約 115,494 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4004.html
168 :雲龍型航空母艦(仮)その他:2015/04/23(木) 23 45 26 641,642様へ 以前ちょいちょい艦艇支援をさせて頂き、空母投稿について予告をしていた者だが 約束を果たせず申し訳ない。あれからぶっ倒れて投稿どころではなかったのだ。 遅きに失した上に出来は今一つなのだが、一応最低限の義理として投稿させて頂く。 もう既に雲龍型空母の概要も出来ているだろうから、無視してもらって一向に構わない。 時は各国との欧米諸国との激しい空海戦よりさかのぼって転移直後。 国ごとまったく戦術傾向の違う世界に転移、という事態は限られた逆行経験者ですらですら面喰う状況、当然の事ながら海軍全体では対応に大慌てになっていた。 こと、突如艦隊決戦を要求される事となった水上打撃部隊の作戦部署や設計・開発部署においては「控えめに言って大パニック」な状況、徹夜して慌てふためくだけの日々を過ごすような、組織的には末期症状な人物模様が必ず見られる、という体たらくだった。 だがそれも無理のない話だろう。幾ら巨大国家日本とは言え平和なご時世で予算削減が叫ばれる中、航空優勢全盛の世界では防空戦闘こそ万全に練られていたが、艦隊戦、特に此方より強力な艦艇を有する相手との殴り合いとなると、逆行者ですら殆ど経験が無い事だった。 それでも開戦までに水準以上の戦力を作り上げただけ、彼らは優秀かつ勤勉だったのは間違いない。 艦隊勤務者も死ぬほど猛訓練を科し、(訓練においては)一流となっていた。 「死ぬ気で訓練をして、そしてその事に死ぬ程後悔した」とは水雷戦の神様と呼ばれたM提督の言である。 そんな海軍全体がざわめく中だったが、やはり日本海軍の花形である航空屋は対応できる余裕を有していた。 戦時建造プランも当然の如く各種用意しており、予算と工員とドックの都合さえつけば即座に起工できる程に。 しかしそんな航空屋でも困ったのは、工期が想定しきれない事だった。 どの位戦備に時間を掛けていいのか?国ごと未知の世界に転移となると、情勢を把握しきるのは難しい。 なにせ戦時中なら大鳳級ですら短期間で建造できる日本とは言え、平時からの急造にはどうしても限度がある。 疾風や天山の運用能力は前提だったが、他の求める性能と限られる工期が左右した結果、最終的に3つの案が出る事となる。 169 :雲龍型航空母艦(仮)その他:2015/04/23(木) 23 48 19 日本海軍 仮称千鶴型装甲空母 基準排水量 43,800t 全長・全幅292.5×62.0m(水線部34.8m) 機関:艦本式オールギヤードタービン4基4軸 ロ号艦本式水管罐8基 最大出200,000HP 航続距離:18kt /8,000浬 最大速力:33.5kt 装甲 垂直‐舷側主甲帯76mm/15度傾斜、格納庫側壁50mm、水雷防御用テーパードアーマー76-50mm 水平-甲板38mm、格納庫甲板50mm、装甲飛行甲板75mm 武装 54口径12.7cm高角砲 2連装4基(砲架型・艦橋前後) 50口径7.6cm速射砲 2連装8基 20mm機銃多数 搭載数:84機(第一世代ジェット艦載機基準) 航空艤装:カタパルト4基(艦首2アングルドデッキ2)、舷側エレベーター3基 航空屋の求める、云わば「主力量産空母の理想」を忠実に再現した大型空母 平たく言えば日本海軍が究極の空母と自負していた最強空母、大鳳型の縮小簡易量産型である 一部簡略化されたとはいえ空母としての性能は求められる全てが揃っており、これが揃えば申し分無しと言い切れる程である。 難点はやはり工期であり、巨大工業国家日本の全力、つまり戦時生産絶頂期ならばおよそ2年で竣工でき、これほどの巨大空母でも次々と投入できる見込みは十分にあった。 しかし何分数十年続いた平和からいきなり叩き起こされた状況で工業が巨大な分戦時体制へ移行も短期間で行える物では無く、現状ではどんなに頑張っても3年近くかかる、という厳しい見通しが出ておりその点においては難アリ。 日本海軍 仮称雲龍型装甲空母 基準排水量 32,000t 全長・全幅273.8×42.0m(水線部28.5m) 機関:艦本式オールギヤードタービン4基4軸 ロ号艦本式水管罐8基 最大出160,000HP 航続距離:18kt /8,000浬 最大速力:32.5kt 装甲 垂直‐舷側主甲帯50mm/15度傾斜、格納庫側壁50mm 水平-甲板38mm、格納庫甲板50mm、装甲飛行甲板75mm 武装 54口径12.7cm高角砲 4基門(砲架型・艦橋前後) 50口径7.6cm速射砲 2連装8基 20mm機銃多数 搭載数:60機(第一世代ジェット艦載機基準) 航空艤装:カタパルト4基(艦首2アングルドデッキ2)、舷側エレベーター3基 情報部分析や上層部の意見集約による戦時空母建造期間は2年までが望ましい、と見込まれていた。 その為に考案された「平時からでもなんとか2年で出来る最強空母」が本案であったとされる工期短縮の為に防御力も一部簡略化する事となったが運用側は「一発の被弾で攻撃不能になっては困る、対爆撃防御は必要」と言う希望が強かった為船底を大鳳、仮称千鶴級の3重から2重へと減少、水雷隔壁の削減やテーパードアーマー撤廃など水雷防御が大きく削減されているが、史実エセックス級に迫る程度の耐久力は有する(つまりそんなに良くは無いが1、2発で沈む程でも無い)本艦が主力空母として採用された暁には「敵雷撃機迎撃を最優先とすべきである」と言う有難い注釈付き。 170 :雲龍型航空母艦(仮)その他:2015/04/23(木) 23 49 50 日本海軍 仮称飛祥型正規空母 基準排水量 18,500t 全長・全幅220×33.0m(水線部24.5m) 機関:艦本式オールギヤードタービン2基2軸 ロ号艦本式水管罐4基 最大出80,000HP 航続距離:18kt /7,000浬 最大速力:27.5kt 装甲 垂直‐舷側主甲帯なし(25mm前後のHT鋼外板のみ) 水平-天井及び床としての鉄板以上の物は無い 武装 50口径7.6cm速射砲 単装2基 20mm機銃単装20基(機銃を載せる為のスポンソン等土台も最低限な為、増設不可) 搭載数:42機(第一世代ジェット艦載機基準) 航空艤装:カタパルト2基(艦首1アングルドデッキ1)、舷側エレベーター2基 史実G18型航空母艦の流れを汲む、「空母なんて結局は艦載機キャリアだ、主力機を数運べるなら性能は問わん」 という極端きわまる思想の元、そこそこの積載と機動部隊運用上支障の出ない速度に留め、極限まで簡素化を徹底して工期を縮める事にのみ注力した、急造型正規空母。 平時からの急造ですら1年で作れると言う凄まじい建造効率かつ(戦時体制が整っていれば半年で作れると豪語された) 仮称雲龍型の半額以下という低コストでいっぱしの航空機運用力と艦隊の足を引っ張らないだけの速度を有する、と言えば聞こえは良いが対空火器は最低限、防御に至ってはゼロも同然、装甲のみならず防御的意味を持つ隔壁も無く(バルジ?二重船底?何それ)ダメージコントロールによる被害極限すら難しい。 「正規商船空母」「戦標空母」などと言われる代物。大きさの割に軽いが、ようは防御も火器も殆どない為。 あまりに極端すぎて採用されなかったが、雲龍型の脇を固める飛鳥型急造空母に設計経験が生かされた・・・らしい。(了)
https://w.atwiki.jp/jinruisaikyou2/pages/76.html
【俺】 【作品名】“非”満員電車もご用心!? 【ジャンル】成年向け漫画 【名前】俺 【属性】主人公 【大きさ】男子高校生並み 【攻撃力】鞄を持った男子高校生並み 【防御力】眼鏡をかけた男子高校生並み 【素早さ】男子高校生並み 【特殊能力】・肉体の部分空間転移 距離が離れていても相手の肌に触れたりできる。 衣服や下着などの障害があっても問題なく、両手を転移させて直接胸を触り揉みしだいたりできる。 (おまけに衣服は乱れた様子は一切無いので接触された本人以外の周りの 人間は異常に気付かない。少なくともその本人に異常な様子が現れるまでは) 自分の体であればどんなに細かい部分だろうが好きに転移させて動かせる。 (右手首から先、あるいは男性器だけ転移させたりなど) 集中が要るがこれはミリ単位で出現位置を操れる。 さらには描写だと体の内部にまで侵入可能。 範囲は15m程度。 【長所】アダルトコミックなので空間転移能力で痴漢しまくり、 それどころか成年向け作品なので当然あんなことやこんなこともしてるがばれない 【短所】他は凡々 【戦法】能力で相手の内臓を手で潰したり蹴ったり叩いたりぐちゃぐちゃにする 1スレ目 130. 格無しさん [sage] 2010/09/09(木) 00 33 00 ID gx8M74WS 86 俺 ○>江戸川コナン>赤坂美月>金田一 一:内部破壊勝ち ×>稲葉達也:鏡見て負け ×>範馬勇次郎:瞬殺負け 俺>江戸川コナン>赤坂美月 仙水 ○稲葉達也:ティンダロスの攻撃では聖光気は貫けないだろう。瞬殺勝ち ○>範馬勇次郎:瞬殺勝ち ?>諸星あたる(特殊加工)⇒ビームによる拘束力が不明なので修正待ちか。(~な奴でも脱出できないとかが無い) ×>岸辺露伴:本化負け ×>デイダラ:内部爆破負け 岸辺露伴>仙水>範馬勇次郎 .
