。ああ、そういえばあの犬の格好、今の私によく似てたわ。あの犬、本当に犬だったのかしら……」 「よくわからないけど、とんでもない事件に巻き込まれたみたいだね。でも、僕は嬉しいよ。君がちゃんと帰ってきてくれたから」 「ごめんなさい、ロイ。何が何だかさっぱりわからないけど、私、大事な赤ちゃんをなくしちゃった。もう、私の体に赤ちゃんはいないわ……」 ドレスの上から己の平坦な腹を撫で回し、再び涙を流す妻を、ロイは強く抱きしめた。 「いいよ、ステファニー、気にしないで。僕はただ、君が無事に帰ってこれただけで満足してるんだ。赤ちゃんがいなくなっちゃったのは寂しいけど、大丈夫。また産めばいいさ」 「ロイ……ううっ」 ステファニーは夫の腹に顔を埋め、嗚咽した。 「明日、日が昇ったら、父さんたちでもお役人でもいいから、相談に行こう。きっと何とかなるよ。だからもう泣かないで、僕の可愛いステファニー」 「ロイ……お願いがあるの。聞いてくれる?」 ステファニーはロイの体から離れると、夫の顔を見上げて訊ねた。互いの身長差を実感しながら、ロイは「何?」と訊き返す。 「今の私の体を、よく調べてくれないかしら。私、自分の身に何が起こったのか知りたいの。そうしないと、死んだ赤ちゃんだって可哀想よ」 と言って、ドレスの袖から腕を引き抜くステファニー。いかにも高価そうなドレスだが、ところどころ泥にまみれ、黒く汚れてしまっていた。 「いいよ、僕が調べてあげる。それに、脱ぐのも手伝わないとね。そのドレス、どうやら一人じゃ着たり脱いだりできないみたいだから」 「それにしても、どうして私がこんな高級なドレスを着ているのかしら? このネックレスの宝石だって、すごく大きいわ。きっと本物よ、これ」 「まるでお姫様みたいだね。よかったじゃないか。君は子供の頃から、お姫様に憧れていただろう?」 「もう、冗談はよして。私はもう子供じゃないわ」 ステファニーはロイに抗議したあと、ようやく笑顔を見せた。ロイはそんな妻のドレスを脱がせ、露になった裸体をじっくりと観察した。 「うーん……やっぱり、いつものステファニーとは全然違うね。まるで小さな女の子みたいな体だ」 ドレスの中から現れたのは、明らかに二十歳の妊婦の体ではなかった。せいぜい十二、三歳の少女の肢体だ。腰は細く、乳房の膨らみは非常に乏しい。 子供の頃の妻の姿を思い出し、ロイは目を細めた。 「でも、顔は元の私のままなのよね?」 「うん、そうだよ。顔はそのままなのに、首から下だけが子供みたいに縮んじゃってる」 「いったい私の体、どうなってしまったのかしら……」 ステファニーは途方に暮れたが、いくら考え込んでも答えは出ない。陰毛すら生えていない自分の股間を見下ろし、暗い顔で嘆息した。 「やっぱり、私たちの赤ちゃんはいなくなっちゃったのね。最近はお腹の中で暴れるくらい、大きく元気になっていたのに」 「でも、流産にしては変だよ。ただの流産だったら、君の体がこんな風になるわけない。それに、血もいっぱい出るんじゃないかな」 「そうね。ああ、どうしたらいいの? こんな子供みたいな体になってしまったら、あなたの赤ちゃんを産めないわ……」 「落ち着いて、ステファニー。ほら、泣かないで」 目を潤ませるステファニーを、ロイは優しくなだめた。 「昔から君は泣き虫だったね。お母さんに叱られたとか、友達と喧嘩したとかいっては、泣きながら僕のところにやってきたものだったっけ」 「う……子供の頃の話はやめてって言ったでしょう」 「でも、今の君の姿を見てると、あの頃を思い出すよ。泣き虫の君のことを、僕はいつも、こうして慰めていたよね」 微笑みを浮かべて、ロイはステファニーの身体に触れた。 「ああっ、そんなところ……」 一本の筋にしか見えない股間の割れ目を指でなぞると、繊細な肌が震えた。二度、三度と入り口をくすぐり、膨らみかけのささやかな乳房に手を伸ばした。 「駄目よ、ロイ。こんなときに……あっ、あっ」 「敏感だね。こんな非常時だっていうのに、感じてるんだ」 ロイはステファニーをベッドに寝かせ、王女のように無垢な妻の裸体を愛撫しはじめる。彼女が妊娠してからは控えていた、夫婦の営みだった。 つんと硬くなった乳首に歯を立てると、ステファニーは熱い息を吐いた。 「ああっ、あなた……駄目って言ってるのに」 「せっかく子供の頃みたいに小さくなってるんだから、昔の呼び方で呼んでよ、ステファニー。その方が嬉しいな」 ロイが笑いかけると、二つ下の新妻は夫の意図を理解し、耳まで赤くして恥らった。 「だ、駄目よ。私たち、もう夫婦なんだから……」 「まあ、いいじゃないか。ね? 頼むよ、ステファニー」 「だ、駄目ったら駄目なの……」 はじめのうちは嫌がっていたステファニーだが、幼い頃から自分を可愛がってくれたロイには決して逆らえない。しぶしぶ、夫の提案を受け入れた。 「わ、わかりました。でも、今日だけだからね。お兄ちゃん……」 「そう、それだ。ステファニーちゃんはとってもいい子だね。お兄ちゃんは嬉しいよ」 「お、お兄ちゃんのバカ……あっ、ああっ」 赤面して頬を膨らませるステファニーの股間に顔を埋め、陰唇に舌を這わせるロイ。毛の生えていない割れ目を彼の舌がなぞるたび、艶やかな嬌声があがった。 「ああっ、お兄ちゃん、お兄ちゃんっ」 「いやらしい子だね、ステファニー。つるつるの子供マンコからエッチなおつゆがどんどん溢れてくる」 ぴったり閉じた女の扉から、生温かい雫がこぼれ落ちてきた。二十歳の妻ではなく、年端もいかぬ少女を相手にしている気分だった。 ロイは音をたててステファニーの汁をすすり、愛する妻を散々に泣かせた。 「ダ、ダメ、お兄ちゃん。そんなことされたら、おかしくなっちゃう」 「おかしくなってもいいよ。久しぶりだろ、こういうことをするのは。僕も我慢できなくなっちゃいそうだ。見てよ、これ」 ロイはズボンの中から雄々しくそそり立った一物を取り出した。表面に血管が浮き出た、たくましい牡の象徴に、ステファニーは息をのんだ。 「すごい、そんなに大きくなってるなんて。お口でしてあげようか?」 「いや、いいよ。それより、こっちを味わいたいな。久しぶりだし」 「きゃっ!」 ベッドの上に押し倒され、ステファニーは悲鳴をあげた。 充分に湿り気を帯びた女陰に、黒い肉の槍が突きつけられる。腹側にそり返った硬いペニスの穂先から、先走りの汁が漏れ出していた。 「あ……入れちゃうの?」 「駄目かい?」 「ううん、いいよ。もう一度、お兄ちゃんの赤ちゃんを孕ませてほしい」 その返事を聞いて、ロイは妻の髪を撫でて微笑した。 「いい子だね、僕の可愛いステファニー。でも、今はやめておこう。君のここは、とっても狭くてきつそうだ。僕の大きなものを入れたら壊れちゃうよ」 「そんな……」 「だから、今夜はこれで我慢して。また今度、ちゃんと楽しませてあげるから」 言うなり、ロイはペニスの先端でステファニーの割れ目をぬるりと擦った。小さくなった妻の身体が大きく跳ねた。 「あっ、こんな……ダ、ダメ、こんなの」 「そうかい? その顔は、嫌だって言ってないように見えるけど」 ロイは相手の細い腰をかかえ、女の入り口を亀頭で執拗に摩擦した。女性器の中には決して手をつけず、幼い身体ならではの肌の柔らかさを堪能した。 「あっ、ああっ、あんっ。お、お兄ちゃん……」 「こういうのも気持ちいいだろ、ステファニー。ほら、ほら」 「ああっ、それ以上は……あっ、ああっ、あーっ」 わずかに顔を出した肉の豆をペニスの先で押し潰すと、ステファニーは体が折れてしまいそうなほど背中を反らし、絶頂に達した。 細い身体が痙攣し、先走りの汁を塗りたくられた割れ目から体液が噴き出した。 「良かったよ、ステファニー。僕もイっちゃいそうだ。それ、出すよっ」 妻の昇天に誘われ、ロイも終点に到着する。絶頂を迎えたステファニーにペニスの先を向けると、煮えたぎる欲望を吐き出した。 プリンセスのように清らかな幼い体に白い雫が降り注ぎ、牡の臭いが染み込んだ。 「ああっ……お兄ちゃん、お兄ちゃん……」 半ば意識を失ったステファニーが、虚ろな瞳でロイを見つめていた。 肌のあちこちを白濁液で汚した子供のステファニーを、彼はとても美しいと思った。 薄暗い部屋の隅には高価な絹のドレスが脱ぎ捨てられ、その上に置かれたネックレスの宝石が、月の光を浴びて妖しい輝きを放っていた。