https://w.atwiki.jp/dollabo/pages/210.html
プレイヤー名 joker デッキ名 太陽神の砂時計 [デッキコード] 1071o1c4x6c6w6x6T6W7d7D7M7S7T7W83888Lblbu [ユニット] × 12 No003 アサシン × 2 No029 ガマゴン × 3 No025 化身カルキ × 3 No094 天使長ミカエル × 3 No129 太陽神ラー × 1 [マジック] × 28 No135 精神の秘箱 × 3 No136 精神の宝箱 × 1 No143 未完のキューブ × 2 No144 封魔石の欠片 × 2 No150 守備強制の原石 × 1 No158 ソーマの烙印 × 3 No161 生体転送 × 3 No163 生命吸収 × 3 No164 魔力吸収 × 1 No165 生贄の儀式 × 1 No167 神の砂時計 × 2 No169 契約の石 × 1 No182 降魔の蓮華門 × 1 No235 特攻の剣 × 2 No238 MP抽出の力 × 2 解説 太陽神が場にいる状態で、神の砂時計を発動させる事を目指したロマンデッキです(最低MP600・・) 実際はガマゴン+砂時計になるパターンが多かったです ガマゴンを増やしてから生命吸収して大型ユニットにつなげるコンボです 砂時計はガマゴンの他、生体転送と合わせても使えます 自分のカルキやミカエルに相手:蜜柑発動→自分:生体転送→相手:魔導転送→自分:砂時計 上記の流れでユニットを守れ、攻撃もできます ミカエルならMP150回復できるので決まると嬉しいです このデッキは場にガマゴンが詰まってしまう事が割と起こるので、生贄の儀式もいれました 神の砂時計を水攻めや兵糧攻めと合わせてもみましたが、上手くまとめられませんでした 以下のデッキは上のデッキの元となるデッキです MPの確保が難しく、継続魔法が効果を発揮する機会が少なかったので手を加えました 太陽神と神の砂時計のコンボは強力すぎ -- sarami派 (2021-01-03 11 49 09) このデッキに関してのコメントは以下のテキストボックスから 名前 コメント jokerのデッキリスト プレイヤーリストへ
https://w.atwiki.jp/odchange/pages/229.html
424 名無しさん@ピンキー [sage] 2013/02/06(水) 02 46 52.55 ID gCJtUhz4 Be コネタ 闇質屋 天野ゆう子編 そこはどんなものでも買取、そして売ってくれると質屋。 記憶と記録の売り買い。 身体の売り買い。 臓器の売り買い。 お金が必要なプロ野球選手がゴールデングラブ賞を質屋に入れ、1000万をもらうケースがある。 だが、一ヶ月以内に返せなければそれは売りに出される。 お客様が買ったらもうその記憶は帰ってこない。 他にも年間ミリオンの歌手が来て、自分の喉を売りにきたケースがある。買取額は2億だった。 だが、幸いにも一ヶ月経つ前に2億もってきてことなきことを得たそうだ。 そんな闇質屋にある一人の女性が訪れる。 公立の高校に通う普通の女子生徒、天野ゆう子。 見た目はどこぞのご令嬢と見まちがうかのような、腰まで長く整った綺麗な黒髪をしている 「あ……あの、すみませーん!」 声もとても美しく、どのくらいかというと彼女が発音する英語は先生よりもとても滑らかなのだ。 身体的な所も、胸もそこそこ大きく友人からはよく「メロンを胸にいれるな」と直揉みされるほど 腰はくびれて、お尻もキュッと引き締まっている。 ちゃんとした部活動はしてなく、片親で妹が二人いて家系が苦しく学校からアルバイトの許可をもらって スーパーでアルバイトをして家系を助けている。 アルバイトをしているからって成績は悪くなくいつも学年でトップ3に入っている。 そんな、天野ゆう子がなぜ、闇質屋に来ることになったのかは、 もう一人の優子、天王寺優子のせいだった。 「あら~私の大切な服に染み付いちゃったわ~。」 それはゆう子がたいして親しくない天王寺の誕生日パーティーに呼ばれた日に服にジュースをかけてしまったのが原因だった。 だが、それは天王寺の悪巧みだった。 そして、彼女は自分の肉体と記録や記憶を少しずつ質屋に売ることとなるのだった。 「あら~天野ゆう子さん、最近どうしたのかしら? テストの成績落ちちゃって? 進級できるのかしら? その頭で?」 今の彼女は小学校レベルの問題しか解くことができない。漢字の読み書きも。 彼女は中学校と高校の授業の記憶を売ってしまったのだ。 それを知ってるのは闇質屋を教えた天王寺だけだった。 そして、天王寺は多額の金でゆう子の記憶を即買いしたのだ。 本来ならアルバイト代が出たら買い戻そうとおもっていたのだが。 買い取り金額の倍の料金を支払えば即買いができるシステムがあることを天王寺はあえて教えなかったのだ。 ゆう子は自分の記憶が買い戻せると思っているのだが…… 『天野ゆう子あんたの全てを奪ってあげるわね。』 天野ゆう子編 完
https://w.atwiki.jp/sinkyara/pages/48.html
【作品名】“非”満員電車もご用心!? 【ジャンル】成年向け漫画 【名前】俺 【属性】主人公 【大きさ】男子高校生並み 【攻撃力】鞄を持った男子高校生並み 【防御力】眼鏡をかけた男子高校生並み 【素早さ】男子高校生並み 【特殊能力】・肉体の部分空間転移 距離が離れていても相手の肌に触れたりできる。 衣服や下着などの障害があっても問題なく、両手を転移させて直接胸を触り揉みしだいたりできる。 (おまけに衣服は乱れた様子は一切無いので接触された本人以外の周りの 人間は異常に気付かない。少なくともその本人に異常な様子が現れるまでは) 自分の体であればどんなに細かい部分だろうが好きに転移させて動かせる。 (右手首から先、あるいは男性器だけ転移させたりなど) 集中が要るがこれはミリ単位で出現位置を操れる。 さらには描写だと体の内部にまで侵入可能。 範囲は15m程度。 【長所】アダルトコミックなので空間転移能力で痴漢しまくり、 それどころか成年向け作品なので当然あんなことやこんなこともしてるがばれない 【短所】他は凡々 【戦法】能力で相手の内臓を手で潰したり蹴ったり叩いたりぐちゃぐちゃにする 参戦:vol.1 32 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2012/01/13(金) 17 29 38.04 ID BMChkb5R [3/4] アゾエーブ ポール・ヒッケンドルフまで破滅の波動で勝ち 第2使徒リリスには融合負け 俺 ×ジ・アマゾン 内蔵を潰す前に頭を齧られ負け ×ウィルバー・ウェイトリイ 銃で頭を殴られ死ぬ 赤屍蔵人≧美堂蛮=天野銀次>フユノリュウ・タイプのQEX>天野雪輝>第2使徒リリス アゾエーブ>ポール・ヒッケンドルフ>花子の弟>伊庭義明>ウィルバー・ウェイトリイ>ジ・アマゾン>俺>ジャファー
https://w.atwiki.jp/odchange/pages/172.html
395 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 [sage] 2011/06/14(火) 20 35 02.94 ID 86BJN95i Be SSでもいってみようかな、タイトルはないけどね。 芸能人の付き人なんて仕事をしていれば、生活は不規則になってもしかたないことだが、 せめて恋人である自分にくらいは連絡を定期的にいれてくれてもいいじゃないか、とカズオ は不満たらたらだった。 携帯にも出ず、メールをしても「今は会えない」一点張り。会うことが途絶えて一か月に もなれば、もうこれは明らかに破局の前兆だろうけれども、それでもけじめはきっぱりとつ けなければなるまい、とカズオはユミカのアパートの前の喫茶店で、彼女の帰りを待ち続け ていた。 仕事帰りに毎日三時間づつ待ち続けること七日目に、ようやくそれらしい人影を認めたカ ズオは、首尾よく彼女が部屋に入る直前を捕まえることができた。 「ようやく会えたなぁ、ユミカ」 すこし脅しつけるように低い声でカズオはユミカを睨みつけた。 夏に近い季節にもかかわらず、襟までつまった厚手のコートで着膨れをしたユミカは、小 さくひぃっ、と 声を漏らす。 「……あ、ああカズくん。お久しぶりだったかも」 明らかに動揺した様子のユミカは隙を見て反対側へと駆け出そうとするが、カズオはそれ を制して壁面と腕とで作った檻に、彼女を閉じ込めてしまう。 「……あのさぁ、お前の気持ちが俺から離れちゃったってのはまあ、察しがつくんだけど、 それならそうと説明をしてくれなきゃ、俺の未練……断ち切れないじゃないか?」 眉間に深く皺をよせて、カズオはもう恋人とは呼べないかもしれない女の目をのぞきこん だ。 「へっ? なによぅ、それって、どういう意味なの?」 目の大きな童顔に困惑の色を刷かせてユミカはカズオの目をのぞきこむ。 「どういうって、そりゃ、お前。一月も会えなけりゃフツウは破局だろ?」 予想していた反応とのずれに、カズオの意気が消沈していく。 すると、ユミカは首をぶんぶんと振りたくって、 「ちがっ、違うのよぉ! カズ君のバカぁ」 喚きつつ涙腺を緩ませる。こうなると慌てるのはカズオの方で、隣近所の聞こえも気にな るところで、ユミカの部屋へと促し、二人で入っていった。 勝手知ったる恋人の部屋。カズオは戸棚からポーションのコーヒーを二つ取り出し、カッ プに湯を注ぎながらユミカが落ち着くのを待っていた。 「そんな、ひどい……カズ君、ワタシのこと信じられないの?」 責めるはずの立場だったのだが、いつの間にか責められている現実に戸惑いながらカズオ はさり気なく部屋の中をチェックする。いつもと変わらない様子だし、浜辺のツーショット 写真もそのままになっている。どうやら、他の男への乗り換えではなさそうだ。 じゃあ、どうして? カズオは疑念を感じたままにユミカを振り向いたところで、 「おい、どうでもいいけどこの季節にダッフルコートはないだろ? もう六月だぜ」 すると、ひくん、と背筋を引き攣らせたユミカは、 「ん……いいの、ワタシ寒いから」 いくら梅雨寒と言っても程度問題である。それも家の中でそれはなかろう。 「いいから、脱げよ」 「いや、いやよ」 「いいから脱げって!」 押し問答はいつしか力づくへと変わっていた。 「いや……やめてぇ!」 押しあいのなか、ぼよん、と弾む感触をユミカの腹部に感じたカズオは違和感に首を傾げ た。 「あれ、今のは……何だ?」 すると、ようやく観念したのか、ユミカは、 「わかったよぅ、脱ぐわよぅ、でも……カズ君、あんまり驚かないでね」 フロントの留め具を外してコートを脱いだユミカは二の腕の弛みを露呈した半袖のブラウ スとぴちぴちのジーンズ姿を露出させていた。 「おいおい……ええっ? なんだ、なんだぁ」 驚きのあまり目を丸くするカズオ。それもそのはずだった。 高校のミスコンで三年連続優勝という偉業を成し遂げたユミカの二十一歳の瑞々しい肉体 は、彼が見なかったわずか一か月のうちに首から下はまるで別物に変貌していたのだった。 「もう……だから驚かないでって言ってるでしょ」 しなやかに引き締まっていたはずの彼女の腰は、大きく膨れ上がり、ぶよぶよになってし まっていた。いや、腰だけではない。身体全体が肥満し、足にも肉がめりこんでしまってい るのだ。お尻にいたっては元の二倍以上には巨大化しているのではないだろうか。 「おい、どうしてこんな短い間にこんなにデブったんだよ? なにかの病気なのか?」 すると、ユミカは首をゆっくり横に振って 「ううん、違うの。ワタシね、センセイに……頼まれてね、少しの間でいいからってね」 カウチに置いてあった雑誌の付箋をしたページをカズオに開いて見せた。 「あの松沢カレンが実証した、ウルトラミラクルダイエット!!」 そこにあったのは彼女が付き人をしていた大物人気女優がレオタード姿でドリンクを片手 にポーズを決めている写真だった。 使用前の写真ではあからさまに中年肥りしたくたびれた肉体を晒していた彼女が、使用後 とされる一か月後にはまるでグラビアアイドルも顔負けの素晴らしいプロポーションへと若 返っているのだ。 「へっ、これってお前が付き人してる……」 「……そう、センセイなの」 松沢カレンは当年とって五十五歳。演技にも歌唱力にもトークにも定評のある実力派女優 なのである。 「それで、これが……どうしたっていうんだ……」 はた、と言葉が止まる。 雑誌の中に笑顔を振りまくカレンの身体には、カズオには見覚えのあるものだった。 「うん、そうなの……それ、ワタシのカラダなんだぁ」 はぁ、と溜め息を吐きながらユミカは頭を掻く。 「げっ、なんだ、それ。どういうことだよ」 混乱するカズオは目を白黒させるばかり。それでもユミカは構わずに話をすすめる。 「センセイねえ、今度芸能生活四十年の記念に写真集作るんだってはりきってたんだけど、 どうにもおナカまわりとか胸元とか、いざ撮影してみるとどうしても納得いかないところが 多いって不満バクハツさせてたのよね」 手元のコーヒーをたぐりよせて、一口啜るユミカ。 「それで……ダイエット食品のモニターになってみたんだけど、それだって大した効果は得 られなかったのよね」 「だからって、そんな他人の身体を繋いでしまうなんてふざけた真似ができるのかよ」 ユミカはごとん、とカップをテーブルに叩き置いて、 「だって、それじゃあワタシのこのカラダはどう説明がつくっていうのよ」 すっくと立ち上がるユミカ。 「なんだかわかんない魔術だか呪文だかのチカラで、センセイのカラダとワタシのカラダは すぽーんとすげ替えられちゃったのよ。なにもかもあっという間で抵抗する暇もなかったん だからねっ」 ゆさゆさとボリュームのあるお腹の肉を揺らしながら、ユミカは口を尖らせる。 「ん、でもこのカラダの入れ替えも二か月だけって約束だし、その間はずっとお休みでいい って言うし、お手当も百万エンほどくれるっていうし、終わったらワタシも芸能界にデビュ ーさせてくれるっていうし……」 「それで、そんな交換をしちまってわけかよ」 カズオは眉間に皺をよせて抗議の声をあげた。 「だって仕方ないのよ、ワタシみたいに何のコネのない人間があの世界でメジャーにのしあ がっていくためには、それなりにカラダを張っていくことも必要なのよっ」 営業のために身体を売るという言葉はそれなりに聞いても、身体を貸与するという言葉は 初耳のカズオだった。 カズオも溜め息を大きく一つ。 「まあ……いいや、別れたいとか破局とか、そういうんじゃないのなら俺も別に気にする必 要はないってことだしさ、それじゃあ、また一か月ほどしたら来るさ」 立ち上がって帰り支度をはじめるカズオの手を、ユミカはぐっ、と掴んだ。 「ねえ、カズ君。どういうことかな? 私だって久しぶりにカズ君に会えて嬉しかったんだ よ? それなのに、また一か月後とか、ってそれってどういうこと?」 うろたえたのはカズオである。 「……いや、だって、お前だってその姿で俺に会うのは嫌だったんだろ? だったら元に戻 るまでの間は会わないでいるほうがお互いのためだって……」 ぐいっ、とユミカは大きな瞳をカズオに接近させて抗議の声をあげる。 「でも、もう事情はばれちゃったんだし、この姿もカズ君に見られちゃったんだから、もう 会わないでいる意味なんて……ないよね?」 顔色に、わずかながらの羞恥といじらしさをたたえながら、ユミカは詰め寄った。 「ワタシ……ずっと、さみしかったんだから。カズ君と会いたいって、会って抱きしめてほ しいって……してほしいって、ずっと、そう思ってたんだからね!」 カズオは退路が塞がれるのを本能で察知した。 「いや、でも。