https://w.atwiki.jp/fiveland/pages/62.html
【名前】ヴァルゼイガズ(ヴェルゼイガズ) 【文明色・種族】黒・ホラー 【容姿・性格】光沢の無い黒い長衣。容姿は可変。普段はフードの中の貌を見る事は出来ない。策略家。 【特殊能力】精神生命体に近い存在。普段は魔力で編んだ肉体に宿り行動している。 ・肉体の破壊でダメージを受ける事は無いが、物理的損傷の補填に呪力を消費する。 ・様々な呪術を得意とし、特に魂魄を操ることに長ける。生者から魂を奪ったりするのは、自分が乗り移らない限り困難。 ・魂喰らい。怨念や思念体などを取り込み自身の一部と化す。 ・滑るように空中を高速で移動する。 ・使い魔等を使役する。 ・肉体を魔力に戻すことも出来る。物理的肉体の再構成には多少の時間がかかり、その間に破壊されれば再び魔力に戻さなければ再生できない。 【備考】 殺害は困難だが、封じることは出来る。 探知呪文を避ける目的で、普段は「ヴェルゼイガズ」と名乗っている。 【???】 ??? 【道具類】 竜突-ドラゴンランサー 竜の魔力を応用し、ミサイルを生成して撃ち出す大砲。 ミサイルには緩い誘導性が有り、高速で対象に打ち出される。 大火力の代わりに、連射速度は極めて低く、リロードに3レスほど掛かる。 大きさ・威力は携行用ロケットランチャー位で、戦車に有効打を与えられる程。高速目標への攻撃には向かない。 ブライアン=ブレイクヴァルドから受け取った。 トライヘッド・インフェルノ:デーモン奪回作戦の際、魔導衛兵4個小隊分の魂魄と怨念を吸収した使い魔と〝砲座〟の融合により誕生した、 ドラゴンランサーの魔術解析による3本の砲身を三ツ首に持つ蛇体の邪龍。圧倒的な出力による凄まじい火力と精密な照準・弾道計算能力を持つが、 一度の砲撃で予定通り自壊し、その残骸はドラゴンランサーの転移・回収に利用された。尚、ドラゴンランサーの損傷は無かった。 【他者との関係】 ブライアン=ブレイクヴァルド:友好。ドラゴンランサーを受け取った。 ラティメリア・コエラカントゥス:友好。情報提供を依頼し、使い魔を向かわせる目印となる『黒曜石と黄金の指輪』を渡した。 サド・クラウン(名前は知らない):殺害。利用価値を見出し、戦闘後に『橄欖石と青銅の指輪』を投げ渡したが、戦闘のダメージにより死亡してしまった。 →その後、青銅の指輪は回収された。 アカリ&バズガメラ(名前は知らない):敵対。緑の大陸における計画の進行中に撮影されかかり、戦闘。デーモン奪回作戦の際に交戦。 ショコラ=オフィーリア:敵対。蟲の赤の大陸への侵攻の際に迎撃、戦闘。 イスラ:敵対。デーモン奪回作戦の際に交戦。 ※これらの関係はヴァルゼイガズにとっての其れであり、必ずしも一般的な意味に合致するとは限らない。
https://w.atwiki.jp/odchange/pages/67.html
53 名前:イリュージョン1-1[sage] 投稿日:2009/09/30(水) 00 39 59 ID zdwNTW+N マジシャンの手招きで舞台の袖から現れたのは、20代中頃の女性だった。 レオタードに包まれたその肢体…乳房は充分なボリュームを誇っているが、AVなどによく見られる全体的に肉付きが良すぎる…ぶっちゃけた意味でデブ…な意味での巨乳ではない。 ウェストは目をこらすまでもなくしぼられており、かつヒップはバストに負けずとも劣らないボリュームを見せつけている。 その肢体の存在感をより一層強調しているのが、レオタードのデザインだ。 胸元や腰回りの思い切ったカットはもちろんのこと、脇腹やヘソ周辺の意図的な露出が、その大胆さを更に更に強調している。 もちろん、肝心な部分は布地の下なのだが、際どい部位の露出が、ギリギリのチラリズムとでもいうべき、妄想を最大限に加速させる要因になっていることは間違いはない。 少なくとも、その女性が現れた瞬間の歓声は、マジシャンはもちろん、その他の女性アシスタントの登場時よりも一際大きかった。 かなりのオーバーリアクションで歓声に応える女性の動きに、その歓声は更に大きくそして期待に満ちたものになる。 そして歓声が多少治まったころを見計らって、マジシャンは再び舞台袖に向かって手招きをする。 新たな美女の登場か。 観客の大半は皆そう思ったかもしれないが、現れたのはまだ10歳に満たない少女…というより女の子といった方がしっくりとくるような幼い子供だった。 この女の子もまた先ほどの女性同様レオタード姿だが、もちろんそのデザインは、比べモノにならないほどおとなしい。 色つきのワンピース水着といった方がピンとくるほどだ。 観客の表情と歓声には若干ならぬ失望が伺えたが、それでも舞台の流れ上、拍手だけはそれなりに鳴り響く。 マジシャンの左右、それぞれ脇に並ぶ形になった女性と女の子は、深々と頭を下げる。 と、それが合図だったかのように舞台の上に、2台のキャスター付きテーブルが引っ張り出された。 テーブルといっても、やや細長いその形は、人間が寝ころぶ様にちょうどいい大きさに見える。 そして、マジシャンに促されるままに、そのテーブルの上に仰向けに横たわる女性と女の子。 テーブルの高さはかなり低めなので、観客席からでも、テーブルに横たわる2人の姿を上から見下ろせる形になっていた。 続いて、再びマジシャンの手招きによって、ステージ上に現れたのは巨大な回転丸鋸だった。 54 名前:イリュージョン1-2[sage] 投稿日:2009/09/30(水) 00 53 21 ID zdwNTW+N その丸鋸は、日曜大工用でホームセンターなどで売られているものの、数倍…いや、5倍以上の大きさがあった。 明らかに、子供ならその胴体をまっぷたつにできそうなその巨大な刃。 マジシャンのさりげない指先が動くと同時に、回転を始める丸鋸。 最初は鈍い回転音が、次第に甲高くそしてシャープな音へと変わっていく。 この鋸が偽物でないことを証明しようとするようにマジシャンが取り出したのは、男性の手首…いや二の腕ほどもある角材。 それを無造作に回転し続け丸鋸へと押し当てると…それは数秒ほどで2つへと切り分けられてしまう。 その瞬間、飛び散った木っ端に、観客全ては、これが偽物ではないと確信していた。 回転し続ける丸鋸が、ゆっくりと女性の横たわるテーブルへと近づいていく。 テーブルにくっつけられた丸鋸の台座。 そこに繋がっているレバーがゆっくりと倒されていくと、回転する丸自体もまた、倒れていく。 そして倒れていく先には、女性の脚…ほぼ股間といっていいほど際どい位置があった。 自分の柔肌に、遠慮も罪悪感も知らぬ機械の刃が近づいてくるというのに、女性は意識がないかのようにぴくりとも動かない。 そして、遂に回転鋸の刃が女性の肌をとらえた。 観客は誰もが飛び散る血飛沫を想像したことだろう。 しかし、それは見事なまでに裏切られた。 血飛沫は一滴も飛ばなかった。血だけではない。 肉体の破片といえるものは、おそらく微塵も飛び散ることはなかっただろう。 だが、それは鋸がとまったわけでもなく、女性実を捩って刃から逃れたわけではない。 先に述べたように観客席からは、テーブルの上の女性の姿は丸見えだった。 鋸がとまったり、女性が逃げれば、すぐにそうと分かったはずだ。 だが誰もがみていた。 今もまだ回転をし続けている鋸が、紛れもなく女性の脚に食い込んでいく様を。 55 名前:イリュージョン1-3[sage] 投稿日:2009/09/30(水) 22 56 03 ID zdwNTW+N 不意に鋸の回転が止まった。 マジシャンの手が切断されたばかりの脚をつかむと、それをゆっくりと持ち上げ、観客へと向ける。 本来ならば、滴るはずの血は一滴も落ちてはいない。 が、その切断面は驚くほどに鮮明だった。 骨格はもちろんのこと、切断された筋肉に血管がありありと見えた。 まるで図鑑か、解剖の標本の様だ。 だが、それは標本ではない。よく目をこらせば、血管や筋肉が脈動しているのが分かる。 続いて、反対側の脚も丸鋸によって切断される。当然と言うべきか、こちらからも血は一滴も出ない。 一度テーブルから離れた丸鋸は今度は上半身へと向けられた。 肩の辺りから、彼女の腕が切断されていく。 右腕、そして左腕。 