お前の今の身体は、ほら、お前の先生とやらのものなんだし、さ」 するとユミカは軽く首を横に振って、 「ううん、それならノープロブレムだよっ、センセイは入れ替わってる間、恋人とだったら えっちしても構わないって言ってたし……」 のそり、と肉食獣さながらにカズオに接近していく。 「いや、待てよ。いくらなんでもそんなおばさんボディになったお前とじゃ、うまくいくわ けないって」 拒否しつつも、なぜかカズオは異常な昂奮に下半身を固くしていた。 あの、非の打ちどころのなかったユミカの芸術的な彫像のような肢体が、今や五十五歳の 中年肥りである。首から上の愛らしさとのギャップに背徳的な情動を覚えていたのである。 その様子はすぐにユミカの察知するところとなった。 「くすくす、カズ君たらケダモノさんなんだからぁ、ワタシがこんなになっても愛してくれ る気まんまんなんだねっ」 ユミカはブラウスのボタンを外し、ジーンズを脱ぎ捨てるとブラジャーとショーツだけの あられもない姿となっていた。 「えへへ、今のユミカおばさんはね、身長が七センチも縮んで体重が二十キロも増えちゃっ たの。もう、大ショックだよぅ」 お腹の段を形成する脂肪がショーツの上にのっかっている。腋には垂れ下がった余り肉が 振り袖となっていた。 カズオは、知らずにごくりと喉を鳴らしていた。 「ふふ、スリーサイズは上から八十八の八十八の百十二なんだよ。バストとウエストが一緒 のサイズになっちゃったんだ。えへへ、見て」 トップスを脱いだユミカの胸が、ぼろん、と重力に負けてこぼれ落ちた。 「ばっ……馬鹿、やめろって」 うなだれた乳房に煤けた色の乳首が痛々しい。 「えへへ、やめないよ。……このセンセイのカラダってね、どうもすっごく男好きみたいな んだよっ、毎晩寝るたびにカラダ全体が火照るようなドキドキ感があるんだもん」 それは更年期症状だろう、と反論しようとするカズオだったが、膝上にのしかかってきた トド女の迫力に言葉を呑み込んでしまった。 胸よりもせり出した下腹。肩口から背中にかけてのむっちりとした厚み。垂れ下がり、揺 れ動く巨大な尻。若い娘の腰回りよりもはるかに太いハムのような二本の太もも。 そのどれもが彼の知っていた二十一歳のユミカのそれではなかった。生体としての盛りを 過ぎて、萎れゆく過程に乗り始めたその肉体に、カズオは眩暈をおこした。 「……ったく、実の母親よりも年上の身体の女を相手にするだなんてな」 背徳感と嫌悪感。そして、美しいものが崩れてしまった虚無感の情念のなかに、カズオは 理性を脱いだ。 「おらっ、とっとと四つん這いになれよ、このババア」 口汚くカズオに罵られるユミカは、逆にうっとりとした表情で、彼の言葉に酔った。 「ああん、お願いします。カズ君……いいえ、カズオ様、この薄汚い中年女に、どうかあな たの若々しいアレを挿れてくださいっ!」 狂気をはらんだその倒錯の夜は、朝の曙光を迎えるまで続いたことだった。 と、それから二人はそれなりに逢瀬を重ねて、なんだかんだがあって、それから一か月の 後のことである。 ホテル内の喫茶店で待ち合わせをしたカズオに青ざめた表情のユミカが駆け寄ってきた。 さすがに夏盛りの中、コートは着ていなかったが、肉体は中年のままだった。 「どうしよう、カズ君。ワタシ、どうしたらいいのかな?」 「おい、どうしたよ。いきなり」 なんとなく察しはついていたものの、カズオは恋人の言葉の先をうながす。 「センセイがね、今、カラダをいきなり元に戻されるといろいろと予約していた仕事に全部 穴があくからって、もう少し時間がほしいって、そう言ってきたの」 さもありなん、と頷くカズオ。 「そりゃあ……そうだろうな。雑誌やテレビにあれだけ露出してて、いきなり肥えて老けて 出てきたら、そりゃあヤバいだろ……で、どれだけ待ってほしいって?」 すると、ユミカは指を三本突き出して、 「できれば三年くらい、このままでいてほしいって、月に百万円づつお手当するから、もう 少しだけ我慢しててほしいんだって」 「ほう、お前はそれでいいんだ? 夏にプールに行くときもその身体のままでいいんだ?」 違う意味で、プールサイドの視線を独り占めにできそうだが、 「い……いやよぅ、こんなカラダのままでそんな人の集まるところいけるわけないでしょ」 ユミカは焦燥感から、表情のゆとりは消え失せてしまっている。 「腰をひねろうとしてもわき腹はつっかえるし、走るとすぐに息切れするし、あと、何もし てないのに暑くて汗ばっかりかくの、おしゃれができないどころの騒ぎじゃないの」 半べその状態で、恐慌するユミカ。 「お尻が重すぎて転ぶこともあるし、それに……それに、このままじゃカズ君の赤ちゃんも 産めないじゃないのおっ!」 とうとう堰が切れたように泣き崩れてしまうユミカ。何事だ、と周囲の視線が集まって、 カズオとしては居心地悪いことこの上無い。 「あーあー、わかった。お前じゃこの先、どうせ事務所のしがらみだなんかで強く主張する ことなんてできないんだろうから……まあ、ここは一つ、俺に任せておけよ」 「ふええっ、カぁズくぅん」 すがりつくユミカから松沢カレンの住所を聞き出したカズオは、アポ無しでの面会を強行 した。拒絶されようが、とにかくは主張をしなければ流されるだけ、自分はユミカにとって もっとも近しい人間なのだから、返還を言い張る権利はあるのだ、と。 夕暮れ時に、住宅街から少し離れたところにあるカレンの豪邸のチャイムを押すカズオ。 「……どなたぁ」 こんな鷹揚な応対はお手伝いさんがするものではない。 「……松沢カレンさん……だね」 「……そうよ、宅配便だったらいつもの受け箱にお願いね……ファンだったらもっと礼儀を 弁えてから出直して頂戴」 低い愛想のない声が応える。 「んーとな、俺はそのどっちでもないんだよ」 「……へえ、それじゃあ警備会社でも呼ばれたいのぉ」 淡々とカレンの返答は続く。 「俺はカズオってんだけど、あんたの付き人のユミカの彼氏ってやつでね、俺の女の首から 下を返してもらいに来たって言えばわかってくれるかい」 すると、少しの間、沈黙が時を費やしたあと、 「……入ってきなさい」 ぎちり、とドアが自動解錠される鈍く軋む音がした。 玄関口に誰も待っていないことを視認したカズオは靴を脱いでずかずかと上がっていく。 「……人を迎えるときには、玄関口まで足を運ぶのが礼儀だって小学校くらいに習ったよう な記憶があるんだけどな」 居間のカウチに寝そべって足を投げ出したままの女にカズオは悪態をつく。 「そう? 私はそんなふうには教わらなかったわよ」 ゆったりとしたローブを羽織っただけのカレンは、顔を上げることさえせずに、手をひら ひらと振ってみせた。 「ふん、それならそれはあんたが忘れてしまっただけなんだろう」 隣り合わせに配置されたソファーに腰をおろしたカズオは、ローテーブルにセットされて いたデキャンターから手酌でワインを注いで自分の喉を湿らせた。 「あら、いい度胸だこと」 口の端だけで笑うカレン。もちろん、目は笑っていない。 「まあ、虚勢なんだけどさ」 目だけで嗤うカズオ。こちらも口はへの字に曲げられている。 目の前にいる松沢カレンは、白く伸びやかな足を投げ出したままの格好を正そうともしな かった。ちらりちらりと衣服の裾からは健康的な二十一歳の瑞々しい肢体がのぞいている。 が、もちろんそれは彼女本来のものではなく、ユミカから借用したものである。 「なぁに、どこ見てるのよ、スケベ」 さして怒った様子もないカレン。どちらかと言えばうさ晴らしとか、暇つぶしのような態 を示していた。 「俺が俺の彼女の身体のどこを見たとしても触ったとしても、それは俺の自由というやつで はないかな?」 すると、カウチから上半身を起こしたカレンはカズオの飲みかけたグラスのワインを自分 の口元へと運んで、 「……いいえ、違わないわねえ」 妖艶に笑みを作った。 五十半ばの大年増とは言え、カレンはさすがに一流の女優である。顔の造作は整っており 手入れもされており、まだまだ女としての神通力が通用しなくなっているわけではない。 加えて、肉体は一流のそれの、絶頂の時期にあるものなのだ。 胸の迫力ある隆起も、なまめかしい腰のくびれも、肩口から腕にかけてのしなやかなライ ンも、固く張りのあるヒップの膨らみ、そこから延長してゆく長く伸びやかな足も、その全 てが男の視線を逸らさない魔性のものだったのである。 「だから、どうぞ。好きなだけご覧なさいよ」 薄いローブの帯を解き、ぱさりと床にそれを落とすと、カレンはショーツ一枚の姿になっ てカズオの前にその姿を露わにした。 「さあ、どうぞ……と言ってもどうせあなたには見飽きた身体でしかないんでしょ」 底意地悪く、カレンが前かがみに弾力ある胸の形成する谷間を強調する姿勢を取る。 「……いいや、ご無沙汰だったからね。これは堪能させて貰うことにするよ」 カズオはカレンの手元にわたったグラスにワインを注ぎ足し、再び自分の口元へとそれを 運ぶ。 「まあ、今どきの子にしては随分と骨があること」 視線を逸らさずに微塵も怯む様子を見せないカズオに、カレンの興味が募った。 「それじゃあ、あなたにこの身体を好きにしていい権利があるように、この身体にもあなた のことを好きにする権利があるってことなのよね」 男声にも近しいほどの低い声で、カレンはカズオの膝に詰め寄った。 「……ああ、そうか。それなら、そういう理屈にはなるな」 ふたたびカレンはワイングラスを引き寄せると、ワインを一口、口中に含むとそれを口移 しでカズオに飲ませた。 「まあ、それならそれで仕方がないってことかぁ」 カレンの肩を引き寄せて、そのしなやかな魅力あふれる若い肌にカズオは舌を這わせた。 「まあ、いいの。この光景をユミカちゃんが見たら、きっと彼女、泣きわめくわよぉ」 言いつつも、カズオの背中に指をかけることは忘れないカレン。まさに老巧のわざと若々 しい肉体をあわせもった魔女のその姿であった。 「それは、あんたと俺が黙ってさえいればそれで決着することだ、だろう?」 「なるほど、違いないわね」 赤々と燃える夕暮れの残滓が窓を透過して、消え失せた瞬間からはじまった夜を、カズオ とカレンはもつれ合いながら、激しく求めあい、そして幾度となく果てた、そのあとに、 「ふふ、やっぱりいいわね、若い身体って。気後れすることなく、こうしていい男と付きあ えるなんて、肥え太ってゆがんだ身体じゃできっこないもの」 カズオの胸に顔をすり寄せるカレンは名残り惜しそうに情事の余韻を楽しんでいた。 「すごいわよねえ、この胸。バスト八十八は私と一緒でも、アンダーとトップとの起伏差は 段違いよ。この弾力、カタチ。ピンク色に透明感ある乳首も、これは手放せないわよねぇ」 「いや、それでもあんたの元の身体のそれも、決して悪くはなかったぜ。柔らかな手触りも 吸いつくような感触もな」 すると、カレンはふふ、と笑って、 「まあ、さすがよねえ、あなたったら『あの』ユミカおばちゃんのことも手篭めにしちゃっ たわけなのね」 これにはカズオも返す言葉がなかった。 「ううん、いいの責めてない。まったく今夜は私にとって有意義な時間だったもの」 屈託なく笑うと少女の名残りをのぞかせるカレンだった。毒気を反射する格好で対抗して きたカズオにはむしろやりづらい状況だった。 「ん、でもあんたにはやっぱりユミカの身体を返してほしいんだよな」 少しだけ念を残しながら、それでも再度、本題を切り出すカズオ。カレンは少し、口元を 窄めて、 「ああ……そうなんだ、やっぱりそう来るわけね、それでまさか私が、そんなに容易くこの すばらしい肉体を返還するとでも思っているの?」 片手をカズオの下半身の屹立部に沿わせながら、その反応を待った。 「ああ、思っているさ。あんたはユミカの身体を返してくれる。俺はそう確信しているよ」 へぇ、っと一息を吐いてカレンは、きらりと眼光を鋭くした。 「そうね、あなたの言っていることは正しいわ。私は、少しユミカちゃんのことをからかっ てはいたものの、ちゃんと当初の約束通りにこの身体を返そうと思っているの。じゃあ、そ れはいったいどうしてなのか、それもあなたにはわかっているのよねぇ?」 カズオはにいっと笑って頷いた。 「だったら、それがまるで見当はずれなものだったのなら、あなたにはそれなりの罰符を払 ってもらわなきゃならないわ。もちろんこの身体も返さないし、あなたにはずっと私に奉仕 し続けるツバメになって貰うの、どうかしら?」 それでもカズオは慌てる様子を見せなかった。 「まあ、後のほうのについてはそれなりに魅力的な提案だとは思うけど、ユミカの身体は返 してもらわなきゃなぁ、あれでもあいつは俺の子を産んでくれる女なんだからな」 「あら、それなら私が替わりに産んであげてもいいのよ。この齢まで出産経験無しに通って きたんだもの、それもまた楽しみではあるでしょう?」 すると、カズオはカレンの耳元に口を寄せて、 「つまり、あんたはいつでも…………………だから………………ユミカに身体を返してくれ るっていうことなんだろう?」 すると、カレンは満足げに笑って、 「そうよ、大正解ね。いいわ、勝負はあなたの勝ちってことでいいから……ねえ、今夜はも う少しだけ青春の意義について私に講義してくれるんでしょう?」 すらりと長く伸びた足を絡めながら熱い吐息を吹きかけるカレンに、カズオは肯定にかえ て力強い抱擁を浴びせたのだった。 さらに、そこから数日後。 「えへえ、カズ君。こっちの水着はどうかな?」 上機嫌でデパートの水着売り場の試着をするユミカは自分の恋人を振り返った。その肉体 はすっかりと元の彼女自身の若いそれに戻っており、周辺の男性の視線を惹きつけて放さな い。さらに、今までの抑圧からの解放感からいつもよりも開放的な衣服を身につけているこ ともあり、効果はさらに二割増しといったところであろう。 「ああ、似合う似合う。ユミカはなにを着てても綺麗だよ」 カズオの言葉にどこかしら投げやりなものが含まれていることにほんの少しかちんときな がらも、 「えへへへっ、この無敵に素敵なユミカ様本来のナイスバディなら水際の視線は独り占め間 違いなしよねっ」 やたらと能天気なユミカの発言。これも彼女の芸能界デビューが確約されたがための余裕 に基づくものである。 あるべきものがあるべきところに戻ってめでたしめでたし、といったところである。 「……それにしても、センセイったらいきなり休業宣言なんてしちゃって大丈夫なのかしら ねえ」 ふと、ユミカが疑念を口にする。 「ん、どうしたよ?」 「ううん、センセイね、仕事は前撮りで全部こなしておいたから、あとは二、三か月南の島 で静養しながら、リバウンドしたってことで元のカラダで仕事に復帰しようってなことだっ たんだけど……カズ君はなにか聞いてない?」 すると、カズオは表情も変えないままに手を振って、 「さあ、何で俺がお前のセンセイとやらのことを知ってなきゃならないんだ?」 するとユミカも一瞬、ぽかん、とした顔をして、 「それもそうよね」 と、思い直して当面の小さな布切れを前にして自分のおしゃれに没頭することにしたのだ った。 『……まあ、秘するが花って言うからなあ』 カズオは口の中だけで、小さな呟きをとどめながら、可愛い彼の恋人の仕草に目元を綻ば せるのだった。 夏の強く輝く青空の前では、彼の犯した小悪など霞んで見えなくなることは確実だった。 おわり 417 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 [sage] 2011/06/16(木) 21 19 28.75 ID XL0ELXHx Be それじゃあ、まあ余談ですが…… 夕闇せまる南の島の高級ホテルの一室で、男と女は密会していた。 「あらあら、こんなにも早く再会できるだなんてねえ……」 にんまりと妖艶な笑みをこぼすのはカレンだった。芸能界の重鎮として、業界表裏両面の 顔として君臨する女王である。 「ああ、まあお仕事をくれるってのなら、俺はどこにでも行くぜ」 新進気鋭のプロカメラマンというのがカズオのもう一つの顔である。