脚同様に、切断された腕もまた観客へと切断面がみせつけられることになったが、やはり血は一滴もおちず、そして切断面に見える血管も筋肉も脈動していることが分かる。 マジシャンとアシスタントの手によって、四肢を切り落とされた女性の身体が抱き起こされる様に持ち上げられた。 血が流れ落ちていないにもかかわらず、手足のないその姿は猟奇的としかいいようがなく、すぐそばに転がっている手足が、陰惨さを更に強調している。 にも関わらず、女性の表情には苦痛も悲哀も感じられない。 それどころか、サービスのつもりなのか、観客にむかって笑顔を振りまいてみせている。 続いて、丸鋸が向かった先は、もう一人…あの女の子の方だった。 こちらもまた、遠慮することをしらず、女の子の四肢を切り落としていく。 そして、女性同様にマジシャンの手によって抱き起こされる女の子。 やはり手足を失ったその姿は痛々しいが、女の子の表情に浮かんでいるのもまた笑顔だった。 ステージ上に並んでいる、手足のない女性と女の子の姿。 それは、大小の姫ダルマを想像させるものがあったが、それは酷くタチの悪いユーモアと言えた。 彼女達の手足が間違いなく切断されたということを観客に納得させたところで、起こされていた2人の身体が再びテーブルの上に横たわらせられた。 57 名前:イリュージョン1-4[sage] 投稿日:2009/10/01(木) 22 24 57 ID s8uoL2xa 再び丸鋸が回転しはじめた。 そして、その刃が振り下ろされる先には、女性の首…胴体と頭の接合部があった。 観客席から、ごくりと息と唾を呑む音が聞こえてくる。 ある意味当然だ。 人間の手足には重要な内臓はない。 手足の切断によって死亡するのは、その際の失血のためで、手足そのものがなくなっても、命そのものにかかわることにはならない。 実際、ここまで、切断された手足からは1滴の血も流れていないのだから、女性と女の子の2人…2人とも今のところは命の危険性はなかったのだ。 だが、切断されるのが、首となれば全く話は違う。 人間にとって重要な臓器の大半は胴体に集中している。 そこから切り離された頭部がとても生きていられるとは思えない。 いや、それ以前、首を切り落とされれば、脊椎そのものが破壊されてしまうため、もはや命はないと同じなのだ。 観客が、固唾を呑んで見守る中、丸鋸の回転する刃が女性の首へと食い込んでいく。 手足の時同様、血飛沫も肉片も飛び散らないが、確実に丸鋸は首の中へと食い込んでいくのが分かる。 やがて、ゆっくりと丸鋸の刃が引き抜かれると、底には、手足そして首すらも切り落とされた女性の胴体と、紛れもなく女性の生首が転がっていた。 流石に首を切り落とされては無事では済まなかったのか、女性の頭部はぴくりとも動く気配をみせない。 続いて、丸鋸の刃は女の子の方に向けられた。 こちらもまた、同じように切断作業が済み、そしてテーブルの上に転がる胴体と頭。 いつのまにか、ステージ上には、小さなテーブルが2台用意されていた。 アシスタントがそれぞれ、女性と女の子の頭を持ち上げると、まるで置物でも扱うかのように、テーブルの上に据え付けた。 テーブル上に飾られた2人の首は、目を閉じたまま動く気配をみせない。 流石に首を切られたら生きてはいられないか。 観客の誰もがそう思いかけた時、不意に一切の照明が消えた。 観客席に広がる軽いざわめき。 次の瞬間、2つのスポットライトが、ステージ上の2ヶ所を同時に照らし出す。 そこには、人間の頭部の置かれたテーブルがあった。 そして観客は息をすることさえ忘れることになる。 スポットライトに照らし出された瞬間、女性と女の子…2人の頭…頭だけであるにはかかわらず、ライトが眩しいと言うかの様にその目が瞬いた。 58 名前:イリュージョン1-5[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 20 37 07 ID vodazKJE テーブルの大きさは、人間の頭が載るぎりぎりの大きさしかない。 しかも天板の下は、すぐテーブルの脚が伸び、そこに人間の首から下が隠れられるような場所などない。 その上、アシスタント達がその空間に頭や腕を突っ込んで見せたり、切断された手足をくぐらせてみせて、首の下には何もないことを強調してみせる。 更に、テーブルを回転させたり、ステージ上を右に左にと移動させて、観客にアピールしてみせる。 続いて、ステージに現れたのは、産婦人科の分娩台に似たシート2台だった。 中央に、ヘッドレスのないタイプのシート。その周囲には左右上下それぞれ1つずつ計4つのアームが取り付けられている。 まずは、首も手足もない胴体がシートの上に載せられた。 ともすれば、極めて猟奇的な光景だが、血が見えないせいか、ステージという環境のせいか、むしろそれは着色したトルソに見えないこともない。 特に女性の胴体は、そのプロポーションのせいもあって、まさにトルソ…美術品といってもいいほどかもしれない。 続いて、4つあるアーム、その1つ1つに切断された手足が置かれていく。 といっても、アームとシートとは距離が離れているため、手足が胴体にくっつくことはない。 しかも、アシスタント達はわざとらしく手足の向きを逆に…切断面を外に向けているのだから、いまだこの手足が胴体につながっていないことは一目瞭然だ。 最後にテーブル上にあった女性と女の子の頭が持ち上げられる。 アシスタントの手の中にある2人の頭が運ばれた先は、胴体の置かれたシート。 しかも、股間のすぐ前だった。 一瞬にしてバラバラになった身体と猟奇的な光景が、ある意味滑稽なものに変わる。 頭だけでは身動きがとれないためか、女性の顔も、女の子の顔も、特に嫌がる様子もなく、むしろ笑顔さえ浮かべていた。 2人の頭は、正に股間…性器の正面におかれれている上に、胴体のおかれているシートが分娩台を思わせるデザインのため、まるで出産シーンの悪質なパロディのようだ。 バラバラの状態のまま、シートに載せられた女性と女の子は、アシスタントの手によって、ステージ上を移動させられる。 どの角度、どの向きからみても、2人の身体は確かにバラバラだ。 その間も、女性と女の子は笑みを絶やさず、時折、おかしな表情をみせたりして、観客に苦笑と失笑を引き起こしていた。 一通りステージ上を回ると、2人を乗せたシートは、並ぶ様な形で中央に置かれる。 マジシャンの指示により、アシスタントは、アームに置かれていた右手…女性の右手と女の子の右手を持ち上げた。 持ち上げられた腕は半回転させられ、切断面が胴体側の切断面と向き合う様に持ち直される。 ゆっくりと胴体に近づいていく腕…遂に切断面と切断面が触れあい…そして数秒後、アシスタントが持ち上げていた手を離すと、切り落とされていた腕は、それがウソだったかのようにぴったりと胴体にくっついていた。 女性の右腕と女の子の右腕、いまやそれは切断されておらず、何事もなかったかのように胴体にくっついている。 61 名前:イリュージョン1-6[sage] 投稿日:2009/10/03(土) 22 37 56 ID XHIURaff 続いて、左腕が持ち上げられる。 しかし、その後が右腕とは違った。 腕を持ち上げたアシスタント2名…この2人の位置が入れ替わったのだ。腕を持ち上げたまま。 女性の胴体の左側には女の子の左腕、女の子の胴体の左側には女性の腕。 それをみた観客の表情には、「まさか」と「もしや」という二つが同時に浮かびあがった。 もしやだとしたらどうなるのか。 本来のものとは違うはずの腕が、それぞれ胴体へつなぎあわされる。 そして、腕を持ち上げていたアシスタントがその手を離すと… その腕は、右腕同様、胴体にくっついていた。 バラバラになった身体以上に、それは異常な光景だった。 豊満な女性の胴体の左側には、どうみても短な子供の様な腕がぶら下がり、一方で子供の小さな身体からはまるで不釣り合いに長い大人の女性の腕が伸びているのだから。 女性と女の子の頭はといえば、自分達の身体が更におかしなことになっているにもかかわらず、不気味とも言える笑みを浮かべたままだ。 そこで、さらに2名のアシスタントが加わった。 計4名となった彼女達は、それぞれ1本ずつ、切断されている脚を持ち上げた。 