カレン直々のお呼び に応えて、はるばるとカレンのいる亜熱帯の島へとやってきたわけである。 「ふふ、恥ずかしいわぁ……ユミカちゃんの、あの陽光をも照り返すような美しい身体を無 くして、もとのつまらないおばさんに戻っちゃった私を見られるなんて、ねえ」 ベッドの上、首から下をすっぽりと厚手の毛布に包まったカレンは俯いて寂しげに笑った。 「んー、まあ、その、なんだ。前置きというか前座はいいからさ、そろそろショーの本編と やらを、拝ませてくれるんじゃねえの」 カズオの言葉に含み笑いのカレンは、すっと立ち上がって肩口からかかっていた毛布をぱ さりと脱ぎ捨てた。 カズオは、ほう、と惚けた声を漏らすのが精いっぱいだった。 百八十センチに近いカズオと並んでも見劣りしないほどの長身。そして黒のスパンコール ドレスの身ごろを圧倒的に盛り上げていたのは、二つの胸の張り詰めた隆起。ドレスのスリ ットの大きく入った箇所からは臀部からしなやかさに繋がる野生動物のような脚。 そして、浅黒い肌から漂うのは麝香のように官能的な芳香だった。 「うふふ、この国の準ミスに去年選ばれたらしいわよぉ」 ベッドに手を付いて前屈するたびに、くびれた腰の曲線があざやかになり、カズオの目を くらくらとさせる。 「……これでグランプリじゃないなんて、ここの国の男どもの目は節穴なんだろうなあ」 背中からカレンに近づいて、その若い肌の醸す香りを確かめるカズオ。 「ふふ、どうもこの子があんまりにもセクシー過ぎて放送上、ふさわしくないってのが本当 の理由だったみたいね」 カズオの逞しい手を取って自らの胸の谷間へと誘導するカレン。得た武器ならば、使って こそ、という姿勢である。 カズオが、あの時言い当てた解答。それは、 「あんたはいつでも好きな時に望んだ身体を我が物にできるんだろう? いつまでも一人だ けの身体だけに拘る必要もないってわけだ。バラの大輪のように咲く女にもなれれば、清楚 で可憐な少女の姿を得ることだってできるわけだ。だから、ここでいつまでもユミカなんか の肉体に首を置いている必要もないだろ、『花の命は短い』んだぜ? あんただって、一度 はなくした経験があるんだろうからな、わかりすぎるほどわかってるよなあ、……だから、 ユミカに身体を返してくれるっていうことなんだろう?」 というものだった。 『まあ、しかし……考えてみれば芸能人なんてさ、たまに出てきてみれば別人みたいになっ てたり、やたらと老けてたり、若返ってみたりするもんだからさ、もしかしたら方法手段は いくつかあるのかもしれないけどさ』 ちらり、とカレンの顔をのぞきこむ。 ん、どうしたの、と小首を傾げるカレンは、なんだか顔の造作まで若返ってきているよう にも見えた。これも若い肉体を得ているがための副作用なのかもしれない。 「まあ、いいか。どうせ、そんなことがわかっても何も楽しくないものな」 とりあえず、目の前に広がる女体の神秘に没頭しながら、カズオはやけにまぶしい異国の 夕映えに目を細めたのだった。 と、ここまで書いて本当におわりです。いつもお世話になりっぱなしの四十年がお送りし ました。読んでいただいた方、ありがとうございます。あたたかなご感想をくださって、嬉 しかったです。カズオの台詞予想してくださった方にも、お礼を言わせてください。正解に あたった方もいらっしゃいましたね。個人的には>415さんの黒展開をどこかで生かせた らなあ、とも思うのです。まだまだ拙い書き方ですけど、頑張らせていただきたいと思いま す。本当にありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/ygocheapdeck/pages/181.html
まとめどうもですー! -- (名無しさん) 2012-07-18 17 57 15 ありがとうございます!また面白いデッキを考えてください! -- (まとめ人) 2012-07-18 20 48 26 細かいですが、獄炎の攻撃力は2400では? -- (名無しさん) 2012-12-22 18 54 43
https://w.atwiki.jp/dueloflegendwikidol/pages/411.html
No399叡智神ヴィリ CP400/AP1800/DP2000/火炎の神この神が召喚された時、自分の場に擬似マジック扱いの【No412生体転送】を設置 解説・考察 能力上弱くはないカードだが、 扱いやすさはコンボ性が高い豊穣神ヴェーに押されがち。 又、火力面でもCP200の種族の力装備レベルで突破されるのでやや不安。 吸収・生贄系コンボこそ出来ないものの、 進化をメインとした火炎種族デッキは生体転送との相性抜群なので地味に使える切り札になったりもする。 関連項目 カードリスト:神 火炎のターン進化ユニット
https://w.atwiki.jp/wiki6_byakumu/pages/1299.html
製作者:アカシャ 異世界の兵器で、数々の世界へ転移し、人間の抗いの力や不の感情を吸収しそれを原動力とする生きた兵器。 形は無く、不の感情の溜まり場となっている人間の体を乗っ取り、それを肉体として破壊活動を行う。 肉体が乗っ取られた人間は、驚異的な戦闘能力を得るが、混沌が肉体から離れるか、その人間が死ぬまで混沌のコントロール下に置かれる。 オメガの時代にこの世界に出現し、ある神の力を吸収し、世界を混沌の中に陥れようとしたが、後に『混沌の破壊者』と呼ばれる者たちによって破壊された。(そのため現在は邪神として伝えられている) 前の肉体を失ったことにより『混沌』はかなりの力を失ったが、不の感情を少しずつ吸収し、世界を再び混沌に陥れようと暗躍している。 # 他者を乗っ取って活動するためデータはありません # ボスとして使う場合、ボスランクを上げたりメッセを変えたりして対応してください 混沌の力を持つ者達 ホド=ベルセオク(自分の理想の世界を創る為に、世界の再生を目論む英雄)
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3964.html
190 :641,642:2015/02/10(火) 22 31 10 西暦1945年(大陸日本西暦1942年) 6月10日 アメリカ合衆国 ワシントンD,C ペンシルベニア1600通り ホワイトハウス執務室 「ハル。君はこの事件をどう思うかね?」 『自由と正義の国家』の政治組織の頂点に位置する車椅子の老人、フランクリン・ルーズベルトが、自分が呼び出した特別補佐官である…引退したがっていたのを強引に頼み込んで就いて貰った…コーデル・ハルに対して、とある有名紙の一面にデカデカと載っている…マニラ、パールハーバー、ウラジオストクの…各港湾の爆発写真と『卑劣なるニホン人による陰謀!』と言う見出しを見せながら聞く。 「十中八九コミンテルによる策謀と思われます。彼ら…ニホン人がこの様な行為をする理由や必要性が有りませんし、あからさまに『ニホン人による策謀』と分かる証拠が…中途半端に隠滅した状態で…現場に撒き散らされています。諜報組織が行ったにしては証拠隠滅が粗雑であり、素人がしたにしてはこの事件に関する全ての用意と行動が周到過ぎです。」 何より、これによって得られた彼らの利益は世界からの敵意だけです。好き好んで世界に喧嘩を売る程彼らは愚かでは有りません。 昨年に出現したニホンへの国交開設の特使の任を見事に果たした上、そのまま流れで多数のニホン人と、かの国家のエンペラーである天皇陛下にも謁見した過去を持ち、アメリカ人で最もニホン通と言われているハル特別補佐官…元国務長官…が、確信した表情と声色で自分の上司であり、友人でもあるルーズベルトに答える。 「…やはり、君もそう思うか」 「…違うのですか?」 「主犯が共産党勢力の工作員であるのは事実らしい。問題はこの爆発事件に関してだが、我が国の財界や官僚に一部軍人が…証拠隠滅や世論操作等で…一枚噛んでいる様だ。