そして再び位置を入れ換えるアシスタント達。 つまり、女性の胴体の下には女の子の脚。そして女の子の胴体には女性の脚。 観客の誰もが、この後起こるであろう事態を正確に予想していた。 脚と胴体、その切断面導士がつなぎあわされる。 そしてアシスタント達が手を離せば、それぞれの脚は間違いなく胴体にくっついている。 異形としかいえない存在がステージの上におかれていた。 本来の胴体とは明らかに不釣り合いな長さの脚の存在が、その異形さを異様なまでに強調している。 そして、頭部…女性の頭と女の子の頭は、自分達の身体の異様さなどおかまいなしといった風に笑みを浮かべていた。 そして、マジシャンとアシスタントの手が、その頭部へとかけられた。 67 名前:イリュージョン1-7[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 23 22 05 ID N3iUafA8 マジシャンが女性の頭を、アシスタントが女の子の頭をそれぞれ持ち上げた。 2人は、まるでそれがスイッチであるかのように瞼を閉じる。 そこからの先の展開を予想できなかった観客は皆無といってもいいだろう。 そしてステージショーに関しては、いい意味での予想が裏切られることはないのだ。 それぞれ頭を両手の中におさめたまま、マジシャンとアシスタント、2人の位置が入れ替わる。 つまり、大人の左腕と両脚をもって女の子の身体の上に女性の頭が、子供の左腕の両脚を持った大人の女性の身体の上に女の子の頭がくる形になる。 改め観客は息を呑んだ。 ここまでの、手足の切断とその奇妙な結合は、ある意味で、精巧なダミーによるものだといえないこともない。 映画などではけっこうとある話だ。 照明などが偏るステージ上なら、更に誤魔化しも可能だろう。 だが、その上に頭を載せるとなると、話はまた変わってくる。 観客を焦らそうとするかのように、マジシャンとアシスタントの手の動きは実に緩慢だ。 1cm下ろすだけで1分もかかろうかというほどのんびりとした動き。 だが、観客はその動きに釘付けになれこそすれ、苦情や非難を叫ぼうとするものは誰一人としていない。 たったそれだけのために、どれだけの時間がかかっただのだろうか。 遂に、切り離されていたはずの頭が胴体へと接触する。 ここまで一度切り離された手足が再び結合している様をみているにも関わらず、観客の少なくとも半数はそれが起こることを信じられないでいた。 切り落とされた首が再びくっつくなんで… マジシャンとアシスタントは同時に手を離した。 手や足と違い、頭の場合、胴体の上に載せる形になるので、手を離してもいきなり落ちることはありえない。 だがそれだけに観客の視線は突き刺さるほどに2人の身体に向けられることになる。 そんな観客の心情を読み取ったかのように、マジシャンは2人の目の前で指をパチンと鳴らした。
https://w.atwiki.jp/odchange/pages/18.html
投稿日:2009/01/03(土) 「えーと、翔子さん……だっけ?」 「…………」 翔子は声が出せなかった。 溢れ出る涙をぬぐう事もできず、ただ歯をカチカチと鳴らすのみ。 感じているのはただ恐怖だけ。それほどまでに目の前の光景は常軌を逸していた。 「酔いは醒めたみたいだね。よかったよかった」 まるで場違いな、落ち着いた声が聞こえてくる。 その声を発したのは、これもまた場違いな少年だった。 彫刻のように整った顔は、この散らかり汚れた部屋には全くそぐわない。 彼は部屋の隅に座り込んだまま、やや乱れた服装の女性を後ろから抱きかかえていた。 胸を揉んだり下着の中に手を入れたりするその仕草は、 見た目の年齢からは想像もできないほど淫猥で手慣れている。 女は全く抵抗せず、なすがままになっていた。 当たり前だ――その体には、首から上がないのだから。 そしてその体についていた首は、髪を電灯の紐に結び付けられ、ぶらぶら揺れている。 信じられない事だが、首も体もまだ生きているようだ。 「……ぅ……ヒック……」 ようやく、といった感じで吊られた首が口を開く。涙と鼻水で顔はグチャグチャだったが。 「な……何よ、コレ……一体どうなってんのよ……」 「んー、そうだねぇ……」 少年の方は相変わらず、翔子の体をいじり回している。 切り離されているからか、その感覚は、翔子自身には全く伝わってこなかった。 しかし首がなくても刺激には反応するらしく、乳首は律儀に存在を主張していた。 「まぁ、見たまんまって事?」 「あんた一体何なのよぉぉぉぉっ!!」 精一杯叫んだが、何一つ状況は変わらなかった。 「僕が言うのも何だけど、夜道を一人で歩くのは危ないよ。しかも酔っ払ってさ」 「いいでしょ別にっ!」 「一人暮らし? 送ってくれるような彼氏はいないみたいだね。結構キレイな顔してるのにもったいない」 「ほっといてよぉっ!! 触らないで!!」 異様な状況に合わない会話だったが、それがまた翔子の神経を逆なでする。 「いや、そこでさ――」 少年は芝居がかった動作で指を立てた。 「僕が翔子さんと一晩、一緒に遊んであげようかなぁ、なんて」 「嫌! 絶対イヤっ!!」 あらん限りの嫌悪を込めて拒絶する。 普段ならば少年の申し出を受け入れたかもしれない。 彼の端正な顔立ちは水準以上、どころか翔子が今まで出会った中で最高のものだった。 だがその美も、この状況では恐怖を煽る効果しかない。 「でも僕も最近飽きちゃってさぁ」 「何がよ!」 「普通に犯したり孕ませたりがねぇ、どうも気が乗らないんだ。 子供を作っても、ほとんどは普通の人間として平凡な一生を終えちゃうんだ。つまらないよねぇ? ネフィリムと今の人間を単純に比べる訳にもいかないんだけどさ。 ああ、もちろんホモやレズもやってるよ。ソドムの町からずっと」 一人でべらべらと喋り続けているが、翔子には何の話かさっぱりわからない。 「私を……犯すつもり!?」 「ああ――」 少年は大げさにため息をついた。物分りの悪い生徒を目にした教師のような表情。 「どうして人間ってやつはこうも頭が悪いんだろうね――いや、怒ってる訳じゃないよ? ただ……どうしてなんだろう、と疑問には思うね。これが生命の神秘ってやつなのかな?」 「一体何なのよ!」 「最近ただの性交が面白くないからどうしようかな、って言ってるのに……ちょっとは話聞いてよね、もう」 そう言うと少年は、動かない体の腕をつかんでみせる。 「あんまり聞かないと、こんな事しちゃうよ?」 ぶちっ――という小さな音と共に、翔子の右腕が肩からもげた。 「キャアアアアッ!!」 思わず悲鳴をあげるが、先ほどと同じく痛みは全くない。 首の切断面と同じく、肩からも血は一滴も出ていなかった。 「あはは、冗談だよ」 少年はにこやかに笑うと、引きちぎった腕をまたくっつける。 腕どころか、破れたはずの服までが完全に元通りになっていた。 「やめて!私の体をオモチャにしないでぇっ!」 必死に懇願すると、彼は機嫌を良くしたようだ。 「うんうん、いいね。その表情」 天使のように微笑むが、翔子は全く生きた心地がしなかった。 「わかったらちゃんと僕の言う事を聞いてね。子供じゃないんだからさ」 「う……うぅ……」 「ん、子供……子供……? そうだ!」 彼は何かを思いついたように立ち上がると、弾むような足取りで部屋を出て行った。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「ただいまー」 少年が戻ってきたのはすぐの事である。翔子はおびえながらも 多少は落ち着きを取り戻していたが、少年が連れてきた人物を見てまた驚く事になった。 「翔子さん、お客さんだよ」 「……え? 双葉ちゃん?」 「あー、ショーコだぁ! 首だけー変なのーあはは!」 隣の家に住む子で、確か今は幼稚園に通っているのだったか。 休日に何度か遊んでやった事もある。無邪気な可愛い子だ。 「ちょっと! 双葉ちゃんに何かする気!? だったら許さない!」 双葉の身を案じてできるだけの虚勢を張るが、自分の首が振り子のように揺れるだけだ。 「いや、僕は翔子さんと遊びたいだけだよ」 「だったら何で!」 少年は動かない翔子の体の横で、双葉を優しく抱いていた。 「いや、それがね。ちょっと聞いてみたいんだけどさ」 微笑みながら口を開く。