まだ未確定だがな…」 「………大統領、エイプリールフールはもう既に…」 「これが嘘であると願うばかりだよ、ハル。共産主義等と言うマヤカシを本気で信じて他国へ故国の国益を売ったり情報を流す様な愚か者どもが、以前の公職追放で全て居なくなったと願うばかりだ。…それに加え、我が国の財界が、またアメリカンボーイズの血を流してでもニホンの利権を奪い取りたいなどと考えている事もだ…」 191 :641,642:2015/02/10(火) 22 36 14 そう言って深いため息を吐くルーズベルト大統領。第二次世界大戦中に、偶然にも自国の情報が他国…要はソ連…に流出している事が発覚し…ただ、確定的証拠は無く、枢軸国と共に戦う友軍でもある為に直接抗議等は行えなかった為…情報流失により国家に多大な損害を与えたと言う名目で、官僚内に多数いた赤い細胞群を処理していた、通称『アメリカ大粛清』と呼ばれるこの大騒動により、米国から影響力の有る共産主義者は居なくなっている…ハズであった。 そして財界に関しても、ニホンとは対話により…ハル特使の奮闘も有り…好感触を得ており、暫く時間が有れば貿易やかの地での企業活動も確実に行えるから待つ様に説得していた。三年の戦争で…全然見かけ上は分からないが…アメリカは(少しだが)疲れている。何かしらの大きな行動に出るにしても一定期間の休養が必要である事ぐらいは、彼らにも分かっている筈だった。また、戦争して奪い取るよりも、交易した方が利益が大きいことも、分かっている筈だった。 そして彼らの願いとは裏腹に、自分たちの信頼できる『友人』から、未だにこの国には、共産主義者の根が深く、広く張り巡らされている事、財界がニホンの極めて良質な鉱山や油田の存在を知り、何が何でも手に入れようと目と頭に完全に血を上らせている事、そして共産主義者と財界連中の世論工作の合わせ技で、世論がもはや…大統領自らのラジオ放送等で語りかけたとしても…鎮火しようの無いほど反日で大炎上している事を伝えられ…その後の大統領の機嫌は、ずっと直る事は無かった。 ソビエト連邦共和国 モスクワ クレムリン ソ連最高会議幹部会館 「いったいこれはどういう事だトロツキー!?独伊との戦争が終わってたった一年しか経過していないのに!貴様はまだ戦争を!若者の血を大地と海に撒き散らしたいと言うのか?!」 『憤怒』と言う言葉が良く似合う表情で部屋一杯に響き渡る怒号を鉄の男ことトロツキーに叩き付けている一人の壮年の男性。名前をヨシフ・スターリン。別の世界では『史上最悪の独裁者』等と言われている冷酷な男だが、この世界では『ソビエト連邦の親父殿』の愛称に相応しく、穏やかで面倒見の良く、たまの休日には子供たちと一緒に遊んでいるような正しく好好爺とも言うべき性格の御仁となっていた。(尚仕事では雷親父の如く怒鳴りながら若者を鍛えつつ膨大な内政関係の書類をこなし続けるソ連最強の内政神である。ソ連が戦艦を建造、運用できる国力を保有できたのは大半がこの人のお蔭である) 「…いい加減落ち着きたまえ同志スターリン。何度も言っているがこれは決定事項だ。我らは同志達に対し攻撃を加えてきたあの愚か者どもに鉄槌を与え、そしてかの国の民を悪逆なる皇帝の支配のくびきから解放する…」 「あの惨劇を『ニホン人』が行ったとまだ言い張るのか!それに『皇帝の支配から解放する』だと?!貴様私の報告書をちゃんと読んだのか!?あの国のエンペラーは悪逆等とは無縁の存在である上に!長い歴史の中で積み上げられてきた国民からの敬意と尊敬の念には絶対的な物が有る!仮に危害を加えたら、そして万が一処刑などしてしまったらニホン全てが永遠に敵になるんだぞ!そうなった時の危険性は貴様の頭脳なら理解できるだろうがレフ・トロツキー!!」 192 :641,642:2015/02/10(火) 22 40 22 気の弱い人間なら一瞬で気絶しかねない剣幕とヘタしたら窓ガラスにヒビが入る程度に収まらずに割れてしまうのでは無いかと思ってしまう程の怒号で対日開戦の為の動員や兵員の移動等の準備と対外工作の中止を要求し続けるスターリンと、その要求を涼しい顔で徹底的に拒否し続けるトロツキーの論争が始まってからかれこれ1時間。スターリンもトロツキーも自己の主張を一切曲げる事無く話し合いはずっと平行線のままである。まあ、図式としてはどこの国でも良くある内政派と外征派の論争である。 結局この傍迷惑な大論争は、『これから会議がある』と言ってトロツキーがスターリンを追い出してようやく終止した。 「まったく、あの内政バカは…。私たちが存在する意義は、共産主義を世界に広める事だと言う事を忘れているのか?」 だからと言って粛清等と言う手段は取らない。いや、取ってはならない事である、と言う事実は覆し様が無い。今スターリンが居なくなったらソ連経済は確実に大混乱するであろうし、国力の増強も上手く行かなくなる。それに彼は人民たちにとても慕われている。彼自身にはその気は欠片も無いから問題ないのだが、スターリンが害されたと人民が知ったら、彼を旗印に革命を起こしかねない程には、人民からの支持を受けていた。 革命によって成り立った国が、革命によって倒される。仮に実現したとしたら、イギリス人が大好きなブラックジョークここに極まれり、と言うものであろう。 「朝鮮公国からの返答は芳しくありません。やはり永世中立国であるあの国を外交交渉で戦争に参加させると言うのは難しいと思われます…」 部下からの報告を受けて、一旦スターリンの事を脳裏から消去してこれからの議題…対日戦争への参加国の増強…に向き合うトロツキー。 「…『正義の連合国』である我らが中立国を踏み潰して戦争すると言うのは如何にも外聞が悪い。外交部は奴らを此方側に引き込む様に努力してくれ」 「今更の事ですが、帝政時代にでもあの国を制圧されていてくれれば此処まで苦労する事は無かったんでしょうね…」 「…あの国が中立であったら、我が国の極東の最重要地域である満州に爆撃を受けなくて済む。そう思うしかあるまい…」 そう言いながらため息を吐いたトロツキー。全く、この世は儘成らない物である。共産主義は神を認めてはいないが、モスクワ等に有る教会の牧師…スターリンの奮闘によって、厳重な書類提出等を条件に設立が許可されていた…が何かの機会に言っていたとある言葉を思い出したトロツキーであった。まあ暫くして連合国全てが対日戦争に参加する可能性がほぼ確定的である事が伝えられて憂鬱だった気分も吹っ飛ぶのだったが。 193 :641,642:2015/02/10(火) 22 45 02 フランス共和国 パリ8区フォーブール・サントノレ通り55番地 エリゼ宮殿 「……どうしてこうなったんでしょうか…」 「現実逃避している暇は無いぞ諸君。確かに俺も正直言って全て投げ出してベットに籠って寝たいが、そうする事は絶対に出来る筈が無い」 そもそも俺、元々はただの陸軍将官だったはずなんだけどな…何で大統領になって政治家の真似事しているんだろうか… そんな風にぼやいた2メートルに達する身長の偉丈夫『シャルル・ド・ゴール』。第二次世界大戦で、自由フランスを率いて本土のヴィシー・フランスと…ドイツにばれない様に…綿密な連絡を取り合い、ノルマンディー上陸作戦時にヴィシー政府を枢軸国から離反させて枢軸軍を大混乱させてフランス解放の時間を大幅に短縮させたり、隙あらば勢力内に浸透して来ようとする一部共産勢力を丁重に叩き出したり、数少ない師団を用いて(連合国からの支援こそ有ったが)枢軸国占領地を奪還したり、連合からの支援を盾にフランスが属国化されない様に交渉したり、戦費調達の為に中華地域で大戦に乗じて策動を始めた某国家との貿易で『交渉』により暴利を巻き上げて中華地域での戦争を抑止したり…等と比喩抜きでフランスの為に世界を駆け回った偉大なフランス人である。世界的にも人気の有るホットな人物でもあった。 