街中ならば多くの女が、いや男でさえ振り返るだろう顔立ち。 「『翔子さん』はどっちかな? 今僕と会話してる生首? それともここに寝てる体?」 「そんなの――」 彼の言葉に、翔子は必死で言い返す。 「そんなの私が『首』で、そっちが『体』に決まってるじゃない!」 「だよね――100人に聞いたら99人はそう言うだろうねぇ……いや、残り一人は知らないけどさ」 うなずいて彼は続けた。 「じゃあ――こうしたらどうだろう?」 「……え?」 呆けた翔子の目の前で、少年は双葉の首を体から引き抜いた。 先ほどの腕と同じく、全く抵抗も出血もなく少女の首がもげる。 「おー! わーわー!」 驚いているのか笑っているのか、わからないような声を双葉はあげた。 「とれちゃった! ショーコと一緒だね! えへ!」 「ふ、双葉ちゃん! 大丈夫!?」 そこに少年の笑い声が重なる。 「大丈夫だよ。ていうかこの子が死んでたら翔子さんも生きてないじゃない」 「あ、そうか――って、何納得してんのよ!」 思わず自分に腹が立つ。 「じゃ、双葉ちゃん。いくよ」 彼は手に持った双葉の首をそのまま――倒れている女の体に近づけていく。 (!? まさか――!) 「や、やめて――」 「はーい、パイルダーオーン! って古いよね。ごめん」 翔子が叫ぶよりも早く、双葉の首は翔子の体にくっついていた。 「な、何してるのよっ!!」 「いや、くっつけただけさ。……どう? 立てる?」 少年は横たわる女に優しく問いかける。 「んー? ……お、おお? お! すっごーい!」 翔子の腕が、脚が、腰が動く。双葉の思うとおりに。 彼女は興奮した様子で立ち上がると、自分の体を確かめるように動かした。 そこにいたのは、首から下が成熟した女の肉体の、あどけない顔をした少女だった。 いくら童顔の女と言えども、これほどの体と顔のギャップはないに違いない。 「翔子さんの体だよ。気に入ってくれたかい? これで双葉ちゃんも大人の仲間入りだね」 「へええ? うわー、あたしすごーい! 足長ーい、手も長ーい!」 翔子の大人の体が面白そうに飛んだり跳ねたりする光景は、かなり奇妙なものだ。 「やめて、双葉ちゃん! それは私の体なの!!」 自分の体が玩具にされる恥ずかしさで怒鳴るも、翔子の声は届かない。 「双葉ちゃん、これわかる? ブラジャーっていうんだ。 大人のおっぱいにはこれをつけるんだよ。ほら、おっぱい大きいでしょ?」 「ほんとだ! あたしおっぱいでかい! ママよりでかい! あははっ!」 楽しそうに自分の胸を揉む双葉。不自然なほど興奮している。 「ふ、双葉ちゃん……?」 そこで翔子は気づいた。心なしか、双葉の幼い顔が赤く染まっていた。 (双葉ちゃん……まさか、酔ってる!?) 考えてみれば、あの体はかなり飲んでいたはずだ。双葉の脳にアルコールが回っていてもおかしくない。 ここにきて飲みすぎた事を悔やむも、今さらどうしようもなかった。 また、双葉の顔が赤いのは酒のせいだけではない。 「ほら双葉ちゃん、気持ちいいだろう? おっぱいマッサージされるの」 「うん……おっぱい、気持ち……いい」 気が付くと少年の白い手が双葉の双丘を掴んでいた。 既にブラは外され、大きな胸を隠すものは何一つない。 彼にいじられ続けていた乳首は、遠目にもはっきりわかるほど立ち上がっていた。 その痴態から目をそらす事もできず、翔子は叫ぶ。 「やめて! そんな小さな子に変な事しないで!!」 「小さな子? おかしいなぁ、双葉ちゃんは大人だよね?」 「あぁっ……あへっ……いふっ……」 「双葉ちゃん、逃げて! 逃げてぇ!」 必死の声もむなしく、少年は双葉の体を弄ぶ。 「そこで、さっきの話だけど――」 手を止めないまま彼は言った。 「今僕と遊んでる大きいお姉さんと、そこにぶら下がっている首。どっちが翔子さんだろうね?」 「何でもいいからやめてぇ! 双葉ちゃん! 双葉ちゃあぁん!」 「あへ? あた……あふっ……ふあぁっ!」 ビクン、と体が跳ねる。失禁したのか、静かな部屋に双葉の水音が響いた。 「ふ……双葉ちゃん……」 翔子の顔が青ざめる。目の前で自分の体が弄ばれ、しかも小水まで漏らしたのだ。 だが、今の翔子には落とす肩すらない。 「――じゃあ次はこっちの番だね、翔子さん」 ゆっくりと少年は立ち上がると、翔子の体ではなく、 座ったまま放置されていた双葉の体に近づいた。その手には細い紐が握られている。 「…………」 翔子はもはや声もなく、彼の動きを見届ける事しかできない。 その間に彼は双葉の服を脱がせると、その細い腕を後ろ手に縛り上げてしまった。 足も同様に、立てないよう紐で縛る。 「できるだけ跡が残らないようにしたつもりだけど……で、次はこれさ」 次に彼が取り出したのは、小さめの卵型の容器だった。 「そ……それって……」 言葉を失う翔子に、彼は容器をじっくりと見せつける。 「その通り。便秘の味方、イチジク浣腸! これをこうして……」 双葉の小さな尻がよく見えるよう持ち上げると、それを可愛らしい肛門にあてがう。 「大人用だけどいいよね。うん、きっといいはずだ、多分」 などと言い、中身を全て注入してしまった。 「やめて! 双葉ちゃんの体が可哀想よ!」 「双葉ちゃんの体?」 翔子の抗議を不思議そうに聞き返す少年。 「やだなぁ、勘違いしないでよ。これは翔子さんの体なんだから」 「なっ――!」 絶句する翔子に構わず、彼は電灯の紐から翔子の首を外した。 何をされるか。状況を考えると答えはたった一つしかない。 「や――やめてぇ!! お願い! やめてぇ!!」 「うるさいなぁ。翔子さんは子供じゃないんでしょ? だったら騒がないでよ」 文字通り手も足も出ない翔子の首を、彼は優しく双葉の体にくっつけてしまった。 「はい、OK」 「いや……こんなぁ……」 ようやく戻った全身の感覚。だがそれは以前とは随分違うものだった。 それに加えて―― 「い……痛い……お腹……痛い……」 下腹から突き上げてくる苦痛が翔子の理性を蝕む。 「へえ、もう効いてきたんだ。すごいなぁ、科学の進歩って」 「お……お願い……ト、トイレ……」 縛られた手足で身動きが取れず、排泄の欲求に必死に耐えながら頼み込む。 その目にはまた涙がこぼれ、全身が震えていた。 「え、でも翔子さんは子供じゃないんでしょ。だったらお漏らしなんてする訳ないよね」 「そ……そんな事言わないで……い、行かせて……お願い……」 青ざめた顔が白くなりつつある。限界はすぐそこだった。 「じゃあ……大丈夫だと思うけど、保険って事でこれをどうぞ」 どこから取り出したのか――もうどうでもいいが――彼が用意したものを見て、 血の気が引いていた翔子の顔が真っ白になった。 「あ、あひる……?」 「やっぱりおまるはあひるさんじゃないとね」 小さな子が――今の翔子よりもっと幼い子が使うような、白いおまるがそこにある。 「はい、どうぞどうぞ」 少年は翔子の脚だけをほどくと、小さな体を後ろから抱き上げ、おまるに座らせた。 双葉の体である事に加え、あまりの苦痛で抵抗もできない。 「や……やめて……トイレ……」 翔子にできるのは涙ながらに懇願する事だけだ。だが彼は翔子の腹部に手をやると、 「聞いた話だと、大腸の流れに沿って『の』の字にマッサージするといいらしいね」 リズミカルな動きで腹を撫で回した。 「こうかな?」 「いやぁぁぁぁっ!! やめてぇぇえぇぇっ!!」 「もういいんじゃない? ほら、出しちゃいなよ」 「ら……らめ……もう……」 翔子が記憶していたのはそこまでである。 どのくらいの時が経ったのか。 「……はぁ、はぁ……ふぅ……」 汚れたおまるの隣でぐったりと横たわる小さな女の子。それが今の翔子である。 (……あれ、私……どうしたんだっけ?) もう意識が希薄になってしまい、周囲の事もろくに認識できていなかった。 だから、目の前で交わる男女がいても気にならない。 「ほら、双葉ちゃん、どう? おちんちん気持ちいい?」 「あひ! いい! いい、いいの! おちんちん、いい!」 少年が――ため息の出るほど綺麗な顔の少年が、女に馬乗りになっている。 犯されているのは体格・服装からいって年上の女のようだが、顔だけは幼い少女のものだった。 「あへ! あぅは! ぅうえ!」 快感のあまり言葉にすらなっていない。 双葉ちゃんには刺激が強すぎるんじゃないかしら、と翔子はぼんやりと思った。 「いやぁ、双葉ちゃんにこんなに気に入ってもらえるなんて良かったよ」 少年は本当に無邪気に微笑んでいる。 「もう、一生このままでもいいかもね」 彼の何気ない、だが重大な言葉も、今の翔子にはどうでもいい事のように思える。 (そうだ……朝になったら、双葉ちゃん返しに行かないと……。 でも、双葉ちゃんってどっちだっけ? 私? この子?) 錆びた車輪のように思考が動かない。 「……いい! あひ! これ、いい!」 しばらくの間、部屋には双葉のうめき声だけが聞こえていた。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 結局、あれから少年は姿を消してしまい、二人は入れ替わったまま戻る事はなかった。 翔子は半ば放心状態だったが、何とか隣の家にたどりつき、双葉の両親に事情を説明する事ができた。 もちろん二人は変わり果てた愛娘の姿を見て、大泣きし取り乱したが、 いつまでも嘆いてばかりいる訳にもいかない。 翔子は今の幼い体では仕事に行けないし、大きな双葉もこのまま幼稚園に通う事はできない。 相談の結果、双葉の体の翔子が『双葉』として幼稚園に通い、 翔子の体の双葉は『翔子』として仕事をやめ、双葉の家に居候するという形になった。 そして3年後――。 ある小学校の帰り道、同級生の男の子たちにいじめられる少女がいた。 「やーい、おばさん顔のフタバー!」 「おばさんはスーパーに帰れー!」 「…………」 少女は黙って耐えている。入れ替わりの事実は誰も知らないが、 『双葉』の顔と体が不釣り合いなのは隠せるものではない。 いじめられるのももう慣れてしまった。 当たり前だが成績は常にトップであるし、実は顔の事以外はそう困っていない。 「おかえりー、フタバ」 「ただいま、ショーコ」 『翔子』はジーンズにTシャツ一枚の姿で寝転んで、子供向けアニメを見ていた。 横になった彼女が転がるたび、豊満な胸が揺れたり押しつぶされたり。 それを横目で見つつ、『双葉』がぽつりと口にする。 「見た目は子供、頭脳は大人……これで顔も子供だったらなぁ……」 「どーしたの、フタバぁ?」 「何でもないっ!」 ぶっきらぼうに言い返す。早く買い物に行き、夕食の準備をしなくては。 そして日が暮れた頃、父親が帰ってきた。 「ただいまー」 「おかえりなさい、『お父さん』」 「おかえりパパ!」 二人して出迎えると、父親は食卓を見て歓声をあげた。 「お! 今日は肉じゃがか!」 「ビールもあるよ、『お父さん』」 「そうか! 双葉は気が効くなぁ。ところで今日、学校はどうだった?」 「んーとねぇ……」 笑顔で食卓を囲む家族。ありふれた、だが貴重な幸せがそこにあった。 深夜1時。 『双葉』は物音で目を覚ました。ぼんやりとした頭で、音源が隣の部屋なのを確かめると (また、やってるのね……) 起きて損をした、とでも言いたげにまた目を閉じる。 隣の部屋は父親と『翔子』の寝室である。今日も一戦交えているようだ。 「翔子、悪い子だなお前は。こんなに締め付けてくるなんて。パパ怒っちゃうぞ」 「あっ……ああんっ……いい、パパ! そこ、かき回して!」 父と娘の交わりが始まってもう2年になる。初めのうちは罪悪感を感じていた父親だが、 妻に離婚されて『翔子』と再婚してからは、もう気にならなくなったようで 最近は毎日のように翔子と子作りを行っている。第一、体は赤の他人なのだ。 「そろそろ、弟か妹ができるわね……」 目を閉じたまま『双葉』がぽつりと口にする。あの『継母』が妊娠など想像もできないが。 もし子供が生まれたら、心から祝ってやろう。もう自分は娘の『双葉』なのだから。 (最近お肌が気になってきたし、ちゃんと眠らないと――) 枕に顔を埋め、双葉は半ば無理やりに意識を手放した。
https://w.atwiki.jp/odchange/pages/186.html
容姿端麗、才色兼備、そして朱唇皓歯。 皆川章子(みながわしょうこ)は、正にその言葉にふさわしい女性だろう。 章子は、自身の未来に疑問をもったことなどない。自分は選ばれた人間だという自負が、彼女の常であり誇りである。だが、それも無理からぬこと。 章子は弱冠16歳で某国の大学を卒業し、学会に論文を紹介される天才であり、将来を嘱望されている身なのだから。 彼女が某国の研究室で研究している研究テーマは、一言で云うなら因果律への介入である。 全ての物事の発生には、因果(原因)がある。具体的に説明すると、人の死にはそれぞれの因果が存在する。 病気で死を迎える人間の因果は病であり、結果は死である。この関係図は決して逆転などしない。 つまり結果という死があるから、この世に病や事故、事件や自殺という因果(原因)があるという関係にはなりえないのだ。 閑話休題。 本題である章子の研究は、脳の電気信号を使用した因果律の変動である。 人間の脳や記憶は電気信号で管理されており、その電気信号を細分化すると、活動電位、電気パルスと呼ばれる信号になる。 活動電位と呼ばれる電気信号は一ヶ所にとどまらず、脊髄を通り脚などに電導していく。(脊髄損傷で下半身不随になるのはこのため)。 そのシグナル伝達などの神経活動に関わるものをシナプスと呼び、他種細胞間に形成される接合部位とその構造である。 そしてそのシナプスから出ている小さな電位を加算したものが、脳が働いている時の電気活動、いわゆる脳波 (electroencephalogram EEG)である。 再び閑話休題。 さて、本題である佐山美奈子(さやまみなこ)の論文に入ろう。と言っても、論文というより章子の観察日記に近いものだ。 佐山美奈子は、皆川章子のラボで共に因果律を研究している助手だ。 皆川章子は、佐山美奈子の尊敬しているアルベルト・アインシュタインの相対性理論枠内で、疑似超高速回路を利用し、電気信号を空間移動する方法の仮説を発表した。 無論、タイムマシンなどという荒唐無稽な代物ではない。 皆川章子の仮説を噛み砕いて説明すると、 疑似超高速回路に言語を電気信号したものをインストールし、それを通じて自分の脳を疑似タイムスリップ状態にする。と云うものだ。 つまり因果律に影響を与えそうな過去の事象の前に電気信号を送り、文字通りその因果を妨害する。 仮説では、これによってその者の因果律が変動するらしい。 皆川章子は、自身の身体で人体実験するように研究室に提案する。 章子の話によると、彼女は幼少時代に病で入院しており、その高熱で脊髄に異常が起こり、下半身に軽い麻痺が残ったのだと云う。 つまり、今から十二年前の西暦1999年の12月25日の因果律に干渉し、章子がインフルエンザから肺炎合併症を併発するのを阻止する。 それによって現在の章子の運命が変動するらしい。 この実験は本来成功する筈だった。誤算があるとしたら、佐山美奈子の嫉みの感情だろう。 佐山美奈子は研究室のパソコンにクラッキングし、電気信号を送る日を12月31日に書き換えてしまう。 そう、2000年問題の対応におわれた運命の日である。 美奈子の目論見通り実験は失敗し、章子の因果律は悪い方向に変動した。 章子の脳は肺炎併発中に、未来から送られたインフルエンザ忠告電気信号を受け取り、さらにその信号が2000年問題の干渉で劣化しており、脳に変質を起こしてしまう。 幸いにして脳に知的障害などは起こらなかったが、記憶力などが著しく低下し、彼女の因果律は大幅に変動した。 閑話休題。 「ここは……?」 章子は日本にある実家で目を覚ました。 自分は某国の研究室におり、実家には久しく帰省してないのに何で? と、疑問はとめどなく溢れていく。 「私は研究室で、で、電気屋の信号を直して……あれ?」 章子は意味不明なことを口走り、思わずハッとなる。 被験者として因果律干渉前の出来事を覚えているのに、実験の内容や理論が思い出せない。 章子の背筋は言い様のない不安に寒くなり、焦燥感が頭をもたげていく。 章子は現状を把握するため、母親への確認を試みる。だが、母親から掛けられた言葉は、現状の肯定と過去の否定のみ。 章子の母親は彼女にこう語る。 「貴女の学力で大学に飛び級して、あまつさえラボの主任研究員になれるわけないでしょ。さあ。早く低華高校に行きなさい」 「てっ、低華高校!?」 