そんな偉大でホットな英雄的フランス人をぼやかせた原因は、『ニホン国への最後通牒の内容』と、米ソからの『悪の帝国で有るニホン帝国への参戦要請』であった。…要請とはいっても、この二国に対して大量に積み上がった借りや恩を考えると…要請と言うよりも命令と言った方が正しいが…フランス共和国にはこの参戦要請を拒否する事は不可能であった。 「…財務省としては、参戦する事には反対です。先の戦争で、本土の多くが地上戦の舞台となったせいで未だに復興も復旧も完了しておりません。何より地上戦で多数の軍人だけで無く民間人にも死傷者が出ていましたので…」 「流石に『軍を派遣しろ』とまでは言われていないさ。インドシナや極東の諸島群を艦艇や航空機の基地として使いたいから貸してくれ、と言う事だ。要は『土地だけ貸せ。他は俺たちでやる。お前らは出て来なくても良い』…だ。代価として大戦中に受けた支援や借款の多量の棒引きやら何やら出すそうだ…大盤振る舞いだな、全く。」 憮然とした表情で言い捨てるドゴール。誇り高いフランス人である彼にとって、自国が顎で使われる現状に納得している筈も無かった。 また、この世界に転移して来てから一年足らずの、ある意味新人や迷い人と表現出来る彼らに対して歓声と花束を贈り、そして歓迎セレモニーを開催するのではなく、陰謀により汚名を着せ、そして銃口を向ける行為を…しかも主導者に共産主義者の影が見え隠れしているのに…良い笑顔で加担する様な事も、本来はやりたくなかった。一年の交流でニホン国とフランス国との相互の政府間に割と良感触が有っただけに、余計に。 194 :641,642:2015/02/10(火) 22 48 41 「…一応連合国からの最後通牒を、ニホンが受けたのなら戦争を回避出来ますが…」 「こんな要求を唯々諾々と受諾する様な国家何ぞ古今東西異世界含めて居る筈が無い。バチカン市国だろうがルクセンブルグだろうがこんなもの受け取ったら一発で戦争確定だ。例え100パーセント勝つ可能性が皆無だと分かっていても、だ」 とある議員がか細い声で言った事を一刀両断で切って捨てたドゴール。実際、この場に居る人間が…米英仏ソが主体で作られたハズの…ニホンに渡された最後通牒を一通り見ると、全員揃って『コレ作った奴らはアヘンか何かでもキメながら作ったのか?』と愕然とした程滅茶苦茶な内容だらけであった。 「…やはり、また、戦争ですか…」 「ルーズヴェルトや俺たちが仮に『こんな物送っていない!』と叫んだとしても、もう手遅れだ。向こうも完全に覚悟を決めているだろう…。 フランス共和国としては、何時でも止められる様に裏で準備する必要があるな。まあ、俺たち全員裏で動くのは大戦の時に散々経験したんだ。もう慣れたもんだな」 大陸日本 東京都千代田区永田町 総理大臣官邸 「…どうしてこうなった」 「日本が油田や鉱山等が多数存在する『黄金の国』だったからでしょう。…短絡的過ぎるのは否定しようがありませんが」 連合国から『エイプリールフールの惨劇』に関する最後通牒を受け取り、その後開かれた夢幻会の会合では、一人残らず無表情か沈んだ顔であった。さもありなん、通達された内容があまりにも狂っていたのだから。 要約すると以下の通りになる。 ① ニホンは先の惨劇を起こした犯人を引き渡し、公式に謝罪し、関係各国に膨大な賠償金を支払う事。 ② 極東地域の不安定化を避ける為に、保有する軍備の全情報を公開し、それが事実で有る事を確認する為に連合国の査察団 を受け入れる事。尚期限は設けない。 ③ ②に関連して、不安定化回避の為、各国との国境近くにある地域(樺太、尖閣諸島、沖縄等)の非武装化か放棄。 ④ この惨劇を今後起こす事の無い自由民主主義国家となる為に、ありとあらゆる思想を持った政党結社の結成を今後一切妨げない事。 ⑤ ④に関連し、天皇制を破棄し、民主主義国家となる事を確認する為に連合軍の駐屯を許可する事。 ⑥ ⑤での駐屯軍の生命を守る為に武装所持、発砲の許可。並びに一部地域の治外法権化 ⑦ 台湾を損失させた賠償として中華民国へ台湾の返還と多額の賠償、並びに利権を多数所有していた英国へも多額の賠償を支払う事。 ⑧ 連合国の全ての企業の進出を許可し、また貿易の円滑化の為に全ての関税を撤廃する事。 …大体こんな感じであった。 195 :641,642:2015/02/10(火) 22 53 45 「…調査によると、ルーズヴェルト大統領やスターリン内務長官、ドゴール大統領たちの大反対により、最初に作られていたのはもっとマトモな要求だったようなんですが…」 「何時の間にかコレに摩り替っていた、と言う訳か。…正しくコミンテルの陰謀、と言う奴か。救いようがないのは、アメリカ国民の殆どがこの内容に一切疑問を抱いた様子が見られないと言う事だ。」 「極少数の異論を唱えた人間は殆ど黙殺されるかリンチを受けて沈黙させられていますね。物理的か社会的かは皆それぞれですが」 戦争はどうやっても避けられない。この通牒を受け取った者は全員そう思った。一応ルーズヴェルトやスターリン、ドゴールらは反戦派なのだが、アメリカ国民全てが対日戦争を叫んでいる状況ではいくらルーズヴェルト大統領と言ってもどうしようもなく…何せアメリカは『民主主義国家』なのだから…、スターリンは第二次世界大戦で大きく権勢を広げたトロツキーによって内政関係以外の権限が抑えられている為、この流れは止められそうにない。唯一フランスのドゴールのみ全会一致で避戦派で統一されているのだが、連合国への借りが大きすぎてこの流れに逆らうことも出来ない。そもそも国力がかなり消耗している事も有って発言力もそんなに無い状況だった。 …イギリス?第二次世界大戦の結果、アメリカの付属物化した国家に大きな期待をしても、その、困る… 「…こうなる可能性も考えて、転移して暫くで直ぐに準備に走ったことは…結果論だが、正解だったな…」 「それでも正直に言いますと不足している部分が非常に多いですが…暫くは、この戦力で切り抜けるしかありませんな…」 申し訳無さそうな顔で言う軍人や官僚に対して皆が異口同音に『気にするな』との言葉をかける。 …転移と言う異常事態に対し病院に叩き込まれるまで対応に走り回り、そして情報収集により戦艦量産世界と発覚後に又血反吐吐きつつ自国の軍備や経済を、連合国との戦争が始まった場合に備えて改革を…自分の出世を一部犠牲にしつつしがらみや慣習に省庁の壁等を非常事態と言う事でぶち壊しながら…徹底的に進めてきた彼らを責めれる事等出来る筈は無い。そもそも準備期間が一年程度だと言う事を考慮したら、彼らは良くやった方である。 「…さて、それでは7月15日の開戦に向けて、各軍の戦力と配備状況、そして対連合国への戦略を、皆に説明してもらえるだろうか」 196 :641,642:2015/02/10(火) 22 56 44 西暦1945年『大陸日本歴 1942年』7月15日 この日、大日本帝国とアメリカ、ソビエト連邦、イギリス、フランスを主体とする連合国との間に宣戦布告状が交わされ…後に『第三次世界大戦』とも『人類最後の総力戦』とも称された…アメリカの海であり、世界最大の海洋である太平洋と連合各国の植民地である東南アジア、イギリス海軍最後の牙城であるインド洋を主な舞台とした大戦争が、静かに始まりを告げた… 『不利は、一方の側だけにあるものではない』 『競争は速い者が勝つとは限らず、戦いは強い者が勝つとは限らない』 『独りよがりの正義など、正義ではない』 『絶対無敵の最強の連合軍による正義の聖戦』に酔い痴れていた連合国の民衆たちがこの三つの言葉の意味を思い知らされたのは、この戦争が開始されて暫くしてからの事であった。 197 :641,642:2015/02/10(火) 23 00 36 投下決行完了に御座る。 …うん、ドゴールがドゴールじゃないしスターリンがスターリンじゃないし最後通牒が笑える位におかしいのは分ってる。でも書いていたら何でかこうなっちゃたんだ。取り敢えず次回戦力とか戦略状況とか書き殴っていく予定です。また何時になりますやら…