因果律変動前の記憶では、章子は14歳でインターナショナルスクールを卒業し、16歳で大学の単位を全て取得して研究室に入っている。 そのような稀代の麒麟児だからこそ、自身の因果律変動理論を構築できたのに、無情な現実は彼女を高邁な思想溢れる少女として扱わず、愚鈍な少女として扱うのみだった。 おぼろげながら章子の記憶にも低華高校の存在はある。 私立低華女子高等学校は、章子の実家がある地域はおろか、全国でも有数の低偏差値学校で、卒業後の進路は水商売しかない。と云う噂が、まことしやかにささやかれている。 無論、章子は腰までかかる艶やかな黒髪をたなびかせ、母親に涙ながらに食って掛かる。 一見すると利発そうに映る、切れ長の目元に涙をため、朝の日差しに彩られた艶やかな口元から、章子は抗議の声をあげていく。 だが、新たな現実は覆らない。 章子は理論を忘れても、元の因果律の記憶はあり、あまりの屈辱に涙がとまらない。 「この私が、こんなバカ高校の制服に袖を通すことになるなんて……」 自室の姿見に映る制服姿に、章子は苦々しく唇を噛み締めていく。 低華高校は一部の資産家が、どこの高校にも入学できない娘を入れる場所であり、周辺からは“バカジョ”と蔑まれている。 しかし、低華高校の生徒はそんなことなど微塵も気にせず、あろうことか寄付金にものを言わせて、制服のデザインや校則を変更させてしまう。 低華高校の制服は生徒がデザインしたも同然で、黄緑と桃色を基調としたチェックのプリーツスカートは、短くせずとも初めから膝上27cmである。 当然、通学中の電車やバスの中では太ももは丸見えで、階段では下着まで見えてしまう。 なぜ教職員はこのような制服を認めているのか? 章子は顔を赤らめながら必死に思案する。 だが、頭の回転が筆舌に尽くしがたいほどに鈍くなり、推量はいまいち的を得ない。 今の章子には、教職員が個人的に生足を見たいこと、少しでも知性や羞恥心のある生徒の入学を未然に防ぐため。など、誰でもわかりそうな裏事情さえ推理できない。 章子は鈍くなった頭の回転に涙し、ピンク色の夏服用ブラウスに袖を通していく。 「ちょ、ちょっと……こんな薄さじゃ下着が丸見えでしょ!」 生娘である章子は、羞恥プレイにも等しい制服に声を荒らげる。 無論、桃色のブラウスも生徒のリクエストで作られており、暑い夏場を乗りきるため極限まで薄く改良されている。 桃色のブラウスは章子の水色のブラを淡々と映し、短いスカートからはショーツが見えてしまう。 プライドや羞恥心、貞操観念の強い章子なら、このような制服は頼まれても着なかっただろう。 だが、今は屈辱にたえるしかないのだ。 「ねぇねぇ見てよ、あの娘。バカジョの生徒なのに黒髪だよ」 「清純派を気取って、男に媚びてるんでしょ」 「それにしても、バカジョの制服って下品すぎ」 「噂だと、小学生の問題も満足に解けないんでしょ」 電車の駆動音や眼前の窓の光景に意識を集中しても、章子は噂話が気になってしまう。 微かに水色の下着が透けているピンクのブラウスに、ギリギリまで太ももが露出しているスカート。 対極的見地にたって考えても、低華高校の制服は筆舌に尽くしがたい恥辱感を伴うもの。ましてやそれを身にまとうなど、章子には耐え難い屈辱なのだろう。 一分が十分に、十分が一時間に感じるような長い恥辱感が続いていく。 朝の日差しに照らされた章子の太ももはみずみずしく、男子高校生や会社員の男性などは食い入るように見つめている。 かつて章子は、このような短いスカートを履く女子高生を見下し、短絡的で浅学が知れる。と、鼻で笑っていた。 だが、今の章子のスカート丈は下着が見えるくらい短く、薄いブラウスのせいで水色のブラの花柄の刺繍まで見えてしまう。 恥ずかしい、早く元に戻りたい。と、章子は切実に願う。だが、今の章子には研究理論はおろか、その内容さえ思いだせない。 悔しさに唇を噛みしめ、うつむき始めた丁度その時、 「うっ……!?」 急激に下腹部が熱くなり、章子の呼吸は瞬く間に荒くなっていく。 水色のショーツの奥で脈動していく女性器。そしてブラと擦れるように熱くなる先端。 章子は言い様のない女性器のうずきに顔を赤らめ、内股になっていく。だが、熱さもうずきも一向におさまる気配がない。 不規則に電車が揺れるたびに、章子の膣から愛液が分泌され、ショーツは少しずつ濡れていく。 びちゃっと濡れていくショーツの感覚に、章子は戸惑いを隠せない。 「はぁはぁ……」 章子は内股で太ももをすり合わせ必死にたえるが、言い様のない性欲に抗えない。しかし、それも無理からぬことだろう。 章子は因果律変動前の記憶しかないので、彼女は自身の身体の異常を理解していないのだ。 この世界での章子は十二年前の発熱の影響で、記憶力だけでなく、脳内物質分泌の電気信号にもわずかにエラーを起こしている。 おそらく、圧縮して過去へ送った電気信号の劣化で、章子の脳は他の女性の数倍興奮しやすくなってしまい、男子高校生以上の強力な性欲に肉体が支配されているのだろう。 低華高校に到着すると、章子は校内の雰囲気に絶句する。 金髪の髪に濃いアイライン、中には堂々と煙草を吸っている者や、ブラウスの第二ボタンまで開け、赤や紫色のブラを丸出しにしている者までいる。 教室に揺曳する化粧やキツい香水の匂いに、章子は戸惑いを隠せない。 「お~い章子、今日は遅かったじゃん。朝から自慰でもしてたのか?」 「じっ、自慰!?」 赤毛のユルいウェーブと、長いつけ睫毛が特徴的な少女は、机の上で下品にあぐらをかきつつ章子に声をかける。 章子は、今朝がたのうずきを思いだし顔を赤面させ、短いスカートを手で押さえた。 少しの辛抱だ。実験に参加した“佐山美奈子”は、自分と同じように因果律の記憶干渉を受けない装置をつけている。だから、大丈夫だ。 と、章子は自身を鼓舞していく。そう、おぼろげな実験風景の中の美奈子に、全幅の信頼をおいて。 だが向かって右の、下ネタ系のラクガキが特徴的なドアが開いた瞬間、章子は驚愕する。 「さあ。授業はじめるから、静かにして!」 教室に現れた芳紀二十五歳前後とおぼしき女性は、肩までかかる綺麗な黒髪をたなびかせ、黒を基調とした清楚なスーツを身にまとい、生徒に注意を促していく。 章子はその教師に見覚えがある。そう、何を隠そうその女性こそが佐山美奈子なのだから。 「みっ、美奈子!?」 「皆川さん、先生を呼び捨てにしないでください」 「でも……」 章子は喉元に込み上げてくる言葉をのみ込み、おもむろに席に着席する。 心なしか美奈子は因果律変動前より自身に溢れているが、変動前の記憶は保持しているはずだ。章子は呪文のように、何度も何度もそう言い聞かせた。 美奈子の英語の授業が始まり教科書を開いた瞬間、章子は再び絶句する。 教科書の内容はどう見ても中学校一年生レベルで、章子はあまりの惨めさに言葉が出ない。 だが、教科書に目を通した瞬間、 「えっ……?」 章子の手のひらが小刻みみに震えはじめる。 Aって何て発音するんだっけ? BもCもDも、何一つ章子は読めない。 そう、今の章子は英語を喋るどころか、アルファベットさえ読めないのだ。 「では、次の文章を皆川さん読んでください」 This is a pen. 中学生はおろか小学生でもわかる簡単な英語だ。だが、今の章子には読むことができない。 周囲の視線が章子にそそがれていく。クスクスと口を押さえて笑う者、携帯メールを淡々と打つ者。 底辺高校の問題さえ解けず、あげくの果てに笑われるなど、章子には耐え難い屈辱だろう。 章子はゆでダコのように顔を赤面させ、必死に思い出そうとするが、まったく読めない。だが、ちょうどその時、 「でぃすいずあペンだよ、章子」 先ほどの赤毛の女子高生が、章子にそっと話しかけた。 「でぃ、でぃすいずあペン」 章子は初めて英語を習った小学生のような、たどたどしい発音で、一生懸命答えた。 だが、章子のあまりの発音の酷さに、教室はワッと笑いに包まれる。 底辺高校の問題が解けず、あまつさえそこの生徒に笑われるなど。と、章子は思う。しかし、これはほんの始まりにすぎない。 章子は数学の時間に、両手を使っても割り算ができずに笑い者になり、現国の時間は小学校で習う漢字が読めずに、またまた笑い者になってしまう。 章子は顔を赤らめながら必死にたえ、昼休みになると、一目散に美奈子のもとへ向かっていく。 美奈子は淡々と言う、 「あの論文は、この世界では私が発表したわ」 と。 「じゃあ美奈子は、何でこんな底辺高校の教師をしているの!?」 「私は、あの論文で得た特許をもとに、今の貴女ようなバカジョを支援してるの」 「ふざけないで、私の論文を盗んだだけでしょ。今すぐ私をもとに戻して!」 章子は顔を赤らめ、涙をながしながら物申していく。 「他のバカジョみたいに、ヘラヘラしてればいいものを、まだまだ躾が必要みたいねお馬鹿ちゃんは」 「ぐっ……」 章子は職員室を飛び出し、女子トイレに駆け込んだ。 章子は微かに煙草の匂いが揺曳する女子トイレで、静かに涙をこぼす。だが、そんなセンチメンタルな感情を無視するように、例の発作が始まってしまう。 「はぁはぁ……」 膣を中心に女性器はうるおい始め、膝上27cmのスカートをめくると、章子の水色のショーツはびっしょりと濡れていた。 発情したような浅ましく生々しい匂いに、章子の顔は瞬く間に赤くなっていく。だが、その間にも乳房の先端が焼けるように熱くなり、章子は太ももをもじもじ擦り合わせていく。 ショーツごしに太ももを擦り合わせるたびに、陰毛がじょりじょりと微かな音を響かせ、息が荒くなっていく。 「はぁはぁ……はっ、はっ、苦しい苦しいよ」 洋式トイレに座り、太ももを擦り合わせつつ、章子は何度も何度も膣の周辺をなでていく。 だが、そんなものは気休めにもならず、章子の膣はとめどなく愛液を分泌し、陰核は皮がめくれて赤くなり、ブラを外した乳首は痛いほど硬くなっていく。 「もう、我慢できない!」 章子は性欲に膝をつき、ショーツを膝までおろし、胸の先端を人差し指と中指でなでていく。 「ひゃっ!? はうっ、あっ、あっ!」 数える程しかしたことのない自慰行為。 章子は、そのような行為は恥ずべきことだと思っていた。だが、今の彼女は性欲に抗えない。 おそるおそる指を入れると気持ちよくて、生々しいくらい温かい肉壁が指を締め付けていく。 「あん、はっ、はっ!」 指の先が膣内の敏感な部分に触れると、章子は首を振り乱して身悶えてしまう。 「はぁはぁ……あっ、アッ、アアアァァー」 章子のひときわ甲高い声が、トイレの個室に響いていく。 章子の指先は瞬く間にぬるぬるしていき、エレベーターが急降下するような脱力感とともに、一気に痙攣したように小刻みに震え、恍惚の口元から涎を流していた。 感じたことのない快感は章子の身体を熱くし、快楽の余韻で子宮が言い様ないうずきを訴え、柔らかそうな乳房の奥では、バクバクと心臓が高鳴り続けた。 閑話休題。 一回自慰をすると、章子の精神は完全に快楽に抗えなくなり、授業中も手をスカートごしに女性器にあて、なでるように指先でさわり必死にこらえた。 章子の屈辱の授業は続いていく。 今の章子は、頻繁に太ももを擦り合わせて陰核に刺激を与えないと、まったく集中できず、章子の下着は背徳的な色欲の匂いを放っていく。 章子はそれらの快楽に抗い、授業が終わると寄り道せずに帰宅の徒についた。 再び閑話休題。 因果律は常に一つ収束点に向かうという仮説がある。 具体的な例をあげると、太平洋戦争で、ミッドウェー海戦を制しても勝敗は変わらず、ハルノートの最後通告を受け入れても開戦は避けられない。と云う因果律収束理論だ。 無論、局地的な戦闘結果や死者数は変わるだろう。だが、この世界を平行世界Aと仮定すると、平行世界Aの未来に関わる重大な事象は、何をしても変わらない。 ゆえに世界は常に進むべき方向に向かっている。という、いわゆる運命論の仮説だ。 たしかに、この世界から皆川章子と云う研究者は消失した。 しかし章子の論文は、この世界の因果律や運命論に重大な影響を及ぼすため、世界の因果律がそれを補完しようとする。 その補完者として因果律が選んだのが、実験により章子の因果律と混線した佐山美奈子だ。 噛み砕いて説明すると、美奈子が有能な人間になっていくと、それに反比例して無能になっていく。 あの実験で、二人の因果律は反比例の関係になっているのだ。 無論、章子の知能の因果律を受け継いだ美奈子は、そのことに気づいている。 そして美奈子はその仮説を実証するため、章子に内心嫉妬していた研究者達と、新たな研究を企てていく。(因果律研究室のメンバーは、記憶を電気信号化して送ることにより、因果律変動前の記憶を保持している)。 「うん……はぁはぁ」 その夜、新たな因果律変動に伴い、章子の肉体は寝ている間に変化し始めていく。 美奈子達は新たな実験と称して、今から七年前の西暦2004年の章子の脳に、牛乳やファーストフードが好きなるよう電気信号を送った。 「あっ、あっ……」 身長161cm、体重46kgで比較的痩せ型だった章子は、過去の因果律変動でみるみる太っていく。 C65のバストサイズで、アンダーとトップのバランスが美しかった章子の小ぶりの胸は、少しずつ膨らんでいく。 「あっ、あがっ……」 幸いにして睡眠中のためブラはしていなかったが、胸元の膨らみは水色のパジャマに圧迫され、パジャマの先端には小指サイズほどの乳首が浮き出ている。 変化はそれだけにとどまらず、微かに膨らんだお腹の脂肪でパジャマのボタンが一つ外れ、余裕のあったパジャマのヒップラインは、はちきれんばかりに膨らんでいく。 一回り太くなりむちむちと脂肪がついていく太もも、そしてぷにぷにになっていく二の腕。 章子のバストは、グラビアアイドルのような大きさになり、胸元のボタンはブチッと弾けとび、顔も丸顔に変化していた。 「ふぅ……」 変化していく感覚が性的興奮を与えたのか、章子の顔は瞬く間に恍惚の色に染まり、パンパンに張った柔らかそうなお尻の方まで、淡い愛液の染みがこぼれていく。 章子の変化は59kgに変化した辺りで終わり、デブとぽっちゃり系の中間ぐらいの容姿になった。 だが、章子はもともと美人なため、むしろ色気が増している。と、云えなくもない。 「くっ……」 電車の中で章子は唇を噛みしめ、隠すように胸元に手を当てる。 章子の新しいスリーサイズは、上からB94、W60、H88。と、激変してしまっている。 以前のスリーサイズ、B65、W49、H77の痩せ型体型と比較すると、その差は正に一目瞭然だろう。 グラビアアイドルのような豊満なバストやスタイル、そして比較的美人なぽっちゃり系の顔に、電車内の男性は息をのむ。 電車が揺れるたびに、黄緑と桃色を基調としたチェックプリーツスカートはまくれ、はちきれんばかりの豊満なヒップラインで伸びきった、オレンジと白のストライプショーツがあらわになる。 膝上27cmの制服ではヒップラインが完全に隠せず、お尻の形がくっきり浮かびあがったショーツは、電車が振動するたびにブルンブルンと揺れてしまう。 章子の羞恥心を高めているのは、豊満なヒップラインだけではない。 章子のバストは、薄い桃色のブラウスのせいで形が丸わかりで、因果律変動でブラも特注サイズになっているのに、完全に保護できず電車の中で小刻みに揺れている。 それらの魅惑的なセクシャルシンボルは、電車内の男性を興奮させ、中には章子の身体をチラ見して、下腹部を膨らませているものまでいる。 どこの高校にも受からなかった証である、底辺高校の制服を見にまとう章子を、電車内の人間は身体しか取り柄のない人間だと思っている。 そのことに章子は、悔しい、悔しい。と、唇を噛みしめるのに、性欲の発作が理性を溶かしていく。 閑話休題。 学校につくと、章子は一目散に女子トイレに飛び込んだ。 「この下品そうなのが……今の私か……」 鏡は桃色のブラウスからグラビアアイドル顔負けの乳房を主張し、膝上27cmのスカートからぷにぷにの太ももや、はちきれんばかりのヒップを強調する章子を映していく。 「はぁはぁ……」 章子は女子トイレの個室に入り、少しでも勉強の集中力を取り戻すため、自慰を始める。 昨日と異なり歩くたびに揺れる胸が思いし、走ると豊満なお尻も揺れて落ち着かない。 でも、勉強に集中すれば元の自分に戻れる。章子は自身にそう言い聞かせ、はちきれんばかりの胸を揉み、ぬらぬらと光る膣にビニール手袋をまとった指を突っ込んだ。 「あっ、あん、はぁはぁ。あっ、アアアァァー!」 章子は、指がギュウギュウに締め付けられ、気持ちいいと思う。 でも章子は、もうこの身体で水商売につくしか道がないなど、信じたくなかった。